JP2015501583A - 自動的にコンテンツ番組を発見するためのシステムおよび方法 - Google Patents

Abstract

番組情報の発見のためのシステムについて記載される。そのような番組情報の発見のための透かしを生成して、レンダリングされる番組信号に挿入するための方法および装置が、レンダリングされた番組信号から透かしを検出およびデコードするための対応する方法および装置と共に、開示される。透かしは、チャンネル／番組情報を担持しており、番組ストリームがレンダリングのために受信およびデコードされる、セットトップボックスにおいて、エンコードされて埋め込まれる。第２のスクリーン装置は、透かしの検出およびデコードのために採用されて、透かしが埋め込まれたレンダリング番組信号をキャプチャする。抽出された透かし情報は、さらに詳細なチャンネル／番組情報を求めて情報サーバに送信されてよい。

Description

本発明は一般的に、電子透かし技術を使用することにより、２つの装置間でコンテンツを同期させることに関する。より具体的には、本発明は、透かしを生成して、視聴者に対してレンダリングされる番組信号に挿入することにより、コンテンツ番組を発見することに関する。

従来、電子透かしを使用して知的財産権を強化し、デジタルメディアが改ざんされないように保護してきた。種々のＴＶチェックインアプリケーションの急速な成長と共に、電子透かしを利用して携帯電話およびタブレットなどの第２のスクリーン装置に、例えば、テレビなどのメインスクリーン装置上にどのチャンネルおよび番組が映っているのかを自動的に発見させる機構が提供されてきた。

例えば、同期されたインタラクティブなコンテンツおよびソーシャルメディアの機能をｉＰａｄなどのタブレット上に提供することにより、あるテレビ番組の視聴の経験を強化するするアプリケーションがある。これは、音響透かしに依存して達成され、音響透かしは、米国ではサービスプロバイダ側でほとんどすべてのテレビ番組に挿入されて、ニールセンの業界標準ＴＶ視聴率サービスをサポートする。透かしは、人間の耳には聞き取れず、普通のリビングルーム環境においてモバイル機器のマイクを介して検出かつデコードすることが可能である。テレビ番組用の音響透しがｉＰａｄで検出されるとすぐに、対応するアプリケーションが、放送に同期するコンテンツを放送局から検索して、それをタブレットに示す。

ヘッドエンドにおいて音響透かしを挿入するという既存の透かしの解法の問題が、ユーザが最近どの番組を見たのかといった各ユーザの行動に依存するユーザインターフェース（ＵＩ）のインタラクションデータを判定することが不可能であるという点であるのは、これらのデータが、セットトップボックス（ＳＴＢ）などのローカルな装置だけにおいて学習されるからである。その結果、既存の解法における透かしのペイロードのみが、コンテンツのソースの配給者／ネットワークのみならず、日付／時間のタイムスタンプも識別するコードを含む。加えて、透かしの挿入は、テレビ番組のデジタルデータストリームの伝送において遅延の原因となるが、何故なら、伝送前に音声データストリームの再エンコードが必要であるからである。これが、否定的なユーザ経験を招くことになり、特に、フットボールの試合の生中継などの生中継のテレビ番組については懸念される。さらに、この種の解法は、サービスプロバイダにより、または、サービスプロバイダとの緊密な連携の下でしか実装できないという点で柔軟性が低い。

本発明は、既存の解法の問題を解決し、透かし情報を生成してローカルな装置に埋め込むことによるコンテンツ番組の発見を提案する。

本発明は、コンテンツ番組情報の発見のための方法および装置を対象とする。

本発明の一態様によると、番組情報の発見のためのシステムが提供される。システムは、番組ストリームを受信して番組信号にデコードし、番組情報に関する透かしを生成して番組信号の一部に埋め込み、かつデコードされて透かしが入った番組信号をレンダリングのために送信するセットトップボックスと、透かしを、レンダリングされた番組信号から検出およびデコードして番組情報を抽出する検出装置とを備える。

本発明の別の態様によると、番組情報の発見のための透かしを生成および挿入するための方法および装置が提供される。方法は、チャンネル／番組情報を番組ストリームから抽出するステップと、チャンネル／番組情報を透かしメッセージにエンコードするステップと、透かしメッセージを番組ストリームの信号に埋め込むステップと、を含む。レンダリングされた番組信号から透かしメッセージを検出およびデコードするための対応する方法は、透かし信号を含む該レンダリングされた番組信号を取得するステップであって、透かし信号は、レンダリングされた番組信号に関連するチャンネル／番組情報を担持し、レンダリングされた番組信号を含む番組ストリームがレンダリングのために受信された後に、生成され埋め込まれる、ステップと、取得された番組信号から該透かし信号を抽出するステップと、透かし信号を透かしメッセージにデコードしてレンダリングされた番組信号に関連するチャンネル／番組情報を取得するステップと、を含む。

