JP2016014561A - 積層体の検査方法、積層体の製造方法および積層体の検査装置 - Google Patents

積層体の検査方法、積層体の製造方法および積層体の検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積層体の第1層と第2層との間に設けられている接着剤の位置を非破壊で精度良く解析することができる検査方法を提供する。【解決手段】検査方法は、第1層側から積層体に電磁波を照射する照射工程と、積層体によって反射された電磁波、または積層体を透過した電磁波の強度を検出する検出工程と、検出工程の結果に基づいて、積層体において接着剤が設けられている位置を解析する解析工程と、を備えている。解析工程は、検出工程の結果として得られる、第1変数を時間または周波数とし第2変数を電磁波の強度とするデータに基づいて行われる。【選択図】図4

Description

本発明は、第1層および第2層を含む積層体において、第1層と第2層との間に接着剤が設けられているかどうかを検査する検査方法に関する。また本発明は、積層体の製造方法および積層体の検査装置に関する。
製品の不具合の有無を非破壊で検査する方法として、X線などの電磁波を用いる方法が知られている。例えば特許文献1において、X線照射部からプリント基板へX線を照射し、プリント基板を透過したX線をX線検出部で検出することによって、プリント基板の画像を高解像度で取得する方法が提案されている。
特開2013−224857号公報
非破壊で製品を検査することが望まれる分野の1つとして、接着剤を介して第1層と第2層とを貼り合わせることによって形成される積層体を含む製品を検査する分野が挙げられる。
例えば、菓子などの内容物を収容するための紙製の容器においては、はじめに、容器を形成するための紙製のブランク板を準備する。ブランク板は、容器の上面、下面や複数の側面を構成することになる、罫線に沿って区画された複数の領域を含んでいる。次に、一部の罫線に沿ってブランク板を折り畳むとともに、折り畳まれたブランク板において互いに向かいあう領域の間に接着剤を設け、ブランク板の一つの領域と他の領域とを互いに固定する。これによって、ブランク板の少なくとも2つの領域が接着剤を介して接着された積層体が得られる。本明細書においては、接着剤を介して接着された2つの領域のことを第1層および第2層とも称する。その後、積層体の形態のブランク板を、罫線に沿って製函することにより容器を作製し、また容器の内部に菓子などの内容物を充填する。
このような容器の製造工程において、積層体における接着剤の量や位置が不適切である場合、積層体の形態のブランク板を製函して容器を作製する際に、第1層から第2層が剥がれてしまうことがある。このような工程不良が生じることを防ぐため、第1層と第2層との間に接着剤が適切に設けられているかどうかを、全ての積層体に関して非破壊で検査することが望ましい。一方、ブランク板を構成する材料としては一般に、可視光を透過させない、紙などの材料が用いられる。従って、紙などからなる第1層と第2層との間の接着剤の有無を確認するためには、紙を透過することができるX線などの電磁波が用いられることになる。
ところで、ブランク板や接着剤は、通常はいずれも有機物によって構成されている。このため、ブランク板および接着剤を含む積層体にX線を照射した場合、X線は、接着剤の有無に依らず積層体をほぼ均一に透過してしまう。また安全性の観点から、X線の取り扱いには注意が必要になる。従って、従来の非破壊検査で主に使用されているX線は、ブランク板および接着剤を含む積層体など、X線が透過してしまい、かつ大量に生産される製品を検査するという用途には適さないと言える。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、積層体の第1層と第2層との間に設けられている接着剤の位置を非破壊で精度良く解析することができる積層体の検査方法および積層体の検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1層および第2層を含む積層体において、第1層と第2層との間に接着剤が設けられているかどうかを検査する検査方法であって、前記第1層側から前記積層体に電磁波を照射する照射工程と、前記積層体によって反射された電磁波、または前記積層体を透過した電磁波の強度を検出する検出工程と、前記検出工程の結果に基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置を解析する解析工程と、を備え、前記解析工程は、前記検出工程の結果として得られる、第1変数を時間または周波数とし第2変数を電磁波の強度とするデータに基づいて行われる、検査方法である。
本発明による検査方法において、前記照射工程において前記積層体に照射される電磁波は、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波であってもよい。
本発明による検査方法において、前記接着剤は、水に溶解可能な、または水の中で分散可能な水性接着剤であってもよい。
本発明による検査方法の前記検出工程においては、前記積層体によって反射された電磁波が検出されてもよい。この場合、前記積層体は、前記第1層および前記第2層を含み、かつ前記接着剤を含まない第1積層領域、並びに、前記第1層および前記第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられた接着剤と、を含む第2積層領域、を少なくとも有し、前記解析工程においては、前記第2積層領域の前記接着剤に特有のデータが得られるかどうかに基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置が解析される。前記接着剤に特有のデータとしては、前記第1積層領域の前記第2層によって反射された電磁波の強度が、前記第1積層領域の前記第1層によって反射された電磁波の強度よりも小さく、前記第2積層領域の前記接着剤によって反射された電磁波の強度が、前記第2積層領域の前記第1層によって反射された電磁波の強度よりも大きくなる、という例を挙げることができる。その他にも、前記第1積層領域の前記第2層によって反射された電磁波の強度が、前記第1積層領域の前記第1層によって反射された電磁波の強度の50%〜99%の範囲内であり、前記第2積層領域の前記第2層によって反射された電磁波の強度が、前記第2積層領域の前記第1層によって反射された電磁波の強度の50%未満である、という例を挙げることもできる。
