JP2016002177A - 眼科装置 - Google Patents

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和哉 諸橋
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Abstract

【課題】被検者の顔を固定した検査において、被験者に対する負担を軽減する眼科装置を提供する。
【解決手段】被検査物の位置を保持するための保持手段と被検査物に導かれる測定光を発する光源部、被検査物を介した測定光の戻り光より被検査物の画像を取得する撮像部を有して測定光を射出すると共に、保持手段に対して相対移動が可能な装置本体と、測定光の光軸方向において装置本体と保持手段との間に配置されて、測定光の光軸の角度を変更する光線角度変更手段と、を有し、光線角度変更手段は、角度が変更される前の光軸方向の保持手段との距離が一定であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検眼を撮像する眼科装置に関する。
近年、走査型レーザー検眼鏡(SLO:Scanning Laser Ophthalmoscope、以下SLO装置)などのような眼科用検査機器の発達に伴い、被検眼のより詳細な観察が可能になってきている。共焦点レーザー顕微鏡の原理を利用した眼科装置であるSLO装置は、測定光であるレーザーを眼底に対してラスタースキャンし、その戻り光の強度から、眼底の平面画像を高分解能かつ高速に得る装置である。
SLO装置においては、測定光のビーム径を大きくすることにより、測定光が眼底上により微小なスポットになるようにして分解能を向上させ、網膜の平面画像を取得することが可能になってきた。しかし、高分解能で平面画像を取得する場合、装置自体の光学収差や撮像時間の問題から、一度に撮像する撮像範囲を小さくせざるを得ない。一方、研究目的で行われる撮像においては、多くの箇所を撮像することがあり、一連の撮像が終了するまで被検者の顔を長時間固定しておかなくてはならない。
さらに、被検者の顔を固定するために、多くの眼科装置では、被検者が顎を載せ、位置合わせのために上下動可能な顎台と、額をあてる額あてを備えた顔受けが用いられている。顔受けは通常、装置の設置台に対して垂直に設置されている。この場合、被検者が顔受けに顔を載せると、被検者の上体は装置側に傾斜するのに対して、顔は垂直に置くことになる。このため、被検者は首を後方に曲げた状態となり、長時間の撮影に際しては負担が大きくなる。顔受けを前傾させることで、これらの負担を軽減することが可能であるが、この場合、被検者の視線は水平方向に対し、斜め下方向に向くため、測定光は装置より斜め上方に向けて照射することが必要になる。
このための対策に関して、特許文献1では、装置本体を、被検者の視線に対して下方から上向きに傾斜させて配置する眼科装置が開示されている。当該装置ではこのような配置の採用により、測定光が被検者の上瞼やまつ毛に遮られることを回避している。
特開2011−251061号公報
前述のように、顔受けを前傾させた場合には、被検者の視線方向と、測定光の光軸を平行にするため、装置本体からの測定光を、斜め上方向へ射出する必要がある。装置本体の(被検者に対する)前後左右の駆動が水平面内で行われる場合、被検眼と装置本体との距離を調整するために、装置本体を前後方向に動かすと、測定光軸が被検眼の高さ方向にも動いてしまうという問題が発生する。
また、別の方法として、特許文献1で行われているように、被検者の視線方向と平行になるように装置本体を傾斜させる方法が考えられる。しかしながら、本体の駆動が手動で行われる構造の場合、本体を傾斜させると、前後方向で装置本体を所望の位置で静止させることができないため、電動での駆動が必要となる。この場合、駆動機構が複雑になり、装置の大型化やコストアップにもつながってしまう。
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであって、装置本体を傾斜させることなく、測定光を水平方向に対して傾けて被検眼に入射させた状態で装置本体を水平方向(前後方向)に動かした場合にも測定光軸が被検眼の高さ方向に動くことを防止することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る検査装置は、被検査物の位置を保持するための保持手段と、
被検査物に導かれる測定光を発する光源部、及び前記被検査物を介した前記測定光の戻り光より前記被検査物の画像を取得する撮像部を有して前記測定光を射出すると共に、前記保持手段に対して相対移動が可能な装置本体と、
前記測定光の光軸方向において前記装置本体と前記保持手段との間に配置されて、前記測定光の光軸の角度を変更する光線角度変更手段と、を有し、
前記光線角度変更手段は、前記角度が変更される前の前記光軸方向の前記保持手段との距離が一定であることを特徴とする。
本発明によれば、装置本体を傾斜させることなく、測定光を水平方向に対して傾けて被検眼に入射させた状態で装置本体を水平方向(前後方向)に動かした場合にも測定光軸が被検眼の高さ方向に動くことが可能となる。
本発明の実施例1におけるSLO装置の全体構成図である。 本発明の実施例1における光線角度変更手段の断面概略図である。 本発明の実施例1におけるSLO装置の光学系の構成を示す図である。 本発明の実施例1におけるSLO装置で用いる各光を説明する図である。 本発明の実施例1における撮像手順を説明するフローチャートである。 本発明の実施例1におけるSLO制御ソフト画面の構成を示す図である。 本発明の実施例2における光線角度変更手段周辺の構成を示す図である。 本発明の実施例3における顔受け駆動部の概略図である。 本発明の実施例3における光線角度変更手段の概略図である。 本発明の実施例3におけるSLO制御ソフト画面の構成を示す図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
本実施例においては、眼科装置として、AO(Adaptive Optics:補償光学)SLO装置に本発明を適用した例について説明する。該AO−SLO装置は、補償光学系を備え、眼底の高横分解能での平面画像(AO−SLO像)の撮像を行う装置である。より詳細には、空間光変調器を用いて被検眼による光学収差を補正して、平面画像を得る。これにより、被検眼の視度や光学収差によらずに良好な平面画像の取得が可能となる。また、AO−SLO像の取得を補助する目的で、広画角の平面画像(WF−SLO像)の撮像を行うWF−SLO装置、測定光の入射位置を把握するための前眼部観察装置、および撮像箇所を調整するために視線を誘導する固視灯表示装置が付随している。
