JP2015230231A - ケミカルセンサ、ケミカルセンサモジュール、生体分子検出装置及びケミカルセンサの製造方法 - Google Patents

ケミカルセンサ、ケミカルセンサモジュール、生体分子検出装置及びケミカルセンサの製造方法 Download PDF

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淳志 梶原
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Abstract

【課題】検出対象光を高精度で検出可能なケミカルセンサ、ケミカルセンサモジュール、生体分子検出装置及びケミカルセンサの製造方法を提供する。
【解決手段】ケミカルセンサに、励起光が照射された試料から発せられた光を検出する光電変換層と、前記光電変換層上に形成され、前記励起光を吸収すると共に、前記試料から発せられた光を透過する分光フィルタ層と、前記分光フィルタ層よりも上層に形成され、検出対象の試料が保持される試料保持部と、少なくとも前記試料保持部よりも上層に形成され、前記励起光の進行方向を変更して、前記励起光の一部又は全部を前記試料保持部に斜め方向から入射させる照射方向変更部とを設ける。
【選択図】図1

Description

本技術は、ケミカルセンサ、このケミカルセンサを備えたケミカルセンサモジュール及び生体分子検出装置並びにケミカルセンサの製造方法に関する。より詳しくは、ケミカルセンサにおける検出精度向上技術に関する。
近年、医学、生化学及び分子生物学等の分野では、生体分子の検出方法として、検出対象物をウェルや流路内に保持し、光電変換素子等を利用して光学的に検出する手法が利用されている。また、従来、装置の小型化を目的として、ウェルや流路等を固体撮像素子上に一体で形成したバイオ・ケミカルセンサも提案されている(特許文献1,2参照)。
一方、検出精度向上を目的として、検出対象物と検出用の光電変換部の距離を短くすると共に、光電変換部の手前に励起光と蛍光とを分離する分光フィルタを設けたケミカルセンサも提案されている(特許文献3,4参照)。特許文献3,4に記載のケミカルセンサのように、蛍光を発する検出対象物と検出器との間の距離を近接させると、蛍光の検出器への結合効率、即ち検出器における信号の検出効率を向上させることができる。
特開2011−137742号公報 特開2013−40797号公報 特開2013−88378号公報 特開2013−92393号公報
前述した光電変換素子を用いたケミカルセンサは、一般に、検出対象物に励起光を照射し、それにより発せられた蛍光等を検出するが、フォトダイオード等の光電変換部に励起光が入射すると、蛍光等の検出精度が低下するという課題がある。前述した特許文献1,2に記載のケミカルセンサの場合、励起光の影響を低減するには、励起光を除去する部材を別途設ける必要がある。これに対して、特許文献3,4に記載のケミカルセンサは、励起光を除去する分光フィルタを備えているため、別部材を設けなくても励起光を除去することができるが、生体分子検出用ケミカルセンサには、検出精度の更なる向上が求められている。
そこで、本開示は、検出対象光を高精度で検出可能なケミカルセンサ、ケミカルセンサモジュール、生体分子検出装置及びケミカルセンサの製造方法を提供することを主目的とする。
本開示に係るケミカルセンサは、励起光が照射された試料から発せられた光を検出する光電変換層と、前記光電変換層上に形成され、前記励起光を吸収すると共に、前記試料から発せられた光を透過する分光フィルタ層と、前記分光フィルタ層よりも上層に形成され、検出対象の試料が保持される試料保持部と、少なくとも前記試料保持部よりも上層に形成され、前記励起光の進行方向を変更して、前記励起光の一部又は全部を前記試料保持部に斜め方向から入射させる照射方向変更部と、を有するものである。
前記照射方向変更部は、例えば、光拡散層若しくは光拡散部材、プリズム層若しくはプリズム部材、光反射層若しくは光反射部材、又はマスク層若しくはマスク部材である。
本開示のケミカルセンサは、前記試料保持部上に、前記励起光を透過する材料からなるカバー層が設けられていてもよい。
その場合、前記照射方向変更部は、前記カバー層上や前記試料保持部と前記カバー層との間に設けることができる。
又は、前記照射方向変更部が前記カバー層を兼ねていてもよい。
また、前記試料は、例えば生体分子である。
その場合、前記試料保持部に、前記生体分子と結合するプローブ材料が固定されていてもよい。
そして、前記光電変換層は、前記プローブ材料と前記生体分子の結合に起因する蛍光を検出してもよい。
