JP2015502378A - Hiv膜融合阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも24個であるが、好ましくは26個である連続したアミノ酸を含んでなる、宿主細胞とのヒト免疫不全ウイルス(HIV)融合、または宿主細胞へのHIV侵入の阻害剤に関し;本発明はまた、前記アミノ酸を含んでなる医薬組成物にも関する。

Description

本発明は、少なくとも24個であるが、好ましくは26個である連続したアミノ酸を含んでなる、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の宿主細胞との融合、またはHIVの宿主細胞への侵入の阻害剤に関し;本発明はまた、前記アミノ酸を含んでなる医薬組成物にも関する。
HIV治療のための現行の治療法は、一般にウイルス酵素である逆転写酵素および/またはプロテアーゼを標的とする。しかし外被糖タンパク質などのHIVのいくつかのその他の酵素または構造タンパク質もまた、感染において重要な役割を果たす。
HIV外被糖タンパク質は、前駆gp160タンパク質のタンパク質分解的切断によって生じる、2つの関連サブユニット、gp120およびgp41からなる。それは、3つのgp120サブユニットと3つのgp41サブユニットの複合体として、ウイルス膜に存在する。ウイルスと標的細胞の膜融合を媒介して、HIVが新しい細胞に感染できるようにするのが、gp41サブユニットである。gp120サブユニットは、標的細胞の認識と受容体結合に関与する。
gp41によって媒介される膜融合のプロセスは、糖タンパク質の立体構造変化を伴い、それは三量体gp41(N−らせん)のN末端領域が細胞膜に侵入できるようにする。この挿入に続いて、3つのgp41サブユニット(C−らせん)のC末端領域は再度折り畳まれて、N−らせんに重なる。結果として生じる、6ヘリックス束と称される、gp41のN−らせんとC−らせん領域間の六量体αらせん相互作用は、細胞およびウイルス膜を密接に近似させ、それは最終的に、ウイルス膜と細胞膜の融合をもたらす。
この安定6ヘリックス束の形成阻害は、HIV感染症を予防する興味深いアプローチを提供する。HIV外被は、外側の高度にグリコシル化されたgp120タンパク質と、gp41膜貫通糖タンパク質とから構成される、外被タンパク質を有する、脂質二重層から構成される。gp41の分子配列は、いわゆる「7アミノ酸繰り返し」領域(HR1およびHR2)を含む。
7アミノ酸繰り返しは、7個のアミノ酸の反復するパターンからなる構造モチーフである。宿主細胞へのHIVの侵入は、gp120の細胞CD4受容体への結合と、引き続くケモカイン共受容体CCR5またはCXCR4への結合で始まる。これは一連の立体構造変化を引き起こし、それは細胞膜内に挿入されるgp41融合ドメインを露出させる。次にHR2領域は、対応するHR1領域によって形成される疎水性溝と結合して、前記安定6ヘリックス束が生じる。これは、融合および侵入のために、ウイルス膜と細胞膜を近接させる。したがって6−ヘリックス束生成に対する干渉は、ウイルスが細胞に侵入するのを妨げる。
HIVのGp41は、前記6ヘリックス束を形成するHR1およびHR2と称される2つの一続きのペプチドを含有し、その形成は、ウイルス膜と宿主細胞膜との融合の背後にある駆動力である。実際の6ヘリックス束は、内部コイルドコイルである3つの平行する一続きのHR1と、外側で内部コイルドコイル溝に沿って逆平行に、それを補足する3つの一続きのHR2からなる。
いわゆるN36(SGIVQQQNNLLRAIEAQQHLLQLTVWGIKQLQARIL)は、HR1の部分であり、いわゆるC34(WMEWDREINNYTSLIHSLIEESQNQQEKNEQELL)はHR2の部分である。現行のペプチド性融合阻害剤の大部分はHR2模倣体であって、C34の類似体であり、またはその一部を含有する。ペプチド性HR1模倣体の抗ウイルス可能性もまた実証され、いずれもN17(LLQLTVWGIKQLQARIL)とも称される、N36の最後の17個のアミノ酸を含有する。N36由来ペプチドは、部分的には、それらが多数の荷電側鎖を含有するという理由で、これもまた三量体コイルドコイルであり好ましい溶解度特性を有するペプチド性タグと、通常は融合する。融合はこのようにして起きるので、コイルドコイルジッパーの典型例である7アミノ酸繰り返しが、順守される。このようなペプチド性タグの2つの例は、いわゆるIQ配列:(RMKQIEDKIEEIESKQKKIENEIARIKK)と、いわゆるIZ配列:(IKKEIEAIKKEQEAIKKKIEAIEK)である。HIV融合を阻害する小型分子の検出を目的とする実験において、当業者は多数のペプチドを試験したが、そのいくつかは、HR1模倣体に関する公表された研究に由来する。
