JP2015527368A - クエチアピンに対する抗体及びその使用 - Google Patents

クエチアピンに対する抗体及びその使用 Download PDF

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Abstract

競合イムノアッセイ方法などにおいてサンプル中のクエチアピンを検出するために使用することのできるクエチアピンに結合する抗体が開示される。本抗体は、単一の側方流動アッセイ装置におけるアリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、及びリスペリドンの多重検出を含む、クエチアピンのポイントオブケア(point-of-care)検出のための側方流動アッセイ装置において使用することができる。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年8月21日に出願された米国仮出願第61/691,659号の利益を主張するものである。
(発明の分野)
本発明は、イムノアッセイの分野に関し、具体的には、クエチアピンを検出するためにイムノアッセイにおいて使用することができるクエチアピンに結合する抗体に関する。
統合失調症は、世界人口の約0.45〜1%が罹患している慢性かつ消耗性の精神障害である(van Os,J.;Kapur,S.「Schizophrenia」Lancet 2009,374,635〜645)。治療の主な目的は、精神病症状からの持続的な寛解を達成すること、再発の危険及び結果を低減させること、並びに患者の機能及び総合的な生活の質を改善することである。多くの統合失調症患者が、利用可能な抗精神病薬により症状の安定を達成することができる一方で、連日投与される経口薬物での投薬の乏しい遵守は、再発の一般的な理由である。服薬不履行の結果を調査するいくつかの研究(Abdel−Baki,A.;Ouellet−Plamondon,C.;Malla,A.「Pharmacotherapy Challenges in Patients with First−Episode Psychosis」Journal of Affective Disorders 2012,138,S3〜S14)は、処方された通りにその薬物を摂取しない統合失調症患者は、再発率、入院率、及び自殺率がより高く、死亡率も上昇することを示している。40〜75%の統合失調症患者が、日常の経口治療レジメンを遵守することに苦労すると推定されている(Lieberman,J.A.;Stroup,T.S.;McEvoy,J.P.;Swartz,M.S.;Rosenheck,R.A.;Perkins,D.O.;Keefe,R.S.E.;Davis,S.M.;Davis,C.E.;Lebowitz,B.D.;Severe,J.;Hsiao,J.K.「Effectiveness of Antipyschotic Drugs in Patients with Chronic Schizophrenia」New England Journal of Medicine 2005,353(12),1209〜1223)。
治療薬物監視(TDM)は、治療の監視及び最適化のための抗精神病薬を含む薬物の血清又は血漿濃度の定量化である。このような監視は、例えば、その薬物レジメンを遵守していないか、治療用量を達成していないか、治療用量で反応しないか、準最適な忍容性を有するか、薬物動態学的な薬物−薬物の相互作用を有するか、又は不適切な血漿濃度をもたらす異常代謝を有する患者の特定を可能にする。抗精神病薬を吸収、分布、代謝、及び排泄する患者の能力にはかなりの個人差が存在する。そのような差は、併発症、年齢、併用薬、又は遺伝体質によって引き起こされ得る。異なる薬物製剤も抗精神病薬の代謝に影響を及ぼし得る。TDMは、個々の患者の用量最適化を可能にし、治療的及び機能的結果を改善する。TDMは、処方する臨床医が、処方された薬用量の遵守及び有効な血清濃度の達成を確実にすることを更に可能にする。
現在に至るまで、抗精神病薬の血清又は血漿濃度のレベルを決定するための方法は、UV又は質量分析検出を用いた液体クロマトグラフィー(LC)の使用、及びラジオイムノアッセイを伴う(例えば、Woestenborghs et al.,1990「On the selectivity of some recently developed RIA’s」in Methodological Surveys in Biochemistry and Analysis 20:241〜246.Analysis of Drugs and Metabolites,Including Anti−infective Agents;Heykants et al.,1994「The Pharmacokinetics of Risperidone in Humans:A Summary」,J Clin Psychiatry 55/5,suppl:13〜17;Huang et al.,1993「Pharmacokinetics of the novel anti−psychotic agent risperidone and the prolactin response in healthy subjects」,Clin Pharmacol Ther 54:257〜268を参照のこと)。ラジオイムノアッセイは、リスペリドン及びパリペリドンの一方又は両方を検出する。Salamoneらは、米国特許第8,088,594号において、リスペリドン及びパリペリドンの両方を検出するが、薬理学的に不活性な代謝物は検出しない抗体を用いたリスペリドンの競合イムノアッセイを開示している。競合イムノアッセイにおいて使用される抗体は、特定の免疫原に対して開発される。ID Labs Inc.(London,Ontario,Canada)は、競合フォーマットも利用する別の抗精神病薬であるオランザピンのELISAを市販している。使用説明書は、アッセイがスクリーニング目的のために設計され、法医学又は研究用途を対象としており、特に治療用途を対象としていないことを示す。説明書は、全ての陽性サンプルがガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC−MS)で確認されるべきであることを推奨し、使用される抗体がオランザピン及びクロザピンを検出することを示す(ID Labs Inc.,「Instructions For Use Data Sheet IDEL−F083」,Rev.Date Aug.8,2011を参照のこと)。これらの方法のうちのいくつか、即ち、HPLC及びGC/MSは、高価で大きな労働力を要するものであり得、一般的には、適切な設備を有する大規模又は特殊な研究所でのみ実施される。
抗精神病薬のレベルを決定するための他の方法、具体的には、処方する臨床医の診療室(ここで、個々の患者の治療をよりいっそうタイミング良く調節することができる)、及びLC又はGC/MS設備を欠くか、又は迅速な試験結果を必要とする他の医療機関において実施することのできる方法が必要とされている。
本発明は、クエチアピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)a)配列番号19、配列番号23、又は配列番号27のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、b)配列番号20、配列番号24、又は配列番号28のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、c)配列番号19のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、d)配列番号23のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号24のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、又はe)配列番号27のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片からなる群から選択される抗体であるか、又は(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープにおいて競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
本発明の抗体は、アッセイキット及びアッセイ装置において提供され得、現在好ましい装置は、ポイントオブケア(point-of-care)分析を提供する側方流動アッセイ装置である。
本発明は、サンプル中のクエチアピンを検出する方法を更に提供する。この方法は、(i)サンプルを、検出可能なマーカーで標識化された本発明に従う抗体と接触させる工程であって、サンプル中に存在する標識化抗体及びクエチアピンが、標識化複合体を形成する、工程と、(ii)サンプル中のクエチアピンを検出するように標識化複合体を検出する工程と、を含む。
サンプル中のクエチアピンを検出するための競合イムノアッセイ方法が更に提供される。この方法は、(i)サンプルを、本発明に従う抗体と、及びクエチアピン又はクエチアピンの競合結合パートナーと接触させる工程であって、抗体及びクエチアピン又はその競合結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識化され、かつ、サンプルクエチアピンが、抗体への結合においてクエチアピン又はその競合結合パートナーと競合する、工程と、(ii)サンプルクエチアピンを検出するように標識を検出する工程と、を含む。
本発明の更なる目的、特徴及び利点が、以下の好ましい実施形態の詳細な考察から、当業者に明白となるであろう。
様々なハイブリドーマを用いて生成された競合ELISA結果を示す。 様々なハイブリドーマを用いて生成された競合ELISA結果を示す。 側方流動アッセイ装置上で使用される競合イムノアッセイフォーマットを示す。 クエチアピンサブクローン89−3、89−13、及び89−5を用いて生成された典型的な用量反応曲線を示す。 本発明に従う側方流動アッセイ装置のチップ設計を示す。 抗体5C7を用いて生成されたアリピプラゾール陽性対照及び標識化アリピプラゾール競合結合パートナーの典型的な用量反応曲線を示す。 抗体4G9−1を用いて生成されたオランザピン陽性対照及び標識化オランザピン競合結合パートナーの典型的な用量反応曲線を示す。 抗体11を用いて生成されたクエチアピン陽性対照及び標識化クエチアピン競合結合パートナーの典型的な用量反応曲線を示す。 抗体5−9を用いて生成されたリスペリドン陽性対照及び標識化リスペリドン競合結合パートナーの典型的な用量反応曲線を示す。 標識化アリピプラゾール競合結合パートナーの存在下でアリピプラゾール抗体5C7を用いて生成されたアリピプラゾールを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する標識化競合結合パートナーの存在下で、オランザピン、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化オランザピン競合結合パートナーの存在下でオランザピン抗体4G9−1を用いて生成されたオランザピンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化クエチアピン競合結合パートナーの存在下でクエチアピン抗体11を用いて生成された、クエチアピンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化リスペリドン競合結合パートナーの存在下でリスペリドン抗体5−9を用いて生成された、リスペリドンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンの用量反応曲線は存在しない。 標識化アリピプラゾール競合結合パートナーの存在下でアリピプラゾール抗体5C7を用いて生成された、アリピプラゾールを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する抗体及び標識化競合結合パートナーの存在下で、オランザピン、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化オランザピン競合結合パートナーの存在下でオランザピン抗体4G9−1を用いて生成された、オランザピンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する抗体及び標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化クエチアピン競合結合パートナーの存在下でクエチアピン抗体11を用いて生成された、クエチアピンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する抗体及び標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンの用量反応曲線は存在しない。 標識化リスペリドン競合結合パートナーの存在下でリスペリドン抗体5−9を用いて生成された、リスペリドンを含有するサンプルの典型的な用量反応曲線を示す図であり、各々に対する抗体及び標識化競合結合パートナーの存在下で、アリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンの用量反応曲線は存在しない。 陽性対照として生成されたアリピプラゾール用量反応曲線と、多重フォーマットで生成されたアリピプラゾール用量反応曲線との比較を示す。 陽性対照として生成されたオランザピン用量反応曲線と、多重フォーマットで生成されたオランザピン用量反応曲線との比較を示す。 陽性対照として生成されたクエチアピン用量反応曲線と、多重フォーマットで生成されたクエチアピン用量反応曲線との比較を示す。 陽性対照として生成されたリスペリドン用量反応曲線と、多重フォーマットで生成されたリスペリドン用量反応曲線との比較を示す。
