JP2015522582A - 蛍光融合ポリペプチド、該ポリペプチドを含むバイオセンサー及びそれらの使用 - Google Patents

蛍光融合ポリペプチド、該ポリペプチドを含むバイオセンサー及びそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞質中のセカンドメッセンジャーの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、蛍光融合ポリペプチドに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、バイオテクノロジー分野、特に、蛍光融合ポリペプチド、該ポリペプチドを含むバイオセンサー及びそれらの使用に関する。
本発明の背景技術の以下の議論は、単に読者が本発明を理解するのを助けるために提供されるものであり、本発明に対する先行技術を記載又は構成するものと認めるものではない。
細胞系におけるハイコンテントスクリーニング(HCS)は、正常細胞及び異常細胞の働きの解明のために生物学の研究におけるツールとして生細胞を使用する。HCSはまた、新薬候補の発見及び最適化にも用いられる。
ハイコンテントスクリーニングは、現代の細胞生物学と、すべてのその分子的ツール、自動高分解能顕微鏡法及びロボット操作との組合せである。細胞は化学物質又はRNAi試薬にまず曝される。細胞形態の変化が次いで画像解析を用いて検出される。細胞により合成されたタンパク質の量の変化が、内在性タンパク質に融合させた緑色蛍光タンパク質等の種々の技法を用いて又は蛍光抗体によって測定される。
細胞レベルでは、異なる細胞特性、例えば、シグナル伝達カスケードの活性及び細胞骨格完全性についてのデータの同時取得が、より高速であるが詳細ではないハイスループットスクリーニングと比較してのこの方法の主な利点である。HCSはより遅いものではあるが、取得されるデータが豊富であることにより、薬効のより深い理解を可能とする。この意味で、シグナル伝達カスケードの活性に関連するデータの取得におけるHCSの目的の1つは、細胞内セカンドメッセンジャーレベルの測定を介してシグナル伝達プロセスにおける異なる薬物の効果を決定することである。
セカンドメッセンジャーは、細胞表面上の受容体から細胞質又は核の中の細胞内部の標的分子へとシグナルを中継する分子である。セカンドメッセンジャーは、エピネフリン(アドレナリン)、増殖因子等のようなホルモンのシグナルを中継し、細胞の活性における或る種の変化をもたらす。セカンドメッセンジャーは、シグナル強度を大幅に増幅する。二次メッセンジャーはシグナル伝達カスケードの構成成分である。これらのセカンドメッセンジャーのなかでも、cAMP及びカルシウムは、セカンドメッセンジャーの概念のパラダイムを提供し、細胞内の多くの重要なプロセスを調節する普遍的かつ重要な細胞内分子として認識されている。
理想的には、上記の測定には、ハイコンテントスクリーニング法を用いることによりin vivoでセカンドメッセンジャーのレベルをモニターすることを可能とする、正確な局在、高ダイナミックレンジ及び可能な限り小さい細胞生理の妨害のツールが必要である。
このために、蛍光特性を動的に変化させることに基づく多様な蛍光バイオセンサーが作製されている。この意味で、これらのタイプのバイオセンサーの多くが蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の変化に基づくものである。FRETは、励起されたドナーフルオロフォアからのエネルギーが、無放射性双極子−双極子カップリング(dipole-dipole coupling)を介してアクセプターフルオロフォアへと移動するプロセスである。このエネルギー移動の効率は、ドナーフルオロフォアとアクセプターフルオロフォアとの距離(例えば、CFP/YFPについては10nm未満)及び相対配向に高度に依存する。しかしながら、ハイコンテントスクリーニング法との関連でのFRET型バイオセンサーは、少なくとも4つのフィルターの検出装置を必要とし、フィルターの2つは励起用であり、フィルターの2つは発光用である。さらに、検出シグナルの強度が低いために、検出シグナル範囲及びスクリーニング感度は低い。最後に、2以上の蛍光発光シグナルの使用には、最終シグナルを正確に分析するためにより多くのアルゴリズムの使用が必要である。
したがって、生細胞の動的環境内でのセカンドメッセンジャー濃度のリアルタイム測定のために用いられる改善された方法又は製品を開発する必要が依然として存在する。
本発明の第1の態様は、細胞質中のセカンドメッセンジャーの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜(cell cytoplasmic membrane)から保持小胞(retention vesicles)へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、セカンドメッセンジャー変換タンパク質(transduction protein)結合ペプチド、小胞体(reticulum)保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
蛍光融合ポリペプチドに関する。
本発明の第1の態様の別の好ましい実施の形態においては、膜局在ペプチドが、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、小胞体保持シグナルが、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELである。
本発明の第1の態様のより好ましい実施の形態においては、上記セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、cAMP変換タンパク質結合ペプチド、カルシウム変換タンパク質結合ペプチド、IP3変換タンパク質結合ペプチド、cGMP変換タンパク質結合ペプチド又はジアシルグリセロール変換タンパク質結合ペプチドである。したがって、本発明の更なる好ましい実施の形態において、本発明の第1の態様の蛍光融合ポリペプチドは、カルシウム、cAMP、IP3、cGMP又はジアシルグリセロールからなる群より選択されるセカンドメッセンジャーの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる。
本発明の第2の態様は、細胞内カルシウムの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、カルモジュリン結合配列を含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、カルモジュリン結合配列を含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
蛍光融合ポリペプチドに関する。
本発明の第2の態様の好ましい実施の形態においては、カルモジュリン結合配列は、配列番号1(MEKRRWKKNFIAVSAANRFKKISSSGAL)、配列番号2(ASPWKSARLMVHTVATFNSI)、配列番号3(AIGFKKLAEAVKFSAKLMGQ)、配列番号4(KKTFKEVANAVKISASLMGT)、配列番号5(GAVLKVLTTGLPALISWIKR)、配列番号6(RGGFRRIARLVGVLREWAYR)、配列番号7(GGRLALLRARLKELAALEAA)及び配列番号8(AEGVRNIKSMWEKGNVFSSP)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択される。
本発明の第2の態様の更なる好ましい実施の形態において、小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELであり、及び/又は、膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2の細胞外ドメイン若しくはアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体である。
本発明の第2の態様の別の好ましい実施の形態において、蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される。
