以下の説明においては、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
1.この実施の形態におけるパチンコ遊技機
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、7セグメントやドットマトリクスのLED(Light Emitting Diode)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付されていればよい。「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下においては、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出装置の1つとして画像表示装置5が設けられている。なお、パチンコ遊技機1は、画像表示装置5の他にも各種の演出装置(例えば、スピーカ8、遊技効果ランプ9、可動役物17等)を備えている。
画像表示装置5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域においては、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば、3つといった複数の可変表示手段となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示は、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域においては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば、微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば、8種類の図柄によって構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対しては、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は、8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせ等、適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であってもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hにおいては、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときには、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態においては、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とする。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示とは、表示態様を異ならせてもよい。
図1に示す例においては、始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、始動領域としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。または、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば、第2始動入賞口を閉鎖すること等により、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過し易い拡大開放状態と、遊技球が通過し難い、又は通過できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下である場合には、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下である場合には、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7においては、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7においては、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、又は閉鎖状態の他には、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となった場合には、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となった場合には、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口としては、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。更に、遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。
画像表示装置5の上部には、可動役物17が設けられている。図1に示す可動役物17は、図示する位置を初期位置として、図示下方に移動可能な可動役物を例示している。例えば、可動役物17は、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cの中心位置まで降下する。下降した可動役物17は、上昇して初期位置に戻る。また、図1に例示する可動役物17は、回転可能である。例えば、可動役物17は、時計回り又は反時計回りに回転する。なお、可動役物17は、上下移動とともに回転可能である。
図1で例示する可動役物17は、複数のLED9CCを備えることができる。LED9CCは、可動役物17が移動や回転をするときに点灯動作をさせてもよいし、移動や回転をしないときに点灯動作をさせてもよい。LED9CCの点灯動作には、1つのLED9CCの点灯動作又は点滅動作、又は複数のLED9CCの点灯動作又は点滅動作を含む。
なお、本実施の形態では、可動役物17を遊技盤2の中央に配置する場合を例示したが、可動役物17の配置はこれに限定されない、例えば、遊技機用枠3の上部位置に配置してもよい。また、遊技機用枠3の上部位置の左又は右に配置してもよい。さらに複数の可動役物を遊技盤2又は遊技盤枠3に配置してもよい。
可動役物17による演出動作とは、例えば、可動役物17を上下に移動させる、可動役物17を回転させる、又はLED9CCを点灯させる等の動作を、それぞれ単独で又は組み合わせで行う動作をいう。また、これらの動作に、例えば、遊技効果ランプ9の点灯動作、画像表示装置5の表示等を組み合わせて動作させてもよい。
可動役物17による演出動作には、複数の態様が存在する。本実施の形態では、可動役物17による演出動作として、強動作(強演出)、弱動作(弱演出)の2種類を用意している。
可動役物17において、強動作と弱動作とは、例えば、可動役物17の上下の移動速度、上下の移動回数、下降位置、回転速度、回転方向、LED9CCの点灯動作の少なくても1つが異なるものであればよい。
また、可動役物17の強動作は、可動役物17の弱動作に比べ、大当り期待度(信頼度)が高いものであればよい。強動作の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合に強動作が実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方に強動作が実行される割合)を計算することによって求められる。弱動作の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合に弱動作が実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方に弱動作が実行される割合)を計算することによって求められる。従って、例えば、ハズレと決定されている場合に、強動作の出現頻度(実行頻度)が弱動作の出現頻度に比べ低くなるようにすればよい。
例えば、第1下降位置迄下降する動作を弱動作、第1下降位置よりも下方の第2下降位置迄下降する動作を強動作とし、ハズレと決定されている場合における、第1下降位置迄下降する弱動作の出現頻度を第2下降位置迄に下降する強動作の出現頻度よりも高くすればよい。
また、第1回転方向(例えば時計回り)に回転する動作を弱動作、第1回転方向とは異なる第2回転方向(例えば反時計回り)に回転する動作を強動作とし、ハズレと決定されている場合における、第1回転方向に回転する弱動作の出現頻度を第2回転方向に回転する強動作の出現頻度よりも高くすればよい。
また、1つのLED9CCの点灯動作を弱動作、複数のLED9CCの点灯動作を強動作とし、ハズレと決定されている場合における、1つのLED9CCを点灯動作させる弱動作の出現頻度を複数のLED9CCを点灯動作させる強動作の出現頻度よりも高くすればよい。
さらに、可動役物17の動作と組み合わせる、遊技効果ランプ9の点灯動作の相違又は画像表示装置5の表示の相違によって、弱動作と強動作を定義して、ハズレと決定されている場合における弱動作の出現頻度を強動作の出現頻度よりも高くしてもよい。
但し、可動役物17の強動作と弱動作の区別は上記に限定されない。例えば、可動役物17の動作を見た遊技者が、有利な遊技状態などになることをより期待しやすい方の動作を強動作としてもよい。
なお、可動役物17による演出動作を役物演出とも称する。
なお、可動役物17の強動作は、パチンコ遊技機1が実行する強演出の一例である。パチンコ遊技機1は、強演出として、可動役物17の強動作に代えて又は加えて、他の1以上の強演出を実行可能である。本実施形態では、強演出として強セリフ(後述)を用意している。また、可動役物17の弱動作は、パチンコ遊技機1が実行する弱演出の一例である。パチンコ遊技機1は、弱演出として、可動役物17の弱動作に代えて又は加えて、他の1以上の弱演出を実行可能である。本実施形態では、弱演出として弱セリフ(後述)を用意している。
可動役物17による役物演出は、遊技者の操作に応じた操作演出(後述)として実行可能である。本実施の形態では、遊技者の操作に応じた画像表示装置5による操作演出の態様と、遊技者の操作に応じた可動役物17による操作演出の態様とを規定する演出パターンである操作演出パターン(後述)を用意している。これにより、例えば図39に示すように、表示画面上の演出と役物演出とを含む操作演出を実行することができる。なお、操作演出パターンは、遊技者の操作に応じた画像表示装置5による操作演出の態様、又は、遊技者の操作に応じた可動役物17による操作演出の態様のうち、少なくとも一方を含むものであればよい。
なお、表示画面上の演出と役物演出とを含む操作演出を実行する方法は上記に限定されない。例えば、画像表示装置5による操作演出の態様を規定する操作演出パターンと、可動役物17による操作演出の態様を規定する操作演出パターンとを別々に用意し、一方が他方に応じて選択され得るようにしてもよい。これにより、表示画面上の演出と役物演出とを含む操作演出を実行することができる。
また、可動役物17による役物演出は、遊技者の操作に応じて実行されるものに限定されない。例えば、飾り図柄の可変表示中に、遊技者の操作がなくても可動役物17による役物演出を実行してもよい。具体的には、例えば、画像表示装置5による演出動作である飾り図柄の可変表示の演出パターン(変動パターン)と、可動役物17による演出動作の態様を規定する演出パターンとを別々に用意しておき、当該可動役物17による演出動作の態様を規定する演出パターンが、変動パターンに応じて選択されることにより、飾り図柄の可変表示中に、遊技者の操作がなくても役物演出が実行されるようにしてもよい。また、可動役物17による演出動作の態様を含む変動パターンを用意しておき、可動役物17による演出動作の態様を含む変動パターンが選択されることにより、飾り図柄の可変表示中に、遊技者の操作がなくても役物演出が実行されるようにしてもよい。
また、可動役物17は、画像表示装置5に代えて又は加えて、他の演出装置(例えば、スピーカ8、遊技効果ランプ9等)とともに動作(連動)可能である。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば、下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含む。操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手によって把持した状態において、所定の操作指によって押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば、上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者がパチンコ遊技機1に対して操作を行う操作手段の1態様である。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的又は電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
また、パチンコ遊技機1は、操作手段の1態様として遊技者検出用センサ(非図示)が設けられている。遊技者検出用センサは、スティックコントローラ31A又はプッシュボタン31Bの操作に代わって、若しくはスティックコントローラ31A又はプッシュボタン31Bの操作と併せて遊技者を検出してもよい。遊技者検出用センサは、例えば、近接センサ、テレビカメラ、レーダ装置等を用いることができる。なお、遊技者検出用センサの詳細は後述する。
次は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1においては、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば、前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームにおいては、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として、例えば、「7」を示す数字といった、特定の普通図柄が停止表示された場合には、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば、「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示された場合には、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応しては、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立した後には、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立した後には、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいては、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このときには、確定特別図柄として特定の特別図柄が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示された場合には、「ハズレ」となる。
特図ゲームにおいての可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームにおいての可変表示結果が「小当り」となった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間が経過するまでの期間、又は所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これによっては、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立によっては、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とする上限時間が比較的に長い時間となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態とする上限時間が比較的に短い時間となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は、通常開放ラウンド大当り図柄となる。「5」の数字を示す特別図柄は、短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1の期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、又は所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態においては、各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となる。なお、短期開放大当り状態においては、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。または、短期開放大当り状態においては、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態においては、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数の出玉が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は、第2期間であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は、実質的には出玉が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば、大入賞口の開放期間は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態においては大入賞口を開放状態とする上限回数が通常開放ラウンド特定遊技状態においての上限回数に比べて少なくなるものであってもよい。即ち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドにおいて大入賞口を遊技球が通過し易い第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態においては、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。即ち、小当り遊技状態においては、例えば、特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」、の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間においては、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、或いは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
また、リーチ状態となったことに対応しては、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることによって、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作は、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様においては、「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性は、異ならせることができる。
一例として、この実施の形態においては、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。具体的には、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、後述する主基板11の側において変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側において決定された変動パターンにかかわらず、後述する演出制御基板12の側において実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出においては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図画柄表示エリアのうち所定数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出においては、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出においては、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動させる演出表示を、所定回行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。「擬似連」の可変表示演出においては、擬似連変動が1回〜3回行われることにより、第1開始条件又は第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、各種の演出動作が実行されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出、又は「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば、所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報等に基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性等を連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。なお、特図ゲームが1回実行される間に、飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、当該飾り図柄を再び変動させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の可変表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の可変表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性等を連続して予告する予告演出も連続予告演出に含まれる。
また、この実施の形態においては、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、又はリーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、又はリーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組み合わせのうち、所定の通常大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組み合わせを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、又はリーチ演出が実行されずに、通常大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」の可変表示態様と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態等とは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、又はリーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組み合わせのうち、所定の確変大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組み合わせを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組み合わせであるか確変大当り組み合わせであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御と共に確率変動制御が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数の特図ゲームが実行されたときには、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始される毎に実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定が成されたときには、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くして第2始動条件が成立する可能性を高めることによって遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入し易くして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立し易くなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることによって、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間は、短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいう。この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御が共に行われる遊技状態は、時短状態又は高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態又は高確状態ともいう。確変制御と共に時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御が行われる遊技状態は、確変制御と共に時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベースとも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベースとも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組み合わせのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出等が実行された後等に、所定のリーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」の可変表示態様と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御と共に確変制御が行われればよい。なお、大当り種別「確変」と大当り種別「突確」とを区別して説明するときには(このように短期開放大当り状態について説明するときや、例えば後述する図7や図16を説明するときには)、大当り種別「確変」に該当する「確変」は、大当り種別「突確」に該当する「確変(実質出玉無の確変)」以外の確変(出玉有の確変)である。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。但し、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組み合わせを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」や「確変」であることに基づき通常開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り遊技状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれかに制御されることにも対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組み合わせや確変大当り組み合わせとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出においては、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組み合わせとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組み合わせとなる飾り図柄と、通常大当り組み合わせとなる飾り図柄のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示させる。
通常大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間等にて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出は、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中等にて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出は、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
2.パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、役物制御基板16といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間において伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯、消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯、消灯、発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9等における点灯、消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯、消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
役物制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた可動役物17用の制御基板であり、演出制御基板12等からの指令や制御データ等に基づき、可動役物17による演出動作を行う際のアクチュエータの制御を行う。演出動作を行う際のアクチュエータとは、例えば、可動役物17を上下に移動させるためのモータ又はソレノイド、可動役物17を回転させるためのモータ、LED9CC等である。役物制御基板16は、例えば、可動役物17を上下に移動させるモータ又はソレノイドの駆動回路、可動役物17を回転させるモータの駆動回路、LED9CC点灯動作させるドライバ回路等を備え、可動役物17の上下の移動速度、上下の移動回数、下降位置、回転速度、LED9CCの点灯方法等を制御する。
なお、本実施形態では、可動役物17による演出動作の制御は、演出制御基板12等から指示等に基づき役物制御基板16がモータ等のアクチュエータを駆動させることにより行うが、可動役物17による演出動作の制御の態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板12や主基板11が、アクチュエータを直接動作させる制御を行ってもよい。すなわち、役物制御基板16を用いずに、可動役物17による演出動作の制御を行ってもよい。
また、可動役物17による演出動作を行うプログラムは、役物制御基板16、演出制御基板12、又は主基板11のいずれの基盤に記憶されて、また、いずれの基盤で実行されてもよい。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えば、センサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
3.演出制御コマンドの内容
図3(A)は、この実施の形態において用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは、必ず「1」とされる。EXTデータの先頭ビットは、「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は、一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例においては、制御コマンドが2つの制御信号によって構成されることになる。しかしながら、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは、不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドにおいては、指定する変動パターン等に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドにおいては、例えば、図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の変動停止を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドにおいては、例えば、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドにおいては、例えば、可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。または、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドにおいては、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドにおいては、例えば、通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5H等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
