JP2015509967A - 急性骨髄性白血病または慢性骨髄性白血病を治療するための新規組合せ物 - Google Patents

急性骨髄性白血病または慢性骨髄性白血病を治療するための新規組合せ物 Download PDF

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Abstract

本発明は、N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素およびシタラビンの組合せ物ならびにAMLまたはCMLを治療するためのそれらの使用に関する。

Description

本発明は、白血病、特に骨髄性白血病の治療に関する。
白血病は、骨髄および血液の癌性疾患である。白血病は4種類:慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病および急性リンパ性白血病に区別することができる。
急速に進行する急性の骨髄性白血病は、AMLまたは急性骨髄性白血病と呼ばれる。ゆっくりとした、侵襲性の低い進行を有する慢性の骨髄性白血病は、CMLまたは慢性骨髄性白血病と呼ばれる。これらは、正常に分化することができず、骨髄および血液中に蓄積する骨髄細胞のクローン増殖を特徴とする骨髄のクローン性疾患である。
アメリカがん協会の調査によれば、2006年に米国において診断されるAMLの新たな症例は11,930件、CMLの新たな症例は4,500件になると推定される。2002年から2006年の期間にわたる5年生存率はAMLでは20.4%、CMLでは42.3%である(非特許文献1)。
1976年のフランス−アメリカ−イギリス(FAB)分類によれば、白血病が発症する細胞の種類に応じて、AMLにはM0からM7と称される8つのサブタイプがある(非特許文献2)
CMLに罹患した患者の約95%は、白血病細胞の染色体9と22の間に遺伝子転座を有する。フィラデルフィア染色体(Ph1)として知られるこの異常は、全種類の白血球および血小板の増殖(proliferation)および無制御な増加(multiplication)の原因となる。
現在、いくつかの薬物を白血病の治療に利用することができる。しかし、白血病に罹患した患者を治療するための戦略の改善または既に知られている治療の代わりとなる治療の開発のための新規活性治療化合物が依然として必要である(非特許文献3)。
製品N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素は、特許文献1に記載されている。その式は、以下の通りである:
Figure 2015509967
化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素の調製方法も記載されている。
この化合物は、インビトロにおける試験で細胞に対して顕著な抗腫瘍活性を表すことができるが、インビボにおいて得られる効果には、組織内での化合物の分布、血清中での物質の量、薬物動態および代謝のような新たなパラメータが関与するので、インビトロ試験に基づいて予測することはできない。さらに、インビトロにおける抗腫瘍活性が、常にインビボにおける活性を予測するものではないことが示されている(非特許文献4、5)。
特許文献2は、ヒト白血病を有する動物における、化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素のインビボでの抗腫瘍活性を開示している。
シタラビンは、主に急性白血病および非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療に使用される代謝拮抗薬である。
しかし、AMLまたはCMLを治療するための化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素とシタラビンとの組合せ物の活性は、特許文献2には開示されていない。
国際公開第2007/003765号 国際公開第2008/102075号
Cancer Facts and Figures 2006、American Cancer Society、www.leukemia−lymphoma.org/ Bennettら、1976、"Proposals for the classification of the acute leukaemias.French−American−British (FAB) co−operative group."Br J Haematol 33(4):451〜8 Ploら、Mol Pharmacol、2002、62:304〜312 Cancer Res.1988 Oct 1;48(19):5447〜54 Cancer Chemother Pharmacol. 1996 38:548〜552
本発明は、化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素(A)とシタラビン(B)の組合せ物に関する。
本明細書で使用した化合物(A)とは、化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素もしくは水和物、それらの薬学的に許容される塩または溶媒和物を意味する。
本明細書で使用した化合物(B)は、シタラビンを意味する。
一目的によれば、本発明は、急性骨髄性白血病(AML)を治療するための前記組合せ物の使用に関する。
一目的によれば、本発明は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療するための前記組合せ物の使用に関する。
一目的によれば、本発明の組合せ物は、相乗的である。
相乗作用は、本明細書では、各成分の効果を加えたよりも大きな効果と定義される。
前記相乗作用は特に、本発明の組合せ物によって、AMLもしくはCMLの進行の阻害、またはAMLもしくはCMLの緩和、さらに特に腫瘍体積および/または腫瘍重量増加の阻害または腫瘍体積および/または腫瘍重量の低下を実現させる。
一実施形態によれば、式(A)および(B)の化合物は、相乗効果を生じる量である。
本発明の目的は、ほ乳動物、特にヒトの治療のために、上記および下記で引用した使用に関する。
本発明の組合せ物は、両方の活性成分を同時に、別々に、または順次投与することができるような組合せ物である。
一実施形態によれば、両方の活性成分は、同じ投与経路によって、または異なる投与経路によって投与することができる。
一実施形態によれば、両方の活性剤は、同じ剤形または別々の剤形で投与することができる。
シタラビンは一般的に、静脈内経路(iv)または腹腔内経路(ip)によって投与する。
N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素は、経口経路、静脈内経路、腹腔内経路によって、または静脈内経路、次いで腹腔内経路もしくは静脈内経路、次いで経口経路のような2つまたはそれ以上の経路によって投与することができる。ヒトにおいて、従来の投与経路は、静脈内経路および/または経口経路である。本発明によれば、(A)の特定の投与経路は、静脈内経路、次いで経口経路である。
一実施形態では、本発明の組合せ物は、急性骨髄性白血病の治療に使用するためであり、化合物(A)は静脈内経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する。
一実施形態では、本発明の組合せ物は、急性骨髄性白血病の治療に使用するためであり、化合物(A)は経口経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する。
