JP2015519317A - ジニトロトルエンを洗浄する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、トルエンのニトロ化において硝化酸が分離された後に得られる、ジニトロトルエン、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む粗混合物を洗浄する方法であって、2工程の洗浄工程(WS−I)及び(WS−II)を含み、i)第1洗浄工程(WS−I)において、前記粗混合物を、少なくとも1段階の抽出段階を含む洗浄で、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む洗浄酸Iを用いて抽出し、第1洗浄工程(WS−I)の第1抽出段階(WS−I−1)から排出される前記洗浄酸が20〜40質量%の総酸含有量を有し、且つ予備洗浄された粗混合物を得て、ii)第2洗浄工程(WS−II)において、ジニトロトルエンを含む前記予備洗浄された粗混合物を、少なくとも1段階の抽出段階を含む洗浄で、洗浄酸IIを用いて抽出し、第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される前記洗浄酸が4以下のpHを有し、且つ本質的に硝酸、硫酸及び窒素酸化物が含まれていないジニトロトルエンを含む混合物を得ることを特徴とする方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、トルエンのニトロ化において硝化酸を分離した後に得られる、ジニトロトルエン(DNT)、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む粗混合物を洗浄する方法に関する。
特に、本発明は、硫酸及び硝酸の混合物中にDNTを形成するトルエンの連続的な等温ニトロ化からのDNT含有粗混合物(以下、粗DNTともいう)を洗浄する方法であって、この洗浄から結果として生じる洗浄水を、直接的に、あるいは抽出によってこの水に溶解したDNTを除去した後に、更なる物理的又は化学的前処理なしで、水処理プラントにおける生物学的処理を受けさせることができ、その水処理プラントから流出する廃水が、たとえば、ドイツ連邦共和国(FRG)の廃水規制、付録22:Chemishe Industrie(化学工業)において規定された毒性に関する要求を満たす方法に関する。
混酸との向流における1段階又は2段階でDNTを形成するトルエンの連続的な等温又は断熱ニトロ化において、粗ニトロ芳香族生成物は、常に相分離後に得られ、これは、更に使用する前に、その中に溶解した不純物を除去しなければならない。ニトロ芳香族生成物中に溶解した形態又はマイクロエマルションとして存在する硝酸、硫酸及び窒素酸化物からなる最終的な硝化酸は別として、モノニトロクレゾール、ジニトロクゾソール、及びトリニトロクレゾール等のニトロ化された芳香族、又はモノニトロ安息香酸及びジニトロ安息香酸(以下、ニトロ安息香酸又はNBAという)等の芳香族カルボン酸との二次反応からの酸化生成物、及びその分解生成物も、粗DNT中に含まれる。
従来技術において、ニトロ芳香族生成物が直接の使用、異性体の分離、又は対応するアミンを形成する水素化に回される前に、これらの不純物は多段階の洗浄によって粗生成物から除去される。
DNT等の粗ニトロ芳香族生成物が、それが溶解した、及び懸濁したニトロ化混合物の酸、ニトロクレゾール及びその他の酸、及び洗浄溶媒によって抽出され得る更なる不純物を除去するために受ける洗浄は、通常(たとえば、F. Meissner et. al. in Industrial and Engineering Chemistry 46巻、721(1954)、Ullmanns Enzyklopadie der technischen Chemie、第4版、17巻、385−386頁;H. Hermann et.al. in ACS−Symposium Series 632、238 (1996)241頁;L.F. Albright, R.V.C Carr, R.J.Schmitt編、US 6 288 289、EP 1 816 117を参照)、以下の3工程を含む:
1.硫酸、硝酸及び窒素酸化物等の溶解及び懸濁した鉱酸を除去する洗浄(酸洗浄);
2.ニトロクレゾール、ニトロ安息香酸、及びニトロクレゾール又シュウ酸等の脂肪族又は環状炭化水素炭酸の酸化的分解からの分解生成物等の粗ニトロ芳香族生成物中に溶解した弱酸性不純物を除去する、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)、重炭酸ナトリウム、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下での洗浄(US4 482769、US4597875、US6288289参照);
3.残りの微量のアルカリを除去する、及び生成物中の微量に残る不純物を更に減少させる中性の洗浄。
水は、通常、この目的のために洗浄溶媒として使用され、洗浄は、洗浄されるニトロ芳香族生成物が液体として存在する温度で、液/液洗浄として実施される。
これらの洗浄の目的は、純粋な生成物を得るだけでなく、メートルトンの生成物当たりの廃水をできるだけ少なくし、不純物の処理が安価に実施され得るような、廃水中の洗浄された不純物のレベルを達成することである。
したがって、3種の異なる廃水流、即ち、酸洗浄、アルカリ洗浄及び中性洗浄からの廃水が、粗DNTの洗浄から得られる。
DNTの場合、酸洗浄からの廃水は、たとえば、EP0736514及びEP1780195に記載された方法を用いる場合、総酸の25〜40質量%の量で粗生成物に溶解した硫酸、硝酸及び亜硝酸等の鉱酸、並びにほんの微量のより少ない酸性ニトロフェノール、ニトロクレゾール、ニトロ安息香酸又はシュウ酸等の(硝酸による酸化的分解からの)その他の有機酸とともに、本質的に0.5質量%以下の量で(その溶解度に相当する)溶解した生成物を含む。そのような廃水のTOCは、驚くほど高く、約8〜9000mg/lであり、その50%未満が、洗浄酸中に溶解したDNTに起因する。
アルカリ性洗浄からの廃水は、9より大きいpHを有し、DNTの場合、本質的に、その溶解度に相当する1300ppm以下で溶解した生成物、800ppm以下のニトロクレゾール、800ppm以下のニトロ安息香酸、及びDNT段階におけるニトロクレゾールの酸化的分解からの微量のシアン化物を意味する、粗生成物に溶解したフェノール性のニトロ化合物とともに、約500〜5000ppmの硝酸塩、500〜5000ppmの亜硝酸塩及び数百ppm以下の硫酸塩を含む(US4361712参照)。そのようなDNT洗浄からのアルカリ洗浄水中のTOCは、1500〜3200mg/lである。このTOCの50%以下だけが、廃水に溶解したニトロクレゾール及びNBAに起因する。残りは未知であり、おそらくDNT段階において、ニトロクレゾールの酸化生成物から生じる。アルカリ性廃水は、一般に、強烈なオレンジから赤茶色の濃い色を有する。
中性洗浄からの廃水は、前洗浄段階(アルカリ性洗浄)から、どの程度の量が同伴されるか、及びアルカリ性洗浄において、どの塩基が使用されたかに応じて、3〜8のpHの弱アルカリ性又は弱酸性であり得る。使用される洗浄温度での溶解度に相当して飽和に溶解した生成物は別として、中性洗浄からの廃水は、アルカリ性洗浄に使用された残りの微量の塩基、及びDNTに未だ残流布純物、主にニトロクレゾールのみを含む。
この洗浄のために要求される水の量を最小化するため、洗浄は、向流で実施され、中性洗浄に使用された水は、塩基の添加の後、アルカリ性洗浄において使用されるか(A.B. Quakenbush et.al.,The Olin Dinitrotoluene(DNT)Process,Polyurethane World Congr.Proc.1993,Publish.:Technomic Lancaster,485頁参照)、又はEP0279312、EP0736514 及びEP1780195に記載されるように、直接又は更なる濃縮後にニトロ化に再循環され得る濃酸が得られるように、酸洗浄が、最小量の水を使用して実施される。洗浄水の濃縮において得られる蒸気凝縮液は、各洗浄へ再循環される。
