JP2016016479A - 関節駆動装置 - Google Patents

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声一 高田
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    • F16C19/36Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with a single row of rollers
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Abstract

【課題】簡素な構造の関節駆動装置を提供する。【解決手段】転がり軸受10の内輪11に、第1リンクのフレームF1との連結用に第1取付穴11aを形成し、外輪12に、第2リンクのフレームF2との連結用に第2取付穴12aを形成する。外輪12に複合振動子型ステータ20を連結し、このステータ20によって内輪11を駆動する。これにより、電磁ブレーキ、減速機を省略した関節駆動装置を実現した。【選択図】図1

Description

この発明は、ロボット関節を駆動する関節駆動装置に関する。
工場に配置される産業用ロボットには、人力作業を行っていた現場に人に代替して配置可能な大きさであること、また、人と同じ作業を実行可能な動作性を有することが求められる。
従来、ロボットに備わる関節駆動装置として、高速回転のモータ出力を減速機で減速して高出力化する構造とし、関節の回転角を検知する回転センサの出力信号に基づいてモータ制御を行い、電源停止時に関節の動きを電磁ブレーキで停止させるようにしたものがある(特許文献1)。
特許第4137479号公報
しかしながら、特許文献1のような関節駆動装置は、モータ、減速機及び電磁ブレーキをユニットに組み込む必要があり、複雑な機構になる点で問題がある。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、簡素な構造の関節駆動装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明は、ロボット関節を駆動する関節駆動装置において、第1リンクとの連結に用いる第1取付穴が形成された内輪、第2リンクとの連結に用いる第2取付穴が形成された外輪、並びに前記内輪及び前記外輪間を公転する複数の転動体を有する転がり軸受と、前記外輪に連結され、前記内輪を駆動する複合振動子型ステータと、を備える構成を採用した。
ロボット関節は、腕、脚等の可動部として備わる第1リンクを第2リンクに対して軸回りに回動可能に接続する部位である。第1取付穴を用いて第1リンク及び内輪を連結し、第2取付穴を用いて第2リンク及び外輪を連結すれば、転がり軸受は、ロボット関節として機能する。
超音波モータの中でも複合振動子型のものは、減速機を用いずともロボット関節の駆動に対応可能な高出力性をもち、低速回転も可能、という特徴がある。
さらに複合振動子型のステータは、複合振動子で発生させた駆動力をロータ側との摩擦接触で伝達するため、ステータをロータ側に押し付ける予圧力を要する、という特徴もある。複合振動子が停止状態のとき、その予圧力は、ロータを停止状態に保つブレーキ力となる。したがって、内輪を複動振動子型ステータで駆動するロータとすれば、複合振動子が停止状態のとき、予圧力(ブレーキ力)で内輪を停止状態に保つことができる。
このように、上記構成によれば、減速機及び電磁ブレーキが不要になるので、簡素な構造の関節駆動装置にすることができる。
例えば、前記内輪に連結され、前記内輪の回転運動を物理信号に変換するエンコーダと、前記外輪に連結され、前記物理信号を出力信号に変換するセンサ回路と、をさらに備え、前記ステータは、前記転がり軸受を境とした軸方向一方側に配置され、前記エンコーダ及び前記センサ回路は、前記転がり軸受を境とした軸方向他方側に配置されていることが好ましい。このようにすると、転がり軸受にステータ及び回転センサ(エンコーダ及びセンサ回路)をもユニット化し、ステータで駆動する内輪の回転運動を出力信号に変換し、その出力信号に基づいて正確な関節駆動を行うことが可能になる。また、内輪とステータの接触で摩耗粉が発生しても、転がり軸受の外部(軸方向一方側)にステータを配置しているため、転がり軸受が摩耗粉の影響を受け難く、軸受損傷の防止にも有利である。