一実施形態では、本発明の組合せ物は、急性骨髄性白血病の治療に使用するためであり、化合物(A)を静脈内経路、次いで経口経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する。
一実施形態では、本発明の組合せ物は、慢性骨髄性白血病の治療に使用するためであり、化合物(A)は静脈内経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する。
一実施形態では、本発明の組合せ物は、慢性骨髄性白血病の治療に使用するためであり、化合物(A)は経口経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する。
一実施形態では、本発明の組合せ物は、慢性骨髄性白血病の治療に使用するためであり、化合物(A)は静脈内経路、次いで経口経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する。
一実施形態では、本発明の組合せ物は、慢性骨髄性白血病の治療に使用するためであり、化合物(A)は腹腔内経路、次いで経口経路によって投与し、シタラビン(B)は腹腔内経路によって投与する。
一目的によれば、本発明は、標準的化学療法に耐性のある患者におけるAMLまたはCMLの治療に使用するための組合せ物を提供する。
別の目的によれば、本発明は、細胞遺伝学的にリスクの高い患者におけるAMLまたはCMLの治療に使用するための組合せ物を提供する。
「細胞遺伝学的にリスクの高い患者」という表現は、奏効率が著しく低く、再発のリスクが高く、および/または生存率が悪いAMLまたはCMLの患者を意味する。
本発明では、AMLまたはCMLの治療を可能にする投与計画に応じて、組合せ物を投与する。投与計画は、投与経路に応じて、および患者の身体的特徴に応じて変化させる。この目的に適した投与計画には、AMLまたはCMLの治療に治療上の効能を表す投与計画が含まれる。本発明の組合せ物は、求める治療効果を得るために必要な頻度で投与することができる。
AMLまたはCMLに対する本発明の組合せ物の効能は、本発明を例示する以下の実施例のように実験的に決定することができる。
本発明はまた:
− 少なくとも1種の式(A)の化合物と、
− シタラビン(B)と、
− AMLまたはCMLの治療に使用するための指示書と
を含むキットに関する。
本発明はまた、本発明の組合せ物を、それらを必要とする患者に投与することを含むAMLまたはCMLの治療方法を提供する。
本発明の組合せ物は、1つ(またはそれ以上)の抗癌有効成分(複数可)、特に、抗腫瘍化合物、例えば:
− スルホン酸アルキル(ブスルファン)、ダカルバジン、プロカルバジン、クロレタジン、ナイトロジェンマスタード(クロルメチン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド)のようなアルキル化剤、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシンおよびアルトレタミンのようなニトロソウレア;
− ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンおよびビンデシンのような抗悪性腫瘍アルカロイド;
− パクリタキセルおよびタキソテールのようなタキサン;
− アクチノマイシンおよびブレオマイシンのような抗悪性腫瘍性抗生物質;
− ミトキサントロンのような挿入剤;
− 抗悪性腫瘍性代謝拮抗薬:葉酸拮抗薬、メトトレキセート;プリン合成の阻害剤;メルカプトプリンおよび6−チオグアニンのようなプリン類似体;ピリミジン合成の阻害剤、アロマターゼ阻害剤、カペシタビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビンおよびシトシンアラビノシドのようなピリミジン類似体;ブレキナルおよびネララビン;
− イリノテカン、エキサテカン、トポテカン、テニポシド、カンプトテシンまたはエトポシドのようなトポイソメラーゼ阻害剤;
− タモキシフェンを含む抗癌ホルモン作動薬および拮抗薬;
− イマチニブ、ニロチニブおよびダサチニブ、ミダウストリン(midaustorin)、ソラフェニブ、レスタウルチニブおよびタンヅチニブのようなキナーゼ阻害剤;
− 成長因子阻害剤;
− ペントサンポリサルフェート、コルチコステロイド、プレドニゾンおよびデキサメタゾンのような抗炎症薬;
− セプレン(ヒスタミンジヒドロクロリド);
− ダウノルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、イダルビシン、ゾルビシン、アクラルビシン、アナマイシン、ドキソルビシン、マイトマイシンおよびメスラマイシンのようなアントラサイクリン;
− 抗癌性金属錯体、白金錯体、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンおよびサトラプラチン;
− アルファインターフェロン;
− トリフェニルチオホスホラミド;
− 抗血管新生薬;
− サリドマイド;
− ティピファニブのようなファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;
− MG98のようなDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤;
− ゲムツズマブオゾガマイシンおよびHuM195のような免疫療法アジュバント;
− CT388−IL3のような生物療法薬;
− GTI−2040のようなアンチセンス薬;
− ワクチン
と組合せて投与することができる。
本発明の組合せ物はまた、前述の病態の1つに有用な1つまたはそれ以上のその他の有効成分、例えば、制吐剤、鎮痛剤、抗炎症薬または悪質液抑制剤(anti−cachexia agent)と組合せて投与することができる。
本発明の化合物と放射線治療を組合せることも可能である。
これらの治療は、同時に、別々に、または順次投与することができる。治療は、治療する患者に応じて、医師が適合させることになる。
化合物の「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容され、薬理学的活性を保持している塩を意味する。薬学的に許容される塩は、非毒性であると理解される。適切な薬学的に許容される塩の他の情報は、いずれも参照によって本明細書に組み入れたRemington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、PA、1985、S.M.Bergeら、”Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.、1977;66:1〜19に見いだすことができる。
薬学的に許容される酸添加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸のような無機酸で形成された塩、ならびに酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンホスルホン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−l−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、3級ブチル酢酸、ラウリルスルホン酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、p−トルエンスルホン酸、およびサリチル酸のような有機酸で形成された塩が含まれる。
