JP2015232240A - 壁式構造のプレキャストコンクリート戸建住宅の躯体 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレキャストコンクリートによる建物の躯体の施工の手順をより単純化する。【解決手段】躯体は、プレキャストコンクリート壁柱及びプレキャストコンクリート壁梁を有する。プレキャストコンクリート壁柱の端部には接合金具が固定されている。プレキャストコンクリート壁梁の端部には接合金具が固定されている。建物の躯体の各階の柱梁架構は、プレキャストコンクリート壁柱及びプレキャストコンクリート壁梁の接合金具を嵌合させて嵌合部分にボルトを螺号したものにより構成される。【選択図】図1
Description
この発明は、壁式構造のプレキャストコンクリート建物の施工の手順を簡略化する技術に関する。
建物の躯体の施工方法の一つにプレキャストコンクリートがある。プレキャストコンクリートは、建物の基礎を形作る柱や梁を工場などで予め製造し、それらを工場から建設現場に搬送して現場で組み立てる工法である。プレキャストコンクリートは、現場打ち工法(建設現場において型枠を設置し、コンクリートを打設して基礎を作る工法)よりも短い工期で均一な施工を行うことができる。このため、プレキャストコンクリートは、集合住宅などの建物の躯体に好適な施工方法として広く普及している。プレキャストコンクリートに関わる技術を開示した文献として、特許文献1がある。この文献1に開示されたプレキャスト壁式鉄筋コンクリート造の壁接合構造は、下階床スラブ上に並べて設置される複数個のプレキャスト壁の突合せ端に切欠きを設け、隣接するプレキャスト壁やプレキャスト壁と床スラブの突合せ端同士を嵌合させ、嵌合部分にモルタル或いはコンクリートを吹き付けて一体化するものである。
ところで、この種の躯体では、水平方向に隣り合う2つのプレキャストコンクリート壁梁間に鉛直方向の孔が穿設された柱梁接合部を介挿し、柱梁接合部の孔内にプレキャストコンクリート壁柱の上端部の主筋を挿入し、その状態で柱梁接合部を型枠で囲んでコンクリートを打設することにより柱と梁を剛接合する工法が主流となっている。しかしながら、この工法は、柱梁接合部への型枠の設置やコンクリートの打設に手間がかかり工期を短縮し難いという問題がある。また、柱と梁をコンクリートを使って接合するため、接合部分の強度の発現に時間がかかり、次の工程に直ぐに進めないという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、プレキャストコンクリートによる建物の躯体の施工の手順をより単純化し得る技術的手段を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の好適な態様である躯体は、プレキャストコンクリート壁柱及びプレキャストコンクリート壁梁を含む複数種類のプレキャストセグメントからなる戸建住宅の躯体であって、前記プレキャストコンクリート壁柱の端部と前記プレキャストコンクリート壁梁の端部との間に接合金具を介在させ、前記プレキャストコンクリート壁柱及び前記プレキャストコンクリート壁梁と前記接合金具との嵌合部分にボルトを螺合したものにより柱梁架構が構成されていることを特徴とする。
本発明では、プレキャストコンクリート壁柱の端部とプレキャストコンクリート壁梁の端部との間に接合金具を介在させ、プレキャストコンクリート壁柱及びプレキャストコンクリート壁梁と接合金具との嵌合部分にボルトを螺合したものにより柱梁架構が構成されている。よって、本発明によると、現場でのコンクリートの打設を一切行わずに柱梁架構を作ることができる。従って、本発明によると、プレキャストコンクリートの施工手順をより単純化し、工期を短くすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である建物の躯体80の斜視図である。この躯体80は、2階建ての戸建住宅のものである。この躯体80は、プレキャストコンクリート壁柱PCP、プレキャストコンクリート壁梁PCJ、及びプレキャストコンクリート壁PCWの3種類のプレキャストセグメントからなる。この躯体80では、プレキャストコンクリート壁柱PCPの端部とプレキャストコンクリート壁梁PCJの端部との間に接続金具CN1(図11)を介在させ、プレキャストコンクリート壁柱PCP及びプレキャストコンクリート壁梁PCJと接続金具CN1との嵌合部分にボルトBを螺号したものにより1階及び2階の柱梁架構81−i(i=1、2)が構成される。