本発明の上述の特徴は、その例示の実施形態を、添付の図面参照しながら詳細に説明することにより、さらに明らかになるであろう。
本発明による、番組情報の発見のためのシステムを示す図である。 本発明の原理に従う、一例のシステムセットアップを示す図である。 現在の発明の一実施形態に従う、システムエンティティ間の相互作用図である。 セットトップボックスの音声信号処理部の一例のブロック図である。 現在の発明の一実施形態に従う、音声信号処理部の一例のブロック図を音響透かしの生成および挿入のモジュール／ユニットと共に示す図である。 透かし埋込み器モジュール／ユニットの好適な実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に従う、音響透かしの生成および挿入の処理のフローチャートである。 透かしの検出およびデコードのためのモジュール／ユニットのブロック図である。

本発明では、コンテンツ番組に関連する情報の発見についての解法が提案され、これは、そのような情報を生成し、セットトップボックス（ＳＴＢ）などのテレビ番組の受信端における装置でレンダリングされる番組信号に挿入することによる。これらの挿入される情報は、レンダリングされた番組信号から少なくとも１つの検出装置により検出およびデコードされて、チャンネル／番組に関連する情報が抽出される。チャンネル／番組に関連する情報によっては、検出装置上に直接表示され、または、情報サーバに送信されてさらに詳細な情報が表示されてもよい。

図１は、本発明による、番組情報の発見のためにシステムを示している。システムは、２つの主要な構成要素、セットトップボックス（ＳＴＢ）１１０および検出装置１２０を備える。ここで、ＳＴＢとは、広く任意の装置またはソフトウェアを指し、メディア番組ストリームを入力として、例えば、ケーブル、衛星、またはインターネット（ＩＰベース）を介して取り込み、かつ、番組ストリームを、表示装置上に表示することができる信号にデコードするものをいう。ＳＴＢは、番組ストリームを受信し、それらをレンダリングのために番組信号にデコードする。ＳＴＢはまた、受信した番組ストリームに関連する透かしを生成し、その透かしを番組信号の一部、例えば、映像部分、音声部分、または、映像と音声の両信号を含む部分に埋め込む。そして、ＳＴＢは、デコードされて透かしが入った番組信号をレンダリングのために表示装置に送信する。検出装置は、番組信号の、デコードされて透かしが入った部分を、例えば、レンダリングされた番組信号を介して取得し、取得された番組信号から透かしを検出およびデコードし、そこに埋め込まれた番組情報を抽出する。本発明の一実施形態において、検出装置はさらに、抽出された番組に関連する情報を含む要求を情報サーバに送信し、コンテンツ番組に関するさらなる情報を検索する。そのように検索された情報は、表示用に検出装置に、または表示用に別の受信装置に返送することができる。

図２は、一例の透かし搬送信号として音声を使用する、本発明に基づく一例のシステムセットアップを示している。例示のシステムは以下の構成要素を含む。

−テレビ放送会社２１０。ＡＢＣ放送（ＡＢＣ）およびＮＢＣ放送（ＮＢＣ）などがある。放送番組は、映像および音声の両コンテンツが含まれ、これらのネットワークにより制作されて、ケーブルまたは衛星などのテレビ配信機構により、エンドユーザに伝送される。

−ＳＴＢ２２０。放送局からのテレビ番組信号を受信し、信号をデコードし、音響透かしをリアルタイムで生成して挿入し、映像信号および透かしがはいった音声信号をテレビに送信する。

−テレビ２３０。音声および映像の信号をＳＴＢから受信し、エンドユーザに対してレンダリングすることができる。

−第２のスクリーン装置２４０。タブレットまたはスマートフォンなどの、音声入力装置およびネットワーク接続を有する。本例において、第２のスクリーン装置は検出装置であり、かつ、受信装置である。本装置は、ユーザが使用して、テレビ番組の音声信号の検出および分析、埋め込まれた音響透かしの抽出、デコードされたチャンネル／番組情報の情報サーバへの送信、を行うことができる。また、テレビ番組用の関連する情報を情報サーバから受信し、それをユーザの視聴およびインタラクション用に装置の画面に提示することができる。

−情報サーバ２５０。テレビコンテンツプロバイダまたは第三者の運営者、が準備するものであり、俳優の紹介、リンク、申込などのコンテンツ番組の追加的な情報を格納する。情報サーバの例には、小域に従事するホームゲートウェイ、または広域に従事する第三者により維持される専用サーバグループがある。これらのサーバは、テレビチャンネル／番組情報を第２のスクリーン装置から受信すると、電子番組ガイド（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｐｒｏｇｒｍ Ｇｕｉｄｅ：ＥＰＧ）を分析することにより、そのチャンネル／番組用の番組の詳細を検索し、特定のチャンネルの関連する情報を見つけて、その情報をＩＰネットワークを通じてユーザ側の第２のスクリーン装置に返送する。

本発明によると、上記の例示のシステムのための、自動的にテレビチャンネルを発見し、関連する情報を配信する、典型的な処理は、以下のように動作する。そのような処理の相互作用図を図３に示す。

