JP2016016808A - 浮体係留装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で、係留索及び地盤への負担を軽減しつつ、浮体を安定的に係留することのできる浮体係留装置を提供する。【解決手段】海底Bの地盤Gに設置された基体2と、基体2と海上Sに配置された浮体100との間にわたって延びる係留索3と、係留索3よりも弾性率が小さい材料よりなり、係留索3と浮体100との間、係留索3と基体2との間、及び複数の係留索3同士の間のうちの少なくとも一か所に介在されて弾性変形する弾性体10を有する弾性部4とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、水上の浮体を係留する浮体係留装置に関する。
例えば石油生産施設、洋上風力発電施設、及び水産施設等の海洋や湖沼、河川等の水面上で運用される浮体式構造物は、カテナリー方式、TLP(Tension Leg Platform)方式、Taut方式等の種々の技術を用いて係留されている。
カテナリー方式では、チェーン等の係留索の重量を利用して浮体構造物の位置を保持する。またTLP方式では、浮体構造物と、例えば水底に設置した杭基礎、もしくは重力式構造とを鋼管で接続し、浮力によって生じる緊張力を利用して浮体構造物の位置を保持する。さらに、Taut方式では、係留索に初期張力を発生させて係留索を緊張させた状態で係留することで浮体構造物の位置を保持する。
ここで特許文献1には、カテナリー方式の一例として、アンカーと係留索(チェーン)との間にアンカーに対して枢着され、回動する長尺構造体を設けた方式が開示されている。
特開平10−24893号公報
しかしながら、上述したTaut方式では、浮体構造物の移動量が大きくなり、係留索の弾性変形域を超えるような力が作用した場合には係留索への負担が大きくなる。さらにTaut方式及びTLP方式では、水底の地盤に対して鉛直方向に力が生じ地盤への負担が大きくなってしまう。
また、カテナリー方式では、係留索の寸法が長く、水底への接触と非接触を繰り返すことで係留索が摩耗してしまう可能性がある。ここで、仮に特許文献1に開示された長尺構造体を用いたとしても、水底と係留索との接触を十分に回避することは困難である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構造で、係留索及び地盤への負担を軽減しつつ、浮体を安定的に係留することのできる浮体係留装置を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、請求項1の発明における浮体係留装置は、水底の地盤に設置された基体と、前記基体と水上に配置された浮体との間にわたって延びる係留索と、前記係留索よりも弾性率が小さい材料よりなり、前記係留索と前記浮体との間、前記係留索と前記基体との間、及び複数の前記係留索同士の間のうちの少なくとも一か所に介在されて弾性変形する弾性体を有する弾性部と、を備えることを特徴とする。
このような浮体係留装置によれば、風や水の流れ等の影響で、浮体に定常荷重が作用している状態では、この荷重によって浮体が移動し、係留索に張力が作用することになる。ここで弾性体が設けられていることで、浮体に定常荷重が作用した際には弾性体が弾性変形し、係留索への張力を緩和することができる。即ち、弾性体によって浮体の変位を吸収することができる。このため、浮体の変位にともなう係留索の張力の急激な増大を抑制することができる。
また、浮体に定常荷重が作用した状態に、さらに波等の影響によって浮体に繰り返し荷重が作用している状態では、弾性体が弾性変形を繰り返すことで係留索への張力を緩和し、浮体の変位を吸収し、係留索及び地盤に作用する力の急激な増大を抑制することができる。
また、請求項2の発明に係る浮体係留装置では、請求項1における前記弾性部は、前記弾性体として、第一の弾性体と、前記第一の弾性体に接続され、外力の作用しない自然状態から弾性変形によって変位した状態が維持されることで前記係留索、前記浮体、及び前記基体に初期張力を導入し、かつ、前記第一の弾性体よりも弾性率の大きな第二の弾性体と、を有していてもよい。