以下の用語:「参照配列」、「比較ウィンドウ」、「配列同一性」、「配列同一性の割合」、「実質的同一性」、「類似性」、及び「相同」は、2つ以上のポリヌクレオチド又はアミノ酸配列の間の配列関係を説明するために使用される。「参照配列」は、配列比較の基準として使用される定義された配列であり、参照配列は、より大きい配列、例えば、完全長cDNAのセグメント、又は配列表に提示される遺伝子配列のサブセットであってもよく、又は完全なcDNA又は遺伝子配列を含んでもよく、参照配列は、配列表に提示されるようにタンパク質をコードする完全なアミノ酸配列のセグメントを含んでもよく、又はタンパク質をコードする完全なアミノ酸配列を含んでもよい。一般的に、参照配列は、少なくとも18ヌクレオチド長又は6アミノ酸長、多くの場合、少なくとも24ヌクレオチド長又は8アミノ酸長、多くの場合、少なくとも48ヌクレオチド長又は16アミノ酸長である。2つのポリヌクレオチド又はアミノ酸配列が各々、(1)2つの分子間で類似する配列(すなわち、完全なヌクレオチド又はアミノ酸配列の部分)を含み得、かつ(2)2つのポリヌクレオチド又はアミノ酸配列間で相違する配列を更に含み得るため、2つ(以上)の分子間の配列比較は、典型的には、2つの分子の配列を「比較ウィンドウ」上で比較して、配列類似性の局所領域を特定および比較することによって実行される。本明細書で使用される「比較ウィンドウ」は、少なくとも18個の隣接ヌクレオチド位置又は6個のアミノ酸の概念的セグメントを指し、ポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列は、少なくとも18個の隣接ヌクレオチド又は6個のアミノ酸参照配列と比較されてもよく、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の部分は、2つの配列を最適にアラインするのために、(添加又は欠失を含まない)参照配列と比較して20パーセント以下の添加、欠失、置換等(すなわち、ギャップ)を含んでもよい。比較ウィンドウをアラインするための最適な配列アライメントは、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math 2:482(1981),by the homology alignment algorithm of Needlemen and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の局所相同アルゴリズムによって、Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)類似性の探索方法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実装(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)によって、又は検査によって行われてもよく、様々な方法が発生させる最良のアライメント(すなわち、比較ウィンドウ上での最高の割合の同一性につながる)が選択される。
「配列同一性」という用語は、2つのポリヌクレオチド又はアミノ酸配列が比較ウィンドウ上で同一である(すなわち、ヌクレオチドごと、又はアミノ酸残基ごとに)ことを意味する。「配列同一性の割合」という用語は、2つの最適にアラインされた配列を比較のウィンドウ上で比較して、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、若しくはU)又はアミノ酸残基が両方の配列で生じる位置の数を決定して一致した位置の数を得て、一致した位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で割って、その結果に100を乗じて配列同一性の割合を得ることによって計算される。本明細書で使用される「実質的同一性」という用語は、ポリヌクレオチド又はアミノ酸配列の特性を意味し、ポリヌクレオチド又はアミノ酸配列は、少なくとも18個のヌクレオチド(6個のアミノ酸)位置の比較ウィンドウ上、多くの場合、少なくとも24〜48個のヌクレオチド(8〜16個のアミノ酸)のウィンドウ上の参照配列と比較して、少なくとも85パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも90〜95パーセントの配列同一性、より通常には少なくとも99パーセントの配列同一性を有する配列を含み、配列同一性の割合は、比較ウィンドウ上で参照配列が合計20パーセント以下になる欠失又は添加を含み得る配列と、参照配列を比較することによって計算される。参照配列は、より大きい配列のサブセットであり得る。「類似性」という用語は、ポリペプチドを説明するために使用されるとき、1つのポリペプチドのアミノ酸配列及び保存アミノ酸置換を、第2のポリペプチドの配列と比較することによって決定される。「相同」という用語は、ポリヌクレオチドを説明するために使用されるとき、2つのポリヌクレオチド又はその指定された配列が、最適にアラインされ、比較されるときに、適切なヌクレオチド挿入又は欠失で、少なくとも70%のヌクレオチド、通常約75〜99%、及び好ましくは少なくとも約98〜99%のヌクレオチドにおいて同一であることを示す。
本明細書で使用される「標識」、「検出器分子」、「リポーター」、又は「検出可能な標識」は、検出可能なシグナルを生成するか、又は生成するように誘発され得る任意の分子である。標識は、検体、免疫原、抗体に、又は別の分子、例えば、受容体、又は受容体に結合し得る分子、例えば、リガンド、具体的には、ハプテン又は抗体にコンジュゲートされ得る。標識は、連結又は架橋部分によって直接的又は間接的に付加され得る。標識の非限定的な例には、放射性同位体(例えば、125I)、酵素(β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ)、酵素断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、触媒、蛍光色素分子、(例えば、ローダミン、フルオレセインイソチオシアネート又はFITC、又はDylight 649)、染料、化学発光物質及び発光物質(例えば、ジオキセタン、ルシフェリン)、又は増感剤が挙げられる。
本発明は、クエチアピンに結合する単離された抗体を提供する。本発明は、抗体を含むアッセイキット及びアッセイ装置を更に提供する。競合イムノアッセイ方法を含む、サンプル中のクエチアピンを検出する方法も更に提供される。
一実施形態において、本発明は、クエチアピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、(i)a)配列番号19、配列番号23、又は配列番号27のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、b)配列番号20、配列番号24、又は配列番号28のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、c)配列番号19のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、d)配列番号23のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号24のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、又はe)配列番号27のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片からなる群から選択される抗体であるか、又は、(ii)(i)の抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープにおいて競合する、単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
更なる実施形態において、本発明は、クエチアピンに結合し、かつ配列番号19、配列番号23、又は配列番号27と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
更なる実施形態において、本発明は、クエチアピンに結合し、かつ配列番号20、配列番号24、又は配列番号28と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその結合断片を対象とする。
本発明の抗体の現在好ましい実施形態は、アミノ酸配列配列番号19を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号20を有する重鎖可変領域を含む抗体、アミノ酸配列配列番号23を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号24を有する重鎖可変領域を含む抗体、並びにアミノ酸配列配列番号27を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号28を有する重鎖可変領域を含む抗体である。
本発明の抗体の更なる現在好ましい実施形態は、1)配列番号19のアミノ酸残基43〜58を含む軽鎖CDR1配列、配列番号19のアミノ酸残基74〜80を含む軽鎖CDR2配列、配列番号19のアミノ酸残基113〜121を含む軽鎖CDR3配列、配列番号20のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列、配列番号20のアミノ酸残基69〜85を含む重鎖CDR2配列、及び配列番号20のアミノ酸残基118〜129を含む重鎖CDR3配列を含む抗体、2)配列番号23のアミノ酸残基43〜58を含む軽鎖CDR1配列、配列番号23のアミノ酸残基74〜80を含む軽鎖CDR2配列、配列番号23のアミノ酸残基113〜121を含む軽鎖CDR3配列、配列番号24のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列、配列番号24のアミノ酸残基69〜85を含む重鎖CDR2配列、及び配列番号24のアミノ酸残基123〜129を含む重鎖CDR3配列を含む抗体、並びに3)配列番号27のアミノ酸残基43〜58を含む軽鎖CDR1配列、配列番号27のアミノ酸残基74〜80を含む軽鎖CDR2配列、配列番号27のアミノ酸残基113〜121を含む軽鎖CDR3配列、配列番号28のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列、配列番号28のアミノ酸残基69〜85を含む重鎖CDR2配列、及び配列番号28のアミノ酸残基123〜129を含む重鎖CDR3配列含む抗体である。
本発明の抗体についての更なる詳細は、「抗体」と題される以下の項に提供される。
本発明は、その抗体を含むアッセイキット、ならびにその抗体を含むアッセイ装置を更に提供する。好ましくは、アッセイ装置は、側方流動アッセイ装置である。アッセイキット及びアッセイ装置についての更なる詳細は、「アッセイキット及び装置」と題される以下の項に提供される。
本発明は、サンプル中のクエチアピンを検出する方法を更に提供する。この方法は、(i)サンプルを、検出可能なマーカーで標識化された本発明に従う抗体と接触させる工程であって、サンプル中に存在する標識化抗体及びクエチアピンが、標識化複合体を形成する、工程と、(ii)サンプル中のクエチアピンを検出するように標識化複合体を検出する工程と、を含む。本発明に従うクエチアピンを検出する方法についての更なる詳細は、「イムノアッセイ」と題される以下の項に提供される。
サンプル中のクエチアピンを検出するための競合イムノアッセイ方法が更に提供される。この方法は、(i)サンプルを、本発明に従う抗体と、及びクエチアピン又はクエチアピンの競合結合パートナーと接触させる工程であって、抗体及びクエチアピン又はその競合結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識化され、かつ、サンプルクエチアピンが、抗体への結合においてクエチアピン又はその競合結合パートナーと競合する、工程と、(ii)サンプルクエチアピンを検出するように標識を検出する工程と、を含む。本発明に従うクエチアピンを検出する競合イムノアッセイ方法についての更なる詳細は、「イムノアッセイ」と題される以下の項に提供される。
本発明の好ましい実施形態において、クエチアピンの検出は、クエチアピンに加えて1つ以上の検体の検出を伴う。好ましくは、1つ以上の検体は、クエチアピン以外の抗精神病薬であり、より好ましくは、クエチアピン以外の抗精神病薬は、アリピプラゾール、リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、及びこれらの代謝物からなる群から選択される。
