JP2015519061A - YersiniapestisF1−V融合タンパク質を発現するSalmonellaTyphiTy21aおよびその使用 - Google Patents

YersiniapestisF1−V融合タンパク質を発現するSalmonellaTyphiTy21aおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本明細書において、Yersinia pestis F1−V融合タンパク質の発現のためのプラスミド構築物の作製を記載する。開示されたプラスミドにおいて、F1−V融合タンパク質コード配列は大腸菌htrAプロモーターに作動可能に連結され、大腸菌HlyA分泌シグナル配列にインフレームで融合される。また、例えばペストに対する経口ワクチンとして使用するための、F1−V融合タンパク質発現プラスミドを含有するSalmonella enterica血液型亜型Typhi Ty21a株を記載する。

Description

関連出願の引用
本願は、2012年5月23日に出願された米国仮出願第61/650,676号の利益を主張する。米国仮出願第61/650,676号は、その全体が本明細書に参考として援用される。
分野
本開示は、ペストの病原体であるYersinia pestisに対する防御のための免疫原性組成物の開発に関する。この開示はさらに、F1−V融合タンパク質発現構築物を含有するSalmonella Typhi Ty21a株およびこれらの使用法にも関する。
背景
Yersinia pestisは、ペストの病原体である。歴史上、少なくとも3度のペストの世界的大流行が記録されており、これによりほぼ2億人が死亡した。ペストは、通常感染したノミにかまれることによって伝染する人獣共通感染症である。Y.pestisの天然の保有宿主としては、げっ歯類、リスおよびプレーリードッグが挙げられる。Y.pestisの大規模保有宿主は、現在オーストラリアを除く全主要居住大陸に存在する(Sunら、J Infect Dev Ctries 5(9):614−627,2011)。ペストは、アフリカ、中国、インド、南米の一部および米国南西部を含む、世界の多くの地域に特有である(Yangら、J Immunol 178:1059−1067,2007;Learyら、Microb Pathog 23:167−179,1997)。最近の疫学的研究は、世界中で年間およそ4,000人のペストの症例が存在することを示している(Sunら、J Infect Dev Ctries 5(9):614−627,2011)。したがって、ペストは、依然として深刻な公衆衛生上の懸念である。
ペストは、最も一般的に腺ペストとして存在し、これは、熱および痛みを伴う、ノミの咬傷に近いリンパ節の腫脹(「横痃」)の突然の発症により特徴付けられる。抗生物質による迅速な処置が、一般的に有効である(Mortonら、Vaccine 22:2524−2532,2004)。しかし、細菌は、ノミの咬傷の部位から広範囲に播種することができ、時として肺に感染する。肺が感染した場合、ペストは、咳またはくしゃみにより発生するエアロゾルにより伝染し得、原発性肺ペストの突発につながる(Learyら、Microb Pathog 23:167−179,1997)。肺ペストは高度に伝染性であり、一般的に致命的である(Mortonら、Vaccine 22:2524−2532,2004)。ペストは高度に感染性であり、エアロゾル化により広がり得るので、Y.pestisは、潜在的生物兵器とみなされる(Sunら、J Infect Dev Ctries 5(9):614−627,2011;Yangら、J Immunol 178:1059−1067,2007)。
Sunら、J Infect Dev Ctries 5(9):614−627,2011 Yangら、J Immunol 178:1059−1067,2007 Learyら、Microb Pathog 23:167−179,1997 Mortonら、Vaccine 22:2524−2532,2004
本明細書において、Yersinia pestis F1−V融合タンパク質の発現のためのプラスミド構築物の作製を開示する。さらに、例えばペストに対するワクチンとして使用するための、開示のプラスミド構築物を含む、Salmonella enterica血液型亜型Typhi Ty21a株(「Salmonella Typhi Ty21a」または「Ty21a」とも称される)細菌を開示する。
本明細書において、真核生物宿主細胞において活性である誘導性プロモーター、例えば大腸菌(Escherichia coli)htrAプロモーターに配列に作動可能に連結されたYersinia pestis F1−V融合タンパク質コード配列を含む組換え核酸分子を提供する。いくつかの実施形態において、核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド1−1558と少なくとも85%同一の配列を含む。いくつかの実施形態において、核酸分子は、F1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された、分泌シグナルペプチドコード配列、例えば大腸菌HlyA分泌シグナル配列をさらに含む。特定の限定されない例において、核酸分子は配列番号1の配列を含む。
さらに、開示の核酸分子を含むプラスミドおよび開示の核酸分子またはプラスミドを含むSalmonella Typhi Ty21a細菌を提供する。
限定されない一実施形態において、大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたY.pestis F1−V融合タンパク質コード配列およびF1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された大腸菌HlyA分泌シグナルペプチド分泌シグナルペプチドコード配列を含む組換え核酸分子を提供し、該核酸分子の配列は配列番号1を含む。また、核酸分子、複製起点、選択可能なマーカーおよび大腸菌HlyBおよびHlyDタンパク質コード配列を含むプラスミドを提供する。さらに、該プラスミドを含むSalmonella Typhi Ty21aを提供する。
また、F1−V発現プラスミドおよび薬学的に許容され得るキャリアを含有するSalmonella Typhi Ty21aを含む免疫原性組成物を提供する。
本開示により、F1−V発現プラスミドを含有するSalmonella Typhi Ty21aを被験体に投与するか、または本明細書に開示の免疫原性組成物を投与することにより、被験体においてYersinia pestisに対する免疫応答を誘発する方法をさらに提供する。また、本明細書に開示のプラスミドもしくは組換え核酸分子を含有するSalmonella Typhi Ty21aを被験体に投与するか、または本明細書に開示の免疫原性組成物を投与することにより、被験体においてペストを予防する、ペストの発症の危険性を低減させる、またはペストを処置する方法も提供される。
本発明の前述のおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の図を参照して進める、以下の詳細な説明からより明らかになるだろう。
図1は、プラスミドpHtrF1−V−Hly内にクローニングされた、合成F1−V融合DNA挿入物の模式図である。 図2は、プラスミドpHtrF1−V−Hly(9407bp)の略図であり、これは、低コピープラスミドpGB−2内にクローニングされたペストF1−V遺伝子融合構築物からなる。pGB−2の複製起点(ORI)は、選択可能なスペクチノマイシン耐性遺伝子(spcR)に隣接して配置される。合成遺伝子融合挿入物は、F1−V遺伝子に連結されたhtrAプロモーターからなり、F1−V遺伝子は、改変されたリンカー配列によって互いに融合され、HlyA細胞外分泌シグナル(HlyAs)に融合されている。プラスミドはまた、分泌機構タンパク質HlyBおよびHlyDのコード配列も含む。 図3は、SDS−PAGEによるタンパク質抽出液の分析を示す。Salmonella Typhi Ty21aを、pHtrF1−V−hly(Y.pestis F1−V融合タンパク質含有)またはpHtrPAcm−hly(B.anthracis防御抗原(PA)を含有;Osorioら、Infect Immun77(4):1475−1482,2009により記載)のいずれかにより形質転換した。培養物を一晩増殖させ、培養上清(S)および細胞ペレット(P)の両方を回収した。