JP2015500061A - 装置又は薬剤を子宮に挿入するための方法及び装置 - Google Patents

装置又は薬剤を子宮に挿入するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

送達装置は、ハウジング、挿入部材、伝達部材、及びアクチュエータを含む。挿入部材は、埋入物に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を含む。挿入部材の少なくとも一部分は、ハウジングにより規定された通路内で移動可能に配置される。伝達部材は、挿入部材がハウジングに対して動かされるようにアクチュエータから力を挿入部材に伝達するために挿入部材に連結されるように構成された連結部分を含む。伝達部材の連結部分は、アクチュエータにより作用された力が閾値を越えたとき、挿入部材に対して動くように構成される。【選択図】図16

Description

関連出願の相互参照
[1001] 本願は、2011年12月2日に出願された「Methods and Apparatus for Inserting a Device or Pharmaceutical into a Uterus and Attachment to a Cervix」を発明の名称とする米国仮特許出願整理番号第61/566,211号の優先権を主張するものであり、同出願は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
[1002] 本明細書で説明される実施形態は、装置及び/又は薬剤を体腔に挿入するための装置及び方法に関する。さらに詳細には、本明細書で説明される実施形態は、子宮内避妊器具(IUD:intrauterine device)を子宮に挿入し、埋入時にIUDの1部分(例えば取り外し糸)を操作するための装置及び方法に関する。
[1003] 挿入が困難である点が、世界中の医師及び医療従事者により既知の子宮内避妊器具(IUD)がより広く使用されることに対して顕著なハードルとなっている。IUD挿入に関する既知の方法の主要な短所は、複数ステップを要するという既知の方法の性質、及び別個の医療用器具の個数に関連するものである。
[1004] 例えば、IUDを挿入するいくつかの既知の方法において、子宮頸が見えるようするために膣鏡が配置される。次に、子宮頸が、実質的に真直ぐに伸ばすため及び/又は子宮頸と子宮腔とを整列させるために、子宮支持鉤を用いて下向きの牽引力でクランプされる。ある特定の状況において、子宮口ファインダ(os finder)が子宮口の位置特定及び拡張のために用いられる。子宮口が位置特定されると、大多数の処置において、IUDが挿入されることとなる深さである子宮腔の深さを判定するために子宮ゾンデが用いられる。次に、IUDのアーム部が折り畳まれ(IUDの設計に基づいて、後方又は前方に)、インサータのチューブ内に配置される。次にインサータが膣に挿入され、医療提供者が子宮頸管の開口部を見出し、子宮頸を介してIUDを子宮の高さにまで、音響処理により測定された深さまで挿入することが可能にさせる。インサータのチューブが引き戻され、子宮の基底部においてIUDのアームをチューブから解放する。いくつかの既知の処置では、インサータチューブがIUDのアーム部の基部に対して再び押し上げられ、それにより子宮内膜腔内における最も高い達成可能な留置が確保される。次いでインサータは、IUDの留置が損なわれないよう、子宮、子宮頸、及び膣から抜去される。最後に、十分な長さ(例えば、少なくとも2.5cm)の抜去用糸が膣内で確実に露出されるよう、IUDストリングが切断される。
[1005] かかる既知の方法によるIUDの挿入はIUDの留置失敗及び/又は他の問題をしばしば生じ得る。換言すると、IUD挿入の既知の方法は確実にIUDを適切に留置するための一連の精密操作を含む。IUD挿入のための既知の方法及びツールを用いる際に手続き上の逸脱がわずかに生じたとしても、子宮壁の穿孔、子宮内膜にIUDが埋め込まれる可能性の増加、及び/又はIUDの排出が生じ得る。加えて、挿入処理中に細菌が膣から子宮に押し込まれ、それにより骨盤感染症疾患(PID:pelvic inflammatory disease)等の問題が生じ得る。
[1006] 従って、これらのリスクを軽減し治療の全領域における医療提供者によりIUDの挿入が実行されることを可能にする子宮内避妊器具(IUD)を子宮に挿入するための改良された装置及び方法に対する必要性が存在する。
[1007] 装置及び/又は薬剤を体腔に挿入するための装置及び方法が本明細書において説明される。いくつかの実施形態において、送達装置はハウジング、挿入部材、伝達部材、及びアクチュエータを含む。挿入部材は埋入物に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を含む。挿入部材の少なくとも1部分は、ハウジングにより規定された通路内で移動可能に配置される。伝達部材は、挿入部材がハウジングに対して動かされるよう力をアクチュエータから挿入部材に伝達するために挿入部材に連結されるように構成された連結部分を含む。伝達部材の連結部分は、アクチュエータにより作用された力が閾値を越えたとき、挿入部材に対して動くように構成される。
第1構成にある、1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 第2構成にある、1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 第1構成にある、1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 第2構成にある、1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 第3構成にある、1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 第1構成にある、1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 第2構成にある、1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 1つの実施形態に係る送達装置の概略図である。 図9の送達装置に含まれるハウジングの斜視図である。 図9の送達装置に含まれるハウジングの斜視図である。 図9の送達装置に含まれるハウジングの斜視図である。 図11に示すハウジングの第1部分の側面図である。 図11に示すハウジングの第2部分の側面図である。 図15のハウジングの第2部分がない状態で示された図9の送達装置の左側面図である。 図14のハウジングの第1部分がない状態で示された図9の送達装置の右側面図である。 図9の送達装置に含まれる真空組立体の1部分の斜視図である。 図16の真空組立体の部分の正面図である。 図19の線X−Xに沿う図18の真空組立体の部分の断面図である。 図9の送達装置に含まれる真空組立体の1部分の前方斜視図である。 図9の送達装置に含まれる真空組立体の1部分の後方斜視図である。 図9の送達装置に含まれるガイド機構の斜視図である。 図23のガイド機構の分解図である。 図9の送達装置に含まれるアクチュエータ組立体の分解図である。 図25のアクチュエータ組立体に含まれる駆動部材の上面斜視図である。 図25のアクチュエータ組立体に含まれる駆動部材の底面斜視図である。 図9の送達装置に含まれる伝達機構の上面斜視図である。 図28の伝達機構に含まれる伝達部材の上面斜視図である。 図28の伝達機構に含まれる伝達部材の底面斜視図である。 図28の伝達機構に含まれるロックアウト機構の上面斜視図である。 図9の送達装置に含まれる挿入組立体の分解図である。 図32の挿入組立体に含まれる担持体の上面斜視図である。 図32の挿入組立体に含まれる担持体の底面斜視図である。 図32の挿入組立体に含まれるスリップ部材の斜視図である。 図28の伝達機構に連結された、図33の担持体と図35のスリップ部材とを示す斜視図である。 図32の挿入組立体に含まれる状態表示部材の斜視図である。 図32の挿入組立体に含まれる係合部材の上面斜視図である。 図32の挿入組立体に含まれる係合部材の底面斜視図である。 図32の挿入組立体に含まれるプッシュロッドチューブの底面斜視図である。 図32の挿入組立体に含まれる外部シースの斜視図である。 図32の挿入組立体に含まれる外部シースの斜視図である。 図9の送達装置に含まれるカッター組立体の分解図である。 第1構成にある、図15のハウジングの第2部分がない状態で示された図9の送達装置の側面図である。 埋入物を送達装置に充填する方法を示す、図44の領域Zにより示される送達装置の1部分の拡大図である。 埋入物を送達装置に充填する方法を示す、図44の領域Zにより示される送達装置の1部分の拡大図である。 埋入物を送達装置に充填する方法を示す、図44の領域Zにより示される送達装置の1部分の拡大図である。 第2構成にある、図15のハウジングの第2部分がない状態で示された図9の送達装置の側面図である。 図48において領域Zにより示される、第2構成における送達装置の1部分の拡大図である。 第3構成にある、図15のハウジングの第2部分がない状態で示された図9の送達装置の側面図である。 図50において領域Zにより示される、第3構成における送達装置の1部分の拡大図である。 図50において領域Zにより示される、第3構成にある送達装置の1部分の拡大図である。 第4構成にある、図15のハウジングの第2部分がない状態で示された図9の送達装置の側面図である。 図53において領域Zにより示される、第4構成にある送達装置の1部分の拡大図である。 図53において領域Zにより示される、第4構成にある送達装置の1部分の拡大図である。 第5構成にある、図15のハウジングの第2部分がない状態で示された図9の送達装置の側面図である。 図56において領域Zにより示される、第5構成にある送達装置の1部分の拡大図である。 力制限状態を示す、図9の送達装置の斜視側面図である。 ロックアウト状態を示す、図9の送達装置に1部分の上面図である。 ロックアウト状態を示す、図9の送達装置に1部分の上面図である。 第6構成にある、図15のハウジングの第2部分がない状態で示された図9の送達装置の側面図である。 図61において領域Zにより示される、第6構成における送達装置の1部分の拡大側面図である。 図61において領域Zにより示される、第6構成における送達装置の1部分の拡大上面図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を示す図である。 1つの実施形態に係る送達装置を使用する方法を説明するフローチャートである。
[1057] 装置及び/又は薬剤を体腔に挿入するための装置及び方法が本明細書において説明される。いくつかの実施形態において、送達装置はハウジング、挿入部材、及び伝達部材を含む。挿入部材は、埋入物に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を含む。挿入部材の少なくとも1部分は、ハウジングにより規定された通路内で移動可能に配置される。伝達部材は、挿入部材がハウジングに対して動かされるよう力をアクチュエータから挿入部材に伝達するために挿入部材に連結されるように構成される。伝達部材は、アクチュエータにより作用された力が閾値を越えたとき、挿入部材に対して動くように構成された連結部分を含む。
[1058] いくつかの実施形態において、送達装置はハウジング、挿入部材、伝達部材、及びアクチュエータを含む。ハウジングは、標的場所に関連付けられた表面に接触するように構成された接触表面を含む。挿入部材は、埋入物に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を含む。挿入部材の少なくとも1部分は、ハウジングにより規定された通路内で移動可能に配置される。伝達部材は、挿入部材がハウジングに対して遠位方向に動かされるよう力をアクチュエータから挿入部材に伝達するために挿入部材に連結されるように構成される。伝達部材は、挿入部材の遠位端部分が標的場所に接触したとき、挿入部材の遠位方向の動きを制限するように構成される。
[1059] いくつかの実施形態において、送達装置は通路を規定するハウジング、挿入部材、及びガイド部材を含む。挿入部材は埋入物に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を含む。挿入部材の少なくとも1部分は、埋入物を標的場所に送達するためにハウジングに対して動くように構成される。ガイド部材は、ハウジングに移動可能に連結された第1端部分と、埋入物の1部分に着脱可能に連結された第2端部分と、を含む。ガイド部材は、ガイド部材がハウジングに対して動かされたとき、埋入物の1部分をハウジングの通路内で動かすように構成される。
[1060] いくつかの実施形態では、送達装置はハウジング、挿入部材、マニピュレータ、及び伝達部材を含む。ハウジングは、挿入部材の少なくとも1部分を受容するように構成された通路を規定する。挿入部材は、埋入物の第1部分に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を含む。マニピュレータは、埋入物の第2端部分を操作するように構成される。伝達部材は第1部分及び第2部分を含む。第1部分は、伝達部材がハウジングに対して動くと挿入部材がハウジングに対して動くよう、挿入部材に連結される。第2部分は、伝達部材がハウジングに対して動かされたときマニピュレータを作動させるように構成される。
[1061] 本明細書で説明する送達装置は、子宮頸とともに屈曲し、子宮内避妊器具を体内における所望の及び/又は事前決定された位置に及び/又は方向に挿入することを支援する使い捨て式の総合的ユニットであり得る。本明細書で説明する実施形態は、最大で5つの別個の医療用器具を用いる既知の処置を、同じ処置を1つのみの装置を用いることにより完了することを可能にすることにより改善し得る。それにより、本明細書で説明する実施形態は、IUDを挿入する処置を著しくより直感的なものとし、その実行をより容易なものとする。その結果として、有害事象(主に偶然的な放出)の量が低減されるとともに、最小限の訓練により誰でも実施することができる本明細書で説明する任意の実施形態を提供することによりIUDに対するアクセスが世界中で大いに拡大もされる。本明細書で説明する送達装置は、挿入過程の間に印加される力を制限する任意の好適な機構(単数又は複数)を含むことにより、子宮頸及び子宮の組織の穿孔を低減又は排除し得る。またIUDを可能な限り子宮の基底部に近接して留置する確率が、既知のインサータによりIUDを配置することと比較して著しく大きくなることであろう。
[1062] 本明細書で用いられる単数形の「a」、「an」及び「the」は、内容的に明らかに単数のみを参照する場合以外は、複数の参照も含む。従って、例えば、「部材」という用語は単一の部材又は複数の部材の組み合わせを意味することを意図し、「材料」という用語は1つ又は複数の材料又はかかる材料の組み合わせを意味することを意図する。さらに「近位」及び「遠位」という用語は、それぞれ操作者又は医療器具に近づく方向、及び操作者又は医療器具から遠ざかる方向を指す。従って、例えば、患者の体に接触する医薬品送達装置の端部は医薬品送達装置の遠位端となる一方、遠位端の反対側の端部は医薬品送達装置の近位端となるであろう。
[1063] 本明細書で用いる「約」及び「およそ」という用語は概して、示された値の±10%を意味する。例えば約0.5は0.45及び0.55を含み、約10は9〜11を含み、約10000は900〜11000を含み得る。
[1064] 本明細書で用いる「組」という用語は、複数の特徴物又は複数の部品を有する単一の特徴物を指し得る。例えば、1組の壁部が言及される場合、1組の壁部は、複数の部分を有する1つの壁部とみなされてよく又は1組の壁部は複数の別個の壁部とみなされてよい。従って、モノリシックに構築された品目は1組の壁部を含み得る。かかる1組の壁部は、連続的な複数部分を又は互いからは不連続的な複数部分を含み得る。例えば、1組の戻り止めを含み得るモノリシックに構築された壁部は1組の壁部を形成すると言われ得る。1組の壁部は、別個に生成された後に接合された(例えば、溶接、接着、又は任意の好適な方法により)複数の品目から作製され得る。
[1065] 本明細書で用いる「平行」という用語は概して、2つの幾何学的構造(例えば2つの直線、2つの平面、1本の直線及び1つの平面など)が実質的に無限に延長したときに交差しない、2つの幾何学的構造間の関係を示す。例えば本明細書で用いられる際、2本の直線が無限に延長されたときに交差しないとき、これらの2本は平行であると言われる。同様に、1つの平面(すなわち2次元表面)が1本の直線に対して平行であると言われるとき、その直線に沿った各点とその表面の最も近い部分との間の距離は実質的に等距離に保たれる。2つの幾何学的構造が、例えば誤差範囲内で相互に対して平行である場合等、相互に対して名目上平行であるとき、これら2つは相互に対して「平行」又は「実質的に平行」であると言われる。かかる誤差は例えば製造誤差、測定誤差等を含み得る。
[1066] 本明細書で用いる「傾斜」という用語は概して、2つの幾何学的構造が互いに対して1つの配向角で配置される、2つの幾何学的構造間の関係を指す。例えば、物体の傾斜は中立的な軸又は平面に対する物体の表面の角度を指す。さらに物体の傾斜は概して、所与の長さの中立的な軸又は平面に沿う物体の高さにおける変化として理解される。従って、物体の傾斜は中立的な角度に対して本明細書で「傾斜角」と呼称される角度を形成する。
[1067] 本明細書で用いる「剛性」という用語は、印加された力により生成される撓み、変形、及び/又は変位に対する物体の抵抗を指し、概して、物体の「可撓性」の対義語であると理解される。例えばより大きい剛性を有するチューブの壁部は、力にさらされたときの撓み、変形、及び/又は変位に対する抵抗が、より低い剛性を有するチューブの壁部よりも大きい。同様に、より高い剛性を有するチューブはより小さい剛性を有するチューブよりも、より硬いものとして特徴付けられ得る。剛性は、物体に印加される力の量と、印加された力の結果として生じる、物体の第1部分が物体の第2部分に対して撓む、変形する、及び/又は変位する距離と、に関連して特徴付けられ得る。物体の剛性を特徴付けるとき、撓んだ距離は、力が直接的に印加された物体の部分とは異なる物体の1部分の撓みとして測定され得る。換言すると、いくつかの物体では、撓みの生じた点と、力が印加された点と、は異なる。
[1068] 剛性(従って、可撓性)は、説明対象の物体の示量性特性であり、従って、物体が形成される材料に依存するとともに、物体のある特定の物理的特性(例えば、断面形状、長さ、境界状態、その他)に依存する。例えば物体の剛性は、所望の弾性係数、曲げ弾性率、及び/又は硬度を有する材料を物体において選択的に含むことにより増減が可能である。弾性係数は構成材料の示強性特性(すなわち抗生物質に固有)であり、印加された力に応答して弾性的(すなわち非永久的)に変形する物体の傾向を説明する。高い弾性係数を有する材料は、等しく印加される力の存在下で、低い弾性係数を有する材料ほど撓まないであろう。従って、物体の剛性は、例えば比較的低い弾性係数を有する材料を物体に導入することにより、及び/又はかかる材料で物体を構築することにより、減少され得る。
[1069] 物体の剛性は、物体の物理的特性(例えば物体の形状又は断面積)を変化させることにより増減され得る。例えば、1つの長さと1つの断面積とを有する物体は、長さは同じであるが断面積がより小さい物体よりも、より大きい剛性を有し得る。他の例として、物体の剛性は、より低い応力下で、及び/又は物体の特定場所で、変形を生じさせる1つ又は複数の応力集中部(すなわち不連続的な境界線)を含むことにより、小さくなり得る。従って、物体の剛性は、物体の形状を減少及び/又は変化させることにより減少し得る。
[1070] 図1及び図2は、それぞれ第1構成及び第2構成にある、1つの実施形態に係る送達装置10000の概略図である。送達装置1000は、埋入物1050を体内の標的場所へ送達することができる。例えばいくつかの実施形態では、送達装置1000は、子宮の基底部に接触して及び/又は子宮内に子宮内避妊器具(IUD)を留置するために用いられ得る。
[1071] 送達装置1000はハウジング1100、アクチュエータ1400、伝達部材1500、及び挿入部材1600を含む。ハウジング1100は、通路1115を規定し、通路1115内に挿入部材1600の少なくとも1部分が配置される。ハウジング1100は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態では、ハウジング1100の少なくとも1部分は、身体開口部への挿入に好適な外径を有する実質的な円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、ハウジング1100は本明細書でさらに詳述するように、標的場所の表面に係合及び/又は接触して、少なくとも一時的にハウジング1100を当該表面に連結するように構成された遠位端部分を含み得る。図1及び図2には図示しないがいくつかの実施形態では、ハウジング1100はユーザにより係合及び/又は操作され得る近位端部分を含み得る。例えばいくつかの実施形態では、ハウジング1100の近位端部分はハンドル等を形成してもよく、又はハンドル等を含んでもよい。
[1072] 挿入部材1600の少なくとも1部分は、ハウジング1100により規定される通路1115内で移動可能に配置される。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材1600の遠位端部分は、図1及び図2に示すように、ハウジング1100の遠位端部分を越えて延長し得る。さらに挿入部材1600の遠位端部分1602は、埋入物1050(例えばIUD)に着脱可能に連結され得る。このようにして、埋入物1050が標的場所(図示せず)に送達されると、埋入物1050は挿入部材1600から解放され及び/又は取り外され得る。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材1600の遠位端部分1602は、摩擦嵌合、スナップ嵌合、プレス嵌合、ねじ込み嵌合などを介して埋入物1050の1部分に連結され得る。いくつかの実施形態では、埋入物1050の少なくとも1部分は挿入部材1600の1部分内に配置され得る(例えば、挿入部材1600の1部分が、埋入物の少なくとも1部分を受容し得る内腔又は通路を規定する実施形態において)。
[1073] 挿入部材1600の1部分は伝達部材1500の連結部分1501に(図示のように直接的に又は間接的に)接触して置かれる。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材1600の近位端部分は伝達部材1500に接触して置かれる。他の実施形態では、挿入部材1600の近位端部分は伝達部材1500に対して近位位置に配置される(例えば伝達部材1500が近位端部以外の挿入部材1600の1部分に接触し得る)。
[1074] 挿入部材1600は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材1600は、通路1115の形状及び寸法に関連付けられた形状及び寸法を有する外側周縁部を有し得る。いくつかの実施形態では、挿入部材1600は、本明細書で説明する埋入物を挿入する機能のいずれかを実行するために一緒に連結された任意個数の個々の部分を含む機構であり得る。かかる実施形態では、当該機構の個々の部分のいずれもが、当該機構を形成する他の部分に対して動かされ得る。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材1600は、本明細書でさらに説明するように互いに対して動くように構成された第1挿入部材及び第2挿入部材(図1及び図2には図示せず)を含み得る。
