JP2016001140A - 画像処理による線条温度監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤検出を低減し且つ線条の温度上昇部を確実に検出することができる画像処理による線条温度監視装置を提供する。【解決手段】画像処理による線条温度監視装置を、車両1の屋根上に設置されて線条7を撮像するカメラ2と、カメラ2によって撮像された画像を解析し線条7に貼付されたサーモラベル11の色の変化に基づいて線条7の温度を監視する線条温度監視部5とを備え、サーモラベル11が、該サーモラベル11の異常温度色と同色である基準ラベル12に隣接して線条7に貼付され、線条温度監視部5が、カメラ2によって撮像された画像からあらかじめ設定されたしきい値に基づきサーモラベル11の異常温度色を抽出する色抽出部5bと、サーモラベル11の色と基準ラベル12の色とが同色である場合に線条7の温度が上昇していると判断する検証部5gとを有する構成とした。【選択図】図2

Description

本発明は、画像処理による線条温度監視装置に関し、とくに鉄道分野におけるき電線などの線条の温度管理を行う技術に関する。
従来、鉄道分野におけるき電線などの線条の温度管理としては、温度に応じて色が変化するサーモラベルを予めトロリ線、ちょう架線、き電線などに貼付し、巡回しながらサーモラベルの色の変化を目視で確認することにより温度上昇の有無を監視している。以下、「電車線において空中に架設された線で、トロリー線、ちょう架線、き電線などの線」を「線条」と略して呼称する。
サーモラベルは電車に供給する電力を供給する線条であるき電線に貼られることが多い。き電線には圧縮箇所と呼ばれる機械的に接続した箇所があり、この圧縮箇所は抵抗損で発熱する場合があるため、圧縮箇所にサーモラベルを貼って温度監視がなされる。圧縮箇所は、例えば数百メートルごとにあり、この箇所にサーモラベルを貼って温度監視される。
また、下記特許文献1には、赤外線画像で線条を撮影し、線条の異常温度を検出する技術が開示され、下記特許文献2には、撚り合わせ電線に発色形示温体を貼付し、これを赤外線カメラで撮影して一次検査し、一次検査で疑いのある箇所について発色形示温体の発色によって温度を判定する技術が開示されている。
特開2004−352108号公報 特開2010−164407号公報
しかしながら、上述した従来のサーモラベルの色の変化によって線条の温度上昇の有無を監視する方法にあっては、長大な線条に貼付されたサーモラベルを目視で検査するという煩雑な作業を伴うという問題があった。
また、上述した特許文献1に記載された装置においては、赤外線カメラによって撮像した熱画像から所定の温度より高い部分が検出された場合にその旨をディスプレイに表示する構成であるため、熱画像に線条以外の物体が写り込んだ場合に、誤検出を行うおそれがあるという問題があった。
また、上述した特許文献2に記載された装置においては、トンネル又は屋根のある駅などにおいて、撚り合わせ電線に貼付された発色形示温体が雨等により洗浄されず、経年的に付着した汚れによって発色形示温体の色が本来の色とは異なって見える場合に、検査漏れが生じるおそれがあった。
このようなことから本発明は、誤検出を低減し且つ線条の温度上昇部を確実に検出することができる画像処理による線条温度監視装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る画像処理による線条温度監視装置は、
車両の屋根上に設置されて線条を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を解析し線条に貼付されたサーモラベルの色の変化に基づいて前記線条の温度を監視する線条温度監視手段とを備える画像処理による線条温度監視装置であって、
前記サーモラベルが、当該サーモラベルの異常温度色と同色である基準ラベルに隣接して前記線条に貼付され、
前記線条温度監視手段は、
前記撮像手段によって撮像された画像からあらかじめ異常温度色の見かけの変化を考慮して設定されたしきい値に基づき前記サーモラベルの異常温度に対応する異常温度色を抽出する色抽出部と、
前記サーモラベルの色が前記基準ラベルの色と同色である場合に前記線条の温度が上昇していると判断する検証部と
を有する
ことを特徴とする。
また、第2の発明に係る画像処理による線条温度監視装置は、第1の発明に係る画像処理による線条温度監視装置において、
前記検証部が、前記異常温度色部分の形状により前記サーモラベルの色が前記基準ラベルの色と同色であるか否かを判断する
ことを特徴とする。
また、第3の発明に係る画像処理による線条温度監視装置は、第1又は第2の発明に係る画像処理による線条温度監視装置において、
前記車両に当該車両の走行位置を検出する車両位置検出手段を設け、