タンパク質抽出液を、SDS−PAGEにより分析し、市販の抗F1または抗Vモノクローナル抗体によりプローブした。pHtrF1−V−hlyにより形質転換されたSalmonella Typhi Ty21aは、F1−V融合タンパク質(58kDa)を産生および分泌する。 図4は、F1−VおよびPA抗原に対する全血清IgG力価を示す、一対のグラフである。10匹の6から8週齢のマウスの群を、腹腔内(i.p.)経路によって、F1−Vまたはあらかじめ構築された炭疽病PAを産生するSalmonella Typhi Ty21aを含有する、3回の隔週用量により免疫した。マウスの第3の群は、F1−Vを産生するTy21aおよびPAを産生するTy21aの1:1混合物が与えられた。対照のマウスは、空のpGB−2ベクターにより形質転換されたTy21aを、3用量与えた。免疫されたマウスは、2〜5×10コロニー形成単位(CFU)/用量が与えられた。第3および最終免疫の1週間後に血清を回収した。全循環F1−VおよびPAに対する特異的なIgG力価を、ELISAにより分析した。 図5は、F1−V抗原に対する全血清IgG力価を示すグラフである。8週齢のマウス(n=5/群/時点)を、F1−Vプラスミドまたは空のpGB−2ベクターにより形質転換されたSalmonella Typhi Ty21aでi.p.経路により、2週ごとに3回免疫した。マウスは、2〜5×10CFU/用量を、0、2および4週目に与えられた。5匹のマウス/処置由来の血清を、0、1、3および5週目に回収した。全循環F1−V特異的IgG力価をELISAにより分析した。 図6A〜6Dは、rF1−Vに対する脾細胞のin vitroのリコール応答を示すグラフである。10匹の6から8週齢のマウスの群が、免疫されないか、または腹腔内(i.p.)経路によって、F1−Vもしくは空のベクターpGB2を産生するTy21aを含有する3回の隔週用量で免疫されるかのいずれかであった。免疫マウスは、2〜5×10CFU/用量を与えられた。脾臓細胞は第3および最終免疫の1週間後に採取され、in vitroでrF1−Vにより72時間刺激された。培養上清を採取し、サイトカインに関して分析した。
配列表
添付の配列表に列挙される核酸配列およびアミノ酸配列は、米国特許施行規則1.822に規定されているように、ヌクレオチド塩基に対する標準的な文字の省略形、およびアミノ酸に対する3文字コードを用いて示される。各核酸配列の片方の鎖だけが示されるが、相補鎖は、表示される鎖に対する任意の参照によって含められると理解される。配列表は、2013年5月9日に作成された13.8KBのASCIIテキストファイルとして提出されており、それは、本明細書中に参考として援用される。添付の配列表において、以下のとおりである:
配列番号1は、プラスミドpHtrF1-V-HlyにクローニングされたF1-V融合DNA挿入物のヌクレオチド配列である。配列番号1は以下のエレメントを含む:
ヌクレオチド1〜112=htrAプロモーター配列
ヌクレオチド113〜562=F1抗原コード配列
ヌクレオチド563〜580=リンカー配列
ヌクレオチド581〜1558=V抗原コード配列
ヌクレオチド1559〜1747=HlyA分泌シグナル配列。
配列番号2は、F1抗原のアミノ酸配列である。
配列番号3は、リンカーペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号4は、V抗原のアミノ酸配列である。
配列番号5は、HlyA分泌シグナルペプチドのアミノ酸配列である。
(詳細な説明)
I.省略形
CFU コロニー形成単位
ELISA 酵素結合免疫吸着測定法
F1 分画1抗原
IFN インターフェロン
IL インターロイキン
i.p. 腹腔内
ORI 複製起点
PA 防御抗原
SDS−PAGE ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
TNF 腫瘍壊死因子
V 毒性抗原
II.用語および方法
別段述べられない限り、専門用語は、慣例的用法に従って使用される。分子生物学における一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin,Genes V,Oxford University Pressによる出版,1994(ISBN0−19−854287−9);Kendrewら(eds.),The Encyclopedia of Molecular Biology,Blackwell Science Ltd.による出版,1994(ISBN0−632−02182−9);およびRobert A.Meyers(ed.),Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,VCH Publishers,Inc.による出版,1995(ISBN1−56081−569−8)に見られ得る。
本開示の様々な実施形態の検討を容易にするために、特定の用語の説明が以下に提供される:
アジュバント:抗原に対する免疫応答を非特異的に強化する物質またはビヒクル。アジュバントは、抗原が吸着される無機物の懸濁液、(ミョウバン、水酸化アルミニウムまたは燐酸アルミニウム);または抗原溶液が鉱油中で乳化された油中水エマルジョン(例えば、不完全フロイントアジュバント)、時として、さらに抗原性を強化するために殺されたマイコバクテリアを含む場合(完全フロイントアジュバント)を含むことができる。免疫賦活性オリゴヌクレオチド(例えば、CpGモチーフを含む免疫賦活性オリゴヌクレオチド)もまた、アジュバントとして使用可能である(例えば、米国特許第6,194,388号;第6,207,646;第6,214,806号;第6,218,371号;第6,239,116号;第6,339,068号;第6,406,705号;および第6,429,199号を参照されたい)。アジュバントは、生体分子、例えば、補助刺激分子もまた含む。例示的生物学的アジュバントとしては、IL−2、RANTES、GM−CSF、TNF−α、IFN−γ、G−CSF、LFA−3、CD72、B7−1、B7−2、OX−40Lおよび41BBLが挙げられる。
投与:組成物を被験体に与える、適用するまたは接触させること。投与は、多数の経路のいずれか、例えば、局所、経口、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、髄腔内および筋肉内などにより達成可能である。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、免疫原性組成物は、経口経路により被験体に投与される。
コード配列:タンパク質またはペプチドをコードする(すなわち、オープンリーディングフレームを含有する)核酸配列。
F1抗原:Yersinia pestis毒性タンパク質。F1抗原はY.pestisに特有の100kbプラスミドによりコードされ、Y.pestis桿菌を包含する莢膜の主要なタンパク質構成要素である。F1抗原は、宿主細胞による食作用を防止すると考えられる。F1抗原はまた、「F1莢膜抗原」とも称される。F1の配列は公知であり、公的に利用可能である(例えば、GenBankデータベースにおいて)。例示的F1抗原のヌクレオチド配列は、配列番号1のヌクレオチド113−562として本明細書では説明され、F1の例示的アミノ酸配列は、配列番号2として提供される。
インフレームで融合(した):同じリーディングフレーム内にあるように接続された2つの核酸配列に対する言及。
融合タンパク質:2つの異なるタンパク質の少なくとも一部をコードする核酸配列に由来する操作された核酸配列の発現により生じるタンパク質。融合タンパク質を作るために、核酸配列は同じリーディングフレーム内(「インフレーム」)になければならず、内部終止コドンは含有しない。
HlyBおよびHlyD:原核生物溶血素分泌タンパク質。本明細書中のいくつかの実施形態において、開示のプラスミドは、大腸菌HlyBおよびHlyDタンパク質をコードする。大腸菌HlyBおよびHlyDをコードする低コピープラスミド(pGB−2)は、米国特許第7,758,855号において既に記載されており、この特許は本明細書に参照により組み込まれる。
免疫応答:免疫系の細胞、例えばB細胞、T細胞、マクロファージまたは多形核細胞(polymorphonucleocyte)の、抗原などの刺激因子に対する応答。免疫応答は、例えば、インターフェロンまたはサイトカインを分泌する上皮細胞を含む、宿主の防御反応に関係する身体の任意の細胞を含み得る。免疫応答は、限定するものではないが、先天性免疫応答または炎症を含む。本明細書において使用する場合、防御免疫応答は、被験体を感染症から防御する(感染症を予防する、または感染症に関連する疾患の発症を予防する)免疫応答を指す。
