JP2016014546A - 成分分析装置、及び成分分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型、かつ高精度な成分分析が実施可能な成分分析装置、及び成分分析方法を提供する。
【解決手段】食品分析装置10は、測定対象物により反射された光から特定波長の光を選択して出射させる波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5から出射された光を撮像する撮像部132と、複数の食品に対する比重が記録された比重データを記憶する記憶部161と、撮像部132により撮像された食品の撮像画像と比重データとに基づいて、測定対象物の比重を推定する比重推定部166と、測定対象物とともに撮像され、寸法が既知である基準物の撮像画像に基づいて測定対象物の体積を推定する体積推定部167と、推定された推定比重及び推定体積に基づいて測定対象物の成分分析を実施する成分分析部168と、を備えた。
【選択図】図4

Description

本発明は成分分析装置、及び成分分析方法に関する。
従来、測定対象のカロリーを測定するカロリー測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置は、食品のカロリー測定装置であり、箱型の筐体の収容空間内に設けられたテーブルに検査対象の食品を載置し、光源部から食品に光を照射し、食品からの反射光または透過光を受光部において受光する。ここで、光源部は、ハロゲンランプから照射される光をライトチョッパにより複数のパルス状の光に分割させ、分割された光を音響光学素子により2nmの分解能で分光させ、分光された光を反射ミラーにより食品に向かって照射させる。
また、この装置には、質量計が設けられ、テーブルに載置された食品の質量を計測する。そして、受光部で受光された光に基づいて求められた食品の各成分の単位重量当たりのカロリーと、計測された質量とに基づいて、食品全体に対するカロリーを算出している。
特開2009−098015号公報
ところで、上述したような特許文献1に記載の装置は、テーブルに載置された食品の質量を質量計により計測する構成であり、このために、収納空間を有する据置型の筐体に質量系を設ける等の必要があり、装置が大型化するという課題がある。
本発明は、小型、かつ高精度な成分分析が実施可能な成分分析装置、及び成分分析方法を提供することを目的とする。
本発明の一適用例に係る成分分析装置は、測定対象物により反射された光から特定波長の光を選択して出射させ、かつ前記特定波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子から出射された光を撮像する撮像部と、複数の対象物に対する比重が記録された比重データベースと、前記撮像部により撮像された前記測定対象物の撮像画像と、前記比重データベースとに基づいて、前記測定対象物の比重を推定する比重推定部と、前記測定対象物とともに撮像され、寸法が既知である基準物の撮像画像に基づいて、前記測定対象物の体積を推定する体積推定部と、前記比重推定部により推定された推定比重、及び前記体積推定部により推定された推定体積に基づいて前記測定対象物の成分分析を実施する成分分析部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、分光素子から出射された特定波長の光を撮像部により撮像し、かつ分光素子から出射される特定波長を変更することができる。これにより、測定対象物における複数波長に対する分光画像を撮像することが可能となる。
また、本適用例では、比重推定部は、比重データベースに記録された対象物に対する比重と、撮像部により撮像された測定対象物の撮像画像に基づいて、測定対象物に対する比重を推定する。さらに、体積推定部は、撮像画像において、測定対象物とともに撮像された基準物に基づいて体積を推定する。
そして、成分分析部は、撮像部により撮像された撮像画像(複数波長の分光画像)と、推定された比重(推定比重)及び体積(推定体積)とを用いて成分分析を実施する。例えば、成分分析部は、各成分における吸光波長(既知)に基づいて、複数波長に対する分光画像の各画素の光量から、測定対象物に含まれる成分比を求める。そして、成分分析部は、推定比重及び推定体積から測定対象物の質量を推算し、推算された質量と成分比とに基づいて、各成分含有量やカロリー等を分析する。
上記のような構成では、比重推定部は、比重データベースから測定対象物の比重を推定するので、例えば測定対象物の比重を水の比重等に固定する場合に比べて、正確な比重を推定することができる。また、体積推定部は、測定対象物ともに撮像される基準物に基づいて体積を推定する。基準物の寸法が既知であるため、測定対象物の寸法も容易に求めることができる。よって、基準物を用いない場合等に比べて、正確な体積を推定することができる。そして、このような推定比重や推定体積を用いることで、測定対象物の質量もより正確に推算でき、測定対象物の成分分析を高精度に実施することができる。
これに加え、測定対象物の質量を計測する質量計を設ける必要がないため、構成の簡略化を図れ、成分分析装置の小型化を図れる。
本適用例の成分分析装置において、前記比重データベースには、前記対象物の画像と、当該対象物の比重とが関連付けられて記録されていることが好ましい。
本適用例では、比重データベースには、対象物に対する画像と比重とが関連付けられて記録されている。したがって、測定対象物の画像と、比重データベースに記録されている対象物の画像とを比較し、例えば測定対象物と画像類似度が近い対象物を検索することで、容易に測定対象物が、どの対象物に一致するものであるかを判定でき、その比重を推定できる。例えば、測定対象物として食品を用いる場合では、測定対象の食品と同じ食品を容易に検索することができ、測定対象の食品の比重を推定することができる。
本適用例の成分分析装置において、前記比重データベースには、前記対象物の成分比と、当該対象物の比重とが関連付けられて記録されていることが好ましい。
本適用例では、比重データベースには、対象物の成分比と比重とが関連付けられて記録されている。したがって、成分分析部により、複数波長の分光画像に基づいて、測定対象物の成分比を算出し、その成分比と近似する対象物を検索することで、測定対象物に対する比重を容易かつ精度よく推定することができる。
本適用例の成分分析装置において、前記基準物は、互いに交差する3軸方向に沿った辺を有する立体物であることが好ましい。
本適用例では、基準物は3軸方向に沿った辺(3軸辺)を有する立体物であり、この3軸辺の長さ寸法が既知となる。したがって、体積推定部は、3軸辺の軸方向を座標系として、測定対象物の体積を推定することができる。つまり、測定対象物の3軸方向に沿った寸法を推定でき、より正確な体積を推定することができる。