図2は、プレキャストコンクリート壁柱PCPを斜め上前方から見た図である。図3は、プレキャストコンクリート壁柱PCPを斜め下後方から見た図である。プレキャストコンクリート壁柱PCPは、柱本体の外殻と同形状の型枠への金属枠FP(図4)の収納→型枠内へのコンクリートの打設→コンクリートの乾燥→型枠の脱型という手順により製造されるものである。
図4は、プレキャストコンクリート壁柱PCPの金属枠FPを図2と同じ角度から見た図である。図4に示すように、金属枠FPは、上下の間隔をあけて対向するL字面FPU及びFPDとL字面FPU及びFPDの端部間に介在する端面FPL及びFPRとを有する。L字面FPU及びFPDにおける幅方向の中央、並びに端面FPL及びFPRにおける幅方向の中央には内側に凹んだ溝CHが設けられている。
金属枠FPにおけるL字面FPU及びFPD並びに端面FPL及びFPRの内側には溝CHを包囲する内板部FPIがある。金属枠FPの内板部FPIには22個の筒部221L−i(i=1〜12)及び221R−i(i=1〜12)が設けられている。ここで、簡便のため、図4では、筒部221L−i(i=1〜12)及び221R−i(i=1〜12)における筒部221L−12及び221R−12以外のものの符号の図示を割愛する。
22個の筒部221L−i(i=1〜12)及び221R−i(i=1〜12)のうち筒部221L−1、221L−2、221R−1、221R−2は、内板部FPIにおけるL字面FPUの内側の部分を貫いている。筒部221L−3〜221L−10は、内板部FPIにおける端面FPLの内側の部分を貫いている。筒部221R−3〜221R−10は、内板部FPIにおける端面FPRの内側の部分を貫いている。筒部221L−11、221L−12、221R−11、221R−12は、内板部FPIにおけるL字面FPDの内側の部分を貫いている。筒部221L−i(i=1〜12)の各々におけるL字の外側の端部には、筒部221L−i内の孔と連通するボルト挿入口221L’−iが設けられている。筒部221R−i(i=1〜12)の各々におけるL字の外側の端部には、筒部221R−i内の孔と連通するボルト挿入口221R’−iが設けられている。
プレキャストコンクリート壁柱PCPは、同じ高さD1(D1=250cm)と幅W1(W1=12cm)を持った2つの平板部22L及び22Rを有している。平板部22L及び22Rは、高さD1方向から見た形がL字をなすように交差している。平板部22Lの内面220LI(L字の内側を向いた面)と平板部22Rの内面220RI(L字の内側を向いた面)は直交している。平板部22Lの外面220LO(L字の外側を向いた面)と平板部22Rの外面220RO(L字の外側を向いた面)は直交している。プレキャストコンクリート壁柱PCP内の金属枠FPのL字面FPU及びFPDの左側の部分と端面FPLは、プレキャストコンクリート壁柱PCPの内面220LI及び外面220LOの間から外部に露出している。プレキャストコンクリート壁柱PCP内の金属枠FPのL字面FPU及びFPDの右側の部分と端面FPRは、プレキャストコンクリート壁柱PCPの内面220RI及び外面220ROの間から外部に露出している。また、図3に示すように、プレキャストコンクリート壁柱PCP内の金属枠FPの22個のボルト挿入口221L’−i(i=1〜12)及び221R’−i(i=1〜12)は、プレキャストコンクリート壁柱PCPの外面220LO及び220ROから外部に露出している。
