JP2015230676A - 車両の走行余裕度算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車両の車線変更の余裕度など、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を、より適切に把握可能とする。【解決手段】車両の走行余裕度算出装置は、隣接車線を走行する他車両間の隙間、及び評価判定区間の始端若しくは終端位置とそれに一番近い隣接車線を走行する他車両との間の隙間を検出し、検出した隙間のうち、自車両が進入可能な大きさの隙間と推定される隙間である進入可能隙間の各距離の総和を算出する。そして、評価判定区間の距離に対する上記総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。【選択図】 図36

Description

本発明は、走行路と自車両周囲の他車両に基づき、車線変更の余裕度など、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度を算出する技術に関する。
特許文献1に記載の走行制御装置では、車線毎に、車両密度が小さいときは自由流と判定し、車両密度が高くなると渋滞流と判定する。そして、特許文献1では、車線のうち車両密度が高い車線へ車線変更させると共に、車線密度が高い車線へ車線変更した車両に対し、車両密度が臨海密度に近づくほど車間距離が短くなりにくくなるように走行制御を行う。
特開2010−36862号公報
特許文献1の技術では、単位区間(例えば道路1km)当たりに存在する車両台数から車両密度を求め、その車両密度からその車線の混雑度を判定することで車線変更を決定している。
しかしながら、隣接車線における単位距離当たりの他車両の台数が同じであっても、他車両間の相互位置(ばらつき度合)や自車両に対する他車両の位置関係によって、自車両が車線変更可能かどうかは異なる。このため、特許文献1で求める車線の混雑度では、自車両の車線変更の余裕度など、運転者にとっての他車両に対する自車両の走行自由度の度合を把握し難いという課題がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、自車両の車線変更の余裕度など、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を、より適切に把握することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の態様である車両の走行余裕度算出装置は、隣接車線を走行する他車両間の隙間、及び評価判定区間の始端若しくは終端位置とそれに一番近い隣接車線を走行する他車両との間の隙間を検出し、検出した隙間のうち、自車両が進入可能な大きさの隙間と推定される隙間である進入可能隙間の各距離の総和を算出する。そして、評価判定区間の距離に対する上記総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
本発明によれば、単位距離当たりの車両密度が同じであっても、進入可能な隙間に基づき走行余裕度を算出することで、他車両の密集度合も考慮して、自車両の車線変更の余裕度など、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を評価することが可能となる。
この結果、本発明によれば、自車両の車線変更の余裕度など、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を、より適切に把握することが出来る。
本発明に基づく実施形態に係る車両構成例を示す概要図である。 本発明に基づく実施形態に係るシステム構成を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る走行余裕指標演算部の構成を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る交通流の関係を例示する図である。 層流の状態を示す図であり、(a)は単層流を(b)は多層流を例示する図である。 乱流の状態を示す図であり、(a)は混層流を(b)は混流を例示する図である。 乱流判定区間及び層流判定区間を例示する図である。 本発明に基づく実施形態に係る交通流判定部の処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る第1走行余裕度演算部の構成を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る第1走行余裕度演算部の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第1走行余裕度演算部の第1の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第1走行余裕度演算部の第2の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第1走行余裕度演算部の第3の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第1走行余裕度演算部の第4の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第2走行余裕度演算部の構成を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る第2走行余裕度演算部の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第2走行余裕度演算部の第1の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第2走行余裕度演算部の第2の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第2走行余裕度演算部の第3の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第2走行余裕度演算部の第4の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第2走行余裕度演算部の第5の処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第3走行余裕度演算部の構成を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る第3走行余裕度演算部の第1基本処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第3走行余裕度演算部の第2基本処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第3走行余裕度演算部の第3基本処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第4走行余裕度演算部の構成を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る係数α1,α2,α3の設定例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る死角領域及び死角の境界線DLを示す模式図である。 本発明に基づく実施形態に係る第4走行余裕度演算部の第1基本処理例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る第4走行余裕度演算部の第3基本処理例を示す図である。 2次元統計分布の高さと境界線DLとの関係を示す図である。 死角の境界線への2次元統計分布を配置する例を説明する図である。 他車両と統計分布の山との関係を示す斜視図である。 見通せる領域を例示する図である。 第1走行余裕度演算部の処理例を説明する図である。 第2走行余裕度演算部の処理例を説明する図である。 第3走行余裕度演算部の処理例を説明する図である。 第4走行余裕度演算部の処理例を説明する図である。 他車両の密集度合による違いを示す模式図である。 他車両の密集度合による違いを示す模式図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
自車両は、図1及び図2に示すように、地図情報1、周囲検知部2、車両挙動検出部3、走行余裕指数演算部4、駆動制御部5、操舵制御部6、及び警報装置7を備える。
地図情報1は、走行路の路面のノード情報等を有し、特に走行路の合流・分岐ノードを有する。合流・分岐ノードはリスク情報となる。地図情報1は、ナビゲーション装置の地図データなどである。
周囲検知部2は、車両周囲の他車両を検出する。図1では、車両前方の位置を例示しているが、前方の左右両側や四方の位置など複数箇所に設置されていても良い。周囲検知部2は、例えば自車両周囲を撮像するカメラや、他車両との距離を計測するレーザーレンジファインダ(以下、LRFとも呼ぶ)などのセンサからなり、自車両に対する他車両の位置、速度、障害物の種類を検出する。路面を撮像しても構わない。
車両挙動検出部3は、自車両の車両挙動を検出する検出部である。車両挙動検出部3は、自車両の位置、姿勢角、速度等を検出する。
駆動制御部5は、車速目標値に基づき自車両の駆動力を制御する制御装置である。
操舵制御部6は、操舵目標値に基づき自車両の操舵を制御する制御装置である。
警報装置7は、運転者に対し警報などの報知を行う装置である。報知は音や表示などによって行う。
走行余裕指数演算部4は、地図情報1から取得した走行路の情報と、周囲検知部2からの情報により判定した自車両周囲の他車両の情報から、自車両が、将来、他車両を回避して走行できる余地が、走行路の路面にどの程度、存在しているかの走行の余裕指標を演算する。即ち、走行余裕指数演算部4は、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度を算出する。
走行余裕指数演算部4は、図3に示すように、走行路情報取得部41、区間設定部42、交通流判定部43、走行余裕度選択部44、第1走行余裕度演算部45、第2走行余裕度演算部46、第3走行余裕度演算部47、第4走行余裕度演算部48、及び情報提示部49を備える。
走行路情報取得部41は、自車両の位置情報から、自車両が走行中の走行路の情報を地図情報1から取得する。走行路情報取得部41は、例えば、自車両近傍に合流区間や分岐区間があるなどの情報を取得する。
区間設定部42は、走行路に対し自車両の走行余裕度を判定するための領域として、自車両周囲に所定の領域(区間)を評価判定区間として設定する。本実施形態の評価判定区間は、走行路における、自車両を基準にして進行方向前方の所定前方距離位置から進行方向後方の所定後方距離位置までの区間とする。例えば、所定前方距離を30mとし、所定後方距離を30mとする。もっとも坂道などで他車両の情報を取得できない場合も想定して、周囲検知部2で検知可能な範囲となるように、周囲検知部2での検出範囲に応じて、周囲検知部2で取得できる範囲に評価判定区間を設定変更するようにしてもよい。