本発明の第2の態様の更により好ましい実施の形態において、
a. カルモジュリン結合配列は、配列番号1(MEKRRWKKNFIAVSAANRFKKISSSGAL)、配列番号2(ASPWKSARLMVHTVATFNSI)、配列番号3(AIGFKKLAEAVKFSAKLMGQ)、配列番号4(KKTFKEVANAVKISASLMGT)、配列番号5(GAVLKVLTTGLPALISWIKR)、配列番号6(RGGFRRIARLVGVLREWAYR)、配列番号7(GGRLALLRARLKELAALEAA)及び配列番号8(AEGVRNIKSMWEKGNVFSSP)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択され、
b. 膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、
c. 小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、ここで好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELである。
本発明の更に別の好ましい実施の形態において、カルシウム蛍光融合ポリペプチドは、配列番号15を含むか、又は好ましくは配列番号15からなる。
本発明の第3の態様は、細胞内cAMPの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、PKAのRI及びRII制御ドメインとの結合配列を含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
蛍光融合ポリペプチドに関する。
本発明の第3の態様の好ましい実施の形態において、PKAのRI及びRII制御ドメインとの結合配列は、配列番号9(DLIEEAASRIVDAVIEQVKAAGAY)、配列番号10(VQGNTDEAQEELAWKIAKMIVSDVMQQ)、配列番号11(VQGNTDEAQEELLWKIAKMIVSDVMQQ)、配列番号12(FEELAWKIAKMIWSDVFQQ)、配列番号13(QIEYLAKQIVDNAIQQAK)、及び配列番号14(LEQYANQLADQIIKEATE)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択される。
本発明の第3の態様の更なる好ましい実施の形態において、小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELであり、及び/又は、膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2の細胞外ドメイン若しくはアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体である。
本発明の第3の態様の別の好ましい実施の形態において、蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される。
本発明の第3の態様の更により好ましい実施の形態において、
a. PKAのRI及びRII制御ドメインとの結合配列は、配列番号9(DLIEEAASRIVDAVIEQVKAAGAY)、配列番号10(VQGNTDEAQEELAWKIAKMIVSDVMQQ)、配列番号11(VQGNTDEAQEELLWKIAKMIVSDVMQQ)、配列番号12(FEELAWKIAKMIWSDVFQQ)、配列番号13(QIEYLAKQIVDNAIQQAK)、及び配列番号14(LEQYANQLADQIIKEATE)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択され、
b. 膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、
c. 小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELである。
本発明の第3の態様の更に別の好ましい実施の形態において、蛍光融合ポリペプチドは、配列番号16を含むか、又は好ましくは配列番号16からなる。
本発明の第4の態様は、細胞内ジアシルグリセロールの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、PKCδとの結合配列を含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
蛍光融合ポリペプチドに関する。
本発明の第4の態様の好ましい実施の形態において、PKCδとの結合配列は、配列番号19(AARKRKGSFFYGG)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体である。
本発明の第4の態様の更なる好ましい実施の形態において、小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELであり、及び/又は、膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2の細胞外ドメイン若しくはアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体である。
本発明の第4の態様の別の好ましい実施の形態において、蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される。
本発明の第4の態様の更により好ましい実施の形態において、
a. PKCδとの結合配列は、配列番号19(AARKRKGSFFYGG)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、
b. 膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、
c. 小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELである。
本発明の第4の態様の更に別の好ましい実施の形態において、蛍光融合ポリペプチドは、配列番号18を含む。
本発明の第5の態様は、本発明の先の態様のいずれかにおいて規定されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子に関する。
本発明の第6の態様は、本発明の第1、第2、第3及び第4の態様において規定される融合ポリペプチドを含むバイオセンサーに関する。
本発明の第7の態様は、本発明の第1、第2、第3若しくは第4の態様のいずれかにおいて規定される蛍光融合ポリペプチド又は本発明の第6の態様において規定されるバイオセンサーを含む細胞に関し、好ましくは、該細胞は細胞株U2O2である。
更なる態様において、本発明は、本発明の第1、第2、第3若しくは第4の態様のいずれかにおいて規定される蛍光融合ポリペプチド又は本発明の第6の態様において規定されるバイオセンサーのいくつかの使用に関する。
本明細書に引用され、本明細書の一部をなす添付の図面は、いくつかの実施形態を例示し、本明細書の記載とともに開示される組成物及び方法を例示する。
