JP2015533219A - 磁化可能なビーズを用いた検体検出及び検体濃度測定 - Google Patents

磁化可能なビーズを用いた検体検出及び検体濃度測定 Download PDF

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Abstract

本発明は、サンプル中の検体を検出するための方法、試薬及び装置に関する。

Description

本発明は、サンプル中の検体を検出するための方法、試薬及び装置に関する。
検体、例えば医学的診断のための臨床パラメータを検出するためには数多くの様々な方法があり、その際、サンプル中の検体の存在及び/又は濃度は、好適な方法、特に光学的及び/又は電気化学的方法により測定される。
本発明は、検体検出のための新規でかつ容易な方法、並びにそれに適した試薬及びユニットを提供するという課題に基づいていた。
本発明において、検出すべき検体の存在若しくは濃度が、磁化可能なビーズを用いて測定され、その際、前記ビーズは結合分子で被覆されており、前記結合分子は、サンプル中の検体の存在及び/又は濃度に応じて凝集若しくは架橋しうる。この凝集若しくは架橋の出現が磁気的により検知され、それにより、サンプル中に存在する検体の定性的及び/又は定量的な測定が可能である。
本発明の第一の態様は、以下の工程:
(a)サンプルと磁化可能なビーズとを接触させる工程であって、その際、前記ビーズは結合分子で被覆されており、それによって、前記サンプル中の検体の存在及び/又は濃度に応じて前記磁化可能なビーズの凝集が生じるものとする工程、及び
(b)前記磁化可能なビーズの凝集度を磁気的検知により測定する工程
を含む、サンプル中の検体を検出するための方法に関する。
本発明のもう一つの態様は、1種以上の磁化可能なビーズを含む、サンプル中の検体を検出するための試薬であって、その際、前記ビーズは結合分子で被覆されており、それによって、前記サンプル中の前記検体の存在及び/又は濃度に応じて、前記磁化可能なビーズの凝集が生じうるものとする、前記試薬に関する。
前記試薬は、検体の磁気的検知のための方法において、特に上記のような方法において使用可能である。
本発明のもう一つの態様は、以下:
(a)試験キャビティ、
(b)前記試験キャビティ中に磁場を生成するための磁石、及び
(c)前記試験キャビティ中の磁場の経時変化を測定するための磁気センサ
を含む、サンプル中の検体を検出するための装置である。
前記装置は、検体の磁気的検知のための方法において、特に上記のような方法において使用可能である。
本発明は、サンプル中の検体の検出に関する。この検体は原則的に、1つ以上の特異的結合パートナーとの結合により検出可能な任意の物質であってよい。例えばこの検体は、タンパク質、例えば抗体、受容体、受容体リガンド、酵素など、核酸、例えばDNA又はRNA、ホルモン、シグナルトランスミッター、代謝産物、医薬品、薬物又は病原体、例えばウイルス又は細菌又はその他の種類の検出可能な全ての物質である。好ましくは、前記方法は、抗体、例えば病原体、自己免疫抗原、物質代謝産物などに対する抗体の検出に用いられる。
前記サンプルは、好ましくは生物由来のものであり、例えば体液サンプル、例えば血液、血清、血漿、尿、唾液、髄液など、組織サンプル、細胞培養サンプル、法医学サンプル、環境サンプルなどである。
本発明によれば、磁化可能なビーズが使用される。好ましくは、これは磁化可能なナノビーズである。このビーズは、好ましくは1〜10,000nm、特に好ましくは5〜1,000nm、最も好ましくは10〜100nmの範囲内のサイズを有する。このビーズは磁化可能である。好ましくは、このビーズは常磁性及び/又は超常磁性ビーズである。これは例えば、コバルトからなっていてもよいし、コバストを含有していてもよい。考えられるその他の材料は、鉄若しくは酸化鉄(例えば磁鉄鉱又は鉄合金)である。好ましい一実施形態において、このビーズは、磁鉄鉱からなるか又は磁鉄鉱を含有している常磁性及び/又は超常磁性ビーズである。磁鉄鉱粒子を含有するポリマービーズが特に好ましいことが判明した。検出可能なできる限り強いシグナルを発生させるため、好ましくは、例えば1〜200emu/g、好ましくは2〜70emu/g又は50〜200emu/gの高い飽和磁化を有するビーズが使用される。
このビーズは結合分子で被覆されており、これにより、検体の存在及び/又は濃度に応じて、このビーズの架橋若しくは凝集が達成される。
特定の実施形態においては、検体の特異的結合パートナーである結合分子が、つまり、例えば抗体/抗原−結合、受容体/リガンド−結合を介して、又は核酸ハイブリダイゼーションにより検体と特異的な相互作用を生じる結合分子が使用される。検体が例えば抗体である場合、検出に使用されるビーズは、この抗体により認識される抗原で被覆されていてよい。一方で、検体が抗原である場合には、ビーズは、この抗原に対する抗体で、又は抗体断片で被覆されていてよい。検体が核酸である場合には、ビーズは、この検体に対して相補的な核酸(又は核酸類似体)で被覆されていてよい。
