JP2016000714A - 環状炭酸エステルの製造方法 - Google Patents

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卓司 廣瀬
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Abstract

【課題】高圧の二酸化炭素を利用することなく、かつ金属触媒を利用することなく、比較的高い収率で環状炭酸エステルを得る製造方法の提供。
【解決手段】式(1)で示されるエポキシ化合物と二酸化炭素を、PhCH2−Xで示される化合物(Phはフェニル基;Xはハロゲン原子)、クロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレンの存在下で反応させて、式(2)で示される環状炭酸エステルを得る工程を含む、環状炭酸エステルの製造方法。

(Rは置換/未置換のC6〜20のアリール基、置換/未置換のC1〜20のアルキル基、置換/未置換のC2〜20のアルキレン基)
【選択図】なし

Description

本発明は、環状炭酸エステルの製造方法に関する。
炭酸エステルの合成法として一般的に知られているのは、1)ホスゲンとアルコールの直接反応、2)アルコールと一酸化炭素を酸化的に反応させシュウ酸エステルとした後、一酸化炭素を脱離させる方法、3)尿素とアルコールからアンモニアを脱離させて合成する方法、4)金属の炭酸塩とアルキルハロゲン化物から合成する方法などである。
これらの方法は、一部は工業的に利用されている方法であるが、それぞれに課題もある。原料の毒性、腐食性、エネルギー消費量が大きいなどである。それに代わり、安全性と地球環境の観点から、最近は原料として二酸化炭素を利用する反応が活発に研究されている。中でも、比較的高価な金属触媒を用いることなく環状炭酸エステルを製造する方法として、非特許文献1〜3に記載の方法が知られている。
T. F. Jamison, et al., J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 18497-18501. Y. Zhang, et al., Green Chemistry, 2013, 15, 2086-2090. V. Calo, et al., Org. Lett., 2002, 4, 2561-2563.
非特許文献1に記載の方法は、下記反応式で代表される方法である。この方法では、触媒成分として、Br2又はNBS(N-ブチルスクシンイミド)を用い、金属触媒は不要である。しかし、高圧の二酸化炭素を用いる必要がある。
非特許文献2に記載の方法は、下記反応式で代表される方法である。この方法は、大気圧(1気圧)の二酸化炭素を用いて実施できる反応を利用する。しかし、触媒成分として高価なCsCO3を用いる必要があり、また、多量のハロゲン化物(例えば、CsCl2)が副生するという問題がある。また、基質が限られるという問題も有している。
非特許文献3に記載の方法は、下記反応式で代表される方法である。この方法は、大気圧の二酸化炭素を用いて実施でき、かつ触媒成分として、Bu4NBrを用い、金属触媒は不要である。しかし、多量のアンモニウム塩を用いる必要がある。
本発明は、高圧の二酸化炭素を利用することなく、かつ金属触媒を利用することなく、種々の原料化合物を用いて、比較的高い収率で環状炭酸エステルを製造できる方法を提供することを課題(目的)とする。
本発明は以下のとおりである。
[1]
下記一般式(1)で示されるエポキシ化合物と二酸化炭素を、PhCH2−Xで示される化合物(式中、Phはフェニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す)、クロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレンの存在下で反応させて、下記一般式(2)で示される環状炭酸エステルを得る工程を含む、環状炭酸エステルの製造方法。
(一般式(1)及び(2)中、Rは、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表す。)
[2]
前記反応は極性有機溶媒中で実施される[1]に記載の製造方法。
[3]
前記極性有機溶媒は非プロトン性極性有機溶媒である[2]に記載の製造方法。
[4]
前記非プロトン性極性有機溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドの混合溶媒、又はジメチルホルムアミド及び/若しくはジメチルスルホキシドとその他の有機溶媒の混合溶媒である[3]に記載の製造方法。
[5]