また、前記転がり軸受は、クロスローラ軸受になっていることが好ましい。前記外輪に前記ステータを連結し、前記内輪をステータで駆動すると、前記転がり軸受は、ステータ由来の複雑な荷重を同時に受けることになる。クロスローラ軸受は、内外輪間に円筒ころを直交配列で組み込んだ軸受なので、様々な方向の荷重を同時に受けつつコンパクト化を図ることが可能、という特徴をもっている。したがって、この発明において、転がり軸受にクロスローラ軸受を採用すると、複雑な荷重に対応しつつ転がり軸受の寸法を抑え、関節駆動装置のコンパクト化を図ることができる。
また、前記ステータは、軸方向に貫通した筒状の中空ボルトと、前記内輪に接触するように前記中空ボルトの外周に取り付けられたステータヘッドと、前記ステータヘッドの軸方向一方側で前記中空ボルトを取り囲む縦励振圧電素子と、前記ステータヘッドと共に前記縦励振圧電素子を軸方向に挟む節部と、前記節部の軸方向一方側で前記中空ボルトを取り囲むねじり励振圧電素子と、前記節部と共に前記ねじり励振圧電素子を軸方向に挟むように前記中空ボルトの外周に取り付けられたステータボトムと、を有し、前記内輪及び前記中空ボルトの内側が軸方向に連通していることも好ましい。このようにすると、ケーブルを前記内輪及び前記中空ボルトの内側に通すことができる。
ここで、前記ステータを前記外輪に連結する構造、前記ステータに予圧力を与える構造は、前記中空ボルトの外側に配置し、前記ケーブルを通す邪魔にならないようにすることが好ましい。
例えば、前記外輪に軸方向一方側から突き当る予圧用ナットと、前記予圧用ナットにねじ込む予圧用ボルトと、前記予圧用ナットの内側で前記ステータ及び前記予圧用ボルトによって軸方向に圧縮された予圧用ばねと、前記ステータを周方向に回り止めすると共に径方向に支持する係止片と、前記外輪にねじ込む固定ボルトと、をさらに備え、前記予圧用ナット及び前記係止片は、前記固定ボルトによって前記外輪に締結されているとよい。このようにすると、予圧用ばねの圧縮量の調整により、ステータを内輪に押し付ける予圧力(ブレーキ力)を調整することができる。また、係止片がステータを回り止めするため、ステータによる内輪駆動を実現することができる。また、予圧用ナット及び係止片を固定ボルトで外輪に締結すれば、予圧用ばね及び予圧用ボルトを介してステータの軸方向位置を所定に定めると共に、係止片によってステータの径方向位置も所定に定めることができる。すなわち、複合振動子型ステータに必須の回り止め及び予圧構造を中空ボルトの外側に配置すると共に、回り止め及び予圧構造のみでステータを外輪に連結することができる。
別例として、前記外輪にねじ込む支持ボルトと、前記支持ボルトの外側に通されたコイルばねと、前記支持ボルトに軸方向一方側から螺着する予圧用ナットと、をさらに備え、前記ステータは、前記支持ボルトを周方向及び径方向に支持する突部を有し、前記コイルばねは、前記突部及び前記予圧用ナットによって軸方向に圧縮されているようにしてもよい。この例でも、回り止め及び予圧構造を中空ボルトの外側に配置すると共に、回り止め及び予圧構造のみでステータを外輪に連結することができる。
さらに別例として、前記外輪に軸方向一方側から突き当る予圧用ナットと、前記予圧用ナットにねじ込む予圧用ボルトと、前記予圧用ナットの内側で前記ステータ及び前記予圧用ボルトによって軸方向に圧縮された予圧用ばねと、前記外輪及び予圧用ナットを締結する固定ボルトと、をさらに備え、前記予圧用ナットは、前記ステータを周方向に回り止めする係止部と、前記ステータを径方向に支持する嵌合部とを有し、前記固定ボルトによって前記外輪に締結されているようにしてもよい。この例でも、回り止め及び予圧構造を中空ボルトの外側に配置すると共に、回り止め及び予圧構造のみでステータを外輪に連結することができる。
この発明は、上記構成の採用により、減速機及び電磁ブレーキが不要な簡素な構造の関節駆動装置を提供することができる。
第1実施形態に係る関節駆動装置の全体構成を示す縦断正面図 図1のII−II線の部分断面図 第2実施形態に係る関節駆動装置の全体構成を示す縦断正面図 第3実施形態に係る関節駆動装置の全体構成を示す縦断正面図 図4のV−V線の部分断面図
以下、この発明の一例としての第1実施形態を添付図面の図1、図2に基づいて説明する。第1実施形態に係る関節駆動装置は、転がり軸受10と、複合振動子型ステータ20と、回転センサ30と、予圧連結手段40とを備える。
転がり軸受10は、内輪11と、内輪11を取り囲む外輪12と、内輪11及び外輪12間を公転する複数の転動体13とを有する。内輪11及び外輪12は、それぞれ軌道を形成する環状体からなる。内輪11及び外輪12は、同心円状に配置されている。複数の転動体13は、内輪11及び外輪12の軌道間に介在する。
