(実施例1) 図1ないし図17は本発明の実施例1に係る美容器具を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図2および図5の交差矢印と、交差矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2において泡立器は、泡立容器1と、泡立容器1に装着される撹拌体(美容器具)2と、撹拌体(美容器具)2を泡立姿勢に支持するホルダー3とで構成される。泡立容器1は、平面視が円形で上向きに開口する泡生成部4と、泡生成部4を支持するスタンド5と、泡生成部4の後上部に連続して形成されるホルダー3を一体に備えたカレーポット状のプラスチック成型品からなる。なお、後述するように撹拌体2が、肌の洗浄或いはマッサージを行うブラシ付きの美容器具を兼ねている。
ホルダー3は、滑らかに連続するホルダー底壁8と、ホルダー底壁8に連続して上向きに延びる一対のホルダー側壁9とで断面U字形の樋体状に形成される。ホルダー底壁8とホルダー側壁9とは、その後端から泡生成部4へ向かって下り傾斜されており、ホルダー底壁8の後端の下面側には、後述するブラシ体20を吊下げ支持する丸軸状のブラシ支持具10が下向きに突設されている。撹拌体2の本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態において、本体ケース21の下半周面はホルダー底壁8およびホルダー側壁9でしっかりと支持される。従って、泡立時に本体ケース21に作用する回転反力をホルダー側壁9で受止めて、撹拌体2をホルダー3で安定した状態に支持できる。
図3に示すようにホルダー3の内部空間と泡生成部4の内部空間との間には、両空間を前後に区分する逆V字状の区分壁11が形成され、その左右中央に前記両空間を連通する連通溝12が、区分壁11と直交する状態で凹み形成されている。ホルダー3の内部空間に臨む区分壁11のうち、連通溝12を囲む傾斜壁は、ホルダー3に装着した撹拌体2を受止めるための規制部13として機能する。規制部13はホルダー3の内部空間の傾斜下端に位置されている。区分壁11で前後に区分されたホルダー3の内部空間と泡生成部4の内部空間とは、泡生成部4の上開口面より下方で連通されている。区分壁11とホルダー底壁8との交差部分、つまり、ホルダー3の内部空間の傾斜下端で最も低い個所には排液口14が上下貫通状に形成されており、本体ケース21から流れ落ちてホルダー3内へ流下した液体は、先の排液口14から排出される。
泡生成部4は、器底壁15と、器底壁15に連続して上向に延びる器周囲壁(周囲壁)16とで、上向きに開口する容器状に構成されており、先の区分壁11と対向する器周囲壁16の前半周面の複数個所に、ブラシ体20に強い圧力を付加し、その圧力で発泡要素に強い圧力を作用させながら泡立てを行う泡立リブ17が設けられている。この実施例では、器周囲壁16の前半周面の6個所において、連続波型の泡立リブ17を器周囲壁16の開口縁から器底壁15にわたって形成した。泡立リブ17が形成された器底壁15から器周囲壁16にわたる部分が、後述するブラシ束61と共同して泡を発生させる起泡部Fとして機能する。なお、泡立リブ17と対向する器周囲壁16の後半周面は平滑な2次元平面で形成されている。上記のように、泡立リブ17は上下方向に連続する断面が山形のリブで形成するが、上下方向に断続する断面が山形のリブで形成してあってもよい。
スタンド5は泡生成部4の下方からホルダー3の下方にわたって連出されて、前後に長い楕円形の伏皿状に形成されており、先に説明した排液口14と対向するスタンド5の壁面に、後述する化粧カバー80を収納保管する円形のカバー収納部18が設けられている(図1参照)。なお、楕円形のスタンド5の後端は、ブラシ支持具10の真下に位置している。このように、スタンド5を泡生成部4の下方からホルダー3の下方にわたって、前後に長く形成することにより、泡立容器1とホルダー3に装着した撹拌体2を安定した状態で支持でき、泡立器の全体の印象を優美でありながらシンプルなものとすることができる。
図4および図5に示すように撹拌体2は、泡生成部4に収容した発泡要素を撹拌するブラシ体20と、ブラシ体20を支持する上下に長い本体ケース21と、本体ケース21の内部に設けられてブラシ体20を駆動するブラシ駆動構造などで構成する。本体ケース21はグリップを兼ねており、上半の上ケース22と、上ケース22に対して着脱される有底筒状の下ケース23と、上ケース22の上端に固定されるエンドカバー24とで構成されている。上ケース22の右側面にはスイッチ凹部25が凹み形成されており、その下部にモーター28への給電状態を切換えるメインスイッチ(スイッチ)26が設けられている。
図4に示すように、本体ケース21の内部には内フレーム27が収容されており、この内フレーム27にモーター28、電池29、起振構造、およびモーター28の回転動力を減速した状態で出力する伝動構造などが組込まれている。ブラシ駆動構造は、モーター28と伝動構造と起振構造で構成される。ブラシ回転駆動構造は、モーター28と伝動構造から構成される。図5に示すように、モーター28は、本体ケース21の上下方向の中心軸Qより肩部34の側へ偏寄した位置に配置されている。符号30は撹拌体2の運転モードに応じて発光表示するLED灯である。図示していないが、スイッチ凹部25と正対する上ケース22の内部には、モーター28および第1、第2の振動モーター51・52の駆動状態を制御する制御基板が配置されている。該制御基板は、内フレーム27に固定されている。
上ケース22は前後に長い楕円筒状に形成されており、ケース上端における楕円の長軸寸法は、ケース下端における楕円の長軸寸法より大きく設定されており、上ケース22の全体が上広がり筒状に形成されている。図6に示すようにエンドカバー24は上ケース22の上開口を塞ぐ状態で後述するシール蓋43にビス32で締結されており、その上面にブラシ体20を連結するためのボス壁33が膨出形成され、ボス壁33の前側下縁に沿って三日月状の肩部34が前向きに張出されている。図1に示すように、本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態において、本体ケース21の周面はホルダー底壁8およびホルダー側壁9で受止め支持されており、同時に肩部34が先の規制部13で受止められて位置決めされている。このように、ホルダー3に装着した撹拌体2を泡生成部4に対して位置決めすることにより、起泡部Fの器底壁15および器周囲壁16に接触したブラシ束61の弾性変形量を常に一定にして均一化できる。これにより、撹拌体2をホルダー3に装着した状態において、ブラシ束61が過剰に変形されて劣化するのを防止できる。装着状態における撹拌体2の重量の大半は、肩部34と接合する規制部13で受止められる。
図10に示すように、本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態では、本体ケース21のグリップ遊端が、ホルダー3の突端(後端)から突出する。詳しくは、ホルダー3で支持されている本体ケース21の中心軸Q方向の長さをW1とし、ホルダー3の突端から突出しているグリップ遊端側の中心軸Q方向の長さをW2とするとき、不等式(W1>W2)を満足するようにホルダー3および本体ケース21が形成してある。また、メインスイッチ26の近傍に撹拌体2の重心Gがあるとき、グリップ遊端はホルダー3の突端から水平距離H2の分だけ突出しており、重心Gはホルダー3の突端から水平距離H1の分だけブラシ体20に近づく位置に位置している。なお、水平距離H1と水平距離H2の関係は、不等式(H1>H2)を満足するように設定してある。このように、本体ケース21の大半の部分をホルダー3で保持し、さらに撹拌体2の重心Gをホルダー3の突端より泡生成部4に近い側に位置させることにより、ホルダー3に装着した撹拌体2を、ホルダー3で安定した状態に支持することができる。また、泡立時に本体ケース21に回転反力が作用する状態においても、ブラシ体20が泡生成部4の器底壁15から浮き離れる向きに本体ケース21が傾くのを防止して、撹拌体2を安定した状態で撹拌姿勢に保持し続けることができる。
図6に示すように、モーター28の回転動力は、その出力軸に固定した原動ギヤ35と、第1減速ギヤ36と、第2減速ギヤ37と、終段ギヤ38とからなる伝動構造で減速されて、終段ギヤ38に固定した駆動軸39から出力される。第1減速ギヤ36と第2減速ギヤ37は、それぞれ大径ギヤと小径ギヤを一体に備えており、第1中間軸40と第2中間軸41で回転自在に支持されている。第1中間軸40は、内フレーム27と、同フレーム27の上端に固定したギヤフレーム42とで軸支されており、第2中間軸41は、ギヤフレーム42と、上ケース22の上開口を塞ぐシール蓋43とで軸支されている。駆動軸39は、シール蓋43に組付けたベアリング44で軸支されて、その上部がボス壁33の中央に設けた連結穴45に露出されている。図11に示すように、駆動軸39の上端には断面が六角形の駆動ピース46が固定されている。駆動軸39の基端は、シール蓋43に装着した防水シール47で封止されており、さらに、シール蓋43と上ケース22の接合面がOリングで封止されている。従って、洗浄剤や泡、あるいは水が連結穴45からシール蓋43の内部に浸入することはない。ギヤフレーム42とシール蓋43は、複数個のビス48で上ケース22に締結されている。