上述のように、本発明の抗体は、患者サンプル中の抗精神病薬の存在及び/又は量を検出するためのアッセイにおいて使用され得る。そのような検出は、その全ての利益を可能にする治療薬物監視を可能にする。抗精神病薬のレベルの検出は、多くの目的に有用であり得、これらの各々は、処方された療法の患者遵守又はコンプライアンスの決定と、患者を経口的な抗精神病薬レジメンから長時間作用型の注入可能な抗精神病薬レジメンに転向すべきかを決定するための決定ツールとしての使用と、有効又は安全な薬物レベルの達成又は維持を確実にするために、経口的又は注入可能な抗精神病薬の用量レベル又は投与間隔を増大又は減少させるべきかを決定するための決定ツールとしての使用と、最小pKレベルの達成の証拠を提供することによって抗精神病薬療法の開始を助けるものとしての使用と、複数の製剤中又は複数の供給源由来の抗精神病薬の生物学的同等性を決定するための使用と、多剤併用及び潜在的な薬物−薬物相互作用の影響を評価するための使用と、患者が臨床治験から除外されるべきか、又はそれに含まれるべきかの指標、及び臨床治験投薬要件の遵守のその後のモニタリングを助けるものとしての使用と、を含む、本発明の別の実施形態を表す。
抗体
本発明は、クエチアピンに結合する単離された抗体を提供する。「抗体」という用語は、その抗原又はその部分を結合することが可能な(本発明に従って、抗精神病薬又はその代謝物に結合することが可能な)特定のタンパク質を指す。抗体は、宿主、例えば、動物又はヒトに、注入によって導入されたかもしれない免疫原に応答して産生される。「抗体」という一般名称には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、及び抗体断片が含まれる。
「抗体」又は「抗原結合性抗体断片」とは、結合において無傷の抗体と競合する、無傷の抗体、又はその断片を指す。一般的に言えば、抗体又は抗原結合性抗体断片は、解離定数が1μM以下、好ましくは100nM以下、最も好ましくは10nM以下であるときに、抗原に特異的に結合すると考えられる。結合は、当業者に既知の方法によって測定され得、一例は、BIAcore(商標)器具の使用である。
抗体は、2つの重鎖及び2つの軽鎖で構成されている。各重鎖は、1つの可変ドメイン又は領域(VH)を有し、その後に1つの定常ドメイン又は領域(CH1)、1つのヒンジ領域、及び更に2つの定常ドメイン又は領域(CH2及びCH3)が続く。各軽鎖は、1つの可変ドメイン又は領域(VL)及び1つの定常ドメイン又は領域(CL)を有する。重鎖及び軽鎖の可変ドメイン又は領域は、抗体の抗原結合部位(錠に類似した構造)を形成し、これは、特定のエピトープ(同様に、鍵に類似したもの)に特異的であり、抗原結合部位とエピトープの正確な結合を可能にする。可変ドメイン内で、β−ストランドの可変ループ(軽鎖及び重鎖上にそれぞれ3つ)が、抗原への結合に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR、すなわち、CDR1、CDR2、及びCDR3)と称される。
抗体断片は、無傷の抗体の部分、好ましくは、無傷の抗体の抗原結合可変領域を含む。結合断片は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ(diabody);ミニボディ(minibody);線状抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFV);並びに抗体断片から形成された多特異的抗体を含む。「二重特異性」又は「二官能性」抗体以外の抗体は、その結合部位のそれぞれを同一に有すると理解される。
本明細書で使用されるとき、「エピトープ」は、免疫グロブリン又はT細胞受容体に特異的に結合することができる任意のタンパク質決定基を含む。エピトープ決定基は、通常、アミノ酸又は糖の側鎖などの分子の化学的に活性な表面集団から成り、通常、特異的な三次元構造特性、ならびに特異的な電荷特性を有する。2つの抗体は、(上述のBIAcore(商標)法などの)当業者に既知の任意の方法によって、競合結合アッセイにおいて1つの抗体が第2の抗体と競合することが示される場合、「同一のエピトープに結合する」(「同一のエピトープを競合する」)と考えられる。(クエチアピン又は他の抗精神病薬などの)ハプテンに関して、ハプテンを免疫原性キャリアにコンジュゲートすることによって、非抗原性ハプテン分子に対する抗体が生成され得る。その後、ハプテンによって画定される「エピトープ」を認識する抗体が生成させる。
抗体の文脈で使用される「単離された」とは、任意の自然の状態から「人の手によって」変質されている、即ち、それが自然界で生じる場合、その最初の環境から変更若しくは除去されているか、又は変更および除去されていることを意味する。例えば、その自然の状態で生きている動物中に自然に存在する、天然に存在する抗体は、「単離されて」いないが、その自然の状態の共存物質から分離された同一の抗体は、この用語が本明細書において利用されるとき、「単離されて」いる。抗体は、イムノアッセイ試薬などの天然に存在しない組成物である組成物において生じ得、ここで、単離された抗体は、本明細書において利用されるその用語の意味の範囲内である。
「交差反応性」とは、抗体と、その抗体を誘発するために使用されなかった抗原との反応を指す。
好ましくは、本発明の抗体は、薬物及び所望の任意の薬理学的に活性な代謝物に結合する。本発明の化合物への免疫原性担体の結合位置を変更することによって、この抗体の選択性及び代謝物との交差反応性を操作することができる。クエチアピンにおいて、N−デスアルキルクエチアピン(ノルクエチアピン)、クエチアピンスルホキシド、O−デスアルキルクエチアピン、又は7−ヒドロキシクエチアピンなどのクエチアピン代謝物との交差反応が望ましい場合と望ましくない場合がある。これらの薬物及び/又は代謝物のうちの複数のものを検出する抗体が生成され得るか、又はそれぞれを別々に検出する(それ故に、抗体の「特異的結合」特性を定義する)抗体が生成され得る。1つ以上の化合物のその結合が等モル又は実質的に等モルであるとき、抗体は1つ以上の化合物に特異的に結合する。
本明細書の抗体は、それらの可変ドメインのヌクレオチド及びアミノ酸配列によって説明される。それぞれ、免疫原性キャリアにコンジュゲートされた抗精神病薬を含むコンジュゲートを宿主に接種することによって生成された。ここでそのヌクレオチド及びアミノ酸配列を提供することによって、この抗体は、米国特許第4,166,452号に記載される遺伝子組換え法によって生成され得る。
抗精神病薬に対して特異的な結合部位を含む抗体断片も生成され得る。そのような断片には、抗体分子のペプシン消化によって産生され得るF(ab’)2断片、及びF(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成されれ得るFab断片が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーを構成して、所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ容易な識別を可能にすることができる(Huse et al.,Science 256:1270〜1281(1989))。Fab、Fv、及びScFv抗体断片は、全て大腸菌内で発現し、そこから分泌され得、大量のこれらの断片の産生を可能にする。あるいは、Fab’−SH断片は、大腸菌から直接回収され、化学的にカップリングされて、F(ab’)2断片を形成することができる(Carter et al.,BioTechnology 10:163〜167(1992))。抗体断片の産生のための他の技術が当業者に既知である。単鎖Fv断片(scFv)も想定される(米国特許第5,761,894号、及び同第5,587,458号を参照のこと)。Fv及びsFv断片は、不変領域を欠く無傷の結合部位を有する唯一の種であり、それ故に、それらは低減された非特異的結合を示しやすい。抗体断片は、例えば、米国特許第5,642,870号に記載されるような「線状抗体」であってもよい。そのような線状抗体断片は、単一特異性又は二重特異性であってもよい。
アッセイキット及び装置
上述の抗体を含むアッセイキット(「試薬キット」とも称される)も提供され得る。代表的な試薬キットは、抗精神病薬、クエチアピン、抗精神病薬の類似体を含む複合体、又は標識部分にカップリングされるその誘導体を結合する抗体を含み得、既知量の抗精神病薬又は関連規格を含む1つ以上の較正器も任意に備え得る。
「アッセイキット」という語句は、アッセイの実施時に使用される材料及び試薬の集合体を指す。試薬は、その交差反応性及び安定性に応じて、同一又は別個の容器内のパッケージ化された組み合わせで、かつ液体又は凍結乾燥形態で提供され得る。このキット内に提供される試薬の量及び割合は、特定の用途に対して最適な結果を提供するように選択され得る。本発明の特徴を具現化するアッセイキットは、クエチアピンを結合する抗体を含む。このキットは、クエチアピンの競合結合パートナー、並びに較正及び対照材料を更に含む。
「較正及び対照材料」という語句は、既知量の検体を含有する任意の標準又は参考材料を指す。検体を含有すると見られるサンプル、及び対応する較正材料は、類似条件下でアッセイされる。検体の濃度は、未知の標本について得られた結果を標準物で得られた結果と比較することによって計算される。これは、較正曲線を構成することによって一般的に行われる。
本発明の特徴を具現化する抗体は、利用のための説明書と共に、キット、容器、パック、又は散布器内に含まれてもよい。この抗体がキット内に供給されるとき、イムノアッセイの異なる成分が、別個の容器内にパッケージ化され、使用前に混合されてもよい。そのように成分を別個のパッケージ化することにより、活性成分の機能を実質的に弱めることなく長期間の貯蔵が可能になる。更に、試薬は、不活性環境下、例えば、気体窒素、気体アルゴンなどの陽圧下でパッケージ化され得、これは、空気及び/又は水分感受性の試薬において特に好ましい。
本発明の特徴を具現化するキット内に含まれる試薬は、異なる成分の活性が実質的に保存される一方で、容器の材料によって成分自体が実質的に吸収又は変質されないように、あらゆる様式の容器に供給され得る。好適な容器には、アンプル、ボトル、試験管、バイアル、フラスコ、シリンジ、封筒、例えば、ホイル裏張り型のものなどが含まれるが、これらに限定されない。容器は、ガラス、有機ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンなど、セラミック、金属、例えば、アルミニウム、金属合金、例えば、鋼、コルクなどを含むが、これらに限定されない任意の好適な材料から成り得る。更に、容器は、隔膜によって提供され得るものなどの、例えば、針を介したアクセスのための1つ以上の無菌アクセスポートを備え得る。中隔に好ましい材料は、商標名TEFLONでDuPont(Wilmington,DE)の商標名で販売されている種類のゴム及びポリテトラフルオロエチレンを含む。加えて、容器は、成分の混合を可能にするために取り外され得る仕切り又は膜によって分離される2つ以上のコンパートメントを備えてもよい。
本発明の特徴を具現化する試薬キットを説明資料と共に提供することもできる。説明書は、例えば、紙に印刷され、かつ/又は電子可読媒体内に提供され得る。あるいは、説明書は、例えば、このキットの製造業者又は販売業者によって、かつ/又は電子メールを介して指定されるインターネットウェブサイトにユーザを誘導することによって提供され得る。
この抗体は、アッセイ装置の一部としても提供され得る。そのようなアッセイ装置は、側方流動アッセイ装置を含む。一般的な種類の使い捨て側方流動アッセイ装置は、液体サンプルを受容するゾーン又は領域、コンジュゲートゾーン、及び反応ゾーンを含む。これらのアッセイ装置は、側方流動試験ストリップとして一般に知られている。これらは、毛管流を支持することができる流体流の経路を画定する多孔質材料、例えば、ニトロセルロースを利用する。例として、米国特許第5,559,041号、同第5,714,389号、同第5,120,643号、及び同第6,228,660号に示されるものが挙げられ、これらは全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
別の種類のアッセイ装置は、毛管流を誘導する突起部を有する非多孔質アッセイ装置である。このようなアッセイ装置の例として、PCT国際公開第2003/103835号、同第2005/089082号、同第2005/118139号、及び同第2006/137785号に開示される、開いた側方流動装置が挙げられ、これらは全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
非多孔質アッセイ装置において、このアッセイ装置は、一般的には、少なくとも1つのサンプル添加ゾーン、少なくとも1つのコンジュゲートゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、及び少なくとも1つの吸上ゾーンを有する。これらのゾーンは、サンプル添加ゾーンから吸上ゾーンまでサンプルが流れる流路を形成する。検体に結合することができ、(例えば、コーティングにより)装置上に任意に堆積する、反応ゾーン内の抗体などの捕捉要素、及び、コンジュゲートゾーン内の装置上に堆積する検体の濃度の決定を可能にする反応にも関与することができる、標識化コンジュゲート物質も含まれ、標識化コンジュゲート物質は、反応ゾーンにおける検出のための標識を有する。サンプルがコンジュゲートゾーンを通って流れる際に、コンジュゲート物質は溶解され、反応ゾーンへと下流に流れる溶解した標識化コンジュゲート物質及びサンプルのコンジュゲートプルームを形成する。コンジュゲートプルームが反応ゾーンに流れると、コンジュゲート物質が、例えばコンジュゲート物質及び検体の複合体を介して(「サンドイッチ」アッセイにおいて)、又は直接(「競合」アッセイにおいて)、捕捉要素により捕捉される。結合していない溶解コンジュゲート物質は、反応ゾーンを通過して、少なくとも1つの吸上ゾーンに流される。そのような装置は、流路内に突起部又はマイクロピラーを含み得る。
