JP2015515866A - 生合成経路、組換え細胞及び方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、一般に、増大したペンタン酸生合成を示すように改変された組換え細胞、そのような組換え細胞を作製する方法、及びペンタン酸を産生するように該細胞を誘導する方法を記載する。本開示はまた、一般に、増大した2−メチル酪酸生合成を示すように改変された組換え細胞、そのような組換え細胞を作製する方法、及び2−メチル酪酸を産生するように該細胞を誘導する方法も記載する。

Description

関連出願への相互参照
本願は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、2012年5月11日に出願された米国仮特許出願第61/645,900号の優先権を主張する。
要約
一態様において、本開示は、野生型対照に比べて増大したペンタン酸生合成を示すように改変された組換え細胞を記載する。別の態様において、本開示は、野生型対照に比べて増大した2−メチル酪酸生合成を示すように改変された組換え細胞を記載する。
各態様において、組換え細胞は、真菌細胞又は細菌細胞であることができる。各態様において、組換え細胞は、光合成を行うものであることができる。各態様において、組換え細胞は、セルロース分解性であることができる。
組換え細胞が増大したペンタン酸生合成を示す態様において、増大したペンタン酸生合成は、L−アスパラギン酸からL−スレオニンへの変換の野生型対照に比べた増大、L−スレオニンから2−ケト酪酸への変換の野生型対照に比べた増大、2−ケト酪酸伸長活性の野生型対照に比べた増大、2−ケト吉草酸伸長活性の野生型対照に比べた増大、ケト酸デカルボキシラーゼ活性の野生型対照に比べた増大、所定の基質に対するケト酸デカルボキシラーゼ選択性の野生型対照に比べた増大、又はアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の野生型対照に比べた増大を含むことができる。
組換え細胞が増大した2−メチル酪酸生合成を示す態様において、増大した2−メチル酪酸生合成は、L−アスパラギン酸からL−スレオニンへの変換の野生型対照に比べた増大、L−スレオニンから2−ケト酪酸への変換の野生型対照に比べた増大、2−ケト酪酸から2−ケト−3−メチル吉草酸への変換の野生型対照に比べた増大、ケト酸デカルボキシラーゼ活性の野生型対照に比べた増大、所定の基質に対するケト酸デカルボキシラーゼ選択性の野生型対照に比べた増大、又はアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の野生型対照に比べた増大を含むことができる。
別の態様において、本開示は、一般に、増大したペンタン酸生合成を示す組換え細胞を、組換え細胞がペンタン酸を産生するために有効な条件下、炭素供給源を含む培地中でインキュベートするステップを含む方法を記載する。いくつかの実施態様において、炭素供給源は、以下の:グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト吉草酸、2−ケトカプロン酸、バレルアルデヒド、CO2、セルロース、キシロース、シュークロース、アラビノース又はグリセロールのうちの1つ又は複数を含むことができる。
別の態様において、本開示は、一般に、増大した2−メチル酪酸生合成を示す組換え細胞を、組換え細胞が2−メチル酪酸を産生するために有効な条件下、炭素供給源を含む培地中でインキュベートするステップを含む方法を記載する。いくつかの実施態様において、炭素供給源は、以下の:グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト−3−メチル吉草酸、2−メチルブチルアルデヒド、CO2、セルロース、キシロース、シュークロース、アラビノース又はグリセロールのうちの1つ又は複数を含むことができる。
別の態様において、本開示は、一般に、炭素供給源のペンタン酸への変換を触媒する少なくとも1つのポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドを、宿主細胞中に導入するステップを含む方法であって、改変された宿主細胞が炭素供給源のペンタン酸への変換を触媒するように、少なくとも1つのポリヌクレオチドがプロモーターに操作可能に連結される、上記方法を記載する。
別の態様において、本開示は、一般に、炭素供給源の2−メチル酪酸への変換を触媒する少なくとも1つのポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドを、宿主細胞中に導入するステップを含む方法であって、改変された宿主細胞が炭素供給源の2−メチル酪酸への変換を触媒するように、少なくとも1つのポリヌクレオチドがプロモーターに操作可能に連結される、上記方法を記載する。
本発明の上記要約は、開示された各実施態様又は本発明の各実施を記載することを目的とするものでない。以下の記載は、例示的な実施態様をより具体的に例解する。本願のいくつかの場所において、例のリストを介してガイダンスが提供され、これらの例は、多様な組合せで使用されることができる。各場合において、挙げられたリストは、代表的な群としての役割のみを果たし、排他的なリストと解釈されるべきでない。
2−メチル酪酸(2MB)及びペンタン酸(PA)の生成経路。1−ブテン及び2−ブテンからの2−メチル酪酸及びペンタン酸への化学的プロセス。 2−メチル酪酸(2MB)及びペンタン酸(PA)の生成経路。グルコースからの2−メチル酪酸の合成のための代謝経路。 2−メチル酪酸(2MB)及びペンタン酸(PA)の生成経路。グルコースからのペンタン酸の合成のための代謝経路。 (A)2−メチル酪酸(2MB)産生のための合成オペロン。(B)ペンタン酸(PA)産生のための合成オペロン。DC、2−ケト酸デカルボキシラーゼ;DH、アルデヒドデヒドロゲナーゼ。 異なるアルデヒドデヒドロゲナーゼによる発酵実験の結果。2−メチル酪酸産生に関するアルデヒドデヒドロゲナーゼの比較。 異なるアルデヒドデヒドロゲナーゼによる発酵実験の結果。ペンタン酸産生に関するアルデヒドデヒドロゲナーゼの比較。 異なるケト酸デカルボキシラーゼによる発酵実験の結果。2−メチル酪酸産生に関するケト酸デカルボキシラーゼの比較。 異なるケト酸デカルボキシラーゼによる発酵実験の結果。ペンタン酸産生に関するケト酸デカルボキシラーゼの比較。 ケト酸デカルボキシラーゼとアルデヒドデヒドロゲナーゼの組合せに関する発酵実験の結果。2−メチル酪酸産生に関する多様な組合せの比較。 ケト酸デカルボキシラーゼとアルデヒドデヒドロゲナーゼの組合せに関する発酵実験の結果。ペンタン酸産生に関する多様な組合せの比較。
例示的な実施態様の詳細な説明
以下の代表的な実施態様の説明において、一定の代謝酵素及びそれら酵素の天然源が特定される。これらは、好適な酵素及び特定された酵素の好適な供給源の例に過ぎない。同様の触媒活性を有する別の酵素が、異なる微生物種又は菌株から得ることのできるホモログとして考えられる。したがって、本明細書に記載の代表的実施態様は、請求項に反映される微生物及び方法の範囲を限定すると解釈されるべきでない。
ペンタン酸及び2−メチル酪酸は、可塑剤、潤滑剤及び医薬品などの多様な用途のための化学的中間体としての役割を果たす。本開示は、これら2つの酸を生合成するためのエシェリキア・コリ(Escherichia coli)における合成代謝経路の構築を記載し:ペンタン酸を産生するために天然のロイシン生合成経路が改変され;2−メチル酪酸を産生するために天然のイソロイシン生合成経路が改変された。多様なアルデヒドデヒドロゲナーゼ及び2−ケト酸デカルボキシラーゼが、構築された経路におけるそれらの活性に関して検討された。振とうフラスコ発酵における酵素の最適な組合せによって、2−メチル酪酸については2.59g/Lの最高のタイター及びペンタン酸については2.58g/Lの最高のタイターが達成された。この研究は、大量の脂肪酸の再生可能な生産の実行可能性を実証する。