図5は、プレキャストコンクリート壁梁PCJを斜め上前方から見た図である。図6は、プレキャストコンクリート壁梁PCJを斜め下後方から見た図である。プレキャストコンクリート壁梁PCJは、梁本体の外殻と同形状の型枠への金属枠FJ(図7)の収納→型枠内へのコンクリートの打設→コンクリートの乾燥→型枠の脱型という手順により製造されるものである。
図7は、プレキャストコンクリート壁梁PCJの金属枠FJを図6と同じ角度から見た図である。金属枠FJは、上下の間隔をあけて対向する台形面FJU及びFJDと、台形面FJU及びFJDの端部間に介在する端面FJL及びFJRとを有する。台形面FJU及びFJDにおける幅方向の中央並びに端面FJL及びFJRにおける幅方向の中央には内側に凹んだ溝CHが設けられている。
金属枠FJにおける台形面FJU及びFJD並びに端面FJL及びFJRの内側には溝CHを包囲する内板部FJIがある。金属枠FJの内板部FJIには44個の筒部312L−j(j=1〜4)、321R−j(j=1〜4)、321U−m(m=1〜18)、321D−m(m=1〜18)が設けられている。ここで、簡便のため、図7では、筒部312L−j(j=1〜4)、321R−j(j=1〜4)、321U−m(m=1〜18)、321D−m(m=1〜18)のうち筒部321L−1及び321L−2以外のものの符号の図示を割愛する。
44個の筒部312L−j(j=1〜4)、321R−j(j=1〜4)、321U−m(m=1〜18)、321D−m(m=1〜18)のうち筒部312L−j(j=1〜4)は、内板部FJIにおける端面FJLの内側の部分を貫いている。筒部321R−j(j=1〜4)は、内板部FJIにおける端面FJRの内側の部分を貫いている。筒部321U−m(m=1〜18)は、内板部FJIにおける台形面FJUの内側の部分を貫いている。筒部321D−m(m=1〜18)は、内板部FJIにおける台形面FJDの内側の部分を貫いている。
筒部312L−j(j=1〜4)の各々における台形面FJU及びFJDの下底側の端部には筒部312L−j内の孔と連通するボルト挿入口312L’−jがある。筒部312R−j(j=1〜4)の各々における台形面FJU及びFJDの下底側の端部には筒部312R−j内の孔と連通するボルト挿入口312R’−jがある。
筒部321U−m(m=1〜18)の各々における台形面FJU及びFJDの下底側の端部には筒部321U−m内の孔と連通するボルト挿入口321U’−mがある。筒部321D−m(m=1〜18)の各々における台形面FJU及びFJDの下底側の端部には筒部321D−m内の孔と連通するボルト挿入口321D’−mがある。
プレキャストコンクリート壁梁PCJは、長さD2(D2=500cm)、厚みW2(W2=10cm)、及び幅2(T2=30cm)の寸法を有している。プレキャストコンクリート壁梁PCJ内の金属枠FJの台形面FJU及びFJD並びに端面FJL及びFJRは、プレキャストコンクリート壁梁PCJの内面FJI及び外面FJOの間から外部に露出している。
図5に示すように、プレキャストコンクリート壁梁PCJには筒部322−k(k=1〜18)が埋設されている。これらの筒部322−k(k=1〜18)の端部はプレキャストコンクリート壁梁PCJの内面FJIから外部に露出している。図6に示すように、プレキャストコンクリート壁梁PCJの金属枠FJの44個のボルト挿入口312L’−j(j=1〜4)、321R’−j(j=1〜4)、321U’−m(m=1〜18)、321D’−m(m=1〜18)は、プレキャストコンクリート壁梁PCJの外面FJOから外部に露出している。また、プレキャストコンクリート壁梁PCJの外面FJOと金属枠FJの端面FJL及びFJRは45度の角度で交わっている。プレキャストコンクリート壁梁PCJの内面FJIと金属枠FJの端面FJL及びFJRは135度の角度で交わっている。
図8は、プレキャストコンクリート壁PCWを斜め下前方から見た図である。図9は、プレキャストコンクリート壁PCWを斜め上後方から見た図である。プレキャストコンクリート壁PCWは、壁本体の外殻と同形状の型枠への金属枠FW(図10)の収納→型枠内へのコンクリートの打設→コンクリートの乾燥→型枠の脱型という手順により製造されるものである。
