JP2015531347A - 抗生物質耐性を生じることなくリファキシミンを投与する方法 - Google Patents

抗生物質耐性を生じることなくリファキシミンを投与する方法 Download PDF

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Abstract

リファキシミンを含む組成物を、それを必要とする被験体に投与する方法であって、ブドウ球菌属種に対してリファンピシン耐性の発生を増加させない、前記方法が提供される。ブドウ球菌属種に対してリファンピシン耐性の発生を減少させる方法であって、リファキシミンを含む組成物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、前記方法もまた提供される。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2012年9月12日に出願の米国仮出願第61/700,151号の優先権を主張する。
リファキシミン(INN; The Merck Index, XIII Ed., 8304を参照されたい)は、例えば、ピリド-イミダゾリファマイシンなどのリファマイシン系抗生物質に属する抗生物質である。リファキシミンは、例えば消化管内で、感染性下痢、過敏性腸症候群、小腸細菌過増殖、クローン病、及び/又は膵臓機能不全を引き起こす、局在する消化器細菌に対して広範な抗菌作用を発揮する。リファキシミンは、その化学的及び物理的特徴により、ごくわずかな体内吸収を特徴とすることが報告されてきた(Descombe J. J. et al. Pharmacokinetic study of rifaximin after oral administration in healthy volunteers. Int J Clin Pharmacol Res, 14(2), 51-56, (1994))。
リファキシミンは全身的には吸収されず、最も一般的に使用されている全身性抗生物質とは無関係であり、臨床耐性はIBSにおけるリファキシミンの使用に伴う問題として認識されていないが、菌の耐性についてのいくつかの懸念が依然として存在する。リファキシミンはリファマイシン誘導体であり、リファンピンに関係しているので、リファキシミンがリファンピン耐性の生物を作り出し得るかどうかについての懸念が存在する。そうであったとしても、この耐性の永続性については試験されていない。
The Merck Index, XIII Ed., 8304 Descombe J. J. et al. Pharmacokinetic study of rifaximin after oral administration in healthy volunteers. Int J Clin Pharmacol Res, 14(2), 51-56, (1994)
したがって、リファキシミンが、リファンピシンに対するブドウ球菌(Staphylococcal)の耐性をインビボで生じ得るという懸念に対処する必要性がある。
本明細書で考察されているのは、それを必要とする被験体においてリファンピシン耐性生物を減少させる方法であって、治療有効量のリファキシミンを含む組成物を該被験体に投与することを含む、前記方法である。実施形態は、それを必要とする被験体においてリファンピシン耐性ブドウ球菌属種(Staphyloccocus spp.)の生物を減少させる方法であって、治療有効量のリファキシミンを含む組成物を該被験体に投与することを含む、前記方法を対象とする。一部の実施形態では、組成物の投与は、治療前のベースラインの数と比較して、リファンピシン耐性ブドウ球菌属種の生物の数の減少をもたらす。一部の実施形態では、ベースラインに対するリファンピシン耐性ブドウ球菌属種の数の減少は、組成物の投与前後に被験体から得た便試料を培養することによって判定される。
実施形態はまた、リファキシミンを含む組成物を被験体に投与する方法であって、該組成物の投与が、該被験体におけるリファンピシン耐性ブドウ球菌属種の数をベースラインに対して増加させない、前記方法に関する。
一部の実施形態では、ブドウ球菌属種の生物に対するリファンピシンの平均阻害濃度の閾値は約2.5μg/mL未満である。
一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを1日当たり約25mg〜約6000mgの用量で投与される。
一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを1日当たり約50mg〜約6000mgの用量で投与される。一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを約100mg〜約6000mgの間の用量で投与される。一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを約50mg〜約2500mgBIDの間の用量で投与される。一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを約50mg〜約2000mgTIDの間の用量で投与される。一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを約200mgTIDの用量で投与される。一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを約200mgBIDの用量で投与される。一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを約200mgQDの用量で投与される。
一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを約550mg、600mg又は1650mg、TID、QD又はBIDの用量で投与される。
一部の実施形態では、被験体は、組成物を約1週間〜約24カ月間投与される。
一部の実施形態では、被験体は、組成物を約10日間投与される。
一部の実施形態では、被験体は、小腸生着菌に変化があるように組成物を投与される。
一部の実施形態では、被験体は、小腸生着菌の低減があるように組成物を投与される。
一部の実施形態では、被験体は、結腸の大腸菌(Escherichia coli)(E. coli)の減少があるように、組成物を投与される。
一部の実施形態では、被験体は、結腸のクレブシエラ(Klebsiella)の減少があるように組成物を投与される。
一部の実施形態では、被験体は、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)(C. jejuni)の減少があるように組成物を投与される。一部の実施形態では、被験体は、炎症性腸疾患(IBD)、肝性脳症(HE)、腸炎、大腸炎、過敏性腸症候群(IBS)、下痢優位型過敏性腸症候群(d-IBS)、非便秘優位型過敏性腸症候群(非C IBS)、旅行者下痢(TD)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)、憩室疾患、線維筋痛(FM)、慢性疲労症候群(CFS)、うつ病、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、多発性硬化症(MS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、小腸細菌過増殖、慢性膵炎、及び膵臓機能不全の群から選択される腸疾患に罹患している。
一部の実施形態では、炎症性腸疾患は、クローン病及び潰瘍性大腸炎の群から選択される。
一部の実施形態では、被験体は、細菌感染症に関係した腸疾患に罹患している。
一部の実施形態では、被験体は、排除した細菌感染症に関係した腸疾患に罹患している。
一部の実施形態では、被験体は、腸フローラの変化に関係した腸疾患に罹患している。
一部の実施形態では、被験体は、小腸フローラの変化を経験している。
一部の実施形態では、被験体は、大腸菌感染症に関係した腸疾患に罹患している。
一部の実施形態では、被験体は、カンピロバクター・ジェジュニ感染症に関係した腸疾患に罹患している。一部の実施形態では、被験体は、カンピロバクター・ジェジュニ感染症から回復している。
一部の実施形態では、被験体は、クレブシエラ感染症に関係した腸疾患に罹患している。
一部の実施形態では、被験体は、アエロモナス(Aeromonas)感染症に関係した腸疾患に罹患している。
一部の実施形態では、被験体は、自身の小腸内に過剰なフローラを有する。
一部の実施形態では、被験体は、自身の小腸内の大腸菌カウント数の増加を有する。
一部の実施形態では、被験体はIBSに罹患している。
一部の実施形態では、被験体は小腸細菌過増殖に罹患している。
一部の実施形態では、被験体はIBS及び小腸細菌過増殖に罹患している。
一部の実施形態では、被験体はIBSに罹患しており、IBSを有していない被験体と比較して、大腸菌のレベルの増加を有する。
一部の実施形態では、被験体はIBSに罹患しており、IBSを有していない被験体と比較して、クレブシエラのレベルの増加を有する。
一部の実施形態では、被験体はIBSに罹患しており、IBSを有していない被験体と比較して、アエロモナスのレベルの増加を有する。
一部の実施形態では、腸炎は、放射線療法又は化学療法により引き起こされる。
一部の実施形態では、組成物の投与前に、消化器系(GI)洗浄剤が被験体に投与される。
一部の実施形態では、消化器系洗浄剤は、組成物の投与の約1〜約90日前の間に投与される。
一部の実施形態では、消化器系洗浄剤の投与は、組成物の投与の約1〜約60日前の間、約1〜約30日前の間、約1〜約24日前の間、約1〜約14日前の間、約1〜約10日前の間、約1〜約7日前の間、約1〜約5日前の間、約1〜約4日前の間、約1〜約3日前の間、又は約1〜約2日前の間である。