交通流判定部43は、地図情報1による走行路の情報、周囲検知部2が検出する自車両周囲の他車両の情報から、自車両周囲の道路についての交通流の種別を判定する。
交通流の種別の分類は、図4に示すように、流体工学的視点による分類である。交通流判定部43は、図5に示すように、各車線後の車両の流れがそれぞれほぼ一様な状態であり、車線間での車両の車線変更が少ない場合を層流とする。車線変更が少ないとは例えば単位時間当たりに車線変更する車両が1台以下の場合を指す。単位時間とは例えば5秒とする。
一方、交通流判定部43は、図6に示すように、自車両周囲の他車両のうち車線変更をする他車両が多い場合若しくは車線変更する他車両が多いと推定される場合の交通流を乱流とする。車線変更をする他車両が多い場合とは、例えば単位時間当たりの車線変更する車両が2台以上の場合である。単位時間とは例えば5秒間である。
また層流を、図5に示すように、単層流と多層流とに分類する。交通流判定部43は、車線間での車両の平均速度が小さい場合を単層流(図5(a))とする。平均速度が小さいとは、例えば隣接車線間での速度差が5Km/h以下を指す。逆に、車線間での車両の平均速度が大きい場合を多層流(図5(b))とする。
更に乱流を、図6に示すように、走行路の車線状態から混層流(図6(a))と混流(図6(b))とに分類する。混層流は、道路の車線数が減少しない区間の走行路の場合において、車線間で流れが混ざる乱れ方の場合を指す。本実施形態では、道路の合流によって車線数が減少しない場合であって乱流と判定した場合を混層流とする。混流は、道路の車線数が減少し、複数車線と複数車線の合流によって流れの方向が入り乱れる乱れ方の状態となっているときを指す。本実施形態では、道路の合流によって車線数が減少した場合に乱流と判定した場合を混流とする。
本実施形態の交通流判定部43は、後述のように、地図情報1と自車両の現在位置から乱流判定区間か層流判定区間かを先ず判定し、その後に車線間の車両の状態に応じて、乱流や層流の判定を行っている(図7参照)。
交通流判定部43は、地図情報1から走行路の合流地点のノードを取得する。そして、走行路が合流する区間を高リスク区間とみなす。合流地点から予め設定した設定距離(例えば200m)までの区間を乱流判定区間とし、それ以外を層流判定区間とする。
次に、交通流判定部43の判定の一例を、図8を参照して説明する。以下の判定例では、道路の路面状態と自車両周囲の他車両の状態とから交通流を判定する。
交通流判定部43は、まずステップS10にて、地図情報1から自車両が乱流判定区間を走行中か層流判定区間を走行中か判定する。乱流判定区間を走行中と判定した場合にはステップS20に移行する。層流判定区間を走行中と判定した場合にはステップS60に移行する。
ステップS20では、周囲検知部2が検出する車両の車線変更情報に基づき、単位時間当たりの車線変更の車両が2台以上存在するか判定する。車線変更の車両が2台以上存在する場合には乱流と判定して、ステップS30に移行する。車線変更の車両が1台以下の場合には、層流判定を行うためにステップS60に移行する。
ステップS30では、走行路が合流することで車線数が減少した区間か判定する。車線数が減少した場合には、ステップS40に移行して混層流と判定したフラグを立てる。車線数が減少していないと判定した場合には、ステップS50に移行して混流と判定したフラグを立てる。
また、ステップS60では、自車両の隣接車線を走行する他車両の平均車速を算出する。自車両の左右両方に隣接車線が存在する場合には、各車線毎に他車両の平均車速を算出する。対象とする他車両は、評価判定区間に存在する他車両とする。
ステップS70では、自車両の速度と隣接車線の他車両の速度との差が、5Km/h以内か判定する。判定条件を満足する場合には、ステップS80に移行して、単層流と判定したフラグを立てる。一方判定条件を満足した場合には、ステップS90に移行して多層流と判定したフラグを立てる。
ここで、上記説明では、交通流判定部43は、走行路の状態と車線変更車両の数と他車両の速度とから交通流を判定する場合で説明した。交通流判定部43は、単純に乱流判定区間を走行中は乱流と判定し、層流判定区間を走行中は層流と判定しても良い。また、交通流判定部43は、車線変更車両の数と他車両の速度とのみで交通流を判定しても良い。例えば、単位時間当たりの車線変更車両の数から乱流と層流に分類してもよい。
走行余裕度選択部44は、交通流判定部43が層流と判定する場合、第1走行余裕度算出部45D又は第2走行余裕度算出部46Dの少なくとも一方が算出する走行余裕度を選択する。また、走行余裕度選択部44は、交通流判定部43が乱流と判定する場合、第3走行余裕度算出部47C又は第4走行余裕度算出部48Dの少なくとも一方が算出する走行余裕度を選択する。
このとき、走行余裕度選択部44は、交通流判定部43が単層流と判定する場合、第1走行余裕度算出部45Dが算出する走行余裕度を選択し、交通流判定部43が多層流と判定する場合、第2走行余裕度算出部46Dが算出する走行余裕度を選択すると良い。
また、走行余裕度選択部44は、交通流判定部43が混層流と判定する場合、第3走行余裕度算出部47Cが算出する走行余裕度を選択し、交通流判定部43が混流と判定する場合、第4走行余裕度算出部48Dが算出する走行余裕度を選択すると良い。
「第1走行余裕度演算部45」
次に、第1走行余裕度演算部45について説明する。
第1走行余裕度演算部45は、評価判定区間内において、他車両との関係で車線変更可能な経路(回避経路)の割合を走行余裕度として算出する。
第1走行余裕度演算部45は、図9に示すように、総経路算出部45A、干渉経路算出部45B、非干渉経路算出部45C、第1寄与度変更部45E、第1走行余裕度算出部45Dを備える。
総経路算出部45Aは、地図情報1(走行路の情報)から評価判定区間の走行路に設定可能な経路及びその経路の総数を算出する。ここで、経路を算出する経路算出条件によって車線変更可能な経路の数は違うが、一定区間である評価判定区間内の走行路に対して車線変更可能な軌跡を設定するので、評価判定区間内に存在する車線毎に、経路の終点位置を設定して、各経路の軌跡を算出する。例えば、評価判定区間内の自車両線以外の車線内に対し、それぞれ所定間隔毎(例えば0.5m毎)に経路の終点位置を設定し、自車両位置を始点から各終点位置に到達する軌跡曲線を、公知の技術に基づき設定する。例えば、経路の始点と終点とから車線変更位置を設定し、その車線変更位置でS字状の曲線軌跡を設定するようにして各経路の軌跡を算出する。このとき、自車両の現在の速度や操舵可能な性能に基づき、走行不能な曲線を含む軌跡曲線となる経路を除外しても良い。例えば、自車両の横位置に位置する隣接車線の部分には経路の終点位置を設定しない。
干渉経路算出部45Bは、周囲検知部2が検出した自車両周囲の他車両のうち評価判定区間内に位置する他車両を特定し、総経路算出部45Aが求めた経路について、特定した他車両と干渉する経路の数を求める。平面視において、走行路に設定した各経路の軌跡のうち、特定した他車両が占有する空間(所定の余裕代分だけ占有路面空間を大きく設定しても良い。)を通過する軌跡の経路を、干渉経路とする。
非干渉経路算出部45Cは、総経路算出部45Aが算出した経路の数から干渉経路算出部45Bが算出した干渉経路の数を引き算して、非干渉の経路数を求める。
第1走行余裕度算出部45Dは、総経路算出部45Aが算出した経路の数に対する非干渉経路算出部45Cが求めた非干渉の経路数の割合を、第1の走行余裕度とする。例えば総経路算出部45Aが算出した経路の数が20で、非干渉の経路数が10であれば、第1の走行余裕度は、10/20=0.5となる。
次に、第1走行余裕度算出部45Dでの処理例について図10を参照して説明する。
第1走行余裕度算出部45Dは、算出処理を開始すると、先ずステップS100にて評価判定区間内に生成(設定)する経路の数、及び各経路の終点をどこに設定するのかの情報を決定する。
生成する経路の数は、例えば車線毎に一定の数として、評価判定区間内における車線毎に、各経路の終点を振り分けることで、各経路の終点を設定する。
ステップS110では、自車両位置を始点とし、始点と各終点との傾きや距離を算出する。
ステップS120では、経路生成のパラメータを読み込む。例えば、各経路の終点位置の座標情報と、自車両の位置(例えば自車両の重心位置)である経路の始点情報をもとに、軌跡曲線を生成するのに必要なパラメータを決定する。経路生成の演算方式は公知のモデル式を採用すればよい。
ステップS130では、ステップS120で決定したパラメータに基づき、曲線生成式(例えばβスプライン関数)によって各経路を生成する。例えば、車線変更部分(白線を跨る部分)を、経路の始点と終点を結んだ直線に基づき決定し、その車線変更部分の軌道がS字状の軌跡の曲線で且つ曲率が大きくなるような軌跡モデルによって各経路の軌跡を生成する。
ステップS140では、自車両周囲の他車両の位置、及びその他車両が占める路面占有領域の位置情報を求める。具体的に他車両の位置・姿勢・寸法データ、すなわち他車両の幾何データ、運転データを取得し、評価判定区間の路面における、各車両の路面占有領域を特定する。
ステップS150では、評価判定区間内で検知した各他車の路面占有領域ごとに、経路1本ずつその他車両の路面占有領域内を通過するか否か行う。これを評価判定区間内の全ての他車両と全経路との全ての組合せで検索処理を実施する。そして、全他車両の路面占有領域内を通過しない非干渉の経路を特定する。
ステップS160では、ステップS150での検索結果に基づき、全ての他車両の路面占有領域を通過しない経路の数を加算して、通過しない非干渉経路の本数を求める。非干渉経路が5本あれば、非干渉経路の本数は、「1+1+1+1+1=5」となる。
ステップS170では、評価判定区間の走行路に設定した全ての経路の数を読み込む。
ステップS180では、ステップS170が取得した「全ての経路の数」に対する、ステップS160で求めた「通過しない経路の数(非干渉経路の数)」の割合を求める。この割合が、走行余裕度となる。
また第1走行余裕度演算部45は、図9に示すように、第1寄与度変更部45Eを備える。第1寄与度変更部45Eは、第1の走行余裕度に対する非干渉経路の寄与する割合を変更する。例えばステップS150で求めた、全ての他車両の路面占有領域を通過しない非干渉経路について重み付けを行って、その非干渉経路の走行余裕度に寄与する割合を変更する。なお、全経路について重み付けを行って、走行余裕度に対する非干渉経路の寄与する割合を変更するようにしても良い。
第1寄与度変更部45Eは、具体的には、以下の少なくともいずれかの処理によって、寄与する割合を変更する。
すなわち、第1寄与度変更部45Eは、他車両の車種属性に応じて、加速性能が高いと推定される他車両の前方に設定した前方領域を通過する経路の上記寄与する割合を、加速性能が低いと推定される他車両の前方に設定した前方領域を通過する経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更する処理を行っても良い。他車両の前方領域は、例えば他車両の前方1m前までの領域である。加速性能が高いほど前方領域(前方距離)を広く設定するようにしても良い。前方領域は例えば他車両の前側1m以内の領域である。