本開示に係るケミカルセンサモジュールは、前述したケミカルセンサと、前記ケミカルセンサに一体的に装着され、前記ケミカルセンサに励起光を照射する光源とを有するものである。
本開示に係る生体分子検出装置は、前述したケミカルセンサを備えるものである。
本開示に係るケミカルセンサの製造方法は、励起光が照射された試料から発せられた光を検出する光電変換層を形成する工程と、前記光電変換層上に、前記励起光を吸収すると共に、前記試料から発せられた光を透過する分光フィルタ層を形成する工程と、前記分光フィルタ層よりも上層に、検出対象の試料が保持される試料保持部を形成する工程と、少なくとも前記試料保持部よりも上層に、前記励起光の進行方向を変更して、前記励起光の一部又は全部を前記試料保持部に斜め方向から入射させる照射方向変更部を形成する工程とを有する。
本開示によれば、分光フィルタ層での励起光除去性能が向上するため、検出対象光をより高精度で検出することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本開示の第1の実施形態のケミカルセンサの構成を示す模式図である。 本開示の第2の実施形態のケミカルセンサの構成を示す模式図である。 本開示の第3の実施形態のケミカルセンサの構成を示す模式図である。 Aは本開示の第4の実施形態のケミカルセンサの構成を示す模式図であり、Bはそのマスク層8の拡大平面図である。 図4に示すケミカルセンサ40の動作を示す模式図である。 A及びBはマスク層8のパターン例及び配置例を示す図である。
本発明者は、前述した課題を解決するために、鋭意実験検討を行った結果、以下に示す知見を得た。励起光と蛍光を分離する光学素子である分光フィルタには、一般に、誘電体多層膜を積層した構成の干渉型と、吸収体材料によって構成される吸収型とがある。生体分子等の生体由来の試料は、散乱特性を有しているため、入射した励起光は散乱される。一方、検出信号の強度を確保するためには、検出対象物と光電変換層の距離は短い方がよい。
このとき、光電変換層の手前に干渉型の分光フィルタを配置すると、試料により散乱されて任意の角度をもって分光フィルタに入射した励起光成分によって、バックグラウンド光成分が大幅に増大してしまう懸念がある。この懸念を回避するため、検出器手前に配置される分光フィルタには、吸収型のものを使用することが望ましい。吸収型分光フィルタは、光がその内部を透過する距離が増加すると、その光の減衰量も増加する。
従って、吸収型分光フィルタの内部透過距離を長くすることにより、即ち、吸収型分光フィルタの厚さを増加させれば、光電変換層に到達してバックグラウンド光となる励起光成分を、より効率的に除去することが可能となる。分光フィルタの厚さが増すと、蛍光等の検出光を発する検出対象物と光電変換層との間の距離が増加するため、信号の検出効率は低下することとなる。
そこで、本開示においては、分光フィルタを備えるケミカルセンサモジュールにおいて、分光フィルタを吸収型とすると共に、検出対象物と光電変換層とを近接配置し、更に、励起光が検出対象物に斜め方向から照射されるようにした。具体的には、少なくとも試料保持部よりも上層に、励起光の進行方向を変更して、その一部又は全部を試料保持部に斜め方向から入射させる照射方向変更部を設ける。これにより、検出光が極微量であっても、検出可能な検出性能を保持しながら、検出器に到達しバックグラウンド光となる励起光成分の除去効率を向上させることが可能となる。
以下、本開示を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す各実施形態に限定されるものではない。また、説明は、以下の順序で行う。

1.第1の実施形態
(光拡散層を備えるケミカルセンサの例)
2.第2の実施形態
(プリズム層を備えるケミカルセンサの例)
3.第3の実施形態
(光反射層を備えるケミカルセンサの例)
4.第4の実施形態
(マスク層を備えるケミカルセンサの例)
(1.第1の実施の形態)
先ず、本開示の第1の実施形態に係るケミカルセンサについて説明する。図1は本実施形態のケミカルセンサの構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態のケミカルセンサ10は、光電変換層1と、分光フィルタ層2と、試料保持部3と、カバー層4と、光拡散層5とがこの順に設けられており、光拡散層5側から励起光11が照射される。
[光電変換層1]
