JP2015521112A - タッピング装置及び使用法 - Google Patents

Abstract

種々の標準ドライバーで使用するためのタッピング装置である。タッピング装置は、第１の端部と第２の端部を有する細長い本体を有する。ねじ切削部分が、第１の端部に対して提供され、駆動工具に嵌合するための端部セクションが、第２の端部で提供され、シャンク部分が、切削部分と端部セクションとの間に配置されている。フレア状停止部が、端部セクションに隣接するシャンク上に提供されている。六角ヘッドである端部セクションは、インパクトレンチ又は従来のソケット及びレンチなどの標準駆動工具で動作する。

Description

本発明は、ねじタッピング装置及びねじタッピング装置を使用する方法に関する。

タップは、穴の内面上にねじ山を切削するために使用される。タップを使用してねじ山を切削するプロセスがタッピングと呼ばれる。一般的には、手動式の手回しタップが、作成されたねじ付孔に使用されてきた。

タップを使用するために、タップはプレドリルした穴に配置され回転される。タップが回転するにつれて、タップは穴の内部にねじ山を切削する。タップが回転するにつれて、タップはチップと呼ばれる金属の微細粒子を切り離す。タップは、切り離されたチップが穴から逃げることを可能にする複数個の溝を伴う。溝がチップで詰まるようになると、タップは動かなくなり、破損する可能性がある。破損の原因となり得る目詰まり又は「密集状態」を防止するために、周期的に逆回転させ、切削プロセス中に形成されたチップを破壊する必要がある。

結果的に、これらの破損を回避するために手回しタップを使用する場合、相当な熟練が必要とされる。このことは、より小さな寸法の場合顕著である。タップが穴の内部で破砕する場合、破片を取り出すことは非常に難しいか、又は不可能でもあり得る。

更に、従来の手動式タップは、不規則な速度で穴の周りを回転され、これがタップを破損させ得る。

結果的に、従来の手回しタップは、時間を要し、熟練の技術を必要とする。

米国特許第７，５６５，９３５号により教示されるものなどの電動式タップ装置が既知であるが、これらは、特殊化されかつ高価である。ドリルプレス又は垂直ミルを使用することも既知であるが、これら方法もまた高価であり、容易に移動できず、特定のプロジェクトで使用するに扱いにくい可能性がある。

要求されるものは、レンチ、ラチェットソケット及びインパクトドライバーなどの各種の駆動工具で作動し、タッピング処理の速度を大幅に増大させる、タッピング装置及び方法である。

第１の端部及び第２の端部を備える細長い本体を有するタッピング装置が提供される。ねじ切削部分が、第１の端部に対して提供され、駆動工具に嵌合するための端部セクションが第２の端部で提供される。シャンク部分が、切削部分と端部セクションとの間に配置されている。ねじ切削部分は、らせん状ねじ切削エッジを含む。逃げ溝が、ねじ切削部分に沿って提供されている。端部セクションは、駆動工具を受容するよう適合された六角ヘッドである。

停止部が、端部セクションに向かうシャンク上に提供されている。フレア状停止部が、端部セクションの直径を超えて半径方向に延在している。

本発明の別の態様は、タッピング装置を使用する方法を提供し、その方法は、上記記載のタッピング装置を供給する工程と、タッピング装置の六角ヘッドの上に嵌合するよう寸法設定されたソケットを有する駆動工具を供給する工程とを含む。更なる工程は、駆動工具を起動する際に、ソケットがタッピング装置にねじり力を付与するように、六角ヘッドを駆動工具のソケットの内部に配置する工程を含む。別の工程は、タッピング装置の第１の端部を穿孔穴の内部に配置し、駆動工具をソケットがねじり力をタッピング装置に付与するように起動させ、これにより切削部分が穿孔穴の内面上にねじ山を切削する工程を含む。

本発明の他の態様は、上記記載のタッピング装置と、タッピング装置にねじり力を付与するように、タッピング装置の六角ヘッドの上に嵌合するよう寸法設定されたソケットを有する駆動工具との組み合わせを伴う。

これら及び他の特徴は、参照が添付の図面で行われる以下の説明からより明確になるであろうが、これら図面は例示の目的にすぎず、多少なりとも限定するよう意図するものではない。

先行技術として分類された従来の手回しタップ及びタップレンチである。 本発明のタッピング装置の側面図である。 図４で図示されたタッピング装置の立面図である。 駆動工具を伴うタッピング装置の側面図である。 使用中のタッピング装置を断面で示している側面図である。 タッピング装置のバリエーションの立面図である。