図10は、プレキャストコンクリート壁PCWの金属枠FWを図9と同じ角度から見た図である。図10に示すように、金属枠FWは、矩形状をなしている。金属枠FWは、上下の間隔をあけて対向する端面FWU及びFWDと、左右の間隔をあけて対向する端面FWL及びFWRとを有する。端面FWL及びFWRにおける幅方向の中央には内側に凹んだ溝CHが設けられている。
プレキャストコンクリート壁PCWは、横幅D3(D3=480cm)、厚みW3(W3=W2=10cm)、及び縦幅T3(T3=30cm)の寸法を有している。金属枠FWにおける端面FWU、FWD、FWL、及びFWRの内側には溝CHを包囲する内板部FWIがある。金属枠FWの内板部FWIには26個の筒部421−n(n=1〜26)が設けられている。26個の筒部421−n(n=1〜26)のうち筒部421−1〜421−5は、内板部FWIにおける端面FWUの内側の部分を貫いている。筒部421−6〜421−13は、内板部FWIにおける端面FWRの内側の部分を貫いている。筒部421−14〜421−18は、内板部FWIにおける端面FWDの内側の部分を貫いている。筒部421−19〜421−26は、内板部FWIにおける端面FWRの内側の部分を貫いている。筒部421−n(n=1〜26)の各々の一端側には、筒部421−n内の孔と連通するボルト挿入口421’−nがある。
図11は、接続金具CN1の斜視図である。接続金具CN1は、一枚の金属板を幅方向の中心線を稜線としてL字状に屈曲させたものである。接続金具CN1は、同じ高さD4(D4=40cm)及び幅W4(W4=3cm)を持った2つの平板部52L及び52Rを有している。平板部52L及び52Rは、高さD4方向から見た形がL字をなすように交差している。接続金具CN1の厚みT4は金属枠FP、FJ、FWの溝CHの厚みと同じである。接続金具CN1の高さD4は、プレキャストコンクリート壁梁PCJの幅よりも僅かに大きくなっている。
接続金具CN1の平板部52Lには平板部52Lの表裏面間を貫く8つの孔521L−p(p=1〜8)が穿設されている。接続金具CN1の平板部52Rには平板部52Rの表裏面間を貫く8つの孔521R−p(p=1〜8)が穿設されている。平板部52Lの孔521L−p(p=1〜8)は、孔521L−1と孔521L−2、孔521L−3と孔521L−4、孔521L−5と孔521L−6、及び孔521L−7と孔521L−8の4つの列をなしている。平板部52Rの孔521R−p(p=1〜8)は、孔521R−1と孔521R−2、孔521R−3と孔521R−4、孔521R−5と孔521R−6、及び孔521R−7と孔521R−8の4つの列をなしている。
以上が、プレキャストコンクリート壁柱PCP、プレキャストコンクリート壁梁PCJ、プレキャストコンクリート壁PCW、及び接続金具CN1の構成の詳細である。ここで、本実施形態におけるプレキャストコンクリート壁柱PCPの筒部221L−1及び221L−2(筒部221L−11及び221L−12)の間隔は接続金具CN1の孔521L−1及び521L−2(孔521L−7及び521L−8)の間隔と同じになっている。また。プレキャストコンクリート壁柱PCPの筒部221R−1及び221R−2(筒部221R−11及び221R−12)の間隔は接続金具CN1の孔521R−1及び521R−2(孔521R−7及び521R−8)の間隔と同じになっている。
また、プレキャストコンクリート壁梁PCJの筒部321L−1及び321L−4(筒部321L−2及び321L−3)の間隔は接続金具CN1の孔521L−3及び521L−5(筒部521L−4及び521L−6)の間隔と同じである。また、プレキャストコンクリート壁梁PCJの筒部321R−1及び321R−4(筒部321R−2及び321R−3)の間隔は接続金具CN1の孔521R−3及び521R−5(筒部521R−4及び521R−6)の間隔と同じである。
