以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態によるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」と称する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
なお、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)や大入賞口(後述)などの入賞口を通過(進入)した遊技球が、夫々の入賞口に対応して設けられたスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23(後述))によって検出されることを「入賞」と称する。「入賞」のうち、始動入賞口(第1始動入賞口又は第2始動入賞口)への入賞を「始動入賞」と称し、特に、第1始動入賞口への入賞を第1始動入賞と称し、第2始動入賞口への入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞の発生(第1始動口スイッチ22Aによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5(後述)において実行される飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。
第2始動入賞の発生(第2始動口スイッチ22Bによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5(後述)において実行される飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は、第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、単に「特図保留記憶数」又は「保留記憶数」とも称する。つまり、単に「特図保留記憶数」又は「保留記憶数」と称したときに、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数のうちの1つ又は2つ又は3つを指す場合もあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態と、遊技球が通過(進入)できる開放状態とに変化する大入賞口を形成する。具体的には、特別可変入賞球装置7は、例えば図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉の開閉によって大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。
一例として、特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態とし、ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態とする。開放状態となった大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。つまり、大入賞口を開放状態とすることによって、大入賞口への入賞が発生する。
大入賞口への入賞の発生(カウントスイッチ23による遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば12個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば12個)は、第1始動入賞の発生に基づいては払い出される賞球の個数(例えば3個)、第2始動入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば3個)よりも多い。つまり、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)が、遊技者にとって有利か否かに大きく影響する。
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」又は「特図1」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」又は「特図2」とも称する。また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称し、第2特別図柄表示装置4Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第2特図ゲームとも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。第2保留表示器25Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。
なお、第1保留表示と第2保留表示とを特に区別しない場合には、単に、「保留表示」とも称する。また、「保留表示」なる表現は、動作(第1保留表示器25Aやと第2保留表示器25BによるLEDの点灯制御)を指す場合の他、表示自体(LEDによる表示)を指す場合もある。例えば、保留表示を新たに追加したと言う場合の保留表示は、当該新たに追加された表示自体を示している。始動入賞記憶表示エリア5H(後述)における「保留表示」や、アクティブ表示エリアAHA(後述)における「アクティブ表示」(後述)についても同様である。
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲーム(又は「普通図ゲーム」)とも称する。なお、普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。具体的には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームと連動(対応)して、飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。なお、飾り図柄表示エリア5Lに対応する飾り図柄を左図柄、飾り図柄表示エリア5Cに対応する飾り図柄を中図柄、飾り図柄表示エリア5Rに対応する飾り図柄を右図柄とも称する。飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
また、画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、保留情報に対応する保留表示が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば左詰めで保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな始動条件の成立によって特図ゲームの保留数が増加したときは、始動入賞記憶表示エリア5Hの左端(アクティブ表示エリアAHAの最も近い側)から順に消化されるように新たな保留表示を追加してもよい。新たな開始条件の成立によって特図ゲームの保留数が減少したときは、始動入賞記憶表示エリア5Hの左端に表示されている保留表示(一番古くから表示されている保留表示)を消去するとともに、他の保留表示があるときには他の保留表示(他と保留表示が複数あるときには夫々の保留表示)を左側に移動(シフト)する。
また、画像表示装置5の表示領域には、アクティブ表示エリア(今回表示エリア、アクティブ保留表示エリア、消化時表示エリアなどとも称する)AHAが配置されている。アクティブ表示エリアでは、開始条件の成立によって始動入賞記憶表示エリア5Hから保留表示が消去されることに基づいてアクティブ表示(消化時表示、今回表示などとも称する)が行われる。つまり、開始条件の成立によって始動入賞記憶表示エリア5Hの左端に表示されている保留表示がアクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)してアクティブ表示が表示される。なお、以下、ある保留表示Mが消去されることに基づいて表示されるアクティブ表示を保留表示Mに対応するアクティブ表示とも称する場合がある。
本実施形態では、アクティブ表示エリアAHAは、図1に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に配置されているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置5の表示領域の何れかの位置に配置されていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、上皿や下皿が設けられている。下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ8と称する。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として動作する可動役物(可動体)が設けらえている。図1に示した一例では、画像表示装置5の上部位置に、第1位置(図1に示した初期位置)から第2位置(下端位置。例えば画像表示装置5の表示領域の前面の位置)迄移動可能な可動役物17が設けられている。
また、遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。図1に示した一例では、可動役物17に発光部材9CCを設置し、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRの夫々を特に区別しない場合には、単に、ランプ9と称する。
上述した画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物17は演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、例えば、振動部を有する装置、送風部を有する装置など他の演出装置を備えていてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り(普通図柄当り)」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ(普通図柄ハズレ)」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特図ゲームが開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特図ゲームが開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄や小当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」としてもよい。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特図ゲームと第2特図ゲームにおいて異なる特別図柄を大当り図柄としてもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される。パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態に制御する。大入賞口が開放状態に制御される大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な有利状態の一例である。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である小当り遊技状態に制御される。
具体的には、パチンコ遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後の大当り遊技状態において、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を、所定の回数(所定のラウンド数)、実行する。ラウンドは、大入賞口の開放サイクルである。パチンコ遊技機1は、各ラウンド(各回のラウンド)において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉させて、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。例えば、パチンコ遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口扉を開いて大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させ、大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。ラウンドにおいて大入賞口は、大入賞口扉を開いた後に所定の上限開放時間(例えば29秒間)が経過するか、大入賞口への所定個数(例えば9個)の入賞が発生するか、の何れかの条件が成立するまで開放状態に維持される。
パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態において、ラウンドの実行回数が所定の上限回数に達するまで、ラウンドを繰り返し実行する。なお、パチンコ遊技機1は、ラウンドの実行回数が所定の上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行を終了してもよい。所定の上限回数は、本実施形態では、2種類(8Rに対応する8回、16Rに対応する16回。図7参照)であるが、1種類であってもよいし、3種類以上であってもよい。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。また、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間にはリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。リーチ状態における演出をリーチ演出という。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。
なお、ある演出による大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。なお、ある演出が実行されると必ず「大当り」になる場合、その演出の大当り期待度は「1」である。ある演出によるスーパーリーチ期待度などについても同様である。
リーチ演出は、大当り期待度が高いことなどを遊技者に予告、示唆する演出であるが、パチンコ遊技機1は、リーチ演出のほかにも、大当り期待度が高いことなどを遊技者に予告、示唆する演出(例えば、保留演出、擬似連演出等)を実行可能である。また、パチンコ遊技機1は、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行されることなどを遊技者に予告、示唆する演出(例えば、保留演出、滑り演出等)を実行可能である。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを遊技者に予告、示唆する演出を予告演出と総称する場合がある。
なお、予告演出による報知(予告、示唆)は、当該報知内容が実現するか否かを遊技者が認識するよりも前に行われるものであればよい。例えば、リーチ状態となる可能性を報知する予告演出は、リーチ状態(又は、非リーチ状態)となる前に行われるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性を報知する予告演出は、確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に行われるものであればよい。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する保留表示をターゲットの保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。なお、ターゲットの保留表示に対応するアクティブ表示(ターゲットの可変表示中に表示されるアクティブ表示)をターゲットのアクティブ表示とも称する。
なお、アクティブ表示の表示態様は、入賞時に決定してもよいし、保留表示の時点(未だアクティブ表示となる前)に決定してもよいし、アクティブ表示となるときに(当該変動開始時)に決定してもよい。また、保留表示の表示態様と、当該保留表示に対応するアクティブ(当該保留表示が消去されることにより表示されるアクティブ表示)の表示態様は、同一(又は略同一)であってもよいし、互いに関連するものであってもよい。表示態様が同一(又は略同一)であるとは、例えば、消去前の保留表示の表示態様と同一又は略同一の表示態様のアクティブ表示が表示されることである。
表示態様が互いに関連するとは、例えば、保留表示の表示態様として大当り期待度が異なる3種類の表示態様(表示態様aの期待度>表示態様bの期待度>表示態様cの期待度)が存在し、アクティブ表示の表示態様として大当り期待度が異なる3種類の表示態様(表示態様sの期待度>表示態様tの期待度>表示態様uの期待度。但し、表示態様sは表示態様a、b、cの何れとも異なり、表示態様tは表示態様a、b、cの何れとも異なり、表示態様uは表示態様a、b、cの何れとも異なる)が存在する場合に、表示態様aの保留表示が消去されたときには表示態様sのアクティブ表示が表示され、表示態様bの保留表示が消去されたときには表示態様tのアクティブ表示が表示され、表示態様cの保留表示が消去されたときには表示態様uのアクティブ表示が表示されることである。なお、後述の追加時アクティブ表示演出が実行される場合には、表示態様aの保留表示が消去されたときには表示態様t又は表示態様uのアクティブ表示が表示され、表示態様bの保留表示が消去されたときには表示態様uのアクティブ表示が表示される。
本実施形態では、先読予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示態様による保留演出が実行可能である。保留演出には、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加する保留表示を通常態様(本実施形態では白)とは異なる予告態様(本実施形態では青や赤)で表示する演出(追加時保留演出)や、既に表示されている保留表示を予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む)させる演出(保留変化演出)などが含まれる。
また、本実施形態では、先読予告演出として、保留表示を予告態様に変化させるときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を表示して保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用演出。後述の「保留作用失敗演出」と区別して「保留作用成功演出」と称する場合がある)が実行可能である。また、保留作用成功演出と少なくとも一部の演出態様が共通する演出であって保留表示を予告態様に変化させないときに実行する演出(保留作用失敗演出)が実行可能であってもよい。
また、本実施形態では、予告演出(又は先読み予告演出)として、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示の表示態様によるアクティブ表示演出が実行可能であってもよい。アクティブ表示演出には、例えば、消去時の保留表示が通常態様であったときにアクティブ表示エリアAHAに追加するアクティブ表示を予告態様で表示する演出(追加時アクティブ表示演出)や、通常態様で表示されているアクティブ表示を予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む)させる演出(アクティブ表示変化演出)などが含まれる。なお、保留変化演出とアクティブ表示変化演出を特に区別しない場合には、「保留等変化演出」と称する場合がある。
また、アクティブ表示演出が実行可能である場合には、保留作用成功演出は、アクティブ表示を予告態様に変化させるときに実行され、画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を表示してアクティブ表示に直接的に又は間接的に作用させる演出であってもよい。同様に、保留作用失敗演出は、アクティブ表示を予告態様に変化させないときに実行する演出であってもよい。
また、本実施形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を隠ぺいする隠ぺい演出が実行可能である。なお、隠ぺい演出は、保留表示の少なくとも一部の視認を困難にする演出である。例えば、隠ぺい演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている保留表示の数すらも全く認識できない位に保留表示の視認を困難(例えば、前面(上位のレイヤ)に隠ぺい用の画像が表示され全体的にシルエットのようになりぼんやりして視認困難、前面に隠ぺい用の画像が表示され部分的に邪魔になって視認困難、保留表示自体が見難くなり(小さくなり、半透明化し)視認困難等)又は不可能(例えば、前面に隠ぺい用の画像が表示され完全に視認不可能、透明化又は非表示化により完全に視認不可能)にする演出であってもよい。また、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている保留表示の数は何とか認識可能(例えばシルエットにより認識可能)であるものの夫々の表示態様の視認を困難又は不可能にする演出であってもよい。また、表示態様は認識可能であるが、数を視認を困難又は不可能にする演出であってもよい。例えば、ある表示態様の保留表示(例えば赤の保留表示)の有無を報知するものであってもよい。また、全体ではなく一部(例えば上部)に予告態様が表現される保留表示の場合には、隠ぺい演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示されている夫々の保留表示の上部の視認を困難又は不可能にする演出であってもよい。
また、隠ぺい演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示に代えて又は加えてアクティブ表示エリアAHAおけるアクティブ表示を隠ぺいしてもよい。
本実施形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄(「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄)のうち、「3」の数字を示す特別図柄又は「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「8R確変大当り」となる。また、「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「16R確変大当り」となる。16R確変大当りや8R確変大当りの終了後には、時短制御(時間短縮制御)とともに確変制御(確率変動制御)が行われる。
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、確変制御が行われないときに比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定のST回数(確変回数とも称する)の特図ゲームが実行されるときと、可変表示結果が「大当り」となるときとのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。従って、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了する。なお、所定のST回数は、例えば70回である。
また、時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、時短制御が行われないときに比べて短縮される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定の時短回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることとのうち、何れかの条件が先に成立したときに終了する。従って、時短制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定の時短回数の特図ゲームを消化した場合には、時短制御は終了する。なお、所定の時短回数は、例えば70回である。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を時短制御が行われないときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を時短制御が行われないときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を時短制御が行われないときよりも長くする制御、その傾動回数を時短制御が行われないときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御とがともに行われる遊技状態は、時短状態又は高ベース状態とも称される。また、確変制御が行われる遊技状態は、高確状態又は確変状態とも称される。時短状態(高ベース状態)や、高確状態(確変状態)は、遊技者にとって有利な有利状態の一例である。
確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)であって高ベース状態(時短状態)でもある遊技状態は、高確高ベース状態又は時短付確変状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)であるが高ベース状態(時短状態)ではない遊技状態は、高確低ベース状態又は時短無確変状態とも称される。なお、高確高ベース状態(時短付確変状態)のみを「確変状態」ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態、即ち、高確状態(確変状態)ではないが高ベース状態(時短状態)である遊技状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御も行われない遊技状態は、即ち、高確状態(確変状態)でも高ベース状態(時短状態)でもない遊技状態は、低確低ベース状態とも称される。低確低ベース状態は、確変制御も時短制御も高開放制御も行われない通常の状態であるため、高確高ベース状態や高確低ベース状態や低確高ベース状態などと区別して、「通常状態」と称することもある。パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように電源投入後に初期化処理が実行された後の状態)は、通常状態である。
なお、本実施形態では、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了するが、ST回数(確変回数)を設けずに可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御が終了しないようにしてもよい。即ち、次回大当りとなるまで確変制御を継続させる確変大当りを設けるようにしてもよい。次回大当りとなるまで確変制御を継続させる確変大当りを設けるときには、終了後に確変制御が行われない通常大当りを更に設けるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9及び可動役物17などによる演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。役物制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた役物動作制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、可動役物17の駆動させるアクチュエータ(非図示)に駆動信号を出力する回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、演出制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、演出制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
なお、夫々の演出制御コマンドを構成する情報は、例えば、ROM101内のコマンドテーブルに記憶されていてもよい。ある演出制御コマンドを演出制御基板12に対して送信するときには、当該演出制御コマンドを送信するための設定として、上記コマンドテーブルにおける当該演出制御コマンドの記憶アドレスを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すればよい。その後、遊技制御用タイマ割込み処理(図11)のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、上述のように設定された演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図3(A)の一部について説明する。例えば、コマンド8001Hは、第1特図ゲームの開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特図ゲームの開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「16R確変大当り」であるか「8R確変大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞通知コマンドである(第1始動口入賞指定コマンド、第1始動口入賞時コマンドと称する場合もある)。コマンドB200Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞通知コマンドである(第2始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞時コマンドと称する場合もある)。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。例えば、第1始動入賞が発生した場合(第1特図保留記憶数が増加した場合)には、第1始動口入賞通知コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを送信する。また、第2始動入賞が発生した場合(第2特図保留記憶数が増加した場合)には、第2始動口入賞通知コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを送信する。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動カテゴリ(「変動パターン種別」とも称する)の判定結果を示す変動カテゴリ指定コマンド(「変動カテゴリコマンド」とも称する)である。変動カテゴリとは、飾り図柄の変動パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、変動カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上の飾り図柄の変動パターンを含む、各グループのグループ名である。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図15)において、始動入賞の発生時に、一部の場合(例えば、高ベース状態等において第1始動入賞があった場合)を除いて、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて、変動カテゴリを判定する。そして、変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、始動入賞の発生時に、主基板11から送信された変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、当該始動入賞に基づく可変表示がスーパーリーチとなるか否かなどを認識できる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
図4は、主基板11の側においてカウント(更新)される乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
図5は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの一例を説明する説明図である。図5において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」と「PA2−2」とが属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−3」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−3」が属している。変動カテゴリ「PB1」は、短縮・リーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB1」には、変動パターン「PB1−1」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−3」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−3」が属している。
図5の一部について説明する。例えば、変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB1」に属する変動パターン「PB1−1」は、変動パターン「PB3−1」よりも特図変動時間が短縮された短縮・リーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。
図6は、ROM101に記憶される表示結果決定テーブルの構成例を示している。図6に示した表示結果決定テーブル130は、特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)が導出表示される以前に、当該特図表示結果を特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。図6に示した表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、夫々の特図表示結果(「大当り」、「ハズレ」)に割り当てた判定値(特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値)の個数を異ならせている。図6に示した表示結果決定テーブル130によれば、遊技状態が高確状態であるときには低確状態であるときよりも多くの判定値を「大当り」に割り当てている。つまり、高確状態であるときには低確状態であるときに比べて「大当り」となる確率を高くしている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。図7に示した大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定した場合に、大当り種別を複数種類の何れかにするかを、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。図7に示した大当り種別決定テーブル131では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて(つまり、第1特図ゲームを実行するか第2特図ゲームを実行するかに応じて)、夫々の大当り種別(「16R確変大当り」、「8R確変大当り」)に割り当てた判定値(大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値)の個数を異ならせている。図7に示した大当り種別決定テーブル131によれば、変動特図が第2特図であるときには(第2特図ゲームを実行するときには)、変動特図が第1特図であるときよりも(第1特図ゲームを実行するときよりも)、多くの判定値を「16R確変大当り」に割り当てている。つまり、第2特図ゲームでは第1特図ゲームに比べて「大当り」となった場合に「16R確変大当り」となる確率を高くしている。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルや、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。
RAM102は、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する。RAM102は、保持するデータの一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。
図8は、RAM102に設けられている遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、保留特定情報記憶部151Cと、普図保留記憶部151Dと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、第1特図ゲームの保留データ(第1保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値を示す数値データ(例えば、乱数値MR1〜MR3を示す数値データなど)を保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、第2特図ゲームの保留データ(第2保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値を示す数値データ(例えば、乱数値MR1〜MR3を示す数値データなど)を保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
保留特定情報記憶部151Cは、第1特図保留記憶部151Aに記憶される保留データ、及び、第2特図保留記憶部151Bに記憶される保留データを合わせた全体の保留データの入賞順(遊技球の検出順)である保留番号と関連付けて、第1始動入賞の発生に基づく保留データ(第1保留情報)であるか、第2始動入賞の発生に基づく保留データ(第2保留情報)であるか、を示す情報を記憶する。図14に示した保留特定情報記憶部151Cにおいて、「第1」は第1保留情報である旨を示し、「第2」は第2保留情報である旨を示している。
普図保留記憶部151Dは、普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Dは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125、RTC(リアルタイムクロック)回路126とが搭載されている。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物17等)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータが記憶されている。夫々の演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。即ち、各種の演出動作は、演出制御パターンがセットされることによって実現される。例えば、夫々の変動パターンに対応する飾り図柄の可変表示動作は、夫々の変動パターンに対応する演出制御パターンがセットされることによって実現される。保留演出、アクティブ表示演出、ファンファーレ演出、ラウンド遊技中の演出(開放中演出、閉鎖中演出)、エンディング演出などについても、夫々の演出に対応する演出制御パターンセットされることによって実現される。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、可動役物制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。即ち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。即ち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えばランプ9の発光動作態様を示すデータが含まれている。即ち、ランプ制御データは、ランプ9の発光動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。即ち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。可動役物制御データには、例えば可動役物17の動作態様を示すデータが含まれている。即ち、可動役物制御データは、可動役物17の動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間(単に有効期間という場合がある)にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出装置に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(例えば、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物17等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#n、可動役物制御データ#1〜可動役物制御データ#nは、夫々の演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14、役物制御基板16などに対して出力される。例えば、演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図10(A)は、RAM122に設けられている演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図などである。RAM122には、パチンコ遊技機1における演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。
また、本実施形態では、図10(C)に示すような先読予告バッファ194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。先読予告バッファ194Bには、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。即ち、先読予告バッファ194Bには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「8」に対応付けて記憶される。例えば、飾り図柄の可変表示の開始などにより、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、先読予告バッファ194Bにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、先読予告バッファ194Bにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理(センサエラー報知処理を含む)を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。
ステップS12の処理に続いて、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
ステップS13の情報出力処理に続いて、CPU103は、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。ステップS14の遊技用乱数更新処理では、例えば、主基板11の側で用いられる遊技用乱数(例えば、乱数値MR1〜MR5等)の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。一例として、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによってカウントされる遊技用乱数を示す数値データをソフトウェアにより更新してもよい。
ステップS14の遊技用乱数更新処理に続いて、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS16)。普通図柄プロセス処理が実行されることにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、図12に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示す始動入賞判定処理(ステップS101)において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定した場合は(ステップS201;YES)、CPU103は、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定すればよい。
ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合には(ステップS202;NO)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値(始動口バッファ値)に「1」を設定する(ステップS207)。ステップS207の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS208)、始動口バッファ値に「0」を設定(クリア)する(ステップS209)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンではないと判定した場合や(ステップS201(NO))、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合や(ステップS202(YES))、ステップS209の処理を実行した後には、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定した場合は(ステップS203;YES)、CPU103は、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定すればよい。
ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合には(ステップS204;NO)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値(始動口バッファ値)に「2」を設定する(ステップS210)。ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS211)、始動口バッファ値に「0」を設定(クリア)し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203にて第2始動口スイッチ22Bがオンではないと判定した場合や(ステップS203(NO))、ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合には(ステップS204(YES))、ステップS210、S211、S212の処理を行わずに、始動入賞判定処理を終了する。
図13に示した始動入賞判定処理によれば、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
図14は、始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)の一例を示すフローチャートである。図14に示した始動入賞時処理において、CPU103は、まず、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理に続いて、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。また、保留特定情報記憶部151Cには、始動口バッファ値に応じた情報が記憶される。