他の実施形態においては、間接的に、つまり非固定化結合パートナーを介して、検体と特異的に結合する結合分子を使用することができる。「ユニバーサル」結合分子、例えば特定の種(例えばマウス、ラットなど)の抗体の一定のドメインに対する抗体を、このビーズに固定化することができる。検体と特異的に結合しうる検出抗体として、この特定の種の非固定化抗体が使用される。
もう一つの実施形態においては、例えば競合的試験において使用するために、このビーズは検体自体又は検体類似物で被覆されていてもよい。
本発明のために、1種のみのビーズ、つまり1種の結合分子で被覆された1種のみのビーズを使用することができ、また、複数種のビーズ、つまり種々の結合分子で被覆された複数種のビーズを使用することもできる。
さらに、この試験バッチに、非固定化結合分子、例えば検体の非固定化結合パートナーや、検体とビーズとの結合と競合するビーズ間の結合分子を添加することもできる。
結合分子でのビーズの被覆は、公知の方法により、例えば吸着により、例えば化学的カップリング試薬を用いての共有結合により及び/又は高親和性の相互作用により、例えばビオチン/ストレプトアビジン−結合を介して行うことができる。
特定の実施形態においては、疎水性及び/又は磁性相互作用に基づく非特異的な自己凝集を低減させるため、ビーズに、ベース被覆、好ましくは親水性のベース被覆を施与することが好ましい場合がある。他の実施形態においては、検体濃度の測定に、非特異的な凝集の作用を利用することもできる。
以下、試験フォーマットの様々な実施形態について詳説する。第一の実施形態は、1つの結合分子に対して複数の結合部位を有する検体の検出、例えば抗体の検出に関する。この実施形態を図1に示す。Cタイプの分子(検体)は、Aタイプの分子(結合分子)に対して複数の結合部位を有しているため、以下のように行う:ビーズをAタイプの分子で被覆する。その後、好ましくは、均質なビーズ懸濁液を製造する。次いで、このビーズと、検体Cを検出可能な濃度cで含有しているサンプル液体とを、試験キャビティ中に導入する。このCタイプの分子は、ビーズ表面上でAタイプの分子に結合する。検体CはAに対して複数の結合部位を含んでいるため、このビーズの凝集が生じる。検体Cの濃度cが高いほど、ビーズの凝集度は高くなる。
もう一つの実施形態では、2種の異なる結合分子に対する結合部位を有する検体の測定を可能にする試験フォーマットを用いる。この実施形態を図2に示す。Dタイプの分子(検体)は、Aタイプの結合分子に対する1つ以上の結合部位と、Bタイプの結合分子に対する1つ以上の結合部位とを有しているため、このビーズの一部をAタイプの分子で被覆し(=「Aタイプのビーズ」)、このビーズの他の部分をBタイプの分子で被覆する(=「Bタイプのビーズ」)。好ましくは、まず、AタイプのビーズとBタイプのビーズとを含有する均質なビーズ懸濁液を製造する。これら双方のタイプのビーズの濃度は、AとDとの、そしてBとDとの結合親和性に関して最適化されている。次いで、これらのビーズと、検体Dを検出可能な濃度cで含有しているサンプル液体とを、試験キャビティ中に導入する。このDタイプの分子は、Aタイプのビーズ表面上ではAタイプの分子に結合し、Bタイプのビーズ表面上ではBタイプの分子に結合し、それによってこれらのビーズの架橋若しくは凝集が生じる。検体Dの濃度cが高いほど、ビーズの凝集度は高くなる。
本発明のもう一つの実施形態は、サンプル中に検出すべき検体が存在している状態での、凝集体形成の阻害を含む。この実施形態を図3に示す。Eタイプの分子(検体)は、Aタイプの結合分子に対する1つ以上の結合部位と、Bタイプの結合分子に対する1つ以上の結合部位とを有しており、その際、結合部位が1つを上回る場合には、EとAとの結合がEとBとの結合形成を阻害し、またEとBとの結合形成がEとAとの結合形成を阻害する。この実施形態において使用されるビーズの一部はAタイプの分子で被覆されており、このビーズのその他の部分はBタイプの分子で被覆されている。好ましくは、まず、AタイプのビーズとBタイプとを含有するビーズの均質なビーズ懸濁液を製造し、その際、これら双方のタイプのビーズの濃度を、好ましくは予め上記の通りに最適化しておく。次いで、これらのビーズと、検体Eを検出可能な濃度cで含有しているサンプル液体とを、試験キャビティ中に導入する。結合分子Dの不在下では、ビーズの架橋若しくは凝集は生じない。Dタイプの結合分子が存在して初めて、凝集が生じうる。ビーズに固定化されたAタイプ又はBタイプの結合分子に検体Eが結合することで、ビーズの凝集が阻害される。何故ならば、Dタイプの結合分子に対する結合部位がわずかしか空いていないためである。Eの濃度が高いほど、ビーズの凝集度は低くなる。