また、第1寄与度変更部45Eは、自車両からの距離が遠い経路の上記寄与する割合を、自車両からの距離が近い経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更する処理を行っても良い。自車両からの距離は、各経路の終点位置や白線との交差点位置などの代表点までの距離を採用する。
また、第1寄与度変更部45Eは、経路を形成する軌道における最大の曲率に応じ、最大の曲率が大きい経路の上記寄与する割合を、最大の曲率が小さい経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更を行っても良い。例えば、予め設定した設定曲率以上の最大の曲率を有する経路の重み付けを半分などとする。
また、第1寄与度変更部45Eは、分岐・合流区間と経路の終点との距離に応じて、分岐・合流区間に近い経路の上記寄与する割合を、分岐・合流区間から遠い経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更を行っても良い。例えば、経路の終点が分岐・合流区間若しくは分岐・合流のノード点から100m以内の場合に、経路の重み付けを半分などとする。
次に、第1寄与度変更部45Eで行われる、各設定変更の処理例を説明する。
「他車両の車種属性による設定変更」
第1寄与度変更部45Eの第1の処理例は、他車両の車種属性に応じて、非干渉経路が第1の走行余裕度に寄与する割合を重み付けにより設定変更する。具体的には、動きの早い車(加速性能が高い車)の前方を通過する経路は走行余裕度に対する寄与が小さいとみなし、逆に動きが遅い車(加速性能が低い車)の前方を通過する経路は第1の走行余裕度に対する寄与が大きいとみなし、動きの早い車(加速性能が高い車)の前方を通過する経路に1未満の重み付け値を乗算する。前方とは、例えば1mである。
第1の処理例を、図11を参照して説明する。
その第1の処理は、まずステップS200にて、車両属性の重み付け設定の情報を読み込む。
ステップS210では、周囲検知部2からの情報に基づき、隣車線に存在する他車両の属性を判別する。
ステップS220では、車種に応じた重み付け値を決定する。例えば、車種が小型車・普通車・スポーツ車両のいずれかに応じてファジー推論を実施して、第1の重み付け値を設定する。例えば、普通車を「1」とし、スポーツ車両を「0.6」などを重み付け値として設定する。すなわち、車種に応じて、動きの早い車(加速性能が高い)と推定されるほど、「1」よりも小さい値となるように、第1の重み付け値を設定する。
ステップS230では、車両の特性に応じた重み付け値を決定する。例えば、車両質量、総排気量に応じてファジー推論を実施して、第2の重み付け値を設定する。すなわち、推定される他車両の諸元に応じて、動きの早い車と推定されるほど「1」よりも小さい値となるように第2の重み付け値を設定する。
ステップS240では、他車両の運転者の特性が把握できると判定した場合には、その運転者の特性に応じて重み付け値を決定する。即ち、直近の過去の車両の挙動データから急加速の運転タイプと判別出来る車両かどうかについてファジー推論を実施して、第3の重み付け値を設定する。すなわち、過去の車両挙動の判定結果に応じて、動きの早い車と推定されるほど「1」よりも小さい値となるように第3の重み付け値を設定する。
ステップS250では、求めた3種類の重み付け値(第1〜第3の重み付け値)を乗算して、最終的な重み付け値を求める。複数の重みのバランスを保つための推論処理も実施して、3種類の重み付け値に対し重要度に基づき重み付けを行っても良い。また例えば、最終的な重み付け値に対して下限値の設定処理を行って良い。
以上の処理を各他車両毎に実施する。
ステップS260では、各車両の占有路面空間の車両進行方向の前方領域に対し、重み付け用の領域を設定し、その領域を通過する軌跡の非干渉経路に対して、対応する他車両に設定した重み付け値を乗算する。なお、各経路の重み付け前の初期値は「1」である。
そして、上記のステップS160の処理において、非干渉経路の本数を加算する際に、重み付けを乗算した後の値を加算して、非干渉経路の本数とする。例えば、非干渉経路の一つが0.5を乗算した場合には、その経路は0.5本としてカウントされる。
「経路までの距離による設定変更」
第1寄与度変更部45Eの第2の処理例は、自車両からの距離に応じて、他車と交わらない経路が第1の走行余裕度に寄与する割合を重み付けにより設定変更する。自車両から遠い経路は第1の走行余裕度に対する寄与が小さいとみなし、自車両に近い経路は第1の走行余裕度に対する寄与が大きいとみなす。例えば、自車両から予め設定した設定距離以上の離れている経路に、1未満の重み付け値を乗算する。
次に、第2の処理例について、図12を参照して説明する。
その第2の処理は、まずステップS300にて、全ての非干渉経路の情報を読み込む。全ての経路を重み付けの対象としても良い。
次に、ステップS310では、各経路の代表的な位置座標を使って、自車両との距離を求める。そして、自車両から遠くにある経路ほど、「1」よりも小さくなる重み付け値を算出する。
例えば、経路の終点位置を代表的な位置座標とする。また例えば、隣接車線における自車両の隣接位置を、重み付け値「1」として、自車両から遠くなるほど指数関数の逆数に応じて小さく値を重み付け値とする。
次に、ステップS320では、自車両進行方向に対する経路位置に応じて重み付けを行う。即ち、自車両よりも後ろにある経路は、自車両よりも前方にある経路と比較して、進行方向の観点から移動先の候補として考慮するには価値が低いので、重み付けを小さく設定する。例えば、自車両よりも前方にある経路に対する重み付けとし「1」を設定し、自車両の横方向よりも後方の経路に対する重み付けとして「0.7」を設定する。その重み付けをステップS310で求めた重み付け値に乗算して補正する。
次に、ステップS330では、各重み付け値を対応する非干渉経路に乗算する。各経路の初期値は「1」とする。重み付け値が「0.9」であれば、1×0.9=0.9となる。
そして、上記のステップS160の処理において、非干渉経路の本数を加算する際に、重み付けを乗算した後の値を加算して、非干渉経路の本数とする。例えば、非干渉経路の一つが0.9を乗算した場合には、その経路は0.9本としてカウントされる。
「経路の曲率による設定変更」
第1寄与度変更部45Eの第3の処理例は、回避経路の曲率に応じて、非干渉経路が第1の走行余裕度に寄与する割合を設定変更する。曲率の大きな経路は第1の走行余裕度に対する寄与が小さいとみなし、曲率の小さな経路は第1の走行余裕度に対する寄与が大きいとみなす。すなわち、曲率が大きな経路は自車両にとって走行し難い。そのため、曲率が大きな経路に対して上記寄与を小さくするような重み付け値を求める。
第3の処理例について図13を参照して説明する。
その第3の処理は、まずステップS400にて、全ての非干渉経路の情報を読み込む。
次に、ステップS410では、曲率を入力、重み付けを出力としたデータテーブルを読み込む。関数を用意しても良い。曲率が大きくなるほど重み付けを小さくするように設定されている。
ステップS420では、対象とする経路についてそれぞれ、軌跡中の曲率のうち最大の曲率を代表値として求める。
ステップS430では、ステップS420で求めた代表値に対応する重み付け値をデータテーブルから読み取る。
ステップS440では、ステップS420で求めた重み付け値を、対応する経路に乗算する。各経路の初期値は「1」とする。ステップS420での重み付け値が「0.8」であれば、1×0.8=0.8となる。
そして、上記のステップS160の処理において、非干渉経路の本数を加算する際に、重み付けを乗算した後の値を加算して、非干渉経路の本数とする。例えば、非干渉経路の一つが0.8を乗算した場合には、その経路は0.8本としてカウントされる。
「区間による設定変更」
第1寄与度変更部45Eの第4の処理例は、リスクの高い区間と非干渉経路の終点との距離に応じて、非干渉経路が走行余裕度に寄与する割合を設定変更する。リスクの高い区間に近い経路は走行余裕度に対する寄与が小さいとみなす。
ここで、リスクの高い区間とは、道路の分岐点、合流点を含む区間である。例えば分岐点、合流点から進行方向に予め設定した距離までをリスクの高い区間とし、そのリスクの高い区間に終点が位置する経路に、例えば0.5の重み付け値を乗算して、走行余裕度に寄与する割合を小さくする。
次に第4の処理例を、図14を参照して説明する。
その第4の処理は、まずステップS500にて、全ての非干渉経路の情報を読み込む。
次に、ステップS510では、リスクが高い区間までの距離を基準にした重み付けを各経路に施すためのデータテーブルを読み込む。
次に、ステップS520では、対象とする経路の終点位置とリスクが高い区間までの距離を求め、所定距離以下の経路を、重み付け対象の経路として設定する。
次に、ステップS530では、ステップS520で重み付け対象とした経路について、リスクが高い区間までの距離を求め、データテーブルを参照して、リスクが高い区間に近いほど小さくなる重み付け値を求める。
なお、リスクが高い区間は、例えば道路の分岐点、合流点位置を基準として距離を決定する。距離は、例えば道路進行方向に沿った距離とする。
次に、ステップS540では、ステップS530で求めた重み付け値を、対応する経路に乗算する。各経路の初期値は「1」とする。ステップS530での重み付け値が「0.8」であれば、1×0.8=0.8となる。
そして、上記のステップS160の処理において、非干渉経路の本数を加算する際に、重み付けを乗算した後の値を加算して、非干渉経路の本数とする。例えば、非干渉経路の一つが0.8を乗算した場合には、その経路は0.8本としてカウントされる。
ここで、第1〜第4の処理例でそれぞれ求めた重み付け値の少なくとも2以上の重み付け値を対象とする経路に乗算しても良い。
「第2走行余裕度演算部46」
次に、第2走行余裕度演算部46の処理について説明する。
第2走行余裕度演算部46は、評価判定区間の距離に対する、進入可能な隙間の総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
第2走行余裕度演算部46は、図15に示すように、隙間検出部46A、進入可能隙間検出部46B、総和距離算出部46C、第2走行余裕度算出部46Dを備える。
隙間検出部46Aは、評価判定区間内において、自車両が走行する自車両線に隣接する隣接車線を走行する他車両間の隙間、及び評価判定区間の始端若しくは終端位置とそれに一番近い隣接車線を走行する他車両との間の隙間を検出する。
進入可能隙間検出部46Bは、隙間検出部46Aが検出した隙間のうち、自車両が進入可能な大きさの隙間と推定される隙間である進入可能隙間を検出する。
総和距離算出部46Cは、進入隙間判定部が検出した進入可能隙間の各隙間距離の総和を算出する。
第2走行余裕度算出部46Dは、評価判定区間の距離に対する総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
次に、第2走行余裕度算出部46Dでの処理例について図16を参照して説明する。
第2走行余裕度算出部46Dは、算出処理を開始すると、先ずステップS600では、周囲検知部2での計測範囲を読み込み、地図上に投影し、評価できる隣車線の範囲(評価判定区間)を決める。
