JP2015517726A - 透明層状素子を含む基板を備えた有機発光ダイオードデバイス - Google Patents
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Abstract
本発明は、正透過及び拡散反射を示し、抽出ソリューションとして使用される透明層状素子(1)を備えるキャリア(5)を備える有機発光ダイオードデバイス(6)に関する。本発明は、このデバイスの製造方法及び有機発光ダイオードデバイスにおけるキャリアの使用にも関する。そして、本発明はこのダイオードデバイスの作製に特に適した、電極をコーティングしたキャリアに関する。
Description
本発明は、特定のキャリアを備える有機発光ダイオードデバイス及びその製造方法に関する。本発明はまた、特にはこのダイオードデバイスの作製に適した電極をコーティングしたキャリアに関する。そして、本発明は、有機発光ダイオードデバイスにおけるキャリアの使用に関する。
有機発光ダイオード(OLED)は、発光し且つ2つの電極に挟まれた有機材料又は有機材料の積層体を備える。下側電極と称される、概してアノードである電極の一方は、グレージング基板等のキャリアと関連しており、上側電極と称される、概してカソードであるもう一方の電極は、アノードとは反対側の有機材料上に配置される。
OLEDは、アノードから注入されたホールとカソードから注入された電子とが再結合するときに放出されるエネルギーを用いるエレクトロルミネセンスにより発光するデバイスである。
様々なOLED構成:
ボトムエミッション型デバイス、すなわち(半)透明下側電極及び反射上側電極を備えるデバイス、
トップエミッション型デバイス、すなわち(半)透明上側電極及び反射下側電極を備えるデバイス、並びに
トップアンドボトムエミッション型デバイス、すなわち(半)透明下側電極及び(半)透明上側電極の両方を備え、以下で透明OLEDデバイスと称される場合があるデバイス
がある。
ボトムエミッション型デバイス、すなわち(半)透明下側電極及び反射上側電極を備えるデバイス、
トップエミッション型デバイス、すなわち(半)透明上側電極及び反射下側電極を備えるデバイス、並びに
トップアンドボトムエミッション型デバイス、すなわち(半)透明下側電極及び(半)透明上側電極の両方を備え、以下で透明OLEDデバイスと称される場合があるデバイス
がある。
本発明はより具体的には、ボトムエミッション型及びトップアンドボトムエミッション型OLEDデバイスに関する。
慣用的に、OLEDデバイスは前面基板又はグレージング機能基板(以下のグレージング基板)としてのキャリア及び任意の封止系を備える。キャリアは、良好な光透過を確保しながら機械的保護を担う。慣用的に、封止系は、キャリアに接着される中空ガラスカバーから成る。キャリアとカバーとの間の空隙には概して窒素等の不活性ガスが充填され、また有機層近辺の水分量を最小限に抑えるための乾燥剤を含有し得る。
片面だけから発光する発光デバイスにおいてOLEDを使用する場合、カソードは概して透明ではなく、放出される光子は透明アノード及びOLEDのキャリアを通過することでデバイスから光を送る。
両面から発光する発光デバイスにおいてOLEDを使用する場合、カソード及びアノードは透明であり、放出された光子は透明アノード及び/又はカソードを通過することでデバイスから光を送る。
有機発光ダイオードデバイス(以下のOLEDデバイス)は新しく効率的な低電力光源である。しかしながら、これらのデバイスには、特にはダイオードの構造体内に光が閉じ込められることで限定される発光効率を有するという欠点がある。この光の閉じ込めは一方でカソードとアノードとの間で特定数の光子がガイデッドモードで捕捉されたままであることに、また他方では基板のガラス(n=1.5)とデバイス外部の空気(n=1)との間での屈折率の違いの結果としてのグレージング基板内での光の反射に起因する。
したがって、発光効率、特にはOLEDの抽出におけるゲインを上昇させるためのいわゆる「抽出」ソリューションが求められている。
これらの抽出ソリューションは概して2つのカテゴリ:
透明電極及び有機層のガイディング効果を最小限に抑えることで可能な限り多く光をキャリアに注入することから成る「層側」ソリューションと称されるものと
空気/キャリア界面で反射された光を抽出することから成る「空気側」ソリューションと称されるもの
とに分けられる。
透明電極及び有機層のガイディング効果を最小限に抑えることで可能な限り多く光をキャリアに注入することから成る「層側」ソリューションと称されるものと
空気/キャリア界面で反射された光を抽出することから成る「空気側」ソリューションと称されるもの
とに分けられる。
したがって、通常の系においては、抽出ソリューションがないと、構造体からはダイオードが発する光の20%しか抽出されない。高効率を達成するためには抽出ソリューションの利用が必須である。
OLEDデバイスのエネルギー変換効率を上昇させるための1つの公知の方策は、前面基板を形成しているキャリアの透過特性を、このキャリアからの入射光の反射を制限することで改善することから成る。
具体的には、少なくとも、OLEDデバイスとは逆方向を向くキャリアの主要外面に、この面の全般面に対して窪んだ又は突出した複数の隆起幾何学的特徴部(feature)をテクスチャ加工することが公知である。これらの特徴部はミクロン又はミリメートルサイズになり得る。
特徴部は、特には角錐若しくは円錐になり得、あるいは優位長手方向を有する溝、畝等の特徴部にもなり得る。
キャリアは、仏国特許出願公開第2937467号明細書に記載されているような、散乱層をコーティングした透明ガラスから形成される基板を備えることも公知である。
空気/キャリア界面の滑らかな面をテクスチャ加工面と置き換える又は基板に散乱効果を導入することをベースとしたこのタイプのソリューションによって、約70〜80%の光学効率が得られる。光学効率は、デバイスから抽出される光対ガラス中で利用可能な光の比に対応する。
しかしながら、テクスチャ加工を施したキャリアを用いるか又は散乱層を備えるこれら従来のソリューションでは、光を透過及び反射の両方で散乱させてしまう。したがって、これらのソリューションにはOLEDデバイスの最終的な見た目が変化するという欠点があり、透過時に曇って見える。したがって、これらの抽出系を用いて透明OLEDデバイスを製造することはできない。キャリアを通してはっきりと見通すことができないからである。加えて、鏡面効果を生じる反射カソードを備えるボトムエミッション型デバイスにおいては、特には審美的な理由から、この鏡面効果を維持することが有利となり得る。しかしながら、これらの抽出ソリューションの透過における散乱特性では、この鏡面効果を維持することができない。
慣用的に、グレージングペイン上に所定の入射角で入射する光線がグレージングペインで複数の方向に反射する場合、グレージングペインでの反射は拡散反射であるとされる。グレージングペインに所定の入射角で入射する光線が入射角と等しい反射角でグレージングペインによって反射される場合、グレージングペインでの反射は正反射であるとされる。同様に、グレージングペイン上に所定の入射角で入射する光線がグレージングペインを入射角に等しい透過角で透過する場合、グレージングペインを通る透過は正透過であるとされる。
加えて、従来技術のソリューションでは空気/キャリア界面が滑らかではなく、これは清浄化が困難となり且つ見た目が魅力的ではなくなることから不利である。
特定の層状素子を備えるOLEDキャリアを提供することで本発明が特に取り除こうとしているのは特にこれらの欠点である。
本発明が提供するソリューションにより、いかなる場合であっても、空気/キャリア界面で反射される光を抽出することでデバイスからの利用可能な光の抽出を改善することができる。加えて、本発明の特定の有利な実施形態において、この抽出ソリューションは、透明電極及び有機層のガイディング効果を最小限に抑えることでキャリアに注入される光の量を最大化することもできる。
これを目的として、本発明の1つの主題は、少なくとも1つの有機発光ダイオード7と、2つの滑らかな主要外面2A、4Aを有する透明層状素子1を備えるキャリア5とを備える有機発光ダイオードデバイス6であり、層状素子が、
それぞれが層状素子の2つの主要外面2A、4Aの一方を形成し且つ透明材料、好ましくは誘電体から構成され実質的に同じ屈折率n2、n4を有する2つの外層2、4と、
外層の屈折率とは異なる屈折率n3を有する透明層、好ましくは誘電体、若しくは金属層である単層によって、又は外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する少なくとも1つの透明層、好ましくは誘電体、若しくは金属層を備える積層体(31、32、・・・3k)によって形成される、外層の間に挿入される中心層3とを備え、
一方が透明で屈折率(n2、n3、n4、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が屈折率を有する透明層である、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S0、S1、・・・Sk)がテクスチャ加工され、並びに各接触面が、一方が透明で屈折率(n2、n3、n4、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行であることを特徴とする。
それぞれが層状素子の2つの主要外面2A、4Aの一方を形成し且つ透明材料、好ましくは誘電体から構成され実質的に同じ屈折率n2、n4を有する2つの外層2、4と、
外層の屈折率とは異なる屈折率n3を有する透明層、好ましくは誘電体、若しくは金属層である単層によって、又は外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する少なくとも1つの透明層、好ましくは誘電体、若しくは金属層を備える積層体(31、32、・・・3k)によって形成される、外層の間に挿入される中心層3とを備え、
一方が透明で屈折率(n2、n3、n4、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が屈折率を有する透明層である、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S0、S1、・・・Sk)がテクスチャ加工され、並びに各接触面が、一方が透明で屈折率(n2、n3、n4、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行であることを特徴とする。
本発明の文脈において、屈折率の値が重要ではない一方の金属層と、もう一方の既定の屈折率を有する透明層、好ましくは誘電体とは区別されており、これらに関しては外層の屈折率に対する屈折率における差を考慮しなくてはならない。
本発明で使用する特定のキャリアは、ダイオードから層状素子に向かう入射光線の正透過及びキャリアを通る光源の方向を問わない光線の拡散反射を得ることを可能にする。
したがって、驚くべきことに、本発明は、
平坦な基板とは相対的にOLEDからの光抽出を改善し、この改善は特には増加した光抽出をもたらし、
キャリアを通してダイオードから出てくる光の正透過を確保して層状素子を備えるキャリアを通したくっきりとした視界を保証することでダイオードの最終的な見た目を向上させ、
特には積層構成の場合に審美的な利点を有し且つ清浄化がより容易となる、滑らかな空気/キャリア界面を維持する抽出ソリューションが得られ、
傾斜時の色特性を改善し、また傾斜時の強度プロファイルを変化させ、
特にはデバイスの両側から発光する透明OLEDの場合に、ダイオードの各側からの発光レベルを調節する
ことができる。
平坦な基板とは相対的にOLEDからの光抽出を改善し、この改善は特には増加した光抽出をもたらし、
キャリアを通してダイオードから出てくる光の正透過を確保して層状素子を備えるキャリアを通したくっきりとした視界を保証することでダイオードの最終的な見た目を向上させ、
特には積層構成の場合に審美的な利点を有し且つ清浄化がより容易となる、滑らかな空気/キャリア界面を維持する抽出ソリューションが得られ、
傾斜時の色特性を改善し、また傾斜時の強度プロファイルを変化させ、
特にはデバイスの両側から発光する透明OLEDの場合に、ダイオードの各側からの発光レベルを調節する
ことができる。
ダイオードからくる又はキャリアを経てダイオードを通過する光の正透過は、本発明のキャリアを、透明OLEDデバイスのための抽出ソリューションとして有用なものにする。同じ正透過特性により、本発明の特定のキャリアを装備した反射カソードを備えるダイオードデバイスの場合に鏡様の外観を維持することもできる。
