JP2015534977A - 糖尿病性腎症を治療するための四置換ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン化合物の使用 - Google Patents

糖尿病性腎症を治療するための四置換ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン化合物の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの投与を含む、患者における末期腎疾患(ESRD)への進行を遅らせる方法に関する。本発明はまた、ESRDへの進行を遅らせるための医薬組成物の投与を含む。1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド【化1】【図1】

Description

本発明は、四置換ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン化合物または四置換ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン化合物を含有している医薬組成物を使用して糖尿病性腎症および/または慢性腎臓病の進行を治療および/または予防する方法に関する。
糖尿病性腎症(DN)は、I型またはII型糖尿病患者の最大40%まで影響する、糖尿病が原因である進行性の腎臓病である。DNは、アルブミン尿症(尿中のタンパク質)、末期腎疾患(ESRD)に至る進行性の腎機能の減退、高血圧、ならびに心血管罹患率および死亡率の増大を特徴としている。ESRDは、透析または腎臓移植を必要とする腎臓機能の完全またはほぼ完全な喪失という生命にかかわる症状である。
糖尿病性腎症にかかっている患者のための現在の標準治療(standard−of−care)の療法は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンギオテンシンII受容体拮抗剤(ARB)を使用してレニンアンギオテンシン系(RAS)を標的とするが、これらの薬物の最適用量の使用は、深刻な副作用である高カリウム血症(高血清カリウムレベル)に対するリスクによって制限されている。高カリウム血症は、異常心調律をもたらす可能性があり、極端な場合は、死に至る可能性がある。糖尿病性腎症の進行を遅らせるための現在有効な治療の効果が大きくないことを考えると、化合物単独、または患者が末期腎疾患に進行するのを遅らせる現在の標準治療療法と併せた化合物に対して満たされていない医学的要求がある。
本発明は、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドを使用した、RAS手法と異なる、NOシグナル伝達経路を標的とするDNおよびCKDを治療するための新しい治療手法に関する。
本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド(実施例1)またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップを含む、患者におけるCKD、特に糖尿病性腎症の進行を遅らせる方法および/またはESRDを予防する方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の薬学的に許容できる担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物を投与するステップを含む、患者におけるCKD、特に糖尿病性腎症の進行を遅らせる方法、および/またはESRDを予防する方法に関する。
ベースラインまたは偽薬(n=20))に対して30日間毎日50mg(n=20)投与したクエン酸シルデナフィルで治療した後にII型糖尿病男性患者においてミクロアルブミン尿が著しく低下したことを示す図である。
一酸化窒素(NO)は、正常な腎臓機能の維持に寄与する。NO産生および/または有効性は、進行性DNにかかっている患者において低下している。NOシグナル伝達の低減は、ヒトにおけるアルブミン尿症の発生およびDNの進行に寄与する。尿中のアルブミンがより多いほど、ESRDへの進行がより早くなる。ミクロアルブミン尿症は、30mg/g〜300mg/gの男性における尿中アルブミン対クレアチニン比(UACR)と定義され、マクロアルブミン尿症は、UACR>300mg/gと定義される。糖尿病性腎症におけるマクロアルブミン尿症の存在は、腎疾患の進行と最も関連がある。
慢性腎臓病、別名慢性腎疾患は、数か月間または数年間にわたる腎機能の進行性損失であり、糸球体ろ過量(GFR)の減退は、腎機能の低減およびCKDの進行を表している。ミリリットル毎分(mL/min)におけるGFRは、CKDの5つのステージを定義している:≧90mL/minはステージ1であり、60〜89mL/minはステージ2であり、30〜59mL/minはステージ3であり、15〜29mL/minはステージ4であり、<15mL/minはステージ5である。NOシグナル伝達の障害は、CKDと関連している。これは、NO産生の低減、活性酸素種によるNOの枯渇/不活性化の組合せ、および可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の機能障害が原因である。関連するNO欠乏および機能障害性sGCは、高血圧を促進し、かつ腎疾患の進行を早める。
PDE5を阻害すると、NOシグナル伝達経路の完全性が回復され、アルブミン尿の低減および血圧の低下を含むいくつかの有益な効果がもたらされ得る。NOは、剪断応力の作用およびブラジキニンなどの局所血管作用薬によって、神経終末および心臓血管系の領域における血管内皮細胞から放出される。NOは、グアニル酸シクラーゼの活性化およびその結果として起こるサイクリックグアノシン5’一リン酸(cGMP)の増大によって、平滑筋弛緩を引き起こす。PDE5は、特にcGMPを低下させ、ヒトPDE5の阻害剤は、したがってcGMPのレベルを増大させ得る。高cGMPは、細胞内のカルシウムのレベルを低減し、平滑筋細胞の弛緩を引き起こし、最終的に動脈圧、血管抵抗の減少、および血流の増大を引き起こす。