前記Xで表されるハロゲン原子が、臭素原子又は塩素原子である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記反応は、1気圧の二酸化炭素含有雰囲気下で実施される[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、高圧の二酸化炭素及び金属触媒を利用することなく、種々の化合物を出発原料として用いて、比較的高い収率で環状炭酸エステルを製造できる方法を提供することができる。
本発明は、下記一般式(1)で示されるエポキシ化合物と二酸化炭素を、PhCH2−Xで示される化合物、クロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレンの存在下で反応させて、下記一般式(2)で示される環状炭酸エステルを得る工程を含む、環状炭酸エステルの製造方法に関する。
PhCH2−Xの式中、Phはフェニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。Xで表されるハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であることができ、反応収率やハンドリングの容易さなどを考慮すると、臭素原子又は塩素原子であることが好ましい。
クロロメチルスチレンのホモポリマーは、クロロメチルスチレンを重合して得られるホモポリマーである。クロロメチルスチレンは、例えば、2−クロロメチルスチレン、3−クロロメチルスチレン、4−クロロメチルスチレン及び2,4−ジクロロメチルスチレン、及び3,5−ジクロロメチルスチレンであることができる。但し、原料の入手の容易性や重合性等を考慮すると、4−クロロメチルスチレンであることが好ましい。尚、クロロメチルスチレンは、モノクロロメチルスチレンの異性体の混合物(例えば、3−クロロメチルスチレンと4−クロロメチルスチレンの混合物)や、ジクロロメチルスチレンの異性体の混合物(例えば、2,4−ジクロロメチルスチレンと3,5−ジクロロメチルスチレンの混合物)であっても良い。混合物中の混合比には特に制限はない。クロロメチルスチレンの重合方法は、公知の方法(例えば、A. Giuliani, et al., React. Funct. Polym., 2014, 76, 57-62.、K. Oyaizu, et al., Polym. Adv. Technol., 2011, 22 1242-1247.等を参照)であることができる。ホモポリマーの分子量(Mw,Mn)は、例えば、Mnが1,000〜100,000の範囲、好ましくは2,000〜80,000の範囲、より好ましくは4,000〜40,000の範囲はすることができる。Mw/Mnは、例えば、1.1〜4.0の範囲、好ましくは1.2〜3.0の範囲、より好ましくは1.2〜2.5の範囲であることができる。クロロメチルスチレンのホモポリマーは、塩素の含有量は約23質量%である。
クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマーは、クロロメチルスチレンとスチレンを重合して得られるコポリマーである。クロロメチルスチレンは、上記ホモポリマーについて例示方物と同様である。クロロメチルスチレンとスチレンの重合方法は、公知の方法であることができる。コポリマーの分子量(Mw,Mn)は、例えば、Mnが5,000〜150,000の範囲、好ましくは8,000〜130,000の範囲、より好ましくは10,000〜100,000の範囲はすることができる。Mw/Mnは、例えば、1.3〜4.0の範囲、好ましくは1.5〜3.8の範囲、より好ましくは1.7〜3.6の範囲であることができる。クロロメチルスチレンとスチレンのモル比は特に制限はないが、例えば、1:10〜10:1の範囲であることができる。クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマーの塩素の含有量は、上記モル比により変動し、例えば、約3〜22質量%の範囲であることができる。
クロロメチル化ポリスチレンは、ポリスチレンをクロロメチル化することにより得られる物である。ここでのポリスチレンは、直鎖ポリスチレン及び架橋ポリスチレンを含む。ポリスチレンのクロロメチル化は公知の方法(例えば、例えば、: Giffin D. Jones, Ind. Eng. Chem., 1952, 44 (11), pp 2686-2693参照)により実施できる。クロロメチル化に付すポリスチレンは、とくに制限はないが、分子量(Mw,Mn)は、例えば、Mnが1,000〜100,000の範囲、好ましくは2,000〜80,000の範囲、より好ましくは4,000〜50,000の範囲はすることができる。Mw/Mnは、例えば、1.1〜4.0の範囲、好ましくは1.1〜3.0の範囲、より好ましくは1.1〜2.5の範囲であることができる。クロロメチル化の度合により塩素の含有量は変更することができ、クロロメチル化の度合は、塩素の含有量が例えば、約3〜22質量%の範囲であることができる。クロロメチル化ポリスチレンは、Merrifield樹脂として市販される樹脂をそのまま用いることもできる。
