JP2015232189A - 編機及び編機を用いた紐状物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 編機の上方から円状に配置した編針(メリヤス針)の中心中空部に挿入された円筒が、糸の絡みの原因となる編地の浮き上がりを抑制するため、製紐安定性が向上させることを目的とする。
【解決手段】
中空の芯棒と、前記芯棒の外周に周方向に等間隔に配置され前記芯棒の端部から突出して上下動する複数本のメリヤス針と、前記芯棒に対し回転可能に装着された外筒と、前記メリヤス針の上方に配置された糸絡み防止手段とを備えた編機。
【選択図】図1

Description

この発明は、円筒状紐を編成する編機であって、高速運転を可能とした編機に関する発明である。
近年、環境汚染に対する関心が高まり、また水質に関する規制が強化されていることから、分離の完全性、コンパクト性などに優れた濾過膜を用いた水処理が注目を集めている。このような水処理の濾過膜として、中空状多孔質膜が用いられ、この中空状多孔質膜には、優れた分離特性や透過性能のみならず、高い機械特性が必要とされる。
機械特性に優れた中空状多孔質膜としては、例えば、糸を丸打ちした円筒状組紐からなる中空状多孔質膜用支持体(以下、単に支持体ということもある)の外周面に、多孔質膜層を設けた中空状多孔質膜が知られている。この中空状多孔質膜は、支持体を環状ノズルに連続的に通過させ、環状ノズルから製膜原液を吐出し、支持体の外周面に製膜原液を塗布した後、製膜原液が塗布された支持体を凝固浴槽内に通し、凝固浴槽内の凝固液で製膜原液を凝固させることにより製造される。
支持体としての円筒状組紐は、通常、製紐機により製造される。製紐機においては、平板上に立設した多数のボビンから各糸を引き出し、各糸を相互に交差させて組むとともに、各ボビンを所定の経路に沿って移動させることにより糸の位置関係を所定のパターンで変化させて組紐が製造される。
しかしながら、このような製紐機は、小分けした多数のボビンが複雑な動きをしているため、通常は、製紐機による円筒状組紐の製紐速度は10〜20m/hr程度であり製紐速度をそれ以上、上げることが難しく、生産性が低いという問題がある。このように生産性が低いと、支持体(円筒状組紐)のコストが上昇し、その結果、支持体を用いる中空状多孔質膜のコスト上昇にもつながる。
一方で、糸を丸編みして紐状物を製造する編機が知られている。この編機は中空の芯棒の周囲に回転する外筒を備え、外筒にはボビンから供給される糸を案内する糸案内ガイドが設けられている。芯棒の外周面に沿って外筒の端面から突出する複数のメリヤス針(あるいはラッチ針、ベラ針とも言う)が上下動可能に設けられている。糸案内ガイドは、供給される糸をメリヤス針の所定の位置に案内する(特許文献1参照)。
メリヤス針には、下降動作の際に係止した糸が抜けないように開閉するラッチが設けられている。このラッチはメリヤス針が上昇する際には、次の糸を係止するために開いている必要があるため、メリヤス針が上昇する際にラッチが閉じるのを防止するラッチ押さえを備えた丸編機がある(特許文献2参照)。
中空糸膜の生産性を向上する手段として、本発明者等は、下記特許文献3及び特許文献4に開示されているように、丸編みによって円筒状編紐を編成することにより、円筒状組紐と同等の機械特性(耐圧強度、引張り強度等)を有するうえ、組紐よりも生産性が良い支持体が得られること、また円筒状編紐を加熱した熱処理金型に通して材料の溶融温度未満の温度で加熱処理を施すことにより伸縮性(外径変化)が抑えられた円筒状編紐支持体(以下、編紐支持体とする)が得られることを見出し、これに基づいた中空状多孔質膜用支持体の製造方法及び装置を既に提案している。
実開昭60−193993号公報 実開昭48−89950号公報 特開2008−114180号公報 特開2009−052190号公報