内輪11には、第1リンクのフレームF1との連結に用いる第1取付穴11aが形成されている。外輪12には、第2リンクのフレームF2との連結に用いる第2取付穴12aが形成されている。第1リンク及び第2リンクは、ロボットの腕、脚等に備わるロボット関節で相対回転可能に接続する可動部である。フレームF1、F2は、その腕、脚等の骨組みとなる枠部品になっている。フレームF1及び内輪11を連結し、フレームF2及び外輪12を連結すると、転がり軸受10は、第1リンクを第2リンクに対して一軸回りに回動可能に接続するロボット関節になる。
転がり軸受10は、クロスローラ軸受になっている。すなわち、内輪11及び外輪12は、それぞれV溝状の軌道を形成する。転動体13は、円筒ころからなる。内輪11及び外輪12間において、転動体13は、周方向に交互に90°異なる向きで配置されている。このように、クロスローラ軸受として設けられた転がり軸受10は、内外輪11、12間に円筒ころからなる転動体13を直交配列で組み込んでいるので、円筒ころの優れた負荷性能によって軸方向荷重、径方向荷重、モーメント荷重などの様々な方向の荷重を同時に受けることが可能なため、コンパクト化を図ることができる。ひいては、関節駆動装置のコンパクト化を図ることができる。
なお、転動体13の周方向間隔を保つ手段(図示省略)として、保持器又はセパレータを適宜に採用することができる。また、内輪11、外輪12は、剛性に優れている点を考慮し、軌道全部を形成した1個の環状部品からなるものを採用している。内輪11、外輪12は、剛性に問題がない場合、適宜、複数の環状部品で軌道を形成する分割型の軌道輪に変更してもよい。
ステータ20は、軸方向の振動と周方向の振動を組み合わせることによって回転方向の駆動力をステータ20と直接に接触するロータに与える。ステータ20は、連結予圧手段40によって外輪12に連結されている。
ステータ20は、中空ボルト21と、ステータヘッド22と、縦励振圧電素子23と、節部24と、ねじり励振圧電素子25と、ステータボトム26とを有する。
中空ボルト21は、軸方向に貫通した筒状の雄ねじ部品になっている。中空ボルト21は、内輪11から軸方向一方側へ離れたところに配置される。
ステータヘッド22は、中空ボルト21に対応の雌ねじ部品になっている。ステータヘッド22は、中空ボルト21の雄ねじ部に螺着することにより、内輪11に接触するように中空ボルト21の外周に取り付けられている。ステータヘッド22は、中空ボルト21よりも軸方向他方側へ突出しており、その突出端部で内輪11の側面に軸方向一方側から軸方向他方側に向かって押し付けられている。この押し付けは、予圧連結手段40によって実現されている。
縦励振圧電素子23は、軸方向に振動する。縦励振圧電素子23は、ステータヘッド22の軸方向一方側で中空ボルト21を取り囲む環状体になっている。中空ボルト21は、縦励振圧電素子23を径方向に支持する。
節部24は、中空ボルト21に対応の雌ねじ部品になっている。節部24は、中空ボルト21の雄ねじ部に螺着することにより、ステータヘッド22と共に縦励振圧電素子23を軸方向に挟むように中空ボルト21の外周に取り付けられている。なお、節部24は、中空ボルト41の一部として形成してもよい。
ねじり励振圧電素子25は、周方向に振動する。ねじり励振圧電素子25は、節部24の軸方向一方側で中空ボルト21を取り囲む環状体になっている。中空ボルト21は、ねじり励振圧電素子25を径方向に支持する。
ステータボトム26は、中空ボルト21に対応の雌ねじ部品になっている。ステータボトム26は、中空ボルト21の雄ねじ部に螺着することにより、節部24と共にねじり励振圧電素子25を軸方向に挟むように中空ボルト21の外周に取り付けられている。
縦励振圧電素子23、ねじり励振圧電素子25は、それぞれ高周波電流を発生する電源装置(図示省略)に接続される。縦励振圧電素子23、ねじり励振圧電素子25にそれぞれ所定の交流電圧が印加されることにより、縦励振圧電素子23、ねじり励振圧電素子25の振動が組み合わされ、ステータヘッド22から、ロータとして設けられた内輪11の側面へ回転方向の駆動力が与えられる。このようにステータ20が駆動するとき、縦励振圧電素子23及びねじり励振圧電素子25間に介在する節部24は、振動モードの節部になる。このようなステータ20は、一般に、ボルト締めランジュバン型複合振動子と称されている。なお、内輪11とステータ20の一方又は双方に、駆動力の伝達効率を向上させるための摩擦材を固定し、その摩擦材を介してステータ20の駆動力を内輪11に与えるようにしてもよい。
予圧連結手段40は、ステータ20を外輪12に連結すると共に、ステータ20を内輪11に押し付ける。
