以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上の左右位置には、左始動入賞記憶表示エリア5HL,右始動入賞記憶表示エリア5HRがそれぞれ配置されている。始動入賞記憶表示エリア5HL,5HRでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。第1始動入賞口への入賞による可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示は、左始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて行われ、第2始動入賞口への入賞による可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示は、右始動入賞記憶表示エリア5HRにおいて行われる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5HL,5HRと共に、あるいは始動入賞記憶表示エリア5HL,5HRに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5HL,5HRと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値に対応した個数のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の表示領域における下方位置の近傍には、可動枠部材部材60が設けられている。可動枠部材60は、図2に示す可動枠部材用モータ61による上下動駆動により、画像表示装置5に対して相対的に上下動する。可動枠部材60には開口部62が形成されている。可動枠部材60は、画像表示装置5の表面側(遊技者側)に配置されており、可動枠部材60の開口部62を介して画像表示装置5が視認可能されている。このため、画像表示装置5の表示領域は、可動枠部材60に囲まれた部分(以下「可動枠部材60の中」という)と可動枠部材60の外側に形成される。さらに、可動枠部材60の幅方向の長さは、画像表示装置5の幅方向の長さより長くされている。このため、可動枠部材60が画像表示装置5の上下方向途中位置、例えば画像表示装置6の上下方向中央位置に配置されているときには、可動枠部材60の中に形成された表示領域のほか可動枠部材60によって画像表示装置5の表示領域が分割されて画像枠部材60の上下のそれぞれの表示領域が形成される。
可動枠部材60が最下方に位置するときには、可動枠部材60の下方には、画像表示装置5の表示領域が形成されず、可動枠部材60の中及び上方に画像表示装置5の表示領域が形成される。また、可動枠部材60が最上方に位置するときには、可動枠部材60の上方には、画像表示装置5の表示領域が形成されず、可動枠部材60の中及び下方に画像表示装置5の表示領域が形成される。また、可動枠部材60の左右には、画像表示装置5の表示領域は形成されないようにされている。以下、可動枠部材60が移動可能とされた最下方の位置を第1位置といい、最上方の位置を第3位置という。また、第1位置と第3位置との中間位置を第2位置という。また、可動枠部材60が第2位置にあるときの画像表示装置5における可動枠部材60よりも上方の表示領域を第1表示領域といい、可動枠部材60が第2位置にあるときの画像表示装置5における可動枠部材60よりも下方の表示領域を第2表示領域という。さらに、可動枠部材60の内側の表示領域を第3表示領域という。可動枠部材60が上下動することにより、第3表示領域は移動し、第1表示領域と第2表示領域の面積が変化可能である。また。可動枠部材60が第2位置にあるときには、第1表示領域と第2表示領域の面積は略同一となる。また、可動枠部材60の上下方向の位置によって、第1表示領域と第2表示領域の面積の割合が異なる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しない閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入する開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。このように、遊技領域には、遊技球が進入可能な開放状態と、遊技球が進入不可能な又は進入困難な閉鎖状態とに変化する普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態又は一部閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111等が搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9や装飾用LED等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LED等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105等は外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104等のハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的又は不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、可動枠部材60を動作させる可動枠部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令等に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定すること等により、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP、CGROM、VRAM、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU、GCL、あるいは、より一般的にDSPと称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリ等の書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11等から伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令、ランプ制御基板14へと伝送される指令等が出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータ等により、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと等により第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと等により第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。但し、普通可変入賞球装置6Bが第2状態としての閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定等が行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の演出制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「ハズレ」となる。
一例として、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を、大当り図柄やハズレ図柄としてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間、あるいは所定個数の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難又は発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出毎に所定個数の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」又は「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」又は「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とする上限時間が比較的に長い時間となる通常開放ラウンドが実行される。なお、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態とする上限時間が比較的に短い時間となる短期開放ラウンドが実行される大当り種別を設けてもよい。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過し易い有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1状態と第2状態とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1状態と第2状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1状態と第2状態とに変化させる制御は、高開放制御と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示態様、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の可変表示態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の可変表示態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出(以下「スーパーリーチ演出」という)が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出(以下「ノーマルリーチ演出」という)が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。また、スーパーリーチ演出のうちでも、スーパーBのスーパーリーチ演出(以下「スーパーリーチB演出」という)といった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのスーパーリーチ演出(以下「スーパーリーチA演出」という)が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等といった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間に変化が生じないものであればよい。
この実施の形態では、ステップアップ予告演出が実行可能に設定されている。ステップアップ予告演出は、リーチ演出が実行される場合には開始されるまでの期間において、リーチ演出が実行されない場合には、リーチ演出への発展を煽る演出として、実行される演出である。この実施の形態では、ステップアップ予告演出が実行される場合、ステップアップ段階が進むほど、リーチ演出、スーパーリーチ演出に発展する可能性が高くなり、さらには大当り期待度が高くなる。
なお、この実施の形態では、一例として、ステップアップ予告演出は、第1段階(SU1)、第2段階(SU2)、第3段階(SU3)の3段階のステップアップが実行可能とされている。また、ステップアップ予告演出の開始を煽る予兆演出も実行可能とされている。
予兆演出は、図13(B)に示すように、可動枠部材60が第1位置P11において上下に微動する演出である。ステップアップ予告演出の第1段階は、図14(A)に示すように、可動枠部材60が第1位置P11から第2位置P12まで移動し、第1表示領域AE1に敵キャラクタECが表示された段階である。ステップアップ予告演出の第2段階は、可動枠部材60が第2位置P12に移動し、第1表示領域AE1に敵キャラクタECが表示された後に第2表示領域AE2に味方キャラクタMCが表示された状態である。ステップアップ予告演出の第3段階には、2つのパターンがある。ステップアップ予告演出の第3段階の第1パターンは、図15(A−1)に示すように、可動枠部材60が第2位置P12から第3位置P13に移動した後、画像表示装置5における可動枠部材60の下方に拡大第2表示領域ED2が形成され、この拡大第2表示領域ED2に味方キャラクタMCが大きく表示されるパターンである。ステップアップ予告演出の第3段階の第2パターンは、図15(A−2)に示すように、可動枠部材60が第2位置P12から第1位置P11に移動した後、画像表示装置5における可動枠部材60の上方に拡大第1表示領域ED1が形成され、この拡大第1表示領域ED1に敵キャラクタECが大きく表示されるパターンである。
なお、ステップアップ予告演出の段階が進むにつれて、第3表示領域には、その都度演出文字などが表示される。また、ステップアップ予告演出の段階が進むにつれて、スピーカ8(8L,8R)からは、段階が進んだことを報知する報知音が出力される。報知音は、進んだ段階に応じて異なる音とされているが、同じ音とされていてもよい。
ステップアップ予告演出が終了した後、リーチ演出に発展する場合と発展しない場合とがある。リーチ演出に発展する場合において、第1段階及び第2段階からリーチ演出に発展する場合には、可動枠部材60が第2位置P12から第1位置P11に移動した後にリーチ演出に発展する。リーチ演出が開始される際、第3段階の第1パターンからリーチ演出に発展した場合には、図15(B−1)に示すように、可動枠部材60が第3位置P13に移動した後の拡大第2表示領域ED2において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにリーチ態様の飾り図柄の可変表示態様が表示される。リーチ態様の飾り図柄の可変表示態様が表示された後は、図15(C−1)に示すように、当該可変表示態様が拡大第2表示領域ED2の左下に小さく表示され、所定の演出、例えば敵キャラクタECと味方キャラクタMC(第1味方キャラクタMC1)が対決する演出であるバトル演出に発展する。バトル演出では、特別図柄の表示結果が「大当り」となるときには、味方キャラクタMCが勝利する演出が実行され、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となるときには、敵キャラクタECが勝利する演出が実行される。
リーチ演出が開始される際、第3段階の第2パターンからリーチ演出に発展した場合には、図15(B−2)に示すように、可動枠部材60が第1位置P11に移動した後の拡大第1表示領域ED1において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにリーチ態様の飾り図柄の可変表示態様が表示される。リーチ態様の飾り図柄の可変表示態様が表示された後は、図15(C−2)に示すように、当該可変表示態様が拡大第1表示領域ED1の左下に小さく表示され、所定の演出(例えばバトル演出)に発展する。なお、リーチ演出に発展する際に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにリーチ態様の飾り図柄の可変表示態様が表示されることなく、所定の演出(例えばバトル演出)に発展するようにしてもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とがあればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を、例えば「非確変」や「確変」といった複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするか等の決定を行うために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込み処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うと共に、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。この処理では、例えば大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。なお、大当り種別に「突確」を設けた場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理等が含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理等が含まれている。例えば、大当り種別が「確変」であるか「非確変」であるかに応じて、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われる。その後、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。即ち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかを示す始動口データを、保留データと共に、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図5(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図5(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたこと等に基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になり易く、大当り遊技状態になり易い。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、確変制御の有無に応じた所定割合で特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割り当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果に対する決定値の割り当てを異ならせてもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;YES)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図5(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、所定割合で大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれかに決定される。なお、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、決定可能な大当り種別を異ならせてもよいし、大当り種別の決定割合を異ならせてもよい。一例として、変動特図が第1特図である場合には所定割合で大当り種別が「突確」に決定可能とする一方、変動特図が第2特図である場合には大当り種別が「突確」には決定されないように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;NO)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。より具体的には、大当り種別が「非確変」の場合には「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。大当り種別が「確変」の場合には「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245の処理にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図6(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;YES)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;NO)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図6(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図6(A)に示すステップS262の処理では、例えば予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図6(A)に示すステップS263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意した複数のハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。複数のハズレ変動パターン決定テーブルでは、通常時であるか時短中であるかや、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定され難いように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止を低減することができる。
図7(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA3−1といった、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2、PA3−3といったスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。
図7(B)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2、PA2−3といったスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。
また、大当り時には、スーパーリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められる。
図7(A)に示す決定例において、変動パターンPA3−3といった、スーパーリーチB演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2といった、スーパーリーチA演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。一方、図7(B)に示す決定例において、変動パターンPA2−3といった、スーパーリーチB演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2といった、スーパーリーチA演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーリーチB演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーリーチB演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図6(B)に示すように、変動パターンPA2−1〜PA2−3と、変動パターンPA3−1〜PA3−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図7(A)及び(B)に示す決定割合の設定により、スーパーリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーリーチB演出が実行されたときには、スーパーリーチA演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図6(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LED等の発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図8は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理には、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御等を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果等に基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、特図表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したこと等に基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したこと等に対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図9(A)は、図8のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図9(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄等を決定する(ステップS401)。このとき、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組み合わせに応じた変動開始時決定内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
図9(B)は、ステップS401の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、変動開始時決定内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124、又はRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定等により、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
変動開始時決定内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組み合わせとなってしまう場合には、任意の値を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算すること等により、確定飾り図柄が大当り組み合わせとはならずにリーチ組み合わせとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否か等に応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS401の処理では、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄から成る非確変大当り組み合わせの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難又は認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示させて同一の確変図柄から成る確変大当り組み合わせの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組み合わせの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップS401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組み合わせ等を決定すればよい。
ステップS401の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出決定処理を実行する(ステップS402)。図10は、ステップアップ予告演出決定処理として、図9(A)のステップS402にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すステップアップ予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、ステップアップ予告演出内容決定処理を行う(ステップS501)。ステップS501では、一例として、ステップアップ予告演出内容を決定するためのテーブルとして、予めROM121の所定領域に記憶する等して用意されたステップアップ予告演出内容決定テーブルを選択してセットする。ステップアップ予告演出内容決定テーブルでは、例えば、変動パターンが、PA1−1(通常時短縮なし→非リーチ(ハズレ)),PA1−2又はPA1−3(通常時短縮あり→非リーチ(ハズレ)),PA2−1(ノーマルリーチ(ハズレ)),PA2−3(スーパーリーチB(ハズレ)),PA3−1(ノーマルリーチ(大当り))、PA3−3(スーパーリーチB(大当り))のいずれであるかに応じて、ステップアップ予告演出内容決定用の乱数値と比較される数値が、ステップアップ「なし」「予兆」「SU1」「SU2」「SU3」のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。なお、ステップアップ「予兆」は、予兆演出であり、ステップアップ「SU1」「SU2」「SU3」がステップアップ予告演出となる。
図11は、ステップアップ予告演出内容決定テーブルの構成例を示している。ステップアップ予告演出内容決定テーブルでは、変動パターンとして、通常時短縮なしから非リーチ(ハズレ)となるPA1−1、通常時短縮ありから非リーチ(ハズレ)となるPA1−2及びPA1−3、ノーマルリーチ(ハズレ)となるPA2−1、スーパーリーチB(ハズレ)となるPA2−3、ノーマルリーチ(大当り)となるPA3−1、スーパーリーチB(大当り)となるPA3−3が決定されたそれぞれの場合に、一定の場合を除いて、ステップアップ「なし」「予兆」「SU1」「SU2」「SU3」のいずれかが決定され得るように設定されている。
このうちの一定の場合として、変動パターンが、通常時短縮なしから非リーチ(ハズレ)となるPA1−1である場合、ステップアップ「SU3」の決定割合は0とされている。このため、通常時短縮なしからステップアップ「SU3」が実行された後、非リーチ(ハズレ)となることはないように設定されている。
