JP2015536909A - 合成ポリヌクレオチド結合ペプチドのファミリーおよびその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ウイルスの遺伝的特徴を含めた、発癌調整因子および遺伝子調整因子としての新規な合成ペプチド(TZIPペプチドを含む)、ならびにそれを作製し使用する方法を提供する。これらのペプチドは、増幅したc-MYC遺伝子を有すると特徴付けされる癌細胞の増殖を阻害するのに有用である。本発明は、小細胞肺癌腫、前立腺癌、リンパ腫、脳腫瘍、結腸癌、膀胱癌、AML、悪性黒色腫、中皮腫、および頭頸部癌を含めた様々な癌の治療における、該ペプチドの治療的使用のための方法を提供する。該ペプチドは、HIVの治療および伝播の阻止、ならびに現在治療不可能でありかつ衰弱性のある特定の疾患を含めた、伸長ヌクレオチドリピート病の治療にも有用である。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2012年10月5日に提出された米国仮出願第61/710,447号の恩典を主張するものであり、その内容は参照により本明細書によって組み入れられる。
本出願は、2012年10月5日に提出された米国仮出願第61/710,447号の恩典を主張するものであり、その内容は参照により本明細書によって組み入れられる。
連邦政府による資金提供を受けた研究における政府の権利に関する記載
本発明は、アメリカ国立衛生研究所の国立癌研究所(National Cancer Institute)の助成金第CA55219号、および国立衛生研究所の国立神経疾患・脳卒中研究所(National Institutes of Neurological Disorders and Stroke)の助成金第NS35000号の下で政府支援によりなされた。政府は、本発明においてある程度の権利を有する。
本発明は、アメリカ国立衛生研究所の国立癌研究所(National Cancer Institute)の助成金第CA55219号、および国立衛生研究所の国立神経疾患・脳卒中研究所(National Institutes of Neurological Disorders and Stroke)の助成金第NS35000号の下で政府支援によりなされた。政府は、本発明においてある程度の権利を有する。
発明の分野
本発明は、様々な疾患の治療のための新規な合成ペプチドのファミリー、およびそのようなペプチドを用いた治療の方法に関する。本発明は、そのようなペプチドを産出する方法にも関する。
本発明は、様々な疾患の治療のための新規な合成ペプチドのファミリー、およびそのようなペプチドを用いた治療の方法に関する。本発明は、そのようなペプチドを産出する方法にも関する。
背景
Purα(Pur-アルファ、Pur-α、またはPurアルファとしても知られる)、サイクリンT1、ならびにインターフェロン調節因子(「IRF」)3および7はすべて、ヒトのものを含めた健常なおよび健常でない哺乳類細胞における、核酸調節過程に関与する天然に存在するタンパク質である。それらは、HIV、ポリオーマウイルス、ならびにライム病および梅毒を引き起こすものを含めた細菌の種を含めたウイルス病原体だけでなく、マラリアを引き起こすものを含めた原生生物の伝播および複製にも関与している。転写のトランス活性化因子(「Tat」)は、パートナータンパク質(Purα、サイクリンT1、ならびにIRF3および7など)の関与により、HIV DNAの転写のレベルを増加させるHIV遺伝子である。Purα、サイクリンT1、ならびにIRF3および7とTatとの間の相互作用は、HIV転写および細胞機能の吸収(co-opting)を引き起こす。Tatおよびこれらのタンパク質結合パートナーを干渉して、HIV感染の拡大を阻止するまたは低下させる合成作用物質が必要である。加えて、Purα、サイクリンT1、ならびにIRF3および7は、転写および細胞過程に関与している。例えば、Purαは、癌における細胞成長および細胞運命の両方を調節することに関与している。したがって、Purαタンパク質の有益な特性を活用して、癌を治療するまたは阻止するための治療法を提供する必要もある。すべての生物においてその作用をつなぎ合わせているPurα機能における共通点は、タンパク質および核酸を、これら2種の分類の高分子が互いに関連して動くことができるように一緒にまとめ得るその能力である。本発明の価値は、それが、Purα機能の病理学的局面を阻害し得ると同時に、健常な細胞活動に必要なPurα機能を可能にするということである。本発明のポリペプチドは、送達され得るそれらの能力によっても貴重である。
Purα(Pur-アルファ、Pur-α、またはPurアルファとしても知られる)、サイクリンT1、ならびにインターフェロン調節因子(「IRF」)3および7はすべて、ヒトのものを含めた健常なおよび健常でない哺乳類細胞における、核酸調節過程に関与する天然に存在するタンパク質である。それらは、HIV、ポリオーマウイルス、ならびにライム病および梅毒を引き起こすものを含めた細菌の種を含めたウイルス病原体だけでなく、マラリアを引き起こすものを含めた原生生物の伝播および複製にも関与している。転写のトランス活性化因子(「Tat」)は、パートナータンパク質(Purα、サイクリンT1、ならびにIRF3および7など)の関与により、HIV DNAの転写のレベルを増加させるHIV遺伝子である。Purα、サイクリンT1、ならびにIRF3および7とTatとの間の相互作用は、HIV転写および細胞機能の吸収(co-opting)を引き起こす。Tatおよびこれらのタンパク質結合パートナーを干渉して、HIV感染の拡大を阻止するまたは低下させる合成作用物質が必要である。加えて、Purα、サイクリンT1、ならびにIRF3および7は、転写および細胞過程に関与している。例えば、Purαは、癌における細胞成長および細胞運命の両方を調節することに関与している。したがって、Purαタンパク質の有益な特性を活用して、癌を治療するまたは阻止するための治療法を提供する必要もある。すべての生物においてその作用をつなぎ合わせているPurα機能における共通点は、タンパク質および核酸を、これら2種の分類の高分子が互いに関連して動くことができるように一緒にまとめ得るその能力である。本発明の価値は、それが、Purα機能の病理学的局面を阻害し得ると同時に、健常な細胞活動に必要なPurα機能を可能にするということである。本発明のポリペプチドは、送達され得るそれらの能力によっても貴重である。
Purα
Purαは、DNAおよびRNAの両方に結合することにおいて機能する、配列特異的な一本鎖DNA結合タンパク質である。それは、遺伝子のプロモーターに見出されるプリンリッチな(「Pur」)エレメントに結合し、かつc-MYC遺伝子の上流のDNAエレメントに対して強い親和性を有する(Bergemann, A.D. and Johnson, E.M. (1992) The HeLa Pur factor binds single-stranded DNA at a specific element conserved in gene flanking regions and origins of DNA replication. Mol. Cell. Biol. 12, 1257-1265(非特許文献1);Bergemann, A.D., Ma, Z.-W. and Johnson, E.M. (1992) Sequence of cDNA comprising the human pur gene and sequence-specific single-stranded-DNA-binding properties of the encoded protein. Mol. Cell. Biol. 12, 5673-5682(非特許文献2);Johnson, E.M., Anticancer Res., 23:2093-2100 (2003) (非特許文献3))。Purαは、転写活性化因子または抑制因子のいずれかとして作用し得る。(D. Silva, N., A. Bharti, and C. S. Shelley, Blood, 100:3536-3544 (2002) (非特許文献4); Gallia, G. L., E. M. Johnson, and K. Khalili, 28:3197-3205 (2000) (非特許文献5))。
Purαは、DNAおよびRNAの両方に結合することにおいて機能する、配列特異的な一本鎖DNA結合タンパク質である。それは、遺伝子のプロモーターに見出されるプリンリッチな(「Pur」)エレメントに結合し、かつc-MYC遺伝子の上流のDNAエレメントに対して強い親和性を有する(Bergemann, A.D. and Johnson, E.M. (1992) The HeLa Pur factor binds single-stranded DNA at a specific element conserved in gene flanking regions and origins of DNA replication. Mol. Cell. Biol. 12, 1257-1265(非特許文献1);Bergemann, A.D., Ma, Z.-W. and Johnson, E.M. (1992) Sequence of cDNA comprising the human pur gene and sequence-specific single-stranded-DNA-binding properties of the encoded protein. Mol. Cell. Biol. 12, 5673-5682(非特許文献2);Johnson, E.M., Anticancer Res., 23:2093-2100 (2003) (非特許文献3))。Purαは、転写活性化因子または抑制因子のいずれかとして作用し得る。(D. Silva, N., A. Bharti, and C. S. Shelley, Blood, 100:3536-3544 (2002) (非特許文献4); Gallia, G. L., E. M. Johnson, and K. Khalili, 28:3197-3205 (2000) (非特許文献5))。
Purαは、それが低濃度でDNA複製、RNA転写、RNA輸送、ウイルスタンパク質相互作用、およびウイルス複製の調節に関与しているように、本質上多機能である。より具体的には、Purαは、細胞成長および細胞運命の両方を調節することに関与している。例えば、Purαは、細胞周期の進行を調節する。
細胞周期は、間期および有糸分裂期を含めた、真核細胞が分裂して2つの娘細胞を形成する時間から、該娘細胞が再度分裂する時間までの一連の事象である。周期は、ギャップ1(「G1」)、合成(「S」)、ギャップ2(「G2」)、および有糸分裂(「M」)という4期からなる。間期は、G1期からG2期まで生じる。G1の間に、細胞は大きさを増加させ、かつそのタンパク質の供給および多くのその細胞内小器官(例えば、ミトコンドリアおよびリボソーム)の数を増加させる。G1に続き、S期が生じる。DNA合成(複製)はS期の間に生じ、DNA複製の後、1セット(single)の染色体は2倍の染色体として存在し、それぞれは2本の姉妹染色分体からなる。3番目の亜期であるG2は、DNA合成の完了から細胞分裂の始まりまでの時間にわたる。この時間の間に、細胞分裂に必須であるタンパク質が細胞によって作製される。4番目の亜期であるMの間に、細胞質分裂および有糸分裂が生じる。細胞質分裂は、細胞質(細胞質分裂)が分裂しかつ分配されて、2つの娘細胞を形成する過程である。有糸分裂は、2倍になった染色体を含めた核およびその内容物が分裂しかつ分配されて、2つの細胞を形成する過程である。
細胞周期の様々な期の間でのPurαの導入または発現を用いて、細胞成長を調節することができる。Purαは、発癌性ストレス後の細胞決定に影響を及ぼす用量依存的様式で、網膜芽細胞腫タンパク質(「Rb」)、サイクリン依存性キナーゼ(「Cdk2」)、および細胞分裂周期(cell division cycle)6(「Cdc6」)と直接相互作用する。例えば、Purαの微量注射は、Purαが注射された細胞周期の期に応じて、細胞周期の進行をG1またはG2/M期に停止させることによって、無調節な細胞成長を休止させる。S期の間、細胞が正常にS期を通過するために、サイクリンAはCdk2と結合しなければならない。Purαは、SおよびG2においてサイクリンA/Cdk2と共局在して、この過程を中断させる。具体的には、Purαは、Cdk2を特異的Purα結合部位に動員する。PurαとCdk2との相互作用は、ヒストンリン酸化を刺激しかつキナーゼ阻害剤p21を押しのけて、クロマチン構造に影響を及ぼす。(Liu, H., S. M. Barr, C. Chu, D. S. Kohtz, Y. Kinoshita, and E. M. Johnson, Biochem. Biophys. Res. Commun., 328:851-7 (2005) (非特許文献6))。Purαは、Purエレメントに結合することによってクロマチン構造をさらに変更して、上流および下流のDNA構造に影響を及ぼす局所的巻き戻しを引き起こす。ゆえに、Purαは、クロマチン構造を変更することによって細胞成長を調節し得る能力を有する。
癌