ステップS218の処理に続いて、CPU103は、始動口バッファ値に応じた始動口入賞通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1始動口入賞通知コマンドを送信するための設定を行う。また、始動口バッファ値が「2」であるときには第2始動口入賞通知コマンドを送信するための設定を行う。ステップS219において設定された始動口入賞通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、CPU103は、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。また、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。そして、始動入賞時処理を終了する。なお、ステップS221において設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図15は、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)の一例を示すフローチャートなどである。図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグの状態を確認することなどにより、大当り遊技状態であるか否かを特定する。具体的には、CPU103は、大当りフラグがオン状態であるときには大当り遊技状態であると特定し、大当りフラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)大当り遊技状態ではないと特定する。また、ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高ベースフラグの状態を確認することなどにより、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを特定する。具体的には、CPU103は、高ベースフラグがオン状態であるときには高ベース状態であると特定し、高ベースフラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)低ベース状態であると特定する。また、ステップS401の処理では、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高確フラグの状態を確認することなどにより、高確状態であるか低確状態であるかを特定してもよい。具体的には、CPU103は、高確フラグがオン状態であるときには高確状態であると特定し、高確フラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)低確状態であると特定してもよい。
なお、CPU103は、大当り終了処理(ステップS117)において、高ベースフラグをオン状態にセットする。また、CPU103は、特別図柄停止処理(ステップS113)において高ベースフラグをオフ状態にクリアする。例えば、CPU103は、大当り終了処理において時短回数と比較される変動数カウンタに初期値であるゼロをセットし、特別図柄停止処理においてハズレとなる場合に変動数カウンタの値を更新(カウントアップ)するとともに変動数カウンタの値が時短回数に到達した場合に、高ベースフラグをオフ状態にクリアする。また、CPU103は、大当り終了処理において、高確フラグをオン状態にセットする。また、CPU103は、特別図柄停止処理において高確フラグをオフ状態にクリアする。例えば、CPU103は、大当り終了処理においてST回数と比較される変動数カウンタに初期値であるゼロをセットし、特別図柄停止処理においてハズレとなる場合に変動数カウンタの値を更新(カウントアップ)するとともに変動数カウンタの値が高確回数に到達した場合に、高確フラグをオフ状態にクリアする。なお、変動数カウンタの値は、例えば、遊技制御カウンタ設定部154には記憶される。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、現在、大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップS402)。つまり、ステップS401の処理において大当り遊技状態であると特定したか否かを判定する。ステップS402にて大当り遊技状態ではないと判定した場合(ステップS402;NO)、CPU103は、現在、高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS403)。つまり、ステップS401の処理において高ベース状態であると特定したか否かを判定する。
ステップS402にて大当り遊技状態であると判定した場合や(ステップS402;YES)、ステップS403にて高ベース状態であると判定した場合には(ステップS403;YES)、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。つまり、第2始動入賞(変動特図が第2特図である始動入賞)であるか否かを判定する。ステップS404にて始動口バッファ値が「2」ではないと判定した場合(ステップS404;NO)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS403にて高ベース状態ではないと判定した場合や(ステップS403(NO))、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定した場合には(ステップS404(YES))、CPU103は、現在の遊技状態に応じた特図表示結果決定テーブルをセット(選択)する(ステップS405)。具体的には、CPU103は、高確状態でないときには、図6に示した表示結果決定テーブル130から、低確状態用のテーブルデータ(「8000」〜「8329」の範囲の値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられているテーブルデータをセットし、高確状態であるときには、図6に示した表示結果決定テーブル130から、高確状態用のテーブルデータ(「8000」〜「8818」の範囲の値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられているテーブルデータをセットする。なお、CPU103は、高確フラグがオン状態であるときには高確状態であると特定し、高確フラグがオン状態ではないときには(オフ状態であるときには)低確状態であると特定してもよい。また、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、始動口バッファ値が「1」である場合には、第1特図表示結果決定テーブルを使用し、始動口バッファ値が「2」である場合には、第2特図表示結果決定テーブルを使用すればよい。
ステップS405の処理に続いて、CPU103は、図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS406)。例えば、CPU103は、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値とを逐一比較し、乱数値MR1を示す数値データと合致する判定値の有無を判定する。あるいは、CPU103は、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを比較し、乱数値MR1を示す数値データが、判定値の最小値と最大値の範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS406にて大当り判定範囲内であると判定した場合には(ステップS406;YES)、図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別を判定する(ステップS407)。具体的には、まず、CPU103は、始動口バッファ値によって特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じた大当り種別決定テーブルをセット(選択)する。具体的には、CPU103は、図7に示した大当り種別決定テーブル131から、変動特図に応じたテーブルデータをセットする。続いて、CPU103は、例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動特図に応じてセットした大当り種別決定用テーブルデータにおける夫々の大当り種別の判定値とを比較するなどして、乱数値MR2を示す数値データと合致する大当り種別を判定すればよい。
ステップS407の処理に続いて、CPU103は、ステップS407の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS408)。一方、ステップS406にて大当り判定範囲内ではないと判定した場合には(ステップS406;NO)、ハズレに応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS409)。なお、ステップS409において設定された図柄指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS408の処理又はステップS409の処理を実行した後には、CPU103は、高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS410)。ステップS410にて高ベース状態ではないと判定した場合には(ステップS410;NO)、つまり、上記場面1や上記場面3であるときには、CPU103は、特図表示結果に応じた低ベース状態用の変動カテゴリ決定テーブルをセット(選択)する(ステップS411)。一方、ステップS410にて高ベース状態であると判定した場合には(ステップS410;YES)、つまり、上記場面2や上記場面4であるときには、CPU103は、特図表示結果に応じた高ベース状態用の変動カテゴリ決定テーブルをセット(選択)する(ステップS412)。
図16は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。図16(A)は、低ベース状態であるときに、複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する選択例である。図16(A)によれば、低ベース状態において特図表示結果を「ハズレ」とするときには、保留記憶数に応じて、3種類の変動カテゴリ決定テーブル(図中の「C−TBL1」「C−TBL2」「C−TBL3」)のなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルが選択される。具体的には、図16(A)に示すように、保留記憶数が0個又は1個のときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」が選択され、保留記憶数が2個又は3個のときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」が選択され、保留記憶数が4個以上のときには変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」が選択される。また、図16(A)によれば、低ベース状態において特図表示結果を「大当り」とするときには、保留記憶数に関わらず、1種類の変動カテゴリ決定テーブル(図中の「C−TBL4」)が選択される。
図16(B)は、高ベース状態であるときに、複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する選択例である。図16(B)によれば、高ベース状態において特図表示結果を「ハズレ」とするときには、保留記憶数に応じて、2種類の変動カテゴリ決定テーブル(図中の「C−TBL1」「C−TBL3」)のなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルが選択される。また、図16(B)によれば、高ベース状態において特図表示結果を「大当り」とするときには、保留記憶数に関わらず、1種類の変動カテゴリ決定テーブル(図中の「C−TBL5」)が選択される。
図17は、変動カテゴリ決定テーブルの構成例を示す図である。図17(A)は、図16(A)や図16(B)の図中に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」である。図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」(図17(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、図17(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」、図17(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」、図17(E)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL5」も同様)は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数種類の変動カテゴリに割り当てられている。
例えば、図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、0個が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、70個(「0」〜「69」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、27個(「70」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が0%(0÷100)、変動カテゴリ「PA2」が70%(70÷100)、変動カテゴリ「PA3」が27%(27÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図17(B)に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、図17(C)に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」、図17(D)に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」、図17(E)に示した変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL5」についても同様であるため、説明を省略する。
図15(A)に戻る。ステップS410にて高ベース状態ではないと判定した場合に実行するステップS411の処理では、CPU103は、ステップS406にて特図表示結果を「大当り」とすると判定していた場合には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」を構成するテーブルデータをセットし、特図表示結果を「ハズレ」とすると判定していた場合には保留記憶数に応じて変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」〜変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のうちの何れかを構成するテーブルデータをセットする。また、ステップS410にて高ベース状態であると判定した場合に実行するステップS412の処理では、CPU103は、ステップS406にて特図表示結果を「大当り」とすると判定していた場合には変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL5」を構成するテーブルデータをセットし、特図表示結果を「ハズレ」とすると判定していた場合には保留記憶数に応じて変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」又は変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の何れかを構成するテーブルデータをセットする。
ステップS411の処理又はステップS412の処理を実行した後には、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、変動カテゴリを決定(判定)する(ステップS413)。具体的には、CPU103は、図14に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ステップS411又はステップS412にてセットした変動カテゴリ決定テーブルのテーブルデータにおいて夫々の変動カテゴリに割り当てられている判定値とを比較するなどして、判定値の何れが、乱数値MR3を示す数値データと合致するかを判定すればよい。ステップS413の処理に続いて、CPU103は、ステップS413の処理による判定結果(決定結果)に応じて、図15(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS414)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
始動入賞判定処理(ステップS101)に続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理の何れかを選択して実行する(図12参照)。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。特別図柄通常処理は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、当該可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する処理などを含んでいる。特別図柄通常処理では、可変表示結果を事前決定したときには、特図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。変動パターン設定処理は、変動パターンを決定する処理や、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)などを送信するための設定処理などを含んでいる。変動パターン設定処理では、特図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動(可変表示)させる処理や、変動開始後の経過時間が特図変動時間(図5)に達したか否かを判定する処理などを含んでいる。特別図柄変動処理では、変動開始後の経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特別図柄停止処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を停止させ、確定特別図柄を停止表示(導出)させる処理や、大当りフラグがオフ状態となっている場合(特別図柄通常処理(ステップS110)にて可変表示結果を「ハズレ」とすると事前決定している場合)に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を遷移させる処理や、大当りフラグがオン状態となっている場合(可変表示結果を「大当り」とすると事前決定している場合)に実行する処理として当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を送信するための設定処理などを含んでいる。特別図柄停止処理では、大当りフラグがオフ状態となっているときには、特図プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、大当りフラグがオン状態となっているときには、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り開放前処理は、大入賞口を開放状態とするための設定(例えば、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の設定等)を行う処理や、大入賞口開放中通知コマンドなどを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放前処理では、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。大当り開放中処理は、大入賞口の開放後の経過時間が所定時間を経過したか否かやカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数が所定個数に達したか否かなどに基づいて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングを判定する処理や、大入賞口を閉鎖状態とするための設定(例えば、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の設定等)を行う処理や、大入賞口開放後通知コマンドなどを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放中処理では、特図プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。大当り開放後処理は、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達しない場合に実行する処理として大入賞口開放中通知コマンドを送信するための設定処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に実行する処理として当り終了指定コマンドを送信するための設定処理などを含んでいる。大当り開放後処理では、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値を“5”に更新し、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り終了処理は、大当り終了時演出待ち時間(エンディング演出の実行期間に対応した待ち時間)が経過したか否かを判定する処理や、大当り終了時演出待ち時間が経過した場合に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を高確高ベース状態に設定する処理やST回数や時短回数を設定する処理などを含んでいる。大当り終了処理では、エンディング演出の実行期間に対応した待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
また、大当り開放中処理(ステップS115)、大当り開放後処理(ステップS116)、大当り開放前処理(ステップS114)、大当り終了処理(ステップS117)は、カウントスイッチ23がオンとなった場合に大入賞口入賞通知コマンドを送信するための送信設定を含んでいる。
図18は、特別図柄通常処理(ステップS110)の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS230)。例えば、ステップS230の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS230にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS230;NO)、最初に消化される保留データ(最も先に入賞した保留データ)は第2保留情報であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、保留特定情報記憶部151Cにて保留番号「1」に対応して記憶されている情報が、第2保留情報である旨を示している情報であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて最初に消化される保留データが第2保留情報であるときには(ステップS231;YES)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、保留特定情報記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された情報を1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新する。ステップS233の処理に続いて、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて最初に消化される保留データが第2保留情報でないときには(ステップS231;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、保留特定情報記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された情報を1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新する。ステップS237の処理に続いて、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理の何れかを実行した後には、CPU103は、現在の遊技状態に応じた特図表示結果決定テーブルをセット(選択)する(ステップS239)。例えば、CPU103は、図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS405と同様に、特図表示結果決定テーブルをセットすればよい。続いて、CPU103は、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS239にてセットした特図表示結果決定テーブルとに基づいて、特図表示結果を決定する(ステップS240)。ステップS240の処理では、CPU103は、図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS406と同様、乱数値MR1を示す数値データと、ステップS239にてセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値とを逐一比較するなどして、特図表示結果(「大当り」とするか「ハズレ」とするか)を決定すればよい。
ステップS240の処理に続いて、CPU103は、ステップS240にて決定した特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。ステップS241にて「大当り」であると判定した場合には(ステップS241;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。なお、大当りフラグは、ステップS117の大当り終了処理にてオフ状態にクリア(リセット)される。ステップS242の処理に続いて、CPU103は、大当り種別決定処理を実行する(S244)。ステップS244の大当り種別決定処理は、図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS407において実行される大当り種別判定処理と同様である。ステップS244の大当り種別決定処理に続いて、CPU103は、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定する(ステップS245)。つまり、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別が何であるかを記憶する。一例として、CPU103は、ステップS244の大当り種別決定処理において決定した大当り種別が、「16R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値に「1」を設定し、「8R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値に「2」を設定する。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定した場合(ステップS241(NO))や、ステップS245の処理を実行した後には、CPU103は、ステップS240の処理にて決定された特図表示結果や、大当りの場合にステップS244の処理にて決定された大当り種別に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS230にて合計保留記憶数が「0」であるときには(ステップS230;YES)、デモ表示設定(ステップS250)を実行し、特別図柄通常処理を終了する。ステップS250のデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図19は、変動パターン設定処理(ステップS111)において参照される変動パターン決定テーブルの構成例を示す図である。変動パターン設定処理において、CPU103は、図15(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS413の処理と同様、変動カテゴリを決定し、決定した変動カテゴリに対応する変動パターン決定テーブルを選択(セット)し、選択した変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定する。例えば、CPU103は、変動カテゴリ「PA2」を決定した場合には、図19(B)に示した変動カテゴリ「PA2」に対応する変動パターン決定テーブルを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データが、「0」〜「39」の範囲にあるときには変動パターン「PA2−1」を決定し、「40」〜「99」の範囲にあるときには変動パターン「PA2−2」を決定する。また例えば、CPU103は、変動カテゴリ「PA3」を決定した場合には、図19(C)に示す、変動カテゴリ「PA3」に対応する変動パターン決定テーブルを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データが、「0」〜「79」の範囲にあるときには変動パターン「PA3−1」を決定し、「80」〜「99」の範囲にあるときには変動パターン「PA3−2」を決定する。他の変動カテゴリを決定した場合についても同様である。
図5、図6、図16、図17及び図19等によれば、ノーマルリーチ及びスーパーリーチの大当り期待度の関係は、スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチである。また、ノーマルリーチにおいては擬似連変動ありの場合の方が擬似連変動なしの場合よりも大当り期待度は高い。スーパーリーチα(スーパーリーチβも同様)においては擬似連変動ありの場合の方が擬似連変動なしの場合よりも大当り期待度は高く、擬似連の回数が2回の場合の方が1回の場合よりも期待度は高い。
なお、変動パターン決定用の乱数値MR5は、当該処理の実行時に抽出してもよいし、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3などと同様、始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)のステップS217にて抽出して保留データとし、特別図柄通常処理(ステップS110)のステップS232(又はステップS236)にて読み出してもよい。
なお、本実施形態では、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を70回の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を70回の設定値とを異なる値としてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを異なる値としてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを同一の値(共に70回)としたが、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを異なる値としてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
図20は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図20に示すような演出制御メイン処理を実行する。
図20に示した演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオン状態となっていないと判定した場合には(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、タイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオン状態となっていると判定した場合には(ステップS72;YES)、演出制御用CPU120は、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74のコマンド解析処理に続いて、演出制御用CPU120は、エラー報知処理を実行する(ステップS75)。ステップS75のエラー報知処理では、例えば磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為について、主基板11から送信された磁気異常報知指定コマンドに対応したエラー報知等が行われる。
ステップS75のエラー報知処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。ステップS76の演出制御プロセス処理では、主基板11から送信された演出制御コマンド等に基づいて、各種の演出装置(例えば、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、可動役物17等)を用いた演出動作に関する判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出用乱数更新処理を実行する(ステップS77)。ステップS77の演出用乱数更新処理では、例えば、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データをソフトウェアにより更新してもよい。その後、ステップS72の処理に戻る。
なお、演出制御基板12の側で、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みは、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みであると説明したが、演出制御コマンド等を受信するための割込みを発生させる方法は、上記に限定されない。例えば、シリアル通信の先頭ビットによる割込み要求を以って、演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生するものとしてもよい。
図21は、コマンド解析処理(ステップS74)の一例を示すフローチャートである。図21に示したコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。受信コマンドがないと判定した場合には(ステップS501;NO)、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがあると判定した場合には(ステップS501;YES)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第1始動口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。なお、演出制御用CPU120は、例えば受信コマンドのMODEデータを確認し、受信コマンドの種類を特定すればよい(図3参照)。
ステップS502にて第1始動口入賞通知コマンドであると判定した場合には(ステップS502;YES)、演出制御用CPU120は、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、演出制御用CPU120は、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間として予め定められたタイマ初期値を、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットすればよい。
ステップS502にて第1始動口入賞通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS502;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第2始動口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504にて第2始動口入賞通知コマンドであると判定した場合には(ステップS504;YES)、演出制御用CPU120は、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、演出制御用CPU120は、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間として予め定められたタイマ初期値を、コマンド受信制御タイマにセットすればよい。
ステップS504にて第2始動口入賞通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS504;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて図柄指定コマンドではないと判定した場合には(ステップS506;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて変動カテゴリコマンドではないと判定した場合には(ステップS507;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。ステップS508にて第1保留記憶数通知コマンドであると判定した場合には(ステップS508;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて第1保留記憶数通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS508;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。ステップS510にて第2保留記憶数通知コマンドであると判定した場合には(ステップS510;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて図柄指定コマンドであると判定した場合や(ステップS506(YES))、ステップS507にて変動カテゴリコマンドであると判定した場合や(ステップS507(YES))、ステップS503、ステップS505、ステップS509、ステップS511の処理の何れかを実行した後には、演出制御用CPU120は、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納する(ステップS512)。ステップS512の処理に続いて、ステップS501の処理に戻る。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではないと判定した場合には(ステップS510;NO)、演出制御用CPU120は、当該受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS513)。変動パターン指定コマンドであると判定した場合には(ステップS513;YES)、演出制御用CPU201は、RAMに形成されている変動パターン指定コマンド格納領域に当該変動パターン指定コマンドを格納する(ステップS515)。ステップS515の処理に続いて、ステップS501の処理に戻る。
ステップS513にて受信コマンドが変動パターン指定コマンドでないと判定した場合には(ステップS513;NO)、演出制御用CPU120は、他の夫々の受信コマンドに応じた設定等を行う(ステップS518)。例えば、演出制御用CPU120は、受信コマンドが遊技状態指定コマンドであった場合には、当該遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定してもよい。ステップS518の処理に続いて、ステップS501の処理に戻る。
図22は、演出制御プロセス処理(ステップS76)の一例を示すフローチャートである。図22に示した演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞通知コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、各種の演出に関して決定する処理などが実行される。
入賞時演出決定処理(ステップS150)に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づいて画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。可変表示開始待ち処理では、飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには(即ち、変動パターン指定コマンド等を受信したときには)、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を行うための設定(例えば、変動パターン(特図変動時間)に対応する演出制御パターンや変動時間タイマの値の設定等)を行う処理や、保留表示、アクティブ表示などの表示動作を行うための設定(例えば、当該表示動作に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理では、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理は、可変表示開始設定処理(ステップS171)にて設定した変動時間タイマがタイムアウトしたか否か(画像表示装置5における飾り図柄の可変表示開始後の経過時間が特図変動時間に達したか否か)を判定する処理などを含んでいる。可変表示中演出処理では、変動時間タイマがタイムアウトしたときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、確定飾り図柄が「ハズレ」である場合に実行する処理としてパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する変動時遊技状態設定処理や、確定飾り図柄が「大当り」である場合に実行する処理としてファンファーレ演出を行うための設定(例えば、ファンファーレ演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。特図当り待ち処理では、確定飾り図柄が「ハズレ」であるときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、確定飾り図柄が「大当り」であるときには、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り開始処理は、大入賞口開放中通知コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放中通知コマンドを受信した場合に実行する処理として開放中演出(各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行する演出)を行うための設定(例えば、開放中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。大当り開始処理では、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。ラウンド中処理は、大入賞口開放後通知コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放後通知コマンドを受信した場合に実行する処理として閉鎖中演出(各ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7が閉鎖状態であるときに実行する演出)を行うための設定(例えば、閉鎖中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理などを含んでいる。ラウンド中処理では、大入賞口開放後通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。ラウンド後処理は、大入賞口開放中通知コマンドや当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する処理や、大入賞口開放中通知コマンドを受信した場合に実行する処理として開放中演出を行うための設定(例えば、開放中演出に対応する演出制御パターンの設定等)を行う処理や、当り終了指定コマンドを受信した場合に実行する処理としてエンディング演出を行うための設定(例えば、エンディング演出に対応する演出制御パターンやエンディング演出実行時間タイマの値の設定等)を行う処理などを含んでいる。ラウンド後処理では、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“5”に更新し、当り終了指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。大当り終了後処理は、ラウンド後処理(ステップS176)にて設定したエンディング演出実行時間タイマがタイムアウトしたか否か(画像表示装置5におけるエンディング演出の実行開始後の経過時間が設定時間に達したか否か)を判定する処理などを含んでいる。大当り終了後処理では、エンディング演出実行時間タイマがタイムアウトしたときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図23は、入賞時演出決定処理(S150)の一例を示すフローチャートである。図23に示した入賞時演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックし(ステップS151)、新たな受信コマンドとして第1始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS152)。ステップS152にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(ステップS152;NO)、演出制御用CPU120は、新たな受信コマンドとして第2始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS154)。ステップS154にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(ステップS154;NO)、入賞時演出決定処理を終了する。
ステップS152において第1始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(ステップS152;YES)、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191に設けられた高ベースフラグを参照して、時短状態(高確高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS155)。時短状態ではないと判定したときは(ステップS155:NO)、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理を実行する(ステップS160)。ステップS160の保留演出等決定処理(ステップS163の保留演出等決定処理も同様)には、保留演出、アクティブ表示演出、作用演出(保留作用失敗演出、保留作用失敗演出等)等について決定する処理が含まれている。詳細は後述する。
保留演出等決定処理(ステップS160)を実行した後には、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理の決定内容を記憶する(ステップS161)。具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける当該始動入賞のバッファ番号に対応する先読予告バッファ194Bのバッファ番号に対応付けて保留演出等決定処理の決定内容を記憶する。
ステップS161の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS161において記憶した決定内容に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに新たな保留表示を追加する(ステップS162)。より詳細には、演出制御用CPU120は、上述の先読予告バッファ194Bのバッファ番号に対応付けて記憶された追加時の表示態様による保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、保留演出等決定処理において決定した追加時の表示態様で表示される保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
ステップS154において第2始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(ステップS154;YES)、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191に設けられた高ベースフラグを参照して、時短状態(高確高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS156)。時短状態(高確高ベース状態)であると判定したときは(ステップS156:YES)、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理を実行する(ステップS163)。ステップS163の保留演出等決定処理は、ステップS160の保留演出等決定処理と同様である。
保留演出等決定処理(ステップS163)を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS163、ステップS164、ステップS165の処理を実行し、入賞時演出決定処理を終了する。なお、ステップS163、ステップS164、ステップS165の夫々の処理は、ステップS160、ステップS161、ステップS162の夫々の処理に係る処理と同様である。
