JP2015517535A - 改善された合成 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ステロイドサポニンのクラスの改善された合成を提供する。さらに、本発明は、このクラスの化合物の調製における重要なステップである、モノグリコシル化ステロイドサポニンのC2ヒドロキシル基とC3ヒドロキシル基とを選択的に区別する方法を提供する。さらに、本発明は、様々なステロイドサポニン誘導体及びこれらを作製する方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、ステロイドサポニンのクラスの改善された合成を提供する。さらに、本発明は、このクラスの化合物の調製における重要なステップである、モノグリコシル化ステロイドサポニンのC2ヒドロキシル基とC3ヒドロキシル基とを選択的に区別する方法を提供する。さらに、本発明は、様々なステロイドサポニン誘導体及びこれらを作製する方法を提供する。
関連出願の相互参照
本発明は、本出願人に帰属する以下の2つの国際特許出願で、これらの開示が、相互参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願に関する:PCT/AU2007/001091及びPCT/AU2007/001092。上記出願は、本発明の方法を使用して合成することができるいくつかのステロイドサポニンの、有利な治療的適用、組成物及び使用を記載している。
あらゆる種類の病原性疾患、欠乏性疾患、遺伝性疾患及び生理的疾患を処置するための新規の化合物及び療法に対し、今もなお大きなニーズが存在する。特に、平均余命の上昇と共に、がんなどの、非感染性の加齢性疾患の発症率が著しく増加している。
さらに、これらの活性薬剤を得るための新規の効果的な方法を開発してこれらを十分な量で得られるようにして、これらの新規の療法を広く利用可能にすることが最も重要である。
種々の植物及び海洋生物種に由来する二次代謝物のクラスであるステロイドサポニンは、その顕著な生物活性により、新規の活性薬剤として特に関心を集めている。あるサポニンは、細胞膜に結合すること及び細胞膜を横断することが示されており、また別のサポニンは、界面活性剤として利用されており、さらに別のサポニンは、ワクチンにおけるアジュバントとして利用されている。サポニンは漢方薬にも利用されており、そのため、栄養補助食品として普及している。さらに、一部のステロイドサポニンは、多くの化学療法剤及び抗がん剤の活性を促進し、最終的にはがん細胞の増殖を阻害することが知られている。別のステロイドサポニンは、多くのin vivo及びex vivoモデル系において血管新生を阻害する能力が実証されている。したがって、ステロイドサポニンは、多様な生物学的活性を有する興味深い分子のクラスとなっている。
一部の天然に存在するステロイドサポニンは、植物源から抽出されている。しかし、抽出によって植物源から利用可能な化合物の量は相対的に少量且つ季節変動するため、治療剤としてのこのクラスの化合物並びにその生理的に活性な類似体及び誘導体の、潜在的な商業的開発が制限されている。よって、合成経路を介してステロイドサポニンを得ることができるようになることが、これらの医薬としてのさらなる開発において最も重要である。
それにもかかわらず、これらの複雑な分子の合成は、いまだに困難である。大まかに述べると、効率的な合成を達成することに関連するいくつかの問題には、立体中心の数が多いこと、親油性のサポゲニン/アグリコン部分及びより親水性のグリコシド部分の対照的な物理化学特性、並びにそれらの分子量が比較的大きいことが含まれる。
より具体的には、ジグリコシド部分及び/又はポリグリコシド部分の構成は、実現することが特に難しいことが判明している。特に、モノグリコシドサポニンのC2/C3ヒドロキシル基を区別することが難しいことが判明しているが、にもかかわらず、これは、C2位又はC3位のいずれかにおいて、さらなるグリコシド部分又は他の部分で誘導体化サポニンを選択的且つ効率的に官能基化するための、重要なステップである。
Figure 2015517535
モノグリコシル化ステロイドサポニンのC2ヒドロキシル基及びC3ヒドロキシル基は、同様の物理化学特性を有し、したがって、実質的に同様の反応性を有する(Journal of Organic Chemistry (1997)、62、8406〜8418ページ)。よって、これらの位置の一方又は他方における位置選択性を実現することは困難である。これを考慮して、これまでのステロイドサポニン誘導体の合成は、これら2つの基を区別するために、多くのステップを含む複雑で非効率的な保護基戦略を利用してきた。代替的な合成では、非選択的又は半選択的な条件を利用して位置異性体の混合物を得るが、一方又は他方の好ましい位置異性体を得るためには、この混合物に対して複雑な分離技術及び精製技術がその後に必要である。しかし、C2一保護化合物とC3一保護化合物の分離は、これらの同様の物理化学特性により、難しいことが多い。これらの戦略はすべて非効率的であり、複合混合物の分離が必要であり、且つ/又は混入している副生成物の除去を余儀なくされ、よって最終的には、所望のステロイドサポニンの収率の低減につながる。活性薬剤を商業規模の量で得ることが要求される場合、これは明らかに望ましくない。
これまでに記載された試みは、一方又は他方の位置異性体について低収率及び/又は乏しい選択性をもたらす。例えば、ステロイドサポニンのC3ヒドロキシルをシリル保護基、すなわち塩化tertブチルジメチルシリルで選択的に保護するこれまでの試みでは、35%の望ましくないC2保護ステロイドサポニンと、52%の所望のC3保護ステロイドサポニンとが得られた。生成物のこの混合物は、一方又は他方の好ましい位置異性体を得るために、大規模な分離及び精製を最終的に必要とする(Carbohydrate Research、(1998) 306、189〜195ページ)。
Figure 2015517535
塩化ピバロイルなどの他の保護基でも同様に乏しい選択性が報告されており、9.5%の望ましくないC2保護ステロイドサポニンと、45%の所望のC3ステロイドサポニンと、5%のC2,C3二保護ステロイドサポニンとが得られた(Bioorganic & Medicinal Chemistry (2008)、16、2063〜2076ページ)。
Figure 2015517535
さらに、公知のカップリング試薬を使用してC3保護ステロイドサポニンを選択的に調製する試みもまた、生成物の混合物をもたらすことが報告されている。例えば、DCM中のN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド及びDMAPと共にレブリン酸を使用すると、C3保護物質及びC2保護物質が収率75%で2:1の比で得られた(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2006)、16、2454〜2458ページ)。
Figure 2015517535
C2又はC3のいずれかにおける保護を行わずにその後同様のステロイドサポニンを官能基化する、他のさらなる試みは、例えば、選択性をもたらさず、出発ステロイドサポニン(43%)、C2一官能基化化合物(8%)、C3一官能基化化合物(32%)及びC2,C3二官能基化化合物(17%)を含む複合混合物をもたらした(Journal of Carbohydrate Chemistry (1999)、18、1107〜1120ページ)。
Figure 2015517535
当技術分野において記載されている非効率的な合成に鑑みると、とりわけモノグリコシル化サポニンのC2/C3ヒドロキシル基を効率的且つ選択的に区別する新規の方法の開発が、最も重要である。
文献、行為、材料、機器、物品等についての解説は、本発明の状況を示す目的のみのために本明細書に含まれている。これらの内容のいずれか又はすべてが本出願の各請求項の優先日以前に存在していたという理由で、これらが先行技術の基礎の一部を形成していた、又は本発明に関連する分野において技術常識であったということは、示唆も表現もされていない。
本明細書(特許請求の範囲を含む)において「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含まれる(comprised)」、「含んでいる(comprising)」という用語が使用される場合、これらは、述べられている特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ若しくは構成要素、又はこれらの群を排除しないように解釈されるものとする。
様々な薬剤、特にステロイドサポニンの新規の効率的な合成を探索するに際し、本出願人は、驚くべきことに、モノグリコシドサポニンのC2/C3ヒドロキシル基を区別する方法を発見した。有利には、この新規の方法により、このクラスの化合物を効率的、位置選択的及び立体選択的に得る。さらに、この方法により、これまでに知られておらず特徴付けもなされていない、様々な新規のサポニン誘導体も得る。したがって、本出願人によって記載される方法は、優れた選択性で所望のC3保護モノグリコシル化サポニンをもたらす。いくつかの実施形態では、望ましくないC2保護モノグリコシドが観察されない。この驚くべき予期せぬ結果を考慮して、有利には、本出願人の方法により、このクラスの活性薬剤を得るためのより効率的な経路を提供し、よって様々な新規の生理的に活性なその類似体及び誘導体を得る。よって、本発明は、そのような新規のステロイドサポニン類似体及び誘導体にまで拡張する。
したがって、一態様では、
本発明は、式X
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R5は、アシル基であり、
R6及びR7は、Hであり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物を調製するための方法であって、
(i)塩基の存在下におけるアシル化反応において、式A
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基(di-oxygen protecting group)を形成する]
の化合物をアシル化剤と反応させて、式B
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R5は、アシル基であり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
の化合物を生成するステップと、
(ii)カップリング条件下で、式Bの化合物を式C
Figure 2015517535
[式中、
R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R8は、脱離基であり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物と反応させるステップと、
(iii)R6及びR7における酸素保護基を選択的に除去して、式Xの化合物を生成するステップと
を含む、方法を提供する。
別の態様では、
本発明は、式Y
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R2、R3、R4、R5及びR7は、それぞれ、Hであり、
R6は、H又はサッカライドであり、
R9は、H、OH及びCH3からなる群から選択される]
の化合物、薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物及び溶媒和物を調製する方法であって、
(i)塩基の存在下におけるアシル化反応において、式A
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
の化合物をアシル化剤と反応させて、式B
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R5は、アシル基であり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
の化合物を生成するステップと、
(ii)カップリング条件下で、式Bの化合物を式C
Figure 2015517535
[式中、
R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R8は、脱離基であり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物と反応させるステップと、
(iii)R6及びR7における酸素保護基を選択的に除去して、式X
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R5は、アシル基であり、
R6及びR7は、Hであり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物を生成するステップと
(iv)式Xの化合物を式Yの化合物、薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物又は溶媒和物に変換するステップと
を含む、方法を提供する。
本明細書中を通して使用される種々の用語は、当業者によって十分に理解される意味を有する。しかし、参照を容易とするため、これらの用語のいくつかをここで定義する。
任意の化合物、残基又は官能基の文脈において本明細書を通じて使用される、「保護された」という用語は、文脈により別段の必要がない限り、各化合物、残基又は官能基の望ましくない反応を避けるための、除去可能な保護基の使用を指すものと解釈される。「保護基」等という表現は、相応に理解されると思われる。保護基は、存在する場合、所望であれば、通例の方法で同時に又はその後に除去することができる。適切な保護基の使用及び除去は、十分に当業者の能力の範囲内にあると思われる。
本明細書中を通して使用される「酸素保護基」という用語は、保護された化合物のさらなる誘導体化の最中に酸素部分が反応することを防止することができ、所望のときに容易に除去することができる基を意味する。酸素保護基の例には、アシル基(アセチル及びベンゾイルなど)、任意選択で置換されているアルコキシ(メトキシメチルエーテル(MOM)、p-メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、p-メトキシベンジルエーテル(PMB)、メチルチオメチルエーテルエーテル、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラン(THP)など)、及びシリルエーテル(トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)及びトリイソプロピルシリル(TIPS)などが含まれるが、これらに限定されない。
「アルコール」、「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」という用語は、すべて式-OHの官能基を指すものと理解され、本明細書を通じて互換的に使用され得る。分子又は化合物が1を超える式-OHの官能基を含む場合、これらは、分子又は化合物の結合の順序又は系統的な番号付けによって区別することができる。可能な場合、結合の順序は、標準国際純正応用化学連合(IUPAC)命名法によって決定される。例えば、モノグリコシドサポニンのC2ヒドロキシルと言う場合、グリコシド環の2位における第二級アルコールを指す。同様に、モノグリコシドサポニンのC3ヒドロキシルと言う場合、グリコシド環の3位における第二級アルコールを指す。
本明細書を通じて使用される「アシル」及び「アシル基」は、以下の式:R'-C(=O)-[式中、R'は、独立して、H、ハロゲン、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているC2〜C12アルケニル、任意選択で置換されているC2〜C12アルキニル、任意選択で置換されているC2〜C10ヘテロアルキル、任意選択で置換されているC3〜C12シクロアルキル、任意選択で置換されているビシクロアルキル、任意選択で置換されているC3〜C12シクロアルケニル、任意選択で置換されているC2〜C12ヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されているC2〜C12ヘテロシクロアルケニル、任意選択で置換されているC6〜C18アリール、任意選択で置換されているC1〜C18ヘテロアリール、任意選択で置換されているアロイル、任意選択で置換されているフェニル、任意選択で置換されているC1〜C10アルコキシフェニル、任意選択で置換されているC1〜C10ジアルコキシフェニル、任意選択で置換されているC1〜C10アルキルフェニル、又は任意選択で置換されているC1〜C10ジアルキルフェニルからなる群から選択される]の基を指す。好適なアシル基の例には、アセトイル、プロピオニル、トリクロロアセチル、ベンゾイル、2-クロロベンゾイル、4-クロロベンゾイル、4-ニトロベンゾイル及び4-メトキシベンゾイルが含まれる。
本明細書を通じて使用される「アシル化剤」という用語は、求核剤との反応時にアシル基を与える試薬又は化合物を意味するものと理解される。いくつかの実施形態では、求核剤は、アルコール官能基の一部としての酸素である。
「脱離基」という用語は、異方性結合の開裂中に取り換えられ、結合電子対を持ち去る任意の原子、原子の群又は分子断片である。脱離基は荷電していることも荷電していないこともあるが、一般に安定である。したがって、いかなる状況においても、脱離基の選択は、特定の基の、介入してくる化学部分によって取り換えられる能力に依存することになる。好適な脱離基は当技術分野において周知であり、例えば、「Advanced Organic Chemistry」Jerry March第4版pp 351〜357、Oak Wick and Sons NY (1997)を参照されたい。好適な脱離基の例には、ハロゲン、アルコキシ(エトキシ、メトキシなど)、スルホニルオキシ、任意選択で置換されているアリールスルホニル、任意選択で置換されているシリル、及び任意選択で置換されているアシル(アセチル及びトリクロロアセチルなど)、任意選択で置換されているアキルチオ、及び任意選択で置換されているアリールチオが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書を通じて使用される、「カップリング反応」、「カップリング条件」等という用語は、サッカライド分子を同一であっても異なっていてもよい別のサッカライド分子とカップリングしてより大きなポリサッカライドを構築するため、又はサッカライドをサポゲニンとカップリングしてモノグリコシドステロイドサポニンを形成するため、又は同様にさらなるサッカライドをカップリングしてジサッカライドサポニン若しくはポリサッカライドサポニンを形成するため、又はサッカライドを式A、B、C X、Y、YA、YB、YC、E、F及びGのうちのいずれか1つの化合物とカップリングするために使用され得る、反応及び/又は条件を意味するものと理解される。
基又は基の一部としての「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する脂肪族炭化水素基を指し、直鎖状であっても分枝状であってもよく、2〜12個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、典型的には直鎖中に2〜6個の炭素原子を有する。この基は直鎖中に複数の二重結合を含有していてもよく、各々のまわりの配位は、独立して、E又はZである。アルケニル基は、典型的には1-アルケニル基である。例示的なアルケニル基には、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル及びノネニルが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書を通じて基又は基の一部として使用される「アルキル」とは、例えば1から20個の炭素原子の直鎖状又は分枝状の脂肪族炭化水素基であって、典型的には、C1〜C10アルキル、別段の注記がない限り、典型的にはC1〜C6アルキルを指す。好適な直鎖状又は分枝状のC1-C6アルキル置換基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ヘキシル等が含まれる。
本明細書を通じて使用される「アルキルオキシ」及び「アルコキシ」とは、アルキル-O-基[式中、アルキルは、本明細書において定義されている通りである]を指す。例には、メトキシ及びエトキシが含まれるが、これらに限定されない。