蛍光バイオセンサー細胞局在モデルの模式図である。蛍光バイオセンサーは、細胞質内のセカンドメッセンジャーの濃度の上昇の際に、細胞内でのその局在を細胞質膜から小胞(vesicles)へと変化させる。 蛍光バイオセンサーを用いるセカンドメッセンジャー定量(determination)である。セカンドメッセンジャー濃度の上昇は蛍光バイオセンサーの再分布を促進する。細胞蛍光の変化を、これら細胞の粒度(granularity)の増大として計算した。これらの同じ結果がこの図に示されるように上記細胞株の3つの異なるクローンについて得られ、この図は、カルシウムバイオセンサーを含有する3つのクローン(左図)又はcAMPバイオセンサーを含有する3つのクローン(右図)に対応するこれらの結果の再現性の証拠を提供する。 カルシウムバイオセンサー刺激細胞の細胞分布である。ヒトニューロキニン受容体1及び蛍光カルシウムバイオセンサーを安定に発現するU2OSを、10μMのサブスタンスPアゴニストで6時間刺激した。処理の後、蛍光バイオセンサーは細胞質ゾル中の小胞内にインターナライズされた(internalized:取り込まれた)。ヒトニューロキニン受容体1活性を、画像解析アルゴリズムを用いて小胞の生成を測定して決定した。 ニューロキニン1受容体−カルシウムバイオセンサー細胞株におけるサブスタンスPについての濃度応答曲線である。細胞を10log希釈系列で処理した(n=4)。サブスタンスPについてのEc50はアゴニストによる6時間の処理後に約9.5×10−12Mであった。細胞を固定し、核をDAPIで染色した。%活性を、陽性(10μM)に対して計算した。インターナリゼーションアッセイをハイコンテントスクリーニングについて平均Z’=0.85±0.01を用いて確証した。 cAMPバイオセンサー刺激細胞の細胞分布である。ヒトアドレナリンベータ2受容体及び蛍光cAMPバイオセンサーを安定に発現するU2OSを、10μMのイソプロテレノールアゴニストで36時間刺激した。処理の後、蛍光バイオセンサーは細胞質ゾル中の小胞内にインターナライズされた。ヒトアドレナリンベータ2受容体活性を、画像解析アルゴリズムを用いて小胞の生成を測定して決定した。 アドレナリンベータ2−cAMPバイオセンサー細胞株におけるイソプロテレノールについての濃度応答曲線である。細胞を6log希釈系列で処理した(n=4)。イソプロテレノールについてのEc50はアゴニストによる36時間の処理後に2.3×10−7Mであった。細胞を固定し、核をDAPIで染色した。%活性を、陽性(10μM)に対して計算した。インターナリゼーションアッセイをハイコンテントスクリーニングについて平均Z’=0.7±0.01を用いて確証した。 DAGバイオセンサー刺激細胞の細胞分布である。蛍光DAGバイオセンサーを安定に発現するU2OSを、25ng/mlのPMAで4時間刺激した。処理の後、蛍光バイオセンサーは細胞質ゾル中の小胞内にインターナライズされた。DAGバイオセンサー活性を、画像解析アルゴリズムを用いて小胞の生成を測定して決定した。 DAGバイオセンサー細胞株についての濃度応答曲線である。細胞を9log希釈系列で処理した(n=4)。イソプロテレノールについてのEc50はDAGによる4時間の処理後に2.89×10−4ng/mlであった。細胞を固定し、核をDAPIで染色した。%活性を、陽性(50ng/ml)に対して計算した。インターナリゼーションアッセイをハイコンテントスクリーニングについて平均Z’=0.76±0.01を用いて確証した。
特に断りのない限り、「含む(comprising)」という用語は、本明細書の文脈において、「含む」により導入されるリストの構成要素に加えて更なる構成要素が任意に存在していてもよいことを示すのに用いられる。しかしながら、本発明の特定の実施形態として、「含む」という用語が更なる構成要素が存在しない可能性を包含すること、即ち、この実施形態の目的に合わせて「含む」が「のみからなる(consisting of)」の意味を有すると理解されるべきであるということが考えられる。
定義
本発明の文脈において、「融合ポリペプチド」という用語は、組み合わされて同一のポリペプチド構造となる、異なるタンパク質からの少なくとも4つのペプチドの組合せを含むハイブリッドポリペプチドのことをいう。
本発明の文脈において、「膜局在ペプチド」という用語は、その天然の細胞内局在が細胞膜におけるものであるペプチドを意味する意図である。
本明細書において用いる場合、「変換タンパク質結合ペプチド」という用語は、特定のコンフォメーション(conformation:構造)における変換タンパク質に結合することができるペプチドを意味する意図である。それゆえ、このペプチドは、変換タンパク質に、この変換タンパク質がセカンドメッセンジャー(cAMP、Ca2+、IP3、cGMP、ジアシルグリセロール等)と相互作用している場合にのみ結合することができる。
本明細書において用いる場合、「小胞体保持シグナル」という用語は、ポリペプチドの輸送を小胞体へと向け、それによって分泌経路を介して多小胞(multivesicular)局在を与える短いペプチド鎖を意味する意図である。
本明細書において用いる場合、「蛍光ペプチド」という用語は、蛍光能力を有する蛍光ペプチドを意味する意図である。蛍光ペプチドドメインは、特定の励起スペクトルと発光スペクトルとを有することを特徴とする。
本発明の文脈において、リンカーは少なくとも1つのアミノ酸残基、好ましくは少なくとも2つの連続アミノ酸残基を有する。
本明細書において用いる場合、「バイオセンサー」という用語は、物理的若しくは化学的刺激に対して感受性があり、かかる刺激に対して応答することができ、細胞状態についての情報を伝達することができる、分子的ツール又は実体を意味する意図である。
本明細書において用いる場合、「薬物」という用語は、シグナル伝達経路のアゴニスト又はアンタゴニスト又はモジュレーターとして潜在的に作用する分子を意味する意図である。
本明細書において用いる場合、「安定発現細胞株(stable cell line)」は、それ自体を細胞のゲノムに組み入れたDNAの外来性断片をトランスフェクト又は感染させた細胞株を意味する意図である。
本明細書において用いる場合、「カルモジュリン結合配列」は、骨格筋ミオシン軽鎖キナーゼのカルモジュリン結合ドメインに対応するアミノ酸配列を意味する意図である。この配列は、1−14カルモジュリン結合モチーフの塩基性1−8−14サブクラスに含まれる。塩基性1−8−14のコンセンサス配列は、(RK)(RK)(RK)(FILVW)xxxxxx(FAILVW)xxxxx(FILVW)である。これらのタイプの配列はカルモジュリン結合データベース(http://calcium.uhnres.utoronto.ca/ctdb/ctdb/home.html)において容易に見出すことができる。
本明細書において用いる場合、「PKAのRI及びRII制御ドメインとの結合配列」は、A−キナーゼアンカータンパク質ファミリー(AKAP)に存在し、その主要な機能がタンパク質キナーゼA(PKA)の制御ドメイン(RI又はRII)への結合である、保存アミノ酸配列を意味する意図である。
本明細書において用いる場合、「HT31」は、AKAPと競合することによりA−キナーゼの係留(anchorage)を(cAMPシグナルによる活性化の後に)破壊することができるヒト甲状腺A−キナーゼアンカータンパク質(AKAP)由来のペプチドである。HT31はタンパク質キナーゼAの2つの制御ドメイン(RI及びRII)に結合するが、これらのドメインに対するその親和性は異なっており、RIドメインについては、親和性は低く、RIIドメインについては、親和性は高い。
本明細書において用いる場合、「PKCデルタとの結合配列」は、PKCデルタに特異的に結合し、その他のPKCには結合しない、合成可溶性ペプチドに対応するアミノ酸配列を意味する意図である。これらのタイプの配列は、PKCLabデータベース(http://www.pkclab.org/PKC/link/substrate_specificity.htm)において容易に見出すことができる。
発明の詳細な説明
本発明は、細胞系においてハイコンテントスクリーニング(HCS)を用いることによりin vivoでセカンドメッセンジャーの細胞内濃度レベルの変動をモニターすることができる、正確な局在、高ダイナミックレンジ及び可能な限り小さい細胞生理の妨害のツールを提供するという課題に取り組むものであり、ここでこれらツールはFRET型バイオセンサーの不都合を有さないものである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、膜局在ペプチド、蛍光ペプチド、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド及び小胞体保持シグナルを含む新しい蛍光融合ポリペプチドを設計した。このバイオセンサーは、2つの異なる細胞コンパートメントを標的とする2つのペプチドにより形成され、細胞質内の蛍光ポリペプチドの分布をモニターすることによってセカンドメッセンジャー濃度の測定を可能とする。この意味で、細胞内でのバイオセンサー転位は、変換タンパク質のセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドへの結合によって引き起こされる、ポリペプチドの両方の末端における位置シグナルを隠蔽又は露出させる、その3Dコンフォメーションにおける変化に起因するものであるとされる。基底状態において、バイオセンサーはコンパートメントの一方に位置し、これは他方の細胞コンパートメントへの位置ペプチドが3Dコンフォメーションによって隠蔽されていることを意味する。細胞刺激によりセカンドメッセンジャーの濃度が上昇すると、これらセカンドメッセンジャーが変換タンパク質に結合し、変換タンパク質は活性となる。活性の変換タンパク質はバイオセンサーにおける変換タンパク質結合ペプチドに結合することができ、コンフォメーション変化をもたらす。ここでバイオセンサーにおける異なる構造要素の空間分布が改変され、他方の細胞コンパートメントへの位置ペプチドが新たな3Dコンフォメーションによって露出されて、そのためバイオセンサー全体が新しい細胞コンパートメントでのその新しい位置へと輸送される。このプロセスはすべてバイオセンサー中の蛍光タンパク質の存在によって生細胞中で追跡することができる。このプロセスの模式表示は、図1に示す模式図において視覚化することができる。