ステップS155において時短状態であると判定したときや(ステップS155:YES)、ステップS156において時短状態ではないと判定したときは(ステップS156:NO)、始動口入賞指定に応じた保留追加処理を実行する(S166)。具体的には、演出制御用CPU120は、保留演出等決定処理(ステップS160、S163)において保留演出を実行しないと決定した場合と同様、追加時及び各シフト後の表示態様として通常の表示態様(例えば、白色)を示す情報を記憶し、通常の表示態様で表示される保留表示を始動入賞記憶表示エリア5Hに追加する。そして、入賞時演出決定処理を終了する。
図24は、可変表示開始設定処理(S171)の一例を示すフローチャートである。図24に示した可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」であると判定したときには(ステップS522;YES)、演出制御用CPU120は、ハズレ組合せを構成する確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される乱数値(例えば、左確定図柄決定用の乱数値、右確定図柄決定用の乱数値、中確定図柄決定用の乱数値等)を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の図柄決定テーブル(例えば、左確定図柄決定テーブル、右確定図柄決定テーブル、中確定図柄決定テーブル等)を参照することなどにより、ハズレ組合せを構成する確定飾り図柄の組合せとして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々に最終的に停止表示される飾り図柄を決定する。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」でないと判定したときには(ステップS522;NO)、即ち、特図表示結果が「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」であるときには、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される乱数値(例えば、大当り確定図柄決定用の乱数値等)を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の図柄決定テーブル(例えば、大当り確定図柄決定テーブル等)を参照することなどにより、大当り組合せを構成する確定飾り図柄の組合せとして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々に最終的に停止表示される飾り図柄を決定する。なお、演出制御用CPU120は、大当り種別(16R確変大当り、8R確変大当り)がいずれであるかや、昇格演出の有無などに応じて、大当り組合せを構成する確定飾り図柄の組合せを決定してもよい。
ステップS524の処理又はステップS528の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU120は、ボタン発展演出決定処理を実行する(ステップS529)。ボタン発展演出決定処理は、ボタン発展演出(後述)の実行有無を決定する処理や、ボタン発展演出を実行すると決定した場合においてボタン発展演出の演出態様を決定する処理等が含まれる。ボタン発展演出決定処理の詳細は後述する。
ステップS529の処理を実行後、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS530)。具体的には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左端に表示されている保留表示をアクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)させるとともに、始動入賞記憶表示エリア5Hに他の保留表示があるときには、夫々について左側に移動させる。
ステップS530の保留消化処理を実行後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンセットの処理を実行する(ステップS532)。例えば、演出制御用CPU120は、当該変動の変動パターンに対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。即ち、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンを使用パターンとしてセットする。また、例えば、演出制御用CPU120は、ステップS529のボタン発展演出決定処理にて決定したボタン発展演出に対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。即ち、演出制御用CPU120は、ステップS529のボタン発展演出決定処理においてボタン発展演出を実行すると決定した場合にはボタン発展演出の演出態様(例えば、後述するボタン発展演出パターン)等を決定するが、ステップS532の処理では、ステップS529のボタン発展演出決定処理にて決定したボタン発展演出の演出態様等に対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。これにより、可変表示中演出処理(S172)において、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンやボタン発展演出決定処理(S532)の決定内容に従って、画像表示装置5の表示領域における表示動作が行われる(例えば図30〜図38参照)。
ステップS532の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS532においてセットした演出制御パターンのプロセスデータの演出制御プロセスタイマの初期値を設定し(ステップS534)、演出制御プロセスタイマをスタートさせて(ステップS535)、プロセスデータの内容に従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う(ステップS536)。続いて、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間(図5に示した特図変動時間)に相当する値を設定する(ステップS537)。
続いて、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドを消化する(ステップS538)。具体的には、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。また、ステップS538の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122などに設けられる先読予告バッファ194Bに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS539)、可変表示開始設定処理を終了する。
以下、ボタン発展演出について詳しく説明する。ボタン発展演出とは、ボタン等(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A)に対応する画像(プッシュボタン31Bを模したボタン画像、スティックコントローラ31Aを模したスティックコントローラ画像)を変化(発展)させる演出である。以下、ボタン等に対応する画像を「ボタン等画像」又は「ボタン等表示」と称する場合がある。
演出制御用CPU120は、ボタン発展演出として、一の種類のボタン等画像の表示態様を変化させたり(例えばボタン画像の表示態様(表示色、表示サイズ)を変化させたり)、一の種類のボタン等画像を他の種類のボタン等画像に変化させたり(例えばボタン画像をスティックコントローラ画像)に変化させたりする。
なお、以下の説明において、ボタン等画像として、プッシュボタン31Bを模した小さいサイズの白色のボタン画像を「小ボタン(白)」又は「第1態様」と称する場合がある。また、プッシュボタン31Bを模した大きいサイズの白色のボタン画像を「大ボタン(白)」又は「第2態様」と称する場合がある。また、プッシュボタン31Bを模した大きいサイズの赤色のボタン画像を「大ボタン(赤)」又は「第3態様」と称する場合がある。また、スティックコントローラ31Aを模したスティックコントローラ画像を「スティック」又は「第4態様」と称する場合がある。
図25は、本実施形態におけるボタン発展演出カテゴリ及びボタン発展演出パターンの一例を説明する説明図である。ボタン発展演出パターンは、ボタン発展演出の演出態様(表示態様)を示すものである。ボタン発展演出カテゴリは、ボタン発展演出パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、ボタン発展演出カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上のボタン発展演出パターンを含む、各グループのグループ名である。
図25において、「当初」は、当初の表示である。「最終」は、最終的な表示である。「タイミング1」は、ボタン等画像が変化し得る1回目のタイミングである。「タイミング2」は、ボタン等画像が変化し得る2回目のタイミングである。「タイミング3」は、ボタン等画像が変化し得る3回目のタイミングである。なお、変動パターンに応じて、「タイミング1」、「タイミング2」、「タイミング3」は異なっていてもよい。
また、図25において(他図においても同様)、「変化無」は、ボタン等画像の変化がない旨を表している。「弱変化」は、ボタン等画像の1段階の変化(1段階変化)がある旨を表している。具体的には、「弱変化(第1→第2)」は、「第1態様」から「第2態様」への1段階変化、即ち「小ボタン(白)」から「大ボタン(白)」への変化がある旨を表している。「弱変化(第2→第3)」は、「第2態様」から「第3態様」への1段階変化、即ち「大ボタン(白)」から「大ボタン(赤)」への変化がある旨を表している。「弱変化(第3→第4)」は、「第3態様」から「第4態様」への1段階変化、即ち「大ボタン(赤)」から「スティック」への変化がある旨を表している。「中変化」は、ボタン等画像の2段階の変化(2段階変化)がある旨を表している。具体的には、「中変化(第1→第3)」は、「第1態様」から「第3態様」への2段階変化、即ち「小ボタン(白)」から「大ボタン(赤)」への変化がある旨を表している。「中変化(第2→第4)」は、「第2態様」から「第4態様」への2段階変化、即ち「大ボタン(白)」から「スティック」への変化がある旨を表している。「強変化」は、ボタン等画像の3段階の変化(3段階変化)がある旨を表している。具体的には、「強変化(第1→第4)」は、「第1態様」から「第4態様」への3段階変化、即ち「小ボタン(白)」から「スティック」への変化がある旨を表している。
図25において、ボタン発展演出カテゴリ「BH1」は、3つのタイミング(タイミング1、2、3)のいずれにおいても、ボタン等画像が変化せずに、「最終」が「第1態様(小ボタン(白))」となる、ボタン発展演出カテゴリである。ボタン発展演出カテゴリ「BH1」には、ボタン発展演出パターン「BH1−1」が属している。
なお、ボタン発展演出パターン「BH1−1」の場合、ボタン等画像は、タイミング1、タイミング2、タイミング3のいずれにおいても変化しないため、ボタン発展演出パターン「BH1−1」によるボタン等画像は、第1の期間(「当初」、即ち「タイミング1」以前)も第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」)も第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」)も第4の期間(「最終」、即ち「タイミング3」以降)も「第1態様(小ボタン(白))」となる。
ボタン発展演出カテゴリ「BH2」は、3つのタイミングのうちのいずれか1つのタイミングにおいて、ボタン等画像が弱変化し、「最終」が「第2態様(大ボタン(白))」となる、ボタン発展演出カテゴリである。ボタン発展演出カテゴリ「BH2」には、タイミング1において弱変化があるボタン発展演出パターン「BH2−1」と、タイミング2において弱変化があるボタン発展演出パターン「BH2−2」と、タイミング3において弱変化があるボタン発展演出パターン「BH2−3」とが属している。
例えば、ボタン発展演出パターン「BH2−1」の場合、ボタン等画像は、タイミング1において弱変化し、タイミング2やタイミング3において変化しないため、ボタン発展演出パターン「BH2−1」によるボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」)や第4の期間(「タイミング3」以降)では「第2態様(大ボタン(白))」となる。
ボタン発展演出カテゴリ「BH3a」は、3つのタイミングのうちのいずれか2つのタイミングにおいて、ボタン等画像が弱変化し、「最終」が「第3態様(大ボタン(赤))」となる、ボタン発展演出カテゴリである。本実施形態では、ボタン発展演出カテゴリ「BH3a」には、タイミング1及びタイミング3において弱変化があるボタン発展演出パターン「BH3a−1」と、タイミング2及びタイミング3において弱変化があるボタン発展演出パターン「BH3a−2」とが属している。
例えば、ボタン発展演出パターン「BH3a−1」の場合、ボタン等画像は、タイミング1やタイミング3において弱変化し、タイミング2において変化しないため、ボタン発展演出パターン「BH3a−1」によるボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」)では「第2態様(大ボタン(白))」となり、第4の期間(「タイミング3」以降)では「第3態様(大ボタン(赤))」となる。
ボタン発展演出カテゴリ「BH3b」は、3つのタイミングのうちのいずれか1つのタイミングにおいて、ボタン等画像が中変化し、「最終」が「第3態様(大ボタン(赤))」となる、ボタン発展演出カテゴリである。ボタン発展演出カテゴリ「BH3b」には、タイミング1において中変化があるボタン発展演出パターン「BH3b−1」と、タイミング2において中変化があるボタン発展演出パターン「BH3b−2」と、タイミング3において中変化があるボタン発展演出パターン「BH3b−3」とが属している。
例えば、ボタン発展演出パターン「BH3b−1」の場合、ボタン等画像は、タイミング1において中変化し、タイミング2やタイミング3において変化しないため、ボタン発展演出パターン「BH3b−1」によるボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」)や第4の期間(「タイミング3」以降)では「第3態様(大ボタン(赤))」となる。
ボタン発展演出カテゴリ「BH4a」は、3つのタイミングのうちのいずれか2つのタイミングにおける、先のタイミングにおいてボタン等画像が中変化し、後のタイミングにおいてボタン等画像が弱変化し、「最終」が「第4態様(スティック)」となる、ボタン発展演出カテゴリである。本実施形態では、ボタン発展演出カテゴリ「BH4a」には、タイミング1において中変化、タイミング3において弱変化があるボタン発展演出パターン「BH4a−1」と、タイミング2において中変化、タイミング3において弱変化があるボタン発展演出パターン「BH4a−2」とが属している。
例えば、ボタン発展演出パターン「BH4a−1」の場合、ボタン等画像は、タイミング1において中変化し、タイミング3において弱変化し、タイミング2において変化しないため、ボタン発展演出パターン「BH4a−1」によるボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」)では「第3態様(大ボタン(赤))」となり、第4の期間(「タイミング3」以降)では「第4態様(スティック)」となる。
ボタン発展演出カテゴリ「BH4b」は、3つのタイミングのうちのいずれか2つのタイミングにおける、先のタイミングにおいてボタン等画像が弱変化し、後のタイミングにおいてボタン等画像が中変化し、「最終」が「第4態様(スティック)」となる、ボタン発展演出カテゴリである。本実施形態では、ボタン発展演出カテゴリ「BH4b」には、タイミング1において弱変化、タイミング3において中変化があるボタン発展演出パターン「BH4b−1」と、タイミング2において弱変化、タイミング3において中変化があるボタン発展演出パターン「BH4b−2」とが属している。
例えば、ボタン発展演出パターン「BH4b−1」の場合、ボタン等画像は、タイミング1において弱変化し、タイミング3において中変化し、タイミング2において変化しないため、ボタン発展演出パターン「BH4a−1」によるボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」)では「第2態様(大ボタン(白))」となり、第4の期間(「タイミング3」以降)では「第4態様(スティック)」となる。
ボタン発展演出カテゴリ「BH4c」は、3つのタイミングのうちのいずれか1つ(本実施形態ではタイミング3)のタイミングにおいて、ボタン等画像が強変化し、「最終」が「第4態様(スティック)」となる、ボタン発展演出カテゴリである。本実施形態では、ボタン発展演出カテゴリ「BH4c」には、タイミング3において強変化があるボタン発展演出パターン「BH4c−1」が属している。
ボタン発展演出パターン「BH4c−1」の場合、ボタン等画像は、タイミング3において強変化し、タイミング1やタイミング2において変化しないため、ボタン発展演出パターン「BH4a−1」によるボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前)や第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第4の期間(「タイミング3」以降)では「第4態様(スティック)」となる。
図26は、ボタン発展演出決定処理(S529)の一例を示すフローチャートである。図27は、ボタン発展演出の決定割合等を説明する説明図である。図28は、ボタン発展演出パターンの決定割合を説明する説明図である。なお、図27(A)において(他図においても同様)、変動パターン「PA4−X」は、スーパーリーチα(ハズレ)の変動パターン(具体的には、変動パターン「PA4−1」「PA4−2」「PA4−3」のいずれか)である。変動パターン「PA5−X」は、スーパーリーチβ(ハズレ)の変動パターン(具体的には、変動パターン「PA5−1」「PA5−2」「PA5−3」のいずれか)である。変動パターン「PB4−X」は、スーパーリーチα(大当り)の変動パターン(具体的には、変動パターン「PB4−1」「PB4−2」「PB4−3」のいずれか)である。変動パターン「PB5−X」は、スーパーリーチβ(大当り)の変動パターン(具体的には、変動パターン「PB5−1」「PB5−2」「PB5−3」のいずれか)である。
図26に示したボタン発展演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、ボタン発展演出の実行有無を決定する(S550)。具体的には、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに基づいて、ボタン発展演出を実行するか否かを、図27(A)に示すような決定割合で決定する。
例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」であるときには5%の割合でボタン発展演出を実行すると決定する。例えば、ROM121には、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」であるときに参照される、スーパーリーチα(ハズレ)時用のボタン発展演出実行有無決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン発展演出実行有無決定用の乱数値(例えば、演出用乱数更新処理(S77)にて更新される乱数値)と比較される数値が、「実行無し」と「実行有り」とに5:95の割合で割り当てられていればよい。
また例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA5−X」であるときには10%の割合でボタン発展演出を実行すると決定する。例えば、ROM121には、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA5−X」であるときに参照される、スーパーリーチβ(ハズレ)時用のボタン発展演出実行有無決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン発展演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値が、「実行無し」と「実行有り」とに10:90の割合で割り当てられていればよい。
なお、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが、スーパーリーチの変動パターン(「PA4−X」、「PA5−X」、「PB4−X」、「PB5−X」)以外の変動パターン(「PA1−X」、「PA2−X」、「PA3−X」、「PB1−X」、「PB3−X」)であるときには常にボタン発展演出を実行しないと決定する。
図27(A)によれば、ボタン発展演出が実行される場合には常にスーパーリーチとなるので、ボタン発展演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも大当り期待度は高い。
また、低確状態であるときに、スーパーリーチαにおいてボタン発展演出が実行された場合の大当り期待度は、(「PB4−X」で「実行有り」となる確率)×(低確状態であるときに「PB4−X」となる確率)/{(「PB4−X」で「実行有り」となる確率)×(低確状態であるときに「PB4−X」となる確率)+(「PA4−X」で「実行有り」となる確率)×(低確状態であるときに「PA4−X」となる確率)}から求められ、約18.5%である。なお、「PB4−X」で「実行有り」となる確率は15%であり、「PA4−X」で「実行有り」となる確率は5%である(図27(A))。また、低確状態の大当り確率は約1/199であるため(図6参照)、低確状態であるときに「PB4−X」となる確率は(1/199)×(30/100)であり、低確状態であるときに「PA4−X」となる確率は(198/199)×(2/100)である(図16、図17参照)。これに対し、低確状態であるときにスーパーリーチαが実行された場合の大当り期待度は、低確状態であるときに「PB4−X」となる確率/(低確状態であるときに「PB4−X」となる確率+低確状態であるときに「PA4−X」となる確率)から求められ、約7%である。以上から、スーパーリーチαにおいてボタン発展演出が実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度は高くなる。
また、低確状態であるときに、スーパーリーチβにおいてボタン発展演出が実行された場合の大当り期待度は、(「PB5−X」で「実行有り」となる確率)×(低確状態であるときに「PB5−X」となる確率)/{(「PB5−X」で「実行有り」となる確率)×(低確状態であるときに「PB5−X」となる確率)+(「PA5−X」で「実行有り」となる確率)×(低確状態であるときに「PA5−X」となる確率)}から求められ、約50%である。なお、「PB5−X」で「実行有り」となる確率は40%であり、「PA5−X」で「実行有り」となる確率は10%である(図27(A))。また、低確状態の大当り確率は約1/199であるため(図6参照)、低確状態であるときに「PB5−X」となる確率は(1/199)×(50/100)であり、低確状態であるときに「PA5−X」となる確率は(198/199)×(1/100)である(図16、図17参照)。これに対し、低確状態であるときにスーパーリーチβが実行された場合の大当り期待度は、低確状態であるときに「PB5−X」となる確率/(低確状態であるときに「PB5−X」となる確率+低確状態であるときに「PA5−X」となる確率)から求められ、約20%である。以上から、スーパーリーチβにおいてボタン発展演出が実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度は高くなる。
図26に戻る。ステップS550の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS500の処理においてボタン発展演出を実行すると決定したか否かを判定する(S551)。ボタン発展演出を実行しないと決定していた場合(ステップS551;NO)、ボタン発展演出決定処理を終了する。
一方、ボタン発展演出を実行すると決定していた場合(ステップS551;YES)、演出制御用CPU120は、ボタン発展演出カテゴリを決定する(S552)。具体的には、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに基づいて、ボタン発展演出カテゴリを、図27(B)に示すような決定割合で決定する。
例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」であるときには、ボタン発展演出カテゴリ「BH1」を30%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH2」を20%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH3a」を20%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH3b」を10%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH4a」を10%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH4b」を10%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH4c」を0%の割合で決定する。例えば、ROM121には、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」であるときに参照される、スーパーリーチα(ハズレ)時用のボタン発展演出カテゴリ決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン発展演出カテゴリ決定用の乱数値(例えば、演出用乱数更新処理(S77)にて更新される乱数値)と比較される数値が、「BH1」と「BH2」と「BH3a」と「BH3b」と「BH4a」と「BH4b」と「BH4c」とに30:20:20:10:10:10:0の割合で割り当てられていればよい。
また例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA5−X」であるときには、ボタン発展演出カテゴリ「BH1」を0%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH2」を30%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH3a」を20%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH3b」を20%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH4a」を15%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH4b」を10%の割合で決定し、ボタン発展演出カテゴリ「BH4c」を5%の割合で決定する。例えば、ROM121には、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA5−X」であるときに参照される、スーパーリーチβ(ハズレ)時用のボタン発展演出カテゴリ決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン発展演出カテゴリ決定用の乱数値と比較される数値が、「BH1」と「BH2」と「BH3a」と「BH3b」と「BH4a」と「BH4b」と「BH4c」とに0:30:20:20:15:10:5の割合で割り当てられていればよい。
図27(B)によれば、スーパーリーチαにおいて、ボタン発展演出カテゴリ「BH1」又は「BH2」の決定割合に対する、ボタン発展演出カテゴリ「BH4a」又は「BH4b」の決定割合は、変動パターン「PB4−X」である場合の方が変動パターン「PA4−X」である場合よりも高い。つまり、スーパーリーチαにおいて、ボタン等画像が最終的に第4態様(スティック)に迄変化した場合の方が、第1態様(小ボタン(白))や第2態様(大ボタン(白))に止まる場合よりも大当り期待度は高い。また、スーパーリーチβにおいて、ボタン発展演出カテゴリ「BH2」の決定割合に対する、ボタン発展演出カテゴリ「BH4a」又は「BH4b」又は「BH4c」の決定割合は、変動パターン「PB5−X」である場合の方が変動パターン「PA5−X」である場合よりも高い。つまり、スーパーリーチβにおいて、ボタン等画像が最終的に第4態様(スティック)に迄変化した場合の方が、第2態様(大ボタン(白))に止まる場合よりも大当り期待度は高い。なお、大当り期待度の関係は、スーパーリーチβ>スーパーリーチαであると説明したが、図27(B)によれば、スーパーリーチβとなる場合の方がスーパーリーチαとなる場合よりも、ボタン等画像が最終的に第4態様に迄変化し易くなっている。以上から、第4態様(スティック)の大当り期待度>第3態様(大ボタン(赤))の大当り期待度>第2態様(大ボタン(赤))の大当り期待度>第1態様(小ボタン(白))の大当り期待度である。
また、図27(B)によれば、ボタン発展演出カテゴリ「BH3a」の決定割合に対するボタン発展演出カテゴリ「BH3b」の決定割合は、変動パターン「PB4−X」である場合の方が変動パターン「PA4−X」である場合よりも高く、変動パターン「PB5−X」である場合の方が変動パターン「PA5−X」である場合よりも高い。つまり、1回の中変化(2段階変化)により「最終」が「第3態様」となる場合(BH3b)の方が、2回の弱変化(1段階変化)により「最終」が「第3態様」となる場合(BH3a)よりも大当り期待度は高い。
また、図27(B)によれば、ボタン発展演出カテゴリ「BH4a」又は「BH4b」の決定割合に対するボタン発展演出カテゴリ「BH4c」の決定割合は、変動パターン「PB5−X」である場合の方が変動パターン「PA5−X」である場合よりも高い。つまり、1回の強変化(3段階変化)により「最終」が「第4態様」となる場合(BH4c)の方が、1回の弱変化(1段階変化)と1回の中変化(2段階変化)により「最終」が「第4態様」となる場合(BH4a、BH4b)よりも大当り期待度は高い。また、ボタン発展演出カテゴリ「BH4a」の決定割合に対するボタン発展演出カテゴリ「BH4b」の決定割合は、変動パターン「PB4−X」である場合の方が変動パターン「PA4−X」である場合よりも高く、変動パターン「PB5−X」である場合の方が変動パターン「PA5−X」である場合よりも高い。つまり、弱変化(1段階変化)、中変化(2段階変化)の順により「最終」が「第3態様」となる場合(BH4b)の方が、中変化(2段階変化)、弱変化(1段階変化)の順により「最終」が「第3態様」となる場合(BH4a)よりも大当り期待度は高い。
図26に戻る。ステップS552の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS552にて決定したボタン発展演出カテゴリに属する一のボタン発展演出パターンを決定する(S553)。
例えば、ステップS552にてボタン発展演出カテゴリ「BH2」を決定していた場合、演出制御用CPU120は、図28(B)に示すように、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」又は「PA5−X」であるときには、ボタン発展演出パターン「BH2−1」を36%の割合で決定し、ボタン発展演出パターン「BH2−2」を33%の割合で決定し、ボタン発展演出パターン「BH2−3」を31%の割合で決定し、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PB4−X」又は「PB5−X」であるときには、ボタン発展演出パターン「BH2−1」を31%の割合で決定し、ボタン発展演出パターン「BH2−2」を33%の割合で決定し、ボタン発展演出パターン「BH2−3」を36%の割合で決定する。例えば、ROM121には、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」又は「PA5−X」であるときに参照される、スーパーリーチ(ハズレ)時用のボタン発展演出パターン(BH2−X)決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン発展演出パターン決定用の乱数値(例えば、演出用乱数更新処理(S77)にて更新される乱数値)と比較される数値が、「BH2−1」と「BH2−2」と「BH2−3」とに36:33:31の割合で割り当てられていればよい。また、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PB4−X」又は「PB5−X」であるときに参照される、スーパーリーチ(大当り)時用のボタン発展演出パターン(BH2−X)決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン発展演出パターン決定用の乱数値と比較される数値が、「BH2−1」と「BH2−2」と「BH2−3」とに31:33:36の割合で割り当てられていればよい。
また例えば、ステップS552にてボタン発展演出カテゴリ「BH3a」を決定していた場合、演出制御用CPU120は、図28(C)に示すように、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」又は「PA5−X」であるときには、ボタン発展演出パターン「BH3a−1」を55%の割合で決定し、ボタン発展演出パターン「BH3a−2」を45%の割合で決定し、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PB4−X」又は「PB5−X」であるときには、ボタン発展演出パターン「BH3a−1」を45%の割合で決定し、ボタン発展演出パターン「BH3a−2」を55%の割合で決定する。例えば、ROM121には、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」又は「PA5−X」であるときに参照される、スーパーリーチ(ハズレ)時用のボタン発展演出パターン(BH3a−X)決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン発展演出パターン決定用の乱数値と比較される数値が、「BH3a−1」と「BH3a−2」とに55:45の割合で割り当てられていればよい。また、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PB4−X」又は「PB5−X」であるときに参照される、スーパーリーチ(大当り)時用のボタン発展演出パターン(BH3a−X)決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン発展演出パターン決定用の乱数値と比較される数値が、「BH3a−1」と「BH3a−2」とに45:55の割合で割り当てられていればよい。
なお、ステップS552にてボタン発展演出カテゴリ「BH1」を決定していた場合には、ボタン発展演出カテゴリ「BH1」に属するボタン発展演出パターンは1種類(ボタン発展演出パターン「BH1−1」)であるため、図28(A)に示すように、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」、「PA5−X」、「PB4−X」、「PB5−X」のいずれであっても、ボタン発展演出パターン「BH1−1」を決定する。また、ステップS552にてボタン発展演出カテゴリ「BH4c」を決定していた場合には、ボタン発展演出カテゴリ「BH4c」に属するボタン発展演出パターンは1種類(ボタン発展演出パターン「BH4c−1」)であるため、図28(G)に示すように、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが変動パターン「PA4−X」、「PA5−X」、「PB4−X」、「PB5−X」のいずれであっても、ボタン発展演出パターン「BH4c−1」を決定する。
図28(B)によれば、ボタン発展演出パターン「BH2−1」の決定割合に対するボタン発展演出カテゴリ「BH2−3」の決定割合は、変動パターン「PB4−X」又は「PB5−X」である場合の方が変動パターン「PA4−X」又は「PA5−X」である場合よりも高い。また、図28(C)によれば、ボタン発展演出パターン「BH3a−1」の決定割合に対するボタン発展演出カテゴリ「BH3a−2」の決定割合は、変動パターン「PB4−X」又は「PB5−X」である場合の方が変動パターン「PA4−X」又は「PA5−X」である場合よりも高い。図28(D)〜図28(F)についても同様である。つまり、遅いタイミングにおいて変化が行われる場合の方が、早いタイミングで変化が行われる場合よりも大当り期待度は高い。
図26に戻る。ステップS553の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ボタン等作用演出(図中は単に「作用演出」)を決定し(S554)、ボタン発展演出決定処理を終了する。ステップS554の処理では、具体的には、演出制御用CPU120は、タイミング1〜3の夫々におけるボタン等画像の変化態様(「変化無」、「弱変化」、「中変化」、「強変化」)に応じて、ボタン等作用演出の実行有無(及び、実行有の場合の演出態様)を、図27(C)に示すような決定割合で決定する。
なお、以下の説明において、画像表示装置5において行われるボタン等作用演出として、キャラクタが登場する演出(キャラ登場)を「弱作用演出」と称し、大砲による砲撃が行われる演出(大砲)を「中作用演出」と称し、落雷がある演出(落雷)を「強作用演出」と称する場合がある。
例えば、あるタイミング(タイミング1〜3)におけるボタン等画像の変化態様が「変化無」であるときには、演出制御用CPU120は、図27(C)に示すように、「作用演出無」を70%の割合で決定し、「弱作用演出」を20%の割合で決定し、「中作用演出」を10%の割合で決定し、「強作用演出」を0%の割合で決定する。例えば、ROM121には、「変化無」であるときに参照される、変化無用時のボタン等作用演出決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン等作用演出決定用の乱数値と比較される数値が、「作用演出無」と「弱作用演出」と「中作用演出」と「強作用演出」とに70:20:10:0の割合で割り当てられていればよい。
また例えば、あるタイミング(タイミング1〜3)におけるボタン等画像の変化態様が「弱変化」であるときには、演出制御用CPU120は、図27(C)に示すように、「作用演出無」を20%の割合で決定し、「弱作用演出」を70%の割合で決定し、「中作用演出」を8%の割合で決定し、「強作用演出」を2%の割合で決定する。例えば、ROM121には、「弱変化」であるときに参照される、弱変化時のボタン等作用演出決定テーブルが記憶され、当該テーブルには、ボタン等作用演出決定用の乱数値と比較される数値が、「作用演出無」と「弱作用演出」と「中作用演出」と「強作用演出」とに20:70:8:2の割合で割り当てられていればよい。
つまり、ステップS533において、例えば、ボタン発展演出パターン「BH4b−1」が決定された場合には、タイミング1が「弱変化」、タイミング2が「変化無」、タイミング3が「中変化」となるが(図25参照)、ステップS554の処理において、演出制御用CPU120は、タイミング1の「弱変化」に対するボタン等作用演出について、「作用演出無」を20%の割合で決定し、「弱作用演出」を70%の割合で決定し、「中作用演出」を8%の割合で決定し、「強作用演出」を2%の割合で決定する。また、演出制御用CPU120は、タイミング2の「変化無」に対するボタン等作用演出について、「作用演出無」を70%の割合で決定し、「弱作用演出」を20%の割合で決定し、「中作用演出」を10%の割合で決定し、「強作用演出」を0%の割合で決定する。また、演出制御用CPU120は、タイミング3の「中変化」に対するボタン等作用演出について、「作用演出無」を5%の割合で決定し、「弱作用演出」を20%の割合で決定し、「中作用演出」を55%の割合で決定し、「強作用演出」を20%の割合で決定する。また、ステップS533において、例えば、ボタン発展演出パターン「BH1−1」が決定された場合には、タイミング1〜3が全て「変化無」となるが(図25参照)、ステップS554の処理において、演出制御用CPU120は、タイミング1〜3の夫々の「変化無」に対するボタン等作用演出について、「作用演出無」を70%の割合で決定し、「弱作用演出」を20%の割合で決定し、「中作用演出」を10%の割合で決定し、「強作用演出」を0%の割合で決定する。
図27(C)によれば、ボタン等作用演出(弱作用演出、中作用演出、強作用演出)が実行される場合には実行されない場合よりもボタン等画像が変化(弱変化、中変化、強変化)し易い。また、強作用演出が実行される場合にはボタン等画像は常に変化(弱変化、中変化、強変化)し、中作用演出が実行される場合には弱作用演出が実行される場合よりもボタン等画像が変化(弱変化、中変化、強変化)し易い。また、強作用演出が実行される場合には強作用演出が実行されない場合よりも強変化し易く、中作用演出が実行される場合には中作用演出が実行されない場合よりも中変化し易く、弱作用演出が実行される場合には弱作用演出が実行されない場合よりも弱変化し易い。
なお、上述した様に、可変表示開始設定処理(S171)のステップS532では、ボタン発展演出の演出態様等に対応する演出制御パターンも使用パターンとしてセットするため、演出制御用CPU120は、ボタン発展演出決定処理において決定した決定内容(例えば、(ボタン発展演出パターン)、ボタン等作用演出の演出態様(タイミング1〜3の夫々における「作用演出無」、「弱作用演出」、「中作用演出」、「強作用演出」の別を特定する情報等)をRAM122等に記憶し、可変表示開始設定処理(S171)のステップS532ではRAM122等を参照し、ボタン発展演出の演出態様等に対応する演出制御パターンも使用パターンとしてセットするようにしてもよい。
図29(A)は、ボタン発展演出における各種期間を説明する説明図である。図29(A)について説明する前に、図29〜図38に示した「T1」〜「T14」について説明する。「T1」は変動の開始タイミングを表している。「T14」は、変動の終了タイミングを表している。「T2」は、リーチになるタイミングを表している。「T3」は、スーパーリーチに発展するタイミングを表している。「T3」から発展したスーパーリーチは「T13」に終了する。つまり、「T13」は、スーパーリーチの結果(勝敗等)が表示(報知)されるタイミングを表している。
「T4」は、ボタン等画像の表示開始のタイミングを表している。「T4」から表示されるボタン等画像は「T13」に消去される。つまり、「T4」〜「T13」は、ボタン等表示期間(ボタン等画像の表示期間)である。
「T6」は、図25の「タイミング1」を表している。「T8」は、図25の「タイミング2」を表している。「T10」は、図25の「タイミング3」を表している。「T5」は、タイミング1(T6)におけるボタン等画像の変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行開始のタイミングを表している。「T5」に開始されたボタン等作用演出は「T6」に終了する。つまり、「T5」〜「T6」は、タイミング1におけるボタン等画像の変化等に対応するボタン等作用演出の実行期間である。「T7」は、タイミング2(T8)におけるボタン等画像の変化等に対応するボタン等作用演出の実行開始のタイミングを表している。「T7」に開始されたボタン等作用演出は「T8」に終了する。つまり、「T7」〜「T8」は、タイミング2におけるボタン等画像の変化等に対応するボタン等作用演出の実行期間である。「T9」は、タイミング3(T10)におけるボタン等画像の変化等に対応するボタン等作用演出の実行開始のタイミングを表している。「T9」に開始されたボタン等作用演出は「T10」に終了する。つまり、「T9」〜「T10」は、タイミング3におけるボタン等画像の変化等に対応するボタン等作用演出の実行期間である。なお、「T11」及び「T12」については後述する。
図29(A)に示すように、ボタン等表示期間(T4〜T13)のうちの一部の期間(T11〜T13)がボタン等(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A)の有効期間(操作が有効である期間)であり、他の期間(T4〜T11)はボタン等の非有効期間(操作が有効ではない期間)である。つまり、「T11」は、ボタン等の操作が有効になるタイミングを表している。非有効期間中(T4〜T11)には、非有効期間中である旨を報知するための画像として、ボタン等画像に重畳させて「規制線」を表示する。なお、有効期間中(T11〜T13)には、「規制線」を表示しない。つまり、「T11」にて「規制線」は消去される。
ボタン等表示期間(T4〜T13)に続く期間(T13〜T14)は、結果(勝敗等)を表示する期間である。より詳細には、有効期間中(T11〜T13)に操作がなかった場合には有効期間が終了するときに(T13)、ボタン等画像は消去され、ボタン等表示期間に続く期間(T13〜T14)において結果が表示される。一方、有効期間中に操作があった場合には操作があったときに、ボタン等画像は消去され、操作があったときから結果が表示される。また、有効期間中に操作があった場合には操作があったときに有効期間は終了する。なお、有効期間中(T11〜T13)のボタン等画像の表示し、ボタン等画像が消去された後に結果(勝敗等)を表示する演出を「操作演出」と称する場合がある。
図29(B)〜図31(B)の夫々は、具体的なボタン発展演出の流れを説明する説明図である。
(具体例1)
図29(B)は、具体例1におけるボタン発展演出の流れを表している。具体例1では、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンは、変動パターン「PA4−X」であるものとする。また、演出制御用CPU120は、ボタン発展演出決定処理(S529)において、ボタン発展演出を実行すると決定し(S550)、ボタン発展演出カテゴリ「BH1」を決定し(S552)、ボタン発展演出パターン「BH1−1」を決定し(S553)、タイミング1(「BH1−1」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「作用演出無」を決定し(S554)、タイミング2(「BH1−1」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「弱作用演出(キャラ登場)」を決定し(S554)、タイミング3(「BH1−1」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「作用演出無」を決定したものとする。上記決定内容は、可変表示開始設定処理(S171)のステップS532においてセットされ、図29(B)に示すように、ボタン発展演出が実行される。
具体例1にて決定したボタン発展演出パターン「BH1−1」の場合、ボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前/T4〜T6)も第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」/T6〜T8)も第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」/T8〜T10)も第4の期間(「タイミング3」以降/T10〜T13)も小ボタン(白)となり(図25参照)、また、いずれのボタン発展演出パターンであっても非有効期間中(T4〜T11)には「規制線」を表示させるため、具体例1では、図29(B)の如くボタン発展演出が実行される。また、具体例1では、タイミング2(変化無)に対して「弱作用演出(キャラ登場)」を決定したため、「T7」〜「T8」においてキャラクタを登場させるがボタン等画像を変化させていない(失敗演出)。
(具体例2)
