JP2015230676A - 車両の走行余裕度算出装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、隣接車線における単位距離当たりの他車両の台数が同じであっても、他車両間の相互位置(ばらつき度合)や自車両に対する他車両の位置関係によって、自車両が車線変更可能かどうかは異なる。このため、特許文献1で求める車線の混雑度では、自車両の車線変更の余裕度など、運転者にとっての他車両に対する自車両の走行自由度の度合を把握し難いという課題がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、自車両の車線変更の余裕度など、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を、より適切に把握することを目的としている。
この結果、本発明によれば、自車両の車線変更の余裕度など、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を、より適切に把握することが出来る。
自車両は、図1及び図2に示すように、地図情報1、周囲検知部2、車両挙動検出部3、走行余裕指数演算部4、駆動制御部5、操舵制御部6、及び警報装置7を備える。
地図情報1は、走行路の路面のノード情報等を有し、特に走行路の合流・分岐ノードを有する。合流・分岐ノードはリスク情報となる。地図情報1は、ナビゲーション装置の地図データなどである。
駆動制御部5は、車速目標値に基づき自車両の駆動力を制御する制御装置である。
操舵制御部6は、操舵目標値に基づき自車両の操舵を制御する制御装置である。
警報装置7は、運転者に対し警報などの報知を行う装置である。報知は音や表示などによって行う。
走行路情報取得部41は、自車両の位置情報から、自車両が走行中の走行路の情報を地図情報1から取得する。走行路情報取得部41は、例えば、自車両近傍に合流区間や分岐区間があるなどの情報を取得する。
交通流の種別の分類は、図4に示すように、流体工学的視点による分類である。交通流判定部43は、図5に示すように、各車線後の車両の流れがそれぞれほぼ一様な状態であり、車線間での車両の車線変更が少ない場合を層流とする。車線変更が少ないとは例えば単位時間当たりに車線変更する車両が1台以下の場合を指す。単位時間とは例えば5秒とする。
また層流を、図5に示すように、単層流と多層流とに分類する。交通流判定部43は、車線間での車両の平均速度が小さい場合を単層流(図5(a))とする。平均速度が小さいとは、例えば隣接車線間での速度差が5Km/h以下を指す。逆に、車線間での車両の平均速度が大きい場合を多層流(図5(b))とする。
交通流判定部43は、地図情報1から走行路の合流地点のノードを取得する。そして、走行路が合流する区間を高リスク区間とみなす。合流地点から予め設定した設定距離(例えば200m)までの区間を乱流判定区間とし、それ以外を層流判定区間とする。
交通流判定部43は、まずステップS10にて、地図情報1から自車両が乱流判定区間を走行中か層流判定区間を走行中か判定する。乱流判定区間を走行中と判定した場合にはステップS20に移行する。層流判定区間を走行中と判定した場合にはステップS60に移行する。
ステップS30では、走行路が合流することで車線数が減少した区間か判定する。車線数が減少した場合には、ステップS40に移行して混層流と判定したフラグを立てる。車線数が減少していないと判定した場合には、ステップS50に移行して混流と判定したフラグを立てる。
ステップS70では、自車両の速度と隣接車線の他車両の速度との差が、5Km/h以内か判定する。判定条件を満足する場合には、ステップS80に移行して、単層流と判定したフラグを立てる。一方判定条件を満足した場合には、ステップS90に移行して多層流と判定したフラグを立てる。
また、走行余裕度選択部44は、交通流判定部43が混層流と判定する場合、第3走行余裕度算出部47Cが算出する走行余裕度を選択し、交通流判定部43が混流と判定する場合、第4走行余裕度算出部48Dが算出する走行余裕度を選択すると良い。
次に、第1走行余裕度演算部45について説明する。
第1走行余裕度演算部45は、評価判定区間内において、他車両との関係で車線変更可能な経路(回避経路)の割合を走行余裕度として算出する。
第1走行余裕度演算部45は、図9に示すように、総経路算出部45A、干渉経路算出部45B、非干渉経路算出部45C、第1寄与度変更部45E、第1走行余裕度算出部45Dを備える。
第1走行余裕度算出部45Dは、総経路算出部45Aが算出した経路の数に対する非干渉経路算出部45Cが求めた非干渉の経路数の割合を、第1の走行余裕度とする。例えば総経路算出部45Aが算出した経路の数が20で、非干渉の経路数が10であれば、第1の走行余裕度は、10/20=0.5となる。
第1走行余裕度算出部45Dは、算出処理を開始すると、先ずステップS100にて評価判定区間内に生成(設定)する経路の数、及び各経路の終点をどこに設定するのかの情報を決定する。
生成する経路の数は、例えば車線毎に一定の数として、評価判定区間内における車線毎に、各経路の終点を振り分けることで、各経路の終点を設定する。
ステップS120では、経路生成のパラメータを読み込む。例えば、各経路の終点位置の座標情報と、自車両の位置(例えば自車両の重心位置)である経路の始点情報をもとに、軌跡曲線を生成するのに必要なパラメータを決定する。経路生成の演算方式は公知のモデル式を採用すればよい。
ステップS130では、ステップS120で決定したパラメータに基づき、曲線生成式(例えばβスプライン関数)によって各経路を生成する。例えば、車線変更部分(白線を跨る部分)を、経路の始点と終点を結んだ直線に基づき決定し、その車線変更部分の軌道がS字状の軌跡の曲線で且つ曲率が大きくなるような軌跡モデルによって各経路の軌跡を生成する。
ステップS150では、評価判定区間内で検知した各他車の路面占有領域ごとに、経路1本ずつその他車両の路面占有領域内を通過するか否か行う。これを評価判定区間内の全ての他車両と全経路との全ての組合せで検索処理を実施する。そして、全他車両の路面占有領域内を通過しない非干渉の経路を特定する。
ステップS170では、評価判定区間の走行路に設定した全ての経路の数を読み込む。