また、変動パターンが、通常時短縮ありから非リーチ(ハズレ)となるPA1−2,PA1−3である場合、ステップアップ「SU1」「SU2」「SU3」の決定割合は0とされている。このため、通常時短縮なしからステップアップ「SU1」「SU2」「SU3」が実行された後、非リーチ(ハズレ)となることはないように設定されている。ここため、通常時時短なしからリーチ演出に発展しない場合には、ステップアップ予告演出が実行されず、通常時時短なしからステップアップ予告演出が実行されれば、必ずリーチ演出が実行される。
また、変動パターンが、ノーマルリーチ(ハズレ)となるPA2−1である場合、ステップアップ「SU3」の決定割合は0とされている。さらに、ノーマルリーチ(大当り)となるPA3−1である場合も、ステップアップ「SU3」の決定割合は0とされている。このため、ステップアップ「SU3」が実行された後、ノーマルリーチとなることはなく、ステップアップ「SU3」が実行されると、必ずスーパーリーチB演出が実行されるように設定されている。
また、変動パターンが、スーパーリーチB(ハズレ)となるPA2−3である場合、ステップアップ「予兆」の決定割合は0とされている。さらに、スーパーリーチB(大当り)となるPA3−3である場合も、ステップアップ「予兆」の決定割合は0とされている。このため、ステップアップ予告演出に発展する前の予兆演出で終わった場合には、スーパーリーチBとなることはないように設定されている。
一方、変動パターンが、時短中短縮なしから非リーチ(ハズレ)となるPB1−1、時短中短縮ありから非リーチ(ハズレ)となるPB1−2、スーパーリーチA(ハズレ)となるPA2−2、スーパーリーチA(大当り)となるPA3−2である場合、予兆演出及びステップアップ予告演出は実行されないように設定されている。また、予兆演出及びステップアップ予告演出が実行された後、スーパーリーチAには発展しないように設定されている。このため、予兆演出またはステップアップ予告演出が実行された後に発展するスーパーリーチはスーパーリーチBに限定されるので、スーパーリーチBを楽しみたい遊技者に対する興趣を高めることができる。また、予兆演出またはステップアップ予告演出が実行されることなく発展したスーパーリーチは、スーパーリーチAに限定されるので、スーパーリーチAを楽しみたい遊技者に対する興趣を高めることができる。
なお、変動パターンが、時短中短縮なしから非リーチ(ハズレ)となるPB1−1、時短中短縮ありから非リーチ(ハズレ)となるPB1−2の場合に、ステップアップ「予兆」「SU1」「SU2」「SU3」の決定割合を0以外の数値とし、時短中には予兆演出及びステップアップ予告演出が実行され得るようにしてもよい。また、変動パターンが、スーパーリーチA(ハズレ)となるPA2−2、スーパーリーチA(大当り)となるPA3−2である場合に、ステップアップ「予兆」「SU1」「SU2」「SU3」の決定割合を0以外の数値とし、予兆演出及びステップアップ予告演出が実行された後にスーパーリーチAが実行され得るようにしてもよい。この場合、予兆演出及びステップアップ予告演出が実行された後に発展したスーパーリーチは、スーパーリーチA及びスーパーリーチBのいずれも可能性が残るので、遊技者の興味を引き延ばすことができる。
また、変動パターンが、ノーマルリーチ(ハズレ)となるPA2−1である場合とノーマルリーチ(大当り)となるPA3−1である場合における各ステップアップ段階のPA2−1に対するPA3−1の決定割合は、ステップアップ「なし」よりステップアップ「予兆」の方が高くなっている。また、同様の場合のステップアップ段階の決定割合は、ステップアップ「予兆」よりステップアップ「SU1」の方が高くなっており、ステップアップ「SU1」よりステップアップ「SU2」の方が高くなっており、ステップアップ「SU2」よりステップアップ「SU3」の方が高くなっている。
また、変動パターンが、スーパーリーチB(ハズレ)となるPA2−3である場合とスーパーリーチB(大当り)となるPA3−3である場合における各ステップアップ段階のPA2−3に対するPA3−3の決定割合は、変動パターンが、ノーマルリーチ(ハズレ)となるPA2−1である場合とノーマルリーチ(大当り)となるPA3−1である場合における各ステップアップ段階のPA2−1に対するPA3−1の決定割合と同様の傾向を有している。このため、リーチ演出が実行される場合の全体として、ステップアップ段階の決定割合は、ステップアップ「なし」よりステップアップ「予兆」の方が高くなっており、ステップアップ「予兆」よりステップアップ「SU1」の方が高くなっており、ステップアップ「SU1」よりステップアップ「SU2」の方が高くなっており、ステップアップ「SU2」よりステップアップ「SU3」の方が高くなっている。また、非リーチ(ハズレ)となるPA1−1,PA1−2,PA1−3を含めても、ステップアップ段階の決定割合は、同様の傾向となっている。
ステップS502の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、スーパーリーチBを実行するか否かを判定する(ステップS503)。この判定は、変動パターンが、P2−3,PA3−3の何れかであるか、あるいはそれ以外であるかによって行う。その結果、スーパーリーチBを実行しないと判定された場合(ステップS502;NO)、演出制御用CPU120は、そのままステップアップ予告演出決定処理を終了する。
また、スーパーリーチBを実行すると判定された場合(ステップS502;YES)、演出制御用CPU120は、敵キャラクタ決定処理を行う(ステップS503)。ステップS503では、一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される敵キャラクタ用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された敵キャラクタ決定テーブルを参照すること等により、スーパーリーチBおいて登場する敵キャラクタを決定する。
図12(A)は、ステップS503において使用される敵キャラクタ決定テーブルの構成例を示している。図12(A)に示す敵キャラクタ決定テーブルでは、敵キャラクタ決定用の乱数値と比較される数値が、「通常キャラクタ」「チャンスキャラクタ」「大チャンスキャラクタ」のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。なお、図12(A)は、各決定結果に割り当てられる決定値の代わりに各決定結果の決定割合が記載されている。
この実施の形態では、変動パターンが、スーパーリーチB(ハズレ)となるPA2−3である場合とスーパーリーチB(大当り)となるPA3−3である場合における敵キャラクタのPA2−3に対するPA3−3の決定割合は、「通常キャラクタ」より「チャンスキャラクタ」の方が高くなっている。また、同様の場合の敵キャラクタの決定割合は、「チャンスキャラクタ」より「大チャンスキャラクタ」の方が高くなっている。
ステップS503の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、味方キャラクタ人数決定処理を行う(ステップS504)。ステップS504では、一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される味方キャラクタ人数用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された味方キャラクタ人数決定テーブルを参照すること等により、スーパーリーチBおいて登場する味方キャラクタ人数を決定する。
図12(B)は、ステップS504において使用される味方キャラクタ人数決定テーブルの構成例を示している。図12(B)に示す味方キャラクタ人数決定テーブルでは、味方キャラクタ人数決定用の乱数値と比較される数値が、「1人」「2人」「3人」のいずれかの決定結果に割り当てられていればよい。なお、図12(B)は、各決定結果に割り当てられる決定値の代わりに各決定結果の決定割合が記載されている。なお、この実施の形態では、敵キャラクタは一人であり、味方キャラクタは一人から三人であるが、敵キャラクタ及び味方キャラクタは二人以上の複数人であってもよい。また、この実施の形態では、味方キャラクタの人数を決定しているが、決定される味方キャラクタの人数が敵キャラクタと同様に固定され、例えば一人とされていて、複数の味方キャラクタの中から味方キャラクタを決定してもよい。
この実施の形態では、変動パターンが、スーパーリーチB(ハズレ)となるPA2−3である場合とスーパーリーチB(大当り)となるPA3−3である場合における味方キャラクタ人数のPA2−3に対するPA3−3の決定割合は、「1人」より「2人」の方が高くなっている。また、同様の場合の味方キャラクタ人数の決定割合は、「2人」より「3人」の方が高くなっている。
味方キャラクタの人数が決定されると、スーパーリーチBにおいて登場する味方キャラクタが決定される。例えば、味方キャラクタ人数が「1人」であると、味方キャラクタAが登場し、例えば、味方キャラクタ人数が「2人」であると、第1味方キャラクタA及び第2味方キャラクタBが登場する。また、味方キャラクタ人数が「3人」であると、第1味方キャラクタA、第2味方キャラクタB、及び第3味方キャラクタCが登場する。
また、味方キャラクタの人数が決定されると、スーパーリーチ演出Bの開始前に第3表示領域に表示される装飾文字である表示文字の内容を決定する。スーパーリーチ演出Bの開始前に第3表示領域に表示する表示文字は、図12(B)に示すように、味方キャラクタ人数に対応しており、味方キャラクタが「1人」の場合には「激熱!」、味方キャラクタが「2人」の場合には「鬼熱!」、味方キャラクタが「3人」の場合には「神熱!」となる。したがって、スーパーリーチ演出Bの開始前の第3表示領域の「激熱!」の装飾文字が表示されると、スーパーリーチB演出では、味方キャラクタが「1人」となり、スーパーリーチ演出Bの開始前の第3表示領域の「鬼熱!」の装飾文字が表示されると、スーパーリーチB演出では、味方キャラクタが「2人」となり、スーパーリーチ演出Bの開始前の第3表示領域の「神熱!」の装飾文字が表示されると、スーパーリーチB演出では、味方キャラクタが「3人」となる。
また、この実施の形態では、変動パターンが、スーパーリーチB(ハズレ)となるPA2−3である場合とスーパーリーチB(大当り)となるPA3−3である場合における第3表示領域に表示する表示文字の内容のPA2−3に対するPA3−3の決定割合は、「激熱!」より「鬼熱!」の方が高くなっている。また、同様の場合の第3表示領域に表示する表示文字の内容の決定割合は、「鬼熱!」より「神熱!」の方が高くなっている。こうして、ステップS504の処理が終了すると、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出決定処理を終了する。
次に、ステップアップ予告演出が実行されるときの主な演出画面及び可動枠部材60の動作について図13〜図19を参照して説明する。ここでは、ステップアップ予告演出を経てスーパーリーチ演出が実行される例について説明する。また、ステップアップ予告演出では、敵キャラクタとして「通常キャラクタ」が決定され、味方キャラクタとして人数として「1人」、第3表示領域の表示文字として「激熱!」が決定される例について説明する。
図13は、ステップアップ予告演出を経てスーパーリーチ演出が実行される可変表示において、飾り図柄の変動の開始から、ステップアップ予告演出の第1段階までの画像表示装置5の表示される演出画面及び可動枠80の動作を示す。図13(A)に示すように、可変表示が開始されると、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、飾り図柄がそれぞれ変動表示される。この例では、図13(A)に示す例では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに変動表示される飾り図柄のほか、画像表示装置5には、左始動入賞記憶表示エリア5HLに保留記憶表示がなされている。また、可動枠部材60は、最下方の第1位置P11に位置している。また、画像表示装置5には、図示しないが、可動枠部材60の上方位置において所定の背景画像が表示されているとともに、この背景画像につながる背景画像が可動枠部材60の中に表示されている。
可変表示が進行すると、図13(B)に示すように、第1位置P11に位置する可動枠部材60が上下に微動する予兆演出が実行される。予兆演出が実行されている間、画像表示装置5では、画像表示装置5における背景表示、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の変動表示、及び左始動入賞記憶表示エリア5HLの保留記憶表示は維持されている。
予兆演出に続いて、ステップアップ予告演出の第1段階に発展する。ステップアップ予告演出の第1段階では、図13(C)に示すように、可動枠部材60は、第1位置P11から上方に移動して第2位置P12に到達する。このとき、可動枠部材60によって画像表示装置5の表示領域が上下に分割されて第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2が形成される。可動枠部材60が第1位置P11から第2位置P12に移動する間において、可動枠部材60が飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに差し掛かるあたりで、図1に示される飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの飾り図柄及び左始動入賞記憶表示エリア5HLの保留記憶表示は消去され、画像表示装置5には背景画像のみが表示された状態となる。
可動枠部材60が第2位置P12に到達すると、図14(A)に示すように、可動枠部材60の上方に形成された第1表示領域AE1と可動枠部材60の下方に形成された第2表示領域AE2の面積が略同一となる。続いて、第1表示領域AE1には、敵キャラクタECが「覚悟しろ」のセリフ文字とともに表示される。また、可動枠部材60の中には、第3表示領域AE3が形成されている。これらの第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3に表示される画像は、いずれも画像表示装置5に表示された画像である。
また、ステップアップ予告演出が第1段階に移行したとき、演出制御用CPU120は、第1表示領域AE1に敵キャラクタECを表示する。さらに、ステップアップ予告演出が第1段階に移行したとき、演出制御用CPU120は、図14(A)に示すように、音声制御基板13にスピーカ8(8L,8R)から第1報知音を出力させる。第1表示領域AE1に敵キャラクタECが表示されることにより、スーパーリーチ演出への期待感を煽ることができ、興趣が向上する。また、第1表示領域AE1の敵キャラクタECの表示とともに、第3表示領域AE3には、「!!」の装飾文字を表示する。さらに、第3表示領域AE3の背景を第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2の背景と異なる独自の背景とする。第3表示領域AE3への装飾文字の表示により、ステップアップの段階の進行及び第1表示領域AE1への敵キャラクタECの表示を遊技者に示唆することができる。また、第3表示領域AE3の背景を独自の背景とすることにより、第3表示領域AE3に表示される情報を遊技者に注目させやすくすることができる。
また、可動枠部材60が第2位置P12に位置するときには、第1表示領域AE1に敵キャラクタCEが表示されることがあり、第2表示領域AE2に図17(B)に示す味方キャラクタMC(第1味方キャラクタMC1、第2味方キャラクタMC2、及び第3味方キャラクタMC3)が表示されることがある。このため、第1表示領域AE1は、いわば敵キャラクタ用の表示領域であり、第2表示領域AE2は、いわば味方キャラクタ用の表示領域となる。このときの第3表示領域AE3は、いわば敵キャラクタと味方キャラクタの間の中立を保つ中立表示領域となる。
さらに、ステップアップ予告演出が第2段階に移行したとき、演出制御用CPU120は、図14(B)に示すように、第2表示領域AE2に第1味方キャラクタMC1を「そっちこそ覚悟してね!」のセリフ文字とともに表示する。このとき、演出制御用CPU120は、音声制御基板13にスピーカ8(8L,8R)から第1報知音と異なる第2報知音を出力させる。第2表示領域AE2に第1味方キャラクタMC1が表示されることにより、スーパーリーチ演出への期待感を煽ることができ、興趣が向上する。また、第2表示領域AE2の第1味方キャラクタMC1の表示とともに、第3表示領域AE3には、「チャンス!?」の装飾文字を表示する。第3表示領域AE3への装飾文字の表示により、ステップアップの段階の進行及び第2表示領域AE2への第1味方キャラクタMC1の表示を遊技者に示唆することができるとともに、期待感を高めることができる。
また、ステップアップ予告演出が第2段階から第3段階に移行する際には、第1パターンの第3段階と第2パターンの第3段階の何れかに移行する。第1パターンの第3段階に移行する際には、第3段階に移行する前に、図14(C−1)に示すように、第3表示領域AE3に「激熱!」の装飾文字を表示する。このとき、演出制御用CPU120は、音声制御基板13にスピーカ8(8L,8R)から第3報知音を出力させる。その後、図15(A−1)に示すように、可動枠部材60は第2位置P12から第3位置P13に移動し、第2表示領域AE2が拡大して拡大第2表示領域ED2となり、図15(A−2)に示す第1表示領域AE1が消滅する。さらに、ステップアップ予告演出の第2段階で第2表示領域AE2に表示されていた第1味方キャラクタMC1が拡大第2表示領域ED2に大きく表示されるとともに、「いっくよー!」という見方キャラクタMCの勝利を予期させるセリフ文字が表示される。また、第1表示領域AE1に表示されていた敵キャラクタECは消滅する。また、第3表示領域AE3では、「激熱!」の装飾文字の表示が継続される。この装飾文字の表示により、続いて実行されるスーパーリーチ演出に対する注目度を高めることができる。
図15(A−1)に続く演出として、図15(B−1)に示すように、画像表示装置5における拡大第2表示領域ED2に飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rが形成されるとともに、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに飾り図柄がリーチ態様で表示される演出が実行される。このとき、第3表示領域AE3には、「激熱!」の装飾文字が引き続いて表示される。
続いて、図15(C−1)に示すように、画像表示装置5における拡大第2表示領域ED2において、敵キャラクタECと第1味方キャラクタMCが向かい合った状態の画像が表示されて、スーパーリーチB演出が実行される。さらに、「BOSS BATTLE」の装飾文字を表示することにより、敵キャラクタECと第1味方キャラクタMCがバトルを開始するスーパーリーチB演出が開始される旨を遊技者に知らせる。このとき、リーチ態様の飾り図柄が拡大第2表示領域ED2の左下に小さく表示される。
また、スーパーリーチ演出Bが開始されると、スピーカ8からスーパーリーチ開始音が出力される。このように、ステップアップの段階が変化するものでなくとも、画像表示領域5の表示内容等に変化がある場合に、その変化に合わせてスピーカ8から変化音を出力することにより、画像表示領域5の表示内容の変化を遊技者が認識しやすくすることができる。
その後、図16(A)に示すように、画像表示装置5の拡大第2表示領域ED2において、スーパーリーチB演出が実行される。このとき、第3表示領域AE3には、「BOSS BATTLE!」の装飾文字が表示され、スーパーリーチB演出としてバトル演出が実行されている旨を遊技者に報知している。
それから、特別図柄の表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の拡大第2表示領域ED2において、第1味方キャラクタMC1が勝利する演出が実行される。その後、図16(B−1)に示すように、勝利した第1味方キャラクタMC1が画像表示装置5の拡大第2表示領域ED2に表示され、第3表示領域AE3には、「777」の飾り図柄が表示される。そして、図16(C−1)に示すように、可動枠部材60が第3位置P13から第1位置P11に移動し、画像表示装置5の図柄表示エリア5L,5C,5Rに「777」の大当り組み合わせからなる確定飾り図柄が導出表示される。
また、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となるときには、画像表示装置5では、図16(A)に示す表示の後、拡大第2表示領域ED2において、敵キャラクタECが勝利する演出が実行される。その後、図16(B−2)に示すように、勝利した敵キャラクタECが画像表示装置5の拡大第2表示領域ED2に表示され、第3表示領域AE3には、「767」の大当り組み合わせ以外のハズレ組み合わせの飾り図柄が表示される。そして、図16(C−2)に示すように、可動枠部材60が第3位置P13から第1位置P11に移動し、画像表示装置5の図柄表示エリア5L,5C,5Rに「767」の大当り組み合わせ以外の飾り図柄の組み合わせからなる確定飾り図柄が導出表示される。
一方、第2パターンの第3段階に移行する際には、第3段階に移行する前に、図14(C−2)に示すように、第3表示領域AE3に「ピンチ!?」の装飾文字を表示する。このとき、演出制御用CPU120は、音声制御基板13にスピーカ8(8L,8R)から第3報知音と異なる第4報知音を出力させる。その後、図15(A−2)に示すように、可動枠部材60は第2位置P12から第1位置P11に移動し、第1表示領域AE1が拡大して拡大第1表示領域ED1となり、図14(C−2)に示す第2表示領域AE2が消滅する。さらに、ステップアップ予告演出の第2段階で第1表示領域AE1に表示されていた敵キャラクタECが拡大第1表示領域ED1に大きく表示されるとともに、「フハハハ喰らえ!」という敵キャラクタECの勝利を予期させるセリフ文字が表示される。また、第2表示領域AE2に表示されていた第1味方キャラクタMC1は、消滅する。また、第3表示領域AE3には、「ピンチ!?」の装飾文字が表示される。この装飾文字の表示により、期待度が高くないかもしれないという情報を遊技者に与えることができる。
図15(A−2)に続く演出として、図15(B−2)に示すように、画像表示装置5における拡大第1表示領域ED1に飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rが形成されるとともに、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに飾り図柄がリーチ態様で表示される。また、第3表示領域AE3には、「ピンチ!?」の装飾文字が引き続いて表示される。
続いて、図15(C−2)に示すように、画像表示装置5における拡大第1表示領域ED1において、敵キャラクタECと第1味方キャラクタMCが向かい合った状態の画像が表示されて、スーパーリーチB演出が実行される。さらに、「BOSS BATTLE」の装飾文字を表示することにより、敵キャラクタECと第1味方キャラクタMCがバトルを開始するスーパーリーチB演出が開始される旨を遊技者に知らせる。このとき、リーチ態様の飾り図柄が拡大第1表示領域ED1の左下に小さく表示される。その後は、拡大第1表示領域ED1において、図16に示す拡大第2表示領域ED2及び可動枠部材60が第3位置P13から第1位置P11に移動した後の画像表示装置5で実行された演出と同様の演出が実行される。
ここまで、味方キャラクタとして人数として「1人」、第3表示領域の表示文字として「激熱!」が決定される例について説明したが、味方キャラクタとして人数として「2人」、第3表示領域の表示文字として「鬼熱!」が決定される場合もある。この場合には、図14(C−1)に示すステップアップ予告演出の第3段階に進む前の段階の表示に代えて、図17(A)に示すように、第3表示領域AE3に「鬼熱!」の装飾文字を表示するとともに、第2表示領域AE2には、第1味方キャラクタMC1及び第2味方キャラクタMC2の二人の味方キャラクタMCを表示する。このとき、第3表示領域AE3の背景は図14(C−1)に示す背景と異なるものとする。さらに、第2表示領域AE2には、第1味方キャラクタMC1及び第2味方キャラクタMC2による「ツインパワー」のセリフ文字を表示する。その後、図15及び図16に示す第1味方キャラクタMC1の一人の表示による演出を第1味方キャラクタMC1及び第2味方キャラクタMC2の二人の表示による演出に代えて、スーパーリーチB演出を実行する。
また、味方キャラクタとして人数として「3人」、第3表示領域の表示文字として「神熱!」が決定される場合もある。この場合には、図14(C−1)に示すステップアップ予告演出の第3段階に進む前の段階の表示に代えて、図17(B)に示すように、第3表示領域AE3に「神熱!」の装飾文字を表示するとともに、第2表示領域AE2には、第1味方キャラクタMC1、第2味方キャラクタMC2、及び第3味方キャラクタMC3の三人の味方キャラクタMCを表示する。このとき、第3表示領域AE3の背景は図14(C−1)及び図17(A)に示す背景と異なるものとする。さらに、第2表示領域AE2には、第1味方キャラクタMC1、第2味方キャラクタMC2、及び第3味方キャラクタMC3による「全員集合!」のセリフ文字を表示する。その後、図15及び図16に示す第1味方キャラクタMC1の一人の表示による演出を第1味方キャラクタMC1、第2味方キャラクタMC2、及び第3味方キャラクタMC3の三人の表示による演出に代えて、スーパーリーチB演出を実行する。
以上説明したように、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、例えば、演出制御用CPU120は、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2とのそれぞれに表示を行うことによって大当り期待度を示唆する示唆演出を実行する。例えば、ステップアップ予告演出において、発展段階が、第1表示領域AE1に敵キャラクタECが表示される第1段階(SU1)までの場合と、、第1表示領域AE1に敵キャラクタECが表示され、第2表示領域に味方キャラクタMCが表示される第2段階(SU2)までの場合では、第2段階(SU2)までの場合の方が、第1段階(SU1)までの場合よりも大当り期待度が高くなっている。当該ステップアップ予告演出において、第3段階(SU3)まで発展する前において、第3表示領域AE3に「激熱!」の装飾文字が表示されて第1パターンの第3段階(SU3)に移行する場合と、第3表示領域AE3に「ピンチ!?」の装飾文字が表示されて第2パターンの第3段階(SU3)に移行する場合では、第1パターンの第3段階(SU3)に移行する場合の方が、第2パターンの第3段階(SU3)に移行する場合よりも大当り期待度が高くなっている。このため、第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2の表示態様に加えて、第3表示領域AE3の表示態様によって大当り期待度が変化する。したがって、興趣の向上を図ることができる。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、例えば、演出制御用CPU120は、ステップアップ予告演出において、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2に対して、それぞれ異なる複数種類のキャラクタのいずれかを表示するようにしている。具体的に、第1表示領域AE1には、「通常キャラクタ」「チャンスキャラクタ」「大チャンスキャラクタ」の複数種類のいずれかを敵キャラクタECとして表示し、第2表示領域AE2には、第1味方キャラクタMC1の一人、第1味方キャラクタMC1及び第2味方キャラクタMC2の二人、あるいは第1味方キャラクタMC1、第2味方キャラクタMC2、及び第3味方キャラクタMC3の三人の複数種類のいずれかを味方キャラクタMCとして表示する。このため、第1領域と第2領域との表示内容の組み合わせが増えることによって興趣が向上する。
なお、第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2の表示態様におけるキャラクタ等の表示態様は、他の表示態様であってもよい。例えば、第1表示領域AE1に複数の敵キャラクタが表示されるようにしてもよいし、第2表示領域AE2に異なる一人の味方キャラクタが表示されるようにしてもよい。あるいは、第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2のそれぞれに敵キャラクタと味方キャラクタが混在するように表示されるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、例えば、演出制御用CPU120は、図14(A)に示すように、ステップアップ予告演出が第1段階(SU1)に進んで第1表示領域AE1に敵キャラクタが表示されるように第1表示領域AE1の態様が変化したときに、スピーカ8から報知音を出力する報知演出を実行する。また、演出制御用CPU120は、図14(B)に示すように、ステップアップ予告演出が第2段階(SU2)に進んで第2表示領域AE2に味方キャラクタMC(第1味方キャラクタMC1)が表示されるように第1表示領域AE1の態様が変化したときにも、スピーカ8から報知音を出力する報知演出を実行する。このため、報知音によってステップアップが進行して変化した画像が表示されたことを遊技者が認識することができる。また、第1段階(SU1)に進んで第1表示領域AE1の態様が変化したときに第2段階(SU2)に進んで第2表示領域AE2の態様が変化した時では異なる報知音を出力している。このため、第1表示領域AE1または第2表示領域AE2がいずれの態様へ変化したかを遊技者が認識することができる。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1では、図14(B)に示すように、第3表示領域AE3の装飾文字が「チャンス!?」である態様の変化後の態様が、図14(C−1)に示すように「激熱!」である場合にスピーカ8から出力される第3報知音と、図14(C−2)に示すように、「ピンチ!?」である場合にスピーカ8から出力される第4報知音が異なる。したがって、報知によっていずれの態様へ変化したかを遊技者が認識することができる。
