JP2016012592A - 太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムおよびそれを用いたバックシート - Google Patents
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Abstract
Description
1. 少なくとも片面に塗布層を有する基材厚みが20〜500μmのポリエステルフィルムであって、前記塗布層が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂とヘキサメチレンジイソシアネートに対する親水成分モル比が3〜15%であるイソシアヌレート骨格を有するイソシアネート架橋剤を主成分とする太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
2. 前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分及びイソシアヌレート環由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が1.56〜2.30である上記第1に記載の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
3. 前記イソシアネート架橋剤の親水成分としてポリオキシアルキレン基含有化合物、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸のいずれかを含む上記第1または第2に記載の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
4. エチレン酢酸ビニル共重合体もしくはポリビニルブチラール樹脂を主成分とする封止材の積層に用いる上記第1〜第3のいずれかに記載の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
5. 上記第1〜第4のいずれかに記載する太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを最表層に積層した太陽電池用バックシート。
6. 上記第5に記載する太陽電池バックシートの塗布層面に封止材を積層してなる太陽電池モジュール。
本発明で基材を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート、および共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを共重合したポリエステル樹脂などを用いることができる。
粒子を電子顕微鏡または光学顕微鏡で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(多孔質シリカの場合は凝集体の粒径)を測定し、その平均値を平均粒子径とする。また、積層フィルムの被覆層中の粒子の平均粒子径を求める場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率12万倍で積層フィルムの断面を撮影し、粒子の最大径を求めることができる。
本発明の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムには、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂とヘキサメチレンジイソシアネートに対する親水成分モル比が3〜15%であるイソシアヌレート骨格を有するイソシアネート架橋剤を主成分とした塗布層が形成されていることが好ましい。そして、前記塗布層の赤外分光法による測定で、脂肪族系ポリカーボネート成分及びイソシアヌレート環由来の成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)の比率(A1460/A1530)が1.56〜2.30であることが特に好ましい。ここで、「主成分」とは、塗布層に含まれる全固形成分中として50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することを意味する。上限はもちろん100質量%であるが、95質量%以下でも構わない。
本発明におけるウレタン樹脂は、構成成分として、少なくともポリオール成分、ポリイソシアネート成分を含み、さらに必要に応じて鎖延長剤を含む。本発明のウレタン樹脂は、これら構成成分が主としてウレタン結合により共重合された高分子化合物である。本発明では、ウレタン樹脂の構成成分として脂肪族系ポリカーボネートポリオールを有することを特徴とする。本発明の塗布層に脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂を含有させることで、耐湿熱性を向上させることができる。なお、これらウレタン樹脂の構成成分は、核磁気共鳴分析などにより特定することが可能である。
本発明において、塗布層中にヘキサメチレンジイソシアネートに対する親水成分モル比が3〜15%であるイソシアヌレート骨格を有するイソシアネート架橋剤を含有させることが好ましい。イソシアネート架橋剤は、ブロックイソシアネート架橋剤であることが特に好ましい。イソシアネート骨格として、一般的にジフェニルメタンジイソシアネートやトリレンジイソシアネート等も使用されるが、耐黄変性、耐湿熱性が良好なヘキサメチレンジイソシアネートを骨格として使用することが特に好ましい。
本発明において、塗布層中に粒子を含有させることもできる。粒子は(1)シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、(2)アクリルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機粒子が挙げられる。
本発明の光学用易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
本発明の太陽電池用バックシートは前記塗布層を有するポリエステルフィルムを構成部材とする。特に、封止材と直接的に接する最表層に用いることが好ましい。係る構成により本発明の太陽電池用バックシートは封止材との強固な密着性を奏することができ、長期にわたる過酷な環境下においても良好な密着性を奏する。そのため、太陽電池素子の防湿性保持やバリア性向上に寄与しうる。
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、DSC曲線からガラス転移開始温度を求めた。
得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムについて塗布層を削り取り、約1mgの試料を採取した。採取した試料に圧力をかけ、厚み約1μmのフィルム状に成型した塗布層試料片(大きさ:約50μm×約50μm)を作成した。さらに、ブランク試料として基材フィルムと同質のPET樹脂についても前記手順と同様にして試料片(ブランク試料片)を作成した。
作成した試料片をKBr板上に載せ、下記条件の顕微透過法により赤外吸収スペクトルを測定した。塗布層の赤外分光スペクトルは、塗布層試料片から得た赤外分光スペクトルとブランク試料片のスペクトルとの差スペクトルとして求めた。
脂肪族系ポリカーボネート成分及びイソシアヌレート環由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)は1460±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とし、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)は1530±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とした。なお、ベースラインはそれぞれの極大吸収のピークの両側の裾を結ぶ線とした。得られた吸光度から下記式により吸光度比率を求めた。
