JP2016005996A - 基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ないエネルギーにて短時間で基板を平坦化することができる基板処理方法を提供する。【解決手段】インゴットから切り出したときに歪みが導入されて反りが生じているサファイアの基板8をステージ20に載置してヒータ21によって予備加熱する。予備加熱された基板8の凹面にフラッシュランプFLから1ミリ秒以上100ミリ秒以下の照射時間にてフラッシュ光を照射することにより、基板8に生じている反りを矯正する。フラッシュ光照射は、瞬間的には大きなエネルギーを基板8に与えるものの、その照射時間が極めて短いために消費する総エネルギーは少ない。また、照射時間の短いフラッシュ光照射であれば、処理に要する時間も顕著に短時間とすることができる。【選択図】図3
Description
本発明は、インゴットから切り出したサファイア基板等、反りが生じている基板を平坦化する基板処理方法に関する。
近年、青色または白色の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を製造するためのGaNを成長させる基板として単結晶サファイア基板が広く利用されている。また、半導体デバイス用のSOS(Silicon on Sapphire)基板にもサファイア基板が利用されている。
このようなサファイア基板は、単結晶サファイアのインゴットからワイヤーソーなどによって薄板状に切り出した後、その板状体に研削或いは研磨処理等を施すことによって製作される。この際に、切り出し時に導入された歪みや応力がサファイア基板中に残留し、その結果基板に反りが生じることがある。
サファイア基板に反りが残ったままであると、後続のプロセスに支障が生じるとともに、当該サファイア基板を用いて製造されるLED等の素子の特性を劣化させるおそれもある。反りが生じているサファイア基板を平坦化すべく、サファイア基板の一方面を吸着保持するとともに、その他方面に研削および研磨を施すことも考えられるが、このような機械加工を行った場合、吸着を解除したときに内部応力が開放されて再び反りが生じることとなる。すなわち、機械加工によってサファイア基板に生じている反りを解消することは困難であった。
そこで、特許文献1には、切断加工によって製作したサファイア基板を電気炉に入れて1150℃〜1400℃で数時間程度熱処理することによって反りを矯正する技術が提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示されるように、電気炉にて1000℃以上の高温の熱処理を数時間行うと膨大なエネルギーを消費するだけでなく、プロセス時間も長時間におよぶという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、少ないエネルギーにて短時間で基板を平坦化することができる基板処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、インゴットから切り出して得られ、反りが生じている基板を平坦化する基板処理方法において、前記基板を支持する支持工程と、前記基板に光を照射して前記基板に生じている反りを矯正する光照射工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る基板処理方法において、前記光照射工程は、前記基板にフラッシュランプからフラッシュ光を照射することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る基板処理方法において、前記光照射工程は、前記基板に前記フラッシュランプからフラッシュ光を複数回照射することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明に係る基板処理方法において、前記光照射工程は、反りが生じている前記基板の凹面にフラッシュ光を照射することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項3の発明に係る基板処理方法において、前記光照射工程は、反りが生じている前記基板の両面に交互にフラッシュ光を照射することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項2から請求項5のいずれかの発明に係る基板処理方法において、フラッシュ光の照射時間は1ミリ秒以上100ミリ秒以下であることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1の発明に係る基板処理方法において、前記光照射工程は、前記基板にハロゲンランプから光を照射することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る基板処理方法において、前記光照射工程は、反りが生じている前記基板の両面に同時に光を照射することを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項1から請求項8のