JP2015507473A - 非セルロース系バイオマスからのブタノールの製造方法 - Google Patents

非セルロース系バイオマスからのブタノールの製造方法 Download PDF

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Abstract

非セルロース系バイオマスの消化により誘導される物質の発酵からブタノールを回収し、好ましくは、その生産の速度及び/又は収率を増大させる方法。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示内容の全体を本明細書に参照により援用する米国仮特許出願第61/570639号(2011年12月14日出願)に基づく優先権を主張するものである。
非セルロース系バイオマスは、持続可能なエネルギーの開発の取り組みにおける燃料製造のますます重要な供給源となりつつある。ブタノールは、構成単位物質として、また将来性のある「ドロップイン」輸送燃料として高い価値を有する分子である。ブタノールは、その高いエネルギー密度及び低い水取り込み率のため、エタノールと比較して、輸送燃料として以下の追加的利点を有している。現在、2種類のブタノール(1−ブタノール及びイソブタノール)が原油から生産されているが、ブタノールは、トウモロコシ由来の糖類及び場合によりセルロース由来の糖類を使用した発酵によって生産することも可能である。しかしながら、大規模な発酵プロセスによるブタノール生産は、技術的及び経済的な課題による制限がある。
これらの課題の1つとして、発酵プロセスの終了時におけるブタノールの力価が低いことがある。ブタノールは、ブタノールを産生する微生物にとって非常に毒性が高い。その結果、最終的なブタノール濃度は、酵母発酵ブロス中のエタノールが12〜20重量%であるのと比べてしばしばわずかに1〜2重量%である。これにより、発酵ブロスからのブタノールの回収率は低下する。更に、ブタノールは、水(100℃)よりも沸点が高く(1−ブタノールで117℃、イソブタノールで108℃)、蒸溜により経済的に分離することは困難である。クラエマーら(Kraemer)による文献「Separation of butanol from acetone−butanol−ethanol fermentation by a hybrid extraction−distillation process」Computer Aided Chemical Engineering,28:7〜12(2010)、リー(Lee)らによる文献「Fermentative Butanol Production by Clostridia」Biotechnology and Bioengineering,101:209〜228(2008)、及びエゼジ(Ezeji)らによる文献「Bioproduction of Butanol from Biomass:from Genes to Bioreactors」Current Opinion in Biotechnology,18:220〜227(2007)に述べられるように、ブタノールの低い発酵力価及び高い沸点は、ブタノールの回収に標準的な蒸溜プロセスが用いられる場合には大幅に高いエネルギーコストにつながる。バイオブタノールの生産を経済的に現実的なものとするため、コスト効率の高い回収プロセスが求められている。
非セルロース系バイオマスから燃料を得るための効果的かつ効率的な方法が引き続き求められている。本開示は、ブタノールを回収する方法であって、好ましくは、非セルロース系バイオマスの消化により誘導される物質の発酵により、その生産の速度及び/又は収率を高める方法を提供する。より詳細には、特定の実施形態において、本開示は、膜溶媒抽出によるブタノールの濃縮を提供する。
一実施形態では、ブタノールを生産する方法は、非セルロース系バイオマスから得られた炭水化物を含む水性混合物を発酵槽に導入するステップと、水性混合物を発酵させて、第1の発酵ブロスを与えるステップであって、その第1の発酵ブロスは、ブタノールを生産するための微生物、非セルロース系バイオマス由来の炭水化物、及びブタノール、を含む、ステップと、第1の多孔質膜を介した第1の液液抽出により、第1の溶媒抽出剤で第1の発酵ブロスからブタノールを少なくとも部分的に抽出して、第1の抽出物及び第2の発酵ブロスを与えるステップと、を含む。この方法では、第1の溶媒抽出剤は7〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含む。この方法の結果、第2の発酵ブロスは、第1の発酵ブロスよりも低いブタノールの濃度を有する。第1の液液抽出は、液液抽出要素において行われ、液液抽出要素は、複数の第1の層のペアであって、それぞれの第1の層のペアが、第1のポリマー微多孔質膜、及び液液抽出要素の第1の対向する側面上に配置された第1の流体入口及び第1の流体出口を有する、第1の流れ方向に配向された第1の流路層、を有する、複数の第1の層のペア、並びに複数の第2の層のペアであって、少なくとも1つの第2の層のペアが2つの第1の層のペアの間に配置され、少なくとも1つの第1の層のペアが2つの第2の層のペアの間に配置されて積層体を形成し、それぞれの第2の層のペアが、第2のポリマー微多孔質膜、及び抽出要素の第2の対向する側面上に配置された第2の流体入口及び第2の流体出口を有する、第1の流れ方向と異なる第2の流れ方向に配向された第2の流路層と、を有する、複数の第2の層のペア、を含む。
この方法は、第2の発酵ブロスが発酵槽に戻される場合に(このような再利用を行わない方法と比較して)、2倍以上ブタノール生産の速度を増大させることができる。
一実施形態では、発酵ブロスからブタノールを回収する方法は、非セルロース系バイオマスから得られた炭水化物を含む水性混合物を発酵槽に導入するステップと、水性混合物を発酵させて、第1の発酵ブロスを与えるステップであって、ブタノールを生産するための微生物、非セルロース系バイオマス由来の炭水化物、及びブタノール、を含む、ステップと、第1の多孔質膜を介した第1の液液抽出により、第1の溶媒抽出剤で第1の発酵ブロスからブタノールを少なくとも部分的に抽出して、第1の抽出物及び第2の発酵ブロスを与えるステップと、ブタノールの少なくとも一部を第1の抽出物から回収するステップと、を含む。この方法では、第1の溶媒抽出剤は7〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含む。この方法の結果、第2の発酵ブロスは、第1の発酵ブロスよりも低いブタノールの濃度を有する。第1の液液抽出は、液液抽出要素において行われ、液液抽出要素は、複数の第1の層のペアであって、それぞれの第1の層のペアが、第1のポリマー微多孔質膜、及び液液抽出要素の第1の対向する側面上に配置された第1の流体入口及び第1の流体出口を有する、第1の流れ方向に配向された第1の流路層と、を有する複数の第1の層のペア、並びに複数の第2の層のペアであって、少なくとも1つの第2の層のペアが2つの第1の層のペアの間に配置され、少なくとも1つの第1の層のペアが2つの第2の層のペアの間に配置されて積層体を形成し、それぞれの第2の層のペアが、第2のポリマー微多孔質膜、及び抽出要素の第2の対向する側面上に配置された第2の流体入口及び第2の流体出口を有する、第1の流れ方向と異なる第2の流れ方向に配向された第2の流路層と、を有する、複数の第2の層のペア、を含む。好ましくは、ブタノールを回収するステップは、抽出溶媒からフラッシュ分離及び/又は真空蒸留によりブタノールを濃縮するステップを含む。
本出願において、「a」、「an」、及び「the」といった語は、1つの実体のみを指すことを意図したものではなく、その説明のために具体的な例が用いられ得る一般的な部類を含む。「a」、「an」、及び「the」なる語は、「少なくとも1つの」なる語と互換可能に使用される。「少なくとも1つの」なる語句及び「〜の少なくとも1つを含む」なる語句の後にリストが続く場合、そのリストの中の品目のいずれか1つ、及びリストの中の2つ以上の品目の任意の組み合わせのことを指す。すべての数値範囲は、特に断らないかぎり、その端点と、端点間の非整数値を含む。
本明細書において、内容によってそうでないことが明らかに示されないかぎり、「又は」なる語は、「及び/又は」を含むその通常の意味で使用される。「及び/又は」なる語は、リストに列記される要素のうちの1つ若しくはすべて、又はリストに列記される要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
本開示では、「第1の」及び「第2の」なる語が使用される。特に明示されないかぎり、これらの語はその相対的な意味においてのみ使用されている点は理解されるであろう。詳細には、一部の実施形態では、特定の構成要素が、互換可能なかつ/又は同じ複数物(例えば、対)として存在し得る。これらの構成要素について、単に実施形態のうちの1つ以上を説明する便宜上、構成要素に「第1の」及び「第2の」という表記が適用される場合がある。
