JP2015532263A - ウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形 - Google Patents
ウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015532263A JP2015532263A JP2015515334A JP2015515334A JP2015532263A JP 2015532263 A JP2015532263 A JP 2015532263A JP 2015515334 A JP2015515334 A JP 2015515334A JP 2015515334 A JP2015515334 A JP 2015515334A JP 2015532263 A JP2015532263 A JP 2015532263A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ulipristal acetate
- acetate
- polymorph
- crystal
- crystalline polymorph
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07J—STEROIDS
- C07J41/00—Normal steroids containing one or more nitrogen atoms not belonging to a hetero ring
- C07J41/0033—Normal steroids containing one or more nitrogen atoms not belonging to a hetero ring not covered by C07J41/0005
- C07J41/0077—Normal steroids containing one or more nitrogen atoms not belonging to a hetero ring not covered by C07J41/0005 substituted in position 11-beta by a carbon atom, further substituted by a group comprising at least one further carbon atom
- C07J41/0083—Normal steroids containing one or more nitrogen atoms not belonging to a hetero ring not covered by C07J41/0005 substituted in position 11-beta by a carbon atom, further substituted by a group comprising at least one further carbon atom substituted in position 11-beta by an optionally substituted phenyl group not further condensed with other rings
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P15/00—Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P15/00—Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
- A61P15/18—Feminine contraceptives
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P5/00—Drugs for disorders of the endocrine system
- A61P5/24—Drugs for disorders of the endocrine system of the sex hormones
- A61P5/36—Antigestagens
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07B—GENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
- C07B2200/00—Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
- C07B2200/13—Crystalline forms, e.g. polymorphs
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Reproductive Health (AREA)
- Gynecology & Obstetrics (AREA)
- Diabetes (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Steroid Compounds (AREA)
Abstract
子宮筋腫の予防及び/又は治療薬、避妊剤などとして有用であるウリプリスタール酢酸エステルの新規結晶多形及びその製造方法を提供する。特定の溶媒と関連させた結晶化又は転移により、ウリプリスタール酢酸エステルの新規結晶多形を得る。前記溶媒は、水、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、直鎖状アルコール、アルキルエーテル、酢酸エステル、アルキルケトン、N−アルキルアシルアミド及びアルカンニトリルから選択された少なくとも一種である。【選択図】なし
Description
本発明は、避妊剤として、若しくは子宮筋腫の予防及び/又は治療剤などとして有用なウリプリスタール酢酸エステルの新規結晶多形及びその製造方法に関する。
ウリプリスタール酢酸エステル[17α−アセトキシ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3,20−ジオン;以下、UPAと称する場合がある]は、抗プロゲステロン活性と抗グルココルチコイド活性とを有するステロイド化合物であり、米国および欧州にて緊急避妊薬として販売されている。
ウリプリスタール酢酸エステルの結晶として、例えば、特許第2953725号公報(特許文献1)には、メタノールと水との混合溶媒から再結晶された融点118〜121℃のUPA結晶が記載されている。WO96/30390号公報(特許文献2)には、ジエチルエーテルから結晶化された融点183〜185℃のUPA結晶が記載されている。特表2006−519255号公報(特許文献3)には、エタノール水溶液(90%)から再結晶された融点183〜185℃のUPA結晶が記載されている。特表2006−515869号公報(特許文献4)には、エタノール/水=80/20の混合溶媒から再結晶された融点189℃のUPA結晶が記載されている。特表2009−539964号公報(特許文献5)には、エタノール(230mL)と水(260mL)との混合溶媒から再結晶された融点184〜186℃のUPA結晶が記載されている。
溶解性及び/又はバイオアベイラビリティが改善されたウリプリスタール酢酸エステルの新規結晶形が、未だ要求されている。
従って、本発明の目的は、子宮筋腫の予防及び/又は治療剤などとして有用であるウリプリスタール酢酸エステルの新規結晶多形及びその製造方法を提供することにある。新規な結晶形のウリプリスタール酢酸エステルは、避妊剤(避妊薬)(例えば、緊急避妊剤(緊急避妊薬))として有用であってもよい。また、本発明の新規な結晶形は、例えば、婦人科疾患(又は障害)(子宮筋腫又は平滑筋腫、子宮内膜症、子宮出血、子宮内膜の脱臼又は転位(dislocation)に関連する疼痛など)の治療及び/又は予防薬としても有用であってもよい。
本発明の他の目的は、溶解性、安定性、吸収性などに優れ、バイオアベイラビリティを向上できるウリプリスタール酢酸エステルの新規結晶多形及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ウリプリスタール酢酸エステルの結晶化条件(例えば、晶析溶媒、過飽和の生成方法、乾燥方法など)を調整することにより、多種多様の結晶が作製できること、これらの結晶の中には、従来の結晶形とは構造が異なる新規な結晶形が存在すること、この新規な結晶形は、特定の結晶化条件で結晶化すれば、実質的に他の結晶形と混在することなく、単一の結晶形として得ることができること、前記新規な結晶形を含むウリプリスタール酢酸エステル物質が、溶解性、安定性、吸収性などの特性に優れ、バイオアベイラビリティを向上できることを見いだした。本発明のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形Bは、患者に投与されるウリプリスタール酢酸エステルの投薬量を低減でき、要求されるか又は必要とされる治療的又は避妊的効果を得ることができる。本発明は、上記の知見に基づいて完成した。
本発明の第1の態様は、以下の回折角度2θ:6.4±0.2°、8.4±0.2°、9.4±0.2°、9.6±0.2°、11.8±0.2°、12.8±0.2°、15.3±0.2°、16.7±0.2°、17.5±0.2°、18.6±0.2°、19.3±0.2°、21.0±0.2°及び25.5±0.2°に回折ピークを含む粉末X線回折パターンを有するウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形B(B形結晶)である。
いくつかの実施形態において、前記結晶多形Bは、図1に示されるか又は表2に記載される粉末X線回折パターンを有する。好ましくは、この粉末X線回折パターンは、Cu K α1線源を備えた回折計を用いて得られる。
いくつかのさらなる又は他の実施形態において、本発明の結晶多形Bは、示差走査熱量スペクトルにおいて、160〜170℃程度に吸熱ピークを有する。本発明の結晶多形Bは、さらに、図2に示される示差走査熱量スペクトルを有していてもよい。
本発明の別の態様は、前記結晶多形Bを含むウリプリスタール酢酸エステル物質(本明細書において、「ウリプリスタール酢酸エステル混合物」とも称される)である。