図30(A)は、具体例2におけるボタン発展演出の流れを表している。具体例2では、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンは、変動パターン「PA4−X」であるものとする。また、演出制御用CPU120は、ボタン発展演出決定処理(S529)において、ボタン発展演出を実行すると決定し(S550)、ボタン発展演出カテゴリ「BH2」を決定し(S552)、ボタン発展演出パターン「BH2−1」を決定し(S553)、タイミング1(「BH2−1」では「弱変化(第1→第2)」)に対するボタン等作用演出について「弱作用演出」を決定し(S554)、タイミング2(「BH2−1」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「作用演出無」を決定し(S554)、タイミング3(「BH2−1」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「弱作用演出」を決定したものとする。上記決定内容は、可変表示開始設定処理(S171)のステップS532においてセットされ、図30(A)に示すように、ボタン発展演出が実行される。
具体例2にて決定したボタン発展演出パターン「BH2−1」の場合、ボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前/T4〜T6)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」/T6〜T8)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」/T8〜T10)や第4の期間(「タイミング3」以降/T10〜T13)では「第2態様(大ボタン(白))」となり(図25参照)、また、いずれのボタン発展演出パターンであっても非有効期間中(T4〜T11)には「規制線」を表示させるため、具体例2では、図30(A)の如くボタン発展演出が実行される。また、具体例2では、タイミング1(弱変化)に対して「弱作用演出(キャラ登場)」を決定したため、「T5」〜「T6」においてキャラクタを登場させて「T6」においてボタン等画像を「第1態様(小ボタン(白))」から「第2態様(大ボタン(白))」に変化(1段階変化)させている(成功演出)。また、具体例2では、タイミング3(変化無)に対して「弱作用演出(キャラ登場)」を決定したため、「T9」〜「T10」においてキャラクタを登場させるが「T10」においてボタン等画像を変化させていない(失敗演出)。
(具体例3)
図30(B)は、具体例3におけるボタン発展演出の流れを表している。具体例3では、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンは、変動パターン「PB4−X」であるものとする。また、演出制御用CPU120は、ボタン発展演出決定処理(S529)において、ボタン発展演出を実行すると決定し(S550)、ボタン発展演出カテゴリ「BH3a」を決定し(S552)、ボタン発展演出パターン「BH3a−2」を決定し(S553)、タイミング1(「BH3a−2」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「作用演出無」を決定し(S554)、タイミング2(「BH3a−2」では「弱変化(第1→第2)」)に対するボタン等作用演出について「作用演出無」を決定し(S554)、タイミング3(「BH3a−2」では「弱変化(第2→第3)」)に対するボタン等作用演出について「弱作用演出」を決定したものとする。上記決定内容は、可変表示開始設定処理(S171)のステップS532においてセットされ、図30(B)に示すように、ボタン発展演出が実行される。
具体例3にて決定したボタン発展演出パターン「BH3a−2」の場合、ボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前/T4〜T6)や第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」/T6〜T8)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」/T8〜T10)では「第2態様(大ボタン(白))」となり、第4の期間(「タイミング3」以降/T10〜T13)では「第3態様(大ボタン(赤))」となり(図25参照)、また、いずれのボタン発展演出パターンであっても非有効期間中(T4〜T11)には「規制線」を表示させるため、具体例3では、図30(B)の如くボタン発展演出が実行される。また、具体例3では、タイミング2(弱変化)に対して「作用演出無」を決定したため、「T7」〜「T8」においてキャラクタを登場させずに「T8」においてボタン等画像を「第1態様(小ボタン(白))」から「第2態様(大ボタン(白))」に変化(1段階変化)させている。また、具体例3では、タイミング3(弱変化)に対して「弱作用演出(キャラ登場)」を決定したため、「T9」〜「T10」においてキャラクタを登場させて「T10」においてボタン等画像を「第2態様(大ボタン(白))」から「第3態様(大ボタン(赤))」に変化(1段階変化)させている(成功演出)。
(具体例4)
図31(A)は、具体例4におけるボタン発展演出の流れを表している。具体例4では、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンは、変動パターン「PB5−X」であるものとする。また、演出制御用CPU120は、ボタン発展演出決定処理(S529)において、ボタン発展演出を実行すると決定し(S550)、ボタン発展演出カテゴリ「BH4b」を決定し(S552)、ボタン発展演出パターン「BH4b−1」を決定し(S553)、タイミング1(「BH4b−1」では「弱変化(第1→第2)」)に対するボタン等作用演出について「弱作用演出」を決定し(S554)、タイミング2(「BH4b−1」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「作用演出無」を決定し(S554)、タイミング3(「BH4b−1」では「中変化(第2→第4)」)に対するボタン等作用演出について「中作用演出」を決定したものとする。上記決定内容は、可変表示開始設定処理(S171)のステップS532においてセットされ、図31(A)に示すように、ボタン発展演出が実行される。
具体例4にて決定したボタン発展演出パターン「BH4b−1」の場合、ボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前/T4〜T6)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」/T6〜T8)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」/T8〜T10)では「第2態様(大ボタン(白))」となり、第4の期間(「タイミング3」以降/T10〜T13)では「第4態様(スティック)」となり(図25参照)、また、いずれのボタン発展演出パターンであっても非有効期間中(T4〜T11)には「規制線」を表示させるため、具体例4では、図31(A)の如くボタン発展演出が実行される。また、具体例4では、タイミング1(弱変化)に対して「弱作用演出(キャラ登場)」を決定したため、「T5」〜「T6」においてキャラクタを登場させて「T6」においてボタン等画像を「第1態様(小ボタン(白))」から「第2態様(大ボタン(白))」に変化(1段階変化)させている(成功演出)。また、具体例4では、タイミング3(中変化)に対して「中作用演出(大砲)」を決定したため、「T9」〜「T10」において大砲を出現させて「T10」においてボタン等画像を「第2態様(大ボタン(白))」から「第4態様(スティック)」に変化(2段階変化)させている(成功演出)。
(具体例5)
図31(B)は、具体例5におけるボタン発展演出の流れを表している。具体例5では、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンは、変動パターン「PB5−X」であるものとする。また、演出制御用CPU120は、ボタン発展演出決定処理(S529)において、ボタン発展演出を実行すると決定し(S550)、ボタン発展演出カテゴリ「BH4c」を決定し(S552)、ボタン発展演出パターン「BH4c−1」を決定し(S553)、タイミング1(「BH4c−1」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「作用演出無」を決定し(S554)、タイミング2(「BH4c−1」では「変化無」)に対するボタン等作用演出について「作用演出無」を決定し(S554)、タイミング3(「BH4c−1」では「強変化(第1→第4)」)に対するボタン等作用演出について「強作用演出」を決定したものとする。
具体例5にて決定したボタン発展演出パターン「BH4c−1」の場合、ボタン等画像は、第1の期間(「タイミング1」以前/T4〜T6)や第2の期間(「タイミング1」〜「タイミング2」/T6〜T8)や第3の期間(「タイミング2」〜「タイミング3」/T8〜T10)では「第1態様(小ボタン(白))」となり、第4の期間(「タイミング3」以降/T10〜T13)では「第4態様(スティック)」となり(図25参照)、また、いずれのボタン発展演出パターンであっても非有効期間中(T4〜T11)には「規制線」を表示させるため、具体例5では、図31(B)の如くボタン発展演出が実行される。また、具体例5では、タイミング3(強変化)に対して「強作用演出(落雷)」を決定したため、「T9」〜「T10」において雷雲を出現させて「T10」においてボタン等画像を「第1態様(小ボタン(白))」から「第4態様(スティック)」に変化(3段階変化)させている(成功演出)。
図32〜図38は、画像表示装置5の表示領域における表示動作例を示す図である。なお、図32〜図38において、キャラC1はスーパーリーチαやスーパーリーチβに登場する味方キャラ、キャラC2はスーパーリーチαに登場する敵キャラであり、キャラC3はスーパーリーチβに登場する敵キャラである。
図32及び図33は、図30(B)に示した具体例3(T2以降)の表示動作例を表している。具体的には、図32(A)→図32(B)→図32(C)→図32(D)→図32(E)→図32(F)→図33(G)→図33(H)→図33(I)→図33(J)→図33(K)→図33(L)→図33(M)というように遷移する。図32(A)は、リーチになった場面(T2)である。図32(B)は、スーパーリーチαになった場面(T3)である。図32(C)は、小ボタン(白)D1の表示が開始された場面(T4)である。非有効期間(T4〜T11)であるため、図32(C)では、小ボタン(白)D1に重畳して規制線Kが表示されている。
図32(D)は、タイミング1における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T5)である。具体例3ではタイミング1における変化等に対応するボタン等作用演出は実行されないため、図32(D)では、図32(C)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。図32(E)は、タイミング1における変化等が行われる場面(T6)である。具体例3ではタイミング1における変化はないため、図32(E)では、図32(D)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。
図32(F)は、タイミング2における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T7)である。具体例3ではタイミング2における変化等に対応するボタン等作用演出は実行されないため、図32(F)では、図32(E)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。図33(G)は、タイミング2における変化等が行われる場面(T8)である。具体例3ではタイミング2において弱変化となるため、図33(G)では、小ボタン(白)D1が大ボタン(白)D2に変化(1段階変化)している。非有効期間(T4〜T11)であるため、図33(G)では、大ボタン(白)D2に重畳して規制線Kが表示されている。
図33(H)は、タイミング3における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T9)である。具体例3ではタイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出として弱作用演出(キャラ登場)が実行されるため、図33(H)では、弱作用演出としてキャラJS(符号「JS」は非図示。以下同様)が祈る画像JS1が表示されている。図33(I)は、タイミング3における変化等が行われる場面(T10)である。具体例3ではタイミング3において弱変化となるため、図33(I)では、大ボタン(白)D2が大ボタン(赤)D3に変化(1段階変化)している。非有効期間(T4〜T11)であるため、図33(I)では、大ボタン(赤)D3に重畳して規制線Kが表示されている。また、図33(I)では、キャラJSが喜ぶ画像JS2も表示されている。
図33(J)は、大ボタン(赤)D3に対応する操作(プッシュボタン31Bの操作)が有効になった場面(T11)である。有効期間(T11〜T13)となったため、図33(J)では、規制線Kが表示されていない。図33(K)は、図33(J)の直後の場面(T12)である。遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促すため、図33(J)では表示領域の右下に表示していた大ボタン(赤)D3を、図33(K)では大ボタン(赤)D3Uとして表示領域の中央部に大きく表示している。なお、図33(K)において、残り有効期間の分量を報知等する情報(ゲージ、数値)を表示するようにしてもよい。図35(K)、図36(E)、図37(E)、図38(E)においても同様である。なお、図30(B)では、図示の都合上、T12の位置をT11の位置から離して記載している。図29(B)等の他図でも同様である。
図33(L)は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がプッシュボタン31Bを操作した場合の操作があったときの場面、又は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がプッシュボタン31Bを操作しなかった場合の有効期間が終了したときの場面(T13)である。具体例3では、大当りとなるため、味方キャラであるキャラC1が勝利している。つまり、大ボタン(赤)D3(大ボタン(赤)D3U)に対応する操作(プッシュボタン31Bの操作)の結果として、勝敗(キャラC1の勝利)を報知している。なお、図33(L)では、遊技者がプッシュボタン31Bを操作しなかった場合として、T13と記載している。他図でも同様である。図33(M)は、可変表示が終了する場面(T14)である。なお、図33(M)の直後にはファンファーレ演出が実行される。
図34及び図35は、図31(A)に示した具体例4(T2以降)の表示動作例を表している。具体的には、図34(A)→図34(B)→図34(C)→図34(D)→図34(E)→図34(F)→図35(G)→図35(H)→図35(I)→図35(J)→図35(K)→図35(L)→図35(M)というように遷移する。図34(A)は、リーチになった場面(T2)である。図34(B)は、スーパーリーチβになった場面(T3)である。図34(C)は、小ボタン(白)D1の表示が開始された場面(T4)である。非有効期間(T4〜T11)であるため、図34(C)では、小ボタン(白)D1に重畳して規制線Kが表示されている。
図34(D)は、タイミング1における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T5)である。具体例4ではタイミング1における変化等に対応するボタン等作用演出として弱作用演出(キャラ登場)が実行されるため、図34(D)では、弱作用演出としてキャラJSが祈る画像JS1が表示されている。図34(E)は、タイミング1における変化等が行われる場面(T6)である。具体例4ではタイミング1において弱変化となるため、図34(E)では、小ボタン(白)D1が大ボタン(白)D2に変化(1段階変化)している。非有効期間(T4〜T11)であるため、図34(E)では、大ボタン(白)D2に重畳して規制線Kが表示されている。また、図34(E)では、キャラJSが喜ぶ画像JS2も表示されている。
図34(F)は、タイミング2における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T7)である。具体例4ではタイミング2における変化等に対応するボタン等作用演出は実行されないため、図34(F)では、図34(E)と同様の表示(キャラC1、キャラC3の動作を除く)となっている。図35(G)は、タイミング2における変化等が行われる場面(T8)である。具体例4ではタイミング2における変化はないため、図35(G)では、図34(F)と同様の表示(キャラC1、キャラC3の動作を除く)となっている。
図35(H)は、タイミング3における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T9)である。具体例4ではタイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出として中作用演出(大砲)が実行されるため、図35(H)では、中作用演出として大砲の画像TS1が表示されている。図35(I)は、タイミング3における変化等が行われる場面(T10)である。具体例4ではタイミング3において中変化となるため、図35(I)では、大ボタン(白)D2がスティックD4に変化(2段階変化)している。非有効期間(T4〜T11)であるため、図35(I)では、スティックD4に重畳して規制線Kが表示されている。また、図35(I)では、発砲の煙の画像TS2や命中時の衝撃の画像TS3も表示されている。なお、中作用演出において変化しない場合(つまり失敗演出である場合)には、例えば、発砲しないか、発砲しても命中しないようにしてもよい。
図35(J)は、スティックD4に対応する操作(スティックコントローラ31Aの操作)が有効になった場面(T11)である。有効期間(T11〜T13)となったため、図35(J)では、規制線Kが表示されていない。図35(K)は、図35(J)の直後の場面(T12)である。遊技者にスティックコントローラ31Aの操作を促すため、図35(J)では表示領域の右下に表示していたスティックD4を、図35(K)ではスティックD4Uとして表示領域の中央部に大きく表示している。
図35(L)は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がスティックコントローラ31Aを操作した場合の操作があったときの場面、又は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がスティックコントローラ31Aを操作しなかった場合の有効期間が終了したときの場面(T13)である。具体例4では、大当りとなるため、味方キャラであるキャラC1が勝利している。つまり、スティックD4(スティックD4U)に対応する操作(スティックコントローラ31Aの操作)の結果として、勝敗(キャラC1の勝利)を報知している。図35(M)は、可変表示が終了する場面(T14)である。なお、図35(M)の直後にはファンファーレ演出が実行される。
図36は、図29(B)に示した具体例1(T8以降)の表示動作例を表している。具体的には、図36(A)→図36(B)→図36(C)→図36(D)→図36(E)→図36(F)→図36(G)というように遷移する。図36(A)は、タイミング2における変化等が行われる場面(T8)である。具体例1ではタイミング2における変化はないため、図36(A)では、タイミング1以降と同様、小ボタン(白)D1が表示されている。非有効期間(T4〜T11)であるため、図36(A)では、小ボタン(白)D1に重畳して規制線Kが表示されている。なお、具体例1ではタイミング2における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出として弱作用演出(キャラ登場)が実行されるが、タイミング2における変化はないため(つまり失敗演出であるため)、図36(A)では、キャラJSが喜ぶ画像JS2は表示されていない。
図36(B)は、タイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T9)である。具体例1ではタイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出は実行されないため、図36(B)では、図36(A)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。図36(C)は、タイミング3における変化等が行われる場面(T10)である。具体例1ではタイミング3における変化はないため、図36(C)では、図36(B)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。
図36(D)は、小ボタン(白)D1に対応する操作(プッシュボタン31Bの操作)が有効になった場面(T11)である。有効期間(T11〜T13)となったため、図36(D)では、規制線Kが表示されていない。図36(E)は、図36(D)の直後の場面(T12)である。遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促すため、図36(D)では表示領域の右下に表示していた小ボタン(白)D1を、図36(E)では小ボタン(白)D1Uとして表示領域の中央部に大きく表示している。
図36(F)は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がプッシュボタン31Bを操作した場合の操作があったときの場面、又は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がプッシュボタン31Bを操作しなかった場合の有効期間が終了したときの場面(T13)である。具体例1では、ハズレとなるため、敵キャラであるキャラC2が勝利している。つまり、小ボタン(白)D1(小ボタン(白)D1U)に対応する操作(プッシュボタン31Bの操作)の結果として、勝敗(キャラC2の勝利)を報知している。図36(G)は、可変表示が終了する場面(T14)である。なお、図36(G)の直後には次の可変表示が実行される。
図37は、図30(A)に示した具体例2(T8以降)の表示動作例を表している。具体的には、図37(A)→図37(B)→図37(C)→図37(D)→図37(E)→図37(F)→図37(G)というように遷移する。図37(A)は、タイミング2における変化等が行われる場面(T8)である。具体例2ではタイミング2における変化はないため、図37(A)では、タイミング1以降と同様、大ボタン(白)D2が表示されている。非有効期間(T4〜T11)であるため、図37(A)では、大ボタン(白)D2に重畳して規制線Kが表示されている。
図37(B)は、タイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T9)である。具体例2ではタイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出として弱作用演出(キャラ登場)が実行されるため、図37(B)では、弱作用演出としてキャラJSが祈る画像JS1が表示されている。図37(C)は、タイミング3における変化等が行われる場面(T10)である。具体例2ではタイミング3における変化はないため、図37(C)では、図37(B)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。なお、失敗演出であるため、図37(C)では、キャラJSが喜ぶ画像JS2は表示されていない。
図37(D)は、大ボタン(白)D2に対応する操作(プッシュボタン31Bの操作)が有効になった場面(T11)である。有効期間(T11〜T13)となったため、図37(D)では、規制線Kが表示されていない。図37(E)は、図37(D)の直後の場面(T12)である。遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促すため、図37(D)では表示領域の右下に表示していた大ボタン(白)D2を、図37(E)では大ボタン(白)D2Uとして表示領域の中央部に大きく表示している。
図37(F)は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がプッシュボタン31Bを操作した場合の操作があったときの場面、又は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がプッシュボタン31Bを操作しなかった場合の有効期間が終了したときの場面(T13)である。具体例2では、ハズレとなるため、敵キャラであるキャラC2が勝利している。つまり、大ボタン(白)D2(大ボタン(白)D2U)に対応する操作(プッシュボタン31Bの操作)の結果として、勝敗(キャラC2の勝利)を報知している。図37(G)は、可変表示が終了する場面(T14)である。なお、図37(G)の直後には次の可変表示が実行される。
図38は、図31(B)に示した具体例5(T8以降)の表示動作例を表している。具体的には、図38(A)→図38(B)→図38(C)→図38(D)→図38(E)→図38(F)→図38(G)というように遷移する。図38(A)は、タイミング2における変化等が行われる場面(T8)である。具体例2ではタイミング2における変化はないため、図38(A)では、タイミング1以降と同様、小ボタン(白)D1が表示されている。非有効期間(T4〜T11)であるため、図38(A)では、小ボタン(白)D1に重畳して規制線Kが表示されている。
図38(B)は、タイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T9)である。具体例5ではタイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出として強作用演出(落雷)が実行されるため、図38(B)では、強作用演出として雷雲の画像KS1が表示されている。図38(C)は、タイミング3における変化等が行われる場面(T10)である。具体例5ではタイミング3において強変化となるため、図38(C)では、小ボタン(白)D1がスティックD4に変化(3段階変化)している。非有効期間(T4〜T11)であるため、図38(C)では、スティックD4に重畳して規制線Kが表示されている。また、図38(C)では、稲妻の画像KS2や命中時の衝撃の画像KS3も表示されている。なお、図27(C)によれば強作用演出では必ず変化が行われるが、強作用演出において変化しない場合(つまり失敗演出である場合)には、例えば、落雷がないか、落雷があっても命中しないようにしてもよい。
図38(D)〜図38(G)は、図35(J)〜図35(M)と同様であるため、説明を省略する。
なお、有効期間中(T11〜T13)の操作として、連打操作(後述)や長押し操作(後述)を遊技者に求めてもよい。また、有効期間中(T11〜T13)には、下記に説明するオートボタンやオート連打の機能が有効になるようにしてもよい。
(オートボタン、オート連打について)
続いて、オートボタンについて説明する。演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセス処理(S76)の入賞時演出決定処理(S150)を実行する前に、オートボタン(後述)の機能を有効とするか無効とするかを設定するためのオートボタン設定処理を実行してもよい。つまり、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理(S76)において、オートボタン設定処理を実行し、続いて、入賞時演出決定処理(S150)を実行し、続いて、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行することができる。なお、オートボタン設定処理は、演出プロセスフラグの値に関係なく実行されるものであればよく、例えば、演出制御プロセス処理(S76)において入賞時演出決定処理(S150)を実行した後にオートボタン設定処理を実行してもよいし、演出制御メイン処理(図20)において演出制御プロセス処理(S76)を実行する前にオートボタン設定処理を実行してもよい。
以下の説明において、飾り図柄の可変表示中にボタン予告演出が実行され、ボタン予告演出において、ボタン等(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A)の単発操作または連打操作を検出したことに基づいて予告表示を表示するものとする。「単発操作」とは、ボタン等が一回操作されることであり、「連打操作」とは、ボタン等が連続して複数回操作されることである。
なお、ボタン予告演出は、上述したボタン発展演出であり、ボタン発展演出(有効期間中)においてボタン等の単発操作または連打操作を検出したことに基づいてスーパーリーチの結果(勝敗等)を表示してもよい。
また、「オートボタン」とは、実際には遊技者によってボタン等(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A)が操作されていないのであるが、恰もボタン等が操作されているものとして処理を実行する機能である。即ち、オートボタンの機能が有効に設定されている場合には、ボタン等が操作されなくても、ボタン等が単発操作または連打操作されているものとして処理を実行し、予告表示を表示する。
また、「オート連打」とは、実際には遊技者によってボタン等が継続して操作(例えば、プッシュボタン31Bの長押し、スティックコントローラ31Aの長引き等。長押し及び長引きを区別せずに「長押し操作」と称する場合もある)されているのであるが、恰もボタン等が複数回連続して操作(例えば、プッシュボタン31Bの連打、スティックコントローラ31Aを連続して引く動作等)されているものとして検出する機能である。即ち、オート連打の機能が有効に設定されている場合には、ボタン等が複数回連続して操作されなくても、ボタン等が連打操作されているものとして処理を実行し、予告表示を表示する。
また、ボタン予告演出は、1種類であってもよいが、複数種類であってもよい。以下、複数種類のボタン予告演出として、ボタン予告演出A、ボタン予告演出B、ボタン予告演出C)が用意されているものとする。ボタン予告演出Aおよびボタン予告演出Bは、例えば、有効期間が開始されると、プッシュボタン31Bの操作回数に応じたゲージ表示が表示され、プッシュボタン31Bの操作が検出される度に、ゲージ表示の目盛が1つ減少したような態様に表示を更新し、操作を検出した回数が所定回数に達すると(即ち、ゲージ表示の目盛が0になると)、操作条件が成立したものと判定して予告表示(例えば、「激熱!」や「チャンス!」などの文字列)を表示するようなものである。また、ボタン予告演出Cは、例えば、有効期間中にプッシュボタン31Bの操作が1回検出されると、操作条件が成立したものと判定して予告表示(例えば、キャラクタAまたはキャラクタB)を表示するようなものである。
なお、以下の説明では、ボタン予告演出とは別に、有効期間にボタン等の操作が検出されたことに基づいて、発光部材9CC等を所定態様により発光させる裏ボタン予告演出を設けているものとする。ボタン予告演出では、有効期間が開始されると、操作が有効であることを示す、または操作を促すための報知が行われる一方、裏ボタン予告演出では、有効期間(以下、ボタン予告演出における有効期間と区別するために、特別有効期間と称する場合もある)が開始されても、操作が有効であることを示す、または操作を促すための報知が行われない。そのため、裏ボタン予告演出には、特別有効期間を探し出して実行させるという楽しみ方がある。このような裏ボタン予告演出の特性から、本実施形態では、オートボタンの機能が有効に設定されている場合であっても、特別有効期間にボタン等の操作が検出されなければ、裏ボタン予告演出により発光部材9CC等を所定態様により発光させる制御は行われないように構成されている。
本実施形態では、オートボタン設定処理が実行されることによって、任意のタイミング(例えば、デモ画面表示中である期間や飾り図柄の可変表示が行われている期間、大当り遊技中である期間)にボタン等の操作に基づいて、オートボタンの機能を有効とするか無効とするかの設定が可能となる。また、本実施形態では、オートボタン設定処理によるオートボタンの設定に加えて、設定メニュー(背景画像、音量、輝度等の設定が可能なメニュー画面)からもオートボタンの設定を行うことができるものとする。なお、本実施形態では、オート連打の機能は常に有効であるものとするが、オートボタンの機能と同様に、有効とするか無効とするかの設定を可能に構成してもよい。
図39は、オートボタン設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図39(図40、図41も同様)では、ボタン等の操作として、プッシュボタン31Bの操作を説明するが、スティックコントローラ31Aについても同様である。
オートボタン設定処理において、演出制御用CPU120は、オートボタンの機能が有効であることを示すオートボタン有効フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS7101)。
オートボタン有効フラグがセットされていないと判断した場合には(ステップS7101;NO)、演出制御用CPU120は、ボタン予告演出における操作の有効期間中であることを示す操作有効期間中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS7102)。操作有効期間中フラグがセットされていれば(ステップS7102;YES)、オートボタン設定処理を終了する。
操作有効期間中フラグがセットされていないと判断した場合には(ステップS7102;NO)、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bの長押し操作が検出されているか否かを確認する(ステップS7103)。プッシュボタン31Bの長押し操作が検出されていなければ(ステップS7103;NO)、オートボタン設定処理を終了する。なお、プッシュボタン31Bの長押し操作が検出されているか否かについては、例えば、タイマ割込において、プッシュボタン31Bの押圧操作を検出すると操作検出フラグをセットし、押圧操作を検出しないと操作検出フラグをリセットするように構成し、操作検出フラグがセットされており、かつプッシュボタン31Bの押圧操作を検出している状態が所定期間継続したときに、長押し操作が検出されていると判断するようにしてもよい。
プッシュボタンの長押し操作が検出されている場合には(ステップS7103;YES)、演出制御用CPU120は、オートボタン有効フラグをセットする(ステップS7104)。
次いで、演出制御用CPU120は、オートボタンの機能が有効であることを示すオートボタン有効表示を画像表示装置5に表示する制御を行う(ステップS7105)。また、演出制御用CPU120は、オートボタンの機能が有効であることを示すオートボタン有効効果音を出力する制御を行う(ステップS7106)。また、演出制御用CPU120は、プッシュボタン用LED(プッシュボタン31Bに設けられているLED)を通常発光態様(例えば、白色に発光する)とは異なる、オートボタン機能が有効に設定されていることを報知する特別発光態様(例えば、赤色に発光する)により発光させる制御を行う(ステップS7107)。
オートボタン有効フラグがセットされていると判断した場合には(ステップS7101;YES)、演出制御用CPU120は、裏ボタン予告演出における操作の有効期間中であることを示す特別操作有効期間中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS7108)。特別操作有効期間中フラグがセットされていれば(ステップS7108;YES)、オートボタン設定処理を終了する。
特別操作有効期間中フラグがセットされていないと判断した場合には(ステップS7108;NO)、演出制御用CPU120は、設定メニューが表示中であることを示す設定メニュー表示中フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS7109)、セットされていれば(ステップS7109);YSE)、オートボタン設定処理を終了する。
設定メニュー表示中フラグがセットされていない場合(ステップS7109;NO)、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bの押圧操作(単発操作)が検出されているか否かを確認する(ステップS7110)。プッシュボタン31Bの押圧操作(単発操作)が検出されていなければ、オートボタン設定処理を終了する。
プッシュボタン31Bの押圧操作(単発操作)が検出されている場合には(ステップS7110;YES)、演出制御用CPU120は、オートボタン有効フラグをリセットする(ステップS7111)。
次いで、演出制御用CPU120は、オートボタンの機能が無効であることを示すオートボタン無効表示を画像表示装置5に表示する制御を行う(ステップS7112)。また、演出制御用CPU120は、オートボタンの機能が無効であることを示すオートボタン無効効果音(上記のオートボタン有効効果音とは異なる効果音)を出力する制御を行う(ステップS7113)。また、演出制御用CPU120は、プッシュボタン用LEDを通常発光態様により発光させる制御を行う(ステップS7114)。
以上、図39を用いてオートボタン設定処理を説明したが、図39に示すオートボタン設定処理が実行されることにより、任意のタイミングでオートボタンの機能を有効または無効に設定することができる。具体的には、遊技者は、オートボタンの機能が無効であるときに、プッシュボタン31Bの長押し操作を行うと、オートボタン機能を有効に設定することができ(ステップS7101,S7103,S7104参照)、オートボタンの機能が有効であるときに、プッシュボタン31Bの押圧操作(単発操作)を行うと、オートボタン機能を無効に設定することができる(ステップS7101,S7110,S7111参照)。このような構成により、デモ画面表示中である期間に限らず、飾り図柄の可変表示が行われている期間や大当り遊技中である期間にも、オートボタン機能の設定を容易に変更することができる。即ち、遊技を一旦中断することなく、オートボタン機能の設定を容易に変更することができ、中断により興趣が低下することを防止することができる。
但し、本実施形態では、例外的にオートボタン機能の設定変更を受け付けない期間が設けられている。例えば、オートボタンの機能が無効であるときには、ボタン予告演出における有効期間中に、予告表示を表示させるために長押し操作が行われることがあるが、この長押し操作に応じてオートボタンの機能の設定を変更すると、遊技者が意図しない設定変更が行われることになる。そこで、本実施形態では、ボタン予告演出における操作の有効期間中(即ち、操作有効期間中フラグがセットされているとき)には、プッシュボタン31Bの長押し操作を検出しても、オートボタンの機能を無効から有効に変更しないように構成されている(ステップS7102参照)。このような構成により、意図しないオートボタンの機能の設定変更が行われてしまうことを防止することができる。
なお、裏ボタン予告演出における操作の有効期間中や、決めボタン演出(有効期間中にプッシュボタン31Bの押圧操作(単発操作)を検出したことに基づいて当否報知として大当りか否かを示す当否表示を表示する演出)における有効期間中には、押圧操作(単発操作)を検出したことに基づいて所定の制御が行われるため、遊技者は長押し操作を行う必要はない。しかし、単発操作を行うつもりが結果として長押し操作になってしまうことも想定されるため、裏ボタン予告演出における操作の有効期間中(即ち、特別操作有効期間中フラグがセットされているとき)や、決めボタン演出における操作の有効期間中(決めボタン演出における操作の有効期間中であることを示す決めボタン演出操作有効期間中フラグがセットされているとき)にも、プッシュボタン31Bの長押し操作を検出しても、オートボタンの機能を無効から有効に変更しないように構成してもよい。同様に、表示中の設定メニューから背景画像の設定やオートボタンの設定を変更するためにプッシュボタン31Bの単発操作が行われることがあるが、単発操作を行うつもりが結果として長押し操作になってしまうことも想定されるため、設定メニューの表示中(即ち、設定メニュー表示中フラグがセットされているとき)にも、プッシュボタン31Bの長押し操作を検出しても、オートボタンの機能を無効から有効に変更しないように構成してもよい。
また、本実施形態では、オートボタンの機能が有効に設定されている状態であっても、裏ボタン予告演出を実行させるためには、プッシュボタン31Bの押圧操作を行わなければならないように構成されている。そのため、裏ボタン予告演出における操作の有効期間中に、裏ボタン予告演出を実行させるための操作が行われることがある。そこで、本実施形態では、裏ボタン予告演出における操作の有効期間中(即ち、特別操作有効期間中フラグがセットされているとき)には、プッシュボタン31Bの押圧操作を検出しても、オートボタンの機能を有効から無効に変更しないように構成されている(ステップS7108参照)。このような構成により、意図しないオートボタンの機能の設定変更が行われてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、設定メニューから背景画像の設定やオートボタンの設定を変更するためにプッシュボタン31Bの押圧操作が行われることがある。そこで、本実施形態では、設定メニューの表示中(即ち、設定メニュー表示中フラグがセットされているとき)には、プッシュボタン31Bの押圧操作を検出しても、オートボタンの機能を有効から無効に変更しないように構成されている(ステップS7109参照)。このような構成により、意図しないオートボタンの機能の設定変更が行われてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、オートボタンの機能が有効に設定されている状態であるときにボタン予告演出が開始され、ボタン予告演出に応じて遊技者がプッシュボタン31Bの操作を行うと、オートボタンの機能が有効から無効に変更されるが(例えば、ステップS7101,S7108〜S7111の処理により実現されるが)、オートボタンの機能が有効から無効に変更されるのに加えて該操作の検出結果がボタン予告演出に反映されるように構成してもよい。このような構成により、オートボタンの機能を有効に設定していても、遊技者が操作を行いたいと思えば、直ちに操作を演出に反映させることができる。
なお、オートボタンの機能が有効に設定されている状態であるときに開始されたボタン予告演出に応じて遊技者がプッシュボタン31Bの操作を行うとオートボタンの機能が有効から無効に変更される構成に代えて、例えば、ボタン予告演出の実行中はオートボタンの機能の設定を変更せず、ボタン予告演出が終了した後にオートボタンの機能が有効から無効に変更されるように構成してもよい。ボタン予告演出が終了した後にオートボタンの機能を有効から無効に変更する構成は、例えば、次のような処理を実行することによって実現することができる。演出制御用CPU120は、ステップS7110においてプッシュボタン31Bの操作を検出すると、ボタン予告演出の有効期間中でなければステップS7111〜S7114の処理を実行し、有効期間中であればオートボタンの機能を有効から無効に変更することを保留していることを示すオートボタン変更保留フラグをセットする処理を実行し、ステップS7111〜S7114の処理を実行せずにオートボタン設定処理を終了する。そして、演出制御用CPU120は、ボタン予告演出の終了時(例えば、予告表示が表示されたタイミングまたは有効期間の終了タイミング)において、オートボタン変更保留フラグがセットされていれば、オートボタンの機能が有効から無効に変更する(即ち、オートボタン有効フラグをリセットするとともに、オートボタン変更保留フラグをリセットする)。なお、ボタン予告演出が終了した後にオートボタンの機能が有効から無効に変更されるように構成(オートボタン機能の設定変更が一時的に保留される構成)については、プッシュボタン31Bの連打操作を検出したことに基づいて予告表示が表示されるボタン予告演出Aおよびボタン予告演出Bと、プッシュボタン31Bの単発操作を検出したことに基づいて予告表示が表示されるボタン予告演出Cと、のうちのいずれか一方のみに適用してもよいし、両方に適用してもよい。
また、ボタン予告演出に応じて遊技者がプッシュボタン31Bの操作を行うと、ボタン予告演出が終了した後にオートボタンの機能を有効から無効に変更する構成とする場合には、例えば、オートボタンの機能により所定間隔ごとにプッシュボタン31Bの操作を検出したとするのに加えて、遊技者により実際にプッシュボタン31Bが操作されたことを検出して、演出に反映させるようにしてもよい。つまり、オートボタンによる連打操作と、実際に行われた操作とを演出に反映させるようにしてもよい。このような構成は、例えば、オートボタン変更保留フラグがセットされている場合には、オートボタンの機能により所定間隔毎に操作回数カウンタの値(当該値に応じた演出が行われる)を更新することに加えて、プッシュボタン31Bの操作に応じて操作回数カウンタの値を更新することによって実現される。
また、例えば、プッシュボタン31Bが変形可能に構成され、所定の演出に伴い、プッシュボタン31Bが通常状態とは異なる形状に変形している場合(即ち、プッシュボタン31Bの変形を伴う演出の実行中である場合)にも、プッシュボタン31Bの押圧操作を検出しても、オートボタンの設定を変更しないようにしてもよい。例えば、プッシュボタン31Bを変形させることによって操作を強く促している場合には、操作が行われても、設定変更の意思はないという場合が考えられるためである。なお、プッシュボタン31Bが通常状態とは異なる形状に変形している場合には、例えば、ボタン部が通常状態よりも遊技者側に突出した状態に変形している場合や、通常状態では結合されているボタン部が分裂している場合や、複数のボタン部用パーツが結合されて1つのボタン部が形成されている場合などの他に、回転可能(例えば、鉛直方向の回転軸を中心として回転可能、または水平方向の回転軸を中心として回転可能)なボタン部が回転している場合なども含まれる。
次に、オートボタンの機能を有効または無効に設定する場合の表示態様について説明する。図40は、オートボタンの機能を有効または無効に設定する場合の表示態様の具体例を示す説明図である。図40において、(1)(2)(3)の順に表示画面の態様が遷移する。なお、図40(1)のときには、オートボタンの機能が無効に設定されているものとする。
図40(1)に示すように、飾り図柄の可変表示が実行されているときに、遊技者によってプッシュボタン31Bの長押し操作が行われると、図40(2)に示すように、オートボタンの機能が有効に設定されるとともに、画像表示装置5において「オートボタン有効」などの文字列が表示され、オートボタンの機能が有効に設定された旨の表示が行われる。またこのとき、オートボタン有効効果音をスピーカ8から出力する制御とともに、プッシュボタン31Bを特別発光態様により発光させる制御が行われる(ステップS7103〜S7107参照)。
また、オートボタンの機能が有効に設定されているときに、遊技者によってプッシュボタン31Bの押圧操作(単発操作)が行われると、図40(3)に示すように、オートボタンの機能が無効に設定されるとともに、画像表示装置5において「オートボタン無効」などの文字列が表示され、オートボタンの機能が無効に設定された旨の表示が行われる。またこのとき、オートボタン無効効果音をスピーカ8から出力する制御とともに、プッシュボタン31Bを通常発光態様により発光させる制御が行われる(ステップS7110〜S7114参照)。
なお、図40の例では、飾り図柄の可変表示中にオートボタン機能の設定を変更しているが、本実施形態では、同様の操作を行うことにより、飾り図柄の可変表示中に限らず、デモ画面表示期間や大当り遊技期間等においても、オートボタン機能の設定を変更することができる。
次に、長押し操作によるオート連打が行われる場合と、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合との差異について説明する。図41は、長押し操作によるオート連打と、オートボタン機能によるオート連打との比較例を示す説明図である。なお、有効期間中の長押し操作によるオート連打はプッシュボタン31Bの長押し操作が開始されてから所定の開始待機期間の経過後に連打判定がオンになるが、開始待機期間は、ボタン予告演出の種類に応じて異なるものであってもよい。図41の説明において、ボタン予告演出Aの開始待機期間は4秒、ボタン予告演出Aの開始待機期間は2秒であるものとする。なお、図41に示す例では、ボタン予告演出Aの実行が決定されているものとする。
