図1及び図2は、概ね説明目的から提示されており、簡潔のため、同様の特徴部は、図中、それに応じて符号が付されており、一度しか説明しない場合がある。
本発明の記載では、「上流」、「下流」等のような相対語は、理解を助けるため、特に図面及び主流方向に関して用いられている。
図3〜図5、及び本発明の第1の実施形態に関して、流路104を有する押出ダイ100の説明を、同様の部品又は特徴部を指す対応する符号及びアルファベット文字を用いることによって示されている、ダイ1の説明を参照しながら行う。したがって、簡潔のため、ダイ100のうち、ダイ1の説明から理解することができる細部は、原則的に繰り返さない。ダイ1の流路4とは異なり、ダイ100の流路104には、内部デッケルを収めるのに好都合なガルウイング形部分がないが、ダイ100は、本発明の第6の実施形態の説明から理解することができるように、ダイ1と同様に変更することができる。
ダイ100への入口及びダイ100からの出口に位置付けられている矢印は、入口126において開始するとともに流路104の出口オリフィス128において終止するダイを通る質量流の主方向を示す。流路104は、概ね涙滴形状のマニホールド105と、下流流路部分106とを更に有する。マニホールド105は、マニホールド幅の中線から左右に延びており、主流方向に対して概ね横断するマニホールド幅にわたる幅方向流を供給する。図4によって示されているように、マニホールド幅は、流路104の幅Wに実質的に相当することができる。
流路入口126は、横断流供給マニホールド105において終端しており、横断流供給マニホールド105は、適切な方法で、下流流路部分106に移行して、流路104への入口から流路104の幅Wにわたって流路104の出口オリフィス128へと質量流を搬送する。下流流路部分106は、マニホールド105と出口オリフィス128との間に流体連通を提供し、流路幅Wにわたる横断質量流量分布を規定する多段式の横断流絞りゾーン107を有するプレランドチャネルを有し、対向する出口チャネル面108を有することが好都合である。
横断流絞りゾーン107は、下流流路106の対向するプレランド面162、163によって形成される流量絞り隙間125を有する。図5に示されているように、流量絞り隙間125は、流路幅にわたって互いに対して概ね平行であるが、設計目的に応じて、プレランド面間の隙間は、流路幅にわたって寸法変更することができる(一般的に「クラウンプレランド(crowned preland:頂部が凸状のプレランド)と呼ばれる)。多段式の横断流絞りゾーン107は、一次段と、一次段よりも比較的大きい隙間を有する二次段とを含むことが有益である。位置127が、横断流絞りゾーン107の下流範囲を画定する。
出口縁118が、出口チャネル面108とダイ面109との交差によって形成されている。図示のように、ダイ面109は、同じ平面内にあることができる。しかしながら、機能目的に対処する所望に応じて又はそうするのに適切な場合、一方のダイ面を他方のダイ面を越えて延ばすことができる。
特に図3を参照すると、ダイ本体102、103が本体組立て締結具(明確にするために省かれている)によって単体構造としてともに結合されている。本体組立て締結具は、上流マニホールド境界曲線122に概ね沿うとともに上流マニホールド境界曲線122に隣接する締結具アレイ(締結具穴によって示されている)を形成する。
図3及び図4を特に参照すると、横断流開始の領域115(概ね示されている)内にそれぞれの流線に沿って選択された位置113、114と、領域115から流れる異なる流線の横断流を実質的に終止させる位置116と、位置114に関連した流線の横断流を実質的に終止させる位置117とが概ね示されている。図示のように、位置116は、位置113よりも位置117の近くに選択され、位置117は、マニホールド105の端領域120に選択される。
図5を参照すると、対向するマニホールド面140、142が、互いに対して角度関係を有し、移行ゾーン154’を形成する。可変角度βの角度β1に対応して、端点141’及び端点143’が、マニホールド面140、142と下流流路部分106のプレランド面162、163それぞれとの交差によって形成される。交点121’が、角度β1の直線状のマニホールド面140と直線状のマニホールド面142との突出した(projected:延長線上の)交差によって形成される。移行ゾーン154’は角度β1を有する。角度βは、マニホールド移行ゾーンの挟角であり、主流方向に対して概ね横断方向に変化する。
位置117に対応して、マニホールド面140、142は、移行ゾーン154’’を形成する。端点141’’及び端点143’’は、位置117においてマニホールド面140、142とプレランド面162、163それぞれとの交差によって形成される。交点121’’が、可変角度βの角度β2のマニホールド面140とマニホールド面142との突出した交差によって形成される。角度β2は、角度β1よりも比較的大きい。
図5に示されているように、移行ゾーン154’’は、マニホールド断面積の減少に合わせた可変角度βの変化に関連して、移行ゾーン154’よりも小さいことが有益である。同様に図5に示されているように、交点121’は、交点121’’と一致しているが、選択又は決定されるものとして、交点121’とは異なる位置にあってもよい。
図5を続けて参照すると、基準線148(仮想線で示されている)が、マニホールド後壁112に接しており、可変角度βの二等分線150(同様に仮想線で示されている)に対して概ね垂直である。図示のように、二等分線150は角度β1及び角度β2の二等分線である。しかしながら、適切な場合又は所望に応じて、角度β1の二等分線及び角度β2の二等分線は、互いと異なっていてもよい。後壁112は、マニホールド幅に沿った、横断流供給マニホールド105の最も上流の境界である。
マニホールド105は丸み半径Rを有する。図示のように、丸み半径R1’、R2’は寸法が互いに等しく、上流境界曲線122において径方向後壁を形成するように互いに境を接する。しかしながら、丸み半径R2’は、寸法が丸み半径R1’と異なるものでありながら丸み半径R1’と境を接してもよく、又は、図1に概ね示されているように、丸み半径R1’から適切に離間していてもよい。位置117において、丸み半径R1’’、R2’’は、寸法が等しく、互いと境を接する。丸み半径R1’’、R2’’は、寸法が丸み半径R1’、R2’に等しい。流路104の特定の幾何学的目的に対処するのに適切な丸み半径を選択又は決定することができる。
図5を続けて参照すると、マニホールド高さH’は、マニホールド面140、142と基準線148との突出した交差間の距離であり、通常、二等分線150に対して垂直に測定することができる。接線高さHT’は、丸み半径R1’の接線と丸み半径R2’の接線との間の最大距離であり、通常、高さH’に対して平行に測定することができる。長さL’は、基準線148から交点121’までの距離であり、二等分線150に対して平行に測定することができる。接線長さLT’は、基準線148から端点141’及び端点143’までの距離であり、長さL’に対して平行に測定することができる。例えば、マニホールド移行ゾーンが、Cloerenの米国特許第5,120,484号の図3に概ね示されているようなオーバーバイトを有する場合、端点141’は交点121’に対して端点143’よりも近く、接線長さは、基準線148から端点141’まで測定することができる。流路長さLFC’は、基準線148から出口オリフィス128までの距離であり、出口縁118に対して垂直に測定することができる。
位置117に対応して、参照線152(仮想線で示されている)が、マニホールド後壁112に接しており、角度β2の二等分線150に対して概ね垂直である。マニホールド高さH’’は、前述したように測定される、マニホールド面140、142と参照線152との突出した交差間の距離である。接線高さHT’’は、丸み半径R1’’の接線と丸み半径R2’’の接線との間の最大距離であり、通常、高さH’’に対して平行に測定することができる。長さL’’は、前述したように測定される、参照線152から交点121’’までの距離である。接線長さLT’’は、参照線152から端点141’’及び143’’までの距離であり、長さL’’に対して平行に測定することができる。例えば、マニホールド移行ゾーンがオーバーバイトを有する場合、端点141’’は交点121’’に対して端点143’’よりも近く、接線長さは、基準線148から端点141’’まで測定することができる。流路長さLFC’’は、前述したように測定される、基準線152から出口オリフィス128までの距離である。
図4の金型110を特に参照すると、理解を容易にするため、同一の参照符号は、図3及び図5の対応する特徴部に関連付けられる、金型110の特徴部を示す。さらに、ダイ流路104が幅Wの中心線に関して対称である(対称が一般的である)ことにより、同様の対称な特徴部が、同一の参照符号によって示されている。図示のように、マニホールド面140、142は、マニホールド幅に対して概ね横断する非平面であるが、平面であってもよい。挟角が、横断流開始の領域、例えばマニホールド幅の中線から、左右に線形又は非線形に漸増又は漸減し得る。図示のように、マニホールド幅の中線は幅Wの中心線に相当する。ダイ100に関して、挟角は線形に変化する。
図3〜図5を参照すると、下流流路部分106が、流路104の幅Wに沿って、マニホールド面140と下流チャネル面162との交差によって形成される上流境界曲線133(図4に最もよく見られる)を有し、また、対向する上流境界曲線134(図3に最もよく見られる)を有する。境界曲線133は端点141’、141’’を有する。境界133と、流路104の幅Wに沿ってマニホールド面142と下流チャネル面163との交差によって形成される対向する境界134とが、マニホールド105及び流路部106に共通の境界を形成する。境界曲線134は端点143’、143’’を有する。
境界曲線135(図4に仮想線で示されている)が、流路104の幅Wに沿って、可変角度βの交点、例えば交点121’、121’’によって、幅Wの中心線から左右に規定される。例えば、マニホールド移行ゾーンがオーバーバイトを有する場合、境界133は境界135に対して境界134よりも近く、流路部106の上流境界は、境界133とすることができる。横断流絞りゾーン107は、境界135と好都合に一致する上流境界を有し、また、境界135に対して概ね平行であるとともに流路104の位置127に接する下流境界137(図4に仮想線で示されている)を有する。
対向する曲線状の境界133、134及び境界曲線135は、互いに対して斜めである。境界135は、直線状の曲線であり、出口縁118に対して概ね平行である。表1、表1aが、例として、幾何学的パラメーターのマトリックスを提示しており、この幾何学的パラメーターのマトリックスを用いて、マニホールド幅の中線とマニホールド幅の一端との間、例えば、丸み半径R間の関係に関連した後壁境界曲線と、例えば、境界曲線122、133、134及び135との間に、概ね涙滴形状のマニホールド幅方向の断面形状を規定するとともに、境界、例えば対向する境界の、互いとの、また、出口縁118との斜めの関係又は平行な関係を規定することができる。マニホールド断面幾何学的形状の変化は、横断流開始の領域、例えば、マニホールド幅の中線と、マニホールド内の横断質量流を実質的に終止させる位置、例えば、マニホールド内の横断質量流を終端させる位置との間で、マニホールド105の幅に沿って横断方向に選択又は導出することができ、また、マニホールド幅に沿って線形又は非線形とすることができる。
曲線状の境界133、134は、直線状であってもよく、直線状の境界曲線135は、流路幅Wの中心線から横断する曲線状であってもよく、曲線状の境界曲線135は、曲線状の境界曲線133、134に対して概ね平行若しくは斜めであってもよく、又は、直線状の境界曲線135は、マニホールド境界を確立するように選択又は導出される幾何学的パラメーターに応じて、境界曲線133、134及び出口縁118に対して概ね平行又は斜めであってもよい。
