JP2016005246A - 画像処理装置、画像表示装置、画像処理方法、プログラム、記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影条件に応じて画像の劣化の度合いを容易に確認できるようにすること。
【解決手段】第1の撮影条件に応じた第1の光学伝達関数を生成する第1の生成手段(102)と、第2の撮影条件に応じた第2の光学伝達関数を生成する第2の生成手段(102)と、前記第1の光学伝達関数と前記第2の光学伝達関数の差分情報から前記第2の撮影条件における劣化度合いを算出する算出手段(105)と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】第1の撮影条件に応じた第1の光学伝達関数を生成する第1の生成手段(102)と、第2の撮影条件に応じた第2の光学伝達関数を生成する第2の生成手段(102)と、前記第1の光学伝達関数と前記第2の光学伝達関数の差分情報から前記第2の撮影条件における劣化度合いを算出する算出手段(105)と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像処理装置に関し、特に撮像された画像の劣化成分を画像回復処理を用いて補正(低減)する画像処理装置に関する。
デジタルカメラ等の撮像装置により得られた画像は、ボケによって画質が劣化している。画像のボケを補正する方法として、撮像光学系の光学伝達関数(OTF)の情報から画像回復フィルタを生成し、該画像回復フィルタを用いて補正するものが知られている。この方法は画像回復や画像復元という言葉で呼ばれており、以下、この撮像光学系(撮像系)の光学伝達関数の情報(画像回復フィルタ)を用いて画像の劣化を補正する処理を画像回復処理と記す。
特許文献1には、入力画像の振幅成分および位相成分を画像回復処理した第1の画像と、位相成分のみを画像回復処理した第2の画像と、の差分情報を取得することが開示されている。この差分情報と回復強度調整係数と第2の画像とに基づいて出力画像を生成することで、高画質な回復調整画像を得ることができる。
しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、ユーザーが実際に撮影する撮影条件が劣化の少ない撮影条件に対してどの程度の劣化が生じているのか確認することはできなかった。ユーザーは、撮影条件によって回折や収差などの劣化の程度を考慮して、劣化の少ない適切な撮影条件を設定して撮影できるようにしたいが、適切な撮影条件を設定することができる劣化の度合いを表示することが難しかった。
そこで本発明の目的は、撮影条件に応じて画像の劣化の度合いを容易に確認できる画像処理装置、画像表示装置、画像処理方法、プログラム、記憶媒体を提供することである。
本発明の一側面としての画像処理装置は、第1の撮影条件に応じた第1の光学伝達関数を生成する第1の生成手段と、第2の撮影条件に応じた第2の光学伝達関数を生成する第2の生成手段と、前記第1の光学伝達関数と前記第2の光学伝達関数の差分情報から前記第2の撮影条件における劣化度合いを算出する算出手段と、を有することを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、撮影条件に応じて画像の劣化の度合いを容易に確認することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の撮像装置により得られた画像のボケ(劣化)を撮像光学系の光学伝達関数(OTF:Optic Transfer Function)の情報を用いて補正する方法について以下に説明する。この方法は画像回復や画像復元という言葉で呼ばれており、以降、この撮像光学系(撮像系)の光学伝達関数の情報を用いて画像の劣化を補正する処理を画像回復処理と記す。
撮像光学系は、光の波長によって屈折率が異なり、光の波長によって結像にずれ(ボケ)が生じ画像が劣化する。この画像劣化は収差と呼ばれる。この収差は、撮像光学系の球面収差、コマ収差、像面湾曲および非点収差等である。これらの収差は、点像分布関数(PSF:Point Spread Function)により表すことができる。点像分布関数(以下、PSF)は、被写体の一点が、どのような広がりをもつ像として写像されるかを示す。例えば、暗黒下で体積が非常に小さい発光体を撮影した場合の撮像センサー面における光の二次元分布が、撮像に使用した撮像光学系のPSFに相当する。PSFを得るには、必ずしも、点光源のような被写体を撮影する必要はなく、例えば白黒のエッジを有するチャートを撮影し、撮影画像からチャートに対応した計算方法によってPSFを求める方法が知られている。また、撮像光学系の設計データからPSFを算出することも可能である。点像分布関数をフーリエ変換することにより得ることができる光学伝達関数(以下、OTF)は、収差の周波数空間における情報である。このOTFは複素数で表すことができ、OTFの絶対値、即ち、振幅成分はMTF(Modulation Transfer Function)、位相成分はPTF(Phase Transfer Function)と呼ばれる。