原油は、エネルギー及び工業用有機化合物の主な供給源である。しかしながら、原油埋蔵量は活発に消耗されて、燃料及び化学物質への持続可能なルートの開発をより魅力的なものとしている。この課題に取り組むためには、微生物を操作して非天然の化学中間体を生産することを含む生合成アプローチをとることができる。非天然代謝物の生産は、操作及び合成代謝経路の開発を含むことができる。この研究において、グルコース又は他の好適な炭素源からのペンタン酸(PA)及び2−メチル酪酸(2MB)の再生可能な生産のための生合成ストラテジーが開発された。
ペンタン酸及び2−メチル酪酸の総米国消費量は、2005年に約14,000メートルトンであった(Dow. Product Safety Assessment:Isopentanoic Acid. The Dow chemical comopany 2008)。これらの化学物質は、可塑剤、潤滑剤及び医薬品などの様々な用途のための中間体となることができる。それらは、炭化水素からのメルカプタンの抽出のためにも使用される。ペンタン酸のエステルは、それらがガソリン及びディーゼルの両方において非常に高い混合比率で使用可能であるため、ペンタンバイオ燃料として注目されてきている(Langeら、Angew Chem Int Edit 2010;49;4479−4483)。商業的には、これらの化学物質は、石油ベースの化合物が合成ガスと反応させられるプロセスを通じてそれぞれ作られる、バレルアルデヒド及び/又は2−メチルブチルアルデヒドを酸化することによって典型的に製造される(Dow. Product Safety Assessment:Isopentanoic Acid. The Dow chemical company 2008)。該プロセスは、合成ガスのような毒性中間体及び非再生可能な石油ベースの原料を使用するため、これらの化学物質への持続可能なルートが必要とされている。これらの化学物質への潜在的な代替ルートとして、生合成が提示される。
操作された生合成経路の1つの利益は、微生物間での天然の生合成経路の保存である。したがって、新たに操作された生合成経路が1つの微生物において確立されたら、それは、他の微生物においてしばしば使用されることができる。この研究において、E.コリ(E.coli)宿主細胞中に異種(非天然)酵素アルデヒドデヒドロゲナーゼ及び/又は2−ケト酸デカルボキシラーゼを導入することによって、E.コリにおける天然のロイシン及びイソロイシン生合成経路が改変された。2−メチル酪酸及びペンタン酸への代表的な合成代謝経路が、図1B及び図1Cにそれぞれ示される。両経路に共通の中間体は、2−ケト酪酸(2KB)であり、これは、生合成デアミナーゼIlvAによってスレオニンから得られる。thrA、thrB及びthrCの過剰発現は、スレオニン生合成へ(Zhanagら、Proc Natl Acad Sci USA 2010;107:6234−6239)、ひいては合成代謝経路へ炭素流を推進して、ペンタン酸及び/又は2−メチル酪酸を産生することができる。
図1Bに示される2−メチル酪酸の合成のためには、2−ケト酪酸が、2−メチル酪酸への最後から2番目の前駆体である2−ケト−3−メチル吉草酸(KMV)の合成に推し進められる。2−ケト酪酸とピルビン酸の2−アセト−2−ヒドロキシ酪酸(AHB)への縮合は、IlvG及びIlvMによって触媒される。別の2つの酵素IlvC及びIlvDは、AHBのKMVへの変換を触媒することができる。次いで、KMVは、ケト酸デカルボキシラーゼ(DC)によって、2−メチルブチルアルデヒドに脱炭酸され、これは、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(DH)によって2−メチル酪酸に酸化されることができる。
ペンタン酸の合成のためには、2−ケト酪酸が2サイクルの「+l」炭素鎖伸長を受けて2−ケトカプロン酸(2KC)を作ることができる。天然のロイシン生合成経路においては、2−ケトイソ吉草酸が、2−イソプロピルマレートシンテターゼ(LeuA)、イソプロピルマレートイソメラーゼ複合体(LeuC、LeuD)及び3−イソプロピルマレートデヒドロゲナーゼ(LeuB)により触媒される3ステップの鎖伸長サイクルを経由して2−ケトイソカプロン酸に変換される。しかしながら、発明者らの合成経路においては、LeuA、LeuB、LeuC、及びLeuDは、同様に2−ケト酪酸を2−ケト吉草酸に伸長し、次いで、2−ケト吉草酸を2−ケトカプロン酸に伸長するのに十分フレキシブルである(4)。次いで、2−ケトカプロン酸は、2−ケト酸デカルボキシラーゼ(DC)によって、バレルアルデヒドに脱炭酸され、これはデヒドロゲナーゼ(DH)によってペンタン酸に酸化されることができる。
2−メチル酪酸及びペンタン酸の生合成のための代謝経路の構築
2−メチル酪酸(2MB)及びペンタン酸(PA)の産生のための生合成スキームを、それぞれ図1B及び図1Cに示す。アスパラギン酸生合成の下流のすべての酵素が、3つの合成オペロンから過剰発現された。1つのオペロンは、ThrA、ThrB及びThrCのためのコード領域を含み、そのそれぞれが、スペクチノマイシン耐性マーカーを担持する低コピープラスミドpIPA1上のPLlacO1プロモーターの制御下でスレオニン合成に関与する。2−メチル酪酸合成のためには(図1B)、ilvA、ilvG、ilvM、ilvC及びilvDが、カナマイシン耐性マーカーによって低コピープラスミドでクローン化されてpIPA2を得る。同様に、ペンタン酸の合成のためには、ilvA、leuA、leuB、leuC及びleuDが、カナマイシン耐性マーカーを担持する低コピープラスミドpIPA3上にクローン化された。多様なアルデヒドデヒドロゲナーゼ及びケト酸デカルボキシラーゼが、アンピリシン耐性マーカーを担持する高コピープラスミド(pIPA4からpIPA15、表2)上の転写順DC−DH(2−ケト酸デカルボキシラーゼ−デヒドロゲナーゼ)でPLlacO1プロモーター下に存在した。
スレオニンが両経路における共通の中間体であるため、スレオニンを過剰産生するE.コリ株ATCC98082を研究において使用した。該株は、スレオニンの高い細胞内レベルを保証するためにスレオニンエクスポーター遺伝子rhtAを除去され、並びに各アルコールに導く副反応を除くためにアルコールデヒドロゲナーゼyqhD遺伝子の欠失を有した(Zhangら、Proc Natl Acad Sci USA 2010;107:6234−6239)。結果として生じた株は、以下、PA1株と呼ばれる。
図1B及び図1Cに示す合成経路は、ケト酸、2−ケト−3−メチル吉草酸(図1B)及び2−ケトカプロン酸(2KC、図1C)のそれらの各アルデヒドへの脱炭酸、続くアルデヒドのカルボン酸への酸化を含むように設計された。イソ酪酸の生成に関する発明者らの先の研究(Zhangら、ChemSusChem 2011;4:1068−1070)に基づき、発明者らは、標的化学物質の産生をチェックするために、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)からの野生型2−ケトイソ吉草酸デカルボキシラーゼKIVD(de la Plazaら、FEMS Microbiol Lett 2004;238:367−374)及びE.コリからのフェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼPadA(Rodriguez−Zavalaら、Protein Sci 2006;15:1387−1396)をクローン化した。PA1株は、プラスミドpIPA1、pIPA2及びpIPA4で形質転換されて、2−メチル酪酸を産生した。PA1株は、プラスミドpIPA1、pIPA3及びpIPA4で形質転換されて、ペンタン酸を産生した。各組換え株を用いて振とうフラスコ発酵を実施した。このアプローチを用いて、発明者らは、2.26g/Lの2−メチル酪酸及び2.12g/Lのペンタン酸を生成し、発明者らの生合成アプローチの実行可能性を実証した。