前記線条温度監視手段に、前記車両位置検出手段によって検出された車両の走行位置及びあらかじめ登録された前記サーモラベルの前記線条への貼付位置に基づき前記車両の走行位置における前記ラベルの有無を検索する設備データ検索部を設け、
前記検証部が、前記異常温度色部分の形状及び前記車両の走行位置におけるラベルの有無に基づき前記異常温度色のサーモラベルを検出する
ことを特徴とする。
また、第4の発明に係る画像処理による線条温度監視装置は、第3の発明に係る画像処理による線条温度監視装置において、
前記車両の屋根上に当該車両の上方にある被測定物までの距離及び角度を測定する距離計測手段を設け、
前記線条温度監視手段に、前記距離計測手段によって計測された前記被測定物までの距離及び角度に基づき前記線条の位置を検出する前記線条検出部を設け、
前記検証部が、前記異常温度色部分の形状、前記線条の位置、及び前記車両の走行位置におけるラベルの有無に基づき前記異常温度色のサーモラベルを検出する
ことを特徴とする。
また、第5の発明に係る画像処理による線条温度監視装置は、第1から第4のいずれかの発明に係る画像処理による線条温度監視装置において、
前記撮像手段が、カラーエリアカメラである
ことを特徴とする。
また、第6の発明に係る画像処理による線条温度監視装置は、第1から第4のいずれかの発明に係る画像処理による線条温度監視装置において、
前記撮像手段が、カラーラインセンサカメラである
ことを特徴とする。
上述した本発明に係る画像処理による線条温度監視装置によれば、誤検出を低減するとともに線条の温度上昇部を確実に検出することができる。
本発明の実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置の概略構成図である。 本発明の実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置の線条温度監視部の構成を示すブロック図である。 図3(a)は本発明の実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置のカラーエリアカメラによって撮像した画像の例を示す説明図、図3(b)は線条の温度が正常である場合の色抽出の例を示す説明図、図3(c)は線条の温度が上昇した場合の色抽出の例を示す説明図である。 本発明の実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置のラベルの一例を示す説明図であって、図4(a)は線条の温度が正常な場合の例、図4(b)は線条の温度が上昇した場合の例である。 線条に図4に示すラベルを貼付する例を示す説明図である。 本発明の実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置のラベルの他の例を示す説明図であって、図6(a)は線条の温度が正常である場合の例、図6(b)は線条の温度が上昇した場合の例である。 線条に図6に示すラベルを貼付する例を示す説明図である。 本発明の実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置のラベルのさらに他の例を示す説明図であって、図8(a)は線条の温度が正常である場合の例、図8(b)は線条の温度が上昇した場合の例である。 線条に図8に示すラベルを貼付する例を示す説明図である。 本発明の実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置における処理を示すフローチャートである。 設備データテーブルの一例を示す説明図である。 本発明の実施例2に係る画像処理による線条温度監視装置の概略構成図である。 本発明の実施例2に係る画像処理による線条温度監視装置の線条温度監視部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係る画像処理による線条温度監視装置における処理を示すフローチャートである。 レーザデータの一例を示す説明図であり、図15(a)は一つの線条を検出した例、図15(b)は二つの線条を検出した例である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る画像処理による線条温度監視装置の詳細を説明する。なお、以下に示す実施例は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
図1ないし図11を用いて本発明の実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置について説明する。本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置は、色抽出と、設備データ検索によって2種のデータを収集し、2種のデータを照合することで、線条の温度上昇を検出するものである。