リファキシミンでの処置中及び処置後の便の大腸菌カウント数の変化のプロットである。 リファキシミンでの処置中及び処置後の便の大腸菌カウント数の変化を示している同じプロットの拡大表示である。 消化器系セグメント毎の、及びリファキシミン投与のための様々な送達ビヒクル毎の便の大腸菌の総カウント数を示す棒グラフである。 リファキシミン投与中及び投与完了後の小腸内での定量的PCR(qPCR)により測定した細菌の総カウント数を示す棒グラフである。 リファキシミンの投与中及び投与完了後の結腸内での定量的PCR(qPCR)により測定した細菌の総カウント数を示す棒グラフである。 リファキシミンで処置した被験体に対して、対照の小腸内での定量的PCR(qPCR)により測定した細菌の総カウント数を示す棒グラフである(総数)。 リファキシミンで処置した被験体に対して、対照の結腸内での定量的PCR(qPCR)により測定した細菌の総カウント数を示す棒グラフである(総数)。 ベースラインにおける、及びリファキシミンでの10日間の処置後のラットにおけるブドウ球菌属種コロニーカウント数を示すグラフである。 200mgのリファキシミンでの処置中の、日毎のラットにおけるブドウ球菌属種コロニーカウント数を示すグラフである。 リファキシミン又はプラセボでの処置後の、ラットの便の中のブドウ球菌属種の存在を比較した棒グラフである。
リファキシミン(USAN、INN; The Merck Index、XIII Ed., 8304、CAS No.80621-81-4を参照されたい)、(2S,16Z,18E,20S,21S,22R,23R,24R,25S,26S,27S,28E)-5,6,21,23,25ペンタヒドロキシ-27-メトキシ-2,4,11,16,20,22,24,26-オクタメチル-2,7-(エポキシペンタデカ-(1,11,13)トリエンイミノ)ベンゾフロ(4,5-e)ピリド(1,2,-a)ベンズイミダゾール-1,15(2H)-ジオン,25-アセテート)は、リファマイシンOから生成される半合成抗生物質である。リファキシミンは、例えば、ピリド-イミダゾリファマイシンなどのリファマイシン系抗生物質に属する分子である。リファキシミンは、例えば、消化管において、伝染性下痢、過敏性腸症候群、小腸細菌過増殖、クローン病、及び/又は膵臓機能不全を引き起こす局在する消化器細菌に対して、広範な抗菌作用を発揮する。
リファキシミンはまた、イタリア国特許IT1154655及びEP0161534にも記載されている。EP特許0161534は、出発物質としてリファマイシンO(The Merck Index, XIII Ed., 8301)を使用する、リファキシミン製造方法を開示している。US7,045,620B1は、多形形態のリファキシミンを、USSN11/658,702; USSN61/031,329; USSN12/119,622; USSN12/119,630; USSN12/119,612; USSN12/119,600; USSN11/873,841;国際公開WO2006/094662;及びUSSN12/393012において開示されているように、開示している。ここに言及されている出願及び特許は、すべての目的のため、これらの全体が本明細書に参照により組み込まれる。
リファマイシン系抗生物質は、例えば、式Iの構造:
Figure 2015531347
(式中、
環Aは、互変異性形態A1又はA2で存在してもよく
Figure 2015531347
R1は水素又はアセチルであり、
R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、(C1〜4)アルキル、ベンジルオキシ、モノ-及びジ-(C1〜3)アルキルアミノ-(C1〜4)アルキル、(C1〜3)アルコキシ-(C1〜4)アルキル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ-(C2〜4)-アルキル、若しくはニトロであるか、又は
R2及びR3は、これらが結合している原子と一緒になって、置換されていてもよいヘテロアリール又は置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する)
を有する化合物である。
同様に本明細書に記載されているのは、4-デオキシ-4'-メチル-ピリド[1',2'-1,2]イミダゾ[5,4-c]リファマイシンSV及び4-デオキシ-ピリド[1',2':1,2]イミダゾ[5,4-c]リファマイシンSVから選択される式(I)のリファマイシン化合物である。
リファキシミンは、式IIの構造:
Figure 2015531347
を有する化合物である。
いかなる特定の科学的理論に制約されることを望むものではないが、リファキシミンは、細菌性デオキシリボ核酸依存性リボ核酸(RNA)ポリメラーゼのベータ-サブユニットに結合することにより作用し、細菌性RNA合成の阻害をもたらす。リファキシミンは多くのグラム(+)及び(-)細菌、好気性及び嫌気性の両方に対して活性がある。インビトロデータは、リファキシミンがブドウ球菌属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、腸球菌属(Enterococcus)、及び腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の種に対して活性があることを示している。
「リファキシミン」は、本明細書で使用される場合、例えば、リファキシミンのα型、β型、γ型、δ型、ε型、ζ型、η型、ι型、カッパ型、シータ型、ミュー型、オミクロン型、パイ型、メシレート型又は非晶質形態を含めた、溶媒和物及び分子の多形形態を含む。これらの形態は、例えば、2005年3月3日に出願のEP05004695.2;米国特許第7,045,620号;米国特許第7,612,199号;米国特許第7,709,634号;米国特許第7,915,275号;米国特許第8,067,429号;米国特許第8,193,196号;米国特許第8,227,482号; G.C.Viscomi, et al., Cryst Eng Comm, 2008, 10, 1074-1081 (April 2008)、米国特許出願公開第2010/0174064号、米国特許出願公開第2009/0028940号、米国特許出願公開第2005/0272754号、米国特許出願公開第2012/0108620号にさらに詳細に記載されている。これらの参考文献のそれぞれは、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
「多形体」又は「多形形態」とは、本明細書で使用される場合、識別可能な水和物状態での単一化合物の異なる結晶形態の発生、例えば、いくつかの化合物及び複合体の特性を指す。したがって、多形体は、同じ分子式を共有する識別可能な固体であり、しかも各多形体は、識別可能な物理的特性を有し得る。したがって、単一の化合物は、様々な多形形態を生じることができ、各形態は、異なる及び識別可能な物理的特性、例えば、溶解度プロファイル、融点温度、吸湿性、粒子形状、密度、流動性、相容性及び/又はエックス線回折ピークなどを有する。各多形体の溶解度は変動し得るので、したがって、薬学的多形体の存在を特定することは、予想可能な溶解度プロファイルを有する医薬品を提供するのに不可欠である。すべての多形形態を含めて、薬物のすべての固体形態を調べ、各多形形態の安定性、溶解性及び流動特性を決定することが望ましい。化合物の多形形態は、エックス線回折分光法及び他の方法、例えば、赤外線分光分析などにより実験室内で区別することができる。多形体の一般的な概説及び多形体の薬学的適用については、すべて本明細書中に参照により組み込まれる、G. M. Wall, Pharm Manuf. 3, 33 (1986); J.K.Haleblian and W.McCrone, J Pharm.Sci., 58, 911 (1969);及びJ.K.Haleblian, J.Pharm.Sci., 64, 1269 (1975)を参照されたい。本明細書で使用される場合、多形体という用語は、リファキシミンの形態に関連する一般的用語として時々使用され、文脈中で、本明細書中に開示されているリファキシミンの塩、水和物、多形体及び非晶質形態を含む。この使用は、文脈に依存し、当業者には明白である。本明細書中に開示されている方法及びキットにおいて有用なリファキシミンの例示的多形形態は、上に記載された公開特許出願に記載されている。
医薬品調製物は、以下に論じる通常の添加剤とともに、消化器系に特異的な抗生物質を含有してもよい。
「消化器系に特異的な抗生物質」及び「消化器系抗生物質」は、本明細書で使用される場合、消化器系疾患に対して効果があることが知られている抗生物質を含む。例えば、リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)、ネオマイシン、メトロニダゾール、テイコプラニン、シプロフロキサシン、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、オーグメンチン、セファレキシン、ペニシリン、アンピシリン、カナマイシン、リファマイシン、バンコマイシン、及びこれらの組合せが有用な、消化器系に特異的な抗生物質である。さらにより好ましいのは、低い体内吸収を有する、消化器系に特異的な抗生物質、例えば、リファキシミンである。低い体内吸収は、例えば、10%未満の吸収率、5%未満の吸収率、1%未満の吸収率及び0.5%未満の吸収率を含む。低い体内吸収はまた、例えば、約0.01〜1%の間の吸収率、約0.05〜1%の間の吸収率、約0.1〜1%の間の吸収率、約1〜10%の間の吸収率、又は約5〜20%の間の吸収率を含む。