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記基板がガラス転移点を有する場合には、前記光照射工程は、光照射によって前記基板を当該ガラス転移点以上に加熱することを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項1から請求項9のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記基板を所定の予備加熱温度に加熱する予備加熱工程をさらに備え、前記光照射工程は、前記予備加熱温度に昇温された前記基板に光を照射することを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項10の発明に係る基板処理方法において、前記予備加熱工程は、抵抗加熱ヒータを用いて前記基板を加熱することを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項1から請求項11のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記基板は、セラミックス基板であることを特徴とする。
また、請求項13の発明は、請求項12の発明に係る基板処理方法において、前記基板は、サファイア、シリコンカーバイドまたはガラスにて形成されることを特徴とする。
また、請求項14の発明は、請求項1から請求項11のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記基板は、シリコンにて形成されることを特徴とする。
本発明によれば、基板に光を照射してその基板に生じている反りを矯正しているため、電気炉等に比較して少ないエネルギーにて短時間で基板を平坦化することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る基板処理方法を実施するための基板処理装置1の要部構成を示す図である。この基板処理装置1は、反りが生じているサファイアの基板8にフラッシュ光を照射することによって、その反りを矯正して基板8を平坦化する装置である。基板処理装置1は、主たる要素として、サファイアの基板8を収容するチャンバー10と、基板8を保持するステージ20と、基板8にフラッシュ光を照射するフラッシュ光源70と、を備える。また、基板処理装置1は、装置に設けられた各種動作機構を制御して処理を進行させる制御部3を備える。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
チャンバー10は、フラッシュ光源70の下方に設けられており、チャンバー側壁11およびチャンバー底部12によって構成される。チャンバー底部12は、チャンバー側壁11の下部を覆う。チャンバー側壁11およびチャンバー底部12によって囲まれる空間が処理空間15として規定される。また、チャンバー10の上部開口にはチャンバー窓18が装着されて閉塞されている。
チャンバー10の天井部を構成するチャンバー窓18は、石英により形成された板状部材であり、フラッシュ光源70から照射された光を処理空間15に透過する石英窓として機能する。チャンバー10の本体を構成するチャンバー側壁11およびチャンバー底部12は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されている。
また、処理空間15の気密性を維持するために、チャンバー窓18とチャンバー側壁11とは図示省略のOリングによってシールされている。すなわち、チャンバー窓18の下面周縁部とチャンバー側壁11との間にOリングを挟み込み、これらの隙間から気体が流出入するのを防いでいる。
チャンバー10の内部にはステージ20が設けられている。ステージ20は、金属製(例えば、アルミニウム製)の平坦な板状部材である。ステージ20は、チャンバー10内にて基板8を載置して支持する。また、ステージ20はヒータ21を内蔵する。ヒータ21は、ニクロム線などの抵抗加熱線で構成された抵抗加熱ヒータであり、図外の電力供給源からの電力供給を受けて発熱し、ステージ20を加熱する。なお、ステージ20には、ヒータ21に加えて、水冷管等の冷却機構を設けるようにしても良い。
ステージ20には、熱電対を用いて構成された図示省略の温度センサが設けられている。温度センサは、ステージ20の上面近傍の温度を測定し、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、温度センサによる測定結果に基づいてヒータ21の出力を制御し、ステージ20を所定の温度に温調する。ステージ20に支持された基板8は、ステージ20のヒータ21によって所定の温度に加熱されることとなる。
また、基板処理装置1は、チャンバー10内の処理空間15に処理ガスを供給するガス供給機構40および処理空間15から雰囲気の排気を行う排気機構50を備える。ガス供給機構40は、処理ガス供給源41、供給配管42および供給バルブ43を備える。供給配管42の先端側はチャンバー10内の処理空間15に連通接続され、基端側は処理ガス供給源41に接続される。供給配管42の経路途中に供給バルブ43が設けられる。供給バルブ43を開放することによって、処理ガス供給源41から処理空間15に処理ガスが供給される。処理ガス供給源41は、基板8の種類や処理目的に応じた適宜の処理ガス(例えば、窒素ガス(N2))を供給することが可能である。