１．ユーザが、テレビ２３０およびＳＴＢ２２０のスイッチを入れ、次に、チャンネルを選択してテレビ番組を視聴する。

２．ＳＴＢ２２０は、ステップ３２０にて、テレビ番組信号を放送局２１０から受信し、メディア信号を圧縮する。また、トランスポートストリーム（ＴＳ）から抽出したチャンネル／番組情報に基づき音響透かしと、選択的な秘密透かし鍵を生成し、音響透かし信号をテレビ番組音声信号と混合／埋込みし、映像信号および透かしが入った音声信号をテレビ２３０に送信する。混合／埋込みは、周期的に実行され、または、新しいデコード済みチャンネル名が前回のそれと異なる場合は、これはチャンネル切り替えが発生したことを示すため、すぐに、実行される。周期的な透かしの埋込みにより、過度な遅延を伴わずにタブレットが透かしを検出することが可能となるが、これは、タブレットのスイッチがいつ入るのかをＳＴＢが予測できないためである。

３．テレビ２３０は、透かしが入った音声信号を含めて、ＳＴＢから受信したメディア信号をレンダシリングする（３４０）。

４．ユーザが、テレビの番組の関連する情報を受信したい場合、タブレット２４０上の対応するアプリケーションを起動する。アプリケーションは、タブレットのマイクで音声信号を受信し、音響透かしが信号内に存在するかどうかを検出し、ある場合は、チャンネル／番組情報を担持している埋込まれた透かしメッセージを、必要であれば秘密透かし鍵を使用して、デコードする（３５０）。そして、アプリケーションは、チャンネル／番組情報を、例えば、ＩＰネットワーク接続を介して情報サーバに送信する（３６０）。

５．チャンネル／番組情報がユーザ側から受信されるとすぐに、情報サーバは、特定のチャンネルについての現在のテレビ番組のリンクおよび申込などの関連する追加的な情報を検索し（３７０）、ＩＰネットワークを通じて（３８０）タブレットに送信する。

６．関連する情報は、情報サーバから受信されると、タブレット装置上に示される（３９０）。
以下では、透かしの生成および挿入についての実施形態を開示する。好適な実施形態において、番組信号の音声信号が、透かしの埋込みのために採用される。当業者は、同じ原理を、透かしの埋込みのための音声信号または映像および音声の信号の混合に対して拡張して適用することができるであろう。説明の目的で、家庭用娯楽システムで使用されるＳＴＢが、一例のＳＴＢとして採用され、テレビが一例の表示装置として採用され、タブレットが一例の第２のスクリーン装置として採用される。本発明がこれらの例に限定されないこと、また、他のタイプのＳＴＢ、表示装置および第２のスクリーン装置への拡張が、本発明の範囲から逸脱することなく当業者により達成可能であることが理解されるであろう。

典型的な家庭用娯楽システムにおいて、ＳＴＢは伝送されたデジタルメディアストリームを、テレビ上で表示可能な信号に変換する。概して、音声信号処理用のＳＴＢにおける主要なモジュールには、図４に示すように、チューナ・復調器４１０、ＭＰＥＧ（Ｍｏｖｉｎｇ Ｐｉｃｔｕｒｅ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ）トランスポートストリームデマルチプレクサ４２０および音声デコーダ４３０が含まれる。ＳＴＢのチューナは、チューニングされて適切な無線周波数（ＲＦ）の１つが選択され、ＲＦ信号が復調器に送信される。復調器はＲＦ信号を元の信号に変換して、その出力がＭＰＥＧトランスポートストリーム（ＴＳ）となる。そして、デマルチプレクサ４２０は、視聴者が視聴したい特定の番組の圧縮された音声および映像を選択して復号する。最後に、音声デコーダ４３０は、圧縮された音声ストリームを解凍して、テレビの音声インターフェースで使用することができる形式に変換する。

タブレット側において番組情報の発見をサポートするために、本発明の好適な実施形態では、音響透かしの生成および挿入のモジュールをＳＴＢに追加し、これにより、音響透かしを生成し、音声デコーダからのテレビ番組音声に透かしの混合／埋込みを行い、レンダリングを行うテレビについて、透かしが入った音声を生成する。一実施形態において、音響透かしの生成および挿入のモジュールは、図５に示すように、チャンネル情報抽出ユニット５１０、選択的ユーザコンテキストトラッキングユニット５２０、音響透かしエンコーダ５３０および音響透かし埋込み器５４０を備える。

当業者は理解するであろうが、トランスポートストリーム（ＴＳ）などの番組ストリームは、典型的には、選択されたチャンネルおよび番組の詳細な情報を含む。例えば、トランスポートストリーム（ＴＳ）において、それらの情報は、サービス記述テーブル（ＳＤＴ）、番組関連テーブル（ＰＡＴ）および番組マップテーブル（ＰＭＴ）に含まれる。従って、チャンネル情報抽出モジュール／ユニット５１０は、チャンネル名、チャンネルタイプおよび現在のタイムスタンプなどのチャンネル／番組情報を、ＳＴＢが取得した番組ストリームから抽出することができる。