当該技術分野で公知のいわゆるHIV侵入またはHIV融合ペプチドに関わる問題の1つは、これらのペプチドの比較的低い抗ウイルス活性である。これらのペプチドの別の問題は、特に適切な医薬組成物へ調合すべき場合、前記ペプチド中の疎水性アミノ酸の存在に起因する、難溶解性である。結果として、これらのペプチドを含んでなる医薬組成物は、配合するのが困難であり、その結果、開発するのが困難である。
さらに当該技術分野では、いわゆるHIV侵入またはHIV融合ペプチドは、最適抗ウイルス活性のために、いわゆる「Kimポケット」結合モチーフをN末端側に、脂質結合モチーフをC末端側に、含有すべきであると考えられている。どちらの部位も、抗ウイルス活性に不可欠と見なされている。(Eckert and Kim,PNAS,2001,vol.98,no20,pp 11187−11192)
しかしながら、製剤処方の目的で、高い抗ウイルス活性と許容される溶解度の双方を有する、ペプチドベースおよび/または小型分子ベースのいわゆる融合または侵入HIV阻害剤に対する、満たされていない医学的必要性が依然として存在する。
本発明によると、意外にも、N末端側のいわゆるKimポケット結合モチーフまたはC末端側の脂質結合モチーフを含有せず、Nキャッピンググループに連結する少なくとも24個の連続アミノ酸を含んでなるペプチド誘導体が、低nM範囲においてEC50という極めて優れた効力を示し、前記Nキャッピンググループは、スクシニル、アセチル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルまたはイソバレリルの群から選択され、前記24個のアミノ酸の1番目はNキャッピンググループと直接連結するか、またはE、Aまたはaの群から選択される追加的なアミノ酸を介して、前記N−キャッピンググループと間接的に連結するかのいずれかである。
本発明のペプチドの長さは、少なくとも24個の連続アミノ酸長であり、Nキャッピンググループに連結して、前記Nキャッピンググループは、スクシニル、アセチル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルまたはイソバレリル群から選択され、前記24個のアミノ酸の1番目は、Nキャッピンググループと直接連結するか、またはE、Aまたはaの群から選択される追加的なアミノ酸を介して前記N−キャッピンググループと間接的に連結するかのいずれかであり、
1番目のアミノ酸はC、Hcy、C(Bzl)またはNであり、
2番目のアミノ酸はYであり、
3番目のアミノ酸は親油性アミノ酸であり、
4番目のアミノ酸はAまたはRに相当し、
5番目のアミノ酸はC、HcyまたはLであり、
6番目のアミノ酸はIであり、
7番目のアミノ酸は酸性アミノ酸であり、
8番目のアミノ酸はアラニンまたは酸性アミノ酸に相当し、
9番目のアミノ酸はLであり、
10番目のアミノ酸は親油性アミノ酸であり、
11番目のアミノ酸は塩基性アミノ酸であり、
12番目のアミノ酸はアラニンまたは塩基性アミノ酸であり、
13番目のアミノ酸は親油性アミノ酸であり、
14番目のアミノ酸はQまたはRであり、
15番目のアミノ酸はEであり、
16番目のアミノ酸はQであり、
17番目のアミノ酸はQであり、
18番目のアミノ酸はEであり、
19番目のアミノ酸はKであり、
20番目のアミノ酸はNであり、
21番目のアミノ酸はEであり、
22番目のアミノ酸はAであり、
23番目のアミノ酸は親油性アミノ酸であり、
24番目のアミノ酸はLであり、
任意選択的に前記24番目のアミノ酸は、R、r、L、TbaまたはK(パルミトイル)の群から選択されるアミノ酸に連結する。
さらなる実施形態では、本発明は、3番目のアミノ酸が、A、L、I、F、V、W、Tba、Nva、AbuまたはChaの群から選択され、
4番目のアミノ酸がRまたはAであり、
7番目のアミノ酸がEまたはDから選択され、
8番目のアミノ酸が、酸性アミノ酸である場合、Eに相当し、
10番目のアミノ酸がIまたはTbaから選択され、
11番目のアミノ酸が、塩基性アミノ酸である場合、RまたはKであり、
12番目のアミノ酸が、塩基性アミノ酸である場合、RまたはKであり、
13番目のアミノ酸がA、NvaまたはAbuから選択され、
23番目のアミノ酸がAまたはLである
前述のペプチドに関する。
別の実施形態では、本発明は、1番目のアミノ酸および5番目のアミノ酸が、互いに独立してCまたはHcyのいずれかであり、前記1番目のおよび前記5番目のアミノ酸が、B1、B2、B3、B21またはB22を介して連結される、上で定義されるペプチドに関する。これらのB1、B2、B3、B21またはB22部分(対応する架橋構造のこれらの略号の意味については下記を参照されたい)に付着すると、そのN末端部分にループペプチド構造(i−i+4側鎖体側鎖)を有する、本発明によるペプチドが得られ、これはいわゆるCLIPSペプチド(hemically LInked eptides onto a(hetero)aromatic caffold)((ヘテロ)芳香族骨格上の化学結合ペプチド)である。
