JP2016011774A - 液冷却装置 - Google Patents

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久士 張中
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和男 田中
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伸行 高林
真史 寺下
Masashi Terashita
真史 寺下
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Abstract

【課題】例えば温度サーミスタなどの誤検出があったときに圧縮機が誤ってすぐに停止される。【解決手段】本発明の液冷却装置は、能力可変型圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を接続した冷媒回路と、圧縮機を制御する制御手段とを備え、蒸発器は、油内に配置されている。制御手段は、条件(1):圧縮機の吐出管温度と凝縮温度との温度差が所定温度以下である、または、条件(2):圧縮機の吸入管温度が所定温度以下である、を満たすか否かを判断し、条件(1)または(2)を満たすと判断したときに、圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御とを行うものであって、前記判断と前記垂下制御とを、条件(1)および(2)を満たさないと判断されるまで交互に行う。また、制御手段は、圧縮機の周波数が下限周波数まで下がった状態が所定継続時間だけ継続されたときに、圧縮機を停止し、その後、所定停止時間が経過したときに圧縮機の運転を開始し、前記判断を繰り返す。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、液体を冷却する蒸発器を有する液冷却装置に関する。
液冷却装置としては、例えば研削盤やマシニングセンタなどの工作機械の研削液や主軸潤滑油など(以下「工作液」という)を冷却するものであって、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を接続した冷媒回路を備え、タンクに溜められた工作液内に浸漬された蒸発器によって工作液を冷却する浸漬型液冷却装置がある。
その他の液冷却装置としては、例えば主機の主軸やモータを冷却する水を冷却するものであって、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を接続した冷媒回路を備え、冷媒が流れる冷媒配管と水が流れる水配管を有する蒸発器によって、冷媒配管内の冷媒と水配管内の水との間で熱交換させることにより水を冷却する液冷却装置がある。
特開2012−93067
蒸発器によって工作液を冷却する浸漬型液冷却装置において、蒸発器の外周面にゴミなどが付着して蒸発器の熱交換効率が著しく低下した場合、タンクT内の工作液の温度が異常に高温になったり、蒸発器において冷媒が熱交換されずに液冷媒を含んだ状態で圧縮機に戻って液圧縮する問題がある。また、蒸発器によって水を冷却する液冷却装置において、蒸発器を流れる水量が著しく少なくなった場合、蒸発器において水が凍結する問題がある。したがって、従来の工作液を冷却する浸漬型液冷却装置において、タンクT内の工作液の温度が異常に高温になったり液圧縮する可能性がある場合や、水を冷却する液冷却装置において、蒸発器を流れる水が著しく少なくなった可能性がある場合、圧縮機をすぐに停止していた。この圧縮機の停止は、例えば液温サーミスタなどで検出された温度に基づいて行われるが、従来は、温度の誤検出があったときでも、圧縮機が誤ってすぐに停止されるので、液冷却装置の運転時間が短くなる場合がある。
そこで、本発明の目的は、例えば液温サーミスタなどの誤検出があったとしても圧縮機が誤ってすぐに停止されるのを防止できる液冷却装置を提供することである。
第1の発明にかかる液冷却装置は、
能力可変型圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を接続した冷媒回路と、
前記圧縮機を制御する制御手段とを備え、
前記蒸発器は、油内に配置されており、
前記制御手段は、条件(1)または(2)を満たすか否かを判断し、
条件(1):圧縮機の吐出管温度と凝縮温度との温度差が第1所定温度以下である
条件(2):圧縮機の吸入管温度が第2所定温度以下である
条件(1)または(2)を満たすと判断したときに、前記圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御とを行うものであって、
前記判断と前記垂下制御とを、条件(1)および(2)を満たさないと判断されるまで交互に行うと共に、
前記圧縮機が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、前記圧縮機を停止し、その後、所定停止時間が経過したときに前記圧縮機の運転を開始し、前記判断を繰り返すことを特徴とする。