なお、上記の実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、報知演出として、スピーカ8から報知音を出力する演出を行っているが、報知演出は他の演出でもよい。例えば、報知演出は、演出の変化の内容を文字や図形などで画像表示装置5や別途設けられたサブ画像表示装置などに表示して報知を行ってもよい。具体的には、ステップアップ!の文字を表示すようにしてもよい。また、報知演出は、可動役物などを用いて文字や図形を表し、あるいは可動役物の移動態様等によって行うようにしてもよい。また、報知演出を報知音で実行する場合に、「ステップアップだよ」といったように、ステップアップ予告演出が実行される旨を遊技者に対して直接的にわかりやすく報知するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1では、可動枠部材60が第1位置P11から第2位置P12に移動することによって第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2が形成される。このため、第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2が形成されるにあたって、可動枠役物60の動作が生じるので、興趣が向上する。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1では、可動枠部材60が上下に移動し、第3表示領域AE3の変化、具体的には第3表示領域AE3の上下方向の表示位置の変化に応じて、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2の面積の割合が異なる。例えば、可動枠役物60が上方に移動することにより、第1表示領域AE1の面積が狭くなるとともに、第2表示領域AE2の面積が広くなる。また、可動枠部材60が下方に移動することにより、第1表示領域AE1の面積が広くなるとともに、第2表示領域AE2の面積が狭くなる。このため、第1表示領域AE1、第2表示領域AE2、及び第3表示領域AE3の注目度を高めることができる。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1では、第3表示領域AE3は、可動枠役物60の上下動に応じて移動する。このため、可動枠部材60の動作を追うことによって第3表示領域AE3の移動を認識でき、第3表示領域AE3の移動に遊技者を注視させやすくすることができるので、興趣が向上する。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1では、ステップアップ予告演出の第2段階(SU2)において、敵キャラクタECが表示される第1表示領域AE1と、味方キャラクタMCが表示される第2表示領域AE2は、可動枠部材60の中に形成された第3表示領域AE3で画像表示装置5の表示画面が分割されて形成されている。このため、画像表示装置5の表示に変化を与えることができるので、興趣の向上を図ることができる。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
例えばパチンコ遊技機1は、上記の実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記の実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
(変形例1)上記の実施の形態では、ステップアップ予告演出において、予兆から第1段階(SU1)への移行時、第1段階(SU1)から第2段階(SU2)への移行時などの際に、移動する可動枠部材60の中(第3表示領域AE3)には、画像表示領域5の全域に表示されている背景と共通の背景を表示しているが、他の表示としてもよい。例えば、予兆から第1段階(SU1)に移行するや各ステップアップ段階が移行する際の専用のア画像(背景)としてもよいし、各段階ごとに専用の画像(背景)としてもよい。また、各ステップアップの段階において、背景の種類に応じて期待度が変化するようにしてもよい。例えば、予兆から第1段階(SU1)に移行する際、背景画像として青画像、赤画像、花柄模様画像が表示可能である場合に、青画像が表示されるよりも赤画像が表示された方が大当り期待度が高く、赤画像が表示されるよりも花柄画像が表示された方が大当り期待度が高くなるようにしてもよい。また、第3表示領域AE3に表示する表示内容は、各ステップアップ段階において共通するものでもよいし、いずれかの段階では、もしくはすべての段階で異なるものとしてもよい。第3表示領域AE3の表示内容が各ステップアップ段階で異なる場合には、表示態様に応じて期待度が変化するようにしてもよい。また、各ステップアップ段階における表示態様を複数種類用意しておき、各ステップアップ段階における表示態様によって期待度が変化するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、第3表示領域AE3の表示態様によって変化する期待度が大当り期待度であるが、他の期待度であってもよい。例えば、ステップアップや擬似連が進行している過程において、次段階に進む期待度であってもよいし、演出に対する期待度、例えば、キャラクタ同士が勝敗を決する演出が実行されるときに、所定のキャラクタが勝利する期待度であってもよい。あるいは、遊技者が有利となるために何らかのポイントやアイテムなどが付与される遊技機では、これらのポイントやアイテムが得られる期待度であってもよい。
(変形例2)上記の実施の形態において、可動枠部材60は、上下方向に移動して、第3表示領域AE3によって第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2を形成するようにしているが、可動枠部材60が他の態様で移動するようにしてもよい。例えば、図18(A)に示すように、左右可動枠部材65が左右方向に移動するようにしてもよい。この場合、図18(A)に示すように、画像表示装置5の右側端部に配置された左右可動枠部材65が、画像表示装置5の前側において、左方向に移動する。続いて、図18(B)に示すように、左右可動枠部材65が画像表示装置5の中央位置に移動したときに、左右可動枠部材65の中には、第3表示領域AE13が形成され、画像表示装置5の右側に第1表示領域AE11が形成され、左側に第2表示領域AE12が形成される。こうして、第3表示領域AE13によって第1表示領域AE11及び第2表示領域AE12が形成される。第1表示領域AE11には、例えば、上記の実施の形態と同様の敵キャラクタECが表示され、第2表示領域AE12には、味方キャラクタMCが表示されてステップアップ予告演出が実行される。また、可動枠部材60は、可動枠部材用モータ61によって駆動されるほか、アクチュエータやその他の駆動装置を用いて移動するようにしてもよい。また、可動枠部材を移動させる際には、駆動装置と可動枠部材の間にリンク機構などを介するようにしてもよい。
また、図19(A)に示すように、傾動可動枠部材67が画像表示装置5の右下に位置する傾動点を中心として傾動するようにしてもよい。この場合、図19(A)に示すように、画像表示装置5の右側端部に起立状態で配置された傾動可動枠部材67が、画像表示装置5の前側において、傾動点を中心として先端が左下方に下がるように傾動する。続いて、図19(B)に示すように、傾動可動枠部材67が画像表示装置5の左上と右下を結ぶ対角線に沿って配置されたときに、傾動可動部材67の傾動を停止させる。続いて、傾動可動部材67の先端を引き伸ばす。こうして、図19(C)に示すように、画像表示装置5の左上と右下の間に傾動可動部材67が架け渡された状態とする。このときに、傾動可動枠部材67の中には、第3表示領域AE23が形成され、画像表示装置5の右上側に第1表示領域AE21が形成され、左下側に第2表示領域AE22が形成される。こうして、第3表示領域AE23によって第1表示領域AE21及び第2表示領域AE22が形成される。第1表示領域AE21には、例えば、上記の実施の形態と同様の敵キャラクタECが表示され、第2表示領域AE22には、味方キャラクタMCが表示される。
また、上記の実施の形態では、第3領域表示AE3によって第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2の2つの表示領域が形成されるが、第3表示領域によって、第1表示領域AE1及び第2表示領域AE2にさらに他の表示領域を加えた3つ以上の表示領域が形成されるようにしてもよい。また、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2を形成するために、第3表示領域AE3の1つの表示領域が設けられているが、2つ以上の表示領域によって、第1表示領域及び第2表示領域を形成するようにしてもよいし、あるいは、第1表示領域及び第2表示領域に他の表示領域を加えた3つ以上の表示領域を形成するようにしてもよい。また、第3表示領域AE3は、物理的に一体的に形成されているが、分離した状態(互いに離れた状態)で形成されていてもよい。また、上記の実施の形態では、第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3は、同一面上に形成されているが、遊技者からの距離が異なる面に形成されていてもよい。例えば、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2は、同一面上に形成され、第3表示領域AE3は、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2が形成された面よりも遊技者の近くに配置された面に形成されていてもよい。また、第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3は、平面ではなく、立体的な表示領域であってもよい。
(変形例3)上記の実施の形態では、第3表示領域AE3は、可動枠部材60の中に形成されているが、第3表示領域は、他の態様で形成されてもよい。例えば、可動枠部材60などの役物を用いることなく、画像表示装置5に可動枠部材60のような画像を表示し、当該画像の中に第3表示領域を形成して、この第3表示領域によって第1表示領域及び第2表示領域を形成するようにしてもよい。また、可動枠部材60やその画像などを形成することなく、画像表示装置3に表示された第3表示領域の対向する線等にそれぞれ接するように第1表示領域及び第2表示領域を形成し、第3表示領域によって第1表示領域及び第2表示領域を形成するようにしてもよい。また、第3表示領域AE3は、可動枠部材60によって囲まれた画像表示装置5の画像以外のものでもよい。例えば、可動枠部材60に別途LCDなどのサブ画像表示装置などを設け、このサブ画像表示装置に第3表示領域に相当する画像を表示するようにしてもよい。また、第3表示領域AE3を複数形成する場合などには、複数の第3表示領域は、複数の部材のそれぞれに設けられていてもよいし、1つの部材に設けられていてもよい。また、第3表示領域の一部が画像表示装置5の表示で形成され、第3表示領域の他の一部が他の部材などに設けられていてもよい。
(変形例4)上記の実施形態では、可動枠部材60を第2位置P12に配置することにより、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2を同じ割合(50:50)で表示するようにしているが、他の割合で表示するようにしてもよい。例えば、可動枠部材60を第2位置P12より低く、第1位置P11より高い位置に配置し、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2の表示面積の割合を80:20となるようにしてもよい。また、可動枠部材60を第2位置P12より高く、第3位置P13より低い位置に配置し、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2の表示面積の割合を20:80となるようにしてもよい。また、可動枠部材60は、第1位置11、第2位置P12、第3位置P13の3か所のいずれかに配置されるようにしているが、4箇所以上の位置に配置可能とされるようにしてもよい。
(変形例5)上記の実施の形態では、ステップアップ段階が進むにつれた可動枠部材60の移動態様は、1通りであるが、可動枠部材60の移動態様が複数とおりあるようにしてもよい。例えば、上記の実施の形態の移動態様の他、ステップアップ予告演出が予兆段階から第2段階(SU2)に進む際に、可動枠部材60が、例えば一旦第3位置P13まで移動した後に第2位置に移動するようにしてもよい。さらに、複数の移動態様を設けた場合には、移動態様に応じて期待度が変化するようにしてもよい。例えば、ステップアップ予告演出が予兆段階から第2段階(SU2)に進む際に、可動枠部材60が、例えば一旦第3位置P13まで移動した後に第2位置に移動する移動態様は、ステップアップ予告演出が予兆段階から第2段階(SU2)に進む際に、可動枠部材60がそのまま第2位置に移動するよりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
また、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2に各キャラクタが表示されるタイミングは、同じタイミングでもよいし、異なるタイミングでもよい。上記の実施の形態では、第1段階で第1表示領域AE1に敵キャラクタECが表示され、第2段階で第2表示領域AE2に味方キャラクタが表示されるように、各表示領域に対して異なるタイミングで表示を行うようにしているが、いずれかのステップアップ段階などにおいて、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2に同時に表示されるようにしてもよい。また、ステップアップの進行に伴い、またはステップアップの進行と離れて、複数の段階的に第1表示領域AE1と第2表示領域AE2の表示を行ってもよい。この場合、複数回数の可変表示ゲーム(特図ゲーム)にわたって段階的に表示が進行するようにしてもよい。また、第1表示領域AE1や第2表示領域AE2と第3表示領域AE3の間でも同様に、同じタイミングで表示を行うようにしてもよいし、異なるタイミングで表示を行うようにしてもよい。
(変形例6)上記の実施の形態では、可動枠部材60は一体の枠体(役物)が移動することによって第3表示領域を形成するが、可動枠部材は他の態様で形成されていてもよい。例えば、可動枠部材が変形するようにしてもよいし、複数のパーツ(部品)が結合(または合体)するなどにより、可動枠部材が形成されるようにしてもよい。複数のパーツによって可動枠部材が形成される態様では、各パーツは、複数の上下左右など複数の位置にそれぞれ配置されていてもよい。また、各パーツが、可動枠部材として結合される前にそれぞれ結合する位置まで移動する際に、回転などの複雑な動きを伴うようにしてもよい。また、可動枠部材やこれらの各パーツは、遊技盤3の表面に平行な平面上での動きのみならず、遊技盤3に対して直交する方向に対する動きを伴う、いわば三次元的な動きを伴うようにしてもよい。また、各パーツをリンク機構をなどを用いて作動させてもよい。画像表示装置5において、第3表示領域の対向する線等にそれぞれ接するように第1表示領域及び第2表示領域を形成する場合や可動枠部材が変形するなどの場合には、第3表示領域の面積が変動するようにしてもよい。
(変形例7)上記の実施の形態において、可動枠部材60が第1位置P11に配置されているときにも、可動枠部材60が画像表示装置5の前側に位置しており、可動枠部材60は常に遊技者から視認可能とされているが、可動枠部材60は、移動位置によっては、視認不能となる位置に配置可能となるようにしてもよい。例えば、予兆演出やステップアップ予告演出が始まる前の段階では、画像表示装置5の画面の裏側に可動枠部材60を配置し、または画像表示装置5の周囲に飾り役物を設け、その飾り役物の裏側などに可動枠部材60を配置して可動枠部材60が隠されて遊技者が視認できないようにしておき、予兆演出やステップアップ予告が実行される際に、可動枠部材60が移動して、画像表示装置5や飾り役物に隠されない位置に移動して遊技者が視認できるようにしてもよい。
(変形例8)上記の実施の形態においては、ステップアップ予告演出において決定される味方キャラクタの種類は、決定され得る人数と同数の三人であるが、決定可能であるキャラクタの種類は、決定されるキャラクタの人数でも多くてもよい。例えば、上記の実施の形態において、決定可能である三人の敵キャラクタの中から一人の敵キャラクタを決定するが、味方キャラクタについても決定可能である複数人、例えば3人の味方キャラクタの中から一人の味方キャラクタを決定するようにしてもよい。また、決定されるキャラクタが3人である場合に、決定可能なキャラクタが4人または5人以上であり、この人数のキャラクタの中からキャラクタを決定してもよい。また、決定可能であるキャラクタの数が決定されるキャラクタの数よりも少ない場合、同一のキャラクタが複数人決定されるようにしてもよい。
また、決定されたキャラクタの人数が同じ場合であっても、決定されたキャラクタによって期待度が異なるようにしてもよい。例えば、第1味方キャラクタ〜第5味方キャラクタの5人の味方キャラクタを3人決定する際に、第1味方キャラクタ、第2味方キャラクタ、第3味方キャラクタの3人を決定した場合よりも第3味方キャラクタ、第4味方キャラクタ、第5味方キャラクタの3人を決定した場合の方が期待度が高くなるようにしてもよい。期待度の高さは、例えば各キャラクタにそれぞれ強さポイントが付されており、決定されたキャラクタの強さポイントの合計で全体としての強さが決定されるようにしてもよい。また、特定の組み合わせが発生した場合には、強さポイントに特別加算される強さポイントがあるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、敵キャラクタと味方キャラクタの相性によらずに敵キャラクタと味方キャラクタの強さで期待度が定められるが、敵キャラクタと味方キャラクタの相性によって期待度が変化するようにしてもよい。例えば、通常は期待度の低い通常キャラクタであり、弱い味方キャラクタであっても、特定の組み合わせの場合には、相性が良く期待度が高くなるようにしてもよい。
(変形例9)上記の実施の形態では、ステップアップ演出後のリーチ演出等において、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに飾り図柄をリーチ態様で表示したりしているが、ステップアップ予告演出中またはその前後、特にリーチ演出中などにおいて、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに飾り図柄を表示しないようにしてもよい。また、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rに飾り図柄を表示するとしても、背景が透視可能となるように飾り図柄を透明または半透明などで表示してもよい。また、リーチ演出では、飾り図柄表示エリアを図柄表示装置5の四隅のいずれかの位置に小さく設けて、リーチ態様の飾り図柄を表示するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態において、図14等に示すように、ステップアップ演出を実行している際には、ステップアップ演出とは異なる演出を第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3の少なくとも1つの表示領域で実行していてもよい。特に、第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3の少なくとも1つの表示領域において、他の予告演出を行うようにしてもよい。また、上記の実施の形態では、図14等に示すように、ステップアップ予告演出が実行されているときには、左始動入賞記憶表示エリア5HL及び右始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留数の表示を消去するようにしているが、左始動入賞記憶表示エリア5HL及び右始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留数の表示をしたままとしておいてもよい。あるいは、左始動入賞記憶表示エリア5HL及び右始動入賞記憶表示エリア5HRを小さくして保留数の表示を行うようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、ステップアップ演出が進むにつれて、第3表示領域AE3の背景画像に変化があるようにしているが、第1表示領域AE1や第2表示領域AE2においても背景画像に変化があるようにしてもよいし、第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3の少なくとも1つの表示領域にエフェクト画像などを表示するようにしてもいよい。これら場合、第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3に共通して表示可能な背景画像やエフェクト画像などが設けられていてもよい。第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3に共通して表示可能な背景画像やエフェクト画像としては、特定の柄模様や特定のキャラクタの群れなどを表示する画像の態様としてもよい。また、第1表示領域AE1〜第3表示領域AE3に共通して表示可能な背景画像やエフェクト画像を表示する場合に、共通の報知音やランプの発光を行うようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、図14(B)に示すステップアップ演出の第2段階から図14(C−2)に示す第2パターンの第3段階に移行する際には、第3表示領域AE3に表示される装飾文字が「チャンス!?」から「ピンチ!?」に移行する、期待度が低くなる印象を与えかねないいわゆる成り下がり態様での演出を行っているが、このような成り下がり演出は設けないようにしてもよい。
(変形例10)上記の実施の形態では、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける飾り図柄の変動態様は、適宜の態様としてよい。例えば、飾り図柄が上から下に流れるように変動表示させるいわゆる縦スクロールの変動表示でもよいし、飾り図柄が上から下に流れるように変動表示させるいわゆる縦スクロールの変動表示でもよい。あるいは、その場での更新による更新表示でもよい。これらの表示する際に、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rには、隣接する2つまたは3つなどの複数の飾り図柄を表示するようにしてもよい。複数の飾り図柄を表示する際には、リーチ態様で表示される飾り図柄が2種類または3種類となるいわゆるダブルリーチやトリプルリーチなどとなるようにしてもよい。
(変形例11)上記の実施の形態では、飾り図柄や種々の演出などを表示する表示装置として画像表示装置5として、LCD(液晶ディスプレイ)を用いているが、他の表示装置を用いてもよい。例えば、飾り図柄や演出用のキャラクタが描かれた回転ドラムを用いてもよい。この種の回転ドラムは、複数のコマ(マス)を備えており、各コマには、複数の飾り図柄が表示されたものでもよいし、複数のキャラクタが表示されたものでもよいし、飾り図柄とキャラクタが混在して表示されたものでもよい。また、ステップアップ演出は、複数のキャラクタが表示されたドラムが回転することによって段階が移行するものでもよい。また、飾り図柄や種々の演出などを表示する表示装置として、プロジェクタから飾り図柄やキャラクタなどの画像を含む映像を投射するプロジェクタ照射によるものでもよく、この場合、例えば、プロジェクションマッピングによって飾り図柄の変動表示や演出表示等を行うものでもよい。また、画像表示装置5に表示される画像は、適宜の画像でよい。例えば、アニメーションなどの画像でもよいし、グラフィック画像でもよい。あるいは、人物や背景を撮影した実写画像でもよく、特に、音楽の演出を行う場合にはプロモーションビデオなどでもよい。
(変形例12)上記の実施の形態では、ステップアップ予告演出の第2段階(SU2)において、第2表示領域AE2に味方キャラクタMCを表示するよりも先に第1表示領域AE1に敵キャラクタECを表示するが、第2表示領域AE2に先に味方キャラクタMCを表示するようにしてもよい。また、第1表示領域AE1に敵キャラクタECが先に表示されるパターンと、第2表示領域AE2に味方キャラクタMCが先に表示されるパターンのそれぞれのパターンが実行可能であってもよい。この場合、先に表示されるキャラクタが敵キャラクタであるか味方キャラクタであるかによって期待度が変化するようにしてもよい。
また、第1表示領域AE1に味方キャラクタMCが表示され、第2表示領域AE2に敵キャラクタECが表示されるようにしてもよい。さらに、第1表示領域AE1に味方キャラクタMC及び敵キャラクタECの一方、第2表示領域AE2にその他方が表示されるようにしてもよい。この場合、味方キャラクタMCが第1表示領域AE1と第2表示領域AE2のいずれに表示されるかによって期待度が変化するようにしてもよい。また、敵キャラクタECと味方キャラクタMCの表示順によって期待度が変化するようにしてもよい。また、第2段階やその他の段階で複数の味方キャラクタや敵キャラクタが表示可能とされていてもよい。また、例えば、原則的に第1表示領域AE1に敵キャラクタECが表示され、第2表示領域AE2に味方キャラクタMCが表示されるところ、第1表示領域AE1に味方キャラクタMCが表示され、第2表示領域AE2に敵キャラクタECが表示された場合には、大当り期待度が100%となる、いわゆる確定演出を設けるようにしてもよい。また、確定演出のうちでも、出現率が極めて低い(例えば、大当り時の1/1000など)で出現するいわゆるプレミアム演出を設けてもよい。
(変形例13)上記の実施の形態では、ステップアップ予告演出における各ステップアップ段階に移行する際に、適宜報知音を出力するが、全ての段階で報知音を出力してもよいし、適宜のタイミングで報知音を出力するようにしてもよい。また、各段階において、複数種類の報知音の出力が可能としておき、出力された報知音に応じて期待度が変化するようにしてもよい。また、報知音が出力される際に、報知音に応じた文字を表示してもよいし、報知音に合わせて敵キャラクタECや味方キャラクタMCが反応する等、報知音と画像表示の演出を連動させるようにしてもよい。
(変形例14)上記の実施の形態では、ステップアップ予告演出は、予兆演出に続いて、第3段階(SU3)まで実行可能とされているが、2段階まで実行可能とされていてもよいし、4段階以上まで実行可能とされていてもよい。また、予兆演出は設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。また、予兆演出が実行されているときに、予兆演出に応じた報知音を出力するようにしてもよい。
(変形例15)ステップアップ予告演出、リーチ演出、スーパーリーチ演出等の各演出において、演出による結果を遊技者に説明する説明文字を画像表示装置5やその他の表示装置に表示してもよい。例えば、上記の実施の形態のスーパーリーチ演出において、味方キャラクタMCが敵キャラクタECに勝利する演出が実行されると、大当りとなる旨を「味方キャラが勝てば大当り!?」などと表示して説明するようにしてもよい。また、このような説明を行う場合「〜大当り?」「〜大当り・・・」などの記号を末尾に付して、断定的な表現を避けるようにしてもよい。
(変形例16)ステップアップ予告演出、リーチ演出、スーパーリーチ演出等の各演出において、所定のタイミングで期待事項達成可能性を表示するようにしてもよい。ここで、期待事項とは、遊技の進行の過程で遊技者が期待する事項であり、例えば、スーパーリーチに移行する事項や大当りとなる事項などである。期待事項達成可能性の表示としては、例えば、リーチ発展時やスーパーリーチ発展時における大当り期待度の表示やステップアップ予告演出実行中におけるスーパーリーチ発展期待度の表示などがある。これらの期待事項達成可能性の表示としては、例えば、星の数であらわすことができる。例えば、黒塗りが可能とされた5個の星を表示し、黒塗りされた星の数によって期待度を5段階で表すことができる。例えば、黒塗りの星が4個であり、塗りつぶしなしの星が1個である場合、黒塗りの星が3個であり、塗りつぶしなしの星が2個である場合よりも期待度が大きくなる。星の塗りつぶしの態様としては、例えば、全体を塗りつぶしたり、半分を塗りつぶしたりできるようにしてもよい。この場合、5個の星で10段階の期待度を表示することができる。また、スーパーリーチ発展時に表示された大当り期待度を示す星を、スーパーリーチ演出の実行中に画像表示装置5の四隅の何れかに表示するようにしてもよい。また、大当り期待度を示す黒塗りされた星の数は、スーパーリーチ演出の実行中に、増減するようにしてもよい。また、上記の実施の形態で期待度は、大当り期待度であるが、他の期待度でもよい。例えば、リーチ演出やスーパーリーチ演出に発展する期待度であってもよいし、大当り中であれば開放ラウンドが、既報のラウンド数よりも増加する期待度であってもよい。
(変形例17)上記の実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間、及びリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
