JP2015536653A - Pcr反応混合物及びそれを使用する方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に関連する方法及び組成物を提供する。【選択図】図1A

Description

本明細書では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に関連する方法及び組成物を提供する。
敗血症は、感染性細菌又は他の病原体の存在に応答して身体によって毒性サイトカインが放出される、生命を脅かす疾患である。敗血症の世界的な年間発生数は、1,800万症例であると推定されている。米国疾病管理センター(CDC)によれば、敗血症であると一次診断された人の入院率は、2000年から2008年にかけて、人口10,000人当たり24人と2倍以上になった。罹患及び死亡の主な原因は、血流感染(BSI)である(非特許文献1)。
院内BSIの真の発生率は、知られていないが、米国では年間約250,000症例発生していると推定されている。幾つかの研究で、BSIの発生率は、集中治療室(ICU)では約1%、骨髄移植のレシピエントでは36%であると報告されている。粗死亡率は、全入院人口の12%からICU患者の80%に及ぶと報告されている。ICU患者におけるBSIに直接起因する死亡率は、16%〜40%であると推定されている。
敗血症性ショックの症状を有する患者について、現在の指針では、診断後1時間以内、早期敗血症症状を有する患者の場合3時間以内に抗生物質を投与することが推奨されている。この時間内に微生物の情報が得られなかった場合、現行では、病原体を培養し、同定し、次いで、数日間に亘って抗生物質感受性試験に付している間、広域抗生物質の経験的使用に依存している。ノイズと真のシグナルを区別することができる検出に十分なレベルまで病原体を「増殖」させるためには培養が必要であるが、その理由は、現在の方法が、10コロニー形成単位/ミリリットル(cfu/mL)〜30cfu/mL未満の量の病原体を培養無しに検出できるほど十分な感度を有していないためである。
死亡、罹患、及び敗血症患者の入院期間の延長の主な決定要因は、不適切な経験的抗微生物剤治療及び経験的抗微生物剤治療の遅れの少なくともいずれかである。患者が抗微生物剤治療を受けない場合、敗血症による死者は、1時間毎に8%の速度で増加する(非特許文献2)。敗血症の臨床症状を呈している全患者のうちの約30%〜約50%が、最初の数日間、不適切な抗微生物剤治療を受けているが、その理由は、治療を開始する時点では原因病原体及びその抗生物質耐性プロファイルが分かっていないためである。また、不適切な抗生物質の使用は、通常、抗生物質耐性の負担を増大させるので、奨励されていない。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びリアルタイム定量PCR
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の開発により、核酸配列をin vitroで増幅させることが可能になった。PCRは、特に、特許文献1〜3に記載されている。
更に、Applied Biosystems(Foster City,Calif.)等の商業的供給メーカーからPCR用試薬が販売され、PCRプロトコールが公開されている。
PCRは、「アンプリコン」として知られている標的DNAの特定の領域を増幅させるよう設計される。PCRは、通常、第1の増幅サイクルにおいてテンプレートを効率的に利用できるようにするための最初の変性工程で始まり、続いて、PCR増幅サイクルが行われる。PCR増幅の各サイクルでは、二本鎖標的配列を変性し、変性した標的の各鎖にプライマーをアニーリングさせ、DNAポリメラーゼの作用によってプライマーを伸長させる。これらは、「変性」工程、「アニーリング」工程、及び「伸長」工程と呼ばれる。新たに合成されたPCR産物の突出末端を埋めるために、最後の伸長工程が含まれることもある。増幅の特異性は、プライマーハイブリダイゼーションの特異性に依存する。プライマーは、標的核酸鎖の各鎖の3’末端に存在する配列に対して相補的であるか又は実質的に相補的であるように選択される。従来は、増幅の終了後に産物の情報を解析していた(「エンドポイントPCR」として知られている)。
時に「リアルタイムPCR」又は「qPCR」とも呼ばれる定量PCRは、増幅するDNAセグメントを平滑化する2オリゴヌクレオチドのプライマーを用いて、PCRと同じ増幅スキームを利用する。qPCRでは、反応産物を形成しながら、それをモニタリングする。リアルタイムモニタリングには、特定の波長の蛍光に依存する幾つかの方法を用いることができる。リアルタイムモニタリングで用いられる1つの方法では、SYBR(登録商標)Green蛍光色素等のDNAインターカレート蛍光色素を使用する(これは、エンドポイントPCRでも用いることができる)。別の方法では、一端が蛍光タグで標識され、他端が蛍光クエンチャーで標識されている標的特異的オリゴヌクレオチドプローブ(モレキュラービーコンプローブ)を添加する。前記蛍光タグ及び前記蛍光クエンチャーは、標的に結合した際に互いから離れて、蛍光を増大させる。別の変法では、TaqMan(登録商標)プローブを用いるが、前記プローブは、DNA標的に結合すると、プライマー伸長中にその蛍光ラベルがプローブから切断されて、蛍光タグを放出する。
特殊なタイプのエンドポイントPCRでは、制御融解と併せてDNAインターカレート蛍光色素が用いられる。これは、特に、参照により全文が本明細書に援用される非特許文献3〜4、特許文献4、及びこれらに引用されている参照文献に記載されている。
臨床試料中の対象ポリヌクレオチド配列を検出するためのqPCRの使用
qPCRは、試験サンプル中の標的ポリヌクレオチド配列を検出するために用いられている。標的ポリヌクレオチド配列の1つの例示的な種類は、通常感染症について試験するための臨床試料においてアッセイされる、対象病原体に特徴的な配列である。参照により本明細書に援用される特許文献5〜7、及びこれらに引用されている参照文献。
また、qPCRは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)(mecA遺伝子が黄色ブドウ球菌の染色体に組み込まれている)等の抗生物質耐性病原体を特異的に検出するためにも用いられている。例えば、参照により本明細書に援用される特許文献8には、(a)標的細菌に特異的な遺伝子、(b)抗生物質耐性遺伝子、及び(c)細菌ゲノムの既知の領域と抗生物質耐性カセットが通常組み込まれる部位との間の架橋領域を増幅させるマルチプレックスqPCRの使用について記載されている。
また、特に、参照により本明細書に援用される非特許文献5〜6、特許文献9、及びこれらに引用されている参照文献に記載されている通り、ポリヌクレオチドを増幅及び検出するために線形後指数関数的(LATE)PCRも用いられている。しかし、開示されている方法では、臨床設定における敗血症アッセイに必要な高感度(低検出限界)、並びに比較的少数のプライマーセット及びプローブを達成できていないので、かかる試験は、敗血症試験のために所望の数の標的ポリヌクレオチドを検出するのに十分ではない。
正確且つ迅速に敗血症を診断し、適切な抗生物質治療を決定するために、血液サンプル中の病原体DNA及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドの検出することは、以下の多数の理由によりかなり困難である。第1に、10mLの全血サンプルに10コピー程度の病原体DNAしか含有されていないことがあり、これは、現在の抽出技術を用いて抽出した後の5コピー以下に相当する。第2に、必要な信頼レベルを得るためには、最低1コピー〜2コピーの対象DNA標的が必要である。その結果、5コピーのDNAを含有するサンプルは、2本以下の別々のPCR反応チューブ(又は反応ウェル若しくはチャンバ)に分割して、各チューブが少なくとも1コピー〜2コピーを含むようにすることができる。更に、敗血症患者の治療方針を決定する情報を得るために臨床的に関連する抗生物質耐性遺伝子及び病原体種を意味のある範囲網羅するには、12種〜30種の異なるDNAマーカーを鑑別同定するために、12種〜30種の異なるアンプリコンの増幅(2つの別々の反応においてそれぞれ6対〜15対のプライマー対)を必要とする。従来の関連技術のマルチプレックスqPCR法では、この高い活性レベルは不可能である。
迅速且つ臨床的に関連する結果を得るために、血液サンプル中の病原体DNA及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドの迅速検出を行うには、今日まで、依然として悩ましい問題が存在する。
米国特許第4,683,195号明細書 米国特許第4,683,202号明細書 米国特許第4,965,188号明細書 米国特許出願公開第2011/0045479号(Andreas Tobler) 米国特許第6664080号明細書(Klaus Pfeffer)「TaqManTM−PCR for the detection of pathogenic E.coli strains」 米国特許出願公開第2009/0181363号明細書「Non−Invasive Detection of Fish Viruses by Real−Time PCR」 米国特許出願公開第2006/0177818号明細書「Method of detection of classical swine fever」 米国特許第8017337号明細書(Yosef Paitan)「Methods,Compositions and Kits for Detection and Analysis of Antibiotic−Resistant Bacteria」 米国特許出願公開第2004/0053254号明細書(Wangh等)
Hall et al.,2011 M Daniels 2011 Won et al,Rapid identification of bacterial pathogens in positive blood culture bottles by use of a broad−based PCR assay coupled with high−resolution melt analysis.J Clin Microbiol48:3410−3413 Yang et al,Rapid identification of biothreat and other clinically relevant bacterial species by use of universal PCR coupled with high−resolution melting analysis.J Clin Microbiol47:2252−2255 Rice et al Gentile et al
当業者であれば、本開示に鑑みて、特定の病原体の存在の同定及び特定の抗生物質耐性遺伝子の有無が、感染の疑いのある患者の抗生物質治療方針を決定する情報を得るのに役立ち得ることを理解するであろう。
本明細書に記載する方法及び組成物は、例えば、非常に少数コピー(1ミリリットル当たり約1コピー)しか存在していない場合でさえも、敗血症が疑われる症例を確認し、血液中に存在する様々な一般的な(幾つかの実施形態では、それほど一般的ではない)病原体及び抗生物質耐性遺伝子を同定するという能力に関して、既存のPCR法を改善することを目的とする。本発明者らは、培養及び抗生物質耐性平板法を用いた場合に通常必要とされる1日間〜6日間ではなく、僅か数時間で実用的な結果を得るための方法及び組成物を開発した。幾つかの実施形態では、アッセイの高度に多重化された設計及び高感度により、非常に多岐にわたる量で存在する場合でさえも、1超の病原体及び1超の抗生物質耐性遺伝子の少なくともいずれかを含有するサンプルを検出することが可能になる。
更なる態様は、本明細書に記載する反応混合物を利用して、核酸配列をin vitroで増幅させるため、病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを検出するため、そして、敗血症が疑われる症例を確認及び診断するためのキットに関する。
更に、本発明者らは、また、活性化プロセスの一部として切断されるリボプライマー等の活性化可能なプライマーを用いて非対称PCRを実施する場合、有効性の決定において、切断前融解温度及び切断後融解温度が何らかの役割を果たしていることを見出した。本発明者らは、これら2つのパラメータの特定の組合せが、GCリッチ領域の非対称PCRを成功させるのに有用であることを見出した。
それを可能にする権限において、以上及び以下の本明細書において言及する全ての特許、特許出願、及び刊行物は、参照により本明細書に援用される。
本明細書において使用するとき、「含む」とは、言及される特徴、整数、工程、又は成分の存在を含めるが、1以上の特徴、整数、工程、若しくは成分、又はこれらの群の存在又は追加を除外するものではないと解釈すべきである。したがって、例えば、所与の工程を含む方法は、追加の工程を包含してもよい。更に、用語「含む」は、用語「から本質的になる」及び「からなる」によって包含される実施形態を含むことを意図する。同様に、用語「から本質的になる」は、用語「からなる」によって包含される実施形態を含むことを意図する。
量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限値及び好ましい下限値のリストとして記載される場合、これは、その範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の上限値又は好ましい値と任意の下限値又は好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を明示的に開示していると理解すべきである。本明細書において数値範囲が列挙されている場合、特に明記しない限り、前記範囲は、その端点、並びに前記範囲内の全ての整数及び小数を含むことを意図する。本発明の範囲は、範囲を規定するときに列挙される特定の値に限定されることを意図するものではない。
図1Aは、モノプレックス反応及びトリプレックス反応におけるVIM−PB1プローブの性能のプロットである。A.増幅曲線。当該図面及び全ての図面において、横軸は、サイクル数(増幅曲線の場合)又は温度(℃)(他のプロットの場合)である。増幅パネル及び融解パネルにおける蛍光は、機器によって設定された任意単位で表す。 図1Bは、モノプレックス反応及びトリプレックス反応におけるVIM−PB1プローブの性能のプロットである。B.融解曲線。 図1Cは、モノプレックス反応及びトリプレックス反応におけるVIM−PB1プローブの性能のプロットである。C.融解中の蛍光の一次導関数、即ち、Δf/ΔTのプロット(即ち、温度変化に依存するときの蛍光の変化を説明するための、融解中の蛍光の減少の一次導関数)。 図2は、モノプレックス及びトリプレックスにおけるVIM−PB2の性能のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解中の蛍光の一次導関数。 図3は、モノプレックス及びトリプレックスにおけるNDM−PB1の性能のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図4は、モノプレックス及びトリプレックスにおけるNDM−PB2の性能のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図5は、VIM−PB1及びNDM−PB1を用いたモノプレックス及びトリプレックスにおける16SGN−PBの性能のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図6は、VIM−PB2及びNDM−PB2を用いたモノプレックス及びトリプレックスにおける16SGN−PBの性能のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図7は、VIM−PB1、NDM−PB1、及び16SGN−PBの各存在下における、別個に増幅させたvim+16SGN、NDM+16SGN、及び16SGNの曲線を重ね合わせたものである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図8は、VIM−PB2、NDM−PB2、及び16SGN−PBが存在する各場合における、別個に増幅させたvim+16SGN、NDM+16SGN、及び16SGNの曲線を重ね合わせたものである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図9は、Spn9802−PB1及びSpn9802−PB2のモノプレックス性能のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。この図及び図10〜12では、サンプルを三連で試験したところ、軌跡が互いに近接している、場合によっては、互いに識別できないほど近接している異なる線によって描かれている通り、サンプル間の結果は一致していた。 図10は、IC−PB1及びIC−PB2のモノプレックス性能のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図11−1A〜Cは、増幅曲線(上)、融解曲線(中)、及び融解蛍光の一次導関数(下)を示す、IC−PB1のモノプレックス性能のプロットである。全て同じ縮尺でプロットされている。上:増幅曲線、中:融解曲線、下:融解蛍光の一次導関数。 図11−2D〜Fは、増幅曲線(上)、融解曲線(中)、及び融解蛍光の一次導関数(下)を示す、IC−PB3のモノプレックス性能のプロットである。全て同じ縮尺でプロットされている。上:増幅曲線、中:融解曲線、下:融解蛍光の一次導関数。 図11−3G〜Iは、増幅曲線(上)、融解曲線(中)、及び融解蛍光の一次導関数(下)を示す、IC−PB4のモノプレックス性能のプロットである。全て同じ縮尺でプロットされている。上:増幅曲線、中:融解曲線、下:融解蛍光の一次導関数。 図12−1A〜Cは、tuf−PB1のモノプレックス性能のプロットである。全て同じ縮尺でプロットされている。増幅曲線(上)、融解曲線(中)、及び融解蛍光の一次導関数(下)を示す。上:増幅曲線、中:融解曲線、下:融解蛍光の一次導関数。 図12−2D〜Fは、増幅曲線(上)、融解曲線(中)、及び融解蛍光の一次導関数(下)を示す、tuf−PB2のモノプレックス性能のプロットである。全て同じ縮尺でプロットされている。上:増幅曲線、中:融解曲線、下:融解蛍光の一次導関数。 図12−3G〜Iは、増幅曲線(上)、融解曲線(中)、及び融解蛍光の一次導関数(下)を示す、tuf−PB3のモノプレックス性能のプロットである。全て同じ縮尺でプロットされている。上:増幅曲線、中:融解曲線、下:融解蛍光の一次導関数。 図13は、GNチューブプライマーの大部分が存在する各場合における、別個に増幅させたGES、OXA−48、及びKPCの曲線を重ね合わせたものである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図14は、GNチューブプライマーの大部分が存在する各場合における、別個に増幅させたvim、NDM、及び16S−GNの曲線を重ね合わせたものである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。 図15は、KPC−F2及びKPC−R2を用いた、KPC遺伝子のGCリッチ領域の対称及び非対称増幅のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。サンプルを三連で試験したところ、軌跡が互いに近接している異なる線によって描かれている通り、サンプル間の結果は一致していた。 図16は、NDM−F2及びNDM−R2を用いた、NDM遺伝子のGCリッチ領域の対称及び非対称増幅のプロットである。A.増幅曲線、B.融解曲線、C.融解蛍光の一次導関数。サンプルを二連で試験したところ、軌跡が互いに近接している異なる線によって描かれている通り、サンプル間の結果は一致していた。
病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドの存在を検出する方法、並びに前記方法を実施するための組成物及びキットを本明細書に提供する。
定義
「マルチプレックスPCR」とは、同一の反応混合物において複数の配列を同時に増幅させるPCRを指す。一般的に、かかる方法では、増幅させる各配列に対して異なるプライマーセットを使用する。本明細書に記載する方法は、マルチプレックスPCRに適用可能であり、他の実施形態では、非マルチプレックスPCRにも適用可能であると考えられる。特定の実施形態では、マルチプレックスqPCRが利用される。
用語「株」とは、本明細書で使用するとき、同種のメンバーに広く存在するものではない同定可能な特徴を示す、病原体の種のサブセットを指す。
本明細書におけるポリヌクレオチドの増幅に対する言及は、配列全体又はその一部の増幅を包含することを意図する。
本明細書における「プライマーセット」に対する言及は、様々な実施形態において、単一のフォワードプライマー及び単一のリバースプライマーを用いて所与の標的を増幅させる場合と、例えば、IMP増幅のためのフォワードプライマー及びリバースプライマーについて本明細書に例示する通り、配列が変動する場合に一組のプライマーを利用する場合とを含む。前記一組のプライマーの例としては、単一のフォワードプライマーと複数のリバースプライマーとの併用、単一のリバースプライマーと複数のフォワードプライマーとの併用、及び例えば、IMPプライマーを用いて本明細書に例示する通り、複数のフォワードプライマーと複数のリバースプライマーとの併用が挙げられる。
本明細書で使用するとき、「チャンネル」とは、フルオロフォアの発光波長の範囲を指す。チャンネルの例は、本明細書において使用するもの、即ち、発光ピークが520ナノメートル(nm)であり、本明細書ではグリーンチャンネルとも呼ばれるFAM;発光ピークが556nmであり、本明細書ではイエローチャンネルとも呼ばれるHEX;発光ピークが610nmであり、本明細書ではオレンジチャンネルとも呼ばれるCal Fluor(登録商標)Red610;発光ピークが670nmであり、本明細書ではレッドチャンネルとも呼ばれるQuasar(登録商標)670;及び発光ピークが705nmであり、本明細書ではクリムゾンチャンネルとも呼ばれるQuasar(登録商標)705である。当業者であれは、本開示に基づいて、本発明が本明細書において利用する特定のチャンネルの選択によって如何なる制約を受けるものでもないことを理解するであろう。異なるチャンネルで置き換えてもよく、他の実施形態では、更なるチャンネルを追加してもよい。
ホットスタートプライマー
幾つかの実施形態では、本明細書に記載する組成物及び方法は、ホットスタートプライマーを利用する。特定の実施形態では、ホットスタートプライマーは、増幅混合物中に存在する活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含む。不活化修飾の幾つかの例は、内部特徴の幾つかの塩基と共に好熱性活性化酵素の作用によって切断される3’ブロッキング基及び3’ジデオキシヌクレオチドであり、この場合、ホットスタートプライマーは、高温でプライマーが相補的配列にハイブリダイズ、幾つかの実施形態では、安定にハイブリダイズしたときのみ、熱好熱性活性化酵素の基質となる。したがって、ブロッキング基は、活性化酵素の作用によって除去される。この非限定的な例は、以下により詳細に記載する「リボプライマー」である。
一般的に、プライマーセットが「ホットスタート」であると呼ばれる場合、他の点では同一であるホットスタートプライマーと非ホットスタートプライマーとの混合物を利用する実施形態を除外するものではない。幾つかの実施形態では、ホットスタートプライマー又はプライマーセットに比較的少量の非ホットスタートプライマーを添加することが、PCR阻害を克服するのに役立ち得る。
別の種類のホットスタートプライマーが、米国特許第6,482,590号明細書(Edwin Ullman等、Aventis Behring GmbHに譲渡)「Method for polynucleotide amplification」に記載されており、これには、任意のポリヌクレオチドに沿って非効率的に伸長可能な3’末端を有する修飾オリゴヌクレオチドが記載されている。前記修飾ヌクレオチドは、周囲温度ではPfuポリメラーゼ活性の3’−エキソヌクレアーゼ活性に対して比較的耐性であるが、温度が上昇するにつれて、前記修飾ヌクレオチドが緩徐に分解され除去されるので、機能的プライマーがPCR反応に徐々に導入されて、全体的な特異性が改善されると報告されている。
米国特許出願公開第2007/0128621号明細書(Applera Corporationに譲渡)には、mRNA標的及びマイクロRNA標的をマルチプレックス増幅させるためのPCR反応混合物であって、ステム−ループ構造を有するmRNA標的に対するホットスタートプライマーとマイクロRNA標的に対するレギュラープライマーとを含有する反応混合物が記載されている。
米国特許出願公開第2007/0281308号明細書(Gerald Zon等)「Chemically Modified Oligonucleotide Primers for Nucleic Acid Amplification」には、増幅の初期変性工程中に解離する熱除去可能な修飾基を好ましくは3’末端に含有するプライマーが開示されている。不活性プライマーは、機能的プライマーとの混合物中に存在し得る。
国際公開第2009/004630号パンフレット(Ofer Peleg、Genaphora Ltd)「Chimeric Primers for Improved Nucleic Acid Amplification Reactions」及びPeleg等による論文(The use of chimeric DNA/RNA primers in quantitative PCR for the detection of Ehrlichia canis and Babesia canis.Appl Environ Microbiol.2009;75(19):6393−8)には、非特異的増幅反応を低減するために用いられる別の種類のプライマーが記載されている。開始領域に近接する非隣接位置に数個のリボヌクレオチドを組み込むこれらプライマーは、非特異的増幅産物の形成を低減すると報告されている。
M Ailenberg等による論文(Controlled hot start and improved specificity in carrying out PCR utilizing touch−up and loop incorporated primers(TULIPS).Biotechniques.2000;29(5):1018−20,1022−4)及びOK Kaboev等による論文(PCR hot start using primers with the structure of molecular beacons(hairpin−like structure).Nucleic Acids Res.2000;28(21):E94)には、別の種類のホットスタートプライマーが記載されており、3’領域に自己アニーリングし、重合の開始を阻害する追加の非テンプレート5’配列を含有するループプライマーについて記載されている。反応混合物を加熱すると、プライマーのループ領域は、融解し、活性化されると報告されている。
また、共有結合的化学修飾を含むホットスタートプライマーも文献に記載されている。米国特許出願公開第2003/0119150号明細書(Waltraud Ankenbauer等、Roche Diagnosticsに譲渡)「Composition and method for hot start nucleic acid amplification」には、少なくとも1つのプライマーの3’末端に化学修飾を含むプライマーの使用について記載されている。また、反応混合物は、周囲温度において不活性である熱安定性エキソヌクレアーゼを含むので、修飾されたプライマーが影響を受けずに残る。温度を上昇させたとき、エキソヌクレアーゼが活性化され、プライマーの3’修飾を除去して、増幅のためにプライマーを活性化する。
米国特許出願公開第2003/0162199号明細書(Alex Bonner、BioLink Partners,Incに譲渡)「Reversible chemical modification of nucleic acids and improved method for nucleic acid hybridization」には、熱を用いて核酸から放出させることができる除去可能な保護基による標的核酸、プライマー、又はヌクレオシド三リン酸の修飾について記載されている。化学修飾は、グリオキサール、その誘導体、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3−エトキシ−2−ケトブチルアルデヒド(ケトキサール)、ニンヒドリン、ヒドロキシアセトン、シュウ酸ジエチル、メソシュウ酸ジエチル、1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸、ピルビンアルデヒド、アミド、γ−カルボキシアシルアミド、アミジン、及びカルバメートから選択することができる。
AV Lebedev等(Hot Start PCR with heat−activatable primers:a novel approach for improved PCR performance.Nucleic Acids Res.2008.36(20):e131)には、3’末端及び3’末端から2番目のヌクレオチド間結合に、1−2熱不安定性,4−オキソ−1−ペンチル(OXP)ホスホトリエステル(PTE)修飾基を含有する別の種類のホットスタートプライマーが記載されている。これら修飾は、反応前条件下でDNAポリメラーゼによるプライマー伸長を害すると報告されている。OXP修飾されたプライマーを高温でインキュベートすると、好適なDNAポリメラーゼの基質である対応する非修飾ホスホジエステル(PDE)プライマーが得られる。
米国特許第6,794,142号(Walter J.Laird等、Roche Molecular Systems,Incに譲渡)「Amplification using modified primers」には、3ヶ所の3’末端ヌクレオチド位置に修飾ヌクレオチドを含有するホットスタートプライマーであって、前記修飾ヌクレオチドが、2’−O−メチルヌクレオチド、2’−フルオロ−ヌクレオチド、2’−アミノヌクレオチド、又はアラビノースヌクレオチドであるプライマーについて記載されている。恐らく、これら修飾プライマーは、プライマー−標的二本鎖を伸長にとってそれ程好ましくないテンプレートにするので、初期プライマー伸長が生じるのに必要な時間が延長されて非特異的増幅が減少すると報告されている。これによって、例えば、反応前条件下においてプライマーとプライマーとの間に生じる不安定で一時的なハイブリダイゼーション二本鎖が、プライマーが伸長するのに十分な時間存在する可能性を低下させる。
異なる種類のホットスタートプライマーが、DD Young等(Light−triggered polymerase chain reaction.Chem Commun(Camb).2008;(4):462−4)によって記載されている。これらプライマーは、UV照射によって除去可能な立体障害が起きやすいケージング基で修飾されている。非修飾プライマーは、UV照射に曝露するまでPCR反応を触媒することができないが、UV照射後、反応は正常に進行すると報告されている。かかるプライマーは、反応混合物をアニーリング温度に加熱し、次いで、UV照射に曝露するホットスタートプロトコールに好適である。
「リボプライマー」:米国特許出願公開第2009/0325169号明細書及び同第2010/0167353号明細書(いずれもIntegrated DNA Technologies Inc.(IDT)に譲渡)「RNase H−Based Assays Utilizing Modified RNA Monomers」には、別の種類のホットスタートPCRプライマー「リボプライマー」が記載されている。修飾されているプライマーは、DNAに結合したときにRNaseH2切断部位を生じさせる内部RNA塩基を有する。更に、プライマーは、除去されるまでPCRをサポートするプライマーの能力を妨げる3’ブロッキング基を含有する。これらプライマーは、反応で用いられる高温で主にDNA−DNAハイブリッドから内部RNA塩基を切断する熱安定性RNaseH2、又は同様の活性を有する別のエンドヌクレアーゼを含有するPCR反応混合物に好適である。好熱性RNaseH2(例えば、ピロコッカス・アビシ(Pyrococcus abyssi)リボヌクレアーゼH2エンドヌクレアーゼ[RNAseH2])による切断には、高温でプライマーと標的とが安定な二本鎖を形成することが必要であるので、ミスマッチ感受性がかなり高い。例えば、P.アビシRNAseH2は、50℃未満では最低限の活性しか示さず、活性のピークは、約70℃である(Dobosy等)。したがって、50℃以上の温度で二本鎖を形成することが、この系における適用可能な増幅のために必要である。これは、プライマー結合の特異性を増大させるので、プライマーダイマーの形成の影響を低減し、バックグラウンドシグナルを減じ、全体的な反応特異性を改善する。
多数の他の参照文献には、核酸増幅反応における非機能的又は拮抗的プライマーの使用について記載されている。米国特許出願公開第2003/0104430号明細書及び国際公開第00/61817号パンフレット(Michael Nerenberg等)「Amplification and separation of nucleic acid sequences using strand displacement amplification and bioelectronic microchip technology」には、例えば、バイオエレクトロニックマイクロチップ技術と併用する、鎖置換増幅(SDA)用のプライマーミックスにおける非切断性プライマーの使用について記載されている。SDAは、等温且つ非同調性核酸増幅プロセスである。前記非切断性プライマーは、二本鎖テンプレートの変性前にニックの入ったシグナルを保持して、アンカードSDAにおけるシグナル強度を改善すること、又は増幅を所望の方向に偏らせることを目的とする。前記非切断性プライマーは、通常のSDAプライマーと組み合わせて提供してもよい。