ボタン予告演出Aについて、有効期間の開始後に、長押し操作によるオート連打が行われる場合には、図41(A)に示したように、プッシュボタン31Bの長押し操作が開始されてから開始待機期間(4秒)を経過した後に連打判定がオンになる(即ち、長押し操作の4秒経過後から恰も連打操作が行われているものとして処理が実行され、ゲージ表示の目盛が減少していく)。
これに対して、ボタン予告演出Aについて、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合には、図41(B)に示したように、有効期間の開始後に直ちに連打判定がオンになる(即ち、有効期間の開始直後から恰も連打操作が行われているものとして処理が実行され、ゲージ表示の目盛が減少していく)。このような構成により、オートボタン機能が有効であり長押し操作が行われないときと、オートボタン機能が無効であり長押し操作が行われるときとで、演出(例えば、ゲージ表示の目盛の減少)が実行されるタイミングが異ならせることができ、演出効果を高めることができる。
また、ボタン予告演出Bについて、有効期間の開始後に、長押し操作によるオート連打が行われる場合には、図示は省略したが、プッシュボタン31Bの長押し操作が開始されてから開始待機期間(2秒)を経過した後に連打判定がオンになり(即ち、長押し操作の2秒経過後から恰も連打操作が行われているものとして処理が実行され、ゲージ表示の目盛が減少し)、ボタン予告演出Bについて、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合には、、有効期間の開始後に直ちに連打判定がオンになる。つまり、ボタン予告演出A、Bのいずれの場合にも、オートボタン機能が有効であり長押し操作が行われないときと、オートボタン機能が無効であり長押し操作が行われるときとで、演出(例えば、ゲージ表示の目盛の減少)が実行されるタイミングが異なるように構成されている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5における画像表示動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、上記実施形態では、ボタン等画像の表示開始タイミング(図25の「当所」)は、スーパーリーチ発展後であったが(図29(A)参照)、ボタン等画像の表示開始タイミングは、スーパーリーチ発展前又はスーパーリーチ発展時であってもよい。また、上記実施形態では、ボタン等画像の変化タイミング(図25の「タイミング1」、「タイミング2」、「タイミング3」)は、スーパーリーチ発展後であったが(図29(A)参照)、ボタン等画像の変化タイミングは、スーパーリーチ発展前又はスーパーリーチ発展時であってもよい。
また、擬似連変動ありのスーパーリーチの変動パターン(「PA4−2」、「PA4−3」、「PA5−2」、「PA5−3」、「PB4−2」、「PB4−3」、「PB5−2」、「PB5−3」)のうちの全部又は一部の変動パターンにおいては、スーパーリーチとなった後に仮停止表示や再可変表示が行われるようにしてもよい。
また、擬似連変動における複数の可変表示(又は再可変表示)にわたってボタン発展演出を実行(ボタン等画像の表示)してもよい。一例として、変動パターン「PB4−2」が、可変表示開始→リーチ→1回目の仮停止表示及び再可変表示→スーパーリーチβに発展→最終停止表示というように進行するものである場合、当該変動パターン「PB4−2」におけるボタン等画像の表示及び変化タイミング(図25の「当所」、「タイミング1」、「タイミング2」、「タイミング3」)は、例えば、リーチ前を「当初」とし、リーチ〜1回目の仮停止表示の間を「タイミング1」とし、1回目の仮停止表示後〜再可変表示の間を「タイミング2」とし、再可変表示後を「タイミング3」としてもよい。従って、変動パターン「PB4−2」においてボタン発展演出パターン「BH3a−1」が決定された場合には、可変表示開始→小ボタン(白)を表示(「当初」)→リーチ→大ボタン(白)に変化(タイミング1)→1回目の仮停止表示→変化無(タイミング2)→再可変表示→大ボタン(赤)に変化(タイミング3)→最終停止表示というように進行する。他の例として、変動パターン「PB5−3」が、可変表示開始→リーチ→1回目の仮停止表示及び再可変表示→スーパーリーチβに発展→2回目の仮停止表示及び再可変表示→最終停止表示というように進行するものである場合、当該変動パターン「PB5−3」におけるボタン等画像の表示及び変化タイミングは、例えば、リーチ〜1回目の仮停止表示の間を「当初」とし、1回目の仮停止表示後〜再可変表示の間を「タイミング1」とし、スーパーリーチβに発展後〜2回目の仮停止表示の間を「タイミング2」とし、2回目の再可変表示後を「タイミング3」としてもよい。従って、変動パターン「PB5−3」においてボタン発展演出パターン「BH3a−1」が決定された場合には、可変表示開始→リーチ→小ボタン(白)を表示(「当初」)→1回目の仮停止表示→大ボタン(白)に変化(タイミング1)→再可変表示→スーパーリーチβに発展→変化無(タイミング2)→2回目の仮停止表示→再可変表示→大ボタン(赤)に変化(タイミング3)→最終停止表示というように進行する。
また、上記実施形態では、ある可変表示の可変表示開始が行われるときに当該可変表示の変動パターンに基づいてボタン発展演出の実行有無を決定しているが(図24、図26、図27(A)参照)、他のタイミングにおいてボタン発展演出の実行有無を決定してもよい。例えば、始動入賞があったときに変動カテゴリ等に基づいてボタン発展演出の実行有無を決定してもよい。なお、他のタイミング(例えば、始動入賞時等)において、ボタン発展演出の実行有無に加えてボタン発展演出の演出態様(ボタン発展演出パターン等)やボタン等作用演出の演出態様を決定してもよい。
始動入賞があったときにボタン発展演出の実行有無やボタン発展演出の演出態様(ボタン発展演出パターン等)やボタン等作用演出の演出態様を決定する場合、当該始動入賞に係る可変表示前はボタン発展演出を開始せずに当該始動入賞に係る可変表示中にボタン発展演出を開始してもよいし、当該始動入賞に係る可変表示前にボタン発展演出を開始してもよい。
なお、当該始動入賞に係る可変表示前にボタン発展演出を開始する場合(所謂、先読みによりボタン発展演出を実行する場合)、始動入賞時に直ちにボタン発展演出を開始(ボタン等画像を表示)してもよいし、当該始動入賞以前の入賞に対応する可変表示の開始時(保留表示のシフト時)にボタン発展演出を開始してもよいし、当該始動入賞以前の入賞に対応する可変表示中(リーチ前であってもよいし、リーチ後であってもよい)にボタン発展演出を開始してもよい。なお、先読み期間中のボタン発展演出の開始時(ボタン等表示の表示開始時)から当該始動入賞に係る可変表示の所定タイミング(例えば、図29のT13)迄の期間が、ボタン等表示期間である。
また、上記実施形態では、ボタン等作用演出(弱作用演出、中作用演出、強作用演出)は、何の前触れもなく突然実行される(例えば、図33(H)に示すように画像JS1が突然表示され、図35(H)に示すように画像TS1が突然表示され、図38(B)に示すように画像KS1が突然表示される等)が、例えば、大当り期待度が高いことや大当り遊技状態に制御されることなどを予告する予告演出(例えば、可動役物17を画像表示装置5の表示領域の中央部の位置迄落下させる役物落下演出、画像をカットインさせるカットイン演出、数字をカウントダウンさせる表示するカウントダウン演出等)が実行されることによりボタン等作用演出が実行されるようにしてもよい。具体的には、少なくとも、予告演出が実行されることによりボタン等作用演出が実行される場合と予告演出が実行されることなくボタン等作用演出が実行される場合とがあればよい(予告演出が実行されたがボタン等作用演出が実行されない場合についてはあってもよいしなくてもよい)。なお、予告演出が実行されることによりボタン等作用演出が実行される場合と、予告演出が実行されることなくボタン等作用演出が実行される場合とで、ボタン等画像が変化するかの割合や、いずれのボタン等画像に変化するかの割合を異ならせもよい。
また、上記実施形態では、ボタン等表示の種類(「小ボタン(白)」、「大ボタン(白)」、「大ボタン(赤)」、「スティック」)に応じて大当り期待度が異なるが(図27(B)参照)、ボタン等表示の種類に応じて16R確変大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。具体的には、例えば、大当り種別(図7参照)に応じてボタン発展演出カテゴリの決定割合を異ならせてもよい。また、大当り種別として確変大当りに加えて通常大当りを設ける場合には、ボタン等表示の種類に応じて確変大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。
(A1)以上、本発明の実施形態によるパチンコ遊技機1は、遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)と、前記検出手段に対応した特定表示(例えば、図25、図32〜図38に示した小ボタン(白)D1、大ボタン(白)D2、大ボタン(赤)D3、スティックD4、小ボタン(白)D1U、大ボタン(白)D2U、大ボタン(赤)D3U、スティックD4U等)を行う特定表示実行手段(例えば、ボタン発展演出処理(S529)、可変表示中演出処理(S172)等)と、を備え、前記特定表示実行手段は、前記特定表示として、第1特定表示(例えば、小ボタン(白)D1等)と、前記第1特定表示よりも遊技者にとって有利度(例えば、大当り期待度、16R確変大当り(図7参照)となる期待度、通常大当りと確変大当りがある場合において確変大当りとなる期待度)が高い第2特定表示(例えば、第1特定表示を小ボタン(白)D1とする場合には第2特定表示は大ボタン(白)D2、大ボタン(赤)D3、スティックD4等、第1特定表示を大ボタン(白)D2とする場合には第2特定表示は大ボタン(赤)D3、スティックD4等、第1特定表示を大ボタン(赤)D3とする場合には第2特定表示はスティックD4等)を表示可能であり、前記第1特定表示を表示した後、前記特定表示に作用する作用演出(例えば、図27(C)に示した弱作用演出、中作用演出、強作用演出)が実行されることにより前記第2特定表示を表示可能(例えば、図34(C)に示すように小ボタン(白)D1を表示した後、図34(D)や図34(E)に示すように小ボタン(白)D1に作用する画像JS1や画像JS2を表示する弱作用演出が実行されることにより図34(E)に示すように大ボタン(白)D2を表示可能や、図34(E)に示すように大ボタン(白)D2を表示した後、図35(H)や図35(I)に示すように大ボタン(白)D2に作用する画像TS1や画像TS2や画像TS3を表示する中作用演出が実行されることにより図35(I)に示すようにスティックD4を表示可能等)である。
上記構成によれば、演出効果が向上する。例えば、作用演出によって特定表示が変化することで演出が分かり易く、演出効果が向上する。
(A2)上記(A1)の遊技機は、前記検出手段による検出の非有効期間(例えば、図29〜図38に示したT4〜T11等)において、前記第1特定表示を表示した後に前記作用演出が実行されることにより当該第1特定表示を前記第2特定表示に変化させ(例えば、図34(E)に示すように大ボタン(白)D2を表示した後、図35(H)や図35(I)に示すように大ボタン(白)D2に作用する画像TS1や画像TS2や画像TS3を表示する中作用演出が実行されることにより図35(I)に示すように大ボタン(白)D2をスティックD4に変化させ)、前記検出手段による検出の有効期間(例えば、図29〜図38に示したT11〜T13等)において、前記第2特定表示(例えば、図35(J)や図35(K)に示すようにスティックD4やスティックD4U等)を用いた動作演出(例えば、図35(K)に示すように操作を促して図35(L)に示したように結果を報知する演出等)が実行される。
上記構成によれば、有効期間前の期待感を高めることができる。
(A3)上記(A1)又は(A2)の遊技機において、前記作用演出は、複数種類(例えば、図27(C)等に示した弱作用演出、中作用演出、強作用演出等)あり、いずれの前記作用演出が実行されるかに応じて、前記第2特定表示に変化する割合が異なる(例えば、図27(C)に示すように、変化無の場合と変化有(弱変化、中変化又は強変化)の場合とで、弱作用演出、中作用演出、強作用演出の決定割合が異なるため、いずれのボタン等作用演出が実行されるかに応じて、第2特定表示に変化する割合が異なる)。
上記構成によれば、作用演出に対する期待感を高めることができる。
(A4)上記(A1)から(A3)のいずれかの遊技機において、前記作用演出は、複数種類(例えば、図27(C)に示した弱作用演出、中作用演出、強作用演出等)あり、変化後の前記特定表示の表示態様は、複数種類(例えば、図25、図32〜図38に示した大ボタン(白)D2、大ボタン(赤)D3、スティックD4、大ボタン(白)D2U、大ボタン(赤)D3U、スティックD4U等)あり、いずれの前記作用演出が実行されるかに応じて、いずれの前記特定表示に変化するかの割合が異なる(例えば、図27(C)に示すように、弱変化(1段階変化)の場合と中変化(2段階変化)の場合と強変(3段階変化)化の場合とで、弱作用演出、中作用演出、強作用演出の夫々の決定割合が異なるため、いずれのボタン等作用演出が実行されるかに応じて、弱変化、中変化、強変化となるかの割合が異なる。例えば、変化前が小ボタン(白)D1である場合、弱変化が実行されると小ボタン(白)D1が大ボタン(白)D2に変化し、中変化が実行されると小ボタン(白)D1が大ボタン(赤)D3に変化し、強変化が実行されると小ボタン(白)D1がスティックD4に変化する。従って、いずれのボタン等作用演出が実行されるかに応じて、いずれの特定表示に変化するかの割合が異なる)。
上記構成によれば、作用演出に対する期待感を高めることができる。
(A5)上記(A1)から(A4)のいずれかの遊技機において、前記検出手段は、複数種類(例えば、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)あり、変化後の前記特定表示に対応した前記検出手段により検出される動作演出を実行する(例えば、図37に示したように変化後の大ボタン(白)D2に対応したプッシュボタン31Bにより検出される動作演出を実行し、図33に示したように変化後の大ボタン(赤)D3に対応したプッシュボタン31Bにより検出される動作演出を実行し、図35や図38に示したように変化後のスティックD4に対応したスティックコントローラ31Aにより検出される動作演出を実行する)。
上記構成によれば、いずれの操作手段に対応した特定表示となるかに注目させることができる。
(A6)上記(A1)から(A5)のいずれかの遊技機において、前記特定表示実行手段は、前記検出手段による検出の非有効期間(例えば、図29〜図38に示したT4〜T11等)において前記特定表示を表示するときには、前記非有効期間であることを示す態様により前記特定表示を表示する(例えば、図29〜図38に示すように、規制線Kを重畳させた小ボタン(白)D1、規制線Kを重畳させた大ボタン(白)D2、規制線Kを重畳させた大ボタン(赤)D3、規制線Kを重畳させたスティックD4を表示する)。
上記構成によれば、非有効期間であることが分かりやすい。
(A7)上記(A1)から(A6)のいずれかの遊技機において、前記特定表示実行手段は、複数の可変表示にわたって前記特定表示を表示(例えば、擬似連変動として複数の(再)可変表示にわたって特定表示を表示、先読みにより複数の可変表示にわたって特定表示を表示等)し、変更可能である。
上記構成によれば、複数の可変表示にわたり期待感を高めることができる。
(A8)上記(A1)から(A7)のいずれかの遊技機は、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御されることを予告する予告演出(例えば、カットイン演出、カウントダウン演出、役物落下演出等)を実行可能であり、前記予告演出が実行されることにより前記作用演出が実行される。
上記構成によれば、特定の予告演出に対する期待感を高めることができる。
(A9)上記(A1)から(A8)のいずれかの遊技機は、演出に関する設定状態を第1状態(例えば、オートボタン機能が無効に設定されている状態等)または第2状態(例えば、オートボタン機能が有効に設定されている状態等)に設定可能な設定手段(例えば、図39に示したオートボタン設定処理等)と、演出実行条件が成立したときに特定演出(例えば、ボタン予告演出A〜Cや、決めボタン演出において、プッシュボタン31Bの操作が検出されたことにもとづいて、ゲージ表示の目盛を減少させる表示や、予告表示や当否表示の表示を行うことなど)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図22に示した可変表示中演出処理等)と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記第1状態において、前記検出手段の検出結果にもとづいて前記演出実行条件が成立したとして特定演出を実行可能である一方、前記第2状態において、前記検出手段の検出結果に関わらず前記演出実行条件が成立したとして特定演出を実行可能であり(例えば、オートボタン機能が有効に設定されているときには、プッシュボタン31Bの操作が行われなくても、予告表示の表示や当否表示の表示、ゲージ表示の目盛を減少させる表示などが行われる)、前記設定手段は、可変表示の実行中に前記検出手段の検出結果にもとづいて前記第1状態から前記第2状態に設定を変更可能(例えば、図39のステップS7103〜S7104の処理を実行する部分等)である。
上記構成によれば、興趣が低下することを防止することができる。
(B1)本発明の実施形態によるパチンコ遊技機1は、遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)と、前記検出手段に対応した特定表示(例えば、図25、図32〜図38に示した小ボタン(白)D1、大ボタン(白)D2、大ボタン(赤)D3、スティックD4、小ボタン(白)D1U、大ボタン(白)D2U、大ボタン(赤)D3U、スティックD4U等)を行う特定表示実行手段(例えば、ボタン発展演出処理(S529)、可変表示中演出処理(S172)等)と、を備え、前記特定表示実行手段は、前記特定表示として、第1特定表示(例えば、小ボタン(白)D1等)と、前記第1特定表示よりも遊技者にとって有利度(例えば、大当り期待度、16R確変大当り(図7参照)となる期待度、通常大当りと確変大当りがある場合において確変大当りとなる期待度)が高い第2特定表示(例えば、第1特定表示を小ボタン(白)D1とする場合には第2特定表示は大ボタン(白)D2、大ボタン(赤)D3、スティックD4等、第1特定表示を大ボタン(白)D2とする場合には第2特定表示は大ボタン(赤)D3、スティックD4等、第1特定表示を大ボタン(赤)D3とする場合には第2特定表示はスティックD4等)を表示可能であり、前記検出手段による検出の非有効期間(例えば、図29〜図38に示したT4〜T11等)において、前記第1特定表示を表示した後に当該第1特定表示を前記第2特定表示に変化させ(例えば、図32(C)に示すように小ボタン(白)D1を表示した後に当該小ボタン(白)D1を図33(G)に示すように大ボタン(白)D2に変化させ、更に、大ボタン(白)D2を図33(I)に示すように大ボタン(赤)D3に変化させ)、前記検出手段による検出の有効期間(例えば、図29〜図38に示したT11〜T13等)において、変化後の前記第2特定表示(例えば、図33(J)や図33(K)に示すように大ボタン(赤)D3や大ボタン(赤)D3U等)を用いた動作演出(例えば、図33(K)に示すように操作を促して図33(L)に示したように結果を報知する演出等)が実行される。
上記構成によれば、演出効果が向上する。例えば、非有効期間中に特定表示を変化させるので変化を見せることができ、演出効果が向上する。
(B2)上記(B1)の遊技機において、前記第1特定表示は、前記特定表示に作用する作用演出(例えば、図27(C)に示した弱作用演出、中作用演出、強作用演出)が実行されることにより前記第2特定表示に変化(例えば、図34(C)に示した小ボタン(白)D1は、図34(D)や図34(E)に示すように小ボタン(白)D1に作用する画像JS1や画像JS2を表示する弱作用演出が実行されることにより図34(E)に示すように大ボタン(白)D2に変化、図35(G)に示した大ボタン(白)D2は、図35(H)や図35(I)に示すように大ボタン(白)D2に作用する画像TS1や画像TS2や画像TS3を表示する中作用演出が実行されることにより図35(I)に示すようにスティックD4に変化、図38(A)に示した小ボタン(白)D1は、図38(B)や図38(C)に示すように小ボタン(白)D1に作用する画像TK1や画像TK2や画像TK3を表示する強作用演出が実行されることにより図38(C)に示すようにスティックD4に変化等)する。
上記構成によれば、作用演出によって演出効果が向上する。
(B3)上記(B1)又は(B2)の遊技機において、前記特定表示に作用する作用演出は、複数種類(例えば、図27(C)等に示した弱作用演出、中作用演出、強作用演出等)あり、いずれの前記作用演出が実行されるかに応じて、前記第2特定表示に変化する割合が異なる(例えば、図27(C)に示すように、変化無の場合と変化有(弱変化、中変化又は強変化)の場合とで、弱作用演出、中作用演出、強作用演出の決定割合が異なるため、いずれのボタン等作用演出が実行されるかに応じて、第2特定表示に変化する割合が異なる)。
上記構成によれば、作用演出に対する期待感を高めることができる。
(B4)上記(B1)から(B3)のいずれかの遊技機において、前記特定表示に作用する作用演出は、複数種類(例えば、図27(C)に示した弱作用演出、中作用演出、強作用演出等)あり、変化後の前記特定表示の表示態様は、複数種類(例えば、図25、図32〜図38に示した大ボタン(白)D2、大ボタン(赤)D3、スティックD4、大ボタン(白)D2U、大ボタン(赤)D3U、スティックD4U等)あり、いずれの前記作用演出が実行されるかに応じて、いずれの前記特定表示に変化するかの割合が異なる(例えば、図27(C)に示すように、弱変化(1段階変化)の場合と中変化(2段階変化)の場合と強変(3段階変化)化の場合とで、弱作用演出、中作用演出、強作用演出の夫々の決定割合が異なるため、いずれのボタン等作用演出が実行されるかに応じて、弱変化、中変化、強変化となるかの割合が異なる。例えば、変化前が小ボタン(白)D1である場合、弱変化が実行されると小ボタン(白)D1が大ボタン(白)D2に変化し、中変化が実行されると小ボタン(白)D1が大ボタン(赤)D3に変化し、強変化が実行されると小ボタン(白)D1がスティックD4に変化する。従って、いずれのボタン等作用演出が実行されるかに応じて、いずれの特定表示に変化するかの割合が異なる)。
上記構成によれば、作用演出に対する期待感を高めることができる。
(B5)上記(B1)から(B4)のいずれかの遊技機において、前記検出手段は、複数種類(例えば、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)あり、変化後の前記特定表示に対応した前記検出手段により検出される動作演出を実行する(例えば、図37に示したように変化後の大ボタン(白)D2に対応したプッシュボタン31Bにより検出される動作演出を実行し、図33に示したように変化後の大ボタン(赤)D3に対応したプッシュボタン31Bにより検出される動作演出を実行し、図35や図38に示したように変化後のスティックD4に対応したスティックコントローラ31Aにより検出される動作演出を実行する)。
上記構成によれば、いずれの操作手段に対応した特定表示となるかに注目させることができる。
(B6)上記(B1)から(B5)のいずれかの遊技機において、前記特定表示実行手段は、前記検出手段による検出の非有効期間(例えば、図29〜図38に示したT4〜T11等)において前記特定表示を表示するときには、前記非有効期間であることを示す態様により前記特定表示を表示する(例えば、図29〜図38に示すように、規制線Kを重畳させた小ボタン(白)D1、規制線Kを重畳させた大ボタン(白)D2、規制線Kを重畳させた大ボタン(赤)D3、規制線Kを重畳させたスティックD4を表示する)。
上記構成によれば、非有効期間であることが分かりやすい。
(B7)上記(B1)から(B6)のいずれかの遊技機において、前記特定表示実行手段は、複数の可変表示にわたって前記特定表示を表示(例えば、擬似連変動として複数の(再)可変表示にわたって特定表示を表示、先読みにより複数の可変表示にわたって特定表示を表示等)し、変更可能である。
上記構成によれば、複数の可変表示にわたり期待感を高めることができる。
(B8)上記(B1)から(B7)のいずれかの遊技機は、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御されることを予告する予告演出(例えば、カットイン演出、カウントダウン演出、役物落下演出等)を実行可能であり、前記予告演出が実行されることにより前記特定表示に作用する作用演出が実行され、前記作用演出が実行されることにより前記第2特定表示に変化する。
上記構成によれば、特定の予告演出に対する期待感を高めることができる。
(B9)上記(B1)から(B8)のいずれかの遊技機は、演出に関する設定状態を第1状態(例えば、オートボタン機能が無効に設定されている状態等)または第2状態(例えば、オートボタン機能が有効に設定されている状態等)に設定可能な設定手段(例えば、図39に示したオートボタン設定処理等)と、演出実行条件が成立したときに特定演出(例えば、ボタン予告演出A〜Cや、決めボタン演出において、プッシュボタン31Bの操作が検出されたことにもとづいて、ゲージ表示の目盛を減少させる表示や、予告表示や当否表示の表示を行うことなど)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、図22に示した可変表示中演出処理等)と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記第1状態において、前記検出手段の検出結果にもとづいて前記演出実行条件が成立したとして特定演出を実行可能である一方、前記第2状態において、前記検出手段の検出結果に関わらず前記演出実行条件が成立したとして特定演出を実行可能であり(例えば、オートボタン機能が有効に設定されているときには、プッシュボタン31Bの操作が行われなくても、予告表示の表示や当否表示の表示、ゲージ表示の目盛を減少させる表示などが行われる)、前記設定手段は、可変表示の実行中に前記検出手段の検出結果にもとづいて前記第1状態から前記第2状態に設定を変更可能(例えば、図39のステップS7103〜S7104の処理を実行する部分等)である。
上記構成によれば、興趣が低下することを防止することができる。
なお、上記(A1)から(A9)及び上記(B1)から(B9)において、「検出手段」は、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31Aに限定されるものではなく、筐体に設けられたオブジェ(構造物)を利用した操作(例えば、オブジェの全体又は一部を、奥方向又は下方向に押す操作、手前方向又は上方向に引く操作、回転又はスライドさせる動作等)を検出するセンサ等であってもよい。また、ガラス面等への遊技者の身体(手等)の接触を検出するセンサ等であってもよいし、遊技機に接触しない遊技者の身体(手、顔等)の動作を検出するセンサ等であってもよい。つまり、「検出手段」は、タッチセンサ、赤外線センサ、カメラなどであってもよい。なお、「検出手段」が、例えばガラス面へのタッチを検出可能なタッチセンサである場合には、「特定表示」は、ガラス面へのタッチを想起させる画像(例えば、掌を模した画像等)であってもよい。
また、上記以外にも、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。例えば、上記説明では、ボタン発展演出を実行すると決定した場合には、ボタン発展演出パターンを決定する前にボタン発展演出カテゴリを決定しているが(図26参照)、直接、ボタン発展演出パターンを決定してもよい。即ち、ボタン発展演出カテゴリなる概念を用いなくてもよい。
また、図25に示したボタン発展演出パターンは、「当初」が「第1態様(小ボタン(白))」であるボタン発展演出パターンであるが、「当初」が「第2態様(大ボタン(白))」や「第3態様(大ボタン(赤))」や「第4態様(スティック)」であるボタン発展演出パターンを設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ボタン等画像の表示開始のタイミングは一定(T4)であるが、ボタン等画像の表示開始のタイミングには複数のタイミングがあってもよい。ボタン等画像の種類毎に複数のタイミングがあってもよい。
表示開始タイミングに応じて、後にボタン等画像が変化(成長)するか否かの割合や、どこまで変化するかの割合を異ならせてもよい。例えば、表示開始タイミングが遅い場合には早い場合よりも、後にボタン等画像が変化する割合が高く、また、スティック迄変化する割合が高くなるようにしてもよい。また、非有効期間から有効期間になるタイミングが複数種類ある態様(後述)において、表示開始タイミングに応じて、非有効期間から有効期間になるタイミングの割合を異ならせてもよい。例えば、表示開始タイミングが遅い場合には早い場合よりも、非有効期間から有効期間になるタイミングが所定タイミングよりも遅くなる割合を高くしてもよい。また、非有効期間から有効期間にならない態様が場合(後述)において、表示開始タイミングに応じて、有効期間になるか否かの割合を異ならせてもよい。例えば、表示開始タイミングが遅い場合には早い場合よりも、有効期間になる割合を高くしてもよい。また、除去成功演出(後述)を実行する態様において、表示開始タイミングに応じて、除去成功演出の実行割合を異ならせてもよい。例えば、表示開始タイミングが遅い場合には早い場合よりも、除去成功演出の実行割合を高くしてもよい。
また、図25に示したボタン発展演出パターンは、3つの変化タイミング(タイミング1、タイミング2、タイミング3)のうち最大2つの変化タイミングにおいてボタン等画像を変化させるものであるが、全部(3つ)の変化タイミングにおいてボタン等画像を変化させるものがあってもよい。即ち、タイミング1で弱変化(第1→第2)、タイミング2で弱変化(第2→第3)、タイミング3で弱変化(第3→第4)するボタン発展演出パターンを設けるようにしてもよい。また、変化タイミングは、3回でなくてもよく、1回、2回、4回以上であってもよい。
また、大当りの確定を報知するボタン発展演出パターンを設けるようにしてもよい。一例として、プッシュボタン31Bを模した大きいサイズの虹色のボタン画像(「大ボタン(虹)」)や、スティックコントローラ31Aを模した虹色のスティックコントローラ画像(「スティック(虹)」)を「第5態様」とし、「最終」が「第5態様」となるボタン発展演出パターン(「大当り確定のボタン発展演出パターン」と称する場合もある)を設けるとともに、スーパーリーチ(大当り)の変動パターン(「PB4−X」「PB5−X」)では大当り確定のボタン発展演出パターンが決定される場合があるが、スーパーリーチ(ハズレ)の変動パターン(「PA4−X」「PA5−X」)では大当り確定のボタン発展演出パターンが決定されないようにしてもよい。
また、操作手段(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)は、少なくとも一部分(又は周辺)を発光可能なものとし、ボタン等画像に応じて、操作手段を変化させてもよい。例えば、いずれのボタン等画像も表示されていないときには、プッシュボタン31Bの発光部もスティックコントローラ31Aの発光部も消灯させ、小ボタン(白)が表示されているときにはプッシュボタン31Bの発光部を白色にて点灯させ、大ボタン(白)が表示されているときにはプッシュボタン31Bの発光部を白色にて点滅(又は赤色にて点灯)させ、大ボタン(赤)が表示されているときにはプッシュボタン31Bの発光部を赤色にて点灯(又は赤色にて点滅)させ、スティックが表示されているときにはスティックコントローラ31Aの発光部を白色にて点灯(又は白色にて点滅)させるようにしてもよい。なお、操作手段の発光部を点滅させるときには、ボタン等画像も点滅させるようにしてもよい。
また、図25等にボタン等画像は2つの操作手段のうちの一方の操作手段に対応している(一方の操作手段を有効としている)。具体的には、小ボタン(白)、大ボタン(白)、大ボタン(赤)はプッシュボタン31Bに対応し、スティックはスティックコントローラ31Aに対応している。これに代えて、2つの操作手段の両方に対応するボタン等画像を表示してもよい。一例として、小ボタン(白)、大ボタン(白)、大ボタン(赤)、スティックのいずれの場合においても、プッシュボタン31Bもスティックコントローラ31Aも有効としてもよい。途中で操作手段が変わるような演出であるため、両方とも有効にすることで、操作したのに結果(勝敗等)が表示されないという事態を防止することができる。また、他の例として、プッシュボタン31Bにもスティックコントローラ31Aも対応するロゴマーク(例えば、パチンコ遊技機1の演出に用いられているコンテンツに関係するロゴマーク、パチンコ遊技機1のブランド名に関係するロゴマーク等)を表示してもよい。つまり、有効期間に上記ロゴマークが表示されている場合、プッシュボタン31Bの操作が行われてもスティックコントローラ31Aの操作が行われても結果が表示される。
また、図27(C)によれば、「強作用演出」が実行された場合には、主に「強変化」となることが期待されるが、期待以下の「中変化」や「弱変化」となる場合もある。「強作用演出」の実行により「中変化」や「弱変化」となった場合、期待していた「強変化」に対し、所謂、成り下がりに該当し、遊技者が落胆する可能性もある。従って、「弱変化」や「中変化」であるときには「強作用演出」が決定されないようにしてもよい。これにより、「強作用演出」が実行された場合には「強変化」が確定し、遊技者を落胆させることがなくなる。また、「中作用演出」の実行後にボタン画像等が変化する場合には、主に「中変化」となることが期待されるが、期待以下の「弱変化」となる場合もある。従って、「弱変化」であるときには「中作用演出」が決定されないようにしてもよい。これにより、「中作用演出」が実行後にボタン画像等が変化する場合には「中変化」以上が確定し、遊技者を落胆させることがなくなる。なお、「変化無」であるときには「強作用演出」が決定されないが、「変化無」であるときには「強作用演出」に加えて「中作用演出」も決定されないようにしてもよい。
また、ボタン等画像の変化を変化の程度(段階数)がどのくらいかに区分(1段階変化させる「弱作用演出」、2段階変化させる「中作用演出」、3段階変化させる「強作用演出」等)して制御(管理)しているが、ボタン等画像の変化を何に変化するかに区分(例えば、第1態様から第2態様に変化させる第2作用演出、第1態様や第2態様から第3態様に変化させる第3作用演出、第1態様や第2態様や第3態様から第4態様に変化させる第4作用演出等)して制御するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、スーパーリーチは、味方キャラと敵キャラが対決する、所謂バトル演出であるが、スーパーリーチはバトル演出に限定されない。例えば、大当りとなる場合には成功裏にストーリーが完結する(ハズレとなる場合には成功裏にストーリーが完結しない)ストーリー系の演出であってもよい。なお、ストーリー系のスーパーリーチにおいてボタン発展演出が実行される場合には、例えば、有効期間における操作等に応じて(動作演出として)、バトル演出の結果(勝敗等)に代えて、ストーリーの結果(成功裏にストーリーが完結するか否か)が報知されるようになっていればよい。
非有効期間から有効期間になるときには、非有効期間中である旨を報知するための画像(例えば、図32〜図38に示した規制線K等)が除去される演出(以下、「除去演出」と称する。また、後述の「除去失敗演出」と区別して「除去成功演出」と称する場合がある)を実行してもよい。例えば、図37(C)から図37(D)の間に、大ボタン(白)D2に重畳している規制線Kが除去される演出(例えば、キャラクタ(警官等)が規制線Kを回収する演出、掃除機に規制線Kを吸い取る演出、炎で規制線Kを焼き払う演出、大ボタン(白)D2自体が震動等して規制線Kが外れる演出等)が行われるようにしてもよい。
また、除去失敗演出(除去成功演出と少なくとも一部の演出態様が共通する演出であって非有効期間中である旨を報知するための画像が除去されない演出)を実行してもよい。除去失敗演出が実行された場合には有効期間とならずにスーパーリーチを終了させるようにしてもよい。つまり、例えば、図37において除去成功演出が実行される場合には、図37(C)→除去成功演出→図37(D)→図37(E)→図37(F)→図37(G)と遷移し、一方、図37において除去失敗演出が実行される場合には、図37(C)→除去失敗演出→図37(F)→図37(G)と遷移するようにしてもよい。
また、非有効期間から有効期間になるタイミングは複数種類があり、非有効期間から有効期間になるのが遅い場合には早い場合よりも、非有効期間が長いことなどにより、ボタン等画像が十分に変化(成長)するようにしてもよい。また、除去失敗演出が1回も実行されずに除去成功演出が実行される場合の他に、除去失敗演出が1回以上実行された後に除去成功演出が実行される場合や、除去失敗演出が1回以上実行された後に除去成功演出が実行されない場合があってもよい。これにより、遊技者は、ボタン等画像が十分に成長していないときには有効期間の到来としては時期尚早であるとして除去成功演出が実行されないこと(例えば、規制線Kを除去しようとする演出が開始された場合には最終的には規制線Kが除去されないこと、即ち除去成功演出ではなく除去失敗演出が実行されていること)を望むが、ボタン等画像が十分に成長しているときには有効期間を到来させるものとして除去成功演出が実行されること(例えば規制線Kを除去しようとする演出が開始された場合には最終的には規制線Kが除去されること、即ち除去失敗演出ではなく除去成功演出が実行されていること)を望むようになる。つまり、状況に応じた演出が実行されるかに注目させることができる。
なお、非有効期間中である旨を報知するための画像は、規制線の画像でなく他の画像であってもよい。例えば、ボタン等画像に架けられた鎖と鍵の画像であってもよいし、ボタン等画像を収納する半透明のケースの画像であってもよいし、凍結したようなボタン等画像に見せる氷であってもよい。
非有効期間中である旨を報知するための画像の種類に応じて、後にボタン等画像が変化(成長)するか否かの割合や、どこまで変化するかの割合を異ならせてもよい。例えば、「鎖と鍵」の場合には「規制線」の場合よりも、後にボタン等画像が変化する割合が高く、また、スティック迄変化する割合が高くなるようにしてもよい。また、非有効期間から有効期間になるタイミングが複数種類ある態様において、非有効期間中である旨を報知するための画像の種類に応じて、非有効期間から有効期間になるタイミングの割合を異ならせてもよい。例えば、「鎖と鍵」の場合には「規制線」の場合よりも、非有効期間から有効期間になるタイミングが所定タイミングよりも遅くなる割合を高くしてもよい。また、非有効期間から有効期間にならない態様が場合において、非有効期間中である旨を報知するための画像に応じて、有効期間になるか否かの割合を異ならせてもよい。例えば、「鎖と鍵」の場合には「規制線」の場合よりも、有効期間になる割合を高くしてもよい。また、除去成功演出を実行する態様において、非有効期間中である旨を報知するための画像に応じて、除去成功演出の実行割合を異ならせてもよい。例えば、「鎖と鍵」の場合には「規制線」の場合よりも、除去成功演出の実行割合を高くしてもよい。
また、非有効期間中である旨を報知するための画像を変化(成長)させてもよい。例えば、小ボタン(白)のときには「規制線」とし、大ボタン(白)となったときに「鎖と鍵」に変化させ、大ボタン(赤)となったときに「半透明のケース」に変化させ、スティックとなったときに「氷」に変化させるというように、ボタン等画像の変化タイミングと同一のタイミングで非有効期間中である旨を報知するための画像を変化させてもよい。また例えば、大ボタン(白)であるときに「規制線」から「鎖と鍵」に変化させ、スティックであるときに「鎖と鍵」から「半透明のケース」に変化させ更に「氷」に変化させるというように、ボタン等画像の変化タイミングと異なるタイミングで非有効期間中である旨を報知するための画像を変化させてもよい。
非有効期間中である旨を報知するための画像を変化させる態様において、作用演出によって、非有効期間中である旨を報知するための画像を変化させてもよい。非有効期間中である旨を報知するための画像を変化させる作用演出は、ボタン等画像を変化させる作用演出と同一(共通)であってもよい。なお、共通の作用演出を実行した場合に、ボタン等画像も非有効期間中である旨を報知するための画像も共に変化するときと、ボタン等画像も非有効期間中である旨を報知するための画像も共に変化しないときと、何れか一方が変化するときとがあってもよい。また、非有効期間中である旨を報知するための画像を変化させる作用演出と、ボタン等画像を変化させる作用演出とは異なるものであってもよい。即ち、ボタン等画像を変化させる作用演出とは別に、非有効期間中である旨を報知するための画像を変化させる専用の作用演出を設けるようにしてもよい。
また、同一種類の演出によって、非有効期間中である旨を報知するための画像が変化(成長)する場合と、非有効期間中である旨を報知するための画像が除去される場合とがあってもよい。つまり、非有効期間中である旨を報知するための画像を変化させる作用演出が実行されることにより、上述した除去演出が実行された場合と同じように、非有効期間中である旨を報知するための画像が除去される場合があってもよい。即ち、ある演出(作用演出と除去演出の性質を併せ持つ演出)が実行された場合には、ボタン等画像については変化するときと変化しないときとがあり、非有効期間中である旨を報知するための画像については変化するときと除去されるときと何も起こらないときとがあってもよい。なお、変化後に除去されてもよい(例えば、「半透明のケース」から「氷」に変化した後に変化後の「氷」が除去される等)。なお、非有効期間中である旨を報知するための画像について、除去されるか除去されないかの2通りを説明したが、除去には段階があり、段々と除去されるようにしてもよい。つまり、ある演出(作用演出と除去演出の性質を併せ持つ演出)又は除去演出が実行された場合に「氷」が少し割れ、再度、ある演出(作用演出と除去演出の性質を併せ持つ演出)又は除去演出が実行された場合に「氷」が完全に割れ除去されるようにしてもよい。なお、非有効期間中である旨を報知するための画像が除去の途中である場合、変化しないようにしてもよいし、変化可能で変化後において元の状態に戻るようにしてもよいし、変化可能で変化後において上記途中の状態が維持されるようにしてもよい。例えば、「半透明のケース」が少し割れている場合、「氷」に変化しないようにしてもよいし、割れていない「氷」に変化してもよいし、少し割れている「氷」に変化してもよい。
また、上記実施形態では、第1特図ゲームの保留データ(第1保留情報)と第2特図ゲームの保留データ(第2保留情報)とを区別せずに入賞順に消化しているが(図18参照)、第2保留情報を優先して消化してもよい。
また、上記実施形態では、「割合」とは、A:B=70%:30%や、A:B:C=70%:20%:10のような関係となるものにかぎらず、図27(B)や図28(A)にも示したが、A:B=100%:0%や、A:B:C=70%:30%:0のような関係となるもの(即ち、100%や0%の割り振りが存在するもの)も含む概念である。
また、上記実施形態では、ラウンド数は、8ラウンド、16ラウンドの2種類としているが、ラウンド数は3種類以上であってもよい。例えば、4R確変大当り、8R確変大当り、16R確変大当りの3種類であってもよい。また、上記実施形態では、大当り種別として確変大当りのみを設ける遊技機を示したが、上述したように、大当り種別として非確変大当り(通常大当り)を含む遊技機であってもよい。
また、上記実施形態では、「0」〜「8」を示す数字や「−」を示す記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、当該可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、又は、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
また、上記実施形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記実施形態では、主基板11に乱数値の判定用テーブル(表示結果決定テーブル、大当り種別決定テーブル、及び変動カテゴリ決定テーブル)を記憶させておき、始動入賞時に主基板11において抽出された乱数値(MR1〜MR3)に基づき、主基板11が乱数値の判定用テーブルを参照し、乱数値の判定処理(大当りとなるか否かの判定、及び変動カテゴリの判定、並びに大当りである場合は大当りの種別の判定)を実行し、演出制御基板12は、主基板11において判定された判定結果を受信して、受信した判定結果に基づき先読予告演出を実行する例を示したが、先読予告演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板12に上記乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、主基板11から乱数値そのものを演出制御基板12に送信(例えば、主基板11から乱数値を特定可能な演出制御コマンドを演出制御基板12に送信)することにより、演出制御基板12は、主基板11において抽出された乱数値そのものを受信し、受信した乱数値に基づき乱数値の判定用テーブルを参照して乱数値の判定処理を実行し、判定処理の判定結果に基づき先読予告演出を実行するようにしてもよい。即ち、乱数値の判定処理を演出制御基板12において行ってもよい。また、乱数値の判定処理を主基板11と演出制御基板12の両方で行ってもよい。例えば、演出制御基板12は、一部の乱数値を受信して乱数値の判定処理を実行するとともに、主基板11において判定された判定結果を受信してもよい。具体的には、例えば、演出制御基板12は、乱数値(MR1及びMR2)を受信して大当りとなるか否かの判定及び大当りである場合は大当りの種別の判定を実行するとともに、乱数値(MR3)に基づき主基板11で判定された変動カテゴリの判定結果を受信するようにしてもよい。即ち、演出制御基板12は、自ら判定した判定結果と主基板11で判定された判定結果に基づき先読予告演出を実行することができる。
また、各乱数の更新タイミングを異ならせたり、各乱数の更新範囲を異ならせたりすることによって、各乱数が同期しないようにしてもよい。