光電変換層1は、入射した光を電気信号として検出するものであり、例えばシリコン等の基板に複数の光電変換素子が形成されている。光電変換層1の構造は、特に限定されるものではなく、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)構造等を採用することができる。また、光電変換層1は、光電変換素子が2次元的(行列状)に配置されたイメージセンサであってもよく、光電変換素子が1次元的(線状)に配置されたラインセンサであってもよい。
[分光フィルタ層2]
分光フィルタ層2は、励起光11を吸収すると共に、生体分子等の試料等から発せられた検出対象光を透過するものであり、光電変換層1上に形成されている。分光フィルタ層2は、例えば、励起光11の波長域に吸収ピークを有し、検出対象光の波長域に吸収のない顔料や色素等により形成することができる。
[試料保持部3]
試料保持部3は、分光フィルタ層2よりも上層に形成されており、試料が生体分子である場合は、その生体分子と結合するプローブ材料12が固定されており、このプローブ材料12に結合することにより検出対象の試料が保持される。ここで、プローブ材料12としては、DNA、RNA、タンパク質及び抗原等が挙げられ、試料に応じて適宜選択することができる。また、試料保持部3には、必要に応じて生理食塩水等が注入又は充填され、液層13が形成されていてもよい。
試料保持部3の形態は、特に限定されるものではなく、図1に示す流路の他、ウェル等でもよく、試料や目的に応じて適宜選択することができる。また、試料保持部3は、検出対象光に対して透明、即ち検出対象光の波長域に吸収のない材料で形成されており、例えば検出対象光の波長域に吸収のない樹脂材料やガラス等により形成することができる。
[カバー層4]
カバー層4は、試料保持部3上に必要に応じて設けられ、試料保持部3からの試料や液層13の漏出や試料保持部3に不純物が混入することを防止するものである。カバー層4は、励起光11の波長域に吸収のない材料で形成されており、例えば励起光11の波長域に吸収のない樹脂材料やガラス等により形成することができる。また、カバー層4は、励起帯域以外の不要な波長域の光を除去する分光透過特性(光学フィルタ機能)を有していてもよい。
[光拡散層5]
光拡散層5は、励起光11の進行方向を変更し、例えば平行光で入射した励起光11の一部又は全部を試料保持部3に斜め方向から入射させるものであり、例えばカバー層4上又は試料保持部3とカバー層4との間に設けられている。このように、励起光11を試料保持部3に斜め方向から入射させると、励起光11は分光フィルタ層2にも角度をもって入射することになるため、分光フィルタ層2の厚さを厚くすることなく、励起光11の内部透過距離を延ばすことができる。これにより、分光フィルタ層2における励起光11の除去量が増加し、光電変換層1への励起光11の入射量が減少するため、ノイズが少ない高品質な検出信号を得ることができる。
光拡散層5は、励起光11の波長域に吸収のない材料で形成されており、例えば励起光11の波長域に吸収のない樹脂材料やガラス等により形成することができる。光拡散層5の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば樹脂材料で形成する場合は、射出成形等の各種成形方法を採用することができる。光拡散層5は、試料保持部3やカバー層4と連続した工程で一体的に形成してもよく、また、別途作製した光拡散部材を接着剤等を使用して、試料保持部3やカバー層4に積層してもよい。
なお、光拡散層5は、試料保持部3よりも上層に形成されていればよく、カバー層4を設けずに、試料保持部3の上に直接光拡散層5を設けてもよく、その場合は、光拡散層5がカバー層4を兼ねる。また、カバー層4と光拡散層5の間には、励起帯域以外の不要な波長域の光を除去する光学フィルタ層が設けられていてもよい。
[動作]
次に、前述したケミカルセンサ10の動作について、生体分子を検出する場合を例にして説明する。本実施形態のケミカルセンサ10により生体分子を検出する場合は、例えば試料保持部3に、検出対象の生体分子と結合するプローブ材料12を固定しておく。そして、例えば試料保持部3が流路である場合は、流路内に検出対象の生体分子を含む液を通流させて、生体分子をプローブ材料12に保持させる。
その後、光拡散層5側から励起光11を照射する。励起光11は、光拡散層11で進行方向が変更され、試料保持部3に斜め方向から入射する。その際、垂直方向から入射する光もあるが、その光量は、励起光11の全光量からみるとわずかである。プローブ材料に保持された試料に励起光11が照射されると、試料に起因する蛍光やプローブ材料と生体分子の結合に起因する蛍光等の検出対象光が発せられる。
