JP2006322948A - サンプルをテストする四極子核装置および方法 - Google Patents

サンプルをテストする四極子核装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】励起が選択した範囲において非ゼロ共鳴応答信号を生成する。
【解決手段】選択した範囲にはわたり不均一磁界を発生し、所与の最大断面寸法を持つ少なくとも1つのプローブと、1つのプローからのサンプルの前記プローブまたは前記プローブの所与の最大寸法の少なくとも10分の1である距離の選択された範囲に対して核四極子共鳴を励起するための少なくとも1つのプローブへ励起を印加する手段と、サンプルから前記プローブまたは前記1つのプローブを介して共鳴応答信号を検出する信号とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、所与の種類の四極子核(given species of quadrupolar nucleus)を含むサンプルをテストする核四極子共鳴の装置および方法に関し、更に所与の種類の四極子核を含むサンプルのプローブからの距離の計測を決定する装置および方法に関する。
本発明は、望ましくは以下本文に「遠隔(remote)」サンプルと呼ばれるもののテストに関する。以降の定義は排他的ではないが、遠隔サンプルは典型的に励起/検出プローブ面の外方にある、しばしばプローブの最大断面寸法と対比できあるいはこれより大きいプローブからの距離におけるサンプルである。遠隔テストでは、例えば、サンプルが埋設されるか隠蔽されるならば、片側からサンプルに接近することだけがしばしば可能である。片側からのみ接近できる遠隔サンプルのテストは、しばしば「片側」テストと呼ばれ、かかるテストにおいては、磁界はプローブの片側からのみ利用され、プローブは通常は他の側では遮蔽されている。
特に、本発明は、四極子核を含む遠隔サンプルの存在の検出に関する。
一例として、本発明は、おそらくは手に持ったプローブを用いて、身体上または身体内に隠されたコカインおよびヘロインの如き薬物における14N四極子信号(quadrupole signal)の検出に特に用途を有する。更に、工業プロセスにおいては、本発明は、四極子を含む物質からの信号を検出するために用いることができる。このような物質は、食品中の蛋白質か、あるいはコンベア・ベルト上か、炉即ち核反応炉内部、またはシステムのおそらくは片側のみで、プローブをテスト装置の残部から離して配置されねばならない化学的あるいは物理的に有害な環境における四極子を含む物質であり得る。プローブは、温度および圧力の極限であり得る原子炉(nuclear reactor)の圧力容器内部に配置される。
別の事例として、本発明は、地表に置かれあるいは地中に埋設された物体内に含まれるTNT、RDX、HMX、PETNの如き爆薬、および例えばSemtexなどの物質の組成からの14N極四極子共鳴信号の検出、あるいは隠蔽隔壁の下方または背後、あるいは人体に隠されたかかる爆薬の検出に特に用途を有する。
爆薬の場合には、比較的少量(おそらくは、10gないし100g、あるいは1kg)で提供されるならば、これら爆薬は、例えば、(a)地表に分散され、あるいは(b)数センチメートル(例えば、2ないし6cm)の深さで地面下に手で埋められ得る。大量(おそらくは、1kgないし10kg、あるいは20kg−場合(c))に提供されるならば、これら爆薬は、通常は約1ないし20cmあるいは25cmの深さで埋められる。プローブは、通常は、地面から約5ないし20cmの距離にあり、爆薬は通常は1ないし5cmの厚さとなろう。例えばプローブから地面までの距離が典型的に10cmであり、爆薬の厚さが約3cmとすれば、プローブが調べる必要のある深さは、場合(a)にはおよそ8.5cm、場合(b)には13cm、場合(c)には10ないし35cmとなろう。
発明の他のあり得る用途は、例えば、鉱山、試錘孔(例えば、石油化学的探査用)、あるいは例えば、コンクリートまたはセメント構造物における欠陥の検出における構造的設計における探査にある。
四極子核の最も注目に値するものには、11B、14N、23Na、25Mg、27A1、39K・51V・55Mn・59Cu、63Cu、75As、121Sbおよび209Biがある。
サンプルは、通常は単結晶形態ではなく多結晶形態または粉末形態にある。
核磁気共鳴(NMR)手法とは対照的に、核四極子共鳴(NQR)手法は、サンプルを強力な静磁界に置くことを必要としないという利点を有し、通常は後者の手法は印加磁界が無い状態で機能する。金属物体または強磁性体からの干渉は除去することができる。
別の関連する用途において、本発明は、試験中のサンプル内部の感応物質量およびプローブからのその距離の推定を行うために用いられ、磁気共鳴イメージ形成に対する属性として医療における付加的な用途を提供する。
サンプル中の所与の種類の四極子核の存在を検出する方法は、開示が参考のため本文に援用され、英国特許出願第319875.2号の優先権を請求する国際特許出願第PCT/GB94/02070号から公知である。サンプルは、所与の形状のr.f.励起パルスを当てられ、かかるパルス、および(またほ)2つ以上のかかるパルスの印加により生じるエコーの直後に、NQR応答が自由誘導減衰(f.i.d.)として観察される。パルスは、周波数領域で実質的に矩形状になるように整形されることが望ましく、かつパルスの持続時間において時間的に非リニア的、望ましくは2次的な変化を有する位相変化を受ける。
上記の特許出願は、(これもまた、British TechnoIogy Group Ltd.の)国際特許出願第PCT/GB92/00580号と共に、NQRテストの性能および感度についてサンプルが遭遇した温度または圧力の変動の悪影響を減じるために励起パルスがどのように操作されるかについて記載している。
(これもまた、British Technology Group Ltd.の)国際特許出願第PCT/GB92/01004号は、核四極子共鳴イメージがどのように対向するコイル列内で得られたサンプルから得られるかを記載している。先に述べたように、本発明は、主として、埋設された爆薬の特性のようにサンプルに対する接近が片側のみからである場合に関する。
国際特許出願第PCT/GB92/03116号と、密接に関連する論文(M.L.Buess等の「曲線面コイルを用いるNQRの検出(NQR Detection Using a Meanderline Surface Coil)」J.Mag.Res.,92,1991年、348〜362)とは、プローブ・コイルの全寸法のごく一部の非常に限られた深さ、典型的には1ないし2cmのみで爆薬および麻薬を検出するため慎重に設計される曲線面コイルについて記載している。曲線コイルが有効である限られた深さは、実働関心の多くの目的に対しては完全に不充分である。
Hirschfeld等の論文「短い距離の遠隔NQR計測(Short Range Remote NQR Measurements)」(J.Mol.Struct.,58、1980年、63〜77)は、NQR手法を用いて埋設された爆薬の検出を開示している。6cmの深さで爆薬が検出されるものと、深さが10cmのものとの別の実験が記載されている。各場合において、テスト装置は、特定の関心深さに対して最適化されている。他の深さにおける爆薬の検出のための技法、あるいは他の深さにおける検出の要望の示唆はない。
本発明に関して、遠隔サンプルのテストにおいて、1つまたは2つの固定距離ではなく、励起/検出プローブから離れた実質的な距離範囲の選択範囲にわたってテストを実施することが望ましいことが発見された。本文の文脈において用いられる如き用語「実質的」とは、例えば励起/検出プローブの最大断面寸法の少なくとも10分の1である範囲に照らして規定される。無論、最大寸法の1/20、あるいは1/5、1/3あるいは1/2の如き他の比率もまた可能である。選択した距離範囲は、最大寸法と同じ寸法あるいは更に大きな寸法でもよい。本発明を実施するに当たり、発明者は、プローブとして略々25cmの外径(最大断面寸法)の螺旋状の面コイルを用いた。選択した距離範囲は、コイルから略々5ないし25cmの範囲内であった。
更にまた、Hirschfeld等が教示した如き従来の励起技法が先に述べた実質的な距離範囲では満足に働かないことが発見された。以下に詳細に述べるように、驚くべきことに、任意の実質的な距離範囲では、従来の技法がある深さにおけるサンプルが全く検出されないほどの検出感度の均一性の欠如を生じることが発見された。
本発明は、種々の望ましい特質において、実質的な距離範囲のみでなく、プローブからの実質的な距離(遠隔度)から始まる選択した距離範囲でも良好な感度を提供することを探求する。本文の文脈においては、「実質的」とは例えば、プローブの最大寸法の少なくとも1/20、1/10、1/5、1/3あるいは1/2、あるいは更に望ましくはそれ以上を指す。このことは、実際の関心の多くの状況において、プローブがサンプルから実質的な距離であることを勘案するものである。
本発明によれば、所与種類の四極子核を含む遠隔サンプルをテストする核四極子共鳴のための装置が提供され、その構成は
所与の最大断面寸法を持つ少なくとも1つのプローブと、
選択した距離範囲にわたり不均一な磁界を生じるために、プローブまたは少なくとも1つのプローブからのサンプルの、かかるプローブの所与の最大寸法の少なくとも1/10である選択した距離範囲に対して(検出可能な)核四極子共鳴を励起するため、前記プローブに対して励起を印加する手段と、
サンプルから前記プローブまたは少なくとも1つのプローブを介して共鳴応答信号を検出する手段と、
を含み、
励起が選択した距離範囲内の全ての距離において非ゼロの共鳴応答信号を生じる如きものである。
前記装置が選択した距離範囲にわたり不均一な磁界を生じるためのものであるという制約は、非常に均一なB磁界を生じるように対とされるコイルを用いて、サンプルが両側から接近される構成(例えば、ヘルムホルツ対のコイル)を除外するものと解釈されるべきことが望ましい。従って、「不均一」とは、選択した距離範囲にわたり磁界の例えば3、5あるいは10%より大きい変動を示唆し得る。
選択した距離範囲内の全ての距離で非ゼロの共鳴応答信号を生じるように励起印加手段を配置することにより、本発明は、遠隔サンプルのテストにおいて従来の技法が用いられた場合に可能であるよりも、選択され距離範囲にわたる遠隔サンプルのテストにおいて更に著しく均一な感度を提供することができる。
選択した距離範囲にわたる感度の受入れ得る変動の表示として、励起は所与のサンプルに対して、サンプルの選択した距離範囲にわたって、検出される最小の応答信号が最大共鳴応答信号の1/20より小さくない、望ましくは1/10、1/5、1/4、1/3あるいは1/2より小さくない如きものであることが望ましい。
励起は、選択した距離範囲にわたり実質的に一定であり、その結果応答信号が選択した距離範囲にわたりできるだけ均一であるフリップ角を生じる如きものであることが望ましい。本文に教示するように、このことは、適切に整形されたパルスの形態における励起を用いることを含む多くの方法で達成できる。
用語「実質的に一定」とは、NQRテストに固有の全体的な不正レベルに照らして解釈されるべきである。例えば、最小フリップ角は、最大フリップ角の50%、75%あるいは90%より適当に大きくてよい。
また、励起が選択した距離範囲における少なくとも1つので、望ましくは少なくとも2つの個々の場所位置で90°effectiveのフリップ角を生じる如きものであることも望ましい。本発明の3つの望ましい特質に関して以下に詳細に述べるように、このような特徴は、発明を実施する有効な方法を許容し得る。
前記プローブまたは少なくとも1つのプローブは、前記プローブから実質的な距離で実質的な距離範囲にわたって励起を伝送し受取ることができるので、螺旋コイルの形態でよい。
本発明の第1の望ましい特質において、励起は、前記プローブあるいは前記1つのプローブに更に近い選択したサンプル距離範囲の極値(extreme)において90°effectiveより大きいが180°effectiveより小さなフリップ角を生じる如きものである。このような特徴により、以下に詳細に述べるように、フリップ角が前記プローブまたは前記1つのプローブからの距離と共に実際に増加するフリップ角対距離の特定領域カーブが用いられる。このことは、従来の技法が用いられた場合に可能であるよりも、感度が選択した距離範囲においてより均一であるNQRテスト技法をもたらすことができる。
励起は、前記プローブまたは前記1つのプローブに更に近い選択したサンプル距離範囲の極値が、フリップ角が90°effectiveであるよりもフリップ角が180°effectiveである位置に更に近い如きものであることが望ましい。このことは、フリップ角対距離カーブの有益領域が充分に利用されることを保証する。90°effectiveのフリップ角がレシーバ・コイル/プローブにおける最大自由誘導減衰を生じるものであり、180°effectiveのフリップ角がレシーバ・コイル/プローブにおけるゼロの自由誘導減衰を生じるものであることが理解されよう。I=1スピン・システムの場合は、これらの値がそれぞれ119°(actual)および257°(actual)に対応している。
同じ理由から、励起は、前記プローブまたは前記1つのプローブから更に遠い選択したサンプル距離範囲の極値が0ないし180°effectiveのフリップ角間で、サンプルにおける最も強い共鳴応答信号を生じる位置より遠く離れている如きものであることが望ましい。