本適用の成分分析装置において、前記3軸方向は、互いに直交することが好ましい。
本適用例では、3軸方向は、互いに直交する。すなわち、この3軸方向により、XYZ直交座標系を規定でき、容易に測定対象物の体積推定を実施できる。
本適用例の成分分析装置において、前記基準物は、前記3軸方向に沿った辺に連続し、当該辺とは異なる反射率を有する表面部を備えていることが好ましい。
本適用例では、3軸辺と表面部との反射率が異なるため、撮像画像における基準物の3軸辺の位置と長さを容易、かつ正確に識別することができる。したがって、体積推定部による体積推定をより正確に実施できる。
本適用例の成分分析装置において、前記基準物は、反射率が既知であり、前記成分分析部は、前記撮像部により撮像された前記基準物の光量に基づいて、光量補正処理を実施することが好ましい。
本適用例では、基準物の表面の反射率が既知であるため、補正部は分光画像における基準物の表面の光量に基づいて、適切に光量補正処理を実施できる。したがって、例えば測定対象物の成分分析を、外光を用いて実施する場合でも、基準物の撮像画像の光量値を参照することで、外光の影響を受けることなく、成分分析部による成分分析処理をより高精度に行うことができる。
本発明の一適用例に係る成分分析方法は、測定対象物により反射された光から特定波長の光を選択して出射させる分光素子と、前記分光素子から出射された光を撮像する撮像部と、複数の対象物に対する比重が記録された比重データベースと、を備えた成分分析装置における成分分析方法であって、前記撮像部により撮像された前記測定対象物に対する撮像画像と、前記比重データベースとに基づいて、前記測定対象物の比重を推定し、前記測定対象物とともに撮像され、寸法が既知である基準物の撮像画像に基づいて、前記測定対象物の体積を推定し、推定された推定比重、及び推定された推定体積に基づいて前記測定対象物の成分分析を実施することを特徴とする。
本適用例では、比重データベースから測定対象物の比重を推定することで、測定対象物の比重を精度よく推定することができ、測定対象物とともに撮像される基準物に基づいて体積を推定することで、測定対象物の体積を精度よく推定することができる。したがって、このような推定比重や推定体積を用いることで、測定対象物の質量もより正確に推算でき、測定対象物の成分分析を高精度に実施することができる。
また、測定体積の質量を計測する質量計等が不要であるため、構成の簡略化を図れる。
第一実施形態の食品分析装置の概略構成を示す図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図2におけるA−A線を切断した波長可変干渉フィルターの断面図。 第一実施形態の食品分析装置の制御部の概略構成を示すブロック図。 第一実施形態の食品分析装置による成分分析方法を示すフローチャート。 第一実施形態における基準物の概略を示す図。 第一実施形態において撮像された撮像画像の一例を示す図。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態に係る食品分析装置について、図面に基づいて説明する。
[食品分析装置の概略構成]
図1は、本発明に係る第一実施形態の成分分析装置である食品分析装置の概略構成を示す図である。
食品分析装置10は、図1に示すように、光源部12と、撮像モジュール13と、ディスプレイ14と、操作部15と、制御部16と、を備えている。この食品分析装置10は、測定対象物の食品を撮像モジュール13で複数波長に対する分光画像を撮像し、その分光画像の各画素の光量から、各画素における分光スペクトルを取得する。そして、取得した各画素の分光スペクトルから、測定対象の食品に含まれる成分比(成分含有率)を推定する。また、測定対象物の食品の撮像時において、本実施形態では、サイズ推定の基準物を同時に撮像し、撮像画像の基準物の画像と食品との画像とのサイズに基づいて、食品の体積を推定する。そして、これらの推定された比重(推定比重)、推定された体積(推定体積)に基づいて、食品の成分含有量、及びカロリーを測定する。
以下に、食品分析装置10の各構成について詳細に説明する。
[光源部の構成]
光源部12は、測定対象に対して光を照射する装置である。
光源部12は、発光波長が異なる複数種類の光源を備える。具体的には、光源部12は、近赤外光を射出する近赤外光源を備える。この近赤外光源としては、例えば発光波長が異なる複数種の光源により構成されていてもよい。この場合、制御部16の制御の下、成分分析対象に応じて発光させる光源を切り替えてもよい。
また、食品分析装置10として、可視光域の撮像画像を取得可能な構成としてもよい。この場合、光源部12として、さらに、可視光を出射する光源を備えることが好ましい。なお、可視光域の撮像画像を取得する構成としては、例えば、可視撮像モジュールを備える構成、波長可変干渉フィルター5により可視光域の所定波長の光を順次切り替えて出射させ、撮像部132により撮像させた各波長の光を合成して可視光画像を生成する構成、波長可変干渉フィルター5を光路上から退避させ、代わりにRGBフィルターを挿入する構成等が例示できる。
[撮像モジュールの構成]
撮像モジュール13は、入射光を受光して画像を取得する。この撮像モジュール13は、入射光学系131と、本発明の分光素子である波長可変干渉フィルター5と、撮像部132と、フィルター駆動回路133と、を備えている。
[入射光学系の構成]
入射光学系131は、外装筐体11に設けられた入射窓から入射した光(対象物の像)を撮像部132に結像する。この入射光学系131としては、例えば、波長可変干渉フィルター5に対して、光の主光軸が平行となるように入射光を導くテレセントリック光学系等を例示できる。なお、テレセントリック光学系に限定されず、例えば、LCF(Light Control Film:登録商標)や、セルフォックレンズ(登録商標)等を波長可変干渉フィルター5の前段に挿入してもよい。
[撮像部の構成]
撮像部132は、例えばCCDやCMOS等のイメージセンサーを用いることができる。撮像部132は、撮像画像の各画素に対応した受光素子がマトリクス状に配置された2次元アレイ構造を有する。そして、各受光素子は、受光された光量に基づいた信号値を制御部16に出力する。
[波長可変干渉フィルターの構成]