図1に示すように、本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置は、車両1に設けられたカラーエリアカメラ2、車両位置信号出力部4、線条温度監視部5、及び、記録部6から構成されている。また、線条7(例えば圧縮箇所)には後で詳述するラベル10を予め貼付しておくものとする。
カラーエリアカメラ2は、車両1の屋根上に鉛直上方に向けて設置され線条7を撮像する。
車両位置信号出力部4は、例えば車輪1aに取り付けられたエンコーダ又は車両1に設けられたGPS等であり、車両1の位置を検出するための信号(例えばエンコーダ信号又はGPS信号等)を出力する。
線条温度監視部5は、図2に示すように画像収録部5a、色抽出部5b、自車両位置取得部5e、設備データ検索部5f、及び、検証部5gを備えてカラーエリアカメラ2から入力される画像データ及び車両位置信号出力部4から入力される車両位置に基づいて線条7の温度上昇の有無を監視する。
画像収録部5aは、カラーエリアカメラ2によって撮像した図3(a)に一例を示すような画像(以下、入力画像という)Iを取得する。なお図3において、横軸はレール方向、縦軸は枕木方向とする。
色抽出部5bは、入力画像Iから線条7の温度が上昇して異常温度となったときのサーモラベル11の色(以下、異常温度色という)を抽出するように色選別を行う。
自車両位置取得部5eは、車両位置信号出力部4から出力される信号に基づき自車両の走行位置(車両位置)を取得する。
設備データ検索部5fは、車両位置信号に基づき現在位置におけるラベル10の有無を検索する。
検証部5gは、異常温度色のサーモラベル11(図4〜9参照)を検出する。
また、記録部6は、温度監視データ(x,y)を記録する。
ラベル10は、図4,6,8に示すように、線条7の温度に応じて色が変化するサーモラベル11と、異常温度色と同色である基準色ラベル12とからなり、図5,7,9に示すように線条7に貼付される。
具体的には、図4に示す例では、ラベル10は四角形状を二つの対角線により分割してなる四つの三角形状のうち、相互に対向する二対の三角形状の一方をサーモラベル11、他方を基準色ラベル12としてサーモラベル11と基準色ラベル12とが隣接するようにしている。
また、図6に示す例では、ラベル10はそれぞれ四角形状に形成されたサーモラベル11と基準色ラベル12とを隣接して配置している。
また、図8に示す例では、ラベル10は帯状のサーモラベル11を同じく帯状の基準色ラベル12で挟み込んでサーモラベル11と基準色ラベル12とが隣接するようにしている。
そして、図5,7又は9に示すように、ラベル10は、例えば線条7の長手方向に沿ってサーモラベル11と基準色ラベル12とが交互に位置するように、線条7に貼付されている。ここで、図5,7ではラベル10を線条7に二枚貼付し、図9ではラベル10を線条7に一枚貼付して、それぞれラベル10が概ね線条7の全周を覆うようにしている。
以下、図10を用いて本実施例の線条監視部5における温度監視処理の流れを説明する。
図10に示すように、線条監視部5では、まず、画像収録部5aによりカラーエリアカメラ2によって撮像した入力画像Iのデータを収録し(ステップP1)、色抽出部5bにより入力画像Iのデータから異常温度色の抽出を行う(ステップP2)。
具体的には、色抽出部5bでは、経年的に付着した汚れや夕焼けや西日の影響等による異常温度色の見かけの変化を考慮して、異常温度色の抽出におけるしきい値を広く設定し、入力画像Iから大まかに異常温度色を抽出する。そして、抽出した異常温度色の部分の座標(xt,yt)を出力する。
続いて、自車両位置取得部5eにより車両位置信号出力部4から入力される車両位置信号に基づき自車両の走行位置(車両位置)を取得し(ステップP3)、設備データ検索部5fにより自車両位置取得部5eによって取得した車両位置に基づきラベル10の有無(現在位置において線条7にラベル10が貼付されているか否か)を判定する(ステップP4)。
具体的には、図11に示すように、線条7に貼付されたラベル10と、各ラベル10が貼付された位置(起点からの距離)とを関連付けたデータからなる設備データテーブルTを予め登録しておく。起点は、鉄道事業者ごとに定められており, 代表例として東京駅が起点である。
そして、設備データテーブルTに基づいて自車両位置取得部5eによって取得した車両位置にラベル10が貼付されているか否かを判断する。
最後に、検証部5gにより色抽出部5bから入力された異常温度色部分の座標(xt,yt)と、設備データ検索部5fから入力された走行位置におけるサーモラベル11の有無とを照合して、異常温度色のサーモラベル11を検出する。異常温度色のサーモラベル11を検出した場合は検証結果として異常温度色部分の座標を温度監視データ(x,y)として出力する(ステップP5)。