(変形例18)本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシン等にも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数を設定することによりゲームが開始可能になると共に、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記の実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部又は一部を備えるように構成されていればよい。
スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、且つ、入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
こうしたスロットマシンにおいて実行可能な演出として、上記の実施の形態におけるメーター変化報知態様での予告演出やメーター演出等が含まれていればよい。
(変形例19)その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、予告演出等の所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(変形例20)本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(変形例21)そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(変形例22)上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるものも含む概念である。
(変形例23)上記の実施の形態では、例えば「1」〜「8」の複数種類の特別図柄や飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様に限られない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯及び点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(変形例24)上記の実施の形態において、各乱数の更新タイミングを異ならせたり、各乱数の更新範囲を異ならせたりすることによって、各乱数が同期しないようにしてもよい。
(変形例25)上記の実施の形態では、主基板11に乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、始動入賞時に主基板11において抽出された乱数値に基づき、主基板11が乱数値の判定用テーブルを参照し、乱数値の判定処理を実行し、演出制御基板12は、主基板11において判定された判定結果を受信して、受信した判定結果に基づき先読予告演出を実行する例を示したが、先読予告演出の実行態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板12に上記乱数値の判定用テーブルを記憶させておき、演出制御基板12は、主基板11において抽出された乱数値そのものを主基板11から受信し、受信した乱数値に基づき乱数値の判定用テーブルを参照して乱数値の判定処理を実行し、判定処理の判定結果に基づき先読予告演出を実行するようにしてもよい。即ち、乱数値の判定処理を演出制御基板12において行ってもよい。また、乱数値の判定処理を主基板11と演出制御基板12の両方で行ってもよい。例えば、演出制御基板12は、一部の乱数値を受信して乱数値の判定処理を実行するとともに、主基板11において判定された判定結果を受信してもよい。具体的には、例えば、演出制御基板12は、乱数値を受信して大当りとなるか否かの判定及び大当りである場合は大当りの種別の判定を実行すると共に、乱数値に基づき主基板11で判定された変動パターン種別の判定結果を受信するようにしてもよい。即ち、演出制御基板12は、自ら判定した判定結果と主基板11で判定された判定結果に基づき先読予告演出を実行することができる。
(変形例26)上記の実施の形態では、演出制御基板12の側で、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばシリアル通信の先頭ビットによる割込み要求を以て、演出制御コマンドを受信するための割込みが発生するものとしてもよい。
(変形例27)上記のパチンコ遊技機1において、入力装置を操作することにより、敵キャラクタ、味方キャラクタ、あるいは各種演出の態様について、遊技者の嗜好に合わせてカスタマイズできるようにしてもよい。カスタマイズの対象は、例えば、上記のキャラクタ等の他、第1表示領域〜第3表示領域の背景画像、装飾文字のフォント(字体)等を挙げることができる。
(変形例28)また、予兆演出やステップアップ予告演出の実行中に、所定のエラー、例えばドア開放エラーや玉詰まりエラーなどが発生した場合には、予兆演出やステップアップ予告演出において、可動枠部材60を移動させないようにしてもよい。また、その他の演出中に可動枠部材60を作動させる際に、エラーが生じた場合でも、可動枠部材60の作動を中止させるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、第1表示領域(例えば、第1表示領域AE1等)と、第2表示領域(例えば、第2表示領域AE2等)と、前記第1表示領域と前記第2表示領域との間の第3表示領域(例えば、第3表示領域AE3等)と、前記第1表示領域と前記第2表示領域とのそれぞれに表示を行うことによって期待度を示唆する示唆演出(例えば、第1表示領域AE1と第2表示領域AE2とのそれぞれに敵キャラクタECと味方キャラクタMCを表示することによって大当り期待度を示唆するステップアップ予告演出等)を実行する示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、前記示唆演出が実行されているときに、前記第3表示領域の表示態様が、複数種類の表示態様のうちいずれの表示態様であるかに応じて期待度が異なり(例えば、第3表示領域AE3に「激熱!」の装飾文字が表示されて第1パターンの第3段階(SU3)に移行する場合と、第3表示領域AE3に「ピンチ!?」の装飾文字が表示されて第2パターンの第3段階(SU3)に移行する場合に応じて大当り期待度が異なる等)、さらに、遊技媒体(例えば、遊技球)が入賞可能な第1入賞領域(例えば、第1始動入賞口9013、第3始動入賞口9012、第1大入賞口)および第2入賞領域(例えば、第2始動入賞口9014、第2大入賞口)と、前記第1入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第1検出手段(例えば、第1始動口スイッチ9013a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A)と、前記第2入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第2検出手段(例えば、第2始動口スイッチ9014a、第2カウントスイッチ9023B)と、前記第1検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第1特定演出(例えば、第1保留表示の表示、第1大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能であり、前記第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第2特定演出(例えば、第2保留表示の表示、第2大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより第1保留表示および第2保留表示を表示する部分、ステップS902909,S902912,S903910,S903913を実行することにより総賞球数表示の更新を行う部分)とを備え、前記第1入賞領域に入賞した遊技媒体が前記第1検出手段に検出されるまでに流下する距離と、前記第2入賞領域に入賞した遊技媒体が前記第2検出手段に検出されるまでに流下する距離とが異なり(例えば、各始動入賞口へ入賞した遊技球が各始動口スイッチによって検出されるまでに流下する距離は、始動入賞口毎に異なり(図21参照)、各大入賞口へ入賞した遊技球が各カウントスイッチによって検出されるまでに流下する距離は、大入賞口毎に異なる)、前記第1検出手段により遊技媒体が検出されてから前記第1特定演出を実行するまでの期間と、前記第2検出手段により遊技媒体が検出されてから前記第2特定演出を実行するまでの期間とが異なる(例えば、第1始動口スイッチ9013aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間と、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから第2保留表示を表示するまでの期間と、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間とが異なり(図44参照)、第1カウントスイッチ9023Aにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間と、第2カウントスイッチ9023Bにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間とが異なる(図45参照))遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、第1表示領域と第2表示領域において示唆演出が実行されているときに、第1表示領域と第2表示領域との間に設けられた第3表示領域の表示態様に応じて期待度が変化するため、興趣の向上を図ることができる。また、演出効果を高めることができる。
なお、第1表示領域と第2表示領域とのそれぞれに表示を行うことによって期待度を示唆する示唆演出の実行と、検出手段(第1検出手段、第2検出手段)により遊技媒体が検出されてから特定演出(第1特定演出、第2特定演出)を実行するまでの期間とを関連付けて制御するようにしてもよい。例えば、特定演出として保留表示を実行する場合において、示唆演出が行われているときに始動入賞口(第1・第3始動入賞口、第2始動入賞口)に遊技球が入賞した場合、示唆演出における第3表示領域の表示態様が期待度の高い表示態様であるときには、入賞した遊技球が始動口スイッチで検出されてから、当該入賞に対応する保留表示が実行されるまでの時間を、第3表示領域の表示態様が期待度の低い表示態様である場合や示唆演出が行われていない場合とは異なる時間とし、該時間が通常と異なることによっても期待度が高い旨を遊技者が認識できるようにしてもよい。この場合、該時間が通常と異なることを遊技者が認識しやすくする方法としては、始動口スイッチで遊技球が検出されたタイミングで始動入賞音を発生させるようにし、始動入賞音が発生してから当該入賞に対応する保留表示が実行されるまでの時間を通常と異ならせるようにすることが考えられる。また、示唆演出における第3表示領域の表示態様が期待度の高い表示態様である場合、入賞した遊技球が始動口スイッチで検出されてから、当該入賞に対応する保留表示が実行されるまでの時間が、通常と同じ場合と通常と異なる場合があるようにし、該時間が通常と異なり且つ示唆演出における第3表示領域の表示態様が期待度の高い表示態様である場合に、期待度が最も高くなるようにしてもよい。
さらに、興趣を向上させることができ、また、演出効果を高めることができる遊技機の形態の一例として、遊技を実行可能な遊技機であって、遊技媒体(例えば、遊技球)が入賞可能な第1入賞領域(例えば、第1始動入賞口9013、第3始動入賞口9012、第1大入賞口)および第2入賞領域(例えば、第2始動入賞口9014、第2大入賞口)と、第1入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第1検出手段(例えば、第1始動口スイッチ9013a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A)と、第2入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第2検出手段(例えば、第2始動口スイッチ9014a、第2カウントスイッチ9023B)と、第1検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第1特定演出(例えば、第1保留表示の表示、第1大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能であり、第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第2特定演出(例えば、第2保留表示の表示、第2大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより第1保留表示および第2保留表示を表示する部分、ステップS902909,S902912,S903910,S903913を実行することにより総賞球数表示の更新を行う部分)とを備え、第1入賞領域に入賞した遊技媒体が第1検出手段に検出されるまでに流下する距離と、第2入賞領域に入賞した遊技媒体が第2検出手段に検出されるまでに流下する距離とが異なり(例えば、各始動入賞口へ入賞した遊技球が各始動口スイッチによって検出されるまでに流下する距離は、始動入賞口毎に異なり(図21参照)、各大入賞口へ入賞した遊技球が各カウントスイッチによって検出されるまでに流下する距離は、大入賞口毎に異なる)、第1検出手段により遊技媒体が検出されてから第1特定演出を実行するまでの期間と、第2検出手段により遊技媒体が検出されてから第2特定演出を実行するまでの期間とが異なる(例えば、第1始動口スイッチ9013aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間と、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから第2保留表示を表示するまでの期間と、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間とが異なり(図44参照)、第1カウントスイッチ9023Aにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間と、第2カウントスイッチ9023Bにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間とが異なる(図45参照))遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図20はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ90122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン90121(図23を参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ90125(図23を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図23を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図23を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ90122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図23を参照)が設けられていればよい。図20に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置909は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置909の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置909に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置909における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置909で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置909の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域909c,909dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置909を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置909の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されることはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域909c,909dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(16R確変大当りおよび8R確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(16R確変大当りおよび8R確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域909c,909dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置909とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域909c,909dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤906における右側方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)908aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤906における右側方には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)908bが設けられている。第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014または第3始動入賞口9012を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技盤906の盤面上に形成された遊技領域907には、演出表示装置909の天辺よりも左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域と、第2遊技領域である右遊技領域は、例えば遊技領域907の内部における演出表示装置909の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域907に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域へと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域へと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域(具体的には、演出表示装置909の下方)には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置および第3始動入賞口9012を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013a(図22参照)によって検出される。第3始動入賞口9012に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第3始動口スイッチ9012a(図22参照)によって検出される。
また、右遊技領域(具体的には、演出表示装置909の右方)には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する普通可変入賞球装置が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014a(図22参照)によって検出される。普通可変入賞球装置は、ソレノイド9016(図22参照)によって開状態とされる。普通可変入賞球装置が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。普通可変入賞球装置が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013や第3始動入賞口9012よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、普通可変入賞球装置が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。従って、普通可変入賞球装置が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013や第3始動入賞口9012に遊技球が入賞しやすい。なお、普通可変入賞球装置が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014と第3始動入賞口9012とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
各始動入賞口へ入賞した遊技球が各始動口スイッチによって検出されるまでに流下する距離は、始動入賞口毎に異なるよう構成されている。これは、遊技盤906の裏面の構造上、スイッチを設けることのできる位置の自由度が低いことから、入賞口から該入賞口に入賞した遊技球を検出するスイッチまでの距離を均等に構成することが困難であるためである。
図21は、各始動口の内部構成などを示す構成図である。図21に示すように、第1始動入賞口9013に入賞してから第1始動口スイッチ9013aによって検出されるまでに遊技球が流下する距離(図21(A)参照)と、第2始動入賞口9014に入賞してから第2始動口スイッチ9014aによって検出されるまでに遊技球が流下する距離(図21(B)参照)と、第3始動入賞口9012に入賞してから第3始動口スイッチ9012aによって検出されるまでに遊技球が流下する距離(図21(C)参照)とが異なるよう構成されている。これにより、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞してからT1経過後に第1始動口スイッチ9013aによって検出され、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞してからT2経過後に第2始動口スイッチ9014aによって検出され、遊技球が第3始動入賞口9012に入賞してからT3経過後に第3始動口スイッチ9012aによって検出されるようになっている。それぞれの時間の長さはT1>T2>T3である。
なお、図示は省略するが、後述する第1大入賞口および第2大入賞口についても同様に、各大入賞口へ入賞した遊技球が各カウントスイッチによって検出されるまでに流下する距離は、大入賞口毎に異なるよう構成されている。具体的には、第1大入賞口へ入賞した遊技球が第1カウントスイッチ9023Aによって検出されるまでに流下する距離の方が、第2大入賞口へ入賞した遊技球が第2カウントスイッチ9023Bによって検出されるまでに流下する距離よりも長くなるよう構成されている。これにより、遊技球が第1大入賞口に入賞してからt1経過後に第1カウントスイッチ9023Aによって検出され、遊技球が第2大入賞口に入賞してからt2経過後に第2カウントスイッチ9023Bによって検出されるようになっている。それぞれの時間の長さはt1>t2である。
なお、この実施の形態では、図20に示すように、第2始動入賞口9014に対してのみ開閉動作を行う普通可変入賞球装置が設けられているが、第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014および第3始動入賞口9012のいずれについても開閉動作を行う普通可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器908aの側方には、第1始動入賞口9013または第3始動入賞口9012に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器908bの側方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置909の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部9018cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部9018cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部9018cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014および第3始動入賞口9012への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。
また、いずれの始動入賞口への始動入賞にもとづく保留記憶であるかを認識可能な態様により第1保留記憶が表示される(例えば、第1始動入賞口9013への始動入賞にもとづく第1保留記憶である場合には縦縞、第3始動入賞口9012への始動入賞にもとづく第1保留記憶である場合には横縞の模様が付されて表示される)こととしてもよい。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
第2始動入賞口9014を有する普通可変入賞球装置の下方には、2つの特別可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置9020a、第2特別可変入賞球装置9020b)が設けられている。第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置9020aは、図22に示す第1大入賞口扉用のソレノイド9021aによって開閉駆動される第1大入賞口扉を備え、その第1大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。一例として、第1特別可変入賞球装置9020aでは、第1大入賞口扉用のソレノイド9021aがオフ状態であるときに第1大入賞口扉が第1大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、第1特別可変入賞球装置9020aでは、第1大入賞口扉用のソレノイド9021aがオン状態であるときに第1大入賞口扉が第1大入賞口を開放状態にする。第1特別可変入賞球装置9020aに形成された第1大入賞口に進入した遊技球は、例えば図22に示す第1カウントスイッチ9023Aによって検出される。
第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置9020bは、図22に示す第2大入賞口扉用のソレノイド9021bによって開閉駆動される第2大入賞口扉9071を備え、その第2大入賞口扉9071によって第1状態である開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。一例として、第2特別可変入賞球装置9020bでは、第2大入賞口扉用のソレノイド9021bがオフ状態であるときに第2大入賞口扉9071が第2大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、第2特別可変入賞球装置9020bでは、第2大入賞口扉用のソレノイド9021bがオン状態であるときに第2大入賞口扉9071が第2大入賞口を開放状態にする。第2特別可変入賞球装置9020bに形成された第2大入賞口に進入した遊技球は、例えば図22に示す第2カウントスイッチ9023Bによって検出される。