しかしながら、本発明者らは、上記の蛍光融合ポリペプチド内のペプチドの順序はポリペプチド内で任意に配置することはできないということを見出した。多数の実験を通して、要素の1つの組合せのみがバイオセンサーの他方の細胞コンパートメントへの輸送という技術的効果を提供すると本発明者らにより結論付けられたので、これは正しいといえ、かかる組合せとは以下であった。
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置していなければならず、また任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合していなければならず、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合していなければならず、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合していなければならず、該小胞体保持シグナルは次いで蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置していなければならない。
本発明者らは、かかる上記構造を有するバイオセンサーが、異なるタイプのセカンドメッセンジャーの検出及び定量に用いることができるか否かを試験した。本明細書に開示される実施例1〜3に示すように、本発明者らは、それらすべてが、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインを膜局在ペプチドとして、ペプチドKDELを小胞体保持シグナルとして、及びturboGFPを蛍光ペプチドとして含む、3つの異なる蛍光融合ポリペプチドを構築した。したがって、これらの蛍光融合ポリペプチドの間の唯一の相違は、用いるセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドのタイプにあった。この意味で、実施例1のカルシウムバイオセンサーの場合、本発明者らはカルモジュリン結合ドメインを含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドを用い、実施例2のcAMPバイオセンサーの場合、本発明者らはA−キナーゼアンカータンパク質(AKAP)からのタンパク質キナーゼA(PKA)結合ドメインを含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドを用い、実施例3のジアシルグリセロールバイオセンサーの場合、本発明者らは配列番号19の結合ドメインを含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドを用いた。
驚くべきことに、実施例1〜3の上記融合ポリペプチドを用いることによる実施例及び添付の図面に示される結果は、セカンドメッセンジャーの濃度の上昇はバイオセンサーのコンフォメーション変化を誘導し、かかるコンフォメーション変化は蛍光バイオセンサーの再分布を促進することを示した。3つのすべての場合において、活性を、本発明のバイオセンサーをトランスフェクトした細胞の粒度の増大として計算した。バイオセンサーの蛍光再分布は、画像解析アルゴリズムを用いて蛍光により検出した。したがって、セカンドメッセンジャー濃度の変動は、この位置シグナルの「隠蔽及び露出」プロセス並びにバイオセンサーの最終局在によってモニターすることができる。
したがって、本発明の第1の態様は、細胞質中のセカンドメッセンジャーの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
蛍光融合ポリペプチドに関する。
本発明の第1の態様の別の好ましい実施形態において、膜局在ペプチドが、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいてその全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、小胞体保持シグナルが、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルがKDELである。
本発明の第1の態様のより好ましい実施形態において、上記セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、cAMP変換タンパク質結合ペプチド、カルシウム変換タンパク質結合ペプチド、IP3変換タンパク質結合ペプチド、cGMP変換タンパク質結合ペプチド又はジアシルグリセロール変換タンパク質結合ペプチドである。したがって、本発明の更なる好ましい実施形態において、本発明の第1の態様の蛍光融合ポリペプチドは、カルシウム、cAMP、IP3、cGMP又はジアシルグリセロールからなる群より選択されるセカンドメッセンジャーの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる。
本発明の第2の態様は、細胞内カルシウムの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、カルモジュリン結合配列を含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、カルモジュリン結合配列を含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
蛍光融合ポリペプチドに関する。
本発明の第2の態様の好ましい実施形態において、カルモジュリン結合配列は、配列番号1(MEKRRWKKNFIAVSAANRFKKISSSGAL)、配列番号2(ASPWKSARLMVHTVATFNSI)、配列番号3(AIGFKKLAEAVKFSAKLMGQ)、配列番号4(KKTFKEVANAVKISASLMGT)、配列番号5(GAVLKVLTTGLPALISWIKR)、配列番号6(RGGFRRIARLVGVLREWAYR)、配列番号7(GGRLALLRARLKELAALEAA)及び配列番号8(AEGVRNIKSMWEKGNVFSSP)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択される。
本発明の第2の態様の更なる好ましい実施形態において、小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELであり、及び/又は、膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2の細胞外ドメイン若しくはアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体である。
本発明の第2の態様の別の好ましい実施形態において、蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される。
本発明の第2の態様の更により好ましい実施形態において、