この液冷却装置では、条件(1)または(2)を満たした場合、圧縮機をすぐに停止するのでなく、圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御が行われる。これにより、条件(1)および(2)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。また、垂下制御によって、圧縮機が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、圧縮機が停止されるが、その後、所定停止時間が経過したときに圧縮機の運転を開始して、条件(1)または(2)を満たすか否かの判断を行う。このように、圧縮機を停止した後、運転を開始することにより、条件(1)および(2)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。したがって、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって、条件(1)または(2)を満たしたとしても、圧縮機の垂下制御や、圧縮機の停止・運転開始によって、条件(1)および(2)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。よって、従来のように、例えば液温サーミスタなどの誤検出があったときに、圧縮機が誤ってすぐに停止されるのを防止できる。
第2の発明にかかる液冷却装置は、
能力可変型圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を接続した冷媒回路と、
前記圧縮機を制御する制御手段とを備え、
前記蒸発器は、冷媒が流れる冷媒配管と水が流れる水配管を有し、冷媒配管内の冷媒と水配管内の水との間で熱交換するものであって、
前記制御手段は、条件(1)を満たすか否かを判断し、
条件(1):圧縮機の吐出管温度と凝縮温度との温度差が所定温度以下である
条件(1)を満たすと判断したときに、前記圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御とを行うものであって、
前記判断と前記垂下制御とを、条件(1)を満たさないと判断されるまで交互に行うと共に、
前記圧縮機が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、前記圧縮機を停止し、その後、所定停止時間が経過したときに前記圧縮機の運転を開始し、前記判断を繰り返すことを特徴とする。
この液冷却装置では、条件(1)を満たした場合、圧縮機をすぐに停止するのでなく、圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御が行われる。これにより、条件(1)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。また、垂下制御によって、圧縮機が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、圧縮機が停止されるが、その後、所定停止時間が経過したときに圧縮機の運転を開始して、条件(1)を満たすか否かの判断を行う。このように、圧縮機を停止した後、運転を開始することにより、条件(1)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。したがって、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって、条件(1)を満たしたとしても、圧縮機の垂下制御や、圧縮機の停止・運転開始によって、条件(1)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。よって、従来のように、例えば液温サーミスタなどの誤検出があったときに、圧縮機が誤ってすぐに停止されるのを防止できる。
第3の発明にかかる液冷却装置は、第1または第2の発明にかかる液冷却装置において、前記制御手段は、前記垂下制御における前記圧縮機の停止回数が所定回数になったときに、警告を報知することを特徴とする。
この液冷却装置では、垂下制御における圧縮機の停止回数が所定回数になったときに、警告が報知される。垂下制御における圧縮機の停止回数が所定回数だけ繰り返される場合、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって圧縮機が停止されたのでないと考えられるので、ユーザに対して、蒸発器などのメンテナンスを促す警告が報知される。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、条件(1)または(2)を満たした場合、圧縮機をすぐに停止するのでなく、圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御が行われる。これにより、条件(1)および(2)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。