免疫:ワクチン接種などにより、被験体を疾患(例えば感染性疾患)から防御すること。
免疫原性組成物:特異的免疫応答(または免疫原性応答)を被験体において刺激または誘発するために有用な組成物を意味するために、本明細書において使用される用語。本明細書中のいくつかの実施形態において、免疫原性組成物は、F1−V発現プラスミドを含有するSalmonella Typhi Ty21aを含む。いくつかの実施形態において、免疫原性応答は、被験体を、Yersinia pestisによる感染症、またはYersinia pestisからの疾患進行(例えば、腺ペストまたは肺ペスト)にさらに耐性にすることを可能にするという点で、防御的であるか、または防御免疫を提供する。免疫原性組成物のタイプの具体例の1つは、ワクチンである。
いくつかの実施形態において、免疫原性組成物の「有効量」または「免疫刺激量」は、被験体に投与した時に、検出可能な免疫応答を発生させるために十分な量である。このような応答は、例えば、免疫原性組成物中に提供された1またはそれより多くのエピトープに特異的な抗体の産生を含んでよい。または、応答は、免疫原性組成物中に提供された1またはそれより多くのエピトープに対する、TヘルパーまたはCTLに基づく応答を含んでよい。これらの3種の応答すべてが、ナイーブ細胞またはメモリー細胞に由来すると思われる。他の実施形態において、免疫原性組成物の「防御有効量」は、動物に投与した時に、動物に防御免疫(例えば、ペストに対する防御)を付与するために十分な量である。
単離:「単離された」または「精製された」生物学的構成要素(例えば、核酸、ペプチドまたはタンパク質)は、その構成要素が天然に存在する生物体の細胞内の他の生物学的構成要素、すなわち、他の染色体のおよび染色体外のDNAおよびRNA、およびタンパク質から実質的に分離されているか、離れて生成されているか、または精製されている。したがって、「単離された」または「精製された」核酸、ペプチドおよびタンパク質には、標準的な精製方法によって精製された核酸およびタンパク質が含まれる。この用語は、宿主細胞内の組換え発現によって調製された核酸、ペプチドおよびタンパク質ならびに化学的に合成された核酸またはタンパク質も包含する。「単離された」または「精製された」という用語は、絶対的純度を要求するものではなく、むしろ、相対的用語として意図される。したがって、例えば、単離された生物学的構成要素は、生物学的構成要素が、細胞内のその天然環境または他の生成容器中にある生物学的構成要素より濃縮されているものである。好ましくは、調製物は、該生物学的構成要素が、調製物の全生物学的構成要素含有量の少なくとも50%、例えば、少なくとも70%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれより上を表すように精製される。
核酸分子:ヌクレオチドの重合体形態であり、RNA、cDNA、ゲノムDNAのセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方、ならびに上記の合成形態および混合型重合体を含み得る。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシヌクレオチドまたはヌクレオチドのいずれかのタイプの改変形態を指す。本明細書において使用される「核酸分子」という用語は、「核酸」および「ポリヌクレオチド」と同義である。核酸分子は、別段説明されない限り、普通少なくとも10塩基長である。この用語は、DNAの一本鎖および二本鎖の形態を含む。ポリヌクレオチドは、天然に存在する、および/または天然に存在しない、ヌクレオチド連結により一緒に連結された、天然および改変されたヌクレオチドのいずれか、または両方を含んでもよい。
オープンリーディングフレーム(ORF):いかなる内部終止コドンもなくアミノ酸をコードするひと続きのヌクレオチドトリプレット(コドン)。これらの配列は、通常、ペプチド/ポリペプチド/タンパク質/ポリタンパク質に翻訳可能である。
作動可能に連結される:第1の核酸配列が、第2の核酸配列と機能的関係性で配置されるとき、第1の核酸配列は、第2の核酸配列と作動可能に連結されている。例えば、プロモーターは、そのプロモーターがコード配列の転写または発現に影響する場合、そのコード配列に作動可能に連結されている。一般に、作動可能に連結されるDNA配列は、2つのタンパク質コード領域を接続する必要がある場合、同じリーディングフレームにおいて連続している。イントロンが存在する場合、その作動可能に連結されたDNA配列は連続していなくてもよい。
複製起点(ORI):DNAの複製が開始される、ゲノムまたはプラスミド中の特定の核酸配列。ORIの具体的構造は種により変動するが、概して、すべてがATの高含有量により特徴付けられる。
薬学的に許容され得るキャリア:本開示において有用な、薬学的に許容され得るキャリアは、従来のキャリアである。E.W.MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,15th Edition(1975)には、1またはそれより多くの治療用化合物または分子およびさらなる医薬品の薬学的送達に適した組成物および製剤が記載されている。
一般に、キャリアの性質は、使用される特定の投与様式に依存する。例えば、非経口用の製剤は、通常、薬学的かつ生理的に許容され得る流体(例えば、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース、グリセロールなど)をビヒクルとして含む注射可能な流体を含む。固体組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤またはカプセルの形態)の場合、従来の無毒性固体キャリアとしては、例えば、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプンまたはステアリン酸マグネシウムが挙げられ得る。投与される薬学的組成物は、生物学的に中性のキャリアに加えて、少量の無毒性補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、保存剤およびpH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレート)を含み得る。
ペスト:Enterobacteriacea科の、非運動性の成長の遅い、通性細菌であるYersinia pestisにより引き起こされる感染性疾患。Y.pestisは、げっ歯類、特にラットおよびそれらを食物とするノミにおいて運ばれる。他の動物およびヒトは、普通、げっ歯類またはノミの咬傷から直接細菌と接触する。Y.pestisによる感染症は、腺ペスト、敗血症ペストまたは肺ペストをもたらし得る。
Y.pestisにより誘導される疾患の最も一般的な形態である腺ペストにおいて、細菌はリンパ系に感染して、リンパ系は炎症を起こす。腺ペストは通常、感染したノミまたはげっ歯類の咬傷により罹患する。まれな症例において、ペストを有する人により使用された、汚染された衣類または他の材料の一片に由来するY.pestis細菌が、皮膚の隙間を介して進入する。腺ペストはリンパ節を冒し、細菌への曝露の3から7日以内に、感冒様症状、例えば、発熱、頭痛、寒気、衰弱および腫脹した圧痛のあるリンパ腺(横痃)が発症する。腺ペストは、まれに人から人に広がる。
敗血症ペストは、普通、ノミまたはげっ歯類の咬傷を介して、腺ペストと同じ方法で罹患に至り、細菌は血液中で繁殖する。しかし、敗血症ペストは、リンパ系ではなく、血流中における細菌の繁殖の発生により特徴付けられる。敗血症ペストは、普通、未処置の横痃または肺のペストの合併症として起こり、その症状は、発熱、寒気、衰弱、腹痛、ショックおよび皮下または他の器官の出血を含む。しかし、横痃は敗血症ペストにおいては発症せず、敗血症ペストは、まれに人から人に広がる。
肺ペストは、ペストの最も深刻な形態であり、Y.pestis細菌が肺に感染した時に起こり、肺炎を引き起こす。肺ペストは、Y.pestis細菌が吸い込まれた時に罹患し得る。肺ペストの風媒性飛沫に曝露されて1から3日以内に、発熱、頭痛、衰弱、息切れ、胸部痛、咳および時として血を含んだ、または水気の多い唾液を伴う肺炎の急速な兆候が現れる。このタイプのペストもまた、横痃または敗血症ペストが、疾患が肺に広がった後に未処置であった時に人から人に広がり得る。この時点において、疾患は、感染した個体が咳またはくしゃみをした時に空気中に放出された、Y.pestisを保有する呼吸飛沫により、他の誰かに伝染する可能性がある。