[1075] 伝達部材1500は、ハウジング1100に対して挿入部材1600を動かすために、力の少なくとも1部分(例えばそれぞれ図1及び図2に示す力F及び/又はF)を挿入部材1600に伝達するように構成される。さらに以下で説明するように、伝達部材1500は、力が閾値を越えたとき、挿入部材に対して動く(すなわち「スリップ」する)ように構成される。このようにして、埋入物を送達するために用いられる力を制御することが可能となる。上述のように伝達部材1500は、挿入部材1600の1部分に接触(直接的に又は間接的に)して置かれ得る連結部分1501を含む。伝達部材1500は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えば伝達部材1500の連結部分1501が尖ったものとして図示されているが、他の実施形態では、連結部分1501は実質的に丸くてもよい。他の実施形態では、伝達部材1500の連結部分1501は、挿入部材1600の1部分を噛み合わせ可能に受容し得る1組の戻り止めを含み得る。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材1600は、挿入部材1600を伝達部材1500に噛み合わせ可能に連結するように構成された丸い突起を含み得る。
[1076] 伝達部材1500はアクチュエータ1400に動作可能に連結される。例えばいくつかの実施形態では、伝達部材1500はアクチュエータ1400に直接的に連結され得る。他の実施形態では、伝達部材1500は、介在構造(例えば、ラック、ピニオン、1つ又は複数のリンク機構、プッシュロッドなど)を介してアクチュエータ1400に連結され得る。例えばいくつかの実施形態では、アクチュエータ1400は、ハウジング1100に対して旋回するように構成されたトリガを含み、ラック・ピニオンを介して伝達部材1500に連結され得る。いくつかの実施形態では、伝達部材1500は、特定の実施形態に関して本明細書で説明するように、アクチュエータ1400に含まれるプッシュロッドにより逐次的に係合されるように構成された1組の尖った戻り止めを含み得る。
[1077] アクチュエータ1400は、少なくとも伝達部材1500に力を作用させるように構成された任意の好適なアクチュエータ1400であり得る。例えばいくつかの実施形態では、アクチュエータ1400は、トリガ、プッシュボタン、スライド、ダイヤル、及び/又は電気回路又は任意の他の好適なエネルギー源を閉止するように構成されたトグルであり得る。図1に示すように、アクチュエータ1400は伝達部材1500上に力Fを作用させて、伝達部材1500をハウジング1100に対して動かすように構成される。さらに詳細には、アクチュエータ1400は力Fを作用させて、矢印AAにより示されるようにハウジング1100に対して遠位方向に伝達部材1500を動かし得る。伝達部材1500の連結部分1501が挿入部材1600と接触する状態で、伝達部材1500は力Fの少なくとも1部分を挿入部材1600に伝達して、挿入部材1600及び/又は埋入物1050はハウジング1100に対して矢印AAの方向に動かすことができる。従って、挿入部材1600が動かされて、埋入物1050(例えばIUD)を体内における所望の標的場所(例えば子宮の基底部など)に配置することができる。
[1078] ある特定の状況では、伝達部材1500の連結部分1501は挿入部材1600に対して動き得る。具体的には、連結部分1501は、力Fが閾値を越えたとき、図2における矢印BBにより示されるように挿入部材1600に対して動き得る。このように伝達部材1500及び/又は挿入部材1600が挿入事象の間、「スリップ」して、挿入の力が制限されることとなる。さらに詳述すると、ある特定の状況では挿入事象の間、挿入部材1600の遠位端部分1602及び/又は埋入物1050の1部分は、アクチュエータ1400をさらに作動させると伝達部材1500に印加される力が増加するよう、標的場所及び/又は他の隣接組織(例えば筋腫組織など)に接触する状態に置かれ得る。かかる事象時において増加される力は図2において力Fにより表される。図示のように、少なくとも伝達部材1500の連結部分1501が挿入部材1600に対して可動であるため、挿入部材1600及び/又は埋入物1050に伝達される力の量が制限され得る。それにより、望ましくない量の力が標的場所(例えば子宮の基底部など)に印加されることが防止される。例えばいくつかの実施形態では、伝達部材1500の1部分が挿入部材1600の1部分に対して矢印BBにより示されるように摺動し得る。同様にアクチュエータ1400により作用される力Fは、連結部分1501を挿入部材1600に対して保持する摩擦力に打ち勝つよう十分に大きくなり得る。その結果、伝達部材1500の連結部分1501は、挿入部材1600の少なくとも1部分との接触状態を保持しつつ挿入部材1600に対して動き得る。このようにして、力Fの1部分のみが挿入部材1500及び/又は埋入物に伝達される。いくつかの実施形態では、挿入機構1600の1部分及び/又は伝達機構1500の1部分は、連結部材1501が挿入部材1600に対して動き得るよう変形する(例えば弾性的に又は塑性的に)ように構成され得る。
[1079] いくつかの実施形態では、伝達部材1500は、ハウジング1100の1部分に係合して、ハウジング1100に対する伝達部材1500及び/又は挿入部材1600の遠位方向の動きを制限するように構成されたロック部材(図1及び図2では図示せず)を含み得る。例えばいくつかの実施形態では、伝達部材1500の連結部分1501が挿入部材1600に対して最大距離を動くと(例えば「最大スリップ」状態)、ロック部材が(例えばバネなどにより)動かされ、ハウジング1100の1部分に接触する。このようにしてロック部材及びハウジング1100はハウジング1100に対する伝達部材1500の遠位方向の更なる動きを防止して、望ましくない量の力が標的場所に印加されることが防止される。
[1080] 挿入部材1600の遠位端部分1602及び/又は埋入物1050が標的場所(図1及び図2には図示せず)に近接して置かれると、挿入部材1600は埋入物1050から分離され得る。例えばいくつかの実施形態では、送達装置1000は挿入部材1600を埋入物1050から分離するために挿入部材1600に対して動くように構成された第2挿入部材(図1及び図2では図示せず)を含み得る。
[1081] 伝達部材1500が挿入部材1600との接触を(非スリップ状態及びスリップ状態の両方において)保持するものとして図示されているが、他の実施形態では挿入事象の一部の間において伝達部材1500は挿入部材1600から離間してもよい。例えばいくつかの実施形態では、アクチュエータ1400は、第1方向(例えば矢印AAの方向)の力と、第1方向とは逆の第2方向の力と、を作用させるように構成され得る。例えばいくつかの実施形態では、アクチュエータ1400は、アクチュエータ1400が作動された後に第1構成(例えば非作動構成)へとアクチュエータ1400を戻すように構成された付勢部材を含み得る。かかる実施形態では伝達部材1500は、伝達部材1500がハウジング1100に対して往復運動状態で動かされるよう、アクチュエータ1400に連結され得る。このようにして、伝達部材1500は、第1方向(例えば遠位方向)に動かされるときにはアクチュエータ1400及び挿入部材1600に対して並列的に動き、第2方向(例えば近位方向)に動かされるときにはアクチュエータ1400に対しては並列的に且つ挿入部材1600に対しては相対的に動き得る。かかる実施形態では、伝達部材1500は、伝達部材1500が第2方向から動かされるとき、挿入部材1600から離間し得る。
[1082] 図1及び図2には図示しないが、いくつかの実施形態では、挿入部材1600の1部分は、ハウジング1100に対する挿入部材1600の近位方向の動きを制限するために、ハウジング1100の1部分(例えば壁部又は通路1115の1部分を規定する特徴物など)に接触して置かれ得る。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材1600は、ハウジング1100の1部分により規定された1組の戻り止め及び/又は傾斜した歯に係合するように構成された歯止めを含み得る。さらに詳述すると、歯止めと戻り止め及び/又は歯とは、近位方向の挿入部材1600の動きは制限しつつ挿入部材1600がハウジング1100に対して遠位方向に動かされることは可能となるように構成され得る。従って、伝達部材1500がハウジング1100に対して往復運動するように構成された実施形態では、伝達部材1500は、挿入部材1600を実質的に近位方向に動かすことなく、近位方向に動き得る。
[1083] 図2では連結部分1501が挿入部材1600に対して平行移動するものとして図示されているが、他の実施形態では、伝達部材1500は、アクチュエータにより作用される力が閾値を越えると変形するように構成された連結部分を含み得る。例えばいくつかの実施形態では、連結部分は1つ又は複数の応力集中部を含み得る。かかる実施形態では、伝達部材の剛性が1つ又は複数の応力集中部の場所において低下され得る。従って、伝達部材は1つ又は複数の応力集中部の場所において変形し、それにより挿入部材に伝達される力が制限され及び/又は伝達部材が挿入部材に対して動くことが可能となり得る。
[1084] 図1及び図2には図示しないが、送達装置1000は、埋入物1050を標的場所に留置することを支援するように構成された任意の好適な特徴物、システム、組立体、又はサブ組立体を含み得る。例えばいくつかの実施形態では、送達装置1000は、埋入物を送達装置1000に装填するように構成された装填部材と、標的場所に関連付けられた接触表面に、及び/又は任意の他の好適な特徴物に、送達装置を一時的に連結するように構成された真空組立体と、を含み得る。
[1085] 図1及び図2には図示しないが、いくつかの実施形態では、送達装置は、送達装置が幅広い多様な解剖学的寸法を有する患者に対応することが可能となるよう、ハウジングの遠位端部分に対して挿入部材の遠位端部分を可変距離だけ動かすように構成され得る。例えば図3は1つの実施形態に係る送達装置2000の概略図である。送達装置2000は埋入物2050を体内の標的場所へ送達するように構成される。例えばいくつかの実施形態では、送達装置2000は子宮内避妊器具(IUD)を、子宮の基底部に接触して、及び/又は子宮内に、留置するために用いられ得る。
[1086] 送達装置2000はハウジング2100、アクチュエータ2400、伝達部材2500、及び挿入部材2600を含む。ハウジング2100は、標的場所T及びTに関連付けられた表面Cに接触するように構成された接触表面2116を含み、挿入部材2600の少なくとも1部分を受容するように構成された通路2115を規定する。ハウジング2100は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態では、ハウジング2100の少なくとも1部分は、身体開口部への挿入に好適な外径を有する実質的な円筒形状であり得る。いくつかの実施形態では、ハウジング2100は、図1及び図2を参照して上に記載したハウジング1100と、及び本明細書で説明する任意の他のハウジングと、実質的に同様であり得る。従って、ハウジング2100の同様の部分については、ここでさらに詳細な説明は加えない。
[1087] 挿入部材2600の少なくとも1部分は、ハウジング2100により規定される通路2115内で移動可能に配置される。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材2600の遠位端部分2602は図3に示すようにハウジング2100の遠位端部分を越えて延長し得る。さらに挿入部材2600の遠位端部分2602は埋入物2050(例えばIUD)に着脱可能に連結され得る。このようにして埋入物2050が標的場所T及び/又はTに送達されると、埋入物2050は、挿入部材2600から解放され及び/又は取り外され得る。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材2600は、摩擦嵌合、スナップ嵌合、プレス嵌合、ねじ込み嵌合などを介して埋入物2050の1部分に連結され得る。いくつかの実施形態では、埋入物2050の少なくとも1部分は挿入部材2600の1部分(例えば埋入物の少なくとも1部分を受容し得る挿入部材2600により規定された内腔又は通路)内に配置され得る。挿入部材2600は図1及び図2を参照して上記で説明した挿入部材1600と実質的に同様であり、従って、挿入部材2600の部分についてはここでさらに詳細な説明は加えない。
[1088] 挿入部材2600の1部分は伝達部材2500の連結部分2501に(直接的に、又は間接的に)接触して置かれる。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材2600の近位端部分が伝達部材2500に接触して置かれる。他の実施形態では、挿入部材2600の近位端部分が伝達部材2500に対して近位位置に配置される(例えば伝達部材2500が近位端部以外の挿入部材2600の1部分に接触し得る)。
[1089] 伝達部材2500は、力Fの少なくとも1部分を挿入部材2600に伝達して、挿入部材2600をハウジング2100に対して動かすように構成される。さらに、以下で説明するように、伝達部材2500は、挿入部材2600の遠位端部分2602が標的場所T及び/又はT及び/又は任意の他の所望の対象に接触した場合に遠位方向における挿入部材2600の動きを制限し得る。このようにして挿入部材2500が挿入事象の間に動く距離は、患者間の解剖学的差異に対応するように変動され得る。上述のように伝達部材2500は、挿入部材2600の1部分に接触する連結部分2501を含む。伝達部材2500は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えば伝達部材2500の連結部分2501が尖ったものとして図示されているが、他の実施形態では、連結部分2501は実質的に丸くてもよい。いくつかの実施形態では、伝達部材2500は図1及び図2を参照して上述の伝達部材1500及び/又は本明細書で説明する任意の他の伝達部材と形状及び機能において同様であり得る。
[1090] 図3に示すように伝達部材2500はアクチュエータ2400に少なくとも動作可能に連結される。いくつかの実施形態では、伝達部材2500はアクチュエータ2400に直接的に連結され得る。他の実施形態では、伝達部材2500は介在構造を介してアクチュエータ2400に連結され得る。アクチュエータ2400は少なくとも伝達部材2500に力を作用させるように構成された任意の好適なアクチュエータ2400であり得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ2400は図1及び図2を参照して上述のアクチュエータ1400及び/又は本明細書で説明する任意の他のアクチュエータと形状及び機能において同様であり得る。従って、アクチュエータ2400の同様の部分については、ここでさらに詳細な説明は加えない。
[1091] 図3に示すように、アクチュエータ2400は、伝達部材2500に対して力Fを作用させて伝達部材2500をハウジング2100に対して動かすように構成される。さらに詳細にはアクチュエータ2400は、力Fを作用させて伝達部材2500を矢印CCにより示すようにハウジング2100に対して遠位方向に動かし得る。伝達部材2500の連結部分2501が挿入部材2600との接触状態にある状態で、伝達部材2500が力Fの少なくとも1部分を挿入部材2600に伝達し、挿入部材2600及び/又は埋入物2050はハウジング2100に対して矢印CCの方向に動かすことができる。かくして挿入部材2600が動かされて、埋入物2050(例えばIUDなど)が所望の標的場所に留置され得ることとなる。
[1092] 図3に示すように、ある特定の状況では標的場所Tは接触表面C(例えば子宮頸の表面など)から第1距離Dの場所にあり得る。例えばいくつかの実施形態では、第1距離Dはおよそ5センチメートルであり得る。従って、挿入事象の間、挿入部材2600がハウジング2100の接触表面2116から第1距離Dだけ延長して及び/又は動かされて、埋入物2050が標的場所Tに留置されることとなる。挿入部材2600の遠位端部分2602が標的場所Tに接触して置かれると、少なくとも伝達部材2500の連結部分2501は矢印CCの方向における挿入部材2600のさらなる動きを制限し得る。従って、埋入物2050は、標的場所Tを越えて動くことなく、及び/又は望ましくない量の力を標的場所Tに印加することなく、標的場所Tに留置され得る。例えばいくつかの実施形態では、伝達部材2500が挿入部材2600に対して動くことにより、挿入部材2600のさらなる動きが制限され得る。
[1093] 他の状況では標的場所Tは接触表面Cから第2距離Dの場所にあり得る(例えば第2患者の解剖学的構造が第1患者の解剖学的構造と異なるため)。例えばいくつかの実施形態では、第2距離Dは約13センチメートルもの長さにさえなり得る。従って、挿入事象の間、挿入部材2600は、ハウジング2100の接触表面2116から第2距離Dだけ延長して、及び/又は動いて、埋入物2050を標的場所Tに留置し得る。挿入部材2600の遠位端部分2602が標的場所T2に接触して置かれると、少なくとも伝達部材2500の連結部分2501が、矢印CCの方向における挿入部材2600のさらなる遠位方向の動きを制限し得る。従って、埋入物2050は、標的場所Tを越えて動くことなく、及び/又は望ましくない量の力を標的場所Tに印加することなく、標的場所Tに留置され得る。従って、同じ装置2000が埋入物2050をD〜Dの範囲の距離に留置するために用いられ得る。
[1094] ここでは詳述しないが送達装置2000は、図1及び図2を参照して詳述した送達装置1000と、及び/又は本明細書で図示及び説明する任意の他の送達装置と、同様に機能し得る。さらに図3には図示しないが送達装置2000は、埋入物を標的場所に留置することを支援するように構成された任意の好適な特徴物、システム、組立体、又はサブ組立体を含み得る。
[1095] 図4〜図6は1つの実施形態に係る送達装置3000を示す。送達装置3000は、埋入物3050を体内の標的場所(図示せず)へ送達するように構成される。例えばいくつかの実施形態では送達装置3000は子宮内避妊器具(IUD)を、子宮の基底部に接触して及び/又は子宮内に、留置するために用いられ得る。送達装置3000はハウジング3100、ガイド部材3300、及び挿入部材3600を含む。ハウジング3100は、以下でさらに詳細に説明するようにガイド部材3300の少なくとも1部分及び/又は埋入物3050の1部分を受容するように構成された通路3118を規定する。ハウジング3100は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態では、ハウジング3100の少なくとも1部分は、身体開口部への挿入に好適な外径を有する実質的な円筒形状であり得る。いくつかの実施形態では、ハウジング3100は、図1及び図2を参照して上述したハウジング1100及び/又は本明細書で説明する任意の他のハウジングと実質的に同様であり得る。従って、ハウジング3100の同様の部分については、ここでさらに詳細な説明は加えない。
[1096] 挿入部材3600の少なくとも1部分はハウジング3100内で移動可能に配置される。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材3600は、ハウジング3100に対して挿入部材3600を動かすように構成されたアクチュエータ及び/又は伝達部材(図4〜図6に図示せず)に動作可能に連結され得る。従って、挿入部材3600は上で詳述したように埋入物3050を標的場所に送達するために遠位方向に動かされ得る。
[1097] 図示のように、挿入部材3600は埋入物3050に着脱可能に連結され得る遠位端部分3602を含む(例えば図6参照)。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材3600は、摩擦嵌合、スナップ嵌合、プレス嵌合などを介して埋入物3050の1部分に連結され得る。いくつかの実施形態では、埋入物3050の少なくとも1部分は、挿入部材3600の1部分(例えば埋入物の少なくとも1部分を受容し得る挿入部材3600により規定された内腔又は通路)内に配置され得る。挿入部材3600は図1及び図2を参照して上述した挿入部材1600及び/又は本明細書で説明する任意の他の挿入部材と形状及び/又は機能において同様であり得る。従って、挿入部材3600の同様の部分については、ここでさらに詳細な説明は加えない。
[1098] 送達装置3000のガイド部材3300は、ハウジング3100に対して動いて埋入物3050を挿入部材3600に連結するように構成される。ガイド部材3300はハウジング3100に対して移動可能に連結される第1部分3301と、埋入物3050の部分3051に着脱可能に連結される第2部分3302と、を含む。例えばいくつかの実施形態では、ガイド部材3300がハウジング3100の長さに沿って動かされ得るよう第1部分3301の少なくとも1つの特徴物(例えばタブ、突起、フランジなど)がハウジング3100により規定される開口部(図4〜図6に図示せず)内に配置されてもよい。他の実施形態では、少なくともガイド部材3300の第1部分3301は、ハウジング3100の1部分内に配置されてもよく、ハウジング3100の1部分から離れる方向に動く(すなわち離間する)ように構成されてもよい。例えばいくつかの実施形態では、ガイド部材3300の第1部分3301はハウジング3100の長手方向中心線に対して垂直方向に動かされてもよい。他の実施形態では、第1部分3301は、ハウジング3100のそれぞれ近位表面又は遠位表面を越えて近位方向に又は遠位方向に動かされてもよい。
[1099] ガイド部材3300の第2部分3302は、ハウジング3100により規定される通路3118内で少なくとも一時的に移動可能に配置されるように構成される。第2部分3302は、第2部分3302を埋入物3050の部分3051に着脱可能に連結するように構成された任意の好適な特徴物又は機構を含み得る。例えばいくつかの実施形態では、ガイド部材3300の第2部分3302は、埋入物3050の部分3051をガイド部材3300に連結するために開放(又は拡張)構成と閉止(又は収縮)構成との間で動き得るスネアを含み得る。
[1100] ガイド部材3300は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態では、ガイド部材3300はモノリシックに構築され得る。他の実施形態では、ガイド部材3300は、少なくとも1つの部品が1つ又は複数の他の部品に対して動き得るよう、2つ以上の部品から形成され得る。例えばいくつかの実施形態では、ガイド部材3300の1部分は、埋入物3050の部分3051をガイド部材3300に連結するために第1構成と第2構成との間で動かされ得る。
[1101] 図5に示すように埋入物3050は、埋入物3050の部分3051が第2部分3302又はガイド部材3300に接触して置かれるよう矢印DDの方向に動かされ得る。例えばいくつかの実施形態では、埋入物3050はフィラメント部分(例えば部分3051など)を有するIUDであり得る。かかる実施形態では、ガイド部材3300の第2部分3302がフィラメント部分に接触して置かれ得る。ガイド部材3300(例えば第1部分3301及び/又は第2部分3302)は、埋入物3050をガイド部材3300に連結するために操作され得る。例えばいくつかの実施形態では、ガイド部材3300は、付勢部材を含み及び/又は付勢部材に動作可能に連結され得る。かかる付勢部材は(上述のように)開放構成から閉止構成へと動くように第2部分3302を付勢又は促し得る。このようにしてガイド部材3300の第2部分3302は少なくとも一時的に埋入物3050の部分3051に連結され得る。
