JP2015500488A - 石油燃料中のナトリウムを定量するための方法 - Google Patents

石油燃料中のナトリウムを定量するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、重質燃料油のような石油燃料中のナトリウムを定量するための方法及びシステムに関する。同方法は、NMRを使用して石油燃料中のナトリウムの濃度を測定することを含んでなる。同方法は、石油燃料の少なくとも一部について少なくとも一回のNMR測定を実施することによってナトリウム同位体23Naの形態であるナトリウムを測定することと、NMR測定から少なくとも一つのNMRスペクトルを得ることと、NMRスペクトルに基づいてナトリウムの定量をすることとを有利に含んでなり、結果を、既知のナトリウム濃度を用いた石油燃料についてのNMR測定値からなる校正データと比較する。

Description

本発明は、石油燃料中のナトリウムを定量するための方法及びシステムに関し、より詳細には、重質燃料油又はその他の種類の不均質な石油燃料中のナトリウムを定量するための方法及びシステムに関する。
石油燃料は、多くの場合、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉛及びバナジウムのような微量の不純物を含む。石油燃料の使用に応じて、そのような不純物の一つ以上の含有量は、非常に低い下限値未満に確実に制限することが要求される。仮に、石油燃料を、温度が非常に高くなるガスタービンのような燃焼機関にて使用する場合、これらの不純物のいくつかは、非常に腐食性を呈する。
程度の差はあるものの、腐食性の不純物を除去する、或いは抑制するために石油燃料を処理することは周知である。除去或いは抑制する方法は、例えば特許文献1に記載されている。その他の方法は、バナジウムを抑制するためにマグネシウムを加えることを含む。アルカリ性の不純物は、洗浄工程であって、水を加えた後に、溶解した不純物とともに遠心分離にて水を除去することを含む、洗浄工程によって通常は除去される。この工程は、特に、ナトリウムの量を許容可能なレベル(現在のところ、1ppm以下である)まで低減するために複数回の洗浄工程を必要とする。
石油燃料中のナトリウムの量は、実験室中で試料を分析することによって測定され得る。石油燃料は多くの場合、非常に不均質であるために、少なくともかなり信頼のおける結果を得るためには、複数の試料を採取する必要がある。
試料を採取し、試験をするための実験室に持ち込み、同試験を実施することは、煩雑であり、かつ時間もかかるため、フレーム分光法によって、現場にてナトリウム及びその他の不純物を試験するための方法及び機器が開発されている。特許文献2にはそのようなシステムが記載されており、同システムにおいて、燃焼炎内のナトリウムのような燃料不純物の濃度レベルのようなレベルを、フレーム分光計によって検知し、制御系は、不純物の濃度レベル又は蓄積された濃度レベルの関数として燃料送達系を無効にする。しかしながら、この方法は十分ではない。その理由は、燃焼機関を停止させることが非常に煩雑であり、かつナトリウムのレベルが高すぎる石油燃料をタービン内に導入することを回避することが通常は望ましいからである。
ASTM D5863は、原油及び残渣燃料中のバナジウム、ニッケル、鉄及びナトリウムの濃度を、試料におけるフレーム原子吸光分析法によって測定する標準的な方法を開示している。
カナダ国特許第1085614号明細書 米国特許第6268913号明細書
本発明の目的は、石油燃料中のナトリウムを定量する、新規かつ信頼のおける方法及びシステムを提供することにあり、同方法は、同時に迅速であり、かつ、試料を実験室に持ち込む必要のないように、現場での測定に適しているものである。
この目的は、特許請求の範囲において定義されている本発明によって解決された。石油燃料中のナトリウムを定量するための本発明の方法及びその実施形態、並びに石油燃料中のナトリウムを定量するための本発明のシステムは、種々の利点を有することが示されており、これらの利点は以下の詳細な説明から明らかであろう。
燃料タンク中の石油燃料のナトリウムを測定するための本発明のシステムの概略図である。 給油時における石油燃料のナトリウムを測定するための本発明のシステムの概略図である。 石油燃料タンクから使用する地点まで輸送される石油燃料のナトリウムを測定するための本発明のシステムの概略図である。 一つのタンクから別のタンクまで輸送される石油燃料のナトリウムを測定するための本発明のシステムの概略図である。 燃料タンクから取り出される石油燃料のナトリウムを測定するための本発明のシステムの概略図である。 全てのナトリウムがイオン形態にて存在していたバンカー燃料内のナトリウム濃度の測定を示すグラフである。
本明細書において使用される場合、用語「含んでなる/含んでなっていること(comprises/comprising)」は、開放型の用途として解釈されるべきであり、即ち、要素、単位、整数、ステップ、部品、及びそれらの組み合わせのような具体的に記載されている特徴の存在を特定するものとして解釈されるべきであるが、一つ以上のその他の記述された特徴の存在又は付加を排除するものではないことが強調されるべきである。
すでに説明したように、本発明が案出される前には、石油燃料中のナトリウムの定量は非常に困難かつ煩雑である、及び/又は破壊試験、即ち、十分に少ない量のナトリウム、例えば、1ppm未満のようなppmのオーダーの量のナトリウムを試験するためには石油燃料又はその試料を燃焼させる必要があるといった破壊試験が一般的には必要であった。本発明は、非常に信頼性が高く、かつ迅速である非常に改善された非破壊的な方法を提供し、多量の石油燃料、例えば、単なる試料のみではなく石油燃料の全てを測定することができ、同時に、タービンに注入する、或いは、原理的には石油燃料のフローラインに沿ったどの位置に注入する前、例えば、石油燃料を洗浄する前或いは後に、その現場で測定するのに適している。
石油燃料中のナトリウムの測定は、以下に更に記載されるように、船上にて実施することができると有利である。実際には、本発明の方法は、ほぼリアルタイムにて操作できることが示されている。
本発明の一実施形態において、方法は、燃料油とも称される石油燃料中のナトリウムのレベルを提供するために適用される。
本発明の一実施形態において、方法は、石油燃料中のナトリウムの全量又は濃度を測定するために適用される。
本発明の方法を使用することによって、化合物に結合されている、及び/又はイオンの形態である1ppm未満のような非常の少量のナトリウムでさえも非常に高い精度にて測定できることが明らかになっている。
核磁気共鳴(NMR)の現象は周知であり、かつ、例えば、プロトンH NMRまたは13C NMRを使用して、有機化合物を測定するために、分光法によって同位体の測定に適用することも周知であるが、石油燃料中のそのような微量のナトリウムの測定においてNMRを適用することは、これまでには提案されておらず、それが可能であると考えられることもなかった。
一実施形態において、本発明の方法は実験室においても使用でき、従来の方法と比較して、代替的であり、費用対効果に優れ、かつ非破壊的な方法を提供する。
NMRを使用して石油燃料中のナトリウムの定量を実施する方法は、非常に迅速かつ信頼の高いものであることが示されており、従って、望ましくない高濃度のナトリウムを含んでなる石油燃料を、例えばガスタービン機関内のような燃焼機関内に導入することを、望ましくない遅延を生ずることなく、回避することができる。
以下により詳細に示されるように、ナトリウムの測定において得られるシグナルは、測定される石油燃料中のナトリウムの量と直接相関しており、そして、石油燃料は多くの場合不均質であるので、例えば、石油燃料の全てのような多量の石油燃料を、測定することが望ましい。そしてそれは、結果的に、簡単かつ非破壊的な様式にて実施できると望ましい。
本発明の方法は、石油燃料が不均質である、例えば、バンカー燃料油のような重質燃料油(HFO)である、或いは重質燃料油(HFO)を含んでなる燃料である場合、特に有利である。
核磁気共鳴(NMRと略される)は、ある種の原子の核が静磁場に置かれ、第2の振動磁場に曝露される時に生じる現象である。NMR測定はNMR分光法によって実施され、例えば有機化学的構造を分析するためのような、材料を研究するためにNMR現象を使用することを含んでなる。
本発明の方法は、石油燃料の少なくとも一部分について少なくとも一回のNMR測定(NMR分光法とも称される)を実施し、NMR測定から少なくとも一つのNMRスペクトルを得て、NMRスペクトルに基づいてナトリウムの定量を実施することによって、ナトリウム同位体23Naの形態であるナトリウムを測定することを含んでなる。「NMRスペクトル」なる用語は、本明細書においては、NMR測定から得られるシグナルを示すために使用される。NMRスペクトルは、物理的に描画されたスペクトルの一部または全部の形態であってもよく、デジタル形式のスペクトルの一部または全部の形態であってもよく、ピーク測定の形態またはそれから誘導される結果であってもよく、あるいはNMR測定から得られる結果のシグナルまたはその一部を提供することができるいずれかの他の形態であってもよい。そのようなNMRスペクトルは当該技術分野において周知である。
本発明の一実施形態において、得られる一つ以上のNMRスペクトルは、少なくとも一回のナトリウムの定量を実施するために使用される。少なくとも一回のナトリウムの定量は、例えば、石油燃料のほんの一部のナトリウム濃度及び/又はナトリウム含有量を測定すること、石油燃料のバッチ中のナトリウム濃度及び/又はナトリウム含有量を測定すること、ナトリウムイオン又は特定のナトリウム含有化合物のナトリウム濃度及び/又はナトリウム含有量を測定すること、ナトリウムのレベル、即ち、同ナトリウムが、例えば、約1ppmの閾値のような選択された閾値より上であるか、又は下であるか、といったレベルを測定すること、であり得る。