ステップS180では、ステップS170が取得した「全ての経路の数」に対する、ステップS160で求めた「通過しない経路の数(非干渉経路の数)」の割合を求める。この割合が、走行余裕度となる。
すなわち、第1寄与度変更部45Eは、他車両の車種属性に応じて、加速性能が高いと推定される他車両の前方に設定した前方領域を通過する経路の上記寄与する割合を、加速性能が低いと推定される他車両の前方に設定した前方領域を通過する経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更する処理を行っても良い。他車両の前方領域は、例えば他車両の前方1m前までの領域である。加速性能が高いほど前方領域(前方距離)を広く設定するようにしても良い。前方領域は例えば他車両の前側1m以内の領域である。
また、第1寄与度変更部45Eは、経路を形成する軌道における最大の曲率に応じ、最大の曲率が大きい経路の上記寄与する割合を、最大の曲率が小さい経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更を行っても良い。例えば、予め設定した設定曲率以上の最大の曲率を有する経路の重み付けを半分などとする。
また、第1寄与度変更部45Eは、分岐・合流区間と経路の終点との距離に応じて、分岐・合流区間に近い経路の上記寄与する割合を、分岐・合流区間から遠い経路の上記寄与する割合よりも小さく設定変更を行っても良い。例えば、経路の終点が分岐・合流区間若しくは分岐・合流のノード点から100m以内の場合に、経路の重み付けを半分などとする。
「他車両の車種属性による設定変更」
第1寄与度変更部45Eの第1の処理例は、他車両の車種属性に応じて、非干渉経路が第1の走行余裕度に寄与する割合を重み付けにより設定変更する。具体的には、動きの早い車(加速性能が高い車)の前方を通過する経路は走行余裕度に対する寄与が小さいとみなし、逆に動きが遅い車(加速性能が低い車)の前方を通過する経路は第1の走行余裕度に対する寄与が大きいとみなし、動きの早い車(加速性能が高い車)の前方を通過する経路に1未満の重み付け値を乗算する。前方とは、例えば1mである。
その第1の処理は、まずステップS200にて、車両属性の重み付け設定の情報を読み込む。
ステップS210では、周囲検知部2からの情報に基づき、隣車線に存在する他車両の属性を判別する。
ステップS220では、車種に応じた重み付け値を決定する。例えば、車種が小型車・普通車・スポーツ車両のいずれかに応じてファジー推論を実施して、第1の重み付け値を設定する。例えば、普通車を「1」とし、スポーツ車両を「0.6」などを重み付け値として設定する。すなわち、車種に応じて、動きの早い車(加速性能が高い)と推定されるほど、「1」よりも小さい値となるように、第1の重み付け値を設定する。
ステップS240では、他車両の運転者の特性が把握できると判定した場合には、その運転者の特性に応じて重み付け値を決定する。即ち、直近の過去の車両の挙動データから急加速の運転タイプと判別出来る車両かどうかについてファジー推論を実施して、第3の重み付け値を設定する。すなわち、過去の車両挙動の判定結果に応じて、動きの早い車と推定されるほど「1」よりも小さい値となるように第3の重み付け値を設定する。
以上の処理を各他車両毎に実施する。
そして、上記のステップS160の処理において、非干渉経路の本数を加算する際に、重み付けを乗算した後の値を加算して、非干渉経路の本数とする。例えば、非干渉経路の一つが0.5を乗算した場合には、その経路は0.5本としてカウントされる。
第1寄与度変更部45Eの第2の処理例は、自車両からの距離に応じて、他車と交わらない経路が第1の走行余裕度に寄与する割合を重み付けにより設定変更する。自車両から遠い経路は第1の走行余裕度に対する寄与が小さいとみなし、自車両に近い経路は第1の走行余裕度に対する寄与が大きいとみなす。例えば、自車両から予め設定した設定距離以上の離れている経路に、1未満の重み付け値を乗算する。
その第2の処理は、まずステップS300にて、全ての非干渉経路の情報を読み込む。全ての経路を重み付けの対象としても良い。
次に、ステップS310では、各経路の代表的な位置座標を使って、自車両との距離を求める。そして、自車両から遠くにある経路ほど、「1」よりも小さくなる重み付け値を算出する。
次に、ステップS320では、自車両進行方向に対する経路位置に応じて重み付けを行う。即ち、自車両よりも後ろにある経路は、自車両よりも前方にある経路と比較して、進行方向の観点から移動先の候補として考慮するには価値が低いので、重み付けを小さく設定する。例えば、自車両よりも前方にある経路に対する重み付けとし「1」を設定し、自車両の横方向よりも後方の経路に対する重み付けとして「0.7」を設定する。その重み付けをステップS310で求めた重み付け値に乗算して補正する。
そして、上記のステップS160の処理において、非干渉経路の本数を加算する際に、重み付けを乗算した後の値を加算して、非干渉経路の本数とする。例えば、非干渉経路の一つが0.9を乗算した場合には、その経路は0.9本としてカウントされる。
第1寄与度変更部45Eの第3の処理例は、回避経路の曲率に応じて、非干渉経路が第1の走行余裕度に寄与する割合を設定変更する。曲率の大きな経路は第1の走行余裕度に対する寄与が小さいとみなし、曲率の小さな経路は第1の走行余裕度に対する寄与が大きいとみなす。すなわち、曲率が大きな経路は自車両にとって走行し難い。そのため、曲率が大きな経路に対して上記寄与を小さくするような重み付け値を求める。
その第3の処理は、まずステップS400にて、全ての非干渉経路の情報を読み込む。
次に、ステップS410では、曲率を入力、重み付けを出力としたデータテーブルを読み込む。関数を用意しても良い。曲率が大きくなるほど重み付けを小さくするように設定されている。
ステップS420では、対象とする経路についてそれぞれ、軌跡中の曲率のうち最大の曲率を代表値として求める。
ステップS430では、ステップS420で求めた代表値に対応する重み付け値をデータテーブルから読み取る。
ステップS440では、ステップS420で求めた重み付け値を、対応する経路に乗算する。各経路の初期値は「1」とする。ステップS420での重み付け値が「0.8」であれば、1×0.8=0.8となる。