排気機構50は、排気装置51、排気配管52および排気バルブ53を備える。排気配管52の先端側はチャンバー10内の処理空間15に連通接続され、基端側は排気装置51に接続される。排気配管52の経路途中に排気バルブ53が設けられる。排気装置51は、例えばドライポンプとスロットルバルブとを備える。排気装置51を作動させつつ、排気バルブ53を開放することによって、処理空間15の雰囲気を装置外に排出することができる。これらガス供給機構40および排気機構50によって、処理空間15の雰囲気を調整することができる。また、処理空間15は密閉空間であるため、ガス供給機構40から処理ガスの供給を行うことなく排気機構50による雰囲気排出を行うと、処理空間15内の雰囲気を大気圧未満にまで減圧することができる。
フラッシュ光源70は、チャンバー10の上方に設けられている。フラッシュ光源70は、複数本(図1では図示の便宜上11本としているが、これに限定されるものではない)のフラッシュランプFLと、それら全体の上方を覆うように設けられたリフレクタ72と、を備えて構成される。フラッシュ光源70は、チャンバー10内にてステージ20に支持される基板8に対して石英のチャンバー窓18を介してフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が水平方向に沿って互いに平行となるように平面状に配列されている。本実施形態では、フラッシュランプFLとしてキセノンフラッシュランプを用いている。キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極と、を備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気が両端電極間の放電によってガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが1ミリ秒ないし10ミリ秒という極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯のランプに比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。さらに、本発明のフラッシュランプFLは10ミリ秒を超えて比較的長時間の光照射行う構成としても良い。フラッシュランプFLに比較的長時間の光照射を行わせる技術としては、例えば特開2010−114460号公報に開示されるように、フラッシュランプFLの駆動回路中に絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を組み込み、そのIGBTによってフラッシュランプFLに流れる電流を断続することによりフラッシュランプFLの発光をチョッパ制御すれば良い。このような技術を用いることにより、フラッシュランプFLのフラッシュ光照射時間を1ミリ秒以上100ミリ秒以下とすることができる。
また、リフレクタ72は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ72の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を処理空間15の側に反射するというものである。
制御部3は、基板処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって基板処理装置1における処理が進行する。
上記の構成以外にも基板処理装置1には、種々の構成要素が適宜設けられる。例えば、チャンバー側壁11には、基板8を搬入出するための搬送開口部が形設されている。また、フラッシュランプFLからの光照射による過剰な温度上昇を防止するために、チャンバー側壁11に水冷管を設けるようにしても良い。また、チャンバー10内の気圧を測定する圧力計を設けるようにしても良い。さらに、フラッシュ光を吸収することによるチャンバー窓18の加熱を防止するために、チャンバー窓18に冷却エアを吹き付ける機構を設けるようにしても良い。
次に、上記構成を有する基板処理装置1における処理手順について説明する。図2は、基板処理装置1における処理手順を示すフローチャートである。以下に説明する基板処理装置1の処理手順は、制御部3が基板処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、チャンバー10内に基板8が搬入される(ステップS1)。基板8の搬入は、基板処理装置1外部の搬送ロボットによって行うようにしても良いし、手動にて行うようにしても良い。本実施形態にて処理対象となる基板8はサファイアの基板である。サファイアは、アルミナ(Al2O3)の結晶体であり、優れた機械的特性および化学的安定性を有する。このような優れた特性を有するサファイアは広く工業分野で利用されているが、近年では特に青色または白色の発光ダイオードの製造に使用されている。