米国特許第5,712,386号明細書(Chang−Ning Wang等、Biotronics Corporationに譲渡)には、プライマーにハイブリダイズするブロッキングヌクレオチドが開示されている。前記ブロッキングヌクレオチド及びプライマーは、0.3〜5.0のブロッキングヌクレオチド/プライマーのモル比で存在し得る。
共有ステムプローブ
特に明確に定義しない限り、以下の通りである:
− 用語「部分共有ステムプローブ」とは、本明細書において、ステム構造の一方の鎖のヌクレオチド残基のうちの少なくとも25%が、その標的ヌクレオチド配列に対しても相補的であるプローブを指す。標的配列に対するミスマッチは、ステムの内端、ステム配列の途中、プローブの末端、又はこれらの任意の組合せに存在し得る。この定義及び共有ステムプローブの以下の全ての定義において、「標的配列」とは、標的によって検出されることが望ましい配列を指す。前記標的配列が既知の変異体を有する場合、この用語は、その最も一般的な変異体を指す。
− 用語「大部分共有ステムプローブ」とは、本明細書において、ステム構造の一方の鎖のヌクレオチド残基の大部分が、その標的ヌクレオチド配列に対しても相補的であるプローブを指す。標的配列に対するミスマッチは、ステムの内端、ステム配列の途中、プローブの末端、又はこれらの任意の組合せに存在し得る。
− 用語「完全共有ステムプローブ」とは、本明細書において、ステム構造の一方の鎖のヌクレオチド残基の全てが、その標的ヌクレオチド配列に対しても相補的であるプローブを指す。
− 用語「二重部分共有ステムプローブ」とは、本明細書において、ステム構造の各鎖のヌクレオチド残基のうちの少なくとも25%が、その標的ヌクレオチド配列に対しても相補的であるプローブを指す。標的配列に対するミスマッチは、ステムの内端、ステム配列の途中、プローブの末端、又はこれらの任意の組合せに存在し得る。
− 用語「二重大部分共有ステムプローブ」とは、本明細書において、ステム構造の各鎖のヌクレオチド残基の大部分が、その標的ヌクレオチド配列に対しても相補的であるプローブを指す。標的配列に対するミスマッチは、ステムの内端、ステム配列の途中、プローブの末端、又はこれらの任意の組合せに存在し得る。
− 用語「二重完全共有ステムプローブ」とは、本明細書において、ステム構造の両方の鎖のヌクレオチド残基の全てが、その標的ヌクレオチド配列に対しても相補的であるプローブを指す。
− 用語「二重共有ステムプローブ」とは、本明細書において、上述の3つの定義のいずれか又は全てを指し、各定義は、別個の実施形態である。
− 用語「共有ステムプローブ」とは、本明細書において、上述の7つの定義のいずれか又は全てを指し、各定義は、別個の実施形態である。
非対称プライマーセット
本明細書で使用するとき、「非対称」プライマーセットは、対称PCRで用いられる量に対して、フォワードプライマー及びリバースプライマーのいずれかが意図的に過剰量で存在し、他の方向のプライマーが制限量で存在するプライマーセットである。本明細書で提供するとき、これは、PCR産物の一方の鎖(「過剰鎖」)の優先的な線形後指数関数的増幅を促進するために用いてよい。幾つかの実施形態では、過剰プライマーの濃度は、制限プライマーの少なくとも5倍である。非限定的な例として、過剰プライマーは、0.7マイクロモル濃度〜1.5マイクロモル濃度の濃度で存在してよく、制限プライマーは、0.07マイクロモル濃度〜0.15マイクロモル濃度、他の実施形態では0.07マイクロモル濃度〜0.2マイクロモル濃度で存在する。本開示、Rice et al、Gentile et al、米国特許出願公開第2004/0053254号(Wangh等)、及びこれらに引用される参照文献に鑑みて、当業者は、所与の反応条件セットについて過剰プライマー及び制限プライマーの適切な濃度を容易に決定することができるであろう。
内部T 、ハイブリッドT 、及びデルタT
用語「ΔT」とは、本明細書で使用するとき、プローブのステムの内部融解温度(T)(「内部T」)と検出されることが望ましい標的配列とプローブとのハイブリッドのT(「ハイブリッドT」)との差であり、正の数は、プローブのステムのTの方が高いことを示す。特に明記しない限り、両パラメータは、PCR反応条件下、即ち、60mM KCl、7mM MgCl、3.2mM 各dNTP、プローブ濃度0.125マイクロモル濃度、pH8.3で測定する。
蛍光サイン
標的−プローブ蛍光「サイン」(「ハイブリッド蛍光サイン」とも呼ばれる)とは、本明細書において、標的−プローブのピーク融解温度(T)、標的−プローブハイブリッドの制御融解若しくは標的に対するプローブの制御アニーリングの際の蛍光曲線の形状、又は前記Tと前記曲線の形状との組合せを指す。当業者であれば、本明細書に提供する情報及び例示に鑑みて、蛍光曲線の目視検査及びデータの数学的処理の少なくともいずれかによって標的−プローブ蛍光サインを互いに識別可能であることを理解するであろう。特定の実施形態では、識別可能なピークのピークTが、少なくとも5℃、又は他の実施形態では少なくとも3℃、又は様々な実施形態では少なくとも4℃、少なくとも2℃、少なくとも5℃、少なくとも6℃、少なくとも7℃、若しくは少なくとも8℃異なることが好ましい。
反応混合物の実施形態
(a)ヌクレオチドを含有する試験サンプル(例えば、ヒトの血液サンプルのDNA抽出物)と、(b)プライマーセットの少なくとも大部分(殆ど又は全て)、又は他の実施形態では全てのプライマーセットが非対称である6以上のプライマーセットと、(c)4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブであって、
− (i)前記プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物(典型的には、非対称増幅の場合、PCR産物の過剰鎖)及び(ii)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに各プローブが結合すると、前記プローブの蛍光が活性化され、
− 前記チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であり、且つ
− 前記プライマーセットの大部分(殆ど又は全て)のそれぞれのフォワードプライマー及びリバースプライマーが、ホットスタートプライマーであるプローブとを含む反応混合物を本明細書に提供する。他の実施形態では、反応混合物中の全てのプライマーが、ホットスタートプライマーである。
通常、上述の反応混合物は、単一の反応チューブにおける増幅及び検出に用いられる。他の実施形態では、混合物は、単一の反応チューブに提供される。
また、単一のPCR反応チューブに存在するか、又は2本、若しくは他の実施形態では2本超のPCR反応チューブに分割されている反応混合物であって、
A. 標的ポリヌクレオチド配列のセットのうちの1以上を含有することが疑われる試験サンプルと、
B. 標的セットを増幅させるプライマーセットの群であって、前記標的が、
・ 少なくとも1つの黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus、SA)マーカーポリヌクレオチド、
・ 非SAブドウ球菌属(Staphylococcus)マーカーポリヌクレオチド及び汎用性ブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチド、
・ 腸球菌属(Enterococcus)マーカーポリヌクレオチド(幾つかの実施形態では、フェシウム菌(E.faecium)及びフェカリス菌(E.faecalis)のマーカー)、
・ アルファ溶血性連鎖球菌(Streptococcus)マーカーポリヌクレオチド(その非限定的な実施形態は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)マーカーポリヌクレオチドである)、
・ バンコマイシン耐性に関連する少なくとも1つのヌクレオチド配列、並びに
・ メチシリン耐性に関連する少なくとも1つのヌクレオチド配列
のそれぞれを含む群と
C. 合計で4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発するプローブ(即ち、各プローブは、通常、特定のチャンネルにおいて蛍光を発するが、存在する様々なプローブは、その中で4以上の異なるピーク蛍光波長を有することを意味する)と
を含み、
各プローブが、(i)前記標的セットのうちの少なくとも1つのPCR産物(幾つかの実施形態では、非対称増幅の場合、PCR産物の過剰鎖)及び(ii)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、前記プローブの蛍光が活性化される反応混合物を本明細書に提供する。幾つかの実施形態では、反応混合物中のプライマーセットの少なくとも大部分は、ホットスタートプライマーである。他の実施形態では、反応混合物中の全てのプライマーが、ホットスタートプライマーである。更に他の実施形態では、反応混合物は、内部対照ポリヌクレオチド及びそれを検出するためのプローブを更に含み、更に他の実施形態では、内部対照ポリヌクレオチドを増幅させるためのプライマーも含む。当業者であれば、反応混合物が、通常、ヌクレオチドを含有する試験サンプル(例えば、ヒトの血液サンプルのDNA抽出物)を更に含むことを理解するであろう。
一般に、2本以上のチューブに分割されている反応混合物に対して言及する場合、幾つかの実施形態では、試験サンプルを幾つかのアリコートに分割し、各アリコートを、特定のプライマーセット、及びそれに対応するプローブに加えて、反応混合物の他の(非特異的)成分と合わせることを意図する。更に他の実施形態では、例えば、より多くの血液が入手可能である場合、又はサンプル調製の効率が上がった場合等には、2本超の反応チューブを用いることが可能である。本明細書に記載する組成物及び方法は、2本以下のチューブにおける反応混合物に限定することを意図するものではない。
更に、単一の反応チューブに存在するか、又は幾つかの反応チューブに分割されている反応混合物であって、(a)標的ポリヌクレオチド配列のセットのうちの1以上を含有することが疑われる試験サンプルと、(b)標的セットを増幅させるプライマーセットの群であって、前記標的が、グラム陽性(GP)細菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチド及び少なくとも1つの抗生物質耐性ポリヌクレオチドを含む群と、(c)ヘリカーゼ酵素とを含む反応混合物を提供する。特定の実施形態では、上述のプライマーセットの少なくとも大部分、他の実施形態では全てが、リボプライマーであり、反応混合物は、RNAseH2酵素を更に含む。他の実施形態では、GPマーカーポリヌクレオチドは、SAマーカー、腸球菌属マーカー、及びアルファ溶血性連鎖球菌マーカー(その非限定的な実施形態は、肺炎連鎖球菌マーカーである)のうちの少なくとも1つを含む。それに代えて又はそれに加えて、抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、バンコマイシン耐性ポリヌクレオチド及びメチシリン耐性ポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つを含む。より具体的な実施形態では、GPマーカーポリヌクレオチドは、SAマーカー、フェシウム菌及びフェカリス菌のマーカー、並びに肺炎連鎖球菌マーカーを含み、抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、バンコマイシン耐性ポリヌクレオチド及びメチシリン耐性ポリヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、様々なプローブは、qPCR相において陽性を示したプローブの色の同定と後続の制御融解において検出されたTm値とを組み合わせるロジックテーブルを用いて互いに識別される。
上述の反応混合物は、グラム陽性細菌マーカーに焦点をあてた混合物の非限定的な例であるが、必ずしもグラム陽性細菌マーカーに限定されるものではない。かかる混合物を「グラム陽性細菌反応混合物」と称することもある。
幾つかの実施形態では、腸球菌属マーカーは、16S遺伝子(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、FJ378704[2013年11月14日受け入れ])である。更なる実施形態では、16Sプローブは、16S−ent−PB1及び16S−ent−PB2(配列番号22及び121)の一方又は両方である。
それに代えて又はそれに加えて、肺炎連鎖球菌マーカーは、ゲノムのSpn9802領域(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、FQ312041[2013年11月14日受け入れ])であってもよい。幾つかの実施形態では、Spn9802プローブは、Spn9802−ent−PB1及びSpn9802−PB2(配列番号23及び24)の一方又は両方である。
特定の実施形態では、上述のプローブは、4つ〜7つの異なるチャンネル、他の実施形態では4つ〜6つの異なるチャンネル、他の実施形態では4つ〜5つの異なるチャンネル、他の実施形態では5つ〜6つの異なるチャンネル、他の実施形態では5つ〜7つの異なるチャンネル、他の実施形態では4つの異なるチャンネル、他の実施形態では5つの異なるチャンネル、他の実施形態では6つの異なるチャンネル、他の実施形態では7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。
更に他の実施形態では、反応混合物の標的は、汎用性グラム陽性細菌マーカー、他の実施形態では汎用性細菌マーカー、又は他の実施形態では汎用性グラム陽性細菌マーカー及び汎用性細菌マーカーの両方を更に含む。かかるマーカーの非限定的な例は、本明細書の実験の詳細の項に提供する。
更に他の実施形態では、標的は、A群、C群、及びG群の少なくともいずれかのβ溶血性連鎖球菌のマーカーポリヌクレオチドを更に含む。このマーカーは、様々な実施形態では、化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)、ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(S.dysgalactiae)、若しくはストレプトコッカス・カニス(S.canis)、又は他の実施形態では、これら種のうちの2種の任意の組合せ、又は他の実施形態では、これら種のうちの3種全てを検出することができる。
更に他の実施形態では、標的は、更なるSAマーカーポリヌクレオチドを更に含む。より具体的な実施形態では、SAマーカーポリヌクレオチド及び更なるSAマーカーポリヌクレオチドは、nuc及びSPA(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、それぞれ、DQ399678及びEF455822[2013年11月14日受け入れ])である。当業者であれば、本開示に鑑みて、標的病原体の特定のメンバーが特定のマーカー配列を含有しないとき、前記病原体をより完全に検出するために更なるマーカー配列を用い得ることを理解するであろう。更なる実施形態では、nuc及びSPAは、同一のチャンネルで検出される。より具体的な実施形態では、nuc及びSPAプローブは、類似する、所望の標的配列とのハイブリッドT(例えば、互いに2℃以内)を有し得る。幾つかの実施形態では、nucプローブは、Nuc−PB及びNuc−PB2(配列番号75及び124)の一方又は両方である。幾つかの実施形態では、SPAプローブは、SPA−PB及びSPA−PB2(配列番号76及び124)の一方又は両方である。
それに代えて又はそれに加えて、汎用性ブドウ球菌属マーカーは、本明細書に例示されている通り、tufであってよい(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、AF298798[2013年11月14日受け入れ])。幾つかの実施形態では、tufプローブは、tuf−PB、tuf−PB2、tuf−PB3、及びtuf−PB4(配列番号43〜45及び126)のうちの1以上である。
それに代えて又はそれに加えて、ベータ溶血性連鎖球菌マーカーは、Emm(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、DQ010932[2013年11月14日受け入れ])である。幾つかの実施形態では、Emmプローブは、Emm−PB(配列番号79)である。
幾つかの実施形態では、汎用性GP細菌マーカー及び汎用性GN細菌マーカーの少なくともいずれかは、16S遺伝子(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、それぞれ、D83371及びAF233451[2013年11月14日受け入れ])である。更なる実施形態では、GP16Sプローブは、16S−GP−PB(配列番号42)である。更に他の実施形態では、GN16Sプローブは、16S−GN−PB(配列番号11)である。
それに代えて又はそれに加えて、アシネトバクター属(Acinetobacter)マーカーポリヌクレオチドは、rpoB(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、DQ207471[2013年11月14日受け入れ])である。幾つかの実施形態では、rpoBは、rpoB−PB(配列番号41)である。
それに代えて又はそれに加えて、バンコマイシン耐性に関連する標的ヌクレオチド配列は、vanA、又は別の実施形態ではvanB、又は別の実施形態ではvanA及びvanBの両方である(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、それぞれ、GQ489013及びAY655711[2013年11月14日受け入れ])である。更なる実施形態では、vanA及びvanBは、同一のチャンネルで検出される。より具体的な実施形態では、vanA及びvanBプローブは、類似する、所望の標的配列とのハイブリッドT(例えば、互いに2℃以内)を有し得る。近いハイブリッドTを有することにより、幾つかの実施形態では、同一のチャンネルにおける1以上のプローブとの併用を最大限に活用できるが、その理由は、区別可能であることが望ましい異なるハイブリッドT(又はその群)間にはより大きな差が存在するためである。幾つかの実施形態では、vanAプローブは、vanA−PB及びvanA−PB2(配列番号77及び129)の一方又は両方である。幾つかの実施形態では、vanBプローブは、vanB−PB及びvanB−PB2(配列番号78及び124)の一方又は両方である。
他の実施形態では、バンコマイシン耐性に関連するヌクレオチド配列を検出する1超のプローブが存在し、各プローブは、互いに同一のチャンネルにおいて蛍光を発する。特定の実施形態では、標的セットは、バンコマイシン耐性に関連する1超のヌクレオチド配列を含み、これら配列は、同一のチャンネルで検出される。幾つかの実施形態では、例えば、このチャンネルがバンコマイシン耐性遺伝子に限定される場合、この割り当てにより、増幅工程が完了し次第直ちに、即ち完了した直後に、バンコマイシン耐性の有無を読み取ることが可能になる。このようにして、医師は、制御融解(又は制御アニーリング)が実施されるまで待つ必要なしに、抗生物質の選択方針を決定する貴重な情報が得られる。
それに代えて又はそれに加えて、メチシリン耐性に関連する標的ヌクレオチド配列は、mecA、又は別の実施形態ではmecC、又は別の実施形態ではmecA及びmecC(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、それぞれ、KF058908及びKC110686[2013年11月14日受け入れ])のうちの少なくとも1つである。更なる実施形態では、mecA及びmecCは、同一のチャンネルで検出される。更なる実施形態では、mecA及びmecCは、同一のチャンネルで検出される。より具体的な実施形態では、mecA及びmecCプローブは、類似する、所望の標的配列とハイブリッドT(例えば、互いに2℃以内)を有し得る。
更に他の実施形態では、標的ヌクレオチド配列は、mecA、mecC、vanA、及びvanBのうちの少なくとも2つを含む。更に他の実施形態では、マーカーは、上述の配列のうちの3以上を含む。更に他の実施形態では、マーカーは、上述の配列の4つ全てを含む。他の実施形態では、マーカーは、vanA及びvanBのうちの少なくとも1つと合わせて、mecA及びmecCの両方を含む。他の実施形態では、マーカーは、mecA及びmecCのうちの少なくとも1つと合わせて、vanA及びvanBの両方を含む。幾つかの実施形態では、mecAプローブは、mecA−PB及びmecA−PB2(配列番号73及び122)の一方又は両方である。幾つかの実施形態では、mecCプローブは、mecC−PB及びmecC−PB2(配列番号74及び123)の一方又は両方である。
他の実施形態では、メチシリン耐性に関連するヌクレオチド配列を検出する1超のプローブが存在し、各プローブは、互いに同一のチャンネルにおいて蛍光を発する。特定の実施形態では、標的セットは、メチシリン耐性に関連する1超のヌクレオチド配列を含み、これら配列は、同一のチャンネルで検出される。幾つかの実施形態では、例えば、このチャンネルがメチシリン耐性遺伝子に限定される場合、この割り当てにより、増幅工程が完了し次第直ちに、即ち完了した直後に、バンコマイシン耐性の有無を読み取ることが可能になる。このようにして、医師は、制御融解(又は制御アニーリング)が実施されるまで待つ必要なしに、抗生物質の選択方針を決定する貴重な情報が得られる。同じ提案が導かれる他の標的セット(例えば、nuc及びSPA)を同様に併用してもよい。
更に他の実施形態では、GPパネル由来の本明細書に記載する特異的プローブのうちの1以上が用いられ、その各組合せは、別個の実施形態とみなされる。
他の実施形態では、上述の反応混合物の標的は、シュードモナス属(Pseudomonas)マーカーポリヌクレオチドを更に含んでよい。
それに代えて又はそれに加えて、標的は、1以上の真菌マーカーポリヌクレオチドを更に含んでよい。より具体的な実施形態では、真菌マーカーポリヌクレオチドは、アスペルギルス属(Aspergillus)マーカー、汎用性真菌マーカー、汎用性カンジダ属(Candida)及びアスペルギルス属マーカー、並びにカンジダ・アルビカンス(C.albicans)マーカーから選択される1以上のポリヌクレオチドを含む。より具体的な実施形態では、アスペルギルス属マーカーは、A.フミガタス(A.fumigatus)マーカーであってよい。他の実施形態では、マーカーポリヌクレオチドは、上述の配列のうちの2以上を含む。更に他の実施形態では、マーカーは、上述の配列のうちの3以上を含む。更に他の実施形態では、マーカーは、上述の配列の4つ全てを含む。
より具体的な実施形態では、1以上の真菌マーカーポリヌクレオチドは、L1A1、18SリボソームRNA(rRNA)をコードする遺伝子、及び28S rRNAをコードする遺伝子(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、それぞれ、FJ159482、KC936147、及びJQ301899[2013年11月14日受け入れ])のうちの少なくとも1つを含む。他の実施形態では、マーカーポリヌクレオチドは、上述の配列のうちの2以上を含む。更に他の実施形態では、マーカーは、上述の配列の3つ全てを含む。幾つかの実施形態では、真菌プローブは、28S−アスペルギルス−PB、18S真菌−PB、L1A1−PB、及び28S−CA−PB(配列番号69〜72)のうちの1以上である。
更に他の実施形態では、様々な真菌マーカーポリヌクレオチドは、全て同一のチャンネルで検出されるので、増幅が完了し次第直ちに、即ち完了した直後に、真菌感染を読み取ることができる。
更に他の実施形態では、単一のPCR反応チューブが提供され、それは、以下の標的セットのそれぞれについてのプライマーセット及びプローブを含む:
・ 少なくとも1つの黄色ブドウ球菌(SA)マーカーポリヌクレオチド、
・ 非SAブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド及び汎用性ブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチド、
・ 腸球菌属マーカーポリヌクレオチド、例えば、フェシウム菌及びフェカリス菌のマーカー、
・ アルファ溶血性連鎖球菌マーカーポリヌクレオチド(その非限定的な実施形態は、肺炎連鎖球菌マーカーポリヌクレオチドである)、
・ バンコマイシン耐性に関連する少なくとも1つのヌクレオチド配列、及び
・ メチシリン耐性に関連する少なくとも1つのヌクレオチド配列。
より具体的な実施形態では、単一のチューブは、化膿性連鎖球菌、S.ディスガラクティエ及びS.カニスの少なくともいずれか用のプライマー及びプローブを更に含む。それに代えて又はそれに加えて、単一のチューブは、更なるSAマーカーポリヌクレオチド用のプライマー及びプローブを更に含む。それに代えて又はそれに加えて、単一のチューブは、1以上の真菌マーカーポリヌクレオチド、例えば、L1A1、18S rRNA、及び28S rRNA用のプライマー及びプローブを更に含む。それに代えて又はそれに加えて、メチシリン耐性マーカーは、mecA若しくはmecCであるか、又は別の実施形態では、mecA及びmecCの両方である。それに代えて又はそれに加えて、バンコマイシン耐性マーカーは、vanA若しくはvanBであるか、又は別の実施形態では、vanA及びvanBの両方である。
他のより具体的な実施形態では、単一のチューブは、SAマーカーポリヌクレオチド;非SAブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド又は汎用性ブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド;フェシウム菌及びフェカリス菌のマーカー;肺炎連鎖球菌マーカーポリヌクレオチド;vanA及びvanBの少なくともいずれか;並びにmecA及びmecCの少なくともいずれか用のプライマー及びプローブを含む。更に他の実施形態では、単一のチューブは、SAマーカーポリヌクレオチド;非SAブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド又は汎用性ブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド;フェシウム菌及びフェカリス菌のマーカー;肺炎連鎖球菌マーカーポリヌクレオチド;vanA;vanB;mecA;及びmecC用のプライマー及びプローブを含む。更に他の実施形態では、単一のチューブは、SAマーカーポリヌクレオチド;非SAブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド又は汎用性ブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド;フェシウム菌及びフェカリス菌のマーカー;肺炎連鎖球菌マーカーポリヌクレオチド;シュードモナス属マーカーポリヌクレオチド;vanA及びvanBの少なくともいずれか;並びにmecA及びmecCの少なくともいずれか用のプライマー及びプローブを含む。他の実施形態では、単一のチューブは、SAマーカーポリヌクレオチド;非SAブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド又は汎用性ブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチド;フェシウム菌及びフェカリス菌のマーカー;肺炎連鎖球菌マーカーポリヌクレオチド;シュードモナス属マーカーポリヌクレオチド;vanA;vanB;mecA;及びmecC用のプライマー及びプローブを含む。それに代えて又はそれに加えて、汎用性ブドウ球菌属マーカーは、本明細書に例示する通り、tufであってよい。
更に他の実施形態では、(a)汎用性グラム陰性細菌マーカーポリヌクレオチド;(b)メタロ−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列;(c)セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列;及び(d)基質特異性拡張型−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列のうちの少なくとも2つに加えて、上述のGP細菌標的、又は別の実施形態では、上述のGP細菌及び真菌標的のうちの幾つか又は全てについてのプライマー及びプローブを含む、単一のPCR反応チューブに存在するか、又は2本のPCR反応チューブ、若しくは他の実施形態では2本超のPCR反応チューブに分割されている反応混合物を提供する。他の実施形態では、マーカーポリヌクレオチドは、上述の配列のうちの2以上を含む。更に他の実施形態では、マーカーは、上述の配列のうちの3以上を含む。更に他の実施形態では、マーカーは、上述の配列の4つ全てを含む。更に他の実施形態では、反応混合物は、内部対照ポリヌクレオチド、及びそれを検出するためのプローブを更に含み、更に他の実施形態では、前記内部対照ポリヌクレオチドを増幅させるためのプライマーも含む。この反応混合物を、「グラム陽性及びグラム陰性[又はGP及びGN]検出キット」、又は真菌標的が存在する場合、「GP、GN、及び真菌検出キット」と称することもある。
また、単一のPCR反応チューブに存在するか、又は2本のPCR反応チューブ、若しくは他の実施形態では2本超のPCR反応チューブに分割されている反応混合物であって、
A. 試験サンプルと、
B. 標的セットを増幅させるプライマーセットの群であって、前記標的が、
・ 汎用性グラム陰性細菌マーカーポリヌクレオチド、
・ メタロ−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、
・ セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、並びに
・ サブグループ2beβ−ラクタマーゼ及びサブグループ2brβ−ラクタマーゼから選択されるβ−ラクタマーゼのヌクレオチド配列(その非限定的な例は、2be及び2br SHVβ−ラクタマーゼである)を含む群と、
C. 合計で4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発するプローブとを含み、
各プローブが、(i)前記標的セットのうちの少なくとも1つのPCR産物、幾つかの実施形態では、非対称増幅の場合、PCR産物の過剰鎖、及び(ii)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、前記プローブの蛍光が活性化される反応混合物を本明細書に提供する。幾つかの実施形態では、反応混合物中のプライマーセットの少なくとも大部分が、ホットスタートプライマーである。他の実施形態では、反応混合物中の全てのプライマーが、ホットスタートプライマーである。更に他の実施形態では、反応混合物は、内部対照ポリヌクレオチド及びそれを検出するためのプローブを更に含み、更に他の実施形態では、前記内部対照ポリヌクレオチドを増幅させるためのプライマーも含む。当業者であれば、反応混合物が、通常、ヌクレオチドを含有する試験サンプル(例えば、ヒトの血液サンプルのDNA抽出物)を更に含むことを理解するであろう。
また、本明細書に記載するGP反応混合物及び本明細書に記載するGN反応混合物を含むキットを提供する。他の実施形態では、キットは、本明細書に記載するGP+真菌反応混合物及び本明細書に記載するGN反応混合物を含む。
更に、単一の反応チューブに存在するか、又は数本の反応チューブに分割されている反応混合物であって、(a)標的ポリヌクレオチド配列のセットのうちの1以上を含有することが疑われる試験サンプルと、(b)標的セットを増幅させるプライマーセットの群であって、前記標的が、グラム陰性細菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチド及び少なくとも1つの抗生物質耐性ポリヌクレオチドを含む群と、(c)ヘリカーゼ酵素とを含む反応混合物を提供する。特定の実施形態では、上述のプライマーセットの少なくとも大部分、他の実施形態では全てが、リボプライマーであり、反応混合物は、RNAseH2酵素を更に含む。他の実施形態では、GNマーカーポリヌクレオチドは、汎用性GNマーカーポリヌクレオチドである。それに代えて又はそれに加えて、抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、メタロ−β−ラクタマーゼ配列、セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、サブグループ2beβ−ラクタマーゼ、及びサブグループ2brβ−ラクタマーゼのうちの少なくとも1つを含む。より具体的な実施形態では、GNマーカーポリヌクレオチドは、汎用性GNマーカーポリヌクレオチドであり、抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、メタロ−β−ラクタマーゼ配列、セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、サブグループ2beβ−ラクタマーゼ、及びサブグループ2brβ−ラクタマーゼを含む。特定の実施形態では、様々なプローブは、qPCR相において陽性を示したプローブの色の同定と後続のある制御融解(又は制御アニーリング)において検出されたTm値とを組み合わせるロジックテーブルを用いて互いに識別される。
更に他の実施形態では、本明細書に記載するヘリカーゼ含有GP反応チューブと本明細書に記載するヘリカーゼ含有GN反応チューブとを含むキットを提供する。他の実施形態では、キットは、本明細書に記載するヘリカーゼ含有GP+真菌反応チューブ及び本明細書に記載するヘリカーゼ含有GN反応チューブを含む。
上述の反応混合物は、グラム陰性細菌マーカーに焦点をあてた混合物の非限定的な例であるが、必ずしもグラム陽性細菌マーカーに限定されるものではない。かかる混合物を「グラム陰性反応混合物」と称することもある。
更に他の実施形態では、GNパネル由来の本明細書に記載する特異的プローブのうちの1以上が用いられ、その各組み合わせは、別個の実施形態とみなされる。