アルデヒドデヒドロゲナーゼのスクリーニング
産生タイターを改善するために、異なるアルデヒドデヒドロゲナーゼを選ぶことの効果を調べた(図3A及び図3B)。6つのアルデヒドデヒドロゲナーゼ:E.コリからのアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼAldB(Ho and Weiner、 J Bacteriol 2005;187:1067−1073)、3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドデヒドロゲナーゼAldH(Joら、Appl Microbiol Biotechnol 2008;81:51−60)、フェニルアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼPadA(Rodriguez−Zavalaら、Protein Sci 2006;15:1387−1396)、スクシネートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼGabD(Bartschら、J Bacteriol 1990;172:7035−7042)、γ−アミノブチルアルデヒドデヒドロゲナーゼYdcW(Gruezら、J Mol Biol 2004;343:29−41)及びバークホルデリア・アンビファリア(Burkholderia ambifaria)からのα−ケトグルタル酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼKDHba(Joら、Appl Microbiol Biotehnol 2008;81:51−60)をこの研究のための候補酵素として選んだ。図2に示す3つの合成オペロンによって菌株が構築された。菌株に導入された、アルデヒドデヒドロゲナーゼを除くすべての異種酵素は、菌株にわたって同一であった。各菌株について、2−ケト酸デカルボキシラーゼとして野生型KIVDが選ばれた。振とうフラスコ発酵が30℃で実施され、HPLCによってサンプルが分析された。最大量の所望の生成物を産生した菌株−すなわちアルデヒドデヒドロゲナーゼ−を同定するために発酵が分析された。
異なるアルデヒドデヒドロゲナーゼの2−メチル酪酸を産生する活性を比較するために、PA1株がプラスミドpIPA1、pIPA2及びpIPA4からpIPA9のいずれか1つによって形質転換された。発酵後、最高のタイターである2.51g/Lが、AldHによって達成された一方、AldB、PadA、KDHba、GabD及びYdcWは、それぞれ、2.31g/L、2.26g/L、0.67g/L、0.14g/L及び0.23g/Lを産生した(図3A)。
ペンタン酸の産生のために、PA1株がプラスミドpIPA1、pIPA3及びpIPA4からpIPA9のいずれか1つによって形質転換された。KDHbaが、ペンタン酸の産生に関して最も活性なアルデヒドデヒドロゲナーゼであること(2.25g/L)が見出された一方、AldH、AldB、PadA、GabD及びYdcWは、それぞれ、1.76g/L、0.42g/L、2.12g/L、0.54g/L、及び0.22g/Lを産生した(図3B)。
2−ケト酸デカルボキシラーゼのスクリーニング
発酵中に、酢酸、プロピオン酸、酪酸及び3−メチル酪酸などの数種の代謝副産物が観察された。ラクトコッカス・ラクティスからの野生型ケト酸デカルボキシラーゼKIVD(de la Plazaら、FEMS Microbiol Lett 2004;238:367−374)及び数種のその突然変異体が、標的C5酸の収量の増加及び副産物形成の減少に関して調査された。単一アミノ酸置換突然変異V461Aが、より大きな基質に対するKIVDの特異性を増大させることが報告された。V461A突然変異とそれぞれ組み合わせた他の3つの突然変異M538A、F381L及びF542Lが調査された。これらの突然変異は、重要な位置におけるかさ高い残基をより小さな疎水性残基で置換する。サルモネラ・ティフィムリウムからのインドールピルベートデカルボキシラーゼ(IPDC)も試験した。異なる2−ケト酸デカルボキシラーゼによってプラスミドを構築したが、すべて同じアルデヒドデヒドロゲナーゼ(PadA)及び他の酵素を有した。
2−メチル酪酸合成のために選択された2−ケト酸デカルボキシラーゼの活性を比較するために、PA1株がプラスミドpIPA1、pIPA2及びpIPA10からpIPA13のいずれか1つによって2−メチル酪酸に関して形質転換された。ペンタン酸合成のために選択された2−ケト酸デカルボキシラーゼの活性を比較するために、PA1株がプラスミドpIPA1、pIPA3及びpIPA10からpIPA13のいずれか1つによってペンタン酸合成に関して形質転換された。振とうフラスコ発酵は、IPDCが2−メチル酪酸(2.5g/L)又はペンタン酸(2.14g/L)のいずれの産生に関しても、KIVD又はそのいずれの突然変異体よりもうまく機能したことを示した(図4A及び図4B)。
2−メチル酪酸の産生のためのすべての候補アルデヒドデヒドロゲナーゼ及び2−ケト酸デカルボキシラーゼの中でも、AldH及びIPDCが最高の活性を有することを確立したため、効果が相加的であるか否かを調べるために、それらを一緒に併合した(pIPA14)。組み合わせると、2−メチル酪酸タイターは2.59g/Lに達し、WT KIVDと一緒のAldHについての2.51g/Lg/L又はIPDCと一緒のPadAについての2.5g/Lよりもわずかに高いだけであった(図5A)。同様に、ペンタン酸産生のために、KDHbaがIPDCと一緒にクローン化された(pIPA15)。これは、ペンタン酸タイターを2.58g/Lまで増大させた。比較すると、産生タイターは、WT KIVDと一緒のKDHbaについて2.25g/L又はIPDCと一緒のPadAについて2.14g/Lであった(図5B)。
酵素の精製及び特徴づけ
最も活性なケト酸デカルボキシラーゼであるIPDC及び最も活性なアルデヒドデヒドロゲナーゼであるAldH及びKDHbaが、構築された経路に関与する基質に対するそれらの活性について特徴づけされた。AldHは、His−tagプラスミドから発現され、精製された。IPDC及びKDHbaは、先の研究から利用可能であった。反応速度論的パラメータが、340nmにおけるNADH吸収をモニターすることによって測定された。Kcat及びKMの値が表1に示される。
Figure 2015515866
