JP2004507440A - 細菌に対するフルオロキノロン化合物の使用法 - Google Patents

細菌に対するフルオロキノロン化合物の使用法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一つには、ある種の細菌、特に病原菌に対して、キノロン抗生物質、特にジェミフロキサシン化合物を使用する新規方法に関する。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、一つには、細菌、特に病原菌に対して、キノロン抗生物質、特にジェミフロキサシン化合物を用いる新たに同定された方法に関する。
【0002】
(背景技術)
キノロンは、一連の病原菌に対してさまざまな程度に有効であることが明らかにされている。しかしながら、これらの病原体により引き起こされる疾患は増大する傾向にあるので、既存の一群のキノロンよりも強力な抗微生物化合物が必要とされる。
ジェミフロキサシンメシレート(gemifloxacin mesylate)(SB−265805)は強力な抗菌剤として有用な新規フルオロキノロンである。ジェミフロキサシン化合物は、WO98/42705として公開された特許出願PCT/KR98/00051に詳細に記載されている。特許出願EP688772は、式I:
【0003】
【化1】
Figure 2004507440
                                (I)
で示される、無水(R,S)−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸を包含する新規キノリン(ナフチリジン)カルボン酸誘導体を開示する。
【0004】
PCT/KR98/00051は(R,S)−7−(3−アミノメチル−4−syn−メトキシイミノ−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸メタンスルホネートおよび1/2水和物および3/2水和物を包含するその水和物を開示する。
ジェミフロキサシン化合物がジェミフロキサシンメシレート3/2水和物である方法が請求項54に記載されている。
本発明において、ある細菌種、特に、より有効な抗生物質を必要とする医学的に重大な病原体にしてジェミフロキサシン化合物を用いてなされた有意な発見を記載する。本発明は、これにより、まだ満たされていなかった医学的要求を満たすものである。
【0005】
(発明の開示)
本発明の一の態様は、アシネトバクター(Acinetobacter)種の細菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、本発明において用いられるジェミフロキサシンの活性は、本明細書において記載する多くのキノロン類よりも優れていることを示す。
本発明の一の態様は、プレボテラ・デンティコラ/レシイ(Prevottella denticola/loeschii)群、ベイヨネラ(Veillonella)種、プレボテラ・ヘパリノリティカ(Prevotella heparinolytica)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)、プレボテラ・メラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica)、ポルフィロモナス(Porphyromonas)種(Porphyromonas cangingivalis;Porphyromonas cansulci;Porphyromonas circumdentaria;およびPorphyromonas levii)、プレボテラ・ビビア(Prevotella bivia)、プレボテラ・ブカエ−オリス(Prevotella buccae−oris)群、ポルフィロモナス・カノリス(Porphyromonas canoris)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、ポルフィロモナス・マカカエ(Porphyromonas macaccae)、ペプトストレプトコッカス・ミクロス(Peptostreptococcus micros)、ペプトストレプトッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevotii)、ポルフィロモナスアサッカロリティカス(Porphyromonas asaccharolytics)、フソバクテリウム・アリウム(Fusobacterium varium)、ペプトストレプトコッカス・アサッカロリティカス(Peptostreptococcus asaccharolyticus)、ペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococcus magnus)、フソバクテリウム(Fusobacterium)種1群(Fusobacterium gonidiaformans、Fusobacterium naviforme、Fusobacterium necrophorum、Fusobacterium nucleatum、およびFusobacterium nucleatum ss animalis)、フソバクテリウム種2群(Fusobacterium mortiferum、Fusobacetrium necrogenesおよびFusobaceterium ulcerans)、フソバクテリウム・ルッシイ(Fusobaceteium rusii)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)、クロストリジウム・イノキューム(Clostridium inocuum)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、バクテロイデス・ウレオリチカス(Bacteroides ureollyticus)、ビロフィラ・ワズワーシア(Bilophila wadsworthia)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、アネロビオスピリルム・サクシニシプロデュセンス(Anaerobiospirillum succiniciproducens)、バクテロイデス・グラシリス(Bacteroides gracilis)、バクテロイデス・テクタム(Bacteroides tectum)、アクチノマイセス・オドントリチカス(Actinomyces odontolyticus)、アクチノマイセス・イスラエリイ(Actinomyces israelii)、およびアネロビオスピリルム・トマシイ(Anaerobiospirillum thomasii)、特にペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)およびポルフィロモナス種に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は本明細書にさらに詳細に記載するの多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0006】
本発明のもう一つの態様は、サルモネラ(Salmonella)種およびシゲラ(Shigella)種に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明のもう一つの態様は、ペニシリン感受性、中間性および耐性(シプロフロキサシン耐性を包含する)肺炎双球菌を包含する肺炎双球菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0007】
本発明のさらにもう一つの態様は、上顎洞病原菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、グラム陰性、非発酵菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0008】
本発明の一の態様はクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)およびレジオネラ(Legionella)種に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、気道菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0009】
本発明の一の態様は、細菌性髄膜炎に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、グラム陰性菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、グラム陽性またはグラム陰性好気性菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0010】
本発明の一の態様は、連鎖球菌(Streptococci bacteria)に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、マイコプラズマ(Mycoplasma)菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0011】
本発明の一の態様は、レジオネラ種に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、ストレプトコッカス・ニューモニエに対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0012】
本発明の一態様は、ヘモフィルス・インフルエンゼに対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、グラム陽性菌、たとえば連鎖球菌(streptococci)およびブドウ球菌(staphylococci)ならびに腸内細菌(Enterobacteriaceae)に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0013】
本発明の一の態様は、グラム陽性肺炎双球菌(pneumococci)に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、淋菌(gonococci)に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0014】
本発明の一の態様は、肺炎双球菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、好気性菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0015】
本発明の一の態様は、肺炎双球菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明のもう一つの態様は、グラム陽性球菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明のさらにもう一つの態様は、ストレプトコッカス・ニューモニエに対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0016】
本発明の一の態様は、エシェリキア・コリ(Eschericia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcu aureus)およびストレプトコッカス・ニューモニエに対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、腸球菌(enterococci)に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、連鎖球菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0017】
本発明の一の態様は、アシネトバクター種に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、クラミジア・ニューモニエに対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0018】
本発明の一の態様は、連鎖球菌に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、ボルデテラ(Bordetella)種に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0019】
本発明の一の態様は、マイコプラズマ(Mycoplasma)に対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本発明の一の態様は、ストレプトコッカス・ニューモニエに対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
【0020】
本発明のさらにもう一つの態様は、ストレプトコッカス・ニューモニエに対するジェミフロキサシン化合物の使用に関し、使用されるジェミフロキサシン化合物の活性は、本明細書においてさらに詳細に記載される多くのキノロンよりも優れていたことを示す。
本明細書においてさらに詳細に記載するように、ジェミフロキサシン化合物は通常の経口療法に対する耐性菌を包含する本発明の一連の細菌により引き起こされる臨床的症状または徴候の治療に対して有用な化合物である。
【0021】
(発明の要約)
本発明の目的は、アシネトバクター(Acintobacter)病原菌を、抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物または抗菌的に有効なその誘導体を含む組成物と接触させる工程を含むアシネトバクター病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のもう一つの目的は、前記アシネトバクター病原菌が、エイ・バウマンニイ(A. baumonnii)、エイ・アントラタス(A.anitratus)、エイ・ルオフィイ(A.lwoffii)、エイ・カルコアセチカス(A.calcoaceticus)またはアシネトバクター種からなる群から選択される方法である。
【0022】
抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、アシネトバクター病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に投与する工程を含むアシネトバクター病原菌による細菌感染症の治療または予防法も本発明により提供される。
前記細菌が、エイ・バウマンニイ、エイ・ルオフィイ(A.lwoffii)またはエイ・カルコアセチカス(A.calcoaceticus)からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
本発明の目的は、嫌気性病原菌を、抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む組成物と接触させる工程を含む、嫌気性病原菌の代謝を調節する方法である。
【0023】
本発明のもう一つの態様は、前記嫌気性病原菌が、プレボテラ・デンチコラ/レシイ(Prevotella denticola/loeschii)群、ベイヨネラ種、プレボテラ・ヘパリノリティカ、プレボテラ・インターメディア、プレボテラ・メラニノゲニカ、ポルフィロモナス種(ポルフィロモナス・カンジンジバリス(Porphyromonas cangingivalis)、ポルフィロモナス・カンサルシ(Porphyromonas cansulci);ポルフィロモナス・サーキュムデンタリア(Porphyromonas circumdentaria);ポルフィロモナス・レビイ(Porphyromonas levii))、プレボテラ・ビビア、プレボテラ・ブカエ−オリス群、ポルフィロモナス・カノリス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、ポルフィロモナス・マカカエ、ペプトストレプトコッカス・ミクロス、ペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevotii)、ポルフィロモナス・アサカロリティカス(Porphyromonas asaccharolyticus)、フソバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)、ペプトストレプトコッカス・アサカロリティカス(Peptostreptococcus asaccharolyticus)、ペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococcus magnus)、フソバクテリウム種1群(フソバクテリウム・ゴニディアフォルマンス(Fusobacterium gonidiaformans)、フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium naviforme)、フソバクテリウム・ネクロフォールム(Fusobacterium necrophorum)、フソバクテリム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、およびフソバクテリウム・ヌクレアタムアニマリス(Fusobacterium nucleatum ss animalis))、フソバクテリウム種2群(フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)、フソバクテリウム・ネクロゲネス(Fusobacterium necrogenes)、およびフソバクテリウム・ウルセランス(Fusobacterium ulcerans))、フソバクテリウム・ルシイ(Fusobacterium russii)、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ラモーサム、バクテロイデス・ウレオリチカス(Bacterioides ureolyticus)、ビロフィラ・ワズワーシア(Biolophila wadsorthia)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ、アネロビオスピリルム・サクシニシプロデュセンス、バクテロイデス・グラシリス(Bacterioides gracilis)、バクテロイデス・テクタム(Bacterioides tectum)、アクチノマイセス・オドントリチカス、アクチノマイセス・イスラエリイ、またはアネロビオスピリルム・トマシイからなる群から選択される方法である。
【0024】
さらに、抗菌的に有効量の、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、嫌気性病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に投与する工程を含む、嫌気性病原菌による細菌感染症の治療または予防法も本発明により提供される。
【0025】
前記細菌が、プレボテラ・デンチコラ/レシイ(Prevotella denticola/loeschii)群、ベイヨネラ種、プレボテラ・ヘパリノリティカ、プレボテラ・インターメディアプレボテラ・メラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica)、ポルフィロモナス(Porphyromoonas)種(ポルフィロモナス・カンジンジバリス(Porphyromonas cangingivalis);ポルフィロモナス・カンサルシ(Porphyromonas cansulci);ポルフィロモナス・サーキュムデンタリア(Porphyromonas circumdentaria);およびポルフィロモナス・レビイ(Porphyromonas levii))、プレボテラ・ビビア、プレボテラ・ブカエ−オリス群、ポルフィロモナス・カノリス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、ポルフィロモナス・マカカエ、ペプトストレプトコッカス・ミクロス、ペプトストレプトコッカス・プレボッチイ(Peptostreptococcus prevotii)、ポルフィロモナス・アサカロリティカス(Porphyromonas asaccharolyticus)、フソバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)、ペプトストレプトコッカス・アサカロリティカス(Peptostreptococcus asaccharolyticus)、ペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococcus magnus)、フソバクテリウム種1群、(フソバクテリウム・ゴニディアフォルマンス(Fusobacterium gonidiaformans)、フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium naviforme)、フソバクテリウム・ネクロフォールム(Fusobacterium necrophorum)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、フソバクテリウム・ヌクレアタム・ss・アニマリス(Fuobacterium nucleatum ss animalis))、フソバクテリウム種2群(フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)、フソバクテリウム・ネクロゲネス(Fusobacterium necrogenes)、およびフソバクテリウム・ウルセランス(Fusobacgterium ulcerans))、フソバクテリウム・ルシイ(Fusobacterium russii)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ラモーサム、バクテロイデス・ウレオリチカス(Bacteroides ureolyticus)、ビロフィラ・ワズワーシア、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ、アネロビオスピリルム・サクシニシプロデュセンス、バクテロイデス・グラシリス、バクテロイデス・テクタム、アクチノミセス・オドントリティカス(Actinomyces odontolytics)、アクチノマイセス・イスラエリイ、またはアネロスピリルム・トマシイ(Anaerobiospirillum thomasii)からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0026】
本発明の目的は、病原菌を抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む組成物と接触させる工程を含む病原性腸球菌の代謝を調節する方法である。
【0027】
本発明のさらにもう一つの目的は、前記病原菌が、イー・コリ(E. coli)、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、モルガネラ・モルガニイ(Morganella morganii)、セラチア(Serratia)種、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、サルモネラ種、ステノトロフォモナス・マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophila)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)MSSA、スタフィロコッカス・アウレウスMRSA、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MSSE、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MRSE、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophytics)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ランスフィールド(Streptococcus lancefield)Gp B、ストレプトコッカス・ミレリイ(Streptococcus millerii)、ストレプトコッカス・ニューモニエ、キノロン耐性ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptocuccs pneumoniae)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrahalis)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ペプトストレプトコッカス・アネロビウス(Peptostreptococcus anaerobius)、ペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevoti)、およびバクテロイデス・フラジリス(バクテロイデス・フラジリス)からなる群から選択される方法である。
【0028】
前記細菌が、エンテロバクター(Enterobacter)種、スタフィロコッカス・アウレウスMSSA、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MSSE、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MRSE、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumonia)、キノロン耐性ストレプトコッカス・ニューモニエ、モラクセラ・カタラーリス(Morexella catarrahalis)、ペプトストレプトコッカス・アネロビウス(Peptostreptococcus anaerobius)、およびペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevoti)、およびバクテロイデス・フラジリス(バクテロイデス・フラジリス)からなる群から選択される好ましい方法が本発明により提供される。
本発明の目的は、サルモネラ種およびシゲラ種病原菌を抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物、または抗菌的に有効なその誘導体を含む組成物と接触させる工程を含むサルモネラ種およびシゲラ種病原菌の代謝を調節する方法である。
【0029】
本発明のさらにもう一つの目的は、前記サルモネラ種およびシゲラ種病原菌が、サルモネラ種およびシゲラ種からなる群から選択される方法である。
抗菌的に有効量の、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を、サルモネラ種およびシゲラ種での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に投与する工程を含む、サルモネラ種およびシゲラ種病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
【0030】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と肺炎双球病原菌を接触させる工程を含む肺炎双球病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記肺炎双球病原菌が、ペニシリン感受性、中間性および耐性(シプロフロキサシン耐性を包含する)肺炎双球菌からなる群から選択される方法である。
【0031】
さらに、肺炎双球病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を投与する工程を含む肺炎双球病原菌による細菌感染症の治療または予防法も本発明により提供される。
前記細菌が、ペニシリン感受性、中間性および耐性(シプロフロキサシン耐性を包含する)肺炎双球菌からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0032】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と、上顎洞病原菌を接触させる工程を含む、上顎洞病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記上顎洞病原菌が:ストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、ヘモフィルス・パラインフルエンゼ(Haemophilus parainfluenzae)、モラクセラ・カタラーリス、スタフィロコッカス・アウレウス、ペプトストレプトコッカス種、バクテロイデス・ウレアリティカス(Bacteroides urealyticus)、腸内細菌、非発酵グラム陰性桿菌、ナイセリア・メニンジティディス(Neisseria meningitidis)、バクテロイデス(Bacteroides)種、ベータ−溶血性ストレプトコッカス(Streptococcus)およびグラム陰性桿菌からなる群から選択される方法である。
【0033】
上顎洞病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む上顎洞病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:ストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、ヘモフィルス・パラインフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリス、スタフィロコッカス・アウレウス、ペプトストレプトコッカス種、バクテロイデス・ウレアリティカス、腸内細菌、非発酵グラム陰性桿菌、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、バクテロイデス(Bacteroides)種、ベータ−溶血性ストレプトコッカス(Streptococcus)およびグラム陰性桿菌からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0034】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と、グラム陰性非発酵性病原菌を接触させる工程を含む、グラム陰性非発酵性病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記グラム陰性非発酵性病原菌が、シュードモナス(Pseudomonas)、エルジノーサ(Aeruginosa)、アシネトバクター種、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)およびブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)菌からなる群から選択される方法である。
【0035】
さらに、グラム陰性非発酵性病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、グラム陰性非発酵性病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が、シュードモナス(Pseudomonas)、エルジノーサ(Aeruginosa)、アシネトバクター種、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)およびブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)菌からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0036】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、または抗菌的に有効なその誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とクラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌を接触させる工程を含む、クラミジア・ニューモニエまたは他の気道病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumonoiae)または気道病原菌が:クラミジア・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリス、マイコプラズマ・ニューモニエおよびレジオネラ種からなる群から選択される方法である。
【0037】
クラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、クラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:クラミジア・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリス、マイコプラズマ・ニューモニエおよびレジオネラ種からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0038】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と気道病原菌を接触させる工程を含む気道病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のもう一つの目的は、前記気道病原菌が、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemohilus influenzae)からなる群から選択される方法である。
【0039】
気道病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染症のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む気道病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:ストレプトコッカス・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンゼからなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0040】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と細菌性髄膜炎病原菌を接触させる工程を含む、細菌性髄膜炎病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記細菌性髄膜炎病原菌がストレプトコッカス・ニューモニエである方法である。
細菌性髄膜炎病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、細菌性髄膜炎病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
【0041】
前記細菌が、ストレプトコッカス・ニューモニエであるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とグラム陰性病原菌を接触させる工程を含む、グラム陰性病原菌の代謝を調節する方法である。
前記グラム陰性病原菌が:エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、モルガネラ・モルガニイ(Morganella morganii)、プロテウス(Proteus)種、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、アシネトバクター種およびセラチア種からなる群から選択されるさらの好ましい方法が本発明により提供される。
【0042】
グラム陰性病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含むグラム陰性病原菌による細菌感染症の治療または予防法も本発明により提供される。
前記細菌が、エシェリキア・コリ、クレブシエラ・ニューモニエ、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、シュードモナス・エルジノーサ、モルガネラ・モルガニイ、プロテウス種、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、クレブシエラ・オキシトカ、シトロバクター・フロインディイ、アシネトバクター種およびセラチア種からなる群から選択されるさらの好ましい方法が本発明により提供される。
【0043】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、または抗菌的に有効なその誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とグラム陽性またはグラム陰性好気性病原菌を接触させる工程を含む、グラム陽性またはグラム陰性好気性病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記グラム陽性またはグラム陰性好気性病原菌が:スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エンテロコッカス・フェカーリス、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルジノーサ、クレブシエラ・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリスおよびプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)から選択される方法である。
グラム陽性またはグラム陰性好気性病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む、組成物を投与する工程を含むグラム陽性またはグラム陰性好気性病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
【0044】
前記細菌が:スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エンテロコッカス・フェカーリス、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルジノーサ、クレブシエラ・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリスおよびプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効なその誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と連鎖球菌を接触させる工程を含む、連鎖球菌の代謝を調節する方法である。
【0045】
本発明のさらにもう一つの目的は、前記連鎖球菌がストレプトコッカス(Streptococcus)種である方法である。
連鎖球菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、連鎖球菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
【0046】
前記細菌がストレプトコッカス(Streptococcus)種であるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とマイコプラズマ病原菌を接触させる工程を含むマイコプラズマ病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記マイコプラズマ病原菌が:マイコプラズマ・ニューモニエ、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)およびウレプラズマ・ウレアリチカム(Ureplasma urealyticum)からなる群から選択される方法である。
【0047】
マイコプラズマ病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、マイコプラズマ病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:マイコプラズマ・ニューモニエ、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)およびウレプラズマ・ウレアリチカム(Ureplasma urealyticum)からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0048】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とレジオネラ種病原菌を接触させる工程を含むレジオネラ種病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記レジオネラ種病原菌が:レジオネラ・ニューモフィリア(Legionella pneumophilia)、レジオネラ・ボウズマニイ(Legionella bozemanii)、レジオネラ・ワズワーシイ(Legionella wadsworthii)、レジオネラ・ジョルダニス(Legonella jordanis)、レジオネラ・ダモフィイ(Legionella dumoffii)、レジオネラ・ロングビーチェ(Legionella longbeacheae)、レジオネラ・ミクダーディ(Legionella micdadei)およびレジオネラ(Legiionella)種のエリスロマイシン耐性菌からなる群から選択される方法である。
【0049】
レジオネラ種病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、レジオネラ種病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:レジオネラ・ニューモフィリア(Legionella pneumophilia)、レジオネラ・ボウズマニイ(Legionella bozemanii)、レジオネラ・ワズワーシイ(Legionella wadsworthii)、レジオネラ・ジョルダニス(Legonella jordanis)、レジオネラ・ダモフィイ(Legionella dumoffii)、レジオネラ・ロングビーチェ(Legionella longbeacheae)、レジオネラ・ミクダーディ(Legionella micdadei)およびレジオネラ(Legiionella)種のエリスロマイシン耐性菌からなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0050】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効なその誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌を接触させる工程を含む、ストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記連鎖球菌がストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococci pneumoniae)である方法である。
【0051】
ストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含むストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌がストレプトコッカス・ニューモニエであるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とヘモフィルス・インフルエンゼ病原菌を接触させる工程を含むヘモフィルス・インフルエンゼ病原菌の代謝を調節する方法である。
【0052】
本発明のさらにもう一つの目的は、前記ヘモフィルス・インフルエンゼ病原菌が:ヘモフィルス・インフルエンゼおよび肺炎双球菌からなる群から選択される方法である。
ヘモフィルス・インフルエンゼおよび肺炎双球菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、ヘモフィルス・インフルエンゼおよび肺炎双球菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:ヘモフィルス・インフルエンゼおよび肺炎双球菌からなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0053】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とグラム陽性病原菌、例えば連鎖球菌およびブドウ球菌、ならびに腸内細菌病原菌を接触させる工程を含むグラム陽性病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記病原菌が:グラム陽性病原菌、例えば連鎖球菌およびブドウ球菌、ならびに腸内細菌からなる群から選択される方法である。
【0054】
グラム陽性病原菌、例えば連鎖球菌およびブドウ球菌、ならびに腸内細菌病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、グラム陽性病原菌、例えば連鎖球菌およびブドウ球菌、ならびに腸内細菌病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:グラム陽性病原菌、例えば連鎖球菌およびブドウ球菌、ならびに腸内細菌からなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0055】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とグラム陽性肺炎双球病原菌を接触させる工程を含むグラム陽性肺炎双球病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記グラム陽性肺炎双球病原菌が:ストレプトコッカス・ニューモニエである方法である。
【0056】
グラム陽性肺炎双球病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、グラム陽性肺炎双球病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:ストレプトコッカス・ニューモニエであるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0057】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効なその誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と淋菌を接触させる工程を含む、淋菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記淋菌が:ナイセリア・ゴノレエ(Neisseria gonorrhoeae)のシプロフロキサシン耐性株を包含するナイセリア・ゴノレエである方法である。
【0058】
淋病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む淋病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:ナイセリア・ゴノレエのシプロフロキサシン耐性株を包含するナイセリア・ゴノレエからなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0059】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と肺炎双球病原菌を接触させる工程を含む肺炎双球病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記肺炎双球病原菌が:肺炎双球病原菌からなる群から選択される方法である。
肺炎双球病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、肺炎双球病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:肺炎双球病原菌からなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0060】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と好気性病原菌を接触させる工程を含む好気性病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記病原菌が:スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エンテロコッカス・フェカーリス、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルジノーサ、クレブシエラ・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリスおよびプロテウス・ブルガリスからなる群から選択される方法である。
【0061】
好気性病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、好気性病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エンテロコッカス・フェカーリス、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルジノーサ、クレブシエラ・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリスおよびプロテウス・ブルガリスからなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0062】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と肺炎双球病原菌を接触させる工程を含む肺炎双球病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記肺炎双球病原菌がエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)である方法である。
肺炎双球病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、肺炎双球病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌がエス・ニューモニエであるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0063】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とグラム陽性球菌を接触させる工程を含むグラム陽性球菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記グラム陽性球菌が:エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faeciium)、エンテロコッカス(Enterococcus)種、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(Coagulase−negative staphylococci)、ストレプトコッカス・ニューモニエ、β−溶血性ストレプトコッカス(Streptococcus βhemolytic)、ストレプトコッカス・ビリダンス(Streptococcus viridans)群、バシラス(Bacillus)種およびコリネバクテリウム(Corynebacterium)種からなる群から選択される方法である。
【0064】
グラム陽性球菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、グラム陽性球菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faeciium)、エンテロコッカス(Enterococcus)種、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(Coagulase−negative staphylococci)、ストレプトコッカス・ニューモニエ、β−溶血性ストレプトコッカス(Streptococcus β−hemolytic)、ストレプトコッカス・ビリダンス(Streptococcus viridans)群、バシラス(Bacillus)種およびコリネバクテリウム(Corynebacterium)種からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0065】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌を接触させる工程を含むストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記病原菌がストレプトコッカス・ニューモニエからなる群から選択される方法である。
ストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、ストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌がストレプトコッカス・ニューモニエからなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0066】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とエシェリキア・コリ、スタフィロコッカス・アウレウス、またはストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌を接触させる工程を含む、エシェリキア・コリ、スタフィロコッカス・アウレウス、またはストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記病原菌が:エシェリキア・コリ、スタフィロコッカス・アウレウス、およびストレプトコッカス・ニューモニエからなる群から選択される方法である。
【0067】
エシェリキア・コリ、スタフィロコッカス・アウレウス、またはストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、エシェリキア・コリ、スタフィロコッカス・アウレウス、またはストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:エシェリキア・コリ、スタフィロコッカス・アウレウス、またはストレプトコッカス・ニューモニエからなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0068】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と腸球菌を接触させる工程を含む腸球菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記腸球菌がエンテロコッカス・フェカーリスおよびエンテロコッカス・フェシウムからなる群から選択される方法である。
腸球菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、腸球菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌がエンテロコッカス・フェカーリスおよびエンテロコッカス・フェシウムからなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0069】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と連鎖球菌を接触させる工程を含む、連鎖球菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記病原菌が:ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)およびビリダンス連鎖球菌(viridans streptococci)からなる群から選択される方法である。
連鎖球菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、連鎖球菌による細菌感染症の治療または予防法も本発明により提供される。
前記細菌が:ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)およびビリダンス連鎖球菌(viridans streptococci)からなる群から選択されるさらに好ましい方法が本発明により提供される。
【0070】
本発明の目的は、アシネトバクター種病原菌を、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む組成物と接触させる工程を含む、アシネトバクター種病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のもう一つの目的は、前記アシネトバクター種病原菌が:アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、アシネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクター・ルオフィイ(Acinetobacter lwoffii)、およびアシネトバクター・アニトラタス(Acinetoacter anitratus)からなる群から選択される方法である。
アシネトバクター種病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、アシネトバクター種病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記アシネトバクター種(Acinetobacter spp)細菌が:アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、アシネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクター・ルオフィイ(Acinetobacter lwoffii)、およびアシネトバクター・アニトラタス(Acinetoacter anitratus)からなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0071】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とクラミジア・ニューモニエ病原菌を接触させる工程を含むクラミジア・ニューモニエ病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記病原菌が:クラミジア・ニューモニエからなる群から選択される方法である。
【0072】
クラミジア・ニューモニエ病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、クラミジア・ニューモニエ病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記した細菌がクラミジア・ニューモニエ(Chramydia pneumoniae)からなる群より選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0073】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と連鎖球菌を接触させる工程を含む連鎖球菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記連鎖球菌病原菌がストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)およびビリダンス連鎖球菌(viridans streptococci)からなる群から選択される方法である。
連鎖球菌病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、連鎖球菌病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌がストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)およびビリダンス連鎖球菌(viridans streptococci)からなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0074】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とボルデテラ種病原菌を接触させる工程を含むボルデテラ種病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記ボルデテラ種病原菌が:ビー・ペルツッシス(B. pertussis)、ビー・パラペルツッシツ(B. parapertussis)、およびビー・ブロンキセプチカ(B.bronchiseptica)からなる群から選択される方法である。
【0075】
ボルデテラ種病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、ボルデテラ種病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:ビー・ペルツッシス(B. pertussis)、ビー・パラペルツッシツ(B. parapertussis)、およびビー・ブロンキセプチカ(B.bronchiseptica)からなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0076】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とマイコプラズマ病原菌を接触させる工程を含むマイコプラズマ病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記マイコプラズマ病原菌が:マイコプラズマ・ニューモニエ、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)およびウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)からなる群から選択される方法である。
【0077】
マイコプラズマ病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、マイコプラズマ病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
前記細菌が:マイコプラズマ・ニューモニエ、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)およびウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)からなる群から選択されるさらに好ましい方法も本発明により提供される。
【0078】
本発明の目的は、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物、またはその抗菌的に有効な誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物とストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌を接触させる工程を含むストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌の代謝を調節する方法である。
本発明のさらにもう一つの目的は、前記病原菌がストレプトコッカス・ニューモニエからなる群から選択される方法である。
ストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれがある哺乳動物に、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、ストレプトコッカス・ニューモニエ病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
【0079】
前記代謝の調節が前記細菌の成長を抑制するかまたは前記細菌を殺すことである好ましい方法が提供される。
前記細菌の接触が、前記組成物を哺乳動物、特にヒトに導入するさらにもう一つの工程を含むさらに好ましい方法が提供される。
前記細菌が、ストレプトコッカス・ニューモニエであるさらに好ましい方法が提供される。
【0080】
さらに好ましい方法は、ジェミフロキサシン化合物が、ジェミフロキサシンメシレート、ジェミフロキサシンメシレートヒドレート、ジェミフロキサシンメシレートヘミヒドレートおよびジェミフロキサシンメシレートセスキヒドレートからなる群から選択されるジェミフロキサシン化合物を含む。
開示された本発明の精神および範囲内のさまざまな変更および修正は、以下の記載および本発明の開示の他の部分を読むと、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0081】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、とりわけ、エイ・バウマンニイ(A. baumannii)、エイ・アニトラタス(A. anitratus)、エイ・ルオフィイ(A. lwoffii)、エイ・カルコアセチカス(A. calcoaceticus)またはアシネトバクター種に対して、キノロン、特に、ジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
本発明において使用される場合、「ジェミフロキサシン化合物」とは、特許出願番号PCT/KR98/0051(WO98/42705として公開)、または特許出願番号EP688772(これらの出願は、本発明の一部として参照される)において記載されている抗菌活性を有する化合物を意味する。
【0082】
本発明は、一つには、さまざまなアシネトバクター病原体に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づく。これらの分析の目的は、5種のアシネトバクター(すなわち、エイ・バウマンニイ(A. baumannii)、エイ・カルコアセチカス(A. calcoaceticus)、エイ・ルオフィイ(A. lwoffii)、エイ・アニトラタス(A. anitratus)およびアシネトバクター種)に対するMICにより、シプロフロキサシン、カルバペネム、セファロスポリンおよびマクロライドを包含する比較剤であるキノロンと比較したジェミフロキサシンのMIC50およびMIC90値を測定することであった。
【0083】
ジェミフロキサシンは、他の細菌のうち、グラム陽性およびグラム陰性好気性菌の両方に対する活性を包含するスペクトラムを有するフルオロキノロンである。本明細書において記載する研究において、寒天希釈法は、12種の抗微生物剤:ジェミフロキサシン(GEM)、スパルフロキサシン(SPA)、グレパフロキサシン(GRE)、シプロフロキサシン(CIP)、モキシフロキサシン(MOX)、トロバフロキサシン(TRO)、レボフロキサシン(LEV)、オフロキサシン(OFL)、ガチフロキサシン(GAT)、イミペネム(IMI)、セフロキシム(SEF)およびアジスロマイシン(AZI)に対するアシネトバクター種の100臨床分離株(47エイ・バウマンニイ、18エイ・アニトラタス、18エイ・ルオフィイ、13エイ・カルコアセチカス、4アシネトバクター種)のMICを測定するために用いられる。MIC5090値(μg/ml)を表1に示す。
【0084】
表1におけるデータから、ジェミフロキサシンは、4種のアシネトバクターに対して良好な活性を有し、シプロフロキサシンよりも8倍以上有効であることがわかる。表1におけるデータからまた、ジェミフロキサシンは、グレパフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシンおよびガチフロキサシンよりも2ないし8倍活性であり、比較剤であるキノロン、スパルフロキサシンおよびトロバフロキサシンの1希釈以内であることもわかる。交差耐性はキノロン内でのみ見られ、キノロン以外の抗微生物剤にまでおよばなかった。
【0085】
アシネトバクター属からの生物は、院内環境においてみられ、免疫抵抗性減弱、特に病院肺炎における二次感染の原因となる。これらの生物は、臨床医が利用でき、集中治療室などの高度の抗菌用途の領域において選択的利点を与える多くの抗菌剤に対して本質的に耐性である。シプロフロキサシンに対する耐性は、病院環境内でアシネトバクター株において見いだされ、さらに新しく、さらに有効なキノロン類の探索が続いている。ジェミフロキサシン(SB−265805)は、グラム陽性およびグラム陰性生物の両方に対して良好な活性のスペクトラムを示すこのようなキノロンの一種である。この研究において、ジェミフロキサシンのインビトロ活性を、5種のアシネトバクター(エイ・バウマンニイ、エイ・カルコアセチカス、エイ・ルオフィイ、エイ・アニトラタス、およびアシネトバクター種)に対するMICにより、シプロフロキサシン、カルバペネム、セファロスポリンおよびマクロライドを包含する8種の比較剤であるキノロンと比較した。
【0086】
表1のデータを得る際に、すべての細菌株は、Univertsity of Iowa Century Collection, USAからの血流分離株であった。感受性試験のBSACガイドライン(The British Society for Antimicrobaial Chemotherapy. A guide to sensitivity testing. J Antimicrob Chemother 1991; 27(Suppl D)参照)に従って、イソセンシテスト寒天上でMICを行った。ブレークポイント値をBSACガイドラインから採用し、以下の通りである:セフロキシム2μg/ml;シプロフロキサシン4μg/ml;イミペネム8μg/ml;オフロキサシン4μg/ml;レボフロキサシン4μg/ml;アジスロマイシン0.5μg/ml。開示されていないが、ブレークポイントは任意に4μg/mlとしたが、後にもっと高いことがわかった。
【0087】
MIC測定の結果を表1に示し、図1、2および3に要約する。キノリンに対する耐性はカルバペネム、セファロスポリンおよびマクロライドに対する耐性とは無関係であった(図2)。シプロフロキサシンの高いMICを示すこれらの生物は、すべての他のキノロンのMICにおける増加を反映した。
【0088】
【表1】
さまざまなアシネトバクター種に対するジェミフロキサシンの活性
Figure 2004507440
【表2】
Figure 2004507440
【0089】
