JP2016011369A - 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材料、及びそれを用いた成型体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マトリックスが熱可塑性樹脂であるために成型時間が短く、剛性、強度のバランスに優れた複合材料を提供することが求められていた。
【解決手段】 一方向に配向した強化繊維と熱可塑性マトリクス樹脂とを含むシート状のプリプレグであって、強化繊維の長さが3〜18mm、繊維の体積含有率(Vf)が35〜55%である強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。好ましくは厚さが0.08〜0.2mmである上記強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。
【選択図】 なし
【解決手段】 一方向に配向した強化繊維と熱可塑性マトリクス樹脂とを含むシート状のプリプレグであって、強化繊維の長さが3〜18mm、繊維の体積含有率(Vf)が35〜55%である強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。好ましくは厚さが0.08〜0.2mmである上記強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、剛性と成形性のバランスに優れた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材料と成型体に関する。
炭素繊維複合材料、特に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、軽量で且つ高強度であるという特徴から、航空機、自動車、スポーツ、レジャー及びその他各種工業用途に利用されている。また、炭素繊維複合材料は、それを構成する炭素繊維集束体の配向性によって特徴ある異方性光沢を有し、更に表面に塗装等の処理を施すことによって深みのある重厚な外観を与え、また導電性、X線透過性及び電磁波遮蔽性等の特徴を有している。一般に炭素繊維複合材料は、積層板やハニカムサンドイッチ板などの形態で各種工業用途に利用されている。しかしながら、その殆どはマトリックスとして熱硬化性樹脂を用いたものであるので、これらを成型するためには、樹脂の硬化反応を伴うような比較的成型時間の長い、すなわちオートクレーブ成型に代表されるような多量生産に向かない方法が用いられてきた。
一方、熱可塑性樹脂をマトリックスにするような複合材料及びその成型品も多く提案されている。例えば、特許文献1に開示された技術では一方向に引き揃えられた強化繊維と熱可塑性樹脂からなるプリプレグ及びそれを用いた構造材が提案されている。
本発明は、上述の背景に鑑みて、上述した複合材料の利点を得つつ、微細構造のある成形品に向いた複合材料を得るものである。すなわち、本発明は、マトリックスが熱可塑性樹脂であるために成型時間が短く、剛性、強度のバランスに優れた複合材料を提供するものである。
本発明の上記目的は、下記の本発明の各態様によって達成される。
(1) 一方向に配向した強化繊維と熱可塑性マトリクス樹脂とを含むシート状のプリプレグであって、強化繊維の長さが3〜18mm、繊維の体積含有率(Vf)が35〜55%である強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。
(2) 厚さが0.08〜0.2mmである上記(1)に記載の強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。
(3) 前記プリプレグは、表面から裏面に貫通した切込を有し、各切込は各強化繊維と1回のみ交差するように設けられ、該切込により強化繊維が3〜18mmに切断されている上記(1)または(2)に記載の強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。
(4) 前記切込の開始点と終点を結ぶ線分と前記強化繊維の繊維方向との交差する角度が30°以上、90°以下である上記(3)に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ。
(5) 強化繊維が炭素繊維である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載のプリプレグを4枚以上積層した強化繊維熱可塑性樹脂シート。
(7) 厚さが0.8〜2.0mmである上記(6)に記載の強化繊維熱可塑性樹脂シート。
(8) 上記(6)または(7)に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂シートを加熱プレスして成形した突起物を有する成形品であって、突起物が厚さ0.7mm以下、高さ3mm以上である成形品。
本発明により、微細構造のある成形品においても、剛性、強度のバランスに優れた成形体を提供することができる。