更に、同じ理由から、励起は、前記プローブまたは前記1つのプローブから遠い選択したサンプル距離範囲の極値が90°effectiveより小さい、望ましくは75、60あるいは30°effectiveより小さい如きものであることが望ましい。
本発明の第2の望ましい特質においては、励起印加手段は、望ましくは同じ励起周波数において、少なくとも第1および第2の種類の励起を印加し、第1の種類の励起が選定された範囲内の各位置における第2の種類の励起により生成されるものとはかかる位置で異なるフリップ角を生成するように構成される如きものであることが望ましい。
このことは、従来の技法が用いられた場合に可能であるよりも選択した範囲にわたり著しく更に均一であるテスト感度を達成する特に有利な方法であり、これにおいては2つ(以上)の種類の励起が選択した範囲内の2つ以上のサブ範囲に対して個々に最適化することができる。
第1の種類の励起においては、共鳴応答信号の符号がサンプル距離の選択した範囲にわたり変化するが、第2の種類の励起においては、応答信号は選択した範囲にわたって非ゼロ交差を生じることが望ましい。このことは、望ましくは、第2の種類の励起が90°effectiveのフリップ角を生じる選択した範囲内の位置が、当該位置における第1の種類の励起により生じる応答信号の符号と反対の符号の共鳴応答信号を生じる位置である、2つの種類の励起の特定の有利な組合わせを許容することが発見された。
複数の種類の励起が、励起の反復サイクルを形成するように相互にインターリーブされ、各種類の励起がかかる各反復サイクル中に印加されることが望ましい。このように、1種類の励起しか印加されない場合と比較して、テストの全期間が実質的に増加される必要がない。
複数の種類の励起がインターリーブされるならば、かかる各反復サイクルにおいて、比較的小さいか最も小さいフリップ角を生じる励起が比較的大きいか最も大きいフリップ角を生じる励起に先行することが難しい。このことは、充分な感度の均一性を保証するために特に重要である特徴であることが判った。
更に感度の均一性については、検出手段が、各種類の励起に個々に応答して生成される応答信号を取得して処理するものであることが望ましい。
本発明の装置は、前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの距離の計測を決定するものであり、この場合、各種類の励起に応答して生成される応答信号を比較して、この比較から前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの距離の計測を決定するための手段を含むことが望ましい。
このような特徴により、所与の遠隔サンプルの距離を決定するための比較的簡単であるが有効な技法が提供される。このような情報は、サンプルがある方法で隠蔽されるならば、特に有効であり得る。
かかる重要な特徴は、独立的にも提供される。従って、本発明の更なる特質によれば、プローブからの所与の種類の四極子核を含むサンプルの距離の計測を決定するための装置が提供され、その構成は
少なくとも1つのプローブと、
前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの距離の選択した範囲に対する核四極子共鳴を励起するため、前記プローブまたは前記1つのプローブに対して励起を印加する手段であって、少なくとも第1のおよび第2の種類の励起であって、選択した範囲内の各位置における第2の種類の励起により生じるものとはかかる位置で異なるフリップ角を生じるように配置される、第1の種類の励起を印加する如き励起印加手段と、
サンプルから前記プローブまたは前記1つのプローブを介して共鳴応答信号を検出する手段と、
各種類の励起に応答して生成される共鳴信号を比較して、該比較から前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの距離の計測を決定する手段とを含んでいる。
前記比較および決定手段が更に、前記比較から、所与の種類の四極子核の量の計測を決定するものであることが望ましい。更に、前記励起印加手段が、1つ以上のサンプルが選択した範囲に存在する場合に少なくとも2つの異なる対の励起の使用がテストの感度を改善し得るので、少なくとも2つの異なる対の第1および第2の種類の励起を印加するためのものであることが望ましい。
本発明の第3の望ましい特質を次に紹介する。
断熱的に印加される励起は、例えば、M.GarwoodおよびK.Ugurbilの「NMRの基本的原理および進歩(NMR Basic Principles and Progress)」第26巻(Springer−Verlag、1992年、109〜147ページ)により記載される如き、所与の範囲にわたり一定のフリップ角を生じる能力を持つ核磁気共鳴イメージ形成の別の分野において公知である。
しかし、断熱的に印加される励起は、核四極子共鳴で機能するとは予期されておらず、特に所与の範囲にわたり一定のフリップ角を生じることができると予期されていなかった。継続する結晶/晶子の初期の巨視的な磁化が全ての方向において分布される(その結果、各々が異なるフリップ角を生じる)NQRにおいて、このような全方向的な分布が断熱的パルスの適正な機能を妨げるものと考えられてきた。
本発明に関して、驚くべきことに、断熱的に加えられる励起が実際にNQRの分野において満足に機能することが発見された。
従って、本発明の第3の望ましい特質によれば、励起印加手段は、励起を断熱的に印加し、かつ選択した範囲にわたり実質的に一定のフリップ角を生じるものである。このことは、選択した範囲にわたりテストの特に均一な感度を保証することができる。
本発明のこの重要な特徴は、独立的に提供される。従って、本発明の第3の望ましい特質によれば、所与の種類の四極子核を含むサンプルをテストする核四極子共鳴のための装置が提供され、その構成は
核四極子共鳴を励起するためサンプルに対して励起を断熱的に印加する手段と、
サンプルから共鳴応答信号を検出する手段と、を含み、
励起が、所与の範囲にわたり実質的に一定のフリップ角を生成する如きものである。
所与の範囲は、先に述べたように、NQR装置のプローブから離れた距離範囲に照らして規定される。用語「実質的に一定」とは、NQRテストに固有の不正度の関連において解釈されるべきものであり、フリップ角の最大値と最小値間で50%より小さな望ましくは20、10または5%より小さな変動を意味することが望ましい。
大半の感度テストを保証するために、少なくとも1ないし5、望ましくは1ないし10、20あるいは更に30のファクタの磁界の変動に対して励起が実質的に一定のフリップ角を生じるように構成されることが望ましい。
励起は、断熱的な高速通過の形態であることが望ましい。断熱的高速通過を含む適切な励起シーケンスは、「断熱的半通過(Adiabatic Half Passage:AHP)」、「断熱的全通過(Adiabatic Full Passage:AFP;2つの半通過を含む)」、およびAHPとAFPの多数のセグメントを含む可変角度の面回転パルスBIR−4である。
励起の振幅または周波数あるいは位相が、双曲線の正接関数または逆正接関数により変調されるように構成されることが望ましい。このことは、本発明を実施する特に有効な方法を発見した。
更に望ましくは、励起が、断熱的面回転パルスを含む。断熱的面回転パルスは、良好に機能するために特定のフリップ角値の設定を要求すると信じられてきたため、NQRにおいて良好に働くことが予期されなかった。このことは、サンプル中の晶子が不規則な配向を有するNQRにおいてはあり得ない。
断熱的面回転パルスが、1つのパルスと次のパルス間の位相を保存し得るという事実により、NQRにおいてエコー共鳴応答信号の生成を可能にし得ることが判った。実際に、本発明は、励起がエコー応答信号を生じるよう礪成されることを提供することが望ましい。
本発明は、所与の種類の四極子核を含む遠隔サンプルをテストする核四極子共鳴の方法にわたるものであり、その構成は
所与の最大断面寸法を有する少なくとも1つのプローブを設けるステップと、
前記プローブまたは前記1つのプローブから、前記プローブまたは前記1つのプローブの所与の最大寸法の少なくとも1/10であり、不均一な磁界が選択した範囲にわたり生成される、サンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するように、前記プローブまたは前記1つのプローブに対して励起を加えるステップと、
サンプルから、前記プローブまたは前記1つのプローブを介して共鳴応答信号を検出するステップと、を含み、
前記励起が、選択した範囲内の全ての距離で非ゼロの共鳴応答信号を生成する如きものである。
前記プローブは、一般に(如何なる時も)サンプルの片側のみに配置される。
励起は、所与のサンプルにおいて、サンプルの距離の選択した範囲にわたり、検出される最小共鳴応答信号が最大共鳴応答信号の1/20より小さくなく、望ましくは1/10、1/5、1/4、1/3、あるいは1/2より小さくない如きものであることが望ましい。
励起は、選択した範囲にわたり実質的に一定であるフリップ角を生成する如きものであることが望ましい。
励起は、パルス反復時間τで反復されるパルス状励起であり、サンプルがスピン格子緩和時間Tを持ち、τ/Tの値が5より小さく、望ましくは2、1、0.5、0.1あるいは更に0.05より小さいことが望ましい。この特徴により、検出感度が選択した範囲にわたり更に略々均一であり得ることが判った。
励起は、選択した範囲において、少なくとも1つの位置、望ましくは少なくとも2つの個々の位置において少なくとも90°effectiveのフリップ角を生じる如きものであることが望ましい。
本発明の第1の望ましい特質において、励起は、前記プローブまたは前記1つのプローブに近い選択したサンプル距離の極値において90°effectiveより大きいが180°effectiveより小さいフリップ角を生成する如きものである。
このような重要な特徴は、独立的に提供される。従って、本発明の第1の望ましい特質によれば、所与の種類の四極子核を含む遠隔サンプルの存在を検出する方法が提供され、その構成は
少なくとも1つのプローブを設けるステップと、
前記プローブまたは前記1つのプローブに対して、該プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するように、励起を印加するステップと、
サンプルから、前記プローブまたは前記1つのプローブを介して共鳴応答信号を検出するステップと、を含み、
励起が、前記プローブまたは前記1つのプローブに近い選択したサンプル距離範囲の極値において90°effectiveより大きいが180°effectiveより小さいフリップ角を生成する如きものである。
励起は、前記プローブまたは前記1つのプローブに近い選択したサンプルの距離範囲の極値が、フリップ角が90°effectiveである位置よりもフリップ角が180°effectiveである位置に近い如きものであることが望ましい。
励起は、前記プローブまたは前記1つのプローブから遠い選択したサンプルの距離範囲の極値が、0ないし180°effectiveのフリップ角間で励起がサシプルにおける最も強い共鳴応答信号を生成する位置より遠い如きものであることが望ましい。
励起は、前記プローブまたは前記1つのプローブから遠い選択したサンプル距離範囲の極値が90°effectiveより小さく、望ましくは75、60あるいは更に30°effectiveより小さい如きものであることが望ましい。
本発明の第2の望ましい特質において、少なくとも第1および第2の種類の励起が、望ましくは同じ励起周波数で印加され、第1の種類の励起が、選択され距離範囲内の各位置における第2の種類の励起により生じるフリップ角とはかかる位置において異なるフリップ角を生成するように構成される。
このような重要な特徴は、独立的に提供される。従って、本発明の第2の望ましい特質によれば、所与の種類の四極子核を含む遠隔サンプルをテストする核四極子共鳴の方法が提供され、その構成は
少なくとも1つのプローブを設けるステップと、
前記プローブまたは前記1つのプローブに対して、該前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するために、励起を印加するステップと、
サンプルから前記プローブまたは前記1つのプローブを介して共鳴応答信号を検出するステップと、
前記プローブまたは前記1つのプローブに対して、該前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するために、励起を印加するステップと、
サンプルから前記プローブまたは前記1つのプローブを介して共鳴応答信号を検出するステップと、を含み、
少なくとも第1および第2の種類の励起が印加され、該第1の種類の励起が、選択した距離範囲内の各位置において第2の種類の励起によりその位置において生成されるフリップ角とは異なるフリップ角を生成するように構成される。
前記第1の種類の励起において、共鳴応答信号の符号が、サンプルの選択した距離範囲にわたり変化するが、第2の種類の励起においては、応答信号が選択した距離範囲にわたり非ゼロ交差を生じることが望ましい。
前記第2の種類の励起が90°effectiveのフリップ角を生成する選択した距離範囲内の位置が、該位置における前記第1の種類の励起により生成される応答の信号の符号と反対の符号の共鳴応答信号を生成する位置であることが望ましい。