プラスミド:宿主細胞において自律複製可能な環状核酸分子。本開示のいくつかの実施形態において、プラスミドは低コピー数プラスミドである。例えば、低コピー数プラスミドは、宿主細胞においておよそ1〜10、例えば3〜9または5〜7コピーを産生するプラスミドであり得る。特定の実施例において、低コピー数プラスミドは、宿主細胞においておよそ5〜7コピーを産生する。具体的な例において、低コピー数プラスミドは、米国特許第7,758,855号に記載のpGB−2プラスミドに基づき、該特許は参照により本明細書に組み込まれる。
疾患を予防する、処置するまたは回復させる:疾患を「予防する」とは、疾患の完全な発症を阻害することを指す。「処置する」とは、疾患または病理学的状態が発症し始めた後に、それらの徴候または症状を回復させる治療的介入のことを指す。「回復させる」とは、疾患の徴候または症状の数または重症度の減少のことを指す。
プロモーター:核酸の転写を指示する一連の核酸調節配列。プロモーターは、必要な核酸配列を転写開始部位付近に含む。プロモーターは、必要に応じて、転写開始部位から数千塩基対も離れて配置され得る遠位エンハンサーまたはリプレッサーエレメントも含む。構成的プロモーターと誘導性プロモーターの両方が含まれる(例えば、Bitterら、Methods in Enzymology 153:516−544,1987を参照のこと)。本明細書中のいくつかの実施形態において、プロモーターは、大腸菌のhtrA(高温要求性A(high−temperature requirement A))遺伝子のプロモーターである。htrAプロモーターは、真核生物細胞のSalmonella感染症の間に活性な誘導性プロモーターである。具体的な限定されない例において、htrAプロモーター配列は、配列番号1のヌクレオチド1−112を含む。
組換え:組換え核酸または組換えタンパク質は、天然に存在しない配列を有するか、または2つの別途分離された配列のセグメントの人工的な組み合わせによって作製された配列を有する、核酸またはタンパク質である。この人工的な組み合わせは、化学的合成によって、または単離された核酸のセグメントの人工的な操作によって、例えば、遺伝子操作技法によって、達成されることが多い。
Salmonella enterica:グラム陰性、桿状の鞭毛細菌。S.enterica種は、2500を超える異なる血液型亜型を含み、このうちの1つがSalmonella Typhi血液型亜型である。
Salmonella Typhi Ty21a:Ty21aは、Salmonella enterica血液型亜型Salmonella Typhiの菌株である。Ty21aは、腸チフスに対する経口ワクチンとして使用される、生きた弱毒化細菌株である(Osorioら、Infect Immun 77(4):1475−1482,2009;GermanierおよびFurer,J Infect Dis 131:553−558,1975;Wahdanら、Bull WHO 58:469−474,1980;米国特許第3,856,935号)。
選択可能なマーカー:マーカーを発現する生物(例えば細菌)に有利な陽性選択または陰性選択をもたらすタンパク質をコードするヌクレオチド配列。選択可能なマーカーは、例えばスペクチノマイシンなどの抗生物質耐性遺伝子を含む。
配列同一性:アミノ酸配列間または核酸配列間の類似性は、別途、配列同一性と称される、配列間の類似性に関して表現される。配列同一性は、パーセンテージ同一性(または類似性もしくは相同性)に関して測定されることが多い;そのパーセンテージが高いほど、その2つの配列はより似ている。所定の遺伝子またはタンパク質のホモログまたはバリアントは、標準的な方法を用いてアラインメントされたとき、比較的高い程度の配列同一性を有する。
比較するために配列をアラインメントする方法は、当該分野で周知である。様々なプログラムおよびアラインメントアルゴリズムが:Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.2:482,1981;Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443,1970;Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444,1988;Higgins and Sharp,Gene 73:237−244,1988;Higgins and Sharp,CABIOS 5:151−153,1989;Corpetら、Nucleic Acids Research 16:10881−10890,1988;Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444,1988およびAltschulら、Nature Genet.6:119−129,1994に記載されている。
NCBIベーシックローカルアラインメントサーチツール(BLASTTM)(Altschulら、J.Mol.Biol.215:403−410,1990)は、配列解析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxと関連して使用するために、いくつかの供給源(National Center for Biotechnology Information(NCBI,Bethesda,MD)およびインターネット上を含む)から入手可能である。
本明細書中のいくつかの実施形態において、配列番号1〜5のいずれか1つと、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一なヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を提供する。
血液型亜型:特徴的な抗原のセットにより識別される、種または亜種の細分化。血液型亜型は「血清型」とも称される。
シグナルペプチド:タンパク質の翻訳後輸送を指示する短い(通常3〜60アミノ酸長)ペプチド鎖。分泌シグナルペプチドは、タンパク質が、そのタンパク質が産生される細胞から分泌されるように指示するシグナルペプチドである。本明細書中のいくつかの実施形態において、分泌シグナルペプチドは、大腸菌溶血素タンパク質HlyA由来のシグナルペプチドである。具体的な限定されない例において、HlyA分泌シグナルペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列を有し、配列番号1のヌクレオチド1559−1747によりコードされる。
被験体:ヒト哺乳動物と非ヒト哺乳動物の両方を含むカテゴリーである、生存している多細胞脊椎動物。
治療有効量:特定の薬剤により処置される被験体において所望の効果を達成するために十分な、その薬剤の量。例えば、この量は、被験体において免疫応答を誘発するため、および/またはYersinia pestisによる感染症を予防するために有用な、F1−V発現プラスミドを含有するSalmonella Typhi Ty21aの量であり得る。理想的には、本開示の文脈において、F1−V発現プラスミドを含有するSalmonella Typhi Ty21aの治療有効量は、被験体において実質的な細胞傷害性効果を引き起こすことなく、被験体において、Yersinia pestis により引き起こされる感染症に対して耐性を上げる、感染症を予防する、回復させる、および/または処置するために十分な量である。被験体において、感染症に対して耐性を上げる、感染症を予防する、回復させる、および/または処置するために有用な、F1−V発現プラスミドを含有するSalmonella Typhi Ty21aの有効量は、例えば、処置される被験体、治療用組成物の投与様式および他の要因に依存する。
単位用量:個別または一括して所望の効果、例えば免疫原性効果を生み出すように計算された、活性材料の所定の量を含有する物理的に分離した単位。単一の単位用量または複数の単位用量を使用して、所望の効果、例えば免疫原性効果を提供することができる。一例において、単位用量は、本明細書において開示のF1−V融合タンパク質を発現するSalmonella Typhiの所望の量を含む。