起振構造は、本体ケース21の中心軸Qと平行な回転軸を有する第1振動モーター51と、本体ケース21の中心軸Qと直交する回転軸を有する第2振動モーター52とで構成されている。第1振動モーター51では、本体ケース21の前後方向を含む中心軸Qと平行な軸まわりの全周囲方向の振動を発生し、第2振動モーター52では、本体ケース21の上下方向を含む中心軸Qと直交する軸まわりの全周囲方向の振動を発生する。第1振動モーター51は、シリンダー型のモーター53と偏心錘54とで構成されており、第2振動モーター52は、コイン型のモーター55と偏心錘56とを円盤状のケースに封入して構成されている。このように、互いに直交する、異なる方向の振動を発生させる第1振動モーター51と第2振動モーター52とで起振構造を構成すると、両振動モーター51・52を同時に駆動した場合には、回転体20に複雑な振動を付与することができる。また、第1振動モーター51のみを駆動した場合には前後方向を含む中心軸Qと平行な軸まわりの全周囲方向の振動をブラシ体20に付与することができる。つまり、第1振動モーター51は、ブラシ束61の突出方向と直交する方向にブラシ束61を振動させることができるので、ブラシ束61のブラシ毛の先端を洗浄対象である肌面に押し当てた状態で振動部51を駆動しても、ブラシ束61のブラシ毛が肌面に向けて振動することはないので、肌面へのダメージが緩和される。第2振動モーター52のみを駆動した場合には上下方向を含む中心軸Qと直交する軸まわりの全周囲方向の振動をブラシ体20に付与することができる。従って、例えばブラシ体20による洗浄、あるいはマッサージ機能をより効果的に発揮できる。ブラシ体20を肌面に接触させて洗浄を行う場合には、振動で毛穴に入込んでいる汚れや化粧料などを、肌を傷めることなく洗い落すことができる。第2振動モーター52は省略することができる。
図7においてブラシ体20は、本体ケース21に回転可能に支持されるブラシベース60と、ブラシベース60に支持される一群のブラシ毛からなるブラシ束61を備えている。ブラシベース60は、ブラシ束61を固定保持する丸筒状のブラシ支持体62と、ブラシ支持体62で上下スライド自在に支持した調整リング63と、ブラシ支持体62の下面中央に突設した継手体64とを備えている。調整リング63は、ブラシ支持体62の周面を覆う通常位置(図7に示す状態)と、ブラシ支持体62の上端寄りまでスライド操作されて、ブラシ束61の中途部を絞る縮径位置(図9に示す状態)とにスライド操作できる。ブラシ束61の中途部を絞ることによって、小鼻周辺などを念入りに洗浄することができる。また、中途部を絞る際、調整リング63により毛束61の突出寸法が短くなるため、毛束61の弾性反力が増加し肌面に強く毛束61を接触させて洗浄やマッサージを行うことができる。継手体64は、ブラシ体20をブラシ支持具10に係合装着するための装着構造93を兼ねている。
調整リング63を上下スライドのみ可能に案内するために、図8に示すようにブラシ支持体62および調整リング63の対向周面のそれぞれに平坦なスライド面65を設け、スライド面65の中央にガイドリブ66とスライド溝67を設けている。さらに、調整リング63を通常位置と縮径位置において位置保持するために、スライド面65から位相が90度ずれた位置のブラシ支持体62の周面の上下と、調整リング63の内周面の下端とに係合リブ68・69を設けている。図11に示すように、継手体64は、回転力を受ける3個の受動壁70と、駆動ピース46に係合する3個の弾性腕71とを交互に配置して六角筒状に形成されており、各弾性腕71の内面の下端寄りに係合片72が突設されている。
ブラシ束61は、繊維径が50〜70μmの合成繊維の一群を断面円形に束ねて、その下部を金属板製の保持リング75で固定して構成されており、保持リング75をブラシ支持体62の筒壁の内面に嵌込んで接着固定することにより、ブラシ支持体62と一体化されている。ブラシ束61は、保持リング75の上縁から上方へ延びる棒状のブラシ軸部76と、ブラシ軸部76の先端に形成される外突湾曲状のブラシ先端部77と、ブラシ先端部77(ブラシ束61の先端面)の回転中心軸P(回転中心)を含む中央部に凹み形成される凹部78とを備えている。この実施例においては、ブラシ束61をブラシベース60の側からブラシ先端部77へ向かって上広がり状に形成して、ブラシ軸部76を逆円錐台状に形成し、ブラシ先端部77を部分球面状に形成した。また、凹部78は平面視が円形の部分球面状(ドーム状)の凹曲面(湾曲面)で形成して、その内部に洗顔剤などの発泡剤を保持できるようにした。ブラシ軸部76は、より多くの泡や洗浄剤を含むことに役立っており、ブラシ先端部77は洗浄剤を効果的に泡立てることに役立っている。なお、本実施例の調整リング63を省略して、ブラシベース60をブラシ支持体62と継手体64で構成することができる。さらに、ブラシ束61の下端部をブラシ支持体62で固定保持して、ブラシ支持体62が保持リング75を兼ねるようにすることができる。
図16、図17に示すように、凹部78は、底壁78aと、底壁78aに連続し、底壁78aの全周囲を囲む側壁78bとで形成されている。また、図17に示すように凹部78は、1本1本のブラシ毛の先端が集まって形成されている。換言すれば凹部78は、ブラシ束61の先端面で形成されている。つまり、凹部78の下方にもブラシ束61が存在するため、そのブラシ束61部分でも泡を含ませることができるので、ブラシ束61に多くの泡を含ませることができる。また、図17に示すように、凹部78の底壁78aは内凹み状の部分球面状に形成されており、凹部78の側壁78bは、全周囲において内凹み状の湾曲面で構成されている。さらに、凹部78の径寸法が、底壁78aから開口部78cに向かって広くなるよう構成されている。このように本実施例における凹部78は、平面視が円形である内凹みのドーム状に形成されている。図16における矢印は回転中心軸Pを中心に回転するブラシ体20の回転方向を示すものである。
図7、図17に示すように、ブラシベース60から突出するブラシ束61の突出基端61aから底壁78aまでの寸法H2よりも凹部78の開口部78cから底壁78aの最深部78aaまでの寸法H1を小さく設定している。上述したように、ブラシ束61が、棒状のブラシ軸部76と、ブラシ軸部76の先端に形成される外突湾曲状のブラシ先端部77と、ブラシ先端部77の中央部に凹み形成された凹部78とを備えている。さらに、図7、図17に示すように、凹部78の底壁78aの最深部78aaが、外突湾曲状のブラシ先端部77と棒状のブラシ軸部76との境界線77aと、凹部78の開口部78cとの間に位置している。また、凹部78の湾曲面の曲率をブラシ先端部77の湾曲面の曲率よりも大きく設定している。
ブラシ体20を構成するブラシベース60およびブラシ束61の、各部の寸法関係は以下に説明するように設定することが好ましい。図7に示すように、ブラシベース60の直径(横幅)をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、 ブラシベースの横幅Dとブラシ束の突出寸法Hとが、不等式(D/2<H)を満足するように設定する。後述するように、洗顔を行う場合には、ブラシ軸部76の軸周面を顔肌にあてがった状態で洗浄するが、上記のように、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hを大きくすると、顔肌をブラシ束61で洗浄するときのブラシ軸部76の腰の強さを弱くできるので、ブラシ軸部76の顔肌に対する接触感をソフトで滑らかなものとすることができる。また、上下に長いブラシ束61により多くの泡を含ませて、ブラシ軸部76と顔肌の接触を滑らかなものとして、顔肌がダメージを受けるのを防止できる。
また、ブラシベース60の横幅をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の横幅Dと、ブラシ束61の突出寸法Hとが、不等式(D<H)を満足するように設定する。こうしたブラシ体20によれば、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hをさらに大きくすることができる。従って、ブラシ軸部76の顔肌に対する接触感をさらにソフトで滑らかなものとすることができ、上下に長いブラシ束61にさらに多くの泡を含ませて、ブラシ軸部76と顔肌の接触を滑らかなものとすることができる。