本発明による検査方法の前記検出工程においては、前記積層体を透過した電磁波が検出されてもよい。この場合、前記積層体は、前記第1層および前記第2層を含み、かつ前記接着剤を含まない第1積層領域、並びに、前記第1層および前記第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられた接着剤と、を含む第2積層領域、を少なくとも有し、前記第2積層領域を透過した電磁波の強度は、前記第1積層領域を透過した電磁波の強度よりも小さくなる。
本発明は、第1層および第2層を含む積層体の製造方法であって、前記第1層または前記第2層の少なくともいずれか一方に接着剤を塗布する工程と、前記接着剤を介して前記第1層と前記第2層とを貼り合わせて前記積層体を形成する工程と、前記第1層側から前記積層体に電磁波を照射する照射工程と、前記積層体によって反射された電磁波、または前記積層体を透過した電磁波の強度を検出する検出工程と、前記検出工程の結果に基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置を解析する解析工程と、を備え、前記解析工程は、前記検出工程の結果として得られる、第1変数を時間または周波数とし第2変数を電磁波の強度とするデータに基づいて行われる、製造方法である。
本発明は、第1層および第2層を含む積層体において、第1層と第2層との間に接着剤が設けられているかどうかを検査する検査装置であって、前記第1層側から前記積層体に電磁波を照射する照射部と、前記積層体によって反射された電磁波、または前記積層体を透過した電磁波の強度を検出する検出部と、前記検出部による検出の結果に基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置を解析する解析部と、を備え、前記解析部は、前記検出部による検出の結果として得られる、第1変数を時間または周波数とし第2変数を電磁波の強度とするデータに基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置を解析する、検査装置である。
本発明によれば、積層体の第1層と第2層との間に設けられている接着剤の位置を非破壊で精度良く解析することができる。
図1(a)は、容器を作製するためのブランク板を示す平面図、図1(b)は、図1(a)に示すブランク板を折り畳むことにより得られる積層体を示す平面図。 図2は、図1(b)に示す積層体の形態のブランク板を製函することにより得られる容器を示す斜視図。 図3は、図1(b)に示す積層体を線III−IIIに沿って切断して見た場合を示す断面図。 図4は、本発明の実施の形態に係る検査装置を示す図。 図5(a)〜(c)は、積層体の第1積層領域によって反射された電磁波を示す図。 図6(a)〜(d)は、積層体の第2積層領域によって反射された電磁波を示す図。 図7は、積層体に照射される電磁波の波形を示す図。 図8は、積層体の第1積層領域によって反射された電磁波の波形を示す図。 図9は、積層体の第2積層領域によって反射された電磁波の波形を示す図。 図10は、積層体の第2積層領域によって反射された電磁波の波形の一変形例を示す図。 図11は、本発明の実施の形態に係る検査装置の一変形例を示す図。 図12は、積層体の第1積層領域を透過した電磁波の波形を示す図。 図13は、積層体の第2積層領域を透過した電磁波の波形を示す図。 図14は、実施例1において得られた波形を示す図。 図15は、実施例2において得られた波形を示す図。 図16(a)〜(f)は、実施例3において得られた波形を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(ブランク板、積層体および容器)
はじめに、本実施の形態に係る検査装置10を用いた検査方法を実施する対象となる、第1層および第2層を含む積層体30Bおよび積層体30Bに関連する部材について説明する。図1(a)は、容器30を作製するためのブランク板30Aを示す平面図であり、図1(b)は、ブランク板30Aを折り畳むことにより得られる積層体30Bを示す平面図である。また図2は、積層体30Bの形態のブランク板を製函することにより得られる容器30を示す斜視図である。
図2に示すように、容器30は、互いに対向する上面31および下面32と、上面31と下面32との間に位置する第1側面33、第2側面34、第3側面35および第4側面36と、を備えている。また図1(a)に示すように、第1側面33には接合片37が連接されている。接合片37は、第1側面33と第4側面36とを接着によって連結する際の糊代として利用される部分である。また図1(a)に示すように、第1側面33、第2側面34や第4側面36には、接合片やフラップがさらに連接されていてもよい。
図1(b)に示す積層体30Bは、第1側面33と第2側面34との間の罫線および第3側面35と第4側面36との間の罫線に沿ってブランク板30Aを折り畳むことにより得られるものである。図1(b)において点線で示すように、ブランク板30Aは、接合片37が第4側面36よりも内側に位置するように折り畳まれている。また符号46で示すように、接合片37と第4側面36との間には接着剤46が設けられ、この接着剤46によって接合片37と第4側面36とが貼り合わされている。なお図1(b)においては、接合片37と第4側面36との間において、一定の間隔で離散的に接着剤46が設けられる例を示したが、しかしながら、接着剤46の配置が特に限られることはない。例えば接着剤46は、不規則な間隔で離散的に設けられていてもよい。また接着剤46は、接合片37の形状に沿って連続的に延びるように設けられていてもよい。