[1102] 埋入物3050がガイド部材3300に連結されると、ガイド部材3300の第1部分3301は、図6における矢印EEにより示されるようにハウジング3100に対してガイド部材3300が動かされるよう操作され得る。ガイド部材3300動きは、埋入物3050が図6の矢印FFにより示されるようにハウジング3100に対して動き、それにより挿入部材3600の遠位端部分3602に着脱可能に連結されるものである。さらに詳細にはガイド部材3300がEE方向に動かされると、ガイド部材の第2部分3302がハウジング3100により規定された通路3118内で動かされ、埋入物3050の部分3051が、少なくとも部分的に通路3118を通って及び/又は通路3118へと引かれることとなる。
[1103] 図4〜図6に図示しないが、いくつかの実施形態では、送達装置3000は、ガイド部材3300がハウジング3100に対して動かされたときに埋入物3050の部分3051に係合するよう及び/又は部分3051を操作するように構成されたマニピュレータをさらに含み得る。例えばいくつかの実施形態では、マニピュレータは、埋入物3050の部分3051が通路3118内で、通路3118を通って及び/又は通路3118の外部で動かされたとき、部分3051を切断するように構成された組立体又は機構であり得る。さらに詳述するといくつかの実施形態ではマニピュレータは、ガイド部材3300がハウジング3100に対して動かされるとマニピュレータが埋入物3050の部分3051に対して動かされ、それにより部分3051が分断されるよう、少なくとも部分的にガイド部材3300に動作可能に連結され得る。従って、埋入物3050の部分3051はガイド部材3050から分離され得る。埋入物3050がガイド部材3300から分離された後、送達装置は、本明細書で説明する任意の好適な様式で埋入物3050を標的場所に送達するために操作され得る。例えばいくつかの実施形態では、埋入物3050はフィラメント(例えば部分3051など)を含むIUDであり得る。かかるフィラメントは、IUDが子宮の基底部内に又は基底部に留置された後にフィラメントがアクセス可能となるよう、マニピュレータにより所望の長さに切断される。
[1104] ガイド部材3300はハウジング3100の遠位端部分に配置されるものとして図示されているが、他の実施形態では、ガイド部材3300はハウジング3100の長さに沿って任意の場所に配置され得る。従って、ハウジング3100により規定される通路3118は、ガイド部材3300の第2部分3302が通路3118内に配置されるよう、ハウジング3100の長さに沿う任意の場所に配置され得る。さらに通路3118は実質的に直線状であるとして図示されているが、他の実施形態では、ハウジングは実質的に非直線状の通路を規定し得る。かかる実施形態では、ガイド部材3300の第2部分3302は通路3118を通ることができるよう十分な可撓性を有し得る。同様に、埋入物3050の部分3051も通路3118を通ることができるよう十分な可撓性を有し得る。
[1105] ここではさらに詳述しないが、送達装置3000は、埋入物を標的場所に留置することを支援するように構成された任意の好適な特徴物、システム、組立体、又はサブ組立体を含み得る。例えばいくつかの実施形態では送達装置3000は、ガイド部材3300及び/又は挿入部材3600を作動させ得るアクチュエータ組立体、及び/又は標的場所に関連付けられた接触表面に送達装置を一時的に連結するように構成された真空組立体を含み得る。
[1106] 図7及び図8は1つの実施形態に係る送達装置4000の概略図である。送達装置4000は埋入物4050を体内の標的場所(図示せず)へ送達するように構成される。例えばいくつかの実施形態では送達装置4000は子宮内避妊器具(IUD)を、子宮の基底部に接触して及び/又は子宮内に、留置するために用いられ得る。送達装置4000はハウジング4100、伝達部材4500、挿入部材4600、及びマニピュレータ4700を含む。ハウジング4100は挿入部材4600の少なくとも1部分を受容するように構成された通路4115を規定する。ハウジング4100は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態では、ハウジング4100の少なくとも1部分は、身体開口部への挿入に好適な外径を有する実質的な円筒形状であり得る。いくつかの実施形態では、ハウジング4100は、図1及び図2を参照して記載したハウジング1100と、及び/又は本明細書で説明する任意のハウジングと、実質的に同様であり得る。従って、ハウジング4100の同様の部分については、ここでさらに詳細な説明は加えない。
[1107] 挿入部材4600の少なくとも1部分は、ハウジング4100により規定される通路4115内で移動可能に配置される。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材4600の遠位端部分4602は、図3に示すようにハウジング4100の遠位端部分を越えて延長し得る。さらに挿入部材4600の遠位端部分4602は埋入物4050(例えばIUDなど)に着脱可能に連結され得る。このようにして、埋入物4050が標的場所に送達されると、埋入物4050は挿入部材4600から解放され及び/又は取り外され得る。例えばいくつかの実施形態では、挿入部材4600は、摩擦嵌合、スナップ嵌合、プレス嵌合、ねじ込み嵌合などを介して埋入物4050の第1部分4051に連結され得る。いくつかの実施形態では、埋入物4050の少なくとも1部分は挿入部材4600の1部分(例えば埋入物の少なくとも1部分を受容し得る挿入部材4600により規定された内腔又は通路)内に配置され得る。挿入部材4600は図1及び図2を参照して上で説明した挿入部材1600と実質的に同様であり、従って、挿入部材4600の部分についてはここでさらに詳細な説明は加えない。
[1108] 挿入部材4600の1部分は伝達部材4500の第1部分4503に連結され及び/又は接触する。例えば、いくつかの実施形態では、挿入部材4600の近位端部分が伝達部材4500に接触する。他の実施形態では、挿入部材4600の近位端部分は伝達部材4500に対して近位位置に配置される(例えば伝達部材4500の第1部分4503が近位端部以外の挿入部材4600の1部分に接触する)。
[1109] 伝達部材4500は、第1部分4503(上述のように挿入部材4600に接触して置かれ得る)と、本明細書でさらに詳述するようにマニピュレータ4700に接触して置かれ得る第2部分4505と、を含む。伝達部材4500は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えば伝達部材4500は実質的にU字形状であるとして図示されているが、他の実施形態では、第2部分4505が第1部分4503の表面から延長してもよく、又はその逆であってもよい。図7及び図8に図示しないが、伝達部材4500はアクチュエータに少なくとも動作可能に連結され得る。例えばいくつかの実施形態では、伝達部材4500はアクチュエータに直接的に連結され得る。他の実施形態では、伝達部材4500は介在構造を介してアクチュエータに連結され得る。アクチュエータは少なくとも伝達部材4500に力を作用させるように構成された任意の好適な機構であり得る。このようにしてアクチュエータは本明細書でさらに説明するように、伝達部材4500、挿入部材4600、及び/又は埋入物4050をハウジング4100に対して動かすために操作され得る。
[1110] マニピュレータ4700は、埋入物4050の第2部分4052に係合するために、及び/又は第2部分4052を操作するために、伝達部材4500の第2部分4505により動かされる任意の好適な特徴物又は機構であり得る。例えばいくつかの実施形態では、マニピュレータ4700は埋入物4050の第2部分4052を切断するように構成された組立体又は機構であり得る。他の実施形態では、マニピュレータ4700は、第2部分4052に係合して埋入物4050の第2部分4052に沿って応力集中部を形成し得る。さらに他の実施形態ではマニピュレータ4700は、埋入物4050の第2部分4052に係合して第2部分4052から絶縁表面を取り除き得る。
[1111] 図8に示すように、送達装置4000が標的場所(図示せず)に対して所望の位置に配置され、伝達部材4500が矢印GGにより示されるように遠位方向に動かされ得る。例えばいくつかの実施形態では、ユーザは、アクチュエータが力を作用させそれにより伝達部材4500がGG方向に動かされる(例えば図1及び図2を参照して上で記載したように)ようにアクチュエータを操作し得る。このようにして伝達部材4500の第1部分4503は挿入部材4600(及び埋入物4050)を矢印GGの方向に動かす。図8に示すように伝達部材4500の第2部分4505は、マニピュレータ4700が矢印HHの方向に動かされるようにマニピュレータ4700を作動させる。このようにしてマニピュレータ4700は埋入物4050の第2部分4052に係合し及び/又は第2部分4052を操作し得る。例えばいくつかの実施形態では、埋入物4050はフィラメント(例えば第2部分4052など)を含むIUDであり得る。かかる実施形態では、マニピュレータ4700が動かされるとフィラメントは、IUDが子宮の基底部内又は基底部に留置されたときにフィラメントがアクセス可能となるよう、所望の長さに切断され得る。送達装置4000は、埋入物4050を標的場所(図7及び図8には図示せず)に送達するために、本明細書で説明する任意の好適な方法でさらに操作され得る。
[1112] マニピュレータ4700は、図8では軸回りに回転させられて埋入物4050の第2部分4052に係合するものとして図示されているが、他の実施形態では伝達部材4500は、マニピュレータ4700を任意の好適な様式で動かすために、マニピュレータ4700に接触して置かれ得る。例えばいくつかの実施形態では、マニピュレータ4700の1部分が、ハウジング4100の1部分により規定されるトラック(図示せず)内に配置され得る。かかるトラックは通路(例えば直線状通路、曲線状通路など)を規定し、その通路に沿ってマニピュレータが動かされ得る。いくつかの実施形態では、マニピュレータ4700は所望の位置で埋入物の第2部分4052を分断するように構成され得る。他の実施形態では、マニピュレータ4700は1つ又は複数の応力集中部を形成し、かかる応力集中部において第2部分4052が破断し得る(例えばマニピュレータは第2部分4052を間接的に分断する)。
[1113] ここではさらに詳述しないが、送達装置4000は、埋入物を標的場所に留置することを支援するように構成された任意の好適な特徴物、システム、組立体、又はサブ組立体を含み得る。例えばいくつかの実施形態では送達装置3000は、伝達部材4500を作動させるように構成されたアクチュエータ組立体、標的場所に関連付けられた接触表面に送達装置を一時的に連結するように構成された真空組立体、及び/又は埋入物4050を送達装置4000に放出可能に連結するように構成されたガイド部材を含み得る。
[1114] 図9〜図63は1つの実施形態に係る送達装置5000を示す。送達装置5000は埋入物5050(例えば図61〜図63参照)を体内の標的場所へ送達することができる。例えばいくつかの実施形態では送達装置5000は子宮内避妊器具(IUD)を、子宮の基底部に接触して及び/又は子宮内に、留置するために用いられ得る。図9及び図10は第1構成(例えば使用前)にある送達装置5000の斜視図である。送達装置5000はハウジング5100(例えば図11〜図15参照)、真空組立体5200(例えば図18〜図22参照)、ガイド機構5300(例えば図23及び図24参照)、アクチュエータ組立体5400(例えば図25〜図27参照)、伝達機構5500(例えば図28〜図31参照)、挿入組立体5600(例えば図32〜図42参照)、及びカッター組立体5700(例えば図43参照)を含む。送達装置5000の構成要素に関する説明に引き続き、送達装置5000の動作の説明がなされる。
[1115] 図11〜図15に示すように、ハウジング5100は第1ハウジング部材5120(図14)及び第2ハウジング部材5140(図15)を含む。ハウジング5100及び第2ハウジング部材5140は一緒に連結され、ハウジング5100とハウジング5100の集合的な特徴物とが形成される。ハウジング5100は近位端部分5101、遠位端部分5102、ハンドル部分5103を有する。図11〜図15では特定形状を有するものとして図示されているが、他の実施形態では、ハウジング5100は任意の好適な形状、寸法、又は構成を有し得る。ハウジング5100は状態窓(又は開口部)5104及びアクチュエータストップ5109を規定する。状態窓5104は、操作者がハウジング5100内に含まれる挿入組立体5600の少なくとも1部分の状態及び/又は位置を監視することを可能にし得る。例えば状態窓5104を視覚的に点検することにより、操作者(例えば、技師、医師、看護婦など)は、挿入組立体5600が使用前に部分的に作動されているかどうかを判定し得る。他の実施形態において、状態窓5104は挿入組立体5600の遠位端部分がハウジング5100の遠位表面を越えて移動した距離に関する視覚表示を提供し得る。アクチュエータストップ5109は、アクチュエータ組立体5400の1部分の動きを制限するために、使用時にアクチュエータ組立体5400の1部分に接触して置かれ得る。
[1116] ハウジング5100はガイド機構開口部5105(図12参照)、真空組立体開口部5106、ロック状態窓5107(図12参照)、アクチュエータ開口部5108(図13参照)、真空先端開口部5110(図11参照)、及び挿入組立体開口部5111(例えば図参照)を規定する。ガイド機構開口部5105はガイド機構5300の1部分を移動可能に受容し、真空組立体開口部5106は真空組立体5200の1部分を移動可能に受容し、ロック状態窓5107は真空組立体5200の1部分の位置を視覚的に点検するための開口部を提供し、アクチュエータ開口部5108はアクチュエータ組立体5400の1部分を移動可能に受容し、真空先端開口部5110は真空先端部材5250の1部分を受容し、挿入組立体開口部5111は挿入組立体5600の1部分を移動可能に受容する。
[1117] 図14に示すように、第1ハウジング部材5120は外側表面5139並びに内側表面5124、近位端部分5121、遠位端部分5122、及びハンドル部分5123を含む。外側表面5139(図12)は実質的に滑らかな表面である。いくつかの実施形態では、外側表面5139は送達装置5000のエルゴノミクスを向上させるように構成された任意の好適なテクスチャ、仕上げ、表面、その他を含み得る。例えばいくつかの実施形態では、ハンドル部分5123における外側表面5139はユーザに対してグリップを提供するテクスチャ仕上げを含み得る。外側表面5139は、第1ハウジング部材5120を第2ハウジング部材5140に連結するために用いられる取り付け用器材(例えばネジなど)を受容し得る任意個数のアパーチャ又は開口部も規定し得る。
[1118] 第1ハウジング部材5120の内側表面5124はハンドル部分5123に沿って配置された1組の取り付け用リブ5125を含む。さらに詳細には取り付け用リブ5125は、ハンドル部分5123により規定される長手方向中心線(図示せず)に対して垂直に配列される。このようにして取り付け用リブ5123は、真空組立体5200の1部分をハウジング5100のハンドル部分5123に対して保持するために真空組立体5200(例えば図16参照)の1部分に接触して置かれ得る。図14に示すように取り付け用リブ5125は、本明細書でさらに詳述するように真空組立体5200に含まれるロックロッド5220を受容するように構成されたチャネル及び/又は一連の開口部5126の少なくとも1部分を集合的に規定する。さらに詳細には取り付け用リブ5125及び対応する第2ハウジング部材5140の取り付け用リブ5145(以下で図15を参照して説明する)が集合的にチャネルを規定する。
[1119] 内側表面5124は、バネ突起5127、トリガ突起5128、ギア突起5129、歯止め取付台5130、第1ガイドレール5131、第2ガイドレール5132、第3ガイドレール5133、第4ガイドレール5134、伝達ラック5135、及び挿入ラック5136も含む。バネ突起5127は、ロックロッドバネ5226(例えば図17参照)の1部分を受容するように内側表面5124から延長する。トリガ突起5128はアクチュエータ組立体5400に含まれるトリガ5410の旋回突起5412を移動可能に受容するように内側表面5124から延長する環状突起である。同様にトリガ5410の旋回突起5412は、トリガ突起5128の環状形状により規定されるアパーチャ内に配置される。このようにしてトリガ5410は、本明細書でさらに説明されるようにトリガ突起5128内に配置される旋回突起5412を中心に旋回し得る。同様にギア突起5129は、アクチュエータ組立体5400に含まれるギア部材5430の1部分を移動可能に受容するように内側表面5124から延長する環状突起である。このようにしてギア組立体5430は、ギア突起5128内に配置された部分を中心に回転し得る。歯止め取付台5130は、ギア突起5129に対して遠位位置に配置され、歯止め5460に連結される。さらに詳細には歯止め5460は、歯止め5460が歯止め取付台5130に対して旋回し得るよう、歯止め取付台5130に移動可能に連結される。図14には図示しないが、歯止め5460は歯止め5460の旋回運動に抵抗する(時計方向又は反時計方向に)ように構成されたバネ(例えば回転バネなど)にも連結され得る。従って、歯止め5460は本明細書でさらに説明するように、歯止め5460を旋回させる力が印加されるまで第1位置に留まり得る。
[1120] 第1ガイドレール5131、第2ガイドレール5132、第3ガイドレール5133、及び第4ガイド5134は内側表面5124から延長し、それぞれ近位端部分5121と遠位端部分5122との間で第1ハウジング部材5120の長手方向中心線に対して実質的に平行である。このようにして第1ガイドレール5131、第2ガイドレール5132、第3ガイドレール5133、及び第4ガイド5134はハウジング5100内の様々な構成要素の動きを制御するように構成される。さらに第1ガイドレール5131、第2ガイドレール5132、第3ガイドレール5133、及び第4ガイド5134は、ハウジング5100内の様々な構成要素の動きを制御するために、それぞれ第1ガイドレール5151、第2ガイドレール5152、第3ガイドレール5153、及び第4ガイドレール5154と対応、及び/又は相互作用する。例えば第1ガイドレール5131はアクチュエータ組立体5400の1部分の動きをガイドし得、第2ガイドレール5132はアクチュエータ組立体5400の1部分及び伝達機構5500の1部分の動きをガイドし、第3ガイドレール5133及び第4ガイドレール5134は挿入組立体5600の1部分の動きをガイドし得る。
[1121] 伝達ラック5135は、第2ガイドレール5132と第3ガイドレール5133との間に配置され、ハウジング5100内における伝達機構5500の動きを制限及び/又は制御するために伝達機構5500の1部分に係合するように構成された1組の歯を含む。さらに詳述すると、伝達ラック5135に含まれる歯は、各歯が非対称的である状態で、実質的に均等である。例えば伝達ラック5135に含まれる各歯は、第1傾斜を有する第1表面と、第1傾斜よりも遥かに大きい第2傾斜を有する第2表面と、を含む。伝達ラック5135における各歯は、第1表面の傾斜角が内側表面5123に対して鋭角(例えば90度未満)を形成し、その一方で第2表面の傾斜角が内側表面5123に対してより大きい角度(例えば約90度)を形成するように構成される。さらに各歯の傾斜は、各歯の高さが、第1位置における第1高さから第1位置に対して遠位にある第2位置における第2高さへと増加する。従って、本明細書でさらに詳述するように、伝達ラック5135は、ハウジング5100に対する伝達機構5500の少なくとも1部分の遠位方向の動きを可能にしながら、ハウジング5100に対する伝達機構5500の少なくとも1部分の近位方向の動きを実質的に制限し得る。
[1122] いくつかの実施形態では、伝達ラック5135の長さに沿う伝達機構5500の動き(例えば動きの量、動きを起動するに要求される力、など)は、各歯の第1表面の傾斜及び/又は第2表面の傾斜を変化させることにより制御され得る。例えば伝達ラック5135に含まれる各歯の傾斜角は、ラックの表面に沿った伝達機構の動きをさらに制御するために、選択され得る。例えば、より小さい傾斜角を有する歯の第1表面に沿って伝達機構5500を動かすために作用される力は、より大きい傾斜角を有する歯の第1表面に沿って伝達機構5500を動かすために作用される力よりも小さい。さらに伝達ラック5135は、歯の第2傾斜角を大きくすることにより、及び/又は歯の先端部(例えば第1表面と第2表面との交差部分により形成される)を丸くすることにより、歯の第2表面に沿った伝達機構5500の動きを選択的に可能にするように構成され得る。例えば伝達ラック5135に含まれる歯の第2傾斜角を鈍角(例えば90度より大きい)にすることができ、伝達ラック5135に含まれる各歯の第2表面に沿った物体の逐次的な動きが可能となる。伝達ラック5135に関して説明したが、送達装置5000に含まれるラック及び/又はラチェットのいずれかを変更及び/又は選択すると、ラック及び/又はラチェットの表面に沿った構成要素の動きが制御され得る。
[1123] 挿入ラック5136は、第3ガイドレール5133と第4ガイドレール5134との間に配置され、挿入組立体5600の1部分に係合するように構成された1組の歯を含む。伝達ラック5135について上に記載したように挿入ラック5136は、ハウジング5100に対する挿入組立体5600の少なくとも1部分の遠位方向の動きを可能にしながら、ハウジング5100に対する挿入組立体5600の少なくとも1部分の近位方向の動きを実質的に制限するように構成され得る。このようにして装置5000は、挿入組立体5600の特定部分がハウジング5100内で往復することができるが、挿入組立体5600の他の部分が単一方向に動き得るように構成される。
[1124] 第1ハウジング部材5120の内側表面5124は駆動チャネル5137及びカッターチャネル5138も規定する。駆動チャネル5137は、第1ガイドレール5131と第2ガイドレール5132との間に規定され、実質的に滑らかなチャネルであり得る(例えば駆動チャネル5137はラック、戻り止め、などを有さない)。駆動チャネル5137は、アクチュエータ組立体5400に含まれる駆動部材5440の1組のガイド突起5445(例えば図26及び図27参照)を摺動可能に受容する。このようにして駆動チャネル5137は、第1ガイドレール5131と第2ガイドレール5132との間に直線経路を規定し、この直線経路内で駆動部材5440は本明細書でさらに詳述するように動き得る。同様にカッターチャネル5138は、カッター組立体5700に含まれるカッターハウジング5710のガイド突起5712(例えば図43参照)を摺動可能に受容する。従って、カッターチャネル5138は直線経路を規定し、その直線経路内でカッターハウジング5710が移動し得る。
[1125] 図15に示すように、第2ハウジング部材5140は外側表面5170並びに内側表面5144、近位端部分5141、遠位端部分5142、及びハンドル部分5143を含む。外側表面5170(図11)は実質的に滑らかな表面である。いくつかの実施形態では、外側表面5170は、送達装置5000のエルゴノミクスを向上させ得る任意の好適なテクスチャ、仕上げ、表面、その他を含み得る。例えばいくつかの実施形態では、ハンドル部分5143における外側表面5170はユーザに対してグリップを提供するテクスチャ仕上げを含み得る。外側表面5170は、第2ハウジング部材5140を第1ハウジング部材5120に連結するために用いられる取り付け用器材(例えばネジなど)を受容し得る任意個数のアパーチャ又は開口部も規定し得る。