V抗原:lcrV遺伝子によりコードされるYersinia pestis毒性タンパク質。V抗原は、Y.pestisの毒性において多機能な役割を果たす分泌タンパク質である。例えば、V抗原は、低カルシウム応答の毒性遺伝子の発現に関する陽性レギュレーターであり、タイプII分泌系によるエフェクタータンパク質の真核細胞内へのトランスロケーションに関与する。V抗原はまた、サイトカイン、例えばIFN−γおよびTNF−αの産生を阻害することによって、免疫調節物質として機能すると考えられる。V抗原配列は公知であり、公に利用可能である。V抗原の例示的ヌクレオチド配列は、配列番号1のヌクレオチド581−1558として本明細書に提供され、V抗原の例示的アミノ酸配列は、配列番号4として本明細書において示される。
ワクチン:被験体(例えば、獣医学的被験体またはヒト被験体)に投与して、疾患または他の病態(例えばペスト)に対して免疫、例えば能動免疫を付与することができる免疫原性組成物。ワクチンは、治療的または予防的に使用することができる。したがって、ワクチンは、感染症の可能性を低減させる、または疾患もしくは病態の症状の重症度を低減させる、または疾患もしくは病態の進行を制限するために使用することができる。本明細書中の一例において、ワクチンは、本明細書に開示のF1−V融合タンパク質を発現するSalmonella Typhiを含む。
Yersinia pestis:グラム陰性、桿状細菌。Y.pestisは、ヒトおよび他の動物を感染させることができる通性嫌気性菌である。Y.pestisによる感染症は、横痃ペスト、敗血症ペストまたは肺ペストを引き起こすことができる。
別段説明されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者が通常理解する意味と同じ意味を有する。単数形の用語「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示被験体を含む。同様に、単語「または」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、「および」を含むと意図される。それゆえ、「AまたはBを含む」は、A、またはB、またはAおよびBを含むことを意味する。核酸またはポリペプチドに対して与えられたすべての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、およびすべての分子量または分子質量の値が、近似値であり、説明のために提供されていることが、さらに理解されるべきである。本明細書中に記載される方法および材料と類似または等価の方法および材料が、本開示の実施または試験において使用され得るが、好適な方法および材料が、下記に記載される。本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献の全体が、参考として援用される。矛盾する場合、用語の説明を含む本明細書が優先するものとする。さらに、その材料、方法および例は、単なる例示であって、限定すると意図されない。
III.いくつかの実施形態の概要
本明細書において、Yersinia pestis F1−V融合タンパク質の発現のためのプラスミド構築物の開発を開示する。また、例えば、ペストに対する経口ワクチンとして使用するための、F1−V融合タンパク質発現プラスミドを含有するSalmonella enterica血液型亜型Typhi Ty21a株(本明細書において「Salmonella Typhi Ty21a」または「Ty21a」とも称される)も開示する。
本明細書において、大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されるYersinia pestis F1−V融合タンパク質コード配列を含む組換え核酸分子を提供する。htrAプロモーターは、真核生物宿主細胞において活性な誘導性プロモーターである。時として、F1およびVタンパク質のコード領域は、核酸リンカー、例えば配列番号1のヌクレオチド563−580を含むリンカーにより分離されている。
いくつかの実施形態において、F1−V融合タンパク質コード配列は、配列番号1のヌクレオチド113−1558と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一である。特定の例において、F1−V融合タンパク質コード配列は、配列番号1のヌクレオチド113−1558を含む、またはこれらからなる。
いくつかの実施形態において、htrAプロモーター配列は、配列番号1のヌクレオチド1−112と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一である。特定の例において、htrAプロモーター配列は、配列番号1のヌクレオチド1−112を含む、またはこれらからなる。
いくつかの実施形態において、大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたY.pestis F1−V融合タンパク質コード配列を含む核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド1−1558と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一の配列を含む。特定の例において、前記核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド1−1558を含む、またはこれらからなる。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、F1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された分泌シグナルペプチドコード配列をさらに含む。いくつかの例において、分泌シグナルペプチドは、大腸菌HlyA分泌シグナルペプチドである。具体的な限定されない例において、大腸菌HlyA分泌シグナルペプチドコード配列は、配列番号1のヌクレオチド1559−1747と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%同一であるか、または配列番号1のヌクレオチド1559−1747を含むかもしくは配列番号1のヌクレオチド1559−1747からなる。
特定の実施形態において、組換え核酸分子の配列は、配列番号1と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一である。具体的な限定されない例において、核酸分子の配列は、配列番号1を含むかまたは配列番号1からなる。
本明細書に開示の組換え核酸分子を含むプラスミドをさらに提供する。したがって、いくつかの実施形態において、前記プラスミドは、配列番号1と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%同一であるか、または配列番号1を含む核酸分子を含む。
いくつかの実施形態において、プラスミドは、低コピー数プラスミドである。例えば、低コピー数プラスミドは、宿主細胞においておよそ1〜10または3〜9または5〜7コピーのプラスミドを産生するプラスミドであってよい。特定の例において、低コピー数プラスミドは、宿主細胞においておよそ5〜7コピーを産生する。具体的例において、低コピー数プラスミドは、米国特許第7,758,855号に記載のpGB−2プラスミドに基づき、該特許は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、前記プラスミドは、選択可能なマーカーをさらに含む。選択可能なマーカーは当該分野において周知であり、適切な選択可能なマーカーは、プラスミドの所望の選択基準および具体的使用に基づき、当業者により選択され得る。いくつかの例において、選択可能なマーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。限定されない一例において、選択可能なマーカーはスペクチノマイシン耐性遺伝子である。
いくつかの実施形態において、前記プラスミドは、大腸菌HlyBおよびHlyDタンパク質コード配列をさらに含む。HlyBおよびHlyDタンパク質は、該プラスミドによりコードされるF1−V融合タンパク質の細胞外分泌を可能にする、溶血素分泌タンパク質である。
本明細書に開示の組換え核酸分子またはプラスミドを含むSalmonella Typhi Ty21a細菌をさらに提供する。Salmonella Typhi Ty21aは、腸チフスのための経口ワクチンとして承認されている、生きた弱毒化された細菌株である。Salmonella Typhi Ty21aの投与は安全であることが示されており、この株は、Bacillus anthracis防御抗原(PA)を発現させるために、以前から有効に使用されている(例えば、Osorioら、Infect Immun 77(4):1475−1482,2009;および米国特許第7,758,855を参照されたく、これらは参照により本明細書に組み込まれる)。Yersinia pestisのクローニングされたF1およびV抗原(融合タンパク質として)を送達するためのキャリアとしての、Salmonella Typhi Ty21a細菌の使用を本明細書において開示する。