一般式(1)及び(2)中のRで示される各基について説明する。
置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基及び置換基としてハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を有するフェニル基を挙げることができる。
置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ヘキサデシル基などを挙げることができ、好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基である。置換基としてはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、フェニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルキレンオキシ基及びフェノキシ基を挙げることができ、フェニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルキレンオキシ基及びフェノキシ基は、さらに置換基としてはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を有することもできる。
置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、i-ブチレン基(メチルプロピレン基)、オクチレン基、ドデシレン基、ヘキサデシレン基などを挙ることができる。置換基としてはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を挙げることができる。
一般式(1)で示されるエポキシ化合物としては、例えば、スチレンオキシド、メチルエチレンオキシド(エポキシプロパン、プロピレンオキシド)、エチルエチレンオキシド(1,2-エポキシブタン)、プロピルエチレンオキシド(1,2-エポキシペンタン)、ブチルエチレンオキシド(1,2-エポキシヘキサン)、ヘキシルエチレンオキシド(1,2-エポキシオクタン)、ブチレンエチレンオキシド(1,2-エポキシ-5-ヘキセン)、グリシジルプロピレンエーテル(グリシジルアリルエーテル)、グリシジルフェニルエーテル、クロロメチルエチレンオキシド(エピクロロヒドリン)、オクテンエチレンオキシド(1,2-エポキシ-9-デセン)、ベンジルエチレンオキシド(2,3-エポキシプロピルベンゼン)、2,3-エポキシプロパン酸エチル等が例示されるが、これらに限定される意図ではない。
本発明の製造方法におけるPhCH2−Xで示される化合物の使用量は、原料一般式(1)のエポキシ化合物に対して、例えば、0.01当量以上、好ましくは0.03当量以上、より好ましくは0.05当量以上で用いることが、比較的短時間で目的とする一般式(2)で示される環状炭酸エステルを高い収率で得ることができるという観点から好ましい。原料一般式(1)のエポキシ化合物に対するPhCH2−Xで示される化合物の使用量に上限はないが、使用量を抑えて効率良く実施するという観点からは、例えば、0.1当量以下、好ましくは0.05当量以下であることができる。但し、この値に限定される意図ではなく、あくまでも1つの目安である。
本発明の製造方法におけるクロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレン使用量は、原料一般式(1)のエポキシ化合物に対して、クロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレンに含まれる塩素量が、例えば、0.01当量以上、好ましくは0.03当量以上、より好ましくは0.05当量以上で用いることが、比較的短時間で目的とする一般式(2)で示される環状炭酸エステルを高い収率で得ることができるという観点から好ましい。原料一般式(1)のエポキシ化合物に対する、クロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレンの使用量に上限はないが、使用量を抑えて効率良く実施するという観点からは、上記塩素量が、例えば、0.1当量以下、好ましくは0.05当量以下であることができる。但し、この値に限定される意図ではなく、あくまでも1つの目安である。