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図3は、図2のA−A線で切断した波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2及び図3に示すように、固定基板51及び可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば各種ガラスや、水晶等により形成されており、本実施形態では、石英ガラスにより構成されるものとする。そして、これらの基板51,52は、図3に示すように、接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。具体的には、固定基板51の第一接合部513、及び可動基板52の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成された接合膜53により接合されている。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51または可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
固定基板51には、図3に示すように、本発明の一対の反射膜の一方を構成する固定反射膜54が設けられている。また、可動基板52には、本発明の一対の反射膜の他方を構成する可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54及び可動反射膜55は、反射膜間ギャップG1を介して対向配置されている。
そして、波長可変干渉フィルター5には、反射膜54,55間のギャップG1の距離(ギャップ寸法)を調整するのに用いられる、本発明のギャップ変更部である静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた固定電極561と、可動基板52に設けられた可動電極562と、を備え、各電極561,562が対向することにより構成されている。これらの固定電極561,可動電極562は、電極間ギャップを介して対向する。ここで、これらの電極561,562は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
なお、本実施形態では、反射膜間ギャップG1が電極間ギャップよりも小さく形成される構成を例示するが、例えば波長可変干渉フィルター5により透過させる波長域によっては、反射膜間ギャップG1を電極間ギャップよりも大きく形成してもよい。
また、フィルター平面視において、可動基板52の一辺側(例えば、図2における辺C3−C4)は、固定基板51の辺C3´−C4´よりも外側に突出する。この可動基板52の突出部分は、固定基板51と接合されない電装部526であり、波長可変干渉フィルター5を固定基板51側から見た際に露出する面は、後述する電極パッド564P,565Pが設けられる電装面524となる。
同様に、フィルター平面視において、固定基板51の一辺側(電装部526とは反対側)は、可動基板52よりも外側に突出する。
(固定基板の構成)
固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561及び可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
電極配置溝511は、フィルター平面視で、固定基板51のフィルター中心点Oを中心とした環状に形成されている。反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この電極配置溝511の溝底面は、固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
電極設置面511Aには、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561が設けられている。この固定電極561は、電極設置面511Aのうち、後述する可動部521の可動電極562に対向する領域に設けられている。また、固定電極561上に、固定電極561及び可動電極562の間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁に接続された固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563は、電極配置溝511から辺C3´−C4´側(電装部526側)に向かって形成された接続電極溝(図示略)に沿って設けられている。この接続電極溝には、可動基板52側に向かって突設されたバンプ部565Aが設けられ、固定引出電極563は、バンプ部565A上まで延出する。そして、バンプ部565A上で可動基板52側に設けられた固定接続電極565に当接し、電気的に接続される。この固定接続電極565は、接続電極溝に対向する領域から電装面524まで延出し、電装面524においてフィルター駆動回路133に接続される固定電極パッド565Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、フィルター中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。その他、固定反射膜54上に透明電極を設ける構成や、導電性の固定反射膜54を用い、当該固定反射膜54から固定側電装部に接続電極を形成してもよく、この場合、固定電極561として、接続電極の位置に応じて、一部が切り欠かれた構成などとしてもよい。
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部512の可動基板52に対向する反射膜設置面512Aを備えている。
この反射膜設置部512には、図3に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO、低屈折層をSiOとした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(または合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(または合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiOやSiO等)と金属膜(または合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面のうち、エッチングにより、電極配置溝511、反射膜設置部512、及び接続電極溝が形成されない面は、第一接合部513を構成する。この第一接合部513には、第一接合膜531が設けられ、この第一接合膜531が、可動基板52に設けられた第二接合膜532に接合されることで、上述したように、固定基板51及び可動基板52が接合される。
(可動基板の構成)
可動基板52は、フィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成される。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