ステップS610では、隙間の計算に必要な初期値を読み込む。
ステップS620では、周囲検知部2のうちLRFによる計測結果を読み込む。
ステップS630では、隙間を計算するための他車両の幾何データ、運動データを取得する。例えば、他車両の位置、姿勢、寸法データを読み込む。
ステップS640では、隣車線にいる隣り合う他車両同士の間隔(隙間)を計算する。更に、求めた隙間のうち、自車両が進入可能な隙間である進入可能隙間を検出する。
ステップS650では、求めた隙間のうち、自車両が進入可能な隙間である進入可能隙間を全て加算した合計値(総和)を求める。
ステップS660では、評価判定区間の長さを取得する。
ステップS670では、評価判定区間の長さに対する進入可能隙間の合計値を、走行余裕度として算出する。この走行余裕度は、隣接車線毎に求めても良い。また、左右の両隣接車線に対し一つの指標として求める場合には、評価判定区間の長さを二倍とすればよい。
また第2走行余裕度演算部46は、図15に示すように、第2寄与度変更部46Eを備える。第2寄与度変更部46Eは、進入可能隙間について、走行余裕度に重み付けを行って、寄与する割合を変更する。
第2寄与度変更部46Eは、具体的には、以下の少なくともいずれかの処理によって、寄与する割合を変更する。
すなわち、第2寄与度変更部46Eは、進入可能隙間の長さが、自車両の縦長さに設定余裕代分(例えば1m)を足した長さよりも短い場合、その進入可能隙間の寄与する割合を小さく設定変更する処理をしてもよい。
また第2寄与度変更部46Eは、自車両からの距離が遠い進入可能隙間の寄与する割合を、自車両からの距離が遠い進入可能隙間の寄与する割合よりも小さく設定変更するようにしてもよい。
また第2寄与度変更部46Eは、隙間の大きさが小さくなる方向に変化すると推定した進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定変更するようにしても良い。この場合には、他車両の挙動に基づき進入可能隙間の変化を推定する隙間変化推定部46Fを備える。隙間変化推定部46Fは、例えば他車両の加速度を推定して進入可能隙間の変化を推定する。
また第2寄与度変更部46Eは、他車両の車種属性に応じて、進入可能隙間を形成する他車両の一方の車両が加速性能が高いと推定される当該進入可能隙間の寄与する割合を、進入可能隙間を形成する他車両の一方の車両が加速性能が低いと推定される当該進入可能隙間の寄与する割合よりも小さく設定変更するようにしてもよい。
また第2寄与度変更部46Eは、分岐・合流区間に近い隙間の上記寄与する割合を、分岐・合流区間から遠い隙間の上記寄与する割合よりも小さく設定変更するようにしてもよい。このとき、走行路の分岐若しくは合流する区間である分岐・合流区間を検出する分岐・合流区間検出部を備える。
次に、第2寄与度変更部46Eで行われる、各設定変更の処理例を説明する。
「隙間の大きさによる設定変更」
第2寄与度変更部46Eの第1の処理例は、予め設定した値以下、例えば自車両の縦長さと変わらないような隙間については、走行余裕指標に対する割合を小さくするように重み付けを設定する。
第1の処理について図17を参照して説明する。
その第1の処理は、まずステップS700にて、自車両の長さを基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。
ステップS710では、隙間を計算するための他車両の幾何データ、運動データを取得する。具体的には、他車両の位置・姿勢・寸法データを読み込む。
ステップS720では、隣車線にいる他車両同士の間隔(隙間)のうちの隙間進入可能隙間を取得する。
ステップS730では、自車両の縦方向の長さに予め設定した値を足した基準長さよりも寸法が小さい隙間だけをデータテーブルで重み付けを求めるためにスタックに入れる。
ステップS740では、データテーブルを用いて、基準長さ未満の隙間は重み付けを小さくする処理を施す。すなわち、スタックに入っている隙間を入力として、データテーブルより重み付けを計算する。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS740にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
「隙間の距離による設定変更」
第2寄与度変更部46Eの第2の処理例は、自車両の遠くにある隙間は大きさに関わらず走行余裕指標に対する割合を小さくする様に重み付けを設定する。
第2の処理例について図18を参照して説明する。
その第2の処理は、まずステップS800にて、自車両の距離を基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。例えば、自車両の隣位置にある隙間を、重み付けとしての最大値(「1」)とする。
ステップS810にて、各隙間の代表的な位置座標を使って、自車両との距離をもとめる。データテーブルを使って、自車両から遠くにある隙間ほど、重み付けを小さくする処理を施す。例えば、指数関数の逆数に応じて決まる距離に応じて小さくなる重み付けを取得する。各隙間の代表的な位置座標は、例えば隙間の中点や自車両に一番近い位置とする。
ステップS820では、自車両よりも後ろにある隙間は、自車両よりも前方にある隙間と比較して、進行方向の観点から移動先の候補として考慮するには価値が低いので、ステップS810で求めた重み付けを小さくなるように補正する。例えば自車両位置よりも後方の隙間の重み付け値に1より小さい値(例えば0.7)を乗算して小さくなるように補正する。
次に、ステップS830にて、ステップS830で求めた重み付け値を、対応する隙間の大きさに乗算する。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS830にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
「隙間の変化度合による設定変更」
第2寄与度変更部46Eの第3の処理例は、隙間の大きさが小さくなる、小さくなる可能性がある場合に、それらの隙間に限って走行余裕指標に対する割合を小さくする様に重み付けを設定する。
第3の処理例について図19を参照して説明する。
その第3の処理は、まずステップS900にて、隙間の変化速度を基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。
ステップS910では、他車両の動きを予測する。すなわち、他車両の所定の時刻先の位置情報を推定する。例えば自車両と他車速との相対的な位置変化量から、他車両の将来の位置は推定可能である。
ステップS920では、他車両の動きの予測結果から、各隙間の変化の割合を計算する。
ステップS930では、隙間の変化の割合をデータテーブルに入れ、変化の割合が大きなものほど重み付けを小さくなる様に重み付け値を求める。
次に、ステップS940では、ステップS930で求めた重み付け値を、対応する隙間の大きさに乗算する。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS830にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
「隙間の変化推定による設定変更」
第2寄与度変更部46Eの第4の処理例は、小型スポーツ車両の様に俊敏な車の近くにある隙間は、緩やかな動きの車の近くにある隙間よりもリスクが高いため、隙間が小さくなる可能性があるかどうかに関わらず、走行余裕指標に対する割合を小さくする様に重み付けを設定する。
第4の処理例について図20を参照して説明する。
その第4の処理は、まずステップS1000で車両の属性を基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。
ステップS1010で、隣車線にいる他車両の属性を判別する。
ステップS1020では、データテーブルを参照して車種に応じた重み付けを求める。具体的には、小型・ノーマル・スポーツ車両に応じてファジー推論を実施して第1の重み付け値を決定する。周囲検知部2が検知した他車両の情報に基づき、車両の車種を推定し、加速性能が高い車両ほど、重み付け値として小さくなる値を設定する。
ステップS1030では、車両の特性に応じた重み付け値を決定する。例えば、車両質量、総排気量に応じてファジー推論を実施して、第2の重み付け値を設定する。すなわち、推定される他車両の諸元に応じて、動きの早い車と推定されるほど「1」よりも小さい値となるように第2の重み付け値を設定する。
ステップS1040では、他車両の運転者の特性が把握できると判定した場合には、その運転者の特性に応じて重み付け値を決定する。即ち、直近の過去の車両の挙動データから急加速の運転タイプと判別出来る車両かどうかについてファジー推論を実施して、第3の重み付け値を設定する。すなわち、過去の車両挙動の判定結果に応じて、動きの早い車と推定されるほど「1」よりも小さい値となるように第3の重み付け値を設定する。
ステップS1050では、求めた3種類の重み付け値(第1〜第3の重み付け値)を乗算して、最終的な重み付け値を求める。複数の重みのバランスを保つための推論処理も実施して、3種類の重み付け値に対し重要度に基づき重み付けを行っても良い。また例えば、最終的な重み付け値に対して下限値の設定処理を行って良い。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS830にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
「リスク区間による設定変更」
第2寄与度変更部46Eの第5の処理例は、リスクが高い区間に近い隙間は、走行余裕指標に対する割合が小さくなる様に重みを設定する。
第5の処理例について図21を参照して説明する。
その第5の処理は、まずステップS1100にて、リスクが高い区間までの距離を基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。
ステップS1110にて、隙間とリスクが高い区間までの距離を求め、所定値以下のものを検出する。
ステップS1120にて、ステップS1110にて検出した所定値以下の隙間について、リスクが高い区間に近い隙間ほど重み付けを小さくするように重み付け値を求める。例えば距離の大きなものから順番に並べなおし、データテーブルに入力して重み付け値を求める。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS830にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
ここで、第1〜第5の処理例でそれぞれ求めた重み付け値の少なくとも2以上の重み付け値を対象とする隙間に乗算しても良い。
「第3走行余裕度演算部47」
次に、第3走行余裕度演算部47の処理について説明する。
第3走行余裕度演算部47は、区間設定部42内において自車両よりも前方(自車両線以外の車線を含む)を走行し、且つ自車両が走行する自車両線又は自車両線に隣接する隣接車線に車線変更した避走車両を検出すると、上記避走車両の進入によって減速する車両の台数及びその減速量の少なくとも一方を推定し、推定した減速する車両の台数及びその減速量の少なくとも一方から、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度を算出する。このとき、減速する車両の台数が多いほど、又は上記減速量が大きいほど、上記走行余裕度を小さく算出する。