もう一つの実施態様においては、検体又は検体類似体がビーズ自体に固定化されていてよい。この実施形態を図4に示す。この場合、結合分子Aで被覆されているビーズと、検体C又はその類似物で被覆されているビーズとが存在する。好ましくは、まず、AタイプのビーズとCタイプのビーズとを含有する均質なビーズ懸濁液を製造し、その際、これら双方のビーズの懸濁液の濃度は、好ましくは予め最適化されている。次いで、好ましくは、Cタイプのビーズと、検体Cを検出可能な濃度cで含有しているサンプル液体とを、試験キャビティ中に導入する。Aタイプのビーズを添加した後に凝集が生じうるが、その際、凝集度は、検体Cの濃度の増加に伴って低下する。
もう一つの実施態様においては、検体濃度の測定に、非特異的な自己凝集の作用を利用することができる。この実施形態を図5に示す。ここでは、Aタイプの結合分子で被覆されているビーズが存在している。これは自己凝集の傾向にある(左)。この結合分子Aに対して1つだけ結合部位を有する検体分子Cを添加すると、この自己凝集が阻害される。何故ならば、個々のビーズ間の間隔が比較的広いためである。検体Cの濃度の増加に伴って、凝集度は低下する(右)。
もう一つの実施態様においては、2つの異なるタイプのビーズが懸濁液中に存在する:一方はAタイプの分子で被覆された磁化可能なビーズであり、もう一方はBタイプの分子で被覆された磁化不可能なビーズである。この磁化不可能なビーズは、例えばポリマー(例えばポリスチレン)、デンプン、シランなどからなることができ、好ましくはポリマーから、特にポリスチレンからなることができる。
Dタイプの検出すべき検体分子は、磁化不可能なビーズと磁化可能なビーズとを結合させる。検体Dの濃度cが高いほど、より多くの磁化可能なビーズが磁化不可能なビーズと結合する。原理は図13で説明される。
磁化可能なビーズと磁化不可能なビーズとの2つの異なるタイプを有する変法の場合には、検体の濃度は、ビーズ層が形成される速度によって決定されうる。磁化可能なビーズと磁化不可能なビーズとが結合している場合は、これらは磁場において比較的ゆっくりと移動する。
磁化可能なビーズと磁化不可能なビーズとの2つの異なるタイプを有する実施形態においては、検体濃度は、所定の1つ以上の時点の後で絶対磁場強度を測定することによっても測定可能である。これから、どの位の量の磁化可能なビーズが磁化不可能なビーズに結合しているかを求めることができる。そのような結合が数多く存在する場合、ビーズ層における磁化可能なビーズの密度は比較的低くなり、それにより磁気シグナルは比較的小さくなる(図14を参照のこと)。そのような結合が全く存在しない場合、ビーズ層における磁化可能なビーズの密度は比較的高くなり、それにより磁気シグナルは比較的大きくなる(図15を参照のこと)。相応する段階的変化が可能である。総括すると、次のことが言える:ビーズ懸濁液中に検体分子が多く存在しているほど、層中の磁性ビーズの密度は低くなり、かつ磁気シグナルは小さくなる。
磁化可能なビーズと磁化不可能なビーズとの2つの異なるタイプを有する実施形態は、結合しているビーズと結合していないビーズとの分離にも適している。磁化不可能なビーズは、水の密度をかろうじて上回る比較的低密度(ρ:1.01〜2.59g/cm3)の材料からなることができる。液体密度が、(例えばスクロース、ポリスクロース(例えばフィコール(Ficoll))、グリセリン、様々なポリオールなどの添加によって)この磁化不可能なビーズの密度を上回って高められると、このビーズは浮上する。浮力が十分に大きいと、この磁化不可能なビーズは、磁化可能なビーズが結合していても浮上する。測定キャビティを磁場に入れる前に、ビーズが浮上するまで待機することができる。このビーズは、磁場により下方へと引っ張られない限り上方に存在する。何故ならば、ここでの磁場は非常に弱いためである。待機しなくても、ビーズの一部は磁場の作用範囲の外側に存在している。このようにして、結合していないビーズと結合しているビーズとを分離することができる。検体濃度が高いほど、磁気シグナルは小さくなる。
磁化不可能なビーズの代わりに、Bタイプの分子で官能化されているポリマー分子を使用することもできる。その場合、このポリマー分子は、検体分子が存在している限り、磁化可能なビーズ間の凝集をもたらす。検体濃度の測定は、ここでも動力学的測定により可能である。
このポリマー分子は、例えば合成又は天然のポリマー、例えばデンプン(デンプン誘導体)、デキストラン(デキストラン誘導体)、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミドなどであることができる。