c-MYC遺伝子は、多くの癌の進行に関わる癌遺伝子である。小細胞肺癌腫(「SCLC」)、前立腺癌、リンパ腫、様々な脳腫瘍、結腸癌、および頭頸部癌などの癌は、増幅したc-MYC遺伝子を有することが見出されている。Purαペプチドの発現は、発癌性に形質転換された多様な細胞、とりわけc-MYC遺伝子の増幅を呈するものの増殖を遮断することが示されている。
c-MYC遺伝子は、多くの癌の進行に関わる癌遺伝子である。小細胞肺癌腫(「SCLC」)、前立腺癌、リンパ腫、様々な脳腫瘍、結腸癌、および頭頸部癌などの癌は、増幅したc-MYC遺伝子を有することが見出されている。Purαペプチドの発現は、発癌性に形質転換された多様な細胞、とりわけc-MYC遺伝子の増幅を呈するものの増殖を遮断することが示されている。
骨髄異形成症候群(MDS)および急性骨髄性白血病(AML)では、第5および第7染色体の欠失またはモノソミーが高頻度で観察される。PURAおよびPURBは、Purファミリーにおける、機能的に協調したタンパク質をコードする2つの遺伝子である。PURAおよびPURBの並行した欠失は、統計的に予測されるよりもMDSにおいて1.5倍近く高い割合で生じ、AMLにおいて.5倍高い割合で生じる。ゆえに、2つの密接に関係する遺伝子ファミリーのこの新規な同時欠失は、AMLへの進行に関係する因果関係を有し得る。これらの遺伝子の変更は、骨髄発生において決定的である微妙なバランスに影響を及ぼし得る(参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Lezon-Geyda, K., Najfeld, V., and Johnson, E., 「Deletions of PURA, at 5q31, and PURB, at 7pl3, in myelodysplastic syndrome and progression to acute myelogenous leukemia,」 Leukemia (2001) 15, 954-962(非特許文献7)を参照されたい)。
小細胞肺癌腫
SCLCは、煙の吸引と密接に関連し、最も致命的なヒト癌のうちの1つである。この非常に浸潤性の高い癌は、肺の上皮細胞に影響を及ぼす。SCLCが診断される時までに、それは、通常肺に広範囲に広がっており、手術不能である。SCLCに対する治療は限られている。初期は放射線に感受性を示すが、SCLCに対する放射線の効果は短期間である。さらに、この疾患に対する有効な化学療法的治療は存在しない。SCLCの診断後の平均寿命は約6ヶ月である。
SCLCは、煙の吸引と密接に関連し、最も致命的なヒト癌のうちの1つである。この非常に浸潤性の高い癌は、肺の上皮細胞に影響を及ぼす。SCLCが診断される時までに、それは、通常肺に広範囲に広がっており、手術不能である。SCLCに対する治療は限られている。初期は放射線に感受性を示すが、SCLCに対する放射線の効果は短期間である。さらに、この疾患に対する有効な化学療法的治療は存在しない。SCLCの診断後の平均寿命は約6ヶ月である。
前立腺癌
前立腺癌は、アメリカ合衆国において男性の約16%に影響を及ぼしており、そのパーセンテージは、今後20年間にわたって増加すると予想されている。前立腺癌を有する男性の30%近くは、局所療法後の再発を経験する。再発性前立腺癌は大部分がアンドロゲン依存性であり、ゆえにアンドロゲン枯渇療法に反応する。しかしながら、多くの生存者において、転移を有する致死性のアンドロゲン非依存性のホルモン不応性前立腺癌が発生する。
前立腺癌は、アメリカ合衆国において男性の約16%に影響を及ぼしており、そのパーセンテージは、今後20年間にわたって増加すると予想されている。前立腺癌を有する男性の30%近くは、局所療法後の再発を経験する。再発性前立腺癌は大部分がアンドロゲン依存性であり、ゆえにアンドロゲン枯渇療法に反応する。しかしながら、多くの生存者において、転移を有する致死性のアンドロゲン非依存性のホルモン不応性前立腺癌が発生する。
前立腺癌の進行は、細胞内タンパク質であるPurαのレベルと決定的に関係している。初めの段階において、前立腺癌は、一般的に、アンドロゲン依存性でありかつアンドロゲンアンタゴニストで治療され得る。しかしながら、ある期間の後、患者の部分集団において腫瘍はアンドロゲン非依存性になる。アンドロゲン非依存性前立腺癌の治療はより困難であり、高頻度で転移および予後不良につながる。アンドロゲン非依存性状態への変換は、アンドロゲン受容体遺伝子転写抑制因子(「ARS」)複合体からのPurαの喪失による、アンドロゲン受容体タンパク質の過剰発現を伴う。アンドロゲン受容体タンパク質の過多は、アンドロゲン特異性の低下を引き起こす。しかしながら、これが生じるメカニズムはまだ理解されていない。核内におけるPurαのレベルおよびアンドロゲン受容体遺伝子ARSエレメントに結合したPurαのレベルは、アンドロゲン非依存性状態においておよびホルモン耐性腫瘍サンプルにおいて低下している。トランスフェクションによるPurαレベルの回復は、アンドロゲン受容体タンパク質レベルを低下させ、かつアンドロゲン非依存性状態を逆転させる。
アンドロゲン非依存性への変換におけるその関与に加えて、Purαは、ある特定の前立腺癌症例の初期形質転換の段階にも関与し得る。尿細胞診病理学検査を有する、4,000人を超える免疫応答性患者の調査において、ポリオーマウイルス感染症の診断は、その後の前立腺癌の診断の強力な危険因子であることが見出された(参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Weinreb, D.B., Desman, G.T., Amolat-Apiado, M.J.M., Burstein, D.E., Godbold, J.H., Jr. and Johnson, E.M. (2006) Polyoma virus infection is a prominent risk factor for bladder carcinoma in immunocompetent individuals. Diagnostic Cytopath., 34, 201-203(非特許文献8))。
Purα単独で、ポリオーマウイルスファミリーのメンバーであるJCVのDNA複製を阻害することも示されている。HIV-1 Tatタンパク質との相互作用は、Purα活性を吸収し、結果として生じた複合体は、JCV後期遺伝子転写およびDNA複製を刺激する。Purαは、JCV T抗原である腫瘍抑制性タンパク質Rbと相互作用すること、およびサイクリン依存性キナーゼ阻害剤p21によるタンパク質リン酸化の阻害を逆転させることが実証されている。Purαレベルは、正常な前立腺細胞およびアンドロゲン依存性細胞において高い。ゆえに、Purαは、高レベルにある場合、前立腺癌細胞の形質転換過程の開始における、ウイルス効果の促進因子として作用し、および低下したレベルにある場合、アンドロゲン非依存性状態への変換における、アンドロゲン受容体発現の喪失した抑制因子として作用する、両者において二重の役割を有し得る。
癌細胞を特異的に標的とする一方で、正常な健常細胞への害を最小限に抑えることによって、Purαタンパク質の有益な特性を活用して、癌を治療するまたは阻止する治療法を提供する必要がある。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
HIVは、その感染経路に多数の工程を有する。これらのメカニズムにより、それが宿主細胞に入りかつ複製することが可能となり、処理されない場合には、宿主細胞の死、および複製されたHIVウイルスによる他の細胞のさらなる感染を最終的にもたらす。HIVの複製における1つの主要な工程は、HIV-1転写のトランス活性化を伴う。この工程を干渉しかつ/もしくは中止させることは、とくに宿主動物における感染の拡大を最小限に抑えると考えられ、またはそれは、メカニズムが宿主間の伝播を阻止することを可能にし得る。この工程に重要ないくつかの特定のタンパク質には、IRF3および7、サイクリンTI、ならびにPurαが含まれる。Tatタンパク質はIRF3および7と相互作用して、神経細胞におけるこれらのIRFの再局在化を引き起こす。TatはPurαとも相互作用し、その結晶構造は公開されている(参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Graebsch et al., 2009 X-ray structure of Pur-{alpha} reveals Whirley-like fold and an unusual nucleic-acid binding surface. Proc Natl Acad Sci USA(非特許文献9))。本出願において提示されるデータは、Tat-Purα相互作用のさらなる支持を提供する。Tatはサイクリン/T1とも相互作用し、サイクリンT1/Cdk9に結合したTatの結晶構造も最近公開された(David Priceおよび同僚ら)。サイクリンT1に結合するTatのドメインは、活性酵素部位のものと酷似している。Tatは、その活性のために2個のZnイオンの配位を要する。したがって、IRF3および7、サイクリンT1、ならびにPurαと相互作用し得るTatの能力を干渉すると考えられるタンパク質を開発して、HIV転写を妨害するまたは阻止する必要がある。
HIVは、その感染経路に多数の工程を有する。これらのメカニズムにより、それが宿主細胞に入りかつ複製することが可能となり、処理されない場合には、宿主細胞の死、および複製されたHIVウイルスによる他の細胞のさらなる感染を最終的にもたらす。HIVの複製における1つの主要な工程は、HIV-1転写のトランス活性化を伴う。この工程を干渉しかつ/もしくは中止させることは、とくに宿主動物における感染の拡大を最小限に抑えると考えられ、またはそれは、メカニズムが宿主間の伝播を阻止することを可能にし得る。この工程に重要ないくつかの特定のタンパク質には、IRF3および7、サイクリンTI、ならびにPurαが含まれる。Tatタンパク質はIRF3および7と相互作用して、神経細胞におけるこれらのIRFの再局在化を引き起こす。TatはPurαとも相互作用し、その結晶構造は公開されている(参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Graebsch et al., 2009 X-ray structure of Pur-{alpha} reveals Whirley-like fold and an unusual nucleic-acid binding surface. Proc Natl Acad Sci USA(非特許文献9))。本出願において提示されるデータは、Tat-Purα相互作用のさらなる支持を提供する。Tatはサイクリン/T1とも相互作用し、サイクリンT1/Cdk9に結合したTatの結晶構造も最近公開された(David Priceおよび同僚ら)。サイクリンT1に結合するTatのドメインは、活性酵素部位のものと酷似している。Tatは、その活性のために2個のZnイオンの配位を要する。したがって、IRF3および7、サイクリンT1、ならびにPurαと相互作用し得るTatの能力を干渉すると考えられるタンパク質を開発して、HIV転写を妨害するまたは阻止する必要がある。
リピート伸長障害
リピート伸長障害は、ある特定の遺伝子座において、正常よりも多くの回数繰り返されている短いヌクレオチド配列を伴う神経変性疾患である。リピート伸長に関連した1つの重要な疾患は、運動ニューロンへの進行性の損傷を引き起こす致死性の神経変性障害である筋萎縮性側索硬化症(ALS)である。この疾患の共通の遺伝子特質は、GGGGCCリピートの伸長である。この疾患に対する治療は現在のところ存在しない。
リピート伸長障害は、ある特定の遺伝子座において、正常よりも多くの回数繰り返されている短いヌクレオチド配列を伴う神経変性疾患である。リピート伸長に関連した1つの重要な疾患は、運動ニューロンへの進行性の損傷を引き起こす致死性の神経変性障害である筋萎縮性側索硬化症(ALS)である。この疾患の共通の遺伝子特質は、GGGGCCリピートの伸長である。この疾患に対する治療は現在のところ存在しない。
以前に記載されているように、タンパク質のPurファミリーは、核酸結合タンパク質である。Purファミリーの4つの同定されたメンバーが存在し、そのすべては共通の構造的特質を共有している。これらのうちの最も重要なものは、3回繰り返された保存ドメインからなる核酸結合領域である。この領域は、核酸におけるGリッチな繰り返し配列に優先的に結合し、それがALSの病因に関与している可能性があることを示唆する。
リピート伸長障害におけるPurタンパク質の関与は、Purタンパク質に結合し、かつそれらを隔離し、それらがそれらの正常な機能を実施するのを阻止するリピート伸長物によるものである可能性がある。これが事実である場合、隔離を阻止することは、リピート伸長によって引き起こされる細胞損傷を阻止し得る。Xuら(参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Xu, Z et al. (2013), 「Expanded GGGGCC repeat RNA associated with amyotrophic lateral sclerosis and frontotemporal dementia causes neurodegeneration,」 Proceedings of the National Academy of Sciences, vol 110 (7778-83) (非特許文献10))は、マウス神経細胞におけるPurαの過剰発現が、rGGGGCCにより仲介される神経変性のある特定の局面を緩和することを最近報告した。Purアゴニストとしても作用し得る、Purタンパク質核酸結合ドメインを模倣するペプチドが必要である。