DNTを形成するトルエンのニトロ化のためのプラントからの廃水、粗DNTの洗浄からの洗浄水、及び最終的な酸及び洗浄酸の濃縮からの蒸気凝縮液が、排出され得る前に、それらはFRGの廃水規制に規定された適切な排出パラメータ、たとえば、下水管口へ導入する前のCOD、窒素、重金属及び生物学的パラメータ等を達成するため、複雑な処理を受けなければならない。
ニトロ化プラントからの処理を要求する廃水流は、最終的な硝化酸の濃縮からの、常に酸性である蒸気凝縮液(SAC廃水という)、及び特に塩基での洗浄からの、7〜10の範囲のpHを有する廃水である。下水管口へ排出する前に、全ての毒性、遺伝毒性(gene toxic)又は静菌性物質、及び全ての無機塩、特に硝酸塩及び亜硝酸塩が、制定された排出パラメータを満たすため、これらの廃水流から、可能な限り除去されなければならない。
特に、DNTの塩基による洗浄からの廃水は、フェノール性ニトロ化合物、ニトロ安息香酸及びその他の有機酸、並びに粗生成物中に溶解した低分子分解生成物とともに、溶解度に相当して0.5%以下の量の溶解した生成物を含み、毒性、発がん性、変異原性及び静菌性の、ニトロ芳香族、フェノール性、及び他の不純物の除去に高額な費用を要求する。排出前のアルカリ性洗浄水から、これらの毒性物質を除去する多数の種々の方法が報告されている。
塩基、好ましくは炭酸ナトリウムによるDNT洗浄の廃水からのニトロクレゾールの純粋に機械的な分離は別として、活性炭又はイオン交換樹脂での処理用の方法、ニトロ化される芳香族化合物での抽出方法、オゾン及びフェントン試薬(Fenton’s reagent)、等の酸化剤での処理、又は300℃以下の高温での処理が、廃水からの/廃水中の、大部分は生成物のニトロ分子だけでなく、特にジニトロフェノール及びトリニトロフェノール(ピクリン酸)並びにジニトロクレゾール及びトリニトロクレゾール(TNCs)等のフェノール性ニトロ分子の量を、これらの廃水が、続く水処理プラントにおける後処理へ回される前に、除去又は低減させるため、報告されている。
US4597875は、炭酸ナトリウムによるDNTの洗浄からの廃水中の、特に毒性のニトロクレゾールが沈殿によって除去される方法を述べる。ニトロクレゾールは、アルカリ性洗浄液の循環によって約1%のニトロクレゾールの含有量まで濃縮される。ニトロクレゾールは、続く、硫酸又は廃酸によるこの濃縮されたアルカリ性洗浄液のpH1未満への酸性化によって沈殿され、ニトロクレゾールは分離され、焼却によって処理される。しかしながら、この方法は、廃水中の毒性物質の低減のみを導き、廃水からのこれらの完全な除去には至らない。さらに、たとえ低減された量であっても、未だニトロクレゾールで汚染された廃水流は、引き続き取り除かれ、更に処理されなければならないように、無機塩の含有量における大幅な増加がある。
US4482769は、粗DNTの洗浄からのアルカリ性洗浄水中のニトロクレゾールの含有量を低減するための更なる方法を述べる。ジニトロクレゾールは、DNT中に残存するが、粗DNT中に溶解したトリニトロクレゾールは、アルカリ性洗浄液において、約6のpHで選択的に洗い流される。DNT洗浄から処理された廃水中の毒性ニトロクレゾールの負荷は、それにより著しく低減される。DNT中に残存するジニトロクレゾールは、DNTの相当するアミンへの還元に干渉しない。
これらの方法のすべてにおいて、洗浄水に存在するニトロ芳香族化合物及びニトロクレゾールの部分的な除去のみが達成される。したがって、この廃水は、毒性の不純物の部分的除去後に、未だ高度に汚染され、下水管口へ排出する前に、更なる複雑な後処理が必要である。
Chimia 21,356〜360頁 (1967)において、R.Angst及び M.Bremは、TNTを形成するトルエンのニトロ化からのニトロクレゾール含有廃水を活性炭による処理によって精製する方法を開示する。これらの著者によると、自家廃水(house wastewater)との併用でのその廃水の微生物学的精製は、毒性及び色の点ではいかなる変化も引き起こさず、その廃水は、活性炭による処理によってうまく脱色される。活性炭による処理の不利な点は、ニトロ芳香族化合物及びニトロクレゾールを多く含む活性炭は、TNCs及びニトロ芳香族化合物の爆発性の特徴のため、安全性の理由から熱的に再生され得ず、又はニトロ芳香族化合物は、適切な溶剤での抽出によって、活性炭から再び部分的に除去され得るだけなので、後者の高消費である。
DE1221994及びDE1222904は、MNT及びDNTの洗浄からの洗浄水からの毒性ニトロクレゾールを除去する方法であって、ニトロクレゾールが、強塩基性交換樹脂によって、7より大きいpHで、廃水から除去される方法を開示する。交換樹脂の再生のため、これは酸及びアセトン又はその他の適切な溶剤によって処理される。ニトロクレゾールを多く含むアセトンは、蒸留によって回収され、ニトロクレゾールは、その後に破壊される。
多数の特許において記載された更なる方法は、芳香族化合物がニトロ化されることによる、洗浄からの廃水の抽出、及び最終酸の濃縮からの蒸気の抽出である。
US4925565は、トルエンとともにニトロフェノール及び/又はニトロクレゾール含有廃水を抽出する方法を開示する。約1のpHで、廃水は、3段階の向流抽出において、実質的に完全にニトロフェノールが除去される。トルエンは、蒸留ユニットにおいて回収され、抽出へ再循環される。カラムの底部で得られたニトロ芳香族化合物/ニトロクレゾールの混合物は、焼却される。微量のニトロフェノールを有する廃水が、ストリッピングの後、且つ下水管口へ排出する前に、活性炭による処理を受ける。
US3742072は、DNT及びTNT等の全ての中性ニトロ分子が、「Mohon水」(TNTプラント、特にSACプラントのオフガススクラブ洗浄(offgas scrub)からの洗浄水)からトルエンによる抽出によって除去され、負荷された(loaded)トルエンは抽出からニトロ化へ再循環される方法を開示する。
EP1003710は、ニトロ芳香族化合物、好ましくはDNTの酸洗浄からの廃水を、この廃水が濃縮等の更なる処理を受ける前に、この酸洗浄水に溶解したニトロ芳香族化合物を除去するために、ニトロ化される芳香族化合物(トルエン)で抽出する方法を開示する。抽出されたニトロ芳香族化合物で負荷された抽出物は、ニトロ化へ再循環される。
US6506948は、DNT等の中性ニトロ分子が、DNTを製造するプラントからの個々の廃水(蒸気凝縮液、酸及び最終アルカリ性廃水)から、向流におけるトルエンによる抽出によって選択的に分離され、トルエンとともにニトロ化へ再循環される方法を開示する。今やニトロクレゾールのみ含む廃水は、ニトロクレゾールを除去するために、中性ニトロ分子がもはや干渉しない、更なる分解を受ける。
IT912500及びCS206757は、DNT及びMNTのような中性ニトロ芳香族化合物だけでなくニトロクレゾールも、ニトロ芳香族化合物の洗浄からの複合洗浄水から、ニトロ化される芳香族化合物により、5未満のpH値で除去される方法を開示する。これらのニトロフェノールは、アルカリを有する抽出剤からの逆抽出によって、高い濃度の溶液として得られ、ニトロフェノールは、酸性化の後、この溶液から分離され、焼却へ回される。抽出剤、即ち、ニトロ化される芳香族化合物は、抽出されたDNTとともに、ニトロ化へ再循環される。
EP1493730及びEP1496043は、同様に、DNTの酸洗浄及びアルカリ性洗浄、並びに0.7〜13%のMNT/DNT含有量を有するMNT最終酸の濃縮からの蒸気凝縮液を含む、DNTの製造からの複合廃水の部分的精製の方法を開示する。この複合廃水のpHは、種々の廃水流の適切な組合せの結果として、5未満であるべきである。複合廃水中に懸濁したニトロクレゾール及びニトロ安息香酸の90%以下が、セパレータにおけるSACプラントからの蒸気凝縮液から分離するMNT/DNT相によって抽出される。たとえば、13.8質量%のニトロクレゾール及びニトロ安息香酸の含有量を有する、分離するMNT/DNT混合物は、焼却により処理されるか、ニトロクレゾールが、この目的に適切な混酸によって酸化的に分解される(EP1493730)。MNT/DNT相が分離された後に、得られた廃水は、さらにトルエンで抽出され、複合廃水に未だ溶解したMNT及びDNT、及びその廃水に未だ溶解したニトロクレゾールの更なる一部が、そこから除去される。トルエン抽出物は、ニトロ化へ再循環される。トルエンで抽出された後に得られた部分的に精製された廃水は、まだ、最大200ppmのニトロクレゾールを含み、直接排出することはできず、下水管口へ排出する前に、さらに処理されなければならない。