基又は基の一部としての「アリール」とは、(i)好ましくは1つの環につき5から12個までの原子を有する、任意選択で置換されている単環式、又は縮合多環式の芳香族炭素環(すべて炭素である環原子を有する環構造)を指す。アリール基の例には、フェニル、ナフチル等;(ii)フェニル基とC5〜C7シクロアルキル基又はC5〜C7シクロアルケニル基とが一緒に縮合して環構造を形成した、任意選択で置換されている、部分的に飽和した二環式芳香族炭素環部分であり、テトラヒドロナフチル、インデニル又はインダニルなどが含まれる。典型的には、アリール基はC6〜C8アリール基であり、最も好ましくは、フェニルである。
「アリールアルキル」とは、アリール-アルキル-基[式中、アリール部分及びアルキル部分は、本明細書において定義されている通りである]を意味する。好ましいアリールアルキル基は、C1〜C5アルキル部分を含有する。例示的なアリールアルキル基には、ベンジル、フェネチル、1-ナフタレンメチル及び2-ナフタレンメチルが含まれる。
「アリールアミノ」には、明記されない限り、モノアリールアミノとジアリールアミノの両方が含まれる。モノアリールアミノとは、式アリールNH-[式中、アリールは、本明細書において定義されている通りである]の基を意味し、ジアリールアミノとは、式(アリール)2N-[式中、各アリールは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ本明細書においてアリールについて定義された通りである]を意味する。
「アリールオキシ」とは、アリール-O-基[式中、アリールは本明細書において定義されている通りである]を指す。好ましくは、アリールオキシはC6〜C18アリールオキシ、より好ましくは、C6〜C10アリールオキシである。
「結合」は、化合物又は分子中の原子間における共有結合である。結合は、単結合、二重結合又は三重結合であり得る。
「シクロアルケニル」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、好ましくは1つの環につき5〜10個の炭素原子を有する、非芳香族の単環式又は多環式の環系を意味する。例示的な単環式シクロアルケニル環には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルが含まれる。シクロアルケニル基は、1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。シクロアルケニル基は、典型的には、C3〜C12アルケニル基である。
「シクロアルキル」とは、別段の明記がない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの、好ましくは1つの環につき3から9個までの炭素原子を含有する、飽和した単環式又は縮合多環式若しくはスピロ多環式の炭素環を指す。これには、シクロプロピル及びシクロヘキシルなどの単環式系、デカリンなどの二環式系並びにアダマンタンなどの多環式系が含まれる。シクロアルキル基は、典型的には、C3〜C12アルキル基である。
「ハロアルキル」とは、水素原子のうちの1個以上がフッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるハロゲン原子で置き換えられた、本明細書において定義される通りのアルキル基を指す。ハロアルキル基は、典型的には式CnH(2n+1-m)Xm[式中、各Xは、独立して、F、Cl、Br及びIからなる群から選択される]を有する。この種の基において、nは、典型的には1から10までであり、より好ましくは1から6までであり、最も好ましくは1から3である。mは、典型的には1から6、より好ましくは1から3である。ハロアルキルの例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルが含まれる。
「ハロアルケニル」とは、水素原子のうちの1個以上が、独立して、F、Cl、Br及びIからなる群から選択されるハロゲン原子で置き換えられた、本明細書において定義される通りのアルケニル基を指す。
「ハロゲン」又は「ハロ」は、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素を表す。
「ヘテロアルキル」とは、炭素原子(及びいずれかの関連する水素原子)のうちの1個以上が、それぞれ独立して、S、O、P及びNR'[R'は、H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているC3〜C12シクロアルキル、任意選択で置換されているC6-C18アリール、及び任意選択で置換されているC1〜C18ヘテロアリールからなる群から選択される]から選択されるヘテロ原子基によって置き換えられた、好ましくは2から12個までの炭素、典型的には2から6個の炭素を鎖中に有する、直鎖又は分枝鎖のアルキル基を指す。例示的なヘテロアルキルには、アルキルエーテル、第二級及び第三級アルキルアミン、アミド、アルキルスルフィド等が含まれる。ヘテロアルキルの例には、ヒドロキシルC1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルオキシC1〜C6アルキル、アミノC1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルアミノC1〜C6アルキル、及びジ(C1〜C6アルキル)アミノC1〜C6アルキルも含まれる。
単独又は基の一部のいずれかである「ヘテロアリール」とは、芳香環中に環原子として1個以上のヘテロ原子を有し、環原子の残りが炭素原子である芳香環(好ましくは、5又は6員の芳香環)を含有する基を指す。好適なヘテロ原子には、窒素、酸素及び硫黄が含まれる。ヘテロアリールの例には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3-bi]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、テトラゾール、インドール、イソインドール、1H-インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、シンノリン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、2-、3-又は4-ピリジル、2-、3-、4-、5-、又は8-キノリル、1-、3-、4-、又は5-イソキノリニル 1-、Z-、又は3-インドリル、及び2-、又は3-チエニルが含まれる。ヘテロアリール基は、典型的には、C1〜C18ヘテロアリール基である。
「複素環式」とは、窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を環原子として含有する、飽和、部分的に不飽和又は完全に不飽和の、単環式、二環式又は多環式の環系を指す。複素環式部分の例には、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールが含まれる。
「ヘテロシクロアルキル」とは、少なくとも1つの環中に窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1から3個までのヘテロ原子を含有する、飽和した単環式、二環式又は多環式の環を指す。各環は、好ましくは3から10員まで、より好ましくは4から7員である。好適なヘテロシクロアルキル置換基の例には、ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフラニル、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、モルフィリノ(morphilino)、1,3-ジアザパン(diazapane)、1,4-ジアザパン、1,4-オキサゼパン、及び1,4-オキサチアパン(oxathiapane)が含まれる。ヘテロシクロアルキル基は、典型的には、C2〜C12ヘテロシクロアルキル基である。
本明細書を通じて使用される「グリコシド」という用語は、サッカライド(糖)部分(モノサッカライド、ジサッカライド又はポリサッカライド)を含有し、トリテルペン又はステロイド又はステロイドアルカロイドアグリコン(非サッカライド)構成部分と連結した化合物を意味するものと理解されるべきである。ほとんどの状況では、サッカライド(糖)部分はアグリコンのC-3位に連結しているが、本発明の範囲内では他の連結が企図される。例えば、C-26位に結合したサッカライドを含有するフロスタノールグリコシド及びスピロスタノールグリコシドは、両方ともステロイドサポニンのサブクラスである。
基としての「低級アルキル」とは、別段の明記がない限り、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル又はイソプロピル)又はブチル(n-ブチル、イソブチル又はtert-ブチル)などの、直鎖状であっても分枝状であってもよい、鎖中に1から6個の炭素原子、より好ましくは1から4個の炭素を有する、脂肪族炭化水素基を意味する。
本明細書を通じて使用される「サポニン」という用語は、一般にはアグリコンのC-3位を通じてアグリコンに結合したサッカライド(糖)を含むグリコシドを意味するものと理解されるべきである。
本明細書を通じて使用される「ステロイドサポニン」という用語は、窒素原子を含有しないアグリコンに結合した1つ以上のサッカライド単位(1つ以上のモノサッカライド、ジサッカライド又はポリサッカライド単位を含む)を含む、グリコシドを意味するものと理解されるべきである。
この点において、「ステロイドサポニン」という用語は、その範囲内において、特に治療活性剤に関して機能的に等価な化合物の任意の塩又は任意の他の誘導体を含むことが理解されるはずである。したがって、それらは薬学的に許容される塩であってもよい。さらに、それらは天然に存在する又は合成のステロイドサポニンであってもよい。
本明細書を通じて使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、上記で特定した化合物の所望の生物学的活性を保持し、薬学的に許容される酸付加塩及び塩基付加塩を含む塩を意味することが理解される。本発明の化合物の好適な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸又は有機酸から調製されてもよい。そのような無機酸の例は、塩酸、硫酸、及びリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式のカルボン酸及びスルホン酸に属するクラスの有機酸から選択することができ、その有機酸の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アルキルスルホン酸 アリールスルホン酸である。好適な薬学的に許容される塩基付加塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、及び亜鉛からなる金属塩、並びにベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン及びプロカインなどの有機塩基からなる有機塩が含まれる。有機塩の他の例は、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などの第四級塩;ヒスチジン、グリシン、リシン及びアルギニンとの塩などのアミノ酸付加塩である。薬学的に許容される塩についてのさらなる情報は、Stahl and Wermuth's Handbook of Pharmaceutically Acceptable Salts、第2版、Wiley-VCH、2002において見出すことができる。固体である薬剤の場合、本発明の化合物、薬剤及び塩が、異なる非晶質形態、結晶形態又は多形形態(これらすべてが本発明の範囲内にあることが意図され、式によって特定される)で存在していてもよいことを、当業者は理解する。
開示される実施形態のいくつかの化合物は、単一の立体異性体、ラセミ体、並びに/又はエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーの混合物として存在してもよい。このような単一の立体異性体、ラセミ体及びこれらの混合物のすべてが、記載及び特許請求される主題の範囲内にあることが意図される。
さらに、本明細書において言及される化合物は、適用可能な場合、化合物の溶媒和形態及び非溶媒和形態を包含することが意図される。よって、各式には、示された構造を有する化合物が、その溶媒和形態及び非溶媒和形態を含めて含まれる。したがって、溶媒が水である場合、各式には、示された構造を有する化合物が、その水和形態及び非水和形態を含めて含まれる。
ステロイド「アグリコン」は、「ゲニン」又は「サポゲニン」とも称され、これらの用語は、本明細書を通じて互換的に使用され得、すべてサポニン分子の非サッカライド部を意味すると理解されるべきである。
本明細書を通じて使用される「置換されていない」とは、置換基が存在しない、又は唯一の置換基が水素であることを意味する。
本明細書を通じて使用される「任意選択で置換されている」とは、その基が1つ以上の非水素置換基で置換又は縮合(縮合多環系を形成するように)されていてもされていなくてもよいことを指す。ある実施形態では、置換基は、独立して、ハロゲン、=O、=S、-CN、-NO2、-CF3、-OCF3、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルケニル、ヘテロシクロアルキルアルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクロアルキル、アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アミノスルフィニルアミノアルキル、-C(=O)OH、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、C(=O)NRaRb、C(=NOH)Ra、C(=NRa)NRbRc、NRaRb、NRaC(=O)Rb、NRaC(=O)ORb、NRaC(=O)NRbRc、NRaC(=NRb)NRcRd、NRaSO2Rb、-SRa、SO2NRaRb、-ORa、OC(=O)NRaRb、OC(=O)Ra及びアシル、
[式中、Ra、Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立して、H、任意選択で置換されているC1〜C12アルキル、任意選択で置換されているC1〜C12ハロアルキル、任意選択で置換されているC2〜C12アルケニル、任意選択で置換されているC2〜C12アルキニル、任意選択で置換されているC2〜C10ヘテロアルキル、任意選択で置換されているC3〜C12シクロアルキル、任意選択で置換されているC3〜C12シクロアルケニル、任意選択で置換されているC2〜C12ヘテロシクロアルキル、C2〜C12ヘテロシクロアルケニル、任意選択で置換されているC6〜C18アリール、任意選択で置換されているC1〜C18ヘテロアリール、及びアシルからなる群から選択されるか、又は、Ra、Rb、Rc及びRdのうちの任意の2つ以上は、それらが結合している原子と一緒になった場合に、3から12個の環原子を有する複素環式環系を形成する]からなる群から選択される、1つ以上の基である。
本発明のステロイドサポニンは、疾患の処置のための有利な治療剤であることが認識される。本発明の化合物を使用する際、これらを、その化合物が生物学的効果をもたらすことを可能にする任意の形態又は様式で投与することができる。製剤調製の当業者は、選択される化合物の特定の特性、処置される状態、処置される状態の段階及び他の関連する状況に応じて、適切な投与の形態及び様式を容易に選択することができる。先に記載したように、そして有利な治療効果を考慮すると、本明細書において言及される化合物は、適用可能な場合、有利にはバイオアベイラビリティ及び/又は所望の治療効果を得るための本発明の化合物の投与を可能にし得る又は改善し得る、任意の形態、異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物及びプロドラッグを包含することが意図される。
サポニンは、通例、(i)トリテルペングリコシド、(ii)ステロイド系グリコシド及び(iii)ステロイド系アルカロイドグリコシドの3つの主要なクラスに分けられている。これらは皆、1つ以上のサッカライド単位による、一般にはC-3位におけるアグリコンへの結合を共通に有している。ステロイドサポニンは、一般には、Hostettmann K及びMarston A (2005)、Chemistry & pharmacology of natural products: Saponins、Cambridge University Pressに記載されている通りである。
本明細書において先に解説したように、ステロイドサポニンは、アグリコン部分に窒素原子を含有しない。
本発明の種々の実施形態におけるステロイドサポニンには、天然に存在するステロイドサポニン及び天然に存在しないステロイドサポニン(すなわち、化学的に合成されたステロイドサポニン)が含まれることが認識されるはずである。さらに、本発明の種々の実施形態におけるステロイドサポニンには、ステロイドサポニンのプロドラッグ、例えば、任意のエステル、ケトン、カルボン酸、塩、置換形態、ハロゲン化形態若しくは他のヘテロ原子含有形態、不飽和形態、又は任意の他の官能性誘導体を含めた、ステロイドサポニンの誘導体が含まれることも認識されるはずである。
本発明の種々の実施形態におけるステロイドサポニンのサッカライド部は、モノサッカライド単位、ジサッカライド単位又はポリサッカライド単位などの、1つ以上のサッカライド単位を含んでいてもよい。
本発明の種々の実施形態におけるステロイドサポニンは、アグリコン部分の1つ以上の部位でサッカライドが結合したアグリコンをさらに含んでいてもよいことも認識されるはずである。
一実施形態では、ステロイドサポニンは、ステロイドサポニンのサポゲニン構成部分の単一の部位に結合したサッカライドを含む。
上記で解説したように、サッカライド単位は、モノサッカライドであってもジサッカライドであってもポリサッカライドであってもよい。サッカライドは、D-グルコース(Glc)、L-ラムノース(Rha)、D-ガラクトース(Gal)、D-グルクロン酸(GlcA)、D-キシロース(Xyl)、L-アラビノース(Ara)、D-フコース(Fuc)、D-ガラクツロン酸(GalA)などの、好適なモノサッカライドからなっていてもよい。サッカライド単位はまた、アミノサッカライド、硫酸化サッカライド、アシル化サッカライド、N-アシル化アミノサッカライド、及び上述のモノサッカライドのうちのいずれかの官能性誘導体などの、置換されたサッカライドであってもよい。
同様に、ジサッカライドは、上記で記載したような、2つのモノサッカライドの任意の組合せであってもよい。
本発明の種々の実施形態におけるポリサッカライドは、直鎖状であっても分枝状であってもよく、本明細書において先に記載したモノサッカライドを含む、2つ以上のモノサッカライドの任意の組合せを含んでいてもよい。
一実施形態では、ポリサッカライドは1から6個のモノサッカライド単位からなる。
この点において、そして本明細書において先に記載したように、ポリサッカライドは、一般に、構成要素であるモノサッカライドの配置に即して記載される。
本発明の方法は、実験室からパイロットプラント、さらには商業(キログラム)規模に至る、任意の規模で実施することができる。
先に記載したように、いくつかの態様では、本発明は、様々なステロイドサポニンを得る新規の方法を提供する。
本明細書において記載される新規の方法に関して、本発明は、式X
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R5は、アシル基であり、
R6及びR7は、Hであり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物を調製するための方法であって、
(i)塩基の存在下におけるアシル化反応において、式A
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
の化合物をアシル化剤と反応させて、式B
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R5は、アシル基であり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