米国特許出願公開第20060289787A1号及び同第20070231883A1号、並びに米国特許第7,416,700号及び6,139,800号(これらは全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される器具などの器具は、反応ゾーン内の結合したコンジュゲート物質を検出することができる。一般的な標識には、蛍光染料を励起し、かつ蛍光染料を感知することができる検出器を組み込む器具によって検出され得る蛍光染料が含まれる。
イムノアッセイ
このように産生された抗体をイムノアッセイで使用し、抗精神病薬を認識/結合し、それにより患者サンプル中の薬物の存在及び/又は量を検出することができる。好ましくは、アッセイフォーマットは、競合イムノアッセイフォーマットである。そのようなアッセイフォーマット及び他のアッセイは、とりわけ、Hampton et al.(Serological Methods,A Laboratory Manual,APS Press,St.Paul,MN 1990)、及びMaddox et al.(J.Exp.Med.158:12111,1983)に記載されている。
「検体」と言う用語は、任意の物質又は物質の群を指し、その存在又は量が決定される。代表的な抗精神病薬検体には、リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、アリピプラゾール、及びクエチアピンが含まれるが、これらに限定されない。
「競合結合パートナー」という用語は、抗体への結合親和性に関して検体と同様に挙動する、例えば、競合イムノアッセイで利用され得る物質又は物質の群を指す。代表的な競合結合パートナーには、抗精神病薬誘導体などが含まれるが、これに限定されない。
検体と共に使用される「検出する」という用語は、任意の定量的、半定量的、又は質的方法、並びに、一般に検体、具体的には、抗精神病薬を決定するための全ての他の方法を指す。例えば、サンプル中の抗精神病薬の量又は濃度に関するデータを提供する方法が本発明の範囲内であるように、単にサンプル中の抗精神病薬の存在又は不在を検出する方法は、本発明の範囲内である。「検出する」、「決定する」、「特定する」等の用語は、本明細書で同意語として使用され、全て本発明の範囲内である。
本発明の好ましい一実施形態は競合イムノアッセイであり、ここで、抗精神病薬、又は薬物若しくはその競合結合パートナーを結合する抗体は、それぞれ、固体担体(例えば、側方流動アッセイ装置における反応ゾーンなど)及び標識化薬物若しくはその競合結合パートナー、又は標識化抗体に結合され、宿主から誘導されるサンプルは固体担体に渡され、固体担体に結合される標識の検出量が、サンプル中の薬物の量と相関し得る。
検体、例えば、抗精神病薬を含有すると見られるいかなるサンプルも、現在好ましい実施形態の方法に従って分析することができる。サンプルは、所望に応じて前処理され、アッセイに干渉しない任意の簡便な培地において調製され得る。好ましくは、このサンプルは、宿主由来の体液、最も好ましくは血漿又は血清などの水性培地を含む。
抗体が固相に結合されるアッセイ、及び抗体が液体培地内にあるアッセイを含む、抗体を利用するイムノアッセイの全ての様式が、現在好ましい実施形態に従う使用のために企図されることを理解されたい。本発明の特徴を具現化する抗体を用いて検体を検出するために使用され得るイムノアッセイの方法には、サンプル中の標識化検体(検体類似体)及び検体が抗体のために競合する競合(試薬限定)アッセイ、及び抗体が標識化される単一部位免疫定量アッセイなどが含まれるが、これらに限定されない。
別途詳細に説明されない限り、当業者に既知の日常的な標準の技法を用いて全ての実施例を実行した。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Habor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)などの標準の実習マニュアルに記載されるように、以下の実施例の日常的な分子生物学的技法を実行することができる。
「Haptens of Aripiprazole」(代理人整理番号PRD3265USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,450号)、「Haptens of Olanzapine」(代理人整理番号PRD3266USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,454号)、「Haptens of Paliperidone」(代理人整理番号PRD3267USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,459号)、「Haptens of Quetiapine」(代理人整理番号PRD3268USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,462号)、「Haptens of Risperidone and Paliperidone」(代理人整理番号PRD3269USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,469号)、「Antibodies to Aripiprazole Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5128USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,544号)、「Antibodies to Olanzapine Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5132USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,572号)、「Antibodies to Paliperidone Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5126USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,634号)、「Antibodies to Quetiapine Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5134USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,598号)、「Antibodies to Risperidone Haptens and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5130USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,615号)、「Antibodies to Aripiprazole and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5129USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,522号)、「Antibodies to Olanzapine and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5133USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,645号)、「Antibodies to Paliperidone and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5127USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,692号)、「Antibodies to Risperidone and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5131USPSP、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691,675号)、及び「Antibodies to Risperidone and Use Thereof」(代理人整理番号CDS5145USPSP、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/790,880号)と題される同時係属中の出願は、全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(実施例1)
アリピプラゾールに対する抗体
抗体
17.3クローン3D7と指定したハイブリドーマは、アリピプラゾールに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を17.3クローン3D7と指定する。mAb 17.3クローン3D7の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号41、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号42と指定する。mAb 17.3クローン3D7のVL内で、配列番号41のヌクレオチド136〜165は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号41のヌクレオチド211〜231は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号41のヌクレオチド328〜354は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン3D7のVH内で、配列番号42のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号42のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号42のヌクレオチド352〜375は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 17.3クローン3D7の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号43(軽鎖)及び配列番号44(重鎖)と指定する。mAb 17.3クローン3D7のVL内で、配列番号43のアミノ酸残基46〜55は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号43のアミノ酸残基71〜77は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号43のアミノ酸残基110〜118は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン3D7のVH内で、配列番号44のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号44のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号44のアミノ酸残基118〜125は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体17.3クローン5C7(第1)
17.3クローン5C7(第1)と指定したハイブリドーマは、アリピプラゾールに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を17.3クローン5C7(第1)と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第1)の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号45、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号46と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第1)のVL内で、配列番号45のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号45のヌクレオチド208〜228は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号45のヌクレオチド325〜351は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第1)のVH内で、配列番号46のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号46のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号46のヌクレオチド352〜378は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 17.3クローン5C7(第1)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号47(軽鎖)及び配列番号48(重鎖)と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第1)のVL内で、配列番号47のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号47のアミノ酸残基70〜76は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号47のアミノ酸残基109〜117は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第1)のVH内で、配列番号48のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号48のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号48のアミノ酸残基118〜126は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体17.3クローン5C7(第2)
