以下では、本発明をより詳細に説明する。しかし本発明は、多数の異なる形態で実施することができ、本明細書に記載した実施形態に限定されると見なすべきではない。むしろこれらの実施形態は、本開示が適用される法的要件を満たすように提供されるものである。同様の番号は、本明細書を通して同様の素子を意味する。本明細書および添付の特許請求項において使用するように、単数形の「1つの」および「この」には、状況が明確に他のことを指示しない限り、複数形が含まれる。
本発明は、CB1受容体でアンタゴニストとして機能できる化合物ならびにこれらの製造方法および医薬組成物を提供する。一部の特定実施形態では、本発明は、末梢選択的CB1アンタゴニストである化合物を提供する。本発明は、CB1受容体の拮抗作用に応答性である可能性がある様々な疾患を治療するためにこのような化合物を使用するための方法をさらに提供する。特に、本組成物および方法は、肥満症の治療に使用できる。治療は、本発明の化合物の単一活性薬剤としての使用を含むことができる。他の実施形態では、治療は、本発明の化合物を1つ以上のまた別の活性薬剤と組み合わせた使用を含むことができる。以下では、本発明で使用する特定の医薬組成物(もしくは複数の組成物)および本発明によって提供される治療方法について詳細に説明する。
用語の定義
本明細書で使用する用語「アルキル」は、飽和直鎖状、分岐鎖状もしくは環式炭化水素基(つまり、シクロアルキル基)を意味する。特定の実施形態では、アルキルは、1から10個の炭素原子を含む基(「C1−10アルキル」)を意味する。また別の実施形態では、アルキルは、1から8個の炭素原子(「C1−8アルキル」)、1から6個の炭素原子(「C1−6アルキル」)もしくは1から4個の炭素原子(「C1−4アルキル」)を意味する。他の実施形態では、アルキルは、3から10個の炭素原子(「C3−10アルキル」)、3から8個の炭素原子(「C3−8アルキル」)または3から6個の炭素原子(「C3−6アルキル」)を含む基を意味する。特定の実施形態では、アルキルは、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルおよび2,3−ジメチルブチルを意味する。
本明細書で使用する用語「ヘテロアルキル」は、鎖内に炭素ではない少なくとも1個の原子を有するアルキル基を意味する。好ましいヘテロ原子には、硫黄、酸素および窒素が含まれる。
置換基に関連する「場合により置換された」は、例えば、ハロ(例、Cl、F、BrおよびI);アルキル(例、C1−10アルキル)、ハロゲン化アルキル(例、CF3、2−Br−エチル、CH2F、CH2Cl、CH2CF3もしくはCF2CF3);C2−4アルケニル、C2−4アルキニル;ヒドロキシル;アミノ;アミド;カルボキシレート;カルボキサミド;カルバメート;カルボネート;ウレア;アセテート;アルキルアミノ;アリールアミノ;C1−10アルコキシ;アリール;アラルキル、アリールオキシ;ニトロ;アジド;シアノ;チオ;アルキルチオ;スルホネート;スルファイド;スルフィニル;スルホ;スルフェート;スルホキシド;スルファミド;スルホンアミド;リン酸;ホスフェート;および/またはホスホネートからなる群より選択される1つ以上の成分で場合により置換された置換基を意味する。
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、少なくとも1つの飽和C−C結合が二重結合によって置換されているアルキル成分を意味する。特定の実施形態では、アルケニルは、2から10個の炭素原子を含む基(「C2−10アルケニル」)を意味する。また別の実施形態では、アルケニルは、2から8個の炭素原子(「C2−8アルケニル」)、2から6個の炭素原子(「C2−6アルケニル」)もしくは2から4個の炭素原子(「C2−4アルケニル」)を含む基を意味する。特定の実施形態では、アルケニルは、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニルもしくは5−ヘキセニルであってよい。
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、少なくとも1つの飽和C−C結合が三重結合によって置換されているアルキル成分を意味する。特定の実施形態では、アルキニルは、2から10個の炭素原子を含む基(「C2−10アルキニル」)を意味する。また別の実施形態では、アルキニルは、2から8個の炭素原子(「C2−8アルキニル」)、2から6個の炭素原子(「C2−6アルキニル」)もしくは2から4個の炭素原子(「C2−4アルキニル」)を含む基を意味する。特定の実施形態では、アルキニルは、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、l−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニルもしくは5−ヘキシニルであってよい。
本明細書で使用する用語「アルコキシ」は、1個の酸素原子(つまり、−O−アルキル)によって結合された直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基を意味し、このときアルキルは上記のとおりである。特定の実施形態では、アルコキシは、1から10個の炭素原子を含む酸素連結基(「C1−10アルコキシ」)を意味する。また別の実施形態では、アルコキシは、1から8個の炭素原子(「C1−8アルコキシ」)、1から6個の炭素原子(「C1−6アルコキシ」)、1から4個の炭素原子(「C1−4アルコキシ」)もしくは1から3個の炭素原子(「C1−3アルコキシ」)を含む酸素連結基を意味する。
本明細書で使用する用語「ハロ」もしくは「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素を意味する。
本明細書で使用する用語「アルキルチオ」は、1つ以上のアルキル置換基を有するチオ基を意味し、アルキルは上記に規定したとおりである。
本明細書で使用する用語「アラルキル」および「アリールアルキル」は、上記に規定したアルキル基を介して該分子に連結している上記に規定したアリール基を意味する。
本明細書で使用する用語「アルカリル」および「アルキルアリール」は、上記に規定したアリール基を介して該分子に連結している上記に規定したアルキル基を意味する。
本明細書で使用する用語「アミノ」は構造式NR2によって表される成分を意味し、第1級アミンならびにアルキルもしくはアリールによって置換された第二級および第三級アミン(つまり、各々アルキルアミノもしくはアリールアミノ)を含んでいる。そこで、R2は、2個の水素原子、2つのアルキル成分、2つのアリール成分、1つのアリール成分および1つのアルキル成分、1個の水素原子および1つのアルキル成分または1個の水素原子および1つのアリール成分を表すことができる。
アルキル(アミノ)は、構造式−RNR2によって表される成分であり、上記に規定したアミノ基に結合した上記に規定したアルキル基を含んでおり、このとき該成分は該アルキル基によって1つの分子のまた別の部分に結合している。
用語「シクロアルキル」は、炭素および水素原子を含む非芳香族、単環式もしくは多環式環を意味する。
本明細書で使用する用語「アリール」は、各環内に8員までを有する安定な単環式、二環式もしくは三環式炭素環を意味し、このとき少なくとも1つの環はHuckel 4n+2則によって規定されるように芳香族である。本発明による典型的なアリール基には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルおよびビフェニルが含まれる。
本明細書で使用する用語「誘導体」は、他の分子もしくは原子を開始化合物に結合させることによって類似の開始化合物から形成される化合物を意味する。さらに誘導体は、本発明によると、1つ以上の原子もしくは分子の付加を介して、または2つ以上の前駆体化合物を結合することを介して前駆体化合物から形成される1つ以上の化合物を含んでいる。
本明細書で使用する用語「プロドラッグ」は、哺乳動物に投与されると、全体的または部分的に本発明の化合物に変換されるあらゆる化合物を意味する。
本明細書で使用する用語「活性代謝産物」は、本発明の化合物またはこのプロドラッグの、このような化合物もしくはプロドラッグが哺乳動物に投与された場合に物質代謝の結果として生じる生理学的に活性な化合物を意味する。
本明細書で使用する用語「治療有効量」もしくは「治療有効用量」は互換可能であり、本明細書に記載した治療方法に従って所望の治療作用を引き出すために十分な本発明による化合物またはこの生物学的活性変異体の濃度を意味する。
本明細書で使用する用語「医薬として許容される担体」は、生物学的活性薬剤の保管、投与および/または治癒作用を促進するために当分野で慣習的に使用される担体を意味する。
本明細書で使用する用語「間欠的投与」は、治療有効用量の本発明による組成物の投与、これに続く投薬中止期間、これに続く治療有効用量のまた別の投与などを意味する。
活性薬剤
本発明は、化合物、化合物の製造方法、医薬組成物ならびにこのような化合物および医薬組成物を使用する様々な状態の治療方法を提供する。
一部の実施形態では、以下の構造:
(式中、
各R
1、R
2およびR
3は、H、またはハロ(例、Cl、FもしくはBr)、OH、場合により置換されたC1−10アルキル、場合により置換されたC1−10アルコキシ、場合により置換されたC2−4アルケニル、場合により置換されたC2−4アルキニル、NR
6R
7、NR
6COR
7、NR
6CO
2R
7、CR
6R
7OR
8、CONR
6R
7、CO
2R
6、CN、CF
3、NO
2、N
3、C1−3アルキルチオ、R
9SO、R
9SO
2、CF
3SおよびCF
3SO
2からなる群より独立して選択される置換基である;
R
4は、HもしくはC1−10アルキルである;
R
5は:
または炭素原子を介して結合された、場合により置換されたピペリジン環である;
またはR
4およびR
5は、これらが結合している窒素原子と一緒にピペリジン環を形成するが、該ピペリジン環は、NR
6SO
2R
9、NR
6CONR
7R
11、NR
6COR
15およびNR
6CO
2R
7からなる群より選択される置換基で置換される、および場合によりさらに、ハロ、OH、場合により置換されたC1−10アルキル、場合により置換されたC1−10アルコキシ、場合により置換されたC2−4アルケニル、場合により置換されたC2−4アルキニル、場合により置換されたアリール(例、フェニル)、場合により置換されたアラルキル、場合により置換されたアルカリル、NR
6R
7、NR
6COR
7、CR
6R
7OR
8、CO
2R
6、CN、CF
3、NO
2、N
3、C1−3アルキルチオ、R
9SO、R
9SO
2、CF
3SおよびCF
3SO
2、NR
6SO
2R
9、NR
6CONR
7R
11、NR
6CO
2R
7およびCONR
6R
7からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基でさらに置換される;
またはR
4およびR
5は一緒に、場合により置換されたチオモルホリン1,1−ジオキシド環を形成する;
R
6、R
7およびR
8は、Hおよび場合により置換されたC1−10アルキルから独立して選択される;
R
9は、H、場合により置換されたC1−10アルキル、NR
6R
7もしくはNR
6COR
7である;
R
10は、Hもしくは場合により置換されたC1−10アルキルである;
R
11は、H、場合により置換されたC1−10アルキルおよびCR
6R
7CO
2R
8からなる群より選択される;
R
15は、場合により置換されたC1−12アルキル、場合により置換されたC1−12ヘテロアルキル、場合により置換されたC1−6アルキル(アミノ)もしくは場合により置換されたアリールである;
Lは、場合により置換されたC1−15アルキルもしくはC1−15ヘテロアルキルを含むリンカーである;
mおよびnは、各々独立して0から5の整数である)
による化合物またはこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグもしくは異性体が提供される。
1つの実施形態では、Lは、例えばシクロヘキシル基を含むことができる。例えば、Lは、CH2−C6H10−CH2であってよい。所定の実施形態では、R10はHである。所定の実施形態では、R9は、CH3およびNH2から選択される。
一部の実施形態では、R4はHである。所定の実施形態では、R4およびR5は、これらが結合している窒素原子と一緒にピペリジン環を形成する。所定の実施形態では、ピペリジン環は、4位で1つもしくは2つの置換基で置換され、該ピペリジン環上の他の位置で場合により置換されてよい。所定の実施形態では、4位の1つのピペリジン置換基はフェニル基であり、該4位でのもう1つのピペリジン置換基は、NR6SO2R9、NR6CONR7R8およびNR6CO2R7からなる群より選択される。所定の実施形態では、1つのピペリジン置換基(例、4位で)は、スルファミドもしくはスルホンアミド、NR6SO2R9(例、NHSO2CH3)である。所定の実施形態では、1つのピペリジン置換基(例、4位で)は、カルバメート、NR6CO2R7(例、NHC(O)O−t−ブチル)である。所定の実施形態では、1つのピペリジン置換基(例、4位で)は、ウレア、NR6CONR7R8である。一部の典型的なウレア置換基では、R6およびR7=Hである。所定のウレア置換基では、R11は、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルもしくはt−ブチル)からなる群より選択されるアルキルである。所定の実施形態では、R11アルキルは、1つ以上のシクロアルキル基を含むことができる。
他の実施形態では、本発明は、式II:
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
6は、式Iに関して上記に規定したとおりである;
R
15は、場合により置換されたC1−12アルキル、場合により置換されたC1−12ヘテロアルキル、場合により置換されたC1−6アルキル(アミノ)もしくは場合により置換されたアリールである;
R
16は、ハロ、OH、場合により置換されたC1−10アルキル、場合により置換されたC1−10アルコキシ、場合により置換されたC2−4アルケニル、場合により置換されたC2−4アルキニル、場合により置換されたアリール(例、フェニル)、場合により置換されたアラルキル、場合により置換されたアルカリル、NR
6R
7、NR
6COR
7、CR
6R
7OR
8、CO
2R
6、CN、CF
3、NO
2、N
3、C1−3アルキルチオ、R
9SO、R
9SO
2、CF
3SおよびCF
3SO
2、NR
6SO
2R
9、NR
6CONR
7R
11、NR
6CO
2R
7およびCONR
6R
7からなる群より選択される;および
pは、0から9の整数である)
に記載の化合物またはこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグもしくは異性体を提供する。
式IおよびIIの所定の実施形態では、R15は、1つ以上の環式もしくは複素環式環(例、シクロヘキシル、シクロペンチルもしくはピペリジン)を含んでいる。一部の特定実施形態では、R15は、シクロヘキシル、n−ブチル、シクロヘキシルメチル、イソブチル、シクロペンチル、3−メチルブチル、シクロペンチルメチル、(ピペリジン−1−イル)エチルおよびMe2NCH2からなる群より選択される。式IIの一部の実施形態では、p=0である。
式IおよびIIの所定の実施形態では、nは1であり、R1置換基はパラ位にあり、mは1であり、R2置換基はオルト位にある。一部の実施形態では、R1およびR2は、どちらもハロ置換基(例、Cl)である。所定の実施形態では、R3はHである。式IおよびIIの所定の実施形態でのR6は、Hである。
式IおよびIIによる所定の化合物は、相当に高い位相幾何学的極性表面積(「TPSA」)を有する化合物である。TPSAは、膜を通しての受動輸送と関連することが証明されている。所定の実施形態では、最小の血液脳関門透過を有する化合物を提供することが望ましい。このような化合物は末梢受容体を標的とすることができるので、潜在的中枢神経系関連性副作用を減少させることができる。一般に、TPSA値が高いほどCNS内への低い透過率と対応しているので、そこで望ましい場合がある。
TPSAは、化合物が血液脳関門を透過する能力を予測するためにあらゆる所定の化合物について計算できる。このような計算および予測、例えば計算モデルに対して様々な方法を使用できる。例えば、フラグメントベースの寄与の合計としての分子極性表面積を計算するための方法は、本明細書に参照により組み込まれるErtl et al.,J.Med.Chem.43:3714−3417(2000)に記載されている。所定の実施形態では、化合物についてのTPSA値は、Advanced Chemistry Development社から市販で入手できるソフトウエア(ACD10、ACD/ChemSketch)を使用して計算される。一部の好ましい実施形態では、式Iおよび/またはIIの化合物であって、このような化合物のTPSAがオテナバンのTPSAより大きい(つまり、約50より大きい)化合物が提供される。例えば、所定の実施形態では、本発明による化合物のTPSAは、約55より大きい、約60より大きい、約65より大きい、約70より大きい、または約75より大きい。所定の化合物は、約80より大きい、約90より大きい、または約100より大きいTPSAを示す可能性がある。