しかしながら、特許文献3や特許文献4で開示された製造方法及び製造装置では、生産性を向上するため丸編機の回転速度を上げて生産速度を向上する方法が取られている。製造条件によっては回転速度が3000min−1を超えることがあるが、一般的に編紐を編成する丸編機の回転速度は500〜1000min−1が想定されており、これらの製造方法及び製造装置における丸編機の回転速度は通常の3倍以上となり、丸編機を構成する部品類、特にメリヤス針及びメリヤス針と摺動するカム山部の磨耗劣化が激しくなる他、丸編み機の上方から円状に配置したメリヤス針の中心中空部に挿入された円筒が、糸の絡みの原因となる編地の浮き上がりにより、製紐安定性が低下する。
そこで、この発明は、丸編機の回転速度を上げてもカムが丸編機を構成する部品類の磨耗を抑制し、編地の浮き上がりにより、製紐安定性が低下することのない円筒状編紐を生産性良く製造できる中空状多孔質膜用支持体に用いる円筒状編紐を編成する丸編機を提供するものである。
本発明の態様は、中空の芯棒と、前記芯棒の外周に周方向に等間隔に配置され前記芯棒の端部から突出して上下動する複数本のメリヤス針と、前記芯棒に対し回転可能に装着された外筒と、前記メリヤス針の上方に配置された糸絡み防止手段とを備えた編機である。
本発明の第2の態様は、状物の編機を用いて得られる紐状物の製造方法である。
本発明の中空状多孔質膜用支持体の製造方法によれば、編機の上方から円状に配置した編針(メリヤス針)の中心中空部に挿入された円筒が、糸の絡みの原因となる編地の浮き上がりを抑制するため、製紐安定性が向上する。
本発明の丸編機の側断面図である。 本発明の丸編機のメリヤス針が上下動する姿勢変化を示す斜視図である。 本発明の実施形態の一つである丸編機の要部を示す斜視図である。 図3とは逆方向から見た丸編機の斜視図である。 糸がメリヤス針に巻き付く状態を示す斜視図である。 ラッチの回動範囲と糸の関係を示す説明図である。 糸の配索状況を示す模式的に示す平面図である 本発明の丸編機の芯棒の斜視図である。 メリヤス針の正面図である。 編紐の構造を示す図である。 本発明の糸絡み防止手段を表す正面図である。 本発明の糸絡み防止手段を表す上面図である。
以下、本発明の丸編機及び本編機で製造される編紐について説明する。
本発明の製編に用いる糸の材料としては、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維等が挙げられる。また、複数種類の繊維を組み合わせたものであってもよい。
合成繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等のポリエステル系繊維;ポリアクリロニトリル等のアクリル系繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;ポリビニルアルコール系繊維;ポリ塩化ビニリデン系繊維;ポリ塩化ビニル系繊維:ポリウレタン系繊維;フェノール樹脂系繊維
;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系繊維;ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維等が挙げられる。
半合成繊維としては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、キチン、キトサン等を原料としたセルロース誘導体系繊維:プロミックスと呼称される蛋白質系繊維等が挙げられる。
再生繊維としては、ビスコース法、銅−アンモニア法、有機溶剤法等により得られるセルロース系再生繊維(レーヨン、キュプラ、ポリノジック等)が挙げられる。天然繊維としては、亜麻、黄麻等が挙げられる。
これらのなかでは、耐薬品性に優れる点から、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維からなる群から選ばれる1種が好ましく、中空状多孔質膜の洗浄に用いられる次亜塩素酸塩(例えば次亜塩素酸ナトリウム)に対する耐性が優れる点では、ポリエステル繊維(PET)が特に好ましい。