特定の実施形態では、上述のプローブは、4つ〜7つの異なるチャンネル、他の実施形態では4つ〜6つの異なるチャンネル、他の実施形態では4つ〜5つの異なるチャンネル、他の実施形態では5つ〜6つの異なるチャンネル、他の実施形態では5つ〜7つの異なるチャンネル、他の実施形態では4つの異なるチャンネル、他の実施形態では5つの異なるチャンネル、他の実施形態では6つの異なるチャンネル、他の実施形態では7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。
他の実施形態では、上述のGN反応混合物の標的のリストは、汎用性グラム陽性細菌マーカー、又は他の実施形態では汎用性細菌マーカーを更に含んでよい。更に他の実施形態では、前記反応混合物の標的のリストは、汎用性グラム陽性細菌マーカー及び汎用性細菌マーカーを更に含む。
更に他の実施形態では、前記標的のリストは、アシネトバクター属マーカーポリヌクレオチドを更に含む。
上述のメタロ−β−ラクタマーゼは、幾つかの実施形態では、IMP−1、IMP−2、IMP−3、及びIMP−4(代表的な配列アクセッション番号は、それぞれ、EU588392、AY055216、KC310496、及びJQ407409)のうちの少なくとも1つであるか、又は別のIMP(代表的な配列アクセッション番号は、HQ438058及びFJ655384)(上述の配列は、全て2013年11月14日受け入れ)である。他の実施形態では、メタロ−β−ラクタマーゼプローブは、これらIMPアイソフォームの4つ全てを検出する。幾つかの実施形態では、IMPプローブは、IMP−PB1及びIMP−PB2(配列番号91〜92)の一方又は両方である。
それに代えて又はそれに加えて、シュードモナス属マーカーポリヌクレオチドは、oprI(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、JF901402[2013年11月14日受け入れ])であってよい。幾つかの実施形態では、oprIプローブは、oprI−PB1(配列番号93)である。
他の実施形態では、メタロ−β−ラクタマーゼは、vim(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、FM179468[2013年11月14日受け入れ])である。幾つかの実施形態では、vimプローブは、VIM−PB1及びVIM−PB2(配列番号7〜8)の一方又は両方である。
他の実施形態では、メタロ−β−ラクタマーゼは、NDM−1、NDM−2、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM−6、及びNDM−7のうちの少なくとも1つである。他の実施形態では、メタロ−β−ラクタマーゼプローブは、これらNDMアイソフォームの7つ全てを検出する。幾つかの実施形態では、NDMプローブは、NDM−PB1、NDM−PB2、及びNDM−PB3(配列番号9、10、及び100)のうちの1以上である。
更に他の実施形態では、メタロ−β−ラクタマーゼのプライマー及びプローブのセットは、以下の標的を全て増幅及び検出する:IMP−1、IMP−2、IMP−3、IMP−4、vim、NDM−1、NDM−2、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM−6、及びNDM−7。
それに代えて又はそれに加えて、上述のセリン−β−ラクタマーゼは、KPC−2(代表的なGenBank配列アクセッション番号は、AY034847[2013年11月14日受け入れ])、KPC−3、KPC−4、KPC−5、KPC−6、KPC−7、KPC−8、KPC−9、KPC−10、KPC−11のうちの少なくとも1つである。他の実施形態では、セリン−β−ラクタマーゼプローブは、これらKPCアイソフォームの11個全てを検出する。幾つかの実施形態では、KPCプローブは、KPC−PB(配列番号38)である。
他の実施形態では、セリン−β−ラクタマーゼは、GES(In58β−ラクタマーゼIBC−2;代表的なGenBank配列アクセッション番号は、AF329699[2013年11月14日受け入れ])である。幾つかの実施形態では、GESプローブは、GES−PB(配列番号39)である。
他の実施形態では、セリン−β−ラクタマーゼは、OXA−48(肺炎桿菌(K.pneumoniae)株11978挿入配列IS1999;代表的なGenBank配列アクセッション番号は、AY236073[2013年11月14日受け入れ])である。幾つかの実施形態では、OXA−48プローブは、OXA−48−PB(配列番号40)である。
更に他の実施形態では、セリン−β−ラクタマーゼのプライマー及びプローブのセットは、以下の標的を全て増幅及び検出するKPC−2、KPC−3、KPC−4、KPC−5、KPC−6、KPC−7、KPC−8、KPC−9、KPC−10、KPC−11、GES、及びOXA−48。
それに代えて又はそれに加えて、上述の基質特異性拡張型又は広域スペクトルβ−ラクタマーゼは、SHVラクタマーゼのサブグループ2be変異体又は2br変異体のうちの少なくとも1つであり、これらは、時に、科学文献において、それぞれ、基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ及び広域スペクトルβ−ラクタマーゼとも呼ばれる。SHV−2及びSHV−5(代表的な配列アクセッション番号は、それぞれ、AF148851及びX55640[2013年11月14日受け入れ])並びにSHV−12は、2beラクタマーゼの非限定的な例である。SHV−10及びSHV−72は、2brラクタマーゼの非限定的な例である。他の実施形態では、プローブのセットは、SHV−2、SHV−3、SHV−10、SHV−72、及びSHV−115を全て検出する。他の実施形態では、SHVプローブは、SHV−PB(配列番号94)である。
他の実施形態では、基質特異性拡張型又は広域スペクトルβ−ラクタマーゼは、CTXM−14であり、他の実施形態では、CTXM−15であり、又は他の実施形態では、CTXM−14及びCTXM−15(代表的な配列アクセッション番号は、それぞれ、JQ003803及びJQ318855[2013年11月14日受け入れ])のうちの少なくとも1つである。更に他の実施形態では、これら変異体の両方が、反応混合物のプライマー及びプローブによって増幅及び検出される。他の実施形態では、CTXM−14プローブは、CTXM−14−PB(配列番号36)である。他の実施形態では、CTXM−15プローブは、CTXM−15−PB(配列番号37)である。
更に他の実施形態では、プライマー及びプローブのセットは、以下の標的を全て増幅及び検出する:SHV−2、SHV−3、SHV−10、SHV−72、SHV−115、CTXM−14、及びCTXM−15。
本明細書で使用するとき、用語「サブグループ2be基質特異性拡張型−β−ラクタマーゼ」及び「サブグループ2br広域スペクトルβ−ラクタマーゼ」は、Bush等(Updated Functional Classification of β−Lactamases.Antimicrob Agents Chemother.2010;54(3):969−976)に定義されている通り使用する。また、この参照文献には、様々な耐性遺伝子についての推奨抗生物質も記載されている。
幾つかの実施形態では、サブグループ2bβ−ラクタマーゼは、ペニシリン、及び初期のセファロスポリン(例えば、セファロリジン及びセファロチン)を容易に加水分解し、且つクラブラン酸及びタゾバクタムによって強く阻害されるものである。これらとしては、TEM−1、TEM−2、及びSHV−1酵素が挙げられる。多くのTEM及びSHV2b酵素については、既に記載されている(G.Jacoby及びK.Bush、http://www.lahey.org/Studies/)。
他の実施形態では、サブグループ2be酵素は、サブグループ2bβ−ラクタマーゼのペニシリン及びセファロスポリンに対する活性を保持しており、更に、一般に、ベンジルペニシリンの>10%の速度で、セフォタキシム、セフタジジム、及びアズトレオナム等の1以上のオキシイミノ−β−ラクタムを加水分解する。サブグループ2beの第1の且つ最大のサブセットは、ベンジルペニシリン及びセファロリジンの低い加水分解活性を犠牲にして基質スペクトルを広げる、TEM−1、TEM−2、及びSHV−1におけるアミノ酸置換によって得られた。TEM及びSHV ESBLに加えて、クライベラ属(Kluyvera)の種において染色体が決定されているβ−ラクタマーゼと近縁である、機能的に類似しているが、より迅速に増殖するCTXM酵素も存在する。殆どの(しかし全てではない)CTXM酵素は、セフタジジムよりも容易にセフォタキシムを加水分解する。多くは、同様にセフェピムも加水分解する。TEM又はSHV ESBLとは異なり、CTXM酵素は、クラブラン酸よりも少なくとも1桁強くタゾバクタムによって阻害される。最後に、BEL−1、BES−1、SFO−1、TLA−1、TLA−2、並びにPER及びVEB酵素ファミリーのメンバーを含む、TEM、SHV、又はCTXMとは無関係なそれほど一般的ではないESBLが存在する。特徴として、サブグループ2beβ−ラクタマーゼは、クラブラン酸による阻害に対して依然として感受性である。
更に他の実施形態では、サブグループ2br酵素は、サブグループ2bスペクトルの活性を保持しながら、クラブラン酸(IC50≧1μM)及び関連する阻害剤に対する獲得耐性を有する広域スペクトルβ−ラクタマーゼである。現在、機能的に特徴付けられているTEM酵素135種のうちの36種が、この特性を有しており、例えば、TEM−30及びTEM−31(それぞれ、IRT−2及びIRT−1)等の酵素が挙げられる。それに加えて、対応する機能的に特徴付けられているSHV酵素72種のうちの5種(例えば、SHV−10)が挙げられる(G.Jacoby and K.Bush,http://www.lahey.org/Studies/)。
更に他の実施形態では、以下の全てが、本明細書に記載されているGN反応混合物に当てはまる:
A. メタロ−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列は、IMP−1、IMP−2、IMP−3、IMP−4;vim、NDM−1、NDM−2、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM−6、及びNDM−7のうちの少なくとも1つである、
B. セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列は、KPC−2、KPC−3、KPC−4、KPC−5、KPC−6、KPC−7、KPC−8、KPC−9、KPC−10、KPC−11、GES、及びOXA−48のうちの少なくとも1つである、
C. 基質特異性拡張型β−ラクタマーゼヌクレオチド配列は、SHV−2、SHV−3、SHV−10、SHV−72、SHV−115、CTXM−14、及びCTXM−15のうちの少なくとも1つである。
更に他の実施形態では、本明細書に記載するGN反応混合物は、以下の標的を全て検出する:IMP−1、IMP−2、IMP−3、IMP−4;vim、NDM−1、NDM−2、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM−6、NDM−7;KPC−2、KPC−3、KPC−4、KPC−5、KPC−6、KPC−7、KPC−8、KPC−9、KPC−10、KPC−11、GES、OXA−48;SHV−2、SHV−3、SHV−10、SHV−72、SHV−115、CTXM−14、及びCTXM−15。
更に他の実施形態では、以下の標的セット用のプライマーセット及びプローブを含む単一のPCR反応チューブを提供する:
・ 汎用性グラム陰性細菌マーカーポリヌクレオチド、
・ メタロ−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、
・ セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、及び
・ サブグループ2be基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ及びサブグループ2br広域スペクトルβ−ラクタマーゼから選択されるβ−ラクタマーゼのヌクレオチド配列(その非限定的な例は、2be及び2brSHVβ−ラクタマーゼである)。
他の実施形態では、反応混合物は、内部対照ポリヌクレオチド及びそれを検出するためのプローブを更に含む。それに代えて又はそれに加えて、単一のチューブの標的セットは、汎用性グラム陽性細菌マーカーを更に含む。それに代えて又はそれに加えて、標的セットは、アシネトバクター属マーカーポリヌクレオチドを更に含んでよい。
更に他の実施形態では、以下の標的セット用のプライマーセット及びプローブを含む単一のPCR反応チューブを提供する:
・ 汎用性グラム陰性細菌マーカーポリヌクレオチド、
・ IMP−1、IMP−2、IMP−3、IMP−4;vim、NDM−1、NDM−2、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM−6、及びNDM−7から選択されるヌクレオチド配列、
・ KPC−2、KPC−3、KPC−4、KPC−5、KPC−6、KPC−7、KPC−8、KPC−9、KPC−10、KPC−11、GES、及びOXA−48から選択されるヌクレオチド配列、並びに
・ SHV−2、SHV−3、SHV−10、SHV−72、SHV−115、CTXM−14、及びCTXM−15から選択されるヌクレオチド配列。
更に他の実施形態では、汎用性グラム陰性細菌マーカーポリヌクレオチド及び以下の標的の全てを増幅及び検出するプライマーセット及びプローブを含む単一のPCR反応チューブを提供する:IMP−1、IMP−2、IMP−3、IMP−4;vim、NDM−1、NDM−2、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM−6、NDM−7、KPC−2、KPC−3、KPC−4、KPC−5、KPC−6、KPC−7、KPC−8、KPC−9、KPC−10、KPC−11、GES、OXA−48、SHV−2、SHV−3、SHV−10、SHV−72、SHV−115、CTXM−14、及びCTXM−15。
1つの実施形態では、かかる内部対照遺伝子座についての増幅反応は、本明細書に記載するサイクル閾値アッセイにおける他の増幅反応と同じ反応混合物のアリコートにおいて実施される。別の実施形態では、内部対照増幅反応は、前記他の増幅反応とは異なる反応混合物のアリコートにおいて実施される。例えば、試験サンプルのDNAが含まれておらず、アッセイの他の成分のみが含まれているチューブに内部対照を添加してよい。
更に、反応混合物であって、(a)試験サンプルと、(b)少なくとも1つのプライマーセットとを含み、前記反応混合物中の少なくとも1つのプライマーセットが以下の条件に当てはまる反応混合物を提供する:
− 前記プライマーセットが非対称である、
− 前記プライマーセットのフォワードプライマー及びリバースプライマーが、活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含むホットスタートプライマーであり、前記プライマーは、高温で相補的配列(例えば、標的配列)にハイブリダイズしたときに、前記活性化酵素の基質となる、
− 前記プライマーセットの伸長によって生成されるアンプリコンの融解温度が、切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度(即ち、前記反応混合物中のプライマーの初期濃度におけるT)よりも13℃超高い、
− 前記切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、73℃以下である(他の実施形態では、67℃〜73℃、他の実施形態では68℃〜73℃、他の実施形態では69℃〜73℃)、並びに
− 切断後の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、少なくとも65℃、他の実施形態では65℃〜71℃、他の実施形態では65℃〜70℃、他の実施形態では65℃〜69℃である。
また、試験サンプル中のポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、反応混合物を熱サイクルに付す工程を含み、前記反応混合物が、(a)試験サンプルと、(b)少なくとも1つのプライマーセットとを含み、前記反応混合物中の少なくとも1つのプライマーセットが以下の条件に当てはまる方法を提供する:
− 前記プライマーセットが、非対称である、
− 前記プライマーセットのフォワードプライマー及びリバースプライマーが、活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含むホットスタートプライマーであり、前記ホットスタートプライマーは、高温で相補的配列(例えば、標的配列)にハイブリダイズしたときに、前記活性化酵素の基質となる、
− 前記プライマーセットによって生成されるアンプリコンの融解温度が、切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度よりも13℃超高い、
− 前記切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、前記熱サイクルのアニーリング温度よりも17℃以下高い(幾つかの実施形態では、12℃〜17℃高い、他の実施形態では、13℃〜17℃高い、他の実施形態では、14℃〜17℃高い)、
− 切断後の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、前記熱サイクルのアニーリング温度よりも少なくとも9℃高い(幾つかの実施形態では、9℃〜15℃高い、他の実施形態では、9℃〜14℃高い、他の実施形態では、9℃〜13℃高い)。
73℃及び65℃という上記温度は、幾つかの実施形態では、56℃のアニーリング温度を用いる反応について設計したものである。アニーリング温度を上昇又は低下させた場合、これら温度も同様に調整される。
他の実施形態では、上記条件は、反応混合物中のプライマーセットの少なくとも大部分に当てはまる。他の実施形態では、上記条件は、反応混合物中の非対称プライマーセットの少なくとも大部分に当てはまる。他の実施形態では、上記条件は、反応混合物中の非対称プライマーセットの全てに当てはまる。
他の実施形態では、上記条件は、GC含量が少なくとも50%、他の実施形態では少なくとも52.5%、他の実施形態では少なくとも55%、他の実施形態では少なくとも57.5%、他の実施形態では少なくとも60%、他の実施形態では少なくとも62.5%、他の実施形態では少なくとも65%であるアンプリコンを増幅させる反応混合物中のプライマーセットの少なくとも大部分に当てはまる。他の実施形態では、上記条件は、GC含量が少なくとも55%、他の実施形態では少なくとも57.5%、他の実施形態では少なくとも60%、他の実施形態では少なくとも62.5%、他の実施形態では少なくとも65%であるアンプリコンを増幅させる反応混合物中のプライマーセットの全てに当てはまる。
幾つかの実施形態では、切断前及び切断後のTに関する上述の限定は、上述のプライマーセットの制限プライマーにも当てはまる。温度は、制限プライマーの初期濃度(無論、過剰プライマーよりも低い)で測定される。
それに代えて又はそれに加えて、上述のプライマーセットのアンプリコンのGC含量は、少なくとも50%、他の実施形態では少なくとも52.5%、他の実施形態では少なくとも55%、他の実施形態では少なくとも57.5%、他の実施形態では少なくとも60%、他の実施形態では少なくとも62.5%、他の実施形態では少なくとも65%である。
上述の反応混合物の特定のより具体的な実施形態では、切断前の制限プライマーの初期の濃度調整融解温度は、切断前の過剰プライマーの初期の濃度調整融解温度と少なくとも同じ温度であり、他の実施形態では少なくとも1℃高く、他の実施形態では少なくとも2℃高く、他の実施形態では少なくとも3℃高く、他の実施形態では少なくとも1℃低く、他の実施形態では少なくとも2℃低く、又は他の実施形態では少なくとも3℃低い。
それに代えて又はそれに加えて、上述の反応混合物は、1つ〜3つの異なるチャンネル、他の実施形態では4以上のチャンネルで蛍光を発する6以上のプローブを更に含んでよく、各プローブが(a)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物及び(b)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、プローブの蛍光が活性化される。更なる実施形態では、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインは、チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて識別可能である。
幾つかの実施形態では、上述の方法は、(a)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、増幅産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(b)シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを更に含む。
また、(a)試験サンプルと、(b)少なくとも1つのプライマーセットとを含み、前記反応混合物中の少なくとも1つのプライマーセットが以下の条件に当てはまる反応混合物を本明細書に提供する:
− 前記プライマーセットが、非対称である、
− 前記プライマーセットのフォワードプライマー及びリバースプライマーが、活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含み、前記プライマーは、高温で相補的配列にハイブリダイズしたときに、前記活性化酵素の基質となる、
− 前記プライマーセットの伸長によって生成されるアンプリコンの融解温度が、切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度よりも13℃超高い、
− 前記アンプリコンのGC含量が、少なくとも55%である、並びに
− 前記プライマーセットの前記過剰プライマーが結合する領域のGC含量が、前記アンプリコンのGC含量よりも少なくとも1%低い、他の実施形態では少なくとも2%低い、他の実施形態では少なくとも3%低い、他の実施形態では少なくとも4%低い、他の実施形態では少なくとも5%低い、他の実施形態では少なくとも6%低い、他の実施形態では少なくとも7%低い。
他の実施形態では、上記条件は、反応混合物中のプライマーセットの少なくとも大部分に当てはまる。他の実施形態では、上記条件は、反応混合物中の非対称プライマーセットの少なくとも大部分に当てはまる。他の実施形態では、上記条件は、反応混合物中の非対称プライマーセットの全てに当てはまる。
他の実施形態では、上記条件は、GC含量が少なくとも55%、他の実施形態では少なくとも57.5%、他の実施形態では少なくとも60%、他の実施形態では少なくとも62.5%、他の実施形態では少なくとも65%であるアンプリコンを増幅させる反応混合物中のプライマーセットの少なくとも大部分に当てはまる。他の実施形態では、上記条件は、GC含量が少なくとも55%、他の実施形態では少なくとも57.5%、他の実施形態では少なくとも60%、他の実施形態では少なくとも62.5%、他の実施形態では少なくとも65%であるアンプリコンを増幅させる反応混合物中のプライマーセット全てに当てはまる。
上述の反応混合物及び方法の特定の実施形態では、以下の条件も当てはまる:
− 切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、73℃以下である、及び
− 切断後の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、少なくとも65℃である。
幾つかの実施形態では、切断前及び切断後のTに関する上述の限定は、上述のプライマーセットの制限プライマーにも当てはまる。温度は、制限プライマーの初期濃度で測定される。
それに代えて又はそれに加えて、上述の反応混合物は、1つ〜3つの異なるチャンネル、他の実施形態では4以上のチャンネルで蛍光を発する6以上のプローブを更に含んでよく、各プローブが(a)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物及び(b)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、プローブの蛍光が活性化される。更なる実施形態では、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインは、チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて識別可能である。
また、試験サンプル中のポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、上述の反応混合物を熱サイクルに付す工程を含む方法を本明細書に提供する。
幾つかの実施形態では、上述の方法は、(a)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、増幅産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(b)シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを含む。
様々な実施形態では、アンプリコンのTは、過剰プライマーハイブリッドの初期、濃度調整切断前Tよりも13℃超高いことが上述されている。幾つかの実施形態では、差は、14℃超、他の実施形態では15℃超、他の実施形態では16℃超、他の実施形態では17℃超、他の実施形態では18℃超、他の実施形態では19℃超である。
当業者であれば、プライマー−標的ハイブリッドのTが、特に、Integrated DNA technologiesから入手可能なOligoanalyzerプログラム(http://eu.idtdna.com/analyzer/applications/oligoanalyzer)を用いて決定され得ることを理解するであろう。アンプリコンのT予測については、「Lasegene」ソフトウェア(DNASTAR−http://www.dnastar.com/)を用いてもよい。また、SYBR Green(又は、Eva Green(登録商標)等の別の二本鎖DNAインターカレート色素)を用いて測定することもできる。
特定の実施形態では、本明細書に記載する方法及び反応混合物で利用される全てのプライマーセットが、非対称である。通常、これら実施形態では、PCR産物に結合する全てのプローブが、関連するPCR産物の過剰鎖に結合する。他の実施形態では、反応チューブ(又は、1本超の反応チューブが存在する場合、各反応チューブ)中のプライマーセットの少なくとも大部分が、非対称である。
上述の通り、本明細書に記載する方法及び組成物は、合計で4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発するプローブを利用し得る。即ち、各プローブは、通常、特定のチャンネルにおいて蛍光を発するが、存在する様々なプローブは、その中で4以上の異なるピーク蛍光波長を有することを意味する。他の実施形態では、プローブは、5以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、4つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、6つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、4個〜10個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、4個〜9個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、4個〜8個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、4個〜7個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、4個〜6個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、4個又は5個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、5個〜10個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、5個〜9個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、5個〜8個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、5個〜7個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。他の実施形態では、プローブは、5個又は6個の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する。
他の実施形態では、少なくとも2つの標的−プローブ蛍光サインが、チャンネルのうちの少なくとも2つのそれぞれにおいて識別可能である。即ち、所望の標的のリストのうちの2つの別個の標的のシグナルを、各チャンネルにおいて互いに識別することができることを意味する。他の実施形態では、少なくとも2つの異なる蛍光サインは、プローブが蛍光を発するチャンネルのうちの少なくとも3つ、又は他の実施形態では前記チャンネルのうちの少なくとも4つ、又は他の実施形態では前記チャンネルのうちの少なくとも5つのそれぞれにおいて識別可能である。他の実施形態では、少なくとも2つの異なる蛍光サインは、チャンネルのうちの2つ、又は他の実施形態ではチャンネルのうちの3つ、又は他の実施形態ではチャンネルのうちの4つ、又は他の実施形態ではチャンネルのうちの5つ、又は他の実施形態では全てのチャンネルそれぞれにおいて識別可能である。他の実施形態では、少なくとも2つの異なる蛍光サインは、オレンジ蛍光チャンネル、レッド蛍光チャンネル、及びクリムゾン蛍光チャンネルのそれぞれにおいて識別可能である。
他の実施形態では、少なくとも3つの異なる標的−プローブ蛍光サインは、プローブが蛍光を発するチャンネルのうちの少なくとも2つ、又は他の実施形態では前記チャンネルのうちの少なくとも3つ、又は他の実施形態では前記チャンネルのうちの少なくとも4つ、又は他の実施形態では前記チャンネルのうちの少なくとも5つのそれぞれにおいて識別可能である。他の実施形態では、少なくとも3つの異なる蛍光サインは、チャンネルのうちの2つ、又は他の実施形態ではチャンネルのうちの3つ、又は他の実施形態ではチャンネルのうちの4つ、又は他の実施形態ではチャンネルのうちの5つ、又は他の実施形態では全てのチャンネルそれぞれにおいて識別可能である。他の実施形態では、少なくとも3つの異なる蛍光サインは、オレンジ蛍光チャンネル、レッド蛍光チャンネル、及びクリムゾン蛍光チャンネルのそれぞれにおいて識別可能である。更に他の実施形態では、少なくとも3つの異なる蛍光サインは、オレンジ蛍光チャンネル、レッド蛍光チャンネル、及びクリムゾン蛍光チャンネルのそれぞれにおいて識別可能であり、少なくとも2つの異なる蛍光サインは、グリーンチャンネル及びイエローチャンネルのそれぞれにおいて識別可能である。更に他の実施形態では、少なくとも3つの異なる蛍光サインは、オレンジ蛍光チャンネル、レッド蛍光チャンネル、及びクリムゾン蛍光チャンネルのそれぞれにおいて識別可能であり、少なくとも2つの異なる蛍光サインは、残りのチャンネルのそれぞれにおいて識別可能である。更により具体的な実施形態では、3つの異なる蛍光サインは、オレンジ蛍光チャンネル、レッド蛍光チャンネル、及びクリムゾン蛍光チャンネルのそれぞれにおいて識別可能であり、1つ又は2つの異なる蛍光サインは、残りのチャンネルのそれぞれにおいて識別可能である。
上述の反応混合物の他の実施形態では、少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルにおけるプローブは、1つの群としてみなされ、前記各チャンネルにおけるプローブのうちの殆ど又は全てが、共有ステムプローブであるか、又は他の実施形態では、完全共有ステムプローブである。更に他の実施形態では、少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルにおける全てのプローブは、共有ステムプローブであるか、又は他の実施形態では、完全共有ステムプローブである。
更に他の実施形態では、少なくとも3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルにおけるプローブは、1つの群としてみなされ、前記各チャンネルにおけるプローブのうちの殆ど又は全てが、共有ステムプローブであるか、又は他の実施形態では、完全共有ステムプローブである。他の実施形態では、少なくとも3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルにおける全てのプローブは、共有ステムプローブであるか、又は他の実施形態では、完全共有ステムプローブである。
上述の反応混合物は、幾つかの実施形態では、1チューブ当たり6種〜25種のプライマーセットを有する。他の実施形態では、8種〜25種のプライマーセットが存在する。更に他の実施形態では、10種〜25種のプライマーセットが存在する。他の実施形態では、12種〜25種のプライマーセットが存在する。他の実施形態では、13種〜25種のプライマーセットが存在する。他の実施形態では、少なくとも6種のプライマーセットが存在する。他の実施形態では、少なくとも8種のプライマーセットが存在する。他の実施形態では、少なくとも10種のプライマーセットが存在する。他の実施形態では、少なくとも12種のプライマーセットが存在する。他の実施形態では、少なくとも13種のプライマーセットが存在する。上記範囲は全て、両端点を含む。
それに代えて又はそれに加えて、反応混合物は、1チューブ当たり6種〜25種のプローブを有する。他の実施形態では、8種〜25種のプローブが存在する。更に他の実施形態では、10種〜25種のプローブが存在する。他の実施形態では、12種〜25種のプローブが存在する。他の実施形態では、13種〜25種のプローブが存在する。他の実施形態では、少なくとも6種のプローブが存在する。他の実施形態では、少なくとも8種のプローブが存在する。他の実施形態では、少なくとも10種のプローブが存在する。他の実施形態では、少なくとも12種のプローブが存在する。他の実施形態では、少なくとも13種のプローブが存在する。上記範囲は全て、両端点を含む。
