JP2016002701A - 液体吐出ヘッドとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップが抑えられ、洗浄及び乾燥工程を経ても弾性部材の密閉性を確保しやすい液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】弾性部材100は、ベース部140と、ベース部を貫通する複数の貫通孔と、貫通孔のそれぞれの開口の周囲を延びる突起状の複数のリップ部131,132と、を有する。複数のリップ部は液体供給ユニットに当接し、貫通孔の開口を密閉するように圧縮変形されている。貫通孔の少なくとも一つは弾性部材の周縁部の近傍に位置する長穴110であり、弾性部材は長穴の長軸の延長線によって、所定の面積の端部部分105と所定の面積より面積の大きい中央部分106とに仕切られ、弾性部材の端部部分に、液体吐出ユニットと間隙を介して対向し長穴の長軸に沿って延在する凸部150が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、記録媒体に液体を吐出して記録を行う液体吐出ヘッドとその製造方法に関し、特に液体供給ユニットと液体吐出ユニットの間に挟持された弾性部材の構成に関する。
インクジェット記録ヘッドに代表される液体吐出ヘッドでは、インク等の液体が吐出する記録素子基板が搭載される液体吐出ユニットと、液体を記録素子基板に供給する液体供給ユニットとが別々に設けられることがある。液体吐出ユニットと液体供給ユニットは弾性部材を介して接合される。
特許文献1にはこのような液体吐出ヘッドが開示されている。液体吐出ヘッドは内部に第1の液体流路が設けられた液体供給ユニットと、記録素子基板を備え内部に第2の液体流路が設けられた液体吐出ユニットと、を有している。液体供給ユニットと液体吐出ユニットは、間に弾性部材を挟んでビスで互いに固定されている。第1の液体流路の一端はフィルタを介して液体タンクと接続され、他端は弾性部材の貫通孔の一端と接続されている。第2の液体流路の一端は弾性部材の貫通孔の他端と接続され、第2の液体流路の他端は記録素子基板に接続されている。液体は、液体供給ユニットの第1の液体流路、弾性部材の貫通孔、液体吐出ユニット第2の液体流路を経由して記録素子基板に供給され、記録素子基板の吐出口から記録媒体に向けて吐出する。
特許文献2には弾性部材がより詳細に開示されている。弾性部材はベース部を有している。ベース部には液体供給ユニットの複数の第1の液体流路と液体吐出ユニットの複数の第2の液体流路とを接続するため、それぞれに対応する位置に複数の貫通孔が設けられている。弾性部材の両面には貫通孔の開口の周囲を延びるリップ部が設けられている。液体供給ユニットの第2の液体流路の先端には突出部が設けられ、弾性部材の貫通孔に挿入されている。これに対し、液体吐出ユニットの弾性部材との当接部は平面となっている。リップ部は液体供給ユニットと液体吐出ユニットとの間で圧縮され変形し、それによって弾性部材の密閉性が確保される。弾性部材の周縁部の全周に沿って凸部(リブ)が設けられている。液体吐出ヘッドの組み立て時に、弾性部材は吸着ロボットにより吸引される。弾性部材の過大な変形がリブによって防止され、弾性部材を安定して吸着することができる。
特開2002−019146号公報 特開2007−326233号公報
液体吐出ヘッドの製造時には、液体吐出ヘッドに液体を導入し液体吐出ヘッドから液体を吐出させて、吐出性能の検査を行う。その後、液体吐出ヘッドの内部を洗浄液で洗浄する。さらに、第1の液体流路から加圧空気を供給し、液体吐出ヘッドの内部を乾燥させる。この際、洗浄液や加圧空気の圧力が強すぎると、ベース部が変形することがある。特許文献2に記載の液体吐出ヘッドでは、リップ部に平面で当接する液体吐出ユニットとリップ部との間に空隙が生じることがある。具体的には、洗浄液や加圧空気が貫通孔に供給され貫通孔の内部が加圧されたときに、ベース部が傾斜し、リップ部がずれて漏えいが生じる。これによって弾性部材の密閉性が失われ、液体吐出ヘッドの洗浄及び乾燥が十分に行われない可能性がある。また、ベース部が変形したままとなって、使用時に液体供給ユニットと液体吐出ユニットの間から液体が漏えいする可能性がある。