本発明の製造方法における反応は極性有機溶媒中で実施されることが適当である。さらに極性有機溶媒は非プロトン性極性有機溶媒であることが好ましい。さらに、非プロトン性極性有機溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMF及びDMSOの混合溶媒、又はDMF及び/若しくはDMSOとその他の有機溶媒の混合溶媒であることが好ましい。非プロトン性極性有機溶媒としてはDMF、DMSO、DMF及びDMSOの混合溶媒、又はDMF及び/若しくはDMSOとその他の有機溶媒の混合溶媒を用いることで、目的とする一般式(2)で示される環状炭酸エステルを高い収率で得ることができる。特に、環状炭酸エステルを高い収率で得ることができるという観点からは、DMF又はDMSOを単独で使用することが好ましい。DMFを用いる場合、原料一般式(1)のエポキシ化合物に対して、例えば、1当量以上、好ましくは3当量以上、より好ましくは5当量以上で用いることが、比較的短時間で目的とする一般式(2)で示される環状炭酸エステルを高い収率で得ることができるという観点から好ましい。原料一般式(1)のエポキシ化合物に対するDMFの使用量に上限はないが、使用量を抑えて効率良く実施するという観点からは、例えば、3当量以下であることができる。溶媒としてDMSOを用いる場合にも、DMFを用いる場合とほぼ同様である。但し、この値に限定される意図ではなく、あくまでも1つの目安である。
前記反応は、1気圧の二酸化炭素含有雰囲気下で実施される。二酸化炭素含有雰囲気は、二酸化炭素100%の雰囲気であっても、二酸化炭素とそれ以外の気体の混合物の雰囲気であってもよい二酸化炭素以外の気体は、反応に悪影響を与えない気体であれば特に制限はない。但し、二酸化炭素の含有率が高い雰囲気の方が、反応の効率は高くなる傾向はある。また、雰囲気の圧力は、1気圧より高い圧力とすることもできる。特に、二酸化炭素以外の気体との混合物の雰囲気を用いる場合には、加圧下で行うことで、反応を促進できる場合もある。但し、二酸化炭素雰囲気で行う場合、1気圧の雰囲気下で良好な収率が得られる。尚、二酸化炭素含有気体は、反応液に吹き込むことも可能である。
反応温度は、使用する有機溶媒の沸点以下の温度で実施することができ、ジメチルホルムアミド(DMF)(沸点153℃)を用いる場合には、80℃以上、153℃以下の範囲、好ましくは100℃以上、130℃以下の範囲で実施することができる。ジメチルスルホキシド(DMSO)(沸点189℃)を用いる場合には、40℃以上、189℃以下の範囲、好ましくは50℃以上、150℃以下の範囲で実施することができる。また、複数の溶媒の混合溶媒を用いる場合には、それぞれの溶媒の沸点等を考慮して、反応温度を適宜決定することができる。但し、原料及び生成物の種類や使用するPhCH2−Xの種類、あるいは、クロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレンの種類に応じて適宜選択できる。反応時間も、反応温度やその他の条件、さらには反応の進行度合等に応じて、適宜決定でき、例えば、1〜72時間の範囲とすることができる。但し、これらの数値範囲に限定される意図ではない。
反応終了後は、反応生成物を含む反応混合物から、常法によって目的生成物を分離精製することができる。クロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレンを用いる場合には、固液分離により、反応生成物からこれらのポリマーを分離することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。但し、実施例は本発明の例示であって、本発明は実施例に限定される意図ではない。
実施例1
1気圧の二酸化炭素雰囲気下、二酸化炭素を10分間通じた5mLのジメチルホルムアミド(DMF)と5mmolのスチレンオキシドを120℃で4時間撹拌した。その後、ベンジルブロミドを0.25mmol添加し、120℃で20時間撹拌した。室温まで放冷後、反応溶液を150mLの水に混合し、40mLの酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、100mLの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することで4.0mmol(収率80%)の4-フェニルエチレンカーボネート(IUPAC名:4-フェニル-1,3-ジオキソラン-2-オン)を得た。
実施例2
1気圧の二酸化炭素雰囲気下、二酸化炭素を10分間通じた25mmolのジメチルホルムアミド(DMF)と5mmolのスチレンオキシドを120℃で4時間撹拌した。その後、ベンジルブロミドを0.05mmol添加し、120℃で20時間撹拌した。室温まで放冷後、反応溶液を水に混合し、40mLの酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、100mLの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)で精製することで4.3mmol(収率86%)の4-フェニルエチレンカーボネートを得た。
実施例3