(吸光度比率)=A1460/A1530
装置:FT−IR分析装置SPECTRATECH社製 IRμs/SIRM
検出器:MCT
分解能:4cm−1
積算回数:128回
DMSO−d6に樹脂を溶解しヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)“ジェミニ−200”を用い、1H−NMRにより樹脂組成比を求めた。
得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを100mm幅×100mm長、EVAシートを70mm幅×90mm長に切り出したもの用意し、フィルム(塗布層面)/下記記載のEVA/(塗布層面)フィルムの構成で重ね、真空ラミネーターで下記記載の接着条件で加熱圧着し、サンプルを作成した。作成したサンプルを20mm幅×100mm長に切り出した後、SUS板に貼りつけ、下記記載の条件で引張り試験機でフィルム層とEVA層の剥離強度を測定した。剥離強度は極大点を越えた後に安定して剥離している部分の平均値として求めた。下記の基準でランク分けした。
◎:100N/20mm以上、または、フィルムの材破
○:75N/20mm以上、100N/20mm未満
△:50N/20mm以上、75N/20mm未満
×:50N/20mm未満
装置:真空ラミネーター エヌ・ピー・シー社製 LM−30×30型
加圧:1気圧
EVA:
A.スタンダードキュアタイプ
I.サンビック製 Urtla Pearl PV(0.4μm)
ラミネート工程:100℃(真空5分、真空加圧5分)
キュア工程:熱処理150℃(常圧45分)
II.三井ファブロ製 ソーラーエバ SC4(0.4μm)
ラミネート工程:130℃(真空5分、真空加圧5分)
キュア工程:150℃(常圧45分)
B.ファストキュアタイプ
I.サンビック製 Urtla Pearl PV(0.45μm)
ラミネート工程:135℃(真空5分、真空加圧15分)
II.三井ファブロ製 ソーラーエバ RC02B(0.45μm)
ラミネート工程:150℃(真空5分、真空加圧15分)
装置:テンシロン 東洋BALDWIN社製 RTM−100
剥離速度:200mm/分
剥離角度:180度
得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを、高温高湿槽中で85℃、85%RHの環境下1000時間放置した。次いで、太陽電池用ポリエステルフィルムを取りだし、室温常湿で24時間放置した。その後は、前記(4)と同様の方法で剥離強度を測定し、下記の基準でランク分けをした。
◎:100N/20mm以上、または、フィルムの材破
○:75N/20mm以上、100N/20mm未満
△:50N/20mm以上、75N/20mm未満
×:50N/20mm未満
摩擦堅牢度試験機(大栄科学精器製作所製、RT−200)に後述する実施例で作製したフィルムを3cm(フィルム幅方向)×20cm(フィルム長手方向)を取り付け、おもり(300g)を付けた荷重ヘッド部(2cmx2cm、200g)と試料フィルムの接触部にアルミ箔(厚さ80μm、算術的平均表面粗さ0.03μm)を用い、10cmの距離を1往復20秒の速度で10往復させた。黒台紙の上に得られた試料フィルムをのせ、粉落ちしているか目視で確認した。
○:黒台紙上で粉落ちが確認できない。
×:黒台紙上で全体的にわずかな粉落ちが確認できる。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min-1で攪拌混合しながら、イソシアネート基末端プレポリマーを添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)を調製した。得られたポリウレタン樹脂(A−1)のガラス転移点温度は−30℃であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA−100(固形分100%))100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)20質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)を得た。ブロックイソシアネートにおけるヘキサメチレンジイソシアヌレートに対する親水成分(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)のモル比を測定した結果、13.4%であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA−100(固形分100%))117質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ジメチロールプロピオン酸3質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−2)を得た。ブロックイソシアネートにおけるヘキサメチレンジイソシアヌレートに対する親水成分(ジメチロールプロピオン酸)のモル比を測定した結果、11.3%であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA−100(固形分100%))117質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ジメチロールブタン酸3質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)を得た。ブロックイソシアネートにおけるヘキサメチレンジイソシアヌレートに対する親水成分(ジメチロールブタン酸)のモル比を測定した結果、10.2%であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA−100(固形分100%))113質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)7質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−4)を得た。ブロックイソシアネートにおけるヘキサメチレンジイソシアヌレートに対する親水成分(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)のモル比を測定した結果、4.7%であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA−100(固形分100%))105質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)15質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−5)を得た。ブロックイソシアネートにおけるヘキサメチレンジイソシアヌレートに対する親水成分(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)のモル比を測定した結果、10.1%であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA−100(固形分100%))98質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)22質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−6)を得た。