同時投与は通常、両化合物が正確に同時に患者に入ることを意味する。しかし、同時投与はまた、化合物が異なる時間に患者に入るが、その時間の差が十分に小さくて、2番目に投与される化合物が入る前に、最初に投与された化合物が患者に効果を表す時間がないという可能性を含む。このような時間の遅れは通常、1分未満、より一般的には30秒未満に相当する。化合物が溶液である一例では、同時投与は、化合物の組合せ物を含有する溶液を投与することによって実現することができる。別の例では、一方が化合物(A)を含有し、他方がシタラビン(B)を含有する別々の溶液の同時投与を使用することができる。化合物が固形である一例では、同時投与は、化合物の組合せ物を含有する組成物を投与することによって実現することができる。
その他の実施形態では、化合物は、同時には投与しない。この点に関して、最初に投与された化合物は、2番目に投与する化合物を投与する前に患者に効果を表す時間がある。一般的に、時間の差は、最初に投与された化合物が患者においてその効果が完全になる時間を超えないか、または最初に投与された化合物が、患者において完全にもしくは実質的に、排除もしくは不活性化される時間を超えない。一組の実施形態では、化合物(A)はシタラビン(B)の前に投与する。もう一組の実施形態では、シタラビン(B)は化合物(A)の前に投与する。同時ではない投与の時間差は通常、1分よりも大きく、例えば、正確に、少なくとも、5分、10分、15分、30分、45分、60分、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、24時間、36時間もしくは48時間以下もしくは未満、または48時間を上回ってもよい。
一組の実施形態では、化合物の一方または両方を治療有効(すなわち治療効果のある)量または投薬量で投与する。「治療有効量」とは、患者に単独で投与したとき、AMLまたはCMLの治療を少なくとも部分的に、効果的に実現する(例えば、腫瘍増殖を阻害、腫瘍増殖を停止、または腫瘍退縮の原因となる)活性成分の量である。所与の場合、特定の対象にとって「治療有効量」であるとわかる量は、このような投薬量が当業者によって「治療有効量」と見なされたとしても、検討する疾患または症状を同じように治療する対象100%に有効でなくてもよい。治療有効量に対応する化合物の量は、AML/CMLの種類および病期、治療する患者の年齢およびその他の事実に大きく左右される。一般的に、これらの化合物の治療有効量は、前記で引用した裏付けとなる参考文献にあるように、当業者にはよく知られている。
別の組の実施形態では、活性成分の1つまたは両方を治療上有効量以下の量または投薬量で投与する。治療有効量以下とは、単独で患者に投与したとき、時間をかけても企図した標的の生物学的活性を完全に阻害しない量である。
治療量または治療量以下で投与しても、本発明の組合せ物はAMLまたはCMLの治療に有効であるはずである。化合物(A)の治療量以下の量は、シタラビン(B)と組合せたとき、その組合せ物がAMLまたはCMLの治療に有効であるならば、有効な量であり得る。
いくつかの実施形態では、化合物の組合せ物は、AMLまたはCMLの治療において、特に、患者の腫瘍体積および/または重量の低下において相乗効果(すなわち、相加効果よりも大きい)を示す。異なる実施形態では、使用した有効量に応じて、この組合せ物は、腫瘍増殖および/または重量を阻害するか、腫瘍停滞を実現するか、または実質的もしくは完全な腫瘍退縮さえも実現することができる。
いくつかの実施形態では、例で示したように、化合物(A)はマウスに1日当たり約5mg/kgから150mg/kg、特に1日当たり10から50mg/kg、特に20mg/kgの投薬量で投与することができる。一方で、シタラビンは、1日当たり約1mg/kgから250mg/kg、特に約31.5mg/kgの投薬量でマウスに投与することができる。したがって、ヒトにおける対応する用量を得ることができる。特に、ヒトにおけるシタラビン(B)の一般的な投薬量は、24時間にわたる持続的IV注入として、または急速な注射による5から10日間の分割投与で、2から6mg/kg/日である。化合物(A)は、ヒトに1日当たり0.01mg/gと1000mg/kgとの間、一般的に50〜200mg/mの間を含む用量で投与することができる。より高いまたはより低い投薬量が適切な特殊な場合があり得る;このような投薬量は、本発明の範囲から逸脱しない。通常の実務では、各患者に適した投薬量は、投与様式ならびに前記患者の体重および/または応答に応じて医師が決定する。
各活性成分の投薬計画は、1日に1、2、3もしくは4回の投与または時間をかけた持続注入であってもよい。
本明細書で使用したように、「約」という用語は一般的に、値の10%、5%または1%以下の変動の可能性を示す。例えば、「約25mg/kg」は一般的に、最も広い意味で、22.5〜27.5mg/kg、すなわち、25±2.5mg/kgの値を示す。
活性成分の量は、AMLまたはCMLの効果的な治療を引き起こさなければならないが、その量は組合せた場合、患者に過剰な毒性がないことが好ましい(すなわち、その量は、医学的指針によって確立された毒性限界の範囲内であることが好ましい)。いくつかの実施形態では、過剰な毒性を防御するため、および/またはAMLまたはCMLのより有効な治療を提供するために、全投薬量に限界が規定される。通常、本明細書で検討される量は、例えば、1日当たりであるが;半日当たりおよび2日または3日のサイクルも本明細書では検討される。
AMLまたはCMLを治療するために異なる投薬計画を使用してもよい。いくつかの実施形態では、前述した投薬例のいずれかのような1日投薬量を、1日に1回、2回、3回または4回、少なくとも3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日または10日間投与する。白血病の病期および重症度に応じて、より短期の治療期間(例えば、5日間まで)を高用量と共に使用してもよく、またはより長期の治療期間(例えば、10日間以上、または数週間、または1ヶ月、またはそれ以上)を低用量と共に使用してもよい。いくつかの実施形態では、1日に1回または2回の投薬を1日おきに行う。いくつかの実施形態では、各投薬量は、化合物(A)およびシタラビン(B)の両方を含有し、その他の実施形態では、各投薬量は化合物(A)またはシタラビン(B)のいずれかを含有する。さらにその他の実施形態では、投薬量のいくつかは、化合物(A)およびシタラビン(B)の両方を含有し、その他の投薬量は、化合物(A)またはシタラビン(B)のみを含有する。
本明細書で検討する患者は一般的にヒトである。しかし、患者は、AMLまたはCMLの治療が望まれるいかなるほ乳動物であってもよい。したがって、本明細書で記載した方法は、ヒトおよび獣医学的適用の両方に適用することができる。
本明細書で使用したように、「治療する」または「治療」という用語は、方法が、異常な細胞増殖を少なくとも軽減することを示す。例えば、方法は、患者における腫瘍増殖の速度を低下させるか、または腫瘍の増殖継続を防止するか、または腫瘍のサイズおよび/または重量を低下させることもできる。
別の態様では、患者におけるAMLまたはCMLを予防するための方法を提供する。この点に関して、予防とは、疾患に暴露した、または疾患に罹りやすい可能性があるが、まだ疾患の症状を経験または表出していない患者において、疾患の臨床症状を起こさせないことを意味する。この方法は、本明細書で記載した組合せ物を患者に投与することを含む。この方法は、本明細書で記載したように、組合せ物を必要とする患者に組合せ物を投与することを含む。