図3〜図5を続けて参照すると、横断流供給マニホールド105は、中線と位置117との間に、一定の接線高さHTと、H’とH’’との比較によって示されているように増加する高さHと、LT’とLT’’との比較によって示されているように減少する接線長さLTと、可変挟角βを有する可変移行ゾーンを含む減少するマニホールド断面積とを有する。記載したように、減少するマニホールド断面は、一定の接線高さHT及び変化する高さHを有してもよく、可変挟角を、変化する高さHに関連して変えることができる。可変挟角に影響を及ぼし得る幾何学的パラメーターとして、変化する高さHの他に、変化する長さL、変化する接線長さLT、変化する丸み半径R及びそれらの組合せを挙げることができる。可変挟角と一定の接線高さHT又は実質的に一定の接線高さHTとに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、変化する高さH、変化する長さL、変化する接線長さLT、変化する丸み半径R及びそれらの組合せが挙げられる。
減少するマニホールド断面に関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、一定の接線高さHT及び変化する接線長さLTを挙げることができ、可変挟角は、変化する接線長さLT並びに一定の接線高さHT及び変化する長さLに関連して変化することができ、また、変化する長さL、一定の接線高さHT及び変化する高さHに関連して変化することができ、また、変化する高さH、一定の接線高さHT及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せ及び一定の接線高さHTに関連して変化することができ、また、減少するマニホールド断面積に関連することができるとともにその断面積と一致することができる。
可変移行ゾーンは、比較的長い接線長さLTに関連して比較的小さい角度βを有しても、比較的短い接線長さLTに関連して比較的大きい角度βを有してもよい。可変移行ゾーンは、横断流開始の領域における及びその領域付近での移行停滞を有益に減らすように比較的長い接線長さLTに関連した角度β2よりも小さい角度β1を有することが有利であり、また、マニホールド幅にわたって、特にマニホールド端領域内にわたって質量流量交代速度を有利に増加させるように、減少したマニホールド断面積に従って適切により大きい角度β2を有する。
これらの利益は、位置113、114、116、117を含む選択された位置の特定の場所とは無関係である。本発明の他の実施形態の記載から理解されるように、これらの位置は、例として本発明の理解に役立つように選択されている。可変移行ゾーンは、横断流開始の領域、例えばマニホールド幅の中線から、マニホールド内の横断質量流量を終端させるマニホールド端にかけて、マニホールド断面積の減少に合わせた可変挟角βを有することが有益である。
記載したように、本発明に従った概ね涙滴形状のマニホールド断面は、高さH、接線高さHT、丸み半径R、長さL、接線長さLT、及び、マニホールド中線から左右に変化することができることが有益である挟角βを有する。マニホールド断面形状を規定する有用な幾何学的パラメーターとして、H、HT、L、R、LT及び角度βが挙げられる。表1、表1aに示されているように、或る組合せのパラメーターを選択(「S」として示されている)して、マニホールドの横断幅にわたるマニホールド断面幾何学的形状を規定するように他のパラメーターを導出(「D」として示されている)することができる。したがって、マニホールド断面形状を本発明から逸脱することなく規定することができる多数の方法がある。
移行ゾーン挟角は、マニホールド幅にわたって選択(S)又は導出(D)することができる。例として、表1、表1aは、選択(S)又は導出(D)されるパラメーターの例示を提示し、それらのパラメーターから、通常は概ね涙滴形状のマニホールドにおいて、可変角度βの漸増又は漸減及び他の幾何学的パラメーターの変更を選択(S)又は導出(D)することができる。表1、表1aでは、「β」は、本発明に従った可変移行ゾーンに対応する可変挟角に関連し、「α」は、変化しない一定の挟角を有する移行ゾーンに関連する。
図6〜図8、及び本発明の第2の実施形態に関して、流路204を有する押出ダイ200の簡略説明を、同様の部品又は特徴部を指す対応する符号及びアルファベット文字の使用によって示されているダイ100の説明を参照しながら行う。したがって、簡潔のため、ダイ100の説明から理解することができる、ダイ200の細部は、原則的に繰り返さない。ダイ100の流路104と同様、ダイ200の流路204には、図示のように、内部デッケルを収めるのに好都合なガルウイング形部分がないが、ダイ200は、本発明の第6の実施形態の説明から理解することができるように、変更することができる。
流路204は、マニホールド幅の中線から左右に延びるマニホールド205を有し、図7に示されているように、マニホールド幅は、流路204の幅Wに実質的に相当することができる。流路204の下流流路部分206は、流路幅Wにわたる横断質量流量分布を規定する概ねコートハンガー形状の横断流絞りゾーン207を有するプレランドチャネルを有し、対向する出口チャネル面208を有することが好都合である。概ね直線状の境界237が、横断流絞りゾーン207の下流範囲を画定する。
図6及び図7を続けて参照すると、横断流開始の領域215(概ね示されている)内にそれぞれの流線に沿って選択された位置213、214と、領域215から流れる異なる流線の横断流を実質的に終止させる位置216と、位置214に関連した流線の横断流を実質的に終止させる位置217とが概ね示されている。位置216は、位置213と位置217との間に選択され、図示のように、位置116が位置117から離れているよりも位置217から遠くに選択される。
図8を特に参照すると、交点221’が、角度β1の直線状のマニホールド面240と直線状のマニホールド面242との突出した交差によって形成されている。移行ゾーン254’も同様に、角度β1のマニホールド面240、242によって形成されている。可変角度βは、主流方向に対して概ね横断方向に変化する挟角である。同様に、角度β1に対応して、端点241’及び端点243’が、マニホールド面240、242と下流流路部分206のプレランド面262、263それぞれとの交差によって形成される。
位置217に対応して、交点221’’が、可変角度βの角度β2のマニホールド面240とマニホールド面242との突出した交差によって形成される。マニホールド面240、242は、マニホールド横断面積の減少に合わせた可変角度βの変化に関連して移行ゾーン254’よりも小さいことが有益である移行ゾーン254’’を形成する。角度β2は、角度β1よりも比較的大きい。
図8に示されているように、交点221’’は、交点221’から離間しており、交点221’の下流に位置付けられている。しかしながら、選択又は決定されるように、交点221’は、交点221’’と一致していてもよく、又は、交点221’及び交点221’’の位置は別様に異なっていてもよい。図8に更に示されているように、端点241’、243’は、端点241’’、243’’の上流にある。しかしながら、端点241’、243’は、端点241’’、243’’の下流にあっても、端点241’’、243’’と一致していてもよい。
図8を続けて参照すると、基準線248(仮想線で示されている)が、マニホールド後壁212に接しており、可変角度βの二等分線250(同様に仮想線で示されている)に対して概ね垂直である。位置217に対応して、参照線252(同様に仮想線で示されている)が、後壁212に接しており、角度β2の二等分線250に対して概ね垂直である。図示のように、二等分線250は角度β1の二等分線及び角度β2の二等分線である。しかしながら、適切な場合又は所望に応じて、角度β1の二等分線及び角度β2の二等分線は、互いに対して斜めであってもよく、その場合、交点221’、221’’は、図示とは異なる相対位置にあることができる。後壁212は、マニホールド幅に沿った、横断流供給マニホールド205の最も上流の境界である。
マニホールド205は丸み半径Rを有する。記載のある場合を除き、ダイ100の丸み半径Rに関連した対応する説明の参照を行うものとする。図8に示されているように、丸み半径R1’’、R2’’は、丸み半径R1’、R2’それぞれよりも小さい。丸み半径R1’、R2’は、寸法が位置217における小さい方の丸み半径に相当することができ、そのような場合、丸み半径R1’、R2’は、図1に概ね示されているように互いから適切に離間することができる。
図8を続けて参照すると、ダイ200のマニホールド高さH、マニホールド接線高さHT、マニホールド長さL、マニホールド接線長さLT及び流路長さLFCに関して、ダイ100のマニホールド高さH、マニホールド接線高さHT、マニホールド長さL、マニホールド接線長さLT及び流路長さLFCに関連した対応する説明の参照を行うものとする。ダイ100とは異なり、接線高さHT’は、接線高さHT’’よりも高く、高さH’は、H’’に相当する。長さL’、接線長さLT’及び流路長さLFC’は、長さL’’、接線長さLT’’及び流路長さLFC’’よりも長い。
図7の金型210を特に参照すると、理解を容易にするため、同一の参照符号は、図6及び図8の対応する特徴部に関連付けられる、金型210の特徴部を示す。さらに、ダイ流路204が幅Wの中心線に関して対称であることにより、同様の対称な特徴部が、同一の参照符号によって示されている。図示のように、マニホールド面240、242は、マニホールド幅に対して概ね横断する非平面であるが、平面であってもよい。挟角が、横断流開始の領域、例えばマニホールド幅の中線から、横断方向に線形又は非線形に漸増又は漸減し得る。ダイ200に関して、挟角は線形に変化する。
図6〜図8を参照すると、境界曲線233(図7に最もよく見られる)及び対向する境界曲線234(図6に最もよく見られる)が、マニホールド205及び流路部206に共通の境界を形成する。境界曲線233は端点241’、241’’を有し、境界曲線234は端点243’、243’’を有する。概ねコートハンガー形状の横断流絞りゾーン207は、境界233及び234と好都合に一致する上流境界を有し、横断流絞りゾーン207の下流境界237は、出口縁218に対して概ね平行である。
境界曲線235(図7に仮想線で示されている)が、流路204の幅Wに沿って、可変角度βの交点、例えば、交点221’、221’’によって、幅Wの中心線から左右に規定される。境界曲線235は、曲線状であり、図示のように、境界233、234及び出口縁218に対して斜めである。ダイ100の場合のように、表1、表1aが、例として、幾何学的パラメーターのマトリックスを提示しており、この幾何学的パラメーターのマトリックスを用いて、マニホールド幅の中線とマニホールド幅の一端との間、例えば、丸み半径R間の関係に関連した後壁境界曲線と、例えば、境界曲線222、233、234及び235との間に、概ね涙滴形状のマニホールド幅方向の断面形状を規定するとともに、境界、例えば対向する境界の、互いとの斜めの関係又は平行な関係を規定することができる。マニホールド断面幾何学的形状の変化は、横断流開始の領域、例えば、マニホールド幅の中線と、マニホールド内の横断質量流を実質的に終止させる位置、例えばマニホールド内の横断質量流を終端させる位置との間で、マニホールドの幅に沿って横断方向に選択又は導出することができ、また、マニホールド幅に沿って線形又は非線形とすることができる。
曲線状の境界233、234は、流路幅の中心線からの直線状の幅方向であってもよく、曲線状の境界曲線235はまた、流路幅の中心線から流路幅の端にかけて直線状であってもよく、曲線状の境界曲線235は、曲線状の境界曲線233、234に対して概ね平行若しくは斜めであってもよく、又は、境界曲線235(中心線から直線状の幅方向)は、マニホールド境界を確立するように選択又は導出される幾何学的パラメーターに応じて、境界曲線233、234に対して概ね平行又は斜めであってもよい。
図6〜図8を続けて参照すると、横断流供給マニホールド205は、可変挟角βを有する可変移行ゾーンを含む減少する断面積を有する。接線高さHT及び高さHに対する、ダイ100の流路104とは異なり、マニホールド205は、中線と位置217との間に、HT’とHT’’との比較によって示されているように減少する高さHTと、一定の高さHとを有する。同様に、流路104とは異なり、流路204は、概ね曲線状のコートハンガープレランド形状を有するが、所望であれば、概ね直線状のコートハンガー境界を有することができる。
可変挟角に影響を及ぼし得る幾何学的パラメーターとして、変化する接線高さHTの他に、変化する長さL、変化する長さL、変化する接線長さLT、変化する丸み半径R及びそれらの組合せを挙げることができる。可変挟角と一定の高さH又は実質的に一定の高さHとに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、変化する接線高さHT、変化する長さL、変化する接線長さLT、変化する丸み半径R及びそれらの組合せが挙げられる。