予圧連結手段40は、予圧用ナット41と、予圧用ボルト42と、予圧用ばね43と、係止片44と、固定ボルト45とを有する。
予圧用ナット41は、外輪12の側面に軸方向一方側から軸方向他方側に向かって突き当る雌ねじ部品になっている。
予圧用ボルト42は、予圧用ナット41に対応の雄ねじ部品になっている。
予圧用ばね43は、コイルばねになっている。
ステータヘッド22は、ばね受け部22aを有する。ばね受け部22aは、予圧用ナット41の内側でステータヘッド22の外径を部分的に拡大した部分になっている。予圧用ばね43は、ステータ20及び予圧用ナット41間の環状空間に軸方向一方側から軸方向他方側に向かって挿入されると、ばね受け部22aに軸方向に突き当る状態となる。この状態で予圧用ナット41にねじ込む予圧用ボルト42により、予圧用ばね43は、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって圧縮される。このようにステータ20と予圧用ボルト42によって軸方向に圧縮された予圧用ばね43は、ステータ20を内輪11の側面に軸方向一方側から軸方向他方側に向かって押し付ける予圧力を発生している。ステータ20の停止状態(すなわち縦励振圧電素子23及びねじり励振圧電素子25が振動しない状態)において、その予圧力は、内輪11を停止させるブレーキ力として作用する。予圧用ばね43の圧縮量を予圧用ボルト42のねじ込み量で調整すれば、ステータ20を内輪11に押し付ける予圧力(ブレーキ力)を調整することができる。
外輪12には、第3取付穴12bが形成されている。第3取付穴12bを規定する内壁面には、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって雌ねじ部が形成されている。固定ボルト45は、第3取付穴12b内の雌ねじ部に対応の雄ねじ部品になっている。固定ボルト45を予圧用ナット41及び係止片44の中空穴に軸方向一方側から挿通し、さらに第3取付穴12b内の雌ねじ部にねじ込む締結によって、予圧用ナット41及び係止片44が外輪12に連結されている状態となる。なお、固定ボルト45は、周方向等配で複数個所に設けられている。
予圧用ナット41と共に外輪12に連結された係止片44は、ステータ20を周方向に回り止めすると共に径方向に支持する。より具体的に述べると、係止片44は、節部24に向かって径方向に突出した先端部44aを有する。節部24は、先端部44aと周方向両側に係合可能な係止受け部24aを有する。係止受け部24aは、図1、図2に示すように、軸方向に沿った溝状に形成されている。係止片44は、先端部44aと同じ軸方向位置において、節部24の係止受け部24a以外の外周部分と径方向に重なっている。この重なり領域、係止受け部24a及び先端部44aは、周方向等配で複数個所に設けられている。これら重なり領域により、係止片44によるステータ20の径方向支持が実現されている。なお、複合振動子型のステータ20においては、ステータ20を回り止めしなければ、内輪11に駆動力を有効に与えることができない。このため、ステータ20において振動モードの節部となる節部24でステータ20の回り止めを行うことが必須である。係止受け部24aは、縦励振圧電素子23の振動によるステータ20の軸方向振動を許容しつつ回り止め可能な形状であればよく、軸方向の溝状に限定されない。
予圧用ナット41及び係止片44を固定ボルト45で外輪12に締結すれば、予圧用ばね43及び予圧用ボルト42を介してステータ20の軸方向位置が所定に定められると共に、係止片44によってステータ20の径方向位置も所定に定められる。すなわち、第1実施形態は、ステータ20に必須の回り止め及び予圧構造のみでステータ20を外輪12に連結することができる。
上述のように予圧連結手段40によってステータ20を外輪12に連結すると、ステータ20は、転がり軸受10を境とした軸方向一方側に配置され、しかも内輪11及び中空ボルト21の内側が軸方向に連通している状態となる。この状態で、内輪11及び中空ボルト21は、同一の中心軸線上に配置されている。中空ボルト21に形成された円筒状の内径面21aは、内輪11に形成された円筒状の内径面11bと同径かつ同一の中心軸線をもつ。この内径の範囲内であれば、ケーブルCを内径面11b、21aの内側に通すことが可能である。なお、内径面11bは、転がり軸受10の軸受内径を規定する面になっている。
回転センサ30は、内輪11の回転運動を出力信号に変換する。この出力信号は、ステータ20による内輪11の駆動制御を行うために必要な情報、例えば回転速度、停止位置を示すものであればよい。