また、本明細書に開示のプラスミドまたは換え核酸分子を含有するSalmonella Typhi Ty21aおよび薬学的に許容され得るキャリアを含む免疫原性組成物も提供される。いくつかの実施形態において、免疫原性組成物は、経口投与用に製剤化される。いくつかの実施形態において、免疫原性組成物は単位用量形態で製剤化される。
被験体に、本明細書に開示のプラスミドもしくは組換え核酸分子を含有するSalmonella Typhi Ty21a細菌を投与することによって、または本明細書に開示の免疫原性組成物を投与することによって、被験体においてYersinia pestisに対する免疫応答を誘発する方法をさらに提供する。いくつかの実施形態において、免疫応答は防御免疫応答である。いくつかの実施形態において、Salmonella Typhi Ty21aまたは免疫原性組成物は、治療的に、例えば、Y.pestisによる感染後に投与される。他の実施形態において、Salmonella Typhi Ty21aまたは免疫原性組成物は、予防的に、例えば、Y.pestis.による感染症の危険性を予防または低減するために投与される。
また、本明細書に開示のプラスミドもしくは組換え核酸分子を含有するSalmonella Typhi Ty21aを被験体に投与するか、または本明細書に開示の免疫原性組成物を投与することによって、被験体においてペストを予防する、ペスト発症の危険性を低減する、またはペストを処置する方法を提供する。ペストは、腺ペスト、敗血症ペスまたは肺ペストであり得る。いくつかの実施形態において、Salmonella Typhi Ty21aまたは免疫原性組成物は、治療的に、例えば、ペストの臨床的兆候が被験体において発現した後で投与される。他の実施形態において、Salmonella Typhi Ty21aまたは免疫原性組成物は、予防的に、例えば、ペストの危険性を予防または低減するために投与される。
限定されない一例において、本明細書において、大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたY.pestis F1−V融合タンパク質コード配列およびF1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された大腸菌HlyA分泌シグナルペプチド分泌シグナルペプチドコード配列を含み、核酸分子の配列が配列番号1を含む、組換え核酸分子を提供する。
限定されない別の例において、(i)大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたY.pestis F1−V融合タンパク質コード配列およびF1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された大腸菌HlyA分泌シグナルペプチド分泌シグナルペプチドコード配列を含み、核酸分子の配列が配列番号1を含む、組換え核酸分子;(ii)複製起点;(iii)選択可能なマーカー;ならびに(iv)大腸菌HlyBおよびHlyDタンパク質コード配列、を含むプラスミドを提供する。
限定されない別の例において、組換え核酸分子またはプラスミドを含み、前記組換え核酸分子またはプラスミドが大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたY.pestis F1−V融合タンパク質コード配列およびF1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された大腸菌HlyA分泌シグナルペプチド分泌シグナルペプチドコード配列を含み、核酸分子またはプラスミドの配列が配列番号1を含むSalmonella Typhi Ty21aを提供する。さらに、該Salmonella Typhi Ty21aおよび薬学的に許容され得るキャリアを含む免疫原性組成物を提供する。時として、免疫原性組成物は、経口投与用に製剤化される。また、Salmonella Typhi Ty21aまたは免疫原性組成物を被験体に投与することによって、被験体においてY.pestisに対する免疫応答を誘発する方法が提供される。
限定されないさらに別の例において、ペストに対する防御のための経口ワクチンを提供し、該ワクチンは、組換え核酸分子またはプラスミドを含み、該組換え核酸分子またはプラスミドは、大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたY.pestis F1−V融合タンパク質コード配列およびF1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された大腸菌HlyA分泌シグナルペプチド分泌シグナルペプチドコード配列を含み、該核酸分子またはプラスミドの配列は配列番号1を含む。
本明細書に開示の組換え核酸分子およびプラスミド、ならびに本明細書に開示の組換え核酸分子またはプラスミドを含むSalmonella Typhi Ty21aは、以前に記載されたペスト用ワクチンを上回るいくつかの有利性を有する。例えば、大腸菌htrAプロモーターは、主としてin vivoで活性であり、F1−V融合タンパク質の哺乳動物宿主細胞における効率的な発現を可能にし、一方で、ブロス培養液中の発現は制限され、ワクチン産生のための発現構築物の安定性を促進する。宿主において誘発された免疫応答を強化する、宿主細胞におけるF1−Vの効率的な発現はワクチンの有効性を増加させる。加えて、低コピープラスミド、例えばpGB−2プラスミドの使用は、F1−V発現構築物の安定性をさらに強化する。さらに、大腸菌HlyA分泌シグナルならびに大腸菌HlyBおよびHlyDタンパク質コード配列の使用は、宿主におけるF1−V融合タンパク質の細胞外分泌を強化し、ワクチンにより誘発された免疫応答をさらに改善する。最終的に、Salmonella Typhi Ty21aの使用は、ペストワクチンの経口投与のための安全で効率的な手段を可能にする。
IV.免疫原性組成物の製剤および投与
本明細書に開示の組換え核酸分子、プラスミドおよび免疫原性組成物は、単位剤形で便利に提示でき、従来の薬学的技術を使用して調製できる。このような技術は、活性成分と、薬学的キャリア(複数可)または賦形剤(複数可)とを組み合わせるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分と液体キャリアとを均一および密に組み合わせることにより調製される。製剤は、単位用量または複数用量の容器、例えば密閉されたアンプルおよびバイアルで提示でき、使用直前に滅菌液体キャリア、例えば注射用水の添加だけが必要とされる、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存できる。即時注射の溶液および懸濁液は、当業者により一般に使用される滅菌の散剤、顆粒および錠剤から調製可能である。
ある実施形態において、単位投薬量の製剤は、投与される成分の用量もしくは単位、またはこれらの適切な画分を含有する製剤である。上記で特に述べた成分に加えて、本明細書において包含される製剤が、当業者により一般に使用される他の薬剤を含み得ることは、理解されるべきである。
免疫原性組成物として使用するための組成物を含む、本明細書において提供される組成物は、さまざまな経路、例えば、バッカルおよび舌下を含む経口、直腸、非経口、エアロゾル、経鼻、筋肉内、皮下、皮内および局所経路を介して投与可能である。該組成物は、限定するものではないが、溶液、エマルジョンおよび懸濁液、ミクロスフェア、粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子およびリポソームを含む、さまざまな形態で投与可能である。特定の実施形態において、免疫原性組成物は経口投与される。
投与体積は、投与経路に依存して変動する。当業者は、さまざまな投与経路に対する適切な体積を知っていると思われる。
投与は、単回または複数回の用量により達成可能である。本開示の文脈において被験体に投与される用量は、時間と共に有益な治療的応答を誘導するために、例えば、Y.pestis感染症またはペストの発症を予防するために十分であるべきである。必要とされる用量は、例えば被験体の年齢、体重および全体的健康に依存して変動し得る。