「向上する」、「向上」、「改善」などは、例えば、少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、100%の、若しくはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の、単一の被験体又は少なくとも少数の被験体において生じる、検出可能な改善、又は改善に一致する検出可能な変化を指す。このような改善又は変化は、リファキシミンで治療していない被験体と比較した場合、治療した被験体に観察することができ、この場合、未治療の被験体は、同じ又は同様の疾患、状態、症状などを有するか、又はこれらを発症しやすい。疾患、状態、症状又はアッセイパラメーターの向上は、主観的又は客観的に、例えば、被験体(複数可)による自己評価、臨床医の評価により、又は適当なアッセイ若しくは測定、例えば、生活の質の評価、疾患(複数可)若しくは状態(複数可)の進行遅延、疾患(複数可)若しくは状態(複数可)の重症度の減少、又は生体分子(複数可)、細胞(複数可)のレベル若しくは活性(複数可)についての適切なアッセイ(複数可)を含めたものを行うことにより、或いは被験体におけるCDIの検出により判定し得る。向上は、一時的、長期的若しくは永久的であってよいし、或いは向上は、消化器系に特異的な抗生物質が、被験体に投与されるか、又は本明細書若しくは引用された参考文献の中に記載されているアッセイ若しくは他の方法で使用されている間若しくはその後、例えば、以下に記載されている時間枠内、又は消化器系に特異的な抗生物質の投与若しくは使用の約1時間後から被験体(複数可)がこのような治療を受けてから約7日後、2週間後、28日後、若しくは1、3、6、9カ月後若しくはそれ以上後など、対応する時間において可変であってもよい。
例えば、症状、分子のレベル又は生物活性などの「モジュレーション」とは、例えば、症状又は活性などが検出可能な程度に増大又は低減されることを指す。このような増大又は低減は、消化器系に特異的な抗生物質で治療していない被験体と比較した場合、治療した被験体において観察することができ、この場合、未治療の被験体は、同じ若しくは同様の疾患、状態、症状などを有するか、又はこれらを発症しやすい。このような増大又は低減は、少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、100%、150%、200%、250%、300%、400%、500%、1000%又はそれ以上であるか、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲であってよい。モジュレーションは、主観的又は客観的に、例えば、被験体の自己評価により、臨床医の評価により、又は例えば、生活の質の評価又は被験体の体内の分子のレベル若しくは活性についての適切なアッセイを含めた適当なアッセイ又は測定を行うことによって判定し得る。モジュレーションは、一時的、長期的若しくは永久的であってよいし、或いはモジュレーションは、消化器系に特異的な抗生物質が、被験体に投与されるか、又は本明細書若しくは引用された参考文献の中に記載されているアッセイ若しくは他の方法で使用されている間若しくはその後、例えば、以下に記載されている時間内、又は消化器系に特異的な抗生物質の投与若しくは使用の約1時間から被験体(複数可)が消化器系に特異的な抗生物質を受けてから約2週間後、28日後、3、6、9カ月後若しくはそれ以上後など、対応する時間において可変であってもよい。
「モジュレートする」という用語はまた、消化器系に特異的な抗生物質への曝露に応答して細胞の活性が増大又は低減することを指してもよく、例えば、所望の最終結果が達成されるように、動物において少なくとも細胞のある亜母集団の増殖阻害及び/又は分化誘導が生じることを指してもよく、例えば、治療のために使用される、消化器系に特異的な抗生物質の治療的結果は、ある特定の治療の間に増大又は低減し得る。
化合物の「予防的有効量」という言語は、式I、式IIの化合物、又は本明細書中に記載されている他の化合物の量を指し、この量は、被験体への単回投与又は複数回投与により、BDを予防又は治療する上で有効である。
本明細書で使用する場合、「被験体」は、リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)で治療可能である疾患若しくは症状に罹患することが可能である、若しくはこれらに罹りやすい、又は、他に本明細書で記載されているリファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)の投与が有利となり得る生物、例えば、ヒト及び非ヒト動物を含む。好ましいヒト動物としてヒトの被験体が挙げられる。「非ヒト動物」という用語は、すべての脊椎動物、例えば、哺乳動物、例えば、げっ歯類、例えば、マウス、及び非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、例えば、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類などを含む。腸障害に罹りやすいとは、腸障害を発症するリスクがある被験体、治療した疾患又は症状から寛解した被験体、治療した疾患又は系を再発する可能性のある被験体、細菌感染症へ曝露された被験体、例えば、医師又は看護師などを含むことを意図する。
化合物の「予防的有効量」という言語は、式I、式IIの化合物、又は本明細書で記載されている他の化合物の量を指し、この量は、被験体への単回投与又は複数回投与によりCDIを予防又は治療する上で有効である。
「投与」又は「投与する」という用語は、これらの意図した機能を実施するために、消化器系に特異的な抗生物質を被験体に導入する経路を含む。使用し得る投与経路の例として、注射、経口、吸入、経膣、直腸及び経皮が挙げられる。薬学的調製物は、各投与経路に対して適切な形態で与えてよい。例えば、これらの調製物は、錠剤又はカプセル剤の形態で、注射、吸入、洗眼液、点眼剤、軟膏剤、坐剤などにより、注射、注入又は吸入による投与;ローション剤又は軟膏剤による局所的投与;及び坐剤による直腸投与により投与される。経口投与が好ましい。注射はボーラスでも、又は持続注入であってもよい。投与経路に応じて、消化器系に特異的な抗生物質は、選択された物質でコーティングするか、又はこの中に配置することによって、その意図した機能を実施するその能力に悪影響をもたらす恐れのある自然条件からこれを保護することができる。消化器系に特異的な抗生物質は、単独で、又は上に記載のような別の薬剤(複数可)と併せて、又は薬学的に許容可能な担体と共に、又はこの両方で投与することができる。消化器系に特異的な抗生物質は、他の薬剤の投与の前に、薬剤と同時に、又は薬剤の投与後に投与することができる。さらに、消化器系に特異的な抗生物質はまた、代用形(proform)で投与することもでき、この代用形は、インビボでその活性代謝物、又はより活性のある代謝物へと変換される。
1種以上のさらなる治療薬と「組み合わせて」投与することは、同時(コンカレント)及び任意の順序での連続投与を含む。
当業者には容易に明らかなように、投与されることになる有用なインビボでの投与量及び特定の投与方法は、年齢、体重及び治療される哺乳動物の種、用いられる特定の化合物、並びに/又はこれらの化合物が用いられる特定の用途に応じて異なる。有効投与量レベル、すなわち所望の結果を達成するのに必要な投与量レベルの決定は、慣用的薬理学的方法を使用して当業者により遂行することができる。典型的には、製品のヒト臨床応用は、より低い投与量レベルから開始し、所望の効果が達成されるまで投与量レベルを増加させる。
「消化器系に特異的な抗生物質を得る」などでの「得る」という用語は、消化器系に特異的な抗生物質を購入する、合成する、又は他の方法で取得することを含むことを意図する。
化合物の「予防的有効量」という言語は、消化器系に特異的な抗生物質の量を指し、この量は、被験体への単回投与又は複数回投与によりCDIを予防又は治療する上で有効である。
「医薬品組成物」(又は薬剤又は薬物)という用語は、本明細書で使用される場合、患者に適切に投与された場合、所望の治療効果を誘発することが可能な化学物質、組成物、薬剤又は薬物を指す。これには、2種類以上の成分は必ずしも必要ではない。
本明細書で使用される場合、「応答の持続性」は、例えば、治療停止後の症状の十分な軽減、治療停止後の症状の継続的な十分な軽減、又はプラセボ応答より大きい又は優れた応答を含む。被験体による応答は、例えば、治療停止後、これらがリファマイシン系抗生物質に対する応答を有している場合、持続性があるとみなし得る。応答の継続期間は、例えば、2日、7日、2週、3週、4週、12週、約1週〜約24週の間、又はそれ以上であってよい。応答は、例えば以下に概要が述べられている方法の1種以上を使用して測定してよく、これらの方法は、例えば、これらの症状についての被験体の主観的評価又は被験体の症状についての保健医療提供者又は介護者の評価を含む。
実施形態は、それを必要とする被験体において、リファンピシン耐性ブドウ球菌属種の生物を減少させる、その量を減少させる、又はその発生を減少させる方法であって、治療有効量のリファキシミンを含む組成物を該被験体に投与することを含む、前記方法を対象とする。一部の実施形態では、組成物の投与は、治療前のベースラインの数と比較して、リファンピシン耐性ブドウ球菌属種の数の減少をもたらす。一部の実施形態では、ベースラインに対する、リファンピシン耐性ブドウ球菌属種の数の減少は、このような値を測定するための当業者に公知の任意の方法を使用することによって判定される。例えば、ベースラインに対する、リファンピシン耐性ブドウ球菌属種の数の減少は、組成物の投与前後に被験体から得た便試料を培養することによって判定することができる。
実施形態はまた、被験体におけるリファンピシン耐性ブドウ球菌属種の生物を減少させる、その量を減少させる、又はその発生を減少させる方法であって、リファキシミンを、ある状態に対して抗生物質治療を必要とする被験体に投与することを含む、前記方法に関する。一部の実施形態では、状態は、炎症性腸疾患(IBD)、旅行者下痢(TD)、肝性脳症(HE)、潜在性肝性脳症、過敏性腸症候群(IBS)、下痢優位型過敏性腸症候群(d-IBS)、非便秘優位型過敏性腸症候群(非c-IBS)、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)、線維筋痛(FM)、慢性疲労症候群(CFS)、うつ病、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、多発性硬化症(MS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、下肢静止不能症候群、真皮感染症、小腸細菌過増殖、慢性膵炎、膵臓機能不全、憩室炎(又は憩室疾患)、腸炎、大腸炎、表皮感染症、粘膜障害、回腸嚢炎、膣感染症、裂肛、耳感染症、肺感染症、歯周の状態、酒さ、並びに皮膚の他の感染症及び/又は他の関連する状態の群から選択される。一部の実施形態では、炎症性腸疾患はクローン病又は潰瘍性大腸炎である。一部の実施形態では、腸炎は、放射線療法又は化学療法により引き起こされる。