記載したように、減少するマニホールド断面は、一定の高さH及び変化する接線高さHTを有することができ、可変挟角は、変化する接線高さHTに関連して変化することができる。この構成のため、減少するマニホールド断面は、比較的長い長さLに関連した比較的小さい角度βと、比較的短い長さLに関連した比較的大きい角度βとを有することができる。
減少するマニホールド断面に関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、一定の高さH及び変化する接線長さLTを挙げることができ、可変挟角は、変化する接線長さLT、一定の高さH及び変化する長さLに関連して変化することができ、また、変化する長さL、一定の高さH及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せ及び一定の高さHに関連して変化することができ、また、マニホールド端に向かって減少するマニホールド断面積に関連することができるとともにその断面積と一致することができる。
流路104と同様に、可変移行ゾーンは、横断流開始の領域における及びその領域付近での移行停滞を有益に減らすように比較的長い接線長さLTに関連した角度β2よりも小さい角度β1を有することが有利であり、また、マニホールド内の横断流を実質的に終止させる位置において質量流量交代速度を有利に増加させるように、減少したマニホールド断面積に従って角度β1よりも適切に大きい角度β2を有する。
これらの利益は、選択された位置213、214、216、217の特定の場所とは無関係である。したがって、これらの位置は、例として本発明の理解に役立つように選択されている。可変移行ゾーンは、横断流開始の領域、例えばマニホールド幅の中線から、マニホールド内の横断流を実質的に終止させる位置にかけて、マニホールド断面積の減少に従って可変挟角を有することが有益である。
本発明に従った可変挟角のこれらの利益は、横断流絞りゾーンが多段式ゾーンであるのか、概ねコートハンガー形状のゾーンであるのか、所定の横断流分布を提供する任意の他の横断流絞りゾーンであるのかにかかわらず、得ることができる。同様に、上記の利益を得るには、マニホールド幅にわたって一定の接線高さHT又は一定の高さHを維持することは不可欠ではない。
図9〜図11、及び本発明の第3の実施形態に関して、流路304を有する押出ダイ300の簡略説明を、同様の部品又は特徴部を指す対応する符号及びアルファベット文字の使用によって示されているダイ100の説明を参照しながら行う。したがって、簡潔のため、ダイ100の説明から理解することができる、ダイ300の細部は、原則的に繰り返さない。ダイ100の流路104と同様に、ダイ300の流路304には、図示のように、内部デッケルを収めるのに好都合なガルウイング形部分がないが、ダイ300は、本発明の第6の実施形態の説明から理解することができるように、変更することができる。
流路304は、マニホールド幅の中線から左右に延びるマニホールド305を有し、図9に示されているように、マニホールド幅は、流路304の幅Wに実質的に相当することができる。流路304の下流流路部分306は、流路幅Wにわたる横断質量流量分布を規定する概ねコートハンガー形状の横断流絞りゾーン307を有するプレランドチャネルを有し、対向する出口チャネル面308を有することが好都合である。概ね直線状の境界337が、横断流絞りゾーン307の下流範囲を画定する。
図9及び図10を続けて参照すると、横断流開始の領域315(概ね示されている)内にそれぞれの流線に沿って選択された位置313、314と、領域315から流れる異なる流線の横断流を実質的に終止させる位置316と、位置314に関連した流線の横断流を実質的に終止させる位置317とが概ね示されている。位置316は、位置313と位置317との間に選択され、図示のように、位置216が位置213に対するよりも位置313の近くに選択される。
図11を特に参照すると、交点321’が、角度β1の直線状のマニホールド面340と直線状のマニホールド面342との突出した交差によって形成されている。移行ゾーン354’もまた、角度β1のマニホールド面340、342によって形成されている。可変角度βは、主流方向に対して概ね横断方向に変化する挟角である。同様に、角度β1に対応して、端点341’及び端点343’が、マニホールド面340、342と下流流路306のプレランド面362、363それぞれとの交差によって形成されている。
位置317に対応して、交点321’’が、可変角度βの角度β2のマニホールド面340とマニホールド面342との突出した交差によって形成されている。マニホールド面340、342は、マニホールド横断面積の減少に合わせた可変角度βの変化に関連して移行ゾーン354’よりも小さいことが有益である移行ゾーン354’’を形成する。角度β2は、角度β1よりも小さい。
図11に示されているように、交点321’’は、交点321’から離間しており、交点321’の下流に位置付けられている。しかしながら、選択又は決定されるように、交点321’は、交点321’’と一致していてもよく、又は、交点321’及び交点321’’の位置は別様に異なっていてもよい。図11に更に示されているように、端点341’、343’は、端点341’’、343’’の上流にある。しかしながら、端点341’、343’は、端点341’’、343’’の下流にあっても、端点341’’、343’’と一致していてもよい。
図11を続けて参照すると、基準線348(仮想線で示されている)が、マニホールド後壁312に接しており、可変角度βの二等分線350(同様に仮想線で示されている)に対して概ね垂直である。位置317に対応して、参照線352(同様に仮想線で示されている)が、後壁312に接しており、角度β2の二等分線350に対して概ね垂直である。後壁312は、マニホールド幅に沿った、横断流供給マニホールド305の最も上流の境界である。図示のように、二等分線350は角度β1の二等分線及び角度β2の二等分線である。しかしながら、適切な場合又は所望に応じて、角度β1の二等分線及び角度β2の二等分線は、互いに対して斜めであってもよい。
マニホールド305は丸み半径Rを有する。記載のある場合を除き、ダイ100の丸み半径Rに関連した対応する説明の参照を行うものとする。図11に示されているように、丸み半径R1’’、R2’’は、丸み半径R1’、R2’それぞれよりも小さい。しかしながら、丸み半径R1’、R2’は、寸法が位置317における小さい方の丸み半径に相当することができ、そのような場合、丸み半径R1’、R2’は、互いから適切に離間することができる。
図11を特に参照すると、ダイ300のマニホールド高さH、マニホールド接線高さHT、マニホールド長さL、マニホールド接線長さLT及び流路長さLFCに関して、ダイ100のマニホールド高さH、マニホールド接線高さHT、マニホールド長さL、マニホールド接線長さLT及び流路長さLFCに関連した対応する説明の参照を行うものとする。
高さH’及び接線高さHT’は、高さH’’及び接線高さHT’’よりも高い。接線長さLT’は、接線長さLT’’よりも長いが、接線長さLT’’に実質的に相当する。長さL’は、長さL’’に相当し、可変角度βは、一定の長さLとマニホールドの減少する断面積とに関連して変化する。しかしながら、接線長さLT’は、接線長さLT’’に相当してもよく、また、長さL’は、長さL’’に実質的に相当してもよく、又は、長さL’及び接線長さLT’は、長さL’’及び接線長さLT’’に相当してもよい。本発明のこの実施形態は、単一のダイアセンブリ300のクラムシェル現象による差分歪みを低減するのに構造上有益であるように、ダイ100に比べて、1:1に比較的近いLFC’/LFC’’の比をもたらすことが有益である。
図10の金型310を特に参照すると、理解を容易にするため、同一の参照符号は、図9及び図11の対応する特徴部に関連付けられる、金型310の特徴部を示す。さらに、流路304が幅Wの中心線に関して対称であることにより、同様の対称な特徴部が、同一の参照符号によって示されている。図示のように、マニホールド面340、342は、マニホールド幅に対して概ね横断する非平面であるが、平面であってもよい。挟角が、横断流開始の領域、例えばマニホールド幅の中線から、線形又は非線形に漸増又は漸減し得る。ダイ300に関して、挟角は線形に変化する。
図9〜図11を参照すると、境界曲線333(図10に最もよく見られる)及び対向する境界曲線334(図9に最もよく見られる)が、マニホールド305及び流路部分306に共通の境界を形成している。境界曲線333は端点341’、341’’を有し、境界曲線334は端点343’、343’’を有する。流路306の概ねコートハンガー形状の横断流絞りゾーン307は、境界333及び334と好都合に一致する上流境界を有し、流路304の出口縁318に対して概ね平行な下流境界337を有する。
境界曲線335(図10に仮想線で示されている)が、可変角度βの交点、例えば、交点321’、321’’によって、流路304の中心線から幅方向に規定される。境界335は、曲線状であり、図示のように、境界333、334及び出口縁318に対して斜めである。ダイ100の場合のように、表1、表1aが、例として、幾何学的パラメーターのマトリックスを提示しており、この幾何学的パラメーターのマトリックスを用いて、マニホールド幅の中線とマニホールド幅の一端との間、例えば、丸み半径R間の関係に関連した後壁境界曲線と、例えば、境界曲線322、333、334及び335との間に、概ね涙滴形状のマニホールドの断面形状を規定するとともに、境界、例えば対向する境界の、互いとの斜めの関係又は平行な関係を規定することができる。マニホールド断面幾何学的形状の変化は、横断流開始の領域、例えば、マニホールド幅の中線と、マニホールド内の横断流を実質的に終止させる位置との間に、マニホールドの幅に沿って横断方向に選択又は導出することができ、また、マニホールド幅に沿って線形又は非線形とすることができる。
曲線状の境界333、334は、マニホールド幅の中線からマニホールド幅の一端にかけて直線状であってもよく、曲線状の境界曲線335はまた、流路幅の中心線から直線状の幅方向にあってもよく、曲線状の境界曲線335は、曲線状の境界曲線333、334に対して概ね平行若しくは斜めであってもよく、又は、境界曲線335(中心線から直線状の幅方向)は、マニホールド境界を確立するように選択又は導出される幾何学的パラメーターに応じて、直線状の境界曲線333、334に対して概ね平行又は斜めであってもよい。
図9〜図11を続けて参照すると、横断流供給マニホールド305は、中線と位置317との間に、(HT’とHT’’との比較によって示されているような)減少する接線高さHTと、マニホールド幅に沿った変化するマニホールド断面積とを有し、また、ダイ200の流路204とは異なり、(H’とH’’との比較によって示されているような)減少する高さHと、可変挟角βに関連した(L’とL’’との比較によって示されているような)一定の長さLとを有する。質量流量交代速度の増加がマニホールド幅にわたってもたらされることが有益である。
可変挟角に影響を及ぼし得る幾何学的パラメーターとして、変化する接線高さHT及び変化する高さHの他に、変化する接線長さLT、変化する丸み半径R及びそれらの組合せを挙げることができる。可変挟角と一定の長さL又は実質的に一定の長さLとに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、変化する接線高さHT、変化する高さH、変化する接線長さLT、変化する丸み半径R及びそれらの組合せが挙げられる。
記載したように、減少するマニホールド断面は、一定の長さL及び変化する接線長さLTを有することができ、可変挟角は、変化する接線長さLTに関連して変化することができる。この構成のため、減少するマニホールド断面は、比較的低い高さH及び接線高さHTに関連した比較的小さい角度βと、比較的高い高さH及び接線高さHTに関連した比較的大きい角度βとを有することができる。
減少するマニホールド断面に関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、一定の長さL及び変化する接線長さLTを挙げることができ、可変挟角は、変化する接線長さLT、一定の長さL及び変化する高さHに関連して変化することができ、また、変化する高さH、一定の長さL及び変化する接線高さHTに関連して変化することができ、また、変化する接線高さHT、一定の長さL及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せ並びに一定の長さLに関連して変化することができ、挟角変化は、マニホールド端に向かって減少するマニホールド断面積に関連することができるとともにその断面積と一致することができる。