このような第一の弾性体、及び、第二の弾性体が設けられていることで、浮体に荷重が作用し、係留索に張力が作用すると第一の弾性体がまず弾性変形し、浮体の変位を吸収する。その後、係留索に作用する張力が初期張力に対応する所定の値を超え、大きな力が第二の弾性体に作用すると、第二の弾性体が弾性変形を開始する。これにより、第一の弾性体と第二の弾性体とで二段階に浮体の変位を吸収できる。
また、請求項3の発明に係る浮体係留装置では、請求項2における前記弾性部は、前記地盤に沿って延びる軸線を中心として回動可能に前記基体に設けられた回動部材と、前記基体に設けられ、前記回動部材の上端の一方側への回動を規制するストッパと、をさらに有し、前記第一の弾性体は、前記回動部材と前記係留索との間に取り付けられ、前記第二の弾性体は、前記基体と前記回動部材との間で、該回動部材に前記軸線の径方向外側の位置で取り付けられ、かつ、前記回動部材に対して前記初期張力を作用させる方向が、前記回動部材の上端を前記一方側に回動させる方向に一致していてもよい。
このような回動部材、及びストッパを設けることで、第二の弾性体によって、係留索、浮体、及び基体に初期張力を導入した状態を容易に維持することができる。
また、請求項4の発明に係る浮体係留装置では、請求項1から3のいずれかに記載の前記弾性部は、前記弾性体として、互いに異なる方向へ弾性変形する複数の弾性体を有していてもよい。
変形方向の異なる複数の弾性体を設けることで、浮体の複雑な変位に対しても、このような変位を吸収することができる。
また、請求項5の発明に係る浮体係留装置では、請求項1から4のいずれかに記載の前記弾性体は、板バネであってもよい。
このように弾性体に板バネを用いることで、弾性部の構成を簡易にすることができるため弾性部を設置し易くなり、また、特定の方向への大きな弾性変形量を確保することができる。
請求項1の浮体係留装置によると、弾性変形する弾性体を設けた簡易な構造で、地盤及び係留索への負担を軽減しつつ、浮体を安定的に係留することができる。
請求項2の浮体係留装置によると、第一の弾性体と第二の弾性体とを併設することで、環境変化等に伴って変化する浮体へ作用する荷重に対し、柔軟に対応することができる。
請求項3の浮体係留装置によると、浮体に作用する荷重の変化に対し、柔軟に対応することができる。
請求項4の浮体係留装置によると、浮体へ作用する荷重の方向が複雑に変化しても、地盤及び係留索への負担を軽減しつつ、浮体を安定的に係留することができる。
請求項5の浮体係留装置によると、弾性体に板バネを用いることでコストを抑えつつ地盤及び係留索への負担を軽減し、浮体を安定的に係留することができる。
本発明の第一実施形態に係る浮体係留装置を示す全体側面図である。 本発明の第一実施形態の第一変形例に係る浮体係留装置を示す要部側面図である。 本発明の第一実施形態の第二変形例に係る浮体係留装置を示す要部側面図である。 本発明の第一実施形態の第三変形例に係る浮体係留装置を示す要部側面図である。 本発明の第一実施形態の第四変形例に係る浮体係留装置を示す要部側面図である。 本発明の第一実施形態の第五変形例に係る浮体係留装置を示す全体側面図である。 本発明の第二実施形態に係る浮体係留装置を示す要部側面図である。 本発明の第二実施形態に係る浮体係留装置に関し、浮体の変位量と、係留索の張力(係留力)との関係を示すグラフである。 本発明の第三実施形態に係る浮体係留装置を示す全体側面図である。 本発明の浮体係留装置に関して、弾性体の効果の検証を行ったシミュレーションの前提となる装置構成を示す概略斜視図である。 本発明の浮体係留装置に関して、弾性体の効果の検証を行ったシミュレーションの結果であって、浮体の変位量と、係留索の張力(係留力)の水平成分との関係を示すグラフである。 本発明の浮体係留装置に関して、弾性体の効果の検証を行ったシミュレーションの結果であって、浮体に定常荷重が作用した際の、係留索での発生張力の時間変化を示すグラフである。
「第一実施形態」
以下、本発明の第一実施形態の浮体係留装置1について説明する。
図1に示すように、浮体係留装置1は、洋上に設けられた浮体式構造物(以下、浮体100とする)を、海上S(水上)の所定位置に保持する装置である。
この浮体係留装置1は、海底B(水底)の地盤Gに設置された基体2(重力式、もしくは杭基礎式)と、基体2と海上Sに配された浮体100との間に設けられた係留索3、及び弾性部4と、を備えている。
浮体100は、例えば風力発電用の風車等を搭載する浮体式の基礎であって、海上Sに浮かんでいる。