分光計は当該技術分野において周知であり、当業者は、本明細書に提供される教示に基づき、本発明の使用に適切な分光計を選択することが可能である。分光計の例は、例えば、米国特許第6,310,480号明細書および米国特許第5,023,551号明細書に記載されている。
分光計は、永久場を提供するためのユニット、例えば、永久磁石アセンブリ、ならびにRF周波数パルス/シグナルを送信および/または受信するためのトランスミッターおよびレシーバを含んでなる。RFレシーバおよびRFトランスミッターは、アンテナまたはRFアンテナの配列に接続され、それは送信および受信の両方が可能なトランシーバーの形態でもよい。分光計は少なくとも一つのコンピューティング要素をさらに含んでなり、これは以下、コンピュータと示される。
NMR形成評価の一般的背景は、例えば、米国特許第5,023,551号明細書に見ることができる。
以下、「NMR測定」は、多くの場合、本発明を記載するために単数で使用されるが、「NMR測定」の単数形は、他に指定されない限り、複数のNMR測定も含んでなることに留意すべきである。
本発明の一実施形態において、NMR測定は、流動状態の石油燃料にて実施される。NMR測定は、例えば、第1の容器から第2の容器又は使用地点への輸送時、例えば、第1の容器から第2の貯蔵容器又はタービンのようなエンジンでの使用地点への輸送時の石油燃料について実施され得る。
第2の貯蔵容器は、例えば、貯蔵タンク、精製装置、又は給油タンクであり得る。一実施形態において、NMR測定は、燃料を第1の容器からくみ上げ、そして同じ第1の容器に戻すパイプ部分中の流動状態にある石油燃料において実施される。この実施形態において、方法は、ナトリウムの濃度を低減するために高含有量のナトリウムを含んでなる石油燃料画分を洗浄ステップに送り出し、その後、洗浄された石油燃料を第1の容器に戻すことを含んでなると有利である。
一実施形態において、NMR測定は、燃料を第1の容器から、第2の容器、例えば、精製装置、第2の貯蔵容器、又はタービンでの使用のような使用地点へとくみ上げるパイプ部分中の流動状態にある石油燃料について実施される。
流動状態にある石油燃料においてNMR測定を実施する場合、燃料部分が、NMR測定を実施するのに十分な時間において分光計の範囲内となるように、流れる燃料の速度が調整される又は維持されることを有利に保証すべきである。
本発明の一実施形態において、NMR測定は、インライン又はセミインライン(semi−in−line)にて実施され、現場でのNMR測定、例えば、ガスタービンの地点での、ナトリウムを洗い流すための洗浄装置の地点での、NMR測定を実施することを含んでなる。NMR測定は、船舶など、船上にあるモータ駆動ユニットにて有利に実施され得る。
一実施形態において、NMR測定は、流動状態にある石油燃料のインラインにて直接、例えば、パイプ内、又は石油燃料を含んでなる容器内にある石油燃料に直接、実施される。
本明細書において「インライン(in−line)」なる用語は、石油燃料部分(即ち、石油燃料の試料)を残りの石油燃料から取り除くことなく、同石油燃料にNMR測定を直接実施することを意味するように解釈されるべきである。NMR測定は、例えば、上述のような流動状態にある石油燃料に実施することができ、或いは、容器内の石油燃料において直接実施することができる。例えば、ナトリウムの濃度は、多くの場合、容器内の石油燃料の表面付近よりも、容器の底部付近にてより高くなるので、仮に石油燃料が攪拌のような細管にさらされない場合には、石油燃料を含んでなる容器の底部付近にて実施され得る。
本明細書において「セミインライン(semi−in−line)」なる用語は、残りの燃料から一時的に取り出した石油燃料の試料についてNMR測定が実施されることを意味するものとして解釈されるべきであり、少なくとも一回のNMR測定を実施し、選択的に、石油燃料の試料を、石油燃料の残りの部分に戻すことを含んでなる。石油燃料の代表的な量を測定できるように、連続して取り出された燃料の試料において複数回の連続的なNMR測定が実施される。好ましくは、例えば燃料部分の約90%以上のような、燃料の試料の少なくとも幾らかは残りの石油燃料に戻される。試料が非常に高濃度のナトリウムを含んでいる場合は、この試料を残りの石油燃料に戻す代わりに排出することが有利であるかもしれない。
一実施形態において、NMR測定は、石油燃料の試料として燃料の一部を石油から一時的に取り出し、取り出された試料についてNMR測定を実施し、かつ試料を残りの石油燃料に選択的に戻すことを含んでなることによってセミインラインにて実施される。石油燃料の試料は、船上のモータ駆動ユニットにある石油燃料を含んでなる容器から有利に取り出され得る。
本発明によれば、NMR測定を船上にて直接実施することができるので、非常に有益であることが見出された。ナトリウムの測定は連続的なプロセスとして実施することができ、それにより、経済的にも非常に魅力的なシステムが提供でき、それは同時に、石油燃料と接触するエンジン又はその他の装置の一部を腐食により破壊するナトリウムに対して高い安全性を提供する。
一実施形態において、NMR測定は、石油燃料の試料として、石油燃料の一部を取り出して、取り出した試料にNMR測定を実施することを含んでなる。この実施形態において、石油燃料の試料は、例えば、NMR測定を実施させるために実験室に送ることができる。
一実施形態において、船上でのナトリウム測定を含んでなる本発明は、特別の目的のために制御する実験室でのナトリウム測定と組み合わされ、実験室でのナトリウム測定は、フレーム分光法のような従来の方法を使用して実施されるか、或いは実験室でのナトリウム測定は、本発明によるNMRを使用して実施され得る。費用対効果の高い測定のためには、一般的には後者の方法が好ましい。
本発明の一実施形態において、方法は、例えば、石油燃料中の種類の変化、レベル、及び/又はナトリウム成分/ナトリウムイオンのレベルを測定するために、ナトリウムを繰り返し測定することを含んでなる。
一実施形態において、方法は、石油燃料中のナトリウムを測定することと、燃料に対してナトリウム除去処理を行うことと、石油燃料中のナトリウムの測定を繰り返すことと、を含んでなる。
ナトリウム除去処理は、重質燃料油又はディーゼルのような石油燃料からナトリウムを抽出するのに適した任意の種類の抽出処理又は洗浄処理であり得る。抽出処理は、例えば、上記したように、洗浄すること、即ち、水を加えて、例えば石油燃料と水とを完全に混合することによって水中にナトリウムを溶解/分散させ、適切な遠心分離を使用する、及び/又は沈殿槽を使用するか、或いはその他の分離器を使用して水を除去すること、によって実施され得る。
ナトリウム除去処理は、ナトリウムの量を1ppm以下に低減するために有利に提供される。選択的に、ナトリウム除去処理は、この閾値以下に到達するために繰り返される。この方法を、以下に、更に詳細に説明する。
一実施形態において、NMR測定は、石油燃料を、磁場B及び無線周波数エネルギーEの複数のパルス(RFパルスの形態)に同時にさらして、23Na同位体の同位体から電磁シグナルを受承することを含んでなる。同方法は、好ましくは、例えば、石油燃料の試料について測定された石油燃料中の23Na同位体の濃度を測定することを含んでなる。
本明細書中において、RFパルスは無線周波数エネルギーのパルスを意味する。
高解像度(すなわち、可能な限り低ノイズ)のNMRスペクトルを得るために、一般に、NMR測定が比較的高い磁場Bを使用して実施されることが望ましい。
一実施形態において、磁場Bは少なくとも約1テスラ、例えば少なくとも約1.2テスラ、例えば少なくとも約1.4テスラ、例えば少なくとも約1.6テスラである。
磁場Bは、いずれかの適切な手段で生成されてもよい。好ましい実施形態において、磁場Bは、約1〜約3テスラ、例えば約1.5〜2.5テスラである。
一実施形態において、磁場は、永久磁石、例えばネオジム磁石によって生成される。永久磁石は一般に高価ではないため、この解決案は、多くの適用のため、十分な低ノイズの結果を提供し得る低コストの解決案を提供する。
一実施形態において、磁場は、ソレノイド磁石、または、通常、モータ、発電機、変圧器、拡声器または同様の装置で適用される他の電磁石などの電磁石によって生成される。高強度の電磁石、例えば、約1.5テスラ以上の場を生じるために適用可能な電磁石は、多くの場合、永久磁石と比較して比較的高価である。しかしながら、電磁石を使用して生成される磁場は、同時に比較的強く、かつ比較的均一であり得、本発明においては非常に有利である。
さらに電磁石は、電磁石のコイルにおける電流を所望のレベルまで調節することによって調節されてもよい。
好ましい実施形態において、磁場は、超電導線のコイルを含んでなる超電導磁石の形態の電磁石によって生成される。そのような超電導磁石は当該技術分野において周知であり、比較的高い磁場を生じるために製造され得る。さらに、そのような超電導磁石は、非常に均一な場を提供することができ、そして同時に、それらは、エネルギーがコイルの巻線中で熱としてほとんど分散しないため、比較的より安価に操作される。
本発明において適切な超電導磁石の例は、英国特許2474343号明細書または英国特許2467527号明細書に開示されている。
