(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動(更新表示など)可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の可変表示についても同じ)。なお、図柄(特に、後述の飾り図柄)の変動として、スクロール表示、変形、拡大/縮小などが行われてもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置5では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。
また、画像表示装置5の画面上には、表示エリア5HL、5HRも配置され、表示エリア5HLには、実行が保留されている第1特図ゲームに対応する第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)が右詰めで表示され、表示エリア5HRには、実行が保留されている第2特図ゲームに対応する第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)が左詰めで表示される。第1保留表示画像及び第2保留表示画像を総称して保留表示画像ともいう。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5HCも配置されている。表示エリア5HCには、表示エリア5HL、5HRに表示されていた保留表示画像のうち、実行中の特図ゲームに対応する保留表示画像が表示される。具体的には、第1特図ゲームが実行される場合、表示エリア5HLにおいて最も右の第1保留表示画像(実行される当該第1特図ゲームに対応する保留表示画像)が表示エリア5HCに移動して表示される(他の第1保留表示画像は、1つ右の位置にシフトする)。また、第2特図ゲームが実行される場合、表示エリア5HRにおいて最も左の第2保留表示画像(実行される当該第2特図ゲームに対応する保留表示画像)が表示エリア5HCに移動して表示される(他の第2保留表示画像は、1つ左の位置にシフトする)。表示エリア5HCに表示される保留表示画像をアクティブ表示画像ないしアクティブ表示ともいう。アクティブ表示は、保留表示画像を若干拡大したもの(ここでは、丸の画像)として表示される。
特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特に、第1特図ゲームの保留数を、第1特図保留記憶数という。第2特図ゲームの保留数を、第2特図保留記憶数という。第1保留表示画像の数により、第1特図保留記憶数が示され、第2保留表示画像の数により、第2特図保留記憶数が示される。
また、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2特図保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。)。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。)。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)の可変表示を行う。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)ともいう。
普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行、保留の管理、後述の大当り遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターン、演出制御コマンド、各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出であり、飾り図柄の可変表示を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御部CPU120は、上記演出を実行するための処理中に、主基板11からの主基板11からの演出制御コマンドに基づいて画像系演出の実行(実行の開始)を表示制御部123に指示する。画像系演出は、画像表示装置5に演出画像を表示する演出であり、演出画像に合わせた音声出力や、演出画像に合わせた遊技効果ランプ9の点灯/消灯も適宜含む。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの画像系演出の実行指示に基づき、画像系演出の実行を開始する。画像系演出の実行では、例えば、映像信号を供給することで画像表示装置5に演出画像を表示する。
また、表示制御部123は、画像系演出を実行するときに、画像系演出に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号をランプ制御基板14に供給したりする。音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
(遊技の進行など)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート41を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
普図ゲームで停止表示(導出)される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。「普図ハズレ」のときには、前記開放制御は行われない。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。
第1特図保留記憶数(保留された第1特図ゲーム数)が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数(保留された第2特図ゲーム数)が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。
第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
特図ゲームで停止表示(導出)される可変表示結果には、大当り図柄(例えば、「6」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が複数回(ここでは、15回)実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が、「非確変」のときには「6」、「確変」のときには「7」の大当り図柄が停止表示される。
なお、大当り種別が「非確変」、「確変」のときの「大当り」を、順次、「非確変大当り」、「確変大当り」ともいい、これらに基づく大当り遊技状態を順次、「非確変大当り遊技状態」、「確変大当り遊技状態」ともいう。
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。非確変大当り遊技状態が終了したあとは、確変状態に制御されない。
確変大当り遊技状態が終了した後又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで継続する。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させてもよい。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の変動させる期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」などともいわれる。
(演出の進行など)
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも画像系演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
また、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出(画像系演出の一種)が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBが用意されている。スーパーリーチA及びBは、ノーマルリーチから発展するリーチ演出であり、スーパーリーチA及びBを総称して単にスーパーリーチということもある。この実施の形態では、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(発展無し)の順で大当り期待度が高い。大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「5」)が揃って停止表示される。
特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示されることがある。また、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
さらに、この実施の形態では、他の画像系演出として、例えば、アクティブ表示の表示色を変化させる変化演出がリーチ演出の実行中に実行される(図11等)。変化演出としては、第1変化演出(図17等)と第2変化演出(図18〜図19等)とがある。第1変化演出は、ノーマルリーチ中に実行され、第2変化演出は、スーパーリーチ中に実行される(図14等参照)。変化演出は、1のアクティブ表示に対して複数回実行されることが可能であり、アクティブ表示の表示色は、段階的に複数回変化可能である。アクティブ表示の表示色がどの色かで、そのアクティブ表示に対応する特図ゲームないし飾り図柄の可変表示の大当り期待度が異なる(図10)。アクティブ表示の表示色、変化演出の詳細は、後述する。
(パチンコ遊技機1の主要な動作)
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給される図示しないCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごと)に実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、RAM102などに一時記憶され、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現する処理(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、大入賞口扉用のソレノイド82の制御を含む。)である。なお、特別図柄プロセス処理では、遊技の進行に応じて演出制御コマンドの送信設定を行う。特別図柄プロセス処理の詳細は、後述する。
普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現する処理(普通図柄表示器20、普図保留表示器25C、普通電動役物用のソレノイド81の制御を含む。)である。
コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。図3に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。演出制御コマンドは、MODEデータ及びEXTデータから構成されている。
コマンド8000(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の変動の開始を指定(通知)する第1変動開始指定コマンドである。コマンド8001(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の変動の開始を指定(通知)する第2変動開始指定コマンドである。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド81XX(H)は、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の変動パターン(特図や飾り図柄の変動時間(特図変動時間)及び可変表示結果の表示時間(停止図柄表示時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する変動パターン指定コマンドである。当該コマンドの「XX」(EXTデータ、「XX」について同じ)には、各変動パターンを示す数値が設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「00」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、特図ゲームの表示結果(大当りとするか否かおよび大当り種別)を指定(通知)する表示結果指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、表示結果を示す数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「非確変大当り」なら「01」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出すること)を指定(通知)する図柄確定指定コマンドである。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)を終了するとともに可変表示結果を導出することを指定するものでもある。当該コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する当り開始指定コマンドである。ファンファーレとは、大当り遊技状態中に実行される大当り中演出の一部を構成し、大当り遊技状態の開始時に実行され、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する当り終了指定コマンドである。エンディングとは、大当り遊技状態の終了時(大当り中演出後)に実行され、大当り遊技状態が終了することを報知する演出などである。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドC000(H)は、第1特図ゲームの保留数である第1特図保留記憶数を1つ加算することを指定(通知)する第1特図保留記憶数加算指定コマンドである。コマンドC100(H)は、第2特図ゲームの保留数である第2特図保留記憶数を1つ加算することを指定(通知)する第2特図保留記憶数加算指定コマンドである。これらコマンドを特図保留記憶数加算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数加算指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC200(H)は、第1特図保留記憶数を1つ減算することを指定(通知)する第1特図保留記憶数減算指定コマンドである。コマンドC300(H)は、第2特図保留記憶数を1つ減算することを指定(通知)する第2特図保留記憶数減算指定コマンドである。これらコマンドを特図保留記憶数減算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数減算指定コマンドは、特図ゲーム開始時(変動開始時)に送信される。
(特別図柄プロセス処理)
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値(初期値は、「0」)に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
(始動入賞判定処理:ステップS101)
CPU103は、第1始動口スイッチ22Aがオン(スイッチ処理の判定結果を参照する。各種スイッチのオン判定について同じ)で、第1特図保留記憶数(例えば、RAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタでカウントする。以下同じ)が所定の上限値(例えば「4」)になっていない場合、第1始動入賞が発生したとして、第1特図保留記憶数を1増加させる(上記カウンタのカウント値を1増加させる)。その後、乱数回路104やRAM102に設けられたランダムカウンタ(遊技用乱数更新処理で値が更新される。)等によって更新される乱数値のうちから、特図表示結果(特図ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出する。こうして抽出された各乱数値は、保留データとして、後述の第1特図保留記憶部(RAM102に設けられる。)の空きエントリの先頭にセット(格納)される。その後、第1特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定が行われる。
また、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオンで、第2特図保留記憶数(例えば、RAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタでカウントする。以下同じ)が所定の上限値(例えば「4」)になっていない場合、第2始動入賞が発生したとして、第2特図保留記憶数を1増加させる(上記カウンタのカウント値を1増加させる)。その後、乱数回路104やRAM102に設けられたランダムカウンタ(遊技用乱数更新処理で値が更新される。)等によって更新される乱数値のうちから、乱数値MR1〜MR3を抽出する。こうして抽出された各乱数値は、保留データとして、後述の第2特図保留記憶部(RAM102に設けられる。)の空きエントリの先頭にセット(格納)される。その後、第2特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定が行われる。
上記の第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部は、それぞれ、例えば、始動入賞の発生順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1〜MR3を保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。ここでは、第1特図保留記憶部又は第2特図保留記憶部に保留データを格納することで、未だ開始されていない(実行が保留されている)特図ゲーム(特に、特図ゲームに関する情報。ここでは、保留データ)が保留記憶として記憶される。
(特別図柄通常処理:ステップS110)
特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。特別図柄通常処理において、CPU103は、第2特図保留記憶数が「0」以外であるときに、第2特図ゲームを実行するため、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す。読み出された数値データは、RAM102の変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶される。この場合、第2特図保留記憶数を1減算させ、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを1エントリずつ上位にシフトさせる。このときには、RAM102に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」(今回実行される特図ゲームが第2特図ゲームであることを示す値)に更新する。
第2特図保留記憶数が「0」であるときには、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第1特図ゲームを実行するため、第1特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す。読み出された数値データは、変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶される。この場合、第1特図保留記憶数を1減算し、第2特図保留記憶部のときと同様に第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。また、変動特図指定バッファ値を「1」(今回実行される特図ゲームが第1特図ゲームであることを示す値)に更新する。上記一連の処理により第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行される。
変動特図指定バッファ値の更新後には、特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)を、抽選により、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(大当り抽選)。一例として、ROM101に用意された第1特図表示結果決定テーブル(非確変状態のときに参照される)又は第2特図表示結果決定テーブル(確変状態のときに参照される)が参照される。確変状態か否かは、RAM102に設けられた確変フラグの状態で特定される。確変フラグは、確変状態のときにオンとなるフラグである。各特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR1に基づいて、第1又は第2特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定する(乱数値に合致する決定値に割り当てられた決定結果を今回の決定結果とする。)。なお、CPU103は、確変状態のときには、確変状態でないときよりも高い決定割合で特図表示結果を「大当り」に決定する。「抽選」とは、前記のように乱数値とテーブルとを用いて決定結果をランダムに決定する方法などをいう。
CPU103は、ステップS239の抽選により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する。「大当り」の場合、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットし、大当り種別(「確変」又は「非確変」)を抽選により決定する。当該抽選では、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR2と、「確変」及び「非確変」を決定結果とするテーブル(ROM101に用意されている)と、が用いられる。「確変」、「非確変」それぞれの決定割合は任意である(例えば、「確変」を60%、「非確変」を40%とする)。その後、CPU103は、RAM102に設けられた大当り種別バッファに、決定した大当り種別を格納する。
特図表示結果が「大当り」ではない場合や、大当り種別を格納した場合、今回実行する特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄を決定する。具体的には、大当りフラグがオフのときには、ハズレ図柄(「−」)を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがオンのときには、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じた大当り図柄(「6」(非確変)又は「7」(確変))を確定特別図柄に決定する。その後、特図プロセスフラグの値を「1」に更新し、特別図柄通常処理を終了する。
第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には、デモ表示設定を行ってから、特別図柄通常処理を終了する。デモ表示設定では、客待ちデモ指定コマンド(デモ画面を表示することを指定するコマンド)が送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。
(変動パターン設定処理:ステップS111)
変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する。そして、大当りフラグがオンである場合には、大当り時の変動パターンを抽選により決定する。一方、大当りフラグがオフである場合には、ハズレ時の変動パターンを抽選により決定する。変動パターンは、特図変動時間や飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
図5は、この実施の形態で使用される変動パターンを示している。この実施の形態では、ハズレ時の変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。また、大当り時の変動パターンとして、PB3−2〜PB3−4がある。
PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間及び停止図柄表示時間が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターン(時短時に選択されるパターン)である。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチ(発展無し)の実行を指定し、PA3−3、PB3−3は、スーパーリーチAの実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、スーパーリーチBの実行を指定する。
大当り時の変動パターンの抽選、ハズレ時の変動パターンの抽選では、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3が使用される。また、大当り時の変動パターンの抽選では、図6の決定割合を実現するテーブル(ROM101に用意される)が使用され、PB3−2〜PB3−4のいずれかを今回の変動パターンに決定(選択)する。また、非時短時でハズレ時の変動パターンの抽選では、図7(A)の決定割合を実現するテーブル(ROM101に用意される)が使用され、PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンに決定(選択)する。また、時短時でハズレ時の変動パターンの抽選では、図7(B)の決定割合を実現するテーブル(ROM101に用意される)が使用され、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンに決定(選択)する。時短状態(時短時)であるか否かは、RAM102に設けられ、時短状態のときにオンになる時短フラグの状態により特定される。
図6及び図7を参照すると、変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(発展無し)の順で大当り期待度が高い。また、時短状態のときには、特図変動時間が短いPA2−1(図5参照)が選択されるので、時短状態のときには、平均的な特図変動時間が非時短状態のときよりも短くなる。
上記抽選後には、今回決定した変動パターンに応じた特図変動時間(図5参照)に応じたタイマ初期値をRAM102の所定のタイマに設定する。その後、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4Aに送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第2特別図柄表示装置4Bに送信する。これにより、特図ゲームが開始される。
その後、特図ゲームの実行開始時のコマンドとして変動開始時コマンド(上記決定結果、1減算後の第1又は第2特図保留記憶数などを指定する各種コマンド)の送信設定が行われる。変動開始時コマンドは、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1特図保留記憶数減算指定コマンドを含み、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第2特図保留記憶数減算指定コマンドを含む。その後、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから、変動パターン設定処理を終了する。
(特別図柄変動処理:ステップS112)
特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。CPU103は、上記所定のタイマのタイマ値を1減じ、減じた後のタイマ値が0になったか(特図変動時間が経過したか)を判定し、0になっていないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。前記タイマ値が0になったときには、可変表示結果の導出タイミングとなったので、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、上記で決定した今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」は「−」、「非確変」は「6」、「確変」は「7」)を停止表示(導出)させ、当該可変表示結果の図柄を表示する期間(予め定められた期間)に対応するタイマ値を上記所定のタイマに初期値として設定し、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
(特別図柄停止処理:ステップS113)
特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。CPU103は、上記所定のタイマのタイマ値を1減じ、減じた後のタイマ値が0になったか(停止図柄の表示時間が経過したか)を判定し、0になってない場合には、本処理を終了する(なお、可変表示結果の図柄の表示を維持する駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給してもよい)。所定のタイマのタイマ値が0になっている場合であって、大当りフラグがオン(大当り時)のときは、時短フラグ、確変フラグなどをリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。所定のタイマのタイマ値が0になっている場合(つまり、停止図柄表示時間での可変表示結果の表示が終了した場合)であって、大当りフラグがオフ(ハズレ時)で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の特図ゲームが実行されたかを判定し(RAM102に設けられた時短回数カウンタにより特図ゲームの回数をカウントする)、所定回数の特図ゲームが実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし(この場合に、時短フラグをオフにしたあとの遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行ってもよい)、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。所定のタイマのタイマ値が0になっている場合(つまり、停止図柄表示時間での可変表示結果の表示が終了した場合)であって、「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の特図ゲームが未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
(大当り開放前処理:ステップS114)
大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。CPU103は、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間(RAM102に設けられたタイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
(大当り開放中処理:ステップS115)
大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンになった回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。このとき、終了させるラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)には、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「7」に更新する処理を行って、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
(大当り開放後処理:ステップS116)