ここで、例えば図4に示し上述したラベル10を線条7に貼付した場合、入力画像Iに対してしきい値に基づき色抽出を行うと、線条7の温度が正常である場合は、サーモラベル11が異常温度色とは異なる色であるため図3(b)に示すように基準色ラベル12のみが抽出される。これに対し、線条7の温度が異常温度に達している場合は、サーモラベル11が異常温度色となっているため図3(c)に示すようにサーモラベル11と基準色ラベル12とが一体的に抽出される。
すなわち、検証部5gでは、色抽出部5bにおいて抽出された異常温度色部分がラベル10であるか否か、及び、色抽出部5bにおいて抽出された異常温度色部分がラベル10である場合、サーモラベル11と基準ラベル12とが同色であるか否かを検証する。
サーモラベル11と基準ラベル12とが同色であるか否かは、異常温度色部分の座標(xt,yt)に基づいて異常温度色部分の形状を検証し、異常温度色部分の形状が、サーモラベル11と基準色ラベル12とが一体的に抽出された形状である場合(本実施例では異常温度色が予め設定された四角形状として抽出された場合)、サーモラベル11と基準ラベル12とが同色であって線条7の温度が異常温度まで上昇していると判断し、温度監視データ(x,y)を出力する。なお、異常温度色部分の形状が基準色ラベル12のみの形状と同一であれば、サーモラベル11と基準ラベル12とが同色ではなく、線条7の温度が正常の範囲内にあると判断する。
上述したステップP1〜ステップP5の処理は車両1の走行中繰り返し行うものとする。また、ステップP1,P2と、ステップP3,P4とは、その順番を入れ替えてもよく、また並行して行ってもよい。
このように構成される本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置によれば、線条7に貼付したサーモラベル11を確実に検出して線条7の温度上昇箇所を特定することが可能となる。
具体的には、サーモラベル11を基準色ラベル12と隣接して配置したことにより、サーモラベル11の検出漏れを防止することができる。
例えば、トンネル又は屋根のある駅などにおいて線条7に貼付されたサーモラベル11が雨等により洗浄されないことにより、経年的に付着した汚れによってサーモラベル11の色が本来の色とは異なって見える場合が考えられる。また、夕焼けや西日によってもサーモラベル11の色が本来の色とは異なって見える場合が考えられる。
これらに対し、本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置では、色抽出におけるしきい値を広くして、基準色ラベル12の色を大まかに検出し、サーモラベル11の色と基準色ラベル12の色とが同じ色であれば、異常温度と判断することにより、長大な線条7に貼付された多数のラベル10が、個々の状況(汚れや日照の影響等)でサーモラベル11の見かけの異常温度色が本来の異常温度色とは異なる場合であっても、異常温度色を検知することができるため、誤検出を低減するとともに線条の温度上昇部を確実に検出することができるという効果が得られる。
また、サーモラベル11の脱落や、想定以上の汚れにより色抽出部5bがサーモラベル11を検出できない場合であっても、車両位置信号出力部4から出力された信号を使用して自車両の位置を取得し、設備データ検索部5fでサーモラベル11の有無を検索することにより、サーモラベル11の誤検出を防止することができる。
また、画像収録部5aに画像が記録されているので、異常温度色と判定されたサーモラベル11の画像を確認し判定の妥当性を現場に出向くことなく判断ができる、また、サーモラベル11の脱落や、想定以上の汚れにより色抽出部5bがサーモラベル11を検出できない場合の確認もできるという利点がある。
さらに、図4に示し上述したラベル10を用いれば、線条7が正常な温度である場合には、色抽出部5bにおいて自然界には存在しない三角形状の基準色ラベル12が抽出されることにより、確実にラベル10を検出することができ、これによりサーモラベル11の誤検出を防止することができるという利点もある。
また、図6又は図8に示し上述したラベル10を用いれば、カラーエリアカメラ2によって線条7の真下ではなく斜め下方から当該線条7を撮像した場合であっても、サーモラベル11及び基準色ラベル12の形状が変わらないため、線条7が正常な温度である場合に基準色ラベル12の検出が容易であるという利点がある。
図12ないし図15を用いて本発明の実施例2に係る画像処理による線条温度監視装置について説明する。本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置は、色抽出と、線条検出と、設備データ検索によって3種のデータを収集し、3種のデータを照合することで、線条の温度上昇を検出するものである。