以下、実施形態を示して本発明を具体的に説明する。
本実施形態の強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグは、一方向に配向した強化繊維と熱可塑性マトリクス樹脂とを含むシート状のプリプレグである。一方向に配向した強化繊維を用いる事で、積層による強化繊維熱可塑性樹脂シートの設計が可能になる。また熱可塑性マトリクス樹脂を用いる事で、短い成形サイクルでの賦形が可能になり、二次加工も容易となる。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグに含まれる強化繊維は、繊維長3mm以上18mm未満である。4mm以上16mm未満が好ましく、6mm以上14mm未満がさらに好ましい。この範囲にある事で、優れた剛性、強度と、微細成形性を両立する事が可能となる。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグに含まれる繊維の体積含有率(Vf)は、35〜55%である。好ましくは40〜50%である。繊維が少なすぎる場合には剛性や強度が低くなり、繊維が多すぎる場合には微細成形が困難となる。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグは、厚さ0.08〜0.2mmが好ましい。さらに好ましくは、0.11〜0.15mmである。この範囲にある事で、微細構造を有する成形品に適した積層構成の設計が可能になる。厚すぎる場合には、成形に適したシートの厚さに対するプリプレグの積層枚数が少なくなりすぎ、薄すぎる場合には、切込を入れた後の積層が困難になる。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグは、表面から裏面に貫通した切込を有し、各切込は各強化繊維と1回のみ交差するように設けられる。このような切込である事で、強化繊維を適した長さに切断した設計とする事が可能である。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグは、前述の切込により強化繊維が3〜18mmに切断されている。この範囲にある事で、優れた剛性、強度と、微細成形性を両立する事が可能となる。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグは、前述の切込の開始点と終点を結ぶ線分と前記強化繊維の繊維方向との交差する角度が30°以上、90°以下である。さらに好ましくは35°以上55°未満である。角度が小さすぎる場合には製造が困難になり、確度が大きすぎる場合には、強度が低くなる恐れがある。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグの強化繊維は、炭素繊維が好ましい。炭素繊維である事で優れた剛性、強度を示し、軽量化が可能となる。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグに用いる炭素繊維は、弾性率は、200GPa以上、350GPa未満であることが好ましい。このような炭素繊維を用いることにより、本実施形態の効果を有効に発揮する。引張弾性率の上限は実質的に規定されるものではなく、弾性率の高いものほど本実施形態が有効に効果を発揮するが、目安としては、900GPa以下が挙げられる。炭素繊維の弾性率は、設計上、製造上の都合等により選択すればよい。また、炭素繊維の強度(引張強度)は2000MPa以上が好ましい。ここで炭素繊維の強度とは、JIS R7608:2007(ISO16018:2004)により測定される引張強さである。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグに用いる炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維が好ましい。ここでポリアクリロニトリル系炭素繊維であるとは、「アクリロニトリルを主成分として重合させたポリアクリルニトリル系樹脂からなる繊維を、不融化させて、さらに炭化させて生成した実質的に炭素のみからなるフィラメント繊維」を主たる成分として構成される繊維の集合体であることを意味する。ポリアクリロニトリル系炭素繊維は、低密度及び高比強度といった利点がある。炭素繊維は、実質的に「アクリロニトリルを主成分として重合させたポリアクリルニトリル系樹脂からなる繊維を、不融化させて、さらに炭化させて生成した実質的に炭素のみからなるフィラメント繊維」のみから構成される繊維の集合体であることがさらに好ましい。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグに用いる炭素繊維を構成するフィラメント繊維の最大フェレ径を炭素繊維の直径とした場合、炭素繊維の直径は1μm以上20μm以下が好ましく、4μm以上15μm以下がさらに好ましく、特に好ましくは5μm以上8μm以下である。