支持体に用いる糸の形態としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、紡績糸等が挙げられるが、本発明の中空状多孔質膜用支持体の形態としては、マルチフィラメントが好ましい。
支持体に用いる糸の繊度は所望の中空状多孔質膜の外径を勘案して適当な繊度を決定できる。中空状多孔質膜の外径が細すぎると生産性が低下すること、太すぎると外力に対して潰れやすくなることから0.5mm〜5.0mmが望ましいため、中空状多孔質膜用支持体に用いられる糸の繊度としては56〜1000dtexの糸を用いることが好ましい。
この実施形態の丸編機で編まれた紐状物は、熱処理金型を通過させることにより熱処理し、かつ外径を所定の大きさに絞るサイジングを行って伸縮性のない支持体となる。次に、このサイジングされた支持体は、その外表面に膜形成樹脂溶液が塗布されることにより外側に多孔質膜層が形成された中空糸膜とすることができる。
円筒状編紐の編目の数は、1周あたり5以上が好ましい。編目の数は、後述の丸編機のメリヤス針の数と同じである。編目の数が5以上であれば、編紐支持体の中空部の断面形状が円形となり、内径縮小化による通水性の低下が抑えられる。編目の数の上限は、円筒状編紐の外径、糸の繊度、編目の大きさ(ループの大きさ)等により決まる。編目が大きい場合、製膜原液を編紐支持体に塗布する際に、製膜原液が編紐支持体の内部に流入して中空部が閉塞するおそれがある。したがって、同じ外径の円筒状編紐を製造する場合、糸の繊度が高いと編目の数は少なく、繊度が低いと編目の数は多く設定する必要がある。
図1はこの発明の実施形態の丸編機を示している。丸編機1は基台に固定される板状のベース板2を備えている。ベース板2には、一端側に基台に固定される固定孔3が形成され、他端側には取付孔4が設けられている。取付孔4には中空の芯棒5が下部を2つのナット6,6により弛み止めされた状態で締め付け固定されている。芯棒5は後述する外筒7の上端部から突出し、外筒7の回転中心軸として機能する。また、芯棒5は上端部において編まれた紐状物を中空部内を経て下方に案内する機能と、後述するメリヤス針8の上下方向の動きを案内するガイドとしての機能を備えている。ここで、この実施形態ではメリヤス針8に16Gのサイズを用いている。
芯棒5は下部外周にナット6,6が螺合される雄ねじ部9と、雄ねじ部9の上側外周にベアリング10の内周側を装着するベアリング装着部11とを備え、ベアリング装着部11の上側外周には外筒7から突出する上端部に至るまでの範囲でメリヤス針8を周方向でセットする案内溝12が周方向に12箇所形成されている。案内溝12の溝底13の直径は8mmとなっているが、編まれる紐状物の直径に合わせてこの直径寸法は例えば3mm以上〜12mm未満のものが使用できる。この案内溝12に合計12本のメリヤス針8が配置されている。
芯棒5のベアリング装着部11にはベアリング10のインナレースが嵌装され、ベアリング10はベース板2上に端面を載置した状態となっている。ベアリング10のアウタレースに外筒7が回転可能に装着されている。尚、外筒7の回転数は3000min−1で、連続運転100時間以上でも編み目飛びなく良好であることが要求される。
尚、ベアリング10としては高速回転によっても上部が振れを起こさないように複列アンギュラ型のベアリングを用いることが好ましい。また、ベルトVに替えて歯付きベルトを使用することができる。
外筒7の下部には、それよりも上の部分に比較して直径が大きい大径部14が形成されている。大径部14の外周には断面V字状のベルト溝15が形成され、このベルト溝15に図示しない駆動装置に連係されたベルトを掛け渡して外筒7を回転駆動させる。ここで、大径部14の下端面はベース板2の上面を切除して形成された座グリ部16にやや入り込むようになっている。