a. カルモジュリン結合配列は、配列番号1(MEKRRWKKNFIAVSAANRFKKISSSGAL)、配列番号2(ASPWKSARLMVHTVATFNSI)、配列番号3(AIGFKKLAEAVKFSAKLMGQ)、配列番号4(KKTFKEVANAVKISASLMGT)、配列番号5(GAVLKVLTTGLPALISWIKR)、配列番号6(RGGFRRIARLVGVLREWAYR)、配列番号7(GGRLALLRARLKELAALEAA)及び配列番号8(AEGVRNIKSMWEKGNVFSSP)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択され、
b. 膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、
c. 小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELである。
本発明の更に別の好ましい実施形態において、蛍光融合ポリペプチドは、配列番号15を含むか、又は好ましくは配列番号15からなる。
本発明の第3の態様は、細胞内cAMPの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、PKAのRI及びRII制御ドメインを含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
蛍光融合ポリペプチドに関する。
本発明の第3の態様の好ましい実施形態において、PKAのRI及びRII制御ドメインとの結合配列は、配列番号9(DLIEEAASRIVDAVIEQVKAAGAY)、配列番号10(VQGNTDEAQEELAWKIAKMIVSDVMQQ)、配列番号11(VQGNTDEAQEELLWKIAKMIVSDVMQQ)、配列番号12(FEELAWKIAKMIWSDVFQQ)、配列番号13(QIEYLAKQIVDNAIQQAK)、及び配列番号14(LEQYANQLADQIIKEATE)又はアミノ酸同一性に基づいてこれらの配列のいずれかと全領域にわたって少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択される。
本発明の第3の態様の更なる好ましい実施形態において、小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELであり、及び/又は、膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2の細胞外ドメイン若しくはアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体である。
本発明の第3の態様の別の好ましい実施形態において、蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される。
本発明の第3の態様の更により好ましい実施形態において、
a. PKAのRI及びRII制御ドメインとの結合配列は、配列番号9(DLIEEAASRIVDAVIEQVKAAGAY)、配列番号10(VQGNTDEAQEELAWKIAKMIVSDVMQQ)、配列番号11(VQGNTDEAQEELLWKIAKMIVSDVMQQ)、配列番号12(FEELAWKIAKMIWSDVFQQ)、配列番号13(QIEYLAKQIVDNAIQQAK)、及び配列番号14(LEQYANQLADQIIKEATE)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択され、
b. 膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、
c. 小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELである。
本発明の第3の態様の更に別の好ましい実施形態において、蛍光融合ポリペプチドは、配列番号16を含むか、又は好ましくは配列番号16からなる。
本発明の第4の態様は、細胞内ジアシルグリセロールの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へとその局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、PKCδとの結合配列を含むセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
蛍光融合ポリペプチドに関する。
本発明の第4の態様の好ましい実施形態において、PKCδとの結合配列は、配列番号19(AARKRKGSFFYGG)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択される。
本発明の第4の態様の更なる好ましい実施形態において、小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでxはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELであり、及び/又は、膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2の細胞外ドメイン若しくはアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体である。
本発明の第4の態様の別の好ましい実施形態において、蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される。
本発明の第4の態様の更により好ましい実施形態において、
a. PKCδとの結合配列は、配列番号19(AARKRKGSFFYGG)又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、
b. 膜局在ペプチドは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、
c. 小胞体保持シグナルは、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよく、好ましくは、該小胞体保持シグナルはKDELである。
本発明の第4の態様の更に別の好ましい実施形態において、蛍光融合ポリペプチドは、配列番号18を含む。
本発明の第5の態様は、本発明の先の態様のいずれかにおいて規定されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子に関する。
本発明の第6の態様は、本発明の第1、第2、第3及び第4の態様において規定される融合ポリペプチドを含むバイオセンサーに関する。
本発明の第7の態様は、本発明の第1、第2、第3若しくは第4の態様のいずれかにおいて規定される蛍光融合ポリペプチド又は本発明の第6の態様において規定されるバイオセンサーを含む細胞に関し、好ましくは、該細胞は細胞株U2O2である。
更なる態様において、本発明は、本発明の第1、第2、第3若しくは第4の態様のいずれかに規定される蛍光融合ポリペプチド又は本発明の第6の態様に規定されるバイオセンサーについてのいくつかの使用に関する。本発明によるバイオセンサーの第1の使用は、cAMP、カルシウム、ジアシルグリセロール、IP3及びcGMPを含むがこれらに限定されないセカンドメッセンジャーの検出及び定量のためのものである。既に述べたように、セカンドメッセンジャーの、本発明のこれらの態様のいずれかの蛍光融合ポリペプチドへの結合は、細胞内蛍光局在の変化を導く、空間的コンフォメーションのかなりの変化をもたらす。この蛍光転位は、蛍光顕微鏡法によるセカンドメッセンジャー定量に利用することができる。さらに、この全プロセスは、バイオセンサーにおける蛍光タンパク質の存在によって生細胞中で追跡することができる。
本発明の第1、第2、第3若しくは第4の態様のいずれかに規定される蛍光融合ポリペプチド又は本発明の第6の態様に規定されるバイオセンサーの使用は、薬物スクリーニング用のツールとしてのその使用も更に含む。
さらに、本発明の第1、第2、第3若しくは第4の態様のいずれかに規定される蛍光融合ポリペプチド又は本発明の第6の態様に規定されるバイオセンサーは、セカンドメッセンジャー伝達(transduction)の読み取りが得られる本質的にあらゆる適用の実施に有用である。かかる適用は当該技術分野において既知である。しかしながら、本発明の単に例示的な適用としては限定されないが以下が挙げられる。