撮像光学系のOTFは画像の振幅成分(以下、MTF)と位相成分(以下、PTF)に影響(劣化)を与えるため、撮像光学系を介して取得された被写体の画像は、各点がコマ収差のように非対称にボケた画像(劣化画像)になる。さらに、画像が有する色成分(例えば、赤、青、緑など)ごとにPSFが異なるため、色成分ごとに異なるボケが発生し、色がにじんだような画像(劣化画像)になる。
以下に画像回復処理の概要を示す。
劣化した画像をg(x,y)、元の画像をf(x,y)、g(x、y)を取得するために用いた撮像系の点像分布関数(PSF)をh(x,y)としたとき、以下の式が成り立つ。ただし、*はコンボリューション(畳み込み積分、積和)を示し、(x,y)は実空間における画像の座標を示す。
g(x,y)=h(x,y)*f(x,y) (式1)
式1をフーリエ変換して周波数空間での表示形式に変換すると、式2のように表すことができる。
G(u,v)=H(u,v)・F(u,v) (式2)
ここで、H(u,v)は点像分布関数h(x,y)をフーリエ変換した光学伝達関数(OTF)である。G(u,v)、F(u,v)はそれぞれg(x,y)、f(x,y)をフーリエ変換したものである。(u,v)は2次元周波数空間での周波数(座標)を示す。
g(x,y)=h(x,y)*f(x,y) (式1)
式1をフーリエ変換して周波数空間での表示形式に変換すると、式2のように表すことができる。
G(u,v)=H(u,v)・F(u,v) (式2)
ここで、H(u,v)は点像分布関数h(x,y)をフーリエ変換した光学伝達関数(OTF)である。G(u,v)、F(u,v)はそれぞれg(x,y)、f(x,y)をフーリエ変換したものである。(u,v)は2次元周波数空間での周波数(座標)を示す。
劣化画像から元の画像(元画像)を得るためには、式2の両辺をH(u,v)で除算すればよい。
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v) (式3)
このF(u,v)、即ちG(u,v)/H(u,v)を逆フーリエ変換して実空間に戻すことで元画像f(x,y)を回復画像として得ることができる。
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v) (式3)
このF(u,v)、即ちG(u,v)/H(u,v)を逆フーリエ変換して実空間に戻すことで元画像f(x,y)を回復画像として得ることができる。
式3の両辺を逆フーリエ変換すると式3は式4で表される。
g(x,y)*R(x,y)=f(x,y) (式4)
ここで、1/H(u,v)を逆フーリエ変換したものをR(x,y)と表す。このR(x,y)が画像回復フィルタである。
g(x,y)*R(x,y)=f(x,y) (式4)
ここで、1/H(u,v)を逆フーリエ変換したものをR(x,y)と表す。このR(x,y)が画像回復フィルタである。
この画像回復フィルタは光学伝達関数(OTF)に基づいているため、振幅成分および位相成分の劣化を補正することができる。
図1は、本発明の実施例の撮像装置の構成を示す図である。
図1において、100はデジタルカメラ(撮像装置)である。
10は撮影レンズ、12は光学像を電気信号に変換する撮像素子、14は撮像素子12のアナログ信号出力をディジタル信号に変換するA/D変換器である。
16は画像処理部であり、A/D変換器14からのデータ或いはメモリ制御部20からのデータに対して所定のデモザイク処理や色変換処理を行う。
20はメモリ制御部であり、A/D変換器14、画像処理部16を制御する。
A/D変換器14のデータが画像処理部16、メモリ制御部20を介して、或いはA/D変換器14のデータが直接メモリ制御部20を介して、画像表示メモリ26或いはメモリ28に書き込まれる。