大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
(大当り終了処理:ステップS117)
大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、最後のラウンド遊技終了時からの経過時間が予め設定されているエンディング待ち時間(演出制御基板12で実行されるエンディングの実行時間に対応する時間)に達したか、つまり、エンディング待ち時間が終了したかを判定する。エンディング待ち時間が終了していないときには、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。エンディング待ち時間が終了した場合には、エンディングが終了するので、今回の大当り種別が「確変」であるかを判定する。大当り種別は、大当り種別バッファに格納されている。大当り種別が「確変」である場合、確変フラグをオン状態にセットする。また、大当り種別に係わらず、時短回数カウンタに初期値(時短状態において実行可能な特図ゲームの回数、例えば、100)を設定するとともに(時短回数カウンタのカウント値は、例えば、特別図柄停止処理ごとに1減算される。これにより、時短状態において実行される特図ゲームの回数がカウントされ、時短状態において実行可能な所定回数の特図ゲームが実行されたかを判定できる)、時短フラグをオン状態にする。その後、大当りフラグをオフし、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して、本処理を終了する。
(その他)
上記一連の処理において、ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。また、特図プロセスフラグの値を“0”に更新するときは、1回の特図ゲーム等が終了したことになるので、タイマ、各種フラグの状態などの各種データ(次の特図ゲームに持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
演出制御基板12の演出制御用CPU120は、演出制御メイン処理を実行する。この処理は、所定期間(例えば10ミリ秒)ごとに供給される図示しないCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(10ms)ごと)に実行される。また、演出制御用CPU120は、演出制御メイン処理とは別に、I/O125の所定の入力ポートから演出制御コマンドを受信したときには、当該演出制御コマンドを受信コマンドとして例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。
演出制御メイン処理は、演出制御コマンド解析等処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数処理を含む。演出制御用CPU120は、演出制御コマンド解析等処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンドを読み出して解析して当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、解析により特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う(詳細は後述)。演出制御プロセス処理は、演出制御コマンドに応じて演出の実行を表示制御部123に指示する処理(演出の実行の有無や演出の態様の決定を含む。)である(詳細は後述)。演出用乱数更新処理は、演出制御に用いる演出用乱数値をソフトウェアにより更新する処理である。
(演出制御コマンド解析等処理)
演出制御用CPU120は、演出制御コマンド解析等処理において、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析して(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。受信コマンドが複数の場合には、それぞれのコマンドについて演出制御コマンド解析等処理を行う。
例えば、受信した(特定された)演出制御コマンドが、第1変動開始指定コマンド、第2変動開始指定コマンド、図柄確定指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、第2特図保留記憶数加算指定コマンド、第1特図保留記憶数減算指定コマンド、又は、第2特図保留記憶数減算指定コマンドである場合には、各コマンドに対応してRAM122に設けられた各受信フラグのうち、当該コマンドに対応する受信フラグをオンにする。例えば、受信した演出制御コマンドが第1変動開始指定コマンドであれば、第1変動開始指定コマンド受信フラグをオンにする。
受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンドである場合には、各コマンドに対応してRAM122に設けられた各コマンド格納領域のうち、当該コマンドに対応する格納領域に当該コマンドを格納する。例えば、受信した演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドであれば、変動パターン指定コマンド格納領域に、当該変動パターン指定コマンドを格納する。
上記各受信フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、演出制御プロセス処理での受信確認等で使用される。これらのコマンドは、適宜のタイミング(対象のコマンドの受信確認等がそれ以降必要なくなったタイミング等)でリセット又は消去されるものとする。
また、受信した演出制御コマンドが、第1特図保留記憶数加算指定コマンドのときには、第1保留表示画像を1つ増やす指示を表示制御部123に供給する。受信した演出制御コマンドが、第2特図保留記憶数加算指定コマンドのときには、第2保留表示画像を1つ増やす指示を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、第1保留表示画像又は第2保留表示画像を1つ増やす表示制御を行う。
受信した演出制御コマンドが、客待ちデモ指定コマンドである場合、デモ画像を表示する画像系演出であるデモ演出の実行指示を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、当該実行指示を受け、デモ演出を実行する。
(演出制御プロセス処理)
演出制御プロセス処理(図8参照)では、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、「0」である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。なお、以下では、特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して、可変表示ともいう(特図ゲームと飾り図柄の可変表示は同期しており、両者を1つものと捉えることができる)。
(可変表示開始待ち処理:ステップS170)
可変表示開始待ち処理は、RAM122に設けられた演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。演出制御用CPU120は、変動開始時コマンド(第1又は第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数減算指定コマンド)を受信しているかを判定する。当該受信の判定(受信確認)は、対応する受信フラグがオンになっているか否か、又は、対応する格納領域にコマンドが格納されているか否かにより行う。例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグがオンのときには、第1変動開始指定コマンドを受信したと判定できる。例えば、変動パターン指定コマンド格納領域にコマンドが格納されているときには、変動パターン指定コマンドを受信したと判定できる。このようなことは、以下でも同じである。上記コマンドを受信していない場合、変動開始時コマンドの受信が未だ無いとして当該処理を終了する。上記コマンドを受信している場合、変動開始時コマンドを受信しているとして、飾り図柄の可変表示を開始すべく、演出プロセスフラグの値を「1」に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
(可変表示開始設定処理:ステップS171)
可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図9は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御用CPU120は、今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターン)及び今回の可変表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果)に基づいて、最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定する(ステップS321)。なお、最終停止図柄は、例えば、変動パターンと可変表示結果との組み合わせに応じて予め用意されており、抽選等により決定される(乱数値は、乱数回路124又は演出用乱数更新処理で更新される演出用乱数値のいずれかを使用する)。
ステップS321のあとは、今回の変動パターンがリーチを指定する変動パターン(PA3−2〜3−4、PB3−2〜3−4、リーチパターンともいう。)であるかを判定する(ステップS322)。今回の変動パターンがリーチを指定する変動パターンである場合には(ステップS322;Yes)、アクティブ表示の最終色を抽選により決定する(ステップS323)。アクティブ表示は、上述のように複数回変化可能であり、当該最終色は、アクティブ表示の表示期間における最後の表示色(少なくとも表示終了時における表示色)である。アクティブ表示の表示色としては、「虹」、「金」、「赤」、「緑」、「青」があり、どの表示色も最終色になり得る。なお、「青」は、アクティブ表示の表示色として通常の色として設定された表示色であり、第1保留表示画像及び第2保留表示画像の表示色、かつ、アクティブ表示の表示開始時に必ず表示される色でもある。
最終色を決定する抽選では、前記演出用乱数値のうちの乱数値SR1と、図10の決定割合を実現するように構成された第1テーブル(ROM121に用意され、今回の可変表示結果が「大当り」のときに参照される)又は第2テーブル(ROM121に用意され、今回の可変表示結果が「ハズレ」のときに参照される)と、が使用され、アクティブ表示の最終色が「虹」、「金」、「赤」、「緑」、「青」のいずれかに決定(選択)される。第1テーブル及び第2テーブルでは、乱数値SR1と比較される決定値が、決定結果となるアクティブ表示の最終色(「虹」、「金」、「赤」、「緑」、「青」)に割り当てられている。
図10に示すように、「虹」は、大当り時にのみ選択される。また、「金」、「赤」、「緑」、「青」を比較すると、大当り時の決定割合が「金」>「赤」>「緑」>「青」の順で高く、ハズレ時の決定割合がその逆になっている。つまり、そのアクティブ表示に対応する可変表示の大当り期待度は、「虹」(大当り確定)>「金」>「赤」>「緑」>「青」の順で高い(アクティブ表示は、大当り期待度が異なる「虹」、「金」、「赤」、「緑」、「青」の複数段階の表示色を有する)。
ステップS323において、アクティブ表示の最終色が「青」に決定された場合、当該「青」は、上述のように通常の色(最初の表示色)であるので、アクティブ表示の表示色は変化しないことになる。従って、アクティブ表示の最終色が「青」のときには、アクティブ表示の表示色を変化させる変化演出は実行されず、アクティブ表示の最終色が「青」以外のときに、アクティブ表示の表示色を変化させる変化演出が実行される。このため、ステップS323のあとは、当該ステップS323でアクティブ表示の最終色を「青」に決定したかを判定し(ステップS324)、「青」でない場合には(ステップS324;No)、アクティブ表示の変化演出を実行するため、当該変化演出の実行パターンを抽選により決定(選択)する(ステップS325)。変化演出の実行パターンは、1つのアクティブ表示に対して実行される、1回又は複数回の変化演出の実行パターンを示すものである。
ここで、変化演出の実行パターンを説明する。変化演出の実行パターンとしては、A1−1〜A1−2、A2−1〜A2−2、A3−1、B1−1〜B1−2、B2−1〜B2−6、B3−1〜B3−7、及び、B4−1〜B4−3(図11〜図13)が用意されている。
変化演出の各実行パターンでは、タイミングT1〜T7それぞれについて、変化演出の実行の有無及びその変化演出の実行態様が規定されている。タイミングT1〜T3は、ノーマルリーチの実行期間内に設けられたタイミングである(図14参照)。タイミングT1〜T3では、第1変化演出の実行が開始される。タイミングT4〜T7は、スーパーリーチの実行期間内に設けられたタイミングである(図14参照)。タイミングT4〜T7では、第2変化演出の実行が開始される。第1変化演出は、1回実行されるごとにアクティブ表示の表示色を変化させる(図17参照)。第2変化演出は、複数回実行されることによりアクティブ表示の表示色を変化させる(図18、図19参照)。具体的に、第2変化演出は、実行されるごとにポイント(Pt)を加算し、累積ポイントが100ポイントとなったときに、アクティブ表示の表示色を変化させる。累積ポイントは、画像として表示されるメータMにより表される(図18、図19参照)。従って、第2変化演出は、メータMを満タンに変化させたことに基づいてアクティブ表示の表示色を変化させる演出であるとも言える。ここでは、変化演出は、アクティブ表示の表示色を変化させる際、変化前の表示色を、当該変化前の表示色よりも大当り期待度の順位が1つ上位の表示色(次の段階)に変化させる(変化前が「青」なら「緑」に変化させ、変化前が「緑」なら「赤」に変化させ、変化前が「赤」なら「金」に変化させ、変化前が「金」なら「虹」に変化させる)。
変化演出の各実行パターンの具体例は、図11〜図13の通りである。図11〜図13におけるタイミングT1〜T7の各欄における「−」は、変化演出が実行されないことを示す。図11におけるタイミングT1〜T3の各欄における「青→緑」等の色を含む記載は、第1変化演出が実行されることと、第1変化演出によって変化するアクティブ表示の表示色を示す。「→」の左側の色が、第1変化演出実行前の表示色であり、「→」の右側の色が、第1変化演出により変化した後の表示色である。図12〜図13におけるタイミングT4〜T7の各欄における「+30Pt(→30Pt)」等のポイント(Pt)加算の記載は、第2変化演出が実行されることと、第2変化演出によって加算されるポイント数(「+30Pt」)及び加算後の累積ポイント数(「(→30Pt)」)と、を示す。累積ポイント数が100Ptで(「(→100Pt)」)、メータMを満タンにする場合、アクティブ表示の表示色を変化させる。表示色の変化は、タイミングT1〜T3のときと同様に「緑→赤」等により表される(左側の色が変化前の表示色、右側の色が変化後の表示色)。
例えば、変化演出の実行パターンA2−1は、タイミングT1で、アクティブ表示の表示色を「青」から「緑」に変化させる第1変化演出を実行し、タイミングT2で、アクティブ表示の表示色を「緑」から「赤」に変化させる第1変化演出を実行し、タイミングT3では第1変化演出を実行しないことを指定する。
例えば、変化演出の実行パターンB2−1は、タイミングT1で、アクティブ表示の表示色を「青」から「緑」に変化させる第1変化演出を実行し、タイミングT2及びT3では第1変化演出を実行せず、タイミングT4では、30ポイントを加算する第2変化演出を実行し(累積ポイントは30ポイント)、タイミングT5では、70ポイントを加算し(累積ポイントを100ポイントにする)、メータMを満タンにしてアクティブ表示の表示色を「緑」から「赤」に変化させる第2変化演出を実行し(累積ポイントは、その後0ポイントにリセットされる)、タイミングT6では、30ポイントを加算する第2変化演出を実行し(累積ポイントは30ポイント)、タイミングT7では、30ポイントを加算する第2変化演出を実行する(累積ポイントは60ポイント)。
例えば、変化演出の実行パターンB2−2は、タイミングT1で、アクティブ表示の表示色を「青」から「緑」に変化させる第1変化演出を実行し、タイミングT2及びT3では第1変化演出を実行せず、タイミングT4では、30ポイントを加算する第2変化演出を実行し(累積ポイントは30ポイント)、タイミングT5では、30ポイントを加算する第2変化演出を実行し(累積ポイントは60ポイント)、タイミングT6では、第2変化演出を実行せず、タイミングT7では、40ポイントを加算し(累積ポイントを100ポイントにする)、メータMを満タンにしてアクティブ表示の表示色を「緑」から「赤」に変化させる第2変化演出を実行する(累積ポイントは、その後0ポイントにリセットされる)。
タイミングT1〜T7を、図14に示す。上述のように、リーチ成立後のノーマルリーチの実行期間内にタイミングT1〜T3(第1変化演出の実行タイミング)が設定されている。また、スーパーリーチ発展後のスーパーリーチの実行期間内にタイミングT4〜T7(第2変化演出の実行タイミング)が設定されている。図14におけるメータ表示期間は、第2変化演出でたまる累積ポイントを表すメータM(図18、図19等)の表示期間であり、この実施の形態では、スーパーリーチの開始タイミング(スーパーリーチへの発展時)から最終停止図柄煽り期間の開始タイミングまでの期間である。最終停止図柄煽り期間は、最後に停止する飾り図柄が、大当り組合せを構成する図柄となるか否かを煽る期間である(ここでは、最終停止図柄煽り期間の開始により、アクティブ表示の表示も終了する)。例えば、「7」でリーチが成立している(飾り図柄表示エリア5L、5Rに「7」が停止しているとき)ときに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおいて、飾り図柄の「7」が停止するか、「6」が停止するかを、「7」と「6」とを交互に表示する等して煽る期間である。メータMは、スーパーリーチの期間のうち、最終停止図柄煽り期間以外の期間において表示される。
ステップS325の抽選で変化演出の実行パターンを決定する際には、前記演出用乱数値のうちの乱数値SR1と、図11〜図13の第1決定例から第7決定例それぞれの決定割合を実現するように構成された第1〜第7テーブル(乱数値SR1と比較される決定値が決定結果としての変化演出の実行パターンに割り当てられたテーブルであって、ROM121に用意される。)のうちの1つと、が使用される。
図11(A)の第1決定例の決定割合を実現する第1テーブルは、今回の変動パターンがノーマルリーチの実行(スーパーリーチへの発展無し)を指定するPA3−2、又は、PB3−2で、今回のアクティブ表示の最終色(ステップS323で決定された最終色)が「緑」のときに参照される。このときには、変化演出の実行パターンがA1−1〜A1−2のいずれかに決定(選択)される。実行パターンA1−1〜A1−2により、アクティブ表示の最終色は「緑」となる(ステップS323の決定結果に合う)。
図11(B)の第2決定例の決定割合を実現する第2テーブルは、今回の変動パターンがPA3−2、又は、PB3−2で、今回のアクティブ表示の最終色が「赤」のときに参照される。このときには、変化演出の実行パターンがA2−1〜A2−2のいずれかに決定(選択)される。実行パターンA2−1〜A2−2により、アクティブ表示の最終色は「赤」となる(ステップS323の決定結果に合う)。
図11(C)の第3決定例の決定割合を実現する第3テーブルは、今回の変動パターンがPA3−2、又は、PB3−2で、今回のアクティブ表示の最終色が「金」のときに参照される。このときには、変化演出の実行パターンがA3−1に決定(選択)される。実行パターンA3−1により、アクティブ表示の最終色は「金」となる(ステップS323の決定結果に合う)。
図12(A)の第4決定例の決定割合を実現する第4テーブルは、今回の変動パターンが、スーパーリーチA又はBの実行(スーパーリーチへの発展有り)を指定するPA3−3、PA3−4、PB3−3、又は、PB3−4で、今回のアクティブ表示の最終色が「緑」のときに参照される。このときには、変化演出の実行パターンがB1−1〜B1−2のいずれかに決定(選択)される。実行パターンB1−1〜B1−2により、アクティブ表示の最終色は「緑」となる(ステップS323の決定結果に合う)。
図12(B)の第5決定例の決定割合を実現する第5テーブルは、今回の変動パターンがPA3−3、PA3−4、PB3−3、又は、PB3−4で、今回のアクティブ表示の最終色が「赤」のときに参照される。このときには、変化演出の実行パターンがB2−1〜B2−6のいずれかに決定(選択)される。実行パターンB2−1〜B2−6により、アクティブ表示の最終色は「赤」となる(ステップS323の決定結果に合う)。
図13(A)の第6決定例の決定割合を実現する第6テーブルは、今回の変動パターンがPA3−3、PA3−4、PB3−3、又は、PB3−4で、今回のアクティブ表示の最終色が「金」のときに参照される。このときには、変化演出の実行パターンがB3−1〜B3−7のいずれかに決定(選択)される。実行パターンB3−1〜B3−7により、アクティブ表示の最終色は「金」となる(ステップS323の決定結果に合う)。
図13(B)の第7決定例の決定割合を実現する第7テーブルは、今回の変動パターンがPA3−3、PA3−4、PB3−3、又は、PB3−4で、今回のアクティブ表示の最終色が「虹」のときに参照される。このときには、変化演出の実行パターンがB4−1〜B4−3のいずれかに決定(選択)される。実行パターンB4−1〜B4−3により、アクティブ表示の最終色は「虹」となる(ステップS323の決定結果に合う)。
図11〜図13では、各テーブルでの変化演出の実行パターンの決定割合が各テーブルにおいて均等になっている。従って、大当り期待度は、アクティブ表示の最終色に依存し、実行パターンの内容には依存しない。
また、この実施の形態では、アクティブ表示の表示色を、最も大当り期待度が低い「青」から、大当り期待度が下から2番目に低い「緑」に変化させる際には、第1変化演出のみが用意されている。つまり、第2変化演出では、アクティブ表示の表示色を「青」から「緑」に変化させることはない。また、アクティブ表示の表示色を、大当り期待度が2番目に高い「金」から、大当り期待度が最も高い「虹」に変化させる際には、第2変化演出のみが用意されている。つまり、第1変化演出では、アクティブ表示の表示色を「金」から「虹」に変化させることはない。このような関係を図15に示す。
図9に戻り、ステップS325で変化演出の実行パターンを決定した後(ステップS325で選択した実行パターンに従った変化演出を実行すると決定した後)、今回の変動パターンがリーチパターンでない場合(ステップS322;No)、アクティブ表示の最終色が「青」である場合(ステップS324;No)、リーチ演出等の他の画像系演出の実行の有無や、実行する画像系演出の態様等を決定する(ステップS326)。例えば、ROM121に予め用意された各種テーブルと、演出用乱数値のうちの任意の乱数値と、を用いた抽選により、予告演出(大当り期待度を予告する演出)等の各種演出の実行の有無やその態様等を決定する。このとき、今回の可変表示結果や変動パターン等に応じて異なるテーブルを参照することにより、予告演出等の実行の有無やその態様に応じて大当り期待度(スーパーリーチの実行期待度等も含む)を異ならせる。また、今回の変動パターンがリーチパターンである場合には、その変動パターンが指定するリーチ演出(最終停止図柄を構成する飾り図柄でリーチを成立させたときのリーチ演出)を実行すると決定する(PA4−3であれば、ノーマルリーチ及びノーマルリーチから発展するスーパーリーチAを実行すると決定する)。
その後、演出制御用CPU120は、ステップS322で実行すると決定した画像系演出(リーチ演出、予告演出、変化演出等)の開始タイミング(実行する演出と変動パターンとの関係で予め決められている)を設定する(ステップS327)。変化演出の開始タイミングは、ステップS325で抽選により決定された変化演出の実行パターンにより規定される。ステップS327において、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、演出制御プロセスタイマ(RAM122に設けられ、可変表示の実行開始からの経過時間等を計測するためのタイマ)に初期値として設定するとともに、実行すると決定した画像系演出の種類や態様等を特定する演出特定データと、当該画像系演出の実行開始タイミングを演出制御プロセスタイマのタイマ値との比較により示す実行タイミング特定タイマ値(実行する画像系演出と変動パターン(特図変動時間)との関係で予め設定されている。)と、を、対応付けてRAM122のタイマ値格納領域に格納する。例えば、今回の変化演出の実行パターンがB2−2であれば、(1)アクティブ表示の表示色を「青」から「緑」に変化させる態様の第1変化演出を特定する演出特定データと、タイミングT1に対応する実行タイミング特定タイマ値と、を対応付けて格納し、(2)30ポイントを加算して累積ポイントを30ポイントとする(メータMで表される累積ポイントを30ポイントに変化させる)態様の第2変化演出を特定する演出特定データと、タイミングT4に対応する実行タイミング特定タイマ値と、を対応付けて格納し、(3)30ポイントを加算して累積ポイントを60ポイントとする(メータMで表される累積ポイントを60ポイントに変化させる)態様の第2変化演出を特定する演出特定データと、タイミングT5に対応する実行タイミング特定タイマ値と、を対応付けて格納し、(4)40ポイントを加算して累積ポイントを100ポイントとしてメータMを満タンにし、アクティブ表示の表示色を「緑」から「赤」に変化させるとともに累積ポイントを0ポイントにリセットする(メータMを空にする)態様の第2変化演出を特定する演出特定データと、タイミングT7に対応する実行タイミング特定タイマ値と、を対応付けて格納する。このように、演出制御用CPU120は、抽選により決定した変化演出の実行パターンに従って変化演出を実行するよう、演出特定データと実行タイミング特定タイマ値とをタイマ値格納領域に格納する。演出制御用CPU120は、実行すると決定した画像系演出が複数有る場合には、各画像系演出について、演出特定データと実行タイミング特定タイマ値とをタイマ値格納領域に格納する。
その後、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンが指定する態様かつ上記で決定した最終停止図柄を導出する飾り図柄の可変表示(画像系演出)の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部123に供給する(ステップS328)。表示制御部123は、当該実行指示を受け、飾り図柄の可変表示を開始させる(これ以降、表示制御部123は、演出制御用CPU120とは別個に飾り図柄の可変表示を実行する。他の演出についても表示制御部123が演出制御用CPU120とは別個に実行する。)。
そして、今回第1変動開始指定コマンドを受信している場合、第1保留表示画像を1つ減らす指示を表示制御部123に供給し、今回第2変動開始指定コマンドを受信している場合、第2保留表示画像を1つ減らす指示を表示制御部123に供給する(ステップS329)。これにより、画像表示装置5の画面では、第1保留表示画像を1つ減らす場合には、最も右の第1保留表示画像が表示エリア5HCに移動してアクティブ表示として表示され、他の第1保留表示画像が右に1つずつシフトし、第2保留表示画像を1つ減らす場合には、最も左の第2保留表示画像が表示エリア5HCに移動してアクティブ表示として表示され、他の第2保留表示画像が左に1つずつシフトする。第1保留表示画像及び第2保留表示画像は、例えば、青色をしており、アクティブ表示は、表示開始時(表示エリア5HCに移動した直後)に青色(通常の表示色)で表示される。その後、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS330)、可変表示開始設定処理を終了する。
(可変表示中処理:ステップS172)
可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。図16は、可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、減じたあとのタイマ値が0であるか否かを判定することで、今回の変動パターンに対応した特図変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。
タイマ値が0でない場合、つまり、特図変動時間(飾り図柄の可変表示の実行期間でもある)が経過していない場合(ステップS551;No)、現在が第1変化演出の開始タイミングであるかを判定する(ステップS552)。ここでは、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が上記のタイマ値格納領域に格納されており、かつ、当該実行タイミング特定タイマ値に対応する演出特定データが第1変化演出を特定しているときに、現在が第1変化演出の開始タイミングであると判定する。第1変化演出の開始タイミングである場合(ステップS552;Yes)、演出特定データが特定する態様の第1変化演出の実行開始指示を表示制御部123に供給する(ステップS553)。表示制御部123は、当該指示に応じた態様の第1変化演出の実行を開始する。
現在が第1変化演出の開始タイミングでない場合(ステップS552;No)、ステップS553のあとは、現在が第2変化演出の開始タイミングであるかを判定する(ステップS554)。ここでは、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が上記のタイマ値格納領域に格納されており、かつ、当該実行タイミング特定タイマ値に対応する演出特定データが第2変化演出を特定しているときに、現在が第2変化演出の開始タイミングであると判定する。第2変化演出の開始タイミングである場合(ステップS554;Yes)、演出特定データが特定する態様の第2変化演出の実行開始指示を表示制御部123に供給する(ステップS555)。表示制御部123は、当該指示に応じた態様の第2変化演出の実行を開始する。
現在がステップS327で設定した他の画像系演出(今回の可変表示で実行すると決定した演出)の開始タイミングであるかを判定する(ステップS557)。ここでは、当該判定を、上記のタイマ値格納領域に格納されている実行タイミング特定タイマ値が、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致するか判定することにより行う。上記のタイマ値格納領域に、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が格納されている場合には、対応する画像系演出(スーパーリーチなどを含む)の開始タイミングであるので(ステップS557;Yes)、当該タイマ値に対応して当該タイマ値格納領域に格納されている演出特定データが特定する画像系演出の実行開始指示を表示制御部123に供給する(ステップS558)。表示制御部123は、当該実行指示を受け、演出特定データが特定する画像系演出を開始させる。なお、表示制御部123は、複数の画像系演出それぞれを異なるレイヤーで別個に実行する(背景画像は、最後尾のレイヤーに表示する)。なお、実行されるスーパーリーチには、最終停止図柄煽り期間が含まれる。
画像系演出の実行開始タイミングでない場合(ステップS557;No)、ステップS558のあとは、可変表示中処理を終了する。
ステップS551において、タイマ値が0である場合、つまり、特図変動時間が経過した場合(ステップS551;Yes)、主基板11からの図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中処理を終了する。