本発明によるペプチドは、C末端アミノ酸で、コレステロールまたはパルミトイルまたはそれらのその誘導体と、直接または間接的に結合してもよい。代案としては、それらは、2つ以上のアミノ酸を含んでなるリンカーによって、連結されてもよい。好ましくはリンカーは、2、3、または4つのアミノ酸、より好ましくは4つのアミノ酸からなる。アミノ酸は、天然または合成アミノ酸であってもよい。リンカーは、好ましくはGly−Ser−Gly−Cys(−GSGC−)またはGly−Ser−Gly−Lys(−GSGK−)を含んでなってもよい。
したがって、本発明の一部は、24番目のアミノ酸に連結するアミノ酸Rが、コレステロールまたはその誘導体と間接的に付着する、またはパルミトイルまたはその誘導体と間接的に付着する、上述したようなペプチドでもある。コレステロールは、C末端システイン−アミドまたはホモシステイン−アミドの側鎖にアセチルを介して結合し、すなわちコレステロールに付着するためのリンカーは、システイン−アミドまたはホモシステイン−アミドをそのC末端側に有しなくてはならない(下の図2を参照されたい)。
前記アミノ酸Rおよび前記コレステロールまたはその誘導体は、好ましくは2つ以上のアミノ酸、好ましくは2、3または4つのアミノ酸、より好ましくは−Gly−Ser−Gly−Cys−(−GSGC−)などの4つのアミノ酸を有するリンカーによって連結する。
代案としては、前記アミノ酸Rおよび前記パルミトイルまたはその誘導体は、好ましくは2つ以上のアミノ酸、好ましくは2、3または4つのアミノ酸、より好ましくは−Gly−Ser−Gly−Lys−(−GSGK−)などの4つのアミノ酸を有するリンカーによって連結する。
本発明によるペプチドは、それ自体が二量体または三量体形状のアミノ酸配列を含んでなる。本発明のペプチドは、例えば−S−S−架橋によって互いに化学的に連結する。
本発明による好ましいペプチドは、ペプチド中のシステイン(C)部分がB1によって連結される、ペンタノイル−ECYLACIEALIRAAQEQQEKNEAALR−NH、およびペプチド中のシステイン(C)部分がB1によって連結される、ペンタノイル−ECYLACIEELIRKAQEQQEKNEAALR−NHの群から選択されるアミノ酸配列を有する。
本発明による別の好ましいペプチドは、ペプチド中のシステイン(C)部分がB1によって連結される。Suc−ECYLRCIEELIRKAQEQQEKNEAALR−NHである。
本発明による別の好ましいペプチドは、イソバレリル−E−C(Bzl)−YLALIEELIRKAQEQQEKNEAALR−NHのアミノ酸配列を有する。
ペプチドの位置1および位置5でシステイン(C)部分がB1またはB3によって連結される、Suc−ECYLRCIEELIRKAQEQQEKNEAALRGSGC(コレステリル−オキシカルボニルメチル)−NHおよびAc−ACYAACIEALIRAAQEQQEKNEAALRGSGC(コレステリル−オキシカルボニルメチル)−NHから選択されるアミノ酸配列を有するペプチドもまた高度に好ましく、B1が最も好ましい結合である。
非常に好ましいのは、ペプチドの位置1および位置5でシステイン(C)部分がB1によって連結される、アミノ酸配列Suc−ECYLRCIEELIRKAQEQQEKNEAALRGSGC(コレステリル−オキシカルボニルメチル)−NHを有するペプチドである。
・Suc−ENYLRLIEELIRKAQEQQEKNEAALRGSGC(コレステリル−オキシカルボニルメチル)−NH
・Suc−ENYLRLIEELIRKAQEQQEKNEAALRGSGK(パルミトイル)−NH
もまた、本発明による好ましいペプチドである。
さらに本発明によるペプチドは、好ましくは医薬組成物中で、HIVの宿主細胞との融合、またはHIVの宿主細胞への侵入を阻害するために使用され、または使用され得る。
これらの医薬組成物は、薬学的に許容できる担体と共に、発明のペプチドを含んでなる。
定義:
「アミノ酸」という用語は、明細書および特許請求の目的で、および本発明によるペプチドに関して、少なくとも1つの遊離アミン基および少なくとも1つの遊離カルボキシル基を有して、アミンまたはカルボキシル基以外(例えばヒドロキシル、スルフヒドリルなど)の1つまたは複数の遊離化学反応基をさらに含んでなってもよい、分子を指すことが意図される。アミノ酸は、天然Lアミノ酸(本明細書で配列中の大文字として表される)、またはその対応するD鏡像異性体(本明細書で配列中の小文字として表される)、(合成)非天然アミノ酸(例えば配列中のTbaなどの3文字コードで表される)、修飾アミノ酸、アミノ酸誘導体、アミノ酸前駆体、および/または保存的置換であってもよい。当業者は、ペプチドに組み込まれるアミノ酸の選択は、抗ウイルス性ペプチドに求められる特定の物理的、化学的または生物学的特性にある程度依存することが分かるであろう。このような特性は、部分的には、ヘリシティおよび抗ウイルス活性の判定によって判定される。例えば当業者は、合成ペプチド中のアミノ酸が、天然の(L)アミノ酸およびその対応するD鏡像異性体、またはTbaなど非天然アミノ酸の1つまたは複数を含んでなってもよいことが分かるであろう。