従って、本発明の所定の実施形態では、血液脳関門を通る相当に低い透過率を示す化合物が提供される。例えば、化合物は、血液脳関門を通る好ましくはリモナバンより低い透過率を好ましくは示すことができる。化合物の透過率は、インビボ法、例えば静脈内注射/脳サンプリング、脳取込み指数、脳潅流、定量的オートラジオグラフィー、外部登録(MRI、SPECT、PET)、マイクロダイアリシスもしくはCSFサンプリングなど;およびインビトロ法、例えば新鮮単離脳微小血管および内皮細胞培養についての結合、取込みおよび流出測定法を含むがこれらに限定されない何らかの手段によって測定できる。血液脳関門透過率を予測および測定するための様々な方法についての総説は、どちらも参照により本明細書に組み込まれるBickel,NeuroRx(登録商標)2:15−26(2005)およびLiu,Drug Metabolism and Disposition 32(1):132−139(2004)の中に見いだすことができる。
所定の実施形態では、以下の構造:
(式中、R
12は、ハロ、OH、場合により置換されたC1−10アルキル、場合により置換されたC1−10アルコキシ、場合により置換されたC2−4アルケニル、場合により置換されたC2−4アルキニル、場合により置換されたアリール(例、フェニル)、場合により置換されたアラルキル、場合により置換されたアルカリル、NR
6R
7、NR
6COR
7、CR
6R
7OR
8、CO
2R
6、CN、CF
3、NO
2、N
3、C1−3アルキルチオ、R
9SO、R
9SO
2、CF
3SおよびCF
3SO
2、NR
6SO
2R
9、NR
6CONR
7R
11、NR
6CO
2R
7およびCONR
6R
7からなる群より選択される;
R
13は、NR
6SO
2R
9、NR
6CONR
7R
11、NR
6COR
15およびNR
6CO
2R
7からなる群より選択される;
およびpは、0から9の整数である)
による式IAのピリミジン含有化合物ならびにこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよび異性体が提供される。
式IAによる化合物では、R13は、スルファミドもしくはスルホンアミド、NR6SO2R9(例、NHSO2CH3)、カルバメート、NR6CO2R7(例、NHC(O)O−t−ブチル)もしくはウレア、NR6CONR7R8であってよい。一部の典型的なウレア置換基では、R6およびR7=Hである。所定のウレア置換基では、R11は、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルもしくはt−ブチル)からなる群より選択されるアルキルである。所定の実施形態では、p=1であり、R12置換基はR13と同一炭素に結合している。一部の実施形態では、R12は、アリール(例、フェニル)または場合により置換されたアリール(例、場合により置換されたフェニル)である。
所定の実施形態では、式IAのスルファミドもしくはスルホンアミド含有化合物ならびに以下の構造による式IBの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよび異性体が提供される。
上記のように、プリン縮合環系およびスルファミドもしくはスルホンアミド基の間のリンカー基Lの長さおよび化学的組成は、様々であってよい。所定の典型的化合物では、Lは1つ以上の直鎖状および/またはシクロアルキル基を含んでいる。例えば、下記の式IB(1)は、式IBの化合物の典型的なサブセットであり、このときLは、直鎖状アルキルリンカー内にシクロヘキシルサブユニットを含んでいる。
式中、aおよびbは、0から9から各々独立して選択される整数である。所定の実施形態では、aおよびbはどちらも1である。
一部の実施形態では、以下の構造:
(式中、R
12は、ハロ、OH、場合により置換されたC1−10アルキル、場合により置換されたC1−10アルコキシ、場合により置換されたC2−4アルケニル、場合により置換されたC2−4アルキニル、場合により置換されたアリール(例、フェニル)、場合により置換されたアラルキル、場合により置換されたアルカリル、NR
6R
7、NR
6COR
7、CR
6R
7OR
8、CO
2R
6、CN、CF
3、NO
2、N
3、C1−3アルキルチオ、R
9SO、R
9SO
2、CF
3S、CF
3SO
2、NR
6SO
2R
9、NR
6CONR
7R
11、NR
6CO
2R
7およびCONR
6R
7からなる群より選択される;および
qは、0から9の整数である。所定の実施形態では、q=0である)
に記載の式ICのチオモルホリン1,1−ジオキシド含有化合物ならびにこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよび異性体が提供される。
所定の実施形態では、以下の構造:
(式中、Pipは、炭素原子を介して結合された、場合により置換されたピペリジン環である)
に記載の式IDのピペリジン含有化合物ならびにこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよび異性体が提供される。所定の実施形態では、該ピペリジン環のNは、該プリン成分に隣接するNにつながるメタもしくはパラである。
以下では、式IDのピペリジン環の所定の典型的な立体配置を以下の図ID(1)およびID(2):
(式中、R
12は、ハロ、OH、場合により置換されたC1−10アルキル、場合により置換されたC1−10アルコキシ、場合により置換されたC2−4アルケニル、場合により置換されたC2−4アルキニル、場合により置換されたアリール(例、フェニル)、場合により置換されたアラルキル、場合により置換されたアルカリル、NR
6R
7、NR
6COR
7、CR
6R
7OR
8、CO
2R
6、CN、CF
3、NO
2、N
3、C1−3アルキルチオ、R
9SO、R
9SO
2、CF
3S、CF
3SO
2、NR
6SO
2R
9、NR
6CONR
7R
11、NR
6CO
2R
7およびCONR
6R
7からなる群より選択される;
R
14は、H、場合により置換されたC1−10アルキル、CR
6R
7OR
8、CONR
6R
7、C(O)OR
6、C(O)R
6、SOR
9およびSO
2R
9からなる群より選択される;および
qは、0から9の整数である。所定の実施形態では、q=0である)
において例示する。
本明細書に活性薬剤として開示した化合物は、(R)または(S)立体配置のいずれかであってよい、またはこれらの混合物を含んでいてよいキラル中心を含有していてよい。従って、本発明は、本明細書に記載した化合物の、必要に応じて別個に、またはいずれかの比率で混合された立体異性体をさらに含む。立体異性体は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ混合物およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。このような立体異性体は、エナンチオマー形の出発材料を反応させる方法、または本発明の化合物の異性体を分離する方法のいずれかによって慣習的技術を使用して製造および分離することができる。異性体は、幾何異性体を含むことができる。幾何異性体の例には、二重結合を横断するシス異性体もしくはトランス異性体が含まれるがこれらに限定されない。他の異性体は、本発明の化合物の間で企図されている。これらの異性体は、純粋形で、または本明細書に記載した化合物の他の異性体との混合物のいずれかで使用できる。
一部の実施形態では、式Iの化合物はラセミ形である。一部の実施形態では、1つ以上のキラル中心を有する化合物が提供される。本発明の化合物のラセミ混合物は活性、選択的および生体内利用可能であってよいが、単離された異性体もまた同様に重要な場合がある。本発明による化合物は、場合により、エナンチオマー的に富裕な、例えば1つのエナンチオマーが、詳細には95%以上、もしくは100%を含む98%以上の程度まで過剰に存在するエナンチオマーの混合物である化合物で提供されてよい。
光学活性形を製造して活性を決定するための様々な方法は当分野において公知である。このような方法には、本明細書に記載した標準試験または当分野において周知である他の類似試験が含まれる。本発明による化合物の光学異性体を得るために使用できる方法の例には、以下が含まれる:
i)個別エナンチオマーの巨視的結晶を手作業で分離する結晶の物理的分離。この技術は特に、別個のエナンチオマーの結晶が存在し(つまり、この物質は集合体である)、結晶が視覚的に別個である場合に使用できる;
ii)個別エナンチオマーをラセミ化合物の溶液から別個に結晶化する同時結晶化であり、これはラセミ化合物が固体状態では集合体である場合にのみ可能である;
iii)エナンチオマーと酵素との反応速度が相違することによってラセミ化合物を部分的もしくは完全に分離する酵素的分割;
iv)合成の少なくとも1つの工程が所望のエナンチオマーのエナンチオマー的に純粋もしくは富裕な合成前駆体を得るために酵素反応を使用する合成技術である酵素的不斉合成;
v)所望のエナンチオマーが、生成物中で不斉性(つまり、キラリティ)を生成する条件下で、アキラル前駆体から合成される、キラル触媒もしくはキラル補助基を使用して達成できる化学的不斉合成;
vi)ラセミ化合物を、個別エナンチオマーをジアステレオマーへ変換させるエナンチオマー的に純粋な試薬(キラル補助基)と反応させるジアステレオマー分離。結果として生じるジアステレオマーは、次にクロマトグラフィーもしくは結晶化によって、現在はより顕著な構造差および所望のエナンチオマーを得るために後に除去するキラル補助基によって分離する;
vii)ラセミ化合物由来のジアステレオマーが平衡して所望のエナンチオマーからのジアステレオマーの溶液中で優勢を生じる、または所望のエナンチオマーからのジアステレオマーの優先的結晶化が、最終的には原則として全ての物質が所望のエナンチオマーからの結晶性ジアステレオマーへ変換するように該平衡を混乱させる一次および二次不斉転換。次に所望のエナンチオマーをジアステレオマーから遊離させる;
viii)エナンチオマーと非ラセミ性のキラル試薬もしくは触媒との速度論的条件下での不当反応速度によりラセミ化合物の部分もしくは完全分解(または部分溶解化合物のまた別の分解)を含む速度論的分割;
ix)所望のエナンチオマーを非キラル出発物質から得て、立体化学的完全性が存在しない、または合成の経過にわたって最小限にしか損傷しない場合の非ラセミ前駆体からのエナンチオ特異的合成;
x)ラセミ化合物のエナンチオマーを固定相との様々な相互作用によって液体移動相中で分離するキラル液体クロマトグラフィー。固定相は、キラル物質から製造できる、または移動相は様々な相互作用を誘発するために追加のキラル物質を含有できる;
xi)ラセミ化合物を揮発させ、エナンチオマーを気体移動相内での固定非ラセミ形キラル吸着層を含有するカラムとの様々な相互作用によって分離させるキラルガスクロマトグラフィー;
xii)エナンチオマーを特定のキラル溶媒への1つのエナンチオマーの優先的分解によって分離する、キラル溶媒を用いた抽出;および
xiii)ラセミ化合物を薄膜障壁と接触させて配置する、キラル膜を横断する輸送。この障壁は、典型的には1つはラセミ化合物を含有する2つの混和性流体を分離し、例えば濃度差もしくは圧差などの駆動力が該膜障壁を横断する優先輸送を誘発する。分離は、該ラセミ化合物の1つのエナンチオマーだけが通過する該膜の非ラセミ性キラル性質の結果として発生する。
本明細書で使用する用語「(R)および(S)」は、本組成物が他の異性体と比較して該化合物のより大きな比率の指名された異性体を含有することを意味する。1つの好ましい実施形態では、これらの用語は、本組成物が少なくとも90重量%の指名された異性体および10重量%以下の1つ以上の他の異性体;またはより好ましくは約95重量%の指名された異性体および5%以下の1つ以上の他の異性体を含有することを示している。これらのパーセンテージは、本組成物中に存在する本発明の化合物の総量に基づいている。
本発明の化合物は、このままで、または医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよび異性体の形態で利用できる。例えば、本化合物は、医薬として許容される塩として提供されてよい。使用する場合、薬物化合物の塩は薬理学的および医薬的のどちらでも許容可能でなければならないが、医薬として許容されない塩は慣習的に、遊離活性化合物もしくはこの医薬として許容される塩を製造するために使用することができ、本発明の範囲から排除されない。このような薬理学的および医薬として許容される塩は、該薬物と有機酸もしくは無機酸との反応によって、文献において記載された標準方法を使用して製造することができる。本発明により有用な本化合物の医薬として許容される塩の例には、酸付加塩が含まれる。しかし医薬として許容されない酸の塩は、例えば、本化合物の製造および精製において有用な可能性がある。本発明による適切な酸付加塩には、有機および無機酸が含まれる。好ましい塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびイセチオン酸から形成される塩が含まれる。他の有用な酸付加塩には、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サリチル酸などが含まれる。医薬として許容される塩の特定の例には、スルフェート、ピロスルフェート、ビスルフェート、スルファイト、ビスルファイト、ホスフェート、モノヒドロゲンホスフェート、ジヒドロゲンホスフェート、メタホスフェート、ピロホスフェート、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アセテート、プロピオネート、デカノエート、カプリレート、アクリレート、ホルメート、イソブチレート、カプロエート、ヘプタノエート、プロピオレート、オキサレート、マロネート、スクシネート、スベレート、セバケート、フマレート、マレエート、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、スルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、γ−ヒドロキシブチレート、グリコレート、タルトレート、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレン−2−スルホネートおよびマンデレートが含まれるがこれらに限定されない。
酸付加塩は、適切な塩基を用いた処理によって遊離塩基へ再転換させることができる。本発明によって有用な化合物上に存在していてよい酸成分の塩基性塩の製造は、医薬として許容される塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリエチルアミンなどを使用して類似方法で製造できる。
本発明による活性薬剤化合物のエステルは、本化合物の分子構造内に存在していてよいヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基の官能化を介して製造できる。アミドおよびプロドラッグもまた、当業者に公知の技術を使用して製造できる。例えば、アミドはエステルから、適切なアミン反応物質を用いて製造できる、またはアミドは無水物もしくは酸塩化物からアンモニアもしくは低級アルキルアミンとの反応によって製造できる。さらに、本発明の化合物のエステルおよびアミドは、適切な有機溶媒(例、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド)中において0℃から60℃の温度でカルボニル化剤(例、エチルホルメート、酢酸無水物、塩化メトキシアセチル、塩化ベンゾイル、メチルイソシアネート、エチルクロロホルメート、塩化メタンスルホニル)および適切な塩基(例、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム)との反応によって作成できる。プロドラッグは、典型的には、個体の代謝系によって修飾されるまでは治療上不活性である化合物を生じさせる成分の共役結合によって製造される。医薬として許容される溶媒和物の例には、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸もしくはエタノールアミンと組み合わせた本発明による化合物が含まれるがこれらに限定されない。
固体組成物の場合には、本発明の方法において使用される化合物は、様々な形態で存在してよいと理解されている。例えば、本化合物は安定性および純安定性結晶形ならびに等方性および非晶質形で存在してよいが、これらの全部は本発明の範囲内に含まれると企図されている。
本発明による活性薬剤として有用な化合物が塩基である場合は、所望の塩は、遊離塩基と無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、または有機酸、例えば酢酸、リンゴ酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、パラノシジル酸、例えばグルクロン酸およびガラクツロン酸、α−ヒドロキシ酸、例えばクエン酸および酒石酸、アミノ酸、例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸、芳香族酸、例えば安息香酸および桂皮酸、スルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸などとの処理を含む当分野において公知の適切な方法によって製造できる。