[1126] 第2ハウジング部材5140の内側表面5144は、ハンドル部分5143に沿って配置された1組の取り付け用リブ5145を含む。さらに詳細には取り付け用リブ5145はハンドル部分5143により規定される長手方向中心線(図示せず)に対して垂直に配列される。このようにして取り付け用リブ5143は、真空組立体5200の1部分をハウジング5100のハンドル部分5143に対して保持するために真空組立体5200(例えば図16参照)の1部分に接触して置かれ得る。図15に示すように、取り付け用リブ5145は、本明細書でさらに詳述するように真空組立体5200に含まれるロックロッド5220を受容するように構成されたチャネル及び/又は一連の開口部5146の少なくとも1部分を規定する。さらに詳細には取り付け用リブ5145及び対応する第1ハウジング部材5120の取り付け用リブ5125(上記で図14を参照して説明した)が集合的にチャネルを規定する。
[1127] 内側表面5144は、ラックガイド5147、トリガ突起5148、ギア突起5149、第1ガイドレール5151、第2ガイドレール5152、第3ガイドレール5153、第4ガイドレール5154、伝達ラック5155、及び挿入ラック5156も含む。ラックガイド5147は内側表面5144から延長し、アクチュエータ組立体5400に含まれる駆動ラック5420の1部分を受容し得る(例えば図17参照)。このようにしてラックガイド5147は、駆動ラック5420が、それに沿って及び/又はその内部で動き得る経路を提供するために、駆動ラック5420を支持し得る。トリガ突起5148はアクチュエータ組立体5400に含まれるトリガ5410の旋回突起5412を移動可能に受容するために内側表面5144から延長する環状突起である。同様にトリガ5410の旋回突起5412はトリガ突起5148の環状形状により規定されるアパーチャ内に配置される。このようにしてトリガ5410は、本明細書でさらに説明されるようにトリガ突起5148内に配置される旋回突起5412を中心に旋回し得る。同様にギア突起5149は、アクチュエータ組立体5400に含まれるギア部材5430の1部分を移動可能に受容するために内側表面5144から延長する環状突起である。このようにしてギア組立体5430は、ギア突起5148内に配置された部分を中心に回転し得る。
[1128] 第1ガイドレール5151、第2ガイドレール5152、第3ガイドレール5153、及び第4ガイド5154は内側表面5144から延長し、それぞれ近位端部分5141と遠位端部分5142との間で第2ハウジング部材5140の長手方向中心線に対して実質的に平行である。このようにして第1ガイドレール5151、第2ガイドレール5152、第3ガイドレール5153、及び第4ガイド5154はハウジング5100内の様々な構成要素の動きを制御するために構成される。さらに第1ガイドレール5151、第2ガイドレール5152、第3ガイドレール5153、及び第4ガイド5154は、ハウジング5100内の様々な構成要素の動きを制御するために、それぞれ第1ガイドレール5131、第2ガイドレール5132、第3ガイドレール5133、及び第4ガイドレール5134と対応及び/又は相互作用する。例えば第1ガイドレール5151はアクチュエータ組立体5400の1部分の動きをガイドし、第2ガイドレール5152はアクチュエータ組立体5400の1部分及び伝達機構5500の1部分の動きをガイドし、第3ガイドレール5153及び第4ガイドレール5154は挿入組立体5600の1部分の動きをガイドし得る。
[1129] 図15に示すように、第2ガイドレール5152は、近位位置から遠位位置まで第2ガイドレール5152の長さに沿って延長する1組のロックアウト戻り止め5157を含む。さらに詳細には各ロックアウト戻り止めは、1組のロックアウト戻り止め5157に含まれる他のロックアウト戻り止め5157から別個及び独立的である。1組のロックアウト戻り止め5157は、伝達機構5500に含まれるロックアウト部材5540の1部分(例えば図28参照)を選択的に受容し得る。例えば、ある特定の状況では、ロックアウト部材5540は本明細書でさらに説明するように患者の負傷を防ぐために送達事象の間に作動され得る。さらに詳細には作動されると、1組のロックアウト戻り止め5157に含まれるロックアウト戻り止めのうちの1つが本明細書でさらに説明されるように伝達機構5500がハウジング5100に対して動くことを防ぐようにロックアウト部材5540の1部分を受容し得る。
[1130] 伝達ラック5155は、第2ガイドレール5152と第3ガイドレール5153との間に配置され、ハウジング5100内における伝達機構5500の動きを制限及び/又は制御するように伝達機構5500の1部分に係合する1組の歯を含む。さらに伝達ラック5155は、伝達機構5500の動きを制限及び/又は制御するように、伝達ラック5135に対応し及び/又は協働的に機能する。さらに詳述すると、伝達ラック5155に含まれる歯は実質的に均等であり、各歯が非対称的な形状を有する。例えば伝達ラック5155に含まれる各歯は、第1傾斜を有する第1表面と、第1傾斜よりも遥かに大きい第2傾斜を有する第2表面と、を含む。伝達ラック5155の構成及び機能は第1ハウジング部材5120に含まれる伝達ラック5135の構成及び機能と同様である。従って、第2ハウジング部材5140の伝達ラック5155については、ここでさらに詳細な説明は加えない。
[1131] 挿入ラック5156は、第3ガイドレール5153と第4ガイドレール5154との間に配置され、挿入組立体5600の1部分に係合するように構成された1組の歯を含む。さらに挿入ラック5156は、挿入組立体5600の1部分の動きを制限及び/又は制御するために、挿入ラック5136に対応し及び/又は協働的に機能する。伝達ラック5155について上で記載したように挿入ラック5156は、ハウジング5100に対する挿入組立体5600の少なくとも1部分の遠位方向の動きを可能にしながらハウジング5100に対する挿入組立体5600の少なくとも1部分の近位方向の動きを実質的に制限するように構成され得る。このようにして装置5000は、挿入組立体5600の特定部分がハウジング5100内で往復し得るが、挿入組立体5600の他の部分は単一方向に動き得るように構成される。
[1132] 第2ハウジング部材5140の内側表面5144は駆動チャネル5158及びカッターチャネル5159も規定する。駆動チャネル5158は、第1ガイドレール5151と第2ガイドレール5152との間に規定され、実質的に滑らかな(例えばラックなどを含まない)チャネルであり得る。駆動チャネル5158はアクチュエータ組立体5400に含まれる駆動部材5440の1組のガイド突起5445を摺動可能に受容する。このようにして駆動チャネル5158は第1ガイドレール5151と第2ガイドレール5152との間に直線経路を規定し、この直線経路内で駆動部材5440は本明細書でさらに詳述するように動き得る。同様にカッターチャネル5159はカッター組立体5700に含まれるカッターハウジング5710のガイド突起5712を摺動可能に受容する。従って、カッターチャネル5138は直線経路を規定し得、その直線経路内でカッターハウジング5710が移動し得る。
[1133] 第2ハウジング部材5140の内側表面5144は、ハウジング5100の近位端部分に配置され且つ駆動スロット5161及びロックロッドスロット5162を規定する1組のロック突起5160を含む。さらに詳細には駆動スロット5161は駆動チャネル5158に対して実質的に平行であり、アクチュエータ組立体5400に含まれる駆動部材5440の近位端部分5441を受容し得る(例えば図17参照)。同様にロックロッドスロット5162は取り付け用リブ5145により規定されるチャネル5146に対して実質的に平行であり、真空組立体5200に含まれるロックロッド5220の遠位端部分5222を受容し得る。さらにロックロッド5220は、本明細書でさらに説明するようにロックロッド5220がロックロッドスロット5162に配置され且つ駆動部材5440が駆動スロット5161に配置されたとき(例えば図16参照)に、駆動部材5440に係合するように構成され得る。
[1134] 図16及び図17に示すように真空組立体5200の1部分はハウジング5100のハンドル部分5103内又はハンドル部分5103に配置され、真空先端5250はハウジング5100の遠位端部分5102に配置される。図18〜図22に示すように真空組立体5200は真空シリンダ5210、ロックロッド5220、係合部材5230、螺刻挿入体5235、プランジャ5240、螺刻ロッド5245、及び真空先端5250を含む。図9〜図63には図示しないが送達装置は、本明細書でさらに詳述するように真空先端5250を真空シリンダ5210に流体的に連結するように構成された任意の好適なチューブを含み得る。
[1135] 真空シリンダ5210は、近位端部分5211及び遠位端部分5212を含み、近位端部分5211と遠位端部分5212との間に内部容積5213を規定する。真空シリンダ5210は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態において真空シリンダ5210はハウジング5100のハンドル部分5103によって規定される空間に実質的に対応する形状及び寸法を有し得る。真空シリンダ5120は実質的な円筒形状(すなわち形状において)であるものとして図示されているが、他の実施形態では真空シリンダ5210は例えば、長方形、楕円形、又は任意の好適な多角形形状であり得る。真空シリンダ5210の遠位端部分5212は実質的に閉じられ、真空シリンダ5210を真空先端5250に流体的に連結するためのチューブ(図示せず)に連結され得るポート5214を含む。真空シリンダ5210近位端部分5213は、内部容積5213がプランジャ5240及び螺刻ロッド5245の少なくとも1部分を受容し得るよう開放される。
[1136] ロックロッド5220は、真空シリンダ5210に連結され、本明細書でさらに詳述するように真空シリンダ5210に対して第1(すなわちロック)位置と第2(すなわち非ロック)位置との間で動かされ得る。ロックロッドは近位端部分5221、遠位端部分5222、及び状態指標5223を含む。近位端部分5221は、タブ5255の少なくとも1部分が真空シリンダ5120の内部容積5213の近傍に配置されるよう、近位端部分5221から垂直に延長するタブ5225を含む。ロックロッドの遠位端部分5222は上述のロックロッドバネ5226の1部分を受容し得るバネ突起5224を含む。このようにしてロックロッドバネ5226は、ロックロッド5222を真空シリンダ5210に対して第1(ロック)位置に付勢及び/又は少なくとも一時的に保持し得る。遠位端部分5222は、ロックロッド5220が真空シリンダ5210に対して第1位置にあるときにロックロッドスロット5162内に配置されるようさらに構成される。さらにロックロッド5220がその第1位置にあるとき、状態指標5223はハウジング5100により規定されるロック状態窓5107に実質的に位置合わせされる。従って、ユーザはロックロッド5220の状態及び/又は位置を視覚的に検査し得る。
[1137] 真空組立体5200の係合部材5230は外側表面5231及び内側表面5232を含む。外側表面5231は1組の取り付け用スロット5233を規定する。図16及び図17に示すように各取り付け用スロット5233は第1ハウジング部材5120の取り付け用リブ5125及び第2ハウジング部材5140の取り付け用リブ5145を受容し得る。従って、第1ハウジング部材5120が第2ハウジング部材5140に連結されると、取り付け用リブ5125及び5145は取り付け用スロット5233内に配置され、ハウジング5100に対して係合部材5230を選択的に保持する。さらに詳細には取り付け用リブ5125及び5145は、係合部材5230の動きをハンドル部分5103の長手方向中心線に平行な方向に集合的に制限し得ると同時に、本明細書でさらに詳述するように係合部材5330がハウジング5100に対して回転することを可能にし得る。
[1138] 係合部材5230の内側表面5232は、螺刻挿入体5235と螺刻ロッド5245の少なくとも1部分とを受容するチャネル5234を規定する。図20に示すように螺刻挿入体5235はチャネル5234内に配置され、係合部材5230の内側表面5232とプレス嵌合を形成し得る。同様に螺刻挿入体5235はチャネル5234の1部分内で固定的に配置され得る。さらに螺刻ロッド5245は、螺刻挿入体5235のネジ山が螺刻ロッド5245のネジ山に係合するよう螺刻挿入体5235内で少なくとも一時的に配置され及び/又は係合する近位端部分5246を含む。螺刻ロッド5245は本明細書でさらに詳述するようにプランジャ5240に連結される遠位端部分5247をさらに含む。
[1139] プランジャ5240は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態では、プランジャ5240は、真空シリンダ5210の内径に直接的に関連及び/又は対応する直径を有し得る。かかる実施形態では、プランジャ5240の直径は真空シリンダ5210の内径よりもわずかに大きいものであり得る。このようにしてプランジャ5240の側部は、流体密封及び/又は気密のシールを規定するために、真空シリンダ5210の内側表面に係合し得る。いくつかの実施形態ではプランジャ5240の外側表面は、空隙を規定する1組の溝部を含み得る。それにより、真空シリンダ5210内に配置されるとき、又は真空シリンダ5210内で動かされるとき、プランジャ5240の側部は変形し(例えば平坦化され)、それにより空隙の1部分が占められる。同様に溝部は、プランジャ5240の側部が変形することを可能にする。それにより直径は小さくなり、真空シリンダ5210の内径と実質的に等しくなり得る。従って、プランジャ5240は真空シリンダ5210の内側表面に対して流体密封及び/又は気密のシールを形成し得る。
[1140] 上述のようにプランジャ5240は螺刻ロッド5245の遠位端部分5247に連結される。さらに詳細には、螺刻ロッド5245の遠位端部分5247はプランジャ5240に固定的に連結され得る。このようにして、及び本明細書でさらに詳述するように、係合部材5230を真空シリンダ5210に対して回転させられ(ハウジング5100内に配置されたときにハウジング5100に対して回転させられ)、プランジャ5240は真空シリンダ5210内で近位方向に動き得る。プランジャ5240が真空シリンダ5210の内側表面に対して実質的に流体密封及び/又は気密のシールを形成する状態で、プランジャ5240が動くと真空シリンダ5210内で負圧が生成され、それにより本明細書でさらに詳述するようにポート5214上に吸引力が作用することとなる。加えてプランジャ5240が、事前決定された距離だけ真空シリンダ5210に対して近位方向に動かされると、プランジャ5240の1部分はロックロッド5220のタブ5225に接触して置かれる。従って、近位方向(すなわち図面では下向き方向)におけるさらなる動きは、真空シリンダ5210に対してロックロッド5220をその第1位置からその第2位置へと動かす。
[1141] 上述のように真空先端5250は、ハウジング5100の遠位端部分5102に配置され、1つ又は複数のチューブ(又は他の内腔規定部材)を介して真空シリンダ5210に流体連通する。図21及び図22に示すように、真空先端5250は近位端部分5251及び遠位端部分5252を含む。真空先端5250の近位端部分5251は、真空先端5250を真空シリンダ5250に流体的に連結するためのチューブ(図示せず)に連結され得るポート5253を含む。近位端部分5251は、真空先端5250をハウジング5100に連結するためにハウジング5100の遠位表面に接触して置かれ得る取り付け用スロット5255も規定する。真空先端5250の遠位端部分5252は実質的に環状であり、挿入組立体5600の1部分を移動可能に受容し得る挿入部材開口部5258を規定する。遠位端部分5252は挿入部材開口部5258を実質的に取り囲む真空チャネル5257を規定する遠位表面5256を含む。図示のように真空先端5250は、ポート5253が真空チャネル5257に流体連通するようポート5253及び遠位表面5256を通って延長する内腔5254をさらに規定する。このようにして、プランジャが近位方向に動かされたときに負圧(すなわち吸引)が真空チャネル5257内に印加されるよう、真空シリンダ5210は真空チャネル5257に流体連通し得る。従って、遠位表面5256を身体内の表面に接触して置き、吸引力の少なくとも1部分を当該表面上に伝達して、本明細書でさらに詳述するように送達装置5000は当該表面に連結されることとなる。
[1142] 図23及び図24はガイド機構5300を示す。ガイド機構5300は基部5310、アクチベータ5320、付勢部材5330(例えば圧縮バネ)、シース5340、及びフィラメント5350を含む。ガイド機構5300は少なくとも部分的にハウジング5100内で移動可能に配置される。さらに詳細には基部5310は、ハウジング5100のガイド機構開口部5105内で移動可能に配置される(例えば図16及び図17参照)。加えてフィラメント5350の1部分は、本明細書でさらに詳述するようにフィラメント5350の遠位端部分5232がハウジング5100の遠位端部分5102を越えて少なくとも一時的に延長しそれにより埋入物5050に連結されるよう、ハウジング5100内において移動可能に配置される(例えば、図9及び図10参照)。
[1143] ガイド機構5310の基部5310は、近位端部分5311及び遠位端部分5312を含み、アクチベータ5320の1部分を受容し得る1組のスロット5314を規定する。基部5310の近位端部分5311は、係合フランジ5315を含み、開口部5313を規定する。係合フランジ5315は、基部5310をハウジング5100に対して動かすためにユーザにより操作され得る。開口部5313は、付勢部材5330及びアクチベータが第1構成(遠位端部分5322が閉止すなわち折畳構成に置かれる)と第2構成(遠位端部分5322が開放すなわち拡張構成に置かれる)との間で動き得るよう付勢部材5330及びアクチベータ5320の1部分を移動可能に受容し得る。さらに開口部5313は、近位端部分5311における開口部5313の直径よりも小さい直径を有する遠位端部分5312を通って延長し得る。このようにしてフィラメント5350の1部分は、アクチベータ5320に連結されるために基部5310の遠位端部分5312を通過し得る。この構成は、付勢部材5330が開口部5313内に配置されたときに付勢部材5330が接触する肩部も遠位端部分5312内に提供する。
[1144] アクチベータ5320は近位端部分5321及び遠位端部分5322を含む。近位端部分5321はアクチベータ5320を基部5310に対して動かすためにユーザにより操作され得る係合フランジ5324を含む。アクチベータ5320の遠位端部分5322は分岐し、基部5310により規定されるスロット5314内で移動可能に配置され得る1組のタブ5323を含む。さらに詳述するとアクチベータ5320の遠位端部分5322を分岐することにより、遠位端部分5322は、少なくとも遠位端部分5322が開口部5313に挿入されることが可能となるよう、変形し得る。タブ5323が基部5310のスロット5314内に配置されると、遠位端部分5322はその未変形構成へと戻ることが可能となり、それによりアクチベータ5320が基部5310内に保持されることとなる。この構成は、付勢部材5330からの力がアクチベータ5320上に作用されたときにアクチベータ5320が基部5310から分離すること及び/又は脱出することを防ぐ。加えて、タブ5233の近位表面が係合フランジの遠位表面に接触して置かれると、アクチベータ5320は基部5310に対して動くことが制限されることとなる。
[1145] シース5340は近位端部分5341及び遠位端部分5342を含む。フィラメント5350がシース5340に対して動き得るよう、シース5340はフィラメント5350の少なくとも1部分の周りに配置され得る。シース5340の近位端部分5341は基部5310の遠位端部分5322に連結される。シース5340の遠位端部分5342は、本明細書でさらに詳述するように、フィラメント5350がシース5340に対して動かされたときにフィラメント5350の1部分を操作するように及び/又はかかる1部分に作用するように構成され得る。
[1146] フィラメント5350は近位端部分5351及び遠位端部分5232を含む。フィラメント5350は任意の好適な材料から形成され得る。このようにしてフィラメント5350は、ハウジング5100及び/又は挿入組立体5600により規定される曲線状経路内に配置されるよう十分に柔軟であり得る。例えばいくつかの実施形態では、フィラメント5350は、非直線状のハウジング5100により規定される通路内に配置され、さらにカッター組立体5700及び/又は挿入組立体5600の1部分を通って及び/又はかかる1部分に近接して通され得る。フィラメント5350の近位端部分5351はガイド機構5300のアクチベータ5320に連結される。従って、フィラメント5350はアクチベータ5320と一緒にハウジング5100及び/又はシース5340に対して動かされ得る。フィラメント5350の遠端部分5352は少なくとも一時的にハウジング5100の遠位端部分及び挿入組立体5600の遠位端部分を越えて延長し、埋入物5050に連結され得る。例えば図23及び図24に示すように、フィラメント5350の遠位端部分5352は埋入物5050(例えばIUDの回収用フィラメントなど)の1部分を受容し得るスネア5353(例えばループなど)を形成する。さらに詳述すると、ユーザは、アクチベータ5320を遠位方向に動かしそれにより付勢部材5330を圧縮構成を置くためにアクチベータ5320を操作し得る。加えてアクチベータ5320の遠位方向の動きはフィラメント5350をシース5340に対して遠位方向に動かし、それによりスネア5353はシース5340の遠位端部分5342を越えて動き、開放(すなわち拡張)構成となり得る。埋入物5050の1部分がスネア5353内に配置されるとユーザはアクチベータ5320を分離させ、付勢部材5330はその非圧縮構成へと動き得る。従って、フィラメント5350はシース5340に対して近位方向に動き、シース5340の遠位端部分5342は、スネア5353を閉止(すなわち折畳)構成へと動かすためにスネア5353に係合し得る。それにより、本明細書でさらに詳述するように埋入物5050の1部分がフィラメント5350に連結されることとなる。
[1147] 図25〜図27はアクチュエータ組立体5400を示す。アクチュエータ組立体5400はトリガ5410、駆動ラック5420、ギア部材5430、及び駆動部材5440を含む。アクチュエータ組立体5400は、伝達部材5500上に力を作用させそれにより装置5000を作動させるために(本明細書で説明するように)ユーザにより操作され得る。さらに詳細にはアクチュエータ組立体5400は、駆動部材5440が伝達部材5500の1部分に接触し且つトリガ5410の1部分がハウジング5100により規定されるアクチュエータ開口部5108を通って延長する(例えば図9、図10、及び図13参照)よう、ハウジング5100内に配置される(例えば図16及び図17参照)。従って、ユーザは本明細書でさらに詳述するように、アクチュエータ組立体5400を作動させるためにトリガ5410に係合し、ハウジング5100に対して伝達部材5500を動かし得る。