図3は、図1(b)に示す積層体30Bを線III−IIIに沿って切断して見た場合を示す断面図である。図3に示すように、接合片37が存在する領域において、積層体30Bは、順に重ねられた第4側面36、接合片37および第3側面35と、第4側面36と接合片37との間に設けられた接着剤46と、を含んでいる。なお本願において、接着剤46によって互いに接着されている層のことを第1層および第2層とも称し、また、接着剤46からは遠位になる側において第1層または第2層に隣接する層のことを第3層とも称する。本実施の形態においては、以下の説明において、第4側面36のことを第1層41と称し、接合片37のことを第2層42と称し、接合片37に隣接する第3側面35のことを第3層43と称することもある。
また以下の説明において、積層体30Bのうち、第1層41および第2層42を含み、かつ接着剤46を含まない領域を第1積層領域47と称する。また、積層体30Bのうち、第1層41および第2層42と、第1層41と第2層42との間に設けられた接着剤46と、を含む領域を第2積層領域48と称する。図3に示すように、第1積層領域47において、第1層41と第2層42との間には、空気からなる空気層49が存在していてもよい。また第2層42と第3層43との間にも空気層49が存在していてもよい。
次に、各層41,42や接着剤46を構成する材料について説明する。
第1層41および第2層42を構成する材料、すなわちブランク板30Aを構成する材料は、接着剤46による貼り合わせが可能であり、かつ容器30としての適切な剛性を提供することができるよう、選択される。例えば第1層41および第2層42は、すなわちブランク板30Aは、紙やプラスチックシートを含んでいる。第1層41および第2層42の厚み、すなわちブランク板30Aの厚みは、例えば0.3mm〜1.1mmの範囲内になっている。
接着剤46としては、後述する検査装置10において用いられる電磁波を反射または吸収することができるものが用いられる。例えば接着剤46として、水に溶解可能な、または水の中で分散可能な水性接着剤を用いることができる。また接着剤46として、合成樹脂や合成ゴムなどを有機溶剤に溶解させた一般的な接着剤を用いてもよい。有機溶剤の例としては、例えば、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル等を挙げることができる。
水の中で分散可能な水性接着剤の例としては、合成樹脂のポリマーを水の中に分散させることにより得られる、水性エマルジョン系接着剤を挙げることができる。この場合、後述するように、接着剤46が乾いた状態のときには、電磁波は接着剤46によって主に反射される。一方、接着剤46が乾いていない状態のときには、電磁波は接着剤46によって主に吸収される。なお「乾いた状態」とは、接着剤46における水の含有比率が5重量%未満であることを意味する。また「乾いていない状態」とは、接着剤46における水の含有比率が5重量%以上であることを意味する。
(積層体および容器の製造方法)
次に、上述の積層体30Bおよび容器30を製造する方法の一例について説明する。
はじめに、図1(a)に示すブランク板30Aを準備する。次に図1(b)に示すように、第1層41となる第4側面36と、第2層42となる接合片37とが互いに重なるように、ブランク板30Aを折り畳む。また、第1層41または第2層42の少なくともいずれか一方に接着剤46を塗布する。接着剤46は、第1層41または第2層42の、予め定められた位置に塗布される。その後、接着剤46を介して第1層41と第2層42とを貼り合わせる。これによって、第1層41と第2層42とが貼り合わされた積層体30Bを得ることができる。なお接着剤46は、折り畳まれる前のブランク板30Aに対して塗布されてもよく、折り畳まれた後のブランク板30Aに対して塗布されてもよい。
次に、積層体30Bにおいて第1層41と第2層42との間に接着剤46が適切に設けられているかどうかを検査する検査工程を実施する。具体的には、後述する検査装置10を用いて、積層体30Bにおいて接着剤46が設けられている位置を解析する。そして、解析された接着剤46の位置が、予め定められた接着剤46の位置に一致しているかどうかを判断する。接着剤46の位置が不適切であると判断された積層体30Bは破棄される。このようにして、適切な位置に接着剤46が設けられた積層体30Bを製造することができる。
その後、積層体30Bの形態のブランク板を、罫線に沿って製函することにより容器30を作製し、また容器30の内部に菓子などの内容物を充填する。このようにして、菓子などの内容物が充填された容器30を得ることができる。
以下、第1層41と第2層42との間に接着剤46が適切に設けられているかどうかを検査する、積層体30Bの検査方法について、詳細に説明する。はじめに、検査方法を実施するための検査装置10について、図4を参照して説明する。
(検査装置)
図4に示すように、検査装置10は、ベルトコンベアなどからなる搬送部18上に載置されて矢印Tの方向に搬送されている複数の積層体30Bに対して、本実施の形態による検査方法を順次実施することができるよう構成されている。具体的には、検査装置10は、第1層41側から積層体30Bに電磁波L1を照射する照射部12と、積層体30Bによって反射された電磁波L2の強度を検出する検出部14と、検出部14による検出の結果に基づいて、積層体30Bにおいて接着剤46が設けられている位置を解析する解析部20と、を備えている。なお図4においては、電磁波L1が積層体30Bの第1層41の法線方向に対して傾斜した方向から積層体30Bに入射する例が示されているが、これに限られることはない。積層体30Bからの反射によって得られる電磁波L2を適切に検出することができる限りにおいて、電磁波L1の入射角度や照射部12および検出部14の位置が特に限られることはない。各積層体30Bは、好ましくは、積層体30Bの第1層41と第2層42との間に設けられた複数の接着剤46の配列方向が、搬送部18の搬送方向Tに一致するよう、搬送部18上に載置される。