なお、本実施例では、高横分解能の平面画像を撮像するために、補償光学系を備えているが、高解像度を実現できる光学系の構成であれば、補償光学系を備えていなくてもよい。
図1を用いて、まず、本実施例におけるAO−SLO装置101について具体的に説明する。本AO−SLO装置では、被検眼に測定光を照射する光源部と、前記被検眼の画像を取得する撮像部とを有する装置において、前記測定光が被検眼に入射する直前の位置で、前記測定光の光軸の角度を水平方向から斜め上方向へ変更する、光線角度変更手段を装置本体の外部に有する構成とする。
AO−SLO装置101は、大まかには、装置本体111、顔受けユニット401、光線角度変更部301、制御PC120を有する。装置本体111はさらに、ヘッド部103、ステージ部110、及び液晶モニター105を含む。ヘッド部103は、主要な光学系を内蔵する。即ち、装置本体111は、後で詳述するように、被検眼に導かれる測定光を発する光源部と、被検眼を介した測定光の戻り光より被検眼の画像を取得する撮像部とを有する。また、該測定光を射出すると共に後述する顔受けユニット401に対して相対移動を可能とする。
ヘッド部103内部のセンサやモーターは制御PC120に接続されており、該制御PC120により制御されている。また、液晶モニター105は、後述するSLO制御ソフト画面等の該AO−SLO装置の操作画面等を表示する。
ヘッド部103は、ステージ部110上に設置されている。ステージ部110はベースプレート106上に配置され、支持するヘッド部103と共に該ベースプレート106に対して水平方向に移動される。ステージ部110は、ヘッド部103をXZ水平面で移動するため、XZ方向に配置される二軸の直動ガイド107を介してベースプレート106に支持される。また、ヘッド部103は上下動機構109を介して、ステージ部110と接続されている。上下動機構109内部には、不図示のボールねじが内蔵されており、該ボールねじの回転により上下動機構109が上下(Y)方向に動作する。以上の構成により、ヘッド部103はベースプレート106に対するXYZ方向への相対的な移動が可能となっている。
ステージ部110には、ジョイスティック104が取付けられている。該ジョイスティック104の回転部分は前述したボールねじと不図示のタイミングベルトで接続されている。ステージ部110は、前述したXYZ方向の駆動のための構成により、該ジョイスティック104を倒すことにより水平方向に、回転させることにより垂直方向に移動可能である。
顔受けユニット401は、額を当てる額当て402、被検者が顎を載せる顎台403、顎台の高さを被検者に合わせて調整する顎受け調整ねじ404、顔受けの位置を調整する顔受け駆動部405を有する。顔受け駆動部405は、不図示の顔受け用電動ステージを含み当該電動ステージにより前述したXYZ方向での移動動作が可能とされている。また、顔受け駆動405は顔受けユニット401の支持台として用いられ、顎受け調整ねじ404を介して顎台403及び額当て402を支持する。
顔受けユニット401は、垂直方向から、装置本体111側に5°傾斜して取付けられている。即ち、本実施例では顎受け調整ねじ404の中心軸が垂直(Z)方向に対して5°傾斜されている。これにより、被験者は顔を垂直ではなくやや下方に向いた自然な姿勢にて測定眼の測定を受けることが可能となり、長時間の撮影でもその負担が軽減される。なお、本実施例においては、顔受けユニット401の傾斜角度を5°としているが、これに限定されるものではなく、その傾斜角度は任意に選択することができる。
なお、以上述べた本実施例における顔受けユニット401は、被検査物たる被験者の顔(より詳細には眼)の位置を所定位置に保持する保持手段として機能する。該保持手段に対しては、被検査物たる人の顔がこれに当接して、該被検査物の位置を固定する。また、該保持手段は前述したように鉛直方向から装置本体111側に所定の角度として5°だけ傾斜させて被検査物を支持する。
光線角度変更部301は、直動ガイド302を介して額当て402の前方に取付けられ、該直動ガイド302によって被検者に対して左右方向に移動できる構成になっている。従って、測定眼の左右切り替え時に、該光線角度変更部301を該測定眼に対応する位置へ移動させることができる。
AO−SLO装置101は、不図示の設置台の上に置かれている。本実施例においては、設置台として、電動で上下動可能な電動光学台を使用しているが、テーブルや定盤なども設置台として選択可能である。
図2には、本実施例における光線角度変更部301の断面図が示されている。光線角度変更部301は、本体鏡筒305、接眼側レンズホルダ304−1、接眼側レンズ303−1、装置側レンズホルダ304−2、装置側レンズ303−2、第一ミラー306−1、及び第二ミラー306−2により構成されている。測定眼と対向して配置される接眼側レンズ303−1(対物レンズ)は、接眼側レンズホルダ304−1に挿入されて固定されている。装置本体111の接眼部108と対向して配置される装置側レンズ303−2も同様に、装置側レンズホルダ304−2に挿入されて固定されている。各レンズホルダはさらに、本体鏡筒305に設けられた取付けねじ部に対してねじ込まれて固定されている。
第一ミラー306−1は、接眼側レンズ303−1の光軸に対して45°の角度で本体鏡筒305内に配置されている。また、第二ミラー306−2は、第一ミラー306−1に対し、2.5°傾斜して配置されている。さらに、装置側レンズホルダ304−2は、装置側レンズ303−2が、第二ミラー306−2に対して45°の角度で配置されるようになっている。光線角度変更部301内の光学部材を以上のように配置することにより、顔受けを傾斜させた場合であっても、測定光を被検者の視線方向と平行としつつ、被検眼への測定光の照射時の光軸角度を斜め上方向にすることができる。また、光軸角度を斜め上方とした場合においても、装置本体と被検眼との相対距離を調整する時の、被検眼に対する上下方向のずれを抑制することができる。
次に、図3を用いて、ヘッド部103に内蔵されている光学系について、具体的に説明する。