透かしエンコーダ５３０は、チャンネル情報抽出ユニット５１０から抽出されたチャンネル／番組情報を取り込み、透かしメッセージにエンコードする。選択的な透かし鍵は、透かしメッセージのエンコードに関与する。セキュリティが懸念されるアプリケーションにおいて、例えば、チャンネル／番組情報にアクセス可能であるのが加入ユーザだけである場合、秘密鍵を採用して、認定ユーザだけが透かしメッセージをデコードできるようにする。チャンネル／番組情報または透かしメッセージが、透かしが入った音声信号を受信可能な誰に対してもオープンであるシナリオにおいては、透かしメッセージのエンコードの際、秘密鍵は必要ではない。一実装において、所定の制限時間、例えば、１０秒、が過ぎた時、または、チャンネル／番組情報が変更される場合、透かしエンコーダ５３０は透かしメッセージをエンコードし出力する。

最後に、音響透かし埋込み器５４０は、透かしメッセージを番組ストリームの音声部分、例えば、解凍された番組音声に埋め込む。別の実装において、透かしメッセージを、圧縮された番組ストリームに埋め込むこともできる。概して、音響透かしは、観察者に感知されないように埋め込まれるべきであるが、意図的でない、または、予想される操作、例えば、圧縮、フィルタリング、再サンプリング、再量子化、クロッピング、スケーリングおよび人々の話声または電話の着信音などによる環境ノイズなど、に対してはロバストである。透かしの埋込みスキームの例は、例えば、Ｒ．Ｔａｃｈｉｂａｎａ、Ｓ．Ｓｈｉｍｉｚｕ、Ｔ．Ｎａｋａｍｕｒａ、および、Ｓ．Ｋｏｂａｙａｓｈｉによる「Ａｎ ａｕｄｉｏ ｗａｔｅｒｍａｒｋｉｎｇ ｍｅｔｈｏｄ ｒｏｂｕｓｔ ａｇａｉｎｓｔ ｔｉｍｅ− ａｎｄ ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ− ｆｌｕｃｔｕａｔｉｏｎ」Ｓｅｃｕｒｉｔｙ ａｎｄ Ｗａｔｅｒｍａｒｋｉｎｇ ｏｆ Ｍｕｌｔｉｍｅｄｉａ Ｃｏｎｔｅｎｔｓ ＩＩＩ， ４３１４，ｐｐ．１０４−１１５、サンノゼ、米国、２００１年１月のＳＰＩＥ国際会議議事録、ならびに、Ｍｅｇｉａｓ，Ｄ．、Ｈｅｒｒｅｒａ−Ｊｏａｎｃｏｍａｒｔｉ，Ｊ．、Ｍｉｎｇｕｉｌｌｏｎ，Ｊ．による「 Ａ ｒｏｂｕｓｔ ａｕｄｉｏ ｗａｔｅｒｍａｒｋｉｎｇ ｓｃｈｅｍｅ ｂａｓｅｄ ｏｎ ＭＰＥＧ １ ｌａｙｅｒ ３ ｃｏｍｐｒｅｓｓｉｏｎ」ＣＭＳ２００３．ＬＮＣＳ９６３，Ｓｐｒｉｎｇｅｒ−Ｖｅｒｌａｇ（２００３）ｐｐ．２２６−２３８、において見られる。

図６は、音響透かし変調器６１０と音声ミキサ６２０とを備える透かし埋込み器５４０の好適な実施形態を示している。音響透かし変調器６１０は、透かしメッセージを使用してホスト信号を変調し、音声信号を生成する。ホスト信号は、低周波数の範囲およびパターン内にあり、人間の耳では知覚できないが、タブレットの音声入力インターフェースでピックアップして、タブレットでデコードすることが可能である。例えば、ホスト信号は、Ａｎｉｒｕｄｈ Ｓｈｅｋｈａｗａｔ、Ｍａｎａｎ Ｓｈａｈ、Ｐｒａｔｅｅｋ Ｓｒｉｖａｓｔａｖａ、および、Ｐｒａｔｉｋ Ｐｏｄｄａｒによる「Ａｕｄｉｏ Ｗａｔｅｒｍａｒｋｉｎｇ ａｎｄ Ｓｔｅｇａｎｏｇｒａｐｈｙ」に従って、人間に感知不可能な、１８〜２２ＫＨｚの音声信号とすることができる。ホスト信号は、透かしを担持するであろう番組の音声に依存しても無関係であってもよい。そして、生成された音響透かし信号は、音声ミキサ６２０により番組音声信号と混合されて、透かしが入った番組音声信号が構成される。そのような混合の一実装では、透かし信号と番組音声信号を一緒に単に追加する。透かしが入った番組の音声は、次に、レンダリング用のテレビの音声インターフェースに送信される。

本発明の別の実施形態において、選択的ユーザコンテキストトラッキングモジュール／ユニット５２０が採用される。ユーザコンテキストは、テレビ視聴行動の一時的に定義される環境であり、例えば、特定の視聴者の当該テレビの視聴履歴およびＳＴＢとのユーザインタラクションなどである。トラッキングユニット５２０により追跡可能なユーザのコンテキストにおける可能性のある情報は以下の通り。