本発明による検出系の様々な実施形態は、ビーズの凝集度が、サンプル中の検出すべき検体の存在及び/又は濃度に応じて変化することを特徴としている。
この検出は、好ましくは、サンプル液体と磁化可能なビーズとが好ましくは懸濁液として導入されている試験キャビティ中で実施される。さらに、場合により、緩衝液及び/又はその他の試薬が存在していてもよい。この試験キャビティは、好ましくは1〜1,000μl、特に好ましくは50〜300μlの容積を有する。この試験キャビティは、 − 試験フォーマットに応じて − 様々な形態に仕上げられていてよく、好ましくは、ナノビーズとナノビーズ凝集体との速度差を十分になくせるようにするため、そして液体体積を抑えるために、例えば3mm〜50mmの長さを有する長く延びた形状を有することができる。
本発明による方法の工程(b)は、磁化可能なビーズの凝集度を磁気的検知により測定することを含む。その際、工程(b)は、好ましくは試験キャビティ中での磁場の生成を含み、この磁場によって、磁化可能なビーズの移動が生じる。特に好ましくは、ビーズの凝集度の検知は、不均一な磁場における磁化可能なビーズの移動の測定を含む。
サンプル中の検体の検出は、架橋ビーズ凝集体が、磁場において、単一ビーズとは異なる速度で移動することに基づいている。ここで好ましくは、この移動は、磁場勾配において磁場強度が高まる方向へと生じる。大きな架橋ビーズ凝集体も、小さな架橋ビーズ凝集体とは異なる速度で、例えば磁場強度が高まる方向へ移動する。
従って、ビーズ若しくはビーズ凝集体は、懸濁液から、印加された磁場
Figure 2015533219
が最も強い測定キャビティの箇所へと、ビーズ間の架橋度の大きさに依存する速度で移動し、そこに集まる。
ビーズに作用する力は、好ましくは磁場内の場の勾配から生じる。この場の勾配は、不均一な磁場により生成されることができ、その場合、ビーズは磁場強度が高まる方向へ加速される。
ビーズは外部磁場
Figure 2015533219
において磁化されるため、このビーズはその側で磁場を生成し、この磁場は時間に依存する追加の場
Figure 2015533219
をもたらし、これが外部場
Figure 2015533219
に重畳される。この経時変化が測定される(「動力学的測定」)。この追加の場の経時的な拡大は、ビーズの凝集度若しくは架橋度に、ひいては検体の濃度に依存する。
好ましくは、できる限り大きな追加の場を生成し、かつそれに応じて検出可能な強いシグナルを生成するために、できる限り高い飽和磁化を有するビーズが使用される。
好ましくは、本発明による方法による検体の測定は、系のキャリブレーションを含み、その際、検体を含まないか若しくは1種以上の公知の検体濃度を有する対照サンプル中のビーズの凝集度若しくは架橋度が測定される。系のキャリブレーションのために、好ましくは、ビーズ懸濁液と、検体を所定の濃度ciで含有するサンプル液体とからの混合物が製造される。この混合物を用いて、動力学的曲線
Figure 2015533219
がプロットされ、その際、
Figure 2015533219
は、磁場センサの位置である。この動力学的曲線の挙動を規定するパラメータは、測定されるか、若しくはカーブフィッティングにより決定される。
多くの場合、この動力学的曲線の一部は、次式の関数
Figure 2015533219
により示すことができる。時定数τ(c)は濃度に依存し、曲線τ(c)は実験により決定される(いわゆる「標準曲線」の作成)。この標準曲線は、離散的な測定値τi(c)に対する広範なカーブフィッティングにより作成される。
もう一つの重要なキネティクスは、Langmuirの式:
Figure 2015533219
に従う。
その他の、例えば多項式関数に当てはめることができるような動力学的挙動も考えられる。
ここで、検体の未知の濃度cxを有するサンプル液体が存在する場合に、まず、式(1)又は場合により式(2)に従うカーブフィッティングでフィッティングされる動力学的曲線が作成される。このようにして求められた時定数を用いて、割り当て関数(Zuordnungsfunktion)c→τ(c)若しくはτ→c(τ)により濃度cxが算出される。
本方法の特定の実施形態において、凝集度の検知は、ろ過要素、例えばシーブを備えた試験キャビティの使用を含むことができる。ここで、このろ過要素は、ビーズ凝集体よりも非凝集ビーズに対して、より高い透過性を有する。このろ過要素の孔の直径は、例えば約100nm〜約10μmの範囲内であってよい。
ろ過要素を使用した場合、単一ビーズ、比較的小さいビーズ凝集体及び比較的大きいビーズ凝集体の速度の違いがさらに大きくなることがある。所定の大きさ以上では、凝集体はこのろ過要素に完全に保持されるため、その場合には、キネティクスの飽和における絶対磁気シグナルSも低減される。それによって、Sも、検体の濃度のための一つの尺度として用いることができる。Sは、十分に長い時間tの後の