そして、これらの検出対象光は、分光フィルタ層2を透過して、光電変換層1に入射し、検出される。また、励起光11は、分光フィルタ層2で吸収され、光電変換層1に到達する前にその大部分が除去される。
[製造方法]
本実施形態のケミカルセンサ10は、光電変換層1を形成する工程と、分光フィルタ層2を形成する工程と、試料保持部3を形成する工程と、照射方向変更部4を形成する工程を行うことにより製造することができる。
具体的には、光電変換層1を形成する工程では、例えば単結晶シリコン等からなる基板の一主面側に、マスク上からのイオン注入と熱処理によって不純物領域からなるフォトダイオードを形成する。その際、基板の内部に他の不純物領域を形成したり、基板上にゲート絶縁膜やゲート電極を形成してもよい。また、フォトダイオードが形成された基板上に保護絶縁層を積層してもよい。
分光フィルタ層2を形成する工程では、前述した方法で形成した光電変換層1上に、スピンコート法等により検出対象光の波長域に吸収のない顔料や色素等を含む分光フィルタ層を積層する。
試料保持部3を形成する工程では、前述した方法で形成した分光フィルタ2上に、検出対象光の波長域に吸収のない樹脂材料やガラス等からなる試料保持部3を積層する。また、例えばプローブ材料を滴下等して結合させる方法等により、試料保持部3にプローブ材料を固定してもよい。
照射方向変更部である光拡散層5を形成する工程では、前述した方法で形成した試料保持部3上に、例えば励起光の波長域に吸収のない樹脂材料やガラス等からなる光拡散層5を形成する。光拡散層5の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば樹脂材料で形成する場合は、射出成形やレジスト成形等の各種成形方法を採用することができる。また、光拡散層5は、試料保持部3やカバー層4と連続した工程で一体的に形成してもよく、又は、別途作製した光拡散部材を接着剤等を使用して、試料保持部やカバー層に積層してもよい。
[ケミカルセンサモジュール]
本実施形態のケミカルセンサ10は、励起光11を照射する光源を一体的に装着して、モジュールとすることができる。モジュールに搭載される光源は、例えば各種レーザ、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)及びCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp:冷陰極管)等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、試料等に応じて適宜選択することができる。
[生体分子検出装置]
本実施形態のケミカルセンサ10は、例えば生体分子を検出する生体分子検出装置に搭載される。
以上詳述したように、本実施形態のケミカルセンサは、光電変換層上に一体で形成された薄膜の分光フィルタ層に対して励起光を斜めに入射させるため、高効率で励起光を吸収することが可能となる。これにより、光電変換層と検出対象光を発する試料とを近接して配置することが可能になると共に、検出対象光の光量を減少させずに、バックグランド光である励起光を除去することができる。その結果、S/N(信号/ノイズ)比が高い検出信号が得られるため、検出精度を向上させることができる。
(2.第2の実施の形態)
次に、本開示の第2の実施形態に係るケミカルセンサについて説明する。図2は本実施形態のケミカルセンサの構成を示す模式図である。なお、図2においては、図1に示す第1の実施形態のケミカルセンサの構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態のケミカルセンサ20は、光電変換層1と、分光フィルタ層2と、試料保持部3と、プリズム層6とがこの順に設けられている。即ち、本実施形態のケミカルセンサ20は、カバー層及び光散乱層の代わりに、プリズム層6が設けられている以外は、前述した第1の実施形態のケミカルセンサと同様である。このケミカルセンサ20は、プリズム層6がカバー層を兼ねており、プリズム部6を介して試料保持部3に励起光11が照射される。
[プリズム層6]
プリズム層6は、励起光11の進行方向を変更し、例えば平行光で入射した励起光11を試料保持部3に斜め方向から入射させるものであり、試料保持部3上に形成されている。プリズム層6は、励起光11の波長域に吸収のない材料で形成されており、例えば励起光11の波長域に吸収のない樹脂材料やガラス等により形成することができる。また、プリズム層6は、励起帯域以外の不要な波長域の光を除去する分光透過特性(光学フィルタ機能)を有していてもよい。