そして、上記のステップS160の処理において、非干渉経路の本数を加算する際に、重み付けを乗算した後の値を加算して、非干渉経路の本数とする。例えば、非干渉経路の一つが0.8を乗算した場合には、その経路は0.8本としてカウントされる。
第1寄与度変更部45Eの第4の処理例は、リスクの高い区間と非干渉経路の終点との距離に応じて、非干渉経路が走行余裕度に寄与する割合を設定変更する。リスクの高い区間に近い経路は走行余裕度に対する寄与が小さいとみなす。
ここで、リスクの高い区間とは、道路の分岐点、合流点を含む区間である。例えば分岐点、合流点から進行方向に予め設定した距離までをリスクの高い区間とし、そのリスクの高い区間に終点が位置する経路に、例えば0.5の重み付け値を乗算して、走行余裕度に寄与する割合を小さくする。
その第4の処理は、まずステップS500にて、全ての非干渉経路の情報を読み込む。
次に、ステップS510では、リスクが高い区間までの距離を基準にした重み付けを各経路に施すためのデータテーブルを読み込む。
次に、ステップS520では、対象とする経路の終点位置とリスクが高い区間までの距離を求め、所定距離以下の経路を、重み付け対象の経路として設定する。
なお、リスクが高い区間は、例えば道路の分岐点、合流点位置を基準として距離を決定する。距離は、例えば道路進行方向に沿った距離とする。
そして、上記のステップS160の処理において、非干渉経路の本数を加算する際に、重み付けを乗算した後の値を加算して、非干渉経路の本数とする。例えば、非干渉経路の一つが0.8を乗算した場合には、その経路は0.8本としてカウントされる。
ここで、第1〜第4の処理例でそれぞれ求めた重み付け値の少なくとも2以上の重み付け値を対象とする経路に乗算しても良い。
次に、第2走行余裕度演算部46の処理について説明する。
第2走行余裕度演算部46は、評価判定区間の距離に対する、進入可能な隙間の総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
第2走行余裕度演算部46は、図15に示すように、隙間検出部46A、進入可能隙間検出部46B、総和距離算出部46C、第2走行余裕度算出部46Dを備える。
隙間検出部46Aは、評価判定区間内において、自車両が走行する自車両線に隣接する隣接車線を走行する他車両間の隙間、及び評価判定区間の始端若しくは終端位置とそれに一番近い隣接車線を走行する他車両との間の隙間を検出する。
総和距離算出部46Cは、進入隙間判定部が検出した進入可能隙間の各隙間距離の総和を算出する。
第2走行余裕度算出部46Dは、評価判定区間の距離に対する総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
第2走行余裕度算出部46Dは、算出処理を開始すると、先ずステップS600では、周囲検知部2での計測範囲を読み込み、地図上に投影し、評価できる隣車線の範囲(評価判定区間)を決める。
ステップS610では、隙間の計算に必要な初期値を読み込む。
ステップS620では、周囲検知部2のうちLRFによる計測結果を読み込む。
ステップS630では、隙間を計算するための他車両の幾何データ、運動データを取得する。例えば、他車両の位置、姿勢、寸法データを読み込む。
ステップS650では、求めた隙間のうち、自車両が進入可能な隙間である進入可能隙間を全て加算した合計値(総和)を求める。
ステップS660では、評価判定区間の長さを取得する。
ステップS670では、評価判定区間の長さに対する進入可能隙間の合計値を、走行余裕度として算出する。この走行余裕度は、隣接車線毎に求めても良い。また、左右の両隣接車線に対し一つの指標として求める場合には、評価判定区間の長さを二倍とすればよい。
第2寄与度変更部46Eは、具体的には、以下の少なくともいずれかの処理によって、寄与する割合を変更する。
すなわち、第2寄与度変更部46Eは、進入可能隙間の長さが、自車両の縦長さに設定余裕代分(例えば1m)を足した長さよりも短い場合、その進入可能隙間の寄与する割合を小さく設定変更する処理をしてもよい。
また第2寄与度変更部46Eは、隙間の大きさが小さくなる方向に変化すると推定した進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定変更するようにしても良い。この場合には、他車両の挙動に基づき進入可能隙間の変化を推定する隙間変化推定部46Fを備える。隙間変化推定部46Fは、例えば他車両の加速度を推定して進入可能隙間の変化を推定する。
また第2寄与度変更部46Eは、分岐・合流区間に近い隙間の上記寄与する割合を、分岐・合流区間から遠い隙間の上記寄与する割合よりも小さく設定変更するようにしてもよい。このとき、走行路の分岐若しくは合流する区間である分岐・合流区間を検出する分岐・合流区間検出部を備える。
「隙間の大きさによる設定変更」
第2寄与度変更部46Eの第1の処理例は、予め設定した値以下、例えば自車両の縦長さと変わらないような隙間については、走行余裕指標に対する割合を小さくするように重み付けを設定する。
第1の処理について図17を参照して説明する。
その第1の処理は、まずステップS700にて、自車両の長さを基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。
ステップS720では、隣車線にいる他車両同士の間隔(隙間)のうちの隙間進入可能隙間を取得する。
ステップS730では、自車両の縦方向の長さに予め設定した値を足した基準長さよりも寸法が小さい隙間だけをデータテーブルで重み付けを求めるためにスタックに入れる。
ステップS740では、データテーブルを用いて、基準長さ未満の隙間は重み付けを小さくする処理を施す。すなわち、スタックに入っている隙間を入力として、データテーブルより重み付けを計算する。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS740にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
第2寄与度変更部46Eの第2の処理例は、自車両の遠くにある隙間は大きさに関わらず走行余裕指標に対する割合を小さくする様に重み付けを設定する。
第2の処理例について図18を参照して説明する。
その第2の処理は、まずステップS800にて、自車両の距離を基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。例えば、自車両の隣位置にある隙間を、重み付けとしての最大値(「1」)とする。