ウリプリスタール酢酸エステル物質は、結晶多形Bを含んでいればよく、さらにウリプリスタール酢酸エステルの他の結晶多形(結晶多形Bと異なる結晶多形)[例えば、結晶多形A(A形結晶)、結晶多形C(C形結晶)など]を含んでいてもよい。結晶多形A(又は結晶多形Aを含むウリプリスタール酢酸エステル物質)は、以下の回折角度2θ:9.2±0.2°、11.4±0.2°、11.7±0.2°、12.0±0.2°、15.2±0.2°、17.0±0.2°、17.2±0.2°及び24.4±0.2°に回折ピークを含む粉末X線回折パターンを有する。結晶多形C(又は結晶多形Cを含むウリプリスタール酢酸エステル物質)は、以下の回折角度2θ:9.0±0.2°、9.3±0.2°、10.8±0.2°、11.5±0.2°、12.2±0.2°、13.1±0.2°、14.3±0.2°、15.6±0.2°、15.7±0.2°、15.9±0.2°、16.6±0.2°、17.6±0.2°、17.9±0.2°、18.9±0.2°、19.3±0.2°及び23.8±0.2°に回折ピークを含む粉末X線回折パターンを有する。結晶多形Bと他の結晶多形(例えば、結晶多形A及び/又は結晶多形C)との割合(重量比)は、前者/後者=0.5/99.5〜99.5/0.5程度であってもよい。なお、上記重量比は、粉末X線回折スペクトルにおいて、結晶多形Bと他の結晶多形とを所定の重量比で含む参照ウリプリスタール酢酸エステルの回折ピークの強度比(回折ピークの基準線からの高さの比)を測定することにより、重量比と回折ピークの強度比との関係に基づいて分析できる。
本発明は、さらに、本発明に係るウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質と薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。この医薬組成物は、避妊剤、例えば、緊急避妊剤として使用してもよい。さらに、本発明の医薬組成物は、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮出血、子宮内膜の脱臼又は転位に関連する疼痛などの婦人科疾患を治療及び/又は予防するために用いられてもよい。
本発明のさらなる態様は、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質の製造方法である。
本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質の製造方法は、溶媒と関連させた結晶化又は転移(溶液からの結晶化、溶液の濃縮、溶液中での転移)によりウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形Bを形成する工程を含んでいる。前記溶媒は、水、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、直鎖状アルコール、アルキルエーテル、酢酸エステル、アルキルケトン、N−アルキルアシルアミド及びアルカンニトリルから選択された少なくとも一種である。
ウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質の形成工程は、以下の(i)〜(iii)のいずれかの工程を含んでいてもよい。
(i)溶媒(トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールなどの直鎖状アルコール;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどの酢酸エステル;メチルエチルケトンなどのアルキルケトン;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのN−アルキルアシルアミドなど)からウリプリスタール酢酸エステルを析出(又は沈殿)させる工程、
(ii)溶媒(トルエンなどの芳香族炭化水素;エタノール、1−ブタノールなどの直鎖状アルコール;アセトニトリルなどのアルカンニトリル;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどの酢酸エステル;メチルエチルケトンなどのアルキルケトンなど)にウリプリスタール酢酸エステルを溶解し、この溶液を濃縮(固化又は乾固)する工程、
(iii)溶媒又は分散媒(ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;ジエチルエーテルなどのアルキルエーテルなど)に分散させた状態で、ウリプリスタール酢酸エステルの結晶形を転移(例えば、結晶多形Aから結晶多形Bに転移)する工程。
(i)溶媒(トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールなどの直鎖状アルコール;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどの酢酸エステル;メチルエチルケトンなどのアルキルケトン;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのN−アルキルアシルアミドなど)からウリプリスタール酢酸エステルを析出(又は沈殿)させる工程、
(ii)溶媒(トルエンなどの芳香族炭化水素;エタノール、1−ブタノールなどの直鎖状アルコール;アセトニトリルなどのアルカンニトリル;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどの酢酸エステル;メチルエチルケトンなどのアルキルケトンなど)にウリプリスタール酢酸エステルを溶解し、この溶液を濃縮(固化又は乾固)する工程、
(iii)溶媒又は分散媒(ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;ジエチルエーテルなどのアルキルエーテルなど)に分散させた状態で、ウリプリスタール酢酸エステルの結晶形を転移(例えば、結晶多形Aから結晶多形Bに転移)する工程。
なお、本明細書中、ピークを有する回折角度(又はピーク角度)は、±0.2°のバラツキの範囲(可変範囲)を含む。同一の結晶形において、バラツキの範囲を含む複数のピーク角度(回折角度)が重複していても、測定したピーク角度は互いに独立している。例えば、結晶多形Bは、9.4±0.2°及び9.6±0.2°に回折ピークを有しており、2つの回折角度の範囲が9.4〜9.6°で重複しているが、異なる回折角度位置で2つの独立したピーク(1つは9.4±0.2°でのピーク、もう1つは9.6±0.2°でのピーク)があることを意味する。
本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質及び結晶多形Bでは、従来の結晶形と比較して溶解性が高く、安定性、吸収性などにも優れ、バイオアベイラビリティを向上できる。また、本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質及び結晶多形Bでは、子宮筋腫の予防及び/又は治療薬などとして有用であり、医薬(又は医薬品)としての安全性にも優れている。本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質及び結晶多形Bは、避妊剤として有用である。
[ウリプリスタール酢酸エステル物質]
本明細書では、ウリプリスタール酢酸エステル物質とは、多形の混合物又は組成物の形態のウリプリスタール酢酸エステルをいう。本発明によるウリプリスタール酢酸エステル物質は、結晶多形Bを少なくとも含む。いくつかの実施形態において、本発明によるウリプリスタール酢酸エステル物質は、結晶多形Bを少なくとも5重量%含む。重量割合は、ウリプリスタール酢酸エステル物質の総重量に対する割合である。
本明細書では、ウリプリスタール酢酸エステル物質とは、多形の混合物又は組成物の形態のウリプリスタール酢酸エステルをいう。本発明によるウリプリスタール酢酸エステル物質は、結晶多形Bを少なくとも含む。いくつかの実施形態において、本発明によるウリプリスタール酢酸エステル物質は、結晶多形Bを少なくとも5重量%含む。重量割合は、ウリプリスタール酢酸エステル物質の総重量に対する割合である。
本明細書において、少なくとも5重量%の結晶多形Bは、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%の結晶多形Bを包含する。好ましい実施形態において、結晶多形Bは、本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質内に存在するウリプリスタール酢酸エステルの主要な多形である。このことは、本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質が、50重量%よりも少なくない量の結晶多形B、好ましくは少なくとも90重量%、さらに好ましくは少なくとも95重量%、さらにより好ましくは少なくとも99.5重量%の結晶多形Bを含むことを意味する。本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質中に存在する残りの多形は、無定形ウリプリスタール酢酸エステル又はウリプリスタール酢酸エステルの任意の結晶形であってもよい。いくつかの実施形態において、本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質は、実質的に、本明細書に記載される結晶多形Bからなる。
ウリプリスタール酢酸エステル物質は、粉末X線回折スペクトルにおける回折ピークにより特徴付けられる。具体的には、ウリプリスタール酢酸エステル物質は、少なくともウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形B(B形結晶)を含んでおり、粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも結晶多形Bに由来する回折ピークを有している。
結晶多形Bは、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θで表される回折角度として、少なくとも9.4±0.2°、9.6±0.2°及び17.5±0.2°に回折ピークを有する。これらの回折ピークは、通常、強度の高い順で上位3つの回折ピークである場合が多く、17.5±0.2°での回折ピークが、最も強度の大きい回折ピークであってもよい。好ましい結晶多形Bは、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θで表される回折角度として、6.4±0.2°、8.4±0.2°、9.4±0.2°、9.6±0.2°、11.8±0.2°、12.8±0.2°、15.3±0.2°、16.7±0.2°、17.5±0.2°、18.6±0.2°、19.3±0.2°、21.0±0.2°及び25.5±0.2°に回折ピークを有する。