第3走行余裕度演算部47は、図22に示すように、避走車両検出部47A、減速車両推定部47B、第3走行余裕度算出部47Cを備える。
避走車両検出部47Aは、車両前方から避走した避走車両の有無を検出する。避走車両検出部47Aは、自車両が走行する自車線に隣接する隣接車線での車両の平均車速よりも、自車両の速度が速い場合に、避走車両の有無を検出することが好ましい。
減速車両推定部47Bは、避走車両検出部47Aが避走車両を検出すると、避走車両の後方に存在する他車両のうち減速する他車両の台数及びその減速量を推定する。
第3走行余裕度算出部47Cは、減速車両推定部47Bが推定した減速する他車両の台数及びその減速量の少なくとも一方から、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度を算出する。具体的には、走行余裕度算出部は、減速する他車両の台数が多いほど、又は減速量が大きいほど、走行余裕度を小さく算出する。
次に、第3走行余裕度演算部47の第1基本処理例について図23を参照して説明する。
第3走行余裕度算出部47Cの第1基本処理例は、算出処理を開始すると、先ずステップS1200にて、自車両よりも前方を走行し且つ自車両線若しくは隣接車線に車線変更した避走車両を見つけるために、自車両の前側に取り付けた周囲検知部2からの情報を読み込む。例えば、自車両の左右のフロントライトおよびリアライトの近辺に取り付けられたセンサからの認識情報を取得する。
ステップS1210では、周囲検知部2の情報をもとに、避走車両および避走車両が移動する方向を推定する。例えば、車線間の白線をまたぐ車両のオプティカルフローの方向に応じて、隣車線に避走する車両、隣車線から自車両線に避走する車両が存在するかを判別する。
ステップS1220では、避走車両が自車両線に移動しているか、隣車線へ移動しているか判定する。自車両線に移動している場合はステップS1230へ移行する。隣車線へ移動している場合はステップS1310に移行する。
ステップS1230では、自車両線に入ってくる避走車両の位置を予測する。例えば、避走車両が進入する位置を他車両の動き予測によく使われるカルマンフィルタで予測する。
ステップS1240では、自車両よりも前方を走行し且つ、自車両線に進入する避走車両のために減速する先行車の減速度を予測する。例えば、先行車の減速度をベイズ推定で予測する。先行車が存在しなければ、自車両の減速度を予測する。
ステップS1250では、先行車のために自車両が減速する必要があるかを予測する。例えば、自車両が、減速した先行車の後ろにいる場合、必要な減速量をベイズ推定で予測する。
ステップS1260では、実際の各車両の減速度を計測する。例えば、実際の先行車と自車両の動きを計測する。
ステップS1270では、予測値と実測値の差を計算して時間積分する。例えば、予測結果と実際の計測結果から、減速度の差を求め、それを予め設定した時間幅で時間積分する。先行車が存在する場合には、先行車と自車両とで実施して、その平均値や一方の値を選択する。
ステップS1280では、積分値を正規化する。これは比較し易くするためである。例えば、予測時間と実際の計測時間の差の最大値によって正規化することで、−1〜1の間の値になる様に補正する。この正規化した積分値を走行余裕度とする。
積分値が大きいほど、避走車両の進入によって避走車両の後方の車両の乱れ具合が予想されるものと乖離して、自車両は、他車両を回避するための走行の余裕度が低くなると推定される。
ステップS1290では、自車両がリスクが高い区間の手前を走行しているかを判定する。例えば、自車両は、リスクが高い区間の200m手前を走行しているか判定する。
ステップS1300では、自車両がリスクが高い区間の手前を走行していると判定すると、ステップS1280で求めた走行余裕度を小さくする補正を行う。例えば、1よりも小さい値(0.6など)からなる補正値を乗算して小さくする。
ここで、リスクが高い区間の手前にいるときは、隣車線よりも自車両線のエントロピー(車両の乱雑度の度合)が高くなる傾向にある。この場合、自車両線についての走行余裕度が求められる事となる。
ステップS1310では、自車両線または別の車線から隣車線に入っていく避走車両の位置を予測する。例えば、避走車両が進入する位置を他車両の動き予測によく使われるカルマンフィルタで予測する。
ステップS1320では、自車両よりも前方を走行し且つ、隣接車線に進入する避走車両のために減速する後続車の減速度を予測する。例えば、予測された位置の車両の前後間隔から、後続車の減速度をベイズ推定で予測する。
ステップS1330では、後続車のために更に別の後続車が減速する必要があるかを予測する。例えば、その後の後続車も減速するかを更にベイズ推定で予測する。
ステップS1340では、実際の各車両の減速度を計測する。例えば、実際の後続車とそのまた後続車の動きを計測する。
ステップS1350では、予測値と実測値の差を計算して時間積分する。例えば、予測結果と実際の計測結果から、減速度の差を求め、それを所定の時間幅で時間積分する。
ステップS1360では、積分値を正規化する。これは比較し易くするためである。例えば、予測時間と実際の計測時間の差の最大値によって正規化することで、−1〜1の間の値になる様に補正する。この正規化した積分値を走行余裕度とする。
積分値が大きいほど、避走車両の進入によって避走車両の後方の車両の乱れ具合が予想されるものと乖離して、自車両は、他車両を回避するための走行の余裕度が低くなると推定される。
ステップS1370では、リスクが高い区間の手前にいるかを判定する。例えば、自車両は、リスクが高い区間の200m手前にいるか判定する。
ステップS1380では、自車両がリスクが高い区間の手前を走行していると判定すると、ステップS1360で求めた走行余裕度を小さくする補正を行う。例えば、1よりも小さい値(0.6など)からなる補正値を乗算して小さくする。
ここで、リスクが高い区間の手前を走行している場合、自車両線よりも隣接車線など他車線のエントロピー(車両の乱雑度の度合)が高くなる傾向にある。
次に、第3走行余裕度算出部47Cの第2基本処理例について、図24を参照して説明する。
第3走行余裕度算出部47Cの第2基本処理例は、基本処理は第1基本処理例の処理と同様である。
但し、ステップS1240、S1250の処理の代わりにステップS1400の処理を実施し、ステップS1320、S1330の代わりにステップS1410の処理を行う点が異なる。
ステップS1400では、避走先に後続車両がいて、車両間隔が狭いとき、一定減速度で減速するとみなす。例えば、避走先に後続車両がいて、車両間隔が狭いとき、一定減速度で減速すると予測する。
ステップS1410では、避走先に後続車両がいて、車両間隔が狭いとき、一定減速度で減速するとみなす。例えば、避走先に後続車両がいて、車両間隔が狭いとき、一定減速度で減速すると予測する。
次に、第3走行余裕度算出部47Cの第3基本処理例について図25を参照して説明する。
第3走行余裕度算出部47Cの第3基本処理例は、基本処理は第2基本処理例の処理と同様である。
但し、ステップS1230の処理の代わりにステップS1420の処理を実施し、ステップS1310の代わりにステップS1430の処理を行う点が異なる。
ステップS1420では、隣接車線中央からの横位置ずれ速度によって避走車両の自車両線への進入を予測する。ここで、隣接車線中央からの横位置ずれ速度が所定値以上の車両は、自車両線に進入することが顕著に予測される。
ステップS1430では、自車両線中央からの横位置ずれ速度によって避走車両の隣接車線への進入を予測する。ここで、自車両線中央からの横位置ずれ速度が所定値以上の車両は、隣接車線に進入することが顕著に予測される。
ここで、上記の各処理は、実際の制動状態と予想との乖離(差)が大きい分、余裕度が低くなる。その積分値を余裕度としている。予測誤差の累積値を求めるために、時間積分を計算しているが、予測誤差の累積値は、エントロピーの定義である「時間経過に応じて増える乱雑さ」に等しい。
もっとも、減速台数で余裕度を求めたりしても良い。すなわち、実際の減速度と台数で余裕度を算出するようにしても良い。
「第4走行余裕度演算部」
次に、第4走行余裕度演算部48の処理について説明する。
第4走行余裕度演算部48は、他車両が存在しなければ見通せるであろう仮想の見通し可能領域に対する、実際の見通し可能領域の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
第4走行余裕度演算部48は、図26に示すように、仮想領域設定部48A、死角領域算出部48B、見通し領域算出部48C、第4走行余裕度算出部48Dを備える。
仮想領域設定部48Aは、走行路の情報から評価判定区間の路面の領域を仮想の見通し可能領域として設定する。
死角領域算出部48Bは、評価判定区間の路面のうち、他車両によって自車両から死角となる死角領域を算出する。
見通し領域算出部48Cは、仮想の見通し可能領域から死角領域を除いた領域を、実際の見通し可能領域として算出する。死角領域算出部48Bは、見通し領域算出部48Cの一部を構成していても良い。
第4走行余裕度算出部48Dは、仮想領域設定部48Aが設定した仮想の見通し可能領域に対する見通し領域算出部48Cが算出した実際の見通し可能領域の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
死角領域補正部48Eは、死角領域算出部が算出する死角領域の大きさを補正する。
死角領域補正部48Eは、具体的には、以下の少なくともいずれかの処理によって、寄与する割合を変更する。
すなわち、死角領域補正部48Eは、死角領域を形成する他車両の縦長さが予め設定した設定長さ以上の場合、その死角領域の大きさを実際よりも大きく補正する。予め設定した設定長さとは、トラックと見なさせる長さであり、例えば、他車両の縦長さが長いほど、死角領域の大きさを実際よりも大きく補正する。
また、死角領域補正部48Eは、死角領域を形成する他車両の加速度が予め設定した設定加速度以上の場合、その死角領域の大きさを実際よりも大きな値に補正する。
また、死角領域補正部48Eは、自車両に対する死角領域を形成する他車両の位置、及びその死角領域の境界線の長さによって、対象とする死角領域の大きさを補正し、その補正は、自車両位置からの距離が大きいほど小さく、自車両側方よりも前後方向にずれるほど小さく、上記境界線が長いほど小さくする。
例えば、図27(a)に基づき、他車両が自車両位置からの距離が大きいほど小さくなる係数α1を求め、図27(b)に基づき、他車両が自車両側方に位置する状態を90度として、他車両の位置が自車両側方よりも前後方向にずれるほど小さくなる係数α2を求め、図27(c)に基づき、死角領域の境界線の長いほど小さくする係数α3を求める。そして、下記式で最終的な係数αを求め、求めたαを対応する死角領域の面積に乗算して、各死角領域を補正する。
α=α1×α2×α3