図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、最終停止図柄の導出タイミングとなったので、表示制御部123に最終停止図柄(確定飾り図柄)の導出を指示する(ステップS572)。表示制御部123は、当該実行指示を受け、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の可変表示を終了させて確定飾り図柄(可変表示結果)を導出させる。その後、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマに設定する(ステップS573)。その後、演出プロセスフラグの値を 「3」に更新し(ステップS576)、可変表示中処理を終了する。
(特図当り待ち処理:ステップS173)
特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から当り開始指定コマンドを受信しているかを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信している場合には、「大当り」が発生したことになるので、大当り中演出(ファンファーレを含む。)の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、当該実行指示を受け、ファンファーレを含む大当り中演出(画像系演出)を開始させる。そして、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
一方で、当り開始指定コマンドの受信がまだないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。具体的には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。
(当り中処理:ステップS174)
当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。当り中処理において、演出制御用CPU120は、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、本処理を終了する。当り終了指定コマンドを受信している場合、エンディングの実行指示(実行開始の指示)を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、当該実行指示を受け、エンディング(画像系演出)を開始させる。また、エンディングの演出実行時間(エンディング待ち時間)に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマに設定し、演出プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
(エンディング処理:ステップS175)
エンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。エンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合には、本処理を終了する。タイマ値が「0」のときは、エンディング待ち時間が経過し、エンディングが終了したことになるので、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。
(その他)
なお、上記一連の処理(ステップS170〜S175)において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、1回の可変表示等が終了したことになるので、演出制御プロセスタイマや、各種フラグの状態やカウンタの値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(第1変化演出実行時の画面例)
図17に示すように、ノーマルリーチの実行中に第1変化演出が実行される。第1変化演出は、星Gが表示エリア5HCに表示されているアクティブ表示Xに向かって移動して衝突(作用)し(図17(A)〜(B))、アクティブ表示の表示色を変化させる(図17(C)。図17では、「青」を「緑」に変化させる)演出である。表示色の変化までが、第1変化演出である(変化後の表示色はその後も維持される)。
第1変化演出の演出態様は、実行タイミング等によらず基本的には共通である(アクティブ表示の変化後の表示色は変化演出の実行パターンに応じて異なることがあるが、星Gの移動経路等は共通である)。
(第2変化演出実行時の画面例)
図18及び図19は、スーパーリーチAにて実行される第2変化演出の実行例の図である。スーパーリーチAへの発展後、画像表示装置5にはミニゲーム表示領域Z及びメータMが表示され(図18(A))、第2変化演出は、当該ミニゲーム表示領域Zにおいて実行されるミニゲームを含む。なお、ミニゲーム表示領域Z及びメータMは、図14のメータ表示期間において表示される(第2変化演出が実行されていないときも表示される)。ミニゲーム表示領域Z及びメータMは、第2変化演出の実行期間中にのみ表示され、第2変化演出の実行期間以外の期間には表示しないようにしてもよい。スーパーリーチAは、ここでは、種々の惑星が背景として表示され、図示しないキャラクター等が登場する演出である。第2変化演出の実行開始タイミングが到来すると、ミニゲーム表示領域Zにおいて、第2変化演出が開始される。第2変化演出では、ロケットRが登場し(図18(B))、当該ロケットRが当該ロケットRの進行を妨げる障害物(図示せず)を破壊するミニゲームが行われ、障害物の破壊によりポイントが加算される(図18(C)、「+30Pt」の画像が表示される)。当該ポイントは、メータMが表す累積ポイントに加算される。ここでは、「+30Pt」の画像が表示されたことに基づいて、メータMの累積ポイントが変化する。累積ポイントが100Pt未満でメータMが満タンにならない場合、当該第2変化演出はポイントの加算により終了する(アクティブ表示の表示色は変化しない)。
その後、第2変化演出が再度実行される。再度の第2変化演出の実行開始タイミングが到来すると、ミニゲーム表示領域Zにおいて、第2変化演出が開始される。第2変化演出では、ロケットRが登場し(図19(D))、当該ロケットRが障害物を破壊するミニゲーム(図示せず)が行われ、障害物の破壊によりポイントが加算される(図19(E)、「+70Pt」の画像が表示される)。ここでは、このポイント加算により、累積ポイントが100Ptに達しメータMが満タンになるので、当該満タンに基づいて、アクティブ表示の表示色を変化させる(図19(F)。ここでは「赤」から「金」に変化させる)。ここでは、当該表示色の変化までが、第2変化演出である(変化後の表示色はその後も維持される)。ここでは、「+70Pt」の画像が表示されたことに基づいて、メータMの累積ポイントが変化し、メータMが満タンに変化する。なお、表示色の変化により(累積ポイントが100ポイントに到達したことにより)、累積ポイント(メータMにより表されるポイント)は、0にリセットされる。
第2変化演出の演出態様は、スーパーリーチの種類、実行タイミング等によらず基本的には共通である(アクティブ表示の変化後の表示色、加算されるポイントは変化演出の実行パターンに応じて異なることがあるが、ロケットRや障害物等は共通である)。
(実施形態上の効果等)
(効果1)
この実施の形態では、ノーマルリーチ中は第1変化演出を1回実行することでアクティブ表示の表示色を次の段階(次に大当り期待度が高い表示色)に変化させるが、スーパーリーチ中は第2変化演出を複数回実行することでアクティブ表示の表示色を変化させる。すなわち、変化演出の実行回数とアクティブ表示の表示色の変化との関係をノーマルリーチの期間かスーパーリーチの期間かで変化させることができ、これにより変化演出のバリエーションが増加するので、遊技の興趣を向上させることができる。
(効果2)
この実施の形態では、アクティブ表示の「青」のときには、第1変化演出を1回実行することでアクティブ表示の表示色を変化させることが可能であり、かつ、アクティブ表示が「緑」〜「金」のいずれかのときには、第2変化演出を複数回実行することでアクティブ表示の表示色を変化させることが可能である。すなわち、変化演出の実行回数とアクティブ表示の表示色の変化との関係を特定表示の表示色に応じて変化させることができ、これにより変化演出のバリエーションが増加するので、遊技の興趣を向上させることができる。
(効果3)
また、アクティブ表示の表示色を変化させるのに複数回の実行が必要な第2変化演出を用意することにより、変化演出の実行頻度が向上するので、遊技の興趣を向上させることができる。
(効果4)
また、大当り期待度が高い可変表示が実行される可能性は、一般に低い。このため、アクティブ表示の表示色を大当り期待度が高い「赤」、「金」、「虹」に変化させる変化演出の実行頻度は一般に低く、変化演出を従来のように1回の変化演出でアクティブ表示の表示色を変化させる演出とした場合には、多くの場合、アクティブ表示の表示色を比較的低い「緑」に変化させる変化演出が実行されてから、アクティブ表示の表示色をそれ以上の大当り期待度に変化させる変化演出が実行されにくい。従って、全体として変化演出の実行頻度が十分に得られない。この変化演出の実行頻度を高くするため、変化演出として所謂ガセの変化演出(変化演出が実行されるが、アクティブ表示やメータM等を含む何の変化も生じさせない演出)を用意してもよいが、この場合には、ガセの変化演出が頻発してしまい、逆に遊技の興趣が低下してしまう。この実施の形態では、メータMを変化させる第2変化演出を用意することで、遊技の興趣の低下を抑制するとともに、変化演出の実行頻度の向上により、遊技の興趣を向上させることができる。このような効果は、特に、第2変化演出が複数回実行されたにもかかわらず、アクティブ表示の表示色が変化しないパターン(B1−1、B1−2等)を設ける場合に言える(メータMは変化させることができるので、遊技の興趣の低下を防止できる)。また、第1変化演出を実行可能な期間よりも第2変化演出を実行可能な期間の方が後なので、第1変化演出でアクティブ表示の表示態様がある程度高くなってしまったとしても、第2変化演出を複数回実行することにより、変化演出の実行頻度を向上させることができ、遊技の興趣が向上する。
(効果5)
この実施の形態では、複数回の実行が必要な第2変化演出によって、アクティブ表示の表示色を、大当り期待度が最低である「青」から下から2番目の「緑」に変化させない(図15等)(第1変化演出では当該変化が可能である)。「緑」の大当り期待度は、「青」よりも高いが、その他の表示色よりも低い。このため、遊技者は、アクティブ表示の表示色が「緑」に変化したからといって、大当りに対する期待感をそれほど高く持たない。仮にアクティブ表示の表示色を「青」から「緑」に変化させる際に、第2変化演出のように変化演出を複数回行うようにすると、期待感が高くないものに対して変化演出が複数回行われることになり、演出実行が過剰になってしまう。この実施の形態では、1回の第1変化演出で「青」から「緑」に変化させることはあっても、第2変化演出で「青」から「緑」に変化させることはないので、前記過剰を防止できる。従って、遊技の興趣の低下を抑制できる。
(効果6)
この実施の形態では、第2変化演出によってアクティブ表示の表示色を、大当り期待度が2番目に高い「金」から最も高い「虹」に変化させるが、第1変化演出では、「虹」に変化させることはない。これにより、第1変化演出により早々にアクティブ表示の表示色が最高の大当り期待度になってしまうことを防止できる(遊技者の期待感を持続させることができる)。
(効果7)
また、この実施の形態では、第1変化演出と第2変化演出との両者により変化させることができるアクティブ表示の表示色がある。具体的には、アクティブ表示の表示色を「緑」から「赤」に変化させるとき、及び、「赤」から「金」に変化させるときに実行される変化演出は、第1変化演出でも第2変化演出でもよい。このようにアクティブ表示の表示色の変化態様(変化前後の色の関係)のうちの少なくとも一部について第1変化演出と第2変化演出との両者を実行可能とすることにより、変化演出の実行パターンのバリエーションが多くなるので、遊技の興趣が向上する。
(効果9)
また、アクティブ表示は、保留表示画像として表示されていたものであるが、変化演出は、アクティブ表示の表示中に実行されるので(つまり、保留されているときではなく、当該保留に対応する可変表示が実行されるときに実行されるので)、可変表示における遊技の興趣を向上させることができる。
(効果10)
また、第1変化演出と第2変化演出とで態様が異なるので、変化演出の演出効果が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。また、第2変化演出では、メータMが用いられ、メータMが満タンになることで、アクティブ表示の表示色を変化させるので、遊技者はメータMに注目し、遊技の興趣が向上する。さらに、メータM(メータMが表す累積ポイント)は、当該メータMに関連する「+30Pt」等の画像(ミニゲーム表示領域Zに表示される、ポイント付与を報知する画像)が表示されたことに基づいて変化するので、遊技者は、当該「+30Pt」等の画像に注目し、遊技の興趣が向上する。
(効果11)
また、この実施の形態では、アクティブ表示の表示色を変化させるまでに実行される第2変化演出の実行パターンを複数用意しているので(例えば、実行パターンB2−1、B2−2)、第2変化演出の実行パターンにバリエーションを持たせることができ、遊技の興趣が向上する。
(効果12)
第2変化演出を実行する際に使用される、ミニゲーム表示領域Z及びメータMが第2変化演出の実行時以外も表示されることで、第2変化演出が実行されるのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。また、ミニゲーム表示領域Z及びメータMが最終停止図柄煽り期間の到来時に消去されることで、ミニゲーム表示領域Z及びメータMが最終停止図柄としてどの図柄が停止するかの注目を邪魔してしまうことを防止できる。
(本明細書が開示する構成、上記実施形態の変形例)
以下、本明細書が開示する上記実施の形態の少なくとも一部を一例とする構成、上記実施形態の変形例を等説明する。以下の変形例の少なくとも一部は矛盾が生じない限り組み合わせることができる。なお、上記実施の形態の構成や下記の構成は、上記「発明が解決しようとする課題」等に係る構成であるか否かに関わらず、どの構成であっても省略できる(その場合には、別の発明となりうる)。
(1)可変表示(例えば、特図ゲーム等)を実行し、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、
可変表示に関する表示であって前記有利状態に制御される期待度が異なる複数段階の態様(例えば、表示色等)を有する特定表示(例えば、アクティブ表示)を表示する特定表示手段(例えば、演出制御用CPU120の指示に基づいてアクティブ表示を表示する表示制御部123等)と、
前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能な変化演出(例えば、変化演出等)を実行する変化演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120の指示に基づいて変化演出を実行する表示制御部123等)と、を備え、
前記変化演出実行手段は、所定期間(例えば、ノーマルリーチの実行期間等)において変化演出を1回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能であり(例えば、第1変化演出は1回実行されることでアクティブ表示の表示色を変化させる等)、前記所定期間とは異なる特定期間(例えば、スーパーリーチの実行期間等)において変化演出を複数回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能である(例えば、第2変化演出はポイントが100ポイントになるまで複数回実行されることでアクティブ表示の表示色を変化させる等)、
遊技機。
有利状態を、確変状態、時短状態等であってもよい。また、遊技機は、スロットマシン等であってもよく、この場合の有利状態は、例えば、AT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)、RT(リプレイタイム)などであってもよい。
特定表示は、第1又は第2保留表示画像等であってもよい。この場合、変化演出は、保留表示画像の態様(アクティブ表示と同じ表示色等であればよい。)を変化させる先読み保留表示予告であってもよい。先読み保留表示予告は、先読み判定に基づいて実行される。先読み判定は、例えば、始動入賞時に抽出された乱数値MR1、MR3等と、大当り抽選や変動パターンの抽選で使用されるテーブル等とにより、先読み判定と対象となる可変表示(ターゲット)の表示結果が「大当り」であるか否か、ターゲットの変動パターンがスーパーリーチの実行を指定するものであるか否かなどを判定するものである。先読み判定は、少なくともターゲットの大当り抽選等よりも前に行われる(一般的には始動入賞時に行われる)。上記所定期間や特定期間は、ターゲットが保留されている期間であってもよい。先読み判定は、例えば、主基板11側で行われ、先読み保留表示予告の実行の有無の決定等は、例えば、演出制御基板12側で行われる。保留表示画像の態様は、ターゲットの大当り期待度等を報知するが、ターゲットでのスーパーリーチの実行期待度を報知することで、当該ターゲットの大当り期待度を報知するものであってもよい。なお、保留表示画像の表示態様は、アクティブ表示に引き継がれる。
また、特定表示は、保留表示画像として表示されてからアクティブ表示として表示される一連の表示であってもよい。この場合、例えば、所定期間は、保留表示画像の表示期間(ターゲットが保留されている期間であり、この場合、変化演出は先読み保留表示予告である。)で、特定期間は、アクティブ表示の表示期間(この場合、変化演出は先読み判定に基づいて実行等が決定されてもよい。)であってもよい。
特定表示の態様は、表示色の他、形状、模様、表示位置等であってもよい。また、特定表示は、画像に限らず、画像表示装置5の外部に設けられたランプ等から構成されてもよい。また、特定表示は、所定の役物であってもよい(この場合、特定表示の態様は、役物の位置、傾き、変形度等であってもよい)。特定表示の態様についての次の段階とは、例えば、期待度が次に高いものである。
変化演出の態様は、上記実施の形態のものに限らず、任意の態様を採用できる(特定表示とは異なる画像等を表示する演出であることが望ましい。上記実施形態における第1変化演出は、前触れ無く特定表示の態様を変化させるものであってもよい)。上記所定期間と特定期間とで実行される変化演出を同様のものとしてもよい。例えば、上記実施形態における第2変化演出を第1変化演出と同様のものとしてもよい。この場合、スーパーリーチ中で実行される変化演出は、第1変化演出と同様に、星Gが表示エリア5HCに表示されているアクティブ表示Xに向かって移動して衝突(作用)し(図17)、衝突によりポイントが加算される。なお、この場合、例えば、星Gがアクティブ表示Xに衝突する度にアクティブ表示Xにひびが入り、最終的アクティブ表示Xの表面が割れ、中から変化後の表示色のアクティブ表示Xが現れてもよい(この場合メータMは不要)。各タイミングにおける変化演出の態様それぞれを異ならせてもよい。100又は120ポイント等を一気に加算して、1回でアクティブ表示の表示色を変化させる第2変化演出の態様を用意してもよい。
なお、変化演出は、特定表示の態様を一度に2段階以上変化させる態様を含んでもよい。例えば、1回の第1変化演出により、アクティブ表示を「青」から「赤」に変化させてもよい。また、1回の第2変化演出により、ポイントを200又は240ポイント等加算し、アクティブ表示の表示色を2段階以上(例えば、「緑」→「金」)、一気に変化させてもよい。変化演出(第1変化演出、第2変化演出)について、成功の演出だけでなく、アクティブ表示を変化させない、又は、ポイントを付与しない、ガセ(失敗)の変化演出(成功の変化演出で変化可能なものを変化させない演出)を用意してもよい。特定期間では、変化演出が複数回実行されることにより、変化演出は、実行タイミングに応じて、その態様が異なるものであってもよい。また、第1変化演出は実行タイミングによらず態様が共通で、第2変化演出は実行タイミングに応じて態様が異なってもよい。例えば、複数回の第2変化演出は、ストーリーに沿って実行されるものであってもよい。また、第1変化演出は実行タイミングに応じて態様が異なり、第2変化演出は実行タイミングによらず態様が共通でもよい。特定表示の態様の変化として、変化前よりも変化後の方が例えば大当り期待度が低い場合があってもよい。
所定期間が先で特定期間が後であっても(特定期間の方が所定期間よりも可変表示の終了タイミングに近くても)、特定期間が先で所定期間が後であってもよい(所定期間の方が特定期間よりも可変表示の終了タイミングに近くてもよい)。特定期間と所定期間との先後は問わない。前記所定期間がリーチ前の期間で、特定期間がリーチの期間であってもよい。
このような構成によれば、期間により変化演出の実行回数と特定表示の態様の変化との関係を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2)上記に加え又は代えて、前記変化演出実行手段は、前記特定表示の態様が所定段階(例えば、「青」等)のときに変化演出を1回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能であり、前記特定表示の態様が前記所定段階とは異なる特定段階(例えば、「緑」〜「赤」等)のときに変化演出を複数回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能である(例えば、図15参照)、ようにしてもよい。
特定段階と所定段階との期待度の高低は任意であるが、上記実施の形態のように、所定段階よりも特定段階の方が、期待度が高いとよい。特に、所定段階は、最も期待度が低いもので、当該所定段階の次の段階は、2番目に低い期待度であるとよい。さらに、少なくとも、最も期待度が低い段階から2番目に期待度が低い段階に特定表示の態様を変化させる変化演出は、1回実行されるものであることが望ましく、複数回実行されないものとするとよい(効果5のように、過剰な演出を防止できる)。なお、2番目に期待度が低い段階から3番目に期待度が低い段階に特定表示の態様を変化させる変化演出等についても1回のみ実行するようにし、複数回実行されないものとしてもよい。
このような構成によれば、変化前の特定表示の態様に応じて変化演出の実行回数と特定表示の態様の変化との関係を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)未だ開始されていない可変表示に関する情報(例えば、保留データとしての乱数値MR1〜MR3等)を保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、特図保留記憶部等)と、
前記保留記憶に対応する保留表示(例えば、保留表示画像等)を表示する保留表示手段(例えば、演出制御用CPU120の指示に基づいて保留表示画像を表示する表示制御部123等)と、を備え、
前記特定表示は、前記保留表示に基づく表示であり(例えば、アクティブ表示は、保留表示画像が表示エリア5HCに移動した画像である等)、
前記所定期間、又は、前記特定表示の態様が前記所定段階のときに変化演出を1回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能な期間は、可変表示の実行期間の一部である(例えば、ノーマルリーチの期間である等)。
このような構成によれば、可変表示における遊技の興趣を向上させることができる。
(4)前記所定期間において実行される変化演出、又は、前記特定表示の態様が前記所定段階のときに1回実行される変化演出は、第1変化演出(例えば、図17の第1変化演出等)であり、
前記特定期間において実行される変化演出、又は、前記特定表示の態様が前記特定段階のときに複数回実行される変化演出は、前記第1変化演出とは異なる第2変化演出(例えば、図18〜図19の第2変化演出等)である。
このような構成によれば、変化演出が複数種類あるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(5)前記第2変化演出は、前記特定表示とは異なる所定表示(例えば、メータM等)の態様が特定態様(例えば、メータMが満タンになる態様等)に変化したことに基づいて前記特定表示の態様を次の段階に変化させる。
なお、所定表示は、変化演出(第2変化演出)を実行する期間(例えば、上記特定期間内、特定表示が特定段階のとき、上記メータ表示期間、第2変化演出実行時等)にのみ表示するようにしてもよいし、常時表示されるもの(後述の役物、ランプ等を含む)であってもよい。所定表示や特定表示の表示を終了するタイミング(消去するタイミング)は、任意でよいが、例えば、所定の演出によりこれらの表示を終了してもよい(これにより、これらの表示の終了を遊技者がわかりやすい)。所定表示の表示位置は、どのような位置であってもよい。所定表示が画像の場合、画像表示装置5のアクティブ表示近傍に所定表示を表示してもよいし、画面の隅に表示してもよい。所定表示を常時表示する場合、変化演出(第2変化演出)を実行しない期間(例えば、上記特定期間ではない期間(所定期間を含む)、特定表示が特定段階以外(所定段階を含む)のとき等)において、当該所定表示を別の用途として使用してもよい。例えば、所定表示をメータMとした場合、これをリーチ前又はノーマルリーチ期間にも表示し、所定の演出によりメータMにポイントをため(メータMの表示態様(色やエフェクト)は、第2変化演出実行時とは異なるようにしてもよい。これにより、メータMの用途がわかりやすくなる)、メータMが満タンになったときにリーチ成立又はスーパーリーチへの発展を行うような演出を実行してもよい。メータMが満タンになったときに、特定の予告演出を実行するようにしてもよい。また、メータMが満タンになったときに所定の演出モードに移行するような演出を実行してもよい。また、所定表示は、上記変化演出を実行する期間には所定表示として機能し、その他のときには他の演出に合わせて点灯/消灯する遊技効果ランプとして機能するランプ群から構成されてもよい。
所定表示は、変化演出(第2変化演出)の実行の度に、その態様が段階的に複数回変化して特定態様に至るようなものとするとよい(これにより、変化演出をガセとするよりも、遊技者は当該変化演出を好意的に捉えるので、遊技の興趣が向上する)。例えば、所定表示は、変化演出により徐々に形状や位置が変化する可動役物等により実現されてもよい(形状や位置が所定の形状や位置の態様を前記特定態様とする)。所定表示は、変化演出により徐々にひび割れていくような画像(例えば、花瓶や球体の画像)により実現されてもよい(例えば、完全に割れた態様を前記特定態様とする)。所定表示は、変化演出により徐々に膨らんでいく画像(風船の画像)により実現されてもよい(例えば、最大の膨らみ又は破裂した態様を特定態様とする)。所定表示は、変化演出により火のついた導火線の残りが短くなっていく爆弾の画像等であってもよい(爆弾の爆発を特定態様とする)。所定表示は、遊技盤2等の適宜の場所に設けられ、変化演出により順次点灯又は消灯していくランプ群により構成されてもよい(全部の点灯又は消灯を特定態様とする)。また、所定表示は、変化演出によりその発光態様が変化していくランプ等でもよい(特定の点灯態様を特定態様とする)。また、所定表示を特定表示の内部に設けてもよい。例えば、特定表示内に所定表示としてのランプ群を設けてもよい。当該ランプ群の発光色により、特定表示の態様(表示色)を表してもよい(ランプの点灯数が変化演出により徐々に変化する所定表示の態様とする)。
このような構成によれば、遊技者は所定表示に注目するので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、所定表示を用いず、変化演出(第2変化演出)を複数回実行して特定表示の態様を変化させてもよい。この場合には、例えば、変化演出(第2変化演出)を実行するたび、第1変化演出のようにアクティブ表示に画像等を直接作用させ、これによりアクティブ画像自身を徐々に変化させるようにしてもよい(例えば、ひびを入れていき最終的に特定表示の態様を変化させる、特定表示の形状やレベル(数字で表される)を変化させ又は上げていき、特定の形状やレベルになったら特定表示の態様を変化させるなど)。
第2変化演出は、遊技者の動作(例えば、ボタンなどの適宜の操作手段への操作)を受け付ける演出であってもよい。その場合、第2変化演出が実行され動作が受け付けられる毎(連打等も含む)に、上記のように、ポイントをためていく、ひび割れていく等、所定表示を変化させてもよい。また、第2変化演出が実行され動作が受け付けられる毎(連打等も含む)に、上記のように、アクティブ画像(特定表示)自身を徐々に変化させてもよい(例えば、ひびを入れていく等)。なお、1動作ごとではなく、複数の動作を一セットとして、所定表示やアクティブ画像(特定表示)を変化させてもよい。そして、最終的に特定表示の態様を他の態様に変化させるようにする。第1変化演出も、第2変化演出同様、遊技者の1以上の動作(例えば、ボタンなどの適宜の操作手段への操作)を受け付ける演出であってもよい。この場合、第1変化演出は、動作1回又は複数回によって、特定表示の態様を変化させるとよい。
(6)前記所定表示の態様は、当該所定表示に関連する表示(例えば、「+70Pt」の画像等)が表示部(例えば、画像表示装置5等)に表示されたことに基づいて変化可能である。
所定表示に関連する表示は、特定表示に応じて異なるものであればよい。例えば、所定表示が、上記可動役物、ランプ群等の画像表示装置5以外の部分である場合には、所定表示に関連する表示は、画像表示装置5の画面上で、当該所定表示がある方向に向かって移動する画像等であってもよい(当該画像の移動に合わせて、可動役物やランプ群を駆動することで、演出に一体感が生まれ、演出効果が向上する)。
このような構成によれば、遊技者は所定表示や所定表示に関連する表示に注目するので、遊技の興趣を向上させることができる。
(7)前記特定表示の態様を次の段階に変化させるまでに実行される前記第2変化演出の実行パターンは複数ある(例えば、図12〜図13等を参照)。
このような構成によれば、例えば演出のバリエーションが増え、遊技の興趣を向上させることができる。なお、実行パターンが複数あるとは、特定表示の態様を次の段階に変化させるまでに実行される第2変化演出の回数を異ならせる場合、当該回数は同じであるが、例えば、累積ポイントのたまりかたが異なる場合(例えば、一方は、30+70=100ポイントで、他方は、50+50=70など)の両者を含む。
(8)上記の変形例として、前記特定表示の態様と前記所定表示の態様との組み合わせが、第1組み合わせであるときと、第2組み合わせであるときとで、前記有利状態に制御される期待度が異なる、ようにしてもよい。
例えば、アクティブ表示の表示色と、メータMによって表されている累積ポイントと、に応じて大当り期待度を異ならせてもよい。例えば、メータMにより表される最終的な累積ポイント(タイミングT5以降で表示される累積ポイント)を異ならせる変化演出の実行パターンを複数用意し、大当り時とハズレ時とのそれぞれにおける実行パターンの決定割合を調整することにより、同じ表示色であっても、メータMの累積ポイントに応じて大当り期待度を異ならせる。例えば、図12(B)の実行パターンB2−1、B2−2、B2−5について大当り期待度を異ならせる。なお、累積ポイントが多くなればなるほど、大当り期待度が高いようにしてもよいし、特定の累積ポイントが、他の累積ポイントよりも大当り期待度が高くてもよい(例えば、特定のポイントとしての70ポイントは、90ポイント等よりも大当り期待度が高い等)。第1変化演出及び/又は第2変化演出の実行パターンに応じて大当り期待度を異ならせてもよい(遊技者は実行パターンにも注目し遊技の興趣が向上する)。
このような構成によれば、例えば遊技者は所定表示の態様にも注目し、遊技の興趣を向上させることができる。なお、上記実施の形態のように、特定表示の態様(アクティブ表示の表示色)が同じであれば、所定表示の態様(累積ポイント)によらず、期待度も同じとしてもよい。