1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド(実施例1)は、ヒトPDE5の選択的および競合的阻害剤(IC50=0.71nM)である。実施例1は、ラットPDE5(IC50=0.93nM)に対して同等の酵素阻害効力を示し、ラット(EC50=3.1nM)の単離した大動脈研究において機能的にNOの血管弛緩作用を増強する。実施例1は、イヌおよびラットで低クリアランスを示し、長い半減期値をもたらし、経口生物学的利用能がイヌでもラットでも高い。実施例1は、主要なヒトシトクロムP450酵素の著しい阻害を示しておらず、したがってこれらの酵素のために基質化させた、同時投与した薬物の代謝を著しく変える可能性が低い。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドまたはその薬学的に許容できる塩を投与するステップを含む、患者における糖尿病性腎症の進行を治療または予防する方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を投与するステップを含む、患者における糖尿病性腎症の進行を治療または予防する方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドまたはその薬学的に許容できる塩を投与するステップを含む、患者における慢性腎臓病の進行を治療または予防する方法に関する。特に、本発明の方法は、CKDステージ3または4を治療または予防するために使用することができる。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を投与するステップを含む、患者における慢性腎臓病の進行を治療または予防する方法に関する。特に、本発明の方法は、CKDステージ3または4を治療または予防するために使用することができる。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドまたはその薬学的に許容できる塩を投与するステップを含む、患者における尿中のアルブミンを低減する方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を投与するステップを含む、患者における尿中のアルブミンを低減すせる方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドまたはその薬学的に許容できる塩を投与するステップを含む、患者におけるマクロアルブミン尿症を治療または予防する方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、こうした治療を必要とする患者に、治療有効量の1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を投与するステップを含む、患者におけるマクロアルブミン尿症を治療または予防する方法に関する。
別の実施形態では、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩は、それだけには限らないが、アバナフィル、ロデナフィル、ミロデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、およびウデナフィルを含む別のホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤と組み合わせて用いることができる。この組合せは、個別にまたは同じ医薬組成物中で投与することができる。
別の実施形態では、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩は、それだけには限らないが、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ペリンドプリル、およびラミプリルを含むアンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤と組み合わせて用いることができる。この組合せは、個別にまたは同じ医薬組成物中で投与することができる。
別の実施形態では、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩は、それだけには限らないが、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、オルメサルタン、およびアジルサルタンを含むアンギオテンシンII受容体拮抗剤(ARB)と組み合わせて用いることができる。この組合せは、個別にまたは同じ医薬組成物中で投与することができる。
別の実施形態では、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩は、アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤とアンギオテンシンII受容体拮抗剤(ARB)の両方と組み合わせて用いることができる。ACE阻害剤には、それだけには限らないが、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ペリンドプリル、およびラミプリルが含まれる。アンギオテンシンII受容体拮抗剤(ARB)には、それだけには限らないが、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、オルメサルタン、およびアジルサルタンが含まれる。この組合せは、個別にまたは同じ医薬組成物中で投与することができる。
本発明の方法は、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドを、溶液で、懸濁液として、非晶質固体としてまたは結晶性固体として使用できることを理解されたい。ここで、結晶性固体には、多形体、水和物、溶媒和物またはそれらの組合せが含まれる。特に、本発明は、US 2008/0194591に開示されているように、多形形態A、BおよびCの使用を企図する。好ましい多形体は、形態BおよびC、またはその組合せである。最も好ましい多形体は、形態Cである。