プリズム層6の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば樹脂材料で形成する場合は、射出成形等の各種成形方法やレジストを用いた成形方法を採用することができる。プリズム層6は、試料保持部3等と連続した工程で一体的に形成してもよく、また、別途作製したプリズム部材を接着剤等を使用して、試料保持部3等に積層してもよい。
なお、図2に示すケミカルセンサ20では、試料保持部3に直接プリズム層6が形成されているが、本開示はこれに限定されるものではなく、プリズム層6と試料保持部3との間に、カバー層を設けてもよい。ただし、その場合、カバー層の分だけモジュールの厚さが厚くなるため、モジュールの小型化の観点からは、プリズム層6がカバー層を兼ねている構成とすることが好ましい。また、プリズム層6と試料保持部3との間には、励起帯域以外の不要な波長域の光を除去する光学フィルタ層が設けられていてもよい。
プリズム層6は、前述した拡散層に比べて、確実に励起光11の進行方向を変更することができるため、試料保持部3垂直方向から入射する励起光を減少させることができる。その結果、本実施形態のケミカルセンサ20では、励起光11のほとんどを分光フィルタ層2に角度をもって入射させることができるため、光電変換層1への励起光11の入射量が更に減少し、高精度での検出が可能となる。
なお、本実施形態のケミカルセンサにおける上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
(3.第3の実施の形態)
次に、本開示の第3の実施形態に係るケミカルセンサについて説明する。図3は本実施形態のケミカルセンサの構成を示す模式図である。なお、図3においては、図1に示す第1の実施形態のケミカルセンサの構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図3に示すように、本実施形態のケミカルセンサ30は、光散乱層の代わりに光反射層7が設けられており、励起光11が側方から入射する以外は、前述した第1の実施形態のケミカルセンサと同様である。
[光反射層7]
光反射層7も、励起光11の進行方向を変更して、試料保持部3に斜め方向から励起光11を入射させるものであり、例えば試料保持部3の上方及び側方に形成されている。なお、光反射層7は、入射した励起光11を反射し、試料保持部3に斜め方向から入射できる位置に形成されていればよく、例えば図3に示すように、側方から励起光を導光する場合は、少なくとも試料保持部3の上方に形成されていればよい。
光反射層7は、例えば誘電体多層膜等により形成することができる。この光反射層7の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば蒸着等の方法で、試料保持部3やカバー層4と連続した工程で一体的に形成することができる。又は、別途作製した光反射部材を接着剤等を使用して、試料保持部3やカバー層4に積層してもよい。
なお、光反射層7は、試料保持部3よりも上層に形成されていればよく、カバー層4を設けずに、試料保持部3の上に直接光反射層7を設けてもよく、その場合は、光反射層7がカバー層4を兼ねる。また、カバー層4と光反射層7との間には、反射型の拡散層等が設けられていてもよい。
このように、照射方向変更部として、光反射層を設けることにより、試料保持部の上方以外、例えば側方等から励起光を導光することができるため、装置構成にバリエーションをもたせることができる。また、本実施形態のケミカルセンサも、光反射層により励起光の進行方向を変更し、そのほとんど全てを試料保持部に斜め方向から入射させるため、分光フィルタ層の厚さを厚くすることなく、励起光の除去効率を向上させることができる。その結果、ノイズが少ない高品質な検出信号を得ることができる。
なお、本実施形態のケミカルセンサにおける上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
(4.第4の実施の形態)
次に、本開示の第4の実施形態に係るケミカルセンサについて説明する。図4Aは本開示の第4の実施形態のケミカルセンサの構成を示す模式図であり、図4Bはマスク層8の拡大平面図である。図5は図4に示すケミカルセンサ40の動作を示す模式図であり、図6A及びBはマスク層8のパターン例及び配置例を示す図である。なお、図4及び図5においては、図1に示す第1の実施形態のケミカルセンサの構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4Aに示すように、本実施形態のケミカルセンサ40は、光電変換層1と、分光フィルタ層2と、試料保持部3と、カバー層4と、マスク層8とが設けられている。即ち、本実施形態のケミカルセンサ40は、光散乱層の代わりに、マスク層8が設けられている以外は、前述した第1の実施形態のケミカルセンサと同様である。なお、マスク層8は、試料保持部3とカバー層4との間に設けられていてもよい。