回転センサ30は、エンコーダ31と、エンコーダホルダ32と、取付けボルト33と、センサ回路34と、センサホルダ35と、ホルダ固定ボルト36とを有する。
エンコーダ31は、S極とN極を周方向に交互に有する磁気エンコーダになっており、軸回りの回転運動を磁気的な物理信号に変換する。エンコーダ31は、エンコーダホルダ32に固定されている。この固定は、ねじ止め、接着、インサート成形等、適宜の手段で行えばよい。エンコーダホルダ32は、エンコーダ31の変形を防止する環状部品になっている。
エンコーダホルダ32には、第1ボルト通し穴32aと、第2ボルト通し穴32bとが形成されている。内輪11には、エンコーダホルダ32との連結に用いる第4取付穴11cが形成されている。第1ボルト通し穴32aは、エンコーダホルダ32を軸方向に貫通し、第4取付穴11cに軸方向に連通する。第2ボルト通し穴32bは、エンコーダホルダ32を軸方向に貫通し、第1取付穴11aに軸方向に連通する。第4取付穴11cを規定する内壁面、及び第1取付穴11aを規定する内壁面には、それぞれ軸方向他方側から軸方向一方側に向かって雌ねじ部が形成されている。
取付けボルト33は、第4取付穴11c内の雌ねじ部に対応の雄ねじ部品になっている。取付けボルト33を軸方向他方側から第1ボルト通し穴32aに通し、さらに第4取付穴11c内の雌ねじ部にねじ込む締結によって、エンコーダホルダ32は、内輪11に連結され、しかも内輪11及び中空ボルト21と同一の中心軸線上に配置されている状態となる。これにより、エンコーダ31及び内輪11は、内輪11をステータ20で駆動することによって一体に回転することになる。なお、取付けボルト33は、周方向等配で複数個所に設けられている。
第1リンクのフレームF1は、リンク固定ボルトB1を用いて内輪11に連結することができる。リンク固定ボルトB1は、第1取付穴11a内の雌ねじ部に対応の雄ねじ部品になっている。リンク固定ボルトB1を軸方向他方側から第2ボルト通し穴32bに通し、さらに第1取付穴11a内の雌ねじ部にねじ込む締結によって、フレームF1が内輪11に連結されている状態となる。この連結により、フレームF1及び内輪11と一体に回転可能になる物体、例えばエンコーダホルダ32やエンコーダ31は、第1リンクの構成要素になる。
なお、エンコーダホルダを省略可能な場合、エンコーダを内輪の側面に直接に取り付けてもよい。また、リンク固定ボルトと、ステータに干渉しないナットとを用いて内輪に締結可能な場合、第1取付穴内に雌ねじ部を形成する必要はない。
上述のようにエンコーダホルダ32及び内輪11、並びにステータ20及び外輪12が連結された状態では、エンコーダホルダ32に形成された内径面32cの内側、内輪11の内径面11bの内側、及び中空ボルト21の内径面21aの内側が軸方向に連通しているので、この連通空間にケーブルCを通して関節駆動装置の外部へ取り出すことが可能である。
センサ回路34は、エンコーダ31によって生成された磁気的な物理信号を電気的な信号に変換する。センサ回路34は、磁気センサを回路基板に実装したものとなっている。回路基板には、磁気センサの出力を所定の出力信号に整える信号処理回路、電源回路、配線接続端子といった適宜の回路要素が設けられる。センサ回路34は、センサホルダ35に固定されている。この固定は、ねじ止め、樹脂モールド、接着等、適宜の手段で行えばよい。
センサホルダ35は、センサ回路34の変形を防止する環状部品になっている。センサホルダ35には、外輪12に嵌合する軸受座部35aが形成されている。センサホルダ35の軸受座部35aを軸方向他方側から軸方向一方側に向かって嵌め合すことによって、外輪12に対するセンサホルダ35の軸方向位置及び径方向位置を仮決めすることが可能となっている。
また、センサホルダ35には、第3ボルト通し穴35bと、第4ボルト通し穴35cとが形成されている。第3ボルト通し穴35bは、センサホルダ35の外径側端部を軸方向に貫通している。第4ボルト通し穴35cは、センサホルダ35を軸方向に貫通し、第2取付穴12aに軸方向に連通する。第2取付穴12aを規定する内壁面には、軸方向他方側から軸方向一方側に向かって雌ねじ部が形成されている。
ホルダ固定ボルト36は、第2取付穴12a内の雌ねじ部に対応の雄ねじ部品になっている。ホルダ固定ボルト36を軸方向他方側から第4ボルト通し穴35cに通し、さらに第2取付穴12a内の雌ねじ部にねじ込む締結によって、センサホルダ35が外輪12に締結され、これにより、センサ回路34が外輪12に連結されている状態になる。