光源201−1から出射した光は、光カプラー231によって参照光205と測定光206−1とに分割される。測定光206−1は、シングルモードファイバー230−4、空間光変調器259、XYスキャナ219−1、及びダイクロイックミラー270−1等を介してヘッド部103上の射出口108より射出される。射出された測定光206−1は、光線角度変更部301に入射し、さらに装置側レンズ303−2、第二ミラー306−2、第一ミラー306−1、及び接眼側レンズ303−1を通り、5°上方向に射出される。その後、観察対象である被検眼207に導かれる。ここで、顔受けユニット401自体は、前述したように装置側に5°傾斜しているため、被検者の視軸は5°下方向に向いており、光線角度変更部301により射出される測定光206−1の光路と視軸とが平行になる。
測定光206−1は、被検眼207によって反射あるいは散乱された戻り光208となり、前述した光路を逆行し、光カプラー231を介して、ディテクター238−1に入射される。ディテクター238−1は、戻り光208の光強度を電圧に変換し、その信号を用いて、被検眼207の平面画像が構成される。なお、本実施例では、以上に述べた測定光を導く光学系の全体を主にレンズを用いた屈折光学系により構成している。しかし、レンズの代わりに球面ミラーを用い、該光学系を反射光学系によって構成することもできる。
また、本実施例では、収差補正デバイスとして反射型の空間光変調器を用いたが、透過型の空間光変調器や、可変形状ミラーを用いても構成することができる。
本実施例におけるヘッド部103の構成について以上で簡単に述べたが、個々の用途に応じた構成に分けてその内容について改めて以降に詳述する。
<AO−SLO部の光源>
AO−SLO部の光源201−1の周辺について説明する。光源201−1は、代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。該光源201−1より射出される光の波長は、眼を測定することを考慮すると、近赤外光が適する。さらに、当該波長は得られる平面画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましい。これより、射出される光の中心波長は840nmを、そのバンド幅は50nmを本実施例では採用している。ここでは、スペックルノイズの少ない平面画像を取得するために低コヒーレント光源を選択している。
なお、光源の種類は、ここでは、SLDを選択したが低コヒーレント光が出射できればよくASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。さらに、本実施例では中心波長840nmの測定光を用いているが、観察対象の測定部位によっては他の波長を選んでも良い。
<AO−SLO部の参照光路>
次に、AO−SLO部の参照光205の光路について説明する。
光カプラー231によって前述した低コヒーレント光より分割された参照光205は、光ファイバー230−2を介して、光量測定装置264に入射される。光量測定装置264は参照光205の光量を測定し、測定光206−1の光量をモニターする用途に用いられる。
<AO−SLO部の測定光路>
次に、AO−SLO部の測定光206−1の光路について説明する。
光カプラー231によって先述した低コヒーレント光より分割された測定光206−1は、シングルモードファイバー230−4を介してレンズ235−1に導かれ、ビーム径4mmの平行光になるよう調整される。
平行光とされた測定光206−1は、ビームスプリッタ258−1を通過し、さらにレンズ235−5〜6を通過した後、空間光変調器259に入射される。ここで、空間光変調器259は、制御PC120からドライバ部281内の空間光変調器駆動ドライバ288を介して制御される。
次に、測定光206−1は、空間光変調器259にて変調され、レンズ235−7〜8を通過した後、XYスキャナ219−1のミラーに入射される。ここでは、説明等の単純化のため、XYスキャナ219−1は一つのミラーとして記したが、実際にはXスキャナとYスキャナとを構成する2枚のミラーが近接して配置されている。該XYスキャナ219−1は、網膜227上において、測定光206−1の光軸に垂直な方向に該測定光206−1をラスタースキャンするものである。
測定光206−1の光束の中心は、XYスキャナ219−1のミラーの回転中心と一致するように調整されている。ここで、Xスキャナは測定光206−1を紙面に平行な方向に走査するスキャナであり、本実施例では共振型スキャナをこれに用いている。該共振スキャナの駆動周波数は約7.9kHzである。またYスキャナは、測定光206−1を紙面に垂直な方向に走査するスキャナであり、本実施例ではガルバノスキャナを用いている。該ガルバノスキャナの駆動波形はのこぎり波であり、その周波数は32Hz、デューティ比は16%である。Yスキャナの駆動周波数は、AO−SLO像の撮像のフレームレートを決定する重要なパラメータである。また、XYスキャナ219−1は制御PC120からドライバ部281内の光スキャナ駆動ドライバ282を介して制御される。
レンズ235−9〜10は、網膜227で測定光206−1を走査するための光学系である。走査時において、測定光206−1は、装置側レンズ303−2付近を支点としてそのスキャンが実行される。さらに第二ミラー306−2、第一ミラー306−1および接眼側レンズ303−1を経た測定光206−1は、同様に、角膜226の付近を支点として、網膜227上をスキャンする。なお、本実施例で用いる測定光206−1のビーム径は4mmであるが、より高分解能な光画像を取得するためにビーム径はより大径化してもよい。
また、電動ステージ217−1は、レンズ235−10を支持し、これを矢印で図示している測定光206−1の光軸に沿った方向に移動することができる。電動ステージ217−1は、制御PC120からドライバ部281内の電動ステージ駆動ドライバ283を介して制御される。レンズ235−10の位置を調整することで、被検眼207の網膜227における所定の層に、測定光206−1を合焦し当該層を観察することが可能になる。
また、被検眼207が屈折異常を有している場合にも対応できる。
測定光206−1は、以上の光学部材等を経て被検眼207に入射すると、網膜227からの反射や散乱により戻り光208となり、これまでの光路を逆行する。そして、再び光カプラー231に導かれ、シングルモードファイバー230−3を介してディテクター238−1に到達する。ディテクター238−1は、例えば高速・高感度な光センサであるAPD(Avalanche Photo Diode)やPMT(Photomultiplier Tube)が用いられる。ディテクター238−1では、導かれた戻り光の光強度を電圧に変換する。この変換により得られた信号に基づいて、被検眼207のAO−SLO平面画像が構成される。