一般的に参照番号１０を付して示されるねじタッピング装置が、ここで図１〜６を参照して説明される。

先行技術
「先行技術」として分類された図１を参照すると、一般的に番号１００で示される従来の手回しタップが図示されている。「ｔ」式タップレンチ１１０を備える従来の手回しタップ１００は、手動で操作される。

部品の構造及び関係
図２を参照すると、番号１０で一般的に示される本発明のタッピング装置が図示されている。タッピング装置１０は、第１の端部１４と第２の端部１６を備える細長い本体１２を有する。ねじ切削部分１８が、第１の端部に対して提供されている。図６に図示されるような駆動工具２２に嵌合するための端部セクション２０が、第２の端部１６で提供されている。シャンク部分２４が、切削部分１８と端部セクション２０との間に配置されている。

図２を再び参照すると、ねじ切削部分１８は、らせん状のねじ切削エッジ２６を含む。逃げ溝２８が、切削部分１８に沿って提供され、これはねじ切削エッジ２６と交わる。図示した実施形態において、逃げ溝２８は、ねじ切削エッジ２６の方向に対して垂直に延びているが、逃げ溝２８の経路は、オフセットされ又は曲がることもできることを理解されたい。

図３を参照すると、端部セクション２０は、図４に示すインパクトドライバー２２上に運ばれるソケット３２に嵌合するよう寸法設定されている六角ヘッド３０である。図４を再び参照すると、インパクトドライバー２２は、インパクトレンチ、エアーレンチ、エアーガン、ラトルガン、又はトルクガンのうちの１つであり得ることを理解されたい。タッピング装置はまた、任意の標準レンチ、ラチェットソケット又はタッピング装置１０の六角ヘッド３０を受容するよう適合されているその他の工具で作動することが可能であることも理解されたい。ソケット３２は大小種々の寸法があるために、端部セクション２０もまた、本明細書に記載されている多様な寸法で利用可能であることも理解されたい。

図２を参照すると、切削部分１８が、穿孔穴４０の内面４４にねじ山４２を切削している間の接線力を制限するために、フレア状停止部３４が、端部セクション２０に隣接するシャンク部分２４上に提供されている。フレア状停止部３４は環状であり、接線力を低減し、ドライバー２２からタッピング装置１０までのトルク伝達を最大化するよう適合されている。図５及び図６に図示するように、フレア状停止部３４は、六角ヘッド３０の直径を超えて半径方向外側に延在し、ドライバー２２によって運ばれるソケット３２の内部に受け取られ、フレア状停止部３４は、ソケット３２に対して当接する。フレア状停止部３４は、端部セクション２０に隣接することも端部セクション２０から離れることも可能であるが、駆動工具２２のソケットからの力を吸収するために、フレア状停止部３４はソケット３２の端部３１に対して当接するように配置されねばならない。フレア状停止部３４は、図５に図示されるように、六角ヘッド３０の直径を超えて、連続的かつ外周方向外側に延びることが可能であり、又はフレア状停止部は、異なる構成を有することも可能である。例えば、フレア状停止部３４は、六角ヘッド３０の直径を超えて延在している部分だけで遮断されることも可能である。これは平坦面であり得、又はソケット３２の端部３１を受容するための溝を有することも可能である。

操作
タッピング装置１０の使用及び操作が、図１〜図６を参照してここで説明される。上記のタッピング装置１０を使用するために、図２及び図３で図示される端部セクション２０が、図４で図示される駆動工具２２のソケット３２に嵌合し、これに受け取られる。タッピング装置１０の本体１２の第１の端部１４は、選択された用途に応じて、図２で図示するようにテーパ状になっていてもよく、又は図６で図示するように切頭状になっていてもよい。図６で図示する実施形態の第１の端部１４は、タッピング装置１０が盲穴４０の底部にねじ山を切削することを可能にするために、切頭状又は平坦形である。図２で図示した実施形態において、端部１４は、タッピング装置１０をタップが切られていない穿孔穴４０に対して整列し動き始めることを補助するためにテーパ状になっている。