「水性」なる語は、水を含むことを指す。
「ブタノール」なる語は、発酵プロセスに使用される微生物に応じて1−ブタノール若しくはイソブタノールを、又は微生物の混合物が使用される場合には1−ブタノールとイソブタノールとの混合物のことを指す。
第1の抽出剤又は第2の抽出剤を含む「抽出剤」とは、1種の化合物又は化合物の混合物を含む。一般的に、抽出剤とは、有機溶媒又は有機溶媒の混合物のことを指す。
「液液抽出」とは、第1の液体に溶解された溶質を第2の液体に移動させるための方法である。
「同伴された」なる語には、第1の抽出剤が水性混合物中に浮遊、捕捉、又は溶解している場合が含まれる。
「非セルロース系バイオマス」とは、1重量パーセント(1重量%)よりも多いデンプン、デキストリン、糖類(例えばデキストロース、スクロース、キシロース、フルクトース、セロビオース、及びマルトース)、又は他の発酵性炭水化物を含有する炭水化物又は物質のことを意味する。供給源としては、例えば、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、キャッサバ、小麦、特定の作物残渣及び食品廃棄物が挙げられる。以下のものは、発酵性炭水化物の含有量が1重量%未満である場合には非セルロース系バイオマスの範囲には含まれない。すなわち、乾燥穀物残渣、作物残渣、植物原料及び廃棄物質。これらは一般的にはセルロース系バイオマス材料と考えられている。セルロース系バイオマス材料は、農業廃棄物(例えば作物及びイネ科植物から発生するもの)、木材、廃材(例えば製紙工場、伐採残渣、枯木、森林低木伐採、果樹園、及びブドウ園から発生するもの)、並びに他の廃棄物(例えば都市ごみ)として大量に発生する。
本開示の上記の「課題を解決するための手段」は、本開示の開示される各実施形態又はすべての実現形態を説明することを目的としたものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより詳細に例示するものである。本出願の全体を通じて幾つかの箇所で、実施例のリストによって指針が与えられるが、これらの実施例は異なる組み合わせで使用することができる。いずれの場合も、記載されるリストは、あくまで代表的な群としてのみの役割を果たすものであって排他的なリストとして解釈するべきではない。
以下の様々な実施形態の詳細な説明を添付の図面と併せて考慮することで本開示のより完全な理解を得ることができる。
本開示に基づく方法の例示的な一実施形態の概略フロー図である。 本開示に基づく方法の第2の例示的な実施形態の概略フロー図である。 本開示に基づく方法の第3の例示的な実施形態の概略フロー図である。 本開示に基づく方法の第4の例示的な実施形態の概略フロー図である。 本明細書に開示される方法を実施するうえで有用な例示的な膜溶媒抽出モジュールの概略斜視図である。
本開示に基づく方法は、例えば、ブタノール(1−ブタノール又はイソブタノール)を回収し、好ましくは非セルロース系バイオマスからのその生産の速度及び/又は収率を高めるうえで有用である。「非セルロース系バイオマス」とは、1重量%よりも多いデンプン、デキストリン、糖類(例えばデキストロース、スクロース、キシロース、フルクトース、セロビオース、及びマルトース)、又は他の発酵性炭水化物を含有している。供給源としては、例えば、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、キャッサバ、小麦、特定の作物残渣及び食品廃棄物が挙げられる。以下のものは、発酵性炭水化物の含有量が1重量%未満である場合には非セルロース系バイオマスの範囲には含まれない。すなわち、乾燥穀物残渣、作物残渣、植物原料及びセルロース系廃棄物質。これらは一般的にはセルロース系バイオマス材料と考えられている。代表的なセルロース系バイオマスの供給源としては、廃材若しくは樹皮、パルプ若しくは製紙工場から出る廃棄幹材チップ、森林廃棄物(例えば、根、枝、及び葉)、果樹園及びブドウ園の剪定材、ワタの木の茎及び葉(すなわち茎葉)、竹、米、小麦、及びトウモロコシ、廃棄農業製品(例えば、米、小麦、及びトウモロコシ)、農業副産物(例えば、バガス及び麻)、並びに廃棄紙(例えば、新聞紙、コンピュータ用紙、及び段ボール箱)が挙げられる。セルロース系バイオマスの一般的な供給源はトウモロコシ茎葉である。これらのセルロース系材料の一部のもの(例えば、軟材及び硬材、並びに作物)は、リグニン、セルロース、及びヘミセルロースを含むリグノセルロース系材料である。
1−ブタノール及び/又はイソブタノールは、非セルロース系バイオマスの1種類以上の供給源に由来する炭水化物(例えば、トウモロコシ由来又はサトウキビ由来の糖類、又は場合により他のデンプン系糖類)を含有した水性混合物の発酵により生産することができる。非セルロース系バイオマスに由来する炭水化物を含む水性混合物は、非セルロース系バイオマスの公知の消化法により得ることができる。このような公知の消化法では、通常、高い温度でアミラーゼ及びグルコアミラーゼなどの酵素を使用する。
消化された非セルロース系バイオマスの発酵は、例えばクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ベイジェリンキ(Clostridium beijerinckii)、酵母、又は大腸菌などの天然又は操作されたブタノール産生微生物を使用して行うことができる。一般的に、特定の微生物に応じて、1−ブタノール又はイソブタノールのいずれかが生産される。都合の悪いことに、ブタノールはそれを生産する微生物の強力なフィードバック阻害物質である。例えば、2重量%の低いブタノール濃度で発酵が停止し得る。例えば、本明細書に述べられるような膜溶媒抽出法を用いて発酵ブロスからブタノールを連続的に抽出する場合に、ブタノールによるこのようなフィードバック阻害を低減させることが可能であり、発酵速度の加速及び/又はブタノール収率の向上につながる。抽出後、例えばフラッシュ分離、真空蒸留、又は他の下流の濃縮プロセスによってブタノールと少量の水を回収することができる。重要な点として、これにより、従来の蒸留による分離と比較してブタノールの分離の全体のエネルギーが低くなり得る。
本明細書に述べられる方法における使用に適した発酵システムは、様々な発酵システムのいずれでもよい。これには、例えば、単槽回分発酵、複槽回分発酵、単槽流加発酵、複槽流加発酵、単槽連続培養、又は複槽連続培養が含まれ得る。
ブタノールの生産に非セルロース系バイオマスを使用する発酵システムにおいて使用するのに適した微生物としては、チュクエメカ(Chkwuemeka)らによる文献「Bioproduction of Butanol from Biomass:from Genes to Bioreactors」Current Opinion in Biotechnology,2007,18:220〜227、及びリー(Lee)らによる文献「Fermentive Butanol Production by Clostridia」Biotechnology and Bioengineering,2008,101:209〜228に述べられるもの、並びに以下のものが挙げられる。すなわち、天然及び操作されたクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、天然及び操作されたクロストリジウム・ベイジェリンキ(Clostridium beijerinckii)、操作された大腸菌、操作されたバチルス・サブティリス、及び操作されたサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)(酵母)。これらは、本明細書では、「ブタノール発酵微生物」又は「ブタノール産生微生物」と呼ばれる。好ましいこうした微生物としては、天然又は操作されたクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ベイジェリンキ(Clostridium beijerinckii)、酵母、又は大腸菌が挙げられる。1−ブタノールとイソブタノールとの混合物が望ましい場合には、微生物の混合物を使用することができる。
本開示に基づく方法の代表的な一実施形態のプロセスフロー図10が、図1に示されている。フロー図10では、非セルロース系バイオマスより誘導された(例えば酵素的消化により)グルコース、他の糖類、及びそれらのオリゴマーなどの炭水化物を水中に他の栄養素(アンモニア、金属イオン、及びビタミン類など)とともに含む水性混合物が、線11に沿って発酵槽F1に、発酵を行うための1種類以上の微生物とともに導入される。その後、ブタノールを含む発酵ブロス(第1の発酵ブロス)が、線12に沿ってリザーバR1に輸送され、そこに回収される。この発酵ブロスは、通常、2重量%以下のブタノールを含んでいる。この後、この発酵ブロスは、線13に沿って膜溶媒抽出ユニットMSE1に運ばれる。抽出装置MSE1において、第1の発酵ブロス(線13に沿って導入される)と溶媒抽出剤(線15に沿って導入される)とが互いに密接に接触させられることにより、発酵ブロスと抽出剤との間でブタノールの分配が生じる。結果として生じる溶媒抽出剤と生成したブタノール(すなわち抽出物)との混合物は、この後、フラッシュ分離、真空蒸留、他の下流ブタノール濃縮プロセス、又はそれらの組み合わせなどによる回収のために線16に沿って輸送される。このプロセスでは、ブタノールが抽出された発酵ブロス(すなわちこの第2の発酵ブロスは第1の発酵ブロスよりも低いブタノール濃度を有する)は、MSE1を通過した後、線14に沿って除去されるが、発酵槽中に戻されて再利用されることはない。この結果、発酵ブロス中のブタノールの最終的な力価に対してブタノールの濃縮が起きると予想される。例えば、2重量%〜最大で20重量%の増大、又は更には50重量%の高値までの増大が可能である。