サファイアの基板8は、単結晶サファイアのインゴットからワイヤーソーなどによって薄板状に切り出された板状体に研削或いは研磨処理等を施したものである。このような機械加工を行う際に、サファイアの結晶体に応力が加わって歪みが導入されることがある。導入された歪みは加工後のサファイアの基板8中にも残留し、これによって基板8には反りが生じる。基板処理装置1のチャンバー10には、このようにして反りが生じているサファイアの基板8が搬入される。
チャンバー10内に搬入されたサファイアの基板8はステージ20の上面に載置されて支持される(ステップS2)。図3は、サファイアの基板8に対する処理の様子を示す図である。上述したように、チャンバー10には反りが生じている状態の基板8が搬入され、その基板8がステージ20の上面に支持される。本実施形態では、一例として、直径200mmの基板8に反り量d(SORI値)が約70μmである反りが生じている。反り量dは、図3に示すように、基板8の最も上側位置から最も下側位置までの間隔である。本実施形態においては、反りが生じている基板8の凹面を上側面に向けて(つまり、フラッシュランプFLに向けて)基板8がステージ20に支持される。なお、図3では、理解容易のために反りの程度を誇張して基板8を描いている。
ステージ20は、内蔵するヒータ21によって予め所定温度に加熱されている。ステージ20の温度は制御部3によって制御されている。基板8はステージ20に載置されることによって所定の予備加熱温度T1(ヒータ21の加熱温度と等しい)に加熱される。基板8の予備加熱温度T1は、後続のフラッシュ加熱による昇温と最終の目標温度(後述する処理温度T2)とから算定され、制御部3はステージ20がその予備加熱温度T1となるようにヒータ21を制御している。なお、基板8がチャンバー10内に搬入されて、処理空間15が密閉空間とされた後、チャンバー10内の雰囲気調整を行うようにしても良い。例えば、ガス供給機構40からチャンバー10内に窒素ガスを供給するとともに、排気機構50による排気を行うことにより、チャンバー10内を窒素雰囲気に置換するようにしても良い。
続いて、ステージ20に支持された基板8の温度が上記予備加熱温度T1に到達した後、制御部3の制御によりフラッシュ光源70の複数のフラッシュランプFLが一斉に点灯して基板8にフラッシュ光照射を行う(ステップS4)。フラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光(リフレクタ72によって反射されたフラッシュ光を含む)はチャンバー窓18を透過してステージ20に支持された基板8へと向かう。
フラッシュランプFLから出射されるフラッシュ光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射エネルギーが25J/cm2以上で照射時間が1ミリ秒以上100ミリ秒以下程度の極めて短く強い閃光である。本実施形態では、反りが生じている基板8がその凹面をフラッシュランプFLに向けてステージ20に支持されている。よって、フラッシュランプFLは、基板8の凹面に1ミリ秒以上100ミリ秒以下の照射時間にてフラッシュ光を照射する。
図4は、サファイアの透過率分光分布を示す図である。同図に示すように、サファイアは近紫外域から近赤外域にわたって高い透過率を有するものの20%程度の光は吸収し、遠紫外域および遠赤外域であればさらに高い吸収率を有する。一方、キセノンフラッシュランプFLの放射分光分布は紫外域から近赤外域である。従って、フラッシュランプFLから照射されたフラッシュ光の一部はサファイアの基板8によって吸収されることとなる。
照射時間1ミリ秒以上10ミリ秒以下のフラッシュ光を吸収した基板8の温度は瞬間的に処理温度T2にまで昇温し、その後急速に予備加熱温度T1にまで降温する。フラッシュ光照射による基板8の処理温度T2は、サファイアのガラス転移点Tg(1300℃〜1400℃)以上である。フラッシュ加熱による処理温度T2が高温であるため、ステージ20による基板8の予備加熱温度T1は少なくとも600℃以上としておくのが好ましい。
フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によってサファイアの基板8が瞬間的に処理温度T2にまで加熱されることにより、基板8に生じている反りが矯正される。このようなフラッシュ加熱による反り矯正のメカニズムは次のようなものと推察される。本実施形態では、反りが生じている基板8の凹面にフラッシュ光を照射しており、照射の瞬間に基板8の凹面側が凸面側よりも強く加熱されて大きく熱膨張する。これにより、図3の矢印AR3に示すように、反りが小さくなる向きに基板8が変形する。ここで、基板8はサファイアのガラス転移点Tg以上の処理温度T2にまで昇温されているため、熱膨張による変形(反りが小さくなる変形)は基板8の降温後も維持され、反り量dが初期値(約70μm)よりも低減する。本実施形態では、処理前に基板8に存在していた約70μmの反り量dがフラッシュ光照射によって30μm以下にまで低減する。