いくつかの実施形態において、本発明の結晶多形Bは、図1に表されるか又は表2に記載されるX線回折パターンを示す。
なお、粉末X線回折スペクトルは、慣用の方法、好ましくは、Cu K α−1線源を有する回折計を用いて、例えば、後述の実施例の方法で測定できる。回折ピークを示す回折角度2θは、測定条件および試料状態などによって±0.2°(例えば、±0.1°)程度変動する場合がある。しかし、同一の結晶構造であれば、特徴的な回折ピークの数が大きく変化することはなく、ほぼ同一の粉末X線回折パターンを示す。
ウリプリスタール酢酸エステル物質は、示差走査熱量スペクトルにおけるピークにより特徴付けられる。具体的には、ウリプリスタール酢酸エステル物質は、示差走査熱量スペクトルにおいて、少なくとも結晶多形Bに由来するピークを有している。
結晶多形Bは、示差走査熱量スペクトルにおいて、160〜170℃(例えば、165〜169℃、好ましくは166〜168℃)程度に吸熱ピーク(又は融点)を有する。
いくつかの実施形態において、本発明の結晶多形Bは、図2に示される示差走査熱量スペクトルを有する。
本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質は、結晶多形Bを含んでいればよく、さらにウリプリスタール酢酸エステルの他の結晶多形(多形結晶)を含んでいてもよい。本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質は、さらに、無定形ウリプリスタール酢酸エステル、及び/又は結晶多形Bとは別のウリプリスタール酢酸エステル結晶を含んでいてもよい。他の結晶多形としては、粉末X線回折スペクトルにおいて、結晶多形Bとは異なる回折角度範囲に回折ピークを有する結晶多形、例えば、
(1)以下の回折角度2θ:9.2±0.2°、11.4±0.2°、11.7±0.2°、12.0±0.2°、15.2±0.2°、17.0±0.2°、17.2±0.2°及び24.4±0.2°に回折ピークを含む粉末X線回折スペクトルを有する結晶多形A(A形結晶)、
(2)以下の回折角度2θ:9.0±0.2°、9.3±0.2°、10.8±0.2°、11.5±0.2°、12.2±0.2°、13.1±0.2°、14.3±0.2°、15.6±0.2°、15.7±0.2°、15.9±0.2°、16.6±0.2°、17.6±0.2°、17.9±0.2°、18.9±0.2°、19.3±0.2°及び23.8±0.2°に回折ピークを含む粉末X線回折スペクトルを有する結晶多形C(C形結晶)などが例示できる。
(1)以下の回折角度2θ:9.2±0.2°、11.4±0.2°、11.7±0.2°、12.0±0.2°、15.2±0.2°、17.0±0.2°、17.2±0.2°及び24.4±0.2°に回折ピークを含む粉末X線回折スペクトルを有する結晶多形A(A形結晶)、
(2)以下の回折角度2θ:9.0±0.2°、9.3±0.2°、10.8±0.2°、11.5±0.2°、12.2±0.2°、13.1±0.2°、14.3±0.2°、15.6±0.2°、15.7±0.2°、15.9±0.2°、16.6±0.2°、17.6±0.2°、17.9±0.2°、18.9±0.2°、19.3±0.2°及び23.8±0.2°に回折ピークを含む粉末X線回折スペクトルを有する結晶多形C(C形結晶)などが例示できる。
他の結晶多形としては、示差走査熱量スペクトルにおいて、結晶多形Bとは異なる温度範囲に吸熱ピーク(又は融点)を有する結晶多形、例えば、180〜192℃(好ましくは183〜190℃)程度に吸熱ピーク(又は融点)を有する結晶多形A、135〜145℃(例えば、137〜143℃、好ましくは139〜141℃)程度に吸熱ピーク(又は融点)を有する結晶多形Cなども例示できる。
例えば、結晶多形Aは、図3に示されるか若しくは表3に記載される粉末X線回折パターン及び/又は図4に示される示差走査熱量スペクトルを有していてもよい。結晶多形Cは、図5に示されるか若しくは表5に記載される粉末X線回折パターン及び/又は図6に示される示差走査熱量スペクトルを有していてもよい。
なお、結晶多形C(又は結晶多形Cを含むウリプリスタール酢酸エステル物質)は、示差走査熱量スペクトルにおいて、さらに145〜170℃(例えば、160〜167℃、好ましくは163〜165℃)程度に発熱ピークを有していてもよく、180〜192℃(好ましくは183〜190℃)程度に吸熱ピークを有していてもよい。上記発熱ピークは結晶多形Cから結晶多形Aへの転移に起因するピークと推定され、上記吸熱ピークは転移した結晶多形Aの融解に起因するピークと推定される。
他の結晶多形は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。他の結晶多形のうち、溶解性の点からは、結晶多形Cが好ましい。
結晶多形Bと他の結晶多形(例えば、結晶多形A、結晶多形C)との割合(重量比)は、特に制限されず、前者/後者=0.5/99.5〜99.5/0.5(例えば、1/99〜99/1)程度の範囲から選択でき、例えば、10/90〜99.5/0.5(例えば、20/80〜99.5/0.5)、好ましくは30/70〜99/1(例えば、40/60〜99/1)、さらに好ましくは50/50〜99/1(例えば、60/40〜95/5、好ましくは70/30〜90/10)程度であってもよい。
結晶多形Bと他の結晶多形とを含むウリプリスタール酢酸エステル物質(ウリプリスタール酢酸エステル混合物又は混晶)は、各結晶多形に由来する構造特性(粉末X線回折スペクトルにおける回折ピーク、示差走査熱量スペクトルにおける吸熱ピーク)を有する。なお、各結晶多形の回折ピーク(又は吸熱ピーク)の強度比は、各結晶多形の配合割合に対応している場合が多い。
なお、ウリプリスタール酢酸エステル物質(又は各結晶多形)は、低分子化合物(又は溶媒)を含有(又は付着)していてもよい。低分子化合物(又は溶媒)としては、薬学的に許容可能である限り特に制限されず、例えば、水、有機溶媒[例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサンなど)、芳香族炭化水素(トルエンなど)、アルコール類(エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールなどのC1−4アルカノールなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル類(ギ酸エステル、酢酸エステルなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、環状アミン類(ピリジンなど)など]などが例示できる。これらの低分子化合物(又は溶媒)は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。低分子化合物の含有量(又は付着量)は、ウリプリスタール酢酸エステル(又は各結晶多形)100重量部に対して、例えば、30重量部以下、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下(例えば、0.001〜1重量部)程度であってもよい。
ウリプリスタール酢酸エステル物質(又は各結晶多形)は、単結晶であってもよく、双晶又は多結晶であってもよい。ウリプリスタール酢酸エステル物質(又は各結晶多形)の形態(外形)は、特に制限されず、例えば、三斜晶、単斜晶、斜方晶(直方晶)、正方晶、立方晶、三方晶(菱面体晶)、六方晶などであってもよく、球晶、骸晶、樹皮状晶、針状晶(例えば、ヒゲ結晶)などであってもよい。
ウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bの粒子サイズは、特に制限されず、例えば、レーザー回折法に基づいて、平均粒子サイズ(平均粒子径)が0.5μm〜1mm、好ましくは1〜500μm(例えば、2〜100μm)程度であってもよく、通常、5〜50μm(例えば、5〜30μm)程度である。本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bは、微粉化されていてもよい。
本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bは、溶媒溶解性が高く、バイオアベイラビリティに優れている。例えば、エタノールと水との混合溶媒[エタノール/水(体積比)=10/90]に対するウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bの溶解度は、37℃において、7〜30μg/mL、好ましくは8〜27μg/mL、さらに好ましくは9〜25μg/mL程度であってもよい。
[ウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bの製造方法]
本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bの製造方法は、上記粉末X線回折スペクトル又は示差走査熱量スペクトルで特徴付けられる結晶を得ることができる限り、特に制限されず、例えば、溶媒と関連させた結晶化又は転移(溶液からの結晶化、溶液の濃縮、溶媒(分散媒)中での転移)によりウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形Bを形成する工程を含んでいる。
本発明のウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bの製造方法は、上記粉末X線回折スペクトル又は示差走査熱量スペクトルで特徴付けられる結晶を得ることができる限り、特に制限されず、例えば、溶媒と関連させた結晶化又は転移(溶液からの結晶化、溶液の濃縮、溶媒(分散媒)中での転移)によりウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形Bを形成する工程を含んでいる。
ウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bの形成に供する原料ウリプリスタール酢酸エステルは、慣用の方法により製造でき、例えば、3,3−(1,2−エタンジオキシ)−5α−ヒドロキシ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−17α−アセトキシ−19−ノルプレグナ−9−エン−20−オンと酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸;塩酸、硫酸、硫酸一カリウム、リン酸などの無機酸)とを反応させることにより調製できる。この反応の詳細は、例えば、特表2006−519255号公報、特表2006−515869号公報などを参照できる。