外筒7の内周面には下カム17と上カム18が、外筒7の外周面からねじ込まれた下ねじ19と上ねじ20によって各々固定されている。上カム18の下縁と下カム17の上縁との間には、一定の間隔が溝幅として確保されると共に外筒7の内周面を溝底とするガイド溝21が楕円形状に形成されている。このガイド溝21はメリヤス針8の下部付近にラッチ28の開閉する方向に突出するバット部22を受け入れている。ガイド溝21は、展開した形状が山形になっており、外筒7が回転することにより芯棒5の周りに配置された各メリヤス針8が上下動する。ここで、外筒7には長孔23が設けられ、この長孔23に挿通された上ねじ20で上カム18を固定し、上ねじ20を緩めることにより下カム17との間に形成されたガイド溝21の溝幅(間隔“H”)の調整を行うことができる。
外筒7の上端部には、外筒7と同径で外筒7の一部をなすエンドプレート24が外筒7に固定ねじ29によって取り付けられている。エンドプレート24が外筒7に取り付けられた状態で、エンドプレート24から芯棒5の上端部が突出した状態となっている。エンドプレート24は外筒7と芯棒5との間に挿入されるボス部30を備えている。また、エンドプレート24には、エンドプレート24を貫いて、上カム18の上縁を位置決めするストッパねじ25が取り付けられている。ストッパねじ25には、このストッパねじ25を位置固定するロックねじ26が設けられている。上ねじ20で上カム18の位置を仮止めした状態で、ストッパねじ25を必要な位置までねじ込んで、ロックねじ26でストッパねじ25をロックした後に、上ねじ20で上カム18を本締めし、上カム18の位置を固定する。
メリヤス針8は、上端部にフック27を備え、フック27はラッチ28により開閉可能となった周知の構造である。フック27が外側に向いた状態で案内溝12に12本のメリヤス針8が配置されている。これらのメリヤス針8は、上カム18と下カム17が外筒7と共に回転することにより、芯棒5の案内溝12に沿って順番に上昇して下降する。芯棒5の上端面からは11本のメリヤス針8が突出している。
エンドプレート24には、メリヤス針8に供給される糸を案内する棒状で簡素で軽量な構造の糸案内ガイド31が下部のねじ部32をねじ込んで固定されている。糸案内ガイド31の上端には図示しないボビンからの糸が挿通され別部材により構成されたガイド孔34が設けられている。ねじ部32にはロックナット35が設けられている。また、ガイド孔34を構成する材料の材質は摩耗を抑制するためにセラミックを使用することが望ましい。ここで、糸案内ガイド31も外筒7と共に回転するので、糸案内ガイド31に対して上死点位置にあるメリヤス針8までの回転方向での角度は変化しない。
外筒7と共に回転する糸案内ガイド31から糸が送り出されながら、芯棒5から突出しているメリヤス針8に糸が巻き付くように供給され、順次上下動するメリヤス針8のフック27に係止して新しいループ37が芯棒5の下に向かって形成されてゆく。
図2は、一本のメリヤス針8が上下動する姿勢変化の様子(丸編機1による編成動作を示す概略図)を順に説明している。ここでは、メリヤス針8の1本の動きを説明しやすいように平面上に展開している。符号(1)、(2)、(3)は上カム18により、メリヤス針8が下降している様子を示し、符号(5)、(6)、(7)は下カム17によってメリヤス針8が上昇している様子を示す。
各メリヤス針8には紐状物(図示略)の上端部を構成する前回のループ36が挿通されている。姿勢(1)では、ラッチ28が開いた状態でメリヤス針8はフック27が糸40を係止して下降を始める。姿勢(2)では、メリヤス針8はフック27に糸40を係止した状態から更に下降し、前回のループ36によってラッチ28が閉じる方向に姿勢変化する。姿勢(3)では、前回のループ36から抜け出る直前のラッチ28がフック27を完全に閉じ、係止した糸40がフック27から抜け出ない状態となり下降を続ける。