一部の実施形態では、消化器系(GI)洗浄剤は、組成物の投与前に被験体に投与される。
一部の実施形態では、消化器系洗浄剤は、組成物の投与の約1〜約90日前の間に投与される。一部の実施形態では、消化器系洗浄剤の投与は、組成物の投与の約1〜約60日前の間、約1〜約30日前の間、約1〜約24日前の間、約1〜約14日前の間、約1〜約10日前の間、約1〜約7日前の間、約1〜約5日前の間、約1〜約4日前の間、約1〜約3日前の間、又は約1〜約2日前の間である。
一部の実施形態では、消化器系洗浄剤は、PEGベースの組成物又はリン酸ナトリウムベースの組成物の1種以上を含む。一部の実施形態では、消化器系洗浄剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及びアスコルビン酸を含む。一部の実施形態では、消化器系洗浄剤は、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
リファキシミンは様々な治療レジームで使用してよい。これらのレジームは、被験体及び治療のタイプに応じて異なり得る。
リファキシミンは、例えば、1日2回、1日3回、又は1日当たり必要に応じて4回若しくはそれ以上頻繁に投与してよい。リファキシミンは、例えば、1日1回約25mg〜約3000mgTIDの間の用量で投与してよい。一部の実施形態では、被験体は、リファキシミンを1日当たり約50mg〜約6000mgの用量で投与される。例えば、リファキシミンは、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、又は約100mgの1日量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、又は約500mgの1日量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、又は約1000mgの1日量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約1600mg、約1700mg、約1800mg、約1900mg、約2000mg、約2100mg、約2200mg、約2300mg、約2400mg、約2500mg、約2600mg、約2700mg、約2800mg、約2900mg、又は約3000mgの1日量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約25mg BID、約30mg BID、約35mg BID、約40mg BID、約45mg BID、約50mg BID、約55mg BID、約60mg BID、約65mg BID、約70mg BID、約75mg BID、約80mg BID、約85mg BID、約90mg BID、約95mg BID、又は約100mg BIDの用量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約125mg BID、約150mg BID、約175mg BID、約200mg BID、約225mg BID、約250mg BID、約275mg BID、約300mg BID、約325mg BID、約350mg BID、約375mg BID、約400mg BID、約425mg BID、約450mg BID、約475mg BID、又は約500mg BIDの用量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約550mg BID、約600mg BID、約650mg BID、約700mg BID、約750mg BID、約800mg BID、約850mg BID、約900mg BID、約950mg BID、又は約1000mg BIDの用量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約1100mg BID、約1200mg BID、約1300mg BID、約1400mg BID、約1500mg BID、約1600mg BID、約1700mg BID、約1800mg BID、約1900mg BID、約2000mg BID、約2100mg BID、約2200mg BID、約2300mg BID、約2400mg BID、約2500mg BID、約2600mg BID、約2700mg BID、約2800mg BID、約2900mg BID又は約3000mg BIDの用量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約25mg TID、約30mg TID、約35mg TID、約40mg TID、約45mg TID、約50mg TID、約55mg TID、約60mg TID、約65mg TID、約70mg TID、約75mg TID、約80mg TID、約85mg TID、約90mg TID、約95mg TID、又は約100mg TIDの用量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約125mg TID、約150mg TID、約175mg TID、約200mg TID、約225mg TID、約250mg TID、約275mg TID、約300mg TID、約325mg TID、約350mg TID、約375mg TID、約400mg TID、約425mg TID、約450mg TID、約475mg TID、又は約500mg TIDの用量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約550mg TID、約600mg TID、約650mg TID、約700mg TID、約750mg TID、約800mg TID、約850mg TID、約900mg TID、約950mg TID、又は約1000mg TIDの用量で投与することができる。一部の実施形態では、リファキシミンは、約1100mg TID、約1200mg TID、約1300mg TID、約1400mg TID、約1500mg TID、約1600mg TID、約1700mg TID、約1800mg TID、約1900mg TID、約2000mg TID、約2100mg TID、約2200mg TID、約2300mg TID、約2400mg TID、約2500mg TID、約2600mg TID、約2700mg TID、約2800mg TID、約2900mg TID又は約3000mg TIDの用量で投与することができる。リファキシミンは、例えば、錠剤形態、粉末形態、液体形態又はカプセル剤で投与してよい。一部の実施形態では、リファキシミンは、持効性製剤で投与することができる。
一部の実施形態では、リファキシミンは、可溶性固体分散物として投与される。例えば、リファキシミンは、約25〜550mgの間のリファキシミンの可溶性固体分散物として投与することができる。リファキシミンの可溶性固体分散物は、その全体が本明細書中に参照により組み込まれる「FORMULATIONS OF RIFAXIMIN AND USES THEREOF」、米国特許出願公開第2012/0077835号に記載されている。
一部の実施形態では、リファキシミンは、約1週〜約6週の間の継続期間で、約8週〜約12週の間の継続期間で、又は約1日〜約21日の間の継続期間で被験体に投与される。一実施形態では、リファキシミンは、10日間投与される。リファキシミンは、約1日〜約1年の間、又は1週〜約52週間投与し得る。一部の実施形態では、リファキシミンは、約1週〜約24カ月間投与される。リファキシミンは、治療経過中に、断続的又は持続的に投与し得る。治療の長さは、疾患のタイプ及び長さに応じて異なってもよく、治療の適切な長さは、本開示の利益を有する当業者により容易に決定され得る。
いずれの実施形態に対しても、リファキシミンは、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、又は1日4回(ある特定の被験体に対して必要とされる場合にはより頻繁に) 被験体に投与してもよい。一部の実施形態では、本方法は、リファキシミンを1日1回被験体に投与することを含むが、これは、例えば、副作用を最小限に抑え、患者コンプライアンスを増加させ得るからである。一部の実施形態では、リファキシミンは、1日2回及び/又は3回投与される。
投与量は、特定の好ましい実施形態によると、約50〜約6000mgの間の範囲のリファキシミンが1日に投与される。例えば、400mgの用量を、被験体に1日3回投与してもよいし、又は550mgの用量を被験体に1日2回投与してもよい。本明細書中に開示されている方法に対して他の適当な投与量は、保健医療専門家又は被験体によって決定され得る。1日に投与されるリファキシミンの量は、被験体の体重、年齢、健康状態、性別又は医学的状態に基づき増大又は低減させてよい。当業者であれば、本開示に基づき、被験体に対して適切な用量を決定することができる。
特定の実施形態によると、リファキシミンは、例えば、化学療法剤、抗炎症剤、解熱剤、放射線増感剤、放射線防護剤、泌尿器系の薬剤、制吐剤、及び/又は下痢止め剤を含めた他の化合物と組み合わせて投与してよい。例えば、シスプラチン、カルボプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、フルオロウラシル(flurouracil)、カペシタビン、ゲムシタビン、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、マイトマイシン、ゲフィチニブ、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、アセトアミノフェン、ミソニダゾール、アミホスチン、タムスロシン、フェナゾピリジン、オンダンセトロン、グラニセトロン、アロセトロン、パロノセトロン、プロメタジン、プロクロルペラジン、トリメトベンズアミド、アプレピタント、アトロピンを有するジフェノキシレート、及び/又はロペラミドなどである。