可動電極562は、所定の電極間ギャップを介して固定電極561に対向し、固定電極561と同一形状となる環状に形成されている。この可動電極562は、固定電極561とともに静電アクチュエーター56を構成する。また、可動基板52には、可動電極562の外周縁に接続された可動接続電極564が設けられている。この可動接続電極564は、可動部521から、固定基板51に設けられた接続電極溝(図示略)に対向する位置に沿って、電装面524に亘って設けられており、電装面524においてフィルター駆動回路133に電気的に接続される可動電極パッド564Pを構成する。
また、可動基板52には、上述したように、固定接続電極565が設けられており、この固定接続電極565は、バンプ部565A(図2参照)を介して固定引出電極563に接続されている。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54とギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、電極間ギャップが反射膜間ギャップG1の寸法よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、ギャップG1の寸法が、電極間ギャップの寸法よりも大きくなる構成としてもよい。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、保持部522が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化が起こらない。したがって、可動部521に設けられた可動反射膜55の撓みも生じず、固定反射膜54及び可動反射膜55を常に平行状態に維持することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、フィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
可動基板52において、第一接合部513に対向する領域は、第二接合部523となる。この第二接合部523には、第二接合膜532が設けられ、上述したように、第二接合膜532が第一接合膜531に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合される。
また、本実施形態では、分光素子として、波長可変型ファブリーペローエタロン素子である波長可変干渉フィルター5を用いる。このような波長可変干渉フィルター5では、固定反射膜54及び可動反射膜55が対向する光干渉領域に入射した光を一括して分光する、いわゆる面分光が可能となる。したがって、面分光された光を撮像部132の画素単位で受光することで、一度の撮像処理で、1つの波長に対する分光画像を取得することができる。
[フィルター駆動回路の構成]
フィルター駆動回路133は、制御部16からの指令信号に基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。これにより、静電アクチュエーター56の固定電極561及び可動電極562間で静電引力が発生し、可動部521が固定基板51側に変位する。波長可変干渉フィルター5のギャップG1の寸法が、目標波長に対応する値に設定される。
[ディスプレイの構成]
ディスプレイ14は、外装筐体11の表示窓に面して設けられる。ディスプレイ14としては、画像を表示可能な構成であればいかなるものであってもよく、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを例示できる。
また、本実施形態のディスプレイ14は、タッチパネルを備える構成とし、当該タッチパネルを操作部15の一つとしてもよい。
[操作部の構成]
操作部15は、上述のように、外装筐体11に設けられるシャッターボタンや、ディスプレイ14に設けられるタッチパネル等により構成される。ユーザーにより入力操作が行われると、操作部15は、入力操作に応じた操作信号を制御部16に出力する。なお、操作部15としては、上記の構成に限られず、例えば、タッチパネルに代えて、複数の操作ボタン等が設けられる構成などとしてもよい。
[制御部の構成]
図4は、本実施形態の食品分析装置10の概略構成を示すブロック図である。
制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路やメモリー等の記憶回路が組み合わされることで構成され、食品分析装置10の全体動作を制御する。この制御部16は、図4に示すように、記憶部161と、処理部162とを備えている。記憶部161には、食品分析装置10を制御するための各種データや各種プログラムが記録されている。
記憶部161に記憶される各種データとしては、例えば、後述する波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する電圧に対して、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を記録したV−λデータが挙げられる。
また、記憶部161には、分析対象となる栄養素の各成分に対する吸光スペクトルから抽出された特徴量(特定波長における吸光度)と、成分含有率との相関を示す相関データ(例えば検量線等)が記憶される。
さらに、記憶部161には、温度に対する各成分の吸光スペクトルの補正値が記憶されていてもよい。
さらには、記憶部161には、食品(対象物)に対する画像(比較画像)と、その食品に対する比重とを関連付けた比重データが、複数記録されている。すなわち、記憶部161は、本発明における比重データベースとして機能する。なお、食品とは、調理前の食材や、調理後の料理(メニュー)等を含む。また、比重データとして、同一の食品に対して複数の比較画像が記録されていてもよい。例えば、「ハンバーグ」とのメニューに対して、撮影角度や色合い等が異なる複数の「ハンバーグ」の画像が記録されていてもよい。さらに、同一の食品に対する複数の比較画像について1つの比重が関連付けられていてもよく、各比較画像に対してそれぞれ比重が関連付けられていてもよい。
処理部162は、記憶部161に記憶された各種プログラムを読み込み、実行することで、図4に示すように、光源制御部163、撮像制御部164、比重推定部166、体積推定部167、及び成分分析部168等として機能する。
なお、本実施形態では、処理部162が、記憶部161に記録されたプログラム(ソフトウェア)を読み込んで実行することで、ソフトウェアとハードウェアの協働により、上記各機能を実現する例を示すが、これに限定されない。例えば、各機能を有するハードウェアとしての回路が設けられる構成などとしてもよい。
光源制御部163は、光源部12を制御し、測定対象物の食品に対して光(近赤外光)を照射させる。