また、プレキャストコンクリート壁梁PCJの筒部321L−1及び321L−2(筒部321L−3及び321L−4)の間隔は接続金具CN1の孔521L−3及び521L−4(筒部521L−5及び521L−6)の間隔と同じである。また、プレキャストコンクリート壁梁PCJの筒部321R−1及び321R−2(筒部321R−3及び321R−4)の間隔は接続金具CN1の孔521R−3及び521R−4(筒部521R−5及び521R−6)の間隔と同じである。
このため、図12に示すように、本実施形態では、上下2つのプレキャストコンクリート壁柱PCPの端部と左右2つのプレキャストコンクリート壁梁PCJの端部の間に接続金具CN1を介在させ、プレキャストコンクリート壁柱PCP及びプレキャストコンクリート壁梁PCJと接続金具CN1との嵌合部分にボルトBを螺合したものにより柱梁架構81−iが構成される。
本実施形態では、建物の躯体80の施工を以下の手順で行う。まず、図13に示すように、べた基礎上において各々の外面320O(ボルト挿入口がある側の面)を外側に向けた4つのプレキャストコンクリート壁梁PCJを格子状に連結し、隣接するプレキャストコンクリートの各連結部分上に1階の柱梁架構81−iをなす4本のプレキャストコンクリート壁柱PCPを立てる。
次に、図14及び図15に示すように、プレキャストコンクリート壁柱PCPの上端のL字面FPUの溝CHに接続金具CN1を挿入し、プレキャストコンクリート壁柱PCPのボルト挿入口221L’−1、221L’−2、221R’−1、221R’−2と溝CH内の接続金具CN1の孔521L−7、521L−8.521R−7,521R−8にボルトB(図14及び図15において図示略)を螺合する。また、プレキャストコンクリート壁柱PCPの端面FPRの溝CHに接続金具CN2(より具体的には、溝CHと略同じ厚さの長尺の金属板の幅方向の中心線の両側にボルト挿入口221R’−3〜221R’−10と同じ間隔をあけた8個の孔を穿設した接続金具CN2)を挿入し、プレキャストコンクリート壁柱PCPのボルト挿入口221R’−3〜221R’−10と溝CH内の金属板CN2の孔にボルトB(図14及び図15において図示略)を螺合する。
次に、図16に示すように、プレキャストコンクリート壁柱PCPの溝CHに接続金具CN3(より具体的には、溝CHと略同じ幅の長尺の金属板の幅方向の中心の両側にボルト挿入口421’−14〜421’−18と同じ間隔をあけた5個の孔を穿設した接続金具CN3)を挿入し、プレキャストコンクリート壁柱PCPのボルト挿入口421’−14〜421’−18と溝CH内の接続金具CN3の孔にボルトB(図16において図示略)を螺合する。その上で、プレキャストコンクリート壁PCWをその溝CH内にプレキャストコンクリート壁梁PCJ上の接続金具CN2における溝CHの上に露出した部分を嵌め込むようにしてプレキャストコンクリート壁梁PCJ上に載せる。
次に、図17に示すように、プレキャストコンクリート壁梁PCJ上のプレキャストコンクリート壁PCWをプレキャストコンクリート壁柱PCPに向かってスライドさせ、プレキャストコンクリート壁柱PCP内の接続金具CN2における溝CHの外に露出した部分をプレキャストコンクリート壁PCWの溝CHに嵌め込み、プレキャストコンクリート壁PCWのボルト挿入口421−19〜421−25と溝CH内の接続金具CN2の孔にボルトB(図17において図示略)を螺合する。その後、同じ手順で、4つのプレキャストコンクリート壁梁PCJ上におけるプレキャストコンクリート間に5枚のプレキャストコンクリート壁PCWを一枚壁状に配置する。これにより、躯体80における1階の柱梁架構81−iが完成する。