なお、ホルダ固定ボルト36は、周方向等配で複数個所に設けられている。第1取付穴12a及び第3取付穴12bは、外輪12を軸方向に貫通した穴の内壁面に加工した図示例のような配置態様に限定されない。例えば、第2取付穴及び第3取付穴をそれぞれ軸方向に非貫通の穴としたり、周方向に相異なる配置としたりする等、第2取付穴及び第3取付穴の配置態様を適宜に変更すればよい。
第2リンクのフレームF2は、リンク固定ボルトB2を用いてセンサホルダ35に連結することができる。リンク固定ボルトB2は、フレームF2に形成された雌ねじ部に対応の雄ねじ部品になっている。リンク固定ボルトB2を軸方向他方側から第3ボルト通し穴35bに通し、さらにフレームF2に形成された雌ねじ部にねじ込む締結によって、フレームF2がセンサホルダ35に連結されている状態となる。これにより、フレームF2は、リンク固定ボルトB2、センサホルダ35、ホルダ固定ボルト36を介して外輪12に連結されている状態となる。この連結により、内輪11に対してフレームF2及び外輪12と一体に静止可能になる物体、例えばセンサホルダ35、センサ回路34、予圧連結手段40は、第2リンクの構成要素になる。
なお、予圧連結手段40は、第3ボルト通し穴35cの使用を阻害しないようにするため、外輪12の外径(転がり軸受10の軸受外径)以下の径方向領域に配置されている。センサホルダを省略可能な場合、第2取付穴を用いて第2リンクのフレームを外輪に直接に締結してもよい。また、第3取付穴と周方向に相異なる配置で外輪を軸方向に貫通した第2取付穴にする場合、第2取付穴内に雌ねじ部を形成する必要はなく、リンク固定ボルトとナットを用いて第2リンクのフレームを外輪に締結することも可能である。また、予圧連結手段と、センサホルダや第2リンクのフレームとを共通のボルトで締結してもよく、この場合、外輪を貫通した第2取付穴を形成し、この内壁面に軸方向のいずれか片側から雌ねじ部を形成するか、ナットを用いて締結することが可能である。
上述のようにエンコーダ31、センサ回路34を対応の内輪11、外輪12に連結すると、エンコーダ31及びセンサ回路34は、転がり軸受10を境とした軸方向他方側に配置されている状態となる。この状態では、内輪11と一体に回転するエンコーダ31は、ステータ20で駆動する内輪11の回転運動を物理信号に変換し、内輪11に対して静止する外輪12と一体に静止するセンサ回路34は、その物理信号を出力信号に変換する。したがって、第1実施形態は、その出力信号から知ることの可能な回転速度等に基づいてステータ20の制御を行い、内輪11の正確な駆動が可能である。
上述のような第1実施形態は、第1取付穴11aを用いて第1リンクのフレームF1及び内輪11を連結し、第2取付穴12aを用いて第2リンクのフレームF2及び外輪12を連結することにより、転がり軸受10がロボット関節になる。また、複合振動子型のステータ20は、減速機を用いずともロボット関節の駆動に対応可能な高出力性をもち、低速回転も可能である。さらに、ステータ20を内輪11に押し付ける予圧力が予圧連結手段40の予圧用ばね43によって常時に発生しているため、縦励振圧電素子23及びねじり励振圧電素子25が停止状態のとき、その予圧力によって内輪11が停止状態に保たれる。したがって、第1実施形態は、減速機及び電磁ブレーキをもたず、簡素な構造の関節駆動装置にすることができる。
この発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。以下、第1実施形態との相違点を述べるに留める。第2実施形態の外輪12は、第2取付穴12aと第3取付穴12bを周方向に相異なる配置で形成し、それぞれ外輪12を軸方向に貫通する穴としたものになっている。第2実施形態の予圧連結手段50は、支持ボルト51と、コイルばね52と、予圧用ナット53とを備える。
支持ボルト51は、第3取付穴12bに対応の雄ねじ部を軸方向一方側の端部に有し、予圧用ナット53に対応の雄ねじ部を軸方向他方側の端部に有する雄ねじ部品になっている。なお、支持ボルト51は、周方向等配で複数個所に設けられている。
予圧用ナット53は、支持ボルト51に軸方向一方側から螺着する雌ねじ部品になっている。
ステータ60は、突部61を有する。突部61は、ステータ60の振動モードの節部に位置し、ステータ60の最大外径を規定するフランジ状に形成されている。突部61には、支持ボルト51を軸方向に挿通可能な貫通穴を規定する内壁面61aが形成されている。内壁面61aは、支持ボルト51に対するステータ60の軸方向振動を許容しつつ、支持ボルト51の軸方向他方側を周方向及び径方向に支持する。
コイルばね52は、軸方向一方側から支持ボルト51の外側に通されている。コイルばね52は、突部61及び予圧用ナット53によって軸方向に圧縮されている。