弾性部材の開口は液体の種類によって異なる形状をとる場合がある。特に使用量の多い液体が流通する貫通孔は細長い流路断面形状を有している場合がある。ベース部の変形はこのような細長い貫通孔で生じやすく、ベース部の変形に伴う漏えいはリップ部に平面で当接している部位、すなわち特許文献2の例では弾性部材と液体吐出ユニットとの間で発生しやすい。また、漏えいは、貫通孔に近接するベース部の周縁部と貫通孔との間で発生しやすい。弾性部材の変形を抑制するには、特許文献2に記載されているように周縁部の全周に凸部を設けてベース部の剛性を上げることが有効である。しかし、このような凸部は弾性部材の大型化とコストアップを招く。さらに、弾性部材が組み込まれる液体吐出ヘッド及び液体吐出装置の大型化を招く。
本発明は、コストアップが抑えられ、洗浄及び乾燥工程を経ても弾性部材の密閉性を確保しやすい液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、複数の液体をそれぞれ供給する複数の第1の液体流路を有する液体供給ユニットと、液体を吐出する記録素子基板と記録素子基板に液体を供給する複数の第2の液体流路とを備えた液体吐出ユニットと、液体供給ユニットと液体吐出ユニットとの間に挟持された弾性変形可能な弾性部材と、を有している。弾性部材は、板状のベース部と、ベース部を貫通し、複数の第1の液体流路と複数の第2の液体流路とを個別に接続する複数の貫通孔と、ベース部の両面に位置し複数の貫通孔の開口の周囲に配される突起状の複数のリップ部と、を有し、複数のリップ部は液体吐出ユニットまたは液体供給ユニットに当接し、貫通孔の開口を密閉するように圧縮変形されており、液体吐出ユニットの弾性部材と対向する面と液体供給ユニットの弾性部材と対向する面の一方は貫通孔に挿入されている突出部を有し、他方は平面からなっている。貫通孔の少なくとも一つは弾性部材の周縁部の近傍に位置する長穴であり、弾性部材は長穴の長軸の延長線によって、所定の面積の端部部分と所定の面積より面積の大きい中央部分とに仕切られ、弾性部材の端部部分に、一方の面と間隙を介して対向し長穴の長軸方向に沿って延在する凸部が設けられている。
例えば、洗浄工程や乾燥工程で貫通孔の内部が加圧された場合、ベース部は突出部の形成された液体供給ユニット(または液体吐出ユニット)に近づくように変形する。しかし、凸部がベース部に当接し、ベース部の過大な変形または傾斜を防止するため、漏えいが発生しにくい。また、凸部は端部部分を延びているため、ベース部の変形が効果的に抑制されるとともに、コストアップも抑えられる。
本発明によれば、コストアップが抑えられ、洗浄及び乾燥等の工程を経ても弾性部材の密閉性を確保しやすい液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 液体吐出ユニットと液体供給ユニットと弾性部材の模式的断面図である。 図2のP部の拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態の弾性部材を示す平面図と側面図である。 液体吐出ヘッドの製造工程を示すフロー図である。 本発明の課題を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の弾性部材を示す平面図と側面図である。 本発明の第3の実施形態の弾性部材を示す平面図と側面図である。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの分解斜視図である。液体吐出ヘッド1は液体供給ユニット10と、液体吐出ユニット20と、弾性部材100と、を有している。液体供給ユニット10は複数の液体収容容器(図示せず)を保持し、液体吐出ユニット20に複数の液体を供給する。複数の液体は、例えばインクジェットプリンタにおいては複数色のインクである。