−ユーザが視聴したチャンネル／番組の最新のリスト
−ユーザがタイムシフトしたコンテンツを視聴する際の、再生／一時停止情報
−ＳＴＢとの他のインタラクション
一実装において、ユーザコンテキストトラッキングモジュール／ユニット５２０は、最近視聴したチャンネル／番組名のリストを、ユーザが最初にチャンネルをつけた時の対応するタイムスタンプと共に保持する。例えば、リストが、視聴した最後の４つのチャンネル、および、対応するそのチャンネルに同調したタイムスタンプを含む、と定義すれば、元のユーザコンテキスト情報のリストは、以下の形式とすることができる。

ＮＢＣ ２００５０７３０１５１８２０ ＣＮＮ ２００５０７３０１６１９２１ ＡＢＣ ２００５０７３０１８２２３０ ＫＴＹＵ ２００５０７３０２０１９１６
ＮＢＣのタイムスタンプは２００５０７３０１５１８２０であり、ユーザがＮＢＣをつけた時間が、２００５年７月３０日１５：１８：２０であることを示す。ユーザコンテキスト情報を透かしとして使用することにより、視聴したチャンネルの履歴に関する情報が保持され、これを使用してユーザの習慣を研究することができる。そのような履歴情報はＳＴＢに格納可能であり、タブレットが起動される時に、これらの情報が透かしを介してタブレットに送信され、さらに、情報サーバに送信されて、関連する情報が検索される。そのようなユーザコンテキストに基づく透かしが無い場合、視聴したチャンネル／番組の履歴は失われ、タブレットおよび情報サーバに送信される情報は、視聴中の現在のチャンネル／番組に限定される。

透かしをエンコードするためのビットレートを下げるために、このリストは以下の方法でエンコードされる。

−算術符号化または他のエントロピーエンコーディング法を用いて、チャンネル名をエンコードする。当業者は理解するであろうが、エントロピーエンコーディングは、無損失データ圧縮のスキームであり、算術符号化は、最も一般的なエントロピーエンコーディング法の１つである。具体的には、全てのチャンネル名を同じビット数でエンコードするのではなく、算術エンコードまたは他のエントロピーエンコーディング技術で、頻繁に視聴されるチャンネルの名称をより少ないビットでエンコードし、それほど頻繁に視聴されないチャンネルの名称をより多いビットでエンコードし、結果として、全体的に使用されるビットが少なくなる。例えば、人気のあるチャンネルを４ビットコードワードにエンコードして、例えば、ＮＢＣを０００１で表し、一方、ローカルチャンネルを８ビットコードワードにエンコードして、例えば、ＫＴＶＵを００００ ０００１で表すことができる。そのようなエンコードは、静的でも動的でもよい。静的エンコードでは、チャンネル毎にビット数およびコードワードが予め決められて固定され、一方、動的エンコードでは、そのような情報は、リアルタイムで集計される統計に基づき更新される。例えば、ＳＴＢは、視聴中のチャンネルに関する統計の集計と、新規のインストール時、またはリセット時に周波数の分配の構築とを開始する。分配は、時々更新されている。更新された統計を使用して、チャンネル／番組情報のエンコードが実行される。

−リスト内の第１の視聴されたチャンネル／番組のタイムスタンプを絶対時間を用いてエンコードし、リスト内の他のチャンネル／番組のタイムスタンプを、第１のチャンネルのタイムスタンプに相対的なオフセット値を用いてエンコードする。

デコードされたチャンネル名をチャンネル情報抽出モジュールから受信した後、ユーザコンテキストトラッキングモジュール５２０は、そのチャンネル名を、ユーザコンテキスト情報リスト内の最後のチャンネル名と比較し、それらが異なるかどうかを調べる。それらが異なる場合、モジュールは新しいチャンネル名を、対応するタイムスタンプを用いてリストに付加する。一方、それらが同じ場合、モジュールは、ユーザコンテキスト情報リストを無変更のまま保持する。音響透かしエンコーダ５３０は、透かしメッセージを生成する際に、ユーザコンテキスト情報を入力として取り込む。