実際にこれらの酵素が標的基質に対する優れた活性を有することを確認するために、インビトロの酵素アッセイが実施された。340nmにおけるNADHの吸収をモニターすることによって、反応速度論的パラメータが測定された。IPDCの活性は、共役酵素反応法を用いて測定された。触媒反応速度定数(kcat)及びミカエリス・メンテン定数(KM)の値が表1に示される。2−ケト−3−メチル吉草酸に関するIPDCのKM及びkcatは、0.85mM及び4.13s-1と決定されたが、2−ケトカプロン酸に関するKM及びkcatは、それぞれ0.63mM及び1.89s-1であった。両基質に関するIPDCの特異性定数Kcat/KMは、非常に近似していた。2−メチルブチルアルデヒドに関するALdHのKM及びkcatは、1.89mM及び3.55s-1であることがわかった。KDHbaは、イソブチルアルデヒド(34.5mM)及びイソバレルアルデヒド(7.62mM)などのより小さな又は分岐した基質に比べて、バレルアルデヒドに対して顕著に低いKM(0.031mM)を有するが、同様のkcat値を有する(Xiongら、Sci Rep 2012;2)。したがって、KDHbaのバレルアルデヒドに対する特異性定数(Kcat/KM)は、イソブチルアルデヒド及びイソバレルアルデヒドに対するそれよりも1260倍及び308倍高い。
ペンタン酸及び2−メチル酪酸は、化学工業において価値のある2つの化学中間体である。本研究の目的は、これらの化学物質を合成するための生合成アプローチの実行可能性を調査することである。発明者らは、天然のロイシン及びイソロイシン生合成経路を改変して、これらの非天然化学物質をE.コリ中で生産することに成功した。該経路に関与する異種酵素は、該酵素をコードするポリヌクレオチドを合成オペロン中にクローニングすることによって、過剰発現された。本明細書中に例示される設計された経路は、ケト酸、2−ケト−3−メチル吉草酸及び2−ケトカプロン酸の各アルデヒドへの脱炭酸、続くカルボン酸への酸化を含む。この研究において発明者らは、産生量を改善するために、これら最後の2つのステップを検討した。発明者らは、その標的化学物質の産生を調査するために、野生型kivD及びpadAをクローン化した。発明者らは、2日間の振とうフラスコ発酵後に、40g/Lのグルコースから2−メチル酪酸に関して2.26g/L、ペンタン酸に関して2.12g/Lの産生レベルを観察した。これは、発明者らの生合成アプローチの実行可能性を確認した。
次いで、産生タイターを改善するために、発明者らは、産生タイターに対する異なるアルデヒドデヒドロゲナーゼの効果を振とうフラスコ発酵において検討した。ペンタン酸産生に関して検討されたものの中で、KDHbaが最も有効なアルデヒドデヒドロゲナーゼであることが見出された。2−メチル酪酸産生に関して検討されたものの中では、AldHが最も有効なアルデヒドデヒドロゲナーゼであると判明した。
2−メチル酪酸又はペンタン酸を生成するための発酵の間に、プロピオン酸、酪酸及び3−メチル酪酸などの数種の副産物が観察された。したがって、発明者らは、生合成をこれらの副産物を離れて2―メチル酪酸又はペンタン酸に向かわせることによって、その標的生成物の産生をさらに増加させようとした。KivDの突然変異体は、より大きなケト酸基質への脱炭酸活性を増大させることが先に示された(Bartschら、J Bacteriol 1990;172:7035−7042)。したがって、発明者らは、副産物を減少させることによって標的化合物の産生を増加させるそれらの能力に関して、KivDを数種のKivD突然変異体及びIPDCと比較した。望ましくない副産物を離れて所望の化合物に生合成を向かわせることにおいて、IPDCが最も有効であった。したがって、発明者らは、IPDC−AldHによる2−メチル酪酸に関する2.59g/Lの産生タイター及びIPDC−KDHbaによるペンタン酸に関する2.58g/Lの産生タイターを達成することができた。この産生は、ペンタン酸及び2−メチル酪酸に関する、22.1%及び16.6%の収率の理論的最大値(0.28g/gのグルコース及び0.38g/gのグルコース)にそれぞれ相当する。最後に、これらの酵素の活性を確認するため、及び反応速度論的パラメータを見出すために酵素アッセイを実施した。
この研究は、これら化学物質の再生可能な生産の実行可能性を実証する。発明者らの知る限りでは、これはC5モノカルボン酸合成に関する代謝工学の最初の報告である。この研究は、酸の産生のための好気的プロセスの使用も実証する。酸を産生可能な生物は、典型的にそれを嫌気的条件下で行い、これは、大量のアセテート産生ももたらし、グルコースからの収量を減少させる。好気的プロセスの使用は、よりよい制御を可能とし、発酵ブロス中のアセテートレベルを減少させるだろう。これは、タンク中を空気が通過することによって酸素が供給される、撹拌タンク型発酵槽を注意深く操作することによって達成可能である。そのような発酵槽は、高い細胞密度も達成することができ、これは、所望の生成化合物のより大きな産生に導くことができる。
本明細書に記載の生合成ストラテジーは、そのようなプラットフォーム化学物質の持続可能な生産への有望な進歩である。さらに、本明細書に記載の生合成経路は、宿主の自然のアミノ酸生合成経路の改変形であり、それらの自然の生合成経路は種にわたって高度に保存され、本明細書に記載の生合成の改変は、さらなる様々な生物の自然の生合成経路に適用されうる。
したがって、一態様において、本発明は、野生型対照に比べて増大したペンタン酸生合成を示すように改変された組換え微生物細胞を提供する。別の態様において、本発明は、野生型対照に比べて増大した2−メチル酪酸生合成を示すように改変された組換え微生物細胞を提供する。いくつかの場合において、野生型対照は、ペンタン酸又は2−メチル酪酸を生成することができないかもしれず、したがって、特別な生成物の生合成における増大は、該生成物の任意の測定可能な生合成を反映するかもしれない。ある実施態様において、ペンタン酸又は2−メチル酪酸の生合成の増大は、微生物細胞の培養が所定の濃度までペンタン酸又は2−メチル酪酸を蓄積するのに十分な生合成を包含しうる。
所定の濃度は、所与の用途に好適な生成物の任意の所定の濃度であってよい。したがって、所定の濃度は、例えば、少なくとも0.1g/L、例えば、少なくとも0.5g/L、少なくとも1.0g/L、少なくとも2.0g/L、少なくとも3.0g/L、少なくとも4.0g/L、少なくとも5.0g/L、少なくとも6.0g/L、少なくとも7.0g/L、少なくとも8.0g/L、少なくとも9.0g/L、少なくとも10g/L、少なくとも20g/L、少なくとも50g/L、少なくとも100g/L、又は少なくとも200g/Lの濃度であってよい。
組換え細胞は、例えば、原核微生物又は真核微生物を含む、任意の好適な微生物であるか又はそれに由来することができる。本明細書中で使用されるとおり、微生物に関係する用語「又は由来する」は、「宿主細胞」が、表示された増大した生合成活性を示すように改変される前に、1つ又は複数の遺伝子改変を有するのを単純に許容する。したがって、用語「組換え細胞」は、表示された生合成活性を示すように改変される前に、1つ超の種からの核酸材料を含みうる「宿主細胞」を包含する。上記のとおり、発明者らの操作された生合成経路の基礎であるロイシン及びイソロイシン生合成経路は、種にわたって高度に保存されている。種にわたるこの保存は、E.コリ宿主において例示された発明者らの経路が、所望により他の宿主細胞種に導入されうることを意味する。
いくつかの実施態様において、宿主細胞は光合成を行うもの(シアノバクテリアなど)であってよく、又はセルロース分解性(クロストリジウム・セルロリティカム(Clostridium cellulolyticum)など)であってもよい。
いくつかの実施態様において、組換え細胞は、例えば、真菌細胞などの真核微生物であるか又はそれに由来してもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、真菌細胞は、例えば、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)又はカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)などのサッカロミセス科(Saccharomycetaceae family)のメンバーであるか又はそれに由来してもよい。