図５を参照すると、次いで駆動工具２２が起動され、タッピング装置１０の第１の端部が、切削部分１８のものよりも小さい直径である穿孔穴４０内に挿入される。図５を参照すると、使用時に、駆動工具２２は、切削部分１８が穿孔穴４０に駆動し、穿孔穴４０の内面４４の上にねじ山４２を切削するように、ねじり力をタッピング装置１０に付与する。端部セクション２０に隣接するシャンク部分２４上に提供されたフレア状停止部３４は、タッピング装置１０にトルクを直接分配し、穿孔穴４０の内面４４にねじ山４２を切削する上での効果を高める。切削部分１８が、穿孔穴４０に駆動するにつれて、切削部分１８に沿って提供されている逃げ溝２８は、過剰な破砕材料又はチップが使用中に除去されることを可能にする。

図５を参照すると、タッピング装置が駆動工具２２により一定速度で穴を通って駆動されるとき、破損が低減され、タッピング速度は劇的に増大される。これと比べて、図１で図示されるものなどの従来の手動タップ１００は、穿孔穴の周りを不規則な速度で回転し、これがタップ１００上のトルク要求を増大させ、破損の一因となる。

タッピング装置１０は、六角ヘッド３０が、標準サイズのボルトの六角ヘッドとサイズ及び寸法で一致するように、多くのサイズで製造され得る。標準サイズの例として、１／４’’、５／１６’’、３／８’’及び１／２’’サイズを挙げることができる。結果的に、ユーザーは、後に穿孔穴４０にねじ込まれるボルトの六角ヘッド（図示せず）のサイズ及び寸法と整合する六角ヘッド３０を有するタッピング装置１０を選択することが可能である。その結果、ユーザー操作者が、彼らの手にドライバー２２を保持し、タッピング装置１０をボルトに単純に交換し、穿孔穴４０内のボルトの装着を続けることができるように、同じドライバー２２が、タッピング装置１０とボルトの双方で使用することが可能となる。このことは、工具を交換する工程の不便さを排除し、効率を向上させる。

図２で図示したタッピング装置は、タッピング作業の流れを劇的にスピードアップするよう設計される。ユーザーの技能及びタッピングされる材料のタイプに応じて、インパクトドライバーなどの電動駆動工具２２を使用して、約７０〜１００個の穴を１５分以内にねじ切りすることが可能である。これは、１台のタップ装置１０の耐用寿命にわたって節約されるおよそ概算で１００分間の労働を表す。これに対し、図１で図示されるような、「ｔ」式タップレンチ１１０を備える従来のハンドタップを使用することは、穴をねじ切りするために、５〜７分を要する可能性がある。

タッピング装置１０は、標準レンチ、ラチェットソケット又はタッピング装置１０の六角ヘッド３０を受け取るよう適合されているその他の用具などの手動操作される駆動工具２２と共に使用することも可能である。このことは、タッピング装置１０が、電動工具を使用することができない又は電動工具が望ましくない状況で使用されることを可能にする。例えば、小さい空間又は取り扱いにくい空間においては、手動工具を用いることが好ましい場合がある。ユーザー操作者が、彼らの手にドライバー２２を保持し、タッピング装置１０をボルトに単純に交換し、穿孔穴４０内のボルトの装着を続けることができるように同じドライバー２２が、タッピング装置１０及びボルトの双方で使用され得るという点では、時間短縮につながり得る。このことは、特に小さい空間又は取り扱いにくい空間において、工具を交換する工程の不便さを排除する。

タッピング装置１０は、ＨＳＳ、スチール、コバルト及びその他の硬化金属が挙げられるがこれらに限定されない多くの材料から形成され得ることを理解されたい。細長い本体１２及びシャンク部分２４の直径及び長さは、必要に応じて変更し得ることも理解されたい。フルサイズのシャンク部分２４は、強度を最大化し、並びに工作物からのタップ装置１０の反転を容易にする。

タッピング装置１０は、電動工具２２と共に使用するように図示されているが、任意の標準レンチ、ラチェットソケット又はタッピング装置１０の六角ヘッド３０を受け取るよう適合されているその他の用具などの手動操作される駆動用具２２を用いて使用することも可能であることも更に理解されたい。

バリエーション
図２で図示されたタッピング装置１０の切削部分１８のねじ切削エッジ２６は、タッピング装置１０の耐用寿命を延ばすために、硝酸塩コーティングを特徴として有してもよい。

図２を参照すると、タッピング装置１０の本体１２の第１の端部１４は、始動のための最初の６個のねじ切りテーパ構成４８を特徴として有し、これによってタッピング速度をさらに改善することができる。