26は画像表示メモリ、22はD/A変換器、24はTFT LCD等から成る画像表示部である。画像表示メモリ26に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器22を介して表示部24により表示される。後述する画像処理装置から出力される出力画像を直接表示部24に表示してもよく、表示部24(表示手段)と画像処理装置により画像表示装置が構成される。
表示部24を用いて撮像した画像データを逐次表示すれば、ライブビュー機能を実現することが可能である。
28は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。
これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ28に対して行うことが可能となる。
また、メモリ28はシステム制御部32の作業領域としても使用することが可能である。
32はデジタルカメラ100全体を制御するシステム制御部である。
32はデジタルカメラ100全体を制御するシステム制御部である。
34はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。
36はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの完全な押下でONとなり、撮像素子12から読み出した信号をA/D変換器14、メモリ制御部20を介して、画像処理部16やメモリ制御部20での演算を用いた現像処理の動作開始を指示する。また、メモリ28から画像データを読み出し、圧縮処理を行い、記録媒体を含む記録部30に画像データを書き込む記録処理の動作開始を指示する。
40は、ユーザーがデジタルカメラ100に各種指示や設定を入力するためのスイッチ、ボタン、ダイヤル等の入力デバイス群などから成る操作部である。撮影開始/一時停止ボタン、ズームスイッチ、静止画撮影ボタン、方向ボタン、メニューボタン、実行ボタンなどが操作部40に含まれる。
図2に、画像処理部16(画像処理装置)の内部構造を概略的に示す。
入力部101は撮影画像および撮影条件を取得する(読み込む)取得手段である。メモリ28には、画像回復フィルタを生成するための1つ以上のOTFデータ110が保存されている。
OTF生成部102は、撮影レンズ10の特性と撮像素子12の特性を考慮したOTFを生成する。メモリ28には、画像回復フィルタを生成するための1つ以上のOTFデータが保存されており、OTF生成部102は、メモリ28からOTFデータ110を取得する。OTFデータ110は撮影レンズ10のみのOTFデータであり、ズーム位置、絞り、被写体距離、及び撮影モードのような設定条件に応じてデータを保持している。撮影レンズの特性と撮像素子つまりローパスフィルタや開口劣化などの特性をかけあわせることで、設定条件に応じたOTFを生成する。
回復フィルタ生成部103は、OTF生成部102で生成されたOTFをもとに画像回復フィルタを生成する。画像回復フィルタ生成のためには、OTFの逆特性を求める。OTFの逆特性をフーリエ変換することで画像回復フィルタが求まる。画像回復フィルタとは、従来のシャープネスやメディアンフィルタ等の一般的なフィルタ処理と同様に、対象画素と、その周囲の画素に適用するフィルタである。そのため、通常のフィルタ適用処理と同様のことを行う場合が多い。一方で、画像回復フィルタはOTFを元に生成するので、画像の領域ごとに異なり、これにより、画像の領域ごとに適切な補正が、適切なゲインで行われる。
回復処理部104は回復フィルタ生成部103で生成した画像回復フィルタを用いて画像回復処理を行う。
劣化度合い算出部105は、絞り、焦点距離、撮影距離の組み合わせの設定の中で最も劣化の少ない設定条件(所定の撮影条件)のOTFと現在の撮影条件のOTFから劣化度合いを算出する。
出力部106は得られた画像に対し、圧縮処理などのエンコード処理を行い出力する出力手段である。
図3は、本実施例の画像処理装置の処理を示すフローチャートである。
フローチャートの開始は、電源ONでデジタルカメラ100が起動し、不図示のモードダイアルで撮影モードに変更され撮影が開始されたときである。
ステップS301で入力部101は、撮影レンズ10に対応したOTFデータ110をメモリ28から取得する。