図12に示すように、本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置は、上述した実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置に、レーザ距離計3を追加したものである。
レーザ距離計3は車両1の屋根上に鉛直上方に向けて設置され、被測定物(例えば、線条7)までの距離及び角度を計測する。より詳しくは、レーザ距離計3はレールの枕木方向及び鉛直方向に平行な面において扇状にレーザ光を照射することにより、レーザ距離計3から線条7までの距離dL、及び、レーザ距離計3から枕木方向に向かって延びる直線とレーザ距離計3から線条7に向かって延びる直線とがなす角度θLを計測する。
なお、本実施例においてカラーエリアカメラ2とレーザ距離計3とは、枕木方向に沿って相互に離間して配置されている。
線条温度監視部5は、実施例1で示した構成に加えて、レーザデータ集録部5c及び線条検出部5dを備えている。
レーザデータ集録部5cは、レーザ距離計3によって計測したデータ(以下、レーザデータという)(dL,θL)を取得する。
線条検出部5dは、レーザデータ集録部5cによって取得したレーザデータ(dL,θL)を用いて、下式(1)、(2)により線条7の高さ及び偏位を線条座標(xL,yL)として算出する。
L=dL×cosθL・・・(1)
L=dL×sinθL・・・(2)
その他の構成は、上述した実施例1と同様であり、実施例1において説明したものと同様の作用を奏するものには同一の符号を付して重複する説明は省略する。
以下、図14を用いて本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置における温度監視処理の流れを説明する。
図14に示すように、本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置においては、まず、画像収録部5aによりカラーエリアカメラ2によって撮像した画像のデータを収録し(ステップP11)、色抽出部5bにより画像データから異常温度色の抽出を行う(ステップP12)。ステップP11及びステップP12の処理は、上述した実施例1のステップ1及びステップP2の処理と同様であり、ここでの説明は省略する。
続いて、レーザデータ集録部5cによりレーザ距離計3によって測定したデータ(レーザデータ)を集録し(ステップP13)、線条検出部5dによりレーザデータから線条座標(xL,yL)を算出する(ステップP14)。
すなわち、線条座標(xL,yL)は図15(a)に示すレーザ検出点P11〜P17、図15(b)に示すレーザ検出点P21〜P28のように分布する。架設されている線条7の幅Wは予め分かるため、線条7の幅W以下の距離で隣合う線条座標(xL,yL)のみを抽出すると、図15に示したレーザ検出点P11、P17、P21、P25〜P26、P28が排除されレーザ検出点P12〜P16、P22〜P24、P27だけが抽出される。これにより、被測定物から線条7のみを選択し、その位置を取得することができる。なお、図15は、レーザ検出点P11〜P17、P21〜P25、P26〜P28によって概ね囲まれた部分が線条7である例を示している。
続いて、車両位置信号出力部4から出力される車両位置信号を取得し(ステップP15)、設備データ検索部5fにより車両位置信号から現在位置におけるラベル10の有無を検索する(ステップP16)。ステップP15及びステップP16の処理は、上述した字指令1のステップ3及びステップP4の処理と同様であり、ここでの説明は省略する。
最後に、検証部5gにより色抽出部5bから出力されるラベル10の座標と、線条検出部5dから出力される線条座標(xL,yL)と、設備データ検索部5fから出力される走行位置におけるサーモラベル11の有無とを照合して、異常温度色のサーモラベル11を検出する。異常温度色のサーモラベル11を検出した場合は検証結果として異常温度色部分の座標を温度監視データ(x,y)として出力する(ステップP17)。
これらステップP11〜ステップP17の処理を車両1の走行中繰り返し行う。なお、ステップP11,P12と、ステップP13,P14と、ステップP15,P16とは、その順番を入れ替えてもよく、また並行して行ってもよい。
このように構成される本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置によれば、上述した実施例1に係る画像処理による線条温度監視装置による作用効果に加えて、以下の効果が得られる。
すなわち、レーザ距離計3によって計測したレーザデータを使用することで、サーモラベル11の誤検出を防止することができる。具体的には、カラーエリアカメラ2によって車両の上方を撮像した入力画像に線路の周囲にある看板や電柱等が写り込み、この看板や電柱等に異常温度色又は異常温度色に近い色が使用されていた場合であっても、レーザデータを使用して線条7を検出し、検出された異常温度色が線条7上にあるか否かを判断することができるため、看板や電柱等に使用された異常温度色又は異常温度色に近い色をサーモラベル11として誤検出することを防止することができる。