図７は、本発明の一実施形態に従う、音響透かしの生成および挿入のモジュールの詳細なフローチャートを示す。処理は、ステップ７１０にて開始され、トランスポートストリーム（ＴＳ）がステップ７２０にて受信されるまで待機する。ステップ７３０では、チャンネル名およびタイムスタンプなどのチャンネル／番組情報を、ＴＳから抽出する。抽出されたチャンネル／番組情報は、ステップ７４０にて最後のチャンネル／番組情報と比較されて、チャンネル名に何らかの変更があるかどうかが調べられる。変更がある場合、ユーザコンテキスト情報リストは、ステップ７５０にて、新しいチャンネル／番組情報を用いて変更される。そのような更新されたユーザコンテキスト情報リストを使用して、ステップ７６０にて透かしメッセージを生成する。次に生成された透かしメッセージを使用して、ステップ７７０にて低周波数ホスト信号が変調される。変調された信号は、ステップ７８０にて、同じＴＳ内の音声ストリームからデコードされた番組音声信号に混合／埋込みされる。ステップ７９０にて、現在のタイムスタンプ、最後の音響透かしおよびユーザコンテキスト情報リストを格納し、次に、処理はステップ７２０に進む。ステップ７４０にて、抽出されたチャンネル／番組情報内のチャンネル名が、最新のチャンネル／番組情報内のチャンネル名と同じであると判定される場合は、ステップ７５５では、現在のタイムスタンプと格納されるタイムスタンプとの間の時間間隔が所定の閾値／制限時間、例えば、１０秒（他の期間でも等しく実現可能である）に達するかどうかをさらに判定する。達しない場合、処理はステップ７２０に進む。達する場合、ステップ７６５にて、格納された透かしを、受信したＴＳ内の音声ストリームからデコードされた番組音声信号に、混合／埋込みする。格納されたタイムスタンプは、７７５にて、現在のタイムスタンプを用いて更新され、処理はステップ７２０に進む。

図８は、埋め込まれた透かしを含むレンダリングされた番組信号から透かしメッセージを検出およびデコードするための、第２のスクリーン装置２４０上に実装される、モジュール／ユニットを示している。このモジュール／ユニットは、レンダリングされた番組信号を取得するためのインターフェース８１０、透かし信号を取得されたテスト番組信号から抽出するための透かし抽出器８２０、および、チャンネル／番組情報を含む透かしメッセージに該透かし信号をデコードするための透かしデコーダ８３０を備える。インターフェース８１０は、マイクおよび／またはカメラを備えてもよい。透かしを含むレンダリングされた番組信号に音声信号が含まれる場合、インターフェース８１０は、マイクを使用して音声信号を記録する。透かしを含むレンダリングされた番組信号に映像信号が含まれる場合、インターフェース８１０はカメラを使用して、ビデオ画像をキャプチャする。音声と映像の検出の組み合わせも可能である。

一実施形態において、第２のスクリーン装置は、インターフェースのマイクまたはカメラを保持し、受信した信号を透かしの抽出器および検出器のモジュールに供給して、常時チャンネル／番組情報を検出およびデコードする。第２のスクリーン装置は、最後にデコードされたチャンネル／番組情報を追跡し、例えば、今回デコードされたチャンネル名を前回デコードされたチャンネル名と比較する。それらが異なる場合、最後のチャンネルコードを情報サーバに送信して、新しいチャンネルの関連する情報を検索し、または、場合によっては、第２のスクリーン装置上のチャンネル情報の表示を単に更新する。

本発明の好適な実施形態が、本明細書において詳細に記載されたが、本発明がこれらの実施形態に限定されないこと、および、透かしを介して２つの装置間における同様のコンテンツの同期を提供することなど、他の修正および変形を、添付の請求項により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者により達成できることは、理解されるであろう。

２．ＳＴＢ２２０は、ステップ３２０にて、テレビ番組信号を放送局２１０から受信し、メディア信号を展開する。また、トランスポートストリーム（ＴＳ）から抽出したチャンネル／番組情報に基づき音響透かしと、選択的な秘密透かし鍵を生成し、音響透かし信号をテレビ番組音声信号と混合／埋込みし、映像信号および透かしが入った音声信号をテレビ２３０に送信する。混合／埋込みは、周期的に実行され、または、新しいデコード済みチャンネル名が前回のそれと異なる場合は、これはチャンネル切り替えが発生したことを示すため、すぐに、実行される。周期的な透かしの埋込みにより、過度な遅延を伴わずにタブレットが透かしを検出することが可能となるが、これは、タブレットのスイッチがいつ入るのかをＳＴＢが予測できないためである。