の化合物を生成するステップと、
(ii)カップリング条件下で、式Bの化合物を式C
Figure 2015517535
[式中、
R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R8は、脱離基であり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物と反応させるステップと、
(iii)R6及びR7における酸素保護基を選択的に除去して、式Xの化合物を生成するステップと
を含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、式Y
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R2、R3、R4、R5及びR7は、それぞれ、Hであり、
R6は、H又はサッカライドであり、
R9は、H、OH及びCH3からなる群から選択される]
の化合物、薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物及び溶媒和物を調製する方法であって、
(i)塩基の存在下におけるアシル化反応において、式A
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
の化合物をアシル化剤と反応させて、式B
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R5は、アシル基であり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
の化合物を生成するステップと、
(ii)カップリング条件下で、式Bの化合物を式C
Figure 2015517535
[式中、
R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R8は、脱離基であり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物と反応させるステップと、
(iii)R6及びR7における酸素保護基を選択的に除去して、式X
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R5は、アシル基であり、
R6及びR7は、Hであり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物を生成するステップと
(iv)式Xの化合物を式Yの化合物、薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物又は溶媒和物に変換するステップと
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R6及びR7における保護基、R9の構成部分となることができる酸素保護基並びにR5におけるアシル基の性質により、すべての保護基が単一の工程で除去できるため、ステップ(III)及び(IV)を同時に実施することができる。これらの実施形態では、単一の工程ですべての保護基が除去されるので、式Xの化合物は単離されない。
R2、R3、及びR4がそれぞれ酸素保護基である場合、これらは任意の好適な酸素保護基であってもよい。式Cのいくつかの実施形態では、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、アシル基である。他の実施形態では、式CのR2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、任意選択で置換されているベンゾイル及びアセチルからなる群から選択され、他の実施形態では、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、任意選択で置換されているベンゾイルである。
式BのR5は、任意のアシル基であってもよい。いくつかの実施形態では、式BのR5は、任意選択で置換されているC1〜C12アルキルアシル、任意選択で置換されているC3〜C12シクロアルキルアシル、任意選択で置換されているC6〜C18アリールアシル、又は任意選択で置換されているC5〜C12ヘテロアリールアシルからなる群から選択されるアシル基である。いくつかの実施形態では、R5のアシル基は、アセトイル、プロピオニル、ベンゾイル、2-クロロベンゾイル、4-クロロベンゾイル、4-ニトロベンゾイル及び4-メトキシベンゾイルからなる群から選択されてもよい。さらなる実施形態では、R5のアシル基は、任意選択で置換されているベンゾイルである。他の実施形態では、R5のアシル基は、ベンゾイルである。
いくつかの実施形態では、R8における脱離基の選択は、特定の基の、介入してくる化学部分によって取り換えられる能力に依存することになる。いくつかの実施形態では、脱離基は、式Cを活性化されたドナーとするように選択される。好適な脱離基の例は、ハロゲン、任意選択で置換されているアシル(アセテートなど)、任意選択で置換されているアルコキシ(エトキシ、メトキシなど)、任意選択で置換されているアセトイミデート(トリクロロアセトイミデート又はN-(フェニル)トリフルオロアセトイミデートなど)、スルホニルオキシ、任意選択で置換されているアリールスルホニル、任意選択で置換されているシリル、任意選択で置換されているアキルチオ、任意選択で置換されているアリールチオである。いくつかの実施形態では、式CのR8は、クロロ、ヨード、ブロモ、フルオロ、エトキシ、メトキシ、メシレート、トシレート、トリフレート、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、メタンチオ、エタンチオ、t-ブチルチオ、トリクロロアセチル、トリクロロアセトイミデート及びN-(フェニル)トリフルオロアセトイミデートからなる群から選択される。他の実施形態では、R8は、トリクロロアセトイミデート又はN-(フェニル)トリフルオロアセトイミデートである。
いくつかの実施形態では、式AのR6及びR7は、それぞれ独立して、任意の酸素保護基であってもよい。好適な酸素保護基は、上記においてにR2、R3及びR4について解説した通りに記載済みであり、R6及びR7にも等しく適用可能である。いくつかの実施形態では、式AのR6及びR7は、それぞれ独立して、アシル保護基又はアルコキシル保護基である。さらなる実施形態では、R6及びR7は、アセタールであるか、又は一緒になった場合に、環状アセタールを形成する。なおさらなる実施形態では、R6及びR7は、一緒になった場合に、
Figure 2015517535
からなる群から選択される環式基を形成する。
いくつかの態様では、式A、式X、及び式YのR1におけるサポゲニンは、以下の式E、F又はG
Figure 2015517535
[式中、
R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R15は、C-5,C-6が単結合の場合はHであり、C-5,C-6が二重結合の場合は存在せず、
BがCH2であると同時に、AはOであるか、又は、AがCH2であると同時に、BはOであり、
R37BがCH3であると同時に、R37AはHであるか、又は、R37BがHであると同時に、R37AはCH3である]
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体、
Figure 2015517535
[式中、
R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R15は、C-5,C-6が単結合の場合はHであり、C-5,C-6が二重結合の場合は存在せず、
R32は、C-20,C-22が単結合の場合はヒドロキシル基若しくはアルコキシル基のいずれかであるか、又はC20,C-22が二重結合の場合は存在せず、
R37BがCH3であると同時に、R37AはHであるか、又は、R37BがHであると同時に、R37AはCH3であり、
R38は、H又はサッカライドである]
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体、
Figure 2015517535
[式中、
R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、それぞれ独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R15は、C-5,C-6が単結合の場合はHであり、C-5,C-6が二重結合の場合は存在せず、
R32及びR39は、それぞれ独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R37BがCH3であると同時に、R37AはHであるか、又は、R37BがHであると同時に、R37AはCH3であり、
R38は、H又はサッカライドである]
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体
であってもよい。
いくつかの態様では、式AのR1におけるサポゲニンは、スピロスタノールアグリコン及びフロスタノールアグリコンからなる群から選択される。他の態様では、式AのR1は、ジオスゲニン、ヤモゲニン(ネオジオスゲニン)、ユッカゲニン、サルササポゲニン、チゴゲムン(tigogemn)、スミラゲニン、ヘコゲニン、ギトゲムン(gitogemn)、コンバラマロゲニン、ネオルスコゲニン、ソラゲニン(solagenin)、プロトジオスゲニン、プソイドプロトジオスゲニン(pseudoprotodiosgenin)、メチルプロトジオスゲニン、プロトヤモゲニン、メチルプロトヤモゲニン、並びに薬学的に許容されるそれらの塩、異性体及び水和物からなる群から選択される、スピロスタノールアグリコン又はフロスタノールアグリコンである。
本明細書において言及される化合物は、薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物を含むことが意図されることが理解される。したがって、いくつかの態様では、本発明の化合物は、上記で特定した化合物の所望の生物学的活性を保持する、任意の薬学的に許容される塩であってもよい。いくつかの態様では、薬学的に許容される塩には、酸付加塩及び塩基付加塩が含まれる。塩が酸付加塩である場合、塩は、有機酸又は無機酸のいずれから調製されてもよい。同様に、塩が塩基付加塩である場合、塩は、有機塩基又は無機塩基の付加によって調製されてもよい。いくつかの態様では、本発明の化合物は、塩酸、硫酸、及びリン酸などの無機酸から調製されてもよい。他の態様では、本発明の薬学的に許容される塩は、脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式のカルボン酸及びスルホン酸に属するクラスの有機酸などの有機酸から調製されてもよく、その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸である。さらに、他の態様では、本発明の化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、及び亜鉛からなる金属塩の付加によって、又はベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン及びプロカインなどの有機塩基の付加によって調製されてもよい。さらなる態様では、本発明の化合物は、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などの第四級塩;ヒスチジン、グリシン、リシン及びアルギニンとの塩などのアミノ酸付加塩を含む有機塩であってもよい。いくつかの他の態様では、本発明の化合物は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、リン酸塩、及びコリンからなる群から選択される塩であってもよい。
ステップ(i)における塩基は、有機塩基及び無機塩基を含む、任意の求核塩基又は非求核塩基から選択されてもよい。好適な無機塩基の例には、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属酢酸塩、アルカリ土類金属水酸化物及びアルカリ土類金属アルキルオキシドが含まれる。好適な無機塩基の具体的な例には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、重炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、及びナトリウムエトキシドが含まれる。好適な有機塩基には、アルキル塩基及び芳香族塩基、とりわけ窒素含有アルキル塩基及び窒素含有芳香族塩基が含まれる。いくつかの実施形態では、塩基は第三級アミン又は芳香族アミン、とりわけヒンダード第三級アミンである。好適な有機塩基の例には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、及びジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン、;複素芳香族塩基、典型的には窒素含有複素芳香族塩基、例えば任意選択で置換されているイミダゾール、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン及び2,6-ルチジンなどの任意選択で置換されているピリジン;並びにN-ホルミルピペリジン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン及び1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エンを含む任意選択で置換されているピペリジンなどの、環式及び多環式の窒素含有塩基が含まれる。いくつかの実施形態では、塩基は、ピリジン又は4-ジメチルアミノピリジンなどの任意選択で置換されているピリジン誘導体である。
選択される塩基の量は、ステロイドサポニン、アシル化剤、溶媒(もしあれば)、温度、及び所望の反応速度に依存することになるが、本方法により所望の位置異性体が確実に生成されるように選択される。典型的には、モル当量で過剰量の塩基が使用される。いくつかの実施形態では、1から3モル当量の量の塩基。他の実施形態では、量は1から2モル当量までである。さらに他の実施形態では、塩基の量は、1から1.5モル当量である。他の実施形態では、塩基の量は1.2モル当量である。
さらに、方法ステップ(i)は好適な溶媒の存在下で実施されてもよく、溶媒なしで実施されてもよい。いくつかの場合では、ステップ(i)における塩基はまた溶媒であってもよく、例えばこの場合、塩基は任意選択で置換されているピリジン又は任意選択で置換されているピペリジンである。いくつかの実施形態では、好適な溶媒は、グリコシル化ステロイドサポニンを溶媒和することが可能な溶媒である。他の実施形態では、好適な溶媒は、式Aの化合物を溶媒和することが可能な溶媒である。他の実施形態では、好適な溶媒は、炭化水素溶媒、ハロンゲン化溶媒又はこれらの混合物から選択される。好適な溶媒の例には、アセトニトリル、アセトン、ベンゼン、ベンゾニトリル、1-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブチルアルコール、酢酸ブチル、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、シクロペンタン、1,2-ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジエチルアミン、ジエチルエーテル、ジエチルケトン、ジメトキシエタン ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、エチレングリコール、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、2-メトキシエタノール、酢酸2-メトキシエチル、酢酸メチル、1-オクタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、エタノール、メタノール、テトラクロロエチレン、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン、2,2,2-トリフルオロエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、トリエチルアミン、ペンタン、石油エーテル、ピリジン、水、o-キシレン、p-キシレン、m-キシレン及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態では、好適な溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素及びピリジン並びにこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は、ハロゲン化溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。他の実施形態では、溶媒は乾燥溶媒であるか、又は実質的に水を含まない。
方法ステップ(i)は任意の好適な温度で実施されてもよいが、典型的には-100から80℃までの温度で実施される。他の実施形態では、方法ステップ(i)を実施する好適な温度は、-85から40℃までであってもよい。他の実施形態では、方法ステップ(i)を実施する好適な温度は、-80から25℃までである。いくつかの実施形態では、本方法は、とりわけ温度が反応の過程で上昇する場合、広範な温度にわたって実施される。いくつかの好ましい実施形態では、方法ステップ(i)における反応の温度は、最初は-85から-70℃の範囲であり、その後、温度は反応の過程で10から25℃の範囲の温度に上昇する。いくつかの実施形態では、方法ステップ(i)における反応の温度は、最初は-10から20℃の範囲であり、次いでその後、反応の過程で10から25℃の範囲の温度に上昇する。いくつかの実施形態では、方法ステップ(i)における反応の温度は、0から20℃までの範囲である。いくつかの実施形態では、方法ステップ(i)における反応の温度は、5から15℃までの範囲である。いくつかの実施形態では、方法ステップ(i)における反応の温度は、8から13℃までの範囲である。
ステップ(i)の方法は、大気圧で実施されてもよく、大気圧超又は大気圧未満で実施されてもよい。
いくつかの実施形態では、ステップ(i)の方法は、不活性雰囲気下で実施されてもよい。方法ステップ(i)が不活性雰囲気下で実施される場合、雰囲気は、窒素(N2)であってもアルゴン(Ar)であってもよい。
本発明のステップ(i)の方法は、典型的には1分未満から6時間、より典型的には10分から3時間まで、最も典型的には30分から2.5時間までを要する。いくつかの態様では、本発明の方法は、1から2時間かけて実施される。しかし、認識されると思われるが、当業者が反応を監視することは極めて容易である。
さらに、ステップ(i)のアシル化剤は、任意のアシル化剤であってもよい。いくつかの実施形態では、アシル化剤は酸無水物又はハロゲン化アシルである。他の実施形態では、アシル化剤は、塩化アシルである。いくつかの実施形態では、アシル化剤は、任意選択で置換されているベンゾイル化剤である。いくつかの実施形態では、アシル化剤は、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ベンゾイル、塩化2-クロロベンゾイル、塩化4-クロロベンゾイル、塩化4-ニトロベンゾイル及び塩化4-メトキシベンゾイルからなる群から選択される。他の実施形態では、アシル化剤は、塩化ベンゾイルである。
アシル化剤及び式Aの化合物は、多くの比のうち、いずれにおいて反応させてもよいが、その比は、典型的には5:1から0.8:1までである。他の態様では、アシル化剤の式Aの化合物に対する比は、3:1から1:1までである。他の態様では、アシル化剤の式Aの化合物に対する比は、2:1から1:1までである。他の態様では、アシル化剤の式Aの化合物に対する比は、1.3:1から1:1までである。他の態様では、アシル化剤の式Aの化合物に対する比は、1.2:1から1:1までである。さらに他の態様では、アシル化剤の式Aの化合物に対する比は、1.1:1から1:1までである。