次に、図18及び図19に示すように、プレキャストコンクリート壁PCWの上側の溝CHに接続金具CN3を嵌め込む。その上で、図20に示すように、1階の柱梁架構81−1における隣り合うプレキャストコンクリート壁柱PCP上の接続金具CN2をプレキャストコンクリート壁梁PCJの各々の溝CH内に嵌め込み、そのままプレキャストコンクリート壁梁PCJを下にスライドさせてプレキャストコンクリート壁梁PCJの溝CHにプレキャストコンクリート壁PCW上の接続金具CN3を嵌め込み、プレキャストコンクリート壁梁PCJのボルト挿入口321D’−m(m=1〜18)と溝CH内の接続金具CN3の孔にボルトB(図20において図示略)を螺合する。
次に、図21に示すように、プレキャストコンクリート壁梁PCJの溝CHにおける柱梁架構81−1のプレキャストコンクリート壁PCWの反対側の各位置に接続金具CN3を一枚ずつ嵌め込む。その上で、図22に示すように、1階の柱梁架構81−iのプレキャストコンクリート壁柱PCP上の接続金具CN3におけるプレキャストコンクリート壁梁PCJの接合部分の上に露出した部分に2階の柱梁架構81−2のプレキャストコンクリート壁柱PCPを立てる。
次に、図23に示すように、対向する一対のプレキャストコンクリート壁梁PCJにおける連結孔間にT字接続金具CN4及びボルトBを用いて複数のプレキャストコンクリート壁梁PCJを架設する。以降は、1階の柱梁架構81−1と同様に、プレキャストコンクリート壁柱PCP間にプレキャストコンクリート壁PCWを5枚ずつ並べ、それらの上に接続金具CN1を介してプレキャストコンクリート壁梁PCJを設置する。これにより、2階の柱梁架構81−2が完成する。
以上が、本実施形態の詳細である。本実施形態によると、次の効果が得られる。
第1に、本実施形態では、プレキャストコンクリート壁柱PCPの端部とプレキャストコンクリート壁梁PCJの端部との間に接続金具CN1を介在させ、プレキャストコンクリート壁柱PCP及びプレキャストコンクリート壁梁PCJと接続金具CN1との嵌合部分にボルトBを螺合したものにより柱梁架構81−iが構成される。よって、本実施形態によると、現場でのコンクリートの打設を一切行わずに柱梁架構81−i(i=1、2)を作ることができる。従って、本実施形態によると、プレキャストコンクリートの施工手順をより単純化し、工期を短くすることができる。
第1に、本実施形態では、プレキャストコンクリート壁柱PCPの端部とプレキャストコンクリート壁梁PCJの端部との間に接続金具CN1を介在させ、プレキャストコンクリート壁柱PCP及びプレキャストコンクリート壁梁PCJと接続金具CN1との嵌合部分にボルトBを螺合したものにより柱梁架構81−iが構成される。よって、本実施形態によると、現場でのコンクリートの打設を一切行わずに柱梁架構81−i(i=1、2)を作ることができる。従って、本実施形態によると、プレキャストコンクリートの施工手順をより単純化し、工期を短くすることができる。
第2に、本実形態では、各階の柱梁架構81−iについて、当該柱梁架構81−iにおけるプレキャストコンクリート壁柱PCPの上端部の溝CHに接続金具CN1が嵌め込まれ、接続金具CN1における溝CHの上部に露出した部分に2つのプレキャストコンクリート壁梁PCJがL字をなすようにして嵌め込まれ、接続金具CN1における2つのプレキャストコンクリート壁梁PCJがL字をなすようにして嵌め込まれた部分の上部に露出した部分が上階の柱梁架構81−iにおけるプレキャストコンクリート壁梁PCJの下端部の溝CHに嵌め込まれるように構成されている。よって、本実施形態によると、2階建て以上の住宅の躯体80の柱梁架構81−iの施工を柱梁の十分な接合強度を確保しつつ一層効率化できる。
第3に、本実施形態では、プレキャストコンクリート壁梁PCJの一端側及び他端側の端面FJL及びFJRは、厚み方向に対向する内面320I及び外面320Oのうち内面320Iと135度の角度で交わり且つ外面320Oと45度の角度で交わるテーパ面をなしており、当該接続金具CN1における溝CHの上部に露出した部分において2つのプレキャストコンクリート壁梁PCJのテーパ面同士が当接するように構成されている。よって、本実施形態によると、柱梁架構81−iの水平面の縦方向に架設するプレキャストコンクリート壁梁PCJと横方向に架設するプレキャストコンクリート壁梁PCJの接続金具CN1を共通ものにすることができる。従って、本実施形態によると、工場におけるプレキャストコンクリート壁梁PCJの製造工程が単純化され、施工効率をより一層高めることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下の変形を加えてもよい。