これら全ての方法、DNT洗浄からの個々の又は複合廃水流からの、廃水に存在する汚染物質の濃縮、及びそれに続く不純物の単に部分的な除去を組合せたこれらの処理は、技術的に複雑であり、追加的な化学物質を必要とし、且つアルカリ性洗浄液の酸性化及び約7のpHへの逆中和の結果として、廃水中に負荷される追加の塩をもたらす。
これらの技術的な複雑な濃縮技術を避けるため、汚染物質、特にニトロクレゾールを、個々の又は複合廃水流中の中間濃縮をせずに、化学的分解により処理する方法が開発されている。
EP0962446は、硝酸を用いた酸化による、アルカリ性廃水中に溶解したニトロ芳香族化合物及びニトロクレゾールの部分的な除去方法を開示する。4質量%以下の硝酸及び4質量%以下の硫酸の存在下、3未満のpHで、続く180℃以下への加熱が、DNTの洗浄からの元のアルカリ性廃水中のニトロクレゾール、及び溶解したDNTのかなりの部分の分解をもたらす。アルカリ性廃水のTOCは、50%以下まで、低減される。結果として生じる部分的に精製された廃水は、活性炭による処理又は生物学的処理等の、更なる処理に回されなければならない。
US4604214及びUS5356539は、DNTの洗浄からのアルカリ性洗浄水に溶解したニトロクレゾールが、鉄(II)塩の存在下での過酸化水素(フェントン試薬(Fenton’s reagent))によって分解される方法を開示する。ニトロクレゾールは、アルカリ性洗浄水の多重循環(multiple circulation)によって約1質量%の含有量に濃縮される。このアルカリ性洗浄水を処理するため、4.5未満、好ましくは3のpHへ酸性化され、十分量の過酸化水素(TNCの7〜12mol/mol)及び鉄塩が混合され、70〜90℃の温度で分解される。90%を超えるニトロクレゾール及び約50%の溶解したDNTが、連続反応器において約45分間の平均滞留時間で分解された。ここでも、アルカリ性洗浄水の部分的な精製のみが生じる。この方法で処理された廃水中のニトロクレゾールの残りの含有量は、200ppm以下であり、現在の適切な基準に従い、下水管口へ排出することができる程度になるように活性炭による処理等の更なる手段によって低減されなければならない。
過酸化物による酸化は別として、オゾンもまたDNTプラントからのアルカリ性洗浄水におけるニトロクレゾールの分解のための酸化剤として、標的の方法に置いて使用される。
EP0634365は、ニトロベンゼンプラントの、アルカリ性ニトロフェノール含有洗浄水からの中性ニトロ分子の除去後のオゾンの使用を開示する。EP0953546の段落0007は、DNTの部分的な除去のための、水処理汚泥の吸収、生物学的前処理、DNTプラントからのニトロクレゾール含有廃水のオゾン化及び生物学的後処理を含む組合せ方法を開示する。DNTを多く含む水処理汚泥は焼却される。
ニトロ芳香族化合物及びニトロクレゾール等の粗DNTのアルカリ性洗浄からの毒性成分の複雑な中間濃縮は、その硝酸、過酸化水素又はオゾンのような酸化剤が使用される処理の前に必要ではないが、複雑な生物学的中間精製及び最終精製工程と組み合わせた追加的な酸化剤の消費は、複雑で、面倒であり、且つ費用が掛かる。
EP0581229は、未だ全てのDNT洗浄からのニトロ分子及びニトロクレゾールを含むアルカリ性廃水の、325〜370℃の水の超臨界温度より下の範囲であるが、22〜32.5MPa(220〜325bar)の超臨界圧力での酸素又は空気のような追加的な酸化剤の存在下での湿式酸化を開示し、本方法において、酸化剤は廃水中で完全に溶解し、廃水中に存在する塩、及び酸化によって形成された塩(炭酸塩)は溶解したままであり、蒸発反応によって沈殿されない(したがって、熱分解を妨げる)。酸化的分解に必要な滞留時間は、短時間である。排水は、酸化剤の存在下での加熱分解後に、未だ黄色であり、下水管口へ排出する前に後処理されなければならない。
中間精製工程、及びDNTの製造からの廃水において生物分解され得ないニトロ分子及びニトロフェノールの除去に、酸、塩基、及び酸化剤等の高価な助剤の追加的な消費を避けるため、これらの不利な点、特に追加的な助剤の消費を避けることができる方法が更に報告されている。
EP0005203は、DNTを製造するニトロ化プラントからのニトロクレゾールを含むアルカリ性廃水の直接的処理方法であって、追加的な化学物質も、また他の中間工程も必要ではない方法を開示する。DNTプラントのアルカリ性洗浄段階からの廃水は、DNTのような中性ニトロ芳香族化合物がなく、空気及び酸素を除いて、290〜300℃、及び約10〜11MPa(約100〜110bar)の圧力で、15分間直接処理される。室温へ冷却後、全てのニトロクレゾールのナトリウム塩が、CO.CO,窒素及びその他のニトロクレゾールの短鎖分解生成物へ分解されている。
EP0953546は、DNTプラントのアルカリ性洗浄段階からの廃水において、DNTのような中性ニトロ分子の存在下でさえ、熱分解を実施することができる方法を開示する。熱分解へ導入する前の抽出又は蒸気ストリッピングにより、ニトロトルエン又はジニトロトルエン等のヒドロキシ基を有さないニトロ芳香族化合物の複雑な除去が省略されている。
EP1132347は、ニトロベンゼンの洗浄からの予備濃縮されたアルカリ性洗浄水の超臨界領域における熱分解を開示する。予備濃縮は、洗浄水中に溶解した蒸気揮発性のニトロ芳香族化合物の主要な部分、本件の場合は、洗浄水からのニトロベンゼンを分離する。塩として溶解されたニトロフェノールのみが残存し、500〜600℃、25MPa(250bar)で完全に分解される。予備濃縮からの蒸留物は、洗浄へ再循環される。熱分解からの廃水は、少量の有機不純物のみを含み、水処理プラントにおいて後処理され得る。
アルカリ性洗浄段階におけるDNT洗浄からのアルカリ性廃水流は、熱分解の後、一般に、ニトロクレゾール及びDNTは無くなるが、コロイド状に沈殿した炭素のため時々濃い色を有し、DNT及びニトロクレゾール由来の未知の成分の低分子量の分解物は別として、アンモニア、新たに形成された炭酸ナトリウム及び微量の溶解したCOを含む。未処理の水と比較して、熱分解において、TOCは約20%まで、CODは約30〜35%まで低減されている。MNTのようなモノニトロ芳香族化合物が、ジニトロ芳香族化合物及びトリニトロ芳香族化合物より、有意により緩やかに分解すること、及びニトロ安息香酸が、熱分解条件下で、実質的に全く分解されず、廃水中に変化していないままであることは驚くべきことである。したがって、この熱分解からの廃水は、下水管口へ排出する前に、色、COD、TOC及び毒性の適切な規制を遵守するため、たとえば、水処理プラントにおいて後処理されなければならない。
DNTのような中性ニトロ芳香族化合物、さらに毒性のニトロフェノール及びニトロクレゾールを含み、生物分解されないか、又は生物分解が非常に困難である廃水の熱分解における処理は非常に有効であるが、技術的に複雑であり、且つ費用が掛かる。
DNTの製造からの廃水、特にアルカリによるDNTの洗浄からの毒性の分解するのが困難又は不可能なニトロクレゾールで汚染された廃水の処理のための上記の全ての方法、装置、及び手段は、以下の2段階を含む:即ち、
a)水に溶解したDNT及び毒性のニトロクレゾールのできる限りの除去
b)下水管口への最終的な排出の前に、a)に従って精製された廃水の、たとえば、水処理プラントにおける、又は吸収剤を用いる処理による後処理。
ニトロ分子で汚染されたこの廃水の処理、特にa)に従う前処理のためのこれら全ての方法及び装置は、技術的に複雑であり、資本コスト及び操作の観点から費用が掛かり、追加的な化学物質を必要とし、且つ酸性化及びそれに続く中和により処理される廃水へ導入される無機塩によって、時々更なる汚染を引き起こす。さらに、5未満のpH値でニトロクレゾールを分離する目的のための、DNT洗浄からのアルカリ性廃水の酸との混合は、かなりの量のCOの発生を引き起こし、かなりのオフガス汚染と相まって、その激しい発泡のせいで問題を引き起こす。