個々の用量中の免疫原性組成物の量は、免疫刺激性応答を、重要な、有害な副作用なく誘導する量として選択される。このような量は、どの特定組成物を用いるか、どのように投与されるかに依存して変動する。初回用量は約1μgから約1mgの範囲であってよく、いくつかの実施形態は約10μgから約800μgの範囲を有し、さらに他の実施形態は約25μgから約500μgの範囲を有する。免疫原性組成物の初回投与の後で、被験体は、適切な間隔をあけて、1または数回のブースター投与を与えられてよい。ブースター投与は、約1μgから約1mgの範囲であってよく、他の実施形態は約10μgから約750μgの範囲を有し、さらに他は約50μgから約500μgの範囲を有する。1〜5年、例えば3年の間隔の定期的ブースターが、所望のレベルの防御免疫の維持には望ましいと思われる。
免疫原性組成物の構成要素として細菌を投与する場合、用量はまた、調製物中のコロニー形成単位(CFU)の数により測定することもできる。したがって、いくつかの例において、F1−V発現構築物を保有するSalmonella Typhi Ty21aの治療有効用量は、少なくとも100CFU、少なくとも10CFU、少なくとも10CFU、少なくとも10CFU、少なくとも10CFU、少なくとも10CFU、少なくとも10CFUまたは少なくとも10CFU、例えば、100CFUから10CFU、または10CFUから10CFU、または10CFUから10CFU、または10CFUから10CFUのSalmonella Typhi Ty21aである。
本明細書において、治療有効量の組換え核酸分子、プラスミドまたはF1−V発現構築物を保有するSalmonella Typhi Ty21aを、単独で、または薬学的に許容され得るキャリアと組み合わせて含む、薬学的組成物(免疫原性組成物または免疫刺激性組成物とも称される)を提供する。
薬学的に許容され得るキャリアは、限定するものではないが、食塩水、緩衝化食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノールおよびこれらの組み合わせを含む。キャリアおよび組成物は滅菌可能であり、製剤は、投与様式に適合する。組成物はまた、少量の湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝剤を含有してもよい。組成物は液状溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸剤、カプセル、持続放出製剤または散剤であってよい。組成物は、伝統的な結合剤およびキャリア、例えばトリグリセリドと共に、坐薬として製剤化することもできる。経口製剤は、標準的キャリア、例えば薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロースおよび炭酸マグネシウムを含むことができる。一般的薬学的キャリア、例えば、滅菌食塩水溶液またはゴマ油のいずれもが使用可能である。媒質はまた、従来の薬学的補助材料、例えば浸透圧を調製するための薬学的に許容され得る塩、バッファー、保存剤などを含有してもよい。本明細書に提供される組成物および方法に使用可能な他の媒質は、通常生理食塩水およびゴマ油である。
開示された免疫原性組成物は、他の生物学的に不活性または活性な薬剤(または両方)を含んでもよい。例えば、開示された免疫原性組成物は、アジュバント、キャリア、賦形剤および抗菌剤(例えば抗生物質)を含んでもよい。
場合により、1またはそれより多くのサイトカイン、例えば、IL−2、IL−6、IL−12、RANTES、GM−CSF、TNF−αもしくはIFN−γ、1またはそれより多くの増殖因子、例えばGM−CSFもしくはG−CSF;1またはそれより多くの分子、例えばOX−40Lもしくは41BBLまたはこれらの分子の組み合わせは、生物学的アジュバントとして使用可能である(例えば、Salgallerら、1998,J.Surg.Oncol.68(2):122−38;Lotzeら、2000,Cancer J.Sci.Am.6(補遺1):S61−6;Caoら、1998,Stem Cells 16(補遺1):251−60;Kuiperら、2000,Adv.Exp.Med.Biol.465:381−90を参照されたい)。これらの分子は、全身的(または局所的)に宿主に投与可能である。
以下の実施例は、ある特定の特徴および/または実施形態を例証するために提供される。これらの実施例は、本開示を、記載された特定の特徴または実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1)
プラスミドの構築ならびにF1−Vの発現および分泌の分析
この実施例は、Salmonella Typhi Ty21aワクチン株中のYersinia pestis莢膜タンパク質画分1(F1)/毒性抗原融合タンパク質前駆体(LcrV)融合タンパク質(F1−V融合タンパク質と称される)の発現のための、遺伝学的に安定なプラスミド系の作製を記載する。
最適化されたBacillus anthracis防御抗原(PA)発現のための、遺伝学的に安定なプラスミド発現系は、以前にも開発されていた(Osorioら、Infect Immun 77(4):1475−1482,2009;および米国特許第7,758,855号を参照されたく、これらは参照により本明細書に組み込まれる)。Y.pestis F1−V融合タンパク質の発現のためのプラスミド系の作製のために、Y.pestis F1−V融合物の既に公開された合成構築物(GenBank受託番号AY924380.1)を改変した(図1)。Ty21aにおいて使用することに成功している低コピー数プラスミドpGB−2(Osorioら、Infect Immun 77(4):1475−1482,2009;Xuら、Infect Immun 70(8):4414−4423,2002)を、プラスミド構築の骨格として使用した。合成F1−V融合物を、プラスミドpGB−2(図2)においてhtrAプロモーターから下流にクローニングした。
細胞外発現を誘導するために、合成F1−V融合遺伝子(終止コドンを欠いている)のインフレーム遺伝子融合物を、大腸菌アルファ溶血素タンパク質HlyAの分泌シグナルペプチド(最終の66アミノ酸)(図1および図2)により作製した。HlyA輸送装置に必要な構成要素であるHlyBおよびHlyDをコードする遺伝子もまた、プラスミドベクターに含まれた(図2)。
プラスミドpHtrF1−V−HlyにクローニングされたF1−V融合DNA挿入物のDNA配列:
S.Typhi Ty21aにおけるF1−Vの発現および分泌の評価のために、pHtrF1−V−hlyまたはB.anthracis PAをコードする以前に構築されたプラスミド(Osorioら、Infect Immun 77(4):1475−1482,2009)のいずれかにより形質転換されたTy21aを、スペクチノマイシン選択による培養培地において一晩増殖させ、その後、遠心分離により採取した。上清画分をおよそ10倍に濃縮した。ペレット画分を、濃縮された上清と同等の体積中に同時に溶解した。等体積の上清画分およびペレット画分を、ウエスタンブロットによって、F1またはLcrVのいずれかに対する市販のモノクローナル抗体を使用して分析した。
図3に示すように、結果は、pHtrF1−Vにより形質転換されたTy21aがF1−V融合タンパク質を産生および分泌することを明らかに実証している。実際に、F1−Vは、ペレット分画中に検出できない。翻訳されたDNA配列に基づき、F1−V融合タンパク質の推定分子質量はおよそ58kDaである。Ty21aから分泌されたF1−Vの、観察されたわずかに高い分子質量は、66アミノ酸の分泌シグナルHlyAの付加を反映していると思われる。抗LcrV抗体を使用するF1−Vの検出は、およそ55から58kDaである第2の生成物を検出している。このバンドは、HlyAが切断されたF1−Vを表している。
(実施例2)
マウスにおけるワクチン構築物の免疫原性
この実施例は、血清IgG力価および刺激された脾臓細胞のサイトカイン発現により測定した、F1−V融合発現構築物を保有するSalmonella Typhi Ty21aの免疫原性を記載する。