フラッシュ光照射による基材8の反りの矯正が終了した後、チャンバー10から処理後の基板8が搬出される(ステップS5)。これにより、基板処理装置1における一連の平坦化処理が完了する。なお、チャンバー10内を窒素雰囲気等にしている場合には、基板8を搬出する前に、チャンバー10内を大気雰囲気に置換するようにしても良い。
本実施形態においては、反りが生じているサファイアの基板8にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することによってその反りを矯正している。フラッシュ光照射は、瞬間的には大きなエネルギーを基板8に与えるものの、その照射時間は1ミリ秒〜100ミリ秒と極めて短いため、消費する総エネルギーは従来の電気炉を用いた熱処理に比較すると著しく少ない。また、フラッシュランプFLによるフラッシュ光の照射時間は1ミリ秒〜100ミリ秒と極めて短く、チャンバー10に対する基板8の搬出入時間および予備加熱時間を考慮しても従来の電気炉を用いた熱処理と比較して顕著に短時間の処理となる。すなわち、フラッシュ光照射によって基板8の反りを矯正するようにすれば、少ないエネルギーにて短時間で基板を平坦化することができるのである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、フラッシュランプFLからの1回のフラッシュ光照射によって基板8の反りを矯正するようにしていたが、フラッシュランプFLから複数回のフラッシュ光照射を行うようにしても良い。例えば、基板8にフラッシュ光を複数回照射することによって、処理前に基板8に存在していた約70μmの反り量dを50μm、40μm、30μmと段階的に低減するようにしても良い。1回に巨大なエネルギーのフラッシュ光を照射すると基板8が割れるおそれのある場合には、比較的小さなエネルギーのフラッシュ光を複数回照射するのは効果的である。なお、反り量dをどの程度まで低減すれば基板8を平坦化することができたと認定するかは、基板8の使用目的等に応じて適宜の値に設定される。
また、上記実施形態では、反りが生じている基板8の凹面にフラッシュ光を照射していたが、これに代えて図5に示すように、基板8の凸面にフラッシュ光を照射するようにしても良い。或いは、複数回のフラッシュ光照射を行う場合には、基板8の凸面および凹面の両面に交互にフラッシュ光を照射するようにしても良い。
基板8の凸面にフラッシュ光を照射することによる反り矯正のメカニズムは以下のようなものと考えられる。反りが生じている基板8の凸面にフラッシュ光を照射すると、照射の瞬間は基板8の凹面側よりも凸面側が強く加熱されて大きく熱膨張するため、一旦は図5の矢印AR1にて示すように、より反りが大きくなる向きに基板8が変形する。このとき同時に、基板8の機械加工時に結晶中に導入された歪みに起因した格子欠陥(空孔など)がフラッシュ光の作用によって消失し、歪みが解消されるものと考えられる。その結果、一旦はより反りが大きくなるように変形した基板8が、次の瞬間には図5の矢印AR2にて示すように反りが初期値よりも低減する向きに変形するのである。
また、上記実施形態においては、フラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することによって基板8の反りを矯正するようにしていたが、光源はフラッシュランプFLに限定されるものではなく、例えばハロゲンランプから基板8に光を照射するようにしても良い。ハロゲンランプは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の連続点灯光源である。そのガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲンランプの放射分光分布はフラッシュランプFLのそれよりも長波長側に強い強度を有している。図4に示すように、サファイアの吸収率は5μm以上の遠赤外域で高くなっており、ハロゲンランプから波長5μm以上の遠赤外線を照射した場合には照射光が基板8に効果的に吸収されることとなる。連続点灯するハロゲンランプから光照射を行う場合には、基板8の凸面および凹面の両面に同時に光を照射するようにしても良い。
基板8に光照射を行う光源としては、紫外線ランプまたはレーザー光源を採用することも可能である。図4に示すように、サファイアは遠紫外域でも高い吸収率を有しており、紫外線ランプから短波長の紫外線を照射したときにも基板8に照射光が効果的に吸収される。光源としてレーザーを用いた場合には、フラッシュランプFLと同様に、極めて短い照射時間にて大きなエネルギーを基板8に与えることができる。なお、光源としてフラッシュランプを用いる場合は、クリプトンなどの他の希ガスのフラッシュランプを用いるようにしても良い。
また、上記実施形態では、ステージ20に内蔵されたヒータ21によって基板8の予備加熱を行っていたが、これに代えて、ハロゲンランプで予備加熱を行った基板8にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射するようにしても良い。この場合、ハロゲンランプおよびフラッシュランプFL双方についての反り矯正効果が生じうる。