先に記載したように、いくつかの態様では、本発明は、一部分において、サッカライド分子を同一であっても異なっていてもよい別のサッカライド分子とカップリングしてより大きなポリサッカライドを構築する方法;又はサッカライドをサポゲニンとカップリングしてモノグリコシドステロイドサポニンを形成する、若しくは同様に、さらなるサッカライドをカップリングしてジステロイドサポニン若しくはポリステロイドサポニンを形成する;若しくはサッカライドを式A、B、C X、Y、YA、YB、YC、E、F及びGのうちのいずれか1つの化合物とカップリングする方法を提供する。
サッカライドカップリング反応は、カップリングされるサッカライド部分がどのように活性化されるかによって、一般に2つのカテゴリーに分類される。
反応の第1の一般カテゴリーでは、カップリングのための活性化サッカライド部分として、サッカライドトリハロアセトイミデート(例えば、トリクロロアセトイミデート)を使用する。活性化サッカライドは、活性化炭素中心を介してグリコシドアクセプター、すなわち、別のサッカライド分子(その保護されていないOH基を介して)又はジケトン(その保護されていないOH基を介して。ジケトンの、サッカライド部分の保護されていないOH基を含む)にカップリングする。いくつかの実施形態では、好適な触媒がさらに使用されてもよい。
反応の第2の一般カテゴリーでは、触媒量のN-ヨードスクシミド(iodosuccimide)(NIS)などの好適な触媒と、ヨウ素共触媒、シリル共触媒又は銀共触媒との存在下で、カップリングのための活性化サッカライド部分として、チオグリコシド(例えば、チオエチルサッカライド又はチオ-2-プロピルサッカライド)を使用する。
本発明の方法は、カップリング反応の各一般カテゴリーを包含する。
最初にジサッカライド又はより高次のポリサッカライドを構築し、次いでその後、ジサッカライド又はより高次のポリサッカライドをステロイド分子又はサポゲニン分子とカップリングすることが可能である。代替的には、最初にモノグリコシドサポニンを構築し、次いで、さらなるサッカライドをカップリングして、本発明のジグリコシドサポニン又はポリグリコシドサポニンを形成することが可能である。これらの方法のどちらも本発明に適用可能である。典型的には、本発明は、最初にモノグリコシドサポニンの構築を、次いでその後、さらなるサッカライドのカップリングによる所望のジグリコシドサポニン又はポリグリコシドサポニンの形成をもたらす。
好適なサッカライドの例には、好ましくはα-アノマー又はβ-アノマーのいずれかでありD又はL光学異性を有する環状フラノース又は環状ピラノースの形態の、5又は6個の炭素原子を有するモノアルドース又はモノケトースが含まれる。好適なサッカライドの例には、グルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、ラムノース、キシロース、アラビノース、フコース、キノボース、アピオース、ラクトース、ガラクトース-グルコース、グルコース-アラビノース、フコース-グルコース、ラムノース-グルコース、ラムノース-ガラクトース、グルコース-グルコース-グルコース、グルコース-グルコース-ガラクトース、グルコース-ラムノース、マンノース-グルコース、ラムノース-(グルコース)-グルコース、ラムノース-(ラムノース)-グルコース、グルコース-(ラムノース)-グルコース、グルコース-(ラムノース)-ガラクトース、グルコース-(ラムノース)-ラムノース、ガラクトース-(ラムノース)-ガラクトース、及びこれらの保護された、典型的にはアシル化された誘導体が含まれる。
したがって、ステップ(ii)の方法のカップリング条件は、任意の好適なカップリング条件であってもよい。先に記載したように、いくつかの実施形態では、方法ステップ(ii)における式Cの化合物は、活性化サッカライドである。活性化サッカライドの選択は、所望のステロイドサポニンに依存することになる。式Cのサッカライドの活性化に適した脱離基は、R8に関して解説済みである。
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)の方法では、式Cの活性化サッカライドとして、サッカライドトリハロアセトイミデート(例えば、トリクロロアセトイミデート又はN-(フェニル)トリフルオロアセトイミデート)を使用する。他の実施形態では、ステップ(ii)の方法では、式Cの活性化サッカライドとして、チオグリコシドを使用する。さらに他の実施形態では、方法ステップCで、式Cの活性化サッカライドとして、ハログリコシドを使用する。さらに他の実施形態では、式Cの活性化サッカライドは、先に記載した好適なサッカライドのうちのいずれか又はその誘導体であってもよい。
さらに、方法ステップ(ii)は、好適な溶媒の存在下で実施されてもよく、溶媒なしで実施されてもよい。いくつかの実施形態では、好適な溶媒は、グリコシル化ステロイドサポニンを溶媒和することが可能な溶媒である。他の実施形態では、好適な溶媒は、式Aの化合物又は式Cの化合物を溶媒和することが可能な溶媒である。他の実施形態では、好適な溶媒は、炭化水素溶媒、ハロンゲン化溶媒又はこれらの混合物から選択される。好適な溶媒の例には、アセトニトリル、アセトン、ベンゼン、ベンゾニトリル、1-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブチルアルコール、酢酸ブチル、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、シクロペンタン、1,2-ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジエチルアミン、ジエチルエーテル、ジエチルケトン、ジメトキシエタン ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、エチレングリコール、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、2-メトキシエタノール、酢酸2-メトキシエチル、酢酸メチル、1-オクタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、エタノール、メタノール、テトラクロロエチレン、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン、2,2,2-トリフルオロエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、トリエチルアミン、ペンタン、石油エーテル、ピリジン、水、o-キシレン、p-キシレン、m-キシレン及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態では、好適な溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドラフラン、1,4-ジオキサン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素及びピリジン並びにこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は、ハロゲン化溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。他の実施形態では、溶媒は乾燥溶媒であるか、又は実質的に水を含まない。
方法ステップ(ii)は任意の好適な温度で実施されてもよいが、典型的には-100から80℃までの温度で実施される。他の実施形態では、方法ステップ(ii)を実施する好適な温度は、-85から40℃までである。他の実施形態では、方法ステップ(i)を実施する好適な温度は、-80から25℃までであってもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、とりわけ温度が反応の過程で下降及び/又は上昇する場合、広範な温度にわたって実施される。いくつかの好ましい実施形態では、方法ステップ(ii)における反応の温度は、最初は0から40℃の範囲であり、次いで、温度は-80から-25℃の範囲の温度に下降し、その後、-25から10℃の範囲の温度に上昇する。他の実施形態では、方法ステップ(ii)における反応の温度は、最初は-50から0℃の範囲であり、その後、温度は0から40℃の範囲の温度に上昇する。
ステップ(i)の方法は、大気圧で実施されてもよく、大気圧超又は大気圧未満で実施されてもよい。
本発明のステップ(i)の方法は、典型的には1分未満から48時間、より典型的には5分から3時間まで、最も典型的には30分から2.5時間までを要する。いくつかの態様では、本発明の方法は、1から2時間かけて実施される。しかし、認識されると思われるが、当業者が反応を監視することは極めて容易である。
いくつかの実施形態では、ステップ(ii)の方法は、不活性雰囲気下で実施されてもよい。方法ステップ(ii)が不活性雰囲気下で実施される場合、雰囲気は、窒素(N2)であってもアルゴン(Ar)であってもよい。
先に記載したように、ステップ(ii)の方法は、触媒の存在下で実施されてもよい。触媒は、任意の好適な触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒は、ルイス酸、ルイス塩基、ブレンステッド酸又はブレンステッド塩基であってもよい。さらに他の実施形態では、触媒は、サッカライドを活性化することができる試薬であってもよく、例えば、触媒は、in situで脱離基を形成する試薬であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒は、シリル化剤であってもよい。さらに他の実施形態では、触媒は、ルイス酸とシリル化剤の両方であってもよい。他の実施形態では、触媒は、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートである。
先に記載したように、保護基の除去は、保護基の性質に従って、通例の方法で実現することができる。いくつかの実施形態では、一方の保護基を完全に残したままで他方の保護基を選択的に除去してもよい。適当な保護基の使用及び除去は、十分に当業者の能力の範囲内にあると思われる。
例えば、残基がアセチル保護基又はベンゾイル保護基で保護されているサッカライド部分を含む化合物を、pH10程度のメタノール中NaOMeを用いて、撹拌しながら一定の時間、典型的には1〜8時間室温で処理することにより、完全な脱O-アセチル化又は脱O-ベンゾイル化、すなわち、アセチル保護基及び/又はベンゾイル保護基の除去がもたらされる。このような脱保護により、この例では、遊離ヒドロキシル基が生成する。
したがって、先に解説したように、各例において選択される脱保護レジームは、R2、R3、R4、R6及びR7に位置する酸素保護基、並びにR9の可能な構成部分及びR5におけるアシル基の厳密な性質に依存することになる。いくつかの例では、単一の工程ですべての酸素保護基を除去することができ、よって、製造効率性につながる。他の例では、これらの基の性質及び独自性により、所望の生成物に到達するために複数ステップの工程で保護基を操作する必要がある。なお、保護基化学の高度な実務知識を有する当業者であれば、脱保護される化合物を分析すること、及び保護基の独自性から所望の最終生成物に到達するための脱保護プロトコールを考案することは、容易に可能であると考えられる。
他の実施形態では、例えば、部分的にパラ-メトキシフェニル(PMP)などのアセタールによって保護されたサッカライド部分を含む化合物を、メタノール及びテトラヒドロフラン中の陰イオン交換樹脂で処理することにより、パラ-メトキシフェニル保護基のみの選択的な除去がもたらされる。したがって、サッカライド部分を含む化合物がさらにベンゾイル保護及びアセチル保護ヒドロキシル基などの他の保護残基を含む場合、これら他の保護基は完全なまま残る。好適な陰イオン交換樹脂には、Amberjet(商標)、Amberlite(商標)及びAmbersep(商標)の名称で販売されているものが含まれる。
いくつかの態様では、式Xの化合物は、化合物X-1
Figure 2015517535
である。
式Xの化合物が化合物X-1である場合、以下のような本発明の方法によってそれを得ることができる。
Figure 2015517535
すなわち、アセタール保護化合物を選択的C3ベンゾイル化に供して、所望のモノベンゾイル化誘導体を得る。次いで、これを好適な活性化サッカライドとのラムノースカップリングに供して所望のカップリング生成物を生み出しし、次いでこれを反応させてアセタール保護基を除去する。この生成物は多くの様々な反応によってさらに合成に供することができ、数多くの構造的に関連する化合物への出発点とすることができる。
有利には、本方法により様々なステロイドサポニンを得る。例えば、式Xの化合物が化合物X-1である場合、本方法により以下の所望のステロイドサポニンを得る。
Figure 2015517535
いくつかの態様では、本発明は、式Yの化合物を調製するための方法を提供する。典型的には、本発明の式Yの化合物は、式Xの化合物を式Yの化合物に変換することによって調製することができる。式Xの化合物は、官能基相互変換、酸化、還元、アルキル化、保護、脱保護及びさらなるサッカライド単位のカップリングが含まれるがこれらに限定されない、当技術分野で認識されている方法によって式Yの化合物に変換されてもよい。
例えば、いくつかの態様では、式Yの化合物は、ステップ(i)から(iv)並びにR1、R2、R3、R4、R5、R6 R7及びR9が式A、B、C、X及びYについて先に記載した通りである本発明の方法によって調製されてもよい。
いくつかの態様では、式Xの化合物は、式Xの化合物から任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成することによって、式Yの化合物に変換されてもよい。いくつかの態様では、保護基の除去は、保護基の性質に従って、通例の方法で実現することができる。いくつかの態様では、式Xの化合物を塩基で処理することにより、式Yの化合物が生成される。塩基は、任意の好適な塩基から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、塩基は、有機塩基及び無機塩基を含む、任意の求核塩基又は非求核塩基から選択されてもよい。さらに他の実施形態では、塩基は本発明のステップ(i)に関して先に記載したものから選択されてもよい。さらに他の実施形態では、塩基は、溶媒と組み合わせて使用されてもよく、溶媒の不在下で使用されてもよい。溶媒が使用される場合、溶媒は、任意の好適な溶媒から選択されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、式Xの化合物をメタノール中のK2CO3で処理することにより、式Yの化合物が生成される。他の実施形態では、式Xの化合物をメタノール中のNH3で処理することにより、式Yの化合物が生成される。さらに他の実施形態では、式Xの化合物をジクロロメタン及び/又はメタノール中のNaOHで処理することにより、式Yの化合物が生成される。
さらなる態様では、式Xの化合物は、
(a)R7に選択的に酸素保護基を導入するステップと、
(b)R6がサッカライドとなるようなカップリング条件下で、好適なサッカライドをカップリングして、式X'
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンであり、
R2、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R5は、アシル基であり、
R6は、サッカライドであり、
R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
の化合物を生成するステップと、
(c)式X'の化合物を式Yの化合物、薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物又は溶媒和物に変換するステップと
によって式Yに変換されてもよい。
他の態様では、式Xの化合物は、
(a)R7に選択的に酸素保護基を導入するステップと、
(b)R6がサッカライドとなるようなカップリング条件下で、好適なサッカライドをカップリングして、先に定義された通りの式X'の化合物を生成するステップと、
(c)任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成するステップと
によって式Yの化合物に変換されてもよい。
他の態様では、式Xの化合物は、
(a)R7に選択的に酸素保護基を導入するステップと、
(b)R6がサッカライドとなるようなカップリング条件下で、好適なサッカライドをカップリングして、先に定義された通りの式X'の化合物を生成するステップと、
(c)R1におけるサポゲニンを先に定義された通りの式Gのサポゲニンに変換するステップと、
(d)任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成するステップと
によって式Yの化合物に変換されてもよい。
さらに他の実施形態では、式Xの化合物は、
(a)R7に選択的に酸素保護基を導入するステップと、
(b)R6がサッカライドとなるようなカップリング条件下で、好適なサッカライドをカップリングして、先に定義された通りの式X'の化合物を生成するステップと、
(c)R1におけるサポゲニンを先に定義された通りの式Fのサポゲニンに変換するステップと、
(d)任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成するステップと
によって式Yの化合物に変換されてもよい。
いくつかの実施形態では、R1が式Gのサポゲニンである式Yの化合物は、式YA
Figure 2015517535
[式中、
R2、R3、R4、R5、及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
R6は、酸素保護基又はサッカライドであり、
R9は、H、Me、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択され、
R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
R15は、C-5,C-6が単結合の場合はHであり、C-5,C-6が二重結合の場合は存在せず、
BがCH2であると同時に、AはOであるか、又は、AがCH2であると同時に、BはOであり、
R37BがCH3であると同時に、R37AはHであるか、又は、R37BがHであると同時に、R37AはCH3である]
の化合物を酸化して、式YB
Figure 2015517535
[式中、
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R11、R12、R14、R15、R16、R17、R21、R22、R24、R25、R27、R37A及びR37Bは、式YAについて定義した通りであり、
R38は、H又はサッカライドである]
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体を生成して、その後任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成することによって、式Xの化合物から調製されてもよい。
他の実施形態では、R1が式Fのサポゲニンである式Yの化合物は、式YB
Figure 2015517535
[式中、
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R11、R12、R14、R15、R16、R17、R21、R22、R24、R25、R27、R37A及びR37Bは、式YAについて定義した通りであり、
R38は、H又はサッカライドである]
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体を選択的に還元して、式YC
Figure 2015517535
[式中、
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R11、R12、R14、R15、R16、R17、R21、R22、R24、R25、R27、R37A及びR37B及びR38は、式YBについて定義した通りである]
の化合物を生成して、その後任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成することによって調製されてもよい。
いくつかの実施形態では、式Yの化合物は、
Figure 2015517535
[式中、
R1は、サポゲニンである]
からなる群から選択される。
他の実施形態では、R1におけるサポゲニンは、