化合物(A)および(B)またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物形態は、純粋な形態または適切な医薬組成物で、許容される投与様式または当業界で公知の薬剤のいずれによっても投与することができる。化合物は、例えば、経口、経鼻、非経口(静脈内、筋肉内もしくは皮下)、局所的、経皮、膣内、膀胱内、大槽内または直腸内に投与することができる。剤形は、例えば、錠剤、丸剤、軟弾性もしくは硬ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、坐剤、エアロゾルなどの、例えば、固体、半固体、凍結乾燥粉末または液体剤形であってもよく、好ましくは、正確な投薬量を簡単に投与するために適した単位投与形態である。特定の投与経路は経口で、特に、便利な1日投与計画を治療する疾患の重症度の程度によって調節することができる経路である。
活性成分またはそれらの組合せ物は、固体(例えば、粉末もしくは錠剤)の形態または液体剤形であってもよい。組成物には、場合により、当業界で公知の1つまたはそれ以上の補助剤(例えば、アジュバント)および/または1つまたはそれ以上の薬学的に許容される担体(すなわち、媒体もしくは賦形剤)を含むことができる。前記の賦形剤は、所望する薬学形態および投与様式に応じて、当業者には公知の通常の賦形剤から選択する。補助剤およびアジュバント剤は、例えば、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味料、矯臭剤、香料、乳化剤および分散剤を含むことができる。微生物の作用の防御は一般的に、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などの様々な抗菌剤および抗真菌剤によってもたらすことができる。糖類、塩化ナトリウムのような等張化剤も含めることができる。注射可能な薬学的形態の長期的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらすことができる。補助剤はまた、例えば、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエンなどの湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤および抗酸化剤を含むことができる。
非経口注射に適した剤形は、生理学的に許容される滅菌水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、および滅菌注射可能溶液もしくは分散液に再構成するための滅菌粉末を含むことができる。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒または媒体の例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、それらの適切な混合物、植物油(オリーブ油など)およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングを使用することによって、分散液の場合には必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、維持することができる。
経口投与用の固体剤形には、軟または硬カプセル、錠剤、丸剤、粉末および顆粒が含まれる。このような固体剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムのような少なくとも1種の不活性な従来通りの賦形剤(または担体)、または(a)例えば、デンプン、乳糖、スクロース、ブドウ糖、マンニトールおよびケイ酸のような充填剤もしくは増量剤、(b)例えば、セルロース誘導体、デンプン、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシアゴムのような結合剤、(c)例えば、グリセリンのような保水剤、(d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯もしくはタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩および炭酸ナトリウムのような崩壊剤、(e)例えば、パラフィンのような溶液硬化遅延剤(solution retarder)、(f)例えば、第4級アンモニウム化合物のような吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸マグネシウムなどのような湿潤剤、(h)例えば、カオリンおよびベントナイトのような吸着剤、ならびに(j)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムのような潤滑剤、またはこれらの混合物と共に混合する。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含むことができる。
前述したような固体剤形は、腸溶コーティングおよび当業界でよく知られているその他のもののようなコーティングおよびシェルと共に調製することができる。固体剤形は、pacifying agentsを含有することができ、腸管のある種の部分で遅延様式によって活性化合物または化合物(複数可)を放出するような組成物であってもよい。使用することができる埋め込み型組成物の例は、高分子化合物およびワックスである。活性化合物はまた、適切ならば、前述の賦形剤の1つまたはそれ以上と共にマイクロカプセル化された形態であってもよい。
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。このような剤形は、例えば、本明細書で記載した活性成分またはその薬学的に許容される塩、および場合によっては、薬学的アジュバントを、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセリン、エタノールのような担体;例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドのような溶解剤および乳化剤;油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル;またはこれらの物質の混合物などに溶解、分散などすることによって、溶液または懸濁液を形成して調製する。
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガント、またはこれらの物質の混合物などの懸濁剤を含有していてもよい。
直腸投与用の組成物は、例えば、本明細書で記載した化合物を、例えば、適切な非刺激性賦形剤、または通常の温度では固体であるが、体温では液体で、したがって、適切な体腔内にある間は融解し、そこに活性構成成分を放出する、カカオ脂、ポリエチレングリコールもしくは坐剤ワックスのような担体と混合することによって調製することができる坐剤である。
局所投与用の剤形には、例えば、軟膏、粉末、スプレーおよび吸入剤が含まれる。活性構成成分は、滅菌条件下で、生理学的に許容される担体および任意の保存剤、緩衝剤、または必要とされ得るならば噴射剤と混合する。眼科用製剤、眼軟膏、粉末および溶液も使用することができる。