原料ウリプリスタール酢酸エステルとしては、上記の反応混合物をそのまま使用してもよく、上記の反応混合物を、慣用の精製手段(濾過、遠心分離、クロマトグラフィーなど)により精製した粗精製物を使用してもよい。また、原料ウリプリスタール酢酸エステルとしては、上記の反応混合物(又は粗精製物)と晶析溶媒とを含む溶液(晶析系)から晶析(又は再結晶)したウリプリスタール酢酸エステル結晶(又は粗結晶)を使用してもよい。さらに、原料ウリプリスタール酢酸エステルとしては、晶析を複数回(例えば、2〜4回)繰り返して得られたウリプリスタール酢酸エステル結晶を使用してもよい。
溶媒(又は晶析溶媒)としては、例えば、水、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサンなどのC5−8脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどのC5−10脂環族炭化水素)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレンなどのC6−10芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタンなどのハロC1−2アルカン)、直鎖状アルコール(例えば、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールなどの直鎖状C2−4アルカノール)、アルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのジC1−4アルキルエーテル)、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどの酢酸C2−4アルキルエステル)、アルキルケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのジC1−4アルキルケトン)、N−アルキルアシルアミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのN,N−ジC1−4アルキルアシルアミド)、アルカンニトリル(例えば、アセトニトリルなどのC2−3アルカンニトリル)などが例示できる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
溶媒の使用量は、ウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bの形成方法などに応じて適宜選択でき、原料ウリプリスタール酢酸エステル1gに対して、例えば、0.1〜50mL、好ましくは0.5〜20mL、さらに好ましくは1〜10mL程度であってもよく、1〜500mL、好ましくは10〜250mL、さらに好ましくは20〜200mL(例えば、30〜150mL)程度であってもよい。
ウリプリスタール酢酸エステル物質又は結晶多形Bの形成工程は、(i)溶媒からウリプリスタール酢酸エステルを析出(又は沈殿)させる工程、(ii)溶媒にウリプリスタール酢酸エステルを溶解し、この溶液を濃縮する工程、及び(iii)溶媒に分散させた状態で、ウリプリスタール酢酸エステルの結晶形を転移する工程のいずれかの工程を含んでいてもよい。
(工程(i))
溶媒からウリプリスタール酢酸エステルを沈殿させる方法としては、原料ウリプリスタール酢酸エステルを溶媒に溶解し、この溶液を冷却する方法(冷却法)、原料ウリプリスタール酢酸エステルを溶媒に溶解し、この溶液に貧溶媒(又は逆溶媒)を添加する方法(貧溶媒添加法)などが例示できる。貧溶媒添加法とは、ウリプリスタール酢酸エステルの種々の溶媒溶液に貧溶媒を添加して、結晶を形成させることを意味する。
溶媒からウリプリスタール酢酸エステルを沈殿させる方法としては、原料ウリプリスタール酢酸エステルを溶媒に溶解し、この溶液を冷却する方法(冷却法)、原料ウリプリスタール酢酸エステルを溶媒に溶解し、この溶液に貧溶媒(又は逆溶媒)を添加する方法(貧溶媒添加法)などが例示できる。貧溶媒添加法とは、ウリプリスタール酢酸エステルの種々の溶媒溶液に貧溶媒を添加して、結晶を形成させることを意味する。
ウリプリスタール酢酸エステルを可溶化する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、トルエンなどのC1−2アルキルベンゼン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタンなどのクロロC1−2アルカン)、直鎖状アルコール(例えば、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールなどの直鎖状C2−4アルカノール)、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどの酢酸C2−4アルキルエステル)、アルキルケトン(例えば、メチルエチルケトンなどのC1−4アルキルケトン)、N−アルキルアシルアミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのN−C1−4アルキルC1−4アシルアミド)、これらの混合溶媒などが汎用される。
冷却法において、冷却速度は、特に制限されず、徐冷であってもよく、急冷であってもよく、例えば、0.01〜20℃/分(例えば、0.1〜18℃/分)程度の範囲から選択できる。特に急冷すると、結晶多形Bを効率よく得ることができる。なお、一段階で所定の温度に冷却してもよく、段階的に所定の温度に冷却[例えば、室温に冷却し、さらに室温以下(例えば、0〜5℃)に冷却]してもよい。
貧溶媒添加法において、貧溶媒としては、例えば、水、脂肪族炭化水素(ヘキサンなどのC5−8アルカンなど)、アルキルエーテル(ジエチルエーテルなどのC1−4アルキルエーテルなど)などが例示できる。これらの貧溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。貧溶媒の使用量は、晶析溶媒100体積部に対して、例えば、1〜200体積部、好ましくは10〜100体積部程度であってもよい。
(工程(ii))
ウリプリスタール酢酸エステル溶液を濃縮する方法(蒸発法)において、溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、トルエンなどのC1−2アルキルベンゼン)、直鎖状アルコール(例えば、エタノール、1−ブタノールなどの直鎖状C2−4アルカノール)、アルカンニトリル(例えば、アセトニトリルなどのC2−3アルカンニトリル)、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどの酢酸C1−4アルキルエステル)、アルキルケトン(例えば、メチルエチルケトンなどのC1−4アルキルケトン)、これらの混合溶媒などが汎用される。
ウリプリスタール酢酸エステル溶液を濃縮する方法(蒸発法)において、溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、トルエンなどのC1−2アルキルベンゼン)、直鎖状アルコール(例えば、エタノール、1−ブタノールなどの直鎖状C2−4アルカノール)、アルカンニトリル(例えば、アセトニトリルなどのC2−3アルカンニトリル)、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルなどの酢酸C1−4アルキルエステル)、アルキルケトン(例えば、メチルエチルケトンなどのC1−4アルキルケトン)、これらの混合溶媒などが汎用される。
濃縮温度(蒸発温度)は、晶析溶媒の沸点以上の温度であればよく、例えば、80〜200℃、好ましくは100〜150℃程度である。また、濃縮は、常圧下又は減圧下(例えば、1〜500hPa、好ましくは2〜100hPa程度)で行ってもよい。
(工程(iii))
原料ウリプリスタール酢酸エステル(結晶多形Aなど)の分散液を攪拌することにより、ウリプリスタール酢酸エステルの結晶形を転移する方法(攪拌懸濁法)において、分散溶媒としては、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサンなどのC5−8アルカン)、アルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテルなどのC1−4アルキルエーテル)、これらの混合溶媒などが汎用される。
原料ウリプリスタール酢酸エステル(結晶多形Aなど)の分散液を攪拌することにより、ウリプリスタール酢酸エステルの結晶形を転移する方法(攪拌懸濁法)において、分散溶媒としては、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサンなどのC5−8アルカン)、アルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテルなどのC1−4アルキルエーテル)、これらの混合溶媒などが汎用される。
攪拌温度は、20〜150℃、好ましくは25〜100℃程度であってもよい。攪拌時間は、例えば、1〜24時間、好ましくは1〜20時間程度であってもよい。
なお、実質的に他の結晶多形を混在することなく、結晶多形Bを単一の形態として得る点から、結晶多形Bの形成方法に応じて、特定の溶媒を使用するのが好ましい。代表的な結晶多形Bの形成方法と溶媒との組み合わせを下記の表1に示す。
なお、工程(i)〜(iii)は、それぞれ、複数回(例えば、2〜4回)繰り返してもよい。また、結晶多形Bの形成(結晶化又は転移)後、乾燥(自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥など)してもよく、通常、減圧乾燥(例えば、1〜50hPa、好ましくは1〜20hPa程度で乾燥)する場合が多い。乾燥温度は、例えば、室温〜加熱下、好ましくは25〜150℃、さらに好ましくは30〜120℃程度であってもよい。乾燥時間は、例えば、1〜20時間、好ましくは1.5〜10時間程度であってもよい。
別の態様において、ウリプリスタール酢酸エステル物質の調製方法は、以下の工程:
(a)本発明の結晶多形Bを準備する工程、
(b)結晶多形Bと異なる1又はいくつかのウリプリスタール酢酸エステル結晶多形を準備する工程、及び
(c)結晶多形Bと工程(b)において提供された結晶多形とを混合する工程
を含んでいてもよい。
(a)本発明の結晶多形Bを準備する工程、