<WF−SLO部全体>
次に、WF−SLO部について説明する。
WF−SLO部は基本的にAO−SLO部と同様の構成となっている。従って、重複する部分ついては説明を省略する。
光源201−2から出射した光は、レンズ235−2、レンズ235−11〜14、XYスキャナ219−2、ダイクロイックミラー270−1〜3等を介して接眼部108より射出される。また接眼部108より射出された光は光線角度変更部301を経て観察対象である被検眼207に導かれる。光源201−2は、AO−SLO部と同様にSLDである。測定に用いられる光の中心波長は920nmであり、当該光のバンド幅は20nmである。
<WF−SLO部の測定光路>
次に、測定光206−2の光路について説明する。
前述したように、光源201−2から射出された測定光206−2は、レンズ235−2、レンズ235−11〜14、XYスキャナ219−2、ダイクロイックミラー270−1〜3等を経て、接眼部108より射出される。その後、光線角度変更部301を介して観察対象である被検眼207に導かれる。
レンズ235−14は電動ステージ217−2に支持されており、これにより該レンズ235−14の測定光206−1の光軸に沿った方向の移動を可能とする。電動ステージ217−2は、制御PC120からドライバ部281内の電動ステージ駆動ドライバ283を介して制御される。レンズ235−14の位置を調整することで、被検眼207の網膜227における所定の層に、測定光206−2を合焦し当該層を観察することが可能になる。
XYスキャナ219−2は一つのミラーとして記しているが、実際にはXYスキャナ219−1と同様に、XスキャナとYスキャナとを構成する2枚のミラーが近接して配置されている。Xスキャナは、測定光206を紙面に平行な方向に走査するスキャナであり、本実施例では共振型スキャナをこれに用いている。該共振スキャナの駆動周波数は約3.9kHzである。また、Yスキャナは、測定光206−2を紙面に垂直な方向に走査するスキャナであり、本実施例ではガルバノスキャナをこれに用いている。Yスキャナの駆動波形はのこぎり波であり、その周波数は15Hz、デューティ比は16%である。Yスキャナの駆動周波数は、WF−SLO像のフレームレートを決定する重要なパラメータである。本実施例で、測定光206−2のビーム径は1mmに設定されているが、より高分解能な光画像を取得するために、ビーム径はより大径化してもよい。
測定光206−2は、被検眼207に入射すると網膜227からの反射や散乱により戻り光208となる。該戻り光208は、再び光線角度変更部301を通過し、さらにダイクロイックミラー270−1〜3、レンズ235−13〜14、レンズ235−2〜4、XYスキャナ219−2、ビームスプリッタ258−2等を介してディテクター238−2に到達する。ディテクター238−2では、導かれた戻り光の光強度を電圧に変換する。この変換により得られた信号に基づいて、被検眼207のWF−SLO平面画像が構成される。
<ビーコン部の説明>
次に、本実施例で、被検眼207にて発生する収差を測定するためのビーコン部(収差補正部)について説明する。
光源201−3から射出された測定光206−3は、レンズ235−15〜16、ダイクロイックミラー270−4、及びダイクロイックミラー270−2を経て接眼部108より射出される。測定光206−3は、その後光線角度変更部301を介して観察対象である被検眼207に導かれる。ここで、測定光206−3は、角膜226からの反射を避けるために、被検眼207の中心から偏心して入射される。
レンズ235−16は電動ステージ217−3に支持されており、これにより該レンズ235−16の測定光206−3の光軸に沿った方向の移動を可能とする。電動ステージ217−3は、制御PC120からドライバ部281内の電動ステージ駆動ドライバ283を介して制御される。レンズ235−16の位置を調整することで、被検眼207の網膜227における所定の層に、測定光206−3を合焦することが可能になる。
戻り光208の一部は、光線角度変更部301及び前述したAO−SLOの光学系の光路を逆行してダイクロイックミラー258−1に至る。当該戻り光208の一部は、ダイクロイックミラー258−1で反射された後、ピンホール298を介して、波面センサ255に入射される。波面センサ255では、被検眼207で発生する戻り光208の収差が測定される。
ここで、ピンホール298は、戻り光208以外の不要光を遮蔽する目的で設置されている。波面センサ255は、制御PC120に電気的に接続されている。波面センサ255は、シャックハルトマン方式の波面センサであり、測定レンジは−10D〜+5Dとなっている。得られた収差は、ツェルニケ多項式を用いて表現され、これは被検眼207による収差を示している。ツェルニケ多項式はチルト(傾き)の項、デフォーカスの項、アスティグマ(非点収差)の項、コマの項、トリフォイルの項等からなる。なお、本実施例で光源201−3より発せられる測定光206−3の中心波長は760nm、その波長幅は20nmである。
また、被検眼207の角膜226とXYスキャナ219−1と波面センサ255と空間光変調器259とは光学的に共役になるようレンズ235−5〜10等の光学部材が配置されている。そのため、波面センサ255は、被検眼207による収差を測定することが可能になっている。また、空間光変調器259は被検眼207による収差を補正することが可能になっている。
<固視灯部>
固視灯256は、発光型のディスプレイモジュールからなり平面状の表示面(□27mm、128×128画素)を有する。ディスプレイモジュールとしては、液晶、有機EL、LEDアレイ等を用いることができる。被検眼207が、固視灯256からの光束257を注視することで、被検眼207の固視が促される。固視灯256の表示面には例えば図4(b)に示すように、任意の点灯位置265に十字のパターンが点滅して表示される。
固視灯256からの光束257は、レンズ235−17〜18、ダイクロイックミラー270−1〜3、を経て接眼部108より射出される。射出された光束257は、さらに光線角度変更部301を介して網膜227に導かれる。また、レンズ235−17、18は、固視灯256の表示面と網膜227とが光学的に共役になるよう配置される。固視灯256は制御PC120と接続され、制御PC120からドライバ部281内の固視灯駆動ドライバ284を介して制御される。