ここで、係数α1を図27(a)のように設定するのは、死角との距離が大きくなると危険な死角と考えにくくなるので、飛び出しによる危険は低いものとみなして、中心の大きさを減らすためである。
係数α2を図27(b)のように設定するのは、自車両が隣の車線に横移動若しくは斜め前に移動したいとき、車両の死角があって一番邪魔な位置は、真横にいる車両の斜め前に入るときの考えによるものである。他車が斜め前や斜め後ろにいるときは、他車の間の横がわずかながらでも見通せるので、死角から加速や減速してやってくるバイクに気付くことができる時間にゆとりがあると考えられる。
係数α3を図27(c)のように設定するのは、死角線の長さがバイクの横幅より少しゆとりがあるくらいだと、そこから飛び出しがあると危険である一方、死角線が長すぎて、一車線もある様な場合は、その車線をバイクが走り続けることの方が多く、飛び出しに該当しないケースになるので、危険でないと考えられるからである。
ここで、図28に死角領域の例を示す。図28中、斜線部分が死角領域であり、符号DLが境界線を示す。また死角は、例えば自車両の運転席から見た死角とする。
境界線は、次の範囲の長さである。
・他車両位置から道路境界若しくは評価判定区間の境界まで
・但し、道路境界までにもう1台車両がいて明らかに自車両から見える場合は、他車両から奥側の他車両まで(このような場合、奥側の他車両から道路境界までの死角は、手前の死角よりも遠くにあり、飛び出してくる車両がいても時間的にゆとりがあるので、α4として小さな重みを掛けることが好ましい。)
次に、第4走行余裕度算出部48Dの第1基本処理例について図29を参照して説明する。
第4走行余裕度算出部48Dの第1基本処理例は、算出処理を開始すると、先ずステップS1500にて、周囲検知部2の計測範囲を読み込む。この範囲内に評価判定区間を設定する。
ステップS1510では、車線内での計測可能な範囲を地図上に反映する。複数の車線があればそれも含む、道路の境界の外は見通せる範囲から除外する。
ステップS1520では、道路付属物の様な静止物体による死角は評価の対象外なので除去する。例えば、地図と比較して、環境静止物による死角を除去する。
ステップS1530では、レーザーレンジファインダの出力結果を読み込む。
ステップS1540では、移動する他車両と計測可能範囲(評価判定区間)の境界から自車両から死角となる死角領域の面積を推定する。
このとき、死角領域補正部48Eが、上述のように推定した死角領域の面積を適宜補正しても良い。
ステップS1550では、見通せる範囲から死角を除去したものを見通せた領域として計算する。
ステップS1560では、「見通せる領域」に対する「見通せた領域」の割合から走行余裕指標を計算する。
次に、第4走行余裕度算出部48Dの第2基本処理例について図30を参照して説明する。
第4走行余裕度算出部48Dの第2基本処理例は、上記の第1基本処理例に対し、ステップS1550の処理とステップS1560の処理との間にステップS1600〜S1710の処理を追加した点が異なる。
ステップS1600では、物陰から飛び出し危険因子のリスクを見積もるため、リスクの2次元確率分布(統計分布)を読み込む。例えば、2次元正規分布を読み込む。同じ統計分布を各死角の境界線DLに適用する。
ステップS1610では、各死角の境界線にそれぞれ統計分布を重ねるための、回転と平行移動に必要な物理量を計算する。例えば、自車両の距離と各死角の距離と角度を計算する。
ステップS1620では、統計分布を危険因子が飛び出しうる死角の出口に重ねる。このとき、2次元統計分布を死角の境界線の一端(進行方向)にくる様に設置する。続いて、統計分布を境界線の他端位置まで引き伸ばす。引き伸ばすほど、つまり境界線が長いほど、図31のように、中央値の大きさ(高さ)が低くなる。
この状態では、図32のように、2次元の統計分布が設定される事になる。
ステップS1700では、ステップS1620の計算が済むと、例えば図33に示すような、複数の統計分布の連なった山ができる。山と山の重なった部分は、それ分、高くなる。その山の所定の等高線の高さを指定する。すなわち、予め設定された等高線の高さ情報を読み込む。等高線の高さは自車両位置の等高線の高さ若しくはその高さより余裕代分だけ高い高さとする。なお、図32、34と図33とは車両の配置が異なる例を示し、図33は他車両MTが3台存在する場合を例示している。
ステップS1710では、等高線の高さと見通せた領域と見通せる領域などを結ぶと、図34に示すような、自車両を含むひとつの閉じた面(閉領域)ができる。但し、その閉じた空間に、自車両が通れない部分が存在すれば、自車両からみてその部分の奥側の面積は無視する。
そして、その閉じた面を見通せた領域とみなす。即ち、2次元統計分布における所定の高さの等高線、見通せた領域、見通せる領域で囲まれた面積を算出し、見通せた領域と置き換える。
その他の処理は、第1基本処理例と同様である。
情報提示部49は、走行余裕度選択部44が選択した走行余裕度に応じた報知を、警報装置7を通じて運転者に行う。
(動作その他について)
自車両が図7に示すような層流判定区間を走行しており、交通流判定部43が交通流の種別を層流(図5参照)と判定すると、第1走行余裕度演算部45が算出する回避可能な経路の割合から求める走行余裕度、又は第2走行余裕度演算部46が算出する他車両間の隙間の割合から求める走行余裕度を選択する。そして、情報提示部49は、走行余裕度選択部44が選択した走行余裕度に応じた報知を、警報装置7を通じて運転者に行う。
このとき、交通流判定部43が、交通流の種別が層流のうち単層流(図5(a)参照)と判定した場合には、第1走行余裕度演算部45が算出する回避可能な経路の割合から求める走行余裕度を採用することが好ましい。一方、交通流判定部43が、交通流の種別が層流のうち多層流(2層流)(図5(b)参照)と判定した場合には、第2走行余裕度演算部46が算出する回避可能な経路の割合から求める走行余裕度を採用することが好ましい。
第1走行余裕度演算部45では、図35に示すように、他車両に関係なく走行路面に経路を設定し、その設定した経路のうち実線で示す経路を他車両と干渉しない非干渉経路として検出する。そして、第1走行余裕度演算部45は、総経路に対する非干渉経路の割合を走行余裕度として算出する。
第2走行余裕度演算部46では、図36に示すように、隣接車線に位置する他車両間の隙間の割合に基づき走行余裕度を算出する。
一方、自車両が図7に示すような乱流判定区間を走行しており、交通流判定部43が交通流の種別を乱流(図6参照)と判定すると、第3走行余裕度演算部47が算出する避走による他車両の乱れ度合から求める走行余裕度、又は第4走行余裕度演算部48が算出する自車両から走行路の見え度合から求める走行余裕度を選択する。そして、情報提示部49は、走行余裕度選択部44が選択した走行余裕度に応じた報知を、警報装置7を通じて運転者に行う。
このとき、交通流判定部43が、交通流の種別が乱流のうち混層流(図6(a)参照)と判定した場合には、第3走行余裕度演算部47が算出する走行余裕度を採用することが好ましい。一方、交通流判定部43が、交通流の種別が乱流のうち混流(図6(b)参照)と判定した場合には、第4走行余裕度演算部48が算出する回避可能な経路の割合から求める走行余裕度を採用することが好ましい。
図36に示すように、自車両MM前方を走行していた他車両MT1が隣接車線に避走すると、その避走によってその後続車両MT2が減速する場合がある。第3走行余裕度演算部47では、その避走に伴う車両の減速台数がその減速量に基づいて走行余裕度を算出する。
また第4走行余裕度演算部48は、図38に示すように、評価判定区間の面積に対する他車両MTによる死角領域DSの合計値の割合を走行余裕度として算出する。
ここで、走行路に存在する車両の密度だけで、自車両の車線変更の余裕度など他車両を回避可能な走行自由度の度合を判定しようとすると、図39(a)のような状態も図39(b)のような状態も同じ車両密度となってしまう。ここで、MMは自車両を示し、MT自車両周囲の他車両を示す。以下同様である。
これに対し、第1走行余裕度演算部45が算出する、回避可能な経路の割合から算出する走行余裕度を適用する場合、図39(a)のように自車両MMが他車両MTで囲まれている場合には、例えば回避可能な経路がゼロとなって走行余裕度はゼロとなる。一方、図39(b)のように自車両MMに対して他車両MTがばらついて存在する場合には、たとえば、走行余裕度は「6/20」などとなる。このように、第1走行余裕度演算部45が算出する走行余裕度を指標とすることで、自車両に対する他車両の関係に応じた、自車両の現在の走行状況が「他車両回避(前後への加減速、車線変更等)」という視点でどれくらい余裕があるかを予め且つ適切に把握することが可能となる。
特に、交通流が単層流の場合には、自車両の速度と隣接車線の他車両の平均速度がほぼ同じであるので、上記走行余裕度は近い将来において保持されていると考えられる。
また、走行路に存在する車両の密度だけで、自車両の車線変更の余裕度など他車両を回避可能な走行自由度の度合を判定しようとすると、図40(a)のような状態も図40(b)のような状態も同じ車両密度となってしまう。
これに対し、第2走行余裕度演算部46が算出する、進入可能隙間の割合から算出する走行余裕度の場合には、図40(a)のように、自車両が進入可能が隙間がない場合には、走行余裕度は0となり、図40(b)のように自車両に対して車両がばらついて存在する場合には、たとえば、進入可能隙間の合計値は例えば「3+3+3+3=12」となって、走行余裕度は「12m/24m」などとなる。このように、第2走行余裕度演算部46が算出する走行余裕度を指標とすることで、他車間の状態によって、自車両に対する他車両の関係に応じた、自車両の現在の走行状況が「他車両回避(前後への加減速、車線変更等)」という視点でどれくらい余裕があるかをあらかじめ且つ適切に把握することが可能となる。
特に多層流(2層流)の場合には、自車両の速度と隣接車線の他車両の平均速度が違うため、自車両とその横に位置する他車両の関係は近い将来で異なるものの、隣接車両間の関係でみれば近い将来では他車両間の状態は近似している可能性が高い。このため上記走行余裕度は近い将来において保持されていると考えられる。
以上のように、単純に車両密度だけでは、車両のばらつき度合に応じた適切な自車両の走行自由度を把握することが出来ないが、第1走行余裕度演算部45又は第2走行余裕度演算部46が算出する走行余裕度では、他車両のばらつき度合に応じて、自車両の現在の走行状況が「他車両回避(前後への加減速、車線変更等)」という視点でどれくらい余裕があるかをあらかじめ且つ適切に把握することが可能となる。
また避走車両がある場合には、その避走車両によって他車両のばらつき度合が変化する。
これに対して、第3走行余裕度演算部47では、避走車両による後続車両の変化に応じて、自車両の現在の走行状況が「他車両回避(前後への加減速、車線変更等)」という視点でどれくらい余裕があるかをあらかじめ且つ適切に把握することが可能となる。車両が隣接車線に車線変更すると、その避走車両の後方にいる他車両はその車線の状況に応じて減速して、エントロピーが変化する。その変化の割合は、減速した車両の数や減速した車両の減速量が推定出来る。