液体供給ユニット10はある程度の剛性を備えた樹脂等によって形成されている。液体吐出ユニット20は記録素子基板21,22を有している。記録素子基板21,22は複数の液体にそれぞれが対応した多数の吐出口(図示せず)を有し、各吐出口から対応する液体を吐出する。本実施形態では第1の記録素子基板21と第2の記録素子基板22が設けられている。液体吐出ユニット20はセラミック等の剛性の高い材料で形成されている。弾性部材100は液体供給ユニット10と液体吐出ユニット20との間に挟持されている。弾性部材100はゴムなどの弾性変形可能な材料で形成されている。液体吐出ユニット20は液体供給ユニット10にビス(図示せず)によって固定されており、弾性部材100は液体吐出ユニット20と液体供給ユニット10の間で圧縮され変形している。
図2は、液体吐出ユニットと液体供給ユニットと弾性部材の模式的断面図、図3(a)は図2のP部の拡大断面図、図4(a)は弾性部材の平面図(下面図)、図4(b)は弾性部材の側面図である。液体供給ユニット10は複数の液体をそれぞれ供給する複数の第1の液体流路11を有している。第1の液体流路11は液体導入口12に接続され、液体導入口12は液体収容容器に接続されている。液体吐出ユニット20は第1の記録素子基板21と第2の記録素子基板22のいずれかに接続された複数の第2の液体流路23を有している。弾性部材100は、板状のベース部140と、ベース部140を貫通する複数の貫通孔110,120と、を有している。第1の液体流路11のそれぞれと第2の液体流路23のそれぞれは貫通孔110,120によって個別に接続されている。液体収容容器に収容された液体は、液体供給ユニット10の液体導入口12及び第1の液体流路11と、弾性部材100の貫通孔110または120と、液体吐出ユニット20の第2の液体流路23と、を通って記録素子基板21,22に供給される。液体は記録素子基板21,22の吐出口から記録媒体(図示せず)に向けて吐出する。
液体供給ユニット10の弾性部材100と対向する面14は、弾性部材100と対向する突出部13を有している。突出部13は第1の液体流路11の終端を形成し、貫通孔110,120に挿入されている。これによって、弾性部材100が液体供給ユニット10に対し固定され、弾性部材100の位置ずれが防止される。また、弾性部材100と液体供給ユニット10との間で液体の漏えいも生じにくい。これに対し、液体吐出ユニット20の弾性部材100と対向する面は平面24からなっている。これは液体吐出ユニット20がセラミック製であり、樹脂製の液体供給ユニット10のような突出部を設けるのが難しいためである。貫通孔110,120の突出部13が挿入される部位は若干径が拡げられており、貫通孔110,120の途中に肩部101が形成されている。突出部13が肩部101に当接することにより、突出部13の挿入される深さが制限される。
弾性部材100のベース部140の両面141,142には突起状の複数のリップ部131,132が設けられている。弾性部材100の、液体供給ユニット10と対向する側の面に形成される第1のリップ部131は、弾性部材に形成される貫通孔110、120と連通する開口102の周囲を延びる円環状の突起部であり、液体供給ユニット10の第1の液体流路と接続される。第1のリップ部131とベース部140の間には第1のリップ部131より幅の広い台座部133が設けられている。弾性部材100の、液体吐出ユニット20と対向する側の面に形成される第2のリップ部132は、弾性部材に形成される貫通孔110、120と連通する開口103の周囲を延びる円環状の突起部であり、液体吐出ユニット20の液体流路23と連通する。これらのリップ部131,132は先端が丸められたほぼ三角形の断面を有している。第1のリップ部131は液体供給ユニット10に当接し、第2のリップ部132は液体吐出ユニット20に当接している。弾性部材100、より具体的には第1及び第2のリップ部131,132は、液体吐出ユニット20と液体供給ユニット10との間で、貫通孔110,120の両側の開口102.103を密閉するように圧縮変形されている。この結果、液体収容容器から、液体供給ユニット10の第1の液体流路11と、弾性部材100の貫通孔と、液体吐出ユニット20の第2の液体流路23と、を通って液体吐出ユニット20の記録素子基板に至る、漏洩の生じない密閉された流路が形成される。