本開示に基づく方法の代表的な一実施形態のプロセスフロー図20が、図2に示されている。フロー図20では、非セルロース系バイオマスより誘導された(例えば酵素的消化により)グルコース、他の糖類、及びそれらのオリゴマーなどの炭水化物を水中に他の栄養素(アンモニア、金属イオン、及びビタミン類など)とともに含む水性混合物が、線21に沿って発酵槽F2に、発酵を行うための1種類以上の微生物とともに導入される。この後、ブタノールを含む(通常、2重量%以下)第1の発酵ブロスが、線22に沿って膜溶媒抽出ユニットMSE2に直接輸送される(図1に示されるような貯蔵リザーバを使用しない)。抽出装置MSE2において、発酵ブロス(線22に沿って導入される)と溶媒抽出剤(線24に沿って導入される)とが互いに密接に接触させられることにより、発酵ブロスと溶媒抽出剤との間でブタノールの分配が生じる。結果として生じる抽出剤とブタノール(すなわち抽出物)との混合物は、この後、フラッシュ分離、真空蒸留、他の下流ブタノール濃縮(すなわち、高濃度化)プロセス、又はそれらの組み合わせなどによる回収のために線25に沿って輸送される。このプロセスでは、ブタノールが抽出された発酵ブロス(すなわち、この第2の発酵ブロスは第1の発酵ブロスよりも低いブタノール濃度を有する)は、MSE2を通過した後、線23に沿って除去されるが、再利用されることはない。この結果、図1に示されるプロセスフロー図10と同様、ブタノールの濃縮が起きると予想される。
本開示に基づく方法の代表的な一実施形態のプロセスフロー図30が、図3に示されている。フロー図30では、非セルロース系バイオマスより誘導された(例えば酵素的消化により)グルコース、他の糖類、及びそれらのオリゴマーなどの炭水化物を水中に他の栄養素(アンモニア、金属イオン、及びビタミン類など)とともに含む水性混合物が、線31に沿って発酵槽F3に、発酵を行うための1種類以上の微生物とともに導入される。その後、ブタノールを含む第1の発酵ブロスが、線32に沿ってリザーバR3に輸送され、そこに回収される。第1の発酵ブロスは、通常、2重量%以下のブタノールを含んでいる。この後、この第1の発酵ブロスは、線33に沿って膜溶媒抽出ユニットMSE3に運ばれる。抽出装置MSE3において、第1の発酵ブロス(線33に沿って導入される)と溶媒抽出剤(線35に沿って導入される)とが互いに密接に接触させられることにより、発酵ブロスと抽出剤との間でブタノールの分配が生じる。結果として生じる溶媒抽出剤と生成したブタノール(すなわち抽出物)との混合物は、この後、フラッシュ分離、真空蒸留、他の下流ブタノール濃縮プロセス、又はそれらの組み合わせなどによる回収のために線36に沿って輸送される。このプロセスでは、第2の発酵ブロス(ブタノールが抽出され、したがって第1の発酵ブロスよりも低いブタノール濃度を有するもの)は、MSE3を通過した後、線34に沿って除去され、発酵槽F3中に戻されて再利用される(線34に沿って)。この結果、このプロセスを用いることで、ブタノール濃縮(通常、2重量%以下である、発酵ブロス中のブタノールの最終力価に対して)及び発酵の加速(発酵ブロスを再利用しない方法(すなわち非再利用法)に対して)が起きると予想される。例えば、2重量%〜最大で20重量%、又は更には50重量%の高値にまでの増大が可能であり、ブタノール生産の少なくとも2倍の加速が可能である。通常、線31に沿って導入される供給流中の炭水化物開始物質(消化された非セルロース系バイオマス)の供給速度を増大させることで、この加速を持続させることができる。
本開示に基づく方法の代表的な一実施形態のプロセスフロー図40が、図4に示されている。フロー図40では、非セルロース系バイオマスより誘導された(例えば酵素的消化により)グルコース、他の糖類、及びそれらのオリゴマーなどの炭水化物を水中に他の栄養素(アンモニア、金属イオン、及びビタミン類など)とともに含む水性混合物が、線41に沿って発酵槽F4に、発酵を行うための1種類以上の微生物とともに導入される。この後、ブタノールを含む(通常、2重量%以下)第1の発酵ブロスが、線42に沿って膜溶媒抽出ユニットMSE4に直接輸送される。抽出装置MSE4において、第1の発酵ブロス(線42に沿って導入される)と溶媒抽出剤(線44に沿って導入される)とが互いに密接に接触させられることにより、発酵ブロスと抽出剤との間でブタノールの分配が生じる。結果として生じる抽出物(溶媒抽出剤と生成したブタノールとの混合物)は、この後、フラッシュ分離、真空蒸留、他の下流ブタノール濃縮プロセス、又はそれらの組み合わせなどによる回収のために線45に沿って輸送される。このプロセスでは、第2の発酵ブロス(ブタノールが抽出され、したがって第1の発酵ブロスよりも低いブタノール濃度を有するもの)は、MSE4を通過した後、線43に沿って除去され、発酵槽F4中に戻されて再利用される(線43に沿って)。この結果、図3に示されるプロセスフロー図30と同様、このプロセスを用いることで、ブタノール濃縮及び発酵の加速が起きると予想される。図3のプロセスフロー図30と同様、通常、線41に沿って導入される供給流中の炭水化物開始物質(非セルロース系バイオマスの酵素消化により得られる)の供給速度を増大させることで、この加速を持続させることができる。
第1の抽出剤は、7〜12個(一部の実施形態では8〜12個、又は8〜11個)の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含む。好ましい実施形態では、抽出剤は、生産されるブタノールよりも少なくとも30℃高い沸点を有する(又は混合物が生産される場合にはより高い沸点のブタノールが生産される)。これらの実施形態の一部では、直鎖又は分枝鎖アルコールは第一級アルコールである。一部の実施形態では、第1の抽出剤は、7〜12個(一部の実施形態では8〜12個、又は8〜11個)の炭素原子を有する直鎖アルコールを含む。これらの実施形態の一部では、第1の抽出剤は、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、4−デカノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む。イソブタノールでは、好ましい第1の抽出剤としては、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、4−デカノール、及び2−プロピル−1−ヘプタノールが挙げられる。1−ブタノールでは、好ましい第1の抽出剤としては、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、4−デカノール、及び2−プロピル−1−ヘプタノールが挙げられる。必要に応じて、これらのアルコールの異なる組み合わせを使用することができる。
図1〜4に関連して上記に述べた方法を含む、本明細書に開示される方法の一部の実施形態では、本方法は、ブタノール(例えばイソブタノール及び/又は1−ブタノール)の少なくとも一部を回収することを更に含み得る。上記に述べたように、ブタノールは、例えばフラッシュ分離及び/又は真空蒸留により濃縮することができる。
一部の実施形態では、第1の抽出剤の一部は、第2の発酵ブロス中に同伴され得る。このような実施形態では、本開示の方法は、同伴された第1の抽出剤を、膜抽出プロセスの使用によって行うことができる第2の液液抽出により、第2の抽出剤で第2の発酵ブロスから少なくとも部分的に抽出するステップを更に含み得る。代表的な第2の抽出剤としてはドデカン及びデカンが挙げられるが、ドデカンが一般的には好ましい。
様々な多孔質膜及び膜抽出装置が本開示を実施するうえで有用であり得る。一般的に抽出の速度は、液液界面の面積によって決まる。したがって、大きな膜表面積を有する膜抽出装置の設計が通常は望ましいが、比較的小さい膜表面積を有する設計も有用であり得る。
以下の多孔質膜及び装置の実施形態は、第1の液液抽出(すなわち、ブタノールの抽出)、又は必要に応じて行われる第2の液液抽出(すなわち、同伴された第1の抽出剤の抽出)に有用であり得る。膜抽出装置は、抽出剤と抽出される水溶液とが、多孔質膜の少なくとも1個の孔、通常は複数の孔の内部において液液界面を有するものであれば、どのような設計のものであってもよい。