可変移行ゾーンのより大きい角度β1及び比較的小さい角度β2は、長さL’が長さL’’に相当するように、また、接線長さLT’が接線長さLT’’に実質的に相当するように設けられることが有益である。接線長さLT’、LT’’は、互いに相当することができ、また、幾何学的目的に適切な場合又はその目的の所望に応じて、マニホールド305を通って流れる流線に沿う質量流量交代速度に悪影響を及ぼすことなく、互いと異なっていてもよい。流路304は、概ね曲線状のコートハンガープレランド形状を有するが、所望であれば、概ね直線状のコートハンガー境界を有することができる。
本発明に従った可変挟角のこれらの利益は、横断流絞りゾーンが多段式ゾーンであるのか、概ねコートハンガー形状のゾーンであるのか、所定の横断流分布を提供する任意の他の横断流絞りゾーンであるのかにかかわらず、得ることができ、位置313、314、316、317の特定の場所とは無関係である。したがって、これらの位置は、例として理解に役立つように選択されている。
さらに、選択された接線高さHT’、HT’’に関して、マニホールド中線から横断する減少するマニホールド断面に合わせて比較的大きい角度β1及び比較的小さい角度β2を有する、発明的な可変移行ゾーンにより、角度β1に対応する一定の移行ゾーン角度αに比べ、マニホールド圧力降下に有益な低減がもたらされる。したがって、比較的低い剪断熱を生じさせることができ、時間依存性/温度依存性による劣化を更に低減させることができる。
図12〜図14、及び本発明の第4の実施形態に関して、押出ダイ400の簡略説明を、同様の部品又は特徴部を指す対応する符号及びアルファベット文字の使用によって示されているダイ100の説明を特に参照しながら行う。したがって、上記の説明から理解することができる、ダイ400の細部は、原則的に繰り返さない。
ダイ400は、マニホールド端領域420を有する流路404の概ね涙滴形状の横断流供給マニホールド405を有する。マニホールド405は、マニホールド幅の中線から左右に延びており、主流方向(図12に矢印によって示されている)に概ね横断するマニホールド幅にわたる幅方向流を供給する。図13に示されているように、マニホールド幅は、流路404の幅Wに実質的に相当することができる。
流路404は、多段式横断流絞りゾーン407を有するプレランドチャネルを有することが好都合である概ね直線状の下流流路部分406を更に有することが有益である。本発明の前述した実施形態と同様、ダイ400の流路404には、図示のように、内部デッケルを収めるのに好都合なマニホールド部がない。しかしながら、ダイ400は、本発明の第6の実施形態の説明から理解することができるように、内部デッケルを好都合に収めるのに適切に変更することができる。
図12及び図13を続けて参照すると、横断流開始の領域415内にそれぞれの流線に沿って選択された位置413、414と、領域415から流れる異なる流線の横断流を実質的に終止させる位置416と、位置414に関連した流線の横断流を実質的に終止させる位置417とが概ね示されている。位置413は、領域415を通って流れる流線に沿って選択される。図示のように、位置416は、位置417が位置413に対するよりも、又は、位置316が領域315に対するよりも、位置413の近くに選択される。位置413、414、416及び417、並びに領域415は、図12及び図13に概ね示されている。
図14を特に参照すると、対向するマニホールド面440、442が、互いに対して角度関係を有し、移行ゾーン454’を形成する。移行ゾーン454’は、可変角度βの角度β1を有する。角度β1に対応して、端点441’及び端点443’が、マニホールド面440、442と下流流路部分406のプレランド面462、463それぞれとの交差によって形成される。
位置417に対応して、マニホールド面440、442もまた、移行ゾーン454’’を形成する。移行ゾーン454’’は、可変角度βの角度β2を有する。可変角度βの角度β2は、角度β1よりも小さい。角度βは、マニホールド移行ゾーンの挟角であり、主流方向に対して概ね横断方向に変化する。端点441’’及び端点443’’は、位置417においてマニホールド面440、442とプレランド面462、463それぞれとの交差によって形成される。図14に示されているように、端点441’’、443’’が、端点441’及び端点443’の主流方向に対して上流に位置付けられる。しかしながら、端点441’’及び端点443’’は、例えば、端点441’及び端点443’に一致して位置付けられても端点441’及び端点443’の下流に位置付けられてもよい。
図14を続けて参照すると、基準線448(仮想線で示されている)が、可変角度βの二等分線450(同様に仮想線で示されている)に対して概ね垂直である。図示のように、二等分線450は角度β1及び角度β2の二等分線である。しかしながら、適切な場合又は所望に応じて、角度β1の二等分線及び角度β2の二等分線は、互いと異なっていてもよい。マニホールド後壁412は、基準線448に接しており、マニホールド幅に沿った、横断流供給マニホールド405の最も上流の境界である。
交点421’が、角度β1の直線状のマニホールド面440と直線状のマニホールド面442との突出した交差によって形成され、交点421’’が、より小さい角度β2のマニホールド面440とマニホールド面442との突出した交差によって形成される。図14に示されているように、交点421’は、交点421’’と一致しているが、選択又は決定されるものとして、交点421’’とは異なる位置にあってもよい。
マニホールド405は丸み半径Rを有する。図示のように、丸み半径R1’、R2’は寸法が互いに等しく、上流マニホールド境界曲線422においてつながって径方向後壁412を形成するように互いと共通境界を有する。しかしながら、丸み半径R2’は、寸法が丸み半径R1’と異なっていても、丸み半径R1’と境を接していても、例えば、図1に概ね示されているように、丸み半径R1’から適切に離間していてもよい。位置417において、丸み半径R1’’、R2’’は、寸法が等しく、互いと共通境界を有するが、丸み半径R2’’は、寸法が丸み半径R1’’と異なっていてもよく、丸み半径R1’’と境を接するか、丸み半径R1’’から適切に離間していてもよい。丸み半径R1’’、R2’’はそれぞれ丸み半径R1’、R2’よりも小さい。しかしながら、丸み半径R1’、R2’は寸法が、より小さい丸み半径R1’’、R2’’に相当してもよく、そのような場合、丸み半径R1’、R2’は、互いから適切に離間することができる。流路404の特定の幾何学的目的に対処するのに適切な丸み半径を選択又は決定することができる。
図14を続けて参照すると、マニホールド高さH’は、マニホールド面440、442と基準線448との突出した交差間の距離であり、通常、二等分線450に対して垂直に測定することができる。接線高さHT’は、丸み半径Rの接線間の最大距離であり、通常、高さH’に対して平行に測定することができる。長さL’は、基準線448から交点421’までの距離であり、二等分線450に対して平行に測定することができる。接線長さLT’は、基準線448から端点441’及び端点443’までの距離であり、長さL’に対して平行に測定することができる。例えば、マニホールド移行ゾーンが、オーバーバイトを有する場合、端点441’は交点421’に対して端点443’よりも近く、接線長さは、基準線448から端点441’まで測定することができる。流路長さLFC’は、基準線448から出口オリフィス428までの距離であり、出口縁418に対して垂直に測定することができる。
位置417に対応して、マニホールド高さH’’は、マニホールド面440、442と基準線448との突出した交差間の距離であり、通常、二等分線450に対して垂直に測定することができる。接線高さHT’’は、丸み半径Rの接線間の最大距離であり、通常、高さH’’に対して平行に測定することができる。長さL’’は、基準線448から交点421’’までの距離であり、二等分線450に対して平行に測定することができる。接線長さLT’’は、基準線448から端点441’’及び443’’までの距離であり、長さL’’に対して平行に測定することができる。例えば、マニホールド移行ゾーンがオーバーバイトを有する場合、端点441’’は交点421’’に対して端点443’’よりも近く、接線長さは、基準線448から端点441’’まで測定することができる。流路長さLFC’’は、基準線448から出口オリフィス428までの距離であり、出口縁418に対して垂直に測定することができる。
図14を続けて参照すると、高さH’及び接線高さHT’はそれぞれ高さH’’及び接線高さHT’’よりも高い。後壁412は、領域415に近接して位置416、417において基準線448に接している。長さL’は、長さL’’に相当することが有益であり、位置416において長さLに適切に相当する。接線長さLT’は、接線長さLT’’よりも長いが、接線長さLT’’に実質的に相当し、また、位置416において、対応する接線長さLTに適切に相当する。しかしながら、接線長さLT’は、接線長さLT’’に相当してもよく、また、長さL’は、長さL’’に実質的に相当してもよく、又は、長さL’及び接線長さLT’は、長さL’’及び接線長さLT’’にそれぞれ相当してもよい。上流マニホールド境界曲線422は、出口オリフィス428に対して概ね平行であることが有益である。したがって、この構成により、単一のダイアセンブリ400のクラムシェル現象による差分歪みを低減するのに有益であるように、実質的な流路幅にわたって、1:1のLFC’/LFC’’のLFC比がもたらされることが有利である。
図13の金型410を特に参照すると、理解を容易にするため、同一の参照符号は、図12及び図14の対応する特徴部に関連付けられる、金型410の特徴部を示す。さらに、流路404が幅Wの中心線に関して対称であることにより、同様の対称な特徴部が、同一の参照符号によって示されている。図示のように、マニホールド面440、442は、マニホールド幅に対して概ね横断する非平面であるが、平面であってもよい。挟角が、横断流開始の領域、例えばマニホールド幅の中線から、横断方向に線形又は非線形に漸増又は漸減し得る。図示のように、マニホールド幅の中線は幅Wの中心線に相当する。ダイ400に関して、挟角は線形に変化する。
図12〜図14を参照すると、下流流路部分406が、流路404の幅Wに沿ってマニホールド面440と下流チャネル面462との交差によって形成される上流境界曲線433(図13に最もよく見られる)を有し、また、対向する上流境界曲線434(図12に最もよく見られる)を有する。境界曲線433は端点441’及び441’’を有する。境界433と、流路404の幅Wに沿ってマニホールド面442と下流チャネル面463との交差によって形成される対向する境界434とが、マニホールド405及び流路部406に共通の境界を形成する。境界曲線434は端点443’、443’’を有する。
境界曲線435(図13に仮想線で示されている)が、流路404の幅Wに沿って、可変角度βの交点、例えば交点421’、421’’によって、幅Wの中心線から左右に規定される。例えば、マニホールド移行ゾーンがオーバーバイトを有する場合、境界433は境界435に対して境界434よりも近く、流路部406の上流境界は、境界433とすることができる。流路部406の横断流絞りゾーン407は、境界435と好都合に一致する上流境界を有し、また、境界435に対して概ね平行であるとともに流路404の位置427に接する下流境界437(図13に仮想線で示されている)を有する。
図示のように、直線状の境界曲線435は、曲線状の境界433、434に対して斜めであり、出口縁418に対して概ね平行である。マニホールド断面幾何学的形状を確立するように選択されるパラメーターに応じて、曲線状の境界433、434は直線状であってもよく、直線状の境界曲線435は流路幅Wの中心線から横断方向の曲線状であってもよい。上流マニホールド境界曲線422は、流路幅Wに実質的にわたって1:1の又は約1:1のLFC比を有利にもたらすのに適切な場合、境界曲線435、境界曲線433及び出口オリフィス428に対して平行又は実質的に平行とすることができる。