特に交通流が混層流の場合には、層流判定区間に比べて避走車両が多いと考えられ、その避走による影響を加味して第3走行余裕度演算部47では走行自由度を求めることが出来る。
また、第4走行余裕度演算部では、自車両からの見通せる割合から求めることで、混流のように車線の数が変化することによって車線間で流れが混ざる乱れ方の場合に、そのときの見通し状況から走行余裕度を判定することで、運転者に分かり易い走行余裕度を提供することが可能となる。特に、車線の合流区間で有効である。
(本実施形態の効果)
(1)区間設定部42は、走行路に対し評価を判定する際の区間である評価判定区間を設定する。総経路算出部45Aが、上記取得した走行路の情報から上記評価判定区間の走行路に設定可能な経路及びその経路の総数を算出する。非干渉経路算出部45Cは、総経路算出部45Aが算出した全経路のうち、上記他車両検出部が検出した他車両と干渉しないと推定される経路である非干渉経路の本数を算出する。第1走行余裕度算出部45Dは、全経路の本数に対する上記非干渉経路の本数の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
単位道路区間における他車両の車両密度が同じ状態であっても、自車両周囲の他車両のばらつき度合によって、自車両の周りに存在する空きスペースの状態が異なることから、他車両を回避しつつ車線変更可能な余裕度は異なる。
これに対し、この構成によれば、自車両に対する他車両の位置に応じて、複数の経路のうち、どのくらいの本数の経路が残されているかの割合によって走行余裕度を算出する。
この結果、この構成によれば、運転者は、自車両に対する自車両周囲の他車両の関係に応じて、自車両の現在の走行状況が他車両回避(前後への加減速、車線変更等)という視点で、走行の自由度の観点からどれくらい余裕があるかを適切に把握するが可能となる。
(2)第1寄与度変更部45Eは、上記他車両の車種属性に応じて、加速性能が高いと推定される他車両の前方に設定した前方領域を通過する経路の上記寄与する割合を、加速性能が低いと推定される他車両の前方に設定した前方領域を通過する経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更する。
他車両がスポーツ車やバイクなど加速性能が高く、動きの早い車両の場合には、他車両前方の非干渉経路が当該他車両で占有される可能性がある。
この構成によれば、そのような非干渉経路の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(3)第1寄与度変更部45Eは、自車両からの距離が遠い経路の上記寄与する割合を、自車両からの距離が近い経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更する。
自車両から遠い経路は、他車両を回避しつつ車線変更が完了するまでの時間が相対的に長くなって、非干渉経路でなくなる可能性が想定的に高い。
この構成によれば、そのような非干渉経路の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(4)第1寄与度変更部45Eは、経路を形成する軌道における最大の曲率に応じ、上記最大の曲率が大きい経路の上記寄与する割合を、上記最大の曲率が小さい経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更する。
他車両を回避して走行する経路として、軌跡のカーブの曲率が大きい経路ほど、運転者の走行の余裕度は小さいと考えられる。
この構成によれば、そのような非干渉経路の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(5)第1寄与度変更部45Eは、分岐・合流区間と経路の終点との距離に応じて、上記分岐・合流区間に近い経路の上記寄与する割合を、上記分岐・合流区間から遠い経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更する。
分岐・合流区間に近い経路は、他車両の車線変更が起こる可能が相対的に高く、運転者が選択する経路として優先度が低いと考えられる。
この構成によれば、そのような非干渉経路の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(6)交通流判定部43が、自車両線を走行する車両の流れと自車両線に隣接する隣接車線を走行する車両の流れが層流状態であり、且つ上記隣接車線を走行する他車両の速度と自車両の速度との差が予め設定した設定速度差以下である単層流状態と判定する場合に、第1走行余裕度算出部45Dが算出する走行余裕度を選択する。
単層流の場合には、隣接車線の車両速度と自車両との車両速度差が無いか小さく、各車線での車の流れは一定であるような状況であるため、相対速度による影響を受けにくい交通流の状態となっている。
このため、自車両に対する周囲の他車両の状態が保持されやすいことから、回避可能な経路の割合から求めた走行自由度の妥当性が維持されやすい。この結果、運転者が将来、周囲を把握して車両の行動決定の指標としての適切な指標を提供することが出来る。
(7)隙間検出部46Aは、評価判定区間内において、自車両が走行する自車両線に隣接する隣接車線を走行する他車両間の隙間、及び評価判定区間の始端若しくは終端位置とそれに一番近い隣接車線を走行する他車両との間の隙間を検出する。進入可能隙間検出部46Bは、隙間検出部46Aが検出した隙間のうち、自車両が進入可能な大きさの隙間と推定される隙間である進入可能隙間を判定する。総和距離算出部46Cは、進入隙間判定部が判定した進入可能隙間の各距離の総和を算出する。第2走行余裕度算出部46Dは、評価判定区間の距離に対する上記総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
単位道路区間における他車両の車両密度が同じ状態であっても、自車両周囲の他車両のばらつき度合によって、他車両間の自車両が進入可能な大きさの隙間の形成状況が異なることから、他車両を回避しつつ車線変更可能な余裕度は異なる。
これに対し、この構成によれば、他車両間の自車両が進入可能な大きさの隙間に応じて走行余裕度を算出する。
この結果、この構成によれば、運転者は、自車両周囲の他車両のばらつき度合に応じて、自車両の現在の走行状況が他車両回避(前後への加減速、車線変更等)という視点で、走行の自由度の観点からどれくらい余裕があるかを適切に把握するが可能となる。
(8)第2寄与度変更部46Eは、上記進入可能隙間の長さが、上記自車両の縦長さに設定余裕代分を足した長さよりも短い場合、その進入可能隙間の寄与する割合を小さく設定変更する。
進入隙間が自車両の長さに近くなるほど、自車両が進入し難くなる。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(9)第2寄与度変更部46Eは、自車両からの距離が遠い進入可能隙間の寄与する割合を、自車両からの距離が遠い進入可能隙間の寄与する割合よりも小さく設定変更する。
自車両からの距離が遠い進入可能隙間は、他車両を回避しつつ車線変更完了までの時間が相対的に掛かるため、運転者が選択する経路として優先度が低いと考えられる。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(10)隙間変化推定部46Fは、他車両の挙動に基づき上記進入可能隙間の変化を推定する。第2寄与度変更部46Eは、隙間の大きさが小さくなる方向に変化すると推定した進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定変更する。
隙間の大きさが小さくなる方向に変化すると推定した進入可能隙間は、運転者にとって入りにくい隙間と想定される。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(11)第2寄与度変更部46Eは、上記他車両の車種属性に応じて、進入可能隙間を形成する他車両の一方の車両が加速性能が高いと推定される当該進入可能隙間の寄与する割合を、進入可能隙間を形成する他車両の両方の車両が加速性能が低いと推定される当該進入可能隙間の寄与する割合よりも小さく設定変更する。
スポーツ車などの動きの早い車で形成される隙間が変化する可能性が大きいと運転者が推定する可能性が大きい。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(12)第2寄与度変更部46Eは、上記分岐・合流区間に近い隙間の上記寄与する割合を、上記分岐・合流区間から遠い隙間の上記寄与する割合よりも小さく設定変更する。
分岐・合流区間に近い経路は、他車両の車線変更が起こる可能が相対的に高く、運転者が選択する経路として優先度が低いと考えられる。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
(13)交通流判定部43が、自車両が複数車線の走行路を走行し、自車両線を走行する車両の流れと自車両線に隣接する隣接車線を走行する車両の流れが層流状態であり、且つ上記隣接車線を走行する他車両の速度と自車両の速度との差が予め設定した設定速度差より大きい場合である多層流状態と判定する場合に、第2走行余裕度算出部46Dが算出する走行余裕度を選択する。
多層流状態では、各車線毎の流れは一様な状態であるが、自車両の速度と隣接車線の他車両の速度とに所定以上の速度差が付いている状態である。このため多層流状態では、自車両の横に位置する車両が時間と共に変化するものの、車線毎における他車両間の隙間の状況は維持されやすい。この結果、運転者が将来、周囲を把握して車両の行動決定の指標としての適切な指標を提供することが出来る。
(14)減速車両推定部47Bは、避走車両検出部47Aが上記避走車両を検出すると、上記避走車両の後方に存在する他車両のうち減速する他車両の台数及びその減速量を推定する。第3走行余裕度算出部47Cは、減速車両推定部47Bが推定した減速する他車両の台数及びその減速量の少なくとも一方から、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度を算出する。このとき、第3走行余裕度算出部47Cは、上記減速する他車両の台数が多いほど、減速量が大きいほど、上記走行余裕度を小さく算出する。
避走車両によって、避走車両の後方の減速する他車両の台数及び減速量の少なくとも一方が多いほど、その車線が混雑する方向に移行しやすい。このような観点から走行余裕度を算出することで、これからの混雑度合を運転者が把握し易くなり、適切な行動決定の指標を提供することが出来る。
このように、この構成によれば、運転者は、これからの混雑度合が把握できて、自車両の現在の走行状況が他車両回避(前後への加減速、車線変更等)という視点で、走行の自由度の観点からどれくらい余裕があるかを適切に把握するが可能となる。
(15)避走車両検出部47Aは、自車両が走行する自車両線に隣接する隣接車線での車両の平均車速よりも、自車両の速度が速い場合に、避走車両の有無を検出する。
自車両が相対的に速い場合には、自車両が車線変更するときの隣接車線で対象となる他車両は、現在の自車両の横位置に存在する他車両よりも前方の他車両との関係が重要となる。