多孔質膜内部における水溶液と抽出剤との間の界面の形成を促進するため、水溶液又は抽出剤のうちの膜をよく濡らさない方を、他方よりも高い圧力に維持することができる。例えば、疎水性の多孔質膜の場合では、水溶液が抽出剤よりも高い液圧を有し得る。この圧力差は、通常、水溶液と抽出剤との間の界面を実質的に不動化するうえで充分なものでなければならないが、多孔質膜を破損するほど大きくないことが好ましい。このような圧力差は、規制弁(例えば抽出出口ポートの背圧弁)、液面の高さの差などを含む様々な公知の方法によって実現することができる。水溶液と抽出剤との間の圧力差は、存在する場合、例えば、4℃で少なくとも10cm水柱(1kPa)、少なくとも1ポンド/平方インチ(psi)(6.9kPa)、最大で11psi(76kPa)であってよいが、これよりも高い圧力及び低い圧力も使用することができる。
本開示を実施するうえで有用な微多孔質膜は、膜の主面間に延びるマイクロメートルサイズの孔(すなわちマイクロ孔)を一般的に有する。マイクロ孔は、例えば隔離されているか、又は相互連結されていてよい。微多孔質膜は、例えば微多孔質の熱可塑性ポリマーなどの、貫通するマイクロ孔を有する任意の材料から形成することができる。微多孔質膜は、例えば可撓性又は剛性のものであってよい。本開示に基づく一部の実施形態では、有用な熱可塑性微多孔質膜は、それぞれが場合により異なる分子量分布を有する同様の、又は異なる熱可塑性ポリマーのブレンドを含み得る(例えば、超高分子量ポリエチレンと高分子量ポリエチレンとのブレンド)。
微多孔質膜のマイクロ孔径、厚さ、及び組成は、一般的に、本明細書に開示される方法における抽出の速度を決定する。微多孔質膜のマイクロ孔の孔径は、マイクロ孔内部における水溶液と抽出剤との接触を可能とするうえで(例えば、液液抽出界面を形成するうえで)充分に大きくなければならないが、微多孔質膜を通って抽出剤中に水溶液のフラッディングが生じるほど大きくてはならない。
本発明の実施に有用な微多孔質膜は、例えば親水性又は疎水性であってよい。微多孔質膜は当該技術分野では周知の方法によって調製することができ、こうした方法については、例えば、米国特許第3,801,404号(ドルイン(Druin)ら)、同第3,839,516号(ウイリアムズ(Williams)ら)、同第3,843,761号(ビーレンバウム(Bierenbaum)ら)、同第4,255,376号(ショーンゲン(Soehngen)ら)、同第4,257,997号(ショーンゲン(Soehngen)ら)、同第4,276,179号(ショーンゲン(Soehngen)、同第4,973,434号(シルカー(Sirkar)ら)に述べられているか、かつ/又は例えばセルガード社(Celgard, Inc.)(ノースカロライナ州、シャルロット)、テトラテック社(Tetratec, Inc.)(ペンシルベニア州アイビーランド)、ナディール・フィルトレーション社(Nadir Filtration GmbH)(ドイツ、ビースバーデン)、又はメンブラナ社(Membrana, GmbH)(ドイツ、ヴッパータール)などの供給業者より広く市販されている。代表的な親水性膜としては、微多孔質ポリアミド(例えば微多孔質ナイロン)、微多孔質ポリカーボネート、微多孔質エチレンビニルアルコールコポリマー、及び微多孔質親水性ポリプロピレンの膜が挙げられる。代表的な疎水性膜としては、微多孔質ポリエチレン、微多孔質ポリプロピレン(例えば、熱誘導された相分離微多孔質ポリプロピレン)、及び微多孔質ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
一般的に、有用な微多孔質膜の平均孔径(例えばASTM E1294−89(1999)「自動液体多孔度計を使用した膜フィルターの孔径特性の標準的試験方法」(Standard Test Method for Pore Size Characteristics of Membrane Filters Using Automated Liquid Porosimeter)に従って測定される)は、約0.07マイクロメートルよりも大きくてよく(例えば0.1マイクロメートルよりも大きいか又は0.25マイクロメートルよりも大きい)、かつ、1.4マイクロメートルよりも小さくてよい(例えば1.0マイクロメートルよりも小さい、0.4マイクロメートルよりも小さい、又は0.3マイクロメートルよりも小さい)が、これよりも大きいか又は小さい平均孔径を有する微多孔質膜を使用することもできる。エマルションの形成、及び/又は膜を通じたフラッディングを低減するには、微多孔質膜は、孔、裂け目、又は直径100マイクロメートルを上回る他の孔を実質上有さないものとすることができる。
有用な微多孔質膜は、通常、微多孔質膜の体積に対して、少なくとも約20%(例えば、少なくとも30%又は少なくとも40%)〜最大で80%、87%、又は更には95%の範囲の多孔度を有する。通常、有用な微多孔質膜は、少なくとも約25マイクロメートル(例えば少なくとも35マイクロメートル又は少なくとも40マイクロメートル)の厚さを有し、かつ/又は約80マイクロメートルよりも小さい厚さ(例えば60マイクロメートルよりも小さいか、又は更には50マイクロメートルよりも小さい)を有し得るが、任意の厚さの膜を使用することができる。通常、微多孔質膜は、単独で、又は場合により用いられる多孔質支持部材との組み合わせとして、意図される動作条件下で微多孔質膜を挟んで作用させられ得る任意の圧力差に耐えるだけの機械的に充分な強度を有するものでなければならない。
本明細書に開示される液液抽出のいずれにおいても、複数の微多孔質膜を直列又は並列させて使用することができる。代表的な膜の形態としては、シート、バッグ、及びチューブが挙げられ、ほぼ平面状又は非平面状(例えば、襞状、螺旋状に巻かれたカートリッジ、プレート−フレーム、又は中空の繊維束)のものであってよい。本明細書に開示される方法の一部の実施形態では、微多孔質膜は、例えば米国特許第4,055,696号(カマダ(Kamada)ら)、同第4,405,688号(ローリー(Lowery)ら)、及び同第5,449,457号(プラサド(Prasad))に述べられるような微多孔質の中空繊維膜を含み得る。抽出装置の性状(例えば、形状、サイズ、構成部品)は、選択される膜の形態に応じて異なり得ることは無論である。
微多孔質膜は、少なくとも1種の疎水性(すなわち自然に水に濡れない)材料を含み得る。代表的な疎水性材料としては、ポリオレフィン類(例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、上記のもののいずれかのコポリマー、及び場合によりエチレン性不飽和モノマー)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。微多孔質膜が疎水性である場合、抽出剤に対して水溶液に陽圧をかけることによって微多孔質膜の濡れを促進することができる。
本明細書に開示される方法の一部の実施形態では、微多孔質膜は親水性のもの、例えば、0.2〜0.45マイクロメートルの範囲の公称平均孔径を有する親水性微多孔質ポリプロピレン膜(例えば、ポール・ライフ・サイエンシーズ社(Pall Life Sciences, Inc.)(ミシガン州アナーバー)より「GH POLYPRO MEMBRANE」の商品名で販売されるもの)であってよい。微多孔質膜が親水性である場合、水溶液に対して抽出剤に陽圧をかけることによって、膜内部における液液界面の不動化を促進することができる。代表的な膜としては、米国特許第3,801,404号(ドルイン(Druin)ら)、同第3,839,516号(ウイリアムズ(Williams)ら)、同第3,843,761号(ビーレンバウム(Bierenbaum)ら)、同第4,255,376号(ショーンゲン(Soehngen))、同第4,257,997号(ショーンゲン(Soehngen)ら)、同第4,276,179号(ショーンゲン(Soehngen))、同第4,726,989号(ムロジンスキー(Mrozinski))、同第5,120,594号(ムロジンスキー(Mrozinski))、及び同第5,238,623号(ムロジンスキー(Mrozinski))に述べられる微多孔質膜が挙げられる。
本明細書に述べられる方法における使用に適した適当な膜溶媒抽出(MSE)ユニットとしては、例えば、単一のMSEモジュール又は複数のMSEモジュールが挙げられる。幾つかの有用な微多孔質膜抽出装置が、例えば米国特許第7,105,089号(ファンセロー(Fanselow)ら)、及び米国特許出願公開第2007/0119771号(シュカール(Shukar)ら)に述べられている。本開示を実施するうえで有用な膜抽出装置の膜抽出要素(すなわち、膜溶媒抽出ユニット)の代表的な一実施形態が、図5に示されている。膜抽出要素300は、第1の層のペア310及び第2の層のペア320を有している。第2の層のペア320は、第1の層のペア310に隣接して配置され、積層体350を形成している。積層体350は、図5に示されるようなx軸、y軸、及びz軸を有している。z軸は、積層体350の厚さ方向である。x軸及びy軸はいずれも積層体350の平面内の軸であり、図の実施形態では互いに直交している。