ブロックイソシアネートにおけるヘキサメチレンジイソシアヌレートに対する親水成分(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)のモル比を測定した結果、14.8%であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA−100(固形分100%))100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−7)を得た。ブロックイソシアネートにおけるヘキサメチレンジイソシアヌレートに対する親水成分(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)のモル比を測定した結果、20.2%であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたアダクト構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートP301−75E(固形分75%))133質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−8)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネート24A−100(固形分100%))100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−9)を得た。
(1)塗布液の調整
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。
水 55.62質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 11.29質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 2.26質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
フィルム原料ポリマーとして平均粒径2.5μmのシリカ粒子を0.03質量%含有するPET樹脂ペレット(固有粘度が0.62dl/g)を、133Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、押し出し機に供給し、約285℃で溶解した。このPET樹脂を、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、シート状に溶融押し出した。表面温度30℃に保った回転冷却金属ロール上で急冷密着固化させ、未延伸PETシートを得た。
ブロックポリイソシアネート架橋剤をブロックポリイソシアネート架橋剤(B−7)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート架橋剤をブロックポリイソシアネート架橋剤(B−8)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート架橋剤をブロックポリイソシアネート架橋剤(B−9)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 58.02質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 8.06質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 3.76質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 54.75質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 4.83質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 5.26質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
ブロックポリイソシアネート架橋剤をブロックポリイソシアネート架橋剤(B−2)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート架橋剤をブロックポリイソシアネート架橋剤(B−3)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート架橋剤をブロックポリイソシアネート架橋剤(B−4)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート架橋剤をブロックポリイソシアネート架橋剤(B−5)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート架橋剤をブロックポリイソシアネート架橋剤(B−6)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
(3)太陽電池用バックシートの製造
実施例1の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム/黒色ポリエステルフィルム(50μm)/アルミ箔(30μm)/ポリフッ化ビニルフィルム(38μm)の構成でドライラミネート法で接着し、太陽電池用バックシートを得た。
ドライラミネート用接着剤
タケラックA−315(三井化学製)/タケネートA−10(三井化学製)=9/1(固形分比)
Claims (6)
- 少なくとも片面に塗布層を有する基材厚みが20〜500μmのポリエステルフィルムであって、前記塗布層が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂とヘキサメチレンジイソシアネートに対する親水成分モル比が3〜15%であるイソシアヌレート骨格を有するイソシアネート架橋剤を主成分とする太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
- 前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分及びイソシアヌレート環由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が1.56〜2.30である請求項1に記載の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
- 前記イソシアネート架橋剤の親水成分としてポリオキシアルキレン基含有化合物、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸のいずれかを含む請求項1または2に記載の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
- エチレン酢酸ビニル共重合体もしくはポリビニルブチラール樹脂を主成分とする封止材の積層に用いる請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載する太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを最表層に積層した太陽電池用バックシート。
- 請求項5に記載する太陽電池バックシートの塗布層面に封止材を積層してなる太陽電池モジュール。
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