リピート伸長障害の別の例は、脆弱X症候群(FXS)である。FXSは、X染色体の一部として遺伝的に受け継がれ、男性で最もよく見られる病状である。それは、正常より多くのCGGのトリプレットリピートを創出する、FMR1遺伝子における突然変異によって引き起こされる。このリピートは、古典的なPur結合エレメントである。FXSの症状には、長い顔および大きな耳、知的障害、ならびに注意欠陥障害(ADD)などの行動上の問題など、異なる身体的特質が含まれる。これらの伸長したGリッチなリピートはより綿密に調査されているため、一本鎖または二本鎖核酸結合タンパク質のPurファミリーは、これらのリピートと相互作用し、おそらくそれらの正常な機能から隔離されていることが見出されている。PurαおよびPurβの代わりにGリッチなリピートに結合し、必要とされるPurタンパク質を開放してそれらの正常な機能を続行させるために用いられ得るペプチドが必要である。
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発明の簡単な概要
一局面において、本発明は、PURエレメントに結合し得る合成ペプチドに関する。本発明は、癌、HIV、またはヌクレオチドリピート病の阻止または治療における該ペプチドの使用にも関する。一局面において、本発明は、
のアミノ酸配列を含む合成TZIPペプチドを提供する。
一局面において、本発明は、PURエレメントに結合し得る合成ペプチドに関する。本発明は、癌、HIV、またはヌクレオチドリピート病の阻止または治療における該ペプチドの使用にも関する。一局面において、本発明は、
のアミノ酸配列を含む合成TZIPペプチドを提供する。
別の局面において、本発明は、
のアミノ酸配列を含む治療的有効量の治療用作用物質および薬学的に許容される担体を投与する工程を含む、対象における癌を治療するための方法を提供し、該癌は増幅したc-MYC遺伝子を有すると特徴付けされる。
のアミノ酸配列を含む治療的有効量の治療用作用物質および薬学的に許容される担体を投与する工程を含む、対象における癌を治療するための方法を提供し、該癌は増幅したc-MYC遺伝子を有すると特徴付けされる。
別の局面において、本発明は、対象における癌を治療するための方法をさらに提供し、該癌は、小細胞肺癌腫、脳腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)、悪性黒色腫、中皮腫、前立腺癌、リンパ腫、結腸癌、膀胱癌、および頭頸部癌からなる群より選択される。
さらなる局面において、対象における癌を治療するための方法は、
(a)c-MYC遺伝子の上流に結合し;
(b)網膜芽細胞腫タンパク質に結合し;かつ
(c)細胞周期調節タンパク質を細胞のDNA結合部位に動員して、細胞増殖を阻害する
アミノ酸配列を有する治療的有効量の治療用作用物質を投与する工程を含み、該癌は増幅したc-MYC遺伝子を有すると特徴付けされる。
(a)c-MYC遺伝子の上流に結合し;
(b)網膜芽細胞腫タンパク質に結合し;かつ
(c)細胞周期調節タンパク質を細胞のDNA結合部位に動員して、細胞増殖を阻害する
アミノ酸配列を有する治療的有効量の治療用作用物質を投与する工程を含み、該癌は増幅したc-MYC遺伝子を有すると特徴付けされる。
別の局面において、癌は、小細胞肺癌腫、脳腫瘍、AML、悪性黒色腫、中皮腫、前立腺癌、リンパ腫、結腸癌、膀胱癌、および頭頸部癌からなる群より選択される。
別の局面において、作用物質は水溶液に可溶性である。
別の局面において、作用物質は、血流から癌細胞内に該作用物質が入るのを可能にし得る増強された細胞輸送配列を含むアミノ酸配列を有する。
別の局面において、作用物質は、非癌性初代上皮細胞の成長に有意な影響を及ぼさない。
別の局面において、作用物質は癌細胞増殖を阻害する。
本発明の別の局面において、HIVはヒト細胞内に存在する。
本発明の別の局面において、ヒト細胞は、血液細胞および骨髄細胞からなる群より選択される。
本発明の別の局面において、HIVは脳組織内に存在する。
本発明の別の局面において、脳組織は、グリア細胞、ニューロン、アストロサイト、またはミクログリア細胞から構成される。
本発明の別の局面において、神経損傷が阻止される。
本発明の別の局面において、神経損傷は末梢神経系におけるものである。
本発明の別の局面において、神経損傷は中枢神経系におけるものである。
本発明の別の局面において、ペプチドはクリームの状態で投与される。
本発明の別の局面において、クリームは膣または肛門領域に塗布される。
発明の詳細な説明
「治療」、「治療すること」、「治療する」、「療法」、「治療的」という用語等は、概して、所望の薬理学的および/または生理学的な効果を獲得することを指すために本明細書において用いられる。効果は、疾患もしくはその症状を完全にもしくは部分的に阻止するという点において予防的であり得、かつ/または疾患および/もしくは該疾患に起因する有害な影響に対する部分的もしくは完全な安定化もしくは治癒という点において治療的であり得る。本明細書において用いられる「治療」は、対象における疾患の任意の治療を網羅し、かつ(a)疾患もしくは症状に罹患しやすい傾向があり得る、それを有すると診断され得るもしくは診断され得ない対象において疾患もしくは症状が生じるのを阻止すること;(b)疾患症状を阻害すること、すなわち、その発生を停止させること;または(c)疾患症状を軽減すること、すなわち、疾患もしくは症状の退行を引き起こすことを含む。
「治療」、「治療すること」、「治療する」、「療法」、「治療的」という用語等は、概して、所望の薬理学的および/または生理学的な効果を獲得することを指すために本明細書において用いられる。効果は、疾患もしくはその症状を完全にもしくは部分的に阻止するという点において予防的であり得、かつ/または疾患および/もしくは該疾患に起因する有害な影響に対する部分的もしくは完全な安定化もしくは治癒という点において治療的であり得る。本明細書において用いられる「治療」は、対象における疾患の任意の治療を網羅し、かつ(a)疾患もしくは症状に罹患しやすい傾向があり得る、それを有すると診断され得るもしくは診断され得ない対象において疾患もしくは症状が生じるのを阻止すること;(b)疾患症状を阻害すること、すなわち、その発生を停止させること;または(c)疾患症状を軽減すること、すなわち、疾患もしくは症状の退行を引き起こすことを含む。
本明細書において用いられる「薬学的に許容される担体」という用語は、当技術分野において周知であるような、薬学的に活性な物質に対する、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤を指す。本明細書において用いられる「医薬」または「作用物質」という用語には、タンパク質、ペプチド、およびオリゴヌクレオチドなどの生物学的医薬が含まれる。任意の従来の媒質または作用物質が該作用物質に不適合である限りを除いて、治療用の薬学的組成物におけるその使用が企図される。補助的化合物または生物学的医薬も、薬学的組成物中に組み入れることができる。
本明細書において使用するとき、「賦形剤」という用語は、合成作用物質をその意図される目的に適した形態に転換するために用いられる添加物を指す。ヒトへの投与に適した本発明の薬学的組成物に関して、「賦形剤」という用語には、その全体として本明細書に組み入れられる、the HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL EXCIPIENTS, American Pharmaceutical Association, 2nd Ed. (1994)に記載されているそうした賦形剤が含まれる。「賦形剤」という用語には、充填剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、溶媒、懸濁化剤、色素、増量剤、界面活性剤、補助剤等が含まれることが意企される。液体賦形剤は、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油、硬化(hydrogenated)植物油、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、またはヒマシ油など、石油、動物、植物、または合成起源のものを含めた様々な油より選択されてよい。
適切な賦形剤には、充填剤、例えばサッカリド、ラクトース、フルクトース、スクロース、イノシトール、マンニトールもしくはソルビトール、キシリトール、トレハロース、セルロース調製物、および/またはリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、もしくはリン酸水素カルシウム、のみならず加工デンプン、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプンを用いたデンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウム、ならびに/またはポリビニルピロリドン、ならびにそれらの混合物も含まれるが、それらに限定されるわけではない。所望の場合には、上述のデンプンおよびまたカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、もしくはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩など、崩壊剤を添加することができる。補助剤には、シリカ、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、もしくはステアリン酸カルシウムなどのその塩が含まれる。
「治療的有効量」という表現は、疾患または病状の発症を阻止する、改善する、治療する、または遅延させるのに有効である、本明細書において開示される作用物質の量を指す。
本発明の作用物質の有益な効果を経験し得る任意の動物に、本発明の薬学的組成物を投与することができる。そのような動物には、ヒト、ならびに霊長類、ペット、および家畜などの非ヒトが含まれる。
本発明の作用物質を含む薬学的組成物
本発明は、本明細書において開示される作用物質を含む薬学的組成物も含む。作用物質を含む有効量の薬学的組成物の投与の経路および投薬量も開示される。疾患の有効な治療のための多様なプロトコールにおいて、本発明のペプチドを他の薬学的作用物質と組み合わせて投与することができる。
本発明は、本明細書において開示される作用物質を含む薬学的組成物も含む。作用物質を含む有効量の薬学的組成物の投与の経路および投薬量も開示される。疾患の有効な治療のための多様なプロトコールにおいて、本発明のペプチドを他の薬学的作用物質と組み合わせて投与することができる。
本発明の薬学的組成物を、当技術分野において公知の様式で対象に投与する。投与される投薬量は、レシピエントの年齢、健康状態、および重量、並行治療の種類、もしある場合には、治療の頻度、および所望される効果の性質に依存する。
本明細書において開示される作用物質に加えて、本発明の薬学的組成物は、希釈剤、結合剤、安定化剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、防腐剤、アジュバント等を含むが、それらに限定されない任意の適切な補助剤のうちの少なくとも1種をさらに含んでよい。薬学的に許容される補助剤が好ましい。そのような滅菌溶液の例およびそれを調製する方法は、当技術分野において周知であり、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Gennaro, Ed., 18th Edition, Mack Publishing Co. (1990))など、しかしながらそれに限定されない周知の教科書に見出され得る。投与の様態、作用物質の溶解度および/または安定性に適している薬学的に許容される担体を、ルーチン的に選択することができる。
本発明において有用な薬学的な賦形剤および添加物には、重量でまたは容量で1〜99.99%の範囲で単独でまたは組み合わせで含む、個々にまたは組み合わせで存在し得る、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、および炭水化物(例えば、単糖、二糖、三糖、四糖、およびオリゴ糖を含めた糖類;アジトール、アルドン酸、エステル化糖類などの誘導体化糖類;ならびに多糖または糖類ポリマー)も含まれてよいが、それらに限定されるわけではない。例示的なタンパク質賦形剤には、ヒト血清アルブミン(HSA)などの血清アルブミン、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼイン等が含まれる。緩衝能においても機能し得る代表的なアミノ酸構成要素には、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム等が含まれる。
