JP2016007361A - 吐水装置及び吐水装置の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水を吐き出すための吐出口13と、上流側から水が送り込まれる流入口35と、吐出口13と流入口35とを連通する吐出通路と、が内部に形成される吐水部材を備え、流入口35は吐出通路の下壁面71に形成され、下壁面には勾配を有する排水領域90が設けられ、排水領域90の勾配は、排水領域90上の残水を流入口35まで案内可能に設けられることを特徴とする。
【選択図】図7
Description
この態様によると、吐水動作の終了後、排水領域上の残水を流入口から排水できる。よって、吐出通路内での残水の滞留を抑えられ、吐出通路内を衛生的に保つことができる。
この態様によると、吐出通路の広い範囲での残水の滞留を抑えられる。
この態様によると、谷部上で残水が止まっても、そこより高位置から流れ落ちる他の残水と当たった時の勢いにより、止まった残水が再び流れ易くなり、残水の滞留をより抑えられる。
この態様によると、谷部に沿って流れた残水が流入口に到達したとき、谷部と流入口とが繋がる位置を通る流入口の接線方向での残水の速度成分が小さくなる。この速度成分が大きくなると、残水が流入口周りに沿うように流れてから下方に流れ落ちやすくなるが、その速度成分が小さくなることで、流入口に到達した残水を下方にスムーズに落とすことができ、流入口近傍で残水を早期かつ安定して減らし易くなる。
この態様によると、排水領域に単数の流入口を設けるよりも、排水領域の外縁部から流入口までの水平距離を小さくできる。この水平距離が大きいと、排水領域の下端位置から上端位置までの高さ寸法を大きく確保する必要があり、それだけ装置全体の大型化を招く。この点、水平距離を小さくできるため、その高さ寸法を抑えられ、装置全体の小型化を図れる。
この態様によると、各奥側領域では、排水し易くするための勾配を設定しつつ、入側領域では、各奥側領域の勾配の影響を抑えつつ、吐水し易くするための勾配を設定でき、設計の自由度が高くなる。
この態様によると、装置内での残水の滞留をより抑えられる。
この態様によると、吐水動作の終了後、下壁面上の残水を流入口から排水できる。よって、吐出通路内での残水の滞留を抑えられ、吐出通路内を衛生的に保つことができる。
図1は本実施形態に係る吐水装置10の使用状態を示す斜視図である。
吐水装置10は浴槽装置200に用いられる。浴槽装置200は、吐水装置10の他に、吐水装置10が取り付けられる基体としての浴槽210を備える。浴槽210のリム部215には取付面217が設けられる。吐水装置10は、取付面217に取り付けられる装置本体11を備える。装置本体11は横長扁平に形成され、膜状の横長な吐水流Wが吐出口13から前方に吐き出される。
吐水システム220は、浴槽水211をポンプ221により汲み上げ、吐水装置10及び吐水口223から吐水流を吐き出し、浴槽水211を循環して用いる。ポンプ221は、浴槽210の内部に位置する吸水口225に吸水路227を介して接続され、吸水口225から吸水路227を経由して浴槽水211を汲み上げる。ポンプ221には共通導水路235が接続され、共通導水路235には汲み上げた水が圧送される。
装置本体11の前部には、横長なスリット状の吐出口13が設けられる。導水部15は、吐出口13の横幅方向に間隔を空けて装置本体11から下方に突き出るように複数設けられる。以下、吐出口13の横幅方向を方向X、これに直交する水平方向を奥行方向Y、鉛直方向を上下方向Zという。方向Xは後述する吐出通路33の横幅方向とも一致する。
導水部15は、取付面217に形成される貫通孔229に挿通される。導水部15の取付面217と反対側に突き出た部位にはナット等の固定部材231がねじ込み等により取り付けられる。装置本体11は、固定部材231との間で浴槽210を挟み込むことにより浴槽210に固定される。なお、固定部材231と浴槽210の間にはOリング等のシールリング233が介装される。
吐水部材19は、第1分割部材としての下側分割部材51と、第2分割部材としての上側分割部材53をねじ等の固定具(図示せず)により組み付けて構成される。各分割部材51、53は樹脂成形品であり、吐水部材19を上下に分割した形状を有する。吐出通路33は各分割部材51、53により画定される。下側分割部材51の下壁面71からは柱状体としての間隔保持部69が立ち上がる。間隔保持部69は横幅方向Xに間隔を空けて複数配置される。間隔保持部69は、図示しないが、その上面が吐出通路33の上壁面73に接触し、吐出通路33の上壁面73と下壁面71の間隔を保持する。これにより、吐出通路33の通路高さを狭めるような荷重が吐水部材19に加わる場合でも、その間隔を保持でき、吐水流Wの形状の乱れを抑え易くなる。
吐出通路33の横幅方向X、奥行方向Yの寸法を通路幅、奥行寸法とすると、吐出通路33は、平面視において、通路幅より奥行寸法が小さくなるように形成される。また、吐出通路33は、その横断面(図示しない)が通路高さより通路幅が大きくなるように横長に形成される。吐出通路33の横幅方向X両側の側壁面33aは、貯溜室37の奥側から吐出口13側に近づくにつれて、吐出通路33の通路幅が広がるように形成される。流入口35は吐出通路33の横幅方向Yに間隔を空けて形成される。
吐出通路33の下壁面71には勾配を有する排水領域90が設けられる。排水領域90は、本例では、下壁面71の全域に亘り設けられる。排水領域90の勾配は、吐出口13から各流入口35にかけての範囲を少なくとも含むように設けられることになる。ここでの勾配とは、浴槽210の取付面217に取り付けられたときの水平面に対する勾配をいう。排水領域90の勾配は、詳述するように、排水領域90上の残水を流入口35まで案内可能に設けられる。