本発明の実施形態はまた、本明細書に記載されている、有効量のリファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン又はリファキシミン多形体)と、薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は、リファキシミン又はその任意の多形形態と、薬学的に許容可能な担体とを含む。すなわち、製剤は、1種類の多形体のみ含有し得るか、又は2種類以上の多形体の混合物を含有し得る。多形体とは、この文脈において、リファキシミンの任意の物理的な形態、水和物、酸、塩などを指す。混合物は、例えば、所望の量の体内吸収、溶解性プロファイル、治療を受ける消化管内の所望の場所などに基づき選択してよい。医薬組成物は、添加剤、例えば、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、着香料又は甘味剤のうちの1種以上をさらに含む。組成物は、選択されたコーティングされた錠剤及び非コーティング錠剤、硬質及び軟質ゼラチンカプセル、シュガーコーティングされた丸剤、ロゼンジ剤、ウエハーシート、ペレット剤及び密閉パケット内の散剤のために製剤化し得る。例えば、組成物は、局所的使用のために、例えば、軟膏剤、ポマード、クリーム剤、ゲル及びローション剤として製剤化し得る。
一部の実施形態では、リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)は、薬学的に許容可能な製剤、例えば、薬学的に許容可能な製剤が被験体に投与された後、リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)の持続送達を被験体に少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、1週間、2週間、3週間、又は4週間提供する薬学的に許容可能な製剤を使用して被験体に投与される。
一部の実施形態では、これらの医薬組成物は、被験体への局所的投与又は経口投与に好適である。一部の実施形態において、以下に詳細に記載されているように、医薬組成物は、固体又は液体形態での投与に対して特別に製剤化してよく、これには、以下に対して適合させたものが含まれる:(1)経口投与、例えば、飲薬(水溶液又は非水溶液又は懸濁液)、錠剤、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、ペースト剤など;(2)非経口投与、例えば、皮下、筋肉内若しくは静脈内注射による、例えば、滅菌液剤若しくは懸濁剤など;(3)局所的塗布、例えば、皮膚に適用するクリーム剤、軟膏剤若しくはスプレー剤など;(4)膣内若しくは直腸内投与、例えば、ペッサリー剤、クリーム剤若しくはフォーム剤など;又は(5)エアロゾール剤、例えば、化合物を含有する水性エアロゾール剤、リポソーム調製物若しくは固形粒子など。
「薬学的に許容可能な」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題又は合併症なしに、妥当なベネフィットリスク比に見合って、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適切である、本明細書中に記載されているようなリファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)、このような化合物を含有する組成物、及び/又は剤形を指す。
「薬学的に許容可能な担体」という句は、被験体の化学物質を体の一器官又は一部分から、体の別の器官又は一部分へ運ぶ又は輸送することに関わる、薬学的に許容可能な物質、組成物又はビヒクル、例えば、液体又は固体充填物、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料などを含む。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に対して傷害性がないという意味で「許容可能」である。薬学的に許容可能な担体としての役目を果たすことができる物質のいくつかの例として以下が挙げられる:(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロースなど;(2)デンプン、例えば、コーンスターチ及びジャガイモデンプンなど;(3)セルロース、及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなど;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えば、ココアバター及び坐剤ワックスなど;(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及びダイズ油など;(10)グリコール、例えば、プロピレングリコールなど;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなど;(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなど;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなど;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張生理食塩水;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;並びに(21)医薬製剤に用いられる他の無毒性適合物質。
湿潤剤、乳化剤及び潤滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなど、並びに着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、保存剤及び抗酸化剤もまた、組成物中に存在することができる。
薬学的に許容可能な抗酸化剤の例として以下が挙げられる:(1)水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、αトコフェロールなど;及び(3)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)を含有する組成物として、経口、経鼻、局所的(口腔及び舌下を含む)、直腸、経膣、エアロゾール及び/又は非経口投与に対して適切なものが挙げられる。組成物は、単位投与形態で便利に提示することができ、薬学の当技術分野で周知の任意の方法により調製し得る。担体材料と組み合わせて単一投与形態を生成することができる活性成分の量は、治療を受ける宿主、特定の投与モードに応じて異なる。担体材料と組み合わせて、単一投与形態を生成することができる活性成分の量は、一般的には、治療効果を生じる化合物の量である。一般的に、この量は、100パーセントのうち、約1%〜約99%の活性成分、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%の範囲である。
リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)の経口投与又は直腸投与のための液体剤形として、薬学的に許容可能な乳剤、マイクロエマルジョン剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実、ラッカセイ、コーン、胚芽、オリーブ、ヒマシ及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物などを含有し得る。
不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、香料及び保存剤などを含み得る。
活性のあるリファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)に加えて懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにこれらの混合物などを含有し得る。
直腸又は経膣投与のための医薬組成物は、坐剤として提示することができ、この坐剤は、1種以上のリファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)と、1種以上の適切な非刺激性賦形剤又は担体、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックス又はサリチレートを含めたものを混合することによって調製してよく、これは、室温で固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸又は膣腔内で融解し、活性薬剤を放出する。経膣投与に対して適切である組成物は、適切であることが当技術分野で知られているような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤又はスプレー製剤を含むことができる。
リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)の局所的又は経皮的投与のための剤形として、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤及び吸入剤を挙げることができる。活性のあるリファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)は、滅菌条件下で、薬学的に許容可能な担体、及び有益となり得る任意の保存剤、緩衝剤、又は噴霧剤と混合し得る。
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤及びゲル剤は、リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)に加えて、賦形剤、例えば、動物及び植物性油脂、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物などを含有し得る。