複数の種類の励起が相互にインターリーヴされて励起の反復サイクルを形成し、各種類の励起がかかる各反復サイクル中に印加されることが望ましい。
前記各反復サイクルにおいて、比較的小さいか最も小さなフリップ角を生成する励起が、比較的大きいか最も大きいフリップ角を生成する励起に先行することが望ましい。
各種類の励起に応答して生成される共鳴信号が個々に取得され処理されることが望ましい。
当該方法は、前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの距離の計測を決定する方法であり、この場合、各種類の励起に応答して生成される共鳴信号が比較され、前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの距離の計測が前記比較から決定されることが望ましい。
かかる重要な特徴もまた、独立的に提供される。従って、本発明の更なる特質によれば、プローブからのサンプルの距離の計測を決定する方法が提供され、該サンプルが所与の種類の四極子核を含み、その構成は
少なくとも1つのプローブを設けるステップと、
前記プローブまたは前記1つのプローブに対して、該プローブからのサンプルの選択される距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するため、励起を印加するステップと、を含み、少なくとも第1および第2の種類の励起が印加され、該第1の種類の励起が、選択されて距離範囲内の各位置においてその位置において第2の種類の励起によ生成されるフリップ角とは異なるフリップ角を生成し、
サンプルから前記プローブまたは前記1つのプローブを介して共鳴応答信号を検出するステップと、
各種類の励起に応答して生成される共鳴信号を比較して、該比較から前記プローブまたは前記1つのプローブからのサンプルの距離の計測を決定するステップとを含む。
前記比較から更に決定されるのは、所与の種類の四極子核の量の計測であることが望ましい。
少なくとも2つの異なる対の第1および第2の種類の励起が印加されることが望ましい。
本発明の第3の望ましい特質において、励起が断熱的に印加され、選択した範囲にわたり実質的に一定のフリップ角を生成する。
本発明のかかる重要な特徴は、独立的に提供される。従って、本発明第3の望ましい特質によれば、所与の種類の四極子核を含むサンプルをテストする核四極子共鳴の方法が提供され、その構成は
核四極子共鳴を励起するため、サンプルに対して、励起を断熱的に印加するスチップと、
前記サンプルから共鳴応答信号を検出するステップと、を含み、
励起が、所与の範囲にわたり実質的に一定のフリップ角を生成する。
励起は、少なくとも1ないし5、望ましくは1ないし10、20あるいは30のファクタの磁界の変動に対して実質的に一定のフリップ角を生成するよう構成されることが望ましい。
励起は、断熱的な高速通過の形態でよい。励起の振幅または周波数または位相は、双曲線の正接関数または逆正接関数に従って変調される。励起は、断熱的な面回転パルスを含む。この励起は、エコー応答信号を生成する。
本発明の効率の一般的な事例として、所与の領域における爆薬(この特定の場合では、場合RDX)の存在を検出する事例が考察される。受入れ得る信号/雑音比(信号の平均2乗平方根ノイズ電圧として定義)は、一般に5:1であると考えられる。本発明に関して行われた実験は、5:1の信号/雑音比を、数秒でプローブからの実際の距離(数十センチメートル)で中程度の寸法のRDXサンプルから得ることができることを示す。同様な取得時間が、より小さな深さにおけるより小さなサンプルおよびより大きな深さにおけるより大きなサンプルに対して同様に妥当する。実際に、ある制限内において、ある深さ範囲にわたる爆薬の同時の検出が同様な取得時間以内で達成可能である。本発明の技法が受入れ得る短時間内に爆薬の領域を解明するために用いることが可能であると推定された。
本発明の望ましい特徴ならびに本発明の動作の事例、および本発明の基礎理論について、純粋に例示として添付図面に関して次に記述する。
本発明の基礎となる理論を図1に関して最初に記述する。
サンプルにおける特定の物質の存在を検出するための公知の技法は、これまで、サンプルがコンベア・ベルトなどに載置される間に、1対のヘルムホルツr.f.コイルを用いて検知し、サンプルは前記間で接近して配置されている。このように、比較的均一なr.f.電界をサンプル全体にわたり維持し、従って比較的均一な検出感度を維持することが可能である。
一方、埋設されあるいは隠蔽された物体の如き遠隔サンプルの検知において、サンプルからプローブまでの距離は、通常は顕著であり、例えばプローブの最大寸法の如きプローブの寸法のある計測(通常は、r.f.コイルの外径)より大きい。また、一般に、プローブ(単数または複数)をサンプルの片側のみに配置することが可能である。このような状況では、従来の励起の使用により、r.f.コイルは一般に全視野内で均一なr.f.電界Bを生成することはできず、このことが非常に不均一である検出感度を生じ得る。このことは、以降の分析において詳細に説明される。
関連する四極子核の共鳴周波数ωにおける励起パルスは、r.f.電界Bとパルス幅tとに依存する公称フリップ角αを生成するように見なされる。文脈が他に要求する場合を除いて、本文に用いられる如き用語「フリップ角」とは、「実効」値ではなく実際の値を示す。例えば、スピン−1システムの場合、119°が最大信号を生じるフリップ角であり、これにより実効90°のフリップに対応する。
スピン−1核の場合、
α=2γB (1)
多結晶サンプルによりコイルに生成される信号Sは、下式に従ってαに依存する。
∝ ω・(sinα一αcosα)/α (2)
上式は、α=119°(0.66πラジアン)で最大値、257°(1.43πラジアン)でゼロ、および340°(1.90π)で第1の負の最大値を有する。式2は、完全に緩和した場合に対して得られ、ここでτは5Tより大きいかこれに等しい。τはパルスの反復時間、即ち、連続する反復パルスまたはパルス・シーケンス間の時間である。Tは、関連する核種(nuclear species)に対するスピン格子緩和時間である。
まず図1を参照する。図1は、コイルの面からのサンプル距離Zが変化させられる時に真の螺旋r.f.コイルにより受取られる信号の一連のプロットを示し、各個のプロットは、その幅(持続時間)(t(119°)と呼ばれる)が特定のサンプル距離Zにおいて119°の最適フリップ角を生じるように選定された。t(119°)のパルス幅は、図中のサンプル距離に沿って示される。信号の強さ目盛りは、Z=0において1に正規化された。従って、各プロットは、サンプルがその119°の位置から移動される時コイルにより受取られる信号を表わす。
図1において、(コイル定数)と呼ばれる実線が、真の螺旋コイルにおいて、特定の値Zに適するt(119°)のパルスに対するZにおけるサンプルの応答からコイルにより受取られる信号を表わす。t(119°)のパルスが選択したので、サンプルに誘導される磁化は各Z値に対して同じとなる。コイルに対する磁界の伝送および受取りに対する相反法則により、適切な目盛りを持つこのプロットは、距離ZにわたるB磁界の分布のプロットと同じである。真の螺旋コイルに対するZに対してBの変化は、以下に述べる式4によって支配される。
コイル定数のプロットとは別に、残りのプロットは理論的プロットであり、関連するベッセル関数の応答カーブのプロットである。しかし、所与の値Zにおける特定のパルス幅t(119°)は、本発明の基礎となる理論を実験的にテストするため用いた特定の装置に対して実験的に得られた。更に詳細には、「コイル定数」以外の図1のプロットは、式1、2および4の同時解により得られた。式4からのZに対するB磁界の特定パルスに対して変化が与えられると、Zに対するフリップ角の依存度を得るため、式1を用いてBをフリップ角へ変換することができ、特定のパルスに対して、Zが増加される時サンプルに生成されたフリップ角が減じることが明らかであろう。所与のZに対するサンプルで生成された信号強さは、式2からZに対するフリップ角の変化が与えられると演繹(deduce)することができる。最後に、式4を更に用いることにより、(受取り)コイルで受取られる信号をZのサンプルにおける信号強さの変化から得ることができる。
図1のプロットは使用された特定形式の螺旋コイルに特有であるが、無論、式4における異なる関係の使用により、類似のプロットを他のことが形態に対して得ることができる。
図1に示されるカーブがτ/Tが5より大きいかあるいはこれに等しい状況について得られたことが判る。換言すれば、信号の飽和がないように応答信号が完全に弛緩されると仮定される。
次に、埋設されたサンプルをコイル面から例えば25ないし30cmの最大距離まで検出するよう設計されるものとしよう。更に、(例えば)30cmの深さのサンプルから最大信号を生じるため、当該距離においてB磁界および(または)パルス幅tが最適のフリップ角(例えば、119°)を与えるように調整されるものとしよう。このことは、本発明により開発された特定のテスト装置を用いて、675Wの平均2乗根パルス電力(root mean square pulse power)に対して1400μ秒にパルス幅を設定することにより得られる。図1は、25ないし30cmの深さに対して最適化されるパルスの持続時間(1400μ秒)を用いて、サンプルの距離Zが変化される時r.f.プローブにより受取られる信号を示す(短破線参照)。実際に、25ないし30cm間に信号強さの最大値が存在するが、中間距離では、信号は寸法と符号が揺動し、ある距離、例えば13.5および17.5cmでは、信号は実際にゼロであり、その結果これらの距離付近で中心となるサンプルは非常に弱い応答かあるいはゼロの応答を生じる。実際に、Z=10cmの領域から感度の重大な欠如を生じ得るような領域までの範囲に7つより少ないゼロ点が存在する。
更に、視野内で1つが正のピークに隣接し他が負のピークに隣接する2つのサンプルが検出されたものと仮定すると、これら信号は共鳴時に略々あるいは正確に逆の位相を持ち得る。従って、信号は略々あるいは更にちょうど打消し得、これによりテスト装置から誤りの負の応答を生じる。先に述べた事例において、1つのサンプルが26cmの距離にあり、他のサンプルが14cmの距離にあるものとすると、図1から、信号の打消しが生じ得ることが判る。1つの長形のサンプルにおいて同様な効果も生じ得る。
更にまた、例えば地面またはサンプル内の熱勾配により、2つのサンプルの温度、従ってその共鳴周波数が異なるものとすると、任意の距離において部分的あるいは完全な打消しが生じる。この問題は、例えば同じ電力の140μ秒の持続時間の比較的短いパルスを用いることにより、比較的短い距離において受取った信号強さを改善することによって克服することができない。図1は、8ないし14cmの距離でこの状態が受入れ得る信号を生じるが、(例えば)30cmでは受取り信号が受入れられないほど弱いことを示している。
信号の累計数に従って雑音に対する信号の強さを改善できることが理解されよう。従って、「受入れられないほど弱い」とは、所与の取得時間内で充分な信号/雑音比を得られないことを意味する。このような時間は、通常は、テスト装置を経てサンプルを送るコンベア・ベルトの速度、あるいはできるだけ短い時間で所与の爆薬地域(例えば、平方メートル当たり1分または2分)を明らかにする必要の如き物理的制約によって規定される。
本発明は、3つの望ましい特質において、不均一なB磁界、従って不均一な検出感度に関する上記の問題に対する解決策を提供することを探求する。これらの特質は簡潔に述べるが、本発明を実施するためのテスト装置の望ましい実施形態を次に記述する。
望ましい実施形態は、図2に関して記述される。当該実施の形態は、地下または隠蔽する遮蔽物の下あるいは背後の物体またはサンプルの検出に特に適しており、この場合、NQR応答の計測中にr.f.プローブを移動できることが重要である。当該装置は、簡単な励起パルス(即ち、時間領域で矩形状であるパルス)の印加に適している。しかし、当該装置は周波数領域における実質的に矩形状の形状を持つ整形された断熱的パルスの印加に特に適している。これは、パルスの振幅および位相/周波数を同時に変調するその能力による。
当該装置は、一般に、制御コンピュータ100、1つ以上の無線周波励起パルスを選択した励起周波数レンジを含むサンプルに所与の持続時間印加する手段102と、複合パルスまたは整形パルス、即ち、励起印加手段102へ送るため周波数/位相変調および(または)振幅変調されたパルスを生成する手段104と、NQR応答信号を検出する手段106と、所与の物質の存在が予め定めた閾値以上で検出されるかどうかに従って警報信号を生じる手段108とを含んでいる。当該装置は、検出されるサンプルの存在についてオペレータに警告する音響または視覚警報をトリガーする。
更に詳細に述べると、励起パルス印加手段102は、出力がr.f.励起/検出プローブ112に接続される無線周波電力増幅器110を含んでいる。このプローブは、寸法が要求される視野に依存する1つ以上の螺旋アンテナ・コイル114を含んでいる。多くの用途において、プローブは、その付随する前置増幅器および絶縁回路と共に、携帯可能である必要がある。当該装置の残部は、通常は携帯可能でないが、長いケーブルによりプローブに接続される。プローブは、検査中のサンプルに給電する1つの遮蔽されない開口端部と、おそらくは適当な濾波筺体内に遮蔽された1つの閉鎖端部とを有する。コイルと筺体間に、充分な空隙が残されなければならない。