[1148] アクチュエータ組立体5400のトリガ5410は、係合部分5411及び旋回突起5412を含み、駆動ラックチャネル5414及びスロット5416を規定する。トリガ5410は、係合部分5411がアクチュエータ開口部5108を通ってハウジング5100の外部に延長するよう、部分的にハウジング5100内に配置される。上述のように旋回突起5412は、第1ハウジング部材5120のトリガ突起5128により規定されるアパーチャ及び第2ハウジング部材5140のトリガ突起5148により規定されるアパーチャ内で回転可能に配置され得る。このようにしてトリガ突起5128及びトリガ突起5148は、トリガ5410の直線運動を集合的に制限し、トリガ5410の旋回運動を集合的に可能にし得る。
[1149] 係合部分5411がハウジング5100の実質的に外部に配置された状態で、ユーザはトリガ5410の係合部分5411に係合して、アクチュエータ組立体5400を作動させ得る。図25には図示しないが、トリガ5410の係合部分5411はトリガ5410のエルゴノミクスを向上させるように構成された任意の好適なテクスチャ、仕上げ、表面、その他を含み得る。同様に係合部分5411はトリガ5410のエルゴノミクスを向上させるように構成された任意の好適な形状であり得る。例えば図25に示すように係合部分5411は、ユーザがトリガ5410を把持したときのユーザの指の配置に対応し得る1つ又は複数の凹陥部、戻り止め、及び/又は輪郭を規定し得る。
[1150] トリガ5410の駆動チャネル5414は駆動ラック5420を移動可能に受容する。同様に駆動ラック5420は、駆動チャネル5414内に配置されたとき、トリガ5410に対して動き得る。駆動チャネル5414は任意の好適な構成であり得る。例えば駆動チャネル5414は実質的に円弧状であり、その曲率半径は、トリガ5410が動かされたときに第2ハウジング部材5140に含まれるラックガイド5147(例えば図15及び図17参照)の表面に沿って駆動ラック5410が直線経路状に動くことが可能となるよう十分に大きいものであり得る。
[1151] トリガ5410は、駆動チャネル5414に延長し及び/又は駆動チャネル5414を少なくとも部分的に規定するギア部分5415も含む。ギア部分5415は円弧状部分であり、各歯が実質的に対称的な状態である実質的に均等な1組の歯を含む。使用時にギア部分5415が駆動ラック5420の1部分に係合し、それにより駆動ラック5420はラックガイド5147により規定される直線経路に沿って進む。例えば図25に示すように駆動ラック5420は各歯が実質的に対称的な状態である実質的に均等な1組の歯を含む。このようにして駆動ラック5420は、駆動ラック5420の歯がギア部分5415の歯と噛み合う(例えば駆動ラック5420の少なくとも1つの歯がギア部分5415の隣接する歯の間に規定される空間内に配置される)ように駆動チャネル5414内に配置され得る。従って、ユーザがトリガ5410を操作して旋回突起5412を中心にトリガ5410を旋回させたとき、ギア部分5415が逐次的に駆動ラック5420の歯に係合し、それにより駆動ラック5420がラックガイド5147の表面により規定される直線経路に沿って進むこととなる。
[1152] 図25には図示しないがトリガ5410は突起又はフックを含み得る。この突起又はフックはトリガバネに連結され、このトリガバネはハウジング5100の1部分に連結される。このようにしてトリガバネは、トリガ5410がユーザにより操作された後、トリガ突起5128及び5148内で、及び/又はトリガ突起5128及び5148を中心にトリガ5410を旋回させるように構成され得る。例えばユーザが係合部分5411上に力を作用させることによりトリガ5410を操作(例えばトリガ5410を握る)してトリガ5410が第1位置から第2位置に向かって(例えばハウジング5100のトリガストップ5109に向かって)旋回し、それによってトリガバネは伸張状態に置かれることとなる。トリガ5410がトリガストップ5109に接触して置かれた後に、ユーザが力の少なくとも1部分を取り除く(例えばより小さい力でトリガ5410を握るか、又はトリガ5410を開放することにより)と、トリガバネが力(例えば拡張構成から休止、圧縮構成へと動くトリガバネの運動エネルギー)をトリガ5410上に作用させ得る。それにより、トリガ5410はトリガストップ5109から第1位置に向かって旋回することとなる。従って、トリガ5410は以下でさらに詳述するように、アクチュエータ組立体5400を作動させるために反復的に操作されることが可能となる。
[1153] ギア部材5430は、駆動ラック5420に係合するように構成されたラックピニオン5431と、駆動部材5440に係合するように構成された駆動ピニオン5432と、を含む。上述のようにギア部材5430の1部分は、ラックピニオン5431が駆動ラック5420に接触し且つ駆動ピニオン5432が駆動部材5440に接触するよう、第1ハウジング部材5120のギア突起5129及び第2ハウジング部材5140のギア突起5149により規定されるアパーチャ内で移動可能に配置される。ラックピニオン5431は、各歯が実質的に対称的な状態である実質的に均等な1組の歯を含む。同様に駆動ピニオン5432は、各歯が実質的に対称的な状態である実質的に均等な1組の歯を含む。さらに図25に示すようにギア部材5430は、ラックピニオン5431の直径が駆動ピニオン5432の直径よりも小さくなるように構成される。従って、ラックピニオン5431の歯数は駆動ピニオン5432の歯数よりも少ない(例えば、ギア部材5430はギア減速を画定する。なおギア減速においては、ラックギア5431の完全な回転に対応する直線運動の結果として、駆動ギア5432の完全な回転に対応する直線運動の量はより小さくなる)。従って、ギア部材5430の出力トルク及び/又は駆動ラック5420と駆動部材5440との直線運動の比は、ラックピニオン5431と駆動ピニオン5432との間の直径の比を増減させること(従って、ラックピニオン5431及び/又は駆動ピニオン5432に含まれる歯数を増減させること)により制御され得る。
[1154] 上述のようにラックピニオン5431は駆動ラック5420に係合する。さらに詳細にはラックピニオン5431の歯は、駆動ラック5420がラックガイド5147により規定される直線経路に沿って動かされるときにラックピニオン5431の歯が駆動ラック5420の歯に沿って逐次的に進むよう、駆動ラック5431の歯と噛み合うように構成される。従って、駆動ラック5420の動きは、ギア突起5129及びギア突起5149により規定されるアパーチャにより規定される軸内で及び/又はかかる軸を中心に、ギア部材5430を回転させる。さらに駆動ピニオン5432が駆動部材5440の1部分に接触する状態で、本明細書でさらに詳述するように駆動ピニオン5432は駆動部材5440の表面に沿って回転される。
[1155] アクチュエータ組立体5400の駆動部材5440は第1位置(例えば近位位置)と第2位置(例えば遠位位置)との間でハウジング5100内で動くように構成される。同様に駆動部材5440はハウジング5100内で往復するように構成される。図26及び図27に示すように駆動部材5440は第1側部(すなわち表面)5441及び第2側部(すなわち表面)5442と近位端部分5443及び遠位端部分5444とを有する。第1側部5441(例えば頂側部)は1組のガイド突起5445を含む。ガイド突起5445は、第1ハウジング部材5120の駆動チャネル5137及び第2ハウジング部材5140の駆動チャネル5158内で移動可能に配置されるように構成される。従って、駆動部材5440の動きは駆動チャネル5137及び駆動チャネル5158により規定される経路に実質的に限定され得る。同様に内側表面5124の第1ガイドレール5131及び第2ガイドレール5132と内側表面5144の第1ガイドレール5151及び第2ガイドレール5152とがガイド突起5445に係合し、それにより他のいかなる方向における動きも実質的に制限しながら、駆動部材5440は近位方向及び遠位方向に動くことが可能となる。
[1156] 図27に示すように第2側部5442(例えば底側部)はアクチュエータラック5450及び係合ラック5452を含む。アクチュエータラック5450は、各歯が実質的に対称的な状態である実質的に均等な1組の歯を含む。アクチュエータラック5450の歯は駆動ピニオン5432の歯と噛み合うように構成される。従って、トリガ5410がユーザにより操作されると、駆動ラック5420はラックガイド5147により規定される直線経路に沿って進み、ギア部材5430を回転させる。その結果、ギア部材5430はアクチュエータラック5450に沿って進められる、及び/又はアクチュエータラック5450内で回転されることとなる。ギア部材5430がギア突起5129及びギア突起5149により規定されるアパーチャ内に配置された状態において、駆動ピニオン5432の回転は駆動部材5440をギア部材5430に対して動かす。さらにトリガ5410により規定されるスロット5416は、アクチュエータラック5450が通って動き得る空間を提供するように構成される。従って、トリガ5410がその第1位置からその第2位置に向かって(例えばハウジング5100のトリガストップ5109に向かって)動かされると、駆動部材5440が遠位方向に進められることとなる。本明細書でさらに詳述するように、トリガがその第2位置からその第1位置に向かって動かされると駆動部材5440は近位方向に動かされることとなる。
[1157] 係合ラック5452は、駆動部材5440の第2側部5442により規定される凹陥部5451内に配置される。係合ラック5452は、各歯が実質的に対称的な状態である実質的に均等な1組の歯を含む。駆動部材5440がハウジング5100に対して動かされると係合ラック5452が歯止め5460に対して動かされるよう、係合ラック5452の歯は歯止め5460(上述)に接触して置かれ得る。このようにして歯止め5460及び係合ラック5452は、本明細書でさらに詳述するようにハウジング5100に対する駆動部材5440の動きを集合的に制御するように構成され得る。
[1158] 駆動部材5440の近位端部分5443はロックロッドスロット5446を規定する。ロックロッドスロット5446は、上述のように駆動部材5440がその第1位置にあり且つロックロッド5220が真空シリンダ5210に対してその第1位置にあるとき、ロックロッド5220の遠位端部分5222を受容する。さらに詳細には、駆動部材5440の近位端部分5443は、駆動部材5440のロックロッドスロット5446が第2ハウジング部分5140により規定されるロックロッドスロット5162に位置合わせされるよう、第2ハウジング部分5140により規定される駆動スロット5161内に配置される。従って、ロックロッド5220は、ロックロッド5220が真空シリンダ5210に対してその第1位置にあるとき(例えば図16及び図17参照)、駆動部材5220をその第1位置に保持し得る。このようにして駆動部材5440の動きは、真空シリンダ5210が完全に作動されていない(ロックロッド5220がその第2位置にある)とき、制限及び/又は阻止される。
[1159] 駆動部材5440の遠位端部分5444はプッシュアーム(又は歯止め)5447及び係合アーム5448を含む。プッシュアーム5447は、本明細書でさらに詳述するように伝達機構5500を遠位方向に動かすために伝達部材5500の1部分に接触して置かれ得る。係合アーム5448は、伝達機構5500の1部分により規定される係合スロット5523(例えば図30参照)内で移動可能に配置される係合突起5449を含む。このようにして係合突起5449は、本明細書でさらに詳述するように、駆動部材5440に対する伝達機構5500の遠位方向の動きを制限するために、及び/又は伝達機構5500をハウジング5100に対して近位方向に動かすために、係合スロット5523を規定する1組の壁部に接触して置かれ得る。
[1160] 図28〜図31は伝達機構5500を示す。伝達機構5500はハウジング5100内に配置され(例えば図16及び図17参照)、アクチュエータ組立体5400が作動されるとアクチュエータ組立体5400の駆動部材5440により動かされ得る。このようにして伝達機構5500はアクチュエータ組立体5400により作用された力の少なくとも1部分を挿入組立体5600に伝達し、埋入物5050を標的場所に送達することを支援し得る。伝達機構(又は組立体)5500は伝達部材5510及びロックアウト部材5540を含む。別個に構築された2つの構成要素から構築されたものとして図示されているが、他の実施形態では、伝達機構は単一の部品及び/又はモノリシックに構築された部品であり得る。
[1161] 図29及び図30に示すように伝達部材5510は第1側部5511及び第2側部5512と、近位端部分5513及び遠位端部分5514とを有し、チャネル5524を規定する。本明細書でさらに詳述するように挿入組立体5600に含まれる担持体5610は、担持体が伝達部材5510と並列的に動き得るよう、部材5510の第1側部5511上に、及び/又は第1側部5511に接触して、配置される。さらに担持体5610は、チャネル5524内で移動可能に配置される取り付け突起5623を含む(例えば図36参照)。
[1162] 第1側部5511(例えば頂側部)は1組のガイド突起5515、1組の後退突起5516、及び取り付け用突起5519を含む。第1側部5511はバネスロット5517、凹陥部分5518、及びノッチ5520も規定する。ガイド突起5515は、第1ハウジング部材5120の第2ガイドレール5132の表面(例えば頂部表面)上及び第2ハウジング部材5140の第2ガイドレール5152の表面(例えば頂部表面)上で移動可能に配置されるように構成される。従って、駆動部材5440の動きは第2ガイドレール5132の表面及び第2ガイドレール5152の表面に沿った経路に実質的に限定され得る。
[1163] 後退突起5516は、伝達部材5510の対向する横方向側部(例えば左側部及び右側部)から延長し、第1ハウジング部材5120の伝達ラック5135及び第2ハウジング部材5120の伝達ラック5155に接触する。上述のように伝達ラック5135及び伝達ラック5155のそれぞれは、後退突起5516に接触して、ハウジング5100に対する伝達部材5510の近位方向の動きを制限する、1組の非対称的な歯を含む。例えば伝達ラック5135及び5155は、後退突起5516と伝達ラック5135及び5155の第2表面(上述)との間の摩擦力及び/又は係合に打ち勝つように十分に大きい力が印加されるまで、ハウジング5100内における伝達部材5510の近位方向の動きを制限し得る。同様に、後退突起5516が伝達ラック5135及び5155から離脱するように後退突起5516を変形させる(例えば塑性的に又は弾性的に)のに十分に大きい力を印加することができる。従って、後退突起5516を変形させるために要求される力の量を、後退突起5516の可撓性を増減させること(例えば断面積を大きくすること、切れ目を加えること、又は剛性がより大きい材料もしくはより小さい材料から後退突起5516を形成することなど)により制御することができる。この構成は、伝達部材5510がハウジング5100内で遠位方向に動くこと(例えば埋入物5050を埋入するために)は可能にする一方で、少なくとも一定の運動範囲ではハウジング5100内における伝達部材5510の近位方向の動きを制限し得る。
[1164] 取り付け用突起5519は伝達部材5510の第1側部5511の凹陥部表面5518から延長する。凹陥部表面5518及び取り付け用突起5519のそれぞれがロックアウト部材5540の1部分を受容し、及び/又はロックアウト部材5540の1部分に係合する(例えば図28及び図31参照)。さらに詳細には、取り付け用突起5519は本明細書でさらに詳述するようにロックアウト部材5540により規定されるアパーチャ5541内に配置される。ノッチ5520は伝達部材5510の外側側部上に配置され、図28に示すようにロックアウト部材5540のロック突起5542を受容する。バネスロット5517は、本明細書でさらに詳述するように挿入組立体5600の担持体5610と伝達部材5510との間で最大量の「スリップ」が発生したときにロックアウト部材5440を第1構成と第2構成との間で動かすように構成された付勢部材(図示せず)の1部分を受容する。さらに詳細には付勢部材(板バネであり得る)は、ある特定の状況下で、ロックアウト部材5440が伝達部材5510に対して取り付け用突起5519を中心にして回転するようロックアウト部材5540上に力を作用させる。
[1165] 図30に示すように伝達部材5510の第2側部5512(例えば底側部)は、駆動部分5521及びスリップ表面5522を含み、係合スロット5523を規定する。駆動部分5521は各歯が非対称的な状態である実質的に均等な1組の歯を有するラックを含む。さらに詳述すると駆動部分5521に含まれる各歯は、第2表面5526の傾斜角よりも大きい傾斜角を有する第1表面5525を含む。例えばいくつかの実施形態では、第1表面5525の傾斜角はおよそ90度であり、その一方で第2表面5526の傾斜角は90度よりはるかに小さい(がゼロよりも大きい)。さらに第1表面5525は第2表面5526に対して近位位置に配置され得る。従って、駆動部分5521に含まれる各歯は、遠位端部分における高さよりも大きい高さを近位端部分において有する。このようにして駆動部材5440のプッシュアーム5447が、駆動部分5521に含まれる歯の第1表面5525に接触して置かれると、上述のように駆動部材5440が遠位方向に動かされたとき伝達部材5510は遠位方向に動かされ得る。従って、駆動部分5521に含まれる各歯の第1表面5525は、第1表面5525に接触して置かれたときプッシュアーム5447がスリップしない(すなわち接触を保持する)ように十分に大きさものであり得る。さらに第2表面5526の傾斜は、駆動部材5440が近位方向に動く(例えばトリガ5410がその第2位置からその第1位置に戻る)ときにプッシュアーム5447が駆動部分5521に含まれる歯の第2表面に沿って逐次的に動き得るよう、十分に小さいものであり得る。
[1166] 係合スロット5523は、駆動部材5440の係合アーム5448に含まれる係合突起5449を移動可能に受容する。このようにして係合突起5449は、伝達部材5500が、事前決定された範囲内で駆動部材5440に対して動かされる(又はその逆)とき、係合スロット5523内で動き得る。駆動部材5540が伝達部材5500に対して事前決定された量だけ近位方向に動くと、本明細書でさらに詳述するように、係合スロット5523の1部分を規定する近位壁部は係合突起5449に接触して置かれ、それにより伝達部材5510は駆動部材5440に対して選択的に保持される。同様に伝達部材5500が駆動部材5540に対して遠位方向に動くと、係合突起5449は伝達部材5500と駆動部材5540との間での接触を保持する。この構成では、駆動部材5540の近位方向の動きの結果として伝達部材5500の近位方向の動きが生じる。
[1167] 伝達部材5510のスリップ表面5522は、挿入組立体5600に含まれるスリップ部材5630に接触して選択的に置かれる(例えば図35及び図36参照)。この構成は、駆動部材5540から挿入組立体5600へ伝達される力の量を制限し、伝達部材5510と挿入組立体5600との間の選択的相対運動を可能にし得る。図30に示すようにスリップ表面5522は1組の戻り止めを含む。戻り止めは任意の好適な構成であり得る。例えば図示のように、戻り止めは半円形であり得る。かかる実施形態では戻り止めの曲率半径及び/又は隣接する戻り止め間の縁部の曲率半径が増減されることにより、本明細書でさらに詳述するようにスリップ部材5630をスリップ表面5522に沿って動かすために作用される力の量が制御され得る。半円形として図示されているが、他の実施形態では、戻り止めは駆動部分5521と同様の様式で構成され得る(例えばラックとして構成され得る)。かかる実施形態では歯の傾斜角が増減されることにより、スリップ部材5630をスリップ表面5522に沿って動かすために作用される力の量が制御され得る。
[1168] 図32〜図42は挿入組立体5600を示す。挿入組立体5600の少なくとも1部分はハウジング5100内に配置される(例えば図16及び図17参照)。さらに伝達機構5500は、本明細書でさらに詳述するように、挿入組立体5600を、及び/又は挿入組立体5600に含まれる部分を、遠位方向に動かして埋入物5050を標的場所に送達するために、挿入組立体5600の1部分に係合され得る。挿入組立体5600は担持体5610、スリップ部材5630、係合部材5640、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、遠位シース5670、及び状態部材5690を含む。
[1169] 図33及び図34に示すように担持体5610は、第1側部5611及び第2側部5612と、近位端部分5613及び遠位端部分5614とを有する。第1側部5611(例えば頂側部)は1組のガイド突起5615、指標突起5620、及び連結部分5617を含む。第1側部5611はチャネル5616も規定し、チャネル5616内にタブ5619が配置される。第2側部5612(例えば底側部)は、1組のガイド突起5621及び取り付け突起5623を含み、凹陥部5622を規定する。
[1170] 図示のように担持体5610は、第1側部5611のガイド突起5615が第2側部5612のガイド突起5621に位置合わせされてガイド突起5615とガイド突起5621との間にガイドスロット5624が規定されるように構成される。このようにして担持体5610は、第1ハウジング部材5120の第3ガイドレール5133及び第2ハウジング部材5140の第3ガイドレール5153がガイドスロット5624内に配置されるよう、ハウジング5100内に配置され得る。同様に第3ガイドレール5133及び5153は、第1側部5611のガイド突起5615が第3ガイドレール5133及び5153の第1側部上に配置され、第2側部5612のガイド突起5621が第3ガイドレール5133及び5153の第2側部上に配置されるよう、ガイドスロット5624内に配置され得る。このようにして担持体5610は近位方向及び遠位方向に動き得るとともに、他のいかなる方向に動くことも制限され得る。
[1171] 第1側部5611の連結部分5617は、プッシュロッド5650の1部分及びプッシュロッドチューブ5660の1部分を受容する開口部5618を規定する。さらに詳細にはプッシュロッドチューブ5660の近位端部分5661は、本明細書でさらに詳述するように、連結部分5617により規定される開口部5618内に固定的に配置され、プッシュロッド5650の近位端部分5651は連結部分5617及びプッシュロッドチューブ5660の近位端部分5661を通って延長し、係合部材5640に連結し得る。本明細書でさらに詳述するようにチャネル5616は、プッシュロッド5650及び係合部材5640が近位位置と遠位位置との間で動き得るよう、プッシュロッド5650の近位端部分5651及び係合部材5640を受容するように構成される。タブ5619は、本明細書でさらに詳述するように、係合部材5640に選択的に係合するようにチャネル5616の表面から延長する。指標突起5620はユーザが挿入組立体5600の状態を視覚化することを可能にするように構成される(例えば指標突起5620が識別可能な色(例えばグリーンなど)であり得る)。例えば挿入組立体5600が埋入物5050を送達するための最終的位置へと動かされたときに、指標突起5620が状態部材5690に位置合わせされ、ユーザに対して視覚表示が提供される(例えば上述の状態窓5104を通して)。