従来の研究から、ジェミフロキサシンは、グラム陽性呼吸生物、例えば、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびスタフィロコッカス・アウレウスに対して良好な活性を有し、MIC50およびMIC90値がシプロフロキサシンよりも32−64倍活性であることがわかる。この研究において、これは、グラム陰性生物のアシネトバクター属に対して高い活性が保持され、ジェミフロキサシンのMIC50およびMIC90値がシプロフロキサシンよりもそれぞれ8倍および16倍少なく、トロバフロキサシンおよびスパルフロキサシンに匹敵する。種間のレベルでは、ジェミフロキサシンがエイ・カルコアセチカスおよびエイ・ルオフィイに対して最も有効で、MIC90値は任意のブレークポイントよりも低く、シプロフロキサシンよりも8倍有効であった。キノロン耐性のレベルは、試験した化合物に関して類似し(図2)、19〜25%の間であり、1種のキノロンに対するMICが高いのは、すべてについて増加することを表す。しかしながら、ジェミフロキサシンは依然として殆どのシプロフロキサシン耐性分離株を除くすべての種に対して活性を示すので、これは必ずしも処置の失敗が起こることを意味するものではない。
【0090】
ジェミフロキサシンはグラム陰性生物の1つの属であるアシネトバクターに対して活性を有する。これはシプロフロキサシンよりもかなり良好な活性ならびにトロバフロキサシンおよびスパルフロキサシンに匹敵する活性を有する。ジェミフロキサシンはエイ・カルコアセチカスおよびエイ・ルオフィイに対して最も有効である。キノロン耐性のレベルは、試験された抗菌剤について類似しているが(19−25%)、ジェミフロキサシンは殆どのシプロフロキサシン耐性分離株を除くすべてに対して活性を示す。
これらの分析のもう一つの目的は、それぞれの最適殺菌濃度(OBC)およびそれらのMICの4倍での比較剤であるキノロン、TRO、MOX、LEV、CIP、GREおよびSPAに対するエイ・ガウマンニイATCC19606に関するジェミフロキサシンのインビトロ殺菌活性を比較することであった。
【0091】
実験において、標準アシネトバクター・バウマンニイATCC19606に対するMIC(それぞれ、0.5、0.25、1、2、2、0.5、0.5μg/ml)の4倍の濃度および最適殺菌濃度(OBC)(それぞれ4、4、4、4、4、8、8μg/ml)でのジェミフロキサシンの殺菌活性を、トロバフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、グレパフロキサシンおよびスパルフロキサシンと比較した。OBCでは、ジェミフロキサシンと他のキノロン間には有意な差はなく、再成長が24時間抑制され、生存細胞の減少は、5log10を越えた。しかしながら、インビボで達成可能な濃度であるMICの4倍では、ジェミフロキサシンは他のキノロンよりも利点を示し、わずか30分後で、他の薬剤では1log10の減少が見られるのに比べて、生菌数がほぼ2log10に減少し、24時間後に生存数は4log10を越えて減少した。この向上した殺菌性は、グラム陰性キノロン、シプロフロキサシンおよびレボフロキサシン、ならびにトロバフロキサシンおよびスパルフロキサシンについてみられるよりも著しく良好である。このデータから、そのOBCよりも8倍低い濃度でジェミフロキサシンはエイ・バウマンニイに対して優れた殺菌活性を有することがわかる。
【0092】
アシネトバクター・バウマンニイは院内環境においてしばしば見いだされる重要な日和見感染性病原体であり、菌血症、二次髄膜炎、尿管感染症および肺炎の原因である。これらの患者に関して、殺菌剤は、通常、静菌剤よりも好ましい。キノロンは殺菌剤であるが、二相用量応答を示し、これにより、最適殺菌濃度(OBC)に達するまで濃度と共に薬剤の致死性が増大し、その後、殺菌活性は濃度と共に減少する。この研究は、ジェミフロキサシン(SB−265805)のエイ・バウマンニイATCC19606に対するインビトロ殺菌活性を、比較剤であるキノロン、トロバフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、グレパフロキサシン、およびスパルフロキサシンとそのOBCおよびそのMICの4倍で比較する。
【0093】
標準的エイ・バウマンニイATCC19606実験室株を該研究中用いる。時間−殺菌実験の前に、エイ・バウマンニイATCC19606について7種のキノロンのMICを、感受性試験のBSACガイドラインにしたがった寒天希釈法を用いて測定する。(The British Society for Antimicrobial Chemotherapy. A guide to sensitivity testing. J Antimicrob Chemother 1991; 27 (Suppl D)参照)。OBCを測定するために、栄養培地にエイ・バウマンニイATCC19606を接種し、一夜インキュベートする。0.03−256μg/mlの範囲の殺菌剤の栄養ブロス中二倍希釈を一夜培養物に接種し、さらに3時間インキュベートする。結果として得られる培養物を連続希釈し、栄養寒天培地上にプレートし、一夜インキュベートし、コロニーを数える(Lewin CS, Howard BMA, Ratcliffe NT, Smith JT. 4−Quinolones and the SOS response. J Med Microbiol 1989; 29:139−144参照)。
【0094】
対数期培養物を、そのOBCまたはMICの4倍に相当する一定濃度の殺菌剤で攻撃する。一夜培養したものを用いて栄養ブロスに接種し、3時間インキュベートする。存在する微生物の1回目の計測数(t=0)を、連続希釈し、栄養寒天培地上にプレートすることにより測定する。殺菌剤を次に添加し、3時間にわたり、30分ごとにサンプルを採取し、連続希釈し、生存数計測のためにプレートする。採取サンプルを24時間後に採取し、希釈し、生存数計測のためにプレートする。
【0095】
ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシンと比較した場合に、MICの4倍で良好な殺菌活性を示し、1/8の濃度であっても殺菌速度はOBCとほぼ同じである。OBCおよびMICの4倍のいずれにおいても、ジェミフロキサシンは24時間で微生物の99%以上を殺菌した。MICの4倍でのジェミフロキサシンは、シプロフロキサシン、スパルフロキサシンおよびトロボフロキサシンと比較して、>2log10を殺菌した。このデータは、ジェミフロキサシンが、低い濃度またはMICの数倍でも、アシネトバクター感染症の治療に有効であることを示唆する。
【0096】
【表3】
Figure 2004507440
【0097】
すべての分析は、特に詳細に記載しない限り、当業者に一般的で、慣例の標準的技術を用いて行った。以下の記載におけるすべての部または量は特記しない限り重量基準である。
本発明は、アシネトバクター病原菌の代謝を調節する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を実施するために、アシネトバクター病原菌またはこれらの生物に感染しているかまたは感染している疑いのある患者を容易に選択することができる。また、本発明の方法において有用な細菌は、本明細書に記載されているものである。
【0098】
抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、アシネトバクター病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染の危険性のある哺乳動物、好ましくはヒトに投与する工程を含む、アシネトバクター病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法が本発明により提供される。
本発明の好ましい目的は、前記のアシネトバクター病原菌が:エイ・バウマンニイ、エイ・アニトラタス、エイ・ルオフィイ、エイ・カルコアセチカスまたはアシネトバクター種からなる群から選択される方法を提供する。他のアシネトバクター病原菌も該方法に包含される。当業者らは、本明細書に記載されるように、また当該分野で一般的な他の方法、例えばMIC試験を用いて、これらの生物を同定することができる。
【0099】
本発明はまた、とりわけ、プレボテラ・デンティコラ/レシイ(Prevotella denticola/loeschii)群、バイヨネラ(Veillonella)種、プレボテラ・ヘパリノリティカ、プレボテラ・インターメディア、プレボテラ・メラニノゲニカ、ポルフィロモナス種(ポルフィロモナス・カンジンジバリス(Porphyromonas cangingivalis); ポルフィロモナス・カンサルシ(Porphyromonas cansulci);ポルフィロモナスサーキュムデンタリア(Porphyromonas circumdentaria);ポルフィロモナス・レビイ(Porphyromonas levii))、プレボテラ・ビビア、プレボテラ・ブカエ−オリス群、ポルフィロモナス・カノリス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、ポルフィロモナス・アサカロリチカス(Porphyromonas asacharolyticus)、フソバクテリウム・バリウム(Fuobacterium varium)、ペプトストレプトコッカス・アサカロリチカス(Peptostreptococcus asaccharolyticus)、ペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococus magnus)、フソバクテリウム種1群(フソバクテリウム・ゴニディアフォルマンス(Fusobacterium gonidiaformans)、フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium naviforme)、フソバクテリウム・ネクロホルム(Fusobacteium necrophorum)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、およびフソバクテリウム・ヌクレアタムssアニマリス(Fusobacterium nucleatum ss animali))、フソバクテリウム種2群(フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)、フソバクテリウム・ネクロゲネス(Fusobacterium necrogenes)、およびフソバクテリウム・ウルセランス(Fusobacterium ulcerans))、フソバクテリウム・ラシイ(Fusobacterium russii)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramusum)、バクテロイデス・ウレロリチカス(Bacteroides ureolyticus)、ビロフィラ・ワズワーシア、クロストリジウム・クロストリジフォルメ(Clostridium clostridioforme)、アネロビオスピリルム・スクシニシプロデューセンス(Anaerobiospirillum succiniciproducens)、バクテロイデス・グラシリス、バクテロイデス・テクタム、アクチノマイセス・オドントリチカス、アクチノマイセス・イスラエリイ、またはアネロビオスピリルム・トマシイに対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法も提供する。
【0100】
本発明は、一つには、さまざまな嫌気性病原菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づく。これらの分析の目的は、あまり一般に同定されていない嫌気性菌株の419臨床株に対する寒天希釈法によりジェミフロキサシンおよび比較薬剤の活性を測定することである。ジェミフロキサシンは、一般に、1〜2回の希釈により、グラム陽性菌に対してトロバフロキサシンよりも活性である。ペプト連鎖球菌(Peptostreptocossi)、例えば、ペプトストレプトコッカス・アサカロリチカス(Peptostreptococcus asaccharolyticus)、ペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococcus magnus)、ペプトストレプトコッカス・ミクロス、ペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevotii)およびポルフィロモナス種、たとえば、ポルフィロモナス・アサカロリチカ(Porphyromonas asaccharolytica)、ポルフィロモナス・カロリス(Porphyromonas canoris)、ポルフィロモナス・ジンジバリス、ポルフィロモナス・マカカエ(Porphyromonas macacaae)は、すべて≦0.25μgmlのジェミフロキサシンに対して感受性である。アクチノマイセス・イスラエリイ(Actinomycees israelii)、アクチノマイセス・オドントリチカス、クロストリジウム・イノキューム(Clostridium innocuum)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ、アネロビオスピリルム(Anaerobiospirillum)種、バクテロイデス・テクタム、バクテロイデス・ウレオリチカス(Bacteroides ureolyticus)、バクテロイデス・グラシリス(現在、カンピロバクター・グラシリ(Campyrobacter gracilis))、プレボテラ・インターメディア、プレボテラ・ヘパリノリティカ、およびプレボテラ・オリス−ブカエ(Prevotella oris−buccae)群は、≦2μg/mlのMIC90を有する。フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium nabviforme)およびフソバクテリウム・ネクロホルム(Fusobacterium necrophorum)も≦2μg/mlに対して感受性であるが、フソバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)株は、二峰形パターンを示し;他のフソバクテリウム種、たとえば、フソバクテリウム・ウルセランス(Fusobacterium ulcerans)、フソバクテリウム・ルシイ(Fusobacterium rusii)、ならびにバイヨネラ(Veillonella)種、プレボテラ・メラニノゲニカ群、プレボテラ・ビビア、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、およびビロフィラ・ワズワーシアは比較的ジェミフロキサシンに対して耐性である[MIC90≧4ug/ml]。
【0101】
新規抗菌化合物の販売前のインビトロ試験は広範囲におよぶことが多いが、これらの研究は典型的な嫌気性病原菌、たとえばバクテロイデス・フラジリス(Bactrtoides fragilis)群およびクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)に集中する傾向がある。多くのあまり頻繁に遭遇しない嫌気性病原菌に対するこれらの新規化合物の活性についてのデータは殆どもしくは全くない。嫌気性菌感受性試験は殆どの臨床的実験室においては慣例的に行われないが、臨床医は、あまり一般的に単離または同定されていない嫌気性菌または他の部位での混合感染を含む状況においては、経験的療法ならびに特異的療法の両者のガイドを助ける確立された研究に依存しなければならない。
ヒトの臨床的感染症において遭遇する種々のあまり一般的でない嫌気性菌種に対するジェミフロキサシンの活性を測定し、その活性を他の一般的に用いられる経口剤と比較した。
【0102】
株は、あらかじめさまざまな供給源から得られるヒト臨床検体から単離し、標準的基準により同定する。殆どすべてのこれらの分離株は、同じ属および種を用いた場合、従来の研究において用いられる株と異なる。バクテロイデス・フラジリスATCC 25285、およびバクテロイデス・セタイオタオムミクロンATCC 29741を対照株と同時に試験する。試験した分離株の数および種を表3に示す。
【0103】
標準的実験室用粉末は以下のように供給される:ジェミフロキサシンおよびアモキシシリンクラブラン酸塩(SmithKline Beecham Pharmaceuticals, Philadelphia, PA);トロバフロキサシンおよびアジスロマイシン(Pfizer Inc., New York, NY);クラリスロマイシン(Abbott Laboratories, Abbott Park, IL.);クリンダマイシン(Pharmacia Upjohn Co., Kalamazoo, Michi.);メトロニダゾール(Searle Research & Development, Skokie, IL.);エリスロマイシン(Eli Lilly & Co., Indianapolis, IN);およびペニシリンG(G, Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, USA)。純度および良好な成長を確実にするために、凍結した培養物を少なくとも2回、ヘミン、ビタミンK、および5%ヒツジ血液を補足したBrucella寒天上に移す。NCCLS標準にしたがって感受性試験を行った。ヘミン、ビタミンK、および5%レーキヒツジ血液を補足したBrucella寒天が使用された基礎培地であった。ビロフィラ・ワズワーシアについては、寒天をピルビン酸塩でも補足する。抗菌剤を製造業者の指示に従って復元する。抗菌剤の連続二倍希釈物を試験当日に調製し、さまざまな濃度(μg/ml)で培地に添加する。
【0104】
寒天プレートにSteerレプリケーター(Craft Machine Inc., Chester, PA, USA)を接種する。使用した接種物は、10CFU/スポットであった。抗菌剤を含まない対照プレートは、薬剤含有プレートの各セットの前後に接種する。MICを、成長対照プレートと比較して、成長、または成長の外観に著しい変化が生じない薬剤の最低濃度として定義した。
【0105】
ジェミフロキサシンおよび他の抗菌剤の相対的活性を表3に示す。全体的に、結果から、ジェミフロキサシンは、試験したグラム陽性嫌気性菌ならびに実験した他のあまり一般的でない分離株に対して活性であることがわかる。
ジェミフロキサシンは、グラム陽性嫌気性菌、特に、4種のペプトストレプトコッカス種およびポルフィロモナス種に対して活性を示す。ジェミフロキサシンはさらに一般的でない分離株に対しても活性である。
【0106】
4種からの45株のペプトストレプトコッカスを含む実験から、これらのすべては≦0.25μg/mlのジェミフロキサシンに対して感受性であったことがわかる。対照的に、ペプトストレプトコッカスの10株の研究から、ジェミフロキサシンに対するMIC90は2μg/mlであった。いずれの実験もBrucella寒天および寒天希釈法を用いているので、この不一致の理由は、方法の違いによるものではない。Marcoらは、ペプトストレプトコッカスの18株を実験し、ジェフロキサシンについてMIC90が2μg/ml(≦0.25−8μg/mlの範囲)であることを見いだした(Marco F, Barrett MS, Jones RN. Antimicrobial activity of LB 20304, a fluoronaphthyridone, tested against anaerobic bacteria. J Antimicrob Chemother 1997; 40: 605−607)。
【0107】
クロストリジウム種のジェミフロキサシンに対する感受性の差は、この研究において明らかであり、クロストリジウム・クロストリディオフォルメおよびクロストリジウム・イノキューム(Clostridium innocuum)は比較的感受性であるが、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)はジェミフロキサシンに対して耐性であることが多い。現在の研究においては、実験した10のクロストリジウム・ラモーサム分離株のMIC90は1μg/mlであるのに対して、別の研究においては、実験した14分離株についてMIC90は8μg/mlであった。株を除いては、2つの研究に置いてすべての株は異なり、ほとんど血液培養物由来である。明らかな相違は、従来の研究における3/14株のMICが高いことに由来し、単一種の少数の分離株を試験することの問題を強調する。
【0108】
【表4】
Figure 2004507440
【0109】
【0110】
【表5】
Figure 2004507440
【0111】
【表6】
Figure 2004507440
【0112】
【表7】
Figure 2004507440
【0113】
【表8】
Figure 2004507440
【0114】
【表9】
Figure 2004507440
【0115】
【表10】
Figure 2004507440
【0116】
【表11】
Figure 2004507440
【0117】
【表12】
Figure 2004507440
【0118】
【表13】
Figure 2004507440
【0119】
CormiconおよびJonesは、10のクロストリジウム分離株を研究し、ジェミフロキサシンに関して最大MIC2μg/mlを見いだした(Cormicon MG, Jones RN. Antimicrobial activity and spectrum of LB2030, a novel fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1997; 41:204−211)。Marcoらは、彼らが研究したすべての19の特定されていないクロストリジウム分離株は、≦2μg/mlに対して感受性であることを報告している(Marco F, Barrett MS, Jones RN. Antimicrobial activity of LB 20304, a fluoronaphthyridone, tested against anaerobic bacteria)。
【0120】
トロバフロキサシンおよびジェミフロキサシンに対する異なる嫌気性菌属および種の感受性パターンは著しく異なる。重要な臨床嫌気性分離株は、各株の感受性を測定しなければならない。あまり一般的でないかまたは同定されていない属のいくつかの種のグルーピングに基づいて感受性を予測することは困難である。
これらの知見を考慮して、本発明により、嫌気性病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染する危険性のある哺乳動物、好ましくはヒトに、キノロン、特にジェミフロキサシンを含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む嫌気性病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法が提供される。
【0121】
本発明の好ましい目的は、前記嫌気性病原菌が:プレボテラ・デンチコラ/レシイ(Prevotella denticola/loeschii)群、ベイヨネラ種、プレボテラ・ヘパリノリティカ、プレボテラ・インターメディア、プレボテラ・メラニノゲニカ、ポルフィロモナス種(ポルフィロモナス・カンジンジバリス(Porphyromonas cangingivalis)、ポルフィロモナス・カンサルシ(Porphyromonas cansulci);ポルフィロモナス・サーキュムデンタリア(Porphyromonas circumdentaria);ポルフィロモナス・レビイ(Porphyromonas levii))、プレボテラ・ビビア、プレボテラ・ブカエ−オリス群、ポルフィロモナス・カノリス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、ポルフィロモナス・マカカエ、ペプトストレプトコッカス・ミクロス、ペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevotii)、ポルフィロモナス・アサカロリティカス(Porphyromonas asaccharolyticus)、フソバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)、ペプトストレプトコッカス・アサカロリティカス(Peptostreptococcus asaccharolyticus)、ペプトストレプトコッカス・マグヌス(Peptostreptococcus magnus)、フソバクテリウム種1群(フソバクテリウム・ゴニディアフォルマンス(Fusobacterium gonidiaformans)、フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium naviforme)、フソバクテリウム・ネクロフォールム(Fusobacterium necrophorum)、フソバクテリム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、およびフソバクテリウム・ヌクレアタムアニマリスssアニマリス(Fusobacterium nucleatum ss animalis))、フソバクテリウム種2群(フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)、フソバクテリウム・ネクロゲネス(Fusobacterium necrogenes)、およびフソバクテリウム・ウルセランス(Fusobacterium ulcerans))、フソバクテリウム・ルシイ(Fusobacterium russii)、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ラモーサム、バクテロイデス・ウレオリチカス(Bacterioides ureolyticus)、ビロフィラ・ワズワーシア(Biolophila wadsorthia)、クロストリジウム・クロストリディオフォルメ、アネロビオスピリルム・サクシニシプロデュセンス、バクテロイデス・グラシリス(Bacterioides gracilis)、バクテロイデス・テクタム(Bacterioides tectum)、アクチノマイセス・オドントリチカス、アクチノマイセス・イスラエリイ、またはアネロビオスピリルム・トマシイからなる群から選択される方法を提供する。
【0122】
他の嫌気性病原菌も本発明の方法に含まれる。当業者らは、本発明に記載したように、また当該分野で一般的な方法、たとえばMIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
本発明はさらに、とりわけ、キノロン、特にジェミフロキサシンを含む組成物を、イー・コリ(E. coli)、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、モルガネラ・モルガニイ、セラチア種、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、サルモネラ種、ステノトロフォモナス・マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophila)、シュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetbacter baumannii)、スタフィロコッカス・アウレウスMSSA、スタフィロコッカス・アウレウスMRSA、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MSSE、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MRSE、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogens)、ストレプトコッカス・ランスフィールドGp B、ストレプトコッカス・ミレリイ、ストレプトコッカス・ニューモニエ、キノロン耐性ストレプトコッカス・ニューモニエ、モラクセラ・カタラーリス、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ペプトストレプトコッカス・アネロビウス(Peptostreptococcus anaerobius)、ペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevoti)、またはバクテロイデス・フラジリス(バクテロイデス・フラジリス)に対して使用する方法を提供する。
【0123】
本発明のこの態様は、一つには、さまざまな病原菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づくものであった。これらの分析の目的は、782の最近の臨床分離株に対するジェミフロキサシン(GFX)(SB−265805)のインビトロ活性を、シプロフロキサシン(CIP)、トロバフロキサシン(TRX)およびレボフロキサシン(LEV)の活性に対して測定することであった。GFXは腸内細菌の90%を≦0.5μg/mlで阻害し(セラチア種、MIC901μg/mlを除く)、CIP、TRXおよびLEVに対して同様の活性を示す。シュードモナス・エルジノーサはGFXに対して適度に感受性である(MIC904μg/ml)。
【0124】
ストレプトコッカス・ニューモニエに対して、GFX(MIC900.06μg/ml)はTRXよりも2から4倍活性であり、CIPよりも16−32倍活性である。GFXは試験したキノロン耐性エス・ニューモニエに対して最も活性であり;CIPに対して耐性(MIC4−8μg/ml)の16株のうちすべてが≦0.12μg/mlのGFXに対して感受性である。≧128μg/mlCIPに対して感受性の4株は0.5−2μg/mlのGFXに対して感受性である。MSSAはGFXおよびTRXに対して同様に感受性であるが(MIC900.06μg/ml)、MRSAはあまり感受性でない(GFX MIC908μg/ml)。ヘモフィルス・インフルエンゼおよびモラクセラ・カタラーリスはGFXに対して感受性である(MIC90≦0.06μg/ml)。エンテロコッカス種 は他の薬剤よりもGFXに対してより感受性である。GFXおよびTRXはバクテロイデス・フラジリス(MIC900.5μg/ml)およびペプトストレプトコッカス(MIC900.25μg/ml)に対して高い活性を有する。MICに対してプロットされたディスクゾーンサイズの回帰分析にしたがって仮のブレークポイント0.5μg/mlが提案される、1μgディスクが提案され、ゾーン直径が>20mmであることは感受性であることを示す。擬似感受性および耐性率はそれぞれ0%および5.6%である。
【0125】
ジェミフロキサシンはグラム陽性球菌に対して向上した活性を有すると報告されている(Oh JI, Paek K−S, Ahn M−J ら、. In vitro and in vivo evaluation of LB20304, a new fluoronaphthyridinone. Antimicrob Agents Chemother 1996; 40 1564−1568; Comican MG, Jones RN.Antimicrobial activity and spectrum of LB20304, a novel fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1997;41:204−211参照)。この研究において、782の最近単離された細菌に対して通常使用される抗菌剤とジェミフロキサシンの活性を比較した。仮のインビトロブレークポイントを確立するために、British Society for Antimicrobial Chemotherapy (BSAC) Working Party on Susceptibitlity Testingの技術が用いられている(Working Party of the British Society for Antimicrobial Chemotherapy. A guide to sensitvit testing. J Antimicrob Chemother 1991; 27 (Suppl D)参照)。
【0126】
本明細書に記載するように、ジェミフロキサシンを、シプロフロキサシン、トロバフロキサシン、レボフロキサシン、ナリジクス酸およびアモキシシリン/クラブラン酸と比較した。感受性は、BSAC Working Partyの技術にしたがって行った(Working Party of the British Society for Antimicrobial Chemotherapy. A guide to sensitivity testing g. J Antimicrob Chemother 1991; 27 (Supple D)参照)。最終接種物はおよそ10CFUであった。培地はUnipath Iso−Sensitest 寒天(所望により補足)またはWilkin−Chalgren寒天であった。適当な雰囲気中、35℃〜37℃でインキュベーションを行った。
【0127】
1、2および5μgのジェミフロキサシンディスクのMIC(前記)およびゾーン直径を測定し、成長は半集密であり、ゾーンサイズのMICに対する分散ダイヤグラムを行い、BSAC式から、仮のブレークポイント0.5〜1μg/mlが得られ、擬似感受性および耐性率が測定された(Working Party of the British Society for Antimicrobial Chemotherapy. A guide to sensitivity testing. J Antimicrob Chemother 1991; 27 (Supple D)参照)。
【0128】
感受性試験の結果を表4に示す。ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびレボフロキサシンの腸内細菌に対する活性は類似し、MICはそれぞれ±1倍化希釈である。シプロフロキサシンに対してあまり感受性でない株は、他のフルオロキノロンに対してあまり感受性でない。ジェミフロキサシンを包含するすべてのフルオロキノロンは、シュードモナス・エルジノーサに対して低い活性を示す(MIC904μg/ml)。MSSAに対して、ジェミフロキサシンはシプロフロキサシンよりも32倍活性である。スタフィロコッカス・エピダーミディスおよび腸球菌について同様の差が見られる。ストレプトコッカス・ニューモニエに対して、ジェミフロキサシンはトロバフロキサシンよりも2〜4倍活性であり、シプロフロキサシンよりも16〜32倍活性である。合計10株のエス・ニューモニエがシプロフロキサシンに対して耐性であり(MIC4〜8μg/ml);これらは0.06〜0.12μg/mlのジェミフロキサシンに対して感受性である。合計4株は高度にシプロフロキサシン耐性であり(MIC>128μg/ml)、これらは0.5〜2μg/mlのジェミフロキサシンに対して感受性である。
【0129】
【表14】
Figure 2004507440
【0130】
【表15】
Figure 2004507440
【0131】
【表16】
Figure 2004507440
【0132】
【表17】
Figure 2004507440
【0133】
【表18】
Figure 2004507440
【0134】
【表19】
Figure 2004507440
【0135】
【表20】
Figure 2004507440
【0136】
【表21】
Figure 2004507440
【0137】
他の呼吸病原菌(ヘモフィルス・インフルエンゼおよびモラクセラ・カタラーリス)はジェミフロキサシンに対して非常に感受性である。バクテロイデス・フラジリスはすべて≦0.5μg/mlのジェミフロキサシンに対して感受性である。
提案された仮のブレークポイント0.5〜1μg/mlを選択した。図5は、1μg/mlのジェミフロキサシンのMICおよびゾーン直径を示す。2および5μgディスクは感受性分離株について30〜45mmのゾーン直径を示し、許容できないほど大きな領域を生じる。ブレークポイントとして20mmのゾーン直径を用いて、擬似耐性率は6%であり、擬似感受性率は約1%である。36の擬似耐性株の内、8は腸球菌(MIC0.12〜0.5μg/ml)であり、17はシプロフロキサシンに対する感受性が減少した腸内細菌であり、11はMICがブレークポイントに近いセラチア、アシネトバクターおよびステノトロフォモナス種であった。仮の推奨値を表5に示す。
【0138】
データから、とりわけ、予想外の結果を除いて、ジェミフロキサシンがビー・フラジリスに対してより活性であるということがわかる(Oh JI, Paek K−S, Ahn M−J ら、. In vitro and in vivo evaluation of LB20304, a new fluoronaphthyridinone. Antimicrob Agents Chemother 1996; 40: 1564−1568; Comican MG, Jones RN. Antimicrobial activity and spectrum of LB20304, a novel fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1997; 41: 204−211参照)。シプロフロキサシンに対して耐性の株に対するものを包含する、エス・ニューモニエに対するジェミフロキサシンの高い活性は注目に値する。仮のブレークポイント0.5〜1μg/mlは信頼性のある結果をもたらすようである。
【0139】
【表22】
Figure 2004507440
【0140】
本発明の好ましい目的は、前記病原菌が、イー・コリ(E. coli)、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、モルガネラ・モルガニイ、セラチア種、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、サルモネラ種、ステノトロフォモナス・マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophila)、シュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、スタフィロコッカス・アウレウスMSSA、スタフィロコッカス・アウレウスMRSA、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MSSE、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MRSE、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophytics)、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ランスフィールドGp B、ストレプトコッカス・ミレリイ、ストレプトコッカス・ニューモニエ、キノロン耐性ストレプトコッカス・ニューモニエ、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrahalis)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ペプトストレプトコッカス・アネロビウス(Peptostreptococcus anaerobius)、ペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevoti)、およびバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilig)からなる群から選択される方法を提供する。他の病原菌も該方法に含まれる。当業者らは、本発明に記載されたように、また当該分野で一般的な他の方法、たとえばMIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
【0141】
本発明はさらに、とりわけ、イー・コリ(E. coli)、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、モルガネラ・モルガニイ、セラチア種、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、サルモネラ種、ステノトロフォモナス・マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophila)、シュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、スタフィロコッカス・アウレウスMSSA、スタフィロコッカス・アウレウスMRSA、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MSSE、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MRSE、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophytics)、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ランスフィールドGp B、ストレプトコッカス・ミレリイ、ストレプトコッカス・ニューモニエ、キノロン耐性ストレプトコッカス・ニューモニエ、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrahalis)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ペプトストレプトコッカス・アネロビウス(Peptostreptococcus anaerobius)、ペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevoti)、またはバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilig)に対するキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。他の病原菌も該方法に含まれる。当業者らは、本発明に記載されたように、また当該分野で一般的な他の方法、たとえばMIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
【0142】
本発明は、一つには、さまざまな病原菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づくものであった。これらの分析の目的は、782の最近の臨床分離株に対するジェミフロキサシン(GFX)のインビトロ活性を、シプロフロキサシン(CIP)、トロバフロキサシン(TRX)およびレボフロキサシン(LEV)の活性に対して測定することであった。GFXは腸内細菌の90%を≦0.5μg/mlで抑制し(セラチア種、MIC901μg/mlを除く)、CIP、TRXおよびLEVに対して同様の活性を示す。シュードモナス・エルジノーサはGFXに対して適度に感受性である(MIC904μg/ml)。
【0143】
ストレプトコッカス・ニューモニエに対して、GFX(MIC900.06μg/ml)はTRXよりも2〜4倍活性であり、CIPよりも16〜32倍活性である。GFXは試験されたキノロン耐性エス・ニューモニエに対して最も活性であり;CIPに対して耐性(MIC4−8μg/ml)の16株のうちすべてが≦0.12μg/mlのGFXに対して感受性である。≧128μg/mlCIPに対して感受性の4株は0.5−2μg/mlのGFXに対して感受性である。MSSAはGFXおよびTRXに対して同様に感受性であるが(MIC900.06μg/ml)、MRSAはあまり感受性でない(GFX MIC908μg/ml)。ヘモフィルス・インフルエンゼおよびモラクセラ・カタラーリスはGFXに対して感受性である(MIC90≦0.06μg/ml)。エンテロコッカス種は他の薬剤よりもGFXに対してより感受性である。GFXおよびTRXはバクテロイデス・フラジリス(MIC900.5μg/ml)およびペプトストレプトコッカス(MIC900.25μg/ml)に対して高い活性を有する。MICに対してプロットされたディスクゾーンサイズの回帰分析にしたがって仮のブレークポイント0.5μg/mlが提案される。1μgディスクが提案され、ゾーン直径が>20mmであることは感受性であることを示す。擬似感受性および耐性率はそれぞれ0%および5.6%である。
【0144】
さらに進んだ研究において、782の最近単離された細菌に対するジェミフロキサシンの活性を通常用いられる抗菌剤と比較した。仮のインビトロブレークポイントを確立するためにBritish Society for Antimicrobial Chemotherapy (BSAC) Working Party on Susceptibility Testingの技術を用いた(Working Party of the British Society for Antimicrobial Chemotherapy. A guide to sensitivity testing. J Antimicrob Chemother 1991; 27 (Suppl D)参照)。
【0145】
ジェミフロキサシンを、シプロフロキサシン、トロバフロキサシン、レボフロキサシン、ナリジクス酸およびアモキシシリン/クラブラン酸と比較した。感受性は、BSAC Working Partyの技術にしたがって行った(Working Party of the British Society for Antimicrobial Chemotherapy. A guide to sensitivity testing g. J Antimicrob Chemother 1991; 27 (Supple D)参照)。最終接種物はおよそ10CFUであった。培地はUnipath Iso−Sensitest 寒天(所望により補足)またはWilkin−Chalgren寒天であった。適当な雰囲気中、35℃〜37℃でインキュベーションを行った。
【0146】
1、2および5μgジェミフロキサシンディスクのMIC(前記)およびゾーン直径を測定し、成長は半集密であり、ゾーンサイズのMICに対する分散ダイヤグラムを行い、BSAC式から、仮のブレークポイント0.5〜1μg/mlが得られ、擬似感受性および耐性率が測定された(Working Party of the British Society for Antimicrobial Chemotherapy. A guide to sensitivity testing g. J Antimicrob Chemother 1991; 27 (Supple D)参照)。
【0147】
感受性試験の結果を表6に示す。ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびレボフロキサシンの腸内細菌に対する活性は類似し、MICはそれぞれ±1倍希釈である。シプロフロキサシンに対してあまり感受性でない株は、他のフルオロキノロンに対してあまり感受性でない。ジェミフロキサシンを包含するすべてのフルオロキノロンは、シュードモナス・エルジノーサに対して低い活性を示す(MIC904μg/ml)。MSSAに対して、ジェミフロキサシンはシプロフロキサシンよりも32倍活性である。スタフィロコッカス・エピダーミディスおよび腸球菌について同様の差が見られる。ストレプトコッカス・ニューモニエに対して、ジェミフロキサシンはトロバフロキサシンよりも2〜4倍活性であり、シプロフロキサシンよりも16〜32倍活性である。合計10株のエス・ニューモニエがシプロフロキサシンに対して耐性であり(MIC4〜8μg/ml);これらは0.06〜0.12μg/mlのジェミフロキサシンに対して感受性である。合計4株は高度にシプロフロキサシン耐性であり(MIC>128μg/ml)、これらは0.5〜1μg/mlのジェミフロキサシンに対して感受性である。
【0148】
【表23】
Figure 2004507440
【0149】
【表24】
Figure 2004507440
【0150】
【表25】
Figure 2004507440
【0151】
【表26】
Figure 2004507440
【0152】
【表27】
Figure 2004507440
【0153】
【表28】
Figure 2004507440
【0154】
【表29】
Figure 2004507440
【0155】
【表30】
Figure 2004507440
【0156】
ある種の他の呼吸病原菌(ヘモフィルス・インフルエンゼおよびモラクセラ・カタラーリス)はジェミフロキサシンに対して非常に感受性である。バクテロイデス・フラジリスはすべて≦0.5μg/mlのジェミフロキサシンに対して感受性である。
提案された仮のブレークポイント0.5〜1μg/mlを選択した。図1は、1μg/mlのジェミフロキサシンのMICおよびゾーン直径を示す。2および5μgディスクは感受性分離株について30〜45mmのゾーン直径を示し、許容できないほど大きな領域を生じる。ブレークポイントとして20mmのゾーン直径を用いて、擬似耐性率は6%であり、擬似感受性率は約1%である。36の擬似耐性株のうち、8は腸球菌(MIC0.12〜0.5μg/ml)であり、17はシプロフロキサシンに対する感受性が減少した腸内細菌であり、11はMICがブレークポイントに近いセラチア、アシネトバクターおよびステノトロフォモナス種であった。図2は5μgディスクおよびピー・エルジノーサの分散ダイヤグラムを示す。仮の推奨値を表7に示す。
【0157】
データから、とりわけ、予想外の結果を除いて、ジェミフロキサシンがビー・フラジリスに対してより活性であるということがわかる(Oh JI, Paek K−S, Ahn M−J ら、. In vitro and in vivo evaluation of LB20304, a new fluoronaphthyridinone. Antimicrob Agents Chemother 1996; 40: 1564−1568; Comican MG, Jones RN. Antimicrobial activity and spectrum of LB20304, a novel fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1997; 41: 204−211参照)。シプロフロキサシンに対して耐性の株に対するものを包含する、エス・ニューモニエに対するジェミフロキサシンの高い活性は顕著である。仮のブレークポイント0.5〜1μg/mlは信頼性のある結果をもたらすようである。
【0158】
【表31】
Figure 2004507440
【0159】
本発明の好ましい目的は、前記病原菌が、イー・コリ(E. coli)、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、モルガネラ・モルガニイ、セラチア種、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、サルモネラ種、ステノトロフォモナス・マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophila)、シュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、スタフィロコッカス・アウレウスMSSA、スタフィロコッカス・アウレウスMRSE、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MSSE、スタフィロコッカス・エピダーミディス(Staphylococcus epidermidis)MRSE、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophytics)、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ランスフィールドGp B、ストレプトコッカス・ミレリイ、ストレプトコッカス・ニューモニエ、キノロン耐性ストレプトコッカス・ニューモニエ、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrahalis)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ペプトストレプトコッカス・アネロビウス(Peptostreptococcus anaerobius)、ペプトストレプトコッカス・プレボッティ(Peptostreptococcus prevoti)、およびバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilig)からなる群から選択される方法を提供する。他の病原菌も該方法に含まれる。当業者らは、本発明に記載されたように、また当該分野で一般的な他の方法、たとえばMIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
【0160】
本発明は、とりわけ、肺炎双球菌(pneumococcal bacteria)に対してキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
本発明は、一つには、さまざまな肺炎双球病原菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づくものであった。これらの分析の目的は、時間−殺菌による4ペニシリン感受性、4中間性および4耐性(2シプロフロキサシン耐性株を包含する)肺炎双球菌に対するジェミフロキサシン(SB−265805)のインビトロ活性を、シプロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびレボフロキサシンの活性に対して測定することであった。ブロスMIC(μg/ml)は以下の通りである:ジェミフロキサシン:0.016−0.5;シプロフロキサシン:0.5−32;レボフロキサシン;1−32;スパルフロキサシン0.125−32;グレパフロキサシン:0.06−16;トロバフロキサシン:0.06−8;アモキシシリン:0.016−2;セフロキシム:0.016−4;アジスロマイシン:0.008−>64;クラリスロマイシン:0.008−64。結果を以下にMIC/2×MICで示す(0時間と比較して菌株数が−1、−2、−3log10減少)。
【0161】
【表32】
Figure 2004507440
MIC≦0.25μg/mlに関して7菌株のみを試験した。
【0162】
ジェミフロキサシンはMICが最低であり、ペニシリンまたはシプロフロキサシンMICに関係なく、MICの2倍で均一に殺菌性である。ジェミフロキサシンは達成可能なMICでシプロフロキサシン耐性株に対して活性な唯一のキノロンである。他のキノロンおよびβ−ラクタムはMICに対して類似した速度を有し、マクロライドは反応速度が遅かった。
【0163】
ペニシリンGおよび他のβ−ラクタムおよび非β−ラクタム化合物に対して耐性の肺炎双球菌はその範囲が驚くべき速度でアメリカ合衆国を含む世界中に広がっている。現在、感染の主な中心は、南アフリカ、スペイン、中央および東ヨーロッパ、およびアジアの一部を包含する(Friedland IR, McCracken GH, Jr. Management of infections caused by antibiotic−resistant Streptococcus pneumoniae. N Engl J Med 1994; 331:377−382;およびJacobs MR, Appelbaum PC. Antibiotic−resistant pneumococci. Rev Med Microbiol 1995; 6: 77−93参照)。アメリカ合衆国において、最近の調査からペニシリンに対する耐性は、1989年以前の<5%(MIC≦2.0μg/mlの<0.02%分離株を包含する)から、1991−1992年には6.6%(1.3%分離株はMIC≧2.0μg/ml)まで増大していることが明らかになった(Breiman RF, Butler JC, Tenover FC, Elliott JA, Facklam RR. Emergence of Drug−resistant pneumococcal infections in the United States. JAMA 1994; 271; 1831−1835参照)。もう一つ別のさらに最近の調査においては、1527の臨床的に有意な肺炎双球菌分離株の23.60%(360)は、ペニシリンに対して感受性でなかった(Doern GV, Brueggemann A, Holley HP, Rauch AM. Antimicrobial resistance of Streptococcus pneumoniae isolated form outpatients in the United States during the winter months of 1994 to 1995:results of a 30−center natinal surveillance study. Antimicrob Agents Chemother 1996; 40):1208−1213参照)。難治性中耳炎の患者からの中耳液において、他の単離部位と比較して、ペニシリン−中間性およびペニシリン−耐性肺炎双球菌が高い割合(およそ30%)で単離されることに注目することも重要である(Block S, Harrison CJ, Hedrick JA, ら、. Penicillin−resistant Streptococcus pneumoniae in acute otitis media: risk factors, susceptibility patterns and antimicrobial management. Pediatr Infect Dis J 1995; 14: 751−759参照)。耐性クローンが国から国へ、大陸から大陸へと広がることができるために、薬剤耐性肺炎双球菌の問題はさらに増大する(Munoz R, Musser JM, Crain M, ら、. Geographic distribution of penicillin−resistant clones of Streptococcus pneumoniae: characterization by penicillin−binding protein profile, surface protein A typing, and multilocus enzyme analysis. Clin Infect Dis 1992; 15: 112−118参照)。
【0164】
ペニシリン−中間性およびペニシリン耐性肺炎双球菌により引き起こされる外来患者の中耳炎および気道感染症の治療のための経口化合物が早急に必要とされる(Breiman RF, Butler JC, Tenover FC, Elliott JA, Facklam RR. Emergence of drug−resistant pneumococcal infections in the United States. JAMA 1994; 271:1831−1835参照)。利用可能なキノロン、たとえば、シプロフロキサシンおよびオフロキサシンは肺炎双球菌に対して中程度のインビトロ活性を示し、MICはブレークポイント付近である(Pankuch GA, Jacobs MR, Appelbaum PC. Activity of Cp 99,219 compared to DU−6859a, ciprofloxacin, ofloxcin, levofloxacin, lomefloxacin, tosufloxacin, sparfloxacin and grepafloxacin against penicillin−susceptible and resistant pneumococci. J Antimicrob Chemother 1995;35:230−232.;Spangler SK, Jacobs MR, Appelbaum PC. Susceptibiliities of penicillin−susceptible and resistant strains of Streptococcus pneumoniae to RP 59500, vancomycin, erythromycin, PD 131628, sparfloxacin, temafloxacin, Win 57273, ofloxacin and ciprofloxacin; Antimicrob Agents Chemother 1992; 36:856−859;およびSpangler SK, Jacobs MR, Pankuch GA, Appelbaum PC. Susceptibility of 160 penicillin−susceptble and resistant neumococci to six oral cephalosporins, four quinoloes, desacetylfotaxime, Ro 23−9424 and RP 66829. J Antimicrob Chemother 1993;31:273−280参照)。
【0165】
従来の予備調査から、ジェミフロキサシンは肺炎双球菌に対して非常に活性であることが明らかになった(Cormican MG, Jones RN. Antimicrobial activity and spectrum of LB 20304, a nobel fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1997; 41:204−211; Hohl AF, Frei R, Punter V, ら、. International multicenter investigation of LB 20304, a new fluoronaphthyridone. Clin. Microbiol Infect 1998;4:280−284;およびOh J−I, Paek K−S, Ahn M−J, ら、. In vitro and in vivo evaluations of LB 20304, a new fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1996; 40:1564−1568参照)。
【0166】
さらに別の調査では、さまざまなキノロンおよびペニシリン感受性を有する12肺炎双球菌株の時間−殺菌試験により、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシン、アモキシシリン、セフロキシム、アジスロマイシンおよびクラリスロマイシンと比較してジェミフロキサシンの抗肺炎双球菌活性を調べた。4つの時間−殺菌試験について、4ペニシリン感受性、4中間性、および4耐性菌株(Alexander Project CollectionからDavid Felminghamの好意により入手した2キノロン耐性)を試験する。
【0167】
ジェミフロキサシン感受性粉末をSmithKline Beecham Laboratories, Harlow, UKから入手し;他の抗菌剤は、それぞれの製造業者から入手する。時間−殺菌により試験した12菌株おおよびPAEにより試験した4菌株のブロスMICを、5%溶菌脱繊維素ウマ血液でカチオン調節されたMuller−Hintonブロスを用いて、NCCLSの指示にしたがって行った(National Committee for Clinical Laboratory Standards. In: Methods for dilution antimicrobial susceptibility tests for bacteria that grow aerobically (3rd edition; approved standard. NCCLS publication no. M7−A4) National Committee for Clinical Laboratory Standards: Villanova, PA, 1997参照)。ストレプトコッカス・ニューモニエ ATCC 49619を包含する標準品質対照株が寒天およびブロス希釈MICの各実験において含まれていた。
【0168】
時間−殺菌調査のために、5mlのカチオン調節されたMuller−Hintonブロス(Difco)+殺菌濃度の二倍の5%溶菌ウマ血液を含むガラス管を、5×10〜5×10CFU/mlで接種し、35℃で振盪水浴中でインキュベートする。3倍希釈以上および3希釈以下の寒天希釈MICを含むように抗菌濃度を選択した。各実験について、接種物を含むが、抗菌剤を含まない成長対照を用いた(Pankuch GA, Jacobs MR, Appelbaum PC. Study of comparative antipneumococcal activities of penicillin G, Rp 59500, erythromycin, sparfloxacin, ciprofloxacin and vancomycin by using time−kill methodology. Antimicrob Agents Chemother 1994; 38:2065−2072;およびPankuch GA, Lichtenberger C, Jacobs MR, Appelbaum PC. Antipneumococcal activities of RP 59500 (quinupristin/dalfopristin), penicillin G, erythromycin, and sparfloxacin determined MIC and rapid time−kill methodologies. Antimicrob Agents Chemother 196;40:1653−1656参照)。溶菌ウマ血液をすでに記載されているようにして調製した(Pankuch, Jacobs ら、およびPankuch, Lichtenberger ら、, 前掲参照)。Mueller−Hintonブロス中一夜血寒天プレートからの成長物を濁度がMcFarland標準の1に一致するまで懸濁することにより細菌接種物を調製した。適当な接種物を得るために必要な希釈度(5×10−5×10CFU/ml)は、各菌株を用いた従来の生存性試験により決定した(Pankuch, Jacobs ら、およびPankuch, Lichtenberger ら、前掲参照)。逐次希釈された抗菌剤の各試験管を接種するために、50μlの希釈された接種物をブロスの表面の下にピペットにより供給した。試験管を次に撹拌し、10分(およそ0.2時間)以内の生存数を得るためにプレートした。もとの接種物は未処理の成長対照を用いて決定した。5×10−5×10CFU/mlの範囲の初期接種物を含む試験管のみが許容できる(Pankuch, Jacobsら、およびPankuch, Lichtenbergerら、前掲参照)。
【0169】
無菌の各試験管からの10倍希釈の0.1mlアリコートをトリプチカーゼ大豆寒天5%ヒツジ血液寒天プレート(BBL)上のMueller−Hintonブロスにプレートすることにより抗菌剤含有懸濁液の生存数計測を行った。回収プレートを72時間までインキュベートした。30−300コロニーを生じるプレートに関してコロニー計測を行った。コロニー数の感受性の下限は300CFU/mlであった(Jacobsら、およびPerkuch, Lichtenbergerら、前掲参照)。
【0170】
0時間での計測数と比較して、0、3、6、12および24時間で−1、−2および−3のΔlog10CFU/mlを生じる菌株の数を測定することにより時間−殺菌検定を分析した。殺菌剤は、各時間で、もとの接種物を≧3log10CFU/ml(99.9%)減少させる最低濃度で殺菌性であるとみなし、接種物が0−<log10CFU/ml減少する場合には静菌性であるとみなす。これらの研究において使用される感受性閾値および接種物について、存在するならば99.9%殺菌においてなんの問題もない。細菌のキャリーオーバーは前記のような希釈による(Pankuch, Jacobsら、およびPankuch, Lichtenbergerら、前掲参照)。マクロライド時間−殺菌試験について、MIC≦4.0μg/mlの菌株のみを試験した。
【0171】
時間−殺菌により試験したミクロブロス希釈MICの結果を表8に示す。ミクロ希釈MICはすべて寒天MICの1希釈以内である。2キノリン耐性株(いずれもペニシリン感受性)について、ジェミフロキサシンミクロブロスMICはそれぞれ0.5および0.25μg/mlである。時間−殺菌結果(表9)から、MICでのレボフロキサシンおよび2×MICでのスパルフロキサシンおよび4×MICでのトロバフロキサシンは24時間後に殺菌性である。3時間後にすべてにキノリンによるさまざまな程度の90%および99%殺菌が検出される。ジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンはいずれも2のキノロン耐性肺炎双球菌株について2×MICで殺菌性である。ジェミフロキサシンは≦0.5μg/mlで24時間後に殺菌性である。アモキシシリン(2×MIC)およびセフロキシム(4×MIC)は24時間後に殺菌性であり、より早い時間である程度の殺菌性を示し、24時間後に2−4×MICですべての株の99.9%を殺菌する。ペニシリン耐性肺炎双球菌株に対するジェミフロキサシンの時間−殺菌を図7にグラフで示す。
【0172】
従来の研究から、メチシリン感受性および耐性スタフィロコッカス・アウレウス、メチシリン耐性スタフィロコッカス・エピダーミディスおよびエス・ニューモニエに対して、ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシンおよびトロバフロキサシンよりも32−64倍活性であることが証明されている。ジェミフロキサシンも腸内細菌科の殆どの要素に対して非常に活性であり、スパルフロキサシンおよびオフロキサシンよりもさらに有効で、シプロフロキサシンに匹敵する活性を有する。ジェミフロキサシンは他のキノロンおよびグリコペプチドに対して耐性のグラム陽性種に対して最も活性な薬剤である。ジェミフロキサシンは嫌気性菌に対してさまざまな活性を有し、グラム陽性菌群に対して非常に活性である(Corican MG, Jones RN. Antimicrobial activity and spectrum of LB 20304, a novel fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1997;31:204; Hohl AF, Frei R, Punter Vら、. International multicenter investigation of LB 20304, a new fluoronaphthyridone. Clin Microbiol Infect 1998; 4:280−284;およびOh J−I, Paek K−S, Ahn M−Jら、. In vitro and in vivo evaluations of LB 20304, a new fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1996;40:1564−1568参照)。
【0173】