基体2は、海底Bの地盤Gに設置された重力式の基礎、もしくは、地盤Gに貫入されて地盤Gに固定された杭等である。
係留索3は、一端3aが浮体100に接続されて基体2に向かって延びていることで、浮体100と基体2との間にわたって配置されている。この係留索3としては、耐水性、耐食性を有する公知のケーブル状の部材が好適に用いられる。
なお、図示は省略するが、係留索3は浮体100から浮体100の外周方向に沿って、互いに離間して複数設けられている。
弾性部4は、係留索3よりも弾性率の小さい材料よりなる板バネである弾性体10を有している。
この弾性体10は、基体2としての杭に基端10aが固定されるとともに海底Bの地盤Gから鉛直方向上方に向かって延び、先端10bが係留索3の他端3bに接続されている。即ち弾性体10は、係留索3と基体2との間に介在されており、海底Bの地盤Gに沿う方向に弾性変形可能となっている。
この弾性体10としての板バネには、例えば電気防食を施した炭素鋼等が用いられる。
このような浮体係留装置1によると、風や水の流れ等の影響で、浮体100に定常荷重が作用している状態では、この荷重によって浮体100が移動し、係留索3に張力が作用することになる。ここで弾性体10が設けられていることで、浮体100に定常荷重が作用した際には弾性体10が弾性変形し、係留索3への張力を緩和することができる。即ち、浮体100の変位を吸収することが可能となる。
このため、浮体100の変位にともなう係留索3に作用する張力の急激な増大を抑制することができる。さらに、弾性体10が弾性変形することによって、係留索3及び地盤Gに作用する張力の増大や、急激な変化も抑制することが可能である。
さらに、浮体100に定常荷重が作用した状態で、さらに暴風時等で浮体100に波による大きな繰り返し荷重が作用している状態では、この荷重によって弾性体10が弾性変形を繰り返すことで浮体100の変位を吸収し、係留索3への張力を緩和でき、係留索3及び地盤Gに作用する力の急激な増大を抑制することができる。
また、弾性体10が弾性変形した後には、復元力が係留索3を通じて浮体100に作用することになり、浮体100を海上Sの所定の位置に保持することが可能となる。
また、弾性体10を板バネとすることで、弾性部4の構成を簡易にすることができるため弾性部4を設置し易くなり、また、特定の方向への弾性変形量を大きく確保することができる。さらに、板バネであれば製造コストを抑えることが可能である。
本実施形態の浮体係留装置1によると、弾性変形する弾性体10を設けた簡易な構造で、地盤G及び係留索3への負担を軽減しつつ、浮体100を安定的に係留することが可能である。
ここで、図2に示すように、基体2Aとしての杭が海底Bの地盤Gから鉛直方向上方に突出して設けられ、この基体2Aの上部から地盤Gに沿って延びるように、弾性部4Aにおける弾性体10Aとしての板バネの基端10Aaが基体2Aの上部に固定されていてもよい。即ち、基体2Aと弾性体10Aとが、地盤Gに沿う方向(水平方向)から見て全体としてL字状をなしている。
さらに、図3に示すように、弾性部4Bは互いに異なる方向へ弾性変形する二つの弾性体10Bである二つの板バネを有していてもよい。即ち、弾性部4Bは、基体2としての杭に基端11Baが固定されるとともに、地盤Gから鉛直方向上方に向かって延びる鉛直弾性体11Bと、鉛直弾性体11Bの先端11Bbから地盤Gに沿って延びるように、基端12Baが鉛直弾性体11Bの先端11Bbに固定された水平弾性体12Bとを有している。
これにより弾性部4Bは、鉛直弾性体11Bと水平弾性体12Bとが直列に接続されて構成されている。
このように、二つの弾性体10Bが設けられていることで、暴風時等に浮体100が鉛直方向及び水平方向に同時に複雑に変位して係留索3へ複雑な力が作用したとしても、このような状況に柔軟に対応できる。即ち、弾性体10Bがこのような浮体100の複雑な変位に対応して十分に追従して弾性変形することで、変位を吸収しながら浮体100の位置を保持することが可能となる。
なお、これら鉛直弾性体11Bと水平弾性体12Bとは一体に形成されて全体としてL字状をなす部材であってもよい。さらに、三つ以上の弾性体10Bを直列に接続して弾性部4Bを構成してもよい。