(1)上記実施形態は、本発明を2階建ての戸建住宅の躯体80の施工に適用したものであった。しかし、1階建てや3階建て以上の住宅の躯体80の施工に本発明を適用してもよい。
(1)上記実施形態は、本発明を2階建ての戸建住宅の躯体80の施工に適用したものであった。しかし、1階建てや3階建て以上の住宅の躯体80の施工に本発明を適用してもよい。
(2)上記実施形態では、プレキャストコンクリート壁柱PCP、プレキャストコンクリート壁梁PCJ、及びプレキャストコンクリート壁PCWにより住宅基礎の柱梁架構81−iを構成した。しかし、プレキャストコンクリート壁柱PCPとプレキャストコンクリート壁梁PCJのみにより住宅基礎の柱梁架構81−iを構築してもよい。
PCP…プレキャストコンクリート壁柱、PCJ…プレキャストコンクリート壁梁、PCW…プレキャストコンクリート壁、81…建物架構、80…躯体、FP、FJ、FW…金属枠、39…L字状凹部。
Claims (4)
- プレキャストコンクリート壁柱及びプレキャストコンクリート壁梁を含む複数種類のプレキャストセグメントからなる壁式構造のプレキャストコンクリート戸建住宅の躯体であって、
前記プレキャストコンクリート壁柱の端部と前記プレキャストコンクリート壁梁の端部との間に接合金具を介在させ、前記プレキャストコンクリート壁柱及び前記プレキャストコンクリート壁梁と前記接合金具との嵌合部分にボルトを螺合したものにより柱梁架構が構成されていることを特徴とする壁式構造のプレキャストコンクリート戸建住宅の躯体。 - 前記接合金具は、同じ高さと幅を有する2つの平板部をL字状に交差させたものであり、
前記プレキャストコンクリート壁柱の上端部及び下端部には、前記接合金具の厚さと同じ幅を有するL字状の溝が設けられており、
前記プレキャストコンクリート壁梁の一端部及び他端部には、前記接合金具の厚さと同じ幅を有する一直線状の溝が設けられており、
各階の柱梁架構について、当該柱梁架構における前記プレキャストコンクリート壁柱の上端部の溝に接合金具が嵌め込まれ、当該接合金具における溝の上部に露出した部分に2つの前記プレキャストコンクリート壁梁がL字をなすようにして嵌め込まれ、当該接合金具における2つの前記プレキャストコンクリート壁梁がL字をなすようにして嵌め込まれた部分の上部に露出した部分が上階の柱梁架構における前記プレキャストコンクリート壁梁の下端部の溝に嵌め込まれるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の壁式構造のプレキャストコンクリート戸建住宅の躯体。 - 前記プレキャストコンクリート壁梁の一端側及び他端側の端面は、厚み方向に対向する内面及び外面のうち内面と135度の角度で交わり且つ外面と45度の角度で交わるテーパ面をなしており、当該接合金具における溝の上部に露出した部分において2つの前記プレキャストコンクリート壁梁の前記端面同士が当接するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の壁式構造のプレキャストコンクリート戸建住宅の躯体。
- 前記複数種類のプレキャストセグメントは、矩形板状のプレキャストコンクリート壁を含み、
前記各階の柱梁架構における2つの前記プレキャストコンクリート壁柱及び2つの前記プレキャストコンクリート壁梁からなる矩形枠内に、水平方向に並べた複数個の前記プレキャストコンクリート壁が嵌め込まれている
ことを特徴とする請求項3に記載の壁式構造のプレキャストコンクリート戸建住宅の躯体。
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