ジェミフロキサシンは、すべての試験された肺炎双球菌に対して最低のキノロンMICを示し、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、レボフロキサシンおよびシプロフロキサシンがそれに続く。MICは前記のものと類似している(Pankuch GA, Jacobs MR, Appelbaum PC. Activity of Cp 99,219 compared to DU−6859a, ciprofloxacin, ofloxacin, lebofloxacin, lomefloxacin, tosufloxacin, sparfloxacin and grepafloxacin against penicillin−susceptible ane resistant pneumococci. J Antimicrob Chemother 1995;35:230−232; Spangler SK, Jacobs MR, Appelbaum PC. Susceptibiliteis of penicillin−susceptible and resistant strains of Streptococcus neumoniae to RP 5950, vancomycin, erythromaycin, PD 131628, sparfloxacin, temafloxacin, Win 57273, ofloxacin and ciprofloxacin. Aantimicrob Agents Chemother 1992;36:856−859;およびSpangler SK, Jacobs MR, Pankuch GA, Appelbaum PC. Susceptibility of 170 penicillin−susceptible and resistant pneumococci to six oral cephalosporins, four quinolines, desacetylcefotaxime, Ro 23−9424 and RP 67829. J Antimicrob Chemother 1993;31:273−280参照)。
【0174】
ジェミフロキサシンも、2のキノロン耐性菌株を包含する試験した12の菌株に対して殺菌性を示す。≦0.5μg/mlで、ジェミフロキサシンは12菌株すべてに対して殺菌性である。MICに対する殺菌率は、他のキノロンと同様で、β−ラクタムおよびマクロライドよりも速く顕著な殺菌が起こる(Pankuch GA, Jacobs MR, Appelbaum PC前掲;Pankuch GA, Jacobs MR, Appelbaum PC. Comparatve activity of ampicilin, amoxycillin, amoxycillin/clavulanate and cefotaxime against 189 penicillin−susceptible and resistant pneumococci. J Antimicrob Chemother 1995; 35:883−888.;Visalli MA, Jacobs MR, Appelbaum PC. Activity of CP 99,219(trovafloxacin) compared with ciprofloxacin, sparfloxacn, flinafloxacin, lomefloxacin and cefuroxime agaist ten penicillin−susceptible and penicillin−resistant pneumococci by time−kill methodology. J Antimicrob Chemother 1996; 37:77−84;およびVisalli MA, Jacobs MR, Appelbaum PC. MIC and time kill study of activities of DU−6859a, ciprofloxacin, levofloxacin, sparfloxacin, cefotaxime, imipenem and vancomycin against nine penicillin−susceptible and resistant pneumococci. Antimicrob Agents Chemother 1996; 40:362−355)。キノロンおよびキノロン以外の化合物の殺菌速度はすでに記載されているものと同様である(14、1−18)Pankuch GA, Jacobs MR, Appelbaum PC.前掲;Pankuch GA, Jacobs MR, Appelbaum PC.前掲;Visalli MA, Jacobs MR, Appelbaum PC. Activity of Cp 99,219(trovafloxacin)compared with ciprofloxacin, sparfloxacin, clinafloxacin, lomefloxacin and cefuroxime against ten penicillin−susceptible and penicillin−resistant pneumococci by time−kill methodology. J Antimicrob Chemother 1996; 37:77−834; Visalli MA, Jacobs MR, Appelbaum PC.前掲)。
【0175】
証明されるように、ジェミフロキサシンはキノロン感受性およびキノロン耐性肺炎双球菌のいずれに対しても、MICおよび時間−殺菌により試験された最も有効なキノロンである。キノロン耐性肺炎双球菌の発生率は現在非常に低いが、広範囲のキノロンを、特に小児集団における臨床例に導入することにより、キノロン耐性菌株の選択につながる可能性がある。キノロン、たとえばジェミフロキサシンは、医師により決められた適切な用量を用いて、小児環境において用いることができる。加えて、キノロン耐性肺炎双球菌について、ジェミフロキサシンを治療の選択肢として用いることができる。ジェミフロキサシンは、キノロンおよび他の薬剤に対する菌株の感受性に関係なく、将来有望な抗肺炎双球菌剤である。
【0176】
【表33】
Figure 2004507440
【0177】
【表34】
Figure 2004507440
【0178】
【表35】
Figure 2004507440
【0179】
【表36】
Figure 2004507440
【0180】
【表37】
Figure 2004507440
【0181】
本発明により、肺炎双球菌での感染の疑いがあるかまたは感染する危険性のある哺乳動物、好ましくはヒトに、抗菌的に有効量のキノロン、特にジェミフロキサシンを含む組成物を投与する工程を含む、肺炎双球菌による細菌感染症を治療または予防する方法が提供される。
本発明の好ましい態様は、前記肺炎双球菌が:ペニシリン感受性、中間性および耐性(シプロフロキサシン−耐性を包含する)肺炎双球菌からなる群から選択される方法を提供する。他の肺炎双球菌も該方法に含むことができる。当業者らは、本発明に記載されたように、また当該分野で一般的な他の方法、たとえばMIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
【0182】
本発明は、とりわけ、上顎洞洞に対してキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
本発明は、一つには、さまざまな病原菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づくものであった。これらの分析の目的は、最近の急性または慢性上顎静脈洞炎から単離された合計250以上の菌株に対する新規フルオロキノリン、ジェミフロキサシン(SB−265805)の、シプロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびレボフロキサシンの活性と比較した活性を測定することであった。MICは寒天希釈技術により測定した。ジェミフロキサシン(MIC900.06μg/ml)のストレプトコッカス・ニューモニエ分離菌に対する活性は、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、グレパフロキサシン、モキシフロキサシンおよびスパルフロキサシンよりも優れている(MIC90≦0.02μg/ml)。試験した嫌気性菌株に対して、ジェミフロキサシンおよびモキシフロキサシンについて、同様の活性(MIC90≦0.02μg/ml)が観察された。モラクセラ・カタラーリスおよびヘモフィルス・インフルエンゼは、シプロフロキサシン、アモキシシリンおよびアモキシシリン/クラブラン酸(MIC90≧1μg/ml)よりも有効である(MIC900.06μg/ml)。さまざまな他の菌株、たとえば、ある種の腸内細菌または非発酵グラム陰性桿菌に対するジェミフロキサシンの活性は、オフロキサシン、トロバフロキサシン、モキシフロキサシンおよびスパルフロキサシン(MIC900.5μg/ml)と類似している。ヒトにおける好ましい薬物動力学と組み合わせて、ジェミフロキサシンは、通常の経口治療薬に対して耐性の分離株により引き起こされる急性または慢性静脈洞炎の治療用の有効な経口化合物である。
【0183】
他のキノロンと同様に、ジェミフロキサシンは、DNAジャイレース(gyrase)、細菌DNAトポイソメラーゼのAサブユニットの通常の機能を阻害することにより作用する。感受性研究において、ジェミフロキサシンは、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ピオゲネスおよびメシチリン耐性スタフィロコッカス種を包含する多くのグラム陽性生物に対して殆どのフルオロキノロンよりも顕著に活性である。ジェミフロキサシンは一連の耐性グラム陰性バチルスに対して活性を保持する。これはさまざまな嫌気性および不定型呼吸病原菌、たとえば、レジオネラ・ニューモフィラ、マイコプラズマ種、およびクラミジア種に対して有効な活性を有する。
【0184】
本明細書に記載した研究の目的は、急性または慢性上顎洞感染症から近年単離されたさまざまな菌株、たとえば、ヘモフィルス種、エス・ニューモニエおよびモラクセラ・カタラーリスに対するジェミフロキサシン、スパルフロキサシン、アモキシシリンおよびアモキシシリン/クラブラン酸のMICを測定することであった。
【0185】
さまざまな菌株が、最近、上顎洞吸引から得られた。検体からの新鮮な分離株を培養して、純粋な培養物を産生した。生物またはアンチビオグラムにおける変化が顕著でない限り、同じ患者または供給源からの複数の培養は除外した。生物の同定は、標準的方法により行った(Murrayら、In:Manual of Clinical Microbiology (6th edition), American Society of Microbiology, 1995:pp282−620参照)。250の選択された分離株に対して抗菌活性を試験した(表10)。通常単離される静脈洞炎生物または通常の経口療法に対して耐性を示す生物を含む可能な限り多くの分離株を試験することに重点をおいた。
【0186】
生物を一連の寒天プレート上に濃度を増加させて繰り返しプレートする寒天希釈法を用いた(National Committee for Clinical aerobically, Approved standards M 7−A4. National Committee for Laboratory Standards, Villanova, PA, 1997参照)。一連の二倍希釈を256から0.02μg/mlまで行った。
ストック溶液を調製するために、抗生物質を水または対応する溶解溶液中に溶解させた。抗菌ストック溶液を1000μg/mlまたは試験した最高の濃度の10倍のどちらか高い方の濃度で調製した。小体積の無菌ストック溶液を無菌ポリプロピレンバイアル中に調剤し、慎重に密封し、−20℃〜−60℃以下で保存した。バイアルを必要に応じて取り出し、同日に用いた。未使用の薬剤は捨てた。
【0187】
Mueller−Hinton(M−H)寒天を好気性および任意の嫌気性菌の慣例の感受性試験のために用いた。補足していない培地上で成長しない生物を試験するために、、M−H寒天を5%で脱繊維素ヒツジ血液で補足した。好血球を試験するために使用した培地は、Haemophilus Test Medium(HTM)であった。嫌気性菌を試験するために使用した培地は、Wirkins−Chalgren寒天であった。Mueller−Hinton寒天、HTMまたはWilkins−Chargren寒天を、脱水塩基から製造業者の進めにしたがって調製した。オートクレーブ処理後、抗菌剤溶液を添加する前に、寒天を水浴中で48から50℃に冷却させた。寒天の各バッチのpHをオートクレーブ処理後にチェックした。培地のpHは25℃で6.9−6.95であった。pH電極の標準的組合せまたは表面電極を用いて測定を行った。
【0188】
抗菌剤溶液の適当な希釈液をM−H寒天、HTMまたはWilkins−Chalgrenに添加し、これを水浴中で48−50℃で平衡にした。寒天および抗菌剤溶液をよく混合し、表面が水平なペトリ皿中に注いだ。容器内の冷却および部分的凝固を防止するために、混合後できるだけ素早くペトリ皿を注いだ。寒天の深さは3から4mmの間であった。寒天を室温で凝固させた。プレートを直ちに用いるかまたはプラスチック製フリーザー用バッグ中で4℃で4週間まで保存した。保存後、プレートを使用前に室温で平衡にした。表面は接種前に乾燥した。
【0189】
5.0mlのM−Hブロスを含む試験管中に単一種の4−5コロニーを接種することにより、標準化接種物を調製した。この細菌懸濁液を35℃で視覚的に濁るまでインキュベートした。M−Hブロスの添加により、0.5McFarlandの濁度にこの接種物の密度を調節した。調節した懸濁液を無菌塩化ナトリウム溶液中で1:10に希釈して、10CFU/mlの所望の接種濃度を得た。複製装置を用いて、寒天上の最終接種物は5−8mmの部分に10CFU/mlを含んでいた。
【0190】
寒天の表面は接種前に乾燥した。プレートを蓋を開けてインキュベーター中に入れた。調節し、希釈した最近懸濁液を含む試験管(10CFU/ml)を棚に順番に並べた。各懸濁液のアリコートをレプリケーターブロック中の対応するウェル中に入れた。接種物複製装置を用いて接種物を寒天表面に適用した。対照プレートを最初に、第二のプレートを最後に接種して、接種プロセス中に汚染または微生物のキャリーオーバーが起こらないようにした。
接種物中の水分が寒天中に吸収されるまで、接種したプレートを室温で放置した。プレートを反転させ、好気性菌または任意の嫌気性菌については好気性雰囲気中で、好血球については5−7%COを含む雰囲気中で、嫌気性菌については嫌気性雰囲気中で、35℃で24時間インキュベートした。
【0191】
感受性結果を表11−14に示す。経口化合物と比較したジェミフロキサシンに対するグラム陽性球菌(cocci)の感受性を表11に示す。グラム陽性球菌に対するジェミフロキサシンの活性は、試験されたある種の通常の経口化合物、たとえば、レボフロキサシン、オフロキサシン、アモキシシリンまたはアモキシシリン/クラブラン酸よりも著しく優れている(p<0.05)。ジェミフロキサシンは0.06μg/mlの濃度で、グラム陽性球菌の90%を阻害する。エス・ニューモニエに対して、ジェミフロキサシンの活性(MIC900.06μg/ml)はトロバフロキサシンと類似しているが、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、およびスパルフロキサシン(MIC90≧0.5μg/ml)よりも優れている。エス・アウレウス洞病原菌に対して、ジェミフロキサシン、モキシフロキサシン、トロバフロキサシン(MIC900.06μg/ml)およびスパルフロキサシン(MIC900.12μg/ml)は試験されたうちで最高に活性な化合物である。ジェミフロキサシンの活性は、シプロフロキサシン、アモキシシリン(MIC901μg/ml)およびアモキシシリン/クラブラン酸(MIC902μg/ml)よりも重大である。
【0192】
表12は好血球種のジェミフロキサシンに対する感受性を示す。エッチ・インフルエンゼの株はジェミフロキサシンに対してMIC90が<0.02μg/mlで感受性である。この活性はオフロキサシン、モキシフロキサシン、スパルフロキサシン、アモキシシリンおよびアモキシシリン/クラブラン酸塩よりも有意に優れている。ヘモフィルス・パラインフルエンゼに対して、ジェミフロキサシン(MIC90 0.12μg/ml)はオフロキサシン(MIC90 0.5μg/ml)、モキシフロキサシン(MIC90 0.5μg/ml)、スパルフロキサシン(MIC90 1μg/ml)、アモキシシリン(MIC90 1μg/ml)およびアモキシシリン/クラブラン酸塩(MIC90 0.5μg/ml)よりもさらに優れている。
【0193】
表13はエム・カタラーリスのジェミフロキサシンに対する感受性を示す。エム・カタラーリスに対して、ジェミフロキサシンおよびグレパフロキサシン(MIC90≦0.02μg/ml)は試験した内で最も活性な化合物である。ジェミフロキサシンの活性は、スパルフロキサシン、アモキシシリン/クラブラン酸(MIC900.5μg/ml)およびアモキシシリン(MIC908μg/ml)よりも著しく優れている。
上顎洞からの単離されたさまざまな菌株の感受性はを表14に示す。嫌気性菌株に対して、ジェミフロキサシン(MIC900.25μg/ml)およびモキシフロキサシン(MIC900.25μg/ml)は試験した内で最も活性な薬剤である。しかしながら、ジェミフロキサシンの活性は、オフロキサシン(MIC902μg/ml)、トロバフロキサシン(MIC904μg/ml)、グレパフロキサシン(MIC908μg/ml)、およびスパルフロキサシン(MIC9016μg/ml)よりも著しく優れていた。他のさまざまな菌株に対して、ジェミフロキサシンは、オフロキサシン、トロバフロキサシン、モキシフロキサシンおよびスパルフロキサシン(MIC900.5μg/ml)と同程度に活性である。
【0194】
ジェミフロキサシンは、急性または慢性上顎洞から単離された殆どの菌株に対して広範囲の抗菌活性を示す。さらに、ジェミフロキサシンは、多くの上顎洞分離株、たとえば、エス・アウレウス、ヘモフィルス種、エム・カタラーリスおよび嫌気性菌株に対して、殆どのβ−ラクタム、たとえば、アモキシシリンおよびアモキシシリン/クラブラン酸よりも良好で、一定な活性を有する。エス・ニューモニエの菌株に対するジェミフロキサシンの全体的なインビトロ活性は、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシンおよびスパルフロキサシンよりも著しく優れている。ジェミフロキサシンのもう一つの魅力的な特性は、該化学物質がヘモフィルス種、エム・カタラーリス、いくつかの嫌気性菌株および他の試験したさまざまな菌株、たとえば、非発酵性グラム陰性桿菌、ナイセリア・メニンギティディスおよびベータ−溶血性ストレプトコッカスに対して顕著な活性を有することである。ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、グレパフロキサシンおよびトロバフロキサシンは、ヘモフィルス種およびモラクセラ・サイヌス分離株に対して試験した最も活性な化合物であった。この特定の活性は、エイチ・インフルエンゼのベータ−ラクタマーゼ産生菌株に対して、また、ペニシリンに対してアレルギーである患者において著しく重要である。ヒトにおいて好ましい薬物動力学と組み合わせて、ジェミフロキサシンは、通常の経口治療に対して耐性の微生物により引き起こされる急性または慢性静脈洞炎の治療に有用な経口化合物である。
【0195】
【表38】
Figure 2004507440
【0196】
【表39】
Figure 2004507440
【0197】
【表40】
Figure 2004507440
【0198】
【表41】
Figure 2004507440
【0199】
【表42】
Figure 2004507440
【0200】
本発明により、上顎洞病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染する危険性のある哺乳動物、好ましくはヒトに、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与することを含む上顎洞病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も提供される。
本発明の好ましい目的は、前記上顎洞病原菌が:ストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、ヘモフィルス・パラインフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリス、スタフィロコッカス・アウレウス、ペプトストレプトコッカス種、バクテロイデス・ウレアリティカス、腸内細菌、非発酵性グラム陰性桿菌、ナイセリア・メニンギティディス、バクテロイデス種、ベータ−溶血性ストレプトコッカスおよびグラム陰性桿菌からなる群から選択される方法を提供する。他の上顎洞病原菌も該方法に含まれる。当業者らは、本発明に記載するように、また当該分野において一般的な他の方法、たとえばMIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
【0201】
本発明は、一つには、さまざまなグラム陰性、非発酵性病原菌、特にシュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター種、ステノフォモナス・マルトフィリアに対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づく。
178グラム陰性非発酵性臨床分離株に対するフルオロキノロンジェミフロキサシン(SB−265805)のインビトロ活性を他の選択された抗菌剤と比較した。これらの分析の目的は、ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ジェンタマイシンおよびコトリモキサゾールのMICを測定することであり、これは、シュードモナス・エルジノーサ、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、アシネトバクター種のそれぞれの50分離株およびブルクホルデリア・セパシアの28菌株に対して、カチオン調節されたMueller−Hintonブロス中ブロスミクロ希釈に行った。得られたMIC50/MIC90値を表15に示す。
【0202】
ジェミフロキサシンは広範囲におよぶグラム陰性およびグラム陽性菌に対して非常に活性である。本発明の一の態様は、一つには、他のフルオロキノロン、ジェンタマイシンおよびコトリモキサゾールと比較した、臨床的に関連した非発酵性グラム陰性桿菌のジェミフロキサシンに対する感受性を試験する別の分析に基づく。
グラム陰性非発酵性菌の合計178の臨床分離株を調査した:シュードモナス・エルジノーサ(n=50)、アシネトバクター種(n=50)、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(n=50)およびブルコホルデリア・セパシア(n=28)。NCCLSガイドラインにしたがってカチオン調節したMueller−Hintonブロス中ブロスミクロ希釈技術を用いて、ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ジェンタマイシンおよびコトリモキサゾールのMICを測定した。MIC終点を視覚的な最近の成長を防止する薬剤の最低濃度とみなした。
【0203】
表15は、グラム陰性非発酵性菌に対するジェミフロキサシンおよび他の抗微生物剤のインビトロ抗菌活性を示す。表16および17は、それぞれジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンのMIC分布を示す。ピー・エルジノーサ、アシネトバクター種およびエス・マルトフィリアに対するジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシンおよびトロバフロキサシンのMIC分布を、それぞれ図8および9に示す。
【0204】
ピー・エルジノーサに対して、ジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンは、トロバフロキサシンおよびレボフロキサシンよりも活性である。アシネトバクター分離株は、トロバフロキサシンおよびジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンに対して最も感受性であり、80またはそれ以上の菌株が、1μg/mlの試験したすべてのフルオロキノロンにより阻害される。ジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンは、エス・マルトフィリアに対する試験した最も活性な化合物である。シプロフロキサシンは最も活性が低い薬剤であるが、50%以上のエス・マルトフィリア菌株が≧2μg/mのMICを有していた。すべての試験したキノロンは、ビー・セパシアに対して不十分な活性を示す。
【0205】
【表43】
Figure 2004507440
【表44】
Figure 2004507440
【0206】
【表45】
Figure 2004507440
【0207】
【表46】
Figure 2004507440
【0208】
本発明により、グラム陰性非発酵性病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染する危険性のある哺乳動物、好ましくはヒトに、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、グラム陰性非発酵性病原菌による細菌感染症に治療または予防法も提供される。
本発明の好ましい目的は、前記グラム陰性非発酵性病原菌が:シュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター種、ステノトロフォモナス・マルトフィリアおよびブルコホルデリア・セパシア菌からなる群から選択される方法を提供する。他のグラム陰性非発酵性病原菌も該方法に含まれる。当業者らは、本発明に記載するように、また当該分野において一般的な他の方法、たとえばMIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
【0209】
本発明は、とりわけ、クラミジア・ニューモニエまたは気道細菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシンを含む組成物を使用する方法を提供する。
本発明は、一つには、さまざまなクラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づく。これらの分析の目的は、最近の臨床分離株を包含するシー・ニューモニエの20の分離株に対するレボフロキサシン、トロバフロキサシン、エリスロマイシンおよびドキシサイクリンと比較したジェミフロキサシンのインビトロ活性を測定することである。
【0210】
ジェミフロキサシンは、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラクセラ・カタラーリス、マイコプラズマ・ニューモニエ、およびレジオネラ種を包含する気道病原菌に対して有効な活性を有する。ジェミフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、トロバフロキサシン、エリスロマイシンおよびドキシサイクリンの活性を、プロトタイプ株TW183、米国および日本からの4の他の実験室株+集団獲得性肺炎の成人からの15の最近の米国臨床分離株を包含するクラミジア・ニューモニエの20の分離株に対して比較した。試験をシクロへキシイミド処理したHEp−2細胞において行った。結果を表18に示す。
【0211】
実験した化合物のうち、ジェミフロキサシンがシー・ニューモニエに対して最も活性なキノロンであるが、エリスロマイシンおよびドキシサイクリンよりも活性が低い。ジェミフロキサシンの有効で広範囲の活性は、これがシー・ニューモニエにより引き起こされるものを包含する気道感染症の治療において役割を果たすことを示す。
クラミジア・ニューモニエは、成人および小児における肺炎および気管支炎を包含する集団獲得性気道感染症(RIT)の主な原因である。キノロンは、これらの感染症の原因となる広範囲におよぶ病原菌、たとえば、マイコプラズマ・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ニューモニエ(ペニシリン耐性菌を包含する)およびシー・ニューモニエなどに対して活性であるので、集団獲得性RTIの有効な治療法として注目を集めてきた。
【0212】
試験したシー・ニューモニエ分離株は:TW−183(Washington Research Foundation, Seattle, WA, USA)、CM−1(ATCC1360)、J21(日本から、ATCC VR1435)、W6805、T2219および成人から得られる複数の医療機関にまたがった集団獲得性肺炎治療研究において登録された15の最近の臨床分離株陰性非発酵性菌であった。
試験は、96−ウェルマイクロタイタープレート中成長させたHEp−2細胞において行った。各ウェルに、1mlあたり10−10インクルージョン形成単位(IFU)になるように希釈された0.1ml試験菌株を接種し、1700×gで1時間遠心分離し、35℃で1時間インキュベートした。ウェルを次に吸引し、1mlあたり1μgのシクロへキシイミドおよび試験薬剤の逐次二倍希釈物を含む0.2mlの培地で覆った。35℃で72時間インキュベーションした後、培養物を固定し、リポポリサッカライド属抗原に対するフルオレセイン接合抗体を有するインクル−ジョンについて染色した(Pathfinder, Kallestad Diagnostics, Chaska, MN, USA)。
本発明において、「MIC」とは、インクルージョンが見られない最低抗菌剤濃度を意味する。最小殺菌剤濃度(「MBC」)は、抗菌剤のない細胞における形態後にインクルージョンがない最低抗菌剤濃度として定義される。
シー・ニューモニエのMICおよびMBCを表1に示す。
【0213】
実験した化合物のうち、ジェミフロキサシンが最も活性なキノロンであった。シー・ニューモニエに対してジェミフロキサシンについて得られたMICは株間で一致している。シー・ニューモニエに対するジェミフロキサシンの活性についてのデータは、一つには試験に利用可能な臨床分離株が比較的少ないために、限定されている。Ridgwayらはシー・ニューモニエの5分離株を試験した際に、0.06から0.12μg/mlの範囲のMICを得た。(Ridgway GL, Salman N,ら、In: Abstracts of the 38th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy. Washington, DC, USA: American Society for Microbiology, 1998: p256, abstract F−97)。これは、試験の標準誤差内であるか、または使用した方法に従属的である。
【0214】
この研究において試験した他のキノロン、レボフロキサシン、モキシフロキサシンおよびトロバフロキサシンの活性は、異なる分離株の選択を用いてすでに報告されているものと同じである(Block S, Hedrick J,ら、Mycoplasma pneumoniae and Chlamydia pneumoniae in community acquired pneumonia in children: comparative safety and efficacy of clarithromycin and erythromaycin suspensions. Pediatr Infect Dis J 1995; 14: 471−477; Cormican MG, Jones TN./ Antimicrobial activity and spectrum of LB20304, a novel fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1997; 41: 20−211; Grayston JT, Campbell LA,ら、A new respiratory tract pathogen: Chlamydia pneumoniae strain TWAR. J Infect Dis 1990; 161: 618−625; Hammerschlag MR. Community−acquired pneumonia due to atypical organisms in adults: diagnosis and treatment. Infect Dis Clin Pract 1999; 8: 232−240; Moore T, Niconovich N,ら、In: Abstractsw of the 38th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy. Washington DC, USA: American Society for Microbioloty, 1998: p257, abstract F−98; Oh J−I, Paek K−Sら、In vitro and in vivo evaluation of LB20304, a new fluoronaphthyridone. Antimicrob Agents Chemother 1996; 40: 1564−1568; Roblin PM, Dumornay W,ら、. Use of HEp−2 cells for improved isolation and passage of Chlamydia pneumoniae. J Clin Microbiol 1992; 30: 1968−1971)。インビトロのジェミフロキサシンの広範囲の活性は、シー・ニューモニエ感染症を包含するRTIの治療においてこれらが役割を果たすことを意味する。
【0215】
本発明の一の態様は、クラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌の代謝を調節する方法を提供する。当業者らは、本発明の方法を実施するために、クラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌またはこれらの生物で感染しているかまたは感染しやすい患者を容易に選択することができる。あるいは、本発明の方法において有用な細菌は本明細書において記載されているものである。
【0216】
【表47】
Figure 2004507440
【0217】
本発明のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物または組成物は、関連する細菌、好ましくはクラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌に対して全身性効果を達成するために体内に留置する装置を挿入する直前に注射により投与することができる。治療は、装置の体内時間中手術後も継続することができる。加えて、組成物は、クラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌により引き起こされるかまたは関連した細菌による傷の感染症を予防するための任意の外科技術をペリオペラティブカバーを広げるために用いることもできる。
【0218】
上記した療法に加えて、本発明の方法において使用されるジェミフロキサシン化合物または組成物は、一般的にマトリックスタンパクに対する、創傷組織において曝露された細菌、特にクラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌の接着を防止するための傷治療剤として、抗生物質による歯の清浄の代替物として、またはこれと組み合わせて歯科治療において予防的用途に用いることができる。
別法として、本発明のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物または組成物は、体内に留置する装置を挿入する直前にすすぐために用いることができる。活性剤は、傷または体内留置装置をすすぐために1μg/ml〜10mg/mlの濃度で存在するのが好ましい。
【0219】
クラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染の危険性がある哺乳動物、好ましくはヒトに、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の阻止絵物を投与する工程を含む、クラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌による感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
本発明の好ましい目的は、前記したクラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌が:クラミジア・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラセラ・カタラーリス、マイコプラズマ・ニューモニエおよびレジオネラ種からなる群から選択される方法を提供する。他のクラミジア・ニューモニエまたは気道病原菌も該方法に含まれる。当業者は、本発明に記載したようにして、また当該分野で一般的な他の方法、たとえば、MIC試験を用いて、これらの生物を同定することができる。
【0220】
本発明は、とりわけ、気道細菌に対してキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を用いる方法を提供する。
本発明は、一つには、さまざまな気道病原体に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づく。これらの分析の目的は、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンゼのシプロフロキサシン耐性(cip)菌株の効果を測定することである。
【0221】
ジェミフロキサシンを、アモキシシリン/クラブラン酸塩、シプロフロキサシン、セフロキシム、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、アジスロマイシン、トロバフロキサシンまたはトスフロキサシンと比較した。広範囲の抗菌活性を有するフルオロキノロン剤であるジェミフロキサシンは、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンゼのシプロフロキサシン感受性(cip)菌株に対して優れたインビボ効力を有する。気管支内点滴により感染させて肺炎を発症させ、1時間または25時間に、アモキシシリン/クラブラン酸塩、シプロフロキサシン、セフロキシム、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、アジスロマイシン、トロバフロキサシンまたはトスフロキサシンで経口治療を開始した。ラット血清または組織において、治療投薬後のヒトにおいて測定される濃度に近くなるように用量を選択した。治療を一日に月1回または2回、3日間続け、感染後96時間に、肺を切除して、回収し、生存細菌数を数えた。
【0222】
エス・ニューモニエのcip菌株での感染後、ジェミフロキサシンは著しい応答を生じ、未処置のものと比較して、著しく細菌数が減少した(p≦0.01)。他のフルオロキノロン抗菌剤でジェミフロキサシンよりも細菌数の減少に優れたものはなく、シプロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびレボフロキサシンは著しく効力が低い(p≦0.05)。cipエッチ・インフルエンゼにより引き起こされた感染に対して、ジェミフロキサシンは、未処置と比較して細菌数を著しく減少させ(p≦0.01)、アモキシシリン/クラブラン酸と同程度に有効であった。対照的に、シプロフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシンは有効でなく、細菌数は未処置の動物におけるのとあまり変わらなかった(p≧0.05)。このデータは、cip エス・ニューモニエおよびエッチ・インフルエンゼにより引き起こされる気道感染症の治療において、ジェミフロキサシンの使用は非常に有効であることを示す。
【0223】
肺炎、気管支炎、静脈洞炎および中耳炎を包含する気道感染症(RTI)は、世界的な罹患および死の一般的な原因である。ストレプトコッカス・ニューモニエは上部および下部RTIの重要な病原菌である。β−ラクタムおよびマクロライド抗菌剤はRTIの優れた治療法であるが、細菌新規キノロンが臨床および/または研究的用途に利用可能になってきた。これらの薬剤は、ペニシリン耐性エス・ニューモニエに対するものを包含する広範囲の抗菌活性を有する。しかしながら、これらの使用は、エス・ニューモニエの菌株において見いだされるものに対する耐性の発生率が増大することにより制限される。ジェミフロキサシンは、現在集団獲得性感染症の治療のために開発中のフルオロキノロン抗菌剤であり、エス・ニューモニエおよびエッチ・インフルエンゼのシプロフロキサシン感受性菌株に対して優れたインビボ効率を有する。本明細書に記載した研究から、ラットにおいてシプロフロキサシン耐性エス・ニューモニエおよびエッチ・インフルエンゼにより引き起こされる実験的RTIに対するシプロフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アモキシシリン/クラブラン酸、セフロキシムおよびアジスロマイシンと比較したジェミフロキサシンメシレートの効率が証明される。
【0224】
血寒天プレートから成長物を収穫し、これをリン酸塩緩衝塩溶液(PBS)中に懸濁させることにより、エス・ニューモニエの細菌接種物を調製した。エッチ・インフルエンゼを5%フィルデス(Fildes)抽出物を添加したMueller−Hintonブロス中で一夜培養物として成長させた。各生物の10倍希釈物を冷却した(41℃)の溶融栄養寒天中に調製した。動物を麻酔し、気管支内挿管法により、エス・ニューモニエ(6.0−6.7log10CFU)について50μl、エッチ・インフルエンゼ(5.2log10CFU)について100μlの接種物の気管支内点滴により感染させた(Smith,ら、Antimicrob. Agents Chemother., 38: 608−610 (1994)参照)。エス・ニューモニエ感染症に関して、経口療法を感染後1時間で開始し、5時間にさらに投薬し、3日間一日に月1回または2回続けた。エッチ・インフルエンゼ感染症の治療は、感染後24時間に開始し、3日間一日につき1回または2回続けた。ラットの別の群に蒸留水を与え、感染対照動物とした。治療停止のおよそ17時間後に、動物を塗擦し、肺を摘出し、1mlのPBS中でホモジナイズして、回収および生存筋の計数を可能にした。
【0225】
感染生物に対するこれらの薬剤のMICを表19に示す。投与される用量は、ラットにおいて、治療投薬後ヒトにおいて達成される血清または組織AUSに近似させるように選択した(表20)(Wise,ら、J Antimicrob. Chemother., 18 (Suppl D): 71−81 (1986); Harding,ら、Antimicrob. Agents Chemother., 25: 78−82 (1984); Foulds,ら、J Antimicrob. Chemother., 25 (Suppl. A): 73−82 (1990); Teng,ら、J. Antimicrob. Chemother., 39 (Suppl. B): 87−92 (1997); Chien,ら、J. Antimicrob. Chemother., 41: 2256−2260 (1997); Minami,ら、Antimicrob. Agents Chemother., 42: 453−45 (1998); Efthymipoulous, J. Antimicrob. Chemother., 40 (Suppl. A): 35−43 (1997))。同じAUCを維持しながら曝露の期間を拡大するために、ジェミフロキサシンおよび選択された薬剤を一日につき2回特定の研究における用量の半量で投与した。
【0226】
エス・ニューモニエ 622286(図10)で感染させた後、ジェミフロキサシンは反応を示し、未処理動物に比べて著しく細菌数を減少させる(2.4±1.1および6.4±1.3log10CFU/肺;p≦0.01)。アモキシシリン/クラブラン酸塩およびセフロキシムは有効な効果を有するが(≦1.69log10CFU/肺;p≦0.01)、アジスロマイシンは生存応答を生じ、平均細菌数は未処理動物におけるのと同様であった(6.4±2.0log10CFU/肺;p≧0.01)。試験した比較剤であるキノロンのうち、トスフロキサシンは、ジェミフロキサシン(3.9±2.3log10CFU/肺;p≧0.05)と類似した良好な効果を示す。ジェミフロキサシンはアジスロマイシン、およびフルオロキノロンシプロフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシンおよびレボフロキサシンよりも細菌数の減少において非常に優れている。
【0227】
エス・ニューモニエ 305313で感染させた後、未処理動物における細菌数は7.1±1.4log10CFU/肺(図11)である。ジェミフロキサシンは、アモキシシリン/クラブラン酸塩、セフロキシムおよびアジスロマイシン(それぞれ2.1±2.01.4、≦1.69、≦1.69、≦1.69log10CFU/肺;p≧0.05)についてみられるのと同様の応答を示す。シプロフロキサシン、トスフロキサシンおよびレボフロキサシンは、未処理対照(2.6±1.0および4.3±1.03log10CFU/肺;p≦0.01)におけるのと比較すると著しく異なる;グレパフロキサシンについて細菌数の減少は、ジェミフロキサシンについて得られるのと類似し(p>0.05)、トロバフロキサシンはあまり有効でない(p≦0.01)。興味深いのは、この研究においてグレパフロキサシンに関して得られる結果は、この菌株に対するインビトロ活性から予想されるよりも良好である。
【0228】
同じAUCを維持しながらジェミフロキサシンの曝露期間を拡大する効果を、一日当たり2回、それぞれ150、100、62.5および20mg/kgの用量を用いて、グレパフロキサシン、レボフロキサシンおよびトロバフロキサシンとの直接比較において調べた(図12)。エス・ニューモニエ305313で感染した動物から単離された細菌数は、7.9±0.4であり、これらは治療された動物から得られるよりも著しく高い。しかしながら、ジェミフロキサシンは、最大の応答を生じ、グレパフロキサシン、レボフロキサシンおよびトロバフロキサシン」よりも著しく有効である(それぞれ、3.3±1.3、6.9±0.5、5.7±1.3および5.3±1.2log10CFU/肺;p≦0.01)。
【0229】
エッチ・インフルエンゼ H143(シプロフロキサシン耐性)での感染後、未処理動物における細菌数は5.1±1.2log10CFU/肺であり、シプロフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシンおよびトロバフロキサシン処理された動物から得られるものと類似している(それぞれ、4.3±1.2、3.7±1.4、3.9±1.8および3.8±1.4log10CFU/肺;p≧0.05)(図13)。対照的に、ジェミフロキサシンは、アモキシシリン/クラブラン酸塩、アジスロマイシン、セフロキシムおよびレボフロキサシンと有利に比較される応答を生じる。
【0230】
ジェミフロキサシンは、エス・ニューモニエおよびエッチ・インフルエンゼのシプロフロキサシン耐性菌株に対して防御を提供し、細菌数は未処理動物におけるのと比較して著しく減少する。全体として、ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシン耐性S. pneumonia菌株に対して、比較剤であるキノロンと比べて優れた効果を示す。エッチ・インフルエンゼのシプロフロキサシン耐性菌株に対して、ジェミフロキサシンは、アモキシシリン/クラブラン酸塩、アジスロマイシン、セフロキシムおよびレボフロキサシと同等の効力を有し、シプロフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシンおよびトスフロキサシンは有効でない。本明細書において記載するデータは、エス・ニューモニエおよびエッチ・インフルエンゼのシプロフロキサシン耐性菌株により引き起こされるRTIの治療においてジェミフロキサシンの使用は非常に有用であることを示す。
【0231】
【表48】
Figure 2004507440
【0232】
【表49】
Figure 2004507440
【0233】
気道病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染の危険性のある哺乳動物、好ましくはヒトに、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、気道病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
本発明の好ましい目的は、前記気道病原菌が:ストレプトコッカス・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンゼからなる群から選択される方法を提供する。他の気道病原菌も該方法に含まれる。当業者らは、本発明に記載したようにして、また当該分野において一般的な他の方法、たとえば、MIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
【0234】
本発明は、とりわけ、細菌性髄膜炎菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
本発明は、一つには、さまざまな細菌性髄膜炎菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づく。これらの分析の目的は、エス・ニューモニエ 1629により引き起こされる未成熟ラット髄膜炎に対して、バンコマイシン、セフォトキシム、セフロキシム、シプロフロキサシン、レボフロキサシンおよびトロバフロキサシンと比較したジェミフロキサシンの効力を測定することである。
【0235】
ジェミフロキサシン(100mg/kg)はエス・ニューモニエ髄膜炎に対して非常に有効であり、未処理(p≦0.01;7日まで生存した動物はいない)と比較して83%の生存が得られた。対応する用量でジェミフロキサシンよりもエス・ニューモニエ髄膜炎に対して著しく(p≧0.05)優れた防御を提供した比較薬剤はなかった。このデータは、細菌性髄膜炎の治療におけるジェミフロキサシンの利点を示す。
【0236】
小児における細菌性髄膜炎は実質的な罹患および死をもたらす(Baraff,ら、Pediatric Infectious Disease Journal, 12: 389−394 (1993))。神経学的効果、たとえば麻痺、発作または聴力損失は、この重大な感染症の結果から生じ得る。小児における細菌性髄膜炎に関連する重大な病原菌の一つがストレプトコッカス・ニューモニエである。(Kornelisse,ら、Clin. Infec. Dis., 21: 1390−1397 (1995))。ジェミフロキサシンは、エス・ニューモニエの菌株に対して優れたインビトロ効力を有する広域のフルオロキノロンである。本明細書に記載した研究は、エス・ニューモニエ 1629により引き起こされる未成熟ラット髄膜炎に対して、バンコマイシン、セフォタキシム、セフロキシム、シプロフロキサシン、レボフロキサシンおよびトロバフロキサシンとの比較におけるジェミフロキサシンメシレートの効力を示す。
【0237】
ジェミフロキサシンのインビトロ活性を、ストレプトコッカス・ニューモニエにより引き起こされる未成熟ラットにおける実験的髄膜炎モデルにおいて評価した。感染後15時間に、髄膜炎を確認するためにくも膜下槽の穿刺によりラットから大脳脊髄を得た。治療(50および/または100mg/kg腹膜組織内)を感染後15時間に、ジェミフロキサシン、バンコマイシン、セフォトキシム、セフロキシム、レボフロキサシン、トロバフロキサシンまたはセフトリアキソンを用いて開始した。治療をさらに3日間、毎日(o.d.)または一日につき2回(bid)続け、生存を感染後7日までモニターした。
【0238】
雌スプラグ−ドーリー(CD)ラット(Taconic Farms, New York, NY, USA)をケージごとに1匹入れ、実験室用食餌と水を随意に与えた。ラットを自然に出産させ、未成熟ラットを5日齢でエス・ニューモニエで感染させた。研究期間中、同腹子を母親と一緒にした。エス・ニューモニエ1629をチョコレートII寒天プレート上18時間、5%COの存在下、37℃で成長させ、成長物を収穫して、ストック懸濁液を調製した。吸光度(560nm)分析によりストックの濃度を測定し、感染接種物を、5%ヒツジ血液を含むトリプチカーゼ大豆寒天(TSA)上の生存数計測により確認した(100μlスプレッド)。
【0239】
すでに記載した方法に基づいて髄膜炎を確立させた。(Delaplane,ら、J. Antimicrob. Chemother., 11:69−73(1983))。簡単に言うと、エス・ニューモニエ 1629(20−80CFU/ラット)を5日齢ラットに腹膜組織内注射した。感染後15時間に、サンプルを各ラットの脳脊髄液(CSF)から採取して、髄膜炎状態を確認した。15時間サンプルの直後に治療を開始し、3日間、毎日または一日あたり2回続けた。ラットを実験期間中(7日)生存についてモニターした。感染後4および6日に、CSFおよび血液サンプルを生存する動物から採取した。くも膜下槽の穿刺によりCSFサンプル(10μl)を得、生存細菌数を数えるために血液サンプル(10μl)を尾静脈から採取した。CSFサンプルを目視で検査し、血液を含むことが判明した任意のCSFサンプルを実験から除外した。サンプルを、5%ヒツジ血液を含むTSA上にプレートし、一夜5%COと共に37℃でインキュベートした。生存データをFisher’s exact testを用いて比較した。
【0240】
エス・ニューモニエ 1629に対するMICを表21に示す。血液中の薬剤の濃度およびCSFを測定して、未成熟ラットにおけるAUCを測定した(表22)。
感染後7日に、PBS処置群において生存動物はいなかった(0%)(図14)。すべての治療は、未処置動物と比較して生存率を著しく(p≦0.03)増大させた。ジェミフロキサシンは、100mg/kgおよび50mg/kgで良好な防御を提供し、それぞれ83%および80%の生存率が達成された(p≦0.01)。シプロフロキサシン(100mg/kg)およびレボフロキサシン(100mg/kg)も非常に有効であり、生存率はそれぞれ100%および88%であった(p≦0.01)。従来100mg/kgで毒性が見られたので、50mg/kgで試験したトロバフロキサシンは、56%の若干低い生存率(p≦0.03)を示したが、これは対応する用量のジェミフロキサシンで達成されるもの、または100mg/kg(p≧0.05)で試験された治療薬とあまり変わらない。バンコマイシンは、標準的試薬として含まれ、生存率83%であった(p≦0.01)。
【0241】
ジェミフロキサシンは、PBS処置対照と比較して未成熟ラットにおいて生存率を著しく増大させ(それぞれ83%および0%[図15];p≦0.01)、有利には(p≧0.05)、セフロキシムおよびセフォタキシム生存率(100%;p≦0.01)に匹敵する。バンコマイシンは、抗微生物剤対照として含まれ、80%生存(p≦0.01)を示す。感染後4日および7日に生存するラットから採取した血液中およびCSFサンプル中の細菌数は検出レベルに満たなかった(≦2log10CFUml)。
【0242】
ジェミフロキサシンは、未成熟ラットにおいて、エス・ニューモニエのペニシリン耐性菌株により引き起こされる実験的髄膜炎感染症に対して防御を提供する。ジェミフロキサシンを投与したラットの生存率は、試験した拮抗するキノロンについて得られるものと有利に匹敵する。ジェミフロキサシンは、エス・ニューモニエ髄膜炎に対して、セファロスポリン抗菌剤セフロキシムおよびセフォタキシムと同程度に有効である。対応する用量で、比較薬剤ではジェミフロキサシンよりもラットにおけるエス・ニューモニエ髄膜炎に対して著しく優れた防御が得られなかった。これらの研究において、エス・ニューモニエについて示される効力は、細菌性髄膜炎の治療においてジェミフロキサシンの使用の利点を示す。
【0243】
本発明は、細菌性髄膜炎病原菌の代謝を調節する方法を提供する。当業者らは、本発明の方法を実施するために、細菌性髄膜炎病原菌またはこれらの生物で感染したかまたは感染しやすい患者を容易に選択することができる。あるいは、本発明の方法において有用な細菌は、本明細書において記載されているものであってもよい。
【0244】
【表50】
Figure 2004507440
【0245】
【表51】
Figure 2004507440
【0246】
細菌性髄膜炎病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染の危険性がある哺乳動物、好ましくはヒトに、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含む、細菌性髄膜炎病原菌による感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
本発明の好ましい目的は、前記細菌性髄膜炎病原菌がストレプトコッカス・ニューモニエである方法を提供する。他の細菌性髄膜炎病原菌も該方法に含まれる。当業者らは、本発明に示すように、また当該分野において一般的な他の方法、たとえばMIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
【0247】
本発明は、とりわけ、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、グラム陰性菌に対して使用する方法を提供する。
本発明は、一つには、さまざまなグラム陰性病原菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づく。これらの分析の目的は、腸内細菌および非腸内細菌からなる895の細菌の臨床分離株に対するフルオロキノロンジェミフロキサシンのMICを測定することである。
【0248】
ジェミフロキサシンを、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ナリジクス酸、ジェンタマイシン、セフロキシム、アモキシシリン/クラブラン酸塩、ペニシリン、アンピシリン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンおよびトリメトプリム/スルファメトキサゾールと比較した。アメリカ合衆国内の3つの地域から分離株を病院実験室において集めた。ジェミフロキサシンならびに6のキノロン、4のβ−ラクタム、2のマクロライド、1のアミノグリコシドおよびリメトプリム/スルファメトキサゾールからなる比較化合物のMICを、NCCLS推薦の手順を用いてブロスミクロ希釈により測定した。ジェンタマイシンを除いて、キノロンは一貫して他の試験した化合物よりも活性であった。ジェミフロキサシンの抗菌活性はレボフロキサシンおよびシプロフロキサシンと等しく、一般に、オフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシンおよびナリジクス酸よりも良好であった。ジェンタマイシンについて得られたMIC90(μg/ml)は以下の通りであった:エシェリキア・コリ、0.016;クレブシラ・ニューモニエ、0.25;エンテロバクター・アエロゲネス、0.25;エンテロバクター・クロアカエ、1;シュードモナス・アエルギノサ、8;モルガネラ・モルガニイ、0.12;プロテウス種、4;ステノトロフォモナス・マルトフィリア、4;クレブシラ・オキシトカ、0.25;シトロバクター・フロインジイ、2;アシネトバクター種、32;セラチア種、1。これらの結果から、ジェミフロキサシンはグラム陰性生物により引き起こされる感染症の治療に現在利用できるキノロンに勝るとも劣らない抗菌活性を有することがわかる。
【0249】
従来の研究から、ジェミフロキサシンはこれらの大部分の病原体に対して抗菌活性を有することが示された(Oh,ら、Antimicrob. Agents Chemother., 40: 1564−1568 (1996): Cormican,ら、Antimicrob. Agents Chemother. 41:204−211 (1997))。これらの知見を確認するために、ジェミフロキサシンの抗菌活性を、腸内細菌および非腸内細菌からなる895の細菌の臨床細菌分離株に対して測定した。以下の14の比較化合物の抗菌活性も測定した:トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ナリジクス酸、ジェンタマイシン、セフロキシム、アモキシシリン/クラブラン酸塩、ペニシリン、アンピシリン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンおよびリメトプリム/スルファメトキサゾール。
【0250】
895の細菌のグラム陰性臨床分離株を米国の地理的に分散した地域に位置する3つの病院実験室から入手した。収集プロセスの一部として、分離株を純度についてチェックし、−70℃で10%グリセロール中で保存した。試験前に、各分離株を凍結ストックから連続2日間5%ヒツジ血液を含有するトリプチカーゼ大豆寒天上で継代培養した。NCCLS推奨の品質コントロール生物をSmithKline Beecham Anti−infective Research Culture Collection, Collegeville, PA, USAから入手した。。
【0251】
マイクロタイター感受性プレートをSensititre(AccuMed International Ltd, Westlake, OH, USA; ロット番号CMP5ASMK−8342、−8423、−8331およびCMP4BSMK−8334A、−8451、−8351)から入手した。プレートは連続二倍希釈物中に以下の化合物を含んでいた(濃度範囲、μg/ml):ジェミフロキサシン、0.001−256;トロバフロキサシン、0.016−16;グレパフロキサシン、0.016−16;レボフロキサシン、0.016−16;シプロフロキサシン、0.016−16;オフロキサシン、0.06−64;ナリジクス酸、0.06−64;ジェンタマイシン、0.06−64;セフロキシム、0.06−64;アモキシシリン/クラブラン酸塩、0.03/0.016−32/16;ペニシリン、0.016−16;アンピシリン、0.06−64;クラリスロマイシン、0.016−16;アジスロマイシン、0.06−64;およびトリメトプリム/スルファメトキサゾール、0.06/1.4−64/1216。
【0252】
製造業者の推薦にしたがって、各プレートに100μlの単一試験分離株を接種し、その結果、最終接種密度が5×10CFU/mlになった。(AccuMed International Ltd., Westlake, OH,USA; ロット番号CMP%ASMK−8342、−8423、−8331およびCMP4BSMK−8334A、−8451、−8351)。コロニー計測をランダムに行い、適当な接種物密度が確実に得られるようにした。Microlab AT Plus 2(Hamilton Co., Reno, NV, USA)を用いて、接種物をマイクロタイタープレートに添加した。接種物の10μlアリコートを5%ヒツジ血液を含有するトリプチカーゼ大豆寒天上にプレートして、最終試験接種物の純度を測定した。
プレートをマイクロタイター蓋で覆い、空気中、35℃で20−24時間インキュベートした。試験分離株の視覚的増殖を阻害する最低濃度としてMICを測定した。トリメトプリム/スルファメトキサゾールの場合、正の増殖対照と比較して80−90%の増殖をもたらす濃度としてMICを測定した。個々のMICデータを要約し、以下のパラメーター:MICrange、MIC50およびMIC90を用いて報告した。
【0253】
以下のアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)品質管理菌株を試験した:スタフィロコッカス・アウレウス29213、エシェリキア・コリ25922、シュードモナス・アエルギノサ 27853、イー・コリ35218およびエス・アウレウス 25923。これらのNCCLW推奨の品質管理生物をSmithKline Beecham Anti−infective Research Culture Collection, Collegeville, PA, USAから入手した。品質コントロール生物は試験の各日に封入した。その日の結果は、品質管理値がNCCLSにより確立された許容できる範囲内にある場合にのみ許容した。(National Committee for Clinical Laboratory Standards 1999. Approved Standard M100−S9, ninth ed., Wayne, PA, USA)。品質管理範囲(NCCLSにより1999年1月に仮承認)をジェミフロキサシンについて使用した。
【0254】
ブロスマイクロ希釈の結果をまとめたものを表23に示す。キノロンはジェンタマイシンを除く試験されたすべての他の化合物よりも一貫して活性である。ジェミフロキサシンの抗菌活性は、レボフロキサシンおよびシプロフロキサシンと等しく、一般に、オフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシンおよびナリジクス酸よりも良好である。
ジェミフロキサシンはグラム陰性病原菌により引き起こされる感染症の治療に現在利用可能なキノロンに勝るとも劣らないインビトロ抗菌活性を有する。
【0255】
【表52】
Figure 2004507440
【0256】
【表53】
Figure 2004507440
【0257】
【表54】
Figure 2004507440
【0258】
【表55】
Figure 2004507440
【0259】
【表56】
Figure 2004507440
【0260】
【表57】
Figure 2004507440
【0261】
【表58】
Figure 2004507440
【0262】
【表59】
Figure 2004507440
【0263】
本発明は、グラム陰性病原菌の代謝を調節する方法を提供する。当業者らは、本発明の方法を実施するために、グラム陰性病原菌あるいはこれらの生物に感染しているかまたは感染しやすい患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法において有用な細菌は本明細書において記載されているものであってもよい。
グラム陰性病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染する危険性のある哺乳動物、好ましくはヒトに、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む抗菌的に有効量の組成物を投与する工程を含むグラム陰性病原菌による細菌感染症を治療または予防する方法も本発明により提供される。
【0264】
本発明の好ましい目的は、前記グラム陰性病原菌が:エシェリキア・コリ、クレブシラ・ニューモニエ、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカエ、シュードモナス・アエルギノサ、モルガネラ・モルガニイ、プロテウス種、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、クレブシラ・オキシトカ、シトロバクター・フロインディイ、アシネトバクター種およびセラチア種からなる群から選択される方法を提供する。他のグラム陰性病原菌も該方法に含まれる。当業者らは、本発明に示すように、また当該分野において一般的な他の方法、たとえば、MIC試験を用いてこれらの生物を同定することができる。
本発明は、とりわけ、グラム陽性またはグラム陰性好気性菌に対するキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物の使用法を提供する。
【0265】
本発明は、一つには、さまざまなグラム陽性またはグラム陰性好気性菌に対するジェミフロキサシンの相対的活性を評価する分析に基づく。これらの分析の目的は、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エンテロコッカス・フェカリス、エシェリキア・コリ、シュードモナス・アエルギノサ、クレブシラ・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、モラセラ・カタラーリスおよびプロテウス・ブルガリスを含む10の分離株に対してシプロフロキサシンと比較したジェミフロキサシンの抗生物質後効果(PAE)を測定することである。分離株を2および4×MICの存在下でインキュベートした。1時間曝露後、抗菌剤を限外ろ過により除去し、生存数の計測を6時間行った。PAEはT−Cと定義され、ここに、Tは抗菌剤に曝露された培養物の生存数が1log10で増加する時間でありCは成長対照の生存数が1log10で増加する時間である。
【0266】
両化合物について2および4×MICで測定可能なPAEが観察された。ジェミフロキサシンのPAEはシプロフロキサシンのPAEに匹敵し、両化合物について、2×MICに曝露した結果、4×MICに曝露したものよりもPAEが短くなる。ピー・アエルギノサ、ピー・ブルガリスおよびエッチ・インフルエンゼに対する4×MICでのジェミフロキサシンのMICは>6時間であり、試験した他の分離株に対して0.1〜2.5時間の範囲である。これらの結果は、ジェミフロキサシンが広域の生物に対して著しいPAEを有し、これはジェミフロキサシンの薬物動力学的特性と合わせて、臨床的使用において、この化合物について投薬スケジュールがあまり頻繁でないことを示す。
【0267】
抗生物質投与後効果(PAE)は、細菌培養物を抗菌剤に短期間曝露した後の細菌の成長が持続して抑制されることとして定義される(Craigら、In: Anticiotics in Laboratory medicine 4th edition, The Wiliams and Wilkins Co., 296−329 (1986))。PAEの測定は、抗菌剤の適当な投薬計画の設計において有用である。PAEが長い抗菌剤は、PAEが短いものよりも投薬計画が頻繁でなくてもよい。この研究において、広域のグラム陽性またはグラム陰性好気性生物を代表する10の分離株に対してジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンについてPAEを測定した。
ジェミフロキサシン、バッチ番号03R1P2−1−1、効力73・8%をSmithKline Beecham Pharmaceutical、Harlow、UK;シプロプロキサン、ロットG、効力100%を、USP参照基準として入手した(Rockville, MD, USA)。
【0268】
以下の分離株をSmithKline Beecham Anti−infectives Research Culture Collectionから入手した:スタフィロコッカス・アウレウス ATCC 29213、スタフィロコッカス・サプロフィティカ 662、ストレプトコッカス・ニューモニエ ATCC 49619、ヘモフィルス・インフルエンゼ ATCC 49247、エンテロコッカス・フェカリス ATCC 29212、モラセラ・カタラーリス MC2、エシェリキア・コリ ATCC 25922、シュードモナス・アエルギノサ ATCC 27853、クレブシラ・ニューモニエ KP2およびプロテウス・ブルガリス ATCC 13315。
【0269】