さらに、方法は、毒性のニトロクレゾールとともに粗DNTの洗浄からの廃水の汚染を低減するため、ニトロクレゾール及びニトロフェノールの一部が生成物(DNT)中に残存し、ジアミノトルエン(TDA)を形成するDNTの水素化の後でのみ、「高沸点留分(heavy end)」とともに分離され、処理されることも開示している。
US2976320及びUS4482769は、粗DNTに存在するニトロクレゾール及びニトロフェノールの一部のみ(最大500ppm、好ましくは200ppm以下)がDNTに残存する方法を開示する。これは、粗DNT中に存在する大部分の「ニトロフェノール」も含む洗浄からの廃水をもたらす。この廃水は、下水管口へ排出する前に、従来技術に従って更に処理されなければならない。
CA1034603は、粗DNTが、水素化に対する悪影響を有する鉱酸を、できる限り完全に(少なくとも99.8%)除去するため、水でのみ洗浄される方法を開示する。粗DNT中に溶解したニトロクレゾールの一部はDNT中に残存し、TDA段階で分離される。粗DNTに最初に存在したニトロクレゾールの40%近くが廃水へ行く。さらに、粗DNTに最初に存在した鉱酸の全てがこの廃水中に溶解している。特に硝酸塩は、ただし残存するニトロクレゾールについても、混戦浄水が下水管口へ排出される前に、従来技術に従って複雑な方法で、この洗浄水から除去されなければならない。
US4224249は、水で不完全にのみ洗浄され、残余の酸(硫酸として6000ppm、又は硝酸として7700ppm以下)を含むDNTを、ラネーニッケル(Raney nickel)を使用して水素化し、ジアミノトルエン(TDA)を形成する方法を開示する。しかしながら、実施例としては、約800ppmのニトロクレゾールの存在下で洗浄されたDNTにおいて、約6000ppmの残存酸性下では、ほんの短時間の経過後、触媒の活性がゼロに減少している。さらに、粗DNT中に最初に存在した「ニトロフェノール」の約1/3が洗浄において洗浄水へ行き、より詳細には記載されていないが、これは洗浄水が下水管工へ排出される前に、上記従来技術に従って複雑な方法で、除去されなければならない。
US 6 288 289 EP 1 816 117 US4 482769 US4597875 US6288289 EP0736514 EP1780195 EP0279312 EP0736514 EP1780195 US4597875 US4482769 DE1221994 DE1222904 US4925565 US3742072 US6506948 IT912500 CS206757 EP1493730 EP1496043 EP0962446 US4604214 US5356539 EP0634365 EP0581229 EP0005203 EP0953546 EP1132347 US2976320 US4482769 CA1034603 US4224249
F. Meissner et. al. in Industrial and Engineering Chemistry 46巻、721(1954) Ullmanns Enzyklopadie der technischen Chemie、第4版、17巻、385−386頁 H. Hermann et.al. in ACS−Symposium Series 632、238 (1996)241頁;L.F. Albright, R.V.C Carr, R.J.Schmitt編 A.B. Quakenbush et.al.,The Olin Dinitrotoluene(DNT)Process,Polyurethane World Congr.Proc.1993,Publish.:Technomic Lancaster,485頁 Chimia 21,356〜360頁 (1967)
本発明の目的は、トルエンのニトロ化において硝化酸が分離された後に得られる粗混合物を含むジニトロトルエンを洗浄する方法であって、この洗浄からの廃水が、直接、且つニトロクレゾール及びニトロ安息香酸を分離する、又は破壊する複雑な中間処理なしで、水処理プラントの生物学的処理段階へ排出されるようにする方法を提供することである。生物学的段階において処理される廃水は、たとえば、ドイツ連邦共和国(FRG)の廃水排出規制の規定等の、全ての関連の法律を遵守して、下水管口へ導入され得るべきである。特に、本発明の目的は、DNT含有粗混合物を洗浄する方法であって、そのDNT含有粗混合物中に存在するニトロ安息香酸(モノニトロ安息香酸及びジニトロ安息香酸)が洗浄からの廃水に移行しない方法を提供することである。また、本発明の目的は、DNT含有粗混合物中の硝酸及び硫酸を最小化し、且つ同時に硫酸塩及び硝酸塩による廃水の汚染を最小化する、この種の方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、洗浄後に、ニトロ化のDNT段階での酸化的分解から生じ、水素によるDNTの触媒的酸化を妨げる可能性のある、シアン化水素酸(HCN)、亜酸化窒素(NO)、窒素酸化物(NO)及び一酸化炭素(CO)等の既知の分解生成物及び潜在的な触媒毒が、最小化された「工業グレード(technical grade)のDNT」が得られる、この種の方法を提供することである。
本発明の目的は、トルエンのニトロ化において硝化酸が分離された後に得られる、ジニトロトルエン、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む粗混合物を洗浄する方法であって、2工程の洗浄工程(WS−I)及び(WS−II)を含み、
i)第1洗浄工程(WS−I)において、前記粗混合物を、少なくとも1段階の抽出段階を含む洗浄で、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む洗浄酸Iを用いて抽出し、第1洗浄工程(WS−I)の第1抽出段階(WS−I−1)から排出される前記洗浄酸が20〜40質量%の総酸含有量を有し、且つ予備洗浄されたジニトロトルエン含有粗混合物を得て、
ii)第2洗浄工程(WS−II)において、ジニトロトルエンを含む前記予備洗浄された粗混合物を、少なくとも1段階の抽出段階を含む洗浄で、洗浄酸IIを用いて抽出し、第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される前記洗浄酸が4以下のpHを有し、且つ本質的に硝酸、硫酸及び窒素酸化物が含まれていないジニトロトルエンを含む混合物を得る
ことを特徴とする方法によって達成される。
粗混合物は、さらに微量のシアン化水素酸、亜酸化窒素及び一酸化炭素を含んでいても良い。
驚くべきことに、本発明に従う、第1洗浄工程(WS−I)及び第2洗浄工程(WS−II)を含む酸洗浄は、第2洗浄工程において、ニトロクレゾール(ジニトロクレゾール及びトリニトロクレゾール)、ニトロ安息香酸(モノニトロ安息香酸及びジニトロ安息香酸)、並びにジニトロクレゾールの酸化的分解生成物を分離するための中間処理なしで、水処理プラントの生物学的処理段階へ導入され得る廃水を生じることが見出された。生物学的処理段階から出た後に得られた廃水は、直接に、且つ関連する廃水規制、たとえば、ドイツ連邦共和国の規制に規定された制限値を遵守して、下水管口へ排出され得る。特に、pH値が、第2洗浄工程の第1抽出段階において、忠実に守られる場合、実質的にニトロ安息香酸の全量が、DNT含有有機相中に残存し、廃水へ行かないことは驚くべきことであった。
同時に、廃水から除去するのが極めて困難な、廃水の硫酸塩による、及び特に硝酸塩による汚染が、たとえば、US2976320、US4482769及びCA1034603に記載されたような従来技術と比較して、有意に低減される。
本発明の方法は、環境汚染の総合的な削減及び回避におけるEU指令(IRE−D)という意味でBREFs(BAT参照文献)に記載されたような利用可能な最善の技術(BAT)の更なる発展を示す。本発明の方法は、DNTプラントからの廃水の総量を有意に低減させるだけでなく、廃水からニトロクレゾール、ニトロ安息香酸及びその他の分解生成物の除去又は部分的除去のための、包括的且つ技術的に複雑な手段の手間を省くことができる。