17.3クローン5C7(第2)と指定したハイブリドーマは、アリピプラゾールに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を17.3クローン5C7(第2)と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第2)の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号49、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号50と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第2)のVL内で、配列番号49のヌクレオチド130〜174は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号49のヌクレオチド220〜240は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号49のヌクレオチド337〜363は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第2)のVH内で、配列番号50のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号50のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号50のヌクレオチド352〜390は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 17.3クローン5C7(第2)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号51(軽鎖)及び配列番号52(重鎖)と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第2)のVL内で、配列番号51のアミノ酸残基44〜58は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号51のアミノ酸残基74〜80は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号51のアミノ酸残基113〜121は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第2)のVH内で、配列番号52のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号52のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号52のアミノ酸残基118〜130は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体17.3クローン5C7(第3)
17.3クローン5C7(第3)と指定したハイブリドーマは、アリピプラゾールに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を17.3クローン5C7(第3)と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第3)の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号53、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号54と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第3)のVL内で、配列番号53のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号53のヌクレオチド208〜228は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号53のヌクレオチド325〜351は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第3)のVH内で、配列番号54のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号54のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号54のヌクレオチド352〜366は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 17.3クローン5C7(第3)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号55(軽鎖)及び配列番号56(重鎖)と指定する。mAb 17.3クローン5C7(第3)のVL内で、配列番号55のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号55のアミノ酸残基70〜76は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号55のアミノ酸残基109〜117は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 17.3クローン5C7(第3)のVH内で、配列番号56のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号56のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号56のアミノ酸残基118〜122は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
(実施例2)
オランザピンに対する抗体
抗体11.1クローン35
11.1クローン35と指定したハイブリドーマは、オランザピンに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を11.1クローン35と指定する。mAb 11.1クローン35の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号9、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号10と指定する。mAb 11.1クローン35のVL内で、配列番号9のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号9のヌクレオチド208〜228は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号9のヌクレオチド325〜351は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 11.1クローン35のVH内で、配列番号10のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号10のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号10のヌクレオチド352〜366は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 11.1クローン35の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号11(軽鎖)及び配列番号12(重鎖)と指定する。mAb 11.1クローン35のVL内で、配列番号11のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号11のアミノ酸残基70〜76は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号11のアミノ酸残基109〜117は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 11.1クローン35のVH内で、配列番号12のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号12のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号12のアミノ酸残基118〜122は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体11.1クローン61
11.1クローン61と指定したハイブリドーマは、オランザピンに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を11.1クローン61と指定する。mAb 11.1クローン61の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号13、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号14と指定する。mAb 11.1クローン61のVL内で、配列番号13のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号13のヌクレオチド208〜228は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号13のヌクレオチド325〜351は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 11.1クローン61のVH内で、配列番号14のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号14のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号14のヌクレオチド352〜366は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 11.1クローン61の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号15(軽鎖)及び配列番号16(重鎖)と指定する。mAb 11.1クローン61のVL内で、配列番号15のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号15のアミノ酸残基70〜76は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号15のアミノ酸残基109〜117は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 11.1クローン61のVH内で、配列番号16のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号16のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号16のアミノ酸残基118〜122は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体15.5クローン3F11(第1)
15.5クローン3F11(第1)と指定したハイブリドーマは、オランザピンに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を15.5クローン3F11(第1)と指定する。mAb 15.5クローン3F11(第1)の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号29、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号30と指定する。mAb 15.5クローン3F11(第1)のVL内で、配列番号29のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号29のヌクレオチド208〜228は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号29のヌクレオチド325〜351は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5クローン3F11(第1)のVH内で、配列番号のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号のヌクレオチド205〜252は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号のヌクレオチド355〜381は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 15.5クローン3F11(第1)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号31(軽鎖)及び配列番号32(重鎖)と指定する。mAb 15.5クローン3F11(第1)のVL内で、配列番号31のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号31のアミノ酸残基70〜76は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号31のアミノ酸残基109〜117は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5クローン3F11(第1)のVH内で、配列番号32のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号32のアミノ酸残基69〜84は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号32のアミノ酸残基119〜127は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体15.5クローン3F11(第2)