20μmを超える直径では取扱いの上で不利であり、また1μm未満の直径では炭素繊維の製造が困難である。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグに用いる炭素繊維を構成するフィラメント繊維の繊維長は、3mm以上である。さらに前記繊維長は4mm以上が好ましく、さらに好ましくは5mm以上である。炭素繊維を構成するフィラメント繊維が短すぎる場合には、十分な剛性、強度が得られない場合がある。また、炭素繊維を構成するフィラメント繊維の平均繊維長は18mm以下であり、好ましくは9mm以下である。ここで平均繊維長は炭素繊維を構成するフィラメント繊維のそれぞれの長さを光学顕微鏡等で測定し、各フィラメント繊維の繊維長の二乗の総和を各フィラメント繊維の繊維長の総和で除するという方法により測定される値である。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグに用いる炭素繊維としては市販品を用いても良く、パイロフィル(登録商標)TR30S 3L、TR50S 6L、TRH50 12L、TRH50 18M、TR50S 12L、TR50S 15L、MR40 12M、MR60H 24P、MS40 12M、HR40 12M、HS40 12P、TRH50 60M、TRW40 50L(以上、製品名、三菱レイヨン社製)などが挙げられる。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグは、強化繊維及び熱可塑性マトリクス樹脂を含むものであれば良いが、強化繊維に熱可塑性マトリクス樹脂が含浸しているものが好ましい。このプリプレグの製造方法は、例えば強化繊維と熱可塑性マトリクス樹脂とを加熱及び加圧する方法を用いる。加熱及び加圧は一般に200〜300℃で行い、加熱ロール、ダブルベルトプレスのような装置を用いて行う。
さらに具体的なプリプレグの製造方法は以下のようなものである。
(a)一方向に引き揃えた強化繊維に、熱可塑性マトリクス樹脂のフィルムを積層し、加熱・加圧を行なう方法、
(b)一方向に引き揃えた強化繊維に、熱可塑性マトリクス樹脂の不織布を積層し、加熱・加圧を行なう方法、
(c)一方向に引き揃えた強化繊維に、熱可塑性マトリクス樹脂の溶融体を塗布する方法、
(d)一方向に引き揃えた強化繊維に、熱可塑性マトリクス樹脂の溶液を塗布した後に溶媒を除去する方法、
(e)強化繊維と熱可塑性マトリクス樹脂繊維のコミングル繊維を一方向に引き揃え、加熱・加圧を行なう方法、
などが挙げられる。生産性と機械特性のバランスから、上述の(a)、(b)又は(c)の方法を用いるのが好ましい。
(b)一方向に引き揃えた強化繊維に、熱可塑性マトリクス樹脂の不織布を積層し、加熱・加圧を行なう方法、
(c)一方向に引き揃えた強化繊維に、熱可塑性マトリクス樹脂の溶融体を塗布する方法、
(d)一方向に引き揃えた強化繊維に、熱可塑性マトリクス樹脂の溶液を塗布した後に溶媒を除去する方法、
(e)強化繊維と熱可塑性マトリクス樹脂繊維のコミングル繊維を一方向に引き揃え、加熱・加圧を行なう方法、
などが挙げられる。生産性と機械特性のバランスから、上述の(a)、(b)又は(c)の方法を用いるのが好ましい。
例えば、(a)の方法において、強化繊維を一方向に引き揃える際には、繊維を配向させて張力をかける等の手法により行う。具体的には、繊維をよせ合わせた繊維束に対して、その両端を固定し張力をかける、繊維束をある程度緊張させた状態で螺旋状にロールに巻きつける、等の方法を用いる。この方法において、熱可塑性樹脂のフィルムを積層する際には、例えば、上述の両端が固定された繊維束、又はロールに巻きつけられた繊維束に、フィルムを押し付け、ついで加熱して熱可塑性樹脂を溶融させるといった方法を用いてもよい。さらに具体的には、両端が固定された繊維束にフィルムを重ね合わせ、樹脂が溶融可能な温度に加熱して加圧する。この際には、加熱ロール、ダブルベルトプレスといった装置を用いてもよい。この場合には、装置に樹脂が融着する事を防ぐために、離型紙や離型フィルムを用いても良い。または、上述の両端が固定された繊維束、又はロールに巻きつけられた繊維束に対して、溶融した熱可塑性樹脂を塗布し、固化させるといった方法を用いてもよい。さらに具体的には、押出機の先端にTダイを設けた製膜機を用いて、繊維束に溶融した熱可塑性樹脂を塗布するように行う。この際には、単軸押出機、二軸押出機といった装置を用いてもよい。