照射部12は、0.1THz〜3THzの周波数範囲のテラヘルツ波を電磁波L1として生成して積層体30Bに向けて放射するよう構成されている。なお接着剤46が離散的に複数設けられている場合、電磁波L1のビーム径は、好ましくは、隣接する2つの接着剤46の間の間隔よりも小さくなるように調整される。電磁波L1の進行方向やビーム径を調整するため、照射部12が光学系を含んでいてもよい。
照射部12において生成される電磁波L1の周波数範囲は、1THz〜2THzとなっていてもよい。これによって、電磁波L1が積層体30Bの各層41,42などをより透過しやすくなる。
テラヘルツ波からなる電磁波L1の発生系としては、光伝導アンテナや半導体を用いた発生系を用いることができる。また発生系として、非線形光学結晶に対してレーザー光を照射することによって生じる光パラメトリックや差周波混合等の非線形光学効果を利用して電磁波を生成する発生系を用いることもできる。その他にも、発生系として、量子カスケードレーザー(QCL:Quantum Cascade Laser)、共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunnel Diode)、ジャイロトロン、自由電子レーザー(FEL:Free Electron Laser)等を挙げることができる。なお非線形光学結晶とは、レーザー光などの強い光が入射した場合に、非線形の、すなわち光の電磁場に比例しない応答をする結晶のことである。また非線形光学効果とは、非線形の、すなわち光の電磁場に比例しない応答のことである。上述の光パラメトリックや差周波混合は、非線形光学効果の一種である。
本実施の形態においては、フェムト秒パルスなどの超短パルス光を非線形光学結晶に照射してパルス状のテラヘルツ波を発生させる発生系を用いる例について説明する。テラヘルツ波のパルス幅は、例えば5ns以下になっている。また、テラヘルツ波のパルスの繰返し周期は、例えば50Hz以下になっている。
検出部14は、後述するように、積層体30Bの各層41,42,43や接着剤46によって反射された電磁波の強度をそれぞれ検出することができるように構成されている。検出部14の具体的な構成が特に限られることはなく、テラヘルツ時間領域分光法において用いられている公知の検出部などを用いることができる。
(積層体の検査方法)
次に、検査装置10を用いて積層体30Bを検査する方法について、図5乃至図9を参照して説明する。ここでは、積層体30Bに含まれる接着剤46が、乾いた状態にある場合について説明する。
〔照射工程〕
はじめに、第1層41側から積層体30Bに電磁波L1を照射する照射工程を実施する。図7は、照射部12から放射される電磁波L1の波形W1の一例を示す図である。波形W1は、強度P1を有するパルスを含んでいる。
照射工程において、電磁波L1は、予め定められている、積層体30Bのうち接着剤46が塗布されるべき領域に向けて照射される。具体的には、図4に示すように、電磁波L1は、積層体30Bのうち、第2層42となる接合片37が位置する領域に向けて照射される。ここで上述のように、積層体30Bは、第1層41と第2層42との間に設けられた複数の接着剤46の配列方向すなわち接合片37が延びる方向が、搬送部18の搬送方向Tに一致するよう、搬送部18上に載置されている。このため、照射部12から放射された電磁波L1は、搬送部18による積層体30Bの移動に応じて、接着剤46を含まない第1積層領域47および接着剤46を含む第2積層領域48に交互に照射されることになる。
〔検出工程〕
次に、積層体30Bの第1積層領域47または第2積層領域48によって反射された電磁波の強度を検出する検出工程を実施する。はじめに図5(a)〜(c)を参照して、積層体30Bの第1積層領域47に電磁波L1が照射された場合に、検出部14によって検出され得る電磁波L2の強度について説明する。図5(a)〜(c)は、第1積層領域47に照射された電磁波L1が反射されて電磁波L2として戻ってくる経路のうち代表的な経路をそれぞれ示すものである。図5(a)〜(c)においては、第1積層領域47によって反射されて検出部14に至る電磁波が、それぞれ符号L21a,L22aおよびL23aで示されている。
図5(a)に示す電磁波L21aは、第1積層領域47の第1層41によって反射されて検出部14に至る電磁波である。
図5(b)に示す電磁波L22aは、第1積層領域47の第1層41を透過した後、第1積層領域47の第2層42によって反射されて検出部14に至る電磁波である。
図5(c)に示す電磁波L23aは、第1積層領域47の第1層41および第2層42を透過した後、第1積層領域47の第3層43によって反射されて検出部14に至る電磁波である。