この実施の形態においては、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞口指定コマンドを送信すると共に、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときには、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンドを送信するようにしてもよい。一方、保留記憶数が減少したときには、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えては、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数通知コマンドは、合計保留記憶数の増加を通知するために用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン決定用の乱数値がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態においては、入賞時乱数値判定処理において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて変動カテゴリ(変動パターン種別)を判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された後述する演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」に決定されるか否か等の大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
4.主基板の側にてカウントされる遊技用乱数
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する。図4に示すように、本実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれる。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
5.変動カテゴリ及び変動パターン
図5は、本実施の形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図5において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−3」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−3」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−3」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−3」が属している。変動カテゴリ「PC1」は、突確・小当り変動カテゴリである。変動カテゴリ「PC1」には、変動パターン「PC1−1」〜「PC1−3」が属している。
変動カテゴリ「PA2」に属する変動パターン「PA2−1」は、非リーチ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さである非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PA2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動カテゴリ「PA1」に属する変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、ノーマルリーチ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、スーパーリーチα(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA5」に属する変動パターン「PA5−1」は、スーパーリーチβ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA5−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、ノーマルリーチ(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、スーパーリーチα(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB5」に属する変動パターン「PB5−1」は、スーパーリーチβ(大当り)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB5−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。
変動カテゴリ「PC1」に属する変動パターン「PC1−1」は、ノーマルリーチ(突確・小当り)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(突確・小当り)変動パターンである。変動パターン「PC1−2」は、スーパーリーチα(突確・小当り)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(突確・小当り)変動パターンである。変動パターン「PC1−3」は、特殊出目停止演出が実行される(突確・小当り)変動パターンである。なお、特殊出目停止とは、例えば、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの有効ライン上に「3」「5」「7」が停止表示されるものや、特殊なデザインの飾り図柄が、有効ライン上の一部(例えば、飾り図柄表示エリア5Cなど)、又は、有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)などが記憶されている。
特図ゲームの特図表示結果(可変表示結果)は、当該特図ゲームの特図表示結果である確定特別図柄が導出表示される以前に、ROM101に記憶されている特図表示結果決定テーブルと、特図表示結果決定用の乱数値MR1とに基づいて決定される。本実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに参照される第1特図表示結果決定テーブル及び第2特図表示結果決定テーブル、並びに、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに参照される第1特図表示結果決定テーブル及び第2特図表示結果決定テーブルがROM101に記憶されている。夫々の特図表示結果決定テーブルには、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果に割り当てられている。
6.特図表示結果の決定割合
図6は、特図表示結果の決定割合を例示する。図6(A)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)である場合における、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)の特図表示結果の決定割合を表している。図6(B)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)である場合における、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)の特図表示結果の決定割合を表している。図6(C)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)である場合における、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの特図表示結果の決定割合を表している。図6(D)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)である場合における、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの特図表示結果の決定割合を表している。
即ち、通常状態又は時短状態の第1特図ゲームにおいては、図6(A)に示すように、512個(例えば、「0」〜「511」など)の決定値が特図表示結果「大当り」に割り当てられているため、「大当り」の決定割合は約0.8%(512÷65536)である。また、256個(例えば、「512」〜「767」など)の決定値が特図表示結果「小当り」に割り当てられているため、「小当り」の決定割合は約0.4%(256÷65536)である。また、64768個(例えば、「768」〜「65535」など)の決定値が特図表示結果「ハズレ」に割り当てられているため、「ハズレ」の決定割合は約98.8%(64768÷65536)である。また、通常状態又は時短状態の第2特図ゲームにおいては、図6(B)に示すように、512個(例えば、「0」〜「511」など)の決定値が特図表示結果「大当り」に割り当てられているため、「大当り」の決定割合は約0.8%(512÷65536)である。また、65024個(例えば、「512」〜「65535」など)の決定値が特図表示結果「ハズレ」に割り当てられているため、「ハズレ」の決定割合は約99.2%(65024÷65536)である。また、確変状態の第1特図ゲームにおける決定値の割り当て個数や決定割合は、図6(C)に示す通りである。また、確変状態の第2特図ゲームにおける決定値の割り当て個数や決定割合は、図6(D)に示す通りである。
図6(A)及び図6(C)に示すように、第1特図ゲームにおける「大当り」の決定割合は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときには、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときよりも高くしている。同様に、図6(B)及び図6(D)に示すように、第2特図ゲームにおける「大当り」の決定割合は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときには、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときよりも高くしている。
また、図6(A)〜図6(D)に示すように、第1特図ゲームでは「小当り」が決定され得るが、第2特図ゲームでは「小当り」が決定されないようにしている。これにより、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「小当り」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止している。なお、第2特図ゲームにおいて「小当り」が決定され得るが、第2特図ゲームにおける「小当り」の決定割合を、第1特図ゲームにおける「小当り」の決定割合に比べて低くしてもよい。
また、特図表示結果「大当り」が決定された場合には、確定特別図柄が導出表示される以前に、ROM101に記憶されている大当り種別決定テーブルと、大当り種別決定用の乱数値MR2とに基づいて、大当り種別が決定される。本実施の形態では、大当り種別決定テーブルとして、第1特図ゲームにおいて参照される大当り種別決定テーブルと、第2特図ゲームにおいて参照される大当り種別決定テーブルとがROM101に記憶されている。夫々の大当り種別決定テーブルには、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別に割り当てられている。
7.大当り種別の決定割合
図7は、大当り種別の決定割合を例示する。図7(A)は、第1特図ゲームの特図表示結果を「大当り」とする場合、即ち、変動させる特図(変動特図とも称する)が第1特図であって特図表示結果を「大当り」とする場合における、大当り種別の決定割合を表している。図7(B)は、第2特図ゲームの特図表示結果を「大当り」とする場合、即ち、変動特図が第2特図であって特図表示結果を「大当り」とする場合における、大当り種別の決定割合を表している。即ち、第1特図ゲームにおいて「大当り」となる場合においては、図7(A)に示すように、36個(例えば、「0」〜「35」など)の決定値が大当り種別「非確変」に割り当てられているため、「非確変」の決定割合は36%(36÷100)である。また、46個(例えば、「36」〜「81」など)の決定値が大当り種別「確変」に割り当てられているため、「確変」の決定割合は46%(46÷100)である。また、18個(例えば、「82」〜「99」など)の決定値が大当り種別「突確」に割り当てられているため、「突確」の決定割合は18%(18÷100)である。また、第2特図ゲームにおいて「大当り」となる場合においては、図7(B)に示すように、36個(例えば、「0」〜「35」など)の決定値が大当り種別「非確変」に割り当てられているため、「非確変」の決定割合は36%(36÷100)である。また、64個(例えば、「36」〜「99」など)の決定値が大当り種別「確変」に割り当てられているため、「確変」の決定割合は64%(64÷100)である。
図7(A)及び図7(B)に示すように、第1特図ゲームでは「突確」が決定され得るが、第2特図ゲームでは「突確」が決定されないようにしている。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「突確」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止している。なお、第2特図ゲームにおいて「突確」が決定され得るが、第2特図ゲームにおける「突確」の決定割合を、第1特図ゲームにおける「突確」の決定割合に比べて低くしてもよい。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、特図表示結果と保留記憶数とに応じた複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。つまり、変動カテゴリは、ROM101に記憶されている、特図表示結果と保留記憶数とに応じた変動カテゴリ決定テーブルと、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて決定される。なお、複数の変動カテゴリ決定テーブルに代えて、全部の変動カテゴリ決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動カテゴリ決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
また、ROM101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、変動カテゴリに応じた複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。つまり、変動パターンは、ROM101に記憶されている、変動カテゴリに応じた変動パターン決定テーブルと、変動パターン決定用の乱数値MR5とに基づいて決定される。なお、複数の変動パターン決定テーブルに代えて、全部の変動パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動パターン決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
8.遊技制御用データ保持エリア
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、画像データ等を記憶するCGROM(Character Generator ROM)126とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。なお、以下の説明では、演出制御用のプログラムの実行を演出制御用CPU120が行う場合を例示して説明するが、演出制御用のプログラムの実行は他のデバイスのよって実行されてもよい。例えば、演出制御基板12以外に設けられたCPUを用いてもよい。また、単一のプロセッサを用いる代わりに複数のプロセッサを用いてもよい。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、又はCGROM126は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
例えば、ROM121には、操作演出パターンを決定するために参照される操作演出パターン決定テーブル(変動パターンに応じた何れかの操作演出パターンを決定するために参照する操作演出パターン決定テーブル)が記憶されている。操作演出パターン決定テーブルには、変動パターン毎に、操作演出パターン決定用の乱数値MR6と比較される数値(決定値)が、複数種類の操作演出パターンのうちの1以上の操作演出パターンに対して割り当てられている。
なお、説明の便宜上、操作演出パターン決定用の乱数値MR6(非図示)の各乱数値の取り得る個数は、大当り種別決定用の乱数値MR2などと同じく100個(「0」〜「99」)であるものとする。
また、ROM121には、保留表示の表示態様のパターンを所定の乱数値を用いて決定するために参照される保留表示パターン決定テーブルや、先読予告演出パターンを所定の乱数値を用いて決定するために参照される先読予告演出パターン決定テーブルなどが記憶されていてもよい。
また、ROM121には、入賞時の保留表示の表示態様(入賞時保留表示態様とも称する)を決定するために参照される入賞時保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、変動カテゴリに応じた複数の入賞時保留表示態様決定テーブルが記憶されている。つまり、入賞時保留表示態様は、ROM121に記憶されている、変動カテゴリに応じた入賞時保留表示態様決定テーブルと、入賞時保留表示態様決定用の乱数値MR8(非図示)とに基づいて決定される。なお、複数の入賞時保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の入賞時保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな入賞時保留表示態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加した後の保留表示の表示態様の変化の有無を決定するために参照される保留表示態様変化有無決定テーブルが記憶されている。つまり、上記変化の有無は、ROM121に記憶されている、保留表示態様変化有無決定テーブルと、保留表示態様変化有無決定用の乱数値MR9(非図示)とに基づいて決定される。
また、ROM121には、保留表示態様を変化させる場所(保留表示態様を変化させるタイミング)を決定するために参照される保留表示態様変化場所決定テーブルが記憶されている。具体的には、本実施の形態では、保留記憶数(第1特図保留記憶数)と入賞時保留表示態様とに応じた複数の保留表示態様変化場所決定テーブルが記憶されている。つまり、保留表示態様を変化させる場所は、ROM121に記憶されている、保留記憶数と入賞時保留表示態様とに応じた保留表示態様変化場所決定テーブルと、保留表示態様変化場所決定用の乱数値MR10(非図示)とに基づいて決定される。なお、複数の保留表示態様変化場所決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様変化場所決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様変化場所決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、遊技効果ランプ9、演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンがセットされることによって、飾り図柄などの種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)などが実現される。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたCGROM126には、各種の画像データを記憶することができる。CGROM126に記憶された画像データは、例えば、演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123によって読み出されて画像表示装置5に表示される。
なお、本実施形態における演出制御基板12は、CGROM126とROM121とを搭載する場合を例示した。しかし、CGROM126に記憶する画像データをROM121に記憶してCGROM126の搭載を省略してもよい。
CGROM126には、画像表示装置5に表示される、背景画像と背景画像に重ねて表示される部分背景画像とを記憶することができる。CGROM126には、複数種類の背景画像、又は複数種類の部分背景画像を記憶してもよい。背景画像と部分背景画像の詳細は後述する。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
9.演出制御パターン
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、遊技効果ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作手段に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作手段に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、遊技効果ランプ9、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP(Video Display Processor)等がその指令に示される画像データをCGROM126等の画像データメモリから読み出してVRAM(Video RAM)に一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
10.演出制御用データ保持エリア
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施の形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされ、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。例えば、図10(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」〜「4」の夫々に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「1」〜「3」に夫々シフトされ、また、図10(B)に示す格納状態において第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「3」「4」の夫々に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」「3」に夫々シフトされる。
また、本実施の形態では、図10(C)に示すような先読予告バッファ194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。先読予告バッファ194Bには、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。即ち、先読予告バッファ194Bには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「8」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、先読予告バッファ194Bにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、先読予告バッファ194Bにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
11.遊技制御用タイマ割込み処理
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
12.特別図柄プロセス処理
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14は、始動入賞時処理として、図13のステップS208、ステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図14のステップS220にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
13.特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理
図13に示す特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS207)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(ステップS202;Yes)、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS203)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS203;Yes)、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS204;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS210)。
ステップS207の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS208)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS209)、ステップS203の処理に進む。ステップS210の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS211)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
14.始動入賞時処理
CPU103は、始動入賞時処理(ステップS208、S211)として、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(図14のステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS218の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
15.入賞時乱数値判定処理
CPU103は、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)として、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(図15(A)のステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、複数の特図表示結果決定テーブルのなかから、遊技状態と変動特図とに応じた特図表示結果決定テーブルを選択する(ステップS402)。例えば、遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であって、始動口バッファ値が「1」である場合には、図6(A)の第1特図表示結果決定テーブルを選択する。また例えば、遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であって、始動口バッファ値が「2」である場合には、図6(B)の第2特図表示結果決定テーブルを選択する。
ステップS402の処理に続いて、CPU103は、ステップS401において選択した特図表示結果決定テーブルと、図14のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データとに基づいて、特図表示結果を「大当り」とするか否かを判定する。具体的には、ステップS402において選択した特図表示結果決定テーブルにおける所定の大当り判定範囲(特図表示結果「大当り」に割り当てた数値の範囲)内に、上述の特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データがあるか否かを判定する(ステップS403)。なお、CPU103は、大当り判定範囲の最小値(下限値)や最大値(上限値)と上述の数値データとを比較して上記判定を行ってもよいし、大当り判定範囲内の各数値と上述の数値データとを比較して上記判定を行ってもよい。特図表示結果を「小当り」とするか否かの判定や大当り種別の判定など他の判定においても同様である。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、ステップS403の処理と同様、特図表示結果を「小当り」とするか否かを判定する。即ち、ステップS402において選択した特図表示結果決定テーブルにおける所定の小当り判定範囲(特図表示結果「小当り」に割り当てた数値の範囲)内に、上述の特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データがあるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。なお、ステップS401にて選択した特図表示結果決定テーブルに小当り判定範囲が存在しない場合も、小当り判定範囲内ではないと判定される。ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別を判定する(ステップS409)。即ち、CPU103は、複数の大当り種別決定テーブルのなかから、変動特図に応じた大当り種別決定テーブルを選択し、選択した大当り種別決定テーブルにおける何れの大当り種別の判定範囲内に、図14のステップS217にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データがあるかを判定する。続いて、ステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS410)。
ステップS405、S407、S410の処理の何れかを実行した後には、変動カテゴリを判定する(ステップS412)。即ち、CPU103は、複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから、特図表示結果(例えば、ステップS403やステップS404の判定結果など)と保留記憶数とに応じた変動カテゴリ決定テーブルを選択し、選択した変動カテゴリ決定テーブルにおける何れの変動カテゴリの判定範囲内に、図14のステップS217にて抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データがあるかを判定する。
16.変動カテゴリ決定テーブル
図16は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す。なお、ROM101には、特図表示結果「ハズレ」、特図表示結果「非確変・確変」又は特図表示結果「突確・小当り」に対応する変動カテゴリ(「PA1」「PA2」「PA3」「PA4」「PA5」「PB3」「PB4」「PB5」「PC1」)を決定する変動カテゴリ決定テーブルとして、5種類の変動カテゴリ決定テーブル(「C−TBL1」〜「C−TBL5」)が記憶されているものとする。図16は、ROM101に記憶されている5種類の変動カテゴリ決定テーブル(「C−TBL1」〜「C−TBL5」)のなかから何れかを選択する選択例である。
17.変動カテゴリの決定割合
図17(A)〜図17(E)は、夫々の変動カテゴリ決定テーブル(「C−TBL1」〜「C−TBL5」)による、変動カテゴリの決定割合を表している。なお、図4に示すように、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3の取り得る個数は100個(「0」〜「99」)である。従って、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される決定値の夫々の変動カテゴリに対する割り当て個数と、夫々の変動カテゴリの決定割合とを、図7の如く一方から他方(割り当て個数から決定割合、又は、決定割合から割り当て個数)が直ちに把握できるため、簡略化などのため、図17の説明図においては、割り当て個数と決定割合とを纏めて同一の欄(列)にて示している。以降の決定割合を例示する説明図においても同様である。
図16及び図17によれば、特図表示結果が「非確変・確変」であるときには、特図表示結果が「ハズレ」であるときに比べて、スーパーリーチαの変動カテゴリ(「PA4」又は「PB4」)や、スーパーリーチβの変動カテゴリ(「PA5」又は「PB5」)が決定され易くなっている。例えば、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「1」であるとき(保留1個目の第1始動入賞について特図表示結果が「ハズレ」であると判定されているとき)には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」に示すように変動カテゴリ「PA5(スーパーリーチβ(ハズレ))」の決定割合は2%、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「2」又は「3」であるとき(保留2個目又は保留3個目の第1始動入賞について特図表示結果が「ハズレ」であると判定されているとき)には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」に示すように変動カテゴリ「PA5」の決定割合は1%、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「4」であるとき(保留4個目の第1始動入賞について特図表示結果が「ハズレ」であると判定されているとき)には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」に示すように変動カテゴリ「PA5」の決定割合は1%となっているのに対し、特図表示結果が「非確変・確変」であるときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」に示すように変動カテゴリ「PB5(スーパーリーチβ(大当り))」の決定割合は40%となっている。
また、例えば、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「4」であるときには、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「2」又は「3」であるときや、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「1」であるときに比べて、変動カテゴリ「PA1(短縮・非リーチハズレ)」が決定され易くなっている。具体的には、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「1」であるときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」に示すように変動カテゴリ「PA1」の決定割合は0%、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「2」又は「3」であるときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」に示すように変動カテゴリ「PA1」の決定割合は4%となっているのに対して、特図表示結果が「ハズレ」であって第1特図保留記憶数が「4」であるときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」に示すように変動カテゴリ「PA1」の決定割合は64%となっている。