一般的に、企図する投与様式に応じて、薬学的に許容される組成物は、本明細書で記載した化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を約1重量%から約99重量%、および薬学的に許容される賦形剤を99重量%から1重量%含有する。一例では、組成物は、本明細書で記載した化合物またはそれらの薬学的に許容される塩が約5重量%と約75重量%との間であり、残部は適切な薬学的賦形剤である。
このような剤形を調製する実際の方法は、当業者には知られており、明らかであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、18版(Mack Publishing Company, Easton、Pa.、1990)を参照されたい。
PEG400 22%/Solutol 5%/G5 73%製剤は、化合物(A)の静脈内経路による投与用に使用することができる。
Labrasol 21%/Solutol 5%/HCl 0.001N 74%製剤は、化合物(A)の経口経路による投与用に使用することができる。
本発明によるキットは、本発明の組合せ物を含むパッケージ(複数可)を含む。「パッケージ」という用語は、本明細書で提示した化合物または組成物を含有する任意の器を意味する。いくつかの実施形態では、パッケージは箱または包装であってもよい。医薬製品のパッケージ化で使用するためのパッケージ材料は、当業者にはよく知られている。医薬パッケージ材料の例には、限定はしないが、瓶、管、吸入器、ポンプ、袋、バイアル、容器、シリンジおよび選択した製剤および企図する投与様式および治療に適した任意のパッケージ材料が含まれる。
このキットはまた、パッケージ内には含有されていないが、パッケージの外側に添付されている物品、例えば、ピペットを含有することができる。
キットは、本発明の化合物または組成物を患者に投与するための指示書を含有することができる。キットはまた、米国食品医薬品局などの規制当局によって承認された本明細書の化合物の使用のための指示書を含むことができる。キットはまた、本発明の化合物のための表示物または製品挿入物を含有することができる。パッケージ(複数可)および/または任意の製品挿入物(複数可)は、規制当局によってそれ自体承認されることがある。キットは、パッケージ内の固相または液相(提供された緩衝液など)に入れた化合物を含むことができる。キットはまた、方法を実行するための溶液を調製するための緩衝液および1個の容器から別の容器へ液体を移すためのピペットを含むことができる。
本明細書で使用した「腫瘍」という用語は、固形および/または液性腫瘍を意味するものと理解される。
詳細な説明および特定の実施例は、本発明の精神および範囲内の様々な変化および改変がこの詳細な説明から当業者に明らかになるので、例示のためのみに挙げられている。さらに、実施例は、本発明の原理を示すものであり、当業者にとって明らかに有用である全実施例に対する本発明の適用を具体的に例示することは期待できない。
AML KG1細胞を移植し、本発明の組合せ物で治療したマウスにおける腫瘍移植後の腫瘍重量中央値(mg)の漸進的な変化を示した図である。 CML T1細胞を移植し、本発明の組合せ物で治療したマウスにおける腫瘍移植後の腫瘍重量中央値(mg)の漸進的な変化を示した図である。
実施例は、本発明のある種の特定の実施形態を例示して説明するために以下に記載する。しかし、特許請求の範囲は、決して本明細書で記載した実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
AMLに対する活性
材料および方法
細胞系および初代AML細胞
血液系悪性腫瘍細胞系は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (Braunschweig)から入手し、10%牛胎児血清および抗生物質を含有する完全RPMI−1640培地で培養した。初代AML細胞は、Toulouse Hospital(Toulouse、France)に来院した患者から、診断時に、書面によるインフォームドコンセントを得てから採取した。サンプルは全て、核型異常、免疫学的表現型、後天的FLT3活性化変異(遺伝子内縦列重複およびキナーゼドメイン変異)、t(Mizuki M.ら、Blood 2000 96:3907〜3914;Fiebig H.H.ら、Eur.J.Cancer 2004、40:802〜820)およびinv(Bonnet D.ら、Nat Med 1997 3:730〜737)変異、ならびに後天的c−kit受容体変異について評価した。サンプルは、Hemopathies Inserm Midi−Pyrenees(HIMIP)コレクションに保存した。単核細胞は、フィコールハイパック密度勾配によって分離した。
試薬
インビトロにおける研究では、化合物(A)は、DMSOに10mMで溶解し、滅菌した96ウェルポリスチレン細胞培養プレートにおいて、完全RPMI−1640培地またはフェノールレッドを含まない完全RPMI−1640培地で希釈した。インビボにおける研究では、化合物(A)は、5% solutolを含む22% PEG400および73% ブドウ糖を5% 水中で混合することによって、静脈内(IV)または腹腔内(IP)投与のために調製した。経口投与のためには、化合物(A)は、5% solutolを含む21% labrasolおよび74% HCL 0.001Nから構成される一般的に安全と認められる(GRAS)製剤に調製した。溶液は、氷上で維持し、製剤調製後1時間以内に大量瞬時投与として投与した。注射の容量は、マウス当たり0.2mLであった。
骨髄性白血病細胞のクローン形成アッセイ
アッセイは、Recherおよび共同研究者(Recher C.ら、Blood 2005;105:2527〜2534)によって記載された通りで、少し改変を加えた。簡単に説明すると、細胞をPBSで2回洗浄し、10% 5637条件培地および化合物(A)の適切な希釈液を補給したH4230培地(Stem Cell Technologies)中に1×10細胞/mLで懸濁した。次に、細胞を35mmペトリ皿に入れ、5% CO、完全に湿潤な雰囲気中で37℃でインキュベートした。7日後、コロニー(細胞が20個を上回る)およびクラスター(細胞が5個を上回る)を倒立顕微鏡を使用して計数した。
ヒト腫瘍異種移植によるコロニー形成アッセイ
腫瘍の異種移植は、ヌードマウス(Oncotest)の皮下に生着した患者の腫瘍に由来する。コロニー形成アッセイ手順の詳細は、以前に記載されている(Fiebig H.H.ら、Eur.J.Cancer 2004、40:802〜820)。
正常な骨髄前駆細胞のクローン形成アッセイ
新鮮なCD34ヒト骨髄細胞を、10% FCSを含有するイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)で2回洗浄し、CFU−GM増殖用には10% 5637条件培地を補給したH4230培地、CFU−M増殖用にはH4435培地、BFU−E増殖用にはH4535培地に再懸濁した。H4230、H4435およびH4535培地は、Stem Cell Technologiesから購入した。次に、細胞を35mmペトリ皿に入れ、湿潤なCOインキュベーター(5% CO、37℃)中で14日間インキュベートした。その後、コロニー(>50細胞)を倒立顕微鏡下で計数した。
SCIDマウスにおける腫瘍移植研究
8週齢の雌SCIDマウスはCharles Riverから購入した。Sanofiの動物実験委員会によって、動物実験のプロトコルは承認された。このプロトコルおよび研究室の手順は全て、欧州指令を施行するフランスの法令を遵守している。動物は、順化させるために実験の少なくとも1週間前に受け取った。動物は自然の光周期で維持し、食餌および水は自由に与えた。