本発明の一実施形態において、測定領域の磁場、すなわち、NMR測定が実施される時に測定されるべき石油燃料の一部分が位置する部分の磁場は、好ましくは比較的空間的に均一であり、かつ比較的一時的に一定である。しかしながら、一般に、測定領域の磁場が完全に均一であることを提供することは困難であり、さらにはほとんどの磁場に関して、磁石の老化、磁石付近の金属対象の運動および温度変動により、場の強さは、時間経過によってドリフトするか、または変動し得る。
時間経過によるドリフトおよび変動は、温度を制御することによって、および/または当該技術分野において一般に既知であるものなどのフィールドロックを適用することによって処理することができる。
磁場の空間不均一性は、単純な校正によって補正することができるか、または代わりに、もしくは同時に、そのような空間不均一性は、当該技術分野において既知であるものなどのシムコイルによって調節することができる。そのようなシムコイルは、例えば、磁場の均一性を最大にするために、コンピュータで調節されてもよい。
本発明の一実施形態において、方法は、選択された磁場において複数のNMR測定を実施することを含んでなり、好ましくは、磁場は、複数のNMR測定の間、実質的に変動しない。
一実施形態において、本発明の方法は、例えば、選択された値において温度を維持することによって温度を調節することを含んでなる。
一実施形態において、本発明の方法は、温度を測定することを含んでなる。
「実質的に」なる用語は、本明細書中において、当該技術分野において通常受け入れられる通常の変動および公差を含むように使用される。
一実施形態において、方法は、石油燃料において複数のNMR測定を実施することを含んでなる。有利なことに、石油燃料のNMR測定は、ノイズを低下させるために、複数回実施されるであろう。一実施形態において、NMR測定は、繰り返された測定サイクルにおいて連続的に実施される。一実施形態において、方法は、同一の石油燃料の一部分(例えば、試料)において複数のNMR測定を実施することを含んでなる。NMR測定は、通常、非常に迅速に実施され、例えば、1秒あたり数回のNMR測定サイクル、例えば20回以上のNMR測定、例えば50回以上のNMR測定である。したがって、流動状態の石油燃料の一部分においてNMR測定を実施する場合でも、数回のNMR測定が、実質的に同一の石油燃料の部分において実施され得る。
一実施形態において、NMR測定は、磁場と23Na同位体の少なくとも一部の核スピンを励起させるべく選択された周波数を有する励起RFパルスとに、石油燃料を同時にさらすことを含んでなる。好ましくは、励起RFパルスは、石油燃料部分中のほぼ全ての23Na同位体の少なくとも一つの核スピン(スピン遷移)を励起させるのに十分であるバンド幅(周波数範囲に及ぶ)を有する。
理論上、一つの単一励起RFパルスは、有用なシグナルを得るには十分であろう。本発明の一実施形態において、石油燃料部分のナトリウム同位体の所望の数の核スピンを励起するために、選択されたバンド幅を有する周波数を備えたRF連発パルスを使用することが望まれる。
NMR測定の一般的な背景説明は、ジョージ R.コートス(George R.Coates)ら著、「NMRロギング原理および応用(NMR Logging Principles and Applications)」、ハリバートン・エネルギー・サービス(Halliburton Energy Services)、1999年に見ることができる。特に第4章を参照のこと。この資料にはナトリウム同位体のNMR測定が特に記載されていないが、応用される原理は同様である。
ナトリウムは、18Naから37Naに及ぶ20の確認されている同位体を含んでなる。本発明によれば、23Na同位体に基づくNMR測定は、最も信頼性の高い測定を提供できることが見出されている。
23Na同位体は約10.4×10−30の電気四極子モーメントを有する。23Na同位体の環境に依存して、即ち、化合物の一部として、或いはイオンとして、同じ周波数、又は異なる周波数にて励起され得る数個の核スピンを有する。23Na同位体の核スピンは、ナトリウム同位体の核スピンが異なる周波数にて励起される場合には四極子結合によりシフトすると言われている。
四極子分裂は、核エネルギーレベルと周囲電場勾配(EFG)との相互作用をもたらす。3/2の角量子数を有する23Na同位体のような、非球形の電荷分布を有する状態の核は、非対称の電場を形成し、核エネルギーレベルを分裂する。これが、核四極子モーメントを生成する。核四極子モーメントは、EFGと異方的(配向依存性)に相互作用し、化合物又はイオン中のその位置に応じて、特に、化合物の対称性に応じて、23Na同位体からのシグナルの選択的な分裂を生ずる。23Na同位体からのシグナルの選択的な分裂は、四極子広幅化(broadening)と称される。
一実施形態において、石油燃料は、測定下の石油燃料の一部分の実質的に全ての23Na同位体の少なくとも一つの核スピンを励起するように選択された周波数による励起RFパルスを受ける。好ましくは、石油燃料の一部分は、石油燃料の一部分の23Na同位体の少なくとも中心(励起周波数に関して見られる)核スピンが励起されるように、それらの中心バンドで23Na同位体を励起するように選択された周波数による励起RFパルスを受ける。中心バンドにないナトリウム同位体の核スピンは、サイドバンドにあると言われている。
一実施形態において、石油燃料の一部分は、石油燃料の一部分の実質的に全ての23Na同位体の複数の核スピンを励起するように選択された周波数による励起RFパルスを受ける。好ましくは、石油燃料の一部分は、少なくともそれらの中心バンドで23Na同位体を励起するように、そしてそれらのサイドバンドで、少なくとも23Na同位体の一つ以上の核スピンを励起するように選択された周波数による励起RFパルスを受ける。
一実施形態において、石油燃料の一部分は、石油燃料の一部分の実質的に全ての23Na同位体の実質的に全ての核スピンを励起するように選択された周波数による励起RFパルスを受ける。
無線パルス(バンド幅)の十分な周波数範囲は、測定されることが望ましい既知量のナトリウムを有する石油燃料における校正試験を実施することによって見出すことができる。石油燃料中の23Na同位体は、無線パルスの比較的小さい周波数範囲内で、少なくともそれらの中心バンドで通常励起されるであろう。
化学シフトは、参照シグナルと比較して、共鳴周波数の相対的な差異として定義される。シフトは、化合物のプロトンの間のスピン−スピン結合によって生じると考えられている。
石油燃料中の23Na同位体の結合による励起の化学シフトは一般に小さいため、そのような化学シフトは無視することができる。
電場の不均一性も、通常、バンド幅を選択する時に、説明されなければならない。
一実施形態において、無線周波数パルスは、断熱性RFパルス、すなわち、振幅および周波数調整パルスであるRFパルスの形態である。
上記のとおり、23Na同位体はスピン3/2核であって、したがって四極子である。その結果、対称の環境における小さいか、またはいくらか広い線であるが、非対称のものにおける非常に広い線を備えた環境の非対称によって、シグナル幅は増加する。この効果は、当該技術分野において一般に既知である。
また、石油燃料中の塩および水などの他の成分の存在は、アンテナ離調をもたらす可能性があり、そして自動的にこのチューニングの経過を追跡し、必要であれば調節適合するように提供されるであろう。
本発明の一実施形態において、励起RFパルスの周波数範囲は、少なくとも約10000ppm、好ましくは少なくとも約50000ppm、例えば約2000ppm〜約50000ppmに及ぶ。
周波数のスパンならびに周波数シフトは、多くの場合ppmで、すなわち基準化合物に関して測定される。
本明細書に提供される教示に基づき、当業者は、石油燃料中のナトリウムの信頼性の高い測定を得るために十分である励起RFパルスの周波数範囲を選択することが可能である。
本発明の一実施形態において、励起RFパルスの周波数範囲は、少なくとも約1MHzのバンド幅を含んでなる。
数回の試行錯誤試験によって、測定の特定の種類における所望の周波数範囲を見出すことができる。
23Na同位体の核のスピンを励起する実際の周波数は、主として磁場Bに依存する。上記で説明されるように、磁場は、ドリフトおよび温度変動によって変化し得、そしてNMR測定が、23Na同位体の所望の核スピンの方へ向けられる励起RFパルスを使用して確実に実施されるために、励起RFパルスがフィールドロック機能によって調節されることが、一般には好ましい。
例えば、磁場が約1Tから約2Tまでである実施形態において、励起RFパルスは、好ましくは、約10MHz〜約22MHzの範囲の周波数の少なくともいくつか、例えば少なくとも約1MHzの少なくとも一つの周波数バンド幅を含んでなる。磁場が約1Tから約2Tまでである実施形態において、励起RFパルスは、約13MHz〜約19MHzの範囲で周波数の少なくともいくつかを含んでなる。
一実施形態において、本発明の方法は、励起23Na同位体の少なくとも一つの緩和速度を測定することを含んでなる。
緩和なる用語は、非平衡状態まで励起した核磁化が平衡分布に戻るプロセスを説明する。言い換えると、緩和は、速いスピンが、それらが配向された方向を「忘れる」様式を説明する。緩和時間T1およびT2を測定する方法は、当該技術分野において周知である。
一実施形態において、方法は、励起23Na同位体の少なくとも一つのスピン−格子−T1緩和値を測定することを含んでなる。
T1緩和には、熱平衡分布を達成するために、核スピン状態の集団を再分布することが関与すると考えられている。
T1緩和値は、23Na同位体を励起するために適用されるNMR周波数に依存し得る。これは好ましくは、得られるT1緩和値を分析および校正する場合、説明されなければならない。