その後、ステップS412の処理による判定結果(決定結果)に応じて、図15(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図12のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」又は「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)などが行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。特別図柄通常処理については後述する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動パターンを図5に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを送信するための送信設定処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。変動パターンの設定については後述する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
18.特別図柄通常処理
図18は、特別図柄通常処理として、図12のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。即ち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。即ち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、ステップS235の処理を、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、複数の特図表示結果決定テーブルのなかから、遊技状態と変動特図とに応じた特図表示結果決定テーブルを選択する(ステップS239)。なお、図15(A)に示すステップS402の処理では、変動特図を示すものとして、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を用いたが、ステップS239の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を用いる。例えば、ステップS239の処理では、遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であって、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図6(A)の第1特図表示結果決定テーブルを選択し、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図6(B)の第2特図表示結果決定テーブルを選択する。ステップS239の処理に続いて、特図表示結果を決定する(ステップS240)。例えば、ステップS239の処理において選択した特図表示結果決定テーブルにおける何れの特図表示結果の判定範囲内に、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ(ステップS232において読み出され、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)があるかを判定し、特図表示結果を決定すればよい。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。ステップS242の処理に続いて、複数の大当り種別決定テーブルのなかから、変動特図に応じた大当り種別決定テーブルを選択する(ステップS243)。なお、図15(A)に示すステップS409の処理では、変動特図を示すものとして、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を用いたが、ステップS243の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を用いる。ステップS243の処理に続いて、大当り種別を決定する(ステップS244)。例えば、ステップS242の処理において選択した大当り種別決定テーブルにおける何れの大当り種別の判定範囲内に、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ(ステップS232において読み出され、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ)があるかを判定し、大当り種別を決定すればよい。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、ステップS240の処理にて決定された特図表示結果や、大当りの場合にステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
ステップS111の変動パターン設定処理では、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。なお、当該変動に関する変動カテゴリ決定用の乱数値MR3は、始動入賞時処理において既に抽出され、第1特図保留記憶部151A(又は第2特図保留記憶部151B)に保留データとして記憶されているが、当該変動パターン設定処理では、第1特図保留記憶部151A(又は第2特図保留記憶部151B)に記憶されている変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を使用しないで、新たな変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出する。
続いて、CPU103は、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて、図15(A)に示すステップS412と同様、変動カテゴリを判定する。続いて、CPU103は、ROM101に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのなかから、上述の判定結果である変動カテゴリに応じた変動パターン決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、選択された変動パターン決定テーブルと、上述の変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動パターンのなかから何れかの変動パターンを決定する。
19.変動パターン決定テーブル
図19は、変動パターン決定テーブルの選択例を示す。なお、ROM101には、変動カテゴリ「PA1」〜「PA5」「PB3」〜「PB5」「PC1」に対応する変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルとして、9種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。図19は、ROM101に記憶されている9種類の変動パターン決定テーブルの中からいずれかを選択する選択例である。
20.変動パターンの決定割合
図20は、変動パターンの決定割合を例示する。なお、ROM101には、特図表示結果「ハズレ」、特図表示結果「非確変・確変」又は特図表示結果「突確・小当り」に対応する変動カテゴリ(「PA1」「PA2」「PA3」「PA4」「PA5」「PB3」「PB4」「PB5」「PC1」)に応じた変動パターン決定テーブルとして、9種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。図20(A)〜図20(I)は、夫々の変動パターン決定テーブル(「P−TBL1」〜「P−TBL9」)による、変動パターンの決定割合を表している。
なお、図5、図16、図17および図20によれば、特図表示結果が「大当り」となる場合には「ハズレ」となる場合に比べ、スーパーリーチαに係る変動パターン(変動パターン「PA4−1」〜変動パターン「PA4−3」、変動パターン「PB4−1」〜変動パターン「PB4−3」)や、スーパーリーチβに係る変動パターン(変動パターン「PA5−1」〜変動パターン「PA5−3」、変動パターン「PB5−1」〜変動パターン「PB5−3」)の決定割合が高い。換言すれば、スーパーリーチαに係る変動パターンや、スーパーリーチβに係る変動パターンが実行される場合には、他の変動パターン(例えば、ノーマルリーチに係る変動パターン(変動パターン「PA3−1」、「PA3−2」、「PB3−1」、「PB3−2」))などが実行される場合に比べて大当り期待度は高くなっている。より詳細には、スーパーリーチβに係る変動パターン>スーパーリーチαに係る変動パターン>ノーマルリーチに係る変動パターンの順に大当り期待度は高くなっている(スーパーリーチβに係る変動パターン>スーパーリーチαに係る変動パターン>ノーマルリーチに係る変動パターンの順に大当りになり易い)。
以上のように、主基板11では、ステップS101の始動入賞判定処理において、演出制御基板12に対して、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS219)、ステップS403、S404、S409などにおいて判定された特図表示結果に応じた図柄指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS405、S407、S410)、ステップS412において決定された変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS413)、保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定が行われる(ステップS221)。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。また、主基板11では、ステップS110の特別図柄通常処理において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、ステップS111の変動パターン設定処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5などを用いて飾り図柄の変動パターンが決定される。更に、ステップS111の変動パターン設定処理では、上述の如く決定された確定特別図柄を指定する可変表示結果通知コマンドや上述の如く決定された飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、可変表示を開始するときには、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどが、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングで、特別図柄通常処理(ステップS110)にて特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われ、変動パターン設定処理(ステップS111)にて飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。また、これに先立って、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)により、「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されるか否かの判定や、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)の判定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。
21.演出制御メイン処理
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図21のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図21に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、遊技効果ランプ9における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
22.コマンド解析処理
図22は、コマンド解析処理として、図21のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。即ち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)のように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、保留記憶数通知コマンドや始動口入賞指定コマンドは、保留記憶情報ともいう。また、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
23.演出制御プロセス処理
図23は、演出制御プロセス処理として、図21のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の有無や演出態様を決定する始動入賞判定処理を実行する(ステップS150)。
図23に示すステップS150にて始動入賞判定処理を実行した後には、例えば、演出制御フラグ設定部191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後は、例えば、特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、又は主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにする場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側において自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものである場合には、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理においては、例えば、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、小当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後は、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理においては、例えば、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後は、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
24.可変表示開始設定処理
図24は、可変表示開始設定処理として、図23のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS701)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS701;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターン(即ち、図5の「PA1−1」「PA2−1」「PA2−2」「PA2−3」)であるか否かを判定する(ステップS702)。
ステップS702にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS702;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS703)。一例として、ステップS703の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS703の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS703にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS703;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS704)。一例として、ステップS704の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS701にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS701;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、又は、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS705)。「突確」又は「小当り」であると判定されたときには(ステップS705;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS706)。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目の何れかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS705にて「突確」又は「小当り」以外の「非確変」又は「確変」であると判定されたときには(ステップS705;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS707)。一例として、ステップS707の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうち何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄又は確変図柄のうちから何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せ又は確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS703、S704、S706、S707の処理の何れかを実行した後、演出制御用CPU120は、変動パターンに基づいて演出制御パターンを設定する(ステップS711)。具体的には、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。なお、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する演出制御パターンが複数用意されている場合には、何れかを選択して使用パターンとしてセットする。ステップS711の処理の詳細は図25を用いて後述する。
ステップS711の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS712)。具体的には、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、始動入賞記憶表示エリア5Hの右端に表示されている保留表示を今回表示エリアにシフトさせるとともに、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときは当該他の保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトさせる。より詳細には、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hの右端に表示されている保留表示を今回表示エリアにシフトさせる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときは当該他の保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトさせる演出制御パターンを使用パターンとしてセットし、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、始動入賞記憶表示エリア5Hの右端に表示されている保留表示を今回表示エリアにシフトさせるとともに、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときには当該他の保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトさせる。なお、今回表示エリアの保留表示は、当該可変表示の開始時や実行中や終了時などに消去すればよい。第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときも同様である。
また、保留消化処理(ステップS712)において、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hの右端から今回表示エリアにシフトさせる保留表示について表示態様を変化させる旨の情報が先読予告バッファ194Bに記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合には今回表示エリアへシフトする際に表示態様を変化させる。また、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときには、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトさせる夫々の保留表示について表示態様を変化させる旨の情報が先読予告バッファ194Bに記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合には始動入賞記憶表示エリア5Hにおいてシフトする際に表示態様を変化させる。
保留消化処理(ステップS712)を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS713)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う変動表示等開始設定処理を実行する(ステップS714)。例えば、ステップS708のモード演出設定処理、ステップS709の擬似連演出設定処理、ステップS710の煽り演出設定処理、ステップS711の演出制御パターンの決定処理の各処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の変動を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれる音声制御データが指定する演出音信号を音声制御基板13に伝送することなどによりスピーカ8における音声出力を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれるランプ制御データが指定する電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送させることなどにより遊技効果ランプ9における発光を開始させるための設定を行う。
ステップS714の処理を実行した後には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドを消化する(ステップS715)。具体的には、演出制御用CPU120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)を、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときも同様である。また、ステップS715の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122などに設けられる先読予告バッファ194Bに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS716)、可変表示開始設定処理を終了する。
25.演出制御パターン決定処理
図25は、図24のステップS711にて実行される、演出制御パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。図25において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンを特定する(ステップS7111)。具体的には、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンを特定する。
ステップS7111の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、特定した変動パターンから操作演出パターンを決定し、決定された操作演出パターンの演出態様をRAM122に記憶する(ステップS7112)。
ここで、ROM121には、操作演出パターン決定テーブルと、操作演出パターン毎に定義された演出態様とが記憶されているものとする。本実施形態では、それぞれの操作演出パターンに対応して演出態様が定義されているものとする。なお、操作演出パターン毎に定義された演出態様の詳細は図29を用いて後述する。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されている操作演出パターン決定テーブルと、操作演出パターン決定用の乱数値MR6とに基づいて、ステップS7111において特定した変動パターンに応じた何れかの操作演出パターンを決定する。
演出制御用CPU120は、決定した操作演出パターンの演出態様をROM121から読み出して、RAM122に記憶する。
なお、本実施形態では、操作演出パターン決定テーブルと操作演出パターンの演出態様はROM121から読み出し、操作演出パターンの演出態様はRAM122に記憶する場合を例示したが、操作演出パターン決定テーブルと操作演出パターンの演出態様は他の記憶部(例えば、図示しないVRAM等)に記憶しておいても良い。また、操作演出パターンの演出態様は、ROM21から読み出してRAM122に記憶させる代わりに、演出制御用CPU120がROM21から直接読み出して実行してもよい。
ここで、ステップS7112における操作演出パターンの決定について、図28を用いて説明する。
28.操作演出パターンの決定割合
図28は、ステップS7112で決定される操作演出パターンの決定割合を例示する説明図である。
図28において、操作演出パターンは、BT−1〜BT−8の12種類が規定されている場合を例示している。操作演出パターンは、図5で説明した変動パターンに対応して、操作演出パターン決定テーブルと操作演出パターン決定用の乱数値MR6とに基づいて決定される。なお、図28で例示した操作演出パターンの決定割合は任意であり、他の決定割合を適用してもよい。
図28では、図5における変動パターンを以下の通り省略して表す。変動カテゴリPA1(短縮・非リーチ(ハズレ))の変動パターンであるPA1−1は、PA1−nで表す。変動カテゴリPA2(非リーチ(ハズレ))の変動パターンであるPA2−1〜PA2−3は、PA2−nで表す。以下、同様に、変動パターンは、PA3−n(ノーマルリーチ(ハズレ))、PB3−n(ノーマルリーチ(当り))、PA4−n(スーパーリーチ(ハズレ))、PA5−n(スーパーリーチ(ハズレ))、PB4−n(スーパーリーチ(当り))、及びPB5−n(スーパーリーチ(当り))と表す。
なお、本実施形態では、図5の「突確・小当り」における変動パターンPC1−nについては説明を簡略化するために記載を省略している。しかし、PC1−nの変動パターンについても他の変動パターンと同様に操作演出パターンに対応付けておくことができる。
操作演出パターンは、図28の表の操作演出パターン決定割合に基づいて決定される。操作演出パターンの決定は、例えば以下の手順で行われる。
ここで、図21で説明したステップS76で更新させる操作演出パターン決定用の乱数値MR6が発生する数値範囲は、図28におけるそれぞれの操作演出パターンの決定割合に応じて予め分割されて、分割された数値範囲がそれぞれの操作演出パターンに対して予め規定されているものとする。
ステップS7112の処理において、先ず、発生された演出用乱数がどの分割された数値範囲に属するかを判定する。次に、判定された分割された数値範囲に対応する操作演出パターンを決定する。なお、操作演出パターンの決定手順は、図28の操作演出パターン決定割合に従う限り、決定方法は任意である。
(PA1−n)
図28において、ステップS7112の処理では、演出制御用CPU120は、ステップS7111で特定した変動パターンがPA1−n(PA1−1)であったときは、操作演出パターンはBT−1が100%で対応付けられており、他の操作演出パターンは0%で対応付けられている。したがって、演出制御用CPU120は、発生された演出用乱数の数値にかかわらず、100%の割合でBT−1を決定する。
(PA2−n)
また、演出制御用CPU120は、ステップS7111で特定した変動パターンがPA2−n(PA2−1〜PA2−3)であったときは、操作演出パターン「BT−1」を50%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−1」を25%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−2」を5%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−1」を18%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−2」を2%の割合で決定する。
(PA3−n)
また、演出制御用CPU120は、ステップS7111で特定した変動パターンがPA3−n(「PA3−1」又は「PA3−2」)であったときは、操作演出パターン「BT−1」を20%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−1」を18%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−1」を18%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−1」を18%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−5」を10%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−1」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−2」を2%の割合で決定する。
(PB3−n)
また、演出制御用CPU120は、ステップS7111で特定した変動パターンがPB3−n(「PB3−1」又は「PB3−2」)であったときは、操作演出パターン「BT−1」を20%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−1」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−2」を18%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−1」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−2」を18%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−1」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−2」を18%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−5」を10%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−1」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−2」を8%の割合で決定する。
(PA4−n)
また、演出制御用CPU120は、ステップS7111で特定した変動パターンがPA4−n(「PA4−1」〜「PA4−4」)であったときは、操作演出パターン「BT−1」を5%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−1」を3%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−1」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−1」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−5」を25%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−6」を2%5の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−1」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−2」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−8」を10%の割合で決定する。
(PA5−n)
また、演出制御用CPU120は、ステップS7111で特定した変動パターンがPA5−n(「PA5−1」〜「PA5−4」)であったときは、操作演出パターン「BT−1」を5%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−1」を3%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−1」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−1」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−2」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−5」を25%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−6」を2%5の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−1」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−2」を8%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−8」を10%の割合で決定する。
(PB4−n)