撮像制御部164は、V−λデータを参照して、フィルター駆動回路133から波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧を制御する。また、撮像制御部164は、撮像部132を制御して、撮像画像を取得する。
画像解析部165は、撮像画像を解析する。
比重推定部166は、撮像画像と、比重データベースとに基づいて、測定対象物の食品の比重を推定する。
体積推定部167は、撮像画像に基づいて、測定対象物の食品のサイズ(体積)を推定する。
成分分析部168は、各波長に対する分光画像に基づき、測定対象物の食品の成分比を測定する。また、成分分析部168は、推定された食品の体積に基づいて、成分含有量及びカロリーを算出する。
[食品分析装置による食品の成分分析方法]
次に、上述したような食品分析装置10による成分分析方法(成分分析処理)について、図面に基づいて以下に説明する。
図5は、食品分析装置10による成分分析方法のフローチャートである。
本実施形態では、ユーザーが測定対象物の食品を所定位置にセットして、ユーザーの操作により撮像モジュール13でセットされた食品を撮像することで、その食品に対する成分分析処理が実施される。この際、ユーザーは食品の近傍に寸法が既知となる基準物を配置し、当該基準物が食品とともに撮像画像内に収まるように撮像処理が実施される。
ここで、基準物の構成について説明する。図6は、本実施形態において用いられる基準物の概略構成を示す図である。
図6に示すように、本実施形態では、立方体の基準物20が用いられる。
この基準物20は、互いに直交する3軸方向に沿った辺(3軸辺21X,21Y,21Z)を有し、3軸辺21X,21Y,21Zの寸法が既知である。また、基準物20の3軸辺21X,21Y,21Zのうち2辺を含む基準物20の各表面(基準面22)は、3軸辺21X,21Y,21Zとは異なる反射率となる。例えば、基準面22は、全波長に対する反射率が例えば95〜100%である白色に構成され、3軸辺21X,21Y,21Zは、全波長に対する反射率が例えば0〜5%となる黒色に構成されている。
本実施形態では、食品の成分分析処理の実施前に、上記のような基準物20の3軸辺21X,21Y,21Zが撮像画像内に収まるように、基準物20の位置及び姿勢を設定しておく。
そして、ユーザーによる操作部15の操作(例えば、シャッターボタンの押下等)により、成分分析処理を実施する旨の操作信号が入力されると、制御部16は、図5に示すような成分分析処理を実施する。
具体的には、まず、光源制御部163は、光源部12を駆動させて、近赤外光を食品に照射する(ステップS1)。
次に、撮像制御部164は、記憶部161からV−λデータを読み込み、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する電圧を順次切り替え、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を所定間隔(例えば10nm)で切り替える。また、撮像制御部164は、撮像部132を駆動させて、波長可変干渉フィルター5を透過した各波長の光を撮像する。これにより、測定対象物の食品の各波長に対する分光画像が得られる(ステップS2)。
図7は、本実施形態において撮像された撮像画像(分光画像)の一例を示す図である。
ステップS1で食品分析装置10により分光画像を取得すると、図7に示す例のように、基準物20に対応した基準物領域31と、食品Xに対応した食品領域32と、を含む分光画像30が得られる。
次に、画像解析部165は、得られた分光画像30を解析して、基準物領域31と食品領域32とを特定する(ステップS3)。具体的には、画像解析部165は、例えばエッジ検出処理等の既知の画像解析手法を用いて、領域31,32を特定する。基準物20は既知の形状であり、そのサイズや形状を示す形状データが予め記憶部161に記憶されている。したがって、画像解析部165は、エッジ検出等の画像解析により、容易に撮像画像(分光画像30)内の基準物20を特定できる。
また、食品領域32は、皿や背景画像等が既知であれば容易に検出することが可能となる。
この後、成分分析部168は、撮像画像における基準物20の基準面22に対応する画素の光量値を検出し、その平均値を基本光量として取得する(ステップS4)。
次に、成分分析部168は、各撮像画像における各画素の光量値に基づいて、画素毎の分光スペクトルを測定する。そして、成分分析部168は、各画素に対する分光スペクトルに基づいて、各画素に対応する測定対象の成分比を測定(算出)する(ステップS5)。
具体的には、成分分析部168は、各画素における成分iの吸光スペクトル波長λaiに対する光量Iλiを取得し、以下の式(1)に基づいて吸光度Aλiを算出する。なお、I0iは、ステップS4により取得された基本光量である。成分分析部168は、式(1)に示すように、基準物20の基準面22に対応する画素の光量に基づいて、光量補正処理を行っている。
λi=−log(Iλi/I0i) …(1)
そして、成分分析部168は、算出された吸光度Aλiと、記憶部161に記憶された相関データとに基づいて、各成分iの含有率(成分比)を分析し、食品における成分比を算出する。この成分iの成分比の分析方法としては、従来用いられているケモメトリックス法により行うことができる。ケモメトリックス法としては、例えば、重回帰分析、主成分回帰分析、部分最小二乗法等の方法を用いることができる。なお、これらのケモメトリックス法を用いた各分析手法については、従来用いられている技術であるため、ここでの説明は省略する。
なお、ステップS5において、食品の温度分布に基づいて、各成分iの吸光スペクトルを補正する温度補正処理を実施してもよい。例えば、食品分析装置10において、食品の各部の温度を検出する温度センサーを設ける。そして、成分分析部168は、温度センサーにより検出される食品の温度分布から、各画素に対応した食品の各点の温度を検出し、各成分における特徴量が得られる波長(光吸収波長)を補正する。
例えば、基準温度Tにおいて、成分Aの含有率によって波長λA0の吸光度が変化する場合、基準温度Tにおける成分Aの特徴量は、波長λA0の吸光度となる。しかしながら、温度Tでは、成分Aの含有率によって波長λA1の吸光度が変化する場合があり、この場合、温度Tにおける成分Aの特徴量は、波長λA1の吸光度となる。特に、水は、温度変化による吸光スペクトルの変化が大きいことが知られており、各成分の分析を行う上で、特徴量が検出される波長を補正する必要がある。
成分分析部168は、記憶部161に記憶される各成分の各温度に対する補正値を読み出し、波長λA0に補正値を掛けあわせ、温度Tに対して特徴量が検出される波長λA1を算出する。
次に、比重推定部166は、ステップS2により得られた撮像画像と、記憶部161に記憶された比較データとに基づいて、食品の種別を判定し、当該食品の比重を推定する(ステップS6)。