幾つかの実施形態では、プローブは、配列特異的に一本鎖ポリヌクレオチドに結合する。より具体的な実施形態では、プローブは、特に、参照によりその内容が本明細書に援用される米国特許第5,925,517号明細書、同第6,037,130号明細書、同第6,103,476号明細書、同第6,150,097号明細書、同第6,461,817号明細書、及び同第7,385,043号明細書に記載されているモレキュラービーコンプローブであってよい。
上述の反応混合物の更に他の実施形態では、4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6種〜20種のプライマーセット及び6種〜20種のプローブが存在する。更に他の実施形態では、4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する8種〜20種のプライマーセット及び8種〜20種のプローブが存在する。他の実施形態では、4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する10種〜20種のプライマーセット及び8種〜20種のプローブが存在する。他の実施形態では、4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する10種〜15種のプライマーセット及び10種〜15種のプローブが存在する。更に他の実施形態では、4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する12種〜15種のプライマーセット及び12種〜15種のプローブが存在する。他の実施形態では、4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも12種のプライマーセット及び少なくとも12種のプローブが存在する。上記範囲は全て、両端点を含む。
上述の反応混合物の更に他の実施形態では、少なくとも5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6種〜20種のプライマーセット及び6種〜20種のプローブが存在する。更に他の実施形態では、少なくとも5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する8種〜20種のプライマーセット及び8種〜20種のプローブが存在する。他の実施形態では、少なくとも5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する10種〜20種のプライマーセット及び8種〜20種のプローブが存在する。他の実施形態では、少なくとも5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する10種〜15種のプライマーセット及び10種〜15種のプローブが存在する。更に他の実施形態では、少なくとも5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する12種〜15種のプライマーセット及び12種〜15種のプローブが存在する。他の実施形態では、少なくとも5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも12種のプライマーセット及び少なくとも12種のプローブが存在する。上記範囲は全て、両端点を含む。
上述の反応混合物の更に他の実施形態では、5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6種〜20種のプライマーセット及び6種〜20種のプローブが存在する。更に他の実施形態では、5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する8種〜20種のプライマーセット及び8種〜20種のプローブが存在する。他の実施形態では、5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する10種〜20種のプライマーセット及び8種〜20種のプローブが存在する。他の実施形態では、5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する10種〜15種のプライマーセット及び10種〜15種のプローブが存在する。更に他の実施形態では、5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する12種〜15種のプライマーセット及び12種〜15種のプローブが存在する。他の実施形態では、5つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも12種のプライマーセット及び少なくとも12種のプローブが存在する。上記範囲は全て、両端点を含む。
本明細書に記載する方法及び組成物の特定の実施形態では、1つのチャンネルにおいて蛍光を発するプローブについて考えるとき、これらの殆ど又は全てが、特定の範囲に入る長さを有する。これは、複数のチャンネルの場合にも同様に当てはまり得る。例えば、幾つかの実施形態では、チャンネルのうちの少なくとも1つについて、そのチャンネルにおいて蛍光を発するプローブのうちの殆ど又は全てが、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、20ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、又は21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する。この長さが、本明細書に記載する方法及び組成物の多くにおいて有利であることを本明細書に示す。他の実施形態では、この長さの範囲を、チャンネルのうちの少なくとも2つのプローブの殆どに適用する。他の実施形態では、この長さの範囲を、チャンネルのうちの少なくとも3つのプローブの殆どに適用する。他の実施形態では、この長さの範囲を、チャンネルのうちの少なくとも4つのプローブの殆どに適用する。更に他の実施形態では、この長さの範囲を、チャンネルのうちの少なくとも5つのプローブの殆どに適用する。更に他の実施形態では、この長さの範囲を、少なくともオレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルのそれぞれのプローブの殆どに適用する。
更に他の実施形態では、チャンネルのうちの少なくとも1つについて、そのチャンネルにおいて蛍光を発する各プローブは、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、20ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、又は21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する。他の実施形態では、少なくとも2つのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、少なくとも3つのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、少なくとも4つのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、少なくとも5つのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、全てのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルについてこれが当てはまる。
他の実施形態では、反応混合物中のプローブの大部分が、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、20ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、又は21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する。
より具体的な実施形態では、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する反応混合物中のプローブを1つの群としてみなす場合、これらプローブの大部分は、共有ステムプローブであるか、又は別の実施形態では、完全共有ステムプローブである。本明細書に提供するとき、共有ステムプローブは、ミスマッチ耐性を示すので、配列多様性を有する標的を検出することが可能になる。この非限定的な例は、28S−CA−PBであり、これは、カンジダ属の遺伝子に対して数個のミスマッチがあるにもかかわらず、アスペルギルス属及びカンジダ属の両方の28S遺伝子を検出する。
他の実施形態では、チャンネルのプローブのうちの殆ど又は全てが21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する各チャンネルについて、少なくとも1つのプローブは、少なくとも部分共有ステムプローブ、又は別の実施形態では完全共有ステムプローブ、又は別の実施形態では二重共有ステムプローブ、又は別の実施形態では二重完全共有ステムプローブである。
更に他の実施形態では、少なくとも1つのチャンネルにおける殆どのプローブが、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチド又は34ヌクレオチド〜55ヌクレオチドの範囲に入る長さを有する。したがって、特定のチャンネルは、これら範囲の一方又は両方に入るプローブを有するが、但し、これら範囲に入るプローブの合計が、そのチャンネルにおけるプローブの大部分を構成する。他の実施形態では、チャンネルにおける殆どのプローブが、20ヌクレオチド〜26ヌクレオチド又は34ヌクレオチド〜55ヌクレオチド、更に他の実施形態では、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチド又は34ヌクレオチド〜55ヌクレオチドを有する。他の実施形態では、少なくとも2つのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、少なくとも3つのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、少なくとも4つのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、少なくとも5つのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、全てのチャンネルについてこれが当てはまる。他の実施形態では、これは、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルについてこれが当てはまる。
他の実施形態では、反応混合物中のプローブの大部分が、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、他の実施形態では、20ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、又は他の実施形態では、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの範囲に入る長さを有する。
他の実施形態では、2以上の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、プローブの大部分が21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する。他の実施形態では、2以上の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、プローブの大部分が21ヌクレオチド〜26ヌクレオチド又は34ヌクレオチド〜55ヌクレオチドの範囲に入る長さを有する。
他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルにおけるプローブの大部分は、まとめて、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、他の実施形態では、20ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、又は他の実施形態では、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する。他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルにおけるプローブの大部分は、まとめて、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチド又は34ヌクレオチド〜55ヌクレオチドの範囲に入る長さを有する。
他の実施形態では、グリーンチャンネル及びイエローチャンネルを除いて、反応混合物中のプローブの大部分は、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、他の実施形態では、20ヌクレオチド〜26ヌクレオチド、又は他の実施形態では、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する。他の実施形態では、グリーンチャンネル及びイエローチャンネルを除いて、反応混合物中のプローブの大部分は、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチド又は34ヌクレオチド〜55ヌクレオチドの範囲に入る長さを有する。
また、(a)ヌクレオチドを含有する試験サンプル(例えば、ヒトの血液サンプルのDNA抽出物)と、(b)6以上のプライマーセットであって、前記プライマーセットの少なくとも大部分が非対称であるプライマーセットと、(c)4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブとを含む反応混合物であって、
i. (i)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物(通常、非対称増幅の場合、過剰鎖)及び(ii)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに各プローブが結合すると、前記プローブの蛍光が活性化され、
ii. チャンネルの少なくとも1つにおいて、複数(少なくとも2つ)の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であり、
iii. 少なくとも2つ、又は他の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、以下の2つの条件:
a. チャンネルにおいて蛍光を発するプローブの少なくとも大部分、又は他の実施形態ではチャンネルにおける各プローブが、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチド又は34ヌクレオチド〜55ヌクレオチドの長さを有するので、特定のチャンネルは、これら範囲の一方又は両方に入るプローブを有し得るが、但し、これら範囲に入るプローブの合計が、そのチャンネルにおけるプローブの大部分を構成する;及び
b. チャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも1つのプローブが、共有ステムプローブである
に当てはまる反応混合物を本明細書に提供する。
他の実施形態では、少なくとも2つ、又は他の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、前記チャンネルにおけるプローブの大部分は、共有ステムプローブである。
通常、上述の反応混合物は、単一の反応チューブにおける増幅及び検出に用いられる。他の実施形態では、混合物は、単一の反応チューブで提供される。
更に他の実施形態では、(a)ヌクレオチドを含有する試験サンプル(例えば、ヒトの血液サンプルのDNA抽出物)と、(b)6以上のプライマーセットであって、前記プライマーセットの少なくとも大部分が非対称であるプライマーセットと、(c)4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブとを含む反応混合物であって、
i. (i)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物(通常、非対称増幅の場合、過剰鎖)及び(ii)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに各プローブが結合すると、前記プローブの蛍光が活性化され、
ii. チャンネルの少なくとも1つにおいて、複数の(少なくとも2つの)異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であり、
iii. 少なくとも2つ、又は他の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、そのチャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも1つのプローブが、共有ステムプローブである反応混合物を本明細書に提供する。
上述の混合物の他の実施形態では、少なくとも2つ、又は他の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、プローブの少なくとも大部分は、共有ステムプローブである。
通常、上述の反応混合物は、単一の反応チューブにおける増幅及び検出に用いられる。他の実施形態では、混合物は、単一の反応チューブで提供される。
更に他の実施形態では、(a)ヌクレオチドを含有する試験サンプル(例えば、ヒトの血液サンプルのDNA抽出物)と、(b)6以上のプライマーセットであって、前記プライマーセットの少なくとも大部分が非対称であるプライマーセットと、(c)4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブとを含む反応混合物であって、
i. (i)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物(通常、非対称増幅の場合、過剰鎖)及び(ii)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに各プローブが結合すると、前記プローブの蛍光が活性化され、
ii. チャンネルの少なくとも1つにおいて、複数の(少なくとも2つの)異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であり、
iii. 少なくとも2つ、又は他の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、ΔTが、6℃〜13℃である反応混合物を本明細書に提供する。
上述の反応混合物のより具体的な実施形態では、以下の条件(A)、他の実施形態では条件(B)、又は他の実施形態では条件(A)及び条件(B)の両方が、少なくとも2つ、又は他の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて当てはまる:
条件A:チャンネルにおいて蛍光を発するプローブの大部分、又は他の実施形態では、チャンネルにおける各プローブが、21ヌクレオチド〜26ヌクレオチド又は34ヌクレオチド〜55ヌクレオチドの長さを有する;及び
条件B:チャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも1つのプローブが、共有ステムプローブである。
他の実施形態では、少なくとも2つ、又は他の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、前記チャンネルにおけるプローブの少なくとも大部分が、共有ステムプローブである。それに代えて又はそれに加えて、反応混合物中のプライマーセットの少なくとも大部分が、ホットスタートプライマーである。他の実施形態では、反応混合物中の全てのプローブが、ホットスタートプライマーである。
通常、上述の反応混合物は、単一の反応チューブにおける増幅及び検出に用いられる。他の実施形態では、混合物は、単一の反応チューブで提供される。
標的
当業者であれば、本開示に鑑みて、本明細書に記載する組成物及び方法に様々な標的が適していることを理解するであろう。幾つかの実施形態では、標的は、病原体においてみられ、そして試験サンプルに存在することが疑われる既知のポリヌクレオチド、及び内部対照ポリヌクレオチドから選択される。他の実施形態では、既知のヒト病原体に特徴的なポリヌクレオチドが、標的のリストに含まれる。より具体的な実施形態では、病原体は、各場合において、細菌及び真菌から、又は他の実施形態では細菌、真菌、及び寄生原生動物から、又は他の実施形態では細菌、真菌、及びカビから、又は他の実施形態では細菌、真菌、寄生原生動物、及びカビから選択される。マラリアは、ヒトにおいて疾患を引き起こす寄生原生動物の非限定的な例である。
本明細書における標的病原体に「特徴的な」ポリヌクレオチド配列に対する言及、又は「マーカー」ポリヌクレオチドに対する言及は、前記配列を用いて、標的病原体と他の種類の病原体とを区別できることを示す。当業者であれば、様々な実施形態において、アッセイ及び医学シナリオの目的に依存して、前記ポリヌクレオチド配列が、特定の病原体株、特定の病原体種、又は特定の病原体属、又は病原体属の特定のサブセットに特有であり得、また、プラスミドに保有されていてもよく、ゲノムに組み込まれてもよいことを理解するであろう。本明細書に記載する方法及び組成物で用い得る病原体特異的ポリヌクレオチド及び汎用性病原体クラスマーカーポリヌクレオチドの非限定的な実施形態は、黄色ブドウ球菌のnuc及びspa(免疫グロブリンG結合タンパク質A)、非SAブドウ球菌属のtuf、肺炎連鎖球菌の「SPN9802」配列、細菌の16S rRNAをコードしている遺伝子、シュードモナス属のoprI、ベータ溶血性連鎖球菌のemm、アシネトバクター属のrpob;真菌については、L1A1、並びに18S及び28SリボソームRNA(rRNA)をコードしている遺伝子である。抗生物質耐性ポリヌクレオチドの非限定的な実施形態は、mecA、mecC、vanA、vanB、SHV、CTXM−14、CTXM−15、IMP、KPC、GES、OXA−48、vim、及びNDMである。病原体特異的ポリヌクレオチド配列及びそれを増幅させるためのプライマーの更なる非限定的な例としては、黄色ブドウ球菌のSa442 femB及び大腸菌(E.coli)(Gene ID:960862(2013年8月26日アップデート)及びATCC#700728の少なくともいずれか)のeae(インチミン接着タンパク質をコードしている)に加えて、本明細書及び米国特許出願公開第2009/0081663号に記載のマーカーが挙げられる。
標的病原体に特徴的なポリヌクレオチド配列に加えて、標的のリストは、幾つかの実施形態では、抗生物質耐性遺伝子又はポリヌクレオチド配列も含む。特定の抗生物質耐性遺伝子又は配列は、特定の病原体種又は特定の属に特有であり得るが、一方、他の抗生物質耐性遺伝子又は配列は、様々な病原体種においてみられ得る。非限定的な例として、メタロ−β−ラクタマーゼ、セリン−β−ラクタマーゼ、及び基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)は、腸内細菌科(腸内細菌)でみられる傾向がある。本明細書に記載する方法及び組成物の幾つかの実施形態では、上述のβ−ラクタマーゼのうちの1つについて陽性結果が出た場合、腸内細菌が存在することを示すので、別の腸内細菌マーカーポリヌクレオチドを検出する必要はない。幾つかの実施形態では、他の主な種類の病原性グラム陰性細菌、例えば、シュードモナス属及びアシネトバクター属の少なくともいずれかについてのマーカーポリヌクレオチドを検出する。
より具体的な実施形態では、標的のリストは、病原性グラム陽性細菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチド、及び前記グラム陽性細菌における抗生物質耐性に関連する少なくともポリヌクレオチドを含む。他の実施形態では、標的のリストは、病原性グラム陰性細菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチド、及び前記グラム陰性細菌における抗生物質耐性に関連する少なくともポリヌクレオチドを含む。更に、標的のリストは、病原性真菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチドを含み得る。
他の実施形態では、本明細書に記載する混合物及び方法は、試料処理対照としてインタクトな古細菌(Archaeon)を利用する。例えば、メタノバクテリウム科(Methanothermobacter)は、(他の古細菌のように)細胞壁を有し、本明細書において用いられる16Sプローブによって認識されないような細菌とは異なる16S遺伝子を有する。したがって、この又は別の古細菌ポリヌクレオチドの増幅は、細菌の細胞が溶解し、PCRを阻害する化合物が除去されたことを確認する機能を有し得る。他の実施形態では、試料処理対照は、試験サンプルと並行して処理されるチューブに添加される。
他の実施形態では、
・ DNAポリメラーゼ、
・ dNTP、
・ マグネシウムイオン(幾つかの実施形態では、乾燥PCR混合物とは別個に供給される)、
・ 1以上の塩類(非限定的な実施形態では、塩化カリウム(KCl)であってよい)、
・ pHバッファ、及び
・ インタクトな古細菌
を含むPCR反応混合物を提供する。
幾つかの実施形態では、上述の反応混合物は、好熱性RNAse、BSA、及びスクロースのうちの1以上を更に含む。幾つかのより具体的な実施形態では、プライマーは、リボプライマーである。更に他の実施形態では、プローブも同様に含まれる。幾つかのより具体的な実施形態では、プライマー及びプローブは、本明細書に記載するGP標的セット、又は他の実施形態では、本明細書に記載するGN標的セットを増幅させるように設計される。
更に他の実施形態では、試験サンプル中の標的ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、(a)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、インタクトな古細菌を含む反応混合物を熱サイクルに付す工程を含む方法を提供する。他の実施形態では、前記方法は、(b)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(c)少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、(シグナルが存在する場合に限り)存在する蛍光サインを同定する工程とを更に含む。更に他の実施形態では、サンプル処理は、自動化されている。
他の実施形態では、本明細書に記載する混合物及び方法は、アッセイの感度が高いことに起因する微量の細菌DNAによる偽陽性を防ぐために、酵母等の非細菌源から単離された内部対照又は他のプラスミドを利用する。
単一のチャンネルにおける異なる識別可能な蛍光サインの発生
本明細書で提供するとき、異なる識別可能な標的−プローブ蛍光サインは、(a)それぞれ特有のハイブリッドT及び特有のハイブリッド融解曲線の少なくともいずれかを有する、同一のチャンネルで蛍光を発し且つ異なる一本鎖増幅産物に結合する異なるプローブを用いて発生させることができる。また、(b)それぞれ特有のハイブリッドT及び特有のハイブリッド融解曲線の少なくともいずれかを有する、2以上の既知の標的配列と相互作用する単一のプローブを用いることによって、異なるサインを発生させることもできる。異なる配列は、完全に異なる遺伝子座に存在してもよく、他の実施形態では、単一の遺伝子座の変異体であってもよい。(b)の幾つかの実施形態では、本明細書に記載する方法及び組成物で利用するプローブは、配列の変異を認識するようにミスマッチ耐性に改変してよいが、ハイブリッドの蛍光サインが異なるので、区別することができる。更に他の実施形態では、プローブは、標的配列の特定の変異体のみを検出するために、ミスマッチ不耐性になるように改変される。この例は、SHV−PBであり、これは、SHV−2等の多くの既知の2be及び2br SHV変異体は検出するが、SHV−1等の2b SHV変異体は検出しない。
更に他の実施形態では、前段落に記載した(a)と(b)との組合せを利用する。他の実施形態では、識別可能な標的−プローブ蛍光サインを有する少なくとも2つのチャンネルにおいて、(a)が当てはまる。更に他の実施形態では、識別可能な標的−プローブ蛍光サインを有する少なくとも1つのチャンネルにおいて、(b)が当てはまる。更に他の実施形態では、識別可能な標的−プローブ蛍光サインを有する少なくとも2つのチャンネルにおいて(a)が当てはまり、且つ識別可能な標的−プローブ蛍光サインを有する少なくとも1つのチャンネルにおいて(b)が当てはまる。
デルタT の範囲及び値
他の実施形態では、本明細書に記載する方法及び組成物のプローブのΔT値は、特定の範囲内である。幾つかの実施形態では、反応混合物中のプローブの少なくとも殆どのΔT値は、5℃〜14℃、6℃〜13℃、又は7℃〜12℃である。他の実施形態では、2つ、又は別の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であるチャンネルにおけるプローブの少なくとも殆どのΔT値は、前記チャンネルをまとめて考えたとき、5℃〜14℃、6℃〜13℃、又は7℃〜12℃である。更に他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルにおけるプローブの少なくとも殆どのΔT値は、前記チャンネルをまとめて考えたとき、5℃〜14℃、6℃〜13℃、又は7℃〜12℃である。この後者の実施形態では、更なる実施形態では、イエロー及びグリーンチャンネルにおけるプローブの少なくとも殆どのΔT値が、7℃〜14℃;又は他の実施形態では8℃〜13℃;又は他の実施形態では9℃〜13℃;又は他の実施形態では8℃〜12℃;又は他の実施形態では9℃〜12℃である。
他の実施形態では、1超の標的配列を検出することが望ましい場合、各所望のハイブリッドのΔT値は、5℃〜14℃である。更に他の実施形態では、1超の標的配列が既知であり、且つ1以上を検出することが望ましいが、他の配列は検出されるのが望ましくない場合、所望のハイブリッドのΔT値は、5℃〜14℃であるが、不所望のハイブリッドのΔT値は、15℃超、又は他の実施形態では18℃超である。このシナリオの他の実施形態では、所望のハイブリッドのΔTM値は、6℃〜13℃であるが、不所望のハイブリッドのΔTM値は、15℃超、又は他の実施形態では18℃超である。このシナリオの更に他の実施形態では、所望のハイブリッドのΔTM値は、7℃〜12℃であるが、不所望のハイブリッドのΔTM値は、15℃超、又は他の実施形態では18℃超である。
更に他の実施形態では、反応混合物中の各プローブについて、ΔT値は、1℃〜17℃;他の実施形態では2℃〜16℃;他の実施形態では3℃〜15℃;他の実施形態では4℃〜14℃;又は他の実施形態では5℃〜14℃である。他の実施形態では、2つ、又は別の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であるチャンネルにおける全てのプローブのΔTM値は、1℃〜17℃;他の実施形態では2℃〜16℃;他の実施形態では3℃〜15℃;他の実施形態では4℃〜14℃;又は他の実施形態では5℃〜14℃である。更に他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルにおける全てのプローブのΔTM値は、1℃〜17℃;他の実施形態では2℃〜16℃;他の実施形態では3℃〜15℃;他の実施形態では4℃〜14℃;又は他の実施形態では5℃〜14℃である。この後者の実施形態では、更に他の実施形態では、イエロー及びグリーンチャンネルにおける全てのプローブのΔTM値が、7℃〜17℃;又は他の実施形態では8℃〜16℃;又は他の実施形態では9℃〜15℃;又は他の実施形態では10℃〜15℃;又は他の実施形態では10℃〜14℃である。
ハイブリッドT の範囲及び値
更に他の実施形態では、検出されることが望ましい配列を有する、又は1超の配列が検出されることが望ましい場合、全ての望ましい配列を有する、本明細書に記載するプローブのハイブリッドT値は、特定の範囲内である。幾つかの実施形態では、反応混合物中のプローブの少なくとも殆どのハイブリッドT値は、58℃〜72℃、他の実施形態では57℃〜73℃、他の実施形態では56℃〜74℃、他の実施形態では58℃〜71℃、他の実施形態では58℃〜70℃、他の実施形態では58℃〜73℃、他の実施形態では58℃〜74℃、他の実施形態では58℃〜75℃、他の実施形態では58℃〜76℃である。他の実施形態では、2つ、又は別の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であるチャンネルにおけるプローブの少なくとも殆どのΔT値は、これらチャンネルをまとめて考えたとき、58℃〜72℃、他の実施形態では57℃〜73℃、他の実施形態では56℃〜74℃、他の実施形態では58℃〜71℃、他の実施形態では58℃〜70℃、他の実施形態では58℃〜69℃である。他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルにおけるプローブの少なくとも殆どのハイブリッドT値は、これらチャンネルをまとめて考えたとき、58℃〜72℃、他の実施形態では57℃〜73℃、他の実施形態では56℃〜74℃、他の実施形態では58℃〜71℃、他の実施形態では58℃〜70℃、他の実施形態では58℃〜69℃である。
更に他の実施形態では、例えば、増幅中に蛍光をモニタリングしない場合、反応混合物中のプローブの少なくとも殆どのハイブリッドT値は、40℃〜72℃、他の実施形態では39℃〜73℃、他の実施形態では41℃〜74℃、他の実施形態では40℃〜71℃、他の実施形態では40℃〜70℃、他の実施形態では40℃〜73℃、他の実施形態では40℃〜74℃、他の実施形態では40℃〜75℃、他の実施形態では40℃〜76℃であってよい。