[1172] 取り付け部分5623は担持体5610の第2側部5612から延長するように構成され、スリップ部材5630の連結部分5632に連結される。さらに担持体5610が伝達部材5510上に配置されると、取り付け部分5623は、伝達部材5510により規定されるチャネル5524を通って延長するように構成される。例えば図36に示すように、担持体5610は伝達部材5510の第1側部5511上に配置され、スリップ部材5630は伝達部材5510の第2側部5512上に配置される。このようにして取り付け突起5623は伝達部材5510により規定されるチャネル5524を通って延長し、スリップ部材5630の連結部分5632に連結され得る。さらに取り付け突起5623は「スリップ」状態の間、チャネル5624内で動き得る。スリップ部材5631は、伝達部材5520のスリップ表面5522に接触する半径部分5631を含む。このようにして閾値を越える力が伝達機構5500上に作用される(すなわち駆動部材5440から)と、かかる力の1部分のみが駆動部材5440及び/又は伝達機構5500から挿入組立体5600に伝達される(又は力がまったく伝達されない)よう、伝達機構5500は担持体5610及びスリップ部材5630に対して動き得る。この力閾値は、スリップ表面5522により規定される戻り止めの半径及び/又はスリップ部材5630の半径部分5632の半径を増減させることにより、制御及び/又は調節され得る(例えばより大きい半径はより小さい力閾値に対応する)。いくつかの実施形態ではこの力閾値は、スリップ部材5530の剛性を増減させることにより、制御され得る(例えばより剛性が大きいスリップ部材5630はより大きい力閾値に対応する)。従って、望ましくない量の力が標的場所に印加されることが防止され得る。
[1173] 図37に示すように状態部材5690は近位端部分5691及び遠位端部分5692を有し、第1状態部分5693、第2状態部分5694、及び保持突起5696を含む。状態部材5690は担持体5610の第1側部5611上に移動可能に配置され得る。さらに詳細には状態部材5690は、状態部材5690が担持体5610の第1側部5611上に配置されたときに指標突起5620の近傍に配置されるように構成されたチャネル5697を規定する。さらに状態部材5690は、第1ハウジング部材5120の第4ガイドレール5134及び第2ハウジング部材5140の第4ガイドレール5154の近傍に配置され得る1組のガイドスロット5695を規定する。このようにして第4ガイドレール5134及び5154は、状態部材5690が他のいかなる方向に動くことも制限しながら、状態部材5690が近位方向及び遠位方向に動くことを可能にする。さらに保持タブ5696は、ハウジング5100に対して動くことに抵抗するようにハウジング5100の表面に係合し得る。例えば保持タブ5696は、ハウジング5100と保持タブ5696との間に摩擦力が存在するようハウジング5100の表面上に力を作用させ得る。従って、状態部材5690をハウジング5100に対して動かすためには、保持タブ5696とハウジング5100の表面との間の摩擦力に打ち勝つよう十分に大きい力を作用させることができる。
[1174] 第1状態部分5693は、ユーザが挿入組立体5600の状態を視覚化することを可能にするように構成される。さらに詳細には第1状態部分5693は、挿入組立体5600が埋入物5050を送達すべき最終位置にはない旨の視覚表示を提供する。例えば第1状態部分5693は識別可能な色(例えば黒又は赤など)であり得る。状態部材5690の第2状態部分5694は、挿入組立体5600が最終位置に動かされたときに指標突起5620に位置合わせされるように構成された実質的に透明な部分であり得る。このようにして指標突起5620が第2状態部分5694及び状態窓5104を通して視覚化され得る。さらに挿入組立体5600が最終構成にあるとき、第1状態部分5693は、第1状態窓5193が視覚化されないよう状態窓5104に対して配置され得る。
[1175] 図38及び図39に示すように係合部材5640は近位端部分5641及び遠位端部分5641を有し、これらの近位端部分と遠位端部分とを通る開口部5643を規定する。開口部5643はプッシュロッド5650の近位端部分5651を受容するように構成される。例えばいくつかの実施形態ではプッシュロッド5650及び開口部5643を規定する1組の壁部は、プッシュロッド5650が係合部材5640に固定的に連結されるよう摩擦嵌合を形成し得る。このようにして係合部材5640は、本明細書でさらに詳述するように、プッシュロッド5650をプッシュロッドチューブ5660に対して動かすよう機能し得る。
[1176] 係合部材5640は、1組の後退突起5644と凹陥部5646を規定するスレッジ部分5645とをさらに含む。後退突起5644は、係合部材5640の対向側部から延長して、第1ハウジング部材5120の挿入ラック5136及び第2ハウジング部材5120の挿入ラック5156に接触する。上述のように挿入ラック5136及び挿入ラック5156のそれぞれが、後退突起5644に接触することによりハウジング5100に対する係合部材5640の近位方向の動きを制限する非対称的な歯を含む。例えば挿入ラック5136及び5156は、後退突起5644と挿入ラック5136及び5156の第2表面(上述した)との間の摩擦力に打ち勝つよう十分に大きい力が印加されるまで、係合部材5640の近位方向の動きを制限し得る。同様に、後退突起5644は挿入ラック5136及び5156から分離し得るように、後退突起5644を変形(例えば塑性的に又は弾性的に)させるために十分に大きい力を印加することができる。従って、後退突起5644を変形させるために要求される力は、後退突起5644の可撓性を増減させること(例えば断面積を大きくすること、切れ目を加えること、又は剛性がより大きい材料もしくはより小さい材料から後退突起5644を形成することなど)により制御され得る。
[1177] スレッジ部分5645は、タブ5619がスレッジ部分5645の凹陥部5646内に少なくとも一時的に配置されるよう担持体5610により規定されるチャネル5616内に配置される。さらに係合部材5640は、スレッジ部分5645がチャネル5616内で動くよう、担持体5610に対して動き得る。例えば本明細書でさらに詳述するように駆動部材5410は、伝達機構5510及び担持体5610を近位方向に動かすように構成され得る。後退突起5644が挿入ラック5136及び5156に接触する状態において、係合部材5640はハウジング5100に対して固定位置に保持されるとともに、伝達機構5500及び担持体5610はハウジング5100に対して近位方向に動かされ得る。かかる事例では、担持体5610が再び遠位方向に動かされたときタブ5619がスレッジ部分5645の表面に係合して係合部材5640を担持体5610とともに遠位方向に動かし得るよう、係合部材5640のスレッジ部分5645はタブ5619に対して遠位方向に動かされる。従って、係合部材5640は、本明細書でさらに詳述するように担持体5610に対して第2位置に動かされ得る。
[1178] プッシュロッド5650は近位端部分5651及び遠位端部分5652を含む(例えば図32参照)。プッシュロッド5650は任意の好適な形状、寸法、又は構成であり得る。例えばいくつかの実施形態では、プッシュロッド5650は実質的に中実の棒状体であり得る。他の実施形態では、プッシュロッド5650は中空であり得る。さらにプッシュロッド5650は任意の好適な材料(例えば生体適合性金属又はポリマーなど)から形成され得る。このようにしてプッシュロッド5650の剛性は、プッシュロッド5650の断面積を増減させることにより、及び/又はプッシュロッド5650をより大きい又はより小さい剛性を有する材料から形成することにより、制御され得る。いくつかの実施形態において例えば、プッシュロッド5650及び/又はプッシュロッドチューブ5660は、挿入プロセス中にハウジング5100内で及び/又は真空先端5250内で湾曲する及び/又は湾曲経路に従うよう、配合及び/又は構築される。プッシュロッド5650の近位端部分5651は上述のように係合部材5640に固定的に連結される。遠位端部分5652はノッチ5653を含み、埋入物5050を標的場所(例えば基底部及び/又は子宮内)に送達するために埋入物5050に接触して置かれ得る。ノッチ5653は、本明細書でさらに詳述するように、プッシュロッドチューブ5660内においてアクセス開口部5663のための隙間を提供するように構成され得る。
[1179] 図40に示すようにプッシュロッドチューブ5660は、近位端部分5661及び遠位端部分5662を有し、これらの近位端部分と遠位端部分とを通る内腔とアクセス開口部5663とを規定する。プッシュロッドチューブ5660は、プッシュロッド5650がプッシュロッドチューブ5660内で動き得るよう、プッシュロッド5650の少なくとも1部分を囲むように構成される。さらにプッシュロッドチューブ5660は、本明細書でさらに詳述するように、少なくとも一時的に埋入物5050を収容するように構成される。プッシュロッドチューブ5660の近位端部分5661は担持体5610の連結部分5618の開口部5618内に配置される。さらに詳細にはプッシュロッドチューブ5660は、プッシュロッドチューブ5660が連結部分5618に固定的に連結されるよう、連結部分5618と摩擦嵌合を形成し得る。遠位端部分5662は、本明細書でさらに詳述するように遠位シース5670内において移動可能に配置され得る。アクセス開口部5663は、ガイド組立体5300のフィラメント5350の少なくとも1部分がプッシュロッドチューブ5660内に配置されるとともに、フィラメント5350の他の部分はプッシュロッドチューブ5660の外側に配置されるよう、フィラメント5350の遠位端部分5352を受容し得る。このようにしてフィラメント5350は上述のように埋入物5050の1部分に連結され得る。
[1180] 図41及び図42に示すように、遠位シース5670は近位端部分5671及び遠位端部分5672を有する。遠位シース5670の1部分はハウジング5100の遠位端部分5102内において移動可能に配置される。さらにプッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662、プッシュロッド5650の遠位端部分5651、及び埋入物5050が遠位シース5670内において移動可能に配置され得る。近位端部分5671は、ハウジング5100に対する遠位シース5670の遠位方向の動きを制限するようにハウジング5100の表面に接触して置かれ得る1組のタブ5673を含む。遠位端部分5672は可動式カバー5674を含む。可動式カバー5674は本明細書でさらに詳述するように、遠位カバー5674の表面が丸い先端部を形成する閉止構成と、プッシュロッドチューブ5660及び/又はプッシュロッド5650が通過し得る開放構成との間で動き得る。遠位シース5670は、フィラメント5350の1部分を及び/又は埋入物5050の1部分を受容し得るスロット5675も規定する。例えばフィラメント5350は、プッシュロッドチューブ5660内に配置されるよう、スロット5675の1部分を通してアクセス開口部5663に挿入され得る。さらに、ユーザがガイド機構5300を操作すると、フィラメント5350の遠位端部分5352及び埋入物5050の1部分(例えばIUDの回収用フィラメントなど)は、埋入物5050の1部分が本明細書でさらに詳述するようにカッター組立体5700に挿入され得るよう、スロット5675を通って引かれ得る。
[1181] 図43はカッター組立体5700を示す。カッター組立体5700はハウジング5100の遠位端部分5102内において移動可能に配置され(例えば図16及び図17参照)、埋入物5050の1部分(例えばIUDの回収用フィラメントなど)に係合するように構成される。カッター組立体5700はカッターハウジング5710、カッター5720、及びアンビル5730を含む。カッターハウジング5710は、第1ハウジング部材5120のカッターチャネル5138内で及び第2ハウジング部材5150のカッターチャネル5158内で移動可能に配置され得る1組のガイド突起5712を含む。このようにしてカッターチャネル5138及び5158は、上述のようにカッターハウジング5710が近位方向及び遠位方向に動くことを可能にしながら、他のいかなる方向に動くことも制限し得る。カッターハウジング5710はスロット5711を含み、スロット5711は、カッター5720がスロット5711に固定的に連結されるよう、カッター5720を受容する。カッター5720は材料を切断するにあたり好適である鋭利な縁部を含むように構成された任意の好適な部材であり得る。
[1182] アンビル5730は、ハウジング5100に固定的に連結され、スロット5711内において移動可能に配置され得る。アンビル5730はガイド機構5300のフィラメント5350の1部分及び/又は埋入物5050の1部分を受容し得るアパーチャ5731を含む。このようにしてハウジング5710及びカッター5720がアンビル5730に対して動き、埋入物5050の1部分を切断することができる。さらに詳細には駆動部材5420が伝達機構5500を遠位方向に動かすと、伝達部材5510の遠位表面がカッター組立体5700のハウジング5710と接触して置かれ、その結果、カッターハウジング5710及びカッター5720が(従って、アンビル5730も)ハウジング5100に対して動かされ得る。従って、カッター5730は、アパーチャ5731内に配置された埋入物5050の1部分を切断するために用いられ得る。
[1183] 送達装置5000はまず埋入物5050の第1部分5051(例えばIUDの回収用フィラメントなど)をガイド機構5300のフィラメント5350に解放可能に連結することにより送達装置5000を第1構成から第2構成へと動かすことにより作動可能にされる。例えばユーザは図44に示すように、遠位シース5670をプッシュロッドチューブ5660に対して近位方向に動かすために遠位シース5670に係合し得る。このようにして可動式カバー5674は、プッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662が露出するよう、少なくとも部分的にその開放構成へと動き得る。遠位シース5670が近位方向に動かされた後、ユーザはアクチベータ5320を基部5310に対して遠位方向に動かすためにガイド機構5300のアクチベータ5320に係合し得る(例えばユーザはアクチベータ5320の係合フランジ5324上に力を遠位方向に印加し得る)。アクチベータ5320の遠位方向の動きは、付勢部材5330(図34)をその圧縮構成へと動かし、シース5340の遠位端部分5342に対して遠位方向に進めるようにフィラメント5350の遠位端部分5352に配置されたスネア5353を付勢する。このようにしてスネア5353が開放(すなわち開放)構成へと動き、プッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662を越えて延長し得る。
[1184] 図45に示すように埋入物5051の第1部分5051がスネア5353内に挿入され得る。埋入物5050の第1部分5051がスネア5353内に配置された後、ユーザは、係合フランジ5324上に印加される力を除去することによりアクチベータ5320を切り離し得る。このようにして付勢部材5330は、その圧縮構成から拡張されて、アクチベータ5320上に力を作用させ得る。その結果、アクチベータ5320が近位方向に動くこととなる。アクチベータ5320の近位方向の動きは図46に示すように、シース5340の遠位端部分5342がスネア5353に係合してスネア5353がその開放構成からその閉止(すなわち折畳)構成に動かされるよう、フィラメント5350をシース5340に対して近位方向に動かす。従って、スネア5353は埋入物5050の第1部分5051の周りに折り畳まれて、埋入物5050がガイド機構5300及び/又は送達装置5000に解放可能に連結されることとなる。
[1185] スネア5353が閉止構成に動かされた後、ユーザは、集合的に基部5310及びアクチベータ5320を図44の矢印IIにより示される近位方向に動かすために、ガイド機構5300の基部5310に係合し得る。基部5310及びアクチベータ5320の近位方向の動きは近位方向に動くようフィラメント5350を付勢し得る。さらに詳細にはガイド機構5300がハウジング5100から取り出されると、フィラメント5350は、遠位端部分5352及びスネア5353が、プッシュロッドチューブ5660に規定されたアクセス開口部5663を通り、遠位シース5670により規定されたスロット5675を通り、図47の矢印JJにより示されようにカッター組立体5700のアンビル5730により規定されたアパーチャ5731を通るよう、近位方向に動く。従って、埋入物5050の第1部分5051の遠位端部分は本明細書でさらに詳述するようにアンビル5730のアパーチャ5731内に配置され得る。
[1186] 埋入物5050の第1部分5051がアパーチャ5731に通された後、ユーザは、真空先端5250が子宮頸(図示せず)に近接して配置されるよう、送達装置を患者の膣へと挿入し得る。さらに詳細には真空先端5250の遠位表面5256が子宮頸に接触され得る。いくつかの実施形態では真空先端がハウジング5100に対して屈曲(すなわち回転)し、それにより真空先端5250を子宮頸に接触させるためのユーザが能力が強化され得る。かかる実施形態では、ハウジング5100及び真空先端5250は集合的に、湾曲した及び/又は非直線状の通路を規定し得る。かかる通路を通って、挿入組立体5600の少なくとも1部分が伝達され得る。いくつかの実施形態では真空先端5250は「METHODS AND APPARATUS FOR INSERTING A DEVICE OR PHARMACEUTICAL INTO A BODY CAVITY」を発明の名称とする国際公開第2012/054466号に図示及び説明される種類の屈曲ヘッド部であり得る。なお、同出願は、参照によって本明細書にその全体が引用される。
[1187] 遠位表面5256が子宮頸に接触して置かれた後、ユーザは、図48において矢印KKにより示されるようにハウジング5100のハンドル部分5103に対して係合部分5230を回転させることにより真空組立体5200の係合部分5230を操作し得る。このようにして螺刻ロッド5245は係合部分5230の螺刻挿入体5235内で進められ得る。螺刻ロッド5245の動きは、図48における矢印LLにより示されるように真空シリンダ5210内で動くようプランジャ5240を付勢し得る。プランジャ5240が真空シリンダ5210内で動かされると、負圧が真空シリンダ内で生成され、(図示しない、任意の好適なチューブを介して)真空先端5250に伝えられ得る。従って、遠位表面5256が子宮頸に接触した状態において、負圧が真空先端5250の真空チャネル5257内で形成され、子宮頸上に吸引力が作用され得る。その結果、真空先端5250が少なくとも一時的に子宮頸に連結され得る。
[1188] プランジャ5240が真空シリンダ5210内で動かされると、プランジャ5240の1部分がロックロッド5220のタブ5225に接触して置かれ得る。従って、ロックロッド5220が真空シリンダ5210に対して動き得る。さらに詳細には図49における矢印MMにより示されるように遠位端部分5222が駆動部材5440の近位端部分5444により規定されるスロット5446の実質的に外側となる位置に動かされるよう、ロックロッド5220が動かされる。従って、アクチュエータ組立体5400はロック構成から非ロック構成へと動かされる。さらにロックロッド5220が動かされると、状態指標5223がロック状態窓5107に位置合わせされ得る。このようにして状態指標5223がロック状態窓5107を通して見られるようになり、ロックロッド5220が真空シリンダ5210に対して動かされたことがユーザに対して示されることとなる。
[1189] アクチュエータ組立体5400が非ロック構成に動かされた後、ユーザは、送達装置5000を第2構成から第3構成へと動かすために、トリガ5410の係合部分5411を操作し得る(図50)。例えばユーザは、トリガ5410及びハウジング5100のハンドル部分5103を握ってトリガ5410をトリガストップ5109に向かって動かすことにより、送達装置5000を第3構成に動かし得る。このようにしてトリガ5410は、第1ハウジング部材5120のトリガ突起5128及び第2ハウジング部材5140のトリガ突起5148により規定されるアパーチャの内部及び/又はかかるアパーチャを中心に旋回し得る。上で詳述したように、トリガ5410が旋回すると駆動ラック5420がギア部分5415に沿って進められ得る。従って、駆動ラック5420はラックガイド5147により規定される直線経路に沿って動かされる。
[1190] 駆動ラック5420の動きは、駆動ラック5420の歯に沿って進められる(上述のように)ようにギア部材5430のラックピニオン5431を付勢する。ギア部材5430が、第1ハウジング部材5120のギア突起5129及び第2ハウジング部材5140のギア突起5149により規定されるアパーチャ内に部分的に配置された状態において、ラックピニオン5431と駆動ラック5420とが噛み合うことはギア部材5430を当該アパーチャ内で回転させる。ギア部材5430の駆動ピニオン5432はラックピニオン5431と並列的に回転(例えば、同時にではあるが、ラックピニオン5431に対して駆動ピニオン5432の直径がより大きいために、異なる円周方向変位で)させられる。さらに駆動ピニオン5432がアクチュエータラック5450に接触した状態において、駆動ピニオン5432の回転は駆動部材5440を遠位方向に動かす。このようにして駆動部材5440が伝達部材5510に係合して、伝達機構5500が遠位方向に動かされ、送達装置5000が第3構成に動かされることとなる(図50)。
[1191] 例えば図51に示すように、駆動部材5440のプッシュアーム5447は伝達部材5500の駆動部分5521に接触して置かれる。このようにしてプッシュアーム5447は、駆動部分5521に含まれる歯の第1表面(上述)上に力を作用させ得る。さらに駆動部分5521の歯は、プッシュアーム5447が第1表面に対してスリップすることを実質的に防ぐために第1表面の傾斜角が十分大きくなるように構成され得る。従って、プッシュアーム5447が駆動部分5521の歯の第1表面上に力を作用させ、伝達機構5500が図51における矢印NNにより示されるように遠位方向に動かされる。
[1192] 伝達機構5500の遠位方向の動きは、遠位方向に動くよう挿入組立体5600を付勢する。例えば担持体5610が伝達部材5510に連結された状態において、伝達部材5510の遠位方向の動きは担持体5610を遠位方向に動かす。担持体5610が遠位方向に動かされると、スリップ部材5630、係合部材5640、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、遠位シース5670、及び状態部材5690が図51に示すようにハウジング5100に対して遠位方向に動かされるよう、挿入組立体5600が構成される。
[1193] 遠位シース5670の遠位方向の動きは遠位シース5670のタブ5673をハウジング5100の遠位端部分5102の表面に接触して置く。それにより本明細書でさらに詳述するように、遠位シース5670のさらなる遠位方向の動きが制限される。さらに遠位シース5670の1部分、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び埋入物5050が真空先端5250の遠位表面5256に対して遠位方向に動かされて、図52における矢印OOにより示されるように例えば子宮口(図示せず)を通される。