一実施形態において、方法は、励起23Na同位体の少なくとも一つのスピン−スピン−T2緩和値を測定することを含んでなる。
T2緩和は、横断方向の緩和とも呼ばれる。
一般に、T2緩和は複雑な現象であり、そして横断方向の核スピン磁化のコヒーラーの感度回復が関与する。T2緩和値は、ナトリウム同位体の励起の間に適用される磁場に実質的に依存せず、そして大部分の測定に対して、そのような起こり得る変動は無視することができる。
一実施形態において、方法は、石油燃料の一部分を、好ましくは、約100ms以下、例えば約10〜約50ms、例えば約15〜約20msの繰り返し速度でRFパルスの連発パルスにさらすことを含んでなる。
RF連発パルスは、T1および/またはT2値を測定するために、多くの場合、適用される。
一実施形態において、方法は、石油燃料の一部分に、好ましくは、約100ms以下、例えば約10ms以下、例えば約5ms以下、例えば約1ms以下、の繰り返し速度で方形RF連発パルスにさらすことを含んでなる。
与えられた「キャリア」周波数のショート方形パルスは、ほぼキャリア周波数を中央とする周波数の範囲を「含有し」、励起(帯域幅/周波数スペクトル)の範囲はパルス期間に逆比例する。
本発明において、磁場が約1〜約2Tである場合、キャリア周波数が約13MHz〜約19MHzであり、そして期間が約5μs〜約20μmであることが一実施形態において望ましい。他の磁場が適用される場合、それに応じて周波数を調節することができる。
ほぼ方形波のフーリエ変換は、主要周波数の付近での全ての周波数からの寄与を含有する。NMR周波数の制限された範囲は、全NMRスペクトルを励起するために短い(ミリ秒〜マイクロ秒)無線周波数パルスを使用することを比較的容易にさせる。
一実施形態において、NMR測定は、石油燃料の一部分を、磁場Bおよび複数のRFパルスに同時にさらすことを含んでなり、RFパルスは、
i.励起RFパルス、および
ii.少なくとも一つの再焦点RFパルス、
を含んでなる。
励起RFパルスおよび再焦点RFパルスは、例えば、RFパルスの連発パルス、例えば、パルス化パルスの形態であってよい。励起RFパルスは好ましくは上記した通りであり、一実施形態においてパルス化されていてもよい。
励起RFパルスの有用な期間および振幅は当該技術分野において周知であり、そして単純な試行錯誤によって最適化を行うことができる。
一実施形態において、励起RFパルスは、90°パルスの形態である。
90°パルスは、回転している座標系のその初期の方向から正味の磁化ベクトル90°を回転させるように設計されたRFパルスである。スピンが静磁場に最初に整列される場合、このパルスは、横断方向磁化および自由誘導減衰(FID)を生じる。
一実施形態において、再焦点RFパルスは、180°パルスの形態であり、好ましくは、方法は、石油燃料の一部分を複数の再焦点RFパルス、例えば、一つ以上の再焦点RFパルスの連発パルスにさらすことを含んでなる。
90°パルスは、基準の座標系において、正味の磁化ベクトル180°を回転させるように設計されたRFパルスである。理想的には、その期間を乗算される180°パルスの振幅は、その期間を乗算される90°パルスの振幅の2倍である。連続の各180°パルス(カー−パースル−メイブーム−ギル(Carr−Purcell−Meiboom−Gill)にちなんでCPMGシークエンスと呼ばれる)はエコーを生じさせる。
CPMGシークエンスを利用してスピン−スピン緩和時間T2を測定するための標準技術は、以下の通りである。周知のように、各パルスシークエンスの前の待ち時間の後、90度励起パルスをRFアンテナによって放出し、そしてそれは横断方向平面でプロセッシングを始めるスピンを生じる。遅延後、初期180度パルスは、RFアンテナによって放出される。初期180度パルスは、スピンを生じ、そしてそれは横断方向平面でデフェージングして、方向を逆転させて、再び焦点を定めて、その後、初期のスピンエコーが現れる。第2の180度再焦点パルスは、RFアンテナによって放出され得、その後、第2のスピンエコーが現れる。その後、RFアンテナは、短時間遅延によって分離される一連の180度パルスを放出する。この一連の180度パルスは繰り返しスピンを逆転させ、そして一連の「スピンエコー」が現れる。一連のスピンエコーが測定され、かつ処理されて、スピン−スピン緩和時間T2が測定される。
一実施形態において、再焦点RFパルスは、励起RFパルスの後にエコー遅延時間に適用される。エコー遅延時間(待ち時間TWとも称される)は、好ましくは約500μs以下であり、より好ましくは、約150μs以下であり、例えば、約50μs〜約100μsの範囲である。
この方法は「スピンエコー」法と一般に呼ばれ、1950年にアーウィン・ハーン(Erwin Hahn)によって最初に記載された。詳しい情報は、ハーン,E.L.(Hahn,E.L.)(1950)、「スピンエコー(Spin echoes)」、フィジカル・レビュー(Physical Review)80:580−594に見ることができ、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
典型的なエコー−遅延時間は、約10μs〜約50ms、好ましくは約50μs〜約200μsである。エコー−遅延時間(待ち時間TWとも呼ばれる)は、最後のCPMG180°パルスと、同一周波数の次の実験の第1のCPMGパルスとの間の時間である。この時間は、磁気分極化またはTl回復が生じる時間である。分極化時間としても知られている。
この基本的スピンエコー法は、TWを変化させることによってT1緩和値を得ることに関して非常に良好な結果を提供し、そしてT2緩和値も、複数の再焦点パルスを使用することにより得ることができる。
一実施形態において、少なくとも一つの再焦点パルスは、二つの連続的な再焦点パルス間の再焦点遅延(TE)間隔で適用される複数の再焦点パルスまたは再焦点連発パルスを含んでなる。
再焦点遅延はエコースペーシング(Echo Spacing)とも呼ばれて、隣接するエコー間の時間と同一の時間を示す。CPMGシークエンスにおいて、TEは180°パルス間の時間でもある。
この方法は、ハーン(Hahn)によるスピンエコー法の改善である。この方法は、カー(Carr)およびパースル(Purcell)によって提供され、そしてT2緩和値の改善された測定を提供する。
カー(Carr)およびパースル(Purcell)法に関するさらなる情報は、カー,H.Y.(Carr,H.Y.);パースル,E.M.(Purcell,E.M.)(1954)、「核磁気共鳴実験の自由歳差に及ぼす拡散の効果(Effects of Diffusion on Free Precession in Nuclear Magnetic Resonance Experiments)」、フィジカル・レビュー(Physical Review)94:630−638に見ることができ、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
典型的な再焦点遅延間隔は、約50μs〜約0.1ms、好ましくは約75μsである。
一実施形態において、NMR測定は、励起−再焦点シークエンスを繰り返すことを含んでなり、各励起−再焦点シークエンスは、
i.励起RFパルス、および
ii.少なくとも一つの再焦点RFパルス、
を含んでなる。
励起−再焦点シークエンスは、好ましくは複数回、例えば少なくとも100回、例えば少なくとも200回、または好ましくはそれより多く繰り返される。
ノイズを低下させるために、励起−再焦点シークエンスを5000回以上繰り返すことが一般に望ましい。本発明の一実施形態において、励起−再焦点シークエンスは、1秒あたり5〜500回の励起−再焦点シークエンス、例えば、1秒あたり50〜400回の励起−再焦点シークエンス、例えば、1秒あたり150〜250回の励起−再焦点シークエンスで繰り返される。
一実施形態において、励起−再焦点シークエンスは、約5分〜約24時間、例えば典型的に約1時間〜約10時間繰り返される。
測定領域の磁気強度が高いほど、シルナル対ノイズ比が良好であり、一般に、より少ない反復的なNMR測定しか必要としない。一般に、ノイズは繰り返されたNMR測定の平方数によって低下する。
所与の必要とされる時間に対する測定に関してNMR測定を繰り返す数を、当業者は最適化することができる。
本発明の一実施形態において、方法は、基準Na−組成物に関して、−2000ppm以下から+2000pp以上までのような、−500ppm以下から+500pp以上までのNMRスペクトルを含んでなる少なくとも一つのNMRスペクトルを得ることを含んでなる。基準Na−組成物は、好ましくは、炭化水素、水及び既知の濃度にて完全に溶解した塩化ナトリウムとの均一な混合物であり、例えば、Petroleum jelly、例えばワセリンのようなナトリウムを含有しない石油と塩化ナトリウムの5w/w%水溶液との均一な混合物である。
一実施形態において、方法は、ナトリウム及び/又はナトリウムイオンを含んでなる少なくとも一つの化合物を定量的に及び/又は定性的に測定することを含んでなる。本発明によれば、所定の石油燃料部分のNMR測定によって得られた結果を既知のナトリウム化合物及び/又はナトリウムイオンを含んでなる石油燃料の対応するNMR測定と比較することによって、検出された23Na同位体がイオンであるか、或いは、ナトリウムが化合物の一部であるか、そうであるならば、選択的にいかなる化合物であるかが推定できることが期待される。
この関連において、既知量のナトリウムイオン及びナトリウム含有化合物を用いた石油燃料のNMR測定は、所与の試料のNMR測定を校正するためにコンピュータに記憶される校正マップとして使用される。