他の実施態様において、組換え細胞は、例えば、細菌などの原核微生物であるか又はそれに由来してもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、細菌は、プロトバクテリア門(phylum Protobacteria)のメンバーであってよい。プロトバクテリア門の代表的メンバーは、例えば、腸内細菌科(Enterobacteriaceae family)(例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli))のメンバー、及び例えば、シュードモナス科(Pseudomonaceae family)(例えば、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida))を包含する。他の場合には、細菌は、ファーミキューテス門(phylum Firmicutes)のメンバーであってよい。ファーミキューテス門の代表的メンバーは、例えば、バシラス科(Bacillaceae family)のメンバー(例えば、バシラス・スブチリス(Bacillus subtilis))、クロストリジウム科(Clostridiaceae family)のメンバー(例えば、クロストリジウム・セルロリティカム(Clostridium cellulolyticum))及び例えば、ストレプトコッカス科(Streptococcaceae family)のメンバー(例えば、ラクトコッカス・ラクティス)を包含する。他の場合には、細菌は、シアノバクテリア門(phylum Cyanobacteria)のメンバーであってよい。
いくつかの実施態様において、野生型対照に比べて増大したペンタン酸生合成は、2−ケト酪酸の2−ケト吉草酸への伸長の野生型対照に比べた増大、2−ケト吉草酸の2−ケトカプロン酸への伸長の野生型対照に比べた増大、ケト酸デカルボキシラーゼ活性の野生型対照に比べた増大及び/又はアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の野生型対照に比べた増大を包含することができる。他の実施態様において、野生型対照に比べて増大した2−メチル酪酸生合成は、スレオニンから2−ケト酪酸への変換の野生型対照に比べた増大、2−ケト酪酸から2−ケト−3−メチル吉草酸への変換の野生型対照に比べた増大、ケト酸デカルボキシラーゼ活性の野生型対照に比べた増大及び/又はアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の野生型対照に比べた増大を包含することができる。いくつかの場合には、増大したケト酸デカルボキシラーゼ活性の少なくとも一部は、ケト酸デカルボキシラーゼ酵素の改変によりもたらされることができる。例えば、ラクトコッカス・ラクティス(又は類似体)の2−ケト酸デカルボキシラーゼは、以下の:V461A、M538A又はF542Lから選ばれる少なくとも1つのアミノ酸置換又は類似の置換を含むように改変されてよい。いくつかの場合には、2−ケト酸デカルボキシラーゼは、V461A置換(又は類似の置換)とともにM528A置換(又は類似の置換)又はV461A置換(又は類似の置換)を含むように改変されてよい。
本明細書中で使用されるとおり、用語「類似体」は、同じ又は異なる微生物供給源由来の同様の酵素活性を有する関連酵素をさす。よって、類似体はしばしば、顕著な保存を示し、本分野の当業者にとって、任意の所与の酵素の好適な関連類似体を同定するのはありふれたことである。また、類似体のアミノ酸配列を参照酵素のアミノ酸配列と整列化することによって、「類似の置換」を同定するのも、本分野の当業者にとってはありふれたことである。したがって、類似体及び参照酵素の間の保存にも関わらず、位置の相違及び/又はアミノ酸残基の相違が、列挙された置換と類似の置換の間に存在しうる。
いくつかの実施態様において、組換え細胞は、インドールピルベートデカルボキシラーゼ(IPDC)活性の増大を示すことができる。IPDC活性の増大は、IPDC酵素の発現により生じることができる。代表的なIPDC酵素は、例えば、配列番号1〜21のいずれか1つに反映されるポリペプチドのいずれか1つを包含する。したがって、いくつかの実施態様において、組換え細胞は、例えば、配列番号1〜21のいずれか1つに反映されるポリペプチドのいずれか1つなどのIPDCデカルボキシラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド配列を包含することができる。
いくつかの実施態様において、組換え細胞は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の増大を示すことができる。アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の増大は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ酵素の発現により生じることができる。代表的なアルデヒドデヒドロゲナーゼ酵素は、例えば、配列番号22〜55のいずれか1つに反映されるポリペプチドのいずれか1つを包含する。したがって、いくつかの実施態様において、組換え細胞は、例えば、配列番号22〜55のいずれか1つに反映されるポリペプチドのいずれか1つなどのアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする異種ポリヌクレオチド配列を包含することができる。
本明細書中で使用されるとおり、具体的な酵素に関する用語「活性」は、その一般名または天然の機能に関わらず、ポリペプチドが該酵素の基質の生成物への変換を触媒する能力をさし、該「活性」が同定された酵素の天然の活性よりも低い、同等又はより高いかにはかかわらない。細胞の生合成活性を測定するための方法は、日常的なものであり、本分野の当業者に周知である。遺伝子改変細胞に関しては、用語「活性」は、特定された生成物化合物を合成する遺伝子改変細胞の能力をさし、該「活性」が該細胞の野生型株の天然の活性よりも低い、同等又はより高いかにはかかわらない。
本明細書中で使用されるとおり、酵素の触媒活性の増大又は遺伝子改変細胞の生合成活性の増大は、定量的に測定され、適切な野生型対照の活性のパーセンテージとして記述されることができる。遺伝子改変ポリペプチドにより示される触媒活性又は遺伝子改変細胞の生合成活性は、例えば、適切な野生型対照の活性の少なくとも110%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%(2倍)、少なくとも250%、少なくとも300%(3倍)、少なくとも400%(4倍)、少なくとも500%(5倍)、少なくとも600%(6倍)、少なくとも700%(7倍)、少なくとも800%(8倍)、少なくとも900%(9倍)、少なくとも1000%(10倍)、少なくとも2000%(20倍)、少なくとも3000%(30倍)、少なくとも4000%(40倍)、少なくとも5000%(50倍)、少なくとも6000%(60倍)、少なくとも7000%(70倍)、少なくとも8000%(80倍)、少なくとも9000%(90倍)、少なくとも10000%(100倍)、又は少なくとも100,000%(1000倍)であることができる。
或いは、触媒活性の増大は、kcatの増大として、例えば、酵素的変換のkcat値における少なくとも2倍の増大、少なくとも3倍の増大、少なくとも4倍の増大、少なくとも5倍の増大、少なくとも6倍の増大、少なくとも7倍の増大、少なくとも8倍の増大、少なくとも9倍の増大、少なくとも10倍の増大、少なくとも15倍の増大、又は少なくとも20倍の増大として表されることができる。