定義
用語「実施例1」は、本明細書では、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドまたはその薬学的に許容できる塩を意味する。
用語「慢性腎臓病またはCKD」には、本明細書において特に指摘がない限り、ステージ1〜5が含まれる。本発明は、CKDの5つ全てのステージの進行を治療または予防することを企図していることを理解されたい。
用語「患者」は、本明細書では、ヒトを意味する。
用語「薬学的に許容できる塩」は、本明細書では、健康医学判断(sound medical judgment)の範囲内で、不適当な毒性、刺激、アレルギー応答などなしに、患者および下等動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当なベネフィット/リスク比に見合った塩を意味する。薬学的に許容できる塩は、当技術分野でよく知られている。例えば、S.M.Bergeらは、薬学的に許容できる塩をBergeら、J. Pharmaceutical Sciences、1977、66:1〜19中に詳細に記載している。塩は、本発明の実施例1の最終単離および精製中にin situで、または実施例1の遊離塩基を適当な有機もしくは無機酸と反応させることによって個別に調製することができる。代表的な酸付加塩には、それだけには限らないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。
本発明はまた、1種または複数の非毒性の薬学的に許容できる担体と一緒に製剤された実施例1を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、固体もしくは液体形態における経口投与、非経口注射、または直腸投与のために特別に製剤してもよい。
用語「薬学的に許容できる担体」は、本明細書では、任意のタイプの非毒性の不活性な固体、半固体もしくは液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料または製剤佐剤を意味する。薬学的に許容できる担体として働き得る材料のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオ脂および坐剤ワックスなどの賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなど他の非毒性適合性滑沢剤、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤であり、製剤者の判断に従って、防腐剤および抗酸化剤も組成物中に存在していてよい。本発明は、1種または複数の非毒性の薬学的に許容できる担体と一緒に製剤された実施例1を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、固体もしくは液体形態における経口投与、非経口注射または直腸投与のために製剤することができる。
本発明の医薬組成物は、経口的、非経口的、腹膜内、局所的(散剤、軟膏剤または滴剤によって)、頬側にまたは経口もしくは鼻腔用スプレーとして、患者に投与することができる。用語「非経口的」は、本明細書では、静脈内、筋肉内、腹膜内、胸骨内、皮下、関節内注射および注入を含む投与のモードを指す。
非経口注射のための本発明の医薬組成物は、薬学的に許容できる無菌の水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液および無菌の注射可能な溶液または分散液に再構成するための無菌の粉末を含む。適当な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、それらの適当な混合物、植物油(オリーブ油など)およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが含まれる。例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合に必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの補助剤も含有していてよい。微生物の活動は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確実に防止され得る。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましいこともある。注射可能な医薬形態の長期吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの使用によってもたらすことができる。
場合によっては、薬物の効果を延ばすために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶または非晶質材料の液体懸濁剤の使用によって達成され得る。その後、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、言い換えると、結晶の大きさおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経口的に投与した薬物形態の吸収の遅延は、油状ビヒクル中に薬物を溶解または懸濁させることによって達成される。
実施例1に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガント、およびそれらの混合物のような懸濁化剤を含有していてもよい。
望むなら、かつより有効な分布のために、実施例1は、ポリマーマトリックス、リポソーム、およびマイクロスフェアなどの徐放または標的送達システムに組み込むことができる。それらは、例えば、細菌保持フィルターに通してろ過することによって、または使用の直前に滅菌水もしくは、ある他の無菌の注射可能な媒体に溶解させることができる無菌の固体組成物の形態で滅菌剤を取り込むことによって、滅菌することができる。