腫瘍細胞系は全て、DSMZ GmbHから入手した。最初に、細胞系は、10% FCSおよび抗生物質を含有するRPMI1640中で培養し、SCIDマウスの皮下に移植した(10細胞/マウス)。腫瘍が約1000mgに達したら、ドナーマウスから取り出し、断片(直径2〜3mm)に切断し、リン酸緩衝生理食塩水に入れ、12ゲージトロカールで両側に移植した。腫瘍断片は、実験に使用する前に、安定成長の挙動が生じるまで(安定した倍加時間)増殖させた。分布については、体重および「Newlab oncology」ソフトウェア(Newlab)の腫瘍重量基準を使用して実施した。
腫瘍体積の基準からの変化を使用して、治療群(ΔT)および対照群(ΔC)の中央値を計算した。ΔT/ΔC(%)は、任意の選択した日(対照マウスが腫瘍のサイズのために犠牲となる前日)の中央値の比である。ΔT/ΔC値は、活性等級に解釈することができる:ΔT/ΔC<0:活性が高い、ΔT/ΔC<10%:非常に活性がある、10%<ΔT/ΔC<40%:活性がある、ΔT/ΔC>40%:活性がない。ΔT/ΔC値がマイナスのときは、退縮のパーセントを評価する。部分的な退縮(PR)は、治療開始時の腫瘍体積の≧50%の減少と定義される。完全な退縮(CR)は、触診の限界を下回る(T=10mm)腫瘍体積の減少と定義される。試験終了時、検出可能ないかなる腫瘍もないマウスに対応する腫瘍のない生存(TFS)の数を決定した。薬物関連死および相対的正味体重減少の最大パーセント(maximum percent relative mean net body weight loss)も決定した。腫瘍の標的サイズに達するまでの時間の中央値は、ログランクまたはクラスカル−ウォリス多重比較検定を使用して比較した。体重減少最下点(群の平均)>20%または10%薬物関連死は、過剰な毒性投薬量を示しているものと考えられる。
結果
正常およびAML骨髄前駆細胞に対する化合物(A)の効果
化合物(A)の抗増殖活性は、5種類の正常な顆粒球および赤芽球骨髄前駆細胞で評価した。顆粒球前駆細胞(CFU−GM)は、白血病前駆細胞よりも化合物(A)に対する耐性が高く、IC50中央値:788.1nM(四分位数範囲:463.5nM、p=0.0008、マン・ホイットニー検定)であった。対照的に、赤芽球BFU−E前駆細胞は、化合物(A)治療に対してCFU−L細胞よりあまり感受性ではなく、IC50中央値:218.8nM(四分位数範囲:225.3nM、p=0.3142、対応のないデータについてはマン・ホイットニー検定)であった。
化合物(A)の抗増殖効果はまた、クローン形成試験を使用して29人のAML患者サンプルの骨髄前駆細胞(CFU−L)で評価した(以下の表1参照)。化合物(A)の能力は、大多数の試験サンプルにおいて、コロニー形成を強力に阻害し、IC50値は3.8から>1000nMまでの範囲であった。正常な造血前駆細胞に対する化合物(A)の活性範囲に従って、次に、白血病サンプルを耐性または感受性に分類した:耐性(N=4サンプル、IC50最小値:887.9nM、最大値:>1000nM)または試験サンプルの86.7%を占める感受性(N=26、IC50中央値171.7nM、最小値:3.8nM、最大値:531.6nM)(以下の表1参照)。リスクの高い細胞遺伝学的群(すなわち、患者4、11、14、19、21、23、25、27、28および29)では、3個のAML細胞サンプルのみが化合物(A)による治療に対して耐性を表した(患者27、28、29)。しかし、複合核型を有する患者サンプル11は、化合物(A)による治療に対して感受性が高かったことは注目に値した。
Figure 2015509967
使用した略語および注釈:D時の年齢:診断時の年齢、;FAB:白血病のフランスアメリカイギリス分類。;WBC:診断時の白血球数;FLT3:FLT3受容体変異、すなわち、0:野生型受容体、1:ITD:内部縦列型複製変異またはD835キナーゼドメイン変異または両方の変異(ITDおよびキナーゼドメイン)は試験したサンプル全てにおいてスクリーニングした; c−kit受容体(D688)の活性化変異の検出。
KG1 AML細胞を移植したマウスでの化合物(A)のインビボにおける効果
KG1a細胞を有するマウスを5日目から13日目まで毎日IVによる化合物(A)10または17mg/kgで、15、16、18〜20、22、24〜26、29および31日目にはIPによる化合物(A)で治療した。化合物(A)17mg/kgによる最下点(22日目)で、16.2%の体重減少が認められたが、治療を停止した後、元に戻った。10および17mg/kgでは、化合物(A)は活性が高い:32日目に評価したΔT/ΔCはいずれの投薬量でもマイナスであった(それぞれ、−4.99[範囲:−6.46、−3.66]および−4.70[範囲:−6.90、−3.91])。いずれの投薬量でも、10/10の動物が完全な退縮を経験し、これら2つの投薬量で、120日目にそれぞれ80%および60%の治癒が認められた。統計学的分析によって、腫瘍体積および腫瘍が1000mgに達する時間に基づいて、両投薬量での化合物(A)の活性が裏付けられた。
KG1細胞を有するマウスを、腫瘍接種後19から38日までIVによる化合物(A)10および25mg/kg/日で毎日治療した。25mg/kg/日では、ΔT/ΔCは−14.27(範囲:−29.81、−7.12)より低かった。治療期間終了時の29日目には、体重減少は18.2%に達することが認められた。体重減少は可逆的で、25mg/kgはMTDであることが示された。6匹の動物のうち6匹全部が、MTDで完全な退縮(CR)を経験し、治癒した。10mg/kg/日では、ΔT/ΔCは、17.45(範囲:−0.52、52.10)で、6匹の動物のうち1匹がCRを経験した。これは、化合物(A)が10mg/kgで活性があり、25mg/kgで活性が高いことを示している。統計学的分析によって、これら2つの投薬量での化合物(A)の抗腫瘍活性が裏付けられた。
化合物(A)の抗腫瘍活性はまた、KG1細胞を有するマウスにおいて経口経路によって与えたとき評価した。2回の1日投薬量40mg/kg/日を腫瘍接種後15日目から40日目まで続けて行い、ΔT/ΔCは−3.80(範囲:−5.21、−2.93)であった。最大の体重減少14.4%は28日目に検出され、迅速に元に戻った。どの動物も治癒しなかったが、10匹中7匹の動物がCRを経験した。経口的に50または31.5mg/kgを1日1回与えると、DT/DCは7.61(範囲:4.72、12.88)または19.72(範囲:15.81、29.35)で、効能が示された。しかし、19.8mg/kgでは、ΔT/ΔCは41.99(範囲:32.19、59.33)であることが認められ、この用量では効能がないことが示唆された。
一目的は、IVおよび経口経路によって投与することができるAML細胞の阻害剤を生成することであった。臨床的に意義のある誘導/地固め療法計画において単剤として投与したときの化合物(A)の抗腫瘍活性を、非常に進行したKG−1を有するマウス(治療開始時の腫瘍のサイズが1000mg)で評価した。化合物(A)は、最初に、腫瘍接種後22から30日目まで、25mg/kg IVで毎日投与した。次に、治療は、31から95日目まで、既に試験したように、50mg/kgまたは2×40mg/kgの毎日の経口投与に切り替えた。IV誘導フェーズの間、25mg/kgで投与された化合物(A)は活性が高く、強い腫瘍退縮を誘導した。31日目に、マウスを化合物(A)2×40mg/kgまたは1×50mg/kgのいずれかの経口投薬量で毎日治療した。媒体群では腫瘍の再増殖がすぐに認められたが、化合物(A)1×50mg/kgで治療したマウスでは、腫瘍はゆっくり再増殖し、経口投与量2×40mg/kgでは、腫瘍の完全な消失が示された。この実験は、IV誘導フェーズ後;化合物(A)は、単剤として外来における地固めフェーズを模倣するために、経口的にうまく与えることができたことを示唆している。