また、弾性部4Cは、図4に示すようなものであってもよい。即ち、基体2Cが地盤Gから突出するように鉛直方向上方に延びる鉛直部2Caと、鉛直部2Caの上部から地盤Gに沿って延びる水平部2Cbとを有することで全体としてL字状に形成されている。
さらにこの弾性部4Cは、水平部2Cbから地盤Gに向かって下方に延びるように設けられた弾性体10Cとしての板バネと、弾性体10Cの下端部に取付けられた重り部材11Cを有している。ここで、この重り部材11Cは地盤Gから離間した位置に配されており、図4に示す例では球状をなしている。
そして、このように重り部材11Cを設けることで、板バネの板厚等を大きくすることなく、弾性体10Cの弾性率を大きくでき、より大きな荷重を吸収することができる。
また、重り部材11Cによって、弾性体10Cの基端10Caを中心とした復元モーメントを大きくすることができ、浮体100を海上Sの所定の位置に保持する効果を高めることができる。
また、図5に示すように、弾性体10Dは、係留索3と基体2との間に介在されたコイルバネであってもよい。コイルバネを設けることで、係留索3に張力が作用した際に係留索の伸縮方向に弾性変形量を大きくとることができ、係留索3への張力を効果的に緩和することができる。
さらに、図6に示すように、弾性体10と同様の板バネ(図1参照)である弾性体10Eは、浮体100に基端10Eaが固定されるとともに浮体100から地盤Gに向かって鉛直方向下方に延び、先端10Ebが係留索3の一端3aに接続されていてもよい。これにより弾性体10Eは、係留索3と浮体100との間に介在されて設けられている。このように弾性体10Eを浮体100に設けることで、弾性体10Eを予め浮体100に取り付けておけばよいため、弾性体10Eを容易に設置することができる。
以上、本実施形態では、弾性部として様々な形態のものを用いることができる。さらに、図1から図6に示した各々の弾性体を組み合わせてもよく、例えば、弾性体として板バネとコイルバネとを直列に接続してもよい。
また、上述の各弾性体は、係留索3と浮体100との間、係留索3と基体2(2A、2C)との間、及び複数の係留索3同士の間のうちの少なくとも一か所に介在されていればよい。
ここで、弾性体が複数の係留索3同士の間に介在されているとは、浮体100と基体2(2A、2C)との間で、係留索3と弾性体とが交互に設けられている場合を示している。
さらに弾性体は、板バネやコイルバネの他にゴムフェンダー、鋼製、ゴム製のべローズ等であってもよい。
「第二実施形態」
次に、本発明の第二実施形態の浮体係留装置21について説明する。
図7に示すように、本実施形態の浮体係留装置21は、基体22及び弾性部24が第一実施形態とは異なっている。
なお、第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
基体22は、海底Bの地盤Gに嵌入されて地盤Gに固定された杭31と、杭31の上端に固定されて地盤G上に載置された支持体32とを有している。
支持体32は、地盤Gに接触して設けられた土台部34と、土台部34における係留索3から離間する側の端部位置から上方に突出する突出支持部33とを有しており、全体として水平方向から見てL字状に形成されている。
弾性部24は、基体22に固定されて地盤Gに沿って延びるピン41と、ピン41に支持されてピン41回りに回動する回動部材43と、回動部材43における上端の一方側D1への回動を規制するストッパ42とを有している。
さらに、この弾性部24は、弾性体30として、回動部材43と係留索3との間に設けられた第一の弾性体45と、突出支持部33と回動部材43との間に設けられた第二の弾性体46とを有している。
ピン41は、地盤Gに沿って延びる軸線Oを中心として形成された棒状をなす部材である。
回動部材43は、本実施形態では棒状に形成されており、軸線Oの径方向外側に向かって、軸線Oを挟んで鉛直方向の上下両方に延びている。
ストッパ42は、軸線Oの下方で基体22に固定されて設けられているとともに、回動部材43の側面に、一方側D1の反対側となる他方側D2から当接することで回動部材43の上端の一方側D1(図7の紙面に向かって左側)への回動を規制する。ここで本実施形態では、回動部材43は、ストッパに当接している状態で鉛直方向に延びるように配される。
第一の弾性体45は、板バネであって、回動部材43の上端から鉛直方向上方に向かって延びるようにして基端45aが回動部材43に取り付けられ、先端45bが係留索3の他端3bに接続されている。