表1、表1aが、例として、幾何学的パラメーターのマトリックスを提示しており、この幾何学的パラメーターのマトリックスを用いて、マニホールド幅の中線とマニホールド幅の一端との間、例えば、丸み半径R間の関係に関連した後壁境界曲線と、例えば、境界曲線422、433、434及び435との間に、概ね涙滴形状のマニホールド幅方向の断面形状を規定するとともに、境界、例えば対向する境界の、互いとの、また、出口縁418との斜めの関係又は平行な関係を規定することができる。マニホールド断面幾何学的形状の変化は、領域415、例えば、マニホールド幅の中線と、マニホールド内の横断流を実質的に終止させる位置、例えば、マニホールド内の横断流を終端させる位置との間で、マニホールド405の幅に沿って横断方向に選択又は導出することができ、また、マニホールド幅に沿って線形又は非線形とすることができる。
図12〜図14を続けて参照すると、横断流供給マニホールド405は、中線と位置417との間に、減少する接線高さHTと、減少する高さHと、減少する丸み半径Rと、一定の長さL及び実質的に一定の接線長さLTに合わせた可変角度βとを有することが有益である。減少するマニホールド断面積に合わせて、可変角度βは、マニホールドを通る質量流量交代速度の増加、例えば、マニホールド内の横断流を終端させる位置における流路の流線形化の向上をもたらすことが有益である。この実施形態では、挟角は、一定の長さL又は実質的に一定の長さLを実現することに合わせて、また、変化するマニホールド断面積に合わせて、変化することが有利である。可変挟角に影響を及ぼし得る幾何学的パラメーターとして、一定の長さL、変化する接線長さLT、変化する高さH、変化する接線高さHT、変化する丸み半径R及びそれらの組合せを挙げることができる。
可変挟角と一定の長さL又は実質的に一定の長さLとに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、可変挟角の変化に関連した変化する接線長さLTと、変化する接線高さHTとが挙げられ、可変挟角は、変化する接線高さHT及び変化する高さHに関連して変化することができ、また、変化する高さH及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せに関連して変化することができる。
上記に概ね従って、構造上有益な、1:1のLFC比又は約1:1のLFC比により、クラムシェル現象による差分歪みの低減がもたらされることが有利である。幾何学的目的のために選択又は決定されるように、また、LFC比に悪影響を及ぼすことも、マニホールドを通る質量流量交代速度に有害な影響を及ぼすこともなく、接線長さLT’、LT’’は互いに相当することができ、長さL’、L’’は互いと異なることができる。
減少するマニホールド断面積と一定の長さL又は実質的に一定の長さLとに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、可変挟角の変化に関連した変化する接線長さLTと、変化する接線高さHTとが挙げられ、可変挟角は、変化する接線高さHT及び変化する高さHに関連して変化することができ、また、変化する高さH及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せに関連して変化することができる。
変化するマニホールド断面に対する、可変挟角の変化は、マニホールド移行ゾーンの変化に関連することが有益である。可変挟角の変化は、領域415と位置416との間及び領域415と位置417との間での、横断方向への線形又は非線形の変化とすることができる。挟角は、マニホールド端に向かって減少することができ、マニホールド移行ゾーンの対向する移行面のうちの少なくとも一方は長さが主流方向に長くなるものとすることができる。マニホールドは、移行ゾーンの変化にも関連して、横断流始点領域415から横断方向に変化することができ、長さLは、一定のまま又は実質的に一定のままとすることができる。本発明の可変挟角に関連付けられる、変化するマニホールド断面の利益として、移行停滞の低減、マニホールド滞留時間の短縮、及びクラムシェル現象による差分歪みの低減が挙げられる。
さらに、マニホールドは、一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTを有する減少する断面積を有することができ、可変移行ゾーンは、実質的に一定の接線長さLT又は一定の接線長さLTに関連した、比較的大きい挟角β及び比較的小さい挟角βを有することができるか、又は、マニホールドは、一定の長さL又は実質的に一定の長さLを有する減少する断面積を有することができ、可変移行ゾーンは、一定の長さL又は実質的に一定の長さLに従うことが有利である、比較的大きい挟角β及び比較的小さい挟角βを有することができる。可変移行ゾーンのより大きい角度β1及びより小さい角度β2は、長さL’及び相当する長さL’’に従い、接線長さLT’、LT’’に関連することが有益である。したがって、構造上有益な1:1のLFC比により、クラムシェル現象による差分歪みの低減がもたらされることが有利である。幾何学的目的のために選択又は決定されるように、また、LFC比に悪影響を及ぼすことも、マニホールド405を通る質量流量交代速度に有害な影響を及ぼすこともなく、接線長さLT’、LT’’は互いに相当することができ、長さL’、L’’は互いと異なることができる。
これらの利益は、位置413、414、416、417を含む選択された位置の特定の場所とは無関係である。1:1のLFC比又は約1:1のLFC比をもたらすために、本実施形態に従った押出ダイは、1)横断流開始の領域、例えばマニホールド中線と、マニホールド内の横断流を実質的に終止させる位置との間に、減少するマニホールド断面積と、2)一定の長さL又は実質的に一定の長さLに対応する可変挟角βを有する移行ゾーンを有する減少する断面マニホールドと、3)概ね直線状の下流チャネル部分とを有することが有利である。したがって、それらの位置は、例として本発明の理解に役立つように選択されている。角度βは減少し、長さL’及びL’’は互いに対して一定のまま又は実質的に一定のままとすることができることが有益である。
さらに、選択された接線高さHT’、HT’’に関して、マニホールド中線から横断する減少するマニホールド断面に従って比較的大きい角度β1及び比較的小さい角度β2を有する、本発明の移行ゾーンにより、角度β1に対応する一定の移行ゾーン角度αに比べ、マニホールド圧力降下に有益な低減がもたらされる。したがって、比較的低い剪断熱を生じさせることができ、時間依存性/温度依存性による劣化を更に低減させることができる。さらに、本発明のこの実施形態により、クラムシェル現象による差分歪みの低減をもたらすことができ、その一方、マニホールドの端領域内及びその領域付近で比較的大きい質量流量交代速度をもたらすことが有益である。
上記の実施形態(図3〜図14)に関して、便宜上、本発明を説明するのに概ね涙滴形状のマニホールドを用いてきた。しかしながら、当業者が理解することができるように、本発明は、表2、表2a(図15〜図17の押出ダイ500の説明に従う)に挙げた幾何学的パラメーターに原則的に従った概ね拡張した断面形状、又は、発明的な可変挟角を有する移行ゾーンを有する他の適したマニホールド断面形状を有するマニホールドにも当てはまる。可変挟角の変化は、マニホールド形状の変化に関連することが有益である。
押出ダイ流路を通る多層共押出物を加工する際、拡張長さを有するマニホールドにより、移行停滞作用の低減に起因して、流路幅にわたる個々の層の均一性の向上がもたらされる。しかしながら、例えばポリアミド等の何らかの時間感応性/温度感応性ポリマーを用いる場合、マニホールド幅全体に及ぶ拡張したマニホールド断面は、ポリマーの劣化を生じる可能性がある。この問題及び同様の問題を解消するには、本発明に従って可変挟角を有する押出ダイが、クロスオーバーマニホールド形状を特徴とすることが有益である。
図15〜図17、及び本発明の第5の実施形態に関して、流路504を有する押出ダイ500の簡略説明を、同様の部品又は特徴部を指す対応する符号及びアルファベット文字の使用によって示されているダイ400の説明を特に参照しながら行う。したがって、簡潔のため、ダイ400の説明から理解することができる、ダイ500の細部は、原則的に繰り返さない。本発明の前述した実施形態と同様、ダイ500の流路504には、図示のように、内部デッケルを収めるのに好都合なマニホールド部がない。しかしながら、ダイ500は、本発明の第6の実施形態の説明から理解することができるように、内部デッケルを好都合に収めるのに適切に変更することができる。
横断流開始の領域515(図15及び図16に概ね示されている)内にそれぞれの流線に沿って選択された位置513、514と、領域515から流れる異なる流線の横断流を実質的に終止させる位置516と、位置514に関連した流線の横断流を実質的に終止させる位置517とが、図15及び図16に概ね示されている。位置513は、領域515を通って流れる流線に沿って選択される。図示のように、位置516は、位置517が位置513に対するよりも、又は位置416が位置413に対するよりも、位置513の近くに選択される。
この実施形態の第1の態様では、ダイ500は、クロスオーバー横断流供給マニホールド505を有し、このマニホールド505は、拡張面を有する断面形状を概ね特徴とすることができ、この拡張面は、マニホールド幅の中線から、流線の横断流を実質的に終止させる位置、例えば位置517、すなわち、マニホールド内の横断流を終端させる選択された位置における概ね涙滴形状へと横断方向に移行する。図16に示されているように、マニホールド幅は、流路504の幅Wに実質的に相当することができる。流路504は、多段式横断流絞りゾーン507を有するプレランドチャネルを有することが好都合である下流流路部分506を含むことが有益である。
この実施形態の第1の態様に従った押出ダイは、拡張面544、545と、概ね拡張した断面形状を、例えば、マニホールド内の流線の横断流を実質的に終止させる位置における、上記断面形状から横断方向に概ね涙滴形状の断面へと、変形させるようになっている移行面540、542とを有する(以下で定義されるような)拡張長さLEを有する概ね細長いマニホールド断面を有することが有益である。より一般的には、本発明に従ったクロスオーバーマニホールドは、例えば、表2、表2aの幾何学的パラメーターによって選択及び決定される断面形状のような、第1の位置における第1の断面形状と、例えば、表1、表1aの幾何学的パラメーターによって選択及び決定される断面形状のような、第2の位置における第2の断面形状とを有するマニホールド断面を有することができる。2つのはっきりと異なるマニホールド断面形状は、例として、表1、表1a及び表2、表2aのような2つの別個に定義された幾何学的パラメーターセットから選択されることが有益である。可変挟角の変化は、マニホールド形状の変形に関連することが有益である。
交点521’が、角度β1の、直線状の移行面540と移行面542との突出した交差によって形成され、交点521’’が、比較的小さい角度β2の、マニホールド面540とマニホールド面542との突出した交差によって形成される。図17に示されているように、端点541’’、543’’がそれぞれ端点541’、543’に一致する。しかしながら、端点541’’、543’’は、例えば、端点541’、543’の上流又は下流に位置付けられてもよい。図17に更に示されているように、角度β2の交点521’’は、角度β1の交点521’から離間し、交点521’の下流に位置付けられており、さらに適切な場合又は所望に応じて、交点521’及び交点521’’は、例えば、交点521’が交点521’’に一致する場合、又は、角度β1の二等分線及び角度β2の二等分線が互いに斜めである場合等、図示とは異なる場所にあってもよい。
交点530、531は、拡張面544、545とマニホールド505の移行面540、542それぞれとの交差によって形成される。流れを流線形化する丸み半径が通常、拡張面544、545のそれぞれ及び移行面540、542それぞれと境を接するものとすることができる。そのような場合、交点530、531は、対向面544、545と移行面540、542それぞれとの突出した交差によって形成される。
マニホールド505は、任意選択的な丸み半径Rを有する。マニホールド505の任意選択的な丸み半径Rに関して、ダイ400の丸み半径Rに関連して対応する説明の参照を行うものとする。