活性薬剤としての本明細書に記載した化合物が酸である場合は、所望の塩は、遊離酸と無機もしくは有機塩基、例えば(第一級、第二級もしくは第三級)アミン、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物などとの処理を含む当分野において公知の任意の適切な方法によって製造できる。適切な塩の例示的な実施例には、例えばグリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン、および例えばピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなどの環状アミン由来の有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩が含まれる。
本発明は、本明細書に記載した活性薬剤化合物のプロドラッグおよび活性代謝産物をさらに含んでいる。本明細書に記載した化合物のいずれも、本化合物の活性、バイオアベイラビリティもしくは安定性を増加させるため、またはさもなければ本化合物の特性を変化させるためにプロドラッグとして投与できる。プロドラッグの典型的な例には、本活性化合物の機能的成分上で生物学的に不安定な保護基を有する化合物が含まれる。プロドラッグには、活性化合物を製造するために酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、水酸化、脱水酸化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化および/または脱リン酸化できる化合物が含まれる。
多数のプロドラッグリガンドは公知である。一般に、本化合物の1つ以上のヘテロ原子、例えば遊離アミンもしくはカルボン酸残基のアルキル化、アシル化または他の親油性修飾は、極性を低下させ、細胞内への通過を可能にする。本発明の化合物上の1つ以上の水素原子を置換できる置換基の例には、以下の:アリール;ステロイド;炭水化物(糖を含む);1,2−ジアシルグリセロール;アルコール;アシル(低級アシルを含む);アルキル(低級アルキルを含む);スルホネートエステル(アルキルもしくはアリールアルキルスルホニル、例えばメタンスルホニルおよびベンジルを含むが、このとき該フェニル基は、本明細書に記載したアリールの定義において提供される1つ以上の置換基で場合により置換されている);場合により置換されたアリールスルホニル;脂質(リン脂質を含む);ホスホチジルコリン;ホスホコリン;アミノ酸残基もしくは誘導体;アミノ酸アシル残基もしくは誘導体;ペプチド;コレステロール;またはインビボで投与されると遊離成分、例えばアミンおよび/またはカルボン酸成分を生じさせる他の医薬として許容される離脱基が含まれるがこれらに限定されない。これらはいずれも所望の作用を達成するために開示した活性薬剤と併用して使用できる。
本発明の所定の好ましい化合物には以下が含まれる:
本発明の化合物は、CB1受容体でアンタゴニストとして機能できるが、好ましくは血液脳関門を通過しない。そこで所定の実施形態では、本化合物は、末梢限定的CB1アンタゴニストであると説明できる。上記のように、本発明の所定の化合物は、高いTPSA値を有する。高いTPSA値を有する化合物は、典型的には中枢神経系(CNS)への低い透過率を示し、これは本発明によると有益な可能性がある。所定の化合物は、H結合のために利用できる水素を有しており、これはさらに受容体部位と相互作用する能力を本化合物に提供するが、これはこのような化合物の改善された効力を導くことができる。所定の実施形態では、本化合物は、CNS透過性を妨害するが、経口取込みを可能にするために合理的レベルの経口バイオアベイラビリティを保証するためにTPSAを最大化できるように調整して製造される。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、CB1受容体に対して選択的である。
製造方法
本発明は、式IおよびIIによって表される構造を有する化合物を製造する方法をさらに含んでいる。当業者であれば、合成の化学反応に影響を及ぼせる様々な官能基に適応させるための必要とされるこれらの方法を適合させることができよう。
所定の実施形態では、本発明の化合物は、以下のスキームに従って製造できる。スキーム1は、(a)所定のピペリジン含有アナログの製造、(b)本発明の化合物に変換できる求核性芳香族置換によるN−アルキル中間体の製造であって、例えば(c)塩化スルホニルとの反応によってスルホンアミドが得られる、または(d)ジアミノスルホン酸との反応によってスルファミドが得られるための考えられる合成方法を例示している。
スキーム1:
所定の実施形態では、本発明の化合物は、本発明の様々なピペリジン含有スルホンアミド、カルバメートおよびウレアを製造するための合成経路を示しているスキーム2に従って製造できる。
一般に、工程a)では、プリン誘導体を、官能化ピペリジンと反応させて、これに結合したアミン官能化ピペリジンを有するプリン誘導体が得られる。アミンは、例えば、工程b)に示したように塩化スルホニルと反応させてスルホンアミド基が得られ、または工程c)に示したようにイソシアネートと反応させてウレアが得られるようにさらに官能化することができる。
スキーム2:
所定の実施形態では、本発明の化合物は、本発明の様々なピペリジン含有スルホンアミド、カルバメートおよびウレアを製造するための合成経路を示しているスキーム3に従って製造できる。
一般に、工程a)では、プリン誘導体を、官能化ピペリジンと反応させて、これに結合したピペリジン官能化アミンを有するプリン誘導体が得られる。ピペリジン窒素は、例えば、工程b)に示したように塩化スルホニルと反応させてスルホンアミド基が得られ、または工程c)に示したようにイソシアネートと反応させてウレアが得られるようにさらに官能化することができる。
スキーム3:
式IIの化合物は、例えば、スキーム4に従って製造できる。一般に、工程a)では、プリン誘導体を、官能化ピペリジンと反応させて、これに結合したアミン官能化ピペリジンを有するプリン誘導体が得られる。アミンは、例えば工程b)に示したように、カルボン酸もしくはアミノ酸と反応させて、アミド基が得られるようにさらに官能化することができる。
スキーム4:
組成物
本発明の化合物(および/またはこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよび/または異性体)を未加工化学薬品形で投与することは可能ではあるが、本化合物は医薬製剤として送達されることが好ましい。従って、本発明によって、CB1受容体のアンタゴニストとして機能できる少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物が提供される。そこで、本発明の製剤は、上述したような式Iの化合物もしくは式IIの化合物またはこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグもしくは異性体をこれらのための1つ以上の医薬として許容される担体、および場合により他の治療用成分と一緒に含んでいる。
用語「医薬として許容される担体」は、薬剤の保管、投与および/または治癒作用を促進するために当分野で慣習的に使用される担体が意図されている。担体は、製剤の他の成分と相溶性であり、これらのレシピエントにとって過度に有害ではないという意味において医薬として許容されなければならない。担体は、該薬剤のあらゆる望ましくない副作用もさらに低下させることができる。このような物質の例は、当分野において公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWang et al.(1980)J.Parent.Drug Assn.34(6):452−462を参照されたい。
本発明の製剤中で使用するためのアジュバント成分もしくは副成分は、当分野において一般に許容されると見なされる任意の医薬成分、例えば結合剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤、希釈剤、界面活性剤、安定剤、保存料、着香料および着色剤などを含むことができる。本組成物は、希釈剤、緩衝剤、結合剤、崩壊剤、増粘剤、潤滑剤、保存料(酸化防止剤を含む)、着香料、矯味剤、無機塩(例、塩化ナトリウム)、抗菌剤(例、塩化ベンズアルコニウム)、甘味剤、耐電防止剤、界面活性剤(例、ポリソルベート、例えばBASF社から入手できる「TWEEN20」および「TWEEN80」、ならびにpluronic、例えばF68およびF88)、ソルビタンエステル、脂質(例、リン脂質、例えばレシチンおよび他のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸および脂肪酸エステル、ステロイド(例、コレステロール)、ならびにキレート剤(例、EDTA、亜鉛および他のこのような適切なカチオン類)をさらに含むことができる。
本発明による組成物中で使用するために適合する典型的な医薬賦形剤および/または添加物は、参照により本明細書に組み込まれるRemington:The Science & Practice of Pharmacy,”21st ed.Lippincott Williams & Wilkins(2006)、Physician’s Desk Reference,64th ed.,Thomson PDR(2010)およびHandbook of Pharmaceutical Excipients,6th ed.,Eds.Raymond C.Rowe et al.,Pharmaceutical Press(2009)に列挙されている。
結合剤は、一般には錠剤の凝集性を促進し、錠剤が圧縮後に無傷のままであることを保証するために使用される。適切な結合剤には、デンプン、多糖類、ゼラチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックスならびに天然および合成ガムが含まれるがこれらに限定されない。許容される充填剤には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末セルロースおよび微結晶セルロース、ならびに可溶性物質、例えばマンニトール、ウレア、スクロース、ラクトース、デキストロース、塩化ナトリウムおよびソルビトールが含まれる。潤滑剤は、錠剤製造を促進するために有用であり、植物油、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸が含まれる。錠剤の崩壊を促進するために有用な崩壊剤には、一般に、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン、ガムおよび架橋ポリマーが含まれる。錠剤にかさを提供するために一般に含まれる希釈剤は、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉糖を含むことができる。本発明による製剤中に使用するために適切な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両イオン性または非イオン性界面活性剤であってよい。安定剤は、活性薬剤を分解させる反応、例えば酸化反応を阻害もしくは低下させるために本製剤中に含めることができる。
本発明の製剤は、本製剤が本明細書に記載した化合物の投与を達成することを前提に、短期性、即効性、即時相殺性、制御放出性、持続放出性、遅延放出性およびパルス放出性製剤を含むことができる。例えば、参照により本明細書に全体として組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.;Mack Publishing Company,Eaton,Pennsylvania,1990)を参照されたい。
本発明による医薬製剤は、経口、非経口(静脈内、筋肉内、皮下、皮内および経皮的を含む)、局所(皮膚、口腔および舌下を含む)ならびに直腸投与を含む様々な送達様式のために適合する。最も有用および/または有益な投与様式は、特別にはレシピエントの状態および治療される疾患に依存して変動する可能性がある。
医薬製剤は、このような製剤を医薬分野において一般に公知である方法のいずれかによって製造できる、単位剤形で便宜的に利用可能であるように製造することができる。一般的に言えば、このような製造方法は、(様々な方法によって)活性薬剤、例えば本発明の式IおよびIIの化合物(もしくはこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、もしくは溶媒和物)を1つ以上の成分からなってよい適切な担体もしくは他のアジュバントと結合する工程を含んでいる。本有効成分と1つ以上のアジュバントとの組み合わせは、次に送達のための適切な形態の製剤を提示するために物理的に処理される(例、錠剤に仕上げる、または水性懸濁液を形成する)。
経口投与のために適合する本発明による医薬製剤は、例えば各々が規定量の本活性薬剤を含有している錠剤、カプセル剤、カプレット剤およびウエハ剤(急速に溶解もしくは発泡することを含む)などの様々な形態を取ることができる。本製剤は、さらに散剤もしくは顆粒剤、水性液もしくは非水性液中の溶液もしくは懸濁液および液体エマルジョン(水中油型および油中水型)としての形態にあってもよい。本活性薬剤は、ボーラス剤、舐剤もしくはペースト剤として送達することもできる。一般に、上記の剤形の製造方法は概して当分野において公知であり、任意のこのような方法は、本発明による化合物の送達において使用するための各剤形を製造するために適合する。
本発明による化合物を含有する錠剤は、当業者には容易に公知である任意の標準方法によって、例えば、1つ以上のアジュバントもしくは副成分を用いて圧縮もしくは成形などの方法によって製造できる。錠剤は、場合によりコーティングもしくは分割することができ、活性薬剤の緩徐もしくは制御放出を提供できるように調合できる。
固体剤形は、例えばコーティングの塗布などによって、活性薬剤の遅延放出を提供できるように調合できる。遅延放出コーティングは当分野において公知であり、このようなコーティングを含有する剤形は、任意の公知の適切な方法によって製造できる。このような方法には、一般に、固体剤形(例、錠剤もしくはカプレット剤)の製造後に、遅延放出コーティング組成物が塗布される方法が含まれる。塗布は、例えばエアレススプレー法、流動床コーティング、コーティングパンの使用などの方法によってでよい。遅延放出コーティングとして使用するための物質は、実際上、ポリマー物質、例えばセルロース物質(例、セルロースブチレートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびカルボキシメチルエチルセルロース)、ならびにアクリル酸、メタクリル酸およびこれらのエステルのポリマーおよびコポリマーであってよい。
本発明による固体剤形は、さらに持続放出型(つまり、長期間にわたって活性薬剤を放出する)であってよく、ならびに遅延放出型であっても遅延放出型でなくてもよい。持続放出製剤は当分野において公知であり、一般に好ましくは薬物を次第に分解可能もしくは加水分解可能な物質、例えば不溶性プラスチック、親油性ポリマーもしくは脂肪族化合物のマトリックス内に分散させる工程によって製造される。または、固体剤形は、このような物質でコーティングされてよい。
非経口投与のための製剤には、さらに追加の物質、例えば酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および該製剤を目的のレシピエントの血液と等張性にさせる溶質をさらに含有することができる水性および非水性無菌注射液が含まれる。本製剤は、懸濁化剤および増粘剤を含有する水性および非水性無菌懸濁液を含むことができる。非経口投与のためのこのような製剤は、単位用量もしくは多用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで提供することができ、使用直前の無菌液体担体、例えば水(注射用)の添加しか必要としないフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管することができる。即時調合型注射液および懸濁液は、上記に説明した種類の無菌散剤、顆粒剤および錠剤から製造できる。
本発明による化合物は、経皮的に投与することもできるが、このとき活性薬剤は長期間にわたりレシピエントの表皮と密接に接触したままであるのに適した積層構造(一般には「パッチ」と呼ばれる)に組み込まれる。典型的には、このようなパッチは、単層の「薬物溶解型粘着剤(Drug−in−adhesive)」パッチまたは多層パッチとして利用できるが、このとき活性薬剤は接着剤層とは別個の層中に含有されている。どちらのタイプのパッチも、一般にはバッキング層とレシピエントの皮膚に貼付する前に取り除かれるライナーを含有している。経皮的薬物送達パッチは、さらにまた半透過性膜と接着剤層によってレシピエントの皮膚から分離されるバッキング層の下にある貯留層もまた含んでいてよい。経皮的薬物送達は、受動拡散を介して発生できる、またはエレクトロトランスポートもしくはイオントフォレシスを使用して促進できる。
本発明の化合物を直腸送達するための製剤には、肛門坐剤、クリーム剤、軟膏剤および液剤が含まれる。坐剤は、当分野において一般に公知の担体、例えばポリエチレングリコールと組み合わせた活性薬剤として提示できる。このような剤形は、急速に、または長期間をかけて分解するように設計することができ、完全に崩壊するための時間は短時間、例えば約10分間から長時間、例えば約6時間までの範囲に及ぶ可能性がある。