第1の層のペア310は、第1のポリマー微多孔質膜312と、抽出要素300の第1の対向する側面(図5のy軸に沿った)上に配置された流体入口316及び流体出口318を有する、第1の流れF方向(図5のx軸に沿った)に配向された第1の流路層314とを有している。したがって、図5に示される例示的な実施形態では、第1の流れF方向は、液液抽出要素300の第1の対向する側面に直交している。
第2の層のペア320は、第2のポリマー微多孔質膜322と、第1の流れ方向Fとは異なる第2の流れ方向F(図5のy軸に沿った)に配向され、膜抽出要素300の第2の対向する側面(図5のx軸に沿った)上に配置された流体入口326及び流体出口328を有する第2の流路層324とを有している。したがって、図5に示される例示的な実施形態では、第2の流れF方向は、膜抽出要素300の第2の対向する側面に直交している。第1の微多孔質膜312は、第1の流路層314と第2の流路層324との間に配置されている様子が示されている。図の実施形態では、第1の流れ方向Fは第2の流れ方向Fに直交しているが、これは必須ではない。
多くの実施形態において、液液抽出要素300は、複数(2以上)の交互に配された第1の層のペア310及び第2の層のペア320を有している。一部の実施形態では、膜抽出要素300は、垂直方向に整合して(z軸に沿って)積層され、第1の流れ方向F(x軸に沿った)が第2の流れ方向F(y軸に沿った)に直交した、10〜2000、又は25〜1000、又は50〜500の交互に配された第1の層のペア310及び第2の層のペア320を有する。
流路層314、324及び微多孔質膜312、322は、任意の有用な値の層の厚さ(z軸に沿った)を有する。多くの実施形態において、第1の流路層314及び第2の流路層324はそれぞれ、10〜250マイクロメートル、又は25〜150マイクロメートルの範囲の厚さを有する。多くの実施形態において、第1のポリマー微多孔質膜312及び第2のポリマー微多孔質膜322はそれぞれ、1〜200マイクロメートル、又は10〜100マイクロメートルの範囲の厚さを有する。抽出要素300は、任意の有用な値の全体の厚さ(z軸に沿った)を有する。一部の実施形態では、抽出要素300は、5〜100cm、又は10〜50cmの範囲の全体の厚さ(z軸に沿った)を有する。
膜抽出要素300は、任意の有用な形状を有し得る(例えば直線形状)。抽出要素300は、任意の有用な値の幅(y軸に沿った)及び長さ(x軸に沿った)を有する。一部の実施形態では、抽出要素300は、10〜300cm、又は50〜250cmの範囲の全体の幅(y軸に沿った)を有する。一部の実施形態では、抽出要素300は、10〜300cm、又は50〜250cmの範囲の全体の長さ(x軸に沿った)を有する。一実施形態では、抽出要素300の長さは、その幅に等しいか又はほぼ等しい。
第1及び第2の流路層314、324は、必要に応じて同じか又は異なる材料で形成し、同じか又は異なる形態を取り得る。第1及び第2の流路層314、324は、第1の微多孔質膜312と第2の微多孔質膜322との間で液体が流れることを可能とし得る。多くの実施形態において、第1及び第2の流路層314、324は、第1の微多孔質膜312と第2の微多孔質膜322との間に第1及び第2の流路層314、324が流路を形成するような構造とすることができる。一部の実施形態では、第1及び第2の流路層314、324は非多孔質であり、ポリマー材料(例えばポリオレフィン)で形成される。
一部の実施形態では、第1及び第2の流路層314、324は、第1の微多孔質膜312と第2の微多孔質膜322との間に流路が形成されるように波状(平行な交互に配された山と谷を有する)に形成される。多くの実施形態では、波状形成部により、流れ方向と平行な流路が与えられる。これらの波状形成部は任意の有用なピッチ(隣接する山又は谷の間の距離)を有し得る。一部の実施形態では、波状形成部は、0.05〜1cm、又は0.1〜0.7cmの範囲のピッチを有する。波状形成部は、任意の有用な方法によって形成することができる(例えばエンボス加工又は型成形)。
図5に示されるように、抽出要素300の代表的な一構成は、第1の平面状ポリマー微多孔質膜312と、第1のフローF方向(図5のx軸に沿った)に配向された第1の波状流路層314とを有する第1の層のペア310を有している。したがって、図5に示される例示的な実施形態では、第1の流れF方向は、第1の波状流路層314の波状形成部と平行である。第2の層のペア320は、第2の平面状ポリマー微多孔質膜322と、第1の流れ方向Fに直交し、第2の波状流路層324の波状形成部と平行な第2の流れ方向F(図5のy軸に沿った)に配向された第2の波状流路層324とを有している。したがって、図に示される例示的な実施形態では、第1の流れ方向Fは第2の流れ方向Fに直交しており、第1の波状流路層314の波状形成部は、第2の波状流路層324の波状形成部に直交している。
抽出要素300は、抽出要素300の選択された縁部に沿って配置される層シール330、340を場合により含んでもよい。第1の層シール330は、液液抽出要素300の対向する側面に沿って、1つの層の多孔質膜と、その下の流路層との間に(流路層の流れ方向に)形成することができる。第2の層シール340は、抽出要素300の対向する側面に沿って、1つの層の多孔質膜と、その下の流路層との間に(流路層の流れ方向に)形成することができる。一部の実施形態では、第1の層シール330と第2の層シール340とは、図5に示されるように対向する側面上で交互に配される。
一部の実施形態では、各層の間の層シール330、340は、接着剤のビーズ、音響ヒール、又は熱シールとすることができる。したがって、第1の流体がモジュールを通って第1の方向に流れ、1つおきの層の波状スペーサ及び多孔質膜を通過し、一方の側において多孔質膜層と均一に接触するとともに、第2の流体が、第1の方向に(しばしば直交する)第2の方向に液液抽出モジュールを通って流れるように向けられ、第1の層と交互に配された層の波状スペーサを通過し、他方の側において膜層と均一に接触するような2方向の液液抽出流れモジュールが形成され得る。
一部の実施形態では、第1の多孔質不織布層(図に示されていない)が、第1のポリマー微多孔質膜312と第1の流路層314との間に配置され、第2の多孔質不織布層(図に示されていない)が、第2のポリマー微多孔質膜322と第2の流路層324との間に配置される。この多孔質不織布層は、微多孔質膜層及び/又は流路層を補強する助けとなり得る。多孔質不織布層は、例えばスパンボンド層などの任意の有用な材料とすることができる。この多孔質不織布層は、ポリマー微多孔質膜及び/又は流路層と場合により接着することができる(接着剤、超音波シール、熱シールなどにより)。
一部の実施形態では、一定量の発酵ブロスが入った第1の容器(図に示されていない)が、複数の第1の層のペア310と流体連通する。これらの実施形態の一部のものでは、一定量の第1の抽出剤が入った第2の容器(図に示されていない)が、複数の第2の層のペア320と流体連通する。第1の容器は、それぞれの第1の層のペア310の第1の流体入口316と流体連通する第1の入口マニホールド(図に示されていない)に接続することができる。発酵ブロスは、このマニホールドからすべての第1の層のペア310に流入することができる。本明細書に開示される膜抽出システムの一部の実施形態では、すべての第1の層のペア310から第2の発酵ブロスが流出する第1の出口マニホールドが、それぞれの第1の層のペア310の第1の流体出口318と流体連通する。本明細書に開示される膜抽出システムの一部の実施形態では、それぞれの第2の層のペア320の第2の流体入口326と流体連通する第2の入口マニホールド(図に示されていない)が第2の容器に接続され、第1の抽出剤がすべての第2の層のペア320に流入することができる。一部の実施形態では、抽出剤がすべての第2の層のペア320から流出する第2の出口マニホールド(図に示されていない)が、それぞれの第2の層のペア320の第2の流体出口328と流体連通する。
本開示に基づく方法は、ブタノール(例えばイソブタノール及び/又は1−ブタノール)を生産する発酵の速度を好ましくは増大させ、かつ/又は発酵プロセスで生産されるブタノールの収率を増大させる。すなわち、本開示に基づく方法が、発酵槽からブタノールを少なくとも部分的に除去するために使用される場合、ブタノールの生産は、発酵槽からブタノールの抽出を行わない非セルロース系バイオマスからの水性混合物で発酵が行われる場合と比較して、より高い速度で生じ得る。
開示の選択される実施形態
実施形態1は、ブタノールを生産する方法であって、
非セルロース系バイオマスから得られた炭水化物を含む水性混合物を発酵槽に導入するステップと、
