JP2015232447A - 分光器及びそれを用いた分光光度計 - Google Patents
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Abstract
【課題】1個の回転駆動機構を用いて高次光を除去した所望波長λnの光を出射することができる分光器及びそれを用いた分光光度計を提供する。【解決手段】入射スリット12と出射スリット13とを有する筐体11と、波長分散素子21と、波長分散素子21を所定回転軸で回転駆動する回転駆動機構23とを備え、入射スリット12から入射した所定波長範囲の光に対する波長分散素子21の角度を変えることにより、出射スリット13を通して所定波長の光を出射する分光器10であって、所定回転軸と垂直な方向に伸びたアーム部32を備え、アーム部32の一端部には、次数分離フィルタ31が保持されるとともに、アーム部32の他端部は、波長分散素子21と連結され、アーム部32は、回転駆動機構23によって波長分散素子21とともに所定回転軸で回転駆動されるように構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、試料に所定波長λnの光を照射する分光器及びそれを用いた分光光度計に関する。
所定波長λnの光を試料に照射するために、紫外可視光分光光度計や原子吸光分光光度計等の分光光度計では分光器(モノクロメータ)が用いられている。
図6は、一般的な分光光度計の一例を示す概略構成図である。なお、地面に水平な一方向をX方向とし、地面に水平でX方向と垂直な方向をY方向とし、X方向とY方向とに垂直な方向をZ方向とする。分光光度計101は、所定波長範囲λs〜λe(例えば185nm〜2000nm)の光を出射する光源(例えばキセノンランプやハロゲンランプやLED等)2と、モノクロメータ110と、試料室3と、光検出器4と、分光光度計101全体を制御するコンピュータ140とを備える。
図6は、一般的な分光光度計の一例を示す概略構成図である。なお、地面に水平な一方向をX方向とし、地面に水平でX方向と垂直な方向をY方向とし、X方向とY方向とに垂直な方向をZ方向とする。分光光度計101は、所定波長範囲λs〜λe(例えば185nm〜2000nm)の光を出射する光源(例えばキセノンランプやハロゲンランプやLED等)2と、モノクロメータ110と、試料室3と、光検出器4と、分光光度計101全体を制御するコンピュータ140とを備える。
モノクロメータ110は、スリット幅d(例えば200μm)の入射スリット12とスリット幅d(例えば200μm)の出射スリット13とを有する筐体11を備え、筐体11内には、回折格子(波長分散素子)21が保持された回折格子ホルダ22と、次数分離フィルタ31が保持されたフィルタホルダ132と、回折格子ホルダ22を駆動するステッピングモータ(回転駆動機構)23と、フィルタホルダ132を駆動するステッピングモータ(回転駆動機構)133とが設置されている。
このようなモノクロメータ110によれば、コンピュータ140からの回折格子制御信号により、ステッピングモータ23で回折格子ホルダ22(回折格子21)を回転させることによって、入射スリット12から入射した所定波長範囲λs〜λeの光に対する回折格子21の角度θnを変えることで、出射スリット13を通して所望波長λnの光を出射している。
ここで、回折格子21の角度θnと所望波長λnとの関係は、下記式(1)で表される。
2sinθncosK=Nmλn ・・・(1)
なお、mは使用する回折光の次数(回折次数)であり、Kは分光器偏角(回折格子の入射光と出射光とのなす角)の1/2(rad)であり、Nは回折格子の中心での単位長さ当たりの溝本数である。
また、式(1)を変形すると、下記式(2)のようになる。
θn=sin−1〔(λnNm)/(2cosK)〕 ・・・(2)
2sinθncosK=Nmλn ・・・(1)
なお、mは使用する回折光の次数(回折次数)であり、Kは分光器偏角(回折格子の入射光と出射光とのなす角)の1/2(rad)であり、Nは回折格子の中心での単位長さ当たりの溝本数である。
また、式(1)を変形すると、下記式(2)のようになる。
θn=sin−1〔(λnNm)/(2cosK)〕 ・・・(2)
