JP2016011895A - イメージングシステム及びその方法 - Google Patents

イメージングシステム及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016011895A
JP2016011895A JP2014133713A JP2014133713A JP2016011895A JP 2016011895 A JP2016011895 A JP 2016011895A JP 2014133713 A JP2014133713 A JP 2014133713A JP 2014133713 A JP2014133713 A JP 2014133713A JP 2016011895 A JP2016011895 A JP 2016011895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
light
frequency
light source
optical signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014133713A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5883079B2 (ja
Inventor
直文 清水
Naofumi Shimizu
直文 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2014133713A priority Critical patent/JP5883079B2/ja
Publication of JP2016011895A publication Critical patent/JP2016011895A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5883079B2 publication Critical patent/JP5883079B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】物体が高温の煙霧の中にあっても可視化できるイメージングシステム及びその方法を提供する。
【解決手段】所定の帯域幅を持つ光を発生する光源と、光源から出射された光の強度を変調する光強度変調器106と、光強度変調器からの光信号を複数の光信号に分波する光分波器107と、光分波器で分波された光信号毎に異なる遅延時間で遅延させる複数の光遅延器108と、複数の光遅延器で遅延された光信号を電磁波に変換して目標物に照射する複数の光電変換器109と、目標物から反射された電磁波を検出する検出器116を備え、光強度変調器と検出器とは、同期して動作させ、光強度変調器は、変調周波数を所定の周波数に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、煙霧によって視認性が劣化する火災現場などで、照射したテラヘルツ波の反射波の2次元空間分布を得ることで、煙霧によって見えなくなった物を可視化するテラヘルツアクティブのイメージングシステム及びその方法に関する。
電磁波の中で、波長の長いミリ波を用いて物体を可視化するイメージングシステムの一つにミリ波カメラがある。図6はそのイメージングシステムの構成を模式的に示す。図6において、高感度ミリ波受信器501は、周波数90 GHzのミリ波を受信する。パラボラアンテナ502は、特定の方向から飛来するミリ波信号を高感度ミリ波受信器501に伝える。モータ503は、パラボラアンテナ502を回転させ、アンテナの向きをある軸方向に回転させる。回転ステージ504は、高感度ミリ波受信器501、パラボラアンテナ502、モータ503を設置し、モータ503の回転軸を地面に平行な面内で回転させる。ベース台505は、システム全体を支える。
このイメージングシステムは、物質が放射する熱輻射の強度の2次元分布を観測し、イメージを得る。このイメージングシステムでは、可視化に用いる電磁波が光でないため、光の無い夜間にも被観測物質を可視化することができる。また、ミリ波は非導電性物質に対する透過性が高いため、霧や砂塵などで視認性が著しく劣化した状況でも霧など砂塵で遮られることなく可視化像を得ることができる。
"The monitoring of critical infrastructures using microwave radiometers," Markus Peichl, Stephan Dill, Matthias Jirousek, and Helmut Sus, Proc. SPIE 6948, Passive Millimeter-Wave Imaging Technology XI, pp. 69480K-1~12