したがって、キャリアは、拡散反射を示しながら透過において透明である素子を備える。本明細書を通して、本発明のキャリアは水平に配置されているとみなされ、下を向いた第1面は下側主要外面を規定し、第1面とは反対側の上を向いたその第2面は上側主要外面を規定する。したがって「上」及び「下」という表現の意味は、この向きに対して考えられる。特に明記されていない限り、「上」及び「下」という表現は必ずしも2つの素子、層及び/又はコーティングが互いに接触して置かれていることを意味しない。用語「下側」及び「上側」は本明細書においてこの配置に関して用いられる。
本発明において、1つ以上の発光ダイオードはキャリアの上又は下に置かれ、すなわちダイオードが上に置かれる場合はキャリアの第2面と接触し、ダイオードが下に置かれる場合は第1面と接触する。
有機発光ダイオードは、
1つ以上の層から形成される好ましくは透明な第1電極と、
第1電極上の有機発光系と、
1つ以上の層から形成される、第1電極とは反対側の有機発光系上に堆積される第2電極と、
を備える。
1つ以上の層から形成される好ましくは透明な第1電極と、
第1電極上の有機発光系と、
1つ以上の層から形成される、第1電極とは反対側の有機発光系上に堆積される第2電極と、
を備える。
透明有機発光ダイオードデバイスを得るために、透明第1及び第2電極が使用される。鏡面効果を有する有機発光ダイオードデバイスを得るために、透明第1電極及び反射第2電極が使用される。
本発明は有機発光ダイオードデバイス用の電極をコーティングした、上で定義したようなキャリアにも関し、このキャリアが少なくとも1つの層状素子を備えることを特徴とする。好ましくは、キャリアは第1面と、この第1面とは反対側の第2面とを備え、またその第2面の上又はその第1面の下に層の形態で電極を備える。
そして、本発明は有機発光ダイオードデバイスにおけるキャリアの使用に関し、キャリアが透明層状素子1を備えることを特徴とする。
OLEDの電極は好ましくは少なくとも1つの導電層を備える。好ましくは、キャリアと接触している電極はアノードである。
導電層は、ITO、ZnO:Al、SnO2:Fから選択される1種以上の材料又はAg、Au、Cu等の金属の導電性薄層を含む薄層若しくは薄層の積層体から構成され得る。
キャリアは更に、層状素子の上又は下に位置決めされる少なくとも1つの追加層を備える。キャリアのこの追加層は、層状素子の外層の透明材料、好ましくは誘電体と実質的に同じ屈折率又は異なる屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体から成り得る。
キャリアは、上側主要外面及び下側主要外面の2つの主要外面を備える。キャリアの主要外面は、キャリアが追加層を備えないならば、層状素子の主要外面と一致する。対照的に、キャリアが
少なくとも1つの上側追加層を備える場合、キャリアの上側主要外面は上側追加層の上側主要外面と一致し、
少なくとも1つの下側追加層を備える場合、キャリアの下側主要外面は下側追加層の下側主要外面と一致する。
少なくとも1つの上側追加層を備える場合、キャリアの上側主要外面は上側追加層の上側主要外面と一致し、
少なくとも1つの下側追加層を備える場合、キャリアの下側主要外面は下側追加層の下側主要外面と一致する。
本発明の文脈において、用語「屈折率(index)」とは、波長550nmで測定される光学的屈折率のことである。
本発明において、薄層は、厚さが1μm未満の層である。
好ましくは誘電体の、2つの透明材料又は透明層は、実質的に同じ屈折率又は550nmでの屈折率の差の絶対値が0.15以下であるならば実質的に等しい屈折率を有する。好ましくは、層状素子の2つの外層の、好ましくは誘電体の、透明構成材料間での550nmでの屈折率における差の絶対値は0.05未満、より好ましくは0.015未満である。
好ましくは誘電体の、2つの透明材料又は透明層は、550nmでの屈折率の差の絶対値が厳密に0.15より大きいならば異なる屈折率を有する。有利な特色に従うと、一方の外層ともう一方の、中心層の屈折率(n3、n31、n32、・・・n3k)を有する少なくとも1つの透明層との間での550nmでの屈折率の差の絶対値は0.3以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上である。
最初は抽出円コーンにあるダイオードからくる光線はキャリア/空気界面で出射する。層状素子内の少なくとも1つのテクスチャ加工接触面での比較的大きい屈折率の差が、このテクスチャ加工接触面からの光の反射を促進する。したがって、キャリア/空気界面での内部全反射によって捕捉されていたであろう光線は中心層のテクスチャ加工面で反射、散乱され、したがって第2反射後、デバイスから抽出され得る。
本発明の文脈においては、以下の定義を用いる。
2つの隣接する層の間の接触面は、2つの隣接する層の界面である。
透明素子は、少なくとも素子の最終用途の使用波長範囲において光線の透過が起きる素子である。例えば、素子を建築又は自動車グレージングユニットで使用する場合、素子は少なくとも可視波長範囲で透明となる。
本発明において、「透明材料」又は「透明層」という表現は特には、
屈折率(n2、n4)の透明材料から構成される外層2、4、
屈折率(n3)の透明層から形成される中心層3、
外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する少なくとも1つの透明層を備える積層体(31、32、・・・3k)、
のことである。
屈折率(n2、n4)の透明材料から構成される外層2、4、
屈折率(n3)の透明層から形成される中心層3、
外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する少なくとも1つの透明層を備える積層体(31、32、・・・3k)、
のことである。
好ましくは、透明材料又は透明層は有機質又は鉱物質である。好ましくは、透明材料又は透明層は金属から形成されない。鉱物透明材料又は層は、1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択され得る。遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属は好ましくは、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、インジウム、アルミニウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム又はマグネシウムから選択される。有機誘電体又は有機誘電体層はポリマーから選択される。
これらの透明材料又は透明層は好ましくは誘電体である。誘電体又は誘電体層は非金属から形成される材料又は層である。低導電率、好ましくは104S/m未満、任意で100S/m未満を有する材料又は層を、誘電体又は誘電体層であるとみなす。金属の抵抗率より高い抵抗率を有する材料又は層もまた、誘電体又は誘電体層であるとみなし得る。本発明の誘電体又は誘電体層は、1オーム・センチメートル(Ω・cm)より高い、好ましくは10Ω・cmより高い、任意で104Ω・cmより高い抵抗率を有する。
本発明の特定の一実施形態において、層状素子の中心層及び/又は上側外層はOLEDデバイスの一方の電極、好ましくは下側電極を形成し得る。この場合、中心層は好ましくは少なくとも1つの金属層を備える。この層の上に位置する層が屈折率n2、n31、n32、・・・n3kを有する透明層である場合、これらの層はある程度導電性でなくてはならない。したがって、透明材料又は透明層は導電層になり得る。具体的には、これらの透明材料又は透明層は、この層又はこれらの層と層状素子の中心層とから形成される電極が導電性であり続けることを確保するだけの充分に「低い」抵抗率を有していなくてはならない。これらの層又は材料は好ましくは1Ω・cm未満、好ましくは10-2Ω・cm未満の抵抗率を有する。
粗面又はテクスチャ加工面は、面特性が、面上の入射光の波長より大きい規模で変化する面である。そのため、入射光は透過し、面で拡散反射される。好ましくは、本発明の粗面又はテクスチャ加工面は、少なくとも0.5μm、特には1〜5μmの算術平均偏差Raに対応する粗さパラメータを有する(評価長さに沿ったプロファイルの中央線から測定される粗さプロファイルRの全ての絶対距離の算術平均に対応する)。
滑らかな面とは、面不整がその面不整によって光が逸れないようなものである面である。したがって、入射光線は透過し、面で正反射される。好ましくは、滑らかな面は、面不整が面上の入射光の波長より小さい又はずっと大きい(大規模起伏)寸法を有する面である。
しかしながら、外層又は追加層は、これらの層が実質的に同じ屈折率を有する誘電体から構成され且つ一定の不整を示す層と接触している面とは反対側に上で定義されたような滑らかな面を有する1つ以上の追加層と接触しているならば一定の面不整を含み得る。
好ましくは、滑らかな面は、0.1μm未満、好ましくは0.01μm未満の算術平均偏差Raに対応する粗さパラメータ又は10°未満の傾斜を有する面である。
グレージングペインは、鉱物又は有機透明基板に対応する。
層状素子は剛性又は可撓性になり得る。これは特には例えばガラス又はポリマー材料をベースとして形成されるグレージングペインの問題となり得る。また、ポリマー材料をベースとした可撓性フィルム、特には面に追加可能なものの問題になり得る。
正透過は、層状素子の2つの外層が滑らかな主要外面を有し且つ実質的に同じ屈折率を有する材料から構成され、また層状素子の2つの隣接する層の間の各テクスチャ加工接触面(2つの隣接する層の一方は透明であり、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は両方が異なる屈折率を有する透明層である)が2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面(2つの隣接する層の一方は透明であり、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は両方が異なる屈折率を有する透明層である)と平行であることから起きる。
層状素子の滑らかな外面は、空気/外層界面での光線の正透過を確保する。すなわち、光線の方向が変化することのない、ダイオードから上側外層内への光線の入射及びデバイスから下側外層を経由した光線の出射を確保する。テクスチャ加工接触面の平行関係は、透明であり且つ外層の屈折率と異なる屈折率を有する又は金属である中心層の構成層又は各構成層が、中心層と外層との接触面に対して垂直に均一な厚さを有することを含意する。
この厚さは、テクスチャ全体にわたって又はテクスチャのセクションに限局してのみ均一となり得る。特に、テクスチャの傾斜に変動がある場合、2つの連続したテクスチャ加工接触面間の厚さはセクションごとにテクスチャの傾斜に応じて変化し得るが、テクスチャ加工接触面は常に互いに平行なままである。これは特に陰極スパッタリングで堆積させる層にあてはまり、そのような層の厚さはテクスチャの傾斜に反比例する。したがって、局所的には、所定の傾斜を有する各テクスチャセクションにおいて層の厚さは一定なままであるが、層の厚さは、第1傾斜を有する第1テクスチャセクションと第1傾斜とは異なる第2傾斜を有する第2テクスチャセクションとの間で異なる。
有利には、層状素子内でテクスチャ加工接触面の平行関係を得るために、中心層の構成層又は各構成層は陰極スパッタリングで堆積される層である。
具体的には、陰極スパッタリング、特にはマグネトロン陰極スパッタリングは、層の境界を定める面が互いに平行となることを保証し、他の堆積技法、例えば蒸着又は化学蒸着(CVD)法又はゾル−ゲル法には当てはまらない。しかしながら、層状素子内でのテクスチャ加工接触面の平行関係は、素子を通る正透過を得ようとするならば必須である。
層状素子の第1外層上の入射光線は、その方向を変化させることなくこの第1外層を通過する。第1外層及び中心層の少なくとも1つの層は異なる(金属又は誘電体)性質を有する又は異なる屈折率を有するため、光線は次に中心層で屈折する。一方で層状素子の2つの隣接する層の間のテクスチャ加工接触面(2つの隣接する層の一方は透明でもう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は両方が異なる屈折率を有する透明層である)は全て互いに平行であり、他方で第2外層は第1外層と実質的に同じ屈折率を有するため、スネルの屈折の法則に従って、中心層からくる第2外層における光線の屈折角は第1外層からくる中心層上での光線の入射角に等しい。
このため光線は、層状素子の第2外層から、素子の第1外層上へのその入射方向と同じ方向で出てくる。したがって、層状素子による光線の透過は正透過である。したがって、層状素子を通したくっきりとした視界が層状素子の正透過特性によって得られ、すなわち層状素子は半透明に見えない。
有利には、本発明のデバイスは、ISO規格9050:2003に準拠した測定で少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%の光透過率及びASTM D1003規格に準拠した測定で20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満の透過曇り度を得ることを可能にする。これらの値はキャリア側で測定される。