a. 蛍光顕微鏡法装置を用いてセカンドメッセンジャー移動を研究することによる、増殖因子、サイトカイン、Gタンパク質共役型受容体、インテグリン及びカルシウムイオンチャンネルから選択される細胞表面受容体の、アゴニスト、アンタゴニスト、インバースアゴニスト又は天然リガンドとして作用する試験化合物の同定。好ましい実施形態において、上記細胞表面受容体はGタンパク質共役型受容体(GPCR)である。
b. 受容体のペプチドアゴニスト、アンタゴニスト及びインバースアゴニストの発現クローニング。
c. セカンドメッセンジャーの細胞内存在を変化させるモジュレーターの発現クローニング。
d. 膜分子モジュレーターの用量応答曲線の確立。
e. シグナル伝達カスケードがこれらセカンドメッセンジャーに依存し、それによってバイオセンサーを診断ツールとして用いることができる、疾患又は障害に関与する膜分子及びモジュレーターの変化の決定。
本発明の好ましい実施形態において、本発明の第1、第2、第3若しくは第4の態様のいずれかに規定される蛍光融合ポリペプチド又は本発明の第6の態様に規定されるバイオセンサーは、生細胞におけるGタンパク質共役型受容体(GPCR)、イオンチャンネル、及びその他のタンパク質の活性の研究を可能とする安定発現細胞株の作製に用いることができる。本発明のバイオセンサーの迅速な転位は、GPCR及びイオンチャンネル刺激の定量を可能とする。
本発明の蛍光融合ポリペプチド及び対応するバイオセンサーは当業者に既知の技法によって作ることができるが、例として、それらは以下のようにして構築することができる。膜局在ペプチド、蛍光ペプチド、タンパク質変換相互作用ペプチド及び小胞体局在シグナルに対応するコード配列はPCRによって容易に増幅し、シャトルプラスミドにクローニングすることができる。これらのコード配列は次いで、各配列に隣接する制限酵素部位を用いて本明細書において示される特定の順序で最終融合プラスミドに容易にクローニングすることができる。
以下の実施例は単に本発明を例示するものである。
実施例1. セカンドメッセンジャーであるカルシウムの広いダイナミックレンジの生理的濃度内における生細胞中のカルシウムの測定のためのカルシウムバイオセンサーの構築(Construction)及び使用
本発明者らは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインを膜局在ペプチドとして、配列番号1の筋ミオシン軽鎖キナーゼからのカルモジュリン結合ドメインをセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドとして、ペプチドKDELを小胞体保持シグナルとして、及びturboGFPを蛍光ペプチドとして含む蛍光融合ポリペプチドを構築し、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置させ、リンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合させ、該蛍光ペプチドは次いで、リンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合させ、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、リンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合させ、該小胞体保持シグナルは次いで蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置させた。
完全な蛍光融合ポリペプチドを配列番号15に示す。
このポリペプチドが生細胞内での細胞内蛍光再分布を誘導するか否かを評価するために、turboGFPポリペプチドを蛍光ペプチドとしてクローニングし、バイオセンサーの細胞局在をカルシウム誘導性活性化の際に分析した。この意味で、細胞株HEK293及びU2O2に上記バイオセンサーのcDNA(配列番号15を参照されたい)を含有するプラスミド構築物(construction)を安定にトランスフェクトした。トランスフェクションの後に、両方の細胞株は蛍光の膜分布を示した。しかしながら、バイオセンサーの膜分布のかなりの低下が、10ng/mlのPMA及び1μMのイオノマイシンによりカルシウムの細胞内レベルを上昇させた後に観察された。この結果は、細胞内カルシウム濃度の上昇は、蛍光バイオセンサーの再分布を促進するバイオセンサーのコンフォメーション変化を誘導することを示す。活性をこれらの細胞の粒度の増大として計算した。これらの同じ結果が図2(左図)に示すように上記細胞株の3つの異なるクローンを用いて得られ、これはこれらの結果の再現性の証拠を提供する。
次に、カルシウムが生理的ダイナミックレンジ内で有意なコンフォメーション変化を誘導するか否かを決定するために、U2O2バイオセンサー安定発現細胞株に安定にヒトタキキニン受容体1をトランスフェクトした。ニューロキニン1受容体(NK1R)又はサブスタンスP受容体(SPR)としても知られているタキキニン受容体1(TACR1)は、中枢神経系及び末梢神経系においてみられるGタンパク質共役型受容体である。この受容体は他のタキキニンについてもいくらかの親和性を有するが、この受容体の内在性リガンドはサブスタンスPであり、サブスタンスPは神経細胞によって合成され、シナプス小胞へと輸送され、サブスタンスPの放出はカルシウム依存的機構の脱分極作用を介して達成される。NK1受容体を刺激すると、それらは多様なセカンドメッセンジャーを生成することができ、かかるセカンドメッセンジャーは、細胞興奮性及び機能を調節する広範なエフェクター機構を始動することができる。これらの機構の1つは細胞内及び細胞外の両方の源からのカルシウムの動員を導く。
二重安定発現細胞株を96mm光学プレート上の1ウェルあたり20000細胞にて播種し、10%ウシ胎仔血清を追加した200ulのDMEM F12中で培養した。蛍光バイオセンサー再分布のために、細胞を異なる濃度のアゴニストであるサブスタンスPで6時間刺激した。処理の後に、核をDAPIで染色し、バイオセンサー蛍光再分布を、画像解析アルゴリズムを用いて蛍光によって検出した。細胞をアゴニストで処理した場合、バイオセンサーは、原形質膜から高強度で小胞へとインターナライズされた(図3)。活性をこれらの細胞の粒度の増大として計算した。細胞を11log希釈系列で処理した(n=5)。サブスタンスPについてのEc50はアゴニストによる6時間の処理後に約9.5×10−12Mであった。再分布アッセイをハイコンテントスクリーニングについて平均Z’=0.85±0.01を用いて確証した(図4)。
その他の方法と比較したバイオセンサー感度を確認するために、典型的な蛍光カルシウムアッセイをFura−2/AM放射測定を用いて行った。細胞の内側のカルシウムの上昇は、カルシウムイオンに結合したFura2からの蛍光とカルシウムイオンに結合していないFura2からの蛍光との比を用いて測定した。細胞をFura2−AMとともにインキュベートし、サブスタンスP濃度を徐々に上昇させて処理した。細胞を0μM〜10μMの範囲のサブスタンスP濃度で、4連で処理した。サブスタンスPについてのE50は約1.4×10−8Mであった。カルシウムアッセイをハイコンテントスクリーニングについてZ’=0.84を用いて確証した。
両方の定量方法において、画像取得はBD Biosciencesからの「BD Pathway 855」High−Content Bioimagerを用いて行った。
実施例2. セカンドメッセンジャーであるcAMPの広いダイナミックレンジの生理的濃度内における生細胞中のcAMPの測定のためのcAMPバイオセンサーの構築及び使用