さらに前述の方法により得られたプリプレグに切込を入れる事で強化繊維を切断し、強化繊維の長さを3〜18mmとする事が可能である。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂シートは、本発明のプリプレグを4枚以上積層したものである。好ましくは6枚以上であり、さらに好ましくは8枚以上である。また、好ましい上限は30枚以下である。4枚以上積層する事で、異方性の少ないシートの設計が可能となる。積層枚数が多すぎる場合には製造に時間がかかり、コスト高となる恐れがある。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂シートの厚さは0.8〜2.0mmである。好ましくは0.9〜1.5mmである。この範囲にある事で、取扱い性が容易であり、微細構造の成形に適した成形性を確保する事が可能となる。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂シートの製造方法は、本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグを組み合わせて積層する方法が挙げられる。本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂シートの製造工程において、プリプレグを積層する構成は、所望に応じて決定する事が可能であり、全面を同じ積層構成としても構わないし、部分的に積層枚数が多くなるように積層しても構わない。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性であるために、所望により熱成型する事が可能である。熱成型とは、加熱、賦形及び冷却等を伴うものである。例えば、プレス成型、真空成型、圧空成型又は射出成型などが挙げられるが、強化繊維の持つ弾性率、強度および熱伝導率を有効活用するために、プレス成型、真空成型又は圧空成型が好ましく、プレス成型が特に好ましい。成型における加熱及び加圧は、例えば加熱温度 200〜350℃、加圧力 5〜30MPaの条件で行う。
本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含んでいるため、熱を加えた加工により成型が容易である。特に、スタンピング成型により複雑形状の成型が可能である。また、加熱、賦形及び冷却を複数回繰り返すことにより多段階の成型も可能であり、形状の自由度が高くなる。スタンピング成型では、金型に接さない内側の層の材料が流動し易い。
本実施形態に関わる成形品は、本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂シートを加熱プレス成形した突起物を有する成形品である。突起物を有する事で、本実施形態に関わる強化繊維熱可塑性樹脂シートの成形性を有効に発揮する事が可能である。また加熱プレス成形する事で、突起物を成形する事が可能である。
本実施形態に関わる成形品は、表面に高さ3mm以上の突起物を有する。突起物の形状は例えばリブ、ボス、立面等の形状が挙げられ、特に電子機器の筐体の部材の各種の構造となる形状のものが挙げられる。高さ3mm以上とは具体的に4〜8mm程度のものである。本実施形態に関わる成形品は成型が特に容易であるため、高さが3mmをこえる大きな突起物を容易に形成することができ、製造工程やコストの面で特に有利である。
以下、実施例により本実施形態をさらに詳細に説明する。なお、物性等の測定は以下のように行った。
(成形性評価)
0°方向60mm、90°方向100mm、立面の高さ10mm、厚さ0.6mmで、リブ(高さ5mm、厚さ0.6mm、0°方向に平行)を有する成形品形状を有するプレス成型用金型を用いて成形性評価を行った。成形条件は250℃に設定したプレス成型機内で3分間加熱し、さらに250℃、10MPaの圧力で10秒間プレスし、引き続き、80℃、10MPaの圧力で2分間プレスし、厚さ0.6mmの成形品を得た。この成形を3回実施し、成形品の目視により、以下のように評価した。
0°方向60mm、90°方向100mm、立面の高さ10mm、厚さ0.6mmで、リブ(高さ5mm、厚さ0.6mm、0°方向に平行)を有する成形品形状を有するプレス成型用金型を用いて成形性評価を行った。成形条件は250℃に設定したプレス成型機内で3分間加熱し、さらに250℃、10MPaの圧力で10秒間プレスし、引き続き、80℃、10MPaの圧力で2分間プレスし、厚さ0.6mmの成形品を得た。この成形を3回実施し、成形品の目視により、以下のように評価した。
○:2回または3回ともリブに完全充填した。
△:1回リブに完全充填した。
×:1回もリブに完全充填しなかった。
(製造例1:炭素繊維含有ポリプロピレン系プリプレグ(I)の製造方法)
ポリアクリロニトリル系炭素繊維(三菱レイヨン社製、製品名:パイロフィル(登録商標) TR50S15L、目付1000mg/m、引張弾性率240GPa、引張強度4900MPa、破断伸び2.0%、密度1.82g/cm3)を、FAWが100g/m2となるように一方向に引き揃えて並べ、厚さ30μmのポリプロピレンフィルム2枚で挟んで、重ね合わせて、250℃で加熱加圧する事で、炭素繊維を45体積%含有するシート状プリプレグ(I)を製造した。このシート状プリプレグ(I)の厚さは、0.12mmであった。