しかしながら、従来のイメージングシステムには、以下の解決すべき問題点がある。その一つは、空間分解能である。90GHzのミリ波の波長は3.33ミリと可視光に比べて波長が3桁程度長い。従って、光によるイメージングに比べて空間分解能が著しく劣化することになる。波長の短い光によるイメージングでは空間分解能は向上するが、煙霧を透過することができないため、煙霧によって視認性が劣化する火災現場で煙霧の中やその向こうのものを可視化することができない。周波数軸上でミリ波と光に挟まれた領域に位置するテラヘルツ波は、ミリ波より波長が短いため、ミリ波イメージングに比べて空間分解能が期待できる。
また、煙を構成する浮遊微粒子の粒子径0.1から1μmよりは波長が十分に長いため、煙霧に遮られることなく空間を伝搬する。従って、使用する電磁波をミリ波からテラヘルツ波にすることにより、煙霧に対する透過性を維持したまま、空間分解能の改善を図ることができる。
しかし、使用する電磁波をミリ波からテラヘルツ波に変えただけでは熱輻射の問題を解決できない。火災現場では煙霧は炎により加熱され高温になっている。そのため空間に漂う高温の煙霧自体が熱輻射という形で電磁波を発生している。煙霧の中やその背景にあるものを考えた場合、それらが煙霧より低温であった場合、煙霧漂う空間から放射される熱輻射は、煙霧によるものが支配的であり、煙霧の中やその背景にあるものからの熱輻射を捉えることは非常に困難である。
本発明の課題は、物体が高温の煙霧の中にあっても可視化できるイメージングシステム及びその方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るイメージングシステムは、所定の帯域幅を持つ光を発生する光源と、前記光源から出射された光の強度を変調する光強度変調器と、前記光強度変調器からの光信号を複数の光信号に分波する光分波器と、前記光分波器で分波された光信号毎に異なる遅延時間で遅延させる複数の光遅延器と、前記複数の光遅延器で遅延された光信号を電磁波に変換して目標物に照射する複数の光電変換器と、前記目標物から反射された電磁波を検出する検出器を備え、前記光強度変調器と前記検出器とは、同期して動作させ、前記光強度変調器は、変調周波数を所定の周波数に設定することを特徴とする。
本発明によれば、煙霧から放射される熱輻射に対して物体に照射する電磁波の強度を強めることができ、物体が高温の煙霧の中にあっても可視化できるイメージングシステムを提供することができる。
本発明の実施例1のイメージングシステムの構成を示す図である。 本発明の実施例1のイメージングシステムの単一モード光レーザの周波数、インコヒーレント光源の光の帯域、光バンドパスフィルタの光の中心周波数・パスバンド幅を示す図である。 本発明の実施例1のイメージングシステムの照明用テラヘルツ波がオン/オフするタイミングを示す図である。 本発明の実施例1のイメージングシステムにおいて5つのガスによる伝搬損の最悪値を周波数ごとに計算してプロットしたグラフである。 実施例1のフォトミキサが離れたところに設置された反射率10%の対象物がどのぐらいの強度でテラヘルツ波を反射するかを計算により求めた結果を示す図である。 ミリ波を用いて物体を可視化する従来のイメージングシステムを示す図である。
まず、本発明のイメージングシステム及びその方法の原理を説明する。本発明は、物体の可視化にはテラヘルツ波を用い、高温の煙が発する熱輻射により煙の中やその奥にある物質を見つけるために、システム自体がテラヘルツ波を放射し、その反射波を捉えることで物体を可視化するアクティブイメージングシステムを採用する。
煙霧環境下で照射するテラヘルツ波は、2つの波長の異なる光を光検出器に導入した時にその差の周波数に一致する周波数のテラヘルツ波が発生するフォトミキシングの手法を用いる。具体的には2つの光の内の一つにはレーザ光源からの光を用い、もう一つの光には線幅が広く干渉性の低い光を発する光源から発せられるインコヒーレントな光から特定の中心周波数・パスバンド幅で切り出した光を用いる。
これにより、フォトミキサから発生するテラヘルツ波は、広い線幅を有するインコヒーレントなものとなる。フォトミキサから発生するテラヘルツ波がインコヒーレントでかつ、光スプリッタと各フォトミキサをつなぐ光ファイバなどの光伝送媒体が10ns以上の遅延差を与えるため、各フォトミキサから発生されるテラヘルツ波は干渉性を喪失している。そのため、干渉縞の発生がなく、アレイ化により発せられるテラヘルツ波の強度が加算的に強まる。
よって、複数のフォトミキサを使うことで、煙によって隠れている探索物を、周りにある高温の煙から発せられるテラヘルツ領域の熱輻射より強い強度のテラヘルツ波で照らすことができ、煙霧の中やその奥にあるものが煙の熱輻射より強い強度のテラヘルツ波を反射することになる。
従って、各フォトミキサから発生され、加算的に強度が強まったテラヘルツ波で煙霧により視認性が劣化した場所を照らしながら、テラヘルツ波に対して感度を有するカメラやスキャナーなどテラヘルツ波の2次元平面内の強度分布を測る装置で、テラヘルツ波によって照らされた方向を見ると、煙霧の中やその奥にあるものが反射するテラヘルツ波によって作られる装置の位置でのテラヘルツ波の2次元平面内の強度分布を得ることができる。得られるテラヘルツ波の2次元平面内の強度分布は、前述したテラヘルツ波によって照らされた煙霧の中やその奥にある物からのテラヘルツ波の反射に他ならない。従って、煙霧の中や奥にあるものの可視化が実現される。