第1特別可変入賞球装置9020aが形成する第1大入賞口や第2特別可変入賞球装置9020bが形成する第2大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。具体的に、第1大入賞口を遊技球が通過した場合には15球の賞球が払い出され、第2大入賞口を遊技球が通過した場合には10球の賞球が払い出される。すなわち、第2特別可変入賞球装置9020aは、第1大入賞口扉により第1大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。第2特別可変入賞球装置9020bは、第2大入賞口扉9071により第2大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、第1特別可変入賞球装置9020aは、第1大入賞口扉により第1大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。第2特別可変入賞球装置9020bは、第2大入賞口扉9071により第2大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が第1大入賞口や第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口や第2大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤906の左側方には、普通図柄表示器9010が設けられている。普通図柄表示器9010は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、普通可変入賞球装置が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、普通可変入賞球装置の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。)では、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通可変入賞球装置の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤906の遊技領域907の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、または遊技球が第3始動入賞口9012に入り第3始動口スイッチ9012aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口9013への入賞および第3始動入賞口9012への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、16R確変大当りまたは8R確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、普通可変入賞球装置が開状態となる頻度が高められたり、普通可変入賞球装置が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、普通可変入賞球装置が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、普通可変入賞球装置が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、普通可変入賞球装置が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、普通可変入賞球装置の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、普通可変入賞球装置の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であった場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器9010における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、普通可変入賞球装置が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図22は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図22は、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示せず)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM9055の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路90503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM9054等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ90560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ90560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路90503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路90503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A、第2カウントスイッチ9023Bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、普通可変入賞球装置を開閉するソレノイド9016、第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置9020aを開閉するソレノイド9021a、および第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置9020bを開閉するソレノイド9021bを遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置909の表示制御を行う。
また、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板9035を介して、遊技盤に設けられている装飾LED(図示せず)、予告用LED(図示せず)、および枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行うとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行う。
図23は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図23に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90102および入力ポート90103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90109に演出表示装置909の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行うVDP90109が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置909に出力する。
演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP90109に出力する。CGROMは、演出表示装置909に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP90109は、演出制御用CPU90101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP90109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90102に入力する。入力ドライバ90102は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図23には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図22に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90125から、入力ポート90107を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、入力ポート90107を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、入力ポート90107を介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してランプドライバ基板9035に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90104を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ90351を介してLED/ランプドライバ90352に入力される。LED/ランプドライバ90352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED9028などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LEDなどに電流を供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図24は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS904)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS905)。なお、割込モード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理(ステップS9010〜S9015)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS908)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS9041〜S9043の処理)を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9041およびS9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS9043)。また、CPU9056は、バックアップRAMに保存されている表示結果(16R確変大当り、8R確変大当りまたははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板9080に対して送信する(ステップS9044)。そして、ステップS9014に移行する。なお、ステップS9044において、CPU9056は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドも送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS9044で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、サブ基板(主基板9031以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS9013)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置909において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU9056は、乱数回路90503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9014)。CPU9056は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路90503にランダムR´の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、普通可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置909において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ90100である。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図25に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A、および第2カウントスイッチ9023Bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、ステップS9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023Aおよび第2カウントスイッチ9023Bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023Aおよび第2カウントスイッチ9023Bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置909における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア909L、909C、909Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
次に、大当り種別ごとの大当りにおける特別可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置9020aおよび第2特別可変入賞球装置9020b)の開放パターンを説明する。図26は、特別可変入賞球装置の開放パターンを示す説明図である。この実施の形態では、大当り種別として16R確変大当りと8R確変大当りとが設けられている。
まず、図26(1)を用いて、16R確変大当りにおける特別可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置9020aおよび第2特別可変入賞球装置9020b)の開放パターンを説明する。この実施の形態では、16R確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、奇数ラウンド(1,3,5,7,9,11,13,15ラウンド)において、1ラウンドあたり第1特別可変入賞球装置9020aが27秒間開放状態に制御された後、特別可変入賞球装置が1.0秒間閉鎖状態に制御される(ただし、特別可変入賞球装置が閉鎖状態とされる1.0秒間はインターバル期間である)。そして、偶数ラウンド(2,4,6,8,10,12,14ラウンド)において、1ラウンドあたり第2特別可変入賞球装置9020bが27秒間開放状態に制御された後、特別可変入賞球装置が1.0秒間閉鎖状態に制御される(ただし、特別可変入賞球装置が閉鎖状態とされる1.0秒間はインターバル期間である)。
次に、図26(2)を用いて、8R確変大当りにおける特別可変入賞球装置(第1特別可変入賞球装置9020aおよび第2特別可変入賞球装置9020b)の開放パターンを説明する。この実施の形態では、8R確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、奇数ラウンドにおいて、1ラウンドあたり第1特別可変入賞球装置9020aが27秒間開放状態に制御された後、特別可変入賞球装置が1.0秒間閉鎖状態に制御される(ただし、特別可変入賞球装置が閉鎖状態とされる1.0秒間はインターバル期間である)。そして、偶数ラウンドにおいて、1ラウンドあたり第2特別可変入賞球装置9020bが1.0秒間開放状態に制御された後、特別可変入賞球装置が1.0秒間閉鎖状態に制御される(ただし、特別可変入賞球装置が閉鎖状態とされる1.0秒間はインターバル期間である)。
なお、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間が規定時間(例えば、27秒)に達する前であっても、実行中のラウンドにおける大入賞口への遊技球の入賞数が規定個数(例えば、10個)に達した場合にも、該ラウンドが終了する(開放状態に制御されていた大入賞口が閉鎖状態に制御される)よう構成されているものである(図31参照)。
なお、16R確変大当りおよび8R確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御された後は、50回の変動に亘り、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)に移行制御される。
図27は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS9026)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU9056は、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、または、第3始動入賞口9012に遊技球が入賞したことを検出するための第3始動口スイッチ9012aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口9013または第3始動入賞口9012への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90311,S90312,S90315,S90316)。または、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口9014への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90313,S90314)。そして、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aまたは第3始動口スイッチ9012aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS90300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS90301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS90303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS90304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS90305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021a,9021bを駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS90306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS90307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図28は、ステップS90312の第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS901212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901214)。また、CPU9056は、第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014および第3始動入賞口9012への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS901215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞した場合)または第3始動口スイッチ9012aがオン状態となった場合(すなわち、第3始動入賞口9012に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口9014に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU9056は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ9013aまたは第3始動口スイッチ9012aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図29(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図29(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図29(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図29(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014または第3始動入賞口9012への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口9013、第2始動入賞口9014および第3始動入賞口9012への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM9055に形成されている。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図29(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901216)。なお、ステップS901216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図29(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図29(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。
次いで、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞した場合)には第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞したことを示す第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901218)。また第3始動口スイッチ9012aがオン状態となった場合(すなわち、第3始動入賞口9012に遊技球が始動入賞した場合)には第3始動入賞口9012に遊技球が始動入賞したことを示す第3始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901219)。
第2始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS901223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901225)。また、CPU9056は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS901226)。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図29(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901227)。なお、ステップS901227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、第2始動入賞口9014に遊技球が始動入賞したことを示す第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901231)。
図30は、大当り遊技における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS90305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU9056は、特別図柄停止処理または大入賞口開放前処理においてセットされた時間計測タイマの値を−1する(ステップS901401)。時間計測タイマには、未だ1ラウンドを開始していない場合には1ラウンドを開始するまでの期間(オープニング期間)に対応する値がセットされ、既に1ラウンドを行った場合には大入賞口を閉鎖している期間(インターバル期間である0.1秒)に対応する値がセットされている。
そして、CPU9056は、第1カウントスイッチ9023Aがオンである場合に、第1大入賞口に対する遊技球の入賞が発生したことを示す第1大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信し(ステップS901403のY,S901404)、第2カウントスイッチ9023Bがオンである場合に、第2大入賞口に対する遊技球の入賞が発生したことを示す第2大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する(ステップS901403AのY,S901404A)。いずれかの大入賞口入賞指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ90100は、所定の演出を実行するものである。
なお、この大入賞口開放前処理はいずれの大入賞口も閉鎖状態に制御されているときに実行される処理であるが、開放状態が終了する直前の大入賞口に入賞した遊技球は該大入賞口が閉鎖状態に制御されてから検出されることがあるため、ステップS901403〜S901404Aを行うことにより、そういった遊技球を検出した場合にも大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する構成となっている。なお、各大入賞口への遊技球の入賞は、開放状態に制御されている間のみ有効とする(閉鎖状態に検出された場合には無効とする)こととしてもよい。
時間計測タイマがタイムアウト(時間計測タイマの値が0)したら(ステップS901411)、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に大入賞口開放中指定コマンドを送信し(ステップS901412)、第1大入賞口に入賞した遊技球数を示す第1入賞個数カウンタ、および第2大入賞口に入賞した遊技球数を示す第2入賞個数カウンタを初期化する(ステップS901413)。すなわち、第1入賞個数カウンタおよび第2入賞個数カウンタの値を0にする。
ステップS901413の後、CPU9056は、開放対象の大入賞口を開放状態に制御する(ステップS901414)。具体的には、奇数ラウンドであればソレノイド9021aを駆動して第1大入賞口を開放状態に制御する。また、偶数ラウンドであればソレノイド9021bを駆動して第2大入賞口を開放状態に制御する。そして、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマに開放時間(27秒)セットする(ステップS901415)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS90306)に対応した値に更新する(ステップS901416)。
図31は、大入賞口開放中処理(ステップS90306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、まず、CPU9056は、第1カウントスイッチ9023Aがオンしているか否か、すなわち、第1大入賞口への遊技球の入賞が検知されたか否かを判定し(ステップS901452)、オンしていなければステップS901452Aへ移行する。第1カウントスイッチ9023Aがオンしていれば、第1入賞個数カウンタの値を+1し(ステップS901453)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に第1大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901454)。
また、CPU9056は、ステップS901452Aにおいて、第2カウントスイッチ9023Bがオンしているか否か、すなわち、第2大入賞口への遊技球の入賞が検知されたか否かを判定し(ステップS901452A)、オンしていなければステップS901462へ移行する。第2カウントスイッチ9023Bがオンしていれば、第2入賞個数カウンタの値を+1し(ステップS901453A)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に第2大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901454A)。
なお、この実施の形態では、ステップS901452〜S901454Aを行うことにより、第1大入賞口および第2大入賞口のうち、現在開放している大入賞口への遊技球の入賞に対応する処理と、現在閉鎖している大入賞口への遊技球の入賞に対応する処理との両方を実行可能な構成となっている。現在閉鎖している大入賞口への遊技球の入賞を検出する場合とは、所定ラウンドにおける開放状態が終了する直前の大入賞口へ遊技球が入賞し、該遊技球がインターバル期間中には検出されずに、該所定ラウンドの次のラウンドが開始されてから検出された場合である。例えば、1ラウンドの閉鎖直前の第1大入賞口に入賞した遊技球が、2ラウンドが開始されてから第1カウントスイッチ9023Aにより検出された場合である。現在閉鎖している大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合には、該当する入賞個数カウンタを加算する処理を省略するものでもよい。
次に、CPU9056は、ラウンド数に応じた入賞個数カウンタの値が10になったか否かを判定する(ステップS901462)。具体的に、奇数ラウンドであれば第1入賞個数カウンタの値が10になったか否かを判定し、偶数ラウンドであれば第2入賞個数カウンタの値が10になったか否かを判定する。
ラウンド数に応じた入賞個数カウンタの値が10未満であれば、CPU9056は、開放時間タイマを1減算し(ステップS901463)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS901464)。開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開放時間タイマがタイムアウトしていれば、ステップS901465に移行する。
ステップS901465において、CPU9056は、第1大入賞口または第2大入賞口を閉鎖状態に制御し(ステップS901465)、ステップS901466へ移行する。具体的には、大入賞口開放前処理のステップS901414で第1大入賞口が開放された場合には、ソレノイド9021aの駆動を停止して第1大入賞口を閉鎖状態に制御する。また、大入賞口開放前処理のステップS901414で第2大入賞口が開放された場合には、ソレノイド9021bの駆動を停止して第2大入賞口を閉鎖状態に制御する。