水性混合物を発酵させて、第1の発酵ブロスを与えるステップであって、その第1の発酵ブロスが、
ブタノールを生産するための微生物、
非セルロース系バイオマス由来の炭水化物、及び
ブタノール、を含む、ステップと、
第1の多孔質膜を介した第1の液液抽出により、第1の溶媒抽出剤で第1の発酵ブロスからブタノールを少なくとも部分的に抽出して、第1の抽出物及び第2の発酵ブロスを与えるステップと、を含み、
第1の溶媒抽出剤が、7〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含み、
第2の発酵ブロスが、第1の発酵ブロスよりも低いブタノールの濃度を有し、
第1の液液抽出が、液液抽出要素において行われ、液液抽出要素が、
複数の第1の層のペアであって、それぞれの第1の層のペアが、
第1のポリマー微多孔質膜、及び
液液抽出要素の第1の対向する側面上に配置された第1の流体入口及び第1の流体出口を有する、第1の流れ方向に配向された第1の流路層、を有する、複数の第1の層のペア、並びに
複数の第2の層のペアであって、少なくとも1つの第2の層のペアが2つの第1の層のペアの間に配置され、少なくとも1つの第1の層のペアが2つの第2の層のペアの間に配置されて積層体を形成し、それぞれの第2の層のペアが、
第2のポリマー微多孔質膜、及び
抽出要素の第2の対向する側面上に配置された第2の流体入口及び第2の流体出口を有する、第1の流れ方向と異なる第2の流れ方向に配向された第2の流路層と、を有する、複数の第2の層のペア、を含む、方法である。
実施形態2は、生産されるブタノールが1−ブタノールである、実施形態1に記載の方法である。
実施形態3は、第2の発酵ブロスを発酵槽に戻すことにより、非再利用法と比較してブタノール生産の速度を増大させるステップを更に含む、実施形態1又は2に記載の方法である。
実施形態4は、第1の抽出剤が、生産されるブタノールよりも少なくとも30℃高い沸点を有する、又は混合物が生産される場合には、生産されるより沸点の高いブタノールよりも30℃高い沸点を有する、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態5は、第1の抽出剤が、8〜11個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態6は、第1の抽出剤が、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、4−デカノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態5に記載の方法である。
実施形態7は、ブタノールを生産するための微生物が、天然又は操作されたクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ベイジェリンキ(Clostridium beijerinckii)、酵母、大腸菌、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態8は、第1の抽出剤の一部が第2の発酵ブロス中に同伴され、方法が、第2の液液抽出により第2の抽出剤で、同伴された第1の抽出剤を第2の発酵ブロスから少なくとも部分的に抽出するステップを更に含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態9は、第2の抽出剤がドデカンを含む、実施形態8に記載の方法である。
実施形態10は、非セルロース系バイオマスが、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、キャッサバ、小麦、又はこれらの混合物を含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態11は、発酵ブロスからブタノールを回収する方法であって、
非セルロース系バイオマスから得られた炭水化物を含む水性混合物を発酵槽に導入するステップと、
水性混合物を発酵させて、第1の発酵ブロスを与えるステップであって、
ブタノールを生産するための微生物、
非セルロース系バイオマス由来の炭水化物、及び
ブタノール、を含むステップと、
第1の多孔質膜を介した第1の液液抽出により、第1の溶媒抽出剤で第1の発酵ブロスからブタノールを少なくとも部分的に抽出して、第1の抽出物及び第2の発酵ブロスを与えるステップと、
ブタノールの少なくとも一部を第1の抽出物から回収するステップと、を含み、
第1の溶媒抽出剤が、7〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含み、
第2の発酵ブロスが、第1の発酵ブロスよりも低いブタノールの濃度を有し、
第1の液液抽出が、液液抽出要素において行われ、液液抽出要素が、
複数の第1の層のペアであって、それぞれの第1の層のペアが、
第1のポリマー微多孔質膜、及び
液液抽出要素の第1の対向する側面上に配置された第1の流体入口及び第1の流体出口を有する、第1の流れ方向に配向された第1の流路層と、を有する、複数の第1の層のペア、並びに
複数の第2の層のペアであって、少なくとも1つの第2の層のペアが2つの第1の層のペアの間に配置され、少なくとも1つの第1の層のペアが2つの第2の層のペアの間に配置されて積層体を形成し、それぞれの第2の層のペアが、
第2のポリマー微多孔質膜、及び
抽出要素の第2の対向する側面上に配置された第2の流体入口及び第2の流体出口を有する、第1の流れ方向と異なる第2の流れ方向に配向された第2の流路層と、を有する、複数の第2の層のペア、を含む、方法である。
実施形態12は、ブタノールを回収するステップが、フラッシュ分離及び/又は真空蒸留によりブタノールを濃縮するステップを含む、実施形態11に記載の方法である。
実施形態13は、第1の抽出剤が、生産されるブタノールよりも少なくとも30℃高い沸点を有する、又は混合物が生産される場合には、生産されるより沸点の高いブタノールよりも30℃高い沸点を有する、実施形態11又は12に記載の方法である。
実施形態14は、第1の抽出剤が、8〜11個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含む、実施形態11〜13のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態15は、第1の抽出剤が、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、4−デカノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態14に記載の方法である。
実施形態16は、ブタノールを生産するための微生物が、天然又は操作されたクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ベイジェリンキ(Clostridium beijerinckii)、酵母、大腸菌、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態11〜15のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態17は、第1の抽出剤の一部が第2の発酵ブロス中に同伴され、方法が、第2の液液抽出により第2の抽出剤で、同伴された第1の抽出剤を第2の発酵ブロスから少なくとも部分的に抽出するステップを更に含む、実施形態11〜16のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態18は、第2の抽出剤がドデカンを含む、実施形態17に記載の方法である。
実施形態19は、非セルロース系バイオマスが、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、キャッサバ、小麦、又はこれらの混合物を含む、実施形態11〜18のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態20は、生産されるブタノールがイソブタノールである、実施形態11〜19のいずれか1つに記載の方法である。
以下の非限定的な実施例によって本開示の目的及び利点を更に例示するが、これらの実施例に記載する特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に限定するものとして解釈されるべきではない。
特に断らないかぎり、実施例及び本明細書の残りの部分におけるすべての部、比率(%)、及び比などは、重量基準である。以下の実施例では、これらの略語を使用する。すなわち、g=グラム、min=分、hr=時間、mL=ミリリットル、L=リットル。下記の表において特に示されないかぎり、化学物質はミズーリ州、セントルイス所在のシグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)より入手した。
実施例1〜8:1−ブタノールに対して高い分配係数及び高い選択性を有する溶媒
方法:
オレイルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール及び4−デカノールをアルファ・エイサー社(Alfa Aesar)(マサチューセッツ州ワードヒル)より入手した。メシチレン、デカン、2−オクタノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール及び1−デカノールをシグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)(ミズーリ州セントルイス)より入手した。2−プロピル−1−ヘプタノールをビー・エー・エス・エフ社(BASF)(ニュージャージー州フロハムパーク)より入手した。2重量%の1−ブタノール水溶液2mLと、2mLの各溶媒を6mLのガラスバイアルに加え、充分に振盪した。振盪後、各試料を室温(25℃)で一晩インキュベートした。各相からの試料を、熱伝導性検出器及びワックスカラム(DB−WAX、アジレント・テクノロジーズ社(Agilent Technologies))を備えたガスクロマトグラフ(HP 6890システム、アジレント・テクノロジーズ社(Agilent Technologies)、カリフォルニア州サンタクララ)により分析して、両方の相における1−ブタノールと水の濃度を定量した。
分配係数:
1−ブタノールの分配係数KDBは、以下のように定義される。
Figure 2015507473

式中、[BuOH]SLVは、溶媒相中の1−ブタノールの重量%であり、[BuOH]AQUは、水相中の1−ブタノールの重量%である。
同様にして、水の分配係数KDWは、以下のように定義される。
Figure 2015507473

式中、[HO]SLVは、溶媒相中の水の重量%であり、[HO]AQUは、水相中の水の重量%である。
分離係数比(α):
分離係数α(アルファ)は、水の分配係数に対する1−ブタノールの分配係数の比として定義される。
Figure 2015507473
Figure 2015507473

注:「n.d.」は、溶媒相中の水濃度が極めて低いことによる「未検」を意味する。
オレイルアルコールは、ブタノール抽出における基準溶媒であった。メシチレンは、クレーマー(Kraemer)らによる「Separation of Butanol from Acetone−Butanol−Ethanol Fermentation by a Hybrid Extraction−Distillation Process」Computer Aided Chemical Engineering,(2010)28:7〜12において参照された。メシチレン及びデカンは、溶媒相中の水濃度が検出限界以下であり、したがってα値は計算されなかった。表1の実験結果は、以下の5つの溶媒は、KDB及び選択性の両方についてオレイルアルコールと同等か又はより高い性能を有したことを示している(比較例1)。すなわち、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、4−デカノール、及び2−プロピル−1−ヘプタノール。
実施例9〜16:イソブタノールに対して高い分配係数及び高い選択性を有する溶媒
方法:
同じ溶媒をイソブタノール抽出溶媒として調べた。実施例1〜8において述べたものと同じ方法を用いた。イソブタノールの分配係数KDIは、KDBと同様にして定義される。
Figure 2015507473
表2の実験結果は、以下の7つの溶媒は、KDI及び選択性の両方においてオレイルアルコールと同等か又はより高い性能を示したことを示している(比較例3)。すなわち、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、4−デカノール、及び2−プロピル−1−ヘプタノール。
実施例17:1−ブタノールの膜溶媒抽出
方法:
8インチ(20cm)×8インチ(20cm)×2インチ(5cm)の交差流膜溶媒抽出(MSE)モジュールを、モジュールハウジングユニット(米国特許出願公開第2007/0119771号に述べられる)内で使用し、抽出溶媒として2,6−ジメチル−4−ヘプタノールを用いて1−ブタノールを抽出した。MSEモジュールは、1.007mの膜表面積を有していた。熱誘導相分離プロセス(米国特許第4,726,989号及び同第5,120,594号に述べられる)により作製したポリプロピレン多孔質膜(平均孔径0.35μm、平均多孔度36.6%、厚さ75μm)を、MSEモジュールに組み込んだ。2,000gの14g/Lの1−ブタノール水溶液の試料を水リザーバに入れ、これをMSEモジュールに、またMSEモジュールからパイプにより接続して循環水ループを構成した。2,000gの2,6−ジメチル−4−ヘプタノールを、溶媒リザーバに加え、これをMSEモジュールの別の部分にパイプにより接続して循環溶媒ループを構成した。水リザーバ及び溶媒リザーバ内の各溶液を、それぞれ250mL/分及び1300mL/分でギアポンプにより圧送した。膜横断圧力を約0.2psi(1.4kPa)(水相でより高い圧力)となるように制御した。溶液の温度を50℃に設定した。MSEの動作の間、水相と溶媒相とは多孔質膜内部で互いに接触し、水相から溶媒相へのブタノールの溶媒抽出が起きた。水ループ及び溶媒ループからの試料を10分毎に試料ポートより回収した。熱伝導性検出器及びワックスカラム(19091−N−213、アジレント・テクノロジーズ社(Agilent Technologies))を備えたガスクロマトグラフ(HP 5890A、アジレント・テクノロジーズ社(Agilent Technologies))を使用して、両方の相における1−ブタノールと水の濃度を定量した。
結果:
膜溶媒抽出において、表3に示すように、1−ブタノールが水相から溶媒相(2,6−ジメチル−4−ヘプタノール)に連続的に抽出された。溶媒中の1−ブタノールの濃度[BuOH]SLVが、0分における0g/Lから90分における11.7g/Lに増大した一方で、溶媒中の水の濃度[HO]SLVは、10分における2.9g/Lから90分における7.2g/Lに増大した。MSEの動作の間、エマルションの形成は認められなかった。これらの結果より、溶媒相のフラッシュ分離による予想される1−ブタノール濃度は、[BuOH]SLV/([BuOH]SLV+[HO]SLV)として計算される(表3)。予想されるブタノール濃度は56〜66%の範囲であり、最初の1.4重量%(13.9g/L)からの顕著な1−ブタノールの濃縮を示している。
Figure 2015507473
実施例18.イソブタノールの膜溶媒抽出
方法:
多層交差流MSEユニットを2,6−ジメチル−4−ヘプタノールとともに使用して、イソブタノールを抽出した。この方法は、14g/Lの1−ブタノール水溶液の代わりに14g/Lのイソブタノール水溶液を使用した以外は、実施例17と同様であった。
結果:
MSEの動作の全体を通じて、表4に示すように、イソブタノールが水相から溶媒相(2,6−ジメチル−4−ヘプタノール)に連続的に抽出された。イソブタノールの抽出では、時間0をMSEが流れ及び圧力の安定状態を確立した時点として定義したため、抽出は実際には時間0分よりも前に起こった。溶媒中のイソブタノールの濃度[Iso−BuOH]SLVが、0分における2.37g/Lから90分における8.63g/Lに増大した一方で、溶媒中の水の濃度[HO]SLVは、0分における3.34g/Lから90分における6.05g/Lに増大した。MSEの動作の間、エマルションの形成は認められなかった。これらの結果より、溶媒相のフラッシュ分離による予想されるイソブタノール濃度は、[Iso−BuOH]SLV/([Iso−BuOH]SLV+[HO]SLV)として計算される(表4)。予想される濃度は46〜58%の範囲であり、最初の1.0重量%(10.2g/L)からの顕著なイソブタノールの濃縮を示している。
Figure 2015507473
実施例19.連続的ブタノール発酵及び膜溶媒抽出プロセス
1−ブタノール又はイソブタノールを、トウモロコシ由来又はサトウキビ由来の糖類又は場合により他のデンプン系糖類を使用して発酵により生産する。ブタノール産生微生物としては、天然又は操作されたクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ベイジェリンキ(Clostridium beijerinckii)、酵母、又は大腸菌である。ブタノールは、それを生産する微生物の強力なフィードバック阻害物質である。2重量%の低いブタノール濃度で発酵が停止し得る。膜溶媒抽出を使用して発酵ブロスから連続的にブタノールが抽出されると、ブタノールによるこのようなフィードバック阻害は低減され、発酵及びブタノール生産速度の加速につながる。抽出後、フラッシュ分離、真空蒸留、又は他の下流の濃縮プロセスによって、ブタノールと少量の水が回収されるこれにより、従来の蒸留による分離と比較してブタノールの分離の全体のエネルギーが低くなる。