1気圧の二酸化炭素雰囲気下、二酸化炭素を10分間通じた25mmolのジメチルホルムアミド(DMF)と5mmolのスチレンオキシドを室温で30分間撹拌する。その後、ベンジルブロミドを0.25mmol添加し、120℃で20時間撹拌した。室温まで放冷後、反応溶液を水に混合し、40mLの酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、100mLの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)で精製することで3.8mmol(収率76%)の4-フェニルエチレンカーボネートを得た。
実施例4
1気圧の二酸化炭素雰囲気下、二酸化炭素を10分間通じた25mmolのジメチルホルムアミド(DMF)と5mmolのグリシジルフェニルエーテルを120℃で4時間撹拌した。その後、ベンジルブロミドを0.25mmol添加し、120℃で20時間撹拌した。室温まで放冷後、反応溶液を水に混合し、40mLの酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、100mLの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2:1)で精製することで4.5mmol(収率90%)の4-フェノキシメチルエチレンカーボネートを得た。
実施例5
1気圧の二酸化炭素雰囲気下、二酸化炭素をあらかじめ10分間通じた25mmolのジメチルホルムアミド(DMF)と5mmolのヘキシルエチレンオキシドを120℃で4時間撹拌した。その後、ベンジルブロミドを0.25mmol添加し、120℃で20時間撹拌した。室温まで放冷する。反応溶媒のDMFを減圧条件下留去し、残渣を50mLの酢酸エチルに溶解後、15mLの水で1回洗浄、15mLの飽和食塩水で2回洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)で精製することで4.1mmol(収率82%)の4-ヘキシルエチレンカーボネート(IUPAC名:4-ヘキシル-1,3-ジオキソラン-2-オン)を得た。
実施例6〜11
原料であるヘキシルエチレンオキシドを他のエチレンオキシド(1)に変更した以外、実施例5と同様の条件で操作して、各種エチレンカーボネート誘導体(2)を合成し、本反応の基質依存性を検討した。原料化合物名を表1に示す。
さらに反応結果(収率)を、実施例2、4、5の結果とともに下記にまとめて示す。収率の値の下に二重線を引いてある実施例は実施例5と同様の条件で実施した例であり、実施例8及び10は、実施例2と同様の条件で実施した例である。
実施例12
ベンジルブロミドをベンジルクロリドに替えた以外は、実施例2と同様に操作して4-フェニルエチレンカーボネートを得た。実施例2(86%)とほぼ同等の収率であった。
実施例13
DMFの量を3当量(15mmol)に替え、反応時間48時間に延ばした以外は、実施例2と同様に操作して4-フェニルエチレンカーボネートを得た。実施例2(86%)とほぼ同等の収率であった。
実施例14
溶媒DMFをDMF-DMSO(1:1)混合溶媒とした以外は、実施例1と同様に操作して4-フェニルエチレンカーボネートを得た。実施例2(80%)よりやや収率は低下した。但し、溶媒としてDMSOを単独使用した場合の収率(43%(下記実施例15))よりは高い収率(59%)であった。
実施例15
1気圧の二酸化炭素雰囲気下、二酸化炭素を10分間通じた5mlのジメチルスルホキシド(DMSO)と5mmolのスチレンオキシドを65℃で3時間撹拌した。その後、ベンジルブロミドを0.25mmol添加し、65℃で21時間撹拌した。室温まで放冷後、反応溶媒のDMSOを減圧条件下留去し、残渣を50mLの酢酸エチルに溶解後、15mLの水で1回洗浄、15mLの飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)で精製することで2.1mmol(収率43%)の4-フェニルエチレンカーボネートを得た。
実施例16
1気圧の二酸化炭素雰囲気下、二酸化炭素をあらかじめ10分間通じた25mmolのジメチルスルホキシド(DMSO)と25mmolのジメチルホルムアミド(DMF)と5mmolのスチレンオキシドを65℃で3時間撹拌した。その後、ベンジルブロミドを0.25mmol添加し、65℃で21時間撹拌した。室温まで放冷した。反応溶媒のDMSO,DMFを減圧条件下留去し、残渣を50mLの酢酸エチルに溶解後、15mLの水で1回洗浄、15mLの飽和食塩水で2回洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)で精製することで2.2mmol(収率43%)の4-フェニルエチレンカーボネートを得た。
実施例17