(b)結晶多形Bと異なる1又はいくつかのウリプリスタール酢酸エステル結晶多形を準備する工程、及び
(c)結晶多形Bと工程(b)において提供された結晶多形とを混合する工程
を含んでいてもよい。
前記製造方法は、溶媒と関連させた結晶化(晶析又は再結晶)又は転移により他の結晶多形を形成し、結晶多形Bと他の結晶多形とを混合する工程を含んでいてもよい。
他の結晶多形の形成方法としては、冷却法、蒸発法、貧溶媒添加法、攪拌懸濁法、種結晶添加法(原料ウリプリスタール酢酸エステルを溶媒に溶解し、この溶液に種結晶を添加して結晶化する方法)などが例示できる。溶媒(又は晶析溶媒)としては、結晶多形Bの形成工程で例示した晶析溶媒に加えて、分岐鎖状アルコール(2−プロパノールなどの分岐鎖状C3−6アルカノールなど)、ギ酸エステル(ギ酸エチルなど)、環状エーテル(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、環状アミン類(ピリジンなど)などが例示できる。これらの晶析溶媒は、単独で又は混合溶媒として使用できる。晶析溶媒の割合は、原料ウリプリスタール酢酸エステル1gに対して、例えば、0.1〜500mL、好ましくは0.5〜400mL、さらに好ましくは1〜300mL程度であってもよい。
他の結晶多形のうち、結晶多形Aは、例えば、ウリプリスタール酢酸エステルのイソプロパノール溶媒和結晶を、エタノールと水との混合溶媒に溶解し、この溶液に種結晶(結晶多形A又はB)を添加して結晶化することにより調製してもよい。また、結晶多形Cは、例えば、ウリプリスタール酢酸エステルのイソプロパノール溶媒和結晶を、エタノールと水との混合溶媒に溶解し、この溶液に種結晶を添加することなく結晶化することにより調製してもよい。
なお、結晶多形A及びCの製造に用いるウリプリスタール酢酸エステルのイソプロパノール溶媒和結晶は、慣用の方法、例えば、特表2006−515869号公報に準じて調製できる。また、エタノールと水との混合溶媒において、エタノールと水との割合は、前者/後者(体積比)=75/25〜85/15程度であってもよい。
[用途および医薬組成物]
本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、抗プロゲステロン活性に加えて、抗グルココルチコイド活性を有するため、選択的プロゲステロン受容体調節剤として好適に用いられる。具体的には、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、婦人科疾患[例えば、子宮筋腫又は子宮筋腫に起因する疾患(転移性平滑筋腫、月経困難症、過多月経、貧血、不妊症、便秘、頻尿、腰痛など)など]の予防及び/又は治療に有用である。また、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、避妊剤(例えば、緊急避妊剤)としても有用である。
本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、抗プロゲステロン活性に加えて、抗グルココルチコイド活性を有するため、選択的プロゲステロン受容体調節剤として好適に用いられる。具体的には、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、婦人科疾患[例えば、子宮筋腫又は子宮筋腫に起因する疾患(転移性平滑筋腫、月経困難症、過多月経、貧血、不妊症、便秘、頻尿、腰痛など)など]の予防及び/又は治療に有用である。また、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、避妊剤(例えば、緊急避妊剤)としても有用である。
本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、例えば、婦人科疾患を治療及び/又は予防するための薬剤としても有用であってもよい。本明細書で用いられるように、婦人科疾患としては、子宮筋腫又は平滑筋腫、子宮内膜症、子宮出血、子宮内膜の脱臼に関連する疼痛などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明はまた、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質の治療的有効量を女性患者(好ましくは、婦人科疾患患者)に投与することを含む、女性患者を治療するための方法にも関する。
本発明のさらなる態様は、避妊を必要とする女性を避妊させる方法であり、この方法は、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質の避妊に有効な量を女性に投与することを含む。
本発明の避妊方法は、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質の投与が無防備な性交後120時間以内に行われる緊急避妊方法であってもよい。あるいは、避妊方法は、ウリプリスタール酢酸エステルの投与が月経周期内の連続した数日繰り返される通常の避妊方法であってもよい。あるいは、本発明の避妊方法は、WO2010/119029号公報に記載されるオンデマンド避妊方法であってもよく、この文献の開示は、言及することにより本明細書中に組み入れられる。好ましくは、本発明の避妊方法におけるウリプリスタール酢酸エステルの投与は、経口による。
本発明はさらに、避妊剤の製造又は婦人科疾患を治療するための薬剤の製造における、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質の使用に関する。
上記のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質は単独で医薬として用いてもよく、担体(薬理学的又は生理学的に許容可能な担体など)と組み合わせて医薬組成物(又は製剤)として用いてもよい。
さらなる態様において、本発明は、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質と薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、医薬組成物中に存在するウリプリスタール酢酸エステルの少なくとも5重量%が結晶多形Bであるような組成物である。いくつかのさらなる実施形態において、結晶多形Bは、組成物内に存在するウリプリスタール酢酸エステルの主な結晶形である。このことは、本発明の医薬組成物が、組成物内に存在するウリプリスタール酢酸エステルの総重量に対して、結晶多形Bを50%よりも少なくない量で含んでいてもよいことを意味する。いくつかの実施形態において、結晶多形Bは、組成物内に存在するウリプリスタール酢酸エステルの総重量に対して少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%、さらに少なくとも90重量%を占める。
医薬組成物は、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質を0.01重量%〜80重量%、及び賦形剤(単数又は複数)を20重量%〜99.99重量%含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物において、賦形剤は、医薬組成物(又は製剤)の形態(すなわち、剤形)、投与形態、用途などに応じて、適宜選択される。剤形は特に制限されず、固形製剤(粉剤、散剤、粒剤(顆粒剤、細粒剤など)、丸剤、ピル、錠剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤など)、ドライシロップ剤、坐剤など)、半固形製剤(クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、グミ剤、フィルム状製剤、シート状製剤など)、液剤(溶液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、ローション剤、注射剤、点滴剤など)などであってもよい。また、前記粉剤及び/又は液剤などのスプレー剤、エアゾール剤なども含まれる。なお、カプセル剤は、液体充填カプセルであってもよく、顆粒剤などの固形剤を充填したカプセルであってもよい。また、製剤は凍結乾燥製剤であってもよい。さらに、本発明の製剤は、薬剤の放出速度が制御された製剤(徐放性製剤、速放性製剤)であってもよい。また、製剤は経口投与製剤(顆粒剤、散剤、錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠など)、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、ゼリー剤、グミ剤、フィルム製剤など)であってもよく、非経口投与製剤(吸入剤、経皮投与製剤、経鼻投与製剤など)であってもよい。さらに、製剤は局所投与製剤(注射剤(皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤など)、懸濁剤、軟膏剤、貼付剤、パップ剤など)であってもよい。
前記賦形剤は、例えば、日本薬局方(局方)の他、(1)医薬品添加物ハンドブック、丸善(株)、(1989)、(2)「医薬品添加物事典2007」(薬事日報社、2007年7月発行)、(3)薬剤学、改訂第5版、(株)南江堂(1997)、及び(4)医薬品添加物規格2003(薬事日報社、2003年8月)などに収載されている成分(例えば、希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤など)の中から、投与経路及び製剤用途に応じて選択できる。例えば、固形製剤の賦形剤としては、希釈剤、結合剤および崩壊剤から選択された少なくとも一種の賦形剤を使用する場合が多い。また、医薬組成物は脂質を含んでいてもよい。