図17を続けて参照しながら、基準線548、流路504の高さH、長さL、接線長さLT及び流路長さLFCに関して、ダイ400の基準線448、高さH、長さL、接線長さLT及び流路長さLFCに関連した対応する説明の参照を行うものとする。接線高さHT’は、拡張面544と拡張面545との間の最短距離によって規定される距離であり、通常、高さH’に対して平行に測定することができる。図示のように、拡張面544、545は、主流方向に沿った直線状であるが、面544、545は曲線状であってもよい。拡張長さLE’は、基準線548から交点530及び交点531までの距離であり、拡張面544を有し、長さL’に対して平行に測定することができる。接線高さHT’’は、丸み半径Rの接線間の最大距離によって規定される距離であり、高さH’’に対して平行に測定することができる。
図17を続けて参照すると、接線長さLT’は、位置517において接線長さLT’’に相当することが有利であり、位置516において接線長さLTに相当することが適切である。上流マニホールド境界曲線522が、出口オリフィス528に対して概ね平行であることが有利であり得る。この構成により、1:1のLFC比又は約1:1のLFC比(LFC’/LFC’’)がもたらされることが有益である。マニホールド505は、可変挟角βの変化に関連して、拡張長さLEを有する断面形状から概ね涙滴形状の断面形状へと変形することが有利である。
領域515内から始まるマニホールド断面形状を規定するのに有用な幾何学的パラメーターは、表2、表2aから選択及び決定することができ、位置517におけるマニホールド断面形状を規定するのに有用な幾何学的パラメーターは、表1、表1a、表2、表2aから選択及び決定することができる。通常、移行角βは、領域515内からマニホールド505の端520に向かって減少する。マニホールド幅の中線と位置517との間、例えば、位置516とマニホールド端520との間のマニホールド断面の形状を規定するのに有用な幾何学的パラメーターは、表1、表1a、表2、表2aから選択することができる。
図16の金型510を特に参照すると、理解を容易にするため、同一の参照符号は、図15及び図17の対応する特徴部に関連付けられる、金型510の特徴部を示す。さらに、流路504が幅Wの中心線に関して対称であることにより、同様の対称な特徴部が、同一の参照符号によって示されている。図示のように、マニホールド面540、542は、マニホールド幅に対して概ね横断する非平面であるが、平面であってもよい。500を参照すると、挟角が、領域15、例えば、マニホールド幅の中線から、横断方向に非線形に変化する。
図15〜図17を参照すると、境界曲線533(図16に最もよく見られる)及び対向する境界曲線534(図15に最もよく見られる)が、マニホールド505及び流路部506に共通の境界を形成する。境界曲線533は端点541’、541’’を有し、境界曲線534は端点543’及び543’’を有する。流路部506の横断流絞りゾーン507は、図示のように境界曲線533から離間した上流境界であって、交点521に好都合に一致するとともに出口縁518に対して概ね平行な上流境界を有する。ゾーン507の下流境界537(図16に仮想線で示されている)が、出口縁518に対して概ね平行であり、流路504の位置527に接している。
図示のように、境界曲線533、534は、出口縁518に対して概ね平行である。マニホールド断面幾何学的形状を確立するように選択されるパラメーターに応じて、直線状の境界533、534は曲線状であってもよく、曲線状の境界曲線535(可変角度βの交点、例えば交点521、521’によって画定される)は、中心線から流路の端にかけて直線状であってもよい。上流マニホールド境界曲線522は、単一のダイアセンブリ500のクラムシェル現象による差分歪みを低減するのに構造上有益であるように、流路の実質的な幅Wにわたって1:1のLFC比又は約1:1のLFC比を有利にもたらすのに適切な場合、境界曲線533及び出口オリフィス528に対して平行又は実質的に平行とすることができる。
表1、表1a及び表2、表2aは、例として、幾何学的パラメーターのマトリックスをまとめて提示しており、この幾何学的パラメーターのマトリックスを用いて、マニホールド幅の中線とマニホールド幅の一端との間、例えば、丸み半径R間の関係に関連した後壁境界曲線と、例えば、境界曲線522、533、534及び535との間に、クロスオーバー型マニホールドの幅方向の断面形状を規定するとともに、境界、例えば対向する境界の、互いとの、また、出口縁518との斜めの関係又は平行な関係を規定することができる。マニホールド断面幾何学的形状の変化は、領域515、例えば、マニホールド幅の中線と、マニホールド内の横断流を実質的に終止させる位置、例えば、マニホールド内の横断流を終端させる位置との間で、マニホールド505の幅に沿って横断方向に選択又は導出することができ、また、マニホールド幅に沿って線形又は非線形とすることができる。
図15〜図17を続けて参照すると、横断流供給マニホールド505は、マニホールド中線と位置517との間で、可変角度βの変化に関連して、拡張長さLEを有する断面形状から概ね涙滴形状の断面形状へと移行することが有益である。マニホールド505は、マニホールド中線と、それぞれの流線の横断流を実質的に終止させる位置516及び位置517との間に、減少する断面積を有することが有利である。しかしながら、拡張長さLEを有する断面形状から概ね涙滴形状の断面形状への移行は、領域515と位置516との間とすることができる。
減少する断面積に従い、可変角度βにより、流線路の軌道に沿って、例えば、領域515から位置516及び位置517にかけて、マニホールド内の横断流を終端させる位置における流路流線形化の向上を含む、質量流量交代速度の増加がもたらされることが有益である。この実施形態では、挟角は、一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTを実現することに合わせて、また、変化するマニホールド断面積に合わせて変化することが有利である。可変挟角に影響を及ぼし得る幾何学的パラメーターとして、一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLT、変化する高さH、一定の接線高さHT又は変化する接線高さHT、変化する長さL、変化する拡張長さLE及び一定の丸み半径R又は変化する丸み半径R、並びにそれらの組合せを挙げることができる。
可変挟角と一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTとに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、可変挟角の変化に関連した変化する長さLと、変化する接線高さHTとが挙げられ、可変挟角は、変化する接線高さHT及び変化する拡張長さLEに関連して変化することができ、また、変化する拡張長さLE及び変化する高さHに関連して変化することができ、また、変化する高さH及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せに関連して変化することができる。
上記に概ね従って、構造上有益な1:1のLFC比又は約1:1のLFC比をもたらすことができることが有利である。幾何学的目的のために選択又は決定されるように、また、LFC比に悪影響を及ぼすことも、マニホールド505を通って流れる質量の換算量に有害な影響を及ぼすこともなく、接線長さLT’、LT’’は互いに対応することができ、長さL’、L’’は互いと異なっても同じであってもよい。
減少するマニホールド断面積及び一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、可変挟角の変化に関連した変化する長さLと、変化する接線高さHTとが挙げられ、可変挟角は、変化する接線高さHT及び変化する拡張長さLEに関連して変化することができ、また、変化する拡張長さLE及び変化する高さHに関連して変化することができ、また、変化する高さH及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せに関連して変化することができる。そのようにして、構造上有益な1:1のLFC比又は約1:1のLFC比がもたらされる。幾何学的目的のために選択又は決定されるように、また、LFC比に悪影響を及ぼすことも、質量流量交代速度に有害な影響を及ぼすこともなく、接線長さLT’、LT’’は互いに対応することができ、長さL’、L’’は互いと異なっても同じであってもよい。
変化するマニホールド断面に対する、可変挟角の変化は、マニホールド移行ゾーンの変化に関連することが有益である。可変挟角の変化は、領域515と位置516及び位置517との間での横断方向への線形変化又は非線形変化とすることができる。挟角は、マニホールド端に向かって減少することができ、マニホールド移行ゾーンの対向する移行面のうちの少なくとも一方は、長さが主流方向に増加することができる。
また、この実施形態の第2の態様における移行ゾーンの変化に関連して、マニホールドは、拡張長さLEを含む概ね拡張した断面形状を有する領域515から、比較的短い拡張長さLEを含む概ね拡張した断面形状へと横断方向に変化することができ、接線長さLTは、可変角度βの変化に関連して一定のまま又は実質的に一定のままとすることができることが有益である。本発明の実施形態では、拡張したマニホールド面は、例えば、マニホールド断面が、拡張したマニホールド面と境界を接する任意選択的な丸み半径Rを有するかどうかに応じて、拡張長さLEの全体又はその一部に対応することができる。
変化するマニホールド断面に対する、挟角βの変化は、マニホールド形状の変形に関連することが有益である。挟角は、マニホールド端に向かって減少することができ、対向する移行面のうち、概ね涙滴形状の断面の面は、対向する移行面のうち、主流方向に概ね拡張した断面形状の面よりも長いものとすることができる。代替的には、挟角は、マニホールド端に向かって増大してもよい。
また、マニホールド形状の変形に関連して、挟角は、マニホールド端に向かって減少することができ、移行面のうちの一方は、長さが主流方向に変化することができ、長さの変化は線形又は非線形とすることができる。さらに、挟角の変化は、マニホールド断面積の減少に従い、一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTに関連することが有益である。さらに、可変移行ゾーンは、一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTに関連した、比較的大きい角度β及び比較的小さい角度βを有することができる。
クロスオーバーマニホールドの角度βは、角度β1及び角度β2を含み、角度β1及び角度β2はそれぞれ、幅Wにわたって一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTに関連することが有益であり、それによって、出口縁518に対する、マニホールド境界曲線522の概ね平行な関係がもたらされる。このようにして、構造上有益な1:1のLFC比又は約1:1のLFC比をもたらすことができる。
この実施形態の発明的な可変挟角の利益として、(多層共押出に有益な)拡張長さLEに関連付けられる移行停滞の低減、減少するマニホールド断面積に関連付けられるマニホールド滞留時間の短縮、マニホールドを通って流れる、位置517を含む流線軌道に沿う質量換算量の増加、及び減少するマニホールド断面に関連付けられるより小さい移行挟角に関連付けられる流線流の向上、及びクラムシェル現象による差分歪みの低減が挙げられる。これらの利益は、選択された位置513、514、516、517の特定の場所とは無関係であり、したがって、これらの位置は、例として本発明の理解に役立つように選択されている。
この実施形態に概ね従った押出ダイは、拡張長さLEを有する第1の断面形状から、可変挟角が適応するマニホールド幅にわたって横断する一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTを有する第2の断面形状へとマニホールドを変化させるようになっている移行ゾーンを有する。