上述のような第2実施形態の組立においては、支持ボルト51を第3取付穴12bにねじ込むことにより、支持ボルト51が外輪12に固定される。この支持ボルト51の外側にコイルばね52を通して突部61に突き当て、予圧用ナット53を支持ボルト50に螺着することにより、コイルばね52が軸方向に圧縮される。ここで、予圧用ナット53のねじ込み量に応じて予圧力が調整可能である。この予圧状態では、突部61、支持ボルト51、コイルばね52及び予圧用ナット53の軸方向の連関性により、ステータ60の軸方向位置が所定に定められると共に、突部61の内壁面61aに対する支持ボルト51の径方向支持により、ステータ20の径方向位置も所定に定められる。さらに、突部61の内壁面61aに対する支持ボルト51の周方向支持により、ステータ60が回り止めされる。すなわち、第2実施形態も、ステータ60に必須の回り止め及び予圧構造のみでステータ60を外輪12に連結することができる。
この発明の第3実施形態を図4、図5に基づいて説明する。第3実施形態の外輪12は、軸方向に貫通した第2取付穴12aのみを形成したものとなっている。第2取付穴12aを規定する内壁面に雌ねじ部は形成されていない。第3実施形態の予圧連結手段70は、予圧用ナット71と、予圧用ボルト72と、予圧用ばね73と、固定ボルト74とを備える。
予圧用ナット71は、ボルト穴部71aを有する。ボルト穴部71aは、外輪12に軸方向一方側から突き当る状態で第2取付穴12aに軸方向に連通する。ボルト穴部71aを規定する内壁面には、軸方向他方側から軸方向一方側に向かって雌ねじ部が形成されている。
予圧用ボルト72は、予圧用ナット71に螺着することにより、予圧用ナット71の内側に陥入するようになっている。このため、予圧用ボルト71の軸方向他方側の側面には、ねじ回し具を突き刺してトルクを予圧用ナット71に与えるための差込口72aが形成されている。
ステータ80は、鍔部81を有する。鍔部81は、ステータ80の振動モードの節部に位置している。
予圧用ばね73は、予圧用ナット71の内側で鍔部81に軸方向に突き当るコイルばねになっている。予圧用ばね73は、ステータ80の鍔部81及び予圧用ボルト72によって軸方向に圧縮されている。
固定ボルト74は、予圧用ナット71のボルト穴部71a内の雌ねじ部に対応の雄ねじ部品になっている。固定ボルト74を軸方向他方側から第2取付穴12aに通し、さらにボルト穴部71a内の雌ねじ部にねじ込むことによって、センサホルダ35及び予圧用ナット71が外輪12に締結されている。なお、固定ボルト74は、周方向等配で複数個所に設けられている。固定ボルトを軸方向一方側から予圧用ナットに通し、さらに第2取付穴12a内の雌ねじ部にねじ込むことで予圧用ナット及び外輪を締結するようにしてもよい。
予圧用ナット71は、係止部71bを有する。ステータ80の鍔部81には、部分的に拡径した突片壁81aが含まれている。係止部71bは、突片壁81aを軸方向一方側から挿入可能な溝状部になっている。係止部71bは、突片壁81aを周方向に受けることにより、ステータ80を周方向に回り止めする。
予圧用ナット71は、嵌合部71cを有する。嵌合部71cは、ステータ80の振動モードの節部を径方向に支持する。なお、係止部71b及び嵌合部71cは、同じ軸方向位置において周方向等配で交互に並ぶ配置例を図示している。係止部及び嵌合部は、軸方向に相異なる位置に配置してもよく、この場合、嵌合部及び予圧用ナットが全周に亘って嵌合しもよい。
上述のような第3実施形態の組立においては、固定ボルト74をボルト穴71aにねじ込むことにより、センサホルダ35、外輪12及び予圧用ナット71が同時に締結される。さらに、予圧用ばね73を予圧用ナット74の内側でステータ80の鍔部81に軸方向に突き当て、予圧用ボルト72を予圧用ナット74にねじ込むことにより、予圧用ばね73が軸方向に圧縮される。ここで、予圧用ボルト72のねじ込み量に応じて予圧力が調整可能である。この予圧状態では、固定ボルト74、鍔部81、予圧用ばね73及び予圧用ナット71の軸方向の連関性により、ステータ80の軸方向位置が所定に定められると共に、鍔部81に対する嵌合部71cの径方向支持により、ステータ80の径方向位置も所定に定められる。さらに、突片壁81aに対する係止部71bの回り止めにより、ステータ80が回り止めされる。すなわち、第3実施形態も、ステータ80に必須の回り止め及び予圧構造のみでステータ80を外輪12に連結することができる。なお、この発明の技術的範囲は、上述の各実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づく技術的思想の範囲内での全ての変更を含むものである。