実施例1はまた、適切な場合、上記で指摘したような1種または複数の薬学的に許容できる担体と共にマイクロカプセル化された形態にしてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬製剤分野においてよく知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルによって調製することができる。かかる固体剤形において、実施例1は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなど少なくとも1種の不活性な希釈剤と混合してもよい。かかる剤形は、通常のやり方で、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの製錠滑沢剤および他の製錠補助剤も含んでいてよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含んでいてよい。これらは、乳白剤を含有していてもよく、またこれらが有効成分だけ、または優先的に、腸管の特定の部分で遅れるようにして放出するかかる組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが含まれる。
注射可能なデポ形態は、ポリ乳酸−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセル化されたマトリックスを形成することによって作製される。薬物対ポリマー比および用いる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。デポ注射可能な製剤はまた、薬物を身体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に封入することによって調製される。
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通してろ過することによって、または使用直前に滅菌水もしくは他の無菌の注射可能な媒体に溶解もしくは分散させることができる無菌の固体組成物の形態で滅菌剤を取り込むことによって、滅菌することができる。
注射可能な調製物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、既知の技術によって、製剤することができる。無菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液、懸濁液または乳濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。用いてもよい、許容できるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、米国薬局方および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒として従来用いられている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能な調製物に使用される。
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。このような固体剤形では、実施例1は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸カルシウムおよび/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびサリチル酸などの充填剤または増量剤;b)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアラビアゴムなどの結合剤;c)グリセリンなどの湿潤剤;d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;e)パラフィンなどの溶液遅延剤;f)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤;ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの滑沢剤など少なくとも1種の不活性な薬学的に許容できる担体と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合には、剤形は、緩衝剤も含んでいてよい。
類似のタイプの固体組成物も、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いてもよい。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび医薬製剤分野においてよく知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルによって調製することができる。これらは、乳白剤を含有していてもよく、またこれらが有効成分だけ、または優先的に、腸管の特定の部分で遅延性の方法で放出する組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが含まれる。
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容できる乳剤、マイクロエマルジョン剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。実施例1に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの当技術分野で一般的に使用されている不活性な希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤および乳化剤、ならびにそれらの混合物を含有していてもよい。
不活性な希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤などの補助剤も含んでいてよい。
本発明の医薬組成物における実施例1の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物、および投与モードについて所望の治療効果を達成するのに有効な量の実施例1を得るために変わり得る。選択された投与量レベルは、実施例1の活性、投与経路、治療対象となる症状の重症度、ならびに治療対象となる患者の症状および前の病歴に依存する。