上記の式IおよびIIの化合物は、経口、口腔、直腸、局所、鼻腔、眼科または非経口(腹腔内、静脈内、皮下もしくは筋肉内注射)投与のために適合する化合物を含む組成物で処方できる。本組成物は、便宜的にも単位剤形で提示することができ、製薬分野において周知のいずれかの方法によって製造できる。全ての方法は、式IもしくはIIの化合物を、1つ以上の副成分を構成する担体と結び付ける工程を含んでいる。一般に、本組成物は、液剤もしくは懸濁剤を形成するために本発明の化合物を液体担体と結び付ける工程によって、または固体、場合により粒子状生成物を形成するために適合する製剤成分と本発明の化合物とを結び付け、この後に根拠があれば、該生成物を所望の送達形に成型する工程によって製造される。本発明の固体製剤は、粒子状の場合、典型的には約1nm(ナノメートル)から約500μ(ミクロン)の範囲内のサイズを有する粒子を含む。一般に、静脈内投与が企図される固体製剤については、粒子は、典型的には直径が約1nmから約10μに及ぶ。
製剤中の式IもしくはIIの化合物の量は、選択された特定化合物、剤形、標的患者集団および他の検討事項に依存して変動し、当業者によって容易に決定される。製剤中の式IもしくはIIの化合物の量は、本発明の化合物に関連する治療作用の内の少なくとも1つを達成するためにこれを必要とする患者に治療有効量の化合物を送達するために必要な量である。実際に、これは特定の化合物、該化合物の活性、治療対象の状態の重症度、患者集団、製剤の安定性などに依存して大きく変動する。組成物は、一般に本発明の化合物を概して約1重量%から約99重量%、典型的には約5重量%から約70重量%、およびより典型的には約10重量%から約50重量%含有することになり、さらに本組成物中に含有された相対量の賦形剤/添加物に依存することになる。
組み合わせ
特定の実施形態では、本発明の化合物と組み合わせて使用される活性薬剤は、本明細書で考察した状態を治療するために有用であると一般に認識された1つ以上の化合物を含んでいる。1つの実施形態では、異なる治療クラスのものであってよい2つ以上の薬物の使用は、該薬物の1つ以上と関連する有効性を強化する、および/または有害作用を低下させることができる。
例えば、所定の実施形態では、本発明は、肥満症の治療に関する。従って、1つの実施形態では、式IもしくはIIの化合物は、肥満症を治療するために1つ以上の公知の抗肥満症薬と組み合わせられる。一般的治療クラスの肥満症薬には、食欲を低下させる、または満腹度を増加させるいずれかによって食物摂取量を減少させる薬物、栄養の吸収を減少させる薬物、エネルギー消費量を増加させる薬物が含まれる。公知の抗肥満症薬の例には、食欲抑制剤であるフェンテルミン;過食症を妨害することが証明されており、結果として体重減少および血圧降下を生じさせる抑制薬/てんかん薬であるトピラメート;膵リパーゼを阻害することによって腸による脂肪吸収を減少させるオリスタット(Xenical、Alli(登録商標));食欲減退薬もしくは食欲抑制剤であるシブトラミン(ReductilもしくはMeridia);食欲抑制剤(エトカチノン(ethcathinone)のプロドラッグとして機能する)として市販されている興奮剤であるジエチルプロピオン(ジエチルカチノン/アンフェプラモン、Anorex(登録商標)、Tenuate(登録商標)およびTepanil(登録商標)としても販売されている);肥満症の短期治療のために使用される四環系刺激薬であるマジンドール(Mazanor、Sanorex);食欲を低下させるために脳に中枢神経的に作用し、さらにエネルギー消費量を増加させられるカンナビノイド(CB1)受容体アンタゴニストである化合物であるリモナバン(Acomplia);2型真性糖尿病の人々におけるメトホルミン(glucophage);どちらも胃内容排出を遅延させて満腹感を促進するエクセナチド(Byetta)およびプラムリンチド(Symlin)が含まれる。薬草療法薬、緩下剤、ダイエット薬、利尿薬および/またはピルベートを含む他の店頭減量製品もまた、本明細書に開示した化合物と組み合わせることができる。本明細書に開示した化合物は、カロリー制限、運動および行動療法を含む非薬物療法と組み合わせて使用することもできる。
本発明の化合物と他の治療薬との組み合わせもまた本発明に含まれるが、このとき治療対象の状態は、CB1受容体の拮抗作用に応答性の可能性がある任意の状態である。
例えば、糖尿病は、本発明の化合物を用いて治療できるので、そこで1つの実施形態では、式IもしくはIIの化合物は糖尿病を治療するための1つ以上の公知の薬物と組み合わせられる。所定の実施形態では、糖尿病は、インスリンと組み合わせた本発明の化合物を用いて治療される。糖尿病用薬剤は、一般には血糖値を低下させるために様々な方法で作用する6つのクラスの薬物に含まれる。詳細には、これらの薬剤には、より多くのインスリンを放出するように膵臓のβ細胞を刺激するスルホニルウレア(例、クロルプロパミド(Diabinese)、グリピジド(GlucotrolおよびGlucotrol XL)、グリブリド(Micronase、GlynaseおよびDiabeta)ならびにグリメピリド(Amaryl));インスリンを放出するようにβ細胞を刺激するメグリチニド(例、レパグリニド(Prandin)およびナテグリニド(Starlix));主として肝臓によって生成されるグルコースを低下させることによって血糖値を低下させるビグアニド(例、メトホルミン(Glucophage));インスリンが筋肉および脂肪でより良好に機能するのに役立ち、さらに肝臓内での糖産生も減少させるチアゾリジンジオン(例、ロシグリタゾン(Avandia)およびピオグリタゾン(ACTOS));腸内でのデンプンの分解を遮断することによって血糖値降下に役立ち、一部の糖の分解を緩徐化できるα−グルコシダーゼ阻害剤(例、アカルボース(Precose)およびメグリトール(Glyset));ならびに身体内で自然に発生する血糖値を低下させる化合物であるGLP−1の分解を妨害するDPP−4阻害剤(例、シタグリプチン(Januvia)およびサキサグリプチン(Onglyza)が含まれる。
脂質異常症もまた、本発明による化合物を使用して治療することができる。そこで、1つの実施形態では、式IもしくはIIの化合物は、脂質異常症を治療するための1つ以上の公知の薬物と組み合わせられる。脂質異常症のための薬剤は、典型的には脂質濃度を低下させられる4つのクラスの化合物に含まれる。これらのクラスには、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤(例、)であるスタチン類;肝臓内でトリグリセリドおよび超低密度リポタンパク質産生を減少させるフィブレート類(ゲムフィブロジル、クロフィブレートおよびフェノフィブレート);総コレステロールおよびトリグリセリドを低下させ、さらに高密度リポタンパク質コレステロールを低下させるナイアシン(ニコチン酸もしくはビタミンB3としても公知である);ならびに小腸内で胆汁酸に結合して胆汁酸が肝臓に戻ることを防止する胆汁酸封鎖樹脂(例、コレスチポールおよびコレスチラミン)が含まれる。
本発明による化合物を使用すると、様々な肝疾患を治療できる。従って、1つの実施形態では、式IもしくはIIの化合物は、様々なタイプの肝疾患を治療するために1つ以上の公知の薬物と組み合わせられる。例えば、脂肪性肝疾患もしくは非アルコール性脂肪性肝炎を治療するために使用される典型的な薬物には、Actos、Avandia、Xenical、Actigall、Urso、Urso Forte、OrlostatおよびCystadaneが含まれる。
さらに、1つの実施形態では、式IもしくはIIの化合物は、疼痛および/または炎症を治療するために1つ以上の公知の薬物と組み合わせられる。多数のこのような薬物は周知であり、例えば、アセトアミノフェン(例、Tylenolおよびアスピリン非含有Excedrin);非ステロイド抗炎症薬(NSAIDS、例、アスピリン、MotrinおよびAleve);外用コルチコステロイド(例、CortaidおよびCortizone);コルチコステロイド(例、Deltasone、HydeltrasolおよびSolu−Medrol);オピオイド(例、モルヒネ、フェンタニル、オキシコドンおよびコデイン);抗うつ薬(例、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、例えば、Celexa、Prozac、PaxilおよびZoloft;三環系抗うつ薬、例えばElavil、Norpramin、Sinequan、TofranilおよびPamelor;選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取込み阻害剤(SSNRI)、例えばEffexorおよびCymbalta);ならびに抗痙攣薬(例、Tegretol、NeurontinおよびLyrica)が含まれる。
式IもしくはIIの化合物(および/またはこれらの医薬として許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよび/または異性体)ならびに1つ以上の他の治療薬は、単一組成物中に含めることができる、または任意の順序で同時もしくは順次的(連続的)に投与することができる。順次的投与のためには、式IもしくはIIの化合物および1つ以上の他の治療薬の各々は、各々が任意の順序で順次的に投与しなければならない固有の医薬組成物に調合することができる。または、式IもしくはIIの化合物および1つ以上の他の治療薬は、一緒に調合することができる。本組成物は、経口、全身性、局所、静脈内、非経口、膣内、眼球内、経口腔、経粘膜または経皮投与のために調合できる。
使用方法
また別の実施形態では、本発明は、患者におけるCB1受容体に拮抗することによって軽減される疾患を治療する、または疾患の進行を遅延させるための方法であって、治療有効量の少なくとも1つの式IもしくはIIの化合物を患者に投与する工程を含む方法を提供する。
詳細には、本発明は、動物、特にヒトおよび他の哺乳動物における肥満症およびこれらの状態の関連作用を治療する分野に関する。本発明は、CB1受容体の拮抗作用から利益が得られる可能性がある他の状態、例えば肝疾患、脂質異常症、疼痛/炎症および代謝疾患にさらに関する場合がある。一部の実施形態では、本化合物はCB1に対して他のカンナビノイド受容体に比較して大きな選択性を示す。
肥満症は、例えば個人が過剰の体脂肪を蓄積している場合に存在する、様々な関連する健康問題を導く場合がある、および30kg/m2以上のBMI(ボディマス・インデックス)を特徴とする病的状態という一般的意味を有する。過体重としても公知の前肥満症は、個人のBMIが25kg/m2から30kg/m2である状態を意味する。
治療方法は、一般に、場合により1つ以上の医薬として許容される担体を含む医薬組成物中の治療有効量の式IもしくはIIの化合物を投与する工程を含んでいる。治療有効量は、好ましくはCB1受容体に拮抗するために十分である。治療有効量は、さらに好ましくは患者がこのために治療される疾患の症状において該患者にある程度の緩和を誘発するために十分である。
例えば、1つの実施形態では、肥満症を治療する方法が提供される。このような方法では、前肥満症もしくは肥満症の患者を治療するための本発明の化合物の治療有効量は、CB1受容体に拮抗できる量であってよい。このような化合物は、患者が減少した食欲を経験することを誘発できる、および/または満腹感を作り出すことができる。肥満症を治療する方法は、患者の減量を達成もしくは維持するために使用できる。
また別の実施形態では、肝疾患を治療する方法が提供される。肝疾患は、例えば、脂肪性肝炎もしくは非アルコール性脂肪性肝炎(例、肥満症関連性脂肪症)であってよい。例えば、本発明の化合物は、一部の実施形態では、脂肪肝(アルコール性もしくは非アルコール性脂肪肝)の発生を緩徐化するため、一部の場合には、脂肪肝からより重篤な形態の肝疾患への進行を防止するために使用できる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、肝臓保護活性を生じさせるために機能できる。一部の実施形態では、本化合物は、コレステロール、遊離脂肪酸および/またはトリグリセリドを減少させて脂質濃度を調節することができる。
一部の実施形態では、糖尿病を治療する方法が提供される。糖尿病は、1型、2型、前糖尿病、妊娠糖尿病もしくは成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)であってよい。一部の場合では、糖尿病には、膵臓に損傷を誘発している疾患、例えば、嚢胞性線維症、慢性膵炎もしくは角膜血色素症が結び付いている。
一部の実施形態では、心血管疾患を引き起こす可能性がある、例えば高血糖および高トリグリセリドなどの一群の状態であるメタボリックシンドロームを治療する方法が提供される。所定の他の実施形態では、喫煙経験者において禁煙および/または体重増加を防止する方法が提供される。
任意の特定製剤の治療有効用量は、薬物毎、患者毎にある程度変動し、例えば患者の状態および送達経路などの因子に依存する。他の医薬的に活性な薬剤と結合して投与された場合は、少量の本発明の化合物でさえ治療的に有効な場合がある。さらに、治療有効量は、治療対象の特定の状態に依存して変動する場合がある。
本発明の化合物は、1日に1回または数回投与できる。1日量は、個別用量単位もしくは数個のより少量の用量単位の形態にある単回投与または所定の間隔をあけて細分用量の複数回投与のいずれかで投与できる。可能性がある送達経路には、経口腔、皮下、経皮、筋肉内、静脈内、経口または吸入が含まれる。
本発明の化合物は、薬物に基づかない療法を含む他のタイプの療法とともに使用できる。そこで、一部の実施形態では、本発明の方法は被験者にCB1受容体のアンタゴニストとして機能できる化合物を1つ以上の他のタイプの非薬物療法と組み合わせて投与する工程を含んでいる。
実験の部
以下では本発明の様々な実施形態に含まれることが意図される様々な化合物についての合成および特性解析データを提供する。実験の部に記載した化合物の全部が上記に提供した式IもしくはIIの一般属の構造内に含まれる訳ではないことに留意されたい。しかし、このような化合物は、本発明のまた別の代替実施形態として含まれることが意図されており、本出願はこのようなものとして読むべきである。そこで、本出願は、式IもしくはIIの中に含まれる化合物だけではなく、実験の部の中に詳細に参照された化合物にもまた向けられると解釈すべきである。
例えば、表1には、式中「X」が様々な化合物を得るために変化する置換基である構造が提供されている。この表に列挙されたX置換基の各々を有する式Iに記載の化合物もまた本明細書に含まれると意図されている。そこで、これらのX基は、所定の実施形態では、表1に提供した特定構造を有する成分だけではなく、式IおよびIIに規定した幅広い属の成分であると見なすことができる(つまり、表1に提供した化合物ならびに式IおよびIIの中で提供されたような分子中の様々な場所で他の置換基を含むこれらのアナログは本発明の範囲内に含まれる)。
[実施例1]
合成
化合物の純度および特性は、以下で記載するHPLC、TLCおよびNMR分析技術の組み合わせによって確定した。1HスペクトルはBruker Avance DPX−300(300MHz)分光計上で記録し、テトラメチルシラン(TMS)(0.00ppm)または他に明記しない限り内部参照としての溶媒ピークを用いてCHCl3−dもしくはMeOH−d4中で決定した。化学シフトは、溶媒シグナルに比較してppmで報告し、結合定数(J)値はヘルツ(Hz)で報告した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、EMDプレコーティングシリカゲル60 F254プレート上で実施し、スポットはUV光もしくはI2検出を用いて可視化した。低分解能質量スペクトルは、Waters Alliance HT/Micromass ZQシステム(ESI)を使用して入手した。全試験化合物は、Agilent Zorbax SB−Phenyl、2.1×150mm、移動相(A)0.05% CF3COOHを含有するH2Oおよび(B)メタノールを使用する勾配溶出による5μmカラムを使用するAgilent 1100システム上でのHPLCによって決定すると純度が95%超であった。1.0mL/分の流量を使用した。
1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−カルボキサミド。
2mLのエタノール中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(23.1mg、0.062mmol、1当量)の溶液に4−カルバモイル−4−フェニルピペリジン−1−イウムトリフルオロアセテート(25mg、0.123mmol、2当量)およびトリエチルアミン(0.03mL、0.19mmol、3当量)を加えた。反応液を55℃へ3日間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、21mg(63%)の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−カルボキサミドが得られた。1H NMR(300MHz,METHANOL−d4)δppm 2.02−2.21(m,2H)2.62(d,J=13.37Hz,2H)3.82(br.s.,2H)4.98(d,J=15.54Hz,2H)7.07−7.67(m,13H)8.02−8.29(m,1H)、[M+H]+ 543.6。