複数の貫通孔110,120の少なくとも一つ、本実施形態では一つの貫通孔110は、細長い流路断面形状を有している(以下、長穴110という)。単位時間の吐出量が多い液体は供給流量も多いため、流路断面積を大きくする必要がある。本実施形態においては、単位時間の吐出量が多い液体の吐出口が第1の記録素子基板21に形成され、その他の液体の吐出口は第2の記録素子基板22に形成されている。第1の記録素子基板21の吐出口列は第2の記録素子基板22の吐出口列より長くされている(図1参照)。第1の記録素子基板21に接続される長穴110を吐出口列の長さに合わせて細長く形成することで、流量を確保しつつ液体吐出ヘッドのサイズを抑制することができる。長穴110の流路断面形状としては長円(楕円)、長方形、長方形の両端にこれと連続する半円が接続した形状などが挙げられるが、これらに限定されず、長手と短手とを有する開口(流路断面形状)において特に有効である。その他の貫通孔120は円形の流路断面形状を有している。長穴110は弾性部材100の端部または周縁部104の近傍に位置している。長穴110は概ね弾性部材100の周縁部104に沿って延びている。従って、弾性部材100は長穴110の長軸111の延長線112によって、所定の面積を有する端部部分105と端部部分105より面積の大きい中央部分106とに仕切られる。本実施形態では中央部分106は弾性部材100の図心(重心)107を含んでいる。長軸111は本実施形態では直線であるが、曲線でもよい。具体的には、長軸111は長穴110の対向する2つの長い縁部113の間を通る中心軸である。
弾性部材100はベース部140から突き出す凸部150を有している。凸部150は長穴110の長軸方向に沿って延在している。凸部150はベース部140と同じ材料で一体形成されている。凸部150は液体供給ユニット10とベース部140の間に位置しており、液体供給ユニット10と間隙151を介して対向している。凸部150と液体供給ユニット10が接触していないため、弾性部材100の第1のリップ部131が液体供給ユニット10に、第2のリップ部132が液体吐出ユニット20にそれぞれ確実に当接し、弾性部材100の密閉性が確保される。凸部150は端部部分105に、すなわち貫通孔110の外周側を延びている。本実施形態では長穴110は長軸111と平行な直線部113を有し、凸部150はこの直線部113に沿って延びている。凸部150の長さは直線部113の長さとほぼ同じである。凸部150は液体吐出ユニット20とベース部140の間に設けられてもよい。この場合、突出部13が液体吐出ユニット20に設けられ、液体供給ユニット10の弾性部材100が当接する部位が平面となっていることが望ましい。すなわち、液体吐出ユニット20の弾性部材100と対向する面24と液体供給ユニット10の弾性部材100と対向する面14の一方が貫通孔110に挿入される突出部13を有し、他方は平面となっていればよい。そして、弾性部材100は、当該一方の面と間隙を介して対向する凸部150を備えていればよい。
本実施形態において凸部150が端部部分105のみに設けられる例を示したが、本発明はこれに限らずその他の部分に凸部を設けてもよい。その他の部分に凸部を設ける場合は、端部部分105に設けた凸部の高さ以下の高さの凸部とすることが好ましい。また、本実施形態においては、弾性部材100は液体吐出ユニット20と液体供給ユニット10の間に挟持されているが、同様の構成の弾性部材を他の部位に用いることも可能である。例えば、第1の液体流路を有する第1の液体供給ユニットが第2の液体流路を有する第2の液体供給ユニットに、弾性部材を介して接続している場合、この弾性部材は上述の構成を備えることができる。