Figure 2015533219
に相当する。前出のパラグラフと同様に、標準曲線S(c)を作成することができる。検体の存在及び検体の濃度の測定を、上記の通りに行うことができる。
ろ過要素の孔が高いレベルでビーズ凝集体により閉塞されることがないようにするため、試験キャビティを機械的に又は超音波刺激により動かすことができる。
図6に、シーブが組み込まれた試験キャビティを示す。磁石により、この試験キャビティ内に磁場が生成される。この図の左部分では、場の強度の高まりが、矢印
Figure 2015533219
により示されている。ビーズは、上記の通り、磁場強度が高まる方向へ移動する。その際、単一ビーズは実質的に阻止されることなくシーブを透過するが、一方でビーズ凝集体はよりゆっくりとシーブを通過するか、又は所定のサイズ以上では全くシーブを通過できない。図6の右部分では、移動方向が例示的に一つのビーズについて示されている。
磁場若しくは磁場の変化を測定するために、磁場センサが用いられる。適したセンサは、例えばホールセンサ又は磁気抵抗センサである。
ビーズ層の検知には、磁場センサの代わりに、その他のセンサも使用可能である。考えられる測定項目は、例えばビーズ層の下方のコイル若しくはコイルアセンブリのインピーダンス及びインダクタンスである。
原則的には、磁場センサをビーズ凝集体のできる限り近傍に配置し、かつビーズをできる限り強く磁化させることが好ましい。
極めて小さな場の測定が可能な磁場センサが存在する。ビーズ凝集体による場の影響は、数ミリメートルまでの距離において、ナノ−及びマイクロテスラの範囲である。
ビーズの凝集度に依存した磁場変化を測定するためには、輪形状の磁石、特にゼロ場点を有する輪形磁石の使用が好ましいことがある。このゼロ場点を有する輪形磁石は、永久磁石か又は電磁石のいずれかであることができる。
この輪形磁石の周囲には、磁場がゼロである点が2つ存在している(ゼロ場点)。磁場センサは、好ましくは上方のゼロ場点の範囲内に配置されている。試験キャビティは、ゼロ場点の上方に、好ましくはゼロ場点の直上に配置されることができる。このキャビティの底部に上記のビーズ凝集体が集まり、これがゾンデで検知される。この実施形態を図7及び8に示す。
図7に、輪形磁石の周囲における場分布を示す。この輪形磁石は、大きな図では横断面で示されている。灰色が濃いほど、磁場は強くなる。
図8に、輪形磁石を有する測定アセンブリの構成を示す。この場合、試験キャビティ内に磁場が生成され、その際、磁場勾配の方向が、矢印
Figure 2015533219
により示されている。磁場ゾンデのアクティブな範囲の位置は、上方のゼロ場点と一致する。ビーズ若しくはビーズ凝集体は、この試験キャビティ内で磁場勾配の方向に、つまり矢印の方向に移動する。磁石の輪形に基づき、ビーズはこの試験キャビティの底部で、好ましくは輪形に集まる。その理由は、ここでは磁場が中央よりも強いためである。従って好ましくは、少なくとも部分的に平坦な底部を有する試験キャビティを使用することができる。キャビティが磁石と所定の間隔を有して初めてこの効果が消失し、かつ一様なビーズ層が底部に形成される(図7における場の強度の分布を参照のこと)。
もう一つの好ましい実施形態においては、磁場は、時間的な中断を伴って機能する電磁石により生成されることができる。この電磁石は、最も単純なケースでは円筒状コイルからなっており、このコイルには、必要とされる場の強度に応じて、場の強度を高めるために金属成分が施与されてよい。
図9に、コイルとして形成された電磁石の周囲での場の分布を示す。このコイルは、 − 場合により、場を強める金属成分と一緒に − 試験キャビティの下方に配置されてよい。
図10に、電磁石を有するそのような測定アセンブリの構成を示す。試験キャビティ中では、この電磁石により磁場が生成される。磁場勾配の方向は、矢印
Figure 2015533219
により示されている。ビーズ若しくはビーズ凝集体は、この試験キャビティ中で磁場勾配の方向に移動し、この試験キャビティの底部に集まる。輪形磁石を有する変法(図7を参照のこと)と比較して、このケースではより多くのビーズが底部の中央にも集まる。従って、下方へ向かって円錐形になっている容器の使用が好ましい場合がある。
高感度で測定しうるためには、電磁石を所定の間隔Δtで所定の期間δtにわたって失活させることができる。その後、センサを用いて、ビーズ凝集体の残留磁化が測定される。輪形磁石のバージョンと同様に、このようにして動力学的曲線が作成され、これを用いてビーズ凝集体の形成速度を推定することができる。