本発明の一態様において、透明材料、好ましくは誘電体から構成される層状素子の2つの外層の少なくとも一方は、
好ましくはポリマー、ガラス及びセラミックから選択される透明基板(その主要面の一方にはテクスチャ加工が施され、もう一方の主要面は滑らかである)、
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料の層、
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとする層であって、光架橋性及び/又は光重合性材料、ゾル−ゲル法で堆積される層、エナメル層を含む層、
ポリビニルブチラール(PVB)、塩化ポリビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート又はエチレン/ビニルアセテート(EVA)から選択されるポリマーを好ましくはベースとし得る熱成形性又は感圧プラスチックの中間層又はインターリーブ、
から選択される。
好ましくはポリマー、ガラス及びセラミックから選択される透明基板(その主要面の一方にはテクスチャ加工が施され、もう一方の主要面は滑らかである)、
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料の層、
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとする層であって、光架橋性及び/又は光重合性材料、ゾル−ゲル法で堆積される層、エナメル層を含む層、
ポリビニルブチラール(PVB)、塩化ポリビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート又はエチレン/ビニルアセテート(EVA)から選択されるポリマーを好ましくはベースとし得る熱成形性又は感圧プラスチックの中間層又はインターリーブ、
から選択される。
下側外層は好ましくは透明基板であり、その主要面の一方にはテクスチャ加工が施され、もう一方は滑らかである。透明基板の主要面の1つへのテクスチャ加工はいずれの公知のテクスチャ加工法でも施し得て、例えば面を変形させることが可能な温度まで事前に加熱された基板面への、特には基板に形成しようとするテクスチャに相補的なテクスチャをその表面に有するローラでローラ掛けすることによるエンボス加工、研磨粒子又は研磨面による研磨(特にはサンドブラスト)、化学処理(特に、ガラス基板の場合は酸処理)、成型(特に、熱可塑性ポリマーの基板の場合は射出成形)又は彫刻である。
透明基板がポリマーから形成される場合、この基板は剛性又は可撓性になり得る。本発明に適したポリマーの例には、特には
ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリアクリレート、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、
ポリカーボネート、
ポリウレタン、
ポリアミド、
ポリイミド、
フルオロポリマー、例えばフルオロエステル:エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)又はフッ化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)、
光架橋性及び/又は光重合性樹脂、例えばチオレン、ポリウレタン、ウレタン−アクリレート又はポリエステル−アクリレート樹脂、並びに
ポリチオウレタン
が含まれる。
ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリアクリレート、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、
ポリカーボネート、
ポリウレタン、
ポリアミド、
ポリイミド、
フルオロポリマー、例えばフルオロエステル:エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)又はフッ化エチレン−プロピレンコポリマー(FEP)、
光架橋性及び/又は光重合性樹脂、例えばチオレン、ポリウレタン、ウレタン−アクリレート又はポリエステル−アクリレート樹脂、並びに
ポリチオウレタン
が含まれる。
これらのポリマーは概して、1.3〜1.7の屈折率範囲を示す。しかしながら、これらのポリマーの一部、特には硫黄含有ポリマー、例えばポリチオウレタンが高屈折率、可能性としては最高1.74を有し得ることは興味深い。
層状素子の外層として直接使用し得るガラス基板の例には、
Saint-Gobain Glassが販売するSatinovo(登録商標)シリーズ(前もってテクスチャ加工が施され且つその主要面の1つに、サンドブラスト又は酸処理で得られるテクスチャを有する)のガラス基板、
Saint-Gobain Glassが販売するAlbarino(登録商標)S、P 若しくはGシリーズ又はMasterglass(登録商標)シリーズ(その主要面の1つにロール掛けで得られるテクスチャを呈する)のガラス基板、
フリントガラス等のサンドブラストでテクスチャ加工される高屈折率ガラス基板(例えば、Schottが品番SF6(n=1.81)、7SF57(n=1.85)、N−SF66(n=1.92)及びP−SF68(n=2.00)で販売)
が含まれる。
Saint-Gobain Glassが販売するSatinovo(登録商標)シリーズ(前もってテクスチャ加工が施され且つその主要面の1つに、サンドブラスト又は酸処理で得られるテクスチャを有する)のガラス基板、
Saint-Gobain Glassが販売するAlbarino(登録商標)S、P 若しくはGシリーズ又はMasterglass(登録商標)シリーズ(その主要面の1つにロール掛けで得られるテクスチャを呈する)のガラス基板、
フリントガラス等のサンドブラストでテクスチャ加工される高屈折率ガラス基板(例えば、Schottが品番SF6(n=1.81)、7SF57(n=1.85)、N−SF66(n=1.92)及びP−SF68(n=2.00)で販売)
が含まれる。
層状素子の2つの外層のそれぞれが透明基板によって形成される場合、これら2枚の透明基板は互いに相補的なテクスチャを有する。
層状素子のテクスチャ加工が施された外層は単純に、1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される誘電体の層から構成され得る。遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属は好ましくは、ケイ素、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム又はマグネシウムから選択される。誘電体のこの薄層は高屈折率材料、例えばSi3N4、AlN、NbN、SnO2、ZnO、SnZnO、Al2O3、MoO3、NbO、TiO2、ZrO2、InO及び低屈折率材料、例えばSiO2、MgF2、AlF3から選択される材料から形成され得る。この層は好ましくは層状素子の上側外層として使用され、また陰極スパッタリング堆積技法、特にはマグネトロン陰極スパッタリング堆積技法、蒸着、化学蒸着(CVD)法によって、事前に下側外層及び中心層をコーティングしたキャリア上に堆積され得る。他方で、陰極スパッタリングで形成される堆積物は面に合致する。したがって、このようにして堆積された層を続いて磨いて平坦な主要外面を得なくてはならない。したがって、これらの誘電体層は中心層の表面粗さに調和したテクスチャ加工面と、この面とは反対側の、平坦な主要外面とを備える。
層状素子の外層はまた、成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとし得る。好ましくは、これらの層は、層状素子の上側外層として使用される。
最初は液体又はペースト状粘性状態で堆積される層は、光架橋性及び/又は光重合性材料の層になり得る。好ましくは、この光架橋性及び/又は光重合性材料は周囲温度で液体の形態で用意され、照射により光架橋及び/又は光重合されると、気泡又は他の不整のない透明な固体となる。この材料は特には樹脂、例えば通常は接着剤又は表面コーティング剤として使用されるものになり得る。これらの樹脂は概して、エポキシ、エポキシシラン、アクリレート、メタクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸タイプのモノマー/コモノマー/プレポリマーをベースとする。例えば、チオレン、ポリウレタン、ウレタン−アクリレート又はポリエステル−アクリレート樹脂を挙げ得る。樹脂の代わりに、この材料は光架橋性水性ゲル、例えばポリアクリルアミドゲルになり得る。本発明で使用し得る光架橋性及び/又は光重合性樹脂の例には、Norland OpticsがNOA(登録商標)Norland Optical Adhesivesブランドとして販売している製品、例えばNOA(登録商標)65、NOA(登録商標)75製品が含まれる。
変化形において、最初は液体又はペースト状粘性状態で堆積される外層はゾル−ゲル法で堆積される層になり得て、例えばゾル−ゲル法で堆積される石英ガラスである。公知のように、石英ガラスのゾル−ゲル堆積のための前駆体はシリコンアルコキシドSi(OR)4であり、水の存在下で加水分解/縮合タイプの重合反応を起こす。これらの重合反応によって次第に縮合度が上昇する実体が形成され、ゾル、次にゲルを形成するコロイドシリカ粒子となる。これらのシリカゲルを約数百度の温度で乾燥、緻密化すると、特徴が慣用のガラスのものと同様であるガラスが得られる。その粘性により、コロイド溶液又はゲルを第1外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面上に容易に堆積し得て、この面のテクスチャに合致する。
この堆積を、特にはディップコーティング、スピンコーティング又はブレーディングにより行い得る。ゾル−ゲル法で堆積される層は、層状素子の面を平坦化する。しかしながら、そのような平坦化層を使用すると、このいわゆる平坦化層の主要外面はある種の面不整を呈し得る。キャリアの外層を滑らかにするために、ある種の不整を呈するこの面と接触させて、外層と実質的に同じ屈折率を有する追加層、例えば後述するようなプラスチック中間層又はシートを配置することが可能である。
別の外層例は、ガラス基板、例えばソーダ石灰ガラス基板上にガラスフリットをベースとしたエナメルを堆積することで得られる。この場合、エナメルそれ自体は散乱性ではなく、またそのような特性をもたらす傾向がある化合物又は構造体、例えば気泡を含まない。エナメルを得るために、まずガラスフリットを含む調合物を、ガラスを数ミクロン(例えば、D50=2ミクロン)の粒径に粉砕し、続いてこの粉砕ガラスを有機マトリックスを使用してペーストにすることで調製する。次に、この組成物の層を、液状堆積技法、例えばスクリーン印刷又はスロットコーティングによりガラス基板上に堆積する。そして、この層を、組成物に使用したガラスフリットのガラス転移温度より少なくとも100℃高い温度で焼成する。エナメル層は、成形操作に適した最初は液体、粘性又はペースト状態の硬化性材料をベースとした層に対応する。
下側外層として使用する場合、続いて、極限pH値を有する、すなわち強酸性(pH<2)又は強塩基性(pH>12)である溶液での化学処理によってこのエナメル層に粗面又はテクスチャ加工を施し得る。この場合、ガラス基板はキャリアの追加層であるとみなされ、エナメル層は層状素子の外層を形成するとみなされる。
エナメル層は、上側外層としても使用され得る。この場合、層状素子のテクスチャ加工上側外層は単純に、液状堆積技法(スクリーン印刷、スロットコーティング等)によって下側外層及び中心層を事前にコーティングしたキャリア上に堆積される、ガラスフリットをベースとしたエナメル組成物から構成され得る。エナメル層は、中心層の粗さを「埋める」。エナメル層はそのようにテクスチャ加工された中心層の表面粗さに調和する面とこの面とは反対側にある、平坦な主要外面とを備える。しかしながら、この場合、ガラスフリットを含む組成物を溶融させるのに必要な高焼成温度に関し、キャリアで使用する材料、すなわち中心層をコーティングした外層の材料がこの焼成ステップの結果、変形しないようにすることが必要である。例えば、下側外層としてテクスチャ加工されたエナメルを備えるガラス基板から構成されるキャリアを使用する場合、上側外層を形成することが意図された、ガラスフリットを含むエナメル組成物が下側外層のエナメル形成に使用されるフリット組成物のガラス転移温度より低いガラス転移温度Tgを示すことが好ましい。したがって、下側外層は、上側外層の焼成ステップ中に変形しない。