クロスオーバーマニホールドを主に説明してきたが、同様の利益をこの実施形態の第2の態様によって得ることができ、第2の態様では、概ね拡張したマニホールド断面形状は、一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTを提供するのに、マニホールドが、本発明に従った可変挟角を有する移行ゾーンを有することが有益であるのであれば、マニホールド中線から、第2の位置516、又は第2の位置517、又はマニホールド内の横断流を終端させる位置、又はそれらの位置間の任意の位置へと拡張し、これらの位置のいずれかは、領域515内の拡張長さLEに比べて比較的短い拡張長さLEを有する。概ね拡張したマニホールドには、後壁の任意選択的な半径Rがなく、その場合、拡張面544、545のうちの一方又は双方が、マニホールド後壁512と境を接することができ、マニホールドは例えば、概ね矩形の形状を有することができる。
本発明に従った概ね拡張した断面形状を有するマニホールドに関して、マニホールド断面形状を規定する有用な幾何学的パラメーターとして、H、HT、L、LE、LT、任意選択的にR、及び、マニホールド中線から横断方向に変わることが有益である挟角が挙げられる。半径Rは、概ね拡張した断面形状のマニホールド、例えば概ね矩形状のマニホールドの任意選択的なパラメーター(「O」によって表2、表2aに示されている)である。表1、表1a、表2、表2aに概ね示されているように、パラメーターの組合せを選択(「S」によって示されている)して他のパラメーターを導出(「D」によって示されている)することで、マニホールドの横断幅にわたるマニホールド断面幾何学的形状を規定することができる。したがって、本発明から逸脱することなくマニホールド断面形状を規定することができる多数の方法がある。
移行ゾーンの挟角は、マニホールド幅にわたって選択又は導出することができる。例として、表1、表1a及び表2、表2aは、選択(S)パラメーター、導出(D)パラメーター又は任意選択(O)パラメーターの例を提示しており、これらのパラメーターから、本発明に従ったマニホールドに関して、可変角度βの漸増又は漸減及び他の幾何学的パラメーターの変化を選択するか又は導出することができる。表2、表2aでは、「β」は、本発明に従った可変移行ゾーンに対応する可変挟角に関し、「α」は、変化しない一定の挟角を有する移行ゾーンに関する。
上記の実施形態は、一般例として、発明的な可変挟角に関連した種々の流路構成、例えば、一定の接線高さHT、及び、可変挟角の変化に関連したマニホールド断面変化と、一定の高さH、及び、可変角度の変化に関連したマニホールド断面変化と、一定の長さL、及び、マニホールド断面の変化に関する可変角度変化と、一定の接線長さLT、及び、可変角度の変化に関連したマニホールド断面変化と、一定の丸み半径R、及び、可変角度に関連したマニホールド断面変化と、それらの組合せとを示す。当業者によって理解され得るように、種々の流路構成に関連付けられる本発明の可変角度により、プロセスの向上及び構造上の目的に応じる際に固有の許容範囲の設計がもたらされる。この利益は、下流流路部分とは無関係である。
図18〜図20、及び本発明の第6の実施形態に関して、押出ダイ600の簡略説明を、同様の部品又は特徴部を指す対応する符号及びアルファベット文字の使用によって示されているダイ400の説明を特に参照しながら行う。図示のように、ダイ600は、ダイ400の変更形態であり、主要な相違点は、多段式マニホールド605を含む流路604が、内部デッケル、例えば、Cloeren他の米国特許第5,505,609号及びCloerenの同第5,451,357号によって包括的に示されているような、また、図2、図18等に概略的に示されているようなデッケルに構造上適していることである。
この主要な相違点に関して、横断流供給多段式マニホールド605は、可変挟角βを含む移行ゾーンセクションβを有する第1のマニホールド部605βと、内部デッケル619を収めるのに適した一定の挟角αを含む移行ゾーンセクションαを有する第2のマニホールド部605αとを含むことが適切である。移行ゾーンセクションβは、ダイ400の移行ゾーンに概ね対応し、可変角度βの角度β1と可変角度βの比較的小さい角度β2とを含む。したがって、ダイ400の説明から理解することができる、ダイ600の細部は、原則的に繰り返さない。マニホールド605の移行ゾーンセクションβ及び移行ゾーンセクションαは、互いに対して境を接し、移行ゾーンセクションβと移行ゾーンセクションαとの交差により、第1のマニホールド部605βと第2のマニホールド部605αとの境界を定める、境を接する境界665が画定される。図19に示されているように、マニホールド605の幅は、流路604の幅Wに実質的に相当することができる。
流路604は、多段式横断流絞りゾーン607を含むことが好都合である概ね直線状の下流流路部分606を有することが好都合である。しかしながら、適切な場合又は所望に応じて、下流流路部分606は例えば、代替的には、移行ゾーンセクションβを有するマニホールド部に対応するコートハンガー横断流絞りゾーン部分を含んでもよい。
横断流開始の領域615(図18及び図19に概ね示されている)内にそれぞれの流線に沿って選択された位置613、614と、領域615から流れる異なる流線の横断流を実質的に終止させる位置616と、位置614に関連した流線の横断流を実質的に終止させる位置617とが、図18及び図19に概ね示されている。位置613は、領域615を通って流れる流線に沿って選択される。図示のように、位置616は、位置617が位置613に対するよりも位置613の近くに選択される。それらの位置は、概ねの例示として選択されている。
移行ゾーンセクションβを参照すると、対向するマニホールド面部分640β、642βが、互いに対して角度関係を有し、領域615内で開始するとともに境界665において終止して、可変角度βを含む可変移行ゾーン654βを形成する。端点641’’及び端点643’’が、境界665において、マニホールド面部分640β、642βとプレランド面662、663それぞれとの交差によって形成される。可変移行ゾーン654βは、端点641’、643’に対応する角度β1と、端点641’’、643’’に対応する角度β2とを有する。
移行ゾーンセクションαを含むマニホールド部は、マニホールド内にデッケル619を収めるようになっていることが適切である。デッケルは、流路604内に配置することができ、摺動可能に配置することができるとともに、移行ゾーンセクションαを含むマニホールド部に対応する流路部分の幅に沿って密な嵌合関係を有することができることが有益である。デッケル619がマニホールド605内に摺動可能に配置されると、デッケルの端623が、マニホールド内の横断流を終端させる可動位置を画定する。位置617は、デッケル端623に近接しているか又はデッケル端623にある。
移行ゾーンセクションαを参照すると、対向するマニホールド面部分640α、642αが、互いに対して角度関係を有し、境界665において、可変移行ゾーン654βと境を接する移行ゾーン654αを形成する。端点641α及び端点643αが、移行ゾーンセクションαの幅に沿ってマニホールド面部分640α、642αと下流流路部分606のプレランド面662、663それぞれとの交差によって形成される。記載したように、移行ゾーン654αは、その幅に沿って一定の挟角αを有する。境界665におけるマニホールド面部分640β、642βは、第1のマニホールド部から第2のマニホールド部への流線形の移行を有利にもたらすよう、マニホールド面部分640α、642αそれぞれに対応することが有益である。
図20を参照すると、基準線648(仮想線で示されている)が、角度β1、角度β2及び一定の角度αの二等分線650(同様に仮想線で示されている)に対して概ね垂直である。しかしながら、適切な場合又は所望に応じて、角度β1の二等分線及び角度β2の二等分線及び角度αの二等分線は、互いと異なっていてもよく、可変角度βの二等分線は、一定の角度αの二等分線と異なっていてもよい。
交点621αが、角度αの直線状のマニホールド面640αと直線状のマニホールド面642αとの突出した交差によって形成される。図20に示されているように、交点621αは、可変角度βの交点621’’に一致する。
示されているように、移行ゾーンセクションβを含むマニホールド部605βは、図14のダイ400のマニホールド405に概ね対応する。したがって、(ダイ400の位置417の代わりに)境界665を含む、マニホールド605のこの部分の丸み半径Rに関して、ダイ400の丸み半径Rに関連した対応する説明の参照を行うものとする。
図20を続けて参照すると、移行ゾーンセクションαを含むマニホールド部605αは、丸み半径R1α、R2αを有する。丸み半径R1α、R2αは、寸法が等しいが、丸み半径R1’’、R2’’とそれぞれ異なっていてもよい。丸み半径R1α、R2αは、寸法が互いに等しく、互いから離間していても、寸法が互いと異なっていてもよい。丸み半径R1α、R2αは、互いと境を接していてもよい。流路604の特定の幾何学的目的に対処するのに適切な丸み半径を選択又は決定することができる。
述べたように、移行ゾーンセクションβを含むマニホールド部605βは、図14のダイ400のマニホールド405に概ね対応する。したがって、(ダイ400の位置417の代わりに)境界665を含む、流路604のこの部分の高さH、接線高さHT、長さL、接線長さLT及び流路長さLFCに関して、ダイ400の高さH、接線高さHT、長さL、接線長さLT及び流路長さLFCに関連した対応する説明の参照を行うものとする。
図20を続けて参照するとともに、境界665からマニホールドの端までの移行ゾーンセクションαを含むマニホールド部605αを参照すると、マニホールド高さHαは、マニホールド面640a、642αと基準線648との突出した交差間の距離であり、通常、二等分線650に対して垂直に測定することができる。接線高さHTαは、丸み半径Rの接線間の最大距離であり、通常、高さHαに対して平行に測定することができる。長さLαは、基準線648から交点621αまでの距離であり、二等分線650に対して平行に測定することができる。接線長さLTαは、基準線648から端点641’’及び643’’までの距離であり、長さLαに対して平行に測定することができる。流路長さLFCαは、基準線648から出口オリフィス628までの距離であり、出口縁618に対して垂直に測定することができる。これに応じて、移行ゾーンセクションαを含むマニホールド部は、デッケル部材619を収めるのに好都合に適した一定の断面のマニホールド部を含む。LFCα、LFC’’は、互いに対応することが好都合であることが有利である。
高さH’及び接線高さHT’は、位置616、境界位置665及び位置617それぞれにおける高さH’’、Hα及び接線高さHTよりも高い。領域615及び位置616及び境界665及び位置617に近接した後壁612が、基準線648に接することが有益である。接線長さLT’は、位置616、境界665及び位置617において接線長さLTに対応することが有益である。長さL’は、位置616、境界665及び位置617において、長さLよりも長いが、長さLに実質的に相当してもよい。しかしながら、接線長さLT’は、接線長さLT’’及び接線長さLTαに実質的に相当してもよく、長さL’は、長さL’’及び長さLαに相当してもよく、又は、長さL’及び接線高さLT’は、長さL’’及び接線長さLT’’にそれぞれ相当してもよい。いずれにしても、境界665及び位置617における接線長さLTは、互いに対応することが有益である。この構成により、単一のダイアセンブリ600のクラムシェル現象による差分歪みを低減するよう、1:1のLFC比又は約1:1のLFC比がもたらされることが有利である。
図19の金型610を特に参照すると、理解を容易にするため、同一の参照符号は、図18及び図20の対応する特徴部に関連付けられる、金型610の特徴部を示す。さらに、流路604が幅Wの中心線に関して対称であることにより、同様の対称な特徴部が、同一の参照符号によって示されている。境界曲線665は、移行ゾーンセクションβを含む減少する断面マニホールド部と、移行ゾーンセクションαを含む一定のマニホールド断面のマニホールド部との境界を定める。図示のように、移行面部分640β、642βは、マニホールド幅に対して概ね横断する非平面であるが、平面であってもよく、移行面部分640α、642αは平面である。可変挟角βは、領域615、例えば、マニホールド幅の中線と、境界665との間で線形又は非線形に漸増又は漸減することができる。
図18〜図20を参照すると、下流流路部分606が、流路604の幅Wに沿って横断方向にマニホールド面640と下流チャネル面662との交差によって形成される上流境界曲線633(図19に最もよく見られる)を有し、また、対向する上流境界曲線634(図18に最もよく見られる)を有する。境界曲線633は端点641’、641’’、641αを有する。境界633と、流路604の幅Wに沿ってマニホールド面642と下流チャネル面663との交差によって形成される対向する境界634とが、マニホールド605及び流路部分606に共通の境界を形成する。境界曲線634は端点643’、643’’、643αを有する。