その他の場の形状を生成する永久磁石や電磁石を用いたその他の実施形態も考えられる。特定のケースでは、ゼロ場点を有しない永久磁石又は電磁石を使用することや、これらを測定の間に無効にしないこと(図11を参照のこと)が可能である。
例えば、極めて小さな全場
Figure 2015533219
の使用が考えられる。
図16に、試験キャビティが強い静磁場中に存在しており、この静磁場が主に水平方向に延びており、かつその強さが下方に向かって増加している実施形態を示す。そのような場は、試験キャビティの両側に配置されている2つの永久磁石により生成されることができる(図16)。
この磁場形状においては、磁化可能なビーズはまたも下方へ向かって加速されるため、ビーズ若しくはビーズ凝集体からの層が形成される。このビーズは外部磁場の力線の方向で磁化されているため、追加磁場を生成する。
磁場センサは、ビーズ層により生成された磁場の垂直成分を測定できるように、試験キャビティの下方に配置されている。この磁場センサは、この目的で、試験キャビティの下方の中央ではなくN−S方向へずれて存在している(図17を参照のこと)。それに対して、試験キャビティは、ビーズができる限り下方に集まるようにするために、双方の永久磁石の間の中央に存在している。
ビーズ凝集体の収集及び測定は、好ましくは測定キャビティの底部で行われるが、測定キャビティの側面でも可能である。
ビーズ凝集体が集まる速度に影響を与えるために、場合により試験キャビティを超音波により刺激することができる。
2つの異なるタイプのビーズが、つまり、Aタイプの分子で被覆されている磁化可能なビーズと、Bタイプの分子で被覆されている磁化不可能なビーズとが懸濁液中に存在する実施形態においては、検体と結合したビーズと結合していないビーズとの分離に使用することができる。従って本発明は、以下の工程:
(i)第一のタイプの結合分子で被覆されている磁化可能なビーズと、第二のタイプの結合分子で被覆されている磁化不可能なビーズと、少なくとも1種の懸濁媒体とを含む懸濁液を調製する工程であって、その際、前記磁化不可能なビーズの密度ρnmBが、1.01〜2.5g/cm3、好ましくは1.1〜2.5g/cm3の範囲内であるものとする工程、
(ii)検体を前記懸濁液に添加する工程、
(iii)前記懸濁媒体の密度をρnmBよりも大きい値ρMediumに調整する工程、
(iv)検体と結合したビーズを分離する工程
を含む、検体の分離方法をも提供する。好ましい一実施形態において、この懸濁媒体は水である。
例えばスクロース、ポリスクロース、例えばフィコール、グリセリン、ポリオールなどの添加によって、懸濁媒体の密度を磁化不可能なビーズの密度を上回るように適合させることで、ビーズは浮上する。浮力が十分に大きいと、磁化可能なビーズが結合していても、磁化不可能なビーズはさらに浮上する。それによって、検体と結合したビーズと結合していないビーズとの容易な分離を達成することができる。この実施形態は、検体濃度の測定にも用いることができる。このために、測定キャビティへと分離されたサンプルが磁場内に置かれる。検体と結合したビーズは表面上に存在しており、磁場によって下方へと引っ張られることはできない。何故ならば、この磁場は非常に弱いためである。検体濃度が高いほど、磁気シグナルは小さくなる。
本発明による方法の実施には、1種以上の磁化可能なビーズを含有する試薬が適している。このビーズは上記の通り結合分子で被覆されており、それによって、サンプル中の検体の存在及び/又は濃度に応じて、磁化可能なビーズの磁気的検知により検出可能な凝集が生じうる。さらに、この試薬は、さらなる成分、例えば結合分子や架橋分子を遊離形で、また、添加剤、例えば緩衝液、ノイズキャンセリング試薬などを含有することができる。
この試薬は、上記の通り、さらなる成分としてさらに、検出系のキャリブレーションのための対照サンプルを含有することができる。
本発明による方法の実施に適した装置は、試験キャビティ、前記試験キャビティ中で磁場、特に不均一な磁場若しくは磁場勾配を生成するための磁石、及び前記試験キャビティ中での磁場の経時変化の測定に適した磁気センサを含む。
さらに、この装置は、センサにより測定されたシグナルを評価するためのユニット、例えばプロセッサ、並びに場合によりケーシング、コンソールなどを含むことができる。
以下の実施例により本発明を説明する。