また、垂下制御によって、圧縮機が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、圧縮機が停止されるが、その後、所定停止時間が経過したときに圧縮機の運転を開始して、条件(1)または(2)を満たすか否かの判断を行う。このように、圧縮機を停止した後、運転を開始することにより、条件(1)および(2)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。したがって、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって、条件(1)または(2)を満たしたとしても、圧縮機の垂下制御や、圧縮機の停止・運転開始によって、条件(1)および(2)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。よって、従来のように、例えば液温サーミスタなどの誤検出があったときに、圧縮機が誤ってすぐに停止されるのを防止できる。
第2の発明では、条件(1)を満たした場合、圧縮機をすぐに停止するのでなく、圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御が行われる。これにより、条件(1)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。また、垂下制御によって、圧縮機が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、圧縮機が停止されるが、その後、所定停止時間が経過したときに圧縮機の運転を開始して、条件(1)を満たすか否かの判断を行う。このように、圧縮機を停止した後、運転を開始することにより、条件(1)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。したがって、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって、条件(1)を満たしたとしても、圧縮機の垂下制御や、圧縮機の停止・運転開始によって、条件(1)を満たさない状態に変化した場合、圧縮機を停止しなくてよい。よって、従来のように、例えば液温サーミスタなどの誤検出があったときに、圧縮機が誤ってすぐに停止されるのを防止できる。
第3の発明では、垂下制御における圧縮機の停止回数が所定回数になったときに、警告が報知される。垂下制御における圧縮機の停止回数が所定回数だけ繰り返される場合、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって圧縮機が停止されたのでないと考えられるので、ユーザに対して、蒸発器などのメンテナンスを促す警告が報知される。
本発明の第1実施形態にかかる液冷却装置の構成図である。 図1の液冷却装置の制御ブロック図である。 図1の液冷却装置における垂下制御方法を説明する図である。 本発明の第2実施形態にかかる液冷却装置の構成図である。
以下、図面を参照しつつ本発明にかかる液冷却装置の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の液冷却装置1(浸漬型液冷却装置)は、図1に示すように、能力可変型圧縮機2(以下、圧縮機2という)、凝縮器3、膨張弁4および蒸発器5が接続された冷媒回路を有している。この冷媒回路では、圧縮機2の吐出口に凝縮器3が接続され、その凝縮器3に膨張弁4が接続される。そして、膨張弁4に蒸発器5の一端が接続され、その蒸発器5の他端にアキュムレータ6を介して圧縮機2の吸入口が接続される。このように、圧縮機2から吐出された冷媒が凝縮器3、膨張弁4、蒸発器5へと順に流れ、アキュムレータ6を介して圧縮機2に戻る冷却サイクルが形成される。
この液冷却装置1は、圧縮機2、凝縮器3および膨張弁4を収容する装置本体8を有しており、蒸発器5が、装置本体8よりも下方に配置されるとともに、蒸発器5がタンクT内に溜められた工作液(液体)に浸漬される。その他、装置本体8内には、凝縮器3に対して空気流を供給する送風ファン7と、制御部12などが配置される。
したがって、この液冷却装置1では、タンクT内において工作液が冷却される。タンクTには、例えば工作液搬送用のポンプが設けられており、図1に示すように、このポンプが駆動されることによって、工作機械から排出された工作液がタンクT内に供給され、タンクT内で冷却された工作液が工作機械に供給される。
蒸発器5は、タンクT内に溜められた工作液に浸漬され、上下方向に沿って螺旋状に巻回されたコイル部として構成される。蒸発器5は、圧縮機2の上流側および膨張弁4の下流側において1本の冷媒配管を2本に分岐させることによって形成されており、全体として、径方向に積層された二重管として構成される。
この液冷却装置1では、図1に示すように、タンクT内には、蒸発器5の周辺部の工作液の温度を検出する液温サーミスタTaが配置される。液温サーミスタTaは、蒸発器5より、工作機械から排出された工作液が供給される側に配置される。したがって、液温サーミスタTaは、蒸発器5によって冷却される前の工作液の温度を検出する。また、圧縮機2の吐出管には、吐出管サーミスタTbが配置され、圧縮機2の吸入管には、吸入管サーミスタTcが配置され、凝縮器3には、凝縮温度サーミスタTdが配置される。