Figure 2015517535
からなる群から選択される。
したがって、いくつかの実施形態では、式Yの化合物は、
Figure 2015517535
Figure 2015517535
Figure 2015517535
Figure 2015517535


からなる群から選択されてもよい。
さらに他の実施形態では、式Yの化合物は、
Figure 2015517535
Figure 2015517535

から選択される。
これより、本発明を実施例によって説明するが、実施例はそれらへの限定であると解釈してはならない。以下に記載されるもの以外のさらなる化合物を、本明細書に記載の方法及び合成プロトコール又はそれらの適切な変形形態若しくは変更形態を使用して調製してもよい。
[実施例]
以下に記載する実施例では、別段の指摘がない限り、以下の記載におけるすべての温度はセルシウス温度であり、すべての部及び百分率は、別段の指摘がない限り、重量に基づく。
別段の指摘がない限り、種々の出発材料及び他の試薬は、Aldrich Chemical Company又はLancaster Synthesis Ltd.などの商業的供給者から購入したものであり、さらなる精製を行うことなく使用した。すべての溶媒は、別段の指摘がない限り、当技術分野における標準的な方法を使用することによって精製した。
1H NMRスペクトルをBruker Avance III-500において500MHZで記録し、13C-NMRスペクトルをBruker Avance III-500において126MHZで記録した。ピーク多重性が報告される場合、以下の略称が使用される:s=一重線、d=二重線、t=三重線、m=多重線、br=広幅、dd=二重線の二重線、dt=三重線の二重線。結合定数が与えられる場合、ヘルツで報告される。
質量スペクトルは、Waters Q-TOF Premier(商標) Tandem Mass Spectrometerを使用して、エレクトロスプレーイオン化によって得た。
[実施例1]
ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(前駆体1)の調製
Figure 2015517535
中間体1:2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノース(中間体1)の調製
Figure 2015517535
2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシドトリクロロアセトイミデート(50.3g、67.9mmol)及びジオスゲニン(26.0g、63mmol)をジクロロメタン(無水物、11mL)とトルエン(無水物、314mL)との混合物に溶解して、溶液を40℃で回転蒸発によって乾燥した。生成物をジクロロメタン(無水物、222mL)中に溶解し、乾燥窒素下で0℃に冷却した。TMSOTf(0.250mL、1.38mmol)を添加し、溶液を周囲温度に加温し、1時間撹拌した。次いで、反応をN-メチルモルホリン(0.343mL、3.1mmol)によってクエンチした。さらなるDCM(20mL)を添加し、メタノール(450mL)をゆっくりと添加し、その後メタノールと水との混合物(メタノール:水が3:1の200mL)をゆっくりと添加することにより、生成物を沈殿させた。生成物を濾過によって集め、メタノールと水との混合物(メタノール:水が4:1の450mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、ジオスゲニル2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノース(中間体1)を得た。
1H NMR 500MHz (CDCl3) δ 7.81-8.03 (m, 8H), 7.23-7.56 (m, 12H), 5.89 (t, 1H, J=9.7Hz), 5.62 (t, 1H, J=9.7Hz), 5.49 (dd, 1H, J=7.9, 9.7Hz), 5.22 (m, 1H), 4.94 (d, 1H, J=7.9Hz), 4.60 (dd, 1H, J=3.4, 12.0Hz), 4.52 (dd, 1H, J=5.9, 12.0Hz), 4.37-4.43 (m, 1H), 4.12-4.18 (m, 1H), 3.34-3.56 (3H, M), 0.74-2.20 (m, 36H). ES-MS m/z C61H68O12Na 計算値:1015.4608, 実測値:1015.4604。
中間体2:ジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(中間体2)の調製
Figure 2015517535
窒素下、ジオスゲニル2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノース(中間体1)(59g、59.4mmol)をジクロロメタン(乾燥、400mL)及びメタノール(乾燥、400mL)中に溶解した。ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、1.9mL、10.1mmol)を添加し、溶液を終夜撹拌した。この最中にpHが9未満に低下した場合、さらなるナトリウムメトキシドを添加した。生成物を含有する溶液を、洗浄済み酸性イオン交換樹脂(Amberjet 1200H)によって中和した。樹脂を濾過によって除去し、残留するあらゆる酸性度をN-メチルモルホリンによってクエンチした。生成物を回転蒸発によって乾燥してシロップ状物にし、このシロップ状物をメタノール(275mL)中に懸濁して、濾過可能な固体を得、次いでこれを濾過によって集めた。固体をメタノール(165mL)及び酢酸エチル(165mL)で洗浄した。生成物を30℃で真空下で乾燥して、ジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(中間体2)(23.4g、68%)をセスキ水和物として得た。
濾液を合わせ、酢酸エチル(330mL)を添加し、混合物を約190mLに濃縮した。生成物の第2のクロップを濾過によって集め、酢酸エチル(100mL)で洗浄した。生成物の第2のクロップをカラムクロマトグラフィー(溶離液1:9のメタノール:ジクロロメタン)によってさらに精製して、さらに多くのジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(中間体2)(5.21g、15.2%)(全収率=28.6g、83.4%)を得た。
1H NMR (500MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ5.37 (dd, J=2.1, 3.1Hz, 1H), 4.42 (q, J=7.4Hz, 1H), 4.40 (d, J=7.8Hz, 1H), 3.84 (dd, J=2.9, 12.0Hz, 1H), 3.83 (dd, J=4.7, 12.0Hz, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.47 (ddd, J=2.1, 4.2, 11.6Hz, 1H), 3.45-3.20 (m, 5H), 2.41 (ddd, J=2.1, 4.7, 13.2Hz, 1H), 2.27 (m, 1H), 2.05-0.92 (m, 23H), 1.03 (s, 3H), 0.97 (d, J=6.9Hz, 3H), 0.80 (d, J=6.3Hz, 3H), 0.80 (s, 3H); 13C NMR (126MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ141.78, 123.08, 110.95, 102.51, 82.36, 80.39, 77.87, 77.25, 74.94, 71.60, 68.22, 63.38, 63.18, 57.85, 51.49, 42.99, 41.63, 41.08, 40.00, 38.57, 38.19, 33.39, 33.02, 32.78, 32.64, 31.54, 30.89, 30.00, 22.18, 20.56, 18.25, 17.50, 15.60. ES-MS m/z C33H52O8Na 計算値:599.3560, 実測値:599.3554。
前駆体1:ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(前駆体1)の調製
Figure 2015517535
DMF (270mL)中ジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(35.95g、62.3mmol)の溶液に、アニスアルデヒドジメチルアセタール(42.5mL、249mmol)及び5滴のpH約2.5の濃H2SO4を添加した。溶液をハウスバキューム下で60℃において8時間加熱して、メタノールを除去した。反応物を冷却し、酢酸エチル(400mL)を用いる分液漏斗に移し、ここでH2O(3×300mL)、0.5M HCl水溶液(2×200mL)で、次いで飽和NaHCO3水溶液(200mL)で繰り返し洗浄し、これにより、有機層と水層との界面に灰色の物質の沈殿が生じた。
この灰色の物質は、少量のDMFが混入した所望の生成物であると同定され、これを酢酸エチル中に取り、ヘキサンで沈殿させて、灰色の粉末(13.89g、32%)を得た。
酢酸エチル層を減圧下で蒸発させて、橙色の油状物を得、これを放置すると凝固した。この橙色の固体を酢酸エチル中に溶解し、ヘキサンで沈殿させて、灰色の粉末(13.47g、31%)を得た。
橙色の濾液からさらに多くの生成物を沈殿させるようにすることはできず、それどころか、溶媒として作用する高い含有量の4-メトキシベンズアルデヒドによってオイルアウトが発生したため、結果的に、Celite上に吸収させ、3:1〜2:1のPE/EA、次いで3:1〜1:1のトルエン/EAの勾配を用いて溶出するショートシリカプラグのカラムを通過させて、さらなる分の黄色の固体(12.62g 29%;累積39.98g、92%)を得た。
[実施例2]
式Xの化合物;ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-a-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)の調製
Figure 2015517535
中間体3:ステップ(i)
前駆体1の選択的ベンゾイル化によるジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)の生成
Figure 2015517535
-78℃に冷却したピリジン(42.8mL)及びジクロロメタン(68.0mL)中に溶解したジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(18.37g、26.4mmol)及びDMAP(0.161g、1.322mmol)の溶液に塩化ベンゾイル(3.38mL、29.1mmol、1.1当量)を滴下添加した(反応体積中に撹拌しながら入れる前に、一過的にPyr.HClと思われる塊状固体が形成された)。溶液を終夜撹拌しながら室温に加温した。
反応をMeOH(10mL)の添加によってクエンチし、200mLのDCMで希釈し、0.5N HCl(4×250mL)、NaHCO3(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。粗製物質をCelite上に吸収させ、50mLのトルエンと共に蒸発させて残留するDCMを取り除いた。これをトルエン(200mL)中のスラリーとしてシリカカラムの頂部にロードし、2% EA/トルエン(ジBz溶出)、5% EA/トルエン(中間)、次いで10% EA/トルエン(モノBz)の段階的勾配によって溶出した。
集めた画分を合わせて、ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)(13.11、62%)を得た。ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-2,3-ジベンゾイル)-β-D-グルコピラノシドも単離した(3.17g、13.3%)。
中間体5:ステップ(ii)
ラムノース部分のカップリングによるジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体5)の生成
Figure 2015517535
-78℃で撹拌したDCM(450mL)中のジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)(18.4g、23.03mmol)、2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-α/β-L-ラムノピラノシドトリクロロアセトイミデート(17.87g、28.8mmol、1.25当量)及び4Å MSシーブ(2g/gアクセプター;37g)の溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.104mL、0.576mmol)を滴下添加すると、即座に明黄色の溶液が形成された。反応物を冷浴中で、撹拌しながら終夜室温に加温した(箔を用いて遅延させた)。
1滴のNEt3によってクエンチして(黄色が消失した)蒸発させた少量のアリコートは、1H NMRにより、出発材料の完全な消費を示した。
反応をNEt3(2mL)の添加によってクエンチし、Celite床を通して濾過して、シーブを分離した。固体支持体をDCM(2×50mL)で洗浄した。有機溶液の蒸発により、白色の泡状物を得た。この泡状物をEt2O(約200mL)でスラリー化し、濾過し、冷Et2O(2×50mL)で洗浄して、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシドを白色の粉末として優れた純度で得た(22.75g、79%)。
黄色の濾液は、分解したラムノースドナー及び少量の所望の生成物からなると決定された。Celite上への吸収及びEA/トルエン(2%、4%次いで6%)の勾配を用いて溶出するシリカを通した溶出により、さらに3.07g(10.6%)の生成物を得た(累積収率25.82g、90%)。
化合物X-1:ステップ(iii)
中間体5の脱保護による式Xの化合物;ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)の生成
Figure 2015517535
ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(20g、15.91mmol)をジクロロメタン(125mL、1943mmol)及び水(45mL)中に溶解した。この二相混合物を、トリフルオロ酢酸(15.91mL)を0℃で添加しながら撹拌すると、明黄色/緑色の蛍光色の溶液が形成された。
反応物を3.5時間撹拌した。反応を水(2×150mL)、NaHCO3(2×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄することによりクエンチし、MgSO4で乾燥し、蒸発させて、白色の泡状物を得た。
粗製物質を最少限度の熱EA(約30mL)中に溶解し、PE(500mL)に滴下添加すると、白色の固体が「筋状」の物質として沈殿した。溶液を終夜撹拌すると、ゲルが形成された。濾過により白色の固体を得、これを冷10% EA/PEで洗浄した(18.202g、100%)。
代替として、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(1.76g、1.43mmol)及びAmberjet(登録商標)1200 H(8.8g)を100mLの丸底フラスコ内においてメタノール(24mL)及びテトラヒドロフラン(12mL)中でスラリー化した。反応物を15時間加熱還流した。次いで、反応をトリエチルアミン(0.2mL)によってクエンチした。樹脂を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物をメタノール(25mL)中に溶解し、水(15mL)を滴下添加すると、白色の固体が結晶化した。固体生成物を濾過によって単離し、ケーキを1:1のメタノール/水(2×15mL)で、その後石油エーテル60-80(2×15mL)で洗浄した。生成物を45℃において真空下で終夜乾燥して、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)(1.33g、81%)を得た。
1H NMR 500MHz (CDCl3) δ 8.03 (d, 2H), 7.90 (d, 2H), 7.77 (d, 2H), 7.74 (d, 2H), 7.56 (t, J=7.5Hz, 1H), 7.53 (t, J=7.5Hz, 1H), 7.41 (m, 3H), 7.33 (m, 3H), 7.28 (t, J=7.5Hz, 2H), 7.23 (t, J=7.5Hz, 2H), 5.74 (dd, J=3.6, 10.0Hz, 1H), 5.48-5.57 (m, 3H), 5.44 (dd, J=1.6, 3.6Hz, 1H), 5.16 (d, J=1.3Hz, 1H), 4.82 (d, J=7.9Hz, 1H), 4.77 (m, 1H), 4.45 (q, 1H), 3.73-3.95 (m, 6H), 3.47-3.54 (m, 2H), 3.38-3.41 (m, 2H), 2.64 (app ddd, 1H), 2.45 (t, 1H), 2.03 (m, 3H), 1.09-1.93 (m, 20H), 1.34 (d, J=6.4Hz, 3H), 0.99 (d, J=6.4Hz, 3H), 0.95 (s, 3H), 0.81 (d, J=6.4Hz, 3H), 0.80 (s, 3H). 13C NMR 126MHz (CDCl3,MeOD 3:1) δ 166.3, 165.8, 165.3, 164.7, 139.9, 133.24, 133.17, 133.0. 132.9, 129.61, 129.55, 129.5, 129.3, 129.0, 128.9, 128.23, 128.17, 128.1 122.0, 109.4, 99.4, 97.6, 80.8, 79.0, 78.4, 75.9, 75.5, 71.8, 70.2, 69.6, 68.7, 66.7, 66.6, 61.9, 61.4, 56.3, 49.9, 41.4, 40.1, 39.5, 38.6, 37.0, 36.7, 32.0, 31.6, 31.3, 31.1, 30.0, 29.7, 28.5, 20.6, 19.0, 17.1, 16.8, 16.0. ES-MS m/z C67H78O16Na 計算値:1161.5188, 実測値:1161.5186。
[実施例3]
ジオスゲニル-(4,6-O-(ベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(前駆体2)の調製
Figure 2015517535
2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノース(中間体1)及びジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(中間体2)の調製は、上記の通りである。
前駆体2:ジオスゲニル-(4,6-O-(ベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(前駆体2)の調製
Figure 2015517535
ジオスゲニル-β-D-グルコピラノシド(中間体2)(18.97g、31.24mmol)をDMF(142mL)中でスラリー化した。ベンズアルデヒドジメチルアセタール(9.48mL、62.5mmol)を添加し、反応混合物を60℃(浴温度)に加熱した。濃硫酸(180μL、3.36mmol)を添加し、反応混合物を真空下で60℃において6.5時間撹拌した。ベンズアルデヒドジメチルアセタール(0.95mL、6.3mmol)を添加し、反応混合物を真空下で60℃において4時間撹拌した。ベンズアルデヒドジメチルアセタール(0.95mL、6.3mmol)を添加し、反応混合物を真空下で60℃において5時間撹拌した。反応をN-メチルモルホリン(1.8mL、16mmol)によってクエンチした。反応混合物を周囲温度に冷却し、DCM(350mL)で希釈し、有機層を飽和重炭酸ナトリウムと水(300mL)との1:1混合物で、その後、飽和重炭酸ナトリウムと飽和ブライン(300mL)との2:1混合物で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。得られた粗生成物をアセトニトリル(100mL)中で80分間スラリー化し、濾過し、アセトニトリル(2×40mL)で洗浄し、30℃で16時間、真空下で乾燥して、ジオスゲニル-(4,6-O-(ベンジリデン))-β-D-グルコピラノシド(15.6g、収率75%)を白色の固体として得た。