また、演出制御用CPU120は、ステップS7111で特定した変動パターンがPB4−n(「PB4−1」〜「PB4−4」)であったときは、操作演出パターン「BT−1」を1%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−1」を1%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−2」を1%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−1」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−2」を12%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−1」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−2」を12%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−5」を20%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−6」を20%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−1」を4%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−2」を10%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−8」を10%の割合で決定する。
(PB5−n)
また、演出制御用CPU120は、ステップS7111で特定した変動パターンがPB5−n(「PB5−1」〜「PB5−4」)であったときは、操作演出パターン「BT−1」を1%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−1」を1%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−2−2」を1%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−1」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−3−2」を12%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−1」を2%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−4−2」を12%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−5」を20%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−6」を20%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−1」を4%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−7−2」を10%の割合で決定し、操作演出パターン「BT−8」を10%の割合で決定する。
なお、本実施形態では、変動パターンPA4−nにおける操作演出パターンの決定割合と変動パターンPA5−nにおける操作演出パターンの決定割合が同じである場合を例示したため、図25では、2つの変動パターンを同じ列で表している。同様に、変動パターンPB4−nと変動パターンPBA5−nを同じ列で表している。
また、図25は、同じ変動カテゴリに属する変動パターンは、同じ決定割合で操作演出パターンが決定される場合を例示している。しかし、同じ変動カテゴリに属する変動パターンであっても、変動パターン毎に異なる決定割合で操作演出パターンを決定してもよい。
なお、本実施形態においては、操作演出パターンの決定は変動パターンに基づいて決定する場合を例示しているが、操作演出パターンの決定方法はこれに限定されない、例えば、演出制御基板12が主基板11から受信した図柄指定コマンドが「大当り」か否かに応じて操作演出パターンを決定してもよい。また、変動パターンと図柄指定コマンドの両方に応じて決定してもよい。また、擬似連等他の特定演出が実行されるか否かに応じて操作演出パターンを決定するようにしてもよい。
再び図25に戻り、ステップS7112の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、操作演出を実行するか否かを判断する(ステップS7113)。具体的には、演出制御用CPU120は、ステップS7112で決定された操作演出パターンがBT−1であるか否かを判断する。
操作演出を実行する場合(ステップS7113:YES)、即ち、ステップS7112で決定された操作演出パターンがBT−1以外である場合、演出制御用CPU120は、操作演出実行フラグをセットする(ステップS7114)。操作演出実行フラグは、操作演出の実行有無を示すフラグであって、操作演出を実行するときにはオン状態にセットする。なお、操作演出実行フラグは、例えばRAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部191等)に設けられている。
ステップS7114の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、操作演出パターンに対応する演出制御パターン(演出制御実行データ)を使用パターンとしてセットする(ステップS7115)。
例えば、ROM121に、使用パターンとしてセットされる演出制御パターン(演出制御実行データ)を予め記憶しておき、演出制御用CPU120は、該当する演出制御実行データを、可変表示中演出処理(ステップS172)において実行可能な使用パターンとしてROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶してもよい。あるいは、演出制御用CPU120は、該当する演出制御実行データのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶し、可変表示中演出処理(ステップS172)において、使用パターンの当該記憶アドレスを使用パターンのアドレスとして参照するようにしてもよい。
操作演出を実行しない場合や(ステップS7113:No)、ステップS7115の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、変動パターンに対応する演出制御パターン(演出制御実行データ)を使用パターンとしてセットする(ステップS7116)。そして、ステップS711の演出制御パターン決定処理を終了する。
つまり、図25に示した演出制御パターン決定処理では、操作演出無い場合には、変動パターンの演出制御パターンを使用パターンとしてセットし、操作演出が有る場合には、操作演出と変動パターンの演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。
26.可変表示中演出処理
図26は、図23のステップS172にて実行される、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。
図26において、可変表示中演出処理は、演出制御用CPU120が、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したか否かを判断する(ステップS551)。なお、可変表示時間の経過は、図27で後述する可変表示時間タイマがタイムアウトしたか否かで判断される。
可変表示時間を経過した場合(ステップS551:YES)、演出制御用CPU120は、図9で説明した飾り図柄可変表示用の演出制御パターンにおける終了コードが読み出されたか否かを判断する(ステップS552)。
終了コードが読み出されていない場合(ステップS552:No)、演出制御用CPU120は、図柄確定コマンドの受信が有ったか否かを判断する(ステップS553)。
一方、終了コードが読み出された場合(ステップS552:YES)、又は図柄確定コマンドの受信が有った場合(ステップS553:YES)のいずれかにおいて、演出制御用CPU120は、最終停止図柄の導出表示の制御を行う(ステップS554)。最終停止図柄の導出表示は、例えば、飾り図柄を完全停止表示させることにより確定した停止図柄を表示させることにより行われる。
最終停止図柄は、図24で説明したステップS703(非リーチハズレ)、S704(リーチハズレ)、S706(突確/小当り)、及びS707(大当り)において決定され、演出制御用CPU120は、決定された最終停止図柄を表示するとともに、それぞれの最終停止図柄に対応した可変表示中演出を実行することができる。
なお、ステップS552及びS553の処理にて、図柄確定コマンドを受信しない場合であっても、可変表示時間が経過して、さらに終了コードが読み出された場合、演出制御用CPU120は、最終停止図柄の導出表示を行うことが可能になる。
ステップS554の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS555)。なお、当り開始指定コマンド受信待ち時間は、図23で説明したステップS173において、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定するときのタイムアウト判定に用いられる。
ステップS555の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を、特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
一方、可変表示時間を経過していない場合(ステップS551:No)、操作演出を含む演出動作制御が行われる(ステップS560)。次に、演出動作制御の詳細を、図27を用いて説明する。
27.演出動作制御処理
図27は、図26のステップS560にて実行される、演出動作制御処理の一例を示すフローチャートである。
演出動作制御処理は、演出制御用CPU120が、図9(A)で説明した演出制御プロセスタイマ値を更新し、演出制御プロセスタイマ値と演出制御プロセスタイマ判定値の何れかとの合致を判定し、演出制御プロセスタイマ判定値に対応した演出制御実行データを実行することにより行われる。
図27において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値を1減算する(ステップS561)。本実施形態において、演出制御プロセスタイマ値の初期値には演出制御プロセスタイマ判定値が入力され、演出制御プロセスタイマ判定値が減算処理されてタイムアウトになったか否かで演出動作を制御する。ステップS560の処理は、ステップS172の処理のサブルーチンとして繰り返し実行されるため、ステップS561における演出制御プロセスタイマ値の減算処理は、ステップS560の処理のループ回数に応じて実行されることになる。
ステップS561の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、可変表示時間タイマの値を1減算する(ステップS562)。可変表示時間は、図25のステップS7112で記憶される図柄最終停止までの時間である。可変表示時間タイマのタイムアウトは、図26のステップS551で判断される。
ステップS562の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判断する(ステップS563)。
演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合(ステップS563:YES)、次の演出制御パターンにおける変動表示等の動作の開始を設定する(ステップS564)。次の演出制御パターンにおける動作の開始を設定において、次の出制御パターンにおける演出制御プロセスタイマを読出してセットして、演出制御実行データに基づく表示等の動作を開始させる。例えば、図9で説明した演出制御プロセスタイマ判定値♯nがセットされた演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合、演出制御プロセスタイマ判定値♯n+1をセットし、演出制御実行データ♯n+1に基づく演出動作を開始する。
ステップS564の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、次の演出制御プロセスタイマの動作をスタートさせる(ステップS565)。ステップS563〜S565の処理において、複数の演出制御実行データによって構成される演出制御パターンが、♯1から逐次実行されることになる。最後に実行される演出制御パターンが実行され、ステップS563における処理で演出制御プロセスタイマがタイムアウトをした場合には、図9(A)で説明した終了コードが読み出されることになる。終了コードが読み出された場合、例えば図10(A)の演出制御フラグ設定部に記憶して、図26のステップS552において、終了コードの読出しを判断できるようにすることができる。
なお、本実施形態では、演出制御パターンを構成する演出制御実行データは、♯1から逐次実行される場合を説明したが、例えば、所定の条件において、特定の演出制御実行データを適宜選択して実行するようにしてもよい。その場合、ステップS564及びS365で処理される次の演出制御実行データは適宜選択されて実行される。
一方、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしていない場合(ステップS563:No)、又はステップS565の処理を実行した後には、操作パターンに基づく操作演出処理を行う(ステップS570)。ステップS570の処理で実行される操作演出処理の詳細を、図28〜図50を用いて、以下に説明する。
29.操作演出パターンの演出態様
図29は、図28で説明した操作演出パターンの演出態様を例示する説明図である。図29は、遊技者が操作可能な操作手段として、図1で説明したプッシュボタン31Bを使用し、プッシュボタン31Bの操作に対する操作演出のパターンを予め定義しているテーブルを例示している。なお、操作演出パターンの演出態様を定義したテーブルは、図2で説明したROM121に記憶されているものとする。
本実施形態では、プッシュボタン31Bの操作に対して定義されている操作演出のパターンに対する演出態様を説明するが、例えば、スティックコントローラ31A等、他の操作手段に対する操作演出を、他の操作演出パターンとしてテーブルに定義しておくこともできる。また、1つの操作手段に対する操作演出パターンと併せて、又は1つの操作手段に対する操作演出パターンに代わって、複数の操作手段による操作に対する操作演出パターンの演出態様を定義しておいてもよい。
また、本実施形態では、プッシュボタン31Bを1回押下することを検出して操作手段に対する操作が完了したとして操作演出を行う場合を説明するが、例えば、プッシュボタン31Bの長押し時間の長短、プッシュボタン31Bの連打回数等の操作を操作手段に対する操作の完了として検出するようにしてもよい。
図29で説明するそれぞれの操作演出パターンは、例示であって、図29に示す一部の操作演出パターンのみを定義して実施をすることができる。また、それぞれの操作演出パターンで定められる演出態様は、図29で例示した態様に限定されない。例えば、ボタン操作後に実施される演出態様において、カットイン演出の態様、セリフ演出の態様、又は役物演出の態様は任意である。また、それらの演出態様を組み合わせて操作演出パターンを定義してもよい。
図29において、説明図のテーブルは、「操作演出パターン」、「ボタン演出有無」、及び「演出態様」の項目を有する。
「ボタン演出有無」の項目は、プッシュボタン31Bの押下による演出を行うか否かを定義している。ボタン演出有無が「無」の場合は、図27のステップS570の操作演出処理では、操作演出処理が行われずに処理がスキップされることになる(詳細は図39を用いて後述する)。
「演出態様」の項目は、「ボタン演出開始時」、「ボタン未操作状態」、「ボタン有効期間終了後」、及び「ボタン操作後」の項目を有する。
「ボタン演出開始時」の項目は、ボタン押下による操作演出が開始されるときにおける演出態様を表している。ボタン演出開始時とは、ステップS570における処理開始によりボタン演出が開始される時である。本実施形態におけるボタン演出開始時は、全ての操作演出パターンにおいて、可変表示期間(可変表示中の期間)が開始されてから所定の時間が経過したときの場合を例示している。なお、ボタン演出開始時と可変表示期間の関係は、タイミングチャートを用いて後述する。
本実施形態では、ボタン演出開始時の演出態様として、画像表示装置5に表示されるアイテムの種類を表している。特に、操作手段への操作が有効である有効期間を遊技者に報知する報知手段としてゲージを表示する場合を例示する。報知手段としてのゲージとは、ゲージに含まれるゲージ値の形状(ゲージ値の長さ等の形状)を時間の経過とともに変更させて、遊技者に対して有効期間の進行を報知するものである。本実施形態におけるゲージ値は、図36等を用いて後述する、矩形の形状の長さが有効期間の残時間を表すものである。遊技者は、ゲージ値が減少して0を示す(消滅する)前に操作手段を操作することができる。本実施形態では、ゲージ及びゲージ値の形状が矩形の場合を例示するが、例えば、ゲージ及びゲージ値の形状を円形や多角形の形状としてもよい。
画像表示装置5に表示されるゲージは、表示されるアイコンの大きさによって、「小ゲージ」と「大ゲージ」の2種類が規定されている。但し、ゲージの大きさは2種類には限定されず、例えば小ゲージと大ゲージの中間の大きさとして「中ゲージ」を規定してもよい。
また、ボタン演出開始時には、操作手段に対する操作を遊技者に促す促進演出として画像表示装置5にボタンのアイコンを表示させる。表示されるボタンの大きさによって、「小ボタン」と「大ボタン」の2種類が規定されている。
さらに、所定の操作演出パターンにおいては、ボタン演出開始時に操作手段に対する操作のタイミングを報知するタイミングゲージを表示する。タイミングゲージの詳細は後述する。
「ボタン未操作状態」の項目は、プッシュボタン31Bが押下されるまでの有効期間内における演出態様を表している。本実施形態では、プッシュボタン31Bが1回押下されることを操作手段への操作完了としているが、「ボタン未操作状態」の項目は、遊技者が有効期間内に操作手段への操作をしない場合のゲージ値の動作を表している。本実施形態においては、プッシュボタン31Bを押下しない場合、全ての操作演出パターンにおいて、有効期間の進行とともにゲージ値が徐々に減少する演出態様を行う。
「ボタン有効期間終了後」の項目は、プッシュボタン31Bが押下されないまま有効期間が終了したときの演出態様を表している。ボタン有効期間終了後の演出態様は、ボタン演出開始時の演出態様で表示されたゲージ又はボタンの表示態様を表し、画像表示装置5に表示されたゲージ又はボタンの消去についての演出態様を表している。
なお、本実施形態では、プッシュボタン31Bが押下されないまま有効期間が終了したときには、次に説明する「ボタン操作後」で実行される演出態様は行わない。しかし、プッシュボタン31Bが押下されないまま有効期間が終了したときにおいても、「ボタン操作後」の演出態様を実行するようにしてもよい。有効期間の終了においても「ボタン操作後」の演出態様を実行することによって、遊技者は、有効期間の終了を認識しやすくなる。
「ボタン操作後」の項目の項目は、プッシュボタン31Bが押下されたときの演出態様を表している。本実施形態では、プッシュボタン31Bが押下されたときの、ゲージの表示の演出態様、ボタンの表示の演出態様、カットイン演出の演出態様、セリフ演出の演出態様、役物演出における演出態様、特定演出における演出態様が表されている。それぞれの演出態様の詳細は後述する。
なお、図29のそれぞれの操作演出パターンの演出態様によって、上述した期待度が異なるものであってもよい。例えば、ゲージの表示の演出態様、ボタンの表示の演出態様、カットイン演出の演出態様、セリフ演出の演出態様、役物演出における演出態様、特定演出における演出態様によって、期待度が異なるようにすることができる。演出態様によって期待度を変えることにより、興趣の向上を図ることが可能となる。
次に、図29のそれぞれの操作演出パターンの詳細を説明する。なお、図30〜図35で説明するタイムチャートにおける操作演出のタイミングは、これに限定されない。つまり、それぞれの操作演出パターンのタイミングは、各図で例示されるタイミング以外のタイミングで動作させてもよい。例えば、操作演出パターンで定義される演出態様の長さ、回数等は、任意に設定して実施をすることができる。
[操作演出パターンBT−1]
操作演出パターンBT−1は、ボタン演出を実行しない操作演出パターンである。図25で説明したステップS7112において、変動パターンからBT−1の操作演出パターンが決定されたときには、ステップS7114の処理において操作演出実行フラグはセットされず、また、ステップS7115の処理における演出制御実行データのセットは行われない。従って、操作演出パターンがBT−1に決定されたときには、以下に説明するプッシュボタン31Bの押下に係る操作演出は行われない。
[操作演出パターンBT−2―1、BT−2―2]
操作演出パターンBT−2―1及びBT−2―2の詳細を、図28、図29、図30、図36、及び図37を用いて説明する。図30は、操作演出パターン(BT−2、BT−3)の動作を例示するタイムチャートである。図36は、(a)小ボタン、小ゲージの表示を例示する説明図、(b)大ボタン、大ゲージの表示を例示する説明図である。図37は、操作演出パターン(BT−2)における操作演出の一例を説明する図である。
図29において、BT−2―1及びBT−2―2の操作演出パターンは、小ボタン、小ゲージを表示して、ボタン操作によって「ゲージ値ゼロ表示」を表示をする。「ゲージ値ゼロ表示」の詳細は後述する。さらにカットイン演出を行う演出態様を例示する。操作演出パターンBT−2―1とBT−2―2の差異は、ボタン操作後に表示されるカットイン演出の種類の違いである。カットイン演出とは、画像表示装置5の表示に所定の画像を割り込ませて(挿入して)表示させる表示演出をいう。操作演出パターンBT−2―1では、背景が青みがかった映像が表示される「カットイン演出(青)」が表示され、一方、操作演出パターンBT−2―2では、背景が赤みがかった映像が表示される「カットイン演出(赤)」が表示される。
それぞれのカットイン演出は、図25のステップS7112で変動パターンに基づき決定される。
図28において、PA2−n(非リーチハズレ)の場合、操作演出パターンBT−2―1が決定される割合が25%であるのに対して、操作演出パターンBT−2―2が決定される割合は5%であり、カットイン演出(青)が表示される割合がカットイン演出(赤)が表示される割合に比べて高い(本実施形態では5倍で例示)。また、PA3−n(ノーマルリーチ(ハズレ))、PA4−n及びPA5−n(スーパーリーチ(ハズレ))についてもそれぞれカットイン演出(青)が表示される割合がカットイン演出(赤)が表示される割合に比べて高く設定されている。一方、PB3−n(ノーマルリーチ(当り))、PB4−n、及びPB5−n(スーパーリーチ(当り))については、カットイン演出(赤)が表示される割合がカットイン演出(青)が表示される割合に比べて高く又は同じに設定されている。つまり、カットイン演出(赤)が表示された場合(操作演出パターンBT−2―2)、最終確定図柄が当りで表示される可能性がカットイン演出(青)が表示された場合(操作演出パターンBT−2―1)に比べて高い。したがって、カットイン演出(赤)が表示される演出によって、遊技者に対して当りへの期待感を持たせることが可能となる。
次に操作演出パターン(BT−2)の動作を図30のタイムチャートを参照して説明する。図30は、操作演出パターンBT−2及びBT−3の動作を表しているが、操作演出パターンBT−2と操作演出パターンBT−3は動作のタイミングチャートが同じであるため、ここでは操作演出パターンBT−2のタイミングチャートを説明し、操作演出パターンBT−3のタイミングチャートの説明を省略する。
なお、以下の説明では、操作演出パターンBT−2―1とBT−2―2に共通する演出態様のついては、操作演出パターンを「BT−2」として説明する。
図30において、tn(n=0、2、20、22〜25)で表す時間は、図10(a)で説明した、演出制御タイマ設定部192で設定される操作演出パターンBT−2で実行される操作演出の進行を制御するためのタイマ設定値を表している。操作演出は、それぞれのタイマ設定値が設定される操作演出タイマがタイムアウトしたか否かによってそれぞれの演出態様の実行時間が制御される。操作演出タイマのタイムアウトにる制御の詳細は後述する。
t0〜t2の期間は、可変表示期間を示す。本実施形態で例示する全ての操作演出パターンは、可変表示期間中に実行される演出として説明する。
図29の「ボタン演出開始時」は図30のt20に相当する。「ボタン演出開始時」は、本実施形態では、変動表示期間が開始された後の、例えばリーチ前のタイミングである。t20において、図29の「ボタン操作開始時」の項目で規定された操作演出を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、t20において、画像表示装置5に、小ボタンの表示を行い、さらに小ゲージの初期値を表示する。ここで、画像表示装置5に表示される小ボタンと小ゲージの態様を、図36(a)を用いて説明する。
図36(a)において、画像表示装置5には、小ボタン5BS、及び小ゲージ5GSが表示される。画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに変動中の飾り図柄が表示されている。本実施形態では、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSが変動中の飾り図柄に重畳される場合を例示している。
小ボタン5BSは、操作手段であるプッシュボタン31Bの押下を示唆する画像である。小ボタン5BSを表示することにより、遊技者に対してプッシュボタン31Bの押下を促すことができるため、小ボタン5BSは促進演出を行う手段として機能する。
小ゲージ5GSは、プッシュボタン31Bの押下が有効であることを示すボタン有効期間を表している。小ゲージ5GSは、ボタン有効期間の進行(経過又は減少)とともにゲージの長さが短くなる演出を行う。小ゲージ5GSは、図36(a)で塗りつぶし部分で図示する小ゲージ値5GS1と、空白部分で図示する小ゲージ減少値5GS0とで表示される。
小ゲージ値5GS1は、小ゲージ5GSの中で、ボタン有効期間の進行とともに、図36(a)の図示右側から左側に徐々に減少する動作を表示する。小ゲージ値5GS1は、遊技者に対してボタン有効期間の残りを報知する指標である。すなわち、小ゲージ値5GS1の長さ(大きさ)は有効期間の長さを表し、遊技者に対してプッシュボタン31Bの押下を促すことができる。
一方、小ゲージ減少値5GS0は、ボタン有効期間の進行とともに、小ゲージ値5GS1の減少分、図36(a)の図示右側から左側に徐々に増加する動作を表示する。小ゲージ減少値5GS0も小ゲージ値5GS1と同様にボタン有効期間の残りを報知することができる。
再び図30に戻り、t20〜t22の期間は、操作演出パターンBT−2におけるボタン有効期間の最大値を示す。
t20で初期値が表示された小ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1は、プッシュボタン31Bの押下が無い場合、図29の「ボタン未操作状態」の項目で規定された操作演出を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、小ゲージ値5GS1をボタン有効期間の経過とともに徐々に減少させる。徐々に減少する小ゲージ値5GS1を表示することにより、遊技者に対してボタン有効期間の推移を報知することができる。
t22はボタン有効期間の終了のタイミングを示す時間である。t22を経過するまでに遊技者がプッシュボタン31Bを押下しなかった場合、図29の「ボタン未操作状態」の項目で規定された操作演出を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、小ゲージ5GSを、小ゲージ値5GS1が徐々に減少して0になるまで(表示がされなくなるまで)表示した後、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去する演出態様を行う。本実施形態では、遊技者がプッシュボタン31Bを押下しないでボタン有効期間が終了した場合、カットイン演出は行われない。但し、ボタン有効期間が終了したときに他の演出態様を実施してもよい。
一方、ボタン有効期間t20〜t22の期間の間であるt21に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了したと認識する。また、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了した後は、t21〜t22の期間におけるプッシュボタン31Bの押下を無視する。
ここで、演出制御用CPU120がプッシュボタン31Bの押下を無視するとは、プッシュボタン31Bが押下されても、演出制御用CPU120がプッシュボタン31Bの押下に応じた処理を何も実行しないことをいう。但し、t21〜t22の期間にプッシュボタン31Bが押下されたときに、以下で説明する「ボタン操作後」の演出態様を行わず、演出制御用CPU120が他の処理を行うようにしてもよい。
t20〜t22の期間の間であるt21に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、t23から、図29の「ボタン操作後」の項目で規定された演出態様を開始する。すなわち、演出制御用CPU120は、t23において小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去し、さらにカットイン演出を行う。
なお、本実施形態では、「ゲージ値ゼロ表示」を表示するタイミングと、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去するタイミングを同じものとして説明したが、「ゲージ値ゼロ表示」を表示するタイミング、小ボタン5BSを消去するタイミング、及び小ゲージ5GSを消去するタイミングを別のタイミングとすることは任意である。例えば、、小ボタン5BSを消去するタイミングは、プッシュボタン31Bの押下と同時であっても、異なってもよい。「ゲージ値ゼロ表示」を表示するタイミング、小ボタン5BSを消去するタイミング、及び小ゲージ5GSを消去するタイミングを別のタイミングとすることが任意であることは、以下の全ての演出態様において共通する。
「ゲージ値ゼロ表示」とは、ボタン操作後の操作演出の一態様である。「ゲージ値ゼロ表示」とは、小ゲージ5GSにおいては、小ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1が0を表示する表示態様である。すなわち、小ゲージ5GSにおける「ゲージ値ゼロ表示」とは、小ゲージ値5GS1が含まれず、小ゲージ減少値5GS0のみを含む表示態様ある。また、「ゲージ値ゼロ表示」とは、後述する大ゲージ5GLにおいては、大ゲージ5GLの大ゲージ値5GL1が0を表示する表示態様である。すなわち、大ゲージ5GLにおける「ゲージ値ゼロ表示」とは、大ゲージ値5GL1が含まれず、ゲージ減少値5GS0のみを含む表示態様ある。以下の説明では、「ゲージ値ゼロ表示」は、小ゲージ5GSにおける場合と大ゲージ5GLにおける場合のいずれも含むものとする。また、「ゲージ値」には小ゲージ値5GS1及び大ゲージ値5GL1のいずれも含むものとする。
「ゲージ値ゼロ表示」は、ゲージ値が0となる表示を行うときの演出態様である。ゲージ値が0となる表示を行うときの演出態様としては、例えば、プッシュボタン31Bが押下される前のゲージ値から、ゲージ値が0となる表示を瞬時に行ってもよい。
また、ゲージ値が0となる表示を行うときの演出態様には、ゲージ値が0となる表示を行う際に所定の演出態様を含んでいてもよい。例えば、ゲージ値が0となる表示を行う際のゲージ値の減少速度を、プッシュボタン31Bが押下されないときのゲージ値の減少速度に比べて速くして表示してもよい。また、ゲージ値が0となる表示を行うときの演出態様には、ゲージ値の減少速度以外の他の表示態様を含んでいてもよい。例えば、小ゲージ5GS又は大ゲージ値5GLに所定の装飾等と付加してもよい。
「ゲージ値ゼロ表示」の表示は、表示される画像を他の画像に切り替えて表示してもよい。
本実施形態では、ボタン操作後の操作演出はt23から開始される。t23は、プッシュボタン31Bの押下がされるt21と同時である場合を例示している。しかし、t23をt21から所定の遅延時間が経過した後としてもよい。所定の遅延時間は、t23の遅延時間として予め設定しておいてもよい。
なお、以降の説明において、nの数字が異なる時間tnは、別途設定が可能であることを示している。
t23において、小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を表示する。「ゲージ値ゼロ表示」は、t20〜t21の期間で小ゲージ値5GS1が徐々に減少する小ゲージ5GSの表示に代わって表示されるため、遊技者は小ゲージ値5GS1の表示の変化を容易に認識可能になる。したがって遊技者は、プッシュボタン31Bの押下によって、小ゲージ5GSのゲージ値が0になったことを認識しやすくなり、プッシュボタン31Bの押下により操作手段に対する操作が完了した(パチンコ遊技機1がプッシュボタン31Bの押下を認識した)ことを認識しやすくなる。
また、「ゲージ値ゼロ表示」により、遊技者にボタン有効期間が終了したことを報知できるので、遊技者が無駄なプッシュボタン31Bの操作をすることが少なくなり、パチンコ遊技機1への操作に対する物理的な負荷を軽減させることが可能となる。
なお、本実施形態では、プッシュボタン31Bの押下に基づく小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」は、プッシュボタン31Bが押下されないでボタン有効期間を終了したときの小ゲージ5GSのゲージ値表示と同じ表示を行う場合を例示したが、プッシュボタン31Bの押下したときと、押下されないでボタン有効期間を終了したときで、小ゲージ5GSのゲージ値が0を示す表示態様を変えてもよい。
t24において、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの消去し、カットイン演出を表示する。従って、「ゲージ値ゼロ表示」は、t23〜t24の期間表示される。表示期間t23〜t24は、表示時間として予め設定しておいてもよい。表示時間を予め設定された固定値にすると、t23がプッシュボタン31Bの押下のタイミングに基づいて変動すると、t23の変動に応じて表示期間が終了するt24の時間が変動することになる。また、表示期間が終了するt24の値を固定値にすると、プッシュボタン31Bの押下のタイミングであるt23の変動に応じて表示時間を変動させることができる。