例えば、比重推定部166は、ステップS2により得られた撮像画像の画像特徴量と最も近い画像特徴量を有する比較画像を検索し、検索された比較画像に関連付けられた比重を読み出す。また、測定対象物の画像としては、分光画像であってもよく、複数波長の分光画像を合成した合成画像であってもよい。つまり、波長可変干渉フィルター5として、可視光域から近赤外域の広い範囲に亘って分光可能な構成であり、撮像部132として、可視光域から近赤外域の広い範囲に亘って感度を有する場合、可視光域の複数の分光画像(例えば赤色、青色、緑色に対応した分光画像)を取得し、これらを合成する。また、波長可変干渉フィルター5が可視光域に対応していない場合でも、撮像部132として可視光域から近赤外域の広い範囲に亘って感度を有する場合では、例えば、波長可変干渉フィルター5を光路上から退避させて、RGBフィルターを挿入してカラー画像を撮像してもよい。さらには、食品分析装置10として、可視光画像(カラー画像)を撮像するための可視光用撮像モジュールが別途設けられている場合では、当該可視光用撮像モジュールにより撮像された画像を用いてもよい。
次に、体積推定部167により、食品の体積を推定する(ステップS7)。
ステップS7では、体積推定部167は、撮像画像における基準物20の3軸辺21X,21Y,21Zを特定し、これらの軸方向をそれぞれX軸、Y軸、Z軸としてXYZ直交座標系を構築する。また、基準物20の形状データ(3軸辺21X,21Y,21Zの長さ寸法)は記憶部161に記憶されているので、当該長さ寸法に基づいて、食品Xの寸法、及び体積を推算する。
体積推算方法としては、例えば、食品の形状を真球と仮定し、撮像画像において、当該真球からのひずみ量を推算することで、体積の推算を行う。
なお、上記は1視点から取得された撮像画像に基づいた体積推算方法の例であるが、測定対象物の食品を複数の視点から撮像画像を取得して、これらの撮像画像に基づいて体積推算を行ってもよい。この場合、例えば、複数視点で撮像された撮像画像から、立体画像を合成することで、より精度の高い体積推算を実施することができる。
この後、成分分析部168は、食品領域32内の各画素における分光スペクトルに基づいて、食品を構成する各成分の成分含有量、及び食品のカロリーを算出する(ステップS8)。
ステップS8では、まず、ステップS6により推定された比重(推定比重)と、ステップS7により推定された体積(推定体積)との積により、食品の質量(推定質量)を推算する。そして、成分分析部168は、推定質量に対して、ステップS5にて測定された各成分iに対する成分比(成分含有率)をかけ合せることで、各成分iの成分含有量を算出する。カロリーの算出としては、各成分の成分含有量として、脂質量、タンパク質量、糖質量が算出されれば、成分分析部168は、下記式(2)を用いることができる。
カロリー(kcal)=脂質量(g)×9+タンパク質量(g)×4+糖質量(g)×4 …(2)
この後、制御部16は、食品の成分分析結果(例えば、各成分の含有率、含有量、カロリー)をディスプレイ14に表示させる。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態では、撮像制御部164は、波長可変干渉フィルター5から出射された光を撮像部132により撮像して分光画像を取得する。この際、波長可変干渉フィルター5から出射させる光を順次切り替える毎に分光画像を取得する。これにより、成分分析部168は、各分光画像における食品領域32の各画素の分光スペクトルを取得することで、測定対象物である食品Xの成分比を測定することができる。
また、本実施形態では、記憶部161に複数の食品の比較画像と、その食品の比重とが記録された比較データが記録されており、比重推定部166は、記憶部161に記憶された比較データと撮像画像とに基づいて測定対象物の食品Xに対する比重を推定する。さらに、体積推定部167は、食品Xとともに撮像された寸法が既知の基準物20を用いて食品Xの体積を推定する。そして、成分分析部168は、推定比重と推定体積とに基づき、食品Xの質量を推算し、その質量に対して食品Xの成分比をかけ合せることで、各成分の成分含有量、及び食品Xのカロリーを算出する。
このような構成では、食品Xの比重を、例えば既知の値と用いる場合よりも、精度よく推定することができ、食品Xの体積を、基準物を用いて精度よく推定できるので、食品Xの質量を、例えば質量計等を用いることなく、精度よく推算することができる。これにより、食品Xの成分含有量やカロリーを高精度に求めることができ、かつ、質量計等が不要であるため、構成の簡略化、食品分析装置10の小型化を図ることができる。
本実施形態では、記憶部161に複数の食品の画像(比較画像)と、その食品に対する比重とを関連付けた比較データが記憶されている。このため、比重推定部166は、撮像画像における測定対象物の食品Xに最も類似する比較画像を検索し、その比較画像の比重を取得することで、食品Xに対する比重を容易に推定できる。
本実施形態では、基準物20として、立方体を用いる。そして、体積推定部167は、基準物20の3軸辺21X,21Y,21Zにより、XYZ直交座標系を構築して、3軸辺21X,21Y,21Zの長さ寸法に基づいて、食品Xの寸法を推定し、体積を推算している。
基準物として例えば方眼紙等を用いる場合では、XY座標系しか構築できず、高さ方向(Z軸方向)の長さを正確に推測できない。これに対して、上記のように3軸辺21X,21Y,21Zを有する基準物20を用いることで、高さ方向の寸法をも推定でき、食品Xの正確な体積を推定できる。
また、立方体の3軸辺21X,21Y,21Zを用いるため、直交3軸系を構築でき、例えば3軸辺が90度以外の角度で交差する座標系に比べて、食品Xの寸法を容易に算出することができ、処理負荷の軽減や高速化を図れる。
本実施形態では、基準物20の3軸辺21X,21Y,21Zは、基準面22とは異なる反射率を有する。具体的には、基準面22は測定対象波長域の全波長に対して高反射率である白色であり、3軸辺21X,21Y,21Zは低反射率である黒色となっている。
このため、体積推定部167は、撮像画像内の基準物領域31における3軸辺21X,21Y,21Zの位置を容易かつ正確に把握することができる。よって、食品Xに対する、より正確な体積を推定できる。
本実施形態では、基準面22の反射率が既知であり、例えば測定対象波長域の全波長に対して略100%の反射率を有する。このため、成分分析部168は、撮像画像における基準面22に対応する画素の光量値に基づいて、光量補正処理を実施できる。具体的には、基準面22に対応する画素の光量値(光量平均値)を基本光量I0iとして、上述した式(1)により、外光等の影響を考慮した成分iに対する吸光度Aλiを算出することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について、以下に説明する。