ここで図5を参照して、液体吐出ヘッド1の製造方法について説明する。まず、液体吐出ヘッド1を組み立てる(ステップS1)。具体的には、液体供給ユニット10と液体吐出ユニット20を、間に弾性部材100を挟んで位置決めする。次に、液体供給ユニット10と液体吐出ユニット20をビスで相互に固定する。この際、弾性部材100が押圧され、貫通孔110,120の開口102,103が外部に対し密閉されるように圧縮変形される。その後、記録動作を行うのに必要な電気部品などを取付け、液体吐出ヘッド1が組み立てられる。次に、完成した液体吐出ヘッド1が適正に動作可能であるかを検査する。具体的には、第1の液体流路11から弾性部材100の開口102,103と第2の液体流路23を介して記録素子基板21,22に液体を供給または充填し(ステップS2)、記録素子基板21,22から液体を吐出させる(ステップS3)。すなわち、液体吐出ヘッド1に実際に液体を導入して、記録動作を行う。その後、動作可能であると判定された液体吐出ヘッド1を洗浄する(ステップS4)。具体的には、第1の液体流路11から洗浄液を供給し、検査の行われた液体吐出ヘッド1の内部を洗浄する。これによって残存していた液体が液体吐出ヘッド1の内部から除去される。その後、第1の液体流路11から加圧気体を供給し、洗浄された液体吐出ヘッド1の内部を乾燥させる(ステップS5)。
図6は、比較例の液体吐出ヘッドの液体吐出ユニット20と液体供給ユニット10と弾性部材200の断面を模式的に示している。図6に示す液体吐出ヘッドは、弾性部材200に凸部150が設けられていないことを除き、図4に示す本実施形態の液体吐出ヘッド1と同じである。図6(a)は洗浄と加圧が行われる前の液体吐出ヘッドを示している。洗浄及び乾燥時に、第1及び第2の液体流路11,23と貫通孔110,120の内部は加圧状態になる。この際、図6(b)に示すように、弾性部材200の液体吐出ユニット20側の第2のリップ部132が、第1及び第2の液体流路11,23と貫通孔110,120の内部圧力によって変形する。具体的には、ベース部140の貫通孔110,120より周縁部側の部位が、貫通孔110,120を起点として、液体供給ユニット10に向けて、方向A1に全体的に傾斜する。これによって第2のリップ部132が液体供給ユニット10側に移動し、第2のリップ部132と液体吐出ユニット20との間に間隙201が生じる。この結果、弾性部材200の密閉性が失われ、洗浄液または加圧空気が漏えいする(矢印B2)。漏えいが生じると、十分な洗浄及び乾燥を行うことが困難である。また、弾性部材200の変形が検査後に残存し、液体吐出ヘッド1の使用時に液体が漏れる可能性がある。このような弾性部材200の変形及び漏えいは長穴110の近傍、特に貫通孔110の長軸111と平行な直線部113に沿った領域で発生しやすく、図6(b)に示すように、ベース部140の端部部分105で生じやすい。
これに対して本実施形態の液体吐出ヘッド1のベース部140は、液体供給ユニット10と対向する面に、端部部分105を長穴110に沿って延びる凸部150を有している。図3(b)に示すように、凸部150がベース部140の変形する方向(矢印A2)に設けられているため、凸部150の先端152が液体供給ユニット10に接触し、ベース部140がそれ以上変形することが抑制される。ベース部140の変形を抑止できるため、液体吐出ユニット20側の第2のリップ部132が移動しにくく、漏えいが生じにくい。
このように弾性部材100の重心から偏倚した位置に、長手と短手を有する開口が形成される場合に、凸部150は開口の短手方向に関して、開口と弾性部材100の端部との間隔が小さい側に形成されることが好ましい。また凸部は開口の長手方向に沿って延在し、リップ部に隣接して形成されていることが好ましい。
(第2の実施の形態)