次に、本発明の実施の形態に係るイメージングシステム及びその方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施例1のイメージングシステムの構成を示す図である。
このイメージングシステムは、視認性の劣化した煙霧環境下で煙霧に隠れたものを可視化するテラヘルツアクティブイメージングシステムである。図1に示すイメージングシステムは、単一モード光レーザ101、インコヒーレント光源102、光バンドパスフィルタ103、光カプラ104、光増幅器105、光強度変調器106、光分波器107、光ファイバアレイ108、フォトミキサ109、レンズ114、ローパスフィルタ115、テラヘルツ波検出器二次元アレイ116、画像処理回路117、発振器118を有している。
インコヒーレント光源102は、線幅が広く干渉性の低い光を発するもので、例えば入力に信号を入れないファイバ光増幅器や半導体光増幅器などインコヒーレント光の光源である。光バンドパスフィルタ103は、インコヒーレント光源102から得られる広帯域の光から特定の周波数・パスバンド幅の光を取り出す。光カプラ104は、は単一モード光レーザ101からの光と光バンドパスフィルタ103からの光を合波させる。光増幅器105は、光カプラ104の出力を増幅する。単一モード光レーザ101、インコヒーレント光源102、光バンドパスフィルタ103、光カプラ104及び光増幅器105は、本発明の所定の帯域幅を持つ光をフォトミキシングにより発生させる光源に対応する。
光強度変調器106は、光増幅器105から出力される光信号を強度変調するもので、光信号をオン/オフ変調する。光分波器107は、光強度変調器106から出力される光信号を複数の光信号に分波する。光ファイバアレイ108は、本発明の複数の光遅延器に対応し、光分波器107から出力される複数の光信号を、光信号毎に異なる遅延時間で遅延させるもので、光信号毎に例えば10ns以上の遅延差をつけて次段に供給する。複数のフォトミキサ109は、本発明の複数の光電変換器に対応し、光ファイバアレイ108で遅延された光信号を電磁波であるテラヘルツ波に変換して目標物に照射する。テラヘルツ波110は、各々のフォトミキサ109から発せられ空間上で合成されて煙霧111に伝搬する。物体112は、煙霧111中に存在するが、視認することはできない。
レンズ114は、物体112で反射したテラヘルツ波113を集める。ローパスフィルタ115は、テラヘルツ波113と同時に伝搬してくる高温の煙や物体112からの熱輻射成分を取り除くために設置され、テラヘルツ波成分のみを透過させる。テラヘルツ波検出器2次元アレイ116は、レンズ114の焦点位置に設置され、煙霧中に存在するが視認できない物体112により反射されたテラヘルツ波を2次元平面上のテラヘルツ波強度分布として検出する。画像処理回路117は、テラヘルツ波検出器2次元アレイ116の出力を、光強度変調器106の変調周波数と同じ周波数で同期検波し、煙霧中に存在する物体112を可視化する。発振器118は、光強度変調器106と画像処理回路116とを同期して動作させるための同期信号を生成する。レンズ114、ローパスフィルタ115、テラヘルツ波検出器2次元アレイ116、画像処理回路117及び発振器118は、本発明の検出器に対応する。
図2(a)(b)(c)は、それぞれ、単一モード光レーザ101の周波数、インコヒーレント光源102から発せられる光の帯域、光バンドパスフィルタ103から出力される光の中心周波数・パスバンド幅を示す図である。図2に示す例では、単一モード光レーザ101は、周波数194.0630 THzの光を発している。インコヒーレント光源102は、191.5600 THzから195.3000 THzの帯域で雑音を発生している。インコヒーレント光源102からの光を中心周波数193.3800 THz、パスバンド幅40 GHzに設定された光バンドパスフィルタ103に入力すると、図2(c)に示すインコヒーレント光が得られる。このインコヒーレント光をフォトミキサ109に入力すると、フォトミキサ109は、単一モード光レーザ101の周波数194.0630THzと光バンドパスフィルタ103の中心周波数193.380THzとの差分周波数、即ち、フォトミキシングにより中心周波数683 GHzで且つ帯域幅40 GHzのインコヒーレントテラヘルツ波を得る。
また、テラヘルツ波に変換される前の光子のライフタイムは数nsと考えられるため、フォトミキシングにおいて、図2(c)に示されるように片方の光がインコヒーレントで、各々のフォトミキサ109に到達するまでの時間に10ns以上の差がでるように光ファイバアレイ108により遅延差を調整する。このため、各々のフォトミキサ109でテラヘルツ波が発生するタイミングは、前記遅延差だけずれている。