1H NMR (500MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ7.50 (m, 2H), 7.7 (m, 3H), 5.54 (s, 1H), 5.38 (dd, J=2.3, 3.0Hz, 1H), 4.51 (d, J=7.8Hz, 1H), 4.42 (dt, J=6.7, 7.5Hz, 1H), 4.31 (dd, J=4.8, 10.5Hz, 1H), 3.78 (t, J=10.5Hz, 1H), 3.71 (t, J=9.1Hz, 1H), 3.59 (m, 1H), 3.52 (t, J=9.1Hz, 1H), 3.46 (m, 2H), 3.37 (m, 3H), 2.43 (ddd, J=2.3, 4.8, 13.3Hz, 1H), 2.29 (m, 1H), 2.06-1.06 (m, 22H), 1.04 (s, 3H), 0.98 (d, J=7.0Hz, 3H), 0.80 (s, 3H), 0.79 (d, J=7.9Hz, 3H);13C NMR (126MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ137.70, 134.48, 126.45, 125.51, 123.59, 119.10, 106.90, 99.16, 78.31, 78.09, 76.66, 71.82, 70.55, 66.07, 64.19, 63.65, 59.34, 53.81, 47.44, 38.95, 37.59, 37.04, 35.95, 34.53, 34.16, 29.36, 28.99, 28.74, 28.60, 27.50, 26.90, 25.96, 18.15, 16.54, 14.23, 13.47, 11.58; C40H56O8NaのHRMS (TOF ES+) m/z計算値:687.3873, 実測値:687.3877。
[実施例4]
式Xの化合物;ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)の調製
Figure 2015517535
中間体4:ステップ(i)
前駆体2の選択的ベンゾイル化によるジオスゲニル-(4,6-O-(ベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体4)の生成
Figure 2015517535
ジオスゲニル-(4,6-O-(ベンジリデン))-β-D-グルコピラノシド(前駆体2)(16.0g、24.1mmol)をピリジン(60mL)及びDCM(60mL)中に溶解し、溶媒を減圧下で除去して共沸により出発材料を乾燥した。得られた固体を、周囲温度においてアルゴン下でピリジン(39mL)及びDCM(62mL)中に溶解した。塩化ベンゾイル(3.35mL、28.8mmol)をバッチ温度を22℃未満に維持しながら滴下添加した。反応混合物を周囲温度で35分間撹拌し、次いで、メタノール(5.0mL、120mmol)によってクエンチした。溶媒を減圧下で除去し、得られた粗生成物をDCM(200mL)中に溶解し、5%クエン酸溶液(3×70mL)、水(70mL)及び飽和重炭酸塩(70mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中2から8%酢酸エチル)で精製して、ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体4)(10.12g、収率55%)を白色の固体として得た。
1H NMR (500MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ8.07 (dd, J=1.3, 8.5Hz, 2H), 7.57 (tt, J=1.3, 7.5Hz, 1H), 7.45 (t, J=7.5Hz, 2H), 7.40 (m, 2H), 7.29 (m, 3H), 5.52 (s, 1H), 5.46 (t, J=9.4Hz, 1H), 5.39 (dd, J=1.9, 3.4Hz, 1H), 4.66 (d, J=7.7Hz, 1H), 4.42 (q, J=7.7Hz, 1H), 4.37 (dd, J=4.9, 10.5Hz, 1H), 3.83 (t, J=10.3Hz, 1H), 3.78 (t, J=9.4Hz, 1H), 3.63 (m, 3H), 3.48 (dd, J=2.0, 4.3, 10.7Hz, 1H), 3.37 (t, J=11.0Hz, 1H), 2.46 (ddd, J=2.0, 4.5, 13.2Hz, 1H), 2.30 (m, 1H), 2.06-0.95 (m, 22H), 1.04 (s, 3H), 0.98 (d, J=6.9Hz, 3H), 0.80 (s, 3H), 0.79 (d, J=7.9Hz, 3H); 13C NMR (126MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ167.91, 141.65, 138.29, 138.29, 134.52, 131.25, 131.11, 130.32, 129.69, 129.47, 127.45, 123.25, 110.95, 103.51, 102.80, 82.35, 80.95, 80.21, 75.82, 74.33, 70.10, 68.23, 67.70, 63.39, 57.85, 51.48, 43.00, 41.64, 41.09, 39.97, 38.57, 38.20, 33.41, 33.03, 32.79, 32.65, 31.55, 30.94, 30.01, 22.20, 20.59, 18.28, 17.52; C47H60O9NaのHRMS (TOF ES+) m/z計算値:791.4135, 実測値:791.4127。
中間体6:ステップ(ii)
ラムノース部分のカップリングによるジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(ベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体6)の生成
Figure 2015517535
ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体4)(10.0g、13.0mmol)、2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-α/β-L-ラムノピラノシドトリクロロアセトイミデート(11.0g、17.7mmol)及び4ÅモレキュラーシーブをDCM(250mL)中でスラリー化し、アルゴン下で-40℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホネート(72μL、0.4mmol)を滴下添加し、反応混合物を-40℃(バッチ温度)でさらに90分間撹拌した。トリエチルアミン(1.54mL、11.0mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度に加温した。モレキュラーシーブを濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。淡黄色の油状物である粗生成物をアセトニトリル(200mL)と共に磨砕し、周囲温度で1時間スラリー化した。固体生成物を濾過によって単離し、アセトニトリル(2×30mL)で洗浄し、30℃において真空下で16時間乾燥して、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(ベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体6)(13.7g、収率86%)を白色の固体として得た。
1H NMR (500MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ8.02 (dd, J=1.3, 8.5Hz, 2H), 7.90 (dd, J=1.2, 8.5Hz, 2H), 7.77 (dd, J=1.3, 8.5Hz, 2H), 7.74 (dd, J=1.2, 8.5Hz, 2H), 7.57 (tt, J=1.3, 7.5Hz, 1H), 7.53 (tt, J=1.3, 7.5Hz, 1H), 7.39-7.4- (m, 4H), 7.22-7.37 (m, 11H), 5.78 (t, J=9.2Hz, 1H), 5.75 (dd, J=3.5, 10.1Hz, 1H), 5.57 (t, J=10.1Hz, 1H), 5.52 (s, 1H), 5.51 (m, 1H), 5.48 (dd, J=1.7, 3.5Hz, 1H), 5.22 (d, J=1.5Hz, 1H), 4.92 (d, J=7.6Hz, 1H), 4.76 (m, 1H), 4.42 (m, 2H), 4.04 (dd, J=7.7, 9.3Hz, 1H), 3.66-3.88 (m, 4H), 3.49 (m, 1H), 3.38 (t, J=11.2Hz, 1H), 2.65 (ddd, J=2.2, 4.5, 13.1Hz, 1H), 2.46 (m, 1H), 2.04 (m, 3H), 2.09-1.00 (m, 20H), 1.36 (d, J=6.6Hz, 3H), 0.99 (d, J=7.2Hz, 3H), 0.95 (s, 3H), 0.81 (d, J=6.5Hz, 3H), 0.79 (s, 3H); 13C NMR (126MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ167.36; 167.04, 166.85, 166.29, 141.33, 138.16, 134.77, 134.70, 134.50, 134.47, 131.17, 131.09, 131.02, 130.91, 130.64, 130.50, 130.42, 130.33, 129.76, 129.70, 129.58, 129.47, 127.45, 123.67, 110.95, 102.83, 101.68, 99.27, 82.34, 80.88, 80.14, 77.56, 76.08, 73.29, 71.78, 71.02, 70.02, 68.27, 68.24, 67.66, 63.40, 57.79, 51.42, 43.01, 41.65, 41.03, 40.04, 38.50, 38.20, 33.48, 33.09, 32.87, 32.67, 31.55, 31.22, 30.02, 22.15, 20.56, 18.62, 18.28, 17.51, 15.63; C74H82O16NaのHRMS (TOF ES+) m/z計算値:1249.5501, 実測値:1249.5505。
化合物X-1:ステップ(iii)
中間体6の脱保護による式Xの化合物;ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)の生成
Figure 2015517535
ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(ベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体6)(1.76g、1.43mmol)及びAmberjet(登録商標)1200 H(8.8g)を、100mLの丸底フラスコ内においてメタノール(24mL)及びテトラヒドロフラン(12mL)中でスラリー化した。反応物を、反応を1H NMRで監視しながら15時間加熱還流した。完了したら、反応をトリエチルアミン(0.2mL)によってクエンチした。樹脂を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物をメタノール(25mL)中に溶解し、水(15mL)を滴下添加すると、白色の固体が結晶化した。固体生成物を濾過によって単離し、ケーキを1:1のメタノール/水(2×15mL)で、その後石油エーテル60-80(2×15mL)で洗浄した。生成物を45℃において真空下で終夜乾燥して、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)(1.33g、81%)を得た。
1H NMR 500MHz (CDCl3): δ 8.03 (d, 2H), 7.90 (d, 2H), 7.77 (d, 2H), 7.74 (d, 2H), 7.56 (t, J=7.5Hz, 1H), 7.53 (t, J=7.5Hz, 1H), 7.41 (m, 3H), 7.33 (m, 3H), 7.28 (t, J=7.5Hz, 2H), 7.23 (t, J=7.5Hz, 2H), 5.74 (dd, J=3.6, 10.0Hz, 1H), 5.48-5.57 (m, 3H), 5.44 (dd, J=1.6, 3.6Hz, 1H), 5.16 (d, J=1.3Hz, 1H), 4.82 (d, J=7.9Hz, 1H), 4.77 (m, 1H), 4.45 (q, 1H), 3.73-3.95 (m, 6H), 3.47-3.54 (m, 2H), 3.38-3.41 (m, 2H), 2.64 (app ddd, 1H), 2.45 (t, 1H), 2.03 (m, 3H), 1.09-1.93 (m, 20H), 1.34 (d, J=6.4Hz, 3H), 0.99 (d, J=6.4Hz, 3H), 0.95 (s, 3H), 0.81 (d, J=6.4Hz, 3H), 0.80 (s, 3H); 13C NMR (126MHz, CDCl3/,MeOD 3:1): δ 166.3, 165.8, 165.3, 164.7, 139.9, 133.24, 133.17, 133.0. 132.9, 129.61, 129.55, 129.5, 129.3, 129.0, 128.9, 128.23, 128.17, 128.1 122.0, 109.4, 99.4, 97.6, 80.8, 79.0, 78.4, 75.9, 75.5, 71.8, 70.2, 69.6, 68.7, 66.7, 66.6, 61.9, 61.4, 56.3, 49.9, 41.4, 40.1, 39.5, 38.6, 37.0, 36.7, 32.0, 31.6, 31.3, 31.1, 30.0, 29.7, 28.5, 20.6, 19.0, 17.1, 16.8, 16.0. ES-MS m/z C67H78O16Na 計算値:1161.5188, 実測値:1161.5186。
[実施例5]
前駆体2の選択的ベンゾイル化による結晶化を伴うジオスゲニル-(4,6-O-(ベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体4)の生成
Figure 2015517535
50LのBuchi内において、前駆体2(2.642kg)を40〜45℃に加熱することによってジクロロメタン(DCM)(16.5kg)及びピリジン(12.59kg)中に溶解した。溶解後、溶媒を蒸発させた(共沸乾燥)。次いで、前駆体2を、窒素下、周囲温度において、終夜撹拌することによって乾燥DCM(8.21kg、水0.01%以下)及び乾燥ピリジン(3.90kg、水0.01%以下)中に溶解した。次いで、溶液を60L反応器に移し、窒素下で撹拌した。容器を乾燥ジクロロメタン(5.26kg)及び乾燥ピリジン(2.53kg)ですすいで、それを反応器内に落とし入れた。
次いで、反応器のジャケット温度を-5℃に設定し、塩化ベンゾイル(BzCl)(694g、1.2当量)を、反応混合物の温度が12℃未満に保たれるような速度でゆっくりと溶液に添加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で35分間撹拌した。完了のために反応混合物をサンプリングすると、さらなるBzClは必要でなかった(必要であれば、さらなる塩化ベンゾイルを添加することができる)。
反応混合物を、メタノール(592g)を添加することによって(約5分かけて)クエンチし、混合物を20℃でさらに30分間撹拌した。次いで、溶液を濃縮乾固した。得られた粗製物質をDCM(33.7kg)中に溶解し、得られた有機層を冷9%クエン酸(5×16.5kg)で、次いで水(10.9L)で洗浄した。さらなるDCM(10.6kg)を添加し、有機層を5%重炭酸ナトリウム(10.4L)で洗浄した。重炭酸塩洗浄物をDCM(10.64kg)で逆抽出した。有機相を合わせ、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。
粗製中間体4をDCM(20.8kg)中でスラリー化した。トルエン(13.0kg)を添加し、溶媒を蒸発によって除去した。残渣を、45℃に30分間加温しながら、DCM(26.3kg)によって2度目のスラリー化に供する。次いで、トルエン(14.1kg)を添加し、溶液を蒸発させて、14.5kgの正味重量を有する混合物を得た。次いで、さらなるトルエン(39.4kg)を添加し、懸濁液を20℃で終夜撹拌した。撹拌を中止し、懸濁液を20°で2日間放置した。生成物を濾過によって収集し、真空下で乾燥した(2.032kg、収率67%、NMR及びHPLCによる純度96%)。
[実施例6]
ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)を用いた選択的アシル化(ステップi)の範囲研究
ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)を用いてC3における選択的アシル化の範囲を調査した。具体的には、アシル化剤、溶媒、塩基、温度及び時間の各々が選択性に与える影響を調査した。結果を以下の表1に要約する。
Figure 2015517535
ジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)(50mg)を溶媒(無水物、2mL)に溶解し、塩基(10当量)を添加した。溶液を当該の温度とし、別段の記載がない限り塩化アシル(3当量)を添加し、反応物を必要な時間撹拌した。水(0.5mL)を添加し、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルと重炭酸塩飽和水溶液との間で分配し、次いで、有機相を水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。
Figure 2015517535
有利には、塩基としてのピリジン及び溶媒としてのDCMの存在下で1.1から1.2当量の塩化ベンゾイルを用いてアシル化を実施した場合、望ましくないC2ベンゾイル化生成物は観察されなかった(実験番号1から3)。
同様に、溶媒と塩基の両方としてのピリジンの存在下で塩化ベンゾイルを用いてアシル化を実施した場合(実験番号20)、望ましくないC2ベンゾイル化生成物は観察されなかった。
本発明の方法ステップ(i)は、広範な温度にわたって、典型的には-78℃及び40℃の範囲において実施することが可能であった。
本発明の方法ステップ(i)はまた、様々なアシル化剤を提供し(実験番号4から11)、典型的には、任意選択で置換されているベンゾイル化剤は、C2保護生成物のC3保護生成物に対する有利な比をもたらす。
有利には、望ましくないO-2,3-ビス-ジアシル生成物が単離される場合、これを再利用して、C2-及びC3-における2つのアシル基の除去によって中間体3を回収することができる。次いで、回収された中間体3を選択的アシル化条件に供して、所望のO-3-アシル生成物を生成することができる。
[実施例7]
式Yの化合物;ジオスゲニル-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-β-D-グルコピラノシド(化合物Y-1)の調製
Figure 2015517535