図６に図示した駆動工具２２に嵌合するための端部セクション２０は、いかなるサイズ又は形状のソケットにも嵌合するよう寸法設定することが可能である。通常、標準レンチ、ラチェットソケット又はインパクトドライバーは６点（六角）形状を有するソケットを利用するが、４点（正方形）、１２点（二重六角）形状、８点（二重正方形）、更に８点（八角ソケット）に嵌合するために形状及び寸法を用いることも考えられる。

本特許文献において、用語「含む又は備える、ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ」は、この用語に続く項目が含まれているが、特別に言及されていない項目も除外されないことを意味するように非限定的な意味で使用されている。不定冠詞「ａ」を伴う要素に関しては、要素のうちの１つ又は１つのみが存在することを文脈上明確に必要としないならば、複数の要素が存在する可能性を除外するものではない。

以下の特許請求の範囲は、上記で具体的に図示され記載されたもの、概念的に等価であるもの、並びに明確に置換され得るものを含むことを理解するべきである。当業者であれば、記載された実施形態の種々の適合化及び変更が、特許請求の範囲から逸脱することなく構成され得ることを理解されるであろう。図示の実施形態は、例示としてだけ記載されてきたものであり、本発明を限定するものとしてみなされるべきではない。以下の特許請求の範囲内で、本発明は、具体的に図示されかつ記載されたもの以外で実施することが可能であることを理解するべきである。

Claims (13)

1. 第１の端部と第２の端部を有する細長い本体と、
   前記第１の端部に対して提供されているねじ切削部分と、
   前記第２の端部で提供されている駆動工具に嵌合するための端部セクションと、
   前記切削部分と前記端部セクションとの間に配置されているシャンク部分と、を備えるタッピング装置。
2. 前記ねじ切削部分が、ねじ切削エッジを含む、請求項１に記載のタッピング装置。
3. 前記ねじ切削部分が、逃げ溝を含む、請求項１に記載のタッピング装置。
4. 前記ねじ切削エッジが、らせん状である、請求項２に記載のタッピング装置。
5. 前記駆動工具に嵌合するための端部セクションが、六角ヘッドである、請求項１に記載のタッピング装置。
6. 少なくとも１つの停止部が、前記端部セクションに向かう前記シャンク部分上に提供されている、請求項１に記載のタッピング装置。
7. 前記停止部が、前記端部セクションの直径を超えて半径方向に延在する、請求項６に記載のタッピング装置。
8. 第１の端部と第２の端部を有する細長い本体と、前記第１の端部に対して提供されているねじ切削部分と、前記第２の端部で提供される、工具に嵌合するための六角ヘッドと前記切削部分と前記六角ヘッドとの間に配置されるシャンク部分とを有し、前記ねじ切削部分がねじ切削エッジと逃げ溝とを有する前記タッピング装置を供給する工程と、
   前記タッピング装置の前記六角ヘッドを受け取るよう寸法設定されたソケットを有する駆動工具を供給する工程と、
   前記駆動工具を起動する際に、前記ソケットが前記タッピング装置にねじり力を付与するように、前記六角ヘッドを前記駆動工具の前記ソケット内に配置する工程と、を含む方法。
9. 前記タッピング装置の前記第１の端部を穴に配置し、前記ソケットが前記タッピング装置上にねじり力を付与するように前記駆動工具を起動させることで、前記切削部分が、前記穴の内面上にねじ山を切削する前記工程を更に含む、請求項８に記載の方法。
10. 前記駆動工具が、レンチ、ソケットレンチ又はインパクトドライバーのうちの１つである、請求項８に記載の方法。
11. 切削部分がねじ山を切削する間に、トルク伝達力を最大化するために、少なくとも１つの停止部が、前記端部セクションに隣接する前記シャンク上に提供される、請求項８に記載の方法。
12. 第１の端部と第２の端部を有する細長い本体と、前記第１の端部に対して提供されているねじ切削部分と、前記第２の端部で提供される、工具に嵌合するための六角ヘッドと前記切削部分と前記六角ヘッドとの間に配置されるシャンク部分とを有し、前記ねじ切削部分がねじ切削エッジと逃げ溝とを有するタッピング装置と、
    前記タッピング装置の前記六角ヘッドを受け取るよう寸法設定されたソケットを有する駆動工具との組み合わせ。
13. 前記駆動用具が、レンチ、ソケットレンチ又はインパクトドライバーのうちの１つである、請求項１２に記載の組み合わせ。
    

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