ステップS901466に移行すると、CPU9056は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、CPU9056は、まず、現在のラウンド数を示すラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ90100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901466)。
なお、ラウンド数カウンタは、特別図柄停止処理において大当り種別に応じた値がセットされるものである。具体的に、16R確変大当りであれが「16」、8R確変大当りであれば「8」がセットされる。
そして、CPU9056は、ラウンド数カウンタの値を1減算し(ステップS901467)、ラウンド数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS901468)。ラウンド数カウンタの値が0となっていれば(すなわち、最終ラウンドを終了していれば)、ステップS901471に移行する。
ラウンド数カウンタの値が0となっていなければ(すなわち、残りのラウンドがあれば)、CPU9056は、時間計測タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置909において報知する時間(インターバル演出を行う期間に相当))に相当する値(本例では、1.0秒)を設定する(ステップS901469)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS90305)に対応した値に更新する(ステップS901470)。
最終ラウンドを終了していれば(ステップS901468のY)、CPU9056は、時間計測タイマに大当り終了表示を開始するまでのエンディング待機時間に相当する値を設定し(ステップS901471)、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS90307)に対応した値に更新する(ステップS901472)。
図32は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS90160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS90168に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU9056は、時間計測タイマを1減算し(ステップS90161)、第1カウントスイッチ9023Aがオンであれば第1大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信し(ステップS90162のY,S90163)、第2カウントスイッチ9023Bがオンであれば第2大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する(ステップS90162AのY,S90163A)。
なお、この大入賞口開放前処理はいずれの大入賞口も閉鎖状態に制御されているときに実行される処理であるが、開放状態が終了する直前の大入賞口に入賞した遊技球は該大入賞口が閉鎖状態に制御されてから検出されることがあるため、ステップS90162〜S90163Aを行うことにより、そういった遊技球を検出した場合にも大入賞口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する構成となっている。なお、各大入賞口への遊技球の入賞は、開放状態に制御されている間のみ有効とする(閉鎖状態に検出された場合には無効とする)こととしてもよい。
そして、CPU9056は、時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを判定し(ステップS90164)、タイムアウトした場合、大当りフラグをリセットし(ステップS90165)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90166)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS90167)、処理を終了する。
ステップS90168では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS90168)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS90169)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS90169のY)、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグをセットするとともに(ステップS90173)、残余確変回数を示す確変回数カウンタの値に「50」をセットする(ステップS90174)。確変回数カウンタは変動が行われる毎に1ずつ減算され、「0」になったことにもとづいて通常状態に制御されるものである。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS90176)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図33は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS90704)。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS90705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU90101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS90706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の第4図柄表示領域909c,909dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90707)。その後、ステップS90702に移行する。
図34は、主基板9031の遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図35および図36は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。変動パターンコマンドは、変動パターン設定処理(ステップS90301)にて遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信するコマンドであり、変動パターンを示す演出制御コマンドである。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618)。表示結果指定コマンドは、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)にて遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信するコマンドであり、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。図柄確定指定コマンドは、特別図柄変動中処理(ステップS90303)にて遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信するコマンドであり、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンドである。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H)またはコマンドA002(H))であれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。大当り開始指定コマンドは、特別図柄停止処理(ステップS90304)にて遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信するコマンドであり、大当りが開始することを示す演出制御コマンドである。具体的には、大当りの種別が16R確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が8R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドが送信される。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90651)、演出制御用CPU90101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグをセットする(ステップS90656A)。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90657)、演出制御用CPU90101は、第2始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第2始動入賞フラグをセットする(ステップS90668A)。
受信した演出制御コマンドが第3始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90652)、演出制御用CPU90101は、第3始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第3始動入賞フラグをセットする(ステップS90653)。
受信した演出制御コマンドが第1大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90664)、演出制御用CPU90101は、第1大入賞口入賞指定コマンドを受信したことを示す第1大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90665)。
受信した演出制御コマンドが第2大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90664A)、演出制御用CPU90101は、第2大入賞口入賞指定コマンドを受信したことを示す第2大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90665A)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS90661)、演出制御用CPU90101は、合算保留記憶表示部9018cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部9018cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS90662)。例えば、合算保留記憶表示部9018cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示されていた場合に、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目の保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドは、特別図柄の変動が開始されることにもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信されるコマンドである。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS90684)。そして、ステップS90611に移行する。
図37は、図33に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、保留表示に関する保留表示制御処理を行う(ステップS90900)。その後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800):遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS90801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS90802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS90803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90804):変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS90806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS90807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS90806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS90807):演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
図38は、演出制御プロセス処理における保留表示制御処理(ステップS90800)を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU90101は、新たに遊技球が入賞した始動入賞口に対応する保留表示を表示するための制御を行う。この実施の形態では、保留表示が表示される場合には出現演出が実行される。「出現演出」とは、保留表示の表示に伴って実行される演出である。この実施の形態では、保留表示が濃淡が薄く視認しにくい状態から徐々に濃度が濃くなり視認しやすい状態に変化するような態様の出現演出が実行される。
この実施の形態では、出現演出を開始してから保留表示の濃度が最大となるまでの所要時間が異なる2種類の出現演出A,Bが設けられている。出現演出Aの所要時間Txと出現演出Bの所要時間Tyとの関係はTx<Tyとなっている。また、新たに遊技球が入賞した始動入賞口毎に出現演出の種類が設定されているものである。具体的に、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合には出現演出Aが実行され、第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合には出現演出Bが実行される。
また、この実施の形態では、新たに遊技球が入賞した始動入賞口毎に、始動入賞を検出してから出現演出を開始するまでの待機期間が異なるよう構成されている。具体的に、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合、該始動入賞が検出されてから待機時間Ta経過後に出現演出を開始する。第2始動入賞口9014または第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合、該始動入賞が検出されてから待機時間Tb経過後に出現演出を開始する。第1始動入賞口9013への始動入賞が検出されてから出現演出を開始するまでの待機時間Taと、第2始動入賞口9014または第3始動入賞口9012への始動入賞が検出されてから出現演出を開始するまでの待機時間Tbとの関係はTa<Tbとなっている。
すなわち、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合は該始動入賞が検出されてから待機時間Ta経過後に出現演出A開始し、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合は該始動入賞が検出されてから待機時間Tb経過後に出現演出Aを開始し、第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合は該始動入賞が検出されてから待機時間Tb経過後に出現演出Bを開始する構成となっている(後述する図44参照)。
具体的な制御として、演出制御用CPU90101は、まず、第1始動入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902001)、セットされている場合に第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS902002)、Ta経過時に出現演出Aを伴う第1保留表示の表示を開始する(ステップS902003)。具体的には、ステップS902003を実行する時点でタイマにTaに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点から出現演出Aを実行し、該出現演出Aが終了した際に第1保留表示を表示する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第1始動入賞口9013への始動入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの始動入賞に対する第1保留表示の表示制御を行うことができる。
また、演出制御用CPU90101は、第2始動入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902004)、セットされている場合に第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS902005)、Tb経過時に出現演出Aを伴う第2保留表示の表示を開始する(ステップS902006)。具体的には、ステップS902006を実行する時点でタイマにTbに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点から出現演出Aを実行し、該出現演出Aが終了した際に第2保留表示を表示する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第2始動入賞口9014への始動入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの始動入賞に対する第2保留表示の表示制御を行うことができる。
また、演出制御用CPU90101は、第3始動入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902007)、セットされている場合に第3始動入賞フラグをリセットし(ステップS902008)、Tb経過時に出現演出Bを伴う第1保留表示の表示を開始する(ステップS902009)。具体的には、ステップS902009を実行する時点でタイマにTbに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点から出現演出Bを実行し、該出現演出Bが終了した際に第1保留表示を表示する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第3始動入賞口9012への始動入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの始動入賞に対する第1保留表示の表示制御を行うことができる。
図39は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS90804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU90101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS901901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901901のN)、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS901902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行する(ステップS901903)。例えば、演出表示装置909において大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS901904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS901905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS901906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901901のY)、すなわち、ラウンド1の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90101は、実行中の大当り遊技において払い出した賞球数を示す総賞球数Kに「0」とセットし(ステップS901900A)、総賞球数Kを演出表示装置909に表示する総賞球数表示を開始する(ステップS901900B)。例えば、ここでは総賞球数Kが0なので、総賞球数表示として「0ポイント」が表示される。大入賞口に遊技球が入賞する毎に、この総賞球数Kが加算されるとともに加算後の総賞球数Kに応じた総賞球数表示に更新されるようになっている。その際、第1大入賞口に遊技球が入賞した場合には15球の遊技球が払い出されることから総賞球数Kに15が加算され、第2大入賞口に遊技球が入賞した場合には10球の遊技球が払い出されることから総賞球数Kに10が加算される。
また、大入賞口への遊技球の入賞が検出されてから総賞球数Kの加算および総賞球数表示の更新が行われるまでの期間は、遊技球の入賞が検出された大入賞口毎に異なる構成となっている。具体的に、第1大入賞口への遊技球の入賞が検出された場合には該検出からtα経過後に総賞球数Kの加算および総賞球数表示の更新が行われ、第2大入賞口への遊技球の入賞が検出された場合には該検出からtβ経過後に総賞球数Kの加算および総賞球数表示の更新が行われるようになっている。なお、それぞれの時間の長さはtα<tβである。
ステップS901900Bの後、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS901907)、演出制御用CPU90101は、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ90S1908)。
そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS901909)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行する(ステップS901910)。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に設定する(ステップS901912)。
図40は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS90805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU90101は、まず、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS902901)。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS902901のN)、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行する(ステップS902903)。例えば、演出表示装置909において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS902904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS902905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS902906)。
また、演出制御用CPU90101は、第1大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902907)、セットされていれば第1大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS902908)、tα経過時に総賞球数Kに15を加算し、総賞球数表示を更新する処理を行う(ステップS902909)。具体的には、ステップS902909を実行する時点でタイマにtαに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点で総賞球数Kに15を加算し、総賞球数表示を更新する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第1大入賞口への入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第1大入賞口への入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの入賞に対する総賞球数表示の更新制御を行うことができる。例えば、これまで表示していた総賞球数表示が「1030ポイント」であれば「1045ポイント」に更新される。
また、演出制御用CPU90101は、第2大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS902910)、セットされていれば第2大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS902911)、tβ経過時に総賞球数Kに10を加算し、総賞球数表示を更新する処理を行う(ステップS902912)。具体的には、ステップS902912を実行する時点でタイマにtβに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点で総賞球数Kに10を加算し、総賞球数表示を更新する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第2大入賞口への入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第2大入賞口への入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの入賞に対する総賞球数表示の更新制御を行うことができる。例えば、これまで表示していた総賞球数表示が「1045ポイント」であれば、「1055ポイント」に更新される。
なお、第1大入賞口または第2大入賞口へ遊技球が入賞した場合には、総賞球数Kの加算および総賞球数表示の更新については所定時間(tαまたはtβ)待機してから実行されるものであるが、賞球(第1大入賞口への入賞であれば15球、第2大入賞口への入賞であれば10球)の払い出しについては、第1カウントスイッチ9023Aまたは第2カウントスイッチ9023Bにより遊技球が検出されたことにもとづいて直ちに行われるものである。
ステップS902901において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS902901のY)、演出制御用CPU90101は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS902920)。そして、演出制御用CPU90101は、大当り種別に応じたインターバル演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS902921)。
そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS902922)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行し(ステップS902923)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS90806)に対応した値に設定する(ステップS902925)。
図41および図42は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS90806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU90101は、まず、大当りが終了したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(具体的には、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS903901)。なお、大当り終了1指定コマンド受信フラグは大当り終了1指定コマンドを受信した際に、大当り終了2指定コマンド受信フラグは大当り終了2指定コマンドを受信した際に、ステップS90684においてそれぞれセットされるフラグである。
大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS903901のN)、演出制御用CPU90101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS903902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS903902のN)、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS903903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027、枠LED9028等)の制御を実行する(ステップS903904)。例えば、演出表示装置909において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS903905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS903906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS903907)。