本発明における使用に適した炭水化物賦形剤には、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖;ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどの二糖;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどの多糖;およびマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ミオイノシトールなどのアジトールが含まれる。
非経口投与に適した薬学的組成物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、および製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性および非水性の滅菌注射液;ならびに懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。薬学的組成物は、単位用量または複数回用量の容器、密封されたアンプルおよびバイアル内に存在していてよく、かつ使用の直前に滅菌液体担体、注射用の水の添加のみを要する、フリーズドライの(凍結乾燥した)条件で保存されてよい。即時の注射液および懸濁液を、以前に記載されている種類の滅菌した粉末、顆粒、および錠剤から調製してよい。
非経口投与には、滅菌した懸濁液および溶液が望ましい。静脈内投与が望ましい場合には、適切な防腐剤を一般的に含有する等張調製物が採用される。薬学的組成物を、不活性液体担体に溶解した作用物質を含む薬学的組成物の注射により、非経口的に投与してよい。本明細書において用いられる「非経口」という用語には、皮下注射、静脈内、筋肉内、腹腔内への注射または注入技術が含まれるが、それらに限定されるわけではない。許容される液体担体には、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油などの植物油、ならびにソルケタール、グリセロールホルマールなどの有機溶媒が含まれる。最終製剤が約0.005重量%〜30重量%の作用物質を含有するように、作用物質を液体担体に溶解するまたは懸濁することによって薬学的組成物を調製してよい。
本発明の組成物は、親水性薬物、疎水性薬物、親水性高分子、サイトカイン、ペプチド模倣体、ペプチド、タンパク質、トキソイド、血清、抗体、ワクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ヌクレオシド類似体、遺伝物質、および/またはそれらの組み合わせなど、しかしながらそれらに限定されないさらなる治療用作用物質も含み得る。
本発明の作用物質および薬学的組成物、ならびにさらなる薬学的に活性な作用物質に加えて、薬学的製剤は、本明細書において記載されるような、動物に投与され得る調製物への活性作用物質の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む、適切な薬学的に許容される担体も含有し得る。
本発明において有用な薬学的製剤は、治療を受けている対象の病状、障害、または疾患を治療するのに有効な量の、本発明に従った作用物質の分量を含有し得る。
本発明は、それを必要としている患者への投与に有用なキット形態にも向けられている。キットは、その中に2つまたはそれを上回る数の容器手段を受けるために厳密な閉じ込め状態で仕切られている運搬手段を有してよく、第一の容器手段は、治療的有効量の本発明の薬学的組成物、および担体、賦形剤、または希釈剤を含有する。任意で、キットは、治療的有効量のさらなる作用物質を含むさらなる容器手段を有し得る。
キットは、分割ボトルまたは分割ホイル小包など、別個の薬学的組成物のための容器を含み、しかしながら、別個の薬学的組成物を、単一の分割されていない容器内に含有することもできる。典型的に、キットは、別個の構成要素の投与のための指示書を含有する。別個の構成要素が好ましくは異なる投薬間隔で投与される場合、または組み合わせの個々の構成要素の滴定が処方医師によって望まれる場合、キット形態はとくに有利である。本発明のキットは、実践者が体液中の活性成分のレベルを測定するのを可能にする、試験用およびスクリーニング用のキットおよび方法を含む。本発明のキットは、研究実体による使用および購入に利用可能な研究用グレードの試薬およびキットも含む。
本発明の作用物質を含む薬学的組成物の投与の経路
本発明は、以下の、経口、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹部内、嚢内、軟骨内、空洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸腔内、前立腺内、肺内、腎内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸郭内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣内、直腸内、口腔内、舌下、鼻腔内、イオン導入手段、または経皮手段を含むが、それらに限定されない経路による、本明細書において開示される少なくとも1種の作用物質の投与にさらに関する。
本発明は、以下の、経口、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹部内、嚢内、軟骨内、空洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸腔内、前立腺内、肺内、腎内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸郭内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣内、直腸内、口腔内、舌下、鼻腔内、イオン導入手段、または経皮手段を含むが、それらに限定されない経路による、本明細書において開示される少なくとも1種の作用物質の投与にさらに関する。
本発明の薬学的組成物の調製の方法
ある特定量の活性成分を有する様々な薬学的組成物を調製する方法は公知であり、または本開示に照らして、当業者に明白であろう。Remington's Pharmaceutical Sciences, Martin, E.W., ed., Mack Publishing Company, 19th ed. (1995)に記載されているように、薬学的組成物を調製する方法は、他の適切な薬学的賦形剤およびそれらの製剤を組み入れることができる。
ある特定量の活性成分を有する様々な薬学的組成物を調製する方法は公知であり、または本開示に照らして、当業者に明白であろう。Remington's Pharmaceutical Sciences, Martin, E.W., ed., Mack Publishing Company, 19th ed. (1995)に記載されているように、薬学的組成物を調製する方法は、他の適切な薬学的賦形剤およびそれらの製剤を組み入れることができる。
当業者であれば、薬学上有効量の本発明の薬学的組成物を、それを必要としている患者に投与する方法は、経験的にまたは医学分野において現在認められている基準によって決定され得ることを解するであろう。作用物質を、1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた薬学的組成物として患者に投与することができる。ヒト患者に投与する場合、本発明の薬学的組成物の作用物質の全1日使用量は、主治医による正しい医学的判断の範囲内で決められることは理解されるであろう。任意の特定の患者に対する具体的な治療的に有効な用量レベルは、多様な因子:達成されるべき細胞応答のタイプおよび程度;採用された特異的な作用物質または組成物の活性;採用された特異的な作用物質または組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別、および食生活;投与の時間、投与の経路、および作用物質の排泄の速度;治療の継続期間;特異的な作用物質と組み合わせてまたは同時に用いられた薬物;ならびに医学分野において周知である同様の因子に依存する。所望の治療的効果を達成するのに要されるレベルよりも低いレベルで作用物質の用量を開始すること、および所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させることは、十分に当技術分野の技術の範囲内である。
当技術分野において受け入れられている技術およびルーチンによって判定される、血中の作用物質の所定の濃度を提供する患者特異的な様式で、投薬を施すこともできる。
投薬量の決定
一般的に、最適な有効性を獲得し、一方で任意の潜在的毒性を最小限に抑えるために、本明細書において開示される作用物質を、単独でまたは他の治療用作用物質と合わせて、ルーチン的試験によって規定される適当な投薬量で用いることができる。本発明の作用物質を利用する投薬レジメンを、患者のタイプ、種、年齢、重量、性、医学的状況;治療される対象となる病状の重症度;投与の経路;患者の腎臓および肝臓の機能;採用された特定の作用物質を含めた多様な因子に従って選択してよい。通常の技術の医師または獣医であれば、病状の進行を阻止する、対抗する、または停止させるのに要される、薬物の有効量を容易に決定しかつ処方することができる。
一般的に、最適な有効性を獲得し、一方で任意の潜在的毒性を最小限に抑えるために、本明細書において開示される作用物質を、単独でまたは他の治療用作用物質と合わせて、ルーチン的試験によって規定される適当な投薬量で用いることができる。本発明の作用物質を利用する投薬レジメンを、患者のタイプ、種、年齢、重量、性、医学的状況;治療される対象となる病状の重症度;投与の経路;患者の腎臓および肝臓の機能;採用された特定の作用物質を含めた多様な因子に従って選択してよい。通常の技術の医師または獣医であれば、病状の進行を阻止する、対抗する、または停止させるのに要される、薬物の有効量を容易に決定しかつ処方することができる。
Purアゴニスト
本明細書において開示される「TZIP」ペプチドは、抗癌活性を呈する新規な合成Purαアゴニストペプチドである。TZIPは、すべてのPurファミリーメンバーの特徴を保有する包括的Purリピートである。それは無調節な細胞成長を逆転させ、かつ小細胞肺癌腫、前立腺癌、リンパ腫、脳腫瘍、結腸癌、膀胱癌、AML、悪性黒色腫、中皮腫、および頭頸部の癌を含めた様々な癌を治療するのに有効であり得る。
本明細書において開示される「TZIP」ペプチドは、抗癌活性を呈する新規な合成Purαアゴニストペプチドである。TZIPは、すべてのPurファミリーメンバーの特徴を保有する包括的Purリピートである。それは無調節な細胞成長を逆転させ、かつ小細胞肺癌腫、前立腺癌、リンパ腫、脳腫瘍、結腸癌、膀胱癌、AML、悪性黒色腫、中皮腫、および頭頸部の癌を含めた様々な癌を治療するのに有効であり得る。
療法に用いられる場合、TZIPペプチドは、癌細胞のc-MYC遺伝子に結合することによってこれらの細胞の成長を調整し、細胞周期の未チェックの進行を阻止するように設計される。具体的には、TZIPペプチドは、c-MYC遺伝子の上流の配列に結合して、癌細胞にアポトーシスを受けさせる腫瘍抑制経路を活性化するように設計される。さらに、TZIPペプチドは、細胞周期調節タンパク質をそのDNA結合部位へ最大限に動員して、癌細胞増殖の制御を正常化するように設計される。注目すべきことに、TZIPペプチドは、正常な初代上皮細胞の成長に対していかなる有意な影響も有しない。
TZIPペプチドは、SCLC、前立腺癌、結腸の癌、頭頸部の癌、膀胱癌、中皮腫、リンパ腫、様々な脳腫瘍、AML、悪性黒色腫、ならびに増幅したc-MYC遺伝子を有する他の腫瘍および癌を治療するかまたは阻止するのに用いることができる。
TZIPペプチドは、Purエレメントを介してDNAに結合する配列およびタンパク質−タンパク質相互作用ドメインを含有する、新規なPurαアゴニストである。模倣ペプチドは、Purαタンパク質の活性に関連した配列を含有する。Purαタンパク質の構造ドメインを図1に示す。TZIPペプチドは、組み入れられた
の増強された細胞輸送配列の利点を有し、それによりTZIPペプチドは、癌細胞および血流からの細胞を含めたすべての細胞に接近することが可能となる。本明細書において開示されるポリペプチドは、標的細胞へのペプチドの輸送を容易にする、ペプチド内の増強された細胞輸送配列の存在により、化粧用クリームなどのクリームとして製剤化された場合にとくに有用である。
の増強された細胞輸送配列の利点を有し、それによりTZIPペプチドは、癌細胞および血流からの細胞を含めたすべての細胞に接近することが可能となる。本明細書において開示されるポリペプチドは、標的細胞へのペプチドの輸送を容易にする、ペプチド内の増強された細胞輸送配列の存在により、化粧用クリームなどのクリームとして製剤化された場合にとくに有用である。
TZIPペプチドを、進化を通じて見出されるタンパク質モチーフの型を最適化して、それが任意の動物において有効になるように設計した。ペプチド治療は、有毒なまたは除去性の(ablating)副作用として免疫応答に高頻度で直面する。TZIPペプチドは、ヒトにおいて通常分泌されるタンパク質内にあり、ゆえに高度に免疫原性である可能性が低い特質を組み入れている。加えて、TZIPペプチドは、任意の適応免疫応答が始動する前に、有効な抗腫瘍応答が達成され得るような低濃度でかつそのような迅速性で働く。
TZIPペプチドを薬学的組成物として投与して、癌、とりわけc-MYC遺伝子の増幅を呈する癌を治療するまたは阻止することができる。好ましい態様において、薬学的組成物は、