ステップ(i):上記に記載した通りのジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)の調製
ステップ(ii):上記に記載した通りのジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体5)の調製
ステップ(iii):上記に記載した通りのジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)の調製
化合物Y-1:ステップ(iv)
式Xの化合物の脱保護による式Yの化合物;ジオスゲニル-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-β-D-グルコピラノシド(化合物Y-1)の生成
Figure 2015517535
MeOH(125mL)中のジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)(16.542g、14.52mmol)の溶液に、30滴のNaOMe(MeOHで5.4M)を添加し、pHを確認したところ、約10であった。TLCによって混合物を監視したところ、反応が90分以内で完了したことを示した。pHが約7になるまで反応をDOWEX 50W-X 400の添加によってクエンチすると、DOWEXがクリーム色から薄黄色に変化した。樹脂をMeOHで、次いで1:1のMeOH/CHCl3で洗浄した。
濾液を蒸発させて、乾燥した白色の固体を得、これをEA(9.58g、91%)で洗浄した。粗製物質を、10%MeOH/DCM次いで20%MeOH/DCMで溶出するシリカによるカラムにかけ、化合物Y-1を得た(8.67g、HPLCによる純度94%)。
代替的に、ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)(9.3g、8.2mmol)を無水メタノール(74mL)中に溶解した。ナトリウムメトキシド(0.1mL、メタノール中30%溶液)を添加し、反応混合物を周囲温度においてアルゴン下で22時間撹拌した。テトラヒドロフラン(74mL)を添加し、反応混合物を、Amberjet(登録商標)1200H樹脂を使用してpH7に調整した。樹脂を濾過によって除去し、テトラヒドロフラン(2×30mL)で洗浄した。得られた溶液を真空下で濃縮し、メタノール(74mL)中に再溶解した。周囲温度で撹拌すると生成物が結晶化し、スラリーを水(15mL)で希釈した。固体生成物を濾過によって単離し、メタノール中20%水(2×30mL)、水(30mL)及び酢酸エチル(3×30mL)で洗浄した。固体生成物を35℃において16時間、真空下で乾燥して、ジオスゲニル-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-β-D-グルコピラノシド(4.65g、収率79%)を白色の固体として得た。
1H NMR (500MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ5.35 (dd, J=1.9, 3.2Hz, 1H), 5.19 (d, J=1.5Hz, 1H), 4.46 (d, J=7.6Hz, 1H), 4.41 (q, J=7.6Hz, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.94 (dd, J=1.5, 3.3Hz, 1H), 3.83 (dd, J=3.0, 12.0Hz, 1H), 3.73 (dd, J=4.7, 12.0Hz, 1H), 3.69 (dd, J=3.5, 9.5Hz, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.49 (m, 2H), 3.38 (m, 4H), 3.25 (m, 1H), 2.41 (ddd, J=1.9, 4.7, 13.4Hz, 1H), 2.28 (m, 1H), 2.00 (m, 2H), 1.94-0.91 (m, 21H), 1.27 (d, J=6.2Hz, 3H), 1.02 (s, 3H), 0.97 (d, J=7.3Hz, 3H), 0.80 (d, J=6.1Hz, 3H), 0.79 (s, 3H); 13C NMR (126MHz, 3:1 CDCl3/CD3OD): δ141.80, 123.05, 110.94, 101.93, 100.92, 82.35, 79.97, 79.09, 76.97, 74.19, 72.66, 71.93, 71.80, 69.69, 68.23, 63.38, 63.19, 57.86, 51.53, 42.99, 41.63, 41.09, 39.71, 38.60, 38.21, 33.40, 33.03, 32.78, 32.65, 31.54, 30.89, 30.01, 22.17, 20.47, 18.55, 18.28, 17.51, 15.62; C39H62O12NaのHRMS (TOF ES+) m/z計算値:745.4139, 実測値:745.4141。
[実施例8]
式Yの化合物の調製
Figure 2015517535
ステップ(i):上記に記載した通りのジオスゲニル-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体3)の調製
ステップ(ii):上記に記載した通りのジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-(4,6-O-(4-メトキシベンジリデン)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(中間体5)の調製
ステップ(iii):上記に記載した通りのジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-α-L-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)の調製
中間体7:ステップ(iv)
R7における選択的保護による中間体7の生成
Figure 2015517535
ジオスゲニル-(2,3,4-トリベンゾイル)-αL-ラムノピラノシル-(1→2)-3-ベンゾイル)-β-D-グルコピラノシド(化合物X-1)(1.26g、1.1mmol)を、Ar雰囲気下、室温において、乾燥したフラスコ内でイミダゾール(0.49g、7.2mmol)、DMAP(0.10g、0.83mmol)及び塩化tert-ブチルジメチルシリル(0.29g、1.9mmol)と合わせた。ジメチルホルムアミド(5mL)を添加して溶解を生じさせ、反応物をAr雰囲気下で1時間、40℃に加熱した。反応を酢酸エチル(100mL)の添加によってクエンチし、飽和NH4Cl水溶液(2×100mL)、蒸留水(2×100mL)、ブライン(100mL)で逐次的に洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発させた。酢酸エチル:トルエン(5から10%)の勾配を有するシリカによるカラムクロマトグラフィーにより、中間体7をほぼ定量的収率で得た。
1H NMR 500MHz (CDCl3) δ 8.04 (d, 2H), 7.91 (d, 2H), 7.78 (d, 2H), 7.74 (d, 2H), 7.53 (t, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.39 (t, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.31 (t, 2H), 7.28-7.15 (m, 7H), 5.75 (dd, J=10.2, 3.5Hz), 5.58 (t, J=9.7Hz), 5.47 (m, 2H), 5.44 (dd, J=1.6, 3.4Hz, 1H), 5.23 (d, J=1.6Hz, 1H), 4.75 (m, 2H), 4.43 (q, 1H), 3.92 (m, 3H), 3.76 (t, J=9.2Hz, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.54 (dt, J=5.4, 9.4Hz, 1H), 3.48 (多重線のd, J=10.8Hz, 1H), 3.39 (t, J=10.8Hz, 1H), 3.35 (s, 1H), 2.60 (多重線のd, J=13.1Hz, 1H), 2.43 (t, 1H), 2.35 (s, 1H), 2.03 (m, 3H), 1.05-1.91 (m, 26H), 1.33 (d, J=6.3Hz, 3H), 0.98 (d, J=6.8Hz, 3H), 0.94 (s, 3H), 0.91 (s, 9H), 0.79 (d, J=5.6Hz, 3H), 0.79 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.10 (s, 3H); 13C NMR 126MHz (CDCl3) δ 167.1, 165.8, 165.4, 164.7, 140.3, 133.30, 133.25, 133.0, 130.1, 129.9, 129.9, 129.8, 129.5, 129.4, 129.1, 128.4, 128.4, 128.33, 128.26, 125.4, 122.2, 109.4, 99.9, 97.9, 80.9, 79.43, 79.41, 75.4, 75.2, 72.1, 72.0, 70.6, 69.7, 67.0, 66.9, 64.5, 62.3, 56.6, 50.2, 41.8, 40.4, 39.9, 38.9, 37.3, 37 0, 32.3, 32.0, 31.7, 31.6, 30.4, 30.3, 30.0, 29.8, 29.0, 26.0, 20.9, 19.4, 18.4, 17.5, 17.3, 16.4; ES-MS m/z C73H92O16NaSi 計算値:1275.6052; 実測値:1275.6040。
中間体9:ステップ(iv)
R6におけるさらなるサッカライドのカップリングによる中間体9の生成
Figure 2015517535
乾燥ジクロロメタン(5mL)中の中間体7(116mg、0.09mmol)及び4Åモレキュラーシーブ(0.49g)の溶液をAr下で室温において20分間撹拌し、次いで、-78℃(内部)の反応温度に冷却した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(etherate)(60uL、0.47mmol)をシリンジを介して、その後、乾燥ジクロロメタン(2mL)中の2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-α/β-L-ラムノピラノシドトリクロロアセトイミデート(177mg、0.29mmol)の溶液をカニューレを介して-78℃で添加した。混合物を室温に加温し、3時間撹拌した。反応物をトリエチルアミン(0.2mL)で中和し、濾過してシーブを除去し、減圧下で濃縮した。TLC(30%酢酸エチル/石油エーテル)は、反応生成物の顕著な脱シリル化を示した。室温で10時間、撹拌しながらフッ化テトラブチルアンモニウム(1mL、1mmol)を添加することにより、完全な脱シリル化が達成された。反応物を飽和NH4Cl水溶液(100mL)と酢酸エチル(50mL)とに分配した。有機層を水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発乾固した。0から15%の酢酸エチル:トルエンの勾配を有するシリカによるカラムクロマトグラフィーを実施して、中間体9を得た(76mg、収率69%)。
1H NMR 500MHz (CDCl3) δ 8.11 (d, 2H), 8.07 (m, 2H), 8.04 (d, 2H), 7.91 (d, 2H), 7.86 (d, 2H), 7.83 (d, 2H), 7.74 (d, 4H), 7.61 (t, 1H), 7.56 (t, 1H), 7.34-7.54 (m, 12H), 7.32 (t, 2H), 7.15-7.27 (m, 5H), 5.81 (t, J=9.3Hz, 1H), 5.76 (dd, J=3.6, 10.2Hz, 1H), 5.64 (dd, J=3.4, 10.4Hz, 1H), 5.58 (dd, J=2.0, 3.7Hz, 1H), 5.54 (t, J=10.4Hz, 1H), 5.51 (t, J=10.4Hz, 1H), 5.48 (s, 1H), 5.42 (dd, J=1.5, 3.4Hz, 1H), 5.23 (d, J=1.5Hz, 1H), 5.12 (d, J=1.3Hz, 1H), 4.84 (d, J=7.4Hz, 1H), 4.74 (m, 1H), 4.44 (m, 1H), 4.26 (m, 1H), 4.20 (t, J=9.8Hz, 1H), 4.08 (m, 2H), 3.97 (m, 2H), 3.75 (m, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.49 (多重線のd, J=10.7Hz, 1H), 3.39 (t, J=10.8Hz, 1H), 2.63 (多重線のd, J=13.2Hz, 1H), 2.44 (t, 1H), 2.17 (m, 1H), 2.04 (m, 4H), 1.05-1.97 (m, 21H), 1.33 (d, J=5.8Hz, 3H), 0.99 (d, J=7.1Hz, 3H), 0.94 (s, 3H), 0.80 (d, J=7.1Hz, 3H), 0.79 (s, 3H), 0.73 (d, J=6.2Hz, 3H). 13C NMR 126MHz (CDCl3) δ TBC; ES-MS m/z C94H100O23Na, 計算値:1619.6548; 実測値:ES-MS低分解能1619.7。
13C NMR 500MHz (CDCl3) 165.9, 165.7, 165.6, 165.5, 165.4, 165.2, 164.5, 140.1, 133.5, 133.2, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 130.0, 130.0, 129.8, 129.8, 129.7, 129.7, 129.4, 129.4, 129.3, 129.3, 129.0, 128.5, 128.3, 128.3, 128.2, 128.1, 122.3, 109.3, 99.8, 98.7, 98.0, 80.8, 79.4, 76.2, 76.1, 76.0, 75.4, 72.0, 71.3, 71.2, 70.4, 69.8, 69.6, 67.5, 66.9, 62.2, 61.3, 56.5, 50.1, 41.7, 40.3, 39.7, 38.7, 37.2, 36.9, 32.2, 31.9, 31.6, 31.5, 30.3, 29.9, 28.9, 20.8, 19.3, 17.4, 17.2, 17.1, 16.3, 14.5。
化合物Y-2:ステップ(iv)
脱保護による式Yの化合物の生成
Figure 2015517535
中間体9(82mg、0.051mmol)を室温で13mLのメタノール/テトラヒドロフラン(8:5)中に溶解し、メタノール中5.4Mのナトリウムメトキシド(0.011mL、0.059mmol)を添加して反応物をpH約10にした。反応物を室温で終夜撹拌すると、LCMSにより監視したところ、出発材料の50%が所望の生成物に変換された。メタノール中5.4Mのナトリウムメトキシド(0.011mL、0.059mmol)のさらなる投入量を添加し、反応物を室温で終夜撹拌すると、LCMSにより監視したところ、生成物に完全に変換された。この物質をAmberjet 1200H樹脂で中和し、濾過し、蒸発させて白色の粉末を得た。ジクロロメタン中5から25%メタノールを用いて溶出するシリカによるカラムクロマトグラフィーにより、38mg(85%)のY2が単離された。NMR 500MHz (3:1 CDCl3/CD3OD) δ 5.36 (dd, J=1.9, 3.0Hz, 1H), 5.23 (d, J=1.4Hz, 1H), 4.85 (d, J=1.6Hz, 1H), 4.46 (d, J=7.8Hz, 1H), 4.42 (q, J=7.5Hz, 1H), 4.09 (m, 1H), 3.96 (dd, J=1.6, 3.4Hz, 1H), 3.89-3.33 (m, 15H), 3.30 (dq, J=2.2, 9.5Hz, 1H), 2.41 (ddd, J=1.9, 4.6, 13.5Hz, 1H), 2.28 (t, J=12.4Hz 1H), 2.00 (m, 2H), 1.94-0.91 (m, 21H), 1.30 (d, J=6.2Hz, 3H), 1.27 (d, J=6.2Hz, 3H), 1.02 (s, 3H), 0.98 (d, J=7.1Hz, 3H), 0.80 (d, J=5.9Hz, 3H), 0.79 (s, 3H), 13C NMR 500MHz (CDCl3) δ 141.8, 123.1, 111.0, 103.2, 102.0, 100.7, 82.4, 80.8, 80.0, 78.0, 76.1, 74.2, 73.8, 72.7, 72.3, 72.2, 72.0, 70.9, 69.7, 68.2, 63.4, 62.3, 57.9, 51.5, 43.0, 41.6, 41.1, 39.7, 38.6, 38.2, 33.4, 33.0, 32.8, 32.6, 31.5, 30.9, 30.0, 22.2, 20.5, 18.5, 18.5, 18.3, 17.5, 15.6; ES-MS m/z C45H72O16Na, 計算値:891.4718; 実測値:891.4719。
[実施例9]
式Yの化合物の調製
Figure 2015517535
[実施例10]
式Yの化合物の調製
Figure 2015517535
[実施例11]
式Yの化合物の調製
Figure 2015517535
[実施例12]
前駆体2を利用した式Yの化合物の調製
化合物X-1を生成する実施例3について記載した方法を利用して、前駆体2から化合物Y-1、Y-2、Y-3、Y-4、及びY-5並びに他の式Yの化合物が調製できることが認識されるはずである。次いで、化合物X-1を実施例6から実施例11に記載の方法によって合成に供し、化合物Y-1からY-5をそれぞれ生成することができる。

Claims (62)

  1. 式X
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
    R5は、アシル基であり、
    R6及びR7は、Hであり、
    R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
    の化合物を調製するための方法であって、
    (i)塩基の存在下におけるアシル化反応において、式A
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
    の化合物をアシル化剤と反応させて、式B
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R5は、アシル基であり、
    R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
    の化合物を生成するステップと、
    (ii)カップリング条件下で、式Bの化合物を式C
    Figure 2015517535
    [式中、
    R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
    R8は、脱離基であり、
    R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
    の化合物と反応させるステップと、
    (iii)R6及びR7における酸素保護基を選択的に除去して、式Xの化合物を生成するステップと
    を含む、方法。
  2. ステップ(i)における塩基が、K2CO3、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、及び1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 塩基がピリジンである、請求項2に記載の方法。
