JP2015231104A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、短絡型の円環アンテナは、その内周半径b/外周半径aの値を大きくすると共振周波数が増加する特性を有している。また、開放型の円環アンテナは、その内周半径b/外周半径aの値を大きくすると、共振周波数が減少する特性を有する。
特許文献1のアンテナでは、これらの特性を利用して比較的接近した2つの共振周波数のパッチアンテナを得ている。
また、特許文献2には、高周波用の短絡型アンテナの上段に低周波用の開放型アンテナを配置して構成された2周波共用アンテナが開示されている。このように特許文献2は、円環パッチアンテナを順次重ねていくことで、異なる2つの周波数に共振するアンテナを得ている。
しかしながら、従来では3つ以上の共振周波数が想定されておらず、3つ以上の共振周波数を有するアンテナを得ることができない。
当然ながら、特許文献1には、3つ以上の共振周波数を有するアンテナのアンテナ面積の効率化に関する言及はない。
また全ての環状パッチアンテナを短絡型とすることにより隣接する環状パッチアンテナ間の影響が排除されると同時に、内周が開放型である場合より広範囲の共振周波数を得ることが可能である。
近年は、様々なシステムにおいて高周波でのデータ送受信が行われており、同時に使用可能な複数周波数共用アンテナが要求されている。
図1は、この発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構造を示す図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は側面図である。図1(a)において、アンテナ装置1は、例えば車両などに搭載された複数周波数共用のアンテナ装置である。その構造としては、導電体層2,4で誘電体層3が挟持された基板から構成され、導電体層4には、短絡型の円形状の環状パッチアンテナ(以下、円環パッチアンテナと記載する)5,6,7のパターンが同心に形成されている。導電体層2はグランドプレーンとして機能する導電体層であり、円環パッチアンテナ5,6,7はいずれも導電体層2に電気的に接続されて短絡されている。
また、円環パッチアンテナ5の内周部は、スルーホール5bを介して裏面側の導電体層2に電気的に接続されており、これにより円環パッチアンテナ5は短絡されている。
給電点5aは、図1(b)に示すように、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に接続されている。この給電点5aを介して、円環パッチアンテナ5により生成された電圧変化(高周波信号)は同軸ケーブル9に取り出される。
円環パッチアンテナ5のパターンにおける対向する切り欠き部5c,5dは、円偏波であるGPS用の電磁波を縮退分離して共振させるための縮退分離素子である。
また、円環パッチアンテナ6の内周部もスルーホール6bを介して裏面側の導電体層2に電気的に接続されており、これにより円環パッチアンテナ6は短絡されている。
給電点6aは、円環パッチアンテナ5と同様に、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に接続されている。この給電点6aを介して、円環パッチアンテナ6により生成された電圧変化(高周波信号)は同軸ケーブル9に取り出される。なお、Bluetooth方式の無線通信では、直線偏波が使用される。このため円環パッチアンテナ5のような縮退分離素子は不要である。
また、円環パッチアンテナ7の内周部もスルーホール7bを介して裏面側の導電体層2に電気的に接続されており、これにより円環パッチアンテナ7は短絡されている。
給電点7aは、円環パッチアンテナ5,6と同様にコネクタ8を介して同軸ケーブル9に接続されている。この給電点7aを介して、円環パッチアンテナ7により生成された電圧変化(高周波信号)は同軸ケーブル9に取り出される。
円環パッチアンテナ7のパターンにおける対向する切り欠き部7c,7dは、円偏波であるETC用の電磁波を縮退分離して共振させるための縮退分離素子である。
また、円環パッチアンテナ5の内周半径bは4.66wとなり、円環パッチアンテナ6の内周半径bは1.95w、円環パッチアンテナ7の内周半径bは1.26wとなる。
また、方形環パッチアンテナ5Aの内周部は、スルーホール5bAを介して裏面側の導電体層2に電気的に接続され、これにより方形環パッチアンテナ5Aは短絡されている。
給電点5aAは、図3(b)に示すように、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に接続されている。この給電点5aAを介して、方形環パッチアンテナ5Aにより生成された電圧変化(高周波信号)は同軸ケーブル9に取り出される。