姿勢(4)では前回のループ36からフック27が下側に抜けて、糸40を引き出した状態となる。姿勢(5)では、今度はメリヤス針は前回のループ36から抜けた状態で前回のループ36の外周側に上昇し始める。この時、姿勢(5)で引き出された糸40は新しいループ37となり、この新しいループ37はラッチ28を開き始める。姿勢(6)で更に上昇するメリヤス針8のラッチ28が新しいループ37により開き、姿勢(7)で、ラッチ28が開いた状態でメリヤス針8はフック27が次に送り出される糸40に係止する。この後、メリヤス針8が下降して姿勢(1)となる。ここで、姿勢(6)から姿勢(7)に移行する際に、新しいループ37からラッチ28が抜けた直後にラッチ28が跳ね上がるように動作する。
これは、丸編み機1による編成動作の観点から、以下のように説明できる。
姿勢(1)において、糸40をフック27に引っ掛ける。姿勢(2)、(3)において、糸40を引き下げながら、以前に編成された既存ループ36を通過することによりラッチ28が閉じられ、フック27が既存ループ36に引っ掛らないようになっている。姿勢(4)において既存ループ36からメリヤス針8が下方に抜ける。次に、姿勢(5)、(6)に示すように、メリヤス針8が上昇すると、新たに形成されつつあるループ37の糸40によりラッチ28が開放され、姿勢(7)において、新たなループ37が形成される。以上の作用を繰り返すことにより連続的に丸編みを行い、図10に示すような円筒状編紐Aを編成する。編成した円筒状編紐Aは、芯棒5の中空部5a(図1、図2参照)を通過して丸編機1の下方に排出され、図示しない引取り機によって引き取られる。
ここで、姿勢(5)、(6)、すなわち、メリヤス針8が上昇する際、糸と針の間の摩擦により編地がメリヤス針に追随して上昇し、ラッチから抜けきらずに糸の把持・解放を繰り返すことができなくなり、糸が絡み製造が停止する不具合が発生することがある。この不具合は摩擦が大きくなる製紐速度が速い条件、つまり丸編み機の回転数が高い条件ほど不具合の発生頻度が上昇する傾向にある。
そこで、本発明の丸編み機は、図11及び図12に示すように、円状に配置されたメリヤス針8の上方から芯棒5の中心中空部に円筒形状の糸絡み防止手段100を挿入することで、編地を上方から抑えつけた状態になり、糸がメリヤス針に追随して上昇することを防止し、糸の絡みを回避することが可能になる。および4は本発明の丸編み機の一例を示しているが、上昇する編地を上方から抑えつける機能を有していれば形状は特に限定されない。
図2で示した一本のメリヤス針8の姿勢は、図3、図4に示すように、各メリヤス針8の、ある時点での姿勢となる。ここで、図3、図4は丸編機の要部を互いに違う方向から見た斜視図であり、既に編み込まれたループは図示都合上記載していない。図3、図4に示すように、図示しない外筒が反時計回りに回転すると、芯棒5は回転せず糸案内ガイドが反時計回りに回転する。図3では上死点にあるメリヤス針8(a)を基準にして、反時計回りに下死点にあるメリヤス針8(b)までの間は突出量が徐々に少なくなり上昇するメリヤス針8が位置しており、上死点にあるメリヤス針8(a)を基準にして時計回りに下死点にあるメリヤス針8(b)までの間は突出量が徐々に少なくなり下降するメリヤス針8が位置している。
ここで、糸案内ガイド31のガイド孔34から供給されるボビンからの糸40は、上死点位置のメリヤス針8(a)から反時計回りで2番目の位置にあるメリヤス針8(c)の外側に位置し、これから斜め下側に向かって、上死点位置のメリヤス針8(a)から時計回りで4番目のメリヤス針8(d)のフック27を結ぶ範囲で、各メリヤス針8の周囲に巻き付くようにして配索されている。尚、図3、図4において図2で説明したメリヤス針8の姿勢番号を併せて記載する。
図5は複数のメリヤス針8の周囲に巻き付くように接触して配索される糸40の通過経路を示している。ここで、図5においては、手前側のメリヤス針8のみを示している。
上死点のメリヤス針8(a)から反時計回りで2番目の位置にある上昇するメリヤス針8(c)では、糸40はラッチ28の付け根部分の高さであってメリヤス針8に接触しない位置を通過し、前回のループ36はラッチから抜ける直前にある。