シタラビンおよび化合物(A)の組合せ物を、KG1細胞を有するマウスで評価した(図1)。
化合物(A)20mg/kgを16から20日目までIV経路によって投与し、シタラビン31.5mg/kgは16から22日目までIP経路によって投与した。
シタラビン単剤は、log cell kill−gross(LCK−g)が1.6で、CR、PRまたは治癒を示さなかった。化合物(A)は、LCK−gが2.4で、CR83%、治癒は示さなかった。2種類の製品の組合せ物は著しい相乗効果を惹起した:LCK−gは5.9で、CR100%および治癒66%(図1参照)。シタラビンおよび化合物(A)の組合せ物はまた、Kasumi−1およびCML−T1腫瘍細胞を移植したマウスにおいて、相乗的な抗腫瘍活性を示した。
〔実施例2〕
CMLに対する活性
シタラビンと共にIP注射した化合物(A)のマウスに移植したヒト慢性白血病CML−T1の発症に対する効果を以下のように評価した。
材料および方法
8週齢の雌SCIDマウスはCharles River(L’arbresle、Lyon、France)から購入した。動物は全て、治療開始前に7日間休ませ、動物実験プロトコルは、Sanofi Aventis Recherche & Developpementの動物実験委員会によって承認された。このプロトコルおよび研究室の手順は、欧州指令を施行するフランスの法令に準拠している。動物は、完全に順化させるために実験の少なくとも1週間前に受け取った。動物の健康状態は、腫瘍移植前および無作為化する前の日に、試験手順に入るために健康状態の良好な動物のみが選択されたことを確かめるために調べた。動物は、いかなる汚染も回避するために、持続的に空気が濾過されている滅菌室内のフィルターフードの付いたmacrolonIII型ケージに収容した。部屋の無菌性は、1ヶ月に1回検査し、ケージは使用前に121℃で30分間滅菌し、1週間に2回交換した。室温は22℃に維持し、相対湿度は60±10%であった。動物は、自然の光周期で維持した。動物には、UAR(91360Epinay/Orge、France)から購入した10kGyで照射したRO3および121℃で30分間滅菌した水を与えた。水の消費は毎日視覚的にモニターし、瓶は1週間に2回交換した。食餌および水は自由に与えた。動物の寝床はUARによって製造され、121℃で30分間滅菌し、1週間に2回新しくした。
化合物(A)は、5% DMSOと10% Tween−80および85%H2Oを混合することによって調製した。シタラビン(B)は、注射可能な調製物用に水に溶かして調製した(Aracytine(登録商標)、Ara−Cとも称する)。
溶液は、氷上で維持し、製剤後1時間以内に大量瞬時投与として投与した。マウス1匹当たりの注射体積は0.2mLであった。
動物は、腹腔内(IP)経路によって、8、9、11から17日および19日目に化合物(A)で、8、12および16日目にシタラビンで治療した。
腫瘍情報および移植
CML−T1は、1987年に急性転化したCMLの36歳女性の末梢血から確立されたヒトT細胞白血病である。細胞は、T細胞表面マーカーを発現し、Bcr−abl転座(p210 Bcr−ablタンパク質を産生する)を有することが記載されている(Kuriyamaら、Blood.1989;74(4):1381〜7)。腫瘍の免疫学は以下の通りである:CD2−、smCD3(+)、cyCD3+、CD4+、CD5+、CD6+、CD7+、CD8+、CD13−、CD19−、CD34−、TCRアルファ/ベータ−、TCRガンマ/デルタ。
化学療法の技術およびデータ分析は、詳細に示されている(Corbettら、Invest.New Drugs 1998;16:129〜39)。最初に、この細胞系は、10%牛胎児血清(FCS)および抗生物質を含有するRPMI1640で培養し、SCIDマウスの皮下に移植した(10細胞/マウス)。腫瘍が約1000mgに達したら、ドナーマウスから取り出し、断片(直径2〜3mm)に切断し、リン酸緩衝生理食塩水に入れ、12ゲージトロカールで両側に移植した。腫瘍断片は、実験に使用する前に、安定増殖の挙動によって安定した倍加時間(td)が生じるまで増殖させた。腫瘍断片を80%培地、10%牛胎児血清(FCS)、10% DMSOと共に、6〜10断片/バイアルで凍結させた。
動物群の確認および無作為化
マウスの体重は19〜20gの範囲内であった。体重が18gを下回る動物は試験から除外した。8日目に、腫瘍を有する動物をいくつかの群に分けた。2種類の適切な腫瘍体積を有する動物のみを選択し、治療群および対照群に無作為に分配した。療法開始時の平均腫瘍重量は、63〜77mgであった。分布については、体重および「Newlab oncology」ソフトウェア(Newlab、23bd Europe、54500 Vandoeuvre les Nancy、France)の腫瘍重量基準を使用して実施した。各群は、6〜7匹のマウスで構成した。試験開始時、各ケージは、腫瘍移植日、腫瘍型、試験験化合物および投与経路を示した記録カードで標識した。
抗腫瘍活性を評価するための基準
化学療法は、群分けの日に開始した(腫瘍移植の8日後)。マウスは毎日検査し、有害な臨床反応を記した。各パラメータを測定し、「Newlab oncology」ソフトウェアを使用して結果を記録した。
腫瘍重量
腫瘍は、腫瘍が2000mgに達するまで、または動物が死亡するまで(どちらが最初であっても)、週に2回ノギスで測定した。腫瘍重量は、2次元測定:重量(mg)=(a×b)/2から推定し、式中、「a」および「b」はそれぞれ腫瘍の長さおよび幅(mm)である。2種類の移植した腫瘍の総重量を示した。
完全に退縮(CR)したマウスとは、腫瘍退縮が触診の限界を下回っていることである(<63mg)。試験終了時、63mgを上回る腫瘍重量を有さないマウスに対応する腫瘍のない生存動物(TFS)の数を決定した。
腫瘍倍加時間の決定
腫瘍倍加時間(Td)は、対照群において推定され、指数増殖期(100から1000mgの範囲)において選択された日のlog腫瘍重量の線形モデルの推定勾配は「a」で、Td=log2/aである。
腫瘍細胞殺滅の定量
皮下(SC)で増殖する腫瘍では、全log cell kill−gross(LCK−g)は、以下の式から計算される(Corbettら、Invest.New Drugs 1998;16:129〜39.):
Figure 2015509967
式中、Tは、治療群腫瘍が所定のサイズ(例えば、1000mg)に達するために必要な時間の中央値(日数)であり、Cは、各計画の媒体群で腫瘍が同じサイズに達するための時間の中央値(日数)である。腫瘍のない生存動物は、これらの計算から除外した(治癒は別に表にした)。T−Cは、腫瘍増殖遅延であり、Tdは腫瘍倍加時間の日数である。T−C値のLCK−gへの変換は、処置後の腫瘍再増殖のTdが未治療対照マウスにおける腫瘍のTd値に近似しているので、可能である。LCK−g値は、Southern Research Institute(SRI)基準に従って、活性等級に翻訳することができる:
Figure 2015509967