(9)前記第2変化演出は、前記特定表示の態様が、少なくとも最も低い段階(大当り期待度が最低の段階や、大当り期待度が最低の段階から最低よりも上の所定の段階までの各段階等)を除いた特定段階以上の態様(例えば、期待度の最も低い「青」を除いた「緑」〜「赤」)のときにのみ実行可能である(前記第2変化演出は、例えば、期待度の低い「青」及び「緑」を除いた「赤」のときにのみ実行可能であってもよい)。
このような構成によれば、特定表示の態様が特定段階未満のとき(大当り期待度が、最低段階のときや、最低から最低よりも上の所定の段階までのとき)に変化演出が何回も実行されてしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上させることができる。
(10)前記変化演出実行手段は、前記特定表示の態様が前記特定段階以上のときに変化演出を1回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能である(例えば、アクティブ表示の表示態様を「緑」から「赤」に変化させる第1変化演出を実行可能等、図15参照)。
このような構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
(11)前記変化演出実行手段は、前記特定表示の態様が前記所定段階であるときに、前記第2変化演出を実行しない(例えば、アクティブ表示の表示態様を「青」から「緑」に変化させる第2変化演出を実行しない、図15参照)。
このような構成によれば、特定表示の態様が所定段階のときに変化演出が何回も実行されてしまうことを防止できる。
(12)変形例として、
前記変化演出には、前記特定表示の態様を次の段階に変化させ得る第1態様の変化演出(例えば、成功の変化演出等)と前記次の段階に変化させ得ない第2態様の変化演出(例えば、失敗の変化演出等)とがあり、
前記変化演出実行手段は、前記特定表示の態様が前記特定段階であるときに、前記第1態様の変化演出を複数回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能である(例えば、成功の変化演出を複数回実行することで、アクティブ表示の態様を次の段階に変化させる)、
ようにしてもよい。
例えば、第1態様の変化演出として、上記第2変化演出(成功の第2変化演出である)を用意し、上記第2態様の変化演出として、上記第2変化演出と同様であるが、ロケットRが障害物を破壊できず、ポイント加算及びアクティブ表示の表示態様の変化がないガセの第2変化演出(成功のときに変化するものが変化しない演出)を用意することにより実現する。
なお、前記特定表示の態様が前記所定段階であるときには、前記第1態様の変化演出を1回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能であるようにしてもよい。また、上記所定期間では、第1態様の変化演出を1回実行して特定表示の態様を変化させ、上記特定期間では、第1態様の変化演出を複数回実行して特定表示の態様を変化させるようにしてもよい。
例えば、第1態様の変化演出を、星Gが表示エリア5HCに表示されているアクティブ表示Xに向かって移動して衝突(作用)する(ここまでは、上記第1変化演出と同じ態様)成功の変化演出とし、第2態様の変化演出を、星Gが表示エリア5HCに表示されているアクティブ表示Xに向かって移動するが(ここまでは第1態様と共通態様)、アクティブ表示Xに衝突(作用)しない失敗の変化演出(成功の変化演出における作用が無い演出)としてもよい。特定表示の態様が所定段階(最低段階等)であるか、現在が上記所定期間内であるときには、前記成功の変化演出を1回実行してアクティブ表示Xの表示色を変化させ、特定表示の態様が特定段階(最低段階より上の段階)であるか、現在が上記特定期間内であるときには、前記成功の変化演出を複数回実行してアクティブ表示Xの表示色を変化させる(この場合、変化させる前に実行される変化演出では、アクティブ表示Xに変化がないようにしてもよいし、アクティブ表示Xにひび割れなどの何らかの変化を与えてもよい)ようにしてもよい。
このような構成によれば、例えば第2態様の変化演出が実行されるので、また、例えば特定表示の態様を変化させるときに第1態様の変化演出を複数回実行できるので、変化演出の実行頻度を上げることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(13)変形例として、特定期間や特定表示の態様が特定段階のときに、失敗の変化演出(特定表示の表示態様を変化させない演出)を1回以上実行したあと成功の変化演出を実行して、特定表示の態様を次の段階に変化させてもよい。
(14)変形例として、
発光手段(例えば、遊技効果ランプL等)を発光制御する発光制御手段(例えば、演出制御用CPU120の指示に基づいて遊技効果ランプLを発光制御する表示制御部123等)と、
特定演出(例えば、スーパーリーチA等)を実行する特定演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120の指示に基づいてスーパーリーチAを実行する表示制御部123等)と、をさらに設け、
前記発光制御手段は、
前記特定表示の態様が所定段階(例えば、赤)以上又は前記有利状態に制御される期待度が所定値(例えば、赤の大当り期待度、なお、特定表示は、期待度を段階的でなく数値等で報知するものであってもよい。)以上のときには、前記発光手段を前記特定表示に関連して発光制御し(例えば、図20(A)参照)、
前記特定表示の態様が所定段階未満又は前記有利状態に制御される期待度が所定値未満のときには、前記発光手段を前記特定演出に関連して発光制御する(例えば、図20(B)参照)、
ようにしてもよい。
例えば、図20に示すように、アクティブランプLAを含む遊技効果ランプL(画像表示装置5の近傍等に設けられる)を設ける。遊技効果ランプLは、複数のLEDを含んで構成され、当該LEDのうちの一部のLEDが、アクティブランプLAに割り当てられている。これらは、表示制御部123及びランプ制御基板14により制御される。アクティブランプLAは、画像として表示されているアクティブ表示Xの表示色と同じ色(表示色)で発光する。これにより、アクティブランプLAは、アクティブ表示Xと同様に可変表示の大当り期待度を報知できる。
遊技効果ランプLは、スーパーリーチA等の特定演出に同期して点灯する。このとき、アクティブ表示X及びアクティブランプLAの表示色が所定基準未満の大当り期待度の段階である「緑」の場合、遊技効果ランプLは、アクティブランプLAを含め同一色で発光する(アクティブランプLAによる大当り期待度の報知は無くなる)(図20(A))。つまり、遊技効果ランプLは、アクティブランプLAを含め全体として特定演出に関連して発光制御される(なお、点灯の代わりに消灯させてもよい。発光制御は消灯制御も含む。以下、同じ)。アクティブ表示X及びアクティブランプLAの表示色が所定基準以上の大当り期待度の段階である「赤」の場合、遊技効果ランプLは、アクティブランプLAを除いて同一色で発光し、アクティブランプLAは、赤の表示色が維持される(アクティブランプLAによる大当り期待度の報知は維持される)(図20(B))。つまり、遊技効果ランプLは、特定表示に関連して発光制御される。
このような構成によれば、発光手段を特定表示の期待度に応じて発光制御でき、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図20で例示した発光手段は、あくまで一例である。発光手段は、どのようなものであってもよい。発光手段は、複数のLEDを画像表示装置5の周辺に離散して設けてもよく、そのうちの一部をアクティブランプLAとしてもよい。また、アクティブ表示Xを省略し、アクティブランプLAをアクティブ表示(特定表示)としてもよい(特定表示手段と、発光手段の一部とは、同じ部材により実現されてもよい)。
特定表示手段は、特定表示として保留記憶に対応する保留表示を表示可能であり(先読み保留表示予告等により保留表示の態様も例えばアクティブ表示と同様に変化可能。以下同じ)、発光手段は、保留記憶にもとづいて可変表示が開始されるときに、該保留記憶に対応する保留表示の態様が所定段階(例えば、赤)又は所定の期待度(例えば、赤の期待度)以上である場合には、該段階に応じた態様により発光可能である(例えば、アクティブランプLAと同様の保留表示ランプを設け、保留表示が赤のときに、保留表示ランプを赤に発光させる)ようにしてもよい。そのような構成によれば、演出効果を高めることができる。
また、特定表示手段は、特定表示として実行中の可変表示に対応する対応表示(例えば、アクティブ表示)を表示可能であり、発光手段は、対応表示の表示態様に応じた態様(例えば、アクティブ表示の表示色)により発光可能であるようにしてもよい。そのような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特定表示手段は、特定表示として、保留記憶に対応する保留表示(例えば、保留表示画像)と、実行中の可変表示に対応する対応表示(例えば、アクティブ表示)とを表示可能であり、一の保留記憶に対応して保留表示が表示されているときには特定演出に関連させて発光手段の発光制御を行い、該一の保留記憶にもとづいて実行中の可変表示に対応して対応表示が表示されているときには該対応表示に関連させて発光手段の発光制御を行うことが可能である(保留表示画像のときには、図20(A)の右側のような発光制御を行い、アクティブ表示のときには、図20(B)の右側のような発光制御を行う)ようにしてもよい。遊技興趣の低下を防止することができる。
特定表示手段は、特定表示として、保留記憶に対応する保留表示と、実行中の可変表示に対応する対応表示とを表示可能であり、保留表示は、有利状態に制御される期待度に応じて複数段階のうちのいずれかの段階により表示され、保留表示の段階が所定段階以上(例えば、赤以上)である場合には保留表示が表示されているときから対応表示が表示される期間に亘って発光手段の発光制御を行うことが可能である(保留表示画像の表示からアクティブ表示の表示まで、当該特定表示の表示色に応じた表示色でアクティブランプLAを点灯させるなど)ようにしてもよい。このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特定表示手段は、特定表示として保留記憶に対応する保留表示を表示可能であり、保留表示は、有利状態に制御される期待度が異なる複数の表示態様のうちのいずれかの表示態様により表示され、保留表示の表示態様による期待度が所定期待度以上である場合(例えば、赤の期待度以上である場合)には保留表示に関連させて発光手段の発光制御を行うようにしてもよい(アクティブランプLAと同様の保留表示ランプを設け、当該保留表示ランプを図20(B)のように保留表示の表示色に対応した表示色で発光させるなど)。このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
発光手段は、特定演出に関連して発光するときに、特定表示に関連して発光するときの態様とは異なる態様により発光可能である(アクティブランプLAは、アクティブ表示の表示色以外の色で発光する)。このような構成によれば、特定演出と特定表示とのいずれに関連して発光しているかを分かりやすくすることができ、勘違いを防止することができる。
特定表示に関連して発光可能な第1発光手段(例えば、アクティブランプLA)と、特定表示に関連して発光不可能な第2発光手段(例えば、遊技効果ランプLのうちアクティブランプLA以外の部分)とを含む複数の発光手段(例えば、遊技効果ランプL)を備え、特定演出の実行中において、特定表示に関連させて第1発光手段の発光制御を行っているときにも、該特定演出に関連させて第2発光手段の発光制御を行うようにしてもよい(図20(B)等)。特定表示に関連させた発光手段の発光制御と、特定演出に関連させた発光手段の発光制御とを共存させることができ、遊技興趣の低下を防止することができる。
特定表示の態様には、少なくとも、第1態様(例えば、緑)と、有利度が高い第2態様(例えば、赤)とが含まれ、変化演出実行手段は、変化演出として、特定表示の表示態様を第1態様から第2態様に変化させる演出を実行可能であり、実行された変化演出の実行態様に応じて、該変化演出の後に異なる割合により変化演出を実行可能であるようにしてもよい。例えば、変化演出の態様等を複数設け、実行された変化演出が第1の態様のときにはその後に変化演出を実行せず、第2の態様のときにはその後に変化演出を実行する。このような構成によれば、変化演出が実行される場合の興趣を向上させることができる。
(15)識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示(単に可変表示と表現してもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる(上記特殊図柄は、最終停止図柄の仮停止時などに初めて登場する飾り図柄であってもよい。)。上記遊技機は、例えば可変表示を行うものであればよい。
(16)先読み判定は、演出制御基板12側で行っても良い。例えば、始動入賞時の各乱数値を示すコマンドを始動入賞時に主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12において先読み判定を行ってもよい。
(17)上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて当該大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
(14)その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(その他)
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示(例えば、特図ゲーム等)を実行し、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、可変表示に関する表示であって前記有利状態に制御される期待度が異なる複数段階の態様(例えば、表示色等)を有する特定表示(例えば、アクティブ表示)を表示する特定表示手段(例えば、演出制御用CPU120の指示に基づいてアクティブ表示を表示する表示制御部123等)と、前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能な変化演出(例えば、変化演出等)を実行する変化演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120の指示に基づいて変化演出を実行する表示制御部123等)と、を備え、前記変化演出実行手段は、所定期間(例えば、ノーマルリーチの実行期間等)において変化演出を1回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能であり(例えば、第1変化演出は1回実行されることでアクティブ表示の表示色を変化させる等)、前記所定期間とは異なる特定期間(例えば、スーパーリーチの実行期間等)において変化演出を複数回実行して前記特定表示の態様を次の段階に変化させることが可能であり(例えば、第2変化演出はポイントが100ポイントになるまで複数回実行されることでアクティブ表示の表示色を変化させる等)、さらに、遊技媒体(例えば、遊技球)が入賞可能な第1入賞領域(例えば、第1始動入賞口9013、第3始動入賞口9012、第1大入賞口)および第2入賞領域(例えば、第2始動入賞口9014、第2大入賞口)と、前記第1入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第1検出手段(例えば、第1始動口スイッチ9013a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A)と、前記第2入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第2検出手段(例えば、第2始動口スイッチ9014a、第2カウントスイッチ9023B)と、前記第1検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第1特定演出(例えば、第1保留表示の表示、第1大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能であり、前記第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第2特定演出(例えば、第2保留表示の表示、第2大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより第1保留表示および第2保留表示を表示する部分、ステップS902909,S902912,S903910,S903913を実行することにより総賞球数表示の更新を行う部分)とを備え、前記第1入賞領域に入賞した遊技媒体が前記第1検出手段に検出されるまでに流下する距離と、前記第2入賞領域に入賞した遊技媒体が前記第2検出手段に検出されるまでに流下する距離とが異なり(例えば、各始動入賞口へ入賞した遊技球が各始動口スイッチによって検出されるまでに流下する距離は、始動入賞口毎に異なり(図22参照)、各大入賞口へ入賞した遊技球が各カウントスイッチによって検出されるまでに流下する距離は、大入賞口毎に異なる)、前記第1検出手段により遊技媒体が検出されてから前記第1特定演出を実行するまでの期間と、前記第2検出手段により遊技媒体が検出されてから前記第2特定演出を実行するまでの期間とが異なる(例えば、第1始動口スイッチ9013aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間と、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから第2保留表示を表示するまでの期間と、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間とが異なり(図45参照)、第1カウントスイッチ9023Aにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間と、第2カウントスイッチ9023Bにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間とが異なる(図46参照))遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、期間により変化演出の実行回数と特定表示の態様の変化との関係を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、演出効果を高めることができる。
なお、第1特定演出および第2特定演出として、始動口(第1・第3始動口および第2始動口)への入賞にもとづく保留表示(第1保留表示および第2保留表示)の表示を行うとともに、特定表示の態様を変化させる変化演出として、保留表示の表示態様(表示色や形状)を変化させるようにしてもよい。そして、例えば、第1保留表示は変化演出を1回実行したときに表示態様が変化し、第2保留表示は変化演出を複数回実行したときに表示態様が変化するようにしてもよい。
また、第1保留表示と第2保留表示とで、所定期間や特定期間を異ならせるようにしてもよい。例えば、第1保留表示については可変表示期間における前半を所定期間、後半を特定期間とし、第2保留表示については可変表示期間における前半を特定期間、後半を所定期間とし、保留表示を変化させる場合に、第1保留表示については可変表示期間における前半で変化させるときには1回の変化演出で変化させ、可変表示期間における後半で変化させるときには複数回の変化演出で変化させる一方、第2保留表示については可変表示期間における前半で変化させるときには複数回の変化演出で変化させ、可変表示期間における後半で変化させるときには1回の変化演出で変化させるようにしてもよい。このようにすれば、同じ期間(例えば可変表示期間における前半の期間)であっても変化演出の実行回数と特定表示(保留表示)の態様の変化との関係を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定表示の態様を変化させる変化演出として、アクティブ表示の表示態様(表示色や形状)を変化させる場合であっても、該アクティブ表示が第1保留表示に対応する場合と第2保留表示に対応する場合とで、所定期間や特定期間を異ならせるようにしてもよい。例えば、アクティブ表示が第1保留表示に対応する場合については可変表示期間における前半を所定期間、後半を特定期間とし、第2保留表示に対応する場合については可変表示期間における前半を特定期間、後半を所定期間とし、アクティブ表示を変化させる場合に、第1保留表示に対応する場合については可変表示期間における前半で変化させるときには1回の変化演出で変化させ、可変表示期間における後半で変化させるときには複数回の変化演出で変化させる一方、第2保留表示に対応する場合については可変表示期間における前半で変化させるときには複数回の変化演出で変化させ、可変表示期間における後半で変化させるときには1回の変化演出で変化させるようにしてもよい。このようにすれば、同じ期間(例えば可変表示期間における前半の期間)であっても変化演出の実行回数と特定表示(アクティブ表示)の態様の変化との関係を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、遊技の興趣を向上させることができ、また、演出効果を高めることができる遊技機の形態の一例として、遊技を実行可能な遊技機であって、遊技媒体(例えば、遊技球)が入賞可能な第1入賞領域(例えば、第1始動入賞口9013、第3始動入賞口9012、第1大入賞口)および第2入賞領域(例えば、第2始動入賞口9014、第2大入賞口)と、前記第1入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第1検出手段(例えば、第1始動口スイッチ9013a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A)と、前記第2入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第2検出手段(例えば、第2始動口スイッチ9014a、第2カウントスイッチ9023B)と、前記第1検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第1特定演出(例えば、第1保留表示の表示、第1大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能であり、前記第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第2特定演出(例えば、第2保留表示の表示、第2大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより第1保留表示および第2保留表示を表示する部分、ステップS902909,S902912,S903910,S903913を実行することにより総賞球数表示の更新を行う部分)とを備え、前記第1入賞領域に入賞した遊技媒体が前記第1検出手段に検出されるまでに流下する距離と、前記第2入賞領域に入賞した遊技媒体が前記第2検出手段に検出されるまでに流下する距離とが異なり(例えば、各始動入賞口へ入賞した遊技球が各始動口スイッチによって検出されるまでに流下する距離は、始動入賞口毎に異なり(図22参照)、各大入賞口へ入賞した遊技球が各カウントスイッチによって検出されるまでに流下する距離は、大入賞口毎に異なる)、前記第1検出手段により遊技媒体が検出されてから前記第1特定演出を実行するまでの期間と、前記第2検出手段により遊技媒体が検出されてから前記第2特定演出を実行するまでの期間とが異なる(例えば、第1始動口スイッチ9013aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間と、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから第2保留表示を表示するまでの期間と、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間とが異なり(図45参照)、第1カウントスイッチ9023Aにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間と、第2カウントスイッチ9023Bにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間とが異なる(図46参照))遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図21はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ90122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン90121(図24を参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ90125(図24を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図24を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図24を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ90122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図24を参照)が設けられていればよい。図21に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置909は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置909の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置909に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置909における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置909で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置909の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域909c,909dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置909を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置909の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されることはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域909c,909dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(16R確変大当りおよび8R確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(16R確変大当りおよび8R確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域909c,909dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置909とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域909c,909dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤906における右側方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)908aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤906における右側方には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)908bが設けられている。第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014または第3始動入賞口9012を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技盤906の盤面上に形成された遊技領域907には、演出表示装置909の天辺よりも左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域と、第2遊技領域である右遊技領域は、例えば遊技領域907の内部における演出表示装置909の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域907に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域へと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域へと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域(具体的には、演出表示装置909の下方)には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置および第3始動入賞口9012を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013a(図23参照)によって検出される。第3始動入賞口9012に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第3始動口スイッチ9012a(図23参照)によって検出される。
また、右遊技領域(具体的には、演出表示装置909の右方)には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する普通可変入賞球装置が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014a(図23参照)によって検出される。普通可変入賞球装置は、ソレノイド9016(図23参照)によって開状態とされる。普通可変入賞球装置が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。普通可変入賞球装置が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013や第3始動入賞口9012よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、普通可変入賞球装置が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。従って、普通可変入賞球装置が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013や第3始動入賞口9012に遊技球が入賞しやすい。なお、普通可変入賞球装置が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014と第3始動入賞口9012とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
各始動入賞口へ入賞した遊技球が各始動口スイッチによって検出されるまでに流下する距離は、始動入賞口毎に異なるよう構成されている。これは、遊技盤906の裏面の構造上、スイッチを設けることのできる位置の自由度が低いことから、入賞口から該入賞口に入賞した遊技球を検出するスイッチまでの距離を均等に構成することが困難であるためである。