15.5クローン3F11(第2)と指定したハイブリドーマは、オランザピンに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を、15.5クローン3F11(第2)と指定する。mAb 15.5クローン3F11(第2)の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号33、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号34と指定する。mAb 15.5クローン3F11(第2)のVL内で、配列番号33のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号33のヌクレオチド208〜228は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号33のヌクレオチド325〜351は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5クローン3F11(第2)のVH内で、配列番号34のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号34のヌクレオチド205〜261は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号34のヌクレオチド358〜381は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 15.5クローン3F11(第2)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号35(軽鎖)及び配列番号36(重鎖)と指定する。mAb 15.5クローン3F11(第2)のVL内で、配列番号35のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号35のアミノ酸残基70〜76は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号35のアミノ酸残基109〜117は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5クローン3F11(第2)のVH内で、配列番号36のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号36のアミノ酸残基69〜87は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号36のアミノ酸残基120〜127は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体15.5サブクローン4G9−1
15.5サブクローン4G9−1と指定したハイブリドーマは、オランザピンに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を15.5サブクローン4G9−1と指定する。mAb 15.5サブクローン4G9−1の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号37、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号38と指定する。mAb 15.5サブクローン4G9−1のVL内で、配列番号37のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号37のヌクレオチド208〜228は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号37のヌクレオチド325〜351は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5サブクローン4G9のVH内で、配列番号38のヌクレオチド130〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号38のヌクレオチド205〜252は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号38のヌクレオチド358〜381は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 15.5サブクローン4G9−1の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号39(軽鎖)及び配列番号40(重鎖)と指定する。mAb 15.5サブクローン4G9−1のVL内で、配列番号39のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号39のアミノ酸残基70〜76は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号39のアミノ酸残基109〜117は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 15.5サブクローン4G9−1のVH内で、配列番号40のアミノ酸残基44〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号40のアミノ酸残基69〜84は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号40のアミノ酸残基120〜127は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
(実施例3)
クエチアピンに対する抗体
抗体13.2サブクローン89−3(第1)
13.2サブクローン89−3(第1)と指定したハイブリドーマは、クエチアピンに特異的なノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を13.2サブクローン89−3(第1)と指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第1)の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号17、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号18と指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第1)のVL内で、配列番号17のヌクレオチド127〜174は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号17のヌクレオチド220〜240は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号17のヌクレオチド337〜363は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクローン89−3(第1)のVH内で、配列番号18のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号18のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号18のヌクレオチド352〜387は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 13.2サブクローン89−3(第1)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号19(軽鎖)及び配列番号20(重鎖)と指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第1)のVL内で、配列番号19のアミノ酸残基43〜58は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号19のアミノ酸残基74〜80は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号19のアミノ酸残基113〜121は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクローン89−3(第1)のVH内で、配列番号20のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号20のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号20のアミノ酸残基118〜129は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体13.2サブクローン89−3(第2)
13.2サブクローン89−3(第2)と指定したハイブリドーマ指定は、クエチアピンに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を13.2サブクローン89−3(第2)と指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第2)の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号21、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号22と指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第2)のVL内で、配列番号21のヌクレオチド127〜174は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号21のヌクレオチド220〜240は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号21のヌクレオチド337〜363は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクローン89−3(第2)のVH内で、配列番号22のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号22のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号22のヌクレオチド367〜387は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 13.2サブクローン89−3(第2)の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号23(軽鎖)及び配列番号24(重鎖)と指定する。mAb 13.2サブクローン89−3(第2)のVL内で、配列番号23のアミノ酸残基43〜58は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号23のアミノ酸残基74〜80は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号23のアミノ酸残基113〜121は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクローン89−3(第2)のVH内で、配列番号24のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号24のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号24のアミノ酸残基123〜129は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体13.2サブクローン89−5