よって、例えば、2K=31.23(deg)、N=600(本)、m=+1とした場合には、回折格子21の角度θnと所望波長λnとは下記式(3)のようになる。
θn=sin−1(λn×311.4) ・・・(3)
そして、所望波長範囲λnを600nm(λ1)〜900nm(λ2)としたときには、角度θ1と角度θ2とは式(3)から下記のように求めることができ、回折格子21の角度が10.77(deg)〜16.28(deg)となるように、ステッピングモータ23を駆動波長ピッチΔλ(例えば1nm)で回転させることになる。
θ1=0.187(rad)=10.77(deg)
θ2=0.284(rad)=16.28(deg)
θn=sin−1(λn×311.4) ・・・(3)
そして、所望波長範囲λnを600nm(λ1)〜900nm(λ2)としたときには、角度θ1と角度θ2とは式(3)から下記のように求めることができ、回折格子21の角度が10.77(deg)〜16.28(deg)となるように、ステッピングモータ23を駆動波長ピッチΔλ(例えば1nm)で回転させることになる。
θ1=0.187(rad)=10.77(deg)
θ2=0.284(rad)=16.28(deg)
また、試料室3には、試料Sが収納された10mmキュベットセル等が配置されるようになっている。その結果、モノクロメータ110で取り出された所望波長範囲λ1〜λ2の光が試料Sに照射され、試料Sにおいて反射又は透過された光が光検出器4に導入される。これにより、光検出器4は、光強度に応じた検出信号をコンピュータ140に出力する。
ところで、モノクロメータ110では、回折格子21により所望波長λnの光を取り出すことになるが、その取り出された光には所望波長λnの整数倍の周波数をもつ高次光が含まれる。そのため、次数分離フィルタ31を回折格子21と出射スリット13との間の光路上に挿入することで、高次光を除去している(例えば、特許文献1参照)。
また、分光光度計101では、フィルタホルダ132の円盤状のホイール132aの周縁部上の各位置に、複数種類(例えば、使用波長域400nm〜600nmの場合はUV−34、使用波長域600nm〜900nmの場合はY52)の波長特性を有する円盤状の次数分離フィルタ31a、31bをそれぞれ取り付け、コンピュータ140からのフィルタ制御信号によりステッピングモータ133でホイール132aの中央部を回転させることによって、所望波長λn毎に必要な波長特性を有する次数分離フィルタ31a、31bを所定位置(光路)上に配置することで、高次光を除去している。なお、ホイール132aは、X−Y平面と平行な方向に回転軸を有し、その回転軸から見た形状は円盤状となっている。
ところで、上述したような分光光度計101等では、次数分離フィルタ31を所定位置上に配置するステッピングモータ133は、ステッピングモータ23を回転駆動する回折格子制御信号の内容(所望角度θn)と関連するため連動して回転駆動されるが、ステッピングモータ133とステッピングモータ23とは独立したものとなっている。すなわち、従来の分光光度計では、ステッピングモータ133とステッピングモータ23とを駆動するために2軸のモータ制御(回折格子制御信号及びフィルタ制御信号の2種類の制御信号)を必要としていた。
また、2種類以上の次数分離フィルタ31a、31bが必要となる場合には、モノクロメータ110のサイズが大きくなるという問題点があった。
そこで、本発明は、1個の回転駆動機構を用いて高次光を除去した所望波長λnの光を出射することができる分光器及びそれを用いた分光光度計を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、1個の回転駆動機構を用いて高次光を除去した所望波長λnの光を出射することができる分光器及びそれを用いた分光光度計を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の分光器は、入射スリットと出射スリットとを有する筐体と、波長分散素子と、前記波長分散素子を所定回転軸で回転駆動する回転駆動機構とを備え、前記入射スリットから入射した所定波長範囲の光に対する波長分散素子の角度を変えることにより、出射スリットを通して所定波長の光を出射する分光器であって、前記所定回転軸と垂直な方向に伸びたアーム部を備え、前記アーム部の一端部には、次数分離フィルタが保持されるとともに、前記アーム部の他端部は、前記波長分散素子と連結され、前記アーム部は、前記回転駆動機構によって前記波長分散素子とともに前記所定回転軸で回転駆動されるように構成されている。