というTZIPペプチドのアミノ酸配列または変種アミノ酸配列を含む少なくとも1種のペプチド、および薬学的に許容される担体を含む。所定のTZIPアミノ酸配列の変種アミノ酸配列(「TZIP変種」)は、例えば、ペプチドが、所定のアミノ酸配列からなるペプチドと実質的に同じようにそのPurエレメントに依然として結合し得るような、1個または複数個の変更されたアミノ酸残基(例えば、アミノ酸残基が、別のアミノ酸残基の側鎖またはいくつかの他の側鎖で置き換えられている)の側鎖を有する配列である。例えば、ペプチドを、それが適切なPurエレメントと相互作用しかつ結合して細胞増殖を調整し得る能力を維持するまたは向上させるように改変してよい。さらに、Purエレメントと相互作用するのに必須ではないそうしたアミノ酸残基を、その組み入れがPurαアゴニストとして挙動し得るペプチドの能力に実質的に影響を及ぼさず、かつ関連するPurエレメントへの結合を断ち切らない、別のアミノ酸との置き換えによって改変することができる。ゆえに、与えられる指定とは別に、本発明のペプチドは、開示されるアミノ酸配列またはその一部もしくは変種を含む、任意のタンパク質またはペプチド(オリゴペプチドまたはポリペプチドを含めた)であってよい。
というTZIPペプチドのアミノ酸配列または変種アミノ酸配列を含む少なくとも1種のペプチド、および薬学的に許容される担体を含む。所定のTZIPアミノ酸配列の変種アミノ酸配列(「TZIP変種」)は、例えば、ペプチドが、所定のアミノ酸配列からなるペプチドと実質的に同じようにそのPurエレメントに依然として結合し得るような、1個または複数個の変更されたアミノ酸残基(例えば、アミノ酸残基が、別のアミノ酸残基の側鎖またはいくつかの他の側鎖で置き換えられている)の側鎖を有する配列である。例えば、ペプチドを、それが適切なPurエレメントと相互作用しかつ結合して細胞増殖を調整し得る能力を維持するまたは向上させるように改変してよい。さらに、Purエレメントと相互作用するのに必須ではないそうしたアミノ酸残基を、その組み入れがPurαアゴニストとして挙動し得るペプチドの能力に実質的に影響を及ぼさず、かつ関連するPurエレメントへの結合を断ち切らない、別のアミノ酸との置き換えによって改変することができる。ゆえに、与えられる指定とは別に、本発明のペプチドは、開示されるアミノ酸配列またはその一部もしくは変種を含む、任意のタンパク質またはペプチド(オリゴペプチドまたはポリペプチドを含めた)であってよい。
TZIPペプチドおよびTZIP変種の設計特質は、以下のとおりである。
1.それは、SCLCの進行に関わる公知の癌遺伝子であるc-MYC遺伝子の上流の配列に結合するように最適化されたアミノ酸モチーフを含有する。
2.それは、腫瘍抑制経路を活性化し、ゆえに癌細胞をプログラム細胞死の方向に進ませるタンパク質(Rb)に結合するように最適化されたモチーフを含有する。
3.それは、細胞の内外でペプチドを輸送し、ゆえにそれが血流から癌細胞に接近するのを可能にするように最適化されたアミノ酸モチーフを含有する。
4.それは、細胞周期調節タンパク質をそのDNA結合部位へ最大限に動員し、癌細胞増殖の制御を正常化するように設計されたモチーフを含有する。
5.それは水溶液中での最大溶解度に設計されており、ゆえにそれが非毒性の媒質で投与されることが可能になる。
1.それは、SCLCの進行に関わる公知の癌遺伝子であるc-MYC遺伝子の上流の配列に結合するように最適化されたアミノ酸モチーフを含有する。
2.それは、腫瘍抑制経路を活性化し、ゆえに癌細胞をプログラム細胞死の方向に進ませるタンパク質(Rb)に結合するように最適化されたモチーフを含有する。
3.それは、細胞の内外でペプチドを輸送し、ゆえにそれが血流から癌細胞に接近するのを可能にするように最適化されたアミノ酸モチーフを含有する。
4.それは、細胞周期調節タンパク質をそのDNA結合部位へ最大限に動員し、癌細胞増殖の制御を正常化するように設計されたモチーフを含有する。
5.それは水溶液中での最大溶解度に設計されており、ゆえにそれが非毒性の媒質で投与されることが可能になる。
TZIPペプチドおよびTZIP変種は、Purα相互作用タンパク質を動員することによってPurαアゴニストとして挙動して、細胞増殖を阻害するように設計される。細胞内での機能を実行するために、TZIPペプチドおよびTZIP変種は、それらのPURエレメントに堅く結合するように設計される。これらのPURエレメントは、十分に特徴付けされているPurα標的でありそのタンパク質産物が細胞周期の進行を調整するc-MYCのような遺伝子のプロモーター内に見出される。TZIPペプチドおよびTZIP変種は、パートナータンパク質をそれらのPUR DNA結合エレメントに効果的に動員するように設計され、そこでPurαは高い親和性で結合し、かつ局所的に鎖はDNAを分離する。
TZIPペプチドおよびTZIP変種は、細胞周期のG1期に導入された場合に、S期の進行および異常細胞(例えば、癌細胞)における細胞成長を阻害するように設計される。TZIPペプチドおよびTZIP変種が細胞核および細胞質に入ってG1期にRbタンパク質に直接結合した場合に、細胞周期の進行は調整され、かつRbがリン酸化された場合に放出されることが意図される。Rbは、腫瘍抑制経路を活性化して、癌細胞をプログラム細胞死の方向に進ませる。TZIPペプチドおよびTZIP変種は、Cdk4に結合して、細胞増殖を調節することも意図される。
TZIPペプチドは治療用作用物質である
本発明の治療用ペプチドは、包括的Purタンパク質の核酸結合リピートに基づくものであり、療法におけるそれらの使用を容易にするアミノ酸を組み入れている。該タンパク質は、哺乳類における正常および異常な両方の細胞の生物学的経路を変更するように設計される。
本発明の治療用ペプチドは、包括的Purタンパク質の核酸結合リピートに基づくものであり、療法におけるそれらの使用を容易にするアミノ酸を組み入れている。該タンパク質は、哺乳類における正常および異常な両方の細胞の生物学的経路を変更するように設計される。
TZIPペプチド(およびTZIP変種)を、c-MYC遺伝子の増幅を呈する疾患など、癌性疾患の阻止、予防、または他の療法のための治療用作用物質として投与することができる。TZIPペプチドは、それが細胞に効率的に入るのを可能にする、増強された細胞輸送配列を組み入れている。TZIPペプチドを小胞内に投与して、より高い投薬量を要する全身送達方法を回避することができる。TZIPペプチド(およびTZIP変種)を、ベクターを用いて細胞内にトランスフェクトするもしくは共トランスフェクトすることができ、または特異的な腫瘍タイプに対するモノクローナル抗体と共役させることができる。TZIPペプチド(およびTZIP変種)を、ある特定の期に細胞内に微量注射して、細胞周期の進行を停止させることもできる。さらに、TZIPペプチド(およびTZIP変種)を、任意の適当な経路による、例えば経口、経鼻、局部的(口腔内、舌下、または経皮を含めた)、または非経口(皮下、皮内、筋肉内、関節内、腹腔内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病変内、静脈内、または真皮内への注射または注入を含めた)経路による投与に適合させることができる。ヒト投与に関して、製剤は、好ましくは、FDA局および生物製剤基準によって要求される無菌性、発熱原性、全般的な安全性、および純度を満たす。
TZIPペプチド(およびTZIP変種)の投薬量および改変は、組織、癌、および/または患者に特異的であってよい。例えば、TZIPペプチド(およびTZIP変種)の正確な投薬量および/または改変を、所定の組織におけるペプチドの発現パターンによって手引きして、副作用を回避するかまたは治療的効果を増強することができる。ペプチドの投薬量または改変の選択は、治療されることが求められる癌の特異的タイプまたは疾患のステージに依存し得る。選択される投薬量は、治療的有効量、または癌性細胞の成長を遅らせるかもしくは停止させるのに十分な量である。ある特定量の薬学的組成物の効果を、治療された腫瘍の成長またはその再発を観察することによってモニターすることができる。治療的有効量を決定することは、十分に現役の医師の技術の範囲内である。したがって、治療専門家が、最大の治療的効果を獲得するのに要される投薬量を力価測定し(titer)かつ投与の経路を改変することが必要であり得る。
TZIPペプチド(およびTZIP変種)を用いて、SCLC、前立腺癌、結腸の癌、頭頸部の癌、膀胱癌、中皮腫、リンパ腫、様々な脳腫瘍、膀胱癌、AML、悪性黒色腫、ならびに増幅したc-MYC遺伝子を有する他の腫瘍および癌を治療するまたは阻止することができる。
Tatアゴニスト
Tat結合パートナーのサイクリンT1、Purα、ならびにIRF3および7に共通の構造モチーフを模倣する合成ペプチド作用物質を用いて、細胞内パートナータンパク質内に存在しているTat結合アミノ酸モチーフが、細胞機能のTatによる吸収を干渉するための標的としての役割を果たし得る能力を査定することができる。これらのペプチド作用物質を、それらがTatによるHIV-1転写のトランス活性化を無効にし得る能力、ならびにそれらが神経細胞におけるIRF3および7の再局在化に対するTat効果を干渉し得る能力について試験することができる。
Tat結合パートナーのサイクリンT1、Purα、ならびにIRF3および7に共通の構造モチーフを模倣する合成ペプチド作用物質を用いて、細胞内パートナータンパク質内に存在しているTat結合アミノ酸モチーフが、細胞機能のTatによる吸収を干渉するための標的としての役割を果たし得る能力を査定することができる。これらのペプチド作用物質を、それらがTatによるHIV-1転写のトランス活性化を無効にし得る能力、ならびにそれらが神経細胞におけるIRF3および7の再局在化に対するTat効果を干渉し得る能力について試験することができる。
図9Aに示すように、TatのC22またはC27のいずれかの突然変異は、Tatトランス活性化を消失させる。2個のZnイオンは、アミノ酸20〜38内のTatの2つのCリッチなドメインによって配位している。さらに、サイクリンT1のC261は、Zn2への結合に関わる。これはTatの折り畳みを変更しかつ安定させ、それがTAR RNAにおけるUリッチな隆起部に結合し得る能力、およびそれがサイクリンT1/Cdk9に結合し得る能力を増加させる。TatのC22の突然変異は、Purαへの結合も無効にする。図9AにおいてIRF7に関して示されるように、PurαおよびIRF3、7も、サイクリンT1のものと同様の構造的特質を備えた潜在的Zn結合領域を有する。したがって、サイクリンT1のC261の領域のものに似た特質を備えたペプチドは、Zn2 Cリッチなドメインに結合しかつTat活性を混乱させると考えられる。このペプチドは、インビボでの潜在的副作用を最小限に抑えるために合成されており、図に示されている。TZIPペプチド内には、基本的な輸送体配列、
も組み入れられた。この輸送体配列により、ポリペプチドが細胞に入ることが可能となる。
も組み入れられた。この輸送体配列により、ポリペプチドが細胞に入ることが可能となる。
HIVの治療および阻止
本発明のTZIPペプチド(およびTZIP変種)を用いて、HIV感染症を治療することもできる。具体的には、該ペプチドを用いて、HIV感染細胞を治療することができる。これらのペプチドは、感染細胞によって取り込まれて、HIV-1転写のトランス活性化を中止させ得る。さらに、本発明のペプチドを、HIVの伝播を阻止するであろう様々な予防的適用に組み入れてよい。例えば、本発明のペプチドを、ペニス、膣、または肛門の領域に塗布され得る局部的治療に組み入れて、伝播を阻止することができる。該ペプチドを、様々な避妊デバイス(例えば、男性用および女性用コンドーム、ペッサリー、子宮頸管キャップ、子宮頸管シールド)、および/またはこれらのデバイスとともに用いられる潤滑剤、もしくはこれらのデバイスなしで用いられる潤滑剤にも組み入れることができる。
本発明のTZIPペプチド(およびTZIP変種)を用いて、HIV感染症を治療することもできる。具体的には、該ペプチドを用いて、HIV感染細胞を治療することができる。これらのペプチドは、感染細胞によって取り込まれて、HIV-1転写のトランス活性化を中止させ得る。さらに、本発明のペプチドを、HIVの伝播を阻止するであろう様々な予防的適用に組み入れてよい。例えば、本発明のペプチドを、ペニス、膣、または肛門の領域に塗布され得る局部的治療に組み入れて、伝播を阻止することができる。該ペプチドを、様々な避妊デバイス(例えば、男性用および女性用コンドーム、ペッサリー、子宮頸管キャップ、子宮頸管シールド)、および/またはこれらのデバイスとともに用いられる潤滑剤、もしくはこれらのデバイスなしで用いられる潤滑剤にも組み入れることができる。
ヌクレオチドリピート病