レンズ235−18は電動ステージ217−4に支持されており、これにより該レンズ235−18の光束257の光軸に沿った方向の移動を可能とする。電動ステージ217−4は、制御PC120からドライバ部281内の電動ステージ駆動ドライバ283を介して制御される。レンズ235−18の位置を調整することで、固視灯の明示と雲霧とが可能になる。
<前眼部観察部>
次に、前眼部観察部について説明する。
前眼部照明光源201−4から照射された光は、被検眼207を照らし、その反射光がダイクロイックミラー207−1、2、4、レンズ235−19、20を介してCCDカメラ260に入射する。本実施例で、光源201−4は中心波長740nmの照明光を発するLEDを用いている。
<波長>
前述したAO−SLO部、WF−SLO部、ビーコン部、固視灯部、及び前眼部観察部の各々に用いられている光源の発する測定光等の波長分布を図4(a)に示す。本実施例ではこれらのそれぞれの光をダイクロイックミラー270−1〜4で分けるために、個々の測定光等がそれぞれ異なる波長帯になるようにしている。なお、図4各光源の波長の違いを示すものであり、実際の測定光等におけるその強度およびスペクトル形状を規定するものではない。
<画像化>
次に、上述した各部を用いての撮像画像の生成方法について説明する。
ディテクター238−1において入射された光は、光の強度が電圧に変換される。ディテクター238−1で得られた電圧に基づく信号は、制御PC120内のADボード276−1にてデジタル値に変換される。デジタル変換により得られたデータには、さらに制御PC120にてXYスキャナ219−1の動作や駆動周波数と同期させるデータ処理が行われるこの。データ処理の結果、AO−SLO画像が生成される。ここで、ADボード276−1の取り込み速度は15MHzである。
同様に、ディテクター238−2で得られた電圧信号についても、制御PC120内のADボード276−2にてデジタル値に変換される、得られたデータはXYスキャナ219−2の動作や駆動周波数との同期が図られ、そのデータ処理の結果WF−SLO画像が生成される。
<撮像手順>
次に、本実施例のAO−SLO装置における眼底画像の撮像手順について説明する。
図5は撮像手順を示すフローチャートである。以下に、各工程について詳しく述べる。
(工程1)装置を立ち上げ各種確認を行う
制御PC120及びAO−SLO装置101の電源を入れる。次に、測定用の制御ソフトを起動すると、図6に示す制御ソフト画面が液晶モニター105に表示される。ここで被検者に顔受けユニット401に対して顔をセットしてもらい、検者が顎受け調整ねじ404を回転させることで、顎受けの高さを被検者に合わせて調整する。さらに、光線角度調整部301を、測定対象の眼に合わせて左右に移動させる。
(工程2)前眼部画像を取得する
制御ソフト画面の実行ボタン501を押すと、前眼部モニター512に被検眼207の前眼部の画像が表示される。画面中央に被検眼207の瞳孔の中心が正しく表示されていない場合、まずジョイスティッ104を用いてヘッド部103を移動させ、該瞳孔中心を略正しい位置に動かす。さらに調整が必要な場合は、制御画面上の電動ステージボタン503を押し、前述した顔受け用電動ステージにより顔受け駆動部405をXYZ方向に微動させる。
(工程3)WF−SLO像を取得する
画面中央に瞳孔中心が位置した略正しい状態で前眼部画像が前眼部モニター512に表示された場合、WF−SLO像がWF−SLOモニター515に表示される。表示後、固視灯位置モニター513で固視灯の点灯位置を画面の中央位置に設定し、被検眼207の視線を中心に誘導する。
次に、WF−SLO強度モニター516を見ながら、フォーカス調整ボタン504を調整して、戻り光のWF−SLO強度が大きくなるように調整する。WF−SLO強度モニター516には横軸時間、縦軸信号強度でWF−SLO部で検出された信号強度が時系列に表示されている。フォーカス調整ボタン504を調整することで、レンズ235−10、14、16、18の位置が同時に調整される。
WF−SLO像が鮮明に表示された場合、WF−SLO記録ボタン517を押して制御PC120内に配置される不図示のメモリに、該WF−SLO画像及び該画像を得た際の各レンズの位置等に関するWF−SLOデータを保存する。
(工程4)AO−SLO像取得位置を決定する
WF−SLOモニター515に表示された被検眼207のWF−SLO像を確認し、AO−SLO像を取得したい位置を後述の手段を用いて決める。次に、その位置がWF−SLOモニター515の中央にくるように被検眼207の視線を固視灯256により誘導する。AO−SLO像を取得したい位置がWF−SLOモニター515上の中央に移動したのを確認して、次の工程に移る。
(工程5)収差補正を行う
収差測定ボタン506を押すと、波面センサモニター514に波面センサ255で検出されたハルトマン像が表示される。このハルトマン像から計算された収差が収差補正モニター511に表示される。収差はデフォーカス(defocus)成分(μm単位)と、全ての収差量(μmRMS単位)に分けて表示される。ここで、工程3において、AO−SLO測定光とビーコン光のフォーカスレンズであるレンズ235−10、16の位置がそれぞれ調整されているため、この工程での収差測定が可能な状態になっている。
ここで自動フォーカスボタン521を押すと、デフォーカスの値が小さくなるようにレンズ235−10、14、16、18の各々の光路上の位置が自動的に調整される。
次に収差補正ボタン522を押すと、収差量が小さくなる方向に自動的に空間光変調器259が調整され、リアルタイムに収差量の値が収差補正モニター511に表示される。ここで、収差量の値が事前に決めておいた閾値(例えば0.03μmRMS)以下になると自動的にAO−SLO測定ボタン507が押され、次の工程に移動する。ここで、収差量の閾値は任意に設定できる。また、閾値以下にならない場合には、収差補正一時停止ボタン508を押し、収差補正を停止したのち、AO−SLO測定ボタン507を押すことにより次の工程に移動する。
(工程6)AO−SLO像を取得する
AO−SLO測定ボタン507が押されると、AO−SLO測定光206−1が被検眼207に照射される。AO−SLOモニター518に収差補正済みのAO−SLO像が表示される。また、AO−SLO強度モニター519には、WF−SLO強度モニター516と同様に、AO−SLO部で検出された戻り光の信号強度が時系列に表示される。