ここで、「所定波長範囲」は、入射スリットに入射させる光を出射させる光源等によって決められる任意の波長範囲λs〜λeであり、例えば200nm〜900nm等となる。また、「所定波長」は、測定者等によって所定波長範囲λs〜λe内から入力装置等を用いて選択され決められる任意の波長λnである。
本発明の分光器によれば、例えば、試料を測定する際に、出射スリットを通して第一波長λ1の光を出射させるときには、回転駆動機構に回折格子制御信号等を出力する。これにより、波長分散素子が第一角度θ1となるように回転駆動される。このとき、アーム部が連結されているため波長分散素子とともに回転駆動され、アーム部が所定角度θ1’となるように回転駆動される。その結果、出射スリットと波長分散素子との間の光路上に次数分離フィルタが配置される。つまり、本発明の分光器では、従来の分光器のようなフィルタ制御信号等を出力しない。
以上のように、本発明の分光器によれば、波長分散素子と次数分離フィルタとを同一の回転駆動機構で駆動することにより、1軸の回転駆動機構で高次光を除去することが可能となり、コストが低下する。
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、本発明の分光器は、前記次数分離フィルタは、複数種類の波長特性を有するフィルタが円弧状となるように並べられたものとしてもよい。
本発明の分光器によれば、試料を測定する際に、出射スリットを通して第一波長λ1〜第二波長λ2の光を出射させるときには、回転駆動機構に回折格子制御信号等を出力する。これにより、波長分散素子が、第一角度θ1〜第二角度θ2となるように回転駆動される。このとき、アーム部が連結されているため波長分散素子とともに回転駆動され、アーム部が所定角度θ1’〜所定角度θ2’となるように回転駆動される。その結果、出射スリットと波長分散素子との間の光路上に、一のフィルタ乃至は二のフィルタが配置される。
以上のように、円弧状に並んだフィルタで複数種類の高次光を除去することができるため、省スペース化することができる。
また、本発明の分光器は、前記次数分離フィルタは、複数種類の波長特性を有するフィルタが円弧状となるように並べられたものとしてもよい。
本発明の分光器によれば、試料を測定する際に、出射スリットを通して第一波長λ1〜第二波長λ2の光を出射させるときには、回転駆動機構に回折格子制御信号等を出力する。これにより、波長分散素子が、第一角度θ1〜第二角度θ2となるように回転駆動される。このとき、アーム部が連結されているため波長分散素子とともに回転駆動され、アーム部が所定角度θ1’〜所定角度θ2’となるように回転駆動される。その結果、出射スリットと波長分散素子との間の光路上に、一のフィルタ乃至は二のフィルタが配置される。
以上のように、円弧状に並んだフィルタで複数種類の高次光を除去することができるため、省スペース化することができる。
また、本発明の分光器は、前記次数分離フィルタの境界面が、前記所定波長の光の光路に対して斜面となるように挿入されるようにしてもよい。
本発明の分光器によれば、一のフィルタと二のフィルタとの境界面や、フィルタと空気との境界面等が斜面となっているので、フィルタの切り替えによる影響を少なくすることができる。
本発明の分光器によれば、一のフィルタと二のフィルタとの境界面や、フィルタと空気との境界面等が斜面となっているので、フィルタの切り替えによる影響を少なくすることができる。
そして、本発明の分光器は、前記回転駆動機構は、1個のステッピングモータであるようにしてもよい。
さらに、本発明の分光光度計は、上述したような分光器と、所定波長範囲の光を出射する光源と、試料に照射される所定波長が設定されたときに、前記回転駆動機構に制御信号を出力する制御部とを備えるようにしてもよい。
さらに、本発明の分光光度計は、上述したような分光器と、所定波長範囲の光を出射する光源と、試料に照射される所定波長が設定されたときに、前記回転駆動機構に制御信号を出力する制御部とを備えるようにしてもよい。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