以下に、本発明の実施例3に係る画像処理による線条温度監視装置について説明する。本実施例は、上述した実施例1,2に係る画像処理による線条温度監視装置のカラーエリアカメラ2に代えてカラーラインセンサカメラを用いる例である。
本実施例を上述した実施例2に適用する場合、カラーラインセンサカメラは、そのスキャン方向を機械的な調整機構によりレーザ距離計のスキャン方向と一致させて車両1の屋根上に設置する。
その他の構成は図1乃至図15に示し上述した実施例1,2に係る画像処理による線条温度監視装置とおおむね同様であり、重複する説明は省略する。
本実施例に係る画像処理による線条温度監視装置によれば、実施例1,2に係る画像処理による線条温度監視装置による効果に加えて、カラーラインセンサカメラが、カラーエリアカメラに比べてスキャン方向におけるピクセル数が多いことから分解能が高く、またスキャン周期が早いという特徴を有しているため、実施例1,2に係る画像処理による線条温度監視装置に比較して、入力画像として高精細な画像を得ることができ、異常温度色の抽出をより高精度に行うことができるという利点がある。
本発明は、画像処理による線条温度監視装置に適用して好適なものである。
1 車両
2 カラーエリアカメラ
3 レーザ距離計
4 車両位置信号出力部
5 線条温度監視部
5a 画像収録部
5b 色抽出部
5c レーザデータ集録部
5d 線条検出部
5e 自車両位置取得部
5f 設備データ検索部
5g 検証部
6 記録部
7 線条
10 ラベル
11 サーモラベル
12 基準色ラベル
I 入力画像
T 設備データテーブル
11〜P17,P21〜P28 レーザ検出点
W 線条の幅

Claims (6)

  1. 車両の屋根上に設置されて線条を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を解析し線条に貼付されたサーモラベルの色の変化に基づいて前記線条の温度を監視する線条温度監視手段とを備える画像処理による線条温度監視装置であって、
    前記サーモラベルが、当該サーモラベルの異常温度色と同色である基準ラベルに隣接して前記線条に貼付され、
    前記線条温度監視手段は、
    前記撮像手段によって撮像された画像からあらかじめ異常温度色の見かけの変化を考慮して設定されたしきい値に基づき前記サーモラベルの異常温度に対応する異常温度色を抽出する色抽出部と、
    前記サーモラベルの色が前記基準ラベルの色と同色である場合に前記線条の温度が上昇していると判断する検証部と
    を有する
    ことを特徴とする画像処理による線条温度監視装置。
  2. 前記検証部が、前記異常温度色部分の形状により前記サーモラベルの色が前記基準ラベルの色と同色であるか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理による線条温度監視装置。
  3. 前記車両に当該車両の走行位置を検出する車両位置検出手段を設け、
    前記線条温度監視手段に、前記車両位置検出手段によって検出された車両の走行位置及びあらかじめ登録された前記サーモラベルの前記線条への貼付位置に基づき前記車両の走行位置における前記ラベルの有無を検索する設備データ検索部を設け、
    前記検証部が、前記異常温度色部分の形状及び前記車両の走行位置におけるラベルの有無に基づき前記異常温度色のサーモラベルを検出する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理による線条温度監視装置。
  4. 前記車両の屋根上に当該車両の上方にある被測定物までの距離及び角度を測定する距離計測手段を設け、
    前記線条温度監視手段に、前記距離計測手段によって計測された前記被測定物までの距離及び角度に基づき前記線条の位置を検出する前記線条検出部を設け、
    前記検証部が、前記異常温度色部分の形状、前記線条の位置、及び前記車両の走行位置におけるラベルの有無に基づき前記異常温度色のサーモラベルを検出する
    ことを特徴とする請求項3記載の画像処理による線条温度監視装置。
  5. 前記撮像手段が、カラーエリアカメラである
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像処理による線条温度監視装置。
  6. 前記撮像手段が、カラーラインセンサカメラである
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像処理による線条温度監視装置。
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