図1は、本発明の好ましい実施形態に従い、本発の方法による粗DNTの洗浄を図式的に示す。 図2は、本発明に従う、トルエンをニトロ化してDNTを形成するための製造プラントで、本発明の好ましい実施形態に従い、2工程において、それに続く粗DNTの本発明による洗浄を伴うプラントを図式的に示す。
本発明の方法の第1洗浄工程(WS−1)において、DNT含有粗混合物に溶解した硫酸及び硝酸等の鉱酸、並びに窒素酸化物が、抽出剤として洗浄酸を用いる少なくとも1段階の抽出において分離される。
第1洗浄工程は、好ましくは少なくとも2段階で、且つ向流で実施される。少なくとも2段階の向流抽出は、原理上は、EP0279312、EP0736514又はEP1780195に記載されたように実施され得る。
向流において、第1洗浄工程は、一般に以下のように実施される:
I)第1洗浄工程(WS−I)の第1抽出段階(WS−I−1)において、ジニトロトルエン、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む前記粗混合物を、この第1抽出段階に属する第1相分離装置(S−I−1)から循環された洗浄酸(WA−I−1)と、次の抽出段階(WS−I−2)からの過剰な洗浄酸(WA−I−2)とともに、第1混合器(M−I−1)へ供給し、前記混合器中に形成された洗浄エマルションを、第1相分離装置(S−I−1)において、前記洗浄酸(WA−I−1)及び1回洗浄された粗混合物(DNT−I−1)に分離し、且つ
II)前記1回洗浄された粗混合物(DNT−I−1)を、第1洗浄工程(WS−I)の次の抽出段階(WS−I−2)において、この抽出段階に属する第2相分離装置(S−I−2)から循環された洗浄酸(WA−I−2)と、第1洗浄工程(WS−I)が2段階を超える抽出段階を含む場合は、次の抽出段階(WS−I−3)からの過剰な洗浄酸(WA−I−3)とともに、又は第1洗浄工程が正確に2段階の抽出段階を含む場合は、新鮮な水若しくは洗浄酸とともに、この抽出段階に属する第2混合器(M−I−2)へ供給し、この際、第1洗浄工程が、2段階を超える抽出段階を含む場合は、前記工程I)及びII)に相当する更なる抽出工程が続いて行なわれ得る。
向流抽出は、n段階までの抽出段階を有することができる。ここで、抽出剤は、第1洗浄工程(WS−I)の最後のn段階の抽出段階(WS−I−n)へ供給される。この最後の抽出段階へ供給される導入抽出剤は、新鮮な水又は特定の総酸含有量を有する洗浄酸であり得る。本発明のある実施形態において、導入抽出剤は水である。更なる実施形態において、導入抽出剤は0.2〜1.5質量%の範囲の総酸含有量を有する洗浄酸である。たとえば、この洗浄酸は、第1洗浄工程(WS−I)の第1抽出工程(WS−I−1)において得られた洗浄酸の濃縮からの蒸気凝縮液であり得る。これは、一般に、1質量%以下の硝酸及び0.3質量%以下の硫酸を含む。
第1洗浄工程における第1抽出段階で得られる洗浄酸は、一般に20〜40質量%の総酸含有量を有する。この総酸含有量は、硝酸、乳酸及び窒素酸化物の合計であり、窒素酸化物は亜硝酸;HNOとして計算される。
第一洗浄工程における第1抽出段階で得られる洗浄酸は直接又は濃縮された後、トルエンのニトロ化へ再循環され得る。それはまた、トルエンニトロ化(モノニトロトルエン(MNT)段階)の第一段階からの最終酸の濃縮へ導入され得る。この第1洗浄工程(WS−I)において、第2洗浄工程において得られた廃水の硫酸塩及び硝酸塩による負荷は本質的に最小である。硝酸塩は廃水から複雑な脱窒段階によってのみ除去され得る。
第1洗浄工程の後煮えられた予備洗浄されたDNT含有粗混合物は、一般に、300ppm以下、好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下の硫酸塩含有量、及び5000ppm以下、好ましくは3000ppm以下、特に好ましくは1000ppm以下の硝酸及び窒素酸化物含有量を有する。
第2洗浄工程(WS−II)において、硝酸、窒素酸化物及び硫酸の残りの残留分が予備洗浄されたDNT含有粗混合物から、ほんの低含有量の総酸(本質的に硝酸、窒素酸化物及び硫酸)を有する洗浄酸を用いる少なくとも1段階の抽出によって、DNT含有粗混合物中の鉱酸及び窒素酸化物の含有量が最小限に低減されるように、洗い出される。
第2洗浄工程は、好ましくは少なくとも2段階で、且つ向流で実施される。
向流抽出は、m段階までの抽出段階を有することができる。ここで、抽出剤は、第2洗浄工程(WS−II)の最後のm段階の抽出段階(WS−II−m)へ供給される。導入抽出剤は、一般に新鮮な水である。
向流において、第2洗浄工程は、一般に以下のように実施される:
I)第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)において、ジニトロトルエンを含む前記予備洗浄された粗混合物を、この抽出段階に属する第1相分離装置(S−II−1)から循環された洗浄酸(WA−II−1)と、次の抽出段階(WS−II−2)からの過剰な洗浄酸(WA−II−2)とともに、この抽出段階に属する第1混合器(M−II−1)へ供給し、前記第1混合器中に形成された洗浄エマルションを、第1相分離装置(S−II−1)において、前記洗浄酸(WA−II−1)及び1回洗浄された粗混合物(DNT−II−1)に分離し、且つ
II)前記1回洗浄された粗混合物(DNT−II−1)を、第2洗浄工程(WS−II)の次の抽出段階(WS−II−2)において、この第2抽出段階に属する第2相分離装置(S−II−2)から循環された洗浄酸(WA−II−2)と、第2洗浄工程(WS−II)が2段階を超える抽出段階を含む場合は、次の抽出段階(WS−I−3)からの過剰な洗浄酸(WA−I−3)とともに、または前記洗浄工程が正確に2段階の抽出段階を含む場合は、新鮮な水とともに、この抽出段階に属する第2混合器(M−II−2)へ供給し、この際、第2洗浄工程が、2段階を超える抽出段階を含む場合は、前記工程I)及びII)に相当する更なる抽出工程が続いて行われ得る。ここで、第2洗浄工程は、本質的に、ニトロクレゾール及びニトロフェノールの総量、及び好ましくは粗混合物中に最初に存在したニトロ安息香酸の95質量%以下が粗混合物中に残存し、洗浄酸によって排出されないように実施される。これは、本発明に従い、第2洗浄工程の第2抽出段階(WS−II−1)から排出される洗浄酸が、4以下のpHを有することによって達成される。廃水として排出されたpH4以下の低濃度洗浄酸において、ニトロクレゾール及びニトロフェノールの総含有量は、一般に5ppm未満であり、ニトロ安息香酸の含有量は、一般に50ppm未満である。今や洗浄されたDNTのみを飽和限界までの溶解形態で含む、この廃水は、今まで慣習となっており、ニトロクレゾール及びニトロ安息香酸並びに毒性の酸化的分解生成物を除去するために予必要な前処理なしで、直接、又は溶解したDNTの回収後に、水処理プラントへ供給され得る。
2工程の洗浄工程(WS−I)及び(WS−II)のそれぞれにおいて、洗浄は、好ましくは、向流で、少なくとも2工程で実施される。一実施形態において、第1洗浄工程(WS−I)は2〜4段階の抽出段階を含む(n=2〜4)。更なる実施形態において、第2洗浄工程(WS−II)は、2〜4段階の抽出段階を含む(m=2〜4)。たとえば、洗浄工程ごとに、5又は6段階等の、より多くの抽出段階を備えることも可能である。一実施形態において、それぞれの洗浄工程は、正確に2段階の抽出段階からなる。
それぞれの洗浄工程の最後の抽出段階に加えられる抽出剤又は新鮮な水の量は、それぞれの洗浄工程(WS−I)又は(WS−II)の第1抽出段階において望まれている総酸含有量(WS−I)又はpH(WS−II)によって決まる。
それぞれの洗浄装置中で互いに直接接触しているDNT含有粗混合物(有機相)の、洗浄酸(水相)に対する体積比は、双方の洗浄工程において、一般に1:4〜10:1の範囲、好ましくは1:3〜5:1の範囲、特に好ましくは1:3〜2:1の範囲で選択される。上記の相比及び分散期間中のエネルギー投入に応じて、混合物は水中油型エマルション(O/Wエマルション)として、又は油中水型エマルション(W/Oエマルション)として存在し得る。これらの相比は、最後の抽出段階への抽出剤の適切な量の導入によって設定できるが、好ましくは、規定量の抽出剤で、過剰分(最後の抽出段階中に新たに導入される抽出剤の量に相当する)のみが、先の抽出段階へ導入されるか、又は先の抽出段階から排出されることによる相分離後の洗浄酸の循環によって設定できる。