13.2サブクローン89−5と指定したハイブリドーマは、クエチアピンに特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を13.2サブクローン89−5と指定する。mAb 13.2サブクローン89−5の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号25、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号26と指定する。mAb 13.2サブクローン89−5のVL内で、配列番号25のヌクレオチド127〜174は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号25のヌクレオチド220〜240は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号25のヌクレオチド337〜363は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクローン89−5のVH内で、配列番号26のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号26のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号26のヌクレオチド367〜387は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 13.2サブクローン89−5の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号27(軽鎖)及び配列番号28(重鎖)と指定する。mAb 13.2サブクローン89−5のVL内で、配列番号27のアミノ酸残基43〜58は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号27のアミノ酸残基74〜80は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号27のアミノ酸残基113〜121は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 13.2サブクローン89−5のVH内で、配列番号28のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号28のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号28のアミノ酸残基123〜129は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
(実施例4)
リスペリドン/パリペリドンに対する抗体
抗体5_9
5_9と指定したハイブリドーマは、リスペリドン(及びその代謝物パリペリドン)に特異的なモノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を5−9と指定する。mAb 5−9の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号1、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号2と指定する。mAb 5−9のVL内で、配列番号1のヌクレオチド130〜180は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号1のヌクレオチド226〜246は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号3のヌクレオチド343〜369は、第3の相補性決定領域(CDR1)を表す。mAb 5−9のVH内で、配列番号2のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号2のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号2のヌクレオチド352〜366は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 5−9の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号3(軽鎖)及び配列番号4(重鎖)と指定する。mAb 5−9のVL内で、配列番号3のアミノ酸残基44〜60は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号3のアミノ酸残基76〜82は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号3のアミノ酸残基115〜123は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 5−9のVH内で、配列番号4のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号4のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号4のアミノ酸残基118〜122は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
抗体5_5
5_5と指定したハイブリドーマは、モリスペリドン(及びその代謝物パリペリドン)に特異的なノクローナル抗体(mAb)を分泌する。この抗体を5−5と指定する。mAb 5−5の軽鎖可変領域(VL)のヌクレオチド配列を配列番号5、重鎖可変領域(VH)のヌクレオチド配列を配列番号6と指定する。mAb 5−5のVL内で、配列番号5のヌクレオチド130〜180は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号5のヌクレオチド226〜246は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号5のヌクレオチド343〜369は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 5−9のVH内で、配列番号6のヌクレオチド133〜162は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号6のヌクレオチド205〜255は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号6のヌクレオチド352〜366は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
mAb 5−5の可変鎖領域の対応する予測されたアミノ酸配列も決定し、配列番号7(軽鎖)及び配列番号8(重鎖)と指定する。mAb 5−5のVL内で、配列番号7のアミノ酸残基44〜60は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号7のアミノ酸残基76〜82は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号7のアミノ酸残基115〜123は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。mAb 5−5のVH内で、配列番号8のアミノ酸残基45〜54は、第1の相補性決定領域(CDR1)を表し、配列番号8のアミノ酸残基69〜85は、第2の相補性決定領域(CDR2)を表し、配列番号8のアミノ酸残基118〜122は、第3の相補性決定領域(CDR3)を表す。
(実施例5)
クエチアピンのための競合イムノアッセイ、並びにアリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、及びリスペリドン/パリペリドンのための多重競合イムノアッセイ
クエチアピン免疫原での一連の免疫化の後、マウスの尾の出血をELISAを用いて反応性について試験した。ハイブリドーマの上清も試験し、以下の表1及び2に示されるELISAデータは、いくつかのハイブリドーマの反応性を示す(融合パートナーはNSO細胞であった)。
Figure 2015527368
Figure 2015527368
その後、上清を競合ELISAによって試験して、シグナルがクエチアピンに特異的であるかを決定した。図1及び2は、代表的なハイブリドーマの結果を示す。データは、クエチアピンに対する特異的な反応性を示す。
図3は、捕捉抗体であるクエチアピンクローンが、蛍光色素分子にコンジュゲートされたクエチアピンからなる検出コンジュゲートと共にチップ上に堆積された側方流動アッセイ装置上で使用される競合イムノアッセイフォーマットを示す。図3に示されるこの競合フォーマットにおいて、低レベルの検体(クエチアピン)が高シグナルをもたらす一方で、高レベルの検体(クエチアピン)は低シグナルをもたらす。サンプル中のクエチアピンの量を、薬物が存在しない対照サンプルと比較した蛍光性の損失から計算することができる。クエチアピンサブクローン89−3、89−13、及び89−5を用いて生成された典型的な用量反応曲線が図4に示される。
図5は、本発明の一実施形態に従う側方流動アッセイ装置のチップ設計を示す。この装置は、サンプルを受容するためのゾーン又は領域、コンジュゲートゾーン(所望の標識化競合結合パートナー(複数可)を含有する)、及び反応ゾーン(反応ゾーン内の8つの領域が示され、各領域が分離した所望の抗体を含有し得る)を含む。サンプルは、サンプルゾーンからコンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンまで流れる。
図6〜9は、反応ゾーン2内に堆積した抗体5C7及びコンジュゲートゾーン内の標識化アリピプラゾール競合結合パートナーを用いて生成されたアリピプラゾール陽性対照(アリピプラゾールを含有するサンプル)(図6)、反応ゾーン4内に堆積した抗体4G9−1及びコンジュゲートゾーン内の標識化オランザピン競合結合パートナーを用いて生成されたオランザピン陽性対照(オランザピンを含有するサンプル)(図7)、反応ゾーン6内に堆積した抗体11及びコンジュゲートゾーン内の標識化クエチアピン競合結合パートナーを用いて生成されたクエチアピン陽性対照(クエチアピンを含有するサンプル)(図8)、反応ゾーン8内に堆積した抗体5−9及びコンジュゲートゾーン内の標識化リスペリドン競合結合パートナーを用いて生成されたリスペリドン陽性対照(リスペリドンを含有するサンプル)(図9)の典型的な用量反応曲線を示す。コンジュゲートゾーン内の標識化競合結合パートナーは、抗体との結合についてサンプル中に存在する薬物と競合する。標識の量が検出され、これは、サンプル中に存在する薬物の量の指標である(シグナルの量は、サンプル中の薬物の量に反比例する(図3を参照のこと))。
標識化競合結合パートナーのコンジュゲートが、反応ゾーン内に堆積した抗体に結合しないことを確認するために、薬物を含有しないサンプルを用いて陰性対照を実施した。表3を参照して、アリピプラゾールを含有しないサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有するが、標識化アリピプラゾールを含有しない)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有する。以下の表3は、用量反応がなく、毛管現象により反応ゾーンを通って移動するオランザピン、クエチアピン、及びリスペリドンコンジュゲートがアリピプラゾール抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
Figure 2015527368
表4を参照して、オランザピンを含有しないサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化アリピプラゾール、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有するが、標識化オランザピンを含有しない)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有する。以下の表4は、用量反応がなく、毛管現象により反応ゾーンを通って移動するアリピプラゾール、クエチアピン、及びリスペリドンコンジュゲートがオランザピン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
Figure 2015527368
表5を参照して、クエチアピンを含有しないサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、及び標識化リスペリドンを含有するが、標識化クエチアピンを含有しない)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有する。以下の表5は、用量反応がなく、毛管現象により反応ゾーンを通って移動するアリピプラゾール、オランザピン、及びリスペリドンコンジュゲートがクエチアピン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
Figure 2015527368
表6を参照して、リスペリドンを含有しないサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、及び標識化クエチアピンを含有するが、標識化リスペリドンを含有しない)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)を含有する。以下の表6は、用量反応がなく、毛管現象により反応ゾーンを通って移動するアリピプラゾール、オランザピン、及びクエチアピンコンジュゲートがリスペリドン抗体に結合しないことを確認する結果を示す。
Figure 2015527368