ガラスエナメル組成物を使用したこの作製工程により、低又は高屈折率を有する外層を層状素子用に設けることができる。例えば、高屈折率エナメル組成物を堆積させると、高屈折率テクスチャ加工外層をコーティングした基板が得られる。高屈折率エナメル層を得るためには、重い元素を豊富に含有するガラスフリットを含むエナメル組成物の使用で充分であり、例えばビスマス高含有エナメル、例えばビスマス含有量が40重量%を超えるエナメルである。
外層は熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層又はシートをベースとした層を備え得て、この層は第1外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面に対して位置決めされ、また圧縮及び/又は加熱によってこのテクスチャ加工面に対して成形される。ポリマー材料をベースとしたこの層は特にはポリビニルブチラール(PVB)、エチレン/ビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は塩化ポリビニル(PVC)をベースとした層になり得る。これらの層は、圧縮及び/又は加熱によって成形され得る。
外層の厚さは好ましくは1μm〜6mmであり、透明材料、好ましくは誘電体の選択に応じて変化する。
平坦な又はテクスチャ加工が施されたガラス基板は好ましくは0.4〜6mm、より好ましくは0.7〜2mmの厚さを有する。
平坦な又はテクスチャ加工が施されたポリマー基板は好ましくは0.020〜2mm、より好ましくは0.025〜0.25mmの厚さを有する。
好ましくは誘電体の、透明材料の層から構成される外層は、好ましくは0.2〜20μm、より好ましくは0.5〜2μmの厚さを有する。
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとした層は好ましくは0.5〜40μm、より好ましくは0.5〜7μmの厚さを有する。光架橋性及び/又は光重合性材料をベースとした層は好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは0.7〜10μmの厚さを有する。ゾル−ゲル法で堆積される層は好ましくは1〜40μm、より好ましくは10〜15μmの厚さを有する。ガラスフリットをベースとしたエナメル層は好ましくは3〜30μm、より好ましくは5〜20μmの厚さを有する。
プラスチック中間層又はシートをベースとした層は好ましくは10μm〜1mm、より好ましくは0.3〜1mmの厚さを有する。
好ましくは誘電体の、透明材料又は透明層は、
例えば標準ガラスを使用する場合は1.51〜1.53の屈折率、
低屈折率材料若しくは層を使用する場合、例えば低屈折率エナメルを使用する場合は1.51未満、好ましくは1.49未満の屈折率、又は
高屈折率材料若しくは層を使用する場合、例えば高屈折率エナメルを使用する場合は1.54より高い、好ましくは1.7より高い屈折率、
を有し得る。
例えば標準ガラスを使用する場合は1.51〜1.53の屈折率、
低屈折率材料若しくは層を使用する場合、例えば低屈折率エナメルを使用する場合は1.51未満、好ましくは1.49未満の屈折率、又は
高屈折率材料若しくは層を使用する場合、例えば高屈折率エナメルを使用する場合は1.54より高い、好ましくは1.7より高い屈折率、
を有し得る。
本発明の特に有利な一実施形態において、層状素子の上側及び下側層の形成に使用される材料は高屈折率材料である。得られる抽出ソリューションは、透明電極及び有機層のガイディング効果を最小限に抑えることでキャリアに可能な限り多くの光を注入し、また空気/キャリア界面で反射される光を抽出することの両方を可能にする。本発明において、「高屈折率材料」という表現は、1.7〜2.4、好ましくは1.75〜2.1、また1.8〜2.0もの屈折率を有する材料を意味すると理解される。これらの高屈折率材料は特には、ガラス、スルホン化ポリマー等のポリマー、誘電体の層及びエナメル層から選択され得る。
層状素子の中心層の層又は積層体は、
透明ポリマーから形成される少なくとも1つの接着層、
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料、好ましくは誘電体から構成される少なくとも1つの薄層、
少なくとも1つの金属薄層、特には銀、金、銅、チタン、ニオブ、ケイ素、アルミニウム、ニッケル−クロム合金(NiCr)、ステンレススチール又はこれらの合金の薄層、
から選択される層を備え得る。
透明ポリマーから形成される少なくとも1つの接着層、
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料、好ましくは誘電体から構成される少なくとも1つの薄層、
少なくとも1つの金属薄層、特には銀、金、銅、チタン、ニオブ、ケイ素、アルミニウム、ニッケル−クロム合金(NiCr)、ステンレススチール又はこれらの合金の薄層、
から選択される層を備え得る。
好ましくは誘電体の、透明材料から構成される薄層は、
外層の屈折率とは異なる高屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体、例えばSi3N4、AlN、NbN、SnO2、ZnO、SnZnO、Al2O3、MoO3、NbO、TiO2、ZrO2又はInOから構成される少なくとも1つの薄層、
外層の屈折率とは異なる低屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体、例えばSiO2、MgF2又はAlF3から構成される少なくとも1つの薄層
から選択され得る。
外層の屈折率とは異なる高屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体、例えばSi3N4、AlN、NbN、SnO2、ZnO、SnZnO、Al2O3、MoO3、NbO、TiO2、ZrO2又はInOから構成される少なくとも1つの薄層、
外層の屈折率とは異なる低屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体、例えばSiO2、MgF2又はAlF3から構成される少なくとも1つの薄層
から選択され得る。
中心層が酸化物を含む場合、酸化物をドープし得る。中心層は例えばスズドープインジウム酸化物、アルミニウムドープ亜鉛酸化物又はフッ素ドープスズ酸化物の層になり得る。
中心層が透明ポリマーから形成される接着層である場合、外層を、外層の屈折率とは異なる屈折率を有する誘電体の層によって形成されるこの中心層で組み立てる。
中心層の厚さの選択は、一定数のパラメータに左右される。概して、中心層の総厚は5〜200nmであると考えられ、中心層を構成するある層の厚さは1〜200nmである。
中心層が金属層である場合、1つの層の厚さは好ましくは5〜40nm、より好ましくは6〜30nm、より一層好ましくは6〜20nmである。
中心層が、好ましくは誘電体の、透明層(例えばTiO2)の場合、中心層は20〜100nm、より好ましくは55〜65nmの厚さ及び/又は2.2〜2.4の屈折率を有する。
OLEDデバイスが透明の場合、すなわち透明カソード及び透明アノードを備える場合、例えば中心層の厚さ及び性質、特にはその反射係数を選択することでダイオードの各側から発せられる光のレベルを調節可能である。具体的には、透明ダイオードデバイスにおいては、中心層の反射率が高ければ高いほど、キャリアの側とは反対の側からの発光量が増大することが容易に理解できる。この場合、本発明の特定のキャリアの使用は抽出の促進だけではなく、デバイスの各側での光レベルの調節も可能にする。ダイオードの各側から発せられる光のレベルを変化させる別の考えられ得るやり方は、各側で反射係数が異なる中心層を選択することである。例えば、空気/キャリア界面側で高反射係数、ダイオード/キャリア側で低反射係数を有する中心層では、空気/キャリア側の照度が上昇する。
有利には、層状素子の中心層の組成を調節することによって層状素子に追加の特性、例えば太陽光制御及び/又は低放射率タイプの熱特性を付与し得る。したがって、一実施形態において、層状素子の中心層は、「n」枚の金属機能性層、特には銀又は銀含有合金をベースとした機能性層と「(n+1)」(n≧1)枚の反射防止コーティングとを交互に備え各金属機能性層が2枚の反射防止コーティングの間に位置決めされる、薄層の透明な積層体である。
公知のやり方において、金属機能性層を有するそのような積層体は太陽光の範囲及び/又は長波長赤外線の範囲で反射特性を示す。そのような積層体においては金属機能性層が本質的に熱性能を決定し、金属機能性層を囲む反射防止コーティングは光学的側面に干渉的に作用する。これは、金属機能性層は各金属機能性層についてたとえ約10nmの小さい幾何的厚さであっても望ましい熱性能を得ることを可能にするのに、それでいて可視波長の範囲の光線の通過には強力に対抗するからである。したがって、各金属機能性層の両側の反射防止コーティングが、可視光範囲における良好な光透過を確保するために必要である。
これら追加の機能性は建築用途において有利になり得る。具体的には、本発明のデバイスをグレージングユニットで使用し得て、キャリアは住居の外側、ダイオードは内側に設置される。この場合、本発明のキャリアは、OLED抽出ソリューションを形成することに加えて、OLEDが紫外線等の有害な放射線から保護されることを確保する。さらに、この系は、中心層が充分に導電性である場合に太陽光制御機能をもたらし得る。
本発明の一態様において、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(2つの隣接する層の一方は透明であり(好ましくは金属から形成されない)、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)のテクスチャは、接触面の全般面に対して窪んだ又は突出した複数の特徴部によって形成される。好ましくは、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(2つの隣接する層の一方は透明、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)の特徴部の平均高さは1μm〜1mmである。本発明の意味の範囲内で、接触面の特徴部の平均高さは、接触面の各特徴部について接触面のピークと全般面との間で測定される、絶対値での距離yiの算術平均と定義され、
に等しい。
層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(2つの隣接する層の一方は透明であり、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)のテクスチャの特徴部は、接触面全体にわたってランダムに分散させられ得る。変化形において、層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(2つの隣接する層の一方は透明であり、もう一方は金属であり、あるいは2つの隣接する層は異なる屈折率を有する2つの透明層である)のテクスチャの特徴部は、接触面全体にわたって周期的に分散させられ得る。これらの特徴部は特には円錐、角錐、溝、畝又はさざ波になり得る。
本発明の一態様において、それ自身とは異なる透明(好ましくは非金属)若しくは金属の性質又はそれ自身とは異なる屈折率を有する層に挟まれた中心層の各層に関し、隣接する層とのその接触面に対して垂直に測定されるこの層の厚さは、隣接する層とのその接触面のそれぞれの特徴部の平均高さより小さい。そのような小さい厚さは、この層への光線の入射界面とこの層から出ていく光線の出射界面とが平行である確率を上昇させ、ひいては層状素子を通る光の正透過率を上昇させることを可能にする。有利には、それ自身とは異なる透明(好ましくは非金属)若しくは金属の性質又はそれ自身とは異なる屈折率を有する2つの層の間に挿入される中心層の各層の厚さは(この厚さは隣接する層とのその接触面に対して垂直に測定される)、隣接する層とのその接触面のそれぞれの特徴部の平均高さの1/4未満である。
中心層は、第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積される単層又は第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように連続的に堆積される層の積層体によって形成される。
本発明において、堆積後にもし中心層の上面がテクスチャ加工され且つ第1外層のテクスチャ加工接触面に対して平行であるならば、中心層は第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積されると考えられる。第1外層のテクスチャ加工主要面上への中心層のテクスチャ加工主要面と合致するような堆積又は中心層の複数の層のテクスチャ加工主要面と合致するような連続的な堆積は、好ましくは陰極スパッタリング、特にはマグネトロン陰極スパッタリングによって行われる。