TZIPペプチド(およびTZIP変種)を用いて、ヌクレオチドリピート病を治療することもできる。より具体的には、罹患細胞にTZIPペプチド(またはTZIP変種)を導入することにより、結合しているPurタンパク質を押しのけ、それによって隔離に関連した細胞損傷を阻止することができる。したがって、これらのPurタンパク質の過剰発現は、伸長したGリッチなリピートによって引き起こされる発達障害および知的障害を取り消し得るまたは低減し得るであろう。これらのPurタンパク質には、Purα、Purβ、およびPurγが含まれる。TZIPペプチドは、この伸長したリピートへのPurタンパク質の結合を改変することができる。TZIPは、1μM未満でPurαと協調的に機能して、伸長しかつALSに関係しているGGGGCCリピートへの結合を増強する。Purタンパク質が実際に隔離された場合には、TZIPを、Purα、Purβ、またはPurγの代わりにGリッチなリピートに結合するのに用いて、必要とされるPurタンパク質を開放してそれらの正常な機能を続行させることができる。
TZIPペプチド(およびTZIP変種)を用いて、ヌクレオチドリピート病を治療することもできる。より具体的には、罹患細胞にTZIPペプチド(またはTZIP変種)を導入することにより、結合しているPurタンパク質を押しのけ、それによって隔離に関連した細胞損傷を阻止することができる。したがって、これらのPurタンパク質の過剰発現は、伸長したGリッチなリピートによって引き起こされる発達障害および知的障害を取り消し得るまたは低減し得るであろう。これらのPurタンパク質には、Purα、Purβ、およびPurγが含まれる。TZIPペプチドは、この伸長したリピートへのPurタンパク質の結合を改変することができる。TZIPは、1μM未満でPurαと協調的に機能して、伸長しかつALSに関係しているGGGGCCリピートへの結合を増強する。Purタンパク質が実際に隔離された場合には、TZIPを、Purα、Purβ、またはPurγの代わりにGリッチなリピートに結合するのに用いて、必要とされるPurタンパク質を開放してそれらの正常な機能を続行させることができる。
以下の実施例は、単なる例証を目的として提示されるものであり、限定することを意図するものではない。
実施例1
様々な細胞周期転移点の間に、PurαをNIH3T3細胞に注射して、細胞周期の異なる期における上昇したPurαレベルの効果を判定した。G1期におけるPurαの導入は、G1〜S境界に細胞を停止させ、プログラム細胞死を引き起こした(図2を参照されたい)。図2において、白抜きのバーは分裂細胞を表し、黒色のバーは非分裂細胞を表し、かつ網掛けのバーは急速な細胞死を表す。G2〜M期などのより後期におけるPurαの導入は、ゲノムの完全な複製を停止させたが、阻止しなかった。
様々な細胞周期転移点の間に、PurαをNIH3T3細胞に注射して、細胞周期の異なる期における上昇したPurαレベルの効果を判定した。G1期におけるPurαの導入は、G1〜S境界に細胞を停止させ、プログラム細胞死を引き起こした(図2を参照されたい)。図2において、白抜きのバーは分裂細胞を表し、黒色のバーは非分裂細胞を表し、かつ網掛けのバーは急速な細胞死を表す。G2〜M期などのより後期におけるPurαの導入は、ゲノムの完全な複製を停止させたが、阻止しなかった。
実施例2
Purαの発現は、腫瘍学的に形質転換された多様な細胞の増殖を遮断することが示された。S期に入ると細胞を停止させるダブルチミジンブロックから、細胞を通常の成長培地に解放した。サンプルを蛍光活性化セルソーティングに供して、細胞内DNA含量を判定した。
Purαの発現は、腫瘍学的に形質転換された多様な細胞の増殖を遮断することが示された。S期に入ると細胞を停止させるダブルチミジンブロックから、細胞を通常の成長培地に解放した。サンプルを蛍光活性化セルソーティングに供して、細胞内DNA含量を判定した。
安定にトランスフェクトされた細胞株における2〜5倍上昇したレベルのPurαは、ras形質転換細胞および非形質転換細胞の両方において、S期への参入およびS期の通過を遅らせた。図3は、Purαを過剰発現するようにトランスフェクトされたras形質転換および非形質転換のNIH3T3細胞において、細胞周期の進行を阻害するPurαの用量依存的作用を示している。安定にトランスフェクトされたまたは共トランスフェクトされたプールおよびトランスフェクトされたクローンが右側に示されている。
ras形質転換細胞のプールに、以下を安定にトランスフェクトまたは共トランスフェクトした:(a)pBABE、空ベクター;(b)pBABE+pBK、両方ともに空の発現ベクター;(c)pBABE+pBKPurα、Purαを過剰発現する;(d)pBABE+pBKPurα低、内因性Purαのものに近いレベルでPurαを発現する;(e)pBABE+pBKPurα高、内因性Purαのものの5倍近いレベルでPurαを発現する;(f)pEBV、空の発現ベクター;(g)pEBVPurα、Purαを過剰発現する。4Nは、DNA合成の完了を表示している。
安定にトランスフェクトされた株におけるより低レベルのPurαは、周期を完全には停止させなかったが、同じポイントで周期の進行を大幅に遅らせた。図3を参照すると、c〜eの行とbの行との比較は、ras形質転換細胞において、Purαの発現が、S期への参入およびS期の通過の両方を遅らせたことを示している。ゆえに、Purαは、用量依存的様式でS期の通過を遅らせることが示された。
Purαは、コロニー形成、およびNIH3T3細胞のras形質転換に関連した足場非依存的成長にも拮抗する。ras形質転換細胞に、pBABE(空ベクター)およびpBK(空ベクター)またはpBKPurα発現構築物のいずれかをトランスフェクトし、かつピューロマイシン耐性に対して選択した。図4を参照すると、パネルA(pBABE)およびパネルB(pBABE+pBK)は、足場非依存的細胞成長を示している。しかしながら、パネルC(pBABEおよびpBKPurα)は、Purαが足場非依存的成長を抑止したことを示している。
実施例3
Purαは、Rbの低リン酸化形態であるp110RBに結合することが示された。Rbは、Purαと複合して、サルCV-1細胞の抽出物中で検出された。これらの複合体を、PurαまたはRbのいずれかに対するモノクローナル抗体を用いて、細胞溶解物から免疫抽出(immunoextract)することができる。
Purαは、Rbの低リン酸化形態であるp110RBに結合することが示された。Rbは、Purαと複合して、サルCV-1細胞の抽出物中で検出された。これらの複合体を、PurαまたはRbのいずれかに対するモノクローナル抗体を用いて、細胞溶解物から免疫抽出(immunoextract)することができる。
細菌内で発現させたタンパク質を、グルタチオンアガロースビーズに結合させた。対照としての使用のために、未融合GSTを同じ様式で調製した。等量の各タンパク質を含有するビーズを各レーンに用いた。ビーズを回収し、洗浄し、かつ結合したタンパク質を電気泳動に供した。次いで、タンパク質をブロットし、かつ抗Rbモノクローナル抗体でプローブした。
図5は、Gst-PurαおよびGst-T(+対照、SV40ラージT抗原の突然変異形態)の両方ともに、p110RBの低リン酸化形態に排他的に結合することを示している。対照的に、対照のGST単独へのRbの結合は皆無であった。IPPは、ウサギポリクローナル抗Rb抗体を用いてWR2E3細胞から免疫沈降されたRbを表している。増殖細胞において、Rbタンパク質はいくつかのリン酸化の状態で存在し、低リン酸化状態のp110RBはSDSゲルでより急速に移動した(レーン1)。
実施例4
TZIPペプチドは、低濃度でSCLC細胞の成長を阻害することが示された。該ペプチドを、培養下のSCLC細胞に対して試験した。細胞株には、H82、H146、および対照が含まれた。H82細胞株は増幅したc-MYC遺伝子を有し、H146は増加したc-MYCの発現レベルを有する。対照は、正常な上皮細胞およびHeLa細胞(c-MYCに公知の変化を有しない子宮頸癌細胞株)であった。
TZIPペプチドは、低濃度でSCLC細胞の成長を阻害することが示された。該ペプチドを、培養下のSCLC細胞に対して試験した。細胞株には、H82、H146、および対照が含まれた。H82細胞株は増幅したc-MYC遺伝子を有し、H146は増加したc-MYCの発現レベルを有する。対照は、正常な上皮細胞およびHeLa細胞(c-MYCに公知の変化を有しない子宮頸癌細胞株)であった。
H82 SCLC細胞を、10%ウシ胎仔血清を含むRPMI培地中で小型の細胞培養ウェル内にて浮遊状態で成長させた。0時点において、TZIPペプチドを10-12Mの最終濃度で培地に添加した。対照細胞にはペプチドを添加しなかった。TZIPペプチドは、200μLの脱イオン水中に200μgのストック溶液として添加された。時点を図6に示されるように取り、血球計を用いて細胞をカウントした。図6に示すように、ペプチドの阻害効果は処理後の1日目に明らかであり、3日後には、処理された癌細胞のさらなる成長がないことは明らかであった。
図7を参照すると、H82細胞の部分集団を、TZIPペプチドで、および生細胞からは排除されるトリパンブルー色素で処理した。H82細胞をその他の点では以前に記載されるように処理し、対照として用いられたH82細胞は未処理であった。生細胞のパーセンテージは実線によって表し、死細胞のパーセンテージは点線で表している。TZIPペプチドは、TZIP処理H82細胞を殺傷した。対照的に、未処理の対照における生細胞または死細胞のパーセンテージの経時的な変化は極めてわずかであった。
実施例5
TZIPペプチドは、子宮頸癌細胞株HeLaの成長に対して小さな効果を有することが示された。このことは、HeLa細胞株においてc-MYCの変化がないことに基づいて予測された。HeLa細胞を浮遊状態で成長させ、かつH82細胞に関して上記で記載されているように、TZIPペプチドで処理したかまたは処理しなかった。時点を処理後の異なる時間で取り、血球計を用いて細胞をカウントした。図8に示すように、SCLC細胞に対して有していたTZIPペプチドの有意な効果と比較して、TZIPペプチドは、HeLa細胞の成長に対してほとんど効果を有しなかった。HeLa細胞は、腫瘍抑制遺伝子産物および癌遺伝子の存在という多くの局面においてSCLC細胞と異なるため、この差異は予測された。
TZIPペプチドは、子宮頸癌細胞株HeLaの成長に対して小さな効果を有することが示された。このことは、HeLa細胞株においてc-MYCの変化がないことに基づいて予測された。HeLa細胞を浮遊状態で成長させ、かつH82細胞に関して上記で記載されているように、TZIPペプチドで処理したかまたは処理しなかった。時点を処理後の異なる時間で取り、血球計を用いて細胞をカウントした。図8に示すように、SCLC細胞に対して有していたTZIPペプチドの有意な効果と比較して、TZIPペプチドは、HeLa細胞の成長に対してほとんど効果を有しなかった。HeLa細胞は、腫瘍抑制遺伝子産物および癌遺伝子の存在という多くの局面においてSCLC細胞と異なるため、この差異は予測された。
他のSCLC細胞株、ヒト前立腺癌細胞株、ヒト中皮腫細胞、および正常なヒト上皮細胞をTZIPペプチドで処理しており、SCLC細胞は、該ペプチドによる最大の阻害効果を一貫して示した。TZIPペプチドは、前立腺癌細胞の成長を阻害するのに有効であることが示されており、一方で正常な上皮細胞は、TZIPペプチドによる処理のいかなる有意な効果も示さなかった。
実施例6
HIV-1 LTRをトランス活性化し得るTatの能力に対するTZIPペプチドの効果を試験した。結果を図9Bに示す。本実験では、U-87 MG細胞に、ルシフェラーゼに共役させたクレードB HIV-1 LTRをトランスフェクトした。それらは、Tat、クレードBを発現するようにもトランスフェクトされた。Tatトランスフェクションがない場合、ルシフェラーゼ活性はない。TZIPペプチドの存在下において、培地に外因的に添加された低濃度の該ペプチドの広範囲にわたって、トランス活性化は阻害される。TZIPペプチドは、U-87 MGまたはKG-1C細胞の成長動態または形態にいかなる効果も呈さなかった。図9Bにおける結果は、ヒトにおいて許容されると考えられるレベルの低濃度のペプチドにおける、HIV-1 LTRの阻害を立証している。
HIV-1 LTRをトランス活性化し得るTatの能力に対するTZIPペプチドの効果を試験した。結果を図9Bに示す。本実験では、U-87 MG細胞に、ルシフェラーゼに共役させたクレードB HIV-1 LTRをトランスフェクトした。それらは、Tat、クレードBを発現するようにもトランスフェクトされた。Tatトランスフェクションがない場合、ルシフェラーゼ活性はない。TZIPペプチドの存在下において、培地に外因的に添加された低濃度の該ペプチドの広範囲にわたって、トランス活性化は阻害される。TZIPペプチドは、U-87 MGまたはKG-1C細胞の成長動態または形態にいかなる効果も呈さなかった。図9Bにおける結果は、ヒトにおいて許容されると考えられるレベルの低濃度のペプチドにおける、HIV-1 LTRの阻害を立証している。
初期TZIPモデルに基づくさらなる阻害剤は、HIV-1および転写活性、ならびにIRF3および7応答を吸収し得るTatの能力の両方を標的とし得る。トランスフェクトされた初代ミクログリア細胞に、実験を拡張することができる。ミクログリア細胞に、Tatおよび上記で記載されるHIV-1 LTR-ルシフェラーゼレポーターをトランスフェクトすることができる。外因性TZIPまたは類似体(図10)を10-14〜10-7Mで添加することができ、HIV-1プロモーターにより指揮されたルシフェラーゼ活性を、図9Bにあるようにアッセイすることができる。結果により、ミクログリア細胞における、Tatと決定的パートナータンパク質との相互作用を調整し得る本発明の合成ペプチドの能力が査定される。対照は、ランダムペプチドおよび最小限の効果を有するように考案された類似体である。Tat活性の阻害に対してペプチド配列がいったん最適化されると、本発明のペプチドについて、HIV-1のミクログリア感染に対するそれらの効果を検討するさらなる例を実行することができ、かつ治療の見込みを増強させるようにペプチド模倣体を設計することができる。