ブラシ束61に関しては、ブラシベース60の直径(横幅)をDとし、ブラシ軸部76の上端における直径(横幅)をD1とするとき、ブラシベース60の直径(横幅)Dと、ブラシ軸部76の直径(横幅)D1とが、不等式(D<D1)を満足するように設定する。このように、ブラシ軸部76を逆円錐台状に形成し、ブラシ軸部76とブラシ先端部77との境界付近の直径が大きくなるので、泡立時における周速度を大きくして、泡を効果的に生成できる。また、ブラシ先端部77が部分球面状に形成してあるので、泡立時の器底壁15および器周囲壁16とブラシ先端部77の接触面積を大きくして、泡をさらに効果的に生成できる。
上記のように構成したブラシ体20は、図6に示すように、ブラシベース60の継手体64を駆動ピース46に連結して、ブラシ体20を本体ケース21と一体化して使用する。ブラシ体20を駆動軸39に連結した状態においては、各弾性腕71の係合片72が駆動ピース46の下端面に係合して、ブラシ体20が駆動軸39から分離するのを防止している。上記とは異なり、ブラシ体20を駆動軸39から取外して、ブラシベース60を片手で持った状態で、ブラシ体20を単体で使用することができる。このように、単独で使用する際のブラシ体20の外観上の体裁を向上し、さらに、ブラシベース60の下面に突出する継手体64を保護するために、ブラシベース60の下面に化粧カバー80を着脱自在に装着している。
上記のように、撹拌体2のブラシ体20を本体ケース21に対して着脱可能に連結すると、ブラシ体20を本体ケース21から取外した状態で単独で使用できる。従って、ブラシ体20ですくい取った泡をていねいに肌面に塗付することができる。泡を塗付するときは、本体ケース21に比べて軽量のブラシ体20のみを保持すればよいので、持ち重りすることもなくていねいに泡を塗付できる。また、ブラシ体20を肌面に接触させてなでつけることにより、ユーザーの好みに合った洗浄状態で肌面を積極的に洗浄できるうえ、泡を塗付するときと同様に持ち重りすることもなく肌洗浄を行える。肌洗浄時に電力を消費することもない。加えて、ブラシ体20を水洗い洗浄するときに、ブラシ体20の隅々までていねいに洗浄して泡を確実に洗い流すことができる利点もある。
図7において化粧カバー80は、上向きに開口する円形容器状のカバー本体81と、カバー本体81の内面中央に設けた装着部82と、開口周縁に張出し形成した舌片状の指掛片83とを一体に備えたプラスチック成型品からなる。装着部82は、ブラシ支持体62の継手体64に対応して六角筒状に形成してあり、装着部82を継手体64に外嵌係合することにより、化粧カバー80をブラシ支持体62と一体化して、継手体64(装着構造93)の外面をカバー本体81で覆い隠すことができる。この状態のブラシベース60を片手で持って、ブラシ体20を使用することができる。
上記のように、ブラシ体20を本体ケース21から取外して、化粧カバー80で装着構造93の外面を覆うようにすると、ブラシ体20を本体ケース21から分離して使用するときの外観を化粧カバー80で整えることができる。また、装着構造93を化粧カバー80で覆うので、ブラシベース60を片手で握ってブラシ体20を使用するときに、手指が装着構造93に当たるのを防止できる。さらに、装着構造93を兼ねる継手体64に異物が付着するのを防止して、継手体64と駆動ピース46との接続を常に適正に行うことができる。
化粧カバー80をブラシ体20に装着した状態における指掛片83は、ブラシベース60と化粧カバー80の接合面の外方へ突出しているので、指掛片83に指先をかけた状態で化粧カバー80を取外し操作することにより、化粧カバー80をブラシ支持体62から簡便に分離できる。また、ブラシベース60をつかんだ手指を指掛片83の周縁で受止めて、手指が滑るのを防止できる。指掛片83には吊掛穴84が形成されている。化粧カバー80のカバー本体81は、水または湯などの発泡液の計量容器を兼ねており、その内面には計量表示が設けられている。詳しくは、この実施例における計量容器は六角筒状の装着部82であって、その筒壁の外周面に計量表示を印刷し、あるいは筒壁の外周面に形成した凹リブ状や凸リブ状で計量表示を形成している。従って、計量表示の周囲をカバー本体81で覆って保護することができる。なお、より多くの水または湯を計量する必要がある場合には、カバー本体81を計量容器とすることができ、あるいは、カバー本体81と装着部82の両者を計量容器とすることができる。
以上のように構成した泡立器を用いて洗顔を行う場合について、泡立容器1と撹拌体2による泡立作用の詳細と、ブラシ体20による肌洗浄作用の詳細を以下に説明する。まず、ブラシ体20を駆動軸39に連結し、クリーム状の適量の洗顔用の洗浄剤を凹部78に付着させて、図10に示すように本体ケース21をホルダー3に装着したのち、ブラシ体20に適量の水または湯を含浸させる。この時、化粧カバー80のカバー本体81で水または湯を計量することにより、洗浄剤に対する水または湯を過不足なくブラシ体20に含ませることができる。給水後の化粧カバー80は、その開口面が上向きになる状態でカバー収納部18に収納保管する。この状態の化粧カバー80が、排液口14から排出されて落下する水滴を受止める水受94を兼ねている。本体ケース21をホルダー3に装着した状態において、モーター28は本体ケース21の中心軸Qより肩部34の側へ偏寄した位置に位置している。そのため、ホルダー3で支持された本体ケース21の重心をホルダー底壁8に近い側に位置させて、撹拌体2の全体を安定した状態で支持することができる。なお、凹部78を備えていないブラシ体20の場合には、部分球面上のブラシ先端部77に洗浄剤を付着させるとよい。
図1に示すように、ホルダー3に装着した本体ケース21は、その肩部34が規制部13で受止められて斜め下向きの横臥姿勢で位置決めされる。そのため、ブラシ体20の回転中心軸Pは、泡生成部4の外周側から容器中央へ向かって下り傾斜している。このように、本体ケース21をホルダー3に装着した状態では、本体ケース21の大半の部分がホルダー3で保持され、さらに撹拌体2の重心Gがホルダー3の突端より泡生成部4に近い側に位置しているので、ホルダー3に装着した撹拌体2を、ホルダー3で安定した状態で支持することができる。また、本体ケース21を撹拌姿勢にした状態では、ブラシ束61が器底壁15から器周囲壁16にわたる起泡部Fに接触して、その先端が一定量だけ弾性変形している。この状態でメインスイッチ26をオン操作すると、図12に示すように、モーター28が起動して、その回転動力が伝動構造で減速されたのちブラシ体20に伝動される。このときのモーター28は、低速回転(5000rpm)するように設定されており、モーター28が起動してから1分が経過するまで、その状態を維持する。そして、低速回転時間が1分に達するとモーター28は増速されて高速回転(10000rpm)する。さらに、高速回転モードに移行して1分が経過すると、モーター28を停止させて泡立モードを終了する。なお、モーター28が低速で駆動されているときの駆動軸39およびブラシ体20の駆動回転数は150rpmであり、モーター28が高速で駆動されているときの駆動軸39およびブラシ体20の駆動回転数は300rpmである。泡立て開始から所定時間が経過した時点でモーター28を停止して泡立てを終了させるので、その間に、肌面の下処理などの他の作業を並行して行える利点もある。泡立モードにおいてモーター28の駆動回転数を低速回転から高速回転へと段階的に増加させると、モーター28の駆動回転数が増加するのに伴って、駆動音の音量や周波数特性が変化する。従って、ユーザーは駆動音を聞くだけで、泡立て作業の進行状況を明確に把握することができる。また、泡立モードの開始直後にモーター28を低速回転させると、ブラシ体20に付着させた洗浄剤と、ブラシ体20に含ませた水とをよくなじませて、洗浄剤と水をブラシ体20に均等に含ませて泡をむらなく生成することができる。さらに、生成された泡がブラシ体20の遠心力で跳ね飛ばされるのを防止できる。モーター28を段階的に増速すると、低速回転時より多くの空気を取込んで泡塊を効果的に生成でき、同時に、泡塊をブラシ体20で繰返し撹拌して、生成された泡の泡径を小さくし、その肌理を細かくして泡の性状を好適化できる。