更に他の実施形態では、反応混合物中の全てのプローブのハイブリッドT値は、56℃〜76℃、他の実施形態では57℃〜75℃、他の実施形態では58℃〜74℃、他の実施形態では57℃〜76℃、他の実施形態では56℃〜75℃である。他の実施形態では、2つ、又は別の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であるチャンネルにおける全てのプローブのハイブリッドT値は、56℃〜76℃、他の実施形態では57℃〜75℃、他の実施形態では58℃〜74℃、他の実施形態では57℃〜76℃、他の実施形態では56℃〜75℃である。他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルにおける全てのプローブのハイブリッドT値は、56℃〜76℃、他の実施形態では57℃〜75℃、他の実施形態では58℃〜74℃、他の実施形態では57℃〜76℃、他の実施形態では56℃〜75℃である。
内部TMの範囲及び値
更に他の実施形態では、検出されることが望ましい配列を有する、又は1超の配列が検出されることが望ましい場合、全ての望ましい配列を有する、本明細書に記載するプローブの内部T値は、特定の範囲内である。幾つかの実施形態では、反応混合物中のプローブのうちの殆ど又は全てについて、内部T値は、65℃〜82℃、他の実施形態では64℃〜83℃、他の実施形態では66℃〜81℃、他の実施形態では67℃〜80℃、他の実施形態では68℃〜79℃、他の実施形態では68℃〜78℃である。他の実施形態では、2つ、又は別の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であるチャンネルにおけるプローブのうちの殆ど又は全てについて、これらチャンネルをまとめて考えたとき、内部Tは、65℃〜82℃、他の実施形態では64℃〜83℃、他の実施形態では66℃〜81℃、他の実施形態では67℃〜80℃、他の実施形態では68℃〜79℃、他の実施形態では68℃〜78℃である。他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルにおけるプローブのうちの殆ど又は全てについて、これらチャンネルをまとめて考えたとき、内部Tは、65℃〜82℃、他の実施形態では64℃〜83℃、他の実施形態では66℃〜81℃、他の実施形態では67℃〜80℃、他の実施形態では68℃〜79℃、他の実施形態では68℃〜78℃である。
更なる実施形態では、反応混合物中の全てのプローブについて、内部Tは、63℃〜86℃、他の実施形態では63℃〜85℃、他の実施形態では64℃〜85℃、他の実施形態では64℃〜84℃である。他の実施形態では、2つ、又は他の実施形態では3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であるチャンネルにおける全てのプローブについて、内部Tは、63℃〜86℃、他の実施形態では63℃〜85℃、他の実施形態では64℃〜85℃、他の実施形態では64℃〜84℃である。他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルにおけるプローブの全てについて、内部Tは、63℃〜86℃、他の実施形態では63℃〜85℃、他の実施形態では64℃〜85℃、他の実施形態では64℃〜84℃である。
特定の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルのそれぞれにおいて、少なくとも3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である。より具体的な実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルのそれぞれにおいて、少なくとも3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であり、イエロー及びグリーンチャンネルも利用されるが、これらチャンネルにおける異なる標的−プローブ蛍光サインを識別しようとする試みることはない。他の実施形態では、例えば、これらチャンネルにおいてプローブが1つしか存在しない場合、又は他の実施形態では、これらチャンネルのうちの1以上が複数のプローブを有するが、そのチャンネルにおいて検出される異なる標的間に医学的な差がない場合、イエロー及びグリーンチャンネルから得られる必要な情報は全て、増幅シグナルから得られる。更に他の実施形態では、オレンジチャンネル、レッドチャンネル、及びクリムゾンチャンネルのそれぞれにおいて、少なくとも3つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であり、イエロー及びグリーンチャンネルのそれぞれにおいて、少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である。
他の成分
更に他の実施形態では、本明細書に記載する反応混合物は、以下のうちの1以上を更に含む:
・ DNAポリメラーゼ(非限定的な実施形態では、taq[サーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)]ポリメラーゼ又はpfu[ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)]ポリメラーゼ等の好熱性ポリメラーゼであってよい);
・ デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP);
・ マグネシウムイオン(幾つかの実施形態では、乾燥PCR混合物とは別個に供給される);
・ 1以上の塩類(非限定的な実施形態では、塩化カリウム[KCl]であってよい);
・ pHバッファ;並びに
・ 以下のうちのいずれか1以上:好熱性RNAse(RNAseH及び好熱性RNAseの少なくともいずれかであってよく、その非限定的な例は、RNAseH2、例えば、ピロコッカス・アビシのリボヌクレアーゼH2エンドヌクレアーゼである)、BSA、及びスクロース。より具体的な実施形態では、RNAseH2酵素は、熱安定性且つ好熱性である。
pHバッファの非限定的な実施形態は、僅かにアルカリ性のpH、例えば、7.5〜9のpHを有するTris−pHバッファである。幾つかの実施形態では、pHは、約8.3である。
本明細書に記載する方法及び組成物の幾つかの実施形態は、RNAseH2酵素(幾つかの実施形態では、好熱性RNaseH2酵素)を用いて活性化されるリボプライマーを利用する。熱安定性RNaseH2酵素及びそれを用いる方法は、当技術分野において周知である(Haruki et al,Gene Cloning and Characterization of Recombinant RNase HII from a Hyperthermophilic Archaeon.Journal of Bacteriology,December 1998,p.6207−6214.)。例示的な非限定的熱安定性RNaseH2酵素は、P.アビシのリボヌクレアーゼH2酵素であり、これは、本明細書における実施例で利用される。P.アビシのRNaseH2は、熱安定性且つ好熱性RNaseH酵素である。RNaseH酵素は、リボヌクレオチドがデオキシリボヌクレオチドに結合している領域に結合する。一旦結合すると、前記酵素は、RNA残基の直ぐ5’側を切断し、その3’のリボヌクレオチド及び塩基を除去して、ポリメラーゼによって伸長され得る3’末端を有する僅かに短いDNAオリゴヌクレオチドを残す。様々な実施形態では、本明細書に記載する方法及び組成物においてリボプライマーと併用されるRNAseH2酵素のホットスタート特性/好熱性は、前記酵素に固有での特性であってもよく、当技術分野において周知である通り、可逆性化学的不活化又はブロッキング抗体の結果であってもよい。
それに代えて又はそれに加えて、リボプライマー及びP.アビシのRNAseH2は、taqポリメラーゼ等のホットスタートポリメラーゼと併用される。より具体的な実施形態では、マグネシウムイオンは、taqポリメラーゼを含有する乾燥PCR混合物の一部として供給されてよい。
方法
他の実施形態では、試験サンプル中の標的ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、(a)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、本明細書に記載する反応混合物を熱サイクルに付す工程と、(b)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(c)少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、(シグナルが存在する場合に限り)存在する蛍光サインを同定する工程とを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、制御加熱又は制御冷却は、段階的に実施されるが、他の実施形態では、漸進的であってもよい。温度をモニタリングし、蛍光を所定の温度で測定する限り、いずれの選択肢も許容可能である。当業者であれば、熱サイクルの工程が、通常、鎖融解、アニーリング、及びプライマー伸長の副工程を含むことを理解するであろう。一般的に、前記工程は、繰り返し実施される。特定の実施形態では、前記工程は、30回〜55回繰り返される。
用語「制御加熱」及び「制御冷却」、又は「制御融解」及び「制御アニーリング」とは、本明細書で使用するとき、所定の漸進的な加熱から冷却へのプロセスを指す。幾つかの実施形態では、以下のパラメータが予め定められる:最低温度及び最高温度(開始温度及び終了温度)、温度変化の増分、温度間の変化速度(任意)、及び各温度における休止時間。特定の実施形態では、加熱又は冷却前に1以上の所定の工程が存在し、前記工程では、温度が一定に保たれる。このようなプログラムの例を以下に記載する。当業者であれば、本開示に鑑みて、制御加熱又は制御冷却の正確なパラメータが、本明細書に記載する方法の実施にとって重要ではないことを認識する。
制御加熱の例
− 60秒間かけて95℃に加熱
− 温度を40℃に低下させ、40℃で90秒間保持
− 1℃ずつ95℃まで加熱し、5秒間停止し、各工程で蛍光を測定。
試験サンプル中のグラム陽性細菌の存在及びGP細菌における抗生物質耐性に関連するポリヌクレオチド配列の存在を検出する方法であって、各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、本明細書に記載する反応混合物を熱サイクルに付す工程を含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、前記方法は、(b)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(c)シグナルが存在し且つ少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを更に含む。幾つかの実施形態では、SAマーカーの存在は、サンプル中のSAの存在を示し、一方、SAマーカーの非存在下における汎用性ブドウ球菌属マーカーの存在は、黄色ブドウ球菌ではないブドウ球菌属の存在を示す。それに代えて又はそれに加えて、汎用性ブドウ球菌属マーカー、肺炎連鎖球菌マーカー、並びにフェシウム菌及びフェカリス菌のマーカーの非存在下における汎用性GP細菌マーカーの存在は、ブドウ球菌属、肺炎連鎖球菌、フェシウム菌、又はフェカリス菌以外のGP細菌の存在を示す。それに代えて又はそれに加えて、抗生物質耐性ポリヌクレオチドが存在すると共に、病原体(例えば、SA、肺炎連鎖球菌、フェシウム菌、又はフェカリス菌)のマーカーポリヌクレオチドが存在する場合、前記病原体及び前記ポリヌクレオチドの両方が存在することを示す。他方、抗生物質耐性ポリヌクレオチドの非存在下における病原体マーカーポリヌクレオチドの存在は、前記ポリヌクレオチドを有しない病原体が存在することを示す。
また、グラム陽性細菌及び/又は真菌の存在、並びにGP細菌における抗生物質耐性に関連するポリヌクレオチド配列の存在の少なくともいずれかを検出する方法であって、各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、本明細書に記載する反応混合物を熱サイクルに付す工程を含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、前記方法は、(b)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(c)シグナルが存在し且つ少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを更に含む。幾つかの実施形態では、SAマーカーの存在は、サンプル中のSAの存在を示し、一方、SAマーカーの非存在下における汎用性ブドウ球菌属マーカーの存在は、黄色ブドウ球菌ではないブドウ球菌属の存在を示す。それに代えて又はそれに加えて、汎用性ブドウ球菌属マーカー、肺炎連鎖球菌マーカー、並びにフェシウム菌及びフェカリス菌のマーカーの非存在下における汎用性GP細菌マーカーの存在は、ブドウ球菌属、肺炎連鎖球菌、フェシウム菌、又はフェカリス菌以外のGP細菌の存在を示す。それに代えて又はそれに加えて、アスペルギルス属又はカンジダ属のマーカーの存在は、それぞれ、アスペルギルス属又はカンジダ属の存在を示すが、一方、アスペルギルス属又はカンジダ属のマーカーの非存在下における汎用性真菌マーカーの存在は、アスペルギルス属又はカンジダ属以外の真菌感染の存在を示す。
他の実施形態では、試験サンプル中のグラム陰性細菌の存在及びGN細菌における抗生物質耐性に関連するポリヌクレオチド配列の存在を検出する方法であって、各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、本明細書に記載する反応混合物をサーモサイクラーでインキュベートする工程を含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、前記方法は、(b)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(c)シグナルが存在し且つ少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを更に含む。幾つかの実施形態では、メタロ−β−ラクタマーゼ配列、セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、サブグループ2beβ−ラクタマーゼ、又はサブグループ2brβ−ラクタマーゼをコードしているポリヌクレオチドの非存在下におけるGN細菌マーカーの存在は、上記β−ラクタマーゼのうちの1つを含まないGN細菌の存在を示す。それに代えて又はそれに加えて、アシネトバクター属マーカーの非存在下における汎用性GN細菌マーカーの存在は、アシネトバクター属以外のGN細菌の存在を示す。
他の実施形態では、敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、(a)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、本明細書に記載するGP細菌反応混合物を熱サイクルに付す工程と、(b)ロジックマトリックスを用いて、前記試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程とを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、前記方法は、(c)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(d)シグナルが存在し且つ少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを更に含み、前記ロジックマトリックスは、工程(a)及び工程(c)〜(d)の少なくともいずれかの結果に適用し得る。
当業者であれば、本明細書に記載する方法及び組成物で用いることができるロジックマトリックスを、実験の詳細の項から得られ得ることを理解するであろう。例えば、抗生物質耐性ポリヌクレオチドが存在すると共に、病原体(例えば、SA、肺炎連鎖球菌、フェシウム菌、又はフェカリス菌)のマーカーポリヌクレオチドが存在する場合、前記ポリヌクレオチドを保有する前記病原体が存在することを示す。他方、抗生物質耐性ポリヌクレオチドの非存在下における病原体マーカーポリヌクレオチドの存在は、前記病原体が前記ポリヌクレオチドを保有していないことを示す。別の例として、メチシリン耐性が陽性であり、汎用性ブドウ球菌属マーカーが陽性であり、且つSAマーカーが陰性である場合、この結果は、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌である。
他の実施形態では、敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、(a)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、本明細書に記載するGN細菌反応混合物を熱サイクルに付す工程と、(b)ロジックマトリックスを用いて、前記試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程とを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、前記方法は、(c)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(d)シグナルが存在し且つ少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを更に含み、前記ロジックマトリックスは、工程(a)及び工程(c)〜(d)の少なくともいずれかの結果に適用し得る。
他の実施形態では、敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、(a)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、本明細書に記載するGP細菌+GN細菌反応混合物を熱サイクルに付す工程と、(b)ロジックマトリックスを用いて、前記試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程とを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、前記方法は、(c)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(d)シグナルが存在し且つ少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを更に含み、前記ロジックマトリックスは、工程(a)及び工程(c)〜(d)の少なくともいずれかの結果に適用し得る。
他の実施形態では、敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、(a)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、本明細書に記載するGP細菌+GN細菌+真菌反応混合物を熱サイクルに付す工程と、(b)ロジックマトリックスを用いて、前記試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程とを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、前記方法は、(c)各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、(d)シグナルが存在し且つ少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する前記蛍光サインを同定する工程とを更に含み、前記ロジックマトリックスは、工程(a)及び工程(c)〜(d)の少なくともいずれかの結果に適用し得る。
更に、敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、
A. サンプル中に存在することが疑われる標的セットを増幅させるプライマーセットの群を含む、単一の反応チューブに存在していてもよく、又は数本の反応チューブに分割されていてもよい反応混合物を用いて、試験サンプルを等温で増幅させる工程であって、前記標的が、グラム陽性細菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチド及び少なくとも1つの抗生物質耐性ポリヌクレオチドを含む工程と、
B. ロジックマトリックスを用いて、前記試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程と
を含む方法を提供する。
特定の実施形態では、上述の反応混合物中にヘリカーゼ酵素も存在する。他の実施形態では、上述のプライマーセットの少なくとも大部分、他の実施形態では全てが、リボプライマーであり、反応混合物は、RNAseH2酵素を更に含む。他の実施形態では、GPマーカーポリヌクレオチドは、SAマーカー、腸球菌属マーカー、及びアルファ溶血性連鎖球菌マーカー(その非限定的な実施形態は、肺炎連鎖球菌マーカーである)のうちの少なくとも1つを含む。それに代えて又はそれに加えて、抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、バンコマイシン耐性ポリヌクレオチド及びメチシリン耐性ポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つを含む。より具体的な実施形態では、GPマーカーポリヌクレオチドは、SAマーカー、フェカリス菌及びフェシウム菌のマーカー、並びに肺炎連鎖球菌マーカーを含み、抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、バンコマイシン耐性ポリヌクレオチド及びメチシリン耐性ポリヌクレオチドを含む。他の実施形態では、GP反応混合物、又は他の実施形態ではGP細菌+真菌反応混合物について本明細書に記載する他の実施形態を前記反応混合物に適用してよい。
更に、敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、
A. サンプル中に存在することが疑われる標的セットを増幅させるプライマーセットの群を含む、単一の反応チューブに存在していてもよく、又は数本の反応チューブに分割されていてもよい反応混合物を用いて、試験サンプルを等温で増幅させる工程であって、前記標的が、グラム陰性細菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチド及び少なくとも1つの抗生物質耐性ポリヌクレオチドを含む工程と、
B. ロジックマトリックスを用いて、前記試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程と
を含む方法を提供する。
特定の実施形態では、上述の反応混合物中にヘリカーゼ酵素も存在する。他の実施形態では、上述のプライマーセットの少なくとも大部分、他の実施形態では全てが、リボプライマーであり、反応混合物は、RNAseH2酵素を更に含む。更に他の実施形態では、GNマーカーポリヌクレオチドは、汎用性GNマーカーポリヌクレオチドである。それに代えて又はそれに加えて、抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、メタロ−β−ラクタマーゼ配列、セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、サブグループ2beβ−ラクタマーゼ、及びサブグループ2brβ−ラクタマーゼのうちの少なくとも1つを含む。より具体的な実施形態では、GNマーカーポリヌクレオチドは、汎用性GNマーカーポリヌクレオチドであり、抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、メタロ−β−ラクタマーゼ配列、セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、サブグループ2beβ−ラクタマーゼ、及びサブグループ2brβ−ラクタマーゼを含む。他の実施形態では、GP反応混合物、又は他の実施形態ではGP細菌+真菌反応混合物について本明細書に記載する他の実施形態を前記反応混合物に適用してよい。
更に他の実施形態では、敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、上述のGP及びGN反応混合物、又は他の実施形態ではGP細菌及びGN細菌+真菌反応混合物を等温で増幅させる工程を含む。
更に他の実施形態では、本明細書に記載する方法で用いられる反応混合物は、以下のうちの1以上を更に含む:
・ DNAポリメラーゼ(非限定的な実施形態では、taqポリメラーゼ又はpfuポリメラーゼ等の好熱性ポリメラーゼであってよい);
・ デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP);
・ マグネシウムイオン;
・ 1以上の塩類(非限定的な実施形態では、塩化カリウム[KCl]であってよい);
・ pHバッファ;並びに
・ 好熱性RNAse(RNAseH及び好熱性RNAseの少なくともいずれかであってよく、その非限定的な実施形態は、RNAseH2、例えば、ピロコッカス・アビシのリボヌクレアーゼH2エンドヌクレアーゼである)、BSA、及びスクロースのうちのいずれか1以上。より具体的な実施形態では、RNAseH2酵素は、熱安定性且つ好熱性である。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載する方法は、サンプルを処理して、前記サンプル中に存在するDNAを精製するか又はDNA中のサンプルを富化する前工程を更に含む。ヒトDNAを含有し、それに加えて病原体DNAを含有することが疑われる臨床サンプル(例えば、血液サンプル又は大便サンプル)の場合、DNAを富化する。より具体的な実施形態では、被験体からサンプルを採取した後の処理工程は、自動化されていてよい。それに代えて又はそれに加えて、前記工程は、高等真核細胞の選択的除去、病原体細胞の溶解、及びサンプルからの非ヌクレオチド分子の選択的除去を含んでもよい。幾つかの実施形態では、他の反応成分とは別個にマグネシウムイオンを添加することが望ましい場合、マグネシウムイオンは、例えば、サンプル調製の最後にサンプルに添加し、次いで、前記サンプルをPCR反応チューブに移してよい。
当業者であれば、本明細書に記載する方法の特定の実施形態において、RotorGene(商標)6000及びRotorGene(商標)Q PCR装置等の装置によって日常的に実施されている通り、熱サイクル工程及び加熱又は冷却工程の少なくともいずれかの間に定期的且つ定量的に蛍光を測定することを理解するであろう。幾つかの実施形態では、増幅の各サイクル後に蛍光を測定する。それに代えて又はそれに加えて、段階的加熱又は冷却の各工程後、又は他の実施形態では、段階的加熱又は冷却の所定の温度で蛍光を測定する。
本明細書に記載する方法の幾つかの実施形態では、ネガティブコントロールのリファレンス標準から著しく逸脱している蛍光がチャンネルにおいて出現した場合、前記チャンネルにおいて検出される少なくとも1つの標的、即ち、対応するプローブが前記チャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも1つの標的が試験サンプル中に存在することを示す。
それに代えて又はそれに加えて、少なくとも2つの異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であるチャンネルから発せられる陽性シグナルの場合、標的が増幅されたことを示すために蛍光サインが用いられる。
更に他の実施形態では、存在する蛍光サインを特定する上述の工程は、以下の副工程を含む:(a)各時点において、反応混合物の蛍光値からテンプレート不含対照の蛍光値を減じる副工程と、(b)副工程(a)で得られる差の時系列パターンとリファレンス標準とを比較する副工程。
本明細書に記載する方法及び組成物の変形例
他の実施形態では、本明細書に記載する方法及び組成物における増幅工程は、実用的な結果を得るのに十分である。したがって、蛍光は、増幅工程中にのみ測定され、最終PCR産物の制御融解又はアニーリングを実施する必要はない。特定のより具体的な実施形態では、プライマーセットは、対称プライマーセットであってよい。更に他の実施形態では、増幅工程は、一部のチャンネルについて実用的な結果を得るのに十分であるが、他のチャンネルでは、制御融解又はアニーリング中に蛍光を測定する。更に他の実施形態では、増幅工程後に第1の読み取り値が得られ、制御融解又はアニーリング工程後に第2の読み取り値が得られる。特定の実施形態では、少なくとも特定の病原体について、第1の読み取り値は、医師がどの抗生物質を患者に投与すべきかを決定するのに十分であり得る。それに代えて又はそれに加えて、第1の読み取り値が不明確である場合、第2の読み取り値は、欠落情報となる。更に他の実施形態では、第2の読み取り値は、第1の読み取り値によって示唆される結果を確認するものである。更に他の実施形態では、第1の読み取り値は、医師がどの抗生物質を投与すべきかを決定するのに十分であるが、一方、第2の読み取り値は、患者が保有している特定のメタロ−β−ラクタマーゼ又は特定のセリン−β−ラクタマーゼ等、疫学者が望む情報を提供する。
本明細書に記載する方法及び組成物の他の実施形態では、SYBR(登録商標)Green等、殆ど又は完全に配列非特異的に結合するDNAインターカレート色素を用いて、PCR産物を検出する。これら実施形態では、リアルタイム蛍光測定を実施してもよく、他の実施形態では、実施しなくてもよい。それに代えて又はそれに加えて、制御融解又はアニーリング工程を実施し、(幾つかの実施形態では、増幅蛍光データと併せて)ハイブリッド蛍光サインを用いて、増幅されたポリヌクレオチドを同定する。
更に他の実施形態では、(例えば、447nmのピーク発光を有するBiosearch Blue(商標)(Biosearch Technologies)で標識されたプローブを用いて)ブルーチャンネルをグリーンチャンネルの代わりに、又は他の実施形態ではイエローチャンネルの代わりに用いる。更に他の実施形態では、グリーンチャンネル及びイエローチャンネルに加えてブルーチャンネルを利用する。
また、サンプル中のグラム陽性細菌を検出する方法であって、血液サンプルが細菌の株又は種のうちの1つ又は混合物を含有し、(a)グラム陽性特異的細菌の株及び種を標的とするプライマーを提供する工程と、(b)前記プライマーを反応混合物と合わせる工程と、(c)前記反応混合物を用いて増幅反応を実施する工程とを含み、増幅産物のロジックマトリックスによって1以上のグラム陽性細菌の存在を同定する方法を本明細書に提供する。サンプルは、様々な実施形態では、ヒト又は動物の全血、血漿、血清、血液銀行、新生児血液、又は分離血液であってもよく、ヒト又は動物の血液培養物であってもよい。幾つかの実施形態では、増幅反応は、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、幾つかの実施形態では、活性化酵素taqポリメラーゼを用いるリアルタイムPCRである。それに代えて又はそれに加えて、RNAseH、例えば、RNaseH2を利用する。
更に他の実施形態では、上述の方法は、例えば、RNAseH2を更に利用する等温増幅反応を用いる。
このアッセイの幾つかの実施形態では、グラム陽性細菌の株又は種は、例えば、標的増幅カットオフによって、又は他の実施形態では増幅曲線アッセイによって、増幅曲線比較によって、融解温度分析によって、若しくは融解温度比較によって、1以上の遺伝的標的を増幅させることにより同定される。かかる決定は、オペレータが手動で行ってもよく、又は他の実施形態では、グラム陽性細菌の株若しくは種を決定するように設計されたコンピュータソフトウェアを含む装置によって実施してもよい。
また、サンプル中のグラム陰性細菌を検出する方法であって、血液サンプルが細菌種のうちの1つ又は混合物を含有し、(a)グラム陰性特異的細菌の株及び種を標的とするプライマーを提供する工程と、(b)前記プライマーを反応混合物と合わせる工程と、(c)前記反応混合物を用いて増幅反応を実施する工程とを含み、増幅産物のロジックマトリックスによって1以上のグラム陰性細菌の存在を同定する方法を本明細書に提供する。サンプルは、様々な実施形態では、ヒト又は動物の全血、血漿、血清、血液銀行、新生児血液、又は分離血液であってもよく、ヒト又は動物の血液培養物であってもよい。幾つかの実施形態では、増幅反応は、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、幾つかの実施形態では、活性化酵素taqポリメラーゼを用いるリアルタイムPCRである。それに代えて又はそれに加えて、RNAseH、例えば、RNaseH2を利用する。
更に他の実施形態では、上述の方法は、例えば、RNAseH2を更に利用する等温増幅反応を用いる。
このアッセイの幾つかの実施形態では、グラム陰性細菌の株又は種は、例えば、標的増幅カットオフによって、又は他の実施形態では増幅曲線アッセイによって、増幅曲線比較によって、融解温度分析によって、若しくは融解温度比較によって、1以上の遺伝的標的を増幅させることにより同定される。かかる決定は、オペレータが手動で行ってもよく、又は他の実施形態では、グラム陰性細菌の株若しくは種を決定するように設計されたコンピュータソフトウェアを含む装置によって実施してもよい。
また、サンプル中のグラム陽性細菌及びグラム陰性細菌を検出するキットであって、グラム陽性特異的細菌の株及び種とグラム陰性特異的細菌の株及び種を標的とする1以上のプライマーを含むキットを提供する。幾つかの実施形態では、前記キットは、全血の場合、細胞を溶解させるための、又は他の実施形態では、分離血液の場合、溶解させるための、又は他の実施形態では、血液培養物中の細胞を溶解させるためのサンプル調製材料を更に含む。他の実施形態では、以下の成分のうちの1以上が含まれる:dNTP、活性化酵素、及びバッファ。
また、血液サンプル中のウイルスを検出するキットであって、ウイルスの株及び種を標的とする1以上のプライマー対を含むキットを提供する。幾つかの実施形態では、前記キットは、全血の場合、細胞を溶解させるための、又は他の実施形態では、分離血液の場合、溶解させるための、又は他の実施形態では、血液培養物中の細胞を溶解させるためのサンプル調製材料を更に含む。他の実施形態では、以下の成分のうちの1以上が含まれる:dNTP、活性化酵素、及びバッファ。