図1は、本発明の実施形態に係る分光光度計の一例を示す概略構成図である。なお、上述した従来の分光光度計101と同様のものについては、同じ符号を付している。
分光光度計1は、所定波長範囲λs〜λe(例えば185nm〜2000nm)の光を出射する光源(例えばキセノンランプやハロゲンランプやLED等)2と、モノクロメータ10と、試料室3と、光検出器4と、分光光度計1全体を制御するコンピュータ40とを備える。
分光光度計1は、所定波長範囲λs〜λe(例えば185nm〜2000nm)の光を出射する光源(例えばキセノンランプやハロゲンランプやLED等)2と、モノクロメータ10と、試料室3と、光検出器4と、分光光度計1全体を制御するコンピュータ40とを備える。
モノクロメータ10は、スリット幅d(例えば200μm)の入射スリット12とスリット幅d(例えば200μm)の出射スリット13とを有する筐体11を備え、筐体11内には、回折格子(波長分散素子)21が保持された回折格子ホルダ22と、次数分離フィルタ31が保持された駆動アーム(アーム部)32と、回折格子ホルダ22と駆動アーム32とを駆動するステッピングモータ(回転駆動機構)23とが設置されている。つまり、1個のステッピングモータ23のみが設置されている。
駆動アーム32は、回折格子ホルダ22の回転軸Oと垂直な方向に伸びた棒形状となっており、駆動アーム32の一端部から他端部までの長さRは、筐体11内に配置されるように、入射スリット12の焦点距離fa、出射スリット13の焦点距離fbより小さいものとなっている。例えば、fa=52.5(mm)、fb=47.4(mm)である場合には、R<47.4(mm)となり、本実施形態ではR=45.5(mm)となっている。
駆動アーム32の一端部には、回折格子ホルダ22の回転軸Oを中心とした円弧状(x2+y2=R2、例えばR=45.5mm)の次数分離フィルタ31が保持されている。次数分離フィルタ31の波長特性は、例えば570nm以上で透過率91.1%以上となるフィルタ(「Y52」)となっている。
そして、駆動アーム32の他端部は、詳細は後述するが、回折格子ホルダ22と連結されており、回折格子ホルダ22とともに、回転軸Oで回転駆動されるように構成されている。
そして、駆動アーム32の他端部は、詳細は後述するが、回折格子ホルダ22と連結されており、回折格子ホルダ22とともに、回転軸Oで回転駆動されるように構成されている。
コンピュータ40においては、CPU(制御部)41と入力装置42とを備える。また、CPU41が処理する機能をブロック化して説明すると、ステッピングモータ23に回折格子制御信号を出力する制御信号出力部41aと、光検出器4からの検出信号を取得する光検出器制御部41bとを有する。制御信号出力部41aは、試料Sの測定時において、測定者等によって入力装置42を用いて入力された所望波長範囲λ1〜λ2と式(2)とに基づいて、所望波長範囲λ1〜λ2に対応する回折格子21の角度θ1〜θ2を算出し、角度θ1〜θ2となる回折格子制御信号をステッピングモータ23に出力する。つまり、フィルタ制御信号を出力しない。
次に、駆動アーム32の一端部に配置される円弧状の次数分離フィルタ31の構成について詳細に説明する。図2〜4は、モノクロメータ10の光学配置をX−Y座標上に表した図であり、図5は、図1に示すモノクロメータ10の要部の拡大図である。なお、図2〜5の各図において、回折格子ホルダ22の回転軸Oを原点としている。また、図2は波長λ1が0nmのときの図である。
図3に示すように、所望波長λ1が600nmと設定されたとき、制御信号出力部41aは、上述したように回折格子21の角度θ1が10.77(deg)となるようにする。このとき、所望波長λ1の光(回折光)が次数分離フィルタ31を通過した後、出射スリット13を通過するためには、出射スリット13の右端と回折格子21の右端とを通る光線の式y=α1x+β1(α1=9.5,β1=−76.8)と、次数分離フィルタ31の円の式x2+y2=R2との交点P1(XP1,YP1)=(12.6,43.7)に、次数分離フィルタ31が存在する必要がある。