患者に投薬した実施例1の合計1日量は、0.3〜400mgsである。望むなら、有効な1日量は、投与の目的のために、複数回投与、例えば1日当り2〜4回の別々の投与に分けてもよい。
合成による調製
Figure 2015534977
1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド
表題化合物は、米国特許第7,572,799号(実施例115を参照のこと)に記載されているように調製した。表題化合物の多形形態A、B、およびCは、米国公開特許出願第2008/0194591号(米国特許出願第11/913,091号)に記載されたように調製した。US 7,572,799およびUS 2008/0194591は、参照により本明細書に組み込まれている。
生物学/薬理学
マウスおよびラットにおける1回投与毒性研究では、死は観察されなかった;最大非致死量は、2000mg/kgであった。イヌでは、1000mg/kg以下の用量を与え、副作用は記録されなかった。
ヒトでは、21〜49歳の健康な男性ボランティア46人における1回投与および複数回投与の臨床研究で実施例1を評価した。1回投与では0.3〜400mgおよび複数回投与では30〜200mgの範囲の経口溶液または懸濁液を用いて、1回投与および複数回投与の両方の臨床研究を実施した。実施例1は、溶液の1回投与の後、ヒトに急速に吸収され、Cmax(Tmax)の発生時間が1.1〜1.5時間であった。終末半減期は、投与量によって著しく変わらず、11.9〜15.7時間の範囲であった。複数回投与の後、実施例1は、急速に吸収され(Tmaxが1.1〜3.5時間)、1日目および13日目のt1/2は、11.6〜14.5時間の範囲であった。実施例1の1回投与は、良好な耐容性を示し、重大な有害事象は発生しなかった。複数回投与の研究では、実施例1は、30〜200mgの用量範囲にわたって良好な耐容性を示した。生存徴候、ECG、実験室安全性試験結果、または身体検査結果において、どの用量でも著しい変化は報告されなかった。
Figure 2015534977
実施例1は、ヒトPDE5の競合的阻害剤であり、血小板由来酵素を用いた平均IC50値が0.71nM(0.34ng/mL)である。ラットおよびイヌ血小板由来PDE5に対する効力は、それぞれ0.93および0.65nMで類似している。実施例1は、ヒト網膜錐体および桿体に対するPDE6 IC50効力が、それぞれ28.9nM(41倍選択性)および63.6nM(90倍選択性)である。ヒトPDE11に対する実施例1のIC50は、26.3nM(37倍選択性)である。1000倍選択性よりも高いものが、PDE酵素1、2、3、4A、4B、4D、7B、8A、9、および10に対して存在する。
実施例1の直接的機能効果を単離したラット大動脈環で実証した。実施例1は、大動脈環の血管緊張低下を誘発し、平均EC50値が3.1nMであった。
無線遠隔測定によって連続的にモニターした、意識のある自然発症高血圧ラット(SHR)への毎日の経口投与の後に、実施例1の抗高血圧有効性を評価した。平均動脈圧(MAP)の著しい低減が、ラットPDE5 IC50の約7倍に対応する遊離血漿濃度で達成された。実施例1を用いたSHRの治療は、14日の投与期間にわたってMAPの著しい持続的低減を誘発した。同様に、ACE阻害剤エナラプリルを用いた治療は、14日の投与期間にわたってMAPの著しい持続的低減を誘発した。ACE阻害剤と合わせた場合、実施例1は、ACE阻害剤単独よりも大きなMAP低減効果をもたらした。
実施例1は、表2に概説した一連の安全性薬理学研究において評価した。in vivo研究では、露出した経口経路を使用した。ジアゼパムまたはフルセミドを与えたラットは、それぞれ歩行活動および液体/電解質排泄研究において陽性対照となった。ドフェチリドは、それぞれアッセイの妥当性またはドフェチリドおよびhERGアッセイにおける陽性対照のために使用した。これらの研究は安全性パラメーターを評価するためによく特徴付けられたモデルを利用したので、陽性対照または陽性対照を与えた動物は、残りの研究において同時に評価されなかった。
Figure 2015534977
関連した効果は、hERGパッチクランプアッセイ、イヌプルキンエ繊維アッセイ、または10μM(4.77μ/mL)以下の[H]ドフェチリド結合アッセイで指摘されなかった。実施例1は、[H]ドフェチリドを、30μM(14.3μg/mL)で5.5%および100μM(47.7μg/mL)で32.5%に競合的に置き換えた。効果がない濃度である4.77μg/mLは、30mg投与後に得たヒト薬物動態(PK)に基づいて、Cmax(約0.011μg/mL遊離画分として)の約426倍であり、良好な耐容性を示し、QT延長に対して可能性が低いことを示唆した。
実施例1を300mg/kgまで与えたラットの結果は、飼育の減少および中心飼育からなる重要でない非用量関連効果を示したが、肺機能に対して副作用を示さなかった。実施例1は、他のPDE5阻害剤からの結果と整合性がある、尿体積および電解質排泄の用量関連減少を示した。
イヌの場合、0.5、1.5、および5mg/kgにおける実施例1は、小さいが著しい血圧の低下を誘発し、心室拡張終期圧を残した。これらの心血管効果は、血管平滑筋におけるcGMP上昇と整合性があり、cGMP特異的PDE5の阻害の結果として生じる。実施例1は、イヌにおけるECGパラメーターに対する任意の関連効果と関連がなかった。ECGパラメーターに対する臨床関連効果は、実施例1を1回および複数回投与したヒトでは指摘されなかった。イヌの5mg/kgにおけるCmaxは、12.8mg/mLであり、または30mg投与後にヒトで決定したCmax(1.57〜1.63μg/mL)より約8倍高く、それは良好な耐容性を示した。