第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から取り出される洗浄酸のpHは、一般に0〜3の範囲、好ましくは0.5〜2の範囲、特に好ましくは0.8〜1.2の範囲である。第2洗浄工程の第1抽出段階において求められる最適pHは、第1洗浄工程に由来する予備洗浄された粗混合物中の硝酸の残りの含有量を介して、及び/又は第2洗浄工程の最後の抽出段階へ導入される新鮮な水の量を介して設定できる。別の方法として、求められるpHは、たとえば第1洗浄工程からの洗浄酸等の鉱酸の添加、又は硫酸、又は好ましくは硝酸の添加によっても設定できる。
DNTの第2洗浄工程の最後の抽出段階へ導入される新鮮な水に対する比は、体積を基準として、DNTのt当たり1.5m〜0.05mの新鮮な水に相当する、1:2〜15:1の範囲、好ましくはDNTのt当たり0.75m〜0.107m3の新鮮な水に相当する、1:1〜7:1の範囲、特に好ましくはDNTのt当たり0.75m〜0.38mの新鮮な水に相当する、1:1〜2:1の範囲で変化され得る。双方の洗浄工程は、DNTの融点を超える温度で、一般に60〜75℃で実施される。
双方の洗浄工程のための洗浄装置として、たとえば、ミキサー・セトラー(mixer-settler)装置、又は撹拌型多段(stirred multistage)、又はパルス式充填カラム(pulsed packed columns)、又はシーブトレイカラム(sieve tray columns)及び適切な分離装置と組み合わせてスタティックミキサーも使用することができる。静的な分離機及び動的な分離機(遠心分離機)のどちらも、洗浄されるDNT含有粗混合物及び洗浄酸からなる洗浄分散系の分離に適切である。
第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される、4以下のpH、好ましくは0〜3のpH、さらに好ましくは0.5〜2のpH、特に0.8〜1.2のpHを有する洗浄酸は、一般に、100ppm以下の硫酸塩の含有量、2000ppm以下の硝酸の含有量及び50ppm以下のHNOの含有量を有する。さらに、それは、所定の温度での飽和限界に相当する量、例えば800〜1000ppmの異性体ジニトロトルエンを含む。ニトロクレゾール及びニトロフェノールの含有量は、一般に1ppm未満であり、ニトロ安息香酸の含有量は、一般に50ppm未満である。
この廃水のTOC(全有機体炭素)は、炭酸ナトリウムを使用するアルカリ性DNT洗浄からの廃水中の3000mg/lと比較して、たとえば約1100mg/lのみである。この廃水のCOD(化学的酸素要求量)は、炭酸ナトリウムを使用するアルカリ性DNT洗浄からの廃水中の6000mgO/lと比較して、たとえば約3000mgO/lのみである。この廃水は、直接、又はトルエンを用いる抽出による溶解したDNTの回収後に、熱分解又は酸化剤による処理のような前処理なしで、水処理プラントの生物学的処理段階へ移行することができ、その後は、一般的に、DIN EN ISO 38415 T6(魚)、11348−2(発光細菌)、38412 L30(ミジンコ属)、38412 L33(藻類)及びDIN EN ISO 9888( Umuテスト、遺伝毒性)に従って測定された、遺伝毒性を含む毒性に関するドイツ連邦共和国の排水規制の全ての要求を満たす。
一般に、第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される洗浄酸は、中和され、且つ任意に、その中に溶解したジニトロトルエンの抽出による除去及び抽出剤の除去の後、更なる前処理なしで、水処理プラントの生物学的処理段階へ供給され得る。
一般に300ppm(硫酸として測定して)以下の残存酸及び2〜4のpHを有し、800ppm以下のニトロクレゾール及びニトロフェノール、600ppm以下のニトロ安息香酸(ジニトロ安息香酸及びモノニトロ安息香酸)を含み、且つ一般に300ppm以下、好ましくは200ppm以下、特に好ましくは100ppm以下の硝酸(NO、硝酸として測定した)、50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1ppm以下のシアン化水素酸、200ppm以下、好ましくは50ppm以下、特に好ましくは25ppm以下の亜酸化窒素、400ppm以下、好ましくは200ppm以下、特に好ましくは50ppm以下のCO、及び3ppm以下の硫酸塩の残存含有量を有するDNTが、第2洗浄工程の最後の抽出段階から取り出される。このDNT、並びにその中に溶解したニトロクレゾール、ニトロフェノール、ニトロ安息香酸、並びに微量のNO、シアン化水素酸、亜酸化窒素及びCOは、従来技術に相当する方法において、問題なく、完全に水素化され得、トルエンジアミン(TDA)、並びに対応するアミノクレゾール、アミノフェノール及びアミノ安息香酸(ジアミノ安息香酸、モノアミノ安息香酸)を形成する。アミノクレゾール、アミノフェノール及びアミノ安息香酸はTDA蒸留における蒸留残留物に残り、これとともに処分される。
更なる有利な点は、本発明に従い、酸洗浄を受けたDNTのより高い熱安定性である。したがって、熱分解が始まる温度が、酸洗浄のみを受け、たとえば620ppmのニトロフェノール及びニトロクレゾール、並びに460ppmのニトロ安息香酸を含むDNTの場合、従来技術に従い、炭酸ナトリウムの存在下で洗浄され、たとえば、20ppm未満のニトロフェノール及びニトロクレゾールを含むDNTと比較して、約20℃まで増加される。
図1は、本発明の好ましい実施形態に従い、本発の方法による粗DNTの洗浄を図式的に示す。
ニトロ化からの粗DNT(C−DNT)が、DNT最終酸の除去後、洗浄工程I(WS−I)において、次の抽出段階(WS−I−2)からの過剰な洗浄酸(WA−I−2)とともに相分離装置(S−I−1)から循環された洗浄酸(WA−I−1)とともに、洗浄酸のDNTに対する規定の相比が確立されるように、第1抽出段階(WS−I−1)(n=1)の混合器(M−I−1)へ供給される。その抽出段階に属する相分離装置(S−I−1)における洗浄エマルションの相分離の後、分離された洗浄酸(WA−I−1)はこの段階に属する混合器(M−I−1)へ再循環される。過剰な洗浄酸(WA−I−1)は直接、又は濃縮後、ニトロ化へ再循環される。
分離機(S−I−1)で分離された1回洗浄DNT(DNT−I−1)は、次の抽出段階(WS−I−3)からの過剰な洗浄酸(WA−I−3)とともに相分離装置(S−I−2)から循環された洗浄酸(WA−I−2)とともに、洗浄酸のDNTに対する規定の相比が確立されるように、次の抽出段階(WS−I−2)(n=2)の混合器(M−I−2)へ供給される。この抽出段階に属する相分離装置(S−I−2)における洗浄エマルションの相分離の後、分離された洗浄酸(WA−I−2)はこの段階に属する混合器(M−I−2)へ再循環される。過剰な洗浄酸(WA−I−2)は先の抽出段階(WS−I−1)へ供給される。相分離装置(S−I−2)から分離された2回洗浄DNT(DNT−I−2)は、第3洗浄のための次の抽出段階(WS−I−3)(n=3)へ移送される。抽出段階の数は、好ましくは4(n=4)以下であり得る。新鮮な水又は好ましくは洗浄段階(WS−I−1)からの洗浄酸の濃縮からの蒸気凝縮液が、洗浄溶媒(W−I−1)として、(S−I−1)から分離された洗浄酸が20〜40%の総酸含有量を有するような量で、最後の抽出段階(WS−I−4)へ供給される。
洗浄工程(WS−I)からの予備洗浄されたDNT(DNT−I−n)は、洗浄工程(WS−II)において、次の抽出段階(WS−II−2)からの過剰な洗浄酸(WA−II−2)とともに相分離装置(S−II−1)から循環された洗浄酸(WA−II−1)とともに、洗浄酸のDNTに対する規定の相比が確立されるように、第1抽出段階(WS−II−1)(m=1)の混合器(M−II−1)へ供給される。その抽出段階に属する相分離装置(S−II−1)における洗浄エマルションの相分離の後、分離された洗浄酸(WA−II−1)はこの段階に属する混合器(M−II−1)へ再循環される。過剰な洗浄酸(WA−II−1)は直接、又はそれに溶解した生成物(DNT)の回収後、最終の生物学的後処理へ供給される。