表示される信号強度が不十分な場合には、AO−SLO強度モニター519を見ながらフォーカス、顎受け位置を調整し、信号強度が大きくなるように調整する。
AO−SLO像が鮮明に表示された場合、AO−SLO記録ボタン520を押して、前述したメモリに対して該AO−SLO画像及び該画像を得た際の各レンズの位置等に関するAO−SLOデータを保存する。
(工程7)次の動作を選択する
撮像位置の変更を行う場合には工程7−1を経て工程4に、左右眼の切り替えを行う場合には工程7−2を経て工程2に戻る。左右眼を切り替える場合には、光線角度変更手段の位置を対象となる眼の正面に移動させる。撮像を終了する場合には、次の工程に移動する。
(工程8)終了する
STOPボタン502を押すと、制御ソフトが停止する。
以上のべたように、本発明では被検眼207へ入射させる際の測定光の光軸の入射角度を変更する光線角度変更手段を有することを特徴として、これを測定光の光軸方向において被検眼207と装置本体111との間に配置することとしている。そして、該光線角度変更手段は、装置本体111の外部に配置されて、該光線角度変更手段によって角度が変更される前の測定光の光軸方向において、顔受け401との距離が一定であるように構成されている。本発明では保持手段たる顔受け401が、鉛直方向から装置本体側に所定角度傾斜させた状態で被検査物の姿勢を維持することとしている。当該構成とすることにより、装置本体111の該光軸方向で移動の有無に係わらず、また被検査物の該測定光に対する傾斜の角度に係わらず、光軸と被検査物の側の被検査領域の中心軸との平行関係が維持され、且つ測定光の被検査物に対する入射角度も一定に維持可能となる。
なお、本発明においては、更に上述しているように、光線角度変更手段の測定光の光軸方向での被検査物に対する距離を一定に維持した状態で、例えば被検眼の左右に対応できるように左右方向への移動が可能となっている。また、この左右方向への移動は直動ガイド302により可能とされるが、左右方向可動手段として公知の直動機構を用いることが可能である。更に、前述したように、この左右方向可動手段は、装置本体111と光線角度変更手段とを連結させる等して光線角度変更手段の左右動作と連動させることが好ましい。またこれをソフト的に行ってもよい。また、光線角度変更手段が装置本体の外部に配置された実施例を示しているが、本発明は本態様に限定されず、該光線角度変更手段が装置本体を含めた同一筐体の内部に配置されても良い。
更に本実施例では、保持手段は所定角度傾けて被検査物を支持しているが、当該傾斜角度は本実施例において光線角度変更手段によって角度変更された後の測定光の光軸と直交するように配置されている。
また、光線角度変更手段は、前述したように測定光を反射してその向きを変えるミラーを内部に有する。その際、該光線角度変更手段は、さらに光源部とミラーとの間に配置される第一のレンズと、ミラーと被検眼207との間に配置される第二のレンズを有する。また、該ミラーは、第一のレンズを通過した測定光を反射する第一のミラーと、第一のミラーで反射された測定光を第二のレンズへ反射する第二のミラーとを有している。本実施例として例示される本態様により、簡易な構成により光線角度変更手段を構築することが可能となる。
本実施例によれば、顔受けを装置側へ傾斜させたときの、ヘッド部103の前後方向移動による被検眼の視軸と測定光軸の高さずれを、装置を傾斜させることなく回避することができる。また、顔受けを傾斜させることを可能としたことで、長時間の撮像の場合であっても被検者への負担が軽減される。
さらに、装置を水平のままにしているため、手動での操作が可能となる。電動での駆動と比較して、手動操作では装置を動かす感覚がつかみやすく、位置合わせ等の操作が楽に行えるため、検者への負担軽減や撮像成功率の向上といった効果が得られる。
実施例2では、ヘッド部103の左右および上下の動作に対し、光線角度変更部301が連動して動作する構成となっている。本実施例も、実施例1と同様のAO−SLO装置に適用した。従って、AO−SLO装置の構造および光学系ならびに撮像手順の説明は実施例1と同様であるのでここでの説明は省略する。
図7には、本実施例における光線角度変更部301の周辺の構成が示されている。本実施例においては、光線角度変更部301自体の構成は実施例1と同じであるが、実施例1における光線角度変更部301の可動方向である左右方向に加え、上下方向にも移動可能となっている。
具体的な構成として、光線角度変更部301は、ホルダ701を介して、2本のガイドシャフト702に固定されている。ガイドシャフト702は、横移動プレート703に取付けられた二つの滑り軸受705にそれぞれ貫挿されている。このため、光線角度変更部301は、ガイドシャフト702の長さの範囲において、該ガイドシャフト702の延在方向に自在に移動することが可能である。さらに、横移動プレート703は、直動ガイド704を介して額当て402の前部のプレートに固定されており、左右方向に自在に移動可能である。
以上の構成により、光線角度変更部301は、被検者に対して、前述した傾斜角度を保持したまま上下左右、即ち顔面に正対する平面内に移動することができる。
また、射出口108の両側面には、被検者に対し前後(Z)方向に向かって摺動可能な直動ガイド706が取付けられている。直動ガイド706には、該前後方向に延在する接続プレート707の一端が取付けられている。さらに、接続プレート707の他端は、光線角度変更部301に固定されている。
このように構成することで、光線角度変更部301は、ヘッド部103の動きに対して、上下(略Y)方向および左右(X)方向には従動するのに対し、前後(Z)方向にはヘッド部103のみが移動する。
撮像手順としては、実施例1に記載のものと同様であるが、本実施例においては、光線角度変更手段301の位置調整は不要であり、検者は、装置立ち上げ後、すぐに撮像に入ることが可能である。撮像対象眼を切り替える場合にも、ヘッド部103を動かすことで、光線角度変更手段301の移動も同時に完了する。
本実施例によれば、撮像対象眼に合わせて、光線角度変更部301を動作させることが不要になる。従来の眼科機器と同様、検者はヘッド部の位置合わせのみを行えばよいので、検者への負担が軽減される。
本実施例においては、直動ガイド、滑り軸受けとシャフトという構成をとり、被検者の眼前に吊り下げるように配置しているが、このような構成に限定されるものではない。これら構成を本体ベースプレート106に設置することも可能である。また、電動で動作を行い、連動させることも可能であり、駆動方法や設置方法は適宜選択し組み合わせることができる。