泡立モードが終了したら、本体ケース21をホルダー3から取外す。この時、図10に示すように、ホルダー3に装着した状態の本体ケース21のグリップ遊端側が、ホルダー3の突端から斜後方向へ大きく突出しているので、突出するケース部分を手掛かりにして本体ケース21を容易にホルダー3から取外すことができる。ホルダー3から分離した状態のブラシ体20のブラシ束61には生成した大量の泡が含まれている。とくにブラシ軸部76は多くの泡を含んで膨らんでおり、さらにブラシ軸部76やブラシ先端部77の周面には肌理細かな弾力に富む泡が付着している。凹部78にも肌理細かな弾力に富む泡が保持されている。従って、グリップを兼ねる本体ケース21を把持して撹拌体2をホルダー3から分離したのち、余分な泡を器周囲壁16の開口縁でしごいてブラシ体20の外形を整え、ブラシ体20に保持されている泡を顔肌などの肌面に直接塗付することができる。ブラシ体20に含まれる泡の残量が少なくなってきたら、泡生成部4内の泡塊をブラシ体20で掬いとって、頬回り、額、あご、鼻などの顔肌に塗付する。
上記の状態で、ブラシ体20のブラシ軸部76の軸周面(ブラシ束61の周側面)或いはブラシ束61の先端面であるブラシ先端部77を洗浄すべき顔肌などの肌面にあてがい、メインスイッチ26を1回オン操作すると、第1振動モーター51が起動して、本体ケース21およびブラシ体20を、前後を含む全周囲方向へ振動させて、肌洗浄(マッサージ)モードに移行する。また、メインスイッチ26を短く2回オン操作すると、第2振動モーター52が駆動して、本体ケース21およびブラシ体20を、上下を含む全周囲方向へ振動させて、肌洗浄(マッサージ)モードに移行する。また、メインスイッチ26を長押しすれば、再びモーター28が駆動して回転中心軸Pまわりにブラシ体20を回転させて、ブラシ体20の回転による肌洗浄(マッサージ)モードに移行することができる。このように3つの肌洗浄(マッサージ)モードは、いずれのモードも一定時間が経過したのちにモーター51・52・28を停止させて自動的に肌洗浄モードを終了するよう制御されている。また、美容器具のオフ状態において、メインスイッチ26を長押しすればいつでもブラシ体20の回転による肌洗浄(マッサージ)モードを利用できるよう制御されている。いずれの肌洗浄モードであっても、顔肌など肌面に付着している皮脂、古い角質、あるいは毛穴に入込んでいる汚れや化粧料などを洗い落すことができる。肌洗浄モードを開始してから2分が経過すると、第1振動モーター51または第2振動モーター52またはモーター28が停止し肌洗浄モードが終了するので、それまでの間に頬回りや額などをブラシ先端部77或いはブラシ軸部76で洗浄する。第1振動モーター51、第2振動モーター52ともに音波振動を発生するものである。最後に、本体ケース21をホルダー3に再装着して、水または湯を使用して肌面に付着している泡を洗い流し、水気を取り除いた状態で化粧水などを顔肌に塗付して洗顔を終了する。洗浄時には、ブラシ体20の振動作用或いはブラシ体20の回転による摺動によって、顔肌などの肌面をマッサージできるので血行を促進できる効果もある。もちろんマッサージを主として、ブラシ体20の振動或いはブラシ体20の回転による摺動を行うこともできる。ブラシ体20の回転による肌洗浄(マッサージ)モードの場合は、ブラシ体20の回転速度は、泡立モード時のブラシ体20の回転速度よりさらに小さな回転速度で回転駆動している。これにより、肌面に対する刺激を小さくすることができる。ブラシ束61の材質や太さによって刺激が低下するものであれば、洗浄(マッサージ)効果を向上させるため逆に回転数を上げるよう制御させてもよい。より強い刺激を与えた状態で肌洗浄を行う必要がある場合には、ブラシ体20を起振構造で振動させ、さらにブラシ体20を回転駆動した状態で肌洗浄を行うことができるスイッチを別途設けることができる。
ブラシベース60にブラシ束61を設けるとき、ブラシ束61の先端面を平坦面や外突湾曲面として形成した場合、このブラシ束61を含むブラシ体20を回転中心軸Pまわりに回転させると、ブラシ束61の回転中心を含む中央部が回転駆動時にねじれて剛性が増す。剛性が増せばブラシ束61の中央部が棒状となって肌にブラシ先端をあてがって回転洗浄または回転マッサージを行う際、肌が過剰に押されて肌にダメージを与えてしまう虞れがある。そこで、ブラシ体20を、本体ケース21に支持されるブラシベース60と、ブラシベース60に支持されるブラシ束61とで構成し、ブラシ束61の先端面の回転中心を含む中央部に凹部78を形成した。ブラシ束61の先端面の中央部に凹部78が設けられていると、ブラシ体20を回転駆動してブラシ束61の先端面による肌の洗浄或いはマッサージを行うとき、ブラシ束61の回転中心軸Pを含む中央部に位置する毛束が棒状となるのを防止することができるので、肌へのダメージを抑制することができる。
凹部78は、底壁78aと、底壁78aを全周囲において囲む側壁78bとを含み、かつ、凹部78が、ブラシ束61の先端面で形成されている。これにより、凹部78で泡塊を保持することができ、そこから泡を繰り出すことができるので、ブラシ束61の先端面における摺動摩擦を軽減できる。したがってブラシ体20を回転駆動してブラシ束61の先端面による肌の洗浄或いはマッサージを行うとき、肌へのダメージを抑制することができる。また、凹部78の下方にもブラシ束61が存在するため、そのブラシ束61部分でも泡を含ませることができるので、ブラシ束61に多くの泡を含ませることができる。
凹部78の側壁78bが、内凹み状の湾曲面で構成されていると、ブラシ束61の先端面を肌に強めに押し当てても凹部78内のブラシ束61の先端面が肌に当たり難い。したがって、ブラシ体20を回転駆動してブラシ束61の先端面による肌の洗浄或いはマッサージを行うとき、ブラシ束61がよじれて棒状となるのを防止でき、棒状となったブラシ束61の先端面で肌にダメージを与えるのを防止できる。
凹部78の径寸法が、底壁78aから開口部78cに向かって広くなるよう構成されていると、遠心力により凹部78内にある泡塊を迫り上げて肌面に供給することができる。したがってブラシ体20を回転駆動してブラシ束61の先端面による肌の洗浄或いはマッサージを行うとき、ブラシ束61の先端面における摺動摩擦を軽減することができ肌へのダメージを抑制することができる。
凹部78が、平面視が円形のドーム状に形成されていると、遠心力により凹部78内にある泡塊をよりスムーズに迫り上げて肌面に供給することができる。したがってブラシ体20を回転駆動してブラシ束61の先端面による肌の洗浄或いはマッサージを行うとき、ブラシ束61の先端面における摺動摩擦を軽減することができ肌へのダメージを抑制することができる。
ブラシベース60から突出するブラシ束61の突出基端61aから底壁78aまでの寸法H2よりも凹部78の開口部78cから底壁78aまでの寸法H1を小さく設定すると、凹部78内のブラシ束61の先端面が肌面に当接し難いという効果がある一方で、凹部78の底壁78aから肌面までの距離が近づくため、凹部78内の泡が肌面に供給されやすくなり、これにより肌へのダメージを抑制することができる。
ブラシ束61が、棒状のブラシ軸部76と、ブラシ軸部76の先端に形成される外突湾曲状のブラシ先端部77と、ブラシ先端部77の中央部に凹み形成された凹部78とを備えていると、外突湾曲状のブラシ先端部77を肌面にフィットさせることができ、肌面の洗浄或いはマッサージを適切に行うことができる。一方、ブラシ軸部76には泡を含ませることができ、肌面にその泡を供給することができる。
凹部78の底壁78aが、外突湾曲状のブラシ先端部77と棒状のブラシ軸部76との境界線77aと、凹部78の開口部78cとの間に位置していると、凹部78の底壁78aから肌面までの距離が近づくため、凹部78内の泡が肌面に供給されやすくなり、これにより肌へのダメージを抑制することができる。肌の洗浄或いはマッサージを行うとき、外突湾曲状のブラシ先端部77が肌面に押されて弾性変形するが、このとき、凹部78の空間が減少することで凹部78に保持されている泡が強制的に絞り出されてブラシ束61の先端面における摺動摩擦を軽減することができる。これにより肌へのダメージを抑制することができる。
ブラシベース60の横幅をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとを、不等式(D/2<H)を満足するように設定してあると、肌面をブラシ束61で洗浄するときのブラシ軸部76の腰の強さを弱くできるので、ブラシ先端部77或いはブラシ軸部76の顔肌に対する接触感をソフトで滑らかにすることができる。さらに、上下に長いブラシ束61により多くの泡を含ませて、ブラシ先端部77もしくはブラシ軸部76と肌面の接触を滑らかなものとして、洗浄時に肌面がダメージを受けるのを防止できる。
ブラシベース60の横幅をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の横幅Dと、ブラシ束61の突出寸法Hとを、不等式(D<H)を満足するように設定してあると、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hをさらに大きくすることができる。これにより、ブラシ先端部77或いはブラシ軸部76の肌面に対する接触感をさらにソフトで滑らかなものとすることができ、上下に長いブラシ束61にさらに多くの泡を含ませて、ブラシ先端部77もしくはブラシ軸部76と肌面の接触を滑らかなものとすることができる。