追加層は好ましくは:
上で定義したようなポリマー、ガラス又はセラミックから選択される、ただし2つの滑らかな主要面を備える透明基板、
上で定義したような成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料、
上述したような熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層又はシート
から選択される。
上で定義したようなポリマー、ガラス又はセラミックから選択される、ただし2つの滑らかな主要面を備える透明基板、
上で定義したような成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料、
上述したような熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層又はシート
から選択される。
有利には、層状素子の滑らかな主要外面及び/又はキャリアの滑らかな主要外面は平坦である又は湾曲している。好ましくは、これらの滑らかな主要外面は互いに平行である。このことは層状素子を横断する光の光分散の制限、ひいては層状素子を通した視界の鮮明度の改善に寄与する。
キャリアは剛性グレージングペイン又は可撓性フィルムになり得る。有利には、そのような可撓性フィルムの主要外面の1つに接着層を設け、この接着層はフィルム接着時に取り外すことが意図された保護ストリップで覆われる。したがって、可撓性フィルムの形態をとるこの層状素子を備えるキャリアを既存の面、例えばOLEDに接着により追加して本発明のデバイスを形成することが可能である。
本発明の一実施形態において、層状素子の2つの外層の第1外層、好ましくは下側外層は透明基板である。中心層は第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積される単層又は第1外層のテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように連続的に堆積される層の積層体によって形成される。好ましくは、中心層は陰極スパッタリング、特にはマグネトロン陰極スパッタリングにより堆積される。第2外層又は上側外層は好ましくは、第1外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面上に堆積される、最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料の層、あるいは熱成形性又は感圧性材料の中間層を備える。
本発明の別の態様において、上側外層が最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料の層を備える場合、追加層は対向基板として使用され得る。したがって、最初は液体又はペースト状粘性状態で堆積される層は、中心層を設けた下側外層と対向基板との間でのしっかりとした結合を確保する。
本発明の別の態様において、上側外層が熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層又はシートをベースとした層を備える場合、追加層、例えば外層の屈折率に実質的に等しい屈折率を有する透明基板を使用し得る。プラスチック中間層又はシートをベースとした層はその場合、積層中間層に対応し、中心層をコーティングした層状素子の下側外層と追加層との間の結合を確保する。
本発明の有機発光ダイオードデバイスのキャリアは好ましくは:
ポリマー、ガラス等の2つの主要面が滑らかな透明基板と熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層とから選択される任意の少なくとも1つの下側追加層と、
ポリマー、ガラス等の透明基板と成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料とから選択される下側外層、例えばエナメル層と、
屈折率(n3)を有する透明材料、好ましくは誘電体から構成される薄層又は金属薄層を備える中心層と、
ポリマー及びガラスから選択される透明基板、成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料並びに熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層から選択される上側外層と、
ポリマー及びガラスから選択される、2つの主要面が滑らかな透明基板並びに熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層から選択される任意の少なくとも1つの上側追加層、
との積層体を備える。
ポリマー、ガラス等の2つの主要面が滑らかな透明基板と熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層とから選択される任意の少なくとも1つの下側追加層と、
ポリマー、ガラス等の透明基板と成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料とから選択される下側外層、例えばエナメル層と、
屈折率(n3)を有する透明材料、好ましくは誘電体から構成される薄層又は金属薄層を備える中心層と、
ポリマー及びガラスから選択される透明基板、成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料並びに熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層から選択される上側外層と、
ポリマー及びガラスから選択される、2つの主要面が滑らかな透明基板並びに熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層から選択される任意の少なくとも1つの上側追加層、
との積層体を備える。
本発明の一変形例において、有機発光ダイオードデバイスのキャリアは、
粗ガラスから形成される透明基板から選択される下側外層と、
中心層であって好ましくはTiO2薄層を備える中心層と、
光架橋性及び/又は光重合性樹脂から選択される上側外層と、
板ガラスから形成される透明基板から選択される上側追加層、
とを備える。
粗ガラスから形成される透明基板から選択される下側外層と、
中心層であって好ましくはTiO2薄層を備える中心層と、
光架橋性及び/又は光重合性樹脂から選択される上側外層と、
板ガラスから形成される透明基板から選択される上側追加層、
とを備える。
別の実施形態において、本発明の有機発光ダイオードデバイスのキャリアは好ましくは:
粗ガラスから形成される透明基板から選択される、層状素子のための下側外層と、
中心層であって好ましくはTiO2薄層を備える中心層と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層から選択される上側外層、好ましくはポリビニルブチラールをベースとした層と、
板ガラスから形成される透明基板から選択される上側追加層、
との積層体を備える。
粗ガラスから形成される透明基板から選択される、層状素子のための下側外層と、
中心層であって好ましくはTiO2薄層を備える中心層と、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層から選択される上側外層、好ましくはポリビニルブチラールをベースとした層と、
板ガラスから形成される透明基板から選択される上側追加層、
との積層体を備える。
別の実施形態において、本発明の有機発光ダイオードデバイスのキャリアは:
粗ガラスから形成される透明基板から選択される下側外層と、
中心層であって好ましくはTiO2薄層を備える中心層と、
ゾル−ゲル法で得られる層から選択される上側外層と、
熱成形性又は感圧性材料から形成される中間層から選択され、好ましくはその上に透明ガラス基板から選択される別の上側追加層が重ねられる任意の上側追加層、
との積層体を備える。
粗ガラスから形成される透明基板から選択される下側外層と、
中心層であって好ましくはTiO2薄層を備える中心層と、
ゾル−ゲル法で得られる層から選択される上側外層と、
熱成形性又は感圧性材料から形成される中間層から選択され、好ましくはその上に透明ガラス基板から選択される別の上側追加層が重ねられる任意の上側追加層、
との積層体を備える。
「高屈折率」実施形態として言及される本発明の特に有利な実施形態において、層状素子の上側及び下側外層は、1.7〜2.4、好ましくは1.75〜2.1、より一層好ましくは1.8〜2の高屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体から構成される。
この実施形態において、キャリアは好ましくは:
ガラス若しくは高屈折率ポリマーから形成される透明基板から選択される下側外層又は
高屈折率エナメル層、例えば40重量%より高いビスマス含有量を有するエナメル組成物から得られるエナメル層から成る外層をコーティングしたガラスから形成される透明基板から選択される下側追加層と、
好ましくは誘電体の、透明材料、好ましくはSiO2若しくはTiO2から構成される薄層若しくは金属薄層、好ましくはAg、Nicr、Ti、Cu若しくはAuから構成される層を備える中心層と、
ポリマー若しくは高屈折率ガラスから形成される透明基板、高屈折率エナメル層、若しくは好ましくは誘電体の、高屈折率透明材料の層から選択される上側外層、
との積層体を備える。
ガラス若しくは高屈折率ポリマーから形成される透明基板から選択される下側外層又は
高屈折率エナメル層、例えば40重量%より高いビスマス含有量を有するエナメル組成物から得られるエナメル層から成る外層をコーティングしたガラスから形成される透明基板から選択される下側追加層と、
好ましくは誘電体の、透明材料、好ましくはSiO2若しくはTiO2から構成される薄層若しくは金属薄層、好ましくはAg、Nicr、Ti、Cu若しくはAuから構成される層を備える中心層と、
ポリマー若しくは高屈折率ガラスから形成される透明基板、高屈折率エナメル層、若しくは好ましくは誘電体の、高屈折率透明材料の層から選択される上側外層、
との積層体を備える。
本発明の有利な一実施形態において、層状素子の中心層及び/又は層状素子の上側外層は、有機発光ダイオードの下側電極(又は第1電極)を形成し得る。この実施形態において(この実施形態だけではないが)、中心層に電極機能を付与するために、中心層は好ましくは金属層である又は任意で金属層を備える。加えて、層状素子の上側外層は好ましくは、1Ω.cm未満、好ましくは10-1Ω.cm未満、より一層好ましくは10-2Ω.cm未満の抵抗率を有する透明材料、好ましくは非金属から構成される。そして、この実施形態において、層状素子は好ましくは、高屈折率を有する透明材料から構成される上側及び下側外層を備える。
この実施形態において、本発明の有機発光ダイオードデバイスのキャリアは好ましくは:
ガラス基板及びポリマー基板から選択される下側外層、又は高屈折率エナメル組成物から構成される外層をコーティングしたガラスから形成される透明基板から選択される下側追加層と、
中心層、好ましくはAgから構成される薄層等の金属層と、
透明材料の層を備える上側外層、
との積層体を備える。
ガラス基板及びポリマー基板から選択される下側外層、又は高屈折率エナメル組成物から構成される外層をコーティングしたガラスから形成される透明基板から選択される下側追加層と、
中心層、好ましくはAgから構成される薄層等の金属層と、
透明材料の層を備える上側外層、
との積層体を備える。
下側外層は好ましくは、高屈折率を有するガラス又はポリマーから形成される基板を備える。
上側外層は好ましくは、Si3N4、AlN、NbN、SnO2、ZnO、SnZnO、Al2O3、MoO3、NbO、TiO2又はZrO2、特にはSnZnO、Si3N4又はZnOから選択され、1Ω.cm未満の抵抗率を有し、好ましくは厚さ0.5〜20μmを有する透明材料の層を備える。
本発明の別の実施形態において、層状素子の上側層及び下側層の形成に使用する材料は低屈折率材料である。本発明の有機発光ダイオードデバイスのキャリアは:
低屈折率ガラス基板、低屈折率ガラスフリットをベースとしたエナメル層及び低屈折率ポリマーから形成される基板から選択される材料から構成される下側外層と、
中心層、好ましくはSiO2若しくはTiO2から構成される誘電体層又は任意で他の材料の薄層に囲まれたAg、NiCr、Ti、Cu若しくはAuから構成される層等の金属層と、
低屈折率ポリマーから形成される基板、低屈折率ガラスから形成される基板、低屈折率ガラスフリットをベースとしたエナメル層、及び好ましくは誘電体の、低屈折率透明材料の層から選択される材料から構成される上側外層、
との積層体を備える層状素子を備え得る。
低屈折率ガラス基板、低屈折率ガラスフリットをベースとしたエナメル層及び低屈折率ポリマーから形成される基板から選択される材料から構成される下側外層と、