N−{[4−({[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}メチル)シクロヘキシル]メチル}メタンスルホンアミド。2mLのジオキサン中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(78mg、0.21mmol、1当量)の溶液に[4−(アミノメチル)シクロヘキシル]メタンアミン(89mg、0.62mmol、2当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%のCMA80/酢酸エチルを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、76mg(76%)のN−{[4−(アミノメチル)シクロヘキシル]メチル}−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−アミンが得られたので、これを次の工程で使用した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.85−1.13(m,2H)1.40−1.72(m,8H)1.74−2.01(m,2H)2.85−3.15(m,2H)3.48−3.75(m,2H)4.25−4.74(m,2H)5.98(br.s.,1H)7.05−7.59(m,8H)8.44(s,1H)。
5mLのTHF中のN−{[4−(アミノメチル)シクロヘキシル]メチル}−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−アミン(6mg、0.013mmol、1当量)の溶液に塩化メタンスルホニル(0.02mL)およびトリエチルアミン(0.05mL)を加えた。反応液を室温で16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、5mg(71%)のN−{[4−({[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}メチル)シクロヘキシル]メチル}メタンスルホンアミドが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.82−1.16(m,2H)1.33−1.75(m,6H)1.77−2.02(m,2H)2.84−3.00(m,4H)3.00−3.16(m,1H)3.43−3.80(m,2H)4.40−4.63(m,1H)5.89−6.18(m,1H)7.08−7.60(m,8H)8.44(s,1H)、[M+H]+ 559.6。
N−{[4−({[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}メチル)シクロヘキシル]メチル}アミノスルホンアミド。5mLのジオキサン中のN−{[4−(アミノメチル)シクロヘキシル]メチル}−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−アミン(6.6mg、0.014mmol、1当量)の溶液に10mgのスルファミドを加えた。反応液を80℃へ加熱し、16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、1.9mg(25%)のN−{[4−({[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}メチル)シクロヘキシル]メチル}アミノスルホンアミドが得られた。1H NMR(300MHz,METHANOL−d4)δppm 0.80−1.17(m,2H)1.21−1.79(m,6H)1.93(br.s.,2H)3.00(d,J=7.16Hz,2H)3.59(br.s.,2H)7.19−7.69(m,8H)8.13−8.35(m,1H)、[M+H]+ 562.2。
4−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−1λ6,4−チオモルホリン−1,1−ジオン。2mLのエタノール中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(19mg、0.051mmol、1当量)の溶液に1λ6,4−チオモルホリン−1,1−ジオン(14mg、0.10mmol、2当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、21mg(88%)の4−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−1λ6,4−チオモルホリン−1,1−ジオンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 3.20(br.s.,4H)4.87(br.s.,4H)6.95−7.58(m,8H)8.45(s,1H)、[M+H]+ 474.8。
tert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}カルバメート。2mLのエタノール中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(50mg、0.133mmol、1当量)の溶液にtert−ブチルN−(4−フェニルピペリジン−4−イル)カルバメート(44mg、0.16mmol、1.2当量)およびトリエチルアミン(0.03mL、0.20mmol、1.5当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、69mg(84%)のtert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}カルバメートが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.31−1.49(m,9H)2.09−2.28(m,2H)2.43(br.s.,2H)3.62(br.s.,2H)4.96(s,1H)5.30(br.s.,2H)7.03−7.61(m,13H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 615.4。
1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−アミン。tert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}カルバメート(2.65g、4.3mmol)の溶液をジクロロメタン(32mL)およびトリフルオロ酢酸(8mL)中で1.5時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗生成物を酢酸エチル中に溶解させ、3.8MのNaOHで洗浄した。水相は酢酸エチルを用いて2回抽出した。混ぜた有機相を食塩液で洗浄してMgSO4を用いて乾燥させると、2.21g(99%)の純粋な1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−アミンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.87(d,J=13.56Hz,2H)2.15−2.39(m,2H)3.82−4.11(m,2H)5.10(br.s.,2H)7.11−7.62(m,13H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 515.8。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}メタンスルホンアミド。2mLのTHF中の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−アミン(8.4mg、0.016mmol、1当量)の溶液に塩化メタンスルホニル(0.01mL)およびトリエチルアミン(0.02mL)を加えた。この混合液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、8mg(82%)のN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}メタンスルホンアミドが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 2.22(s,3H)2.30−2.44(m,2H)2.47−2.66(m,2H)4.20(br.s.,2H)4.75(s,2H)7.08−7.64(m,13H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 593.3。
1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−アミンからウレアを製造するための一般的方法。
2mLのTHF中の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−アミン(19mg、0.036mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.015mL、0.108mmol、3当量)および適切なイソシアネート(1.5当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、純粋な化合物が得られた。
3−tert−ブチル−1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}ウレア。反応は81%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.12(s,9H)2.13−2.27(m,2H)2.27−2.43(m,2H)3.67(br.s.,2H)3.96(br.s.,1H)4.78(br.s.,1H)5.10−5.68(m,2H)7.07−7.63(m,13H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 614.7。
1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}−3−エチルウレア。反応は81%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.85−1.01(m,3H)2.11−2.29(m,2H)2.30−2.47(m,2H)2.96−3.20(m,2H)3.64(br.s.,2H)4.10−4.24(m,1H)5.00(s,1H)5.32(d,J=14.41Hz,2H)7.10−7.60(m,13H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 586.8。
1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}−3−(プロパン−2−イル)ウレア。反応は79%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.94(d,J=6.50Hz,6H)2.13−2.29(m,2H)2.29−2.42(m,2H)3.51−3.76(m,2H)3.95(d,J=7.82Hz,1H)4.93(s,1H)5.32(d,J=13.56Hz,2H)7.07−7.63(m,13H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 600.7。
1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}−3−プロピルウレア。反応は88%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.64−0.77(m,3H)1.19−1.37(m,2H)2.10−2.27(m,2H)2.29−2.45(m,2H)2.87−3.08(m,2H)3.63(br.s.,2H)4.28(br.s.,1H)5.11(s,1H)5.36(br.s.,2H)7.10−7.60(m,13H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 600.5。
3−ブチル−1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}ウレア。反応は82%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.74−0.86(m,3H)1.11(dq,J=14.79,7.22Hz,2H)1.20−1.31(m,2H)2.11−2.27(m,2H)2.29−2.41(m,2H)3.05(q,J=6.59Hz,2H)3.63(br.s.,2H)4.22(t,J=5.13Hz,1H)5.07(s,1H)5.34(br.s.,2H)7.12−7.56(m,13H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 614.7。
エチル2−[({1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}カルバモイル)アミノ]アセテート。反応は92%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.18−1.28(m,3H)2.11−2.29(m,2H)2.33−2.52(m,2H)3.64(br.s.,2H)3.82−3.92(m,2H)4.09−4.24(m,2H)5.13(br.s.,1H)5.23−5.52(m,2H)5.60(s,1H)7.05−7.59(m,13H)8.39(s,1H)、[M+H]+ 644.4。
3−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}−1−シクロヘキシルウレア。反応は69%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.77−1.13(m,3H)1.15−1.36(m,3H)1.36−1.54(m,3H)1.56−1.76(m,1H)2.12−2.28(m,2H)2.29−2.42(m,2H)3.34−3.55(m,1H)3.65(br.s.,2H)3.96−4.20(m,1H)4.96(s,1H)5.34(br.s.,2H)7.06−7.61(m,13H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 640.5。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}アセトアミド。1mLの酢酸無水物および1mLのピリジン中の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−アミン(6mg、0.011mmol、1当量)の溶液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、6mg(95%)の所望のN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−イル}アセトアミドが得られた。化合物はH1 NMRによって95%純粋であると決定された。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.95−2.11(m,3H)2.15−2.39(m,2H)2.60(d,J=13.56Hz,2H)3.69(br.s.,2H)5.23(br.s.,2H)5.71(br.s.,1H)7.10−7.60(m,13H)8.31−8.48(m,1H)、[M−H]− 554.5。
N−tert−ブチル−1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−カルボキサミド。2mLのエタノール中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(19mg、0.051mmol、1当量)の溶液にN−tert−ブチル−4−フェニルピペリジン−4−カルボキサミド(13.2mg、0.051mmol、1当量)およびトリエチルアミン(0.02mL、0.15mmol、3当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、22mg(72%)のN−tert−ブチル−1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−カルボキサミドが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.14−1.32(m,9H)2.17(s,2H)2.39−2.58(m,2H)4.07(s,2H)5.01(s,2H)7.10−7.44(m,12H)7.51(d,J=6.59Hz,1H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 599.7。
tert−ブチル4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート。4mLのエタノール中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(151mg、0.403mmol、1当量)の溶液にtert−ブチル4−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(96mg、0.483mmol、1.2当量)およびトリエチルアミン(0.08mL、0.6mmol、1.5当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、203mg(94%)のtert−ブチル4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレートが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.38−1.55(m,11H)2.14(d,J=12.34Hz,2H)2.98(t,J=12.10Hz,2H)4.00−4.21(m,2H)4.28−4.52(m,1H)5.83(d,J=7.63Hz,1H)7.17−7.27(m,2H)7.31−7.44(m,5H)7.50(d,J=6.88Hz,1H)8.44(s,1H)、[M+H]+ 539.4。