「ゲージ値ゼロ表示」をt23〜t24の期間表示することにより、遊技者が「ゲージ値ゼロ表示」を認識することが可能となる。プッシュボタン31Bの押下により、「ゲージ値ゼロ表示」をすることなく小ゲージ5GSを消去する場合に比べて、遊技者に対して操作手段に対する操作の完了を認識させやすくなる。
本実施形態では、終了報知手段である「ゲージ値ゼロ表示」の表示を行った後にt24からボタン操作演出としてカットイン演出を行う場合を例示している。つまり、「ゲージ値ゼロ表示」の表示を含む小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去してからカットイン演出を表示する。
しかし、ボタン操作演出が行われるタイミングは、終了報知手段の表示を行った後には限定されない。例えば、ボタン操作演出を終了報知と同時に行ってもよい。また、ボタン操作演出を終了報知より先に行ってもよい。
従って、ボタン操作演出の開始と終了報知の開始は、どちらが先になってもよいし、同時であってもよい。また、ボタン操作演出の終了と終了報知の終了は、どちらが先になってもよいし、同時であってもよい。
また、ボタン操作演出と終了報知とを同時に行う場合、例えば、ボタン操作演出であるカットイン演出の表示と終了報知である「ゲージ値ゼロ表示」の表示とが同時に行われることになる。ここで、画像表示装置5には、カットイン演出の表示と「ゲージ値ゼロ表示」の表示の両方を同時に表示してもよいし、一方の表示が他方の表示をオーバーレイするようにして、どちらかの表示のみを表示してもよい。例えば、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去するかわりに、カットイン演出の表示を小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの表示にオーバーレイさせて、実行されている小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの表示をカットイン演出の表示で隠すようにすることができる。
カットイン演出は、t24〜t25の期間表示される。本実施形態では、t24において小ゲージ5GSが消去されるとともにカットイン演出が開始される場合を例示したが、小ゲージ5GSが消去される時間とカットイン演出が開始される時間を別に設定するようにしてもよい。また、カットイン演出は、t24〜t25の期間の固定長で表示される場合を説明したが、カットイン演出の時間を可変長にしてもよい。例えば、カットイン演出が終了するt25の時間を、可変表示時間が終了するt2に合わせて、可変表示期間が終了するまでカットイン演出を表示し続けてもよい。カットイン演出の開始はプッシュボタン31Bの押下のタイミングで決まるため、カットイン演出の時間は、プッシュボタン31Bの押下のタイミングで可変長となる。つまり、カットイン演出の時間は、プッシュボタン31Bの押下のタイミングが早いと長くなり、遅いと短くなる。
次に、操作演出パターン(BT−2)の操作演出の一例を図37を用いて説明する。図37は、画像表示装置5に表示される操作演出を、図37(a)〜(g)で示す時系列で説明したものである。
図37(a)は、図30で説明したt0〜t20の期間における可変表示期間開始後であって、小ボタンン5BS等が表示される前を表している。画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに変動中の飾り図柄が表示されている。
図37(b)は、t20における、ボタン演出開始時の演出態様を表している。画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されている変動中の飾り図柄に、小ボタン5BS及びゲージ値が初期表示である小ゲージ5GSが重畳されて表示される。小ゲージ5GSは初期表示において、ゲージ値5GSS1を最大値で表示し、小ゲージ減少値5GS0は表示しない。
図37(c)〜(d)は、小ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1が、時間の経過とともに徐々に減少していることを表している。小ゲージ値5GS1は、図示右側から左側に徐々に減少し、図37(d)の小ゲージ値5GS1は図37(c)の小ゲージ値5GS1に比べて小さくなる。小ゲージ値5GS1を徐々に減少させる演出態様は、画像表示装置5縦方向の画素を1ライン分づつ減らして表示させることによって行うことができる。但し、ゲージ値を徐々に減少させる演出態様はこの表示方法に限定されず、遊技者に対して小ゲージ値5GS1が徐々に減少していくことを認識させるものであればよい。
図37(e)は、t21において、プッシュボタン31Bの押下がされたことを表している。図37(e)の図示右側の図は、プッシュボタン31Bが遊技者によって押下されたことを表している。プッシュボタン31Bの押下によって、小ゲージ値5GS1を徐々に減少させる演出は終了する。
図37(f)は、t23において、小ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1が0となる「ゲージ値ゼロ表示」を表している。本実施形態ではt21でプッシュボタン31Bが押下されると、直ちに「ゲージ値ゼロ表示」がされる。従って、遊技者は小ゲージ5GSの表示が変化したことを認識しやすくなる。プッシュボタン31Bの押下に応じた「ゲージ値ゼロ表示」を行うことにより、パチンコ遊技機1にプッシュボタン31Bの押下が受け付けられたことを遊技者に対して報知することができる。
図37(g)は、t24において、小ゲージ5GSが消去され、カットイン演出5CEが表示されていること表している。カットイン演出は、変動中の飾り図柄に重畳されて表示されている。なお、操作演出パターンがBT2−1である場合はカットイン演出(青)が表示され、操作演出パターンがBT2−2である場合はカットイン演出(赤)が表示される。
なお、本実施形態では、「ゲージ値ゼロ表示」を表示した後にカットイン演出5CEを表示する演出態様を説明したが、「ゲージ値ゼロ表示」を表示しないでカットイン演出5CEを表示するようにしてもよい。「ゲージ値ゼロ表示」を表示する場合と、「ゲージ値ゼロ表示」を表示しない場合で、上述した期待度を変えるようにしてもよい。
[操作演出パターンBT−3―1、BT−3―2]
操作演出パターンBT−3―1及びBT−3―2の詳細を、図28、図29、図31、図36、及び図38を用いて説明する。図38は、操作演出パターン(BT−3)における操作演出の一例を説明する図である。
図29において、BT−3―1及びBT−3―2の操作演出パターンは、操作演出パターンBT−2と同様に、小ボタン、小ゲージを表示して、ボタン操作によって「ゲージ値ゼロ表示」をし、さらにカットイン演出を行う演出態様を例示する。
操作演出パターンBT−2とBT−3の差異は、小ボタン5BSの「ゲージ値ゼロ表示」の表示方法の差異であり、他の操作演出については同じであるため重複する説明は省略する。
なお、操作演出パターンBT−2とBT−3では、例えば、操作演出パターンBT−3の期待度の方を大きくすることができる。
操作演出パターンBT−3―1とBT−3―2の差異は、操作演出パターンBT−2―1とBT−1―2の差異と同様にボタン操作後に表示されるカットイン演出の種類の違いである。
操作演出パターンBT−3―1とBT−3―2では、例えば、操作演出パターンBT−3―2の期待度の方を大きくすることができる。
図28において、操作演出パターンBT−3―1及びBT−3―2は、操作演出パターンBT−2―1及びBT−2―2と同様に、カットイン演出(赤)が表示された場合(操作演出パターンBT−3―2)、最終確定図柄が当りで表示される可能性がカットイン演出(青)が表示された場合(操作演出パターンBT−3―1)に比べて高い。したがって、カットイン演出(赤)が表示される演出を行うことによって、遊技者に対して当りへの期待感を持たせることが可能となる。
なお、本実施形態では、操作演出パターンBT−2と操作演出パターンBT−3の間では、変動パターンに対する決定割合を変えて設定している。例えば、PB3−n(ノーマルリーチ(当り))の場合、操作演出パターンBT−2と操作演出パターンBT−3が決定される割合は同じ値となっている。しかし、PB4−n、PB5−n(スーパーリーチ(当り))の場合、操作演出パターンBT−2−1、BT−2−2が決定される割合はそれぞれ1%であるのに対して、操作演出パターンBT−3−1、BT−3−2が決定される割合はそれぞれ2%と12%であり、スーパーリーチ(当り)の場合は、BT−3の操作演出パターンが決定されやすくなっている。したがって、BT−3の演出態様を表示することによって、遊技者に対して期待感を持たせることができる。
次に操作演出パターン(BT−3)の動作を図30のタイムチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、操作演出パターンBT−3―1とBT−3―2に共通する演出態様のついては、操作演出パターンを「BT−3」として説明する。
図30において、操作演出パターンBT−3の演出態様は、操作演出パターンBT−2の演出態様と、小ゲージ5GSの演出態様で異なり、他の演出態様においては同じである。例えば、操作演出パターンBT−3で表示される小ボタン5BSの表示は、図36で説明した操作演出パターンBT−2の演出態様と同じある。また、操作演出パターンBT−3で表示されるカットイン演出も、操作演出パターンBT−2で表示されるカットイン演出と同じである。すなわち、操作演出パターンBT−3―1で表示されるカットイン演出(青)は操作演出パターンBT−2―1で表示されるカットイン演出(青)と同じであり、また、操作演出パターンBT−3―2で表示されるカットイン演出(赤)は操作演出パターンBT−2―2で表示されるカットイン演出(赤)と同じである。以下の説明では、操作演出パターンBT−2と同じ演出態様については説明を省略する。
操作演出パターン(BT−3)の操作演出の一例を図38を用いて説明する。図38は、画像表示装置5に表示される操作演出を、図38(a)〜(h)で示す時系列で説明したものである。なお、図38(a)〜図38(e)で示す演出態様は、図37で説明した演出態様と同じであるため説明を省略する。
図38(f)は、同図(e)のt21においてプッシュボタン31Bが押下されたときの、「ゲージ値ゼロ表示」を表示する演出の一態様である。小ゲージ5GSは、t23から小ゲージ値5GS1が急減少されて表示される。図38(f)において、小ゲージ値5GS1の(イ)で示す値は、t23におけるゲージ値である。小ゲージ値5GS1は、(イ)の値から0まで急減少するように表示される。(ロ)は、小ゲージ値5GS1が急減少している途中の値である。小ゲージ値5GS1の(イ)〜(ロ)で図示するハッチングの部分は、小ゲージ値5GS1の急減少を表すための表現であり、画像表示装置5には、小ゲージ減少値5GS0と同様の空白が表示される。ゲージ値「0」の表示において小ゲージ値5GS1を急減少させる表示は、例えば、予め用意された動画によって行うことができる。小ゲージ値5GS1を急減少させる速さは任意である。例えば、小ゲージ値5GS1の減少の速度は、図38(b)〜(e)における遊技者がボタン操作を行わない場合の小ゲージ値5GS1が減少する速度に比べて、遊技者が早く動作していると認識できる程度に速ければよい。
小ゲージ値5GS1を急減少させる表示によって、遊技者は小ゲージ値5GS1の表示の変化を容易に認識可能になる。したがって遊技者は、プッシュボタン31Bの押下によって、小ゲージ5GSのゲージ値が0になることを容易に確認可能になり、プッシュボタン31Bの押下により操作手段に対する操作が完了した(パチンコ遊技機1がプッシュボタン31Bの押下を認識した)ことを認識しやすくなる。
但し、小ゲージ値5GS1の急減少を表示する態様は、これに限定されない。例えば、図38(f)の(イ)〜(ロ)で図示するハッチングのような、小ゲージ減少値5GS0とは異なる形態の表示を行ってもよい。小ゲージ減少値5GS0とは異なる形態の表示とは、例えば、小ゲージ減少値5GS0とは異なる色、形状、飾り等の態様による表示である。小ゲージ減少値5GS0とは異なる形態の表示を行うことにより、急減少する小ゲージ値5GS1の変化を遊技者に認識容易にすることができる。
本実施形態では、プッシュボタン31Bの押下によってボタン有効期間が終了し、小ゲージ値5GS1が急減少する表示をする演出態様を行う場合を例示した。しかし、ボタン有効期間と小ゲージ値5GS1が急減少する表示のタイミングはこの演出態様に限定されない。
例えば、ボタン有効期間に小ゲージ値5GS1が急減少する表示を行ってもよい。本実施形態では、プッシュボタン31Bを1回押下することにより操作手段に対する操作が完了する場合を例示しているが、例えばプッシュボタン31Bの長押しやプッシュボタン31Bの連打によって操作手段への操作が完了する場合には、小ゲージ値5GS1が急減少する間においてもボタン有効期間として遊技者に対してプッシュボタン31の操作を可能にしてもよい。その場合、小ゲージ値5GS1が急減少する表示によって、プッシュボタン31Bへの操作開始(例えば、長押しの開始又は連打の開始等)がされたことをパチンコ遊技機1が認識したことを遊技者に対して報知することができる。
また、プッシュボタン31Bの長押し時間やプッシュボタン31Bの連打回数によって、小ゲージ値5GS1の表示を変化させてもよい。
図38(g)及び(h)は、図37(f)及び(g)で説明した操作演出パターンBT−2の演出態様と同じであるので説明を省略する。
[操作演出パターンBT−4―1、BT−4―2]
操作演出パターンBT−4―1及びBT−4―2の詳細を、図28、図29、図31、及び図36を用いて説明する。図31は、操作演出パターン(BT−4)の動作を例示するタイムチャートである。
操作演出パターンBT−4の演出態様は、操作演出パターンBT−3の演出態様と共通点が多いため、操作演出パターンBT−4の演出態様を操作演出パターンBT−3の演出態様と比較して説明する。
図28において、操作演出パターンBT−3は変動パターンがPA2−n(非リーチ(ハズレ))の場合所定の割合で決定されるのに対して、操作演出パターンBT−4は変動パターンがPA2−nの場合は決定されない。つまり、操作演出パターンBT−3の演出態様は図柄の変動が非リーチの場合でも実施されるのに対して、操作演出パターンBT−4の演出態様は図柄変動がリーチとなる場合のみ実施される。したがって、操作演出パターンBT−4の演出態様を実施することによって、遊技者に対してリーチに対する期待感、さらには当りに対する期待感を持たせることが可能となる。
図29において、BT−4の操作演出パターンは、大ボタン、大ゲージを表示して、ボタン操作によって大ゲージのゲージ値が0を表示する「ゲージ値ゼロ表示」をし、カットイン演出を表示し、さらにカットイン演出終了後に大ボタン及び大ゲージを消去する演出態様を例示する。
操作演出パターンBT−4とBT−3の差異は、先ず、画像表示装置5に表示されるボタン及びゲージの大きさの相違である。また、操作演出パターンBT−4とBT−3の差異は、ボタン及びゲージの消去タイミングである。
操作演出パターンBT−3においては、画像表示装置5に小ボタン及び小ゲージを表示するのに対して、操作演出パターンBT−4においては、画像表示装置5に大ボタン及び大ゲージを表示する点で相違する。
図36(b)において、画像表示装置5には、大ボタン5BL、及び大ゲージ5GLが表示される。画像表示装置5に飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに変動中の飾り図柄が表示されている点については図36(a)と同様であり、大小ボタン5BL及び大ゲージ5GLは、変動中の飾り図柄に重畳される。大ゲージ5GLは、大ゲージ値5GL1と、大ゲージ値5GL1が時間の推移とともに減少したことを示す大ゲージ減少値5GL0とを有する。
大ボタン5BLは、小ボタン5BSと同様に、遊技者に対して操作手段であるプッシュボタン31Bの押下を促す促進演出として表示される画像である。大ボタン5BLは、小ボタン5BSよりも画像表示装置5に大きく表示されるため、遊技者に対して小ボタン5BSよりも目立たせることができる。本実施形態では、操作演出パターンBT−4は、変動図柄がリーチとなる場合のみで実施されるため、大ボタン5BLの表示によって遊技者に対して期待感を持たせることができる。
大ゲージ5GLは、小ゲージ5GSと同様に、操作手段として例示するプッシュボタン31Bの押下が有効であることを示すボタン有効期間を遊技者に対して報知する画像である。大ゲージ5GLは、大ゲージ値5GL1と、空白部分で図示する大ゲージ減少値5GL0とで表示される。大ゲージ5GLは、小ゲージ5GSよりも画像表示装置5に大きく表示されるため、遊技者に対して小ゲージ5GSよりも目立たせることができる。
なお、図36(b)では、大ボタン5BLと大ゲージ5GLを組み合わせる態様を例示したが、ボタンとゲージの組み合わせはこれに限定されない。例えば、大ボタンと小ゲージの組み合わせ、小ボタンと大ゲージの組み合わせであってもよい。
操作演出パターンBT−4は、ボタン及びゲージの消去タイミングにおいて操作演出パターンBT−3と相違する。操作演出パターンBT−3においてボタン及びゲージの消去タイミングは、カットイン演出が行われる前であるのに対して、操作演出パターンBT−4においてボタン及びゲージの消去タイミングは、カットイン演出が終了した後である。操作演出パターン(BT−4)の動作を図31のタイムチャートを参照して説明する。
t0〜t4の期間は、可変表示期間を示す。可変表示期間は、変動パターンによって定められる。
t40で示すボタン演出開始時の演出態様において、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に、大ボタン5BLの表示を行い、さらに大ゲージ5GLの初期値を表示する。
t40〜t42の期間は、操作演出パターンBT−4におけるボタン有効期間の最大値を示す。
t40で初期値が表示された大ゲージ5GLの大ゲージ値5GL1は、プッシュボタン31Bの押下が無い場合、図29の「ボタン未操作状態」の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、大ゲージ値5GL1をボタン有効期間の経過とともに徐々に減少させる。徐々に減少する大ゲージ値5GL1を表示することにより、遊技者に対してボタン有効期間の推移を報知することができる。
t42はボタン有効期間の終了時間である。t42を経過するまでに遊技者がプッシュボタン31Bを押下しなかった場合、図29の「ボタン未操作状態」の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、大ゲージ5GLを、大ゲージ値5GL1が徐々に減少して0になるまで表示した後、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを消去する演出態様を行う。遊技者がプッシュボタン31Bを押下しないでボタン有効期間が終了した場合、カットイン演出は行われない。但し、ボタン有効期間が終了したときに他の演出態様を実施してもよい。
一方、ボタン有効期間t40〜t42の期間の間であるt41に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了したと認識する。また、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了した後は、t41〜t42におけるプッシュボタン31Bの押下を無視する。
t40〜t42の期間の間であるt41に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、t43から、図29の「ボタン操作後」の項目で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、t43において大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」をし、t44においてカットイン演出を行い、さらに、t46において大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを消去する。
t43は、プッシュボタン31Bの押下がされるt41と同時である場合を例示している。しかし、t43をt41から所定の時間が経過した後に設定してもよい。また、「ゲージ値ゼロ表示」にはゲージ値以外の他の表示を含んでいてもよい。
大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」は、t40〜t41の期間で大ゲージ値5GL1が徐々に減少する大ゲージ5GLの表示に代わって表示されるため、遊技者は大ゲージ値5GL1の表示の変化を容易に認識可能になる。したがって遊技者は、プッシュボタン31Bの押下によって、大ゲージ5GLのゲージ値が0になったことを認識しやすくなり、プッシュボタン31Bの押下により操作手段に対する操作が完了したことを認識しやすくなる。
また、「ゲージ値ゼロ表示」をすることにより、遊技者にボタン有効期間が終了したことを報知できるので、遊技者が無駄なプッシュボタン31Bの操作をすることが少なくなり、パチンコ遊技機1への操作に対する物理的な負荷を軽減させることが可能となる。
なお、プッシュボタン31Bの押下に基づく大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」は、プッシュボタン31Bが押下されないでボタン有効期間を終了したときの大ゲージ5GSのゲージ値表示と同じ表示を行う場合を例示したが、プッシュボタン31Bの押下したときと、押下されないでボタン有効期間を終了したときで、大ゲージ5GLのゲージ値が0を示す表示態様を変えてもよい。
t44において、カットイン演出を表示する。操作演出パターンBT−4では、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLは消去せず、カットイン演出を含む表示を大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの上にオーバーレイして、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの表示を覆い隠す。
カットイン演出は、t44〜t45の期間表示される。操作演出パターンBT−4で表示されるカットイン演出は操作演出パターンBT−3で表示されるカットイン演出と同じであるので、カットイン演出の詳細説明は省略する。
t45において、カットイン演出が終了し、カットイン演出の表示が消去されると、カットイン演出の表示に隠れていた大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」が再び表示される。大ボタン5BL及び「ゲージ値ゼロ表示」は、t45〜t46の期間表示される。
カットイン演出の表示が消去された後に「ゲージ値ゼロ表示」を行うことにより、遊技者は、プッシュボタン31Bの押下によって、大ゲージ5GLのゲージ値が0になったことを再度認識しやすくなり、プッシュボタン31Bの押下により操作手段に対する操作が完了したことを再度認識しやすくなる。
なお、操作演出パターンBT−4において、t43〜t44の期間を固定長として、カットイン演出が開始される時間t44をt43に対して固定する場合を説明したが、プッシュボタン31Bの長押し、又は連打によって操作が完了して、t43〜t44の期間が可変になるようにしてもよい。
また、カットイン演出が終了する時間t45、あるいは大ゲージ5GLの表示が終了する時間t46を、可変表示期間t4に合わせて設定してもよい。
[操作演出パターンBT−5]
操作演出パターンBT−5の詳細を、図28、図29、図32、図36、及び図39を用いて説明する。図32は、操作演出パターン(BT−5)の動作を例示するタイムチャートである。図39は、役物動作演出(弱動作)における操作演出の一例を説明する図である。
操作演出パターンBT−5の演出態様は、操作演出パターンBT−3又はBT−4の演出態様と共通点が多いため、操作演出パターンBT−5の演出態様を操作演出パターンBT−3又はBT−4の演出態様と比較して説明する。
図28において、操作演出パターンBT−5は操作演出パターンBT−4と同様に、変動パターンがPA3―n、PB3―n、PA4―n、PA5―n、PB4―n、及びPB5―nのときに図示所定の決定割合で決定される。操作演出パターンBT−5の演出態様は、図柄変動がリーチとなる場合のみ実施される。したがって、操作演出パターンBT−5の演出態様を実施することによって、遊技者に対してリーチに対する期待感、さらには当りに対する期待感を持たせることが可能となる。
図29において、BT−5の操作演出パターンは、小ボタン5BS、小ゲージ5GSを表示して、ボタン操作によって小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」をし、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を消去後、役物演出(動作弱)を行い、さらにセリフ演出1(弱セリフ)を表示する演出態様を例示する。
操作演出パターンBT−5とBT−3の差異は、ボタン操作後に、操作演出パターンBT−3がカットイン演出を実行するのに対して、操作演出パターンBT−5は役物演出(動作弱)及びセリフ演出1(弱セリフ)を行う点で相違する。
操作演出パターン(BT−5)の動作を図32のタイムチャートを参照して説明する。
t0〜t5の期間は、可変表示期間を示す。可変表示期間は、変動パターンによって定められる。
t50で示すボタン演出開始時の演出態様において、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に、小ボタン5BSの表示を行い、さらに小ゲージ5GSの初期値を表示する。
t50〜t52の期間は、操作演出パターンBT−5におけるボタン有効期間の最大値を示す。
t50で初期値が表示された小ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1は、プッシュボタン31Bの押下が無い場合、図29の「ボタン未操作状態」の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、小ゲージ値5GS1をボタン有効期間の経過とともに徐々に減少させる。徐々に減少する小ゲージ値5GS1を表示することにより、遊技者に対してボタン有効期間の推移を報知することができる。
t52はボタン有効期間の終了時間である。t52を経過するまでに遊技者がプッシュボタン31Bを押下しなかった場合、図29の「ボタン未操作状態」の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、小ゲージ5GSを、小ゲージ値5GS1が徐々に減少して0になるまで表示した後、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去する演出態様を行う。遊技者がプッシュボタン31Bを押下しないでボタン有効期間が終了した場合、役物演出(動作弱)及びセリフ演出1(弱セリフ)は行われない。但し、ボタン有効期間が終了したときに他の演出態様を実施してもよい。
一方、ボタン有効期間t50〜t52の期間の間であるt51に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了したと認識する。また、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了した後は、t51〜t52におけるプッシュボタン31Bの押下を無視する。
t50〜t52の期間の間であるt51に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、t53から、図29の「ボタン操作後」の項目で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、t53において小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」をし、t56において役物演出(弱動作)を行い、さらに、t54において小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を消去し、セリフ演出1(弱セリフ)を表示する。
「ゲージ値ゼロ表示」が表示される時間t53は、プッシュボタン31Bの押下がされるt41と同時である場合を例示している。しかし、t53をt51から所定の時間が経過した後に設定してもよい。また、「ゲージ値ゼロ表示」にはゲージ値以外の他の表示を含んでいてもよい。
小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」は、t50〜t51の期間で小ゲージ値5GS1が徐々に減少する小ゲージ5GSの表示に代わって表示されるため、遊技者は小ゲージ値5GS1の表示の変化を容易に認識可能になる。したがって遊技者は、プッシュボタン31Bの押下によって、小ゲージ5GSのゲージ値が0になったことを認識しやすくなり、プッシュボタン31Bの押下により操作手段に対する操作が完了したことを認識しやすくなる。
また、「ゲージ値ゼロ表示」を表示することにより、遊技者にボタン有効期間が終了したことを報知できるので、遊技者が無駄なプッシュボタン31Bの操作をすることが少なくなり、パチンコ遊技機1への操作に対する物理的な負荷を軽減させることが可能となる。
t54において、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去して、セリフ演出1(弱セリフ)を表示する。セリフ演出1(弱セリフ)は、t54〜t55の期間表示される。
t56において、役物演出(弱動作)を行う。役物演出は、t56〜t57の期間で実行される。
本実施形態では、役物演出1を開始する時間t56は、プッシュボタン31Bの押下がされる時間t51から所定の時間が経過した後に設定している。但し、時間t56をt51と同時、つまりプッシュボタン31Bの押下がされてから直ぐに役物演出を開始するように設定してもよい。
t57において、役物演出1が終了する。本実施形態では役物演出1とセリフ演出1とは同時に実施されない場合を例示したが、役物演出1とセリフ演出1とを同時に行い、さらに動作を同期制御してもよい。操作演出パターンBT−5において、t53〜t54の期間、t56の時間等を調整することにより、役物演出1とセリフ演出1の動作のタイミングを調整することが可能となる。
次に図39を用いて、役物動作演出(弱動作)における操作演出を説明する。なお、図39で説明する役物動作演出(弱動作)は、可動役物17の動作を説明するものであり、可動役物17の下に表示される画像表示装置5の表示は任意である。
図39(a)は、図32で説明したt53〜t56の期間における、遊技者がプッシュボタン31Bを押下して、画像表示装置5に小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が表示された状態を示している。画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに変動中の飾り図柄が表示されているものとする。小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が変動中の飾り図柄に重畳されて表示されている。LED9CCを有する可動役物17はまだ動作しておらず、図39(a)に示す初期位置にある。
図39(b)は、図32のt54において、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が消去され、t56において、役物演出が開始され、可動役物17が図39(a)の初期位置から図示下方に下降中であることを示している。本実施形態の役物動作演出(弱動作)では、小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」は、可動役物17の動作開始時に消去する場合を例示している。LED9CCの図示黒丸は、LEDが点灯していることを示している。役物動作演出(弱動作)においては、4灯あるLED9CCのうち1灯が順次点灯するものとする。また、可動役物17を回転させる演出を行ってもよい。
図39(c)は、可動役物17が下方へ移動できる限界位置である下降位置まで可動役物17が下降していることを示している。下降位置は、図39(c)で図示する画像表示装置5の上下方向において略中間位置である。下降位置まで下降した可動役物17は、飾り図柄表示エリア5Cに重畳し、飾り図柄表示エリア5Cの表示を隠す。本実施形態では飾り図柄は非リーチ状態を例示しているが、例えば飾り図柄表示エリア5R及び5Lの表示が確定してリーチ状態となったときに可動役物17を下降位置に移動させてもよい。
図39(d)は、可動役物17が下降位置から上昇して初期位置まで戻り、さらに画像表示装置5にセリフ演出1(弱セリフ)が表示されていることを示している。弱セリフは、例えば「チャンス」と表示される。初期位置まで戻った可動役物17は、LED9CCの点灯を終了し、役物動作演出(弱動作)を終了する。
[操作演出パターンBT−6]
操作演出パターンBT−6の詳細を、図28、図29、図33を用いて説明する。図33は、操作演出パターン(BT−6)の動作を例示するタイムチャートである。
図28において、操作演出パターンBT−6は、変動パターンがPA4―n、PA5―n、PB4―n、及びPB5―nのときに図示所定の決定割合で決定される。つまり、操作演出パターンBT−6の演出態様は、図柄変動がスーパーリーチとなる場合のみ実施される。したがって、操作演出パターンBT−6の演出態様を実施することによって、遊技者に対してスーパーリーチに対する期待感、さらには当りに対する期待感を持たせることが可能となる。
図29において、BT−6の操作演出パターンは、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを表示して、ボタン操作によって大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」を消去後、ボタン操作が所定の操作時間未満であるか否かによってセリフ演出の態様を変える演出態様を例示する。
なお、操作演出パターンBT−6における、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの表示、ボタン操作にる「ゲージ値ゼロ表示」の表示、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」の消去の演出態様については、操作演出パターンBT−4と類似するため、操作演出パターンBT−4との差異を説明する。