中心層、好ましくはSiO2若しくはTiO2から構成される誘電体層又は任意で他の材料の薄層に囲まれたAg、NiCr、Ti、Cu若しくはAuから構成される層等の金属層と、
低屈折率ポリマーから形成される基板、低屈折率ガラスから形成される基板、低屈折率ガラスフリットをベースとしたエナメル層、及び好ましくは誘電体の、低屈折率透明材料の層から選択される材料から構成される上側外層、
との積層体を備える層状素子を備え得る。
本発明の別の主題は上述したようなデバイスの製造方法であり、以下の:
(A)主要面の一方がテクスチャ加工されもう一方の主要面が滑らかな透明基板を第1外層又は下側外層として用意し、
中心層を下側外層のテクスチャ加工主要面上に堆積させ、中心層が下側外層の屈折率とは異なる屈折率を有する透明層、好ましくは誘電体層、又は金属層である単層から形成される場合、中心層はテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積され、あるいは中心層が下側外層の屈折率とは異なる屈折率を有する少なくとも1つの透明層、好ましくは誘電体層、又は金属層を備える積層体から形成される場合、中心層の層はテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように連続的に堆積され、
第2外層又は上側外層を下側外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面上に形成し、下側及び上側外層は実質的に同じ屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体から構成され、
任意で少なくとも1つの上側及び/又は下側追加層を層状素子の滑らかな主要外面上に形成する、層状素子を備えるキャリアを作製するステップと、
(B)そのキャリア上に電極を堆積させるステップ、
とを含む。
(A)主要面の一方がテクスチャ加工されもう一方の主要面が滑らかな透明基板を第1外層又は下側外層として用意し、
中心層を下側外層のテクスチャ加工主要面上に堆積させ、中心層が下側外層の屈折率とは異なる屈折率を有する透明層、好ましくは誘電体層、又は金属層である単層から形成される場合、中心層はテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積され、あるいは中心層が下側外層の屈折率とは異なる屈折率を有する少なくとも1つの透明層、好ましくは誘電体層、又は金属層を備える積層体から形成される場合、中心層の層はテクスチャ加工主要面上にその面と合致するように連続的に堆積され、
第2外層又は上側外層を下側外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面上に形成し、下側及び上側外層は実質的に同じ屈折率を有する透明材料、好ましくは誘電体から構成され、
任意で少なくとも1つの上側及び/又は下側追加層を層状素子の滑らかな主要外面上に形成する、層状素子を備えるキャリアを作製するステップと、
(B)そのキャリア上に電極を堆積させるステップ、
とを含む。
本発明の一態様において、第2外層は、第1外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面上に、第1外層と実質的に同じ屈折率を有し且つ成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の材料の層を堆積することで形成される。したがって、第2外層は、例えば、最初は流体形態の光架橋性及び/若しくは光重合性材料の層を堆積し、続いてこの層に照射を行うことを含む方法又はゾル−ゲル法で層を堆積することで形成され得る。
本発明の別の態様において、第2外層は、第1外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工主要面上に、第1外層と実質的に同じ屈折率を有するポリマー材料をベースとした層を位置決めし、次にポリマー材料をベースとしたこの層を圧縮及び/又は少なくともポリマー材料のガラス転移温度まで加熱することで中心層のテクスチャ加工主要面に合致させることで形成される。ポリマー材料をベースとした層はこの場合、熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層である。
本発明の別の態様において、第2外層は、金型に、硬化後に透明ポリマー基板を形成し易い溶融ポリマーを注入することで形成される。この実施形態において、硬化後に得られる透明基板は好ましくはポリアクリル酸ポリマー、特にはPMMAから形成される透明基板から選択される。
透明OLEDの場合、この光抽出ソリューションを基板及びカプセル化の両方に用いることも考えられ、OLEDの両側からの光抽出の改善が可能となる。
本発明の特徴及び利点は、例として挙げられたに過ぎない、添付の図面に関連した層状素子の複数の実施形態についての以下の説明から明らかとなる。
図を分かり易くするために、図中の様々な層の相対的な厚さを正確な縮尺では描いていない。さらに、中心層又は各中心層の厚さにおける、テクスチャの傾斜に応じた考えられ得る変化は図には描かれておらず、厚さにおけるこの考えられ得る変化はテクスチャ加工接触面の平行関係に影響しないと理解される。これは、テクスチャの各所定の傾斜に関し、テクスチャ加工接触面は互いに平行だからである。
図1に示す有機発光ダイオードデバイス6はキャリア5と有機発光ダイオード7とを備える。キャリアは、実質的に同じ屈折率n2、n4を有する透明材料から構成される2つの外層2を備える層状素子1を備える。各外層2又は4はそれぞれ、層状素子の外側を向いた滑らかな主要面2A又は4A及び層状素子の内側を向いたテクスチャ加工主要面2B又は4Bを有する。
層状素子1の滑らかな外面2A、4Aにより各面2A、4Aで光は正透過し、すなわち方向を変えることなく、光線は外層に入射及び外層から出射する。
内面2B、4Bのテクスチャは互いに相補的である。図1からはっきりとわかるように、テクスチャ加工面2B、4Bは対向して位置決めされ、そのテクスチャは厳密に互いに平行な構成にある。層状素子1は、テクスチャ加工面2B、4Bの間に接触的に挿入され且つこれらと接触している中心層3も備える。
デバイスは、2つの電極9、11と有機材料の層又は積層体10(層の1つ以上がエレクトロルミネセントである)とを備える有機発光ダイオード7も備える。
そして、キャリアは上側及び下側追加層12も備える。
図2の変化形において、中心層3は単層であり、金属であるか又は外層2、4の屈折率とは異なる屈折率n3を有し透明である透明材料から構成される。図3の変化形において、中心層3は複数の層31、32、・・・3kの透明な積層体から形成され、層31〜3kの少なくとも1つは金属層又は外層2、4の屈折率とは異なる屈折率を有する透明層である。好ましくは、少なくとも、積層体の両端に位置する2つの層31、3kのそれぞれは金属層又は外層2、4の屈折率とは異なる屈折率n31又はn3kを有する透明層である。
図2〜3において、S0は外層2と中心層3との間の接触面を表し、S1は中心層3と外層4との間の接触面を表す。さらに、図3において、S2〜Skは面S0に最も近い接触面から順に中心層3の内部接触面を表す。
図2の変化形においては、中心層3が互いに平行なテクスチャ加工面2B、4Bの間に接触的に配置されることから、外層2と中心層3との間の接触面S0はテクスチャ加工され、また中心層3と外層4との間の接触面S1に対して平行となる。言い換えると、中心層3は、その全体にわたって、接触面S0、S1に対して垂直に測定した場合に均一な厚さe3を示すテクスチャ加工層である。
図3の変化形において、中心層3の構成積層体の2つの隣接する層の間の各接触面S2、・・・Skはテクスチャ加工され且つ外層2、4と中心層3との間の接触面S0、S1に対して厳密に平行である。したがって、素子1の隣接する層の間の全ての接触面S0、S1、・・・・Sk(隣接する層は性質が異なり、透明(好ましくは非金属)若しくは金属である又は透明で異なる屈折率を有する)はテクスチャ加工され且つ互いに平行である。特に、中心層3の構成積層体の各層31、32、・・・3kは、接触面S0、S1、・・・Skに対して垂直に測定した場合に均一な厚さe31、e32、・・・e3kを有する。
層状素子1の各接触面S0、S1又はS0、S1、・・・・Skのテクスチャは、接触面の全般面Πに対して窪んだ又は突出した複数の特徴部によって形成される。好ましくは、各テクスチャ加工接触面S0、S1又はS0、S1、・・・・Skの特徴部の平均高さは1μm〜1mmである。
本発明の一態様において、中心層3の構成層又は各構成層の厚さe3又はe31、e32、・・・e3kは層状素子の各テクスチャ加工接触面S0、S1又はS0、S1、・・・・Skの特徴部の平均高さより小さい。この状態は、中心層3のある層への光線の入射界面とこの層からの光線の出射界面とが平行である確率を上昇させ、ひいては層状素子1を通る光線の正透過率を上昇させることから重要である。これら各種の層を見やすくするために、この状態は図において厳密には描かれていない。
好ましくは、中心層3の構成層又は各構成層の厚さe3又はe31、e32、・・・e3kは層状素子の各テクスチャ加工接触面の特徴部の平均高さの1/4未満である。実際には、中心層3が薄層又は薄層の積層体である場合、中心層3の各層の厚さe3又はe31、e32、・・・e3kは、層状素子の各テクスチャ加工接触面の特徴部の平均高さの約1/10以下である。
図2の変化形において、接触面S0、S1は互いに平行であり、これはスネルの法則に従って、n4.sin(θ)=n2.sin(θ’)であることを含意し、θは外層4から来る中心層3での光線の入射角であり、θ’は中心層3から来る外層2における光線の屈折角である。図3の変化形において、接触面S0、S1、・・・・Skは互いに平行であるため、スネルの法則から得られる関係n4.sin(θ)=n2.sin(θ’)は依然として適用可能である。結果的に、両方の変化形において、2つの外層の屈折率n2、n4は実質的に等しいため、層状素子を透過する光線Rtdは層状素子上での入射角θに等しい透過角θ’で透過する。したがって、層状素子1による光線の透過は正透過である。
図1にはダイオードからきてキャリアに入射する光線Ridも図示されており、光線は空気/基板界面での内部全反射によって捕捉される。次に、反射光Rrは層状素子の中心層の粗面で散乱し得る。したがって、この散乱光Rdにはデバイスから抽出される更なる可能性がある。
本発明のキャリア8の製造方法の例を、図4を参照しながら後述する。この方法では、中心層3を、層状素子1の外層2を形成している剛性又は可撓性透明基板のテクスチャ加工面2B上にその面と合致するように堆積する。テクスチャ加工面2Bとは反対側の、この基板の主要面2Aは滑らかである。この基板2は特にはSatinovo(登録商標)、Albarino(登録商標)又はMasterglass(登録商標)タイプのテクスチャ加工ガラス基板になり得る。変化形において、基板2は、剛性又は可撓性のポリマー材料を(例えばポリメチルメタクリレート又はポリカーボネート)ベースとした基板になり得る。
単層であろうと複数の層の積層体によって形成されるものであろうと、テクスチャ加工面2B上へのその面と合致するような中心層3の堆積は特には、好ましくは、真空下、マグネトロン陰極スパッタリングによって行われる。この技法は、基板2のテクスチャ加工面2B上に、単層をテクスチャ加工面2Bと合致するように堆積する又は積層体の異なる複数の層をテクスチャ加工面2Bと合致するように連続的に堆積することを可能にする。積層体の異なる複数の層は特には透明薄層、好ましくは誘電体層、特にはSi3N4、SnO2、ZnO、ZrO2、SnZnOx、AlN、NbO、NbN、TiO2、SiO2、Al2O3、MgF2若しくはAlF3の層又は金属薄層、特には銀、金、チタン、ニオブ、ケイ素、アルミニウム、ニッケル−クロム合金(NiCr)若しくはこれらの金属の合金の層になり得る。
図4の方法において、層状素子1の第2外層4は、中心層3を、基板2の屈折率に実質的に等しい屈折率を有する硬化性材料の透明層で覆うことで形成され得て、この材料は最初は成形操作に適した液体又はペースト状粘性状態にある。この層は、液体又はペースト状粘性状態において、中心層3の、基板2とは反対側の面3Bのテクスチャにぴったり調和する。したがって、層4が一旦硬化したら、中心層3と外層4との間の接触面S1が確かにテクスチャ加工され且つ中心層3と外層2との間の接触面S0に対して平行となることが保証される。
基板2の屈折率に実質的に等しい屈折率の透明層は、ペースト状態で適用し焼成ステップで硬化させるガラスフリット系エナメル組成物の形態もとり得る。
基板2の屈折率に実質的に等しい屈折率の透明層は、例えばマグネトロン堆積によって堆積され、磨きステップで磨かれる上側外面を有する透明材料、好ましくは誘電体の層の形態もとり得る。