8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−(ピペリジン−4−イル)−9H−プリン−6−アミン。tert−ブチル4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート(180mg、0.33mmol)の溶液をジクロロメタン(9mL)およびトリフルオロ酢酸(4mL)中で16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗生成物を酢酸エチル中に溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄した。水相は酢酸エチルを用いて2回抽出した。混ぜた有機相を食塩液で洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させた。粗物質を0から100%のCMA80/酢酸エチルを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、129mg(88%)の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−(ピペリジン−4−イル)−9H−プリン−6−アミンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.45(qd,J=11.66,3.81Hz,2H)2.10(d,J=11.87Hz,2H)2.64−2.88(m,2H)3.10(d,J=12.62Hz,2H)4.27(br.s.,1H)5.80(d,J=6.31Hz,1H)7.01−7.55(m,8H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 439.6。
8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−(ピペリジン−4−イル)−9H−プリン−6−アミンからウレアを製造するための一般的方法。
2mLのTHF中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−(ピペリジン−4−イル)−9H−プリン−6−アミン(18.4mg、0.042mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.02mL、0.126mmol、3当量)および適切なイソシアネート(1.5当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%のCMA80/酢酸エチルを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、純粋な化合物が得られた。
4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミド。反応は86%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.09(t,J=7.21Hz,3H)1.34−1.60(m,2H)2.11(d,J=12.34Hz,2H)2.83−3.06(m,2H)3.13−3.32(m,2H)3.92(d,J=13.37Hz,2H)4.40(d,J=4.90Hz,2H)5.80(d,J=7.82Hz,1H)7.04−7.51(m,8H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 510.4。
4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}−N−(プロパン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキサミド。反応は91%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.18(d,J=6.50Hz,6H)1.46−1.68(m,2H)2.19(d,J=10.55Hz,2H)3.03(t,J=11.59Hz,2H)3.89−4.10(m,3H)4.29(d,J=7.16Hz,1H)4.42(br.s.,1H)5.88(d,J=7.82Hz,1H)7.13−7.64(m,8H)8.45(s,1H)、[M+H]+ 524.7。
4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}−N−プロピルピペリジン−1−カルボキサミド。反応は95%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.86−1.01(m,3H)1.44−1.67(m,4H)2.19(d,J=10.64Hz,2H)3.05(t,J=11.73Hz,2H)3.22(q,J=6.59Hz,2H)3.92−4.08(m,2H)4.43(br.s.,1H)4.54(t,J=5.04Hz,1H)5.88(d,J=7.72Hz,1H)7.09−7.58(m,8H)8.45(s,1H)、[M+H]+ 524.8。
N−ブチル−4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキサミド。反応は91%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.79−0.92(m,3H)1.29(dq,J=14.75,7.20Hz,2H)1.36−1.58(m,4H)2.11(d,J=10.64Hz,2H)2.96(t,J=11.73Hz,2H)3.17(q,J=6.75Hz,2H)3.81−4.01(m,2H)4.22−4.51(m,2H)5.79(d,J=7.54Hz,1H)7.01−7.53(m,8H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 538.4。
1−(4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)エタン−1−オン。1mLの酢酸無水物および1mLのピリジン中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−(ピペリジン−4−イル)−9H−プリン−6−アミン(19.3mg、0.044mmol、1当量)の溶液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、9mg(43%)の所望の1−(4−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)エタン−1−オンが得られた。化合物はH1 NMRによって95%純粋であると決定された。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.36−1.52(m,2H)2.03−2.27(m,5H)2.81(t,J=11.49Hz,1H)3.13−3.33(m,1H)3.81(d,J=13.75Hz,1H)4.41(br.s.,1H)4.55(d,J=13.66Hz,1H)5.78(br.s.,1H)7.00−7.55(m,8H)8.37(s,1H)、[M+Na]+ 503.8
8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−(1−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)−9H−プリン−6−アミン。2mLのTHF中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−(ピペリジン−4−イル)−9H−プリン−6−アミン(18.4mg、0.042mmol、1当量)の溶液に塩化メタンスルホニル(0.005mL、0.063mmol、1.5当量)およびトリエチルアミン(0.02mL、0.126mmol、3当量)を加えた。この混合液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、20mg(91%)の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−(1−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)−9H−プリン−6−アミンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.58−1.76(m,2H)2.21(d,J=10.64Hz,2H)2.76(s,3H)2.90(t,J=10.93Hz,2H)3.77(d,J=12.15Hz,2H)4.33(br.s.,1H)5.84(br.s.,1H)7.04−7.51(m,8H)8.36(s,1H)、[M−H]− 515.7。
tert−ブチル(3R)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート。3mLのエタノール中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(100mg、0.267mmol、1当量)の溶液にtert−ブチル(3R)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(64mg、0.32mmol、1.2当量)およびトリエチルアミン(0.06mL、0.4mmol、1.5当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、124mg(86%)のtert−ブチル(3R)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレートが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.33(br.s.,9H)1.49−1.67(m,2H)1.74(d,J=6.97Hz,1H)2.00(d,J=2.83Hz,1H)3.20(br.s,2H)3.50(br.s,1H)3.88(br.s,1H)4.32(br.s.,1H)5.87(d,J=7.44Hz,1H)7.02−7.54(m,8H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 539.3。
tert−ブチル(3S)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート。3mLのエタノール中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(100mg、0.267mmol、1当量)の溶液にtert−ブチル(3S)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(64mg、0.32mmol、1.2当量)およびトリエチルアミン(0.06mL、0.4mmol、1.5当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、137mg(95%)のtert−ブチル(3S)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレートが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.43(br.s.,9H)1.60−1.76(m,2H)1.77−1.93(m,1H)2.08−2.22(m,1H)3.30(br.s.,2H)3.60(br.s.,1H)3.98(br.s.,1H)4.42(br.s.,1H)5.96(d,J=7.54Hz,1H)7.14−7.68(m,8H)8.48(s,1H)、[M+H]+ 539.4。
8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン。tert−ブチル(3R)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート(109mg、0.202mmol)の溶液をジクロロメタン(7mL)およびトリフルオロ酢酸(3mL)中で16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗生成物を酢酸エチル中に溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄した。水相は酢酸エチルを用いて2回抽出した。混ぜた有機相を食塩液で洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させた。粗物質を0から100%のCMA80/酢酸エチルを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、70mg(79%)の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.43−1.82(m,4H)1.91−2.03(m,1H)2.67(dt,J=11.68,7.16Hz,2H)2.76−2.94(m,1H)3.21(dd,J=11.82,2.87Hz,1H)4.28(br.s.,1H)6.11(d,J=6.12Hz,1H)6.98−7.57(m,8H)8.36(s,1H)、[M+H]+ 439.6。
8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3S)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン。tert−ブチル(3S)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート(120mg、0.22mmol)の溶液をジクロロメタン(7mL)およびトリフルオロ酢酸(3mL)中で16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗生成物を酢酸エチル中に溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄した。水相は酢酸エチルを用いて2回抽出した。混ぜた有機相を食塩液で洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させた。粗物質を0から100%のCMA80/酢酸エチルを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、64mg(65%)の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3S)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.55−1.86(m,4H)2.01−2.14(m,1H)2.66−2.85(m,2H)2.87−3.04(m,1H)3.32(dd,J=11.77,2.35Hz,1H)4.39(br.s.,1H)6.20(d,J=5.84Hz,1H)7.12−7.66(m,8H)8.47(s,1H)、[M+H]+ 439.6。
8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3R)−1−メタンスルホニルピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン。2mLのジクロロメタン中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン(20mg、0.046mmol、1当量)の溶液に塩化メタンスルホニル(0.007mL、0.091mmol、2当量)およびトリエチルアミン(0.02mL、0.137mmol、3当量)を加えた。この混合液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、12mg(51%)の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3R)−1−メタンスルホニルピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.81−2.18(m,4H)2.77−2.94(m,3H)3.07−3.29(m,2H)3.42(br.s.,1H)3.82(d,J=9.89Hz,1H)4.68(br.s.,1H)6.13(br.s.,1H)7.12−7.65(m,8H)8.48(s,1H)、[M+H]+ 517.8。
1−[(3R)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル]エタン−1−オン。1mLの酢酸無水物および1mLのピリジン中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン(20mg、0.046mmol、1当量)の溶液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、19mg(87%)の1−[(3R)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル]エタン−1−オンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.53−1.92(m,3H)2.07(br.s.,4H)2.84−3.37(m,2H)3.86−4.59(m,3H)5.88(br.s.,1H)7.04−7.60(m,8H)8.37(br.s.,1H)、[M+H]+ 481.3。