ある状況においては、プローブの開放側におけるファラディ・シールドまたはケージを、E磁界作用を減じるために用いることができ、典型的には、これは、渦電流の作用を減じるため中心にスリットを持つ金属(A1、Cu)の薄板である。スリットの幅は、動作の形態および周波数に従って最適化される。E磁界の作用が砂のような圧電性サンプルにおいて生じる。
当該プローブはまた、r.f.前置増幅器、受信および検出回路120を含む検出手段106の一部を形成する。周波数/位相および振幅変調パルスが、制御コンピュータ100の制御下で整形パルス生成手段104により生成される。
整形パルス(即ち、周波数/位相および(または)振幅変調されたパルス)を生成する手段104は、パルス・プログラマ130と、既知のキャリア基準周波数および固定振幅でr.f.キャリア信号を生成する英国のSMIS社製のスペクトロメータ132とを含んでおり、該信号が、パルス・プログラマ130と、英国のFarnell社製の信号関数発生器134(モデルSFG25)とからのトリガー信号によりゲートされる。r.f.キャリアは、パルス整形装置136へ送られる。関数発生器134は、パルス・プログラマ130からのTTL論理信号により動作させられる。
パルス整形装置136については、次に図3に関して更に詳細に記述される。それ自体スペクトロメータ132からr.f.信号が供給される(英国の)Mini Circuits社によりモデル番号PSCQ2−2−5で製造される0〜90度の5MHzの2路コンパイナ140は、2つのミクサ回路142、144を給電する。このような各ミクサ回路もまた、各チャネルA、Bを介して関数発生器134から変調信号が供給される。
使用される実際のミクサ回路は、(英国の)Hatfield社の2重均衡型ミクサ装置(モデル1754)として構成された。しかし、Burr−Brown社のモデルMPY634の高精度アナログ乗算器に基く無線周波ミクサの如き他の適切な回路もまた利用可能である。主な基準は、関数発生器により入力されるr.f.の変調が最も大きな可能電圧範囲にわたって線形であり、別の低電力増幅器もこれを成就するために要求される。高精度アナログ乗算器が用いられるならば、電源と接地との間にコンデンサを組込み、かつトリミング・コンデンサを組込むことが必要である。これにより、そうでなければパルスの歪みを生じるおそれがある混合回路からの低周波数の電圧オフセットが除去される。他の2つの潜在的な非リニア・ソース、即ち、r.f.プローブの制限された帯域幅によるパルスの歪みとr.f.電力増幅器における非リニア性による歪みもまた除去されねばならない。
ミクサ回路142、144からの出力は、コンパイナ146を介して増幅器110へ送られる。このコンパイナは、Hatfield(英国)社の構成要素モデル番号DR102または3320である。
本発明は、コイル114面からのかなりの範囲でかっ重要な距離範囲にわたってサンプルを検出することが可能であることが望ましい。典型的な検出距離範囲は、8ないし35cmである。この検出距離範囲を得るため、望ましい実施形態においては、平坦なArchimedean螺旋コイルが使用され、外径および巻数がプローブに対して意図される深さにより決定される。望ましい実施形態においては平坦螺旋コイルが用いられるが、任意の形態の面コイルが適当である。遠隔検出の要件のため、ソレノイド、サドルあるいはヘルムホルツ形態のコイルは一般に適切でない。
コイル面から、例えば30ないし50cmより大きくない距離で見出されることが多いサンプルの場合、本発明により、(導体中心間の距離)が1.5cmである下式のArchimedean螺旋形態が、直径0.8cmの管状導体と共に用いられる時に満足し得る性能を持つことが発見された。
r=α・θ/2π (θはラジアン単位) (3)
合計7.75回の巻数が、約25cmの外径と3.4mの全長の螺旋を生じ得る。r.f.キャリア周波数の波長λが5.2MHzと仮定すると、全長はλ/17である。これは、位相作用を避けるため通常必要であると考えられる経験的な制限λ/20に近い。
平坦Archimedean螺旋が、下式で与えられる軸上のr.f.B(⊥)を生じる。
(4)
但し、当該実施の形態では、θは1.5π(θ)ないし(θ)ラジアン間で変化し、b=a/2π、a=1.5cm、およびIはr.f.電流である。全B磁界が中心におけるその値に関して25%だけ下落した螺旋の面の視野に平行な面内の円の寸法を意味する所与の距離Zにおける実効視野は、2つの面の離間距離Zに依存し、この視野はZ=3.2cmに対して14cmであり、Z=28.2cmに対しては20cmであり、これが本発明に関して、例えば、r.f.プローブ面から8ないし35cmの範囲における爆薬の検出のための満足できる性能を生むことが判った。
式4の関数は、図1に、「コイル関数」のカーブとしてプロットされて示される。
本発明は、他の目的の内でも、従来技術において遭遇し前に述べた諸問題を解明するという目的を有する。これらの問題は、前視野内の不均一なr.f.磁界に配置されるサンプルの検出と関連している。これらの問題の解決は、本発明の3つの望ましい特質において与えられるように模索される。これら3つの特質については、これら特質を実現するために必要な増加するr.f.パルス電力に関して次に述べる。
全ての特質において、爆薬RDXの特定の共鳴周波数(5.2MHz)に関して本発明の動作の事例が提供される。本発明はまた、無論、他の共鳴周波数において、かつ他のNQR物質に対して満足に機能する。
(1)第1の特質
最小r.f.電力要件に基く本発明の第1の望ましい特質において、通常は、1つのr.f.パルスを含むパルス・シーケンスが用いられ、これは励起される核種のスピン格子の緩和時間であるT以下の大きさの時間内に反復される。パルス幅および電力について厳密な管理が行われる。
本発明のかかる特質に対する背景として、パルスの反復時間、が(典型的には、5Tより小さい)Tの大きさであり、従って応答は完全に弛緩されることがないことが説明されねばない。(τがTの大きさである反復パルスのシーケンスは、ここでは「T制限サイクル(T limited cycle)」と呼ばれる。)この場合、式2はもはや真でない。実際に、Vega(J.Chem.Phys.61 1093(1974年))により、τ/Tが値5から減じるに伴い、ピーク信号が強さが減じてより低いフリップ角へ移ることが示された。Vegaにより提示された種々の式が、I=1の給電サンプルの核四極子共鳴の場合に本発明に関して解かれた。結果は、図4に示される。この図は、挿絵に示された値τ/Tに対して信号強さ対フリップ角の一連のプロットを示しており、(完全に弛緩されるものとして)信号強さがτ/T=5の場合に対する119°のフリップ角αで得られた1の最大信号強さに正規化される。τ/Tが値5から減じるに伴いピーク信号が強さが減じてより低いフリップ角へ移ることが判る。全てのプロットに対して、ゼロの信号強さがα=257°に達する。図4が(受信機)コイルではなくサンプルにおける信号強さを示すことに注意すべきである。
図1の真の螺旋「コイル定数」のプロットから、他の全ての要因が等しいと、更に離れたサンプルからの受信機コイルで受取られる信号が更に近いサンプルから受取られる信号より小さいことが明らかであろう。一方、式1および4と組合わせて見れる時に、ある範囲のフリップ角(257°までの)にわたって、従って、ある範囲の距離にわたって、サンプルの距離が増すほど、所与のパルスに対するサンプルで生成される信号が実際に増加し得ることが図4から明らかであろう。本発明は、第1の望ましい特質において、指定された距離範囲(距離がそれ自体できるだけ大きい)にわたりできるだけ距離と共に変化する如き受取った信号強さを生じるようにこれら2つの効果を均衡させようとする。本発明に関して、これらの効果が比τ/Tの値が小さいほど良好に均衡され得ること、換言すれば、比τ/Tの低い値の場合、観察された信号がサンプルの距離と共に減少する変化を呈することが判った。
本発明の第1の特質に関して更に詳細には、(通常は)パルス・シーケンスにおける1つのパルスがサンプルが検出される最小値より僅かに小さな距離で信号応答でゼロを生じる(α=257°に対応する)ような幅および平均2乗平方根の電力のようなものである。このことは、所望の距離範囲が図4から決定される如きフリップ角の適切範囲に対応すること、およびゼロ点または最小距離から外側に越える負になる信号が存在しないことを保証する。
更に、比τ/Tの値が比較的低く(5より小さく、望ましくは2、1または更に0.5より小さく)、その結果サンプルにおける最大信号応答がフリップ角の充分に低い値で達成される。この最大値に対応する値より小さいフリップ角の値で、信号強さが急激に低減する。従って、使用可能なフリップ角の範囲(従って、コイルの面からの所望の距離範囲)は、片側では最大信号に対応するフリップ角により、他の側では257°のゼロと交差するフリップ角値により略々仕切られる。図4から判るように、使用可能なフリップ角範囲は、τ/Tの低い値では更に大きい。
次に、例えば、パルス幅tがプローブ面から軸上で2.05cmの距離において257°のパルスを生じるよう、及び5.2cmにおいて119℃パルスを生じるようにセットされること、およびτ/Tが0.5にセットされることを仮定しよう。2.05cmより大きな距離では、フリップ角が減じ、サンプルに概念的に配置されたプローブに生成される自由誘導減衰信号強さが増加する。一方、他の全てのファクタが等しい実際の距離のr.f.プローブでは、受取られる信号が式2に従って低減することになる。正味の効果は、例えば2.5ないし13cmの距離にわたっって受取られた信号が非常に僅かにしか変化しないように、限られた範囲にわたる2つの競合する効果の部分的あるいは完全な打消しであることが発見されたことである。
次に、この点を示す図5を参照する。図5は、比τ/Tの色々な値に対してコイル軸心に沿うプローブ面からの距離Zでの(プローブにより受取られる如き)信号強さの変化を示す。先に述べたように、r.f.パルスがZ=2.05cmで257°のフリップ角を、またZ=5.2cmで119°のフリップ角を生じるように選択される。図5において、種々のカーブが理論的な予測であるが、同図の挿入絵に示されるようにデータ点は実験的に得られた値である。
先に述べた(あるいは、図4に示された如きそのグラフの解の)如き式2がVega式に置換されたことを除いて、理論的なプロットが、図1のプロットの派生に対して述べた態様と類似する態様で図4のプロットから得られた。
それぞれ三角と円のシンボルに対応する比τ/Tの2つの異なる値、即ち、4および0.5における「PE−4」の38gのサンプル(爆薬RDXに基く)を用いて、実験結果が得られた。図5において、理論的プロットが完全に弛緩した実験データのピーク(τ/T=4)にスケールされた。
実験結果が理論的予測とよく一致することが判る。
図5において、τ/T=5に対して、最大信号強さがZのα=119°の位置では生じないがZ値にやや近くでは生じることが判る。これは、式4に従ってプローブにより受取られる如きサンプルからの信号のより大きな距離における減衰についてである。
Z=3cmないしZ=13cmでは、τ/T=4の応答はファクタ10で変化するが、τ/T=0.5の対応が僅かに2.4のファクタだけしか変化しないことが、図5における実験データから演繹できる。更に一般的には、より低いτ/Tの値、例えば、0.5またはそれ以下に対しては、f.i.d.のフーリエ変換により得られる観察信号が、より高い比の値に対するよりも約3cmより大きな距離において、著しく減じた変動を呈することが種々の理論的カーブから判る。従って、これらの比τ/Tの低い値を用いることが望ましい。
しかし、ある物質、例えば爆薬RDXの場合は、自由誘導減衰時間T*により比τ/Tの値に対して実際のより低い制限を課することができる。自由誘導減衰が適正に検出されるためには、通常は、パルスの反復時間τが5T*よりそれほど小さくてはならないと考えられる。室温におけるRDXの場合は、Tは略々15msであるが、T*は略々1.5msである。従って、室温のRDXに対する最低の満足値は7.5msであり、0.5のτ/T値に対応する。
先に述べた事例においては、典型的に実質的な信号強さの正の信号を2.5ないし13cmの範囲にわたって得ることができる。別の事例として、14cmにおける119°フリップ角と比τ/Tに対する適切な値を生じるようにセットされるパルスの場合は、受取り信号の強さが約5のファクタで変化する場合におよそ10ないし20cmの範囲にわたり、正の検出可能な信号を得ることができる。
10sより短い時間におけるプローブ面から9ないし16cmの範囲で約40gmのRDXのサンプルに対して5:1の信号/雑音比を得るのに、100Wより小さなr.m.s.パルス電力が要求されるものと推定される。同じ電力の場合は、30cmの距離で1kgのサンプルを検出するためにより長い時間が要求される。τ/Tが減じるに伴う信号強さの低減は所与の取得時間内により多くのパルス・サイクルを使用することによって部分的にオフセットすることができるが、本発明の第1の望ましい特質において述べた如きT−制限サイクルは、動作において比較的遅い。しかし、これは僅かに低いr.f.電力しか要求しない。このことは、比較的小さな範囲の距離にわたり遠隔した物体の存在を検出することが要求される状況においては、特に適切である。
(2)第2の特質