散剤及びスプレー剤は、リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などを含有することができる。スプレー剤は、慣習的な噴霧剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素など並びに揮発性の非置換炭化水素、例えば、ブタン及びプロパンなどを追加的に含有することができる。
リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)は、代わりに、エアロゾール剤により投与することもできる。これは、例えば、化合物を含有する水性エアロゾール剤、リポソーム調製物又は固形粒子を調製することにより遂行される。非水性(例えば、フルオロカーボン噴霧剤)懸濁液であれば使用することができる。ソニックネブライザーは、化合物の分解をもたらす可能性のある剪断への薬剤の曝露を最小限に抑えるので、これらが好ましい。
医薬組成物に用いてよい適切な水性及び非水性の担体の例として、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びこれらの適切な混合物、植物油、例えば、オリーブ油など、並びに注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルなどを挙げることができる。適切な流動度は、例えば、コーティング材料、例えば、レシチンなどの使用により、分散物の場合には、粒径の維持により、及び界面活性剤の使用により維持することができる。
これらの組成物はまた、アジュバント、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などを含有し得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの包含により確実にすることができる。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを組成物に含めることが望ましいこともある。加えて、注射用医薬品形態の長期吸収は、吸収を遅らせる、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤の包含により引き起こし得る。
場合によっては、薬物の効果を長引かせるために、薬物の吸収を変化させることが望ましい。難水溶性の結晶、塩又は非晶質物質の液体懸濁液の使用によりこれを遂行することができる。よって、薬物の吸収速度は、その溶解速度によって異なり、さらにこの溶解速度は、結晶サイズ及び結晶形態によって異なり得る。代わりに、薬物形態の遅延型吸収は、薬物を油ビヒクル中に溶解又は懸濁化することによって遂行される。
リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)が医薬品として、ヒト及び動物に投与された場合、これらは、それ自体で、又は例えば、0.1〜99.5%(より好ましくは、0.5〜90%)の活性成分を、薬学的に許容可能な担体と組み合わせて含有する医薬組成物として投与することができる。
選択した投与経路に関わらず、適切な水和形態で使用し得るリファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)、及び/又は本明細書中に開示されている医薬組成物は、当業者に知られている方法により薬学的に許容可能な剤形へ製剤化される。
本明細書中に開示されている医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベル及び投与の時間コースは、ある特定の患者、組成物、及び投与モードに対して、この患者に対して毒性を持つことなく、所望の治療反応を達成するのに有効な活性成分の量を得るように変化し得る。例示的用量範囲は、1日当たり25〜3000mgである。
併用療法の治療において、本明細書中に開示されている化合物及び他の薬剤(複数可)の両方が方法によって哺乳動物(例えば、ヒト、男性又は女性)に投与される。薬剤は、単一投与形態又は分離した投与形態で投与され得る。他の治療薬の有効量は、当業者には周知である。しかし、他の治療薬の有効量の範囲を決定することは、十分に当業者の範囲内である。別の治療薬が動物に投与される実施形態では、本化合物の有効量は、他の治療薬が投与されない場合の有効量よりも少ない。一部の実施形態では、薬剤の有効量は、本化合物が投与されない場合の有効量よりも少ない。こうして、高用量のいずれかの薬剤に関連する所望しない副作用を最小限に抑制し得る。他の潜在的な利点(非限定的に、投与レジメンの改善及び/又は薬物コストの減少を含む)は、当業者には明らかである。
様々な実施形態では、治療法(例えば、予防的薬剤又は治療用薬剤)は、5分未満離して、30分未満離して、1時間離して、約1時間離して、約1〜約2時間離して、約2時間〜約3時間離して、約3時間〜約4時間離して、約4時間〜約5時間離して、約5時間〜約6時間離して、約6時間〜約7時間離して、約7時間〜約8時間離して、約8時間〜約9時間離して、約9時間〜約10時間離して、約10時間〜約11時間離して、約11時間〜約12時間離して、約12時間〜18時間離して、18時間〜24時間離して、24時間〜36時間離して、36時間〜48時間離して、48時間〜52時間離して、52時間〜60時間離して、60時間〜72時間離して、72時間〜84時間離して、84時間〜96時間離して、又は96時間〜120時間離して投与される。好ましい実施形態では、同じ患者診察中に2以上の治療法が投与される。
特定の実施形態では、1種以上のリファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)及び1以上の他の治療法(例えば、予防的薬剤又は治療用薬剤)が周期的に投与される。周期的療法は、第1療法(例えば、最初の予防的薬剤又は治療用薬剤)をある期間投与し、続いて第2療法(例えば、第2の予防的薬剤又は治療用薬剤)をある期間投与し、場合によって、続いて第3の療法(例えば、予防的薬剤又は治療用薬剤)をある期間投与するなどして、この連続的投与を反復することを含み、例えば、治療法の1つに対する耐性の発生を減少させ、治療法の1つの副作用を回避し又は減少させ、及び/又は治療法の効力を改善するためのサイクルを含む。
特定の実施形態では、同じ化合物の投与を繰り返してもよく、投与は少なくとも約1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、3週、4週、5週、6週、12週、2カ月、75日、3カ月、又は少なくとも6カ月離してよい。他の実施形態において、リファマイシン系抗生物質(例えば、リファキシミン)以外の同じ療法(例えば、予防的薬剤又は治療用薬剤)の投与を繰り返してもよく、投与は少なくとも少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2カ月、75日、3カ月、又は少なくとも6カ月離してよい。一実施形態では、リファマイシン系抗生物質上のラベルで、例えば、6週おきに繰り返すよりも頻繁に繰り返さないように指示してもよい。別の実施形態では、リファマイシン系抗生物質上のラベルで、例えば、3週おきに繰り返すよりも頻繁に繰り返さないように指示してもよい。別の実施形態では、リファマイシン系抗生物質上のラベルは、例えば、3〜12週おきに繰り返すよりも頻繁に繰り返さないように指示してもよい。投与量又は投与に対して本明細書中に与えられたいずれの値も、範囲内に含まれる。
一部の実施形態では、本明細書中に開示されている方法と組み合わせた再治療が効果的である。例えば、本明細書中に記載されているような方法は、被験体において症状の軽減を判定すること、及び症状が治らないままである場合、第2のコースのリファキシミン治療を投与することをさらに含み得る。
キット、例えば、被験体において、疾患、症状、又は感染症をリファキシミンで治療するためのキットもまた本明細書に提供されている。キットは、例えば、多形体又は非晶質形態のリファキシミン及び使用のための指示書を含有し得る。使用のための指示書は、処方情報、投与量情報、保存情報などを含有し得る。
一部の実施形態では、ラベルは、感染症及び侵入、消化器障害、神経系障害、並びに筋骨格及び結合組織障害のうちの1種以上を含む有害事象について記載している。
一部の実施形態では、ラベルはリファマイシン系抗生物質での治療の長さについて記載しており、これにより、保健医療専門家がラベル指示書に従いリファマイシン系抗生物質を処方する場合、治療に対して応答する被験体が選択される。
一部の実施形態では、ラベルはリファマイシン系抗生物質での治療の長さについて記載しており、これにより、保健医療専門家がラベル指示書に従いリファマイシン系抗生物質を処方する場合、被験体は治療から除かれる。
包装された組成物もまた提供され、これは、リファキシミンのリファキシミンの非晶質形態、α型、β型、γ型、δ型、ε型、ζ型、ミュー型、オミクロン型、カッパ型、イオタ型又はη型の多形体のうちの1種以上のうちの1種以上の治療有効量と、薬学的に許容可能な担体又は希釈剤とを含んでよく、この組成物は、腸障害に罹患した又は罹りやすい被験体を治療するために製剤化され、腸障害に罹患した又は罹りやすい被験体を治療するための指示書と共に包装される。
本明細書中に開示されている実施形態は、ここで記載されている実施例を限定するように解釈されてはならず、むしろ、実施形態は、当業者のスキルの範囲で、本明細書中に提供されている任意及びすべての応用並びにすべての同等の変化形を含むように解釈することができることを理解されたい。
[実施例1]
実験法
ベースライン測定
雄性成体スプラーグドーリーラットを取得し、5日間隔離した。この間、飼料を標準化して、すべての動物が確実に等しい種類の餌を食べているようにした。
この平衡期間後、各ラット(n=30)から肛門刺激により新鮮な便を収集した。第0日目に収集した便をホモジナイズし、フェニルエチルアルコール(PEA)を加えた血液寒天上で、1×PBS(リン酸緩衝生理食塩水)での段階希釈によりプレーティングすることによって、ブドウ球菌属種の存在について選択した。同様に、ホモジナイズした便をMacConkey寒天上に連続的にプレーティングして、便の中の大腸菌カウント数について選択し、それを決定した。すべてのプレートは37℃で24時間インキュベートした。便の連続希釈及びコロニーカウント数に基づき、便のブドウ球菌属種及び大腸菌のベースラインのレベルを決定した。