そして、基板2の屈折率に実質的に等しい屈折率を有する透明層は、プラスチック材料から形成される中間層の形態もとり得る。この層は、例えばプレス機又はオートクレーブにおいて、圧縮及び/又は少なくともポリマー中間層のガラス転移温度に等しい温度での加熱のステップを経る。このステップにおいて、テクスチャ加工層状素子の上側層を形成している中間層はテクスチャに合致し、また中心層3と外層4との間の接触面S1が確かにテクスチャ加工され且つ中心層3と外層2との間の接触面S0に対して平行となることを保証する。
したがって、図4における層状素子1の第2外層4は特には、
最初は液体の形態にあり、次に特には紫外線照射によって硬化する、中心層3のテクスチャ加工面上に堆積される、光架橋性及び/若しくは光重合性材料の層、
ゾル−ゲル層、特には中心層3のテクスチャ加工面上にゾル−ゲル法で堆積される石英ガラス、
中心層3のテクスチャ加工面上に堆積されるエナメル層、
中心層3のテクスチャ加工面上に堆積される好ましくは誘電体の透明材料の層、又は
中心層3のテクスチャ加工面上に堆積される透明ポリマー積層中間層、
になり得る。
最初は液体の形態にあり、次に特には紫外線照射によって硬化する、中心層3のテクスチャ加工面上に堆積される、光架橋性及び/若しくは光重合性材料の層、
ゾル−ゲル層、特には中心層3のテクスチャ加工面上にゾル−ゲル法で堆積される石英ガラス、
中心層3のテクスチャ加工面上に堆積されるエナメル層、
中心層3のテクスチャ加工面上に堆積される好ましくは誘電体の透明材料の層、又は
中心層3のテクスチャ加工面上に堆積される透明ポリマー積層中間層、
になり得る。
そして、1つ以上の追加層12を、層状素子の上に形成し得る。この場合、この又はこれらの追加層は好ましくは板ガラス基板、プラスチック中間層又は中間層と板ガラス基板とを重ね合わせたものである。
層状素子の外層が最初は液体又はペースト状粘性状態の材料、例えばゾル−ゲルから得られる場合、ある種の不整がこの層の滑らかな主要外面上に存在し得る。これらの不整を補正するために、PVB又はEVA積層中間層を層状素子の滑らかな主要外面上に位置決めすることで、このゾル−ゲル層上に追加層12を形成するのが有利となり得る。追加層12は、この場合、最初は液体又はペースト状粘性状態の材料から得られる層状素子の外層と実質的に同じ屈折率を有する。
追加層は透明基板、例えば板ガラス基板にもなり得る。この場合、追加層は対向基板として使用される。したがって、最初は液体又はペースト状粘性状態で堆積される層は、中心層が設けられた下側外層と対向基板との間でのしっかりとした結合を確保する。
上側追加層としての透明基板の使用は、この上側追加層のすぐ下の外層又は追加層がポリマー積層中間層によって形成される場合に特に役立つ。
層状素子の下側外層2がガラス基板の場合、上側外層4は積層中間層、例えばPVB又はEVAから形成されるものから形成され得て、ガラス基板とは反対側の中心層3のテクスチャ加工面上に位置決めされる。板ガラス基板から成る追加層12を、中間層4の上に位置決めし得る。
第2外層4も、最初は液体又はペースト状粘性状態で堆積される層によって形成され得る。PVB又はEVA積層中間層によって形成される第1追加層12を層状素子の上側外面上に位置決めし得て、板ガラス基板から構成される第2追加層12を中間層上に位置決めし得る。
これらの構成において、外層及び追加層はガラス基板と関連づけられ、ガラス基板には事前に中心層3が慣用の積層法によってコーティングされる。この方法において、ポリマー積層中間層及び基板は順に中心層3のテクスチャ加工主要面上又は層状素子の上側主要外面上に位置決めされ、次にこのようにして形成された積層構造体を、例えばプレス機又はオートクレーブにおいて、圧縮及び/又は少なくともポリマー積層中間層のガラス転移温度にまで加熱する。
この積層法において、中間層がテクスチャ加工層状素子の上側層を形成する場合、中間層はテクスチャに合致し、また中心層3と外層4との間の接触面S1が確かにテクスチャ加工され且つ中心層3と外層2との間の接触面S0に平行となることを保証する。
対照的に、この積層法において、中間層が、上側層がゾル−ゲル層である層状素子の上に直接位置する追加上側層を形成する場合、中間層はゾル−ゲル層の上面及び板ガラス基板の下側面の両方に合致する。
図5に図示の工程において、層状素子1を備えるキャリアは総厚が約200〜300μmの可撓性フィルムである。キャリアは、
可撓性ポリマーフィルムによって形成される下側追加層12と、
可撓性フィルムの滑らかな主要面の一方に対して適用される、紫外線の作用下で光架橋性及び/又は光重合性の材料から形成される外層2と、
中心層3と、
層状素子1の第2外層4を形成するための、厚さ100μmを有するPETの第2フィルム
との重ね合わせによって形成される。
可撓性ポリマーフィルムによって形成される下側追加層12と、
可撓性フィルムの滑らかな主要面の一方に対して適用される、紫外線の作用下で光架橋性及び/又は光重合性の材料から形成される外層2と、
中心層3と、
層状素子1の第2外層4を形成するための、厚さ100μmを有するPETの第2フィルム
との重ね合わせによって形成される。
下側追加層を形成する可撓性フィルムは、厚さ100μmを有するポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムになり得て、外層2は、JSR Corporationが販売するKZ6661タイプの、厚さ約10μmを有する紫外線下で硬化性の樹脂の層になり得る。可撓性フィルム及び層2は共に550nmで約1.65の実質的に同じ屈折率を有する。硬化状態において、樹脂の層はPETとの良好な接着性を示す。
樹脂の層2は可撓性フィルムに、フィルム12とは反対側の面2Bへのテクスチャ加工を可能にする粘度でもって適用される。図5に図示されるように、面2Bのテクスチャ加工は、層2に形成するテクスチャに相補的なテクスチャをその面に有するロール13を使用して行い得る。テクスチャが一旦形成されたら、重ね合わせた可撓性フィルム及び樹脂の層2に、図5において矢印で示すように紫外線を照射し、この紫外線照射が、テクスチャ加工を施した樹脂の層2の固化及び可撓性フィルムと樹脂の層2との組み立てを可能にする。
続いて、外層2の屈折率とは異なる屈折率を有する中心層3を、マグネトロン陰極スパッタリングでテクスチャ加工面2B上にその面と合致するように堆積する。この中心層は、上述したように、単層になり得る又は積層体によって形成され得る。中心層3は例えば55〜65nmの厚さ、すなわち約60nmの厚さ及び550nmで2.45の屈折率を有するTiO2の層になり得る。
次に、厚さ100μmを有するPETの第2フィルムを中心層3上に堆積することで層状素子1の第2外層4を形成する。この第2外層4は、外層2とは反対側の、中心層3のテクスチャ加工面3Bに、圧縮及び/又はPETのガラス転移温度までの加熱によって合致させられる。
接着後に除去することが意図された保護ストリップ(ライナ)15で覆われた接着剤の層14を、層状素子1の層4の外面4Aに追加し得る。したがって、層状素子1はある面、例えば電極又は有機発光ダイオードの面に接着により簡単に追加できる可撓性フィルムの形態をとる。
特に有利には、図5で示唆されるように、この工程の異なるステップは連続的に1つの同じ製造ライン上で行われ得る。
これらの図に描かれている各工程においては、層の性質に応じて電極を層状素子の組み立て前又は組み立て後に外層の滑らかな面2A又は4A上に、あるいは任意で上側又は下側追加層上に配置し得ることがわかる。
本発明は、説明、図示した例に限定されない。特に、図5の例のように層状素子が可撓性フィルムである場合、ポリマーフィルムをベースとして形成される(例えば、PETフィルムをベースとする)各外層の厚さは10μmより大きく、特には約10μm〜1mmになり得る。
さらに、図5の例における第1外層2に、ポリマーフィルム上に堆積される硬化性樹脂の層に頼らずとも直接、ポリマーフィルムを熱エンボス加工、特にはテクスチャ加工ロールを使用してロール掛け又はパンチを使用してプレス加工することでテクスチャ加工を施し得る。
図5に描かれた可撓性フィルムの形態をとっている層状素子の結合力を改善するために、ポリマー積層中間層を中心層3と第2ポリマーフィルムとの間に挿入し得る。その場合、この中間層は層状素子の上側外層を形成し、第2ポリマーフィルムは上側追加層を形成する。この場合、積層中間層は、この積層中間層を挟むポリマーフィルムと実質的に同じ屈折率を有する。この場合、積層構造体を圧縮する及び/又は少なくともポリマー積層中間層のガラス転移温度まで加熱する慣用の積層法の問題である。
同様の構造が、ガラス基板の代わりのプラスチック基板についても考えられる。
概して、本発明の有機発光ダイオードデバイスの用途には、ディスプレイスクリーン又は照明装置が含まれる。
使用する透明Satinovo(登録商標)(Saint-Gobain製)粗ガラス基板は厚さ0.7mmを有し、またその主要面の一方に酸処理によって得られるテクスチャを有した。Satinovo(登録商標)ガラスのテクスチャ加工面の粗さRaに対応する、この下側外層のテクスチャの特徴部の平均高さは1〜3μmであった。その屈折率は1.52であり、谷−ピーク間最大偏差に対応するそのPV(ピークから谷)粗さは12〜17μmであった。
追加層は、Saint-Gobainが販売する厚さ0.7mmのPlanilux(登録商標)板ガラスシートを備えた。
Schottが販売する品番SF66のガラスは屈折率1.92を有する。下側外層としての使用時には、サンドブラストによってテクスチャ加工が施された。
Norland Opticsの樹脂NOA75(登録商標)の層は屈折率1.52及び厚さ100μmを有した。この樹脂を、面のテクスチャにぴったり沿う形で下側外層とは反対側の中心層のテクスチャ加工面上に液状で堆積させ、次に紫外線の作用下で硬化させた。
残りの中心層は、下側外層のテクスチャ加工面上にマグネトロン陰極スパッタリングにより堆積された。TiO2層は厚さ60nmでもって、以下の堆積条件下で堆積された:TiO2ターゲット、堆積圧力2x10-3ミリバール、アルゴンと酸素との混合物から構成される気体。銀層を厚さ20nmで堆積させた。
SnZnOの層から構成される上側外層をマグネトロンスパッタリングで堆積した。マグネトロン堆積は相似被覆であることから、充分に滑らかな外面を得るために続いて磨きステップを行った。
高屈折率エナメル層(屈折率1.9)が、ソーダ石灰ガラス基板上への、以下の組成(値は重量%である):
SiO2:3.8%、 B2O3:15.6%、
ZrO2:4.4%、 ZnO:17.4%、
K2O:0.8%、 Na2O:2.5%
Al2O3:0.4%、 Bi2O3:54.6%
を有する高屈折率ガラスエナメルを堆積することで得られた。
SiO2:3.8%、 B2O3:15.6%、
ZrO2:4.4%、 ZnO:17.4%、
K2O:0.8%、 Na2O:2.5%
Al2O3:0.4%、 Bi2O3:54.6%
を有する高屈折率ガラスエナメルを堆積することで得られた。
キャリア1を作製するために、光重合性材料を、TiO2層で覆われたSatinovo(登録商標)ガラスのシートに適用した。次に、板ガラスシートを重ねた。アセンブリに紫外線を照射することで光重合性材料を重合させ、またキャリアの全ての構成要素をしっかりと結合させた。
キャリア2〜5の場合、上側外層は透明層又はマグネトロンスパッタリングで堆積されるSnZnOで覆われた層であり、下側外層の屈折率に近い屈折率を有した。この層は、Si3N4、ZnO、MoO3から選択される適切な屈折率を有する層にもなり得た。
次に、この層を磨くことでその主要外面を滑らかにした。
キャリア4、5の場合、中心層は銀から形成される金属層を備えた。この層は金又は銅から形成することもできた。したがって、この金属層は、OLEDデバイスの電極の一方を形成し得る。中心層及び上側外層から構成されるアセンブリは好ましくはOLEDの下側電極を形成する。
使用した発光ダイオードは、Phillipsが2012年に販売したLumiblade(登録商標)白色光OLEDであった。
これらのダイオードを、Merckが販売するジメチルフタレートでキャリア1〜3に接着すると、本発明のダイオードデバイス1〜3が形成された。
II.比較用OLEDデバイス
キャリア1を備える本発明のOLEDデバイス(下のデバイス(A))の光学特性を、
キャリアを備えていない裸OLED(O)、
厚さ0.7mmのSatinovo(登録商標)ガラスシート(粗基板に対応)の滑らかな側に固締されたOLEDダイオードを備えるデバイス(下のデバイス(B))及び
30%のアルミナ粒子を含有するビスマスフリットである散乱層を設けた厚さ0.7mmの板ガラスシートに固締されたOLEDダイオードを備えるデバイス(下のデバイス(C))、
と比較した。
キャリア1を備える本発明のOLEDデバイス(下のデバイス(A))の光学特性を、