触媒活性の増大は、Kmの減少の面から、例えば、酵素的変換のKm値における少なくとも2倍の減少、少なくとも3倍の減少、少なくとも4倍の減少、少なくとも5倍の減少、少なくとも6倍の減少、少なくとも7倍の減少、少なくとも8倍の減少、少なくとも9倍の減少、少なくとも10倍の減少、少なくとも15倍の減少、又は少なくとも20倍の減少として表されることができる。
酵素の触媒活性の低下又は遺伝子改変細胞の生合成活性の増大は、定量測定されることができ、適切な野生型対照の触媒活性のパーセンテージとして記述されることができる。遺伝子改変ポリペプチドにより示される触媒活性又は遺伝子改変細胞の生合成活性は、例えば、好適な野生型対照の95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下の活性、又は0%の活性であることができる。
或いは、触媒活性の低下は、kcatの減少として、例えば、酵素的変換のkcat値における少なくとも2倍の減少、少なくとも3倍の減少、少なくとも4倍の減少、少なくとも5倍の減少、少なくとも6倍の減少、少なくとも7倍の減少、少なくとも8倍の減少、少なくとも9倍の減少、少なくとも10倍の減少、少なくとも15倍の減少、又は少なくとも20倍の減少として表されることができる。
触媒活性の低下は、Kmの増大の面から、例えば、酵素的変換のKm値における少なくとも2倍の増大、少なくとも3倍の増大、少なくとも4倍の増大、少なくとも5倍の増大、少なくとも6倍の増大、少なくとも7倍の増大、少なくとも8倍の増大、少なくとも9倍の増大、少なくとも10倍の増大、少なくとも15倍の増大、少なくとも20倍の増大、少なくとも25倍の増大、少なくとも30倍の増大、少なくとも35倍の増大、少なくとも40倍の増大、少なくとも45倍の増大、少なくとも50倍の増大、少なくとも75倍の増大、少なくとも100倍の増大、少なくとも150倍の増大、少なくとも200倍の増大、少なくとも230倍の増大、少なくとも250倍の増大、少なくとも300倍の増大、少なくとも350倍の増大、又は少なくとも400倍の増大として表されることができる。
したがって、別の態様において、発明者らは、ペンタン酸又は2−メチル酪酸の生合成のための方法を本明細書に記載する。一般に、該方法は、本明細書に記載の組換え細胞を、組換え細胞がペンタン酸又は2−メチル酪酸を産生するのに有効な条件下、炭素供給源を含む培地中でインキュベートするステップを含む。ペンタン酸を産生するためには、炭素供給源は、以下の:グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト吉草酸、2−ケトカプロン酸、又はバレルアルデヒドのうちの1つ又は複数を含むことができる。2−メチル酪酸の生合成のためには、炭素供給源は、以下の:グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト−3−メチル吉草酸、又は2−メチルブチルアルデヒドのうちの1つ又は複数を含むことができる。さらに、細胞増殖のための炭素供給源は、関連する炭素同化経路が操作された微生物中に導入される限り、CO2、セルロース、グルコース、キシロース、シュークロース、アラビノース、グリセロールなどであることができる。
さらに別の態様において、発明者らは、炭素供給源をペンタン酸又は2−メチル酪酸に変換する能力の増大を宿主細胞が示すように、細胞中に異種ポリヌクレオチドを導入するための方法を本明細書に記載する。細胞がペンタン酸を産生するためには、異種ポリヌクレオチドは、改変細胞が炭素供給源のペンタン酸への変換を触媒するように、プロモーターに操作可能に連結されたポリペプチドをコードすることができる。これらの実施態様のいくつかにおいて、炭素供給源は、グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト吉草酸、2−ケトカプロン酸又はバレルアルデヒドのうちの1つ又は複数を含むことができる。細胞が2−メチルブチルアルデヒドを産生するためには、異種ポリヌクレオチドは、改変細胞が炭素供給源の2−メチルブチルアルデヒドへの変換を触媒するように、プロモーターに操作可能に連結されたポリペプチドをコードすることができる。これらの実施態様のいくつかにおいて、炭素供給源は、グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト−3−メチル吉草酸、又は2−メチルブチルアルデヒドのうちの1つ又は複数を含むことができる。そのような方法のための宿主細胞は、例えば、本明細書に記載の組換え細胞に関して上で特定された微生物種のいずれかを含むことができる。
先の説明において使用されたとおり、用語「及び/又は」は、列挙された要素の1つ又はすべて、或いは、列挙された要素の任意の2つ以上の組合せを意味し;用語「含む」及びその変形は、これらの用語が説明及び請求項に登場する場合に限定的な意味を有さず;別段の定めがない限り、「a」、「an」、「the」及び「少なくとも1つ」は、交換可能に使用され、1つ又は1つ超を意味し;エンドポイントによる数値範囲の記述は、該範囲内に包含されるすべての数を含む(たとえば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
先の説明において、明確にするために、特別な実施態様が分離して記載されうる。特別な実施態様の特徴が別の実施態様の特徴と適合しないと明示的に特定されない限り、ある実施態様は、1つ以上の実施態様に関連して本明細書に記載された適合性のある特徴の組合せを含むことができる。
別々のステップを含む、本明細書に記載の任意の方法のために、該ステップは任意の実行可能な順番で実施されてよい。そして、適宜、2つ以上のステップの任意の組合せが同時に実施されてよい。
本発明は、以下の例によって例解される。特別な例、材料、量及び手順は、本明細書に示される発明の範囲及び精神に従って広く解釈されると理解される。
実施例1
菌株、試薬、培地及び培養
本研究において使用されるE.コリ株は、スレオニンの高い細胞内レベルを保証するためにスレオニン及びホモセリンエクスポーター遺伝子rhtAをノックアウトしたスレオニン過剰産生株、ATCC98082であった(Zhangら、Proc Natl Acad Sci USA 2010;107:6234−6239)。yqhD遺伝子欠失株を、Keioコレクションから得た(Babaら、Mol Syst Biol 2006;2:2006.0008)。カナマイシン耐性マーカーを除去するために、これをプラスミドpCP20で形質転換した。2−メチル酪酸の産生のために、この株を、pIPA1、pIPA2及びpIPA4からpIPA15のいずれか1つによって形質転換した。ペンタン酸の合成のために、これを、pIPA1、pIPA3及びpIPA4からpIPA15のいずれか1つによって形質転換した。
プラスミドの増殖のために使用したXL1−Blue及びXL10−Goldコンピテント細胞は、Stratagene(La Jolla,CA)から、一方、タンパク質発現のために使用したBL21コンピテント細胞は、New England Biolabs(Ipswich,MA)から入手した。すべての制限酵素、QUICK LIGATIONキット及びPHUSION高忠実度PCRキットも、New England Biolabsから入手した。
2×YT富栄養培地(16g/LのBacto−tryptone、10g/Lの酵母抽出物及び5g/LのNaCl)を、37℃及び250rpmでE.コリ株を培養するために使用した。抗生物質を必要に応じて添加した(100mg/Lのアンピシリン、25mg/Lのカナマイシン及び25mg/Lのスペクチノマイシン)。