相分離装置(S−II−1)で分離された1回洗浄DNT(DNT−II−1)は、相分離装置(S−II−2)から循環された洗浄酸(WA−II−2)、及び次の洗浄段階(WS−II−3)からの過剰な洗浄酸(WA−II−3)とともに、洗浄酸のDNTに対する規定の相比が確立されるように、次の抽出段階(WS−II−2)(m=2)の混合器(M−II−2)へ供給される。この抽出段階に属する相分離装置(S−II−2)における洗浄エマルションの相分離の後、分離された洗浄酸(WA−II−2)はこの段階に属する混合器(M−II−2)へ再循環される。過剰な洗浄酸(WA−II−2)は先の抽出段階(WS−II−1)へ供給される。相分離装置(S−II−2)から分離された2回洗浄DNT(DNT−II−2)は、第3洗浄のための次の抽出段階(WS−II−3)(m=3)へ移送される。抽出段階の数は、好ましくは4(m=4)以下であり得る。新鮮な水が、洗浄溶媒(W−II−1)として、(S−II−1)から分離された洗浄酸が、好ましくは0〜3のpHを有するような量で、最後の抽出段階(WS−II−4)へ供給される。第1洗浄段階(WS−II−1)におけるpHは、追加的に硝酸又は洗浄酸(WA−I−1)の添加によって、最適な操作値へ再調整されても良い。
図2は、本発明に従う、トルエンをニトロ化してDNTを形成するための製造プラントで、本発明の好ましい実施形態に従い、2工程において、それに続く粗DNTの本発明による洗浄を伴うプラントを図式的に示す。
ニトロ化ユニット(N)において、硫酸及び硝酸の混合物を用いて向流でトルエンの2段階連続等温又は断熱ニトロ化によって形成されたジニトロトルエン異性体混合物は、相分離装置(分離機(S))においてニトロ化エマルションの分離の後、2工程の洗浄工程(WS−I)及び(WS−II)を有する本発明に従う洗浄へ供給される。洗浄工程(WS−I)において、粗DNT中に溶解した鉱酸の硫酸、硝酸、及び窒素酸化物が洗浄される。この洗浄工程における第1洗浄段階(WS−I−1)から分離され、20〜40質量%の総酸含有量を有する洗浄酸(WA−I−1)は、直接ニトロ化ユニット(N)へ、又は(NA−2)として更なる濃縮後、ニトロ化へ再循環される。洗浄酸(WA−I−1)及び/又は最終硝化酸の濃縮からの蒸気凝縮液は、洗浄水(W−1)として、洗浄工程(WS−I)へ再循環される。
第2洗浄工程(WS−II)において、(WS−I)からの予備洗浄されたDNTに未だ残存する鉱酸の残りは、好ましくは0〜3のpHを有する洗浄酸(WA−II−1)が生じるように、洗浄される。分離された洗浄酸の量を補うため、新鮮な水が(WS−II)へ添加される。洗浄工程(WS−II)からの、この洗浄酸は、6〜8のpHに至り、直接又はそれに溶解したDNTの回収後に水処理プラント(WTP)における生物学的後処理を受ける。
分離ユニット(S)に得られた最終硝化酸は、硫酸用濃縮プラント(SAC)において、再濃縮され硫酸(96%以下)を得て、ニトロ化へ再循環される。ニトロ化及び洗浄からの窒素酸化物を含む収集されたオフガスから、オフガス処理において回収された硝酸(NA−1)は、洗浄工程(WS−I)からの洗浄酸(WA−I−1)とともに、又は濃縮後、(NA−2)としてニトロ化へ再循環される。
本発明は、以下の実施例によって説明される。
[実施例1(従来技術)]
0.94質量%の硫酸、1.43質量%の硝酸及び1.15質量%の窒素酸化物の残存含有量を有するDNT4500kg/hを、最終硝化酸の除去後に、酸洗浄(洗浄工程I)における2段階の向流で洗浄した。第1抽出段階において、洗浄を、7.58質量%の硫酸、19.52質量%の硝酸及び約0.45質量%の窒素酸化物(HNOとして)を含む洗浄酸を用いて、1:1のDNTの洗浄酸に対する相比で実施した。第1洗浄工程の第2抽出段階において、洗浄を、最大0.5質量%の硫酸、約6質量%の硝酸及び約0.15質量%の窒素酸化物を含む洗浄酸を用いて、同様に1:1の相比で実施した。最後の抽出段階へ供給する、追加する水又は洗浄酸の更なる濃縮からの凝縮液(本実施例では約450l/h)の量は、酸洗浄の第1抽出段階において洗浄される粗DNTと接触する洗浄酸の濃度が、定めた酸強度及び濃度を超えないように選択する。所定の相比を維持するため、それぞれの抽出段階の分離機(相分離装置)において分離された洗浄酸を、循環し、過剰分のみを先の洗浄段階へ移送又は排出した。
酸洗浄から排出された27.5540質量%の総酸含有量を有する洗浄酸を、更なる濃縮の後、ニトロ化へ再循環した。
実質的に鉱酸が含まれていない、酸洗浄からのDNTを、アルカリ性洗浄において、予備洗浄されたDNTに未だ溶解又は同伴した洗浄酸の残留分並びにニトロフェノール及びニトロクレゾールを除去した。
洗浄工程I(酸洗浄)からの、100ppm以下の硫酸及び3000ppm以下の硝酸/窒素酸化物の残存含有量を有する約4350kgの予備洗浄されたDNTを、アルカリ性洗浄工程(アルカリ洗浄)における塩基(炭酸ナトリウム)の存在下の第一段階において、相比1:1で、9〜10のpHを確立して洗浄した。アルカリ洗浄からの洗浄エマルションの相分離の後、分離されたDNTを、アルカリ洗浄からの同伴する微量物を除去するため、単段階の中性洗浄において、新鮮な水の添加により、同様に1:1の相比で洗浄した。相分離後、中性洗浄において分離された洗浄水を。洗浄水として、アルカリ洗浄へ供給した。2工程の洗浄工程(アルカリ洗浄及び中性洗浄)において所定の相比を維持するため、それぞれの洗浄段階の分離機において分離された洗浄水を、循環し、過剰分のみを中性洗浄からアルカリ洗浄へ移送、又はアルカリ洗浄から排出した。
アルカリ洗浄から排出された、9〜10のpH、40ppmの硫酸塩、580ppmの硝酸塩、2500ppmの亜硝酸塩、990ppmのDNT及び740ppmのニトロクレゾールの含有量を有したアルカリ洗浄液を、ニトロフェノール及びニトロクレゾール並びに更なるニトロ化合物、並びに溶解したDNTを分解するため、直接290℃及び9MPa(90bar)での加熱分解へ供給した。ニトロフェノール及びニトロクレゾール並びに溶解したDNTが破壊された、加熱分解から流出する水は、下水管口へ排出する前に、水処理プラントの生物学的後処理を受けさせた。
[実施例2(本発明に従う)]
0.94質量%の硫酸、1.43質量%の硝酸及び1.15質量%の窒素酸化物の残存含有量を有するDNT4500kg/hを、最終硝化酸の除去後に、洗浄工程I(WS−I)における2段階の向流で洗浄した。第1抽出段階(WS−I−1)において、洗浄を、7.58質量%の硫酸、19.52質量%の硝酸及び約0.45質量%の窒素酸化物(HNOとして)を含む洗浄酸を用いて、1:1のDNTの洗浄酸に対する相比で実施した。第1洗浄工程の第2抽出段階(WS−I−2)において、洗浄を、最大0.5質量%の硫酸、約6質量%の硝酸及び約0.15質量%の窒素酸化物を含む洗浄酸を用いて、同様に1:1の相比で実施した。最後の抽出段階へ供給する、追加する水又は洗浄酸の更なる濃縮からの凝縮液(本実施例では約450l/h)の量は、第1抽出段階(WS−I−1)において洗浄される粗DNTと接触する洗浄酸の濃度が、定めた酸強度及び濃度を超えないように選択する。所定の相比を維持するため、それぞれの抽出段階の分離機(相分離装置)において分離された洗浄酸を、循環し、過剰分のみを先の洗浄段階へ移送又は排出した。
洗浄工程(WS−I)から排出された27.55質量%の総酸含有量を有する洗浄酸を、更なる濃縮の後、ニトロ化へ再循環した。
洗浄工程I(WS−I)において、実質的に完全に鉱酸が除去された、予備洗浄されたDNTを、洗浄工程II(WS−II)において、DNTに未だ溶解又は同伴した洗浄工程I(WS−I)の洗浄酸の残留分を除去した。