大部分の石油燃料において、存在するナトリウムの全ては溶解した形態にある。原油のような重質燃料油では、全てのナトリウムが通常は溶解した塩化ナトリウムの形態であろう。そして、塩化ナトリウムは、主として石油燃料中の水に溶解しているであろう。従って、重質燃料油などのナトリウムの測定は、重質燃料油中のナトリウムイオンの単なる定量測定によって実施することができ、その測定は、大いに信頼できる結果を提供することが示されている。重質燃料油中のナトリウムイオンを定量的に測定することで十分である場合、既知量のナトリウムイオンを含んでなる石油燃料のNMR測定は、例えば、所定の試料のNMR測定値を校正するためにコンピュータに記憶される、校正マップとして使用される。
一実施形態において、本発明の方法は、ナトリウムイオンの濃度、例えば、石油燃料の試料のような石油燃料の一部、或いは、石油燃料のバッチ全体中のナトリウムイオンの濃度を測定することを含んでなる。
測定時、温度が選択された値に有利に維持されるか、或いは方法は温度も同時に測定することを含んでなる。
一実施形態において、温度は10度以下の値の範囲内、例えば15〜25℃の範囲内に維持される。
一実施形態において、方法は、既知のナトリウム濃度を用いた石油燃料の校正マップを提供することを含んでなる。
本明細書中において、「校正マップ」なる用語は、既知量のナトリウムイオンを用いて石油燃料中にて得られたNMRスペクトルデータの収集、及び選択的に、既知量のナトリウム含有化合物を用いて石油燃料中にて得られたNMRスペクトルデータを指すために使用される。校正マップは、生データの形態、図面の形態、グラフの形態、式の形態、或いはそれらの任意の組み合わせであり得る。
一実施形態において、校正マップを生成するために使用される石油燃料は、試験されるべき石油燃料と同様の種類のものである。一実施形態において、校正マップはまた、付随的な水ととともに混合された石油燃料について測定された複数の値を含んでなる。
一般的に、既知の組成物について得られたNMRスペクトルに基づいてNMR測定値を校正することは当該技術分野において周知である。
一実施形態において、校正マップは、予め加工されたデータセットの形態であり、同セットにおいて、分析下にて石油燃料のために得られたNMRスペクトルは、石油燃料中のナトリウムの明確なレベル、量又は濃度を提供するためにコンピュータにて加工できる。
一実施形態において、方法は、校正データを準備して、同校正データをデジタル記憶装置に記憶することを含んでなる。同方法は、有利には、少なくとも一回のナトリウムの定量を実施するためにデータを比較及び分析するために、NMRスペクトル又はNMRスペクトルから得られたデータをデジタル記憶装置とデジタル通信可能なコンピュータに送り、同コンピュータに供給すること、を含んでなる。
校正マップは使用時に構築することができ、例えば、石油燃料の測定によって得られた追加のデータをコンピュータに送り、後の測定に対するデータの校正に使用される。
コンピュータは、例えば人工知能を使用して得られたデータを計算するためにプログラム化できるか、或いは、ニューラルネットワークに教授するために校正マップが適用できる。
一実施形態において、方法は、複数の石油燃料部分について少なくとも一回のNMR測定を実施することを含んでなり、好ましくは、同方法は複数のNMR測定、及び選択的に水素の測定のようなその他の測定を実施することを含んでなる。
石油燃料の測定を改善するために、その他の化合物が、石油燃料中にて、付随的に、そして好ましくは同時に測定され得る。
一実施形態において、方法は、好ましくは、石油燃料の一部分において少なくとも一回のNMR測定を実施することで39K同位体を測定することによって、NMRを使用して石油燃料の一部分における測定のカリウム測定を実施すること、NMR測定から少なくとも一つのNMRスペクトルを得ること、ならびに少なくとも一回の定量的および/または定性的なカリウム測定を実施することをさらに含んでなる。NMR測定は、好ましくは、励起カリウム39K同位体の少なくとも一つのスピン−格子−T1値および少なくとも一つのスピン−スピン−T2値を得ることを含んでなる。
NMRを使用するカリウム測定は、上記の方法と同様の方法で実施することができるが、他の周波数を使用することによるものであり、そして任意選択的に、磁場の強度は調節されてもよい。当業者は、そのような測定を実施する方法を知っている。一実施形態において、カリウムの測定は、ナトリウム測定で使用されるものと同様のハードウェア(磁石、パルス放射体、レシーバなど)を使用して実施される。それによって、装置および準備は、経済的に実現可能である。
一実施形態において、方法は、好ましくは、石油燃料の一部分において少なくとも一回のNMR測定を実施することで51V同位体を測定することによって、NMRを使用して石油燃料の一部分における測定のバナジウム測定を実施すること、NMR測定から少なくとも一つのNMRスペクトルを得ること、ならびに少なくとも一回の定量的および/または定性的なバナジウム測定を実施することをさらに含んでなる。NMR測定は、好ましくは、励起バナジウム同位体の少なくとも一つのスピン−格子−T1値および少なくとも一つのスピン−スピン−T2値を得ることを含んでなる。
NMRを使用するバナジウム測定は、上記の方法と同様の方法で実施することができるが、他の周波数を使用することによるものであり、そして任意選択的に、磁場の強度は調節されてもよい。当業者は、そのような測定を実施する方法を知っている。一実施形態において、バナジウムの測定は、ナトリウム測定で使用されるものと同様のハードウェア(磁石、パルス放射体、レシーバなど)を使用して実施される。それによって、装置および準備は、経済的に実現可能である。
一実施形態において、方法は、23Na同位体の少なくとも一つのNMRスペクトルを得ること、ならびに少なくとも磁石、パルス放射体およびレシーバを含んでなるNMR分光計を含んでなるNMR装置を使用して、少なくとも一つのNMRスペクトルを得ることを含んでなり、方法は、NMR装置の少なくとも一部を使用して、少なくとも一つの他の同位体の少なくとも一つのNMRスペクトルを得ることをさらに含んでなり、少なくとも一つの他の同位体は、好ましくは、39K同位体及び51V同位体から選択される。
方法は、インラインプロセスにて石油燃料の全てにおける一つ以上の同位体のNMR測定を実施することを有利に含んでなる。それにより、石油燃料が非常に不均質である場合でも大いに信頼のおける測定が得られる。
石油燃料は、原則として、任意の種類の石油燃料であり得る。一般的に、本発明の方法は、重質燃料油(HFO)のような不均質な石油燃料のナトリウムの定量を実施する上で使用するのに特に有利であり、例えば、バンカー燃料での使用に適している。
本発明の一実施形態において、方法は、石油燃料又はその一部のナトリウム除去処理を行うことと組み合わせられる。
一実施形態において、方法は、石油燃料中のナトリウムの濃度を測定し、同石油燃料にナトリウム除去処理を行い、石油燃料中のナトリウム濃度の測定を繰り返すことを含んでなる。
ナトリウム除去処理は、任意の適切な方法を使用して実施され得る。最も簡単なナトリウム除去処理法は、ナトリウムを洗い流すために、例えば水を加えて石油燃料と水とを完全に混合することを実施し、そして、例えば、遠心分離、沈殿又はその他の方法を使用して水を分離することである。
一実施形態において、方法は:
i.石油燃料のナトリウム除去処理を行うことと;
ii.石油燃料の少なくとも一部のナトリウム濃度を測定することと;
iii.測定されたナトリウム濃度を選択された限界値と比較することと;
iv.測定されたナトリウム濃度が選択された限界値よりも大きい場合には、ステップi−iiiを繰り返すこと、或いは測定されたナトリウム濃度が選択された限界値以下である場合には、例えばデイタンクに貯蔵している中間物質とともに石油燃料を燃焼に送り出すことと;
を含んでなる。
ステップiiにおいて、ナトリウム測定に使用される石油燃料の部分は、貯蔵タンクの底部から取り出されると有利である。測定と選択的なナトリウム除去処理を実施した後に、石油燃料の部分は、選択的には貯蔵タンクに戻され、ナトリウムレベルが選択された閾値以下となるまで同方法が継続される。
発明はまた、上記したように、石油燃料中のナトリウムの定量に適したシステムに関する。
本発明のシステムは、NMR分光計、NMR分光計で得られるNMRスペクトルを校正するための校正データを含んでなる校正マップを記憶するデジタル記憶装置、ならびに校正マップを使用し、そして少なくとも一回のナトリウムの定量を実施して、NMR分光計で得られたNMRスペクトルを分析するためにプログラムされたコンピュータ、を含んでなる。
分光計は上記した通りであってよく、好ましくは適切な体積の石油燃料の一部分のNMR測定を実施するために構成されるべきである。校正マップは上記の通りであってよい。
校正マップは、新規のデータで連続的に更新されてもよい。
システムは、一つ、二つ、又はそれ以上のコンピュータ、一つ、二つ、又はそれ以上の分光計および/または一つ、二つ、又はそれ以上の校正マップを含んでなる。
システムは、好ましくは、例えば、他の同様のシステムとの通信のために、データを送信および/または受信するために、インターネットによるデータ通信下にあってもよい。システムは、好ましくは、少なくとも一つのディスプレイおよび/または操作キーボード、ならびにデジタルシステムに通常接続される任意の他のデジタル装置、例えばプリンタを含んでいてもよい。
一実施形態において、システムは、一つ以上の同位体、39K同位体及び51V同位体のための校正マップを記憶するためのデジタル記憶装置を更に含んでなり、マップは一つ以上の同位体の校正データ、及び選択的には石油燃料中のその同位体の量のための校正データを含んでなる。