図5(a)〜(c)から明らかなように、電磁波L22aが辿る経路は、第1層41および空気層49の厚みの分だけ、電磁波L21aが辿る経路よりも長い。同様に、電磁波L23aが辿る経路は、第2層42および空気層49の厚みの分だけ、電磁波L22aが辿る経路よりも長い。このため検出部14は、電磁波L21a、電磁波L22a、電磁波L23aの順に各電磁波を検出する。従って、検出部14によって取得される、第1変数を時間とし、第2変数を電磁波の強度とするデータには、各層41,42,43の特徴が現れる。図8に示す波形W2aは、第1積層領域47によって反射された電磁波を検出部14によって検出することにより得られるデータを、横軸を第1変数すなわち時間とし、縦軸を第2変数すなわち電磁波の強度としてプロットすることにより得られるものである。図8に示すように、波形W2aにおいては、電磁波L21a、電磁波L22a、電磁波L23aに基づくピークが時間軸上に順に並んでいる。各ピーク間の間隔は、第1層41や第2層42の厚み分の距離を電磁波が往復移動することに要する時間に対応している。図8において、電磁波L21a、電磁波L22a、電磁波L23aの強度がそれぞれ符号P21a、P22a、P23aで表されている。
上述のように、電磁波L22aは、第1層41を透過した電磁波L1が第2層42によって反射されたものである。また第1層41および第2層42は同一の材料から構成されており、このため第1層41における電磁波の反射率と第2層42における電磁波の反射率とはほぼ同等である。従って図8に示すように、電磁波L22aの強度P22aは、少なくとも第1層41を透過する際の電磁波の減衰の分だけ、電磁波L21aの強度P21aよりも小さくなっている。例えば、強度P22aは、強度P21aの50%〜99%の範囲内になっている。同様に、電磁波L23aの強度P23aは、少なくとも第2層42を透過する際の電磁波の減衰の分だけ、電磁波L22aの強度P22aよりも小さくなっている。
次に図6(a)〜(d)を参照して、積層体30Bの第2積層領域48に電磁波L1が照射された場合に、検出部14によって検出され得る電磁波L2の強度について説明する。図6(a)〜(d)は、第2積層領域48に照射された電磁波L1が反射されて電磁波L2として戻ってくる経路のうち代表的な経路をそれぞれ示すものである。図6(a)〜(d)においては、第2積層領域48によって反射されて検出部14に至る電磁波が、それぞれ符号L21b,L26b,L22bおよびL23bで示されている。
図6(a)に示す電磁波L21bは、第2積層領域48の第1層41によって反射されて検出部14に至る電磁波である。
図6(b)に示す電磁波L26bは、第2積層領域48の第1層41を透過した後、第2積層領域48の接着剤46によって反射されて検出部14に至る電磁波である。
図6(c)に示す電磁波L22bは、第2積層領域48の第1層41および接着剤46を透過した後、第2積層領域48の第2層42によって反射されて検出部14に至る電磁波である。
図6(d)に示す電磁波L23bは、第2積層領域48の第1層41、接着剤46および第2層42を透過した後、第2積層領域48の第3層43によって反射されて検出部14に至る電磁波である。
第1積層領域47の場合と同様に、電磁波L26bが辿る経路は、第1層41の厚みの分だけ、電磁波L21bが辿る経路よりも長い。同様に、電磁波L22bが辿る経路は、接着剤46の厚みの分だけ、電磁波L26bが辿る経路よりも長い。また、電磁波L23bが辿る経路は、第2層42および空気層49の厚みの分だけ、電磁波L22bが辿る経路よりも長い。このため検出部14は、電磁波L21b、電磁波L26b、電磁波L22b、電磁波L23bの順に各電磁波を検出する。従って、第1積層領域47の場合と同様に、検出部14によって取得される、第1変数を時間とし、第2変数を電磁波の強度とするデータには、各層41,42,43や接着剤46の特徴が現れる。図9に示す波形W2bは、第2積層領域48によって反射された電磁波を検出部14によって検出することにより得られるデータを、横軸を第1変数すなわち時間とし、縦軸を第2変数すなわち電磁波の強度としてプロットすることにより得られるものである。図9に示すように、波形W2bにおいては、電磁波L21b、電磁波L26b、電磁波L22b、電磁波L23bに基づくピークが時間軸上に順に並んでいる。図9において、電磁波L21b、電磁波L26b、電磁波L22b、電磁波L23bの強度がそれぞれ符号P21b、P26b、P22b、P23bで表されている。
上述のように、第2積層領域48の接着剤46は乾いた状態にある。このため、接着剤46における電磁波の反射率は、第1層41における電磁波の反射率よりも高くなっている。従って図9に示すように、接着剤46によって反射された電磁波L26bの強度P26bは、第1層41によって反射された電磁波L21bの強度P21bよりも大きくなる。また、接着剤46における電磁波の反射率が高いため、第1積層領域47の場合に比べて、第2層42および第3層43に到達する電磁波の強度が著しく小さくなる。この結果、図9に示すように、電磁波22bの強度P22bおよび電磁波23bの強度P23bは、電磁波21bの強度P21bに比べて著しく小さくなる。例えば、強度P22bは、強度P21bの50%未満になっている。
〔解析工程〕
次に、上述の検出工程の結果に基づいて、積層体30Bにおいて接着剤46が設けられている位置を解析する解析工程を実施する。解析工程は、検出工程の結果として得られる、第1変数を時間とし第2変数を電磁波の強度とするデータに基づいて行われる。ここでは、検出工程において得られたデータを時間軸上にプロットすることにより作成される上述の波形W2aおよび波形W2bに基づいて、接着剤46が設けられている位置を解析する例について説明する。
上述のように、第1積層領域47の第2層42によって反射された電磁波L22aの強度P22aは、第1積層領域47の第1層41によって反射された電磁波L21aの強度P21aよりも小さい。一方、第2積層領域48の接着剤46によって反射された電磁波L26bの強度P26bは、第2積層領域48の第1層41によって反射された電磁波L21bの強度P21bよりも大きい。また、電磁波L26bに基づくピークは、時間軸上において、電磁波21bに基づくピークと電磁波22bに基づくピークとの間に生じる。また、電磁波21aに基づくピークが現れてから電磁波22aに基づくピークが現れるまでの時間、および、電磁波21bに基づくピークが現れてから電磁波22bに基づくピークが現れるまでの時間はいずれも、第1層41および空気層49の厚み分の距離を電磁波が往復移動することに要する時間に対応している。