[マスク層8]
図4Bに示すように、マスク層8は、一部に開口8aが形成されており、開口8aに入射した励起光11のみ透過し、それ以外の部分に入射した励起光11を遮蔽するものであり、例えばカバー層4上に形成されている。そして、図5に示すように、マスク層8の開口8aを通過した励起光11は、その一部が試料保持部3に斜め方向から入射する。
このように、マスク層8によっても励起光11の進行方向を変更することが可能である。ただし、励起光11の一部がマスク層8で遮蔽されるため、前述した第1〜3の実施形態のケミカルセンサに比べて、励起光11の光量は低下する。
マスク層8は、例えば金属膜や黒色レジストにより形成することができる。また、マスク層8の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えばエッチングや蒸着等の方法で、試料保持部3やカバー層4と連続した工程で一体的に形成することができる。又は、別途作製したマスク部材を接着剤等を使用して、試料保持部3やカバー層4に積層してもよい。
なお、マスク層8は、試料保持部3よりも上層に形成されていればよく、カバー層4を設けずに、試料保持部3の上にマスク層8やマスク部材を設けてもよいが、形状安定性の観点から、マスク層8はカバー層4に支持された状態であることが好ましい。また、カバー層4とマスク層8との間には、励起帯域以外の不要な波長域の光を除去する光学フィルタ層や光拡散層が設けられていてもよい。
マスク層8の開口8aとプローブ材料12の位置は、一致していないことが好ましい。即ち、開口8aの直下域に、試料が保持されていないことが好ましい。開口8aの直下域は、励起光11が垂直方向に入射する可能性があるが、図5、図6A及び図6Bに示すように、マスク層8の開口8aの位置と、プローブ材料12が固定されている位置をずらすことにより、試料に斜め方向から励起光11を照射することができる。
なお、マスク層8の開口8aの形状は、図6Aに示す平面視略リング状や、図6Bに示す平面視円形状等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、各種形状を適用することができる。また、開口8aは、図6A及び図6Bに示すように、同一形状の開口8aを、マトリクス状に形成する以外に、ライン状に形成してもよく、また任意の位置に任意の大きさ及び任意の厚さで形成することができる。
本実施形態のケミカルセンサも、光反射層により励起光の進行方向を変更し、試料保持部に斜め方向から入射させることができるため、分光フィルタ層の厚さを厚くすることなく、励起光の除去効率を向上させることができる。その結果、ノイズが少ない高品質な検出信号を得ることができる。
前述した光拡散層、プリズム層又は光反射層を備えるケミカルセンサは、いずれも励起光の試料への入射角度を変更することが可能ではあるが、少なからず垂直に入射する励起光成分が存在する。これに対して、照射方向変更部として、マスク層を設けた場合は、メカニカルに垂直成分を遮光するため、確実に角度がついた励起光のみを照射することが可能になる。
なお、本実施形態のケミカルセンサにおける上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
また、本開示は、以下のような構成をとることもできる。
(1)
励起光が照射された試料から発せられた光を検出する光電変換層と、
前記光電変換層上に形成され、前記励起光を吸収すると共に、前記試料から発せられた光を透過する分光フィルタ層と、
前記分光フィルタ層よりも上層に形成され、検出対象の試料が保持される試料保持部と、
少なくとも前記試料保持部よりも上層に形成され、前記励起光の進行方向を変更して、前記励起光の一部又は全部を前記試料保持部に斜め方向から入射させる照射方向変更部と、
を有するケミカルセンサ。
(2)
前記照射方向変更部は、光拡散層又は光拡散部材である(1)に記載のケミカルセンサ。
(3)
前記照射方向変更部は、プリズム層又はプリズム部材である(1)に記載のケミカルセンサ。
(4)
前記照射方向変更部は、光反射層又は光反射部材である(1)に記載のケミカルセンサ。
(5)
前記照射方向変更部は、マスク層又はマスク部材である(1)に記載のケミカルセンサ。