前記希釈剤としては、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどの糖類又は糖アルコール類;トウモロコシデンプンなどのデンプン;結晶セルロース(微結晶セルロースも含む)などの多糖類;軽質無水ケイ酸などの酸化ケイ素又はケイ酸塩などが例示できる。結合剤としては、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプンなどの可溶性デンプン;アラビアゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類;ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリ乳酸、ポリエチレングリコールなどの合成高分子;メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロースエーテル類などが例示できる。崩壊剤としては、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが例示できる。これらの賦形剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記医薬組成物は、コーティング(又は被覆)された形態であってもよい。前記コーティング剤としては、例えば、糖類、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリオキシエチレングリコール、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、オイドラギット(メタアクリル酸・アクリル酸共重合物)などが用いられる。コーティング剤は、セルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体などの腸溶性成分であってもよく、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートなどの塩基性成分を含むポリマー(オイドラギットなど)で構成された胃溶性成分であってもよい。また、製剤は、これらの腸溶性成分や胃溶性成分を剤皮に含むカプセル剤であってもよい。あるいは、前記医薬組成物は、コーティング錠又は素錠であってもよい。
製剤においては、投与経路や剤形などに応じて、公知の添加剤を適宜使用することができる。このような添加剤としては、例えば、滑沢剤、崩壊補助剤、抗酸化剤又は酸化防止剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、溶解剤、溶解補助剤、増粘剤、pH調整剤又は緩衝剤、安定剤、防腐剤又は保存剤、殺菌剤又は抗菌剤、帯電防止剤、矯味剤又はマスキング剤、着色剤、矯臭剤又は香料、清涼化剤、消泡剤、等張化剤、無痛化剤などが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、本発明の医薬組成物(又は医薬製剤)は、必要に応じて、他の生理活性成分又は薬理活性成分(例えば、卵胞ホルモン剤など)を含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物は、有効成分の他、賦形剤成分、必要により添加剤などを用いて、慣用の製剤化方法、例えば、第十六改正日本薬局方記載の製造法又はこの製造方法に準じた方法により調製できる。
前記医薬組成物は、ウリプリスタール酢酸エステルを、投薬単位あたり1mg〜50mg、好ましくは5mg〜40mg、例えば、投薬単位あたり5、10、15、20又は30mg含んでいてもよい。
本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形B又はウリプリスタール酢酸エステル物質(婦人科疾患の予防及び/又は治療剤、避妊剤、医薬組成物も含む)は、毒性も低く、その安全性も優れており、ヒト及び非ヒト動物、通常、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サルなど)の雌に対して、安全に投与される。投与量は、投与対象の種、年齢、体重、及び状態(一般的状態、病状、合併症の有無など)、投与時間、剤形、投与方法などに応じて、選択できる。例えば、ヒトに対する投与量(1日用量)は、例えば、1〜50mg/日、好ましくは5〜40mg/日程度である。
投与方法は、経口投与であってもよく、局所投与又は非経口投与(例えば、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、直腸投与、膣投与など)であってもよい。
投与回数は、特に制限されず、例えば、1日1回であってもよく、必要に応じて1日複数回(例えば、2〜3回)であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[粉末X線回折スペクトル]
粉末X線回折スペクトルは、線源:Cu K(α1)、管電圧:40kV、管電流:40mA、サンプリング間隔:0.1°、スキャン速度10°/分の条件で測定した。なお、粉末X線回折チャートにおいて、回折ピークは、ピーク幅の閾値を0.1°として、二次微分法によりサーチした。
粉末X線回折スペクトルは、線源:Cu K(α1)、管電圧:40kV、管電流:40mA、サンプリング間隔:0.1°、スキャン速度10°/分の条件で測定した。なお、粉末X線回折チャートにおいて、回折ピークは、ピーク幅の閾値を0.1°として、二次微分法によりサーチした。
[示差走査熱量スペクトル]
示差走査熱量スペクトルは、示差走査熱量計(型式:DSC8230L)を用いて、昇温速度2℃/分の条件で測定した。
示差走査熱量スペクトルは、示差走査熱量計(型式:DSC8230L)を用いて、昇温速度2℃/分の条件で測定した。
[溶解度]
37℃のエタノールと水との混合溶媒[エタノール/水(体積比)=10/90]40mLに、比較例及び実施例のウリプリスタール酢酸エステルの各試料を40mg加えて試験サンプルを作製し、試験サンプルをマグネティックスターラーで5分間撹拌した後、その一部をとり、固形分を濾別し、ウリプリスタール酢酸エステル含量を高性能液体クロマトグラフィー(カラム:ODS、カラム温度:40℃、溶離液:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル混液(体積比3:2)、流量:1.0mL/分、検出:UV302nm)により定量し、溶解度を算出した。
37℃のエタノールと水との混合溶媒[エタノール/水(体積比)=10/90]40mLに、比較例及び実施例のウリプリスタール酢酸エステルの各試料を40mg加えて試験サンプルを作製し、試験サンプルをマグネティックスターラーで5分間撹拌した後、その一部をとり、固形分を濾別し、ウリプリスタール酢酸エステル含量を高性能液体クロマトグラフィー(カラム:ODS、カラム温度:40℃、溶離液:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル混液(体積比3:2)、流量:1.0mL/分、検出:UV302nm)により定量し、溶解度を算出した。
比較例
3,3−(1,2−エタンジオキシ)−5α−ヒドロキシ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−17α−アセトキシ−19−ノルプレグナ−9−エン−20−オン[カルビノールアセテート]38.5gを、窒素雰囲気下、20〜22℃の温度でフラスコに入れ、脱イオン水385mLと硫酸水素カリウム17.91gを加えた。得られた懸濁液を、完全に溶解するまで約4時間攪拌した。反応の終了は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって確認した。
3,3−(1,2−エタンジオキシ)−5α−ヒドロキシ−11β−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−17α−アセトキシ−19−ノルプレグナ−9−エン−20−オン[カルビノールアセテート]38.5gを、窒素雰囲気下、20〜22℃の温度でフラスコに入れ、脱イオン水385mLと硫酸水素カリウム17.91gを加えた。得られた懸濁液を、完全に溶解するまで約4時間攪拌した。反応の終了は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって確認した。
反応液に中性Al2O33.85gを加え、30分間攪拌し、懸濁液を濾過して、不溶粒状物を脱イオン水38.5mLで洗浄した。濾液に酢酸エチルを325mL加え、7%(w/v)重炭酸ナトリウム溶液でpHを7.0〜7.2の間に調整した。混合液を15分間放置し、相を分離して水相を廃棄した。得られた有機相に脱イオン水192.5mLを加え、10分間攪拌した後、混合液を15分間放置し、相を分離して水相を廃棄した。
得られた有機相を真空濃縮し、粗製ウリプリスタール酢酸エステルの残渣を得て、この残渣にイソプロパノール38.5mLを加えて真空濃縮し、得られた残渣に同量(38.5mL)のイソプロパノールを加えて再び真空濃縮した。得られた固形生成物にイソプロパノール77mLを加え、加熱して溶解した。この溶液を0〜5℃に放冷し、この温度に1時間保持した。得られた懸濁液を濾過し、濾過ケーキを冷イソプロパノールで洗浄し、イソプロパノールヘミソルベート結晶を収率96モル%で得た。
イソプロパノールヘミソルベート結晶10gを用いて、特表2006−515869号公報に準じてウリプリスタール酢酸エステルを結晶化し、融点189℃のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形A(A形結晶)7.5gを得た。
実施例1
比較例で得られたウリプリスタール酢酸エステル結晶1.3gを、エタノール6.5mLに加熱溶解し、1時間程度かけて26℃に冷却し、26℃で1時間放置し、30分程度かけて4℃に冷却し、4℃で16時間放置した。得られた析出物をろ取し、恒量に達するまで、温度26℃及び圧力15hPa以下で減圧乾燥し、B形結晶(結晶多形B)1.0gを得た。なお、結晶多形Bの粉末X線回折スペクトルを図1に示し、示差走査熱量スペクトルを図2に示す。また、結晶多形Bの各回折角度(格子間隔d値)における回折ピーク強度及び相対強度を表2に示す。
比較例で得られたウリプリスタール酢酸エステル結晶1.3gを、エタノール6.5mLに加熱溶解し、1時間程度かけて26℃に冷却し、26℃で1時間放置し、30分程度かけて4℃に冷却し、4℃で16時間放置した。得られた析出物をろ取し、恒量に達するまで、温度26℃及び圧力15hPa以下で減圧乾燥し、B形結晶(結晶多形B)1.0gを得た。なお、結晶多形Bの粉末X線回折スペクトルを図1に示し、示差走査熱量スペクトルを図2に示す。また、結晶多形Bの各回折角度(格子間隔d値)における回折ピーク強度及び相対強度を表2に示す。
実施例2
比較例で得られたウリプリスタール酢酸エステル結晶0.1gと、実施例1で得られたB形結晶0.1gとを混合することにより、ウリプリスタール酢酸エステル物質を得た。なお、結晶多形Aの粉末X線回折スペクトルを図3に示し、示差走査熱量スペクトルを図4に示す。また、結晶多形Aの各回折角度(格子間隔d値)における回折ピーク強度及び相対強度を表3に示す。