ブラシベース60の横幅をDとし、ブラシ軸部76の上端における横幅をD1とするとき、ブラシベース60の横幅Dと、ブラシ軸部76の横幅D1とを、不等式(D<D1)を満足するように設定してあると、ブラシ軸部76を逆円錐台状に形成して、ブラシ軸部76とブラシ先端部77との境界付近の直径を大きくすることができる。従って、洗浄時における前記境界付近の周速度を大きくして、洗浄効果を向上できる。また、凹部78の湾曲面の曲率をブラシ先端部77の湾曲面の曲率よりも大きく設定していると、ブラシ先端部77が緩やかに湾曲するためブラシ先端部77の先端面の肌当たりがよい。
このように泡立容器1から取り外した撹拌体2は、泡を伴って肌を刺激して肌洗浄を行うことができる電動式の洗浄ブラシとして利用できる。この場合、その洗浄ブラシが美容器具となる。例えば、ブラシ束61のそれぞれのブラシ先端を丸く形成して、そのブラシ先端部分を肌に押しつけながらブラシ体20を回転または回転および振動させることで、肌の血行を促進できるマッサージブラシとすることができる。この場合、そのマッサージブラシが美容器具となる。本実施例では、泡立容器1に撹拌体(美容器具)2のスタンド機能を持たせたが、泡立て機能を無くしてスタンド機能のみを持たせたものであってもよい。ブラシ体20と本体ケース21からなる洗浄ブラシまたはマッサージブラシを美容器具として、当該美容器具と、当該美容器具を単に装着して支持するスタンドとにより美容機器を構成するものであってもよい。
洗浄が終了したら、本体ケース21から取外したブラシ体20と泡立容器1を水洗いし、泡立容器1およびブラシ体20に付着している泡を洗い流して水切りする。次に、図13に示すように、ブラシ体20の継手体64を泡立容器1のブラシ支持具10に係合して、ブラシ束61が下向きになる状態でブラシ体20を泡立容器1に固定し、ブラシ束61を乾燥させその状態のままで保管する。本体ケース21はホルダー3に装着してもよいし、泡立容器1から分離した状態で保管してもよい。なお、泡立モードが終了したのち、一定時間が経過した時点で自動的に肌洗浄モードに移行して、第1振動モーター51と第2振動モーター52を交互(例えば10秒毎)に起動して肌洗浄を行い、さらに一定時間が経過したのちに両モーター51・52を停止させて自動的に肌洗浄モードを終了することができる。
撹拌体2を泡立モードで作動させる状態において、ブラシ体20の回転中心軸Pは図14のように下り傾斜して、そのブラシ束61の先端が起泡部Fに臨む器周囲壁16と器底壁15とに同時に接触して、ブラシ先端が上向きに弾性変形している。また、泡生成部4のホルダー3側の器底壁15には、図14に矢印で示す範囲に、器底壁15に連続して起泡部Fへ向かって下り傾斜する泡還流壁88が設けられている。さらに、起泡部Fに臨む器周囲壁16と器底壁15に接触しているブラシ体20は、泡生成部4の左右中央に保持されており、しかも、断面円形に形成したブラシ束61の半径が、凹曲面状の器底壁15の湾曲面の曲率半径より小さく設定されているため、ブラシ束61の右半周面と器周囲壁16との間に、空気の導入を促す空気導入隙間89が形成される(図15参照)。この状態のブラシ体20を、図15に矢印Sで示すように、起泡部Fと正対する側から見て時計回転方向へ回転駆動することにより、ブラシ束61に一定の圧力が作用する状態で発泡要素を発泡させることができ、さらに、ブラシ先端部77とブラシ軸部76の一部を泡立リブ17に衝突させて、泡塊を繰返し撹拌することができる。従って、ブラシ束61で発泡要素と泡塊に圧力をかけながら発泡し流動させることができるので、発泡要素を効果的に発泡させることができる。
詳しくは、ブラシ先端部77は起泡部Fに臨んで隣接する泡立リブ17を、弾性変形しながら次々に乗り越え、その間にブラシ束61の先端を大きく弾性変形させ、しかも泡立リブ17を乗越えるごとにブラシ束61を躍動させて、発泡要素に強い圧力を加えながら発泡要素をさらに効果的に発泡できる。さらに、ブラシ束61が弾性変形する間に、周囲の空気を取込みながら泡塊を生成することができる。従って、泡立リブ17を備えていない泡生成部4に比べて、泡塊の生成と泡の細分化とをさらに効果的に行うことができる。なお、泡立リブ17を有する場合でも起泡部Fに臨む器周囲壁16と器底壁15に接触しているブラシ体20のブラシ束61の先端が弾性変形しており、撹拌姿勢に保持した撹拌体2のブラシ体20をブラシ回転駆動構造で回転駆動すれば、ブラシ束61に一定の圧力が作用する状態でブラシ体20を回転駆動することができる。すなわち、一定の圧力とは、泡立リブ17を有する場合でも、ブラシ束61にかかる圧力が大小変化するものの、回転時間がいくら経過しても回転中はその上下する圧力の幅は一定であるので、泡立リブ17を有する場合でもブラシ束61に一定の圧力が作用すると理解するものである。波状に設けられた泡立リブ17に換えてドーム状の突起が多数設けられたものであっても同様にブラシ束61に一定の圧力が作用する状態でブラシ体20を回転駆動することができる。従来のように泡立容器とブラシによって手動で泡立てを行うと撹拌する際の圧力が一定ではなくなり泡立て結果に個人差が生じやすく、ユーザーによっては十分な量の細かな泡を手際よく発泡させるのが難しい。
このとき、図15に向かって右半分側のブラシの周囲においては、ブラシ束61に付着した泡が、泡立リブ17や器周囲壁16および器底壁15に押付けられて揺さぶられ、空気が強制的に混入される。また、図15に向かって左半分側のブラシの周囲においては、生成された泡塊がブラシ体20の回転力を受けて周囲に跳ね飛ばされ、起泡部Fに臨む器周囲壁16で受止められて、同壁16に沿って器底壁15へと流れ落ちる。このように、左半分側の器周囲壁16は泡流下壁90として機能している。このとき、図15に向かって右半分側のブラシの周囲においては、ブラシ束61に付着した泡が、泡立リブ17や器周囲壁16および器底壁15に押付けられて揺さぶられ、空気が強制的に混入される。また、図15に向かって左半分側のブラシの周囲においては、生成された泡塊がブラシ体20の回転力を受けて周囲に跳ね飛ばされ、起泡部Fに臨む器周囲壁16で受止められて、同壁16に沿って器底壁15へと流れ落ちる。このように、左半分側の器周囲壁16は泡流下壁90として機能している。器周囲壁16から器底壁15にわたって泡立リブ17を形成すると、器周囲壁16に沿って弾性変形しているブラシ束61の上半部と、器底壁15に沿って弾性変形しているブラシ束61の下半部とで、ブラシ束61が泡立リブ17を乗越えるときの方向を逆向きにできる。従って、ブラシ束61の先端部に捕捉された泡塊を複雑に揺り動かして、泡径が小さな肌理の細かい泡塊を形成することができる。器周囲壁16の開口縁から器底壁15にわたって泡立リブ17を形成すると、ブラシ束61の先端のすべてが弾性変形した状態で泡立リブ17を乗越えて、ブラシ束61の先端の全体で泡塊を生成することができる。また、上下方向に長い泡立リブ17と、隣接する泡立リブ17の間の溝に案内されて、上方へ跳ね飛ばされた泡をブラシ体20や起泡部Fへ確実に戻すことができるので、繰返し泡を撹拌して泡径が小さな肌理の細かい泡塊を生成することができる。さらに、泡立リブ17を乗越えるときのブラシ束61の先端は、隣接する泡立リブ17の間の器周囲壁16と泡立リブ17とで形成される凹凸面に倣って飛跳ねるように弾性変形して、ブラシ束61に含まれている泡や、ブラシ束61の周囲の泡塊を激しく揺り動かしなら撹拌することができるので、泡の生成と泡径の微細化とを効果的に行って、ムース状の泡塊を効率よく生成できる。泡立リブ17は必ずしも上下に長いリブ状の突起である必要はなく大小のドーム状の突起を泡生成部4の内面壁に多数設けたものであってもよい。
泡立モードにおいては、起泡部Fに臨む器底壁15の断面形状が、凹曲面状の湾曲面で形成してあるので、起泡部Fと接触するブラシ束61の周面と器底壁15との間に形成される空気導入隙間89の周辺の空気を、ブラシ束61で巻込んで起泡部Fへと送り込むことができる。つまり、空気導入隙間89を設けることで、ブラシ束61で生成された泡塊と空気とを空気導入隙間89から同時に取込んで、ブラシ束61と器底壁15の間に巻込むことができるので、泡塊の生成と泡の細分化とをさらに効果的に行うことができる。
さらに、断面円形に形成したブラシ束61の半径が、凹曲面状の器底壁15の湾曲面の曲率半径より小さく設定してあるので、器周囲壁16と、ブラシ束61の左右周面との間に自由空間が形成され、自由空間を通過するブラシ束61によって空気を効率よく巻込むことができるので、泡塊と空気の撹拌とを繰返し行って、弾力に富む肌理の細かなムース状の泡塊を生成することができる。