上記実施形態では、記憶部161に比較データとして、複数の食品の比較データと、当該食品に対する比重とを記憶し、画像の類似度に基づいて比重を推定している。これに対して、本実施形態では、画像の類似度ではなく、成分比の類似度により比重を推定する点で、上記第一実施形態と相違する。
なお、以降の説明において、上述した第一実施形態と同様の構成については同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
第二実施形態では、記憶部161に記憶される比較データとして、食品の成分比(比較成分比)と、当該食品の比重とを関連付けた比較データが、複数の食品について記憶されている。
そして、本実施形態では、食品の成分分析処理のステップS6の比重推定処理において、比重推定部166は、ステップS5により測定された食品Xの各成分の成分比に基づいて、比重を推定する。
つまり、比重推定部166は、記憶部161に記憶される各比較データから、ステップS5により推定された成分比と近似する比較成分比の比較データを検索する。例えば、各成分に対して、食品Xの成分比(成分含有率)と比較成分比との差を算出し、その差の最大値(成分比の差が最大となる成分)を取得する。そして、当該最大値が最小である比較データの比重を、食品Xの推定比重とする。
なお、成分比を用いた比重推定に関し、その他、食品Xの成分比と比較成分比の差の平均値が最小となる比較データを取得して、食品Xの比重としてもよい。
また、比重推定部166は、食品Xと近似する比較成分比に関連付けられた比重を、食品Xの各成分の成分比と比較成分比との差に基づいて補正し、補正した比重を推定比重として取得してもよい。
例えば、成分Aの成分比の差がΔa、成分Bの成分比の差がΔb、成分Cの成分比の差がΔcであり、比較データに記録された比重がDである場合、比重推定部166は、推定比重D´として、D´=D+αΔa+βΔb+γΔc(α、β、γは定数)と演算してもよい。
ステップS7以降の処理については、上記第一実施形態と同様である。
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態の食品分析装置10では、記憶部161に記憶される比較データとして、複数の食品に対する成分比(比較成分比)と、その食品に対する比重とが関連付けられて記憶されている。
これにより、比重推定部166は、成分分析部168により、複数波長に対する撮像画像(分光画像)に基づいて分析された食品Xに対する成分比に近い比較成分比の比較データを取得することで、食品Xの比重を推定することができる。
また、本実施形態では、画像の類似度ではなく、食品Xに含まれる実際の成分比の類似度に基づいて比重を推定するため、より正確な比重を推定できる。例えば、画像が類似している場合でも、例えば水分が含まれる割合が異なる場合があり、比重推定において誤差が生じる可能性がある。これに対して、成分比に基づいた比重推定では、上記のような誤差を低減でき、より正確な推定比重に基づいてより正確な成分分析を行うことができる。
さらに、成分比の差に基づいて、比較データの比重を補正して、食品Xの推定比重とすることもできる。食品Xの成分比と、比較データの成分比とが完全に一致することは極めて稀であり、その成分比の差だけ、比重においても誤差が生じる。これに対して、成分比の差に応じて比重を補正することにより、食品Xに対するより正確な比重を推定でき、正確な成分分析結果を得ることができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
第一実施形態では、画像類似度が最も近い比較画像の比較データを取得して、その比較食品の比重を測定物の比重としたがこれに限定されない。
例えば、比重推定部166は、画像類似度が近い所定個数の比較データの比較画像を、ディスプレイ14上に表示させる。そして、ユーザーによる操作部15の操作により、表示された比較画像のいずれかが選択させると、その選択された比較画像に関連付けられた比重を測定対象物の食品の推定比重として設定してもよい。
また、比重データベースに比較画像に加えて、料理名や食品名等の測定対象物名を関連付けておき、画像類似度が高い所定個数の料理名や食品名を表示させてもよい。この場合では、同じ料理の複数の画像(例えば異なる角度から撮られた比較食品の画像等)がディスプレイ14に表示されず、ユーザーによる選択作業の効率化を図れる。
第二実施形態においても同様であり、成分比が最も近い比較食品を取得する例に限られない。例えば比較データとして、食品の成分比と、その食品の比重と、その食品の名称(料理名や食材名等)とを記憶しておく。そして、比重推定部166は、測定対象物の食品の成分比が近い順に所定個数の比較データを取得し、これらの比較データの食品の名称をディスプレイ14上に表示させる。所定個数の比較データの取得方法としては、例えば、成分比の差の最大値が小さい順に所定個数の比較データを取得してもよく、成分比の差の平均値が小さい順に所定個数の比較データを取得してもよい。そして、ユーザーの操作部15の操作により、所定の食品の名称が選択されると、その食品の名称に対応した比重を測定対象物の食品の推定比重として設定してもよい。
上記のように、ユーザーによる選択操作によって選択された比較データの比重を推定比重とすることで、食品の比重をより精度よく設定することができる。
また、記憶部161に記憶される比較データとして、食品の比較画像と、比較成分比と、その食品の比重とが関連付けられていてもよい。さらに、食品の名称が関連付けられていてもよい。
このようなデータを用いることで、比重推定部166は、測定対象物の食品に対して画像類似度及び成分比の双方が近似する食品の比較データを検索することができる。
上記各実施形態では、食品分析装置10に設けられた記憶部161に比較データが記憶される例を示したが、これに限定されない。例えば食品分析装置10がインターネット等のネットワークを介して、比較データを記憶するサーバ装置と通信可能な通信部を備える構成などとしてもよい。この場合、比重推定部166は、サーバ装置から比較データを取得して、比重を推定する。
上記各実施形態において、基準物20として立方体を例示したが、これに限定されない。
例えば、3軸辺21X,21Y,21Zが互いに直交していない立体物や、3軸辺21X,21Y,21Z以外の辺が曲線である立体物等であってもよい。
また、3軸辺21X,21Y,21Zが一点で交わる(頂点を形成する)立方体を例示したが、基準物20において、3軸辺21X,21Y,21Zが交わらない構成などとしてもよい。