比較例で得られたウリプリスタール酢酸エステル結晶0.1gと、実施例1で得られたB形結晶0.1gとを混合することにより、ウリプリスタール酢酸エステル物質を得た。なお、結晶多形Aの粉末X線回折スペクトルを図3に示し、示差走査熱量スペクトルを図4に示す。また、結晶多形Aの各回折角度(格子間隔d値)における回折ピーク強度及び相対強度を表3に示す。
比較例及び実施例の結果を表4に示す。
表4から明らかなように、比較例と比較して実施例1は、溶解度が著しく高く、バイオアベイラビリティに優れている。
参考例
比較例で得られたウリプリスタール酢酸エステル結晶1.761gをイソプロパノール10mLに加熱溶解し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にイソプロパノール9mLを加えて加熱溶解し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にイソプロパノール9mLを加えて加熱溶解し、この溶液を氷水浴中で1時間放置した。得られた析出物をろ取し、ウリプリスタール酢酸エステルイソプロパノールヘミソルベートの湿結晶1.782gを得た。この湿結晶1.782gをエタノールと水との混合溶媒[エタノール/水(体積比)=80/20]17.8mLに加熱溶解し、1時間程度かけて室温に冷却し、室温で17時間攪拌した。得られた析出物をろ取し、温度100℃及び圧力15hPa以下で19時間減圧乾燥し、C形結晶(結晶多形C)1.0gを得た。なお、結晶多形Cの粉末X線回折スペクトルを図5に示し、示差走査熱量スペクトルを図6に示す。また、結晶多形Cの各回折角度(格子間隔d値)における回折ピーク強度及び相対強度を表5に示す。
比較例で得られたウリプリスタール酢酸エステル結晶1.761gをイソプロパノール10mLに加熱溶解し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にイソプロパノール9mLを加えて加熱溶解し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にイソプロパノール9mLを加えて加熱溶解し、この溶液を氷水浴中で1時間放置した。得られた析出物をろ取し、ウリプリスタール酢酸エステルイソプロパノールヘミソルベートの湿結晶1.782gを得た。この湿結晶1.782gをエタノールと水との混合溶媒[エタノール/水(体積比)=80/20]17.8mLに加熱溶解し、1時間程度かけて室温に冷却し、室温で17時間攪拌した。得られた析出物をろ取し、温度100℃及び圧力15hPa以下で19時間減圧乾燥し、C形結晶(結晶多形C)1.0gを得た。なお、結晶多形Cの粉末X線回折スペクトルを図5に示し、示差走査熱量スペクトルを図6に示す。また、結晶多形Cの各回折角度(格子間隔d値)における回折ピーク強度及び相対強度を表5に示す。
製剤例1
実施例1で得られたB形結晶を0号カプセルに充填して、カプセル剤を得た。
実施例1で得られたB形結晶を0号カプセルに充填して、カプセル剤を得た。
製剤例2
次の処方に従って、実施例1で得られたB形結晶と担体成分とを混合し、この混合物を乾式造粒法により造粒し、この造粒物を整粒することにより、顆粒剤を得た。
次の処方に従って、実施例1で得られたB形結晶と担体成分とを混合し、この混合物を乾式造粒法により造粒し、この造粒物を整粒することにより、顆粒剤を得た。
[処方]
実施例1で得られたB形結晶 300mg
結晶セルロース 590mg
カルボキシメチルスターチナトリウム 50mg
グリセリン脂肪酸エステル 50mg
タルク 10mg
全量 1000mg
実施例1で得られたB形結晶 300mg
結晶セルロース 590mg
カルボキシメチルスターチナトリウム 50mg
グリセリン脂肪酸エステル 50mg
タルク 10mg
全量 1000mg
製剤例3
次の処方に従って、製剤例2で得られた顆粒剤と担体成分を混合して打錠することにより錠剤を得た。
次の処方に従って、製剤例2で得られた顆粒剤と担体成分を混合して打錠することにより錠剤を得た。
[処方]
製剤例2で得られた顆粒剤 100mg
結晶セルロース 174mg
グリセリン脂肪酸エステル 20mg
タルク 4mg
軽質無水ケイ酸 2mg
全量 300mg
製剤例2で得られた顆粒剤 100mg
結晶セルロース 174mg
グリセリン脂肪酸エステル 20mg
タルク 4mg
軽質無水ケイ酸 2mg
全量 300mg
製剤例4
次の処方のコーティング剤を用いて、製剤例3で得られた錠剤をコーティングすることによりフィルムコーティング錠を得た。
次の処方のコーティング剤を用いて、製剤例3で得られた錠剤をコーティングすることによりフィルムコーティング錠を得た。
[コーティング剤の処方]
ヒプロメロース 70.5重量%
酸化チタン 20.5重量%
プロピレングリコール 6.9重量%
三二酸化鉄 2.1重量%
ヒプロメロース 70.5重量%
酸化チタン 20.5重量%
プロピレングリコール 6.9重量%
三二酸化鉄 2.1重量%
本発明のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、従来の結晶形と比較して溶解性が極めて高く、安定性や吸収性にも優れており、バイオアベイラビリティを向上できる。そのため、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、選択的プロゲステロン受容体調節剤として好適に用いられる。また、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、婦人科疾患[例えば、子宮筋腫又は子宮筋腫に起因する疾患(転移性平滑筋種、月経困難症、過多月経、貧血、不妊症、便秘、頻尿、腰痛など)など]の予防及び/又は治療に有用である。さらに、本発明のウリプリスタール酢酸エステル結晶多形又はウリプリスタール酢酸エステル物質は、緊急避妊剤としても有用である。
Claims (10)
- 以下の回折角度2θに回折ピークを含む粉末X線回折パターンを有するウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形B。
回折角度2θ:6.4±0.2°、8.4±0.2°、9.4±0.2°、9.6±0.2°、11.8±0.2°、12.8±0.2°、15.3±0.2°、16.7±0.2°、17.5±0.2°、18.6±0.2°、19.3±0.2°、21.0±0.2°、25.5±0.2° - 示差走査熱量スペクトルにおいて、160〜170℃に吸熱ピークを有する請求項1記載のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形B。
- 請求項1又は2記載のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形Bを含むウリプリスタール酢酸エステル物質。
- さらに、以下の回折角度2θに回折ピークを含む粉末X線回折パターンを有するウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形Aを含む請求項3記載のウリプリスタール酢酸エステル物質。
回折角度2θ:9.2±0.2°、11.4±0.2°、11.7±0.2°、12.0±0.2°、15.2±0.2°、17.0±0.2°、17.2±0.2°、24.4±0.2° - 結晶多形Bと結晶多形Aとの割合(重量比)が、前者/後者=0.5/99.5〜99.5/0.5である請求項4記載のウリプリスタール酢酸エステル物質。
- 請求項1又は2記載のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形B、若しくは請求項3〜5のいずれかに記載のウリプリスタール酢酸エステル物質と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
- 請求項1又は2記載のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形B、若しくは請求項3〜5のいずれかに記載のウリプリスタール酢酸エステル物質を含む子宮筋腫の予防及び/又は治療に使用若しくは避妊のための薬剤。
- 溶媒と関連させた結晶化又は転移によりウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形Bを形成する工程を含む、請求項1又は2記載のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形B、若しくは請求項3〜5のいずれかに記載のウリプリスタール酢酸エステル物質を製造する方法であって、
前記溶媒が、水、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、直鎖状アルコール、アルキルエーテル、酢酸エステル、アルキルケトン、N−アルキルアシルアミド及びアルカンニトリルから選択された少なくとも一種である方法。 - ウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形Bを形成する工程が、以下の(i)〜(iii)のいずれかの工程を含む請求項8記載の方法。
(i)溶媒からウリプリスタール酢酸エステルを析出させる工程、
(ii)溶媒にウリプリスタール酢酸エステルを溶解し、この溶液を濃縮する工程、
(iii)溶媒に分散させた状態でウリプリスタール酢酸エステルの結晶形を転移する工程 - 請求項1又は2記載のウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形B、若しくは請求項3〜5のいずれかに記載のウリプリスタール酢酸エステル物質の避妊に有効な量を投与する工程を含む、避妊を必要とする女性を避妊させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015515334A JP2015532263A (ja) | 2012-09-28 | 2013-09-26 | ウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012215437 | 2012-09-28 | ||
JP2012215437 | 2012-09-28 | ||
PCT/JP2013/005710 WO2014050107A1 (en) | 2012-09-28 | 2013-09-26 | Crystalline polymorphic form of ulipristal acetate |
JP2015515334A JP2015532263A (ja) | 2012-09-28 | 2013-09-26 | ウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015532263A true JP2015532263A (ja) | 2015-11-09 |