仮に、フォトミキサアレイが100個のフォトミキサ109で構成され、各々のタイミングのずれが10nsとすると、最初のフォトミキサ109がテラヘルツ波を発生し始めてから、最後のフォトミキサ109がテラヘルツ波を発生し始めるまでに10ns×(100-1)〜1μsのずれがある。実施例1では、全てのフォトミキサ109がテラヘルツ波を発生することによって、物体112を明るく照射させるので、フォトミキサ109がオンしている時間は1μsよりも長い例えば10μsという値をとることが求められる。
この場合、光強度変調器106は、所定の周波数に設定された変調周波数を持つ変調信号によりオン/オフ変調する。変調周波数は、50kHzで、それ以上早い変調周波数を用いることは望ましくない。一般的な形にすると、フォトミキサ109の数をNとし、光ファイバアレイ108の遅延差の平均値をDとした場合に、光強度変調器106は、変調周波数を
1/(20×N×D)以下に設定する。
図3は、本発明の実施例1のイメージングシステムの照明用テラヘルツ波がオン/オフするタイミングを示す図である。遅延差Dを10とした場合に、図3に示すように、10×N(ns)が全部のフォトミキサ109のオンになるのに必要な時間である。オンになっている時間を10×N(ns)の10倍にする。また、フォトミキサ109は、変調信号によりオンとオフとを繰り返すので、オフの時間も10×N(ns)の10倍必要である。従って、変調周期は、10×N(ns)の20倍になる。即ち、変調周波数は、1/(200×N)(ns)以下となる。
以上のことから、各々のフォトミキサ109から出されるテラヘルツ波はお互いに干渉性を喪失する。そのため、フォトミキサ109の数を増やすことで、煙霧環境を照らすテラヘルツ波110は干渉縞を発生させることなく、その強度は加算的に増えることになる。フォトミキサ109としては、光を照射することで一時的に電導度が高くなる半絶縁性半導体基板上に金属で微小ギャップを形成する金属―半導体―金属光伝導スイッチや高速のPINフォトダイオード、単一走行キャリアフォトダイオードなどが考えられる。フォトダイオードの台数には制限がないが、光分波器107の分岐が増えてフォトミキサ109一台あたりに供給される光強度が、フォトミキサの許容光入力強度を著しく下回るのは望ましくない。その場合、光カップラ104と光増幅器105の間に分岐を入れ、光増幅器105からフォトミキサ109までを並列化し、フォトミキサ109に供給する光強度を、その許容光入力強度に近いレベルにすればよい。
煙は燃焼によって生じた浮遊微粒子とガスが空気に混ざり合ったもので、浮遊微粒子の大きさはおおむね0.1から1μmである。フォトミキサ109から発せられるテラヘルツ波の波長は100から1000μmで、浮遊微粒子より2ケタ以上長い。そのため、この浮遊微粒子によってテラヘルツ波は散乱されることはない。これに対し、燃焼生成ガスのうちで、水、シアン化水素、塩化水素、亜硫酸ガス、ホルムアルデヒドはテラヘルツ帯に固有の吸収スペクトルを持ち、テラヘルツ波を吸収する。
図4はこれら5つのガスによる伝搬損の最悪値を周波数ごとに計算してプロットしたグラフである。ここで伝搬損はその周波数の±20 GHzの平均となっている。313、403、463、595、683、833、921 GHzの周波数において伝搬損が極小値を示すことが、図4より明らかである。実施例1では、前述したように、フォトミキサ109から発せられるテラヘルツ波の周波数683 GHzを中心とし、その帯域は40 GHzであるから、燃焼生成ガスによる吸収は低く抑えられる。図4から明らかなように、テラヘルツ波の周波数を、313、403、463、595、833、921 GHzのいずれかに設定することによっても、燃焼生成ガスによる吸収は低く抑えることができる。
その場合、光バンドパスフィルタ103の中心周波数を193.7510、193.6600、193.6000、193.4680、193.2300、193.1420 THzのいずれかに設定すればよい。また、帯域も40 GHzに限ることはなく、20 GHzから150GHz付近まで任意の値を取ることが可能である。また、313、403、463、595、683、833、921 GHzのいずれかのテラヘルツ波を発生するために、光バンドパスフィルタ103の中心周波数を194.3760、194.4660、194.5260、194.6580、194.7460、194.8960、194.9840 THzのいずれかに設定してもかまわない。
なお、図4に示すスペクトルの計算には、下記に示す非特許文献2によるスペクトルデータ、及び非特許文献3によるスペクトル強度の計算式を用いた。
非特許文献2;
H. M. Pickett et al. , “Submillimeter, millimeter, and microwave spectral line catalog,” J. Quant. Spectrosc. &Rad, Transfer, vol. 60,pp.883-890,1998.
非特許文献3;
J. S. Melinger et al., ”THz detection of small molecule vapors in the atmospheric transmission windows,” Optics Express, vol. 6,pp6788-6807,2012.