システムは、流動状態にて石油燃料部分についてのNMR測定を実施するように構成されると有利である。
一実施形態において、システムは、取り出された試料の形態である石油燃料部分についてのNMR測定を実施するように構成される。
一実施形態において、システムは、石油燃料部分についてのNMR測定を実施し、ナトリウムの定量を実施するように構成される。
一実施形態において、システムは、例えば船舶への給油時に石油燃料のNMR測定を実施するように構成される。
一実施形態において、システムは、ガスタービンへまさに注入されようとする石油燃料のNMR測定を実施するように構成される。
一実施形態において、システムは、石油燃料からナトリウムを除去する(精製する)ために、ナトリウム除去ステーションのようなナトリウム除去設備を更に含んでなり、同システムは、ナトリウム除去設備にてまさに処置されようとしている石油燃料のNMR測定を実施するように構成され、同システムは更に、ナトリウム除去設備(例えば、ナトリウム処理ステーションの形態である)での処理後に石油燃料についてのNMR測定を実施するように構成される。
一実施形態において、システムは:
i.石油燃料のナトリウム除去処理を行う;
ii.石油燃料の少なくとも一部のナトリウム濃度を測定する;
iii.測定されたナトリウム濃度を選択された限界値と比較する;
iv.測定されたナトリウム濃度が選択された限界値よりも大きい場合には、ステップi−iiiを繰り返す、或いは測定されたナトリウム濃度が選択された限界値以下である場合には、例えばデイタンクに貯蔵している中間物質とともに石油燃料を燃焼に送り出す;
ように構成されている。
システムは、ナトリウム除去処理の性能の測定に基づいて、ナトリウム除去処理の一つ以上の操作パラメータを調節するように構成することができる。そのような調節は、例えば自動最適化であってもよい。
システムは、例えば船上にあるガスタービン付近のような使用する地点に配置されると有利である。
範囲および好ましい範囲を含む本発明の全ての特徴は、そのような特徴を組み合わせない特定の理由がない限り、本発明の範囲内の様々な様式で組み合わせることができる。
本発明は、例示的な実施例および実施形態と関連して、そして図面と関連して、以下により完全に説明される。
図は概略図であり、明確にするため単純化されてもよい。全体に、同一参照番号は、同一であるか、または対応する部分のために使用される。
図1は、本発明の方法を用いて、バンカー燃料のような石油燃料中のナトリウムの定量に適したシステムの概略図である。このシステムは、好ましくは上記の通り、NMR分光計1を含んでなる。このシステムは、さらに、NMR分光計で得られるNMRスペクトルを校正するために校正データを含んでなる校正マップを記憶するデジタル記憶装置(図示しない)、ならびに校正マップを使用して、そして少なくとも一回のナトリウム定量を実施して、NMR分光計で得られるNMRスペクトルを分析するためにプログラムされたコンピュータ(図示しない)を含んでなる。
デジタル記憶装置はコンピュータと一体化されてもよい。分光計1は燃料タンク2の石油燃料についてNMR測定を実施するために配置される。石油燃料が、例えばバンカー燃料であるHFOのような不均質な物質の場合、通常、ナトリウムの測定は、例えば角部及び底部付近のようなより高いことが期待される場所で実施されることが望ましい。図1に示されるシステムにおいて、分光計1は、燃料タンク2の底部及び角部に近い箇所にある石油燃料部分についてNMR測定を実施するように特に配置されている。
図2は、本発明に従って石油燃料中のナトリウムを定量するのに適した別のシステムの概略図である。システムは、好ましくは上記したようなNMR分光計11を含んでなる。システムは更に、校正マップを記憶するデジタル記憶装置(図示しない)とコンピュータ(図示しない)とを含んでなる。
分光計11は、燃料タンク12への給油状態にあるパイプ13内の燃料のNMR測定を実施するように配置される。
その変形例において、パイプ部13は燃料の一部をNMR分光計11に導くパイプ部から分岐してパイプ部13に戻るループ(図示しない)を更に含んでなる。
図3は、本発明に従って石油燃料中のナトリウムを定量するのに適した別のシステムの概略図である。システムは、第1のNMR分光計21aと第2のNMR分光計21bとを含んでなる。分光計は、既に述べたような、デジタル記憶装置(図示しない)とコンピュータ(図示しない)とに接続されている。
システムは更に、好ましくは上記したような、ナトリウムを除去するためのナトリウム除去ステーション24を含んでなる。ナトリウム除去ステーション24は混合用容器及び遠心分離機を含んでなると有利であり、同混合用容器において石油燃料が水と完全に混合され、同遠心分離機において水(混合により抽出されたナトリウムを含む)が除去される。混合用容器及び遠心分離機は、簡易化のために、一体的なユニットであってもよい。一体的な混合用容器及び遠心分離機を使用することによって、洗浄ステップが、必要に応じて、より容易に繰り返せる。
システムは、燃料タンク22から、例えばパイプ23a及び23bを介してガスタービンに通じる同パイプ23a、23b内を輸送される燃料のナトリウム濃度を測定するように構成される。燃料はパイプ部23aを介して輸送され、同パイプ部23aにおいて第1のNMR分光計21aがナトリウムの測定を実施するように配置される。
NMR分光計21aは、パイプ部23aを流れる石油燃料についてナトリウムを直接測定するように配置することができる。その変形例では、パイプ部23aは、燃料の一部をNMR分光計21aに導くパイプ部から分岐してパイプ部23aに戻るループ(図示しない)を更に含んでなる。
燃料は、少なくとも幾らかのナトリウムを除去することによって精製するためのナトリウム除去ステーション24を通って輸送される。ナトリウム除去ステーション23から、燃料がパイプ部23bを介して輸送され、同パイプ部23bには、精製後のナトリウムの測定を実施するために、第2のNMR分光計21bが配置される。
NMR分光計21bは、パイプ部23baを流れる燃料についてナトリウムを直接測定するように配置することができる。その変形例では、パイプ部23bは、燃料の一部をNMR分光計21bに導くパイプ部から分岐してパイプ部23bに戻るループ(図示しない)を更に含んでなる。
燃料は、第2のNMR分光計21bから、例えばガスタービンのような使用する地点25まで更に輸送される。
第1及び第2のNMR分光計21a、21bから得られるナトリウム測定が比較され、ナトリウム除去ステーションの性能を測定するために使用される。ナトリウム除去ステーション24の操作パラメータ、例えば、水の量、温度、混合時間及び遠心分離の条件は、第1及び第2のNMR分光計21a、21bから得られる測定値に基づいて校正されると有利である。
図4は、本発明に従ってナトリウムを測定するのに適した別のシステムの概略図である。システムは、第1のNMR分光計31aと第2のNMR分光計31bとを含んでなる。分光計は、既に述べたような、デジタル記憶装置(図示しない)とコンピュータ(図示しない)とに接続されている。
システムは更に、好ましくは上記したような、ナトリウムを除去するためのナトリウム除去ステーション34を含んでなる。
システムは、例えば、保持タンク(貯蔵タンク)である燃料タンク32から、第2の燃料タンク32、例えばデイタンクへとパイプ33a及び33b中を輸送される石油燃料のナトリウムの定量を実施するように構成される。
デイタンクは、ガスタービン等のエンジン付近に設置するように設計された燃料格納ユニットであり、船上にて燃料の信頼のおける供給を提供する。保持タンク32及びデイタンク35は図4では同じサイズに描かれているが、通常、デイタンクは保持タンクよりもはるかに小さいことは理解されるべきである。
燃料タンク32から燃料が取り出され、パイプ部33aを介して輸送され、同パイプ部33aでは、パイプ部33aにおいて、或いはパイプ部33aのループ状に分岐したパイプ部(図示しない)において、ナトリウムの測定を直接実施するように第1のNMR分光計31aが配置される。燃料は、ナトリウムを洗い流すために、ナトリウム除去ステーション34を通って輸送されるであろう。燃料はナトリウム除去ステーション34からパイプ部33bを介して輸送され、同パイプ部33bでは、パイプ部33bにおいて、或いはパイプ部33bのループ状に分岐したパイプ部(図示しない)において、ナトリウムの測定を直接実施するように第2のNMR分光計31bが配置される。第2のNMR分光計31bから、例えばデイタンクである燃料タンク35へ燃料が輸送される。
第1及び第2のNMR分光計31a、31bから得られるナトリウム測定が比較され、上記したように、ナトリウム除去ステーションの性能を測定するために使用される。
図5は、本発明に従って石油燃料中のナトリウムを測定するのに適した別のシステムの概略図である。システムは、第1のNMR分光計41aと第2のNMR分光計41bとを含んでなる。分光計は、既に述べたような、デジタル記憶装置(図示しない)とコンピュータ(図示しない)とに接続されている。
システムは更に、好ましくは上記したような、ナトリウムを除去するためのナトリウム除去ステーション44を含んでなる。
システムは、燃料タンク42から同じ燃料タンク42へと、パイプ43a及び43b中を輸送される燃料のナトリウムの定量を実施するように構成される。