5%ヒツジ血液を含有するトリプチカーゼ大豆寒天(BBL, Cockeysville, MD, USA)を用いて凍結分離株ストックを二次培養し、エス・ニューモニエのコロニーを計数した。Mueller−Hinton II寒天(BBL)を、非選好性生物のコロニー計数に用いた。チョコレートII寒天(BBL)をエッチ・インフルエンゼ分離株のコロニー計数に用いた。非選好性生物を試験するために、カチオン調節したMueller−Hintonブロス(CAMHB)(BBL)を用いた。エス・ニューモニエ分離株を試験するために5%溶菌ウマ血液(BBL)で補足したCAMHBを用いた。エッチ・インフルエンゼ分離株を試験するために試験培地(BBL)を使用した。
【0270】
生物を凍結ストック(−80℃)から5%ヒツジ血液を含有するトリプチカーゼ寒天プレート上に二次培養し、20−24時間、35℃でインキュベートした。食塩水の5ml試験管に、一夜培養物から十分な数のコロニーを接種して、0.5McFarland標準に相当する濁度を得た。この接種物を18mlの適当な培地(50mlフラスコ中に入れたもの)中に100倍に希釈して、およそ1×10CFU/mlの最終試験接種物を得た。
【0271】
ジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンのMICを、ブロスミクロ希釈のNCCLS推奨手順を用いて測定した(National Committeeo for Clinical Laboratory Standards, Approved Standard M2−A6, sixth ed, Wayne, PA, USA)。両化合物を0.0001〜32μg/mlの濃度範囲の連続二倍希釈において試験した。正の成長対照(抗菌剤を含まない)は各マイクロタイタープレート上に含まれていた。接種後、プレートを35℃で空気中18−24時間インキュベートした。接種物の10μlのアリコートを、5%ヒツジ血液を含有するトリプリカーゼ大豆寒天上にプレートして、最終試験接種物の純度を測定した。
【0272】
すでに記載されているろ過法を用いてPAE効果を測定した。(Thornburn,ら、Antimicrb. Agents Chemother., 40: 2796−2801 (1996))。各試験分離株を、20mlの適当なブロス中に抗菌剤(2または4×MIC)を含む50mlフラスコに添加した。分離株の添加後、コロニー計数を行って初期接種物の密度(CFU/ml)を測定した。フラスコを35℃でシェーカー上でインキュベートした。
【0273】
2時間抗菌剤に曝露した後、さらにコロニー計数を行った。各フラスコの内容物を0.2ミクロンフィルターを通してろ過して、抗菌剤を除去した。濾液を2回10mlの予熱したブロスで洗浄し、フィルターを20mlの予熱した培地中に再懸濁した。試験分離株の再懸濁直後にコロニー計数を行った。フラスコをインキュベーターに戻し、コロニー計数を1時間間隔で6時間行った。エス・ニューモニエおよびエッチ・インフルエンゼについて使用した培地補足物に関連するろ過の問題のために、接種物の1:100希釈物を予熱したブロス中に調製して、抗菌剤を除去した。PAEを測定するための対照は、試験分離株を、薬剤不含培地中で2時間インキュベートし、続いてろ過し、分離株を薬剤不含培地中でインキュベーションすることを含む。
【0274】
各分離株抗菌剤および対照について、間隔をおいて5回10倍希釈を行った。10μlの使い捨てループを用いて、各ウェルから50μlを適当な寒天培地上に広げた。プレートを一夜インキュベートし、コロニー計数を、30−300コロニーが得られるような希釈度で行った。
分離株の可視的成長を阻害する化合物の最低濃度としてMICを定義した。MIC終点の決定を助けるためにマイクロタイターミラーリーダーを用いた。
y軸にコロニー数、x軸に時間をとった片対数グラフを各分離株について作成した。PAE効果を式:
PAE=T−C
(式中、Tは試験分離株数が、抗菌剤を除去した直後に観察される数より10倍(1×log10)増加するにの要する時間であり、Cは対照が、抗菌剤を除去した直後に観察される数より10倍増加するのに要する時間である。)
を用いて測定した。
【0275】
ジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンのMICを表24に示す。PAEの結果のまとめを表25に示す。
試験した分離株すべてに対して両化合物に関して測定可能なPAEが観察される。一般に、4×MICに対して2×MICで短いPAEが観察され、エッチ・インフルエンゼ、ピー・アルギノサおよびピー・ブルガリスに対してジェミフロキサシンPAEは>6時間であり、試験したすべての分離株に対して0.1〜2.5時間の範囲である。4×MICで観察されるシプロフロキサシンPAE値は、効果が観察されないイー・フェカリス ATCC 29212を除いて、0.3から5.1時間の範囲である。
【0276】
試験したすべての分離株に対して、ジェミフロキサシンのPAEはシプロフロキサシンに匹敵する。両化合物について、4×MICに比べて2×MICで短いPAEが観察された。4×MICでは、エッチ・インフルエンゼ、P. AeruginosaおよびP. Vulgarisに対して、シプロフロキサシンよりもジェミフロキサシンについて長いPAE(>6時間)が観察された。全体として、この研究の結果は、広域の生物に対してジェミフロキサシンは著しいPAEを有することを示す。
【0277】
【表60】
Figure 2004507440
【0278】
【表61】
Figure 2004507440
【0279】
本発明は、グラム陽性またはグラム陰性の好気性病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を実行するために、グラム陽性またはグラム陰性の好気性病原細菌、またはこれら生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択できる。
あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記述されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、グラム陽性またはグラム陰性好気性病原細菌感染の疑い、あるいはおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与するという段階を含む、グラム陽性またはグラム陰性好気性病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は該グラム陽性またはグラム陰性好気性病原細菌がスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・サプロフィティクス(Staphylococcus saprophyticus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)、モラキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)、およびプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)からなる群より選択される方法を提供するが、他のグラム陽性またはグラム陰性好気性病原細菌も、また、方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定できる。
とりわけ、本発明は、特にストレプトコッカス属細菌に対するキノロン、ジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
【0280】
一つには、本発明は、種々のストレプトコッカス属細菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。
これらの分析の目的は、400個のストレプトコッカス属分離株に対して11個の他の抗微生物薬のそれと比較してジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)の活性を測定することであった。
ジェミフロキサシンは、ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、ペニシリン、アンピシリン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テトラサイクリンおよびバンコマイシンと比較した。
ジェミフロキサシンおよび11個の他の抗微生物薬の活性は、連鎖球菌の種々の種に対して寒天希釈法(BSAC法)によって測定した。選択される種は、第一次病原体または「同乗者生物」とみなされた。同乗者生物は、正常細菌叢の一部である連鎖球菌と定義され、抗菌療法に影響され得る。合計400個の臨床分離株を検討した:ランスフィールドAおよびC群(n = 50)、BおよびG群(n = 51)、「マイティス(mitis)」群および「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群(n = 51)、「ミュータンス(mutans)」群(n = 50)、および「ボビス(bovis)」群(n = 46)。種々のキノロンに対する全連鎖球菌のMIC90(g/ml):ジェミフロキサシン0.008‐0.06、シプロフロキサシン0.125‐2.0、レボフロキサシン0.5‐4、スパルフロキサシン0.06‐1.0、トロバフロキサシン≦0.016‐0.25、および、グレパフロキサシン≦0.016‐1であった。他の基準抗生物質のMIC範囲は、ペニシリン≦0.008−4、アンピシリン≦0.008−8、エリスロマイシン≦0.016−≧32、クラリスロマイシン≦0.016−≧32、テトラサイクリン0.06−≧64およびバンコマイシン0.125−2:であった。結論として、ジェミフロキサシンは試験される最も強力なキノロンであった。ジェミフロキサシンは、他のキノロンと比較して連鎖球菌に対する活性を促進して、グラム陽性感染に対する使用のための有望な薬剤である。
【0281】
キノロンは、呼吸器、腹腔、皮膚および軟組織、および尿生殖器感染を含む種々の臨床徴候の治療に使用される。
ジェミフロキサシン(SB−265805)は、位置7にオキシム−誘導(アミノメチル)ピロリジニル置換を有する広域6−フルオロナフチリドンである。
現在使用されているキノロンと比較して、ジェミフロキサシンはストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)および他のグラム陽性病原体に対して強力な活性を示す。
この実験において選択されるストレプトコッカス属の種は、第一次病原体または「同乗者生物」を表す。これに関して、同乗者生物は、正常細菌叢として存在する連鎖球菌であって、従って、抗微生物薬療法に影響される。抗微生物薬の使用は、直接的に、根絶を介して、かつ/あるいはスーパー集落形成によって、あるいは間接的に耐性生物の選択を経て、正常細菌叢に影響でき、このことはストレプトコッカス属感染の治療における問題点につながり得る。
合計400個のストレプトコッカス属の種の異なる臨床分離株が研究された。
【0282】
分離株は、ランスフィールドAおよびC群(n = 50)、BおよびG群(n = 51)「マイティス(mitis)」群および「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(miller)」群(n = 51)、「ミュータンス(mutans)」群(n = 50)、および「ボビス(bovis)」群(n = 46)より成った。
試験される大多数の株は、この3年からの最近の分離株であった。使用される対照株は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)NCTC 6571、エス・アウレウス(S. aureus )ATCC 29213、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae) ATCC 49619であった。
株の最小阻止濃度(MIC)は、溶解ウマ血液(5% v/v)で補足されたイソ‐センシテスト寒天(Iso−Sensitest agar) (CM471 Oxoid, Basingstoke, UK) を用いて、ブリティッシュ・ソサイエティー・フォー・アンチミクロバイアル・ケモセラピー(British Society for Antimicrobial Chemotherapy )法(Working Party of the British Society for Antimicrobial Chemotherapy, Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 27(Suppl. D): 1−50 (1991))に基づく寒天希釈によって測定された。コロニーは、直接0.5のマックファーランド(McFarland)基準に合致するようにプレートから培地へとられて、1:10まで希釈した。抗微生物薬を含む寒天は、希釈培養液1ulを接種され、最終接種量10のCFU/スポットを与えた。
ストレプトコッカス属のいくつかの株が、CO依存性であったので、プレートは18−20h、5%CO中、37℃でインキュベートされた。
MIC終末点は、生育が見えなくなる最低濃度として、指示された。
【0283】
【表62】
Figure 2004507440
【0284】
【表63】
Figure 2004507440
【0285】
【表64】
Figure 2004507440
【0286】
【表65】
Figure 2004507440
【0287】
【表66】
Figure 2004507440
【0288】
【表67】
Figure 2004507440
【0289】
【表68】
Figure 2004507440
【0290】
【表69】
Figure 2004507440
【0291】
連鎖球菌はCO依存性である。MIC終点を可視的増殖のない最低濃度として読み取った。
感受性結果は、MIC範囲、MIC50およびMIC90(表26−33)と表される。ランスフィールドA、B、CおよびG群のストレプトコッカス属は、重要なヒトの病原体であって、多くの臨床的に重要な感染における主な病因的因子である。エリスロマイシン−およびテトラサイクリン−耐性株に続いて、トロバフロキサシン、スパルフロキサシン、グレパフロキサシン、シプロフロキサシンおよびレボフロキサシンを含み;ジェミフロキサシンは、ランスフィールドA、B、CおよびG群の連鎖球菌に対して最も強力なキノロンである(表26−29)。ランスフィールドA、B、CおよびG群の最頻度MIC90は、ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、スパルフロキサシン、グレパフロキサシン、シプロフロキサシンおよびレボフロキサシン、それぞれにつき、0.06、0.25、0.5、1、1および2(μg/ml)である。ランスフィールドA、B、CおよびGの全連鎖球菌は、ペニシリン(MIC≦0.125μg/ml)、アンピシリン(MIC≦0.25μg/ml)、および、バンコマイシン(MIC≦1μg/ml)に感受性であった。エリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびテトラサイクリンは、変動的結果を示した;クラリスロマイシンは、エリスロマイシンより2倍活性であった。テトラサイクリンは、ランスフィールドBおよびG群に対して低い活性を示した。
【0292】
連鎖球菌の「マイティス(mitis)」および「ミュータンス(mutans)」群は正常口腔細菌叢として存在する。(Hardie, et al., Journal of Applied Microbiology, 83 (Suppl.): 1S−11S (1997))しかしながら、これら連鎖球菌は、好中球減少症患者において重篤な罹患率および死亡率を引き起こす菌血症の重要な原因として出現してきた。ジェミフロキサシンは、同乗者連鎖球菌「マイティス(mitis)」および「ミュータンス(mutans)」群)に対して試験される最も強力なキノロンであって、トロバフロキサシン、スパルフロキサシンおよびグレパフロキサシンが続く。シプロフロキサシンおよびレボフロキサシンは、その同一のMIC50およびMIC90値で反映される同様な活性を示す(表30−31)。ペニシリンおよびアンピシリンのMIC値は、ランスフィールドA、CおよびGより「マイティス(mitis)」群のほうが高い。エリスロマイシンおよびテトラサイクリンのMICは、また、ランスフィールドA、CおよびG群と比較して「マイティス(mitis)」群でより高かった。クラリスロマイシンのMIC90(2μg/ml)は、エリスロマイシン(8μg/ml)より同等に低い。単一の分離株は、ペニシリンに中間の感受性を示す。(MIC90 0.25μg/ml)。試験される「マイティス(mitis)」および「ミュータンス(mutans)」連鎖球菌は全て、エリスロマイシン感受性である(MIC90 ≦0.5μg/ml)。
【0293】
「ボビス(bovis)」および「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群に属するストレプトコッカス属は、正常腸内細菌叢の一部であって、腹腔敗血症、膿胸および腸の癌に関連する細菌性心内膜炎に関係する。ジェミフロキサシンは連鎖球菌の「ボビス(bovis)」および「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群に対して非常に有効であり、トロバフロキサシン、スパルフロキサシン、グレパフロキサシン、シプロフロキサシンおよびレボフロキサシンが後に続くと示された(表32−33)。シプロフロキサシンおよびレボフロキサシンへの高いMICは、「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群と比較して試験される連鎖球菌の「ボビス(bovis)」群で観察された。全ての「ボビス(bovis)」および「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群、連鎖球菌は、ペニシリン(MIC90≦0.125μg/ml)、および、アンピシリン(MIC90≦0.25μg/ml)に感受性である一方で、ランスフィールドA、CおよびG群より高いMIC値を示した。全ての「ボビス(bovis)」群試料は、バンコマイシン感受性であった(MIC90≦1μg/ml);「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群のある株は、バンコマイシンに高いMICを有する(MIC90 2μg/ml)。エリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびテトラサイクリンに対して、「ボビス(bovis)」群で、様々な結果が得られた。MIC90は、エリスロマイシンと比較してクラリスロマイシンは有意に低い。「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群の1つの分離株のみ、エリスロマイシンおよびクラリスロマイシンに耐性であり(MIC90≧32μg/ml)、テトラサイクリンは、連鎖球菌の「ボビス(bovis)」および「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群に対し低い活性を示した。
【0294】
院内感染を引き起こしている病原体のスペクトラムは、変化している。グラム陽性感染が増加しており、これら感染を取り扱うために抗菌器具を強化する必要性がある。新規フルオロキノロンは、この領域における治療の選択肢を提供する。このデータは、ジェミフロキサシンが連鎖球菌の全群に対して試験される最も強力なフルオロキノロンであることを示す。それは、公知の病原体ならびに同乗者生物に対して非常に活性である。
免疫力が低下している患者において、同乗者生物は、可能性のある病原体と同定されて、適当な条件下で、免疫適格患者において病気を引き起こし得る。インビトロ(in vitro)データは、ジェミフロキサシンがストレプトコッカス属感染の治療のための薬剤として作用し得ることを示す。同乗者生物は将来支配的な役割を担い得、抗微生物薬耐性が「治療困難な」生物の個体群内に出現するので、新規の治療の問題を起こし得る。
【0295】
ペニシリンは、ランスフィールドA、CおよびG群の連鎖球菌に対して非常に活性のままである。ペニシリンは、試験される他のス連鎖球菌(ランスフィールドB、「マイティス(mitis)」、「ミュータンス(mutans)」、「ボビス(bovis)」および「アンジノサス(anginosus)/ミレーリ(milleri)」群)に対して、減少した活性を示し;別の薬剤(マクロライド、テトラサイクリンおよびバンコマイシン)は、これら連鎖球菌に対し、ペニシリンより低い活性を示す。ジェミフロキサシンは、連鎖球菌の種々の群に対して試験される最も強力なキノロン化合物である。ジェミフロキサシンは、ペニシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリンまたはシプロフロキサシンに中間的または耐性の感受性を有するものを含む、連鎖球菌の全ての株に低いMICを示した。ジェミフロキサシンの有力な抗ストレプトコッカス属活性は、それを、グラム陽性感染に対する使用のための有望な薬剤にする。
本発明は、ストレプトコッカス属病原細菌の代謝を変調するための方法を提供する。当業者は、本発明の方法を実行するために、ストレプトコッカス属病原体細菌または、これら生物に感染あるいはその疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は本明細書中に記載されるものであってよい。
本発明のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物または組成物は、内在デバイスの挿入の直前に、関連した細菌、好ましくはストレプトコッカス属病原細菌に対して、全身作用を達成するために注射によって投与されてよい。治療は、器具が体内にある間、手術後に続行され得る。さらに、組成物はまた、ストレプトコッカス属病原細菌によって、あるいは関連して引き起こされる細菌性創傷感染を防ぐために、いずれの外科的手法のためにでも術中のカバーを広げるのに使用され得る。
【0296】
前記の治療に加え、本発明の方法において使用されるジェミフロキサシン化合物または組成物は、一般に、創傷組織において暴露される細菌、特にストレプトコッカス属病原細菌の基質タンパク質への付着を妨げる創傷治療剤として、および、抗生物質の予防の代替品として、あるいはそれと関連した歯科治療における予防的使用のために使用され得る。また、抗菌的有効量のキノロン特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、ストレプトコッカス属病原細菌感染の疑いのある、あるいはそのリスクのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含むストレプトコッカス属病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が、本発明によって提供される。
本発明の好ましい目的は、該ストレプトコッカス属病原細菌が、ストレプトコッカス属の種:からなる群より選択される方法を提供するが。他のストレプトコッカス属病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供の、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験、を使用して、これらの生物を同定し得る。
とりわけ、本発明は、マイコプラズマ細菌に対し、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のマイコプラズマ細菌病原体に対するジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、通常、ヒトの呼吸器および尿生殖路に見出されるマイコプラズマ属の種の低継代された臨床分離株および基準株を使用してジェミフロキサシン、他の新規キノロンおよびマクロライドのインビトロ(in vitro)活性を測定することであった。
【0297】
ジェミフロキサシンは、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、テトラサイクリンおよびクリンダマイシンと比較した。キノロン・ジェミフロキサシン、他の新規キノロンおよびマクロライドのインビトロ(in vitro)活性を、通常、ヒトの呼吸器および尿生殖路に見出されるマイコプラズマ属の種の低継代した臨床分離株および基準株を使用して測定した。
分析に使用される生物は、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)およびウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)を含んだ。MICは、微量培地希釈法を用いて測定された。ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)のアッセイは10B培地で行われ、他の全てのマイコプラズマのアッセイはSP4培地で行われた。コンパレーター薬剤は、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、テトラサイクリンおよびクリンダマイシンを含む。
【0298】
本明細書中に提供されるデータは、試験される種に依存して、マクロライドと比較した場合、ジェミフロキサシンは変動する結果を示すことを示唆する。インビトロ(in vitro)で、ジェミフロキサシンはテトラサイクリン、クリンダマイシンおよび他のキノロンと同等またはそれ以上に活性である。
以前の研究は、ジェミフロキサシンが一般の気道病原体ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)およびモレキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)(Moore, et al., ICAAC, Abstract F−098 (1998); Kim, et al., ICAAC, Abstract F−093 (1998)) および 異型の生物レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila )(Critchley, et al., ICAAC, Abstract F−100 (1998); Dubois, et al., ICAAC, Abstract F−105 (1998)) およびクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae) (Ridgeway, et al, ICAAC, Abstract F−097 (1998); Kim, et al., ICAAC, Abstract F−093 (1998)))に対して非常に活性であることを示した。
【0299】
限られた数のマイコプラズマ属の種が分析されたある研究で、ジェミフロキサシンもまた、抗微生物活性を示した(Hannan, et al., ICAAC, Abstract F−101 (1998))。マイコプラズマ属の種に対するジェミフロキサシンの活性を確認するために、多数の臨床分離株および基準株のMICが測定され、ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)での有効性は他の新規キノロン、マクロライド、テトラサイクリンおよびクリンダマイシンのそれと比較された。
低−継代される臨床分離株および基準株を含む、マイコプラズマの分離株は、抗微生物薬感受性について試験された。これら分離株のほとんどは、人工培地中で2−3回のみ継代されている。マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)分離株は、6つの異なる国から集められた130株を含んだ(10年間に集められた分離株を代表する)。
【0300】
全分離株は、証明された呼吸器疾病を有する個体の気道起源であった。分離株は、PCR法によってエム・ニューモニエ(M. pneumoniae)と同定され、呼吸器または生殖器管のいずれかにおいてヒトで起こると知られているマイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)または他のいずれのマイコプラズマ属の種とも交差反応性でないことが示された:ATCCn = 2;デンマークn = 6;オーストラリアn = 5;日本n = 4;英国n = 9;中国n = 11; 米国n = 93。
マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)分離株(n = 50)は、7個の基準株および43個の低継代臨床分離株を含んだ。
臨床分離株の起源は、表34に示される。マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans )(n = 18)は、1個の基準株、2個の臨床分離株(子宮内膜生検および尿道由来)および細胞培養、気道、骨髄または滑膜に由来する15個のよくキャラクタライズされた株(J. Tully, Mycoplasma Section, NIAIDにより提供)を含んだ。ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)分離株(n = 100)は、14個のセロタイプおよび86個の臨床分離株(表35)を含んだ。
【0301】
エム・ゲニタリウム(M. genitalium)株は2の分離株(J. Tully, Mycoplasma Section, NIAIDにより提供)より成り、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)の2つの分離株は試験された(J. Tully at NIAID および A. Yanez, Puebla, Mexicoより提供)。抗微生物薬散剤は、Sigma, St Louis, MO, USAより購入のテトラサイクリンおよびクリンダマイシンを除き、それぞれの製造業者から得られた。以下の抗微生物薬が、使用された:ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、レボフロキサシン、グレパフロキサシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、テトラサイクリンおよびクリンダマイシン。散剤は、製造業者の推奨によって溶解された。各薬剤2048μg/mlを含むストック溶液が各アッセイ用に新たに調製された。
微量培地希釈法(Cassell, et al., In: Clinical and pathogenic microbiology, St. Louis, MO, USA, 1994)がMICを測定するために使用された。マイコプラズマ培地(ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)用の10Bおよび他の全てのマイコプラズマ属の種用のSP4)中の抗微生物薬の連続2倍希釈を行い、試験される各薬剤について0.008ないし256μg/mlまで濃度範囲とした。色変単位(CCU)/mlによって測定された10−10個の生物の接種量が使用された。プレートは、37℃で好気的にインキュベートされた。全プレートを毎日、無薬剤(生育)対照において色変化が検出されるまで、検討した。ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)の急速な増殖のために、最初の読み取りはインキュベーション後16時間に起こり、その後、日毎に複数回読み取りが続いた。各薬剤のMICは、全分離株について測定した。無薬剤対照が最初に色変化を示した時間(各種について時間点は変化する)に培地中の色変化の欠如によって証明されるごとく、初期のMICは生物の代謝が阻害される抗微生物薬の最低濃度と定義された。試験から、耐性の疑いのあるいずれのマイコプラズマ属分離株も、結果の再現性を確実にするために別の日に再試験された。
【0302】
この方法の詳細な記述は、以前に報告された(Cassell, et al., In: Clinical and pathogenic microbiology, St. Louis, MO, USA, 1994)。
使用される方法を試験するマイクロタイター感受性は、同時の二重の運転内および別の日に行われるアッセイ間のMIC結果の優れた再現性を与えた。エム・ゲニタリウム(M. genitalium)およびエム・ペネトランス(M. penetrans)を除くマイコプラズマ属およびウレアプラズマ属の株に対するジェミフロキサシンおよび他の抗微生物薬の相対インビトロ(in vitro)の活性は、表36に示される。エム・ゲニタリウム(M. genitalium)およびエム・ペネトランス(M. penetrans)の分離株のMIC結果は、表37に与えられる。ジェミフロキサシンは、試験される種に対して優れたインビトロ(in vitro)活性を示す。全体的MIC範囲は、十分に期待される臨床感受性の範囲内(≦0.008−0.5μg/ml)である。
【0303】
エム・ニューモニエ(M. pneumoniae)およびエム・ゲニタリウム(M. genitalium)について、ジェミフロキサシンのMICはグレパフロキサシンのそれに匹敵するが、それらは他のキノロンおよびテトラサイクリンより2−ないし4−倍低い。アジスロマイシンおよびクラリスロマイシンは、0.008μg/mlで全株を阻害し、これらの2つの種に向かって、最高活性を示す。エム・ファーメンタンス(M. fermentans)およびエム・ホミニス(M. hominis)は、ジェミフロキサシンに高度な感受性を有する(MIC90≦0.008μg/ml)。エム・ホミニス(M. hominis)について、ジェミフロキサシンの活性は、クリンダマイシンおよびグレパフロキサシンのそれに匹敵し、テトラサイクリンおよび他のキノロンのそれを上回る。公知の耐性のため、マクロライドは試験されなかった。エム・ファーメンタンス(M. fermentans)はクラリスロマイシンに耐性であるが、アジスロマイシンに若干の感受性を示した。
【0304】
ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)はジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンに同等に感受性であるが、他のキノロンは2−ないし4−倍低い活性である。ジェミフロキサシンは、また、この微生物に対して、テトラサイクリンまたはアジスロマイシンより有効である。しかしながら、クラリスロマイシンはユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)に対して最も高い活性を有する。エム・ペネトランス(M. penetrans)に対して、ジェミフロキサシンは少なくとも試験される他の化合物と同等の活性である。
インビトロ(in vitro)で、ジェミフロキサシンは、試験されるマイコプラズマおよびウレアプラズマに対して、テトラサイクリン、クリンダマイシンおよび他のキノロンと同等あるいはそれ以上活性である。たとえ株が10年間、広く異なる地理的地域で集められたとしても、ジェミフロキサシンへの耐性は観察されなかった。本研究および他の最近の研究(Hannan, et al., ICAAC, Abstract F−101 (1998))からの結果は、ジェミフロキサシンがマイコプラズマ属およびウレアプラズマ属の種によって引き起こされる呼吸器および尿生殖路感染症の治療のための有望な薬剤であることを示す。さらに、ジェミフロキサシンは広範囲にわたるグラム陰性およびグラム陽性病原体に対する非常に活性なフルオロキノロンであると報告され(Moore, et al., ICAAC, Abstract F−098 (1998); Kim, et al., ICAAC, Abstract F−093 (1998); Critchley, et al., ICAAC, Abstract F−100 (1998); Dubois, et al., ICAAC, Abstract F−105 (1998); Ridgeway, et al., ICAAC, Abstract F−097 (1998))、感染症の治療に有効な新規薬剤となる。
【0305】
【表70】
Figure 2004507440
【0306】
【表71】
Figure 2004507440
【0307】
【表72】
Figure 2004507440
【0308】
【表73】
Figure 2004507440
本発明は、マイコプラズマ属病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、マイコプラズマ属病原細菌またはこれら生物に感染あるいはその疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、マイコプラズマ属病原細菌感染の疑いがあるか、あるいはそのリスクのある疑いのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含むマイコプラズマ属病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該マイコプラズマ病原細菌が:マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)およびウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum):からなる群より選択される方法を提供するが他のマイコプラズマ属病原細菌も、また方法に含まれてよい。
【0309】
当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、レジオネラ属の種に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のレジオネラ属の種の病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これらの分析の目的は、一団のレジオネラ属の種に対して、ジェミフロキサシン(SB−265805)、トロバフロキサシン、モキシフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびリファンピシンのインビトロ(in vitro)活性および抗生物質後効果(PAE)を測定することであった。試験分離株は、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila) セログループ 1−12、レジオネラ・ダモフィ(Legionella dumoffii)、レジオネラ・ミクダダイ(Legionella micdadei)およびレジオネラ・ロングビーチ(Legionella longbeacheae)を含んだ。最小阻止濃度(MIC)は標準的2倍寒天希釈によって測定されたが、PAEは、4xMICで1h、分離株を試験薬剤に暴露することによって測定された。薬剤は3回連続の遠心によって新たな培地に移され、PAEは、同様な無薬剤培地中の細菌の発育動力学を測定することによって算出された。トロバフロキサシンおよびリファンピシンは、試験される全分離株に対して最も活性な薬剤であった(MIC90 ≦0.008μg/mL)。ジェミフロキサシンは、全てのエル・ニューモフィラ(L. pneumophila)分離株に対して高い力価(MIC90 ≦0.03μg/mL)を示し、それは、グレパフロキサシンおよびシプロフロキサシン(MIC90 ≦0.03μg/mL)に匹敵し、オフロキサシン(MIC90 ≦0.03μg/mL)より活性であった。エル・ダモフィ(L. dumoffii)およびエル・ロングビーチ(L. longbeacheae)に対して、ジェミフロキサシンはグレパフロキサシン(MIC90 0.06μg/mL)と同等の活性であって、エル・ミクダダイ(L. micdadei)に対して、ジェミフロキサシンはモキシフロキサシン、オフロキサシンおよびシプロフロキサシン(MIC90 0.03μg/mL)と同等に活性であった。エリスロマイシン耐性エル・ニューモフィラ(L. pneumophila)に対して、グレパフロキサシン、4.18h、モキシフロキサシン、3.38hおよびトロバフロキサシン、2.83hと比較して、ジェミフロキサシンは最も長いPAE(4.65h)を示した。ジェミフロキサシンのPAEは、リファンピシン(0.93h)、クラリスロマイシン(1.9h)、アジスロマイシン(0.9)およびレボフロキサシン(2.59h)より有意に高かった(p<0.05)。
【0310】
エリスロマイシン−感受性エル・ニューモフィラ(L. pneumophila)に対して、ジェミフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシンおよびシプロフロキサシンのみが3h以上のPAEを有した。他のエリスロマイシン耐性レジオネラ属の種について、ジェミフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシンおよびリファンピシンは3h超のPAEを有し、それはシプロフロキサシン(2.13h)、モキシフロキサシン(2.02h)およびエリスロマイシン(0.44h)のPAEより有意に長かった(p<0.05)。ジェミフロキサシンの半減期およびこの研究からのデータは、レジオネラ属感染の治療のためにジェミフロキサシンの毎日一回投与を支時する有意なPAEを示す。
近年、西洋半球およびヨーロッパ両者での院外感染の肺炎において主要な3つの病原体の中に位置する多くの研究で(Aubertin, et al., Infection, 15: 328−331 (1987))、レジオネラ属は院外感染の肺炎および院内の肺炎において重要な病原体として出現してきた(Stout, et al., Diag. Microbial. Infect. Dis., 30: 37−43 (1998))。エリスロマイシンは、伝統的にいくつかの胃腸の副作用を有する選択薬剤を持つ(Tsai, et al., Ann. Inter. Med., 90: 509−517 (1979))。しかしながら、より新規のマクロライドおよびキノロンは、インビトロ(in vitro)活性を改善した(Dubois, et al., Diag. Microbiol. Infec. Dis., 12: 89−91S (1989); Dubois, et al., 36th ICAAC, Abstract 1992 (1996); Dubois, et al., Diag. Microbiol. Infec. Dis., 33: 261−265 (1999); Dubois, et al., Clin. Microbiol. Infect., 5: 205−212 (1999))。感受性実験は、新規フルオロキノロンジェミフロキサシンが多くのグラム陽性生物に対し、他のフルオロキノロンよりかなり強力であることを見出した。さらに、それは他の抗微生物薬に耐性の株を含むある範囲のグラム陰性の桿菌に対する活性を保持し、種々の異型の呼吸器病原体に対して強力な活性を有する。
この研究は、院内または院外気道感染患者から単離されるある範囲のレジオネラ属の種に対して、ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、モキシフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびリファンピシンのMICおよび抗生物質後効果(PAE)を比較した。
【0311】
種々のレジオネラ属分離株は、気道および環境源から培養された。株の同定は、標準法(Washington, et al., Manual of Clinical Microbiology, 6th ed., 533−544 (1995))によった。
MICは、緩衝化酵母エキス(BYE)寒天を使用して、標準的2倍寒天希釈(National Committee for Clinical Laboratory Standards, 4th ed., Approved Standard M7−A4 (1997))によって測定された。
最終接種量およそ10cfuを、倍加希釈の抗生物質(0.004−256μg/mL)を含む緩衝化酵母エキス(BYE)寒天上へ塗布し、48h、35℃でインキュベートした。シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 27853およびエル・ニューモフィラ(L. pneumophila) ATCC 33152は、対照標準株として含まれた。
PAEは、各株が抗生物質濃度4xMICで暴露される、BYE中培地法によって測定された(Craig, et al., Antibiotics in Laboratory Medicine, Williams & Wilkins, pp. 515−536 (1986))。新たな接種量(1mL 最終濃度10−10cfu/ml)を調製抗生物質含有培地9mLおよび無薬剤対照培地9mLに添加し、1h、37℃でインキュベートした。抗生物質は、ついで、10分間、1200xgで3回連続の遠心によって除去された。細菌計数は、全培養液上、時間0、洗浄の前後および1時間毎、濁度を生じるまで行った。これら計数はグラフ上にプロットされ、PAEの持続時間は式:PAE = T−C[式中、Tは、抗生物質暴露培地中の計数が薬剤除去直後に記録される計数より、1 log10増加する時間であって、Cは、同一手順完了直後に観察される計数より1log10、対照倍地中計数が増加するのに必要な時間である]を用いて算出された。
エル・ニューモフィラ(L. pneumophila )セログループ1−9に対する一団の試験抗生物質の活性は、表38および39に示される。これらのセログループに対するジェミフロキサシンのMIC範囲は、0.008−0.06μg/mLであり;この活性は、エリスロマイシンおよびアジスロマイシン(0.008−1.0μg/mL)より約6倍高い。ジェミフロキサシンは、グレパフロキサシン(MIC90 0.16μg/mL)、レボフロキサシン(MIC90 0.16μg/mL)およびモキシフロキサシン(MIC90 0.16μg/mL)と同様な活性を示したが、シプロフロキサシン(MIC90 0.03μg/mL)、オフロキサシン(MIC90 0.03μg/mL)およびオフロキサシン(MIC90 0.03μg/mL)より優れており、トロバフロキサシン(MIC90 <0.004μg/mL)より劣っていた。
全体的にエル・ニューモフィラ(L. pneumophila )セログループ1−3(MIC90 0.016μg/mL)および7−9(MIC90 0.016μg/mL)は、セログループ 4−6(MIC90 0.03μg/mL)よりジェミフロキサシン感受性であった。最も一般的な株、エル・ニューモフィラ(L. pneumophila )セログループ 1に対して、ジェミフロキサシンの活性MIC90 0.004μg/mL)は、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、オフロキサシンおよびシプロフロキサシンMIC90 0.03−1.0μg/mL)より優れていた。
【0312】
レジオネラ・ダモフィ(Legionella dumoffii)およびレジオネラ・ロングビーチ(Legionella longbeacheae)に対して、ジェミフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシンおよびクラリスロマイシンの活性(MIC90 0.06μg/mL)は、アジスロマイシン(MIC90 0.25μg/mL)およびエリスロマイシン(MIC90 0.5μg/mL)より優れていた(表40)。エル・ミクダダイ(L. micdadei)に対して、ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシンおよびモキシフロキサシン(MIC90 0.03μg/mL)は、エリスロマイシンより5倍、活性であった。
【0313】
エリスロマイシン感受性および耐性レジオネラ属の種に対する試験抗生物質のPAEの平均値は表41に示される。これらの株に対して2h未満のPAEを示すクラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびリファンピシンに対し、ジェミフロキサシン、モキシフロキサシンおよびグレパフロキサシンのみが、エリスロマイシン耐性エル・ニューモフィラ(L. pneumophila)に対して有意な(p<0.05)平均のPAE、3h以上を示した。他のエリスロマイシン耐性レジオネラ属分離株に対して、平均PAE3h以上は、ジェミフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシンおよびリファンピシンに見出された。
エリスロマイシンおよびクラリスロマイシンは、最も短いPAE(2h未満)を示した。
平均PAE、3h以上は、エリスロマイシン−感受性エル・ニューモフィラ(L. pneumophila)に対して、ジェミフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシンおよびシプロフロキサシンについて記録された。ジェミフロキサシンおよびオフロキサシンは、他のエリスロマイシン−感受性レジオネラ属の種に対して、有意の(p<0.05)平均PAE、2h以上を示す唯一のキノロンであった。
【0314】
エル・ニューモフィラ(L. pneumophila)が食細胞内で増殖する任意細胞内細菌であるので、PAEおよびMIC活性両者は抗微生物薬投与計画と関係を有すると期待され得る。
リファンピシンが細胞内外両者のレジオネラ属の種に対して著しく活性である一方で、それは可逆的阻害であり、単一療法としてのその使用は耐性の出現という理論的根拠上認められない(Edelstein, et al., Clin. Infec. Dis., 21 (supp. 3), 265−276 (1989))。より新規のマクロライドクラリスロマイシンおよびアジスロマイシンがまた、有効であるけれども、単独であるいはリファンピシンのごとき薬剤と組み合わせて、エリスロマイシンはレジオネラ肺炎に対する選択の通常の治療である。
この研究からのMICデータに基づいて、ジェミフロキサシンは大部分のレジオネラ属の種に対する有効な抗微生物薬であり得る。特に、これらの結果は、ジェミフロキサシンが有意に(p<0.001)、レジオネラ症の治療において最も一般的に使用される薬剤であるエリスロマイシンより優れていることを示す。ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)活性は、また、有意に(p<0.05)アジスロマイシンより優れていた。
【0315】
エル・ニューモフィラ(L. pneumophila)のエリスロマイシン−感受性分離株に対して、ジェミフロキサシンはトロバフロキサシンおよびレボフロキサシンのそれより1h以上長く、エリスロマイシンおよびクラリスロマイシンより2.5h以上長かった平均PAE、3.49hを示した。他のエリスロマイシン−感受性レジオネラ属の種に対するジェミフロキサシンの平均PAE(2.27h)はまた、トロバフロキサシン、モキシフロキサシンおよびクラリスロマイシンのそれより少なくとも1h長かった。
ジェミフロキサシンのPAEは、エリスロマイシン耐性エル・ニューモフィラ(L. pneumophila)分離株に対して、感受性株より大きかった(4.65h対3.49h)。この効果は、有意に(p<0.05)トロバフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシンおよびリファンピシンのそれより優れていた。平均PAEにおける差異は、また、エル・ニューモフィラ(L. pneumophila)以外のエリスロマイシン耐性レジオネラ属の種に対して、ジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンのごとき試験されるいくつかのキノロンの中で注目された。
【0316】
【表74】
Figure 2004507440
【0317】
【表75】
Figure 2004507440
【0318】
【表76】
Figure 2004507440
【0319】
【表77】
Figure 2004507440
【0320】
この研究の知見は、ジェミフロキサシンがレジオネラ属の種によって引き起こされる下方気道感染の治療において有望であることを示す。この研究で記録された細胞内のエル・ニューモフィラ(L. pneumophila)に対するジェミフロキサシンの優れたインビトロ(in vitro)活性および長いPAEを考慮して、薬剤は院外感染性肺炎患者の経験的治療において優れた治療の選択を提供するようである。
本発明は、レジオネラ属の種の病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、レジオネラ属の種の病原細菌またはこれら生物に感染あるいはその疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
【0321】
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、レジオネラ属の種の病原細菌の感染の疑いがあるかあるいはそのリスクのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、レジオネラ属の種の病原細菌による細菌感染を治療あるいは予防する方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該レジオネラ属の種の病原細菌が:レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、レジオネラ・ボゼマニ(Legionella bozemanii)、レジオネラ・ワドスウォチ(Legionella wadsworthii)、レジオネラ・ジョーダニス(Legionella jordanis)、レジオネラ・ダモフィ(Legionella dumoffii)、レジオネラ・ロングビーチ(Legionella longbeacheae)、レジオネラ・ミクダダイ(Legionella micdadei)、レジオネラ属の種のエリスロマイシン−感受性株およびレジオネラ属の種のエリスロマイシン耐性株:からなる群より選択される該レジオネラ属の種の病原細菌方法を提供するが。他のレジオネラ属の種の病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
【0322】
本発明は、とりわけ、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、シプロフロキサシン(CIP)およびトロバフロキサシン(TRO−感受性、および−耐性のエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)におけるGEMの抗生物質後効果(PAE)を測定することであった。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)のCIP耐性、臨床分離株は、カナダ全域から集められた。これら分析のもう一つの目的は、ペニシリン−感受性およびペニシリン−耐性のエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対するジェミフロキサシンのPAEを測定することであって、フルオロキノロンへの減少した感受性が、ジェミフロキサシンのPAEに悪影響を及ぼすかどうかを測定することであった。
ジェミフロキサシン(GEM)は、ペニシリン−感受性およびペニシリン−耐性ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対して活性であり、CIP−およびTRO耐性分離株に対して活性である。MICは、NCCLSによって記載される微量培地希釈法を用いて測定された。トポイソメラーゼIV(parC)およびDNAギラーゼ(gyrA)変異が各遺伝子のQRDR領域を配列決定して確認された。2個のフルオロキノロン−感受性および8個の耐性分離株(3個はCIP−耐性、5個はCIP、TRO−耐性)が、研究のために選択された。PAEは、2h 4xまたは10x MICで対数増殖期生物を暴露することによって測定された。抗微生物薬は滅菌培地に希釈を用いて移され、PAEは生育可能コロニー計数法を用いて評価された。CIPのMICは、0.5−64μg/mlまで変動し、TROのMICは、0.06−8.0μg/mlまで変動した。GEMのMICは、≦0.03−0.5μg/mlまで変動した。感受性エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)でのCIPの平均PAEは、4x MICで1.6hおよび10x MICで2.5hであった。TRO−感受性分離株で、4x MICでの平均PAEは2.1h、10x MICで3.2hであった。GEMの平均PAEは、4x MICで2.7hおよび10x MICで3.8hであった。CIPまたはTRO−感受性および−耐性株間のGEM PAEの持続時間に有意差はなかった(p < 0.05)。結論として、GEMは、CIPおよびTRO−感受性および−耐性エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して非常に活性で、他のフルオロキノロンに減少した感受性を示す分離株において延長するPAEをもたらす。
【0323】
ジェミフロキサシンは、ペニシリン−感受性および−耐性ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)両者に対して強力な活性を有する。いくつかのインビトロ(in vitro)実験は、また、他のフルオロキノロンに減少した感受性を有するエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対してジェミフロキサシンが非常に活性であることを証明した。
抗生物質後効果(PAE)は、抗微生物薬に短時間暴露後の細菌生育の持続的抑制と定義される。臨床的には、PAEはインビボ(in vivo)で、薬剤の投与計画および効力において重大な影響を有し得る。抗微生物薬の排泄速度および半減期次第で、抗微生物薬の組織および血中濃度は、次の計画用量の前にMIC以下に下がり得る。その結果、PAEを示さない薬剤−病原体組み合わせは、より頻繁な抗微生物薬投与を必要とし得る。しかしながら、延長するPAEの実証は、たとえ抗微生物薬の組織および血清レベルがMIC以下に下がったとしても、細菌の再生育が起こらないことを保証する。かくして、PAE期の間、効力の損失がない。
【0324】
エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の10個の臨床分離株(2個はシプロフロキサシン−感受性、3個はシプロフロキサシン感受性減少、および5個はトロバフロキサシン−耐性「シプロフロキサシン−耐性」)が研究用に選択された。
全分離株は、呼吸器部位から得られた。
MICは、NCCLSによって推奨されるの微量培地希釈法を用いて測定された。
簡単には、18−20h血液寒天培養液は、生理食塩水中0.5のマックファーランド(MacFarland)と同等の懸濁液を調製するのに用いられた。
カチオン−補足ミュラー−ヒントン(Mueller−Hinton)培地(MHB)は、最終濃度5x 10CFU/mlになるよう接種された。溶解ウマ血液は、最終濃度5%になるように添加された。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)のペニシリン感受性を測定する、感受性、中間および耐性の限界点は、:感受性≦0.06μg/mlは、中間0.12−1μg/ml、および、耐性≧2.0μg/mlであった。マイクロタイタープレートを35℃でインキュベートし、MICは、20−24 hインキュベーション後の細菌生育を阻害する抗微生物薬の最低濃度と定義された(NCCLSガイドラインは、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)について20−24 hである)。
1ないし2個のコロニーを、人は50mlのMHB(5%溶解ウマ血液中)に接種するのに使用し、培養液は35℃で一晩のインキュベートした。一晩培養液を新たな培地中へ1:5に希釈し、対数増殖期に達するまで35℃でインキュベートさせた。得られた中間対数期の培養液1mlを、i)培養液9mlを含む生育対照およびii)培養液8.9mlおよび試験抗微生物薬ストック溶液100μlを含む試験培養液、へ添加した。最終濃度、およそ10個の分離株に達し、生育可能なコロニー計数によって確認した。35℃で2hインキュベーション後、試験抗微生物薬は、希釈法を用いて移動された。生育対照および試験培養液100(100)μlを新たな培地9.9mlへ移し、その結果1:100の希釈となった。培養液は35℃で再度インキュベートされ、著しい濁度が観察されるまで、アリコートを生育可能なコロニー計数のために移した。PAEは、式; PAE=T−C、[式中、Tは、試験培養液中の生物が、希釈直後に成育可能なコロニー数より1log10増加するのに必要な時間を表し、Cは、生育対照中の生物が希釈直後に生育可能なコロニー数より1log10を増加するのに必要な時間を表す。]を用いて算出された。
【0325】
シプロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびジェミフロキサシンのMICは、表42に示される。ジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンは、ペニシリン−感受性およびペニシリン−耐性のエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して、優れた活性を有する。ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシンに減少した感受性、およびトロバフロキサシン耐性を有する分離株に対して活性である。
全薬剤は、4xおよび10x MICでエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の十分に感受性の株に対して延長したPAEをもたらした(図16および17)。トロバフロキサシンおよびジェミフロキサシン両者は、シプロフロキサシンに減少した感受性を有するエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の分離株に対してかなりのPAEをもたらす。トロバフロキサシンに耐性の分離株について、ジェミフロキサシンはかなりのPAEを保持する(表43)。
ジェミフロキサシンは、ペニシリン−感受性およびペニシリン−耐性両方のエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して、優れた活性を有する。ジェミフロキサシンは、フルオロキノロン耐性エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)分離株に対して、非常に活性である。
ジェミフロキサシンは、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)のペニシリン−感受性およびペニシリン−耐性両株に対して、延長したPAEをもたらす。他のフルオロキノロンへの耐性は、ジェミフロキサシンのPAEを有意に変えない。その延長したPAEに結びつけられるジェミフロキサシンの優れた抗肺炎球菌活性は、ジェミフロキサシンが下方気道感染を治療する薬剤として使用され得ることを示す。
【0326】
【表78】
Figure 2004507440
【0327】
【表79】
Figure 2004507440
【0328】
本発明は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を、容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載のものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae病原細菌感染の疑いを有するか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含むストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌がストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)である方法を提供するが。他のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)または肺炎球菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
【0329】
一つには、本発明は、種々のヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)または肺炎球菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。
これら分析の目的は、ジェミフロキサシン、新規、広域のフルオロキノロンの抗生物質後効果(PAE)を測定することであった。ジェミフロキサシンPAEは、肺炎球菌の5個のキノロン−感受性株および1個のキノロン−耐性株に対して、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、グレパフロキサシンおよびトロバフロキサシンのそれと比較された。ジェミフロキサシンのPAEは、また、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)の4個のキノロン−感受性株および1個の稀なキノロン−耐性株に対して、同じ5個のキノロンおよびアンピシリン、アモキシリン、アモキシリン/クラブラネート、セフィキシム、セフロキシムおよびアジスロマイシンのそれと比較された。
ジェミフロキサシンは、キノロン−感受性肺炎球菌(0.016−0.03μg/ml対0.06−2μg/ml他のキノロン)およびキノロン−耐性株(0.25μg/ml対4−32μg/ml他のキノロン)両方に対して最低の培地希釈MICを有した。6個の肺炎球菌株全てについて、非キノロンのMICは0.008−2.0μg/mlの範囲であった。ジェミフロキサシンおよび他のキノロンは、全株で、かなりのかつ同様のPAEを有した(10x MICでジェミフロキサシンPAE 0.4−1.6 h)。
10x MICで、非フルオロキノロンのためPAEは、以下の通りだった:アモキシリン0.4−5.8h、セフロキシム0.8−2.9h、アジスロマイシン1.3−2.9hおよびクラリスロマイシン1.8−4.5h。
5x MICでのキノロン耐性肺炎球菌株の暴露は、ジェミフロキサシン(0.9h)およびクラリスロマイシン(4.3h)以外、全薬剤について、10x MICでより低いPAEを与え、両暴露のPAEは同様だった。ジェミフロキサシンはまた、エイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)のキノロン−感受性株に対して、低いマクロブロス希釈MIC(他のキノロンの0.004−0.03μg/mlと比較して0.002−0.004μg/ml)、β−ラクタマーゼを産生するキノロン−耐性株(他のキノロンのMIC1−4μg/ml)に対して、最も低いMIC(0.5μg/ml)を有した。5個のエイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)株全てについて、非キノロンのMICが範囲0.016−>16μg/mlであった。ジェミフロキサシンは、試験されるエイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)全てのキノロン−感受性株のPAEを与えた(他のキノロンの0−6.2 hと比較して10x MICで0.3−2.3 h)。5株のアジスロマイシンPAEは、3.7−7.3であった。
β−ラクタムは4株においてPAEを与えず、1個のβ−ラクタマーゼ欠損株においてPAE0.2−1.7を与えた。10x MICで、キノロン−耐性菌において、キノロンのPAEは、見出されなかった。
【0330】
ペニシリンGおよび他のβ−ラクタムおよび非β−ラクタム化合物に耐性の肺炎球菌の世界的な出現率は、特に南アフリカ、スペイン、中央および東ヨーロッパおよびアジアの一部では、大いに増加している。肺炎球菌のペニシリン耐性はまた、1991−92年に報告される値6.6%で米国でも増加しており、(Breiman, et al., JAMA, 271: 1831−1835 (1994))、最近の調査で(1994−1995)は、23.6%まで上がった (Doern, et al., Antimicrob. Agents. Chemother., 40: 1208−1213 (1996))。ペニシリン−中間的およびペニシリン耐性肺炎球菌によって引き起こされる中耳炎および気道感染(RTI)の通院患者治療のための口腔化合物の切迫した必要性がある。シプロフロキサシンおよびオフロキサシンのごとき利用できるキノロンは、限界点のあたりのMICクラスターで肺炎球菌に対する中程度のインビトロ(in vitro)活性を産する(Jacobs, et al., Rev. Med. Microbiol., 6: 77−93 (1995))。ジェミフロキサシン(SB−265805; LB 20304a)、新規の、広域の新規ピロリドン置換基を有するカルボン酸フルオロナフチリドンの予備的研究(Cormican, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 204−211 (1997); Hohl, et al., Clin. Microbiol. Infect., 4: 280−284 (1996); Oh, et al., Antimicrob. Agents. Chemother., 40: 1564−1568 (1996))は、肺炎球菌に対して非常に活性であることを示した。
ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)b型に対する有効なワクチンの開発により、世界の多くの地域でこの生物の消滅に至ったけれども、その位置は、分類不可能なヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)株によって取られた。後者生物(ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)およびモラキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)が後に続く)は、現在慢性気管支炎の急性増悪の主要な原因および急性中耳炎、副鼻腔炎および院外感染性のRTIの重要な原因であると考えられる。予備研究は、ジェミフロキサシンがエイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)およびエム・カタラリス(M. catarrhalis)に対して非常に活性であることを示す(Cormican, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 204−211 (1997); Hohl, et al., Clin. Microbiol. Infect., 4: 280−284 (1996); Oh, et al., Antimicrob. Agents. Chemother., 40: 1564−1568 (1996)).