1つの結合分子に対して複数の結合部位を有する検体の検出の実施形態を示す図。 2種の異なる結合分子に対する結合部位を有する検体の測定の実施形態を示す図。 サンプル中に検出すべき検体が存在している状態での、凝集体形成の阻害を含む実施形態を示す図。 検体又は検体類似体がビーズ自体に固定化されている実施形態を示す図。 検体の濃度測定に、非特異的な自己凝集の作用を利用する実施形態を示す図。 シーブが組み込まれた試験キャビティを示す図。 輪形磁石の周囲における場分布を示す図。 輪形磁石を有する測定アセンブリの構成を示す図。 コイルとして形成された電磁石の周囲での場の分布を示す図。 電磁石を有する測定アセンブリの構成を示す図。 ゼロ場点を有しない永久磁石又は電磁石を使用する実施形態を示す図。 磁場センサの箇所での磁場強度の経時変化を示す図。 検体Dの濃度cが高いほど、より多くの磁化可能なビーズが磁化不可能なビーズと結合することを説明する図。 磁化可能なビーズと磁化不可能なビーズとの結合が多い場合に、ビーズ層における磁化可能なビーズの密度が比較的低くなり、それにより磁気シグナルが比較的小さくなることを示す図。 磁化可能なビーズと磁化不可能なビーズとの結合が全く存在しない場合に、ビーズ層における磁化可能なビーズの密度が比較的高くなり、それにより磁気シグナルが比較的大きくなることを示す図。 試験キャビティが強い静磁場中に存在しており、この静磁場が主に水平方向に延びており、かつその強さが下方に向かって増加している実施形態を示す図。 磁場センサが、試験キャビティの下方の中央ではなくN−S方向へずれて存在している実施形態を示す図。 様々なストレプトアビジン濃度での規格化磁場強度の結果を示す図。 様々なMPOに対する抗体濃度での磁場強度の結果を示す図。 非凝集ビーズを示す図。 凝集ビーズを示す図。
実施例1
TurboBeads社(www.turbobeads.com)製の機能化ビーズを使用した。このビーズはコバルトからなり、かつ約158emu/gの飽和磁化を有する。直径は約30nmである。このコバルトビーズは炭素層でコーティングされている。
この試験のために、この炭素層がビオチン分子で官能化されているビーズを使用した。試験の検体として、ストレプトアビジンを使用した。ストレプトアビジンはビオチンに対して4つの結合部位を有する。そのようにして実現された試験系は、最初に記載した実施形態に相応している(図1を参照のこと)。
磁場強度の測定のために、MAGNET-PHYSIK社(www.magnet-physik.de)製のホールゾンデHS-AGE5-4805を備えたテスラメータFH 54を使用した。
試験セットアップとして図8の構成を用いたが、但し、下方に向かって先のとがった形の試験キャビティを用いた。図12に、磁場センサの箇所での磁場強度の経時変化を示す。
測定の開始時には、均質なナノビーズ懸濁液500μlが測定キャビティ中に存在していた。このナノビーズの濃度は2.67×1011ナノビーズ/mlであり、結合能は0.1mmol/gであった。
永久磁石がこの試験キャビティの下方に存在していたため、このビーズは懸濁液添加の直後に下方へと移動し始めた。測定された磁場強度を、図12において黒色の実線として示す。
もう一つの実験においても同様に行ったが、唯一の相違点は、ビーズ懸濁液を添加前にストレプトアビジン溶液と混合したことである。ストレプトアビジンはビオチンと結合するため、ビーズの表面上にストレプトアビジン層が形成される。ストレプトアビジンは4つのビオチン結合部位を有しているため、ナノビーズが凝集する(図1を参照のこと)。このビーズ懸濁液中のストレプトアビジンの濃度は、333pmol/mlであった。
記録した磁場を、図12において破線の曲線として示す。
このストレプトアビジンを用いた実験におけるナノビーズ若しくはナノビーズ凝集体は、ストレプトアビジンなしの実験よりもゆっくりとしたキネティクスを示すことが明らかに認められる。
この効果は再現性を有していた。
実施例2
結合分子に対して複数の結合部位を有する検体の検出(図1を参照のこと)
ビーズが、水平に延びる場に向かって集まるセットアップを用いた(図16を参照のこと)。
磁場強度の測定のために、MAGNET-PHYSIK社(www.magnet-physik.de)製のホールゾンデHS-AGE5-4805を備えたテスラメータFH 54を使用した。
約170nmの直径を有するMerck Millipore社製の磁化可能なビーズ(商標Estapor、www.estapor.com)を使用した。このビーズは、磁鉄鉱粒子で包囲されたポリスチレンマトリクスからなる。このビーズの表面は、ビオチンで官能化されていた。
液体の全量は常に100μlであった。磁化可能なビーズの濃度は、1.3×1012ビーズ/mlであった。
対照測定を行ったが、その際、ストレプトアビジンを添加しなかった。次いで、様々なストレプトアビジン濃度で測定を行った。ストレプトアビジンはビオチンと結合する。ストレプトアビジンは4つのビオチン結合部位を有しているため、ビーズは凝集する。
結果を図18に示す:
ここで、矢印の方向でストレプトアビジン濃度が次のように増加している:ストレプトアビジンなし;41.67nmol/ml;83.33nmol/ml;208.33nmol/ml;333.33nmol/ml;500nmol/ml。