方形環パッチアンテナ5Aのパターンにおける対向する切り欠き部5cA,5dAは、円偏波であるGPS用の電磁波を縮退分離して共振させるための縮退分離素子である。
また、方形環パッチアンテナ6Aの内周部もスルーホール6bAを介して裏面側の導電体層2に電気的に接続され、これにより方形環パッチアンテナ6Aは短絡されている。
給電点6aAは、方形環パッチアンテナ5Aと同様に、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に接続されている。この給電点6aAを介して、方形環パッチアンテナ6Aにより生成された電圧変化(高周波信号)は同軸ケーブル9に取り出される。なお、図1の構成と同様に、Bluetooth方式の無線通信では、直線偏波が使用される。このため方形環パッチアンテナ5Aのような縮退分離素子は不要である。
また、方形環パッチアンテナ7Aの内周部もスルーホール7bAを介して裏面側の導電体層2に電気的に接続され、これにより方形環パッチアンテナ7Aは短絡されている。
給電点7aAは、方形環パッチアンテナ5A,6Aと同様に、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に接続されている。この給電点7aAを介して、方形環パッチアンテナ7Aにより生成された電圧変化(高周波信号)は同軸ケーブル9に取り出される。
方形環パッチアンテナ7Aのパターンにおける対向する切り欠き部7cA,7dAは、円偏波であるETC用の電磁波を縮退分離して共振させるための縮退分離素子である。
このようにaとbを定義しても、図2に示した関係は同じである。
すなわち、同じ方形環パッチアンテナにおいてb/aを一定値とした場合、共振周波数fは外周半径aの逆比に比例することを示している。すなわち、b/aを一定値としたときに最も低い中心周波数に共振する方形環パッチアンテナ5Aは、最外周のパッチアンテナを構成し、b/aを一定値としたときに最も高い中心周波数に共振する方形環パッチアンテナ7Aは、最内周のパッチアンテナを構成することになる。
以降では、図1に示したアンテナ装置1の動作について述べるが、図3に示したアンテナ装置1Aも同様に動作する。
円環パッチアンテナ5および切り欠き部(縮退分離素子)5c,5dの作用によって、GPS衛星から送信された中心周波数が1.57GHzの円偏波の電磁波に共振し、縮退を分離する。これにより円環パッチアンテナ5上で電圧変化が発生する。
給電点5aは、円環パッチアンテナ5において同軸ケーブル9との間で良好な整合かつ必要な利得が得られるポイントである。円環パッチアンテナ5の電圧変化で生じた電流は、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に送られる。同軸ケーブル9により後段に送信された信号は、図示しないLNA(Low Noise Amplifier)などで増幅された後、必要なベースバンド処理がなされてBPSK(Binary Phase−Shift Keying)データが復調される。
円環パッチアンテナ7の電圧変化で生じた電流は、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に送られ、以降は円環パッチアンテナ5と同様に処理されてデータが復調される。
一方、路側機へ送信するデータに関しては、送信用の変調データをパワーアンプで増幅した後に、コネクタ8および同軸ケーブル9を介して円環パッチアンテナ7に送る。
これにより、円環パッチアンテナ7が、送信データに関する円偏波の電磁波を路側機の路側アンテナに送信する。なお、上記データの送受信は、同一の円環パッチアンテナ7を時分割で使用する。
円環パッチアンテナ6の電圧変化で生じた電流は、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に送られ、以降は円環パッチアンテナ5と同様に処理されてデータが復調される。
また、Bluetoothデバイスへの送信データに関しては、送信用の変調データをパワーアンプで増幅してから、コネクタ8および同軸ケーブル9を介して円環パッチアンテナ6に送る。これにより、円環パッチアンテナ6が、送信データに関する直線偏波の電磁波をBluetoothデバイスに送信する。なお、上記データの送受信は同一の円環パッチアンテナ6を時分割で使用する。
例えば、中心周波数が2.44GHzのBluetoothの代わりに、無線LANやKleer(登録商標)などのデータを送受信する環状パッチアンテナとしてもよく、また中心周波数が5.82GHzのETCの代わりに、無線LANのデータを送受信する環状パッチアンテナとしてもよい。