図3に示すように、所望波長λ1が600nmと設定されたとき、制御信号出力部41aは、上述したように回折格子21の角度θ1が10.77(deg)となるようにする。このとき、所望波長λ1の光(回折光)が次数分離フィルタ31を通過した後、出射スリット13を通過するためには、出射スリット13の右端と回折格子21の右端とを通る光線の式y=α1x+β1(α1=9.5,β1=−76.8)と、次数分離フィルタ31の円の式x2+y2=R2との交点P1(XP1,YP1)=(12.6,43.7)に、次数分離フィルタ31が存在する必要がある。
ここで、出射スリット13の中央と回折格子21の回転軸Oとを結ぶ偏角Kの直線y=(1/tan(K))xと、次数分離フィルタ31の円の式x2+y2=R2との交点をMとし、∠P1OM=γとすると、下記式(4)が成立する。
γ=90−K−tan−1(YP1/XP1)×π/180=0.53(deg) ・・・(4)
また、出射スリット13の左端と回折格子21の左端とを通る光線の式y=α2x+β2と、次数分離フィルタ31の円の式x2+y2=R2との交点をP2(XP2,YP2)とする。ここで、∠P1OP2=2γという関係になっている。
γ=90−K−tan−1(YP1/XP1)×π/180=0.53(deg) ・・・(4)
また、出射スリット13の左端と回折格子21の左端とを通る光線の式y=α2x+β2と、次数分離フィルタ31の円の式x2+y2=R2との交点をP2(XP2,YP2)とする。ここで、∠P1OP2=2γという関係になっている。
したがって、角度θ1より∠P1OP2=2γ=1.06だけ回転角が小さい角度9.71(deg)になったとき、すなわち所望波長λnが541.4nmと設定されたときに、次数分離フィルタ31が、所望波長λnの光の光路上に現れると考えられる。正確には駆動波長ピッチΔλ=1nmであるので、図4に示すように所望波長λjが542nmと設定されたときに、次数分離フィルタ31が光路上に現れることになる。次数分離フィルタ(「Y52」)31の透過率Tは、540nm以上の波長の光に対しては86.3%となっているので、所望波長λjが542nmと設定されたときに、次数分離フィルタ31が光路上に現れても問題はない。
次に、モノクロメータ10の波長半値幅を考慮する。モノクロメータ10の逆線分散Dは、D=16.1(nm/mm)であるので、スリット幅d=200μmに含まれる所望波長λnは約3.2nmとなる。よって、波長半値幅を考慮すると、スリット幅dの出射スリット13を通過する所望波長λ1=600nmの光が光量の50%以上となるのは、波長λ=598.4nm〜601.6nmのときである。正確には駆動波長ピッチΔλ=1nmであるので、波長λk=599nm以上と設定されたときに、所望波長λ1=600nmの光が光量の50%以上を占める。よって、波長λk=599nmと設定されたときは、所望波長λ1=600nmの光が光量の50%以上を占めるので、次数分離フィルタ31が光路上に完全にかかっているようにする。なお、波長λk=599nmと設定されたときには、制御信号出力部41aは、式(2)に基づいて回折格子21の角度θjを10.75(deg)とすることになる。
また、所望波長λjが542nmと設定されたとき、制御信号出力部41aは、式(2)に基づいて回折格子21の角度θjを9.71(deg)とすることになる。
よって、次数分離フィルタ31の厚さtは、例えば、角度θj=9.71(deg)から角度θk=10.75(deg)までの間では、徐々に薄くなる斜面とし、それ以外の部分は1mmとすることで、次数分離フィルタ31の切り替えによる影響をなくすようにする。
よって、次数分離フィルタ31の厚さtは、例えば、角度θj=9.71(deg)から角度θk=10.75(deg)までの間では、徐々に薄くなる斜面とし、それ以外の部分は1mmとすることで、次数分離フィルタ31の切り替えによる影響をなくすようにする。
次に、所望波長λ2が900nmと設定されたとき、制御信号出力部41aは、上述したように回折格子21の角度θ2が16.28(deg)となるようにする。このとき、所望波長λ2の光(回折光)が次数分離フィルタ31を通過した後、出射スリット13を通過するためには、次数分離フィルタ31の中心角θfが下記式(5)を満足する必要がある。
θf=θ2−θj+γ=16.28−9.71+0.53=7.09(deg) ・・・(5)
θf=θ2−θj+γ=16.28−9.71+0.53=7.09(deg) ・・・(5)