オリジナルの曲線を灰色で示す。上に重ねた黒色は、フィッティングした曲線を示す。Langmuirの式:
Figure 2015533219
を用いた。ここで、時定数を以下のように求めた:
Figure 2015533219
実施例3:磁化可能なビーズ及び磁化不可能なビーズを用いた検体の検出
ここでも、ビーズが水平に延びる場に向かって集まるセットアップを用いた(図16を参照のこと)。
磁場強度の測定のために、Micro Magnetics社(www.micromagnetics.com)製のセンサSTJ-220を用いた。
同様に、約170nmの直径を有するMerck Millipore社製の磁化可能なビーズを使用した。このビーズの表面は、抗原ミエロペルオキシダーゼ(MPO)で官能化されていた。
磁化不可能なビーズとして、ポリスチレンビーズであるMerck Millipore社製の商標Estaporを同様に使用した。これは約1000nmの直径を有していた。この磁化不可能なビーズは、抗ヒトIgGで官能化されていた。
液体の全量は常に130μlであった。磁化可能なビーズの濃度は7.77×1011ビーズ/mlであり、磁化不可能なビーズの濃度は1.4×1011ビーズ/mlであった。
この磁化可能なビーズを、まず、試験すべき血清と混合した。MPOに対する検出すべき抗体(存在する場合)は、ビーズの表面上でこの抗原と結合した。次いで、磁化不可能なビーズを添加した。このビーズに固定化されている抗ヒトIgGは、存在している抗体と結合した。そのようにして、比較的小さな磁化可能なビーズが比較的大きな磁化不可能なビーズに固定化された。
結果を図19に示す。実線は、MPOに対する抗体が存在しない測定を示し(曲線a)、一点鎖線の曲線は、高ポジティブ血清の測定を示し(MPOに対する抗体が極めて多い、曲線c)、点線は、高ポジティブ血清の半分のMPO抗体濃度の測定(曲線b)を示す。
この測定では、抗体濃度を求めるために、絶対的な場の強度を用いる。
図20及び21は、非凝集ビーズ若しくは凝集ビーズを示す。

Claims (10)

  1. 以下の工程:
    (a)サンプルと磁化可能なビーズとを接触させる工程であって、その際、前記ビーズは結合分子で被覆されており、それによって、前記サンプル中の検体の存在及び/又は濃度に応じて前記磁化可能なビーズの凝集が生じるものとする工程、及び
    (b)前記磁化可能なビーズの凝集度を磁気的検知により測定する工程
    を含む、サンプル中の検体を検出するための方法。
  2. 工程(a)及び(b)を試験キャビティ中で実施することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(b)が磁場の印加を含み、前記磁場によって前記磁化可能なビーズの移動が生じることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程(b)において、前記ビーズの凝集度の検知が、不均一な磁場における磁化可能なビーズの移動の測定を含むことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程(b)が、磁場の印加による前記ビーズの磁化を含み、それにより前記ビーズが追加磁場を生成し、その経時変化を測定することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. ビーズ凝集体よりも非凝集ビーズに対してより低い透過性を有するろ過要素を含む試験キャビティを使用することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程(b)が、ゼロ場点を有する輪形磁石の使用下での磁場の印加を含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程(b)が、時間的な中断を伴う磁場の印加を含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 1種以上の磁化可能なビーズを含む、サンプル中の検体を検出するための試薬であって、その際、前記ビーズは結合分子で被覆されており、それによって、前記サンプル中の前記検体の存在及び/又は濃度に応じて、前記磁化可能なビーズの凝集が生じうるものとする、前記試薬。
  10. 以下:
    (a)試験キャビティ、
    (b)前記試験キャビティ中に磁場を生成するための磁石、及び
    (c)前記試験キャビティ中の磁場の経時変化を測定するための磁気センサ
    を含む、サンプル中の検体を検出するための装置。
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