抗生物質後効果(PAE)は、抗微生物薬への短時間暴露後細菌生育が抑制される時間の長さと定義される(Craig, et al. In: Antibiotics in laboratory medicine, Williams and Wilkins, pp. 296−329 (1996))。抗微生物薬の投与計画を選択する場合、この薬力学的パラメータは有用である。この研究は、肺炎球菌およびエイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)株に対して、他の抗微生物薬と比較してジェミフロキサシンのMICおよびPAEを検討した。
【0331】
ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、グレパフロキサシンおよびトロバフロキサシンは、肺炎球菌の5個のキノロン−感受性株(シプロフロキサシンMIC<2μg/ml))および1個の耐性株(シプロフロキサシンMIC >8μg/ml))に対して試験された。これらキノロンおよびアンピシリン、アモキシリン、アモキシリン/クラブラネート、セフィキシム、セフロキシムおよびアジスロマイシンは、エイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)の4個のキノロン−感受性株(シプロフロキサシンMIC≦0.016μg/ml)および1個の稀なキノロン−耐性株(シプロフロキサシンMIC 2μg/ml)に対して試験された。ジェミフロキサシン感受性散剤は、スミス・クライン・ビーチャム・ラボラトリーズ(SmithKline Beecham Laboratories, Harlow, Essex, UK)から得られた。他の薬剤はそれぞれの製造業者から得られた。
PAEについて試験される肺炎球菌株の培地MICは、5%溶解脱繊維ウマ血液中、カチオン調整ミュラー−ヒントン(Mueller−Hinton)培地(MHB)を用いてNCCLS推奨によって行った。(National Committee for Clinical Laboratory Standards, Approved Standard M7−A4, Villanova, PA, USA (1997))。標準の品質管理株は、培地希釈MICの各運転に含まれた。エイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)について、β−ラクタマーゼ産生はセフィナーゼディスク法(BBL Microbiology Systems、Cockeysville、MD、USA)によって試験された。以前の時間−死滅研究が、マクロブロス方法によって測定されるMICが微量培地法によって得られるものより1−2希釈低いことを示したため、MICは視覚的にマクロブロス時間−死滅アッセイから視覚的にとられた。標準の品質管理株は、各運転に含まれた。
PAEは、肺炎球菌用5%溶解ウマ血液で補足されたMHBおよびエイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)用の新たに作られたHTMMHBを用いて、生菌プレート計数法によって測定された(Craig, et al. In: Antibiotics in laboratory medicine, Williams and Wilkins, pp. 296−329 (1996))。(#1 マックファーランド(McFarland)濁度の)接種量は、およそ5x 10CFU/mlの懸濁液を生じるように希釈された。PAEは、1h、10x MICの試験薬剤への全株の暴露によって誘導された。キノロン耐性肺炎球菌株は、また、5x MICのキノロン濃度に暴露された。(抗微生物薬が希釈後、もはや静菌的でなかったことを確認するために)接種物を含むが抗微生物薬は含まない生育対照および細菌および0.01x MICの抗微生物薬を含む対照は、また、試験された。
【0332】
チューブ濁度が#1 マックファーランド(McFarland)基準に達するまで、細菌が試験薬剤に暴露される前、希釈直後(0h)、およびついで2h毎に、生菌数が測定された。
回収プレートは、24hインキュベートされ、30−300個のコロニーを生じるプレート上でコロニー計数した(Craig, et al. In: Antibiotics in laboratory medicine, Williams and Wilkins, pp. 296−329 (1996))。
PAEはT−C[式中、Tが抗微生物薬−暴露培養液の生菌数が、希釈直後より1 log10増加するのに必要な時間であって、Cは生育対照の対応する時間である]と定義される。
各実験について、生菌数(log10 CFU/ml)が時間に対してプロットされ、結果は2つ別のアッセイの平均として表された(Craig, et al. In: Antibiotics in laboratory medicine, Williams and Wilkins, pp. 296−329 (1996))。
キノロン−感受性肺炎球菌株の培地微量希釈MIC(μg/ml)は:ジェミフロキサシン0.016−0.03、シプロフロキサシン0.5−1、レボフロキサシン1−2、スパルフロキサシン0.125−0.5、グレパフロキサシン0.06−0.25、トロバフロキサシン、0.06−0.125、アモキシリン0.016−1、セフロキシム0.25−2、アジスロマイシン0.008−0.125およびクラリスロマイシン0.008−0.03であった。
キノロン−耐性株の対応するMICは、キノロンそれぞれに対し、0.25、32、32、16、8、4μg/mlであり、非キノロンそれぞれに対して、0.008、0.016、0.125および0.03μg/mlであった。キノロン−感受性肺炎球菌株の10x MICで得られるPAEは、表44に示される。
5x MICで、キノロン−耐性株のPAE(h)は、:ジェミフロキサシン、0.9;シプロフロキサシン、3.7;レボフロキサシン、1.3;スパルフロキサシンおよびグレパフロキサシン、1.5;およびトロバフロキサシン、1.3であった。
エイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)の4個のキノロン−感受性株および1個のキノロン−耐性株中で、3個(耐性菌を含むが)β−ラクタマーゼ陽性であり、アンピシリンまたはアモキシリンのPAEについて試験されなかった。キノロン−感受性株のキノロンのマクロブロス希釈MIC範囲(μg/ml)は、:ジェミフロキサシン、0.002−0.004;シプロフロキサシン、0.004−0.016;レボフロキサシン、0.008−0.03;およびスパルフロキサシン、グレパフロキサシンおよびトロバフロキサシン、0.004−0.008であった。キノロン−耐性株の対応するMICは、それぞれ、0.5、2、2、2、1および4μg/mlであった。5個のエイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)株全てに対する非キノロンのMIC(μg/ml)は:アンピシリン、アモキシリン、0.25−>16;アモキシリン/クラブラネート、0.25−0.5;セフィキシム、0.016−0.25;セフロキシム、0.5−2;およびアジスロマイシン、0.5−2であった。10x MICでのキノロン−感受性株のPAEは、表45に与えられる。β−ラクタムは3個の株においてPAEを与えず、1個のβ−ラクタマーゼ−陰性株においてPAE0.2−1.7 hを与えた。
【0333】
10x MICで、キノロンPAEは、キノロン−耐性株に見出されなかった。
ジェミフロキサシンは、キノロン−感受性およびキノロン−耐性両方の肺炎球菌に対して、MICによって試験される最も強力なキノロンである。
他のキノロンと共に、ジェミフロキサシンは、試験されるキノロン−耐性株を含む全ての肺炎球菌株に対してかなりのPAEを有する。後者は、薬剤投与計画に関して有利であり、ジェミフロキサシンの使用が肺炎球菌におけるキノロン耐性の発生を遅くするのを助け得ることを示す。
ジェミフロキサシンは、エイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)のキノロン− 感受性株に対して非常に活性である。ジェミフロキサシンのみは、増加したキノロンMICを有する稀な株に対するMIC≦0.5μg/mlを論証した。ジェミフロキサシンは、キノロン−感受性エイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)株に対してかなりのPAEを有する。ジェミフロキサシンは、肺炎球菌(キノロン−耐性株を含む)、エイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)、レジオネラ属の種、クラミジア属の種およびマイコプラズマのごとき気道病原体に対して、広域スペクトラムの活性を有する。この化合物は、院外感染性RTIの経験的治療の他のキノロンおよび非キノロン剤の魅力的な代替品を表す。
【0334】
【表80】
Figure 2004507440
【0335】
【表81】
Figure 2004507440
【0336】
本発明は、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)または肺炎球菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)または肺炎球菌病原細菌またはこれら生物に感染あるいは、その疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、ヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)または肺炎球菌病原細菌感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)または肺炎球菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該病原細菌がヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilusinfluenzae)および肺炎球菌:よりなる群から選択される方法を提供するが。他のヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)または肺炎球菌病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、連鎖球菌およびブドウ球菌またはエンテロバクテリアカエ属細菌のごときグラム陽性細菌病原体に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のス連鎖球菌およびブドウ球菌またはエンテロバクテリアカエ属病原体のごときグラム陽性細菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、投与に続く7日、プラセボと比較して健康者の糞便細菌叢に対するジェミフロキサシンの効果を測定することであった。
【0337】
キノロンは、正常なヒト腸管のミクロフローラに対する選択的効果を有する。
異なるキノロン剤(シプロフロキサシン、エノキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、ロメフロキサシン、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、ルフロキサシン、シタフロキサシン、ガチフロキサシン、トロバフロキサシンおよびモキシフロキサシン)の公開データは、治療中、グラム陰性好気性細菌、特にエンテロバクテリアカエ属が強く抑制あるいは除去されることを示す。ジェミフロキサシンは、メチシリン−感受性およびメチシリン−耐性ブドウ球菌、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)およびエンテロバクテリアカエ属の大部分のメンバーを含むグラム陽性およびグラム陰性微生物に対して、広域の抗菌活性を有することが示された新規フルオロキノロンである。
本研究の目的は、ヒト腸管のミクロフローラに対するジェミフロキサシンの効果を調査することであった。ジェミフロキサシンは、10人の健康者へ7日間、経口投与量320mgで投与され、5人の被検者は、7日間、毎日一回量の比較プラセボを投与された。糞便試料は、投与前(−8および−6日)、投与期間(2および4日)および投与中止後(8、11、21、28および56日)集められた。好気性の腸管のミクロフローラで、ジェミフロキサシン投与期間、腸内細菌の数は抑制され、腸球菌および連鎖球菌の数もまた、減少した。他のいかなる好気性微生物も、影響されなかった。ジェミフロキサシン投与期間、嫌気性ミクロフローラで、嫌気性球菌および乳酸桿菌の数は抑制され、その一方で他のいかなる変化も起こらなかった。ジェミフロキサシンの投与中止49日後、ミクロフローラは正常化された。耐性細菌株または酵母の選択または過成長は、起こらなかった。ジェミフロキサシンの生態学的影響は、好都合であり、選択的であり、かつガチフロキサシン、トロバフロキサシンおよびモキシフロキサシンのそれと同様であることが示された。
【0338】
キノロンは、概して好気性グラム陰性生物に対する強力な活性を有するが、グラム陽性生物に対してより低い活性である一群の抗微生物薬である。しかしながら、より新規のキノロンは、グラム陽性生物に対して促進された活性を有する。キノロンは、糞便でのエンテロバクテリアカエ属を減少するが、嫌気性のミクロフローラおよび腸球菌に対してほとんど影響しない。糞便のミクロフローラを調査する臨床研究において、キノロン−耐性菌による集落形成は一般に示されなかった。
ジェミフロキサシンは、連鎖球菌を含むグラム陽性細菌に対して高い活性を有する。単一のセンター、ランダム化、二重盲検、管理プラセボ、並行集団研究が実行された。被検者は、8人の健康な男子および7人の健康な女子ボランティアから成った(体重範囲53.10−93.80kg、身長範囲1.60−1.84mおよび年齢範囲は、24−44歳)。被検者は、2:1の割合で320mgのジェミフロキサシンまたはプラセボを受けるためにランダム化された。10人の被検者は、7日間、経口投与量320mgのジェミフロキサシンを毎日1回、受け、5人の被検者は毎日1回、経口投与量の比較プラセボを受けた。
糞便試料は、投薬前6および8日、およびついでジェミフロキサシンまたは比較プラセボ初回投与後2、4、8、11、21、28および56日に取られた。
糞便試料は、8日目までの試料については±24時間以内に標的の日に集められ、以降の試料については、±2日が許容できた。
糞便の試験片の微生物学的分析は、ハイムダール(Heimdahl)およびノード(Nord)に記載されるごとく実行された(Heimdahl, et al., Scand. J. Infect. Dis., 11: 233−242 (1979))。試験片は、予め減少したペプトン−酵母エキス培地で懸濁されて、希釈され、選択培地上に接種された。好気性寒天プレートは、37℃、24h、嫌気性プレートは嫌気性ジャー(GasPlak, BBL, USA)で37℃、48h インキュベートされた。インキュベーション後、異なるコロニー型は、計数され、純培養液に単離され、形態学的および生化学試験およびガス液体クロマトグラフィーを用いて属レベルで同定された。検出下限は、糞便のグラムにつき10微生物であった(Arronsson, et al., Antimicrob. Chemother., 14: 85−89 (1984))。さらに、ジェミフロキサシンの糞便の濃度を測定するために、微生物学的アッセイが実行された。
【0339】
脈拍、血圧、12−リードECG記録、臨床実験室パラメータおよび有害な事象は、実験を通して、全被検者でモニターされた。糞便のミクロフローラ終末点の変化は、ジェミフロキサシンおよびプラセボ間で時間について比較された。実行される正式な統計分析はなかった。
ジェミフロキサシンの投与による好気性糞便ミクロフローラに対する影響は、図20に示される。エシェリキア・コリ(Escherichia coli)は投与期間中、抑制され、腸球菌および連鎖球菌の数は減少した。これら好気性細菌は、ジェミフロキサシンの最後の投与21日後に正規化された。他のいかなる好気性微生物も、ジェミフロキサシン投与に影響を受けなかった。著しい交替は、プラセボ群において見出されなかった。
ジェミフロキサシンの投与による嫌気性の糞便ミクロフローラに対する影響は、図21に示される。ジェミフロキサシンの投与の間嫌気性球菌および乳酸桿菌の数は減少し、その一方で他のいかなる大きな変化も起こらなかった。嫌気性ミクロフローラは、最後の投与21日後、正常に戻った。プラセボ治療の間、嫌気性ミクロフローラでの著しい変化は、気づかれなかった。ジェミフロキサシン耐性細菌または酵母の選択または過成長は、起こらなかった。
ジェミフロキサシン(320mg)は、健康な男子および女子被検者で十分に許容された。
生存徴候、ECGまたは実験値に、臨床的に関連した変化はなかった。ジェミフロキサシン投与の間、腸内細菌、腸球菌および連鎖球菌の数は、抑制された。他のいかなる好気性微生物も、影響を受けなかった。ジェミフロキサシン投与の間、嫌気性球菌および乳酸桿菌の数は抑制され、その一方で他のいかなる変化も起こらなかった。ジェミフロキサシンの投与中止49日後、全ての好気性および嫌気性微生物は正常化された。耐性細菌株または酵母の選択または過成長は、起こらなかった。ジェミフロキサシンの生態学的影響は、有利であり、選択的かつ、ガチフロキサシン、トロバフロキサシンおよびモキシフロキサシンのそれと同様であることが示された。
本発明は、連鎖球菌およびブドウ球菌のごとき、グラム陽性細菌病原体およびエンテロバクテリアカエ属病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。
【0340】
当業者は、本発明の方法を行うために、連鎖球菌およびブドウ球菌のごときグラム陽性細菌病原体またはエンテロバクテリアカエ属病原細菌またはこれら生物に感染あるいは、その疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、連鎖球菌およびブドウ球菌のごときグラム陽性細菌病原体またはエンテロバクテリアカエ属病原細菌感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、連鎖球菌およびブドウ球菌のごときグラム陽性細菌病原体またはエンテロバクテリアカエ属病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該病原細菌が連鎖球菌およびブドウ球菌のごときグラム陽性細菌病原体またはエンテロバクテリアカエ属細菌:からなる群より選択される方法を提供するが。他のグラム陽性またはグラム陰性病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、グラム陽性細肺炎球菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のグラム陽性肺炎球菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。
【0341】
これらの分析の目的は、BOXおよびPFGEフィンガープリント法を用いて、オフロキサシン、シプロフロキサシンおよびレボフロキサシンに対し上昇したMICで株の抗微生物薬感受性およびクロナリティーを測定することであった。
少数の多剤耐性肺炎球菌クローンがグ世界的に広まり、多くの国での侵入性肺炎球菌疾病の取り扱いに対しかなりの脅威となっている。フルオロキノロンが気道感染の経験的取り扱いについて、広く主張されてこなかったけれども、グラム陽性生物、特にストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対する促進された活性を有する同じクラスの薬剤の最近の開発は、将来、このクラスの薬剤より大いなる使用に至りそうである。合計361株は、オフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシンおよびジェミフロキサシン(SB−265805)を含む一団の抗生物質に対して試験された。20株は「より古い」キノロンに対し耐性であった(MIC≧8μg/ml)が、ジェミフロキサシンのMICは、低くいままであった(<0.12μg/ml)。これら耐性株のDNAフィンガープリント法は、元来キノロン感受性であると思われた汎発流行性のスペイン23F−1およびフランス9V−3クローンと同一であるセロタイプ9Vおよび23F株を示した。USAの十分なペニシリン耐性肺炎球菌のおよそ3分の1は、スペイン23F−1クローンに属している。データは、フルオロキノロン耐性が多耐性肺炎球菌の汎発流行性クローンに出現し得ることを示し、フルオロキノロンへの肺炎球菌耐性の連続サーベイランスは必須である。新規フルオロキノロン ジェミフロキサシンは、ペニシリンおよびより古いフルオロキノロンに耐性の肺炎球菌株に対して活性を保持する。
ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)は、ヒトの罹患率および死亡率の重大な原因であり続ける。ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)は、細菌性肺炎、副鼻腔炎および中耳炎の主要な原因であって、髄膜炎の重要な原因である。過去10年は、ペニシリンGおよび他のβ−ラクタムおよび非−β−ラクタム抗微生物薬に耐性である肺炎球菌株の出現率の劇的な増加が見られた。問題は、国から国までおよび大陸から大陸まで限られた数の肺炎球菌クローンの蔓延によって悪化した。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対する促進された活性を有する新規フルオロキノロン(FQ)の最近の開発が、肺炎球菌疾病の取り扱いにおいてもしかすると、重要な進歩であるけれども、現在利用できるFQの耐性の出現の報告は増加している。FQ耐性に寄与する因子を測定するために、オフロキサシン−耐性(≧8μg/ml)およびオフロキサシン−感受性(≦4μg/ml)株両者が調査された。この研究では、株のクロナリティーが評価され、DNAギラーゼおよびトポイソメラーゼIVのgyrA、gyrB、parCおよびparE遺伝子での突然変異が同定された。
【0342】
株は、1997年のアレキサンダー・プロジェクトおよび北アイルランド研究から得られた。セロタイプ決定することは、ステイテンズ・シーラム・インスティテュート(Statens Serum Institut)からの血清でクエラング(Quellung)反応によって実行された。使用される抗微生物薬は、以下の通りだった:ジェミフロキサシン(SB−265805)、バッチ#PNS−A−03C、作用強度75.4%(SmithKline Beecham Pharmaceuticals, UK);オフロキサシン、シプロフロキサシンおよびレボフロキサシンE試験ストリップ(AB Biodisk, Sweden);ペニシリンG、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、テトラサイクリン、リファンピン、セフォタキシムおよびトリメトプリムおよびサルファメトキサゾール(Sigma, USA)。
感受性試験は、NCCLSガイドラインによってE−試験および培地微量希釈法を使用して、実行された。BOX−フィンガープリント法によるDNAタイピングは、以下のごとく実行された:ゲノムDNAは、プロテナーゼK−SDSフェノール/クロロホルム法によって単離された。PCRは、プライマーAR1を用いて、体積50 μl で、90℃1分、52℃1分および72℃2分で30サイクル、で実行された。産物は、120Vで2h後、2%アガロースゲル上で視覚化された。SmaI酵素を用いるDNA制限で、以前記載の、パルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)が実行された(Fox, et al., J. Infect. Dis., 175: 1396−1403 (1997) )。GyrA、gyrB、parCおよびparE遺伝子は、PCRによって増幅され、シーケネース(Sequenase )ver.2シークエンシングキット(US Biochemicals, Ohio, USA)によって、手動で配列決定された。
表46は、セロタイプ決定、感受性試験、DNAタイピングおよびキノロン耐性決定領域(QRDRs)の配列決定のデータを示す。試験される361株中、オフロキサシンMIC≧8μg/mlを有する20株が同定された。多くの低レベルのオフロキサシン−感受性株(≦4μg/ml)は、比較のために含まれた。耐性株の大多数(75%)は、セロタイプ9V、23Fおよび6Bに属していた。BOX−フィンガープリント法およびPFGEを用いるDNAタイピングは、試験される41株について同定される26の型を伴う、基本的に異種の個体群を明らかにした。
【0343】
4個のセロタイプ9Vオフロキサシン耐性分離株が、スペインおよびフランスに存在するフランス9V−3クローンと同一であると同定された。これは、広く世界中至る所で広められ、イタリア、スウェーデン、ドイツ、USA英国および南アメリカおよび極東で同定された。さらに、2個の23F FQ分離株が、よく論証されているスペイン23F−1クローンのメンバーと同定された。米国の最近の研究で、40%の非常にペニシリン耐性な分離株がスペイン23Fクローンに属していることが分かった(Kilmarx、et,al.,J. Infect. Dis.(177):677−682 (1998)。研究中のキノロン−耐性株は、スペイン6B−2クローンに属していると同定されなかった。国際的なクローンでのFQ耐性の出現およびその播種能力は、したがって、潜在的な懸念である。
推定QRDRアミノ酸変化は、オフロキサシン−感受性およびオフロキサシン−耐性株両方のgyrA、gyrB、parCおよびparEについて確認された。
最も頻繁なgyrA置換は、それぞれ3個、および2個の分離株に存在するS81Yを有するS81FおよびE85Kであった。1個の分離株は、S114GおよびA17Tに置換を示した。5個の分離株は、gyrBの変化を示した。ParCは、最も多くの変化を含に、頻繁な置換、K137N は単独で、あるいはS79FまたはS79Y組み合わせで遭遇し; 2個の他の突然変異は、また、主要な置換として、D83NおよびD83G単独で、あるいはS79Fと組み合わされて、観察された。優勢なparE置換は、I460Vであった。parCでのアミノ酸置換I460VおよびK137Nは、多数のFQ感受性株に存在し、耐性においてより小さい役割をするように見える。parCでの置換S79FおよびgyrAでのS81Fは、最も高い平均MICと関係しているようだ。
キノロン−感受性フランス9V−3対照株のparCおよびparEでの突然変異の存在は、重要である。スペイン23F−1およびスペイン6B −2対照株での推定突然変異の同定は、進行中であり、これら国際的クローンにFQ耐性の出現率における若干の洞察を提供することができるだろう。
【0344】
ジェミフロキサシンは、ペニシリンおよび他のフルオロキノロンに耐性の肺炎球菌株に対して活性を保持する。国際的クローンスペイン23F−1およびフランス9V−3のキノロン−耐性株が同定された。
【0345】
【表82】
Figure 2004507440
【0346】
【表83】
Figure 2004507440
【0347】
【表84】
Figure 2004507440
【0348】
本発明は、グラム陽性肺炎球菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、グラム陽性肺炎球菌病原細菌またはこれら生物に感染あるいは、その疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであるかもしれない。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、グラム陽性肺炎球菌病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、グラム陽性肺炎球菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該グラム陽性肺炎球菌病原細菌がストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae):からなる群より選択される方法を提供するが。他のグラム陽性肺炎球菌病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、淋菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々の淋菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、上昇されたシプロフロキサシンMICを有する3分の1の株を含む150個の淋菌に対するジェミフロキサシンの活性を測定することおよび新規薬剤へのエヌ・ゴノロアエ(N. gonorrhoeae)の感受性を定義するための基準を確立することであった。これら分析は、MICおよびディスク拡散間ならびにE試験(AB BIODISK, Solna, Sweden)、より複雑な寒天希釈法に対する単純かつ有効な代替法、で高い相関を示した。ルーチン的臨床実験の使用についてE試験を確認するために、E−試験結果は、また、対照標準ナショナル・コミッティー・フォー・クリニカル・ラボラトリー・スタンダード(the National Committee for Clinical Laboratory Standards) (NCCLS)寒天希釈法と比較された(National Committee for Clinical Laboratory Standards, Tentative guideline M23−T3, Wayne, PA USA (1998))。
【0349】
ジェミフロキサシンの活性は、対照標準寒天希釈、標準化ディスク拡散およびE−試験(AB BIODISK, Solna, Sweden)方法を使用して50個のシプロフロキサシン耐性分離株を含む150個のナイセリア・ゴノロアエ(Neisseria gonorrhoeae)株に対して試験された。
ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシン−感受性株に対して非常に強力である(MIC90 0.008μg/ml)が、シプロフロキサシン耐性淋菌に対して16倍活性が低い。フルオロキノロン−耐性変異株に対するフルオロキノロン活性の順位序列は:ジェミフロキサシン(MIC90、0.12μg/ml)>トロバフロキサシン(0.25 μg/ml)>モキシフロキサシン=グレパフロキサシン(0.5μg/ml)>シプロフロキサシン(1μg/ml)であった。E試験および対照標準寒天希釈MIC結果は優れた相関(r = 0.96)を示し、>98% MICは±1 log希釈(完全一致)の範囲内である。寒天希釈MICは、また、ジェミフロキサシン5μg円板を用いて得られる帯直径と比較され;完全な方法間の絶対的一致(100%)は、以下のごとくに提案される限界点を適用して達成された:感受性ついて、≦0.25μg/ml(帯、≧25mm)および耐性について≧1μg/ml(帯≦21mm))。これら基準は、トロバフロキサシンのために承認されるものに従う。ガチフロキサシンMICおよびディスク拡散試験QC範囲は、エヌ・ゴノロアエ(N. gonorrhoeae) ATCC 49226のために確立された。データは、≧7研究室から集められ、寒天MICおよびディスク法両者のために3 個のGC寒天培地ロットおよび各々5および10μgディスク2ロット。提案されたMIC品質管理(QC)範囲は、0.002−0.016μg/mlであり、両ディスクに対する算出mm帯範囲(メジアン±0.5×平均値範囲)は類似的だったが、結果の88.1および91.9%のみを含んだ。許容されるものを達成する範囲内の全実験結果の≧95%許容、を達成するために、43−54mmの制限が必要だった。ジェミフロキサシンの優れた広域活性および低い副作用プロフィールは、キノロン耐性淋病の治療の可能性を示す。
【0350】
淋菌感染症は、重要な世界的問題であり続ける。初期には、ペニシリンおよび/またはテトラサイクリンがナイセリア・ゴノロアエ(Neisseria gonorrhoeae)に対する最初の系統薬剤であったが、最近30年に、がペニシリナーゼ産生(PPNG)およびテトラサイクリン耐性(TRNG)ゴノコッカス属での広範囲にわたり、増加している感染があった。
セフトリアキソン、セフィキシム、セフポドキシム、セフォテタン、セフォタキシム、セフォキシチン、セフタジジムおよびセフロキシムのごときβ−ラクタマーゼ安定「第二−、または、第三世代」のセファロスポリンを含む、合併しない淋病のための代替療法が推奨されている。治療のもう一つの道は、フルオロキノロン・クラスの抗微生物薬であった。
シプロフロキサシンおよびオフロキサシンは、初期の一用量実施の間、非常に有効であることがわかった。しかしながら、シプロフロキサシン耐性を有する淋菌が急速に出現し、これら株の発生割合が世界的に増加しているように見える(Fox, et al., J. Infect. Dis., 175: 1396−1403 (1997); Kilmarx, et al., J. Infect. Dis., 177: 677−682 (1998); Tapsall, et al., Med. J. Aust., 156: 143 (1992)); Van de Laar, et al., Genitourinary Med., 73: 510−517 (1997))。さらに、PPNG株は、非−PPNGと比較してセフトリアキソンおよびシプロフロキサシンのより高いMICを示した。1992−1994年間の淋菌のサーベイランスにおける最近のWHOレポートは(Anonymous, Genitourinary Med., 73: 355−361 (1997)) 、耐性分離株の数およびMICの程度に関して、フルオロキノロン耐性が増加し、広まるようになると文書化した。同一の時間枠の間、合衆国の研究がシプロフロキサシンに減少した感受性を有する淋菌感染の20%増加を示した(Fox, et al., J. Infect. Dis., 175: 1396−1403 (1997)).
シプロフロキサシンMICの上昇は、細菌染色体でgyr AおよびparC遺伝子の突然変異と関係していた(Deguchi, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 40: 1020−1023 (1996)).