また、処理対象となる基板8はサファイアの基板に限定されるものではなく、他のセラミックスの基板やシリコンの基板であっても良い。セラミックスの基板としては、サファイアの他にシリコンカーバイド(SiC)またはガラスの基板に本発明に係る技術を適用することができる。処理対象となる基板の素材がガラス転移点Tgを有する場合には、光照射によって基板を当該ガラス転移点Tg以上に加熱するのが好ましい。
本発明に係る基板処理方法は、インゴットから切り出したときに反りが生じている種々の基板に適用することができ、特に発光ダイオードを製造するための単結晶サファイア基板に好適に利用することができる。
1 基板処理装置
3 制御部
8 基板
10 チャンバー
15 処理空間
18 チャンバー窓
20 ステージ
21 ヒータ
40 ガス供給機構
50 排気機構
70 フラッシュ光源
FL フラッシュランプ
3 制御部
8 基板
10 チャンバー
15 処理空間
18 チャンバー窓
20 ステージ
21 ヒータ
40 ガス供給機構
50 排気機構
70 フラッシュ光源
FL フラッシュランプ
Claims (14)
- インゴットから切り出して得られ、反りが生じている基板を平坦化する基板処理方法であって、
前記基板を支持する支持工程と、
前記基板に光を照射して前記基板に生じている反りを矯正する光照射工程と、
を備えることを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1記載の基板処理方法において、
前記光照射工程は、前記基板にフラッシュランプからフラッシュ光を照射することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項2記載の基板処理方法において、
前記光照射工程は、前記基板に前記フラッシュランプからフラッシュ光を複数回照射することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項2または請求項3に記載の基板処理方法において、
前記光照射工程は、反りが生じている前記基板の凹面にフラッシュ光を照射することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項3記載の基板処理方法において、
前記光照射工程は、反りが生じている前記基板の両面に交互にフラッシュ光を照射することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載の基板処理方法において、
フラッシュ光の照射時間は1ミリ秒以上100ミリ秒以下であることを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1記載の基板処理方法において、
前記光照射工程は、前記基板にハロゲンランプから光を照射することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項7記載の基板処理方法において、
前記光照射工程は、反りが生じている前記基板の両面に同時に光を照射することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記基板がガラス転移点を有する場合には、前記光照射工程は、光照射によって前記基板を当該ガラス転移点以上に加熱することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記基板を所定の予備加熱温度に加熱する予備加熱工程をさらに備え、
前記光照射工程は、前記予備加熱温度に昇温された前記基板に光を照射することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項10記載の基板処理方法において、
前記予備加熱工程は、抵抗加熱ヒータを用いて前記基板を加熱することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記基板は、セラミックス基板であることを特徴とする基板処理方法。 - 請求項12記載の基板処理方法において、
前記基板は、サファイア、シリコンカーバイドまたはガラスにて形成されることを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記基板は、シリコンにて形成されることを特徴とする基板処理方法。
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JP2014127105A JP2016005996A (ja) | 2014-06-20 | 2014-06-20 | 基板処理方法 |
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2014
- 2014-06-20 JP JP2014127105A patent/JP2016005996A/ja active Pending
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