奥側領域91は、勾配の異なる第1傾斜面101、第2傾斜面103、第3傾斜面105を組み合わせて構成される。第1傾斜面101は、対応する流入口35を横幅方向Yに跨ぐ範囲であって、流入口35に対して吐出口13寄りの範囲に設けられる。第1傾斜面101は、奥行方向Yの前端側の前辺部101aが入側領域93との境界部分となり、奥端側の奥辺部101bが他の傾斜面103、105や流入口35との境界部分となる。第1傾斜面101は、前辺部101aが高位置となり、奥辺部101bが低位置となる勾配P3が設けられる。
各谷部107、109の一端部107a、109aは、流入口35に対して略直交する方向に延びるように設けられる。ここでの「略直交」とは、平面視において、各谷部107、109と流入口35とが繋がる位置を通る流入口35の接線L1に対して、その一端部107a、109aがなす鋭角での角度θが80°〜90°であることをいう。
吐水部材19では、図4に示すように、予め定められた流量の水がポンプ221(図2参照)から圧送され、その水が給水路17を通して流入口35から貯溜室37内に流入し、貯溜室37内に一時的に貯溜水として溜められる。貯溜室37内に貯溜水が溜められた状態で流入口35から水が送り込まれることにより、貯溜室37内の貯溜水が加圧され、その水圧により絞り流路39を通して貯溜水が吐出口13に送り出され、吐出口13から吐水流Wが吐き出される。
吐出通路33の下壁面71には排水領域90が設けられるため、吐水動作の終了後、その排水領域90上の残水を流入口35から排水できる。よって、吐出通路33内での残水の滞留を抑えられ、吐出通路33内を衛生的に保つことができる。特に、本形態では、流入口35まで案内された残水を装置外部に排出可能なため、装置内での残水の滞留をより抑えられる。また、本形態では、排水領域90の勾配が吐出口13から流入口35にかけての範囲を含むように設けられるため、吐出通路33の広い範囲での残水の滞留を抑えられる。
図10は本実施形態に係る吐水装置10を用いた取付構造110を示す側面断面図である。第2実施形態では、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第1実施形態では吐出通路33の下壁面71に勾配を有する排水領域90が設けられた。本形態では下壁面71に排水領域90がなく、下壁面71は、誘導面81を画定する箇所を除き、全域に亘り平坦面により形成される。
流入口35は吐出通路33の奥側にて横幅方向Yに間隔を空けて形成される。吐出通路33の横幅方向Y両側と奥側を囲む周壁面33bには、吐出通路33の奥行方向Yの方向線に対して傾斜する勾配を有する案内領域111が設けられる。案内領域111は、吐出通路33の周壁面33bを横幅方向Xに分けるように設けられる第1面領域113及び第2面領域115により形成される。各面領域113、115は流入口35に対応して設けられる。
Claims (8)
- 水を吐き出すための吐出口と、上流側から水が送り込まれる流入口と、前記吐出口と前記流入口とを連通する吐出通路と、が内部に形成される吐水部材を備え、
前記流入口は前記吐出通路の下壁面に形成され、
前記下壁面には勾配を有する排水領域が設けられ、
前記排水領域の勾配は、該排水領域上の残水を前記流入口まで案内可能に設けられることを特徴とする吐水装置。 - 前記排水領域の勾配は、前記下壁面において前記吐出口から前記流入口にかけての範囲を含むように設けられることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
- 前記排水領域は、勾配の異なる複数の傾斜面と、隣接する傾斜面間に形成される谷部と、を有し、
前記谷部は、その一端部が前記流入口に繋がるように設けられ、前記流入口に向かって下方に傾斜する勾配が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の吐水装置。 - 前記谷部の一端部は、前記流入口に対して略直交する方向に延びるように設けられることを特徴とする請求項3に記載の吐水装置。
- 前記流入口は前記吐出通路の下壁面に複数形成され、
前記排水領域には、前記複数の流入口のそれぞれに対応する複数の面領域が含まれ、
前記面領域の勾配は、該面領域上の残水を対応する流入口まで案内可能に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の吐水装置。 - 前記排水領域は、前記吐出通路の奥側にて該吐出通路を横幅方向に分けるように設けられる複数の奥側領域と、前記複数の奥側領域より前記吐出口側に設けられる入側領域とにより形成され、
前記複数の奥側領域は、前記複数の流入口のそれぞれに対応して設けられ、
前記奥側領域の勾配は、該奥側領域上の残水を対応する流入口まで案内可能に設けられ、
前記入側領域の勾配は、該入側領域上の残水を奥側領域まで案内可能に設けられることを特徴とする請求項5に記載の吐水装置。 - 前記排水領域から前記流入口まで案内された残水を装置外部に排出可能に構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の吐水装置。
- 吐水装置と、
前記吐水装置が取り付けられる基体と、を備え、
前記吐水装置は、水を吐き出すための吐出口と、上流側から水が送り込まれる流入口と、前記吐出口と前記流入口とを連通する吐出通路と、が内部に形成される吐水部材を有し、
前記流入口は前記吐出通路の下壁面に形成され、
前記吐水部材は、前記下壁面上の残水が前記流入口まで案内されるように、前記下壁面の少なくとも一部が水平面に対して傾斜した状態で前記基体に取り付けられることを特徴とする吐水装置の取付構造。
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