被検眼の視軸と直交する方向、若しくは角度変更後の測定光の光軸と左右方向とに直交する上下方向に光線角度変更手段を移動可能とする上下方向移動手段を配することにより、測定光の光軸と被検眼の視軸等との平行関係の維持が広範囲に維持可能となる。本実施例では、前述した直動ガイド、滑り軸受けとシャフトという構成より該上下方向可動手段は構成される。また、前述したように、この上下方向可動手段による光線角度変更手段の上下方向移動は、装置本体111の上下方向移動と連動して行われることが好ましく、直動ガイド706及び接続プレート707は当該連動を行う上下方向連像手段として機能する構成の一態様として例示される。
実施例3では、顔受け401と、光線角度変更部301の角度を自由に設定可能な構成とした。本実施例も、実施例1と同様のAO−SLO装置に適用した。従って、AO−SLO装置の構造および光学系ならびに撮像手順の説明は実施例1と同様であるのでここでの説明は省略する。
図8は、本実施例における顔受け駆動部801の概略図を示す。本実施例に係る顔受け駆動部801は、顔受け駆動部ベース802、軸受け803−1、2、回転軸804、顔受け支柱805、ギア806、808、顔受け駆動モーター807及びエンコーダー809を有する。
顔受け駆動部ベース802には、軸受803−1および803−2が取付けられている。軸受803−1〜2には、回転軸804が、回転自在に貫挿されている。回転軸804には、顔受け支柱805が固定されている。回転軸804が回転すると、顔受け支柱805も共に回転する。回転軸804の先端には、ギア806が取付けられている。ギア806には、顔受け駆動モーター807に取付けられたギア808がかみ合わされており、顔受け駆動モーター807の回転により、回転軸804が回転する。
顔受け駆動モーター807には、回転量を測定するエンコーダー809が内蔵されている。該エンコーダー809は、本実施例において被検査物の鉛直方向に対する傾斜角度を検出する角度検出手段として機能する。顔受け駆動モーター807は、制御PC120に接続され、そこからの指令を、顔受け駆動モータードライバ295(図3参照)に出力することにより、指定の回転方向に駆動される。ここでは、顔受け駆動モーター807から回転軸804への回転の伝達にギアを用いたが、回転軸804を回転可能であれば他の伝達方法を選択してもよい。顔受け支柱805の先には、図1に示す顎台403や額当て402等が設置される。
図9は本実施例における光線角度変更部301が示されている。なお、本実施例では実施例1の本体鏡筒305が二つの部材に分離されているが内部に配される光学部材等に関しては実施例1に示された構成と同じであるため、個々の光学部材のここでの説明は省略する。
本実施例の光線角度変更部301における本体鏡筒は、接続部で回転可能に構成された接眼側鏡筒902と装置側鏡筒903とに分離される。本実施例において、接眼側鏡筒902には接眼側レンズホルダ304−1、接眼側レンズ303−1及び第一ミラー306−1が、装置側鏡筒903には装置側レンズホルダ304−2、装置側レンズ303−2及び第二ミラー306−2が、各々配置される。
接眼側鏡筒902には、鏡筒接続プレート904−1〜2が固定されている。装置側鏡筒903の両側面には、支点905−1〜2が取付けられている。支点905−1〜2の中心軸は、装置側鏡筒903の内部の第二ミラー306−2における反射面の中心線と一致するように設計されている。よって、支点905−1〜2を支持して、装置側鏡筒903を回転させた場合、装置側鏡筒903は、第二ミラー306−2反射面の中心線回りに回転する。支点905−1〜2は、鏡筒接続プレート904−1〜2に取付けられたベアリング906−1〜2に貫挿されており、装置側鏡筒903は、接眼側鏡筒902に対して回転自在に接続されている。
支点905−1の先端には、ギア907が取付けられ、さらに鏡筒駆動モーター908の先端のギア909と噛みあわされている。支点905、ベアリング906、ギア907および909、および鏡筒駆動モーター908によりミラー角度調整手段が構成されている。本実施例では、鏡筒駆動モーター908は一方の鏡筒接続プレート904−1に固定されている。鏡筒駆動モーター908は、制御PC120に接続され、そこから、鏡筒駆動モータードライバ296(図3参照)に指令を送ることにより指定の回転方向に回転する。鏡筒駆動モーター908の回転により、装置側鏡筒903が回転し、接眼側鏡筒902に対する角度が変更される。前述したように装置側レンズ303−2および第二ミラー306−2は、装置側鏡筒903に取付けらえており、装置側鏡筒903の回転と共に回転する。
即ち、本実施例では、該ミラー角度調整手段により、前述した第一ミラー306−1及び第二ミラー306−2の両方、或いはいずれかの測定光に対する角度を変更可能とする。また、該ミラー角度調整手段は、角度検出手段たるエンコーダー等に検出された傾斜角度に基づいてその調整量が決定される。また、装置側鏡筒903の回転においては、第二ミラー306−1と装置側レンズ303−2とが一体に駆動される。なお、当該回転駆動は、接眼側レンズ303−1及び第一ミラー306−1と共に接眼側鏡筒902が、装置側鏡筒903に対して相対的に回転駆動されるとも把握可能である。
図10は、本実施例におけるSLO装置の操作画面であるSLO制御ソフト画面を示す。なお、図6に示した実施例1の操作画面上の各構成と同一の構成については、同じ参照番号を用いて示すことでここでの説明は省略する。
本実施例において、検者は、実施例1において述べた手順に従って装置を立ち上げた後、顔受けを所望の角度に変更する。具体的には、操作画面において、現在の顔受け401の傾斜角度が、顔受け角表示部530に表示される。顔受け401の角度を調整する場合は、角度設定ボタン531を押下するか、顔受け角表示部530に所望の角度を入力する。入力された角度に従って、制御PC120は、顔受け駆動モーター807および鏡筒駆動モーター908へ駆動指令を出す。駆動指令は、顔受け駆動部801の回転軸804周りの回転角度と、光線角度変更部301の支点905−1〜2周りの回転角度とが同じ角度で、且つ同じ方向に回転する指示を含むように制御PC120で調整されている。各駆動モーターの回転により、顔受け401および光線角度変更部301の装置側鏡筒903の角度が変更され、検者の所望の角度に調整される。顔受け401および装置側鏡筒903が等しい角度だけ回転するので、角度変更後も、被検者の視軸と測定光軸は平行が保たれる。なお、顔受け401の角度調整後、実施例1において記載した通りの手順で以降の撮像を行う。