「保存的置換」は、本明細書の用法では、意外な改善された生物学的活性を合成ペプチドが依然として示すような、合成ペプチド配列中の1つまたは複数のアミノ酸置換を意味する。これには、置換されるアミノ酸と、実質的に同一の電荷、サイズ、親水性、および/または芳香族性を有する、アミノ酸の置換が挙げられる。
「CLIPS」ペプチドは、B1、B2、B3、B21またはB22部分の1つを介した、N末端部分における(その中で遊離チオール官能基が必要とされる)1番目と5番目のアミノ酸との連結から生じる、N末端部分のペプチド構造を含んでなる、本発明によるペプチドである。このようなCLIPSペプチドを得る方法は、国際公開第2004/077062号パンフレットに記載される。
「HIV」という用語は、ヒト免疫不全ウイルス、より好ましくはHIV−1を指す。
「薬学的に許容できる担体」は、それが添加された本発明によるペプチドの生物学的活性を顕著に変化させない、担体媒質を意味する。このような担体は、例えば(緩衝)水、等張水性緩衝溶液、水性アルコールなどである。
「リンカー」という用語は、2つの異なる分子を作動可能に連結する分子ブリッジの機能を果たす化合物または部分を指す(例えばリンカーの一部分は本発明によるペプチドに結合し、リンカーの別の部分はコレステロールまたはその誘導体に結合する)。
「EC50」(=最大半量有効濃度)は、生物学的機能を阻害する化合物の有効性の尺度である。この定量的尺度は、所与の生物学的過程(または過程の構成要素、すなわち酵素、細胞、細胞受容体または微生物)を半分抑制するのに、特定の薬物またはその他の物質(阻害剤)がどれだけ必要であるかを示す。FDAによれば、EC50は、生体外における50%阻害に要する薬物濃度に相当する。
本明細書で使用される命名法
当該技術分野で公知のL天然アミノ酸については、以下の略号が使用された:
非天然アミノ酸については、以下の命名法(3文字コード)が使用された:
1番目のアミノ酸および5番目のアミノ酸がCまたはHcyのいずれかである本発明によるペプチドについて、前記アミノ酸h、B1、B2、B3、B21またはB22で連結され、これらの略号の説明は以下で明らかにされる:
本発明によるペプチドで使用されるキャッピンググループについては、以下の略称が使用され、下で説明される:
本発明によるペプチドは、下の表に列挙される:
明確化のために、下の表における番号付け「636〜661」は、HIVのgp160中のアミノ酸の番号付けに対応する一方で、位置番号637は、本発明によるペプチド中の1番目とされたアミノ酸と見なされる。したがって例えば位置番号646は、本発明によるペプチド中の10番目とされたアミノ酸であり、位置番号660は24番目とされたアミノ酸と見なされる。
さらに、下の表中の任意選択のアミノ酸配列が、左端のそれぞれのNキャッピンググループから開始して、右端でカルボキサミドによって終了することも明確化される。
本発明による好ましい7個のペプチドを、下に列挙する:
・ペンタノイル−E−C−Y−L−A−C−I−E−A−L−I−R−A−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−NH
1番目とされたアミノ酸(C)と5番目とされたアミノ酸(C)との結合は、B1を介する。
・ペンタノイル−E−C−Y−L−A−C−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−NH
1番目とされたアミノ酸(C)と5番目とされたアミノ酸(C)との結合は、B1を介する。
・イソバレリル−E−C(Bzl)−Y−L−A−L−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−NH
・Suc−E−C−Y−L−R−C−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGC(コレステリルオキシカルボニルメチル)−NH
1番目とされたアミノ酸(C)と5番目とされたアミノ酸(C)との結合は、B1を介する。
・Suc−E−C−Y−L−R−C−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGK(パルミトイル)−NH
1番目とされたアミノ酸(C)と5番目とされたアミノ酸(C)との結合は、B1を介する。
・Suc−E−N−Y−L−R−L−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGC(コレステリルオキシカルボニルメチル)−NH
・Suc−E−N−Y−L−R−L−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGK(パルミトイル)−NH
最も望ましいのは、上の一覧からの次の2つのペプチドである:
・Suc−E−N−Y−L−R−L−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGC(コレステリルオキシカルボニルメチル)−NH