これらの点を考慮すると、上述の検出工程の結果に基づいて得られる電磁波の時間軸上の波形において、第1層41によって反射された電磁波に基づくピークが現れてから、第2層42によって反射された電磁波に基づくピークが現れるまでの時間に、第1層41によって反射された電磁波の強度よりも大きい強度を有するピークが現れた場合、その時に検出部14によって検出されている電磁波は、接着剤46を含む第2積層領域48によって反射されたものであると言える。すなわち、本実施の形態においては、検出工程の結果に基づいて得られる電磁波の時間軸上の波形に、接着剤46に特有のピークが現れる。従って、検査対象の領域が接着剤46を含むかどうかが不明な場合に、対象の領域によって反射された電磁波の波形に接着剤46に特有のピークが現れるかどうかを調べることにより、対象の領域が接着剤46を含むかどうかを判断することができる。また、この判断結果に基づいて、積層体30Bにおいて接着剤46が設けられている位置を解析することができる。このように本実施の形態によれば、テラヘルツ波を電磁波L1として利用することにより、積層体30Bの第1層41と第2層42との間に設けられている接着剤46の位置を非破壊で精度良く解析することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(電磁波の変形例)
上述の本実施の形態において、電磁波としてテラヘルツ波が用いられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、積層体30Bの第1層41や第2層42を透過することができ、かつ乾いた状態の接着剤46によって反射され得る限りにおいて、電磁波として、赤外線などの、0.1THz〜3THzの周波数範囲の外側にある周波数を有する電磁波が用いられてもよい。
(解析工程の変形例)
また上述の本実施の形態による解析工程において、第1層41によって反射された電磁波に基づくピークが現れてから、第2層42によって反射された電磁波に基づくピークが現れるまでの時間に、第1層41によって反射された電磁波の強度よりも大きい強度を有するピークが現れるかどうかに基づいて、接着剤46の有無を判断する例を示した。しかしながら、接着剤46の有無を判断する方法が上述の方法に限られることはない。例えば接着剤46を含む第2積層領域48においては、図9に示すように、第1層41によって反射された電磁波L22bの強度P22bが、第1層41によって反射された電磁波L21bの強度P21bの50%未満になる。従って、第2層42によって反射された電磁波に起因すると考えられるピークの強度が、第1層41によって反射された電磁波に起因するピークの強度の50%未満であるかどうかという点に基づいて、接着剤46の有無を判断することも可能である。
(接着剤の状態の変形例)
また上述の本実施の形態においては、積層体30Bに含まれる接着剤46が乾いた状態にある例を示した。しかしながら、積層体30Bに含まれる接着剤46が乾いていない状態にある場合であっても、以下に説明する通り、検査装置10を用いて、接着剤46の位置を非破壊で精度良く解析することが可能である。図10は、接着剤46が乾いていない状態にある場合に、第2積層領域48によって反射された電磁波を検出部14によって検出することにより得られるデータから作成される波形W2bを示す図である。
接着剤46が乾いていない状態にある場合、第2積層領域48の第1層41を透過して接着剤46に至る電磁波L1は、接着剤46によって主に吸収される。このため本変形例においては、図10に示すように、接着剤46によって反射された電磁波L26bの強度P26b、および第2層42によって反射された電磁波L22bの強度P22bのいずれもが、第1層41によって反射された電磁波21bの強度P21bに比べて著しく小さくなる。例えば、強度P26bおよび強度P22bはいずれも、強度P21bの50%未満になる。従って、本変形例においては、第2層42によって反射された電磁波に起因すると考えられるピークの強度が、第1層41によって反射された電磁波に起因するピークの強度の50%未満であるかどうかという点に基づいて、接着剤46の有無を判断することが可能である。
(透過した電磁波を用いる例)
上述の本実施の形態においては、積層体30Bによって反射された電磁波L2が検出される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図11に示すように、積層体30Bを透過した電磁波L3を検出部14によって検出してもよい。なお本変形例においては、積層体30Bを搬送するための搬送部18が、透光性を有する材料によって構成されている。
接着剤46が乾いた状態にある場合、接着剤46に至った電磁波の大部分は接着剤46によって反射される。また、接着剤46が乾いていない状態にある場合、接着剤46に至った電磁波の大部分は接着剤46によって吸収される。従って、接着剤46が乾いた状態にある場合、および接着剤46が乾いていない状態にある場合のいずれにおいても、積層体30Bの第2積層領域48を透過して検出部14に至る電磁波L3の強度P3bは、積層体30Bの第1積層領域47を透過して検出部14に至る電磁波L3の強度P3aに比べて極めて小さいと言える。図12に示す波形W3aは、第1積層領域47を透過した電磁波を検出部14によって検出することにより得られるデータを、横軸を時間とし縦軸を電磁波の強度としてプロットすることにより得られるものである。また図13に示す波形W3bは、第2積層領域48を透過した電磁波を検出部14によって検出することにより得られるデータを、横軸を時間とし縦軸を電磁波の強度としてプロットすることにより得られるものである。波形W3bに現れるピークの強度P3bは、例えば、波形W3aに現れるピークの強度P3aの50%未満になっている。従って、本変形例においては、時間軸上の波形に現れるピークの強度に基づいて、接着剤46の有無を判断することが可能である。