[1194] 遠位シース5670、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び埋入物5050が所望の位置にある状態において、ユーザは、トリガ5410を解放して、トリガバネ(図示せず)の働きによりトリガ5410はその第1位置に向かって動かすことができる。このようにしてトリガ5410が駆動ラック5420を近位方向に動かし、その結果、ラックピニオン5431が反時計方向に回転する。従って、駆動ピニオン5432は駆動部材5440を近位方向に動かす。さらに伝達部材5510の後退突起5516が伝達ラック5135に接触し、且つ挿入ラック5136に接触する係合部材5640の後退突起5644に接触した状態において、伝達機構5500及び挿入組立体5600は少なくとも一時的にハウジング5100に対して固定位置に保持され得る。同様に後退突起5516並びに5644及び伝達ラック5135並びに挿入ラック5136は、駆動部材5440が近位方向に動かされたとき、それぞれ伝達機構5500及び挿入組立体5600の近位方向の動きを制限する。従って、駆動部材5440は伝達機構5500及び挿入組立体5600に対して近位方向に動く。
[1195] 駆動部材5440が伝達部材5510に対して近位方向に動くと、プッシュアーム5447が伝達部材5510の駆動部分5521に含まれる歯の第2表面に沿って動くこととなる。さらに詳述すると第2表面の傾斜角はプッシュアーム5447が歯の第2表面に沿って近位方向に動き得るように十分小さい値であり得る。従って、アクチュエータ組立体5400は非作動状態へと戻り得る。
[1196] 図示しないが、駆動部材5440の遠位方向の動きは、係合ラック5452を歯止め5460に接触させる。次に歯止め5460は、歯止め取付台5460に対して第1構成から第2構成へと旋回され、係合ラック5452の歯の第1表面に沿って逐次的に進められる。さらに歯止め5460がバネに連結された(上述のように)状態において、バネが力を作用させ、歯止め5460を歯の第1表面に接触した状態に保持する。同様に、歯止め取付台5130に対する歯止め5460の旋回は、より小さいポテンシャルエネルギーを有する未変形構成から、より高いポテンシャルエネルギーを有する変形構成へと、バネを動かす。
[1197] 歯止め5460及び係合ラック5452は、トリガ5410が部分的に作動されることが歯止め5460及び係合ラック5453により防止されるように構成される。例えばトリガ5410が第2位置に向かって部分的に動かされ、ユーザが力を取り除いた(例えばトリガ5410を握ることを停止する等)場合、歯止め5460は、歯止め5460が隣接する歯の第2表面に接触して置かれるまで、係合ラック5452の歯の第1表面に沿って遠位方向に動き得る。このようにして第2表面は、係合ラック5452に対する歯止め5460のさらなる遠位方向の動きを防止する。従って、トリガ5410がその第1位置へと動くことは実質的に妨げられ、それにより初期の作動が不完全である旨がユーザに対して警告される。
[1198] アクチュエータ組立体5400が完全に作動された(例えばユーザがトリガ5410をその第2位置に動かした)とき、歯止め5460は、係合ラック5452に対して近位位置に配置され、駆動部材5440により規定される凹陥部5451内に配置され得る。同様に係合ラック5452は、係合ラック5452及び歯止め5460がもはや接触しないよう、歯止め5460に対して遠位位置へと動かされる。このようにしてバネが歯止め5460上に力を作用(例えばその未変形構成へと戻すことにより)させ、歯止め5460を歯止め取付台5130に対して第1位置へと戻させる(例えば歯止め5460が歯止め取付台5460に対して旋回する)。駆動部材5440が近位方向に動かされたとき(例えばトリガ5410がその第1位置に向かって動かされたとき)、係合ラック5452は再び歯止め5460に接触して置かれ、歯止め5460を逆方向に旋回させる。このようにして歯止め5460は、係合ラック5452が歯止め5460に対して遠位位置に動かされるまで、係合ラック5452の歯の第2表面に沿って逐次的に進められる。従って、送達装置5000の部分的な作動ステップが防止される。
[1199] 遠位シース5670、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び埋入物5050が真空先端5250に対して進められ、トリガ5410がその第1位置に戻された後、ユーザは、送達装置5000を第3構成から第4構成へと動かすために、再びトリガ5410を握ることができる(図53)。このようにしてトリガ5410は駆動ラック5420を遠位方向に動かし、その結果、ラックピニオン5431が計方向に回転する。従って、駆動ピニオン5432は駆動部材5440を遠位方向に動かす(上で詳述したように)。駆動部材5440が遠位方向に動かされると、プッシュアーム5447は再び伝達部材5500の駆動部分5521に接触して置かれる。さらに詳述すると伝達機構5500の位置が少なくとも一時的に保持された状態において、プッシュアーム5447は、プッシュアーム5447により以前に係合された歯に対して近位位置にある歯の第1表面に接触して置かれる。このようにしてプッシュアーム5447は、歯の第1表面上に力を作用させ、伝達機構5500を図54における矢印PPにより示されるように遠位方向に動かす。
[1200] 伝達機構5500の遠位方向の動きは、上で詳述したように遠位方向に動くよう挿入組立体5600を付勢する。例えば担持体5610が遠位方向に動かされると、スリップ部材5630、係合部材5640、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び状態部材5690は図53に示すようにハウジング5100に対して遠位方向に動かされる。さらに遠位シース5670のタブ5673がハウジング5100の遠位端部分5102の表面に接触した状態において、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び埋入物5050は遠位シース5670に対して遠位方向に進められる。このようにしてプッシュロッドチューブ5660は遠位シース5670の可動式カバー5674に接触し、可動式カバー5674をその開放構成へと動かす。従って、プッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662及び埋入物5050は、図55における矢印QQにより示されるように、遠位シース5670の可動式カバー5674に対して遠位方向へ動かされる(すなわちプッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662及び埋入物5050は遠位シース5670を越えて延長する)。
[1201] プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び埋入物5050が所望の位置にある状態において、ユーザは、再びトリガ5410を解放して、トリガバネ(図示せず)の働きによりトリガ5410はその第1位置に向かって動かすことができる。伝達部材5510の後退突起5516及び係合部材5640の後退突起5644がそれぞれ伝達ラック5135及び挿入ラック5136に接触した状態において、伝達機構5500及び挿入組立体5600は少なくとも一時的にハウジング5100に対して固定位置に保持され得る。従って、駆動部材5440は伝達機構5500に対して近位方向に動き、挿入組立体5600及びアクチュエータ組立体5400は非作動状態へと戻る(上で詳述したように)。
[1202] プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び埋入物5050が遠位シース5670に対して進められ、トリガ5410がその第1位置に戻された後、ユーザは、送達装置5000を第4構成から第5構成へと動かすために、再びトリガ5410を握り得る(図56)。このようにしてトリガ5410が駆動ラック5420を遠位方向に動かし、その結果、ラックピニオン5431が時計方向に回転する。従って、駆動ピニオン5432は駆動部材5440を遠位方向に動かす(上で詳述したように)。駆動部材5440が遠位方向に動かされると、プッシュアーム5447は再び伝達部材5500の駆動部分5521に接触して置かれる。さらに詳述すると伝達機構5500の位置が少なくとも一時的に保持された状態において、プッシュアーム5447は、プッシュアーム5447により以前に係合された歯に対して近位位置にある歯の第1表面に接触して置かれる。このようにしてプッシュアーム5447は、歯の第1表面上に力を作用させ、伝達機構5500が、図56における矢印RRにより示されるように遠位方向に動かされる。
[1203] 伝達機構5500が遠位方向に動かされると、伝達部材5510の遠位表面がカッターハウジング5700の遠位表面に接触して置かれる。このようにして伝達機構5500は、カッターハウジング5700とカッターハウジング5700内に配置されたカッター5720とを、図57における矢印TTにより示されるようにアンビル5730に対して遠位方向に動かし得る。従って、埋入物5050の第1部分5051がアンビル5730により規定されるアパーチャ5731内に配置された状態において、カッターハウジング5710及びカッター5720がアパーチャ5731に対して遠位位置に動かされ、カッター5720が埋入物5051の第1部分5051を所望の長さに切断し、それにより送達装置5000は第4構成から第5構成へと動かされる。
[1204] 伝達機構5500の遠位方向の動きは、遠位方向に動くよう再び挿入組立体5600を付勢する。例えば担持体5610が遠位方向に動かされると、スリップ部材5630、係合部材5640、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び状態部材5690は図56に示すようにハウジング5100に対して遠位方向に動かされる。さらに遠位シース5670のタブ5673がハウジング5100の遠位端部分5102の表面に接触した状態において、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び埋入物5050は遠位シース5670に対して遠位方向に進められる。このようにしてプッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662、プッシュロッド5650の遠位端部分5652、及び埋入物5050は遠位シース5670の可動式カバー5674に対して遠位位置に動かされる。
[1205] いくつかの事例ではプッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662は患者の解剖学的構造の表面に接触して置かれ得る。例えばいくつかの事例では、遠位端部分5662は子宮の壁部(例えば標的場所)に接触して置かれ得る。かかる事例では、プッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662と壁部(例えば子宮の基底部など)とが接触すると、壁部がプッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662上に反作用力を作用させ得る。このようにしてプッシュロッドチューブ5660はさらなる遠位方向の動きに対して抵抗する。さらにユーザがトリガ5410を握った状態において、子宮の壁部によりプッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662上に作用される反作用力が大きいために、伝達部材5510上に作用される力が増加する。
[1206] かかる事例では、伝達部材5510、担持体5610、及びスリップ部材5630は、伝達部材5510が担持体5610及びスリップ部材5630に対して動き得るように構成され得る。同様に担持体5610及びスリップ部材5630は伝達部材5510に沿って「スリップ」し得る。さらに詳述すると図36を参照して上に記載したように、担持体5610の取り付け部分5623は、スリップ部材5630の半径部分5631がスリップ表面5522に接触するよう、伝達部材5510のチャネル5524内に配置されスリップ部材5630の連結部分5631に連結され得る。このようにして伝達部材5510上に作用される力は、スリップ部材5630が図58における矢印UUにより示されるようにスリップ表面5522の表面に沿って「スリップ」するよう十分に大きくなり得る。従って、伝達機構5500は普通なら伝達されたであろう力の1部分を挿入組立体5600に伝達し、望ましくない量の力が子宮の壁部上に作用されることが防止され得る。
[1207] 「スリップ」(例えば力を制限すること)により、送達装置5000は、様々な解剖学的寸法を有する患者に対して用いられ得る。例えばいくつかの事例では、第1患者の子宮は5センチメートルの深さであり、第2患者の子宮は最大13センチメートルの深さであり得る。このようにして同様の送達装置5000が、埋入物5050(例えばIUD)を送達するために各患者に対して用いられ得る。さらに詳述すると伝達機構5500が担持体5610及びスリップ部材5630に対して「スリップ」することにより、実質的に等しい量の力が両方の患者の子宮の壁部(例えば基底部など)に印加され得る。従って、送達装置5000は様々な解剖学的寸法を有する患者に埋入物を送達するために用いられ得る。さらに伝達機構5500が「スリップ」することにより、カッター組立体5700は埋入物5050の第1部分5051を、患者の解剖学的寸法に関連付けられた長さに切断し得る。例えば伝達部材5510は担持体5610及びスリップ部材5630に対してスリップし、カッターハウジング5700に係合して、カッターハウジング5700を遠位方向に動かし得る(上で詳述したように)。
[1208] いくつかの事例では、スリップ部材5630は伝達部材5510のスリップ表面5522に沿って最大距離を「スリップ」し得る。同様に伝達部材5510は担持体5610及びスリップ部材5630に対して遠位方向に最大距離を動き得る。かかる事例では「スリップ」する前に担持体5610は、ロックアウト部材5540が図59に示す拘束構成に置かれるように伝達部材5510に対して配置される。さらに詳細にはロックアウト部材5540は、担持体5610の第2側部5612により規定される凹陥部5622(図59には図示せず)内に配置される。このようにしてロックアウト部材5540は伝達部材5510に対して保持される。同様に凹陥部5612を規定する1組の壁部は、ロックアットバネ(図示せず)がその非拘束構成に拡張することを防止する。従って、ロックアウト部材5540が凹陥部5612内に配置されると、拘束構成にあるロックアウトバネは、非拘束構成にあるときと比較して、より高いポテンシャルエネルギーを含む。
[1209] 図60に示すように伝達機構5510が担持体5610に対して遠位方向に(例えば最大スリップ位置へと)動かされると、ロックアウト部材5540は、図60における矢印VVにより示されるように凹陥部5612に対して遠位位置に動かされ得る。このようにしてロックアウトバネ(図示せず)はその非拘束構成に向かって拡張し、ロックアウト部材5540上に力を作用させ得る。従って、矢印WWにより示されるように、ロックアウト部材5540が取り付け用突起5519を中心に旋回し、ロック突起5542(図60には図示せず)がノッチ5520から脱する。ロックアウト部材5540が非拘束構成に動くと、ロック突起5542は、第1ガイドレール5151により規定される1組のロックアウト戻り止め5157に含まれる戻り止めへと動かされる。従って、ロック突起5542がロックアウト戻り止め5157内に配置された状態において、伝達機構5500は動くことが防止される。さらに伝達機構5500が拘束状態にある状態ではアクチュエータ5400は動くことが防止され、それにより患者が負傷すること及び/又は送達装置500が破損することが防止される。
[1210] 図56に戻って参照すると、プッシュロッド5650、プッシュロッドチューブ5660、及び埋入物5050が所望の位置にあり、伝達機構5500が最大スリップ位置にない状態において、ユーザは、再びトリガ5410を解放して、トリガバネ(図示せず)はトリガ5410をその第1位置に向かって動かし得る。このようにして駆動部材5440が近位方向に動かされる。さらに、伝達部材5510の遠位方向の動きは、係合アーム5448の係合突起5449を伝達部材5510により規定される係合スロット5523内で動かし、それにより係合突起5449は係合スロット5523を規定する近位壁部内に置かれることとなる。従って、駆動部材5440が近位方向に動くと係合突起5449が係合スロット5523の1部分を規定する近位壁部上に力を作用させ、それにより伝達部材5500は図56における矢印SSにより示されるように近位方向に動かされよう付勢されることとなる。さらに詳述すると係合突起5449は、伝達部材5510の後退突起5516は、伝達ラック5135及び5155に対して動かされるように十分に大きい力を、係合スロット5523の1部分を規定する近位壁部上に作用させ得る。例えばいくつかの事例ではこの力は、伝達ラック5135及び5155と後退突起5516との間の摩擦力に打ち勝つように十分に大きい。他の事例ではこの力は、後退突起5516が変形されて後退突起5516が伝達ラック5135及び5155との接触から離れるよう十分に大きい。従って、伝達機構5500は近位方向に動かされ得る(従って、ハウジング内で往復し得る)。
[1211] 伝達機構5500の近位方向の動きは送達装置を第5構成から第6構成へと動かす(図61)。さらに詳細には伝達機構550の近位方向の動きは、担持体5610、スリップ部材5630、及びプッシュロッドチューブ5660を近位方向に動かす。さらに詳述すると係合部材5640の係合突起5644が挿入ラック5136及び5156に接触している状態において、担持体5610、スリップ部材5630、及びプッシュロッドチューブ5660は、図61に示すように係合部材5640に対して近位方向に動く。
[1212] プッシュロッドチューブ5660が担持体5610に固定的に連結され、プッシュロッド5650が係合部材5640に固定的に連結された状態において、担持体5610の近位方向の動きは、図62における矢印XXにより示されるようにプッシュロッド5650に対してプッシュロッドチューブ5660を近位方向に動かす。このようにして埋入物5050の第2部分5052はプッシュロッドチューブ5660の遠位端部分5662を越えて延長し得る。図63に示すように埋入物5050がIUDである実施形態ではプッシュロッドチューブ5660の近位方向の動きはIUDのアーム部を拡張させ得る。このようにしてIUDが標的場所(例えば子宮の壁部など)に送達され、送達装置5000が取り外され得る。さらに詳述すると真空組立体5200内の負圧をバルブなど(図示せず)により解放し、真空先端5250が、例えば子宮頸の表面から分離され得る。さらに埋入物5050の第1部分5051が切断されると、送達装置5000が取り外される一方で、埋入物5050は標的場所において又は標的場所付近に留まり得る。
[1213] 図64〜図73は1つの実施形態に係る送達装置6800を示す。送達装置6800はハウジング6801と、穏やかな牽引により子宮頸管が伸ばされるよう、及び/又は子宮頸の位置が変えられるよう、子宮頸に取り付けられる子宮アーティキュレータ6805と、を含む。かかる取り付けは1つ又は複数のポート(図示せず)による吸引/吸気を介してなされる。これらのポートは互いに対して独立的であってもよく、若しくは、並列又は直列に接続されてもよい。この実施形態では、これらのポートは、異なる子宮頸/子宮方向とともに屈曲するようヒンジで留められて動くようになっている馬蹄形プレートと同一平面上にある。馬蹄形の設計は、挿入を行う医療提供者に対して開かれた見通し線を支援する。他の実施形態では、これらのポートは、凸状又は凹状のプレート上、別個のプレート上、子宮口又は他の任意の好適な方向が見やすいように中心部に開口部を有する円形プレート上にあり得る。プレート(単数又は複数)は、ヒンジ留めされてもよく、非常に薄い物質の区間を用いることにより柔軟となっていてもよく、肋材で囲まれてもよく、又は柔軟な材料から構築されてもよい。プレート(単数又は複数)は、各個別のポートに対して1つのプレートが存在する状態で、2つ以上の独立的なプレートに分割されてもよい。ポートの個数、寸法、及び形状は、科学的研究を通して決定された最も効果的な形状、寸法、及び個数に応じて変化し得る。ポートは、ポートが組織を確実につかむことを支援するために、突出する可撓性フラップをプレートの遠位に有し得る。いくつかの実施形態では、吸引はシリンジ円筒形容器又は他の中空状の何らかの形状を用いて作られ得る。真空はプランジャ又はプランジャ状の機構を用いて作られる。1つの実施例がこの実施形態において示される。吸引は真空フィッティング又は他の吸気源を用いて作られ得る。
[1214] いくつかの実施形態では、子宮アーティキュレータ6805は、ハウジング6801及び/又は送達装置6800の他の部分から分離され、別個の装置として用いられ得る。従って、いくつかの実施形態では、子宮アーティキュレータ6805は、人工授精(子宮内授精)、膣鏡検査、子宮内膜掻爬術、手動真空吸引、電動真空吸引、子宮内膜検査、子宮内容除去術、様々な避妊具の挿入、子宮筋腫の除去、及び特定の妊娠中絶処置を含むがこれらに限定されない他の子宮内処置において子宮支持鉤により実行される機能と同様の機能を実質的に独立的に実行するよう機能し得る。
[1215] 送達装置6800は、ハンドル6803、真空生成機構6808(例えばシリンジなど)、チューブ6818、ハンドルロック6806、及び接触した組織を吸引するために送達装置6800の遠位端に配置された任意の好適なポート(単数又は複数。図示せず)を含むがこれらに限定されない吸引組立体を含む(例えば、図64〜図67参照)。吸引は、送達装置6800のユーザが、特定レベルまでの力で組織を牽引することを可能にする。ユーザは、ハンドル6803を近位方向に動かし、真空生成機構6808が作動されることができる(図68)。ハンドルロック6806はハンドル6803を遠位位置において保持し得る(例えば図68参照)。
[1216] 挿入事象は、ハウジング6801内の一連の相互接続された部品を用いて遂行される。例えば送達装置6800は、トリガ6802、四棒リンク機構6809(本明細書では「リンク機構」とも呼称される)、駆動プレート6812、シャトル6813、担持体6814、配備ロッド6811(本明細書では「ロッド」とも呼称される)、及び挿入チューブ6804(本明細書では「送達チューブ6804」又は「チューブ」とも呼称される)を含み得る(例えば図65〜図73参照)。駆動プレート6812はリンク機構6809により動かされ、次に駆動プレート6812はラチェット機構を介してシャトル6813を押す。ラチェット機構は、シャトル6813の遠位方向の動きを可能にするとともに、近位方向の動きは制限及び/又は防止する。次にシャトル6813は第2ラチェット機構を介して担持体6814を押す。シャトル6813のラチェット機構は丸い縁部を有する1組のノッチを含む。担持体6814は、シャトル6813の丸いラチェットトラック内に嵌合する丸い小塊を有する。次に担持体6814は配備ロッド6811と、挿入時にIUDを含む、及び/又はIUDに連結される配備チューブ6804と、に取り付けられる。