・Suc−E−N−Y−L−R−L−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGK(パルミトイル)−NH
本発明によるペプチドの調製
ペプチドのFmoc−合成の基本手順:
C末端カルボキサミドがあるペプチドを、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシ(RinkAmide)樹脂を使用する、固相上のFmoc−化学によって合成した。側鎖官能基は、N−Boc(K,W)、O−t−Bu(D,E,S,T,Y)、N−Trt(H,N,Q)、S−Trt(C、Hcy)、S−Acm(C)またはN−Pbf(R,r)基として保護される。(Acm:アセトアミドメチル、Boc:tert.ブトキシカルボニル、t−Bu:tert.ブチル、Fmoc:9−フルオレニルメトキシカルボニル、Pbf:2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニル、Trt:トリチル)
各アミノ酸カップリングステップにおいて、二重カップリングを使用して20〜30分間の活性化時間で、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)中の5倍の過剰なHBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−yl)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)/HOBt(ヒドロキシ−ベンゾ−トリアゾール)/Fmoc−アミノ酸/DIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)(1:1:1:2)を使用する、カップリングプロトコルを用いた。ペプチドのアセチル化は、樹脂と、NMP(1:0.1:10、v/v/v)中のAcO(無水酢酸)/DIEAとを室温で30分間反応させて実施した。スクシニル化は、ペプチド−樹脂と、NMP中の10当量の無水コハク酸および2当量のDIEAとを反応させて実施した。ブタノイル、イソバレリル、ペンタノイル、およびヘキサノイルによるN末端キャッピングでは、アミノ酸カップリングと同じプロトコルを使用した。
ペプチドを樹脂から切断し、13.3%(w)フェノール、5%(v)チオアニソール、2.5%(v)1,2−エタンジチオール、および5%(v)milliQ−HOを含有するTFA(トリフルオロ酢酸40mL/mmol樹脂)との室温で2〜3時間の反応によって、完全に脱保護した。氷冷ジエチルエーテル/ペンタン(1:1)による沈殿および洗浄と、それに続くACN(アセトニトリル)/水(1:1)からの沈殿物質の凍結乾燥により粗製ペプチドがもたらされ、それを逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって精製した。
逆相HPLCによる分取ペプチド精製:
Delta−Pakカートリッジ(25×100または40×210mm、15μm、C18−100Å、Waters,USA)を装着したWaters RCMモジュールを使用して、40または100mL/分の流速で1%B/分の線形AB勾配(溶媒A:水中の0.05%TFA、溶媒B:ACN中の0.05%TFA)で、ペプチド精製を実施した(勾配の開始百分率は、分析HPLC中の滞留時間を基準にした)。ペプチド検出は、215nmで実施した。純粋な画分を収集して凍結乾燥し、ペプチドのトリフルオロ酢酸塩を得た。
ペプチドによるCLIPS反応:
ACNおよび水(1:3)混合物中の0.5mMの濃度の完全に脱保護されたペプチドと、1.25当量のCLIPS試薬(α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシレン、1,4−ビス−(ブロモメチル)−ナフタレン、2,7−ビス−(ブロモメチル)−ナフタレン、またはベンジル臭化物)とを反応させて、いわゆるCLIPS反応の一例(図1に例示される)を実施し、水性0.2M炭酸水素アンモニウム溶液の添加によって反応混合物をpH7〜8に調節した。1時間後、反応混合物を10%TFAでクエンチした。精製前にACNを部分的に除去し(回転蒸発器);疎水性ペプチドの場合はACNは除去しなかった。
例としてのコレステロール結合ペプチド82の合成:
上述した一般合成プロトコルを使用して、固相(250μmol+6×100μmol)上で、ペプチド中間体I−1を合成した。C末端システインをFmoc−Cys(Acm)−OHとして共役させた(Orpegen Peptide Chemicals GmbH,Germany)。Delta−Pakカートリッジ(40×210mm、15μm、C18−100Å、Waters,USA)を装着したWaters RCMモジュール上で、100mL/分の流速で、22%から開始して20分間で42%Bの線形濃度勾配(溶媒A:水中の0.05%TFA、溶媒B:ACN中の0.05%TFA)で、粗製ペプチド(2793mg)を4バッチで精製した。純粋な画分を収集して減圧下で濃縮し(回転蒸発器)、ACN/水(1:1)からの凍結乾燥後に、820mgのI−1のトリフルオロ酢酸塩を得た。