10 転がり軸受
11 内輪
11a 第1取付穴
11b 内径面
11c 第4取付穴
12 外輪
12a 第2取付穴
12b 第3取付穴
13 転動体
20、60、80 ステータ
21 中空ボルト
21a 内径面
22 ステータヘッド
22a ばね受け部
23 縦励振圧電素子
24 節部
24a 係止受け部
25 ねじり励振圧電素子
26 ステータボトム
30 回転センサ
31 エンコーダ
32 エンコーダホルダ
32a 第1ボルト通し穴
32b 第2ボルト通し穴
32c 内径面
33 取付けボルト
34 センサ回路
35 センサホルダ
35a 軸受座部
35b 第3ボルト通し穴
35c 第4ボルト通し穴
36 ホルダ固定ボルト
40、50、70 予圧連結手段
41、53、71 予圧用ナット
42、72 予圧用ボルト
43、73 予圧用ばね
44 係止片
44a 先端部
45、74 固定ボルト
51 支持ボルト
52 コイルばね
61 突部
61a 内壁面
71a ボルト穴部
71b 係止部
71c 嵌合部
72a 差込口
81 鍔部
81a 突片壁
F1 第1リンクのフレーム
F2 第2リンクのフレーム
C ケーブル
B1 リンク固定ボルト
B2 リンク固定ボルト

Claims (7)

  1. ロボット関節を駆動する関節駆動装置において、
    第1リンクとの連結に用いる第1取付穴が形成された内輪、第2リンクとの連結に用いる第2取付穴が形成された外輪、並びに前記内輪及び前記外輪間を公転する複数の転動体を有する転がり軸受と、
    前記外輪に連結され、前記内輪を駆動する複合振動子型ステータと、
    を備えることを特徴とする関節駆動装置。
  2. 前記内輪に連結され、前記内輪の回転運動を物理信号に変換するエンコーダと、
    前記外輪に連結され、前記物理信号を出力信号に変換するセンサ回路と、
    をさらに備え、
    前記ステータは、前記転がり軸受を境とした軸方向一方側に配置され、前記エンコーダ及び前記センサ回路は、前記転がり軸受を境とした軸方向他方側に配置されている請求項1に記載の関節駆動装置。
  3. 前記転がり軸受は、クロスローラ軸受になっている請求項1又は2に記載の位置決め装置。
  4. 前記ステータは、軸方向に貫通した筒状の中空ボルトと、前記内輪に接触するように前記中空ボルトの外周に取り付けられたステータヘッドと、前記ステータヘッドの軸方向一方側で前記中空ボルトを取り囲む縦励振圧電素子と、前記ステータヘッドと共に前記縦励振圧電素子を軸方向に挟む節部と、前記節部の軸方向一方側で前記中空ボルトを取り囲むねじり励振圧電素子と、前記節部と共に前記ねじり励振圧電素子を軸方向に挟むように前記中空ボルトの外周に取り付けられたステータボトムと、を有し、
    前記内輪及び前記中空ボルトの内側が軸方向に連通している請求項1から3のいずれか1項に記載の関節駆動装置。
  5. 前記外輪に軸方向一方側から突き当る予圧用ナットと、
    前記予圧用ナットにねじ込む予圧用ボルトと、
    前記予圧用ナットの内側で前記ステータ及び前記予圧用ボルトによって軸方向に圧縮された予圧用ばねと、
    前記ステータを周方向に回り止めすると共に径方向に支持する係止片と、
    前記外輪にねじ込む固定ボルトと、
    をさらに備え、
    前記予圧用ナット及び前記係止片は、前記固定ボルトによって前記外輪に締結されている請求項4に記載の関節駆動装置。
  6. 前記外輪にねじ込む支持ボルトと、
    前記支持ボルトの外側に通されたコイルばねと、
    前記支持ボルトに軸方向一方側から螺着する予圧用ナットと、
    をさらに備え、
    前記ステータは、前記支持ボルトを周方向及び径方向に支持する突部を有し、
    前記コイルばねは、前記突部及び前記予圧用ナットによって軸方向に圧縮されている請求項4に記載の関節駆動装置。
  7. 前記外輪に軸方向一方側から突き当る予圧用ナットと、
    前記予圧用ナットにねじ込む予圧用ボルトと、
    前記予圧用ナットの内側で前記ステータ及び前記予圧用ボルトによって軸方向に圧縮された予圧用ばねと、
    前記外輪及び予圧用ナットを締結する固定ボルトと、
    をさらに備え、
    前記予圧用ナットは、前記ステータを周方向に回り止めする係止部と、前記ステータを径方向に支持する嵌合部とを有し、前記固定ボルトによって前記外輪に締結されている請求項4に記載の関節駆動装置。
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