図22は、各始動口の内部構成などを示す構成図である。図22に示すように、第1始動入賞口9013に入賞してから第1始動口スイッチ9013aによって検出されるまでに遊技球が流下する距離(図22(A)参照)と、第2始動入賞口9014に入賞してから第2始動口スイッチ9014aによって検出されるまでに遊技球が流下する距離(図22(B)参照)と、第3始動入賞口9012に入賞してから第3始動口スイッチ9012aによって検出されるまでに遊技球が流下する距離(図22(C)参照)とが異なるよう構成されている。これにより、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞してからT1経過後に第1始動口スイッチ9013aによって検出され、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞してからT2経過後に第2始動口スイッチ9014aによって検出され、遊技球が第3始動入賞口9012に入賞してからT3経過後に第3始動口スイッチ9012aによって検出されるようになっている。それぞれの時間の長さはT1>T2>T3である。
なお、図示は省略するが、後述する第1大入賞口および第2大入賞口についても同様に、各大入賞口へ入賞した遊技球が各カウントスイッチによって検出されるまでに流下する距離は、大入賞口毎に異なるよう構成されている。具体的には、第1大入賞口へ入賞した遊技球が第1カウントスイッチ9023Aによって検出されるまでに流下する距離の方が、第2大入賞口へ入賞した遊技球が第2カウントスイッチ9023Bによって検出されるまでに流下する距離よりも長くなるよう構成されている。これにより、遊技球が第1大入賞口に入賞してからt1経過後に第1カウントスイッチ9023Aによって検出され、遊技球が第2大入賞口に入賞してからt2経過後に第2カウントスイッチ9023Bによって検出されるようになっている。それぞれの時間の長さはt1>t2である。
なお、この実施の形態では、図21に示すように、第2始動入賞口9014に対してのみ開閉動作を行う普通可変入賞球装置が設けられているが、第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014および第3始動入賞口9012のいずれについても開閉動作を行う普通可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器908aの側方には、第1始動入賞口9013または第3始動入賞口9012に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器908bの側方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置909の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部9018cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部9018cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部9018cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014および第3始動入賞口9012への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。
また、いずれの始動入賞口への始動入賞にもとづく保留記憶であるかを認識可能な態様により第1保留記憶が表示される(例えば、第1始動入賞口9013への始動入賞にもとづく第1保留記憶である場合には縦縞、第3始動入賞口9012への始動入賞にもとづく第1保留記憶である場合には横縞の模様が付されて表示される)こととしてもよい。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
第2始動入賞口9014を有する普通可変入賞球装置の下方には、2つの特別可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置9020a、第2特別可変入賞球装置9020b)が設けられている。第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置9020aは、図23に示す第1大入賞口扉用のソレノイド9021aによって開閉駆動される第1大入賞口扉を備え、その第1大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。一例として、第1特別可変入賞球装置9020aでは、第1大入賞口扉用のソレノイド9021aがオフ状態であるときに第1大入賞口扉が第1大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、第1特別可変入賞球装置9020aでは、第1大入賞口扉用のソレノイド9021aがオン状態であるときに第1大入賞口扉が第1大入賞口を開放状態にする。第1特別可変入賞球装置9020aに形成された第1大入賞口に進入した遊技球は、例えば図23に示す第1カウントスイッチ9023Aによって検出される。
第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置9020bは、図23に示す第2大入賞口扉用のソレノイド9021bによって開閉駆動される第2大入賞口扉9071を備え、その第2大入賞口扉9071によって第1状態である開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。一例として、第2特別可変入賞球装置9020bでは、第2大入賞口扉用のソレノイド9021bがオフ状態であるときに第2大入賞口扉9071が第2大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、第2特別可変入賞球装置9020bでは、第2大入賞口扉用のソレノイド9021bがオン状態であるときに第2大入賞口扉9071が第2大入賞口を開放状態にする。第2特別可変入賞球装置9020bに形成された第2大入賞口に進入した遊技球は、例えば図23に示す第2カウントスイッチ9023Bによって検出される。
第1特別可変入賞球装置9020aが形成する第1大入賞口や第2特別可変入賞球装置9020bが形成する第2大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。具体的に、第1大入賞口を遊技球が通過した場合には15球の賞球が払い出され、第2大入賞口を遊技球が通過した場合には10球の賞球が払い出される。すなわち、第2特別可変入賞球装置9020aは、第1大入賞口扉により第1大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。第2特別可変入賞球装置9020bは、第2大入賞口扉9071により第2大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、第1特別可変入賞球装置9020aは、第1大入賞口扉により第1大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。第2特別可変入賞球装置9020bは、第2大入賞口扉9071により第2大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が第1大入賞口や第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口や第2大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤906の左側方には、普通図柄表示器9010が設けられている。普通図柄表示器9010は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、普通可変入賞球装置が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、普通可変入賞球装置の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。)では、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通可変入賞球装置の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤906の遊技領域907の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、または遊技球が第3始動入賞口9012に入り第3始動口スイッチ9012aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口9013への入賞および第3始動入賞口9012への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、16R確変大当りまたは8R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、普通可変入賞球装置が開状態となる頻度が高められたり、普通可変入賞球装置が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、普通可変入賞球装置が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、普通可変入賞球装置が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、普通可変入賞球装置が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、普通可変入賞球装置の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、普通可変入賞球装置の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であった場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器9010における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、普通可変入賞球装置が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図23は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図23は、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示せず)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM9055の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路90503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM9054等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ90560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ90560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路90503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路90503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A、第2カウントスイッチ9023Bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、普通可変入賞球装置を開閉するソレノイド9016、第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置9020aを開閉するソレノイド9021a、および第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置9020bを開閉するソレノイド9021bを遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置909の表示制御を行う。
また、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板9035を介して、遊技盤に設けられている装飾LED(図示せず)、予告用LED(図示せず)、および枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行うとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行う。
図24は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図24に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90102および入力ポート90103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90109に演出表示装置909の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行うVDP90109が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置909に出力する。
演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP90109に出力する。CGROMは、演出表示装置909に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP90109は、演出制御用CPU90101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP90109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90102に入力する。入力ドライバ90102は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図24には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図23に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90125から、入力ポート90107を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、入力ポート90107を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、入力ポート90107を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してランプドライバ基板9035に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90104を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ90351を介してLED/ランプドライバ90352に入力される。LED/ランプドライバ90352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED9028などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LEDなどに電流を供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図25は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS904)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS905)。なお、割込モード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理(ステップS9010〜S9015)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS908)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS9041〜S9043の処理)を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9041およびS9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS9043)。また、CPU9056は、バックアップRAMに保存されている表示結果(16R確変大当り、8R確変大当りまたははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板9080に対して送信する(ステップS9044)。そして、ステップS9014に移行する。なお、ステップS9044において、CPU9056は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドも送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS9044で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、サブ基板(主基板9031以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS9013)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置909において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU9056は、乱数回路90503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9014)。CPU9056は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路90503にランダムR´の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、普通可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置909において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ90100である。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図26に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A、および第2カウントスイッチ9023Bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、ステップS9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023Aおよび第2カウントスイッチ9023Bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023Aおよび第2カウントスイッチ9023Bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置909における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア909L、909C、909Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
次に、大当り種別ごとの大当りにおける特別可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置9020aおよび第2特別可変入賞球装置9020b)の開放パターンを説明する。図27は、特別可変入賞球装置の開放パターンを示す説明図である。この実施の形態では、大当り種別として16R確変大当りと8R確変大当りとが設けられている。
まず、図27(1)を用いて、16R確変大当りにおける特別可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置9020aおよび第2特別可変入賞球装置9020b)の開放パターンを説明する。この実施の形態では、16R確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、奇数ラウンド(1,3,5,7,9,11,13,15ラウンド)において、1ラウンドあたり第1特別可変入賞球装置9020aが27秒間開放状態に制御された後、特別可変入賞球装置が1.0秒間閉鎖状態に制御される(ただし、特別可変入賞球装置が閉鎖状態とされる1.0秒間はインターバル期間である)。そして、偶数ラウンド(2,4,6,8,10,12,14ラウンド)において、1ラウンドあたり第2特別可変入賞球装置9020bが27秒間開放状態に制御された後、特別可変入賞球装置が1.0秒間閉鎖状態に制御される(ただし、特別可変入賞球装置が閉鎖状態とされる1.0秒間はインターバル期間である)。
次に、図27(2)を用いて、8R確変大当りにおける特別可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置9020aおよび第2特別可変入賞球装置9020b)の開放パターンを説明する。この実施の形態では、8R確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、奇数ラウンドにおいて、1ラウンドあたり第1特別可変入賞球装置9020aが27秒間開放状態に制御された後、特別可変入賞球装置が1.0秒間閉鎖状態に制御される(ただし、特別可変入賞球装置が閉鎖状態とされる1.0秒間はインターバル期間である)。そして、偶数ラウンドにおいて、1ラウンドあたり第2特別可変入賞球装置9020bが1.0秒間開放状態に制御された後、特別可変入賞球装置が1.0秒間閉鎖状態に制御される(ただし、特別可変入賞球装置が閉鎖状態とされる1.0秒間はインターバル期間である)。
なお、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間が規定時間(例えば、27秒)に達する前であっても、実行中のラウンドにおける大入賞口への遊技球の入賞数が規定個数(例えば、10個)に達した場合にも、該ラウンドが終了する(開放状態に制御されていた大入賞口が閉鎖状態に制御される)よう構成されているものである(図32参照)。
なお、16R確変大当りおよび8R確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御された後は、50回の変動に亘り、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)に移行制御される。
図28は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS9026)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU9056は、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、または、第3始動入賞口9012に遊技球が入賞したことを検出するための第3始動口スイッチ9012aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口9013または第3始動入賞口9012への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90311,S90312,S90315,S90316)。または、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口9014への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90313,S90314)。そして、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aまたは第3始動口スイッチ9012aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS90300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS90301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS90303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS90304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS90305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021a,9021bを駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS90306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS90307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図29は、ステップS90312の第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS901212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901214)。また、CPU9056は、第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014および第3始動入賞口9012への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS901215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞した場合)または第3始動口スイッチ9012aがオン状態となった場合(すなわち、第3始動入賞口9012に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口9014に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU9056は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ9013aまたは第3始動口スイッチ9012aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図30(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図30(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図30(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図30(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014または第3始動入賞口9012への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014および第3始動入賞口9012への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM9055に形成されている。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図30(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901216)。なお、ステップS901216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図30(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図30(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。
次いで、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞した場合)には第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞したことを示す第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901218)。また第3始動口スイッチ9012aがオン状態となった場合(すなわち、第3始動入賞口9012に遊技球が始動入賞した場合)には第3始動入賞口9012に遊技球が始動入賞したことを示す第3始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901219)。
第2始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS901223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901225)。また、CPU9056は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS901226)。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図30(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901227)。なお、ステップS901227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、第2始動入賞口9014に遊技球が始動入賞したことを示す第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901231)。
図31は、大当り遊技における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS90305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU9056は、特別図柄停止処理または大入賞口開放前処理においてセットされた時間計測タイマの値を−1する(ステップS901401)。時間計測タイマには、未だ1ラウンドを開始していない場合には1ラウンドを開始するまでの期間(オープニング期間)に対応する値がセットされ、既に1ラウンドを行った場合には大入賞口を閉鎖している期間(インターバル期間である0.1秒)に対応する値がセットされている。
そして、CPU9056は、第1カウントスイッチ9023Aがオンである場合に、第1大入賞口に対する遊技球の入賞が発生したことを示す第1大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信し(ステップS901403のY,S901404)、第2カウントスイッチ9023Bがオンである場合に、第2大入賞口に対する遊技球の入賞が発生したことを示す第2大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する(ステップS901403AのY,S901404A)。いずれかの大入賞口入賞指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ90100は、所定の演出を実行するものである。