(3R)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミド。2mLのTHF中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン(20mg、0.046mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.02mL、0.137mmol、3当量)およびエチルイソシアネート(0.005mL、0.068mmol、1.5当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、15mg(65%)の(3R)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミドが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.03−1.34(m,3H)1.56−1.96(m,4H)2.18(br.s.,1H)3.07(br.s.,2H)3.32(br.s.,1H)3.73−4.42(m,3H)5.05(br.s.,1H)6.02(d,J=5.84Hz,1H)7.09−7.63(m,8H)8.45(br.s.,1H)、[M+H]+ 510.3。
8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3S)−1−メタンスルホニルピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン。2mLのTHF中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3S)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン(15.3mg、0.035mmol、1当量)の溶液に塩化メタンスルホニル(0.005mL、0.07mmol、2当量)およびトリエチルアミン(0.015mL、0.11mmol、3当量)を加えた。この混合液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、16mg(89%)の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3S)−1−メタンスルホニルピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.63−2.02(m,4H)2.77(s,3H)2.98−3.19(m,2H)3.31(br.s.,1H)3.71(d,J=10.55Hz,1H)4.56(br.s.,1H)6.01(d,J=7.54Hz,1H)6.97−7.56(m,8H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 517.4。
1−[(3S)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル]エタン−1−オン。1mLの酢酸無水物および1mLのピリジン中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3S)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン(15.7mg、0.036mmol、1当量)の溶液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、14mg(81%)の1−[(3S)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル]エタン−1−オンが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.48−1.91(m,3H)2.07(s,4H)2.90−3.39(m,2H)3.96−4.57(m,3H)5.83(d,J=6.50Hz,1H)7.04−7.56(m,8H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 481.3。
(3S)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミド。2mLのTHF中の8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−N−[(3S)−ピペリジン−3−イル]−9H−プリン−6−アミン(16mg、0.036mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.015mL、0.109mmol、3当量)およびエチルイソシアネート(0.004mL、0.055mmol、1.5当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、16mg(86%)の(3S)−3−{[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]アミノ}−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミドが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.06−1.34(m,3H)1.53−1.95(m,4H)2.12−2.29(m,1H)3.07(br.s.,2H)3.32(br.s.,1H)3.72−4.41(m,3H)5.06(br.s.,1H)6.02(d,J=6.12Hz,1H)7.08−7.66(m,8H)8.45(br.s.,1H)、[M+H]+ 510.3。
tert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメート。10mLのエタノール中の6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン(309mg、0.824mmol、1当量)の溶液にtert−ブチルN−(ピペリジン−4−イル)カルバメート(329mg、1.65mmol、2当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、442mg(99%)のtert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメートが得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.40−1.53(m,11H)2.12(d,J=11.40Hz,2H)3.32(t,J=11.63Hz,2H)3.80(br.s.,1H)4.41−4.68(m,1H)5.40(br.s.,2H)7.16−7.24(m,2H)7.26−7.43(m,5H)7.51(d,J=6.59Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 539.2。
1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミン。tert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメート(380mg、0.705mmol)の溶液をジクロロメタン(7mL)およびトリフルオロ酢酸(3mL)中で16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗生成物を酢酸エチル中に溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄した。水相は酢酸エチルを用いて2回抽出した。混ぜた有機相を食塩液で洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させた。粗物質を0から100%のCMA80/酢酸エチルを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、294mg(95%)の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミンが得られた。化合物はH1 NMRによって95%純粋であると決定され、その後の化学反応のために次に使用した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.31−1.54(m,2H)1.92−2.08(m,2H)2.92−3.12(m,1H)3.27(t,J=11.87Hz,2H)5.42(br.s.,2H)7.07−7.61(m,8H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 439.4。
tert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメートからウレアを製造するための一般的方法。
2mLのTHF中のtert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメート(20mg、0.046mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.02mL、0.136mmol、3当量)および適切なイソシアネート(1.5当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、純粋な化合物が得られた。
1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−3−エチルウレア。反応は56%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.13(t,J=7.21Hz,3H)1.33−1.57(m,2H)2.04−2.20(m,2H)3.14−3.25(m,2H)3.32(t,J=12.06Hz,2H)3.86−4.05(m,1H)4.23−4.45(m,2H)5.39(br.s.,2H)7.03−7.59(m,8H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 510.2。
1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−3−(プロパン−2−イル)ウレア。反応は84%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.14(d,J=6.50Hz,6H)1.35−1.55(m,2H)2.12(d,J=10.46Hz,2H)3.32(t,J=12.10Hz,2H)3.84(dd,J=13.66,6.69Hz,1H)3.89−4.04(m,1H)4.12−4.36(m,2H)5.39(br.s.,2H)7.19(d,J=8.67Hz,2H)7.28−7.43(m,5H)7.51(d,J=6.69Hz,1H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 524.6。
1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−3−プロピルウレア。反応は71%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.83−0.98(m,3H)1.37−1.59(m,4H)2.13(d,J=10.27Hz,2H)3.12(q,J=6.66Hz,2H)3.32(t,J=12.01Hz,2H)3.83−4.07(m,1H)4.20−4.47(m,2H)5.40(br.s.,2H)7.13−7.24(m,2H)7.28−7.44(m,5H)7.51(d,J=6.69Hz,1H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 524.1。
3−ブチル−1−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}ウレア。反応は69%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.84−0.99(m,3H)1.28−1.55(m,6H)2.04−2.20(m,2H)3.15(q,J=6.75Hz,2H)3.32(t,J=12.15Hz,2H)3.83−4.08(m,1H)4.18−4.39(m,2H)5.40(br.s.,2H)7.08−7.43(m,7H)7.51(d,J=6.69Hz,1H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 538.4。
tert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメートからスルホンアミドを製造するための一般的方法。
2mLのTHF中のtert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメート(21mg、0.048mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.02mL、0.143mmol、3当量)および適切な塩化スルホニル(2当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、純粋な化合物が得られた。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}メタンスルホンアミド。反応は32%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.55−1.67(m,2H)2.18(d,J=12.53Hz,2H)3.03(s,3H)3.36(t,J=12.29Hz,2H)3.59−3.80(m,1H)4.31(d,J=7.44Hz,1H)5.43(d,J=9.89Hz,2H)7.13−7.44(m,7H)7.51(d,J=6.78Hz,1H)8.39(s,1H)、[M+H]+ 517.6。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}ベンゼンスルホンアミド。反応は53%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.43−1.59(m,2H)1.94(d,J=10.46Hz,2H)3.30(t,J=11.96Hz,2H)3.41−3.66(m,1H)4.62(d,J=7.54Hz,1H)5.26(d,J=10.08Hz,2H)7.07−7.69(m,10H)7.92(d,J=7.35Hz,2H)8.35(s,1H)、[M+H]+ 579.4。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}アミノスルホンアミド。
2mLのジオキサン中の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミン(36.6mg、0.083mmol、1当量)の溶液にスルファミド(40mg、0.42mmol、5当量)を加えた。反応液を80℃へ16時間加熱した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、34mg(79%)の所望の化合物が得られた。1H NMR(300MHz,METHANOL−d4)δppm 1.51−1.72(m,2H)2.15(br.s.,2H)3.38−3.52(m,2H)3.54−3.65(m,1H)5.18−5.41(m,2H)7.24−7.50(m,7H)7.54−7.67(m,1H)8.23(s,1H)、[M+H]+ 518.5。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド。
2mLのジクロロメタン中の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミン(27.9mg、0.064mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.027mL、0.191mmol、3当量)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.01mL、0.069mmol、1当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、9mg(25%)の所望の化合物が得られた。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.60−1.76(m,2H)2.20(d,J=12.62Hz,2H)3.30(t,J=12.57Hz,2H)3.71−3.92(m,1H)4.95(d,J=8.48Hz,1H)5.50(d,J=12.34Hz,2H)7.14−7.43(m,7H)7.50(d,J=6.97Hz,1H)8.39(s,1H)[M+H]+ 571.7。
tert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメートからアミドを製造するための一般的方法。