【0351】
シプロフロキサシン耐性の非常に高いレベル(8−64μg/ml)はparC遺伝子での二重突然変異に追従する。これら多発性の突然変異は、また、その構造類似性のため、最も新規に発展したスペクトラムのフルオロキノロンにより低感受性の生物を産出する。
ジェミフロキサシンは、多様な病原体に対して他の現在利用できるフッ化キノロンと比較して、優れたインビトロ(in vitro)活性を有することが示された(Cormican, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 204−211 (1997); Hohl, et al., Clin. Microbiol. Infect., 4: 280−283 (1998); Marco, et al., J. Antimicrob. Chemother., 40: 605−607 (1997); Oh, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 40: 1564−1568 (1996))。シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)対シプロフロキサシンのそれのごとき静菌的効果を示す一方、ジェミフロキサシンはまた、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)およびエシェリキア・コリ(Escherichia coli)に殺菌的である。コーミカン(Cormican)およびジョーンズ(Jones)は、ジェミフロキサシンがフルオロキノロン−およびグリコペプチド−耐性株を含むグラム陽性種に対して試験される最も活性な薬剤であることを見出した(Cormican, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 204−211 (1997))。ジェミフロキサシンはまた、多くのグラム陰性病原体に対してシプロフロキサシンと同様な活性を有した。いくつかの以前の報告は、非常に強力なジェミフロキサシンと、限られた数の淋菌(シプロフロキサシン耐性分離株を含まない)を研究した。ジェミフロキサシンが淋病の治療として用いられることになっている場合、より多くの数のフルオロキノロン−耐性株を含む生物を研究し、従って、交差耐性の可能性を評価することは重要である。また、品質管理限界は、ルーチン的臨床実験室試験または耐性サーベイランス研究における使用のために確立されなければならない。
スミスクライン・ビーチャム・ファーマシューティカルズ(SmithKline Beecham Pharmaceuticals)(Philadelphia, PA)は、臨床試験用医薬品、ジェミフロキサシンを供給した。他のコンパレータ−薬剤は、各々の製造業者から得られた。ジェミフロキサシンE試験ストリップは、AB BIODISKによって作られた。ジェミフロキサシン5および10μgディスクは、オキソイド(Oxoid)(Hampshire, UK)によって生産され;ビーディー・マイクロバイオロジカル・システムズ(BD Microbiological Systems)(Cockeysville(MD))が対照シプロフロキサシン(5μg)ディスクを生産した。対照標準寒天MIC試験用の抗微生物薬溶液が製造業者の取扱説明書に従って調製され、使用されるまで、−70℃でアリコートで貯蔵された。ジェミフロキサシン溶液は、試験の日毎に、新たに作られた。
【0352】
最近の、かつ対照標準のストック臨床分離株を含むエヌ・ゴノロアエ(N. gonorrhoeae)の合計150株がこの調査で使用された。100個の淋菌株は、シプロフロキサシン−感受性であった(帯直径、≧41mm; MIC、≦0.06μg/ml)。これらのシプロフロキサシン−感受性株は、さらに、そのペニシリン感受性に基づいて、分類された:19個のペニシリン−感受性株(MIC≦0.06μg/ml)、25個の中程度に感受性または中間体株(MIC 0.12−1μg/ml)、非−β−ラクタマーゼ機構による29個のペニシリン耐性株(MIC≧2μg/ml)。さらなる27株は、β−ラクタマーゼ産生の力によってペニシリンに耐性だった。
他の50個のエヌ・ゴノロアエ(N. gonorrhoeae)株はシプロフロキサシン耐性がそのフルオロキノロンに対し減少された感受性を2種類のレベル:低レベルの耐性を示す43株(MIC 0.12−0.25μg/ml)および高レベル耐性を有する7株(MIC 0.5−8μg/ml)で示したと分類された。シプロフロキサシン−耐性株は、多様な場所に由来した:日本由来27個、合衆国由来17個およびオランダ由来6個。日本由来株は、PCR分析によって、そのgyr AおよびparC突然変異について以前にキャラクタライズされた:16個はgyr A突然変異により、11個はgyrA +parC置換による。シプロフロキサシン−感受性分離株は、実験室収集(University of Iowa Hospitals and Clinics)一部であり、ルーチン的な最近の国内臨床株を表した。
エヌ・ゴノロアエ(N. gonorrhoeae)分離株は、チョコレート寒天培地プレート上で生育し、処理まで、−70℃で溶解ウマ血液中に貯蔵された。新たな一晩の継代培養が、感受性試験に使用された。100個のシプロフロキサシン−感受性分離株、ジェミフロキサシンを含む1個のE試験ストリップおよび1個の5μgジェミフロキサシン拡散ディスクならびにジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンによる対照標準寒天希釈MIC試験が試験された。シプロフロキサシン非−感受性、または−耐性の分離株は、E試験ストリップ、5μgディスクおよびジェミフロキサシンおよび他のコンパレータ−薬剤(シプロフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、モキシフロキサシン、アモキシシリン、ペニシリンおよびアジスロマイシン)による対照標準寒天希釈試験に対して試験された。全試験は、NCCLS [1997aおよびb]方法によって実行された。エヌ・ゴノロアエ(N. gonorrhoeae )ATCC 49226QC株は、繰り返して狭い範囲の値を生じた(MIC、0.004または0.008μg/ml);すべてその後確立した範囲(以下のセクション参照)の範囲内で。
7個の実験室研究は、1)7個の認定サイト; 2)2個のディスク作用強度(5および10μg)各々のための2個のディスクロット; 3)3個の GC寒天ロット; 4)10日間10重複試験;および5)並列試験される対照フルオロキノロン(トロバフロキサシン)を使用して、ディスク拡散法のNCCLS M23−Aの規格に対応するように設計された。
【0353】
この研究設計は、トロバフロキサシン対照結果を除き、各々の関与している実験室での各ディスク作用強度に対する60重複の帯直径または全840個の帯を生じた。寒天希釈QC設計は、1)7実験室; 2)実験室につき30試験(10試験/日);および3)各々が1個のロットを試験する2個の実験室の3群での3個の寒天ロットおよび3個の培地ロット全てを試験する単一の参照サイト(90個のMIC結果)を使用した。このプロトコールは、270個のMIC結果を生じた。寒天希釈試験(結果範囲0.008−0.016μg/ml)およびディスク拡散試験(結果範囲42−53 mm)の対照トロバフロキサシン結果は全て、NCCLS(1999)推奨の範囲内であった。ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシン−感受性株に対し非常に強力だった(MIC90 0.004−0.008μg/ml)が、シプロフロキサシン耐性生物に対して16−ないし32−倍、低い活性であった(MIC90 0.125μg/ml)。
記録した最も高いジェミフロキサシンMICは、gyr Aおよびpar Cにおいて多発性突然変異を有している株について、1μg/ml(E試験によって、0.5μg/ml)であった。
シプロフロキサシン−感受性株の中で、ペニシリン耐性およびペニシリナーゼ産生のレベルは、一般にフルオロキノロン感受性に影響しなかった。
シプロフロキサシン−耐性株の中で、gyr A中のみの突然変異によるものが、シプロフロキサシンおよびジェミフロキサシンMIC範囲それぞれ、0.12−1および0.03−0.12μg/mlを有した。gyr Aおよびpar C両者に突然変異を有している淋菌は、各フルオロキノロンに対し、8倍高いMIC範囲を有した(0.25−8および0.06−8μg/ml)。
表47において、E試験からのMIC結果は、対照標準寒天希釈法[ NCCLS、1997b ]から得られるものと比較する。150個の試験された株由来のMIC50およびMIC90値を使用する場合、E試験のMICがわずかに低い傾向のあることが注目された(表47)。
【0354】
これらデータの回帰分散ダイヤグラム・プロット(示されず)は、0.96の相関係数(r)およびy = 0.66 + 0.95xの回帰式を示す。方法間の必須の一致(±1log2希釈)は98.7%であったが、76個(50.7%)のE−試験MIC値はそれらが対照標準寒天希釈試験によって測定したものより、2倍低かった。
分散ダイヤグラム比較は、また、ディスク拡散試験(x軸にプロット)および対照標準ジェミフロキサシンMIC値(y軸にプロット)で作成された(示されず)。相関は高く(r = 0.91)、回帰式はy = 13.2− 0.24xであった 。
感受性MIC限界点の≦0.25μg/mlは、帯直径≧25mmに相関するであろう(表49)。ジェミフロキサシンMIC1μg/mlの単一の分離株は、耐性あるいは、未決のいずれかと考えられ得る。
ジェミフロキサシンQC範囲を確立する7個の実験室調査からの結果は、表50および51において見出される。QC エヌ・ゴノロアエ(N. gonorrhoeae) ATCC 49226を使用して、それぞれ0.004および、0.008での100および130の発生頻度で、ジェミフロキサシンMICが0.002−0.016μg/mlまで変動した。この広い最頻数値は、0.002−0.016μg/mlの4log希釈対照範囲を考える必要がある。各ディスク薬剤含有量の結果は、有意には異ならず、5μgディスクは、ルーチン的臨床使用のために選択された。5μgディスクについて、算出された範囲は49±4mmまたは45−53mmであった。しかしながら、この範囲は、発生する結果の88.1%を含んでいるのみであり、従って、43−54mmに拡大された(範囲内に97.6%結果)。
エヌ・ゴノロアエ(N. gonorrhoeae)、特にシプロフロキサシン耐性のそれらの株に対するジェミフロキサシン活性は、顕著であり(MIC90、0.12μg/ml)、トロバフロキサシンを含む試験された他の全てのフルオロキノロンより優れている。
このレベルの作用強度は、変異DNAギラーゼ/トポイソメラーゼ標的に対する、より大きい親和性によってより古いフルオロキノロンに耐性であると見られる淋菌感染症の治療のためのジェミフロキサシン使用を容認し得る。
【0355】
【表85】
Figure 2004507440
【0356】
【表86】
Figure 2004507440
【0357】
【表87】
Figure 2004507440
【0358】
【表88】
Figure 2004507440
【0359】
【表89】
Figure 2004507440
【0360】
本発明は、淋菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、淋菌病原細菌またはこれら生物に感染あるいは、その疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、淋菌病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、淋菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該淋菌病原細菌が、シプロフロキサシンー耐性ナイセリア・ゴノロアエ(Neisseria gonorrhoeae)を含むナイセリア・ゴノロアエ(Neisseria gonorrhoeae):からなる群より選択される方法を提供するが。他の淋菌病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、肺炎球菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々の肺炎球菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これらの分析の目的は、フルオロキノロンに耐性である(オフロキサシンMIC≧8μg/ml)肺炎球菌を同定し、シプロフロキサシンおよびペニシリン耐性の関連が以前に報告された北アイルランド由来の株を分析し、種々の肺炎球菌株に対してジェミフロキサシンの作用強度を評価することであった。チェン(Chen)および同僚(Chen, et al., New England Journal of Medicine, 341: 233−239 (1999))はカナダでフルオロキノロンに対してストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)の耐性が増加していることに典拠を示す。パルスフィールド・ゲル電気泳動は、その研究中の肺炎球菌の多くのクローンを同定するが、現在世界的分布を有する多剤耐性クローン(例えば、スペインセロタイプ23Fクローン)中にフルオロキノロン耐性を発見しなかった。(Munoz, et al., J. Infect. Dis., 164: 302−306 (1991)。著者らは(Chen, et al., New England Journal of Medicine, 341: 233−239 (1999))かかるクローンでフルオロキノロン耐性が出現し得るという懸念を発表した。
【0361】
アレキサンダー(Alexander)研究は、スミスクライン・ビーチャム(SmithKline Beecham)が後援する呼吸器病原体の世界的サーベイランス・プログラムである。
この収集から、フルオロキノロンに耐性である(オフロキサシンMIC≧8μg/ml)肺炎球菌が同定され、シプロフロキサシンおよびペニシリン耐性の関連が以前に報告された北アイルランド由来の株が分析された(Goldsmith, et al., J. Antimicrob. Chemother., 41: 420−421 (1998))。合衆国において、現在非常に耐性の肺炎球菌の3分の1までに寄与する23F多剤耐性スペインクローンは、フランスおよびスペイン由来の分離株でフルオロキノロン耐性に突然変異したと同定された。セロタイプ9V多剤耐性の世界的肺炎球菌クローン(Lefevre, et al., Eur. J. Clin. Micro. Infec. Dis., 14: 491−497 (1995))は、スペインおよび北アイルランド両国でフルオロキノロン耐性であると同定した。1993年に単離された9Vクローン(TL7)の基準株(Lefevre, et al., Eur. J. Clin. Micro. Infec. Dis., 14: 491−497 (1995))が、この突然変異単独で表現型耐性を発現するには不十分であるので、(オフロキサシンMIC 3μg/ml;シプロフロキサシンMIC 1.5μg/ml)、以前に検出されていないparC遺伝子(D83G)におけるフルオロキノロン耐性への第一段階突然変異を有するという最近の観察は、特に重大事である。ジェミフロキサシンが、試験される最も強力な新規フルオロキノロンであり、これらの株に対する活性を保持すると見出された。
このデータは、肺炎球菌の多剤耐性の国際的クローンにおけるフルオロキノロン耐性の出現を記載し、肺炎球菌における抗微生物薬耐性の持続的サーベイランスおよび肺炎球菌感染に対するフルオロキノロンの慎重な使用の必要を示す。
本発明は、肺炎球菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、肺炎球菌病原細菌またはこれら生物に感染あるいは、その疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、肺炎球菌病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、肺炎球菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
【0362】
本発明の好ましい目的は、該肺炎球菌病原細菌が、シ肺炎球菌病原細菌:からなる群より選択される方法を提供するが。他の肺炎球菌病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、好気性菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々の好気性病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。
これらの分析の目的は、広域のグラム陽性およびグラム陰性好気性生物を代表する10個の分離株に対して、ジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンのPAEを測定することであった。
ジェミフロキサシンの抗生物質後効果(PAE)は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)、モレキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)およびプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)を含む10個の分離株に対して、シプロフロキサシンのそれと比較された。分離株は、2および4x MICの存在下インキュベートされた。1hの暴露後、抗微生物薬は限外濾過によって除去され、生菌数計数は6hなされた。PAEはT−Cと定義され、式中、Tは、抗微生物薬暴露培養液が生菌数において1log10増加する時間であって、Cは、生育対照が、生菌数において1log10増加する時間である。測定可能なPAEは、2および4x MICで、両化合物で観察された。ジェミフロキサシンのPAEはシプロフロキサシンのそれらに匹敵し、両化合物について、2x MICへの暴露は4x MICへの暴露より短いPAEという結果になった。4x MICでのジェミフロキサシンのPAEは、ピー・エルジノーサ(P. aeruginosa、ピー・ブルガリス(P. vulgaris)およびエイチ・インフルザエ(H. influenzae)に対して>6 hであって、試験される他の分離株に対して0.1から2.5hまでの変動した。これらの結果はジェミフロキサシンが、広域の生物に対して明白なPAEを有することを示し、このことは、ジェミフロキサシンの薬物動力学的プロフィルと共同して、臨床的使用におけるこの化合物のより頻繁でない投与計画を示す。
【0363】
抗生物質後効果(PAE)は、抗微生物薬への細菌培養液の短い暴露後、細菌生育の持続的抑制と定義される。Craig WA, Gudmundsson S. The post antibiotic effect. In: Antibiotics in laboratory medicine (4th edition). Ed. Lorian, V. Baltimore, MD, USA: The Williams and Wilkins Co., 1986: pp 296−329を参照。PAEの測定は、抗微生物薬の適当な投与計画の設計において有用であり得る。理論では、長いPAEを有する抗微生物薬は、短いPAEを有するものより頻繁でない投与計画を必要とするであろう。
ジェミフロキサシン、バッチ# 03R1P2−1−1、作用強度73.8%は、スミスクライン・ビーチャム・ファーマシューティカルズ(SmithKline Beecham Pharmaceuticals), Harlow, UKから得られた。シプロフロキサシン、ロットG、作用強度100%は、USP 対照標準 (Rockville, MD, USA)として得られた。以下の分離株は、スミスクライン・ビーチャム(SmithKline Beecham)から得られた:抗感染性研究培養収集物:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)ATCC 29213、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus) 662、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)ATCC 49619、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae) ATCC 49247、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis) ATCC 29212、モレキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis) MC2、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)ATCC 25922、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 27853、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)KP2およびプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)ATCC 13315。
【0364】
5%ヒツジ血液を含むトリプチカーゼダイズ寒天(BBL、Cockeysville、MD、USA)は、継代培養凍結された分離株のストックにおよびエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)のコロニー計数に使用された。ミュラー−ヒントン(Mueller−Hinton)II寒天(BBL)は、非選好性生物のコロニー計数に使用された。チョコレートII寒天(BBL)は、エイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)分離株のコロニー計数に使用された。
カチオンー調整したミュラー−ヒントン(Mueller−Hinton)培地(CAMHB)(BBL)は、非選好性生物を試験するのに使用された。5%溶解ウマ血液(BBL)で補足されるCAMHBはエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)分離株を試験するのに使用された。ヘモフィルス試験培地(BBL)はエイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)分離株を試験するのに使用された。
生物は、凍結ストック(−80℃)から5%ヒツジ血液を含むトリプチカーゼ寒天プレート上に継代培養され、35℃で20−24h、インキュベートされた。生理食塩水の5mlのチューブは、0.5のマックファーランド(McFarland)基準に相当する濁度を得るために一晩培養から十分な数のコロニーを接種された。この接種量は、およそ1x10 CFU/mlの最終試験接種量を生じるように、18mlの適当な培地(50mlのフラスコに含まれる)に100倍に希釈された。
ジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンのMICは、培地微量希釈というNCCLS推奨法を使用して、測定された。(National Committee for Clinical Laboratory Standards. 1997. Approved Standard M2−A6. Performance standards for antimicrobial disk susceptibility tests (sixth edition). NCCLS, Wayne, PA, USA.参照。)
両化合物は、濃度0.0001ないし32μg/mlまで変動する連続2倍希釈で試験された。陽性の生育対照(無抗微生物薬)は、各マイクロタイタープレート上に含まれた。接種後、プレートは18−24 h、空気中35℃でインキュベートされた。接種量、10mlアリコートは、最終試験接種量の純度を測定するために、5%ヒツジ血液を含むトリプチカーゼダイズ寒天上に塗布された。
【0365】
以前に、記載されるごとく、濾過方法を使用してPAE効果は測定された。(Thornburn CE, Molesworth SJ, et al. Post antibiotic and post−β−lactamase inhibitor effects of amoxicillin plus clavulanate. Antimicrob Agents Chemother 1996; 40: 2796−2801参照。)各試験分離株は、適当な培地20ml中、抗微生物薬(2または4LMICで)を含む50mlのフラスコに添加された。分離株の添加後、開始接種量の密度(CFU/ml)を測定するためにコロニー計数が行われた。フラスコは、35℃で振盪機上でインキュベートされた。抗微生物薬暴露の2時間後、更なるコロニー計数が実行された。各フラスコの含有物は、ついで、抗微生物薬を除去するために0.2ミクロン・フィルタを使用して濾過された。濾液は10mlの予め温められた培地で、2回洗浄され、フィルターは20mlの予め温められた培地に再懸濁された。コロニー計数は、試験分離株の再懸濁の直後に実行された。フラスコはインキュベーターに返され、コロニー計数は6h、 1h間隔で実行された。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)およびエイチ・インフルエンザエ(H. influenzae)用に使用される培地補足物と関連する濾過問題によって、抗微生物薬を除去するために予め温められた培地で接種量の1:100希釈を作成した。PAE測定のための対照は、試験分離株を2h無薬剤培地でインキュベーション後、濾過および無薬剤培地中の分離株インキュベーションを含んだ。
5個の10倍希釈は、時間間隔毎、各分離株/抗微生物薬および対照用に作成された。10μlの使い捨て可能なループを使用して、各穴から50μl、適当な寒天培地に広げられた。プレートは一晩インキュベートされ、30−300個のコロニーを提供した希釈で、コロニー計数を行った。MICは、分離株の可視的生育を阻害した化合物の最低濃度として測定された。
MIC終末点の測定を援助するために、マイクロタイター・ミラー読み取り機が使用された。y軸上のコロニー数およびx軸上の時間による半対数グラフは、各分離株に対して準備された。PAE効果は、式:PAE = T−C[式中、Tは、試験分離株の計数が抗微生物薬除去直後に観察された計数より10倍(1x log10)増加するのに必要な時間であるって、Cは、対照が抗微生物薬の除去直後に観察される数より、10倍増加するのに必要な時間である。]を使用して測定された。
ジェミフロキサシンおよびシプロフロキサシンのMICは、表52に示される。PAE結果の概要は、表53に示される。
【0366】
一般に、より短いPAEは、4x MICに対して2x MICで観察された。4’MICで、ジェミフロキサシンPAEは、エイチ・インフルザエ(H. influenzae)、ピー・エルジノーサ(P. aeruginosa)および、ピー・ブルガリス(P. vulgaris)に対する>6 hであって、試験される他の分離株に対して0.1ないし2.5hまで変動した。イー・フェカーリス(E. faecalis) ATCC 29212を除いて、4’MICで得られるシプロフロキサシンPAE値は0.3から5.1hまで変動し、効果は観察されなかった。
ジェミフロキサシンのPAEは、試験される全分離株に対してシプロフロキサシンのそれに匹敵する。より短いPAEは、4x MICと比較して2x MICで両化合物について観察される。4x MICで、シプロフロキサシンより長いジェミフロキサシンのPAE(>6 h)は、エイチ・インフルザエ(H. influenzae)、ピー・エルジノーサ(P. aeruginosa)および、ピー・ブルガリス(P. vulgaris)に対して観察される。全体的に、この研究の結果は、ジェミフロキサシンが広域の生物に対して明白なPAEを有することを示す。
【0367】
【表90】
Figure 2004507440
【0368】
【表91】
Figure 2004507440
【0369】
本発明は、好気性病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、好気性病原細菌またはこれら生物に感染あるいは、その疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されているものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、好気性病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、好気性病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該好気性病原細菌が、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)、モレキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)およびプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris):からなる群より選択される方法を提供するが。他の好気性病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、肺炎球菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。一つには、本発明は、種々の肺炎球菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これらの分析の目的は、ジェミフロキサシン(SB−265805)のインビトロ(in vitro)の抗肺炎球菌活性を測定することであった。
【0370】
ジェミフロキサシンは、肺炎球菌でのキノロン耐性の2つの主要な機構であるそのparCおよびgyrA遺伝子で、特異的な耐性の突然変異を有するエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して他のキノロンと比較された(Varon, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43: 302−306 (1999))。
β−ラクタム−およびマクロライド耐性エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の世界的増加は、重大な臨床問題になっている。良好な抗グラム陽性活性を有するより新規のキノロンは、これら生物に対して有効なままであり、治療の選択肢であり得る。しかしながら、院外でのキノロンの広範囲にわたる使用は、キノロン耐性エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)を選択し、これらの化合物の使用を制限し得る。
キノロン−感受性およびキノロン耐性の肺炎球菌に対する、ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)の抗肺炎球菌活性を調査する研究からのデータは、本明細書中に提供される(Kelly, et al., 38th ICAAC, Abstract F−087 (1998))。
ジェミフロキサシンは、肺炎球菌でのキノロン耐性の2つの主要な機構であるそのparCおよびgyrA遺伝子で、特異的な耐性の突然変異を有するエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して他のキノロンと比較された(Varon, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43: 302−306 (1999))。新しく記載された流出−媒介キノロン系耐性(pmrA突然変異)(Gill, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43: 187−189 (1999))は試験されなかった。
【0371】
エス・ニューモニエ(S. pneumoniae) ATCC 49619が、品質管理として使われた。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の3個のアイソジェニックの分離株が、研究された: WB4、シプロフロキサシン−感受性だが、ペニシリン−およびエリスロマイシン−耐性株; WB4CR、シプロフロキサシン−耐性、WB4株の実験室変異株;およびWB4TR、トロバフロキサシン−耐性、WB4株の実験室変異株。両変異株は、薬剤のいずれにでも周期的暴露によって生じた。親(WB4)はシプロフロキサシン(CIPRO)−感受性だが、ペニシリン−およびエリスロマイシン−耐性であった。これら薬剤への周期的暴露によって、2個の誘導体は、CIPRO−耐性(WB4CR)またはトロバフロキサシン(TROVA)耐性(WB4TR)のいずれかが選択された。CIPRO−感受性ATCCおよびWB4株は、parCまたはgyrA突然変異を持っていなかった。CIPRO−耐性変異株WB4CRは、parCに1個の突然変異(79SY)を持ち、TROVA−耐性変異株は、parCに1個の突然変異(79S F)およびgyrAに1個の突然変異(81S F)持っていた。MIC(mg/lで)は、表55に一覧にされる。
parCおよび/またはgyrAでの突然変異は、全キノロンのMICを増加した。
しかしながら、ジェミフロキサシンおよびクリナフロキサシンは、最少の影響を受けた。
研究で使用される抗生物質は、:ジェミフロキサシン;シプロフロキサシンおよびモキシフロキサシン;レボフロキサシン;スパルフロキサシン; クリナフロキサシン;グレパフロキサシン;トロバフロキサシンを含んだ。
最小阻止濃度(MIC)は、10のcfu/mlの接種量で、ブライン−ハート(Brain−Heart)注入液(BHI(Difco))中、培地希釈法によって測定された。
使用されたQRDR遺伝子のPCR法およびDNA配列決定、およびPanらによって公開されるプライマーおよび増幅条件(Pan, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 40: 2321−2326 (1996))は、QRDRに対応するparCおよびgyrA断片のPCR増幅のために使用された。PCR−増幅された産物のDNAの塩基配列は、自動シーケンサーの運転であった。
ジェミフロキサシンおよびクリナフロキサシンは、試験されたキノロンの中でエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して最も強力な活性を有した。他の薬剤とは対照的に、ジェミフロキサシンおよびクリナフロキサシンは、parC/gyrA二重突然変異キノロン−耐性肺炎球菌に対してさえ、治療範囲でMICを保持した。これらの結果は、インビボ(in vivo)でparC/gyrA二重突然変異体に対してかかる薬剤の活性を測定するために更なる研究を是認する。
【0372】
【表92】
Figure 2004507440
【0373】
【表93】
Figure 2004507440
【0374】
本発明は、肺炎球菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、肺炎球菌病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、肺炎球菌病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、肺炎球菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該肺炎球菌病原細菌が、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae):からなる群より選択される方法を提供するが。他の肺炎球菌病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、グラム陽性球菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のグラム陽性球菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これらの分析の目的は、比較薬剤に対してジェミフロキサシンのスペクトラムおよび作用強度を測定することであった。ジェミフロキサシンは、アンピシリン、オキサシリン、ペニシリン、シプロフロキサシン、トロバフロキサシン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、エリスロマイシンおよびバンコマイシンと比較された。
以前の研究はグラム陽性種に対するジェミフロキサシンの非常な作用強度を見出し、このさらなる調査は50以上の医療センターから6,790個のこれら生物の試料を採取した。
【0375】
スペクトラム/作用強度を最もよく定義するために、ジェミフロキサシンはトロバフロキサシンおよび4個の他の比較薬剤に対して試験された。推奨された培地補足物を有する対照標準培地微量希釈方法がずっと使用された。収集物は、4962個のブドウ球菌、600個の選好性連鎖球菌、1182個の腸球菌および46個の他の種の株を含んだ。選択された結果(試験される株の数;ジェミフロキサシン/トロバフロキサシンのMIC90; % ≦1μg/mlジェミフロキサシン/トロバフロキサシン)は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、(3672; 2/2; 86/85)、エス・エピダーミス(S. epidermidis)(404; 1/>4; 92/71)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)(630; 4/>4; 76/66)、イー・フェシウム(E.faecium)(216; >4/>4; 15/11)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)(300; 0.06/0.25; 100/97)、β−溶血性連鎖球菌(150; 0.06/0.25; 100/100)およびビリダンス(viridans)群連鎖球菌(150; 0.12/0.25; 99/97)であった。モニターされた種の中の耐性の割合は、それぞれ、エス・アウレウス(S. aureus)でのオキサシリン31%、肺炎球菌でのペニシリン35%および、腸球菌でのバンコマイシン11%であった。ジェミフロキサシンは、感受性限界点濃度の選択まで、その全体的グラム陽性活性においてトロバフロキサシンと同等あるいはより優れているように見える。連続的インビトロ(in vitro)の、薬力学的および臨床的調査は、是認されているようである。
ジェミフロキサシン・スペクトラムの初期評価は、シプロフロキサシンまたはオフロキサシンに耐性であると見られる多くの株を含むグラム陽性球菌に対して、非常に強力な活性を示す。グラム陰性桿菌に対するジェミフロキサシン活性は、より新規のフッ化キノロンの中でトロバフロキサシンまたはガチフロキサシンのそれに最も類似していたが、絶対的嫌気性生物に対するより適当な作用強度が報告された。これらの特徴は、1994年にDomagalaによって記載された構造活性相関(Domagala, et al., J. Antimicrob. Chemother., 33: 685−706 (1994))に適合し、予備的安全性情報は、ジェミフロキサシンに対する許容される許容限界量を示す(Kim, et al., J. Appl. Pharmacol., 3: 322−326 (1995)).
【0376】
ジェミフロキサシンにおける既存のインビトロ(in vitro)の情報を補足するために、調査は、より多数の個体群のグラム陽性球菌および桿菌のルーチン的臨床分離株を研究するために開始された。ヨーロッパ、北アメリカおよび南アメリカの中の多様な地理的位置由来のこれら株は、対照標準培地微量希釈法(National Committee for Clinical Laboratory Standards, Approved standard M7−A4, Wayne, PA USA (1997))によって処理された。
これら実験のための試験生物は、グラム陽性種であり、ルーチン的臨床分離株を含み、大多数が1998−99年に単離された。属および種の一般的分類化は、:腸球菌(1182株; 7種および種レベルで同定されなかった310株)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(3672株)、コアグラーゼ陰性スタフィロコッカス属の種(1290株;種レベルで同定されなかった775株と13種)、連鎖球菌(600株)、コリネバクテリア生物(27株; 4種)およびバシラス属の種(19株)であった。全株は臨床的に重要な感染由来であり、ほとんどが、50以上の医療センターおよび照会実験室から報告された血液培養、気道感染および皮膚/創傷感染由来であった。
生物は、対照標準培地微量希釈方法によって試験され、結果は、現在のガイドライン(National Committee for Clinical Laboratory Standards、Ninth Infomational Supplement M100−S9、Wayne、PA USA(1999))によって解釈された。ジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンの感受性解釈および限界点は、ナショナル・コミッティー・フォー・クリニカル・ラボラトリー・スタンダード(National Committee for Clinical Laboratory Standards) (NCCLS)による承認まで、比較目的のためにのみ、≦1μg/mlに帰された。
アンピシリン、オキサシリン、ペニシリン、シプロフロキサシン、トロバフロキサシン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、エリスロマイシンおよびバンコマイシンを含む9個の比較薬剤が試験された。全化合物はその製造業者から得られ、薬剤供給者またはNCCLSによって指定されるごとく、対照標準感受性法において利用された。
【0377】
感受性結果は、表56に示される。ジェミフロキサシンは、腸球菌に対して試験される最も活性なフルオロキノロンであり(4倍強力)、76%のイー・フェカーリス(E. faecalis)、15%のイー・フェシウム(E. faecium)および68%の他のエンテロコッカス属の種の分離株を阻害した。
全ての腸球菌(1182株)について、≦1および≦2μg/mlでそれぞれ、7%および17%少ない株を阻害したトロバフロキサシンと比較して、ジェミフロキサシンは、≦1μg/mlで63%(≦2μg/mlで76%)の株に対して活性だった。この個体群の腸球菌は、以下の耐性集団動態学を有した:バンコマイシン耐性10%、アンピシリン耐性21%、ゲンタマイシン高水準耐性28%(>500μg/ml)およびストレプトマイシン高水準耐性40%(>1000μg/ml)。
バンコマイシンは、全ての3個の作表されたエンテロコッカス属群に対して、全体的に単一の最高薬剤のままだった。
エス・アウレウス(S. aureus)株はオキサシリン耐性31%を示し、試験化合物の活性のスペクトラムの順位序列は(MIC50 [μg/ml ]/%感受性):バンコマイシン(1/100)>ドキシサイクリン(≦0.5/93)>ジェミフロキサシン(≦0.03/86)=トロバフロキサシン(≦0.03/85)>クリンダマイシン(0.25/72)>シプロフロキサシン(0.5/69)=オキサシリン(1/69)>エリスロマイシン(0.5/52)であった。ジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンは、試験される最も強力なフルオロキノロンであり、シプロフロキサシンより≧16倍活性であった。
1290個のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌は、またジェミフロキサシンに非常に感受性(MIC90 1または2(μg/ml))であった。16−21%より多くの株は、トロバフロキサシン(MIC90>4μg/ml)と比較して≦1μg/mlで阻害された。
合計600個の連鎖球菌は、この実験、2個のフルオロキノロンおよびペニシリンにおいて、ジェミフロキサシンに対して試験された。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)中のペニシリン非感受性割合は、42%であった(≧2μg/mlで15%高水準)。ジェミフロキサシンは、トロバフロキサシンより2−または4−倍活性であって、≦1μg/mlで全連鎖球菌の99−100%を阻害した。
【0378】
フルオロキノロンは、バシラス属の種に対してテトラサイクリンおよびバンコマイシンに匹敵するが、41−59%のコリネバクテリウム属の種の分離株は感受性である。
グラム陽性生物のこの現代の試料に対して、ジェミフロキサシンは、試験される最も強力なフルオロキノロンである。腸球菌およびブドウ球菌に対するジェミフロキサシンのスペクトラムおよび作用強度は、これら病原体に対して最も活性なフルオロキノロンのクラス中であると認識されているトロバフロキサシンのそれ同等であるか、より優れている。
【0379】
【表94】
Figure 2004507440
【表95】
Figure 2004507440
【表96】
Figure 2004507440
【0380】
本発明は、グラム陽性球菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、グラム陽性球菌病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、グラム陽性球菌病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、グラム陽性球菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該グラム陽性球菌病原細菌が、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス属の種、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピダーミス(Staphylococcus epidermidis)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、β−溶血性連鎖球菌ビリダンス(viridans)群、バシラス属の種およびコリネバクテリウム属の種:からなる群より選択される方法を提供するが。他のグラム陽性球菌病原細菌は、また、方法に含まれてよい当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。 これら分析の目的は、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)におけるジェミフロキサシンの作用機構を測定することであった。
ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン・ペフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、スパルフロキサシンおよびガチフロキサシンと比較された。
ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)におけるキノロンの標的は、Topo IVおよびギラーゼを含む。シプロフロキサシン、ノルフロキサシン・ペフロキサシン、レボフロキサシンおよびトロバフロキサシンはTopo IVを標的とするが、スパルフロキサシンおよびガチフロキサシンはギラーゼを標的とする。
【0381】
ジェミフロキサシンは、エス・アウレウス(S. aureus)およびエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)のごときグラム陽性細菌および一般的気道病原体(例えば、エム・カタラリス(M. catarrhalis)および、エイチ・インフルエンザ(H. influenza)MIC<0.06μg/ml)に対して非常に強力である。ジェミフロキサシンは、また、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)のペン−Rおよび−S株に対して活性であり(MIC < 0.125μg/ml)、シプロフロキサシン耐性エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して活性を示す(MIC < 0.5μg/ml)。
2つのアプローチは、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)におけるジェミフロキサシンの作用機構を調査するのに用いられた:
(i)キャラクタライズされたQRDR突然変異を有する株の感受性を研究することおよび(ii)ジェミフロキサシン耐性菌を選択し、QRDR配列を決定すること。ジェミフロキサシンのMICは、シプロフロキサシンおよびスパルフロキサシンのそれより低い(スパルフロキサシンからのMICより2倍ないし32倍低く、シプロフロキサシンからのMICより8倍ないし128倍低い。)
parCおよびgyrA両者における突然変異は、ジェミフロキサシン感受性を非常に減少するのに必要である。第一段階ジェミフロキサシン・変異体(MIC 0.25のμg/ml)は、gyrA突然変異を抱き、スパルフロキサシンに交差耐性を示す。ParC変化は、更なる選択によって得られる(MIC 0.5−1.0 μg/ml)。ジェミフロキサシンは、トポイソメラーゼ突然変異を有する株に対して、ギラーゼおよび活性に対するインビボ(in vivo)の優先権を有する。
本発明は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
【0382】
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌がストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae):からなる群より選択される方法を提供するが。他のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけエシェリキア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)またはストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のエシェリキア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)およびストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)およびストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対してフルオロキノロン・ジェミフロキサシンの殺菌活性および作用機構を測定することであった。
ジェミフロキサシンは、トロバフロキサシンおよびシタフロキサシンと比較された。フルオロキノロン特有の二相性用量反応曲線を生じるこれら細菌に対して、ジェミフロキサシンは非常に殺菌的であることが見出された。この新規フルオロキノロンは、エス・アウレウス(S. aureus)に対してこれまで試験された他の全てのフルオロキノロンより殺菌的であり、イー・コリ(E. coli)またはエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対する他のほとんどのフルオロキノロンより殺菌的であった。データは、ジェミフロキサシンが、フルオロキノロン・クラスの抗菌薬の改善されたメンバであることを示す。
【0383】
多数のフルオロキノロンの殺菌活性は、一連の研究室で評価された(Morrissey, et al., J. Med. Microbiol., 43: 4−8 (1995))。この殺菌活性は、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)中の死滅、すなわち増殖しない細菌または(タンパク質合成を妨げるために)クロラムフェニコール存在下での死滅、を調査する実験に基づく4つの作用機構(A、B、CおよびB)に特徴づけられた。機構Aは、増殖しており、活発にタンパク質およびRNA合成を受けている細菌を必要とする(Lewin, et al., Eur., J. Clin. Microbiol. Infect. Dis., 10: 240−248 (1991)).これは、全てのキノロンによって共有される基礎的作用機構であり、ナリジクス酸のようなより古いキノロンの唯一の作用機構である。機構Bは、増殖する細菌またはタンパク質およびRNA合成を必要としない(Lewin, et al., Eur., J. Clin. Microbiol. Infect. Dis., 10: 240−248 (1991))。機構Bは、イー・コリ(E.coli)に対して多くの現代のフルオロキノロンによって示される(Morrissey, et al., J. Med. Microbiol., 43: 4−8 (1995))。しかしながら、これはこの作用機構が他の細菌に対して存在すると保証しない。例えば、エス・アウレウス(S. aureus)に対して、レボフロキサシンが有する((Lewin, et al., J. Med. Microbiol., 30: 227−231 (1989))機構Bをシプロフロキサシンは、有さない(Lewin, et al., J. Antimicrob. Chemother., 22 (Suppl. C): 1−8 (1988))。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して、シタフロキサシンのみがこの付加的機構を有することが見出された(Morrissey, et al., J. Med. Microbiol., 43: 4−8 (1995))。他方、機構Cは、増殖する細菌を必要としないが、活性タンパク質およびRNA合成を必要とする(Morrissey, et al., J. Med. Microbiol., 43: 4−8 (1995))。この機構は、エノキサシン(Lewin, et al., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis., 8: 731−733 (1989))およびノルフロキサシン(Ratcliffe, et al., J. Pharm. Pharmacol., 37 (Suppl): 92P (1987))について同定されるのみであった。機構B1は、最も最近発見された作用機構である。この機構は、タンパク質またはRNA合成を必要としないが、分裂しない細菌に対しては失われる。機構Bは、イー・コリ(E. coli)またはブドウ球菌に対するシナフロキサシンについて(Lewin, et al., J. Med. Microbiol., 33: 67−70 (1990))、およびエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)に対するシタフロキサシンまたはトロバフロキサシンについて(Morrissey, et al., J. Med. Microbiol., 43: 4−8 (1995); Morrissey, et al., J. Antimicrob. Chemother., 38: 1061−1066 (1996))同定された。
この研究は、ジェミフロキサシン(SB−265805)、新規(C−7 3−アミノメチル−4−メチルオキシム置換1,8−ナフチリジン)フルオロキノロンの殺菌活性を評価するために行われた。
【0384】
予備研究は、特にグラム陽性細菌に対して、ジェミフロキサシンが抗菌活性を促進したことを示唆する(Paek, et al., 38th ICAAC, Abstract F−92, p. 255 (1998))。
ジェミフロキサシンは、スミスクライン・ビーチャム・ファーマシュティカルズ・R&D(SmithKline Beecham Pharmaceuticals R & D )(New Frontiers Science Park (South), Third Avenue, Harlow, Essex)によって供給された。1mg/mlのストック液は、滅菌蒸留水で調製された。クロラムフェニコール(Sigma−Aldrich, Poole, Dorset)は、最初に、メタノールに溶解され、ついで滅菌蒸留水に溶解された。両抗菌薬は、実験日毎に新たに調製された。
以下の実験室株が、この研究で使用された:
1. エシェリキア・コリ(Escherichia coli)KL16
2. スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)E3T
3. ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)C3LN4。
他のキノロンの殺菌作用機構を測定するのに、その以前の使用のため、これら株が選択された。細菌は、−70℃で貯蔵され、使用前に、1.5%(w/v)寒天・バクテリオロジカル(agar bacteriological)(Unipath Ltd)で固形化されるニュートリエント・ブロスNo.2(nutrient broth No.2)(Unipath Ltd., Basingstoke, Hants)上へ継代培養された。
エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)用に、寒天は5%(v/v)溶血ウマ血液(Unipath Ltd.)で補足された。
ジェミフロキサシンの殺菌活性は、MorrisseyおよびSmithの方法を使用して調査された(Morrissey, et al., J. Med. Microbiol., 43: 4−8 (1995)).簡単には、0.005のおよび10mg/L間の濃度範囲は、ニュートリエント・ブロスNo.2(Nutrient broth No.2)で調製された。細菌は、初期接種量約10cfu/Lに接種され、37℃で3hインキュベートした。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)が使用された場合、7%(v/v)溶血ウマ血液で補足された。付加的機構B、BまたはCの存在は、タンパク質合成を阻害するために20mg/Lのクロラムフェニコール(エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)について2.5mg/L)の添加によって、あるいは細菌増殖を阻害するためにニュートリエント・ブロス(nutrient broth)をリン酸塩緩衝生理食塩水と置換することによって評価された。この生物がリン酸塩緩衝生理食塩水で研究された場合、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の自己分解を阻害するために、7%(v/v)ウマ血清(Unipath)が添加された。インキュベーション後、試料1mLが取られ、遠心分離され、同等容量の滅菌ニュートリエント・ブロスno.2(nutrient broth no.2)中に再懸濁された。この洗浄段階は、薬剤キャリーオーバーを防ぐために合計二回繰り返された。これら試料の生菌数計数はスパイラル・プレーティングによって固形寒天上でなされ、プレートは35℃で48hインキュベートされた。パーセント生存率が算出され、試験される薬剤濃度に対してプロットされた。
【0385】
ジェミフロキサシンはイー・コリ(E. coli)KL16、エス・アウレウス(S. aureus)E3Tまたはエスティーアール・ニューモニエ(Str.pneumoniae) C3LN4に対して二相性用量反応を生じ、3個の細菌全てに対して、ジェミフロキサシンの最適殺菌濃度を生じる(図24、25および26)。この現象は、フルオロキノロン抗細菌薬の特徴を示す(Lewin, et al., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis., 10: 240−248 (1991))。イー・コリ(E. coli)KL16、エス・アウレウス(S. aureus)E3Tおよびエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)C3LN4に対するジェミフロキサシンの最適殺菌濃度は、それぞれ、1.0、0.5および0.5mg/Lである。
静菌濃度のクロラムフェニコールの添加は、イー・コリ(E. coli)に対してジェミフロキサシンの殺菌活性を減少した(図24)。しかしながら、重要な殺菌活性は、なお、このタンパク質合成阻害剤の存在下起こった。他方、ジェミフロキサシンの活性がリン酸塩緩衝生理食塩水で試験された場合、イー・コリ(E. coli)に対して、より少ない殺菌活性が観察された(図24)。従って、ジェミフロキサシンがタンパク質合成を欠いた細菌を死滅できるが、リン酸塩緩衝生理食塩水でインキュベートされる完全な非−増殖細菌を死滅する能力がより少ないことは、明らかとなろう。従って、ジェミフロキサシンはイー・コリ(E. coli)に対して殺菌機構AおよびB1を有する。
【0386】
エス・アウレウス(S. aureus)に対して、イー・コリ(E. coli)に対して見られるそれよりわずかに強い殺菌活性は、ニュートリエント・ブロス(nutrient broth)で起こった(図25)。クロラムフェニコールが添加された場合、あるいは、実験がリン酸塩緩衝生理食塩水で実行された場合、ブドウ球菌に対して、減少した死滅がもたらされた(図25)。それにも関わらず、これら条件下、すなわち、タンパク質合成を受けることができないブドウ球菌に対してあるいは増殖できないブドウ球菌に対して、良好な殺菌活性は、なお、エス・アウレウス(S. aureus)E3Tに対して起こった。従って、ジェミフロキサシンがエス・アウレウス(S. aureus)に対して、殺菌機構AおよびBを有することは、明白である。
試験される他の2個の細菌種と同様、ジェミフロキサシンがニュートリエント・ブロス(nutrient broth)(溶血ウマ血液で補足)で、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して殺菌的であったことは、図26から見られる。この殺菌活性は、イー・コリ(E. coli)またはエス・アウレウス(S. aureus)のいずれかに対して、ジェミフロキサシンに観察されたものより低かった。さらに、クロラムフェニコールが添加された場合、あるいは、実験がリン酸塩緩衝生理食塩水(ウマ血清で補足)で実行された場合、ジェミフロキサシンを使用して、殺菌活性は、ほとんどまたは全く起こらなかった。従って、肺炎菌に対して、ジェミフロキサシンは、機構Aの他に殺菌作用機構を有さなかった。
この研究の結果は、ジェミフロキサシンがイー・コリ(E. coli)KL16、エス・アウレウス(S. aureus)E3Tおよびエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)C3LN4に対して殺菌的であることを示す。ジェミフロキサシンはイー・コリ(E. coli)KL16およびエス・アウレウス(S. aureus)E3Tに対してそれぞれ、付加的殺菌作用機構BおよびBを有する。しかしながら、かかる付加的機構は、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)C3LN4に対して存在しない。
【0387】
比較の目的のために、この研究の結果は、以前にトロバフロキサシンおよびシタフロキサシンで得られた同等な結果と一緒に示されている(表57)。ジェミフロキサシンがシタフロキサシンに匹敵する最適殺菌濃度およびイー・コリ(E. coli)に対するトロバフロキサシンより低いOBCを有することが分かる。ジェミフロキサシンはまた、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して最も低いOBCを有する。最も重要なことに、しかしながら、ジェミフロキサシンはエス・アウレウス(S. aureus)に対してトロバフロキサシンまたはシタフロキサシンよりかなり低いOBCを有する。さらに、ニュートリエント・ブロス(nutrient broth)でのエス・アウレウス(S. aureus)に対する最適殺菌濃度のジェミフロキサシンの殺菌活性は、また、他のフルオロキノロンで、見出されたより大きかった(表57)。これらの結果は、ジェミフロキサシンがこの系を使用して、エス・アウレウス(S. aureus)E3Tに対して、これまで試験される最も強力なフルオロキノロンであることを示す。興味深いことに、しかしながら、クロラムフェニコールが添加される場合、あるいは、実験がリン酸塩緩衝生理食塩水で実行された場合、エス・アウレウス(S. aureus)に対するジェミフロキサシンの殺菌的利点は保持されない(表57)。換言すれば、ジェミフロキサシンによる殺菌機構Bは、トロバフロキサシンまたはシタフロキサシンで見られるほど強力でない。
トロバフロキサシンで見られるごとく(表57)、ジェミフロキサシンは、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して、クロラムフェニコール存在下またはリン酸塩緩衝生理食塩水で殺菌活性を有さない。実際、シタフロキサシンはこれらの実験的条件下で、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)C3LN4に対して殺菌活性を有すると知られている唯一のフルオロキノロンである。
トロバフロキサシンまたはシタフロキサシンと比較して弱い付加的機構 BまたはB1のため、細菌が増殖できない場合、ジェミフロキサシンは減少した殺菌活性を示す。それにも関わらず、増殖する細菌に対して、ジェミフロキサシンは非常に強い殺菌活性を示す。これら差異の臨床的意味は、ジェミフロキサシンのさらなる評価の後、明白になるであろう。
【0388】
【表97】
Figure 2004507440
OBC = 最適細菌濃度、 NB = ニュートリエント・ブロス(nutrient broth)、Cm = クロラムフェニコール、 PBS = リン酸塩緩衝生理食塩水。
【0389】
本発明は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )またはストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )またはストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )またはストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )またはストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
【0390】
本発明の好ましい目的は、該病原細菌がエシェリキア・コリ(Escherichia coli)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )またはストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae):からなる群より選択される方法を提供するが。他の病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ腸球菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、この本発明は、種々の腸球菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、1998および1999年に大学病院で集められた100個の臨床分離株に対して、ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)の活性を測定することであった。
ジェミフロキサシンは、ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ナリジクス酸、ペニシリン、アンピシリン、ゲンタマイシンおよびトリメトプリム/スルファメトキサゾールと比較しされた。
グリコペプチドを含む多くの抗微生物薬に対する腸球菌の増加した耐性は、新規薬剤の必要性を強調した。フルオロキノロンの中で、いくつかのより新規の化合物は、グラム陽性細菌に対して促進された活性を有する。この研究の目的は、1998および1999年に大学病院で集められた100個の臨床分離株に対して、ジェミフロキサシン(SB−265805)のインビトロ(in vitro)の活性を調査することであった。分離株は、50個のエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)および50個のエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)株から成り、そのうち7個がグリコペプチド耐性(VRE)であった。ジェミフロキサシンおよび10個の他の抗微生物薬のMICは、NCCLS方法論によって培地微量希釈法を使用して測定された。
【0391】
【表98】
Figure 2004507440
【0392】
ジェミフロキサシンは、腸球菌に対して試験される他のキノロンより活性であった。一般に、MICはグラム陽性細菌に対する活性について他のキノロンのそれらより1−2希釈低かった。ジェミフロキサシンおよびグレパフロキサシン両者のMIC50およびMIC90間に、二モード分布を示す傾向から生じている3−4希釈の差異があった:
VRE株のMIC50/MIC90値は、グレパフロキサシン、0.5/16μg/mlおよびジェミフロキサシン、0.06/8μg/mlであった。グレパフロキサシンMIC≧2を有する17株のうち、グレパフロキサシンおよびジェミフロキサシンのMIC50/MIC90値は、それぞれ、4/16μg/mlおよび0.5/2μg/mlであり、それはジェミフロキサシンの方を選んで3希釈の差異を意味する。
抗微生物薬耐性は、特にグラム陽性生物中で、増加している臨床的問題である。限界点のあたりに集まっているMIC値を有する、オフロキサシンおよびシプロフロキサシンのごとき利用できるキノロンは、グラム陽性生物に対して中程度の活性を生じる。グラム陽性球菌に対するより広いスペクトラムの活性を有するより新規のキノロンは、レボフロキサシン、グレパフロキサシンおよびトロバフロキサシンを含む。ジェミフロキサシン(SB−265805)は、新規ピロリジン置換基を有する新規フルオロナフチリドンカルボン酸である。予備研究は、ジェミフロキサシンが他のクラスの薬剤に耐性である株を含むグラム陽性細菌に対して、非常に活性であることを示した。
【0393】
この研究において、ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)の抗微生物活性がエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)およびエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)株に対して検討され、他のキノロンおよびβ−ラクタムのそれと比較された。
合計100個の腸球菌は、入院患者および通院患者からの臨床試験片から単離された。分離株は、50個のエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)および50個のエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)株を含んだ。7個のイー・フェシウム(E. faecium)分離株は、バンコマイシン耐性(VRE)であり、バンコマイシン耐性株についてスクリーニングされた患者からの検便から単離された。