ステップS820では、自車両よりも後ろにある隙間は、自車両よりも前方にある隙間と比較して、進行方向の観点から移動先の候補として考慮するには価値が低いので、ステップS810で求めた重み付けを小さくなるように補正する。例えば自車両位置よりも後方の隙間の重み付け値に1より小さい値(例えば0.7)を乗算して小さくなるように補正する。
次に、ステップS830にて、ステップS830で求めた重み付け値を、対応する隙間の大きさに乗算する。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS830にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
第2寄与度変更部46Eの第3の処理例は、隙間の大きさが小さくなる、小さくなる可能性がある場合に、それらの隙間に限って走行余裕指標に対する割合を小さくする様に重み付けを設定する。
第3の処理例について図19を参照して説明する。
その第3の処理は、まずステップS900にて、隙間の変化速度を基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。
ステップS920では、他車両の動きの予測結果から、各隙間の変化の割合を計算する。
ステップS930では、隙間の変化の割合をデータテーブルに入れ、変化の割合が大きなものほど重み付けを小さくなる様に重み付け値を求める。
次に、ステップS940では、ステップS930で求めた重み付け値を、対応する隙間の大きさに乗算する。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS830にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
第2寄与度変更部46Eの第4の処理例は、小型スポーツ車両の様に俊敏な車の近くにある隙間は、緩やかな動きの車の近くにある隙間よりもリスクが高いため、隙間が小さくなる可能性があるかどうかに関わらず、走行余裕指標に対する割合を小さくする様に重み付けを設定する。
その第4の処理は、まずステップS1000で車両の属性を基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。
ステップS1010で、隣車線にいる他車両の属性を判別する。
ステップS1020では、データテーブルを参照して車種に応じた重み付けを求める。具体的には、小型・ノーマル・スポーツ車両に応じてファジー推論を実施して第1の重み付け値を決定する。周囲検知部2が検知した他車両の情報に基づき、車両の車種を推定し、加速性能が高い車両ほど、重み付け値として小さくなる値を設定する。
ステップS1040では、他車両の運転者の特性が把握できると判定した場合には、その運転者の特性に応じて重み付け値を決定する。即ち、直近の過去の車両の挙動データから急加速の運転タイプと判別出来る車両かどうかについてファジー推論を実施して、第3の重み付け値を設定する。すなわち、過去の車両挙動の判定結果に応じて、動きの早い車と推定されるほど「1」よりも小さい値となるように第3の重み付け値を設定する。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS830にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
第2寄与度変更部46Eの第5の処理例は、リスクが高い区間に近い隙間は、走行余裕指標に対する割合が小さくなる様に重みを設定する。
第5の処理例について図21を参照して説明する。
その第5の処理は、まずステップS1100にて、リスクが高い区間までの距離を基準にした重み付けを各隙間に施すためのデータテーブルを読み込む。
ステップS1120にて、ステップS1110にて検出した所定値以下の隙間について、リスクが高い区間に近い隙間ほど重み付けを小さくするように重み付け値を求める。例えば距離の大きなものから順番に並べなおし、データテーブルに入力して重み付け値を求める。
そして、上記のステップS650の処理において、進入可能隙間の長さを加算する際に、ステップS830にて重み付けを乗算した後の値を加算して、合計値(総和)を求める。
ここで、第1〜第5の処理例でそれぞれ求めた重み付け値の少なくとも2以上の重み付け値を対象とする隙間に乗算しても良い。
次に、第3走行余裕度演算部47の処理について説明する。
第3走行余裕度演算部47は、区間設定部42内において自車両よりも前方(自車両線以外の車線を含む)を走行し、且つ自車両が走行する自車両線又は自車両線に隣接する隣接車線に車線変更した避走車両を検出すると、上記避走車両の進入によって減速する車両の台数及びその減速量の少なくとも一方を推定し、推定した減速する車両の台数及びその減速量の少なくとも一方から、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度を算出する。このとき、減速する車両の台数が多いほど、又は上記減速量が大きいほど、上記走行余裕度を小さく算出する。
避走車両検出部47Aは、車両前方から避走した避走車両の有無を検出する。避走車両検出部47Aは、自車両が走行する自車線に隣接する隣接車線での車両の平均車速よりも、自車両の速度が速い場合に、避走車両の有無を検出することが好ましい。
第3走行余裕度算出部47Cは、減速車両推定部47Bが推定した減速する他車両の台数及びその減速量の少なくとも一方から、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度を算出する。具体的には、走行余裕度算出部は、減速する他車両の台数が多いほど、又は減速量が大きいほど、走行余裕度を小さく算出する。
第3走行余裕度算出部47Cの第1基本処理例は、算出処理を開始すると、先ずステップS1200にて、自車両よりも前方を走行し且つ自車両線若しくは隣接車線に車線変更した避走車両を見つけるために、自車両の前側に取り付けた周囲検知部2からの情報を読み込む。例えば、自車両の左右のフロントライトおよびリアライトの近辺に取り付けられたセンサからの認識情報を取得する。