上死点のメリヤス針8(a)から反時計回りで1番目の位置にある上昇するメリヤス針8(e)では、糸40はラッチ28の付け根部分よりも下側であってメリヤス針8に接触した位置を通過し、前回のループ36はラッチ28から抜けた直後となる。
上死点のメリヤス針8(a)では、糸40はラッチ28の上下方向中央部付近に接触した位置を通過し、前回のループ36は完全にラッチ28から抜けている。
上死点のメリヤス針8(a)から時計回りで1番目の位置にある下降するメリヤス針8(f)では、糸40はラッチ28の上下方向中央部付近に接触した位置を通過し、前回のループ36にラッチ28から近づいている。
上死点のメリヤス針8(a)から時計回りで2番目の位置にある下降するメリヤス針8(g)では、糸40はラッチ28の上下方向中央部付近に接触した位置を通過し、前回のループ36にラッチ28が到達している。
上死点のメリヤス針8(a)から時計回りで3番目の位置にある下降するメリヤス針8(h)では、糸40はラッチ28の付け根部分よりも上に接触した位置を通過し、前回のループ36によってラッチ28がフック27を閉じる方向に回動している。
上死点のメリヤス針8(a)から時計回りで4番目の位置にある下降するメリヤス針8(d)では、糸40はラッチ28のフック27に係止した状態となり、前回のループ36によってラッチ28がフック27を完全に閉じている。
つまり、糸案内ガイド31の取付位置で糸40の通過位置を特定すると、上昇動作中にラッチ28が前回のループ36から抜けた直後のメリヤス針8(e)のラッチ28の回動範囲内と、フック27が閉じ更に下降しようとする芯棒5の上端部に位置するメリヤス針8(d)のフック27が糸に係止する位置との間を結ぶ範囲内であって、複数のメリヤス針8,8,8…の外接面に沿う経路の延長線上に糸案内ガイド31のガイド孔34が位置するように、糸案内ガイド31が外筒7に取り付けられている。
図6は外筒7及び芯棒5を軸方向の上側から見た図、図7は図1の要部拡大図である。
図6において、糸案内ガイド31のガイド孔34の位置が、外筒7の周方向では、上死点位置にあるメリヤス針8(a)の位置から外筒7の反時計回り(回転方向)に向かって角度θ(45度〜100度)の範囲に設定され、糸案内ガイド31のガイド孔34の位置が、上死点位置にあるメリヤス針8(a)のフック27の上端部を基準とした上下方向の寸法Kがフック27から2mm(上方に2mm)〜−4mm(下方に4mm)の範囲内に設定されている。また、糸案内ガイド31のガイド孔34の位置と芯棒5の軸心とを結ぶ線上で、ガイド孔34の位置と芯棒5の接線との間の距離Lは5mm〜8mmに設定されている。尚、この値はラッチ28の長さにより変動する値である。
ここで、角度θの範囲は45度〜100度に設定することがより好ましい。このように設定することで、特に前回のループ36から抜け出したラッチ28の跳ね上がりを糸40自身により阻止して確実に次の糸40をメリヤス針8により係止することを可能としている。θが上記範囲を小さい方に外れると、糸がメリヤス針のラッチ28の回動範囲から外れてしまい、ラッチ28の跳ね上げを発揮できなくなる可能性が発生する。一方、θが上記範囲を大きい方に外れると、糸案内ガイド31を出た直後の糸40の通過位置が、芯棒5の案内溝12の径よりも内側となるため、糸40の下方で上昇してくるメリヤス針8の背面を糸40が通過して、その後に下降する際にフック27に糸40が係止できなくなる恐れがある。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、ベアリング10としてアンギュラベアリングを用いたが、単列ベアリングを上下に配置する構造も採用可能である。また、メリヤス針8の配置数、サイズ、糸の太さなどは一例であって、この実施形態以外の配置数、サイズ、糸の太さのものにも適用できる。