OTFデータとは、本実施例においては、撮像装置のレンズに関する設計値から算出したOTFを、特定の周波数の範囲で抽出し、さらに離散化したもので、画像の光学中心に対して、円周方向と対角方向の二次元データである。この段階では、周波数の最大値は大きめに用意しておく必要がある。なぜなら、この段階では撮像装置の特性が不定のため、後の処理において制限とならないために、より柔軟に対応できるようにしておく必要があるためである。その後、撮像装置の特性、例えばナイキスト周波数で切り出せるようにしておく。全画素のOTFデータを取得する形態でも可能であるが、現実的にはデータ量や処理速度との兼ね合いで、画像領域内部の離散点においてデータを保持し、実際の画像に適用する際に近傍の画像回復フィルタを補間して用いるほうがよい。そのためメモリ28に記録されているOTFデータは本実施例ではOTFを近似した多項式の係数(OTF係数)であるとする。
なお、処理速度の懸念がある場合には、全面ではなく、さらに画面の一部分のOTFや画像回復フィルタを生成し、適用するときに補間して使う場合もある。
ステップS302で、OTF生成部102(第1の生成手段)は、ステップS301で取得したOTFデータからあらかじめ定められた設定条件に対応したOTF(第1の撮影条件に応じた第1の光学伝達関数)を生成する。ここであらかじめ定められた設定条件(第1の撮影条件、所定の撮影条件)とは、装填されている撮影レンズ10の設定条件の中で最も劣化の少ない、絞り、焦点距離、撮影距離の組み合わせの設定である。
このステップS302の劣化の最も少ない設定条件に対応したOTFの算出処理の詳細について図4を用いて説明する。
ステップS401で、OTF生成部102は、ステップS301で取得したOTFデータと、劣化の最も少ない設定条件からOTFの近似式係数を取得する。
ステップS402で、図6(a)の601に示すように、中心から周辺までの像高を10分割した離散点を取得し、まずはその10像高分のOTFを生成する。図6は、画像回復フィルタ生成の概念図である。
ステップS403で、図6(a)の602に示すように、その10像高分のOTFを回転させ全面の4分の1領域について離散点のOTFを生成する。
さらに図6(b)の603、604で示すように、画面の4分の1の範囲で演算していた場合には、更に全面になるようにコピーして全面のOTFを生成する。
ステップS404で、予めメモリ28内に記録されている撮像装置の特性値であるセンサーの画素ピッチから算出されるナイキスト周波数でOTFを切り出す。
ステップS405で、ステップS404で切り出したOTFに撮像素子12の特性である光学ローパスフィルタや開口劣化特性を掛け合わせる。これで撮影レンズ10の特性と撮像素子12の特性を考慮したOTFが生成される。
ステップS406で、画像回復フィルタ生成に必要なゲインを算出する。OTFは撮影される画像の各点における特性を示したものなので、画像回復フィルタ生成のためには、OTFの逆特性を求める。この際に、さらに入力されたゲインから、各OTFの逆特性にかける実際のゲインを算出する。例えばゲインが2と入力された場合に、各OTFの逆特性について、ゲインが2適用可能かどうかを調べていく。場所によっては、元々のOTFの性能がよく、2倍かけてしまうと完全回復を超えてしまうため、その場合は完全回復に達するゲインを適用する。ここで完全回復とは、OTFから算出可能な、劣化した光学的な特性が完全に回復されている状態のことを指す。そして、完全回復に達するゲインは、元々のOTFの性能に依存するため、各点によって異なり、そのため、任意の入力ゲインに対して、実際に適用されるゲインが各点でまちまちになってしまうことが発生する。
ステップS407で、OTF生成部102は、ステップS406で算出した、回復ゲインを考慮したOTFを生成する。
図3に戻り、ステップS303で入力部101は、撮影条件(ズーム位置、絞り値、撮影距離)を取得する。取得した撮影条件が前回の撮影条件から変化がある場合には、OTFを再生成する必要があるため、ステップS304へ進む。変化がない場合にはOTFを再生成は行わないため、ステップS308へ進む。
ステップS304で、OTF生成部102(第2の生成手段)は、ステップS303で取得した撮影条件のOTF(第2の撮影条件(現在の撮影条件)に応じた第2の光学伝達関数)を生成する。OTFの生成方法については、OTF生成部102に入力する、条件を変更すれば、ステップS302の手順と同様の手順で生成できる。
ステップS305で、劣化度合い算出部105(算出手段)は、ステップS302で生成した第1の撮影条件のOTFとステップS304で生成した第2の撮影条件のOTFの差分情報を算出する。そして、第1の撮影条件のOTFと第2の撮影条件のOTFの差分情報から第2の撮影条件における劣化度合いを算出する。