ステップS1220では、避走車両が自車両線に移動しているか、隣車線へ移動しているか判定する。自車両線に移動している場合はステップS1230へ移行する。隣車線へ移動している場合はステップS1310に移行する。
ステップS1240では、自車両よりも前方を走行し且つ、自車両線に進入する避走車両のために減速する先行車の減速度を予測する。例えば、先行車の減速度をベイズ推定で予測する。先行車が存在しなければ、自車両の減速度を予測する。
ステップS1250では、先行車のために自車両が減速する必要があるかを予測する。例えば、自車両が、減速した先行車の後ろにいる場合、必要な減速量をベイズ推定で予測する。
ステップS1270では、予測値と実測値の差を計算して時間積分する。例えば、予測結果と実際の計測結果から、減速度の差を求め、それを予め設定した時間幅で時間積分する。先行車が存在する場合には、先行車と自車両とで実施して、その平均値や一方の値を選択する。
ステップS1280では、積分値を正規化する。これは比較し易くするためである。例えば、予測時間と実際の計測時間の差の最大値によって正規化することで、−1〜1の間の値になる様に補正する。この正規化した積分値を走行余裕度とする。
積分値が大きいほど、避走車両の進入によって避走車両の後方の車両の乱れ具合が予想されるものと乖離して、自車両は、他車両を回避するための走行の余裕度が低くなると推定される。
ステップS1300では、自車両がリスクが高い区間の手前を走行していると判定すると、ステップS1280で求めた走行余裕度を小さくする補正を行う。例えば、1よりも小さい値(0.6など)からなる補正値を乗算して小さくする。
ここで、リスクが高い区間の手前にいるときは、隣車線よりも自車両線のエントロピー(車両の乱雑度の度合)が高くなる傾向にある。この場合、自車両線についての走行余裕度が求められる事となる。
ステップS1320では、自車両よりも前方を走行し且つ、隣接車線に進入する避走車両のために減速する後続車の減速度を予測する。例えば、予測された位置の車両の前後間隔から、後続車の減速度をベイズ推定で予測する。
ステップS1330では、後続車のために更に別の後続車が減速する必要があるかを予測する。例えば、その後の後続車も減速するかを更にベイズ推定で予測する。
ステップS1350では、予測値と実測値の差を計算して時間積分する。例えば、予測結果と実際の計測結果から、減速度の差を求め、それを所定の時間幅で時間積分する。
ステップS1360では、積分値を正規化する。これは比較し易くするためである。例えば、予測時間と実際の計測時間の差の最大値によって正規化することで、−1〜1の間の値になる様に補正する。この正規化した積分値を走行余裕度とする。
積分値が大きいほど、避走車両の進入によって避走車両の後方の車両の乱れ具合が予想されるものと乖離して、自車両は、他車両を回避するための走行の余裕度が低くなると推定される。
ステップS1380では、自車両がリスクが高い区間の手前を走行していると判定すると、ステップS1360で求めた走行余裕度を小さくする補正を行う。例えば、1よりも小さい値(0.6など)からなる補正値を乗算して小さくする。
ここで、リスクが高い区間の手前を走行している場合、自車両線よりも隣接車線など他車線のエントロピー(車両の乱雑度の度合)が高くなる傾向にある。
第3走行余裕度算出部47Cの第2基本処理例は、基本処理は第1基本処理例の処理と同様である。
但し、ステップS1240、S1250の処理の代わりにステップS1400の処理を実施し、ステップS1320、S1330の代わりにステップS1410の処理を行う点が異なる。
ステップS1400では、避走先に後続車両がいて、車両間隔が狭いとき、一定減速度で減速するとみなす。例えば、避走先に後続車両がいて、車両間隔が狭いとき、一定減速度で減速すると予測する。
ステップS1410では、避走先に後続車両がいて、車両間隔が狭いとき、一定減速度で減速するとみなす。例えば、避走先に後続車両がいて、車両間隔が狭いとき、一定減速度で減速すると予測する。
第3走行余裕度算出部47Cの第3基本処理例は、基本処理は第2基本処理例の処理と同様である。
但し、ステップS1230の処理の代わりにステップS1420の処理を実施し、ステップS1310の代わりにステップS1430の処理を行う点が異なる。
ステップS1420では、隣接車線中央からの横位置ずれ速度によって避走車両の自車両線への進入を予測する。ここで、隣接車線中央からの横位置ずれ速度が所定値以上の車両は、自車両線に進入することが顕著に予測される。
ステップS1430では、自車両線中央からの横位置ずれ速度によって避走車両の隣接車線への進入を予測する。ここで、自車両線中央からの横位置ずれ速度が所定値以上の車両は、隣接車線に進入することが顕著に予測される。
もっとも、減速台数で余裕度を求めたりしても良い。すなわち、実際の減速度と台数で余裕度を算出するようにしても良い。
次に、第4走行余裕度演算部48の処理について説明する。
第4走行余裕度演算部48は、他車両が存在しなければ見通せるであろう仮想の見通し可能領域に対する、実際の見通し可能領域の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
仮想領域設定部48Aは、走行路の情報から評価判定区間の路面の領域を仮想の見通し可能領域として設定する。
死角領域算出部48Bは、評価判定区間の路面のうち、他車両によって自車両から死角となる死角領域を算出する。
第4走行余裕度算出部48Dは、仮想領域設定部48Aが設定した仮想の見通し可能領域に対する見通し領域算出部48Cが算出した実際の見通し可能領域の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
死角領域補正部48Eは、具体的には、以下の少なくともいずれかの処理によって、寄与する割合を変更する。
すなわち、死角領域補正部48Eは、死角領域を形成する他車両の縦長さが予め設定した設定長さ以上の場合、その死角領域の大きさを実際よりも大きく補正する。予め設定した設定長さとは、トラックと見なさせる長さであり、例えば、他車両の縦長さが長いほど、死角領域の大きさを実際よりも大きく補正する。
また、死角領域補正部48Eは、自車両に対する死角領域を形成する他車両の位置、及びその死角領域の境界線の長さによって、対象とする死角領域の大きさを補正し、その補正は、自車両位置からの距離が大きいほど小さく、自車両側方よりも前後方向にずれるほど小さく、上記境界線が長いほど小さくする。