燃料は、燃料タンク42から取り出され、好ましくは、濃度がより高いことが期待される底部から取り出され、パイプ部43aを介して輸送され、同パイプ部43aでは、パイプ部43aにおいて、或いはパイプ部43aのループ状に分岐したパイプ部(図示しない)において、ナトリウムの測定を直接実施するように第1のNMR分光計41aが配置される。燃料は、ナトリウムを洗い流すためにナトリウム除去ステーション44を通って輸送されるであろう。ナトリウム除去ステーション44から燃料はパイプ部43bを介して輸送され、同パイプ部43bでは、パイプ部33bにおいて、或いはパイプ部33bのループ状に分岐したパイプ部(図示しない)において、ナトリウムの測定を直接実施するように第2のNMR分光計41bが配置される。第2のNMR分光計41bから、燃料が、例えばタンク42の最上部のような燃料タンク42に戻るように輸送される。
校正マップ
ナトリウムの量を変更させた、統計学的に有意な数の異なる重質燃料油試料について、フレーム原子吸光分析法を用いてナトリウムの標準実験室解析を行う。各試料を二つの等しい部分A及びBに分け、試料Aはフレーム原子吸光分析法のために使用し、試料Bは、以下に記載するNMR分析のために使用した。
これらの試料におけるナトリウムの濃度の拡散が、天然に見出される範囲、即ち、0ppmから100ppm或いは有利にはそれより高い値、をカバーするように試料を選択した。好ましくは、0.5〜2ppmのレベル内にある濃度を有する複数の試料を用いた。また、ナトリウムがイオンの形態である(溶解している)か、或いは組成物中に結合されているものであるか、を測定した。一般的に、石油燃料中のナトリウムの大部分は、特に、石油燃料が、通常はHFOであるようなかなりの量の水を含むイオンの形態であろう。
試料Bは、上記したNMRに基づく方法によって並行して解析された。
両データセット(実験室(A)対NMR(B))の相関分析は、y=ax+b型の相関関係を示す。この一次方程式の係数は、ナトリウムのNMRシグナルから所与の試料の実際のナトリウム含有量を算出するための校正マップとして使用される。
図6は、ナトリウム濃度の関数としての、イオン形態のナトリウムの23Na NMRシグナルを示す。一定のバックグラウンドノイズとして、シグナルbと完全に線形の相関性であることが示されている。図6のグラフに基づいて、類似の条件下において得られる類似のバンカー燃料油について実施されるNMR測定値、簡単な様式にて解析され、ナトリウム濃度が決定される。
NMR測定
以下に示される方法に従って、多数の測定値が測定された。
本発明の適用性のさらなる範囲は、以下に与えられる詳細な説明から明白になる。しかしながら、本発明の精神および範囲内の様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者に明白であるため、詳細説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例証として示されているだけであることは理解されるべきである。
いくつかの好ましい実施形態が上記において示されたが、本発明がこれらに限定されないことは強調されなければならず、以下の請求の範囲に定義される対象の範囲内で他の様式で具体化されてもよい。

Claims (47)

  1. 石油燃料のナトリウムを定量する方法であって、前記方法は、NMRを使用して石油燃料中のナトリウムの濃度を測定することを含んでなり、同方法は、好ましくは、石油燃料中の少なくとも一部について少なくとも一回のNMR測定を実施することによってナトリウム同位体23Naの形態であるナトリウムを測定することと、NMR測定から少なくとも一つのNMRスペクトルを得ることと、NMRスペクトルに基づいてナトリウムの定量を実施することと、を含んでなる方法。
  2. NMRの測定は、流動状態にある石油燃料について実施され、NMRの測定は好ましくは、第1の容器から第2の容器又は使用地点までの輸送時、例えば第1の容器から第2の貯蔵用容器又はタービンにて使用する使用地点までの輸送時、における石油燃料について実施される、請求項1に記載の方法。
  3. NMRの測定は、インライン又はセミインラインにて実施され、NMR測定を、ガスタービンの現場、ナトリウムを洗い流すための洗浄設備の現場のような現場にて実施することを含んでなり、好ましくは、NMR測定は、船舶のような船上のモータ駆動ユニットにて実施される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. NMRの測定は、流動状態、例えば、パイプ内の石油燃料にインラインにて直接実施されるか、或いは、石油燃料を含んでなる容器内の石油燃料について直接実施される、請求項3に記載の方法。
  5. NMRの測定は、石油燃料の試料として石油燃料部分を一時的に取り出し、取り出した試料についてNMR測定を実施し、かつ試料を残りの石油燃料に選択的に戻すことによってセミインラインにて実施される、請求項3に記載の方法。
  6. NMRの測定は、石油燃料の試料として石油燃料部分を取り出し、取り出した試料についてNMR測定を実施することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  7. 石油燃料は、バンカー燃料としての使用に適する重質燃料油(HFO)であるか、又は重質燃料油を含んでなる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. NMRの測定は、石油燃料を、磁場Bと複数の無線周波数エネルギーEの複数のパルス(RFパルス)に同時にさらして、23Na同位体から電磁シグナルを受承することを含んでなり、前記方法は、好ましくは石油燃料部分の23Na同位体の量を測定することを含んでなる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記磁場Bは、少なくとも約1.2テスラのような、少なくとも約1.4テスラのような、少なくとも約1.6テスラのような、少なくとも約1テスラである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記方法は、選択された磁場において複数のNMR測定を実施することを含んでなり、好ましくは、磁場は複数のNMR測定時には実質的に変動しない、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記方法は、石油燃料について複数のNMR測定を実施することを含んでなり、好ましくは、同方法は、同じ石油燃料部分について複数のNMR測定を実施することを含んでなる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. NMRの測定は、石油燃料部分を、磁場Bと23Na同位体の少なくとも一部の核スピンを励起させるべく選択された周波数を有する励起RFパルスとに、同時にさらすことを含んでなり、好ましくは、励起RFパルスは、石油燃料部分中のほぼ全ての23Na同位体の少なくとも一つの核スピン(スピン遷移)を励起させるのに十分であるバンド幅(周波数範囲上のスパン)を有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 励起RFパルスの周波数範囲は少なくとも約10000ppmに及び、好ましくは、少なくとも約50000ppm、例えば約2000ppm〜約50000ppmに及ぶ、請求項12に記載の方法。
  14. 前記励起RFパルスの周波数範囲は、少なくとも約1MHzのバンド幅を含んでなる、請求項12に記載の方法。
  15. 前記方法は、励起23Na同位体の少なくとも一つの緩和速度を測定することを含んでなる、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記方法は、励起23Na同位体の少なくとも一つのスピン−格子−T1緩和値を測定することを含んでなる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記方法は、励起23Na同位体の少なくとも一つのスピン−スピン−T2緩和値を測定することを含んでなる、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記方法は、好ましくは、例えば、約10〜約50ms、例えば約15〜約20msのような少なくとも約100ms以下の繰り返し速度にて、パルス化されたRF連発パルスに石油燃料部分をさらすことを含んでなる、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記方法は、好ましくは、例えば、約10ms以下、例えば約1ms以下のような少なくとも約100ms以下の繰り返し速度にて、方形RF連発パルスに石油燃料部分をさらすことを含んでなる、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記NMR測定は、磁場Bと複数のRFパルスとに、石油燃料部分を同時にさらすことを含んでなり、前記RFパルスは、
    i.励起RFパルスと、
    ii.少なくとも一つの再焦点RFパルスと、
    を含んでなる、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記励起RFパルスは、90°パルスの形態である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記再焦点RFパルスは、180°パルスの形態であり、好ましくは、前記方法は、一つ以上の再焦点RF連発パルスのような複数の再焦点RFパルスに前記石油燃料部分をさらすことを含んでなる、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 前記再焦点RFパルスは、励起RFパルスの後にエコー遅延時間を伴って適用され、同エコー遅延時間(待ち時間TWとも称される)は、好ましくは約500μs以下であり、より好ましくは約150μs以下である、請求項20乃至22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記少なくとも一つの再焦点パルスは、二つの連続した再焦点パルスの間の再焦点遅延(TE)間隔を伴って適用される、複数の再焦点パルス或いは再焦点連発パルスを含んでなる、請求項20又は21に記載の方法。