本明細書において引用した特許及び刊行物はすべて、それらの全容を参照により本明細書に援用するものである。本発明の種々の修正及び変更を本発明の範囲及び趣旨を逸脱せずに当業者によって行ってもよい。本発明は本明細書に記載された例示的な実施形態に不当に限定されるべきではないことは理解されるべきである。

Claims (20)

  1. ブタノールを生産する方法であって、
    非セルロース系バイオマスから得られた炭水化物を含む水性混合物を発酵槽に導入するステップと、
    前記水性混合物を発酵させて、第1の発酵ブロスを与えるステップであって、前記第1の発酵ブロスが、
    ブタノールを生産するための微生物、
    前記非セルロース系バイオマス由来の炭水化物、及び
    ブタノール、を含む、ステップと、
    第1の多孔質膜を介した第1の液液抽出により、第1の溶媒抽出剤で前記第1の発酵ブロスから前記ブタノールを少なくとも部分的に抽出して、第1の抽出物及び第2の発酵ブロスを与えるステップと、を含み、
    前記第1の溶媒抽出剤が、7〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含み、
    前記第2の発酵ブロスが、前記第1の発酵ブロスよりも低い前記ブタノールの濃度を有し、
    前記第1の液液抽出が、液液抽出要素において行われ、前記液液抽出要素が、
    複数の第1の層のペアであって、それぞれの第1の層のペアが、
    第1のポリマー微多孔質膜、及び
    前記液液抽出要素の第1の対向する側面上に配置された第1の流体入口及び第1の流体出口を有する、第1の流れ方向に配向された第1の流路層、を有する、複数の第1の層のペア、並びに
    複数の第2の層のペアであって、少なくとも1つの第2の層のペアが2つの第1の層のペアの間に配置され、少なくとも1つの第1の層のペアが2つの第2の層のペアの間に配置されて積層体を形成し、それぞれの第2の層のペアが、
    第2のポリマー微多孔質膜、及び
    前記抽出要素の第2の対向する側面上に配置された第2の流体入口及び第2の流体出口を有する、前記第1の流れ方向と異なる第2の流れ方向に配向された第2の流路層と、を有する、複数の第2の層のペア、を含む、方法。
  2. 生産されるブタノールが、1−ブタノールである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の発酵ブロスを前記発酵槽に戻すことにより、非再利用法と比較してブタノール生産の速度を増大させるステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1の抽出剤が、生産されるブタノールよりも少なくとも30℃高い沸点を有する、又は混合物が生産される場合には、生産されるより沸点の高いブタノールよりも30℃高い沸点を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の抽出剤が、8〜11個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1の抽出剤が、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、4−デカノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ブタノールを生産するための微生物が、天然又は操作されたクロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・ベイジェリンキ、酵母、大腸菌、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1の抽出剤の一部が前記第2の発酵ブロス中に同伴され、前記方法が、第2の液液抽出により第2の抽出剤で、前記同伴された第1の抽出剤を前記第2の発酵ブロスから少なくとも部分的に抽出するステップを更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第2の抽出剤が、ドデカンを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記非セルロース系バイオマスが、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、キャッサバ、小麦、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 発酵ブロスからブタノールを回収する方法であって、
    非セルロース系バイオマスから得られた炭水化物を含む水性混合物を発酵槽に導入するステップと、
    前記水性混合物を発酵させて、第1の発酵ブロスを与えるステップであって、
    ブタノールを生産するための微生物、
    前記非セルロース系バイオマス由来の炭水化物、及び
    ブタノール、を含むステップと、
    第1の多孔質膜を介した第1の液液抽出により、第1の溶媒抽出剤で前記第1の発酵ブロスから前記ブタノールを少なくとも部分的に抽出して、第1の抽出物及び第2の発酵ブロスを与えるステップと、
    前記ブタノールの少なくとも一部を前記第1の抽出物から回収するステップと、を含み、
    前記第1の溶媒抽出剤が、7〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含み、
    前記第2の発酵ブロスが、前記第1の発酵ブロスよりも低い前記ブタノールの濃度を有し、
    前記第1の液液抽出が、液液抽出要素において行われ、前記液液抽出要素が、
    複数の第1の層のペアであって、それぞれの第1の層のペアが、
    第1のポリマー微多孔質膜、及び
    前記液液抽出要素の第1の対向する側面上に配置された第1の流体入口及び第1の流体出口を有する、第1の流れ方向に配向された第1の流路層と、を有する、複数の第1の層のペア、並びに
    複数の第2の層のペアであって、少なくとも1つの第2の層のペアが2つの第1の層のペアの間に配置され、少なくとも1つの第1の層のペアが2つの第2の層のペアの間に配置されて積層体を形成し、それぞれの第2の層のペアが、
    第2のポリマー微多孔質膜、及び
    前記抽出要素の第2の対向する側面上に配置された第2の流体入口及び第2の流体出口を有する、前記第1の流れ方向と異なる第2の流れ方向に配向された第2の流路層と、を有する、複数の第2の層のペア、を含む、方法。
  12. 前記ブタノールを回収するステップが、フラッシュ分離及び/又は真空蒸留により前記ブタノールを濃縮するステップを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1の抽出剤が、前記生産されるブタノールよりも少なくとも30℃高い沸点を有する、又は混合物が生産される場合には、生産されるより沸点の高いブタノールよりも30℃高い沸点を有する、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記第1の抽出剤が、8〜11個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコールを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第1の抽出剤が、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、4−デカノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ブタノールを生産するための微生物が、天然又は操作されたクロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・ベイジェリンキ、酵母、大腸菌、又はこれらの組み合わせを含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第1の抽出剤の一部が前記第2の発酵ブロス中に同伴され、前記方法が、第2の液液抽出により第2の抽出剤で、前記同伴された第1の抽出剤を前記第2の発酵ブロスから少なくとも部分的に抽出するステップを更に含む、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第2の抽出剤が、ドデカンを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記非セルロース系バイオマスが、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、キャッサバ、小麦、又はこれらの混合物を含む、請求項11〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 生産されるブタノールが、イソブタノールである、請求項11〜19のいずれか一項に記載の方法。
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