なお、この大入賞口開放前処理はいずれの大入賞口も閉鎖状態に制御されているときに実行される処理であるが、開放状態が終了する直前の大入賞口に入賞した遊技球は該大入賞口が閉鎖状態に制御されてから検出されることがあるため、ステップS901403〜S901404Aを行うことにより、そういった遊技球を検出した場合にも大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する構成となっている。なお、各大入賞口への遊技球の入賞は、開放状態に制御されている間のみ有効とする(閉鎖状態に検出された場合には無効とする)こととしてもよい。
時間計測タイマがタイムアウト(時間計測タイマの値が0)したら(ステップS901411)、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に大入賞口開放中指定コマンドを送信し(ステップS901412)、第1大入賞口に入賞した遊技球数を示す第1入賞個数カウンタ、および第2大入賞口に入賞した遊技球数を示す第2入賞個数カウンタを初期化する(ステップS901413)。すなわち、第1入賞個数カウンタおよび第2入賞個数カウンタの値を0にする。
ステップS901413の後、CPU9056は、開放対象の大入賞口を開放状態に制御する(ステップS901414)。具体的には、奇数ラウンドであればソレノイド9021aを駆動して第1大入賞口を開放状態に制御する。また、偶数ラウンドであればソレノイド9021bを駆動して第2大入賞口を開放状態に制御する。そして、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマに開放時間(27秒)セットする(ステップS901415)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS90306)に対応した値に更新する(ステップS901416)。
図32は、大入賞口開放中処理(ステップS90306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、まず、CPU9056は、第1カウントスイッチ9023Aがオンしているか否か、すなわち、第1大入賞口への遊技球の入賞が検知されたか否かを判定し(ステップS901452)、オンしていなければステップS901452Aへ移行する。第1カウントスイッチ9023Aがオンしていれば、第1入賞個数カウンタの値を+1し(ステップS901453)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に第1大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901454)。
また、CPU9056は、ステップS901452Aにおいて、第2カウントスイッチ9023Bがオンしているか否か、すなわち、第2大入賞口への遊技球の入賞が検知されたか否かを判定し(ステップS901452A)、オンしていなければステップS901462へ移行する。第2カウントスイッチ9023Bがオンしていれば、第2入賞個数カウンタの値を+1し(ステップS901453A)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に第2大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901454A)。
なお、この実施の形態では、ステップS901452〜S901454Aを行うことにより、第1大入賞口および第2大入賞口のうち、現在開放している大入賞口への遊技球の入賞に対応する処理と、現在閉鎖している大入賞口への遊技球の入賞に対応する処理との両方を実行可能な構成となっている。現在閉鎖している大入賞口への遊技球の入賞を検出する場合とは、所定ラウンドにおける開放状態が終了する直前の大入賞口へ遊技球が入賞し、該遊技球がインターバル期間中には検出されずに、該所定ラウンドの次のラウンドが開始されてから検出された場合である。例えば、1ラウンドの閉鎖直前の第1大入賞口に入賞した遊技球が、2ラウンドが開始されてから第1カウントスイッチ9023Aにより検出された場合である。現在閉鎖している大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合には、該当する入賞個数カウンタを加算する処理を省略するものでもよい。
次に、CPU9056は、ラウンド数に応じた入賞個数カウンタの値が10になったか否かを判定する(ステップS901462)。具体的に、奇数ラウンドであれば第1入賞個数カウンタの値が10になったか否かを判定し、偶数ラウンドであれば第2入賞個数カウンタの値が10になったか否かを判定する。
ラウンド数に応じた入賞個数カウンタの値が10未満であれば、CPU9056は、開放時間タイマを1減算し(ステップS901463)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS901464)。開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開放時間タイマがタイムアウトしていれば、ステップS901465に移行する。
ステップS901465において、CPU9056は、第1大入賞口または第2大入賞口を閉鎖状態に制御し(ステップS901465)、ステップS901466へ移行する。具体的には、大入賞口開放前処理のステップS901414で第1大入賞口が開放された場合には、ソレノイド9021aの駆動を停止して第1大入賞口を閉鎖状態に制御する。また、大入賞口開放前処理のステップS901414で第2大入賞口が開放された場合には、ソレノイド9021bの駆動を停止して第2大入賞口を閉鎖状態に制御する。
ステップS901466に移行すると、CPU9056は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、CPU9056は、まず、現在のラウンド数を示すラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ90100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901466)。
なお、ラウンド数カウンタは、特別図柄停止処理において大当り種別に応じた値がセットされるものである。具体的に、16R確変大当りであれが「16」、8R確変大当りであれば「8」がセットされる。
そして、CPU9056は、ラウンド数カウンタの値を1減算し(ステップS901467)、ラウンド数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS901468)。ラウンド数カウンタの値が0となっていれば(すなわち、最終ラウンドを終了していれば)、ステップS901471に移行する。
ラウンド数カウンタの値が0となっていなければ(すなわち、残りのラウンドがあれば)、CPU9056は、時間計測タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置909において報知する時間(インターバル演出を行う期間に相当))に相当する値(本例では、1.0秒)を設定する(ステップS901469)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS90305)に対応した値に更新する(ステップS901470)。
最終ラウンドを終了していれば(ステップS901468のY)、CPU9056は、時間計測タイマに大当り終了表示を開始するまでのエンディング待機時間に相当する値を設定し(ステップS901471)、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS90307)に対応した値に更新する(ステップS901472)。
図33は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS90160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS90168に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU9056は、時間計測タイマを1減算し(ステップS90161)、第1カウントスイッチ9023Aがオンであれば第1大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信し(ステップS90162のY,S90163)、第2カウントスイッチ9023Bがオンであれば第2大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する(ステップS90162AのY,S90163A)。
なお、この大入賞口開放前処理はいずれの大入賞口も閉鎖状態に制御されているときに実行される処理であるが、開放状態が終了する直前の大入賞口に入賞した遊技球は該大入賞口が閉鎖状態に制御されてから検出されることがあるため、ステップS90162〜S90163Aを行うことにより、そういった遊技球を検出した場合にも大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する構成となっている。なお、各大入賞口への遊技球の入賞は、開放状態に制御されている間のみ有効とする(閉鎖状態に検出された場合には無効とする)こととしてもよい。
そして、CPU9056は、時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを判定し(ステップS90164)、タイムアウトした場合、大当りフラグをリセットし(ステップS90165)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90166)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS90167)、処理を終了する。
ステップS90168では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS90168)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS90169)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS90169のY)、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグをセットするとともに(ステップS90173)、残余確変回数を示す確変回数カウンタの値に「50」をセットする(ステップS90174)。確変回数カウンタは変動が行われる毎に1ずつ減算され、「0」になったことにもとづいて通常状態に制御されるものである。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS90176)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図34は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS90704)。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS90705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU90101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS90706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の第4図柄表示領域909c,909dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90707)。その後、ステップS90702に移行する。
図35は、主基板9031の遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図36および図37は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。変動パターンコマンドは、変動パターン設定処理(ステップS90301)にて遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信するコマンドであり、変動パターンを示す演出制御コマンドである。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618)。表示結果指定コマンドは、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)にて遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信するコマンドであり、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。図柄確定指定コマンドは、特別図柄変動中処理(ステップS90303)にて遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信するコマンドであり、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンドである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H)またはコマンドA002(H))であれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。大当り開始指定コマンドは、特別図柄停止処理(ステップS90304)にて遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信するコマンドであり、大当りが開始することを示す演出制御コマンドである。具体的には、大当りの種別が16R確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が8R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドが送信される。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90651)、演出制御用CPU90101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグをセットする(ステップS90656A)。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90657)、演出制御用CPU90101は、第2始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第2始動入賞フラグをセットする(ステップS90668A)。
受信した演出制御コマンドが第3始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90652)、演出制御用CPU90101は、第3始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第3始動入賞フラグをセットする(ステップS90653)。
受信した演出制御コマンドが第1大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90664)、演出制御用CPU90101は、第1大入賞口入賞指定コマンドを受信したことを示す第1大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90665)。
受信した演出制御コマンドが第2大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90664A)、演出制御用CPU90101は、第2大入賞口入賞指定コマンドを受信したことを示す第2大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90665A)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS90661)、演出制御用CPU90101は、合算保留記憶表示部9018cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部9018cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS90662)。例えば、合算保留記憶表示部9018cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示されていた場合に、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目の保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドは、特別図柄の変動が開始されることにもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信されるコマンドである。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS90684)。そして、ステップS90611に移行する。
図38は、図34に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、保留表示に関する保留表示制御処理を行う(ステップS90900)。その後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800):遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS90801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS90802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS90803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90804):変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS90806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS90807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS90806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS90807):演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
図39は、演出制御プロセス処理における保留表示制御処理(ステップS90800)を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU90101は、新たに遊技球が入賞した始動入賞口に対応する保留表示を表示するための制御を行う。この実施の形態では、保留表示が表示される場合には出現演出が実行される。「出現演出」とは、保留表示の表示に伴って実行される演出である。この実施の形態では、保留表示が濃淡が薄く視認しにくい状態から徐々に濃度が濃くなり視認しやすい状態に変化するような態様の出現演出が実行される。
この実施の形態では、出現演出を開始してから保留表示の濃度が最大となるまでの所要時間が異なる2種類の出現演出A,Bが設けられている。出現演出Aの所要時間Txと出現演出Bの所要時間Tyとの関係はTx<Tyとなっている。また、新たに遊技球が入賞した始動入賞口毎に出現演出の種類が設定されているものである。具体的に、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合には出現演出Aが実行され、第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合には出現演出Bが実行される。
また、この実施の形態では、新たに遊技球が入賞した始動入賞口毎に、始動入賞を検出してから出現演出を開始するまでの待機期間が異なるよう構成されている。具体的に、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合、該始動入賞が検出されてから待機時間Ta経過後に出現演出を開始する。第2始動入賞口9014または第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合、該始動入賞が検出されてから待機時間Tb経過後に出現演出を開始する。第1始動入賞口9013への始動入賞が検出されてから出現演出を開始するまでの待機時間Taと、第2始動入賞口9014または第3始動入賞口9012への始動入賞が検出されてから出現演出を開始するまでの待機時間Tbとの関係はTa<Tbとなっている。
すなわち、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合は該始動入賞が検出されてから待機時間Ta経過後に出現演出A開始し、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合は該始動入賞が検出されてから待機時間Tb経過後に出現演出Aを開始し、第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合は該始動入賞が検出されてから待機時間Tb経過後に出現演出Bを開始する構成となっている(後述する図45参照)。
具体的な制御として、演出制御用CPU90101は、まず、第1始動入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902001)、セットされている場合に第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS902002)、Ta経過時に出現演出Aを伴う第1保留表示の表示を開始する(ステップS902003)。具体的には、ステップS902003を実行する時点でタイマにTaに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点から出現演出Aを実行し、該出現演出Aが終了した際に第1保留表示を表示する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第1始動入賞口9013への始動入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの始動入賞に対する第1保留表示の表示制御を行うことができる。
また、演出制御用CPU90101は、第2始動入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902004)、セットされている場合に第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS902005)、Tb経過時に出現演出Aを伴う第2保留表示の表示を開始する(ステップS902006)。具体的には、ステップS902006を実行する時点でタイマにTbに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点から出現演出Aを実行し、該出現演出Aが終了した際に第2保留表示を表示する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第2始動入賞口9014への始動入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの始動入賞に対する第2保留表示の表示制御を行うことができる。
また、演出制御用CPU90101は、第3始動入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902007)、セットされている場合に第3始動入賞フラグをリセットし(ステップS902008)、Tb経過時に出現演出Bを伴う第1保留表示の表示を開始する(ステップS902009)。具体的には、ステップS902009を実行する時点でタイマにTbに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点から出現演出Bを実行し、該出現演出Bが終了した際に第1保留表示を表示する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第3始動入賞口9012への始動入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの始動入賞に対する第1保留表示の表示制御を行うことができる。
図40は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS90804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU90101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS901901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901901のN)、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS901902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行する(ステップS901903)。例えば、演出表示装置909において大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS901904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS901905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS901906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901901のY)、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90101は、実行中の大当り遊技において払い出した賞球数を示す総賞球数Kに「0」とセットし(ステップS901900A)、総賞球数Kを演出表示装置909に表示する総賞球数表示を開始する(ステップS901900B)。例えば、ここでは総賞球数Kが0なので、総賞球数表示として「0ポイント」が表示される。大入賞口に遊技球が入賞する毎に、この総賞球数Kが加算されるとともに加算後の総賞球数Kに応じた総賞球数表示に更新されるようになっている。その際、第1大入賞口に遊技球が入賞した場合には15球の遊技球が払い出されることから総賞球数Kに15が加算され、第2大入賞口に遊技球が入賞した場合には10球の遊技球が払い出されることから総賞球数Kに10が加算される。
また、大入賞口への遊技球の入賞が検出されてから総賞球数Kの加算および総賞球数表示の更新が行われるまでの期間は、遊技球の入賞が検出された大入賞口毎に異なる構成となっている。具体的に、第1大入賞口への遊技球の入賞が検出された場合には該検出からtα経過後に総賞球数Kの加算および総賞球数表示の更新が行われ、第2大入賞口への遊技球の入賞が検出された場合には該検出からtβ経過後に総賞球数Kの加算および総賞球数表示の更新が行われるようになっている。なお、それぞれの時間の長さはtα<tβである。
ステップS901900Bの後、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS901907)、演出制御用CPU90101は、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ90S1908)。
そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS901909)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行する(ステップS901910)。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に設定する(ステップS901912)。
図41は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS90805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU90101は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS902901)。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS902901のN)、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行する(ステップS902903)。例えば、演出表示装置909において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS902904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS902905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS902906)。
また、演出制御用CPU90101は、第1大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902907)、セットされていれば第1大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS902908)、tα経過時に総賞球数Kに15を加算し、総賞球数表示を更新する処理を行う(ステップS902909)。具体的には、ステップS902909を実行する時点でタイマにtαに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点で総賞球数Kに15を加算し、総賞球数表示を更新する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第1大入賞口への入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第1大入賞口への入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの入賞に対する総賞球数表示の更新制御を行うことができる。例えば、これまで表示していた総賞球数表示が「1030ポイント」であれば「1045ポイント」に更新される。
また、演出制御用CPU90101は、第2大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902910)、セットされていれば第2大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS902911)、tβ経過時に総賞球数Kに10を加算し、総賞球数表示を更新する処理を行う(ステップS902912)。具体的には、ステップS902912を実行する時点でタイマにtβに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点で総賞球数Kに10を加算し、総賞球数表示を更新する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第2大入賞口への入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第2大入賞口への入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの入賞に対する総賞球数表示の更新制御を行うことができる。例えば、これまで表示していた総賞球数表示が「1045ポイント」であれば、「1055ポイント」に更新される。