標識化競合結合パートナーのコンジュゲートが、反応ゾーン内に堆積したそれらの対応する抗体のみと結合することを確認するために、薬物を含有しないサンプルを再び用いて、更なる陰性対照を実施した。表7を参照して、アリピプラゾールを含有しないサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化アリピプラゾールを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有し、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有し、反応ゾーン8内にスペリドン抗体(5−9)を含有する。以下の表7は、(反応ゾーン2中に)アリピプラゾール抗体5C7に対する用量反応以外の用量反応が存在しないことを確認する結果を示す。
Figure 2015527368
表8を参照して、オランザピンを含有しないサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化オランザピンを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有し、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有し、反応ゾーン8内にスペリドン抗体(5−9)を含有する。以下の表8は、オランザピン抗体4G9−1(反応ゾーン4内)を除いて用量反応が存在しないことを確認する結果を示す。
Figure 2015527368
表9を参照して、クエチアピンを含有しないサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化クエチアピンを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有し、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有し、反応ゾーン8内にスペリドン抗体(5−9)を含有する。以下の表9は、クエチアピン抗体11(反応ゾーン6内)を除いて用量反応が存在しないことを確認する結果を示す。
Figure 2015527368
表10を参照して、リスペリドンを含有しないサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化リスペリドンを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有し、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有し、反応ゾーン8内にスペリドン抗体(5−9)を含有する。以下の表10は、リスペリドン抗体5−9(反応ゾーン8内)を除いて用量反応が存在しないことを確認する結果を示す。
Figure 2015527368
以上に示される結果は、標識化競合結合パートナーのコンジュゲートが、反応ゾーン内のそれらの対応する抗体のみと結合することを確認する。
図10〜13は、特異的な抗体反応ゾーン内の典型的な用量反応曲線、及び各特異的なアッセイに対する用量反応低/高濃度の証拠を示す。図10において、アリピプラゾールを含有するサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有する。図10に示されるように、典型的な用量反応曲線は、アリピプラゾールでのみ生成され、オランザピン、クエチアピン、又はリスペリドンでは生成されなかった。
図11において、オランザピンを含有するサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン4内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有する。図11に示されるように、典型的な用量反応曲線は、オランザピンでのみ生成され、アリピプラゾール、クエチアピン、又はリスペリドンでは生成されなかった。
図12において、クエチアピンを含有するサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有する。図12に示されるように、典型的な用量反応曲線は、クエチアピンでのみ生成され、アリピプラゾール、オランザピン、又はリスペリドンでは生成されなかった。
図13において、リスペリドンを含有するサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(今回は、標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン8内にリスペリドン抗体(5−9)を含有する。図13に示されるように、典型的な用量反応曲線は、リスペリドンでのみ生成され、アリピプラゾール、オランザピン、又はクエチアピンでは生成されなかった。
図14〜17は、他のコンジュゲート及び抗体の存在下における各アッセイの典型的な用量反応曲線を示す。図14において、アリピプラゾールを含有するサンプルが、サンプルゾーン内に堆積し、毛管現象により(この場合もやはり、標識化アリピプラゾール、標識化オランザピン、標識化クエチアピン、及び標識化リスペリドンを含有する)コンジュゲートゾーンを通って反応ゾーンに移動する。反応ゾーンは、この場合もやはり、反応ゾーン2内にアリピプラゾール抗体(5C7)を含有し、反応ゾーン4中内にオランザピン抗体(4G9−1)を含有し、反応ゾーン6内にクエチアピン抗体(11)を含有し、反応ゾーン8内にスペリドン抗体(5−9)を含有する。図14に示されるように、アリピプラゾールの典型的な用量反応曲線が生成された。図15に示されるように、オランザピンを含有するサンプルがこのチップのサンプルゾーン内に堆積したときに、オランザピンの典型的な用量反応曲線が生成された。図16に示されるように、クエチアピンを含有するサンプルがこのチップのサンプルゾーン内に堆積したときに、クエチアピンの典型的な用量反応曲線が生成された。図17に示されるように、リスペリドンを含有するサンプルがこのチップのサンプルゾーン内に堆積したときに、リスペリドンの典型的な用量反応曲線が生成された。
図18〜21は、陽性対照として生成された用量反応曲線(図6〜9)と、多重フォーマットで生成された用量反応曲線(図14〜17)との比較を示す。アリピプラゾールの比較が図18に示され、オランザピンの比較が図19に示され、クエチアピンの比較が図20に示され、リスペリドンの比較が図21に示される。これらの図は、陽性対照曲線が多重曲線に類似していることを示す。
これらのデータは、本発明の側方流動アッセイ装置を用いて、1つの携帯用ポイントオブケア装置上で患者由来の単一のサンプルを用いて複数の抗精神病薬を検出することができることを示す。

Claims (22)

  1. クエチアピンに結合する単離された抗体又はその結合断片であって、
    (i)
    a)配列番号19、配列番号23、又は配列番号27のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、
    b)配列番号20、配列番号24、又は配列番号28のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、
    c)配列番号19のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、
    d)配列番号23のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号24のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片、又は
    e)配列番号27のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む単離された抗体又はその断片からなる群から選択される抗体であるか、又は、
    (ii)(i)の前記抗体によって結合されるエピトープと同一のエピトープにおいて競合する、単離された抗体又はその結合断片。
  2. 前記抗体が、配列番号19、配列番号23、又は配列番号27と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗体。
  3. 前記抗体が、配列番号20、配列番号24、又は配列番号28と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗体。
  4. 前記抗体が、アミノ酸配列配列番号19を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号20を有する重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗体。
  5. 前記抗体が、アミノ酸配列配列番号23を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号24を有する重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗体。
  6. 前記抗体が、アミノ酸配列配列番号27を有する軽鎖可変領域及びアミノ酸配列配列番号28を有する重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗体。
  7. 前記抗体が、
    a)配列番号19のアミノ酸残基43〜58を含む軽鎖CDR1配列と、
    b)配列番号19のアミノ酸残基74〜80を含む軽鎖CDR2配列と、
    c)配列番号19のアミノ酸残基113〜121を含む軽鎖CDR3配列と、
    d)配列番号20のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列と、
    e)配列番号20のアミノ酸残基69〜85を含む重鎖CDR2配列と、
    f)配列番号20のアミノ酸残基118〜129を含む重鎖CDR3配列と、を含む、請求項1に記載の抗体。
  8. 前記抗体が、
    a)配列番号23のアミノ酸残基43〜58を含む軽鎖CDR1配列と、
    b)配列番号23のアミノ酸残基74〜80を含む軽鎖CDR2配列と、
    c)配列番号23のアミノ酸残基113〜121を含む軽鎖CDR3配列と、
    d)配列番号24のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列と、
    e)配列番号24のアミノ酸残基69〜85を含む重鎖CDR2配列と、
    f)配列番号24のアミノ酸残基123〜129を含む重鎖CDR3配列と、を含む、請求項1に記載の抗体。
  9. 前記抗体が、
    a)配列番号27のアミノ酸残基43〜58を含む軽鎖CDR1配列と、
    b)配列番号27のアミノ酸残基74〜80を含む軽鎖CDR2配列と、
    c)配列番号27のアミノ酸残基113〜121を含む軽鎖CDR3配列と、
    d)配列番号28のアミノ酸残基45〜54を含む重鎖CDR1配列と、
    e)配列番号28のアミノ酸残基69〜85を含む重鎖CDR2配列と、
    f)配列番号28のアミノ酸残基123〜129を含む重鎖CDR3配列と、を含む、請求項1に記載の抗体。
  10. 前記抗体断片が、Fv、F(ab’)、F(ab’)2、scFv、Minibody、及びDiabody断片からなる断片の群から選択される、請求項1に記載の抗体。
  11. 前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体。
  12. 請求項1に記載の抗体を含む、アッセイキット。
  13. 請求項1に記載の抗体を含む、アッセイ装置。
  14. 前記装置が、側方流動アッセイ装置である、請求項13に記載のアッセイ装置。
  15. サンプル中のクエチアピンを検出する方法であって、
    (i)サンプルを、検出可能なマーカーで標識化された請求項1に記載の抗体と接触させる工程であって、前記サンプル中に存在する前記標識化抗体及びクエチアピンが、標識化複合体を形成する、工程と、
    (ii)前記サンプル中のクエチアピンを検出するように前記標識化複合体を検出する工程と、を含む、方法。
  16. サンプル中のクエチアピンを検出するための競合イムノアッセイ方法であって、
    (i)サンプルを、請求項1に記載の抗体と、及びクエチアピン又はクエチアピンの競合結合パートナーと接触させる工程であって、前記抗体及び前記クエチアピン又はその競合結合パートナーのうちの1つが、検出可能なマーカーで標識化され、かつ、サンプルクエチアピンが、前記抗体への結合において前記クエチアピン又はその競合結合パートナーと競合する、工程と、
    (ii)サンプルクエチアピンを検出するように前記標識を検出する工程と、を含む、方法。
  17. 前記クエチアピン又はその競合結合パートナーが、前記検出可能なマーカーで標識化される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記抗体が、検出可能なマーカーで標識化される、請求項16に記載の方法。
  19. 前記イムノアッセイが側方流動アッセイ装置上で実施され、前記サンプルが前記装置に適用される、請求項16に記載の方法。
  20. クエチアピンに加えて1つ以上の検体の存在を検出する工程を更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
  21. 前記1つ以上の検体が、クエチアピン以外の抗精神病薬である、請求項20に記載の方法。
  22. クエチアピン以外の前記抗精神病薬が、リスペリドン、パリペリドン、アリピプラゾール、オランザピン、及びこれらの代謝物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
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