操作演出パターンBT−6とBT−4との差異は、操作演出パターンBT−4は、ボタン操作がボタン有効期間内であれば、ボタン操作のタイミングはその後の演出態様に影響しないのに対して、操作演出パターンBT−6は、ボタン操作のタイミングによって、その後の演出態様が異なる点で相違する。
操作演出パターンBT−6は、例えばボタン操作の早押しによる演出態様を行う操作演出である。早押しに成功すると(ボタン操作時間がt61未満の場合)、セリフ演出3を表示する。一方、早押しに失敗すると(ボタン操作時間がt61以上の場合)、セリフ演出4を表示する。
操作演出パターン(BT−6)の動作を図33のタイムチャートを参照して説明する。
t0〜t6の期間は、可変表示期間を示す。可変表示期間は、変動パターンによって定められる。
t60〜t62の期間は、操作演出パターンBT−6におけるボタン有効期間の最大値を示す。t60〜t62の期間には、t60〜t61の期間1と、t61〜t62の期間2が設定される。操作演出パターンBT−6は、プッシュボタン31Bの押下のタイミングが期間1又は期間2にいずれの期間であるかによって演出態様を変化させる。
t60において、演出制御用CPU120は、画像表示手段5に、大ボタン5BLと大ゲージ値5GL1の初期値が表示された大ゲージ5GLを表示する。演出制御用CPU120は、大ゲージ5GLに期間1と期間2と区別を表示してもよい。つまり、演出制御用CPU120は、大ゲージ値5GL1が期間1と期間2のいずれの期間であるかの表示を行ってもよい。
t60で初期値が表示された大ゲージ5GLの大ゲージ値5GL1は、プッシュボタン31Bの押下が無い場合、図29の「ボタン未操作状態」の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、大ゲージ値5GL1をボタン有効期間の経過とともに徐々に減少させる。徐々に減少する大ゲージ値5GL1を表示することにより、遊技者に対してボタン有効期間の推移を報知することができる。
t60〜t61の期間1の間であるt63に遊技者がプッシュボタン31Bを押下した場合、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了したと認識する。また、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了した後は、t63〜t65におけるプッシュボタン31Bの押下を無視する。
t63に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、t63から、図29の「ボタン操作後」の項目で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、t63において大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、t64において、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを消去し、さらにセリフ演出3の表示を行う演出態様を行う。セリフ演出3は、t64〜t65で行われる。
操作演出パターンBT−6では、t60〜t61の期間1の間に遊技者がプッシュボタン31Bを押下できた場合にのみセリフ演出3が表示される。遊技者は自らの操作によってセリフ演出3を表示させることができるので、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、期間1と期間2とを決めるt61及びt62は、予め定められた固定値である場合を説明したが、例えばt61の時間を変更することにより、セリフ演出3を表示させるためのプッシュボタン31B押下の難易度を変更することができる。
また、表示制御パターンBT−6は、t63においてプッシュボタン31Bの押下と「ゲージ値ゼロ表示」の表示とが同時である場合を例示している。しかし、プッシュボタン31Bの押下から「ゲージ値ゼロ表示」の表示まで所定の時間が経過するようにしてもよい。
また、「ゲージ値ゼロ表示」にはゲージ値以外の他の表示を含んでいてもよい。
一方、t61〜t62の期間2の間であるt66に遊技者がプッシュボタン31Bを押下した場合、演出制御用CPU120は、t66から、図29の「ボタン操作後」の項目で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、t66において大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、t67において、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを消去し、さらにセリフ演出4の表示を行う演出態様を行う。
「ゲージ値ゼロ表示」を表示することにより、遊技者にボタン有効期間が終了したことを報知できるので、遊技者が無駄なプッシュボタン31Bの操作をすることが少なくなり、パチンコ遊技機1への操作に対する物理的な負荷を軽減させることが可能となる。
なお、プッシュボタン31Bの押下に基づく大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」は、プッシュボタン31Bが押下されないでボタン有効期間を終了したときの小ゲージ5GSのゲージ値表示と同じ表示を行う場合を例示したが、プッシュボタン31Bの押下の有無によって、ゲージ値が0を示す表示態様を変えてもよい。
[操作演出パターンBT−7−1、BT−7−2]
操作演出パターンBT−7−1及びBT−7−2の詳細を、図28、図29、図34、図41及び図42を用いて説明する。図34は、操作演出パターン(BT−7)の動作を例示するタイムチャートである。図41は、操作演出パターン(BT−7−1)における操作演出の一例を説明する図である。また、図42は、操作演出パターン(BT−7−2)における操作演出の一例を説明する図である。
図28において、操作演出パターンBT−7は、変動パターンがPA3―n、PB3―n、PA4―n、PA5―n、PB4―n、及びPB5―nのときに図示所定の決定割合で決定される。操作演出パターンBT−7−1とBT−7−2は、ノーマルリーチ又はスーパーリーチの場合、それぞれの当りとなる場合の確立を変えている。例えば、変動パターンPA3−n(ノーマルリーチ(ハズレ))では、操作演出パターンBT−7−1が決定される割合が8%であるのに対して、操作演出パターンBT−7−2が決定される割合は2%である。また、変動パターンPB3−nノーマルリーチ(当り)では、操作演出パターンBT−7−1が決定される割合が2%であるのに対して、操作演出パターンBT−7−2が決定される割合は8%である。つまり、本実施形態では、操作演出パターンBT−7−1が決定された場合、操作演出パターンBT−7−2が決定された場合に比べて、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が低くなる。
例えば、ノーマルリーチに対して操作演出パターンBT−7−2の演出態様が実施された場合、操作演出パターンBT−7−1の演出態様が実施された場合に比べて、遊技者に対して当りの期待感を与えることができる。また、スーパーリーチの場合においても同様の期待感を与えることができる。
図29において、操作演出パターンBT−7−1及びBT−7−2は、プッシュボタン31Bの押下のタイミングを遊技者に対して示唆するタイミングゲージを画像表示装置に表示して、プッシュボタン31Bの押下のタイミングに応じた演出態様を行う。
操作演出パターンBT−7−2においては、プッシュボタン31Bの押下のタイミングがタイミングゲージの所定の範囲内であった場合(最良タイミング)、セリフ演出2(強セリフ)の演出態様が実行される。またプッシュボタン31Bの押下のタイミングがタイミングゲージの所定の範囲内で無かった場合(最良タイミングでない場合)、セリフ演出1(弱セリフ)の演出態様が実行される。タイミングがタイミングゲージの所定の範囲内であった場合、及びタイミングゲージの所定の範囲内で無かった場合の詳細は、図41及び図42を用いて後述する。
一方、操作演出パターンBT−7−1においては、プッシュボタン31Bの押下のタイミングがタイミングゲージの所定の範囲内であった場合(最良タイミング)であっても、セリフ演出2(強セリフ)の演出態様は制限されて実行されず、セリフ演出1(弱セリフ)の演出態様が実行される。またプッシュボタン31Bの押下のタイミングがタイミングゲージの所定の範囲内で無かった場合(最良タイミングでない場合)も、セリフ演出1(弱セリフ)の演出態様が実行される。
BT−7の操作演出パターンは、小ボタン5BS、小ゲージ5GS及びタイミングゲージを表示して、ボタン操作によって小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を消去後、ボタン操作のタイミングによってそれぞれの演出態様を分ける場合を例示する。
なお、操作演出パターンBT−7における、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの表示、ボタン操作による小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」の表示、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」の消去の演出態様については、操作演出パターンBT−5と同様であるため説明を一部省略する。
操作演出パターン(BT−7)の動作を図34のタイムチャートを参照して説明する。
t0〜t7の期間は、可変表示期間を示す。可変表示期間は、変動パターンによって定められる。
t70〜t72の期間は、操作演出パターンBT−7におけるボタン有効期間の最大値を示す。操作演出パターンBT−7は、プッシュボタン31Bの押下のタイミングが所定の期間であるかによって演出態様を変化させる。
t70において、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に、小ボタン5BSと小ゲージ値5GS1の初期値が表示された小ゲージ5GSを表示する。また、t70において、演出制御用CPU120は、画像表示手段5にタイミングゲージを表示する。
t70で初期値が表示された小ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1は、プッシュボタン31Bの押下が無い場合、図29の「ボタン未操作状態」の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、小ゲージ値5GS1をボタン有効期間の経過とともに徐々に減少させる。徐々に減少する小ゲージ値5GS1を表示することにより、遊技者に対してボタン有効期間の推移を報知することができる。
タイミングゲージは、タイミング領域とタイミングバーを有する。タイミング領域はタイミングゲージの中に設けられる特定の領域である。タイミングバーはタイミングゲージ内を例えば往復で移動してタイミング領域を通過する。タイミングゲージは、タイミングバーが移動してタイミング領域にあるタイミングでプッシュボタン31Bを押下するように遊技者を促す。操作演出パターンBT−7は、タイミングバーがタイミング領域にある期間にプッシュボタン31Bが押下されたか否かを判断し、プッシュボタン31Bが押下されたタイミングによって特定の演出態様を行うことができる。
なお、プッシュボタン31Bが押下されたタイミングがタイミングバーがタイミング領域にある期間であるときには、「最良のタイミング」であるとする。
t70〜t74は、操作演出パターンBT−7におけるタイミングゲージの表示期間の最大値を示す。t70においてタイミングゲージが表示されると、タイミングバーが移動開始される。遊技者がプッシュボタン31Bを操作しない場合、タイミングバーは、t70〜t74の期間移動を継続する。
本実施形態では、t74はボタン有効期間の最大値を決めるt72と同じ時間である。但し、t74とt72を異なる時間としてもよい。例えば、t74をt72より早い時間とすると、ブタン有効期間が終了する前にタイミングゲージの表示期間が終了して、タイミングバーの移動が停止することとなる。
なお、タイミングゲージ、タイミング領域、及びタイミングバーの形状、並びにタイミングバーの動作等の詳細は図41及び図42を用いて後述する。
t70〜t72の期間であり、かつt70〜t74の期間に遊技者がプッシュボタン31Bを押下した場合、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了したと認識する。また、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了した後は、t71〜t72におけるプッシュボタン31Bの押下を無視する。
t73に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、図29の「ボタン操作後」の項目で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、先ず、t73においてタイミングバーの移動を停止さる。
操作演出パターンBT−7においては、操作演出パターンBT−7−1と操作演出パターンBT−7−2とで、プッシュボタン31Bが押下されたタイミングによる演出態様が異なる。つまり、操作演出パターンBT−7−1と操作演出パターンBT−7−2とで、タイミングバーがタイミング領域にある否かにおける演出態様が異なる。
先ず、操作演出パターンBT−7−2における演出態様を説明する。操作演出パターンBT−7−2において、プッシュボタン31Bの押下がタイミングバーがタイミング領域ではないタイミングであった場合、演出制御用CPU120は、t75において小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を表示して、「操作OK」を表示する。「操作OK」の表示は、プッシュボタン31Bがt70〜t74の期間に押下されたことを表す表示であり、特別な意味を有さない。
t76において、演出制御用CPU120は、小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」と「操作OK」の表示を消去し、セリフ演出2(強セリフ)を表示する演出態様を行う。セリフ演出2においては、例えば「大チャンス」の表示を行う。「大チャンス」の表示は、変動パターンに応じて遊技者にとって有利な遊技状態となる可能性が高いことを示唆するものである。「操作OK」の表示から「大チャンス」の表示を行うことによって、プッシュボタン31Bの押下のタイミングが最適でなかったとしても、遊技者に対して期待感を向上させることが可能となる。
操作演出パターンBT−7−2において、プッシュボタン31Bの押下がタイミングバーがタイミング領域にあるタイミングであった場合、t75において小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を表示して、特定演出として「ジャストインパクト」を表示する。特定演出とは、プッシュボタン31Bの押下がタイミングバーがタイミング領域にあるタイミングであった場合に表示される特定の演出であり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いことを示唆する演出である。特定演出は、「ジャストインパクト」を表示する以外の他の演出態様であってもよい。例えば、他の表示態様、役物演出等であってもよい。
t78において、演出制御用CPU120は、小ゲージ5GSのゲージ値「0」の表示と「ジャストインパクト」の表示を消去し、セリフ演出2(強セリフ)「大チャンス」を表示する演出態様を行う。プッシュボタン31Bの押下のタイミングが最適であった場合に、遊技者に対して、自らのボタン操作によって「大チャンス」の表示をさせたようにすることができるので、興趣を向上させることが可能となる。
次に、操作演出パターンBT−7−1における演出態様を説明する。操作演出パターンBT−7−1においては、上述のとおり、操作演出パターンBT−7−2に比べて、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性は低い。本実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態となる可能性が高いことを示唆するセリフ演出2(強セリフ)である「大チャンス」の表示を行わず、プッシュボタン31Bの押下のタイミングにかかわらず、セリフ演出1(弱セリフ)である「チャンス」の表示を行う。
操作演出パターンBT−7−1においては、プッシュボタン31Bの押下のタイミングが、タイミングバーがタイミング領域であるか否かにかかわらず、演出制御用CPU120は、t75において小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を表示して、「操作OK」を表示する。
t76において、演出制御用CPU120は、小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」と「操作OK」の表示を消去し、セリフ演出1(弱セリフ)である「チャンス」を表示する演出態様を行う。
操作演出パターンBT−7−1においては、遊技者にとって有利な遊技状態となる可能性が操作演出パターンBT−7−2に比べて低いことを示すセリフ演出1(弱セリフ)を表示する。したがって、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いことを示唆する「ジャストインパクト」を表示する演出を行い、その後に「チャンス」の表示を行うと、遊技者を落胆させてしまう。操作演出パターンBT−7−1においては、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が低いことを報知するセリフ演出1(弱セリフ)を表示するときには、「ジャストインパクト」を表示する特定の演出の実行を制限することにより、遊技者を落胆させることを防止し、興趣の低下を防止できる。
なお、操作演出パターンBT−7においては、セリフ演出1又はセリフ演出2の表示は、「ゲージ値ゼロ表示」と「操作OK」又は特定演出である「ジャストインパクト」の表示を消去してから行うが、例えば、セリフ演出1又はセリフ演出2の表示が、「ゲージ値ゼロ表示」、及び「操作OK」又は「ジャストインパクト」の表示を消去する前に行われてもよい。
次に、操作演出パターンBT−7−1の操作演出の一例を図41を用いて説明する。図41は、画像表示装置5に表示される操作演出を、図41(a)〜(d)又は(a)〜(g)で示す時系列で説明したものである。
図41(a)は、図34で説明した時間t70において、小ボタンン5BS、小ゲージ5GS、タイミングゲージ5TGが表示された状態を示している。画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されている変動中の飾り図柄に、小ボタン5BS、ゲージ値が初期表示である小ゲージ5GS、及びタイミングゲージ5TGが重畳されて表示される。小ゲージ5GSは初期表示において、小ゲージ値5GS1を最大値で表示している。
小ゲージ5GSは小ゲージ値5GS1を徐々に減少させる演出を行う。
タイミングゲージ5TGは、タイミング領域5TRとタイミングバー5TBを有する。タイミング領域5TRはタイミングゲージ5TGの中央部分に設けられており、タイミングゲージ5TGの特定の領域に設定される。
操作演出パターンBT−7において、タイミングゲージ5TGは矩形(直線的)形状を例示する。矩形の長手方向は、小ゲージ5GSと並行して画像表示装置5に対して横方向になる表示されている。本実施形態では、タイミングゲージ5TGは矩形の長手方向が画像表示装置5に対して横方向になる表示するが、タイミングゲージ5TGの長手方向を画像表示装置5に対して縦方向になるように表示してもよい。
タイミングバー5TBは、タイミングゲージ5TGの左端から右端までを往復するように移動する。タイミングバー5TBは、タイミングゲージ5TGの中央部分においてタイミング領域5TRの上を通過する。本実施形態では、タイミングバー5TBは、タイミングゲージ5TGを往復移動するため、タイミング領域5TRの上を左方向からの移動又は右方向からの移動にて通過する。遊技者はタイミングゲージ5TG上を移動するタイミングバー5TBの位置を目視して、タイミングバー5TBがタイミング領域5TRの上で停止するようにプッシュボタン31Bを押下する。
図41(b)は、時間t71において、タイミングバー5TBがタイミング領域5TRの上にあるときに、最良のタイミングでプッシュボタン31Bを押下する場合を表している。なお、本実施形態では、プッシュボタン31Bが押下されると、直ちにタイミングバー5TBを停止させる場合を示している。しかし、タイミングバー5TBを停止させるタイミングはこれに限定されない。例えば、プッシュボタン31Bが押下されると、タイミングバー5TBが減速していき停止するようにしてもよい。
図41(c)は、時間t75において、プッシュボタン31Bが最良のタイミングで押下された場合を表している。
画像表示装置5の中央には、プッシュボタン31Bが押下されたことを表す「操作OK」の表示がされる。
また、小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が表示される。本実施形態ではt71でプッシュボタン31Bが押下されると、直ちに「ゲージ値ゼロ表示」が表示される。従って、遊技者は小ゲージ5GSの表示が変化したことを認識しやすくなる。プッシュボタン31Bの押下に応じた「ゲージ値ゼロ表示」を行うことにより、パチンコ遊技機1にプッシュボタン31Bの押下が受け付けられたことを遊技者に対して報知することができる。
図41(d)は、時間t78において、セリフ演出1(弱セリフ)「チャンス」が表示された場合を表している。操作演出パターンBT−7−1においては、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が低いことを報知するセリフ演出1(弱セリフ)を表示するときには、プッシュボタン31Bの押下が最良タイミングであったとしても、「操作OK」の表示を行い、特定の演出の実行を制限する。具体的には、「ジャストインパクト演出」の表示をしないようにする。したがって、「チャンス」が表示されたときに、遊技者を落胆させることを防止し、興趣の低下を防止することができる。
一方、図41(e)は、時間t71において、タイミングバー5TBがタイミング領域5TRの上でないとき、つまり、最良のタイミング以外のタイミングでプッシュボタン31Bを押下する場合を表している。
図41(f)は、時間t75において、プッシュボタン31Bが最良のタイミング以外で押下された場合を表している。
画像表示装置5の中央には、プッシュボタン31Bが押下されたことを表す「操作OK」の表示がされる。
また、小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が表示される。本実施形態ではt71でプッシュボタン31Bが押下されると、直ちに「ゲージ値ゼロ表示」が表示される。従って、遊技者は小ゲージ5GSの表示が変化したことを認識しやすくなる。プッシュボタン31Bの押下に応じた「ゲージ値ゼロ表示」を行うことにより、パチンコ遊技機1にプッシュボタン31Bの押下が受け付けられたことを遊技者に対して報知することができる。
図41(g)は、時間t76において、セリフ演出1(弱セリフ)「チャンス」が表示された場合を表している。
次に、操作演出パターンBT−7−2における演出態様を説明する。操作演出パターンBT−7−2においては、上述のとおり、操作演出パターンBT−7−1に比べて、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高い。本実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態となる可能性が高いことを示唆するセリフ演出2(強セリフ)「大チャンス」の表示を行う。
次に、操作演出パターンBT−7−2の操作演出の一例を図42を用いて説明する。図42は、画像表示装置5に表示される操作演出を、図42(a)〜(d)又は(a)〜(g)で示す時系列で説明したものである。なお、図42(a)、(b)、(e)、及び(f)は、図41(a)、(b)、(e)、及び(f)と同じであるため、説明を省略する。
図42(c)は、時間t75において、プッシュボタン31Bが最良のタイミングで押下された場合を表している。
画像表示装置5の中央には、特定演出として、「ジャストインパクト」が表示される。特定演出は、プッシュボタン31Bが押下されたことを表す「操作OK」の表示に比べて、プッシュボタン31Bが最良のタイミングで押下されたことに対する表示を行うものである。特定演出は、遊技者に対して、自らのボタン操作によって、特定の演出が行われたことを報知する。特定演出には、例えば、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力してもよい。また遊技効果ランプ9を用いて所定の演出を行ってもよい。
小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」については、図41(c)と同様である。
図42(d)は、時間t78において、セリフ演出2(強セリフ)「大チャンス」が表示された場合を表している。操作演出パターンBT−7−2においては、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いことを報知するセリフ演出2(強セリフ)を表示するときには、プッシュボタン31Bの押下が最良タイミングであったときには、「ジャストインパクト」で例示する特定演出の表示を行い、遊技者に対して興趣の向上を行うことができる。
一方、図42(e)及び(f)は、図41(e)及び(f)と同様に、時間t71において、タイミングバー5TBがタイミング領域5TRの上でないとき、つまり、最良のタイミング以外のタイミングでプッシュボタン31Bを押下し、プッシュボタン31Bが押下されたことを表す「操作OK」の表示がされたことを表している。
図42(g)は、時間t、遊技者に対して当りに対する期待感を持たせることが可能となる。76において、セリフ演出2(強セリフ)である「大チャンス」が表示された場合を表している。操作演出パターンBT−7−2は、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いため、プッシュボタン31Bが押下されるタイミングにかかわらずセリフ演出2が行われる。したがって、プッシュボタン31Bの押下が最良タイミングでない場合においても遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いことを報知することにより、遊技者に対して期待感を持たせることが可能となる。
[操作演出パターンBT−8]
操作演出パターンBT−8の詳細を、図28、図29、図35、図40及び図43を用いて説明する。
図35、操作演出パターンBT−8の動作を例示するタイムチャートである。図40は、役物動作演出(強動作)における操作演出の一例を説明する図である。図43は、操作演出パターンBT−8における操作演出の一例を説明する図である。
操作演出パターンBT−8は、プッシュボタン31Bの押下を促す第1の促進手段として小ボタン5BSを表示する1回目の操作演出と、1回目の操作演出にてプッシュボタン31Bが押下された場合に、プッシュボタン31Bの押下を促す第2の促進手段として大ボタン5BLを表示する2回目の操作演出を行う。大ボタン5BLは画像表示装置5に表示される大きさが、小ボタン5BSより大きく、遊技者がプッシュボタン31Bを押下することにより、小ボタンが昇格したように表示される。小ボタン5BSの操作演出では、遊技者にとって有利な状況となる可能性の低いセリフ演出1(弱セリフ)が表示されるが、ボタンの昇格の可能性があるため、遊技の興趣の低下を軽減し、遊技の興趣を向上させることができる。
図28において、操作演出パターンBT−8は、変動パターンがPA4―n、PA5―n、PB4―n、及びPB5―nのときに図示所定の決定割合で決定される。つまり、操作演出パターンBT−8は、スーパーリーチの場合に決定される。変動パターンがPA4―n又はPA5―nの場合は10%の決定割合で決定され、変動パターンがPB4―n又はPB5―nの場合は15%の決定割合で決定される。
図29において、操作演出パターンBT−8は、小ボタン5BSを表示する1回目の操作演出(図示上段に記載の演出態様)を行った後に大ボタン5BLを表示する2回目の操作演出(図示下段に記載の演出態様)を行う。小ボタン5BSから大ボタン5BLにボタンを昇格させる操作演出を行う。
操作演出パターンBT−8において、1回目の操作演出では、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの初期値を表示して、ボタン操作によって小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去するとともに、セリフ演出1(弱セリフ)を表示する演出態様を行う。
2回目の操作演出は、1回目の操作演出において、有効期間内にプッシュボタン31Bの押下が行われた場合に行われる。2回目の操作演出では、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを表示して、ボタン操作によって大ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを消去するとともに、セリフ演出2(強セリフ)を表示する演出態様を行う。
次に操作演出パターン(BT−8)の動作を図35のタイムチャートを参照して説明する。
図35において、t0〜t7の期間は、可変表示期間を示す。
(1回目操作演出)
t80において、図29の「ボタン操作開始時」上段の項目で規定された演出態様を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に、小ボタン5BSの表示を行い、さらに小ゲージ5GSの初期値を表示する。
t80〜t82の期間は、操作演出パターンBT−8の1回目の操作演出におけるボタン有効期間の最大値を示す。
t80で初期値が表示された小ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1は、プッシュボタン31Bの押下が無い場合、図29の「ボタン未操作状態」上段の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、小ゲージ値5GS1をボタン有効期間の経過とともに徐々に減少させる。徐々に減少する小ゲージ値5GS1を表示することにより、遊技者に対してボタン有効期間の推移を報知することができる。
t82はボタン有効期間の終了時間である。t82を経過するまでに遊技者がプッシュボタン31Bを押下しなかった場合、図29の「ボタン未操作状態」上段の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、小ゲージ5GSを、小ゲージ値5GS1が徐々に減少して0になるまで表示した後、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを消去する演出態様を行う。遊技者がプッシュボタン31Bを押下しないでボタン有効期間が終了した場合、2回目の操作演出は行われない。但し、ボタン有効期間が終了したときに他の演出態様を実施してもよい。
一方、ボタン有効期間t80〜t82の期間の間であるt81に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了したと認識する。また、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了した後は、t81において、1回目の操作演出におけるボタン有効期間を終了し、遊技者によるプッシュボタン31Bの押下を無視する。
t81に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、t83から、図29の「ボタン操作後」上段の項目で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、t83において小ゲージ5GSのゲージ値「0」を表示し、t84において小ゲージ5GSを消去し、セリフ演出1(弱セリフ)を表示する。
「ゲージ値ゼロ表示」が表示される時間t83は、プッシュボタン31Bの押下がされるt11と同時である場合を例示している。しかし、t83をt81から所定の時間が経過した後に設定してもよい。また、「ゲージ値ゼロ表示」にはゲージ値以外の他の表示を含んでいてもよい。
小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」は、t80〜t81の期間で小ゲージ値5GS1が徐々に減少する小ゲージ5GSの表示に代わって表示されるため、遊技者は小ゲージ値5GS1の表示の変化を容易に認識可能になる。したがって遊技者は、プッシュボタン31Bの押下によって、小ゲージ5GSのゲージ値が0になったことを認識しやすくなり、プッシュボタン31Bの押下により操作手段に対する操作が完了したことを認識しやすくなる。
また、「ゲージ値ゼロ表示」を表示することにより、遊技者にボタン有効期間が終了したことを報知できるので、遊技者が無駄なプッシュボタン31Bの操作をすることが少なくなり、パチンコ遊技機1への操作に対する物理的な負荷を軽減させることが可能となる。
なお、ボタン有効期間t80〜t82の期間に遊技者がプッシュボタン31Bを押下しない場合は、以下で説明する2回目操作演出を行わないようにすることができる。
(2回目操作演出)
t86において、図29の「ボタン操作開始時」下段の項目で規定された演出態様を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に、大ボタン5BLの表示を行い、さらに大ゲージ5GLの初期値を表示する。
t86〜t88の期間は、操作演出パターンBT−8の2回目の操作演出におけるボタン有効期間の最大値を示す。
t86で初期値が表示された大ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1は、プッシュボタン31Bの押下が無い場合、図29の「ボタン未操作状態」下段の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、小ゲージ値5GS1をボタン有効期間の経過とともに徐々に減少させる。徐々に減少する小ゲージ値5GS1を表示することにより、遊技者に対してボタン有効期間の推移を報知することができる。
t88はボタン有効期間の終了時間である。t88を経過するまでに遊技者がプッシュボタン31Bを押下しなかった場合、図29の「ボタン未操作状態」下段の操作演出で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、大ゲージ5GLを、大ゲージ値5GL1が徐々に減少して0になるまで表示した後、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを消去する演出態様を行う。遊技者がプッシュボタン31Bを押下しないでボタン有効期間が終了した場合、大ボタン5BL及び大ゲージ5GLを消去して操作演出を終了する。