ペプチド中間体I−1(820mg、225μmol)を水(110mL)とACN(340mL)との混合物に溶解して、ACN(28mL)中のα,α’−ジブロモ−p−キシレン(74mg、280μmol)を添加し、水性炭酸水素アンモニウム溶液(56mLの0.2M溶液)の添加がそれに続いた。反応混合物を1時間撹拌して10%TFAでpH3に酸性化し、Davisil C18分取HPLCカラム(50×277mm 16〜24μm、150Å、Grace,USA)上で、120mL/分の流速で、20分間で23%から43%Bの直線濃度勾配(溶媒A:水中の0.05%TFA、溶媒B:ACN中の0.05%TFA)で、直接精製した。注入は13%B中で、60mL/分で5分間実施した。蒸発(回転蒸発器)および凍結乾燥(ACN/水(1:1)からの)後、576mgのI−2のトリフルオロ酢酸(trifluoroactate)塩が得られた。
ペプチド中間体I−2(576mg、154μmol)を水性8Mグアニジウム塩酸塩溶液(15.4mL)に溶解し、それに続いてメタノール(123mL)およびI(15.4mLのメタノール中の34mg/mL溶液、2mmol)を激しく撹拌しながら添加した。15分後、DTT(ジチオスレイトール、7.7mL)を添加して、38.5mLの水性0.2M炭酸水素アンモニウム溶液を使用して反応混合物のpHをpH≧7に調節した。メタノールを減圧下で蒸発させ(回転蒸発器)、得られた粗生成物をDavisil C18分取HPLCカラム(50×277mm、16〜24μm、150Å、Grace,USA)上で、120mL/分の流速で、20分間で24%から44%Bの直線濃度勾配(溶媒A:水中の0.05%TFA、溶媒B:ACN中の0.05%TFA)で精製した。注入は14%B中で、60mL/分で5分間実施した。蒸発(回転蒸発器)および凍結乾燥(ACN/水(1:1)からの)後、421mgのペプチド中間体I−3が得られた。
コレステロール(5mLのDCM(ジクロロメタン)中の162mg、420μmol)、ブロモ酢酸(2mLのDCM中の55.6mg、400μmol)およびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン、1mLのDCM中の5mg、40μmol)を激しく撹拌しながら混合した。DCC(ジシクロヘキシルカルボジ、1mLのDCM中の82.5mg、400μmol)を添加して、反応混合物を室温で2時間撹拌した。濾過によって、沈殿を除去した。得られた濾液の半量をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド、10mL)中のI−3溶液に添加し(420.1mg、0.115mmol)、それに続いて、濃炭酸水素アンモニウム水溶液をpHが7になるまで添加した。完全な変換まで反応混合物を撹拌し(70分間以上、LC−MSによってモニターした)、引き続いてTFA(pH3)の添加によってクエンチした。窒素を吹き込んで、DCMの大部分を蒸発させた。Delta−Pakカートリッジ(40×210mm、15μm、C18−100Å、Waters,USA)を装着したWaters RCMモジュール上で、100mL/分の流速で、30分間で45%から75%Bの線形濃度勾配(溶媒A:水中の0.05%TFA、溶媒B:ACN中の0.05%TFA)で、ペプチドを精製した。注入は35%B中で、50mL/分で5分間実施した。純粋な画分を減圧下で濃縮し(回転蒸発器)、ACN/水(1:1)からの凍結乾燥は、245mgのコレステロール連結ペプチド82をトリフルオロ酢酸塩としてもたらした。
UPLC分析:
それぞれの方法で明記されるように、LCポンプ、ダイオード−アレイ(DAD)またはUV検出器およびカラムを使用して、UPLC(超高速液体クロマトグラフィー)測定を実施した。必要に応じ、追加的な検出器を含めた(下の方法の表を参照されたい)。
カラムからのフローを、大気圧イオン源で構成された質量分析計(MS)に入れた。化合物の分子量(MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えばスキャニング範囲、保圧時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアによって、データ取得を実施した。
ペプチドは、それらの実験的滞留時間(Rt)およびそれらの分子量によって説明される。MassLynxソフトウェア(Waters,USA)を使用して、ペプチドの全ての観察されたプロトン付加状態からの実験的質量対電荷(m/z)比から、分子量を計算した。
以下、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド、「DAD」はダイオードアレー検出器、「Q−Tof」は四重極飛行時間質量分光計、「SQD」はシングル四重極検出器である。