図5は、フォトミキサ109が離れたところに設置された反射率10%の対象物がどのぐらいの強度でテラヘルツ波を反射するかを計算により求めた結果を示す図である。ここでは中心周波数595 GHz、帯域50GHzとし、煙などによって対象物に到達するまでにテラヘルツ波は3dBの減衰を受けるとしている。
また、黒い点線と実線はプランクの公式を用いて計算した500℃の黒体が放射する輻射の中心周波数595 GHz、帯域50GHz の強度とその10倍の値を示している。直線aはフォトミキサ109の出力が20μWで利得が20dBの場合である。
なお、フォトミキサによって被写体が照射されるテラヘルツ波の単位面積当たりの強度は、等方性アンテナの場合に比べて利得分だけ増加したとして計算している。この場合、物体112がフォトミキサ109から30 cm程度離れると、物体112が反射するテラヘルツ波の強度は500℃の黒体輻射と同じレベルになっており、それより離れたところにあるものをアクティブイメージングできないことを意味している。直線bは直線aのフォトミキサ109を8台並べた場合である。この場合、インコヒーレント化とアレイ化による加算の効果でフォトミキサ109から70 cmまでの距離で物体112が反射するテラヘルツ波の強度は500℃の黒体輻射のレベルを上回っている。
従って、この範囲内で高温の煙霧の中やその後ろにあるもののアクティブイメージングが可能になる。直線cはフォトミキサ1台の出力が30μWで利得が30dB、それが8台集まったアレイになっている場合である。この場合、フォトミキサ109から6 mの距離まで、反射テラヘルツ波の強度が500℃の黒体輻射を上回ることになる。従って、この範囲まで、高温の煙霧の中やその後ろにあるもののアクティブイメージングが可能になる。直線dはフォトミキサ109が100台集まった場合で、この場合には、10 m以上離れていてもアクティブイメージングは可能である。
以上の結果により、中心周波数と帯域幅を適切に調整したインコヒーレントテラヘルツ波を放射するフォトミキサ109をアレイ化することにより、フォトミキサアレイから離れたところで、高温の煙霧により覆われた物質112が、高温の煙霧が発する熱輻射より明るくテラヘルツ波を反射する状況を実現することができることは明らかである。物質のテラヘルツ波に対する反射率は実際は一定ではなく、0から100%までその材質固有の反射率を有している。従って、反射されるテラヘルツ波の強度は反射する物体の材質によって異なり、煙霧中に存在する物体112で反射されたテラヘルツ波113の強度の空間分布は、煙の中にある物のそれ自体とその位置を反映したものになっている。
従って、レンズ114及びテラヘルツ波検出器二次元アレイ116、画像処理回路117を用いてテラヘルツ波113の強度の空間分布を求めることにより、煙111によって視認できないもの112を可視化することができる。
ここで、ローパスフィルタ115は、1 THzより高い周波数成分の信号がテラヘルツ波検出器二次元アレイ116に到達することを阻止するために、テラヘルツ波検出器二次元アレイ116の前に設置してある。
1 THzより高い周波数の信号は、高温の煙や背景が発する熱輻射を意味している。なお、実施例1においてテラヘルツ波検出器にショットキー障壁ダイオード、焦電素子などを用いることを想定している。また、実施例1ではテラヘルツ波113の強度の空間分布を得るために、検出器の二次元アレイを用いたが、それ以外に、可動ミラーと1次元アレイを組み合わせたスキャナーや、可動ステージを用いた1台の検出器の2次元空間スキャンなどの方式を適用することも可能である。
本発明は、画像処理装置などに利用可能である。
101 単一モード光レーザ
102 インコヒーレント光源
103 光バンドパスフィルタ
104 光カプラ
105 光増幅器
106 光強度変調器
107 光分波器
108 光ファイバアレイ
109 フォトミキサ
110 テラヘルツ波
111 煙霧
112 物体
113 反射したテラヘルツ波
114 レンズ
115 ローパスフィルタ
116 テラヘルツ波検出器二次元アレイ
117 画像処理回路
118 発振器



上記課題を解決するために、本発明に係るイメージングシステムは、所定の帯域幅を持つ光を発生する光源と、前記光源から出射された光の強度を変調する光強度変調器と、前記光強度変調器からの光信号を複数の光信号に分波する光分波器と、前記光分波器で分波された光信号毎に異なる遅延時間で遅延させる複数の光遅延器と、前記複数の光遅延器で遅延された光信号を電磁波に変換して目標物に照射する複数の光電変換器と、前記目標物から反射された電磁波を検出する検出器を備え、前記光強度変調器と前記検出器とは、同期して動作させ、前記光強度変調器は、前記複数の光遅延器の数をNとし、前記複数の光遅延器の遅延差の平均値をDとした場合に、変調周波数を1/(20×N×D)以下に設定することを特徴とする。

Claims (8)

  1. 所定の帯域幅を持つ光を発生する光源と、
    前記光源から出射された光の強度を変調する光強度変調器と、
    前記光強度変調器からの光信号を複数の光信号に分波する光分波器と、