実施例7
TZIPペプチドの配列および構造に基づくより多くのペプチドを産出することにおいて、トランス活性化アッセイを初期スクリーニングとして用いることができる。例えば、本発明のさらなるペプチド(TZIP変種)を、図10に示されるように合成しかつクローニングした。これらのクローンを、Tatトランス活性化を阻害し得る各ペプチドの能力を測定する、図9Bを産出するために用いられたアッセイで試験することができる。対照は、Tatを含有しない細胞および無関係のCAGGSプロモーターの指揮下で発現されるルシフェラーゼを有する細胞である。10-12〜10-9Mでトランス活性化を示す、外因的に添加される精製Tatを用いることによって、アッセイを向上させる。これにより、Tat濃度に対するより直接的な制御が可能となる。
TZIPペプチドの配列および構造に基づくより多くのペプチドを産出することにおいて、トランス活性化アッセイを初期スクリーニングとして用いることができる。例えば、本発明のさらなるペプチド(TZIP変種)を、図10に示されるように合成しかつクローニングした。これらのクローンを、Tatトランス活性化を阻害し得る各ペプチドの能力を測定する、図9Bを産出するために用いられたアッセイで試験することができる。対照は、Tatを含有しない細胞および無関係のCAGGSプロモーターの指揮下で発現されるルシフェラーゼを有する細胞である。10-12〜10-9Mでトランス活性化を示す、外因的に添加される精製Tatを用いることによって、アッセイを向上させる。これにより、Tat濃度に対するより直接的な制御が可能となる。
IRF3および7も、図9Bに基づくトランス活性化アッセイを用いて検討することができる。Tatはグリア細胞においてIRFを活性化し、かつこの活性化は、TZIPペプチドおよび本発明の他のペプチドによって阻害されると思われる。U-87 MG細胞にTatおよびそのいくつかの変異体をトランスフェクトして、異なるレベルのTat活性を得ることができる。Wortman, M.J., Krachmarov, C.P., Kim, J.H., Gordon, R.G., Chepenik, L.G., Brady, J.N., Gallia, G.L., Khalili, K. and Johnson, E.M (2000). Interaction of HIV-1 Tat with Pura in nuclei of human glial cells: characterization of RNA-mediated protein-protein binding. J. Cell. Biochem., 77, 65-74。次いで、IRF3および7のリン酸化のレベルを免疫ブロットによって判定することができる。これは、IRF3および7活性化の重要な局面を定量化する。次いで、この一連の実験をTZIPペプチドまたはTZIP変種の存在下で繰り返すことができ、かつ阻害動態のパラメーターをプロットしかつそのようなペプチドの非存在下におけるものと比較することができる。得られた情報により、IRFの活性化は、TatがそのZn2ポケットを介してパートナータンパク質に結合し得る能力に関連付けられる。
実施例8
本発明のペプチドが、Tatとそのパートナータンパク質との相互作用を阻害する分子様式を判定するために、図10に示されるように、TZIPペプチドのいくつかの変異体(TZIP変種)を同定した。灰色の網掛けはサイクリンT1との同一性を表示し、枠で囲まれたアミノ酸はサイクリンT1との類似性を表示し、かつ二重下線はTZIPコード配列に基づきクローニングされた変異体を表示している。N末GSTを有するTatが、サイクリンT1およびPurαをプルダウンすることは十分に立証されている。したがって、本発明のペプチドを試験するアッセイを、グルタチオンアガロースビーズを用いたプルダウンとして行うことができる。初めに、様々な濃度におけるペプチド阻害剤の存在または非存在下で、GST-TatをサイクリンT1に等モル濃度で添加することができる。GST-Tatによってプルダウンされるタンパク質の量を、免疫ブロットによって定量化することができる。KIおよびペプチドの結合パラメーターを、標準的方法によって判定することができる。ペプチドを突然変異させることにより、サイクリンT1様ドメインを伴うタンパク質−タンパク質結合への各アミノ酸の寄与に関する価値のある情報がもたらされる。最終的に、得られた情報は、その領域へのタンパク質結合を阻害するペプチド模倣体の設計に役立ち得る。
本発明のペプチドが、Tatとそのパートナータンパク質との相互作用を阻害する分子様式を判定するために、図10に示されるように、TZIPペプチドのいくつかの変異体(TZIP変種)を同定した。灰色の網掛けはサイクリンT1との同一性を表示し、枠で囲まれたアミノ酸はサイクリンT1との類似性を表示し、かつ二重下線はTZIPコード配列に基づきクローニングされた変異体を表示している。N末GSTを有するTatが、サイクリンT1およびPurαをプルダウンすることは十分に立証されている。したがって、本発明のペプチドを試験するアッセイを、グルタチオンアガロースビーズを用いたプルダウンとして行うことができる。初めに、様々な濃度におけるペプチド阻害剤の存在または非存在下で、GST-TatをサイクリンT1に等モル濃度で添加することができる。GST-Tatによってプルダウンされるタンパク質の量を、免疫ブロットによって定量化することができる。KIおよびペプチドの結合パラメーターを、標準的方法によって判定することができる。ペプチドを突然変異させることにより、サイクリンT1様ドメインを伴うタンパク質−タンパク質結合への各アミノ酸の寄与に関する価値のある情報がもたらされる。最終的に、得られた情報は、その領域へのタンパク質結合を阻害するペプチド模倣体の設計に役立ち得る。
実施例9
合成ペプチドTZIPの258bpのコード配列を含むDNAセグメントをクローニングした。それを、精製目的のために3'の6個のHis配列に、かつ抗体検出のために5'のFLAG配列に共役させる。合成されかつクローニングされたヌクレオチド配列を図11に示す。このヌクレオチドコード配列を、本発明の治療的局面を増強するいくつかの一意的特質を組み入れるように設計した。重要なことには、本発明の作業の前に、既存の天然コード配列は存在しなかった。したがって、図11におけるコード配列は新規である。図11に示されるように、EcoR1およびPme1制限切断エレメントに隣接する、89個のアミノ酸(「aa」)に対するペプチドコード配列を灰色で示している。クローニングされたセグメントは、293個の塩基対を含む。シークエンシングに用いられたプライマー配列には、二重下線が引かれている。残りの配列は、細菌用プラスミドベクターpIDTSMART(Integrated DNA Technologiesから商業的に得られた)由来のものである。灰色のコード配列を切り出し、かつそれが抗体認識のためのアミノ末端FLAGアミノ酸配列を保有するように、哺乳類用発現ベクターpcDNA3.1-zeo(Invitrogen Life Technologiesから商業的に得られた)内にライゲーションした。これは、ヒトおよび大腸菌(E.coli)細菌を含めたいくつかの異なる生物からのコドン使用頻度パターンを調べることによって達成された。大腸菌細菌を用いて本発明のペプチドを大量に増やすために、しかしながらヒト細胞においてペプチドを用いるためにも、コード配列を、それが両方の生物で効率的に働くであろうように特異的に設計した。さらに、容易に突然変異させてアミノ酸の点変異を産出し得るコドンを用いるように、コード配列を設計した。点変異を創出し得るこの能力により、当業者は、本発明のペプチドの任意の類似体を容易に作製することが可能となり、それによって治療的価値が最適化され得る。これは、変更されたDNA配列を産出するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を採用する以前に用いられた分子生物学的手順によって行われ、それをペプチドコード配列内にクローニングして、ペプチドの突然変異型をコードする多コピーの新規なリーディングフレームを細菌内で増やすことができる。本発明のペプチドを迅速に突然変異させ得る能力により、当業者は、本発明のペプチドのより小さい最適な型を作製することが可能となり、かつペプチド模倣体を実施し得ることが可能となる。上記の方法を用いて産出されたいくつかの変異体/変種を図10に示す。本発明は、TZIPペプチド(またはTZIP変種)をコードする任意のヌクレオチド配列も包含する。
合成ペプチドTZIPの258bpのコード配列を含むDNAセグメントをクローニングした。それを、精製目的のために3'の6個のHis配列に、かつ抗体検出のために5'のFLAG配列に共役させる。合成されかつクローニングされたヌクレオチド配列を図11に示す。このヌクレオチドコード配列を、本発明の治療的局面を増強するいくつかの一意的特質を組み入れるように設計した。重要なことには、本発明の作業の前に、既存の天然コード配列は存在しなかった。したがって、図11におけるコード配列は新規である。図11に示されるように、EcoR1およびPme1制限切断エレメントに隣接する、89個のアミノ酸(「aa」)に対するペプチドコード配列を灰色で示している。クローニングされたセグメントは、293個の塩基対を含む。シークエンシングに用いられたプライマー配列には、二重下線が引かれている。残りの配列は、細菌用プラスミドベクターpIDTSMART(Integrated DNA Technologiesから商業的に得られた)由来のものである。灰色のコード配列を切り出し、かつそれが抗体認識のためのアミノ末端FLAGアミノ酸配列を保有するように、哺乳類用発現ベクターpcDNA3.1-zeo(Invitrogen Life Technologiesから商業的に得られた)内にライゲーションした。これは、ヒトおよび大腸菌(E.coli)細菌を含めたいくつかの異なる生物からのコドン使用頻度パターンを調べることによって達成された。大腸菌細菌を用いて本発明のペプチドを大量に増やすために、しかしながらヒト細胞においてペプチドを用いるためにも、コード配列を、それが両方の生物で効率的に働くであろうように特異的に設計した。さらに、容易に突然変異させてアミノ酸の点変異を産出し得るコドンを用いるように、コード配列を設計した。点変異を創出し得るこの能力により、当業者は、本発明のペプチドの任意の類似体を容易に作製することが可能となり、それによって治療的価値が最適化され得る。これは、変更されたDNA配列を産出するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を採用する以前に用いられた分子生物学的手順によって行われ、それをペプチドコード配列内にクローニングして、ペプチドの突然変異型をコードする多コピーの新規なリーディングフレームを細菌内で増やすことができる。本発明のペプチドを迅速に突然変異させ得る能力により、当業者は、本発明のペプチドのより小さい最適な型を作製することが可能となり、かつペプチド模倣体を実施し得ることが可能となる。上記の方法を用いて産出されたいくつかの変異体/変種を図10に示す。本発明は、TZIPペプチド(またはTZIP変種)をコードする任意のヌクレオチド配列も包含する。
実施例10
大腸菌細菌をGST-PURA発現構築物で形質転換し、LB-amp培地中で成長させ、かつ0.1mM IPTGで誘導した。該過程を、GST-PURB遺伝子に関して繰り返した。細菌誘導からの細胞溶解物を、Purαに対してGSTrapタンパク質精製モジュールに、およびPurβに対してGST Microspin精製モジュールに通した。SDS-PAGE−溶解物、ならびにGSTタグ付きPurαおよびPurβの単離からの溶出物を、8%ポリアクリルアミドゲルを用いたゲル電気泳動に供し、かつクマシー染色した。GSTタグ付きタンパク質の溶出画分を、3Lの1×PBS中で3時間透析した。次いで、溶出画分をRNAseバッファーに調整した(参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Johnson, Edward M, Daniel, Dianne C, and Gordon, Jennifer (2013) The Pur Protein Family: Genetic and Structural Features in Development and Disease. Journal of Cellular Physiology, vol 228 (930-937))。溶液を1×RNAseで処理し、次いでGSTrap精製カラムに再度通して、RNAseを除去した(Purβに対しては、Microspin精製カラム)。