使用アッセイと結果の説明:
・標準抗ウイルス実験「AVE」(野性型HIV株IIIB+HIV株HXB2D部位特異的変異株V38AおよびQ40H)
アッセイ原理
HIV−1複製アッセイは、高度緑色蛍光タンパク質(EGFP)発現の誘導として、ウイルス複製(HIV野性型ウイルス株IIIBまたはHXB2D、またはgp41遺伝子中にV38AまたはQ40H変異があるHIV変異ウイルス株HXB2D)を測定する。指標MT4−LTR−EGFP細胞は、HIV−1LTRプロモーター配列の制御下にあるEGFP遺伝子を含有する。HIV−1感染の成功は、ウイルスTatタンパク質の発現と、引き続くEGFP発現の誘導をもたらす。HIV−1感染を阻害する化合物/ペプチドは、未処置HIV感染対照との比較で、EGFP発現を低下させることが予測される。
方法
連続4倍希釈の試験化合物/ペプチドを、HIV−1(IIIB、HXB2D、またはHXB2D変異ウイルス(V38AまたはQ40H))およびMT4−LTR−EGFP細胞に混合して、37℃で培養した。3日後、アルゴンレーザースキャニング顕微鏡を使用して、EGFP発現についてウェルを検査した。ウイルス誘発性EGFPシグナル(EC50)の50%を阻害する効果的な化合物/ペプチド濃度を、EGFPシグナル対化合物濃度対数の線形補間によって測定した;(T20、C34、およびシフビルチドを参照化合物として添加した)。V38AおよびQ40H変異ウイルスについて、変異ウイルスの基幹を構成する薬物感受性野性型株HXB2Dと比較して、EC50の倍数変化として結果を報告した。
・標準AVE(50%ヒト血清)
アッセイ原理
HIV−1複製アッセイ(50%ヒト血清使用)は、50%ヒト血清の存在下における、高度緑色蛍光タンパク質(EGFP)発現の誘導として、ウイルス複製を測定する。指標MT4−LTR−EGFP細胞は、HIV−1LTRプロモーター配列の制御下にあるEGFP遺伝子を含有する。HIV−1感染の成功は、ウイルスTatタンパク質の発現と、引き続くEGFP発現の誘導をもたらす。HIV−1感染を阻害する化合物/ペプチドは、未処置HIV−感染対照との比較で、EGFP発現を低下させることが予測される。ヒト血清に結合する化合物/ペプチドは、アッセイにおいて、ウイルス阻害活性の低下を有することが予期される。
方法
連続4倍希釈の試験化合物/ペプチドをHIV−1およびMT4−LTR−EGFP細胞と混合して、50%ヒト血清の存在下において37℃で培養した。3日後、アルゴンレーザースキャニング顕微鏡を使用して、EGFP発現についてウェルを検査した。ウイルス誘発性EGFPシグナル(EC50)の50%を阻害する効果的な化合物/ペプチド濃度を、EGFPシグナル対化合物濃度対数の線形補間によって測定した;T20、C34、およびシフビルチドを参照化合物として添加した。結果は、ヒト血清なしのアッセイで得られたEC50と比較して、EC50の倍数変化として報告した。

Claims (13)

  1. Nキャッピンググループに連結する少なくとも24個の連続アミノ酸を含んでなるペプチドであって、前記Nキャッピンググループが、スクシニル、アセチル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルまたはイソバレリル群から選択され、前記24個のアミノ酸の1番目が、前記Nキャッピンググループと直接連結するか、またはE、Aまたはaの群から選択される追加的なアミノ酸を介して前記N−キャッピンググループと間接的に連結するかのいずれかであり、
    1番目のアミノ酸がC、Hcy、C(Bzl)またはNであり、
    2番目のアミノ酸がYであり、
    3番目のアミノ酸が親油性アミノ酸であり、
    4番目のアミノ酸がAまたはRに相当し、
    5番目のアミノ酸がC、HcyまたはLであり、
    6番目のアミノ酸がIであり、
    7番目のアミノ酸が酸性アミノ酸であり、
    8番目のアミノ酸がアラニンまたは酸性アミノ酸に相当し、
    9番目のアミノ酸がLであり、
    10番目のアミノ酸が親油性アミノ酸であり、
    11番目のアミノ酸が塩基性アミノ酸であり、
    12番目のアミノ酸がアラニンまたは塩基性アミノ酸であり、
    13番目のアミノ酸が親油性アミノ酸であり、
    14番目のアミノ酸がQまたはRであり、
    15番目のアミノ酸がEであり、
    16番目のアミノ酸がQであり、
    17番目のアミノ酸がQであり、
    18番目のアミノ酸がEであり、
    19番目のアミノ酸がKであり、
    20番目のアミノ酸がNであり、
    21番目のアミノ酸がEであり、
    22番目のアミノ酸がAであり、
    23番目のアミノ酸が親油性アミノ酸であり、
    24番目のアミノ酸がLであり、;
    任意選択的に前記24番目のアミノ酸が、R、r、L,TbaまたはK(パルミトイル)群から選択されるアミノ酸と連結する、ペプチド。