なお、第1大入賞口または第2大入賞口へ遊技球が入賞した場合には、総賞球数Kの加算および総賞球数表示の更新については所定時間(tαまたはtβ)待機してから実行されるものであるが、賞球(第1大入賞口への入賞であれば15球、第2大入賞口への入賞であれば10球)の払い出しについては、第1カウントスイッチ9023Aまたは第2カウントスイッチ9023Bにより遊技球が検出されたことにもとづいて直ちに行われるものである。
ステップS902901において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS902901のY)、演出制御用CPU90101は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS902920)。そして、演出制御用CPU90101は、大当り種別に応じたインターバル演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS902921)。
そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS902922)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行し(ステップS902923)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS90806)に対応した値に設定する(ステップS902925)。
図42および図43は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS90806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU90101は、まず、大当りが終了したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(具体的には、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS903901)。なお、大当り終了1指定コマンド受信フラグは大当り終了1指定コマンドを受信した際に、大当り終了2指定コマンド受信フラグは大当り終了2指定コマンドを受信した際に、ステップS90684においてそれぞれセットされるフラグである。
大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS903901のN)、演出制御用CPU90101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS903902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS903902のN)、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS903903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行する(ステップS903904)。例えば、演出表示装置909において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS903905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS903906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS903907)。
そして、演出制御用CPU90101は、第1大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS903908)、セットされていれば第1大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS903909)、tα経過時に総賞球数Kに15を加算し、総賞球数表示を更新する処理を行う(ステップS903910)。具体的には、ステップS903910を実行する時点でタイマにtαに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点で総賞球数Kに15を加算し、総賞球数表示を更新する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第1大入賞口への入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第1大入賞口への入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの入賞に対する総賞球数表示の更新制御を行うことができる。
なお、第1大入賞口への入賞が連続して発生した場合の総賞球数表示の更新制御を、単一のタイマを用いて行うこととしてもよい。例えば、tαに相当する値がセットされたタイマがタイムアウトするより前に新たに第1大入賞口への入賞が発生した場合に、該タイマにtαに相当する値をセットし直すことを繰り返し、該タイマがタイムアウトしたときに第1大入賞口への入賞が発生した回数に応じた値(例えば、2回であれば30、3回であれば45)を総賞球数Kに加算し、総賞球数表示を更新する制御を行うこととしてもよい。このように、複数回の第1大入賞口への遊技球の入賞を一括して総賞球数表示に反映させることとしてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、第2大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS903911)、セットされていれば第2大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS903912)、tβ経過時に総賞球数Kに10を加算し、総賞球数表示を更新する処理を行う(ステップS903913)。具体的には、ステップS903913を実行する時点でタイマにtβに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点で総賞球数Kに10を加算し、総賞球数表示を更新する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第2大入賞口への入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第2大入賞口への入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの入賞に対する総賞球数表示の更新制御を行うことができる。
なお、第2大入賞口への入賞が連続して発生した場合の総賞球数表示の更新制御を、単一のタイマを用いて行うこととしてもよい。例えば、tβに相当する値がセットされたタイマがタイムアウトするより前に新たに第2大入賞口への入賞が発生した場合に、該タイマにtβに相当する値をセットし直すことを繰り返し、該タイマがタイムアウトしたときに第2大入賞口への入賞が発生した回数に応じた値(例えば、2回であれば20、3回であれば30)を総賞球数Kに加算し、総賞球数表示を更新する制御を行うこととしてもよい。このように、複数回の第2大入賞口への遊技球の入賞を一括して総賞球数表示に反映させることとしてもよい。
この実施の形態では、ステップS903908〜S903913を行うことにより、インターバル中(すなわち、大入賞口が閉鎖されているとき)に大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合にも、該検出に対応する総賞球数Kの加算と総賞球数表示の更新を行うこととしている。インターバル中(すなわち、大入賞口が閉鎖されているとき)に大入賞口への遊技球の入賞を検出する場合とは、開放が終了する直前の大入賞口へ入賞した遊技球がインターバル中に検出された場合である。
なお、インターバル中(すなわち、大入賞口が閉鎖されているとき)に大入賞口への遊技球の入賞を検出する場合には、該検出に対応する総賞球数Kの加算と総賞球数表示の更新とを行わないものであってもよい。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS903902のY)、演出制御用CPU90101は、演出制御用CPU90101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS903938)。次いで、演出制御用CPU90101は、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS903939)。そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS903940)。そして、演出制御用CPU90101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS903941)。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に設定する(ステップS903944)。
また、ステップS903901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS903901のY)、演出制御用CPU90101は、総賞球数表示を終了し(ステップS903951)、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS903952)。そして、演出制御用CPU90101は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS903953)。また、演出制御用CPU90101は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに(ステップS903954)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS903955)。そして、演出制御用CPU90101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS903956)。そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS90807)に対応した値に設定する(ステップS903957)。
図44は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS90807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU90101は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS90971)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS90972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS90972のN)、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS90973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027等)を制御する処理を実行する(ステップS90974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS90975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS90976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS90977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS90972のY)、演出制御用CPU90101は、所定のフラグをリセットする(ステップS90978)。例えば、演出制御用CPU90101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に応じた値に更新する(ステップS90980)。
なお、エンディング演出を実行している間(ステップS90971〜S90977を実行している間)にも、ステップS902907〜S902912と同様の処理を行うことにより、最終ラウンドが終了してから(大当り遊技状態における大入賞口の最後の開放が終了してから)いずれかのカウントスイッチが遊技球を検出した場合にも総賞球数表示を更新可能であることとしてもよい。
図45は、各始動入賞口への始動入賞が発生した場合におけるタイミングチャートである。図45(A)には第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、図45(B)には第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、図45(C)には第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、それぞれ示している。
例えば、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合、(1)入賞してからT1経過後に第1始動口スイッチ9013aがオンとなり、(2)そのTa経過後に出現演出Aの実行が開始され、(3)更にTx経過後に出現演出Aが終了して第1保留表示が表示される。
例えば、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合、(1)入賞してからT2経過後に第2始動口スイッチ9014aがオンとなり、(2)そのTb経過後に出現演出Aの実行が開始され、(3)更にTx経過後に出現演出Aが終了して第2保留表示が表示される。
例えば、第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合、(1)入賞してからT3経過後に第3始動口スイッチ9012aがオンとなり、(2)そのTb経過後に出現演出Bの実行が開始され、(3)更にTy経過後に出現演出Bが終了して第1保留表示が表示される。
図46は、各大入賞口への入賞が発生した場合におけるタイミングチャート(その1)である。図46(A)には第1大入賞口への入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、図46(B)には第2大入賞口への入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、それぞれ示している。
例えば、第1大入賞口への入賞が発生した場合、(1)入賞してからt1経過後に第1カウントスイッチ9023Aがオンとなり、(2)そのtα経過後に総賞球数表示が更新される。
また、例えば、第2大入賞口への入賞が発生した場合、(1)入賞してからt2経過後に第2カウントスイッチ9023Bがオンとなり、(2)そのtβ経過後に総賞球数表示が更新される。
図47は、各大入賞口への入賞が発生した場合におけるタイミングチャート(その2)である。図47に示すタイミングチャートでは、第1大入賞口へ遊技球が入賞した直後に第2大入賞口へ遊技球が入賞した場合について示している。
例えば、タイミングAにて第1大入賞口へ遊技球が入賞するとともに該第1大入賞口が閉鎖し、タイミングAの0.1秒後のタイミングBにて第2大入賞口が開放されるとともに該第2大入賞口へ遊技球が入賞した場合、タイミングBからt2経過時のタイミングCにて第2カウントスイッチ9023Bがオンになるとともに、タイミングAからt1経過時のタイミングDにて第1カウントスイッチ9023Aがオンになる。このとき、t1およびt2の差が0.1秒以上である場合、第1大入賞口へ遊技球が入賞してから第2大入賞口へ遊技球が入賞したにもかかわらず、第2大入賞口へ入賞した遊技球の方が第1大入賞口へ入賞した遊技球よりも先に検出されることとなる。そこで、第1大入賞口へ遊技球が入賞したことにもとづく総賞球数表示の更新処理までの待機時間tαより、第2大入賞口へ遊技球が入賞したことにもとづく総賞球数表示の更新処理までの待機時間tβの方が長い構成とすることにより、第1大入賞口へ遊技球が入賞したことにもとづく総賞球数表示の更新処理を実行するタイミングEの方が第2大入賞口へ遊技球が入賞したことにもとづく総賞球数表示の更新処理を実行するタイミングFよりも先となるため、遊技球が入賞した順にて総賞球数表示の更新処理を行うことができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技を実行可能な遊技機であって、遊技媒体(本例では、遊技球)が入賞可能な第1入賞領域(本例では、第1始動入賞口9013、第3始動入賞口9012、第1大入賞口)および第2入賞領域(本例では、第2始動入賞口9014、第2大入賞口)と、第1入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第1検出手段(本例では、第1始動口スイッチ9013a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A)と、第2入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第2検出手段(本例では、第2始動口スイッチ9014a、第2カウントスイッチ9023B)と、第1検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第1特定演出(本例では、第1保留表示の表示、第1大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能であり、第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第2特定演出(本例では、第2保留表示の表示、第2大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能な特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより第1保留表示および第2保留表示を表示する部分、ステップS902909,S902912,S903910,S903913を実行することにより総賞球数表示の更新を行う部分)とを備え、第1入賞領域に入賞した遊技媒体が第1検出手段に検出されるまでに流下する距離と、第2入賞領域に入賞した遊技媒体が第2検出手段に検出されるまでに流下する距離とが異なり(本例では、各始動入賞口へ入賞した遊技球が各始動口スイッチによって検出されるまでに流下する距離は、始動入賞口毎に異なり(図22参照)、各大入賞口へ入賞した遊技球が各カウントスイッチによって検出されるまでに流下する距離は、大入賞口毎に異なる)、第1検出手段により遊技媒体が検出されてから第1特定演出を実行するまでの期間と、第2検出手段により遊技媒体が検出されてから第2特定演出を実行するまでの期間とが異なる(本例では、第1始動口スイッチ9013aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間と、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから第2保留表示を表示するまでの期間と、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間とが異なり(図45参照)、第1カウントスイッチ9023Aにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間と、第2カウントスイッチ9023Bにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間とが異なる(図46参照))こととした。これにより、入賞領域の入口から検出手段までの距離に応じたタイミングで特定演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
具体的に、この実施の形態では、入賞した遊技媒体が検出手段に検出されるまでに流下する距離が短い入賞領域(遊技媒体が入賞してから検出手段に検出されるまでの時間が短い入賞領域)である程、遊技媒体が検出手段に検出されてから特定演出を実行するまでの時間が長い構成とした(図45および図46参照)。これにより、入賞の発生順と該入賞に応じた特定演出の実行順とが一致しない事態(例えば、先の入賞に対応する特定演出よりも、後の入賞に対応する特定演出の方が先に実行されることにより、遊技者の混乱を招くこと)を防止することができる。
また、例えば、遊技者は遊技を行う際、始動入賞口に遊技球が入賞することを視認してから演出表示装置909に目を移し、保留表示が増加したことを確かめようとすることが一般的である。また、保留表示の表示態様を変化可能な遊技機の遊技中であれば、始動入賞口に遊技球が入賞することを視認してから演出表示装置909に目を移し、始動入賞が発生したとき(保留表示の表示を開始するとき)の保留表示の表示態様の変化の有無を確認することが一般的である。しかしながら、始動入賞口の入口を遊技球が通過してから該始動入賞口へ入賞した遊技球をスイッチが検出するまでの時間が短い場合には、始動入賞を視認してから演出表示装置909に目を移し終わる前に保留表示の増加表示や保留表示の表示態様の変化が完了してしまうことがあり、そういった場合には始動入賞が発生したにもかかわらず保留表示が表示されていないといった誤解や、保留表示の表示態様が変化したにもかかわらず変化がなかったといった誤解を遊技者に与える虞がある。そこで、上述したように、遊技球が入賞してからスイッチに検出されるまでの時間が短い始動入賞口である程、遊技球がスイッチに検出されてから保留表示を実行するまでの時間が長い構成とすることにより、遊技者に誤解を与えることを防止することができる。
なお、ここで「入賞する」とは、遊技球を検出可能なスイッチが設けられた通路(以下、「特定通路」ということがある)内に遊技球が入り、将来的に該遊技球がスイッチに検出される可能性が極めて高い状態となることである。具体的には、特定経路の入口に遊技球の一部が入ったこと(例えば、図22に示す点線を遊技球の半分が越えたこと)を以て入賞したこととしてもよいし、特定経路の入口に遊技球の全部が入ったこと(例えば、図22に示す点線を遊技球の全部が越えたこと)を以て入賞したこととしてもよいし、特定経路の入口から入った遊技球が遊技盤906の裏面まで流下したこと(例えば、図22における遊技盤906の右側(遊技者にとって奥側)に遊技球の一部または全部が達したこと)を以て入賞したこととしてもよい。また、入賞時の賞球の有無はいずれであってもよい。
また、「第1入賞領域に入賞した遊技媒体が第1検出手段に検出されるまでに流下する距離」とは、第1入賞領域の入口から第1検出手段に検出される位置までの遊技媒体の経路の距離のことである。
また、この実施の形態では「第1特定演出」や「第2特定演出」として保留表示を表示すること(出現演出を含まないこと)としたが、出現演出を「第1特定演出」や「第2特定演出」としてもよい。
第1入賞領域および第2入賞領域としては、始動入賞口や大入賞口の他、ゲート9032、入賞を検出した場合に賞球を払い出すものの可変表示は実行されない入賞領域(いわゆる一般入賞口)、入賞を検出した場合に確変状態に制御する特定領域(例えば大入賞口の内部に設けられたV入賞口)であってもよい。
また、この実施の形態では第1入賞領域および第2入賞領域の入賞領域種別(始動入賞口、大入賞口、ゲート9032、一般入賞口、V入賞口など)が同じである構成(第1入賞領域および第2入賞領域の両方が始動入賞口、両方が大入賞口)について説明したが、それぞれ異なる入賞領域種別のものであってもよい。例えば、一方が始動入賞口であり他方が大入賞口であってもよい(その場合、例えば第1特定演出として保留表示を実行し、第2特定演出として総賞球数表示を実行することとしてもよい)し、一方がゲート9032、他方が一般入賞口などとしてもよい。
なお、この実施の形態では、入賞領域に入賞した遊技球が検出手段に検出されるまでに流下する距離に応じて、該検出手段により遊技球が検出されてから特定演出を実行するまでの期間が異なることとしたが、遊技球が入賞領域に入賞してから検出手段に検出されるまでの所要時間に応じて、該検出手段により遊技球が検出されてから特定演出を実行するまでの期間が異なることとしてもよい。その場合、遊技球の流下速度についても考慮することとしてもよい。例えば、入賞領域に入賞した遊技球が検出手段に検出されるまでに流下する距離が長い場合であっても、遊技球の流下速度が速くなりやすい位置に設けられた入賞領域であれば、遊技球が入賞領域に入賞してから検出手段に検出されるまでの所要時間は短くなるため、入賞領域へ入賞した遊技球を検出手段が検出してから特定演出を実行するまでの待機時間を長く設定することとしてもよい。
また、この実施の形態において、第1検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示を実行可能な第1可変表示手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における、ステップS90301〜S90304を実行することにより第1特別図柄を変動させる部分)と、第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能な第2可変表示手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における、ステップS90301〜S90304を実行することにより第2特別図柄を変動させる部分)と、第1識別情報の可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な第1保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ)と、第2識別情報の可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な第2保留記憶手段(本例では、第2保留記憶バッファ)と、保留記憶に対応する保留表示を表示可能な保留表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより第1保留表示および第2保留表示を表示する部分)と、保留表示の表示に伴う特別演出(本例では、出現演出)を実行可能な特別演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより出現演出を表示する部分)とを備えることとした。
また、この実施の形態において、第1検出手段により遊技媒体が検出されてから特別演出を開始するまでの期間(本例では、第1始動口スイッチ9013aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間Ta)と、第2検出手段により遊技媒体が検出されてから特別演出を開始するまでの期間(本例では、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間Tb)とが異なることとした。これにより、演出効果を高めることができる。
具体的に、この実施の形態では、入賞した遊技球が始動入賞スイッチに検出されるまでに流下する距離が短い始動入賞口(遊技球が入賞してから始動入賞スイッチに検出されるまでの時間が短い始動入賞口)である程、遊技球が始動入賞スイッチに検出されてから出現演出を実行するまでの時間が長い構成とした(図45参照)。これにより、入賞した遊技球が始動入賞スイッチに検出されるまでに流下する距離が短い始動入賞口である程、遊技球が始動入賞スイッチに検出されてから保留表示を表示するまでの時間が長い構成を実現することができ、始動入賞が発生したにもかかわらず保留表示が表示されていないといった誤解を遊技者に与えることを防止することができ、演出効果を高めることができる。
なお、この実施の形態では、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間と第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間とが同じ(いずれもTb)であることとしたが、これに限るものではない。例えば、始動入賞口の入口から該始動入賞口に入賞した遊技球が始動口スイッチに検出されるまでに該遊技球が流下する距離にもとづいて異なることとしてもよい。例えば、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間をTb1とし、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間をTb2とし、Ta<Tb1<Tb2としてもよい。
また、この実施の形態において、第1検出手段により遊技媒体が検出されたときの特別演出の実行期間(本例では、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されたときの出現演出Bの実行期間Ty)と、第2検出手段により遊技媒体が検出されたときの特別演出の実行期間(本例では、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されたときの出現演出Aの実行期間Tx)とが異なることとした。これにより、演出効果を高めることができる。
具体的に、この実施の形態では、入賞した遊技球が始動入賞スイッチに検出されるまでに流下する距離が短い始動入賞口(遊技球が入賞してから始動入賞スイッチに検出されるまでの時間が短い始動入賞口)である程、遊技球が始動入賞スイッチに検出されたときの出現演出の実行期間が長い構成とした(図45参照)。これにより、入賞した遊技球が始動入賞スイッチに検出されるまでに流下する距離が短い始動入賞口である程、遊技球が始動入賞スイッチに検出されてから保留表示を表示するまでの時間が長い構成を実現することができ、始動入賞が発生したにもかかわらず保留表示が表示されていないといった誤解を遊技者に与えることを防止することができ、演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態において、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、第1入賞領域(本例では、第1大入賞口)に遊技媒体が入賞容易な第1状態(本例では、開放状態)と、遊技媒体が入賞困難な第2状態(本例では、閉鎖状態)とに制御可能な第1可変入賞手段(本例では、第1特別可変入賞球装置9020a)と、第2入賞領域(本例では、第2大入賞口)に遊技媒体が入賞容易な第1状態(本例では、開放状態)と、遊技媒体が入賞困難な第2状態(本例では、閉鎖状態)とに制御可能な第2可変入賞手段(本例では、第2特別可変入賞球装置9020b)と、有利状態において第1可変入賞手段および第2可変入賞手段を第1状態に制御可能な入賞領域制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における、ステップS901414を実行する部分)と、第1検出手段により遊技媒体が検出されたこと、または第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて所定の価値を付与可能な価値付与手段(本例では、払出制御基板9037)とを備え、特定演出実行手段は、付与した価値を報知する特定演出を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、総賞球数表示の更新を行うことが可能である)こととした。これにより、演出効果を高めることができる。