キャリアを備えていない裸OLED(O)、
厚さ0.7mmのSatinovo(登録商標)ガラスシート(粗基板に対応)の滑らかな側に固締されたOLEDダイオードを備えるデバイス(下のデバイス(B))及び
30%のアルミナ粒子を含有するビスマスフリットである散乱層を設けた厚さ0.7mmの板ガラスシートに固締されたOLEDダイオードを備えるデバイス(下のデバイス(C))、
と比較した。
これら3つの比較例では、本発明のデバイスで使用したものと同じOLED、すなわちPhillipsが2012年に販売したLumiblade(登録商標)白色OLEDを使用した。
III.光学特性の評価
下の表1に挙げた様々な例の光学特性には、
ISO規格9050:2003に準拠して測定される、可視光における光透過率TL(%)(光源D65、観察者2°)、
下側外層側から層状素子に入射する光についてASTM D1003規格に準拠して透過率計で測定される、透過曇り度(曇り度T、%)及び
積分球を使用して測定され、以下の式:
で得られる抽出におけるゲイン
が含まれる。
下の表1に挙げた様々な例の光学特性には、
ISO規格9050:2003に準拠して測定される、可視光における光透過率TL(%)(光源D65、観察者2°)、
下側外層側から層状素子に入射する光についてASTM D1003規格に準拠して透過率計で測定される、透過曇り度(曇り度T、%)及び
積分球を使用して測定され、以下の式:
が含まれる。
表から観察角に応じた色変化Vc、すなわち0°でのスペクトルと75°でのスペクトルとの間での、5°ずつのCIE(1931)XYZ色空間における(直線、円弧等の様々な形状の)行程の長さも得られる。角度θiの各スペクトルについての色座標は、CIE(1931)XYZ色空間において座標(x(θi);y(θi))対で表される。したがって、本発明のデバイスについての行程の長さVc1を、以下の公知の式:
を用いて計算し得る。
OLEDの色の角度依存性を最小限に抑えるために、行程の長さを可能な限り短くしなければならない。そして、色変化Vcは、OLEDが一旦作製されたら色が角度と共にどのぐらい変化するかの見当をつけることを可能にする。
本発明のデバイスにより、良好な光透過、最小限の曇り度、抽出におけるゲイン及び角度に応じた色変化における減少を最もバランス良くすることができる。得られる色変化を図6に示す。本発明のデバイスにより、抽出におけるゲインを得ること及び角度に応じた色変化を減少させることの両方が、高い透明性(4%未満の曇り度)を維持しながらできる。
Claims (15)
- 有機発光ダイオードデバイス(6)であって、
少なくとも1つの有機発光ダイオード(7)と、2つの滑らかな主要外面(2A、4A)を有する透明層状素子1を備えるキャリア(5)とを備え、
前記層状素子が、
前記層状素子の2つの主要外面(2A、4A)を形成し、且つ好ましくは誘電体の、透明材料から構成され実質的に同じ屈折率(n2、n4)を有する2つの外層(2、4)と、
前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n3)を有する透明層、好ましくは誘電体層、若しくは金属層である単層によって、又は前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する少なくとも1つの透明層、好ましくは誘電体層、若しくは金属層を備える積層体(31、32、・・・3k)によって形成される、前記外層の間に挿入される中心層(3)とを備え、
一方が透明で屈折率(n2、n3、n4、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、前記層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S0、S1、・・・Sk)が、テクスチャ加工され、並びに前記各接触面が、一方が透明で屈折率(n2、n3、n4、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行であることを特徴とする、
有機発光ダイオードデバイス。 - 前記キャリアが、前記層状素子の上又は下に位置決めされた少なくとも1つの追加層を更に備え、前記追加層が好ましくは、
ポリマー、ガラス又はセラミックから選択される、2つの滑らかな主要面を備える透明基板、
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料、
熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層、
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 前記層状素子の2つの外層の少なくとも一方が、
好ましくはポリマー、ガラス及びセラミックから選択される、主要面の一方がテクスチャ加工されもう一方が滑らかな透明基板、
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料の層、
成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料をベースとする層であって、光架橋性及び/又は光重合性材料、ゾル−ゲル法で堆積される層、エナメル層を含む層、
ポリビニルブチラール(PVB)、塩化ポリビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート又はエチレン/ビニルアセテート(EVA)から選択されるポリマーを好ましくはベースとし得る熱成形性又は感圧プラスチックの中間層、
から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 前記中心層の層又は積層体が、
透明ポリマーから形成される少なくとも1つの接着層、
1種以上の遷移金属、非金属又はアルカリ土類金属の酸化物、窒化物又はハロゲン化物から選択される透明材料、好ましくは誘電体から構成される少なくとも1つの薄層、
少なくとも1つの金属薄層であって、特には銀、金、銅、チタン、ニオブ、ケイ素、アルミニウム、ニッケル−クロム合金(NiCr)、ステンレススチール又はこれらの合金の薄層、
から選択される層を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 前記キャリアが、
任意の少なくとも1つの下側追加層であって、ポリマー及びガラスから選択され2つの主要面が滑らかな透明基板と熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層とから選択される少なくとも1つの下側追加層と、
ポリマー及びガラスから選択される透明基板と成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料とから選択される下側外層と、
屈折率(n3)を有する透明材料から構成される薄層又は金属薄層を備える中心層と、
ポリマー及びガラスから選択される透明基板と、成形操作に適した最初は液体又はペースト状粘性状態の硬化性材料と、熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層とから選択される上側外層と、
任意の少なくとも1つの上側追加層であって、ポリマー及びガラスから選択され2つの主要面が滑らかな透明基板と熱成形性又は感圧プラスチックから形成される中間層とから選択される少なくとも1つの上側追加層と、
を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 前記キャリアが、
粗ガラスから形成される透明基板から選択される下側外層と、
中心層であって、好ましくはTiO2薄層を備える中心層と、
光架橋性及び/又は光重合性樹脂から選択される上側外層と、
板ガラスから形成される透明基板から選択される上側追加層と、
を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 前記層状素子の上側及び下側外層が、1.7〜2.4の高屈折率を有する透明材料から構成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。
- 前記キャリアが、
ガラス若しくは高屈折率ポリマーから形成される透明基板から選択される下側外層、又は高屈折率エナメル層から構成される外層をコーティングしたガラスから形成される透明基板から選択される下側追加層と、
透明材料、好ましくは誘電体から構成される薄層、若しくは金属薄層を備える中心層と、
ポリマー若しくは高屈折率ガラスから形成される透明基板、高屈折率エナメル層、高屈折率透明材料の層から選択される上側外層と、
を備えることを特徴とする、請求項7に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 前記層状素子の中心層又は前記層状素子の上側外層が、前記有機発光ダイオードの下側電極を形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。
- 前記中心層が金属層であり、
前記層状素子の上側外層が、1Ω.cm未満の抵抗率を有する透明材料から構成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 光透過率が少なくとも50%であり、透過曇り度が20%未満であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。
- 前記有機発光ダイオードが、
1つ以上の層から形成される透明第1電極と、
前記第1電極上の有機発光系と、
前記第1電極とは反対側の前記有機発光系上に堆積され、1つ以上の層から形成される透明第2電極と、
を備えることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 前記有機発光ダイオードが、
1つ以上の層から形成される透明第1電極と、
前記第1電極上の有機発光系と、
前記第1電極とは反対側の前記有機発光系上に堆積され、1つ以上の層から形成される反射第2電極と
を備えることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードデバイス。 - 電極をコーティングしたキャリアであって、
2つの滑らかな主要外面(2A、4A)を有する少なくとも1つの透明層状素子(1)を備え、前記層状素子が、
前記層状素子の2つの主要外面(2A、4A)を形成し且つ透明材料、好ましくは誘電体から構成され実質的に同じ屈折率(n2、n4)を有する2つの外層(2、4)と、
前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n3)を有する透明層、好ましくは誘電体層、若しくは金属層である単層によって、又は前記外層の屈折率とは異なる屈折率(n31、n32、・・・又はn3k)を有する少なくとも1つの透明層、好ましくは誘電体層、若しくは金属層を備える積層体(31、32、・・・3k)から形成される、前記外層の間に挿入される中心層(3)とを備え、
一方が透明で屈折率(n2、n3、n4、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、前記層状素子の2つの隣接する層の間の各接触面(S0、S1、・・・Sk)が、テクスチャ加工され、並びに各接触面が、一方が透明で屈折率(n2、n3、n4、n31、n32、・・・又はn3k)を有し且つもう一方が金属であるか、又は両方が異なる屈折率を有する透明層である、2つの隣接する層の間の他のテクスチャ加工接触面に平行であることを特徴とする、
キャリア。 - 請求項1〜12のいずれか一項で定義されるようなデバイスの製造方法であって:
(A)層状素子を備えるキャリアを作製するステップであって、
主要面の一方がテクスチャ加工されもう一方の主要面が滑らかな透明基板を下側外層として用意し、
中心層を前記下側外層のテクスチャ加工主要面上に堆積させ、前記中心層が前記下側外層の屈折率とは異なる屈折率を有する透明層又は金属層である単層から形成される場合、前記中心層が前記テクスチャ加工主要面上にその面と合致するように堆積されるか、あるいは前記中心層が、前記下側外層の屈折率とは異なる屈折率を有する少なくとも1つの透明層又は金属層を備える積層体から形成される場合、前記中心層の層が前記テクスチャ加工主要面上にその面と合致するように連続的に堆積され、
上側外層を、前記下側外層とは反対側の前記中心層のテクスチャ加工主要面上に形成し、前記下側及び上側外層が、実質的に同じ屈折率を有する透明材料から構成され、
任意で少なくとも1つの上側及び/又は下側追加層を前記層状素子の滑らかな主要外面上に形成する、
ステップと、
(B)前記キャリア上に電極を堆積させるステップと、
を含むことを特徴とする製造方法。
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