本発明者らは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインを膜局在ペプチドとして、配列番号9のA−キナーゼアンカータンパク質(AKAP)からのタンパク質キナーゼA(PKA)結合ドメインをセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドとして、ペプチドKDELを小胞体保持シグナルとして、及びturboGFPを蛍光ペプチドとして含む蛍光融合ポリペプチドを構築し、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置させ、リンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合させ、該蛍光ペプチドは次いで、リンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合させ、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、リンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合させ、該小胞体保持シグナルは次いで蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置させた。
完全な蛍光融合ポリペプチドを配列番号16に示す。
実施例1のバイオセンサーと同様に、上記ポリペプチドの活性化が生細胞中での細胞内蛍光再分布を誘導するか否かを評価するために、ペプチドturboGFPを蛍光ペプチドとしてクローニングし、バイオセンサーの細胞局在をcAMP誘導性活性化の際に分析した。この意味で、細胞株SHSY5Y及びU2O2に安定に上記バイオセンサーのコード配列を含有するプラスミド構築物をトランスフェクトした。両方の細胞株が蛍光の膜分布を示した。実施例1と同様に、活性を3つの異なる安定なクローンにおいてこれら細胞を10μMのフォルスコリン及び25μMのIBMXで36時間処理することによる粒度の増大として計算した(図2右図)。
cAMPが生理的ダイナミックレンジ内で有意なコンフォメーション変化を誘導するか否かを決定するために、U2O2バイオセンサー安定発現細胞株にヒトアドレナリンベータ2受容体を安定にトランスフェクトした。このアドレナリン受容体は、カテコールアミン、特に、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)及びアドレナリン(エピネフリン)の標的であるGタンパク質共役型受容体の一種である。二重安定発現細胞株を96mm光学プレート上の1ウェルあたり20000細胞にて播種し、10%ウシ胎仔血清を追加した200ulのDMEM F12中で培養した。蛍光バイオセンサー再分布のために、細胞を異なる濃度のイソプロテレノールアゴニストで36時間刺激した(図5)。処理の後に、核をDAPIで染色し、バイオセンサー蛍光再分布を、画像解析アルゴリズムを用いて蛍光によって検出した。細胞をアゴニストで処理した場合、バイオセンサーは、原形質膜から高強度で小胞へとインターナライズされた。活性をこれらの細胞の粒度の増大として計算した。細胞を11log希釈系列で処理した(n=5)。イソプロテレノールについてのEc50はアゴニストでの24時間の処理後に約2.3×10−7Mであった。再分布アッセイをハイコンテントスクリーニングについて平均Z’=0.7±0.01を用いて確証した。結果を図6に示す。
実施例3. セカンドメッセンジャーであるジアシルグリセロールの広いダイナミックレンジの生理的濃度内における生細胞中のジアシルグリセロールの測定のためのジアシルグリセロールバイオセンサーの構築及び使用
本発明者らは、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインを膜局在ペプチドとして、配列番号19の結合ドメインをセカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドとして、ペプチドKDELを小胞体保持シグナルとして、及びturboGFPを蛍光ペプチドとして含む蛍光融合ポリペプチドを構築し、ここで、
a. 膜局在ペプチドは、蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置させ、リンカーを介して、蛍光ペプチドに物理的に結合させ、該蛍光ペプチドは次いで、リンカーを介して、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合させ、かつ、
b. セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、リンカーを介して、小胞体保持シグナルに物理的に結合させ、該小胞体保持シグナルは次いで蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置させた。
完全な蛍光融合ポリペプチドを配列番号18に示す。
先の実施例と同様に、上記ポリペプチドの活性化が生細胞中での細胞内蛍光再分布を誘導するか否かを評価するために、ペプチドturboGFPを蛍光ペプチドとしてクローニングし、バイオセンサーの細胞局在をジアシルグリセロール誘導性活性化の際に分析した。この意味で、U2O2細胞株に上記バイオセンサーのコード配列を含有するプラスミド構築物を安定にトランスフェクトした。この安定にトランスフェクトされた細胞株は、細胞内ジアシルグリセロールの活性化の誘導の前には蛍光の膜分布を示した。先の実施例と同様に、活性を、徐々に上昇させた用量のPMAによってこれら細胞を処理することによる粒度の増大として計算した。結果を図7及び図8に示す。

Claims (30)

  1. 細胞質中のセカンドメッセンジャーの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へと蛍光融合ポリペプチドの局在を変化させることができる蛍光融合ポリペプチドであって、該蛍光融合ポリペプチドは、膜局在ペプチド、セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチド、小胞体保持シグナル及び蛍光ペプチドを含み、ここで、
    a. 前記膜局在ペプチドは、前記蛍光融合ポリペプチドのN−末端に位置し、任意にリンカーを介して、前記蛍光ペプチドに物理的に結合しており、該蛍光ペプチドは次いで、任意にリンカーを介して、前記セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドに物理的に結合しており、かつ、
    b. 前記セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドは、任意にリンカーを介して、前記小胞体保持シグナルに物理的に結合しており、該小胞体保持シグナルは次いで、前記蛍光融合ポリペプチドのC−末端に位置している、
    蛍光融合ポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドが、カルシウム、cAMP又はジアシルグリセロールからなる群より選択されるセカンドメッセンジャーの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へと該ポリペプチドの局在を変化させることができるものである、請求項1に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  3. a. 前記膜局在ペプチドが、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメイン又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体であり、かつ、
    b. 前記小胞体保持シグナルが、KDEL、HDEL、KKXX、KXKXX及びRXRからなる群より選択されるペプチドであり、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよい、
    請求項1又2に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  4. a. 前記膜局在ペプチドが配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインであり、かつ、
    b. 前記小胞体保持シグナルがペプチドKDELである、