リファキシミン強制投与及び便の大腸菌パターン
ラットを3つの治療群に分け、高用量のリファキシミンを用いて又は用いずに、10日間、1日毎の強制投与を行った。第1群にはPBS単独を強制投与し、第2群にはPBS中のリファキシミン200mgを1日毎に強制投与した。1日毎の強制投与の10日後、第1群及び第2群を安楽死させた。第3群には、PBS中のリファキシミン200mgを1日毎に強制投与し、リファキシミン完了後、30日間飼育してから、安楽死させた。リファキシミン処置中、上に記載のように新鮮な便を1日毎に収集した。再度、便をホモジナイズし、MacConkey及びPEA寒天上で、段階希釈でプレーティングして、処置中の大腸菌及びブドウ球菌属種のカウント数を決定した。10日間の処置の完了後、腸管全体を通して、培養及びqPCRにより細菌を定量化するために10匹のラットを安楽死させた。残りの10匹のラットは、リファキシミン完了後30日間追跡調査した。これらのラットは、ブドウ球菌属種及び大腸菌の定量化のため、及びもしある場合には便フローラの回復時間の決定のため、その間の便を培養した。
管腔の細菌の定量化
管腔の細菌カウント数の検査のため、ラットを安楽死させ、10日間のPBS(対照)後(n=10)、10日間のリファキシミン後(n=10)、及びリファキシミンの30日後(n=10)、切開を行った。切開中、十二指腸、空腸、回腸、盲腸及び左結腸の前もって特定されたセグメントを結紮し、以前に記載した通り切除した(Pimentel et al. 2008. Dig Dis Sci 53:982-989)。管腔の内容物を各セグメントから抽出した。大腸菌を培養するため、段階希釈を再度準備し、MacConkey寒天上にプレーティングし、次いでインキュベートし、カウントした。加えて、管腔内容物を使用して、qPCRによる細菌の総カウント数も決定した。
管腔内容物の中の細菌を定量化するために、qPCRを使用した。市販のキットを使用して、十二指腸、空腸、回腸、盲腸及び左結腸の試料の管腔内容物からDNAを単離した。細菌のユニバーサルプライマー(Mohammadi et al. 2003. J Clin Microbiol 41(10):4796-4798)を使用して、市販のRT-PCR検出システム及び光学グレードの96ウェルプレートを用いて、DNAから16S rRNA遺伝子を増幅させた。試料は二重に試験した。検量線を作成するために、溶解した大腸菌培養物の10倍希釈物からCt値を分析した。いくつかの実験室株から大腸菌をプールし、LB培地で増殖させた。
リファンピシン感受性試験
10日間のリファキシミン処置前後のラットの便から単離したブドウ球菌属種においてリファンピシン感受性を試験した。PEAプレートから、30個のランダムな認識可能なブドウ球菌属コロニーをベースライン培養のために選び、PBS中に懸濁させ、PEA寒天プレート上に塗り、菌叢を作り出した。市販のリファンピシンテストストリップを各菌叢に添加して、リファンピシン耐性を検出した。E-testで検出したリファンピシンの平均阻害濃度(MIC)の範囲は0.002〜32μg/mLであった。製造者の指示書に基づき、<2ug/mLでの増殖は感受性が高いとみなされ、2〜4ug/mLでの増殖は、リファンピシンに対して中間の耐性があるとみなされ、>4ug/mLでの増殖は、リファンピシンに耐性があるとみなされた。10日間のリファキシミン後、便をPEA上に再度プレーティングし、菌叢を生成するためにもう30個のブドウ球菌コロニーを選んで、適用したテストストリップを使用してリファンピシン耐性を分析した。リファキシミン処置の30日後に有意なブドウ球菌属種コロニーは残っていなかったので、感受性試験を評価することはできなかった。
データ分析
各群の間で便の細菌コロニーカウント数又はqPCRを比較するため、マン・ホイットニーのU検定を使用し、データが非正規であることから、データを中央値として表現した。リファキシミン処置前後のコロニーカウント数を比較する場合、マッチさせた対に対するウィルコクソンの順位和検定を使用した。有意性をP値<0.05として記録した。対照のカウント数から、リファキシミン10日目及びリファキシミン処置の30日後のカウント数までの傾向を比較して、データを対数変換して、データを正規化し、クラスカル・ウォリス検定により比較した。
IBSモデル
カンピロバクター・ジェジュニの急性感染に続いて、ラットはIBS及び小腸細菌過増殖の表現型を発症する。IBSを有する被験体のリファキシミン処置後の抗生物質耐性の検査のため、先端がボール形状の強制投与針を使用した、重炭酸塩溶液での30分間の強制投与の間に、100匹のスプラーグドーリーラットに108cfuのカンピロバクター・ジェジュニ81-176を強制投与した。強制投与後、連続して7日間、1日毎の便培養物を用いて、カンピロバクター・ジェジュニについてラットを追跡調査して、感染を確かめた。加えて、硬さに基づいて便を特徴づけた。
強制投与から30日で、便試料を2日連続して収集して、便の中にカンピロバクター・ジェジュニが存在しないことを確認した。ラットにおいてカンピロバクター・ジェジュニが排除されたことを確認したら、これらのラットを3カ月の期間、共通の条件で飼育した。
カンピロバクター・ジェジュニの排除から3カ月後、ラットから5日間朝の便を収集した。この便収集物を使用して、カンピロバクター・ジェジュニが存在しない便の湿質量パーセンテージ及びBristolのような便の5ポイントスケールで便の硬さを判定した。
次いで、ラットを無作為抽出し、PBS中の200mg用量のリファキシミン又はPBS単独のいずれかを10日間1日毎に与えた。10日間の期間中、便試料を1日毎に収集して、細菌のカウント数、便の硬さ及び便の湿質量を評価した。リファキシミンでの処置の完了時、ラットをさらに7日間モニターした。最後の5日間の間、便試料を収集し、硬さ、湿質量及び細菌のカウント数について調べた。
最後に、ラットをCO2窒息で安楽死させ、切開した。切開は、内部ミクロフローラの評価用の管腔内容物を保存するために、予め測定した回腸、空腸、十二指腸、盲腸、横行結腸、左結腸及び直腸のセクションの結紮を含んだ。
ブドウ球菌属種に対するリファキシミンの効果を試験し、抗生物質耐性を調べた。結紮した腸セグメントの内容物を調べて、セグメント毎の細菌の量及び種類を決定し、粘膜のサイトカインの発現を評価した。
[実施例2]
ブドウ球菌属などの便のグラム陽性細菌に対するリファキシミンの効果
全部で20匹の雄性スプラーグドーリーラットを評価した(実施例1)。ベースラインにおいて、ラットは、中央値5.50×105cfu/ml(範囲=0〜1.96×106cfu/ml)ブドウ球菌属種(黄色ブドウ球菌(S. aureus)及びコアグラーゼ(-)ブドウ球菌属の総数)を有していた。18/20匹のラットはベースラインにおいて便の中に検出可能な黄色ブドウ球菌を有していたが、すべてのラットはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌を有していた。10日間のリファキシミン後、総カウント数の中央値は1.20×105cfu/ml(範囲=0〜8.6×105cfu/ml)に有意に低下した(マッチした対に対するウィルコクソンの順位和検定によりp<0.01)(図8)。リファキシミン処置の10日目、5匹のラットが便の中に検出可能な黄色ブドウ球菌を有していたが、低レベルの2×103cfu/mlであった。時間経過では、3日目までにはブドウ球菌属種が、便の中で有意に減少しているのが観察された。リファキシミン処置前及びリファキシミン処置の10日目の時点で、ブドウ球菌属種の30個のランダムなコロニーを選び、リファンピシン耐性を試験するためにプレーティングした。ベースライン(リファキシミン前)において、ブドウ球菌属種の2つのコロニーが耐性を持ち、5つのコロニーがリファンピシンに対する中間の耐性を示した(表1)。しかし、リファキシミン処置の終結後、いずれのコロニーにも耐性がなく、1つのコロニーだけがリファンピシンに対する中間の耐性を示した。リファンピシンに対する平均阻害濃度(MIC)は、ベースラインでは1.1±1.6ug/mLであり、10日間の高用量リファキシミン後には0.91±0.52ug/mLであった(P=0.63)。
Figure 2015531347
結果は、スプラーグドーリーラットの便は、これらの便の中に多量のブドウ球菌属種、主にコアグラーゼ(-)ブドウ球菌属を有することを示している。リファキシミンでの処置は、便の中のブドウ球菌属種のカウント数を減少させる。さらに、高用量のリファキシミン後にいくらかのブドウ球菌属種が持続するが、リファキシミン処置前に耐性が稀に観察されたケースがあった以外は、リファンピシンに対する耐性を実証する種はなかった。したがって、リファキシミンは、10日経過後、ブドウ球菌属種においてリファンピシン耐性を選び出すようにはみえず、リファンピシン耐性ブドウ球菌属種の数を損なわせる又は減少させ得る。これは、リファキシミンでの処置後、処置前よりもリファンピシン耐性の証拠が少なかったという事実により実証される。リファキシミンはまた、ブドウ球菌コロニーの総カウント数を減少させるようにみえる。特に、30日後、分析するラットのいずれにおいても存在するブドウ球菌属種コロニーは不十分であった(図9)。
したがって、本明細書に提供されているのは、リファキシミンを、それを必要とする被験体に投与する方法であって、リファキシミンの投与が、被験体における耐性ブドウ球菌属種の数を減少させる、前記方法である。一部の実施形態では、リファキシミンの投与は、被験体におけるリファンピシンのブドウ球菌属種のMICに対していかなる効果もない。
[実施例3]
リファキシミン有り、無しでの便の大腸菌培養
ラットを便の大腸菌に対するリファキシミンの効果について評価した(実施例1)。ベースラインと比較して、リファキシミンで便の大腸菌の減少が観察された。ベースラインでは、ラットは1.86×104cfu/mlの中央値を有した。10日間のリファキシミン処置中、高用量のリファキシミン10日目までに、大腸菌カウント数において、2.2×103cfu/mLへの穏やかではあるが、有意な下方への減少があった(P<0.01、マッチさせた対に対するウィルコクソンの順位和検定)。リファキシミン処置の3日以内に、大腸菌カウント数が回復した。図1はリファキシミン処置完了30日後までの便の大腸菌カウント数の中央値変化であり、図2は、リファキシミン処置完了の7日後までの時間枠に対する便の大腸菌カウント数の中央値変化の拡大表示を示している。