2mLのTHF中のtert−ブチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメート(21mg、0.048mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.02mL、0.143mmol、3当量)および適切な無水物(2当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、純粋な化合物が得られた。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}アセトアミド。反応は65%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.42−1.56(m,2H)1.99(s,3H)2.12(d,J=10.08Hz,2H)3.30(t,J=12.24Hz,2H)4.09−4.25(m,1H)5.41(d,J=8.01Hz,3H)7.13−7.43(m,7H)7.51(d,J=6.78Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 481.4。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド。反応は39%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.62(qd,J=11.99,3.86Hz,2H)2.18(d,J=10.83Hz,2H)3.31(t,J=12.43Hz,2H)4.11−4.29(m,1H)5.53(br.s.,2H)6.19(d,J=7.06Hz,1H)7.01−7.57(m,8H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 535.4。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}ベンズアミド。反応は19%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.82−1.97(m,2H)2.77(d,J=12.34Hz,2H)3.08(br.s.,2H)3.46−3.62(m,1H)3.66−3.80(m,1H)4.01−4.13(m,1H)5.26−5.46(m,1H)7.12−7.59(m,13H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 543.6。
1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]−4−フェニルピペリジン−4−アミンからアミドを製造するための一般的方法。
2mLのTHF中の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミン(22mg、0.05mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.02mL、0.143mmol、3当量)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)(22mg、0.05mmol、1当量)および適切なカルボン酸(1当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、化合物が得られた。この生成物を酢酸エチル中に溶解させ、ヘキサンを用いて沈降させることによってさらに精製した。固体の純粋な化合物を収集した。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}シクロヘキサンカルボキサミド。反応は>99%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.15−2.17(m,14H)2.23−2.40(m,1H)3.31(t,J=12.20Hz,2H)4.05−4.25(m,1H)5.22−5.61(m,3H)7.14−7.42(m,7H)7.51(d,J=6.69Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 549.5。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}ペンタンアミド。反応は>99%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.84−0.98(m,3H)1.27−1.75(m,5H)2.05−2.23(m,3H)2.26−2.44(m,1H)3.31(t,J=12.24Hz,2H)4.02−4.30(m,1H)5.22−5.63(m,3H)7.13−7.44(m,7H)7.51(d,J=6.78Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 523.5。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−2−シクロヘキシルアセトアミド。反応は>99%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.86−1.00(m,3H)1.05−1.87(m,10H)2.02−2.18(m,4H)3.31(t,J=12.10Hz,2H)4.10−4.28(m,1H)5.22−5.62(m,3H)7.14−7.43(m,7H)7.51(d,J=6.78Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 562.2。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−3−メチルブタンアミド。反応は>99%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.97(dd,J=9.94,6.45Hz,6H)1.50(qd,J=11.85,3.81Hz,1H)2.01−2.17(m,4H)2.19−2.27(m,2H)3.31(t,J=12.24Hz,2H)4.10−4.27(m,1H)5.39(d,J=8.01Hz,3H)7.14−7.42(m,7H)7.51(d,J=6.78Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 523.3。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}シクロペンタンカルボキサミド。反応は86%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.39−1.99(m,9H)2.06−2.21(m,3H)2.41−2.58(m,1H)3.31(t,J=12.24Hz,2H)4.08−4.27(m,1H)5.40(d,J=7.91Hz,3H)7.12−7.42(m,7H)7.51(d,J=6.78Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 535.5。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−4−メチルペンタンアミド。反応は82%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 0.85−0.95(m,6H)1.40−1.62(m,5H)2.03−2.23(m,3H)2.34(t,J=7.54Hz,1H)3.31(t,J=12.24Hz,2H)4.08−4.29(m,1H)5.42(d,J=7.91Hz,3H)7.14−7.43(m,7H)7.51(d,J=7.16Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 537.5。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−2−シクロペンチルアセトアミド。反応は98%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.06−1.23(m,3H)1.44−1.69(m,5H)1.74−1.93(m,3H)2.06−2.28(m,3H)2.30−2.41(m,1H)3.32(t,J=12.20Hz,2H)4.08−4.29(m,1H)5.41(d,J=7.91Hz,3H)7.14−7.42(m,7H)7.51(d,J=6.78Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 549.5。
1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミンからアミノ酸を使用してアミドを製造するための一般的方法。
2mLのTHF中の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミン(22mg、0.05mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.02mL、0.143mmol、3当量)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)(22mg、0.05mmol、1当量)および適切なカルボン酸(1当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%のCMA80/ジクロロメタンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、化合物が得られた。この生成物を酢酸エチル中に溶解させ、水で洗浄し、ヘキサンを用いて沈降させることによってさらに精製した。固体の純粋な化合物を収集した。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−3−(ピペリジン−1−イル)プロパンアミド。反応は41%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.52−1.60(m,4H)1.80(br.s,3H)1.98−2.14(m,3H)2.76(t,J=5.93Hz,2H)2.93(br.s,2H)3.30(br.s,2H)3.40(br.s,2H)3.56(br.s,2H)3.97−4.15(m,1H)5.36−5.59(m,2H)6.46−6.65(m,1H)7.15−7.42(m,7H)7.54(d,J=7.63Hz,1H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 580.6。
N−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}−2−(ジメチルアミノ)アセトアミド。反応は11%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.50−1.66(m,2H)2.01−2.13(m,2H)2.48(s,7H)2.64(d,J=9.32Hz,1H)3.36(t,J=11.82Hz,2H)4.05−4.26(m,1H)5.41(br.s.,2H)7.08(d,J=8.19Hz,1H)7.14−7.42(m,7H)7.51(d,J=6.78Hz,1H)8.37(s,1H)、[M+H]+ 524.7。
1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミンからカルバメートを製造するための一般的方法。
2mLのTHF中の1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−アミン(12.5mg、0.028mmol、1当量)の溶液にトリエチルアミン(0.02mL、0.143mmol、5当量)および適切なクロロホルメート(2当量)を加えた。反応液を16時間撹拌した。反応液を減圧で濃縮した。粗物質を0から100%の酢酸エチル/ヘキサンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、純粋な化合物が得られた。
メチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメート。反応は79%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.44−1.55(m,2H)2.13(d,J=11.49Hz,2H)3.34(t,J=12.24Hz,2H)3.68(br.s.,3H)3.86(br.s.,1H)4.60(br.s.,1H)5.40(br.s.,2H)7.13−7.45(m,7H)7.51(d,J=6.88Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 497.8。
エチルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメート。反応は55%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.25(t,J=6.92Hz,3H)1.43−1.55(m,2H)2.13(d,J=11.21Hz,2H)3.34(t,J=12.01Hz,2H)3.86(br.s.,1H)4.06−4.22(m,2H)4.58(br.s.,1H)5.39(br.s.,2H)7.14−7.43(m,7H)7.51(d,J=6.69Hz,1H)8.38(s,1H)、[M+H]+ 511.3。
フェニルN−{1−[8−(2−クロロフェニル)−9−(4−クロロフェニル)−9H−プリン−6−イル]ピペリジン−4−イル}カルバメート。反応は50%の収率で進行した。1H NMR(300MHz,CHLOROFORM−d)δppm 1.59−1.72(m,2H)2.22(d,J=11.40Hz,2H)3.37(t,J=12.10Hz,2H)3.84−4.02(m,1H)4.99(d,J=7.72Hz,1H)5.45(br.s.,2H)7.02−7.45(m,12H)7.52(d,J=6.88Hz,1H)8.40(s,1H)、[M+H]+ 559.8。
[実施例2]
分析
全ての化合物は、H1 NMRによって特性解析し、カルシウム動員アッセイを使用して評価した。各化合物は、以前に報告されているようにCHO−K1細胞内での機能性蛍光CB1活性化Gαq16結合細胞内カルシウム動員アッセイを使用して薬理学的に特性解析し、見掛けの親和性(Ke)値を決定した。参照により本明細書に組み込まれるZhang et al.,J.Med.Chem.2010,53,7048を参照されたい。選択化合物のこれ以上の特性解析は、[3H]1の放射性リガンド置換法を用いて実施し、平衡解離定数(Ki)値を決定した。これらの化合物のCB1対CB2での選択性もまた、いずれかの受容体を過剰発現するCHO−K1細胞の膜内で[3H]CP55940の置換術を使用していずれかの受容体でのKi値を得ることによって決定した。報告したデータは、3から6回の測定からの平均値である。
選択化合物は、放射標識リモナバンSR141716([3H]1)を使用して放射性リガンド置換アッセイでの試験のために選択した。これらの化合物の数種は、低nM範囲内で良好なKi値を証明し、チオモルホリン1,1−ジオキシド含有化合物は16.8nMのKiを有していた。CB2受容体に対する選択性は、CB1およびCB2受容体の両方で完全アゴニストとして機能することが公知であるカンナビノイドである放射標識CP55940の化合物置換と比較することによって決定した。一般に、試験化合物は、CB2よりもCB1に対して選択性であった。
表1.選択化合物に対する放射性リガンド置換
上記の表内の6番目の化合物の項目は、500を超える式量およびオテナバンに類似するTSPAを有するスルホンアミドである。しかし、オテナバンとは相違して、このスルホンアミドは末梢選択的化合物である。Sprague−Dawley(SD)系ラットにおける10mg/kgでのこの化合物の経口投与は、良好な経口吸収(Cmax=1,653ng/g)およびCNS内への限定された透過(0.05から0.11の脳対血漿の比率が観察された)を示した。
表1の最後の7つの項目(アミド化合物)に関して、ほぼあらゆる形状のアルキル置換基がCB1で有意な活性を有するように見えることに留意されたい。所定のこれらの化合物へのCB2受容体の結合は、アルキル置換基のサイズおよび形状を変化させることによって調節できる。
選択化合物は、CNS内への透過を決定する試験のために選択した。選択した化合物は、SD系ラットにおいて10mg/kgで経口投与された。脳および血漿サンプルは投与1、2、4および24時間後に採取し、サンプルをMSによって分析した(表2、下記)。非潅流脳を使用し、非潅流脳中の血液量はおよそ4%であるので、≦0.04の脳対血漿濃度は、CNS内への透過が識別不能であることを表している。
表2.選択化合物についての脳透過データ
表2に記載のデータによって証明されたように、0.14から0.46の範囲に及ぶ脳中対血漿中比率は、有意な脳透過を表している。CNS内への最小から透過なしは、0.03から0.13の範囲の脳中対血漿中比率を有していた第2試験化合物を用いて観察された。この後者の化合物は、オテナバンの末梢選択的化合物である。CB1に対して効力がある上に高度の選択性を有する化合物が同定されている。これらの化合物は高TPSAを有するが、CNS内への透過を増加させる分子内H結合についての可能性は有していない。
本明細書に規定した本発明の多数の修飾および他の実施形態は、上記の説明および関連図面に提示した教示を利用できる、本発明が関係する分野の当業者であれば思い付くものである。このため、本発明は、開示した特定の実施形態には限定されないこと、および修飾および他の実施形態は添付の特許請求項の範囲内に含まれると企図されていることを理解されたい。特定の用語が本明細書では使用されるが、これらは一般的および記述的意味であって、限定する目的ではなく使用されている。