α=α1×α2×α3
係数α2を図27(b)のように設定するのは、自車両が隣の車線に横移動若しくは斜め前に移動したいとき、車両の死角があって一番邪魔な位置は、真横にいる車両の斜め前に入るときの考えによるものである。他車が斜め前や斜め後ろにいるときは、他車の間の横がわずかながらでも見通せるので、死角から加速や減速してやってくるバイクに気付くことができる時間にゆとりがあると考えられる。
係数α3を図27(c)のように設定するのは、死角線の長さがバイクの横幅より少しゆとりがあるくらいだと、そこから飛び出しがあると危険である一方、死角線が長すぎて、一車線もある様な場合は、その車線をバイクが走り続けることの方が多く、飛び出しに該当しないケースになるので、危険でないと考えられるからである。
境界線は、次の範囲の長さである。
・他車両位置から道路境界若しくは評価判定区間の境界まで
・但し、道路境界までにもう1台車両がいて明らかに自車両から見える場合は、他車両から奥側の他車両まで(このような場合、奥側の他車両から道路境界までの死角は、手前の死角よりも遠くにあり、飛び出してくる車両がいても時間的にゆとりがあるので、α4として小さな重みを掛けることが好ましい。)
第4走行余裕度算出部48Dの第1基本処理例は、算出処理を開始すると、先ずステップS1500にて、周囲検知部2の計測範囲を読み込む。この範囲内に評価判定区間を設定する。
ステップS1510では、車線内での計測可能な範囲を地図上に反映する。複数の車線があればそれも含む、道路の境界の外は見通せる範囲から除外する。
ステップS1530では、レーザーレンジファインダの出力結果を読み込む。
ステップS1540では、移動する他車両と計測可能範囲(評価判定区間)の境界から自車両から死角となる死角領域の面積を推定する。
このとき、死角領域補正部48Eが、上述のように推定した死角領域の面積を適宜補正しても良い。
ステップS1550では、見通せる範囲から死角を除去したものを見通せた領域として計算する。
ステップS1560では、「見通せる領域」に対する「見通せた領域」の割合から走行余裕指標を計算する。
第4走行余裕度算出部48Dの第2基本処理例は、上記の第1基本処理例に対し、ステップS1550の処理とステップS1560の処理との間にステップS1600〜S1710の処理を追加した点が異なる。
ステップS1600では、物陰から飛び出し危険因子のリスクを見積もるため、リスクの2次元確率分布(統計分布)を読み込む。例えば、2次元正規分布を読み込む。同じ統計分布を各死角の境界線DLに適用する。
ステップS1610では、各死角の境界線にそれぞれ統計分布を重ねるための、回転と平行移動に必要な物理量を計算する。例えば、自車両の距離と各死角の距離と角度を計算する。
この状態では、図32のように、2次元の統計分布が設定される事になる。
そして、その閉じた面を見通せた領域とみなす。即ち、2次元統計分布における所定の高さの等高線、見通せた領域、見通せる領域で囲まれた面積を算出し、見通せた領域と置き換える。
その他の処理は、第1基本処理例と同様である。
情報提示部49は、走行余裕度選択部44が選択した走行余裕度に応じた報知を、警報装置7を通じて運転者に行う。
自車両が図7に示すような層流判定区間を走行しており、交通流判定部43が交通流の種別を層流(図5参照)と判定すると、第1走行余裕度演算部45が算出する回避可能な経路の割合から求める走行余裕度、又は第2走行余裕度演算部46が算出する他車両間の隙間の割合から求める走行余裕度を選択する。そして、情報提示部49は、走行余裕度選択部44が選択した走行余裕度に応じた報知を、警報装置7を通じて運転者に行う。
第2走行余裕度演算部46では、図36に示すように、隣接車線に位置する他車両間の隙間の割合に基づき走行余裕度を算出する。
また第4走行余裕度演算部48は、図38に示すように、評価判定区間の面積に対する他車両MTによる死角領域DSの合計値の割合を走行余裕度として算出する。
ここで、走行路に存在する車両の密度だけで、自車両の車線変更の余裕度など他車両を回避可能な走行自由度の度合を判定しようとすると、図39(a)のような状態も図39(b)のような状態も同じ車両密度となってしまう。ここで、MMは自車両を示し、MT自車両周囲の他車両を示す。以下同様である。
また、走行路に存在する車両の密度だけで、自車両の車線変更の余裕度など他車両を回避可能な走行自由度の度合を判定しようとすると、図40(a)のような状態も図40(b)のような状態も同じ車両密度となってしまう。
以上のように、単純に車両密度だけでは、車両のばらつき度合に応じた適切な自車両の走行自由度を把握することが出来ないが、第1走行余裕度演算部45又は第2走行余裕度演算部46が算出する走行余裕度では、他車両のばらつき度合に応じて、自車両の現在の走行状況が「他車両回避(前後への加減速、車線変更等)」という視点でどれくらい余裕があるかをあらかじめ且つ適切に把握することが可能となる。
これに対して、第3走行余裕度演算部47では、避走車両による後続車両の変化に応じて、自車両の現在の走行状況が「他車両回避(前後への加減速、車線変更等)」という視点でどれくらい余裕があるかをあらかじめ且つ適切に把握することが可能となる。車両が隣接車線に車線変更すると、その避走車両の後方にいる他車両はその車線の状況に応じて減速して、エントロピーが変化する。その変化の割合は、減速した車両の数や減速した車両の減速量が推定出来る。
また、第4走行余裕度演算部では、自車両からの見通せる割合から求めることで、混流のように車線の数が変化することによって車線間で流れが混ざる乱れ方の場合に、そのときの見通し状況から走行余裕度を判定することで、運転者に分かり易い走行余裕度を提供することが可能となる。特に、車線の合流区間で有効である。
(1)区間設定部42は、走行路に対し評価を判定する際の区間である評価判定区間を設定する。総経路算出部45Aが、上記取得した走行路の情報から上記評価判定区間の走行路に設定可能な経路及びその経路の総数を算出する。非干渉経路算出部45Cは、総経路算出部45Aが算出した全経路のうち、上記他車両検出部が検出した他車両と干渉しないと推定される経路である非干渉経路の本数を算出する。第1走行余裕度算出部45Dは、全経路の本数に対する上記非干渉経路の本数の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する。