この液冷却装置1の制御部12は、垂下制御判断部12aと、垂下制御部12bと、圧縮機停止判断部12cと、圧縮機開始判断部12dと、警告報知判断部12eとを有している。また、制御部12には、液温サーミスタTaと、吐出管サーミスタTbと、吸入管サーミスタTcと、凝縮温度サーミスタTdと、圧縮機2と、報知部9とが接続されている。
垂下制御判断部12aは、液冷却装置1の運転状態が、圧縮機2の垂下制御を行う必要がある状態か否かを判断する。本実施形態では、垂下制御判断部12aは、タンクT内の工作液の温度が異常に高温になるのを防止するために、蒸発器5の外周面にゴミなどが付着して蒸発器5の熱交換効率が著しく低下したときに、圧縮機2の垂下制御を行う必要があると判断する。
具体的には、垂下制御判断部12aは、垂下制御開始条件を満たしたときに、圧縮機2の垂下制御を行う必要があると判断する。垂下制御開始条件は、冷却能力が所定以上であって、且つ、下記の条件(1)または条件(2)を満たすことである。本実施形態では、冷却能力が所定以上である否かは、圧縮機2の周波数が所定周波数以上か否かに基づいて判断する。所定周波数としては、例えば、能力指令値が80%以上に対応した80Hzとされている。また、条件(1)は、圧縮機2の吐出管温度(吐出管サーミスタTbで検出される温度)と凝縮温度(凝縮温度サーミスタTdで検出される温度)との温度差が所定温度差未満であることであり、条件(2)は、圧縮機2の吸入管温度(吸入管サーミスタTc検出される温度)が所定吸入温度未満であることである。
また、垂下制御判断部12aは、圧縮機2の垂下制御が行われているときに、垂下制御開始条件を外れたときに、圧縮機2の垂下制御の必要がなくなったと判断する。具体的には、垂下制御判断部12aは、圧縮機2の垂下制御によって、圧縮機2の周波数を所定周波数(例えば1Hz)だけ減少させた後、所定時間が経過したときに、垂下制御開始条件を外れたときに、圧縮機2の垂下制御の必要がなくなったと判断する。
垂下制御部12bは、垂下制御判断部12aにおいて、圧縮機2の垂下制御を行う必要があると判断されたときに、圧縮機2の垂下制御を行う。本実施形態では、垂下制御部12bは、圧縮機2の垂下制御を行う場合、例えば、能力指令値を1%だけ低下させるために、圧縮機2の周波数を所定周波数(例えば1Hz)だけ減少させる。また、垂下制御部12bは、圧縮機2の垂下制御が行われているときに、圧縮機2が停止された後、圧縮機開始判断部12dによって圧縮機2の運転を開始すると判断された場合、圧縮機2の運転を開始する。
圧縮機停止判断部12cは、圧縮機2を停止する必要がある状態か否かを判断する。圧縮機停止判断部12cは、圧縮機2の垂下制御が行われている場合、圧縮機2が下限周波数(例えば1Hz)で所定継続時間継続して運転されたときに、圧縮機2を停止すると判断する。また、圧縮機停止判断部12cは、圧縮機2の垂下制御が行われているか否かにかかわらず、液体の温度(液温サーミスタTaで検出される温度)が所定液体温度未満のときや、圧縮機2の吸入管温度(吸入管サーミスタTc検出される温度)が所定吸入管温度未満のときに、圧縮機2を停止すると判断する。
圧縮機開始判断部12dは、圧縮機2の垂下制御が行われているときに、圧縮機2が下限周波数(例えば1Hz)で所定継続時間だけ継続して運転されることによって圧縮機2の運転が停止された場合、均圧時間が経過したときに、圧縮機2の運転を開始すると判断する。
警告報知判断部12eは、ユーザに対して蒸発器などのメンテナンスを促す警告を報知する必要があるか否かを判断する。具体的には、警告報知判断部12eは、圧縮機2の垂下制御における圧縮機2の停止回数が所定回数(例えば5回)になったときに、警告を報知する必要があると判断する。圧縮機2の垂下制御における圧縮機2の停止回数とは、圧縮機2が下限周波数で所定継続時間だけ継続して運転されることによって圧縮機2の運転が停止された回数である。
本実施形態の液冷却装置1では、報知部9として、警告が文字などによって表示される表示画面を有している。この警告としては、蒸発器5の外周面にゴミなどが付着して蒸発器5の熱交換効率が著しく低下しており、タンクT内の工作液の温度が異常に高温になる可能性があるので、蒸発器5などのメンテナンスを促す内容が報知される。
本実施形態の液冷却装置1における圧縮機2の垂下制御方法について、図3に基づいて説明する。
まず、圧縮機2の運転が開始されると(ステップ1:S1)、圧縮機2の冷却能力が所定以上か否かが繰り返し判断される(ステップ2:S2)。圧縮機2の冷却能力が所定以上であると判断された場合(S2:YES)、圧縮機2の垂下制御開始条件を満たすか否かが判断される(ステップ3:S3)。圧縮機2の垂下制御開始条件を満たすと判断された場合(S3:YES)、圧縮機2の垂下制御を開始して、圧縮機2の周波数を所定周波数だけ低下させる(ステップ4:S4)。圧縮機2の周波数を所定周波数だけ低下させた後において、垂下制御開始条件を外れたか否かが判断される(ステップ5:S5)。