    前記光分波器で分波された光信号毎に異なる遅延時間で遅延させる複数の光遅延器と、
    前記複数の光遅延器で遅延された光信号を電磁波に変換して目標物に照射する複数の光電変換器と、
    前記目標物から反射された電磁波を検出する検出器を備え、
    前記光強度変調器と前記検出器とは、同期して動作させ、
    前記光強度変調器は、変調周波数を所定の周波数に設定することを特徴とするイメージングシステム。
  2. 前記複数の光遅延器の数をNとし、前記複数の光遅延器の遅延差の平均値をDとした場合に、前記光強度変調器は、前記所定の周波数として、前記変調周波数を
    1/(20×N×D)以下に設定することを特徴とする請求項1記載のイメージングシステム。
  3. 前記光源は、線幅が広く干渉性の低い光を発するインコヒーレント光源と、
    前記インコヒーレント光源から特定の周波数・パスバンド幅で光信号を取り出すフィルタと、
    レーザ光源からの光信号と前記フィルタから出力される光信号を合波する光カプラとを備え、
    前記複数の光電変換器の各々は、前記レーザ光源からの光信号の周波数と前記フィルタから出力される光信号の周波数との差の周波数のテラヘルツ波を発生することを特徴とする請求項1又は2記載のイメージングシステム。
  4. 前記レーザ光源から発せられる光の周波数と、前記フィルタで切り出された光の中心周波数との差の絶対値が、313、403、463、595、683、833、921 GHz付近のいずれかに設定され、前記フィルタで切り出された光のバンド幅が20から150 GHzの間のいずれかの値に設定されていることを特徴とする請求項3記載のイメージングシステム。
  5. 所定の帯域幅を持つ光を発生する光源から出射された光の強度を光強度変調器により変調する光強度変調ステップと、
    前記光強度変調ステップで得られた光信号を複数の光信号に分波する光分波ステップと、
    分波された光信号毎に異なる遅延時間で遅延させる光遅延ステップと、
    遅延された光信号を電磁波に変換して目標物に照射する光電変換ステップと、
    前記目標物から反射された電磁波を検出器により検出する検出ステップを備え、
    前記光強度変調器と前記検出器とは、同期して動作させ、
    前記光強度変調器は、変調周波数を所定の周波数に設定することを特徴とするイメージング方法。
  6. 前記複数の光遅延器の数をNとし、前記複数の光遅延器の遅延差の平均値をDとした場合に、前記変調周波数は、1/(20×N×D)以下に設定されることを特徴とする請求項5記載のイメージング方法。
  7. 線幅が広く干渉性の低い光を発するインコヒーレント光源からフィルタにより特定の周波数・パスバンド幅で光信号を取り出すステップと、
    レーザ光源からの光信号と前記フィルタから出力される光信号を合波するステップとを備え、
    前記光電変換ステップは、前記レーザ光源からの光信号の周波数と前記フィルタから出力される光信号の周波数との差の周波数のテラヘルツ波を発生することを特徴とする請求項5又は6記載のイメージング方法。
  8. 前記レーザ光源から発せられる光の周波数と、前記フィルタで切り出された光の中心周波数との差の絶対値が、313、403、463、595、683、833、921 GHz付近のいずれかに設定され、前記フィルタで切り出された光のバンド幅が20から150 GHzの間のいずれかの値に設定されていることを特徴とする請求項7記載のイメージング方法。


JP2014133713A 2014-06-30 2014-06-30 イメージングシステム及びその方法 Active JP5883079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014133713A JP5883079B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 イメージングシステム及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014133713A JP5883079B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 イメージングシステム及びその方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016011895A true JP2016011895A (ja) 2016-01-21
JP5883079B2 JP5883079B2 (ja) 2016-03-09

Family

ID=55228694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014133713A Active JP5883079B2 (ja) 2014-06-30 2014-06-30 イメージングシステム及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5883079B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106370606A (zh) * 2016-10-21 2017-02-01 吉林大学 一种用于混合价态氧化钨反射式电致变色性能检测的实验仪