本発明の第2の望ましい特質においては、同じ励起キャリア周波数であるが異なる電力であり、そして(または)異なるパルス幅である2つ以上のパルス(あるいは、パルス・シーケンス)が用いられる。電力および(または)幅は、r.f.プローブ面からの2つ以上の異なる距離において、119°最適フリップ角を生じるように選択され、特定の電力/幅が特定の距離に対応する。各パルスからのf.i.d.応答は独立的に取得され処理され、かつフーリエ変換後に同じ位相を生じるように調整される。次いで結果として得る吸収スペクトルが加算され、あるいは望ましくは結果として得る各吸収スペクトル下の面積が加算される。
特に早いシーケンスは、僅かに2つの異なるパルス形式を使用し、本文では2つのパルス・シーケンスと呼ばれる。本発明の第2の望ましい特質の技法の原理については、無論、より大きな数の異なるパルス形式を持つシーケンスに対しても記述は等しく適用し得るが、例示的な2つのパルス・シーケンスに関して図1に関して最初に記述される。
パルス・シーケンスは、先に述べた本発明の第1の望ましい特質に関して述べた如きT−制限サイクルであり得る。しかし、高速のパルス・シーケンスを用いないことが望ましいが、当該実施の形態では、パルス間隔τは3倍または更に5倍のTより大きいことが望ましく、その結果新たな各パルス以前に完全に弛緩した状態に達する。
例示的なシーケンスにおいては、2つのパルス・シーケンスにおけるパルス1は、本発明により100ないし140μ秒の幅tと約675Wの、r.m.s.電力(実効電力)とを持つように開発された装置に対して選定され、検出されるべき充分な量の物質が提供されると、かかるパルスが、r.f.プローブ(望ましい実施形態では、既に述べた螺旋コイルである)の面から例えば8ないし15cmの距離で満足し得る信号応答を生じ得ることが図1から演繹できる。パルス2は、同じr.m.s.電力で200ないし450μ秒の幅を有し、あるいは代替的に、パルス1と同じ幅であるがr.f.電力がB磁界を比例的に増加するように調整された幅を有する。パルス2がr.f.プローブ面から15ないし30cmまたは35cmの距離で満足し得る応答を生じることを図1から演繹することができる。従って、組合わされた2つの異なるパルス(適切に構成されるならば)が、r.f.プローブ面から例えば8ないし35cmの距離で満足できる応答を、この範囲でゼロ点または負になる信号がなくとも生じ得る。従って、事例の2つのパルス・シーケンスは、埋設されるか隠蔽された爆薬の検出に特に適する。
r.f.プローブ面から異なる距離における異なる量の爆薬RDXを検出するため上記の事例の2つのパルス・シーケンスを用いて得られる実験的スペクトルが、図6および図7に示される。図6(a)および図6(b)には、675Wのr.m.s.電力(実効電力)の100μ秒パルスによるRDXの5.19MHzのラインからの14N応答のf.i.d.が示される。図6(a)では、RDXは、r.f.プローブの面から9cmの距離で数グラムの量であったが、図6(b)では、対応値は13.65cmの距離で40数グラフであった。両方の場合に、満足し得る信号/雑音比が得られた。同様に、図7は、同じr.m.s.電力と周波数の200μ秒のパルスにより、30cmの距離における実質的に更に多くの量のRDXで、満足し得る信号/雑音比が得られたことを示す。13.65cmの場合は、200μ秒パルスはt(119°)の値である。
実際には、本発明によれば、上記の2つのパルス・シーケンス(特に、1つのパルスが100μ秒の幅を持ち、他方が450μ秒の幅を持つ)では、8ないし35cmのZの範囲にわたって良好な結果を得ることができることが判った。
無論、解明されるべき特定の問題の性質に応じて、先に述べた例示の2つのパルス・シーケンス以外のパルスの組合わせも可能であることが理解されよう。このパルス幅は、特定の探索の要件、即ち、検出されるべき物質の量およびこれらが見出され易い距離と一致するように調整することができる。検出されるべきサンプルが広範囲の距離にわたって配置されるならば、2つ以上の異なるパルスを用いることが必要である。
パルスの1つの可能な組合わせは、少なくともより長いかあるいは最も長いパルスにおける周波数領域の実質的に矩形の形状を持つように整形されるパルスを使用する。このようなパルスは、より大きな距離での値である単純な方形パルスよりも良好な帯域幅性能を有する。簡単にするため、他のパルスに対して1つ以上の単純な方形パルスを用いることもできる。
異なる幅の2つ以上のパルス・シーケンスの使用が必ずしも取得時間を比例的に増さないことが本発明の第2の望ましい特質の重要な利点の1つである。これは、2つ以上のパルス・シーケンスのインターリーブによって達成される。パルス・シーケンスがこのようにインターリーブされるならば、1つ以上のサンプルが視野内にありそうであるならば、これらパルス・シーケンスが正し順序で印加されることが重要である。
2つのパルス・シーケンスの場合は、例えば、T*、即ちf.i.d.時間が不可避的にスピン格子の緩和時間Tより著しく短いゆえに、パルスが短いほど長い時間先行しなければならない。このことは、本発明の当該特質の目的に対して望ましいインターリーブされたパルス・シーケンスを示す図8に関して最初に示される。
第1のパルスが幅tの短いパルスであり、それに続いて第1のf.i.d.Sが捕捉されてディジタル化される。従って、このパルスにより励起され、プローブに最も近くに配置される核の位相がずれる約τ=2T*の時間間隔が存在する。τは、適当におよそT*ほどの低さからおよそ3ないし5T*の高さとなる。位相のずれは、r.f.プローブ面からのサンプル距離に応じて、従って、フリップ角(最大で119°あるいはやや低い値であり得る)に応じて、部分的あるいは全体的であり得る(従って、後者の場合は、横方向の磁化が存在しない。)また、T*<<Tであるため、縦方向の磁化は任意の重要な範囲に対してそれほど回復されない。
幅tの第2のより長いパルス(または、r.f.電力が変化され、幅は一定のまま)が印加され、そのf.i.d.Sが捕捉されてディジタル化される。このパルスからの信号は、r.f.プローブ面から更に離れたサンプルから優勢となる。
サンプルの温度において、Tないし2T程度(例えば、0.5ないし3Tの範囲)である第2のパルスτ後の間隔後に、2つのパルス・シーケンスが反復される。従って、パルスの反復時間τは(τ+τ)である。N回のこのような反復後に、加算された信号SおよそSが、コンピュータによって個別に取得され、処理され、調べられ、適切ならば、フーリエ変換データが最後に個々に、加算される。負の信号による1つの正の信号の打消しを避けるには、個々の処理が重要である。
先に述べたように、2つ以上のサンプルが異なる深さで存在するならば、後の比較的長いパルスの前に、比較的短い前のパルスが印加されることが重要である。この方法においては、(例えば)2つのサンプルが相互に干渉する結果無視し得る応答信号のみが生成される危険がない。このことについては、140/450μ秒のパルスの組合わせ(図1参照)に関して更に説明する。
より近いサンプルが後者のより長い450μ秒のパルスがプローブ(Z=10ないし13cmの間)に負の信号を生じる領域にあり、更に遠いサンプルが著しい深さにある場合が最初に考察される。前者のより短い140μ秒のパルスは、より近いサンプルに略々119°のフリップ角を生じ、その結果著しい縦方向の磁化が後者のパルスにより励起されたままとならない。従って、より近いサンプルは、後者のパルスに対して何らの応答を生じず、このため、近いサンプルと遠いサンプルとの間には干渉が生ぜず、遠いサンプルが後者のパルスによって検出される。
近いサンプルが後者の長いパルスの正の応答領域にあるが、比較的短いパルスの励起範囲(例えば、Z<20cm)内にあるか、あるいはより長いパルスに対する最大値(例えば、Z<8cm)より近い場合(後者のパルスのゼロ交差点を越えるZ>13cm)については、次に考察する。より遠いサンプルは、著しい深さにあることもある。より近いサンプルが前者のより短いパルスの励起範囲内にあったとすると、前者のパルスは119°より小さなフリップ角を生じ、従ってある縦方向磁化が後者のパルスにより励起されたままとなる。しかし、2つのサンプルからプローブにより受取られる信号が共に正であるので、結果として生じる効果は加算となる。従って、2つ以上のサンプルが存在しても、2つのパルスにより生じる応答間に部分的にも全体的にも干渉が生じることがない。
最後に、より近いサンプルがより短いパルスの励起範囲外(例えば、Z>20cm)にあるか、あるいはより長いパルスに対する最大値より遠い(例えば、Z>18cm)場合について考察すれぱ、後者の長いパルスからの応答が両方のサンプルに関して優勢となり、その結果両方のサンプルの満足し得る検出が再び存在することが明らかである。
一方、本発明を実施する望ましい方法とは対照的に長い方が先である2つのパルスが逆の順序で印加され、更に視野以内に2つ以上のサンプルがあったものとしよう。
最初に、図1に関して先に述べたように、より近いサンプルからの応答信号が遠いサンプルからの応答信号を部分的あるいは全体的に打消し得る。従って、(より長いが今度は前者のパルスに関して)信号Sは、近いおよび遠い両領域において検出されるべき物質の存在にも拘わらず、弱いかあるいは更に検出不能であり得る。
更にまた、第2の比較的短いパルスの到達時までに、約2T*の間隔後に、第1のパルスにより既に擾乱された近い領域における核が位相を外しており、その結果、近い領域で検出されるべき物質の存在にも拘わらず、S1もまた(より短いが今度は後者のパルスに関して、弱いかあるいは更に検出不能であり得る。従って、2つ(以上)のサンプルが異なる深さに存在する場合、いずれのパルスでもいずれの深さでも信号を検知できない状況が生じ得る。
要約すると、2つのパルスを逆の順序で印加することは、より長いパルスが中間的な深さにおいて負でありかつ従って短いパルスからの信号を打消し得る信号を生じるという可能性のゆえに問題を招来する。
比較的短いパルスと比較的長いパルスとが正しい順序で印加されるのみならず、正しい相対的距離で最大119°のフリップ角を生じるようにこれらパルスが調整されることもまた重要であることが以上の論述から明らかであろう。特に、無限大から近づいて、短いパルスの119°のフリップ角位置が長いパルスが逆の符号の信号強さを生じる第1の距離範囲に該当することが望ましい。短いパルスの119°の位置がプローブ面から遠いかあるいはこれに近ければ、このパルスが長いパルスの負になる範囲の必要な補償を行うことが不可能である。
各々が異なる深さに対して最適化される2つ以上(例えば、3つまたは4つ)の異なるパルスの種類が使用されたとして、検出の感度は深さに対して更に均一となる。一方、前に触れた打消し効果が更に著しく、最も短いパルスがシーケンスにおいて最初に印加されて、最も長い最後であるが隣接した距離に対してパルスが最適化されることを保証することが特に重要である。例えば少なくとも4つのパルスが使用されたならば、最初と3番目、および2番目と4番目のパルスが相互に打消しやすくないことを前提として、パルスを最初、3番目、2番目、4番目(最初が最も短いパルス)に印加することが有利である。
インターリーブされた2つのパルス・シーケンスの印加の一例として、5.19MHzにおける14N信号がT*=1.4msでありT−12m、である295Kの爆薬RDXが考察される。この2つのパルスのtおよびtをインターリーブしないと、各シーケンスが100の累計に対して1.5sを占め、パルスの反復時間を15msにセットする。従って、両方のパルス・シーケンスの全持続時間は(パルス幅を無視して)3sとなる。一方、パルスのインターリーブの場合は、τ=3msおよびτ=15msの合計時間は1.8sとなる。
r.f.プローブ面からのサンプルの距離および(または)関心となる近似量の物質の推定を行うために用いることができることが、先に述べた如き2つ(以上の)パルス・シーケンスの更なる特徴である。これは、一定のパルスr.f.電力では、従ってプローブに対する一定のr.f.電流では、B磁界とプローブに誘起されるr.f.信号の両方がプローブ面からのサンプルの距離にのみ依存するという事実の帰結である。この結論は、軸上の位置に対してのみ厳密に真であるが、軸から外れたサンプルを許容するため必要な修正が大きくなく、かつC.B.BoschおよびJ.J.H.Ackermanの文献「NMRの基本原理および進歩(NMR Basic Principles and Progress)」(第27巻、Springer−Verlag、1992年、3〜44ページ)の如き文献から周知である(特に、8および9ページにおける図3aないし図3(d参照)。
本発明のこのような特徴では、各パルス後に信号が捕捉されて同じように処理されること重要である。例えば、同じ受信機、同じコンピュータ、同じ位相利得、などが使用されるべきであり、それに失敗すると距離または品質の推定の精度が侵害され得る。
このよう特徴を実施に移す際、2つの異なるシーケンスが用いられ、両方のシーケンスが完全に弛緩される(即ち、τ≧3または5T)。このシーケンスがいったん幅tのパルスおよび他の幅tのパルスを含み、各パルスが同じr.m.s.電力を有する。各シーケンスがそれ自体、異なる空間的に配置される領域からの強い信号を提供する。例えば、図1から明らかなように、幅140μ秒のパルスが8ないし14cmの距離におけるサンプルから強い信号を生じ、幅450μ秒のパルスに対して対応する距離範囲は14ないし35cmの範囲内にある。サンプルまでの距離は、(例えば)Sと呼ばれる幅tの100パルス後に累計された信号を、幅tの同数のパルス後の信号、例えばSに比較することにより決定される。比S/Sは、かなりの範囲にわたる距離の感度関数である。図1において、r.f.プローブ面から15.6cmの距離ZにおいてS=Sであることが判る。他の距離では、その値は、累計信号の位相を勘案して正または負の両方であり得る。下表は、Zの種々の値に対する比S/Sの値を提示する。