  25. 前記NMR測定は、励起−再焦点のシークエンスを繰り返すことを含んでなり、励起−再焦点のシークエンスの各々は、
    iii.励起RFパルスと、
    iv.少なくとも一つの再焦点RFパルスと、
    を含んでなる、請求項20乃至24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記方法は、基準Na−組成物に関して、例えば、−2000ppm以下から+2000pp以上までのような、−500ppm以下から+500pp以上までのNMRスペクトルを含んでなる少なくとも一つのNMRスペクトルを得ることを含んでなり、前記基準Na−組成物は、好ましくは、ワセリンのようなナトリウムを含有しない石油と塩化ナトリウムの5w/w%水溶液との均一な混合物である、請求項1乃至25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記方法は、ナトリウム及びナトリウムイオンのうちの少なくとも一方を含んでなる少なくとも一つの化合物を定量的に測定すること及び定性的に測定することのうちの少なくとも一方を含んでなる、請求項1乃至26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記方法は、ナトリウムイオンの濃度を測定することを含んでなる、請求項1乃至27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記方法は、温度を選択した値に維持すること、又は温度を同時に測定することを含んでなる、請求項1乃至28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記石油燃料中のナトリウム濃度の測定は、既知のナトリウム濃度を用いて石油燃料の校正マップを提供することを含んでなる、請求項1乃至29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記方法は、校正データを準備することを含んでなり、前記校正データは、好ましくはデジタル記憶装置に記憶され、前記方法は、少なくとも一つのナトリウムの定量を実施するためにデータを比較及び分析するために、NMRスペクトル又はNMRスペクトルから得られたデータをデジタル記憶装置とデジタル通信可能なコンピュータに送り、同コンピュータに供給する、請求項1乃至30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記方法は、複数の石油燃料部分について少なくとも一回のNMR測定を実施することを含んでなり、好ましくは、前記方法は、複数の石油燃料部分について複数のNMR測定を実施することを含んでなる、請求項1乃至31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記方法は、NMRを使用して石油燃料部分についての測定のカリウム測定を実施することを更に含んでなり、好ましくは、石油燃料部分の少なくとも一回のNMR測定を実施することによって39K同位体を測定し、NMR測定から少なくとも一つのNMRスペクトルを得て、少なくとも一回の定量的なカリウム測定及び少なくとも一つの定性的なカリウム測定のうちの少なくとも一方を実施することによって前記カリウム測定を実施し、前記NMR測定は、好ましくは、励起カリウム39K同位体の少なくとも一つのスピン−格子−T1値と少なくとも一つのスピン−スピン−T2値とを得ることを含んでなる、請求項1乃至32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記方法は、NMRを使用して石油燃料部分についての測定のハナジウム測定を実施することを更に含んでなり、好ましくは、石油燃料部分の少なくとも一回のNMR測定を実施することによって51V同位体を測定し、NMR測定から少なくとも一つのNMRスペクトルを得て、少なくとも一回の定量的なバナジウム測定及び少なくとも一回の定性的なバナジウム測定のうちの少なくとも一方を実施することによって前記バナジウム測定を実施し、前記NMR測定は、好ましくは、励起バナジウム同位体の少なくとも一つのスピン−格子−T1値と少なくとも一つのスピン−スピン−T2値とを得ることを含んでなる、請求項1乃至33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記方法は、23Na同位体の少なくとも一つのNMRスペクトルを得ること及び少なくとも一つの磁石、パルス放射体及びレシーバを含んでなるNMR分光計を含んでなるNMR装置を使用して少なくとも一つのNMRスペクトルを得ることを含んでなり、前記方法は更に、NMR装置の少なくとも一部を使用して少なくとも一つのその他の同位体の少なくとも一つのNMRスペクトルを得ることを含んでなり、前記少なくとも一つのその他の同位体は、好ましくは39K同位体及び51V同位体から選択される、請求項1乃至34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記方法は、インラインプロセスにおける石油燃料の全てについてのNMR測定を実施することを含んでなる、請求項1乃至35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記方法は、石油燃料中のナトリウム濃度を測定し、石油燃料のナトリウム除去処理を行い、石油燃料中のナトリウム濃度の測定を繰り返すことを含んでなり、好ましくは、前記ナトリウム除去処理は、ナトリウムを洗い流すことによって実施される、請求項1乃至36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記方法は、
    v.石油燃料のナトリウム除去処理を行うことと、
    vi.前記石油燃料の少なくとも一部のナトリウム濃度を測定することと、
    vii.測定されたナトリウム濃度を選択された限界値と比較することと、
    viii.測定されたナトリウム濃度が選択された限界値よりも大きい場合には、ステップi−iiiを繰り返すこと、或いは測定されたナトリウム濃度が選択された限界値以下である場合には、例えばデイタンクに貯蔵している中間物質とともに石油燃料を燃焼に送り出すことと、
    を含んでなる、請求項37に記載の方法。
  39. 請求項1乃至38のいずれか一項に従って石油燃料中のナトリウムを定量するのに適したシステムであって、前記システムは、NMR分光計と、前記NMR分光計によって得られるNMRスペクトルを校正するための校正データを含んでなる校正マップを記憶するデジタル記憶装置と、前記校正マップを使用してNMR分光計によって得られるNMRスペクトルを解析し、少なくとも一回のナトリウムの定量を実施すべくプログラムされているコンピュータと、を含んでなる、システム。
  40. 請求項39に記載のシステムは、一つ以上の同位体である39K同位体及び51V同位体のための校正マップを記憶するためのデジタル記憶装置を更に含んでなり、前記マップは、前記一つ以上の同位体と、選択的に石油燃料内の該同位体の量とのための校正データを含んでなる、システム。
  41. 前記システムは、流動状態にある石油燃料部分のNMR測定を実施するように構成される、請求項39又は40に記載のシステム。
  42. 前記システムは、取り出された試料の形態にある石油燃料部分についてのNMR測定を実施するように構成される、請求項39又は40に記載のシステム。
  43. 前記システムは、石油燃料部分のNMR測定を実施し、ナトリウムの定量を実施するように構成される、請求項39乃至42のいずれか一項に記載のシステム。
  44. 前記システムは、例えば船舶への給油中の石油燃料についてNMR測定を実施するように構成される、請求項39乃至43のいずれか一項に記載のシステム。
  45. 前記システムは、ガスタービンヘ注入しようとしている石油燃料についてのNMR測定を実施するように構成される、請求項39乃至44のいずれか一項に記載のシステム。
  46. 前記システムは、石油燃料からナトリウムを除去するためのナトリウム除去設備を更に含んでなり、前記システムは、前記ナトリウム除去設備にて処理されようとしている石油燃料についてのNMR測定を実施するように構成され、かつ前記システムは、ナトリウム除去設備での処理後の石油燃料のNMR測定を実施するように更に構成される、請求項39乃至45のいずれか一項に記載のシステム。
  47. 前記システムは、
    v.石油燃料のナトリウム除去処理を行う、
    vi.前記石油燃料の少なくとも一部のナトリウム濃度を測定する、
    vii.測定されたナトリウム濃度を選択された限界値と比較する、
    viii.測定されたナトリウム濃度が選択された限界値よりも大きい場合には、ステップi−iiiを繰り返す、或いは測定されたナトリウム濃度が選択された限界値以下である場合には、例えばデイタンクに貯蔵している中間物質とともに石油燃料を燃焼に送り出す、
    ように構成される、請求項46に記載のシステム。
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