そして、演出制御用CPU90101は、第1大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS903908)、セットされていれば第1大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS903909)、tα経過時に総賞球数Kに15を加算し、総賞球数表示を更新する処理を行う(ステップS903910)。具体的には、ステップS903910を実行する時点でタイマにtαに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点で総賞球数Kに15を加算し、総賞球数表示を更新する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第1大入賞口への入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第1大入賞口への入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの入賞に対する総賞球数表示の更新制御を行うことができる。
なお、第1大入賞口への入賞が連続して発生した場合の総賞球数表示の更新制御を、単一のタイマを用いて行うこととしてもよい。例えば、tαに相当する値がセットされたタイマがタイムアウトするより前に新たに第1大入賞口への入賞が発生した場合に、該タイマにtαに相当する値をセットし直すことを繰り返し、該タイマがタイムアウトしたときに第1大入賞口への入賞が発生した回数に応じた値(例えば、2回であれば30、3回であれば45)を総賞球数Kに加算し、総賞球数表示を更新する制御を行うこととしてもよい。このように、複数回の第1大入賞口への遊技球の入賞を一括して総賞球数表示に反映させることとしてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、第2大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS903911)、セットされていれば第2大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS903912)、tβ経過時に総賞球数Kに10を加算し、総賞球数表示を更新する処理を行う(ステップS903913)。具体的には、ステップS903913を実行する時点でタイマにtβに相当する値をセットし、該タイマがタイムアウトするまで待機し、該タイマがタイムアウトした時点で総賞球数Kに10を加算し、総賞球数表示を更新する制御を行う。なお、該タイマがタイムアウトする前に新たに第2大入賞口への入賞が発生した場合には、該タイマとは異なる新たなタイマを用いることとすれば、第2大入賞口への入賞が連続して発生した場合にもそれぞれの入賞に対する総賞球数表示の更新制御を行うことができる。
なお、第2大入賞口への入賞が連続して発生した場合の総賞球数表示の更新制御を、単一のタイマを用いて行うこととしてもよい。例えば、tβに相当する値がセットされたタイマがタイムアウトするより前に新たに第2大入賞口への入賞が発生した場合に、該タイマにtβに相当する値をセットし直すことを繰り返し、該タイマがタイムアウトしたときに第2大入賞口への入賞が発生した回数に応じた値(例えば、2回であれば20、3回であれば30)を総賞球数Kに加算し、総賞球数表示を更新する制御を行うこととしてもよい。このように、複数回の第2大入賞口への遊技球の入賞を一括して総賞球数表示に反映させることとしてもよい。
この実施の形態では、ステップS903908〜S903913を行うことにより、インターバル中(すなわち、大入賞口が閉鎖されているとき)に大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合にも、該検出に対応する総賞球数Kの加算と総賞球数表示の更新を行うこととしている。インターバル中(すなわち、大入賞口が閉鎖されているとき)に大入賞口への遊技球の入賞を検出する場合とは、開放が終了する直前の大入賞口へ入賞した遊技球がインターバル中に検出された場合である。
なお、インターバル中(すなわち、大入賞口が閉鎖されているとき)に大入賞口への遊技球の入賞を検出する場合には、該検出に対応する総賞球数Kの加算と総賞球数表示の更新とを行わないものであってもよい。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS903902のY)、演出制御用CPU90101は、演出制御用CPU90101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS903938)。次いで、演出制御用CPU90101は、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS903939)。そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS903940)。そして、演出制御用CPU90101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS903941)。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に設定する(ステップS903944)。
また、ステップS903901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS903901のY)、演出制御用CPU90101は、総賞球数表示を終了し(ステップS903951)、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS903952)。そして、演出制御用CPU90101は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS903953)。また、演出制御用CPU90101は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに(ステップS903954)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS903955)。そして、演出制御用CPU90101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS903956)。そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS90807)に対応した値に設定する(ステップS903957)。
図43は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS90807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU90101は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS90971)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS90972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS90972のN)、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS90973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027等)を制御する処理を実行する(ステップS90974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU90101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS90975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS90976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS90977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS90972のY)、演出制御用CPU90101は、所定のフラグをリセットする(ステップS90978)。例えば、演出制御用CPU90101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に応じた値に更新する(ステップS90980)。
なお、エンディング演出を実行している間(ステップS90971〜S90977を実行している間)にも、ステップS902907〜S902912と同様の処理を行うことにより、最終ラウンドが終了してから(大当り遊技状態における大入賞口の最後の開放が終了してから)いずれかのカウントスイッチが遊技球を検出した場合にも総賞球数表示を更新可能であることとしてもよい。
図44は、各始動入賞口への始動入賞が発生した場合におけるタイミングチャートである。図44(A)には第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、図44(B)には第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、図44(C)には第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、それぞれ示している。
例えば、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生した場合、(1)入賞してからT1経過後に第1始動口スイッチ9013aがオンとなり、(2)そのTa経過後に出現演出Aの実行が開始され、(3)更にTx経過後に出現演出Aが終了して第1保留表示が表示される。
例えば、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生した場合、(1)入賞してからT2経過後に第2始動口スイッチ9014aがオンとなり、(2)そのTb経過後に出現演出Aの実行が開始され、(3)更にTx経過後に出現演出Aが終了して第2保留表示が表示される。
例えば、第3始動入賞口9012への始動入賞が発生した場合、(1)入賞してからT3経過後に第3始動口スイッチ9012aがオンとなり、(2)そのTb経過後に出現演出Bの実行が開始され、(3)更にTy経過後に出現演出Bが終了して第1保留表示が表示される。
図45は、各大入賞口への入賞が発生した場合におけるタイミングチャート(その1)である。図45(A)には第1大入賞口への入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、図45(B)には第2大入賞口への入賞が発生した場合におけるタイミングチャートを、それぞれ示している。
例えば、第1大入賞口への入賞が発生した場合、(1)入賞してからt1経過後に第1カウントスイッチ9023Aがオンとなり、(2)そのtα経過後に総賞球数表示が更新される。
また、例えば、第2大入賞口への入賞が発生した場合、(1)入賞してからt2経過後に第2カウントスイッチ9023Bがオンとなり、(2)そのtβ経過後に総賞球数表示が更新される。
図46は、各大入賞口への入賞が発生した場合におけるタイミングチャート(その2)である。図46に示すタイミングチャートでは、第1大入賞口へ遊技球が入賞した直後に第2大入賞口へ遊技球が入賞した場合について示している。
例えば、タイミングAにて第1大入賞口へ遊技球が入賞するとともに該第1大入賞口が閉鎖し、タイミングAの0.1秒後のタイミングBにて第2大入賞口が開放されるとともに該第2大入賞口へ遊技球が入賞した場合、タイミングBからt2経過時のタイミングCにて第2カウントスイッチ9023Bがオンになるとともに、タイミングAからt1経過時のタイミングDにて第1カウントスイッチ9023Aがオンになる。このとき、t1およびt2の差が0.1秒以上である場合、第1大入賞口へ遊技球が入賞してから第2大入賞口へ遊技球が入賞したにもかかわらず、第2大入賞口へ入賞した遊技球の方が第1大入賞口へ入賞した遊技球よりも先に検出されることとなる。そこで、第1大入賞口へ遊技球が入賞したことにもとづく総賞球数表示の更新処理までの待機時間tαより、第2大入賞口へ遊技球が入賞したことにもとづく総賞球数表示の更新処理までの待機時間tβの方が長い構成とすることにより、第1大入賞口へ遊技球が入賞したことにもとづく総賞球数表示の更新処理を実行するタイミングEの方が第2大入賞口へ遊技球が入賞したことにもとづく総賞球数表示の更新処理を実行するタイミングFよりも先となるため、遊技球が入賞した順にて総賞球数表示の更新処理を行うことができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技を実行可能な遊技機であって、遊技媒体(本例では、遊技球)が入賞可能な第1入賞領域(本例では、第1始動入賞口9013、第3始動入賞口9012、第1大入賞口)および第2入賞領域(本例では、第2始動入賞口9014、第2大入賞口)と、第1入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第1検出手段(本例では、第1始動口スイッチ9013a、第3始動口スイッチ9012a、第1カウントスイッチ9023A)と、第2入賞領域に入賞した遊技媒体を検出可能な第2検出手段(本例では、第2始動口スイッチ9014a、第2カウントスイッチ9023B)と、第1検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第1特定演出(本例では、第1保留表示の表示、第1大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能であり、第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第2特定演出(本例では、第2保留表示の表示、第2大入賞口への遊技球の入賞にもとづく総賞球数表示の更新)を実行可能な特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより第1保留表示および第2保留表示を表示する部分、ステップS902909,S902912,S903910,S903913を実行することにより総賞球数表示の更新を行う部分)とを備え、第1入賞領域に入賞した遊技媒体が第1検出手段に検出されるまでに流下する距離と、第2入賞領域に入賞した遊技媒体が第2検出手段に検出されるまでに流下する距離とが異なり(本例では、各始動入賞口へ入賞した遊技球が各始動口スイッチによって検出されるまでに流下する距離は、始動入賞口毎に異なり(図21参照)、各大入賞口へ入賞した遊技球が各カウントスイッチによって検出されるまでに流下する距離は、大入賞口毎に異なる)、第1検出手段により遊技媒体が検出されてから第1特定演出を実行するまでの期間と、第2検出手段により遊技媒体が検出されてから第2特定演出を実行するまでの期間とが異なる(本例では、第1始動口スイッチ9013aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間と、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから第2保留表示を表示するまでの期間と、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから第1保留表示を表示するまでの期間とが異なり(図44参照)、第1カウントスイッチ9023Aにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間と、第2カウントスイッチ9023Bにより遊技球が検出されてから総賞球数表示が更新されるまでの期間とが異なる(図45参照))こととした。これにより、入賞領域の入口から検出手段までの距離に応じたタイミングで特定演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
具体的に、この実施の形態では、入賞した遊技媒体が検出手段に検出されるまでに流下する距離が短い入賞領域(遊技媒体が入賞してから検出手段に検出されるまでの時間が短い入賞領域)である程、遊技媒体が検出手段に検出されてから特定演出を実行するまでの時間が長い構成とした(図44および図45参照)。これにより、入賞の発生順と該入賞に応じた特定演出の実行順とが一致しない事態(例えば、先の入賞に対応する特定演出よりも、後の入賞に対応する特定演出の方が先に実行されることにより、遊技者の混乱を招くこと)を防止することができる。
また、例えば、遊技者は遊技を行う際、始動入賞口に遊技球が入賞することを視認してから演出表示装置909に目を移し、保留表示が増加したことを確かめようとすることが一般的である。また、保留表示の表示態様を変化可能な遊技機の遊技中であれば、始動入賞口に遊技球が入賞することを視認してから演出表示装置909に目を移し、始動入賞が発生したとき(保留表示の表示を開始するとき)の保留表示の表示態様の変化の有無を確認することが一般的である。しかしながら、始動入賞口の入口を遊技球が通過してから該始動入賞口へ入賞した遊技球をスイッチが検出するまでの時間が短い場合には、始動入賞を視認してから演出表示装置909に目を移し終わる前に保留表示の増加表示や保留表示の表示態様の変化が完了してしまうことがあり、そういった場合には始動入賞が発生したにもかかわらず保留表示が表示されていないといった誤解や、保留表示の表示態様が変化したにもかかわらず変化がなかったといった誤解を遊技者に与える虞がある。そこで、上述したように、遊技球が入賞してからスイッチに検出されるまでの時間が短い始動入賞口である程、遊技球がスイッチに検出されてから保留表示を実行するまでの時間が長い構成とすることにより、遊技者に誤解を与えることを防止することができる。
なお、ここで「入賞する」とは、遊技球を検出可能なスイッチが設けられた通路(以下、「特定通路」ということがある)内に遊技球が入り、将来的に該遊技球がスイッチに検出される可能性が極めて高い状態となることである。具体的には、特定経路の入口に遊技球の一部が入ったこと(例えば、図21に示す点線を遊技球の半分が越えたこと)を以て入賞したこととしてもよいし、特定経路の入口に遊技球の全部が入ったこと(例えば、図21に示す点線を遊技球の全部が越えたこと)を以て入賞したこととしてもよいし、特定経路の入口から入った遊技球が遊技盤906の裏面まで流下したこと(例えば、図21における遊技盤906の右側(遊技者にとって奥側)に遊技球の一部または全部が達したこと)を以て入賞したこととしてもよい。また、入賞時の賞球の有無はいずれであってもよい。
また、「第1入賞領域に入賞した遊技媒体が第1検出手段に検出されるまでに流下する距離」とは、第1入賞領域の入口から第1検出手段に検出される位置までの遊技媒体の経路の距離のことである。
また、この実施の形態では「第1特定演出」や「第2特定演出」として保留表示を表示すること(出現演出を含まないこと)としたが、出現演出を「第1特定演出」や「第2特定演出」としてもよい。
第1入賞領域および第2入賞領域としては、始動入賞口や大入賞口の他、ゲート9032、入賞を検出した場合に賞球を払い出すものの可変表示は実行されない入賞領域(いわゆる一般入賞口)、入賞を検出した場合に確変状態に制御する特定領域(例えば大入賞口の内部に設けられたV入賞口)であってもよい。
また、この実施の形態では第1入賞領域および第2入賞領域の入賞領域種別(始動入賞口、大入賞口、ゲート9032、一般入賞口、V入賞口など)が同じである構成(第1入賞領域および第2入賞領域の両方が始動入賞口、両方が大入賞口)について説明したが、それぞれ異なる入賞領域種別のものであってもよい。例えば、一方が始動入賞口であり他方が大入賞口であってもよい(その場合、例えば第1特定演出として保留表示を実行し、第2特定演出として総賞球数表示を実行することとしてもよい)し、一方がゲート9032、他方が一般入賞口などとしてもよい。
なお、この実施の形態では、入賞領域に入賞した遊技球が検出手段に検出されるまでに流下する距離に応じて、該検出手段により遊技球が検出されてから特定演出を実行するまでの期間が異なることとしたが、遊技球が入賞領域に入賞してから検出手段に検出されるまでの所要時間に応じて、該検出手段により遊技球が検出されてから特定演出を実行するまでの期間が異なることとしてもよい。その場合、遊技球の流下速度についても考慮することとしてもよい。例えば、入賞領域に入賞した遊技球が検出手段に検出されるまでに流下する距離が長い場合であっても、遊技球の流下速度が速くなりやすい位置に設けられた入賞領域であれば、遊技球が入賞領域に入賞してから検出手段に検出されるまでの所要時間は短くなるため、入賞領域へ入賞した遊技球を検出手段が検出してから特定演出を実行するまでの待機時間を長く設定することとしてもよい。
また、この実施の形態において、第1検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示を実行可能な第1可変表示手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における、ステップS90301〜S90304を実行することにより第1特別図柄を変動させる部分)と、第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能な第2可変表示手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における、ステップS90301〜S90304を実行することにより第2特別図柄を変動させる部分)と、第1識別情報の可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な第1保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ)と、第2識別情報の可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な第2保留記憶手段(本例では、第2保留記憶バッファ)と、保留記憶に対応する保留表示を表示可能な保留表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより第1保留表示および第2保留表示を表示する部分)と、保留表示の表示に伴う特別演出(本例では、出現演出)を実行可能な特別演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100における、ステップS90800を実行することにより出現演出を表示する部分)とを備えることとした。
また、この実施の形態において、第1検出手段により遊技媒体が検出されてから特別演出を開始するまでの期間(本例では、第1始動口スイッチ9013aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間Ta)と、第2検出手段により遊技媒体が検出されてから特別演出を開始するまでの期間(本例では、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間Tb)とが異なることとした。これにより、演出効果を高めることができる。
具体的に、この実施の形態では、入賞した遊技球が始動入賞スイッチに検出されるまでに流下する距離が短い始動入賞口(遊技球が入賞してから始動入賞スイッチに検出されるまでの時間が短い始動入賞口)である程、遊技球が始動入賞スイッチに検出されてから出現演出を実行するまでの時間が長い構成とした(図44参照)。これにより、入賞した遊技球が始動入賞スイッチに検出されるまでに流下する距離が短い始動入賞口である程、遊技球が始動入賞スイッチに検出されてから保留表示を表示するまでの時間が長い構成を実現することができ、始動入賞が発生したにもかかわらず保留表示が表示されていないといった誤解を遊技者に与えることを防止することができ、演出効果を高めることができる。
なお、この実施の形態では、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間と第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間とが同じ(いずれもTb)であることとしたが、これに限るものではない。例えば、始動入賞口の入口から該始動入賞口に入賞した遊技球が始動口スイッチに検出されるまでに該遊技球が流下する距離にもとづいて異なることとしてもよい。例えば、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間をTb1とし、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されてから出現演出が実行されるまでの期間をTb2とし、Ta<Tb1<Tb2としてもよい。
また、この実施の形態において、第1検出手段により遊技媒体が検出されたときの特別演出の実行期間(本例では、第3始動口スイッチ9012aにより遊技球が検出されたときの出現演出Bの実行期間Ty)と、第2検出手段により遊技媒体が検出されたときの特別演出の実行期間(本例では、第2始動口スイッチ9014aにより遊技球が検出されたときの出現演出Aの実行期間Tx)とが異なることとした。これにより、演出効果を高めることができる。
具体的に、この実施の形態では、入賞した遊技球が始動入賞スイッチに検出されるまでに流下する距離が短い始動入賞口(遊技球が入賞してから始動入賞スイッチに検出されるまでの時間が短い始動入賞口)である程、遊技球が始動入賞スイッチに検出されたときの出現演出の実行期間が長い構成とした(図44参照)。これにより、入賞した遊技球が始動入賞スイッチに検出されるまでに流下する距離が短い始動入賞口である程、遊技球が始動入賞スイッチに検出されてから保留表示を表示するまでの時間が長い構成を実現することができ、始動入賞が発生したにもかかわらず保留表示が表示されていないといった誤解を遊技者に与えることを防止することができ、演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態において、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、第1入賞領域(本例では、第1大入賞口)に遊技媒体が入賞容易な第1状態(本例では、開放状態)と、遊技媒体が入賞困難な第2状態(本例では、閉鎖状態)とに制御可能な第1可変入賞手段(本例では、第1特別可変入賞球装置9020a)と、第2入賞領域(本例では、第2大入賞口)に遊技媒体が入賞容易な第1状態(本例では、開放状態)と、遊技媒体が入賞困難な第2状態(本例では、閉鎖状態)とに制御可能な第2可変入賞手段(本例では、第2特別可変入賞球装置9020b)と、有利状態において第1可変入賞手段および第2可変入賞手段を第1状態に制御可能な入賞領域制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における、ステップS901414を実行する部分)と、第1検出手段により遊技媒体が検出されたこと、または第2検出手段により遊技媒体が検出されたことにもとづいて所定の価値を付与可能な価値付与手段(本例では、払出制御基板9037)とを備え、特定演出実行手段は、付与した価値を報知する特定演出を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、総賞球数表示の更新を行うことが可能である)こととした。これにより、演出効果を高めることができる。
なお、この実施の形態では、付与した価値を報知する特定演出として総賞球数表示を行うこととしたが、第1検出手段により遊技媒体が1回検出されたこと、または第2検出手段により遊技媒体が1回検出されたことにもとづいて付与した価値を報知する特定演出を実行することとしてもよい。例えば、第1大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて「+15ポイント」と表示し、第2大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて「+10ポイント」と表示することとしてもよい。
また、この実施の形態では、実行中の大当り遊技において払い出した賞球数を総賞球数表示として表示することとしたが、これに限るものではなく、例えば、連荘が継続している間(つまり確変状態が継続している間)において払い出した賞球数を総賞球数表示として表示することとしてもよい。
なお、この実施の形態では、いずれの始動入賞口も遊技領域907に設けられていることとしたがこれに限るものではなく、例えば、ステージが設けられた遊技機であれば、該ステージの上に第3始動入賞口9012が設けられていることとしてもよい。
また、この実施の形態では、検出手段により遊技球の通過を検出してから出現演出を実行するまでの待機期間Ta、Tbを異ならせるとともに、出現演出の実行期間Tx、Tyを異ならせることにより、検出手段により遊技球が検出されてから該検出にもとづいて特定演出を実行する(保留表示を表示する(出現演出を除く))までの期間を調整することとしたが、これに限るものではなく、待機期間Ta、Tbを異ならせることと、実行期間Tx、Tyを異ならせることのうちいずれか一方のみを用いることにより、検出手段により遊技球が検出されてから該検出にもとづいて特定演出を実行するまでの期間を調整することとしてもよい。