先に述べたパルス形式の特定の対がr.f.プローブ面から8ないし20cmの距離にわたる妥当な空間の位置決めを行い、他の組合わせが異なる距離範囲を持つことになる。
サンプルの深さがいったん判れば、量の推定を行うためより強い信号を用いることができる。このことは、例えば、図1における理論的プロットおよびr.f.プローブからの既知の距離で検出されるべき物質の既知量からテスト装置で予期される信号の前の校正から得ることができる。量の推定の精度がサンプルのサイズおよび形状により影響を受け、Bの勾配に沿うサンプルの範囲が大きいほど確度が大きいことが理解されよう。
視野に1つ以上のサンプルが存在するならば、それらの距離および量の推定を行うために最小2対の異なるパルス・シーケンスが必要とされる。コンピュータのプログラムなどが、図1におけるグラフ・データに基いて、量および距離の比較が最初に実験比と最もよく適合する各対のシーケンスからの信号比の2つの異なる値(S/Sおよび(S/Sから決定する。しかし、2つ(以上)のサンプルがある場合、1つのサンプルの場合におけるより対応して大きな不確実性および劣る解像度が存在する。
最小時間で空間的な位置決めを行うことが要求されるならば、本発明の第2の望ましい特質に関して先に述べたと同じ条件下でパルス・シーケンス対がインターリーブされる。しかし、この時、パルス2により生成される信号に対するパルス1により誘起される異なるフリップ角の影響を許容することが必要である。例えば、パルス1が140μ秒の幅を持つならば、図1は、(例えば)13cmより大きい距離では、この領域に配置される任意のサンプルに依然として小さな縦方向の磁化が存在し、これが既に述べたようにパルス2に続く応答に影響を及ぼすことを示す。四極子核のスピン格子の緩和時間Tが既知であるならば、通常の緩和式によりこのような効果が許容され得、比S/Sが依然として距離の推定を行うことができるが、2つのパルス・シーケンスが完全に弛緩された条件下で個々に行われる時より確度が大きい。
(3)第3の特質
先に述べたように、典型的な「片側の」コイルの場合、コイルからの距離が増加するに伴いB磁界が急激に減じる。これまで述べた励起の種類においては、前記の式(1)により定義されるように、Bにおけるこのような低減がフリップ角αにおける対応する急激な低減を生じる。
本発明の第3の望ましい特質においては、(所与の領域において)実質的に一定のフリップ角を広い範囲のBにわたって生じるように整形されるいわゆる「断熱的な高速通過(adiabatic fast passage)」パルスが用いられる。結果として、r.f.プローブの視野(本文では、断熱基準が満たされる領域として定義)内の全ての核が、同じ程度に摂動され、r.f.プローブにより受取られる信号がプローブからのその距離にのみ依存する。用語「断熱的高速通過」とは、かかる定義が本発明の範囲を限定する意図はないが、磁界の変化速度がT1の影響を避けるのに充分に早いが、実効磁界に追従する結晶の磁化を可能にするには充分に遅い、パルスを意味する。
先に述べたように、断熱的パルスは、核磁気共鳴イメージ形成分野において公知であるが、核四極子共鳴、特に多結願のサンプルの核四極子共鳴のテスト分野において有効であるとは予期されていなかった。実際には、なぜ断熱的パルスがそうなのかは完全に理解されていない。
断熱的パルスが本発明によりNQRにおいて良好に機能することが発見されたにも拘わらず、テストされた断熱的パルスはNMRにおけるよりも低劣な共鳴外性能を呈する。しかし、以下に述べるように、多晶子質のサンプルに生じるスピン変換を考慮して、理論的最適化により本文に述べた基本断熱的パルスの性能に対して著しい改善を行い、その結果性能における欠如が特に著しくならないようにすることが可能である。
本発明の事実関係において、断熱的パルスの重要な特徴は、ある深さの範囲にわたり119°の最適なフリップ角を生じるようにこの断熱的パルスを調整できること、従って、深さによるフリップ角の変化が少ないため異なる深さにおけるサンプルからの信号間の干渉を完全になくすことで最適な感度を獲得する一般的方法を提供できることである。
本文における断熱的パルスの2つのあり得る欠点は、第一に、これらの断熱的パルスを最良の効率で使用することが対比し得る方形パルスに対してよりも高いr.f.電力を必要とすることであり、第二に、これらパルスが低い帯域幅性能を持ち、従ってNQR周波数を変化を生じる温度のような効果に対する感度が高いことである。
断熱的条件を規定するために、断熱的パルスの初めにおける開始周波数が△ωmaxによりオフセットされる周波数ωにおける回転座標フレームが参照され、回転フレームにおける実効周波数は、
(5)
下記の実効磁界B1effに対応して
(6)
次に、励起キャリア周波数は、Bが同時に変化させられる時、急激に共鳴するように(周波数オフセットΔωmaxにおける)開始周波数から掃引される。Bが実線における局所磁界であるB1ocよりはるかに大きく維持される。全プロセスが断熱的であるためには磁化はつねにB1effに追従しなければならず、かつ速度がTおよびT*に比して早くなければならない。共鳴時に、△ω=0であり、NMRにおいては、磁化はBに沿って左向きとなり、Bの初期値にも拘わらず90°だけ回転される。この効果は、90°(実効)パルスの効果と同じであるが、フリップ角がBのr.f.磁界と独立的である。このようなプロセスは、「断熱的半通過(Adiabatic Half Passage)」と呼ばれる。周波数掃引が−△ωmaxの周波数オフセットまで続けられるならば、磁化は反転されて180°(実効)のパルスの相等物が得られる。この後者のプロセスは、「断熱的全通過(Adiabatic Full Passage)」と呼ばれる。フリップ角がBから独立的であるが、受取られる信号強さは距離と共に変化することが理解されよう。
「断熱的半通過(Adiabatic Half Passage:AHP)」では、2つの主な要件が果たされねばならない。第一に、全ての断熱的パルスに関して、断熱的条件|(dα/dt)|<<1|γB1eff|がパルスの期間中に満たされねばならない。第二に、B1effはπ/2ラジアン(あるいは、断熱的全通過の場合はπラジアン)にわたり回転しなければならない。これらの制約内では、断熱的通過は適当な対の振幅変調関数と位相/周波数変調関数を用いて行われる。
断熱的条件を満たすように選択される特定の変調関数の能力は、パルスが良好に挙動するBの距離範囲の大きさと絶対的なB距離範囲を支配する。従って、断熱的パルスは、その間でこれらパルスが所与の周波数掃引およびパルス持続時間で充分に動作する上下のピークr.f.電力限度を有する。
本発明によれば、多結晶質のサンプルにおける大部分の結晶に対して、振幅変調および位相変調された半通過に対して双曲線の正接および逆正接変調関数を使用することにより断熱的条件が達成され得ることが発見された。即ち、
(7)
(8)
ここで、ω1maxおよび△ωmaxは変調振幅であり、ω(t)は時間tにおけるr.f.振幅、φ(t)は時間tにおける位相(ラジアン)、tはパルスの持続時間、およびζ,κは望ましい実施形態においてそれぞれ10と1.52ラジアンにセットされる定数である。△ωmaxは、2.83×10ラジアンにセットされた。
tan hおよび1/tan変調関数について先に述べたが、ある状況においては、要求されるB距離範囲にわたり動作するには調整された最適化変調関数を得ることが有利である。数値の最適化手順は、未知の変数を減じるために用いることができる。
次にBIR−4パルス・シーケンスについて述べる。BIR−4は、AHPと違い、磁化の面回転あるいは球面回転を行うことができるゆえに、AHP(または、AFP)と呼ばれる。πまたはπ/2ラジアンの面回転パルスは、通常、エコーを生じることが求められるならば、必要と見なされる。BIR−4もまた、Bの不均一性および共鳴オフセットに対して良好な補償を生じて相等電力における断熱的半通過を限界的に上回ることが判った。
既に述べたように、BIR−4は、ある種類の断熱的面回転パルスである。このようなパルスは、一般に、各々が断熱的半通過、あるいは反転した断熱的半通過、あるいは断熱的全通過であり得る多くのセグメントからなるものと見なされる。BIR−4タイプのパルス・シーケンスが望ましい実施形態において用いられると、これらは各々が半通過または時間反転半通過からなる4つのセグメントからなるものと見なされる。4つのセグメントに対する下記の双曲線の正接および逆正接変調関数を用いて、断熱的条件が達成可能であることが判ったと即ち、セグメント1(0<t(0.25t):
(9)
(10)
セグメント2(0.25t<t<0.5t):
ω(t)=ω(0.5t−t) (11)

φ(t)=φ(0.5t−t)+△φ (12)

セグメント3(0.5t<t<0.75t):
ω(t)=ω(t−0.5t) (13)

φ(t)=φ(t−0.5t)+△φ (14)

および、セグメント4(0.75t<t<t):
ω(t)=ω(t一t) (15)

φ(t)=φ(t−t)+△φ+△φ (16)
但し、△φおよび△φは、BIR−4パルスの要求される最終フリップ角αによりセットされる不連続な位相飛越しである。即ち、

△φ=π+α/2 (17)

△φ=−(π+α/2) (18)
AHPとBIR−4の両パルスの効用が、本発明により実験的に証明された。実験条件は下記の如くである。RDXサンプルがQ値70および体積130mlのソレノイド・コイル内部に含まれ、これがRDXの(25℃付近における)5・19MHzのラインの検出のために適切なパルス幅であると見なされたので、1msの幅のパルスが使用され、ここで自由誘導減衰定数T*は約1.4msである。特定の実験において、Bがコイルへ送られる電力を変化させることにより変化させられた。
AHPに対しては、図9が、B1(垂直目盛、ピーク値)の関数としてAHPパルスに続いてr.f.プローブに受取られた相対的な(正規化された)信号強さの輪郭マップを示している。この強さの目盛は図の頂部に示され、水平目盛は5.19MHzの共鳴周波数からの励起周波数のKHz単位の周波数オフセットΔfである。使用されるr.f.電力に対するB目盛に対応するコイル軸心に沿うr.f.プローブ面からの距離Z(cm)もまた示されている。△ωmaxは、1msのパルスに対する7KHzと等価の45,000rad s−1であった。ζ=10であり、κは1.52ラジアンである。
実験においては、螺旋r.f.プローブのコイルから20ないし2cmのサンプル距離に対応する、2.1mTの最小領域である0.09ないし少なくとも2.2mTのBの距離範囲にわたって、AHPが良好に機能することが判った。帯域幅は比較的低いB値では狭かったが、より高いBではかなり増加した。最大の取得し得る信号の少なくとも80%は、0.6KHz以上の帯域幅にわたる0.30ないし2.17mTの範囲にわたって取得された。
△ωmax=283,000rad s−1(1msパルスに対する45KHzの周波数掃引に相等)の値で行われた更に他の実験が、B1の低い値ではやや広い帯域幅を呈したが、これはより高いBにおけるやや悪い性能の犠牲によった。
高い信号領域がB磁界の広い範囲にわたって延在しており、かつRDXにおける±3℃の温度変動に対応する高い磁界における3KHzを越える大きな帯域幅を有するので、△ωmax=45,000rad s−1(図の偏差において用いられた如き)の値が、爆薬の検出のために適している。△ωmaxの値は、約7KHzの周波数掃引を示唆し、これにより比較的高いプローブのQ値を許容し得た結果、より低い検出器電力要求とより高い感度をもたらした。
更に他の実験において、定数ζおよびκを変化させる効果が調べられた。これら定数が限界以内でプローブの性能に影響を及ぼさないことが判った。
BIR−4においては、図10は、1msパルスに対する44KHzに等価である△ωmax=283,000rad s−1、およびα=90°effectiveのフリップ角に対応する△φ=△φ=225°であるBIR−4パルスの比肩し得る性能を示している。ζ=10であり、κ=1.52radである。
BIR−4は、約0.5KHzの周波数オフセットにおける0ないし10cmの距離に対応する0.20ないし少なくとも2.4mTのB範囲にわたり良好に機能することが判った。このオフセットにおける80%の信号領域の帯域幅は、約1KHzである。しかし、約−2KHzのオフセットでは、付加的な高い信号領域が存在する。この領域は、信号取得率を増すために使用することもできたが、約0.7mTのB磁界より低い限られた帯域幅である。
更なる実験が、△ωmax=283,000rad s−1の値が最適であったことを確証した。
更に他の実験においては、定数ζ、κ、△φおよび△φを変化させる効果が調べられた。パルスの性能が限界以内で値ζには感応せず、κの値に対してはやや感応することが判った。κ=1.52が、最適値であることが判った。感度はまた、定数△φおよび△φに対しても呈示されるが、△φ=△φ=225°が、最適値であることが判った。
また、定数△φ及び△φに対する感度はBIR−4がNQRにおける可変フリップ角度パルスとして動作することを提案することが可能である。この感度は、パルス又はパルス間の間に△φ及び△φの値をステッピングすることによって開発されえる。