JP2017208541A (ja) * 2016-05-11 2017-11-24 有限会社スペクトルデザイン 周波数シフトテラヘルツ波発生装置及び発生方法、周波数シフトテラヘルツ波計測装置及び計測方法、断層状態検出装置及び検出方法、サンプル特性計測装置、計測方法
KR20190061139A (ko) * 2017-11-27 2019-06-05 광주과학기술원 테라헤르츠 주파수 스위칭 방법을 이용하는 이미징 시스템
CN111373241A (zh) * 2017-07-24 2020-07-03 特拉卡利斯 利用太赫兹辐射捕获用于构成图像的点值的系统

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6220312A (ja) * 1985-07-19 1987-01-28 Hitachi Ltd 照明装置
WO2000070660A1 (fr) * 1999-05-18 2000-11-23 Nikon Corporation Procede et dispositif d'exposition, et dispositif d'eclairage
JP2002229082A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Furukawa Electric Co Ltd:The ラマン光増幅用励起光源装置およびそれを用いたラマン光増幅システム
WO2003005002A1 (fr) * 2001-07-02 2003-01-16 Advantest Corporation Appareil et procede de mesure des propagations
US20050156110A1 (en) * 2004-01-19 2005-07-21 Crawely David A. Terahertz radiation sensor and imaging system
JP2006300564A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 分析デバイス及び分析装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6220312A (ja) * 1985-07-19 1987-01-28 Hitachi Ltd 照明装置
WO2000070660A1 (fr) * 1999-05-18 2000-11-23 Nikon Corporation Procede et dispositif d'exposition, et dispositif d'eclairage
JP2002229082A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Furukawa Electric Co Ltd:The ラマン光増幅用励起光源装置およびそれを用いたラマン光増幅システム
WO2003005002A1 (fr) * 2001-07-02 2003-01-16 Advantest Corporation Appareil et procede de mesure des propagations
US20050156110A1 (en) * 2004-01-19 2005-07-21 Crawely David A. Terahertz radiation sensor and imaging system
JP2006300564A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 分析デバイス及び分析装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017208541A (ja) * 2016-05-11 2017-11-24 有限会社スペクトルデザイン 周波数シフトテラヘルツ波発生装置及び発生方法、周波数シフトテラヘルツ波計測装置及び計測方法、断層状態検出装置及び検出方法、サンプル特性計測装置、計測方法
CN106370606A (zh) * 2016-10-21 2017-02-01 吉林大学 一种用于混合价态氧化钨反射式电致变色性能检测的实验仪
CN111373241A (zh) * 2017-07-24 2020-07-03 特拉卡利斯 利用太赫兹辐射捕获用于构成图像的点值的系统
JP2020529617A (ja) * 2017-07-24 2020-10-08 テラカリス テラヘルツ波を用いて画像を構成するためのポイント値を取得するシステム
JP7385565B2 (ja) 2017-07-24 2023-11-22 テラカリス テラヘルツ波を用いて画像を構成するためのポイント値を取得するシステム