  4. ステップ(i)が、溶媒の存在下で実施される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドラフラン、1,2-ジオキサン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素及びピリジンからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 溶媒が、ジクロロメタン又はピリジンである、請求項4又は請求項5に記載の方法。
  7. ステップ(i)が、-100から80℃までの範囲の温度で実施される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップ(i)が、-85から40℃までの範囲の温度で実施される、請求項7に記載の方法。
  9. ステップ(i)が、-80から25℃までの範囲の温度で実施される、請求項8に記載の方法。
  10. ステップ(i)における温度が最初は-10から20℃の範囲であり、次いでその後、反応の過程で10から25℃の範囲の温度に上昇する、請求項7に記載の方法。
  11. アシル化剤が、酸無水物又はハロゲン化アシルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. アシル化剤が、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ベンゾイル、塩化2-クロロベンゾイル、塩化4-クロロベンゾイル、塩化4-ニトロベンゾイル及び塩化4-メトキシベンゾイルからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. アシル化剤がベンゾイル化剤である、請求項11又は請求項12に記載の方法。
  14. アシル化剤が塩化ベンゾイルである、請求項12又は13に記載の方法。
  15. アシル化剤の式Aの化合物に対する比が、3:1から1:1までである、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. アシル化剤の式Aの化合物に対する比が、2:1から1:1までである、請求項15に記載の方法。
  17. アシル化剤の式Aの化合物に対する比が、1.3:1から1:1までである、請求項16に記載の方法。
  18. アシル化剤の式Aの化合物に対する比が、1.2:1から1:1までである、請求項17に記載の方法。
  19. 式AのR6及びR7が、一緒になって、
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される環式基を形成する、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. R2、R3、R4が、それぞれ独立して、アセチル又はベンゾイルである、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. R8が、-SEt、-Br、
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. R1が、スピロスタノールアグリコン及びフロスタノールアグリコンからなる群から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. スピロスタノールアグリコン又はフロスタノールアグリコンが、ジオスゲニン、ヤモゲニン(ネオジオスゲニン)、ユッカゲニン、サルササポゲニン、チゴゲムン、スミラゲニン、ヘコゲニン、ギトゲムン、コンバラマロゲニン、ネオルスコゲニン、ソラゲニン、プロトジオスゲニン、プソイドプロトジオスゲニン、メチルプロトジオスゲニン、プロトヤモゲニン、メチルプロトヤモゲニン、並びに薬学的に許容されるそれらの塩、異性体及び水和物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  24. 式Y
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R2、R3、R4、R5及びR7は、それぞれ、Hであり、
    R6は、H又はサッカライドであり、
    R9は、H、OH及びCH3からなる群から選択される]
    の化合物、薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物及び溶媒和物を調製する方法であって、
    (i)塩基の存在下におけるアシル化反応において、式A
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
    の化合物をアシル化剤と反応させて、式B
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R5は、アシル基であり、
    R6及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であるか、又は、一緒になった場合に環式二酸素保護基を形成する]
    の化合物を生成するステップと、
    (ii)カップリング条件下で、式Bの化合物を式C
    Figure 2015517535
    [式中、
    R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
    R8は、脱離基であり、
    R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
    の化合物と反応させるステップと、
    (iii)R6及びR7における酸素保護基を選択的に除去して、式X
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
    R5は、アシル基であり、
    R6及びR7は、Hであり、
    R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
    の化合物を生成するステップと
    (iv)式Xの化合物を式Yの化合物、薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物又は溶媒和物に変換するステップと
    を含む、方法。
  25. R1が、式E、F又はG
    Figure 2015517535
    [式中、
    R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
    R15は、C-5,C-6が単結合の場合はHであり、C-5,C-6が二重結合の場合は存在せず、
    BがCH2であると同時に、AはOであるか、又は、AがCH2であると同時に、BはOであり、
    R37BがCH3であると同時に、R37AはHであるか、又は、R37BがHであると同時に、R37AはCH3である]
    のサポゲニン、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体、
    Figure 2015517535
    [式中、
    R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
    R15は、C-5,C-6が単結合の場合はHであり、C-5,C-6が二重結合の場合は存在せず、
    R32は、C-20,C-22が単結合の場合はヒドロキシル基若しくはアルコキシル基のいずれかであるか、又はC20,C-22が二重結合の場合は存在せず、
    R37BがCH3であると同時に、R37AはHであるか、又は、R37BがHであると同時に、R37AはCH3であり、
    R38は、H又はサッカライドであり、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体であり、
    R13は、モノグリコシド、ジグリコシド又はポリグリコシドのC-1酸素への結合である]
    のサポゲニン、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体、
    Figure 2015517535
    [式中、
    R11、R12、R14、R16、R17、R21、R22、R24、R25及びR27は、それぞれ独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
    R15は、C-5,C-6が単結合の場合はHであり、C-5,C-6が二重結合の場合は存在せず、
    R32及びR39は、それぞれ独立して、H、OH、=O、薬理学的に許容されるエステル基又は薬理学的に許容されるエーテル基であり、
    R37BがCH3であると同時に、R37AはHであるか、又は、R37BがHであると同時に、R37AはCH3であり、
    R38は、H又はサッカライドであり、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体であり、
    R13は、モノグリコシド、ジグリコシド又はポリグリコシドのC-1酸素への結合である]
    のサポゲニン、又は薬学的に許容されるその塩、若しくは誘導体、
    である式Yの化合物を調製するための請求項24に記載の方法。
  26. ステップ(i)における塩基が、K2CO3、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、及び1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エンからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  27. 塩基がピリジンである、請求項26に記載の方法。
  28. ステップ(i)が、溶媒の存在下で実施される、請求項24から26のいずれか一項に記載の方法。
  29. 溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドラフラン、1,2-ジオキサン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素及びピリジンからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 溶媒が、ジクロロメタン又はピリジンである、請求項28又は請求項29に記載の方法。
  31. ステップ(i)が、-100から80℃までの範囲の温度で実施される、請求項24から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. ステップ(i)が、-85から40℃までの範囲の温度で実施される、請求項31に記載の方法。
  33. ステップ(i)が、-80から25℃までの範囲の温度で実施される、請求項32に記載の方法。
  34. ステップ(i)における温度が最初は-10から20℃の範囲であり、次いでその後、反応の過程で10から25℃の範囲の温度に上昇する、請求項31に記載の方法。
  35. アシル化剤が、酸無水物又はハロゲン化アシルである、請求項24から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. アシル化剤が、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ベンゾイル、塩化2-クロロベンゾイル、塩化4-クロロベンゾイル、塩化4-ニトロベンゾイル及び塩化4-メトキシベンゾイルからなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
  37. アシル化剤がベンゾイル化剤である、請求項35又は請求項36に記載の方法。
  38. アシル化剤が塩化ベンゾイルである、請求項36又は37に記載の方法。
  39. アシル化剤の式Aの化合物に対する比が、3:1から1:1までである、請求項24から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. アシル化剤の式Aの化合物に対する比が、2:1から1:1までである、請求項39に記載の方法。
  41. アシル化剤の式Aの化合物に対する比が、1.3:1から1:1までである、請求項40に記載の方法。
  42. アシル化剤の式Aの化合物に対する比が、1.2:1から1:1までである、請求項41に記載の方法。
  43. 式AのR6及びR7が、一緒になって、
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される環式基を形成する、請求項24から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. R2、R3、R4が、それぞれ独立して、アセチル又はベンゾイルである、請求項24から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. R8が、-SEt、-Br、
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される、請求項24から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. R1が、スピロスタノールアグリコン及びフロスタノールアグリコンからなる群から選択される、請求項24から45のいずれか一項に記載の方法。
  47. スピロスタノールアグリコン又はフロスタノールアグリコンが、ジオスゲニン、ヤモゲニン(ネオジオスゲニン)、ユッカゲニン、サルササポゲニン、チゴゲムン、スミラゲニン、ヘコゲニン、ギトゲムン、コンバラマロゲニン、ネオルスコゲニン、ソラゲニン、プロトジオスゲニン、プソイドプロトジオスゲニン、メチルプロトジオスゲニン、プロトヤモゲニン、メチルプロトヤモゲニン、並びに薬学的に許容されるそれらの塩、異性体及び水和物からなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
  48. ステップ(iv)が、任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成するステップを含む、請求項24から47のいずれか一項に記載の方法。
  49. ステップ(iv)が、
    (a)R7に選択的に酸素保護基を導入するステップと、
    (b)R6がサッカライドとなるようなカップリング条件下で、好適なサッカライドをカップリングして、式X'
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R2、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
    R5は、アシル基であり、
    R6は、サッカライドであり、
    R9は、H、CH3、及び酸素保護基によって保護された酸素からなる群から選択される]
    の化合物を生成するステップと、
    (c)式X'の化合物を式Yの化合物、薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物又は溶媒和物に変換するステップと
    を含む、請求項24から47のいずれか一項に記載の方法。
  50. ステップ(iv)が、
    (a)R7に選択的に酸素保護基を導入するステップと、
    (b)R6がサッカライドとなるようなカップリング条件下で、好適なサッカライドをカップリングして、請求項27で定義される通りの式X'の化合物を生成するステップと、
    (c)任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成するステップと
    を含む、請求項24から47及び49のいずれか一項に記載の方法。
  51. ステップ(iv)が、
    (a)R7に選択的に酸素保護基を導入するステップと、
    (b)R6がサッカライドとなるようなカップリング条件下で、好適なサッカライドをカップリングして、請求項27で定義される通りの式X'の化合物を生成するステップと、
    (c)R1におけるサポゲニンを請求項25で定義される通りの式Gのサポゲニンに変換するステップと、
    (d)任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成するステップと
    を含む、請求項24から47及び49のいずれか一項に記載の方法。
  52. ステップ(iv)が、
    (a)R7に選択的に酸素保護基を導入するステップと、
    (b)R6がサッカライドとなるようなカップリング条件下で、好適なサッカライドをカップリングして、請求項27で定義される通りの式X'の化合物を生成するステップと、
    (c)R1におけるサポゲニンを請求項25で定義される通りの式Fのサポゲニンに変換するステップと、
    (d)任意の保護基を除去して式Yの化合物を生成するステップと
    を含む、請求項24から47及び49のいずれか一項に記載の方法。
  53. 式Yの化合物が、
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される、請求項24から52のいずれか一項に記載の方法。
  54. R1が、
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される、請求項24から53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 式Yの化合物が、
    Figure 2015517535
    Figure 2015517535
    Figure 2015517535
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される、請求項24から53のいずれか一項に記載の方法。
  56. 式Yの化合物が、
    Figure 2015517535
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される、請求項24から55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 式Yの化合物が、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸の塩;リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン、プロカイン、アラニン、グリシン、リシン、ヒスチジン、アルギニンの塩;並びにテトラアルキルアンモニウム塩を含むアンモニウム塩からなる群から選択される薬学的に許容される塩である、請求項24から56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 式Xの化合物が、
    Figure 2015517535
    である、請求項1から57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 式X
    Figure 2015517535
    [式中、
    R1は、サポゲニンであり、
    R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、酸素保護基であり、
    R5は、アシル基であり、
    R6及びR7は、それぞれ、Hであり、
    R9は、CH3である]
    の化合物。
  60. Figure 2015517535
    である、請求項59に記載の式Xの化合物。
  61. Figure 2015517535
    Figure 2015517535
    Figure 2015517535
    Figure 2015517535
    からなる群から選択される化合物並びに薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物及び溶媒和物の調製において使用される場合の、請求項59又は請求項60に記載の式Xの化合物。
  62. Figure 2015517535
    からなる群から選択される化合物並びに薬学的に許容されるその塩、異性体、水和物及び溶媒和物の調製において使用される場合の、請求項59から61のいずれか一項に記載の式Xの化合物。
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