比較のため、図11は、1msの持続時間の単純な方形パルスの比肩し得る性能を示している。予期された側波帯の挙動が調べられた。主な信号に対しては、パルスが、略々0.6KHzの帯域幅で0.064mTの範囲である0.054mTないし0.12mTの範囲内のピークB磁界における最大磁化信号の80%以上を与える。
単純な方形パルスとの比較によって、AHPが、RDXの検出のためピークB磁界に対する感度を20倍以上も改善し、励起帯域幅の改善をもたらした。AHPパルスは、B磁界における略々20倍の変動にわたって感応しない。これらの恩恵は、少なくとも2のファクタだけスピン励起に対する最小B磁界の増加、従って少なくとも4のファクタだけのr.f.電力における増加の犠牲において得られる。
BIR−4は比肩し得る電力レベルにおけるAHPよりも優れた対周波数オフセット応答を呈することにおいて限界的に良好であると考えられるが、BIR−4パルスの性能は、AHPパルスの性能と類似する。
本発明の特質である第3の断熱的パルスの別の重要な特徴は、エコーの使用に関する。所与の断熱時間に対する信号/雑音比は、エコー応答信号を生じるように構成された2つ以上の適切なパルスを含むBIR−4シーケンスの使用によって改善される。
RDXに関する種々の実験において、(実効フリップ角90°を持つ)断熱的半通過に対しては△ωmax=283,000rad s−1、ζ=10、κ=1.52およびφ1=−φ=225°で指定され、(実効フリップ角180°を持つ)断熱的全通過に対してはφ=−φ=270°で指定され、π/2−τ−π−エコー・シーケンスに対応し、0.9mTのピークB磁界と6.5msのτ値を持つ断熱的半通過範囲の(実効フリップ角90°を持つ)パルスに対する2つの1msのBIR−4が、50回の累計後に図12に示されるエコー信号を生じた。
エコーはまた、φ=φ=225°を持つ(π/2−τ−)−エコー形態の「パルス化スピン・ロッキング(Pulsed Spin Locking)」エコー・シーケンスを用いて生成された。半通過パルスを用いて行われた同様な実験において、エコー応答信号が生成されなかった。
従って、一連のエコーを生成するためBIR−4パルスを使用できることが核四極子共鳴の分野で初めて示された。しかし、これまで行われた実験に基いて、エコーが生成されるならば面回転の断熱的パルスが必要であり、従ってAHPおよびAFPはエコーを生じないように見える。
本発明の第3の望ましい実施形態の技法の効用は、AHPパルスおよびBIR−4パルスの比較的高い電力要求と制限された検出帯域幅のゆえに、他の2つの特質の効用より小さい。これらのファクタは、断熱的パルスのBの不感性から得られる検査速度における利点を相殺することがある。断熱的パルスが有効に使用できるかどうかは、任意の特定の検出のシナリオにおける時間的なサンプルの温度変動とその結果の共鳴周波数の変動とに依存し、かつ探索における局所温度が他の方法により充分な精度で容易に決定できるかどうかに依存する。このことは、しばしば、磁界の試用によって決定されることを必要とする。
本発明の望ましい特質の技法において、サンプルの温度における不確定性は、例えば国際特許出願第PCT/GB92/00580号(British Technology Group Limited)に教示されるように、許容され得る。第1および第2の望ましい特質の場合、直角位相または周波数変動と、周波数領域における近似矩形状の振幅変動とを持つように整形される励起パルスを使用することが特に望ましい。このようなパルスは、比較的高い帯域幅を持ちながら比較的低い電力消費を持つことができる。これらのパルスについては、開示が参考のため本文に援用され、英国特許出願第9319875.2号に優先権を主張する国際特許出願第PCT/GB94/02070号(BritishTechnology Group Limited)詳細に論述されている。しかし、これらの整形パルスは、一般に、本発明の第3の特質の断熱的パルスと関連して用いられるものではない。
検出されるべき物質が地中に埋設されるならば、その温度は、その地中深さに従って比較的予測可能に変動しがちである。本発明は、このような状況において、物質の共鳴周波数を予測するため索引テーブルと関連して1つ以上の温度センサを用いる。
本発明の第2の望ましい特質の場合には、温度が予測可能な方法でプローブからのサンプルの距離と共に変動するならば、第1の共鳴周波数および第1の温度(従って、サンプル距離)に関するT値に第1の励起形式を最適化することにより、かつ例えば比較的大きなサンプル距離に対応する第2の共鳴周波数および第2のかかる温度に関するT値に第2の励起形式を最適化することにより、温度差の補償が行われる。異なる温度(および深さ)に調整された断熱的パルスの2つの異なる種類で方形パルスまたは整形パルスを置換することにより、本発明の第3の望ましい特質を持つ同様な技法を用いることができる。
更にまた、埋設された物体の検出の場合は、地中の温度条件が大きな深さにおいて更に安定する傾向にあるので、任意の温度の不確定性が深さが増加するに伴いそれほど実質的でなくなりがちである。これに対して、テスト装置の要件により、励起帯域幅は、大きな深さでは更に制限されがちであり、従ってこのような温度が誘起する周波数のあり得る変移は、対処するのがさらに困難となる。
本発明が本文においてもっぱら例示として記遮れ、細部の修正が本翻の範囲内で可能であることが理解されよう。
本文の謎に開示された各特徴、および(適切な場合)請求の範囲および図面が、独立的にかつ適切な組合わせにおいて呈示されよう。
以下のことが好ましい。
(1). 埋設あるいは隠蔽されたサンプルが少なくとも1つのプローブから選択した距離範囲内にあれば、所与の種類の四極子核を含む、埋設あるいは隠蔽された該サンプルの存在を検出する装置において、
コイルを横切る方向に所与の最大断面寸法を有する、コイルを含む少なくとも1つのプローブと、
該プローブから該サンプルの該選択した距離範囲に、核四極子共鳴を励起するために、該プローブに励起を与える励起印加手段であって、該装置は該選択した範囲に全体に不均一な磁界を生じる、該励起印加手段と、
該プローブに与えられた励起を制御する制御手段と、
該サンプルからの共鳴応答信号を該プローブを介して検出する手段と、
該サンプルの検出が所定の閾値を越えて検出されたかに依存してアラーム信号を発生し、該選択した範囲内のサンプルの存在の検出が合図される、該アラーム信号発生手段と、
を備え、
該制御手段は、非ゼロ共鳴応答信号が該選択した範囲外で発生されても、該選択した範囲内の全ての距離で、非ゼロ共鳴応答信号を同時に発生するために該励起を制御し、且つ該非ゼロ共鳴応答信号が、該プローブの所定の最大距離の少なくとも10分の1である該選択した距離範囲に対して非ゼロ共鳴応答信号を発生するように制御することを特徴とする該装置。
(2). 前記励起が、所与のサンプルに関して、選択したサンプル距離範囲にわたって検出された最小共鳴応答信号が、前記最大共鳴応答信号の20分の1より小さいものでない(1)に記載の装置。
(3). 前記励起が、選択した距離範囲にわたって実質的に一定であるフリップ角を生成する(1)または(2)に記載の装置。
(4).前記励起が、距離の前記選択した範囲内の少なくとも1つの位置で、少なくとも90°effectiveのフリップ角を発生する(1)または(2)または(3)に記載の装置。
(5).前記プローブが、螺旋コイルの形態である(1)ないし(4)のいずれかに記載の装置。
(6). 前記励起が、90°effectiveより大きいが180°effectiveより小さいフリップ角を、前記プローブにより近い前記選択したサンプル距離範囲の極値で発生する(1)ないし(5)のいずれかに記載の装置。
(7). 前記プローブにより近い前記選択したサンプル距離範囲の極値が、フリップ角が90°effectiveである位置よりむしろフリップ角が180°effectiveである位置により近い様に、前記制御手段が前記励起を制御する(6)に記載の装置。
(8). 前記プローブからさらに遠くの前記選択したサンプル距離範囲の極値が、前記励起が、フリップ角の0°および180°effective間で、該サンプル内の最も強い共鳴応答信号を発生する位置より、さらに遠いい様に、前記制御手段が該励起を制御する(6)または(7)に記載の装置。
(9). 前記プローブからさらに遠くの選択したサンプル距離範囲の極値のフリップ角が90°effectiveより小さい様に、前記制御手段が前記励起を制御する(6)ないし(8)のいずれかに記載の装置。
(10). 前記励起印加手段が、該第1の種類の励起が前記選択した範囲内の各々の位置において、その特定の位置において第2の種類の励起により生成されるフリップ角とは異なるフリップ角を生成するように構成される、少なくとも第1および第2の種類の励起を印加する(1)ないし(9)のいずれかに記載の装置。
(11). 前記プローブからのサンプルの距離を決定するため、前記第1の種類および第2の種類の励起の各々に応答して生成される共鳴信号を比較して、該比較から、前記プローブからの前記サンプルの距離を決定する手段を備える(10)に記載の装置。
(12). 前記励起印加手段が、前記第1の種類の励起に関して、前記共鳴応答信号の符合が前記選択した範囲にわたって変化し、他方、前記第2の種類の励起に関して、該応答信号が該選択した範囲にわたってゼロ交差を持たない様に構成された(10)または(11)に記載の装置。
(13). 前記第2の種類の励起が90°effectiveフリップ角を発生する前記選択した範囲内の前記位置が、前記第1の種類の励起がその位置で発生する応答信号の符合と反対の符合の共鳴応答信号を前記第2の種類の前記励起が発生する位置である(10)または(12)に記載の装置。
(14). 前記励起印加手段が、相互にインターリーブする複数の種類の励起を印加して、励起の反復サイクルを形成する様に構成され、各々の該反復サイクル中に励起の種類の各々が印加される(10)ないし(13)のいずれかに記載の装置。
(15). 各々の前記反復サイクにおいて、より低いまたは最低のフリップ角を発生する励起がより高いまたは最高のフリップ角を発生する励起より前に行なわれる(14)に記載の装置。
(16). 前記決定手段が、該比較から前記所与の種類の四極子核の量を決定する(11)ないし(15)のいずれかに記載の装置。
(17). 前記励起印加手段が異なる少なくとも2対の第1及び第2の種類の励起を印加する(10)ないし(16)のいずれかに記載の装置。
(18). 前記第1の種類の励起が、前記選択した距離範囲内の全ての距離で非ゼロ共鳴応答信号を同時に発生させ、一方、前記第2の種類の励起が、さらに遠くに選択した距離範囲内の全ての距離で非ゼロ共鳴応答信号を発生する(10)に記載の装置。
(19). 前記選択した距離範囲と前記さらに選択した距離範囲が隣接または重なっている(18)に記載の装置。
(20). 前記励起印加手段が、該励起を断熱的に印加し、前記選択した範囲にわたって一定なフリップ角を発生する様に構成された(1)ないし(19)のいずれかに記載の装置。
(21). 前記励起が、少なくとも1ないし5のファクタの励起に関連した磁界の変化に対して、一定のフリップ角を発生する様に構成された(20)に記載の装置。
(22). 前記励起が断熱的な高速通過の形式である(20)ないし(21)のいずれかに記載の装置。
(23). 前記励起の振幅、周波数または位相が、双曲線正接又は逆正接関数により変調されるように構成された(20)ないし(22)のいずれかに記載の装置。
(24). 前記励起が、断熱的面回転パルスを含む(20)ないし(23)のいずれかに記載の装置。
(25). 前記励起が、エコー応答信号を生成する様に構成された(20)ないし(24)のいずれかに記載の装置。
(26). 埋設あるいは隠蔽されたサンプルが少なくとも1つのプローブから選択した距離範囲内にあれば、所与の種類の四極子核を含む、埋設あるいは隠蔽された該サンプルの存在を検出する方法において、
コイルを横切る方向に所与の最大断面寸法を有する、コイルを含む少なくとも1つのプローブを提供するステップと、
該プローブから該サンプルの該選択した距離範囲に、核四極子共鳴を励起するために、該プローブに励起を与える励起印加手段であって、該方法は該選択した範囲に全体に不均一な磁界を生じる、該励起印加手段と、
該プローブに与えられた励起を制御するステップと、
該サンプルからの共鳴応答信号を該プローブを介して検出するステップと、
該サンプルの検出が所定の閾値を越えて検出されたかに依存してアラーム信号を発生し、該選択した範囲内のサンプルの存在の検出が合図される、該アラーム信号発生ステップと、
を備え、
該制御ステップは、非ゼロ共鳴応答信号が該選択した範囲外で発生されても、該選択した範囲内の全ての距離で、非ゼロ共鳴応答信号を同時に発生するために該励起を制御し、且つ該非ゼロ共鳴応答信号が、該プローブの所定の最大距離の少なくとも10分の1である該選択した距離範囲に対して非ゼロ共鳴応答信号を発生するように制御することを特徴とする方法。
(27). 前記励起が、所与のサンプルに対して、選択したサンプル距離範囲にわたって検出された最小共鳴応答信号が前記最大共鳴応答信号に20分の1より小さいものでない様な励起である(26)に記載の方法。
(28). 前記励起が、選択した範囲にわたって実質的に一定であるフリップ角を生成する(26)または(27)に記載の装置。