この結果は、ラットにおける高用量のリファキシミン強制投与により、大腸菌カウント数に、穏やかではあるが、有意な減少が生じることを示している。しかし、正常レベルへの回復が療法の中止の3日以内に起こることが観察された(図1)。
[実施例4]
リファキシミン有り、無しでの管腔細菌のqPCR
上に記載されている大腸菌培養実験と同一の雄性成体スプラーグドーリーラットをここで使用した。この実験では、リファキシミン処置の10日目で10匹のラットを安楽死させ、リファキシミン処置完了後30日目で10匹のラットを安楽死させた。これら2つの群に対する対照として、10匹のラットの群にはPBSのみを強制投与した(プラセボ)。これらのラットもまた10日後に安楽死させた。安楽死後、ラットを切開して、回腸、空腸及び十二指腸並びに盲腸及び左結腸のセグメントを取り出した。これら5つの領域からの管腔内容物を取り出し、DNAを抽出した。定量的PCR(qPCR)を使用して、腸の各セグメント内の細菌の総数を決定した。対照、リファキシミン処置したラット及びリファキシミン後30日目のラットの間でこれらのカウント数を比較した(実施例1)。
図4〜7は知見を要約している。未処置の対照ラットの大腸菌カウント数は、腸の下側へ進むにつれて数の増加が観察され、盲腸及び左結腸において最も高いカウント数が記録された。ヒトと同様に、これらラットにおいて十二指腸は実質的には大腸菌を含まない。リファキシミンでの処置後、培養毎の大腸菌カウント数の有意な変化はなかった(図3)。
qPCRにより細菌の総カウント数を調べた場合、リファキシミンは、小腸では細菌のレベルを減少させたことが観察されたが、結腸ではこれが観察されなかった。対照ラットを、リファキシミンを与えたすべてのラット(n=20)と比較した場合(図6)、十二指腸の細菌のカウント数において有意な減少が記録された。空腸のカウント数もまた減少したようにみえたが、このカウント数は、n=20においても統計的有意性には到達しなかった。空腸より先では、回腸、盲腸又は左結腸における細菌のカウント数にいかなる差も観察されなかった(図7)。
このデータは、リファキシミンの効果が十二指腸及び空腸において主に生じ、盲腸においていくらかの可能な効果があることを示唆している。しかし、左結腸の総カウント数はリファキシミン処置の影響を受けなかった。興味深いことに、急性処置後にqPCRにより全細菌の減少が観察されたが、カウント数は30日目までにさらにより低かったので、リファキシミン完了後も継続して低下した。これは、リファキシミンの完了の重要性を示唆しているばかりでなく、リファキシミンによる小腸の全細菌の変化は持続的な効果を有することも示唆している。
この結果は、リファキシミンで処置したラットの管腔の全細菌は、十二指腸及び空腸の細菌の総カウント数において最も大きな減少を示すことを示している。リファキシミンは、十二指腸の細菌の総カウント数に対して持続的効果を有するようにみえた。十二指腸の細菌カウント数における減少は、10日間のリファキシミン後に観察され、統計的有意性には完全に到達しなかったものの、リファキシミン完了の30日後に持続した(図4)(クラスカル・ウォリス検定によりP=0.08)。同様ではあるが、有意でない傾向が空腸において観察された。結腸の細菌のカウント数に対する効果はないようにみえた(図5)。
[実施例5]
便の大腸菌細菌に対する、リファキシミンを有する食事性脂肪の効果
雄性成体スプラーグドーリーラットを3つの群にランダムに割り当てた。第1群には、PBS中のリファキシミンを1日毎に7日間強制投与した。第2群には脂質中のリファキシミン200mgを1日毎に強制投与で与えた。第3群はPBSのみを与えた10匹のラットであった(対照)。ラットは、ベースラインにおいて肛門刺激により新鮮な便を収集し、強制投与の間1日毎に収集した。便をホモジナイズし、MacConkey寒天(BD Diagnostics、Franklin Lakes、NJ)上に段階希釈でプレーティングした。これは、大腸菌細菌に対する選択的寒天である。段階希釈に基づき、大腸菌細菌の総数を決定した。
全部で20匹の雄性スプラーグドーリーラットを評価した。健常な動物において予期されるように、わずかな大腸菌が十二指腸内で観察された。すべての3つの群の大腸菌カウント数の中央値は0であった。しかし、カウント数は、腸のさらに末端のセグメントで増加した。リファキシミンは、それ自体で、又は溶解媒体としての油と共に、健常なラットの小腸内での正常フローラカウント数を変化させないようにみえた。
結論として、大腸菌カウント数は、対照ラットにおいて予期された通りであり、リファキシミンは、健常なラットにおいてこれらのカウント数にほとんど影響を与えなかった。
[実施例6]
IBSを有する被験体のブドウ球菌属に対するリファキシミンの効果
カンピロバクター・ジェジュニの急性感染及び排除に続いて、IBS表現型を示す101匹のスプラーグドーリーラットに、プラセボ及びリファキシミンを強制投与した。50匹のラットにプラセボを強制投与し、51匹のラットにリファキシミンを強制投与した。次いで、ラットをブドウ球菌属の存在について調べた。リファキシミンでの処置後、ラットへのブドウ球菌属の定着速度が減少した。(図10)
検出可能なブドウ球菌を有するラットの中で、E-testストリップを使用してリファンピン耐性を試験し、データをフィッシャーの正確確率検定で分析した。結果は、IBS表現型を有するラットにおいて、リファキシミンでの処置後、リファンピン耐性の証拠は存在しないことを実証した。(表2)
Figure 2015531347
参照による組み込み
本出願全体にわたり引用された、すべての参考文献、特許、係属中の特許出願及び公開特許の内容は、参照によりここに明示的に組み込まれる。
同等物
当業者であれば、慣用的実験法以上のものを使用せずに、本明細書中に記載されている本発明の実施形態の多くの同等物を理解し、又は解明することができる。このような同等物は、以下の特許請求の範囲により包含されることを意図する。

Claims (15)

  1. それを必要とする被験体においてリファンピシン耐性のブドウ球菌属種の生物を減少させる方法であって、治療有効量のリファキシミンを含む組成物を該被験体に投与することを含む、前記方法。
  2. 減少が、治療前のベースラインの数と比較して、リファンピシン耐性ブドウ球菌属種の数の減少をもたらす、請求項1に記載の方法。
  3. ベースラインに対する、リファンピシン耐性ブドウ球菌属種の数の前記減少が、前記組成物の投与前後に被験体から得た便試料を培養することによって判定される、請求項2に記載の方法。
  4. ブドウ球菌属種の生物に対するリファンピシンの平均阻害濃度の閾値が約2.5μg/mL未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記リファキシミンが、1日当たり約50mg〜約6000mgの用量で投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記リファキシミンが、約100mg〜約6000mgの間、約50mg〜約2500mgBIDの間、約50mg〜約2000mgTIDの間、200mgTID、200mgBID又は200mgQDの用量で投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記リファキシミンが、約550mg、600mg又は1650mgTID、QD又はBIDの用量で投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記組成物が、約1週間〜約24カ月間投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記組成物が約10日間投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記被験体が、炎症性腸疾患(IBD)、肝性脳症(HE)、腸炎、大腸炎、過敏性腸症候群(IBS)、下痢優位型過敏性腸症候群(d-IBS)、非便秘優位型過敏性腸症候群(非C IBS)、旅行者下痢(TD)、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)、憩室疾患、線維筋痛(FM)、慢性疲労症候群(CFS)、うつ病、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、多発性硬化症(MS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、小腸細菌過増殖、慢性膵炎、及び膵臓機能不全の群から選択される腸疾患に罹患している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記炎症性腸疾患が、クローン病及び潰瘍性大腸炎の群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記腸炎が、放射線療法又は化学療法により引き起こされる、請求項10に記載の方法。
  13. リファキシミンを含む前記組成物の投与前に、被験体に消化器系(GI)洗浄剤を投与することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記消化器系洗浄剤が、前記組成物の投与の約1〜約90日前の間に投与される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記消化器系洗浄剤の投与が、前記組成物の投与の約1〜約60日前の間、約1〜約30日前の間、約1〜約24日前の間、約1〜約14日前の間、約1〜約10日前の間、約1〜約7日前の間、約1〜約5日前の間、約1〜約4日前の間、約1〜約3日前の間、又は約1〜約2日前の間である、請求項14に記載の方法。
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