第二の弾性体46はコイルバネである。この第二の弾性体46は、軸線Oの径方向外側の位置であって軸線Oよりも上方の位置に配され、突出支持部33と回動部材43との間に取り付けられている。
さらに、この第二の弾性体46は、外力の作用しない自然状態から弾性変形によって変位した状態、即ち、回動部材43が突出支持部33に引っ張られた状態に維持されることで、回動部材43及び第一の弾性体45を介して係留索3と、突出支持部33とに初期張力Fが導入されている。換言すると、設置した時に第二の弾性体46が自然長から引き伸ばされた状態で、回動部材43と基体22との間に取り付けられている。また、第二の弾性体46の弾性率は第一の弾性体45よりも大きくなっている。
本実施形態の浮体係留装置21によると、第一の弾性体45、及び、第二の弾性体46が設けられていることで、浮体100に荷重が作用して係留索3に張力が作用すると、第一の弾性体45がまず弾性変形し、浮体100の変位を吸収する。
その後、係留索3に作用する張力が初期張力Fに対応する所定の値Aを超え、大きな力が他方側D2に向けて第二の弾性体46に作用すると、第二の弾性体46が弾性変形を開始する。
即ち、図8に示すように、係留索3の張力が所定の値Aを超えるまでは、第一の弾性体45の弾性変形によって、浮体100の変位の増大に伴って係留索3の張力が傾き一定で単調増加していく(図8に示す運用時)。一方で値Aを超えると、第二の弾性体46が弾性変形を開始する(図8に示す暴風時)。
ここで、第一の弾性体45よりも第二の弾性体46の方が弾性率が大きくなっているので、浮体の変位量の増大量に対する係留索3の張力の増大量、即ちグラフの傾きが運用時に比べて暴風時の方が小さくなる。
このようにして二段階で係留索3の変位を吸収することができ、自然条件の変化等によって変化する浮体100への荷重に柔軟に対応でき、浮体100へ作用する荷重の方向が複雑に変化しても、地盤G及び係留索3への負担を軽減しつつ、浮体100を安定的に係留することができる。
また、回動部材43、及びストッパ42を設けることで、第二の弾性体46によって、係留索3及び基体22に初期張力Fを導入した状態を容易に維持することができる。
なお、本実施形態では、軸線Oの下方にストッパ42が設けられ、軸線Oの上方に第二の弾性体46が設けられているが、これとは逆に軸線Oの上方にストッパ42が設けられ、軸線Oの下方に第二の弾性体46が設けられていてもよい。
また、第二の弾性体46の取付位置、及びストッパ42の取付位置を適宜選択することで、自然長から縮んだ状態で第二の弾性体46が取り付けられて、第二の弾性体46によって初期張力Fを導入することも可能である。
また、第一の弾性体45及び第二の弾性体46は、コイルバネ、板バネに限らずゴムフェンダーや鋼製、ゴム製のべローズ等であってもよい。
「第三実施形態」
次に、本発明の第三実施形態の浮体係留装置51について説明する。
図9に示すように、本実施形態の浮体係留装置51は、第一実施形態を基本構成として、弾性部54が第一実施形態とは異なっている。
なお、第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
弾性部54は、弾性体10としての板バネに加え、係留索3の他端3bと弾性体10の先端10bとの間に設けられた長尺体55をさらに有している。
長尺体55は、浮体100が荷重を受けていない状態で、弾性体10の先端10bから鉛直方向上方に延びて、弾性体10に剛結して設けられている。
長尺体55は、浮力を有する中空の棒状部材であって、海中で弾性体10の変形に応じて変位する。
本実施形態の浮体係留装置51によると、弾性体10が弾性変形し、弾性体10の先端10bが変位することで、長尺体55が設けられていない場合に比べて、係留索3の他端3bの変位を大きくとることができる。従って、弾性部54が弾性体10のみを有している場合に比べて、浮体100の大きな変位を吸収することができ、さらに効果的に地盤G及び係留索3への負担を軽減しつつ、浮体100を安定的に係留することができる。
さらに、長尺体55は、浮体100の変位に伴って浮力によって上方に向かって立ち上がろうとするため、容易に浮体100の変位を吸収することができる。