    請求項1又2に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチドが、細胞内カルシウムの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へと該ポリペプチドの局在を変化させることができるものであり、前記セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドがカルモジュリン結合配列を含む、請求項1に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  6. 前記カルモジュリン結合配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択される、請求項5に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  7. 前記小胞体保持シグナルがKDELである、請求項5又は6に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  8. 前記膜局在ペプチドが配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  9. 前記蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される、請求項5〜8のいずれか一項に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  10. a. 前記カルモジュリン結合配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択され、
    b. 前記膜局在ペプチドが配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインであり、かつ、
    c. 前記小胞体保持シグナルがKDELである、
    請求項5に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  11. 配列番号15を含む、請求項5に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  12. 前記ポリペプチドが、細胞内cAMPの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へと該ポリペプチドの局在を変化させることができるものであり、前記セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドがPKAのRI及びRII制御ドメインとの結合配列を含む、請求項1に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  13. PKAのRI及びRII制御ドメインとの前記結合配列が、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、及び配列番号14又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択される、請求項12に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  14. 前記小胞体保持シグナルがKDELである、請求項12又は13に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  15. 前記膜局在ペプチドがインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインである、請求項12〜14のいずれか一項に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  16. 前記蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される、請求項10〜15のいずれか一項に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  17. a. PKAのRI及びRII制御ドメインとの前記結合配列が、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、及び配列番号14又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこれらの配列のいずれかと少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択され、
    b. 前記膜局在ペプチドが配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインであり、かつ、
    c. 前記小胞体保持シグナルがKDELである、
    請求項12に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  18. 配列番号16を含む、請求項12に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  19. 前記ポリペプチドが、細胞内ジアシルグリセロールの濃度の上昇の際に、細胞内で細胞質膜から保持小胞へと該ポリペプチドの局在を変化させることができるものであり、前記セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドがPKCδとの結合配列を含む、請求項1に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  20. PKCδとの前記結合配列が、配列番号19又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択される、請求項19に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  21. 前記小胞体保持シグナルがKDELである、請求項19又は20に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  22. 前記膜局在ペプチドが配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインである、請求項19〜21のいずれか一項に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  23. 前記蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択される、請求項19〜22のいずれか一項に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  24. a. 前記セカンドメッセンジャー変換タンパク質結合ペプチドが、配列番号19又はアミノ酸同一性に基づいて全領域にわたってこの配列と少なくとも90%の相同性のある変異体からなる群より選択されるPKCδとの結合配列を含み、
    b. 前記膜局在ペプチドが、配列番号17のインターロイキン−2受容体の細胞外ドメインであり、
    c. 前記蛍光ペプチドが、GFP、YFP、turboGFP、tRFP及びtRFP602からなる群より選択され、かつ、
    d. 前記小胞体保持シグナルがKDELである、
    請求項19に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  25. 配列番号18を含む、請求項19に記載の蛍光融合ポリペプチド。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子。
  27. 請求項1〜25のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドを含むバイオセンサー。
  28. 請求項1〜25のいずれか一項に記載の蛍光ポリペプチド又は請求項27に記載のバイオセンサーを含む細胞。
  29. 細胞株U2O2である、請求項28に記載の細胞。
  30. 請求項27に記載のバイオセンサー又は請求項1〜25のいずれか一項に記載の蛍光ポリペプチドの、セカンドメッセンジャーの検出及び/又は定量のための使用。
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