垂下制御開始条件を外れたと判断された場合(S5:YES)、圧縮機2の垂下制御の必要がなくなったので、圧縮機2の垂下制御を終了して、ステップ2に移行して、同様の処理を繰り返す。
ステップ5において、垂下制御開始条件を外れたと判断されない場合(S5:NO)、圧縮機2が下限周波数で所定継続時間だけ継続して運転されたか否かが判断される(ステップ6:S6)。圧縮機2が下限周波数で所定継続時間だけ継続して運転されたと判断されない場合(S6:NO)、ステップ4に移行して、同様の処理を繰り返す。
ステップ6において、圧縮機2が下限周波数で所定継続時間だけ継続して運転されたと判断した場合(S6:YES)、圧縮機2を停止する(ステップ7:S7)。その後、圧縮機2の垂下制御における圧縮機2の停止回数が所定回数になったか否かが判断される(ステップ8:S8)。圧縮機2の垂下制御における圧縮機2の停止回数が所定回数になったと判断されない場合(S8:NO)、均圧時間が経過すると(ステップ9:S9)、圧縮機2の運転を開始する(ステップ10:S10)。その後、ステップ2に移行して、同様の処理を繰り返す。
ステップ8において、圧縮機2の垂下制御における圧縮機2の停止回数が所定回数になったと判断された場合(S8:YES)、警告を報知する(ステップ11:S11)。したがって、警告が報知される場合、圧縮機2の運転は開始されない。
<本実施形態の液冷却装置の特徴>
本実施形態の液冷却装置1には、以下の特徴がある。
本実施形態の液冷却装置1では、圧縮機2の垂下制御開始条件を満たした場合、圧縮機をすぐに停止するのでなく、圧縮機2の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御が行われる。これにより、圧縮機2の垂下制御開始条件を満たさない状態に変化した場合、圧縮機2を停止しなくてよい。また、垂下制御によって、圧縮機2が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、圧縮機2が停止されるが、その後、所定停止時間が経過したときに圧縮機2の運転を開始して、垂下制御開始条件を満たすか否かの判断を行う。このように、圧縮機2を停止した後、運転を開始することにより、垂下制御開始条件を満たさない状態に変化した場合、圧縮機2を停止しなくてよい。したがって、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって、垂下制御開始条件を満たしたとしても、圧縮機2の垂下制御や、圧縮機2の停止・運転開始によって、垂下制御開始条件を満たさない状態に変化した場合、圧縮機2を停止しなくてよい。よって、従来のように、例えば液温サーミスタなどの誤検出があったときに、圧縮機2が誤ってすぐに停止されるのを防止できる。
本実施形態の液冷却装置1では、垂下制御における圧縮機2の停止回数が所定回数になったときに、警告が報知される。垂下制御における圧縮機2の停止回数が所定回数だけ繰り返される場合、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって圧縮機2が停止されたのでないと考えられるので、ユーザに対して、蒸発器5などのメンテナンスを促す警告が報知される。
(第2実施形態)
本実施形態の液冷却装置101は、水を冷却する液冷却装置であって、第1実施形態の工作液を冷却する液冷却装置1と大きく異なっている。
本実施形態の液冷却装置101は、図4に示すように、能力可変型圧縮機2、凝縮器3、膨張弁4および蒸発器5が接続された冷媒回路を有している。この蒸発器5は、冷媒が流れる冷媒配管と水が流れる水配管を有し、冷媒配管内の冷媒と水配管内の水との間で熱交換するものである。この冷媒回路では、圧縮機2の吐出口に凝縮器3が接続され、その凝縮器3に膨張弁4が接続される。そして、膨張弁4に蒸発器5の一端が接続され、その蒸発器5の他端に圧縮機2の吸入口が接続される。このように、圧縮機2から吐出された冷媒が凝縮器3、膨張弁4、蒸発器5へと順に流れ、圧縮機2に戻る冷却サイクルが形成される。この冷媒回路は、圧縮機2と凝縮器3との間と、膨張弁4と蒸発器5との間とバイパスするバイパス回路を有しており、このバイパス回路には、開閉弁4aが配置される。
本実施形態の液冷却装置101の制御部12の構成や、圧縮機2の垂下制御方法は、第1実施形態の液冷却装置1と同様であるので、その説明は省略する。ただし、液冷却装置101の垂下制御判断部12aが、圧縮機2の垂下制御を行う必要があると判断するときの垂下制御開始条件が、第1実施形態の液冷却装置1と異なる。液冷却装置101の垂下制御判断部12aにおいて、垂下制御開始条件は、冷却能力が所定以上であって、且つ、下記の条件(1)を満たすことである。条件(1)は、圧縮機2の吐出管温度(吐出管サーミスタTbで検出される温度)と凝縮温度(凝縮温度サーミスタTdで検出される温度)との温度差が所定温度差未満であることである。