また、血液サンプル中の真菌を検出するキットであって、真菌の株及び種を標的とする1以上のプライマー対を含むキットを提供する。幾つかの実施形態では、前記キットは、全血の場合、細胞を溶解させるための、又は他の実施形態では、分離血液の場合、溶解させるための、又は他の実施形態では、血液培養物中の細胞を溶解させるためのサンプル調製材料を更に含む。他の実施形態では、以下の成分のうちの1以上が含まれる:dNTP、活性化酵素、及びバッファ。
また、サンプル中のウイルスを検出する方法であって、血液サンプルがウイルスの株又は種のうちの1つ又は混合物を含有し、(a)ウイルスの株及び種を標的とするプライマーを提供する工程と、(b)前記プライマーを反応混合物と合わせる工程と、(c)前記反応混合物を用いて増幅反応を実施する工程とを含み、増幅産物のロジックマトリックスによってウイルスの存在を同定する方法を提供する。
また、サンプル中の真菌を検出する方法であって、血液サンプルが真菌の株又は種のうちの1つ又は混合物を含有し、(a)真菌の株及び種を標的とするプライマーを提供する工程と、(b)前記プライマーを反応混合物と合わせる工程と、(c)前記反応混合物を用いて増幅反応を実施する工程とを含み、増幅産物のロジックマトリックスによって1以上の真菌の存在を同定する方法を提供する。
また、サンプル中の抗生物質耐性細菌を検出する方法であって、血液サンプルが細菌の株又は種のうちの1つ又は混合物を含有し、(a)ウイルス株及び種を標的とするプライマーを提供する工程と、(b)前記プライマーを反応混合物と合わせる工程と、(c)前記反応混合物を用いて増幅反応を実施する工程とを含み、増幅産物のロジックマトリックスによって1以上の抗生物質耐性細菌の存在を同定する方法を提供する。特定の実施形態では、前記方法によって、1以上のグラム陽性抗生物質耐性細菌の存在が検出及び同定される。それに代えて又はそれに加えて、1以上のグラム陰性抗生物質耐性細菌の存在が検出及び同定される。
また、サンプル中のグラム陽性細菌、グラム陰性細菌、ウイルス、及び真菌を検出するキットであって、グラム陽性特異的細菌の株及び種、グラム陰性特異的細菌の株及び種、ウイルスの株及び種、並びに真菌の株及び種を標的とする1以上のプライマーを含むキットを提供する。幾つかの実施形態では、前記キットは、全血の場合、細胞を溶解させるための、又は他の実施形態では、分離血液の場合、溶解させるための、又は他の実施形態では、血液培養物中の細胞を溶解させるためのサンプル調製材料を更に含む。他の実施形態では、以下の成分のうちの1以上が含まれる:dNTP、活性化酵素、及びバッファ。
また、サンプル中のウイルス及び真菌を検出するキットであって、ウイルスの株及び種、並びに真菌の株及び種を標的とする1以上のプライマーを含むキットを提供する。幾つかの実施形態では、前記キットは、全血の場合、細胞を溶解させるための、又は他の実施形態では、分離血液の場合、溶解させるための、又は他の実施形態では、血液培養物中の細胞を溶解させるためのサンプル調製材料を更に含む。他の実施形態では、以下の成分のうちの1以上が含まれる:dNTP、活性化酵素、及びバッファ。
例示的な標的病原体及び抗生物質耐性配列
当業者であれば、本開示に鑑みて、本明細書に記載する標的ポリヌクレオチドが、幾つかの実施形態では、以下の分類のうちの1以上に入り得ることを理解するであろう:a.種特異的ポリヌクレオチド;属特異的ポリヌクレオチド;病原性ポリヌクレオチド;抗生物質耐性ポリヌクレオチド;毒性ポリヌクレオチド;及び病原体の種間で保存されている領域を少なくとも有する一般的なポリヌクレオチド。
用語「標的核酸」、「標的ポリヌクレオチド」、「標的ポリヌクレオチド配列」、「標的ポリヌクレオチド分子」、及び「標的遺伝子」は、本明細書では互換的且つ同義的に用いられ、プライマーがハイブリダイズすることを意図するテンプレート核酸鎖におけるヌクレオチド配列を指す。様々な実施形態では、標的配列は、RNA鎖又はDNA鎖を含んでよい。前記用語は、標的遺伝子の一部を指す場合もあり、標的遺伝子全体を指す場合もある。別の実施形態では、本明細書に記載する方法又はキットは、対象種に特徴的な(特異的な)標的遺伝子又はポリヌクレオチド配列を増幅させるためのプライマーを利用する。当業者であれば、プライマー対が内向き方向に配列の両端にハイブリダイズする場合、PCR反応において特定の標的ポリヌクレオチド配列を増幅させ得ることを容易に理解するであろう。特定の実施形態では、遺伝子又はポリヌクレオチド配列は、対象病原体におけるその配列が一般的な微生物の中で特有である任意の遺伝子又はポリヌクレオチド配列であってよい。用語「種特異的遺伝子」及び「種特異的ポリヌクレオチド」は、本明細書において互換的に用いられ、遺伝子であろうと遺伝子間領域であろうと、任意の種特異的配列又はその一部を指す。
本明細書に記載する方法及び組成物の具体的な対象となる抗生物質耐性ポリヌクレオチドとしては、IMP、vim、及びNDM変異体を含むメタロ−β−ラクタマーゼが挙げられる(Woodford N,BE SMART Biomerieux Newsletter,October 2012)。
当業者であれば、本明細書に記載する方法及び組成物を様々な抗生物質耐性細菌の検出に適用することができ、前記方法及び組成物は、例えば、以下のような様々な病原体特異的遺伝子及び抗生物質耐性遺伝子を利用できる(本発明の範囲を命名されている病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドに限定することを意図するものではない)ことを理解するであろう。
特定の実施形態では、本明細書に例示する通り、標的病原体は、黄色ブドウ球菌である。特定の実施形態では、標的病原体は、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium Difficile)、黄色ブドウ球菌、オエルスコビア・ターバタ(Oerskoviaturbata)、溶血性アルカノバクテリア(Aracanobacterium haemolyticum)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、ストレプトコッカス・ガロリチカス(Streptococcus gallolyticus)、ストレプトコッカス・ルテチエンシス(Streptococcus lutetiensis)、バチルス・シルクランス(Bacillus circulans)、パエニバチルス属(Paenibacillus)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、腸球菌属、及びクレブシエラ属(Klebsiella)からなる群より選択される。更に他の実施形態では、標的病原体は、クロストリジウム属(Clostridium)及びエッゲルセラ・レンタ(Eggerthella lenta)に属する細菌からなる群より選択される。
可動遺伝因子と特定の細菌との関係についての試験の1つの具体例は、抗生物質耐性遺伝子を保有する病原性細菌についての試験である。当業者であれば、抗生物質耐性に関連する遺伝子は、カセット若しくはプラスミド上に位置していてもよく、病原体の染色体に組み込まれていてもよいことを理解するであろう。より具体的な実施形態では、標的病原体は、抗生物質耐性細菌である。
本明細書における特定の病原体に「関連し得る」ポリヌクレオチドに対する言及は、前記ポリヌクレオチドが特定の病原体によってのみ保有されている場合、前記ポリヌクレオチドが病原体の特定のファミリーによって保有されている場合、又は前記ポリヌクレオチドが病原体特異的ではない場合を網羅する。
本明細書に記載する方法及び組成物によって検出される抗生物質耐性ポリヌクレオチドは、他の実施形態では、メチシリン、バンコマイシン、リネゾリド、ペニシリンクラスの抗生物質、セファロスポリンクラスの抗生物質、カルバペネムクラスの抗生物質、及びモノバクタムクラスの抗生物質からなる群より選択される1以上の抗生物質に対する耐性を付与する遺伝子である。他の実施形態では、抗生物質耐性遺伝子は、当技術分野において公知の任意の他の抗生物質に対する耐性を付与する遺伝子である。
より具体的な実施形態では、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)及びバンコマイシン耐性腸球菌を含むバンコマイシン耐性細菌が、当技術分野において公知である。抗生物質耐性細菌の他の例は、グラム陰性細菌媒介敗血症に関与している可能性がある抗生物質耐性グラム陰性細菌である。後者の例は、セファロスポリン耐性毒素原性大腸菌に加えて、カルバペネム(例えば、イミペネム及びメロペネム)、ペニシリン(例えば、ピペラシリン、チカルシリン、ピペラシリン/タゾバクタム)、セファロスポリン(例えば、セフタジジム及びセフェピム)、モノバクタム、アミノグリコシド、及びフルオロキノロンに対して耐性である大腸菌及び他のグラム陰性細菌、例えば、サルモネラ菌属(Salmonella)、赤痢菌属(Shigella)、カンピロバクター属(Campylobacteria)、及びエルシニア属(Yersinia)である。
多くの種類の抗生物質耐性と同じく、バンコマイシン耐性は、例えば、vanA(NCBI Gene ID#9715206)、vanB(NCBI Gene ID#2598280、6385877、4670249、及び4783144)、vanB1(NCBI Gene ID#4608418及び10915848)、vanB2(NCBI Gene ID#4607160及び10916198)、vanH(NCBI Gene ID#7072427及び2598279)、及びvanX(NCBI Gene ID#7072423、2598281、及び9988323)を含む機能性van遺伝子を含有するエレメントが細菌ゲノムに挿入されることによって付与され得る。適切なプライマーを用いてvan遺伝子の領域を増幅させることによってバンコマイシン耐性ポリヌクレオチドを検出するために、本明細書に記載する方法を用いることができる。かかるプライマーは、当技術分野において公知の方法にしたがって設計される。1つの例示的な実施形態では、かかるプライマーは、van遺伝子の一部に対して相補的であってよい。別の例示的な実施形態では、かかるプライマーは、van遺伝子領域の外側であるにもかかわらず、van遺伝子領域を増幅させることができるポリヌクレオチド配列に対して相補的であってよい。
また、バンコマイシン耐性は、オエルスコビア・ターバタ、溶血性アルカノバクテリア、ストレプトコッカス・ボビス、ストレプトコッカス・ガロリチカス、ストレプトコッカス・ルテチエンシス、バチルス・シルクランス、パエニバチルス属、ロドコッカス属に加えて、クロストリジウム属及びエッゲルセラ属に属する嫌気性細菌の株においても検出されている。方法は、幾つかの実施形態では、これら株に特異的な遺伝子及び遺伝子座を増幅させることができるプライマーを利用する。より具体的な実施形態では、van遺伝子領域に対するプライマーと共に、少なくとも2つの株特異的遺伝子座に対するプライマーを用いて、サンプル中のバンコマイシン耐性(VR)細菌の存在を検出するため、並びにサンプル中のVR細菌の種及び株の少なくともいずれかを同定するために方法を用いることができる。
本明細書に記載する方法及び組成物は、他の実施形態では、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)、大腸菌、シュードモナス・オリジハビタンス(Pseudomonas oryzihabitans)、肺炎桿菌、ボイド赤痢菌(Shigellaboydii)、ストネラインドロゲネス(Sutonellaindologenes)、エロモナス・キャビエ(Aeromonascaviae)、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonasmaltophilia)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacterfreundii)、アクロモバクター属種(Achromobacterspp)、キンゲラ・デニトリフィカンス(Kingelladenitrificans)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiellaoxytoca)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacterbaumannii)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、エンテロバクターアエロゲネス(Enterobacteraerogenes)、モルガン菌(Morganellamorganii)、及びプロビデンシア・スチュアルティイ(Providenciastuartii)が挙げられるが、これらに限定されないニューデリーメタロ−β−ラクタマーゼ遺伝子(NDM−1;NCBI Gene ID:11933791)を保有する細菌を検出するために用いることができる。
特定の実施形態では、本明細書に記載する方法及び組成物における種特異的ポリヌクレオチド配列の1つとして、架橋領域ポリヌクレオチド配列を用いてよい。用語「架橋領域」とは、本明細書で使用するとき、可動遺伝因子が細菌のゲノムに組み込まれた(即ち、挿入された)ときに形成される領域を指す。この用語を特定のプライマーセットに関連して用いたとき、標的可動遺伝因子が標的細菌のゲノムに組み込まれたときにのみ、前記プライマーセットによって増幅され得る領域を指す。多くの場合、架橋領域を増幅させるために用いられるプライマーセットは、組み込み部位近傍の細菌ゲノムの配列を認識するフォワードプライマーと、可動遺伝因子の配列を認識するリバースプライマーとを含む(逆もまた同様である)。利用することができる架橋領域の例示的な非限定例は、SCCmec:orfXである。架橋領域は、当技術分野において周知であり、特に、Cuny and Witte(PCR for the identification of methicillin−resistant Staphylococcus aureus(MRSA)strains using a single primer pair specific for SCCmec elements and the neighboring chromosome−borne orfX.Clin Microbiol Infect.2005;11(10):834−7)に記載されている。
架橋領域の他の例は、van配列領域と、種及び株の少なくともいずれかに特異的な細菌ゲノムの領域とを含む。例示的な架橋領域ポリヌクレオチド配列については、Launay et al.,(2006)Antimicrob.Agents and Chemother.50(3):1054−62及び米国特許第8,017,337号明細書の図1に配列番号25〜38として記載されている配列を参照されたい。
例示的な標的セット
GP+真菌チューブ及びGNチューブの標的の非限定的な実施形態を、それぞれ、表11〜12及び表13〜14に示す。当業者であれば、本開示に鑑みて、アッセイの全体的な有効性に悪影響を及ぼすことなしに、特定の標的を追加したり、除去したり、又は他のチューブに移動させたりしてもよいことを理解するであろう。例えば、emm標的をGP+真菌チューブから除去してもよい。それに代えて又はそれに加えて、oprI標的及びIMPプライマーの一部又は全ての少なくともいずれかをGNチューブから除去してもよい。
本明細書に記載する方法及び組成物によって検出することができる抗生物質耐性病原体の更なる例を以下の表15に記載する。
qPCR及び他のサイクル閾値増幅反応アッセイ
記載する方法及び組成物は、サイクル閾値アッセイを用いる細菌及び抗生物質耐性遺伝子の検出及び分析に関する。一般に、サイクル閾値アッセイは、他の同時に増幅された断片と関連して特定の増幅産物が出現するサイクルが、サンプル中に存在する細菌の株及び種に関する情報を提供することができる多サイクル増幅反応を利用する。更に、サイクル閾値アッセイは、メチシリン耐性細菌株等であるが、これらに限定されない特定の抗生物質耐性株の存在に関する情報を提供することができる。サイクル閾値アッセイは、リアルタイムPCRに関して主に本明細書に記載されているが、等温増幅反応(その非限定的な例は、ヘリカーゼ介在増幅反応及びループ介在等温増幅[LAMP]である)を含む他のテンプレートベース増幅反応を、当技術分野において公知の方法及び本明細書に更に記載する方法で用いるために適応させ得ることが理解される。利用することができる他の種類の増幅反応としては、例えば、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自家持続配列複製(3SR)、鎖置換増幅(SDA)、及び分岐DNAシグナル増幅(bDNA)が挙げられる。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載するアッセイにおいて増幅法としてPCRが用いられる。PCRは、相補的核酸鎖にハイブリダイズし、且つ標的DNAにおける増幅される領域に隣接する2つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、特定のDNA配列を酵素合成するためのin vitro技術である。(1)テンプレートの変性、(2)プライマーのアニーリング、及び(3)DNAポリメラーゼによるアニーリングしたプライマーの伸長を含む一連の反応工程により、プライマーの5’末端によって末端が画定される特定の断片が指数関数的に蓄積される。用語「PCR」とは、本明細書で使用するとき、リアルタイムPCR、定量PCR、マルチプレックスPCR、逆転写PCR等が挙げられるが、これらに限定されない反応の派生形態を包含する。
「リアルタイムPCR」とは、反応が進行しているときに反応産物、即ち、アンプリコンの量をモニタリングするPCR法である。主に反応産物をモニタリングするために用いられる検出ケミストリーが異なる多くの形態のリアルタイムPCRが存在する。例えば、Gelfand等による米国特許第5,210,015号明細書(「TaqMan(登録商標)」)、Wittwer等による米国特許第6,174,670号明細書及び同第6,569,627号明細書(SYBER(登録商標)Green等のインターカレート色素)、Tyagi等による米国特許第5,925,517号明細書(モレキュラービーコン)等である。これらは全て、特にそのリアルタイムPCRに関する教示について、参照により全文が本明細書に援用される。他の例示的な検出ケミストリーとしては、Scorpionプライマー、Sunriseプライマー、及びEclipseプローブが挙げられるが、これらに限定されない。リアルタイムPCR用の検出ケミストリーは、Mackay et al,(2002)Nucleic Acids Research,30:1292−1305に概説されており、これも、特にそのリアルタイムPCR用の様々な検出ケミストリーに関する開示について、参照により全文が本明細書に援用される。
本明細書に記載する方法は、定量(「リアルタイム」)又は非定量の任意の種類のPCR反応で使用することを意図する。「定量PCR」又は「qPCR」は、サンプル又は試料中の1以上の特定の標的配列の量を測定するために設計されたPCRを指す。定量PCRは、かかる標的配列の絶対定量及び比較定量の両方を含む。定量測定は、標的配列とは別個にアッセイしてもよく、標的配列と共にアッセイしてもよい1以上のリファレンス配列を用いて行う。リファレンス配列は、サンプル又は試料に対して内因性であっても外因性であってもよく、後者の場合、1以上の競合テンプレートを含んでよい。典型的な内因性リファレンス配列としては、以下の遺伝子の転写産物のセグメントが挙げられる:β−アクチン、GAPDH、β2マイクログロブリン、リボソームRNA等。定量PCRの技術は、当業者に周知であり、以下の参照文献に例示されている:Freeman et al,(1999)Biotechniques,26:112−126;Becker−Andre et al,(1989)Nucleic Acids Research,17:9437−9447;Zimmerman et al.,(1996)Biotechniques,21:268−279;Diviacco et al,(1992)Gene,122:3013−3020;米国特許第6664080号明細書(Klaus Pfeffer)、「TaqManTM−PCR for the detection of pathogenic E.coli strains」;Paitan(同上);米国特許第6329138号明細書(Hans De Beenhouwer等)、「Method for detection of the antibiotic resistance spectrum of mycobacterium species」;米国特許第7045291号(Nancy Hanson等)、「Multiplex PCR for the detection of AmpC beta−lactamase genes」;米国特許第5994066号明細書及び同第6001564明細書(Bergeron等、Creighton Universityに譲渡);並びに国際公開第1996/008582号パンフレット及び米国特許出願公開第2004/0185478号明細書(いずれもBergeron等)。これら特許及び刊行物は、それぞれ、参照により本明細書に援用される。
プライマー
一般に、本明細書に記載する方法で用いる増幅法は、反応の各サイクルにおいてテンプレートの増幅の開始点としてプライマーを利用する。かかる反応では、テンプレート(本明細書では「標的」とも呼ばれる)ポリヌクレオチドにおける相補的部位にプライマーをアニーリングさせ、次いで、DNAポリメラーゼ等の酵素を用いて、テンプレートポリヌクレオチドの配列に沿ってプライマーを伸長させる。理解される通り、本明細書に記載するアッセイは、自然界に存在するDNA及びRNAヌクレオチドの少なくともいずれかのみを含むプライマー、自然界には存在しないヌクレオチドを含有するプライマー、本明細書に記載するもの及び当業者に公知のもの等の改変を含むプライマー、改変と自然界には存在しないヌクレオチドと自然界に存在するヌクレオチドとの組合せを含むプライマー、及びこれらの任意の組合せを含むプライマーの混合物を利用してもよい。
プライマーは、通常、約5ヌクレオチド〜約50ヌクレオチド、約10ヌクレオチド〜約40ヌクレオチド、約12ヌクレオチド〜約30ヌクレオチド、及び約20ヌクレオチド〜約25ヌクレオチドの長さを有する。プライマーの長さは、通常、プライマーが、最適な選択性で所望のアニーリング温度にて標的ポリヌクレオチド配列に結合するように選択される。
一般に、プライマーは、「フォワード」プライマー及び「リバース」プライマーを含む対として、これらプライマーと相補的なテンプレートポリヌクレオチドの領域間に存在する対象増幅標的と共に用いられる。適切なPCRプライマーセットの設計及び選択は、当業者に周知のプロセスである。特定のプライマー対を選択するための自動化された方法も当業者に周知である。例えば、米国特許出願公開第2003/0068625号明細書を参照。1つの実施形態では、アンプリコンにおける2つのプライマー間の距離が、少なくとも5塩基対(bp)になるように、増幅プライマーセットを選択してよい。他の実施形態では、前記距離が約5bp〜約50bp、約10bp〜約40bp、及び約20bp〜約30bpになるようにプライマーを選択する。1つの実施形態では、リアルタイムPCR法から得られるアンプリコンは、約50bp〜約400bp、約75bp〜約300bp、約100bp〜約200bp、及び約180bp〜約400bpである。ある実施形態では、アンプリコンは、200bpを超えない。特定の標的配列「用」、「に対する」、又は「を増幅させることができる」と記載されているプライマーは、標的配列をPCR反応で増幅させることができるように、3’末端が内向きの状態で標的配列の末端に対して相補的である。
幾つかの実施形態では、米国特許第6,001,611号明細書;米国特許第6,482,590号明細書;米国特許第6,794,142号明細書;米国特許出願公開第2007/0128621号明細書;米国特許出願公開第2007/0281308号明細書;米国特許出願公開第2003/0119150号明細書;米国特許出願公開第2003/0162199号明細書;米国特許出願公開第2009/0325169号明細書;米国特許出願公開第2010/0167353号明細書;国際公開第2009/004630号パンフレット;及び国際出願第PCT/IB2010/054613号(これらは、特に改変プライマーに関する全教示について、参照により全文が本明細書に援用される)に記載されているもの等、非特異的ハイブリダイゼーションを低減するために、用いられるプライマーを改変する。
用語「DNA塩基」、「RNA塩基」、「ヌクレオチド」、「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド残基」及び「ヌクレオシド残基」は、本明細書で使用するとき、PCR反応において用いるのに好適なプライマーの成分として機能することができるデオキシリボヌクレオチド残基、リボヌクレオチド残基、又は他の類似のヌクレオシドアナログを指す。かかるヌクレオシド及びその誘導体は、特に指定する場合を除いて、本明細書に記載するプライマーの基本単位として用いられる。本願では、必要に応じて、デオキシグアニン、デオキシシトシン、デオキシチミジン、又はデオキシアデニンとしてDNAポリメラーゼによって認識されるのを化学修飾が妨げない限り、例えば、PCRにおけるその安定性又は有用性を強化するために化学的に修飾されているヌクレオシド誘導体又は塩基の利用を排除するものではない。
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法及び組成物と併せて実施されるPCR増幅において用いられるプライマーの一部又は全ては、リボプライマーである。リボプライマーは、特に、米国特許出願公開第2009/0325169号明細書及び同第2010/0167353明細書(いずれもIntegrated DNA Technologies Inc.(IDT)に譲渡)「RNase H−Based Assays Utilizing Modified RNA Monomers」、並びに米国特許出願公開第2011/0086354号明細書「Methods and Compositions for Multiplex PCR Amplifications」(Tzubery、Tzvi等)に記載されている。
特定の実施形態では、用いられるプライマーは、増幅混合物中に存在する活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含む。理解される通り、本明細書に記載するアッセイは、自然界に存在するヌクレオチドのみを含むプライマー、自然界には存在しないヌクレオチドを含有するプライマー、本明細書に記載するもの及び当業者に公知のもの等の改変を含むプライマー、改変と自然界には存在しないヌクレオチドと自然界に存在するヌクレオチドとの組合せを含むプライマー、及びこれらの任意の組合せを含むプライマーの混合物を利用してよい。
プローブ
言及したプライマーは、検出可能に標識されていてもよく、他の実施形態では、検出可能に標識されていなくてもよい。1つの態様では、増幅反応産物は、標識されたプライマーを用いて検出される。別の態様では、かかる産物は、テンプレート核酸の特定の領域に対するプローブを用いて検出される。更に別の態様では、アッセイは、モレキュラービーコンベースアッセイである。モレキュラービーコンは、ホモジニアスな溶液において特定の核酸が存在することを知らせるヘアピン形状のオリゴヌクレオチドプローブである。モレキュラービーコンがその標的に結合すると、内部でクエンチされているフルオロフォアの蛍光を回復させる立体構造の再構築が生じる(Tyagi et al.,(1998)Nature Biotechnology.16:49)。
用語「プローブ」とは、本明細書で使用するとき、一般に検出可能に標識されており且つハイブリダイゼーションによって相補的核酸配列を同定するために用いられる、天然又は合成のオリゴヌクレオチドを指す。プライマー及びプローブは、同一の配列を有していてもよく、異なる配列を有していてもよい。「リアルタイムPCRに好適なプローブ」とは、参照により本明細書に援用される米国特許第5,925,517号明細書、同第6,037,130号明細書、同第6,103,476号明細書、同第6,150,097号明細書、同第6,461,817号明細書、及び同第7,385,043号明細書に記載されているものを含む、標的配列の存在下でリアルタイムに検出可能なシグナルを発する任意のプローブを指す。
別の実施形態では、プローブは、本明細書における実施例で利用される通り、二重修飾オリゴヌクレオチドである。二重修飾オリゴヌクレオチドは、当技術分野において周知であり、特に、国際公開第2008/063194号パンフレット、米国特許出願公開第2009/0068643号、米国特許出願公開第2009/0325169号、及び米国特許出願公開第2010/0167353号に記載されている。これらとしては、TaqMan(登録商標)プローブ、Eclipse(商標)、及びモレキュラービーコンが挙げられるが、これらに限定されない。好適なプローブの例示的な非限定的種類は、モレキュラービーコンである。モレキュラービーコンの使用は、当技術分野において周知であり、特に、Tyagi S and Kramer FR(1996)Molecular beacons:probes that fluoresce upon hybridization.Nat Biotechnol 14,303−308に記載されている。モレキュラービーコン及びリアルタイムPCRに好適な他のプローブは、通常、5’末端に蛍光レポーター分子を含み、3’末端にクエンチャー分子を含む。広範囲に亘るフルオロフォアの基のいずれか1つで修飾されているプローブは、市販されており、Integrated DNA Technologies,Inc.(Coralville,IA)、Eurogentec North America Inc.(San Diego,CA)、及びBiosearch Technologies Inc.(Novato,CA)等の供給元の製品カタログに記載されている。非限定的な例としては、FAM、HEX、TET、ROX、Texas Red、Cy 5、TYE 665、TYE 563、Quasarカルボン酸、及びQuasar活性エステルが挙げられる。当業者に周知である通り、適切なクエンチャー分子の選択は、プローブのフルオロフォアの蛍光発光によって決定され、例えば、Black Hole Quencher−1、Black Hole Quencher−2、Black Hole Quencher−3、Iowa Black FQ、Iowa Black RQ−Sp、Dabcyl、Deep Dark Quencher I、Deep Dark Quencher II、及びDeep Dark Quencher IIIが挙げられるが、これらに限定されない。
それに代えて又はそれに加えて、制御融解については、例えばLuo等に記載されている通り、5−3ヌクレアーゼ活性を有しないTaqポリメラーゼ等、標的を標識する際にTaqmanプローブを分解しないように改変されているTaqmanポリメラーゼと共に、(モレキュラービーコンの代わりに)Taqmanプローブが用いられる。
更に他の実施形態では、Taqmanプローブは、当業者に公知である通り、また、特にHolland,PM et al(1991),“Detection of specific polymerase chain reaction product by utilizing the 5’−−−−3’ exonuclease activity of Thermus aquaticus DNA polymerase”.PNAS USA 88(16):7276−7280に記載されている通り用いられ、幾つかの実施形態では、Taqポリメラーゼと併用される。
他の実施形態では、プローブは、当技術分野において公知である任意の他の種類のプローブである。当業者であれば、本明細書に提供されている開示に鑑みて、本明細書に記載されている増幅反応において明らかに性能に影響を与えることなしに様々な種類のプローブを利用できること、及び様々なフルオロフォアとクエンチャーとの任意の組合せを、反応混合物における各プローブのために容易に用い得ることを理解するであろう。それぞれの可能性については、別個の実施形態であるとみなしてよい。
試験サンプル中の対象標的配列を検出する方法
幾つかの実施形態では、本明細書に記載する方法及び組成物は、試験サンプルから核酸を増幅させる。当業者であれば、インタクトな細胞を含有する試験サンプルは、通常、PCR反応を実施する前に溶解処理に付されることを理解するであろう。特定の実施形態では、サンプル溶解物は、増幅反応前に核酸精製手順には付されない。他の実施形態では、サンプル溶解物を、粗核酸精製手順に付してもよいが、広範囲に及ぶものではない。特定の実施形態では、本明細書に記載する方法は、精製されていない核酸サンプルの増幅において直面する問題点を克服する。血液サンプルから病原体DNAを調製する方法は、収率50%のものが当技術分野において公知であり、市販されている(例えば、MolYsis Basic10キット(Molzym,Bremen,Germany))。
試験サンプル
用語「試験サンプル」とは、本明細書で使用するとき、標的配列を含有することが疑われる任意のヌクレオチド含有サンプル、例えば、対象病原体又は対象ヒト若しくは動物のDNAマーカーを含有することが疑われるサンプルを指す。特定の実施形態では、試験サンプルは、哺乳類由来の臨床試料である。特定の他の実施形態では、試験サンプルは、ヒト由来の臨床試料である。より具体的な実施形態では、試験サンプルは、ヒト由来の血液サンプルであってよい。他の実施形態では、試験サンプルは、ヒト由来の血液サンプルのDNA抽出物、又は他の実施形態では、ヒト由来の血液サンプルの細菌DNA抽出物である。用語「臨床試料」とは、本明細書で使用するとき、哺乳類由来の体液、組織、又は任意の種類のバイオプシーを処理することによって得られる試料を指す。