泡塊の生成量が増加するのに伴って、泡塊の一部は図15に向かって右半分側の空気導入隙間89を介して泡還流壁88の側へ流動する。しかし、泡還流壁88を含む器底壁15の全体が、起泡部Fへ向かって下り傾斜されているため、ブラシ体20と泡還流壁88の間に位置する泡塊は、ブラシ束61の先端へ向かって流動し、再びブラシ束61で撹拌される。このように、泡を生成しながら泡塊をブラシ束61で繰返し撹拌することにより、泡径が小さく肌理の細かな泡塊を効率よく生成できる。従って、回転ブラシを一定の速度で回転駆動して泡立を行う従来の泡発生装置に比べて、泡の生成と泡径の微細化とを効果的に行って、ムース状の泡塊を効率よく生成できる。
先に説明したように、泡立モードの前半ではモーター28を低速回転させ、泡立モードの後半ではモーター28を高速回転させる。このように、モーター28を低速回転させると、ブラシ束61の凹部78に付着させた洗浄剤と、ブラシ軸部76に含ませた水とをよくなじませて、洗浄剤と水をブラシ軸部76およびブラシ先端部77に均等に含ませて泡をむらなく生成することができる。また、モーター28を高速回転させることにより、より多くの空気を取込むことができるので泡塊を効果的に生成できる。さらに、泡塊をブラシ束61で繰返し撹拌して、生成された泡の泡径を小さくし、その肌理を細かくすることができる。
上記の実施例1では、泡立モードにおいてメインスイッチ26をオン操作してブラシ体20を低速および高速で回転駆動して泡立を行い、所定時間が経過したことをタイマーで検知して泡立てモードを終了し、再度メインスイッチ26をオン操作して肌洗浄モードへ移行して起振構造を作動させるようにしたがその必要はない。例えば、メインスイッチ26のオン操作でブラシ体20を一定速度で回転駆動して泡立モードとしたのち、ユーザーが泡立ち具合を目視で確認し、十分な量の泡塊が生成されたと判断した時点で、撹拌体2をホルダー3から取外し、ブラシ体20を回転駆動した状態のままで、ブラシ体20のブラシ軸部76の軸周面(ブラシ束61の周側面)或いはブラシ束61の先端面であるブラシ先端部77を洗浄すべき顔肌などの肌面にあてがって、泡塊の塗付と肌洗浄を並行して行うことができる。その場合には、タイマーおよび起振構造を省略することができる。なお、十分な量の泡塊が生成されたと判断した時点で、ユーザーがメインスイッチ26を操作してモーター28を停止し、その状態で撹拌体2をホルダー3から取外して、泡塊を顔肌に塗付することができる。泡塊を塗付したのち、再度メインスイッチ26を操作して、モーター28または起振構造を起動させた状態で肌の洗浄を行うようにしてもよい。
(実施例2)図18は、ブラシ構造を変更した実施例2に係るブラシ体20を示す。ブラシ束61における破断線から上方が断面図となっている。そこでは、実施例1のブラシ体と同様に、ブラシ束61のブラシ軸部76を逆円錐台状に形成するが、ブラシ先端の全体を部分球面状の凹曲面で形成して凹部78とする点が異なる。この場合のブラシ先端部77は、ブラシ軸部76の上端の円弧縁となる。上記のように、凹部78の容積を大きく設定すると、凹部78の内部に保持される発泡剤や発泡要素の保持量を多様に変更できるので、発泡剤や発泡要素のメーカーの違いや、発泡特性の違いに対応することができる。また、泡立時にはブラシ先端部77が弾性変形して、その内部に保持した発泡剤や発泡要素を包込んだ状態で、揺さぶりながら泡立リブ17に衝突させるので、モーター28が低速回転される泡立モードにおいて泡を速やかに生成できる。本実施例においても凹部78に泡塊を保持することができる。肌の洗浄或いはマッサージを行うとき、ブラシ先端部77が肌に線状に当接して肌の洗浄を行うことができる。本実施例においても、凹部78の径寸法が、底壁78aから開口部78cに向かって広くなるよう構成されている。他は実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
(実施例3)図19は、ブラシ構造を変更した実施例3に係るブラシ体20を示す。ブラシ束61における破断線から上方が断面図となっている。そこでは、実施例1のブラシ体と同様に、ブラシ束61のブラシ軸部76を逆円錐台状に形成するが、ブラシ先端部77が外突湾曲状とはなっておらず平坦面で形成されている点が異なる。また凹部78の形状も異なっており、凹部78の底壁78aは円形の平坦面で形成されている。凹部78の側壁78bは、全周囲において内凹み状の湾曲面で構成されている。本実施例においても、凹部78の径寸法が、底壁78aから開口部78cに向かって広くなるよう構成されている。
(実施例4)図20は、ブラシ構造を変更した実施例4に係るブラシ体20を示す。ブラシ束61における破断線から上方が断面図となっている。ブラシ束61のブラシ軸部76は円筒状に形成している。ブラシ先端部77は外突湾曲状に形成している。凹部78における、底壁78aおよび側壁78bは、全周囲において内凹み状の湾曲面で構成されているが、側壁78bの開口部78c寄りにおいて外突湾曲面状となっている。このブラシ束61の形状は上記各要素の繋ぎ目が曲面により形成されているため肌当たりが優しいものとなる。本実施例においても、凹部78の径寸法が、底壁78aから開口部78cに向かって広くなるよう構成されている。
(実施例5)図21及び図22は、ブラシ構造を変更した実施例5に係るブラシ体20を示す。そこでは、実施例1のブラシ体と同様に、ブラシ束61のブラシ軸部76を逆円錐台状に形成し、ブラシ先端部77も外突湾曲状となっているが、凹部78の形状が異なる。つまり、実施例1の凹部78は、平面視が円形である内凹みのドーム状に形成されていたが、本実施例の凹部78は、平面視がハート型である内凹みのドーム状に形成されている。このように凹部78が図柄を表わすよう構成すると、装飾性に富んだ美容機器を提供することができる。凹部78の図柄としては、平面視において星型、ダイヤ型、三つ葉型、四つ葉型などに変更できる。凹部78の立体形状としては、ドーム型に限らず、下向きに尖った錐形状であってもよい。
上記実施例1から5のいずれのも、底壁78aが平坦面や湾曲面で形成されているが、下向きに尖った錐形状であってもよい。なお、凹部78の内部には、まったくブラシ束61がないものに限らず、毛束61が棒状とはならず肌面にダメージを与えない範囲であれば、例えば凹部78内に点で分散配置される形態で毛束61が設けられるものであってもよい。これにより、凹部78内に分散配置された毛束61によっても洗浄を行うことができ、洗浄効果を向上できる。上記の各実施例に例示された形態のブラシ体20は、ブラシ束61が、ブラシ体20の回転中心軸Pと同一方向に突出して形成された形態である。なお、凹部78が図柄を表わすよう構成すると、装飾性に富んだ美容機器を提供することができるが、これに重点を置き構成するのであれば本発明のようにブラシ束61の先端面の中央部に図柄を表わした凹部78を設ける必要はなく、周囲にずらして設けてもよい。
(実施例6)図23は、泡生成部4の容器構造を変更した泡立容器1を示す。そこでは、泡生成部4の泡還流壁88および器底壁15を滑らかに湾曲する凹曲面状に形成し、泡還流壁88を含む器底壁15の全体を、起泡部Fへ向かって下り傾斜させるようにした。泡還流壁88の傾斜度合はブラシ体20の回転中心軸Pの傾斜度合と概ね一致させた。こうした泡生成部4によれば、泡還流壁88の側へ流動してきた泡塊や、器底壁15に滞留しようとする泡塊を起泡部Fへ向かって確実に流動させて、繰り返しブラシ束61で撹拌できるので、図15で説明した泡立容器1に比べて、泡径が小さく肌理の細かなムース状の泡塊をさらに効率よく生成できる。
(実施例7)図24は、泡生成部4の容器構造を変更した泡立容器1を示す。そこでは、泡生成部4の垂直方向の器中心軸Jと、ブラシ体20の中心を通る垂直中心軸Kとを想定するとき、本体ケース21をホルダー3に装着した状態において、起泡部Fと正対する側からみて、垂直中心軸Kが器中心軸Jの左側に偏寄するようにした。つまり、ホルダー3の長手方向中心軸を器中心軸Jよりも左側へずらすようにした。また、ブラシ体20の回転駆動方向を、図18に矢印Sで示すように、起泡部Fと正対する側から見て時計回転方向へ回転駆動して、泡生成部4の右半側に空気の導入を促す空気導入隙間89が形成されるようにした。
より詳しくは、器中心軸Jを通る前後方向の垂直平面を境にして、ブラシ体20の垂直中心軸Kが含まれる偏寄半部96と、ブラシ体20の垂直中心軸Kが含まれていない残存半部97とを想定するとき、ブラシ体20の回転駆動方向を、偏寄半部96の側からブラシ体20の周面の上頂部を経由して残存半部97の側へ向かう向きに設定して、残存半部97の側に空気の導入を促す空気導入隙間89を形成するようにした。