抗腫瘍活性を評価するために使用した第2の評価項目は、T/Cの評価である。パーセントによるT/C値は、抗腫瘍効果の指標である。治療群および対照群は、対照群の腫瘍が約700から1200mgのサイズに達したときに測定した。42%以下のT/Cは、米国国立がん研究所のDrug Evaluation Branch of the Division of Cancer Treatmentによって有意な抗腫瘍活性と見なされた。
薬物毒性
体重減少最下点(群の平均)が20%を上回るか、または10%の薬物死は、過剰な毒性投薬量を示しているものと考えられる。抗腫瘍活性の評価は、最大無毒性量(HNTD)で実施した。
統計学的分析
化合物および関連効果を評価するために、要因日に対する反復測定による三元配置ANOVAをlog腫瘍重量に(媒体群の最大測定時間まで)適用し、次いで多重性のためにDunnett法による調節を行った。固定日の2製品(化合物(A)およびシタラビン)の間の相乗性を評価するために、さらに統計学的分析を実施し、関連効果を、規定した用量での化合物単独の効果の合計と比較した。統計分析は全て、Windows(登録商標)ソフトウェア用SAS V8.2で実施した。
5%未満の確率(p<0.05)は、有意と見なした。統計学的分析は、独立した統計報告書(TL06010−EN−E01)に含まれる。
結果
化合物(A)の活性は、CML−T1を有するマウスで決定した。対照群(未治療)および媒体治療群を試験に含めた。これらは、未治療または媒体で治療した腫瘍を有するマウスである。対照群は、媒体の効果を試験するために役立ち、媒体治療群は様々な治療の参照として役立つ。
シタラビン治療群:
シタラビンは、IP経路によって、8、12および16日目に5投薬量で投与した(50、100、150、200、250mg/kg)。
化合物(A)治療群:
化合物(A)は、IP経路によって、8、9、11から17および19日目に4投薬量で投与した(10、17、25または30mg/kg/投与)。
シタラビン+化合物(A)治療群:
化合物(A)およびシタラビンはそれぞれ、化合物(A)を8、9、11から17および19日目に、シタラビンを8、12および16日目にIP経路によって投与した。
シタラビン200mg/kg(全用量=600/100mg/kg):21日目に4.4%の体重減少が認められたが、薬物死は検出されなかった。動物7匹のうち1匹のLCK−g=1.9は、試験終了時の141日目に治癒と見なされた。様々な化合物のそれぞれの用量と比較して、シタラビンは200mg/kgで0.9LCK−gのみを生じ、化合物(A)は10mg/kgで0.1LCK−gを生じた。これは、この組合せ物には活性があり、単離された化合物のそれぞれの用量よりも高いLCK−gを生じることを示した。統計学的分析によって、実験の20日目のみに相乗効果が検出された。
結果を図2に例示する。
結論
相乗性は、媒体シタラビン+媒体化合物(A)群と比較して、これらの用量の各製品単独の効果の合計および2つの製品のこの組合せ物の効果を比較することによって、2つの製品の用量の組合せ物について固定日のlog腫瘍重量を評価した。化合物(A)10mg/kgとシタラビン200mg/kgの間には、20日目に有意な相乗性があった。相乗性は、26日目のシタラビンの全ての用量全てと化合物(A)17mg/kgの間で有意となる。

Claims (20)

  1. 急性骨髄性白血病の治療で使用するための化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素(A)またはその水和物、塩もしくは溶媒和物とシタラビン(B)とを含む組合せ物。
  2. 慢性骨髄性白血病の治療で使用するための化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素(A)またはその水和物、塩もしくは溶媒和物とシタラビン(B)とを含む組合せ物。
  3. 化合物(A)は静脈内経路によって投与する、請求項1または2に記載の使用のための組合せ物。
  4. 化合物(A)は経口経路によって投与する、請求項1または2に記載の使用のための組合せ物。
  5. 化合物(A)は静脈内経路、次いで経口経路によって投与する、請求項1または2に記載の使用のための組合せ物。
  6. 化合物(A)は腹腔内経路によって投与する、請求項1または2に記載の使用のための組合せ物。
  7. シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用のための組合せ物。
  8. シタラビン(B)は腹腔内経路によって投与する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用のための組合せ物。
  9. 化合物(A)は静脈内経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する、請求項1に記載の使用のための組合せ物。
  10. 化合物(A)は経口経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する、請求項1に記載の使用のための組合せ物。
  11. 化合物(A)は静脈内経路、次いで経口経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する、請求項1に記載の使用のための組合せ物。
  12. 化合物(A)は静脈内経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する、請求項2に記載の使用のための組合せ物。
  13. 化合物(A)は経口経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する、請求項2に記載の使用のための組合せ物。
  14. 化合物(A)は静脈内経路、次いで経口経路によって投与し、シタラビン(B)は静脈内経路によって投与する、請求項2に記載の使用のための組合せ物。
  15. 化合物(A)は腹腔内経路、次いで経口経路によって投与し、シタラビン(B)は腹腔内経路によって投与する、請求項2に記載の使用のための組合せ物。
  16. 化合物(A)および(B)は同時に、別々に、または順次投与する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の使用のための組合せ物。
  17. 標準的化学療法に耐性のあるAMLまたはCML患者を治療するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用のための組合せ物。
  18. 細胞遺伝学的にリスクの高い患者におけるAMLまたはCMLを治療するための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用のための組合せ物。
  19. 化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素(A)またはその水和物、塩もしくは溶媒和物と、
    シタラビン(B)と、
    急性骨髄性白血病の治療において使用するための指示書と
    を含むキット。
  20. 化合物N−[2−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イルアミノ)−6−(2,6−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)−尿素(A)またはその水和物、塩もしくは溶媒和物と、
    シタラビン(B)と、
    慢性骨髄性白血病の治療において使用するための指示書と
    を含むキット。
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