洗浄工程I(WS−I)からの、100ppm以下の硫酸及び2000ppm以下の硝酸/窒素酸化物の残存含有量を有する約4350kgの予備洗浄されたDNTを、2段階の向流で洗浄した。洗浄工程II(WS−II)の第1抽出段階において、洗浄を、0〜3のpH、特に好ましくは0.8〜1.2のpHを有する洗浄酸を用いて、1:2のDNT:洗浄酸の相比で実施した。洗浄工程II(WS−II)の第2抽出段階において、洗浄を、ほんの微量の鉱酸、特に硝酸を含む洗浄酸を用いて、同様に1:2の相比で実施した。最後の抽出段階(WS−II−n)(n=2)へ供給する、追加する新鮮な水の量(本実施例では2000l/h)は、洗浄工程I(WS−I)からのDNTが抽出される第1抽出段階(WS−II−1)におけるpHが、定めた0.8〜1.2の範囲の最適値で維持されるように選択した。抽出段階において所定の相比を維持するため、それぞれの洗浄段階の分離機において分離された洗浄酸を、循環し、過剰分のみを先の段階へ移送又は排出した。
洗浄工程II(WS−II)における第1抽出段階(WS−II−1)から排出された、1.0のpH、85ppmの硫酸、1800ppmの硝酸、40ppmの窒素酸化物、980ppmのDNT及び1ppm未満トリニトロクレゾール及び10ppm未満のニトロ安息香酸の含有量を有した洗浄酸を、直接生物学的処理へ供給した。この生物学的処理後に得られた廃水は、ドイツ連邦共和国の排水規制に規定された毒性に関する全ての要求を満たしていた。

Claims (15)

  1. トルエンのニトロ化において硝化酸が分離された後に得られる、ジニトロトルエン、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む粗混合物を洗浄する方法であって、2工程の洗浄工程(WS−I)及び(WS−II)を含み、
    i)第1洗浄工程(WS−I)において、前記粗混合物を、少なくとも1段階の抽出段階を含む洗浄で、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む洗浄酸Iを用いて抽出し、第1洗浄工程(WS−I)の第1抽出段階(WS−I−1)から排出される前記洗浄酸が20〜40質量%の総酸含有量を有し、且つ予備洗浄された粗混合物を得て、
    ii)第2洗浄工程(WS−II)において、ジニトロトルエンを含む前記予備洗浄された粗混合物を、少なくとも1段階の抽出段階を含む洗浄で、洗浄酸IIを用いて抽出し、第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される前記洗浄酸が4以下のpHを有し、且つ本質的に硝酸、硫酸及び窒素酸化物が含まれていないジニトロトルエンを含む混合物を得る
    ことを特徴とする方法。
  2. 第1洗浄工程(WS−I)が、2〜4段階の抽出段階を含み、向流で実施される請求項1に記載の方法。
  3. 第2洗浄工程(WS−II)が、2〜4段階の抽出段階を含み、向流で実施される請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される前記洗浄酸が0〜3のpHを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される前記洗浄酸が0.5〜2のpHを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 第1洗浄工程(WS−I)の最後の抽出段階(WS−I−n)へ、水又は0.2〜1.5質量%の総酸含有量を有する洗浄酸を供給する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 第2洗浄工程(WS−II)の最後の抽出段階(WS−II−n)へ、水を供給する請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. I)第1洗浄工程(WS−I)の第1抽出段階(WS−I−1)において、ジニトロトルエン、硝酸、窒素酸化物及び硫酸を含む前記粗混合物を、この第1抽出段階に属する第1相分離装置(S−I−1)から循環された洗浄酸(WA−I−1)と、次の抽出段階(WS−I−2)からの過剰な洗浄酸(WA−I−2)とともに、第1混合器(M−I−1)へ供給し、前記混合器中に形成された洗浄エマルションを、第1相分離装置(S−I−1)において、前記洗浄酸(WA−I−1)及び1回洗浄された粗混合物(DNT−I−1)に分離し、且つ
    II)前記1回洗浄された粗混合物(DNT−I−1)を、第1洗浄工程(WS−I)の次の抽出段階(WS−I−2)において、この抽出段階に属する第2相分離装置(S−I−2)から循環された洗浄酸(WA−I−2)と、第1洗浄工程(WS−I)が2段階を超える抽出段階を含む場合は、次の抽出段階(WS−I−3)からの過剰な洗浄酸(WA−I−3)とともに、又は第1洗浄工程が正確に2段階の抽出段階を含む場合は、新鮮な水若しくは洗浄酸とともに、この抽出段階に属する第2混合器(M−I−2)へ供給する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. I)第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)において、ジニトロトルエンを含む前記予備洗浄された粗混合物を、この抽出段階に属する第1相分離装置(S−II−1)から循環された洗浄酸(WA−II−1)及び次の抽出段階(WS−II−2)からの過剰な洗浄酸(WA−II−2)とともに、この抽出段階に属する第1混合器(M−II−1)へ供給し、前記第1混合器中に形成された洗浄エマルションを、第1相分離装置(S−II−1)において、前記洗浄酸(WA−II−1)及び1回洗浄された粗混合物(DNT−II−1)に分離し、且つ
    II)前記1回洗浄された粗混合物(DNT−II−1)を、第2洗浄工程(WS−II)の次の抽出段階(WS−II−2)において、この第2抽出段階に属する第2相分離装置(S−II−2)から循環された洗浄酸(WA−II−2)と、第2洗浄工程(WS−II)が2段階を超える抽出段階を含む場合は、次の抽出段階(WS−I−3)からの過剰な洗浄酸(WA−I−3)とともに、または前記洗浄工程が正確に2段階の抽出段階を含む場合は、新鮮な水とともに、この抽出段階に属する第2混合器(M−II−2)へ供給する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 洗浄工程(WS−I)及び(WS−II)の前記抽出段階において、ジニトロトルエン含有粗混合物の洗浄酸に対する体積比が、1:4〜10:1である請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 第2洗浄工程(WS−II)の最後の抽出段階(WS−II−m)において、ジニトロトルエン含有粗混合物の新鮮な水に対する体積比が、1:2〜15:1である請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 合計で800ppm以下のニトロクレゾール及びニトロフェノール、600ppm以下のニトロ安息香酸、300ppm以下の硝酸及び窒素酸化物、並びに3ppm以下の硫酸塩を含むジニトロトルエン含有混合物が、第2洗浄工程(WS−II)の最後の抽出段階(WS−II−n)から取り出される請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される前記洗浄酸が、100ppm以下の硫酸塩の含有量、2000ppm以下の硝酸の含有量及び50ppm以下の窒素酸化物の含有量(HNOとして計算して)を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される前記洗浄酸が、5ppm未満のニトロクレゾール及びニトロフェノール合計の含有量、並びに50ppm未満のニトロ安息香酸の含有量を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 第2洗浄工程(WS−II)の第1抽出段階(WS−II−1)から排出される前記洗浄酸を、中和し、且つ任意に、その中に溶解したジニトロトルエンの抽出による除去、及び抽出剤の除去の後、更なる前処理なしで、水処理プラントの生物学的処理段階へ供給する請求項13又は14に記載の方法。
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