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与する遊技機にも本発明を適用することができる。また、遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記説明では、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルなどを構成するデータが記憶されている、と説明したが、上記データは、必ずしもテーブル形式(例えば、構造体、配列なども含む)で記憶されている必要はない。即ち、抽出された乱数値と比較される判定値(決定値)を、ROM101内に纏めて記憶してもよいが、ROM101の複数個所に分散(点在)させて記憶してもよい。あるいは、抽出された乱数値を入力した場合に結果(例えば、図6の例では大当り又はハズレ)が出力される数式やプログラムをROM101に格納してもよい。ROM121に記憶された判定テーブル等についても同様である。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。例えば、本発明を適用したスロット機は、遊技者の動作を検出可能な検出手段(演出用ボタン)と、前記検出手段に対応した特定表示(演出用ボタンを模した演出用ボタン画像)を行う特定表示実行手段と、を備え、前記特定表示実行手段は、前記特定表示として、第1特定表示(演出用ボタン画像(白色))と、前記第1特定表示よりも遊技者にとって有利度が高い(例えば、ボーナス等になる期待度が高い等)第2特定表示(演出用ボタン画像(赤色))を表示可能であり、前記第1特定表示を表示した後、前記特定表示に作用する作用演出が実行されることにより前記第2特定表示を表示可能なスロット機であってもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、本発明の一態様による遊技機は、遊技を行うことが可能な遊技機(パチンコ遊技機1、スロット機等)であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A、タッチセンサ、赤外線センサ、カメラ等)と、所定表示(図58のタイマ表示等)が所定動作(計時動作等)を行ない特定態様(タイマ表示が「0」表示態様等)となる表示をする所定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図55の演出図柄変動中処理、図62のS90922,S90934等)と、前記所定表示が前記特定態様となったとき(タイマ表示が「0」となったとき等)に、複数種類の特定演出(高期待度の期待度示唆表示または低期待度の期待度示唆表示等)のうち、いずれかの特定演出を実行可能(図57(B),(C))な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図55の演出図柄変動中処理等)と、前記検出手段に対応した特定表示(例えば、図25、図32〜図38に示した小ボタン(白)D1、大ボタン(白)D2、大ボタン(赤)D3、スティックD4、小ボタン(白)D1U、大ボタン(白)D2U、大ボタン(赤)D3U、スティックD4U等)を行う特定表示実行手段(例えば、ボタン発展演出処理(S529)、可変表示中演出処理(S172)等)と、を備え、前記特定表示実行手段は、前記特定表示として、第1特定表示(例えば、小ボタン(白)D1等)と、前記第1特定表示よりも遊技者にとって有利度(例えば、大当り期待度、16R確変大当り(図7参照)となる期待度、通常大当りと確変大当りがある場合において確変大当りとなる期待度)が高い第2特定表示(例えば、第1特定表示を小ボタン(白)D1とする場合には第2特定表示は大ボタン(白)D2、大ボタン(赤)D3、スティックD4等、第1特定表示を大ボタン(白)D2とする場合には第2特定表示は大ボタン(赤)D3、スティックD4等、第1特定表示を大ボタン(赤)D3とする場合には第2特定表示はスティックD4等)を表示可能であり、前記検出手段による検出の非有効期間(例えば、図29〜図38に示したT4〜T11等)において、前記第1特定表示を表示した後に当該第1特定表示を前記第2特定表示に変化させ(例えば、図32(C)に示すように小ボタン(白)D1を表示した後に当該小ボタン(白)D1を図33(G)に示すように大ボタン(白)D2に変化させ、更に、大ボタン(白)D2を図33(I)に示すように大ボタン(赤)D3に変化させ)、前記検出手段による検出の有効期間(例えば、図29〜図38に示したT11〜T13等)において、変化後の前記第2特定表示(例えば、図33(J)や図33(K)に示すように大ボタン(赤)D3や大ボタン(赤)D3U等)を用いた動作演出(例えば、図33(K)に示すように操作を促して図33(L)に示したように結果を報知する演出等)が実行され、前記所定表示手段は、第1期間(図57(B)の25秒間等)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第1表示(図57(B)の第1演出の表示等)、または、当該第1期間よりも長い第2期間(図57(C)の60秒間)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第2表示(図57(C)の第3演出の表示等)を表示することが可能であり、前記第1期間中よりも前記第2期間中の方が、前記特定表示が表示される割合が高くなるように演出を制御する(図59(C)〜(E)のように、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合が高く設定され、操作回数の合計が多く設定され、単位時間当りの操作回数が多く設定されている等)演出制御手段をさらに備える遊技機が挙げられる。
上記構成によれば、演出効果が向上する。また、遊技者が演出に退屈することを低減可能とすることができる。特に、期間の長い第2期間中の方が特定表示が実行される割合が高くなるため、特定表示の態様を変化させる期間を十分に担保することができる。
また、上記遊技機において、第1期間または第2期間が経過したときに、特定表示の態様を第1特定表示から第2特定表示に変化させるようにしてもよい。また、第1期間または第2期間中において、特定表示の態様が複数回変化するようにしてもよい。
さらに、演出効果が向上するとともに、遊技者が演出に退屈することを低減可能とすることができる遊技機の形態の一例として、所定の遊技を行なう遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、遊技者による動作(操作等)を検出可能な動作検出手段(プッシュセンサ90124、傾倒方向センサユニット90123等)と、所定表示(図58のタイマ表示等)が所定動作(計時動作等)を行ない特定態様(タイマ表示が「0」表示態様等)となる表示をする所定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図55の演出図柄変動中処理、図62のS90922,S90934等)と、前記所定表示が前記特定態様となったとき(タイマ表示が「0」となったとき等)に、複数種類の特定演出(高期待度の期待度示唆表示または低期待度の期待度示唆表示等)のうち、いずれかの特定演出を実行可能(図57(B),(C))な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図55の演出図柄変動中処理等)と、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、遊技者の動作に対応する動作対応演出(図57および図58の操作対応演出)を実行可能な動作対応演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図55の演出図柄変動中処理、図62のS90927,S90929等)とを備え、前記所定表示手段は、第1期間(図57(B)の25秒間等)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第1表示(図57(B)の第1演出の表示等)、または、当該第1期間よりも長い第2期間(図57(C)の60秒間)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第2表示(図57(C)の第3演出の表示等)をすることが可能であり、前記第1期間中よりも前記第2期間中の方が、前記動作対応演出が実行される割合が高くなるように演出を制御する(図59(C)〜(E)のように、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合が高く設定され、操作回数の合計が多く設定され、単位時間当りの操作回数が多く設定されている等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。なお、この他の形態例を「実施形態」ということがある。
[他の第1実施形態]
以下、他の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図42はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。図43は当り種別表である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図44参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図44参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図44参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図44参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図44参照)が設けられていればよい。図42に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な第1表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図42に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
演出表示装置909の上方には、可動体としての役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、駆動源としての役物モータ9017によって動作させられ、位置を変位することが可能である。役物9012は、非動作時に遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行される等の動作時に遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図43の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図43に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図44は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図44には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
図45は、各乱数を示す説明図である。図45においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図46は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図46(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図46(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図46(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図46(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図46(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図46(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図46(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図46(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図46(B)、および、図46(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図46(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図46(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図46(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図46(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図46(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図46(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図46(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図46(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図46(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図47を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図47は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図47には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図47(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM9054に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図47に示す判定テーブルは、ランダム2´と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3´と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図47の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図47の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機901では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置909において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置909において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置909において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機901では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図47(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図47のテーブルで「ランダム2´範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2´範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図47(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2´(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図47(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2´の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図47のテーブルで「ランダム3´範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3´範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図47(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3´(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図47(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3´が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図47(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図47(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図47(a),図47(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図47(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図47(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図47(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図47(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図47(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図47(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図47(a)および図47(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図47(c)および図47(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図47(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図47(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図48は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図48に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図48のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図47に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる(図52のS901221、S901232参照)。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図52のS901217,S901228参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
図49は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図49(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM9055に形成(RAM9055内の領域である)され、図49(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図49(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図49(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図49(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図49(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機901の動作について説明する。パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路90503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図50は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図50に示すステップS(以下、単に「S」と示す)9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図51は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図52は、S90312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1始動口スイッチ9013aがオン状態であるか否かを確認する(S901211)。第1始動口スイッチ9013aがオン状態でなければ、S901222に移行する。第1始動口スイッチ9013aがオン状態であれば、CPU9056は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S901212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S901222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901214)。また、CPU9056は、図49で説明した第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S901215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口9014に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU9056は、図49に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図49(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図49(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S901216)。S901216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR´)、大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU9056は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S901217)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901219)。また、CPU9056は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901221)。
S901218,S901219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口9013に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信される。
また、この実施の形態では、S901218〜S901221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU9056は、第2始動口スイッチ9014aがオン状態であるか否かを確認する(S901222)。第2始動口スイッチ9014aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ9014aがオン状態であれば、CPU9056は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S901223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901225)。また、CPU9056は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S901226)。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図49(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S901227)。なお、S901227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR´)、大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU9056は、入賞時演出処理を実行する(S901228)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901230)。また、CPU9056は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901232)。
S901229,S901230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口9014に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S901229〜S901232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図53は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S90300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU9056は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S9051)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S9077)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU9056は、保留特定領域(図49(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S9052)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S9052のN)、CPU9056は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S9053)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S9052のY)、CPU90103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S9054)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S9052〜S9054の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU9056は、RAM9055において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する(S9055)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S9056)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
S9056の処理を実行した後、RAM9055に形成され合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S9057)。なお、CPU9056は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM9055の所定の領域に保存し、かつ、保留特定記憶領域に格納されている内容をシフトする。
すなわち、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM9055の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM9055の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU9056は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口9013を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口9014を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S90300〜S90307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU9056は、保留記憶バッファからランダムR´(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S9061)。なお、この場合、CPU9056は、始動口スイッチ通過処理のS901216や始動口スイッチ通過処理のS901227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図46参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM9054における図46(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM9054における図46(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU9056は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図46(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S9061のY)、S9071に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図51のS90307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S9061のN)、後述するS9075に進む。
S9061において大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU9056は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S9071)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図46(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図46(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S9072)。具体的に、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図46(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU9056は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S9072で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S9073)。
図46(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU9056は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM9055における大当り種別バッファに設定する(S9074)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU9056は、特別図柄の停止図柄を設定する(S9075)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S9073により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S90301)に対応した値に更新する(S9076)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S90302)においては、CPU9056が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図48参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S90303)においては、CPU9056は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S90304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S90305)、大入賞口開放中処理(S90306)、および、大当り終了処理(S90307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S90307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S90307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図54は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1´、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2´、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3´、領域演出実行決定用のSR2´、領域演出実行タイミング決定用のSR3´、第1領域演出決定用のSR4´、第2領域演出決定用のSR5´)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1−1´〜SR5´のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図55は、図54に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図56は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S90801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S90601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S90602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM90102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S90604)、S90616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1´〜SR1−3´のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S90604の処理では、所定のタイミングでSR1−1´〜SR1−3´のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S90602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90605)、S90616へ進む。S90605の処理では、所定のタイミングでSR1−1´〜SR1−3´のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1´から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2´から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S90601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S90601のN)、演出制御用CPU90101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90603)、S90616へ進む。
S90603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1´から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1´と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1´から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1´と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、先読み演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S90616)を実行した後、S90617に進む。
S90617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S90617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S90616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM90102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置909における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および予告演出における演出表示動作という各種演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S90617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S90618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S90619)。
S90619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027等)の制御を開始する(S90620)。たとえば、表示制御実行データに従って、演出表示装置909において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP90109に指令を出力する。各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027から音声出力をさせるために、音声出力基板9070に制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S90621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S90802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S90622)。
[タイマ演出の第1例]
次に、タイマ演出の第1例を説明する。タイマ演出の第1例としては、所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示をし、当該所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出制御例を説明する。
「所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示」としては、タイマ表示のように、タイマ数値表示が計時動作を行なって計時終了態様となる表示がされる。「所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出」としては、タイマ表示が計時終了態様となったときに、所定の画像を表示することにより遊技者にとって有利な状態となる期待度を示唆する複数種類の期待度示唆表示演出のうち、いずれかの演出を実行する演出がされる。その場合における所定の画像の例としては、たとえば、遊技者に何かの事象が起こることを示唆するために、「READY GO」または「START」というような所定の示唆をする文字を表示してもよく、所定のキャラクタ画像によるアクション表示等の表示をしてもよい。また、そのような文字表示とアクション表とは、いずれか一方を実行してもよく、両方を実行してもよい。なお、「所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出」としては、計時終了態様を表示した後に、所定の画像を表示することなく特定演出を実行するようにしてもよい。
図57は、タイマ演出の第1例の演出実行タイミングを示すタイミングチャートである。図57(A)には、1回の変動表示中にタイマ演出が複数回実行可能な所定変動パターンでの演出実行タイミング例が示されている。図57(B)には、図57(A)の第1演出の演出実行タイミング例が示されている。図57(B)には、図57(A)の第3演出の演出実行タイミング例が示されている。
図57(A)に示すように、たとえば、前述の第4スーパーリーチのような特定スーパーリーチの変動表示時においては、タイマ演出を実行可能な第1演出、第2演出、および、第3演出という複数種類の演出が1回の変動表示中に実行される。複数種類の演出の実行期間の長さは、「第1演出<第2演出<第3演出」という長短関係で設定されている。第1演出、第2演出、および、第3演出においては、演出期間の開始時から所定期間が経過したときに、複数種類の期待度示唆表示演出のような複数種類の特定演出のうちから選択された演出が実行される。
第1演出、第2演出、および、第3演出については、タイマ演出が実行される場合と、タイマ演出が実行されない場合とが抽選により選択されるので、タイマ演出が実行される場合をタイマ有演出と呼び、タイマ演出が実行されない場合をタイマ無演出と呼ぶことにより演出態様を区別する。
図57(B)においては、図57(A)に示された第1演出について、(B1)にタイマ有演出時の演出実行タイミングが示され、(B2)にタイマ無演出時の演出実行タイミングが示されている。図57(B)に示す第1演出では、その他の演出よりも演出期間が短い演出であり、演出期間の開始時から25秒経過時に、期待度示唆表示として大当りの期待度を示唆する背景色の画像を表示する演出が行なわれる。
背景色とは、演出表示装置9で表示される画像のうち、演出図柄の背景を構成する背景画像の画像色をいう。背景色は、第1演出が実行される前の段階で青色および赤色以外の色(たとえば、黄色)である。第1演出においては、図57(B1)のタイマ有演出、および、(B2)のタイマ無演出のいずれの演出においても、第1演出の演出期間(第1演出期間)の開始時から25秒経過時に、期待度示唆表示として、背景色が赤色(赤色背景)または青色(青色背景)に変化する演出が行なわれる。期待度示唆表示において表示される背景色による大当りの期待度の高さについては、「青色背景<赤色背景」という関係が設定されている。第1演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第2演出および第3演出とともに一括的に決定される。
図57(B1)のタイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第1演出の開始時から25秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、役物9012が上下動する動作がされるとともに、期待度示唆表示として、大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて背景画像色を変化させる演出が実行される。
図57(B2)のタイマ無演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示されない。第1演出の開始時から25秒間が経過すると、不意に役物9012が上下動する動作がされるとともに、期待度示唆表示として、青色背景が選択されて背景画像色を変化させる演出が実行される。
第1演出を実行するときのタイマ有演出とタイマ無演出とにおいて、第1演出の開始時から25秒間までの間は、タイマ表示以外に表示される画像として、同様の画像が表示される。なお、第1演出の開始時から25秒間までの間は、タイマ表示以外の画像としてタイマ有演出とタイマ無演出とで一部が異なる画像を表示するようにしてもよい。
第1演出では、演出開始時から所定期間経過後に期待度示唆表示が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができる。タイマ有演出の進行に対応して期待度示唆表示がされることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ表示の計時終了に応じて役物9012の動作が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ有演出の方がタイマ無演出と比べて期待度が高い期待度示唆表示が実行される割合が高いので、タイマ有演出が実行されたときの遊技者の期待感を高めることができる。
なお、タイマ無演出が実行されたときには、期待度示唆表示が選択不可能となるようにしてもよい。また、タイマ有演出が実行されたときには赤色背景のみが表示され、タイマ無演出が実行されたときに大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて表示されるようにしてもよい。また、タイマ有演出とタイマ無演出との期待度示唆表示による期待度の高さの関係は、前述した関係と逆(タイマ無演出>タイマ有演出)でもよい。
図57(C)においては、図57(A)に示された第3演出について、(C1)にタイマ有演出時の演出実行タイミングが示され、(C2)にタイマ無演出時の演出実行タイミングが示されている。図57(C)に示す第3演出では、第1演出のようなその他の演出よりも演出期間が長い演出であり、演出期間の開始時から60秒経過時に、期待度示唆表示として大当りの期待度を示唆する操作手段の画像を表示する演出が行なわれる。図57(C)に示す第3演出では、第1演出のようなその他の演出よりも操作演出を実行する頻度が高くなるような演出制御が行なわれる。
操作手段は、プッシュボタン90120およびスティックコントローラ90122のようなパターンに設けられ、遊技者が操作可能な操作手段をいう。第3演出においては、図57(C1)のタイマ有演出、および、(C2)のタイマ無演出のいずれの演出においても、第3演出の演出期間(第3演出期間)の開始時から60秒経過時に、期待度示唆表示として、スティックコントローラの画像またはプッシュボタンの画像が表示される演出が行なわれる。その演出は、変動表示結果を表示する直前の操作促進演出でもある。その演出中に表示された操作手段が実行されると、変動表示結果が導出表示される演出が実行される。
期待度示唆表示において表示される操作手段による大当りの期待度の高さについては、「プッシュボタン<スティックコントローラ」という関係が設定されている。第3演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第1演出および第2演出とともに一括的に決定される。
図57(C1)のタイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第3演出の開始時から60秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、期待度示唆表示として、大当りとなる期待度に応じてスティックコントローラの画像とプッシュボタンの画像とのどちらかが選択されて画面中央部に表示される演出が実行される。
図57(C2)のタイマ無演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示されない。第3演出の開始時から60秒間が経過すると、不意に期待度示唆表示として、プッシュボタンの画像が選択されて表示される演出が実行される。
第3演出を実行するときのタイマ有演出とタイマ無演出とにおいて、第3演出の開始時から60秒間までの間は、タイマ表示および操作演出の表示以外に表示される画像として、同様の画像が表示される。なお、第3演出の開始時から60秒間までの間は、タイマ表示および操作演出の表示以外に表示される画像としてタイマ有演出とタイマ無演出とで一部が異なる画像を表示するようにしてもよい。
第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合がある。操作演出とは、動作対応演出とも呼ばれ、所定の検出有効期間内に遊技者の動作により所定の操作手段が操作されたときに、その操作に対応する画像表示等の所定の演出が実行される演出である。第3演出における操作演出は、図59(E)に示すように、特定の割合で実行可能である。一方、第3演出では、タイマ無演出において、タイマ有演出で実行されるような操作演出が実行される場合がない。