特定の実施形態では、臨床試料は、体液である。別の実施形態では、臨床試料は、鼻腔液である。別の実施形態では、臨床試料は、鼻腔拭い標本である。別の実施形態では、臨床試料は、腋窩拭い標本である。別の実施形態では、臨床試料は、鼠径部拭い標本、特定の実施形態では、膣拭い標本又は会陰部拭い標本である。別の実施形態では、臨床試料は、全血である。別の実施形態では、臨床試料は、血清である。別の実施形態では、臨床試料は、血漿である。別の実施形態では、臨床試料は、脳脊髄液である。別の実施形態では、臨床試料は、尿である。別の実施形態では、臨床試料は、リンパ液である。別の実施形態では、臨床試料は、涙液である。別の実施形態では、臨床試料は、唾液である。別の実施形態では、臨床試料は、被験体の乳である。別の実施形態では、臨床試料は、羊水である。別の実施形態では、臨床試料は、呼吸器の外分泌物である。別の実施形態では、臨床試料は、腸管の外分泌物である。別の実施形態では、臨床試料は、泌尿生殖路の外分泌物である。別の実施形態では、臨床試料は、対象標的配列について試験する必要のある被験体の鼻腔液、膣分泌物、全血、血清、血漿、脳脊髄液、尿、リンパ液、涙液、唾液、乳、羊水、及び呼吸器、腸管、又は泌尿生殖路の外分泌物からなる群より選択される。各可能性は、別個の実施形態であるとみなしてよい。
別の実施形態では、臨床試料は、被験体のバイオプシー由来の組織である。通常、前記組織を(例えば、ホモジナイゼーションにより)適切に処理して、PCR増幅用の基質にする。特定の実施形態では、組織は、白血球である。特定の実施形態では、組織は、悪性組織である。特定の実施形態では、組織は、絨毛膜絨毛である。特定の実施形態では、組織は、白血球、悪性組織、及び絨毛膜絨毛からなる群より選択される。特定の実施形態では、組織は、白血球、悪性組織、及び絨毛膜絨毛からなる群より選択される細胞種を含む。特定の実施形態では、組織は、白血球、悪性組織、及び絨毛膜絨毛からなる群より選択される細胞種から本質的になる。各可能性は、別個の実施形態であるとみなしてよい。他の実施形態では、以下のサンプルの種類のうちの1種を用いて、対応する疾患を診断する:
当業者であれば、臨床、環境、衛生、又は獣医学的用途で使用するためのサンプルを、本明細書に記載する方法、組成物、及びキットに従って用い得ることを理解するであろう。
キット
別の実施形態では、例えば、臨床試料において特定の標的配列を増幅させるための、本明細書に記載するPCR反応混合物及びその使用説明書を含むキットを提供する。別の実施形態では、キットは、試験サンプル中の病原体を検出するために用いられ、検出のための説明書を含む。
他の実施形態では、本明細書に記載するキットは、リアルタイム増幅アッセイにおいて使用するための反応混合物を含む。かかる反応混合物は、1以上の容器(例えば、PCR装置で使用するためのチューブ)において反応を実施するための成分を全て含有する安定化混合物であってよい。例示的な実施形態では、かかる安定化反応混合物は、プライマーと蛍光標識されたプローブとを含む。更なる実施形態では、かかる混合物は、室温で保存可能であるように安定化される。
他の態様は、試験サンプル中のグラム陽性細菌の存在、及びGP細菌における抗生物質耐性に関連するポリヌクレオチド配列の存在を検出するためのキットであって、(a)本明細書に記載するGP反応混合物と、(b)DNAポリメラーゼ酵素と、(c)デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)とを含むキットを提供する。特定の好ましい実施形態では、キットは、マグネシウムも含む。幾つかの実施形態では、マグネシウムイオンは、他の成分とは別個に提供される。それに代えて又はそれに加えて、キットのプライマーセットは、非対称であり、プローブは、配列特異的に過剰産物にハイブリダイズするように設計される。本明細書に記載する反応混合物の各実施形態(例えば、GP混合物、GN混合物、真菌混合物、GP+真菌混合物、GN+真菌混合物、及びGP+GN混合物)及びその構成要素は、このキットに関して別個の実施形態であるとみなすべきである。
他の態様は、グラム陽性細菌及び真菌の少なくともいずれかの存在、並びに/又はGP細菌における抗生物質耐性に関連するポリヌクレオチド配列の存在を検出するためのキットであって、(a)本明細書に記載するGP+真菌反応混合物と、(b)DNAポリメラーゼ酵素と、(c)デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)と、(d)マグネシウムとを含むキットを提供する。特定の好ましい実施形態では、キットは、リアルタイムPCRに好適なプローブも含む。それに代えて又はそれに加えて、キットのプライマーセットは、非対称であり、プローブは、配列特異的に過剰産物にハイブリダイズするように設計される。本明細書に記載する反応混合物の各実施形態及びその構成要素は、このキットに関して別個の実施形態であるとみなすべきである。
他の態様は、試験サンプル中におけるグラム陰性細菌の存在、及びGN細菌における抗生物質耐性に関連するポリヌクレオチド配列の存在を検出するためのキットであって、(a)本明細書に記載するGN反応混合物と、(b)DNAポリメラーゼ酵素と、(c)デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)と、(d)マグネシウムとを含むキットを提供する。特定の好ましい実施形態では、キットは、リアルタイムPCRに好適なプローブも含む。それに代えて又はそれに加えて、キットのプライマーセットは、非対称であり、プローブは、配列特異的に過剰産物にハイブリダイズするように設計される。本明細書に記載する反応混合物の各実施形態及びその構成要素は、このキットに関して別個の実施形態であるとみなすべきである。
他の態様は、敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定するためのキットであって、(a)本明細書に記載するGP反応混合物,又は他の実施形態では、本明細書に記載するGP+真菌反応混合物と、(b)本明細書に記載するGN反応混合物と、(c)DNAポリメラーゼ酵素と、(d)デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)と、(e)マグネシウムとを含むキットを提供する。特定の好ましい実施形態では、キットは、リアルタイムPCRに好適なプローブも含む。それに代えて又はそれに加えて、キットのプライマーセットは、非対称であり、プローブは、配列特異的に過剰産物にハイブリダイズするように設計される。本明細書に記載する反応混合物の各実施形態及びその構成要素は、このキットに関して別個の実施形態であるとみなすべきである。
当業者であれば、本開示に鑑みて、幾つかの実施形態では、本明細書に記載するキットが、(a)PCR試薬と、(b)この開示から導かれる1以上のロジックマトリックスに従って蛍光データを解析するようにコンピュータに指示することができるソフトウェアとを含むことを理解するであろう。特定の実施形態では、プログラムは、キットの箱内にCD等のデジタルメディアとして物理的に存在する。他の実施形態では、プログラムは、キットの供給元のウェブサイト等の特定の場所からソフトウェアプログラムをダウンロードするようにキットのユーザに指示するキットユーザマニュアルにおいて説明書の形態でキットの一部として提供される。更に他の実施形態では、プログラムは、USBドライブ等のデータ保存デバイスで提供される特定のソフトウェアプログラムを使用するようにキットのユーザに指示するキットユーザマニュアルの形態でキットの一部として提供される。
他の実施形態では、上述のソフトウェアをコンピュータにロードする。通常、このコンピュータは、蛍光読み取り装置と連動し、それからデータを入力する。幾つかの実施形態では、コンピュータは、エンドユーザに属するが、他の実施形態では、コンピュータ又はプロセッサが、キットの一部として提供される。好ましい実施形態では、ソフトウェアは、(a)蛍光読み取り装置から得られたデータを含むファイルにアクセスし、(b)これらデータを解析するようにコンピュータに指示する。
したがって、当業者であれば、本開示に鑑みて、例えば、水、試験管、サーモサイクラー、及びコンピュータ又はコンピュータシステム等、キットの一部として又はユーザによって提供され得る他の試薬及び設備と共に、本明細書に記載するキットの一部として提供されるPCR試薬及びソフトウェアにより、研究者若しくはテクニシャン、又は自動サンプルプロセッサが本明細書に記載する方法を実行するのが可能になること理解するであろう。前記他の試薬及び設備と共に動作するPCR試薬及びソフトウェアは、幾つかの実施形態では、抗生物質耐性遺伝子を保有している可能性のある標的病原体を含有することが疑われるサンプルの解析を実行する。
更に他の実施形態では、本明細書に記載するキットは、細菌に特徴的な更なるポリヌクレオチド配列の少なくとも一部を増幅させるためのプライマーセットを更に含む。より具体的な実施形態では、更なるポリヌクレオチド配列は、標的可動遺伝因子の標的細菌への組み込みに関連している。
他の実施形態では、本明細書に記載する方法及び組成物において用いられる二価カチオンは、反応混合物の他の成分とは別個に保存及び/又は提供され、テンプレートを添加するまで添加せずにおいてよい。他の実施形態では、二価カチオンは、反応混合物の他の成分と共に提供される。
低水分PCR反応混合物
本明細書に提供する開示に鑑みて、当業者であれば、本明細書に記載する方法及び組成物が、通常のPCR反応混合物、及び低水分PCR反応混合物等であるがこれに限定されない保存安定性PCR反応混合物に適合することを理解するであろう。本明細書における実施例で利用される反応混合物を処理して、水分を低減し、使用するまで室温で保存した。しかし、通常のPCR反応混合物と全く同一ではないにしても、非常に類似する結果を得ることができる。したがって、1つの実施形態では、本明細書に記載するPCR反応混合物は、低水分PCR反応混合物である。別の実施形態では、本明細書に記載するPCR反応混合物は、通常の反応混合物である。別の実施形態では、本明細書に記載するPCR反応混合物は、当技術分野において公知である任意の種類の反応混合物である。各可能性は、別個の実施形態であるとみなしてよい。
周囲温度安定化低水分PCR反応混合物は、同時係属中の米国特許出願公開第2008/0050737号明細書に更に記載されている。かかる混合物は、DNAポリメラーゼ及びdNTPの少なくともいずれかを含有し、また、少なくとも1つの安定化剤も含有するバッファ化合物を含有する低水分溶液によって調製され、25℃〜100℃、通常約55℃の温度で保存される。安定化剤は、特に、糖及びタンパク質、例えば、スクロース及びBSAの少なくともいずれかであってよい。通常、1%〜20%のスクロースと0.5mg/mL〜3mg/mLのBSAとが含まれる。別の実施形態では、当技術分野において公知である任意の他の種類の低水分PCR混合物が利用される。別の実施形態では、当技術分野において公知である任意の他の種類の周囲温度安定化PCR混合物が利用される。各可能性は、別個の実施形態であるとみなしてよい。
他の実施形態では、反応混合物を凍結乾燥させて、その保存寿命を延長する。
次に、上記記載と共に以下の実施例を参照して、非限定的に本発明の特定の実施形態について説明する。実施例は、本明細書に記載するマルチプレックス反応の多くの態様を改善するために繰り返し実施された多くの研究を代表するものである。
序論
本明細書に記載する研究は、敗血症を引き起こし得る様々な病原体の存在、及び様々な一般的な抗生物質耐性遺伝子の存在を区別するための血液サンプルのDNA抽出物のPCRアッセイの能力を改善するために実施した。目的は、培養に数日間かかる至適基準診断法とは対照的に、数時間以内に実用的な結果、即ち、推奨抗生物質レジメンを提供することであった。
敗血症患者は、血液1ミリリットル(mL)当たり僅か1コピーの病原体DNAしか有し得ない。通常採取される血液は僅か10mLであり、病原体DNAの少なくとも50%は精製中に失われ得るので、可能な限り少ないチューブにサンプルを分割することが重要である。これら検討事項から、各チューブから12個〜15個の解答が得られる(各「解答」とは、特定のヌクレオチド配列の有無を指す)2チューブアッセイが開発された。2本のチューブは、以下の表1〜2に示す通り、実施例全体を通して、「グラム陽性」(又は「GP」)チューブ及び「グラム陰性」(又は「GN」)チューブと呼ばれる。(これら名称は、チューブ内の全てのプライマーと正確に一致しなくてもよい。例えば、この実施形態のGPチューブは、真菌標的を含み、この実施形態のGNチューブは、GP細菌の汎用性マーカーを含む。)
材料及び実験方法−概略
qPCRアッセイ
リボプライマー(米国特許出願公開第2009/0325169号明細書及び同第2010/0167353号明細書)を用い、過剰プライマー及び制限プライマーが、それぞれ、1μM及び0.1μMの濃度で各セットに存在する非対称増幅を用いてqPCRを実施した。
実験設定
RotorGene(商標)6000 RotorGene(商標)Q PCR装置(Qiagen)を用いて増幅及び検出反応を実行した。以下の標準的なqPCRプロトコールを用いた:
1.95℃で3分間、DNAを変性させる。
2.それぞれ以下の3段階からなる50増幅サイクル:(a)95℃で15秒間;(b)56℃で50秒間;(c)72℃で20秒間(工程(b)の最後に、5つの蛍光色素のそれぞれについて読み取りを行った)。
増幅に続いて、以下の通り制御融解を行った:95℃で60秒間、40℃で90秒間、次いで、5秒間当たり1℃の速度で95℃まで加熱。各温度における5秒間のインキュベーションの最後に5チャンネルについて読み取りを行った。
制御融解
サンプルを95℃で60秒間加熱し、次いで、温度を40℃まで低下させ、40℃で90秒間保持した。次いで、サンプルを1℃ずつ95℃まで加熱し、5秒間停止させ、各工程で蛍光を測定した。
内部対照ポリヌクレオチド
内部対照ポリヌクレオチドは、Integrated DNA Technologies(Coralville,Iowa)から購入した改変クラゲDNAであった。この二本鎖DNAは、それぞれの3’末端が化学修飾によってブロックされている2本の相補鎖を含んでいた。前記鎖は、アッセイを開始する前にハイブリダイズしていた。
qPCR反応混合物
PCR反応混合物は、DNAポリメラーゼ(Taq Pol、Jena Bioscience(Germany)製)、dNTP(Jena Bioscience)、Tris−HCl(pH8.3)、KCl、BSA、及びTaqポリメラーゼを安定化させるためのBSAを含有していた。
フルオロフォア
特に指示しない限り、文書全体を通して以下のフルオロフォアを用いる:FAM(「グリーン」)、HEX(「イエロー」)、Cal Fluor(登録商標)Red 610(「オレンジ」)、Quasar(登録商標)670(「レッド」)、及びQuasar(登録商標)705(「クリムゾン」)。
実施例1:臨床サンプル中の細菌及び耐性遺伝子を成功裏に同定する概念の実証
材料及び実験方法
プライマー
初期実験で用いたプライマー及びプローブを、それぞれ、表17〜18に示す。
PCR
PCRは、先ず95℃で3分間の変性を行い、次いで、以下を43サイクル行った:
− 95℃で5秒間、
− 56℃で50秒間(5つのチャンネルにおいて蛍光の読み取り)、
− 72℃で20秒間。
臨床性能の評価
700床の病院の残余患者サンプルを用いて臨床評価を実施した。医療センターにおいて、BACTEC(商標)システム(Becton Dickinson,BD)と、分子法、生化学法、及び微生物学法の組合せとを用いて増幅させた際の微生物及びその抗生物質耐性について血液サンプルを分析する。
171サンプルの二部臨床試験においてグラム陽性敗血症パネルを試験した。51臨床サンプルを含む第1の部は、非盲検研究であった。二重盲検研究である第2の部は、120臨床サンプルを含んでいた。患者から採取した血液を、血液サンプルから微生物増殖を検出するように設計された完全自動化微生物増殖及び検出システムであるBD BACTEC(商標)血液培養システムでインキュベートした。
3種の血液培養ボトルを利用した血液サンプルが研究に含まれていた:
・Plus Aerobic(商標)/F
・Plus Anaerobic(商標)/F培地、及び
・Peds Plus(商標)/F 培地。
血液サンプルを最長6日間インキュベートし、陽性サンプルは、平均17時間のインキュベーション後にBACTECシステムによって同定された。6日間でBACTECシステムにおいて確立されている閾値に到達しなかったサンプルとして、陰性サンプルを定義した。前記閾値に達したので陽性であると同定されたサンプルを、次いで、病院の標準的臨床診断プロトコールに付した。前記プロトコールは、グラム染色、選択微生物プレーティング、PCR及び生化学的分析(bioMaerieux製のVitek(登録商標)2自動生化学的分析システムを含む)を含んでいた。この研究で用いた全てのサンプルを分析し、病院のチームによって診断した。病院の微生物学研究室の室長が研究用サンプルに番号を付け、全患者の身元確認情報及び特性評価情報を破棄した。研究者は、高度な複雑性に基づき、微生物種の罹患率には従わずにサンプルを選択するよう指示された。
結果
qPCRを用いて、vanA又はvanB遺伝子を含有するVRE細菌、vanAもvanB遺伝子も含有しない腸球菌属(「Entero」)、MRSA、MSSA、MRCNS、MSCNS、バンコマイシン耐性及びMRSA(「VR+MRSA」)、バンコマイシン耐性及びMSSA(「VR+MSSA」)、バンコマイシン耐性及びMRCNS(「VR+MRCNS」)、バンコマイシン耐性及びMSCNS(「VR+MSCNS」)、並びに様々な混合細菌サンプルを鑑別診断し得ることを示すために予備実験を実施した。
非盲検研究の臨床評価:51の特徴付けされたサンプルを用いて、キット評価の第1の部である非盲検臨床評価を実施した。病院で各サンプルの細菌診断を確認し、病院診断に加えて、残りの血液培養ボトルを研究室に移した。各ボトルから得た血液培養溶液10μLを、グラム陽性敗血症パネルの試薬及びプロトコールを用いて処理した。次いで、病院の臨床診断をグラム陽性敗血症パネルの結果と比較した。結果が相違していたサンプルは、相違を分析及び同定するように設計された標準的な微生物学的プロトコールを用いて更に試験した。
研究の第1の部の51臨床サンプル全てが、グラム陽性敗血症パネルによって正確に同定され、内44サンプルは、病院診断と一致していた。相違していた7サンプルを、パネル診断との相違分析に付し、後に微生物学的試験によって確認した。また、相違していた結果について、更なる試験を行い、新たな結果を確認する研究者に伝えた。
二重盲検臨床評価:更に120サンプルを用いて、盲検臨床試験デザインで第2の部の臨床評価を実施した。この研究のために選択した番号付きの残余臨床血液培養ボトルを、処理のために研究室に移した。サンプルの身元確認情報及び診断について知らされていない研究室のスタッフによって、グラム陽性敗血症パネルの試薬及びプロトコールを用いて研究を実施した。グラム陽性敗血症パネルから得られた結果を含むファイルを研究室のある個人に渡し、次いで、各サンプルについての病院診断を含むファイルを病院から移動させた。次いで、病院の臨床診断をグラム陽性敗血症パネルから得られた結果と比較した。結果が相違していた場合、標準的な微生物学プロトコールを用いて更に試験した。
120サンプルのうち、グラム陽性敗血症パネルが同定した116サンプルが、病院の診断と一致していた。4つの一致しなかったサンプルのうちの2つは、グラム陽性パネルによって正確に同定されており、後に標準的な微生物学的試験によって正確な診断であることが確認された。研究基準を用いて「偽陽性」であると同定された残り2つの不一致サンプルのうちの1つは、より広範囲に亘る微生物学的分析によって、後に真の陽性所見であることが示された。より具体的には、2つの「偽陽性」所見のうちの1つは、病院の診断によって腸球菌属を含有すると同定され、グラム陽性敗血症パネルによって、腸球菌属とMRSAとの混合物を含有すると同定された。オリジナルの血液培養物のフォローアップ用希釈系列を調製し、7日間に亘って幾つかの選択的寒天平板培地にプレーティングした。フォローアップ分析結果により、グラム陽性敗血症パネルの所見が確認され、高濃度の腸球菌属、少量ではあるが明らかに存在する、更なる量のMRSA細菌との存在が明らかになった。
臨床試験に含まれていた株は、以下の通りであった:
・25 − MRSA
・25 − MSSA
・14 − Entero
・31 − MRCNS
・17 − MSCNS
・1 − 混合サンプル:Entero+MRCNS
・37 − キットの細菌については陰性であるが、他の細菌又は真菌については陽性
・21 − 任意の細菌又は真菌について陰性。
分析網羅性
キットに関連する遺伝的多様性の範囲を反映する32の特徴付けされた株のコレクションを用いて、グラム陽性敗血症パネルの分析網羅性を証明した。サンプルは、以下を含んでいた:
・6 − MRSA
・4 − MSSA
・7 − バンコマイシン感受性腸球菌属(VSE)
・4 − MRCNS
・4 − MSCNS
・4 − バンコマイシン耐性腸球菌属(vanA陽性)
・3 − バンコマイシン耐性腸球菌属(vanB陽性)
分析網羅性研究には、非バンコマイシン耐性(VanA又はVanB)を含む上記臨床研究には存在していなかった株が含まれていた。試験のために、任意の細菌又は真菌の存在について陰性であると同定された残余臨床血液培養サンプルの混合物に、各細菌サンプルを添加した。グラム陽性血液培養サンプルを検出するための臨床的に関連する濃度未満の濃度において、全サンプルを二連で試験し、1つを除く全てを、反応チューブ当たり〜440コロニー形成単位(CFU)に等しい濃度で試験した。各サンプルは、グラム陽性敗血症パネルによって正確に同定された。
分析特異性−交差反応性
ヒトの血液中に存在し得る5つの非標的生物由来の精製DNAを含有するサンプルを試験した。サンプルのうちの2つは、異なる大腸菌株を含んでおり、1つはエンテロバクター・クロアカエ、1つの化膿性連鎖球菌、1つは、カンジダ属を含んでいた。反応チューブ当たり〜250,000CFUに等しい濃度において各サンプルを二連で試験した。各サンプルは、グラム陽性敗血症パネルによって陰性であると正確に同定された。
分析特異性−微生物干渉
非標的生物由来のDNAを高濃度(反応チューブ当たり〜250,000CFU)で含む混合物中に低濃度(反応チューブ当たり〜220CFU)で存在する、1種のMRSA株、1種のMRCNS株、及び1種の腸球菌属株をそれぞれ試験した。非標的生物は、3種の細菌(2種の大腸菌及び1種の化膿性連鎖球菌)及び1種の酵母(カンジダ属)を含んでいた。各サンプルを二連で試験したところ、全て、グラム陽性敗血症パネルによって正確に同定された。
実施例2:vimプローブの改変
単一のチューブにおける高度に多重化されたPCRの課題に対処するために、それぞれの標的ポリヌクレオチドに対して様々な親和性を有する複数のプローブを設計した。4チャンネルリアルタイムPCRを実施し、次いで、15の異なる標的の存在を区別するために増幅読み取り値と融解サインとの組合せを利用しようとする試みにおいて、SYBR(登録商標)Greenの存在下で高解像度融解曲線(HRM)分析を実施した。しかし、明確な結果を得るのに十分な解像度でこの数のサインを互いに区別することは非常に困難であることが証明された。
次に、異なるアプローチ、即ち、多チャンネルPCR(即ち、5つの異なるチャンネルを用い、各チャンネルに複数のプローブを用い、且つ非対称プライマーセットを用い、その結果、線形後指数関数的に増幅が行われて、産物の一方の鎖が過剰に得られる)を採用することを決定した。各チャンネルにおけるプローブが区別可能なハイブリッド融解サインを有するために、それぞれの一本鎖(ss)PCR産物について様々な親和性を有する複数のプローブを設計した。第1の工程は、チャンネルを個々に最適化することであった。この実施例及び次の幾つかの実施例(実施例5まで)に、「グラム陰性」(「GN」)アッセイチューブのクリムゾンチャンネルの最適化について記載する。
プローブ及びプライマー(実施例2〜5)
グラム陰性アッセイチューブのクリムゾンフォワード及びリバースプライマー
表3に記載するGNアッセイチューブ中の「クリムゾン」標的(即ち、クリムゾンプローブによって増幅される標的)のフォワードプライマー及びリバースプライマーによって、vim遺伝子(配列番号1〜2)及びNDM(配列番号3〜4)(これらは、両方ともカルバペネム耐性に関与するメタロ−β−ラクタマーゼである)、並びにGN細菌の16SリボソームRNA(rRNA)をコードしている遺伝子(以後「16S−GN」)(配列番号5〜6)の断片を増幅させた。プライマーは、これら2つの遺伝子の広範囲に亘る公知の変異体、即ち、NDMの場合、変異体1〜7、並びにvim変異体1、2、3、4、5、6、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、20、23、24、25、26、27、28、30、31、及び32を増幅させるように設計した。
フォワードプライマー又はリバースプライマーが10倍過剰に存在する場合、制限プライマーが消費された後に一本鎖が非対称に(線形後指数関数的に)増幅される。
「グラム陰性」アッセイチューブのクリムゾンプローブ
表4に記載の通り、vimアンプリコン(配列番号7〜8)、NDMアンプリコン(配列番号9〜10)、又は16S−GNアンプリコン(配列番号11)の過剰鎖を認識する二重標識モレキュラービーコン(商標)プローブを用いた。これら各プローブの5’末端及び3’末端を、それぞれ、Quasar(登録商標)705及びBHQ2で標識した。大文字は、PCR産物とのハイブリダイゼーション領域を意味する。
結果
vim遺伝子を含有するサンプルを増幅させ、VIM−1プローブで検出した。このプローブは、単独では良好に機能したが、他の2つのクリムゾンプローブNDM−PB1及び16S−GNが存在するトリプレックス反応では予想外なことにうまく機能しなかった(図1)。ピークよりも僅かに高い温度における下方への傾きの大きさと比べてハイブリッドピークの高さが比較的低いことによって証明される通り、トリプレックス反応におけるシグナル−ノイズ比が比較的低いことが、図1Cにおいて最もよく可視化されている。これは、他のプローブに由来する強い遊離プローブバックグラウンドに起因することが見出された。
プローブの長さを短縮することによって新規プローブVIM−PB2を設計した。プローブと所望の標的とのハイブリッドの融解温度(「T」)を低下させることなしに短縮するために、前記プローブは、共有ステムプローブとして設計した。実施例全体を通して用いるとき、「ΔT」は、経験的に測定したときの、プローブの内部融解温度(「内部T」)とプローブ−標的ハイブリッドのTとの差を指し、正の値は、内部Tの方が高いことを示す。理論に束縛されるものではないが、プローブの長さの短縮は、内部融解した(即ち、ステム−ループ構造が開いた)遊離プローブの蛍光に由来するバックグラウンドを減じると考えられる。予備研究では、本明細書に記載するプライマーの大部分について、ΔTが7〜13であることが理想であると示された。チャンネル当たり3つの識別可能な融解サインが望ましい幾つかの場合、ΔTは約7〜約10が好ましい。更に、以下の実施例に記載する通り、NDMプローブを改善し、NDM−PB2と再度命名した。VIM−PB2、NDM−PB2、及び16S−GN−PBを用いて、別のトリプレックス増幅を実施した。vimプローブは、この反応において著しく良好に機能した(図2)。
実施例3:NDMプローブの改変
vimプローブと同様に、初期NDMプローブであるNDM−PB1は、単独では良好に機能したが、予想外なことに、他のクリムゾンプローブVIM−PB1及び16S−GN−PBが存在したときは低いシグナル−ノイズ比を示した(図3)。これは、他のプローブに由来する強い遊離プローブバックグラウンドに起因することが見出された。そのΔTを所望の範囲まで増加させると同時に、長さを短くすることによってプローブを改善し、NDM−PB2を得た。VIM−PB2、NDM−PB2、及び16S−GN−PBを用いてトリプレックス増幅を実施した。vimプローブと同様に、NDMプローブは、この反応においてシグナル−ノイズ比の著しい改善を示した(図4)。
実施例4:vimプローブ及びNDMプローブの初期型及び改善型を用いた16S−GNプローブの性能
GN 16SサブユニットrRNAの遺伝子を特異的に検出するように16SGN−PBプローブを設計した。これは、GN 16S RNAとGP 16S RNAとの間の配列変動を利用し、GN 16S RNAの遺伝子に対してより高い親和性を有するようにプローブを設計することによって行った。したがって、記載するアッセイにおいては、GP 16S RNAに対するGN 16S RNAの存在を、2つの異なるプローブの融解サインに基づいて決定することができる。前記プローブは、それぞれ、関連する一本鎖PCR産物を認識するが、シグナルを発するのに十分な程度には他の16S PCR産物に結合しない。
16SGN−PBは、他のプローブが存在しない場合、良好に機能した。VIM−PB1及びNDM−PB1の存在下では、明らかな融解ピークが生じたが、シグナル−ノイズ比は、最適よりも小さかった(図5)。これは、図5Cに最もよく示されており、この図では、ハイブリッドからのプローブの融解に起因する蛍光の減少に対応するピークの大きさが、遊離プローブの内部融解に起因する蛍光の増加によって生じるトラフに比べて比較的小さい。この問題も、vimプローブ及びNDMプローブにおける上述の改善によって対処された。VIM−PB2及びNDM−PB2の存在下におけるトリプレックスからは、遥かに改善されたシグナル−ノイズ比が得られた(図6)。
実施例5:併用したときのグラム陰性チューブのクリムゾンチャンネルプローブの全体的改善
VIM−PB1、NDM−PB1、及び16SGN−PBが存在する各場合において、vim+16SGN、NDM+16SGN、又は16SGNを含有する3つの別個のチューブで増幅を実施した。これら反応から得られた曲線を重ね合わせると、VIM−PB1及びNDM−PB1の蛍光のシグナル−ノイズ比が低いことが示された(図7;特に図7Aを参照されたい)。対照的に、VIM−PB2、NDM−PB2、及び16SGN−PBを用いて実験を繰り返したとき、全てのプローブが、許容可能なシグナル−ノイズ比を示した(図8)。全てのチューブが、16SGNのシグナルを示したが、これは、テンプレートvim及びNDMプラスミドの調製中に僅かに16SGNがコンタミしたことに起因する可能性がある。
実施例6:Spn9802プローブの改変
プローブ及びプライマー(実施例6〜8)
グラム陽性アッセイチューブのレッドのフォワードプライマー及びリバースプライマー
表5に記載するGPアッセイチューブのレッド標的のフォワードプライマー及びリバースプライマーを用いて、IC(配列番号12〜13);フェシウム菌及びフェカリス菌16S(配列番号14〜15)、及びSpn9802(配列番号16〜17)を増幅させた。このプローブの最適化について本明細書には記載しないが、完全を期すために16SサブユニットrRNA遺伝子のプライマー及びプローブをこれら表に含める。この16Sプローブは、他の種のrRNAとは対照的に、配列変動を利用してフェシウム菌及びフェカリス菌の16S rRNAを特異的に検出することができる。
「グラム陽性」アッセイチューブのレッドプローブ
IC(配列番号18〜21)、フェシウム菌及びフェカリス菌16Sアンプリコン(配列番号22)、又はSpn9802アンプリコン(配列番号23〜24)の過剰鎖を認識するレッドGPプローブを表6に記載する。これら各プローブの5’末端及び3’末端を、それぞれ、Quasar(登録商標)670及びBHQ2で標識した。大文字は、PCR産物とのハイブリダイゼーション領域を意味する。
結果
この実施例及び次の2つの実施例は、Spn9802及び改変クラゲDNA配列である内部対照(「IC」)を増幅させる、GPチューブのレッドプローブのうちの2つの個々の改変について記載する。
「Spn9802」として知られている肺炎連鎖球菌の染色体断片を認識するように、Spn9802プローブを設計した。前記断片は、肺炎連鎖球菌によって媒介される臨床疾患と相関している(Abdeldaim et al 2008)。初期プローブであるSpn9802−PB1は、シャープな融解ピークを示さなかった。これは、遊離プローブ由来するバックグラウンドが高いことに部分的に起因していると考えられた。更に、ΔTが大きいことから、ハイブリッドよりもステム−ループ構造の方が遥かに好まれると考えられた。したがって、そのΔTを低減しながらプローブを短くした。得られたプローブSpn9802−PB2は、著しく良好に機能した(図9)。
実施例7:ICプローブの改変
初期ICプローブであるIC−PB1からは、容易に検出可能なハイブリッドピークが得られたが、遊離プローブバックグラウンドが高かったので、トリプレックスには適していなかった。遊離プローブバックグラウンドを低減するために、プローブを短くした。得られたプローブIC−PB2を用いると、遊離プローブバックグラウンドは低くなったが、ハイブリッドピークも遥かに低くなった(図10)。
実施例8:ICプローブの更なる改変
2つの更なるICプローブを作製した。両プローブは、IC−PB2よりも短かった。IC−PB3は、IC−PB2とΔTMが類似していたが、IC−PB4は、遥かに小さいΔTMを有していた。IC−PB4は、著しいピークを示し、遊離プローブバックグラウンドは低かった(図11)ので、トリプレックス増幅に好適である。
実施例9:tufプローブの連続改変
プローブ及びプライマー
フォワード及びリバースtufプライマー
フォワード及びリバースtufプライマーを表7に記載する。
tuf用のプローブ
tufプローブを表8に記載する。各プローブの5’末端及び3’末端を、それぞれ、Cal Fluor(登録商標)Red及びBHQ2で標識した。大文字は、PCR産物とのハイブリダイゼーション領域を意味する。
結果
第1のプローブであるtuf−PB1からは、明らかに検出可能なピークが得られたが、遊離プローブバックグラウンドが比較的高いので、トリプレックス増幅に適しているとは考えられなかった。第2のプローブであるtuf−PB2は、より短く、且つ遊離プローブバックグラウンドは低かった。しかし、融解ピークが著しく小さかった。第3のプローブであるtuf−PB3では、デルタTMを低下させることによってこの問題に対処した結果、最も高いハイブリッドピークシグナル及び最も低い遊離プローブバックグラウンドを有していた(図12)。
実施例10:5チャンネルGNマルチプレックス反応におけるオレンジチャンネルトリプレックス検出の成功
プローブ及びプライマー(実施例10〜11)
グラム陰性アッセイチューブのフォワード及びリバースプライマー