上記のように、残存半部97の側に空気の導入を促す空気導入隙間89を形成すると、ブラシ束61で生成された泡塊と空気とを空気導入隙間89から同時に取込んで、ブラシ束61と器底壁15の間に巻込むことができる。また、垂直中心軸Kを偏寄させた分だけ、偏寄半部96の側の器周囲壁16とブラシ束61の周面との隙間が小さくなるので、ブラシ束61から跳ね飛ばされた泡塊を泡流下壁90の低い位置で受止めて、器底壁15側へ速やかに流下させることができる。従って、図15で説明した泡立容器1に比べて、ブラシ束61による泡塊の撹拌頻度を高めて、肌理の細かなムース状の泡塊をさらに効率よく生成できる。
(実施例8)図25は、泡生成部4の容器構造を変更した泡立容器1を示す。そこでは、実施例4の泡立容器と同様に、ブラシ体20の垂直中心軸Kが泡生成部4の垂直方向の器中心軸Jの左側に偏寄するように、ホルダー3の長手方向中心軸を器中心軸Jよりも左側へずらすようにした。また、ブラシ体20の回転駆動方向を、図25に矢印Sで示すように、起泡部Fと正対する側から見て時計回転方向へ回転駆動して、泡生成部4の右半側に空気の導入を促す空気導入隙間89が形成されるようにした。そのうえで、泡生成部4の偏寄半部96の内隅に起泡部Fを配置し、偏寄半部96における器周囲壁16に、泡のせり上がりを規制する急傾斜の泡受壁91を形成した。さらに、残存半部97における器周囲壁16から器底壁15にわたって、起泡部Fへ向かって下り傾斜する泡戻し壁92を形成した。
上記のように、偏寄半部96の内隅に起泡部Fを配置すると、ブラシ束61と器底壁15および器周囲壁16との周方向の接触長さを大きくできるので、泡塊の生成と泡塊の撹拌とをさらに効果的に行うことができる。また、残存半部97の側に空気の導入を促す空気導入隙間89が形成されるので、ブラシ束61で生成された泡塊と空気とを空気導入隙間89から同時に取込んで、ブラシ束61と器底壁15の間に巻込むことができる。さらに、偏寄半部96の側に泡のせり上がりを規制する急傾斜の泡受壁91を設け、残存半部97の側の器周囲壁16から器底壁15にわたって、起泡部Fへ向かって下り傾斜する泡戻し壁92を設けるので、ブラシ束61から跳ね飛ばされた泡塊や、ブラシ束61で生成された泡塊を、速やかに起泡部Fへ流下させて繰返しブラシ束61で撹拌できる。従って、図15で説明した泡立容器1に比べて、ブラシ束61による泡塊の撹拌頻度を高めて、肌理の細かなムース状の泡塊をさらに効率よく生成できる。ブラシ束61から跳ね飛ばされた泡塊が、泡受壁91に沿ってせりあがって泡生成部4の外へはみ出ることもない。
(実施例9)図26は実施例9に係る泡立容器1を示す。そこでは、スタンド5の一部の構造を変更して、ホルダー3のブラシ支持具10に吊下げ支持したブラシ体20の下方に、ブラシ体20から落下する水滴を受止めるブラシ水受101を設けるようにした。詳しくは、スタンド5の後部位置を、ホルダー3のブラシ支持具10の真下より後方にまで延長して、ブラシ体20と上下に正対するスタンド壁にブラシ水受101を凹み形成した。このように、ブラシ体20の下方にブラシ水受101を設けると、ブラシ束61から滴り落ちた水滴が、スタンド5の周囲に飛散するのを防止できる。また、ブラシ水受101をスタンド5と一体に形成するので、ブラシ水受101を設けることに伴うコスト増を回避できる。
(実施例10)図27は実施例7に係る泡立容器1を示す。そこでは、スタンド5の一部の構造を変更して、化粧カバー80をブラシ水受101として利用できるようにした。そのために、ホルダー3のブラシ支持具10と上下に対向するスタンド5にカバー収納部18を設け、化粧カバー80を、その開口面が上向きになる状態でカバー収納部18に収容することにより、化粧カバー80がブラシ水受101を兼ねるようにした。また、排液口14と対向するスタンド5の壁面に、新たに水受94を凹み形成して、排液口14から滴り落ちる水を水受94で受止められるようにした。
(実施例11)図28は実施例11に係る泡立容器1を示す。そこでは、排液口14を省略して、撹拌体2から流れ落ちてホルダー3内に流下した水(液体)を、連通溝12を利用して泡生成部4の内部空間へ流下できるようにした。そのために、実施例1で説明した連通溝12より溝深さを大きくして、連通溝12がホルダー3の内部空間の下端底面から、泡生成部4の内部空間へ向かって下り傾斜するようにした。この排水構造によれば、排液口14がないので、ホルダー3内の水が滴り落ちることはなく、泡生成部4に戻して自然乾燥させることができる。また、水洗い直後の本体ケース21がホルダー3の装着された場合にも、本体ケース21から流落ちたすべての水を、容積の大きな泡生成部4で確実に受止めることができる。
(実施例12)図29はホルダー3の構造を変更した泡立容器1を示す。そこでは、ホルダー3を泡立容器1とは別の独立した部材で構成して、ホルダー3に装着した撹拌体2のブラシ体20を、泡立時に限って泡生成部4の内部に差込めるようにした。ホルダー3は、実施例1で説明したホルダー3と同じ構造のホルダー本体103と、ホルダー本体103を支持するホルダースタンド104とを一体に備えており、ホルダースタンド104の下部のスタンド台105にカバー収納部18が形成されている。泡生成部4のスタンド5は、平面から見るときの泡生成部4の外郭線の範囲内に収まっている。泡立容器1の開口縁の後部には、ブラシ体20を出し入れするための装着口106が斜めに形成されている。
泡立を行う場合には、図示していない専用の載置台に、ホルダー3と泡立容器1とを互いに隣接する状態で載置し、両者1・3を位置決め固定する。この状態で撹拌体2をホルダー本体103に装着し、モーター28を起動することにより、ブラシ束61の先端を起泡部Fに臨む器底壁15と器周囲壁16とに接触させて適度に弾性変形させた状態で泡立を行うことができる。
(実施例13)図30はホルダー3の構造を変更した泡立容器1を示す。そこでは、泡立容器1の後部に、本体ケース21の肩部34を受止める規制部13を斜め横向きに張出し形成し、その後端から上向きの支持壁109を連出し、支持壁109の上端に本体ケース21の左右側面を抱持する弾性変形可能な抱持腕110を設けている。つまり、規制部13と支持壁109と抱持腕110とでホルダー3を構成し、これらの各部材を泡立容器1と一体に形成した。撹拌体2は、ホルダー3で倒立姿勢に保持される本体ケース21と、本体ケース21の中心軸Qに対して斜めに傾斜する状態で支持されるブラシ体20とを備えている。本体ケース21をホルダー3に装着した状態では、ブラシ体20の回転中心軸Pが起泡部Fへ向かって下り傾斜状に傾斜する。この実施例においては、本体ケース21を起立させた状態において、ブラシ体20が斜め上向きに突出するので、終段ギヤ38と駆動軸39に一対の傘歯車111・112を設けて、回転中心軸Pを傾斜させている。本体ケース21の中心軸Qに対して斜めに傾斜する状態でブラシ体20が設けられていると、ブラシ束61の先端面による肌の洗浄或いはマッサージを行いやすい。
(実施例14)図31は本体ケース21の構造を変更した撹拌体2を示す。そこでは、エンドカバー24に三角形状のブラシ保持部113を設け、ブラシ保持部113の平坦周面にブラシ体20を着脱するようにした。泡立容器1は、実施例1で説明した泡立容器1とほぼ同じであるが、起泡部Fのほとんどの部分が器底壁15で占められる点が異なっている。本体ケース21を起立させた状態においては、先のブラシ保持部113の平坦周面が後上がり傾斜状に傾斜しており、ブラシ体20をブラシ保持部113の駆動軸39に連結した状態では、ブラシ体20の回転中心軸Pが平坦周面と直交する向きを指向する。そのため、本体ケース21をホルダー3に装着した状態では、ブラシ体20の回転中心軸Pが垂直になって、ブラシ束61の先端が器底壁15に接触して弾性変形する。そのために、終段ギヤ38のギヤ軸114と駆動軸39に一対の傘歯車111・112を設けて回転中心軸Pを傾斜させている。この実施例から理解できるように、起泡部Fは主に器底壁15の側に設けてあってもよく、その場合には器底壁15にリブ状あるいは独立した突起からなる泡立突起145の一群を設けることができる。泡立突起145に代えて、泡立凹部の一群が設けてあってもよい。本実施例においても、本体ケース21の中心軸Qに対して斜めに傾斜する状態でブラシ体20が設けられているので、ブラシ束61の先端面による肌の洗浄或いはマッサージを行いやすい。