本発明の好適な実施形態が、本明細書において詳細に記載されたが、本発明がこれらの実施形態に限定されないこと、および、透かしを介して２つの装置間における同様のコンテンツの同期を提供することなど、他の修正および変形を、添付の請求項により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者により達成できることは、理解されるであろう。
本発明の好ましい実施形態を、以下に示す。
付記１．番組情報を使用するためのシステムであって、
番組ストリームを受信して番組信号にデコードし、番組情報透かしを生成して番組信号の一部に埋め込み、かつデコードされて透かしが入った番組信号をレンダリングのために送信するセットトップボックスと、
前記番組情報透かしを、レンダリングされた番組信号から検出およびデコードする検出装置と、
を含む、前記システム。
付記２．前記検出装置はさらに、検出された透かしを使用して情報サーバに番組情報の要求を送信する、付記１に記載のシステム。
付記３．前記透かしは、前記番組信号の音声部分に埋め込まれる、付記１に記載のシステム。
付記４．前記透かしは、前記番組信号の映像部分に埋め込まれる、付記１に記載のシステム。
付記５．前記検出装置はタブレットである、付記１に記載のシステム。
付記６．番組情報透かしを生成および挿入するための方法であって、
番組情報を番組ストリームから抽出するステップと、
前記番組情報を透かしメッセージにエンコードするステップと、
前記透かしメッセージを前記番組ストリームの信号に埋め込むステップと、
を含む、前記方法。
付記７．前記埋め込むステップはさらに、
ホスト信号を用いて前記透かしメッセージを変調して、透かし信号を取得するステップと、
前記透かし信号を前記番組ストリームの前記信号に埋め込むステップと、
を含む、付記６に記載の方法。
付記８．所定の制限時間の少なくとも１つに達して前記番組情報が変更されるとき、前記透かしメッセージを更新するステップをさらに含む、付記６に記載の方法。
付記９．ユーザコンテキストを追跡するステップと、
前記ユーザコンテキストを前記透かしメッセージに組み込むステップと、
をさらに含む、付記６に記載の方法。
付記１０．前記ユーザコンテキストは、番組情報の履歴を含む、付記９に記載の方法。
付記１１．前記透かしメッセージは、前記番組ストリームの音声信号に埋め込まれる、付記６に記載の方法。
付記１２．前記透かしメッセージは、前記番組ストリームの映像信号に埋め込まれる、付記６に記載の方法。
付記１３．番組情報透かしを生成および挿入するための装置であって、
番組情報を番組ストリームから抽出するチャンネル情報抽出器と、
前記番組情報を透かしメッセージにエンコードする透かしエンコーダと、
前記透かしメッセージを前記番組ストリームの信号に埋め込む透かし埋込み器と、
を含む、前記装置。
付記１４．前記透かし埋込み器は、
ホスト信号を用いて前記透かしメッセージを変調して、透かし信号を取得する透かし変調器と、
前記透かし信号を、前記番組ストリームの前記信号と混合するミキサと、
を含む、付記１３に記載の装置。
付記１５．制限時間の少なくとも１つに達して前記番組情報が変更されるとき、前記透かしエンコーダは前記透かしメッセージを更新する、付記１３に記載の装置。
付記１６．ユーザコンテキストを追跡するユーザコンテキスト追跡器をさらに含み、
前記透かしエンコーダは、前記ユーザコンテキストを前記透かしメッセージに組み込む、付記１３に記載の装置。
付記１７．前記ユーザコンテキストは、番組情報の履歴を含む、付記１６に記載の装置。
付記１８．前記透かし埋込み器は、前記透かしメッセージを前記番組ストリームの音声信号に埋め込む、付記１３に記載の装置。
付記１９．前記透かし埋込み器は、前記透かしメッセージを前記番組ストリームの映像信号に埋め込む、付記１３に記載の装置。
付記２０．レンダリングされた番組信号から透かしメッセージを検出およびデコードするための方法であって、
透かし信号を含む前記レンダリングされた番組信号を取得するステップであって、前記透かし信号は、前記レンダリングされた番組信号に関連する番組情報を担持し、前記レンダリングされた番組信号を含む番組ストリームがレンダリングのために受信された後に、生成され埋め込まれる、ステップと、
前記取得された番組信号から前記透かし信号を抽出するステップと、
前記透かし信号を透かしメッセージにデコードして、前記レンダリングされた番組信号に関連する番組情報を取得するステップと、
を含む、前記方法。
付記２１．前記取得するステップは、前記レンダリングされた番組信号から音声信号を記録するステップを含む、付記２０に記載の方法。
付記２２．前記取得するステップは、前記レンダリングされた番組信号から映像信号を記録するステップを含む、付記２０に記載の方法。
付記２３．前記透かしメッセージは、前記レンダリングされた番組信号の番組情報を含む、付記２０に記載の方法。
付記２４．レンダリングされた番組信号から透かしメッセージを検出およびデコードするための装置であって、
透かし信号を含む前記レンダリングされた番組信号を取得するためのインターフェースであって、前記透かし信号は、前記レンダリングされた番組信号に関連する番組情報を担持し、前記レンダリングされた番組信号を含む番組ストリームがレンダリングのために受信された後に、生成され埋め込まれる、インターフェースと、
前記取得された番組信号から前記透かし信号を抽出する透かし抽出器と、
前記透かし信号を透かしメッセージにデコードする透かしデコーダと、
を含む、前記装置。
付記２５．前記インターフェースは、前記レンダリングされた番組信号を、その音声信号を記録することにより取得するマイクである、付記２４に記載の装置。
付記２６．前記インターフェースは、前記レンダリングされた番組信号を、その映像信号を記録することにより取得するカメラである、付記２４に記載の装置。
付記２７．前記透かしメッセージは、前記レンダリングされた番組信号の番組情報を含む、付記２４に記載の装置。

Claims (27)