MICは、NCCLSによる微量培地希釈法を使って測定された(National Committee for Clinical Laboratory Standards, Ninth Informational Supplement, Table 2H, Vol. 19, No.: 1, Villanova, PA USA (199))。試験される抗微生物薬は、:ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ナリジクス酸、ペニシリン、アンピシリン、アモキシリン/クラブラン酸、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、セフロキシム、ゲンタマイシンおよびトリメトプリム/スルファメトキサゾールであった。マイクロタイター・トレーは、センシタイター(Sensititre)(AccuMed International Ltd, UK)によって製造された。
適当な品質管理生物は、各運転に含まれた。NCCLSによって推奨される品質管理範囲が範囲内である場合のみ、結果は受け入れられた。エシェリキア・コリ(Escherichia coli)ATCC 25922、イー・コリ(E. coli)ATCC 35218、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 27853、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )ATCC 29213およびイー・フェカーリス(E. faecalis) ATCC 29212は、対照生物として含まれた。エンテロコッカス属の種に対するジェミフロキサシンおよび他抗微生物薬のインビトロ(in vitro)の抗微生物活性は、表59に示される。表60は、バンコマイシン−感受性およびVRE株に対して、ジェミフロキサシンおよび他のキノロンのMIC50/MIC90値を示す。
【0394】
最新の研究は、試験されるキノロンの中でジェミフロキサシンが腸球菌に対して最も強力なインビトロ(in vitro)活性を有したことを示す。0.5μg/mlおよび1μg/mlの濃度で、シプロフロキサシン、それぞれわずか6%および78%、レボフロキサシン、それぞれ6%および88%と比較して、ジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンおよびグレパフロキサシン両者は全イー・フェカーリス(E. faecalis)分離株の90%を阻害した。
イー・フェシウム(E. faecium)に対して、0.5μg/mlおよび1μg/mlでのジェミフロキサシンの阻害率は、試験される他の全てのキノロンのそれらより高かった。1μg/mlの濃度で、シプロフロキサシン62%、レボフロキサシン46%およびグレパフロキサシン66% と比較して、全イー・フェシウム(E. faecium)分離株の94%は、ジェミフロキサシンによって阻害された。
イー・フェカーリス(E. faecalis)およびイー・フェシウム(E. faecium)両者について、ジェミフロキサシンのMIC50が0.06μg/mlであった;これは、比較するフルオロキノロン・トロバフロキサシン(0.25μg/ml)およびグレパフロキサシン(0.5μg/ml)のMIC50より2−3希釈低かった。ジェミフロキサシンのMIC90は、両腸球菌属の種について、トロバフロキサシンおよびグレパフロキサシンより1−2希釈低かった。
ジェミフロキサシンおよびグレパフロキサシンのMIC50およびMIC90間に二モード分散を示す傾向から生じた3−4希釈の差違があった。これは、VREによって部分的に説明されるのみで、そのために、MIC50/MIC90値は、グレパフロキサシン0.5/16μg/mlおよびジェミフロキサシン0.06/8μg/mlであった。
グレパフロキサシンMIC≧2を有する17株のうち、グレパフロキサシンおよびジェミフロキサシンのMIC50/MIC90値は、それぞれ、4/16μg/mlおよび0.5/2μg/mlであり、それはジェミフロキサシンの方を選んで3希釈の差異を意味する。
【0395】
【表99】
Figure 2004507440
【0396】
【表100】
Figure 2004507440
【0397】
本発明は、腸球菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、腸球菌病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、腸球菌病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、腸球菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該腸球菌病原細菌がエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)およびエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium):からなる群より選択される方法を提供するが。他の腸球菌病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
【0398】
本発明は、とりわけ連鎖球菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々の連鎖球菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、連鎖球菌に対して、他のキノロンマクロライドおよびβ−ラクタムのそれと比較してジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)の抗菌活性を測定することであった。
初期のキノロンはグラム陰性感染の治療のために主に開発されたけれども、連鎖球菌および他のグラム陽性病原体に対する改善された活性を有するより新規のいくつかの化合物は現在調査中であり、利用できるようになりつつある。ジェミフロキサシン(SB−265805)のインビトロ(in vitro)の活性は、50個のストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、50個のストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)および50個のビリダンス(viridans)連鎖球菌株を含む1998−99年に、アントワープ大学病院で集められた連鎖球菌の150個の最近の臨床分離株に対して評価された。MICは、NCCLSの150個の最近の臨床分離株に対して評価された。MICはNCCLS法による培地微量希釈法によって測定され、14個の他の抗微生物薬のそれらと比較された。
試験される全キノロンの中で、ジェミフロキサシンは最も強力な活性を示した: MIC50およびMIC90両者は、グラム陽性微生物に対する活性を有する他のキノロンのそれらより一般に1−2希釈低かった。オフロキサシンに中間的感受性、あるいは耐性のエス・アガラクチエ(S. agalactiae)の4株は、ジェミフロキサシンMIC、0.03−0.06μg/mlを有した。オフロキサシンに中間的に感受性で、そのうち2個がグレパフロキサシンに耐性である3個のエス・ピオゲネス(S. pyogenes)株が、ジェミフロキサシンMIC0.03−0.06μg/mlを有した。これらの結果は、他のキノロンに耐性になりつつあるスト連鎖球菌株に対するジェミフロキサシンの潜在的活性を示す。
抗微生物薬耐性は、特にグラム陽性生物の中で、増加している臨床的問題である。オフロキサシンおよびシプロフロキサシンのごとき入手可能なキノロンは、限界点のあたりのMICのクラスターで、グラム陽性生物に対して中程度活性を生じる。グラム陽性細菌に対する促進された活性を有するトロバフロキサシンおよびグレパフロキサシンのごとき多くのより新規なキノロンは、利用できるようになった。ジェミフロキサシン(SB−265805)は、フルオロキノロン・クラスの抗微生物薬のナフチリドン分子である。それは、他のクラスの薬剤に耐性の株を含むグラム陽性およびグラム陰性病原体に対して広域抗微生物活性を有する。
合計150個の連鎖球菌は、入院患者および通院患者からの臨床試験片から単離された:
【0399】
50個のストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)、50個のストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)および50個のビリダンス(viridans)連鎖球菌。
MICは、NCCLS(National Committee for Clinical Laboratory Standards, Ninth Informational Supplement, Table 2H, Vol., 19, Villanova, PA USA (1999))による微量培地希釈法を使用して測定された。試験される抗微生物薬は、:ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ナリジクス酸、ペニシリン、アンピシリン、アモキシリン/クラブラン酸、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、セフロキシム、ゲンタマイシンおよびトリメトプリム/スルファメトキサゾールであった。
マイクロタイター・トレーは、センシタイター(Sensititre) (AccuMed International Ltd, UK)によって製造された。
適当な品質管理生物は、各運転に含まれた。品質管理がNCCLSによって推奨される範囲内である場合、結果は受け入れられるのみだった。エシェリキア・コリ(Escherichia coli)ATCC 25922、イー・コリ(E. coli)ATCC 35218、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 27853、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )ATCC 29213およびエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)ATCC 29212は、対照生物として含まれた。
ストレプトコッカス属の種に対するジェミフロキサシンおよび他抗微生物薬のインビトロ(in vitro)の抗微生物活性は、表61に示される。
ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシン16−76%、グレパフロキサシン94−98%、トロバフロキサシン98−100%と比較して0.5μg/mlで全連鎖球菌の98−100%を阻害した
試験される全キノロンの中で、ジェミフロキサシンは最も強力な活性を示した。0.015から0.06μg/mlまで変動するMIC50およびMIC90両者は、比較フルオロキノロンのそれらより1−4希釈低かった:トロバフロキサシン(0.12−0.25μg/ml)およびグレパフロキサシン(0.12−0.5μg/ml)。
オフロキサシンに中間的感受性(MIC 4μg/ml)または耐性(MIC 8μg/ml)である4個のエス・アガラクチエ(S. agalactiae)株で、ジェミフロキサシンMICは、範囲0.03−0.06μg/mlであった。オフロキサシンに中間的感受性であり、そのうち2個がグレパフロキサシン耐性(MIC 2μg/ml)である3個のエス・ピオゲネス(S. pyogenes)株は(ジェミフロキサシンMIC、0.03−0.06μg/mlを有した。
ジェミフロキサシンは、他のキノロンに耐性になりつつある連鎖球菌に対して、潜在的活性を含む、連鎖球菌に対して高い活性を示す新規フルオロキノロンである。
本発明は、連鎖球菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、連鎖球菌病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
【0400】
【表101】
Figure 2004507440
【0401】
【表102】
Figure 2004507440
【0402】
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、連鎖球菌病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、連鎖球菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該連鎖球菌病原細菌がストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)およびビリダンス(viridans)連鎖球菌:からなる群より選択される方法を提供するが。他の連鎖球菌病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけアシネトバクター属の種に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のアシネトバクター属の種の病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、5種のアシネトバクター属に対するジェミフロキサシンおよびコンパレータ−キノロンのMIC範囲、MIC50およびMIC90値およびOBCおよび4xMIC両者で試験される7個の抗生物質の死滅キネティクスを測定することであった。
【0403】
ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)の静菌の活性は、アシネトバクター属の種の100個の臨床分離株(47個のエー・バウマニ(A. baumannii)、18個のエー・アニトラタス(A. anitratus)、18個のエー・ルウォフィー(A. lwoffii)、13個のエー・カルコアセチカス(A. calcoaceticus)、4個のアシネトバクター属の種)に対するMICによって11個の抗菌薬:スパルフロキサシン、グレパフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、トロバフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、イミペネム、セフロキシムおよびアジスロマイシンと比較された。ジェミフロキサシン(MIC5090 0.06/16)は、シプロフロキサシン(MIC5090 0.5/>128)より8倍超強力であり、グレパフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシンおよびガチフロキサシンより2−8倍強力であり、トロバフロキサシンおよびスパルフロキサシンの1希釈の範囲内であった。交差耐性は、キノロンの群の範囲内でのみ見られ、非ーキノロン抗生物質に広がらなかった。ジェミフロキサシンおよび6個のコンパレーターキノロンの殺菌活性は、その最適の殺菌濃度(OBC)および4倍MICでエー・バウマニ(A. baumannii)ATCC 19606に対して用量−反応および時間−死滅によって調査された。OBCで、キノロン間に有意差がなかったが、4倍MICで、ジェミフロキサシンは、他の薬剤で見られる1log10減少と比較して、30分で生菌数をほぼ2log10算定を減少する利点を示す。この促進された死滅は、細胞数を4log10超減少して24時間超延長した。これらのデータは、ジェミフロキサシンがアシネトバクター感染に対して治療値であり得ることを示す。
【0404】
アシネトバクター属からの細菌および、特に、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)は、それらが特に免疫力が低下している患者において菌血症、二次性髄膜炎、尿路感染症および肺炎の原因になっている入院患者からますます単離される(Towner, et al., Journal of Medical Microbiology, 46: 721−746 (1997))。これら生物は、アミノグリコシドおよびより古いフルオロキノロンおよび広域のβ−ラクタムを含むほとんど全ての現在利用できる抗生物質に耐性になった;それらは現在、セファロスポリンにほとんど全部耐性であり、いくつかがイミペネムを含むカルバペネムに耐性である(Paton, et al., International Journal of Antimicrobial Agents, 2: 81−88 (1993); Lyytikainen, et al., Journal of Hospital Infection, 31: 41−54 (1995))。これら細菌を管理できないことは、より感受性の微生物が根絶された場合、その空になった場所にそれらをコロニー形成させてしまう。フルオロキノロン使用が高い、特に、以前の使用暦がある地域でより明白であると見出されたが(Muder, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 35: 256−258 (1991))、シプロフロキサシンへの耐性は、病院環境内でアシネトバクター属の種に見出された(Villers, et al., Annals of Internal Medicine, 129: 182−189 (1998); Rodriguez−Bano, Reviews in Medical Microbiology, 10: 67−77 (1999))。
フルオロキノロン耐性の出現における相対的な遅延は、より新規で、より強力なキノロンがアシネトバクター属の種の管理において非常に有用であると立証し得ることを示す。(Pieroni, et al., Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 39: 419−422 (1997); Pan, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 42: 2810−2816 (1998))。
ジェミフロキサシンは、グラム陽性およびグラム陰性両生物に対して、良好なスペクトラムの活性を示した新規世代フルオロキノロンである(Cormican, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 41: 204−211 (1997); Kim, et al., Program and Abstracts of the Sixth International Symposium on New Quinolones, p.170 (1998); Paek, et al., Program and Abstracts of the Sixth International Symposium onNew Quinolones, Denver, p. 170 (1998); Kelly, et al., Program and Abstracts of the Sixth International Symposium on New Quinolones, Denver, p. 170 (1998))。この研究において、ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)の活性は、アシネトバクター(エー・バウマニ(A. baumannii)、エー・カルコアセチカス(A. calcoaceticus)、エー・ルウォフィ(A. lwoffii)、(種の決められなかった)アシネトバクター属の種およびエー・アニトラタス(A. anitratus)の5個の代表的な種に対して、8個のコンパレーターフルオロキノロンならびにカルバペネム・イミペネム、セファロスポリン・セフロキシムおよびマクロライド・アジスロマイシンと比較された。フルオロキノロンの臨床の作用は殺菌であるが、異常には、二相性用量反応を示す(Crumplin, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 8: 251−261 (1975))。最適殺菌濃度(OBC)に達するまで、薬剤の致死率がその濃度二比例して増加することが証明されるインビトロ(in vitro)で、このことは測定可能である。この点より上では、殺菌活性は、濃度のさらなる増加で着実に減少する。より新規のフルオロキノロンは、主にグラム陽性の種に対して試験され、二相性反応はめったに証明されなかった、(Lewin, et al., Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 30: 625−632 (1992); Morrissey, et al., Journal of Medical Microbiology, 43: 4−8 (1995))。おそらくこの理由で、濃度−依存的用量反応実験が、アシネトバクター属の種のごときグラム陰性細菌について実行されなかった。そういうわけで、この研究もまた、コンパレーターキノロン・トロバフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、グレパフロキサシンおよびスパルフロキサシンに対してエー・バウマニ(A. baumannii)ATCC 19606について、ジェミフロキサシンの増加する濃度のインビトロ(in vitro)の固定−時間死滅活性を比較し、ついで、その各々のOBCおよび4倍MIC両者での時間依存性死滅を検討した。
【0405】
以下の抗菌薬が、使用された:ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、アジスロマイシン、イミペネム、スパルフロキサシン、セフロキシム、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシンおよびガチフロキサシン。標準の実験室株エシェリキア・コリ(Escherichia coli)ATCC 10418、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 10662、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )ATCC 6571およびアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii )ATCC 19606がMIC測定の対照として使用され、エー・バウマニ(A. baumannii)株が用量−反応および死滅−曲線両者のために使用された。100個のアシネトバクター属(エー・バウマニ(A. baumannii)47個、エー・アニトラタス(A. anitratus)18個、エー・ルウォフィー(A. lwoffii)18個、エー・カルコアセチカス(A. calcoaceticus)13個、アシネトバクター属の種4個)は、アイオワ大学医学部(the University of Iowa College of Medicine)からの血流分離株であった。
寒天希釈法は、感受性試験のために、ブリティッシュ・ソサイエティー・フォー・アンチマイクロバイアル・ケモセラピー(the British Society for Antimicrobial Chemotherapy) (British Society for Antimicrobial Chemotherapy, Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 27 (Suppl. D) (1991)) (BSAC) ガイドラインに続きイソセンシテスト・アガー(Iso−sensitest agar) (Oxoid) 上で、最小阻止濃度(MIC)を測定するのに使用された。
OBCを測定するために、ニュトーリエントブロス(nutrient broth)(Nutrient Broth No. 2, Oxoid, UK)が、エー・バウマニ(A. baumannii)ATCC 19606と共に接種され、37℃で一晩インキュベートされた。ニュトーリエントブロス(nutrient broth)で0.03−256 mg/lまで変動する抗生物質の2倍希釈は、0.2mlの一晩培養液(最終容量10ml)を接種され、さらに3 時間37℃でインキュベートされた。得られた培養液の生菌数は、栄養寒天(Oxoid, UK)上へ連続希釈および塗布によって測定された(Lewin, et al., Journal of Medical Microbiology, 29: 139−144 (1989))。結果は、最適殺菌濃度を測定するためにグラフ上にプロットされた。
死滅キネティクスは、OBCおよび4倍MIC両者で実行された。簡単には、5mlの滅菌2倍力価ニュトーリエントブロス(nutrient broth)は20mlユニバーサルへ分注され、抗生物質および滅菌蒸留水が最終容量9.8mlを与えるまで添加され、ユニバーサルは37℃で15分、予めインキュベートされた。対数増殖期培養液(0.2ml)は、実験を開始するのに用いられ、初期数は栄養寒天上への連続希釈および塗布によって測定された。試料は3時間、30分毎に取られ、これらは連続的に希釈され、栄養寒天上へ塗布された。
【0406】
最終的な計数は、24時間後に取られた。全プレートは、37℃で空気中一晩インキュベートされた(Lewin, et al., Journal of Medical Microbiology, 29: 139−144 (1989))。
アシネトバクター属の5種に対するジェミフロキサシンおよびコンパレーターキノロンのMIC範囲、MIC50およびMIC90値は、表62に示される。ジェミフロキサシンは、シプロフロキサシンより8倍強力であり、(それぞれ、MIC5090、0.5/>128 mg/l対0.06/16mg/l)およびグレパフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシンおよびグレパフロキサシンより2−8倍強力であり、コンパレーターキノロン・スパルフロキサシンおよびトロバフロキサシンの1希釈の範囲内であった。これらの値は、非ーキノロン抗生物質に対して、生物の感受性にかかわりなかった。アシネトバクター属の中の、セフロキシムおよびアジスロマイシンに対する全体としての耐性は、なお、限界点より上にMIC50およびMIC90を有するけれども、低いMIC範囲を記録するエー・ルウォフィー(A. lwoffii)およびアシネトバクター属の種でそれぞれ、99%および94%であった。アシネトバクター属のいずれも、8mg/lの限界点より上のイミペネムに対するMICを有さず(British Society for Antimicrobial Chemotherapy, Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 27 (Suppl. D) (1991))、種レベルで、MIC50、0.12mg/lおよびMIC90、0.25または0.5mg/lを記録し、従って100%の感受性を示した。
図27は、ジェミフロキサシンに対するエー・バウマニ(A. baumannii)ATCC 19606の二相性用量反応を図示する。グラフの最も低い点は、そのOBCと一致する。死滅−曲線実験で使用される抗生物質の濃度は、表63に示される。図28−34は、OBCおよび4xMIC両者で7個の抗生物質の死滅キネティクスを示す。それらのOBCで、24h阻害された再生育および5log10超の生菌数の減少を有する、ジェミフロキサシンおよび他のキノロン間の殺菌活性に有意差がなかった。しかしながら、インビボ(in vivo)で達成される濃度である4倍MIC(0.5μg/ml)でのジェミフロキサシンは、他のキノロンより有利であり、わずか30分後に生菌数をほぼ2log10減少し、24h後、生菌数を4log10超減少する。逆に、他のキノロンが、4倍MICで最初30分に、どうにか生菌数を1log10減少する。レボフロキサシン(図31)は、最初30分で、生菌数を3log10、減少したが、この時間点以後、死滅率が減少し、続く150分で、0.5log10のみを死滅させた。この時間−期間でで、ジェミフロキサシンは1.5log10超を死滅させた(図28)。ジェミフロキサシンによって示されるこの促進された死滅は、グラム陰性で、キノロン・シプロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびスパルフロキサシンで見られるより著しくよかった(図29、32および34)。
【0407】
この研究において、ジェボンス(Jevons)らによって設定された限界点0.5μg/ml(Jevons, et al., Programme and Abstracts of the 21st International Congress of Chemotherapy, Birmingham, p. 141 (1999))が使用された場合、ジェミフロキサシンは分離株の72%を阻害した。エー・バウマニ(A. baumannii)に対するキノロンの阻害活性の順位序列は、彼らがスパルフロキサシンはジェミフロキサシンと同等の効力を有すると報告する以外、コーミカン(Cormican)およびジョーンズ(Jones)によって報告されるものと同様であるが(Cormican, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 41: 204−211 (1997))、トロバフロキサシン>ジェミフロキサシン>レボフロキサシン>シプロフロキサシン=オフロキサシン、この研究において、スパルフロキサシンはジェミフロキサシンより1希釈強力であった。本明細書中に示されるエー・カルコアセチカス(A. calcoaceticus)に対するジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、シプロフロキサシンおよびオフロキサシンのMIC50およびMIC90値は、Paekら11と一致するが、1希釈高いMIC90を報告する、Ohによって記録されるものとわずかに異なる(Oh, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 40: 1564−1568 (1996))。同じ限界点を用いてシプロフロキサシン34%、トロバフロキサシン27% 、およびスパルフロキサシン25%を記録するこの研究に比較して、多薬剤耐性のエー・バウマニ(A. baumannii)に対して、Pascual(Pascual, et al., Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 40: 140−142 (1997))はシプロフロキサシン、トロバフロキサシンおよびスパルフロキサシン耐性レベルはそれぞれ、93.3%、56.7%および66.7%と記録する(限界点:シプロフロキサシン≧2mg/l、スパルフロキサシンおよびトロバフロキサシン≧4mg/l)。群として、アシネトバクター属によって示される耐性のレベルは、シプロフロキサシン26%、トロバフロキサシン19%およびスパルフロキサシン23%であった。限界点の8倍以下のMIC50で、ジェミフロキサシンはエー・ルウォフィー(A. lwoffii)およびエー・アニトラタス(A. anitratus)に対して良好な活性を示した。エー・ルウォフィー(A. lwoffii)に対して、ジェミフロキサシンはスパルフロキサシン(MIC90:それぞれ1および4mg/l)より強力であった。最も強力なキノロンであるスパルフロキサシンおよび4個の分離株全ては0.008mg/lのMICを記録して、アシネトバクター属の種のわずかな試料は、セフロキシムを除く全抗生物質に感受性であった。1個のキノロンへの感受性の減少は、全くそれらへの減少によって反映された。これは、しかしながら、全ての株がイミペネムに感受性であり、ほとんどがセフロキシムおよびアジスロマイシンに耐性だったので、非ーキノロンに対する同様な減少によって反映されなかった。
【0408】
ファス(Fass)による以前の研究(Fass, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 37: 2080−2086 (1993))は、アシネトバクターおよびアジスロマイシンで4mg/lの濃度がこの種の大部分の分離株を阻害するのに十分であることを示した。MIC504mg/lを記録したエー・バウマニ(A. baumannii)を除いて、この研究中のアジスロマイシンのMIC50は、4mg/l以下であった。しかしながら、これはなお、BSAC(British Society for Antimicrobial Chemotherapy, Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 27 (Suppl. D)(1991))によって設定された限界点0.5mg/lより上であり、従って、耐性であると記録される。セフロキシム(64mg/l)に対するアシネトバクター属によって記録される高いMIC50は、ほとんど種差違がなく、セファロスポリンに対して同様に高いMICを記録したトラウブ(Traub)およびスポール(Spohr)(Traub, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 33: 1617−1619 (1989))による調査と一致する。本明細書中に報告されるイミペネムへの100%の感受性は、TraubおよびSpohr(Traub, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 33: 1617−1619 (1989))およびPieroni (Pieroni, et al., Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 39: 419−422 (1997))と一致する。用量反応アッセイにおいて、全キノロンは、特有の二相性用量反応を示した。OBCのものが、たとえそれらの各MICが非常に異なるとしても、各薬剤の死滅機構が類似的であることを示す互いに1希釈の範囲内であると見出された。
【0409】
OBCで、死滅がその最適であるが、この濃度がインビボ(in vivo)で必ずしも見出されるというわけではなく、従って4倍MICはいかに薬剤がインビボ(in vivo)で作用できるかのより良い指標である。この研究において、4−倍MICでジェミフロキサシンはシプロフロキサシンと比較して優れた死滅−キネティクスを示す。これに加えて、4xMICでのジェミフロキサシン死滅−キネティクスは、たとえそれが8分の1濃度であるとしても、そのOBCのそれとほとんど等しかった(それぞれ、0.5および4mg/l)。レボフロキサシンのみは、ジェミフロキサシンのそれの4倍濃度(0.5mg/lと比較して2mg/l)であるけれども、等しい死滅を示した。
ジェミフロキサシンの良好なインビトロ(in vitro)の殺菌および静菌活性を示すこの研究の結果は、この薬剤がアシネトバクター感染の治療に有効であり得ることを示す。
【0410】
【表103】
Figure 2004507440
【0411】
【表104】
Figure 2004507440
【0412】
【表105】
Figure 2004507440
【0413】
本発明は、アシネトバクター属の種の病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、アシネトバクター属の種の病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、アシネトバクター属の種の病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、アシネトバクター属の種の病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該アシネトバクター属の種の病原細菌が、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii )、アシネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクター・ルウォフィ(Acinetobacter lwoffii)およびアシネトバクター・アニトラタス(Acinetobacter anitratus):からなる群より選択される方法を提供するが。他のアシネトバクター属の種の病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、最小阻止濃度(MIC)および最小殺菌濃度(MBC)によってクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)に対するジェミフロキサシンおよびより新規フルオロキノロンのインビトロ(in vitro)活性を測定することであった。
ジェミフロキサシンは、エリスロマイシン、ドキシサイクリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、ジェミフロキサシンおよびスルファメトキサゾールと比較された。
【0414】
それらがクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)を含む慣用的細菌および「異型の」病原体の広い範囲をカバーするので、キノロンは、院外感染性肺炎および他の呼吸器感染の治療のために、経験的療法として現在使われている。シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)は、成人の院外感染性肺炎の10%ないし20%と関連し、最近、アテローム性動脈硬化症を含むいくつかの非呼吸器条件と関連しているとして関係している。
より新規の「第三世代」キノロンは、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)含むグラム陽性菌に対する活性を促進し、持続性の血清半減期を延長し、日に一度の投与を可能にした。ジェミフロキサシンおよび他の新規キノロンは、インビトロ(in vitro)で、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)に対して良好な活性を有するけれども、実際には、全ての公開された治療研究は、血清学的診断法に依存し、従って、微生物学的効力は評価されなかった。逸話的経験は、インビトロ(in vitro)活性が必ずしもインビボ(in vivo)での効力と相関し得ないことを示す。
クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)は、1986年にGraystonおよび同僚によって最初に気道病原体と記載された(Grayston, et al., J. Infect. Dis., 161: 618−625 (1990))。伝染様式は不確実なままであるが、感染した気道分泌物を介し得る。
シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染に関連した院外感染性肺炎の比率は6−22%まで変動し、地理学的位置、検討される年齢群および使用される診断法(Hammerschlag, Infect. Dis. Clin. Pract., 8: 232−240 (1999))によって異なった。これらの研究のほとんどは、血清学にのみ基づいた。シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)は、また、慢性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎および反応性気道疾病の急性増悪を含む他の呼吸器感染と関連していた(Grayston, et al., J. Infect. Dis., 168: 1231−1235 (1993); Emre, et al., Arch. Pediatr. Adolesc. Med., 148: 727−732 (1994); Block, et al., Pediatr. Infect. Dis. Journal, 16: 855−862 (1997))。急性呼吸器感染症に続くシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)による持続的鼻咽頭感染は、数年までの期間に成人で実証された(Hammerschlag, et al., Clin. Infec. Dis., 14: 178−182 (1992); Dean, et al., Proceedings of the Ninth International Symposium on Human Chlamydial Infection, San Francisco: USCF, pp. 219−223 (1998))。シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)による慢性感染は、また、アテローム性動脈硬化症の病因に関係した(Weiss, et al., Bull. Instr. Pasteur, 95: 107−113 (1997))。生物の検出のための標準化された血清学的および非培養方法の欠如は、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の治療を研究する努力に対して重大な影響を有した。大部分の治療研究は、診断のために完全に血清学に依存し、従って、微生物学的な効力は評価されなかった。
【0415】
シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)は、タンパク質またはDNA合成に影響を及ぼす薬剤;マクロライド、テトラサイクリンおよびフルオロキノロン(表64)(Hammerschlag, Antimicrob. Agents Chemother., 38: 1873−1878 (1994))にインビトロ(in vitro)で感受性である。シー・トラコマチス(C. trachomatis)での研究から推論して、DNAギラーゼは、おそらくシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)に対するキノロン作用のための主要な標的である(Dessus−Babus, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 42: 2474−2481 (1998))。より古いキノロンは、1から≧16μg/mlまで変動するMICおよびMBCで、インビトロ(in vitro)で、マクロライドおよびテトラサイクリンより少ない活性であった(9)。
【0416】
レボフロキサシン、トロバフロキサシンおよびモキシフロキサシンを含むより新規キノロン系薬剤は、MIC 0.25−1□g/mlを有するオフロキサシンよりわずかに活性である(Hammerschlag, Antimicrob. Agents Chemother., 38: 1873−1878 (1994); Hammerschlag, Antimicrob. Agents Chemother., 36: 682−683 (1992); Roblin, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 2033−2034 (1998); Roblin, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 42: 951−952 (1998); Hammerschlag, Antimicrob. Agents Chemother., 36: 1573−1574 (1992); Woodcock, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 101−106 (1997); Ridgeway, et al., J. Antimicrob. Chemother., 14: 471−477 (1997); Miyashita, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 471−477 (1997); Kimura, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 37: 801−803 (1993))。スパルフロキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシンおよびジェミフロキサシンは、MIC、0.03−0.5のμg/mlを有する最も活性な化合物である(Hammerschlag, Antimicrob. Agents Chemother., 38: 1873−1878 (1994); Miyashita, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 1331−1334 (1997); Wise, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 37: 497−504 (1993); Roblin, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 38: 1402−1403 (1994); Roblin, et al., Int. J. Antimicrob Agents, 12: 181−184 (1999); Donati, et al., J. Antimicrob. Chemother., 43: 825−827 (1999); Roblin, et al., J. Antimicrob Chemother., in press (1999); Ridgeway, et al., 38th ICAAC, Abstract F−097, (1998); Roblin, et al., Antimicrob. Agents Chemother., in press (1999))。個別研究の範囲内で、特定のキノロンに対するシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)の異なる分離株の感受性はかなり一様であり、通常、1ないし2希釈だけ異なる。しかしながら、報告される感受性は、研究によって、10−倍も変化し得る。シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)のインビトロ(in vitro)の感受性試験に使用される方法は、主にシー・トラコマチス(C. trachomatis)について使用されるものから適合された。方法は標準化されず、結果は、組織培養系、接種量、抗生物質添加の時間、数およびいずれの分離株が試験に使用されるかを含む多くの変数によって影響され得る。文献で報告される多くのインビトロ(in vitro)実験は、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)5個より少ない分離株を使用し、多くは1個のみで、しばしば、広範囲に進むTW 183、IOL 207または実験室分離株を使用している。多数の臨床分離株を試験した限られた数の研究がある。表65は、より新規のフルオロキノロンの活性の個別研究の結果をまとめる。
【0417】
データは、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)に対するジェミフロキサシンの活性に限られる。利用できる2つの研究は、前記の問題を図示する。
Ridgway (Ridgeway, et al., 38th ICAAC, Abstract F−097 (1998))は、ジェミフロキサシンに対して、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)の5個の分離株; TW 183、IOL 207、2043(ATCC VR 1355)、TW27.9およびCWL−029(ATCC VR 1310)を試験した。MIC範囲は、0.06−0.12μg/mlであった。続いて、ロブリン(Roblin)(Roblin, et al., Antimicrob. Agents Chemother., in press (1999))は、ジェミフロキサシンおよび他の抗生物質に対して、米国の多機関の肺炎治療研究に記載される患者からの15個の最近の臨床分離株を含むシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)の20個の分離株を試験した。ジェミフロキサシンのMIC90およびMBC90は、0.□□□g/mlであり、リッジウェイ(Ridgeway)によって報告された値(Ridgeway, et al., 38th ICAAC, Abstract F−097 (1998))より2ないし4倍低い活性であった。この矛盾は、試験の標準誤差の範囲内であり得、使用された方法の補佐であり得、あるいは異なる分離株の感受性における変動率と関連があり得る。
リッジウェイ(Ridgway)らは、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染に対して、HEp−2細胞より10ないし100倍感受性が場合によってはより低い終末点へ導く低いマックコイ(McCoy)細胞を使用した。両研究はTW 183を試験したが、表65に示されるごとく、ジェミフロキサシンへのこの分離株のMICでの重複部分はなかった。
より新規の「第三世代」キノロンはより古い薬剤より2ないし10倍活性であるけれども、それらはなお、インビトロ(in vitro)で、マクロライドおよびテトラサイクリンより少ない活性である。インビボ(in vivo)での感染の治療のために、これらの新規キノロンの効力のインビトロ(in vitro)感受性試験の結果から推論することができるだろうか?クラリスロマイシンがインビトロ(in vitro)でエリスロマイシンより10−100−倍活性であるけれども、それは院外感染性肺炎を有する子供の鼻咽頭からシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)を根絶する上で、エリスロマイシンより有効でなかった(Block, et al., Pediatr. Infect. Dis. J., 14: 471−477 (1995))。根絶率は、クラリスロマイシン79%およびエリスロマイシン86%であった。より新規キノロンの促進された薬動力学および組織侵入を考慮して、これら薬剤がシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の治療においてマクロライドと同程度有効であると期待するであろう。しかしながら、実際的には、現在までに公開されるシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の治療のためにキノロンを評価するあらゆる研究は、診断のために、本来、臨床的終末点である血清学のみを使用した。
【0418】
1990年に、リップスキー(Lipsky)らは(Lipsky, et al., Am. J. Med., 89: 722−724 (1990))回顧すると、急性シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の血清学的証拠を有する(IgG/IgMにおいて4倍上昇、単一IgM > 16 またはIgG > 512、)と同定された、オフロキサシンの10日クールで治療された気管支炎および肺炎の4人の患者を記載する。伝えるところによると実証される全ては、臨床的に改良と記録した。オフロキサシンへの3個の実験室株のMIC(1−2□g/ml)に基づき、著者らはMICが達成可能な血清レベルより少なかったので、オフロキサシンがこれら患者に有効であったと結論した。プローフェ(Plouffe)らは(Plouffe, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 40: 1175−1179 (1996))標準療法(マクロライドまたはテトラサイクリンを加えたβ‐ラクタム抗生物質)を受けた人の75%と比較して、オフロキサシンで治療されたシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の血清学的証拠を有する院外感染性肺炎の患者中に83%の臨床反応率を見出した。同様にファイル(File)らは(File, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 1965−1972 (1997))セフトリアキソンおよび/またはセフロキシムアキセチルで治療される患者の93%と比較して、レボフロキサシンで治療された患者中の98%の臨床的治ゆ率を報告した。さらに、エリスロマイシンまたはドキシサイクリンのいずれかが研究者の判断で添加され得、彼らの治療計画に加えられるエリスロマイシンまたはドキシサイクリンを有したそれらの患者の間で、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の血清学的証拠を有するものの反応率は異ならなかった。感染の見込みがある、すなわち単一IgG ≧ 512またはIgM ≧ 32を有した患者と比較して確定した感染、すなわちMIFIgGまたはIgMの4−倍上昇)を有したそれら患者中の反応率に差異はまた、なかった。
【0419】
最近のいくつかの研究は、さらにこの一段階を越え、感染の血清学的証拠を有した患者が臨床的によくなった場合、たとえ培養されなかったとしても、生物が根絶されたとみなされることを示す(Leophonte, et al., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis., 17: 434−440 (1998); Deabate, et al., Chest, 114: 120−130 (1998))。ある研究は、慢性気管支炎の急性増悪の治療のためにトロバフロキサシンをアモキシシリンと比較した。アモキシシリンで治療されたシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)の血清学的証拠を有するそれらの患者の中の「根絶」率は、また、100%であった。アモキシリンおよびセファロスポリンのごとき、インビトロ(in vitro)で、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)に対して乏しい活性を有するかあるいは全く有さない抗生物質を使用する投与計画の明白な成功は、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染を診断するのに用いられる血清学的基準の特異性についての多くの疑問を提起する。
培養がなされたキノロンでの治療のあるの逸話的報告がある。ロブリン(Roblin)らは(Roblin, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 38: 1402−1403 (1994))、培養でシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染(気管支炎および肺炎)を実証された3人の患者をグレパフロキサシンで治療し、3人の患者のうちの2人は、薬剤での2週の治療にも関わらず、培養陽性および症候性のままであった。これらの培養陽性の患者のうちの2人は、急性シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の血清学的基準を満たさなかった。2つの多機関肺炎治療研究の予備結果は、レボフロキサシンおよびモキシフロキサシンが鼻咽頭からシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)の根絶で70−80%効力を有すると見出し、それはエリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびアジスロマイシンで以前に報告された経験に非常に類似的だった(Block, et al., Pediat. Infect. Dis. J., 14: 471−477 (1995); Roblin, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 42: 194−196 (1998))。治療後、患者から得られるシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)の分離株のMICおよびMBCは、治療前得られた分離株のそれらから、変化せず、残存率は耐性の発生によらなかったことを示した。これらの研究は、シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の治療を扱ういくつかの重要な問題を図示する。インビトロ(in vitro)活性は、必ずしも微生物学効力を予測しない。抗生物質抵抗性の発生がシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)についてまだ記載されていないけれども、アジスロマイシンへのMICの4倍増加が、2人の患者において薬剤療法後、得られるシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)の分離株で報告された(Block, et al., Pediat. Infect. Dis. J., 14: 471−477 (1995))。デサス−バブス(Dessus−Babus)らは(Dessus−Babus, et al., Antimicrob., Agents Chemother., 42: 2474−2481 (1998))薬剤の亜阻止濃度で生物の連続継代の後、シー・トラコマチス(C. trachomatis)で、オフロキサシンおよびスパルフロキサシン耐性を誘発することができた。培養がなされず、微生物学的効力が評価されない限り、それらは決して調査されず、耐性の出現を実証できない。これらの薬剤が慣用的なかつ「異型の」病原体に対して活性を有するので、院外感染性肺炎の経験的治療のためのキノロンの使用は普及している選択になりつつある(Bartlett, et al., Clin. Infec. Dis., 26: 811−838 (1998))。シー・ニューモニエ(C. pneumoniae)感染の治療のためにキノロンの効力を評価する場合、これらの問題は考慮に入れられる必要がある。
【0420】
【表106】
Figure 2004507440
【0421】
【表107】
Figure 2004507440
【0422】
本発明は、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
【0423】
本発明の好ましい目的は、該クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)病原細菌が、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae):からなる群より選択される方法を提供するが。他の病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、種々の連鎖球菌に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々の連鎖球菌病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、微量希釈法によって、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)およびビリダンス(viridans)連鎖球菌、各50個の臨床分離株に対するジェミフロキサシン(SB−265805)のインビトロ(in vitro)活性を測定することであって、活性をナリジクス酸、オフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシンおよびグレパフロキサシン、ペニシリンアンピシリン、ゲンタマイシンおよびトリメトプリム/スルファメトキサゾールのそれと比較した。
ジェミフロキサシンは、試験される他のキノロンより非常に活性であった。
ジェミフロキサシンは、エス・アガラクチエ(S. agalactiae)に対してペニシリンと同程度活性であり、ビリダンス(viridans連鎖球菌に対してペニシリンより活性であった。
エス・ピオゲネス(S. pyogenes)に対して、MIC50はペニシリンのそれと同等であり、MIC90値は1希釈で高かった。ジェミフロキサシンは、また、オフロキサシンおよびグレパフロキサシンの減少した感受性を有するエス・アガラクチエ(S. agalactiae)およびエス・ピオゲネス(S. pyogenes)の分離株に対して活性であった。
【0424】
微生物の抗生物質耐性は、現在特にグラム陽性の生物中で重要な絶えず増大する臨床的問題である。
70年代に好中球減少症患者の菌血症の70%がグラム陰性生物に起因したのに対して、80年代には、ビリダンス(viridans)連鎖球菌がこれらの患者の中の菌血症の主要な原因になり(Oppenheim, et al., Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 41 (Suppl. D): 7−11 (1998));90年代の間にこれらはますますペニシリン耐性になった(Cormican, et al., Drugs, 51 (Suppl. 1): 6−12 (1996))。
Pfallerほかによって公開された、USA、カナダおよびラテンアメリカにわたる大規模なサーベイランス・プログラムの結果から(Phaller, et al., Diagn. Microbiology and Infectious Diseases, 33: 283−297 (1999))、連鎖球菌分離株が全血流感染の9.8%に相当することは明白である。ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)が最もしばしば単離され(50.7%)、β−溶血性連鎖球菌は、分離株の32.8%およびビリダンス(viridans)連鎖球菌は16.5%に相当した。
開発される最初のフルオロキノロンは、グラム陽性微生物に対して実質的に活性を有さなかった。次第に、新規誘導体は、これらの生物に対して改良された活性を有して開発され、一方でグラム陰性菌に対して広域を保持した(Johnson, et al., Diagn. Microbiology and Infectious Disease, 33: 85−91 (1999))。これは、クリナフロキサシン、グレパフロキサシン、モキシフロキサシン、スパルフロキサシンおよびトロバフロキサシンの場合である。
ジェミフロキサシン(SB−265805)(Kim, et al., 35th ICAAC, Abstract F204 (1995))は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )およびペニシリン耐性エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)および腸球菌を含むグラム陰性およびグラム陽性好気性細菌両者(Oh, et al., Antimicrobial Agents and Chemother., 40: 1564−1568 (1996); Cormican, et al., Antimicrobial Agents and Chemother., 41: 204−211 (1997); Hohl, et al., Clinical Microbiology and Infection, 4: 280−283 (1998))および嫌気性細菌(Mavco, et al., Journal of Antimicrobial Chemother., 40: 605−607 (1997))に対する広域スペクトラムの活性を有する新規フルオロナフチリドンである。
本研究では、ジェミフロキサシン、ナリジクス酸、オフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシンおよびトリメトプリム/スルファメトキサゾールの活性は、エス・ピオゲネス(S. pyogenes)、エス・アガラクチエ(S. agalactiae)およびビリダンス(viridans)連鎖球菌の各50個の最近の臨床分離株に対して比較された。
【0425】
細菌の分離株は、入院および外来両患者由来のアントワープ大学病院微生物学研究室から:エス・アガラクチエ(S. agalactiae)、エス・ピオゲネス(S. pyogenes)およびビリダンス(viridans)連鎖球菌の各50個の分離株であった。試験されるまで、生物は−20℃で凍結保存された。試験するために、それらは5%のウマ血液寒天上、一晩継代培養された。
懸濁液は、マックファーランド(McFarland) 0.5と一致している密度で、ミュラー−ヒントン(Mueller−Hinton)・培地で作られた。MIC値は、マイクロタイター・トレー(Sensititre, AccuMed International Ltd., UK)を使用して、ナショナル・コミッティー・フォー・クリニカル・ラボラトリー・スタンダード(National Committee for Clinical Laboratory Standards) (NCCLS) (National Committee for Clinical Laboratory Standards, Ninth Informational Supplement, Table 2H, Vol 19, No: 1 (1999))に従って、微量希釈法によって測定された。以下の抗生物質が、試験された:ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ナリジクス酸、ペニシリン、アンピシリン、ゲンタマイシンおよびトリメトプリム/スルファメトキサゾール。対照生物エシェリキア・コリ(Escherichia coli)ATCC 25922、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)ATCC 35218、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 27853、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus )ATCC 29213およびエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)29212は、各運転に含まれた。対照株の結果がNCCLS(National Committee for Clinical Laboratory Standards, Ninth Informational Supplement, Table 2H, Vol 19, No: 1 (1999))によって推奨される範囲内であった場合のみ、結果は受け入れられた。
【0426】
表66における結果は、試験される好気性グラム陽性生物について、ジェミフロキサシンの高い活性を図示する:エス・アガラクチエ(S. agalactiae)、エス・ピオゲネス(S. pyogenes)およびビリダンス(viridans)連鎖球菌分離株の90%は、それぞれ0.06μg/ml、0.03μg/mlおよび0.06μg/mlで阻害される。試験される他のフルオロキノロンと比較して、差違が2の因子だけであるエス・ピオゲネス(S. pyogenes)に対するトロバフロキサシンを除いて、ジェミフロキサシンはさらに非常に活性である。エス・アガラクチエ(S. agalactiae)およびビリダンス(viridans)連鎖球菌に対して、トロバフロキサシンのMIC90は、ジェミフロキサシンのそれより4倍、高い。オフロキサシンに中間的感受性または耐性の4個のエス・アガラクチエ(S. agalactiae)分離株(限界点≦2μg/ml)は、ジェミフロキサシンの0.03−0.06μg/mlの低いMIC値を有した。そのうち2個は、グレパフロキサシンに耐性(限界点(0.5μg/ml)である、オフロキサシンに中間的感受性の3個のエス・ピオゲネス(S. pyogenes)分離株もまた、ジェミフロキサシンの0.03−0.06μg/mlの低いMIC値を有した。
ジェミフロキサシンは、エス・アガラクチエ(S. agalactiae)に対してペニシリンと同程度活性で、ビリダンス(viridans)連鎖球菌に対して、ペニシリンより6倍活性である。
エス・ピオゲネス(S. pyogenes)のみはジェミフロキサシンと比較してかなりペニシリンにより感受性であるが、これはペニシリンに対するエス・ピオゲネス(S. pyogenes)の絶妙な感受性の結果である。
ジェミフロキサシン以外のキノロンのビリダンス(viridans)連鎖球菌の感受性結果は、Pfallerおよびジーンズ(Jones)のそれら(Pfaller, et al., Diagn. Microbiology and Infectious Diseases, 29: 199−201 (1997))、および特に、β−溶血性連鎖球菌に対するジェミフロキサシンについて、ジョンソン(Johnson)らのそれら(Johnson, et al., Diagn. Microbiology and Infectious Disease, 33: 85−91 (1999))と一致する。しかし、β−溶血性連鎖球菌に対するペニシリンについて、ジョンソンらのMIC結果(Johnson, et al., Diagn. Microbiology and Infectious Disease, 33: 85−91 (1999))は、非常に高い(MIC90 = 0.25)。それらのβ−溶血性連鎖球菌はまた、エス・ピオゲネス(S. pyogenes)以外の種を含み得た。ビリダンス(viridans)連鎖球菌のMIC値は、2つの研究において非常には異ならない。
【0427】
1995年に、カラッタラ(Carratala)ら(Carratala, et al., Clinical Infectious Diseases, 20: 1169−1173 (1995))は、すでにペニシリン耐性ビリダンス(viridans)連鎖球菌の出現に注意を促し、デーン(Doern)ら(Doern, et al., Antimicrobial Agents and Chemother., 40: 891−894 (1996))およびトゥホイ(Tuhoy) およびワシントン( Washington)(Tuohy, et al., Diagn. Microbioligy and Infectious Diseases, 29: 277−280 (1997))によって確認された。アルカイド(Alcaide)ら(Alcaide, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 39: 2243−2247 (1995))は他のβ−ラクタムによる若干の交差耐性を有するビリダンス(viridans)連鎖球菌の410個の分離株中にペニシリン耐性(MIC=0.25 − 8μg/ml)33.6%を記録した。
ジェミフロキサシンは臨床的使用に対し非常に有望である。ただし、それが良好な薬動力学および低い毒性を有するならば。それは、グラム陽性(本研究)およびグラム陰性生物(Oh, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 40: 1564−1568 (1996); Cormican, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 41: 204−211 (1997); Hohl, et al., Clinical Microbiology and Infection, 4: 280−283 (1998))および嫌気性菌(National Committee for Clinical Laboratory Standards, Ninth Informational Supplement, Table 2H, Vol. 19, No.: 1 (1999))に対して高い活性を有する。本研究中の予備観察に基づいて、それはまた、他のキノロンに対して耐性の連鎖球菌に対して活性である。
【0428】
【表108】