これに対し、この構成によれば、自車両に対する他車両の位置に応じて、複数の経路のうち、どのくらいの本数の経路が残されているかの割合によって走行余裕度を算出する。
この結果、この構成によれば、運転者は、自車両に対する自車両周囲の他車両の関係に応じて、自車両の現在の走行状況が他車両回避(前後への加減速、車線変更等)という視点で、走行の自由度の観点からどれくらい余裕があるかを適切に把握するが可能となる。
他車両がスポーツ車やバイクなど加速性能が高く、動きの早い車両の場合には、他車両前方の非干渉経路が当該他車両で占有される可能性がある。
この構成によれば、そのような非干渉経路の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
自車両から遠い経路は、他車両を回避しつつ車線変更が完了するまでの時間が相対的に長くなって、非干渉経路でなくなる可能性が想定的に高い。
この構成によれば、そのような非干渉経路の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
他車両を回避して走行する経路として、軌跡のカーブの曲率が大きい経路ほど、運転者の走行の余裕度は小さいと考えられる。
この構成によれば、そのような非干渉経路の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
分岐・合流区間に近い経路は、他車両の車線変更が起こる可能が相対的に高く、運転者が選択する経路として優先度が低いと考えられる。
この構成によれば、そのような非干渉経路の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
単層流の場合には、隣接車線の車両速度と自車両との車両速度差が無いか小さく、各車線での車の流れは一定であるような状況であるため、相対速度による影響を受けにくい交通流の状態となっている。
このため、自車両に対する周囲の他車両の状態が保持されやすいことから、回避可能な経路の割合から求めた走行自由度の妥当性が維持されやすい。この結果、運転者が将来、周囲を把握して車両の行動決定の指標としての適切な指標を提供することが出来る。
これに対し、この構成によれば、他車両間の自車両が進入可能な大きさの隙間に応じて走行余裕度を算出する。
この結果、この構成によれば、運転者は、自車両周囲の他車両のばらつき度合に応じて、自車両の現在の走行状況が他車両回避(前後への加減速、車線変更等)という視点で、走行の自由度の観点からどれくらい余裕があるかを適切に把握するが可能となる。
進入隙間が自車両の長さに近くなるほど、自車両が進入し難くなる。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
自車両からの距離が遠い進入可能隙間は、他車両を回避しつつ車線変更完了までの時間が相対的に掛かるため、運転者が選択する経路として優先度が低いと考えられる。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
隙間の大きさが小さくなる方向に変化すると推定した進入可能隙間は、運転者にとって入りにくい隙間と想定される。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
スポーツ車などの動きの早い車で形成される隙間が変化する可能性が大きいと運転者が推定する可能性が大きい。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
分岐・合流区間に近い経路は、他車両の車線変更が起こる可能が相対的に高く、運転者が選択する経路として優先度が低いと考えられる。
この構成によれば、そのような進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定することで、算出する走行余裕度の精度が向上する。
多層流状態では、各車線毎の流れは一様な状態であるが、自車両の速度と隣接車線の他車両の速度とに所定以上の速度差が付いている状態である。このため多層流状態では、自車両の横に位置する車両が時間と共に変化するものの、車線毎における他車両間の隙間の状況は維持されやすい。この結果、運転者が将来、周囲を把握して車両の行動決定の指標としての適切な指標を提供することが出来る。
このように、この構成によれば、運転者は、これからの混雑度合が把握できて、自車両の現在の走行状況が他車両回避(前後への加減速、車線変更等)という視点で、走行の自由度の観点からどれくらい余裕があるかを適切に把握するが可能となる。
自車両が相対的に速い場合には、自車両が車線変更するときの隣接車線で対象となる他車両は、現在の自車両の横位置に存在する他車両よりも前方の他車両との関係が重要となる。
この構成によれば、自車両よりも前方側の他車両の混雑度合が把握出来る。この結果、運転者により適切な走行余裕度を提供可能となる。
混層流状態では、車線数は変更されないが、所定数以上の車線変更が行われることで、各車線では車両が一様に流れず乱れが生じる。
この構成によれば、運転者に対して、この乱れの発生に応じた走行自由度を提供することが可能となる。
この構成によれば、運転者に対して、現在の見通し状況に応じた走行自由度の度合を表す走行余裕度を提供することが可能となる。
死角を形成する車両が大きいほど、その背後にバイクなどが存在する可能性が高くなると思われる。このためこの構成によれば、第4走行余裕度算出部48Dが算出する走行余裕度の精度が向上する。
他車両の加速度が高いほど、死角領域の位置が変動しやすくなる。この構成によれば、そのような事も加味されることで、第4走行余裕度算出部48Dが算出する走行余裕度の精度が向上する。
この構成によれば、自車両に対する他車両の位置及び、走行路上の他車両の位置を考慮して、死角からの小型車やバイクの飛び出しの可能性を加味することで、第4走行余裕度算出部48Dが算出する走行余裕度の精度が向上する。
この構成によれば、死角からの小型車やバイクの飛び出しを考慮した、走行余裕度を算出可能となる。