F1−Vを発現するTy21aの、防御免疫応答を誘導する能力を、A/Jマウスの免疫により検査した。10匹の6から8週齢のマウスの群を、腹腔内(i.p.)経路によって、F1−Vまたは以前に構築された炭疽病PAを産生するTy21aを含有する、3回の隔週用量で免疫した。マウスの第3の群は、F1−Vを産生するTy21aおよびPAを産生するTy21aの1:1混合物を与えられた。対照マウスは、空のpGB−2ベクターにより形質転換された、3用量のTy21aを与えられた。免疫マウスは、2〜5×10CFU/用量を与えられた。血清および脾臓を、第3免疫および最終免疫の1週間後に回収した。全循環F1−VおよびPAに特異なIgG力価を、ELISAにより分析した。
Ty21aにおけるF1−V融合物の発現は、マウス中に高い抗F1−V血清IgG力価をもたらし、平均して幾何平均力価はほぼ500,000であった(図4)。F1−Vを発現するTy21aおよびPAを発現するTy21aによる同時免疫は、マウスにおいて抗F1−Vおよび抗PAの高IgG力価をもたらした。空のベクターpGB2を発現するTy21a対照株は、循環する抗F1−V IgGも抗PA IgGももたらさなかった。
続く実験において、全血清IgG力価を、F1−Vプラスミドまたは空のpGB−2プラスミドにより形質転換されたTy21aにより、2週間ごとに3回免疫された(i.p.)8週齢のマウスにおいて決定した。免疫マウスは、2〜5×10CFU/用量を0、2および4週目に与えられ、血清を0、1、3および5週目に回収した。全循環F1−V特異的IgG力価を、ELISAにより分析した。結果は、3回の免疫により、マウスにおいて高い抗F1−V IgG力価が生じることを示した(図5)。
いくつかの先行する研究により、次世代ペストワクチンは、Y.pestis特異的Igおよび細胞性免疫(CMI)応答の両方を誘導することを目的とするべきであることが示唆されてきた。この点を考慮して、in vitroでrF1−Vにより72時間刺激された、採取された脾臓細胞のサイトカイン応答を測定した。
10匹の6から8週齢のマウスの群を、免疫しない(対照)か、またはF1−Vもしくは空のベクターpGB2を産生するTy21aを含有する3回の隔週用量によりi.p.で免疫した。免疫マウスは、2〜5×10CFU/用量を与えられた。脾臓細胞を、第3および最終の免疫の後1週間に採取し、in vitroでrF1−Vにより72時間刺激した。培養上清を採取し、サイトカインの産生に関して分析した。
図6A〜6Dに示すように、rF1−Vに対するサイトカイン(IL−2、IFN−γ、TNF−αおよびIL−17)リコール応答は、変わりやすかった。非免疫マウス由来の脾臓細胞は、rF1−Vにより刺激した場合、IL−2、IFN−γ、TNF−αまたはIL−17のいずれも分泌しなかった。しかし、pHtrF1−V−hlyにより形質転換されたTy21aで免疫された数匹のマウス由来の脾臓細胞は、相当量のIL−2、IFN−γ、TNF−αおよびIL−17を発現した。pGB2単独により形質転換されたTy21aで免疫された1匹のマウスは、rF1−Vに対して有意なIFN−γおよびTNF−αリコール応答を有した。
(実施例3)
Y.pestisによる感染症を予防または阻害する方法
この実施例は、Y.pestisによる感染症を予防または阻害し、それによって危険性のある被験体においてペストの発症を予防または阻害するために使用可能な例示的方法を記載する。
Y.pestisによる感染症の危険性のある被験体を、処置のために選択する。例えば、被験体は、ペストが風土病である地域に住んでいる個体であってもよく、または他のペスト犠牲者と接触したことがある被験体であってもよい。被験体は、F1−V融合タンパク質発現構築物を保有するSalmonella Typhi Ty21a細菌を含む免疫原性組成物を投与される。F1−V発現プラスミドは、大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたY.pestis F1−V融合タンパク質コード配列およびF1−V融合タンパク質コード配列(配列番号1)にインフレームで融合された大腸菌HlyA分泌シグナルペプチド分泌シグナルペプチドコード配列を含む。免疫原性組成物の適切な治療有効用量は、熟練した開業医により選択可能である。いくつかの実施例において、用量は、約10から約10CFUである。被験体は、Y.pestis.に対して十分な免疫応答を誘発するために、必要に応じて単回用量または複数回用量を投与され得る。
開示された本発明の原理が適用され得る多数の可能な実施形態を考えれば、例証された実施形態が、本発明の好ましい例だけにすぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことは認識されるはずである。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、本発明者らは、これらの特許請求の範囲の範囲および精神内に入る全てを本発明者らの発明と主張する。

Claims (19)

  1. 大腸菌(Escherichia coli)htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたYersinia pestisF1−V融合タンパク質コード配列を含む組換え核酸分子であって、前記核酸分子が配列番号1のヌクレオチド1−1558と少なくとも95%同一の配列を含む、組換え核酸分子。
  2. 前記核酸分子が配列番号1のヌクレオチド1−1558の配列を含む、請求項1に記載の組換え核酸分子。
  3. 前記F1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された分泌シグナルペプチドコード配列をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の組換え核酸分子。
  4. 前記分泌シグナルペプチドが大腸菌HlyA分泌シグナルペプチドである、請求項3に記載の組換え核酸分子。
  5. 前記核酸分子の配列が、配列番号1と少なくとも95%同一である、請求項3または請求項4に記載の組換え核酸分子。
  6. 前記核酸分子の配列が配列番号1を含む、請求項5に記載の組換え核酸分子。
  7. 大腸菌htrAプロモーター配列に作動可能に連結されたY.pestis F1−V融合タンパク質コード配列を含み、前記F1−V融合タンパク質コード配列にインフレームで融合された大腸菌HlyA分泌シグナルペプチド分泌シグナルペプチドコード配列をさらに含む組換え核酸分子であって、前記核酸分子の配列が配列番号1を含む、組換え核酸分子。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の組換え核酸分子を含むプラスミド。
  9. 前記プラスミドが低コピー数プラスミドである、請求項8に記載のプラスミド。
  10. 選択可能なマーカーをさらに含む、請求項8または請求項9に記載のプラスミド。
  11. 前記選択可能なマーカーが抗生物質耐性遺伝子である、請求項10に記載のプラスミド。
  12. 大腸菌HlyBおよびHlyDタンパク質コード配列をさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載のプラスミド。
  13. 請求項7に記載の組換え核酸分子、複製起点、選択可能なマーカーおよび前記大腸菌HlyBおよびHlyDタンパク質コード配列を含むプラスミド。
  14. 請求項1から7のいずれか一項に記載の組換え核酸分子または請求項8から13のいずれか一項に記載のプラスミドを含む、Salmonella Typhi Ty21a細菌。
  15. 請求項14に記載のSalmonella Typhi Ty21a細菌および薬学的に許容され得るキャリアを含む免疫原性組成物。
  16. 前記組成物が経口投与用に製剤化される、請求項15に記載の免疫原性組成物。
  17. 請求項14に記載のSalmonella Typhi Ty21a細菌を被験体に投与するか、または請求項15もしくは請求項16に記載の免疫原性組成物を投与することを含む、前記被験体においてYersinia pestisに対する免疫応答を誘発する方法。
  18. 前記免疫応答が防御免疫応答である、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項14に記載のSalmonella Typhi Ty21aを被験体に投与するか、または請求項15もしくは請求項16に記載の免疫原性組成物を投与することを含む、前記被験体においてペストを予防する、ペストの発症の危険性を低減する、またはペストを処置する方法。
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