Family
ID=49585552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015515334A Pending JP2015532263A (ja) | 2012-09-28 | 2013-09-26 | ウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9643994B2 (ja) |
JP (1) | JP2015532263A (ja) |
CA (1) | CA2885798A1 (ja) |
WO (1) | WO2014050107A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2013321890B2 (en) * | 2012-09-28 | 2017-05-18 | Aska Pharmaceutical Co., Ltd. | Crystalline polymorphic form of ulipristal acetate |
CN116554255A (zh) * | 2023-07-05 | 2023-08-08 | 四川尚锐生物医药有限公司 | 一种醋酸乌利司他晶型a的制备方法及药物组合物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102344478A (zh) * | 2011-07-22 | 2012-02-08 | 上海希迈医药科技有限公司 | 一种17α-乙酰氧基-11β-(4-N,N-二甲氨基苯基)-19-去甲孕甾-4,9-二烯-3,20-二酮的结晶物及其制备方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4954490A (en) * | 1988-06-23 | 1990-09-04 | Research Triangle Institute | 11 β-substituted progesterone analogs |
US5929262A (en) | 1995-03-30 | 1999-07-27 | The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services | Method for preparing 17α-acetoxy-11β-(4-N, N-dimethylaminophyl)-19-Norpregna-4,9-diene-3, 20-dione, intermediates useful in the method, and methods for the preparation of such intermediates |
ES2212912B1 (es) | 2003-01-22 | 2005-10-01 | Crystal Pharma, S.A. | Procedimiento para la obtencion de 17alfa-acetoxi-11beta-(4-n,n-dimetilaminofenil)-19-norpregna-4,9-dien-3,20-diona. |
US20060111577A1 (en) | 2003-02-28 | 2006-05-25 | Kim Hyun K | Method for preparing 17 alpha-acetoxy-11beta-(4-n,n-dimethylaminophenyl)-19-norpregna-4,9-diene-3,20-dione, intermediates thereof, and methods for the preparation of such intermediates |
HU227112B1 (hu) | 2006-06-14 | 2010-07-28 | Richter Gedeon Nyrt | Ipari eljárás 17-alfa-acetoxi-11-béta-[4-(N,N-dimetil-amino)-fenil]-19-norpregna-4,9-dién-3,20-dion elõállítására és új intermedierek az eljáráshoz |
CA2757496A1 (en) | 2009-04-14 | 2010-10-21 | Andre Ulmann | Method for on-demand contraception |
CN103193850A (zh) | 2012-01-04 | 2013-07-10 | 北京紫竹药业有限公司 | 甾体化合物的新晶型及其制备方法 |
CN102675395B (zh) | 2012-04-17 | 2014-04-30 | 常州市第四制药厂有限公司 | 醋酸乌利司他的多晶型及其制备方法 |
CN102887931B (zh) | 2012-07-07 | 2015-04-15 | 山东诚创医药技术开发有限公司 | 一种醋酸乌利司他的结晶体及其制备方法 |
-
2013
- 2013-09-26 WO PCT/JP2013/005710 patent/WO2014050107A1/en active Application Filing
- 2013-09-26 JP JP2015515334A patent/JP2015532263A/ja active Pending
- 2013-09-26 US US14/431,357 patent/US9643994B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2013-09-26 CA CA2885798A patent/CA2885798A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102344478A (zh) * | 2011-07-22 | 2012-02-08 | 上海希迈医药科技有限公司 | 一种17α-乙酰氧基-11β-(4-N,N-二甲氨基苯基)-19-去甲孕甾-4,9-二烯-3,20-二酮的结晶物及其制备方法 |
Non-Patent Citations (5)
Title |
---|
厚生労働省医薬局審査管理課長: "新医薬品の規格及び試験方法の設定について", 医薬審発第568号, JPN6015027393, 1 May 2001 (2001-05-01), ISSN: 0003621550 * |
大島寛: "結晶多形・擬多形の析出挙動と制御", PHARM STAGE, vol. 6, no. 10, JPN6011001457, 15 January 2007 (2007-01-15), pages 48 - 53, ISSN: 0003621551 * |
山野光久: "医薬品のプロセス研究における結晶多形現象への取り組み", 有機合成化学協会誌, vol. 65, no. 9, JPN6010003277, 1 September 2007 (2007-09-01), pages 907 - 69, ISSN: 0003621553 * |
川口洋子ら: "医薬品と結晶多形", 生活工学研究, vol. Voo.4, No.2, JPN6015027394, 2002, pages 310 - 7, ISSN: 0003621549 * |
高田則幸: "創薬段階における原薬Formスクリーニングと選択", PHARM STAGE, vol. 6, no. 10, JPN6009053755, 15 January 2007 (2007-01-15), pages 20 - 25, ISSN: 0003621552 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2885798A1 (en) | 2014-04-03 |
US9643994B2 (en) | 2017-05-09 |
US20150246943A1 (en) | 2015-09-03 |
WO2014050107A1 (en) | 2014-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008539243A (ja) | スクアラミンジラクテートの多形塩形態および無定形塩形態 | |
CN110078780B (zh) | 黄体酮共晶的制备方法及其用途 | |
JP7241807B2 (ja) | 15β-ヒドロキシ-酢酸オサテロンの結晶多形 | |
TWI815820B (zh) | 2-(5-(4-(2-嗎啉乙氧基)苯基)吡啶-2-基)-n-芐乙醯胺之固態形式 | |
JP2015532263A (ja) | ウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形 | |
JP6474722B2 (ja) | ウリプリスタール酢酸エステルの結晶多形 | |
JP5809367B2 (ja) | レボノルゲストレルの結晶多形α及びその製造方法 | |
CN114773336B (zh) | 一种游离态plx5622晶型及其制备方法 | |
CN113214337B (zh) | 黄体酮与吡啶及其衍生物的药物共晶 | |
JP6200493B2 (ja) | 無定形ウリプリスタール酢酸エステル | |
JP5809368B2 (ja) | レボノルゲストレルの結晶多形β及びその製造方法 | |
TW201522360A (zh) | 烏普司他醋酸之結晶多晶型 | |
TW201522362A (zh) | 烏普司他醋酸之結晶多晶型 | |
TW201522361A (zh) | 非晶形烏普司他醋酸 | |
JP6433910B2 (ja) | レボノルゲストレルの新規結晶混合物及びその製造方法 | |
JP2022532186A (ja) | 非晶質のpi3k阻害剤及びこれを含有する医薬組成物 | |
JP6125547B2 (ja) | 無定形レボノルゲストレル、固体分散体及びそれらの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160902 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170530 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170727 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170822 |