したがって、図5に示すように、出射スリット13の中央と回折格子21の回転軸Oとを結ぶ偏角Kの直線y=(1/tan(K))xを基準として、時計回りを+方向とした場合、回折格子21の回転軸Oを中心とした半径Rの円上で、角度−θjから角度−(θj+θf)までの位置に、次数分離フィルタ31が配置されるようにすれば問題ないことになる。
以上のように、本発明の分光光度計1によれば、回折格子21と次数分離フィルタ31とを同一のステッピングモータ23で駆動することにより、1軸のステッピングモータ23で高次光を除去することが可能となり、コストを抑えることができる。また、次数分離フィルタ31と空気との境界面等が斜面となっているので、次数分離フィルタ31の切り替えによる影響を少なくすることができる。
<他の実施形態>
上述した分光光度計1では、駆動アーム32の一端部には、1種類のフィルタ「Y52」が保持されている構成としたが、フィルタ「Y52」とフィルタ「U−34」との2種類のフィルタが円弧状となるように並べられて保持されているような構成としてもよい。このとき、一のフィルタと二のフィルタとの境界面が斜面となるようにすることが好ましい。
上述した分光光度計1では、駆動アーム32の一端部には、1種類のフィルタ「Y52」が保持されている構成としたが、フィルタ「Y52」とフィルタ「U−34」との2種類のフィルタが円弧状となるように並べられて保持されているような構成としてもよい。このとき、一のフィルタと二のフィルタとの境界面が斜面となるようにすることが好ましい。
本発明は、分光光度計等に好適に利用できる。
10 モノクロメータ(分光器)
11 筐体
12 入射スリット
13 出射スリット
21 回折格子(波長分散素子)
23 ステッピングモータ(回転駆動機構)
31 次数分離フィルタ
32 駆動アーム(アーム部)
11 筐体
12 入射スリット
13 出射スリット
21 回折格子(波長分散素子)
23 ステッピングモータ(回転駆動機構)
31 次数分離フィルタ
32 駆動アーム(アーム部)
Claims (5)
- 入射スリットと出射スリットとを有する筐体と、
波長分散素子と、
前記波長分散素子を所定回転軸で回転駆動する回転駆動機構とを備え、
前記入射スリットから入射した所定波長範囲の光に対する波長分散素子の角度を変えることにより、出射スリットを通して所定波長の光を出射する分光器であって、
前記所定回転軸と垂直な方向に伸びたアーム部を備え、
前記アーム部の一端部には、次数分離フィルタが保持されるとともに、前記アーム部の他端部は、前記波長分散素子と連結され、
前記アーム部は、前記回転駆動機構によって前記波長分散素子とともに前記所定回転軸で回転駆動されるように構成されていることを特徴とする分光器。 - 前記次数分離フィルタは、複数種類の波長特性を有するフィルタが円弧状となるように並べられたものであることを特徴とする請求項1に記載の分光器。
- 前記次数分離フィルタの境界面が、前記所定波長の光の光路に対して斜面となるように挿入されるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の分光器。
- 前記回転駆動機構は、1個のステッピングモータであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の分光器。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の分光器と、
所定波長範囲の光を出射する光源と、
試料に照射される所定波長が設定されたときに、前記回転駆動機構に制御信号を出力する制御部とを備えることを特徴とする分光光度計。
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- 2014-06-09 JP JP2014118505A patent/JP2015232447A/ja active Pending
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JP2020076712A (ja) * | 2018-11-09 | 2020-05-21 | 株式会社島津製作所 | 分光器 |
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