操作演出としては、第1操作演出〜第5操作演出という5種類の操作演出が実行される。第1操作演出は、プッシュボタン90120の操作を促進する画像を表示(以下、ボタン操作促進表示という)し、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、チャンス表示をする演出である。チャンス表示とは、遊技者にとってチャンスとなることを示唆する画像を表示することをいう。第2操作演出は、ボタン操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、リーチ表示をする演出である。リーチ表示とは、リーチ状態となることを示唆する画像を表示することをいう。
第3操作演出は、スティックコントローラ90122の操作を促進する画像を表示(以下、スティック操作促進表示という)し、それに応じて所定の操作有効期間内にスティックコントローラ90122が操作されたことに対応して、SP表示をする演出である。SP表示とは、スーパーリーチとなることを示唆する画像を表示することをいう。第4操作演出は、ボタン操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、期待度%表示をする演出である。期待度%表示とは、今回の変動表示により大当り遊技状態となる割合を%で示唆する画像を表示することをいう。第5操作演出は、スティック操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にスティックコントローラ90122が操作されたことに対応して、激熱表示をする演出である。激熱表示とは、今回の変動表示が大当り遊技状態となる期待度が激しく高い(極めて高い)ことを示唆する画像を表示することをいう。
第2演出の演出内容については、図示を省略するが、たとえば、タイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第2演出の開始時から40秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、期待度示唆表示として、複数種類の大当り予告用キャラクタ(第1予告用キャラクタ、第2予告用キャラクタ)の画像のうちから選択された予告用キャラクタが所定位置に表示される。たとえば、第2演出の期待度示唆表示において表示される予告用キャラクタの大当りの期待度の高さについては、「第1予告用キャラクタ<第2予告用キャラクタ」という関係が設定されている。第2演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第1演出および第3演出とともに一括的に決定される。
また、第1演出および第2演出のそれぞれについても、図59(C),(D)に示すように、タイマ有演出時において、所定の割合(割合は異なる)で、第3演出で実行可能な操作演出と同様の演出を実行することが可能である。
第3演出では、演出開始時から所定期間経過後に期待度示唆表示が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができる。タイマ有演出の進行に対応して期待度示唆表示がされることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ表示の計時終了に応じて役物9012の動作が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ有演出の方がタイマ無演出と比べて期待度が高い期待度示唆表示が実行される割合が高いので、タイマ有演出が実行されたときの遊技者の期待感を高めることができる。
また、第3演出では、タイマ有演出の進行に応じて、遊技者が操作により介入可能な複数回の操作演出が実行されるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合があるので、タイマ表示において比較的長い時間が表示された場合の遊技者の退屈を低減することができる。
また、第3演出では、タイマ計時期間に応じて、ボタン操作に応じた操作演出と、スティック操作に応じた操作演出とのように、異なる操作手段の操作に応じた操作対応演出が実行可能であるので、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
なお、タイマ無演出が実行されたときに期待度示唆表示が選択不可能となるようにしてもよい。また、タイマ有演出が実行されたときには赤色背景のみが表示され、タイマ無演出が実行されたときに大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて表示されるようにしてもよい。また、タイマ有演出とタイマ無演出との期待度示唆表示による期待度の高さの関係は、前述した関係と逆(タイマ無演出>タイマ有演出)でもよい。
次に、タイマ演出において演出表示装置909で表示される演出画像の一例として、第3演出の演出画像を説明する。図58は、タイマ演出が実行されるときの第3演出の演出画像を示す表示画面図である。図58(A)〜(L)に、第3演出において演出表示装置9で表示される画像の一例が時間経過に応じて示されている。図58において、保留表示等のタイマ演出と関係が少ない画像は省略されている。
図58において、左,中,右の演出図柄9091,9092,9093は、変動表示中の状態が下向き矢印で示されている。演出表示装置909において、変動表示が実行されるときに、左,中,右の演出図柄9091,9092,9093は、画面中央部で変動表示が開始される。タイマ演出が実行されるときには、演出表示装置909の表示領域内における右下部に、タイマ演出において数値によりタイマ表示をするタイマ表示領域9094と、タイマ演出において操作促進表示、および、操作対応表示等の操作演出に関する画像を表示する操作演出表示領域95とが形成される(設けられる)。
第3演出においてタイマ表示の計時開始時から10秒が経過したときには、図58(A)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り50秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、プッシュボタン90120の操作を促進するボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図58(A)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図57に示す対応関係の操作対応表示に従って、図58(B)に示すように、「チャンス」という文字画像が表示されるチャンス表示が実行される。
タイマ表示の計時開始時から20秒が経過したときには、図58(C)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り40秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、ボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図58(C)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図57に示す対応関係の操作対応表示に従って、図58(D)に示すように、「リーチ」という文字画像が表示されるリーチ表示が実行され、演出図柄9091,9092,9093がリーチ表示態様となる。
タイマ表示の計時開始時から30秒が経過したときには、図58(E)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り30秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でスティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とが、スティックコントローラ90122の操作を促進するスティック操作促進画像として表示される。そのスティック操作促進画像は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図58(E)の操作促進表示に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、図57に示す対応関係の操作対応表示に従って、図58(F)に示すように、「SP」という文字画像が表示されるSP表示が実行され、SP演出に用いられるSPキャラクタ画像9096が画面中央部で表示される。SP演出キャラクタ画像9096は、遊技者の味方となる味方キャラクタ(左側のキャラクタ)と、遊技者の敵となる敵キャラクタ(右側のキャラクタ)とがバトル(戦う)バトル演出態様で表示される。バトル演出では、味方キャラクタが勝ったときに大当り表示結果が導出表示され、味方キャラクタが負けたときにはずれ表示結果が導出表示される。バトル演出が実行されるときに、演出図柄9091,9092,9093は、縮小されて画面右上隅部に移動し、その移動先の位置で変動表示を継続する。
タイマ表示の計時開始時から40秒が経過したときには、図58(G)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り20秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、ボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図58(G)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図57に示す対応関係の操作対応表示に従って、図58(H)に示すように、「80%」という文字画像が表示される期待度%表示が実行され、バトル演出が継続される。
タイマ表示の計時開始時から50秒が経過したときには、図58(I)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り10秒となり、それに応じて、操作演出表示領域95でスティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とが、スティック操作促進画像として表示される。そのスティック操作促進画像は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図58(I)の操作促進表示に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、図57に示す対応関係の操作対応表示に従って、図58(J)に示すように、「激熱」という文字画像が表示される激熱表示が実行され、バトル演出が継続される。
タイマ表示の計時開始時から60秒が経過したときには、図58(K)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り0秒となり、画面中央部に、たとえば、スティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とよるなる期待度示唆表示9097が表示される。期待度示唆表示9097は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図58(K)の期待度示唆表示9097に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、大当り表示結果となるときには、バトル演出で味方キャラクタが勝ち、図57に示す対応関係の操作対応表示に従って、図58(L)に示すように、大当り表示結果の変動表示結果を導出表示する演出が実行される。一方、はずれ表示結果となるときには、バトル演出で味方キャラクタが負け、はずれ表示結果の変動表示結果を導出表示する演出が実行される。
次に、特定のスーパーリーチの変動パターンの変動表示を実行するときに、タイマ演出を実行するか否かの選択、および、タイマ演出を実行するときにおける第1演出〜第3演出での操作演出を実行するか否かの選択をするための抽選に用いるデータテーブルを説明する。
図59は、第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブル、第1演出の操作演出選択テーブル、第2演出の操作演出選択テーブル、および、第3演出の操作演出選択テーブルを示す説明図である。これらデータテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ90100のROM90102に記憶されている。以下に説明する演出の選択割合には、まったく選択されない割合(0割合(0%))が含まれてもよく、演出の選択割合の大小関係の説明において、割合が「小」である例には、選択割合が「0割(0%)」である場合が含まれてもよい。逆に、演出の選択割合の大小関係の説明において、割合が「大」である例には、選択割合が「10割(100%)」である場合が含まれてもよい。
第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、特定のスーパーリーチである第4スーパーリーチの変動パターンを実行するときに、タイマ表示有演出とタイマ表示無演出とのどちらを実行するかの選択をするための抽選に用いられる。第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる図59(A)の大当り時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルと、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる図59(B)のはずれ時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルとが含まれている。
図59(A),(B)のテーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとしてのタイマ演出選択用の乱数SR2´(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、タイマ表示有演出と、タイマ表示無演出とに割振られている。SR2´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2´値の個数が示されている。
図59(A)の大当り時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「タイマ表示有演出>タイマ表示無演出」という大小関係となるように、タイマ表示有演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。一方、図59(B)のはずれ時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「タイマ表示有演出<タイマ表示無演出」という大小関係となるように、タイマ表示無演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このような図59(A),(B)でのデータの設定により、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、タイマ表示有演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、タイマ表示有演出が実行されるときには、タイマ表示無演出実行されるときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図59(C)の第1演出の操作演出選択テーブルは、図59(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第1演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。図59(C)の第2演出の操作演出選択テーブルは、図59(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第2演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。図59(D)の第3演出の操作演出選択テーブルは、図59(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第3演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。
図59(C)〜(E)の各テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR3´(0〜109の数値範囲)の合計110個の数値が、操作演出有と、操作演出無とに割振られている。SR3´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3´値の個数が示されている。
図59(C)の第1演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有<操作演出無」という大小関係となるように、操作演出無が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図59(D)の第2演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有=操作演出無」という大小関係となるように、操作演出有と操作演出無とが同じ割合で選択されるようにデータが設定されている。図59(E)の第3演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有>操作演出無」という大小関係となるように、操作演出有が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。このようなテーブルにより、第1演出〜第3演出において、演出期間が長いもの程、操作演出有が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
図59(C)のテーブルに示すように、25秒間のタイマ表示をする第1演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が1回、すなわち、25秒間のうちに1回の操作演出が実行される。図59(D)のテーブルに示すように、40秒間のタイマ表示をする第2演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が2回、すなわち、40秒間のうちに2回の操作演出が実行される。図59(E)のテーブルに示すように、60秒間のタイマ表示をする第3演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が5回、すなわち、60秒間のうちに5回の操作演出が実行される。
このように、60秒間のタイマ表示をする第3演出では、操作演出有が選択されたときに、60秒間のうちに5回の操作演出が実行される、第3演出よりもタイマ表示をする期間が短い第2演出では2回の操作演出が実行され、第2演出よりもタイマ表示をする期間が短い第1演出では1回の操作演出が実行される。このように、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出であっても、演出期間が長い方が演出期間が短い方よりも、操作演出を実行する割合(頻度)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出のうち、演出期間が長いタイマ表示が実行される演出であっても、操作演出の実行頻度が高く設定されていることにより、遊技者が演出に介入する割合(頻度)が高くなり、遊技者が演出に退屈することを低減することができる。
また、図59(C)〜(E)のように、タイマ表示有演出時にのみ操作演出を実行する選択が可能であり、タイマ表示有演出実行時の方が、タイマ表示無演出実行時よりも操作演出が実行される頻度が高いので、遊技者が介入可能な演出の実行割合(頻度)が高くなることにより、長期間のタイマ表示において遊技者が演出に退屈することをより一層軽減することができる。
次に、第1演出〜第3演出における操作演出を含む演出パターンの一例を説明する。図60は、第3演出の演出パターンを選択する演出パターン選択テーブルを表形式で示す図である。図60(A)には、大当り時に用いられる第3演出の演出パターン選択テーブルが示され、図60(B)には、はずれ時に用いられる第3演出の演出パターン選択テーブルが示されている。これらデータテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ90100のROM90102に記憶されている。
図60(A),(B)の各テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR4´(0〜89の数値範囲)の合計90個の数値が、第1パターンと第2パターンと第3パターンとのそれぞれに割振られている。SR4´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4´の値の個数が示されている。
図60(A)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4´の値によって、「第1パターン>第2パターン>第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。図60(B)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4´の値によって、「第1パターン<第2パターン<第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図60に示す各操作演出における青、緑、赤という複数種類の色は、「青<緑<赤」という大小関係で大当りについての期待度を示唆する色である。
第1パターンは、操作演出パターンが、ボタン操作促進演出が実行された後操作に応じてチャンス表示がされる第1操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字でチャンス表示がされる第2操作演出、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字でSP表示がされる第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤色の文字で「80%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて激熱表示がされる第5操作演出により構成される。第1パターンでは、操作演出パターンの後に期待度示唆演出として実行される最終演出が、スティック操作促進表示がされた大当り後操作に応じて大当り表示結果が導出表示される演出である。
第2パターンは、操作演出パターンが、第1パターンと同じ第1操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青色の文字でチャンス表示がされる第2操作演出、第1パターンと同じ第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字で「70%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、第1パターンと同じ第5操作演出により構成される。第2パターンでは、操作演出パターンの後に第1パターンと同じ最終演出がされる。
第3パターンは、操作演出パターンが、第1パターンと同じ第1操作演出、第2パターンと同じ第第2操作演出、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて青色の文字でSP表示がされる第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字で「60%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、第1パターンと同じ第5操作演出により構成される。スティック操作促進表示がされた後操作に応じて激熱表示がされる第5操作演出により構成される。第3パターンでは、操作演出パターンの後に第1パターンと同じ最終演出がされる。
図60(B)のはずれ時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、図60(A)の大当り時第3演出の演出パターン選択テーブルに設定された第1パターン〜第3パターンと同様の第1パターン〜第3パターンが設定されており、前述したように、これらパターンの選択割合が大当り時第3演出の演出パターン選択テーブルの選択割合と逆の選択割合となるようにデータが設定されている。
前述の第2パターンでは、前述の第3パターンと比べて、大当りの期待度が高いことを示唆する演出が操作演出時に実行される。前述の第1パターンでは、第2パターンと比べて、大当りの期待度が高いことを示唆する演出が操作演出時に実行される。したがって、図60(A)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、大当り表示結果となるときに、大当りの期待度がより高い演出パターンが選択されやすいように選択割合が「第1パターン>第2パターン>第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。一方、逆に、図60(B)のはずれ時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、はずれ表示結果となるときに、大当りの期待度がより低い演出パターンが選択されやすいように選択割合が「第1パターン<第2パターン<第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図示を省略するが、第1演出では、たとえば、操作演出表示領域9095において、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「この変動は期待大」というような文字が表示される操作演出を実行した後、青色背景の期待度示唆表示をする第1変動パターンと、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「この変動は期待大」というような文字が表示される操作演出を実行した後、赤色背景の期待度示唆表示をする第2変動パターンとが選択可能となるような演出パターン選択テーブルが用いられる。
第1演出では、大当り表示結果となるときに、「第1パターン<第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択し、はずれ表示結果となるときに、「第1パターン>第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択するように、変動表示結果別に、第1演出の演出パターン選択テーブルが設けられている。その演出パターン選択テーブルでは、第3特定演出の演出パターン選択テーブルと同様に、SR3´の値が各演出パターンに割振られている。
図示を省略するが、第2演出では、たとえば、操作演出表示領域9095において、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「リーチかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「SPかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、演出図柄周囲に青色のエフェクト画像を表示する第1演出パターンと、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「リーチかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「SPかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、演出図柄周囲に赤色のエフェクト画像を表示する第2演出パターンとが選択可能となるような演出パターン選択テーブルが用いられる。
第2演出では、大当り表示結果となるときに、「第1パターン<第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択し、はずれ表示結果となるときに、「第1パターン>第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択するように、変動表示結果別に、第2演出の演出パターン選択テーブルが設けられている。その演出パターン選択テーブルでは、第3特定演出の演出パターン選択テーブルと同様に、SR3´の値が各演出パターンに割振られている。
次に、図57および図58に示すようなタイマ演出を含む各種の演出を設定するための処理について説明する。図61は、演出設定処理(S90616)を示すフローチャートである。図61においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、タイマ演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なうことによって、タイマ演出で実行される各種演出を決定する。
まず、今回実行される変動表示の変動パターンが特定スーパーリーチである第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S90901)。受信した変動パターンコマンドは、RAM90103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU90101は、RAM90103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に第4スーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。第4スーパーリーチの変動パターンでなければS90912の処理へ移行する。第4スーパーリーチの変動パターンであれば、SR2の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図59(A),(B)に示すいずれかのタイマ演出選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR2´の値から、今回の変動表示について、タイマ表示有演出とタイマ表示無演出とのどちらを実行するかを選択決定する(S90902)。今回の変動表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される変動表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の変動表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
次に、S90902の決定結果に基づいて、タイマ表示有演出が選択決定されたか否かを判定する(S90903)。S90903でタイマ表示有演出が選択決定されていない(タイマ表示無演出が選択決定された)ときは、たとえば図57(B2),(C2)等に例示したような第1〜第3演出においてタイマ表示をしない演出を実行するためのデータ設定を行ない、S90912に進む。一方、S90903でタイマ表示有演出が選択決定されたときは、SR3´の値を抽出し、図59(C)〜(E)の第1演出〜第3演出のそれぞれの操作演出選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR3´の値から、今回の変動表示における第1〜第3演出のそれぞれについて、操作演出を実行するか否か(有無)を選択決定する(S90904)。
次に、S90904の決定結果に基づいて、第1演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90905)。S90905で操作演出有に選択決定されていないときは、S90907に進む。一方、S90905で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、前述したいずれかの第1演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第1演出の演出パターンを選択決定し(S90906)、S90907に進む。
S90907では、S90904の決定結果に基づいて、第2演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90907)。S90907で操作演出有に選択決定されていないときは、S90909に進む。一方、S90907で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、前述したいずれかの第2演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第2演出の演出パターンを選択決定し(S90908)、S90909に進む。
S90909では、S90904の決定結果に基づいて、第3演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90909)。S90909で操作演出有に選択決定されていないときは、S90911に進む。一方、S90909で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図60(A),(B)のいずれかの第3演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第3演出の演出パターンを選択決定し(S90910)、S90911に進む。
S90911では、今回の変動表示で、第1〜第3演出のそれぞれにおいてタイマ表示をし、前述のように選択した操作演出の有無に応じて、前述のように選択した演出パターンで操作演出が実行可能な演出を実行するためのデータを設定し(S90911),S90912に進む。
S90912では、今回の変動表示の演出に関し、前述した第1演出、第2演出、および、第3演出以外のその他の演出内容を決定する。その後、処理を終了する。
演出設定処理においては、図57および図58に示すような操作演出を含むタイマ演出を実行するときに、変動表示の開始時において、タイマ表示演出の有無、操作演出の有無、操作演出の実行回数、および、操作演出の演出パターン等の各種事項を予め決定し、その後の変動表示中は、当該決定にしたがって演出を実行するので、変動表示中における演出制御用マイクロコンピュータ90100の制御処理負荷を軽減することができる。
次に、演出図柄の変動表示中において、図57および図58に示すようなタイマ演出を含む各種の演出を実行する処理について説明する。図62は、演出図柄変動中処理(S90802)内でタイマ演出をするときに実行されるタイマ演出処理を示すフローチャートである。
図62においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、タイマ演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なうことによって、タイマ演出で実行される各種演出を決定する。
まず、現在が第1演出〜第3演出で実行され得るいずれかのタイマ演出の実行開始時であるかどうかを判定する(S90920)。S90920においては、変動表示を実行中の第4スーパーリーチの変動パターンにおいて予め定められた演出進行のタイムスケジュールと、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、現在がタイマ演出の実行開始時であるか否かを判定する。このような判定が可能であるのは、各変動パターンについて、演出進行のタイミングのタイムスケジュールが予め定められており、変動表示タイマの計時値に基づき、演出を進行させる演出制御が実行されるからである。
S90920でタイマ演出の実行開始時であるときは、演出制御用マイクロコンピュータ90100においてタイマ表示に用いる演出タイマの計時を開始させ(S90921)、その計時値に対応したタイマ表示を開始させ(S90922)、処理を終了する。一方、S90920でタイマ演出の実行開始時でないときは、変動表示タイマの計時値に基づき、現在が操作演出有が設定された演出(たとえば、第1演出、第2演出、第3演出)の期間中であるか否かを判定する(S90923)。
S90923で現在が操作演出有が設定された演出期間中であるときは、変動表示タイマの計時値に基づき、当該演出期間中におけるいずれかの操作演出期間中であるか否かを判定する(S90924)。S90924で操作演出期間中であるときは、操作演出中における操作促進表示(前述のボタン操作促進表示、スティック操作促進表示)中である否かを判定する(S90925)。S90925で操作促進表示中であるときは、S90927に進む。一方、S90925で操作促進表示中でないときは、実行中の操作演出期間の態様に応じて設定されている操作促進表示を開始させ(S90926)、S90927に進む。これにより、各操作演出においては、図58(A),(C),(E),(G),(I)のような操作促進表示が実行される。
S90927では、操作促進演出に対応した所定の操作演出が検出されたか否かを確認する(S90927)。S90927で対応した所定の操作演出が検出されなかったときは、処理を終了する。一方、S90927で対応した所定の操作演出が検出されたときは、実行中の操作促進表示を終了させ(S90928)、S90911での設定情報に基づいて、第1演出の期間、第2演出の期間、および、第3演出の期間のような操作演出の期間の種類に応じた操作対応演出を開始させ(S90929)、処理を終了する。
前述のS90923で特定演出有設定の特定演出期間中ではないとき、および、S90924でいずれかの操作演出期間中ではないときのそれぞれでは、演出タイマの計時終了時(第1演出では25秒経過時、第2演出では40秒経過時、第3演出では60秒経過時)であるか否かを判定する(S90930)。S90930で演出タイマの計時終了時ではないときは、現在が操作促進演出中または操作対応演出中であるか否かを判定する(S90931)。S90931で操作促進演出中または操作対応演出中ではないときは、処理を終了する。一方、S90931で操作促進演出中または操作対応演出中であるときは、演出期間が終了したので、実行中の操作促進演出または操作対応演出理を終了し(S90932)、処理を終了する。
前述のS90930で演出タイマの計時終了時であるときは、タイマ表示の終了時であるともに、タイマ表示終了後の期待度示唆表示の実行開始時であるので、S90911で設定された期待度示唆表示の実行を開始する(S90933)。そして、実行中のタイマ表示を終了し(S90934)、処理を終了する。これにより、図58(K)に示すような期待度示唆表示が実行され、図58(K)に示すようなタイマ表示領域9094の消去と、操作演出表示領域9095の消去とが行なわれる。
〔複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する操作演出例〕
次に、動作対応演出である操作演出として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)となる期待度を示唆する演出(図57および図58の期待度%等)と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例を説明する。
図60に示した演出パターンでは、操作演出について、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出は実行されない。しかし、操作演出については、たとえば、特別なリーチ演出(SP演出等)が複数種類あり、ノーマルリーチの演出状態から特別なリーチ演出に演出が発展するときに、演出の発展先を示唆する演出をする等、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出が実行されるようにしてもよい。そのような操作演出を実行するときには、当該操作演出と、図57および図58の期待度%を表示する操作演出のような大当りとなる期待度を示唆する操作演出との少なくとも一方の演出を実行する演出制御をしてしてもよい。このようにすれば、操作演出のバリエーションが豊富化し、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
次に、他の実施の形態で実行される領域演出としての第1領域演出および第2領域演出、並びに、第1領域演出において実行される特殊演出およびタイマ演出について説明する。
[タイマ演出の第2例]
〔1領域演出〕
第1領域演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、演出表示装置909の左下に位置する第1領域9091(図63参照)で実行されるすべての演出である。第1領域演出の実行中は、後述する特殊演出を実行した後にタイマを表示してタイマ演出を実行する演出、または、特殊演出を実行した後に何も表示ない所謂ガセ演出(「ガセ」は「偽」という意味を含む)を実行する演出が実行される。なお、第1領域演出は、第1領域9091に限らず、演出表示装置909のいずれの表示領域で実行されてもよい。
〔特殊演出〕
特殊演出は、第1領域9091にタイマ演出の実行を示唆するタイマ枠9097を表示させたり、表示させなかったりを繰り返す「見え隠れ表示」を実行することにより、特殊演出の実行後にタイマ演出が実行されることを示唆する示唆表示をする演出である。特殊演出を所定時間実行した後、特殊演出からタイマ演出またはタイマ演出を実行しないガセ演出を実行する。なお、特殊演出とは、前述の演出に限らず、タイマ演出の実行を示唆する演出であればよく、たとえば、半透明のタイマ枠が実体化するか否かを煽る演出であってもよい。
〔タイマ演出〕
タイマ演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特殊演出実行後に特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマ表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマ表示が所定態様となったときに、複数種類の演出のうちのいずれかの演出を実行する演出である。タイマ表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマ表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、変動表示中の所定期間に亘って第1領域91に表示される。
〔第2領域演出〕
第2領域演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、後述する特定演出を実行した後に当該変動表示の表示結果や変動中に実行される演出を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する演出が実行される。なお、第2領域演出は、第2領域9092に限らず、演出表示装置909のいずれの表示領域で実行されてもよい。
特定演出とは、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出である。特定演出を所定時間実行した後、たとえば、「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する。特定演出としては、たとえば、すべての所定表示を付した仮想的な回転リールを、いずれの所定表示が表示されているかを視認することができない程度の速度で所定時間回転させた後、徐々に回転速度を落として所定表示を視認可能にした後、一の所定表示が視認できる位置で停止させる演出が実行される。なお、特定演出は、前述の演出に限らず、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出であればよい。また、所定表示は、タイマ演出を示唆するタイマ演出示唆表示と、タイマ演出示唆表示以外の複数種類の特定表示とを含む。特定表示については後述する(図61参照)。
図63は、第1領域演出および第2領域演出を含む領域演出を説明するための図である。図63(a)は、領域演出が実行されていない場合における変動開始時の演出表示装置909の表示例を示す図である。図63(b)〜(d)は、第1領域演出中の演出表示装置909の表示例を示す図である。図63(e)、(f)は第2領域演出実行中の演出表示装置909の表示例を示す図である。図63においては、左,中,右の演出図柄が変動表示中である状態が、3つの下向き矢印で示されている。
図63(a)に示すように、演出表示装置909の表示領域において、左下側に第1領域演出を実行可能な第1領域9091の表示領域が設けられ、右下側に第2領域演出を実行可能な第2領域9092の表示領域が設けられる。第1領域9091は、基本的に当該領域に関する画像が表示されておらず、必要に応じて当該領域に関する画像が表示される。図63(a)においては、第2領域9092では、当該領域に関する画像が常時表示される。
図63(a)では、特別図柄に対応する演出図柄の変動開始時において、第1領域演出および第2領域演出のいずれの領域演出も実行されていない状態が示されている。具体的に、図中に破線で示される第1領域9091には何も表示されていない。第2領域9092には、第2領域9092であることを特定可能な枠部が表示されている。また、枠部の内側の領域は、たとえばシャッターを示すような表示態様で表示され(図示省略)、通常はシャッター部分が閉じている。そして、第2領域演出が実行されるときに当該シャッター部分が開く。
第1領域9091で第1領域演出が実行されるときに表示されるタイマ演出の画像は、図63(d)のように、タイマ枠9097と、タイマ枠9097内でタイマ数値を表示するタイマ表示9094とにより構成される。タイマ枠9097およびタイマ数値のそれぞれの画像は、たとえば白色および赤色のような複数種類の表示色のうちいずれかで表示される。
第1領域演出が実行されるときは、図63(b)に示すように、第1領域9091において、複数の表示色から選択された色のタイマ枠9097を図柄中の矢印の方向に往復動作させる画像を表示することにより、演出表示装置909の表示領域に表示させたり、させなかったりを繰り返す「見え隠れ表示」をする特殊演出が実行される。
特殊演出の実行後は、図63(c)に示すようなガセ演出、または、図63(d)に示すようなタイマ演出が実行される。図63(c)に示すように、ガセ演出は、タイマ演出の実行がされない演出であり、見え隠れ表示されていたタイマ枠9097が消去されることにより、第1領域9091に何も表示されていない状態となる。一方、図63(d)に示すように、タイマ演出が実行される場合は、見え隠れ表示されていたタイマ枠9097が、第1領域9091において複数種類の表示色のうちいずれかの色で表示される。そして、タイマ枠9097内において、複数種類の表示色のうちいずれかの色でタイマ表示9094が出現表示され、たとえば、10秒を示す「10:00」というような計時期間がタイマ数値として示される。タイマ演出においては、このような計時期間がタイマ表示9094において示された後、タイマ表示9094でのカウントダウン計時が開始される。
タイマ演出において、タイマ表示9094のカウントダウンが進行し、タイマ表示9094のタイマ数値が0秒を示す「00:00」となると、変動開始時に変動パターンコマンドにより指定されたスーパーリーチ演出を開始する演出制御が実行される。
このように、第1領域演出が実行されるときには、第1領域9091でタイマ表示9094が表示されてタイマ演出が実行された後に、スーパーリーチ演出のような所定演出が実行され得る。これにより、第1領域演出においてタイマ枠9097の見え隠れ表示がされる特殊演出が実行されたときに、タイマ演出が実行されるか否に遊技者を注目させることができる。
また、図63(b)の特殊演出が実行された後に、図63(d)のようにタイマ演出が実行される場合と、図63(c)のように実行されない場合とがあることにより、遊技者に、タイマ演出を実行する前において、タイマ演出が実行されることに対する期待感を持たせることが可能となり、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
また、図63(b)に示すように、第1領域9091において、タイマ枠9097を見え隠れ表示することによりタイマ表示9094が実行されることを示唆する特殊演出が実行されることにより、タイマ演出が実行されるか否かに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
第2領域9092で第2領域演出が実行されるときには、図63(d)のように、特定演出において、第2領域9092の枠部内で、前述のように「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示が、図中矢印で示すように順次表示される。そして特定演出の開始時から特定期間経過後に、図63(f)のように、複数種類の所定表示のうちのいずれかが停止表示される。図中では「激熱」という所定表示が停止表示された例が示されている。