図5(a)は2つの条件のOTFの差分を示す図である。差分はOTFの中心から2次元の軸上方向、計4方向の値をそれぞれ算出する。図5(a)では1方向のみを表している。
差分は図の斜線で示した部分で表され、第1の撮影条件のOTFを、DC側からナイキスト周波数までを積分した値と第2の撮影条件のOTFを同様に積分した値の割合が差分となる。換言すれば、第2の撮影条件における劣化度合いは、第1の撮影条件のOTFをDCからナイキスト周波数まで積分した値と第2の撮影条件のOTFをDCからナイキスト周波数まで積分した値との割合で表される。
ステップS306で、ステップS304で生成した第2のOTFのノイズ判定を行う。
これはあまりにも小さいゲインについてはノイズとみなすための閾値であり、DCのゲインに対する割合として定義する。図5(b)はノイズ判定を示す図である。
ノイズ判定はステップS305の差分と同じく、OTFの中心から2次元の軸上方向、計4方向の値をそれぞれ判定する。それら4方向から1つずつ取り出し、任意のノイズ判定の閾値よりも低くなる、DC側から見て最初の周波数を取得する。本実施例ではノイズ判定の閾値の値を3%とする。ノイズ判定の閾値よりもゲインが低くなる周波数をノイズ判定周波数とする。
ノイズ判定周波数が、カメラのナイキスト周波数よりも高ければゲインの割合は1とし、ナイキスト周波数の8割よりも高ければ割合は0.8とし、5割より高ければ割合は0.7とし、それ以外は0.3とする。またDCからナイキスト周波数を100とした場合の割合を、そのままゲインの割合として用いる方法もある。1方向で割合が求められたら、それを4方向行い、4方向のゲイン割合の平均値を出力とする。出力についても、各方向の平均だけではなく、最大値や最小値、最大と最小を省いた平均値等の算出方法が考えられる。
ステップS307で、劣化度合い算出部105は、ステップS305で算出した差分情報とステップS306で算出したノイズ割合から、劣化度合いを算出する。換言すれば、ステップS306で算出したゲインが所定の閾値よりも低くなるノイズ判定周波数と撮像装置のナイキスト周波数とのノイズ割合と、ステップS305で算出した差分情報とから、現在の撮影条件における劣化度合いを算出する。
差分情報とノイズ割合は、図6(b)の604で示すように全画面で113点の情報が存在する。劣化度合い算出は、表示形態に合わせて行うことが望ましい。
劣化度合いをまとめて数値として表示する場合には、113点の中央に比重を大きくした加重平均を行う。劣化度合いを領域毎に表示する場合には、表示領域毎に平均し劣化度合いを算出する。
ステップS308で、回復フィルタ生成部103は、ステップS304で生成した撮影条件のOTFから画像回復フィルタを生成する。換言すれば、回復フィルタ生成部103(第3の生成手段)は、第2の撮影条件のOTFから画像回復フィルタを生成する。ステップS304で生成したOTFは撮影される画像の各点における特性を示したものなので、画像回復フィルタ生成のためには、OTFの逆特性を求める。OTFの逆特性をフーリエ変換することで画像回復フィルタが求まる。
画像回復フィルタは、対象画素1つにつき、幅と高さを持つ二次元のデータ配列になっており、対象画素を含む領域に対して、フィルタの各値をそれぞれの画素ごとに求める。フィルタは、画像の領域ごとに異なるパラメータをもち、場合によってはサイズが異なるため、フィルタのサイズも対象画素によって異なる。
画像回復フィルタは画像の全ての画素に対して生成せず、いくつかの離散点に対して生成することが一般的である。したがって、回復フィルタ生成部103で算出した画像回復フィルタから、対象の画素位置における画像回復フィルタを、補間等の方法を用いてさらに算出し、その結果を適用してもよい。
画像回復フィルタを生成した後、回復処理部104は、回復フィルタ生成部103が生成した画像回復フィルタを画像の各画素に適用し、回復処理画像を取得する。換言すれば、回復処理部104(処理手段)は、生成した画像回復フィルタを用いて画像回復処理を施す。
ステップS309で、出力部106は、シャープネス処理を適用した画像に色処理やガンマ処理また必要に応じて圧縮などの処理を行い出力する。
システム制御部32は、出力された画像とステップS307で算出された劣化度合いを表示部24(表示手段)に表示する。