(周波数軸上の波形を用いる例)
上述の本実施の形態においては、検出工程の結果として得られる、第1変数すなわち横軸を時間とする波形を解析することにより、接着剤46の有無を判断する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、検出工程の結果として得られるデータに基づいて、第1変数すなわち横軸を周波数とする波形を作成し、この波形を解析することにより、接着剤46の有無を判断してもよい。上述の図8に示すように、接着剤46を含まない第1積層領域47によって反射された電磁波から得られる波形には、各層41,42,43の厚みに応じた間隔でピークが現れる。一方、上述の図9や図10に示すように、接着剤46を含む第2積層領域48によって反射された電磁波から得られる波形には、各層41,42,43の厚みに応じた間隔よりも狭い間隔で、接着剤46に起因するピークが現れる。従って、接着剤46が存在する場合、横軸を周波数とする波形には、接着剤46が存在しない場合に比べて高い周波数成分を有するピークが生じると考えられる。従って、そのような周波数成分の有無に基づいて、接着剤46の有無を判断することが可能であると考えられる。
(その他の変形例)
また上述の本実施の形態においては、検査装置10によって検査される積層体の例として、ブランク板30Aを折り畳むことにより得られる積層体30Bを示した。しかしながら、検査装置10の照射部12から放射される電磁波L1が透過可能である第1層41および第2層42を含み、かつ第1層41と第2層42との間に接着剤46が設けられている限りにおいて、積層体の具体的な構成が特に限られることはない。例えば、照射部12と接着剤46との間に設けられた複数の層を含む積層体や、接着剤46と搬送部18との間に設けられた複数の層を含む積層体を、検査装置10を用いて検査することも可能である。
また上述の本実施の形態および変形例においては、検出工程の結果として得られるデータに基づいて、横軸を時間または周波数とする波形を作成し、この波形を解析することにより、接着剤46の有無を判断する例を示した。しかしながら、具体的な解析方法が特に限られることはない。例えば、波形を作成することなく、データそのものを解析して、接着剤46の有無を判断してもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、紙製の容器の材料として用いられる樹脂コート紙からなる第1層41および第2層42を準備した。次に、第2層42の表面のうち予め定められた位置に、一定の間隔で接着剤46をドット状に一列に塗布した。接着剤46としては、コニシ社製の水性エマルジョン接着剤CN135を用いた。その後、接着剤46を介して第1層41と第2層42とを貼り合わせて積層体30Bを形成した。
積層体30Bの接着剤46を十分に乾燥させて乾いた状態にした後、積層体30Bを検査装置10の搬送部18上に載置した。その後、照射部12を用いて第1層41側から積層体30Bにテラヘルツ波を照射した。また検出部14を用いて、積層体30Bによって反射されたテラヘルツ波を検出した。図14に、横軸を時間とし、縦軸をテラヘルツ波の強度として、検出されたテラヘルツ波の波形を示す。検出されたテラヘルツ波の波形は、第1層41によって反射された電磁波に基づく、強度P21bを有するピークと、接着剤46によって反射された電磁波に基づく、強度P26bを有するピークと、第2層42によって反射された電磁波に基づく、強度P22bを有するピークと、を含んでいた。図14に示すように、接着剤46によって反射された電磁波に基づくピークの強度P26bは、第1層41によって反射された電磁波に基づくピークの強度P21bよりも大きくなっていた。
(実施例2)
乾いていない状態の接着剤46を含む積層体30Bに対してテラヘルツ波を照射したこと以外は、実施例1の場合と同様にして、積層体30Bによって反射されたテラヘルツ波を検出した。図15に、横軸を時間とし、縦軸をテラヘルツ波の強度として、検出されたテラヘルツ波の波形を示す。検出されたテラヘルツ波の波形は、第1層41によって反射された電磁波に基づく、強度P21bを有するピークと、第2層42によって反射された電磁波に基づく、強度P22bを有するピークと、を含んでいた。図15に示すように、第2層42によって反射された電磁波に基づくピークの強度P22bは、第1層41によって反射された電磁波に基づくピークの強度P21bの50%未満になっていた。
(実施例3)
接着剤46を含まない対象物に対してテラヘルツ波を照射し、対象物によって反射されたテラヘルツ波を検出した。図16(a),(b),(c),(d),(e)および(f)はそれぞれ、以下の対象物によって反射されたテラヘルツ波の波形を示している。
図16(a):金属製の搬送部18
図16(b):金属製の搬送部18上に載置された1層の樹脂コート紙
図16(c):金属製の搬送部18上に載置された、合計で2層の樹脂コート紙
図16(d):金属製の搬送部18上に載置された、合計で3層の樹脂コート紙
図16(e):金属製の搬送部18上に載置された、合計で4層の樹脂コート紙
図16(f):金属製の搬送部18上に載置された、合計で5層の樹脂コート紙
図16(a)〜(f)において、符号P2zは、金属製の搬送部18によって反射された電磁波に基づくピークの強度を表している。また符号P21a〜P25aはそれぞれ、照射部12側から1番目〜5番目の樹脂コート紙からなる層によって反射された電磁波に基づくピークの強度を表している。
図16(a)〜(f)に示すように、接着剤46が存在しない場合、各層によって反射された電磁波の強度は、照射部12から遠位にあるほど小さくなっていた。具体的には、照射部12側から数えてn+1番目の層によって反射された電磁波の強度は、照射部12側から数えてn番目の層によって反射された電磁波の強度の50%〜99%の範囲内になっていた。