なお、本実施形態では、長尺体55は中実の棒状部材であってもよく、また、浮力を生じるものでなくともよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態で示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。
〔実施例〕
ここで図10に示すように、弾性体として板バネを海底の地盤に設け、この板バネに係留索を接続し、係留索3に作用する水平方向の張力(係留索の水平方向の係留力)を検証する実験を行った。
板バネは、両端が地盤に固定されて上方に凸となるアーチ状に海底に配され、係留索は板バネの延在方向の中間位置で板バネに接続されている。
(実験条件)
・発生応力度:300〔N/mm2〕以下。
・板バネが設置された水深:100〔m〕
・板バネ寸法:長さ50〔m〕×厚さ0.5〔m〕×幅2.0〔m〕
(実験結果)
図11に示すように、板バネを設けた場合(図11の実線)には、板バネが設けられていない場合と比べて、浮体の変位〔m〕に伴って、係留索の張力(係留力)の水平成分〔tonf〕の増加が緩やかになっていることがわかった。即ち、板バネを設けることで、係留索3での張力を抑えることができることがわかり、板バネによって係留索3及び地盤Gへの負担を軽減することが可能であるといえる。
ここで、浮体の変位とは、係留索と浮体との接続点の変位を示す。
さらに、図12に示すように、風や波の影響を想定して40〔tonf〕の定常荷重を受けた場合の浮体の変位は、板バネを設けた場合には、板バネが設けられていない場合と比べて、小さく抑えることができることがわかった。
1、21、51…浮体係留装置
2、2A、2C、22…基体
3…係留索
4、4A、4B、4C、24、54…弾性部
10、10A、10B、10C、10D、10E、30…弾性体
11B…鉛直弾性体
11C…重り部材
12B…水平弾性体
31…杭
32…支持体
33…突出支持部
34…土台部
41…ピン
42…ストッパ
43…回動部材
45…第一の弾性体
46…第二の弾性体
55…長尺体
100…浮体
G…地盤
S…海上
B…海底
D1…一方側
D2…他方側
O…軸線
F…初期張力

Claims (5)

  1. 水底の地盤に設置された基体と、
    前記基体と水上に配置された浮体との間にわたって延びる係留索と、
    前記係留索よりも弾性率が小さい材料よりなり、前記係留索と前記浮体との間、前記係留索と前記基体との間、及び複数の前記係留索同士の間のうちの少なくとも一か所に介在されて弾性変形する弾性体を有する弾性部と、
    を備えることを特徴とする浮体係留装置。
  2. 前記弾性部は、前記弾性体として、
    第一の弾性体と、
    前記第一の弾性体に接続され、外力の作用しない自然状態から弾性変形によって変位した状態が維持されることで前記係留索、前記浮体、及び前記基体に初期張力を導入し、かつ、前記第一の弾性体よりも弾性率の大きな第二の弾性体と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の浮体係留装置。
  3. 前記弾性部は、
    前記地盤に沿って延びる軸線を中心として回動可能に前記基体に設けられた回動部材と、
    前記基体に設けられ、前記回動部材の上端の一方側への回動を規制するストッパと、
    をさらに有し、
    前記第一の弾性体は、前記回動部材と前記係留索との間に取り付けられ、
    前記第二の弾性体は、前記基体と前記回動部材との間で、該回動部材に前記軸線の径方向外側の位置で取り付けられ、かつ、前記回動部材に対して前記初期張力を作用させる方向が、前記回動部材の上端を前記一方側に回動させる方向に一致する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の浮体係留装置。
  4. 前記弾性部は、前記弾性体として、互いに異なる方向へ弾性変形する複数の弾性体を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の浮体係留装置。
  5. 前記弾性体は、板バネであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の浮体係留装置。
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