ポリアクリロニトリル系炭素繊維(三菱レイヨン社製、製品名:パイロフィル(登録商標) TR50S15L、目付1000mg/m、引張弾性率240GPa、引張強度4900MPa、破断伸び2.0%、密度1.82g/cm3)を、FAWが100g/m2となるように一方向に引き揃えて並べ、厚さ30μmのポリプロピレンフィルム2枚で挟んで、重ね合わせて、250℃で加熱加圧する事で、炭素繊維を45体積%含有するシート状プリプレグ(I)を製造した。このシート状プリプレグ(I)の厚さは、0.12mmであった。
(製造例2:炭素繊維含有ポリカーボネート系プリプレグ(II)の製造方法)
フィルムを厚さ30μmのポリカーボネートフィルム(ポリカーボネート樹脂にリン系難燃剤を混練した後に製膜してフィルム化したもの)に変更する点を除いては製造例1と同様に実施し、炭素繊維を45体積%含有するシート状プリプレグ(II)を製造した。このシート状プリプレグ(I)の厚さは、0.12mmであった。
フィルムを厚さ30μmのポリカーボネートフィルム(ポリカーボネート樹脂にリン系難燃剤を混練した後に製膜してフィルム化したもの)に変更する点を除いては製造例1と同様に実施し、炭素繊維を45体積%含有するシート状プリプレグ(II)を製造した。このシート状プリプレグ(I)の厚さは、0.12mmであった。
(実施例1:繊維長6mmのポリプロピレン系複合材料)
試験例1で得られたシート状プリプレグ(I)を刃物で切る事で、炭素繊維の繊維方向とおよそ45°をなすスリット(個々のスリットの長さ35mmで、プリプレグの5cm×5cmに対してスリット長の総和が平均して59cm)を形成した。
試験例1で得られたシート状プリプレグ(I)を刃物で切る事で、炭素繊維の繊維方向とおよそ45°をなすスリット(個々のスリットの長さ35mmで、プリプレグの5cm×5cmに対してスリット長の総和が平均して59cm)を形成した。
これを、0°、90°、0°、90°、90°、0°、90°、0°の順で合計8層のプリプレグを、互いに合わせて重ね合わせて金型内に配置した。この金型を250℃に設定したプレス成型機内で3分間加熱し、さらに250℃、2MPaの圧力で7分間プレスし、引き続き、80℃、2MPaの圧力で3分間プレスし、厚さ1.0mmの複合材料を得た。
(実施例2:繊維長13mmのポリプロピレン系複合材料)
プリプレグの5cm×5cmに対してスリット長の総和が平均して27cmとする点を除いては実施例1と同様に実施した。
プリプレグの5cm×5cmに対してスリット長の総和が平均して27cmとする点を除いては実施例1と同様に実施した。
(実施例3:繊維長6mmのポリカーボネート系複合材料)
試験例2で得られたシート状プリプレグ(II)を用いる点を除いては実施例1と同様に実施した。
試験例2で得られたシート状プリプレグ(II)を用いる点を除いては実施例1と同様に実施した。
(比較例1:繊維長25mmのポリプロピレン系複合材料)
プリプレグの5cm×5cmに対してスリット長の総和が平均して14cmとする点を除いては実施例1と同様に実施した。
プリプレグの5cm×5cmに対してスリット長の総和が平均して14cmとする点を除いては実施例1と同様に実施した。
(比較例2:連続繊維のポリプロピレン系複合材料)
スリットを形成しない点を除いては実施例1と同様に実施した。
スリットを形成しない点を除いては実施例1と同様に実施した。
Claims (8)
- 一方向に配向した強化繊維と熱可塑性マトリクス樹脂とを含むシート状のプリプレグであって、強化繊維の長さが3〜18mm、繊維の体積含有率(Vf)が35〜55%である強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。
- 厚さが0.08〜0.2mmである請求項1に記載の強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。
- 前記プリプレグは、表面から裏面に貫通した切込を有し、各切込は各強化繊維と1回のみ交差するように設けられ、該切込により強化繊維が3〜18mmに切断されている請求項1または2に記載の強化繊維熱可塑性樹脂プリプレグ。
- 前記切込の開始点と終点を結ぶ線分と前記強化繊維の繊維方向との交差する角度が30°以上、90°以下である請求項3に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ。
- 強化繊維が炭素繊維である請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグを4枚以上積層した強化繊維熱可塑性樹脂シート。
- 厚さが0.8〜2.0mmである請求項6に記載の強化繊維熱可塑性樹脂シート。
- 請求項6または7に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂シートを加熱プレスして成形した突起物を有する成形品であって、突起物が厚さ0.7mm以下、高さ3mm以上である成形品。
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