大腸菌細菌をGST-PURA発現構築物で形質転換し、LB-amp培地中で成長させ、かつ0.1mM IPTGで誘導した。該過程を、GST-PURB遺伝子に関して繰り返した。細菌誘導からの細胞溶解物を、Purαに対してGSTrapタンパク質精製モジュールに、およびPurβに対してGST Microspin精製モジュールに通した。SDS-PAGE−溶解物、ならびにGSTタグ付きPurαおよびPurβの単離からの溶出物を、8%ポリアクリルアミドゲルを用いたゲル電気泳動に供し、かつクマシー染色した。GSTタグ付きタンパク質の溶出画分を、3Lの1×PBS中で3時間透析した。次いで、溶出画分をRNAseバッファーに調整した(参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Johnson, Edward M, Daniel, Dianne C, and Gordon, Jennifer (2013) The Pur Protein Family: Genetic and Structural Features in Development and Disease. Journal of Cellular Physiology, vol 228 (930-937))。溶液を1×RNAseで処理し、次いでGSTrap精製カラムに再度通して、RNAseを除去した(Purβに対しては、Microspin精製カラム)。
RNAse処理からの溶出物(Purα)およびRNAse処理前の溶出物(Purβ)を、8%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、かつTBS-T中の粉末化ミルクを用いて膜に転写した。Purα膜を、Johnson研究室で開発された、Purαに対するマウスモノクローナル抗体(クローン10B12)で処理した。Purβ膜を、ポリクローナルウサギ抗Purβ(Abcam)で処理した。二次抗体処理を実施し、かつ化学発光を検出するオートラジオグラフィーカセットを用いて、膜を撮像した。
ALS患者のC9ORF72における伸長したGGGGCCの6ヌクレオチドリピートを表す赤外オリゴヌクレオチドを特注し、ALS ssDNAと称する。IR標識オリゴヌクレオチドを用いて4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施し、かつLi-Cor Odyssey IRイメージング機器およびソフトウェアを用いて撮像した。
電気泳動移動度シフトアッセイ−Purα、Purβ、TZIP、およびIR標識オリゴヌクレオチドの様々な組み合わせを、5×Johnson結合バッファー(参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Bergemann, Andrew D and Johnson, Edward M (1992), The HeLa Pur Factor Binds Single-Stranded DNA at a Specific Element Conserved in Gene Flanking Regions and Origins of DNA Replication. Molecular and Cellular Biology, vol 12:3 (1257-1265))中で調製し、5mM DTT、5mM EDTA、および0.5% Tween 20に調整した。サンプルに対して4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施し、かつLi-Cor Odyssey機器およびソフトウェアで撮像した。DNA濃度経過実験に対して、Li-Cor Odysseyソフトウェアを用いて密度測定を実施した。
タンパク質精製により、PurαおよびPurβの両方に対して、50〜75キロダルトンの強くクマシー染色されたゲルバンドが得られた。ウェスタン手順により、抗Purα/Purβおよび抗GSTの両方で処理した場合に、同じ位置に強いゲルバンドが示された。(図12)。RNAse処理後の銀染色により、EMSA手順に用いた溶出物中におけるPurαおよびPurβの存在が裏付けられた。
DNA濃度経過により、PurαおよびTZIPの両方ともに、低濃度でALSリピートに強く結合することが実証された。図13は、4% TBEポリアクリルアミドゲルでの、Purα、Purβ、およびTZIPに関する電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)を示している。図13Aは、ALS ssDNA単独との一定のPurαを示している。図13Bは、ALS ssDNA単独との一定のPurβを示している。図13Cは、ALS ssDNA単独との一定のTZIPを示している。密度測定により、ALSリピートに対するPurαに関して1.6×10-8、およびALSリピートに対するTZIPに関して5.5×10-10のKd値が明らかになった。Purβは、はるかに小さな程度でALSリピートに結合した。Purβに関して得られたKd値は複雑であり、容易には解釈できなかった。
混合したPurαおよびTZIPにより、TZIPがPurαの結合活性を変更し得る能力が実証された(図14-A)。TZIPの濃度を増加させることにより、シフトバンドはよりゆっくりと移動した(図14-B)。
PurβとTZIPとを混合した場合、極めて異なる効果が見られる。TZIPは、ALSの6ヌクレオチドリピートへのPurβの結合を大いに刺激する(図15)。変動する量のPurβは、結合の明らかな阻害からTZIP結合の増強に及ぶ、異なる効果を有すると見られる。他のDNAの構築物がこの関係性を示し得るが、PurβをPurαと混合した場合には、この効果は見られない。Purβの増加は、より多くのオリゴヌクレオチドをシフトさせるように見える。図16は、反応混合液中で組み合わされたPurαおよびPurβに関するEMSAを示しており、PurαおよびIR標識ssDNA ALSの濃度は一定に保たれ、一方でPurβ濃度は変動した。
実施例11
GEのMicrospin GST精製モジュールを用いて、GSTタグ付きPurαおよびPurβを細菌溶解物から精製した。SDS-Pageゲルおよび分子マーカーを用いたポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて、GST、Purα、およびPurβが発現しかつ精製されたことを検証した。Johnson研究室で開発されたモノクローナルマウス抗Pur抗体(クローン10B12)およびPurβに対するポリクローナル抗体(Abcam)を含めた、PurαおよびPurβに対する抗体を用いて、発現したタンパク質を検出した。ゲル移動度シフトアッセイに対して、TBEバッファーによるポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた。
GEのMicrospin GST精製モジュールを用いて、GSTタグ付きPurαおよびPurβを細菌溶解物から精製した。SDS-Pageゲルおよび分子マーカーを用いたポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて、GST、Purα、およびPurβが発現しかつ精製されたことを検証した。Johnson研究室で開発されたモノクローナルマウス抗Pur抗体(クローン10B12)およびPurβに対するポリクローナル抗体(Abcam)を含めた、PurαおよびPurβに対する抗体を用いて、発現したタンパク質を検出した。ゲル移動度シフトアッセイに対して、TBEバッファーによるポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた。
脆弱X症候群(FXS)を有する患者のFMR1におけるGリッチな3ヌクレオチドDNAリピートを表す赤外標識オリゴヌクレオチドを特注し、本明細書においてFXS ssDNAと称する。アガロースおよびポリアクリルアミドゲル中の赤外標識オリゴヌクレオチド基質を、Odyssey(LICOR)機器およびソフトウェアの使用により検出した。
タンパク質ゲルは、細菌溶解物からのPurαおよびPurβの精製後に、これらのPurタンパク質が限られた混入物質とのみ存在していることを示している。PurαおよびPurβを組み合わせた場合(図17)、Purβの量を増加させることによって、DNAはゲルの上端へよりシフトする。したがって、DNAへの該タンパク質のより多くの結合が存在する。図18における移動度シフトは、ssDNA FXSを最大50ngまで増加させるにつれて、移動度の完全なシフトをもたらすために10ngを上回るPurαまたはPurβが必要とされることを示している。Purβは、Purαほど強力にはssDNA FXSをシフトさせない。図18および19は、より多くのTZIPが添加されるにつれて、それがより多くのssDNA FXSをゲルの上端へ動かすという点において、TZIPはPurαと極めて同様に働くことを示している。図19において、TZIPは、Purαの存在下でssDNA FXSの移動度シフトを増強させる。TZIPは、FXSの3ヌクレオチド伸長リピートに堅く結合し、かつPurα結合を大いに刺激する。
TZIPは、Purαに対するアゴニストとして働き得る。移動度シフトをもたらすために、Purαよりも少ないTZIPが必要とされる。密度測定により、Purαに関して1.9×10-9、およびTZIPに関して9.5×10-10のKd値が明らかになった。したがって、これらの実験におけるssDNA FXSに結合する順序は、TZIP>Purα>Purβである。細胞内においてTZIPがPurαおよびPurβと極めて同様に働くとすれば、その添加は、DNAに結合することによってPurタンパク質に取って代わり、PURタンパク質を開放してそれらの正常な機能を続行させ得るであろう。
本開示を読むことにより当業者に明白であるに、本開示は、上記で具体的に開示されるもの以外の形態で具体化され得る。したがって、上記で記載される特定の態様は、例証として見なされるべきであり、制限として見なされるべきではない。当業者であれば、単なるルーチン的実験を用いて、本明細書において記載される具体的態様に対する数々の同等物を認識または確認し得るであろう。例えば、開示されるペプチドおよびその変種を用いて、SCLC、前立腺癌、結腸の癌、頭頸部の癌、中皮腫、リンパ腫、様々な脳腫瘍、膀胱癌、AML、および悪性黒色腫を含むがそれらに限定されない、癌、腫瘍、および増幅したc-MYC遺伝子を有する疾患を治療するかまたは阻止することができる。前記作用物質は、HIVの治療および伝播の阻止、ならびに現在治療不可能でありかつ衰弱性のある特定の疾患を含めた、伸長ヌクレオチドリピート病の治療にも有用である。さらに、開示されるアミノ酸配列の残基は、それらの置換が、ペプチドを水溶液に可溶性にし、ペプチドをRBおよびc-MYC遺伝子の上流の配列に結合させ、ペプチドを細胞の内外で輸送させ、かつペプチドに細胞周期調節タンパク質を動員させ得るという条件で置換することができる。さらに、ペプチドが細胞に入るのを可能にする投与の同等の経路を用いて、治療用作用物質を投与することができる。本発明の範囲は、前述の記載に含有されている例に限定されるというよりはむしろ、添付の特許請求の範囲に明記されているとおりでありおよびその同等物である。本明細書において開示される参考文献のすべての内容は、参照によりそれらの全体として組み入れられる。
Claims (26)
- 前記癌が、小細胞肺癌腫、脳腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)、悪性黒色腫、中皮腫、前立腺癌、リンパ腫、結腸癌、膀胱癌、および頭頸部癌からなる群より選択される、請求項4記載の方法。
- (a)c-MYC遺伝子の上流に結合し、
(b)網膜芽細胞腫タンパク質に結合し、かつ
(c)細胞周期調節タンパク質を細胞のDNA結合部位に動員して、細胞増殖を阻害する
アミノ酸配列を有する治療的有効量の治療用作用物質を投与する工程を含む、対象における癌を治療するための方法であって、該癌が増幅したc-MYC遺伝子を有すると特徴付けられる、方法。 - 前記癌が、小細胞肺癌腫、脳腫瘍、AML、悪性黒色腫、中皮腫、前立腺癌、リンパ腫、結腸癌、膀胱癌、および頭頸部癌からなる群より選択される、請求項6記載の方法。
- 作用物質が水溶液に可溶性である、請求項6記載の方法。
- 作用物質が、血流から癌細胞内に該作用物質が入るのを可能にし得る増強された細胞輸送配列を含むアミノ酸配列を有する、請求項6記載の方法。
- 作用物質が、非癌性初代上皮細胞の成長に有意な影響を及ぼさない、請求項6記載の方法。
- 作用物質が癌細胞増殖を阻害する、請求項6記載の方法。
- HIVがヒト細胞内に存在する、請求項13記載の方法。
- ヒト細胞が、血液細胞、骨髄細胞、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14記載の方法。
- HIVが脳組織内に存在する、請求項13記載の方法。
- 神経損傷が阻止される、請求項13記載の方法。
- 神経損傷が末梢神経系におけるものである、請求項17記載の方法。
- 神経損傷が中枢神経系におけるものである、請求項17記載の方法。
- ペプチドがクリームの状態で投与される、請求項20記載の方法。
- クリームが膣または肛門領域に塗布される、請求項21記載の方法。
- 伸長ヌクレオチドリピート病が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および脆弱X症候群(FXS)からなる群より選択される、請求項23記載の方法。
- クリームの形態にある、請求項25記載の薬学的組成物。
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