発酵手順及びHPLC分析
発酵実験を3回反復して実施し、データを、標準誤差を示すエラーバーとともに平均値として示した。250μLの一夜培養物を、5g/Lの酵母抽出物、40g/Lのグルコース、10mg/Lのチアミン、100mg/Lのアンピリシン、25mg/Lのカナマイシン及び25mg/Lのスペクチノマイシンを補充した5mLのM9培地を入れた125mLの三角フラスコに移した。0.1mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を添加することによってタンパク質発現を誘導した。生成した酸の中和のために、0.2gのCaCO3をフラスコに添加した。30℃及び250rpmで48時間インキュベーション後、サンプルを集め、Aminex HPX 87Hカラムを含み、屈折率検出器を備えたAgilent 1260 Infinity HPLCを用いて分析した。移動相は、0.6mL/分の流速の5mM H2SO4であった。カラム温度は35℃であり、検出温度は50℃であった。
タンパク質の発現及び精製
N−末端6×His−tagをコードする発現プラスミド中に遺伝子をクローニングすることによって、AldHを精製して、pIPA16を得た。次いで、このプラスミドをE.コリ株BL21に形質転換した。1/300の希釈率の一夜プレカルチャーから細胞を播種し、300mlの100μg/Lアンピリシン含有2×YT富栄養培地中、30℃で増殖させた。ODが0.6に達したときに、IPTGを添加してタンパク質発現を誘導した。250mMのNaCl、2mMのDTT、5mMのイミダゾール及び50mMのTrisを含むバッファー(pH9.0)中で超音波処理することによって、細胞ペレットを溶解した。Ni−NTAカラムクロマトグラフィー及びAmicon Ultra遠心式フィルター(EMD Millipore Corp., Billerica, MA)を用いるバッファー交換によって粗細胞ライセートから酵素を精製した。50μMのトリスバッファー、1mMのMgSO4及び20%のグリセロールを含む貯蔵用バッファー(pH8.0)をAldHのために使用した。100μLの濃縮タンパク質溶液をPCR管に等分に取り、長期貯蔵のために−80℃で瞬間凍結した。280nmのUV吸収を測定することによって、タンパク質濃度を決定した。精製したKDHba及びIPDCは、先の研究から利用可能であった(Xiongら、Sci Rep 2012;2)。
酵素アッセイ
KDHbaの酵素アッセイは、総体積78μLの、アッセイバッファー(50mMのNaH2PO4、pH8.0、1mMのDTT)中、0.5mMのNAD+及び50μMから400μMのバレルアルデヒドから構成された。反応を開始するために、2μLの1μM KDHbaを添加し、NADHの生成を340nmでモニターした(吸光係数、6.22mM-1cm-1)。同様のプロトコールを、AldHと1mMから6mMの範囲の濃度の2−メチルブチルアルデヒドのために使用した。
共役酵素反応法を用いて、IPDCの活性を測定した。アルデヒドを酸に酸化するために、過剰の好適なアルデヒドデヒドロゲナーゼ(2−ケト−3−メチル吉草酸のためのAldH及び2−ケトカプロン酸のためのKDHba)を使用し、一方、補因子NAD+はNADHに還元された。このアッセイ混合物は、総体積78μLの、アッセイバッファー(50mMのNaH2PO4、pH6.8、1mMのMgSO4、0.5mMのThDP)中、0.5mMのNAD+、0.1μMの適切なアルデヒドデヒドロゲナーゼ及び1mMから8mMの範囲の対応する2−ケト酸を含有した。反応を開始するために、2μLの1μM IPDCを添加し、NADHの生成を340nmでモニターした。初速度データをミカエリス・メンテン式にあてはめることによって、反応速度論的パラメータ(kcat及びKM)を決定した。
Figure 2015515866
本明細書に引用された、すべての特許、特許出願及び文献、並びに(例えば、Genbank及びRefSeqなどにおけるヌクレオチド配列の登録、並びにSwissProt、PIR、PRF、PDBなどにおけるアミノ酸配列の登録、並びにGenbank及びRefSeqにおいてアノテートされたコード領域からの翻訳物を含む)電子的に利用可能な材料の完全な開示は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。本願の開示と参照することにより本明細書に組み込まれる任意の文書の開示の間に不一致がある場合には、本願の開示が支配する。上記の詳細な説明及び例は、理解の明確性のためにのみ与えられる。そこから不必要な制限が理解されるものではない。本分野の当業者に明らかな変形が請求項に定義された発明の内に包含されるため、本発明は、示され記述された詳細そのものに限定されない。
別段の指示がない限り、明細書及び請求項において使用される構成要素、分子量などの量を表すすべての数は、用語「約」によってすべての場合において修飾されると理解される。したがって、別段の逆の指示がない限り、明細書及び請求項に述べる数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に依存して変化しうる近似値である。せめて、そして請求項の範囲に等価な理論を制限しようとするのでなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字に照らし、そして通常の丸め技法を適用することによって解釈されなくてはならない。
本発明の広い範囲を示す数の範囲及びパラメータが近似値であるにも関わらず、特定の例において述べる数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、すべての数値は、それらの各試験測定に見出される標準偏差から必然的に生じる範囲を本質的に含む。
すべての項目は、読者の便宜のためであり、そのように特定されない限り、該項目に続く本文の意味を制限するために使用されてはならない。
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Claims (48)

  1. 野生型対照に比べて増大したペンタン酸生合成を示すように改変された組換え細胞。
  2. 野生型対照に比べて増大した2−メチル酪酸生合成を示すように改変された組換え微生物細胞。
  3. 前記微生物細胞が真菌細胞である、請求項1又は2に記載の組換え微生物細胞。
  4. 前記真菌細胞がサッカロミセス科のメンバーである、請求項3に記載の組換え細胞。
  5. 前記真菌細胞がサッカロミセス・セレビシアエ、カンジダ・ルゴサ又はカンジダ・アルビカンスである、請求項3に記載の組換え細胞。
  6. 前記微生物細胞が細菌細胞である、請求項1又は2に記載の組換え細胞。
  7. 前記細菌細胞がプロトバクテリア門のメンバーである、請求項6に記載の組換え細胞。
  8. 前記細菌細胞が腸内細菌科のメンバーである、請求項7に記載の組換え細胞。
  9. 前記細菌細胞がエシェリキア・コリである、請求項8に記載の組換え細胞。
  10. 前記細菌細胞がシュードモナス科のメンバーである、請求項7に記載の組換え細胞。
  11. 前記細菌細胞がシュードモナス・プチダである、請求項10に記載の組換え細胞。
  12. 前記細菌細胞がファーミキューテス門のメンバーである、請求項6に記載の組換え細胞。
  13. 前記細菌細胞がバシラス科のメンバーである、請求項12に記載の組換え細胞。
  14. 前記細菌細胞がバシラス・スブチリスである、請求項13に記載の組換え細胞。
  15. 前記細菌細胞がストレプトコッカス科のメンバーである、請求項12に記載の組換え細胞。