また、この実施の形態では、出現演出として保留表示の濃度を濃くする演出を用いて説明したが、保留表示の表示過程を示す演出であればこれに限るものではない。具体的には、画像が段階的に切り替わる演出(例えば、にわとりの画像を保留表示とし、まず卵画像を表示してから該卵画像がひよこ画像に切り替わり、該ひよこ画像がにわとり画像に切り替わる演出)であってもよい。
また、この実施の形態では、「特定演出」として保留表示や総賞球数表示を行うことを用いて説明したが、これに限るものではない。例えば、演出表示装置909に所定の画像(例えば、キャラクタ画像)を表示する演出や、LED等の発光部材を発光させる演出や、音声をスピーカ9027から出力する演出や、所定の役物を動作させる演出や、演出部材(例えば、プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122)を振動させる演出を「特定演出」として実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、「第1特定演出」および「第2特定演出」として同じ種類の演出を実行することとしたが、これに限るものではない。例えば、第1始動入賞口を「第1入賞領域」、第2始動入賞口を「第2入賞領域」とした場合、一方の特定演出として保留表示を表示し、他方の特定演出として保留記憶が増加したことを示す特定の音声を出力することとしてもよい。また例えば、大入賞口を「第1入賞領域」とし、大入賞口の内部に設けられたV入賞口を「第2入賞領域」とした場合、第1特定演出としてオーバー入賞音(上限数を超えて遊技球が大入賞口へ入賞したこと(いわゆるオーバー入賞)を報知するための音声)を出力し、第2特定演出としてV入賞口へ遊技球が入賞したことを示すV入賞表示を表示することとしてもよい。
また、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を、少なくとも、通常態様と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様と、演出内容を示唆する第2特定態様とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能であることとしてもよい。具体的には、以下の変形例1を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例1において、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、先読み予告演出を実行可能である。先読み予告演出とは、未だ開始されていない変動を予告対象とする演出である。具体的に、変形例1では、保留表示の表示態様を変化させる保留表示変化を実行することにより、該保留表示に対応する変動において大当りとなることに対する信頼度や、該保留表示に対応する変動における演出内容を示唆可能な構成となっている。
具体的には、始動入賞時に抽出されたランダムR´(大当り判定用乱数)、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)にもとづいて、該始動入賞に対応する変動にて大当りとなるか否か、およびいずれの変動パターンを用いた変動を行うかが、該変動が開始されるよりも前の時点(例えば、始動入賞時)にて判定され、該判定結果にもとづいて先読み演出を実行可能に構成されている。以下、始動入賞時にて大当りとなるか否か、およびいずれの変動パターンを用いた変動を行うかが判定された場合における判定結果を「入賞時判定結果」ということがある。入賞時判定結果は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信されるコマンドにもとづいて遊技制御用マイクロコンピュータ90100が特定可能となる。
変形例1において、保留記憶表示部9018cにおいて表示される保留表示の表示態様として、大当りとなることに対する信頼度を示す通常表示態様と、所定の演出の実行を示唆する演出示唆表示態様とが設けられている。通常表示態様には、白色で表示される「白」および赤色で表示される「赤」が含まれており、大当りとなることに対する信頼度は、金>赤>白となっている。演出示唆表示態様には、「特殊?」という文字を表示することにより特殊ゾーン演出の予告対象であることを示唆する特殊示唆態様が含まれる。特殊示唆態様は、特殊ゾーン演出の予告対象であるか否かにかかわらず選択され得る表示態様である。
なお、特殊ゾーン演出とは、1回の変動または複数回の連続した変動にて、通常の背景とは異なる特殊背景を表示する演出である。また、特殊ゾーン演出は、実行回数が多いほど大当りに対する信頼度が高い構成となっている。以下、特殊ゾーン演出の実行を開始することを「特殊ゾーンに突入する」ということがある。
特殊ゾーンに突入する直前には、突入成功演出が実行される。突入成功演出は、特殊ゾーンに突入することを示唆した後に、特殊ゾーンに突入することが確定した旨を示す演出(例えば、「特殊ゾーンチャンス!」と表示した後に「成功!」と表示する演出)である。
図47は、変形例1における、特殊示唆態様にて保留表示を表示する場合における表示例を示す説明図である。まず、(1)アクティブ表示9051と2個の保留表示9052,9053とが表示されている変動中に、(2)新たな保留記憶が発生して該保留記憶に対応する保留表示9054が特殊示唆態様(「特殊?」)にて表示される。このとき、該保留記憶を予告対象とする特殊ゾーン演出を実行することが決定される。また、このとき、「白」から「赤」に変化する保留変化パターンが決定され、変化タイミングとして1個目(予告対象の変動に対する保留表示が1個目の保留表示であるタイミング)が決定されたこととする。
そして、(3)はずれ目で変動が終了し、(4)次の変動が開始される。このとき、新たな変動に対応するアクティブ表示9051が表示されるとともに、保留表示がシフトする。そして、突入予告演出が実行される(画像Pが表示される)。それから3秒が経過すると、(5)突入成功演出であったことが報知され(画像Pが切替表示され)、特殊ゾーンに突入する(画像Qが表示される)。それから5秒後のタイミングで、(6)特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053の表示態様が「赤」に変化する。これは、仮に特殊ゾーンに突入してからも継続して特殊示唆態様の保留表示9053を表示し続けた場合には、更に特殊ゾーンに関連する何かがあるのではないかといった誤解を遊技者に与え、混乱させてしまう虞があることから、役割(特殊ゾーンに突入することの示唆)を終えた保留表示の表示態様を変化させるものである。
以上に説明したように、この変形例1において、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示(本例では、保留表示、アクティブ表示)を、少なくとも、通常態様(本例では、「白」)と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様(本例では、「赤」)と、演出内容を示唆する第2特定態様(本例では、特殊示唆態様)とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、「白」や「赤」や特殊示唆態様にて保留表示を表示可能な部分(図47参照))と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、特殊示唆態様にて示唆された特殊ゾーン演出を実行可能である部分(図47(5),(6)参照))とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたときに該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能である(本例では、変形例1の演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図47に示すように、特殊ゾーン演出が開始された5秒後に、特殊示唆態様にて表示していた保留表示9053を「赤」に変化可能である)こととした。これにより、特定態様に対する期待感を高めることができる。
また、上述した実施の形態において変形例1に示した遊技機を適用し、始動入賞口に入賞した遊技球がスイッチに検出されるまでに流下するまでの距離と、表示する保留表示の表示態様(通常態様、第1特定態様、第2特定態様)とにもとづいて、遊技球がスイッチに検出されてから保留表示を実行するまでの時間が異なることとしてもよい。
例えば、図21に示したように、第1始動入賞口9013に入賞した遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されるまでに流下するまでの距離が、第2始動入賞口9014に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されるまでに流下するまでの距離より長い場合について説明する。このとき、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから通常態様の第1保留表示を実行するまでの時間をT10、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第1特定態様の第1保留表示を実行するまでの時間をT11、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第2特定態様の第1保留表示を実行するまでの時間をT12、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから通常態様の第2保留表示を実行するまでの時間をT20、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第1特定態様の第2保留表示を実行するまでの時間をT21、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第2特定態様の第2保留表示を実行するまでの時間をT22とした場合、T10<T11<T12<T20<T21<T22としてもよいし、またはT10<T20<T11<T21<T12<T22としてもよい。
また、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段と、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様に変化させる演出を実行可能であるとともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様に変化させる演出を実行可能であり、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低いこととしてもよい。具体的には、以下の変形例2を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例2では、始動入賞が発生したときに先読み予告演出の一種である保留予告演出の実行を決定すると、保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特別表示態様(本例では、青色や赤色の丸形表示)に最終的に変化させる保留予告演出を実行する。なお、この変形例2では、保留予告演出を実行する場合、保留表示が通常態様から特別表示態様に直接変化するのではなく、保留表示が特殊表示態様(本例では、三角形表示や矩形表示)に一旦変化し、その後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特別表示態様に変化する演出が実行される場合がある。以下、通常態様により表示された保留表示を「通常保留」ともいい、特殊表示態様により表示された保留表示を「特殊保留」ともいう。また、特別表示態様のうちの青色の表示色により表示された保留表示を「青色保留」ともいい、赤色の表示色により表示された保留表示を「赤色保留」ともいう。
例えば、変形例2では、演出制御用CPU90101は、始動入賞が発生したときに、図48および図49に示す最終表示態様決定テーブルを用いて最終表示態様を決定する。そして、後述する「通常保留(特殊保留経由なし)」以外の表示態様が最終表示態様として決定された場合、演出制御用CPU90101は、最新の入賞時判定結果、第1保留記憶数および最終表示態様にもとづいて、予告対象の保留表示の変化パターンを決定する。具体的には、図50および図51に示す変化パターン決定テーブルを用いて変化パターンを決定する。
図48および図49は、変形例2における、最終表示態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。図48および図49に示すように、この変形例2では、最終表示態様決定テーブルにおいて、保留表示の最終表示態様として、通常保留(特殊保留経由なし)、通常保留(特殊保留経由あり)、青色保留、および赤色保留に対して、それぞれ判定値が割り振られている。なお、このうち、「通常保留(特殊保留経由あり)」とは、始動入賞の後の保留シフトのタイミングにおいて特殊保留に一旦変化した後、さらにその後の保留シフトのタイミングで最終的に通常保留に戻るものであり、最終表示態様自体は通常保留であるが保留予告演出は実行されるものである。一方、「通常保留(特殊保留経由なし)」とは、全く特殊保留にも変化することなく、その保留が消化されて保留表示が消去されるまで通常保留のまま変化しないものであり、保留予告演出自体を実行しないものに相当する。
なお、第1保留記憶数が2である場合には、始動入賞の後の保留シフトのタイミングで保留表示を変化させる機会は1回しかないのであるから、保留表示を特殊保留に一旦変化させる余地がない。そのため、図48(A)〜(C)に示す第1保留記憶数「2」用の最終表示態様決定テーブルには、通常保留(特殊保留経由なし)、青色保留、および赤色保留に対してのみ、それぞれ判定値が割り振られ、通常保留(特殊保留経由あり)に対する判定値の割り振りはない。
また、図48および図49に示すように、この変形例2では、入賞時判定結果が非リーチはずれ、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りである場合に、保留予告演出を実行可能に構成されており、入賞時判定結果がそれ以外である場合には、演出制御用CPU90101は、そのまま保留表示の最終表示態様を「通常保留(特殊保留経由なし)」に決定し、保留予告演出を実行しないことに決定する。
演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、入賞時判定結果が非リーチはずれを示すものであれば、図48(A)に示す保留2個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれを示すものであれば、図48(B)に示す保留2個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図48(C)に示す保留2個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「3」または「4」である場合には、入賞時判定結果が非リーチはずれを示すものであれば、図49(D)に示す保留3〜4個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれを示すものであれば、図49(E)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図49(F)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU90101は、選択した最終表示態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、最新の保留表示の最終表示態様を決定する。
図48および図49に示すように、この変形例2では、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。従って、この変形例2では、保留表示が最終的に青色保留や赤色保留に変化する場合には、最終的に通常保留となる場合と比較して、スーパーリーチに対する期待度(リーチ信頼度)が高くなっている。
また、図48および図49に示すように、この変形例2では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。また、図48および図49に示すように、この変形例2では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に青色保留よりも赤色保留に変化する割合がさらに高くなっている。従って、この変形例2では、予告対象の保留表示が最終的に赤色保留に変化した場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に青色保留に変化した場合が次に大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に通常保留であった場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が低くなっている。
図50および図51は、変形例2における、変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。なお、図50および図51において、特殊△とは三角形表示の特殊保留を示しており、特殊□とは矩形表示の特殊保留を示している。
演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図50(A)に示す保留2個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、図50(B)に示す保留2個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「3」である場合には、決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、図50(C)に示す保留3個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図50(D)に示す保留3個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、図50(E)に示す保留3個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
また、演出制御用CPU90101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数が「4」である場合には、決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、図51(F)に示す保留4個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、決定した最終表示態様が青色保留であれば、図51(G)に示す保留4個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。また、決定した最終表示態様が赤色保留であれば、さらに、入賞時判定結果が非リーチはずれまたはスーパーリーチはずれを示すものであれば、図51(H)に示す保留4個且つ非リーチはずれ/スーパーリーチはずれ且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りを示すものであれば、図51(I)に示す保留4個且つスーパーリーチ大当り且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
図51に示すように、この変形例2では、第1保留記憶数が「4」である場合には、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示し、1回目の保留シフトのタイミングで特殊保留に変化させ、3回目以降の保留シフトのタイミングで通常保留や青色保留、赤色保留に変化可能に構成されている。従って、この変形例2では、保留記憶表示部9018cにおいて予告対象の保留表示が4つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)と3つ目の位置に表示されているとき(1回目の保留シフト後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。また、図50(C)〜(E)に示すように、この変形例2では、第1保留記憶数が「3」である場合にも、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示するので、保留記憶表示部9018cにおいて予告対象の保留表示が3つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。従って、この変形例2では、予告対象の保留表示が4つ目および3つ目の位置に表示されている期間においては、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化しにくくなっている。そのため、予告対象の保留表示が早い段階で特殊保留から通常保留に変化して遊技者が落胆することを防止し、保留予告演出を実行する場合の演出効果の低下を防止できるものとなっている。
また、この変形例2では、特殊保留が表示された後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行可能となり、作用演出が実行されても予告対象の保留表示が特殊保留のまま変化しなかったり、通常保留や青色保留、赤色保留に変化したりする場合がある。例えば、図51(F)に示す変化パターン401,403では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。また、例えば、図51(F)に示す変化パターン402,404では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングでは作用演出が実行されるものの特殊保留のまま変化せず、3回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。そのように、この変形例2では、1回の作用演出で特殊保留から通常保留に戻ってしまう場合だけでなく、複数の作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に戻る場合もあるので、保留予告演出を実行する場合の演出効果を向上できるものとなっている。
また、図50(C)〜(E)および図51(F)〜(I)に示すように、この変形例2では、特殊保留として三角形表示の特殊保留と矩形表示の特殊保留との2種類があるのであるが、矩形表示の特殊保留が表示された場合には、三角形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として赤色保留が表示される割合が高くなっている。また、逆に、三角形表示の特殊保留が表示された場合には、矩形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として通常保留に戻る割合が高くなっている。
また、図51(H),(I)に示すように、この変形例2では、特殊保留から通常保留に戻っても最終的に赤色保留が表示される(すなわち、一旦通常保留に戻ったと落胆させてから赤色保留が復活して表示されたように見せる)変化パターン(変化パターン411,414)が設けられており、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ、この復活パターンの変化パターン411,414を決定可能に判定値が割り振られている。従って、この変形例2では、特殊保留から一旦通常保留に戻った後に最終的に赤色保留となった場合には、大当りが確定することになり、単に特殊保留から赤色保留となった場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、演出制御用CPU90101は、保留記憶の中に作用演出(保留表示に作用するような態様により実行され、保留表示の表示態様が変化することを示唆する演出)の実行可能タイミングとなっているものがある場合に、作用演出を実行するようになっている。なお、作用演出の実行可能タイミングとなっているか否かは、例えば、保留予告演出設定情報格納領域格納されている変化パターンを確認し、今回の変動開始(保留シフト)のタイミングで特殊△→特殊△や、特殊△→通常保留、特殊△→青色保留、特殊△→赤色保留、特殊□→特殊□、特殊□→通常保留、特殊□→青色保留、特殊□→赤色保留となっているものがあるか否かを確認することにより判定できる。
以上に説明したように、この変形例2によれば、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示を表示可能な特定表示手段(本例では、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、保留表示やアクティブ表示を表示可能な部分)と、第1態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出(本例では、作用演出を伴う保留予告演出)を実行可能な変化演出実行手段(本例では、変形例2の演出制御用マイクロコンピュータ90100における、図50および図51に示すいずれかの変化パターンにて保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させる部分)とを備え、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(本例では、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能である(本例では、図50(D),(E)に示す変化パターン33〜36および図51(G)〜(I)に示す変化パターン405〜414にもとづく保留予告演出を実行可能である)とともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(本例では、通常保留)に変化させる演出を実行可能であり(本例では、図50(C)に示す変化パターン31,32および図51(F)に示す変化パターン401〜404にもとづく保留予告演出を実行可能である)、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低い(本例では、図50および図51に示すように、特殊保留から通常保留に変化した後にさらに赤色保留に変化する変化パターンは、始動入賞時に第1保留記憶数が4個でスーパーリーチ大当りの場合にのみ選択可能な変化パターン411,414しかなく、判定値の割り振りが極めて少なく、通常保留のまま変化しない変化パターン31,32,401〜404の方が判定値の割り振りが多い。なお、特殊保留から通常保留に変化した後は赤色保留に変化する場合がないものであってもよい。)こととした。これにより、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
なお、この変形例2では、第1態様として特殊保留を表示するとともに、第3態様として通常保留を表示し、特殊保留から通常保留に変化させる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、通常保留を第1態様の位置づけで表示するようにし、第3態様として保留表示の表示態様の変化済みであることを示す済保留(例えば、「済」の文字表示を含む丸形表示)を表示するように構成してもよい。
また、上述した実施の形態において変形例2に示した遊技機を適用し、始動入賞口に入賞した遊技球がスイッチに検出されるまでに流下するまでの距離と、表示する保留表示の表示態様(第1態様、第2態様、第3態様(済保留を含む))とにもとづいて、遊技球がスイッチに検出されてから保留表示を実行するまでの時間が異なることとしてもよい。
例えば、図21に示したように、第1始動入賞口9013に入賞した遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されるまでに流下するまでの距離が、第2始動入賞口9014に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されるまでに流下するまでの距離より長い場合について説明する。このとき、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第1態様の第1保留表示を実行するまでの時間をt10、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第2態様の第1保留表示を実行するまでの時間をt11、遊技球が第1始動口スイッチ9013aに検出されてから第3態様の第1保留表示を実行するまでの時間をt12、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第1態様の第2保留表示を実行するまでの時間をt20、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第2態様の第2保留表示を実行するまでの時間をt21、遊技球が第2始動口スイッチ9014aに検出されてから第3態様の第2保留表示を実行するまでの時間をt22とした場合、t10<t11<t12<t20<t21<t22としてもよいし、またはt10<t20<t11<t21<t12<t22としてもよい。
なお、上述した実施の形態および変形例について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において、複数の期間に応じた特定演出を実行することとしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図23に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。