Figure 2004507440
【0429】
本発明は、連鎖球菌病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、連鎖球菌病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、連鎖球菌病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、連鎖球菌病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
【0430】
本発明の好ましい目的は、該連鎖球菌病原細菌がストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)およびビリダンス(viridans)連鎖球菌:からなる群より選択される方法を提供するが。他の連鎖球菌病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけボルデテラ属の種に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のボルデテラ属の種の病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。病原体。これら分析の目的は、新規キノロン抗微生物薬、ジェミフロキサシンを含む種々の抗微生物薬に対して、ビー・パーツシス(B. pertussis)、ビー・パラパーツシス(B. parapertussis)およびビー・ブロンキセプチカ(B. bronchiseptica)のMICを測定することであった。
特により若い、より重篤な影響を受けた乳児において、接触感染性を減少させ、症状を改善するので、エリスロマイシンは百日咳に対する抗生物質療法のメーンステーである(Bass, et al., Ped. Infect. Dis., 5: 154−157 (1986))。多くのインビトロ(in vitro)実験は、ボルデテラ属に対する他の抗生物質、特により新規のマクロライド、アンピシリン、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、キノロンおよび第三世代セファロスポリンの活性を示した(Appleman, et al., Diagn. Microbiol. Infect., Dis., 8: 131−133 (1987); Bannatyne et al., Antimicrobial Agents Chemother., 21: 666−667 (1982); Hoppe, et al., Antimicrobl. Agents Chemother., 34: 2287−2288 (1990); Hoppe, et al., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis., 8: 653−654 (1989); Hoppe, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 42: 1868 (1998); Kurzinski, et al. Antimicrob. Agents Chemother., 32: 137−140 (1988); Mortensen, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 33: 771−772 (1989))。ビー・パーツシス(B. pertussis)の臨床分離株の抗微生物薬感受性試験は、実験室法の標準化の欠如、生物のゆっくりした生育および選好性の性質および最近までのエリスロマイシンに対する普遍的感受性のために、ルーチン的には実行されなかった。1995年に、ルイス(Lewis)らは(Lewis, et al., Ped. Infect. Dis. J., 14: 338−391 (1995))エリスロマイシン療法が臨床的に失敗した2ヵ月の乳児において、最初のエリスロマイシン耐性の(E試験による最小阻止濃度[ MIC ]は、>256 μg/ml)ビー・パーツシス(B. pertussis)分離株を記載した。従って、ボルデテラ・パーツシス(Bordetella pertussis)耐性が一般的になる場合、あるいは、慣用的療法に耐えられない患者のために、代わりの治療薬が必要である。情報はインビトロ(in vitro)の感受性データについて存在するけれども、インビボ(in vivo)の効力データはほとんどない。百日咳での代わりの薬剤の抗生物質的効力は、気道分泌物でこれら薬剤のインビトロ(in vitro)感受性およびな達成可能な濃度によって予測される。キノロンは、気道分泌物で高濃度を達成することが示された(Gerding, et al., Rev. Infect. Dia., 11 (Suppl. 5): S1046−1047 (1989))。
【0431】
以下の細菌分離株が、試験された: 1987および1997年の間に集められたPAフィラデルフィアの聖クリストファー小児病院(St. Christopher’s Hospital for Children)で見られた患者由来の99個の臨床分離株、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション( American Type Culture Collection)(ATCC)由来の株#8467および#9340およびセンターズ・フォー・ディジーズ・コントロール・アンド・プリベンション(the Centers for Disease Control and Prevention)から得られた元来、AZのユマ由来の1個のエリスロマイシン耐性株Lewis, et al., Ped. Infect. Dis. J., 14: 338−391 (1995))を含む102個のビー・パーツシス(B. pertussis)分離株;聖クリストファー病院( St. Christopher’s Hospital) 由来の7個の臨床分離株およびATCC株#15311および#15989を含む9個のビー・パラパーツシス(B. parapertussis)分離株;聖クリストファー病院( St. Christopher’s Hospital)由来の5個の臨床分離株およびATCC株、#785、#31124、#780および#9395を含む9個のビー・ブロンキセプチカ(B. bronchiseptica)分離株。
使用されるアッセイ条件は、1988年にHoppeらによって提案され、1998年にMortensenほかによってさらに発展されたものであった(Hoppe, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 42: 1868 (1998); Mortensen, et al., 38th ICAAC, Abstract D−039 (1998))。簡単には、培地微量希釈法は、5%溶解ウマ血液と共にミュラー−ヒントン(Mueller−Hinton)培地を用いて実行された。使用される接種量は、全分離株について最終密度5x10 CFU/mに相当する生物懸濁液であり、プレート計数で確認された。試験される抗微生物薬の濃度は、次の通りだった:アンピシリン、アジスロマイシン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、トリメトプリム/スルファメトキサゾール(SXT)(0.015μg/mlないし32μg/ml)およびジェミフロキサシン(SB 265805)(0.008μg/mlないし16μg/ml)。ATCC由来のエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)#49619が、品質管理のために使用された。マイクロタイタープレートは、37℃で48時間、周囲空気中インキュベートされた。MICは、生育が阻害された抗微生物薬の最も低い濃度と定義された。
【0432】
エリスロマイシン、アジスロマイシン、シプロフロキサシンおよびジェミフロキサシンは、試験されるビー・パーツシス(B. pertussis)分離株に対して、一貫して活性であった(表67および68)。試験される薬剤は、ボルデテラ属の他の種に対して、可変な活性を有した(表67)。アジスロマイシン/エリスロマイシン耐性分離株は、試験される他の薬剤のいずれにも交差耐性を示さなかった:ジェミフロキサシン、<0.008μg/ml;シプロフロキサシン、<0.015μg/ml;アンピシリン、2.0μg/ml;および、SXT、4.0μg/m。
アンピシリン、アジスロマイシン、エリスロマイシン、シプロフロキサシンおよびSXTに対するビー・パーツシス(B. pertussis)およびビー・パラパーツシス(B. parapertussis)のこのインビトロ(in vitro)試験の結果は、以前の報告に匹敵した(Bannatyne, et al., Antimicrobial Agents Chemother., 21: 666−667 (1982); Hoppe, et al., Antimicrobl. Agents Chemother., 34: 2287−2288 (1990); Hoppe, et al., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis., 8: 653−654 (1989); Hoppe, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 42: 1868 (1998); Kurzinski, et al., Antimicrob. Agents Chomother., 32: 137−140 (1988))。ビー・ブロンキセプチカ(B. bronchiseptica)分離株は、インビトロ(in vitro)で、ビー・パーツシス(B. pertussis)およびビー・パラパーツシス(B. parapertussis)より少ない感受性であった。本研究中のMICは、以前に、Mortensenらによって報告されるより高く(Mortensen. et al., Antimicrob. Agents Chomther., 33: 771−772 (1989))、使用される異なる方法を示し得た。
ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)データは、ビー・パーツシス(B. pertussis)およびビー・パラパーツシス(B. parapertussis)に対して、以前に報告されていないが、本研究および他において報告されるごとく他のキノロンの活性に匹敵する(Appleman, et al., Diagn. Microbiol. Infec. Dis., 8: 131−133 (1987); Hoppe, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 34: 2287−2288 (1990); Hoppe, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 42: 1868 (1998))。気道分泌物でキノロンの高いな達成可能な濃度に結びつけられるビー・パーツシス(B. pertussis)に対するジェミフロキサシンの強力なインビトロ(in vitro)活性(Gerding, et al., Rev. Infect. Dia., 11 (Suppl. 5): S1046−1057 (1989))は、臨床的効力を予測することができ、これを百日咳の治療のための魅力的な他の薬剤にさせ得る。
【0433】
【表109】
Figure 2004507440
【0434】
【表110】
Figure 2004507440
【0435】
本発明は、ボルデテラ属の種の病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、ボルデテラ属の種の病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、ボルデテラ属の種の病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、ボルデテラ属の種の病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
【0436】
本発明の好ましい目的は、該ボルデテラ属の種の病原細菌がボルデテラ属の種:からなる群より選択される方法を提供するが。他のボルデテラ属の種の病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけマイコプラズマ属に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のマイコプラズマ属病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、他の新規キノロンおよびマクロライドと比較して、キノロン・ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)活性を測定することであり、ヒトの呼吸器および尿生殖路に、一般に見出されるマイコプラズマ属の種の継代培養された臨床分離株および基準株を使用して測定された。分析に使用される生物は、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)およびウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)を含んだ。最小阻止濃度(MIC)は、微量培地希釈法を用いて測定された。
コンパレーター薬剤は、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、テトラサイクリンおよびクリンダマイシンを含んだ。分析は、異なる地理的領域から200個のマイコプラズマ属および100個のウレアプラズマ属分離株で実行された。
異なるマイコプラズマ属の種に対するジェミフロキサシンの全体的範囲は、≦0.008ないし0.125μg/mlであった。ウレアプラズマ属株について、MIC範囲は≦0.008ないし0.5μg/mlであった。試験される種によって、マクロライドと比較される場合、ジェミフロキサシンは可変の結果を示した。しかしながら、この研究で実行されるアッセイにおいて、ジェミフロキサシンはテトラサイクリン、クリンダマイシンおよびの他のキノロンと同程度かあるいはより活性であった。
【0437】
特により若い年齢群において、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)は長い間、一般の病原体と認識され、一般集団における肺炎の20%、軍事的環境において50%までを引き起こした。(Cassell, et al., The Mycoplasma, Academic Press, Inc., New York, NY, pp. 65−106 (1985))。エム・ニューモニエ(M. pneumoniae)による大部分の呼吸器感染は自己制限的であるが、若干の例で、致命的疾病が起こり得る(Cassell, et al., The Mycoplasma, Academic Press, Inc., New York, NY, pp. 65−106 (1985))。エリスロマイシンに耐性のエム・ニューモニエ(M. pneumoniae)の天然に起こる株は現在まで記載されなかったけれども、他の治療様式の必要性が正当化される用量関連の悪心、嘔吐または下痢のため、場合によっては、この薬剤の有効性は制限され得る(Chow, et al., Antimicrobial Therapy, Raven Press, New York, NY, pp. 209−221 (1988))。これら生物が新生児(Cassell, et al., Pediatric Infect. Disease Journal, 7: 535−541 (1988); Cassell, et al., Advanced in Experimental Medicine and Biology, 24: 93−115 (1987); Cassell, et al., Lancet, ii: 240−245 (1988); Waites, et al., Pediatrics, 83: 84−89 (1989); Waites, et al., Lancet, I: 17−21 (1988))および他の免疫抑制されたヒトにおけるTaylor−Robinson, et al., Pediatric Infectious Disease Journal, 5 (Suppl.): 236−238 (1986))日和見病原体として、および非淋菌性尿道炎および骨盤内炎症性疾病(Cassell, et al., Advances in Experimental Medicine and Biology, 24: 93−115 (1987))のごとき性感染病の主要な病原体として(Cassell, et al., Advances in Experimental Medicine and Biology, 24: 93−115 (1987))認識されるため、エム・ホミニス(M. hominis)およびユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)の抗生物質感受性についての知識は、ますます重要性を増す。マイコプラズマ感染および他性感染病を治療する際に広く使用されていたテトラサイクリンのごとき、従来の薬剤への耐性は、ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)およびエム・ホミニス(M. hominis)両者で認められる(Cummings, et al., Antimicrobial Agents and Chemother., 34: 2297−2299 (1990); Evans, et al., Journal of Antimicrobial Chemotherapy, 4: 57−83 (1978); Roberts, et al., Pediatric Infectious Disease Journal, 5 (Suppl): 338−S340 (1986); Taylor−Robinson, et al., Pediatric Infectious Disease Journal, 5 (Suppl): 335−S340))。
【0438】
ジェミフロキサシンは、一般の気道病原体、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルザエ(Haemophilus influenzae)およびモレキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)(Moore, et al., 38th ICAAC, Abstract F−098, p. 257 (1998); Kim, et al., 38th ICAAC, Abstract F−093, p. 256 (1998))および異型の生物レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)(Critchley, et al., 38th ICAAC, Abstract F−100, p. 257 (1998); Dubois, et al., 38th ICAAC, Abstract F−105, p. 258 (1998))およびクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)(Kim, et al., 38th ICAAC, Abstract F−093, p. 256 (1998); Ridgeway, et al., 38th ICAAC, Abstract F−097, p. 256 (1998))に対して非常に活性であることが示された。限られた数の試料が分析された場合、ジェミフロキサシンはまた、異なるマイコプラズマ属の種に対して良好な抗微生物活性を示した(Hannan, et al., 38th ICAAC, Abstract F−101, p. 257 (1998))。
異なるマイコプラズマ属の種に対するジェミフロキサシンの活性を確認するために、MICは多数の臨床分離株および基準株について測定された。この研究において、ジェミフロキサシンのインビトロ(in vitro)の有効性は、他の新規キノロン、マクロライド、テトラサイクリンおよびクリンダマイシンのそれと比較された。
【0439】
継代培養された臨床分離株および基準株を含む、マイコプラズマの300個の分離株は、抗微生物薬感受性について試験された。これら分離株のほとんどは、人工培地上2−3回のみ継代培養された。エム・ニューモニエ(M. pneumoniae)分離株は、6つの異なる国から集められた130株(10年にわたって集められた代表分離株)を含んだ。全分離株は、証明された呼吸器疾病を有する個体の気道から生じた。分離株は、PCR法によって、エム・ニューモニエ(M. pneumoniae)と同定され、呼吸器または生殖管のいずれかにおいてヒトに起こると公知のエム・ゲニタリウム(M. genitalium)または他のいずれのマイコプラズマ属の種でも交差反応を起こし得ないことが示された:ATCCn = 2;デンマークn = 6;オーストラリアn = 5;日本n = 4;英国n = 9;中国n = 11;および米国n = 93。
エム・ホミニス(M. hominis)分離株(n = 50)は、7個の基準株および43個の継代培養された臨床分離株を含んだ。臨床分離株の起源は、表69に示される。エム・ファーメンタンス(M. fermentans)分離株(n = 18)は、1個の基準株、2個の臨床分離株(子宮内膜生検および尿道由来)細胞培養、気道、骨髄または滑膜由来のおよび15個のよくキャラクタライズされた株を含んだ。ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)分離株(n = 100)は、14個のセロタイプおよび86個の臨床分離株を含んだ(表70)。エム・ゲニタリウム(M. genitalium)株は2個の分離株より成り、2個のエム・ペネトランス(M. penetrans)の分離株は試験された。
以下の抗微生物薬が使用された:ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、レボフロキサシン、グレパフロキサシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、テトラサイクリンおよびクリンダマイシン。散剤は、製造者の推奨によって溶解された。各薬剤2048μg/mLを含むストック液は各アッセイのために新たに調製された。
【0440】
微量培地希釈法(Cassell, et al., Clinical and Pathogenic Microbiology, Mosby, St. Louis, MO, pp. 491−502 (1994))は、MICを測定するために使用された。マイコプラズマ培地(ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)について10Bおよび他の全てのマイコプラズマ属の種についてSP4)での抗微生物薬の連続二倍希釈は、試験される各薬剤の濃度範囲≦0.008ないし256μg/mLとなるように実行された。色変化単位(CCU)/mLによって測定される10−10個の生物の接種量が使用された。プレートは、37℃で好気的にインキュベートされた。無薬剤(生育)対照で色変化が検出されるまで、全プレートは毎日検討された。ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)の急速な増殖のために、最初の読み取りは、インキュベーション16時間で起こり、以後毎日何回も読み取りを行った。各薬剤のMICは、全分離株について測定された。無薬剤対照が最初に色変化を示した時間(各種につき変動する時間点)で倍地中の色変化の欠如によって立証されるごとく、初期のMICは、生物の代謝が阻害された抗微生物薬の最低濃度と定義された。
【0441】
試験から耐性が疑われたいずれのマイコプラズマ分離株も、結果の再現性を確実にするために他の日に再試験された。この方法の詳細な記述は、以前に報告された(Cassell, et al., Clinical and Pathogenic Microbiology, Mosby, St. Louis, MO, pp. 491−502 (1994))。
用いられたマイクロタイター感受性試験法は、同時の二連運転内および異なる日に実行されたアッセイ間のMIC結果の優れた再現性を可能にした。ジェミフロキサシンは、試験された種に対して優れたインビトロ(in vitro)活性を示した。試験されたマイコプラズマ属およびウレアプラズマ属両者の株の全体的MIC範囲は、十分に期待される臨床的感受性の範囲内である≦0.008−0.5μg/mLであった。ジェミフロキサシンのこの濃度範囲は、調査される全株を阻害した。エム・ゲニタリウム(M. genitalium)およびエム・ペネトランス(M. penetrans)を除くマイコプラズマ属およびウレアプラズマ属の株に対するジェミフロキサシンおよび他の抗微生物薬の比較インビトロ(in vitro)活性(MIC50およびMIC90)は、表71に示される。エム・ゲニタリウム(M. genitalium)およびエム・ペネトランス(M. penetrans)の分離株のMIC結果は、表72に与えられる。
エム・ニューモニエ(M. pneumoniae)およびエム・ゲニタリウム(M. genitalium)について、ジェミフロキサシンのMICは、グレパフロキサシンのそれらに匹敵した(MIC 0.063−0.125μg/mL)が、それらは、他のキノロンおよびテトラサイクリンのそれらより2−ないし4−倍低かった。アジスロマイシンおよびクラリスロマイシンは、これらの2つの種に対して最高の活性を示し、≦0.008μg/mLで全株を阻害した。エム・ファーメンタンス(M. fermentans)およびエム・ホミニス(M. hominis)は、ジェミフロキサシンに高度な感受性を有した(MIC90≦0.008μg/mL)。
【0442】
エム・ホミニス(M. hominis)について、ジェミフロキサシンの活性は、クリンダマイシンおよびグレパフロキサシンのそれに匹敵し(MIC90≦0.016μg/mL)、テトラサイクリン(3−12希釈、より低い)および他のキノロン(1−5希釈、より低い)のそれより優れていた。公知の耐性のため、マクロライドは試験されなかった。エム・ファーメンタンス(M. fermentans)は、クラリスロマイシンに耐性であった(MIC9064μg/mL)が、アジスロマイシンに若干の感受性を示した(MIC90 2.0μg/mL)。ユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)は、ジェミフロキサシン(MIC90 0.250μg/mL)およびトロバフロキサシン(MIC90 0.125μg/mL)に等しく感受性であったが、他のキノロンは、2−ないし4−倍より、活性でなかった。ジェミフロキサシンは、また、この微生物に対して、テトラサイクリン(多くとも6希釈、より低い)またはアジスロマイシン(3−4希釈、より低い)より有効であった。テトラサイクリン−耐性株は、テトラサイクリン−感受性株のごとく、ジェミフロキサシンおよびトロバフロキサシンに同程度感受性であった。クラリスロマイシンは、≦0.008μg/mLの濃度でユー・ウレアリチカム(U. urealyticum)に対して最も高い活性を有した。
エム・ペネトランス(M. penetrans)に対して、ジェミフロキサシン(MIC≦0.008μg/mL)は、少なくとも試験された他の化合物と同程度活性であった。
インビトロ(in vitro)で、試験されるマイコプラズマ属およびウレアプラズマ属の種に対して、ジェミフロキサシンは、テトラサイクリン、クリンダマイシンおよび他のキノロンと同程度活性であるかあるいはより活性であった。試験されるマイコプラズマ属の種によって、マクロライドと比較した場合、ジェミフロキサシンは可変の結果を示した。10年の期間にわたって、および広く異なる地理的地域から集められた6個の種の300個以上の異なる株が分析されたけれども、ジェミフロキサシンへの耐性は観察されなかった。
【0443】
テトラサイクリンのごとき他の薬剤に耐性であるそれらの株を含む病原体の種に対して場合によって有効であるかもしれないので、フルオロキノロンはマイコプラズマ感染の治療に有用であると証明された。この研究および他の最近の研究からの結果(Waites, et al., Pediatrics, 83: 84−89 (1989))は、ジェミフロキサシンがマイコプラズマ属およびウレアプラズマ属の種に起因する呼吸器および尿生殖路感染の治療のための有望な薬剤であることを示す。さらに、ジェミフロキサシンは広範囲のグラム陰性およびグラム陽性病原体に対する非常に活性なフルオロキノロンであると報告され(Moore, et al., 38th ICAAC, Abstract F−098, p. 257 (1998); Kim, et al., 38th ICAAC, Abstract F−093 (1998); Critchley, et al., 38th ICAAC, Abstract F−100, p. 257 (1998); Dubois, et al., 38th ICAAC, Abstract F−105, p. 258 (1998); Ridgeway, et al., 38th ICAAC, Abstract F−097, p. 256 (1998))、それを感染症の治療における有効な新規薬剤にする。
【0444】
【表111】
Figure 2004507440
【0445】
【表112】
Figure 2004507440
【0446】
【表113】
Figure 2004507440
【0447】
【表114】
Figure 2004507440
【0448】
本発明は、マイコプラズマ属病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、マイコプラズマ属病原細菌またはこれら生物に感染あるいはその疑いのある患者を容易に選択できる。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、マイコプラズマ属病原細菌感染を有する疑いがあるか、あるいはそのリスクのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含むマイコプラズマ属病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該マイコプラズマ病原細菌が:マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)およびウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum):からなる群より選択される方法を提供するが。他のマイコプラズマ属病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において他の公知の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
【0449】
本発明は、とりわけ、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。
これらの分析の目的は、オフロキサシンに高いMICを有するストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)の株において、キノロン耐性機構に寄与する因子を測定することであった。
本発明の態様が論拠とされたさらなる研究は、オフロキサシンに高いMICを有するストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)の株においてキノロン耐性機構に寄与する因子を特キャラクタライズするために実行された。これら株は、また、ジェミフロキサシンを含む一連のキノロン系抗微生物薬に対する感受性について試験された。
27個のオフロキサシン感受性、18個のオフロキサシン−中間的、および53個のオフロキサシン−耐性株(オフロキサシンMIC それぞれ、<4、 4、 >4 μg/ml)からなるエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)分離株の収集物がこの研究において使用された。通常、オフロキサシン感受性株は、GyrA、GyrB、ParCまたはParEにアミノ酸置換を有さなかった。オフロキサシンに対するMICが増加したので、置換は最初にParCのキノロン耐性−決定領域(QRDR)に出現し、最も高いMICを示す株はまたGyrAのQRDRにも置換を有した。最も一般的な置換は、ParC → S79FおよびGyrA → S81Fであった。付加的な置換は、ParCのQRDR領域内に、および感受性に影響にするようにみえないParCおよびParEのQRDR領域の外側に同定された。
抗生物質の流出ポンプの効果は、グラム陽性流出ポンプの阻害剤レセルピンの存在および不存在下での一連のキノロンに対するMICを測定することによって研究された。このデータは、完全に流出による高度耐性が少数のオフロキサシン耐性エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)株において見られたことを示す。
ジェミフロキサシン、シプロフロキサシン、グレパフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシンおよびトロバフロキサシンへのこれらキノロン耐性株の感受性試験は、ジェミフロキサシンが、この多様な耐性機構に最も少なく影響を受け、全株に対してMIC≦0.5μg/mlを示す唯一のキノロンであることを明らかにした。
【0450】
これらの結果は、ジェミフロキサシンがエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対して非常に強力で、また、他のキノロンに耐性の株に対して有効であり得ることを示す。
ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)の中で現在利用できるフルオロキノロン(FQ)抗菌薬への耐性は、増加している世界的問題である。ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)においてFQ耐性に寄与する因子を測定するために、ある範囲のオフロキサシン感受性を示す98株が調査された。
FQ抗菌活性の標的は、DNAのトポロジー転換の原因であるII型トポイソメラーゼ、DNAギメラーゼおよびDNAトポイソメラーゼIVであると考えられる(Tankovic, et al., Antimicrob. Agents. Chemother., 40: 2505−2510 (1996); Xiao−Su, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 40: 2321−2326 (1996))。この研究において、それぞれ、DNAギラーゼのGyrAおよびGyrBサブユニットをコードするgyrAおよびgyrB遺伝子での、および、それぞれ、トポイソメラーゼIVのParCおよびParEサブユニットをコードするparCおよびparE遺伝子のQRDR(キノロン耐性−決定領域)は、配列決定された。
ある生物におけるFQ耐性に寄与する主要な機構は、薬剤流出であり、耐性のこの機構はまた、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)においても報告されている(Baranova, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 1396−1398 (1997); Munoz, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 40: 2252−2257 (1996); Zeller, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 41: 1973−1987 (1997))。これら株におけるFQ耐性の流出ポンプの役割は、グラム陽性流出ポンプの阻害剤、レセルピン存在および不存在下でのある範囲のキノロンに対する、MICを測定することによって研究された。
以下の試験薬剤が、本明細書中のある研究において使用された:ジェミフロキサシン、トロバフロキサシン、シプロフロキサシン、レセルピン、ノルフロキサシン、オフロキサシンおよびエリスロマイシン。
【0451】
エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)分離株は、1997年のアレキサンダー・プロジェクトおよび1996年のセントリー(SENTRY)およびスパー(SPAR)サーベイランス研究および1997年のアラート(ALERT)サーベイランス・プロジェクトおよびアイオワ大学から得られた。
MICは、培地微量希釈のNCCLS法を使用して測定された。全分離株は、%5 酵母エキス(Becton Dickinson, Cockeysville, MD, USA)で補足されるトッド・ヒューイット(Todd Hewitt)培地で試験された。濃度80mg/mlのレセルピンは、pmf流出ポンプを阻害するために接種物に添加された。
細菌DNAは、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の4mlの培養液から単離された。
標的遺伝子は、PCRによって増幅された。
PCR産物は、ビッグ・ダイ・ターミネーター・ケミストリー(BigDye terminator chemistryでのサイクル・シークエンシングによってABI 377(USA)で、自動DNA配列決定のために調製された。DNA塩基配列は、集められて、シークエンサー・V3.0・ジーン・コード 社(Sequencher V3.0 Gene Codes Corp)によって編集された。本明細書中に報告される98個の分離株のうち、12個の最も感受性なものはオフロキサシンMIC0.125−0.5μg/mlを有した(表73)。ほとんどの場合、これらの12個の分離株はGyrA、GyrB、ParCまたはParEのQRDR領域内に、アミノ酸置換を示さなかったが、2個の分離株はGyrAにS114G置換およびParCにS52G +N91Dの二重置換を示した。これら同一の置換はまた、MIC、1−4μg/mlを有する3株で見出されたが、それらが感受性分離株のMICに対する影響を有さないように見えるため、サイレントであると推測される。同様な様式で、多くの一見サイレントの置換は、全感受性株でParEのQRDR領域の外側で見出された。これらで最も一般的なものはI460Vであるが、通常一緒に、H351L、H347LおよびC329Sもまた、見出される。オフロキサシンはどんなに大きい程度ででも流出に影響を受けないが、これら12株のうちの4個は一般にオフロキサシンMICをちょうど2倍増加したレセルピン−阻害可能な流出機構を示した。
【0452】
オフロキサシンMIC、1−2μg/mlを有する15株のうちの2個のみは、ParCに置換(1個のS79Yおよび1個のD83Y)を有した、全ては野生株GyrA、GyrBおよびParEを有した。この群は、観察される流出の高発生率が見られた。オフロキサシン流出は全体的に個体群のおよそ3分の1で観察されたが、このMIC群で15株のうちの12個はオフロキサシンMIC、0.5ないし1μg/ml増加した流出機構を示した。
置換はオフロキサシンMIC、4−8μg/mlを有する26株でGyrA、GyrBまたはParEに見出されなかったが、ほとんどはParCのQRDRに単一のアミノ酸置換を示した。6個はS79F置換を有し、6個はS79Yを有し、4個はD83N置換を有し、4個は検出可能置換を有さなかった。1株は、前記のS52G +N91Dの二重のParC 置換を有し、MICに影響を有さないと推測された。野生型GyrAおよびParCを有する株のうちの1個は、この株の高いMIC(4μg/ml)の原因となり得るParE上のD435N 置換を有した。MIC4μg/mlを有する他の3株について、増加したMICの理由は決定できず、いずれのギラーゼまたはトポイソメラーゼタンパク質中にも検出可能な置換は見出されなかった。
【0453】
オフロキサシンMIC、16μg/ml以上を有する45株のうち、2個以外は全て、GyrAおよびParC両者で単一置換を有した。32個の分離株で見出された最も一般的なGyrA置換はS81Fであったが、5株はS81Y、6個はE85K置換を持っていた。最も一般的なParC置換はS79F(32株)であり、見られる他の置換はS79Y(9株)、D83N(3株)およびR95C(1株)であった。最も高いMICは、S81YおよびS79FのGyrAおよびParC置換を示す2株で見られた。オフロキサシンMIC32および16μg/mlを有する2個の分離株は、GyrA上に置換を示さず、ParC上に単一のS79Y置換を示した。オフロキサシンの有意な流出はこれらの株のいずれについても見られなかったが、シプロフロキサシンの流出は、他のほとんどよりこれらの分離株について高かった。
概して、オフロキサシンに対してそうであるごとく、ParCおよびGyrAのQRDRs内のアミノ酸置換は、ジェミフロキサシン、トロバフロキサシンおよびシプロフロキサシンのMICの二倍希釈法の同様な増加を引き起こす。抗生物質間の主要な差違は、MICの範囲および流出活性の程度である。
シプロフロキサシン(0.25−64μg/ml)およびオフロキサシン(0.125−>64μg/ml)は、いくぶん低いトロバフロキサシン(0.008−16μg/ml)および全分離株に対して1μg/ml未満のMICを維持する唯一のキノロンであるジェミフロキサシン(0.004−0.5μg/ml)と共に、最も高いMIC範囲を表示する。
トロバフロキサシンおよびオフロキサシンの流出は低かった。分離株の40%のみは、流出を示し、ほとんどの場合、結果はMICの倍加であった。ジェミフロキサシンは全分離株の55% で流出され(表74)、この群の3分の2は、MICの倍加を示し、残りは、MICの4ないし8倍増加を示した。流出に起因するMICの少なくとも4倍増加を示す大部分の分離株で、シプロフロキサシンは実質的に全分離株で流出された(表75)。興味深いことに、最も大きいシプロフロキサシン流出を示す4個の分離株は、オフロキサシンMIC、4μg/mlを有する4株であり、識別可能な標的突然変異はなかった。流出に対する感受性の順位序列は、シプロフロキサシン=ノルフロキサシン>ジェミフロキサシン>オフロキサシン=トロバフロキサシン=グレパフロキサシンであった。
エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)において、大部分のキノロンについて、高いMICに帰着する第一段階突然変異はParCで起こるが、GyrAがスパルフロキサシンおよびガチフロキサシンのごとき2、3のキノロンの主要な標的であるという若干の証拠がある(Heaton, et al., 39th ICAAC, Abstract 1394 (1999))。本明細書中に分析される全臨床分離株は、GyrAのQRDRにおける第二の突然変異の後に起こるより高度の耐性と共に、ParCのQRDRに第一段階突然変異を示した。このことは、ジェミフロキサシンの主要な標的がParCであるということを示さない。実際、それはGyrAでありそうである。最も有効な(および最も一般的な)置換はParCでのS79Fおよび、GyrAでのS81Yであるように見え、この研究において最も耐性の2個の分離株はこれらの両置換を持っていた。
【0454】
実質的に、大部分の非常に感受性のものを含む全分離株は、シプロフロキサシン流出の若干の証拠を示した。大多数(41%)はMICの2倍増加を示したが、33%の分離株は4倍増加を示し、19%は8−倍以上の増加を示した。完全に流出に起因する高いMICは、5個の分離株のみであった。これら分離株の5個全ては、4−8μg/mlまで変動するシプロフロキサシンMICと共に、オフロキサシンに中間的感受性(MIC 4μg/ml)を有した。
エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の最近の臨床分離株でのキノロン耐性は、ParCおよびGyrAのQRDR領域でのアミノ酸置換によって主に媒介される。ほとんど全ての分離株はシプロフロキサシンの活性な流出の若干の証明を示したが、これは検討される分離株のうちのちょうど5個での耐性の主要な原因であった。トロバフロキサシン、シプロフロキサシンおよびオフロキサシンのMIC範囲は、それぞれ、0.008−16、0.25−64μg/mlおよびオフロキサシン0.125−>64μg/mlであった。ジェミフロキサシンは、0.004−0.5μg/mlのMIC範囲で、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)の全分離株に対して試験される最も強力なキノロンであった。
【0455】
【表115】
Figure 2004507440
【0456】
【表116】
Figure 2004507440
【0457】
【表117】
Figure 2004507440
【0458】
本発明は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
【0459】
本発明の好ましい目的は、該病原細菌がストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae):からなる群より選択される方法を提供するが。他の病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明は、とりわけ、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対して、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を使用する方法を提供する。
一つには、本発明は、種々のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原体に対してジェミフロキサシンの相対活性を評価する分析に基づいた。これら分析の目的は、他のフルオロキノロンと比較してジェミフロキサシンの促進された抗肺炎球菌活性の分子的基礎を決定することであった。
ジェミフロキサシンは、レボフロキサシン(LEV)、シプロフロキサシン(CIP)、グレパフロキサシン(GRE)、モキシフロキサシン(MOX)またはトロバフロキサシン(TRO)と比較された。
【0460】
ジェミフロキサシン(SB−265805)は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対する強力な活性を有する新規フルオロキノロン(FQ)である。この研究において、DNAギラーゼ(GYR)およびトポイソメラーゼIV(TOP)は、以前に記載(38th ICAAC, abst. C−176)のごとく、宿主としてイー・コリ(E. coli)を使用する遺伝子クローニングおよび組換え法によってFQ−感受性(FQ−S)エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)C3LN4およびFQ耐性(FQ−R)エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)502226から精製された。GYRスーパーコイル形成およびTOPデカトネーティング(decatenating)反応は、ジェミフロキサシン(GEM)、レボフロキサシン(LEV)、シプロフロキサシン(CIP)、グレパフロキサシン(GRE)、モキシフロキサシン(MOX)またはトロバフロキサシン(TRO)によって阻害された。三連実験からのパーセント阻害は、算出され、薬剤濃度に対してプロットされた。50%阻害濃度(IC50)は、これらのプロットから推論された(以下の表76参照)。
【0461】
【表118】
Figure 2004507440
【0462】
TOPは、TOPがエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対するこれらFQの主要な標的であることを示すGYRよりかなりFQ感受性であった。ジェミフロキサシンは、FQ−S C3LN4酵素に対して他のFQより少なくとも2.5倍活性なTOPの最も強力な阻害剤であった。逆に、全FQは、FQ−S C3LN4由来のGYRに対して非常に類似的な活性を所有した。FQ−R 502226由来のTOPおよびGYRに対するFQ IC50は、FQ−S C3LN4由来の酵素に対するIC50より高かった。しかしながら、C3LN4酵素でのごとく、TOPを阻害する能力はGYRを阻害する能力より良いFQ MICの指標であった。ジェミフロキサシンは、FQ−R 502226由来のTOPに対して、この株に対するジェミフロキサシンの促進された作用強度を説明する良好な作用強度を保持した。従って、TOPを阻害する能力が、FQ−R GYRおよびFQ−R TOPを有するFLQ−R株に対してさえ、GYRを阻害する能力よりFQ MICの重要な決定因子であることは、明白であろう。
フルオロキノロンは必須の細菌酵素、DNAギラーゼおよびトポイソメラーゼIVを阻害し、このことは二本鎖DNA破壊を挿入した後にDNAトポロジーを改変する。
DNAギラーゼは、gyrAおよびgyrB遺伝子にコードされるA四量体として存在し、陰性DNAスーパーコイル形成を触媒する。トポイソメラーゼIVは、parCおよびparE遺伝子にコードされるC四量体として存在し、染色体分割に関係する。以前の研究は、フルオロキノロンが肺炎球菌DNAギラーゼより肺炎球菌トポイソメラーゼIVの方の強い阻害剤であることを示した(Morrissey, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43, in press (1999); Pan, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43: 1129−1136 (1999))。さらに、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)に対して、フルオロキノロンMICは、DNAギラーゼ IC50とよりもトポイソメラーゼIV IC50との方がよりよく相関する(Morrissey, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43, in press (1999))。トポイソメラーゼIVは、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対するフルオロキノロンの最も有望な主要な標的である(Morrissey, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43, in press (1999))。
【0463】
本発明の態様が論拠とされたさらなる研究は、他のフルオロキノロンと比較してジェミフロキサシンの促進された抗肺炎球菌活性の分子的基礎を調査するために行われた。
細菌株は、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)C3LN4−以前研究されたシプロフロキサシン感受性実験室株(Morrissey, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43, in press (1999))およびエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)502226−アレキサンダー・プロジェクト・カルチャー・コレクション(Alexander Project culture collection)由来のシプロフロキサシン耐性の(MIC 16μg/ml)臨床分離株(Felmingham, et al., J. Chemotherapy, 11 (Suppl. 1): 5−21 (1999)):を含んだ。
過剰発現するイー・コリ(E. coli)の構築およびトポイソメラーゼ・サブユニットの精製
以前に記載されるごとく(Morrissey, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43, in press (1999))、調製されたgyrA、gyrB、parCおよびparEサブユニットPCR産物はpMAL−c2TMタンパク質融合ベクター(New England Biolabs UK Ltd)に、別々に挿入され、コンピテント・イー・コリ(E. coli)DH5をトランスフォームするのに使用された。マルトース−結合タンパク質に融合されるトポイソメラーゼ・サブユニットは、以前に記載のごとく、産生され、切断され、精製された。
【0464】
反応混合物(20μL)は、キネトプラストDNA(Topogen Inc., Ohio, USA)0.4μg、40mM、トリス−HCl、20mMKCl、5mMのMgCl2、50mg/Lウシ血清アルブミン(BSA)、1mMジチオスレイトール(DTT)、0.5mMATPおよびトポイソメラーゼIV1単位を含むように用意された。トポイソメラーゼIV1単位は、再構成されたParCおよびParEが37℃、1hで0.4μgのkDNAを脱連鎖するのに必要な量と定義された。37℃ 1hで、種々のフルオロキノロン濃度によるインキュベーション後、反応は5μLの停止水溶液(5%(v/v)ザルコシル(sarkosyl)、25%(v/v)ブロムフェノールブルーおよび25%の(v/v)グリセロール)の添加によって停止された。試料は、ついで1%アガロースゲル電気泳動に付され、脱連鎖されたDNAバンドの強度はゲル・ドック・1000・システム(Gel Doc 1000 system)(Bio−Rad Laboratories Ltd., Hemel Hempstead, UK)を使用して分析された。トポイソメラーゼIVの阻害は、無薬剤対照と比較して脱連鎖されたバンドの強度の百分率として表された。三連実験の平均は、フルオロキノロン濃度に対してパーセント脱連鎖をプロットするのに用いられた。酵素活性を50%阻害するのに必要なフルオロキノロン濃度(IC50)は、これらのプロットから推定された。
反応混合物(20μL)は、20mM TrisHCl、20mMKCl、8mMMgCl、25mg/LBSA、1mMDTT、5mMATP、5mMスペルミジン、2.5μg t−RNA、0.2μg弛緩型pBR322 DNAおよび1単位のDNAギラーゼを含むように用意された。DNAギラーゼ1単位は、再構成された酵素が37℃、1hで弛緩型DNA0.2μgをスーパーコイル形成するのに必要な量と定義された。37℃ 1hで、種々のフルオロキノロン濃度によるインキュベーション後、反応は、トポイソメラーゼIVについて記載されるごとく、停止され、分析された。DNAギラーゼ阻害のために、IC50値は、スーパーコイルDNAバンドの強度を比較することによって算出された。
実施例として、アガロースゲル分析から推論されるごとく、図35および36はそれぞれ、シプロフロキサシンによってエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)C3LN4由来のDNAギラーゼおよびトポイソメラーゼIVの阻害の結果を表す。同様なプロットから、表77に要約されるごとく、残りのフルオロキノロンIC50値は算出された。産生されたトポイソメラーゼ・サブユニットの比活性は、mgタンパク質につき4.2ないし7.2×10単位まで変動した。
データは、ジェミフロキサシンが試験されるフルオロキノロン感受性およびシプロフロキサシン耐性肺炎球菌両者から単離されるトポイソメラーゼIVの最も強力な阻害剤であったことを示す。
【0465】
逆に、ジェミフロキサシンはDNAギラーゼの最も強力な阻害剤でなかった。
ジェミフロキサシンの強力な抗肺炎球菌活性は肺炎球菌のトポイソメラーゼIVに対する強い活性によるということのようである。
これらの抗微生物薬が生物を阻害する能力で異なるという事実にもかかわらず、シプロフロキサシンを除く、全てのフルオロキノロンは、エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)C3LN4由来のDNAギラーゼに対して非常に類似的なIC50値を示した。このデータは、トポイソメラーゼIVがエス・ニューモニエ(S. pneumoniae)に対するフルオロキノロンの主要な標的であるという以前の知見を証拠立てる(Morrissey, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43, in press (1999); Pan, et al., Antimicrob. Agents Chemother., 43: 1129−1136 (1999))。エス・ニューモニエ(S. pneumoniae)502226によって示されるフルオロキノロン耐性表現型は、DNAギラーゼおよびトポイソメラーゼIV両者の減少した阻害によるように見える。このことは、DNAギラーゼおよびトポイソメラーゼIV両遺伝子で突然変異を有することが示されたトポイソメラーゼQRDR配列データに一致する(Broskey, et al., J. Antimicrob. Chemother., 44 (Suppl. A): Abstract P391, p. 127 (1999))。
【0466】
【表119】
Figure 2004507440
【0467】
本発明は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌の代謝を変調する方法を提供する。当業者は、本発明の方法を行うために、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌またはこれらの生物に感染、あるいはその疑いのある患者を容易に選択し得る。あるいは、本発明の方法に有用な細菌は、本明細書中に記載されるものであってよい。
また、本発明によって、抗菌的有効量のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物を、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌に感染の疑いがあるか、あるいはそのおそれのある哺乳類、好ましくはヒトに投与する段階を含む、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌による細菌感染の治療または予防方法が提供される。
本発明の好ましい目的は、該ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌が選択される方法を提供するが。他のストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)病原細菌も、また方法に含まれてよい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えばMIC試験を使用して、これら生物を同定し得る。
本発明のいずれの方法においても接触段階は、容易に、当業者に明らかである多くの方法で実行され得る。しかしながら、接触段階が、かかる組成物の必要なヒトの患者に、または培養液または緩衝液中の細菌に直接、ジェミフロキサシン化合物を含む組成物の供給であることは、好ましい。
例えば、ヒトの患者と接触、あるいは、ヒトの患者またはインビトロ(in vitro)での該細菌と接触する場合、キノロン、特にジェミフロキサシン化合物を含む組成物、好ましくは医薬上組成物は、例えば、特に、局所、経口、肛門、経膣、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内または皮内経路による投与を含むいずれの有効な都合のよい様式ででも投与され得る。
【0468】
患者への投与に適当な医薬上担体のごとき、これら組成物が、細胞、組織または生物での使用について、未滅菌または滅菌の単一の担体または複数の担体と組み合わせて使用いられることは、また、好ましい。かかる組成物は、例えば、培地添加物または治療的有効量の本発明の化合物、キノロン、好ましくはジェミフロキサシン化合物および医薬上許容される担体または賦形剤を含む。かかる担体は、生理的食塩水、緩衝化生理的食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノールおよびその組み合わせを含み得るが、それに限定されない。剤形は、投与様式に適さなければならない。
本発明の方法のキノロン化合物、特にジェミフロキサシン化合物および組成物は、単独で、または、細菌流出ポンプ阻害化合物または抗生物質化合物、特に非−キノロン化合物、例えば、β‐ラクタム抗生物質化合物のごとき他の化合物と組み合わされて用いられ得る。
療法においてまたは予防薬として、本発明の方法の活性な薬剤は、例えば、滅菌水溶性分散剤、好ましくは等張なものとして注射可能な組成物として、個体に好ましくは投与される。
あるいは、本発明の方法におけるジェミフロキサシン化合物または組成物は、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、眼軟膏剤、点眼剤、点耳剤、うがい薬、含浸包帯および縫合糸、およびエアロゾルの形態で局所適用のために処方されてよく、例えば、保存剤、薬剤浸透を促進する溶剤、および軟膏およびクリームでの軟化剤を含む適当な慣用的添加物を含んでよい。かかる局所処方は、また、適合する慣用的担体、例えば、クリームまたは軟膏基剤およびローションのためのエタノールまたはオレイル・アルコーを含んでよい。かかる担体は、処方の重量でおよそ1%ないしおよそ98%までを構成してよく;より一般的には、それらは処方の重量でおよそ80%までを構成する。
哺乳類および特にヒトへの投与のために、抗菌的有効量が、活性薬剤の毎日の用量レベル、0.001mg/kgないし10mg/kg、一般に、およそ0.1mg/kgないし1mg/kg、好ましくはおよそ1mg/kgであると期待される。いずれにしても、医師は、個体に最も適当な実際の薬用量を決定し、年齢、体重および特定の個体の反応によって変えるであろう。前記薬用量は、平均的場合の例示である。もちろん、より高い、あるいはより低い薬用量範囲が値される個体例が、あり得、それは本発明の範囲内である。該細菌の生育を阻害または停止することによるかかる方法または該細菌を死滅させることによって、薬用量が、細菌の代謝を変調するのに選択されることが好ましい。当業者は、本明細書中に提供され、ならびに当該分野において公知の他の方法、例えば応用MIC試験を使用して、この量を同定し得る。
【0469】
本発明のさらなる具体例は、患者において内在デバイスに接触することをさらに含む方法の接触段階を提供する。内在デバイスは、外科的インプラント、補綴器具およびカテーテル、すなわち個体の体に導入されて長時間所定の場所に残留する器具を含むが、それに限定されない。かかる器具は、例えば、人工関節、心臓弁、ペースメーカー、血管移植片、血管カテーテル、脳脊髄液シャント、尿カテーテルおよび連続的携行式腹膜潅流(CAPD)カテーテルを含む。
本発明のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物または組成物は、内在デバイスの挿入直前に、本発明の細菌に対する全身作用を達成するために注射によって投与され得る。治療は、器具が体内にある間、術後、持続され得る。さらに、組成物はまた、本発明の細菌に起因するか、あるいは関連がある細菌性創傷感染を予防するために、いずれの外科的手法についても、手術中のカバーを広げるのに使用され得る。
前記療法に加えて、本発明の方法において使用されるジェミフロキサシン化合物または組成物は、一般に、創傷組織が暴露される細菌、特に本発明の細菌のそれの基質タンパク質への付着を妨害する創傷治療薬剤として、および抗生物質予防の代替として、あるいはそれと共に歯科治療における予防的使用のために使用され得る。
あるいは、本発明のキノロン、特にジェミフロキサシン化合物または組成物は、挿入直前に内在デバイスを浸すのに使用され得る。活性な薬剤は、好ましくは、創傷または内在デバイスを浸すために1μg/mlないし10mg/mlの濃度で存在するであろう。
【0470】
とりわけ、本発明の好ましい具体例は、該組成物がジェミフロキサシンまたはその医薬上許容される誘導体を含む方法を含む。
本明細書中に提供される全研究は、さもなければ、詳細に記載される場合を除き、当業者に公知かつルーチン的である標準法を使用して、実行された。特に明記しない限り、以下の実施例で提示される全ての部または量は、重量による。
本明細書中に引用される各文献は、完全に出典明示して本明細書の一部とみなす。さらに、本願が優先を請求する各特許出願は、完全に出典明示して本明細書の一部とみなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】5種のアシネトバクターについてのMIC50およびMIC90値(μg/ml)を示す。
【図2】ブレークポイントを超えるMICを有する分離株のパーセンテージを示す。
【図3】MIC(μg/ml)の範囲を示す。
【図4a】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するジェミフロキサシンの殺菌活性を示す。
【図4b】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するトロバフロキサシンの殺菌活性を示す。
【図4c】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するモキシフロキサシンの殺菌活性を示す。
【図4d】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するレボフロキサシンの殺菌活性を示す。
【図4e】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するシプロフロキサシンの殺菌活性を示す。
【図4f】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するグレパフロキサシンの殺菌活性を示す。
【図4g】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するスパルフロキサシンの殺菌活性を示す。
【図5】ディスク試験のBSAC標準化法を用いた1μgジェミフロキサシンディスク含量のシュードモナス(Pseudomonas)種を除くすべての属に対するMIC対抑制領域の図である。
【図6】ディスク試験のBSAC標準化法を用いた5μgジェミフロキサシンディスク含量のシュードモナス種に対するMIC対抑制領域の散布図である。
【図7】ペニシリン耐性肺炎双球菌に対するジェミフロキサシン時間−殺菌活性のグラフである。
【図8】ピー・エルジノーサ(P. aeruginosa)に対する4種のキノロンのMIC分布を示す。
【図9】アシネトバクター種に対する4種のキノロンのMIC分布を示す。
【図10】エス・ニューモニエ622286により引き起こされるラットにおけるRTIに対するジェミフロキサシン(SB265805)および比較薬剤の効力を示す。
【図11】エス・ニューモニエ305313により引き起こされるラットにおけるRTIに対するジェミフロキサシンおよび比較薬剤の効力を示す。
【図12】エス・ニューモニエにより引き起こされるラットにおけるRTIに対するグレパフロキサシン(GRP)、レボフロキサシンおよびトロバフロキサシン(TRV)の効力と比較したジェミフロキサシンの効力を示す。
【図13】エイチ・インフルエンゼ(H. influenzae)H143により引き起こされるラットにおけるRTIに対するジェミフロキサシンおよび比較薬剤の効力を示す。
【図14】エス・ニューモニエ(S. pnumoniae)1629に対するジェミフロキサシンおよび比較薬剤の効力を示す。
【図15】エス・ニューモニエ(S. pnumoniae)1629に対するジェミフロキサシンおよび比較薬剤の効力を示す。
【図16】エス・ニューモニエ(S. pnumoniae)の評価可能な株におけるシプロフロキサシン、トロバフロキサシン、およびジェミフロキサシンの平均抗生物質投与後効果(PAE)を示す。
【図17】エス・ニューモニエ(S. pnumoniae)の感受性株におけるシプロフロキサシン、トロバフロキサシン、およびジェミフロキサシンのPAEを示す。
【図18】シプロフロキサシンによる抑制率(%)をグラフで示す。
【図19】シプロフロキサシンによる抑制(%)をグラフで示す。
【図20】10人のボランティアの腸内好気性細菌叢に対するジェミフロキサシン投与の効果を示す。
【図21】10人のボランティアの腸内嫌気性細菌叢に対するジェミフロキサシン投与の効果を示す。
【図22】ジェミフロキサシンでの変異エス・ニューモニエ株の選択を示す。
【図23】37℃で3時間ジェミフロキサシンで処理したエシェリキア・コリ(Eshcelichia coli)KL16の生存を示す。
【図24】37℃で3時間ジェミフロキサシンで処理したスタフィロコッカス・アウレウスE3Tの生存を示す。
【図25】37℃で3時間ジェミフロキサシンで処理したストレプトコッカス・ニューモニエC3LN4の生存を示す。
【図26】ジェミフロキサシンに対するエイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606の投与量反応を示す。
【図27】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するジェミフロキサシンの殺菌効果を示す。
【図28】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するトロボフロキサシンの殺菌効果を示す。
【図29】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するモキシフロキサシンの殺菌効果を示す。
【図30】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するレボフロキサシンの殺菌効果を示す。
【図31】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するシプロフロキサシンの殺菌効果を示す。
【図32】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するグレパフロキサシンの殺菌効果を示す。
【図33】エイ・バウマンニイ(A. baumannii)ATCC19606に対するスパルフロキサシンの殺菌効果を示す。

Claims (11)

  1. 肺炎双球病原菌を、ジェミフロキサシン化合物、または抗菌的に有効なその誘導体を含む抗菌的に有効量の組成物と接触させることを含む肺炎双球病原菌の代謝を調節する方法
  2. 肺炎双球病原菌が、ペニシリン−感受性、中間性および耐性(シプロフロキサシン耐性を包含する)肺炎双球菌からなる群から選択される請求項1記載の方法。
  3. 抗菌的に有効量のジェミフロキサシン化合物を含む組成物を肺炎双球病原菌での感染の疑いがあるかまたは感染のおそれのある哺乳動物に投与することを含む肺炎双球病原菌による感染を治療または予防する方法。
  4. 肺炎双球病原菌が、ペニシリン感受性、中間性および耐性(シプロフロキサシン耐性を包含する)肺炎双球菌からなる群から選択される請求項3記載の方法。
  5. 哺乳動物がヒトである請求項3記載の方法。
  6. 代謝の調節が細菌の成長を阻害することである請求項1記載の方法。
  7. 代謝の調節が細菌を殺すことである請求項1記載の方法。
  8. 細菌を接触させることが組成物を哺乳動物中に導入するさらなる工程を含む請求項1記載の方法。
  9. 哺乳動物がヒトである請求項8記載の方法。
  10. 細菌がペニシリン感受性および中間性肺炎双球菌である請求項1記載の方法。
  11. 細菌がペニシリン耐性(シプロフロキサシン耐性を包含する)肺炎双球菌である請求項1記載の方法。
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