<本実施形態の液冷却装置の特徴>
本実施形態の液冷却装置101には、以下の特徴がある。
本実施形態の液冷却装置101では、圧縮機2の垂下制御開始条件を満たした場合、圧縮機をすぐに停止するのでなく、圧縮機2の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御が行われる。これにより、圧縮機2の垂下制御開始条件を満たさない状態に変化した場合、圧縮機2を停止しなくてよい。また、垂下制御によって、圧縮機2が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、圧縮機2が停止されるが、その後、所定停止時間が経過したときに圧縮機2の運転を開始して、垂下制御開始条件を満たすか否かの判断を行う。このように、圧縮機2を停止した後、運転を開始することにより、垂下制御開始条件を満たさない状態に変化した場合、圧縮機2を停止しなくてよい。したがって、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって、垂下制御開始条件を満たしたとしても、圧縮機2の垂下制御や、圧縮機2の停止・運転開始によって、垂下制御開始条件を満たさない状態に変化した場合、圧縮機2を停止しなくてよい。よって、従来のように、例えば液温サーミスタなどの誤検出があったときに、圧縮機2が誤ってすぐに停止されるのを防止できる。
本実施形態の液冷却装置101では、垂下制御における圧縮機2の停止回数が所定回数になったときに、警告が報知される。垂下制御における圧縮機2の停止回数が所定回数だけ繰り返される場合、例えば液温サーミスタなどの誤検出によって圧縮機2が停止されたのでないと考えられるので、ユーザに対して、蒸発器5などのメンテナンスを促す警告が報知される。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上述の実施形態では、垂下制御開始条件が、冷却能力が所定以上であることを含む場合について説明したが、第1実施形態では、垂下制御開始条件が、条件(1)または条件(2)を満たすことを含むものであって、冷却能力が所定以上であることを含まなくてよく、第2実施形態では、垂下制御開始条件が、条件(1)を満たすことを含むものであって、冷却能力が所定以上であることを含まなくてよい。
本発明を利用すれば、例えば液温サーミスタなどの誤検出があったとしても圧縮機が誤ってすぐに停止されるのを防止できる。
1 浸漬型液冷却装置
2 圧縮機
3 凝縮器
4 膨張弁
5 蒸発器
12 制御部(制御手段)

Claims (3)

  1. 能力可変型圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を接続した冷媒回路と、
    前記圧縮機を制御する制御手段とを備え、
    前記蒸発器は、油内に配置されており、
    前記制御手段は、条件(1)または(2)を満たすか否かを判断し、
    条件(1):圧縮機の吐出管温度と凝縮温度との温度差が第1所定温度以下である
    条件(2):圧縮機の吸入管温度が第2所定温度以下である
    条件(1)または(2)を満たすと判断したときに、前記圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御とを行うものであって、
    前記判断と前記垂下制御とを、条件(1)および(2)を満たさないと判断されるまで交互に行うと共に、
    前記圧縮機が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、前記圧縮機を停止し、その後、所定停止時間が経過したときに前記圧縮機の運転を開始し、前記判断を繰り返すことを特徴とする冷却装置。
  2. 能力可変型圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を接続した冷媒回路と、
    前記圧縮機を制御する制御手段とを備え、
    前記蒸発器は、冷媒が流れる冷媒配管と水が流れる水配管を有し、冷媒配管内の冷媒と水配管内の水との間で熱交換するものであって、
    前記制御手段は、条件(1)を満たすか否かを判断し、
    条件(1):圧縮機の吐出管温度と凝縮温度との温度差が所定温度以下である
    条件(1)を満たすと判断したときに、前記圧縮機の周波数を所定周波数だけ小さくする垂下制御とを行うものであって、
    前記判断と前記垂下制御とを、条件(1)を満たさないと判断されるまで交互に行うと共に、
    前記圧縮機が下限周波数まで下がった状態で所定継続時間だけ継続して運転されたときに、前記圧縮機を停止し、その後、所定停止時間が経過したときに前記圧縮機の運転を開始し、前記判断を繰り返すことを特徴とする冷却装置。
  3. 前記制御手段は、前記垂下制御における前記圧縮機の停止回数が所定回数になったときに、警告を報知することを特徴とする請求項1または2に記載の冷却装置。
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