一方、図14に示すように、接着剤46が存在する場合、接着剤46によって反射された電磁波の強度P26bは、第1層41によって反射された電磁波の強度P21bよりも大きくなっていた。また図14および図15に示すように、接着剤46が存在する場合、第2層42によって反射された電磁波の強度P22bは、第1層41によって反射された電磁波の強度P21bの50%未満になっていた。
10 検査装置
12 照射部
14 検出部
18 搬送部
20 解析部
30 容器
30A ブランク板
30B 積層体
41 第1層
42 第2層
46 接着剤
47 第1積層領域
48 第2積層領域

Claims (9)

  1. 第1層および第2層を含む積層体において、第1層と第2層との間に接着剤が設けられているかどうかを検査する検査方法であって、
    前記第1層側から前記積層体に電磁波を照射する照射工程と、
    前記積層体によって反射された電磁波、または前記積層体を透過した電磁波の強度を検出する検出工程と、
    前記検出工程の結果に基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置を解析する解析工程と、を備え、
    前記解析工程は、前記検出工程の結果として得られる、第1変数を時間または周波数とし第2変数を電磁波の強度とするデータに基づいて行われる、検査方法。
  2. 前記照射工程において前記積層体に照射される電磁波は、0.1THz〜3THzの周波数範囲の電磁波である、請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記接着剤は、水に溶解可能な、または水の中で分散可能な水性接着剤である、請求項1または2に記載の検査方法。
  4. 前記検出工程においては、前記積層体によって反射された電磁波が検出され、
    前記積層体は、前記第1層および前記第2層を含み、かつ前記接着剤を含まない第1積層領域、並びに、前記第1層および前記第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられた接着剤と、を含む第2積層領域、を少なくとも有し、
    前記解析工程においては、前記第2積層領域の前記接着剤に特有のデータが得られるかどうかに基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置が解析される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査方法。
  5. 前記第1積層領域の前記第2層によって反射された電磁波の強度は、前記第1積層領域の前記第1層によって反射された電磁波の強度よりも小さく、
    前記第2積層領域の前記接着剤によって反射された電磁波の強度は、前記第2積層領域の前記第1層によって反射された電磁波の強度よりも大きい、請求項4に記載の検査方法。
  6. 前記第1積層領域の前記第2層によって反射された電磁波の強度は、前記第1積層領域の前記第1層によって反射された電磁波の強度の50%〜99%の範囲内であり、
    前記第2積層領域の前記第2層によって反射された電磁波の強度は、前記第2積層領域の前記第1層によって反射された電磁波の強度の50%未満である、請求項4に記載の検査方法。
  7. 前記検出工程においては、前記積層体を透過した電磁波が検出され、
    前記積層体は、前記第1層および前記第2層を含み、かつ前記接着剤を含まない第1積層領域、並びに、前記第1層および前記第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられた接着剤と、を含む第2積層領域、を少なくとも有し、
    前記第2積層領域を透過した電磁波の強度は、前記第1積層領域を透過した電磁波の強度よりも小さい、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査方法。
  8. 第1層および第2層を含む積層体の製造方法であって、
    前記第1層または前記第2層の少なくともいずれか一方に接着剤を塗布する工程と、
    前記接着剤を介して前記第1層と前記第2層とを貼り合わせて前記積層体を形成する工程と、
    前記第1層側から前記積層体に電磁波を照射する照射工程と、
    前記積層体によって反射された電磁波、または前記積層体を透過した電磁波の強度を検出する検出工程と、
    前記検出工程の結果に基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置を解析する解析工程と、を備え、
    前記解析工程は、前記検出工程の結果として得られる、第1変数を時間または周波数とし第2変数を電磁波の強度とするデータに基づいて行われる、製造方法。
  9. 第1層および第2層を含む積層体において、第1層と第2層との間に接着剤が設けられているかどうかを検査する検査装置であって、
    前記第1層側から前記積層体に電磁波を照射する照射部と、
    前記積層体によって反射された電磁波、または前記積層体を透過した電磁波の強度を検出する検出部と、
    前記検出部による検出の結果に基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置を解析する解析部と、を備え、
    前記解析部は、前記検出部による検出の結果として得られる、第1変数を時間または周波数とし第2変数を電磁波の強度とするデータに基づいて、前記積層体において前記接着剤が設けられている位置を解析する、検査装置。
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