さらに、基準物20として立体物を例示したが、例えば、方眼紙等を基準物として用いてもよい。ただし、方眼紙等では、2次元座標系を用いた寸法推定となり、体積の推定精度が低下することが考えられ、3軸辺21X,21Y,21Zを有する立体物を用いることが好ましい。なお、方眼紙等の平面状の基準物と、高さ方向が既知となる例えば棒状の基準物とを組み合わせて用いてもよい。
さらには、基準物20として、基準面22が設けられず、例えば棒状の3軸辺21X,21Y,21Zのみにより構成される構成などとしてもよい。この場合でも、3軸辺21X,21Y,21Zの反射率が既知である場合では、撮像画像(分光画像30)におけるこれらの3軸辺21X,21Y,21Zの光量値を基本光量として成分分析を実施することができる。
上記各実施形態において、基準物20の3軸辺21X,21Y,21Zと基準面22とを異なる反射率に設定したが、同一の反射率としてもよい。この場合でも、画像解析部165によりエッジ検出等を行うことで、3軸辺21X,21Y,21Zの位置を検出することができる。
また、基準面22の反射率が既知となる基準物20を用いたが、光量補正処理を実施するための別の較正物を用いて光量補正処理を実施してもよい。この場合、食品の成分分析とは別に、較正物の撮像画像に基づいて予め基本光量を取得しておいてもよい。
上記実施形態では、測定対象物を食品とした例を示したが、これに限定されない。例えば、薬品や生物等を測定対象物としてもよい。
上記各実施形態において、波長可変干渉フィルター5は、電圧印加により反射膜54,55間のギャップ寸法を変動させる静電アクチュエーター56を備える構成としたが、これに限定されない。
例えば、固定電極561の代わりに、第一誘電コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘電コイルまたは永久磁石を配置した誘電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。
さらに、静電アクチュエーター56の代わりに圧電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば保持部522に下部電極層、圧電膜、及び上部電極層を積層配置させ、下部電極層及び上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませることができる。
また、分光素子として、例えばAOTF(Acousto Optic Tunable Filter)やLCTF(Liquid Crystal Tunable Filter)が用いられてもよい。ただし、この場合、食品分析装置10の小型化が困難になる可能性もあるため、ファブリーペローエタロンを用いることが好ましい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
5…波長可変干渉フィルター(分光素子)、10…食品分析装置(成分分析装置)、13…撮像モジュール、16…制御部、20…基準物、21X…辺、21Y…辺、21Z…辺、22…基準面(表面部)、30…分光画像、31…基準物領域、32…食品領域、54…固定反射膜、55…可動反射膜、56…静電アクチュエーター、132…撮像部、161…記憶部(比較データベース)、162…処理部、163…光源制御部、164…撮像制御部、165…画像解析部、166…比重推定部、167…体積推定部、168…成分分析部。

Claims (8)

  1. 測定対象物により反射された光から特定波長の光を選択して出射させ、かつ前記特定波長を変更可能な分光素子と、
    前記分光素子から出射された光を撮像する撮像部と、
    複数の対象物に対する比重が記録された比重データベースと、
    前記撮像部により撮像された前記測定対象物の撮像画像と、前記比重データベースとに基づいて、前記測定対象物の比重を推定する比重推定部と、
    前記測定対象物とともに撮像され、寸法が既知である基準物の撮像画像に基づいて、前記測定対象物の体積を推定する体積推定部と、
    前記比重推定部により推定された推定比重、及び前記体積推定部により推定された推定体積に基づいて前記測定対象物の成分分析を実施する成分分析部と、
    を備えたことを特徴とする成分分析装置。
  2. 請求項1に記載の成分分析装置において、
    前記比重データベースには、前記対象物の画像と、当該対象物の比重とが関連付けられて記録されている
    ことを特徴とする成分分析装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の成分分析装置において、
    前記比重データベースには、前記対象物の成分比と、当該対象物の比重とが関連付けられて記録されている
    ことを特徴とする成分分析装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成分分析装置において、
    前記基準物は、互いに交差する3軸方向に沿った辺を有する立体物である
    ことを特徴とする成分分析装置。
  5. 請求項4に記載の成分分析装置において、
    前記3軸方向は、互いに直交する
    ことを特徴とする成分分析装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の成分分析装置において、
    前記基準物は、前記3軸方向に沿った辺に連続し、当該辺とは異なる反射率を有する表面部を備えている
    ことを特徴とする成分分析装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の成分分析装置において、
    前記基準物は、反射率が既知であり、
    前記成分分析部は、前記撮像部により撮像された前記基準物の光量に基づいて、光量補正処理を実施する
    ことを特徴とする成分分析装置。
  8. 測定対象物により反射された光から特定波長の光を選択して出射させる分光素子と、前記分光素子から出射された光を撮像する撮像部と、複数の対象物に対する比重が記録された比重データベースと、を備えた成分分析装置における成分分析方法であって、
    前記撮像部により撮像された前記測定対象物に対する撮像画像と、前記比重データベースとに基づいて、前記測定対象物の比重を推定し、
    前記測定対象物とともに撮像され、寸法が既知である基準物の撮像画像に基づいて、前記測定対象物の体積を推定し、
    推定された推定比重、及び推定された推定体積に基づいて前記測定対象物の成分分析を実施する
    ことを特徴とする成分分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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