一方、2回目操作演出によってボタン有効期間t86〜t88の期間の間であるt87に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了したと認識する。また、演出制御用CPU120は、操作手段に対する操作が完了した後は、t87において、1回目の操作演出におけるボタン有効期間を終了し、遊技者によるプッシュボタン31Bの押下を無視する。
t87に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、t87から、図29の「ボタン操作後」の項目で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、t89において大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、t90において大ゲージ5GLを消去し、セリフ演出1(弱セリフ)を表示する。
「ゲージ値ゼロ表示」が表示される時間t83は、プッシュボタン31Bの押下がされるt11と同時である場合を例示している。しかし、t83をt81から所定の時間が経過した後に設定してもよい。また、「ゲージ値ゼロ表示」にはゲージ値以外の他の表示を含んでいてもよい。
小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」は、t80〜t81の期間で小ゲージ値5GS1が徐々に減少する小ゲージ5GSの表示に代わって表示されるため、遊技者は小ゲージ値5GS1の表示の変化を容易に認識可能になる。したがって遊技者は、プッシュボタン31Bの押下によって、小ゲージ5GSのゲージ値が0になったことを認識しやすくなり、プッシュボタン31Bの押下により操作手段に対する操作が完了したことを認識しやすくなる。
また、ゲージ値「0」を表示することにより、遊技者にボタン有効期間が終了したことを報知できるので、遊技者が無駄なプッシュボタン31Bの操作をすることが少なくなり、パチンコ遊技機1への操作に対する物理的な負荷を軽減させることが可能となる。
t87に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、t87から、図29の「ボタン操作後」の項目で規定された通りの演出態様で表示される。つまり、演出制御用CPU120は、t89において大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」を表示し、t90において大ゲージ5GLを消去し、セリフ演出2(強セリフ)を表示する。
また、t87に遊技者がプッシュボタン31Bの押下した場合、t92〜t93の期間に可動役物17を用いて役物演出(強動作)が行われる。
次に、図40を用いて、役物動作演出(強動作)を説明する。なお、図40で説明する役物動作演出(強動作)は、可動役物17の動作を説明するものであり、可動役物17の下に表示される画像表示装置5の表示は任意である。
図40(a)は、図35のt87において、遊技者がプッシュボタン31Bを押下して、画像表示装置5に大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」が表示された状態を示している。画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに変動中の飾り図柄が表示されているものとする。大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」が変動中の飾り図柄に重畳されて表示されている。LED9CCを有する可動役物17はまだ動作しておらず、図40(a)に示す初期位置にある。
図40(b)は、図35のt90において、t56において、役物演出が開始され、可動役物17が図39(a)の初期位置から図示下方に下降中であることを示している。LED9CCの図示黒丸は、LEDが点灯していることを示している。本実施形態の役物動作演出(強動作)においては、役物演出中のLED9CCの点灯方法を役物動作演出(強動作)と変えている。図40(b)は、4灯あるLED9CCのうち3灯が順次点灯する場合を例示している。
図40(c)は、可動役物17が下方へ移動できる限界位置である下降位置まで可動役物17が下降していることを示している。下降位置は、図40(c)で図示する画像表示装置5の上下方向において略中間位置である。下降位置まで下降した可動役物17は、飾り図柄表示エリア5Cに重畳し、飾り図柄表示エリア5Cの表示を隠している。本実施形態では飾り図柄は非リーチ状態を例示しているが、例えば飾り図柄表示エリア5R及び5Lの表示が確定してリーチ状態となったときに可動役物17を下降位置に移動させてもよい。
図40(d)は、可動役物17が下降位置から上昇して初期位置まで戻り、さらに画像表示装置5にセリフ演出2(強セリフ)が表示されていることを示している。強セリフは、例えば「大チャンス」と表示される。初期位置まで戻った可動役物17は、LED9CCの点灯を終了する。
大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」は、図35のt90で消去される。セリフ演出2(強セリフ)は、t90において大ボタン5BL及び大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」が消去されてから表示され、t91において消去される。以上で、役物動作演出(弱動作)を終了する。
次に、操作演出パターン(BT−8)の操作演出の一例を図43を用いて説明する。図43は、画像表示装置5に表示される操作演出を、図43(a)〜(h)で示す時系列で説明したものである。
図43(a)は、図35のt80における、ボタン演出開始時の演出態様を表している。画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されている変動中の飾り図柄に、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSが重畳されて表示される。小ゲージ5GSは初期表示において、ゲージ値5GSS1を最大値で表示している。小ゲージ5GSは小ゲージ値5GS1を徐々に減少させる演出を行う。
図43(b)は、t81において、プッシュボタン31Bの押下がされたことを表している。図43(b)の図示右側の図は、プッシュボタン31Bが遊技者によって押下されたことを表している。プッシュボタン31Bの押下によって、小ゲージ値5GS1を徐々に減少させる演出は終了する。
図43(c)は、t83において、小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」がされたこと表している。本実施形態ではt81でプッシュボタン31Bが押下されると、直ちに「ゲージ値ゼロ表示」が表示される。従って、遊技者は小ゲージ5GSの表示が変化したことを認識しやすくなる。プッシュボタン31Bの押下に応じた「ゲージ値ゼロ表示」を表示することにより、パチンコ遊技機1にプッシュボタン31Bの押下が受け付けられたことを、遊技者に対して報知することができる。
図43(d)は、t84において、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が消去され、セリフ演出1(弱セリフ)が表示されていること表している。セリフ演出1では、画像表示装置5に「チャンス」の表示がされる場合を例示している。セリフ演出1(弱セリフ)は、t84〜85の期間表示される。
図43(e)は、図35のt86における、ボタン演出開始時の演出態様を表している。画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されている変動中の飾り図柄が再び表示され、飾り図柄の上に大ボタン5BL及び大ゲージ5GLが重畳されて表示される。大ボタン5BLは、小ボタン5BSの表示を大きくして、ボタンが昇格したことを遊技者に報知するものである。
大ゲージ5GSは初期表示において、大ゲージ値5GL1を最大値で表示している。大ゲージ5GLは大ゲージ値5GL1を徐々に減少させる演出を行う。
なお、本実施形態では、大ボタン5BLと大ゲージ5GLを表示する場合を例示したが、遊技者にボタン等の昇格を報知できるものであれば、他の演出態様であってもよい。例えば、大ボタン5BLと大ゲージ5GLの組み合わせの代わりに、大ボタン5BLと小ゲージ5GSの組み合わせ、又は小ボタン5BSと大ゲージ5GLの組み合わせであってもよい。また、ボタンやゲージの表示図柄を変更するものであってもよい。
本実施形態では、上述のとおり、セリフ演出1(弱セリフ)は、遊技者にとって有利な遊技状態となる可能性が低い場合に表示されるものであるとする。従って、図43(a)〜(d)の演出態様においては、遊技者に対しては期待感を持たせるものではない。しかし、セリフ演出1(弱セリフ)が表示された後に図43(e)のボタン昇格の演出を行うことにより、遊技者に対して有利な遊技状態となる可能性が高くなることを期待させることができ、興趣の向上が可能となる。
図43(f)は、t87において、プッシュボタン31Bの押下がされたことを表している。プッシュボタン31Bの押下によって、大ゲージ値5GL1を徐々に減少させる演出は終了する。
図43(g)は、t89において、大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」がされたこと表している。本実施形態ではt87でプッシュボタン31Bが押下されると、直ちに「ゲージ値ゼロ表示」が表示される。従って、遊技者は大ゲージ5GSの表示が変化したことを認識しやすくなる。プッシュボタン31Bの押下に応じた「ゲージ値ゼロ表示」を表示することにより、パチンコ遊技機1にプッシュボタン31Bの押下が受け付けられたことを、遊技者に対して報知することができる。
なお、図43(g)においては、t92〜t93の期間行われる役物演出(強動作)による可動役物17の動作を表示していない。
図43(h)は、t90において、大ボタン5BL及び大ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が消去され、セリフ演出2(強セリフ)が表示されていること表している。セリフ演出2では、画像表示装置5に「大チャンス」の表示がされる場合を例示している。セリフ演出2(強セリフ)は、t90〜91の期間表示される。
44.操作演出処理
図44は、図27のステップS570にて実行される、操作演出処理の一例を示すフローチャートである。以下の処理は演出制御用CPU120によって実行される。
ステップS571において、操作演出実行フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS571)。操作演出実行フラグは、図25のステップS7114でセットされる。すなわち、操作演出実行フラグがセットされている場合とは、操作演出パターンがBT−1以外である場合であって、操作演出を実行する場合である。操作演出実行フラグがセットされていない場合(ステップS571:NO)、ステップS570の操作演出処理を終了する。
一方、操作演出実行フラグがセットされている場合(ステップS571:YES)、操作演出タイマが動作中であるか否かを判断する(ステップS572)。操作演出タイマは、後述するステップS582で操作演出が実行開始されてステップS583でスタートされるタイマである。
操作演出タイマが動作中で無い場合(ステップS572:NO)、ゼロ表示タイマが動作中であるか否かを判断する(ステップS573)。ゼロ表示タイマは、後述するステップS581で「ゲージ値ゼロ表示」が開始されてステップS583でスタートされるタイマである。
ゼロ表示タイマが動作中で無い場合(ステップS573:NO)、ボタン有効タイマが動作中であるか否かを判断する(ステップS574)。ボタン表示タイマは、後述するステップS577でボタン表示及びゲージ表示がされるときステップS576でスタートされるタイマである。
ボタン有効タイマが動作中で無い場合(ステップS574:NO)、ボタン表示タイミングであるか否かを判断する(ステップS575)。ボタン表示タイミングとは、図30のt20、図31のt40、又は図32のt50等で示す、小ボタン5BS(又は大ボタン5BL)、小ゲージ5GS(又は大ゲージ5GL)を表示するタイミングである。ボタン表示タイミングは、図25のステップS7115でセットされる。ボタン表示タイミングで無い場合(ステップS575:NO)、ステップS570の操作演出処理を終了する。
例えば、図30に示す操作演出パターンBT−2において、ボタン表示タイミングであるt20は、可変表示期間の開始時間であるt0から所定の時間が経過した時間として、図25のステップS7115でセットされる。ステップS575の処理では、演出制御プロセスタイマがt20をカウントしたか否かを判断する。したがって、図30のt0〜t20の期間、はステップS575の判断はNOとなる。ボタン表示タイミングは、他の操作演出パターンについても同様である。
一方、ボタン表示タイミングである場合(ステップS575:YES)、ボタン有効タイマをスタートさせる(ステップS576)。ボタン有効タイマをスタートさせることによりボタン有効タイマは動作中となる。ボタン有効タイマは、例えば、図30のt20〜t22で示すボタン有効期間を計時するものである。
ステップS576の処理を実行した後には、画像表示装置5に、ボタン表示、及びゲージ表示を行う(ステップS577)。ボタン有効タイマのタイマ値は、図44を用いて後述する減算処理によって徐々に減算される。ステップS577で表示された小ゲージ5GS又は大ゲージ5GLは、図示しない処理においてボタン有効タイマのタイマ値を参照し、参照したボタン有効タイマのタイマ値に応じて、小ゲージ5GSの小ゲージ値5GS1又は大ゲージ5GLの大ゲージ値5GL1の値を表示する。したがって、ボタン有効タイマのタイマ値が徐々に減算されると、小ゲージ値5GS1又は大ゲージ値5GL1は、徐々に短くなるように表示されることになる。
ステップS577の処理を実行した後は、ステップS570の操作演出処理を終了する。ステップS577の処理では、例えば、図37(b)、図38(b)、図41(a)等で図示する、小ボタン5BS(又は大ボタン5BL)、小ゲージ5GS(又は大ゲージ5GL)等が表示される。
一方、ステップS574の処理において、ボタン有効タイマが動作中である場合(ステップS574:YES)、ボタン有効タイマのタイマ値を1減算する。タイマ値を1ずつ減算することにより、タイマ値を基に表示されるゲージ値も1ずつ減算されることになる。なお、本実施形態では、ボタン有効タイマのタイマ値を1ずつ減算したが、例えばタイマ値を2又はそれ以上の値で減算してもよい。減算する値を大きくするほどゲージ値の減少を早くすることができる。
なお、本実施形態では、ボタン有効タイマにおける計時は、ステップS578の処理が実行される度に1減算される減算処理によって行われる。つまり、ステップS570の処理が繰り返されて、ステップS578の処理が繰り返される回数がボタン有効タイマに設定された値になったときにタイムアウトをする。
ステップS574の処理を実行した後には、ボタン有効タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(ステップS579)。ボタン有効タイマがタイムアウトする場合とは、例えば図30において、ボタン有効期間に遊技者がプッシュボタン31Bを操作せずにt22が経過することである。
ボタン有効タイマがタイムアウトした場合(ステップS579:YES)、画像表示装置5に表示した小ボタン5BS(又は大ボタン5BL)、小ゲージ5GS(又は大ゲージ5GL)等の表示を消去する(ステップS584)。ステップS584の処理を実行した後には、ボタン演出終了設定を行う(ステップS585)。ボタン演出終了設定を行う。ボタン演出終了設定とは、操作演出を中止するための設定である。例えば、操作演出実行フラグをリセットする。ボタン演出終了設定には、例えばプッシュボタン31Bの不操作を示す画像を表示させる演出態様を含んでいてもよい。ステップS585の処理を実行した後には、ステップS570の操作演出処理を終了する。
なお、「ゲージ値ゼロ表示」を消去させるタイミングは任意である。例えば、ボタン有効タイマがタイムアウトした場合において、ステップS584で「ゲージ値ゼロ表示」を消去せず、所定の期間表示を継続させてもよい。
一方、ボタン有効タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS579:NO)、プッシュボタン31Bの操作があったか否かを判断する(ステップS580)。プッシュボタン31Bの操作は、図2のプッシュセンサ35Bで検出されて、演出制御用CPU120が判断する。本実施形態では、プッシュボタン31Bが1回押下されることによって操作手段に対する操作が完了し、ステップS580の処理で操作があったものと判断される。
プッシュボタン31Bの操作が無い場合(ステップS580:NO)、ステップS570の操作演出処理を終了する。
一方、プッシュボタン31Bの操作があった場合(ステップS580:YES)、画像表示装置5に表示されている、小ゲージ5GS(又は大ゲージ5GL)の「ゲージ値ゼロ表示」を表示する(ステップS581)。本実施形態では、「ゲージ値ゼロ表示」は、プッシュボタン31Bの操作後直ちに表示されるものとする。
ステップS581の処理を実行した後には、次に、操作演出実行開始処理が行われる(ステップS582)。操作演出実行開始処理とは、図29のボタン操作後の演出態様で説明した、それぞれの操作演出パターンにおける操作演出である。
ここで、それぞれの操作演出パターンにおけるステップS582の処理における操作演出実行開始処理を、図45〜図50を用いて説明する。
図45は、操作演出実行開始処理(BT−2〜BT−4)の一例を示すフローチャートである。
図45のステップS582の処理において、カットイン演出が実行開始される(ステップS621)。カットイン演出は、図29で説明した操作演出パターンの種類に応じて、カットイン演出(青)、又はカットイン演出(赤)が実行される。ステップS621の処理が実行されるとステップS582の処理を終了する。
例えば、図30において、カットイン演出が画像表示装置5に表示されるのはt24〜t25の期間である。t21において遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、t23から小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が開始される。カットイン演出は、t24において「ゲージ値ゼロ表示」が消去されてから表示される。つまり、カットイン演出の実行開始とは、t23からカットイン演出表示のための計時が開始されことである。カットイン演出はt23から計時が開始され、t24から表示される。
また、図31において、カットイン演出が画像表示装置5に表示されるのはt44〜t45の期間である。t41において遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、t43から大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」が開始される。カットイン演出は、t44において「ゲージ値ゼロ表示」が消去されてから表示される。つまり、ステップS621の処理におけるカットイン演出の実行開始とは、t43からカットイン演出表示のための計時が開始されことである。カットイン演出はt43から計時が開始され、t44から表示される。
図46は、操作演出実行開始処理(BT−5)の一例を示すフローチャートである。
図46のステップS582の処理において、役物演出が開始される(ステップS651)。役物演出は、図29で説明した役物演出(弱動作)が実行される。ステップS651の処理が実行されるとステップS582の処理を終了する。
例えば、図32において、可動役物17が動作するのはt56〜t57の期間である。t51において遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、t53から小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が開始される。可動役物17の動作は小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」が開始されてから所定の時間が経過したt56から開始される。つまり、ステップS651の処理における役物演出(弱動作)の実行とは、t53において可動役物17が動作開始されるt56までの計時を開始することである。
図47は、操作演出実行開始処理(BT−6)の一例を示すフローチャートである。
図47のステップS582の処理において、先ず、プッシュボタン31Bが押下された時間が、図33のt61未満であるか否かを判断する(ステップS661)。
プッシュボタン31Bが押下された時間がt61未満である場合(ステップS661:YES)、セリフ演出3が開始される(ステップS662)。ステップS662の処理が実行されるとステップS582の処理を終了する。
プッシュボタン31Bが押下された時間がt61未満である場合とは、遊技者によって、t60〜t61の期間1にプッシュボタン31Bが押下(早押し)された場合である。
例えば、図33において、セリフ演出3が画像表示装置5に表示されるのはt64〜t65の期間である。t63において遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、t63から大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」の表示が開始され、t64で「ゲージ値ゼロ表示」が消去されてセリフ演出3が表示される。つまり、ステップS672の処理におけるセリフ演出3の開始とは、t63においてセリフ演出3を表示するための計時を開始することである。
一方、プッシュボタン31Bが押下された時間がt61以上である場合(ステップS661:NO)、セリフ演出4が開始される(ステップS663)。ステップS663の処理が実行されるとステップS582の処理を終了する。
プッシュボタン31Bが押下された時間がt61以上である場合とは、遊技者によって、t61〜t62の期間2にプッシュボタン31Bが押下(早押し失敗)された場合である。
例えば、図33において、セリフ演出4が画像表示装置5に表示されるのはt67〜t68の期間である。t66において遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、t66から大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」の表示が開始され、t67で「ゲージ値ゼロ表示」が消去されてセリフ演出3が表示される。つまり、ステップS663の処理におけるセリフ演出4の開始とは、t66においてセリフ演出4を表示するための計時を開始することである。
図48は、操作演出実行開始処理(BT−7−1)の一例を示すフローチャートである。
図48のステップS582の処理において、先ず、プッシュボタン31Bが押下されたタイミングが最良タイミングであったか否かを判断する(ステップS671)。最良タイミングとは、図41で説明したタイミングゲージ5TGにおいて、移動するタイミングバー5TBがタイミング領域5TRにあるタイミングである。
タイミングが最良タイミングでなかった場合(ステップS671:NO)、セリフ演出1(弱セリフ)が実行される(ステップS762)。一方、タイミングが最良タイミングであった場合(ステップS671:YES)、セリフ演出1(弱セリフ)が実行される(ステップS763)。従って、操作演出パターンBT−7−1においては、プッシュボタン31Bの押下のタイミングが最良タイミングか否かにかかわらず、表示されるセリフ演出は同じセリフ演出1(弱セリフ)の開始が実行される。
例えば、図34において、セリフ演出1が画像表示装置5に表示されるのはt76〜t77又はt78〜t79の期間である。t71において遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、t75から小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」の表示が開始され、t76又はt78で「ゲージ値ゼロ表示」が消去されてセリフ演出1が表示される。つまり、ステップS762又はステップS763の処理におけるセリフ演出1の開始とは、t75においてセリフ演出1を表示するための計時を開始することである。
図49は、操作演出実行開始処理(BT−7−2)の一例を示すフローチャートである。
図49のステップS582の処理において、先ず、プッシュボタン31Bが押下されたタイミングが最良タイミングであったか否かを判断する(ステップS674)。
タイミングが最良タイミングでなかった場合(ステップS674:NO)、セリフ演出2(強セリフ)が実行される(ステップS765)。一方、タイミングが最良タイミングであった場合(ステップS674:YES)、特定演出が行われる(ステップS676)。特定演出は、図42(c)で説明した、「ジャストインパクト」の表示である。ステップS676の処理を実行した後には、セリフ演出2(強セリフ)が実行される(ステップS768)。従って、操作演出パターンBT−7−2においては、プッシュボタン31Bの押下のタイミングが最良タイミングか否かにかかわらず、表示されるセリフ演出は同じセリフ演出2(強セリフ)の開始が実行される。
なお、プッシュボタン31Bの押下のタイミングが最良タイミングであるか否かによって、表示されるセリフ演出をセリフ演出2(強セリフ)とは異なるものとしてもよい。
また、操作演出実行開始処理(BT−7−2)は役物演出を組み合わせるものであってもよい。
操作演出パターンBT−7−2におけるステップS675又はステップS678の処理におけるセリフ演出2の開始とは、操作演出パターンBT−7−1と同様に、t75においてセリフ演出2を表示するための計時を開始することである。
図50は、操作演出実行開始処理(BT−8)の一例を示すフローチャートである。
図50(a)は、図29の図示上段に記載の演出態様における動作を示し、また図50(b)は、図29の図示下段に記載の演出態様における動作を示す。操作演出パターンBT−8は、ステップS582の処理を、図29の図示上段に記載の演出態様と図示下段に記載の演出態様をそれぞれ別の処理として実行する。
図50(a)のステップS582の処理において、セリフ演出1(弱セリフ)の開始を実行する(ステップS681)。ステップS681の処理が実行されるとステップS582の処理を終了する。
図50(b)のステップS582の処理において、セリフ演出2(強セリフ)の開始を実行する(ステップS682)。ステップS682の処理を実行した後には、役物演出の開始を実行する(ステップS683)。ステップS683の処理が実行されるとステップS582の処理を終了する。
例えば、図35において、セリフ演出1が画像表示装置5に表示されるのはt84〜t85の期間である。t81において遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、t83から小ゲージ5GSの「ゲージ値ゼロ表示」の表示が開始され、t84で「ゲージ値ゼロ表示」が消去されてセリフ演出1が表示される。つまり、ステップS681の処理におけるセリフ演出1の開始とは、セリフ演出1をt84から表示するための計時をt81において開始することである。また、セリフ演出2が画像表示装置5に表示されるのはt90〜t91の期間である。t87において遊技者がプッシュボタン31Bを押下すると、t89から大ゲージ5GLの「ゲージ値ゼロ表示」の表示が開始され、t90で「ゲージ値ゼロ表示」が消去されてセリフ演出2が表示される。つまり、ステップS683の処理におけるセリフ演出1の開始とは、セリフ演出2をt90から表示するための計時をt89において開始することである。
再び、図44に戻り、ステップS582を実行した後には、ゼロ表示タイマをスタートさせ、操作演出タイマをスタートさせ、さらにボタン有効タイマをリセットする(ステップS583)。ステップS583の処理を実行した後は、ステップS570の操作演出処理を終了する。
ゼロ表示タイマは、「ゲージ値ゼロ表示」の表示開始からスタートされて、「ゲージ値ゼロ表示」の表示期間をカウントする。また、操作演出タイマとは、上述のとおり、カットイン演出、セリフ演出、及び役物演出の演出時間を計時するためのタイマであり、カットイン演出、セリフ演出、及び役物演出の演出開始時間と演出期間をカウントする。ゼロ表示タイマ及び操作演出タイマのスタートは、例えば図30におけるt23、図31におけるt43、図32におけるt53、図33におけるt63及びt66等である。
ボタン有効タイマのリセットは、プッシュボタン31Bの押下に応じてボタン有効期間をリセットする処理である。ボタン有効期間は、上述のステップS576でスタートして、プッシュボタン31Bの押下によって終了する。ボタン有効タイマのリセットによって、ボタン有効タイマは停止され、ステップS574の処理においては、ボタン有効タイマは動作中ではないと判断されるようになる。ボタン有効タイマのリセットは、例えば、図30におけるt21で行われ、t21〜t22はボタン有効期間ではなくなる。
ステップS573の処理において、ゼロ表示タイマが動作中の場合(ステップS573:YES)、ゼロ表示タイマのタイマ値を1減算する(ステップS586)。ゼロ表示タイマが動作中は、「ゲージ値ゼロ表示」が表示されている。ステップS586の処理を実行した後は、ゼロ表示タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S587)。ゼロ表示タイマがタイムアウトする場合は、例えば、図30においてt23から計時を始めて、t24の時間に達したか否かである。
ゼロ表示タイマがタイムアウトした場合(S587:YES)、小ボタン5BS(又は大ボタン5BL)の表示と小ゲージ5GS(又は大ゲージ5GL)の表示を消去する(ステップS588)して、ステップS570の処理を終了する。
一方、ゼロ表示タイマがタイムアウトしていない場合(S587:NO)、ステップS570の処理を終了する。
ステップS572の処理において、操作演出タイマが動作中の場合(ステップS572:YES)、操作演出タイマのタイマ値を1減算する(ステップS589)。ステップS589の処理を実行した後、操作演出タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(ステップS590)。操作演出タイマは、ステップS583によってスタートして、操作演出の実行時間をカウントする。操作演出タイマは、例えば、図30におけるt23からスタートして、t24〜t25の期間でカット演出を行うための計時を行う。
操作演出タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS590:NO)、結合子Aで示す、ステップS573の処理が実行される。つまり、操作演出中は、ステップS572の処理で、操作演出タイマが動作中と判断されて(ステップS572:YES)〜ステップS580の処理が繰り返し行われる。
操作演出タイマがタイムアウトした場合(ステップS590:YES)、操作演出が継続されるか否かを判断する(ステップS591)。操作演出を継続するか否かの情報は、操作演出パターンの演出制御パターンに含まれているものとする。操作演出を継続する場合とは、ボタン有効期間が複数存在する場合である。ボタン有効期間が複数存在する場合、プッシュボタン31Bの押下を遊技者に対して複数回促す操作演出を行う。
例えば、操作演出パターンBT−8においては、図29で説明した演出態様が、図示上段と下段の2段階において行われる。つまり、操作演出パターンBT−8はプッシュボタン31Bを押下する操作演出を2回実行するものであり、操作演出パターンBT−8の演出制御パターンには、操作演出を継続する情報が含まれているものとする。
操作演出が継続される場合(ステップS591:YES)、結合子Bで示すステップS576の処理を実行する。すなわち、操作演出が継続される場合は、再び、ボタン有効タイマをスタートさせて(ステップS576)、ボタン・ゲージを表示させる(ステップS577)。したがって、操作演出パターンBT−8で例示した様な、ボタン表示の昇格表示等の演出態様においても実施が可能となる。
一方、操作演出が継続されない場合(ステップS591:NO)、操作演出フラグ、ボタン操作タイマ、ゼロ表示タイマ、及び操作演出タイマをリセットする(ステップS592)。ステップS592の処理を実行した後は、ステップS570の操作演出処理を終了する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
上記実施形態では、遊技機は、遊技を行う遊技機であって、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段に対する遊技者の操作に応じて演出を行う演出手段と、前記操作が有効である有効期間を遊技者に報知する報知手段と、前記有効期間が終了したときに、前記有効期間の終了を示す終了報知を行う終了報知手段とを備え、前記終了報知手段は、前記有効期間が終了するまでの間に遊技者が前記操作をしたときに終了報知を行う場合を例示したが、これは一例である。
また、上記実施形態では、遊技機は、遊技を行う遊技機であって、遊技者の動作を検出可能な動作検出手段と、前記動作検出手段が遊技者の動作を検出したことに応じて演出を行う演出手段と、前記動作検出手段による遊技者の動作の検出が有効である有効期間を遊技者に報知する報知手段と、前記有効期間が終了したときに、前記有効期間の終了を示す終了報知を行う終了報知手段とを備え、前記終了報知手段は、前記有効期間が終了するまでの間に前記動作検出手段が遊技者の動作を検出したときに終了報知を行う場合を例示したが、これは一例である。
例えば、上記実施形態では、操作手段に対する遊技者の操作として、プッシュボタン31Bが1回押下されることによって操作手段に対する操作が完了する場合を例示した。操作手段に対する操作が完了はこれに限定されない。
[遊技者が操作可能な操作手段]の態様
遊技者が操作可能な操作手段として、例えば、図2で図示する、スティックコントローラ31Aを用いることができる。また、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者検出用センサを設けることができる。
遊技者検出用センサは、スティックコントローラ31A又はプッシュボタン31Bの操作に代わって、若しくはスティックコントローラ31A又はプッシュボタン31Bの操作と併せて遊技者を検出するものであってもよい。また、複数の遊技者検出用センサを組み合わせて用いてもよい。