1気圧の二酸化炭素雰囲気下、二酸化炭素を10分間通じた1.84 g (25.2 mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)と5.09 mmolのスチレンオキシド、Merrifield樹脂(クロロメチル化ポリスチレン:Cl含量2.6 mmol/g)を19.4 mg (0.0506 mmol)加え、120 ℃で20時間撹拌した。室温まで放冷後、反応溶液を濾別して樹脂を回収した後、濾液を水に混合し、150 mLの水に混合し、40 mLの酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、100 mLの水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)で精製することで3.99 mmol(0.645 g:収率79.6%)で4-フェニルエチレンカーボネートを得た。
実施例18
実施例17と同様に、Merrifield樹脂(クロロメチル化ポリスチレン:Cl含量2.81 mmol/g)を17.8 mg (0.0500 mmol)用い、1.86 g (25.45 mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)中、1気圧の二酸化炭素と5.00 mmolのスチレンオキシドを120 ℃で20時間反応させた。実施例1と同様に後処理を行うことで、3.54 mmol (収率71%)で4-フェニルエチレンカーボネートを得た。
実施例19
実施例17と同様に、Merrifield樹脂(クロロメチル化ポリスチレン:Cl含量0.8 mmol/g)を62.5 mg (0.0500 mmol)用い、1.83 g (25.0 mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)中、1気圧の二酸化炭素と5.00 mmolのスチレンオキシドを120 ℃で20時間反応させた。実施例1と同様に後処理を行うことで、3.60 mmol (収率73%)で4-フェニルエチレンカーボネートを得た。
参考例1
ポリ(4-クロロメチルスチレン)1 の合成
4-クロロメチルスチレン(7.63 g, 50 mmol)とAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)(0.082 g, 0.05 mmol)と共に70 ℃で2時間重合した。その後、生成物を約15 mLのクロロホルムに溶解し、多量のメタノール(〜400 mL)に投入することで、1を得た(5.37 g, 収率70 %:平均分子量Mn: 〜33,700, Mw/Mn 2.4;Cl含量7.1 mmol/g)。
実施例20
実施例17と同様に、参考例1で合成したポリ(4-クロロメチルスチレン)1を77.0 mg (Cl含量7.1 mmol/g)用い、1.83 g (25.0 mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)中、1気圧の二酸化炭素と5.00 mmolのスチレンオキシドを120 ℃で24時間反応させた。実施例1と同様に後処理を行うことで、2.86 mmol (収率57%)で4-フェニルエチレンカーボネートを得た。
本発明は環状炭酸エステルの製造に関する分野に有用である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるエポキシ化合物と二酸化炭素を、PhCH2−Xで示される化合物(式中、Phはフェニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す)、クロロメチルスチレンのホモポリマー、クロロメチルスチレンとスチレンのコポリマー又はクロロメチル化ポリスチレンの存在下で反応させて、下記一般式(2)で示される環状炭酸エステルを得る工程を含む、環状炭酸エステルの製造方法。
    (一般式(1)及び(2)中、Rは、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表す。)
  2. 前記反応は極性有機溶媒中で実施される請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記極性有機溶媒は非プロトン性極性有機溶媒である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記非プロトン性極性有機溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドの混合溶媒、又はジメチルホルムアミド及び/若しくはジメチルスルホキシドとその他の有機溶媒の混合溶媒である請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記Xで表されるハロゲン原子が、臭素原子又は塩素原子である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記反応は、1気圧の二酸化炭素含有雰囲気下で実施される請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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