1. 番組情報を使用するためのシステムであって、
   番組ストリームを受信して番組信号にデコードし、番組情報透かしを生成して番組信号の一部に埋め込み、かつデコードされて透かしが入った番組信号をレンダリングのために送信するセットトップボックスと、
   前記番組情報透かしを、レンダリングされた番組信号から検出およびデコードする検出装置と、
   を含む、前記システム。
2. 前記検出装置はさらに、検出された透かしを使用して情報サーバに番組情報の要求を送信する、請求項１に記載のシステム。
3. 前記透かしは、前記番組信号の音声部分に埋め込まれる、請求項１に記載のシステム。
4. 前記透かしは、前記番組信号の映像部分に埋め込まれる、請求項１に記載のシステム。
5. 前記検出装置はタブレットである、請求項１に記載のシステム。
6. 番組情報透かしを生成および挿入するための方法であって、
   番組情報を番組ストリームから抽出するステップと、
   前記番組情報を透かしメッセージにエンコードするステップと、
   前記透かしメッセージを前記番組ストリームの信号に埋め込むステップと、
   を含む、前記方法。
7. 前記埋め込むステップはさらに、
   ホスト信号を用いて前記透かしメッセージを変調して、透かし信号を取得するステップと、
   前記透かし信号を前記番組ストリームの前記信号に埋め込むステップと、
   を含む、請求項６に記載の方法。
8. 所定の制限時間の少なくとも１つに達して前記番組情報が変更されるとき、前記透かしメッセージを更新するステップをさらに含む、請求項６に記載の方法。
9. ユーザコンテキストを追跡するステップと、
   前記ユーザコンテキストを前記透かしメッセージに組み込むステップと、
   をさらに含む、請求項６に記載の方法。
10. 前記ユーザコンテキストは、番組情報の履歴を含む、請求項９に記載の方法。
11. 前記透かしメッセージは、前記番組ストリームの音声信号に埋め込まれる、請求項６に記載の方法。
12. 前記透かしメッセージは、前記番組ストリームの映像信号に埋め込まれる、請求項６に記載の方法。
13. 番組情報透かしを生成および挿入するための装置であって、
    番組情報を番組ストリームから抽出するチャンネル情報抽出器と、
    前記番組情報を透かしメッセージにエンコードする透かしエンコーダと、
    前記透かしメッセージを前記番組ストリームの信号に埋め込む透かし埋込み器と、
    を含む、前記装置。
14. 前記透かし埋込み器は、
    ホスト信号を用いて前記透かしメッセージを変調して、透かし信号を取得する透かし変調器と、
    前記透かし信号を、前記番組ストリームの前記信号と混合するミキサと、
    を含む、請求項１３に記載の装置。
15. 制限時間の少なくとも１つに達して前記番組情報が変更されるとき、前記透かしエンコーダは前記透かしメッセージを更新する、請求項１３に記載の装置。
16. ユーザコンテキストを追跡するユーザコンテキスト追跡器をさらに含み、
    前記透かしエンコーダは、前記ユーザコンテキストを前記透かしメッセージに組み込む、請求項１３に記載の装置。
17. 前記ユーザコンテキストは、番組情報の履歴を含む、請求項１６に記載の装置。
18. 前記透かし埋込み器は、前記透かしメッセージを前記番組ストリームの音声信号に埋め込む、請求項１３に記載の装置。
19. 前記透かし埋込み器は、前記透かしメッセージを前記番組ストリームの映像信号に埋め込む、請求項１３に記載の装置。
20. レンダリングされた番組信号から透かしメッセージを検出およびデコードするための方法であって、
    透かし信号を含む前記レンダリングされた番組信号を取得するステップであって、前記透かし信号は、前記レンダリングされた番組信号に関連する番組情報を担持し、前記レンダリングされた番組信号を含む番組ストリームがレンダリングのために受信された後に、生成され埋め込まれる、ステップと、
    前記取得された番組信号から前記透かし信号を抽出するステップと、
    前記透かし信号を透かしメッセージにデコードして、前記レンダリングされた番組信号に関連する番組情報を取得するステップと、
    を含む、前記方法。
21. 前記取得するステップは、前記レンダリングされた番組信号から音声信号を記録するステップを含む、請求項２０に記載の方法。
22. 前記取得するステップは、前記レンダリングされた番組信号から映像信号を記録するステップを含む、請求項２０に記載の方法。
23. 前記透かしメッセージは、前記レンダリングされた番組信号の番組情報を含む、請求項２０に記載の方法。
24. レンダリングされた番組信号から透かしメッセージを検出およびデコードするための装置であって、
    透かし信号を含む前記レンダリングされた番組信号を取得するためのインターフェースであって、前記透かし信号は、前記レンダリングされた番組信号に関連する番組情報を担持し、前記レンダリングされた番組信号を含む番組ストリームがレンダリングのために受信された後に、生成され埋め込まれる、インターフェースと、
    前記取得された番組信号から前記透かし信号を抽出する透かし抽出器と、
    前記透かし信号を透かしメッセージにデコードする透かしデコーダと、
    を含む、前記装置。
25. 前記インターフェースは、前記レンダリングされた番組信号を、その音声信号を記録することにより取得するマイクである、請求項２４に記載の装置。
26. 前記インターフェースは、前記レンダリングされた番組信号を、その映像信号を記録することにより取得するカメラである、請求項２４に記載の装置。
27. 前記透かしメッセージは、前記レンダリングされた番組信号の番組情報を含む、請求項２４に記載の装置。