遊技者検出用センサの検出対象は、例えば、遊技者の身体の接近、遊技者の身体の動き、又は遊技者の音声等とすることができる。
検出対象である、遊技者の身体の接近、又は遊技者の身体の動きとしては、例えば、遊技者の手の接近、遊技者の手の接触、遊技者が手を振る又は手をかざす等の手の動き、遊技者の笑顔又は遊技者の開口等の遊技者の顔の表情、遊技者の身体を使用したジェスチャ等であってもよい。
遊技者検出用センサは、例えば、近接センサ、テレビカメラ、レーダ装置等を用いることができる。
例えば、近接センサは、遊技者の身体の一部の接近又は離接を検出することができる。近接センサは、静電容量式センサ、赤外線式センサ、レーザ式センサ、超音波式センサ等を用いてもよい。
また、テレビカメラは、遊技者の身体を撮影した画像を解析することにより、遊技者の顔の表情、ジェスチャ等を検出することができる。テレビカメラは1台又は複数台のカメラを用いることができる。
レーダ装置は、遊技者の身体の一部の接近又は離接を検出することができる。
遊技者の音声を検出するために、マイクを用いることができる。マイクは、遊技者の発声、マイク近傍への遊技者の操作(例えば、タッピング音)を検出することができる。
操作手段は、上記のとおり、遊技者が操作可能であれば、遊技者が接触して操作するものであっても、遊技者が非接触で操作するのものであってもよい。
[遊技者の動作を検出可能な動作検出手段]の態様
一方、遊技者の動作を検出可能な動作検出手段は、遊技者の「動作」を検出するものであればよい。遊技者の動作には、遊技者が明示的に行う動作と遊技者が明示的には行わない動作を含むことができる。
動作検出手段が検出する遊技者が明示的に行う動作とは、遊技者が明示的に操作手段に対して操作を行う動作と、遊技者が操作手段に対して明示的に操作をしない場合の動作を含むことができる。遊技者が明示的に操作手段に対して操作を行う動作には、例えば、遊技者がプッシュボタン31Bを押下する動作や、遊技者が赤外線式近接センサに対して手を接近させる動作を含む。また、遊技者が操作手段に対して明示的に操作をしない場合の動作には、例えば、遊技者がテレビカメラに対して所定のジェスチャする動作や、所定の顔の表情を作る動作を含む。
動作検出手段が検出する遊技者が明示的には行わない動作とは、例えば、テレビカメラや近接センサが検出する遊技者の存在そのものである。例えば、動作検出手段は、テレビカメラや赤外線センサを用いて、遊技者の着席の有無を検出してもよい。
遊技者が操作可能な操作手段の設置場所は、例えば、遊技盤2の盤面の何れかの位置とすることができる。また、上皿や下皿を形成する部材の何れかの位置や、筐体を形成する(若しくは筐体に付加した)フィギュア等の立体造形物の何れかの位置等であってもよい。また、遊技者が操作可能な操作手段は、パチンコ遊技機1以外の場所に設置してもよい。
さらに、遊技者が操作可能な操作手段は、他の用途で使用されるセンサ等と共用するものであってもよい。例えば、打球操作ハンドルに設けられた、打球発射装置の発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングであってもよい。
[操作手段に対する遊技者の操作]の態様
遊技者がプッシュボタン31Bを1回押下した場合を、操作手段に対する操作が完了したとする場合以外に、以下の様な遊技者の操作を操作手段に対する操作が完了したとすることができる。なお、以下で説明する遊技者による操作は、それぞれ操作において操作手段に対する操作が完了したとする場合を説明するが、それぞれの操作は、単独の操作であってもよいし、複数の操作の組み合わせであってもよい。
また、以下の操作手段に対する操作は、画像表示装置5に表示される画像やスピーカ8R、8Lから出力される音声によって遊技者に対して操作が促されるものであってもよい。
操作手段がプッシュボタン31Bである場合、プッシュボタン31Bの長押し時間の長さによって操作手段に対する操作が完了したとしてもよい。プッシュボタン31Bの長押し時間は、例えば、プッシュボタン31Bを押下開始してから、図38(f)で図示する小ゲージ値5GS1が0を表示するまでとしてもよい。
また、プッシュボタン31Bの連打の回数によって操作手段に対する操作の完了としてもよい。プッシュボタン31Bの連打の回数は、ボタン有効期間における実際の押下の回数であってもよい。また、プッシュボタン31Bの連打の回数は、ボタン有効期間の中の所定の期間における連打の回数(連打の速さ)であってもよい。
操作手段がスティックコントローラ31Aである場合、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿に対して所定の操作を行うことによって操作手段に対する操作が完了したとしてもよい。例えば、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を、所定の方向に倒す、所定の方向に回転させる等の操作を行うことにより操作手段に対する操作が完了したとすることができる。また、操作桿に設けられたトリガボタンを押下することにより操作手段に対する操作が完了したとしてもよい。
操作手段が近接センサである場合、遊技者が近接センサに対して所定の操作を行うことによって操作手段に対する操作が完了したとしてもよい。例えば、遊技者が近接センサにかざした遊技者の手を、近接センサを撫でるように動かすことによって操作手段に対する操作が完了したとしてもよい。また、近接センサが複数ある場合に、複数の近接センサに手をかざすことによって操作手段に対する操作が完了したとしてもよい。
操作手段がテレビカメラである場合、遊技者がテレビカメラに向かって所定の動作を行うことによって操作手段に対する操作が完了したとしてもよい。例えば、遊技者がテレビカメラに向かって笑顔を作る、口を開ける等の顔の表情を作ることによって操作手段に対する操作が完了したとすることができる。また、遊技者がテレビカメラに向かって所定のジェスチャ(例えば、ジャンケン等の遊技者の手の形状)をすることによって操作手段に対する操作が完了したとすることができる。
なお、遊技者がテレビカメラに向かって行う動作は、画像表示装置5の表示又はスピーカ8(L、R)から出力される音声による指示に合わせて、行うようにしてもよい。
[操作手段の操作に応じた演出]の態様
上記実施形態では、操作手段の操作に応じた演出として、図29で説明したボタン操作後の演出態様を例示したが、操作手段の操作に応じた演出はこれに限定されない。
例えば、上記実施形態では飾り図柄の可変表示中である可変表示期間に実行される操作演出の演出態様を説明したが、可変表示期間以外の期間における操作演出の実行であってもよい。例えば、大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間等において操作演出を実行することができる。
[有効期間を遊技者に報知する報知手段]
上記実施形態では、有効期間を遊技者に報知する報知手段として、ゲージ(小ゲージ5GS又は大ゲージ5GL)のゲージ値を徐々に減少させる態様を画像表示装置5に表示する態様を例示したが、有効期間を遊技者に報知する報知手段はこれに限定されない。
たとえば、報知手段として、有効期間の経過とともにゲージのゲージ値を減少させる代わりに、有効期間の経過とともに風船を膨らませ、有効期間の終了とともに風船が割れる演出を画像表示装置5に表示することにより有効期間を遊技者に報知してもよい。
また、報知手段として、有効期間の経過とともに砂時計の砂を落下させて、有効期間の終了とともに砂の落下が終了する演出を画像表示装置5に表示することにより有効期間を遊技者に報知してもよい。
さらに、報知手段として、有効期間の経過とともにリンゴを虫が食べ進めるようにして、有効期間の終了とともにリンゴが食べ尽くされる演出を画像表示装置5に表示することにより有効期間を遊技者に報知してもよい。
また、遊技効果ランプ9の点灯状態を変化させることによって有効期間を遊技者に報知してもよい。例えばプッシュボタン31Bに設けられたランプの点灯状態を、ゆっくり点滅する状態から速く点滅させる状態に変化させることにより、有効期間を遊技者に報知することができる。
また、スピーカ8から出力される音声によって、有効期間を遊技者に報知してもよい。
[終了報知を行う終了報知手段]
上記実施形態では、終了報知を行う終了報知手段として、ゲージ値ゼロ表示を画像表示装置5に表示する態様を例示したが、終了報知を行う終了報知手段はこれに限定されない。
たとえば、報知手段が、風船、砂時計等の変化を表示するものである場合、終了報知は報知手段の態様によってその演出態様が異なる。例えば、報知手段が風船の変化を表示する場合、終了報知は、風船の破裂、風船の消滅等を示唆するものであってもよい。
また、操作手段に対する操作が行われず、有効期間が終了したときの報知手段の表示態様と、終了報知の表示態様は同じであっても良いし、別の表示態様であっても良い。
上記実施形態では、報知手段におけるプッシュボタン31Bが押下されないでボタン有効期間が終了したときのゲージの表示と、終了報知手段における有効期間が終了するまでの間に遊技者が操作をしたときに「ゲージ値ゼロ表示」の表示は、同じ表示態様である場合を例示した。
しかし、「ゲージ値ゼロ表示」は、ボタン有効期間が終了したときのゲージの表示とは異なる表示態様であってもよい。例えば、「ゲージ値ゼロ表示」の色、形状、装飾等を、ボタン有効期間が終了したときのゲージの表示とは異なる表示態様とすることができる。また、「ゲージ値ゼロ表示」の表示とともに、ボタン有効期間が終了したときとはことなる態様で遊技効果ランプ9を点灯させ、またスピーカ8から音声を出力してもよい。
また、上記の遊技機において、前記報知手段は、前記有効期間の進行を遊技者に示す指標の動作によって前記有効期間を報知し、前記有効期間が終了するまでの間に遊技者が前記操作をしたときに、前記操作をしないときと異なる態様で前記指標を動作させるものであってもよい場合を例示したが、これは一例である。
上記実施形態では、有効期間を遊技者に報知する報知手段として、指標の動作としてゲージのゲージ値を減少させる動作を例示したが、指標の動作はこれに限定されない。例えば、指標として、ゲージの色を変化させていく動作を行ってもよい。色の変化とは、例えばゲージの表示の明度、彩度、透明度等の変化である。例えばゲージ値に図形等が表示されている場合、有効期間の経過による色の変化によって、有効期間の終了時に図形等を表示しないようにする演出を行ってもよい。
また、上記遊技機において、前記報知手段は、前記有効期間が終了するまでの間に遊技者が前記操作をしたときに、前記操作をしないときより前記指標を速く動作させるものであってもよい場合を例示したが、これは一例である。
上記実施形態では、指標を速く動作させるものとして、ゲージ値が減少する速度を速くする場合を例示したが、指標を速く動作させる態様はこれに限定されない。例えば、指標を速く動作させる態様として、ゲージ値を増加させる動作を表示してもよい。
また、報知手段がゲージの代わりに、風船等の動作を表示する場合、報知手段の表示態様に基づいて指標を速く動作させることができる。
上記の遊技機において、前記終了報知手段は、前記有効期間が終了するまでの間に遊技者が前記操作をしたときに、特定の態様で前記指標を表示して前記終了報知を行うものであってもよい場合を例示したが、これは一例である。
上記実施形態では、特定の態様で指標を表示するものとして、「ゲージ値ゼロ表示」を表示する場合を例示したが、特定の態様で指標を表示する態様はこれに限定されず、ゲージ値が「0」となったことを遊技者に報知することができる態様であればよい。たとえば、ゲージの表示位置、表示形状等を変更することにより、遊技者の操作に応じた有効期間の終了を報知することができる。
例えば、遊技者が操作手段を操作したときに、ゲージの表示を移動させて画像表示装置5の表示範囲から消去してもよい。また、ゲージ自体の大きさを徐々に縮小して、画像表示装置5の表示から消去してもよい。
上記遊技機において、遊技者が前記操作をしたときに前記操作を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記操作が前記有効期間が終了するまでの間の特定のタイミングであるときに特定の演出を実行する特定演出実行手段とをさらに備えるものであってもよい場合を例示したが、これは一例である。
上記実施形態では、タイミングゲージ5TGの形状を矩形とする場合を例示したが、タイミングゲージの形状は矩形に限定されない。例えば、円形、半円形等であってもよい。
また、図41又は図42に示す画像表示装置5に表示されるタイミングゲージ5TGの配置位置は、小ゲージ5GSの下部に横向き(小ゲージ5GSと並行)に配置する場合を例示したが、タイミングゲージ5TGの配置位置はこれに限定されない。例えば、タイミングゲージ5TGは、小ゲージ5GSの上部(小ボタン5BSの下部)に配置してもよい。また、タイミングゲージ5TGは、画像表示装置5の縦方向(小ゲージ5GSと直角)に配置してもよい。
また、上記実施形態では、特定のタイミングとは、タイミングゲージ5TGのタイミングバー5TBがタイミング領域5TRにあるときを例示したが、特定のタイミングはこれに限定されない。
例えば、タイミング領域5TRを表示しないで、タイミングバー5TBが一番右端等にあるタイミングを特定のタイミングとすることができる。
また、タイミングゲージ5TGは、遊技者に対して何らかのタイミングが計れる形態であればよい。例えば、タイミングゲージ5TGとして左右に揺れるブランコを表示させて、ブランコの位置によって特定のタイミングを計るようにしてもよい。
また、タイミングゲージは複数を表示することができる。例えば、タイミングゲージによってボールを打ち出す演出の場合、1つ目のタイミングゲージでボールの打ち出し方向を決定し、2つ目のタイミングゲージでボールの打ち出し角度を決めるようにしてもよい。
上記遊技機において、前記演出手段は、前記検出手段が検出した前記操作が、前記有効期間が終了するまでの間であるときに、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性を報知し、前記特定演出実行手段は、前記演出手段が遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が低いことを報知するときには、前記特定の演出の実行を制限してもよい場合を例示したが、これは一例である。
上記実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性を報知する方法として、画像表示装置5に「大チャンス」を表示する場合を例示したが、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性を報知する方法はこれに限定されない。例えば、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性としては、確変状態に移行する可能性、時短状態に移行する可能性、又は大当り状態に移行する可能性等、それぞれの可能性がある。確変状態に移行する可能性を報知する演出、時短状態に移行する可能性を報知する演出、又は大当り状態に移行する可能性を報知する演出をそれぞれ別の演出として実施してもよい。例えば、確変状態に移行する可能性を報知する場合は、「チャンス」と「大チャンス」の2種類の演出態様として、大当り状態に移行する可能性を報知する場合は、「チャンス」、「中チャンス」、及び「大チャンス」の3種類の演出態様とすることができる。
また、有利な遊技状態に移行する可能性が低いことを報知するときには、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性を報知する方法に応じて、特定の演出の実行を制限する方法を変えることができる。例えば、確変状態に移行する可能性を報知する場合は、「大チャンス」を表示する演出の実行を制限し、一方、大当り状態に移行する可能性を報知する場合は、「中チャンス」を表示する演出態様は制限せずに、「大チャンス」を表示する演出の実行のみを制限してもよい。
上記遊技機において、前記操作を遊技者に促す第1の促進演出と、前記第1の促進演出において促した前記操作が行われた後に前記操作を遊技者に促す第2の促進演出とを行う操作促進手段をさらに備えるものであってもよい場合を例示したが、これは一例である。
上記実施形態では、図26で説明したとおり、第1の促進演出として小ボタン5BSを表示し、第2の促進演出として大ボタン5BLを表示する場合を例示したが、小ボタン5BS、大ボタン5BL、さらには小ゲージ5GS、及び大ゲージ5GLの表示態様は任意である。
本実施形態では、ゲージ(小ゲージ5GS、大ゲージ5GL)を、ボタン有効期間の進行(減少)とともにゲージ値の長さが短くなる場合を例示したが、ボタンの有効期間の進行とともにゲージ値を長くなるように表示してもよい。
また、画像表示装置5に小ボタン5BS及び大ボタン5BLを平面的なボタン図柄で表示する場合を例示したが、ボタン図柄を立体的に表示するようにしてもよい。また、表示するボタン図柄を静止画の代わりに動画として表示してもよい。表示するボタン図柄の動画は、例えばボタンが押下される動作を表現するものとすることができる。また、ボタンの図柄と併せて、「PUSH」等の文字を表示するようにしてもよい。
また上記実施形態では、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを、画像表示装置5の左右中央に表示する場合を例示しているが、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの表示位置はこれに限定されない。例えば、画像表示装置5の左端、あるいは右端に表示してもよい。また、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSの形状も図36で例示した形状に限定されない。
小ボタン5BS及び小ゲージ5GSは、リーチ中(飾り図柄表示エリア5Cのみが変動中の状態)で表示されるようにしてもよい。また、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rを画像表示装置5の例えば右上に小さく設け、小ボタン5BS及び小ゲージ5GSを飾り図柄表示エリアと重ならないように表示してもよい。
さらに、第1の促進演出と第2の促進演出においては、ボタンの形状、色、アニメーション表示等、表示するボタン図柄の表示態様を異なるようにしてもよい。
また、第1の促進演出を行うときと第2の促進演出を行うときに、操作手段を異なる態様で演出してもよい。操作手段を異なる態様で演出することにより、演出遊技者に対して異なる期待度を示すことができ、興趣の向上を図ることができる。また、操作手段に対する操作を促進することができる。
操作手段を異なる態様で演出する具体的な方法を以下に例示する。なお、以下に例示する操作手段の演出態様は、それぞれを単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。また、操作手段の演出によって、上述した有効期間の終了を示す終了報知を行うようにしてもよい。
(操作手段に配置されたLEDの点灯による演出)
例えば、操作手段として例示するプッシュボタン31Bに複数のLEDを配置させて、第1の促進演出を行うときと第2の操作演出を行うときでプッシュボタン31Bに配置されたLEDの点灯パターンを変化させることにより操作手段を異なる態様で演出することができる。
例えば、第1の促進演出を行うときにはプッシュボタン31Bに配置されたLEDを青色で点灯させる演出を行い、第2の促進演出を行うときにはプッシュボタン31Bに配置されたLEDを赤色で点灯させる演出を行ってもよい。プッシュボタン31BのLEDの点灯を青色とは異なる赤色点灯させることにより、遊技者に対して期待度の向上を示すことができる。
(操作手段に配置された可動役物の動作による演出)
プッシュボタン31Bに可動役物17を設け、第1の促進演出を行うときと第2の操作演出を行うときで可動役物17を異なる態様で演出することにより、操作手段を異なる態様で演出することができる。
例えば、プッシュボタン31Bの上部を透明な部材として、プッシュボタン31Bの内部に配置された可動役物が上部から視認できるようにすることができる。
可動役物17は、例えばサイコロであり、サイコロが回転して1の目を表し、遊技者に視認されるものとする。サイコロが1の目はそれぞれ期待度を表すことができる。サイコロの目を変えることによって遊技者に対して期待度の向上を示すことができる。
(操作手段の演出態様に対応した画像表示装置の表示の演出)
第1の促進演出を行うときと第2の促進演出を行うときで操作手段が異なる態様で演出をときに、画像表示装置15に表示される表示態様を操作手段の演出に対応させて変えることができる。
例えば、第1の促進演出においてプッシュボタン31BのLEDを青色に点灯させる演出を行っているときには、小ボタン5BSを青色で表示させるようにする。また、第2の促進演出においてプッシュボタン31BのLEDを赤色に点灯させる演出を行っているときには、大ボタン5BLを赤色で表示させるようにする。
また、プッシュボタン31Bに設けられたサイコロの目と同じサイコロの目を、小ボタン5BS又は大ボタン5BLの表示とともに画像表示装置5に表示させてもよい。
遊技者が実際に操作するプッシュボタン31Bの演出の形態(LEDの表示態様、可動役物の演出態様)と画像表示装置5に表示される小ボタン5BS又は大ボタン5BLの表示を一致させることにより、遊技者に違和感を与えることなく、操作手段に対する操作を促進さえることが可能となる。
(操作手段の演出態様による終了報知)
上述した操作手段の演出態様は、遊技者に対して有効期間の終了を報知する終了報知として用いることができる。例えば、第1の促進演出又は第2の促進演出を行う際に青色又は赤色で点灯するLEDの点灯個数を有効期間の経過とともに減らして順次消灯させていき、有効期間の終了とともに全てのLEDを消灯させることにより、遊技者に有効期間の終了を報知することができる。このとき、小ボタン5BS又は大ボタン5BLの表示をLEDの点灯個数に応じて変化させるように表示してもよい。
操作手段の演出態様による終了報知を行うことにより、遊技者に対して有効期間の終了をさらに認識させやすくなる。例えば、上述したカットイン演出のオーバーレイで画像表示装置5に「ゲージ値ゼロ表示」が表示されていない場合であっても、遊技者は有効股間の終了を認識することができる。
上記説明では、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている、と説明したが、上記データは、必ずしもテーブル形式(例えば、構造体、配列など)で記憶されている必要はない。例えば、図6(A)に示した決定割合になるように、夫々の特図表示結果(「大当り」「小当り」「ハズレ」)と、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)とをテーブル形式にてROM101に格納してもよいが、図6(A)に示すような決定割合で特図表示結果を決定するための情報(例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値を入力した場合に何れかの特図表示結果を出力する数式やプログラムなど)をROM101に格納してもよい。また、上記データは、ROM101に必ずしも纏まって格納されていなくてもよい。即ち、上述の構造体、配列、数式、プログラムなどは、ROM101の複数個所に分散(点在)して格納されていてもよい。また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている、と説明したが、ROM121の上記データについても、ROM101の上記データと同様である。
上記実施の形態においては、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、パチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、パチスロ遊技機等、他の遊技機にも適用することができる。
スロットマシンにおいては、遊技媒体としてメダル等を用いた所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能とする。なお、遊技媒体としては、メダルを用いるものに限定されず、メダルの枚数に対応する点数を使用して、所定の遊技を実行可能とするものであってもよい。
例えば、スロットマシンの筐体前面における所定位置に設けられた所定の投入口から投入したメダルの枚数や、データとして蓄積したクレジット等に応じては、賭け数を設定する。所定のスタートスイッチが、遊技者によるスタートレバーに対する押下等、所定操作を検知したことに基づいては、図柄表示装置の左、中、右の各リールが回転を開始し、図柄の可変表示を開始する。
スタートレバーの操作を検知して可変表示を開始するときには、乱数回路等によって更新する遊技用乱数の一部又は全部を抽出する。抽出する遊技用乱数には、所定の入賞役が発生することを許容するか否かを決定するために用いる内部抽選用の乱数値等を含む。
抽出した内部抽選用の乱数値や現在の遊技状態等に基づいては、所定の当選判定用テーブルを参照することによって、内部抽選を行う。内部抽選に当選した場合には、当選した役に対応した当選フラグを遊技制御用マイクロコンピュータにおけるRAMの所定領域に設定する。
役の種類には、大別して、メダルや得点の付与を伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能とする再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役を予め定めておく。
各役のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選したゲームにおいてのみ有効である。しかしながら、特別役の当選は、その内部抽選により発生を許容した役が揃うまで有効となる。即ち、特別役の入賞を一度許容すると、たとえ各ゲームにおいて特別役の入賞が成立しなかった場合でも、その当選は、次のゲームへ持ち越すことになる。但し、レギュラーボーナス等、所定の遊技状態中におけるボーナスゲームにおいては、特別役の当選を次のゲームへ持ち越さないようにしてもよい。
各リールの回転動作による図柄の可変表示を開始した後には、左、中、右の各ストップスイッチを、遊技者が押入する等、所定操作を検知したことに基づいて、対応するリールの回転を停止し、入賞ライン上に図柄を停止表示する。
スロットマシンの図柄表示装置においては、例えば、5本、4本等のように、複数の入賞ラインを予め定めておき、賭け数の設定等に応じて所定数の入賞ラインを有効化する。全てのリールの回転を停止することによっては、1ゲームが終了し、有効化したいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組み合わせ等により、入賞が発生し得る。
スロットマシンにおける遊技状態には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態等がある。レギュラーボーナスの遊技状態においては、JAC、チェリー、スイカ及びベル等の小役を、入賞となる役として定めておき、内部抽選においての抽選対象とする。
通常遊技状態においては、チェリー、スイカ及びベル等の小役、リプレイ等の再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等の特別役を、入賞となる役として定めておき、各ゲームにおける内部抽選においての抽選対象とする。
通常遊技状態においては、ビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームとして所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合に終了する。
通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいては、レギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、いずれかの役によって8ゲーム入賞した場合のいずれか早い方で終了する。
通常遊技状態時のレギュラーボーナスにおいては、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了するようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスと共に当該レギュラーボーナスも終了する。
なお、スロットマシンは、景品遊技媒体であるメダルを直接に付与するものであってもよいし、景品遊技媒体であるメダルの枚数に対応した得点等を付与するものであってもよい。
スロットマシンにおいては、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナス等の特別遊技状態に移行した場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。
なお、特別遊技状態は、レギュラーボーナスやビッグボーナス等に限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。
通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、停止順や停止タイミング等、リールの導出条件を満たすことを条件に発生し、報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順を報知するアシストタイムや、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することによって、ストップスイッチを操作した際に表示した図柄が停止し易いように制御し、遊技者が目押しを行うことによって入賞図柄の組み合わせを導出することが可能となるチャレンジタイムや、リプレイ入賞やシングルボーナス入賞等、特定の入賞の発生を許容する確率が高まる遊技状態等があり、これらを組み合わせた遊技状態もある。
スロットマシンにおいて遊技媒体として用いるメダルや、その枚数に対応して付与する得点の記録情報は、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な価値を有するものであればよい。また、これらのメダルや得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、スロットマシンにおいて再度の遊技に使用可能な価値を有するものであってもよい。
また、スロットマシンにおいて付与可能となる遊技価値は、景品遊技媒体となるメダルの付与や得点の付与に限定されず、レギュラーボーナスやビッグボーナス等、他の特別遊技状態に制御すること、特別遊技状態において実行可能な可変表示の上限回数を多くすること等、遊技者にとって有利な遊技状態となることを含む。
例えば、スロットマシンの前面扉には、各種の演出画像を表示可能な画像表示装置を有する。また、スロットマシンの上部左右には、効果音を出力する2つのスピーカを有する。更に、スロットマシンの前面扉における所定位置には、遊技効果ランプを有する。
スロットマシンが備える画像表示装置、スピーカ、遊技効果ランプ等による演出動作には、モード演出、所定演出、示唆演出を含み、所定演出が実行される前にいずれのモード演出が実行されていたかにより、所定演出が実行されたときの特別遊技状態となる期待度が異なると共に、いずれのモード演出が実行されているかにより示唆演出の実行割合が異なるようにすればよい。
つまり、本実施形態における遊技機は、遊技を行う遊技機(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシン等)であって、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシンのBETボタン等)と、前記操作手段に対する遊技者の操作に応じて演出を行う演出手段(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシンの画像表示装置に表示される演出画像の表示)と、前記操作が有効である有効期間を遊技者に報知する報知手段(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシンの画像表示装置に表示されるボタンの有効期間を示すゲージ)と、前記有効期間が終了したときに、前記有効期間の終了を示す終了報知を行う終了報知手段(ゲージ値の表示)とを備え、前記終了報知手段は、前記有効期間が終了するまでの間に遊技者が前記操作をしたときに終了報知(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシンにおいて、画像表示装置にゲージ値「0」を表示させる、BET等のボタンのランプを点灯状態から消灯状態にする等)を行う、遊技機(例えば、上述のようなゲームを行うスロットマシン等)であってもよい。また、本実施形態においてパチンコ遊技機1について説明した変形例などは、上述のようなゲームを行うスロットマシン等にも適用することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間、及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドにおいては擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドにおいてはリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは、2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方においては、2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知するようにしてもよい。その場合、それぞれのタイミングにおいて実行される具体的な変動態様については、演出制御マイクロコンピュータの方において選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合には、同一のタイマ割込内において2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドによって示される変動態様は、この例に限定されるわけではない。また、送信する順序は、適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることによっては、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「実行割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートによって示した処理等を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1等に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。