(29). 前記励起が、パルス反復時間τで反復されるパルス状励起であり、前記サンプルがスピン格子緩和時間Tを有し、τ/T値が5より小さい(269または(27)に記載の方法。
(30). 前記励起が、前記選択した範囲内の少なくとも1つの位置で、少なくとも90°effectiveのフリップ角を発生する(26)ないし(29)のいずれかに記載の方法。
(31). 前記励起が、90°effectiveより大きいが180°effectiveより小さいフリップ角を、前記プローブにより近い前記選択したサンプル距離範囲の極値で発生する(26)ないし(30)のいずれかに記載の方法。
(32). 前記励起は、前記プローブにより近い前記選択したサンプル距離範囲の極値が、フリップ角が90°effectiveである位置よりむしろフリップ角が180°effectiveである位置により近い様な励起である(31)に記載の方法。
(33). 前記プローブからさらに遠くの前記選択したサンプル距離範囲の極値が、フリップ角の0°および180°effective間で励起が該サンプル内の最も強い共鳴応答信号を発生する位置より、さらに遠い様な前記励起である(31)または(32)に記載の方法。
(34). 前記プローブからさらに遠くの選択したサンプル距離範囲の極値でのフリップ角が90°effectiveより小さい様な(26)ないし(31)のいずれかに記載の方法。
(35). 第1の種類の励起が前記選択した範囲内の各々の位置において、その特定の位置において第2の種類の励起により生成されるフリップ角とは異なるフリップ角を生成するように構成される、少なくとも第1および第2の種類の励起を印加する(31)ないし(34)のいずれかに記載の方法。
(36). 前記第1の種類の励起に関して、前記共鳴応答信号の符合が前記サンプル距離の選択した範囲にわって変化し、他方、前記第2の種類の励起に関して、該応答信号が該選択した範囲にわってゼロ交差を持たない様な(35)に記載の方法。
(37). 第2の種類の励起が90°effectiveフリップ角を発生する選択した範囲内の前記位置が、前記第1の種類の励起がその位置で発生する応答信号の符合と反対の符合の共鳴応答信号を前記第2の種類の前記励起が発生する位置である(35)または(36)に記載の方法。
(38). 前記複数の種類の励起が相互にインターリーブし、励起の反復サイクルを形成し、各々の該反復サイクル中に各々の励起の種類が印加される(35)ないし(37)のいずれかに記載の方法。
(39). 各々の前記反復サイクにおいて、より低いまたは最低のフリップ角を発生する励起が、より高いまたは最高のフリップ角を発生する励起より前に行われる(38)に記載の方法。
(40). 前記各々の種類の励起に応答して発生された応答信号が、個々に取得されて処理される(35)ないし(39)のいずれかに記載の方法。
(41). 前記プローブからの前記サンプルの距離を決定するステップを含み、前記各々の種類の励起に応答して発生された共鳴信号が比較され、該比較から前記プローブからのサンプルの距離が決定される(35)ないし(40)のいずれかに記載の方法。
(42). 前記比較から更に決定されるのは、所与の種類の四極子核の計測量である(41)に記載の方法。
(43). 少なくとも異なる2対の第1および第2の種類の励起が印加される(35)ないし(42)いずれかに記載の方法。
(44). 前記第1の種類の励起が、前記選択した距離範囲内の全ての距離で非ゼロ共鳴応答信号を同時に発生させ、一方、前記第2の種類の励起が、さらに遠くに選択した距離範囲内の全ての距離で非ゼロ共鳴応答信号を発生する(35)に記載の方法。
(45). 前記選択した距離範囲およびさらに遠くに選択した距離範囲が隣接または重なっている(44)に記載の方法。
(46). 前記励起が断熱的に印加され、選択した範囲にわたって実質的に一定のフリップ角を生成する(26)ないし(45)のいずれかに記載の方法。
(47). 前記励起が、少なくとも1ないし5のファクタの励起と関連する磁界の変動に対して実質的に一定のフリップ角を生じる(46)に記載の方法。
(48). 前記励起が断熱的高速通過の形態である(46)または(47)のいずれかに記載の方法。
(49). 前記励起の振幅または周波数または位相が、双曲線正接関数または逆正接関数に従って変調される(46)ないし(48)のいずれかに記載の方法。
(50). 前記励起が、断熱的な面回転パルスを含む(46)ないし(49)のいずれかに記載の方法。
(51). 前記励起がエコー応答信号を生成する(46)ないし(50)のいずれかに記載の方法。
(52). 所与の種類の四極子核を含むサンプルのプローブからの測定距離を決定する装置において、
少なくとも1つのプローブと、
前記プローブからの前記サンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するため、該プローブに励起を印加する手段であって、第1の種類の励起が選択した距離範囲内の各個の位置において、その特定の位置において第2の種類の励起により生成されるフリップ角とは異なるフリップ角を生成する様な第1の種類の励起と、第2の種類の励磁とを印加し、該励起が選択した距離範囲内の全ての距離における非ゼロ共鳴応答信号を生成する該励起印加手段と、
前記サンプルから前記プローブを介して前記共鳴応答信号を検出する手段と、
前記各種類の励起に応答して生成される共鳴信号を比較し、該比較から、前記プローブからの前記サンプルの測定距離を決定する手段とを備え、
前記励起印加手段が、前記第1の種類の励起に対して、前記共鳴応答信号の符号がサンプル距離の選択した範囲にわたって変化するが、第2の種類の励起に対しては応答信号が選択した範囲にわたってゼロ交差を持たない様に構成される、
プローブからのサンプルの測定距離を決定する装置。
53. 埋設あるいは隠蔽されたサンプルが少なくとも1つのプローブから選択した距離範囲内にあれば、所与の種類の四極子核を含む、埋設あるいは隠蔽された該サンプルの存在を検出する方法において、
少なくとも1つのプローブを設けるステップと、
前記プローブからの前記サンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するため、前記プローブに励起を印加するステップと、
前記サンプルから前記プローブを介して共鳴応答信号を検出するステップとを含み、
前記励起が選択した範囲内の全ての距離における非ゼロ共鳴応答信号を生成するように、第1の種類の励起が、選択した範囲内の各個の位置において、その特定の位置において第2の種類の励起により生成されるとは異なるフリップ角を生成するように構成される、少なくとも第1および第2の種類の励起が印加され、
前記第1の種類の励起に対して前記共鳴応答信号の符号がサンプルの選択した距離範囲にわたって変化し、第2の種類の励起に対しては、共鳴応答信号が選択した範囲にわたってゼロ交差を持たない該方法。
(54). 所与の種類の四極子核を含むサンプルのプローブからの測定距離を決定する方法において、
少なくとも1つのプローブを設けるステップと、
前記プローブからの前記サンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するため、該プローブに励起を印加するステップであって、第1の種類の励起が選択した距離範囲内の各個の位置において、その特定の位置において第2の種類の励起により生成されるフリップ角とは異なるフリップ角を生成する様な第1の種類の励起と第2の種類の励磁を印加し、該励起が選択した距離範囲内の全ての距離における非ゼロ共鳴応答信号を生成する該励起印加ステップと、
前記サンプルから前記プローブを介して前記共鳴応答信号を検出するステップと、
前記各種類の励起に応答して生成される共鳴信号を比較し、該比較から、前記プローブからの前記サンプルの測定距離を決定するステップとを備え、
前記第1の種類の励起に対して、前記共鳴応答信号の符号がサンプル距離の選択した範囲にわたって変化するが、第2の種類の励起に対しては応答信号が選択した範囲にわたってゼロ交差を持たない様に構成される、該方法。
(55). 埋設あるいは隠蔽された多結晶サンプルが少なくとも1つのプローブから選択した距離範囲内にあれば、埋設あるいは隠蔽された、所与の種類の四極子核を含む該多結晶サンプルの存在を検出する装置において、
少なくとも1つのプローブと、
前記プローブからの前記サンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するため、励起を該プローブに印加する手段であって、前記サンプルに対して励起を断熱的に印加する該励起印加手段と、
前記サンプルから共鳴応答信号を検出する手段と
を備え、
前記励起が、前記選択した範囲内の全ての距離において非ゼロ共鳴応答信号を生成するように、選択した範囲にわたって実質的に一定のフリップ角を生成し、
更に、該サンプルの検出が所定の閾値を越えて検出されたかに依存してアラーム信号を発生し、該選択した範囲内のサンプルの存在の検出が合図される、該アラーム信号発生手段を含む、
核装置。
(56). 埋設あるいは隠蔽された多結晶サンプルが少なくとも1つのプローブから選択した距離範囲内にあれば、埋設あるいは隠蔽された、所与の種類の四極子核を含む該多結晶サンプルの存在を検出する方法において、
少なくとも1つのプローブを設けるステップと、
前記プローブからの前記サンプルの距離の選択した範囲に対して核四極子共鳴を励起するため、前記サンプルに対して断熱的に印加される励起を前記プローブに印加するステップと、
前記サンプルから共鳴応答信号を検出するステップと
を含み、
前記選択した範囲内の全ての距離において非ゼロ共鳴応答信号を生成するように、前記励起が選択した範囲にわたって実質的に一定のフリップ角を生成し、
更に、サンプルの検出が所定の閾値を越えて検出されたかに依存してアラーム信号を発生し、該選択した範囲内のサンプルの存在の検出が合図される、該アラーム信号発生ステップを含む該方法。
(57). 埋設あるいは隠蔽された多結晶サンプルが少なくとも1つのプローブから選択した距離範囲内にあれば、所与の種類の四極子核を含む埋設あるいは隠蔽された該サンプルの存在を検出する方法において、
少なくとも1つのプローブを設けるステップと、
前記プローブからの前記サンプルの選択した距離範囲に対して核四極子共鳴を励起するため、前記プローブに励起を印加するステップと、
前記サンプルから前記プローブを介して共鳴応答信号を検出するステップと、
を含み、
前記励起が、前記選択した範囲内の全ての距離において非ゼロ共鳴応答信号を生じるように、前記プローブにより近く選択したサンプル距離範囲の極値において90°effectiveより大きく180°effectiveより小さいフリップ角を生成し、
更に、サンプルの検出が所定の閾値を越えて検出されたかに依存してアラーム信号を発生し、該選択した範囲内のサンプルの存在の検出が合図される、該アラーム信号発生ステップを含む該方法。
図1は、サンプル距離Zが変化するに伴い、プローブが受取る信号の一連のプロットを示し、 図2は、本発明によるテスト装置の望ましい実施形態のブロック図、 図3は、テスト装置の一部を形成するパルス整形装置のブロック図、 図4は、図中に示される種々のτ/T(τはパルス反復時間、Tはスピン格子緩和時間)に対する信号強さ対フリップ角の一連のプロット、 図5は、図中に示される比τ/Tの種々の値に対する、信号強さ対距離Zの一連のプロット、 図6(a)および図6(b)は、テスト装置のr.f.プローブからの2つの異なる距離における爆薬RDXのサンプルに対するスペクトル、 図7は、異なる距離Zに対する図6のスペクトルと類似のスペクトル、 図8は、本発明の一実施形態に使用されるパルス・シーケンス、 図9は、断熱的半通過パルス・シーケンスに対する信号強さ対B磁界と周波数オフセットの輪郭プロット、 図10は、BIR−4パルス・シーケンスに対する類似のプロット、 図11は、単純な矩形状パルス・シーケンスに対する類似のプロット、および 図12は、BIR−4パルス・シーケン久に対する信号強さ対時間のプロットである。

Claims (1)

  1. 埋設あるいは隠蔽されたサンプルが少なくとも1つのプローブから選択した距離範囲内にあれば、所与の種類の四極子核を含む、埋設あるいは隠蔽された該サンプルの存在を検出する装置において、
    コイルを横切る方向に所与の最大断面寸法を有する、コイルを含む少なくとも1つのプローブと、
    該プローブから該サンプルの該選択した距離範囲に、核四極子共鳴を励起するために、該プローブに励起を与える励起印加手段であって、該装置は該選択した範囲に全体に不均一な磁界を生じる、該励起印加手段と、
    該プローブに与えられた励起を制御する制御手段と、
    該サンプルからの共鳴応答信号を該プローブを介して検出する手段と、
    該サンプルの検出が所定の閾値を越えて検出されたかに依存してアラーム信号を発生し、該選択した範囲内のサンプルの存在の検出が合図される、該アラーム信号発生手段と、
    を備え、
    該制御手段は、非ゼロ共鳴応答信号が該選択した範囲外で発生されても、該選択した範囲内の全ての距離で、非ゼロ共鳴応答信号を同時に発生するために該励起を制御し、且つ該非ゼロ共鳴応答信号が、該プローブの所定の最大距離の少なくとも10分の1である該選択した距離範囲に対して非ゼロ共鳴応答信号を発生するように制御することを特徴とする該装置。
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