第2領域演出において、第2領域9092でいずれかの種類の所定表示が停止表示されると、その停止表示された所定表示に対応する演出がその後、実行される。たとえば、「READY GO」という所定表示が指定表示されたときには、所定のタイマ演出が実行される。また、「NEXT」という所定表示が指定表示されたときには、前述の擬似連の演出が実行される。
このように、第2領域演出が実行された後には、第2領域9092で停止表示された所定表示に対応する各種の演出が実行され得る。これにより、第2特定演出が実行されるときに、第2領域9092の表示に遊技者の注意を引付けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、他の第1実施形態においては、特殊演出は「見え隠れ表示」を実行する演出であるとしたが、これに限らず、タイマ演出の実行を示唆する演出であればよい。たとえば、半透明のタイマ枠を表示させる演出や複数種類のタイマ数値を付した仮想的な回転リールを表示し、回転リールを回転させる演出であってもよい。また、特定演出は仮想的な回転リールを回転させる演出としたが、これに限らず複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出であればよい。たとえば、第2領域9092に仮想的なシャッターを表示し、このシャッターを開閉する演出や、第2領域9092に所定表示を半透明に表示する演出であってもよい。
以上に説明したタイマ演出の第2例に関する演出制御は、演出制御用マイクロコンピュータ90100により実行される。
[他の第2実施形態]
他の第2実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第2実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091で実行される演出を代表例として示すが、他の第2実施形態によるタイマ演出は、第2領域92でも同様に実行可能である。
他の第2実施形態で実行されるタイマ演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマ表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマ表示が所定態様となったときに、複数種類の演出のうちのいずれかの演出を実行する演出である。タイマ表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマ表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、変動表示中の所定期間に亘って演出表示装置909に表示される。
また、タイマ演出の実行中には、タイマ表示による期間表示が開始されてから期間表示が所定態様である0となるまでの期間において、タイマ表示をカウントダウンさせた後に、停止態様としてタイマ表示を数秒間に亘り停止させ、その停止態様を経由した後にタイマ表示の値を0にする場合がある。このように、タイマ表示のカウントダウンを数秒間停止する演出のことを、以下ではフリーズ演出と称する。なお、フリーズ演出としては、タイマ表示のカウントダウンが数秒間に亘り完全に停止するものではなく、所定の期間以上にカウントダウンが進まないようなものでもよい。たとえば、カウントダウンの途中の「15:47」のタイマ表示でフリーズ演出が発生した場合には、「15:46」→「15:47」→「15:46」のように、所定の数字と特定の数字との間を行き来することで、タイマ表示が所定期間以上にカウントダウンを進めないような演出としてもよい。また、「15:47」→「15:46」→「15:45」とカウントダウンが進むが、そのカウントダウンを実際の時間の計時よりも極端に遅くすることで、ほとんど時間が進んでいないような演出としてもよい。
図64は、他の第2実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。図64(a)〜(e)は、タイマ演出中にフリーズ演出が実行される場合の第1領域9091におけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。また、図64(f)〜(i)は、タイマ演出中にフリーズ演出が実行されない場合の第1領域9091におけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。ここで、タイマ演出では、複数種類の時間の中からいずれかの時間がタイマ演出の秒数として決定される。図64(a)〜(e)では、タイマ演出を実行する期間として30秒の時間が選択されている。また、図64(f)〜(i)では、タイマ演出を実行する期間として20秒の時間が選択されている。なお、他の第2実施形態のタイマ演出は、第2領域9092で実行されるようにしてもよく、演出表示装置909内のどの領域で実行されるようにしてもよい。
図64(a)に示すように、タイマ演出が開始される場合、たとえば、タイマ表示9094として20秒を示す「20:00」という計時期間が第1領域9091に表示される。タイマ表示9094に表示される期間は、秒以下2桁(百分の一の位)まで表示され、時間の経過とともにその値がカウントダウンされる。図64(b)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマ表示9094を示す図である。図64(b)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示されたときに、タイマ表示9094の上側にLOCK表示9095が表示される。LOCK表示9095は、表示画像がタイマ表示9094に対して作用する作用演出であり、LOCKの文字で示す表示画像が、タイマ表示9094に付加される。LOCK表示9095がタイマ表示9094に付加されることにより、フリーズ演出が実行される。このように、LOCK表示9095がタイマ表示9094に付加されることにより、フリーズ演出の実行中であることを遊技者に容易に認識させることができる。
図64(c)は、図64(b)の状態から10秒間が経過したときの、タイマ表示9094の表示態様を示す図である。図64(b),(c)に示すように、フリーズ演出が実行される場合は、「10:00」の表示のままで10秒間に亘りタイマ表示9094の表示が停止されるとともに、LOCK表示9095が付加される。10秒間のフリーズ期間経過後には、図64(d)に示すように、再度タイマ表示9094がカウントダウンされる。その後、図64(e)に示すように、タイマ表示9094は、カウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマ表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。
ここで、タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出について、一例を示す。タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出には、たとえば、擬似連の仮停止図柄が仮停止する演出(たとえば、「NEXT」と記載された図柄が仮停止する)、リーチ図柄が停止しリーチになったことを示す演出(たとえば、リーチ図柄停止のタイミングで役物が動作する)、リーチ演出中において当該変動の大当り期待度を示す演出(たとえば、リーチ中に大当り期待度の高い背景に変化する)等である。なお、タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出は、ここに示した演出に限らず、どのような演出であってもよい。
次に、フリーズ演出が実行されない場合を図64(f)〜(i)により説明する。タイマ演出を実行する期間として20秒の時間が選択された場合、図64(f)に示すように、タイマ演出が開始される場合、たとえば、タイマ表示9094として20秒を示す「20:00」という計時時間が第1領域91に表示される。図64(g)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマ表示9094を示す図である。図64(g)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示される。フリーズ演出が実行されないので、LOCK表示9095は表示されない。
次いで、図64(h)に示すように、図64(g)から1秒経過したときには、図64(h)に示すように、タイマ表示が9秒を示す「09:00」で表示される。その後、図64(i)に示すように、タイマ表示9094は、カウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマ表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。ここで、図64(a)〜(i)では、秒以下2桁のタイマ表示9094については、実際はカウントダウンしているが、図面上では詳細に開示していない。また、秒以下2桁を表示せず、「10」、「9」・・・「0」と秒数のみをカウントダウンしていくようにしてもよい。
このように、タイマ演出において表示されるタイマ表示9094は、表示が開始されてからカウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマ表示9094によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマ演出において、フリーズ演出が実行されるパターンでは、図64(b)〜(d)に示すように、フリーズ演出を10秒間実行した後に、再度タイマ表示9094の更新が実行される。このようにすれば、タイマ表示9094が0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマ演出の実行される秒数であるタイマ秒数(タイマ表示の開始から0秒となるまでの時間)を決定するためのタイマ選択時間は異なるが、図64に示すように、フリーズ演出を実行しない場合とフリーズ演出を実行する場合とで、タイマ表示9094の開始時の表示態様が同一(いずれも「20:00」で同じ)の場合がある。このようにすれば、タイマ表示9094の開始時にフリーズ演出を経由するか否かがばれることがなく、意外性のある演出を実行することができる。
[他の第3実施形態]
他の第3実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第3実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091で実行される演出を代表例として示すが、他の第3実施形態によるタイマ演出は、第2領域9092でも同様に実行可能である。
他の第3実施形態で実行されるタイマ演出では、通常パターンのタイマ演出の他に特別パターンのタイマ演出が設定されている。通常パターンのタイマ演出とは、タイマ表示が開始されてからタイマ表示が0秒となるまでの期間において、タイマ表示の表示値が時間経過とともにカウントダウンされるのみのパターンである。それに対し、特別パターンのタイマ演出では、タイマ表示9094がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ90122のような操作手段を用いる演出が実行される。スティックコントローラ90122での遊技者の操作は、傾倒方向センサユニット90123により検出される。具体的には、タイマ表示9094がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ90122を遊技者が引く操作を実行すると、0秒となっていたタイマ表示9094の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。このような、特別パターンは複数回実行されることがあり、最終的に0秒となったときに、所定の演出が実行される。
図65は、他の第3実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。図65のうち図65(a)は、タイマ演出の特別パターンとして、タイマ選択時間20秒の2回パターンの場合のタイミングチャートを示す図である。2回パターンとは、タイマ演出の実行中に操作手段を用いた演出が2回実行される演出パターンを示している。また、図65(b)〜(i)は、図65(a)のパターンにおけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。まず、図65(a)〜(i)により特別パターンのタイマ演出について説明する。なお、特別パターンは2回パターンだけではなく、1回パターンや3回以上のパターンが設けられていてもよい。
図65(a)に示すように、タイマ演出として実行されるタイマ選択時間20秒の2回パターンでは、最初にタイマ表示9094に「04:00」が表示される(図65(b))。この状態からタイマ表示9094のカウントダウンが4秒間実行される。そして、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図65(c))、スティックコントローラ90122等の操作手段を操作する操作演出が実行される。スティックコントローラ90122は、操作が有効な期間(以下、操作有効期間とも称する)が2秒間に設定されている。この操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+04:00」が演出表示装置909の画面上に表示される(図65(d))。「+04:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒(タイマ表示の最少期間)加算した期間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図65(e))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+04:00」の表示が自動的に演出表示装置909の画面上に表示される(図65(d))。「+04:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図65(e))。
ここで、スティックコントローラ90122が操作された場合も操作されなかった場合も、少なくとも1秒の間は、「+04:00」の表示が演出表示装置909の画面上に表示される(図65(d))。また、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図65(e))。この時間に遊技者は、タイマ表示9094の秒数が増加したことを認識することができる。操作有効期間(図65(a)の操作2秒)とタイマ表示9094の増加秒数を示す演出表示装置909のタイマ表示期間(図65(a)のタイマ表示1秒)との合計期間は3秒間に設定されている。
その後、タイマ表示9094は、「04:00」で示される4秒からカウントダウンを開始し、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図65(f))に、再度、操作有効期間中にスティックコントローラ90122を引く演出が実行される。2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+06:00」が演出表示装置909の画面上に表示される(図65(g))。「+06:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒加算した期間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値が第1領域9091に表示される(図65(h))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+06:00」の表示が自動的に演出表示装置909の画面上に表示される(図65(g))。「+06:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値が第1領域9091に表示される(図65(h))。
タイマ表示9094が、6秒からカウントダウンを開始し、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図65(i))に、所定の演出が実行される。タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出には、どのような演出であってもよい。
このように、特別パターンでは、タイマ演出が開始されタイマ表示9094が0秒で示す値となったときに、タイマ表示9094の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。これにより、タイマ表示9094の値が0秒となったときの演出に遊技者を注目させることができる。また、このような特別パターンのタイマ演出により、タイマ表示9094のカウントダウンが開始されてから、タイマ表示9094の値が最終的に0秒となるまでの期間における表示態様に遊技者を注目させることができる。
[他の第4実施形態]
他の第4実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第4実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091と第2領域9092とのそれぞれのタイマ演出に適用する場合の例を、図66に示す第3領域9096という1つの領域を代表例として用いて説明する。
他の第4実施形態におけるタイマ演出は、リーチ中に実行される。ここで、図47に示すように、リーチとなる変動パターンには、ノーマルリーチの変動パターンとスーパーリーチの変動パターンとが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560からスーパーリーチを指定する変動パターンコマンドが送信されると、演出制御用CPU90101は、送信されたコマンドに基づいて指定されたスーパーリーチの演出を実行する。図47の第1〜第4スーパーリーチでは、各変動パターンについて、複数種類のスペシャルリーチ(以下、単にSPリーチとも称する)の中からいずれかのSPリーチが実行される。
SPリーチでは、変動表示中の演出図柄のうちいずれかの図柄でリーチとなる。その後、リーチ状態となってから所定時間経過後(ノーマルリーチ後やノーマルリーチと異なるリーチ演出後)にSPリーチへと発展する。スーパーリーチにおいて実行されるSPリーチは、SPリーチまで発展せずリーチ後に派手な演出をしないノーマルリーチに比べ、大当り表示結果となる期待度の高いリーチである。SPリーチ中は、たとえば、液晶画面上でバトル演出等の演出が実行される。バトル演出とは、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦い、味方のキャラクタが勝利すると大当り表示結果が表示され、味方のキャラクタが敗北するとはずれ表示結果が表示されるような演出である。
また、他の第4実施形態では、演出表示装置909の表示画面の中央下部領域である第3領域9096においてタイマ演出が開始される場合について説明する。たとえば、SPリーチ中は、画面全体を用いた派手な演出が実行される。このような場合、第3領域9096に表示されるタイマ表示9094がそのような演出を阻害しないように演出表示装置909の表示画面と重ならない位置(たとえば、演出表示装置909の左下位置)にタイマ表示9094を移動させる。他の第4実施形態では、タイマ演出とSPリーチとが同時に実行される。タイマ演出とSPリーチとが実行される場合の演出について図66により説明する。
図66は、他の第4実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。タイマ演出が実行される場合には、図66(a),(b)に示すようなパターンや図66(a),(c)に示すパターンが実行される。図66(a)に示すように、演出表示装置9において「4」を示す図柄でリーチがかかっている場合に、画面の中央下部の第3領域9096にタイマ画像が表示される。タイマ画像には、「20:00」と表示されたタイマ表示9094が表示される。タイマ表示9094は、時間の経過とともにカウントダウンされる。
図66(a)から図66(b)となるパターンは、通常のリーチから弱SPリーチへと発展する場合を示している。弱SPリーチは、後述する強SPリーチと比較して大当り表示結果となる期待度が低いSPリーチである。大当り表示結果となる期待度は、図66(b)中に示す、黒色の星の数で示される。今回実行される弱SPリーチは、期待度が5段階中の2なのであまり期待度が高くないということになる。弱SPリーチ中は、演出図柄が演出表示装置909の右上の領域において、小型化(縮小)した態様のコマンド図柄で表示される。またタイマ画像は、弱SPリーチが開始されるときに画面上の中央下部の位置から左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)へと移動する。
SPリーチが実行される際には、タイマ画像の枠部9096aが変化する場合がある。しかし、図66(b)に示すように、弱SPリーチにおいては、枠部9096aがSPリーチへの発展前の図66(a)と同様の態様で表示される。また、タイマ表示9094は、カウントダウンされ「15:00」で示されている。SPリーチ中は、SPリーチ発展前の図66(a)のような場合に比べ、表示画面の全体を用いた派手な演出が実行される。SPリーチ演出のような派手な演出が実行される場合には、画面の中央下部の第3領域9096においてタイマ画像が表示されていると演出の妨げになってしまう。そこで、タイマ表示9094が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間において、SPリーチが実行されている場合には、タイマ表示9094が画面の左端の位置(第1領域9091に対応する位置)へ移動される。また、SPリーチが実行されない場合には、タイマ画像は画面の中央下部の位置で変化せずタイマ表示9094のカウントダウンが実行される。
このように、タイマ表示9094の表示が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間にSPリーチが実行されているか否かにより、タイマ表示9094の位置が変更される。よって、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
また、図66(c)は、図66(a)のリーチ状態から強SPリーチへ発展した場合を示している。強SPリーチは、弱SPリーチと比べ大当り表示結果となる期待度が高い。図66(c)に示すように、今回実行される強SPリーチは、期待度が5段階中の4なので、大当り期待度が高い演出であることが示される。強SPリーチ中は、演出図柄が演出表示装置909の右上の領域において、小型化(縮小)した態様のコマンド図柄で表示される。またタイマ画像は、強SPリーチが開始されるときに画面上の中央下部の第3領域9096から左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)へと移動する。
また、強SPリーチが実行されるときには、タイマ画像の枠部9096bの態様が変化する。たとえば、図66(c)に示すように、枠部9096bの色が白から赤(図66(c)の斜線部分)に変化する。また、タイマ表示9094は、カウントダウンされ「15:00」で示されている。強SPリーチでも弱SPリーチと同様にタイマ表示9094が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間において、SPリーチが実行されている場合には、タイマ表示9094が画面の左端の位置(第1領域9091に対応する位置)へ移動される。
このように、タイマ表示9094の表示が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間にSPリーチが実行されているか否かにより、タイマ表示9094の位置が変更される。よって、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
また、SPリーチは、SPリーチまで発展せずに終了するノーマルリーチと比べ大当り期待度の高いリーチである。よって、このような大当りとなる期待度の高いリーチが実行されることを考慮することにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、図66に示すように、SPリーチに発展する前の通常状態(リーチがかかっているのみの状態)においては演出表示装置909の中央下部の第3領域9096でタイマ表示9094を表示し、SPリーチの実行中においては演出表示装置909の左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)でタイマ表示9094を表示する。よって、SPリーチ中の演出をタイマ表示9094が阻害しないようにすることにより、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図66に示すように、弱SPリーチが実行されているときにはタイマ画像の枠部9096aを白色のまま変化させず、強SPリーチが実行されているときにはタイマ画像の枠部9096bを赤色に変化させて表示する。このようにすれば、実行されるSPリーチに応じたタイマ表示9094の枠の表示態様とすることにより、大当りに対する期待度が示され、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第4実施形態のタイマ演出が実行されているときに、第2領域9092に対応する位置においては、第1実施形態で示したような第2領域演出が実行されるようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図59(C)〜(E)に示すように、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出であっても、演出期間が長い方が演出期間が短い方よりも、操作演出を実行する割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出のうち、演出期間が長いタイマ表示が実行される演出であっても、操作演出の実行割合が高く設定されていることにより、遊技者が演出に介入する割合が高くなり、遊技者が演出に退屈することを低減することができる。
(2) 図57(C1)に示すように、第3演出では、タイマ有演出の進行に応じて、遊技者が操作により介入可能な複数回の操作演出が実行されるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図57(C1)に示すように、第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合があるので、タイマ表示において比較的長い時間が表示された場合の遊技者の退屈を低減することができる。
(4) 〔複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する操作演出例〕で説明したように、動作対応演出である操作演出として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)となる期待度を示唆する演出(図57および図58の期待度%等)と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例では、操作演出のバリエーションが豊富化し、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
(5) 図57(C1)に示すように、第3演出では、タイマ計時期間に応じて、ボタン操作に応じた操作演出と、スティック操作に応じた操作演出とのように、異なる操作手段の操作に応じた操作対応演出が実行可能であるので、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
(6) 図59(C)〜(E)のように、タイマ表示有演出時にのみ操作演出を実行する選択が可能であり、タイマ表示有演出実行時の方が、タイマ表示無演出実行時よりも操作演出が実行される割合が高いので、遊技者が介入可能な演出の実行割合が高くなることにより、長期間のタイマ表示において遊技者が演出に退屈することをより一層軽減することができる。
(7) 図63に示されるように、図63(b)の特殊演出が実行された後に、図22(d)のようにタイマ演出が実行される場合と、図63(c)のように実行されない場合とがあることにより、遊技者に、タイマ演出を実行する前において、タイマ演出が実行されることに対する期待感を持たせることが可能となり、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図63(b)に示すように、第1領域9091において、タイマ枠9097を見え隠れ表示することによりタイマ表示9094が実行されることを示唆する特殊演出が実行されることにより、タイマ演出が実行されるか否かに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図66に示すように、変動開始時またはリーチ開始前時のような複数のタイミングで特殊演出を実行可能等により、変動開始時またはリーチ開始前時のような複数のタイミングで特殊演出を実行可能であることにより、いずれのタイミングで領域演出が実行されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(10) 図65,図66に示すように、はずれ時と大当り時とで第1領域演出の実行タイミングの選択割合が異なり、はずれ時と大当り時とで第1領域演出でのタイマ演出の選択割合が異なる等により、いずれのタイミングで特殊演出が実行されるかに、より一層注目させることができる。
(11) 図66に示すように、特殊演出時に見え隠れ表示させるタイマ枠9097として、白色のタイマ枠9097を表示する特殊演出と、赤色のタイマ枠9097を表示する特殊演出との複数種類の特殊演出のうちのいずれかを実行可能である等により、いずれの種類の特殊演出が実行されるかに注目させることができる。
(12) 図66に示すように、赤色のタイマ数値表示の実行前にも、白色のタイマ枠見せ隠れ表示を実行可能である等により、白色のタイマ枠の見せ隠れ表示をする特殊演出が実行されたとしても、遊技者の大当り遊技状態への期待感が下がらないようにすることができる。
(13) 図64に示すように、タイマ演出において表示されるタイマ表示9094は、表示が開始されてからカウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマ表示9094によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
(14) 図65に示すように、タイマ表示9094が0秒となったときにタイマ表示9094の計時数値が増加する特別パターンが実行可能であることにより、タイマ表示9094の値が0秒となったときの演出に遊技者を注目させることができる。
(15) 図66に示すように、SPリーチを実行しているか否かにより、第3領域9096の位置を変更可能であることにより、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) タイマ演出の第1例では、所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示をし、当該所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出制御例を説明した。「所定表示」とは、図58のような時間経過に応じて数値が変化する表示に限らず、砂時計のように、時間経過を直接的に数値で示すものではなく、砂の流れ等により時間経過を間接的に示すようなものであってもよい。時間経過を間接的に示すその他の例としては、たとえば、時間経過に応じて爆弾を示す画像が爆発しそうな態様で拡縮を繰返しているような同じ動作を繰返す表示であってもよい。また、「所定表示」は、時間経過に応じて、所定タイミングまで爆弾が同じ大きさで爆発しそうな態様で拡縮を繰返しているが、所定タイミング経過後に、爆弾が徐々に拡大表示されていくような異なる動作を実行するようなものであってもよい。
(2) タイマ演出の第1例で説明した「所定表示」は、時間経過を示さないが、所定時間が経過すると、特定態様となるようなものであってもよい。たとえば、所定動作として、虫が幼虫からさなぎとなり成虫(特定態様)となる動作過程を時間経過の経過に対応して実行するようなものであってもよい。
(3) タイマ演出の第1例で説明した「動作対応演出(操作演出)」は、遊技者が動作したときに応じて実行する演出であり、図59(C)〜(E)のように、たとえば、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合(頻度)が高くなるように演出が制御される。動作対応演出が実行される割合(頻度)を高くすることは、図58等に示した操作促進表示を実行する頻度を高く設定することより実現してもよい。また、割合(頻度)を高くする動作対応演出は、操作促進表示を実行した後遊技者の実際の動作が検出されなくても、動作の検出有効期間の経過時において、自動的に動作対応演出が実行されるものが含まれてもよい。
(4) 図57に示す操作演出表示領域9095においては、操作演出が実行されるときの操作有効期間を特定画像な画像を表示してもよい。その場合には、操作有効期間の表示がタイマ表示と見間違えられないようにするのが好ましい。たとえば、操作有効期間の表示は、数値ではなく、メーター表示のゲージの増減により操作有効期間を示してもよく、ボタン画像またはスティック画像を操作有効期間中に明滅表示させる等により操作有効期間を示してもよい。
(5) 図60に示すように、複数の操作演出において操作検出に応じて表示される画像は、1種類に固定されたように表示されるものと、複数種類のうちから選択されるように表示されるものとが混在している例を示した。しかし、これに限らず、複数の操作演出において操作検出に応じて表示される画像は、すべての操作演出について、複数種類のうちから選択されるように表示されるものとしてもよく、すべての操作演出について、1種類に固定されたように表示されるものとしてもよい。
(6) 図60に示すように、複数の操作演出については、大当りの期待度が異なっても、同じ種類の演出が予め定められた順番で実行される例を示した。しかし、これに限らず、複数の操作演出については、大当りの期待度に応じて、実行される演出の種類が異なるようにしてもよい。たとえば、大当りの期待度が高い程、希少な演出(プレミア演出)が実行可能となるようにしてもよい。
(7) 図60に示すように、複数の操作演出については、異なる種類の演出が実行される例を示した。しかしこれに限らず、所定のストーリー(物語)に従った1種類の演出を複数回に分けて実行し、操作演出ごとにストーリが進んでいくような演出を実行してもよい。
(8) 図57に示すように、複数の操作演出については、一定間隔で実行される例を示した。しかし、これに限らず、不定間隔で実行されるようにしてもよい。また、複数の操作演出の実行間隔は、抽選によりランダムな実行間隔となるようにしてもよい。
(9) 前述した演出期間が最も短い第1演出については、複数回の操作演出を実行することを可能としてもよい。その場合においては、第1演出〜第3演出においては、演出期間の短い演出は、演出期間が長い演出よりも短い時間間隔で操作演出を実行するようにしてもよい(たとえば、第3演出の10秒間隔に対し、第1演出は3秒間隔等)。
(10) 図57(C)に一例を示したようにタイマ表示時における操作演出の実行間隔は、1種類(10秒)であるものを示したが、これに限らず、タイマ表示時における操作演出の実行間隔は、複数種類(たとえば、5秒、10秒、15秒)設けてもよく、複数種類のうちから抽選により選択した実行間隔で操作演出を実行してもよい。
(11) 動作対応演出として、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度を示唆する演出と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例においては、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出として、タイマ表示が「0」になったときに実行される演出を示唆してもよく、タイマ表示が「0」になったときに実行される演出とは特に関係なく、実行されるスーパーリーチの種類等のその他の情報を示唆してもよい。
(12) 動作対応演出として、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度を示唆する演出と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例においては、操作手段の操作検出ごとに、いずれか一方の示唆をしてもよく、変動表示の開始時において、演出の進行に応じてどちらの示唆をするかを演出制御用マイクロコンピュータ90100が抽選により選択決定しておき、その選択決定に沿って示唆する演出を実行するようにしてもよい。
(13) 図60に示すように、複数回の操作演出の実行順番パターンとしては、予め固定的に定められたもの(複数種類の操作手段の順番が交互のように規則的に定められたものでもよく、複数種類の操作手段の順番が不規則に定められたものでもよい)を実行してもよく、変動表示開始時等に実行順番を抽選によりランダムに決定されたものを実行してもよい。
(14) 前述した操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、プッシュボタン90120およびスティックコントローラ90122のような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能なプッシュセンサ90124および傾倒方向センサユニット90123のような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
(15) 前述した操作演出については、たとえば、第1演出のような演出期間が短い演出において、操作演出が実行可能である例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、第1演出のような演出期間が短い演出においては、操作演出が1回も実行されないようにしてもよい。そのような制御例も、第3演出のような演出期間が長い演出において、第1演出のような演出期間が短い演出と比べて、高い割合(頻度)で操作演出を実行可能な一制御例として含まれる。
(16) 領域演出は第1領域9091および第2領域9092のいずれか一方の領域でのみしか実行されないようにしてもよい。なお、このような場合には、いずれか一方の領域で領域演出を実行すると決定した場合には、他方の領域で領域演出を実行しないように制限するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、第1領域9091においてタイマ演出(ガセ演出)が実行される場合には、第2領域9092ではタイマ演出の実行が制限される場合について説明した。しかし、第1領域9091と第2領域9092との両方の領域において、同時にタイマ演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、第1領域9091に表示されるタイマ表示9094の数値と第2領域9092に表示されるタイマ表示9094の数値とが同時に更新されるようにしてもよい。また、そのときの数値は一方の領域と他方の領域とで同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、一方の領域での数値のカウントダウンが終了した後に他方の領域での数値のカウントダウンが開始されるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、第1領域9091および第2領域9092においてタイマ演出が実行されるようにしてもよい。そして、第1領域9091と第2領域9092とにおいたタイマ表示9094の数値が同時に0秒を示す値となったときに、所定の演出が実行がされるようにしてもよい。このような場合には、一方の領域のみにおいてタイマ演出が実行されるよりも両方の領域においてタイマ演出が実行される場合の方が大当り値期待が高くなるように設定してもよい。
(19) 領域演出が実行されるタイミングは、変動開始時またはリーチ開始前時以外のタイミングであってもよい。たとえば、リーチ成立時やリーチ中の所定のタイミング、擬似連の最変動表示の開始時のタイミング、SPリーチの開始タイミング、先読み演出を実行するときのタイミング等のタイミング実行されるようにしてもよい。また、実行されるタイミングにより大当り期待度が異なるようにしてもよい。また、複数のタイミングのうち2つ以上のタイミングで実行されるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、大当り遊技中の保留連予告としてタイマ表示を行なってもよい。保留連予告とは、大当り表示結果となった時点の保留記憶および大当り遊技中の保留記憶を先読みし、当該保留記憶に新たな大当りを発生させるものが存在している、いわゆる、保留連チャン(大当り遊技状態が連続して発生すること)が生じていることを予告するものをいう。たとえば、このような保留記憶がある場合には、大当りの終了前の所定のタイミングでタイマ演出を開始し、タイマの数値が0となったタイミングで大当りとなる保留記憶の変動表示が開始されるようにすればよい。
(21) 前述した実施の形態では、大当りのラウンド中にタイマ演出を実行してもよい。このような場合には、たとえば、タイマの数値が0となったタイミングで保留連予告を実行してもよいし、確変状態であることを示す確変告知を実行してもよいし、ラウンドが継続するか否かを示すラウンド継続告知を実行してもよい。
(22) 特殊演出時とタイマ演出時とに実行される演出は、同時に決定されてもよく、特殊演出時とタイマ演出時とで実行される演出を別々に決定するようにしてもよい。また、特殊演出で実行される演出を決定するときは枠色を決定し、タイマ演出で実行される演出を決定するときはタイマの表示色を決定するようにしてもよい。
(23) 前述した実施の形態では、保留記憶データの内容を、当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し、変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行なう先読み演出として領域演出を実行してもよい。このような場合には、領域演出が実行される領域に「準備中」等の表示をし、領域演出が実行されることを遊技者に示してもよい。
(24) 前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときにタイマ演出が複数回実行されるようにしてもよい。このような場合には、将来実行されるタイマ演出の実行回数を示すようにしてもよい。たとえば、「×2」と表示するときには、タイマ演出が2回実行されることを示すようにすればよい。また、タイマ演出の実行回数をタイマ画像を複数個表示することで示してもよい。
(25) 前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときに「準備中」の表示をし、「準備中」の表示期間を変化させることで、タイマの減算時間を1パターンとしてもよい。具体的には、変動表示中に「準備中」の表示をし、その後に表示されるタイマ表示はどのような変動パターンであっても5秒間がタイマ表示9094として表示されるようにしてもよい。このようにすれば、実際のタイマの減算時間を1パターンとすることができるので、演出の設計が容易となり、演出に用いるデータ量も軽減することができる。
(26) 前述した実施の形態では、第2領域9092において実行される演出について、期間表示が実行される場合と期間表示以外の特定表示が実行される場合とで大当り期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、期間表示が実行される場合には、特定表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよいし、特定表示が実行される場合には、期間表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
(27) 前述した実施の形態では、第2領域9092の枠が演出表示装置9の画面上で常に表示されている場合を示した。しかし、第2領域9092の枠は、領域演出が実行されるタイミングでのみ表示されるようにしてもよい。また、第2領域9092についても特殊演出が実行されるようにしてもよい。
(28) 前述した実施の形態では、タイマ演出で表示される期間表示として、時間とともにデジタル表示がカウントダウンされるタイマ表示9094について説明した。しかし、タイマ表示9094は、時間とともに数字がカウントアップし、所定時間になった場合に演出が実行されるようにしてもよい。また、時間経過を示す期間表示として数字で表示するものではなく、時間経過を示す砂時計画像を表示するもの(砂時計の砂の残り具合で時間を示すもの)、または、時間経過を示すゲージ画像を用いて表示するもの(ゲージの増加または減少により時間を示すもの)等、所定期間の終了タイミングを示唆可能な情報を時間の経過とともに変化させる演出であればどのような演出が用いられてもよい。
(29) 前述した実施の形態では、期間表示を更新することによって期間の経過情報を示す期間表示手段の構成が設けられていた。また、期間表示手段により更新された前記期間表示が所定態様となったときに所定演出を実行可能な所定演出実行手段の構成が設けられていた。しかし、期間表示手段の構成では、期間表示を更新せずに単に表示するのみのものでもよい。具体的には、期間表示を示す表示態様として爆弾の導火線に火が付いている画像を表示してもよい。このような画像は、爆弾の導火線に火が付いていることにより、期間表示がされていることが分かるものの、導火線自体は短くならないようなものであればよい。そして、期間表示としての爆弾の導火線に火が付いている画像が所定期間表示された後に爆発して、何らかの演出が実行されるようにしてもよい。
(30) 前述した実施の形態では、タイマ表示が0となったときに実行される所定演出は、どのような演出であってもよい。たとえば、所定演出としてリーチ図柄が停止するもの、擬似連演出を実行する際の擬似連図柄が停止するもの、大当り確定となる予告を実行するもの(大当り確定音やプレミアム予告等)、所定のスーパーリーチに発展するもの、役物が動作するものが実行されるようにしてもよい。このような場合には、タイマ表示が0となったタイミングにおいて、複数種類の演出の中から選択されるいずれかの演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、擬似連図柄の停止するタイミングにおいて、一発告知(大当り確定予告)が実行されるようにすると、遊技者に意外性を与え、遊技の興趣を向上させることができる。
(31) 前述した実施の形態では、第1領域9091と第2領域9092との両方の領域において、領域演出を実行するときは、一方の領域でタイマ演出を実行し、その値が0となったときに、他方の領域でタイマ演出が開始されるようにしてもよい。
(32) 前述した実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、領域演出が実行されるようにすればよい。
(33) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(34) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機901の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(35) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(36) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(37) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(38) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7,9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(39) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。