図7に弾性部材の第2の実施形態を示す。図7(a)は弾性部材の平面図(下面図)、図7(b)は弾性部材の側面図である。本実施形態では一対の凸部150,153が弾性部材100の両面に設けられている。一対の凸部150,153は弾性部材100の端部部分105を長穴110に沿って延び、液体吐出ユニット20及び液体供給ユニット10と間隙を介して対向している。液体供給ユニット10と対向する第1の凸部150は第1の実施形態の凸部150と同様の構成を有している。液体吐出ユニット20と対向する第2の凸部153は第1の凸部150と同じ構成を有している。第2の凸部153はベース部140を挟んで第1の凸部150と同じ位置に同じ長さで設けられている。弾性部材の両面に凸部を設けることで、第1の凸部150と液体供給ユニット10との間隙と、第2の凸部153と液体吐出ユニット20との間隙のいずれかが若干大きく形成された場合でも、他方の凸部が弾性部材100の変形を抑制することができる。
一対の凸部150,153は、液体供給ユニット10と液体吐出ユニット20のいずれにも突出部13が設けられず、液体供給ユニット10と液体吐出ユニット20の弾性部材100が当接する部位がともに平面である場合にも適用することができる。この構成では、洗浄や乾燥によって貫通孔110,120が加圧される際に、液体供給ユニット10側と液体吐出ユニット20側で同程度の確率で漏洩が生じる。従って、液体供給ユニット10側と液体吐出ユニット20側にそれぞれ凸部150,153を設けることで、弾性部材100の密閉性を確保することができる。
(第3の実施の形態)
図8に弾性部材の第3の実施形態を示す。図8(a)は弾性部材の平面図(下面図)、図8(b)は弾性部材の側面図である。本実施形態では凸部154は端部部分105の周縁部104の全長に沿って延びている。凸部154は第1の実施形態と同様、貫通孔110の長軸111と平行な直線部113に沿って延び、さらに弾性部材100の周縁部104に沿って延長されている。この延長部は長穴110の両端の円弧形状114に沿って延びている。この構成によれば、弾性部材100の大幅な面積増加によるコストアップを招くことなく、より大きな変形抑制効果が得られる。本実施形態の凸部154を、第2の実施形態と同様にベース部140の両面に設けることもでき、弾性部材100の変形をより確実に抑制することができる。
以上、第1、第2、第3の実施形態を参照して説明したように、長穴の外側を延びる凸部を設けることにより、組み立て後の洗浄及び乾燥工程において弾性部材の変形が生じにくく、リップ部がずれにくくなる。この結果、漏えいが生じにくく信頼性の高い液体吐出ヘッドを、コストアップを招くことなく提供することができる。
1 液体吐出ヘッド 10 液体供給ユニット
11 第1の液体流路 13 突出部
20 液体吐出ユニット 21,22 記録素子基板
23 第2の液体流路 100 弾性部材
105 端部部分 110,120 貫通孔
131,132 リップ部 140 ベース部
150,153,154 凸部

Claims (10)

  1. 複数の液体をそれぞれ供給する複数の第1の液体流路を有する液体供給ユニットと、前記液体を吐出する記録素子基板と前記記録素子基板に前記液体を供給する複数の第2の液体流路とを備えた液体吐出ユニットと、前記液体供給ユニットと前記液体吐出ユニットとの間に挟持された弾性変形可能な弾性部材と、を有し、
    前記弾性部材は、板状のベース部と、前記ベース部を貫通し、複数の前記第1の液体流路と複数の前記第2の液体流路とを個別に接続する複数の貫通孔と、前記ベース部の両面に位置し複数の前記貫通孔の開口の周囲に配される突起状の複数のリップ部と、を有し、前記複数のリップ部は前記液体吐出ユニットまたは前記液体供給ユニットに当接し、前記貫通孔の前記開口を密閉するように圧縮変形されており、前記液体吐出ユニットの前記弾性部材と対向する面と前記液体供給ユニットの前記弾性部材と対向する面の一方は前記貫通孔に挿入されている突出部を有し、他方は平面からなり、
    前記貫通孔の少なくとも一つは前記弾性部材の周縁部の近傍に位置する長穴であり、前記弾性部材は前記長穴の長軸の延長線によって、所定の面積の端部部分と前記所定の面積より面積の大きい中央部分とに仕切られ、前記弾性部材の前記端部部分に、前記一方の面と間隙を介して対向し前記長穴の長軸方向に沿って延在する凸部が設けられている、液体吐出ヘッド。