既に言及したもの(16S−GN、vim、NDM、及びIC[ICプライマー(及びプローブ)は、GPチューブと同じである])及び省略したもの(IMP)を除く、GNアッセイチューブのフォワードプライマー及びリバースプライマーを表9に記載する。増幅される標的は、OprI(配列番号21〜22);SHV(配列番号89〜90);CTXM−14(配列番号23〜24);CTXM−15(配列番号25〜26);KPC(配列番号27〜28);GES(配列番号29〜30);OXA−48(配列番号31〜32);及びrpoB(配列番号33〜34)である。
グラム陰性アッセイチューブのプローブ
既に言及したもの(16S−GN、vim、NDM、及びIC)及び省略したもの(IMP)を除く、GNアッセイチューブのプローブを表10に記載する。前記プローブは、以下のアンプリコンの過剰鎖を認識する:OprI(配列番号35);SHV(配列番号94);CTXM−14(配列番号36);CTXM−15(配列番号37);KPC(配列番号38);GES(配列番号39);OXA−48(配列番号40);rpoB(配列番号41);及び16S−GP(配列番号42)。
各プローブを指定のフルオロフォアで標識した。大文字は、PCR産物とのハイブリダイゼーション領域を意味する。
結果
次に、5チャンネルGNマルチプレックス反応用のプライマーセットの殆ど全て(未だファイナライズ中であったIMPプライマー及びプローブを除く全て)の存在下において、オレンジチャンネルの標的であるGES、OXA−48、及びKPCを3つ別々に増幅させた。このチャンネルでは、3つの明らか且つ区別可能なピークが観察された(図13)。
実施例11:5チャンネルGNマルチプレックス反応におけるクリムゾンチャンネルトリプレックス検出の成功
次に、上述の実施例に記載した多チャンネルプライマーセットの存在下において、クリムゾンチャンネルの標的であるvim、NDM、及び16S−GNを3つ別々に増幅させた。このチャンネルでは、3つの明らか且つ区別可能なピークが観察された(図14)。
実施例12:プライマーの結合に比較的GCプアな領域を利用することにより、GCリッチなKPCアンプリコンの増幅を改善する
それぞれ、1μM及び0.1μMの濃度のプライマーKPC−F2及びKPC−R2を用いて、KPC由来のGCリッチな領域(GC含量56.5%)の非対称増幅を試みた。アンプリコンの予測Tは、88.9℃であった。過剰プライマーは、アンプリコンの比較的GCプアな領域(GC含量46.4%)を標的とするように設計した。一本鎖産物のみに結合するプローブを用いた場合に予測される通り、増幅は効率よく行われ、このことは、対称PCRでは見られなかった強いシグナルによって証明された。アンプリコンと切断前の過剰プライマー及びその標的のハイブリッドとのΔTが18.7℃である(これは、一般にかなり高い)にもかかわらず、増幅は成功裏に行われた(図15)。44塩基の長いプローブであるNDM−PB3を用いた場合、NDMアンプリコンでも類似の結果が得られた。この場合、リバースプライマーが、過剰プライマーであった(図16)。アンプリコン配列は、以下の通りであった:
KPC:
ccattcgctaaactcgaacaggactttggcggctccatcggtgtgtacgcgatggataccggctcaggcgcaactgtaagttaccgcgctgaggagcgcttcccactgtgcagctcattcaagggctttct(配列番号101)。
NDM:
aactggatcaagcaggagatcaacctgccggtcgcgctggcggtggtgactcacgcgcatcaggacaagatgggcggtatggacgcgctgcatgcggcggggattgcgacttatgccaatgcgttgtcga(配列番号102)。
参照文献
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Claims (82)

  1. A. 試験サンプルと、
    B. 少なくとも大部分が非対称である6以上のプライマーセットと、
    C. 4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブであって、
    I. 各前記プローブが、(a)前記プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物及び(b)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、前記プローブの蛍光が活性化され、
    II. 前記チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能であり、
    III. 前記プライマーセットの少なくとも大部分のフォワードプライマー及びリバースプライマーが、ホットスタートプライマーであるプローブと
    を含むことを特徴とする反応混合物。
  2. ホットスタートプライマーが、活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含み、前記ホットスタートプライマーが高温で相補的配列にハイブリダイズしたときに、前記ホットスタートプライマーが前記活性化酵素の基質となる請求項1に記載の反応混合物。
  3. チャンネルのうちの少なくとも3つについて、前記チャンネルにおいて蛍光を発するプローブのうちの殆ど又は全てが、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する請求項1に記載の反応混合物。
  4. チャンネルにおいて蛍光を発するプローブのうちの殆ど又は全てが19ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する各チャンネルについて、前記チャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも1つのプローブが、共有ステムプローブである請求項3に記載の反応混合物。
  5. 複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、前記チャンネルにおいて蛍光を発するプローブのうちの殆ど又は全てが、共有ステムプローブである請求項1に記載の反応混合物。
  6. 複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、前記異なる標的−プローブ蛍光サインが、前記チャンネルにおける複数のプローブ、単一のプローブが相互作用する複数の既知の標的配列、又はこれらの組合せに起因する請求項1に記載の反応混合物。
  7. 複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である少なくとも2つのチャンネルにおいて、前記チャンネルに複数のプローブが存在する請求項1に記載の反応混合物。
  8. 複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である少なくとも1つのチャンネルにおいて、単一のプローブが結合する複数の既知の標的配列が存在する請求項1に記載の反応混合物。
  9. プローブの殆どについて、前記プローブのステムの内部融解温度(T)が、前記プローブと検出されることが望ましい標的配列とのハイブリッドのTよりも6℃〜13℃高いか、又は1超の標的配列が検出されることが望ましい場合、前記プローブのTが、前記プローブと各前記標的配列とのハイブリッドのTよりも6℃〜13℃高い請求項1に記載の反応混合物。
  10. プローブが、チャンネルにおいて検出されることが望ましくない既知の標的配列にもハイブリダイズする各場合について、前記プローブの内部Tが、前記プローブと前記チャンネルにおいて検出されることが望ましくない既知の標的配列とのハイブリッドのTよりも少なくとも17℃高い請求項1に記載の反応混合物。
  11. プローブのうちの殆ど又は全てについて、前記プローブと検出されることが望ましい標的配列とのハイブリッドの融解温度(T)が、58℃〜72℃である請求項1に記載の反応混合物。
  12. プローブのうちの殆ど又は全てについて、内部融解温度(T)が、65℃〜82℃である請求項1に記載の反応混合物。
  13. 各プローブについて、内部Tが、68℃〜78℃である請求項12に記載の反応混合物。
  14. 各標的が、病原体においてみられるポリヌクレオチド及び内部対照ポリヌクレオチドから選択される請求項1に記載の反応混合物。
  15. 病原体が、各場合において、細菌及び真菌から選択される請求項14に記載の反応混合物。
  16. 標的のうちの少なくとも1つが、抗生物質耐性遺伝子である請求項14に記載の反応混合物。
  17. 標的が、少なくとも1つの病原体マーカーポリヌクレオチドと、前記病原体における抗生物質耐性に関連する少なくともポリヌクレオチドとを含む請求項1に記載の反応混合物。
  18. 標的が、グラム陽性細菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチドと、前記グラム陽性細菌における抗生物質耐性に関連する少なくともポリヌクレオチドとを含む請求項1に記載の反応混合物。
  19. 標的が、グラム陰性細菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチドと、前記グラム陰性細菌における抗生物質耐性に関連する少なくともポリヌクレオチドとを含む請求項1に記載の反応混合物。
  20. 標的が、病原性真菌の少なくとも1つのマーカーポリヌクレオチドを含む請求項1に記載の反応混合物。
  21. a. DNAポリメラーゼ酵素と、
    b. デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)と、
    c. マグネシウムイオンと
    を更に含む請求項1に記載の反応混合物。
  22. 試験サンプル中の標的ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、
    a. 各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、請求項1に記載の反応混合物を熱サイクルに付す工程と、
    b. 前記各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、
    c. 複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する蛍光サインを同定する工程とを含むことを特徴とする方法。
  23. ネガティブコントロールのリファレンス標準から著しく逸脱している蛍光がチャンネルにおいて出現することが、前記チャンネルにおいて検出される少なくとも1つの標的が試験サンプル中に存在することを示す請求項22に記載の方法。
  24. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、前記サインが、どの標的が増幅されたのかを示す請求項22に記載の方法。
  25. 存在する蛍光サインを同定する工程が、
    a. 各時点において、反応混合物の蛍光値からテンプレート不含対照の蛍光値を減じる副工程と、
    b. 副工程(a)で得られる差の時系列パターンとリファレンス標準とを比較する副工程と
    を含む請求項22に記載の方法。
  26. 単一のPCR反応チューブに存在するか、又は2本のPCR反応チューブに分割されている反応混合物であって、
    A. 試験サンプルと、
    B. 標的セットを増幅させるプライマーセットの群であって、前記標的が、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(SA)マーカーポリヌクレオチド;非SAブドウ球菌属(Staphylococcus)マーカーポリヌクレオチド及び汎用性ブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチド;腸球菌属(Enterococcus)マーカーポリヌクレオチド、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)マーカーポリヌクレオチド、バンコマイシン耐性に関連するヌクレオチド配列、並びにメチシリン耐性に関連するヌクレオチド配列を含む群と、
    C. 合計で4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発するプローブの群と
    を含み、
    各前記プローブが、(i)前記標的セットのうちの少なくとも1つのPCR産物及び(ii)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合したときに、前記プローブの蛍光が活性化されることを特徴とする反応混合物。
  27. 腸球菌属マーカーポリヌクレオチドが、フェカリス菌(E.faecalis)及びフェシウム菌(E.faecium)のマーカーである請求項26に記載の反応混合物。
  28. 化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)、ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(S.dysgalactiae)、及びストレプトコッカス・カニス(S.canis)のうちの少なくとも1つを検出するベータマーカーポリヌクレオチドを更に含む請求項26に記載の反応混合物。
  29. 更なるSAマーカーポリヌクレオチドを増幅させるプライマーセットを更に含む請求項26に記載の反応混合物。
  30. SAマーカーポリヌクレオチド及び更なるSAマーカーポリヌクレオチドが、nuc及びSPAである請求項29に記載の反応混合物。
  31. バンコマイシン耐性に関連するヌクレオチド配列が、vanA及びvanBのうちの少なくとも1つである請求項26に記載の反応混合物。
  32. プローブの群が、バンコマイシン耐性に関連するヌクレオチド配列を検出する1超のプローブを含み、前記1超のプローブが、同一のチャンネルにおいて蛍光を発する請求項26に記載の反応混合物。
  33. メチシリン耐性に関連するヌクレオチド配列が、mecA及びmecCのうちの少なくとも1つである請求項26に記載の反応混合物。
  34. プローブの群が、メチシリン耐性に関連するヌクレオチド配列を検出する1超のプローブを含み、前記1超のプローブが、同一のチャンネルにおいて蛍光を発する請求項26に記載の反応混合物。
  35. 標的が、シュードモナス属(Pseudomonas)マーカーポリヌクレオチドを更に含む請求項26に記載の反応混合物。
  36. 標的が、1以上の真菌マーカーポリヌクレオチドを更に含む請求項26に記載の反応混合物。
  37. 1以上の真菌マーカーポリヌクレオチドが、アスペルギルス属(Aspergillus)マーカー、汎用性真菌マーカー、汎用性カンジダ属(Candida)及びアスペルギルス属マーカー、並びにカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)マーカーから選択される2以上のポリヌクレオチドを含む請求項26に記載の反応混合物。
  38. 1以上の真菌マーカーポリヌクレオチドが、L1A1、18S rRNA、及び28S rRNAのうちの少なくとも2つを含む請求項36に記載の反応混合物。
  39. 標的が、汎用性グラム陰性細菌マーカーポリヌクレオチド、メタロ−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、及び基質特異性拡張型β−ラクタマーゼヌクレオチド配列のうちの少なくとも2つを更に含む請求項26に記載の反応混合物。
  40. 標的が、真菌のマーカーポリヌクレオチドを更に含む請求項26に記載の反応混合物。
  41. 単一のPCR反応チューブに存在するか、又は2本のPCR反応チューブに分割されている反応混合物であって、
    a. 試験サンプルと、
    b. 標的セットを増幅させるプライマーセットの群であって、前記標的が、グラム陰性細菌マーカーポリヌクレオチド、メタロ−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列、並びにサブグループ2beβ−ラクタマーゼ及びサブグループ2brβ−ラクタマーゼから選択される−β−ラクタマーゼを含む群と、
    c. 合計で4つ〜7つの異なるチャンネルにおいて蛍光を発するプローブと
    を含み、
    各前記プローブが、(i)前記標的セットのうちの少なくとも1つのPCR産物及び(ii)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合したときに、前記プローブの蛍光が活性化されることを特徴とする反応混合物。
  42. アシネトバクター属(Acinetobacter)マーカーポリヌクレオチドを更に含む請求項41に記載の反応混合物。
  43. メタロ−β−ラクタマーゼが、IMP−1、IMP−2、IMP−3、IMP−4、vim、NDM−1、NDM−2、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM−6、及びNDM−7のうちの少なくとも1つである請求項41に記載の反応混合物。
  44. プローブの群が、メタロ−β−ラクタマーゼを検出する1超のプローブを含み、前記1超のプローブが、1つ〜2つのチャンネルにおいて蛍光を発する請求項41に記載の反応混合物。
  45. セリン−β−ラクタマーゼが、KPC−2、KPC−3、KPC−4、KPC−5、KPC−6、KPC−7、KPC−8、KPC−9、KPC−10、KPC−11、GES、及びOXA−48のうちの少なくとも1つである請求項41に記載の反応混合物。
  46. プローブの群が、セリン−β−ラクタマーゼを検出する1超のプローブを含み、前記1超のプローブが、同一のチャンネルにおいて蛍光を発する請求項41に記載の反応混合物。
  47. 基質特異性拡張型又は広域スペクトルβ−ラクタマーゼが、SHVβ−ラクタマーゼの2be変異体、SHVβ−ラクタマーゼの2br変異体、CTXM−14、及びCTXM−15のうちの少なくとも1つである請求項41に記載の反応混合物。
  48. プローブの群が、SHVβ−ラクタマーゼの2be変異体及び2br変異体のいずれかを検出する1超のプローブを含み、前記1超のプローブが、同一のチャンネルにおいて蛍光を発する請求項41に記載の反応混合物。
  49. 以下の全てに当てはまる請求項41に記載の反応混合物:
    a. メタロ−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列が、IMP−1、IMP−2、IMP−3、IMP−4、vim、NDM−1、NDM−2、NDM−3、NDM−4、NDM−5、NDM−6、及びNDM−7のうちの少なくとも1つである、
    b. セリン−β−ラクタマーゼヌクレオチド配列が、KPC−2、KPC−3、KPC−4、KPC−5、KPC−6、KPC−7、KPC−8、KPC−9、KPC−10、KPC−11、GES、及びOXA−48のうちの少なくとも1つである、並びに
    c. 基質特異性拡張型β−ラクタマーゼヌクレオチド配列が、SHV−2、SHV−3、SHV−10、SHV−72、SHV−115、CTXM−14、及びCTXM−15のうちの少なくとも1つである。
  50. プライマーセットの群が、10プライマーセット〜25プライマーセットからなる請求項26から49のいずれかに記載の反応混合物。
  51. 各プライマーセットが、非対称である請求項26から50のいずれかに記載の反応混合物。
  52. プライマーセットの少なくとも殆どのフォワードプライマー及びリバースプライマーが、ホットスタートプライマーである請求項26から51のいずれかに記載の反応混合物。
  53. ホットスタートプライマーが、活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含み、前記ホットスタートプライマーが高温で相補的配列にハイブリダイズしたときに、前記ホットスタートプライマーが前記活性化酵素の基質となる請求項52に記載の反応混合物。
  54. チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である請求項26から53のいずれかに記載の反応混合物。
  55. 複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、前記チャンネルにおいて蛍光を発するプローブのうちの殆ど又は全てが、共有ステムプローブである請求項54に記載の反応混合物。
  56. チャンネルのうちの少なくとも3つについて、前記チャンネルにおいて蛍光を発する各プローブが、19ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する請求項26から55のいずれかに記載の反応混合物。
  57. チャンネルにおいて蛍光を発するプローブのうちの殆ど又は全てが19ヌクレオチド〜26ヌクレオチドの長さを有する各チャンネルについて、前記チャンネルにおいて蛍光を発する少なくとも1つのプローブが、共有ステムプローブである請求項56に記載の反応混合物。
  58. 試験サンプル中のグラム陽性細菌の存在及び前記グラム陽性細菌に関連し得る抗生物質耐性ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、
    a. 各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、請求項26に記載の反応混合物を熱サイクルに付す工程と、
    b. 前記各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、
    c. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する蛍光サインを同定する工程とを含むことを特徴とする方法。
  59. 試験サンプル中のグラム陰性細菌の存在及び前記グラム陽性細菌に関連し得る抗生物質耐性ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、
    a. 各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、請求項41に記載の反応混合物をサーモサイクラーでインキュベートする工程と、
    b. 前記各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、
    c. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する蛍光サインを同定する工程とを含むことを特徴とする方法。
  60. 敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、
    a. 各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、請求項26に記載の反応混合物を熱サイクルに付す工程と、
    b. 前記各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、
    c. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する蛍光サインを同定する工程と、
    d. ロジックマトリックスを用いて、試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程とを含むことを特徴とする方法。
  61. 敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、
    a. 各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、請求項36に記載の反応混合物を熱サイクルに付す工程と、
    b. 前記各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、
    c. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する蛍光サインを同定する工程と、
    d. ロジックマトリックスを用いて、試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程とを含むことを特徴とする方法。
  62. 敗血症が疑われる症例の原因を確認及び決定する方法であって、
    a. 各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、請求項41に記載の反応混合物を熱サイクルに付す工程と、
    b. 前記各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、工程(a)の産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、
    c. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する蛍光サインを同定する工程と、
    d. ロジックマトリックスを用いて、試験サンプル中に存在する病原体及び抗生物質耐性ポリヌクレオチドを同定する工程とを含むことを特徴とする方法。
  63. ネガティブコントロールのリファレンス標準から著しく逸脱している蛍光がチャンネルにおいて出現することが、前記チャンネルによって検出される少なくとも1つの標的が試験サンプル中に存在することを示す請求項58から62のいずれかに記載の方法。
  64. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、前記サインが、標的が増幅されたことを示す請求項58から63のいずれかに記載の方法。
  65. 存在する蛍光サインを同定する工程が、
    a. 各時点において、反応混合物の蛍光値からテンプレート不含対照の蛍光値を減じる副工程と、
    b. 副工程(a)で得られる差の時系列パターンとリファレンス標準とを比較する副工程と
    を含む請求項58から64のいずれかに記載の方法。
  66. 汎用性ブドウ球菌属マーカーポリヌクレオチドが、tufである請求項29に記載の反応混合物。
  67. (a)試験サンプルと、(b)少なくとも1つのプライマーセットとを含む反応混合物であって、
    前記反応混合物中の少なくとも1つのプライマーセットが、以下に当てはまることを特徴とする反応混合物:
    − 前記プライマーセットが、非対称である、
    − 前記プライマーセットのフォワードプライマー及びリバースプライマーが、活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含み、前記プライマーが高温で相補的配列にハイブリダイズしたときに、前記プライマーが前記活性化酵素の基質となる、
    − 前記プライマーセットのアンプリコンの融解温度が、切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度よりも13℃超高い、
    − 前記切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、73℃以下である、並びに
    − 切断後の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、少なくとも65℃である。
  68. 切断前の制限プライマーの初期の濃度調整融解温度が、切断前の過剰プライマーの初期の濃度調整融解温度と少なくとも同じ温度である請求項67に記載の反応混合物。
  69. 4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブを更に含み、各前記プローブが、(a)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物及び(b)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、前記プローブの蛍光が活性化される請求項67に記載の反応混合物。
  70. チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である請求項69に記載の反応混合物。
  71. 試験サンプル中のポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、反応混合物を熱サイクルに付す工程を含み、
    前記反応混合物が、(a)試験サンプルと、(b)少なくとも1つのプライマーセットとを含み、前記反応混合物中の少なくとも1つのプライマーセットが、以下に当てはまることを特徴とする方法:
    − 前記プライマーセットが、非対称である、
    − 前記プライマーセットのフォワードプライマー及びリバースプライマーが、活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含むホットスタートプライマーであり、前記ホットスタートプライマーが高温で相補的配列にハイブリダイズしたときに、前記ホットスタートプライマーが前記活性化酵素の基質となる、
    − 前記プライマーセットによって生成されるアンプリコンの融解温度が、切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度よりも13℃超高い、
    − 前記切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、熱サイクルのアニーリング温度よりも17℃以下高い、並びに
    − 切断後の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、熱サイクルのアニーリング温度よりも少なくとも9℃高い。
  72. 反応混合物が、4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブを更に含み、各前記プローブが、(a)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物及び(b)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、前記プローブの蛍光が活性化される請求項71に記載の方法。
  73. チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である請求項72に記載の方法。
  74. a. 各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、増幅産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、
    b. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する蛍光サインを同定する工程と
    を更に含む請求項73に記載の方法。
  75. (a)試験サンプルと、(b)少なくとも1つのプライマーセットとを含む反応混合物であって、前記反応混合物中の少なくとも1つのプライマーセットが、以下に当てはまることを特徴とする反応混合物:
    − 前記プライマーセットが、非対称である、
    − 前記プライマーセットのフォワードプライマー及びリバースプライマーが、活性化酵素の作用によって回復する不活化化学修飾を含み、前記プライマーが高温で相補的配列にハイブリダイズしたときに、前記プライマーが前記活性化酵素の基質となる、
    − 前記プライマーセットの伸長によって生成されるアンプリコンの融解温度が、切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度よりも13℃超高い、
    − 前記アンプリコンのGC含量が、少なくとも50%である、並びに
    − 前記プライマーセットの前記過剰プライマーが結合する領域のGC含量が、前記アンプリコンのGC含量よりも少なくとも2%低い。
  76. 以下に当てはまる請求項75に記載の反応混合物:
    − 切断前の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、73℃以下である、及び
    − 切断後の過剰プライマーとその標的ポリヌクレオチドとのハイブリッドの初期の濃度調整融解温度が、少なくとも65℃である。
  77. 4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブを更に含み、各前記プローブが、(a)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物及び(b)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、前記プローブの蛍光が活性化される請求項75に記載の反応混合物。
  78. チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である請求項77に記載の反応混合物。
  79. 試験サンプル中のポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、請求項77に記載の反応混合物を熱サイクルに付す工程を含むことを特徴とする方法。
  80. 反応混合物が、4以上の異なるチャンネルにおいて蛍光を発する6以上のプローブを更に含み、各前記プローブが、(a)プライマーセットのうちの1以上によって増幅される標的のPCR産物及び(b)対照ポリヌクレオチドから選択されるポリヌクレオチドに結合すると、前記プローブの蛍光が活性化される請求項79に記載の方法。
  81. チャンネルのうちの少なくとも1つにおいて、複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である請求項80に記載の方法。
  82. a. 各チャンネルにおける蛍光を定期的に測定しながら、増幅産物を制御加熱及び制御冷却のいずれかに付す工程と、
    b. シグナルが存在し且つ複数の異なる標的−プローブ蛍光サインが識別可能である各チャンネルについて、存在する蛍光サインを同定する工程と
    を更に含む請求項81に記載の方法。
JP2015542411A 2012-11-15 2013-11-15 Pcr反応混合物及びそれを使用する方法 Pending JP2015536653A (ja)

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