(6)
前記試料保持部上に、前記励起光を透過する材料からなるカバー層が設けられている(1)〜(5)のいずれかに記載のケミカルセンサ。
(7)
前記照射方向変更部は、前記カバー層上に設けられている(6)に記載のケミカルセンサ。
(8)
前記照射方向変更部が前記カバー層を兼ねている(6)に記載のケミカルセンサ。
(9)
前記試料は、生体分子である(1)〜(8)のいずれかに記載のケミカルセンサ。
(10)
前記試料保持部には、前記生体分子と結合するプローブ材料が固定されている(9)のケミカルセンサ。
(11)
前記光電変換層は、前記プローブ材料と前記生体分子の結合に起因する蛍光を検出する(10)に記載のケミカルセンサ。
(12)
(1)〜(11)のいずれかに記載のケミカルセンサと、
前記ケミカルセンサに一体的に装着され、前記ケミカルセンサに励起光を照射する光源と
を有するケミカルセンサモジュール
(13)
(1)〜(11)のいずれかに記載のケミカルセンサを備える生体分子検出装置。
(14)
励起光が照射された試料から発せられた光を検出する光電変換層を形成する工程と、
前記光電変換層上に、前記励起光を吸収すると共に、前記試料から発せられた光を透過する分光フィルタ層を形成する工程と、
前記分光フィルタ層よりも上層に、検出対象の試料が保持される試料保持部を形成する工程と、
少なくとも前記試料保持部よりも上層に、前記励起光の進行方向を変更して、前記励起光の一部又は全部を前記試料保持部に斜め方向から入射させる照射方向変更部を形成する工程と
を有するケミカルセンサの製造方法。
1 光電変換層
2 分光フィルタ
3 試料保持部
4 カバー層
5 光拡散層
6 プリズム層
7 光反射層
8 マスク層
10、20、30、40 ケミカルセンサ
11 励起光
12 プローブ材料
13 生理食塩水

Claims (14)

  1. 励起光が照射された試料から発せられた光を検出する光電変換層と、
    前記光電変換層上に形成され、前記励起光を吸収すると共に、前記試料から発せられた光を透過する分光フィルタ層と、
    前記分光フィルタ層よりも上層に形成され、検出対象の試料が保持される試料保持部と、
    少なくとも前記試料保持部よりも上層に形成され、前記励起光の進行方向を変更して、前記励起光の一部又は全部を前記試料保持部に斜め方向から入射させる照射方向変更部と、
    を有するケミカルセンサ。
  2. 前記照射方向変更部は、光拡散層又は光拡散部材である請求項1に記載のケミカルセンサ。
  3. 前記照射方向変更部は、プリズム層又はプリズム部材である請求項1に記載のケミカルセンサ。
  4. 前記照射方向変更部は、光反射層又は光反射部材である請求項1に記載のケミカルセンサ。
  5. 前記照射方向変更部は、マスク層又はマスク部材である請求項1に記載のケミカルセンサ。
  6. 前記試料保持部上に、前記励起光を透過する材料からなるカバー層が設けられている請求項1に記載のケミカルセンサ。
  7. 前記照射方向変更部は、前記カバー層上又は前記試料保持部と前記カバー層との間に設けられている請求項6に記載のケミカルセンサ。
  8. 前記照射方向変更部が前記カバー層を兼ねている請求項6に記載のケミカルセンサ。
  9. 前記試料は、生体分子である請求項1に記載のケミカルセンサ。
  10. 前記試料保持部には、前記生体分子と結合するプローブ材料が固定されている請求項9に記載のケミカルセンサ。
  11. 前記光電変換層は、前記プローブ材料と前記生体分子の結合に起因する蛍光を検出する請求項10に記載のケミカルセンサ。
  12. 請求項1に記載のケミカルセンサと、
    前記ケミカルセンサに一体的に装着され、前記ケミカルセンサに励起光を照射する光源と
    を有するケミカルセンサモジュール。
  13. 請求項1に記載のケミカルセンサを備える生体分子検出装置。
  14. 励起光が照射された試料から発せられた光を検出する光電変換層を形成する工程と、
    前記光電変換層上に、前記励起光を吸収すると共に、前記試料から発せられた光を透過する分光フィルタ層を形成する工程と、
    前記分光フィルタ層よりも上層に、検出対象の試料が保持される試料保持部を形成する工程と、
    少なくとも前記試料保持部よりも上層に、前記励起光の進行方向を変更して、前記励起光の一部又は全部を前記試料保持部に斜め方向から入射させる照射方向変更部を形成する工程と
    を有するケミカルセンサの製造方法。
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