ラット、イヌ、およびヒトのPKおよび毒物動態学研究からの血漿試料中の実施例1の濃度を決定するために、液体クロマトグラフィー/質量分析を使用した。毒物動態学研究のために、この方法を、50μLの血漿試料について10〜1000ng/mLの濃度範囲にわたって確認した。in vitroおよびin vivo代謝研究からの生物学的試料の[14C]実施例1由来の放射能を測定するために、放射測定法を使用した。
1回投与の後の実施例1の絶対経口生物学的利用能は、ラットで82%およびイヌで77%であった。実施例1の静脈内(IV)投与の後、ラットおよびイヌ中の血漿クリアランスは、対応する種の肝臓の血流より低く、実施例1が低クリアランス化合物であることを示していた。定常状態の分布容積は、ラットおよびイヌにおいて体内総水分量よりも低かった。
放射標識された実施例1を与えたラット中の組織分布研究において、投与量のかなりの部分が胃腸管内に残留し、全身分布は一般に組織血流に比例した。実施例1の血漿タンパク質結合値は、ラット、イヌ、およびヒトでは99.3%、ウサギ血漿では98.8%であることが確認された。
ラットおよびイヌでは、投薬量(全放射能)の80%超が、糞便中に排除されていた。放射能の大部分は、48時間内に回収された。ラットおよびイヌで回収された全放射能は、92%を超えていた。
実施例1がCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6およびCYP3A4(ミダゾラム、テストステロンおよびフェロジピン)を阻害する可能性を、ヒト肝ミクロソームで決定した。IC50値>30μMでは、阻害が観察されなかった。
死、臨床的症状、または体重への影響はなく、実施例1を20、200、または2000mg/kgで1回経口投与し、14日間観察したマウスまたはラットにおいて病理所見はなかった。100、300、または1000mg/kgで1回経口投与したラットで毒性は観察されなかったが、100、500、または1000mg/kgで1回経口投与したイヌで軽い胃腸への影響が生じた。
超微粉砕した実施例1(多形形態C)を、多形体Bとの曝露を比較するために、ラットおよびイヌにおける1回投与毒性/毒物動態学研究について評価した。超微粉砕した実施例1多形形態Cは、ラットおよびイヌにおいて、多形形態Bで達成可能な用量よりも高い用量の投与を可能にした。当量用量の多形形態BおよびC(イヌでは100mg/kg、ラットでは100および300mg/kg)において、多形形態の間で全身曝露の違いがなかった。
実施例1は、微生物復帰突然変異、in vitro細胞遺伝学(ヒトリンパ球)、およびin vivoラット小核アッセイからなる一連の遺伝毒物学アッセイで評価した。研究デザインおよび用量選択は、変異原性および染色体異常誘発能アッセイに関する医薬品規制調和国際会議および経済協力開発機構ガイドラインと整合性があった。細胞毒性または不溶性によって制限される濃度以下の濃度を使用して、外因性代謝活性化を含んでまたは含まずに全てのin vitro試験を実施した。実施例1は、in vitroまたはin vivoアッセイのいずれかでも遺伝毒性ではなかった(表3)。
Figure 2015534977
PDE5阻害剤シルデナフィルは、初期糖尿病性腎症にかかっているII型糖尿病患者のアルブミン尿を低減する(図1)。このデータは、ヒトにおける適当な薬物動態(PK)および安全性プロフィールを有する、DNおよび/またはCKDを治療するためのPDE5阻害剤の使用を支持する。実施例1は、経口投与の後にヒトにおいて良好な耐容性を示した、強力で選択的なPDE5阻害剤である。シルデナフィルと比較した場合、実施例1は、PDE6に対してPDE5がより大きな選択性がある、より強力なPDE5阻害剤であるように思われる。さらに、実施例1は、ヒトにおいて3〜4倍長い半減期を有する(表4)。これらの利点により、ヒト、特に糖尿病患者におけるアルブミン尿症、DNおよび/またはCKDの進行の治療または遅延に関して、実施例1はシルデナフィルより優れたものになる。
Figure 2015534977

Claims (12)

  1. 末期腎疾患の治療で使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩。
  2. 末期腎疾患の治療で使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤。
  3. 糖尿病性腎症の治療で使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩。
  4. 糖尿病性腎症の治療で使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤。
  5. 慢性腎臓病の治療で使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドまたはその薬学的に許容できる塩。
  6. 慢性腎臓病が、ステージ3または4である、請求項5に記載の使用。
  7. 慢性腎臓病の治療で使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤。
  8. 慢性腎臓病が、ステージ3または4である、請求項7に記載の使用。
  9. 尿中のアルブミンの低減に使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミドまたはその薬学的に許容できる塩。
  10. 尿中のアルブミンの低減に使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤。
  11. マクロアルブミン尿症の治療で使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩。
  12. マクロアルブミン尿症の治療で使用する、1−(2−エトキシエチル)−5−(エチル(メチル)アミノ)−7−((4−メチルピリジン−2−イル)アミノ)−N−(メチルスルホニル)−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、またはその薬学的に許容できる塩、および少なくとも1種の担体、希釈剤または賦形剤。
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