  2. 前記凸部は前記液体供給ユニットと対向している、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記弾性部材は、前記液体吐出ユニットと前記液体供給ユニットの他方と間隙を介して対向するとともに前記端部部分を前記長穴に沿って延びる第2の凸部を有している、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 複数の液体をそれぞれ供給する複数の第1の液体流路を有する液体供給ユニットと、前記液体を吐出する記録素子基板と前記記録素子基板に前記液体を供給する複数の第2の液体流路とを備えた液体吐出ユニットと、前記液体供給ユニットと前記液体吐出ユニットとの間に挟持された弾性変形可能な弾性部材と、を有し、
    前記弾性部材は、板状のベース部と、前記ベース部を貫通し、複数の前記第1の液体流路と複数の前記第2の液体流路とを個別に接続する複数の貫通孔と、前記ベース部の両面に位置し前記貫通孔のそれぞれの開口の周囲を延びる複数のリップ部と、を有し、前記複数のリップ部は前記液体吐出ユニットまたは前記液体供給ユニットに当接し、前記貫通孔の前記開口を密閉するように圧縮変形されており、
    前記貫通孔の少なくとも一つは前記弾性部材の周縁部の近傍に位置する長穴であり、前記弾性部材は前記長穴の長軸の延長線によって、所定の面積の端部部分と前記所定の面積より面積の大きい中央部分とに仕切られ、前記弾性部材の前記両面の前記端部部分に、前記液体吐出ユニット及び前記液体供給ユニットと間隙を介して対向し前記長穴の長軸方向に沿って延びる一対の凸部が設けられている、液体吐出ヘッド。
  5. 前記凸部は前記長穴の前記長軸と平行な直線部に沿って延びている、請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記凸部は前記端部部分の前記周縁部の全長に沿って延びている、請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを組み立てることと、前記第1の液体流路から前記弾性部材の前記貫通孔と前記第2の液体流路を介して前記記録素子基板に前記液体を供給することと、前記記録素子基板から前記液体を吐出させて前記液体吐出ヘッドの検査を行うことと、前記第1の液体流路から洗浄液を供給し、検査の行われた前記液体吐出ヘッドの内部を洗浄することと、前記第1の液体流路から加圧気体を供給し、洗浄された前記液体吐出ヘッドの内部を乾燥することと、を有する、液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 液体を供給する第1の液体流路を有する第1の液体供給ユニットと、前記第1の液体流路と連通する長手と短手を有する開口と、当該開口の周囲に形成される、前記第1の供給ユニットと接するリップ部と、を備える弾性変形可能な弾性部材と、を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記弾性部材には、前記開口の長手方向に沿って延在し、前記リップ部に隣接して配される凸部が形成されており、前記凸部と前記第1の液体供給ユニットとは間隙を介して対向している、液体吐出ヘッド。
  9. 前記開口は前記弾性部材の重心から偏倚した位置に配されており、前記凸部は前記短手方向に関して前記開口と前記弾性部材の端部との間隔が小さい側に配されている、請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 液体を供給する第2の液体流路を有する第2の液体供給ユニットを備え、前記弾性部材は、前記第1の液体供給ユニットと前記第2の液体供給ユニットとの間に挟持されている、請求項8または9に記載の液体吐出ヘッド。
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