境界曲線635(図19に仮想線で示されている)が、流路604の幅Wに沿って、交点621’、621’’、621αを含む、可変角度βと一定の角度αとの交点によって、流路幅Wの中心線から左右に規定される。流路部分606の横断流絞りゾーン607は、境界曲線633から好都合に離間するとともに出口縁618に対して概ね平行である上流境界を有し、また、出口縁618に対して概ね平行であるとともに流路604の位置627に接する下流境界637(図19に仮想線で示されている)を有する。
図示のように、曲線状の境界曲線635は、直線状の境界633、634に対して斜めである。境界曲線633、634は、出口縁618に対して概ね平行である。移行ゾーンセクションβに対応するマニホールド断面幾何学的形状を確立するように選択されるパラメーターに応じて、直線状の境界633、634は曲線状であってもよく、曲線状の境界曲線635は流路幅Wの中心線と境界曲線665との間で横断方向に直線状であってもよい。
移行ゾーンセクションαを含むマニホールド部に関して、境界曲線633、634は直線状であることが有益であり、上流流路境界曲線622が、横断方向に摺動可能なデッケル部材619を収めるのに有益に適するように、境界曲線633、634に対して平行であることが有益である。マニホールド移行ゾーンセクションβに対応して、上流流路境界曲線622は、境界曲線633及び出口オリフィス628に対して平行又は実質的に平行とすることができる。
前述の実施形態と一貫して、表1、表1a及び表2、表2aは、例として、幾何学的パラメーターのマトリックスを提示しており、マニホールドの一部が、本発明に従った可変挟角を有するのであれば、幾何学的パラメーターのマトリックスを用いて、マニホールドの断面形状、例えば、概ね涙滴形状の断面、概ね拡張した断面及びクロスオーバー断面を規定することができる。本発明では、変化する断面形状は、マニホールド幅の中線と境界665のような境界との間に横断方向に規定されることができ、境界665は、可変挟角のマニホールド部と一定の挟角のマニホールド部との境界を定め、一定の挟角のマニホールド部は、可変挟角のマニホールド部とは無関係に、境界665のような境界からマニホールド幅の端又は別の適切なマニホールド境界まで画定されることができる。
幾何学的パラメーターを用いて、境界曲線622、633、634及び635を含むとともに、丸み半径R間の関係に関連した後壁境界曲線612を含む境界を規定するとともに、境界、例えば対向する境界の、互いとの、また出口縁618との斜めの関係又は平行な関係を規定することができる。マニホールド断面幾何学的形状の変化は、マニホールド中線と境界665及びマニホールド幅の端との間に、マニホールド605の幅に沿って横断方向に選択又は導出することができ、また、適切な場合、マニホールド幅に沿って線形又は非線形とすることができる。
図18〜図20を続けて参照すると、横断流供給マニホールド605は、マニホールド中線と位置616及び境界665との間に、減少する接線高さHT、減少する高さH及び減少する丸み半径Rと、一定の接線長さLT及び実質的に一定の長さLに合わせた可変角度βとを有することが有益である。減少するマニホールド断面積に従い、可変角度βにより、マニホールドを通る質量流量交代速度の増加がもたらされることが有利である。ダイ600では、可変挟角βは、一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTを実現することに合わせて、また、領域615と境界665との間の、移行ゾーンセクションβを含むマニホールド部605βの変化するマニホールド断面積に合わせて、変化することが有利である。
可変挟角βに影響を及ぼし得る幾何学的パラメーターとして、一定の接線長さLT、変化する高さH、変化する又は一定の接線高さHT、変化する長さL、変化する又は一定の丸み半径R及びそれらの組合せを挙げることができる。一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTに関連付けられる幾何学的パラメーター変動に関して、第5の実施形態の説明の参照を行うことができ、第5の実施形態のように、この実施形態は、代替的には、可変角度βを有するマニホールド部605βに対してクロスオーバータイプのマニホールドを含む。挟角αは、横断方向に摺動する内部デッケル部材619を収めるのに有益に適する一定の角度である。上流流路境界622は、境界曲線633、634及び出口オリフィス628に対して概ね平行であることが有益である。
内部デッケル619は、流路604、例えばマニホールド605内に配置される。デッケルの摺接嵌合関係により、デッケルと流路との間でのポリマーの有害な蓄積が最小限に抑えられることが有益である。デッケル部材619の端623は、位置614に関連した流線の横断流を実質的に終止させる位置617に近接しているか又は位置617にある。デッケル619が領域615の方向に横断するにつれ、それに応じて流線位置617が領域615のより近くに移動し、デッケルが領域615から離れる方向に横断するにつれ、それに応じて流線位置617が領域615からより遠くに移動する。同様に、デッケル619が領域615に対して接離方向に横断するにつれ、流線位置616もまた領域615に対して移動する。有用なデッケルアセンブリは、単部品構成であっても多部品構成であってもよい。
可変挟角β及び一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTを有するマニホールド部605βに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、可変挟角及び変化する接線高さHTの変化に関連した変化する長さLを挙げることができ、可変挟角は、変化する接線高さHT及び変化する高さHに関連して変化することができ、また、変化する高さH及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せに関連して変化することができる。
上記に概ね従って、構造上有益な、1:1のLFC比又は約1:1のLFC比により、クラムシェル現象による差分歪みの低減がもたらされることが有利である。幾何学的目的のために選択又は決定されるように、また、LFC比に悪影響を及ぼすことも、マニホールドを通る質量流量交代速度に有害な影響を及ぼすこともなく、長さL’、L’’は互いに対応することができ、接線長さLT’、LT’’は互いと異なることができる。
マニホールド部605βに関連して、減少するマニホールド断面積及び一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTに関連付けられる幾何学的パラメーター変動として、可変挟角及び変化する接線高さHTの変化に関連した変化する長さLが挙げられ、可変挟角は、変化する接線高さHT及び変化する高さHに関連して変化することができ、また、変化する高さH及び変化する丸み半径Rに関連して変化することができ、また、変化する丸み半径R及びそれらの組合せに関連して変化することができる。
変化するマニホールド断面に対する、マニホールド部605βの可変挟角の変化は、マニホールド移行ゾーンの変化に関連することが有益である。可変挟角の変化は、領域615、例えばマニホールド中線と、位置616及び領域665との間での、横断方向への線形又は非線形の変化とすることができる。可変挟角は、境界665に向かって減少することができ、マニホールド移行ゾーンの対向する移行面のうちの少なくとも一方は長さが主流方向に長くなるものとすることができる。マニホールドは、移行ゾーンの変化にも関連して、領域615、例えばマニホールド中線と、位置616及び領域665との間で、横断方向に変化することができ、接線長さLTは、マニホールド幅にわたって一定のまま又は実質的に一定のままとすることができる。本発明の可変挟角に関連付けられる、変化するマニホールド断面部分の利益として、移行停滞の低減、マニホールド滞留時間の短縮、及びクラムシェル現象による差分歪みの低減が挙げられる。
可変角度βを有するマニホールド部は、一定の長さL又は実質的に一定の長さLを有する減少する断面積を有することができ、可変移行ゾーンは、実質的に一定の長さL又は一定の長さLに関連した、角度β1及び角度β2を有し、又は、マニホールドは、一定接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTを有する減少する断面積を有することができ、可変移行ゾーンは、一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTに従うことが有利である、角度β1及び角度β2を有する。可変移行ゾーンの角度β1及び角度β2は、接線長さLT’及び対応する接線長さLT’’、LTαと、関連する長さL’、L’’及びLαとに従うことが有益である。この構成では、構造上有益な1:1のLFC比により、クラムシェル現象による差分歪みの低減がもたらされることが有利である。したがって、幾何学的目的のために選択又は決定されるように、また、LFC比に悪影響を及ぼすことも、マニホールド605、例えば、可変角度β及び一定の角度αを有するマニホールド部を通って流れる質量の換算量に有害な影響を及ぼすこともなく、長さL’、L’’は、互いに相当することができ、接線長さLT’、LT’’は、互いと異なることができる。
幾何学的パラメーターLT’’及びLTα、L’’及びLα、H’’及びHα、HT’’及びHTα、角度β2及び角度α及び丸み半径R’’及びRαは、流線形の境界665をもたらすように互いに対応することが有益である。さらに、横断流絞りゾーン607により、マニホールド605の中線から、マニホールド605、例えばマニホールド部605α内の横断流を実質的に終止させる位置、例えば位置617までの、横断流分布の規定と、ガルウイングタイプのマニホールドの場合には得ることができない利点とがもたらされることが有利である。
この実施形態に関連付けられる利益は、選択された位置の特定の場所、又は、可変挟角のマニホールド部と一定の挟角のマニホールド部との境界を定める境界665のような境界の特定の場所とは無関係である。したがって、これらの特徴部は、例として本発明の理解に役立つように選択されている。
可変挟角は、マニホールド幅の中線と境界665のような境界との間で変化し、移行角度αは、一定であり、接線長さLT’’、LT’’及びLTαは、境界からマニホールドの端まで一定のまま又は実質的に一定のままとすることができることが有益である。この実施形態に関連付けられる利益は、マニホールドの一部が本発明に従った可変挟角を有する限り、選択されたマニホールド断面形状、例えば、概ね涙滴形状の断面、概ね拡張したマニホールド断面又はクロスオーバー断面とは無関係である。
1:1のLFC比又は約1:1のLFC比をもたらすために、本実施形態に従った押出ダイは、1)領域615、例えばマニホールド中線から境界665まで減少するマニホールド断面積と、2)一定の接線長さLT又は実質的に一定の接線長さLTに対応する可変挟角βを有する移行ゾーンを有する、減少する断面積のマニホールド部と、3)密に嵌合する内部デッケルを収めるのに適した、一定の移行挟角α及び一定の接線高さHTを有する一定の断面積のマニホールド部と、4)流路幅WにわたるLFC比に対応する、減少するマニホールド断面部分及び一定のマニホールド断面部分と、を有することが有益である。
さらに、この実施形態の説明に一貫した、減少する横断面積部分及び一定の横断面積部分を有するマニホールドを有するとともに、1:1のLFC比又は約1:1のLFC比をもたらす押出ダイにより、従来技術に比べ、マニホールドを通る質量流量交代速度の増加、及びクラムシェル現象による差分歪みの低減がもたらされる。
当業者に明らかとなるように、可変挟角に関連した変化する断面積部分と一定の断面積部分との組合せを含む、この実施形態に記載されている特徴部は、図3〜図17に対応する実施形態に当てはめることができる。そのようにして、様々な変更及び組合せを説明してきた。本発明は、本発明の主旨又は本質的な属性から逸脱することなく、他の変更及び/又は組合せとともに実施することができる。したがって、本発明の範囲を示すものとして添付の特許請求の範囲が参照されるものとする。