一方、図8に示すように、芯棒5は円筒状編紐Aが下方に向かって通過する中空部5aを備えた筒状の部材であって、上端部と下端部がやや小径に形成されている。芯棒5の下端部外周にナット6,6が螺合される雄ねじ部9と、雄ねじ部9の上側外周にベアリング10の内周側を装着するベアリング装着部11とを備えている。ベアリング装着部11の上側外周には外筒7から突出する上端部に至るまでの範囲でメリヤス針8を周方向でセットする案内溝12が周方向に均等に6箇所形成されている。この案内溝12に合計6本のメリヤス針8が配置されている。案内溝12の溝底13の直径d(以下、底部円周直径dという)は円筒状編紐Aの外径に合わせて設定される。円筒状編紐Aの外径はこの実施形態では1〜14mmの範囲が好ましく、2〜12mmがより好ましい。
図9に示すように、メリヤス針8は、上端部にフック27を備え、フック27はラッチ28により開閉可能となった周知の構造である。メリヤス針8の下部付近にラッチ28の開閉する方向に突出するバット部22が形成されている。メリヤス針8は0.5mm前後の薄い板材で、材質は一般的に炭素工具鋼が用いられ、熱処理後の表面硬度はHRC60以上となった一般的なものである。ここで、HRC測定方法は、JIS Z 2245:2005による。
フック27、ラッチ28の大きさは一般的にゲージ“G”で表され、編成する糸40の繊度により適宜選択される。この実施形態では16Gが好適である。また、メリヤス針8の本数は円筒状編紐Aの編み目の開き具合にもよるが5〜16本が好ましく、8〜12本がより好ましい。この実施形態では図2に示す芯棒5の案内溝12の数である6本の場合で説明している。そして、この場合に芯棒5の底部円周直径d及びメリヤス針8の本数の組合せにより得られる円筒状編紐Aの外径は、約2〜8mmである。
これらメリヤス針8は、フック27が外側に向いた状態で案内溝12に配置され、後述する上カム18と下カム17が外筒7と共に回転することにより、バット部22が上カム18と下カム17との間に係止して芯棒5の案内溝12に沿って順番に上昇して下降する。
(実施例1)
糸は繊度167dtexのポリエステルマルチフィラメントを用い図1に記載の丸編機を用い、円状に配置されたメリヤス針の上方から中心中空部に糸絡み防止手段円筒50を挿入された丸編み機にて、丸編み機の回転数を3000rpmに設定し、中空状多孔質膜用の支持体を製紐した。200時間連続で製紐したところ、糸の絡みによる製紐の停止は発生せず、製紐安定性は良好であった。
(比較例1)
円状に配置されたメリヤス針の上方から中心中空部に円筒を挿入しない点以外は実施例1と同様に中空状多孔質膜用の支持体を製紐した。実施例1と同様に200時間連続の製紐を試みたが、153時間後に、糸の絡みによる製紐の停止が発生した。
本発明の支持体は、精密濾過膜、限外濾過膜等の複合多孔質膜の支持体として好適であり、該支持体を用いた中空状多孔質膜は、精密濾過、限外濾過等による水処理に用いる濾過膜の製造用の支持体として好適である。
1 丸編機
5 芯棒
7 外筒
8 メリヤス針
12 案内溝
18 上カム
17 下カム
28 ラッチ
34 ガイド孔
36 ループ
39 空間部
40 糸
50 糸絡み防止手段

Claims (4)

  1. 中空の芯棒と、前記芯棒の外周に周方向に等間隔に配置され前記芯棒の端部から突出して上下動する複数本のメリヤス針と、前記芯棒に対し回転可能に装着された外筒と、前記メリヤス針の上方に配置された糸絡み防止手段とを備えた編機。
  2. 前記糸絡み防止手段が、前記芯棒の中空部に挿入された円筒体である請求項1に記載の編機。
  3. 前記メリヤス針に供給する糸を案内する糸ガイドを、前記芯棒を中心軸として回転するように設けた請求項1又は2に記載の編機。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の紐状物の編機を用いて得られる紐状物の製造方法。

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