  16. 前記細菌細胞がラクトコッカス・ラクティスである、請求項15に記載の組換え細胞。
  17. 前記細菌細胞がクロストリジウム科のメンバーである、請求項12に記載の組換え細胞。
  18. 前記細菌細胞がクロストリジウム・セルロリティカムである、請求項17に記載の組換え細胞。
  19. 前記細菌細胞がシアノバクテリア門のメンバーである、請求項6に記載の組換え細胞。
  20. 前記微生物細胞が光合成を行うものである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組換え細胞。
  21. 前記微生物細胞がセルロース分解性である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組換え細胞。
  22. 前記野生型対照に比べて増大したペンタン酸生合成が、L−アスパラギン酸からL−スレオニンへの変換の野生型対照に比べた増大、L−スレオニンから2−ケト酪酸への変換の野生型対照に比べた増大、2−ケト酪酸伸長活性の野生型対照に比べた増大、2−ケト吉草酸伸長活性の野生型対照に比べた増大、ケト酸デカルボキシラーゼ活性の野生型対照に比べた増大、所定の基質に対するケト酸デカルボキシラーゼ選択性の野生型対照に比べた増大、又はアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の野生型対照に比べた増大を含む、請求項3〜21のいずれか1項に記載の組換え細胞。
  23. 前記野生型対照に比べて増大した2−メチル酪酸生合成が、L−アスパラギン酸からL−スレオニンへの変換の野生型対照に比べた増大、L−スレオニンから2−ケト酪酸への変換の野生型対照に比べた増大、2−ケト酪酸から2−ケト−3−メチル吉草酸への変換の野生型対照に比べた増大、ケト酸デカルボキシラーゼ活性の野生型対照に比べた増大、所定の基質に対するケト酸デカルボキシラーゼ選択性の野生型対照に比べた増大、又はアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の野生型対照に比べた増大を含む、請求項2〜21のいずれか1項に記載の組換え細胞。
  24. 請求項3〜23のいずれか1項に記載の組換え細胞を、前記組換え細胞がペンタン酸を産生するために有効な条件下、炭素供給源を含む培地中でインキュベートするステップを含む方法であって、前記炭素供給源が、以下の:グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト吉草酸、2−ケトカプロン酸、バレルアルデヒド、CO2、セルロース、キシロース、シュークロース、アラビノース又はグリセロールのうちの1つ又は複数を含む、前記方法。
  25. 請求項2〜23のいずれか1項に記載の組換え細胞を、前記組換え細胞が2−メチル酪酸を産生するために有効な条件下、炭素供給源を含む培地中でインキュベートするステップを含む方法であって、前記炭素供給源が、以下の:グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト−3−メチル吉草酸、2−メチルブチルアルデヒド、CO2、セルロース、キシロース、シュークロース、アラビノース又はグリセロールのうちの1つ又は複数を含む、前記方法。
  26. 炭素供給源のペンタン酸への変換を触媒する少なくとも1つのポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドを、宿主細胞中に導入するステップを含む方法であって、前記改変された宿主細胞が前記炭素供給源のペンタン酸への変換を触媒するように、少なくとも1つの前記ポリヌクレオチドがプロモーターに操作可能に連結される、前記方法。
  27. 前記炭素供給源が、以下の:グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト吉草酸、2−ケトカプロン酸、バレルアルデヒド、CO2、セルロース、キシロース、シュークロース、アラビノース、又はグリセロールのうちの1つ又は複数を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 炭素供給源の2−メチル酪酸への変換を触媒する少なくとも1つのポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドを、宿主細胞中に導入するステップを含む方法であって、前記改変された宿主細胞が前記炭素供給源の2−メチル酪酸への変換を触媒するように、少なくとも1つの前記ポリヌクレオチドがプロモーターに操作可能に連結される、前記方法。
  29. 前記炭素供給源が、以下の:グルコース、ピルビン酸、L−アスパラギン酸、L−スレオニン、2−ケト酪酸、2−ケト−3−メチル吉草酸、2−メチルブチルアルデヒド、CO2、セルロース、キシロース、シュークロース、アラビノース、又はグリセロールのうちの1つ又は複数を含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記宿主細胞が真菌細胞である、請求項24〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記真菌細胞がサッカロミセス科のメンバーである、請求項30に記載の方法。
  32. 前記真菌細胞がサッカロミセス・セレビシアエ、カンジダ・ルゴサ又はカンジダ・アルビカンスである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記宿主細胞が細菌細胞である、請求項24〜29のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記細菌細胞がプロトバクテリア門のメンバーである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記細菌細胞が腸内細菌科のメンバーである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記細菌細胞がエシェリキア・コリである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記細菌細胞がシュードモナス科のメンバーである、請求項34に記載の方法。
  38. 前記細菌細胞がシュードモナス・プチダである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記細菌細胞がファーミキューテス門のメンバーである、請求項33に記載の方法。
  40. 前記細菌細胞がバシラス科のメンバーである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記細菌細胞がバシラス・スブチリスである、請求項40に記載の方法。
  42. 前記細菌細胞がストレプトコッカス科のメンバーである、請求項39に記載の方法。
  43. 前記細菌細胞がラクトコッカス・ラクティスである、請求項42に記載の方法。
  44. 前記細菌細胞がクロストリジウム科のメンバーである、請求項39に記載の方法。
  45. 前記細菌細胞がクロストリジウム・セルロリティカムである、請求項44に記載の方法。
  46. 前記細菌細胞がシアノバクテリア門のメンバーである、請求項33に記載の方法。
  47. 前記宿主細胞が光合成を行うものである、請求項24〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記宿主細胞がセルロース分解性である、請求項24〜46のいずれか1項に記載の方法。
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