このようにあらかじめ定められた設定条件と撮影条件のOTFから劣化度合いを算出し、表示することで、ユーザーが回折や収差などの劣化の程度を考慮して、適切な撮影条件を設定して撮影することを可能にする。また、あらかじめ定められた設定条件から現在の撮影条件がどの程度劣化しているのか算出することによって、ユーザーが撮影条件ごとに異なる劣化条件を確認しながら撮影することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するための手順が記述されたコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
本発明は、コンパクトデジタルカメラ、一眼レフカメラ、ビデオカメラなどの撮像装置に好適に利用できる。
16 画像処理部
102 OTF生成部
105 劣化度合い算出部
102 OTF生成部
105 劣化度合い算出部
Claims (13)
- 第1の撮影条件に応じた第1の光学伝達関数を生成する第1の生成手段と、
第2の撮影条件に応じた第2の光学伝達関数を生成する第2の生成手段と、
前記第1の光学伝達関数と前記第2の光学伝達関数の差分情報から前記第2の撮影条件における劣化度合いを算出する算出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1の撮影条件は、撮像系における撮影条件の中で最も劣化の少ない撮影条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記第2の撮影条件は、現在の撮影条件であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記第2の撮影条件における劣化度合いは、前記第1の光学伝達関数を撮像装置のナイキスト周波数まで積分した値と前記第2の光学伝達関数を前記ナイキスト周波数まで積分した値との割合であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第2の光学伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成する第3の生成手段を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記画像回復フィルタを用いて画像回復処理を行う処理手段を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
- 前記第2の生成手段は、前記第2の光学伝達関数にゲインをかけた光学伝達関数を生成し、
前記第3の生成手段は、前記ゲインをかけた光学伝達関数に基づいて前記画像回復フィルタを生成することを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。 - 前記算出手段は、前記ゲインが所定の閾値よりも低くなるノイズ判定周波数と撮像装置のナイキスト周波数との割合と前記差分情報から前記第2の撮影条件における劣化度合いを算出することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
前記劣化度合いを表示する表示手段と、
を有することを特徴とする画像表示装置。 - 前記表示手段は、画像の領域ごとに算出した劣化度合いを表示することを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
- 第1の撮影条件に応じた第1の光学伝達関数を生成する第1の生成ステップと、
第2の撮影条件に応じた第2の光学伝達関数を生成する第2の生成ステップと、
前記第1の光学伝達関数と前記第2の光学伝達関数の差分情報から前記第2の撮影条件における劣化度合いを算出する算出ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項11に記載の画像処理方法の手順が記述されたコンピュータで実行可能なプログラム。
- コンピュータに、請求項11に記載の画像処理方法の各ステップを実行させるためのプログラムが記憶されたコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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JP2014126493A JP2016005246A (ja) | 2014-06-19 | 2014-06-19 | 画像処理装置、画像表示装置、画像処理方法、プログラム、記憶媒体 |
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