設定された顔受け401の角度情報は、測定データとともに被検者IDにひも付けされ、二回目以降の検査時には、前回の設定角度が初期値として読み込まれ、角度が設定される。この設定角度への設定は、前述した駆動モーター等により構成される所定の角度を調整可能な角度調整手段により実行される。
本実施例によれば、顔受け401の角度を、被検者毎の体型や好みに合わせて調整することができるため、多くの被検者に対する負担を軽減することが可能である。また、顔受けを傾斜させ、測定光を被検者の視線方向と平行にするために、測定光の光軸角度を斜め上方向にする場合においても、装置本体と被検眼との相対距離を調整する時の、被検眼に対する上下方向のずれを抑制することができる。装置本体は水平面内の移動のままなので、装置の構造が複雑化することもない。
なお、前述した実施例においては、高分解能の平面画像を撮像するために、補償光学を備えたAO−SLO装置に本発明を適用している例を示した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、補償光学を備えていないSLO装置全般に対して適用することが可能である。さらには、測定光を被検眼に照射して測定を行う他の眼科装置にも好適に用いることができる。さらに、顔受けと、光線角度変更部を一つのユニットとして用いることで、既存の水平駆動の装置に対して、顔受けを傾斜させることができ、被検者の負担を低減することも可能である。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、変更して実施することができる。例えば、上記の実施例では、被検査物が眼の場合について述べており、検査時に顔を固定する際の被験者への負荷の低減を目的とした例を示している。しかし、検査対象が眼以外の皮膚や臓器等の被検査物の場合であっても、測定時に負荷のかかる姿勢が求められるようなに場合に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される検査装置として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが望ましい。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
101AO−SLO装置
120制御PC
301光線角度変更部
306−1第一ミラー
306−2第二ミラー
807顔受け駆動モーター
902接眼側鏡筒
903装置側鏡筒
908鏡筒回転モーター
530顔受け角度表示部

Claims (14)

  1. 被検査物の位置を保持するための保持手段と、
    被検査物に導かれる測定光を発する光源部、及び前記被検査物を介した前記測定光の戻り光より前記被検査物の画像を取得する撮像部を有して前記測定光を射出すると共に、前記保持手段に対して相対移動が可能な装置本体と、
    前記測定光の光軸方向において前記装置本体と前記保持手段との間に配置されて、前記測定光の光軸の角度を変更する光線角度変更手段と、を有し、
    前記光線角度変更手段は、前記角度が変更される前の前記光軸方向の前記保持手段との距離が一定であることを特徴とする検査装置。
  2. 前記光線角度変更手段は、前記被検査物に対して、前記光軸方向の距離を一定に維持して、前記光軸方向に直交する左右方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記光線角度変更手段は、前記装置本体の前記左右方向の移動と連動して前記左右方向の移動を行うことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記光線角度変更手段は、前記左右方向と角度が変更された光軸の方向とに直交する上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査装置。
  5. 前記光線角度変更手段は、前記角度が変更される前の前記光軸方向と前記左右方向とに直交する前記装置本体の上下方向移動と連動して、前記光線角度変更手段の前記上下方向の移動を行うことを特徴とする請求項4に記載の検査装置。
  6. 前記光線角度変更手段は、前記測定光を反射するミラーを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検査装置。
  7. 前記ミラーは、前記測定光に対する角度を変更可能に構成された、ミラー角度調整手段を有することを特徴とする請求項6に記載の検査装置。
  8. 前記保持手段は、前記被検査物の前記鉛直方向に対する傾斜角度を検出する角度検出手段をさらに有し、
    前記ミラー角度調整手段は、前記角度検出手段により検出された角度をもとに、調整量を決定することを特徴とする請求項7に記載の検査装置。
  9. 前記光線角度変更手段は、前記光源部と前記ミラーとの間に配置される第一のレンズと、前記ミラーと前記被検査物との間に配置される第二のレンズを有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の検査装置。
  10. 前記光線角度変更手段が有する前記ミラーは、前記第一のレンズを通過した前記測定光を反射する第一のミラーと、前記第一のミラーで反射された測定光を前記第二のレンズへ反射する第二のミラーとを有し、
    前記ミラー角度調整手段は、前記第一のミラーと前記第一のレンズとを一体に駆動することを特徴とする請求項9に記載の検査装置。
  11. 前記保持手段は、鉛直方向から前記装置本体側に所定の角度だけ傾斜させて前記被検査物を支持することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の眼科装置。
  12. 前記保持手段は、前記所定の角度を調整可能な角度調整手段を有することを特徴とする請求項11に記載の検査装置。
  13. 前記光線角度変更手段は、前記装置本体の外部に配置されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の検査装置。
  14. 前記被検査物が眼であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の検査装置。
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