また、図1および図3では、3つの環状パッチアンテナを同心に形成した構成を示したが、共振周波数が互いに異なる4つ以上の環状パッチアンテナを同心に形成した構成であってもよい。
また全ての環状パッチアンテナを短絡型で構成することにより、隣接する環状パッチアンテナ間の電磁的な影響が排除されると同時に最内周も開放型のパッチアンテナで構成するため、広範囲な共振周波数を得ることが可能である。
従って、広い周波数範囲の3つ以上の周波数を共用するアンテナ装置1,1Aを実現することができる。
図4は、この発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の構造を示す図であり、図4(a)は上面図、図4(b)は側面図である。図4に示すアンテナ装置1Bは、図1に示したアンテナ装置1をさらに小型にしたものである。実施の形態1で示した図2の関係を参照すると、内周半径bを一定にしたとき、共振周波数fは外周半径aの2乗に反比例する。このため、共振周波数fを一定とした場合、内周半径bが小さい方が外周半径aを小さくすることが可能である。例えば、図1に示した円環パッチアンテナ5において、b/aを0.8で一定としたときに、内周半径bの値を、円環パッチアンテナ6の外周に近づけて4.66wから2.2wに減少させる。このとき、円環パッチアンテナ5の共振周波数の中心値を1.57GHzをそのまま変更しないようにするためには、外周半径aの寸法は下記のように算出することができる。
外周半径a=5.82w×(2.2w/4.66w)1/2=3.99w
このようにすることにより、b/aの値を0.8で一定とし、各円環パッチアンテナの共振周波数を維持したままで、円環パッチアンテナ5Bの半径は、円環パッチアンテナ5から21%縮小される。
なお、円環パッチアンテナ6,7についても同様に外周半径aと内周半径bの最小半径を求めることにより、アンテナ装置をさらに小型にすることが可能である。
円環パッチアンテナ5Bの内周部は、スルーホール5bBを介して裏面側の導電体層2に電気的に接続され、これにより円環パッチアンテナ5Bは短絡されている。
給電点5aBは、図4(b)に示すように、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に接続されている。この給電点5aBを介して、円環パッチアンテナ5Bにより生成された電圧変化(高周波信号)は同軸ケーブル9に取り出される。
また、円環パッチアンテナ5Bのパターンにおける対向する切り欠き部5cB,5dBは円偏波であるGPS用の電磁波を縮退分離して共振させるための縮退分離素子である。
方形環パッチアンテナ5Cの内周部は、スルーホール5bCを介して裏面側の導電体層2に電気的に接続され、これにより方形環パッチアンテナ5Cは短絡されている。
給電点5aCは、図5(b)に示すように、コネクタ8を介して同軸ケーブル9に接続されている。この給電点5aCを介して方形環パッチアンテナ5Cにより生成された電圧変化(高周波信号)は同軸ケーブル9に取り出される。
また方形環パッチアンテナ5Cのパターンにおける対向する切り欠き部5cC,5dCは円偏波であるGPS用の電磁波を縮退分離して共振させるための縮退分離素子である。
Claims (4)
- 内周部が接地導体に接続された環状の放射導体からそれぞれ構成され、共振する周波数が互いに異なる3つ以上の短絡型の環状パッチアンテナを備え、
前記3つ以上の短絡型の環状パッチアンテナは、誘電体層の同一面上に同心にそれぞれ配置されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記短絡型の環状パッチアンテナは、円形状の環状パッチアンテナであることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 前記短絡型の環状パッチアンテナは、方形状の環状パッチアンテナであることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 前記短絡型の環状パッチアンテナにおける同心中心から外周までの外周距離および前記同心中心から内周までの内周距離は、前記内周距離と前記外周距離との比および当該短絡型の環状パッチアンテナの共振する周波数がそれぞれ変更されない最小距離であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
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