(実施例15)図32はホルダー3の構造を変更した泡立容器1を示す。そこでは、泡立容器1の後部に、ボス116を一体に形成し、ボス116に形成した垂直の装着穴117にホルダー3を着脱自在に装着できるようにした。撹拌体2は実施例1で説明した撹拌体2と同じ構造であるが、本体ケース21をホルダー3に装着した状態において、撹拌体2の全体が倒立姿勢で支持される点が異なっている。ホルダー3は、先の装着穴117に差込み係合される非円形断面の支軸118と、支軸118の上下中途部から前向きに突設されて本体ケース21の肩部34を受止める規制腕(規制部)13と、支軸118の上端から前向きに連出されて、本体ケース21の左右側面を抱持する弾性変形可能な抱持腕110を一体に備えている。泡立容器1は、泡生成部4と円盤状のスタンド5を備えており、器周囲壁16の内面の全体にわたって泡立リブ17が形成してある。支軸118を装着穴117に上方から差込み係合した状態では、支軸118の下端がスタンド5で受止められて、ホルダー3が泡立容器1で起立支持されている。器底壁15には、リブ状あるいは独立した突起からなる泡立突起145の一群を設けることができる。
(実施例16)図33は撹拌構造を変更した撹拌体2を示す。そこでは、継手体64を一体に備えたブラシ台120を設け、継手体64を駆動軸39に連結することにより、ブラシ台120を回転中心軸Pの周りに回転駆動できるようにした。また、回転中心軸Pから偏寄するブラシ台120の両端寄りに2個のブラシ支軸121を設け、これらのブラシ支軸121にブラシ体20を固定した。泡立容器1とホルダー3は、実施例15で説明した泡立容器1およびホルダー3と同じ構造にした。器底壁15には、リブ状あるいは独立した突起からなる泡立突起145の一群を設けることができる。
撹拌体2をホルダー3に装着した状態では、撹拌体2の全体が倒立姿勢に保持されて、ブラシ体20のブラシ束61の先端が泡立容器1の器底壁15と接触して弾性変形している。この状態でモーター28を起動すると、ブラシ台120が回転中心軸Pの周りに回転駆動されて、2個のブラシ体20が主として器底壁15に接触した状態で、ブラシ束61の先端が泡立リブ17を乗越えながら、複数の起泡部Fで同時に泡立を行うことができる。この実施例においては、2個のブラシ体20の間の空間が空気導入隙間89および凹部78として機能する。
上記のように、2個のブラシ体20をブラシ台120の回転中心軸Pに対して偏寄配置すると、泡塊を2個のブラシ体20で同時に撹拌して、泡塊とブラシ体20との接触機会を倍加できるので、泡の生成と泡の微細化に要する時間を短縮して、ムース状の泡塊をさらに効率よく生成できる。また、生成された泡塊が2個のブラシ体20の間に溜まるので、泡塊が泡生成部4の1か所に偏った状態で溜まるので防止できる。
以上のように構成した泡立て器は、実施例1で説明した用法に従って、2個のブラシ体20のブラシ軸部76の軸周面を洗浄すべき顔肌に同時にあてがって、第1振動モーター51と第2振動モーター52を作動させた状態で、洗顔を行うことができる。また、洗顔を行う際に、モーター28の回転動力でブラシ台120をゆっくりと回転駆動させるようにすると、2個のブラシ体20の回転作用と、肌面を各ブラシ体20でたたく作用とによって洗顔を行うことができる。本実施例においても、ブラシ体20を、本体ケース21に支持されるブラシベース60と、ブラシベース60に支持されるブラシ束61とで構成し、ブラシ束61の先端面の回転中心を含む中央部に凹部78を形成している。本実施例においては凹部78に泡塊を保持することはできないが、ブラシ束61の先端面の中央部に凹部78が設けられているため、ブラシ体20を回転駆動してブラシ束61の先端面による肌の洗浄或いはマッサージを行うとき、ブラシ束61の回転中心軸Pを含む中央部に位置する毛束が棒状となるのを防止することができ、肌へのダメージを抑制することができる。
ちなみに、ブラシ体20の直径に対して、泡生成部4の内直径が十分に大きく、1個のブラシ体20の回転中心軸が器中心軸J上に位置している場合には、ブラシ束61で生成されて跳飛ばされた泡塊が泡生成部4の内隅に溜まるので、泡塊をブラシ束61で繰返し撹拌することができなくなり、泡を微細化するのに多くの時間が掛かってしまう。逆に、泡生成部4の内直径が、ブラシ体20の直径よりわずかに大きい場合には、器周囲壁16とブラシ体20との間の隙間が小さくなるため、ブラシ束61で生成された泡塊が先の隙間に充満して、空気を泡塊に取込むのが困難となるため、泡の生成と泡の微細化を効果的に行うのが困難となる。
(実施例17) 図34はブラシ回転駆動構造を変更した撹拌体2を示す。そこでは、ブラシ回転駆動構造を構成するモーター28を省略し、その代わりに泡立容器1に手動駆動構造を設けて、本体ケース21をホルダー3に装着する際に、本体ケース21内のギヤ構造を手動駆動構造に連結できるようにした。手動駆動構造は、手回しハンドル124と、同ハンドル124で一対の傘歯車125・126を介して回転駆動される出力軸127とを備えており、出力軸127の上端に断面四角形の連結軸128が設けられている。出力軸127は、その連結軸128がホルダー底壁8に設けた軸通口129からホルダー3内に突出する状態で回転自在に支持されている。本体ケース21側のギヤ構造は、先の連結軸128に着脱可能に連結される継手軸130と、継手軸130と増速ギヤ軸131との間に設けた一対の傘歯車132・133と、増速ギヤ軸131と駆動軸39との間に設けた大径ギヤ134および小径ギヤ135とで構成する。撹拌体2の上ケース22には、連結軸128の出入りを許す駆動穴136が開口されている。
泡立を行う場合には、本体ケース21をホルダー3に装着して、継手軸130を連結軸128に連結する。この状態で泡立容器1と撹拌体2を片手で抑え保持し、手回しハンドル124を回転操作してブラシ体20を回転駆動し、泡生成部4内で泡塊を生成する。この実施例における泡立器は、専ら泡立を行うために使用する。しかし、本体ケース21の内部に第1、第2の振動モーター51・52のうち、少なくとも第1振動モーター51を設ける場合には、泡立を行った後、撹拌体2を肌洗浄モードにして顔肌の洗浄を行うことができる。さらに、例えば小径ギヤ135の下方にフライホイールを一体で設けることができる。これにより手回しハンドル124を勢いよく回転させれば、ギヤ構造を介してブラシ体20を回転させて肌面の洗浄或いはマッサージを行うことができる。このときフライホールの慣性力により長時間ブラシ体20を回転駆動させることができるので、電力を利用せずともブラシ体20による洗浄或いはマッサージを行うことができる。本実施例におけるブラシ回転駆動構造は、手回しハンドル124とギヤ構造とフライホイールとなる。このようにブラシ回転駆動構造は、必ずしもモーター28を含むものに限定されない。
(実施例18) 図35はブラシ回転駆動構造を変更した撹拌体2を示す。そこでは、ブラシ回転駆動構造を構成するモーター28としてタービンを使用し、入口通路139に加圧水を供給してタービンを回転駆動できるようにしている。符号140は出口通路である。タービンの出力軸には原動ギヤ35が固定してある。入口通路139に供給される加圧水としては、家庭用の水道水を利用することができる。加圧水を供給してタービンを回転駆動してブラシ体20を回転させれば肌面の洗浄或いはマッサージを行うことができる。本実施例におけるブラシ回転駆動構造は、入口通路139と出口通路140と両通路間にある流路とこの流路に配置されるタービンとギヤ構造となる。このようにブラシ回転駆動構造は、必ずしもモーター28を含むものに限定されない。
(実施例19) 図36は実施例19に係る泡立器の縦断側面図である。そこでは、メインスイッチ26と、電池29と、制御基板などの電装品をスタンド5の内部に組付け、本体ケース21とスタンド5との間にモーター28用の給電リード142を設けるようにした。この実施例における給電リード142の長さは、肌洗浄を行う際に撹拌体2を自由に操作するのに充分な長さに設定してある。なお、スタンド5の内部に整流回路を配置しておいて、商用電源から供給される交流電流を直流に変換して、モーター28や起振構造を駆動するように構成してあってもよい。
ブラシ束61は断面円形に形成する必要はなく、断面長円状、断面楕円状、断面多角形状などであってもよい。ブラシ支持体における継手体64と装着構造93とは個別に設けてあってもよい。ブラシ支持具10は、泡立容器1の周囲や、ホルダー3の下周面の任意位置に設けることができる。また、必要があればスタンド5にブラシ支持具10を一体に形成することができ、例えば、ホルダー3とスタンド5との間に収納区画を設けて、そこにブラシ体20を収納保存することができる。さらに、ブラシ体20は、そのブラシ束61が下向きになる状態で保管する必要なく、斜め、あるいは横向きにした状態で保管することができる。上記各実施例において、凹部78を図示していないものがあるが、当然これらについてもブラシ束61の先端面の中央部に凹部78が形成されていると理解すべきである。
以上のように構成した泡立器は、洗顔用の洗浄剤を泡立てる以外に、シェービング用の洗浄剤を泡立てる際や、毛染め剤を泡立てる際にも使用することができる。また、ミルクや卵白などの液状食材を泡立てる用途にも使用することができる。