CN111373241B (zh) * 2017-07-24 2024-03-26 特拉卡利斯 利用太赫兹辐射捕获用于构成图像的点值的系统
KR20190061139A (ko) * 2017-11-27 2019-06-05 광주과학기술원 테라헤르츠 주파수 스위칭 방법을 이용하는 이미징 시스템
KR101986993B1 (ko) * 2017-11-27 2019-09-30 광주과학기술원 테라헤르츠 주파수 스위칭 방법을 이용하는 이미징 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP5883079B2 (ja) 2016-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11852793B2 (en) Infrared imaging microscope using tunable laser radiation
JP5883079B2 (ja) イメージングシステム及びその方法
RU2484432C2 (ru) Поляриметрический гиперспектральный формирователь изображения
EP3104165B1 (en) Terahertz wave phase difference measurement device
WO2011094564A2 (en) Terahertz sensing system and method
JP2007530964A (ja) スペクトルおよび空間選択性を特徴とする電子距離測定装置
US20170093502A1 (en) Wavelength Optimization For Underwater Optical Communications
CN106996918A (zh) 一种基于光子学技术的太赫兹成像系统
CN110161528A (zh) 一种基于光学相干层析技术的火灾现场复杂环境激光三维成像方法
Oda et al. Palm-size and real-time terahertz imager, and its application to development of terahertz sources
US7417744B2 (en) Coherent hybrid electromagnetic field imaging
JP6965654B2 (ja) フーリエ分光分析装置
JP6833105B2 (ja) 被検出物体に検出信号を提供する方法
CN104330154B (zh) 窄线宽的太赫兹探测器
Matsuyama et al. Advanced active imaging system for fires based on terahertz electromagnetic waves: Experimental study of effectiveness in smoky and high-temperature environments
JP4934691B2 (ja) 分光システム
JP2008008842A (ja) 電磁波測定装置
Schuetz et al. Applications of optical upconversion to sparse aperture millimeter-wave imaging
Shimizu et al. Sub-terahertz wave radiating array consisting of nine photomixers for illuminating smoky environment
Shimizu et al. Incoherent sub-terahertz radiation source with a photomixer array for active imaging in smoky environments
JP5300923B2 (ja) 分光システムおよびその制御方法
US20230288248A1 (en) Approaches, apparatuses, and methods for non-interferometric quantum photonics vibrometry
JP4996669B2 (ja) 電磁波処理装置及び電磁波処理方法
Kääriäinen et al. Detection and recognition of persons in snowy foliage using active hyperspectral sensing for border control
Zhou Photonic correlators for passive imaging using synthetic aperture radiometry in the microwave band

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5883079

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150