[1217] 送達装置6800は複数作動の方法で作動されるように構成され得る。同様に本明細書で説明する送達装置6800は、いくつかの別個の操作及び/又は作動を介してIUDを挿入し得る。第1作動は送達装置を第1駆動プレート6812から遠位に3センチメートル動かし、それによりシャトル6813、担持体6814、ロッド6811、及びチューブ6804が遠位に押される(図69)。トリガ6802を解放すると、駆動プレート6812はラチェット機構により3センチメートルだけ戻るが、他のパーツ(すなわちシャトル6813、担持体6814、ロッド6811、及びチューブ6804)は進められた位置に保持される。次の(第2)作動時に、駆動プレート6812は再び遠位に3センチメートルだけ動き、それにより、それ以外の全部(すなわちシャトル6813、担持体6814、ロッド6811、及びチューブ6804)も遠位に動かされる(図70)。トリガ6802が解放されている間、駆動プレート6812は1回再び戻る方向にスライドする。第3作動(図71)は第1及び第2の作動と同様である。第4作動時、全部のパーツは再び遠位に3センチメートル動くが、しかしハンドルが解放されたとき、展開チューブ6804は近位に約1.2センチメートルだけ後退する一方、IUDのアーム部を広げることを可能にするために、配備ロッド6811は定位置に留まる(図72)。遠位方向及び近位方向の動きの量は、シャトル6813、担持体6814、及び/又はロッド6811の適切な直径を変化させることにより制御され得る。追加的な機構又はパーツを追加して、遠位方向の動き及び近位方向の動きが単一の作動によりなされ得る。第5作動時及び第6作動時に、駆動プレート6812は、展開チューブ6804を含む全部を再び押し、展開チューブ6804はTアーム部の下面からIUDを押す(図73)。
[1218] 特定の機構(例えばラチェット機構及び/又は四棒リンク機構など)を含むものとして図示されているが、他の実施形態では、任意の好適な動作機構が上記で説明した動作を遂行するために用いられ得る。かかる代替的な機構の例としては、主要パーツのうちのいくつかを統合し可動パーツの総数を減らすこと、他のハンドル及び/又はリンク機構の種類を含むこと、作動の回数及び/又は各作動に対する移動距離を変化させること、又は他の機能的改変が挙げられる。作動の回数が変化され得る。この場合では5回の作動について記載する。他の実施形態では作動の回数は1〜無限の範囲であり得る。
[1219] 上述のように送達装置6800は、子宮を穿孔する十分に大きい力を送達装置6800の遠位端が作用させることがないよう防止する力制限機構を含むように構成される。かかる力の制限は、一定であってもよく、又は正確な移動距離に応じて変動してもよい。いくつかの実施形態では、かかる力の制限は、シャトル6813と担持体6814との間のラチェット機構により調節される。力の量は、ラチェット機構上のティボット(例えば凹陥部、戻り止め、半径、その他)の直径の関数である。力における変動性を作るために、ディポットの直径がラチェット機構の異なる位置において異なり得る。他の機構も、力を制限することに関する変動性を作るために用いられ得る。
[1220] 送達装置6800は、再利用の可能性を制限する特徴を有する単回使用の使い捨て装置であり得る。例えばいくつかの実施形態では、トリガ6802が、最終作動の後にロックアウトし、その本来の位置に戻らない。いくつかの実施形態では、遠位方向には動き得るが送達チューブ6804が実質的に近位方向に動くことを防止するワイヤクリップが送達チューブ6804に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、特定事象時に特定チャネルに嵌合して送達チューブ6804の近位方向の動きを防止する、いくつかの他のバネクリップが存在してもよい。他の実施形態ではこれらのバネクリップ及びチャネル/ノッチは変更され得る。一方いくつかの実施形態では、かかる使用制限特徴が含まれる必要はない。例えばいくつかの実施形態は、オートクレーブ処理を含むがこれに限定されない異なる機構を通して殺菌される能力により送達装置6800が複数回使用されることを可能にする異なる材料を含み得る。
[1221] 送達装置は、IUD又は他の挿入された医療製品の子宮又は他の体腔への挿入距離に関する視覚的フィードバックをユーザに与えるための深度表示器6815も含む。図64〜図73に示すように、深度表示器6815は、深度表示器6815がユーザの見通し線上となるように送達装置6800の頂部表面に沿って配置される。
[1222] いくつかの実施形態では、IUD又は他の物体が子宮口を通って子宮へと進入することが容易なものとなるようにシースが用いられ得る。遠位端(子宮頸に接触する第1端部)は、子宮頸拡張器又はオスファインダとして同時に動作するようテーパされ、IUD又は他の医療製品の通過が可能となるよう中空となるであろう。遠位端は、スリットを含んでもよく、又は通過を支援するために拡張する物質からなる遠位端に小さい穴を有する簡単なテーパ、もしくは他の好適な材料もしくは設計であってもよい。シースは、送達装置6800の遠位端上で用いられてもよく、又は子宮頸への差し込み又は人体における他の括約筋への挿入のために用いられる他の装置に対する増設装置として別個に用いられてもよい。シースは、送達装置6800の1部分として含まれてもよく、又は含まれなくてもよい。
[1223] 図64〜図73には図示しないが、IUDを収容するチューブ6804は遠位端においてテーパし得る。チューブ6804は柔軟性を提供するために遠位端において4つ以上のパーツに分離され得る。テーパされた遠位端は、テーパされないチューブ6804によりもより容易に子宮頸管を通過することを支援し、並びにオスファインダ及び/又は子宮頸拡張器として機能し得る。図41及び図42を参照して上述の遠位シース5670と同様のスリットを有する閉止端チューブ6804は、子宮頸管内を容易に動かされ得る。端部が丸いためにチューブの表面エリアが子宮の基底部に接触する際の穿孔の可能性は小さくなり、その結果、印加された同一の力に対して、作用される圧力はより小さくなる。圧力が低下するために、穿孔の可能性は小さくなる。
[1224] IUDは、いくつかの異なる機構により送達装置6800の遠位端に装填され得る。例えばIUDは、送達装置6800に取り付けられた別個のツール(図64〜図73には図示せず)を使用することにより挿入され得る。ツールは、IUDのストリングが通された金属ループを含み得る。このツールを送達装置6800から取り外した後、次にIUDストリングが送達チューブ6804及び/又はシースに、規定されたチャネルに、及びカッター通路に通され得る。他の実施形態では漏斗状の遠位端ツールが、IUD及びストリング(又はフィラメント)を送達装置6800に挿入することを容易たらしめるために用いられ得る。さらに他の実施形態ではチューブ6804は、送達装置6800の頂部からの配置とは異なり、IUDが水平にチューブ6804へと配置されるよう、側部に切抜部を規定し得る。
[1225] 図74は、埋入物を標的場所に送達するための方法100を示すフローチャートである。方法100は、101のように、埋入物の可撓性部分を送達装置のガイド部材に連結することを含む。送達装置は本明細書で説明した送達装置1000、2000、3000、4000、5000、又は6800のいずれでもよい。いくつかの実施形態では埋入物は例えば子宮内避妊器具であり、可撓性部分は例えば回収用フィラメントであり得る。ガイド部材は任意の好適なガイド部材であり得る。例えばいくつかの実施形態では、ガイド部材は埋入物の可撓性部分に解放可能に連結された少なくとも1つのフィラメント部分を含み得る。
[1226] 102において、ガイド部材が送達装置のハウジングから取り外される。例えばいくつかの実施形態では、ガイド部材の近位端部分がユーザにより係合され、埋入物の可撓性部分が少なくとも部分的にハウジングを通って引かれるよう近位方向に動かされる。いくつかの実施形態ではハウジング又は送達装置の他の特徴物は、埋入物の可撓性部分に係合してガイド部材から埋入物を分離させるマニピュレータを含み得る。例えばいくつかの実施形態では、マニピュレータは埋入物の可撓性部分を切断するように構成されたカッターを含み得る。
[1227] 103において、送達装置が埋入物を標的場所又は組織へと挿入するために作動され得る。例えばいくつかの実施形態では、送達装置は、送達装置を作動させるためにユーザ(例えば医師、技師、看護師、など)により操作され得るトリガを含み得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータはハウジングに対して送達装置の1部分を動かすよう動作し得る。例えばいくつかの実施形態では、アクチュエータは標的場所又は組織に埋入物を挿入する挿入組立体に連結(直接的に又は間接的に)され得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、埋入物の挿入が別個の作動ステージにおいて実行されるよう、逐次操作され得る。例えばいくつかの実施形態では、アクチュエータは図9〜図63を参照して上記で説明したアクチュエータ組立体5400と同様であり得る。このようにしてアクチュエータは埋入物を挿入するために任意回数操作され得る。いくつかの実施形態では送達装置は、力制限特徴物を有さない送達装置により普通なら標的場所上に作用されるであろう力の量を制限し得る力制限特徴物を含み得る。このようにして埋入物の挿入に起因する負傷の可能性が小さくなり得る。
[1228] いくつかの実施形態では送達装置(例えば本明細書で説明した送達装置のいずれか)は、IUDを子宮に挿入する手動操作装置であり得る。いくつかの実施形態では、挿入の容易性はより大きくなり、低品質挿入技術に起因する事態のリスクが軽減され得る。いくつかの実施形態では、送達装置は他の好適な装置、埋入物、及び/又は薬剤を体内に挿入するためにも用いられ得る。例えば、本明細書で説明した実施形態及び方法は、カテーテル、浣腸、薬剤送達物(drug delivery object)、撮像ツール、内視鏡、チューブ(例えば肺又は他の体腔に挿入されるチューブ)を挿入するために用いられ得、又は精密な挿入が、治療の有効性に対して、及び/又は合併症又は痛みを除去するために、有益となり得る他の用途において、用いられ得る。
[1229] いくつかの実施形態では、本明細書で説明した送達装置のいずれもが、ハウジング(例えばハウジング5100など)、挿入チューブ(単数又は複数。例えばプッシュロッドチューブ5660など)、及び/又は子宮アーティキュレータもしくは真空先端(例えば真空先端5250など)を含むが、これらに限定されない様々な生体適合性材料から形成された部品を用いて作られ得る。いくつかの実施形態では送達装置は、子宮頸とともに屈曲し、他にツールを用いることなく、特別な技能及び/又は訓練なしに、IUDを女性の子宮内に挿入し得る。従って、短期研修の後、いかなる医療提供者も適切にIUDを安全に挿入し得る。
[1230] 本明細書では特定的な説明がなされているが、真空先端5250と同様の子宮アーティキュレータは、子宮支持鉤を用いることに代わって別個の医療器具としても用いられ得る。同様にいくつかの実施形態では、本明細書で示した真空組立体の全部又は一部が、鋭利なやっとこ状の機構を用いる既知の方法に代わって真空/吸引機構により子宮頸に一時的に取り付けられる改良された支持鉤として用いられ得る。
[1231] 本発明の様々な実施形態が本明細書で説明されたが、これらの実施形態は例示としてのみ提示されたものであり、限定として提示されたものではないことを理解すべきである。上述の方法はある特定の事象が特定順序で行われることを示すが、ある特定の事象の順序は変更可能である。加えて、ある特定の事象は可能な場合は並列処理において並列して実行されてもよく、又は上述のように逐次的に実行されてもよい。
[1232] 本明細書で説明した実施形態は既存の身体内腔(例えば開口部及び/又は子宮頸により規定される頸管)を通して埋入物を送達するものとして示されているが、他の実施形態では、この装置は、身体内腔を規定するよう及び/又は既存の身体内腔を拡張するように構成された拡張器を備え得る。いくつかの実施形態において、例えばヘッド部の接触部分は、標的箇所により規定される内腔を拡張するように構成された拡張器を備える。拡張器は、埋入物を送達するために挿入部材が搬送され得る導管及び/又は通路を規定し得る。
[1233] いくつかの実施形態において、送達装置は挿入操作時に送達装置の遠位部分の周りに配置されるように構成されたスリーブを含み得る。スリーブは、挿入操作時に、送達装置の挿入を支援すること、及び/又は滅菌状態を保持すること、を行うよう機能し得る薄い可撓性スリーブであり得る。いくつかの実施形態では、スリーブの外側表面は潤滑剤を含み得る。
[1234] いくつかの実施形態では、装置は、上記で図示及び説明したヘッド部のいずれかに同様のヘッド部を備え得、ヘッド部は標的場所により規定される内腔に対してヘッド部を配置するように構成された突起を含み得る。同様にいくつかの実施形態では、送達装置は、標的場所に対して送達装置を位置合わせ及び/又は配置することを支援するように構成された位置決め突起を備え得る。いくつかの実施形態では、突起は、埋入物を送達するために挿入部材が搬送され得るチャネルを規定し得る。
[1235] いくつかの実施形態では、装置は、屈曲(又は回転)するヘッド部又は真空先端を含み得る。かかる実施形態では、ハウジングのヘッド部及び/又は部分は、挿入組立体の一部が配置され得る湾曲したした及び/又は非直線状の通路を規定し得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明した挿入組立体のいずれかの全部又は一部は、可撓性を有する、及び/又は弾性変形が可能となるよう構築され、それにより非直線状の、及び/又は湾曲した通路を通過することが支援され得る。
[1236] 真空組立体5200はプランジャを遠位方向に動かすことにより真空を生成するものとして図示及び説明されているが、他の実施形態では、本明細書で図示及び説明した装置のいずれもが、真空を生成するための任意の好適な機構を含み得る。さらにいくつかの実施形態では、装置は真空を生成するために外部の機構を用い得る。
[1237] いくつかの実施形態では、埋入物送達装置は、ヘッド部及び/又は挿入部材の周縁の周りにおいて1つ又は複数の機械的バイオセンサと、埋入物送達装置の他方の端部において発光ダイオード(LED:light emitting diode)又は他の電子的出力装置と、を備える。例えば任意の好適な視覚出力装置(LCDスクリーン、その他)、音響出力装置(例えば警笛)、又は機械的出力装置(例えば触覚出力装置)等の他の表示器がLEDの代わりに用いられ得る。
[1238] いくつかの実施形態では、埋入物送達装置は子宮頸に対して回転、湾曲、及び/又は移動し得、他の器具を必要とすることなく、且つ特段の技能及び/又は訓練を必要とすることなく、女性の子宮にIUDを挿入し得る。本明細書において説明される実施形態の設計は、短期の研修の後に任意の医療提供者が無菌技術を用いて安全にIUDを適切に挿入し得るよう、容易な使用を支援する。
[1239] 様々な実施形態が特定の特徴及び/又は構成品の組み合わせを有するものとして説明されたが、本明細書の実施形態のいずれかに記載の、任意の特徴及び/又は構成品を有する他の実施形態が可能である。

Claims (32)

  1. ハウジング通路を規定するハウジングと、
    埋入物に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を有する挿入部材であって、前記挿入部材の少なくとも一部分は前記ハウジング通路内に配置され、前記ハウジングに対して動くように構成された挿入部材と、
    アクチュエータから力を前記挿入部材へ伝達して前記挿入部材を前記ハウジングに対して動かすために前記挿入部材に連結されるように構成された伝達部材であって、前記力が閾値を越えたときに前記挿入部材に対して動くように構成された連結部分を含む、伝達部材と、を備える装置。
  2. 前記ハウジングに対する遠位方向における前記挿入部材の動きは、前記伝達部材の前記連結部分が前記挿入部材に対して動くときに制限される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記挿入部材の前記遠位端部分が標的場所に接触するとき、前記伝達部材は、前記ハウジングに対する遠位方向における前記挿入部材の動きを制限するように構成される、請求項1に記載の装置。
  4. 前記伝達部材は前記ハウジング内で往復するように構成される、請求項1に記載の装置。
  5. 前記連結部分が前記挿入部材に対して動くとき、前記伝達部材の前記連結部分は前記挿入部材の一部分との接触を保持するように構成される、請求項1に記載の装置。
  6. 前記伝達部材の前記連結部分は、前記挿入部材の一部分を噛み合わせ可能に受容するように構成された複数の戻り止めを含む、請求項1に記載の装置。
  7. 前記挿入部材は、前記伝達部材の前記連結部分に噛み合わせ可能に係合するように構成された連結部分を含み、前記挿入部材の前記連結部分又は前記伝達部材の前記連結部分のうちの少なくとも1つは、前記伝達部材の前記連結部分が前記挿入部材に対して動くときに変形するように構成される、請求項1に記載の装置。
  8. 前記伝達部材は、前記アクチュエータの遠位方向の動きが前記伝達部材の遠位方向の動きを生じさせるように前記アクチュエータの一部分に係合するように構成された複数のラチェット歯を有する、請求項1に記載の装置。
  9. 前記伝達部材は、前記ハウジングのラチェット部分に係合するように構成された歯止め部分を含み、前記歯止め部分及び前記ラチェット部分は集合的に、前記ハウジングに対する前記伝達部材の近位方向の動きを制限するように構成される、請求項1に記載の装置。
  10. 前記伝達部材に連結されたロック部材であって、前記伝達部材の前記係合部分が前記挿入部材に対して事前決定された距離を動いた後に前記伝達部材の遠位方向の動きを制限するように構成されたロック部材をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  11. 前記挿入部材は第1挿入部材であり、
    前記装置は、
    前記第1挿入部材に連結された第2挿入部材であって、前記埋入物を前記第1挿入部材の前記遠位端部分から分離するために前記第1挿入部材に対して動くように構成された第2挿入部材をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  12. ハウジング通路を規定するハウジングであって、標的場所に関連付けられた表面に接触するように構成された接触表面を有するハウジングと、
    埋入物に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を有する挿入部材であって、前記挿入部材の少なくとも一部分は前記ハウジング通路内に配置され、前記ハウジングに対して動くように構成された挿入部材と、
    アクチュエータから力を前記挿入部材へ伝達して前記挿入部材を前記ハウジングに対して遠位方向に動かすために前記挿入部材に連結されるように構成された伝達部材であって、前記挿入部材の前記遠位端部分が前記標的場所に接触すると前記遠位方向における動きを制限するように構成される伝達部材と、を備える装置。
  13. 前記伝達部材は、前記力が閾値を越えると前記挿入部材に対して動くように構成された連結部分を含む、請求項12に記載の装置。
  14. 前記挿入部材は、前記挿入部材の遠位端表面が前記接触表面から約5センチメートル〜約13センチメートルだけ離間するように前記ハウジングに対して前記遠位方向に動くように構成される、請求項12に記載の装置。
  15. 前記伝達部材の連結部分は、前記挿入部材の一部分を噛み合わせ可能に受容するように構成された複数の戻り止めを含む、請求項12に記載の装置。
  16. 前記挿入部材は、前記伝達部材の連結部分に噛み合わせ可能に係合するように構成された連結部分を含み、前記挿入部材の前記連結部分又は前記伝達部材の前記連結部分のうちの少なくとも1つは、前記伝達部材の前記連結部分が前記挿入部材に対して動くと変形するように構成される、請求項12に記載の装置。
  17. 前記伝達部材は、前記ハウジングのラチェット部分に係合するように構成された歯止め部分を含み、前記歯止め部分及び前記ラチェット部分は集合的に、前記ハウジングに対する前記伝達部材の近位方向の動きを制限するように構成される、請求項12に記載の装置。
  18. 前記伝達部材に連結されたロック部材であって、前記ハウジングに対する前記伝達部材の遠位方向の動きを制限するように構成されるロック部材をさらに備える、請求項12に記載の装置。
  19. 通路を規定するハウジングと、
    埋入物に着脱可能に連結されるように構成された遠位端部分を有する挿入部材であって、前記挿入部材の少なくとも一部分は、前記埋入物を前記標的場所に搬送するために前記ハウジングに対して動くように構成される、挿入部材と、
    ガイド部材であって、前記ガイド部材の第1端部分は前記ハウジングに連結され、前記ガイド部材の第2端部分は前記埋入物の1部分に着脱可能に連結されるように構成され、前記ガイド部材は、前記ガイド部材が前記ハウジングに対して動かされると前記埋入物の前記部分を前記ハウジングの前記通路内で動かすように構成された、ガイド部材と、を備える装置。
  20. 前記通路は非直線状である、請求項19に記載の装置。
  21. 前記ガイド部材の少なくとも一部分は、前記埋入物の前記部分を前記通路内で動かすために湾曲するように構成される、請求項19に記載の装置。
  22. 前記埋入物は子宮内避妊器具であり、前記子宮内避妊器具の前記部分は可撓性である、請求項19に記載の装置。
  23. マニピュレータであって、前記マニピュレータの一部分は前記通路内に配置され、前記埋入物が前記標的場所に搬送されるときに前記埋入物の前記部分を操作するように構成されるマニピュレータをさらに備える、請求項19に記載の装置。
  24. 前記マニピュレータは前記埋入物の前記部分を切断するように構成される、請求項23に記載の装置。
  25. 前記ガイド部材の前記第2端部分は拡張構成と折畳構成との間で動くように構成され、前記ガイド部材の前記第2端部分は、前記ガイド部材の前記第2端部分が前記折畳構成にあるときに前記埋入物の前記部分を保持するように構成される、請求項19に記載の装置。
  26. 前記ガイド部材の前記第2端部分を前記折畳構成に向かって付勢するように構成された付勢部材をさらに備える、請求項25に記載の装置。
  27. ハウジング通路を規定するハウジングと、
    埋入物の第1部分に着脱可能に連結されるように構成される遠位端部分を有する挿入部材であって、前記挿入部材の少なくとも一部分は前記ハウジング通路内に配置され、前記ハウジングに対して動くように構成される挿入部材と、
    前記埋入物の第2端部分を操作するように構成されたマニピュレータと、
    伝達部材であって、前記伝達部材の第1部分は、前記ハウジングに対する前記伝達部材の動きが前記挿入部材の動きを生じさせるように前記挿入部材に連結され、前記伝達部材の第2部分は、前記伝達部材が前記ハウジングに対して動かされたときに前記マニピュレータを作動させるように構成される伝達部材と、を備える装置。
  28. 前記埋入物は子宮内避妊器具であり、前記子宮内避妊器具の前記第2部分はフィラメントである、請求項26に記載の装置。
  29. 前記マニピュレータは、前記マニピュレータが作動されたときに前記埋入物の前記第2部分を切断するために前記ハウジング内で動くように構成される、請求項26に記載の装置。
  30. 前記伝達部材は、アクチュエータから力を前記挿入部材へ伝達して前記挿入部材を動かすように構成され、前記伝達部材は、前記力が閾値を越えるときに前記挿入部材に対して動くように構成された連結部分を含む、請求項26に記載の装置。
  31. 前記伝達部材は前記ハウジング内で往復するように構成される、請求項26に記載の装置。
  32. 前記挿入部材は第1挿入部材であり、
    前記装置は、
    前記第1挿入部材に連結された第2挿入部材であって、前記埋入物を前記第1挿入部材の前記遠位端部分から分離するために前記第1挿入部材に対して動くように構成される第2挿入部材をさらに備える、請求項26に記載の装置。
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