  2. 前記3番目のアミノ酸が、A、L、I、F、V、W、Tba、Nva、AbuまたはChaの群から選択され、
    前記4番目のアミノ酸がRまたはAであり、
    前記7番目のアミノ酸はEまたはDから選択され、
    前記8番目のアミノ酸が、酸性アミノ酸である場合、Eに相当し、
    前記10番目のアミノ酸がIまたはTbaから選択され、
    前記11番目のアミノ酸が、塩基性アミノ酸である場合、RまたはKであり、
    前記12番目のアミノ酸が、塩基性アミノ酸である場合、RまたはKであり、
    前記13番目のアミノ酸がA、NvaまたはAbuから選択され、
    前記23番目のアミノ酸がAまたはLである、請求項1に記載のペプチド。
  3. 前記1番目のアミノ酸および前記5番目のアミノ酸が、互いに独立してCまたはHcyのいずれかであり、前記1番目および前記5番目のアミノ酸が、B1、B2、B3、B21またはB22を介して連結される、請求項1または2に記載のペプチド。
  4. 前記24番目のアミノ酸に連結した前記アミノ酸Rが、コレステロールまたはパルミトイルまたはそれらのその誘導体に間接的に付着する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチド。
  5. 前記アミノ酸Rと、前記コレステロールまたはパルミトイルまたはそれらのその誘導体との間にリンカーを有し、前記リンカーが2つ以上のアミノ酸を含んでなり、好ましくは前記リンカーが−Gly−Ser−Gly−Cys−(−GSGC−)または−Gly−Ser−Gly−Lys(−GSGK−)である、請求項4に記載のペプチド。
  6. 前記アミノ酸配列が、二量体または三量体形状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペプチド。
  7. ペンタノイル−E−C−Y−L−A−C−I−E−A−L−I−R−A−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−NH、ペンタノイル−E−C−Y−L−A−C−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−NHまたはSuc−ECYLRCIEELIRKAQEQQEKNEAALR−NHの群から選択されるアミノ酸配列を有して、ペプチド中のシステイン(C)部分がB1を介して連結される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチド。
  8. イソバレリル−E−C(Bzl)−Y−L−A−L−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−NHのアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載のペプチド。
  9. Suc−ECYLRCIEELIRKAQEQQEKNEAALRGSGC(コレステリルオキシカルボニルメチル)−NHおよびAc−ACYAACIEALIRAAQEQQEKNEAALRGSGC(コレステリルオキシカルボニルメチル)−NHから選択されるアミノ酸配列を有し、前記ペプチドの位置1および位置5で前記システイン(C)部分がB1を介して連結される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペプチド。
  10. ・Suc−E−C−Y−L−R−C−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGK(パルミトイル)−NH
    (式中、前記ペプチドの位置1および位置5で前記システイン(C)部分がB1を介して連結される);
    ・Suc−E−N−Y−L−R−L−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGC(コレステリルオキシカルボニルメチル)−NHおよび
    ・Suc−E−N−Y−L−R−L−I−E−E−L−I−R−K−A−Q−E−Q−Q−E−K−N−E−A−A−L−R−GSGK(パルミトイル)−NH
    から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペプチド。
  11. HIVの宿主細胞との融合、またはHIVの宿主細胞への侵入を阻害するための請求項1〜10のいずれか一項に記載のペプチドの使用。
  12. ヒトにおけるHIVの宿主細胞との融合、またはHIVの宿主細胞への侵入、またはHIV感染症を防止または治療する薬剤を製造するための請求項1〜10のいずれか一項に記載のペプチドの使用。
  13. 薬学的に許容できる担体と共に、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を有するペプチドを含んでなる医薬組成物。
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