なお、この実施の形態では、付与した価値を報知する特定演出として総賞球数表示を行うこととしたが、第1検出手段により遊技媒体が1回検出されたこと、または第2検出手段により遊技媒体が1回検出されたことにもとづいて付与した価値を報知する特定演出を実行することとしてもよい。例えば、第1大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて「+15ポイント」と表示し、第2大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて「+10ポイント」と表示することとしてもよい。
また、この実施の形態では、実行中の大当り遊技において払い出した賞球数を総賞球数表示として表示することとしたが、これに限るものではなく、例えば、連荘が継続している間(つまり確変状態が継続している間)において払い出した賞球数を総賞球数表示として表示することとしてもよい。
なお、この実施の形態では、いずれの始動入賞口も遊技領域907に設けられていることとしたがこれに限るものではなく、例えば、ステージが設けられた遊技機であれば、該ステージの上に第3始動入賞口9012が設けられていることとしてもよい。
また、この実施の形態では、検出手段により遊技球の通過を検出してから出現演出を実行するまでの待機期間Ta、Tbを異ならせるとともに、出現演出の実行期間Tx、Tyを異ならせることにより、検出手段により遊技球が検出されてから該検出にもとづいて特定演出を実行する(保留表示を表示する(出現演出を除く))までの期間を調整することとしたが、これに限るものではなく、待機期間Ta、Tbを異ならせることと、実行期間Tx、Tyを異ならせることのうちいずれか一方のみを用いることにより、検出手段により遊技球が検出されてから該検出にもとづいて特定演出を実行するまでの期間を調整することとしてもよい。
また、この実施の形態では、出現演出として保留表示の濃度を濃くする演出を用いて説明したが、保留表示の表示過程を示す演出であればこれに限るものではない。具体的には、画像が段階的に切り替わる演出(例えば、にわとりの画像を保留表示とし、まず卵画像を表示してから該卵画像がひよこ画像に切り替わり、該ひよこ画像がにわとり画像に切り替わる演出)であってもよい。
また、この実施の形態では、「特定演出」として保留表示や総賞球数表示を行うことを用いて説明したが、これに限るものではない。例えば、演出表示装置909に所定の画像(例えば、キャラクタ画像)を表示する演出や、LED等の発光部材を発光させる演出や、音声をスピーカ9027から出力する演出や、所定の役物を動作させる演出や、演出部材(例えば、プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122)を振動させる演出を「特定演出」として実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、「第1特定演出」および「第2特定演出」として同じ種類の演出を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、第1始動入賞口を「第1入賞領域」、第2始動入賞口を「第2入賞領域」とした場合、一方の特定演出として保留表示を表示し、他方の特定演出として保留記憶が増加したことを示す特定の音声を出力することとしてもよい。また例えば、大入賞口を「第1入賞領域」とし、大入賞口の内部に設けられたV入賞口を「第2入賞領域」とした場合、第1特定演出としてオーバー入賞音(上限数を超えて遊技球が大入賞口へ入賞したこと(いわゆるオーバー入賞)を報知するための音声)を出力し、第2特定演出としてV入賞口へ遊技球が入賞したことを示すV入賞表示を表示することとしてもよい。
また、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を、少なくとも、通常態様と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様と、演出内容を示唆する第2特定態様とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能であることとしてもよい。具体的には、以下の変形例1を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例1において、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、先読み予告演出を実行可能である。先読み予告演出とは、未だ開始されていない変動を予告対象とする演出である。具体的に、変形例1では、保留表示の表示態様を変化させる保留表示変化を実行することにより、該保留表示に対応する変動において大当りとなることに対する信頼度や、該保留表示に対応する変動における演出内容を示唆可能な構成となっている。
具体的には、始動入賞時に抽出されたランダムR´(大当り判定用乱数)、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)にもとづいて、該始動入賞に対応する変動にて大当りとなるか否か、およびいずれの変動パターンを用いた変動を行うかが、該変動が開始されるよりも前の時点(例えば、始動入賞時)にて判定され、該判定結果にもとづいて先読み演出を実行可能に構成されている。以下、始動入賞時にて大当りとなるか否か、およびいずれの変動パターンを用いた変動を行うかが判定された場合における判定結果を「入賞時判定結果」ということがある。入賞時判定結果は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信されるコマンドにもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータ90100が特定可能となる。
変形例1において、保留記憶表示部9018cにおいて表示される保留表示の表示態様として、大当りとなることに対する信頼度を示す通常表示態様と、所定の演出の実行を示唆する演出示唆表示態様とが設けられている。通常表示態様には、白色で表示される「白」および赤色で表示される「赤」が含まれており、大当りとなることに対する信頼度は、金>赤>白となっている。演出示唆表示態様には、「特殊?」という文字を表示することにより特殊ゾーン演出の予告対象であることを示唆する特殊示唆態様が含まれる。特殊示唆態様は、特殊ゾーン演出の予告対象であるか否かにかかわらず選択され得る表示態様である。
なお、特殊ゾーン演出とは、1回の変動または複数回の連続した変動にて、通常の背景とは異なる特殊背景を表示する演出である。また、特殊ゾーン演出は、実行回数が多いほど大当りに対する信頼度が高い構成となっている。以下、特殊ゾーン演出の実行を開始することを「特殊ゾーンに突入する」ということがある。
特殊ゾーンに突入する直前には、突入成功演出が実行される。突入成功演出は、特殊ゾーンに突入することを示唆した後に、特殊ゾーンに突入することが確定した旨を示す演出(例えば、「特殊ゾーンチャンス!」と表示した後に「成功!」と表示する演出)である。
図48は、変形例1における、特殊示唆態様にて保留表示を表示する場合における表示例を示す説明図である。まず、(1)アクティブ表示9051と2個の保留表示9052,9053とが表示されている変動中に、(2)新たな保留記憶が発生して該保留記憶に対応する保留表示9054が特殊示唆態様(「特殊?」)にて表示される。このとき、該保留記憶を予告対象とする特殊ゾーン演出を実行することが決定される。また、このとき、「白」から「赤」に変化する保留変化パターンが決定され、変化タイミングとして1個目(予告対象の変動に対する保留表示が1個目の保留表示であるタイミング)が決定されたこととする。
そして、(3)はずれ目で変動が終了し、(4)次の変動が開始される。このとき、新たな変動に対応するアクティブ表示9051が表示されるとともに、保留表示がシフトする。そして、突入予告演出が実行される(画像Pが表示される)。それから3秒が経過すると、(5)突入成功演出であったことが報知され(画像Pが切替表示され)、特殊ゾーンに突入する(画像Qが表示される)。それから5秒後のタイミングで、(6)特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053の表示態様が「赤」に変化する。これは、仮に特殊ゾーンに突入してからも継続して特殊示唆態様の保留表示9053を表示し続けた場合には、更に特殊ゾーンに関連する何かがあるのではないかといった誤解を遊技者に与え、混乱させてしまう虞があることから、役割(特殊ゾーンに突入することの示唆)を終えた保留表示の表示態様を変化させるものである。
以上に説明したように、この変形例1において、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示(本例では、保留表示、アクティブ表示)を、少なくとも、通常態様(本例では、「白」)と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様(本例では、「赤」)と、演出内容を示唆する第2特定態様(本例では、特殊示唆態様)とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、「白」や「赤」や特殊示唆態様にて保留表示を表示可能な部分(図48参照))と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、特殊示唆態様にて示唆された特殊ゾーン演出を実行可能である部分(図48(5),(6)参照))とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能である(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図48に示すように、特殊ゾーン演出が開始された5秒後に、特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053を「赤」に変化可能である)こととした。これにより、特定態様に対する期待感を高めることができる。
また、上述した実施の形態において変形例1に示した遊技機を適用し、始動入賞口に入賞した遊技球がスイッチに検出されるまでに流下するまでの距離と、表示する保留表示の表示態様(通常態様、第1特定態様、第2特定態様)とにもとづいて、遊技球がスイッチに検出されてから保留表示を実行するまでの時間が異なることとしてもよい。
例えば、図22に示したように、第1始動入賞口9013に入賞した遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されるまでに流下するまでの距離が、第2始動入賞口9014に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されるまでに流下するまでの距離より長い場合について説明する。このとき、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから通常態様の第1保留表示を実行するまでの時間をT10、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第1特定態様の第1保留表示を実行するまでの時間をT11、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第2特定態様の第1保留表示を実行するまでの時間をT12、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから通常態様の第2保留表示を実行するまでの時間をT20、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第1特定態様の第2保留表示を実行するまでの時間をT21、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第2特定態様の第2保留表示を実行するまでの時間をT22とした場合、T10<T11<T12<T20<T21<T22としてもよいし、またはT10<T20<T11<T21<T12<T22としてもよい。
また、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段と、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様に変化させる演出を実行可能であるとともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様に変化させる演出を実行可能であり、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低いこととしてもよい。具体的には、以下の変形例2を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例2では、始動入賞が発生したときに先読み予告演出の一種である保留予告演出の実行を決定すると、保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特別表示態様(本例では、青色や赤色の丸形表示)に最終的に変化させる保留予告演出を実行する。なお、この変形例2では、保留予告演出を実行する場合、保留表示が通常態様から特別表示態様に直接変化するのではなく、保留表示が特殊表示態様(本例では、三角形表示や矩形表示)に一旦変化し、その後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特別表示態様に変化する演出が実行される場合がある。以下、通常態様により表示された保留表示を「通常保留」ともいい、特殊表示態様により表示された保留表示を「特殊保留」ともいう。また、特別表示態様のうちの青色の表示色により表示された保留表示を「青色保留」ともいい、赤色の表示色により表示された保留表示を「赤色保留」ともいう。
例えば、変形例2では、演出制御用CPU90101は、始動入賞が発生したときに、図49および図50に示す最終表示態様決定テーブルを用いて最終表示態様を決定する。そして、後述する「通常保留(特殊保留経由なし)」以外の表示態様が最終表示態様として決定された場合、演出制御用CPU90101は、最新の入賞時判定結果、第1保留記憶数および最終表示態様にもとづいて、予告対象の保留表示の変化パターンを決定する。具体的には、図51および図52に示す変化パターン決定テーブルを用いて変化パターンを決定する。
図49および図50は、変形例2における、最終表示態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。図49および図50に示すように、この変形例2では、最終表示態様決定テーブルにおいて、保留表示の最終表示態様として、通常保留(特殊保留経由なし)、通常保留(特殊保留経由あり)、青色保留、および赤色保留に対して、それぞれ判定値が割り振られている。なお、このうち、「通常保留(特殊保留経由あり)」とは、始動入賞の後の保留シフトのタイミングにおいて特殊保留に一旦変化した後、さらにその後の保留シフトのタイミングで最終的に通常保留に戻るものであり、最終表示態様自体は通常保留であるが保留予告演出は実行されるものである。一方、「通常保留(特殊保留経由なし)」とは、全く特殊保留にも変化することなく、その保留が消化されて保留表示が消去されるまで通常保留のまま変化しないものであり、保留予告演出自体を実行しないものに相当する。
なお、第1保留記憶数が2である場合には、始動入賞の後の保留シフトのタイミングで保留表示を変化させる機会は1回しかないのであるから、保留表示を特殊保留に一旦変化させる余地がない。そのため、図49(A)〜(C)に示す第1保留記憶数「2」用の最終表示態様決定テーブルには、通常保留(特殊保留経由なし)、青色保留、および赤色保留に対してのみ、それぞれ判定値が割り振られ、通常保留(特殊保留経由あり)に対する判定値の割り振りはない。
また、図49および図50に示すように、この変形例2では、入賞時判定結果が非リーチはずれ、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りである場合に、保留予告演出を実行可能に構成されており、入賞時判定結果がそれ以外である場合には、演出制御用CPU90101は、そのまま保留表示の最終表示態様を「通常保留(特殊保留経由なし)」に決定し、保留予告演出を実行しないことに決定する。
演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、入賞時判定結果が非リーチはずれを示すものであれば、図49(A)に示す保留2個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれを示すものであれば、図49(B)に示す保留2個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図49(C)に示す保留2個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「3」または「4」である場合には、入賞時判定結果が非リーチはずれを示すものであれば、図50(D)に示す保留3〜4個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれを示すものであれば、図50(E)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図50(F)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU90101は、選択した最終表示態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、最新の保留表示の最終表示態様を決定する。
図49および図50に示すように、この変形例2では、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。従って、この変形例2では、保留表示が最終的に青色保留や赤色保留に変化する場合には、最終的に通常保留となる場合と比較して、スーパーリーチに対する期待度(リーチ信頼度)が高くなっている。
また、図49および図50に示すように、この変形例2では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。また、図49および図50に示すように、この変形例2では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に青色保留よりも赤色保留に変化する割合がさらに高くなっている。従って、この変形例2では、予告対象の保留表示が最終的に赤色保留に変化した場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に青色保留に変化した場合が次に大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に通常保留であった場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が低くなっている。
図51および図52は、変形例2における、変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。なお、図51および図52において、特殊△とは三角形表示の特殊保留を示しており、特殊□とは矩形表示の特殊保留を示している。
演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図51(A)に示す保留2個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、図51(B)に示す保留2個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「3」である場合には、決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、図51(C)に示す保留3個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図51(D)に示す保留3個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、図51(E)に示す保留3個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「4」である場合には、決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、図52(F)に示す保留4個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図52(G)に示す保留4個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。また、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、さらに、入賞時判定結果が非リーチはずれまたはスーパーリーチはずれを示すものであれば、図52(H)に示す保留4個且つ非リーチはずれ/スーパーリーチはずれ且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図52(I)に示す保留4個且つスーパーリーチ大当り且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
図52に示すように、この変形例2では、第1保留記憶数が「4」である場合には、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示し、1回目の保留シフトのタイミングで特殊保留に変化させ、3回目以降の保留シフトのタイミングで通常保留や青色保留、赤色保留に変化可能に構成されている。従って、この変形例2では、保留記憶表示部9018cにおいて予告対象の保留表示が4つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)と3つ目の位置に表示されているとき(1回目の保留シフト後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。また、図51(C)〜(E)に示すように、この変形例2では、第1保留記憶数が「3」である場合にも、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示するので、保留記憶表示部9018cにおいて予告対象の保留表示が3つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。従って、この変形例2では、予告対象の保留表示が4つ目および3つ目の位置に表示されている期間においては、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化しにくくなっている。そのため、予告対象の保留表示が早い段階で特殊保留から通常保留に変化して遊技者が落胆することを防止し、保留予告演出を実行する場合の演出効果の低下を防止できるものとなっている。
また、この変形例2では、特殊保留が表示された後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行可能となり、作用演出が実行されても予告対象の保留表示が特殊保留のまま変化しなかったり、通常保留や青色保留、赤色保留に変化したりする場合がある。例えば、図52(F)に示す変化パターン401,403では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。また、例えば、図52(F)に示す変化パターン402,404では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングでは作用演出が実行されるものの特殊保留のまま変化せず、3回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。そのように、この変形例2では、1回の作用演出で特殊保留から通常保留に戻ってしまう場合だけでなく、複数の作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に戻る場合もあるので、保留予告演出を実行する場合の演出効果を向上できるものとなっている。
また、図51(C)〜(E)および図52(F)〜(I)に示すように、この変形例2では、特殊保留として三角形表示の特殊保留と矩形表示の特殊保留との2種類があるのであるが、矩形表示の特殊保留が表示された場合には、三角形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として赤色保留が表示される割合が高くなっている。また、逆に、三角形表示の特殊保留が表示された場合には、矩形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として通常保留に戻る割合が高くなっている。
また、図52(H),(I)に示すように、この変形例2では、特殊保留から通常保留に戻っても最終的に赤色保留が表示される(すなわち、一旦通常保留に戻ったと落胆させてから赤色保留が復活して表示されたように見せる)変化パターン(変化パターン411,414)が設けられており、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ、この復活パターンの変化パターン411,414を決定可能に判定値が割り振られている。従って、この変形例2では、特殊保留から一旦通常保留に戻った後に最終的に赤色保留となった場合には、大当りが確定することになり、単に特殊保留から赤色保留となった場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、演出制御用CPU90101は、保留記憶の中に作用演出(保留表示に作用するような態様により実行され、保留表示の表示態様が変化することを示唆する演出)の実行可能タイミングとなっているものがある場合に、作用演出を実行するようになっている。なお、作用演出の実行可能タイミングとなっているか否かは、例えば、保留予告演出設定情報格納領域格納されている変化パターンを確認し、今回の変動開始(保留シフト)のタイミングで特殊△→特殊△や、特殊△→通常保留、特殊△→青色保留、特殊△→赤色保留、特殊□→特殊□、特殊□→通常保留、特殊□→青色保留、特殊□→赤色保留となっているものがあるか否かを確認することにより判定できる。
以上に説明したように、この変形例2によれば、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段(本例では、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、保留表示やアクティブ表示を表示可能な部分)と、第1態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出(本例では、作用演出を伴う保留予告演出)を実行可能な変化演出実行手段(本例では、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、図51および図52に示すいずれかの変化パターンにて保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる部分)とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(本例では、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能である(本例では、図51(D),(E)に示す変化パターン33〜36および図52(G)〜(I)に示す変化パターン405〜414にもとづく保留予告演出を実行可能である)とともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(本例では、通常保留)に変化させる演出を実行可能であり(本例では、図51(C)に示す変化パターン31,32および図52(F)に示す変化パターン401〜404にもとづく保留予告演出を実行可能である)、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低い(本例では、図51および図52に示すように、特殊保留から通常保留に変化した後にさらに赤色保留に変化する変化パターンは、始動入賞時に第1保留記憶数が4個でスーパーリーチ大当りの場合にのみ選択可能な変化パターン411,414しかなく、判定値の割り振りが極めて少なく、通常保留のまま変化しない変化パターン31,32,401〜404の方が判定値の割り振りが多い。なお、特殊保留から通常保留に変化した後は赤色保留に変化する場合がないものであってもよい。)こととした。これにより、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
なお、この変形例2では、第1態様として特殊保留を表示するとともに、第3態様として通常保留を表示し、特殊保留から通常保留に変化させる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、通常保留を第1態様の位置づけで表示するようにし、第3態様として保留表示の表示態様の変化済みであることを示す済保留(例えば、「済」の文字表示を含む丸形表示)を表示するように構成してもよい。
また、上述した実施の形態において変形例2に示した遊技機を適用し、始動入賞口に入賞した遊技球がスイッチに検出されるまでに流下するまでの距離と、表示する保留表示の表示態様(第1態様、第2態様、第3態様(済保留を含む))とにもとづいて、遊技球がスイッチに検出されてから保留表示を実行するまでの時間が異なることとしてもよい。
例えば、図22に示したように、第1始動入賞口9013に入賞した遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されるまでに流下するまでの距離が、第2始動入賞口9014に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されるまでに流下するまでの距離より長い場合について説明する。このとき、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第1態様の第1保留表示を実行するまでの時間をt10、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第2態様の第1保留表示を実行するまでの時間をt11、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第3態様の第1保留表示を実行するまでの時間をt12、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第1態様の第2保留表示を実行するまでの時間をt20、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第2態様の第2保留表示を実行するまでの時間をt21、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第3態様の第2保留表示を実行するまでの時間をt22とした場合、t10<t11<t12<t20<t21<t22としてもよいし、またはt10<t20<t11<t21<t12<t22としてもよい。
なお、上述した実施の形態および変形例について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において、複数の期間に応じた特定演出を実行することとしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図24に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。