ここで、死角の境界線が長くなるほど、飛び出しの可能性が小さくなると推定されるため、境界線が長くなるほど、中心位置の高さが低い2次元統計分布を配置している。更に、隣り合う死角が近い場合、つまり近接する境界線が存在する場合には、その各境界線にそれぞれ配置した2次元統計分布に重なりが発生し、重なり部分での高さが高くなって、見通せる領域から外されるようになっている。
混層流状態では、車線数も変更され、所定数以上の車線変更が行われることで、各車線では車両が一様に流れず乱れが生じる。
この構成によれば、運転者に対して、この乱れの発生に応じた走行自由度を提供することが可能となる。
交通流が層流の場合には、各車線毎の流れは一様の状態となっている。このため各車両の他車両間の関係に応じて走行余裕度を求める、第1走行余裕度算出部45D又は第2走行余裕度算出部46Dの算出値を選択することで、層流に適した走行自由度を運転者に提供可能となる。
このように、この構成によれば、交通流の状態に応じて、適切な走行自由度を提供可能となる。
MM 自車両
MT 他車両
1 地図情報
2 周囲検知部
3 車両挙動検出部
4 走行余裕指数演算部
5 駆動制御部
6 操舵制御部
7 警報装置
41 走行路情報取得部
42 区間設定部
43 交通流判定部
44 走行余裕度選択部
45 走行余裕度演算部
45A 総経路算出部
45B 干渉経路算出部
45C 非干渉経路算出部
45D 走行余裕度算出部
45E 寄与度変更部
46 走行余裕度演算部
46A 隙間検出部
46B 進入可能隙間検出部
46C 総和距離算出部
46D 走行余裕度算出部
46E 寄与度変更部
46F 隙間変化推定部
47 走行余裕度演算部
47A 避走車両検出部
47B 減速車両推定部
47C 走行余裕度算出部
48 走行余裕度演算部
48A 仮想領域設定部
48B 死角領域算出部
48C 領域算出部
48D 走行余裕度算出部
48E 死角領域補正部
49 情報提示部
Claims (7)
- 自車両が走行中の走行路の情報を取得する走行路情報取得部と、
自車両周囲に存在する他車両を検出する他車両検出部と、
上記走行路に対し評価を判定する際の区間である評価判定区間を設定する区間設定部と、
上記評価判定区間内において、自車両が走行する自車線に隣接する隣接車線を走行する他車両間の隙間、及び上記評価判定区間の始端若しくは終端位置とそれに一番近い他車両との間の隙間を検出する隙間検出部と、
上記隙間検出部が検出した隙間のうち、自車両が進入可能な大きさの隙間と推定される隙間である進入可能隙間を検出する進入可能隙間検出部と、
上記進入隙間判定部が判定した進入可能隙間の各距離の総和を算出する総和距離算出部と、
上記評価判定区間の距離に対する上記総和距離算出部が算出した総和の割合を、他車両に対する自車両の走行自由度の度合を表す走行余裕度として算出する走行余裕度算出部と、
を備える車両の走行余裕度算出装置。 - 上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を変更する寄与度変更部を備え、
上記寄与度変更部は、上記進入可能隙間の長さが、上記自車両の縦長さに設定余裕代分を足した長さよりも短い場合、その進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定変更することを特徴とする請求項1に記載した車両の走行余裕度算出装置。 - 上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を変更する寄与度変更部を備え、
上記寄与度変更部は、自車両からの距離が遠い進入可能隙間の寄与する割合を、自車両からの距離が遠い進入可能隙間の寄与する割合よりも小さく設定変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の走行余裕度算出装置。 - 上記他車両の挙動に基づき上記進入可能隙間の変化を推定する隙間変化推定部と、
上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を変更する寄与度変更部と、を備え、
上記寄与度変更部は、隙間の大きさが小さくなる方向に変化すると推定した進入可能隙間の上記寄与する割合を小さく設定変更することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両の走行余裕度算出装置。 - 上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を変更する寄与度変更部を備え、
上記寄与度変更部は、上記他車両の車種属性に応じて、進入可能隙間を形成する他車両の一方の車両が加速性能が高いと推定される当該進入可能隙間の寄与する割合を、進入可能隙間を形成する他車両の両方の車両が加速性能が低いと推定される当該進入可能隙間の寄与する割合よりも小さく設定変更することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した車両の走行余裕度算出装置。 - 上記走行余裕度に対する上記進入可能隙間の寄与する割合を設定変更する寄与度変更部を備え、
上記走行路情報取得部は、走行路の分岐若しくは合流する区間である分岐・合流区間を取得し、
上記寄与度変更部は、上記分岐・合流区間に近い隙間の上記寄与する割合を、上記分岐・合流区間から遠い隙間の上記寄与する割合よりも小さく設定変更することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した車両の走行余裕度算出装置。 - 自車両が複数車線の走行路を走行し、自車線を走行する車両の流れと自車線に隣接する隣接車線を走行する車両の流れが層流状態であり、且つ上記隣接車線を走行する他車両の速度と自車両の速度との差が予め設定した設定速度差より大きい場合である多層流状態か否かを判定する交通流判定部を、更に備え、
上記交通流判定部が多層流状態と判定する場合に、上記走行余裕度算出部は走行余裕度を算出することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した車両の走行余裕度算出装置。
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JP6354354B2 (ja) | 2018-07-11 |
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