この構成によれば、自車両よりも前方側の他車両の混雑度合が把握出来る。この結果、運転者により適切な走行余裕度を提供可能となる。
(16)交通流判定部43は、自車両が複数車線の走行路を走行し、自車両線を走行する車両の流れと自車両線に隣接する隣接車線を走行する車両の流れとの関係が乱流状態であり且つ車線数に変更がない区間である混層流状態か判定する。交通流判定部43が混層流状態と判定する場合に、上記第3走行余裕度算出部47Cが算出する走行余裕度を選択する。
混層流状態では、車線数は変更されないが、所定数以上の車線変更が行われることで、各車線では車両が一様に流れず乱れが生じる。
この構成によれば、運転者に対して、この乱れの発生に応じた走行自由度を提供することが可能となる。
(17)仮想領域設定部48Aは、走行路の情報から上記評価判定区間の路面の領域を仮想の見通し可能領域として設定する。死角領域算出部48Bは、評価判定区間の路面のうち他車両によって自車両から死角となる死角領域を算出する。見通し領域算出部48Cは、仮想の見通し可能領域から上記死角領域を除いた領域を、実際の見通し可能領域として算出する。第4走行余裕度算出部48Dは、仮想領域設定部48Aが設定した仮想の見通し可能領域に対する上記見通し領域算出部48Cが算出した実際の見通し可能領域の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度を算出する。
この構成によれば、運転者に対して、現在の見通し状況に応じた走行自由度の度合を表す走行余裕度を提供することが可能となる。
(18)死角領域補正部48Eは、死角領域を形成する他車両の縦長さが予め設定した設定長さ以上の場合、例えばトラックやバス相当の長さと判定すると、その死角領域の大きさを実際よりも大きく補正する。
死角を形成する車両が大きいほど、その背後にバイクなどが存在する可能性が高くなると思われる。このためこの構成によれば、第4走行余裕度算出部48Dが算出する走行余裕度の精度が向上する。
(19)死角領域補正部48Eは、死角領域を形成する他車両の加速度が予め設定した設定加速度以上の場合、その死角領域の大きさを実際よりも大きな値に補正する。
他車両の加速度が高いほど、死角領域の位置が変動しやすくなる。この構成によれば、そのような事も加味されることで、第4走行余裕度算出部48Dが算出する走行余裕度の精度が向上する。
(20)死角領域補正部48Eは、自車両に対する死角領域を形成する他車両の位置、及びその死角領域の境界線の長さによって、対象とする死角領域の大きさを補正し、その補正は、自車両位置からの距離が大きいほど小さく、自車両側方よりも前後方向にずれるほど小さく、上記境界線が長いほど小さくする。
この構成によれば、自車両に対する他車両の位置及び、走行路上の他車両の位置を考慮して、死角からの小型車やバイクの飛び出しの可能性を加味することで、第4走行余裕度算出部48Dが算出する走行余裕度の精度が向上する。
(21)見通し領域算出部は、自車両からみた各他車両による死角領域の各境界線にそれぞれ、その境界線の両端部を含むように伸ばした面積一定の凸型の2次元正規分布を配置し、その配置した2次元正規分布で仮想の高低差を路面に設定し、評価判定区間の路面内における自車両を含み且つ自車両と同じ等高線の領域を、実際の見通し可能領域として算出する。
この構成によれば、死角からの小型車やバイクの飛び出しを考慮した、走行余裕度を算出可能となる。
ここで、死角の境界線が長くなるほど、飛び出しの可能性が小さくなると推定されるため、境界線が長くなるほど、中心位置の高さが低い2次元統計分布を配置している。更に、隣り合う死角が近い場合、つまり近接する境界線が存在する場合には、その各境界線にそれぞれ配置した2次元統計分布に重なりが発生し、重なり部分での高さが高くなって、見通せる領域から外されるようになっている。
(22)交通流判定部43は、自車両が複数車線の走行路を走行し、自車両線を走行する車両の流れと自車両線に隣接する隣接車線を走行する車両の流れとの関係が乱流状態であり且つ車線数に変更がある区間である混流状態か判定する。交通流判定部43が混流状態と判定する場合に、上記第4走行余裕度算出部47Dが算出する走行余裕度を選択する。
混層流状態では、車線数も変更され、所定数以上の車線変更が行われることで、各車線では車両が一様に流れず乱れが生じる。
この構成によれば、運転者に対して、この乱れの発生に応じた走行自由度を提供することが可能となる。
(23)交通流判定部43は、走行路の交通流の種別が層流か乱流かを判定する。走行余裕度選択部44は、上記交通流判定部43が層流と判定する場合、第1走行余裕度算出部45D又は第2走行余裕度算出部46Dの少なくとも一方が算出する走行余裕度を選択し、上記交通流判定部43が乱流と判定する場合、第3走行余裕度算出部47C又は第4走行余裕度算出部48Dの少なくとも一方が算出する走行余裕度を選択する。
交通流が層流の場合には、各車線毎の流れは一様の状態となっている。このため各車両の他車両間の関係に応じて走行余裕度を求める、第1走行余裕度算出部45D又は第2走行余裕度算出部46Dの算出値を選択することで、層流に適した走行自由度を運転者に提供可能となる。
一方、交通流が乱流の場合には、各車線毎の流れは変化して入り乱れる状態となる。これに対して、第3走行余裕度算出部47Cは、その変化に応じて走行自由度を算出し、第4走行余裕度算出部48Dは、そのときの見通し度合に応じた走行自由度を算出することで、乱流に適した走行自由度を運転者に提供可能となる。
このように、この構成によれば、交通流の状態に応じて、適切な走行自由度を提供可能となる。
DS 死角領域
MM 自車両
MT 他車両
1 地図情報
2 周囲検知部
3 車両挙動検出部
4 走行余裕指数演算部
5 駆動制御部
6 操舵制御部
7 警報装置
41 走行路情報取得部
42 区間設定部
43 交通流判定部
44 走行余裕度選択部
45 走行余裕度演算部
45A 総経路算出部
45B 干渉経路算出部
45C 非干渉経路算出部
45D 走行余裕度算出部
45E 寄与度変更部
46 走行余裕度演算部
46A 隙間検出部
46B 進入可能隙間検出部
46C 総和距離算出部
46D 走行余裕度算出部
46E 寄与度変更部
46F 隙間変化推定部
47 走行余裕度演算部
47A 避走車両検出部
47B 減速車両推定部
47C 走行余裕度算出部
48 走行余裕度演算部
48A 仮想領域設定部
48B 死角領域算出部
48C 領域算出部
48D 走行余裕度算出部
48E 死角領域補正部
49 情報提示部

Claims (7)

  1. 自車両が走行中の走行路の情報を取得する走行路情報取得部と、
    自車両周囲に存在する他車両を検出する他車両検出部と、
    上記走行路に対し評価を判定する際の区間である評価判定区間を設定する区間設定部と、
    上記評価判定区間内において、自車両が走行する自車線に隣接する隣接車線を走行する他車両間の隙間、及び上記評価判定区間の始端若しくは終端位置とそれに一番近い他車両との間の隙間を検出する隙間検出部と、
    上記隙間検出部が検出した隙間のうち、自車両が進入可能な大きさの隙間と推定される隙間である進入可能隙間を検出する進入可能隙間検出部と、
    上記進入隙間判定部が判定した進入可能隙間の各距離の総和を算出する総和距離算出部と、
    上記評価判定区間の距離に対する上記総和距離算出部が算出した総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する走行余裕度算出部と、
    を備える車両の走行余裕度算出装置。
  2. 上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を変更する寄与度変更部を備え、
    上記寄与度変更部は、上記進入可能隙間の長さが、上記自車両の縦長さに設定余裕代分を足した長さよりも短い場合、その進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定変更することを特徴とする請求項1に記載した車両の走行余裕度算出装置。
  3. 上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を変更する寄与度変更部を備え、
    上記寄与度変更部は、自車両からの距離が遠い進入可能隙間の寄与する割合を、自車両からの距離が遠い進入可能隙間の寄与する割合よりも小さく設定変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の走行余裕度算出装置。
  4. 上記他車両の挙動に基づき上記進入可能隙間の変化を推定する隙間変化推定部と、
    上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を変更する寄与度変更部と、を備え、
    上記寄与度変更部は、隙間の大きさが小さくなる方向に変化すると推定した進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定変更することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両の走行余裕度算出装置。
  5. 上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を変更する寄与度変更部を備え、
    上記寄与度変更部は、上記他車両の車種属性に応じて、進入可能隙間を形成する他車両の一方の車両が加速性能が高いと推定される当該進入可能隙間の寄与する割合を、進入可能隙間を形成する他車両の両方の車両が加速性能が低いと推定される当該進入可能隙間の寄与する割合よりも小さく設定変更することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した車両の走行余裕度算出装置。
  6. 上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を設定変更する寄与度変更部を備え、
    上記走行路情報取得部は、走行路の分岐若しくは合流する区間である分岐・合流区間を取得し、
    上記寄与度変更部は、上記分岐・合流区間に近い隙間の上記寄与する割合を、上記分岐・合流区間から遠い隙間の上記寄与する割合よりも小さく設定変更することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した車両の走行余裕度算出装置。
  7. 自車両が複数車線の走行路を走行し、自車線を走行する車両の流れと自車線に隣接する隣接車線を走行する車両の流れが層流状態であり、且つ上記隣接車線を走行する他車両の速度と自車両の速度との差が予め設定した設定速度差より大きい場合である多層流状態か否かを判定する交通流判定部を、更に備え、
    上記交通流判定部が多層流状態と判定する場合に、上記走行余裕度算出部は走行余裕度を算出することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した車両の走行余裕度算出装置。
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